JP2021041677A - 印刷装置、印刷制御装置、印刷装置の制御方法、及び、プログラム - Google Patents

Abstract

【課題】印刷開始前の作業時間を低減して、速やかに印刷を開始できるようにすること。【解決手段】プリンター１は、印刷部と、印刷媒体を搬送する搬送ベルト４と、搬送ベルトに載置された印刷媒体の端部のうち、印刷媒体の搬送方向と交差する交差方向の両端部を検出するカメラ７と、カメラによって検出した両端部のうち一方の端部を印刷開始位置とし、一方の端部から他方の端部までの距離を印刷媒体の幅として、印刷部に印刷データに基づく印刷を実行させる制御部と、を備える。【選択図】図１

Description

本発明は、印刷装置、印刷制御装置、印刷装置の制御方法、及び、プログラムに関する。

従来、印刷媒体の端部に基づいて印刷ヘッドが印刷を開始する印刷開始位置を決定する技術が知られている。例えば、特許文献１は、定型用紙の側端部を光学的に検出し、検出信号に基づいて定型用紙の位置ズレ量を求めて、求めた位置ズレ量に基づいて印刷開始位置を決定する印刷装置を開示する。

特開２００５−２４６７６７号公報

搬送ベルトによって印刷媒体を搬送する印刷装置では、非定型の印刷媒体が搬送ベルトの任意の位置に載置され得るため、印刷開始位置に加えて、印刷媒体の搬送方向と交差する交差方向における印刷媒体の幅を決める必要がある。しかしながら、この種の印刷装置では、従来、印刷開始位置及び印刷媒体の幅をオペレーターが測定等によって手動で決めていたため、印刷開始前の作業に時間を要してしまい速やかに印刷を開始することができなかった。

上記課題を解決する一態様は、印刷部と、印刷媒体を搬送する搬送ベルトと、前記搬送ベルトに載置された前記印刷媒体の端部のうち、前記印刷媒体の搬送方向と交差する交差方向の両端部を検出するセンサーと、前記センサーによって検出した両端部のうち一方の端部を印刷開始位置とし、前記一方の端部から他方の端部までの距離を前記印刷媒体の幅として、前記印刷部に印刷データに基づく印刷を実行させる制御部と、を備える、印刷装置である。

上記印刷装置において、前記印刷部は、印刷ヘッドを有し、前記センサーは、前記搬送方向において、前記搬送ベルトが前記印刷媒体の載置を開始する載置開始位置より下流であって、且つ、前記印刷ヘッドより上流に設けられる、構成でもよい。

上記印刷装置において、前記印刷部は、印刷ヘッド、及び、前記印刷ヘッドが搭載されるキャリッジを有し、前記センサーは、前記キャリッジに設けられる、構成でもよい。

上記印刷装置において、前記制御部は、前記搬送ベルトの色と前記印刷媒体の色との色差に基づいて、前記センサーによって前記両端部を検出する、構成でもよい。

上記印刷装置において、前記制御部は、ユーザーの入力操作に基づいて、前記センサーにより決定された前記印刷開始位置、及び、前記印刷媒体の幅を変更し、変更した前記印刷開始位置、及び、前記印刷媒体の幅に基づいて、前記印刷部に前記印刷データに基づく印刷を実行させる、構成でもよい。

上記印刷装置において、前記センサーは、カメラであり、前記制御部は、前記カメラにより得られた前記両端部の撮影画像を表示部に表示させる、構成でもよい。

上記印刷装置において、前記印刷データは、前記センサーによって決定された前記印刷媒体の幅に応じて印刷サイズが変更されたパターン画像を印刷するためのデータであってもよい。

上記印刷装置において、前記印刷媒体は、布帛であってもよい。

上記課題を解決する別の一態様は、印刷部と、印刷媒体を搬送する搬送ベルトと、前記搬送ベルトに載置された前記印刷媒体の端部のうち前記印刷媒体の搬送方向と交差する交差方向の両端部を検出するセンサーと、を備える印刷装置を制御する印刷制御装置であって、前記センサーが検出した両端部のうち一方の端部を印刷開始位置とし、前記一方の端部から他方の端部までを前記印刷媒体の幅として、前記印刷部に印刷データに基づく印刷を実行させる制御装置制御部と、を備える、印刷制御装置である。

上記課題を解決するさらに別の一態様は、印刷部と、印刷媒体を搬送する搬送ベルトと、前記搬送ベルトに載置された前記印刷媒体の端部のうち前記印刷媒体の搬送方向と交差する交差方向の両端部を検出するセンサーと、を備える印刷装置の制御方法であって、前記センサーによって検出した両端部のうち一方の端部を印刷開始位置とし、前記一方の端部から他方の端部までを前記印刷媒体の幅として、前記印刷部に印刷データに基づく印刷を実行させる、印刷装置の制御方法である。

上記課題を解決するさらに別の一態様は、印刷部と、印刷媒体を搬送する搬送ベルトと、前記搬送ベルトに載置された前記印刷媒体の端部のうち前記印刷媒体の搬送方向と交差する交差方向の両端部を検出するセンサーと、を備える印刷装置の制御部が実行するプログラムであって、前記制御部に、前記センサーによって検出した両端部のうち一方の端部を印刷開始位置とし、前記一方の端部から他方の端部までを前記印刷媒体の幅として、前記印刷部に印刷データに基づく印刷を実行させる、プログラムである。

プリンターの概略構成図。 カメラの撮影範囲を説明するための図。 キャリッジ、印刷ヘッド、プリンターの印刷動作を説明するための図。 プリンターの機能的構成を示すブロック図。 ジョブグループの構成を示す模式図。 プリンターの動作を示すフローチャート。 右端部及び左端部の交差方向における位置の検出を説明するための図。 印刷設定画面の一例を示す図。 第２実施形態のカメラの配置を示す図。 第３実施形態の印刷システムの構成を示す図。 印刷システムの動作を示すフローチャート。

［第１実施形態］
まず、第１実施形態について説明する。
図１は、プリンター１の概略構成図である。プリンター１は、印刷装置の一例に対応する。
図１、図２、図３、図７、及び、図９において、プリンター１の設置状態における前方を符号ＦＲで示し、プリンター１の後方を符号ＲＲで示す。また、図１、図２、図３、図７、及び、図９において、プリンター１の右方を符号Ｒで示し、プリンター１の左方を符号Ｌで示す。また、図１、図２、図３、図７、及び、図９において、プリンター１の上方を符号ＵＰで示し、プリンター１の下方を符号ＤＷで示す。

プリンター１は、インクＩＫを吐出する印刷ヘッド８１を備え、印刷媒体ＷにインクＩＫを吐出して画像を形成するインクジェット式の印刷装置である。

印刷媒体Ｗは、例えば、天然繊維や合成繊維等で構成された布帛である。プリンター１は、布帛である印刷媒体ＷにインクＩＫを付着させることで、印刷媒体Ｗの捺染を行う捺染印刷機である。したがって、印刷媒体Ｗは被捺染材である。なお、本実施形態では、印刷媒体Ｗとして布帛を例示するが、印刷媒体Ｗとしては、布帛の他、普通紙、上質紙、及び光沢紙等のインクジェット記録用専用紙等を用いることもできる。

プリンター１は、繰出装置２、従動ローラー１０Ａ、１０Ｂ、１０Ｃ、搬送ローラー３Ａ、３Ｂ、搬送ベルト４、及び、巻取装置５を備える。これらの各部は後述する印刷媒体Ｗを搬送する搬送機構１０１１を構成する。

繰出装置２は、ロール状に巻回された長尺の印刷媒体Ｗを搬送ベルト４に繰り出す装置である。繰出装置２は、印刷媒体Ｗの搬送方向Ｈにおいて最上流に位置する。繰出装置２は、回転軸２Ａを図１において反時計回りに回転させることで、回転軸２Ａにセットされた印刷媒体Ｗを従動ローラー１０Ａ、１０Ｂを介して搬送ベルト４に繰り出す。

搬送ローラー３Ａ、３Ｂは、無端形状の搬送ベルト４を駆動する一対のローラーである。例えば、搬送ローラー３Ａは駆動ローラーであり、搬送ローラー３Ｂは従動ローラーである。搬送ベルト４は、その表面に粘着性を有する粘着層が形成されたグルーベルトである。繰出装置２から繰り出された印刷媒体Ｗは、搬送ベルト４の粘着層に粘着固定され、搬送ベルト４とともに搬送方向Ｈに搬送される。なお、本実施形態の搬送ベルト４として表面に粘着層が形成されたグレーベルトを例示するが、搬送ベルト４は、粘着性のベルトに限定されず、例えば静電吸着式のベルトであってもよい。

巻取装置５は、従動ローラー１０Ｃを介して搬送ベルト４により搬送された印刷媒体Ｗを巻き取る装置である。巻取装置５は、印刷媒体Ｗの搬送方向Ｈにおいて最下流に位置する。巻取装置５は、回転軸５Ａを図１において反時計回りに回転させることで、回転軸５Ａにセットされた巻取リールに、印刷ヘッド８１により印刷された印刷媒体Ｗをロール状に巻き取る。

プリンター１は、押付ローラー６を備える。押付ローラー６は、搬送方向Ｈにおいて、搬送ベルト４が印刷媒体Ｗの載置を開始する載置開始位置Ｉ１より下流であって、且つ、後述するカメラ７より上流に設けられる。搬送ベルト４に載置された印刷媒体Ｗは、押付ローラー６によって搬送ベルト４に押し付けられる。これにより、プリンター１は、搬送ベルト４の表面に形成された粘着層に印刷媒体Ｗを確実に粘着させることができ、搬送ベルト４に載置された印刷媒体Ｗが搬送ベルト４から浮き上がることを抑制できる。なお、押付ローラー６は、印刷媒体Ｗにローラー痕が付くこと抑制するため、搬送方向Ｈに沿って往復移動可能に構成される。

プリンター１は、カメラ７を備える。カメラ７は、センサーの一例に対応する。カメラ７は、搬送方向Ｈにおいて、押付ローラー６より下流であって、且つ、印刷ユニット８より上流に設けられる。

図２は、カメラ７の撮影範囲ＳＡを説明するための図である。
カメラ７は、搬送ベルト４の上方に設けられる。カメラ７は、搬送ベルト４に載置された印刷媒体Ｗの交差方向Ｋにおける２つの端部ＴＢを含む撮影範囲ＳＡを撮影する。そして、カメラ７は、撮影画像ＳＧのデータである撮影画像データ１２５を後述する制御部１００に出力する。カメラ７の撮影画像ＳＧは、静止画像でもよく映像でもよい。交差方向Ｋは、搬送方向Ｈと交差する方向であり、キャリッジ８２の走査方向でもある。また、本実施形態では、交差方向Ｋは、搬送方向Ｈと直交する方向であり、プリンター１の左右方向である。

以下の説明では、印刷媒体Ｗの交差方向Ｋにおける２つの端部ＴＢのうち、右方の端部ＴＢを「右端部」といい「ＴＢ−Ｒ」の符号を付す。また、印刷媒体Ｗの交差方向Ｋにおける２つの端部ＴＢのうち、左方の端部ＴＢを「左端部」といい「ＴＢ−Ｌ」の符号を付す。また、右端部ＴＢ−Ｒ、及び、左端部ＴＢ−Ｌをまとめていう場合、「両端部」といい「ＲＴＢ」の符号を付す。

カメラ７の撮影範囲ＳＡは、交差方向Ｋに延びる矩形の領域であって、交差方向Ｋにおいて搬送ベルト４の両端を含むように設定される。本実施形態は、撮影範囲ＳＡは、撮影範囲ＳＡの交差方向Ｋにおける両端が、交差方向Ｋにおける搬送ベルト４の両端に一致するように設定される。これにより、交差方向Ｋにおける印刷媒体Ｗの幅が交差方向Ｋにおける搬送ベルト４の幅以下であれば、カメラ７の撮影画像ＳＧには、印刷媒体Ｗの右端部ＴＢ−Ｒ、及び、左端部ＴＢ−Ｌが含まれる。なお、本実施形態の撮影範囲ＳＡは、一例であり、交差方向Ｋにおいて搬送ベルト４の両端を含むように設定されていれば、撮影範囲ＳＡの両端が搬送ベルト４の両端に一致していなくてもよい。

図１の説明に戻り、プリンター１は、印刷ユニット８を備える。印刷ユニット８は、搬送方向Ｈにおいて、カメラ７より下流であって、且つ、搬送ベルト４が印刷媒体Ｗの載置を終了する載置終了位置Ｉ２より上流に設けられる。

印刷ユニット８は、キャリッジ８２を備える。
キャリッジ８２には、印刷ヘッド８１を搭載する。印刷ヘッド８１は、キャリッジ８２と共に印刷媒体Ｗの上を交差方向Ｋに往復移動する。

ここで、図３を参照して、キャリッジ８２、印刷ヘッド８１、及び、プリンター１の基本的な印刷動作について説明する。
図３は、キャリッジ８２、印刷ヘッド８１、及び、プリンター１の基本的な印刷動作を説明するための図である。

キャリッジ８２は、図示せぬガイドシャフトに沿って往復移動する。なお、ガイドシャフトは、交差方向Ｋに延在するシャフトであり、搬送ベルト４と対向する位置に設けられる。キャリッジ８２は、カム等を含むギャップ調整機構８３と共に、ガイドシャフトに沿って交差方向Ｋに往復移動する。

前述した通り、キャリッジ８２は、印刷ヘッド８１が搭載される。なお、キャリッジ８２には、印刷ヘッド８１以外に種々のデバイスが搭載されていてもよい。

印刷ヘッド８１は、図示しないインク貯留機構からインク供給路１１を介してインクの供給を受け、搬送ベルト４に載置された印刷媒体ＷにインクＩＫを吐出する。なお、インク貯留機構は、インクＩＫを貯留する機構であり、例えば、インクカートリッジやインクタンクを含む。印刷ヘッド８１は、印刷媒体Ｗと対向する面に、インクＩＫを吐出するノズルが搬送方向Ｈに複数並ぶノズル列ＮｚＲを、交差方向Ｋに複数並んで有している。例えば、印刷ヘッド８１は、シアン（Ｃ）、マゼンタ（Ｍ）、イエロー（Ｙ）、及びブラック（Ｋ）のインクを吐出するため、これら４色のそれぞれに対応した４つのノズル列ＮｚＲを有する。

なお、印刷ヘッド８１が吐出するインクは、上述した色のインクに限定されず、例えば、ライトシアン、ライトマゼンタ、オレンジ、グリーン、グレー、ライトグレー、ホワイト、メタリック等のインクでもよい。また、印刷ヘッド８１は、インクＩＫのほか、浸透液を印刷媒体Ｗに吐出する構成でもよい。浸透液は、印刷媒体Ｗの表面に付着したインクＩＫの裏面への浸透を促進する液体である。この場合、印刷ヘッド８１は、インクＩＫの吐出とともに、あるいはインクＩＫの吐出とは異なるタイミングで、印刷媒体Ｗに向けて浸透液を吐出する。

キャリッジ８２は、交差方向Ｋにおいて、非印刷領域Ａ１、印刷領域Ａ２、及び、非印刷領域Ａ３のいずれかに位置する。なお、非印刷領域Ａ１、Ａ３は、交差方向Ｋにおいて印刷領域Ａ２の外側である印刷領域外の領域である。

非印刷領域Ａ１は、画像形成を目的として印刷ヘッド８１がインクＩＫの吐出を行えない領域である。非印刷領域Ａ１は、印刷領域Ａ２の右方において印刷領域Ａ２と隣り合う領域である。非印刷領域Ａ１は、搬送ベルト４に載置された印刷媒体Ｗを含まない領域である。そのため、非印刷領域Ａ１に位置するキャリッジ８２に搭載される印刷ヘッド８１と対応する位置には、印刷媒体Ｗが位置しない。なお、非印刷領域Ａ１にキャリッジ８２が位置するとは、交差方向Ｋにおいて、印刷ヘッド８１が有するノズル列ＮｚＲのうち最も左方に位置するノズル列ＮｚＲが非印刷領域Ａ１に位置することを示す。非印刷領域Ａ１には、印刷ヘッド８１に対してメンテナンスを実行するメンテナンス機構が設けられてもよい。

印刷領域Ａ２は、画像形成を目的として印刷ヘッド８１がインクＩＫの吐出を行える領域である。印刷領域Ａ２は、交差方向Ｋにおいて非印刷領域Ａ１、Ａ３に挟まれる領域であって、非印刷領域Ａ１、Ａ３と隣り合う。

非印刷領域Ａ３は、画像形成を目的として印刷ヘッド８１がインクＩＫの吐出を行えない領域である。非印刷領域Ａ３は、印刷領域Ａ２の左方に印刷領域Ａ２と隣り合う領域である。非印刷領域Ａ３は、搬送ベルト４に載置された印刷媒体Ｗを含まない領域である。そのため、非印刷領域Ａ３に位置するキャリッジ８２に搭載される印刷ヘッド８１と対応する位置には、印刷媒体Ｗが位置しない。なお、非印刷領域Ａ３にキャリッジ８２が位置するとは、交差方向Ｋにおいて、印刷ヘッド８１が有するノズル列ＮｚＲのうち最も右方に位置するノズル列ＮｚＲが非印刷領域Ａ３に位置することを示す。非印刷領域Ａ３には、非印刷領域Ａ１と代わって印刷ヘッド８１に対してメンテナンスを実行するメンテナンス機構が設けられてもよい。

キャリッジ８２は、印刷媒体ＷにインクＩＫと吐出して画像を形成する際、走査開始位置ＫＩ１、ＫＩ３を起点に交差方向Ｋに走査する。走査開始位置ＫＩ１は、交差方向Ｋにおける位置であって、キャリッジ８２が左方への走査を開始する際の非印刷領域Ａ１内の位置である。走査開始位置ＫＩ１に位置するキャリッジ８２は、非印刷領域Ａ１に位置することになる。走査開始位置ＫＩ３は、交差方向Ｋにおける位置であって、キャリッジ８２が右方への走査を開始する際の非印刷領域Ａ３内の位置である。走査開始位置ＫＩ３に位置するキャリッジ８２は、非印刷領域Ａ３内に位置することになる。

例えば、キャリッジ８２が走査開始位置ＫＩ１に位置しているとする。キャリッジ８２は、印刷媒体Ｗへの印刷に際し、左方に向かって走査し、走査開始位置ＫＩ３まで移動する。印刷ヘッド８１は、キャリッジ８２が左方に走査中、印刷領域Ａ２において、適切なタイミングで適切なノズルから適切な量のインクＩＫを吐出し、印刷領域Ａ２に画像を形成する。この結果、印刷媒体Ｗにおいて、印刷ヘッド８１のノズル列ＮｚＲの長さ分だけ搬送方向Ｈに延びる領域に、印刷がなされる。なお、例えばマルチパス印刷のように、ノズル列ＮｚＲを搬送方向Ｈに複数のノズル群に分割して印刷する場合、分割した１のノズル群の長さ分だけ搬送方向Ｈに延びる領域に、印刷がなされる。

キャリッジ８２が走査開始位置ＫＩ３まで移動した後、搬送ベルト４は、制御部１００の制御に従って、搬送方向Ｈに向かってノズル列ＮｚＲの長さに対応する距離だけ印刷媒体Ｗを搬送する。なお、例えばマルチパス印刷のように、ノズル列ＮｚＲを搬送方向Ｈに複数のノズル群に分割して印刷する場合、搬送ベルト４は、分割した１のノズル群の長さに対応する距離だけ搬送方向Ｈに印刷媒体Ｗを搬送する。

次いで、搬送ベルト４の搬送後、キャリッジ８２は、走査方向を右方に切り替えて、走査開始位置ＫＩ３から走査開始位置ＫＩ１に向かって走査する。印刷ヘッド８１は、キャリッジ８２が右方に走査中、印刷領域Ａ２において、適切なタイミングで適切なノズルから適切な量のインクＩＫを吐出し、印刷領域Ａ２に画像を形成する。この結果、右方の走査時に印刷した領域の搬送方向Ｈ上流において、ノズル列ＮｚＲの長さ分だけ搬送方向Ｈに延びる領域に、印刷がなされる。なお、例えばマルチパス印刷のように、ノズル列ＮｚＲを搬送方向Ｈに複数のノズル群に分割して印刷する場合、分割した１のノズル群の長さ分だけ搬送方向Ｈに延びる領域に、印刷がなされる。

このように、キャリッジ８２と印刷ヘッド８１とは、左方に向かって走査して印刷する処理と、右方に向かって走査して印刷する処理とを、印刷に必要な回数繰り返し行う。

図１の説明に戻り、印刷ユニット８は、ギャップ調整機構８３を備える。ギャップ調整機構８３は、印刷媒体Ｗと印刷ヘッド８１のノズル面８１Ａとの距離であるワークギャップを調整する機構である。ギャップ調整機構８３は、キャリッジ８２と接続し、制御部１００の制御に従って、キャリッジ８２を上下方向に移動させることで、ワークギャップを調整する。

プリンター１は、乾燥ユニット９を備える。乾燥ユニット９は、搬送方向Ｈにおいて、巻取装置５の上流であって、従動ローラー１０Ｃの下流に設けられる。なお、乾燥ユニット９は、搬送方向Ｈにおいて巻取装置５の上流であって印刷ヘッド８１より下流であれば、従動ローラー１０Ｃの下流に設けられていなくてもよい。乾燥ユニット９は、例えば、印刷媒体Ｗを収容するチャンバーと、チャンバーの内部に配置されたヒーターとを有し、印刷媒体Ｗ上にある未乾燥状態のインクＩＫを、ヒーターの熱によって乾燥させる。

次に、プリンター１の機能的構成について説明する。
図４は、プリンター１の機能的構成を示すブロック図である。

プリンター１は、制御部１００を備える。
制御部１００は、ＣＰＵやＭＰＵ等のプログラムを実行するプロセッサー１１０、及び、記憶部１２０を備え、プリンター１の各部を制御する。制御部１００は、プロセッサー１１０が、記憶部１２０に記憶された制御プログラム１２１を読み出して処理を実行するように、ハードウェア、及びソフトウェアの協働により各種処理を実行する。制御プログラム１２１は、プログラムの一例に対応する。また、プロセッサー１１０は、制御プログラム１２１を読み出して実行することにより、入力検出部１１１、印刷制御部１１２、表示制御部１１３、撮影制御部１１４、及び、決定部１１５として機能する。これら機能ブロックの詳細については後述する。

記憶部１２０は、プロセッサー１１０が実行するプログラムや、プロセッサー１１０により処理されるデータを記憶する記憶領域を有する。記憶部１２０は、プロセッサー１１０が実行する制御プログラム１２１、及び、プリンター１の動作に関する各種の設定値を含む設定データ１２２を記憶する。記憶部１２０は、プログラムやデータを不揮発的に記憶する不揮発性記憶領域を有する。また、記憶部１２０は、揮発性記憶領域を備え、プロセッサー１１０が実行するプログラムや処理対象のデータを一時的に記憶する構成としてもよい。

プリンター１は、印刷部１０１を備える。
印刷部１０１は、印刷ユニット８、搬送機構１０１１、キャリッジ駆動機構１０１２、及び、乾燥ユニット９を含む。搬送機構１０１１は、印刷媒体Ｗを搬送する機構であり、繰出装置２、従動ローラー１０Ａ、１０Ｂ、１０Ｃ、搬送ローラー３Ａ、３Ｂ、搬送ベルト４、及び、巻取装置５の他、これらを駆動するモーターを含む。キャリッジ駆動機構１０１２は、キャリッジ８２を走査方向に往復移動させる機構であり、例えば、駆動源としてのモーター、キャリッジ８２の移動をガイドするガイド部材、モーターの動力をキャリッジ８２に伝達するギヤやリンク等を含む。

プリンター１は、通信部１０２を備える。
通信部１０２は、所定の通信規格に従ったコネクターやインターフェイス回路等の通信ハードウェアにより構成され、制御部１００の制御に従って、プリンター１の外部装置と通信する。プリンター１の外部装置は、例えば、コンピューターやサーバー装置である。制御部１００は、通信部１０２によって外部装置から画像データ１２３を受信した場合、受信した画像データ１２３を記憶部１２０に記憶する。また、制御部１００は、通信部１０２によって外部装置から印刷を指示するジョブデータ１２４を受信した場合、受信したジョブデータ１２４を記憶部１２０に記憶する。

プリンター１は、操作部１０３を備える。
操作部１０３は、キーボード１０３１、タッチパネル１０３２、及び、ディスプレイ１０３３を備える。操作部１０３は、キーボード１０３１及びタッチパネル１０３２のいずれか一方のみを備える構成であってもよい。ディスプレイ１０３３は、表示部の一例に対応する。キーボード１０３１は、オペレーターにより操作される複数のキーを有し、操作されたキーを示す操作データを制御部１００に出力する。ディスプレイ１０３３は、ＬＣＤ（Liquid Crystal Display）等の表示画面を有し、制御部１００の制御に従って画像を表示する。タッチパネル１０３２は、ディスプレイ１０３３の表示画面に重ねて配置され、表示画面に対する接触操作を検出し、接触位置を示す操作データを制御部１００に出力する。

プリンター１は、カメラ７を備える。カメラ７は、制御部１００の制御に従って撮影範囲ＳＡを撮影し、撮影画像データ１２５を制御部１００に出力する。制御部１００は、カメラ７から取得した撮影画像データ１２５を記憶部１２０に記憶させる。

次に、制御部１００の構成について説明する。
制御部１００は、入力検出部１１１、印刷制御部１１２、表示制御部１１３、撮影制御部１１４、及び、決定部１１５を備える。

また、制御部１００は、記憶部１２０を備える。
記憶部１２０は、制御プログラム１２１、設定データ１２２、画像データ１２３、ジョブデータ１２４、及び、撮影画像データ１２５を記憶する。

入力検出部１１１は、キーボード１０３１、及びタッチパネル１０３２から入力される操作データに基づき、オペレーターの入力操作を検出し、入力された内容を取得する。入力検出部１１１は、通信部１０２を介して受信したデータを解析し、画像データ１２３を受信した場合は記憶部１２０に画像データ１２３を記憶させる。また、入力検出部１１１は、印刷ジョブＩＪに関するデータであるジョブデータ１２４を受信した場合、記憶部１２０にジョブデータ１２４を記憶させる。
画像データ１２３は、印刷ヘッド８１が印刷媒体Ｗに印刷する画像のデータであり、記憶部１２０は複数の画像データ１２３を記憶することができる。

印刷制御部１１２は、ジョブデータ１２４に従って印刷部１０１を制御し、印刷部１０１により印刷媒体Ｗに印刷を実行する。
ジョブデータ１２４は、１または複数の印刷ジョブＩＪを含むジョブグループ１３０を単位として、印刷制御部１１２が印刷を実行するためのデータである。ここで、ジョブグループ１３０について説明する。

図５は、ジョブグループ１３０の構成を示す模式図である。
プリンター１が実行するジョブグループ１３０に含まれる印刷ジョブＩＪの数に制限はなく、図５に示すジョブグループ１３０は、３つの印刷ジョブ１３１、１３２、１３３を含む場合を例示している。ジョブグループ１３０における印刷ジョブ１３１、１３２、１３３の配列順序は、印刷制御部１１２が印刷を実行する順序を示している。従って、印刷ジョブ１３１、１３２、１３３は、ジョブグループ１３０における配列順で、印刷制御部１１２により実行される。

印刷ジョブ１３１は、画像指定情報ＧＪと、印刷長情報ＮＪと、印刷条件情報ＪＪとを含む。画像指定情報ＧＪは、印刷媒体Ｗに印刷する画像を指定する情報であり、記憶部１２０が記憶する画像データ１２３のいずれかを指定する。例えば、記憶部１２０が、複数の画像データ１２３を、それぞれ１つのファイルとして記憶する場合、画像指定情報ＧＪは、いずれかの画像データ１２３を指定するファイル名やファイルパスを含む。

印刷長情報ＮＪは、画像指定情報ＧＪにより指定される画像を印刷する長さである印刷長を指定する情報である。印刷長は、印刷ジョブ１３１の画像を印刷する印刷媒体Ｗの搬送方向Ｈにおけるサイズを、例えばメートル単位で指定する。印刷長が画像データ１２３の画像サイズより大きい場合、印刷制御部１１２は、画像データ１２３の画像を繰り替えし印刷媒体Ｗに印刷する。つまり、画像データ１２３の画像は、繰り返し印刷されるパターン画像である。このため、画像データ１２３は、印刷長に比べて小さい画像のデータであってもよい。また、画像データ１２３は、交差方向Ｋにおける印刷媒体Ｗのサイズ、すなわち印刷媒体Ｗの幅よりも小さい画像のデータであってもよい。この場合、印刷制御部１１２は、画像データ１２３の画像を、印刷媒体Ｗの幅方向においても繰り返し印刷する。

印刷条件情報ＪＪは、印刷ヘッド８１が画像を印刷する際の印刷条件を示す情報である。例えば、印刷条件情報ＪＪが示す印刷条件は、印刷ヘッド８１が印刷する画像の印刷解像度やワークギャップ等を含む。また、印刷条件情報ＪＪが示す印刷条件は、印刷濃度や、単位面積あたりのインク吐出量を指定する情報等を含んでもよい。

ジョブグループ１３０に含まれる印刷ジョブ１３１、１３２、１３３は、それぞれ、画像指定情報ＧＪ、印刷長情報ＮＪ、及び、印刷条件情報ＪＪを含む。このため、印刷制御部１１２は、ジョブグループ１３０に含まれる各々の印刷ジョブ１３１、１３２、１３３において、異なる画像を、異なる印刷長及び印刷条件で印刷できる。
印刷制御部１１２は、ジョブグループ１３０に含まれる印刷ジョブ１３１、１３２、１３３を連続して実行する。従って、長尺の印刷媒体Ｗに、各印刷ジョブ１３１、１３２、１３３で指定された異なる画像がつなげて印刷される。このため、例えば、複数の画像を順に印刷する場合に、画像を切り替える位置で空白を生じたり、印刷動作が停止したりすることがないので、印刷制御部１１２は、プリンター１の生産性の低下を抑制する共に印刷媒体Ｗの無駄を削減し、効率よく印刷できる。

ジョブデータ１２４は、複数のジョブグループ１３０のデータを含む構成とすることができる。

印刷制御部１１２は、ジョブデータ１２４を参照し、操作部１０３の操作により指定されたジョブグループ１３０のデータを取得する。印刷制御部１１２は、指定されたジョブグループ１３０に含まれる印刷ジョブ１３１、１３２、１３３を、ジョブグループ１３０に含まれる順序で印刷する。

表示制御部１１３は、ディスプレイ１０３３を制御して、各種の画像を表示させる。本実施形態の表示制御部１１３は、ディスプレイ１０３３に印刷設定画面３００を表示させる。印刷設定画面３００については後述する。

撮影制御部１１４は、カメラ７を制御して撮影を実行させ、カメラ７から撮影画像データ１２５を取得し、取得した撮影画像データ１２５を記憶部１２０に記憶させる。

決定部１１５は、交差方向Ｋにおける印刷媒体Ｗの幅を決定する処理、及び、印刷開始位置を決定する処理を実行する。決定部１１５は、記憶部１２０が記憶する撮影画像データ１２５に基づいて、交差方向Ｋにおける印刷媒体Ｗの幅、及び、印刷開始位置を決定する。印刷開始位置とは、交差方向Ｋにおける位置であり、ジョブグループ１３０を開始する印刷ヘッド８１の位置である。決定部１１５の具体的な決定方法については、後述する。決定部１１５は、決定した印刷媒体Ｗの幅、及び、印刷開始位置を示す情報を表示制御部１１３に出力する。

次に、プリンター１の動作について説明する。
図６は、プリンター１の動作を示すフローチャートであり、印刷開始に係る設定の動作を示す。図６のフローチャートの開始時点では、印刷媒体Ｗが搬送ベルト４によって搬送可能に適切にセットされているとする。

決定部１１５は、印刷開始に係る設定を開始するか否かを判別する（ステップＳＡ１）。例えば、操作部１０３が検出した入力操作が印刷設定の開始を指示する操作である場合、決定部１１５は、ステップＳＡ１において肯定判別する。

決定部１１５が印刷開始に係る設定を開始すると判別した場合（ステップＳＡ１：ＹＥＳ）、撮影制御部１１４は、カメラ７によって撮影範囲ＳＡを撮影する（ステップＳＡ２）。撮影制御部１１４は、カメラ７の撮影により得られた撮影画像データ１２５を記憶部１２０に記憶させる。

次いで、決定部１１５は、記憶部１２０が記憶する撮影画像データ１２５が示す撮影画像ＳＧに基づいて、印刷媒体Ｗの右端部ＴＢ−Ｒ、及び、左端部ＴＢ−Ｌを検出する（ステップＳＡ３）。本実施形態では、印刷媒体Ｗの右端部ＴＢ−Ｒ、及び、左端部ＴＢ−Ｌを検出するとは、印刷媒体Ｗの右端、及び、左端を検出することである。また、印刷媒体Ｗの右端部ＴＢ−Ｒ、及び、左端部ＴＢ−Ｌの位置を検出することについても同様である。

例えば、ステップＳＡ３において、決定部１１５は、撮影画像ＳＧをグレースケール化し、グレースケール後の撮影画像ＳＧに対してエッジ検出を行って、印刷媒体Ｗの右端部ＴＢ−Ｒ、及び、左端部ＴＢ−Ｌを検出する。本実施形態では、搬送ベルト４の色と印刷媒体Ｗの色とは異なる。例えば、搬送ベルト４は黒色である一方、印刷媒体Ｗは白色である。そのため、決定部１１５は、印刷媒体Ｗの右端部ＴＢ−Ｒ、及び、左端部ＴＢ−Ｌをエッジ検出によって容易に検出できる。特に、搬送ベルト４が黒色で印刷媒体Ｗが白色であると、決定部１１５は、精度良く且つ正確に印刷媒体Ｗの右端部ＴＢ−Ｒ、及び、左端部ＴＢ−Ｌを検出できる。

なお、色差に基づく印刷媒体Ｗの右端部ＴＢ−Ｒ、及び、左端部ＴＢ−Ｌの検出方法は、エッジ検出に限定されない。また、印刷媒体Ｗの右端部ＴＢ−Ｒ、及び、左端部ＴＢ−Ｌの検出方法は、搬送ベルト４の色と印刷媒体Ｗの色との色差に基づく検出方法に限定されない。

次いで、決定部１１５は、検出した右端部ＴＢ−Ｒ、及び、左端部ＴＢ−Ｌのそれぞれについて、交差方向Ｋにおける位置を検出する（ステップＳＡ４）。

図７は、右端部ＴＢ−Ｒ、及び、左端部ＴＢ−Ｌの交差方向Ｋにおける位置の検出を説明するための図である。

図７では、撮影画像ＳＧの長手方向が交差方向Ｋであり、撮影画像ＳＧの短手方向において図７を正面視したときの上方が搬送方向Ｈである。前述した通り、本実施形態のカメラ７の撮影範囲ＳＡは、交差方向Ｋにおける両端が、交差方向Ｋにおける搬送ベルト４の両端に一致するように設定される。そのため、図７に示す撮影画像ＳＧは、搬送ベルト４の右端から左端までの画像である。したがって、図７に示す撮影画像ＳＧの左端は、搬送ベルト４の左端に対応していて、図７に示す撮影画像ＳＧの右端は、搬送ベルト４の右端に対応している。

図７では、決定部１１５は、ステップＳＡ４の処理で、印刷媒体Ｗの右端部ＴＢ−Ｒを、撮影画像ＳＧの右端からα１画素分左方に離れた位置に検出したとする。また、図７では、決定部１１５は、ステップＳＡ４の処理で、印刷媒体Ｗの左端部ＴＢ−Ｌを、撮影画像ＳＧの左端からα２画素分右方に離れた位置に検出したとする。なお、撮影画像ＳＧの両端と搬送ベルト４との両端が一致していない場合では、一致していない画素分加味して両端部ＲＴＢの位置が検出される。

決定部１１５は、カメラ７の撮影倍率、及び、撮影画像ＳＧの右端から検出した右端部ＴＢ−Ｒの位置までの画素数に基づいて、搬送ベルト４の右端から印刷媒体Ｗの右端部ＴＢ−Ｒまでの距離を算出する。図７では、決定部１１５は、搬送ベルト４の右端から印刷媒体Ｗの右端部ＴＢ−Ｒまでの距離として「Ｌ１」を算出する。なお、カメラ７の撮影倍率は、プリンター１や外部装置等の所定の記憶領域に情報として記憶されている。

また、決定部１１５は、カメラ７の撮影倍率、及び、撮影画像ＳＧの左端から撮影画像ＳＧにおける左端部ＴＢ−Ｌの位置までの画素数に基づいて、搬送ベルト４の左端から印刷媒体Ｗの左端部ＴＢ−Ｌまでの距離を算出する。図７では、決定部１１５は、搬送ベルト４の左端から印刷媒体Ｗの左端部ＴＢ−Ｌまでの距離として「Ｌ２」を算出する。

次いで、決定部１１５は、算出した距離に基づいて、交差方向Ｋにおける印刷媒体Ｗの右端部ＴＢ−Ｒ及び左端部ＴＢ−Ｌの位置を検出する。

図７では、交差方向Ｋにおいてキャリッジ８２が移動可能な範囲である移動可能範囲ＩＫＡの距離が「ＬＨ」であるとする。なお、移動可能範囲ＩＫＡは、キャリッジ８２が最も右に位置しているときのキャリッジ８２の右端から、キャリッジ８２が最も左に位置しているときのキャリッジの左端までの範囲である。なお、移動可能範囲ＩＫＡは、キャリッジ８２を基準とした範囲に限定されず、例えば、印刷ヘッド８１のノズル列ＮｚＲを基準とした範囲であってもよい。

また、図７では、搬送ベルト４の右端は、交差方向Ｋにおいて、移動可能範囲ＩＫＡの右端から左方に向かって「ＬＢ１」離れた位置に位置し、搬送ベルト４の左端は、交差方向Ｋにおいて、移動可能範囲ＩＫＡの左端から右方に向かって「ＬＢ２」離れた位置に位置している。交差方向Ｋにおける移動可能範囲ＩＫＡと搬送ベルト４との位置関係は、予め適切に定められ情報としてプリンター１や外部装置等の所定の記憶領域に記憶されている。

図７の場合、決定部１１５は、交差方向Ｋにおいて搬送ベルト４の右端から左方に「Ｌ１」離れた位置を、交差方向Ｋにおける印刷媒体Ｗの右端部ＴＢ−Ｒの位置と検出する。つまり、決定部１１５は、移動可能範囲ＩＫＡの右端から左方に向かって「ＬＢ１＋Ｌ１」離れた位置を、印刷媒体Ｗの右端部ＴＢ−Ｒの位置と検出する。

また、図７の場合、決定部１１５は、交差方向Ｋにおいて搬送ベルト４の左端から右方に「Ｌ２」離れた位置を、交差方向Ｋにおける印刷媒体Ｗの左端部ＴＢ−Ｌの位置と検出する。つまり、決定部１１５は、移動可能範囲ＩＫＡの左端から右方に向かって「ＬＢ２＋Ｌ２」離れた位置を、印刷媒体Ｗの左端部ＴＢ−Ｌの位置と検出する。

なお、図７に示す検出方法は、右端部ＴＢ−Ｒ、及び、左端部ＴＢ−Ｌの位置を検出する方法の一例であり、撮影画像ＳＧから印刷媒体Ｗの右端部ＴＢ−Ｒ、及び、左端部ＴＢ−Ｌの位置を検出可能な方法であればよい。

図６の説明に戻り、決定部１１５は、ステップＳＡ３で検出した印刷媒体Ｗの右端部ＴＢ−Ｒ及び左端部ＴＢ−Ｌの位置に基づいて、印刷開始位置を決定する（ステップＳＡ５）。

ステップＳＡ５において、決定部１１５は、ジョブグループ１３０の実行を開始する際、キャリッジ８２の最初の走査が左方への走査である場合、ステップＳＡ４で検出した印刷媒体Ｗの右端部ＴＢ−Ｒの位置を印刷開始位置として決定する。この場合、右端部ＴＢ−Ｒは、一方の端部に相当し、左端部ＴＢ−Ｌは、他方の端部に相当する。図７の場合、決定部１１５は、移動可能範囲ＩＫＡの右端から左方に「ＬＢ１＋Ｌ１」離れた位置を、印刷開始位置と決定する。

また、ステップＳＡ５において、決定部１１５は、ジョブグループ１３０の実行を開始する際、キャリッジ８２の最初の走査が右方への走査である場合、ステップＳＡ４で検出した印刷媒体Ｗの左端部ＴＢ−Ｌの位置を印刷開始位置として決定する。この場合、左端部ＴＢ−Ｌは、一方の端部に相当し、右端部ＴＢ−Ｒは、他方の端部に相当する。図７の場合、決定部１１５は、移動可能範囲ＩＫＡの範囲の左端から右方に向かって「ＬＢ２＋Ｌ２」離れた位置を、印刷開始位置と決定する。

次いで、決定部１１５は、ステップＳＡ５で検出した印刷媒体Ｗの右端部ＴＢ−Ｒ及び左端部ＴＢ−Ｌの位置に基づいて、交差方向Ｋにおける印刷媒体Ｗの幅を決定する（ステップＳＡ６）。なお、ステップＳＡ５、ＳＡ６の処理順は逆でもよい。

ステップＳＡ６において、決定部１１５は、ステップＳＡ３で検出した右端部ＴＢ−Ｒと左端部ＴＢ−Ｌとの交差方向Ｋにおける離間距離を、交差方向Ｋにおける印刷媒体Ｗの幅として決定する。図７の場合、決定部１１５は、「ＬＨ−（ＬＢ１＋Ｌ１）−（ＬＢ２＋Ｌ２）」の距離を、交差方向Ｋにおける印刷媒体Ｗの幅として決定する。

次いで、決定部１１５は、操作部１０３で検出した入力操作に従って、ジョブデータ１２４に含まれるジョブグループ１３０から、実行対象のジョブグループ１３０を選択する（ステップＳＡ７）。

次いで、表示制御部１１３は、ディスプレイ１０３３に印刷設定画面３００を表示させる（ステップＳＡ８）。表示制御部１１３は、選択されたジョブグループ１３０、及び、決定部１１５が決定した印刷開始位置及び印刷媒体Ｗの幅に基づいて、印刷設定画面３００をディスプレイ１０３３に表示させる。

図８は、印刷設定画面３００の一例を示す図である。
印刷設定画面３００は、ステップＳＡ７で選択されたジョブグループ１３０の印刷開始に係る設定を行うための画面である。

印刷設定画面３００は、印刷ジョブ表示部３１０と、印刷設定表示部３２０と、撮影画像表示部３３０が配置される。

印刷ジョブ表示部３１０は、ステップＳＡ７で選択されたジョブグループ１３０に含まれる各々の印刷ジョブＩＪに関する情報を表示する領域である。
図８の例では、印刷ジョブ表示部３１０は、３つの印刷ジョブＩＪに対応する印刷ジョブ内容表示部３１１、３１２、３１３を含む。印刷ジョブ内容表示部３１１、３１２、３１３はそれぞれ１つの印刷ジョブＩＪに対応し、印刷ジョブ表示部３１０において上から順に並ぶ印刷ジョブ内容表示部３１１、３１２、３１３の配置順序は、３つの印刷ジョブＩＪの実行順序と同じ順序である。

印刷ジョブ内容表示部３１１、３１２、３１３のそれぞれは、対応する印刷ジョブＩＪで印刷される画像のサムネイル画像３２１を含む。表示制御部１１２は、印刷ジョブＩＪが含む画像指定情報ＧＪに基づいて記憶部１２０から画像データ１２３を取得し、取得した画像データ１２３に基づいてサムネイル画像３２１を生成して、生成したサムネイル画像３２１を対応する印刷ジョブ内容表示部３１１、３１２、３１３に表示させる。

印刷ジョブ内容表示部３１１、３１２、３１３のそれぞれは、幅表示部３１５、及び、印刷長表示部３１６を有する。
幅表示部３１５は、ステップＳＡ８において、ステップＳＡ６で検出した印刷媒体Ｗの幅を表示する。幅表示部３１５が表示する幅の単位表記は、ミリメートル表記でもメートル表記でも長さを示す表記であればどのような表記でもよい。幅表示部３１５が表示する幅は、ユーザーの入力操作によって変更可能である。ここで、幅表示部３１５が表示する幅は、ステップＳＡ８において表示する幅以下で変更可能とすることが好ましい。これは、決定部１１５が検出した印刷媒体Ｗの幅より大きい幅に変更されると、印刷媒体Ｗに対する印刷が適切に行われない可能性が高いためである。

印刷長表示部３１６は、ステップＳＡ８において、印刷ジョブＩＪに含まれる印刷長情報ＮＪが示す印刷長を表示する。印刷長表示部３１６が表示する印刷長の単位表記は、ミリメートル表記でもメートル表記でも長さを示す表記であればどのような表記でもよい。印刷長表示部３１６が表示する印刷長は、ユーザーの入力操作によって変更可能でもよい。

印刷設定表示部３２０は、印刷設定情報ＩＳＪを１又は複数表示する。印刷設定表示部３２０が表示する印刷設定情報ＩＳＪは、印刷ジョブ表示部３１０が表示する印刷ジョブ内容表示部３１１、３１２、３１３ごとに異なってもよいし、同じでもよい。印刷設定情報ＩＳＪは、印刷設定の項目であることを示す文字、及び、項目値を表示する項目値表示部３２０Ａが対応付いた情報である。図８では、印刷設定表示部３２０は、印刷開始位置の項目あることを示す文字、及び、項目値として印刷開始位置を表示する項目値表示部３２０Ａが対応付いた印刷設定情報ＩＳＪ−１を表示している。印刷設定表示部３２０は、印刷設定情報ＩＳＪ−１以外に、ジョブグループ１３０の印刷条件に係る印刷設定情報ＩＳＪを表示していてもよい。例えば、印刷設定表示部３２０は、ワークギャップの項目であることを示す文字、及び、項目値として印刷条件に含まれるワークギャップの値を表示する項目値表示部３２０Ａが対応付いた印刷設定情報ＩＳＪを表示していてもよい。

図８に示す印刷設定情報ＩＳＪ−１の項目値表示部３２０Ａは、移動可能範囲ＩＫＡの右端、搬送ベルト４の右端、搬送ベルト４の左端、及び、移動可能範囲ＩＫＡの左端のいずれかを基準とした距離として表示される。印刷設定情報ＩＳＪ−１の項目値表示部３２０Ａが表示する印刷開始位置の単位表記は、ミリメートル表記でもメートル表記でも交差方向Ｋにおける位置を示す表記であればどのような表記でもよいが、幅表示部３１５、及び、印刷長表示部３１６と同じ単位表記であることが好ましい。

図８に示す印刷設定情報ＩＳＪ−１の項目値表示部３２０Ａは、ステップＳＡ８において、ステップＳＡ５で決定した印刷開始位置を表示する。印刷設定情報ＩＳＪ−１の項目値表示部３２０Ａが表示する印刷開始位置は、ユーザーの入力操作によって変更可能である。ここで、印刷設定情報ＩＳＪ−１の項目値表示部３２０Ａが表示する印刷開始位置は、ステップＳＡ８において表示する印刷開始位置より小さい値に変更不可能とすることが好ましい。これは、決定部１１５が検出した印刷開始位置より小さい値に変更されると、印刷媒体Ｗに対する印刷が適切に行われない可能性が高いためである。

撮影画像表示部３３０は、撮影画像データ１２５が示す撮影画像ＳＧを表示する。撮影画像表示部３３０は、デフォルトで印刷設定画面３００に配置されていてる構成でもよく、幅表示部３１５が表示する幅、及び、印刷設定情報ＩＳＪが含む印刷開始位置の少なくともいずれかをユーザーが変更する際に印刷設定画面３００に配置される構成でもよい。

図６の説明に戻り、表示制御部１１３は、入力検出部１１１の検出結果に基づいて、印刷設定画面３００に対するユーザーの入力操作が有ったか否かを判別する（ステップＳＡ９）。

表示制御部１１３は、ユーザーの入力操作が有ったと判別した場合（ステップＳＡ９：ＹＥＳ）、印刷設定画面３００の表示を更新する（ステップＳＡ１０）。
例えば、印刷ジョブ内容表示部３１１の幅表示部３１５が表示する値を、「９０．００」から「８８．００」に変更する入力操作があった場合、表示制御部１１３は、印刷ジョブ内容表示部３１１の幅表示部３１５が表示する値を「９２．００」に更新する。表示制御部１１３は、ステップＳＡ１０の処理を実行すると、再度、ステップＳＡ９の処理を実行する。

一方、表示制御部１１３がユーザーの入力操作が無いと判別した場合（ステップＳＡ９：ＮＯ）、印刷制御部１１２は、キーボード１０３１またはタッチパネル１０３２の操作により印刷実行が指示されたか否かを判別する（ステップＳＡ１１）。

印刷制御部１１２は、印刷実行が指示されていないと判別した場合（ステップＳＡ１１：ＮＯ）、処理をステップＳＡ８に戻す。

一方で、印刷制御部１１２は、印刷実行が指示されたと判別した場合（ステップＳＡ１１：ＹＥＳ）、印刷設定画面３００の印刷設定、及び、選択されたジョブグループ１３０に基づいて、ジョブグループ１３０を印刷するための印刷データを生成する（ステップＳＡ１２）。

例えば、図８に示す印刷設定画面３００の状態で、印刷実行が指示されたと判別した場合、印刷制御部１１２は、ステップＳＡ１２において以下の印刷データを生成する。すなわち、印刷制御部１１２は、全ての印刷ジョブＩＪについて、所定の基準から「１０．２」の位置を印刷開始位置とし、印刷媒体Ｗの幅を「９１．８」として印刷する印刷データを生成する。この印刷データは、印刷ジョブＩＪごと、画像データ１２３の画像の交差方向Ｋにおけるサイズが、印刷媒体Ｗの幅以下となるように設定された印刷データである。印刷制御部１１２は、印刷設定画面３００において印刷媒体Ｗの幅が変更された場合、画像データ１２３の画像の交差方向Ｋにおけるサイズが、変更された印刷媒体Ｗの幅以下となるように設定された印刷データを生成する。

次いで、印刷制御部１１２は、印刷データを生成すると、生成した印刷データに基づいて印刷部１０１により印刷を開始する（ステップＳＡ１３）。

以上、説明したように、プリンター１は、印刷部１０１と、印刷媒体Ｗを搬送する搬送ベルト４と、搬送ベルト４に載置された印刷媒体Ｗの端部のうち、印刷媒体Ｗの搬送方向Ｈと交差する交差方向Ｋの両端部ＲＴＢを検出するカメラ７と、を備える。また、プリンター１は、カメラ７によって検出した両端部ＲＴＢのうち一方の端部ＴＢを印刷開始位置とし、一方の端部ＴＢから他方の端部ＴＢまでの距離を印刷媒体Ｗの幅として、印刷部１０１に印刷データに基づく印刷を実行させる制御部１００と、を備える。

また、プリンター１の制御方法では、カメラ７によって検出した両端部ＲＴＢのうち一方の端部ＴＢを印刷開始位置とし、一方の端部ＴＢから他方の端部ＴＢまでの距離を印刷媒体Ｗの幅として、印刷部１０１に印刷データに基づく印刷を実行させる。

また、プリンター１の制御部１００が実行する制御プログラム１２１は、制御部１００に、カメラ７によって検出した両端部ＲＴＢのうち一方の端部ＴＢを印刷開始位置とし、一方の端部ＴＢから他方の端部ＴＢまでの距離を印刷媒体Ｗの幅として、印刷部１０１に印刷データに基づく印刷を実行させる。

プリンター１、プリンター１の制御方法、及び、制御プログラム１２１によれば、自動で決めた印刷開始位置、及び、印刷媒体Ｗの幅に基づいて、印刷データに基づく印刷を印刷部１０１に実行させるため、オペレーターは、印刷開始前に、印刷開始位置及び印刷媒体Ｗの幅を測定等により手動で決める必要がない。したがって、印刷開始前のオペ―レーターの作業時間を低減でき、プリンター１は、速やかに印刷を開始できる。また、速やかに印刷を開始できるため、プリンター１の生産性を向上できる。また、オペレーターの測定ミスや設定入力ミス等による印刷品質の低下を防止できる。

印刷部１０１は、印刷ヘッド８１を有する。カメラ７は、搬送方向Ｈにおいて、搬送ベルト４が印刷媒体Ｗの載置を開始する載置開始位置Ｉ１より下流であって、且つ、印刷ヘッド８１より上流に設けられる。

この構成によれば、カメラ７は、搬送ベルト４に載置された印刷媒体Ｗであって、印刷ヘッド８１が印刷開始後に印刷対象とする印刷媒体Ｗの両端部ＲＴＢを撮影できる。したがって、制御部１００は、印刷開始位置及び印刷媒体Ｗの幅を、印刷開始後に印刷ヘッド８１が印刷する印刷媒体Ｗに即した値とすることができる。よって、制御部１００は、印刷開始後の印刷において印刷品質が低下することを抑制できる。

制御部１００は、搬送ベルト４の色と印刷媒体Ｗの色との色差に基づいて、カメラ７によって両端部ＲＴＢを検出する。

この構成によれば、色差に基づいて両端部ＲＴＢを検出するため印刷媒体Ｗの両端部ＲＴＢを容易に検出できる。

制御部１００は、ユーザーの入力操作に基づいて、カメラ７により決定された印刷開始位置及び印刷媒体Ｗの幅を変更し、変更した印刷開始位置及び印刷媒体Ｗの幅に基づいて、印刷部１０１に印刷データに基づく印刷を実行させる。

印刷媒体Ｗの両端部ＲＴＢでは、両端部ＲＴＢ以外の領域と状態が異なる場合がある。この場合、印刷媒体Ｗの両端部ＲＴＢのいずれかを印刷開始位置とし、両端部ＲＴＢ間の距離を交差方向Ｋにおける印刷媒体Ｗの幅とすると、印刷媒体Ｗの両端部ＲＴＢにおいて適切に印刷がされず印刷成果物の印刷品質が低下し得る。そこで、ユーザーの入力操作に基づいて、印刷開始位置と印刷媒体Ｗの幅を変更可能とすることで、この両端部ＲＴＢの状態を加味して印刷することが可能となり、両端部ＲＴＢにおいて生じ得る印刷品質の低下を回避できる。
特に、印刷媒体Ｗが布帛である場合、印刷媒体Ｗの右端部ＴＢ−Ｒ及び左端部ＴＢ−Ｌでは、繊維のほつれが生じている場合がある。この場合、印刷媒体Ｗの両端部ＲＴＢのいずれかを印刷開始位置とし、両端部ＲＴＢ間の距離を交差方向Ｋにおける印刷媒体Ｗの幅とすると、印刷媒体Ｗの両端部ＲＴＢにおいて適切に印刷がされず印刷成果物の印刷品質が低下し得る。そこで、ユーザーの入力操作に基づいて、印刷開始位置と印刷媒体Ｗの幅を変更可能とすることで、この両端部ＲＴＢのほつれを避けて印刷することが可能となり、両端部ＲＴＢにおいて生じ得る印刷品質の低下を回避できる。

制御部１００は、カメラ７により得られた両端部ＲＴＢの撮影画像ＳＧをディスプレイ１０３３に表示させる。

この構成によれば、撮影画像ＳＧをディスプレイ１０３３に表示することで、オペ―レーターは、交差方向Ｋにおける印刷媒体Ｗの両端部ＲＴＢの状態を確認できる。また、オペ―レーターは、印刷媒体Ｗの両端部ＲＴＢの状態を確認できるため、印刷開始位置、及び、印刷媒体Ｗの幅のすくなくともいずれかを変更する際、どの程度変更すればいいかを容易に把握できるようになる。

印刷データは、カメラ７によって決定された印刷媒体Ｗの幅に応じて印刷サイズが変更されたパターン画像を印刷するためのデータである。

この構成によれば、印刷媒体Ｗの幅、及び、搬送ベルト４における印刷媒体Ｗの載置位置によることなく、繰り返し印刷するパターン画像を適切に印刷媒体Ｗに印刷できる。

印刷媒体Ｗは、布帛である。

印刷媒体Ｗが布帛であると、印刷媒体Ｗによって印刷媒体Ｗの幅が異なる。加えて、プリンター１が搬送ベルト４により印刷媒体Ｗを搬送する構成であると、印刷を開始する都度、印刷媒体Ｗの幅、及び、印刷開始位置を決める必要がある。そこで、本実施形態のプリンター１は、自動で決められた印刷開始位置及び印刷媒体Ｗの幅に基づいて、印刷データに基づく印刷を印刷部１０１に実行させる。そのため、オペレーターは、印刷開始する都度、印刷開始位置及び印刷媒体Ｗの幅を測定等により手動で決める必要がない。したがって、印刷開始するたびに行うオペ―レーターの作業時間を低減でき、速やかに印刷を開始できる。

［第２実施形態］
次に、第２実施形態について説明する。
第２実施形態は、第１実施形態と比較してカメラ７が設けられる場所が異なる。第２実施形態では、カメラ７は、キャリッジ８２に設けられる。

図９は、第２実施形態のカメラ７の設置を示す図である。
カメラ７は、キャリッジ８２に設けられ、搬送ベルト４に載置された印刷媒体Ｗを撮影する。第２実施形態のカメラ７の撮影範囲ＳＡ´は、交差方向Ｋにおいて搬送ベルト４の両方端を含む領域であって、交差方向Ｋに延びる領域である。

第２実施形態では、決定部１１５は、印刷開始に係る設定を開始すると判別した場合（ステップＳＡ１：ＹＥＳ）、キャリッジ８２を走査させつつカメラ７による撮影を開始する（ステップＳＡ２）。キャリッジ８２を走査させている間、決定部１１５は、カメラ７により得られた撮影画像ＳＧに対してエッジ検出を行って、右端部ＴＢ−Ｒ、及び、左端部ＴＢ−Ｌを検出する。そして、決定部１１５は、エッジ検出により検出した時のキャリッジ８２の移動距離に基づいて、右端部ＴＢ−Ｒ、及び、左端部ＴＢ−Ｌの位置を検出する（ステップＳＡ３）。

このように第２実施形態では、カメラ７はキャリッジ８２に設けられる。カメラ７がキャリッジ８２に設けられる構成でも、第１実施形態と同様の効果を奏する。さらに、第２実施形態では、以下の効果を奏する。キャリッジ８２の走査を利用してカメラ７が交差方向Ｋを撮影するため、カメラ７の撮影範囲ＳＡ´が、第１実施形態のように固定の位置で撮影するカメラ７の撮影範囲ＳＡより狭くてよい。よって、カメラ７は小型でよく、キャリッジ８２の大型化を抑制でき、また、コストの面で有利である。

［第３実施形態］
次に、第３実施形態について説明する。
図１０は、第３実施形態に係る印刷システム１０００の構成を示す図である。
図１０において、第３実施形態のプリンター１の各部の構成について、第１実施形態、及び、第２実施形態の各部と同じ構成と同じ構成である場合、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。

印刷システム１０００は、プリンター１と、ホストコンピューター２００とを備える。ホストコンピューター２００は、プリンター１を制御する制御装置であり、印刷制御装置の一例に対応する。

ホストコンピューター２００は、制御装置制御部２１０を備える。
制御装置制御部２１０は、ＣＰＵやＭＰＵ等のプログラムを実行するプロセッサーである制御装置プロセッサー２１１、及び、制御装置記憶部２１２を備え、ホストコンピューター２００の各部を制御する。制御装置制御部２１０は、制御装置プロセッサー２１１が、制御装置記憶部２１２に記憶された制御プログラム２１２１を読み出して処理を実行するように、ハードウェア、及びソフトウェアの協働により各種処理を実行する。また、制御装置プロセッサー２１１は、制御プログラム２１２１を読み出して実行することにより、入力検出部１１１−Ａ、生成部２１１１、表示制御部１１３−Ａ、及び、決定部１１５−Ａとして機能する。これら機能部については後述する。

制御装置記憶部２１２は、制御装置プロセッサー２１１が実行するプログラムや、制御装置プロセッサー２１１により処理されるデータを記憶する記憶領域を有する。制御装置記憶部２１２は、制御装置プロセッサー２１１が実行する制御プログラム２１２１、及び、ホストコンピューター２００の動作に関する各種の設定値を含む設定データ２１２２を記憶する。制御装置記憶部２１２は、プログラムやデータを不揮発的に記憶する不揮発性記憶領域を有する。また、制御装置記憶部２１２は、揮発性記憶領域を備え、制御装置プロセッサー２１１が実行するプログラムや処理対象のデータを一時的に記憶する構成としてもよい。

ホストコンピューター２００は、制御装置通信部２２０を備える。
制御装置通信部２２０は、所定の通信規格に従ったコネクターやインターフェイス回路等の通信ハードウェアにより構成され、制御装置制御部２１０の制御に従って、プリンター１と通信する。

ホストコンピューター２００は、制御装置操作部２３０を備える。
制御装置操作部２３０は、キーボードである制御装置キーボード２３０１、タッチパネルである制御装置タッチパネル２３０２、及び、ディスプレイである制御装置ディスプレイ２３０３を備える。制御装置操作部２３０は、制御装置キーボード２３０１及び制御装置タッチパネル２３０２のいずれか一方のみを備える構成であってもよい。本実施形態では、制御装置ディスプレイ２３０３は、表示部の一例に対応する。制御装置キーボード２３０１は、オペレーターにより操作される複数のキーを有し、操作されたキーを示す操作データを制御装置制御部２１０に出力する。制御装置ディスプレイ２３０３は、ＬＣＤ（Liquid Crystal Display）等の表示画面を有し、制御装置制御部２１０の制御に従って画像を表示する。制御装置タッチパネル２３０２は、制御装置ディスプレイ２３０３の表示画面に重ねて配置され、表示画面に対する接触操作を検出し、接触位置を示す操作データを制御装置制御部２１０に出力する。

次に、制御装置制御部２１０の構成について説明する。
制御装置制御部２１０は、入力検出部１１１−Ａ、生成部２１１１、表示制御部１１３−Ａ、及び、決定部１１５−Ａを備える。

また、制御装置制御部２１０は、制御装置記憶部２１２を備える。
制御装置記憶部２１２は、制御プログラム２１２１、設定データ２１２２、画像データ１２３、ジョブデータ１２４、及び、撮影画像データ１２５を記憶する。

入力検出部１１１−Ａは、入力検出部１１１と同様に機能する。入力検出部１１１−Ａは、制御装置キーボード２３０１、及び制御装置タッチパネル２３０２から入力される操作データに基づき、オペレーターの入力操作を検出し、入力された内容を取得する。

生成部２１１１は、表示制御部１１３−Ａが制御装置ディスプレイ２３０３に表示させる印刷設定画面３００に基づいて印刷データを生成する。

表示制御部１１３−Ａは、表示制御部１１３と同様に機能する。制御装置ディスプレイ２３０３を制御して、各種の画像を表示させる。本実施形態の表示制御部１１３−Ａは、制御装置ディスプレイ２３０３に印刷設定画面３００を表示させる。

決定部１１５−Ａは、決定部１１５と同様に機能する。決定部１１５−Ａは、決定した印刷媒体Ｗの幅、及び、印刷開始位置を示す情報を表示制御部１１３−Ａに出力する。

次に、印刷システム１０００の動作について説明する。
図１１は、印刷システム１０００の動作を示すフローチャートである。図１１において、フローチャートＦＢは、プリンター１の動作を示し、フローチャートＦＣは、ホストコンピューター２００の動作を示す。

図１１のフローチャートの開始時点では、印刷媒体Ｗが搬送ベルト４によって搬送可能に適切にセットされているとする。

フローチャートＦＣを参照して、ホストコンピューター２００の決定部１１５−Ａは、印刷開始に係る設定を開始するか否かを判別する（ステップＳＣ１）。

印刷開始に係る設定を開始すると判別した場合（ステップＳＣ１：ＹＥＳ）、決定部１１５−Ａは、制御装置通信部２２０により撮影指示をプリンター１に送信する（ステップＳＣ２）。

フローチャートＦＢを参照して、プリンター１の撮影制御部１１４は、ホストコンピューター２００からの撮影指示を受けて、カメラ７によって撮影する（ステップＳＢ１）。

次いで、撮影制御部１１４は、カメラ７の撮影により得られた撮影画像データ１２５を通信部１０２によってホストコンピューター２００に送信する（ステップＳＢ２）。

フローチャートＦＣを参照して、決定部１１５−Ａは、制御装置通信部２２０によって撮影画像データ１２５を受信する（ステップＳＣ３）。決定部１１５−Ａは、受信した撮影画像データ１２５を制御装置記憶部２１２に記憶させる。

次いで、決定部１１５−Ａは、ステップＳＡ３と同様に、制御装置記憶部２１２が記憶する撮影画像データ１２５が示す撮影画像ＳＧに基づいて、印刷媒体Ｗの右端部ＴＢ−Ｒ、及び、左端部ＴＢ−Ｌを検出する（ステップＳＣ４）。

次いで、決定部１１５−Ａは、ステップＳＡ４と同様に、検出した右端部ＴＢ−Ｒ、及び、左端部ＴＢ−Ｌのそれぞれについて、交差方向Ｋにおける位置を検出する（ステップＳＣ５）。

次いで、決定部１１５−Ａは、ステップＳＡ５と同様に、ステップＳＣ４で検出した印刷媒体Ｗの右端部ＴＢ−Ｒ及び左端部ＴＢ−Ｌの位置に基づいて、印刷開始位置を決定する（ステップＳＣ６）。

次いで、決定部１１５−Ａは、ステップＳＡ６と同様、ステップＳＣ５で検出した印刷媒体Ｗの右端部ＴＢ−Ｒ及び左端部ＴＢ−Ｌの位置に基づいて、交差方向Ｋにおける印刷媒体Ｗの幅を決定する（ステップＳＣ７）。なお、ステップＳＣ６、ＳＣ７の処理順は逆でもよい。

次いで、決定部１１５−Ａは、制御装置操作部２３０で検出した入力操作に従って、ジョブデータ１２４に含まれるジョブグループ１３０から、実行対象のジョブグループ１３０を選択する（ステップＳＣ８）。

次いで、表示制御部１１３−Ａは、ディスプレイ１０３３に印刷設定画面３００を表示させる（ステップＳＣ９）。

次いで、表示制御部１１３−Ａは、入力検出部１１１−Ａの検出結果に基づいて、印刷設定画面３００に対するユーザーの入力操作が有ったか否かを判別する（ステップＳＣ１０）。

表示制御部１１３−Ａは、ユーザーの入力操作が有ったと判別した場合（ステップＳＣ１０：ＹＥＳ）、印刷設定画面３００の表示を更新する（ステップＳＣ１１）。

一方、表示制御部１１３−Ａがユーザーの入力操作が無いと判別した場合（ステップＳＣ１０：ＮＯ）、生成部２１１１は、制御装置キーボード２３０１または制御装置タッチパネル２３０２の操作により印刷実行が指示されたか否かを判別する（ステップＳＣ１２）。

生成部２１１１は、印刷実行が指示されていないと判別した場合（ステップＳＣ１２：ＮＯ）、処理をステップＳＣ１０に戻す。

一方で、生成部２１１１は、印刷実行が指示されたと判別した場合（ステップＳＣ１２：ＹＥＳ）、印刷設定画面３００の印刷設定に基づいて、ジョブグループ１３０を印刷するための印刷データを生成する（ステップＳＣ１３）。生成部２１１１が生成する印刷データは、第１実施形態で説明した印刷制御部１１２が生成する印刷データと同様の印刷データである。

次いで、生成部２１１１は、生成した印刷データを制御装置通信部２２０によってプリンター１に送信する（ステップＳＣ１４）。

フローチャートＦＢを参照して、プリンター１の印刷制御部１１２は、通信部１０２によって印刷データを受信し（ステップＳＢ３）、受信した印刷データに基づいて印刷を開始する（ステップＳＢ４）。

以上説明したように、プリンター１を制御するホストコンピューター２００は、カメラ７が検出した両端部ＲＴＢのうち一方の端部を印刷開始位置とし、一方の端部から他方の端部までを印刷媒体Ｗの幅として、印刷部１０１に印刷データに基づく印刷を実行させる制御装置制御部２１０と、を備える。

ホストコンピューター２００によれば、自動で決めた印刷開始位置及び印刷媒体Ｗの幅に基づいて、印刷データに基づく印刷を印刷部１０１に実行させるため、オペレーターは、印刷開始前に、印刷開始位置及び印刷媒体Ｗの幅を測定等により手動で決める必要がない。したがって、印刷開始前のオペ―レーターの作業時間を低減でき、プリンター１は、速やかに印刷を開始できる。また、速やかに印刷を開始できるため、プリンター１の生産性を向上できる。また、オペレーターの測定ミスや設定入力ミス等による印刷品質の低下を防止できる。

上記した各実施形態は、本発明を適用した一具体例を示すものであり、本発明はこれに限定されるものではない。

例えば、上述した第１〜第３実施形態では、センサーとしてカメラ７を例示したが、印刷媒体Ｗの両端部ＲＴＢを検出可能なセンサーであればいずれのセンサーを採用でき、例えば、接触式や光学式等のセンサーでもよい。

例えば、上記の各実施形態では、ロール状に巻き回された印刷媒体Ｗを搬送して、画像を印刷するプリンター１を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、印刷対象の布帛等の印刷媒体Ｗを固定して保持し、印刷ヘッド８１を印刷媒体Ｗに対して相対的荷移動させて、印刷を行う印刷装置にも本発明を適用できる。例えば、衣類や縫製生地を印刷媒体Ｗとして固定し、印刷媒体ＷにインクＩＫを吐出して印刷する、いわゆるガーメントプリンターに本発明を適用してもよい。また、布帛に限らず、ニット生地、紙、合成樹脂製のシート等に印刷を行う印刷装置に本発明を適用してもよい。

また、本発明の適用対象は、印刷装置として単独で使用される装置に限定されず、例えば、複写機能やスキャン機能を有する複合機やＰＯＳ端末装置等、印刷以外の機能を有する装置に適用してもよい。

また、プリンター１は、紫外線の照射により硬化するインクＩＫを利用する装置であってもよく、この場合、乾燥ユニット９に代えて、プリンター１に紫外線照射装置を設けてもよい。また、プリンター１は、乾燥ユニット９で乾燥された印刷媒体Ｗを洗浄する洗浄装置を備える構成であってもよく、その他のプリンター１の細部構成については任意に変更可能である。

また、制御部１００各機能部は、上記のようにプロセッサー１１０が実行する制御プログラム１２１として構成することができるほか、当該制御プログラム１２１が組み込まれたハードウェア回路により実現することも可能である。また、制御プログラム１２１を、伝送媒体を介してプリンター１がサーバー装置等から受信する構成であってもよい。制御装置制御部２１０の各機能部についても同様である。

また、制御部１００、及び、制御装置制御部２１０の機能は、複数のプロセッサー、又は、半導体チップにより実現してもよい。

また、例えば、図６、及び、図１１に示す動作のステップ単位は、プリンター１、及び、ホストコンピューター２００の動作の理解を容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものであり、処理単位の分割の仕方や名称によって、本発明が限定されることはない。処理内容に応じて、さらに多くのステップ単位に分割してもよい。また、１つのステップ単位がさらに多くの処理を含むように分割してもよい。また、そのステップの順番は、本発明の趣旨に支障のない範囲で適宜に入れ替えてもよい。

１…プリンター（印刷装置）、４…搬送ベルト、７…カメラ（センサー）、８…印刷ユニット、９…乾燥ユニット、８１…印刷ヘッド、８２…キャリッジ、１００…制御部、１０１…印刷部、１０２…通信部、１０３…操作部、１１０…プロセッサー、１１１、１１１−Ａ…入力検出部、１１２…印刷制御部、１１３、１１３−Ａ表示制御部、１１４…撮影制御部、１１５、１１５−Ａ…決定部、１２０…記憶部、１２１…制御プログラム、１２２…設定データ、１２３…画像データ、１２４…ジョブデータ、１２５…撮影画像データ、２００…ホストコンピューター（印刷制御装置）、２１０…制御装置制御部、１０３１…キーボード、１０３２…タッチパネル、１０３３…ディスプレイ（表示部）、２３０３…制御装置ディスプレイ（表示部）、Ｈ…搬送方向、Ｉ１…載置開始位置、Ｋ…交差方向、ＲＴＢ…両端部、ＳＧ…撮影画像、ＴＢ…端部、ＴＢ−Ｒ…右端部（一方の端部、他方の端部）、ＴＢ−Ｌ…左端部（他方の端部、一方の端部）、Ｗ…印刷媒体。

Claims (11)

1. 印刷部と、
   印刷媒体を搬送する搬送ベルトと、
   前記搬送ベルトに載置された前記印刷媒体の端部のうち、前記印刷媒体の搬送方向と交差する交差方向の両端部を検出するセンサーと、
   前記センサーによって検出した両端部のうち一方の端部を印刷開始位置とし、前記一方の端部から他方の端部までの距離を前記印刷媒体の幅として、前記印刷部に印刷データに基づく印刷を実行させる制御部と、を備える、
   印刷装置。
2. 前記印刷部は、印刷ヘッドを有し、
   前記センサーは、前記搬送方向において、前記搬送ベルトが前記印刷媒体の載置を開始する載置開始位置より下流であって、且つ、前記印刷ヘッドより上流に設けられる、
   請求項１に記載の印刷装置。
3. 前記印刷部は、印刷ヘッド、及び、前記印刷ヘッドが搭載されるキャリッジを有し、
   前記センサーは、前記キャリッジに設けられる、
   請求項１に記載の印刷装置。
4. 前記制御部は、前記搬送ベルトの色と前記印刷媒体の色との色差に基づいて、前記センサーによって前記両端部を検出する、
   請求項１から３のいずれか一項に記載の印刷装置。
5. 前記制御部は、
   ユーザーの入力操作に基づいて、前記センサーにより決定された前記印刷開始位置、及び、前記印刷媒体の幅を変更し、
   変更した前記印刷開始位置、及び、前記印刷媒体の幅に基づいて、前記印刷部に前記印刷データに基づく印刷を実行させる、
   請求項１から４のいずれか一項に記載の印刷装置。
6. 前記センサーは、カメラであり、
   前記制御部は、前記カメラにより得られた前記両端部の撮影画像を表示部に表示させる、
   請求項１から５のいずれか一項に記載の印刷装置。
7. 前記印刷データは、前記センサーによって決定された前記印刷媒体の幅に応じて印刷サイズが変更されたパターン画像を印刷するためのデータである、
   請求項１から６のいずれか一項に記載の印刷装置。
8. 前記印刷媒体は、布帛である、
   請求項１から７のいずれか一項に記載の印刷装置。
9. 印刷部と、印刷媒体を搬送する搬送ベルトと、前記搬送ベルトに載置された前記印刷媒体の端部のうち前記印刷媒体の搬送方向と交差する交差方向の両端部を検出するセンサーと、を備える印刷装置を制御する印刷制御装置であって、
   前記センサーが検出した両端部のうち一方の端部を印刷開始位置とし、前記一方の端部から他方の端部までを前記印刷媒体の幅として、前記印刷部に印刷データに基づく印刷を実行させる制御装置制御部と、を備える、
   印刷制御装置。
10. 印刷部と、印刷媒体を搬送する搬送ベルトと、前記搬送ベルトに載置された前記印刷媒体の端部のうち前記印刷媒体の搬送方向と交差する交差方向の両端部を検出するセンサーと、を備える印刷装置の制御方法であって、
    前記センサーによって検出した両端部のうち一方の端部を印刷開始位置とし、前記一方の端部から他方の端部までを前記印刷媒体の幅として、前記印刷部に印刷データに基づく印刷を実行させる、
    印刷装置の制御方法。
11. 印刷部と、印刷媒体を搬送する搬送ベルトと、前記搬送ベルトに載置された前記印刷媒体の端部のうち前記印刷媒体の搬送方向と交差する交差方向の両端部を検出するセンサーと、を備える印刷装置の制御部が実行するプログラムであって、
    前記制御部に、
    前記センサーによって検出した両端部のうち一方の端部を印刷開始位置とし、前記一方の端部から他方の端部までを前記印刷媒体の幅として、前記印刷部に印刷データに基づく印刷を実行させる、
    プログラム。
    

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