JP2013167575A - タイヤの台上試験装置、及び台上試験方法 - Google Patents

タイヤの台上試験装置、及び台上試験方法 Download PDF

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哲人 丸谷
Haruyuki Suzuki
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Abstract

【課題】キャンバー角を付与したタイヤのコーナリング走行状態を、回転ドラム上で精度良く再現させる。
【解決手段】回転ドラムの走行路面にタイヤを接地させて回転させるタイヤ支持手段を具える。前記回転ドラムは、内周面又は外周面に走行路面を設けた円筒状の走行路体を具え、この走行路面は、軸心iを通る子午断面において軸心方向線に対して角度θで傾くコーン面からなる。走行路面の幅中心線Jにおける路面直径をD、コーナリング時の旋回半径をRとした時、前記角度θは、次式(1)で定まる基準角度θoの±1°の範囲に設定される。θo=sin−1(D/2R)−−−−(1)
【選択図】図1

Description

本発明は、タイヤのコーナリング時の走行状態を回転ドラム上で正確に再現させうる台上試験装置、及びコーナリング時の走行性能を試験する台上試験方法に関する。
タイヤの走行性能を評価するため、回転ドラムを有する台上試験装置が広く採用されている(例えば特許文献1、2参照。)。
この台上試験装置としては、円筒状の回転ドラムの外周面に走行路面を設けたアウトサイドドラム式、及び内周面に走行路面を設けたインサイドドラム式のものがあり、何れの場合も、所定速度で回転駆動される回転ドラムの前記走行路面に、タイヤを接地させて回転走行させ、その時タイヤに作用する力、接地圧分布、発熱状態、摩耗状態などを測定することで、タイヤの走行性能を評価している。
しかし、前記走行路面が直円筒状をなす従来の回転ドラムを用いた場合、タイヤの直進走行状態は正確に再現することが可能であるが、例えば自動二輪車用タイヤなど、大きなキャンバー角を有してコーナリングするタイヤの走行状態(コーナリング走行状態)については、正確に再現することが困難であり、コーナリング走行性能を精度良く評価することができないという問題がある。
詳しくは、図6(A)に示すように、実車走行において、自動二輪車用タイヤTが、キャンバー角αを有して路面a上を走行する場合、自動二輪車用タイヤTは、赤道面側tcのタイヤ外径が大きいため大きく進み、逆にショルダー側tsではタイヤ外径が小さいため小さく進む。そのため、この進む距離の相違によって曲がる力fが発生し、タイヤTは旋回する。これに対して、図6(B)に示すように、回転ドラムbにおいては、赤道面側tcでは大きく進もうとし、かつショルダー側tsでは小さく進もうとするが、タイヤTの進行方向が拘束され、真っ直ぐにしが進めないため路面との間のスリップが大きくなる。
即ち、回転ドラムを用いた場合、コーナリング走行状態のタイヤのスリップ率が、実車走行におけるコーナリング走行状態のタイヤのスリップ率よりも大きくなる。そのため走行状態を正確に再現することが困難となり、コーナリング時の走行性能の評価精度を低下させるという問題が生じる。又、スリップ率が、実車走行におけるスリップ率と等しくなるように、タイヤの回転速度を調整した場合にも、接地面内における粘着域とすべり域との分布状態、及びすべり域でのすべり量の分布など(以下、便宜上スリップ分布という場合がある。)が相違する。そのため接地状態の相違を招き、同様に、走行性能の評価精度が低下することとなる。
特開2008−82709号公報 特開2009−257915号公報
そこで本発明は、回転ドラムに設ける走行路面をコーン面とすることを基本として、このコーン面の角度θに応じた旋回半径Rのコーナリング走行状態を、回転ドラム上で精度良く再現させることができ、コーナリング走行性能の評価精度を向上させうるタイヤの台上試験装置、及び台上試験方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本願請求項1の発明は、タイヤのコーナリング時の走行状態を回転ドラム上で再現させる台上試験装置であって、
回転駆動される回転ドラムと、この回転ドラムに設けられかつ周方向に連続する走行路面にタイヤを接地させて回転させるタイヤ支持手段とを含み、
前記タイヤ支持手段は、タイヤを回転可能に支持するタイヤ支持軸と、前記回転ドラムの回転速度に対するタイヤの回転速度を調整してタイヤのスリップ率を制御するスリップ率制御手段と、タイヤのキャンバー角αを制御するキャンバー角制御手段とを具えるとともに、
前記回転ドラムは、
内周面又は外周面を取付け面とした円筒状をなしかつ軸心i回りで回転駆動されるドラム本体と、
前記取付け面に取り替え自在に固定される円筒状をなし、かつ内周面又は外周面に前記走行路面を設けた走行路体とを具え、
しかも前記走行路体の前記走行路面は、前記軸心iを通る子午断面において、前記軸心iと平行な軸心方向線に対して角度θで傾くコーン面からなるとともに、
前記走行路面の幅中心線Jにおける路面直径をD、コーナリング時の旋回半径をRとした時、前記角度θは、次式(1)で定まる基準角度θoの±1°の範囲に設定されることを特徴としている。
θo=sin−1(D/2R)−−−−(1)
また請求項2では、前記路面直径Dは、2.5m以上であることを特徴としている。
また請求項3では、前記走行路体は、周方向に分割された複数の分割片からなり、各分割片は、ボルトを用いて前記取付け面に固定されることを特徴としている。
また請求項4では、前記走行路体は、前記走行路面が、実路面と同じ種類、かつ実路面とのすべり抵抗値の差が3BPN(British Pendulum Number)以下のレプリカ路面であることを特徴としている。
また請求項5は、タイヤのコーナリング時の走行性能を試験する台上試験方法であって、
外周面又は内周面に周方向に連続する走行路面が設けられかつ軸心i回りで回転駆動される回転ドラムの前記走行路面に、タイヤを接地させて回転させるタイヤ回転工程を含み、
かつ前記タイヤ回転工程では、前記タイヤは、軸心iと直角な基準線に対してキャンバー角αで保持されるとともに、
前記走行路面は、前記軸心iを通る子午断面において、該軸心iと平行な軸心方向線に対して角度θで傾くコーン面からなり、しかも前記走行路面の幅中心線Jにおける路面直径をD、コーナリング時の旋回半径をRとした時、前記角度θは、次式(1)で定まる基準角度θoの±1°の範囲に設定されることを特徴としている。
θo=sin−1(D/2R)−−−−(1)
本発明は叙上の如く、回転ドラムと、この回転ドラムに設けられた走行路面にタイヤを接地させて回転させるタイヤ支持手段とを含む台上試験装置において、前記取付け面を、回転ドラムの軸心iを通る子午断面において、前記軸心iと平行な軸心方向線に対して角度θで傾くコーン面で形成している。しかもこの角度θを、次式(1)で定まる基準角度θoの±1°の範囲に設定している。なおDは、走行路面の幅中心線Jにおける路面直径、Rはコーナリング時の旋回半径を意味する。
θo=sin−1(D/2R)−−−−(1)
ここで、前記基準角度θoのコーン面を平面に展開した展開面は、前記式(1)で定まる曲率半径Rの旋回路面の一部を構成する。従って、前記コーン面の幅中心線J上を走行させることにより、旋回路面の幅中心線J上に沿ったコーナリング走行、即ち旋回半径Rのコーナリング走行を再現させることができる。なお前記角度θを基準角度θoに完全に一致させる必要はなく、基準角度θoの±1°の範囲の場合には、前記旋回半径Rのコーナリング走行を高精度で再現させうることも、本発明者の研究により究明し得た。
本発明のタイヤの台上試験装置の一実施例を示す側面図である。 (A)、(B)は走行路体を示す部分側面図、及び部分断面図である。 (A)、(B)は走行路面であるコーン面を示す斜視図、及びコーン面を平面に展開した展開図である。 回転ドラムがアウトサイドドラム式である場合を示す断面図である。 実車テストにおけるコーナリング走行中の車体速度、後輪タイヤのキャンバー角、及び後輪タイヤのスリップ率の変化を示すグラフである。 (A)は実車走行におけるタイヤのコーナリング走行を説明する正面図、(B)は従来の回転ドラム上でのタイヤのコーナリング走行を説明する正面図である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
図1において、本実施形態の台上試験装置1は、回転駆動される回転ドラム2と、この回転ドラム2に設けられた走行路面17にタイヤTを接地させて回転させるタイヤ支持手段3とを含んで構成される。そして前記台上試験装置1では、キャンバー角αにてコーナリングする例えば自動二輪車用タイヤTの走行状態(コーナリング走行状態という場合がある。)を、回転ドラム2上で再現させる。
前記タイヤ支持手段3は、タイヤTを回転可能に支持するタイヤ支持軸4と、前記回転ドラム2の回転速度Vvに対するタイヤTの回転速度Vtを調整してタイヤTのスリップ率Sを制御するスリップ率制御手段5と、タイヤTのキャンバー角αを制御するキャンバー角制御手段6とを具える。
具体的には、本例のタイヤ支持手段3は、
(ア)支持台7に昇降可能に支持される昇降台8と、
(イ)この昇降台8に一体昇降可能に取り付き、かつ前記回転ドラム2の軸心iと直交する向きにのびる水平な保持軸9を有する保持台10と、
(ウ)前記保持軸9に、その軸心9i回りで傾動自在に保持される傾動台11と、
(エ)この傾動台11に一体傾動自在に支持される前記タイヤ支持軸4とを具える。
なお図中の符号12は、前記昇降台8を昇降自在に案内する案内ガイドであって、前記昇降台8は、例えばボールネジ機構及びモータなどを組み合わせた周知構造の駆動手段13により、タイヤTが前記走行路面17から離間する上方位置から走行路面17に当接する下方位置まで上下移動しうる。
又前記保持台10は、前記保持軸9に保持されるとともに、該保持軸9の一端には傾動手段14が連結する。前記傾動手段14は、本例では、例えばギヤー連結機構及びモータなどを組み合わせた周知構造をなす。そして該傾動手段14によって前記保持軸9を回転し、前記傾動台11を軸心9i回りで傾動させることにより、前記保持軸9の回転角度に応じてタイヤTのキャンバー角αを制御する。従って本例では、前記傾動手段14によって、前記キャンバー角制御手段6を構成している。
又前記傾動台11に回転自在に枢支される前記タイヤ支持軸4には、スリップ率制御手段5が接続されている。このスリップ率制御手段5は、本例ではタイヤ支持軸4に回転抵抗を与えて該タイヤ支持軸4の回転数をコントロールする周知の制御手段であって、前記回転ドラム2の回転速度Vvに対するタイヤTの回転速度Vtを調整し、次式で定まるスリップ率Sを制御する。
S=(Vv−Vt)/Vv
次に、前記回転ドラム2は、内周面又は外周面を取付け面15とした円筒状の胴部16Aを有するドラム本体16と、前記取付け面15に取り替え自在に固定される円筒状をなしかつ内周面又は外周面に前記走行路面17を設けた走行路体18とを具える。
本例では、前記回転ドラム2が、インサイドドラム式である場合が例示される。この場合、前記ドラム本体16の内周面が取付け面15として形成されるとともに、この取付け面15に固定される走行路体18の内周面に、前記走行路面17が形成される。
前記ドラム本体16は、前記胴部16Aの一側縁側に側板部16Bを具えるとともに、この側板部16Bには前記軸心iをなすドラム軸16Cが取り付く。このドラム軸16Cには、モータMを含む周知の駆動手段19が接続し、前記ドラム本体16を軸心i回りで所定の回転速度Vvで回転駆動する。
又前記走行路体18の走行路面17は、コーン面20として形成される。このコーン面20は、図2(B)に拡大して示すように、前記軸心iを通る子午断面において、この軸心iと平行な軸心方向線に対して角度θで傾斜する。そして、この走行路面17(コーン面20)の前記角度θは、次式(1)で定まる基準角度θoの±1°の範囲に設定される。なお式中の記号”D”は、前記走行路面17の幅中心線Jにおける路面直径、記号”R”は、タイヤの旋回半径である。
θo=sin−1(D/2R)−−−−(1)
ここで、θo=θの場合、図2(B)、図3(A)に示すように、前記走行路面17(コーン面20)の半径方向内縁Eaの直径Da及び周長Ka、走行路面17の半径方向外縁Ebの直径Db及び周長Kb、並びに前記幅中心線Jの周長Kは、次式(2)〜(6)で示される。なお式中の記号”L”は、走行路面17の斜面に沿った路面幅である。
Da=(D−L×sinθo) −−−−(2)
Ka=π×Da =π×(D−L×sinθo) −−−−(3)
Db=(D+L×sinθo) −−−−(4)
Kb=π×Db =π×(D+L×sinθo) −−−−(5)
K==π×D −−−−(6)
次に、図3(B)に示すように、前記走行路面17(コーン面20)を平面に展開したとき、その展開面20Aは、旋回半径Rの旋回路面を形成することとなる。この時、前記展開面20Aの半径方向内縁AEaにおける円弧長さGa、展開面20Aの半径方向外縁AEbにおける円弧長さGbは、次式(7)、(8)で示される。なお式中の記号”β”は、展開路面の中心角度である。
Ga=2π×(R−L/2)×(β/360) −−−−(7)
Gb=2π×(R+L/2)×(β/360) −−−−(8)
この時、前記走行路面17(コーン面20)の周長Kaと、展開面20Aの円弧長さGaとは等しく、又走行路面17(コーン面20)の周長Kbと、展開面20Aの円弧長さGbとは等しい。
Ka=Ga −−−−(9)
Kb=Gb −−−−(10)
従って、上記式(3)、(5)、(7)、(8)、(9)、(10)から、式(1)をうることができる。
θo=sin−1(D/2R)−−−−(1)
このように、回転ドラム2上の走行路面17(コーン面20)は、旋回半径Rの旋回路面を形成しうる。従って、前記走行路面17(コーン面20)上でタイヤを回転させることにより、旋回半径Rのコーンリング走行状態を再現させることが可能になる。
この時、走行路面17の前記角度θは、基準角度θoの±1°の範囲であることが必要であり、角度θが前記範囲から外れる場合、再現性が低下してしまう。又前記走行路面17の路面直径Dが小さすぎても、走行状態の再現性が低下する傾向を招き、そのため前記路面直径Dは2.5m以上、さらには3.0m以上とするのが好ましい。なお路面直径Dが大きすぎると、回転ドラム2が大型化かつ高重量化してしまう。そのため路面直径Dの上限は4.0mm以下が好ましい。
なお前記台上試験装置1では、種々の旋回半径Rのコーンリング走行状態を再現させるために、前記角度θを違えた種々の走行路体18を予め準備し、その中から目的にあった走行路体18を選択してドラム本体16に取り付ける。従って、前記走行路体18は、前記取付け面15に取り替え自在であることが必要である。そのため、図2(A)、(B)に示すように、本例の走行路体18は、周方向方向に分割された複数の分割片18Aから構成され、各分割片18Aは、ボルト21を用いてドラム本体16に取り外し自在に取り付けられる。
又実車走行における旋回半径Rのコーンリング走行状態を、より正確に再現させるためには、回転ドラム2の走行路面17も、目的とする実路面にできるだけ近いことが必要である。そのために、前記走行路面17を、実路面と同じ種類、かつ実路面とのすべり抵抗値の差が3BPN(British Pendulum Number)以下のレプリカ路面とすることが好ましい。前記すべり抵抗値は、すべり抵抗測定器(例えばMASTRAD社製SKID−FRICTION TR300 ModelB)を用いて測定される。又「同じ種類の路面」とは、例えばアスファルト路面、コンクリート路面、煉瓦路面、タイル路面、インターロッキングブロック路面、半たわみ性路面(空隙の多い開粒度アスファルト混合物による舗装を行った後、その空隙に特殊なセメントミルクを浸透させたもの。)等によって分類された路面の種類が同じであることを意味する。
なお前記台上試験装置1では、図4に示すように、前記回転ドラム2がアウトサイドドラム式であっても良い。この場合、前記ドラム本体16の外周面が取付け面15として形成されるとともに、この取付け面15に固定される走行路体18の外周面に、コーン面20である走行路面17が形成される。この場合にも、前記角度θは、前記式(1)で定まる基準角度θoの±1°の範囲に設定されている。
又タイヤTのコーナリング走行性能を試験する台上試験方法では、外周面又は内周面に走行路面17が設けられかつ軸心i回りで回転駆動される回転ドラム2の前記走行路面17に、タイヤTを接地させて回転させるタイヤ回転工程を含む。
このタイヤ回転工程では、タイヤTは、例えば前述のタイヤ支持手段3により、軸心iと直角な基準線Zに対してキャンバー角αにて保持される。この時、前記走行路面17は、軸心方向線に対して角度θで傾くコーン面20から形成されるとともに、この角度θは、前記式(1)で定まる基準角度θoの±1°の範囲に設定されている。そしてこのタイヤ回転工程におけるコーナリング走行状態において、タイヤTに作用する力(例えば前後力、上下力、横力等。)、接地圧分布、トレッド発熱状態、摩耗状態などから選択される測定項目を測定し、タイヤの走行性能を評価する。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
本発明による効果を検証する。この検証では、まずテストタイヤ(タイヤサイズ210/60R420)を、スポーツタイプの大型自動二輪車(1000cc)の後輪に装着して実車テストを行い、コーナリング走行状態における路面グリップ性を、性能の異なる4本のタイヤ(A、B、C、D)について評価した。又図1の構造を有する台上試験装置1を用いて、前記タイヤのコーナリング走行状態を再現し、そのとき測定した各前記タイヤのグリップ力(路面との摩擦力)を、前記実車走行による各タイヤのグリップ性と比較して、再現性を評価した。
詳しくは、前記実車テストでは、すべり抵抗値60BPNのコンクリート路面上で、旋回半径R(=30m)のコーナリング走行を行った。その時の、車体速度Vv、後輪タイヤのキャンバー角α、及び後輪タイヤのスリップ率Sの変化を図5に示す。そして実車テストでは、同図に破線で囲む旋回領域Q(コーナから立ち上がる領域)における路面グリップ性をドライバーの官能によって評価した。なお前記車体速度VvはGPSセンサ(Global Positioning System)により、キャンバー角αはジャイロセンサにより測定するとともに、スリップ率Sは、車輪速度センサによる車輪速度と前記車体速度Vvとの関係から求めている。
次に、前記台上テストでは、前記旋回領域Qでのコーナリング走行状態を再現するため、走行条件を、前記旋回領域Qの中間位置における実車走行の値にほぼ一致させている。即ち、前記台上テストでは、キャンバー角制御手段6、スリップ率制御手段5、駆動手段19を用いて、タイヤのキャンバー角αを50°、スリップ率Sを20%、回転ドラム2の回転速度Vvを70km/hに設定している。又走行路面17も、実路面と実質的に同一、即ち、すべり抵抗値60BPNのコンクリート路面からなるレプリカ路面で形成している。なお走行路面17と直角な向きのタイヤTの縦荷重は、1.08kNとしている。そして前記台上テストでのコーナリング走行状態において、タイヤのグリップ力(路面との摩擦力)を測定している。
そして、実車テストによるタイヤ(A、B、C、D)のグリップ性Xa、Xb、Xc、Xdと、前記台上テストによるタイヤ(A、B、C、D)のグリップ力Ya、Yb、Yc、Ydとの相関係数(R)を求め、その値により、台上テストの再現性を評価している。相関係数(R)が大なほど再現性に優れている。
表1には、路面直径Dを2.0m(一定)とし、走行路面17の角度θを、0〜3.9°に変化させた時の、各角度θにおける再現性を比較している。基準角度θoは1.9°である。実施例1〜3は、比較例1、2に比して、再現性に優れているのが確認できる。
表2には、路面直径Dを2.5m(一定)とし、走行路面17の角度θを、0.4〜4.4°に変化させた時の、各角度θにおける再現性を比較している。基準角度θoは2.4°である。実施例4〜6は、比較例3、4に比して、再現性に優れているのが確認できる。なお、路面直径Dを2.5mとすることで、相関係数(R)が0.9以上となるなど、路面直径Dが2mの場合に比して、再現性が大幅に向上するのが確認できる。
表3には、路面直径Dを3.0m(一定)とし、走行路面17の角度θを、0〜4.9°に変化させた時の、各角度θにおける再現性を比較している。基準角度θoは2.9°である。実施例7〜9は、比較例5〜7に比して、再現性に優れているのが確認できる。なお、路面直径Dを3.0mとすることで、相関係数(R)が0.93以上となるなど、再現性がさらに向上しているのが確認できる。
表4には、路面直径Dを3.5m(一定)とし、走行路面17の角度θを、1.3〜5.3°に変化させた時の、各角度θにおける再現性を比較している。基準角度θoは3.3°である。実施例10〜12は、比較例8、9に比して、再現性に優れているのが確認できる。なお、路面直径Dを3.5mとすることで、路面直径Dが3.0mの場合に比して、再現性がやや向上しているのが確認できる。
表5には、路面直径Dを4.0m(一定)とし、走行路面17の角度θを、1.8〜5.8°に変化させた時の、各角度θにおける再現性を比較している。基準角度θoは3.8°である。実施例13〜15は、比較例10、11に比して、再現性に優れているのが確認できる。なお、路面直径Dを4.0mとすることで、路面直径Dが3.5mの場合に比して、再現性がやや向上しているのが確認できる。
又前記台上テストでは、コーナリング走行状態におけるタイヤのトレッド表面温度を、赤外線センサによって測定した。その時のトレッドのセンタ部、ミドル部、ショルダー部における各温度を表1〜5に記載している。同様に、実車テストにおいて、前記旋回領域Qにおけるトレッド表面温度を測定した。実車テストでは、センタ部における温度が92°、ミドル部における温度が137°、ショルダー部における温度が99°であり、実施例1〜15における温度分布と近似しているのが確認できる。
即ち、本発明の台上試験装置1を用いることにより、実車テストとほぼ同じ接地状態、即ち、接地面内における粘着域とすべり域との分布状態、及びすべり域でのすべり量の分布なども再現しうるのが確認できる。
又表6に、路面直径Dを3.0m(一定)、走行路面17の角度θを2.9°(一定)とし、走行路面17のすべり抵抗値等を変化させた時の、再現性を比較している。走行路面17が、実路面と同じ種類、かつ実路面とのすべり抵抗値の差が3BPN以下の時、高い再現性が得られるのが確認できる。
Figure 2013167575
Figure 2013167575
Figure 2013167575
Figure 2013167575
Figure 2013167575
Figure 2013167575
1 台上試験装置
2 回転ドラム
3 タイヤ支持手段
4 タイヤ支持軸
5 スリップ率制御手段
6 キャンバー角制御手段
15 取付け面
16 ドラム本体
17 走行路面
18 走行路体
18A 分割片
20 コーン面
21 ボルト
T タイヤ

Claims (5)

  1. タイヤのコーナリング時の走行状態を回転ドラム上で再現させる台上試験装置であって、
    回転駆動される回転ドラムと、この回転ドラムに設けられかつ周方向に連続する走行路面にタイヤを接地させて回転させるタイヤ支持手段とを含み、
    前記タイヤ支持手段は、タイヤを回転可能に支持するタイヤ支持軸と、前記回転ドラムの回転速度に対するタイヤの回転速度を調整してタイヤのスリップ率を制御するスリップ率制御手段と、タイヤのキャンバー角αを制御するキャンバー角制御手段とを具えるとともに、
    前記回転ドラムは、
    内周面又は外周面を取付け面とした円筒状をなしかつ軸心i回りで回転駆動されるドラム本体と、
    前記取付け面に取り替え自在に固定される円筒状をなし、かつ内周面又は外周面に前記走行路面を設けた走行路体とを具え、
    しかも前記走行路体の前記走行路面は、前記軸心iを通る子午断面において、前記軸心iと平行な軸心方向線に対して角度θで傾くコーン面からなるとともに、
    前記走行路面の幅中心線Jにおける路面直径をD、コーナリング時の旋回半径をRとした時、前記角度θは、次式(1)で定まる基準角度θoの±1°の範囲に設定されることを特徴とするタイヤの台上試験装置。
    θo=sin−1(D/2R)−−−−(1)
  2. 前記路面直径Dは、2.5m以上であることを特徴とする請求項1記載の台上試験装置。
  3. 前記走行路体は、周方向に分割された複数の分割片からなり、各分割片は、ボルトを用いて前記取付け面に固定されることを特徴とする請求項1又は2記載の台上試験装置。
  4. 前記走行路体は、前記走行路面が、実路面と同じ種類、かつ実路面とのすべり抵抗値の差が3BPN(British Pendulum Number)以下のレプリカ路面であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の台上試験装置。
  5. タイヤのコーナリング時の走行性能を試験する台上試験方法であって、
    外周面又は内周面に周方向に連続する走行路面が設けられかつ軸心i回りで回転駆動される回転ドラムの前記走行路面に、タイヤを接地させて回転させるタイヤ回転工程を含み、
    前記タイヤ回転工程では、前記タイヤは、軸心iと直角な基準線に対してキャンバー角αで保持されるとともに、
    前記走行路面は、前記軸心iを通る子午断面において、該軸心iと平行な軸心方向線に対して角度θで傾くコーン面からなり、しかも前記走行路面の幅中心線Jにおける路面直径をD、コーナリング時の旋回半径をRとした時、前記角度θは、次式(1)で定まる基準角度θoの±1°の範囲に設定されることを特徴とするタイヤの台上試験方法。
    θo=sin−1(D/2R)−−−−(1)
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