JP2008116153A - 冷凍サイクル装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】膨張機構と圧縮機構との間の熱移動を低減することが可能な冷凍サイクル装置を提供する。
【解決手段】冷凍サイクル装置100は、流体機械201と、放熱器102と、蒸発器103とを含む。流体機械201は、圧縮機構2と、膨張機構4と、圧縮機構2および膨張機構4を収容する高圧シェル型の密閉容器1と、膨張機構4の膨張室と密閉容器1の内部空間との間に冷媒通過空間7を形成する熱交換構造107とを含む。圧縮機構2の吸入冷媒が冷媒通過空間7を通過することにより、その冷媒と、密閉容器1の内部を満たす圧縮機構2の吐出冷媒および/または密閉容器1内に貯留された潤滑用のオイルとが熱交換する。
【選択図】図1

Description

本発明は、冷凍空調機や給湯機に適用される冷凍サイクル装置に関する。
冷凍サイクル装置を構成する流体機械として、図7に示すように、冷媒を圧縮する圧縮機構402と、冷媒が減圧膨張する際の膨張エネルギーを機械エネルギーに変換する膨張機構404とを一体化した膨張機一体型圧縮機400が知られている(特許文献1)。膨張機構404で変換された機械エネルギーをシャフト405によって圧縮機構402に供することにより、冷凍サイクル装置の効率が向上する。
圧縮機構402は、冷媒を断熱圧縮するので、圧縮機構402を構成する部材は、冷媒の温度上昇とともに温度が上がる。他方、膨張機構404は、放熱器にて冷却された冷媒を吸入し、吸入した冷媒を断熱膨張させるので、膨張機構404を構成する部材は、冷媒の温度低下とともに温度が下がる。したがって、特許文献1に記載のように、圧縮機構402と膨張機構404とを単純に一体化すると、圧縮機構402の熱が膨張機構404に移動し、膨張機構404が加熱され、圧縮機構402が冷却される。この場合、図8Aのモリエル線図に矢印を用いて示すように、理論サイクルと比較して、実質サイクルは、圧縮機構402から吐出される冷媒のエンタルピーが低下し、放熱器での加熱能力が低下したものとなる。また、膨張機構404から吐出される冷媒のエンタルピーが増加し、蒸発器での冷凍能力が低下する。放熱器や蒸発器の能力の低下は、冷凍サイクル装置の効率の低下を意味するので好ましくない。
特に、給湯機の場合は、貯湯水の設定温度まで水を放熱器で加熱する必要があるため、加熱に用いられる圧縮機構からの吐出冷媒の温度は、貯湯水の設定温度より必ず高くなければならない。しかしながら、圧縮機構と膨張機構との間で熱的な短絡が起きると、圧縮機構の吐出冷媒の温度が低下するため、水の加熱が不十分になり、貯湯水の温度も設定温度より低くなる。この熱短絡によって生ずる圧縮機構の吐出冷媒の温度低下を補うために、図8Bのモリエル線図の一点鎖線で示す吐出温度制御理論サイクルのように、圧縮機構の吐出冷媒圧力を上昇させる方法がある。すなわち、冷媒をやや過剰に圧縮することによって、吐出冷媒の温度を上昇させる。そうすれば、二点鎖線で示す吐出温度制御実質サイクルのように、熱短絡による加熱能力の低下分を補償することができる。しかしながら、この方法では、圧縮機構が余分な仕事を行うことになるので、電動機の消費電力が増大し、膨張機構で動力回収を行う意義が損なわれる。
こうした課題を解決するため、図9に示すように、密閉容器501の内部を蒸発器から圧縮機構502に導かれる低圧冷媒で満たし、圧縮機構502と膨張機構504とを離して配置する構成がある(特許文献2)。
また、図10に示すように、密閉容器601の内部を、低圧側652と高圧側651に区画して、膨張機構602を低圧側652に、圧縮機構604を高圧側651に設けて、低圧側652には圧縮機構604の吸入冷媒を導き、高圧側651には圧縮機構604の吐出冷媒を導く構成がある(特許文献3)。
図9に示す構成によれば、膨張機構504の周囲が圧縮機構502の吸入冷媒で満たされるため、膨張機構504と密閉容器501の内部の冷媒との熱移動を低減することができる。圧縮機構502とその吸入冷媒との間でも熱の移動が起こるが、圧縮機構502から熱を受け取った冷媒が圧縮機構502で圧縮され、圧縮機構502自身を加熱するため、圧縮機構502の吐出冷媒の温度は低下しない。よって、膨張機構504と圧縮機構502との間で起きる熱移動を低減することができる。
しかしながら、密閉容器501の内部を低圧の冷媒で満たす構成では、圧縮機構502の吐出冷媒が吐出配管509から直接に冷凍サイクルへと吐出されてしまう。そのため、密閉容器501の内部を圧縮機構502の吐出冷媒で満たす構成と比較して、冷凍サイクルへのオイルの吐出量が増加してしまう。吐出されたオイルは、冷媒配管に付着して圧力損失を増加させたり、放熱器や蒸発器の能力を低下させたりする。
一方、図10に示す構成によれば、圧縮機構604の吐出冷媒は、いったん密閉容器601の高圧側651に開放されて、その後、放熱器に向けて高圧側651の吐出配管609から吐出される。したがって、密閉容器601の内部で圧縮機構604の吐出冷媒からオイルが分離され、圧縮機構604の吐出冷媒が多量のオイルを伴って冷凍サイクルを循環することはない。
しかしながら、密閉容器601の内部を低圧側652と高圧側651に仕切る構成をとっているため、膨張機構602と圧縮機構604とを連結するシャフト605が仕切部650を貫通する必要がある。この場合、シャフト605と仕切部650とのクリアランスからの冷媒漏れを防止するメカニカルシールが必須となり、摺動損失の増加が懸念される。
特開昭62−77562号公報 特開2005−264829号公報 特開2006−105564号公報
こうした事情に鑑み、本発明は、密閉容器の内部に圧縮機構の吐出冷媒を開放して、冷凍サイクルへのオイルの吐出量(循環量)を抑制するとともに、機械損失を増加させることなく膨張機構と圧縮機構との間の熱移動を低減することが可能な冷凍サイクル装置を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、
冷媒を放熱させる放熱器と、
冷媒を蒸発させる蒸発器と、
放熱器に送るべき冷媒を圧縮する圧縮機構と、放熱器で放熱した冷媒を膨張させて蒸発器に向けて吐出する膨張機構と、圧縮機構および膨張機構を収容するとともに、圧縮機構で圧縮された冷媒が内部に吐出される密閉容器と、圧縮機構の吸入冷媒が流通可能な空間であって、圧縮機構の吐出冷媒および密閉容器の内部に貯留された潤滑用のオイルの少なくとも一方と圧縮機構の吸入冷媒とを熱交換させるための冷媒通過空間を、膨張機構の膨張室と密閉容器の内部空間との間に形成する熱交換構造とを含む流体機械と、
を備えた、冷凍サイクル装置を提供する。
上記本発明の冷凍サイクル装置によれば、密閉容器の内部空間と膨張機構の膨張室との間に形成された冷媒通過空間を圧縮機構の吸入冷媒が流通する。密閉容器の内部には圧縮機構で圧縮された冷媒が吐出されるので、(i)圧縮機構の吐出冷媒および/または密閉容器内に貯留されたオイルから冷媒通過空間を流通する圧縮機構の吸入冷媒へと熱が移動した後で、(ii)その吸入冷媒から膨張室内の冷媒への熱移動が生じることになる。通常、圧縮機構の吸入冷媒の温度は低く、膨張機構を構成する部材の温度に近い。また、圧縮機構の吸入冷媒は常に圧縮機構に向かって流れている。したがって、膨張機構の周囲は安定した低温で維持され、上記(i)の熱移動は比較的活発におこるが、上記(ii)の熱移動は緩やかとなる。この結果、圧縮機構の吐出冷媒から膨張室内の冷媒への熱移動、言い換えれば、圧縮機構と膨張機構との間の熱移動が抑制ないし緩和され、ひいては冷凍サイクル装置の効率が高まる。
さらに、本発明の冷凍サイクル装置で用いられる流体機械は、圧縮機構の吐出冷媒がいったん密閉容器の内部空間に開放されて、その後、密閉容器から放熱器に向けて吐出される、いわゆる高圧シェル型である。したがって、圧縮機構の吐出冷媒からオイルを十分に分離することができる。
また、圧縮機構の吸入冷媒が流通する冷媒通過空間は、密閉容器の内部空間と膨張機構の膨張室との間に形成されていればよく、シャフトから離れて形成されうる。言いかえれば、冷媒通過空間は、当該空間にシャフトが面さないように膨張機構の周囲に形成されうる。密閉容器内を高圧側と低圧側とに仕切る必要性も特にない。これらのことから、密閉容器の内部を高圧側と低圧側とに仕切る従来例(図10参照)のように、冷媒の漏れを防止するメカニカルシールなどの特別な構造をシャフトの周囲に設ける必要性がなく、機械損失の増大の問題も生じない。
以下、添付の図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の冷凍サイクル装置の構成図である。図2Aは、図1に示す冷凍サイクル装置に適用された膨張機一体型圧縮機の縦断面図である。図3Aは、図2Aに示す膨張機一体型圧縮機のB−B断面図であり、図3BはA−A断面図である。
図1に示すように、冷凍サイクル装置100Aは、膨張機一体型圧縮機201(流体機械)と、放熱器102と、蒸発器103と、これらを相互に接続して冷媒が循環する主冷媒回路を形成する複数の冷媒配管105とを備えている。
商用電源104から電力供給を受けて作動する膨張機一体型圧縮機201は、冷媒を圧縮する圧縮機構2と、電動機3と、冷媒を膨張させる膨張機構4と、これらの要素を収容する密閉容器1とを含む。圧縮機構2、電動機3および膨張機構4は、シャフト5で連結されており、密閉容器1の内部において上からこの順番で配列している。膨張機構4によって冷媒の膨張エネルギーが回収され、シャフト5を介して圧縮機構2を駆動する電動機3の動力に重畳される。密閉容器1の底部は、圧縮機構2および膨張機構4の各摺動部を潤滑するためのオイルを貯留するオイル貯留部6として利用されている。
膨張機一体型圧縮機201は、さらに、圧縮機構2の吸入冷媒が流通可能な冷媒通過空間7(図1中の斜線部)を膨張機構4の膨張室と密閉容器1の内部空間との間に形成する熱交換構造107を含む。冷媒通過空間7は、密閉容器1の内部空間および膨張機構4の膨張室とは物理的に区画された空間である。圧縮機構2の吸入冷媒は、冷媒通過空間7において、密閉容器1の内部を満たす高温高圧の冷媒(圧縮機構2の吐出冷媒)および/またはオイル貯留部6に貯留されたオイルと熱交換する。すなわち、熱交換構造107は、密閉容器1の内部を満たす冷媒および/またはオイルから膨張機構4の膨張室内の冷媒への熱移動を抑制ないし緩和する。
密閉容器1は、圧縮機構2および膨張機構4の周囲を圧縮機構2の吐出冷媒の圧力に等しい圧力に保持する。すなわち、膨張機一体型圧縮機201は、いわゆる高圧シェル型である。圧縮機構2の吐出冷媒は、いったん密閉容器1の内部に開放されて、その後、密閉容器1から放熱器102に向けて吐出配管9から吐出される。これにより、密閉容器1の内部で圧縮機構2の吐出冷媒からオイルを十分に分離することができるので、冷凍サイクルに吐出されたオイルが、冷媒配管105に付着して圧力損失を増加させたり、放熱器102や蒸発器103の熱交換性能を低下させたりすることがない。
圧縮機構2は、吸入配管8から冷媒を吸入し、吸入した冷媒を圧縮した後、密閉容器1の内部に冷媒を吐出する。密閉容器1の内部を満たす高温高圧の冷媒は、吐出配管9から吐出されて放熱器102へ導かれる。放熱器102で加熱対象、例えば空気や水に放熱した冷媒は、吸入配管10から膨張機構4に吸入される。膨張機構4に吸入された冷媒は、膨張時に仕事を行うことで動力を回収される。膨張機構4で膨張した低温低圧の冷媒は、吐出配管11から吐出されて蒸発器103に導かれる。蒸発器103で熱源、例えば空気から吸熱した冷媒は、蒸発器103と圧縮機構2との間に設けられた熱交換構造107の冷媒通過空間7に吸入配管12を通じて導かれ、膨張機構4の膨張室の周囲を通過ないし循環した後、吐出配管13から吐出され再び圧縮機構2の吸入配管8へと戻る。
吸入配管8,10,12および吐出配管9,11,13は、ぞれぞれ、図1に示す冷媒配管105の一部である。
膨張機一体型圧縮機201の構成を詳しく説明する。図2Aに示すごとく、圧縮機構2は、シャフト5、主軸受15、固定スクロール16、旋回スクロール17およびオルダムリングのような自転規制機構18を含む、いわゆるスクロール型である。シャフト5を支持する主軸受15は、密閉容器1の内壁に溶接や焼き嵌めなどの方法で固定されている。主軸受15の上部には、固定スクロール16がボルト止めされ、この固定スクロール16と主軸受15との間に、固定スクロール16と噛み合う旋回スクロール17が配置されている。旋回スクロール17の自転を防止する自転規制機構18は、旋回スクロール17と主軸受15との間に設けられている。シャフト5の上端に設けられた主軸部5aにて旋回スクロール17を偏心駆動することにより、旋回スクロール17が円軌道運動する。
密閉容器1の上部には、電動機3に商用電源104からの電力を供給するためのターミナル14が密閉容器1を貫通する形で配置されている。電動機3は、密閉容器1に固定された固定子19と、シャフト5に固定された回転子20とを含み、圧縮機構2と膨張機構4の間に配置されている。
図2A、図3Aおよび図3Bに示すごとく、膨張機構4は、シャフト5、下軸受25、第1シリンダ22、中板23、第2シリンダ24、上軸受21、第1ローラ26、第2ローラ27、第1ベーン28、第2ベーン29、第1バネ30および第2バネ31を含む、いわゆる2段ロータリ型の構成になっている。シャフト5は、本実施形態のように、圧縮機構2側の第1部分と、その第1部分に同軸に連結された膨張機構4側の第2部分と含むものであってもよいし、単一の部材からなるものであってもよい。
シャフト5は、上軸受21および下軸受25によって回転可能に支持されている。第2シリンダ24は、上軸受21の下部に固定されている。第2シリンダ24には、上軸受21に接続された吐出配管11に膨張後の冷媒を導く吐出経路21aが面している。第2シリンダ24の下部には中板23が固定されており、その中板23の下部に第1シリンダ22が固定されている。さらに、第1シリンダ22の下部に下軸受25が固定されている。下軸受25は、第1シリンダ22への冷媒の吸入経路である吸入孔25aと、吸入孔25aにつながる凹部25bとを有する。さらに、下軸受25の下部には、密閉プレート32が固定されており、下軸受25の凹部25bとともに膨張機構4の吸入マフラー33を形成している。また、膨張機構4の吸入マフラー33には、下軸受25に接続された吸入配管10から冷媒が供給される。
第1ローラ26は、第1シリンダ22内に配置されており、シャフト5の第1偏心部5bに回転可能に嵌合している。第2ローラ27は、第2シリンダ24内に配置されており、シャフト5の第2偏心部5cに回転可能に嵌合している。第1ベーン28は、第1シリンダ22に形成された第1ベーン溝22aにスライド可能に配置されている。第2ベーン29は、第2シリンダ24に形成された第2ベーン溝24aにスライド可能に配置されている。第1バネ30は、一端が第1シリンダ22に接触し他端が第1ベーン28に接触して第1ベーン28を第1ローラ26に押し付ける。第2バネ31は、一端が第2シリンダ24に接触し他端が第2ベーン29に接触して第2ベーン29を第2ローラ27に押し付ける。
シリンダ22,24とローラ26,27との間に形成された膨張室37,38は、シリンダ22,24のベーン溝22a,24aに配置されたベーン28,29によって2つの部屋に仕切られている。本実施形態では、ロータリ型の中でも特に回転ピストン型と呼ばれる機構を採用しているが、ローラとベーンとが一体化されている揺動ピストン型と呼ばれる機構も好適に採用できる。回転ピストン型や揺動ピストン型の機構は、膨張室(作動室)からの冷媒漏れを防ぐために、ベーンとベーン溝との隙間にオイルを供給する必要がある。本実施形態においては、上記隙間にオイルが供給されるように、シリンダ22,24の周囲をオイルで満たしている。
このように、膨張機構4は、シリンダ22,24、シリンダ22,24内に配置されたローラ26,27(ピストン)およびシリンダ22,24に形成されたベーン溝22a,24aに配置されシリンダ22,24とローラ26,27との間に形成された膨張室37,38を2つの部屋に仕切るベーン28,29(仕切部材)を含む、回転ピストン型または揺動ピストン型であり、ベーン溝22a,24aにオイルが供給されるようにシリンダ22,24の周囲がオイルで満たされている。
また、膨張機構4の膨張室37,38を形成する部材である第1シリンダ22、第2シリンダ24、上軸受21および下軸受25は、冷媒通過空間7を膨張室37,38の周囲に形成する熱交換構造107に兼用されている。すなわち、熱交換構造107が膨張機構4に含まれている。膨張機構4のシリンダ22,24や軸受21,25を熱交換構造107に兼用することにより、部品点数およびコストの増加を防ぐことができる。
より具体的には、シリンダ22,24の上下端面を貫くように当該シリンダ22,24に設けられた貫通孔22b,24bによって冷媒通過空間7を構成することができる。図2Aに示すごとく、本実施形態では、上軸受21の下面に設けられた環状溝21bと、第2シリンダ24の上下端面を連通する複数の貫通孔24bと、中板23の上下端面を連通する複数の貫通孔23bと、第1シリンダ22の上下端面を連通する複数の貫通孔22bと、下軸受25の上面に設けられた環状溝25cとから冷媒通過空間7が構成されている。このようにすれば、熱交換構造107を含むにも関わらず、膨張機構4の設計を従来品とほとんど変えずに済む。
図3A,図3Bに示すごとく、シリンダ22,24には、ベーン溝22a,24aの形成されている部分を避けるようにして、膨張室37,38の周りに概ね等角度間隔で貫通孔22b,24bが設けられている。このようにすれば、膨張室37,38を周方向に取り囲むように冷媒通過空間7が形成され、膨張室37,38の周囲の温度分布を均一化できるので、熱移動を緩和する効果を得るのに有利であるとともに、シリンダ22a,24aの強度低下の問題も招来しにくい。また、製造容易性の観点から、シリンダ22,24をシャフト5の軸方向と平行な方向に貫くように、貫通孔22b,24bが設けられていることが望ましい。このような貫通孔22b,24bは、シリンダ22,24を製造するための金型によって形成されるものであってもよいし、切削、研削、研磨等の加工によって形成されるものであってもよい。
また、本実施形態では、第1シリンダ22の下端面を閉塞する下軸受25と、第2シリンダ24の上端面を閉塞する上軸受21も熱交換構造107を構成する部材として利用されている。これらの軸受21,25に設けられた環状溝21b,25cが、シリンダ22,24に設けられた貫通孔22b,24bにつらなって冷媒通過空間7を構成している。また、密閉容器1の内外を貫く吸入配管12が上軸受21、具体的には上軸受21に設けられた吸入経路21cに接続され、当該上軸受21が冷媒通過空間7への冷媒の入口として利用されている。同様に、密閉容器1の内外を貫く吐出配管13が下軸受25、具体的には下軸受25に設けられた吐出経路25dに接続され、当該下軸受25が冷媒通過空間7からの冷媒の出口として利用されている。
冷媒通過空間7には、上軸受21に設けた環状溝21bと吸入配管12とを結ぶ吸入経路21cを経由して、蒸発器103から吐出された冷媒が流入する。冷媒通過空間7を流通した冷媒は、下軸受25に設けた環状溝25cと吐出配管13とを結ぶ吐出経路25dを経由して、圧縮機構2へ向かって流出する。
なお、シリンダ22,24の外周部分に吸入配管12や吐出配管13を直接接続する実施形態も考え得るが、シリンダ22,24の上下に隣接して配置された軸受21,25を冷媒通過空間7の出入り口に利用することで、軸受21,25を介した熱移動も抑制できる利点がある。また、軸受21,25の環状溝21b,25cにより、シリンダ22,24の複数の貫通孔22b,24bのそれぞれに均等に冷媒を送り込むことが可能となる。
次に、膨張機一体型圧縮機201におけるオイルの作用について説明する。
密閉容器1の底部がオイル貯留部6として利用されているので、膨張機構4の周囲は、オイルで満たされる。膨張機構4の下部にはオイルポンプ34が設置されており、シャフト5の内部に設けた給油路を経て主軸部5a、第1偏心部5bおよび第2偏心部5cにオイルが供給され、圧縮機構2および膨張機構4を潤滑する。潤滑後のオイルは、冷媒よりも密度が高いため、密閉容器1の内部を重力によって沈降して上軸受21の切り欠き21dから再びオイル貯留部6に戻る。また、圧縮機構2の吐出冷媒に随伴するオイルも密閉容器1の内部で分離されて、オイル貯留部6に戻る。
次に、膨張機一体型圧縮機201の動作について説明する。
ターミナル14から電力を電動機3へ供給すると、固定子19と回転子20の間に回転動力が発生し、シャフト5によって圧縮機構2が駆動される。これにより、固定スクロール16と旋回スクロール17との間に形成されている圧縮室35が外周部から中央部に移動しながら縮小する。この圧縮室35の容積変化を利用して、密閉容器1の外に通じている吸入配管8および固定スクロール16の外周部の吸入口16aから冷媒が吸入および圧縮される。所定圧力以上になった冷媒は、固定スクロール16の中央部の吐出口16bからリード弁36を押し開いて密閉容器1の内部に吐出される。
密閉容器1の内部に吐出された高圧の冷媒は、電動機3の発熱を吸収しながら吐出配管9を経て外部の放熱器102(図1参照)に向かう。そして、放熱器102で冷却された冷媒は、吸入配管10を経て膨張機構4に吸入される。
図3A,図3Bに示すごとく、膨張機構4には、下軸受25、第1シリンダ22、第1ローラ26および中板23によって囲まれた空間である第1膨張室37が形成される。第1膨張室37は、第1ベーン28によって吸入側と吐出側との2つの部屋に仕切られている。また、中板23を挟んで第1膨張室37の反対側には、中板23、第2シリンダ24、第2ローラ27および上軸受21によって囲まれた空間である第2膨張室38が形成される。第2膨張室38も第2ベーン29によって吸入側と吐出側との2つの部屋に仕切られている。吸入孔25aと連通しない吐出側の第1膨張室37と、吐出経路21aと連通しない吸入側の第2膨張室38とは、中板23に設けられた連通孔23aで1つにつながっている。連通孔23aは、第1膨張室37側から見れば、第1ベーン28を挟んで吸入孔25aの反対側に位置し、第2膨張室38側から見れば、第2ベーン29を挟んで吐出経路21aの反対側に位置する。
高圧の冷媒が吸入配管10に導かれて吸入孔25aに流入すると、第1ローラ26が押されてシャフト5が回転し、その吸入孔25aと連通する吸入側の第1膨張室37の容積が増加する。第1ローラ26が偏心回転運動して所定の吸入容積まで冷媒が吸入されると、吸入側の第1膨張室37と吸入孔25aとの連通が絶たれ、代わりに吐出側の第1膨張室37が連通孔23aと連通し、連通孔23aを介して吐出側の第1膨張室37と吸入側の第2膨張室38とが1つにつながる。さらにシャフト5が回転すると、吐出側の第1膨張室37の容積が減少し、それと同時に、より気筒容積の大きな第2膨張室38の吸入側の容積が増加し始め、第1膨張室37から第2膨張室38へと冷媒が膨張しながら移動する。
さらにシャフト5が回転して第2ローラ27が偏心回転運動を続けると、第2膨張室38の冷媒の圧力は、蒸発器103を流通する冷媒の圧力(要するに冷凍サイクルの低圧)まで低下する。この後、さらなるシャフト5の回転によって第2膨張室38の容積が減少して、冷媒が吐出経路21aを経て吐出配管11から蒸発器103に向けて吐出される。膨張機構4で断熱膨張してシャフト5に対して仕事をした冷媒は、蒸発器103で加熱され、冷媒通過空間7を経由して圧縮機構2の吸入配管8に戻る。
このように、膨張機構4で回収される動力は、シャフト5によって圧縮機構2を駆動する電動機3の動力に重畳され、電動機3への供給電力を低減する。
上記の動作の過程で、圧縮機構2は圧縮過程の冷媒とともに温度上昇し、膨張機構4は膨張過程の冷媒とともに温度低下する。例えば、二酸化炭素を冷媒として用いる給湯機用冷凍サイクル装置では、圧縮後の冷媒の温度が90℃前後、膨張後の冷媒の温度が5℃前後となる。密閉容器1の内部は、圧縮機構2から吐出される高温の冷媒で充たされるので、温度の高い圧縮機構2を潤滑してオイル貯留部6に戻るオイルの温度は必然的に高くなる。オイル貯留部6に戻ったオイルは、低温の膨張機構4に接触して冷却される。また、密閉容器1の内部を満たす高温の冷媒から膨張機構4を構成する上軸受21にも熱移動が起こる。
図8A,図8Bで説明したように、密閉容器1内のオイルや冷媒を媒介して生ずる上記のような熱移動は、冷凍サイクルの効率を低下させ、膨張機構4を用いて動力回収を行う意義を損なう。
一方、本実施形態の冷凍サイクル装置100Aでは、蒸発器103から吐出された冷媒が、膨張機構4の周囲に設けられた冷媒通過空間7を経由して圧縮機構2に吸入される。このようにすると、密閉容器1の内部の高温の冷媒やオイルから冷媒通過空間7を流通する圧縮機構2の低温の吸入冷媒へと熱が移動した後で、冷媒通過空間7を流通する圧縮機構2の低温の吸入冷媒から膨張室37,38内の冷媒への熱移動が生じる。
蒸発器103から吐出された冷媒は、通常、膨張直後の冷媒の温度よりも高い。しかしながら、蒸発器103から吐出された冷媒と膨張直後の冷媒との温度差は、圧縮機構2の吐出冷媒と吸入冷媒との温度差に比べて十分に小さい。したがって、密閉容器1の内部を満たす冷媒やオイルから冷媒通過空間7を流通する冷媒へ移動する熱量に比べ、冷媒通過空間7を流通する冷媒から膨張室37,38内の冷媒に移動する熱量は十分に小さい。圧縮機構2の吸入冷媒は、常に冷媒通過空間7を流れているため、冷媒通過空間7の冷媒の温度は安定した低温で維持され、冷媒通過空間7を流通する圧縮機構2の吸入冷媒から膨張機構4の膨張室37,38内の冷媒への熱移動は起こりにくい。つまり、圧縮機構2から膨張機構4への熱移動が抑制される。
結果的に、図6のモリエル線図に示すように、冷媒通過空間7を流通する冷媒(圧縮機構2の吸入冷媒)のエンタルピーがΔH増加するので、圧縮機構2の吐出冷媒のエンタルピーがΔh減少したとしても、圧縮機構2の吐出冷媒の温度は目標値を満足する。
冷媒通過空間7を流通する冷媒は、密閉容器1の内部の冷媒やオイルから受熱して温度が高くなるので、これにともなって密度が低くなる。圧縮機構2の吸入冷媒の密度が低くなると、質量流量を維持するために電動機3の回転数を増加させる必要性が生じ、消費電力も増加する。しかしながら、サイクル全体のエネルギー収支は、過圧縮をともなう従来の吐出温度制御サイクル(図8B参照)に比べ、本実施形態の方が有利でありうる。
また、高圧シェル型の流体機械201(膨張機一体型圧縮機201)の採用により、オイル分離器などの別の手段を講ずることなく、図9に示す低圧シェル型の流体機械に存在するオイル分離の問題を解決することができる。
さらに、本実施形態によれば、シャフト5が冷媒通過空間7に面していないので(露出していない)、冷媒通過空間7を流通する冷媒がシャフト5の周囲から漏れる問題が本質的に存在しない。そのため、メカニカルシールのようなシール構造をシャフト5の周囲に設ける必要がなく、そのようなシール構造によって機械損失が増加するといった問題も招来しない。
また、本実施形態では、熱交換構造107に設けられた冷媒通過空間7の入口と出口との鉛直方向の位置関係が、膨張機構4の膨張室37,38の入口と出口との鉛直方向の位置関係と逆になっている。図2Aに示すように、膨張機構4は、後段の第2シリンダ24が圧縮機構2に近い側となるように、第1シリンダ22と第2シリンダ24の位置関係が定められている。したがって、膨張室37,38の入口と出口との鉛直方向の位置関係は、入口(吸入孔25a)が鉛直下方、出口(吐出経路21a)が鉛直上方となる。これに対し、冷媒通過空間7の入口と出口との鉛直方向の位置関係は、上軸受21に設けられた入口(吸入経路21c)が鉛直上方、下軸受25に設けられた出口(吐出経路25d)が鉛直下方となる。
膨張機構4において、冷媒は、第1シリンダ22の膨張室37および第2シリンダ24の膨張室38をこの順番で移動しながら膨張するので、第2シリンダ24は第1シリンダ22よりも低温となる。したがって、第2シリンダ24側に冷媒通過空間7の入口を設定し、第1シリンダ22側に冷媒通過空間7の出口を設定することにより、鉛直方向に関する膨張室37,38の温度勾配と、鉛直方向に関する冷媒通過空間7の温度勾配と一致させることができる。これにより、冷媒通過空間7を流通する冷媒から膨張室37,38内の冷媒への熱移動をより効果的に抑制することが可能となる。
また、図2Bに示すレイアウトも好適に採用することができる。図2Bに示す膨張機一体型圧縮機202の膨張機構40は、前段の第1シリンダ22が圧縮機構2に近い側となるように、第1シリンダ22と第2シリンダ24の位置関係が定められている。つまり、図2Bの例は、図2Aの例とシリンダ22,24の上下が逆になっている。したがって、上軸受21に設けられた経路21aが膨張室37への入口となり、下軸受25に設けられた孔25aが膨張室38からの出口となる。密閉容器1の上部に圧縮機構2、下部に膨張機構40が配置されている点や、密閉容器1の下部がオイルを貯留するオイル貯留部6として利用されることにより膨張機構40の周囲がオイルで満たされている点は、図2Aの例と図2Bの例とで共通である。
膨張機構40の膨張室38,39の入口と出口との位置関係が上記のように定められている場合、膨張室37,38の温度勾配と、冷媒通過空間7の温度勾配とを一致させるために、下軸受25に設けられた経路25dを冷媒通過空間7への入口(吸入経路)として利用し、上軸受21に設けられた経路21cを冷媒通過空間7からの出口(吐出経路)として利用することができる。すなわち、冷媒通過空間7に案内された冷媒が、膨張機構40の周囲を満たすオイルの液面に接近する方向である鉛直上方向へ向かって流れるように、冷媒通過空間7の入口および出口が設けられる。オイル貯留部6に貯められたオイルは、油面側が高温となる温度勾配を有する。したがって、図2Bのレイアウトによれば、膨張機構40における膨張室37,38の温度勾配と、冷媒通過空間7の温度勾配と、オイル貯留部6の温度勾配とが、鉛直方向に関して一致する。このようにすれば、オイル貯留部6のオイルから冷媒通過空間7を流通する冷媒への熱移動も抑制することができるので、膨張機構40の膨張室37,38内の冷媒への熱移動をいっそう抑制することが可能となる。また、冷媒通過空間7には気相の冷媒が流通するので、鉛直上方に向かって通路が形成されていても、冷媒が滞留する恐れがない。
なお、本実施形態では、密閉容器1の上部に圧縮機構2を配置し、下部に膨張機構4を配置するレイアウトを採用しているが、もちろん、この逆であってもよい。
(第2実施形態)
図4は、図1の冷凍サイクル装置100Aに好適に採用できる他の例の膨張機一体型圧縮機の縦断面図である。図4に示すように、本実施形態の膨張機一体型圧縮機301は、第1実施形態で説明したものと概ね同様の構成である。同一機能部品については同一の符号を適用し、説明を省略する。
本実施形態と先の第1実施形態との相違点は、熱交換構造107(図1参照)を構成する部材と、膨張機構4’を構成する部材とが別であり、膨張機構4’に熱交換構造107が含まれていない点である。本実施形態では、熱交換構造107が膨張機構4’の周囲に巻き付けた配管39からなり、配管30の内部が冷媒通過空間7として利用される。本実施形態によれば、膨張機構4’に配管39を巻き付けているだけなので安価である。このような配管39として、例えば、熱交換器用の内面溝付き管を好適に用いることができる。
蒸発器103から吐出された冷媒は、膨張機構4’の周囲に巻き付けられた配管39(冷媒通過空間7)を流通した後、圧縮機構2に吸入される。密閉容器1の内部の高温の冷媒やオイルから配管39を流通する圧縮機構2の低温の吸入冷媒へと一度熱が移動した後で、配管39を流通する冷媒から膨張機構4’への熱移動が生じる。圧縮機構2の吸入冷媒は、常に配管39を流れているため、配管39を流通する冷媒の温度は安定した低温で維持され、配管39を流通する圧縮機構2の吸入冷媒から膨張室37,38内の冷媒への熱移動は起こりにくい。結果として、圧縮機構2から膨張機構4への熱移動が抑制され、該熱移動に基づく効率の低下を食い止めることができる。こうした効果は、第1実施形態で説明した通りである。
本実施形態において、配管39は、上軸受21の下面近傍に設けられた吸入配管12に一端が接続され、下軸受25の近傍に設けられた吐出配管13に他端が接続されている。もちろん、吸入配管12および吐出配管13が配管39の一部であってもよい。さらに、配管39は、膨張機構4’の第2シリンダ24、中板23および第1シリンダ22にこの順番で巻き付けられている。つまり、第1実施形態と同様の効果を得るために、配管39は、膨張室37,38の温度勾配と、配管39の内部(冷媒通過空間7)の温度勾配とが鉛直方向に関して一致するように、膨張機構4に巻き付けられている。もちろん、図2Bで説明した関係を満たすようにしてもよい。
また、軸方向では配管39同士が接し、径方向ではシリンダ22,24と配管39とが接している。つまり、配管39は、距離を最大限に稼ぐことができるようにシリンダ22,24に密に巻き付けられている。これにより、配管39の周囲のオイルから配管39を流通する冷媒への熱移動が十分に行われる。ただし、わずかに残っている隙間からベーン溝22a,24a(図3A,図3B参照)へオイルが浸入できるようになっている。なお、本実施形態では配管39を一重巻きとしているが、複数回巻き付けてもよい。また、シリンダの外周面に浅い溝を形成し、その溝に沿って配管39を配置するようにしてもよい。
また、本実施形態の配管39は、断面が円形であるが、断面が非円形の配管や配管に準ずる部材を使用してもよい。例えば、内周部と外周部との間に空間(冷媒通過空間7)を有する2重構造の部材を、熱交換構造107を構成する部材として、シリンダ22,24に嵌め合わせてもよい。つまり、熱交換構造107は、膨張機構4’の周囲を覆うジャケットによって構成することができ、配管39はそのようなジャケットの1つの例にすぎない。
(第3実施形態)
図5は、第3実施形態の冷凍サイクル装置の概略図である。図5に示すように、本実施形態の冷凍サイクル装置100Bは、蒸発器103と圧縮機構2を直接接続するバイパス回路を設けた点で、第1実施形態の冷凍サイクル装置100Aと相違する。
すなわち、本実施形態の冷凍サイクル装置100Bは、圧縮機構2、放熱器102、膨張機構4、蒸発器103および熱交換構造107をこの順番で接続し、冷媒が循環する主冷媒回路を形成する主配管105と、熱交換構造107をバイパスして蒸発器103と圧縮機構2とを接続するように、主冷媒回路から分岐するバイパス回路を形成する副配管40と、副配管40によるバイパス回路上に設けられ、バイパス回路を流れる冷媒の流量を調節するための弁41とを備えている。
蒸発器103から吐出された冷媒は、膨張機構4の膨張室の周囲に設けられた冷媒通過空間7を流通した後、圧縮機構2に吸入される。その一方で、蒸発器103から吐出された冷媒の一部は、副配管40によるバイパス回路を流通して蒸発器103から圧縮機構2に直接吸入される。冷媒通過空間7を流通する冷媒量を制御することにより、圧縮機構2の吸入冷媒のエンタルピーを制御できるので、圧縮機構2の吐出冷媒の温度を容易に所望の値とすることができる。また、圧縮機構2の吸入冷媒が冷媒通過空間7において必要以上に加熱されることを防止することができる。すなわち、弁41の開度を調節してバイパス回路40を流れる冷媒量を制御することにより、不必要な冷媒加熱を防止することができ、圧縮機構2の効率を最適化することが可能となる。
第1実施形態の冷凍サイクル装置の構成図 図1の冷凍サイクル装置に用いられた膨張機一体型圧縮機の縦断面図 他の好適な膨張機一体型圧縮機の縦断面図 図2Aに示す膨張機一体型圧縮機のB−B断面図 図2Aに示す膨張機一体型圧縮機のA−A断面図 第2実施形態の膨張機一体型圧縮機の縦断面図 第3実施形態の冷凍サイクル装置の構成図 本発明の効果を説明するモリエル線図 従来の冷凍サイクル装置に用いられた膨張機一体型圧縮機の縦断面図 従来の冷凍サイクル装置の問題点を示すモリエル線図 図8Aに続くモリエル線図 従来の冷凍サイクル装置に用いられた膨張機一体型圧縮機の縦断面図 従来の冷凍サイクル装置に用いられた他の膨張機一体型圧縮機の縦断面図
符号の説明
1 密閉容器
2 圧縮機構
4,4’,40 膨張機構
5 シャフト
6 オイル貯留部
7 冷媒通過空間
12 吸入配管
13 吐出配管
21 上軸受
21b,25c 環状溝
21c 吸入経路,吐出経路
22 第1シリンダ
22a 第1ベーン溝
22b,24b 貫通孔
24 第2シリンダ
24a 第2ベーン溝
25 下軸受
25d 吐出経路,吸入経路
26 第1ローラ
27 第2ローラ
28 第1ベーン
29 第2ベーン
37 第1膨張室
38 第2膨張室
39 配管
40 副配管
41 弁
100A,100B 冷凍サイクル装置
102 放熱器
103 蒸発器
105 主配管
107 熱交換構造
201,202,301 膨張機一体型圧縮機

Claims (12)

  1. 冷媒を放熱させる放熱器と、
    冷媒を蒸発させる蒸発器と、
    前記放熱器に送るべき冷媒を圧縮する圧縮機構と、前記放熱器で放熱した冷媒を膨張させて前記蒸発器に向けて吐出する膨張機構と、前記圧縮機構および前記膨張機構を収容するとともに、前記圧縮機構で圧縮された冷媒が内部に吐出される密閉容器と、前記圧縮機構の吸入冷媒が流通可能な空間であって、前記圧縮機構の吐出冷媒および前記密閉容器の内部に貯留された潤滑用のオイルの少なくとも一方と前記圧縮機構の吸入冷媒とを熱交換させるための冷媒通過空間を、前記膨張機構の膨張室と前記密閉容器の内部空間との間に形成する熱交換構造とを含む流体機械と、
    を備えた、冷凍サイクル装置。
  2. 前記熱交換構造が前記膨張機構に含まれている、請求項1に記載の冷凍サイクル装置。
  3. 前記膨張機構の前記膨張室を形成する部材に設けられた貫通孔によって前記冷媒通過空間が構成されている、請求項2に記載の冷凍サイクル装置。
  4. 前記部材がシリンダであり、
    前記膨張機構が前記シリンダの端面を閉塞する閉塞部材をさらに含み、前記閉塞部材に設けられた溝および/または孔が前記シリンダに設けられた前記貫通孔につらなって前記冷媒通過空間を構成するとともに、前記閉塞部材に前記密閉容器の内外を貫く配管が接続され、前記閉塞部材が前記冷媒通過空間の出入り口として利用されている、請求項3に記載の冷凍サイクル装置。
  5. 前記熱交換構造が前記膨張機構の周囲に配置されたジャケットによって構成されている、請求項1に記載の冷凍サイクル装置。
  6. 前記ジャケットが前記膨張機構の周囲に巻き付けられた配管を含む、請求項5に記載の冷凍サイクル装置。
  7. 前記膨張機構は、シリンダ、前記シリンダ内に配置されたピストンおよび前記シリンダに形成された溝に配置され前記シリンダと前記ピストンとの間に形成された前記膨張室を2つの部屋に仕切る仕切部材を含む、回転ピストン型または揺動ピストン型であり、前記溝に前記オイルが供給されるように前記シリンダの周囲が前記オイルで満たされている、請求項1に記載の冷凍サイクル装置。
  8. 前記熱交換構造が前記膨張機構に含まれ、前記シリンダの上下端面を貫くように前記シリンダに設けられた貫通孔によって前記冷媒通過空間が構成されている、請求項7に記載の冷凍サイクル装置。
  9. 前記熱交換構造が前記膨張機構の周囲に配置されたジャケットによって構成されている、請求項7に記載の冷凍サイクル装置。
  10. 前記熱交換構造に設けられた前記冷媒通過空間の入口と出口との鉛直方向の位置関係が、前記膨張機構の前記膨張室の入口と出口との鉛直方向の位置関係と逆になっている、請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の冷凍サイクル装置。
  11. 前記密閉容器の上部に前記圧縮機構、下部に前記膨張機構が配置されており、
    前記密閉容器の底部が前記オイルを貯留するオイル貯留部として利用されることにより前記膨張機構の周囲が前記オイルで満たされ、
    前記熱交換構造には、前記冷媒通過空間に案内された冷媒が前記膨張機構の周囲を満たす前記オイルの液面に接近する方向である鉛直上方向へ向かって流れるように、前記冷媒通過空間の前記入口および出口が設けられている、請求項10に記載の冷凍サイクル装置。
  12. 前記圧縮機構、前記放熱器、前記膨張機構、前記蒸発器および前記熱交換構造をこの順番で接続し、冷媒が循環する主冷媒回路を形成する主配管と、
    前記熱交換構造をバイパスして前記蒸発器と前記圧縮機構とを接続するように、前記主冷媒回路から分岐するバイパス回路を形成する副配管と、
    前記バイパス回路上に設けられ、前記バイパス回路を流れる冷媒の流量を調節するための弁とをさらに備えた請求項1ないし請求項11のいずれか1項に記載の冷凍サイクル装置。
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