JP2021036036A - 樹脂成形加工機用洗浄剤、樹脂成形加工機の洗浄方法 - Google Patents

樹脂成形加工機用洗浄剤、樹脂成形加工機の洗浄方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、洗浄性能と洗浄後の成形材料による易置換性とのバランスを改善した樹脂成形加工機械用洗浄剤、および該樹脂成形加工機用洗浄剤を用いた樹脂成形加工機の洗浄方法を提供することを目的とする。【解決手段】無機発泡剤と、融点140℃以下、融点がない場合には軟化点が140℃以下のポリオレフィン系樹脂またはポリオレフィン樹脂系ワックスとを含み、熱重量分析装置を用いて30℃から200℃まで20℃/分で昇温した際に測定される重量減少率が18〜33%である、無機発泡剤マスターバッチと、熱可塑性樹脂とを含むことを特徴とする、樹脂成形加工機用洗浄剤、及び該樹脂成形加工機用洗浄剤を用いることを特徴とする、樹脂成形加工機の洗浄方法。【選択図】なし

Description

本発明は、無機発泡剤を含む樹脂成形加工機用洗浄剤、該樹脂成形加工機用洗浄剤を用いた樹脂成形加工機の洗浄方法に関する。
一般に、樹脂の着色、混合、成形等の作業のために押出成形機、射出成形機等の樹脂成形加工機械が用いられるが、この種の加工機械においては、所定の作業終了時に、当該樹脂そのものや成形材料中に含まれている染顔料等の添加剤のほか、樹脂等から生成される劣化物(熱分解生成物、焼け焦げ、炭化物等)が成形加工機械内に残留する場合がある。この残留物を放置すると、以降に行われる樹脂の成形加工時に残留物が成形品中に混入し、製品外観不良の原因となり得る。特に、透明樹脂の成形を行う場合、微小の炭化物等の混入でも容易に視認されるため、成形品の外観不良となり、成形品不良の発生率を増大させるという問題を生じる。そのため、残留物を成形機内から完全に除去することが望まれている。
従来、残留物を成形加工機械内から除去するため、(1)人手により成形加工機械の分解掃除をする方法、(2)成形加工機械を停止せずにそのまま次の成形に使用する成形材料を成形加工機械に充填し、これにより残留物を徐々に排出して行く方法、(3)洗浄剤を用いる方法、等が採られている。
上記(1)の方法は、成形加工機械を停止する必要があるため効率的でなく、且つ人手により物理的に除去作業をするため、成形加工機械を傷つけやすいという問題がある。上記(2)の方法は、残留物を除去するために多量の成形材料を必要とする場合が多く、作業が完了するまでに時間を要し、さらに廃棄物が多量に発生するという問題がある。そこで近年では上記(3)の洗浄剤を用いる方法が、成形加工機械内の残留物を除去する洗浄力に優れることから、好まれて用いられるようになっている。
洗浄剤の効果を高めることを目的として、洗浄剤の洗浄力を高める手法が提案されている。例えば、発泡剤から発生するガスにより成形機内の内圧を上昇させる効果を利用する技術が開示されている。発泡剤には有機発泡剤、無機発泡剤があるが、臭気が少ない観点で無機発泡剤が好まれる場合がある。
無機発泡剤を用いた洗浄剤の例として、特許文献1には、炭酸水素ナトリウム(以下「重曹」とも記す。)および樹脂をドライブレンドした洗浄剤が記載され、また、特許文献2には、重曹を均一に樹脂に練りこんだ洗浄剤が記載されている。
特開平09−208754号公報 特開平10−81898号公報 特許第4504699号公報 特許第5409514号公報
洗浄剤で洗浄した後、次の成形に入る前に、通常は次の成形材料によって樹脂成形加工機械内に残留している洗浄剤の置換作業を行う。従って洗浄剤には、前の成形で使用した成形材料に対する高い洗浄力と、次の成形に使用する成形材料による易置換性とが要求される。
発泡剤が加熱により分解することで発生するガスによる内圧上昇の効果(以下「発泡効果」とも記す。)を充分に得て洗浄力を高めるためには、樹脂に対して適当な量の発泡剤を添加する必要がある。
しかしながら、本発明者らが検討したところ、特許文献1に記載されているように、重曹および熱可塑性樹脂粒をドライブレンドする場合、発泡効果を得るために充分な量の重曹を混合すると、重曹と熱可塑性樹脂粒が分離してしまい、均一に重曹を供給しにくいという問題がある。
また、特許文献2に記載されているように、重曹を樹脂に練りこむ場合は、重曹の熱分解温度が樹脂の加工温度より低いことから、混練の工程で重曹が熱分解してしまう問題がある。
特許文献3に記載されているように、二軸押出機を用いて無機発泡剤を比較的低粘度の熱可塑性樹脂に練り込む方法が提案されている。しかし無機発泡剤の濃度が低いため洗浄性能が十分に高くないという問題があった。
特許文献4に記載されているように、無機発泡剤と融点が120℃以下のバインダーを混合した無機発泡剤マスターバッチを熱可塑性樹脂と混合する方法を用い、洗浄剤を加工する段階で無機発泡剤の熱分解を抑制することで、洗浄剤を使用する際に無機発泡剤による発泡効果を有効利用できるようにした洗浄剤が提案されている。しかし混合する熱可塑性樹脂としてスチレン−アクリロニトリル共重合体またはポリスチレンを用いており、ポリオレフィン系樹脂の成形加工機械の洗浄には適さないという問題があった。
そこで、本発明は、洗浄性能と洗浄後の成形材料による易置換性とのバランスを改善した樹脂成形加工機械用洗浄剤、および該樹脂成形加工機用洗浄剤を用いた樹脂成形加工機の洗浄方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、融点が140℃以下、融点がない場合には軟化点が140℃以下であるポリオレフィン系樹脂またはポリオレフィン樹脂系ワックスをバインダーとして用い、無機発泡剤を含有する原料を、無機発泡剤の熱分解温度以下(例えば、140℃以下)で粒状化した無機発泡剤マスターバッチを別途作成し、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂粒と混合することにより、熱劣化していない無機発泡剤マスターバッチを含有する洗浄剤を得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の通りである。
[1]
無機発泡剤と、融点140℃以下、融点がない場合には軟化点が140℃以下のポリオレフィン系樹脂またはポリオレフィン樹脂系ワックスとを含み、熱重量分析装置を用いて30℃から200℃まで20℃/分で昇温した際に測定される重量減少率が18〜33%である、無機発泡剤マスターバッチと、熱可塑性樹脂とを含むことを特徴とする、樹脂成形加工機用洗浄剤。
[2]
前記無機発泡剤マスターバッチにおける前記無機発泡剤の含有量が51〜90質量%である、[1]に記載の樹脂成形加工機用洗浄剤。
[3]
前記無機発泡剤マスターバッチが、滑剤、ミネラルオイル、界面活性剤からなる群から選ばれる少なくとも1つを含む、[1]または[2]に記載の樹脂成形加工機用洗浄剤。
[4]
前記熱可塑性樹脂が、融点120℃以上のポリオレフィン系熱可塑性樹脂である、[1]〜[3]のいずれかに記載の樹脂成形加工機用洗浄剤。
[5]
前記ポリオレフィン系熱可塑性樹脂の重量平均分子量が、50,000超1,000,000未満である、[4]に記載の樹脂成形加工機用洗浄剤。
[6]
前記無機発泡剤マスターバッチの含有量が、前記洗浄剤全体100質量部に対して、0.1〜20質量部である、[1]〜[5]のいずれかに記載の樹脂成形加工機用洗浄剤。
[7]
[1]〜[6]のいずれかに記載の樹脂成形加工機用洗浄剤を用いることを特徴とする、樹脂成形加工機の洗浄方法。
本発明によれば、洗浄性能と洗浄後の成形材料による易置換性とのバランスを改善した樹脂成形加工機用洗浄剤、および該樹脂成形加工機用洗浄剤を用いた樹脂成形加工機の洗浄方法を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明する。なお、本発明は、下記の本実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
(樹脂成形加工機用洗浄剤)
本実施形態の樹脂成形加工機用洗浄剤(本明細書において、単に「洗浄剤」と称する場合がある。)は、無機発泡剤と、融点140℃以下、融点がない場合には軟化点が140℃以下のポリオレフィン系樹脂またはポリオレフィン樹脂系ワックスとを含み、熱重量分析装置を用いて30℃から200℃まで20℃/分で昇温した際に測定される重量減少率が18〜33%である、無機発泡剤マスターバッチと、熱可塑性樹脂とを含む。
無機発泡剤マスターバッチは、滑剤、ミネラルオイル、界面活性剤等の添加剤をさらに含んでよい。
樹脂成形加工機用洗浄剤もまた、無機発泡剤マスターバッチに含まれる滑剤、ミネラルオイル、界面活性剤等の添加剤をさらに含んでよい。
以下、本実施形態の洗浄剤等について詳細に説明する。
本発明の洗浄剤組成物は、熱劣化の少ない無機発泡剤を安定して供給することができ、洗浄剤の使用時に効率的に発泡効果が得られるので、優れた洗浄性能を有する。
また、無機発泡剤マスターバッチと混合する熱可塑性樹脂としてポリオレフィン系樹脂粒を用いることにより、ポリオレフィン系樹脂用成形加工機械の洗浄性能と洗浄後の成形材料による易置換性のバランスを改善する効果が得られる。
((無機発泡剤マスターバッチ))
本実施形態において、無機発泡剤マスターバッチとは、無機発泡剤と、バインダーとしてのポリオレフィン系樹脂またはポリオレフィン樹脂系ワックスとを含有する粒を意味する。
当該無機発泡剤マスターバッチは、後述するような無機発泡剤、融点が140℃以下、融点がない場合には軟化点が140℃以下であるポリオレフィン系樹脂またはポリオレフィン樹脂系ワックス等の原料を、無機発泡剤の熱分解温度以下(例えば、140℃以下)で粒状化することにより得ることができる。
このようにして得られる無機発泡剤マスターバッチは、含有する無機発泡剤が熱分解されていないため、充分な発泡効果を発揮できる。そして、このような無機発泡剤マスターバッチを含有する洗浄剤は、発泡効果により洗浄性が向上する。
以下、無機発泡剤マスターバッチを形成する原料について詳細に説明する。
(A)無機発泡剤
本実施形態に用いる無機発泡剤としては、加熱により分解し、発泡、すなわち気体を発生する無機化合物であれば使用可能である。好ましい無機発泡剤の例としては、水などの無機物理発泡剤、炭酸水素ナトリウム(以下「重曹」とも記す。)、炭酸水素アンモニウムなどの炭酸水素塩、炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウムなどの炭酸塩、亜硝酸アンモニウムなどの亜硝酸塩、ホウ水素化ナトリウムなどの水素化物、アジ化カルシウムなどのアジド化合物、マグネシウム、アルミニウムなどの軽金属、炭酸水素ナトリウムと酸との組合せ、過酸化水素とイースト菌との組合せ、アルミニウム粉末と酸との組合せなどの無機化学発泡剤が挙げられる。
これら無機発泡剤のうちでも、分解によって発生するガスに毒性が少ないこと、安価で経済的であること、取り扱いが簡単であること、発泡力(圧)が高いこと、鉄を腐食しないことなどの点から、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウムが好ましく、中でも特に炭酸水素ナトリウム(重曹)が好ましい。
上述の無機発泡剤は、一種単独で用いてもよく、二種以上併用してもよい。
前記無機発泡剤の含有量は、無機発泡剤マスターバッチ100質量%に対して、51〜90質量%の範囲であることが好ましく、60〜80質量%の範囲であることがより好ましく、65〜75質量%の範囲であることが特に好ましい。
また、充分な発泡効果を得る観点で、前記無機発泡剤の含有量は、洗浄剤100質量部に対して、0.05〜15質量部の範囲であることが好ましく、0.5〜10質量部の範囲であることがより好ましく、1.5〜7質量部の範囲であることが特に好ましい。
(B)バインダー
本実施形態に用いるバインダーは、無機発泡剤マスターバッチを製造する段階における無機発泡剤の熱分解を抑制する観点で、融点が140℃以下、融点がない場合には軟化点が140℃以下であることを要する。当該バインダーの融点は、50〜140℃であることが好ましく、60〜130℃であることがより好ましく、70〜120℃であることがさらに好ましい。バインダーに融点がない場合には軟化点が上記範囲であることが望ましい。
融点、融点がない場合には軟化点が、前記範囲内のバインダーを用いることにより、140℃以下の加工温度で無機発泡剤マスターバッチを製造することができ、無機発泡剤の熱分解を抑制することができる。そして、このような無機発泡剤マスターバッチを含有する洗浄剤は、充分な発泡効果を発揮でき、洗浄性に優れる。
本発明者らは、例えば重曹を無機発泡剤として使用する場合を想定し、無機発泡剤の熱分解を防ぎつつ無機発泡剤マスターバッチを製造することを可能とするため、バインダーの融点、融点がない場合には軟化点の上限を140℃に設定した。もちろん重曹以外にも無機発泡剤は存在するが、融点が140℃以下、融点がない場合には軟化点が140℃以下のバインダーを用いて140℃以下の加工温度で無機発泡剤マスターバッチを製造する限り、無機発泡剤の熱分解を抑制することができ、該無機発泡剤を含む洗浄剤の発泡力にほとんど影響しないと考えられる。
なお、重曹は140℃を超える温度で熱分解を開始し、その際炭酸ガスを発生するが、熱分解しない状態で無機発泡剤マスターバッチ内に封じこめられていれば、通常の洗浄操作温度で効率的に炭酸ガスを発生する。そして、このように重曹が熱分解しない状態で封じ込められた無機発泡剤マスターバッチを含む洗浄剤は、発泡効果により洗浄力に優れる。また、当該洗浄剤を用いることにより、成形機休止時の熱劣化抑止効果が発揮される。
なお、本実施形態において、バインダーの融点は、JIS K7121に準拠し、示差走査熱量測定法(DSC)により求めることができる。
DSCで融点を測定する場合は、あらかじめ試料樹脂5mgの小片を作製し、重量を精秤してアルミ製パンに入れ、蓋をして封入する。試料樹脂を封入したアルミ製パンをDSC測定装置の試料台に載せ、1回目の昇温として20℃から200℃まで速度20℃/分で昇温し、200℃到達後に2分間保持する。次に200℃から20℃まで速度20℃/分で降温し、20℃到達後に2分間保持した後、2回目の昇温として20℃から200℃まで速度20℃/分で昇温する。上記の2回目の昇温時に得られたDSC曲線のピークの温度を当該試料樹脂の融点とする。
また、本実施形態において、バインダーの軟化点は、JIS K2207に準拠し、求めることができる。
融点が140℃以下、融点がない場合には軟化点が140℃以下のバインダーは、無機発泡剤の分散性を向上させる役割があるものが好ましい。
このようなバインダーの例として、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂;プラスチック材料用途に使用されるポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどのポリオレフィン樹脂系ワックス;が挙げられる。ポリオレフィン樹脂系ワックスとは、重量平均分子量が50,000未満のものをいう。
バインダーは用途に応じて他の樹脂や酸、塩基等で変性されたものでもよい。
バインダーとして用いるポリオレフィン系樹脂やポリオレフィン樹脂系ワックスは、常温で固体であることが好ましい。常温で固体であるポリオレフィン系樹脂やポリオレフィン樹脂系ワックスを用いると、無機発泡剤マスターバッチの形状を安定に保持しやすくなる。
上述のバインダーは、一種単独で用いてもよく、二種以上併用してもよい。
前記バインダーの含有量は、無機発泡剤マスターバッチ100質量%に対して、1〜30質量%の範囲であることが好ましく、2〜20質量%の範囲であることがより好ましく、5〜15質量%の範囲であることが特に好ましい。
なお、本実施形態に用いる無機発泡剤マスターバッチにおいて、(B)バインダーが後述の(C)滑剤の機能を兼ね備えてもよい。
本実施形態では、(B)バインダーは、後述の(C)滑剤の範疇に含まれるもの以外のものをいう。
本実施形態に用いる無機発泡剤マスターバッチは、用途等に応じて、滑剤、ミネラルオイル、界面活性剤からなる群より選択された少なくとも一種の添加剤をさらに含有することができる。
以下、これらの添加剤について説明する。
(C)滑剤
本実施形態に用いる無機発泡剤マスターバッチは、バインダーとして用いるポリオレフィン系樹脂、ポリオレフィン樹脂系ワックスとは別に、滑剤を含有してもよい。
滑剤の融点、融点がない場合には軟化点は、140℃超であってよい。
滑剤の例としては前述のプラスチック材料用途に使用される滑剤が挙げられる。
滑剤の具体例としては、脂肪酸アルカリ金属塩、脂肪酸ワックス、脂肪酸エステルワックス等が挙げられ、特にモンタン酸エステルワックスが好ましい。また、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、低分子量のポリエチレン、低分子量のポリプロピレンも滑剤として用いることができる。低分子量のポリエチレン、低分子量のポリプロピレンとは、重量平均分子量が50,000未満のものをいう。
これらは用途に応じて他の樹脂や酸、塩基等で変性されたものでもよい。
上述の滑剤は、一種単独で用いてもよく、二種以上併用してもよい。
前記滑剤の含有量は、無機発泡剤マスターバッチ100質量%に対して、1〜30質量%の範囲であることが好ましく、5〜20質量%の範囲であることがより好ましく、10〜20質量%の範囲であることが特に好ましい。
(D)ミネラルオイル
上記ミネラルオイルとは、石油を精製して得られる油であり、鉱物油、潤滑油、流動パラフィンなどとも呼ばれるナフテン、イソパラフィンなども含む飽和炭化水素系のオイルである。広い粘度範囲のミネラルオイルが使用可能であり、例えば、流動パラフィンの場合、JIS K2283により測定した動粘度が50〜500mm/sであるもの、レッドウッド法(日本油化学協会基準油脂分析試験法2.2.10.4−1996)により測定した粘度が30〜2000(秒)の範囲のものを用いてもよい。
ミネラルオイルの含有量は、無機発泡剤マスターバッチ100質量%に対して、1〜10質量%が好ましく、より好ましくは2〜5質量%である。
(E)界面活性剤
上記界面活性剤の例としては、陰イオン活性剤、陽イオン活性剤、非イオン活性剤、両性表面活性剤が挙げられる。その中でも常温で液状の界面活性剤が好ましい。陰イオン活性剤としては、高級脂肪酸アルカリ塩、アルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、スルホコハク酸エステル塩等が例示できる。陽イオン活性剤としては、具体的に高級アミンハロゲン酸塩、ハロゲン化アルキルピリジニウム、第四アンモニウム塩等が例示できる。非イオン活性剤としては、具体的にポリエチレングリコールアルキルエ−テル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド等が例示できる。両性表面活性剤としては、具体的にアミノ酸等を例示する事ができる。
上述の界面活性剤は、一種単独で用いてもよく、二種以上併用してもよい。
界面活性剤の含有量は、無機発泡剤マスターバッチ100質量%に対して、1〜20質量%が好ましく、より好ましくは2〜10質量%である。
ここで、無機発泡剤マスターバッチの特性について触れる。
無機発泡剤マスターバッチは、熱重量分析装置を用いて30℃から200℃まで20℃/分で昇温した際に測定される重量減少率が、18〜33%であることが肝要である。重量減少率をこの範囲にすることで、加熱により十分な量のガスを発生させ、洗浄剤の洗浄力を高めることができる。
上記重量減少率は、好適には22%以上、さらに好適には25%以上であってもよい。
なお、重量減少率は、後述する実施例に記載する方法により測定することができる。
((無機発泡剤マスターバッチの製造方法))
本実施形態に用いる無機発泡剤マスターバッチは、上述した原料を、連続混練機等の溶融混練装置、ルーダー、連続加圧造粒機等の加工機を用いて成形することにより得ることが出来る。中でも連続加圧造粒機は140℃以下の加工に適している観点で好適である。連続加圧造粒機は精緻に温度制御をする必要がなく、無機発泡剤マスターバッチを簡便に得られる。もちろん、無機発泡剤の分解を防げるよう、上記加工機内を140℃以下に維持しながら無機発泡剤マスターバッチを製造できれば差し支えないので、上述した以外の装置を使用しても差し支えない。
具体的には、無機発泡剤、融点が140℃以下、融点がない場合には軟化点が140℃以下であるバインダー、必要に応じて滑剤、ミネラルオイル、界面活性剤等の原料を一緒に予備混合した後、加工機に投入して成形することにより、無機発泡剤マスターバッチを得る方法が好ましい。
各原料成分を加工する際の温度は140℃以下で実施することが好ましく、120℃以下が特に好ましい。加工する際は温度を管理できるよう温度計を設置し、加工による発熱で140℃を超えるような場合は適度に冷却することが好ましい。反対に加工温度がバインダーの融点まで達しない場合は適度に加温し温度調節することが好ましい。また加工時間はできるだけ短くすることが望ましい。
無機発泡剤マスターバッチの形状は、本発明の効果を阻害しない限り特に限定されないが、例えば、円柱状、フレーク状、パウダー状などの形状が挙げられる。無機発泡剤マスターバッチおよび熱可塑性樹脂粒の形状が円柱状の場合、直径が2〜5mm、長さが3〜5mmの範囲が好ましい。本実施形態において、直径および長さは、ノギス等により測定した値である。
無機発泡剤マスターバッチの含有量は、洗浄剤100質量部に対して、0.1〜20質量部の範囲であることが好ましく、1〜15質量部の範囲であることがより好ましく、2〜10質量部の範囲であることがさらに好ましい。
((熱可塑性樹脂))
本実施形態に用いる熱可塑性樹脂としては、一般の射出成形や押出成形等に用いられる熱可塑性樹脂を広く用いることができ、同時に2種以上の樹脂を使用することもできる。
本実施形態において、熱可塑性樹脂粒は熱可塑性樹脂粒の形態で使用してよい。ここで、熱可塑性樹脂粒とは、熱可塑性樹脂を含有する粒を意味する。
前記熱可塑性樹脂粒は、熱可塑性樹脂を含む原料を押出機等で成形したストランドを切断することにより得ることができる。前記熱可塑性樹脂粒の形状は、本発明の効果を阻害しない限り特に限定されないが、例えば、円柱状、フレーク状、パウダー状などの形状が挙げられる。
前記熱可塑性樹脂粒の形状が円柱状の場合、直径が2〜5mm、長さが3〜5mmの範囲が好ましい。本実施形態において、直径および長さは、ノギス等により測定した値である。
前記熱可塑性樹脂としては、一般の射出成形や押出成形等に用いられるポリオレフィン系熱可塑性樹脂を広く用いることができる。
前記ポリオレフィン系熱可塑性樹脂としては、例えば、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレンとα−オレフィンとの共重合体、プロピレン−エチレン共重合体等の樹脂が挙げられるが、これらの中でも、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、及び直鎖状低密度ポリエチレンが、洗浄性能および易置換性に優れることから好ましい。
なお、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂は、1種を単独で、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記ポリオレフィン系熱可塑性樹脂の重量平均分子量は、特に限定されないが、1,000,000未満であることが好ましく、50,000以上1,000,000未満がより好ましく、200,000〜300,000がさらに好ましい。
なお、本実施形態において、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した値である。
前記ポリオレフィン系熱可塑性樹脂の融点は、120℃以上であることが好ましく、125℃以上であることがより好ましく、130℃以上であることがさらに好ましい。
なお、本実施形態において、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂の融点は、JIS K7121に準拠し、示差走査熱量測定法(DSC)により求めることができる。
前記ポリオレフィン系熱可塑性樹脂がポリエチレン系樹脂である場合、メルトフローレートは、優れた洗浄力、ならびに洗浄後に使用する成形材料への易置換性の観点から、0.01g/10分以上であることが好ましく、洗浄効果の点から、20g/10分以下であることがより好ましく、0.05〜10g/10分であることがさらに好ましい。
ここで、ポリエチレン系熱可塑性樹脂のメルトフローレートは、ISO R1133に準拠して測定されるものを意味し、その測定条件は190℃、2.16kg荷重である。
複数のポリエチレン系熱可塑性樹脂を用いる場合は、上記メルトフロー範囲内のものや、上記メルトフローレート範囲外のものを混合して上記範囲内に調整することが好ましい。
前記ポリオレフィン系熱可塑性樹脂がポリプロピレン系樹脂である場合、メルトフローレートは、優れた洗浄力、ならびに洗浄後に使用する成形材料への易置換性の観点から、0.01g/10分以上であることが好ましく、洗浄効果の点から、20g/10分以下であることがより好ましく、0.05〜10g/10分であることがさらに好ましい。
ここで、ポリプロピレン系熱可塑性樹脂のメルトフローレートは、ISO R1133に準拠して測定されるものを意味し、その測定条件は230℃、2.16kg荷重である。
複数のポリプロピレン系熱可塑性樹脂を用いる場合は、上記メルトフロー範囲内のものや、上記メルトフローレート範囲外のものを混合して上記範囲内に調整することが好ましい。
熱可塑性樹脂粒の含有量は、洗浄剤100質量部に対して、80〜99質量部であることが好ましく、85〜99質量部であることがより好ましく、90〜98質量部であることがさらに好ましい。
(洗浄剤の製造方法)
本実施態様の洗浄剤組成物の製造方法は、特に限定されないが、無機発泡剤マスターバッチおよび熱可塑性樹脂粒の混合の際に、一般に使用されている装置、例えば、タンブラー、リボンブレンダ―、スーパーミキサー等の混合装置を使用することができる。
前記の無機発泡剤マスターバッチはそのまま洗浄剤として使用しても良いし、適当なポリオレフィン系樹脂、すなわち高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、またはポリプロピレンの樹脂粒と適当な割合で混合したものを洗浄剤として使用しても良い。本実施形態の洗浄剤の製造方法において、上記ポリオレフィン系樹脂粒の形状は、本発明の効果を阻害しない限り特に限定されないが、例えば、円柱状、球状、フレーク状、パウダー状などの形状が挙げられる。
ポリオレフィン系樹脂粒の形状が円柱状の場合、直径が2〜5mm、長さが3〜5mmの範囲が好ましい。本実施形態において、直径および長さは、ノギス等により測定した値である。
上記無機発泡剤マスターバッチおよび/または熱可塑性樹脂粒は表面にオイル層を有してもよい。無機発泡剤マスターバッチおよび/または熱可塑性樹脂粒の表面に上述したミネラルオイルや界面活性剤を付着させることでオイル層を形成することが出来る。当該オイル層は無機発泡剤マスターバッチおよび/または熱可塑性樹脂粒の表面全体に形成されている必要はなく、少なくとも一部に形成されていればよいが、洗浄剤組成物の易置換性の観点からは、表面全体に形成されていることが好ましい。取扱を容易にする観点で、上記オイル層に滑剤が付着していることが好ましい。ここで滑剤としては、上述した滑剤を用いることができる。オイル層を有し滑剤を付着させた無機発泡剤マスターバッチおよび/または熱可塑性樹脂粒を含む洗浄剤組成物は、易置換性が高くなる傾向にある。
無機発泡剤マスターバッチと熱可塑性樹脂粒とのどちらか片方がオイル層を有していてもよく、これらの配合量等に応じて適宜選択すればよい。オイル層はタンブラーブレンダー、スーパーミキサー等の樹脂加工用ブレンダーを使用し、無機発泡剤マスターバッチおよび/または熱可塑性樹脂粒と、オイルとを同時に投入してブレンドすることにより形成することができる。滑剤を付着させる場合は、無機発泡剤マスターバッチおよび/または熱可塑性樹脂粒の表面にオイル層を形成した後、タンブラーブレンダー、スーパーミキサー等の樹脂加工用ブレンダーに滑剤を投入してブレンドすることにより付着させることができる。
本実施形態の洗浄剤組成物は、樹脂成形加工機械の洗浄用途に特に適している。中でも、一層優れた効果が得られる観点から、ポリエチレンを含む成形品(特に、高密度ポリエチレンを50質量部以上含む成形品)の加工後の洗浄に好適である。
(樹脂成形加工機の洗浄方法)
本実施形態に係る樹脂成形加工機械の洗浄方法は、上述の洗浄剤組成物を用いる。
また、本実施形態に係る樹脂成形加工機械の洗浄方法は、上述の洗浄剤組成物を樹脂成形加工機械内に滞留させる工程を有してもよい。
上記樹脂成形加工機械の具体例としては、射出成形機、押出成形機などが挙げられる。
本実施形態に係る樹脂成形加工機械の洗浄方法は、洗浄前に成形加工した材料を効率的に排出させることができるだけでなく、洗浄後に樹脂成形加工機械を休止する場合、洗浄剤組成物を樹脂成形加工機械内に充満させた状態で滞留させることにより、万が一洗浄不足で洗浄前に成形加工した材料が樹脂成形加工機械内に残っている場合でも、残った材料の熱劣化を防止できる利点がある。
洗浄力が弱い洗浄剤を使用した場合、前の成形材料が樹脂成形加工機内に残存して次の成形材料に異物となって混入するだけでなく、成形加工機械を休止する時には残存した成形材料が劣化し、再度成形加工機械を立ち上げる時に劣化物となって混入するという問題が生じやすくなる。そのため、この問題を回避する目的で洗浄剤の洗浄力を高める方法として、例えば、基材となる熱可塑性樹脂に、洗浄力を高めるための無機充填剤や界面活性剤、滑剤、架橋重合体、高分子量重合体、発泡剤等の添加物を配合してもよい。
また、易置換性の低い洗浄剤を樹脂成形加工機内の洗浄に使用した場合、次に使用する成形材料による置換に長時間を要し、かつ成形材料のロスが多くなり、生産の効率が低下することがある。上記の無機充填物等の添加剤配合量が過剰な場合は易置換性を低下させるので、洗浄性能と易置換性のバランスを良好にするための配合量とすることが好ましい。
以下、実施例及び比較例により本発明を更に詳細に説明する。実施例あるいは比較例において使用する各成分は、以下のとおりである。本実施形態はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
(1)成分(A):無機発泡剤
無機発泡剤として、炭酸水素ナトリウム(重曹)(旭硝子株式会社製)を用いた。
(2)成分(B):バインダー(ポリオレフィン系樹脂およびポリオレフィン樹脂系ワックス)
・バインダー(B1)(低密度ポリエチレン)としてサンテックM1880E(旭化成株式会社製)を用いた。バインダー(B1)は、メルトフローレートが8g/10分、密度は0.918kg/m、融点(JIS K7121に準拠)は108℃であった。
・バインダー(B2)(高密度ポリエチレン)としてサンテックJ340(旭化成株式会社製)を用いた。バインダー(B2)は、メルトフローレートが7g/10分、密度は0.951kg/m、融点(JIS K7121に準拠)は131℃であった。
・バインダー(B3)としてサンワックス131−P(三洋化成工業株式会社製)を用いた。バインダー(B3)は、軟化点(JIS K2207に準拠)が108℃であった。
(3)成分(C):滑剤(ポリオレフィン樹脂系ワックス)
上記成分(C)以外の滑剤として、LICOCENE PP6502(クラリアントケミカルズ株式会社製)を用いた。当該滑剤は、融点が152℃であった。
(4)成分(D):ミネラルオイル
ミネラルオイルとして、ダイアナプロセスオイルPW−90(出光興産株式会社製)を用いた。動粘度は90mm/sであった。
(5)成分(E):界面活性剤
界面活性剤として、ナイミーンS−204(日油株式会社製)を用いた。
(6)成分(F):熱可塑性樹脂
・熱可塑性樹脂粒(F1)として高密度ポリエチレンのサンテックB161(旭化成株式会社製)を用いた。熱可塑性樹脂(F1)は、メルトフローレート(ISO R1133に準拠)が1.35g/10分であった。融点が139℃であった。
・熱可塑性樹脂粒(F2)として低密度ポリエチレンのサンテックM2106(旭化成株式会社製)を用いた。熱可塑性樹脂(F2)は、メルトフローレート(ISO R1133に準拠)が0.6g/10分であった。融点が111℃であった。
・熱可塑性樹脂粒(F3)としてポリプロピレンのサンアロマーPB270A(サンアロマー株式会社製)を用いた。熱可塑性樹脂(F3)は、メルトフローレート(ISO R1133に準拠)が0.75g/10分であった。融点が160℃であった。
[実施例A1〜A2]
・無機発泡剤マスターバッチA1〜A2の作成
上記成分(A)〜(B)を表1に示す割合(単位は質量%)で、予めスーパーミキサーにて3分間予備混合を行い、混合物を得た。当該混合物を、連続混練機(Farrel社製Compact Processor CP250)に投入し造粒した。造粒機から吐出されたストランドを回転するナイフカッターにて切断しペレットとして、無機発泡剤マスターバッチA1〜A2を得た。当該無機発泡剤マスターバッチは、直径が4.0mm、長さが4.0mmであった。
[実施例A3〜A5]
・無機発泡剤マスターバッチA3〜A5の作成
上記成分(A)〜(E)を表2に示す割合(単位は質量%)で、予めスーパーミキサーにて3分間予備混合を行い、混合物を得た。当該混合物を、連続加圧造粒機(ダルトン社製F−5S)に投入し造粒した。造粒機から吐出されたストランドを回転するナイフカッターにて切断しペレットとして、無機発泡剤マスターバッチA3〜A5を得た。当該無機発泡剤マスターバッチは、直径が2.5mm、長さが3.0mmであった。
上記各例での無機発泡剤マスターバッチを得る押出成形温度は、連続混練機または連続加圧造粒機の本体温度を測定しながら行った。本体温度を表1および表2に示す。
得られた無機発泡剤マスターバッチについて、重量減少率の測定、造粒性の評価を行った。
<重量減少率の測定>
得られた無機発泡剤マスターバッチについて、下記設定条件で重量測定を行い、30℃から200℃まで20℃/分で昇温した際の重量減少率(%)を算出した。
測定装置:TGA−50(株式会社島津製作所製)
サンプル量:約10mg
測定雰囲気:窒素(20mL/分)
測定条件:30℃から20℃/分で550℃まで昇温して得られたTGAチャートを付属のソフトウエアで解析し、50℃のときの重量を100としたときに、200℃のときの重量減少率(%)を算出した。
<造粒性の評価>
得られた無機発泡剤マスターバッチを調製する際に、造粒のし易さ、すなわち無機発泡剤マスターバッチの耐崩壊性について下記基準に従って評価した。
作製した無機発泡剤マスターバッチを100g分取し、目開き1mm、直径200mmのふるい振とう機用ステンレスふるいに入れ、ふるい振とう機(アズワン株式会社製SS−HK50)を用いて、振幅70mm、振動数60回/分で1分間振とうして、ふるいの目を通過する粉末を除去した。
ふるい上に残った無機発泡剤マスターバッチを50g秤量し、試料重量w1を測定した。
これを容量150mLのスクリューキャップ付きステンレス製円筒容器に入れ、万能シェーカー(アズワン株式会社製US−W100)を用いて、振幅40mm、振動数150回/分で10分間振とうした。
振とう後の無機発泡剤マスターバッチを再び清浄な目開き1mm、直径200mmのふるい振とう機用ステンレスふるいに入れ、ふるい振とう機(アズワン株式会社製SS−HK50)を用いて、振幅70mm、振動数60回/分で1分間振とうして、ふるいの目を通過する粉末を除去した。
ふるい上に残った無機発泡剤マスターバッチを秤量し、試料重量w2を測定した。
無機発泡剤マスターバッチの崩壊度を(w1−w2)/w1×100で算出し、崩壊度が3%未満のものを「〇(良好)」、3%以上のものを「×(不良)」とした。
○(良好):造粒時に、安定した形状を保てる粒子となった。
×(不良):造粒時に、安定した形状を保てず、容易に崩壊する粒子となった。
Figure 2021036036
Figure 2021036036
(実施例B1〜B11)
上記各例の無機発泡剤マスターバッチと、熱可塑性樹脂とを所定の比率で混合した後、筒井理化学器械株式会社製V形混合機VM−2(容量2L)に無機発泡剤マスターバッチと熱可塑性樹脂を合わせて1kg投入し、回転数30rpmで1分間回転させて混合して、洗浄剤を得た。条件を表3に示す。
得られた洗浄剤試料について、以下の洗浄性および残留性の評価を行った。当該評価結果を表3に示す。
<洗浄性評価>
青色に着色された低密度ポリエチレン(旭化成株式会社製サンテックM1920)を着色マスターバッチとし、着色マスターバッチ10質量部と高密度ポリエチレン(旭化成株式会社製サンテックB161)90質量部を混合し、射出成形機(東芝機械製IS−60B)に1kg投入して、スクリュー位置を前進限にしてスクリューを回転させて当該樹脂混合物をノズルから排出して射出成形機内に疑似的な汚れを付着させた。
その後、当該射出成形機に実施例で得られた洗浄剤試料を1kg投入し、シリンダー温度220℃の条件でスクリュー回転により洗浄した際に、ノズルから排出されるパージ屑の色調を目視にて観察しながら、洗浄が完了するまでパージ屑を排出し、排出されたパージ屑量(kg)を天秤で測定した。
当該排出されたパージ屑量が少ないほど、洗浄性に優れる。なお、洗浄した際にノズルから排出されるパージ屑を室温まで冷却して固化させたものの色調が、青色から白色に変わった時点を洗浄完了とした。
<易置換性(残留性)評価>
上記の<洗浄性評価>の後、高密度ポリエチレン(旭化成株式会社製サンテックB161)を当該射出成形機に1kg投入し、シリンダー温度220℃の条件でスクリュー回転により置換し、ノズルから排出されるパージ屑の溶融状態での混濁の程度を目視にて観察した。
パージ屑の溶融状態での外観が完全に透明になるまでに排出されたパージ屑量(kg)を天秤で測定した。当該排出されたパージ屑量が少ないほど、易置換性に優れる。
Figure 2021036036
本発明の樹脂成形加工機用洗浄剤組成物は、優れた洗浄性能を発揮するほか、洗浄性能と易置換性とのバランスに優れており、熱可塑性樹脂(特に、ポリエチレンを含む成形材料)の成形加工機械用洗浄剤組成物として有用である。

Claims (7)

  1. 無機発泡剤と、融点が140℃以下、融点がない場合には軟化点が140℃以下のポリオレフィン系樹脂またはポリオレフィン樹脂系ワックスとを含み、熱重量分析装置を用いて30℃から200℃まで20℃/分で昇温した際に測定される重量減少率が18〜33%である、無機発泡剤マスターバッチと、熱可塑性樹脂とを含むことを特徴とする、樹脂成形加工機用洗浄剤。
  2. 前記無機発泡剤マスターバッチにおける前記無機発泡剤の含有量が51〜90質量%である、請求項1に記載の樹脂成形加工機用洗浄剤。
  3. 前記無機発泡剤マスターバッチが、滑剤、ミネラルオイル、界面活性剤からなる群から選ばれる少なくとも1つを含む、請求項1または2に記載の樹脂成形加工機用洗浄剤。
  4. 前記熱可塑性樹脂が、融点が120℃以上のポリオレフィン系熱可塑性樹脂である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の樹脂成形加工機用洗浄剤。
  5. 前記ポリオレフィン系熱可塑性樹脂の重量平均分子量が、50,000超1,000,000未満である、請求項4に記載の樹脂成形加工機用洗浄剤。
  6. 前記無機発泡剤マスターバッチの含有量が、前記洗浄剤全体100質量部に対して、0.1〜20質量部である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の樹脂成形加工機用洗浄剤。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の樹脂成形加工機用洗浄剤を用いることを特徴とする、樹脂成形加工機の洗浄方法。
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