JP2021037867A - タイヤの評価方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】タイヤと路面との接触状態を正確に評価できるタイヤの評価方法を提供する。【解決手段】少なくとも一部に透明部分34を有する試験路24上でタイヤ2を転動させて、試験路24とタイヤ2との接触状態を評価するための方法であって、試験路24上でタイヤ2を転動させる前に、タイヤ2の外周面を前処理する工程を含む。前処理工程において、タイヤ2は実路面又はドラム路面上で慣らし走行させられる。【選択図】図2

Description

本発明は、タイヤの評価方法に関する。詳細には、本発明は、少なくとも一部に透明部分を有する試験路上でタイヤを転動させて、タイヤと試験路との接触状態を評価するための方法に関する。
タイヤは、使用により摩耗する。耐摩耗性の向上を図るために、タイヤの走行状態における、タイヤの、路面との接触状態を評価することが試みられている(例えば、下記の特許文献1)。
特開2013−221847号公報
トレッドが成分としてワックスを含む場合、ワックスはトレッドの表面に析出する。ワックスは、路面に対するタイヤの滑りを促す。ワックスの析出は、タイヤと路面との接触状態の、正確な評価を妨げる。有機溶剤でトレッドを洗浄すれば表面に析出したワックスを除くことができるが、析出したワックスを完全に除くことができたかどうかを確認することは難しい。
タイヤのモールドには、エアの排出のために、例えば、ベントホールが設けられる。このモールドで製造されたタイヤのトレッド面には、スピューが形成される。タイヤの評価では、スピューはカットされるが、これにより段差が形成される。段差の存在は、タイヤと路面との接触状態の、正確な評価を妨げる。
本発明は、このような実状に鑑みてなされたものであり、タイヤと路面との接触状態を正確に評価できる、タイヤの評価方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係るタイヤの評価方法は、少なくとも一部に透明部分を有する試験路上でタイヤを転動させて、前記試験路と前記タイヤとの接触状態を評価するための方法であって、
前記試験路上で前記タイヤを転動させる前に、前記タイヤの外周面を前処理する工程を含む。前記前処理工程において、前記タイヤが実路面又はドラム路面上で慣らし走行させられる。
好ましくは、このタイヤの評価方法では、前記実路面は、直線部分と、旋回部分とを含む。前記直線部分での前記タイヤの走行速度は60km/h以上80km/h以下であり、前記旋回部分での前記タイヤの走行速度は50km/h以下である。前記実路面での前記タイヤの走行距離は20km以上100km以下である。
好ましくは、このタイヤの評価方法では、前記ドラム路面はセーフティウォーク又はレプリカ路面である。前記ドラム路面での前記タイヤの走行速度は60km/h以上80km/h以下である。前記ドラム路面での前記タイヤの走行距離は20km以上である。
好ましくは、このタイヤの評価方法では、前記ドラム路面に、タルク又は砂が散布される。
好ましくは、このタイヤの評価方法では、前記タイヤの外周面に溝が刻まれている。前記前処理工程の前における前記タイヤの溝の深さと、前記前処理工程の後における前記タイヤの溝の深さとの差は、0.1mm以上0.2mm以下である。
本発明のタイヤの評価方法は、タイヤと路面との接触状態を正確に評価できる。
図1は、本発明の一実施形態に係るタイヤの評価方法で用いられるタイヤの一例を示す断面図である。 図2は、評価工程で用いられる試験装置の一例を示す正面図である。 図3は、前処理工程の一の態様を説明する斜視図である。 図4は、前処理工程の他の態様を説明する概略図である。 図5は、評価に使用したタイヤの耐摩耗性を示すグラフである。 図6は、タイヤの摩耗エネルギーの評価結果を示すグラフである。 図7は、タイヤの平均滑り量の評価結果を示すグラフである。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて、本発明が詳細に説明される。
本発明においては、タイヤが正規リムに組み込まれ、タイヤの内圧が正規内圧に調整され、このタイヤに荷重がかけられていない状態は、正規状態と称される。
正規リムとは、タイヤが依拠する規格において定められたリムを意味する。JATMA規格における「標準リム」、TRA規格における「Design Rim」、及びETRTO規格における「Measuring Rim」は、正規リムである。
正規内圧とは、タイヤが依拠する規格において定められた内圧を意味する。JATMA規格における「最高空気圧」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「INFLATION PRESSURE」は、正規内圧である。タイヤが乗用車用である場合、特に言及がない限り、正規内圧は180kPaである。
正規荷重とは、タイヤが依拠する規格において定められた荷重を意味する。JATMA規格における「最大負荷能力」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「LOAD CAPACITY」は、正規荷重である。
図1は、本発明の一実施形態に係るタイヤの評価方法で使用されるタイヤ2の一例を示す。このタイヤ2は、トレッド4、一対のサイドウォール6、一対のビード8、カーカス10、ベルト12及びインナーライナー14を備える。この図1において、一点鎖線CLはこのタイヤ2の赤道面を表す。
タイヤ2は、トレッド面16において、路面と接触する。トレッド面16は、タイヤ2の外周面18である。図1に示されるように、このタイヤ2のトレッド面16、すなわち外周面18に溝20が刻まれている。
このタイヤの評価方法(以下、評価方法とも称される。)が対象とするタイヤ2に、特に、制限はない。乗用車用タイヤ、二輪自動車用タイヤ、小形トラック用タイヤ等のタイヤが評価の対象となり得る。評価の対象が、試作タイヤであってもよく、既に市販されているタイヤであってもよい。
この評価方法では、試験路上でタイヤ2を転動させて、試験路とタイヤ2との接触状態が評価される。この評価方法は、試験路上でタイヤ2を転動させて、試験路とタイヤ2との接触状態を評価するための方法である。この評価方法は、転動状態のタイヤ2と試験路との接触状態を評価する工程を含む。
図2は、評価工程で用いられる試験装置22の一例を示す。この試験装置22は、試験路24と、走行ユニット26と、センサユニット28とを備える。
試験路24は、この試験装置22の架台30に水平に設置される。タイヤ2は、この試験路24の上面32、すなわち、試験路面32に載せられる。タイヤ2は、試験路24上を転動する。この試験装置22では、試験路24の少なくとも一部が透明なプレート状の部材で構成される。この試験路24は、少なくとも一部に透明部分34を有する。
この試験装置22では、試験路24の透明部分34は透明な素材で構成される。この透明な素材としては、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂及びガラスが挙げられる。
走行ユニット26は、タイヤ2を支持する。この試験装置22では、レール36が試験路24に沿って敷設される。この走行ユニット26は、このレール36と平行に架台30に設置された送りネジ機構38によって、このレール36上を走行させられる。
この走行ユニット26は、試験路24を跨ぐ脚部40を有する。図示されないが、走行ユニット26は、送りネジ機構38の回転式ネジ棒42に螺合する固定ナットを備える。この走行ユニット26は、この回転式ネジ棒42の回転により、レール36に沿って走行する。
この走行ユニット26は、タイヤ2を回転、回転停止及び逆回転可能に支持するタイヤ支持部44を有する。このタイヤ支持部44は、試験路24の上面32側に配置される。
タイヤ支持部44は、転動中のタイヤ2に制動力を加えることが可能である。タイヤ支持部44は、上下に移動可能である。このタイヤ支持部44の下方移動により、タイヤ2が試験路24の上面32に押し付けられ、タイヤ2に荷重がかけられる。
この走行ユニット26では、タイヤ支持部44は支持したタイヤ2のキャンバー角を設定することが可能である。このタイヤ支持部44は、支持したタイヤ2のスリップ角を設定することも可能である。
センサユニット28は、試験路24の下面側に配置される。この試験装置22では、センサユニット28は試験路24の一部をなす透明部分34の下面46側に配置される。
センサユニット28は、カメラ48を有する。カメラ48は、試験路24、詳細には、この試験路24の透明部分34の下面46側から、タイヤ2の、透明部分34の上面50との接触面を撮影する。この透明部分34の上面50は、試験路24の上面32の一部をなす。
この試験装置22のセンサユニット28は、荷重センサ52として3分力センサを有する。この試験装置22では、荷重センサ52の検出端54は透明部分34に形成された検出孔56から上方に露出する。荷重センサ52の検出端54は、転動するタイヤ2によって押圧される。荷重センサ52は、タイヤ2が試験路24に付与する荷重を計測する。この荷重センサ52は、この荷重センサ52の検出端54が当接した位置における、垂直荷重(Z軸方向の荷重)及び水平荷重(X軸方向の荷重及びY軸方向の荷重)を経時的に検出する。この試験装置22では、予め位置合わせをすることにより、タイヤ2の特定箇所における荷重の検出が可能である。
この試験装置22では、カメラ48にて撮影された接触面の画像から、例えば、接触面内の滑り量が得られる。荷重センサ52にて計測された荷重と、滑り量とから、摩耗エネルギーが得られる。
この評価方法では、試験路24上でタイヤ2を転動させる前に、タイヤ2の外周面18が前処理される。言い換えれば、この評価方法は、試験路24上でタイヤ2を転動させる前に、タイヤ2の外周面18を前処理する工程を含む。この評価方法では、前処理工程は前述の評価工程の前に行われる。
前処理工程では、例えば、図3に示された走行装置62が用いられる。この走行装置62は、ドラム64、ドラム駆動機66及びタイヤ保持機68を備える。
ドラム64は、中心軸70を有する。このドラム64は、この中心軸70が回転することにより回転する。このドラム64は、タイヤ2が走行する走行面としての外周面72を有する。この走行装置62では、ドラム64の外周面72はドラム路面74と称される。この評価方法では、3m以上の外径を有するドラム64が好適に用いられる。
ドラム駆動機66は、ドラム64を回転駆動させる。このドラム駆動機66は、ドラム64の中心軸70を回転自在に支持するドラムホルダ76を備える。図示されないが、このドラム駆動機66は、中心軸70に出力軸が連結され、ドラム64を回転駆動するモーターを備える。このモーターの回転速度を制御することで、ドラム路面74の速度、言い換えれば、ドラム路面74上を走行するタイヤ2の速度が調整される。
タイヤ保持機68は、タイヤ2を支持する。このタイヤ保持機68は、基台78と、移動台80と、タイヤ軸82とを備える。移動台80は、基台78に取り付けられる。タイヤ軸82は、移動台80に支持される。タイヤ軸82の一方の端が移動台80に取り付けられる。タイヤ軸82の他方の端に、タイヤ2が回転自在に取り付けられる。
この走行装置62では、タイヤ軸82を支持する移動台80は、基台78に対して上下に移動可能である。タイヤ軸82の軸芯は、中心軸70の軸芯、言い換えればドラム64の軸芯と平行である。
この走行装置62では、タイヤ軸82に支持されたタイヤ2は、ドラム64の径方向に移動できる。移動台80が下方に動くと、タイヤ2はドラム路面74に向かって動く。移動台80が上方に動くと、タイヤ2はドラム路面74から離れる。
この評価方法では、前処理工程においては、評価の対象であるタイヤ2がリム84に組み込まれる。このリム84は、正規リムであってもよく、試験用リムであってもよい。タイヤ2の内部に空気を充填し、タイヤ2の内圧が調整される。内圧の調整後、タイヤ2がタイヤ軸82にセットされる。移動台80を下方に動かし、タイヤ2がドラム路面74に押し付けられる。ドラム路面74に対するタイヤ軸82の位置を制御することで、タイヤ2に作用する荷重が調整される。調整後、ドラム64を回転させて、タイヤ2がドラム路面74上で走行させられる。
この評価方法では、前処理工程において、例えば、タイヤ2のキャンバー角は0°に設定される。タイヤ2の内圧は、正規内圧に調整される。タイヤ2に作用させる荷重は、正規荷重にセットされる。
この評価方法では、前処理工程における、タイヤ2のドラム路面74上での走行は慣らし走行と称される。所定の速度で、所定の時間、タイヤ2を慣らし走行させると、ドラム64の回転が停止させられる。移動台80を上方に動かして、タイヤ2はドラム路面74から引き離される。タイヤ2が、走行装置62から取り外される。これにより、前処理工程が終了する。
この評価方法では、前処理工程が終了すると、評価工程が開始される。この評価工程では、前述の試験装置22において、慣らし走行が行われたタイヤ2を試験路24上で転動させて、タイヤ2と試験路24との接触状態が評価される。
この評価方法では、前処理工程において、タイヤ2はドラム路面74上で慣らし走行させられる。これにより、タイヤ2の表面が薄く削り取られる。タイヤ2の外周面18全体に亘って表面が削り取られるので、この表面に析出したワックスが完全に除去される。この評価方法では、ワックスの析出がない状態で、タイヤ2を試験路24と接触させることができる。
前述したように、前処理工程において、タイヤ2の表面が薄く削り取られる。これにより、スピューをカットすることにより形成された段差が消失する。この評価方法では、段差のない状態で、タイヤ2を試験路24と接触させることができる。
この評価方法では、析出したワックス及び段差の影響を排除して、タイヤ2を試験路24と接触させることができる。これにより、実走行に近い状態で、試験路24に対するタイヤ2の滑りを正確に捉えることができる。この評価方法は、タイヤ2と試験路24との接触状態(以下、タイヤ2の接触状態とも称される。)を正確に評価できる。この評価方法によれば、タイヤ2の摩耗形態の予測や、タイヤ2間の優劣の把握等を高い精度で行うことができる。
この評価方法では、ドラム路面74はセーフティウォーク又はレプリカ路面であるのが好ましい。これにより、前処理工程において、タイヤ2の表面が効果的に削り取られる。評価工程におけるタイヤ2の接触状態への、析出したワックス及び段差の影響が排除される。この評価方法は、タイヤ2の接触状態を正確に評価できる。前処理工程の制御が容易であるとの観点から、ドラム路面74としてはレプリカ路面がより好ましい。なお、セーフティウォークは、住友3M(株)社製の商品名「セーフティウォーク」である。レプリカ路面は、一般道、サーキット等の実路面を模して形成された、金属、アスファルト、コンクリート、砂利等からなる路面である。
この評価方法では、ドラム路面74でのタイヤ2の走行速度は60km/h以上が好ましく、80km/h以下が好ましい。これにより、前処理工程において、タイヤ2の表面が効果的に削り取られる。評価工程におけるタイヤ2の接触状態への、析出したワックス及び段差の影響が排除されるので、この評価方法はタイヤ2の接触状態を正確に評価できる。
この評価方法では、ドラム路面74でのタイヤ2の走行距離は20km以上が好ましい。これにより、前処理工程において、タイヤ2の表面を効果的に削り取ることができる。析出したワックス及び段差の影響が排除されるので、この評価方法はタイヤ2の接触状態を正確に評価できる。表面の削り過ぎを抑える観点から、この走行距離は100km以下が好ましい。
この評価方法では、析出したワックス及び段差の影響が効果的に排除される観点から、ドラム路面74でのタイヤ2の走行速度が60km/h以上80km/h以下であり、ドラム路面74でのタイヤ2の走行距離が20km以上100km以下であるのがより好ましい。
前処理工程において、タイヤ2はドラム路面74を走行するが、析出したワックスがドラム路面74に付着することが予想される。この前処理工程では、タイヤ2の表面が削り取られるが、これによりゴムカスが発生し、このゴムカスがドラム路面74に付着することも予想される。タイヤ2はドラム路面74を継続して走行するので、ドラム路面74に付着したワックス及びゴムカスがタイヤ2に付着することも予想される。ドラム路面74へのワックス及びゴムカスの付着は、タイヤ2の表面に析出したワックスの除去を阻害する。タイヤ2の接触状態を正確に評価できる外周面18を有するタイヤ2が効果的に準備できる観点から、この評価方法では、前処理工程において、ドラム路面74にタルク又は砂が散布されるのが好ましい。これにより、ドラム路面74へのワックス及びゴムカスの付着が抑えられるので、タイヤ2の表面に析出したワックスの除去が効率よく行われる。析出したワックスの影響が十分に排除されるので、この評価方法はタイヤ2の接触状態を正確に評価できる。なお、タルク又は砂の散布は、評価結果に影響を与えない範囲で適宜調整される。
前述したように、この評価方法では、前処理工程において、タイヤ2の表面、具体的には、トレッド4の表面が削り取られる。この表面が削り取られた程度は、溝20の深さの変化により把握できる。
この評価方法では、析出したワックス及び段差が十分に除去される観点から、前処理工程の前におけるタイヤ2の溝20の深さと、前処理工程の後におけるタイヤ2の溝20の深さとの差は0.1mm以上が好ましい。表面の削り過ぎを抑える観点から、この前処理工程の前におけるタイヤ2の溝20の深さと、前処理工程の後におけるタイヤ2の溝20の深さとの差は0.2mm以下が好ましい。なお、タイヤ2の溝20の深さは、周方向に複数か所計測して得られる溝20の深さの平均値で表される。この評価方法では、周方向に少なくとも4か所、溝20の深さが計測される。
この評価方法では、前処理工程は、図4に示されるように、ドラム路面74でなく、実路面86においても行うことができる。言い換えれば、この評価方法では、前処理工程において、タイヤ2は実路面86上で慣らし走行させられてもよい。
実路面86で前処理工程を行う場合、タイヤ2が組み込まれるリム84には正規リムが用いられる。タイヤ2の内部に空気を充填し、タイヤ2の内圧が調整される。内圧の調整後、リムに組み込まれたタイヤ2が試験車両88に装着される。実路面86上で、所定の走行速度で所定の距離、試験車両88を走行させることで、前処理工程が行われる。試験車両88の乗車人数は、通常、ドライバーのみの1名である。なお、ドラム路面74で行われる前処理工程と同様、実路面86で前処理工程を行う場合も、タイヤ2の内圧は、正規内圧に調整される。
前処理工程が実路面86上で行われる場合においても、タイヤ2の表面が薄く削り取られる。タイヤ2の外周面18全体に亘って表面が削り取られるので、この表面に析出したワックスが完全に除去される。この評価方法では、ワックスの析出がない状態で、タイヤ2を試験路24と接触させることができる。スピューをカットすることにより形成された段差も消失するので、この評価方法では、段差のない状態で、タイヤ2を試験路24と接触させることができる。
この評価方法では、析出したワックス及び段差の影響を排除して、タイヤ2を試験路24と接触させることができる。これにより、試験路24に対するタイヤ2の滑りを正確に捉えることができる。この評価方法は、タイヤ2の接触状態を正確に評価できる。この評価方法によれば、タイヤ2の摩耗形態の予測や、タイヤ2間の優劣の把握等を高い精度で行うことができる。
実路面86は、一般道、サーキット等における路面である。図示されないが、実路面86には、直線部分と、旋回部分とが含まれる。言い換えれば、実路面86は、直線部分と、旋回部分とを含む。前処理工程の制御が容易であるとの観点から、実路面86としては、直線部分を主体とするサーキットが好ましい。直線部分を主体とするサーキットとは、直線部分が全体の60%以上を占めるサーキットである。
この評価方法では、直線部分での試験車両88の走行速度、すなわちタイヤ2の走行速度は60km/h以上が好ましく、80km/h以下が好ましい。旋回部分でのタイヤ2の走行速度は、50km/h以下が好ましい。タイヤ2の表面の削り過ぎを抑えつつ、析出したワックス及び段差の影響が効果的に排除されるので、この評価方法はタイヤ2の接触状態を正確に評価できる。
この評価方法では、実路面86でのタイヤ2の走行距離は20km以上が好ましい。これにより、前処理工程において、タイヤ2の表面を効果的に削り取ることができる。析出したワックス及び段差の影響が排除されるので、この評価方法はタイヤ2の接触状態を正確に評価できる。表面の削り過ぎを抑える観点から、この走行距離は100km以下が好ましい。
この評価方法では、析出したワックス及び段差の影響が効果的に排除される観点から、直線部分でのタイヤ2の走行速度が60km/h以上80km/h以下であり、旋回部分でのタイヤ2の走行速度が50km/h以下であり、実路面86でのタイヤ2の走行距離が20km以上100km以下であるのがより好ましい。
この評価方法では、前処理工程において実路面86でタイヤ2を走行させると、このタイヤ2の外周面18には、砂や石が付着する恐れがある。例えば、セーフティウォークで構成されたドラム路面74でタイヤ2を走行させると、このタイヤ2の外周面18に、セーフティウォークの構成成分である粒子が付着する恐れがある。粒子、砂、石等が外周面18に付着した状態で評価工程を行うと、この付着物によって、試験路24の透明部分34の上面50に傷がつくことが懸念される。このため、前処理工程後のタイヤ2の外周面18に粒子等の付着が生じている場合には、タイヤ2の外周面18に水をかけながらブラシで擦り、この付着物の除去が行われるのが好ましい。
以上説明したように、本発明のタイヤの評価方法は、タイヤ2と試験路24との接触状態を正確に評価できる。この評価方法によれば、タイヤ2の摩耗形態の予測や、タイヤ2間の優劣の把握等を高い精度で行うことができる。
今回開示した実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の技術的範囲は前述の実施形態に限定されるものではなく、この技術的範囲には特許請求の範囲に記載された構成と均等の範囲内でのすべての変更が含まれる。
以下、実施例などにより、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例のみに限定されるものではない。
[評価に使用するタイヤ]
評価に使用するタイヤとして、図1に示された基本構成を備える、2種類のタイヤ(タイヤA及びタイヤB)が準備された。タイヤAのタイヤサイズと、タイヤBのタイヤサイズとは同一である。
図5には、タイヤA及びタイヤBの耐摩耗性の評価結果が示される。グラフの縦軸は、耐摩耗性の指数値である。この指数値は、タイヤA又はタイヤBを装着した試験車両をサーキットコースで走行させ、走行前後における溝深さの変化を計測することにより得られる。この図5に示された指数値は、数値が大きいほど耐摩耗性に優れることを示す。図5に示されるように、タイヤBはタイヤAよりも耐摩耗性に優れている。
[実施例1]
タイヤA及びBについて、図2に示された試験装置を用いて摩耗エネルギー及び平均滑り量を計測した。この試験装置の試験路上でタイヤを転動させる前に、実路面上でタイヤの慣らし走行が行われた。実路面には、図5に示された耐摩耗性の評価を行ったサーキットコースを使用した。評価工程において計測に用いるタイヤは、試験車両の前輪に装着された。直線部分でのタイヤの走行速度は60〜80km/hの範囲でコントロールされ、旋回部分でのタイヤの走行速度は50km/h以下でコントロールされた。
タイヤA及びタイヤBのそれぞれについて、前処理工程の前におけるタイヤの溝の深さと、前処理工程の後におけるタイヤの溝の深さとの差を確認したところ、タイヤA及びタイヤBともに、この差は0.1mm〜0.2mmの範囲にあった。
[実施例2]
前処理工程として、図3に示された走行装置を用いて、ドラム路面上でタイヤの慣らし走行を行った他は実施例1と同様にして、タイヤA及びBについて、図2に示された試験装置を用いて摩耗エネルギー及び平均滑り量を計測した。前処理工程におけるドラム路面でのタイヤの走行速度は、70km/hに設定された。
この実施例2においても、タイヤA及びタイヤBのそれぞれについて、前処理工程の前におけるタイヤの溝の深さと、前処理工程の後におけるタイヤの溝の深さとの差を確認したところ、タイヤA及びタイヤBともに、この差は0.1mm〜0.2mmの範囲にあった。
[比較例]
有機溶剤を含ませた布でタイヤの外周面を洗浄することで前処理工程を行った他は実施例1と同様にして、タイヤA及びBについて、図2に示された試験装置を用いて摩耗エネルギー及び平均滑り量を計測した。この比較例の前処理工程は従来の前処理工程である。
[計測結果]
図6には、摩耗エネルギーの計測結果が示される。図6に示されたグラフの縦軸には、計測した摩耗エネルギーがタイヤAを100とした指数値で表されている。数値が大きいほど摩耗エネルギーが高いことを表す。図6に示されるように、比較例では、タイヤBがタイヤAに比して低い摩耗エネルギーを示したが、実施例1及び2では、タイヤBがタイヤAに比して高い摩耗エネルギーを示した。
図7には、平均滑り量の計測結果が示される。図7に示されたグラフの縦軸には、計測した平均滑り量が表されている。数値が大きいほど平均滑り量が大きいことを表す。図7に示されるように、比較例では、タイヤBがタイヤAに比して大きな平均滑り量を示したが、実施例1及び2では、タイヤBがタイヤAに比して小さな平均滑り量を示した。
比較例では、タイヤBの平均滑り量がタイヤAに比して大きく、このタイヤBの摩耗エネルギーがタイヤAに比して低い結果を示し、試験車両で得た耐摩耗性の評価結果と矛盾する結果が得られた。これに対し実施例1及び2では、タイヤBの平均滑り量がタイヤAに比して小さく、このタイヤBの摩耗エネルギーがタイヤAに比して高い結果を示し、試験車両で得た耐摩耗性の評価結果と一致する結果が得られた。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
以上説明された、前処理工程に関する技術は、種々の評価においても適用できる。
2・・・タイヤ
4・・・トレッド
16・・・トレッド面
18・・・外周面
20・・・溝
22・・・試験装置
24・・・試験路
26・・・走行ユニット
28・・・センサユニット
32・・・試験路面(試験路24の上面)
34・・・透明部分
48・・・カメラ
52・・・荷重センサ
62・・・走行装置
64・・・ドラム
66・・・ドラム駆動機
68・・・タイヤ保持機
70・・・中心軸
72・・・外周面
74・・・ドラム路面
76・・・ドラムホルダ
82・・・タイヤ軸
84・・・リム
86・・・実路面
88・・・試験車両

Claims (5)

  1. 少なくとも一部に透明部分を有する試験路上でタイヤを転動させて、前記試験路と前記タイヤとの接触状態を評価するための方法であって、
    前記試験路上で前記タイヤを転動させる前に、前記タイヤの外周面を前処理する工程を含み、
    前記前処理工程において、前記タイヤが実路面又はドラム路面上で慣らし走行させられる、タイヤの評価方法。
  2. 前記実路面が、直線部分と、旋回部分とを含み、
    前記直線部分での前記タイヤの走行速度が60km/h以上80km/h以下であり、
    前記旋回部分での前記タイヤの走行速度が50km/h以下であり、
    前記実路面での前記タイヤの走行距離が20km以上100km以下である、請求項1に記載のタイヤの評価方法。
  3. 前記ドラム路面がセーフティウォーク又はレプリカ路面であり、
    前記ドラム路面での前記タイヤの走行速度が、60km/h以上80km/h以下であり、
    前記ドラム路面での前記タイヤの走行距離が20km以上である、請求項1に記載のタイヤの評価方法。
  4. 前記ドラム路面に、タルク又は砂が散布される、請求項3に記載のタイヤの評価方法。
  5. 前記タイヤの外周面に溝が刻まれており、
    前記前処理工程の前における前記タイヤの溝の深さと、前記前処理工程の後における前記タイヤの溝の深さとの差が、0.1mm以上0.2mm以下である、請求項1から4のいずれかに記載のタイヤの評価方法。
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