JP2021039986A - コイル装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ショート不良の発生を防止することが可能なコイル装置を提供すること。【解決手段】コイル装置1は、巻芯部12および巻芯部12のX軸方向の端部に形成された鍔部14を含むコア10と、巻芯部12にワイヤ31,32を巻回してなるコイル部30と、鍔部14に設けられ、ワイヤ31,32の引出部310,320がそれぞれ接続される端子電極41,42と、を有する。端子電極41,42の少なくとも一部が配置される鍔部14の上面14aには、隆起形状を有する主隆起部144が形成されており、第2ワイヤ32の第2引出部320は、主隆起部144よりもX軸方向の外側で第2端子電極42に接続される。【選択図】図1A

Description

本発明はコイル装置に関する。
インダクタ等に使用されるコイル装置として、例えば特許文献1に記載されているコモンモードチョークコイルが知られている。特許文献1に記載のコモンモードチョークコイルでは、巻芯部の第1方向(巻軸方向)の端部に鍔部が形成されており、鍔部の第2方向(第1方向に直交する方向)の両端には2つの脚部が形成されている。各脚部には端子電極が形成されており、各端子電極には巻芯部に巻回された2つの巻線の各々の端部が接続されている。
しかしながら、特許文献1に記載のコモンモードチョークコイルでは、各巻線の端部の引出位置が不安定となりやすく、各巻線の端部同士が接触し、ショート不良が発生するおそれがある。
特開2006−49383号公報
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、その目的は、ショート不良の発生を防止することが可能なコイル装置を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明に係るコイル装置は、
巻芯部および前記巻芯部の第1方向の端部に形成された鍔部を含むコアと、
前記巻芯部に複数のワイヤを巻回してなるコイル部と、
前記鍔部に設けられ、複数の前記ワイヤの引出部がそれぞれ接続される複数の端子電極と、を有し、
いずれかの前記端子電極の少なくとも一部が配置される前記鍔部の第1面には、隆起形状を有する主隆起部が形成されており、
前記ワイヤの引出部は、前記主隆起部よりも前記第1方向の外側でいずれかの前記端子電極に接続される。
本発明に係るコイル装置では、いずれかの端子電極の少なくとも一部が配置される鍔部の第1面には、隆起形状を有する主隆起部が形成されている。そのため、主隆起部が形成された位置では、鍔部の第1面の高さが周囲に比べて高くなっており、その周囲に位置するワイヤの引出部が鍔部の第1面に乗り上がり難くなる。したがって、主隆起部の周囲では、複数のワイヤの引出部が相互に接触し難くなり、ショート不良の発生を防止することができる。
また、一般に、ワイヤの引出部に弛み(浮き上がり)が生じた場合、その状態で第1面の端子電極を実装基板に接続すると、この弛み部分が実装基板に接触し、ショート不良が発生するおそれがある。しかしながら、主隆起部を鍔部に具備させた場合、第1面の端子電極を実装基板に接続したときに、主隆起部の隆起分に応じた距離だけ実装基板から離間した位置に、ワイヤの引出部の位置をシフトさせることが可能となる。したがって、弛み部分が実装基板に接触し難くなり、ショート不良の発生を防止することができる。
また、本発明に係るコイル装置では、ワイヤの引出部は、主隆起部よりも第1方向の外側でいずれかの端子電極に接続される。この場合、ワイヤの引出部を、主隆起部あるいはその周囲に当接(固定)させ、当該部位に位置決めしつつ端子電極まで引き出すことが可能となる。そのため、ワイヤの引出部の引出位置を安定化させることが可能になるとともに、ワイヤの引出部の弛み(浮き上がり)が抑制され、ワイヤの引出部が鍔部の第1面に乗り上がり難くなる。したがって、複数のワイヤの引出部同士の接触を回避し、ショート不良の発生を防止することができる。
好ましくは、前記主隆起部は、いずれかの前記ワイヤの引出部といずれか他の前記ワイヤの引出部とで挟まれる領域の内側に位置する。このような構成とすることにより、主隆起部を挟んで一方側を引き出されるワイヤの引出部と、主隆起部を挟んで他方側を引き出されるワイヤの引出部とが、鍔部の第1面に乗り上がり難くなり、上記各ワイヤの引出部同士の接触を回避し、ショート不良の発生を効果的に防止することができる。
好ましくは、前記第1面には、前記主隆起部の他に副隆起部が形成されており、前記副隆起部は前記第1方向に垂直な第2方向の一端側に位置する。このような構成とすることにより、副隆起部が位置する第2方向の一端側と、主隆起部が形成された位置(例えば、第1面の第2方向の他端側)とで、鍔部の第1面の最大高さを揃えることが可能となり、実装基板上にコイル装置を安定して接続することができる。
好ましくは、前記鍔部には、前記第1方向に垂直な第2方向に対して、前記第1方向および前記第2方向に垂直な第3方向に傾斜して延びる第1傾斜部が形成されている。このような構成とすることにより、第1傾斜部に沿って、ワイヤの引出部を端子電極に引き出すことができる。また、第1傾斜部が形成された位置では、鍔部の内側の角部が除去されているため、ワイヤの引出部を巻芯部側から端子電極に向けて引き出したときに、ワイヤの引出部が角部に引っ掛かってその絶縁被覆が破損する事態を防止することができる。
好ましくは、前記第1傾斜部は、その始端から終端に向かうにしたがって前記第1方向に向かって幅広となる傾斜面を有し、前記傾斜面は、前記第1傾斜部の終端部において、前記鍔部の外端面の近傍から前記鍔部の内端面にかけて形成されている。このような構成とすることにより、鍔部の第1方向の内側から外側にかけて傾斜の深い傾斜面が形成され、第1傾斜部に沿って、ワイヤの引出部を鍔部の外端面の近傍まで引き出すことが可能となる。
このように、ワイヤの引出部を鍔部の外端面の近傍まで引き出すことにより、上述したように、ワイヤの引出部を主隆起部あるいはその周囲に当接(固定)させ、当該部位に位置決めしつつ、主隆起部あるいはその周囲に沿うように端子電極まで引き出すことが可能となる。そのため、ワイヤの引出部の引出位置を安定化させることが可能になるとともに、ワイヤの引出部の弛み(浮き上がり)が抑制され、ワイヤの引出部が鍔部の第1面に乗り上がり難くなる。したがって、複数のワイヤの引出部同士の接触を回避し、ショート不良の発生を効果的に防止することができる。
好ましくは、前記鍔部には、前記第1傾斜部とは異なる角度で延びる第2傾斜部が形成されており、前記主隆起部は、前記第1傾斜部と前記第2傾斜部とで挟まれる領域の内側に位置する。このような構成とすることにより、主隆起部を挟んで一方側に位置する第1傾斜部に沿って引き出されるワイヤの引出部と、主隆起部を挟んで他方側に位置する第2傾斜部に沿って引き出されるワイヤの引出部とが、鍔部の第1面に乗り上がり難くなり、上記各ワイヤの引出部同士の接触を回避し、ショート不良の発生を効果的に防止することができる。
好ましくは、前記鍔部の第1面側における前記第1方向に沿う幅は、前記鍔部の前記第1面の反対側に位置する第2面側における前記第1方向に沿う幅よりも大きい。このような構成とすることにより、鍔部の第1面側および第2面側において、各々の第1方向に沿う幅が等しくなっている場合に比べて、鍔部の体積が大きくすることが可能となり、良好なインダクタンス特性を有するコイル装置を実現することができる。
また、第2面側では、第1面側に比べて、鍔部の内端面が第1方向の外側に配置されるため、第1面側からいずれかの端子電極に向けて延びるワイヤの引出部と、第2面側からいずれか他の端子電極に向けて延びるワイヤの引出部とで、その引出位置を離間させることが可能となり、上記各ワイヤの引出部同士の接触を回避し、ショート不良の発生を効果的に防止することができる。
また、例えば、一方のワイヤの引出部については、第1面側で鍔部の内端面近傍に固定するとともに、他方のワイヤの引出部については、第2面側で鍔部の内端面近傍に固定することが可能となり、各ワイヤの引出部の位置決めを容易に行うことができる。
図1Aは本発明の一実施形態に係るコイル装置の全体斜視図である。 図1Bは図1Aに示すコイル装置の平面図である。 図1Cは図1Aに示すコイル装置をIC方向から見た側面図である。 図2Aは図1Aに示すコイル装置を製造する過程を示す斜視図である。 図2Bは図2Aの続きの工程を示す斜視図である。 図2Cは図2Bの続きの工程を示す斜視図である。 図2Dは図2Cの続きの工程を示す斜視図である。 図2Eは図2Dの続きの工程を示す斜視図である。 図2Fは図2Eの続きの工程を示す斜視図である。 図2Gは図2Fの続きの工程を示す斜視図である。 図2Hは図2Gの続きの工程を示す斜視図である。 図3は図2Gに示す工程の変形例を示す斜視図である。 図4は図1Aに示すコイル装置のコアを上方および下方の各々から見たときの相違を説明するための図である。 図5は図1Aに示すコイル装置を実装基板に実装したときの側面図である。
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
図1Aに示すように、本発明の一実施形態に係るコイル装置1は、ドラムコア10と、ドラムコア10の巻芯部12に巻回されたコイル部30を有する。
以下の説明では、X軸はコイル装置1を実装する実装面と平行な面内で、ドラムコア10の巻芯部12の巻軸と平行な方向(第1方向)を示す。Y軸は、X軸と同じく実装面と平行な面内にありX軸と垂直な方向(第2方向)である。Z軸は、実装面の法線方向(第3方向)である。
ドラムコア10は、巻芯部12と、巻芯部12のX軸方向の両端に備えられる一対の鍔部14m,14nと、を有する。一方の鍔部(第1鍔部)14mは、巻芯部12の軸方向(第1方向)の一方の端部に設けられている。他方の鍔部(第2鍔部)14nは、巻芯部12の軸方向の他方の端部に設けられ、第1鍔部14mと対向している。各鍔部14m,14nは、同一形状であるが、相互に異なっていてもよい。本実施形態では、各鍔部14m,14nは、点対称となるように配置してある。以下の説明において、鍔部14m,14nを特に区別する必要がない場合には、「鍔部14」と総称する。
なお、以下の説明において、第1鍔部14mについては、X軸正方向側を「内側」とし、X軸負方向側を「外側」とする。また、第2鍔部14nについては、X軸負方向側を「内側」とし、X軸正方向側を「外側」とする。
ドラムコア10(コイル装置1)のサイズは特に限定されないが、図1Bに示すように、そのX軸方向長さL0は1.46〜1.86mmであり、Y軸方向幅W2は0.85〜1.25mmであり、Z軸方向高さH1(図1C参照)は0.45〜0.53mmである。図2Aに示す巻芯部12のY軸方向幅W3と、図1Bに示す鍔部14m,14nのY軸方向幅W2との比W3/W2は、好ましくは0.6〜0.9である。なお、図1Cにおいて、高さH1には、後述する主隆起部144および副隆起部145の高さH2は含まれていない。
巻芯部12は、X軸方向に巻軸を持ち、Y軸方向に細長い略六角形状の断面を持つ。巻芯部12の横断面形状は、本実施形態では略六角形であるが、矩形や円形、あるいは略八角形でもよく、その横断面形状は特に限定されない。巻芯部12のY軸方向の略中心部に位置する外周面の一部は、外側に向けて凸状に突出している。これにより、その突出分だけ巻芯部12の横断面積を確保することが可能となり、コイル装置1のインダクタンス特性を良好にすることが可能となっている。以下の説明において、巻芯部12の上方側に位置する外周面を上面と呼び、巻芯部12の下方側に位置する外周面を下面と呼び、巻芯部12の側方側に位置する外周面を側面と呼ぶ。
図1Aに示すように、巻芯部12には、第1ワイヤ31および第2ワイヤ32が巻回してあり、ワイヤ31,32を1層以上(本実施形態では2層)に巻回してなるコイル部30を構成している。ワイヤ31,32は、たとえば被覆導線で構成してあり、良導体からなる芯材を絶縁性の被覆膜で覆った構成を有している。本実施形態では、ワイヤ31,32における導体部分の横断面積は同一であるが、異なっていてもよい。また、コイル部30は、1本のワイヤを1層以上に巻回して構成してもよく、あるいは3本以上のワイヤを1層以上に巻回して構成してもよい。
本実施形態では、ワイヤ31,32の巻回数が略同じであるが、用途によっては異ならせても良い。なお、ワイヤ31,32の巻回数が略同じとは、これらの巻回数の比が0.75〜1/0.75の範囲内であり、好ましくは1である。
鍔部14の外形状は、Y軸方向に長い略直方体状(略矩形状)であり、鍔部14m,14nは、X軸方向に所定の間隔を空けて、互いに略平行になるように配置されている。図1Bに示すように、鍔部14を実装面側(本実施形態では、Z軸上側)から見たときに、鍔部14は、その四隅が丸みを帯びるように形成してある。なお、鍔部14の横断面(YZ断面)形状は、円形状や略八角形状でも良く、その横断面形状は特に限定されない。
鍔部14は、上面(第1面)14aと、下面(第2面)14bと、内端面14cと、外端面14dと、第1横側面14eと、第2横側面14fとを有する。上面14aは、鍔部14の上方側に位置する面である。下面14bは、上面14aとはZ軸方向の反対側に位置する面である。内端面14cは、巻芯部12側に位置する面である。外端面14dは、内端面14cとはX軸方向の反対側に位置する面である。第1横側面14eは、上面14aおよび内端面14cに直交し、後述する第1端子電極41が位置する側の面である。第2横側面14fは、上面14aおよび内端面14cに直交し、後述する第2端子電極42が位置する側の面である。
本実施形態では、上面14aは、コイル装置1を回路基板などに実装する場合における実装面(接地面)となる。なお、図示の例では、第1鍔部14mの第2横側面14fと第2鍔部14nの第1横側面14eが面一となっているが、横側面14e,14fの間にY軸方向のずれがあってもよい。
図2Aに示すように、巻芯部12と鍔部14とが交わる位置には、凹状角部16が形成されている。凹状角部16は、巻芯部12の外周面と鍔部14の内端面14cとで形成された角状の部分であり、巻芯部12の外周方向に沿って、巻芯部12の周囲を一周するように形成されている。以下では、凹状角部16のうち、特に、巻芯部12の側面(第2横側面14f側に位置する側面)と鍔部14の内端面14cとで形成された凹状角部を第1凹状角部161と呼び、巻芯部12を挟んで第1凹状角部161のY軸方向の反対側に位置する凹状角部を第2凹状角部162と呼び、巻芯部12の上面と鍔部14の内端面14cとで形成された凹状角部を第3凹状角部163と呼ぶ。
第1凹状角部161は、後述する第1引出部310あるいは第2引出部320(図1A参照)が巻芯部12から離れる側(巻芯部12の側方側)に位置する。第2凹状角部162は、巻芯部12の側面(第1横側面14e側に位置する側面)と鍔部14の内端面14cとで形成された凹状角部に対応する。
第1凹状角部161および第2凹状角部162は、凹状角部16の側方部を構成し、Z軸方向(鍔部14の高さ方向)に沿って形成されている。第3凹状角部163は、凹状角部16の上方部を構成し、Y軸方向に沿って形成されている。
本実施形態では、鍔部14の上面14aのX軸方向に沿う幅が、鍔部14のY軸方向の一端側と他端側とで異なっている。すなわち、図1Bに示すように、後述する第1端子電極41が位置する上面14aの一端側のX軸方向に沿う幅をW1Aとし、後述する第2端子電極42が位置する上面14aの他端側のX軸方向に沿う幅をW1Bとしたときに、上面14aの他端側のX軸方向に沿う幅W1Bは、上面14aの一端側のX軸方向に沿う幅W1Aよりも小さい(W1B<W1A)。
なお、上面14aのY軸方向の一端側のX軸方向に沿う幅W1Aは、鍔部14の外端面14dと、鍔部14のY軸方向の一端側に位置する内端面14cとの間の長さに対応する。また、鍔部14のY軸方向の他端側のX軸方向に沿う幅W1Bは、鍔部14の外端面14dと、鍔部14のY軸方向の他端側に位置する内端面14cとの間の長さに対応する。
鍔部14の上面14aのY軸方向の一端側におけるX軸方向に沿う幅W1Aは、好ましくは0.45cm〜0.51cmである。鍔部14の上面14aのY軸方向の他端側におけるX軸方向に沿う幅W1Bは、幅W1Aよりも小さく、好ましくは0.26cm〜0.36cmである。幅W1Bと幅W1Aとの比W1B/W1Aは、好ましくは、0.5以上1未満であり、さらに好ましくは、0.7以上0.9未満である。第1ワイヤ31または第2ワイヤ32の直径をdとしたときに、幅W1Aと幅W1Bとの差分である幅W1Cの大きさは、好ましくはW1C≧dであり、さらに好ましくはW1C≧2dである。
本実施形態では、W1B<W1Aであるため、鍔部14のY軸方向の他端側に位置する内端面14cの一部は、鍔部14のY軸方向の一端側に位置する内端面14cの一部よりも、X軸方向に沿って、鍔部14の外端面14d側に位置ずれして配置される。鍔部14のY軸方向の他端側に位置する内端面14cの一部と、鍔部14のY軸方向の一端側に位置する内端面14cの一部との間のずれ幅は、前述の幅W1AとW1Bとの差分である幅W1Cに対応する。図示の例では、上記ずれ幅は、第2ワイヤ32の直径の2〜3倍となっているが、それ以上であってもよい。
また、第1凹状角部161は、第2凹状角部162よりも、X軸方向に沿って、鍔部14の外端面14d側に位置ずれしている。第1凹状角部161と第2凹状角部162との間のずれ幅は、前述の幅W1Aと幅W1Bとの差分である幅W1Cに対応する。
図4に示すように、本実施形態では、鍔部14の上面14a側におけるX軸方向に沿う幅(最大幅)W2Aと、鍔部14の下面14b側におけるX軸方向に沿う幅(最大幅)W2Bとは異なっている。より詳細には、上記幅W2Aは、上記幅W2Bよりも大きくなっている。上記幅W2Aと上記幅W2Bとの差分W2A−W2Bは、好ましくはW2A−W2B≧dであり、さらに好ましくはW2A−W2B≧2dである。ただし、dは第1ワイヤ31または第2ワイヤ32の直径である。
また、上記幅W2A,W2Bの関係に対応して、巻芯部12の上面側におけるX軸方向に沿う長さL1Aと、巻芯部12の下面側におけるX軸方向に沿う長さL1Bとは異なっている。より詳細には、上記長さL1Aは、上記長さL1Bよりも小さくなっている。上記長さL1Bと上記長さL1Aとの差分L1B−L1Aは、好ましくはL1B−L1A≧dであり、さらに好ましくはL1B−L1A≧2dである。
図1Bおよび図1Cに示すように、鍔部14の上面14a(実装面)には、第1端子電極41が形成してある。第1鍔部14mに形成してある第1端子電極41と、第2鍔部14nに形成してある第1端子電極41とは、同様の構成を有する。第1端子電極41は、第1上面電極部410と、第1側面電極部411とからなり、これらは電気的に接続されている。より詳細には、第1上面電極部410は、XY平面に平行な面を有し、鍔部14の上面14aのY軸方向の一端に形成してある。第1上面電極部410の一部は、後述する第1傾斜部141に入り込むように形成してある。また、第1側面電極部411は、YZ平面に平行な面を有し、鍔部14の端面14dに形成してある。第1側面電極部411を鍔部14に形成することにより、第1端子電極41に十分な半田フィレットを形成することが可能となる。
第1鍔部14mに形成してある第1上面電極部410には、第1ワイヤ31の第1引出部310との接続部分である第1継線部311が形成してある。第2鍔部14nに形成してある第1上面電極部410には、第2ワイヤ32の第2引出部320との接続部分である第2継線部321が形成してある。継線部311,321は、引出部310,320を第1上面電極部410に熱圧着することにより形成される。本実施形態では、第1上面電極部410は、回路基板(図示略)の表面と向き合って接続される実装部としての機能も有する。より詳細には、第1上面電極部410のうち、継線部311,321が形成されていない部分が、回路基板の電極(ランド)との半田の良接合面として機能する。
なお、一般的には、熱圧着した部分では、はんだ濡れ性が低下する。そのため、継線部311,321は、第1上面電極部410の中央ではなく、端部に配置されることが好ましい。本実施形態では、継線部311,321は、鍔部14の外端面14dの近傍に配置されている。これにより、第1上面電極部410のうち、はんだ濡れ性に優れた部分の面積を十分に大きく確保することが可能となり、コイル装置と回路基板との接合強度(固着強度)を高めることができる。また、コイル装置1を小型化した場合であっても、回路基板との固着強度を十分に確保することができる。
鍔部14の上面14aには、第2端子電極42が、第1端子電極41とはY軸方向に沿って所定間隔をあけて(離間して)形成してある。第1鍔部14mに形成してある第2端子電極42と、第2鍔部14nに形成してある第2端子電極42とは、同様の構成を有する。なお、第1端子電極41と第2端子電極42の間隔は、絶縁が確保される距離であれば特に限定されない。
本実施形態では、第2端子電極42は、第2上面電極部420と、第2側面電極部421とからなり、これらは電気的に接続されている。より詳細には、第2上面電極部420は、XY平面に平行な面を有し、鍔部14の上面14aのY軸方向の他端(第1上面電極部410とはY軸方向の反対側)に形成してある。第2上面電極部420の一部は、後述する第2傾斜部142に入り込むように形成してある。また、第2側面電極部421は、YZ平面に平行な面を有し、鍔部14の端面14dに形成してある。第2側面電極部421を鍔部14に形成することにより、第2端子電極42に十分な半田フィレットを形成することが可能となる。
第1鍔部14mに形成してある第2上面電極部420には、第2ワイヤ32の第2引出部320との接続部分である第2継線部321が形成してある。第2鍔部14nに形成してある第2上面電極部420には、第1ワイヤ31の第1引出部310との接続部分である第1継線部311が形成してある。継線部311,321は、引出部310,320を第2上面電極部420に熱圧着することにより形成される。本実施形態では、第2上面電極部420は、回路基板(図示略)の表面と向き合って接続される実装部としての機能も有する。より詳細には、第2上面電極部420のうち、継線部311,321が形成されていない部分が、回路基板の電極(ランド)との半田の良接合面として機能する。
なお、継線部311,321は、第2上面電極部420の中央ではなく、端部に配置されることが好ましい。本実施形態では、継線部311,321は、鍔部14の外端面14dの近傍に配置されている。これにより、第2上面電極部420のうち、はんだ濡れ性に優れた部分の面積を十分に大きく確保することが可能となり、コイル装置と回路基板との固着強度を高めることができる。また、コイル装置1を小型化した場合であっても、回路基板との固着強度を十分に確保することができる。
第1端子電極41および第2端子電極42は、たとえば金属ペースト焼付け膜や金属メッキ膜で構成されている。端子電極41,42は、鍔部14の上面14aおよび外端面14dの表面に、たとえばAgペーストを塗布して焼き付けた後、その表面に、たとえば電界メッキまたは無電界メッキを施し、メッキ膜を形成することにより形成される。
なお、金属ペーストの材料は、特に限定されるものではなく、CuペーストやAgペーストなどが例示される。また、メッキ膜は、単層でも複層でも良く、たとえばCuメッキ、Niメッキ、Snメッキ、Ni−Snメッキ、Cu−Ni−Snメッキ、Ni−Auメッキ、Auメッキなどのメッキ膜が例示される。端子電極41,42の厚みは、特に限定されないが、好ましくは0.1〜15μmである。
図2Aに示すように、鍔部14には、第1傾斜部141と第2傾斜部142とが形成してある。第1鍔部14mに形成してある第1傾斜部141と、第2鍔部14nに形成してある第1傾斜部141とは、同様の構成からなる。また、第1鍔部14mに形成してある第2傾斜部142と、第2鍔部14nに形成してある第2傾斜部142とは、同様の構成からなる。本実施形態では、第1鍔部14mに形成してある各傾斜部141,142と、第2鍔部14nに形成してある各傾斜部141,142とは、点対称となるように配置してある。
第1傾斜部141は、巻芯部12の上面と鍔部14の上面14aとの間の範囲に形成されており、Y軸方向に対して、Z軸方向に傾斜して延びている。第1傾斜部141の中心軸の延長線C1は、鍔部14の第1横側面14eと交差するとともに、後述する段差面149(図2B参照)の周縁部1490と交差する。
第1傾斜部141は、第1傾斜面1410と第1壁側側面1411とを有する。第1傾斜面1410は、鍔部14のY軸方向一端側からY軸方向他端側に向かって傾斜する傾斜面からなる。第1傾斜部141の位置では、鍔部14の内端面14cは、第1傾斜面1410によって切り欠かれている。
図2Bに示すように、第1傾斜部141の始端141sは、鍔部14のY軸方向の中心よりもY軸方向の他端側に位置しており、第1傾斜部141の終端141eは、鍔部14のY軸方向の中心よりもY軸方向の一端側に位置している。
第1傾斜面1410は、第1傾斜部141の始端141sから終端141eに向かうにしたがってX軸方向に向かって幅広となるように形成されており、第1傾斜部1410の終端部(終端141eの周辺部)では、鍔部14の外端面14dの近傍から鍔部14の内端面14cにかけて形成されている。第1傾斜面1410の終端141eにおいて、第1傾斜面1410のX軸方向の端部と鍔部14の外端面14dとの間の距離をLとすると、上記距離Lと、鍔部14の上面14aの一端側のX軸方向に沿う幅W1Aとの比L/W1Aは、好ましくは0〜0.2である。
図2Aに示すように、第1壁側側面1411は、壁部143の一部を構成している。第1壁側側面1411は、切り立った壁面からなり、第1傾斜面1410の側方に沿って延びている。
第2傾斜部142は、鍔部14の外側(外端面14d)に向かって、第1傾斜部141とは異なる角度で斜めに延びており、徐々に下降するように傾斜している。第2傾斜部142の中心軸の延長線C2は、鍔部14の外端面14dと交差するとともに、第1凹状角部161に向かって延び、後述する段差面148(図2B参照)の周縁部1480と交差する。延長線C2とX軸との為す角度は、好ましくは18〜24°である。なお、延長線C2の延在方向は、第2傾斜部142に沿って引き出される第2引出部320の引出方向と略等しくなっている(図1A参照)。
第2傾斜部142は、溝形状(溝部)からなり、第2傾斜面1420と、第2壁側側面1421と、第2外側側面1422とを有する。第2傾斜面1420は、第2壁側側面1421と第2外側側面1422とで挟まれるように配置してあり、鍔部14の外端面14dから内端面14cに向かって傾斜する傾斜面からなる。
第2壁側側面1421は、壁部143に隣接して形成されており、壁部143の一部を構成している。第2外側側面1422は、第2傾斜面1420を挟んで第2壁側側面1421とは反対側に形成してある。
鍔部14には、段差面148と段差面149とが形成されている。段差面148は、略平面形状からなり、第3凹状角部163のY軸方向の他端側(第2横側面14f側)あるいは第1凹状角部161の上端付近に形成されている。
図2Bに示すように、本実施形態では、段差面148の周縁部1480には、第2傾斜部142の第2始端142sが接続されている。第2傾斜部142の第2始端142sは、段差面148と、第2傾斜部142(第2傾斜面1420)との交差部に対応する。第2傾斜部142の第2終端142eは、鍔部14の上面14aと、第2傾斜部142(第2傾斜面1420)との交差部に対応する。
段差面149は、略平面形状からなり、鍔部14のY軸方向の中心部よりも他端側において、第3凹状角部163および壁部143に隣接して形成されている。段差面149の周縁部1490には、第1傾斜部141の第1始端141sが接続されている。第1傾斜部141の第1始端141sは、段差面149と、第1傾斜部141(第1傾斜面1410)との交差部に対応する。第1傾斜部141の第1終端141eは、鍔部14の上面14aと、第1傾斜部141(第1傾斜面1410)との交差部に対応する。
図1Aに示すように、本実施形態では、第1鍔部14mの第1傾斜部141には第1ワイヤ31の第1引出部310が通過し、第1鍔部14mの第2傾斜部142には第2ワイヤ32の第2引出部320が通過する。また、第2鍔部14nの第1傾斜部141には第2ワイヤ32の第2引出部320が通過し、第2鍔部14nの第2傾斜部142には第1ワイヤ31の第1引出部310が通過する。
より詳細には、図1Aおよび図2Aに示すように、第1鍔部14m側において、第1ワイヤ31の第1引出部310は、巻芯部12の側面側で、巻芯部12(あるいは、コイル部30)から離れた後、段差面149側に向けて引き出される。そして、第1引出部310は、段差面149に接触することなくその上を通過し、第1傾斜部141の第1傾斜面1410(図2A参照)に沿って、第1端子電極41に向かって斜めに引き出される。より詳細には、第1引出部310は、第1傾斜部141の第1壁側側面1411に沿って、あるいは第1壁側側面1411に固定されつつ、第1端子電極41まで引き出される。
また、第1鍔部14m側において、第2ワイヤ32の第2引出部320は、巻芯部12の側面側で、巻芯部12(あるいは、コイル部30)から離れた後、段差面148側に向けて引き出される。そして、第2引出部320は、段差面148に接触することなくその上を通過し、第2傾斜部142の第2傾斜面1420に沿って、第2端子電極42(あるいは、鍔部14の外端面14d)に向かって、第1引出部310とは異なる角度で斜めに引き出される。
また、第2鍔部14n側において、第2ワイヤ32の第2引出部320は、巻芯部12の側面側で、巻芯部12(あるいは、コイル部30)から離れた後、段差面149側に向けて引き出される。そして、第2引出部320は、段差面149に接触することなくその上を通過し、第1傾斜部141の第1傾斜面1410に沿って、あるいは第1壁側側面1411に固定されつつ、第1端子電極41に向かって斜めに引き出される。
また、第2鍔部14n側において、第1ワイヤ31の第1引出部310は、巻芯部12の側面側で、巻芯部12(あるいは、コイル部30)から離れた後、段差面148(図示略)側に向けて引き出される。そして、第1引出部310は、段差面148に接触することなくその上を通過し、第2傾斜部142の第2傾斜面1420に沿って、第2端子電極42(あるいは、鍔部14の外端面14d)に向かって、第2引出部320とは異なる角度で斜めに引き出される。
前述の通り、本実施形態では、第1凹状角部161が、第2凹状角部162よりも、幅W1C(図1B参照)に応じた距離だけ、鍔部14の外端面14d側に位置ずれしている。そのため、巻芯部12のX軸負方向側の端部と段差面148との間の範囲において、第2引出部320を斜めに引き出すことが可能となり、第1凹状角部161の近傍において、第1引出部310および第2引出部320の各々をX軸方向に沿って離間して配置することが可能となっている。
なお、第2ワイヤ32は、段差面148から第2傾斜部142の第2終端142eの手前にかけて空中配線され、第2傾斜部142の第2終端142eの手前で第2傾斜部142の底(第2傾斜面1420)に当接してもよい。
第1傾斜部141と第2傾斜部142とは、鍔部14に形成してある壁部143によって隔てられている。壁部143は、第1傾斜部141と第2傾斜部142との間に位置し、壁部143の一部は、後述する副隆起部144よりもX軸方向の内側に向かって突出している。そのため、第1引出部310は鍔部14の内端面14cから突出した壁部143の一部を迂回するように、第1傾斜部141に向かって引き出される。したがって、第1引出部310および第2引出部320の各々を十分に引き離し、第1引出部310と第2引出部320との接触を効果的に防止することが可能となっている。
図2Aに示すように、壁部143は、先端面1430と、第1側方面1431と、第2側方面1432とを有する。先端面1430は、YZ平面に略平行な壁面からなり、鍔部14の内端面14cの一部を構成している。先端面1430は、壁部143の先端部分を構成しており、その両側には第1側方面1431と第2側方面1432とが接続されている。第1側方面1431は、切り立った壁面からなり、第1傾斜部141の第1壁側側面1411に接続されている。第1側方面1431は、第1壁側側面1411に連続して接続されているが、不連続に接続されていてもよい。第2側方面1432は、XZ平面に略平行な壁面からなり、鍔部14の第2傾斜部の第2壁側側面1421に不連続に接続されている。
本実施形態では、鍔部14の上面(第1面)14aには、隆起形状(凸形状あるいは突出形状)を有する主隆起部144が形成されている。主隆起部144は、鍔部14のY軸方向の他端側に形成されており、第1傾斜部141と第2傾斜部142とで挟まれた領域の内側に位置する。より詳細には、主隆起部144は、第1傾斜部141と第2傾斜部142とで挟まれた領域のうち、鍔部14のX軸方向の内側に形成されており、壁部143の上面の一部を構成している。
鍔部14の上面14aのうち、主隆起部144が形成された位置では、当該位置の周囲に比べて、鍔部14aの上面14aの高さが高くなっている。主隆起部144の上面は平坦面となっており、鍔部14の上面14aのうち、主隆起部144が形成された位置と、主隆起部144が形成されていない位置との間(主隆起部144のX軸方向の外側端部)には段差が形成されている。
図1Cに示すように、主隆起部144の高さH2(鍔部14の上面14aのうち、主隆起部144の周辺部からの高さ)と、鍔部14の高さH1(鍔部14の上面14aのうち、主隆起部144の周辺部の高さ)との比H2/H1は、好ましくは0.01〜0.08であり、さらに好ましくは0.03〜0.06である。また、主隆起部144の高さH2と上記dとの比H2/dは、好ましくは0.3〜1.3であり、さらに好ましくは0.5〜1.0である。ただし、dは第1ワイヤ31または第2ワイヤ32の直径である。なお、図示の例では、主隆起部144の上面は平坦面となっているが、例えば山型に盛り上がるように形成されていてもよい。
図1Cにおいて、主隆起部144の高さH2は、第2端子電極42の第2上面電極部420に第2ワイヤ32の第2引出部320を接続したときに、第2引出部320の第2継線部321の一部が主隆起部144の上面よりも上方に突出する程度の高さとなっている。
図2Aに示すように、主隆起部144は、壁部143の一部を構成しており、壁部143の上面を上方に延長することにより構成される。主隆起部144の側面は、第1傾斜部141の第1壁側側面1411と、第2傾斜部142の第2壁側側面1421と、壁部143の先端面1430、第1側方面1431および第2側方面1432とで構成されている。主隆起部144の上面は、その周辺部に対して不連続(段差状)に接続されているが、連続的に接続されていてもよい。
図2Aに示すように、主隆起部144は、Z軸方向の上方から見たときに多角形状(図示の例では、五角形)を有しており、X軸方向の外側に向かうにしたがって幅広となるように形成されている。主隆起部144のX軸方向の最大幅W4と、鍔部14の上面14aの一端側のX軸方向に沿う幅W1A(図1B参照)との比W4/W1Aは、好ましくは0.2〜0.5であり、さらに好ましくは0.3〜0.4である。
図2Bに示すように、本実施形態では、第2端子電極42の第2上面電極部420のX軸方向の内側端部は、主隆起部144のX軸方向の外側端部よりも外側に位置しており、第2上面電極部420と主隆起部144とは、X軸方向に沿って並んで配置されている。すなわち、主隆起部144には第2上面電極部420が形成されてはおらず、主隆起部144および第2上面電極部420は、それぞれ独立して(重複することなく)配置されている。また、主隆起部144は、第2端子電極42の第2上面電極部420に対応する位置に局所的に配置されている。
図1Aに示すように、第2ワイヤ32の第2引出部320は、主隆起部144よりもX軸方向の外側で第2端子電極42の第2上面電極部420に接続され、当該位置に第2継線部321が形成される。そのため、主隆起部144は、第2継線部321とコイル部30との間に配置されることになる。
主隆起部144は、第1傾斜部141に沿って引き出される第1ワイヤ31の第1引出部310と、第2傾斜部142に沿って引き出される第2ワイヤ32の第2引出部320とで挟まれる領域の内側に位置する。主隆起部144は、Y軸方向に所定幅を有しており(図示の例では、鍔部14のY軸方向幅の1/4〜1/3程度)、これにより主隆起部144の周囲を通過する第1引出部310と第2引出部320とを十分に引き離し、第1引出部310と第2引出部320との接触を防止することが可能となっている。
図2Aに示すように、鍔部14の上面14aには、主隆起部144の他に副隆起部145が形成されている。副隆起部145は、隆起形状(凸形状あるいは突出形状)を有している。副隆起部145は、鍔部14のY軸方向の一端側に形成され、鍔部14のX軸方向の内側に位置している。副隆起部145は、第1傾斜部141よりもY軸方向の一端側に位置しており、第1傾斜部141は、主隆起部144と副隆起部145とで挟まれている。
鍔部14の上面14aのうち、副隆起部145が形成された位置では、当該位置の周囲に比べて、鍔部14aの上面14aの高さが高くなっている。副隆起部145の上面は平坦面となっており、鍔部14の上面14aのうち、副隆起部145が形成された位置と、副隆起部145が形成されていない位置との間(副隆起部145のX軸方向の外側端部)には段差が形成されている。副隆起部145の高さと、主隆起部144の高さH2(図1C参照)とは略等しくなっている。なお、図示の例では、副隆起部145の上面は平坦面となっているが、例えば山型に盛り上がるように形成されていてもよい。
副隆起部145は、Z軸方向の上方から見たときに多角形状(図示の例では、矩形)を有しているが、その形状は特に限定されるものではない。
図2Bに示すように、第1上面電極部410のX軸方向の内側端部は、副隆起部145のX軸方向の外側端部よりも外側に位置しており、第1上面電極部410と副隆起部145とは、X軸方向に沿って並んで配置されている。すなわち、副隆起部145には、第1端子電極41の第1上面電極部410が形成されてはおらず、副隆起部145および第1上面電極部410は、それぞれ独立して(重複することなく)配置されている。
図1Aに示すように、第1ワイヤ31の第1引出部310は、副隆起部145よりもX軸方向の外側で第1端子電極41の第1上面電極部410に接続され、当該位置に第1継線部311が形成される。そのため、副隆起部145は、第1継線部311とコイル部30との間に配置されることになる。
図5に示すように、コイル装置1は、実装基板80に対して、ハンダや導電性接着剤等の接続部材90を介して固定される。より詳細には、第1鍔部14m側では、第1端子電極41の第1上面電極部410が副隆起部145よりもX軸方向の外側で実装基板80のランド81に接続部材90を介して接続される。また、詳細な図示は省略するが、第2端子電極42の第2上面電極部420が主隆起部144よりもX軸方向の外側で実装基板80のランド81に接続部材90を介して接続される。
第2鍔部14n側では、第2端子電極42の第2上面電極部420が主隆起部144よりもZ軸方向の外側で実装基板80のランド81に接続部材90を介して接続される。また、詳細な図示は省略するが、第1端子電極41の第1上面電極部410が副隆起部145よりもX軸方向の外側で実装基板80のランド81に接続部材90を介して接続される。
端子電極41,42の上面電極部410,420を実装基板80のランド81に接続したとき、主隆起部144および副隆起部145の各々の上面は、実装基板80に接することなく、実装基板80から所定距離だけ上方に離間した位置に配置される。なお、実装基板80のランド81の形状は、端子電極41,42の上面電極部410,420の形状に形成されていることが好ましい。
コイル装置1の製造では、まず、ドラム型のドラムコア10とワイヤ31,32とを準備する。なお、ワイヤ31,32としては、たとえば、銅(Cu)などの良導体からなる芯材を、イミド変成ポリウレタンなどからなる絶縁材で覆い、さらに最表面をポリエステルなどの薄い樹脂膜で覆ったものを用いることができる。
ドラムコア10を構成する磁性体材料としては、たとえば、比較的透磁率の高い磁性材料、たとえばNi−Zn系フェライトや、Mn−Zn系フェライト、あるいは金属磁性体などが例示され、これらの磁性材料の粉体を、成型および焼結することにより、ドラムコア10が作製される。その際に、図2Aに示すように、ドラムコア10は、鍔部14の各部に第1傾斜部141と、第2傾斜部142と、主隆起部144と、副隆起部145とが形成されるように作製される。また、ドラムコア10は、巻芯部12と一対の鍔部14とが一体に成形され、鍔部14のX軸方向に沿う幅が、鍔部14のY軸方向の一端側と他端側とで異なるように作製される。
次に、ドラムコア10の鍔部14に金属ペーストを塗布し、所定の温度で焼き付ける。そして、その表面に電界めっきまたは無電解メッキを施すことにより、図2Bに示すような第1端子電極41および第2端子電極42が形成される。
次に、端子電極41,42が形成されたドラムコア10およびワイヤ31,32を、巻線機(図示略)にセットし、図2Cに示すように、ノズル50の先端から第1ワイヤ31(第1引出部310)を引き出し、第1端子電極41の第1上面電極部410に接続する。これにより、第1上面電極部410と第1ワイヤ31との接続部分に第1継線部311が形成される。
同時に(あるいは、その後)、ノズル50の先端から第2ワイヤ32(第2引出部320)を引き出し、第2端子電極42の第2上面電極部420に接続する。これにより、第2上面電極部420と第2ワイヤ32との接続部分に第2継線部321が形成される。
なお、接続のための方法は、特に限定されないが、たとえばワイヤ31,32を端子電極41,42との間で挟むようにヒータチップを押し当てて、ワイヤ31,32を端子電極41,42に熱圧着する。なお、ワイヤ31,32の芯線を被覆している絶縁材料については、熱圧着時の熱で溶融するため、ワイヤ31,32に被膜除去を施す必要はない。
本実施形態では、ワイヤ31,32の各々は、鍔部14の外端面14dの近傍において、外端面14dから等距離の位置で、端子電極41,42に熱圧着される。このように、ワイヤ31,32の各々について熱圧着する位置を揃えておくことにより、ヒータチップの交換や複数のヒータチップを用意することなく、一度にワイヤ31,32の各々を適切な融着条件で端子電極41,42に熱圧着することが可能となる。したがって、熱圧着の信頼性や作業性を高めることができる。
次に、図2Dに示すように、上面電極部410,420(第1端子電極41,42)からはみ出たワイヤ31,32(引出部310,320)の不要部分を切削具60で切断する。引出部310,320の不要部分の切断時には、鍔部14の外端面14dの周辺部に、引出部310,320の切断箇所を配置しておくとともに、切削具60を、その側面が外端面14dと略面一になるように配置(位置決め)しておく。
そして、その位置で、外端面14dに沿ってZ軸方向に切削具60を下降させる。これにより、鍔部14の上面14aと外端面14dとの角部に切削具60を接触させることなく、引出部310,320の切断箇所を切断することが可能となり、鍔部14が損傷するのを防止することができる。
本実施形態では、引出部310,320の各々が鍔部14の外端面14dに向かって引き出されている。そのため、切削具60を用いて、一度に引出部310,320の各々を切断することが可能となり、作業性を高めることができる。
次に、図2Eに示すように、第1鍔部14m側において、第1ワイヤ31(第1引出部310)を第1傾斜部141の傾斜面に沿って段差面149の上方を通過させつつ第3凹状角部163のY軸方向の途中位置まで斜めに引き出す。そして、引き出した第1ワイヤ31を第3凹状角部163に沿ってY軸方向の他端側に向けて引き出す。なお、第1ワイヤ31の引出は、図2Aに示す第1傾斜部141の第1壁側側面1411および壁部143の第1側方面1431に当接させつつ行う。
また、第2ワイヤ32(第2引出部320)を第2傾斜部142の傾斜面に沿って、段差面148の上方を通過させつつ、巻芯部12のX軸方向の一方側の端部まで内側に向けて斜め下方に引き出す。その後、ワイヤ31,32を、巻芯部12のX軸方向の反対側(他端側)まで巻回していき、コイル部30を形成する。
そして、第2鍔部14n側において、第2ワイヤ32(第2引出部320)を巻芯部12のX軸方向の他方側の端部から、Y軸方向の他端側に向けて、第3凹状角部163(図示略)のY軸方向の途中位置まで引き出す。そして、引き出した第2ワイヤ32を段差面149の上方を通過させつつ第1傾斜部141の傾斜面に沿って第1端子電極41の第1上面電極部410に向けて斜めに引き出す。その後、第2ワイヤ32を弛まないように支柱70に引っ掛けて固定する。なお、第2ワイヤ32の引出は、図2Aに示す第1傾斜部141の第1壁側側面1411および壁部143の第1側方面1431に当接させつつ行う。
同時に(あるいは、その後)、第1ワイヤ31(第1引出部310)を、巻芯部12のX軸方向の他方側の端部からX軸方向の外側に向けて斜め上方に引き出すとともに、段差面148(図示略)の上方を通過させつつ、第2傾斜部142の傾斜面に沿って第2端子電極42の第2上面電極部420に向けて斜めに引き出す。その後、第1ワイヤ31を弛まないように支柱70に引っ掛けて固定する。
次に、図2Fに示すように、第1ワイヤ31を第2端子電極42の第2上面電極部420に接続する。これにより、第2上面電極部420と第1ワイヤ31との接続部分には第1継線部311が形成される。
同時に(あるいは、その後)、第2ワイヤ32を第1端子電極41の第1上面電極部410に接続する。これにより、第1上面電極部410と第2ワイヤ32との接続部分には第2継線部321が形成される。
次に、図2Gに示すように、図2Dで説明した場合と同様の要領で、上面電極部410,420(端子電極41,42)からはみ出たワイヤ31,32(引出部310,320)の不要部分を切削具60で切断する。
次に、図2Hに示すように、鍔部14の下面14bに板状コア20を設置する。下面14bは平坦面からなり、板状コア20を設置することが容易になっている。板状コア20は、平坦面を有する扁平な直方体からなり、コイル装置1のインダクタンスを高める機能を有する。板状コア20は、ドラムコア10と同じ磁性体部材で構成されるのが好ましいが、別々の部材で構成されてもよい。なお、板状コア20は、必ずしも磁性体で構成する必要はなく、合成樹脂などの非磁性体で構成してもよい。
本実施形態に係るコイル装置1では、図1A等に示すように、鍔部14の上面14aに主隆起部144が形成されている。そのため、主隆起部144が形成された位置では、鍔部14の上面14aの高さが周囲に比べて高くなっており、その周囲に位置するワイヤ31,32の引出部310,320が鍔部14の上面14aに乗り上がり難くなる。したがって、主隆起部144の周囲では、ワイヤ31,32の引出部310,320が相互に接触し難くなり、ショート不良の発生を防止することができる。
また、一般に、ワイヤ31,32の引出部310,320に弛み(浮き上がり)が生じた場合、その状態で上面14aの端子電極41,42を実装基板80に接続すると、この弛み部分が実装基板80に接触し、ショート不良が発生するおそれがある。しかしながら、例えば、主隆起部144の高さを所定長以上とすることにより、上面14aの端子電極41,42を実装基板に接続したときに、主隆起部144の隆起分に応じた距離だけ実装基板80から離間した位置に、ワイヤ31,32の引出部310,320の位置をシフトさせることが可能となる。したがって、弛み部分が実装基板80に接触し難くなり、ショート不良の発生を防止することができる。
また、本実施形態に係るコイル装置1では、第2ワイヤ32の第2引出部320は、主隆起部144よりもX軸方向の外側で第2端子電極42に接続される。この場合、第2引出部320を、主隆起部144の周囲(壁部143)に当接(固定)させ、当該部位に位置決めしつつ第2端子電極42まで引き出すことが可能となる。そのため、第2引出部320の引出位置を安定化させることが可能になるとともに、第2引出部320の弛み(浮き上がり)が抑制され、第2引出部320が鍔部14の上面14aに乗り上がり難くなる。したがって、ワイヤ31,32の引出部310,320同士の接触を回避し、ショート不良の発生を防止することができる。
また、主隆起部144は、第1ワイヤ31の第1引出部310と第2ワイヤ32の第2引出部320とで挟まれる領域の内側に位置する。そのため、主隆起部144を挟んで一方側を引き出される第1引出部310と、主隆起部144を挟んで他方側を引き出される第2引出部320とが、鍔部14の上面14aに乗り上がり難くなり、上記各引出部310,320同士の接触を回避し、ショート不良の発生を効果的に防止することができる。
また、上面14aには、主隆起部144の他に副隆起部145が形成されており、副隆起部145はY軸方向の一端側に位置する。そのため、副隆起部145が位置するY軸方向の一端側と、主隆起部144が位置するY軸方向の他端側とで、鍔部14の上面14aの最大高さを揃えることが可能となり、実装基板80上にコイル装置1を安定して接続することができる。
また、鍔部14には、Y軸方向に対して、Z軸方向に傾斜して延びる第1傾斜部141が形成されている。そのため、第1傾斜部141に沿って、第1ワイヤ31の第1引出部310を第1端子電極41に引き出すことができる。また、第1傾斜部141が形成された位置では、鍔部14の内側の角部(上面14aと内端面14cとで形成される角部)が除去されているため、第1引出部310を巻芯部12側から第1端子電極41に向けて引き出したときに、第1引出部310が角部に引っ掛かってその絶縁被覆が破損する事態を防止することができる。
また、図2Bに示すように、第1傾斜部141は、その始端141sから終端141eに向かうにしたがってX軸方向に向かって幅広となる第1傾斜面1410を有し、第1傾斜面1410は、第1傾斜部141の終端部141eにおいて、鍔部14の外端面14dの近傍から鍔部14の内端面14cにかけて形成されている。そのため、鍔部14のX軸方向の内側から外側にかけて傾斜の深い傾斜面が形成され、図1A等に示すように、第1傾斜部141に沿って、第1ワイヤ31の第1引出部310を鍔部14の外端面14dの近傍まで引き出すことが可能となる。
このように、第1引出部310を鍔部14の外端面14dの近傍まで引き出すことにより、上述したように、第1引出部310を主隆起部144の周囲(壁部143)に当接(固定)させ、当該部位に位置決めしつつ、主隆起部144の周囲(壁部143)に沿うように第1端子電極41まで引き出すことが可能となる。そのため、第1引出部310の引出位置を安定化させることが可能になるとともに、第1引出部310の弛み(浮き上がり)が抑制され、第1引出部310が鍔部14の上面14aに乗り上がり難くなる。したがって、ワイヤ31,32の引出部310,320同士の接触を回避し、ショート不良の発生を効果的に防止することができる。
また、鍔部14には、第1傾斜部141とは異なる角度で延びる第2傾斜部142が形成されており、主隆起部144は、第1傾斜部141と第2傾斜部142とで挟まれる領域の内側に位置する。そのため、主隆起部144を挟んで一方側に位置する第1傾斜部141に沿って引き出される第1ワイヤ31の第1引出部310と、主隆起部144を挟んで他方側に位置する第2傾斜部142に沿って引き出される第2ワイヤ32の第2引出部320とが、鍔部14の上面14aに乗り上がり難くなり、上記各ワイヤ31,32の引出部310,320同士の接触を回避し、ショート不良の発生を効果的に防止することができる。
また、図4に示すように、鍔部14の上面14a側におけるX軸方向に沿う幅W2Aは、鍔部14の下面14b側におけるX軸方向に沿う幅W2Bよりも大きい。そのため、鍔部14の上面14a側および下面14b側において、各々のX軸方向に沿う幅が等しくなっている場合に比べて、鍔部14の体積を大きくすることが可能となり、良好なインダクタンス特性を有するコイル装置1を実現することができる。
また、下面14b側では、上面14a側に比べて、鍔部14の内端面14cがX軸方向の外側に配置されるため、図1A等に示すように、上面14a側から第1端子電極41に向けて延びる第1ワイヤ31の第1引出部310と、下面14b側から第2端子電極42に向けて延びる第2ワイヤ32の第2引出部320とで、その引出位置を離間させることが可能となり、上記各ワイヤ31,32の引出部310,320同士の接触を回避し、ショート不良の発生を効果的に防止することができる。
また、例えば、第1引出部310については、上面14a側(巻芯部12の上面側)で鍔部14の内端面14c近傍に固定するとともに、第2引出部320については、下面14b側(巻芯部12の下面側)で鍔部14の内端面14c近傍に固定することが可能となり、各ワイヤ31,32の引出部310,320の位置決めを容易に行うことができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
上記実施形態において、主隆起部144の数は、1個に限定されるものではなく、2個以上であってもよい。例えば、コイル部30を3本のワイヤで構成する場合には、3本のワイヤの各々の引出部で挟まれる各領域の内側に主隆起部を形成してもよい。また、副隆起部145についても同様であり、副隆起部145の数は2個以上であっても良い。
上記実施形態では、主隆起部144の上面には第2端子電極42が形成されていなかったが、主隆起部144に跨るように第2端子電極42が形成してあってもよい。また、上記実施形態では、副隆起部145の上面には第1端子電極41が形成されていなかったが、副隆起部145に跨るように第1端子電極41が形成されていてもよい。
上記実施形態において、端子電極41,42を端子金具で構成してもよい。例えば、L字形状の端子金具を鍔部14の上面14aおよび外端面14dに跨るように接着剤等の接続部材で固定することにより、端子電極41,42を構成してもよい。
上記実施形態では、第2上面電極部420に第2ワイヤ32の第2引出部320を接続したときに、第2引出部320の第2継線部321の一部が主隆起部144の上面よりも上方に突出していたが、第2継線部321が主隆起部144の上面と同等の高さ、あるいはそれより下方に配置されてもよい。また、第1上面電極部410に第1ワイヤ31の第1引出部310を接続したときに、第1引出部310の第1継線部311の一部が副隆起部145の上面よりも上方に突出していたが、第1継線部311が副隆起部145の上面と同等の高さ、あるいはそれより下方に配置されてもよい。
この場合、図5において、コイル装置1を実装基板80に実装したときに、主隆起部144および副隆起部145が実装基板80に当接するとともに、継線部311,321(上面電極部410,420)が、主隆起部144および副隆起部145の隆起分に応じた距離だけ、実装基板80のランド81から所定距離だけ上方に離間した位置に配置されることになる。このとき、継線部311,321が実装基板80のランド81から過度に離れ過ぎないよう、主隆起部144および副隆起部145の高さを設定することが好ましい。これにより、継線部311,321と実装基板80のランド81とを接続部材90を介して良好に接続することができる。
上記実施形態において、第1傾斜部141および第2傾斜部142は必須ではなく、第1傾斜部141および第2傾斜部142をコア10の構成から省略してもよい。また、副隆起部145は必須ではなく、副隆起部145をコア10の構成から省略してもよい。
上記実施形態において、第1ワイヤ31の各第1引出部310を、それぞれ第1鍔部14mの第1端子電極41と、第2鍔部14nの第1端子電極41とに接続してもよい。同様に、第2ワイヤ32の各第2引出部320を、それぞれ第1鍔部14mの第2端子電極42と、第2鍔部14nの第2端子電極42とに接続してもよい。この場合、たとえばコイル部30を形成する前あるいは形成した後、第1ワイヤ31と第2ワイヤ32とを交差させる(一対のワイヤ31,32をひねる)ことにより、第1ワイヤ31と第2ワイヤ32の位置関係を図1Aに示す例とは逆にしてもよい。
上記実施形態において、図1Bに示す第1上面電極部410の範囲を鍔部14のY軸方向外側まで拡張し、上面14aのY軸方向端部を第1上面電極部410で覆ってもよい。また、第1側面電極部411の範囲を鍔部14のY軸方向外側まで拡張し、外端面14dのY軸方向端部を第1側面電極部411で覆ってもよい。
同様に、第2上面電極部420の範囲を鍔部14のY軸方向外側まで拡張し、上面14aのY軸方向端部を第2上面電極部420で覆ってもよい。また、第2側面電極部421の範囲を鍔部14のY軸方向外側まで拡張し、外端面14dのY軸方向端部を第2側面電極部421で覆ってもよい。
上記実施形態において、ワイヤ31,32(引出部310,320)の不要部分の切断は、図2Gに示す位置よりも、鍔部14の外端面14dからX軸方向の外側に離間した位置で行われてもよい。その際に、図3に示すように、継線部311,321の先にワイヤ31,32の不要部分が残っていてもよい。
上記実施形態では、図1Aに示すように、2層からなるコイル部30を有するコイル装置1を示したが、コイル部30の層数は3層以上であってもよく、あるいは1層であってもよい。
上記実施形態では、図2Aに示すように、段差面148は略平面形状からなる段差面で構成されていたが、湾曲面からなる段差面で構成されていてもよい。
上記実施形態では、図2Bに示すように、第1端子電極41を第1上面電極部410と第1側面電極部411とで構成する場合を例示したが、第1側面電極部411については省略してもよい。第2端子電極42についても同様に、第2側面電極部421を省略してもよい。
上記実施形態では、鍔部14の上面14aを実装面としたが、下面14bを実装面とし、上面14aに板状コア20を設置してもよい。
上記実施形態では、図2Eに示すように、ワイヤ31,32を支柱70,70の一方側(紙面向かって手前側)の外周面に引っ掛けて固定していたが、支柱70,70の他方側(紙面向かって奥側)の外周面に引っ掛けて固定してもよい。
1…コイル装置
10…ドラムコア
12…巻芯部
14,14m,14n…鍔部
14a…上面
14b…下面
14c…内端面
14d…外端面
14e…第1横側面
14f…第2横側面
141…第1傾斜部
1410…第1傾斜面
1411…第1壁側側面
142…第2傾斜部
1420…第2傾斜面
1421…第2壁側側面
1422…第2外側側面
143…壁部
1430…先端面
1431…第1側方面
1432…第2側方面
144…主隆起部
145…副隆起部
148,149…段差面
1480,1490…周縁部
16…凹状角部
161…第1凹状角部
162…第2凹状角部
163…第3凹状角部
20…板状コア
30…コイル部
31…第1ワイヤ
310…第1引出部
311…第1継線部
32…第2ワイヤ
320…第2引出部
321…第2継線部
41…第1端子電極
410…第1上面電極部
411…第1側面電極部
42…第2端子電極
420…第2上面電極部
421…第2側面電極部
50…ノズル
60…切削具
70…支柱
80…実装基板
81…ランド
90…接続部材

Claims (7)

  1. 巻芯部および前記巻芯部の第1方向の端部に形成された鍔部を含むコアと、
    前記巻芯部に複数のワイヤを巻回してなるコイル部と、
    前記鍔部に設けられ、複数の前記ワイヤの引出部がそれぞれ接続される複数の端子電極と、を有し、
    いずれかの前記端子電極の少なくとも一部が配置される前記鍔部の第1面には、隆起形状を有する主隆起部が形成されており、
    前記ワイヤの引出部は、前記主隆起部よりも前記第1方向の外側でいずれかの前記端子電極に接続されるコイル装置。
  2. 前記主隆起部は、いずれかの前記ワイヤの引出部といずれか他の前記ワイヤの引出部とで挟まれる領域の内側に位置する請求項1に記載のコイル装置。
  3. 前記第1面には、前記主隆起部の他に副隆起部が形成されており、
    前記副隆起部は前記第1方向に垂直な第2方向の一端側に位置する請求項1または2に記載のコイル装置。
  4. 前記鍔部には、前記第1方向に垂直な第2方向に対して、前記第1方向および前記第2方向に垂直な第3方向に傾斜して延びる第1傾斜部が形成されている請求項1〜3のいずれかに記載のコイル装置。
  5. 前記第1傾斜部は、その始端から終端に向かうにしたがって前記第1方向に向かって幅広となる傾斜面を有し、
    前記傾斜面は、前記第1傾斜部の終端部において、前記鍔部の外端面の近傍から前記鍔部の内端面にかけて形成されている請求項4に記載のコイル装置。
  6. 前記鍔部には、前記第1傾斜部とは異なる角度で延びる第2傾斜部が形成されており、
    前記主隆起部は、前記第1傾斜部と前記第2傾斜部とで挟まれる領域の内側に位置する請求項4または5に記載のコイル装置。
  7. 前記鍔部の第1面側における前記第1方向に沿う幅は、前記鍔部の前記第1面の反対側に位置する第2面側における前記第1方向に沿う幅よりも大きい請求項1〜6のいずれかに記載のコイル装置。
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