JP2018146508A - タイヤの性能評価方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】実車走行でのタイヤのハイドロプレーニング性能評価と相関の高い試験結果を室内で得る評価方法を提供する。【解決手段】タイヤTが走行可能なウェット状態の走行面7を具えたドラム2を有する試験装置1を用いて、タイヤTの性能を評価するための方法。第1駆動手段3により回転するドラム2の走行面7上を、第2駆動手段4によりドラムTの速度と異なる速度でタイヤTを走行させる走行工程、走行工程中のタイヤTに作用する反力を測定する測定工程、及び、反力に基づいて、タイヤの性能を評価する評価工程を含み、走行工程は、ドラム2に対するタイヤTのスリップ率が一定となるように第1駆動手段3及び第2駆動手段4を制御する速度変化工程を含む。【選択図】図1

Description

本発明は、実車走行でのタイヤの性能評価と相関の高い試験結果を室内でも得ることができるタイヤの性能評価方法に関する。
下記特許文献1は、ドラムの内周面にタイヤの走行面を具えた台上試験装置を用いて、タイヤの性能評価、具体的には、ハイドロプレーニングの性能評価を行うことを教えている。しかしながら、近年、実車で行うタイヤの性能試験結果と、さらに相関の高い性能評価を得るための性能評価方法が求められている。
特開2016−57233号公報
本発明は、以上のような実情に鑑み案出なされたもので、実車で行うタイヤの性能試験結果と相関の高い試験結果を得ることができるタイヤの性能評価方法、とりわけ、ハイドロプレーニング性能の評価に適した性能評価方法を提供することを主たる目的としている。
本発明は、タイヤが走行可能なウェット状態の走行面を具えたドラムを有する試験装置を用いて、タイヤの性能を評価するための方法であって、第1駆動手段により回転する前記ドラムの前記走行面上を、第2駆動手段により前記ドラムの速度Vと異なる速度vで前記タイヤを走行させる走行工程、前記走行工程中の前記タイヤに作用する反力を測定する測定工程、及び、前記反力に基づいて、前記タイヤの性能を評価する評価工程を含み、前記走行工程は、前記ドラムに対する前記タイヤのスリップ率が一定となるように前記第1駆動手段及び前記第2駆動手段を制御する速度変化工程を含む。
本発明に係るタイヤの性能評価方法は、前記測定工程が、予め定めたスリップ率となったときに、前記反力を任意の時間測定する初期測定工程を含むのが望ましい。
本発明に係るタイヤの性能評価方法は、前記反力が、前記タイヤに作用する走行方向の前後力を含み、前記評価工程は、前記予め定めたスリップ率で走行中の前記ドラムの速度と前記タイヤの前後力との関係に基づいて、前記タイヤの性能を評価するのが望ましい。
本発明に係るタイヤの性能評価方法は、前記反力が、前記タイヤに作用する走行方向の前後力を含み、下記式で計算される前後力残存率と、前記ドラムの速度Vとの関係に基づいて、前記タイヤの性能を評価するのが望ましい。
前後力残存率=Fx/Fx(a)
(ここで、Fxは、前記前後力、Fx(a)は、前記初期測定工程にて測定された前記予め定めたスリップ率となったときの前後力であるである。)
本発明に係るタイヤの性能評価方法は、前記速度変化工程が、前記ドラムの速度を0.07〜0.6m/sの加速度で変化させるのが望ましい。
本発明に係るタイヤの性能評価方法は、前記走行工程が、停止状態の前記走行面に停止状態の前記タイヤを接触させ、その後、前記走行面に散水し、その後、前記第1駆動手段及び前記第2駆動手段を駆動するのが望ましい。
本発明のタイヤの性能の評価方法は、ドラムを有する試験装置を用いて、第1駆動手段により回転する前記ドラムの走行面上を、第2駆動手段により前記ドラムの速度Vと異なる速度vで前記タイヤを走行させる走行工程を含んでいる。前記走行工程は、前記ドラムに対する前記タイヤのスリップ率が一定となるように前記第1駆動手段及び前記第2駆動手段を制御する速度変化工程を含んでいる。このように、スリップ率が一定となるようにドラム及びタイヤの速度を変化させることで、実車がウェット路面を走行している状態でのタイヤに作用するグリップが精度良く再現される。即ち、上記試験装置のタイヤに作用する反力は、実車走行のタイヤに作用する反力と正の相関関係がある。従って、本発明のタイヤの評価方法は、実車走行なしに、高い精度でタイヤの性能を評価することができる。
本発明の一実施形態の性能評価方法に使用される台上試験装置の側面図である。 本実施形態の評価方法のタイヤとドラムとの速度変化を示す図である。 本実施形態の評価工程でのドラムの速度−前後力残存率曲線の一例を示す図である。 実車走行試験の概略を示す平面図である。 比較例の評価方法のタイヤとドラムとの速度変化を示す図である。 比較例の評価工程でのドラムの速度−前後力残存率曲線の一例を示す図である。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1には、本発明のタイヤの性能評価方法に使用される試験装置(以下、単に「装置」ということがある。)1が示される。本実施形態の性能評価方法(以下、単に「評価方法」ということがある。)では、乗用車用、自動二輪車用及び重荷重用等の種々のタイヤTの性能を評価し得る。
装置1は、例えば、室内で使用することができる。これにより、例えば、室内の温度及び湿度を制御することにより、精度の良い評価結果を得ることができる。本実施形態の装置1は、例えば、ハイドロプレーンニング性能の他、騒音性能、旋回性能、摩耗性能等を試験することができる。
本実施形態の装置1は、タイヤTがドラム2の内周側を走行するインサイドドラム式である。装置1は、例えば、周方向に回転可能なドラム2、ドラム2を回転駆動させる第1駆動手段3、タイヤTを回転駆動させる第2駆動手段4、タイヤTに作用する反力を測定する測定手段5を含んだ周知構造である。
ドラム2は、例えば、ドラム本体6と、タイヤTが走行可能な走行面7とを含んで構成されている。
ドラム本体6は、周方向に環状にのびる周方向部6a、その一方側の第1側面部6b、及び、その他方側の第2側面部6cを含んでいる。第2側面部6cは、本実施形態では、タイヤTを出し入れするための開口Oが設けられている。
走行面7は、周方向部6aの内周面に環状に連続して形成されている。走行面7は、例えば、ドラム回転軸芯2cと平行な面で形成されている。走行面7は、実車走行試験で使用される路面を模して形成されるのが望ましい。走行面7は、例えば、ISO路面規格の粒度曲線(ISO10844の付属書C設計のガイドラインに記載のアスファルト混合物の粒度曲線許容範囲参照)に合わせた材料で形成されている。
ドラム2には、例えば、走行面7に水を供給するための散水ノズルと、走行面7に供給された水の水深を調節する水量調節器とを含む散水装置(図示省略)が設けられている。散水ノズル及び水量調節器は、周知の構造が採用される。
第1駆動手段3は、例えば、ドラム側基台10の上に設けられている。第1駆動手段3は、本実施形態では、ドラム2の第1側面部6bに固定されたドラム回転軸11と、ドラム回転軸11を回転させる電動機12とを含んでいる。第1駆動手段3は、電動機12の回転速度、ひいてはドラム2の速度を制御する、例えばインバータなどの速度制御手段(図示省略)を含んでいる。
第2駆動手段4は、例えば、基台4Aと、基台4Aに回転可能に保持されるタイヤ回転軸4Bとを含んでいる。
基台4Aは、例えば、電動機15と速度制御手段(図示省略)と昇降装置16と横移動装置17とを具えている。電動機15は、タイヤ回転軸4Bを回転させ得る。速度制御手段は、電動機15の回転速度、ひいてはタイヤTの速度を制御する、例えばインバータなどを含んでいる。昇降装置16は、例えば、タイヤ回転軸4Bを上下に移動させる。これにより、タイヤTがドラム2の走行面7上に押し付けられる。横移動装置17は、タイヤ回転軸4Bを横移動させる。これにより、タイヤ回転軸4Bに保持されたタイヤTがドラム2の開口Oから出し入れされる。昇降装置16及び横移動装置17としては、例えば、シリンダやボールねじ等のアクチュエータを含む周知構造のものが好ましい。
タイヤ回転軸4Bは、本実施形態では、タイヤTを片持ち状に保持し、昇降装置16に回転可能に支持されている。
測定手段5は、本実施形態では、タイヤ回転軸4Bの軸受け部(図示省略)に取り付けられる。測定手段5は、例えば、6分力計測可能なロードセル等が望ましい。このような測定手段5は、タイヤに作用する反力として、例えば、タイヤ走行方向の前後力、タイヤ軸方向の軸方向力、及び、タイヤ半径方向の半径方向力を測定し得る。測定手段5によって測定された反力は、例えば、タイヤTの速度vやドラム2の速度Vとともに、図示しない演算処理装置に入力されて処理される。
次に、装置1を用いたタイヤTの性能の評価方法が説明される。本明細書では、タイヤのハイドロプレーニング性能を評価する場合の性能評価方法が説明される。本実施形態の性能評価方法では、ハイドロプレーニングの他、ウェット路面走行時の耐摩耗性能や、ウェット路面走行時の操縦安定性能など、種々の性能を評価できる。
本実施形態の評価方法は、例えば、準備工程、走行工程、測定工程、及び、評価工程を含んでいる。
準備工程は、評価用のタイヤTを準備する工程である。準備工程では、例えば、ドラム2の外側で保持された第2駆動手段4のタイヤ回転軸4Bにリム組されたタイヤTが取り付けられる。このとき、タイヤT及びドラム2は、停止状態である。
走行工程は、回転駆動するドラム2の走行面7上でタイヤTを駆動走行させる工程である。本実施形態の走行工程は、先ず、昇降装置16と横移動装置17とを駆動させて、タイヤTをドラム2の走行面7に接触させる。タイヤTの回転の向きは、例えば、ドラム2の回転の向きに揃えられるのが望ましい。次に、例えば、散水装置によって、走行面7に水が供給される。
図2は、走行工程において、タイヤT及びドラム2の速度v及びVの時間変化を示す図である。図2に示されるように、本実施形態の走行工程は、さらに、水深安定工程K1とスリップ率発生工程K2と速度変化工程K3とを含む。水深安定工程K1は、走行面7の水深がドラム周上で一定の深さとなるように走行させる工程である。スリップ率発生工程K2は、ドラム2に対してタイヤTにスリップを生じさせて走行する工程である。速度変化工程K3は、タイヤTのスリップ率Sが一定となるようにドラム2の速度を変化させて走行する工程である。
本実施形態の各工程K1乃至K3では、ドラム2の速度V及びタイヤTの速度vが、それぞれ、第1駆動手段3及び第2駆動手段4の各速度制御手段を用いて制御される。
このように、ドラム2及びタイヤTを接地してそれぞれ駆動させることにより、タイヤTに前後力を含む反力が発生する。例えば、タイヤTの速度がドラム2よりも大きい場合、タイヤTは、駆動力が作用した状態とされる。逆に、タイヤTの速度がドラム2よりも小さい場合、タイヤTに制動力が作用した状態を再現できる。また、両者に速度差が生じると、タイヤTと走行面7との間にはすべりが生じる。このすべりは、ウェット路面を実車走行しているタイヤと路面の摩擦現象に相当している。ウェット路面を走行する速度が高まるに従い、路面とタイヤの間に水幕が侵入することでタイヤと路面の接地面積が減少し、タイヤと路面との間に発生する力が下がっていく。この状態がハイドロプレーニング現象である。従って、回転駆動しているドラム2のウェット状態の走行面7上で回転駆動しているタイヤTは、ウェット路面を実車走行しているタイヤの様々なグリップ状態を再現している。
タイヤTは、例えば、正規荷重負荷状態で走行させるのが望ましい。前記「正規荷重負荷状態」とは、正規リムにリム組みしかつ正規内圧が充填されたタイヤTに、正規荷重を負荷してキャンバー角0度で接地させた状態である。「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば標準リム、TRAであれば "Design Rim"、或いはETRTOであれば "Measuring Rim"である。「正規内圧」とは、前記各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" である。タイヤが乗用車用である場合、正規内圧は、180kPaである。「正規荷重」とは、前記各規格がタイヤ毎に定めている荷重であり、JATMAであれば最大負荷能力、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "LOAD CAPACITY"である。
水深安定工程K1は、本実施形態では、ドラム2及びタイヤTを回転駆動して、ドラム2の速度V及びタイヤTの速度vが予め定められた速度Vo、voまで加速される。そして、この速度Vo、voが、一定時間(図では、t2−t1)保持される。これにより、散水された水が、水深が一定の状態で走行面7上のドラム周上全体に行き渡らせられる。本実施形態の水深安定工程K1では、ドラム2の速度VoとタイヤTの速度voとが、同じ速度に設定される。
水深安定工程K1では、ドラム2の速度Vo、及び、タイヤの速度voは、予測されるハイドロプレーニング発生速度よりも小さいのが望ましい。これにより、ドラム2の速度を増加させながら、ハイドロプレーニング現象を再現させることができる。特に限定されるものではないが、水深安定工程K1では、ドラム2の速度Vo及びタイヤTの速度voは、例えば、50〜60km/h程度とされる。なお、水深は、ハイドロプレーニング性能を精良く評価するため、1〜10mmであるのが望ましい。
次に、スリップ率発生工程K2が行われる。本実施形態のスリップ率発生工程K2では、予め定められたスリップ率Soが生じるように、第1駆動手段3及び第2駆動手段4が制御される。スリップ率Sは、本実施形態では、下記式(1)で定められる。
スリップ率S=(V−v)/V …(1)
予め定められたスリップ率Soとしては、例えば、好ましくは1%以上、より好ましくは2%以上が採用される。また、予め定められたスリップ率Soは、例えば、好ましくは5%以下、より好ましくは4%以下が採用される。これにより、例えば、ハイドロプレーニング性能が精度良く評価し得る。
スリップ率発生工程K2は、本実施形態では、ドラム2の速度Vを水深安定工程K1での速度Voから変化せることなく一定としつつ、タイヤTの速度vを水深安定工程K1での速度voからv1まで増加させている。
スリップ率発生工程K2は、このような態様に限定されるものではなく、例えば、タイヤTの速度vを水深安定工程K1での速度voから変化せることなく一定としつつ、ドラム2の速度Vを水深安定工程K1での速度Voから変化させても良い。
ハイドロプレーニングが発生するか否かはスリップ率Sに大きく影響される。このため、速度変化工程K3では、スリップ率Sが一定となるように、ドラム2の速度VとタイヤTの速度vが変化される。これにより、スリップ率Sの影響が除去されてハイドロプレーニング性能を精度良く評価できるとともに、ハイドロプレーニングが発生していく状況をリニアに(速度によるタイヤ発生力の変化を詳細に)とらえることができる。
速度変化工程K3は、本実施形態では、タイヤTの速度v及びドラム2の速度Vが漸増される。これにより、実車走行時でのハイドロプレーニング発生現象が再現される。なお、速度変化工程K3では、タイヤTの速度v及びドラム2の速度Vを漸減させても良いし、これらの速度v及びVを、漸増及び漸減を繰り返すよう制御しても構わない。
本実施形態の速度変化工程K3では、ドラム2の速度Vが、タイヤTの速度vよりも小さく設定されている。この場合、タイヤTには、ドラム2の速度Vとタイヤの速度vとの差に基づく駆動力(前後力)が生じ、実車走行の駆動時のハイドロプレーニング現象が再現される。なお、ドラム2の速度Vは、タイヤTの速度vよりも大きく設定されても良い。この場合、タイヤTには、制動力(前後力)が生じる。
速度変化工程K3では、例えば、ドラム2の速度Vを0.07〜0.6m/sの加速度で変化させるのが望ましい。加速度が0.07m/s未満の場合、測定時間が長くなるおそれがある。加速度が0.6m/sを超える場合、ドラム2上でのタイヤTの走行状態が、実車での走行状態と大きく異なり、評価精度が悪化するおそれがある。
特に限定されるものではないが、速度変化工程K3において、ドラム2の速度V及びタイヤTの速度vは、例えば、50〜150km/h程度が望ましい。
測定工程では、走行中のタイヤTに作用する反力が測定される。本実施形態の測定工程では、タイヤTに作用する反力の他、ドラム2の速度V、及び、タイヤTの速度v等が測定される。
測定工程は、本実施形態では、初期測定工程S1、及び、速度変化工程K3で走行中のタイヤTに作用する反力を測定する工程を含んでいる。
初期測定工程S1は、本実施形態では、予め定められたスリップ率Soを得たスリップ率発生工程K2の後に行われる。本実施形態の初期測定工程S1では、タイヤTの速度v1、ドラム2の速度Voが変化しないように制御される。
本実施形態のようにハイドロプレーニング性能を評価する場合では、反力として、例えば、前後力が測定される。この初期測定工程S1で測定された前後力は、本明細書では、基準前後力Fx(a)と称される。
初期測定工程S1における、基準前後力Fx(a)の測定時間(図では、t4−t3)としては、特に限定されるものではないが、ハイドロプレーニング性能の評価精度を高めるために、例えば、連続する1秒以上が望ましく、2秒以上がさらに望ましい。性能評価の時間を小さくするために、測定時間は、例えば、10秒以下が望ましく、8秒以下がさらに望ましい。
速度変化工程K3で走行中のタイヤTに対する前後力の測定は、周知の技術と同じ頻度や回数で行われるのが望ましいい。
次に、評価工程が行われる。評価工程は、測定された反力に基づいてタイヤの性能を評価する工程である。本実施形態の評価工程では、タイヤTに作用する前後力に基づいて、タイヤTのハイドロプレーニング性能が評価される。測定工程において、ドラム2の走行面7上を駆動走行しているタイヤTに作用する前後力は、実車走行のタイヤに作用する前後力と正の相関関係を有している。このため、本実施形態の評価工程では、前後力に基づいて、高い精度でハイドロプレーニング性能を評価することができる。
「前後力に基づいた評価」とは、前後力を用いたあらゆる評価を含む。その一例として、ドラム2の速度VとタイヤTの前後力残存率との関係に基づくハイドロプレーニング性能評価方法が説明される。
タイヤTの前後力残存率は、下記式(2)で計算される。
前後力残存率=Fx/Fx(a) …(2)
ここで、Fxは速度変化工程K3でのタイヤTに作用している前後力、Fx(a)は、前記基準前後力である。
また、この評価工程では、タイヤTの前後力Fxは、例えば、下記式(3)を充足するスリップ率Seにおける前後力Fx(e)が採用されるのが望ましい。これにより、実質的に一定なスリップ率Sでのタイヤの前後力が測定されるので、一層、タイヤ性能の評価精度が向上する。
(Se−So)/So≦±1% …(3)
なお、Soは、前記予め定められたスリップ率である。
図3には、トレッドパターンの異なる4種類のタイヤT1乃至T4を用いた、速度変化工程K3でのドラム2の速度Vと前後力残存率との関係を示す速度V−前後力残存率曲線の一例が示されている。図3の横軸は、ドラム2の速度Vであり、縦軸は、タイヤTに作用する上記前後力残存率である。図3から明らかなように、各タイヤT1〜T4は、ドラム2の速度Vが上昇するにつれて、前後力残存率が低下している。このことは、タイヤT1〜T4は、ドラム2の速度上昇によって、タイヤTと走行面7との間への水膜の侵入が大きくなり、タイヤTと走行面7との接地面積が小さくなることで、前後力が小さくなっていることを示している。
評価工程の一例では、例えば、前後力残存率が40%になったとき、即ち、タイヤTの前後力Fxが、ドラム2の速度70km/h時のタイヤTの前後力Fx(a)の40%になったときのドラム2の速度Vで評価される。前後力残存率が40%において、ドラム2の速度Vの最も大きいタイヤT1が、ハイドロプレーニング性能が最も良く、このときのドラム2の速度Vの最も小さいタイヤT4が、ハイドロプレーニング性能が最も悪いと評価される。
このようなタイヤTのハイドロプレーニング性能評価方法による評価結果は、実車走行で行うハイドロプレーニング性能評価結果と相関が非常に高い。従って、屋外の実車走行試験を行うことなく、装置1によって、タイヤTのハイドロプレーニング性能を精度良く評価することができる。
また、種々の実験の結果から、前後力残存率は、20%〜60%の間で、精度良く評価できることが判明している。
評価工程は、このような態様に限定されるものではなく、他の実施形態によって性能が評価されても良い。なお、評価工程以外の工程は、本実施形態の工程と同じであるため、その説明が省略される。この実施形態の評価工程では、速度変化工程K3にて予め定めたスリップ率Soで走行中のドラム2の速度VとタイヤTの前後力との関係を示す速度−前後力曲線(図示省略)に基づいてハイドロプレーニング性能が評価される。この評価工程においても、タイヤTの前後力Fxは、例えば、上記式(3)を充足するスリップ率Seにおける前後力Fx(e)が採用されるのが望ましい。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施し得る。
本発明の効果を確認するために、図1の試験装置を用いたタイヤのハイドロプレーニング性能評価と、実車走行によるハイドロプレーニング性能評価とが比較された。各性能評価には、トレッドパターンの異なる4種類のタイヤT1乃至T5が使用された。共通仕様は以下の通りである。
<タイヤ>
タイヤサイズ:175/65R14
リム:14×5JJ
内圧:230kPa
荷重:3.28kN
<実車走行による性能評価>
図4は、実車走行試験の概略平面図である。図4に示されるように、実車走行試験は、試供タイヤTa、Tbを駆動輪に装着させたテスト車両31を用いる。各試供タイヤTa、Tbは、同じトレッドパターンを有している。テストコースは、水深5mmのウェットアスファルト路面32と、このウェットアスファルト路面32に沿ってのびる乾燥アスファルト路面33とを具えている。一方の試供タイヤTaはウェットアスファルト路面32を走行し、他方のタイヤTbは、乾燥アスファルト路面33を走行する。テスト車両31の速度が90km/hのときに、テストコースに進入させ、その後、テスト車両31の速度を増加させた。性能評価は、各試供タイヤTa、Tbの速度をそれぞれ同時に測定し、下記式において速度差率Saが15%になったときの試供タイヤTaの速度をハイドロプレーニング発生速度として評価する。
Sa=(Va−Vb)/Va×100(%)
Va:他方のタイヤの速度(km/h)
Vb:一方のタイヤの速度(km/h)
・テスト結果
T4>T3>T2>T1の順でハイドロプレーニング発生速度が高かった。
<装置による性能評価>
図1に示される装置を用い、本実施形態の性能評価方法によって、下記の条件でタイヤのハイドロプレーニング性能の評価がされた。
・ドラム
ドラム回転軸と走行面との半径方向の長さ:1.5m
擬似路面:ISO路面規格の粒度曲線に合わせた材料
平均水深:5mm
・評価方法
図2に示された走行工程及び測定工程
評価工程:ドラムの速度と前後力残存率との関係を示す速度−前後力残存率曲線に基づいた性能評価
速度変化工程でのドラムの加速度:0.27m/s
予め定められたスリップ率So及び速度変化工程でのスリップ率S:2%
初期測定工程でのドラムの速度Vo:50km/h
・テスト結果
前後力残存率とドラムの速度との関係を示す速度−前後力残存率曲線が図3に示される。
また、比較例として、図5に示されるように、水深安定工程の後、タイヤの速度vを一定として、ドラムの速度Vを増加させたとき(即ち、スリップ率が漸増)の前後力残存率とドラムの速度との関係に基づいた性能評価方法が用いられた。この比較例のFx(a)は、ドラムの速度90km/h、タイヤの速度50km/hのときの前後力である。
ドラム2の加速度:0.27m/s
・テスト結果
前後力残存率とドラムの速度との関係を示す速度−前後力残存率曲線が図6に示される。
テストの結果、実車走行による性能評価では、タイヤT1乃至T4の順にハイドロプレーニング発生速度が小さくなり、この順で該性能が悪化すると評価できる。また、装置を用いて本実施形態による性能評価では、タイヤT1乃至T4の順に、同じ前後力残存率において、ドラム速度が小さくなり、この順で該性能が悪化すると評価できる。このため、本発明による性能評価方法は、実車走行による性能評価方法と相関が高いことが確認できた。
また、本実施形態の評価方法では、とりわけ、前後力残存率がおよそ20%〜60%の範囲において、精度良く評価可能であることが明瞭に理解される。他方、比較例の評価方法では、前後力残存率がおよそ20%〜60%の範囲においも精度良く評価できないことが理解される。また、異なるサイズのタイヤ、異なるトレッドパターンのタイヤについてもテストを行った同じ結果であった。
T タイヤ
1 試験装置
2 ドラム
3 第1駆動手段
4 第2駆動手段
7 走行面

Claims (6)

  1. タイヤが走行可能なウェット状態の走行面を具えたドラムを有する試験装置を用いて、タイヤの性能を評価するための方法であって、
    第1駆動手段により回転する前記ドラムの前記走行面上を、第2駆動手段により前記ドラムの速度Vと異なる速度vで前記タイヤを走行させる走行工程、
    前記走行工程中の前記タイヤに作用する反力を測定する測定工程、及び、
    前記反力に基づいて、前記タイヤの性能を評価する評価工程を含み、
    前記走行工程は、前記ドラムに対する前記タイヤのスリップ率が一定となるように前記第1駆動手段及び前記第2駆動手段を制御する速度変化工程を含むタイヤの性能評価方法。
  2. 前記測定工程は、予め定めたスリップ率となったときに、前記反力を任意の時間測定する初期測定工程を含む請求項1記載のタイヤの性能評価方法。
  3. 前記反力は、前記タイヤに作用する走行方向の前後力を含み、
    前記評価工程は、前記予め定めたスリップ率で走行中の前記ドラムの速度と前記タイヤの前後力との関係に基づいて、前記タイヤの性能を評価する請求項2記載のタイヤの性能評価方法。
  4. 前記反力は、前記タイヤに作用する走行方向の前後力を含み、
    下記式で計算される前後力残存率と、前記ドラムの速度Vとの関係に基づいて、前記タイヤの性能を評価する請求項2記載のタイヤの性能評価方法。
    前後力残存率=Fx/Fx(a)
    (ここで、Fxは、前記前後力、Fx(a)は、前記初期測定工程にて測定された前記予め定めたスリップ率となったときの前後力である。)
  5. 前記速度変化工程は、前記ドラムの速度を0.07〜0.6m/sの加速度で変化させる請求項1乃至4のいずれかに記載のタイヤの性能評価方法。
  6. 前記走行工程は、停止状態の前記走行面に停止状態の前記タイヤを接触させ、その後、前記走行面に散水し、その後、前記第1駆動手段及び前記第2駆動手段を駆動する請求項1乃至5のいずれかに記載のタイヤの性能評価方法。
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