JP2019138667A - タイヤのトレッド接地面の変位測定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 タイヤのトレッド接地面の変位を効率よく測定する。【解決手段】 タイヤのトレッド部26を平面に接地させて得られるトレッド接地面27の変位を測定するための方法である。トレッド接地面27に、変位の測定点32を特定するための複数の非黒色のマーク25を形成する工程と、マーク25が形成されたタイヤ10を走行路面上で転動させて、マーク25の各位置での変位を計算する工程とを含む。変位を測定する工程は、変位の測定に先立ち、マーク25の消失の有無を確認するマーク確認工程を含む。【選択図】図3
Description
本発明は、タイヤのトレッド接地面の変位を測定するための方法に関する。
下記特許文献1は、タイヤを路面上で転動させて、タイヤの滑り量を測定する方法を提案している。下記特許文献1の測定方法では、先ず、タイヤの接地面に、滑り量の測定点を特定するためのマークが付与される。次に、タイヤを透明板上で転動させて、透明板の下方から転動時のトレッド部の接地面が撮像される。画像は、一定の時間間隔で複数取得される。そして、特許文献1の測定方法では、画像からマークを特定して、各測定点での滑り量が測定される。
ところで、タイヤの接地面は、タイヤに設定される条件(例えば、内圧、荷重、キャンバー角、又は、スリップ角)によって、その形状が変化する。このため、タイヤ転動時において、一部のマークが接地しない場合がある。このような場合、上記特許文献1の測定方法では、マークを特定できなくなるため、マークが消失していないような正常な場合でも、マークが消失したと判断し、滑り量の測定を中断するという問題があった。
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、タイヤのトレッド接地面の変位を効率よく測定することができる方法を提供することを主たる目的としている。
本発明は、タイヤのトレッド部を平面に接地させて得られるトレッド接地面の変位を測定するための方法であって、前記トレッド接地面に、前記変位の測定点を特定するための複数の非黒色のマークを形成する工程と、前記マークが形成された前記タイヤを走行路面上で転動させて、前記マークの各位置での前記変位を測定する工程とを含み、前記変位を測定する工程は、前記変位の測定に先立ち、前記マークの消失の有無を確認するマーク確認工程を含むことを特徴とする。
本発明に係る前記タイヤのトレッド接地面の変位測定方法において、前記マークを形成する工程は、前記タイヤに予め定められた内圧及び荷重を作用させた第1条件で、前記タイヤを前記平面に対して第1回転位置に保持して得られる前記トレッド接地面に、前記マークをn1個形成するものであってもよい。
本発明に係る前記タイヤのトレッド接地面の変位測定方法において、前記変位を測定する工程は、前記第1条件で得られる前記トレッド接地面とは異なる形状のトレッド接地面を形成する第2条件で、前記タイヤを前記走行路面上で転動させてもよい。
本発明に係る前記タイヤのトレッド接地面の変位測定方法において、前記マーク確認工程は、前記第2条件かつ前記第1回転位置において、前記走行路面側から前記トレッド接地面内に存在する前記マークの個数n2を調べる工程と、前記マークの個数n2が前記マークの個数n1と異なる場合、前記第1条件で前記タイヤを前記平面に対して前記第1回転位置に保持して接地させ、前記トレッド接地面内に存在する前記マークの個数n3を調べる工程と、前記マークの個数n3が前記マークの個数n1と異なる場合に、前記変位を測定する工程を停止させる工程とを含むもよい。
本発明に係る前記タイヤのトレッド接地面の変位測定方法において、前記第2条件は、前記タイヤへ負荷される荷重が前記最大荷重よりも小さくてもよい。
本発明に係る前記タイヤのトレッド接地面の変位測定方法において、前記第1条件は、キャンバー角が零であり、前記第2条件は、キャンバー角が零よりも大きくてもよい。
本発明に係る前記タイヤのトレッド接地面の変位測定方法において、前記第1条件は、スリップ角が零であり、前記第2条件は、スリップ角が零よりも大きくてもよい。
本発明に係る前記タイヤのトレッド接地面の変位測定方法において、前記変位を測定する工程は、前記走行路面側から前記マークをカメラで撮像する工程を含んでもよい。
本発明のタイヤのトレッド接地面の変位測定方法は、タイヤのトレッド部を平面に接地させて得られるトレッド接地面に、前記変位の前記測定点を特定するための複数の非黒色のマークを形成する工程と、前記マークが形成された前記タイヤを前記走行路面上で転動させて、前記マークの各位置での前記変位を測定する工程とを含んでいる。
本発明のタイヤのトレッド接地面の変位測定方法は、前記トレッド接地面に、変位の測定点を特定するための複数の非黒色のマークが形成されているので、変位の前記測定点を容易に判別することができる。従って、本発明は、タイヤのトレッド接地面の変位を正確に測定することが可能となる。
さらに、本発明のタイヤのトレッド接地面の変位測定方法は、前記変位の測定に先立ち、前記マークの消失の有無を確認するマーク確認工程を含んでいる。これにより、本発明のタイヤのトレッド接地面の変位測定方法は、マークの消失を事前に確認することができるため、例えば、マークが消失していないような正常な場合に、変位の測定が中断されるのを防ぐことができる。したがって、本発明のタイヤのトレッド接地面の変位測定方法は、タイヤのトレッド接地面の変位を効率よく測定することができる。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
本実施形態のタイヤのトレッド接地面の変位測定方法(以下、単に「測定方法」ということがある。)では、円環状をなすトレッド部を有するタイヤについて、トレッド部を平面に接地させて得られるトレッド接地面の変位が測定される。本実施形態では、トレッド接地面の変位(本実施形態では、滑り量)に基づいて、摩耗エネルギーが計算される。本実施形態の測定方法では、台上試験装置(以下、単に「試験装置」ということがある。)が用いられる。
本実施形態のタイヤのトレッド接地面の変位測定方法(以下、単に「測定方法」ということがある。)では、円環状をなすトレッド部を有するタイヤについて、トレッド部を平面に接地させて得られるトレッド接地面の変位が測定される。本実施形態では、トレッド接地面の変位(本実施形態では、滑り量)に基づいて、摩耗エネルギーが計算される。本実施形態の測定方法では、台上試験装置(以下、単に「試験装置」ということがある。)が用いられる。
図1は、本発明の測定方法に用いられる試験装置Dを概念的に示す側面図である。図2は、図1の試験装置Dを正面から見た断面図である。本実施形態の試験装置Dは、フレーム2と、走行路面3と、走行台4と、駆動手段5と、タイヤ支持具6と、測定具7と、制御装置(図示省略)を含んでいる。
フレーム2は、床面から垂直にのびる脚部2aと、脚部2aの上端を水平にのびる支持部2bとを含んでいる。支持部2bの上面には、タイヤ進行方向Fに沿ってのびる一対のスライドレール12、12が設けられている。
走行路面3は、タイヤ進行方向Fの長さ(図1に示す)が、幅方向の長さ(図2に示す)よりも大きく設定されており、平面視において矩形状に形成されている。図2に示されるように、走行路面3は、フレーム2に設けられた一対のスライドレール12、12の幅方向内側において、フレーム2の支持部2bに水平支持されている。
図1及び図2に示されるように、走行路面3の上面には、タイヤ10が接地する平面3sが形成されている。また、走行路面3には、測定具7を格納するための凹部13(図2に示す)と、凹部13(測定具7)を覆うカバー部14とが設けられている。このようなカバー部14及び凹部13が設けられる位置は、走行路面3において、タイヤ10のトレッド接地面の変位を測定するための測定領域T3(図1に示す)として設定される。この測定領域T3は、タイヤ進行方向Fにおいて、タイヤ10の転動を開始させる転動開始領域T1と、タイヤ10の転動を終了させる転動終了領域T2との間に位置している。
カバー部14は、透明な板状に形成されており、走行路面3の上面と面一になるように配置されている。このようなカバー部14により、タイヤ10のトレッド接地面27を走行路面3側から透視することができる。カバー部14は、例えば、ガラス、又は、アクリル樹脂等によって形成することができる。
走行台4は、上枠部4aと、脚部4bとを含んでいる。上枠部4aは、平面視矩形に形成されており、水平に配置されている。脚部4bは、上枠部4aの四隅から下方にのびている。
各脚部4bの下端には、スライドレール12、12に係合するリニアガイド16がそれぞれ設けられている。これにより、走行台4は、一対のスライドレール12、12によって、タイヤ進行方向Fに水平移動されうる。
駆動手段5は、走行台4を走行させるためのものである。駆動手段5は、ボールネジ部5aと、ボールネジ部5aに螺合するナット部5bと、ボールネジ部5aを回転させるための駆動部5c(図1に示す)とを含んでいる。ボールネジ部5aは、スライドレール12と平行に(即ち、タイヤ進行方向Fに沿って)のびており、軸受17を介して、水平軸回りで回転可能に支持されている。ナット部5bは、走行台4の脚部4bに、ブラケット15を介して固定されている。駆動部5cは、ボールネジ部5aの一端に配置されており、支持部2bに支持されている。駆動手段5は、ボールネジ部5aの回転により、ナット部5bを介して、走行台4をスライドレール12に沿って走行させることができる。
タイヤ支持具6は、基部19と、昇降台20と、垂直軸21と、タイヤ支持枠22と、キャンバー角設定部23(図2に示す)とを含んでいる。
基部19は、走行台4の上枠部4aの上側に、移動不能に固定されている。昇降台20は、基部19に設けられた昇降手段(図示省略)を介して、上下動可能に支持されている。この昇降台20の上下動により、垂直軸21及びタイヤ支持枠22に支持されたタイヤ10を、上下方向に移動させることができる。これにより、タイヤ支持具6は、タイヤ10を走行路面3に接地又は離間できるとともに、タイヤ10に任意の荷重を負荷させることができる。
垂直軸21は、その上端側が、昇降台20に垂直軸回りに回動可能に支持されている。この垂直軸21の回動により、タイヤ支持枠22を介して、走行路面3に接地しているタイヤ10に、任意のスリップ角を設定することができる。
図2に示されるように、タイヤ支持枠22は、垂直軸21の下端側から水平にのびる第1部分22a、第1部分22aの一端から下方にのびる第2部分22b、及び、第2部分22bの下端から水平にのびる第3部分22cを含んでいる。これにより、タイヤ支持枠22は、正面視略コ字状に形成されている。第3部分22cの一端は、第2部分22bに水平軸回りで回動可能に支持されている。第3部分22cの他端には、タイヤ10のリムR(図1に示す)が、タイヤ軸心回りで回転可能に支持されている。本実施形態の第3部分22cには、タイヤ10の周方向の回転位置を検出するための回転位置検出手段(図示省略)が設けられている。
キャンバー角設定部23は、ロッド23aと、ロッド23aを伸縮させるための駆動部(図示省略)とを含んでいる。キャンバー角設定部23の一端は、タイヤ支持枠22の第2部分22bに固定されている。キャンバー角設定部23の他端は、タイヤ支持枠22の第3部分22cに固定されている。このようなキャンバー角設定部23は、ロッド23aの伸縮により、第3部分22cを、第2部分22bに対して水平軸回りで回動させることができる。これにより、第3部分22cに支持されているタイヤ10に、任意のキャンバー角を設定することができる。
図1に示されるように、タイヤ支持具6は、駆動手段5によって、走行台4とともに、タイヤ進行方向Fに水平移動されうる。これにより、タイヤ支持具6は、転動開始領域T1と転動終了領域T2との間で、タイヤ10を走行路面3に転動させることができる。
測定具7は、タイヤ10のトレッド接地面の変位を測定するためのものである。本実施形態の測定具7は、タイヤ10を平面3s(走行路面3)に接地させて得られるトレッド接地面27に形成された複数のマーク25(図3に示す)の各位置において、トレッド接地面の変位を測定する。
図3は、タイヤ10のトレッド部26の一例を示す展開図である。トレッド部26には、タイヤ周方向に連続してのびる複数の主溝28が設けられている。これにより、トレッド部26には、タイヤ周方向にのびる陸部29が形成される。陸部29には、タイヤ軸方向にのびる横溝30及びサイプ31が設けられている。本実施形態では、各陸部29に、トレッド接地面27の変位の測定点32を特定するためのマーク25が形成される。
図1及び図2に示されるように、本実施形態の測定具7は、圧力センサー33と、カメラ34とを含んでいる。圧力センサー33及びカメラ34は、制御装置(図示省略)に接続されている。
圧力センサー33は、タイヤ10のトレッド接地面27(図1に示す)から走行路面3に負荷される接地圧を測定するためのものである。この接地圧は、トレッド接地面27が走行路面3から受ける垂直荷重の面圧である。
圧力センサー33には、接地圧を測定するための複数の検出端33tが設けられている。検出端33tは、カバー部14に形成された孔から上方に突出して設けられている。これにより、検出端33tは、走行路面3を転動するタイヤ10のトレッド部26に押圧される。この検出端33tの押圧により、圧力センサー33は、水平方向(X軸方向及びY軸方向)の接地圧、及び、垂直方向(Z軸方向)の接地圧を測定することができる。X軸方向及びY軸方向は、互いに直交していれば適宜設定することができる。本実施形態において、X軸方向は、走行路面3の幅方向に沿って定義される。また、Y軸方向は、走行路面3の長手方向(即ち、タイヤ進行方向F)に沿って定義される。この検出端33tの個数は、マーク25の個数と同一、又は、マーク25の個数よりも多く設定される。
本実施形態では、圧力センサー33の検出端33tに、走行路面3を転動するタイヤ10のトレッド接地面27のマーク25がそれぞれ接触するように、予め位置合わせが行われる。これにより、圧力センサー33の各検出端33tに、マーク25を接触させることができるため、マーク25の各位置の接地圧を測定することができる。測定された接地圧は、制御装置(図示省略)に送信されて記憶される。接地圧は、後述のせん断力(面内応力)の計算に用いられる。
カメラ34は、トレッド接地面27に形成されたマーク25を、走行路面3側から撮像するためのものである。本実施形態のカメラ34は、走行路面3を転動するタイヤ10のトレッド接地面27を、一定の時間間隔で複数取得可能なもの(例えば、ビデオカメラ等)である場合が例示される。撮像された画像は、制御装置(図示省略)に送信されて記憶される。
制御装置(図示省略)は、例えば、コンピュータとして形成されている。本実施形態の制御装置は、例えば、入力デバイスとしての入力部(図示省略)、出力デバイスとしての出力部(図示省略)、及び、タイヤ10のトレッド接地面27の変位や、摩耗エネルギー等を計算する演算処理装置(図示省略)を有している。演算処理装置には、トレッド接地面27の変位や、摩耗エネルギーを計算するために必要なプログラム等が記憶されている。この制御装置は、タイヤ10のトレッド接地面27の変位や、摩耗エネルギーを計算しうるとともに、タイヤ10の転動等を制御しうる。
図4は、測定方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。本実施形態の測定方法は、先ず、図3に示されるように、タイヤ10のトレッド接地面27に、トレッド接地面27の変位の測定点32を特定するためのマーク25が形成される(マーク形成工程S1)。
本実施形態のマーク形成工程S1では、図1に示したタイヤ10に、予め定められた内圧と荷重とを作用させた第1条件で、図3に示したトレッド接地面27に複数のマーク25が形成される。図5は、マーク形成工程S1の処理手順の一例を示すフローチャートである。
本実施形態のマーク形成工程S1では、先ず、予め定められた内圧と荷重とを作用させる第1条件が、タイヤ10に設定される(工程S11)。工程S11では、先ず、図1に示されるように、リム(正規リム)Rにリム組みされたタイヤ10に、予め定められた内圧が充填される。そして、タイヤ支持具6の昇降台20の上下動により、タイヤ10を走行路面3に接地させて、タイヤ10に予め定められた荷重が設定される。これにより、工程S11では、第1条件を作用させたタイヤ10が設定される。
第1条件の内圧及び荷重については、変位を測定する際に設定される後述の第2条件とは異なる内圧及び荷重であれば、適宜設定することができる。本実施形態において、第1条件の内圧は、第2条件の内圧よりも小さく設定されている。さらに、本実施形態において、第1条件の荷重は、第2条件の荷重よりも大きく設定されている。これにより、第1条件のトレッド接地面27は、第2条件のトレッド接地面27よりも大きく形成される。第1条件としては、例えば、図1に示したタイヤ10に規格で定められた正規内圧よりも小さな内圧、及び、タイヤ10に規格で定められた最大荷重を作用させるものでもよい。
「正規内圧」は、タイヤ10に定められた規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、例えば、JATMAであれば "最高空気圧" 、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" である。
「最大荷重」は、タイヤ10に定められた規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている負荷可能な荷重のうち最大のものを意味し、JATMAであれば "最大負荷能力" 、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "LOAD CAPACITY" である。
次に、本実施形態のマーク形成工程S1では、第1条件を作用させたタイヤ10を、平面3s(走行路面3)に対して第1回転位置に保持させる(工程S12)。工程S12では、第1条件を作用させたタイヤ10を、走行路面3の測定領域T3まで転動させる。この実施形態では、測定領域T3(平面3s)にトレッド部26が接地するタイヤ10の周方向の回転位置を、第1回転位置36として特定される。工程S12では、測定領域T3において、第1条件を作用させたタイヤ10が、第1回転位置36に保持される。
次に、本実施形態のマーク形成工程S1は、第1回転位置36で保持されたタイヤ10のトレッド接地面27が特定される(工程S13)。第1回転位置36のトレッド接地面27は、例えば、走行路面3側からカメラ34で撮像することで特定してもよいし、図3に示されるように、トレッド接地面27の外周部分27oに、例えば印を付けることで特定されてもよい。
次に、本実施形態のマーク形成工程S1は、第1回転位置36(図1に示す)に保持して得られたトレッド接地面27内に、マーク25(図3に示す)がn1個形成される(工程S14)。
マーク25(測定点32)は、タイヤ10を測定領域T3(平面3s)から離間させた後に、特定されたトレッド接地面27の画像や印に基づいて、トレッド接地面27内の陸部29の外面に形成される。マーク25は、例えば、耐摩耗性能を評価したい部分に形成される。本実施形態のマーク25は、各陸部29のタイヤ軸方向の両端側にそれぞれ形成されている。
本実施形態のマーク25は、黒色のトレッド部26とは異なる非黒色に設定されている。従って、本実施形態では、後述の変位測定工程S2において、トレッド接地面27を撮像した画像から、マーク25を容易に判別することができる。なお、マーク25の色については、非黒色であれば特に限定されないが、容易に判別可能な白色等が望ましい。また、マーク25は、例えば、油性塗料、水性塗料、又は、ラッカー塗料等を用いて形成することができる。さらに、マーク25は、例えば、トレッド接地面27に貼り付けられる非黒色のゴム材等であってもよい。
これにより、マーク形成工程S1では、第1条件を作用させたタイヤ10を第1回転位置36に保持して得られるトレッド接地面27に、マーク25がn1個形成される。
次に、本実施形態の測定方法では、マーク25が形成されたタイヤ10を走行路面3上で転動させて、マーク25の各位置でのトレッド接地面27の変位が計算される(変位測定工程S2)。本実施形態の変位測定工程S2は、第1条件で得られるトレッド接地面27(図3に示す)とは異なる形状のトレッド接地面27を形成する第2条件で、タイヤ10を走行路面3上で転動させて、マーク25の各位置での変位を計算している。変位測定工程S2の一連の処理は、制御装置(図示省略)によって行われる。図6は、変位測定工程S2の処理手順の一例を示すフローチャートである。
本実施形態の変位測定工程S2では、先ず、図1に示されるように、圧力センサー33の検出端33tに、転動中のタイヤ10のトレッド接地面27のマーク25(図3に示す)がそれぞれ接触するように、タイヤ10の位置合わせが行われる(工程S21)。工程S21では、先ず、第1条件を作用させ、かつ、第1回転位置36に保持されたタイヤ10を、測定領域T3に接地させる。そして、タイヤ10のトレッド接地面27のマーク25を、圧力センサー33の検出端33tに接触させる。
次に、工程S21では、第1条件を作用させかつ第1回転位置36に保持されたタイヤ10を、走行路面3の測定領域T3から転動開始領域T1まで転動させながら移動させる。これにより、この実施形態の変位測定工程S2では、後述の工程S23において、転動開始領域T1から転動終了領域T2までタイヤ10を転動させることにより、トレッド接地面27に形成されたマーク25を、測定領域T3の検出端33tに接触させることができる。
次に、この実施形態の変位測定工程S2は、第2条件で、タイヤ10を走行路面3に接地させる(工程S22)。上述したように、第2条件は、第1条件とは異なる内圧又は荷重を、タイヤ10に作用させるためのものである。
本実施形態の第2条件は、タイヤ10に負荷される荷重として、第1条件の荷重(例えば、最大荷重)よりも小さく設定されている。他方、本実施形態の第2条件は、タイヤ10に充填される内圧として、第1条件の内圧よりも大きな内圧(例えば、正規内圧)が設定されている。これにより、第2条件で得られるトレッド接地面27(図7に示す)は、第1条件で得られるトレッド接地面27(図3に示す)とは異なる(即ち、第1条件のトレッド接地面27よりも小さい)形状に形成される。第2条件は、タイヤ10の使用条件に応じて適宜設定されるのが望ましい。
次に、本実施形態の変位測定工程S2では、第2条件を作用させたタイヤ10を走行路面3上で転動させて、マーク25の各位置での接地圧、及び、マーク25を走行路面3側から撮像した画像が取得される(工程S23)。工程S23では、先ず、走行路面3の転動開始領域T1から転動終了領域T2まで、予め定められた速度でタイヤ10を転動させる。速度については、例えば、トレッド接地面27の変位の測定条件に基づいて、適宜設定することができる。
工程S23では、タイヤ10が測定領域T3を通過する際に、トレッド接地面27の各マーク25は、圧力センサー33の検出端33tに接触する。これにより、工程S23では、マーク25の各位置での接地圧がそれぞれ測定される。測定されたマーク25の各位置での接地圧は、制御装置(図示省略)に送信される。
さらに、工程S23では、トレッド接地面27の各マーク25(図3に示す)がカバー部14に接地してから、マーク25がカバー部14から離間するまでの間、走行路面3側から、マーク25を含むトレッド接地面27が、カメラ34で撮像される。カメラ34での撮像は、一定の時間間隔で行われる。マーク25を撮像した複数の画像は、制御装置(図示省略)に送信される。図7は、第2条件で得られるトレッド接地面27のマーク25を撮像した画像の一つを示す図である。
本実施形態において、第2条件で得られるトレッド接地面27は、第1条件で得られるトレッド接地面27(図3に示す)とは異なる形状に形成されているため、図3に示した第1条件のトレッド接地面27に形成したマーク25の個数n1と、図7に示した第2条件のトレッド接地面27内に存在するマーク25の個数n2とが一致しない場合がある。このような場合、従来の測定方法では、マークを特定できなくなるため、マークが消失していないような正常な場合でも、マークが消失したと判断し、滑り量の測定を中断するという問題があった。
本実施形態の変位測定工程S2では、トレッド接地面27の変位を測定する工程S25に先立ち、マークの消失の有無を確認するマーク確認工程S24が行われる。本実施形態のマーク確認工程S24では、第1条件かつ第1回転位置36のトレッド接地面27に形成したマーク25(図3に示す)の個数n1と、第2条件かつ第1回転位置36のトレッド接地面27内に存在するマーク25(図7に示す)の個数n2とが確認される。図8は、本実施形態のマーク確認工程S24の処理手順の一例を示すフローチャートである。
この実施形態のマーク確認工程S24は、先ず、第2条件かつ第1回転位置36において、走行路面3側からトレッド接地面27内に存在するマーク25の個数n2を調べられる(工程S31)。マーク25の個数n2は、工程S23で撮像されたマーク25の画像(図10に示す)に基づいて調べられる。
次に、この実施形態のマーク確認工程S24では、第2条件かつ第1回転位置36のトレッド接地面27のマーク25(図7に示す)の個数n2と、第1条件かつ第1回転位置36のトレッド接地面27のマーク25(図3に示す)の個数n1とが同一か否かが判断される(工程S32)。
工程S32において、マーク25の個数n2とマーク25の個数n1とが同一であると判断された場合(工程S32で、「Y」)、第1条件かつ第1回転位置36のトレッド接地面27に形成されたマーク25(図3に示す)の全てが、第2条件かつ第1回転位置36のトレッド接地面27(図示省略)に存在している。この場合、マーク25は、トレッド接地面27から消失していないため、マーク確認工程S24を終了させて、次のトレッド接地面27の変位を測定する工程S25(図6に示す)が実施される。
他方、工程S32において、マーク25の個数n1がマーク25の個数n2と異なる場合(工程S32で、「N」)、第2条件かつ第1回転位置36のトレッド接地面27において、一部のマーク25がトレッド接地面27から消失した可能性がある。このため、次の工程S33が実施される。
次に、この実施形態のマーク確認工程S24では、第1条件でタイヤ10を平面3sに対して第1回転位置36に保持して接地させ、トレッド接地面27内に存在するマーク25の個数n3が調べられる(工程S33)。工程S33では、先ず、第2条件で転動した後のタイヤ10に第1条件を作用させる。次に、工程S33では、測定領域T3において、第1条件を作用させたタイヤ10が、第1回転位置36に保持される。これにより、工程S33では、転動後のタイヤ10のトレッド接地面27を、マーク形成時のトレッド接地面27(図3に示す)と同一形状に形成することができる。
次に、工程S33では、第1条件で得られるトレッド接地面27内に存在するマーク25の個数n3が調べられる。マーク25の個数n3は、第1回転位置36のトレッド接地面27に形成されたマーク25を、走行路面3側からカメラ34で撮像し、その画像(図示省略)を用いて、マーク25の個数n3が調べられる。
次に、この実施形態のマーク確認工程S24では、転動後に第1条件で得られるトレッド接地面27のマーク25の個数n3と、転動前に形成したマーク25の個数n1とが同一であるか否かが判断される(工程S34)。工程S34では、マーク25を形成するトレッド接地面27と同一の第1条件、及び、第1回転位置に基づいて、転動後のタイヤ10のトレッド接地面27に存在するマーク25の個数n3が調べられる。従って、マーク25の個数n3とマーク25の個数n1とが同一である場合には、マーク25が消失していないと判断することができる。
工程S34において、マーク25の個数n3とマーク25の個数n1とが同一であると判断された場合(工程S34で、「Y」)、マーク25が消失していないため、マーク確認工程S24を終了させて、次のトレッド接地面27の変位を測定する工程S25(図6に示す)が実施される。
他方、工程S34において、マーク25の個数n3がマーク25の個数n1と異なる場合(工程S34で、「N」)、少なくとも一つのマーク25が消失しており、正確なトレッド接地面27の変位を測定することができないと判断することができる。この場合、変位測定工程S2を停止させて、図4に示したマーク形成工程S1、及び、変位測定工程S2が再度実施される。
このように、この実施形態の測定方法では、第1条件とは異なる第2条件のトレッド接地面27(図7に示す)のマーク25の個数n2と、第1条件のトレッド接地面27(図6に示す)に形成されたマーク25の個数n1とが異なる場合であっても、一部のマーク25が消失したか否かを容易に確認できる。従って、この実施形態の測定方法では、マーク25が消失していない正常な場合であっても、トレッド接地面27の変位の測定が停止されるのを防ぐことができる。これにより、この実施形態の測定方法は、走行路面3に接地した測定点32でのトレッド接地面27の変位を確実に計算しつつ、測定効率を大幅に向上させることができる。
次に、本実施形態の変位測定工程S2では、マーク25の各位置でのトレッド接地面27の変位を測定する(工程S25)。上述したように、本実施形態では、マーク25の各位置での前記変位に基づいて、マーク25の各位置での摩耗エネルギーが計算される。
工程S25では、先ず、マーク25を撮像した複数の画像(図7に示す)により、走行路面3と平行な面内のX軸方向及びY軸方向において、マーク25の各位置でのトレッド接地面27の変位(本実施形態では、滑り量)が求められる。マーク25の変位の計算方法については、例えば、上記特許文献1と同様の方法が採用されうる。
本実施形態の測定方法は、通常全体が黒色のトレッド接地面27に、トレッド接地面27の変位を測定する測定点32を特定する非黒色のマーク25が形成されているので、例えば、全体が黒色のトレッド接地面(図示省略)の画像が用いられる場合に比べて、トレッド接地面27から変位の測定点32を容易に判別することができる。従って、本実施形態の測定方法は、タイヤ10のトレッド接地面27の変位を正確に測定することが可能となる。
次に、本実施形態の工程S25では、マーク25を撮像した複数の画像(図7に示す)により、走行路面3と平行な面内のX軸方向及びY軸方向において、マーク25の各位置でのすべり速度が計算される。マーク25のすべり速度の計算方法については、例えば、上記特許文献1と同様の方法が採用されうる。
次に、工程S25では、マーク25(図7に示す)の各位置でのせん断力(面内応力)が計算される。せん断力は、マーク25の各位置について、測定された接地圧と、計算で求めたすべり速度とに基づいて、上記特許文献1に記載の式(1)を用いて計算される。そして、工程S25では、マーク25の各位置について、計算で求められたせん断力と、変位(すべり量)とが乗じられることにより、マーク25の各位置での摩耗エネルギーが計算される。
変位測定工程S2で求められたマーク25の各位置でのトレッド接地面27の変位、及び、摩耗エネルギーは、例えば、タイヤ10の耐摩耗性能等の評価に用いられる。そして、タイヤ10の耐摩耗性能等が良好であると判断された場合、タイヤ10の製品化が行われる。他方、タイヤ10の耐摩耗性能等が良好でないと判断された場合、タイヤ10が設計変更され、本実施形態の測定方法が再度実施される。従って、本実施形態の測定方法は、耐編摩耗性等が良好なタイヤ10の設計に役立つ。
本実施形態では、マーク25の個数n3とマーク25の個数n1とが異なる場合に、マーク25が消失したと判断しているが、このような態様に限定されない。例えば、転動後のタイヤ10のトレッド接地面27に存在するマーク25の座標値と、第1条件のトレッド接地面27(図3に示す)に形成された各マーク25の座標値とが異なる場合に、少なくとも一つのマーク25が消失していると判断されてもよい。これにより、マーク25の消失の有無、及び、消失したマーク25の位置を、より精度よく確認することができる。
本実施形態では、内圧又は荷重が異なる第1条件及び第2条件により、第1条件のトレッド接地面27(図3に示す)の形状と、第2条件のトレッド接地面27(図7に示す)の形状とを異ならせる態様が例示されたが、このような態様に限定されない。例えば、第1条件及び第2条件は、キャンバー角が異なるものでもよい。これにより、車両に装着されるタイヤ10のキャンバー角に基づいて、トレッド接地面27の変位を計算することができる。
第1条件は、キャンバー角が零に設定されるのが望ましい。これにより、この実施形態では、トレッド部26をタイヤ軸方向に万遍なく接地させたトレッド接地面27(図3に示す)を形成することができるため、タイヤ軸方向の広範囲に、マーク25を形成することができる。
第2条件は、キャンバー角が零よりも大きく設定される。このキャンバー角は、絶対値である。従って、この実施形態では、ポジティブキャンバー、又は、ネガティブキャンバーのいずれかに設定することができる。図9は、キャンバー角が零よりも大きい第2条件のトレッド接地面27の一例を示す図である。
このような第2条件のトレッド接地面27は、第1条件のトレッド接地面27(図3に示す)に比べて、その重心がタイヤ軸方向の一方側(図において左側)に偏って設定される。従って、タイヤ軸方向の他方側(図において右側)に設定されたマーク25(図示省略)の一部が接地しないと、第2条件のトレッド接地面27内に存在するマーク25の個数n2と、第1条件のトレッド接地面27に形成したマーク25の個数n1とが一致しない場合がある。
このような場合でも、前実施形態のマーク確認工程S24(図8に示す)において、転動後のタイヤ10をキャンバー角が零の第1条件で接地させて、トレッド接地面27内に存在するマーク25の個数n3が調べられることにより、一部のマーク25が消失したか否かを容易に確認できる。これにより、この実施形態の測定方法では、マーク25が消失していない正常な場合であっても、トレッド接地面27の変位の測定が停止されるのを防ぐことができる。従って、この実施形態の測定方法では、走行路面3に接地した測定点32でのトレッド接地面27の変位を、効率よく確実に計算することができる。
また、第1条件及び第2条件は、スリップ角が異なるものでもよい。これにより、旋回時のタイヤ10のトレッド接地面27の変位を計算することができる。
第1条件は、スリップ角が零に設定されるのが望ましい。これにより、この実施形態では、タイヤ軸方向に万遍なく接地したトレッド接地面27を形成することができるため、タイヤ軸方向の広範囲に、マーク25を形成することができる。
第2条件は、スリップ角が零よりも大きく設定される。このスリップ角は、絶対値である。従って、スリップ角は、右旋回時のスリップ角、又は、左旋回時のスリップ角に設定される。
第2条件のトレッド接地面27内に存在するマーク25の個数n2は、第1条件のトレッド接地面27に形成したマーク25の個数n1と一致しない場合がある。このような場合でも、この実施形態の測定方法では、上記のマーク確認工程S24(図8に示す)により、マーク25が消失していない正常な場合であっても、トレッド接地面27の変位の測定が停止されるのを防ぐことができる。従って、この実施形態の測定方法では、走行路面3に接地した測定点32でのトレッド接地面27の変位を、効率よく確実に計算することができる。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
円環状をなすトレッド部を有するタイヤのトレッド接地面の変位が測定された(実施例、及び、比較例)。実施例及び比較例では、図4〜図6に示した処理手順に基づいて、タイヤを平面に接地させて得られるトレッド接地面に、トレッド接地面の変位の測定点を特定するための複数の非黒色のマークが形成され、マークが形成されたタイヤを走行路面上で転動させて、マークの各位置でのトレッド接地面の変位が測定された。
実施例では、図8に示した処理手順に基づいて、トレッド接地面の変位の測定に先立ちマーク確認工程が行われた。比較例では、マーク確認工程が行われなかった
タイヤサイズ:175/65R14 82T
リムサイズ:14×5.5J
マーク(測定点)の個数n1:10個
第1条件:
内圧:220kPa、荷重:4.31kN
スリップ角:0°、キャンバー角:0°
第2条件:
ケース1:
内圧:220kPa、内圧:3.17kN
スリップ角:0°、キャンバー角:0°
ケース2:
内圧:220kPa、荷重:2.83kN
スリップ角:0°、キャンバー角:0°
ケース3:
内圧:220kPa、荷重:2.83kN
スリップ角:0°、キャンバー角:1°
ケース4:
内圧:220kPa、荷重:3.17kN
スリップ角:1°、キャンバー角:0°
ケース5:
内圧:220kPa、荷重:3.17kN
スリップ角:1°、キャンバー角:1°
タイヤサイズ:175/65R14 82T
リムサイズ:14×5.5J
マーク(測定点)の個数n1:10個
第1条件:
内圧:220kPa、荷重:4.31kN
スリップ角:0°、キャンバー角:0°
第2条件:
ケース1:
内圧:220kPa、内圧:3.17kN
スリップ角:0°、キャンバー角:0°
ケース2:
内圧:220kPa、荷重:2.83kN
スリップ角:0°、キャンバー角:0°
ケース3:
内圧:220kPa、荷重:2.83kN
スリップ角:0°、キャンバー角:1°
ケース4:
内圧:220kPa、荷重:3.17kN
スリップ角:1°、キャンバー角:0°
ケース5:
内圧:220kPa、荷重:3.17kN
スリップ角:1°、キャンバー角:1°
テストの結果、実施例は、上記第2条件のケース1〜5の全てにおいて、第2条件のマークの個数と、第1条件のマークの個数が異なっても、マークの消失が誤判断されることなく、測定点でのトレッド接地面の変位を確実に計算することができた。他方、比較例では、マークが消失していないような正常な場合でも、マークが消失したと判断し、滑り量の測定を中断した。従って、実施例は、比較例に比べて、タイヤのトレッド接地面の変位を効率よく測定することができた。
10 タイヤ
25 マーク
26 トレッド部
27 トレッド接地面
32 測定点
25 マーク
26 トレッド部
27 トレッド接地面
32 測定点
Claims (8)
- タイヤのトレッド部を平面に接地させて得られるトレッド接地面の変位を測定するための方法であって、
前記トレッド接地面に、前記変位の測定点を特定するための複数の非黒色のマークを形成する工程と、
前記マークが形成された前記タイヤを走行路面上で転動させて、前記マークの各位置での前記変位を測定する工程とを含み、
前記変位を測定する工程は、前記変位の測定に先立ち、前記マークの消失の有無を確認するマーク確認工程を含む、
タイヤのトレッド接地面の変位測定方法。 - 前記マークを形成する工程は、前記タイヤに予め定められた内圧及び荷重を作用させた第1条件で、前記タイヤを前記平面に対して第1回転位置に保持して得られる前記トレッド接地面に、前記マークをn1個形成するものである請求項1記載のタイヤのトレッド接地面の変位測定方法。
- 前記変位を測定する工程は、前記第1条件で得られる前記トレッド接地面とは異なる形状のトレッド接地面を形成する第2条件で、前記タイヤを前記走行路面上で転動させるものである請求項2記載のタイヤのトレッド接地面の変位測定方法。
- 前記マーク確認工程は、
前記第2条件かつ前記第1回転位置において、前記走行路面側から前記トレッド接地面内に存在する前記マークの個数n2を調べる工程と、
前記マークの個数n2が前記マークの個数n1と異なる場合、前記第1条件で前記タイヤを前記平面に対して前記第1回転位置に保持して接地させ、前記トレッド接地面内に存在する前記マークの個数n3を調べる工程と、
前記マークの個数n3が前記マークの個数n1と異なる場合に、前記変位を測定する工程を停止させる工程とを含む請求項3記載のタイヤのトレッド接地面の変位測定方法。 - 前記第2条件は、前記タイヤへ負荷される荷重が前記最大荷重よりも小さい請求項3又は4記載のタイヤのトレッド接地面の変位測定方法。
- 前記第1条件は、キャンバー角が零であり、前記第2条件は、キャンバー角が零よりも大きい請求項3ないし5のいずれかに記載のタイヤのトレッド接地面の変位測定方法。
- 前記第1条件は、スリップ角が零であり、前記第2条件は、スリップ角が零よりも大きい請求項3ないし6のいずれかに記載のタイヤのトレッド接地面の変位測定方法。
- 前記変位を測定する工程は、前記走行路面側から前記マークをカメラで撮像する工程を含む請求項1乃至7のいずれかに記載のタイヤのトレッド接地面の変位測定方法。
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JP2018019509A JP2019138667A (ja) | 2018-02-06 | 2018-02-06 | タイヤのトレッド接地面の変位測定方法 |
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JP7322605B2 (ja) | 2019-09-04 | 2023-08-08 | 住友ゴム工業株式会社 | タイヤの評価方法 |
-
2018
- 2018-02-06 JP JP2018019509A patent/JP2019138667A/ja active Pending
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