JP2017214829A - スクロール圧縮機及び冷凍装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】軸受の信頼性を確保できるスクロール圧縮機を提案する。【解決手段】スクロール圧縮機(20)には、ケーシング(21)の油溜部(27)の油量が所定量以上であるときに弁体(73)が連通路(66)を閉鎖する位置に移動し、ケーシング(21)の油溜部(27)の油面の高さが所定の高さより低いときに弁体(73)が連通路(66)を開放する位置に移動するように、背圧室(75)の圧力を切り換える切換機構(80)が設けられる。【選択図】図4
Description
本発明は、スクロール圧縮機及び冷凍装置に関する。
従来より、流体を圧縮する圧縮機として、スクロール圧縮機が知られている。
例えば特許文献1に開示されるスクロール圧縮機では、ケーシングの内部に電動機、駆動軸、及び圧縮機構が収容されている。電動機によって駆動軸が回転駆動されると、圧縮機構では、固定スクロールに対して可動スクロールが旋回運動を行う。これにより、固定スクロールと可動スクロールとの間の圧縮室で流体が圧縮される。
また、このスクロール圧縮機では、ケーシングの底部に油溜部が形成される。油溜部の油は、駆動軸の下端に設けられた油ポンプによって汲み上げられ、駆動軸の内部の油流路を上方へ流れる。油流路の油は、駆動軸の軸受や等の摺動部へ供給され、これらの摺動部の潤滑に利用される。
圧縮機の運転条件等によっては、油溜部の油量が減少してしまい、油溜部の油面高さが低い状態となることがある。このような状態では、油ポンプから軸受の摺動部へ十分な油を供給することができず、軸受の焼き付き等の不具合を招くおそれがある。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、軸受の信頼性を確保できるスクロール圧縮機を提案することである。
第1の発明は、ケーシング(21)と、上記ケーシング(21)に収容される電動機(30)と、該電動機(30)と駆動軸(33)を介して連結する圧縮機構(50)と、上記ケーシング(21)の油溜部(27)の油を少なくとも上記駆動軸(33)の軸受(36,37)へ供給するための油ポンプ(38)とを備えたスクロール圧縮機を対象とし、圧縮機構(50)の圧縮室(60)と吸入室(63)とを繋ぐ連通路(66)と、該連通路(66)を開閉する弁体(73)と、該弁体(73)を収容し、且つ該弁体(73)の背面側に背圧室(75)を区画する収容部(71)と、ケーシング(21)の油溜部(27)の油量が所定量以上であるときに上記弁体(73)が上記連通路(66)を閉鎖する位置に移動し、該ケーシング(21)の油溜部(27)の油量が所定量より少ないときに上記弁体(73)が上記連通路(66)を開放する位置に移動するように、上記背圧室(75)の圧力を切り換える切換機構(80)とを備えている。
第1の発明では、油溜部(27)の油量に応じて、切換機構(80)が弁体(73)の背面側の背圧室(75)の圧力を切り換える。具体的には、油溜部(27)の油量が所定量以上である場合、油ポンプ(38)から軸受(36,37)へ十分な油を供給できる。この場合、切換機構(80)は、弁体(73)が連通路(66)を閉鎖する位置となるように、背圧室(75)に所定の圧力を作用させる。この状態では、圧縮機構(50)の圧縮室(60)と吸入室(63)とが連通路(66)を介して連通しないため、圧縮室(60)で通常の圧縮行程が行われる。この際、軸受(36,37)には、十分な油が供給されるため、軸受(36,37)を確実に潤滑できる。
油溜部(27)の油量が所定量よりも少ない場合、油面高さも低くなり、油ポンプ(38)から軸受(36,37)へ十分な油を供給できない。この場合、切換機構(80)は、弁体(73)が連通路(66)を開放する位置となるように、背圧室(75)に所定の圧力を作用させる。この状態では、圧縮機構(50)の圧縮室(60)と吸入室(63)とが連通路(66)を介して連通するため、圧縮室(60)の内圧が通常よりも低下する。これにより、可動スクロール(55)に作用する圧縮荷重が小さくなり、軸受(36,37)の負荷が小さくなる。従って、油ポンプ(38)から軸受(36,37)へ十分な油が供給されなくても、軸受(36,37)の焼き付き等を防止できる。
第2の発明は、上記切換機構(80)が、少なくとも高圧の流体の圧力が作用する第1圧力部(94)と、低圧の流体の圧力が作用する第2圧力部(95)と、上記油ポンプ(38)が搬送する油の一部が導入される油導入路(96)と、該油導入路(96)の内圧が所定値以上であるときに、上記第1圧力部(94)と上記背圧室(75)とを連通させ、上記油導入路(96)の内圧が所定値より小さいときに、上記第2圧力部(95)と上記背圧室(75)とを連通させる連通路切換部(83)とを備えている。
第2の発明では、油ポンプ(38)が搬送する油の一部が油導入路(96)へ供給される。油溜部(27)の油量が所定量以上ある場合、油ポンプ(38)から油導入路(96)へ十分な油が搬送される。このため、油導入路(96)の内圧が所定値以上となる。このように油導入路(96)の内圧が大きくなると、連通路切換部(83)は、第1圧力部(94)と背圧室(75)とを連通させる。これにより、背圧室(75)に高圧が作用し、弁体(73)が連通路(66)を閉鎖する位置に移動する。この結果、圧縮室(60)では、通常の圧縮行程が行われる。
油溜部(27)の油量が所定量より少ない場合、油ポンプ(38)から油導入路(96)へ十分な油が搬送されない。このため、油導入路(96)の内圧が所定値より小さくなる。この場合、連通路切換部(83)は、第2圧力部(95)と背圧室(75)とを連通させる。これにより、背圧室(75)に低圧が作用し、弁体(73)が連通路(66)を開放する位置に移動する。この結果、圧縮室(60)では、通常よりも内圧が低い状態で圧縮行程が行われる。
このように、本発明では、油溜部(27)の油量に応じて変化する油導入路(96)の内圧に応じて、連通路(66)の開閉状態を切り換える。
第3の発明は、冷凍サイクルが行われる冷媒回路(11)を備えた冷凍装置を対象とし、上記冷媒回路(11)には、第2の発明のスクロール圧縮機(20)と、スクロール圧縮機(20)の第1圧力部(94)と上記冷媒回路(11)の高圧ライン(L1)とを繋ぐ状態と、上記第1圧力部(94)と上記冷媒回路(11)の低圧ライン(L2)とを繋ぐ状態とを切り換える圧力切換部(16)とが接続されている。
第3の発明では、冷凍サイクルが行われる冷媒回路(11)に、圧力切換部(16)が接続される。圧力切換部(16)が第1の状態になると、冷媒回路(11)の高圧ライン(L1)と第1圧力部(94)とが連通する。この状態において、油導入路(96)の油圧が所定値以上あり、第1圧力部(94)と背圧室(75)とが連通すると、弁体(73)が連通路(66)を閉鎖する位置に移動する。これにより、圧縮室(60)では、通常の圧縮行程が行われる。
圧力切換部(16)が第2の状態になると、冷媒回路(11)の低圧ライン(L2)と第1圧力部(94)とが連通する。この状態において、油導入路(96)の油圧が所定値以上あり、第1圧力部(94)と背圧室(75)とが連通すると、弁体(73)が連通路(66)を開放する位置に移動する。これにより、圧縮室(60)では、通常よりも内圧が低い状態で圧縮行程が行われる。
このように、本発明では、油溜部(27)の油が十分にあるときに、圧力切換部(16)が第1圧力部(94)の圧力を切り換えることで、圧縮機構(50)での流体の圧縮比を調節できる。つまり、切換機構(80)は、油溜部(27)の油面の高さに応じて軸受(36,37)の負荷を調節するための機構と、圧縮比を可変とするための、いわゆるアンロード機構とに兼用される。
本発明によれば、油溜部(27)の油量が不足すると、弁体(73)が連通路(66)を開放するように、背圧室(75)の圧力が切り換えられる。これにより、軸受(36,37)への給油量が不足する条件下において、軸受(36,37)の負荷を確実に低減できる。この結果、軸受(36,37)の焼き付きを回避でき、軸受(36,37)の信頼性を十分に確保できる。
本発明では、油溜部(27)の油量や油面高さを検出するためのセンサや、このセンサの検出値に応じて弁体等を制御する制御部も不要である。従って、圧縮機の簡素化、低コスト化を図ることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
本実施形態は、本発明に係るスクロール圧縮機(以下、単に圧縮機(20)という)である。圧縮機(20)は、冷房運転と暖房運転とを行う空気調和装置(10)(冷凍装置)の冷媒回路(11)に接続される。冷媒回路(11)では、充填された冷媒が循環することで冷凍サイクルが行われる。
図1に示すように、冷媒回路(11)には、圧縮機(20)と、四方切換弁(12)と、室外熱交換器(13)と、膨張弁(14)と、室内熱交換器(15)とが接続される。四方切換弁(12)の第1ポート(P1)は、圧縮機(20)の吐出管(26)に連通する。四方切換弁(12)の第2ポート(P2)は、圧縮機(20)の吸入管(25)に連通する。四方切換弁(12)の第3ポート(P3)は、室外熱交換器(13)のガス端部に連通する。四方切換弁(12)の第4ポート(P4)は、室内熱交換器(15)のガス端部に連通する。
冷房運転では、四方切換弁(12)が第1状態(図1の破線で示す状態)となり、第1ポート(P1)と第3ポート(P3)とが連通すると同時に第2ポート(P2)と第4ポート(P4)とが連通する。圧縮機(20)で圧縮された冷媒は、室外熱交換器(13)で凝縮し、膨張弁(14)で減圧され、室内熱交換器(15)で蒸発する。
暖房運転では、四方切換弁(12)が第2状態(図1の実線で示す状態)となり、第1ポート(P1)と第4ポート(P4)とが連通すると同時に第2ポート(P2)と第3ポート(P3)とが連通する。圧縮機(20)で圧縮された冷媒は、室内熱交換器(15)で凝縮し、膨張弁(14)で減圧され、室外熱交換器(13)で蒸発する。
冷媒回路(11)には、圧力切換部(16)が接続される。圧力切換部(16)は、高圧連通管(17)、高圧側開閉弁(17a)、低圧連通管(18)、低圧側開閉弁(18a)、及び導入管(19)を有している。高圧連通管(17)は、冷媒回路(11)の高圧ライン(L1)と、導入管(19)とを連通させる。高圧側開閉弁(17a)は、所定の制御信号に応じて高圧連通管(17)を開閉する。低圧連通管(18)は、冷媒回路(11)の低圧ライン(L2)と、導入管(19)とを連通させる。低圧側開閉弁(18a)は、所定の制御信号に応じて低圧連通管(18)を開閉する。
図2に示すように、圧縮機(20)は、縦長で密閉容器状のケーシング(21)を備え
ている。ケーシング(21)は、縦長の円筒状の胴部(22)と、該胴部(22)の下部に接合される下部鏡板(23)と、該胴部(22)の上部に接合される上部鏡板(24)とを有している。
ている。ケーシング(21)は、縦長の円筒状の胴部(22)と、該胴部(22)の下部に接合される下部鏡板(23)と、該胴部(22)の上部に接合される上部鏡板(24)とを有している。
ケーシング(21)の内部には、下側から上側に向かって順に、電動機(30)、ハウジング(40)、及び圧縮機構(50)が設けられる。ケーシング(21)の内部では、ハウジング(40)の下側に低圧空間(S1)が区画され、圧縮機構(50)の上側に高圧空間(S2)が区画される。
ケーシング(21)には、胴部(22)を貫通する吸入管(25)と、上部鏡板(24)を貫通する吐出管(26)とが設けられている。吸入管(25)は低圧空間(S1)と連通し、吐出管(26)は高圧空間(S2)と連通する。つまり、低圧空間(S1)は、吸入(低圧)冷媒で満たされる。高圧空間(S2)は、吐出(高圧)冷媒で満たされる。
ケーシング(21)の底部(上部鏡板(24)の内側)には、油溜部(27)が形成される。油溜部(27)には、各軸受(36,37)等の摺動部を潤滑するための油が貯留される。油溜部(27)は、低圧空間(S1)の下部に位置し、吸入冷媒の圧力が作用する。
ハウジング(40)は、その中央部が陥没する略円盤状に形成され、その中央部に駆動軸(33)が貫通している。ハウジング(40)の中央部には、駆動軸(33)を回転可能に支持する上部軸受(36)が設けられる。
電動機(30)は、いわゆるブラシレスDCモータにより構成され、ハウジング(40)の下方に配置されている。電動機(30)は、ステータ(31)とロータ(32)とを備えている。ステータ(31)は、固定子鉄心と、その固定子鉄心に装着されたコイルとを有し、略筒状に形成されている。ステータ(31)は、ケーシング(21)の胴部(22)に固定されている。ステータ(31)は、胴部(22)に取り付けられた給電端子(図示省略)に電気的に接続されている。一方、ロータ(32)は、回転子鉄心と、その回転子鉄心に埋設された永久磁石とを有している。ロータ(32)は、駆動軸(33)の主軸部(34)に連結され、ステータ(31)の内側に配置されている。電動機(30)を作動させると、ロータ(32)が回転し、それに伴って、駆動軸(33)も回転する。
駆動軸(33)は、主軸部(34)と偏心部(35)とを備えている。主軸部(34)は、略円柱状の部材であって、上部軸受(36)と下部軸受(37)とによって回転自在に支持されている。主軸部(34)は、その上端部がやや大径に形成されている。一方、偏心部(35)は、主軸部(34)よりも小径の円柱状に形成され、主軸部(34)の上端面に立設されている。偏心部(35)は、その軸心が主軸部(34)の軸心に対して偏心している。
駆動軸(33)の主軸部(34)の下端には、給油ポンプ(38)が設けられている。給油ポンプ(38)は、ケーシング(21)の下部の油溜部(27)に浸漬している。給油ポンプ(38)は、油溜部(27)の油を上方へ汲み上げるように構成される。給油ポンプ(38)は、例えば容積式の油ポンプで構成されるが、遠心式や他の方式であってもよい。
駆動軸(33)の内部には、その軸心に沿って延びる給油路(39)が形成されている。給油路(39)は、下部軸受(37)、上部軸受(36)、偏心部(35)等の摺動部に分岐している。給油ポンプ(38)によって汲み上げられた油は、給油路(39)を介してこれらの摺動部へ供給される。
圧縮機構(50)は、ハウジング(40)の上方に配置されている。図2及び図3に示すように、圧縮機構(50)は、固定スクロール(51)と可動スクロール(55)とを備えている。
固定スクロール(51)は、略円板状の固定側鏡板部(52)と、渦巻き状の固定側ラップ(53)と、固定側ラップ(53)の外側に形成された外縁部(54)とを備えている。固定側ラップ(53)は、固定側鏡板部(52)の前面(図1における下面)に立設されている。固定スクロール(51)は、ハウジング(40)にボルトで締結固定されている。外縁部(54)の上側の外周面は、上部鏡板(24)の内周面に密着している。
可動スクロール(55)は、略円板状の可動側鏡板部(56)と、渦巻き状の可動側ラップ(57)と、筒状のボス部(58)とを備えている。可動スクロール(55)は、オルダム継手(42)を介して、ハウジング(40)の上面に載置されている。なお、オルダム継手(42)は、偏心回転運動中の可動スクロール(55)が自転することを阻止する。
可動側ラップ(57)は、可動側鏡板部(56)の前面(図2における上面)に立設されている。可動側ラップ(57)は、固定側ラップ(53)に噛み合わされている。本実施形態の圧縮機(20)は、可動側ラップ(57)と固定側ラップ(53)とが非対称に形成された非対称渦巻き構造になっている。固定側ラップ(53)の巻き数(渦巻きの長さ)は、可動側ラップ(57)の巻き数よりも、略半周分の巻き数だけ多くなっている。
ボス部(58)は、可動側鏡板部(56)の背面(図2における下面)に立設されている。ボス部(58)には、駆動軸(33)の偏心部(35)が挿入されている。
図3に示すように、固定側ラップ(53)と可動側ラップ(57)との間には、複数の圧縮室(60)が形成されている。複数の圧縮室(60)は、固定側ラップ(53)の内面と可動側ラップ(57)の外面との間の第1圧縮室(61)と、固定側ラップ(53)の外面と可動側ラップ(57)の内面との間の第2圧縮室(62)とから構成されている。第1圧縮室(61)には、可動側ラップ(57)の外端の外側から冷媒が流入し、第2圧縮室(62)には、可動側ラップ(57)の外端の内側から冷媒が流入する。
圧縮機構(50)では、固定スクロール(51)に吸入ポート(59)が形成されている。吸入ポート(59)は、固定側ラップ(53)の最外周部の近傍に開口するように、外縁部(54)に形成されている。吸入ポート(59)は、図示しない連通ポートを通じて、低圧空間(S1)に連通している。吸入ポート(59)は、可動スクロール(55)の最外周部と固定スクロール(51)の間の吸入室(63)と連通する。可動スクロール(55)の偏心回転運動に伴って、吸入室(63)が吸入ポート(59)と断続されると、この空間が第1圧縮室(61)や第2圧縮室(62)となる。
固定スクロール(51)には吐出ポート(64)が形成されている。吐出ポート(64)は、固定側鏡板部(52)の中央部に形成された貫通孔により構成されている。吐出ポート(64)の入口は、可動スクロール(55)の偏心回転運動に伴って、第1圧縮室(61)と第2圧縮室(62)のそれぞれに間欠的に連通する。吐出ポート(64)の出口は、高圧空間(S2)に連通している。高圧空間(S2)には、吐出ポート(64)の流出部を開閉する吐出弁(65)が設けられる。
−基本的な運転動作−
圧縮機(20)の基本的な運転動作について図2及び図3を参照しながら説明する。
圧縮機(20)の基本的な運転動作について図2及び図3を参照しながら説明する。
電動機(30)に通電すると、駆動軸(33)が回転し、可動スクロール(55)が偏心回転運動を行う。冷媒回路(11)から吸入管(25)を介して低圧空間(S1)に流入した冷媒は、吸入ポート(59)を通じて吸入室(63)に吸入される(吸入行程)。吸入室(63)では、その容積が増大するのに伴って冷媒が吸い込まれる。そして、吸入室(63)が吸入ポート(59)と遮断されると、閉じきり状態の圧縮室(61,62)が形成される。
各圧縮室(60)は、可動スクロール(55)の回転に伴って、その容積を減少させながら中心部へ移動していく。これにより、各圧縮室(60)では、冷媒が圧縮される圧縮行程が行われる。そして、各圧縮室(60)に吐出ポート(64)が連通すると、吐出ポート(64)を通じて冷媒を吐出する吐出行程が開始される。吐出行程中の圧縮室(60)から吐出された冷媒は、吐出管(26)から冷媒回路(11)へ吐出される。
〈軸受の負荷を低減するための構成〉
本実施形態の圧縮機(20)は、油溜部(27)から各軸受(36,37)への油の供給が不足する際、各軸受(36,37)の負荷を低減するように構成される。この構成について、図2、図4〜図7を参照しながら詳細に説明する。
本実施形態の圧縮機(20)は、油溜部(27)から各軸受(36,37)への油の供給が不足する際、各軸受(36,37)の負荷を低減するように構成される。この構成について、図2、図4〜図7を参照しながら詳細に説明する。
図4に示すように、圧縮機構(50)には、圧縮室(60)と吸入室(63)とを連通させるための連通路(66)が形成される。つまり、圧縮室(60)と吸入室(63)とが連通路(66)を介して連通すると、圧縮室(60)の内圧が通常よりも低下する。連通路(66)は、固定スクロール(51)の固定側鏡板部(52)に形成される。連通路(66)は、流入ポート(67)と、連通室(68)と、流出ポート(69)とを含んでいる。
流入ポート(67)は、圧縮機構(50)の圧縮室(60)に開口している。流入ポート(67)は、第1圧縮室(61)と第2圧縮室(62)の双方に開口していてもよいし、これらの一方のみに開口していてもよい。連通室(68)は、第1収容室(72)のうち第1弁(73)の前面(下面)側に区画される。流出ポート(69)は、連通室(68)と吸入室(63)とを連通するように、連通室(68)から吸入室(63)に向かって斜め下方に延びている。弁体(73)が連通路(66)を開放する状態(図4の状態)では、圧縮室(60)、流入ポート(67)、連通室(68)、流出ポート(69)、及び吸入室(63)が順に接続する。
固定スクロール(51)の固定側鏡板部(52)には、第1収容部(71)が形成される。第1収容部(71)の内部には、円筒状の第1収容室(72)が形成される。固定側鏡板部(52)の上側には、板状の閉塞部材(43)がボルト(44)により固定される。閉塞部材(43)は、第1収容室(72)の上端の開口を閉塞する。第1収容室(72)には、縦長の略円筒状の第1弁(73)が設けられる。第1収容室(72)は、第1弁(73)の下面側の連通室(74)と第1弁(73)の背面(上面)側の背圧室(75)とに区画される。
第1弁(73)は、連通路(66)を開閉するように構成される。具体的に、第1弁(73)は、第1収容室(72)の軸方向に沿って上下に進退するように構成される。図5に示すように、第1弁(73)が第1収容室(72)の下部に移動すると、流入ポート(67)の外縁部(即ち、弁座(76))と第1弁(73)とが接触し、流入ポート(67)が閉塞される。これにより、連通路(66)が閉鎖される。図6に示すように、第1弁(73)が第1収容室(72)の上部に移動すると、第1弁(73)と閉塞部材(43)とが接触し、流入ポート(67)が開放される。この結果、流入ポート(67)と流出ポート(69)とが連通室(68)を介して連通し、連通路(66)が開放される。
第1弁(73)と弁座(76)との間には、コイル状の第1スプリング(77)が介設される。第1スプリング(77)は、第1弁(73)を、連通路(66)を開放する位置(例えば図4の位置)へ付勢する。
圧縮機(20)は、第1弁(73)を開放位置(図4の位置)と閉鎖位置(図5の位置)との間で移動させるための切換機構(80)を備えている。切換機構(80)は、第2収容部(81)、第2弁(83)、第2スプリング(87)、圧力切換流路(90)、第1圧力流路(94)、第2圧力流路(95)、油導入路(96)を有している。
第2収容部(81)は、固定側鏡板部(52)のうち流出ポート(69)の上側で且つ第1収容部(71)よりも外周側に設けられる。第2収容部(81)の内部には、円筒状の第2収容室(82)が形成される。第2収容室(82)の内径は、第1収容室(72)の内径よりも小さい。第2収容室(82)の上端の開口は、閉塞部材(43)によって閉塞される。
第2収容室(82)には、縦長の略円筒状の第2弁(83)(連通路切換部)が設けられる。第2収容室(82)は、第2弁(83)の下面側の油室(84)と第2弁(83)の背面(上面)側の低圧室(85)(背圧室)とに区画される。低圧室(85)は、図示を省略した通路を介して、例えば吸入室(63)や低圧空間(S1)と連通する。つまり、低圧室(85)は、吸入(低圧)冷媒で満たされる。
第2弁(83)は、油室(84)の内圧に応じて、第2収容室(82)の軸方向に沿って上下に進退するように構成される。第2弁(83)の胴部には、第2弁(83)の軸周りに環状の溝(86)が形成される。溝(86)は、第2弁(83)の胴部のうち軸方向の中間部に形成される。
第2弁(83)と閉塞部材(43)との間には、コイル状の第2スプリング(87)が介設される。第2スプリング(87)は、第2弁(83)を下方(詳細は後述する第2位置)へ付勢する。
圧力切換流路(90)は、固定側鏡板部(52)のうち第1収容室(72)と第2収容室(82)との間に形成される。圧力切換流路(90)は、合流路(91)と、第1供給路(92)と、第2供給路(93)とを含んでいる。合流路(91)は、上下に延びる縦穴(91a)と、該縦穴(91a)の上端から第1収容室(72)に亘って径方向に延びる連通穴(91b)とを含んでいる。第1供給路(92)は、縦穴(91a)の長手方向の中間部と、第2収容室(82)の軸方向の中間部とを連通させる。第2供給路(93)は、縦穴(91a)の下寄りの部分と、第2収容室(82)の下寄りの部分とを連通させる。
第1圧力流路(94)及び第2圧力流路(95)は、固定側鏡板部(52)のうち第2収容室(82)の外周側に形成される。
第1圧力流路(94)は、第2収容室(82)を挟んで第1供給路(92)に対向する位置にある。第1圧力流路(94)は、第2収容室(82)の軸方向の中間部と導入管(19)とを連通させる。導入管(19)には、高圧冷媒と低圧冷媒とが切り換えて供給される。従って、第1圧力流路(94)は、高圧の冷媒が作用する状態と、低圧の冷媒が作用する状態とに切り換えられる。つまり、第1圧力流路(94)は、少なくとも高圧の流体が作用する第1圧力部を構成する。
第2圧力流路(95)は、第2収容室(82)を挟んで第2供給路(93)に対向する位置にある。第2圧力流路(95)は、第2収容室(82)の下寄りの部分と吸入室(63)を連通させる。つまり、第2圧力流路(95)は、低圧の冷媒が作用する第2圧力部を構成する。第2圧力流路(95)は、例えば低圧空間(S1)と連通していてもよい。
第2弁(83)は、背圧室(75)の内圧を切り換えるように、第2収容室(82)の軸方向に沿って上下に進退するように構成される。図5に示すように、第2弁(83)が第2収容室(82)の上部の第1位置に移動すると、第1圧力流路(94)と第1供給路(92)とが第2弁(83)の溝(86)を介して互いに連通し、第2圧力流路(95)と第2供給路(93)とが遮断される。図6に示すように、第2弁(83)が第2収容室(82)の下部の第2位置に移動すると、第2圧力流路(95)と第2供給路(93)とが第2弁(83)の溝(86)を介して互いに連通し、第1圧力流路(94)と第1供給路(92)とが遮断される。
油導入路(96)は、油ポンプ(38)が搬送する油の一部が導入され、この油を油室(84)へ供給するように構成される。油導入路(96)は、分岐路(97)と、油中継管(98)と、流出路(99)とを有している。
図2に示すように、分岐路(97)は、油ポンプ(38)の軸周りに形成される下部ケース(28)の内部に形成される。分岐路(97)は、下部ケース(28)を径方向に貫通している。分岐路(97)の流入端は、駆動軸(33)の内部の給油路(39)と連通している。分岐路(97)には、給油路(39)を流れる油の一部が分流する。
油中継管(98)の流入端は、分岐路(97)の流出端と連通している。油中継管(98)は、低圧空間(S1)において、電動機(30)の周囲を上下方向に延びている。油中継管(98)の上部は、ハウジング(40)及び固定スクロール(51)の外縁部(54)を貫通するように上下に延びている。油中継管(98)の上端は、流出路(99)の下端に接続される。流出路(99)は、固定側鏡板部(52)における第2収容室(82)の外周側に形成される。流出路(99)は、油中継管(98)と第2収容室(82)における油室(84)とを連通させる。
−油溜部の油量に応じた切換機構の動作−
切換機構(80)は、油溜部(27)の油量、及び圧力切換部(16)の状態に応じて、背圧室(75)の内圧を切り換えるように構成される。この動作について図5〜図7を参照しながら詳細に説明する。
切換機構(80)は、油溜部(27)の油量、及び圧力切換部(16)の状態に応じて、背圧室(75)の内圧を切り換えるように構成される。この動作について図5〜図7を参照しながら詳細に説明する。
〈通常運転時に油量が十分にある場合の動作〉
圧縮機(20)が通常の運転を行う際には、第1圧力流路(94)に高圧の冷媒が導入される。つまり、圧力切換部(16)では、高圧側開閉弁(17a)が開放されるとともに低圧側開閉弁(18a)が閉鎖される。これにより、第1圧力流路(94)には、高圧冷媒の圧力が作用する。
圧縮機(20)が通常の運転を行う際には、第1圧力流路(94)に高圧の冷媒が導入される。つまり、圧力切換部(16)では、高圧側開閉弁(17a)が開放されるとともに低圧側開閉弁(18a)が閉鎖される。これにより、第1圧力流路(94)には、高圧冷媒の圧力が作用する。
油溜部(27)の油量が所定量以上であり、油ポンプ(38)から各軸受(36,37)等へ十分な油を供給できるとする。この場合、油ポンプ(38)から油導入路(96)にも油が供給される。つまり、油ポンプ(38)から分岐路(97)へ分流した油は、油中継管(19)、流出路(99)を介して油室(84)へ供給される。ここで、図5に示すように、油室(84)の内圧(油圧)は、実質的には、低圧空間(S1)の内圧(ドーム圧)と油ポンプから供給される油の圧力(ポンプ圧)とを加えた圧力に相当する。
油溜部(27)の油量が所定量以上である場合、油溜部(27)から油室(84)へ十分な油が供給される。このため、油室(84)の内圧は、少なくとも低圧の圧力よりも大きくなる。一方、低圧室(85)には、低圧の冷媒の圧力が作用している。従って、このような状態では油室(84)の内圧が低圧室(85)の圧力よりも所定圧力だけ大きくなり、第2弁(83)が第2スプリング(87)の付勢力に抗して上方へ押し上げられる。この結果、第2弁(83)は、図5に示す第1位置となり、第1圧力流路(94)と第1供給路(92)とが連通する。従って、高圧の冷媒が導入される第1圧力流路(94)は、第2弁(83)の溝(86)、圧力切換流路(90)を介して背圧室(75)と連通する。
このようにして背圧室(75)に高圧の冷媒の圧力が作用すると、第1弁(73)は第1スプリング(77)の付勢力に抗して下方へ押し下げられる。この結果、図5に示すように、第1弁(73)は連通路(66)を閉鎖する位置となる。従って、圧縮室(60)は連通路(66)を介して吸入室(63)と連通しないため、圧縮室(60)では通常の圧縮行程が行われる。
このように圧縮室(60)で通常の圧縮行程が行われる場合、圧縮室(60)の圧縮荷重は比較的大きくなる。このため、可動スクロール(55)が旋回することに伴い、軸受(36,37)に作用するラジアル方向の荷重も比較的大きくなる。しかし、この動作では、油ポンプ(38)から軸受(36,37)に十分な油が供給されているため、軸受(36,37)を十分に潤滑でき、軸受(36,37)の焼き付きを防止できる。
〈通常運転時に油量が不足する場合の動作〉
油溜部(27)の油量が所定量よりも少なく、油ポンプ(38)から各軸受(36,37)等へ十分な油を供給できないとする。この場合に、軸受(36,37)の負荷が大きいままであると、軸受(36,37)の潤滑不良に伴い焼き付き等の不具合が生じるおそれがある。そこで、このような条件下では、圧縮室(60)の内圧を通常よりも小さくさせる動作が行われる。
油溜部(27)の油量が所定量よりも少なく、油ポンプ(38)から各軸受(36,37)等へ十分な油を供給できないとする。この場合に、軸受(36,37)の負荷が大きいままであると、軸受(36,37)の潤滑不良に伴い焼き付き等の不具合が生じるおそれがある。そこで、このような条件下では、圧縮室(60)の内圧を通常よりも小さくさせる動作が行われる。
具体的には、例えば油溜部(27)の油量が少なく、油溜部(27)の油面の高さが油ポンプ(38)の吸込口よりも低くなると、油ポンプ(38)から分岐路(97)へ油を供給することできない。このため、油導入路(96)の内圧が低下し、ひいては油室(84)の内圧も低下する。この結果、油室(84)の内圧は、ドーム圧(低圧)に相当する圧力となる。すると、油室(84)の内圧は、低圧室(85)の内圧とが概ね等しくなるため、第2弁(83)は第2スプリング(87)の付勢力によって下方へ押し下げられる。この結果、第2弁(83)は、図6に示す第2位置となり、第2圧力流路(95)と第2供給路(93)とが連通する。従って、低圧の冷媒が導入される第2圧力流路(95)は、第2弁(83)の溝(86)、圧力切換流路(90)を介して背圧室(75)と連通する。
このようにして背圧室(75)に低圧の冷媒が作用すると、第1弁(73)は、第1スプリング(77)の付勢力によって上方へ押し上げられる。この結果、図6に示すように、第1弁(73)は連通路(66)を開放する位置となる。従って、圧縮室(60)は、連通路(66)を介して吸入室(63)と連通する。これにより、圧縮室(60)では、通常よりも低い内圧で圧縮行程が行われる。
このように圧縮室(60)の内圧が低下すると、圧縮室(60)の圧縮荷重は比較的小さくなる。このため、可動スクロール(55)が旋回することに伴い、軸受(36,37)に作用するラジカル方向の荷重も比較的小さくなり、軸受(36,37)の負荷が小さくなる。従って、油ポンプ(38)から軸受(36,37)に十分な油を供給できなくても、軸受(36,37)の焼き付き等を回避できる。
油溜部(27)の油面の高さが回復すると、上述したように、第1弁(73)が連通路(66)を再び閉鎖し、通常の運転が再開される。
〈圧縮比を低下させる動作〉
本実施形態の圧縮機(20)では、油溜部(27)の油量が十分であっても、圧縮機構(50)の圧縮比を低下させる動作を行うことができる。具体的には、所定の運転条件において、圧縮機構(50)の圧縮比を低下させる要求がある場合、制御部は、図1に示す圧力切換部(16)を制御する。これにより、圧力切換部(16)では、高圧側開閉弁(17a)が閉鎖されるとともに低圧側開閉弁(18a)が開放される。この結果、第1圧力流路(94)には、低圧冷媒の圧力が作用する。すると、低圧の冷媒の圧力が作用する第1圧力流路(94)が、第2弁(83)の溝(86)、圧力切換流路(90)を介して背圧室(75)と連通する。
本実施形態の圧縮機(20)では、油溜部(27)の油量が十分であっても、圧縮機構(50)の圧縮比を低下させる動作を行うことができる。具体的には、所定の運転条件において、圧縮機構(50)の圧縮比を低下させる要求がある場合、制御部は、図1に示す圧力切換部(16)を制御する。これにより、圧力切換部(16)では、高圧側開閉弁(17a)が閉鎖されるとともに低圧側開閉弁(18a)が開放される。この結果、第1圧力流路(94)には、低圧冷媒の圧力が作用する。すると、低圧の冷媒の圧力が作用する第1圧力流路(94)が、第2弁(83)の溝(86)、圧力切換流路(90)を介して背圧室(75)と連通する。
このようにして背圧室(75)に低圧の冷媒が作用すると、第1弁(73)は、第1スプリング(77)の付勢力によって上方へ押し上げられる。この結果、図7に示すように、第1弁(73)は連通路(66)を開放する位置となる。従って、圧縮室(60)は、連通路(66)を介して吸入室(63)と連通する。これにより、圧縮室(60)では、通常よりも低い内圧で圧縮行程が行われ、圧縮機構(50)の圧縮比を低減できる。
−実施形態の効果−
上記実施形態では、油溜部(27)の油量が不足すると、第2弁(83)が第2位置となり、背圧室(75)に高圧の冷媒が導入される。これにより、第1弁(73)が連通路(66)を開放する状態となり、圧縮室(60)の内圧を低下させることができる。この結果、油溜部(27)の油量が不足する条件下において、確実に軸受(36,37)の負荷を低減でき、軸受(36,37)の焼き付き等を防止して軸受(36,37)の信頼性を確保できる。
上記実施形態では、油溜部(27)の油量が不足すると、第2弁(83)が第2位置となり、背圧室(75)に高圧の冷媒が導入される。これにより、第1弁(73)が連通路(66)を開放する状態となり、圧縮室(60)の内圧を低下させることができる。この結果、油溜部(27)の油量が不足する条件下において、確実に軸受(36,37)の負荷を低減でき、軸受(36,37)の焼き付き等を防止して軸受(36,37)の信頼性を確保できる。
このような第1弁(73)の開閉動作は、油面の高さを検知や、弁の開閉の切換の制御を要しない。従って、シンプル且つ安価な構成により、軸受(36,37)の信頼性を確保できる。
上記実施形態では、第1圧力流路(94)に低圧の冷媒を導入することで、油溜部(27)の油量が十分にある条件下においても、圧縮機構(50)の圧縮比を低減できる。つまり、切換機構(80)は、軸受(36,37)の保護だけでなく、いわゆるアンロード動作を行うための機構として兼用される。従って、部品点数を削減できる。
《その他の実施形態》
上記実施形態の第1圧力流路(94)には、高圧冷媒と低圧冷媒のいずれか一方が切り換えて供給される。しかしながら、第1圧力流路(94)に常に高圧冷媒を導入するようにしてもよい。この場合、例えば図8に示すように、冷媒回路(11)では、上記実施形態の圧力切換部(16)が省略される。つまり、冷媒回路(11)では、高圧ライン(L1)と第1圧力流路(94)とが、導入管(19)を介して接続される。導入管(19)には、例えば開閉弁(19a)が設けられる。この構成においても、油溜部(27)の油量が不足し、油室(84)の内圧が低下すると、図6に示すように、高圧の冷媒が背圧室(75)へ導入される。それ以外の作用効果は上記実施形態と同様である。
上記実施形態の第1圧力流路(94)には、高圧冷媒と低圧冷媒のいずれか一方が切り換えて供給される。しかしながら、第1圧力流路(94)に常に高圧冷媒を導入するようにしてもよい。この場合、例えば図8に示すように、冷媒回路(11)では、上記実施形態の圧力切換部(16)が省略される。つまり、冷媒回路(11)では、高圧ライン(L1)と第1圧力流路(94)とが、導入管(19)を介して接続される。導入管(19)には、例えば開閉弁(19a)が設けられる。この構成においても、油溜部(27)の油量が不足し、油室(84)の内圧が低下すると、図6に示すように、高圧の冷媒が背圧室(75)へ導入される。それ以外の作用効果は上記実施形態と同様である。
上記実施形態について、可動側ラップ(57)と固定側ラップ(53)とが対称に形成された対称渦巻き構造であってもよい。
以上説明したように、本発明は、スクロール圧縮機について有用である。
L1 高圧ラインL
L2 低圧ラインL
10 冷凍装置(空気調和装置)
11 冷媒回路
16 圧力切換部
20 圧縮機(スクロール圧縮機)
21 ケーシング
27 油溜部
30 電動機
33 駆動軸
36 上部軸受
37 下部軸受
38 給油ポンプ(油ポンプ)
50 圧縮機構
60 圧縮室
63 吸入室
66 連通路
73 弁体
75 背圧室
80 切換機構
83 連通路切換部
94 第1圧力部
95 第2圧力部
96 油導入路
L2 低圧ラインL
10 冷凍装置(空気調和装置)
11 冷媒回路
16 圧力切換部
20 圧縮機(スクロール圧縮機)
21 ケーシング
27 油溜部
30 電動機
33 駆動軸
36 上部軸受
37 下部軸受
38 給油ポンプ(油ポンプ)
50 圧縮機構
60 圧縮室
63 吸入室
66 連通路
73 弁体
75 背圧室
80 切換機構
83 連通路切換部
94 第1圧力部
95 第2圧力部
96 油導入路
Claims (3)
- ケーシング(21)と、上記ケーシング(21)に収容される電動機(30)と、該電動機(30)と駆動軸(33)を介して連結する圧縮機構(50)と、上記ケーシング(21)の油溜部(27)の油を少なくとも上記駆動軸(33)の軸受(36,37)へ供給するための油ポンプ(38)とを備えたスクロール圧縮機であって、
上記圧縮機構(50)の圧縮室(60)と吸入室(63)とを繋ぐ連通路(66)と、
上記連通路(66)を開閉する弁体(73)と、
上記弁体(73)を収容し、且つ該弁体(73)の背面側に背圧室(75)を区画する収容部(71)と、
上記ケーシング(21)の油溜部(27)の油量が所定量以上であるときに上記弁体(73)が上記連通路(66)を閉鎖する位置に移動し、該ケーシング(21)の油溜部(27)の油量が所定量より少ないときに上記弁体(73)が上記連通路(66)を開放する位置に移動するように、上記背圧室(75)の圧力を切り換える切換機構(80)とを備えている
ことを特徴とするスクロール圧縮機。 - 請求項1において、
上記切換機構(80)は、
少なくとも高圧の流体の圧力が作用する第1圧力部(94)と、
低圧の流体の圧力が作用する第2圧力部(95)と、
上記油ポンプ(38)が搬送する油の一部が導入される油導入路(96)と、
上記油導入路(96)の内圧が所定値以上であるときに、上記第1圧力部(94)と上記背圧室(75)とを連通させ、上記油導入路(96)の内圧が所定値より小さいときに、上記第2圧力部(95)と上記背圧室(75)とを連通させる連通路切換部(83)とを備えている
ことを特徴とするスクロール圧縮機。 - 冷凍サイクルが行われる冷媒回路(11)を備えた冷凍装置であって、
上記冷媒回路(11)には、
請求項2に記載のスクロール圧縮機(20)と、
上記スクロール圧縮機(20)の第1圧力部(94)と上記冷媒回路(11)の高圧ライン(L1)とを繋ぐ状態と、上記第1圧力部(94)と上記冷媒回路(11)の低圧ライン(L2)とを繋ぐ状態とを切り換える圧力切換部(16)とが接続されている
ことを特徴とする冷凍装置。
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---|---|---|---|
JP2016107099A JP2017214829A (ja) | 2016-05-30 | 2016-05-30 | スクロール圧縮機及び冷凍装置 |
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