JPWO2017221398A1 - ロータリ圧縮機および冷凍サイクル装置 - Google Patents

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Abstract

上側の第1圧縮機構部の第1シリンダ室内および下側の第2圧縮機構部の第2シリンダ室内にそれぞれ潤滑油を最適に供給し、圧縮機の効率が向上する。ロータリ圧縮機は、電動機と、駆動軸と、第1圧縮機構部と、第2圧縮機構部と、潤滑油貯蔵部と、を備え、第2偏心部には、駆動軸の中心に対して第2ピストンの最大偏心位置を基準0度として0度から駆動軸周り回転方向の位相を正とし、0度から−180度の範囲に、軸心給油流路から連通した給油孔と、第2偏心部の外周面に形成された潤滑油を流通させる流路溝と、が形成され、給油孔の開口部と流路溝とは、回転方向にて重ならないように配置された。

Description

本発明は、上下に並んで配置される2つの圧縮機構部を備えているロータリ圧縮機および冷凍サイクル装置に関する。
従来、空気調和装置あるいは給湯器などのヒートポンプ機器では、ロータリ圧縮機を用いた蒸気圧縮式冷凍サイクル装置を用いるのが一般的である。
すなわち、ヒートポンプ機器は、ロータリ圧縮機、凝縮器、膨張弁などの減圧手段および蒸発器を冷媒配管で接続されて形成された冷凍サイクル装置が搭載される。そして、ヒートポンプ機器は、たとえば、空調用途あるいは給湯用途などの用途に応じた運転を実行できるようになっている。
ところで、近年、空気調和装置のエネルギー消費性能の規制が各国で強化され、規制基準が実負荷に近い運転基準に変更されつつある。
日本国内では、従来は、冷暖平均COPでの効率改善の表示であった。これに対し、2011年からは、APF(通年エネルギー消費効率)表示に変更となった。また、空気調和装置あるいは給湯器のエネルギー消費性能の規格は、さらに実負荷に近い新規格へ変更されていくと予測される。
たとえば、空気調和装置の立ち上げ時に必要な定格暖房能力を100%とすると、常時必要な暖房能力は10%〜50%程度である。この暖房能力が10%〜50%程度の低負荷領域での効率の方が定格能力より実質APFに与える影響が大きい。
このため、冷暖房能力を調整する手段として、古くから電動機のON−OFF制御が用いられていた。しかしながら、このON−OFF制御では、温調変動幅あるいは振動騒音が大きくなるという問題点あるいはエネルギー消費性能が損なわれる問題点などがあった。
そこで、近年では、エネルギー消費性能の改善などを目的として、ロータリ圧縮機を駆動する電動機の回転数を変更可能に制御するインバータ制御が普及してきた。
ここで、近年、空気調和装置は、立ち上げ時間の短縮の要求、あるいは、低温または高温のより厳しい環境での運転要求が求められるようになってきた。このため、空気調和装置には、一定以上の定格能力が必要になっている。
一方、高断熱住宅化が進んで空気調和装置に常時必要な能力は小さくなり、運転時の能力範囲が広がっている。このため、インバータ制御によるロータリ圧縮機の回転数変更可能範囲が広がり、ロータリ圧縮機の高効率が要求される回転数範囲が広がる傾向にある。これに対し、従来の空気調和装置は、低負荷能力条件下において、回転数を下げてロータリ圧縮機を連続運転しつつ圧縮機の高効率を維持することが難しくなっている。
そこで、機械的に排除容積を変更可能とする機械式容量制御を用いたロータリ圧縮機が再び注目されている。
たとえば、特許文献1には、2気筒型のロータリ圧縮機であって、低負荷時に一方の圧縮機構部を非圧縮状態として冷媒循環流量を半減する構成が開示されている。この構成では、電動機の回転数を落とさずに運転できるので、圧縮機の効率が向上できる。
一方の圧縮機構部を非圧縮状態とする具体的な手段として、圧縮運転と非圧縮運転とに切り替える圧力切替手段を備えた2気筒型のロータリ圧縮機が開示されている。圧縮運転では、ベーン背室に常時圧縮作用されるシリンダ室で圧縮された高圧ガスの一部を導入してベーンの後端部である背面部に高圧を付与し、ベーンの先端部を偏心ピストンの外周面に当接させる。これに対し、非圧縮運転では、ベーン背室に低圧ガスを導き、ベーンの先端部を偏心ピストンの外周面から離間させ、ベーンを永久磁石に保持させる。
特許文献1に記載のロータリ圧縮機では、2気筒のうちで一方の圧縮機構部を高負荷条件で圧縮運転に切り替え、低負荷条件で非圧縮運転に切り替えられる。このため、低負荷時に、ロータリ圧縮機の回転数を下げないで連続運転可能となり、圧縮機の効率の向上が図れる。
特開2011−58482号公報
特許文献1に記載のロータリ圧縮機では、非圧縮運転時にシリンダ室が低圧状態となる。このため、密閉容器内の高圧状態の冷媒と潤滑油とがシリンダ室内に浸入する。これにより、ロータリ圧縮機の信頼性と効率が低下することが課題であった。
特許文献1の図1では、下側に常時圧縮するシリンダが配置され、上側に非圧縮運転可能な休筒シリンダが配置されている。特許文献1の図4では、上側に常時圧縮するシリンダが配置され、下側に非圧縮運転可能な休筒シリンダが配置されている。
一般的に、密閉容器内の上側は、潤滑油が枯渇して冷媒がガス状態になり易いので、特許文献1の図4のように、休筒シリンダを下側に配置して潤滑油が漏れ難い状態を保ちつつ、常時圧縮するシリンダを上側に配置して圧力損失を低減する構成が採られる。このような構成にもかかわらず、非圧縮運転時には、密閉容器内は高圧状態であり、休筒側シリンダ室内は低圧状態となる。そのため、高温の潤滑油は、休筒側シリンダの周囲から流入して休筒側シリンダ室内に漏れ易い。この漏れた潤滑油によって吸入側を加熱する吸入加熱損失が発生する。また、潤滑油に溶解した高圧ガスが逆流する漏れ損失が発生する。このように、圧縮機の効率が低下する問題があった。
ところで、ロータリ圧縮機には、駆動軸の回転によって駆動軸の下端から駆動軸の内部の軸心給油流路に潤滑油を吸い上げる給油ポンプが設けられている。そして、駆動軸には、駆動軸の内部の軸心給油流路から下側シリンダ室内と上側シリンダ室内とにそれぞれ潤滑油を供給する給油孔が設けられている。
ここで、通常の圧縮運転時には、下側シリンダ室内に潤滑油を供給する下側の給油孔にヘッド圧が立ち易い。このため、下側シリンダ室内に潤滑油を供給し易い。これに対して、上側シリンダ室内には潤滑油を供給し難い。この特性により、低速運転時の上側シリンダ室内への潤滑油の供給不足と、高速運転時の下側シリンダ室内への潤滑油の過剰供給も問題であった。
本発明は、上記課題を解決するためのものであり、上側の第1圧縮機構部の第1シリンダ室内および下側の第2圧縮機構部の第2シリンダ室内にそれぞれ潤滑油を最適に供給し、圧縮機の効率が向上するロータリ圧縮機および冷凍サイクル装置を提供することを目的とする。
本発明に係るロータリ圧縮機は、固定子および回転子を有する電動機と、上端が前記回転子に固定され、下方側に上下に並んで上側の第1偏心部および下側の第2偏心部が形成された駆動軸と、円筒状の第1シリンダ室が形成された第1シリンダ、前記第1偏心部の周りに摺動自在に取り付けられて前記第1偏心部と共に前記第1シリンダ室内を偏心回転運動する第1ピストン、および、前記第1シリンダに形成された第1ベーン溝に摺動自在に設けられ、一方の端部に付与された押圧力によって他方の端部が前記第1ピストンの外周面に当接し、前記第1シリンダ室内を吸入室と圧縮室とに仕切る第1ベーンを有する第1圧縮機構部と、円筒状の第2シリンダ室が形成された第2シリンダ、前記第2偏心部の周りに摺動自在に取り付けられて前記第2偏心部と共に前記第2シリンダ室内を偏心回転運動する第2ピストン、および、前記第2シリンダに形成された第2ベーン溝に摺動自在に設けられ、一方の端部に付与された押圧力によって他方の端部が前記第2ピストンの外周面に当接し、前記第2シリンダ室内を吸入室と圧縮室とに仕切る第2ベーンを有する第2圧縮機構部と、底部にて前記駆動軸の下端から前記駆動軸内の軸心給油流路に汲み上げる潤滑油が貯蔵される潤滑油貯蔵部と、を備え、前記第2偏心部には、前記駆動軸の中心に対して前記第2ピストンの最大偏心位置を基準0度として0度から駆動軸周り回転方向の位相を正とし、0度から−180度の範囲に、前記軸心給油流路から連通した給油孔と、前記第2偏心部の外周面に形成された潤滑油を流通させる流路溝と、が形成され、前記給油孔の開口部と前記流路溝とは、回転方向にて重ならないように配置されたものである。
本発明に係る冷凍サイクル装置は、上記のロータリ圧縮機を備えたものである。
本発明に係るロータリ圧縮機および冷凍サイクル装置によれば、第2偏心部には、駆動軸の中心に対して第2ピストンの最大偏心位置を基準0度として0度から駆動軸周り回転方向の位相を正とし、0度から−180度の範囲に、軸心給油流路から連通した給油孔と、第2偏心部の外周面に形成された潤滑油を流通させる流路溝と、が形成され、給油孔の開口部と流路溝とは、回転方向にて重ならないように配置された。これにより、第2圧縮機構部の第2偏心部の外周面では、給油孔の開口部と流路溝とが連通せず、給油孔から供給される潤滑油が流路溝に直接流通せず、給油孔から供給される潤滑油量が少なくなる。そのため、第2圧縮機構部の第2シリンダ室内に供給される潤滑油量が少なくできる。一方、第2シリンダ室内に供給される潤滑油量が減少した分、駆動軸内の軸心給油流路を上昇する潤滑油量が多くなり、第2圧縮機構部よりも上側に設けられた第1圧縮機構部の第1シリンダ室内に供給される潤滑油量が多くできる。したがって、上側の第1圧縮機構部の第1シリンダ室内および下側の第2圧縮機構部の第2シリンダ室内にそれぞれ潤滑油を最適に供給し、圧縮機の効率が向上できる。
本発明の実施の形態1に係るロータリ圧縮機の構造を示す概略縦断面図である。 本発明の実施の形態1に係るロータリ圧縮機において回転位相180度の場合での非圧縮運転時の第2圧縮機構部の構成を示す概略横断面図である。 本発明の実施の形態1に係るロータリ圧縮機において第2偏心ピン軸部の外周面に形成された給油流路の構成を示す概略図である。 本発明の実施の形態1に係るロータリ圧縮機において回転位相180度の場合での圧縮運転時の第2圧縮機構部の構成を示す概略横断面図である。 本発明の実施の形態1に係るロータリ圧縮機において回転位相180度の場合での第1圧縮機構部の構成を示す概略横断面図である。 本発明の実施の形態1に係るロータリ圧縮機において回転位相180度の場合での第2偏心ピン軸部と第2ピストンの内周面との半径隙間を示す概略図である。 本発明の実施の形態1に係るロータリ圧縮機において回転位相180度の場合での第2偏心ピン軸部と第2ピストンの内周面との半径隙間の位相に応じた変化量を示すグラフである。 本発明の実施の形態2に係るロータリ圧縮機において第2偏心ピン軸部の外周面に形成された給油流路の構成を示す概略図である。 本発明の実施の形態3に係るロータリ圧縮機において第2偏心ピン軸部の外周面に形成された給油流路の構成を示す概略図である。 本発明の実施の形態4に係るロータリ圧縮機の構造を示す概略縦断面図である。 本発明の実施の形態5に係るロータリ圧縮機を適用した冷凍サイクル装置を示す冷媒回路図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。
なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一のまたはこれに相当するものであり、これは明細書の全文において共通している。
また、明細書全文に示されている構成要素の形態は、あくまで例示であってこれらの記載に限定されるものではない。
さらに、以下に示す図面では、各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。また、縦断面図および横断面図において、吐出口18、28およびシリンダ吸入流路17、27の3次元的な位置関係は、必ずしも一致していない。
実施の形態1.
[ロータリ圧縮機100の構成]
図1は、本発明の実施の形態1に係るロータリ圧縮機100の構造を示す概略縦断面図である。図2は、本発明の実施の形態1に係るロータリ圧縮機100において回転位相180度の場合での非圧縮運転時の第2圧縮機構部20の構成を示す概略横断面図である。図3は、本発明の実施の形態1に係るロータリ圧縮機100において第2偏心ピン軸部5dの外周面に形成された給油流路の構成を示す概略図である。図4は、本発明の実施の形態1に係るロータリ圧縮機100において回転位相180度の場合での圧縮運転時の第2圧縮機構部20の構成を示す概略横断面図である。図5は、本発明の実施の形態1に係るロータリ圧縮機100において回転位相180度の場合での第1圧縮機構部10の構成を示す概略横断面図である。図6Aは、本発明の実施の形態1に係るロータリ圧縮機100において回転位相180度の場合での第2偏心ピン軸部5dと第2ピストン23の内周面との半径隙間Sを示す概略図である。図6Bは、本発明の実施の形態1に係るロータリ圧縮機100において回転位相180度の場合での第2偏心ピン軸部5dと第2ピストン23の内周面との半径隙間Sの位相に応じた変化量を示すグラフである。
なお、図1では、第1圧縮機構部10が通常の圧縮状態となり、第2圧縮機構部20が休筒状態である非圧縮状態となっているロータリ圧縮機100を示している。
ロータリ圧縮機100は、たとえば、空気調和装置あるいは給湯器などのヒートポンプ機器に採用される冷凍サイクルの構成要素の1つとなるものである。また、ロータリ圧縮機100は、ガス状の流体を吸入し、圧縮して高温高圧の状態として吐出させる機能を有している。
実施の形態1に係るロータリ圧縮機100は、密閉容器3の内部空間7に、第1圧縮機構部10および第2圧縮機構部20で構成された圧縮機構99と、駆動軸5を介して第1圧縮機構部10および第2圧縮機構部20を駆動する電動機8と、を備えている。
密閉容器3は、上端部および下端部が閉塞されたたとえば円筒形状の密閉容器である。密閉容器3の底部には、圧縮機構99を潤滑する潤滑油が貯蔵される潤滑油貯蔵部3aが設けられている。また、密閉容器3の上部には、圧縮機吐出管2が密閉容器3の内部空間7と連通するように設けられている。
電動機8は、インバータ制御などによってたとえば回転数を変更可能なものである。電動機8は、固定子8bおよび回転子8aを有している。
固定子8bは、略円筒形状に形成されており、外周部が密閉容器3にたとえば焼き嵌めなどにより固定されている。固定子8bには、外部電源から電力供給されるコイルが巻回されている。
回転子8aは、略円筒形状をしており、固定子8bの内周面と所定の間隔を介して固定子8bの内周部に配置されている。回転子8aには、駆動軸5の上端が固定されている。電動機8と圧縮機構99とは、駆動軸5を介して接続されている。つまり、電動機8が回転することにより、圧縮機構99には、駆動軸5を介して回転動力が伝達される。
駆動軸5は、駆動軸5の上部を構成する長軸部5aと、駆動軸の下部を構成する短軸部5bと、これら長軸部5aと短軸部5bとの間に形成された第1偏心ピン軸部5c、第2偏心ピン軸部5dおよび中間軸部5eと、で構成されている。
なお、第1偏心ピン軸部5cは本発明の第1偏心部に相当し、第2偏心ピン軸部5dは本発明の第2偏心部に相当する。
ここで、第1偏心ピン軸部5cは、その中心軸が長軸部5aおよび短軸部5bの中心軸から所定距離だけ偏心しており、後述する第1圧縮機構部10の第1シリンダ室12内に配置される。また、第2偏心ピン軸部5dは、その中心軸が長軸部5aおよび短軸部5bの中心軸から所定距離だけ偏心しており、後述する第2圧縮機構部20の第2シリンダ室22内に配置される。また、第1偏心ピン軸部5cと第2偏心ピン軸部5dとは、駆動軸5の下方側に上下に並んで上側に第1偏心ピン軸部5cが配置され、下側に第2偏心ピン軸部5dが配置されている。第1偏心ピン軸部5cと第2偏心ピン軸部5dとは、位相が180度ずれて設けられている。
第1偏心ピン軸部5cと第2偏心ピン軸部5dとは、プレート状の中間軸部5eによって接続されている。なお、中間軸部5eは、後述する中間仕切板4の貫通孔内に配置される。
このように構成された駆動軸5は、長軸部5aが第1支持部材60の軸受部60aで回転自在に支持される。また、駆動軸5は、短軸部5bが第2支持部材70の軸受部70aで回転自在に支持されている。
駆動軸5は、第1シリンダ室12内において、第1偏心ピン軸部5cが偏心回転運動する。また、駆動軸5は、第2シリンダ室22内において、第2偏心ピン軸部5dが偏心回転運動する。
圧縮機構99は、上側に設けられたロータリ型の第1圧縮機構部10と、下側に設けられたロータリ型の第2圧縮機構部20と、で構成されている。第1圧縮機構部10および第2圧縮機構部20は、電動機8の下方に配置されている。
圧縮機構99は、上側から下側に向かって、第1支持部材60、第1圧縮機構部10の構成要素である第1シリンダ11、中間仕切板4、第2圧縮機構部20の構成要素である第2シリンダ21および第2支持部材70が順次に重ねられて構成されている。
第1圧縮機構部10は、第1シリンダ11、第1ピストン13および第1ベーン14などで構成されている。
第1シリンダ11は、駆動軸5の長軸部5aおよび短軸部5bと略同心となる円筒状の貫通孔が上下方向に貫通形成された平板部材である。この貫通孔は、一方の上側端部が第1支持部材60のフランジ部60bにより閉塞され、他方の下側端部が中間仕切板4によって閉塞され、第1シリンダ室12を形成している。
第1シリンダ11の第1シリンダ室12内には、第1ピストン13が設けられている。第1ピストン13は、リング状に形成されており、駆動軸5の第1偏心ピン軸部5cの周りに摺動自在に取り付けられている。第1ピストン13は、第1偏心ピン軸部5cと共に第1シリンダ室12内を偏心回転運動する。
第1シリンダ11には、第1シリンダ室12に連通し、第1シリンダ室12の半径方向に延びる第1ベーン溝19が形成されている。そして、第1ベーン溝19には、摺動自在に第1ベーン14が設けられている。
第1ベーン14の先端部14aは、第1ピストン13の外周面に当接し、第1ベーン14は、第1シリンダ室12を吸入室12aと圧縮室12bとに仕切る。
第1シリンダ11には、第1ベーン溝19の後方、つまり第1ベーン14の後方に、第1ベーン背室15が形成されている。第1ベーン背室15は、第1シリンダ11を上下方向に貫通するように設けられている。また、第1ベーン背室15の上部開口部は、密閉容器3の内部空間7に一部が開放されている。これにより、潤滑油貯蔵部3aに貯留されている潤滑油が、第1ベーン背室15に流入できる。第1ベーン背室15に流入した潤滑油は、第1ベーン溝19と第1ベーン14との間に流れ込み、両者の間の摺動抵抗を低減させる。後述のように、実施の形態1に係るロータリ圧縮機100は、圧縮機構99で圧縮された冷媒が密閉容器3の内部空間7に吐出される構成となっている。このため、第1ベーン背室15は、密閉容器3の内部空間7と同じ高圧雰囲気となる。
第2圧縮機構部20は、第2シリンダ21、第2ピストン23および第2ベーン24などで構成されている。
第2シリンダ21は、駆動軸5の長軸部5aおよび短軸部5bと略同心となる円筒状の貫通孔が上下方向に貫通形成された平板部材である。この貫通孔は、一方の上側端部が中間仕切板4により閉塞され、他方の下側端部が第2支持部材70のフランジ部70bによって閉塞され、第2シリンダ室22を形成している。
第2シリンダ21の第2シリンダ室22内には、第2ピストン23が設けられている。第2ピストン23は、リング状に形成されており、駆動軸5の第2偏心ピン軸部5dの周りに摺動自在に取り付けられている。第2ピストン23は、第2偏心ピン軸部5dと共に第2シリンダ室22内を偏心回転運動する。
第2シリンダ21には、第2シリンダ室22に連通し、第2シリンダ室22の半径方向に延びる第2ベーン溝29が形成されている。そして、第2ベーン溝29には、摺動自在に第2ベーン24が設けられている。
第2ベーン24の先端部24aは、第2ピストン23の外周面に当接し、第2ベーン24は、第2シリンダ室22を吸入室22aと圧縮室22bとに仕切る。
第2シリンダ21には、第2ベーン溝29の後方、つまり第2ベーン24の後方に、第2ベーン背室25が形成されている。第2ベーン背室25は、第2シリンダ21を上下方向に貫通するように設けられている。また、第2ベーン背室25の上下開口部は、中間仕切板4および第2支持部材70のフランジ部70bで閉塞されず、密閉容器3の内部空間7に一部が開放されている。これにより、潤滑油貯蔵部3aに貯留されている潤滑油が、第2ベーン背室25に流入できる。第2ベーン背室25は、密閉容器3の内部空間7と同じ高圧雰囲気となる。また、第2ベーン背室25に流入した潤滑油は、第2ベーン溝29と第2ベーン24との間に流れ込み、両者の間の摺動抵抗を低減させる。
第1シリンダ11および第2シリンダ21には、ガス状冷媒を第1シリンダ室12および第2シリンダ室22に流入させるための吸入マフラ6が接続されている。詳しくは、吸入マフラ6は、容器6bと、流入管6aと、流出管6cと、流出管6dと、を有している。流入管6aは、蒸発器から容器6bに低圧冷媒を導く。流出管6cは、容器6bに貯留された冷媒のうちのガス状冷媒を第1シリンダ11の第1シリンダ室12に導く。流出管6dは、容器6bに貯留された冷媒のうちのガス状冷媒を第2シリンダ21の第2シリンダ室22に導く。そして、吸入マフラ6の流出管6cは、第1シリンダ室12に連通する流路である第1シリンダ11のシリンダ吸入流路17に接続されている。吸入マフラ6の流出管6dは、第2シリンダ室22に連通する流路である第2シリンダ21のシリンダ吸入流路27に接続されている。
また、第1シリンダ11には、第1シリンダ室12内で圧縮されたガス状冷媒を吐出する吐出口18が形成されている。吐出口18は、第1支持部材60のフランジ部60bに形成された貫通孔と連通している。フランジ部60bの貫通孔には、第1シリンダ室12内が所定の圧力以上となった際に開く開閉弁18aが設けられている。
また、第1支持部材60に設けられた開閉弁18aを覆うように、吐出マフラ63が取り付けられている。吐出マフラ63には、圧縮されたガス状冷媒を密閉容器3内に吐出する開口部が形成されている。
第2シリンダ21には、第2シリンダ室22内で圧縮されたガス状冷媒を吐出する吐出口28が形成されている。吐出口28は、第2支持部材70のフランジ部70bに形成された貫通孔と連通している。フランジ部70bの貫通孔には、第2シリンダ室22内が所定の圧力以上となった際に開く開閉弁28aが設けられている。
また、第2支持部材70に設けられた開閉弁28aを覆うように、吐出マフラ73が取り付けられている。吐出マフラ73には、圧縮されたガス状冷媒を密閉容器3内に吐出する開口部が形成されている。
駆動軸5の中心には、軸線方向に沿って円筒状に軸心給油流路31が開けられている。駆動軸5の各摺動箇所である、長軸部5a、短軸部5b、第1偏心ピン軸部5c、第2偏心ピン軸部5dには、軸心給油流路31から潤滑油が供給される。
長軸部5aには、軸心給油流路31から径方向に給油孔32aが開けられている。短軸部5bには、軸心給油流路31から径方向に給油孔32bが開けられている。第1偏心ピン軸部5cには、軸心給油流路31から径方向に給油孔32cが開けられている。第2偏心ピン軸部5dには、軸心給油流路31から径方向に給油孔32dが開けられている。
駆動軸5が回転することにより、遠心ポンプ作用が生じ、密閉容器3の底に溜められた潤滑油貯蔵部3aの潤滑油が軸心給油流路31に汲み上げられる。軸心給油流路31に汲み上げられた潤滑油は、給油孔32a、32b、32c、32dから駆動軸5の各摺動箇所に供給される。
ここで、第1偏心ピン軸部5cの外周面には、深さ1mm以上2mm以下の第1縦溝34aと、深さ0.2mm以上1mm以下の第1横溝35aと、が形成されている。第1縦溝34aは、第1偏心ピン軸部5cの外周面上で上端と下端とにわたって形成されている。第1横溝35aは、第1偏心ピン軸部5cの外周面上に水平方向に長く形成されている。
第1偏心ピン軸部5cの外周面において、給油孔32の開口部と第1縦溝34aと第1横溝35aとは、重なって配置されている。これにより、給油孔32cから供給された潤滑油は、滞留せずに第1縦溝34aおよび第1横溝35aに流通する。そして、第1縦溝34aおよび第1横溝35aに流通した潤滑油は、第1偏心ピン軸部5cの外周面に広がって、第1ピストン13の内周面との間の流体潤滑に用いられる。
また、第2偏心ピン軸部5dの外周面には、深さ1mm以上2mm以下の第2縦溝34bと、深さ0.2mm以上1mm以下の第2横溝35bと、が形成されている。
なお、第2偏心ピン軸部5dの外周面における給油孔32dの開口部と第2縦溝34bと第2横溝35bとの配置関係は、後述する。
給油孔32dから供給された潤滑油は、第2偏心ピン軸部5dの外周面に広がって、第2ピストン23の内周面との間の流体潤滑に用いられる。
第1偏心ピン軸部5cの外周面と第1ピストン13の内周面との半径隙間36aは、通常、平均隙間が20μm以上100μm以下の範囲で設計される。圧縮時に第1ピストン13に荷重がかかって流体潤滑が行われるため、半径隙間36aの値は、変動する。
第2偏心ピン軸部5dの外周面と第2ピストン23の内周面との半径隙間36bは、通常、平均隙間が20μm以上100μm以下の範囲で設計される。圧縮時に第2ピストン23に荷重がかかって流体潤滑が行われるため、半径隙間36bの値は、変動する。
また、軸受部60aには、駆動軸5の長軸部5aの外周面に対向する対向面に、深さ1mm程度の軸受縦溝33aが形成されている。軸受部70aには、駆動軸5の短軸部5bの外周面に対向する対向面に、深さ1mm程度の軸受縦溝33bが形成されている。
潤滑油は、軸受縦溝33aおよび軸受縦溝33bを通過して密閉容器3内に戻る。
駆動軸5の第1偏心ピン軸部5cの給油孔32cの開口部と、第1縦溝34aと、第1横溝35aと、軸受縦溝33aと、は全て、圧縮時に第1ピストン13が押されて荷重のかかる方向とは異なる位相に配置される。給油孔32cの開口部と、第1縦溝34aと、第1横溝35aと、軸受縦溝33aと、は、第1偏心ピン軸部5cに関する給油流路と総称される。
すなわち、第1偏心ピン軸部5cに関する給油流路は、第1偏心ピン軸部5cの偏心方向である基準0度から駆動軸周り回転方向の位相を正として、0度から−180度の範囲に配置されている。なお、図6Aに示すように、駆動軸5の中心に対して第1ピストン13の偏心が偏心方向に最大となる角度を基準0度とし、偏心が最小となる角度を180度としている。
また、駆動軸5の第2偏心ピン軸部5dの給油孔32dの開口部と、第2縦溝34bと、第2横溝35bと、軸受縦溝33bと、は全て、圧縮時に第2ピストン23が押されて荷重のかかる方向とは異なる位相に配置される。給油孔32dの開口部と、第2縦溝34bと、第2横溝35bと、軸受縦溝33bと、は、第2偏心ピン軸部5dに関する給油流路と総称される。
すなわち、第2偏心ピン軸部5dに関する給油流路は、第2偏心ピン軸部5dの偏心方向である基準0度から駆動軸周り回転方向の位相を正として、0度から−180度の範囲に配置されている。なお、図6Aに示すように、駆動軸5の中心に対して第2ピストン23の偏心が偏心方向に最大となる角度を基準0度としており、偏心が最小となる角度を180度としている。
上記のように、第1圧縮機構部10および第2圧縮機構部20の基本的な構成は、同様である。しかし、第1圧縮機構部10および第2圧縮機構部20の詳細な構成は、下記の構成が両者の間で異なっている。
第1シリンダ室12は、吸入圧空間に常時連通する。第1ベーン背室15は、吐出圧空間に常時連通する。第1ベーン14には、先端部14aと後端部14bとにそれぞれ吸入圧と吐出圧とが作用する。第1ベーン14の先端部14aおよび後端部14bに作用する圧力の差によって、第1ベーン14には、第1ピストン13に当接する方向に力が作用する。この当接する方向の力を第1力と定義する。
第2シリンダ室22は、吸入圧空間に常時連通する。第2ベーン背室25は、吐出圧空間に常時連通する。第2ベーン24には、先端部24aと後端部24bとにそれぞれ吸入圧と吐出圧とが作用する。第2ベーン24の先端部24aおよび後端部24bに作用する圧力の差によって、第2ベーン24には、第2ピストン23に当接する方向に力が作用する。この当接する方向の力を第1力と定義する。
(上側:常時圧縮シリンダ)
第1圧縮機構部10の第1ベーン背室15には、圧縮バネ16が配置されている。圧縮バネ16の付勢力により、第1ベーン14が第1ピストン13に当接する方向に力が働き、圧力差が生じないときでも第1力が付与され、第1シリンダ室12が常時圧縮状態を保つ。
図1、図5に示すように、第1偏心ピン軸部5cの外周面には、第1縦溝34aと給油孔32cの開口部とが重なるように配置されている。このため、給油孔32cから半径隙間36aに供給された潤滑油は、第1縦溝34aに流れて広がる。第1縦溝34aから供給される潤滑油により、第1偏心ピン軸部5cの外周面が潤滑され、半径隙間36aの流体潤滑状態が保たれる。
さらに、潤滑油は、第1縦溝34aから第1ピストン13の上端面および下端面を通って、第1シリンダ室12のうちで低圧状態の吸入室12aに流出する。あるいは、潤滑油は、第1偏心ピン軸部5cの上下方向に流れ、主に上側に流出する。
(下側:休筒切替えシリンダ)
第2圧縮機構部20の第2ベーン背室25には、径方向外側壁面に永久磁石51が配置されている。第2ベーン背室25の上端面および下端面には、第2シリンダ21を駆動軸5の軸方向から挟むように配置された非磁性材料で構成される保持部品52a、52bが組み付けられる。
第2ベーン24には、永久磁石51により第2ピストン23から離間させる方向に吸引磁力が第2力として作用し、この吸引磁力は、第2ベーン24が永久磁石51に近づくほど増大する特性を有する。
第2ベーン24には、第1力と第2力が常時作用し、第1力および第2力の大小関係によって、先端部24aが第2ピストン23に当接した圧縮運転状態と、先端部24aが第2ピストン23から離間した休筒状態と、が自律的に切替わる。
(第2偏心ピン軸部5dに関する給油流路の特徴)
従来は、下側の第2圧縮機構部20の給油流路が、図5に示す通常の第1圧縮機構部10の給油流路と同様の構成であると、上側の第1シリンダ11の第1偏心ピン軸部5cの給油孔32cへの給油量が不足する問題が生じる。さらに、下側の第2シリンダ21が休筒時の低圧となった第2シリンダ室22内に、給油孔32dから多量の潤滑油が供給され、漏れた油により吸入側を加熱する吸入加熱損失と、潤滑油に溶解した高圧ガスが逆流する漏れ損失が発生し、圧縮機効率が低下する問題が生じる。
そこで、図3に示すように、第2偏心ピン軸部5dの外周面には、第2縦溝34bと給油孔32dの開口部とが回転方向にて重ならないように配置されている。
また、給油孔32dの開口部は、第2横溝35bとも回転方向にて重ならないように配置されている。
なお、第2縦溝34bと第2横溝35bとは、交差して重なっている。
給油孔32dの開口部と第2横溝35bとの間には、シール隙間部37bが設けられている。シール隙間部37bは、第2偏心ピン軸部5dの外周面に径方向内側に凹む凹みを設けずに外周面そのものであり、第2ピストン23の内周面に対して流体潤滑状態を保持する。
第2偏心ピン軸部5dの外周面と第2ピストン23の内周面との間の半径隙間36bは、通常の平均隙間が30μmであり、駆動軸5が回転することで荷重側においても1μm以上2μm以下の油膜が発生し、流体潤滑状態を保つことができる。
図4には、下側の休筒切替えシリンダである第2圧縮機構部20の第2ピストン23が、回転位相180度のときの圧縮状態の場合を示している。
給油孔32dの開口部は、偏心方向の基準0度に対する位相として、−90度から−180度の範囲に配置されている。
給油孔32dの開口部が形成された第2偏心ピン軸部5dの外周面では、第2ピストン23に荷重が働くため、50μm以上60μm以下の半径隙間が生じる。この半径隙間から潤滑油が漏れて、潤滑油は第2横溝35bを通って第2縦溝34bに達するように流れ込む。第2縦溝34bから供給される潤滑油により、半径隙間36bの流体潤滑状態が保たれる。さらに、潤滑油は、第2縦溝34bから第2ピストン23の上端面および下端面を通って、第2シリンダ室22のうちで低圧状態の吸入室22aに少量流出し、第2シリンダ室22内に潤滑油を適量で保つことができる。これにより、上側の第1シリンダ室12内に潤滑油を供給する給油孔32cへの給油量の不足が防がれる。
図2には、下側の休筒切替えシリンダである第2圧縮機構部20が非圧縮状態であり、回転位相180度のときを示している。
第2ピストン23には、圧縮による荷重がかからないため、遠心力により偏心方向に移動し、偏心方向の半径隙間36bが50μm以上60μm以下になる。
一方で、偏心方向の基準0度に対する位相として、位相−90度付近の半径隙間がその1/4程度の約15μmのように小さくなる。このため、給油孔32dから供給する油量は漏れ隙間の3乗に比例するので、圧縮状態に対して1/256程度に減少し、ほとんど給油しない状態となる。
第2圧縮機構部20が休筒時の低圧状態の第2シリンダ室22内には、多量の潤滑油が供給されず、漏れた油により吸入側を加熱する吸入加熱損失と、潤滑油に溶解した高圧ガスが逆流する漏れ損失が抑制され、圧縮機効率が低下する問題を防ぐことができる。
以上のように、実施の形態1のように構成された上下に並んで上側の第1圧縮機構部10および下側の第2圧縮機構部20を備えているロータリ圧縮機100においては、休筒運転時に、下側に配置した第2シリンダ室22内への潤滑油の侵入による損失を低減できる。また、休筒運転時には、第2シリンダ室22内への過剰給油を抑制し、圧縮機の効率の向上が図れる。
[実施の形態1の効果]
実施の形態1によれば、ロータリ圧縮機100は、固定子8bおよび回転子8aを有する電動機8を備えている。ロータリ圧縮機100は、上端が回転子8aに固定され、下方側に上下に並んで上側の第1偏心ピン軸部5cおよび下側の第2偏心ピン軸部5dが形成された駆動軸5を備えている。ロータリ圧縮機100は、円筒状の第1シリンダ室12が形成された第1シリンダ11、第1偏心ピン軸部5cの周りに摺動自在に取り付けられて第1偏心ピン軸部5cと共に第1シリンダ室12内を偏心回転運動する第1ピストン13、および、第1シリンダ11に形成された第1ベーン溝19に摺動自在に設けられ、後端部14bに付与された押圧力によって先端部14aが第1ピストン13の外周面に当接し、第1シリンダ室12内を吸入室12aと圧縮室12bとに仕切る第1ベーン14を有する第1圧縮機構部10を備えている。ロータリ圧縮機100は、円筒状の第2シリンダ室22が形成された第2シリンダ21、第2偏心ピン軸部5dの周りに摺動自在に取り付けられて第2偏心ピン軸部5dと共に第2シリンダ室22内を偏心回転運動する第2ピストン23、および、第2シリンダ21に形成された第2ベーン溝29に摺動自在に設けられ、後端部24bに付与された押圧力によって先端部24aが第2ピストン23の外周面に当接し、第2シリンダ室22内を吸入室22aと圧縮室22bとに仕切る第2ベーン24を有する第2圧縮機構部20を備えている。ロータリ圧縮機100は、底部にて駆動軸5の下端から駆動軸5内の軸心給油流路31に汲み上げる潤滑油が貯蔵される潤滑油貯蔵部3aを備えている。第2偏心ピン軸部5dには、駆動軸5の中心に対して第2ピストン23の最大偏心位置を基準0度として0度から駆動軸周り回転方向の位相を正とし、0度から−180度の範囲に、軸心給油流路31から連通した給油孔32dと、第2偏心ピン軸部5dの外周面に形成された潤滑油を流通させる第2縦溝34bおよび第2横溝35bと、が形成されている。給油孔32dの開口部と第2縦溝34bおよび第2横溝35bとは、回転方向にて重ならないように配置されている。
この構成によれば、第2圧縮機構部20の第2偏心ピン軸部5dの外周面では、給油孔32dの開口部と第2縦溝34bおよび第2横溝35bとが連通せず、給油孔32dから供給される潤滑油が第2縦溝34bおよび第2横溝35bに直接流通せず、給油孔32dから供給される潤滑油量が少なくなる。そのため、第2圧縮機構部20の第2シリンダ室22内に供給される潤滑油量が少なくできる。一方、第2シリンダ室22内に供給される潤滑油量が減少した分、駆動軸5内の軸心給油流路31を上昇する潤滑油量が多くなり、第2圧縮機構部20よりも上側に設けられた第1圧縮機構部10の第1シリンダ室12内に供給される潤滑油量が多くできる。したがって、上側の第1圧縮機構部10の第1シリンダ室12内および下側の第2圧縮機構部20の第2シリンダ室22内にそれぞれ潤滑油を最適に供給し、ロータリ圧縮機100の効率が向上できる。
実施の形態1によれば、給油孔32dの開口部と第2縦溝34bおよび第2横溝35bとの間には、第2ピストン23の内周面に対して流体潤滑状態を保持するシール隙間部37bが形成されている。
この構成によれば、給油孔32dから供給される潤滑油は、シール隙間部37bで第2縦溝34bおよび第2横溝35bに流入することが防止される。これにより、第2圧縮機構部20の第2偏心ピン軸部5dの外周面では、給油孔32dの開口部と第2縦溝34bおよび第2横溝35bとが連通せず、給油孔32dから供給される潤滑油が第2縦溝34bおよび第2横溝35bに直接流通せず、給油孔32dから供給される潤滑油量が少なくなる。
実施の形態1によれば、給油孔32dの開口部は、第2偏心ピン軸部5dの偏心方向を基準0度から駆動軸周り回転方向の位相を正として、−90度から−180度の範囲に配置されている。
この構成によれば、給油孔32dの開口部が形成された第2偏心ピン軸部5dの外周面では、第2ピストン23に荷重が働くため、50μm以上60μm以下の半径隙間が生じる。この半径隙間から潤滑油が漏れて、潤滑油は第2横溝35bを通って第2縦溝34bに達するように流れ込む。これにより、第2縦溝34bから供給される潤滑油により、半径隙間36bの流体潤滑状態が保たれる。さらに、潤滑油は、第2縦溝34bから第2ピストン23の上端面および下端面を通って、第2シリンダ室22のうちで低圧状態の吸入室22aに少量流出し、第2シリンダ室22内に潤滑油を適量で保つことができる。これにより、上側の第1シリンダ室12内に潤滑油を供給する給油孔32cへの給油量不足が防がれる。
実施の形態1によれば、第2偏心ピン軸部5dの外周面上に形成された流路溝として、第2偏心ピン軸部5dの外周面上で上端と下端とにわたる第2縦溝34bと、第2偏心ピン軸部5dの外周面上の水平方向に長く形成された第2横溝35bと、を有している。第2縦溝34bと第2横溝35bとは、重なって配置されている。
この構成によれば、半径隙間から潤滑油が漏れて、潤滑油は第2横溝35bを通って第2縦溝34bに達するように流れ込む。これにより、第2縦溝34bから供給される潤滑油により、半径隙間36bの流体潤滑状態が保たれる。さらに、潤滑油は、第2縦溝34bから第2ピストン23の上端面および下端面を通って、第2シリンダ室22のうちで低圧状態の吸入室22aに少量流出し、第2シリンダ室22内に潤滑油を適量で保つことができる。
実施の形態1によれば、第2圧縮機構部20は、第2ベーン24の先端部24aを第2ピストン23の外周面から離間して非圧縮運転状態に切り替え可能である。
この構成によれば、2気筒のうちで一方の第2圧縮機構部20を高負荷条件で圧縮運転に切り替え、低負荷条件で非圧縮運転に切り替えられる。このため、低負荷時に、ロータリ圧縮機100の回転数を下げないで連続運転可能となり、ロータリ圧縮機100の効率の向上が図れる。
実施の形態2.
図7は、本発明の実施の形態2に係るロータリ圧縮機100において第2偏心ピン軸部5dの外周面に形成された給油流路の構成を示す概略図である。
なお、実施の形態2では、特に記述しない構成については実施の形態1と同様とし、同一の機能や構成については同一の符号を用いて述べることとする。
図7に示すように、給油孔32dは、実施の形態1の図3と同様に、偏心方向の基準0度に対する位相として、−90度から−180度の範囲に配置されている。
また、第2横溝35bは、実施の形態1の図3と同様に形成されている。
一方、第2縦溝34bは、給油孔32dより駆動軸周り回転方向の下流側に形成されている。これにより、給油孔32dから供給される潤滑油は、第2横溝35bを介さないで第2縦溝34bに流入し、第2偏心ピン軸部5dの外周面の流体潤滑状態を保つことができる。
以上のように、実施の形態2のように構成されたロータリ圧縮機100においても、実施の形態1と同様に、休筒運転中に第2シリンダ室22に油溜まりの潤滑油が漏れることで生じる損失を低減でき、ロータリ圧縮機100の効率の向上が図れる。
実施の形態2によれば、第2偏心ピン軸部5dの外周面上に形成された流路溝として、第2偏心ピン軸部5dの外周面上で上端と下端とにわたる第2縦溝34bを有している。第2縦溝34bは、給油孔32dの開口部よりも駆動軸周り回転方向の下流側に形成されている。
この構成によれば、給油孔32dから供給される潤滑油は、半径隙間36bを経て第2縦溝34bに流入し、第2偏心ピン軸部5dの外周面の流体潤滑状態を保つことができる。
実施の形態3.
図8は、本発明の実施の形態3に係るロータリ圧縮機100において第2偏心ピン軸部5dの外周面に形成された給油流路の構成を示す概略図である。
なお、実施の形態3では、特に記述しない構成については実施の形態1と同様とし、同一の機能や構成については同一の符号を用いて述べることとする。
図7に示すように、給油孔32dは、実施の形態1の図3と同様に、偏心方向の基準0度に対する位相として、−90度から−180度の範囲に配置されている。
また、第2縦溝34bおよび第2横溝35bは、実施の形態1の図3と同様に形成されている。
一方、給油孔32dの周りには、深さ0.3mm程度の潤滑油を滞留させる凹部38bが形成されている。凹部38bは、給油孔32dの開口部の周りに当該開口部の面積よりも広い面積を有している。凹部38bは、第2偏心ピン軸部5dの上端および下端にまで至らないものの、上下方向に長い楕円形状の凹み面積を有している。これにより、給油孔32dから流出した潤滑油が、第2縦溝34bおよび第2横溝35bを介さないで凹部38bに薄く滞留し、この凹部38bから回転方向の下流側に広がり、第2偏心ピン軸部5dの流体潤滑状態を保つことができる。
以上のように、実施の形態3のように構成されたロータリ圧縮機100においても、実施の形態1と同様に、休筒運転中に第2シリンダ室22に油溜まりの潤滑油が漏れることで生じる損失を低減でき、ロータリ圧縮機100の効率の向上が図れる。
実施の形態3によれば、第2偏心ピン軸部5dの外周面には、給油孔32dの開口部の周りに当該開口部の面積よりも広い面積を有する潤滑油を滞留させる凹部38bが形成されている。
この構成によれば、給油孔32dから流出した潤滑油が凹部38bに薄く滞留し、この凹部38bから回転方向の下流側に広がり、第2偏心ピン軸部5dの流体潤滑状態を保つことができる。
実施の形態4.
図9は、本発明の実施の形態4に係るロータリ圧縮機100Aの構造を示す概略縦断面図である。
実施の形態1〜3では、2気筒の第1圧縮機構部10および第2圧縮機構部20を上下並列に配置した単段のロータリ圧縮機100の場合であった。
実施の形態4では、2気筒の第1圧縮機構部10および第2圧縮機構部20を直列に配置し、第2圧縮機構部20を低段側とし、第1圧縮機構部10を高段側として2段階圧縮を行うロータリ圧縮機100Aの場合である。特に記述しない構成については実施の形態1と同様とし、同一の機能や構成については同一の符号を用いて述べることとする。
ロータリ圧縮機100Aでは、第2シリンダ室22で圧縮された吐出冷媒が第1シリンダ室12の吸入側に供給される。すなわち、下側の第2圧縮機構部20で冷媒に低段の圧縮を行い、上側の第1圧縮機構部10で低段圧縮が行われた冷媒に高段の圧縮を行う。
低段圧縮が行われたガス状冷媒は、開閉弁28aが開いて吐出マフラ73内に吐出され、図示しないバイパス管を通って第1シリンダ室12の吸入室12aに流入する。そして、第1圧縮機構部10では、低段圧縮が行われたガス状冷媒を更に高段圧縮を行い、開閉弁18aが開いて吐出マフラ63から密閉容器3内に吐出される。
以上のように、実施の形態4のように構成された2段階圧縮型のロータリ圧縮機100Aにおいても、下側に配置した低段の第2シリンダ室22内への潤滑油の侵入による損失を低減し、上側の高段の第1シリンダ室12内への給油の不足が生じる問題を解決できる。
実施の形態4によれば、ロータリ圧縮機100Aは、第2圧縮機構部20を低段側とし、第1圧縮機構部10を高段側として2段階圧縮を行う。
この構成によれば、2段階圧縮を行うロータリ圧縮機100Aでは、下側に配置した低段の第2シリンダ室22内への潤滑油の侵入による損失を低減し、上側の高段の第1シリンダ室12内への給油の不足が生じる問題を解決できる。
実施の形態5.
図10は、本発明の実施の形態5に係るロータリ圧縮機100を適用した冷凍サイクル装置200を示す冷媒回路図である。なお、実施の形態4に係るロータリ圧縮機100Aを適用してもよい。
図10に示すように、冷凍サイクル装置200は、ロータリ圧縮機100、凝縮器80、膨張弁81および蒸発器82を備えている。これらロータリ圧縮機100、凝縮器80、膨張弁81および蒸発器82が冷媒配管で接続されて冷凍サイクル回路を形成している。そして、蒸発器82から流出した冷媒は、ロータリ圧縮機100に吸入されて高温高圧となる。高温高圧となった冷媒は、凝縮器80において凝縮されて液体になる。液体となった冷媒は、膨張弁81で減圧膨張されて低温低圧の気液二相となり、気液二相の冷媒が蒸発器82において熱交換される。
実施の形態1〜3のロータリ圧縮機100および実施の形態4のロータリ圧縮機100Aは、このような冷凍サイクル装置200に適用できる。なお、冷凍サイクル装置200としては、たとえば空気調和装置、冷凍装置および給湯器などが挙げられる。
実施の形態5によれば、冷凍サイクル装置200は、実施の形態1〜3のロータリ圧縮機100あるいは実施の形態4のロータリ圧縮機100Aを備えている。
この構成によれば、上側の第1圧縮機構部10の第1シリンダ室12内および下側の第2圧縮機構部20の第2シリンダ室22内にそれぞれ潤滑油を最適に供給し、ロータリ圧縮機100およびロータリ圧縮機100Aの効率が向上できる。
2 圧縮機吐出管、3 密閉容器、3a 潤滑油貯蔵部、4 中間仕切板、5 駆動軸、5a 長軸部、5b 短軸部、5c 第1偏心ピン軸部、5d 第2偏心ピン軸部、5e 中間軸部、6 吸入マフラ、6a 流入管、6b 容器、6c 流出管、6d 流出管、7 内部空間、8 電動機、8a 回転子、8b 固定子、10 第1圧縮機構部、11 第1シリンダ、12 第1シリンダ室、12a 吸入室、12b 圧縮室、13 第1ピストン、14 第1ベーン、14a 先端部、14b 後端部、15 第1ベーン背室、16 圧縮バネ、17 シリンダ吸入流路、18 吐出口、18a 開閉弁、19 第1ベーン溝、20 第2圧縮機構部、21 第2シリンダ、22 第2シリンダ室、22a 吸入室、22b 圧縮室、23 第2ピストン、24 第2ベーン、24a 先端部、24b 後端部、25 第2ベーン背室、27 シリンダ吸入流路、28 吐出口、28a 開閉弁、29 第2ベーン溝、31 軸心給油流路、32 給油孔、32a 給油孔、32b 給油孔、32c 給油孔、32d 給油孔、33a 軸受縦溝、33b 軸受縦溝、34a 第1縦溝、34b 第2縦溝、35a 第1横溝、35b 第2横溝、36a 半径隙間、36b 半径隙間、37b シール隙間部、38b 凹部、51 永久磁石、52a 保持部品、52b 保持部品、60 第1支持部材、60a 軸受部、60b フランジ部、63 吐出マフラ、70 第2支持部材、70a 軸受部、70b フランジ部、73 吐出マフラ、80 凝縮器、81 膨張弁、82 蒸発器、99 圧縮機構、100 ロータリ圧縮機、100A ロータリ圧縮機、200 冷凍サイクル装置。
本発明に係るロータリ圧縮機は、固定子および回転子を有する電動機と、上端が前記回転子に固定され、下方側に上下に並んで上側の第1偏心部および下側の第2偏心部が形成された駆動軸と、円筒状の第1シリンダ室が形成された第1シリンダ、前記第1偏心部の周りに摺動自在に取り付けられて前記第1偏心部と共に前記第1シリンダ室内を偏心回転運動する第1ピストン、および、前記第1シリンダに形成された第1ベーン溝に摺動自在に設けられ、一方の端部に付与された押圧力によって他方の端部が前記第1ピストンの外周面に当接し、前記第1シリンダ室内を吸入室と圧縮室とに仕切る第1ベーンを有する第1圧縮機構部と、円筒状の第2シリンダ室が形成された第2シリンダ、前記第2偏心部の周りに摺動自在に取り付けられて前記第2偏心部と共に前記第2シリンダ室内を偏心回転運動する第2ピストン、および、前記第2シリンダに形成された第2ベーン溝に摺動自在に設けられ、一方の端部に付与された押圧力によって他方の端部が前記第2ピストンの外周面に当接し、前記第2シリンダ室内を吸入室と圧縮室とに仕切る第2ベーンを有する第2圧縮機構部と、底部にて前記駆動軸の下端から前記駆動軸内の軸心給油流路に汲み上げる潤滑油が貯蔵される潤滑油貯蔵部と、を備え、前記第2偏心部には、前記駆動軸の中心に対して前記第2ピストンの最大偏心位置を基準0度として0度から駆動軸周り回転方向の位相を正とし、0度から−180度の範囲に、前記軸心給油流路から連通した給油孔と、前記第2偏心部の外周面に形成された潤滑油を流通させる流路溝と、が形成され、前記給油孔の開口部と前記流路溝とは、回転方向にて重ならないように配置され、前記流路溝は、前記第2偏心部の外周面上で上端と下端とにわたる縦溝と、前記第2偏心部の外周面上の水平方向に長く形成された横溝と、を有し、前記縦溝と前記横溝とは、重なって配置されたものである。

Claims (9)

  1. 固定子および回転子を有する電動機と、
    上端が前記回転子に固定され、下方側に上下に並んで上側の第1偏心部および下側の第2偏心部が形成された駆動軸と、
    円筒状の第1シリンダ室が形成された第1シリンダ、前記第1偏心部の周りに摺動自在に取り付けられて前記第1偏心部と共に前記第1シリンダ室内を偏心回転運動する第1ピストン、および、前記第1シリンダに形成された第1ベーン溝に摺動自在に設けられ、一方の端部に付与された押圧力によって他方の端部が前記第1ピストンの外周面に当接し、前記第1シリンダ室内を吸入室と圧縮室とに仕切る第1ベーンを有する第1圧縮機構部と、
    円筒状の第2シリンダ室が形成された第2シリンダ、前記第2偏心部の周りに摺動自在に取り付けられて前記第2偏心部と共に前記第2シリンダ室内を偏心回転運動する第2ピストン、および、前記第2シリンダに形成された第2ベーン溝に摺動自在に設けられ、一方の端部に付与された押圧力によって他方の端部が前記第2ピストンの外周面に当接し、前記第2シリンダ室内を吸入室と圧縮室とに仕切る第2ベーンを有する第2圧縮機構部と、
    底部にて前記駆動軸の下端から前記駆動軸内の軸心給油流路に汲み上げる潤滑油が貯蔵される潤滑油貯蔵部と、
    を備え、
    前記第2偏心部には、前記駆動軸の中心に対して前記第2ピストンの最大偏心位置を基準0度として0度から駆動軸周り回転方向の位相を正とし、0度から−180度の範囲に、前記軸心給油流路から連通した給油孔と、前記第2偏心部の外周面に形成された潤滑油を流通させる流路溝と、が形成され、
    前記給油孔の開口部と前記流路溝とは、回転方向にて重ならないように配置されたロータリ圧縮機。
  2. 前記給油孔の開口部と前記流路溝との間には、前記第2ピストンの内周面に対して流体潤滑状態を保持するシール隙間部が形成された請求項1に記載のロータリ圧縮機。
  3. 前記給油孔の開口部は、前記第2偏心部の偏心方向を基準0度から駆動軸周り回転方向の位相を正として、−90度から−180度の範囲に配置された請求項1または2に記載のロータリ圧縮機。
  4. 前記流路溝は、前記第2偏心部の外周面上で上端と下端とにわたる縦溝と、前記第2偏心部の外周面上の水平方向に長く形成された横溝と、を有し、
    前記縦溝と前記横溝とは、重なって配置された請求項1〜3のいずれか1項に記載のロータリ圧縮機。
  5. 前記流路溝は、前記第2偏心部の外周面上で上端と下端とにわたる縦溝を有し、
    前記縦溝は、前記給油孔の開口部よりも駆動軸周り回転方向の下流側に形成された請求項1〜3のいずれか1項に記載のロータリ圧縮機。
  6. 前記第2偏心部の外周面には、前記給油孔の開口部の周りに当該開口部の面積よりも広い面積を有する潤滑油を滞留させる凹部が形成された請求項1〜3のいずれか1項に記載のロータリ圧縮機。
  7. 前記第2圧縮機構部は、前記第2ベーンの他方の端部を前記第2ピストンの外周面から離間して非圧縮運転状態に切り替え可能である請求項1〜6のいずれか1項に記載のロータリ圧縮機。
  8. 前記第2圧縮機構部を低段側とし、前記第1圧縮機構部を高段側として2段階圧縮を行う請求項1〜7のいずれか1項に記載のロータリ圧縮機。
  9. 請求項1〜8に記載のロータリ圧縮機を備えた冷凍サイクル装置。
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