JP2021032244A - 軸流ファン - Google Patents

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Abstract

【課題】2つのインペラを備える軸流ファンで発生する音を抑制する。【解決手段】軸流ファン(10,100)は、周方向に並んだ複数の第1動翼(32,112)を有する第1インペラ(30,110)と、第1インペラ(30,110)と同軸に設けられ、周方向に並んだ複数の第2動翼(42,132)を有する第2インペラ(40,130)とを備える。第1インペラ(30,110)及び前記第2インペラ(40,130)は、双方向に回転可能である。各第1動翼(32,112)の周方向断面形状は、第2動翼(42,132)側に凸状になっている。各第2動翼(42,132)の周方向断面形状は、第1動翼(32,112)側に凸状になっている。【選択図】図3

Description

本開示は、軸流ファンに関するものである。
従来より、双方向に回転可能な2つのインペラを備えた軸流ファンが知られている(例えば、特許文献1)。特許文献1の軸流ファンにおいては、2つのインペラが一方向に回転することで軸方向一方側に向かう空気流れを生成することができる。また、2つのインペラが他方向に回転することで軸方向他方側に向かう空気流れを生成することができる。
特開2007−247501号公報
ところで、前記のように2つのインペラを備える軸流ファンでは、風上側(上流側)のインペラが生成する空気流れが風下側(下流側)のインペラと干渉することで音が発生することがある。そのような音を低減することが望まれる。
本開示の目的は、2つのインペラを備える軸流ファンで発生する音を抑制することにある。
本開示の第1の態様は、周方向に並んだ複数の第1動翼(32,112)を有する第1インペラ(30,110)と、前記第1インペラ(30,110)と同軸に設けられ、周方向に並んだ複数の第2動翼(42,132)を有する第2インペラ(40,130)とを備え、前記第1インペラ(30,110)及び前記第2インペラ(40,130)が双方向に回転可能な軸流ファン(10,100)を対象とする。各前記第1動翼(32,112)の周方向断面形状は、前記第2動翼(42,132)側に凸状になっており、各前記第2動翼(42,132)の周方向断面形状は、前記第1動翼(32,112)側に凸状になっている。
第1の態様では、風上側のインペラ(30,40,110,130)により生成された空気流れが風下側のインペラ(30,40,110,130)に干渉することに起因する音が生じにくい。換言すると、軸流ファン(10,100)で発生する音を抑制することができる。
本開示の第2の態様は、前記第1の態様において、各前記第1動翼(32,112)の周方向断面形状は、一端部の曲率半径(R1)が他端部の曲率半径(R2)よりも大きく、且つ、軸方向において一端部が他端部よりも前記第2動翼(42,132)側に位置しており、各前記第2動翼(42,132)の周方向断面形状は、一端部の曲率半径(R1)が他端部の曲率半径(R2)よりも大きく、且つ、軸方向において一端部が他端部よりも前記第1動翼(32,112)側に位置していることを特徴とする。
第2の態様では、軸流ファン(10,100)で発生する音をより一層抑制することができる。
本開示の第3の態様は、前記第1又は第2の態様において、前記第1動翼(32,112)の数と、前記第2動翼(42,132)の数とは、互いに等しいことを特徴とする。
第3の態様では、両インペラ(30,40,110,130)により一方向の空気流れが生じる場合の軸流ファン(10,100)の性能と、両インペラ(30,40,110,130)により他方向の空気流れが生じる場合の軸流ファン(10,100)の性能とを、互いに実質的に等しくしやすい。
本開示の第4の態様は、前記第1〜第3の態様のいずれか1つにおいて、前記第1動翼(32)の形状と、前記第2動翼(42)の形状とは、互いに同じであり、前記第1動翼(32)の翼弦線(33)と、前記第2動翼(42)の翼弦線(43)とは、任意の周方向断面において互いに平行であることを特徴とする。
第4の態様では、両インペラ(30,40)が一方向に回転する場合の軸流ファン(10)の性能と、両インペラ(30,40)が他方向に回転する場合の軸流ファン(10)の性能とを、互いに実質的に等しくしやすい。
本開示の第5の態様は、前記第1〜第3の態様のいずれか1つにおいて、前記第1動翼(112)の翼弦線(113)と前記第2動翼(132)の翼弦線(133)とは、軸方向に垂直な面に対して互いに異なる向きに傾斜し、前記第1インペラ(110)と前記第2インペラ(130)とは、互いに逆方向に回転することを特徴とする。
第5の態様では、上流側の動翼(112,132)は、凸面側に回転し、下流側の動翼(112,132)は、上流側の動翼(112,132)に対して逆方向に回転する。このため、上流側の動翼(112,132)の後流が下流側の動翼(112,132)に対する予旋回流れとなるので、インペラ(110,130)の回転数を下げることができ、さらなる低騒音化を実現できる。
本開示の第6の態様は、前記第5の態様において、前記第1インペラ(110)と前記第2インペラ(130)とは、互いに鏡面対称な形状を持つことを特徴とする。
第6の態様では、両インペラ(110,130)により一方向の空気流れが生じる場合の軸流ファン(100)の性能と、両インペラ(110,130)により他方向の空気流れが生じる場合の軸流ファン(100)の性能とを、互いに実質的に等しくしやすい。
本開示の第7の態様は、前記第5又は第6の態様において、前記第1インペラ(110)と前記第2インペラ(130)とは、互いに異なる回転数で回転することを特徴とする。
第7の態様では、第1動翼(112)の数と第2動翼(132)の数とが異なる場合や、第1動翼(112)の形状と第2動翼(132)の形状とが異なる場合に、両インペラ(110,130)により一方向の空気流れが生じる場合の軸流ファン(100)の性能と、両インペラ(110,130)により他方向の空気流れが生じる場合の軸流ファン(100)の性能とを互いに実質的に等しくすることができる。
本開示の第8の態様は、前記第7の態様において、前記第1インペラ(110)及び前記第2インペラ(130)のうち上流側に位置するインペラの方が、下流側に位置するインペラよりも小さい回転数で回転することを特徴とする。
第8の態様では、上流側のインペラ(110,130)が生成する空気流れが、下流側のインペラ(110,130)と干渉する度合いを低減できるので、さらなる低騒音化を実現できる。
本開示の第9の態様は、前記第5〜第8の態様のいずれか1つにおいて、前記第1インペラ(110)及び前記第2インペラ(130)のそれぞれに対して、別体のモータ(120,140)が同軸上に設けられることを特徴とする。
第9の態様では、第1インペラ(110)と第2インペラ(130)とを互いに異なる回転数で回転させることが容易になる。
図1は、実施形態1の軸流ファンの構成を示す側面図である。 図2は、実施形態1の軸流ファンにおける第1インペラの平面図又は第2インペラの底面図である。 図3は、図2のIII−III線に沿った動翼の端面図である。 図4は、実施形態2の軸流ファンの構成を示す側面図である。 図5は、実施形態2の軸流ファンにおける第1インペラの平面図である。 図6は、実施形態2の軸流ファンにおける第2インペラの平面図である。 図7は、図5及び図6のVII−VII線に沿った動翼の端面図である。 図8は、実施形態2の軸流ファンにおいて上流側の動翼の後流が下流側の動翼に対する予旋回流れとなる様子を示す図である。 図9は、実施形態2の軸流ファンにおける予旋回流れの効果を示す図である。
(実施形態1)
実施形態1について説明する。本実施形態の軸流ファン(10)は、双方向回転型の軸流ファンであって、回転軸線(O)の軸方向の両側へ空気を吹き出す。軸流ファン(10)は、例えば、吸排気可能な換気装置(図示せず)に設けられる。ただし、軸流ファン(10)の用途は、これに限らない。
以下の説明において、「軸方向」とは、回転軸線(O)の方向のことである。「径方向」とは、軸方向と直交する方向のことである。「周方向」とは、回転軸線(O)周りの方向のことである。「外周側」とは、回転軸線(O)からより遠い側のことである。「内周側」とは、回転軸線(O)により近い側のことである。
図1に示すように、軸流ファン(10)は、ケーシング(20)と、モータ(21)と、第1インペラ(30)と、第2インペラ(40)とを備える。
ケーシング(20)は、回転軸線(O)の軸方向(図1における上下方向)に延びる筒状に形成される。ケーシング(20)の内周壁は、回転軸線(O)を中心とする円筒面状になっている。ケーシング(20)は、モータ(21)、第1インペラ(30)、及び第2インペラ(40)を収容する。
モータ(21)は、第1インペラ(30)及び第2インペラ(40)を回転駆動する。モータ(21)は、周方向に並んで複数設けられた板状の支持ステー(23)を介してケーシング(20)の内周壁に固定される。モータ(21)は、軸方向に延びる駆動軸(22)を有する。駆動軸(22)の一端部(図1における上端部)は、第1インペラ(30)に接続される。駆動軸(22)の他端部(図1における下端部)は、第2インペラ(40)に接続される。
第1インペラ(30)は、回転軸線(O)を中心として回転可能である。図1及び図2に示すように、第1インペラ(30)は、第1動翼ハブ(31)と、複数(この例では、5つ)の第1動翼(32)とを備える。
第1動翼ハブ(31)は、モータ(21)の駆動軸(22)の一端部に接続され、回転軸線(O)を中心として回転駆動される。
複数の第1動翼(32)は、第1動翼ハブ(31)の外周に設けられ、所定の間隔をおいて周方向に配列される。具体的に、複数の第1動翼(32)は、板状に形成され、第1動翼ハブ(31)の外周面から径方向外側へ突出している。換言すると、複数の第1動翼(32)は、第1動翼ハブ(31)から径方向外側へ放射状に延びている。複数の第1動翼(32)の外周面は、回転軸線(O)を包囲する円筒面状(具体的には、回転軸線(O)を中心として軸方向に延びる円筒面状)に形成される。
各第1動翼(32)は、軸方向に空気が搬送されるように、その翼弦線(33)が周方向(第1インペラ(30)の回転方向)に対して傾斜した状態で、径方向外側から見て回転軸線(O)の周方向に対して反時計回りに傾斜している(図1及び図3を参照)。このため、第1インペラ(30)が上方から見て時計回り方向(図3における左方向)に回転すると、第1インペラ(30)の下側から上側へ向けて空気が搬送される。一方、第1インペラ(30)が上方から見て反時計回り方向(図3における右方向)に回転すると、第1インペラ(30)の上側から下側へ向けて空気が搬送される。
第2インペラ(40)は、回転軸線(O)を中心として回転可能である。図1及び図2に示すように、第2インペラ(40)は、第2動翼ハブ(41)と、複数(この例では、5つ)の第2動翼(42)とを備える。
第2動翼ハブ(41)は、モータ(21)の駆動軸(22)の他端部に接続され、回転軸線(O)を中心として回転駆動される。
複数の第2動翼(42)は、第2動翼ハブ(41)の外周に設けられ、所定の間隔をおいて周方向に配列される。具体的に、複数の第2動翼(42)は、板状に形成され、第2動翼ハブ(41)の外周面から径方向外側へ突出している。換言すると、複数の第2動翼(42)は、第2動翼ハブ(41)から径方向外側へ放射状に延びている。複数の第2動翼(42)の外周面は、回転軸線(O)を包囲する円筒面状(具体的には、回転軸線(O)を中心として軸方向に延びる円筒面状)に形成される。
各第2動翼(42)は、軸方向に空気が搬送されるように、その翼弦線(43)が周方向(第2インペラ(40)の回転方向)に対して傾斜した状態で、径方向外側から見て回転軸線(O)の周方向に対して反時計回りに傾斜している(図1及び図3を参照)。このため、第2インペラ(40)が上方から見て時計回り方向(図3における左方向)に回転すると、第2インペラ(40)の下側から上側へ向けて空気が搬送される。一方、第2インペラ(40)が上方から見て反時計回り方向(図3における右方向)に回転すると、第2インペラ(40)の上側から下側へ向けて空気が搬送される。
−各動翼の形状−
図2及び図3を参照して、各第1動翼(32)及び各第2動翼(42)の形状について説明する。
ここで、図2は、第1インペラ(30)の平面図であると同時に、第2インペラ(40)の底面図でもある。換言すると、第1インペラ(30)と第2インペラ(40)とは、互いに形状が同じであり、かつ互いに上下を反転させた状態で軸流ファン(10)に設けられている。
図2に示すように、各第1動翼(32)は、平面視で概ね扇状に形成される。平面視において、周方向に隣り合う第1動翼(32)の間には、所定の隙間が形成される。各第2動翼(42)は、底面視で概ね扇状に形成される。底面視において、周方向に隣り合う第2動翼(42)の間には、所定の隙間が形成される。
図3に示すように、第1動翼(32)の周方向断面形状は、第2動翼(42)側(図3における下側)に凸状の湾曲形状になっている。第1動翼(32)の周方向断面形状は、一端部(図3における左端部)の曲率半径(R1)が、他端部(図3における右端部)の曲率半径(R2)よりも大きい。第1動翼(32)の周方向断面形状は、軸方向において一端部が他端部よりも第2動翼(42)側(図3における下側)に位置している。
図3に示すように、第2動翼(42)の周方向断面形状は、第1動翼(32)側(図3における上側)に凸状の湾曲形状になっている。第2動翼(42)の周方向断面形状は、一端部(図3における右端部)の曲率半径(R1)が、他端部(図3における左端部)の曲率半径(R2)よりも大きい。第2動翼(42)の周方向断面形状は、軸方向において一端部が他端部よりも第1動翼(32)側(図3における上側)に位置している。
以上のように、第1動翼(32)の形状と、第2動翼(42)の形状とは、互いに同じである。第1動翼(32)の翼弦線(33)と、第2動翼(42)の翼弦線(43)とは、図3に示す周方向断面を含む任意の周方向断面において、互いに平行である。
−実施形態1の効果−
本実施形態の軸流ファン(10)は、周方向に並んだ複数の第1動翼(32)を有する第1インペラ(30)と、前記第1インペラ(30)と同軸に設けられ、周方向に並んだ複数の第2動翼(42)を有する第2インペラ(40)とを備え、前記第1インペラ(30)及び前記第2インペラ(40)が双方向に回転可能であり、各前記第1動翼(32)の周方向断面形状が、前記第2動翼(42)側に凸状になっており、各前記第2動翼(42)の周方向断面形状が、前記第1動翼(32)側に凸状になっている。このような軸流ファン(10)では、第1インペラ(30)及び第2インペラ(40)が回転する際に、風上側のインペラ(30,40)よりも、風下側のインペラ(30,40)の方が強い空気流れを生成する。換言すると、風上側のインペラ(30,40)が生成する空気流れは、風下側のインペラ(30,40)が生成する空気流れよりも弱い。このため、風上側のインペラ(30,40)により生成された空気流れが風下側のインペラ(30,40)に干渉することに起因する音が生じにくい。換言すると、軸流ファン(10)で発生する音を抑制することができる。
また、本実施形態の軸流ファン(10)は、各前記第1動翼(32)の周方向断面形状が、一端部の曲率半径(R1)が他端部の曲率半径(R2)よりも大きく、かつ軸方向において一端部が他端部よりも前記第2動翼(42)側に位置しており、各前記第2動翼(42)の周方向断面形状が、一端部の曲率半径(R1)が他端部の曲率半径(R2)よりも大きく、かつ軸方向において一端部が他端部よりも前記第1動翼(32)側に位置している。このような構成によると、風下側のインペラ(30,40)は、風上側のインペラ(30,40)が生成した空気流れを、大きい曲率半径(R1)を有する端部(一端部)で受ける。この場合、小さい曲率半径(R2)を有する端部(他端部)で当該空気流れを受ける場合よりも音が発生しにくい。したがって、軸流ファン(10)で発生する音をより一層抑制することができる。
また、本実施形態の軸流ファン(10)は、前記第1動翼(32)の数と、前記第2動翼(42)の数とが、互いに等しい。したがって、両インペラ(30,40)が一方向に回転する場合の軸流ファン(10)の性能と、両インペラ(30,40)が他方向に回転する場合の軸流ファン(10)の性能とを、互いに実質的に等しくしやすい。
また、本実施形態の軸流ファン(10)は、前記第1動翼(32)の形状と、前記第2動翼(42)の形状とが、互いに同じであり、前記第1動翼(32)の翼弦線(33)と、前記第2動翼(42)の翼弦線(43)とが、任意の周方向断面において互いに平行である。したがって、両インペラ(30,40)が一方向に回転する場合の軸流ファン(10)の性能と、両インペラ(30,40)が他方向に回転する場合の軸流ファン(10)の性能とを、互いに実質的に等しくしやすい。
また、本実施形態の軸流ファン(10)は、前記第1動翼(32)の数と、前記第2動翼(42)の数とが、互いに等しく、前記第1動翼(32)の形状と、前記第2動翼(42)の形状とが、互いに同じであり、前記第1動翼(32)の翼弦線(33)と、前記第2動翼(42)の翼弦線(43)とが、任意の周方向断面において互いに平行である。このような構成によると、第1インペラ(30)と第2インペラ(40)とを共通の部品として製造することができる。したがって、軸流ファン(10)の製造コストを抑制することができる。
(実施形態2)
実施形態2について説明する。本実施形態の軸流ファン(100)は、双方向回転型の軸流ファンであって、回転軸線(O)の軸方向の両側へ空気を吹き出す。軸流ファン(100)は、例えば、吸排気可能な換気装置(図示せず)に設けられる。ただし、軸流ファン(100)の用途は、これに限らない。
図4に示すように、軸流ファン(100)は、ケーシング(101)と、第1インペラ(110)と、第1モータ(120)と、第2インペラ(130)と、第2モータ(140)とを備える。
ケーシング(101)は、回転軸線(O)の軸方向に延びる筒状に形成される。ケーシング(101)の内周壁は、回転軸線(O)を中心とする円筒面状になっている。ケーシング(101)は、第1インペラ(110)、第1モータ(120)、第2インペラ(130)及び第2モータ(140)を収容する。
第1インペラ(110)は、回転軸線(O)を中心として回転可能である。図4及び図5に示すように、第1インペラ(110)は、第1動翼ハブ(111)と、複数(この例では、3つ)の第1動翼(112)とを備える。
第1モータ(120)は、第1インペラ(110)を回転駆動する。第1モータ(120)は、軸方向に延びる駆動軸(121)を有する。駆動軸(121)の一端部は、第1インペラ(110)に接続される。具体的には、第1インペラ(110)の第1動翼ハブ(111)が、駆動軸(121)の一端部に接続され、回転軸線(O)を中心として回転駆動される。第1モータ(120)は、周方向に並んで複数設けられた板状の支持ステー(122)を介してケーシング(101)の内周壁に固定される。
第2インペラ(130)は、回転軸線(O)を中心として回転可能である。図4及び図6に示すように、第2インペラ(130)は、第2動翼ハブ(131)と、複数(この例では、3つ)の第2動翼(132)とを備える。
第2モータ(140)は、第2インペラ(130)を回転駆動する。第2モータ(140)は、軸方向に延びる駆動軸(141)を有する。駆動軸(141)の一端部は、第2インペラ(130)に接続される。具体的には、第2インペラ(130)の第2動翼ハブ(131)が、駆動軸(141)の一端部に接続され、回転軸線(O)を中心として回転駆動される。第2モータ(140)は、周方向に並んで複数設けられた板状の支持ステー(142)を介してケーシング(101)の内周壁に固定される。
以上のように、第1インペラ(110)と第2インペラ(130)とは同軸上に設けられる。尚、本実施形態では、第1インペラ(110)と第2インペラ(130)とがモータを挟まずに対面するように第1モータ(120)及び第2モータ(140)を配置したが、これに代えて、第1モータ(120)及び第2モータ(140)の少なくとも一方を挟んで第1インペラ(110)と第2インペラ(130)とを同軸上に配置してもよい。
図5に示すように、第1インペラ(110)において、複数の第1動翼(112)は、第1動翼ハブ(111)の外周に設けられ、所定の間隔をおいて周方向に配列される。具体的には、複数の第1動翼(112)は、板状に形成され、第1動翼ハブ(111)の外周面から径方向外側へ突出している。換言すると、複数の第1動翼(112)は、第1動翼ハブ(111)から径方向外側へ放射状に延びている。複数の第1動翼(112)の外周面は、回転軸線(O)を包囲する円筒面状(具体的には、回転軸線(O)を中心として軸方向に延びる円筒面状)に形成される。
また、図6に示すように、第2インペラ(130)において、複数の第2動翼(132)は、第2動翼ハブ(131)の外周に設けられ、所定の間隔をおいて周方向に配列される。具体的に、複数の第2動翼(132)は、板状に形成され、第2動翼ハブ(131)の外周面から径方向外側へ突出している。換言すると、複数の第2動翼(132)は、第2動翼ハブ(131)から径方向外側へ放射状に延びている。複数の第2動翼(132)の外周面は、回転軸線(O)を包囲する円筒面状(具体的には、回転軸線(O)を中心として軸方向に延びる円筒面状)に形成される。
尚、図7に示すように、第1動翼(112)の翼弦線(113)と第2動翼(132)の翼弦線(133)とは、軸方向に垂直な面に対して互いに異なる向きに傾斜し、第1インペラ(110)と第2インペラ(130)とは、互いに逆方向に回転する。
具体的には、第1インペラ(110)において、各第1動翼(112)は、軸方向に空気が搬送されるように、その翼弦線(113)が周方向(第1インペラ(110)の回転方向、つまり、軸方向に対して垂直な面)に対して傾斜した状態で、径方向外側から見て回転軸線(O)の周方向に対して反時計回りに傾斜している。一方、各第2動翼(132)は、軸方向に空気が搬送されるように、その翼弦線(133)が周方向(第2インペラ(130)の回転方向、つまり、軸方向に対して垂直な面)に対して傾斜した状態で、径方向外側から見て回転軸線(O)の周方向に対して時計回りに傾斜している。
このため、第1インペラ(110)が正面(第2インペラ(130)側)から見て時計回り方向(図7において実線矢印で示す回転方向)に回転すると共に第2インペラ(130)が正面(第1インペラ(110)側)から見て時計回り方向(図7において実線矢印で示す回転方向)に回転すると、図7において実線矢印で示す流れ方向に空気が搬送される。すなわち、この場合、第1インペラ(110)が上流側に位置し、第2インペラ(130)が下流側に位置する。
一方、第1インペラ(110)が正面から見て反時計回り方向(図7において破線矢印で示す回転方向)に回転すると共に第2インペラ(130)が正面から見て反時計回り方向(図7において破線矢印で示す回転方向)に回転すると、図7において破線矢印で示す流れ方向に空気が搬送される。すなわち、この場合、第2インペラ(130)が上流側に位置し、第1インペラ(110)が下流側に位置する。
−各動翼の形状−
図5〜図7を参照して、各第1動翼(112)及び各第2動翼(132)の形状について説明する。
ここで、図5は、第1インペラ(110)を正面(第2インペラ(130)側)から見た平面図であり、図6は、第2インペラ(130)を正面(第1インペラ(110)側)から見た平面図である。換言すると、第1インペラ(30)と第2インペラ(40)とは、互いに鏡面対称な形状を持つ。
図5に示すように、各第1動翼(112)は、平面視で概ね扇状に形成される。平面視において、周方向に隣り合う第1動翼(112)の間には、所定の隙間が形成される。また、図6に示すように、各第2動翼(132)は、平面視で概ね扇状に形成される。平面視において、周方向に隣り合う第2動翼(132)の間には、所定の隙間が形成される。
図7に示すように、第1動翼(112)の周方向断面形状は、第2動翼(132)側に凸状の湾曲形状になっている。第1動翼(112)の周方向断面形状は、一端部(第2動翼(132)側の端部)の曲率半径(R1)が、他端部(第2動翼(132)の反対側の端部)の曲率半径(R2)よりも大きい。また、図7に示すように、第2動翼(132)の周方向断面形状は、第1動翼(112)側に凸状の湾曲形状になっている。第2動翼(112)の周方向断面形状は、一端部(第1動翼(112)側の端部)の曲率半径(R1)が、他端部(第1動翼(112)の反対側の端部)の曲率半径(R2)よりも大きい。
−実施形態2の効果−
以上に説明したように、本実施形態の軸流ファン(100)によると、周方向に並んだ複数の第1動翼(112)を有する第1インペラ(110)と、第1インペラ(110)と同軸に設けられ且つ周方向に並んだ複数の第2動翼(132)を有する第2インペラ(130)とを備え、第1インペラ(110)及び第2インペラ(130)が双方向に回転可能であり、各第1動翼(112)の周方向断面形状が、第2動翼(132)側に凸状になっており、各第2動翼(132)の周方向断面形状が、第1動翼(112)側に凸状になっている。このような軸流ファン(100)では、第1インペラ(110)及び第2インペラ(130)が回転する際に、風上側(上流側)のインペラ(110,130)よりも、風下側(下流側)のインペラ(110,130)の方が強い空気流れを生成する。換言すると、風上側のインペラ(110,130)が生成する空気流れは、風下側のインペラ(110,130)が生成する空気流れよりも弱い。このため、風上側のインペラ(110,130)により生成された空気流れが風下側のインペラ(110,130)に干渉することに起因する音が生じにくい。換言すると、軸流ファン(100)で発生する音を抑制することができる。
また、本実施形態の軸流ファン(100)において、各第1動翼(112)の周方向断面形状については、一端部の曲率半径(R1)が他端部の曲率半径(R2)よりも大きく且つ軸方向において一端部が他端部よりも第2動翼(132)側に位置している。また、各第2動翼(132)の周方向断面形状については、一端部の曲率半径(R1)が他端部の曲率半径(R2)よりも大きく且つ軸方向において一端部が他端部よりも第1動翼(112)側に位置している。このような構成によると、風下側のインペラ(110,130)は、風上側のインペラ(110,130)が生成した空気流れを、大きい曲率半径(R1)を有する端部(一端部)で受ける。この場合、小さい曲率半径(R2)を有する端部(他端部)で当該空気流れを受ける場合よりも音が発生しにくい。したがって、軸流ファン(100)で発生する音をより一層抑制することができる。
また、本実施形態の軸流ファン(100)において、第1動翼(112)の数と、第2動翼(132)の数とが、互いに等しい。従って、両インペラ(110,130)により一方向の空気流れが生じる場合の軸流ファン(100)の性能と、両インペラ(110,130)により他方向の空気流れが生じる場合の軸流ファン(100)の性能とを、互いに実質的に等しくしやすい。
また、本実施形態の軸流ファン(100)において、第1動翼(112)の翼弦線(113)と第2動翼(132)の翼弦線(133)とは、軸方向に垂直な面に対して互いに異なる向きに傾斜し、第1インペラ(110)と第2インペラ(130)とは、互いに逆方向に回転する。このようにすると、上流側の動翼(112,132)は、凸面側に回転し、下流側の動翼(112,132)は、上流側の動翼(112,132)に対して逆方向に回転する。このため、上流側の動翼(112,132)で一定の昇圧効果を得られると共に、例えば、図8に示すように、上流側の動翼(112,132)の後流は、下流側の動翼(112,132)に対する予旋回流れとなる。従って、下流側の動翼(112,132)に流入する空気流れの相対速度が大きくなる結果、大きな昇圧効果が得られるので、インペラ(110,130)の回転数を下げることが可能となり、さらなる低騒音化を実現できる。尚、図8では、第1動翼(112)が上流側に位置する場合を例示しているが、第2動翼(132)が上流側に位置する場合も、同様である。
図9は、本実施形態の軸流ファン(100)における予旋回流れの効果を示す図である。図9に示すように、第1インペラ(110)のみを駆動した場合に得られる静圧(図9の「3」)と、第2インペラ(130)のみを駆動した場合に得られる静圧(図9の「2」)とを合計した静圧(図9の「2+3」)よりも、本実施形態の軸流ファン(100)により得られる静圧(図9の「1」)の方が、予旋回流れの効果によって大きくなっている。
また、本実施形態の軸流ファン(100)において、第1インペラ(110)と第2インペラ(130)とは、互いに鏡面対称な形状を持つ。これにより、両インペラ(110,130)により一方向の空気流れが生じる場合の軸流ファン(100)の性能と、両インペラ(110,130)により他方向の空気流れが生じる場合の軸流ファン(100)の性能とを、互いに実質的に等しくしやすい。
尚、本実施形態の軸流ファン(100)において、第1インペラ(110)と第2インペラ(130)とは、互いに異なる回転数で回転してもよい。このようにすると、第1動翼(112)の数と第2動翼(132)の数とが異なる場合や、第1動翼(112)の形状と第2動翼(132)の形状とが異なる場合に、両インペラ(110,130)により一方向の空気流れが生じる場合の軸流ファン(100)の性能と、両インペラ(110,130)により他方向の空気流れが生じる場合の軸流ファン(100)の性能とを互いに実質的に等しくすることができる。
第1インペラ(110)と第2インペラ(130)とを互いに異なる回転数で回転させる場合、第1インペラ(110)及び第2インペラ(130)のうち上流側に位置するインペラの方が、下流側に位置するインペラよりも小さい回転数で回転してもよい。このようにすると、上流側のインペラが生成する空気流れが、下流側のインペラと干渉する度合いを低減できるので、さらなる低騒音化を実現できる。ここで、第1インペラ(110)と第2インペラ(130)とが互いに鏡面対称な形状を持つ場合、上流側に位置するインペラの回転数と、下流側に位置するインペラの回転数との比を、1:1.2程度から1:1.3程度に設定してもよい。
下表は、本実施形態で両インペラ(110,130)を同じ回転数で回転させた場合を「実施例1」、本実施形態で上流側に位置するインペラ(110,130)を下流側に位置するインペラ(110,130)よりも小さい回転数で回転させた場合を「実施例2」、実施例1で各第1動翼(112)の周方向断面形状を第2動翼(132)側に凹状にし且つ各第2動翼(132)の周方向断面形状を第1動翼(112)側に凹状して両インペラ(110,130)を同じ方向に回転させた場合を「比較例」として、各例の軸流ファンにおいて同じ風量−静圧を得るために必要なインペラ回転数と、その際に生じる送風音(騒音)とを示す。
Figure 2021032244
表1に示すように、実施例1、2のいずれの場合も、比較例よりもインペラ回転数も送風音も小さくできている。また、両インペラを同じ回転数で回転させた実施例1と比べて、上流側に位置するインペラを下流側に位置するインペラよりも小さい回転数で回転させた実施例2の方が、送風音を低く抑制できている。一方、比較例では、上流側に位置するインペラの動翼後縁の乱れた後流が、下流側に位置するインペラの動翼の後縁側に衝突するために、送風音が大きくなっている。
また、本実施形態の軸流ファン(100)において、第1インペラ(110)及び第2インペラ(130)のそれぞれに対して、別体のモータ(120,140)が同軸上に設けられる。これにより、第1インペラ(110)と第2インペラ(130)とを互いに異なる回転数で回転させることが容易になる。
《その他の実施形態》
前記各実施形態については、以下のような構成としてもよい。
例えば、各動翼(32,42,112,132)の周方向断面形状は、一端部の曲率半径(R1)と他端部の曲率半径(R2)とが互いに実質的に等しくてもよい。さらに、各動翼(32,42,112,132)の周方向断面形状は、一端部の曲率半径(R1)が他端部の曲率半径(R2)よりも小さくてもよい。
また、例えば、各第1動翼(32,112)の数と各第2動翼(42,132)の数とが、互いに異なってもよい。
また、前記実施形態1において、例えば、第1動翼(32)の形状と第2動翼(42)の形状とが、互いに異なってもよい。
また、前記実施形態2において、例えば、第1インペラ(110)と第2インペラ(130)とは、互いに鏡面対称な形状でなくてもよい。
また、前記実施形態2において、例えば、第1インペラ(110)及び第2インペラ(130)を同一のモータで回転させてもよい。この場合、例えば、遊星ギアを用いて、第1インペラ(110)と第2インペラ(130)とを互いに異なる回転数で回転させてもよい。
以上、実施形態及び変形例を説明したが、特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。また、以上の実施形態及び変形例は、本開示の対象の機能を損なわない限り、適宜組み合わせたり、置換したりしてもよい。
以上説明したように、本開示は、軸流ファンについて有用である。
10,100 軸流ファン
21,120,140 モータ
30,110 第1インペラ
32,112 第1動翼
33,113 翼弦線
40,130 第2インペラ
42,132 第2動翼
43,133 翼弦線
R1,R2 曲率半径

Claims (9)

  1. 周方向に並んだ複数の第1動翼(32,112)を有する第1インペラ(30,110)と、
    前記第1インペラ(30,110)と同軸に設けられ、周方向に並んだ複数の第2動翼(42,132)を有する第2インペラ(40,130)とを備え、
    前記第1インペラ(30,110)及び前記第2インペラ(40,130)が双方向に回転可能な軸流ファン(10,100)であって、
    各前記第1動翼(32,112)の周方向断面形状は、前記第2動翼(42,132)側に凸状になっており、
    各前記第2動翼(42,132)の周方向断面形状は、前記第1動翼(32,112)側に凸状になっている
    ことを特徴とする軸流ファン。
  2. 請求項1において、
    各前記第1動翼(32,112)の周方向断面形状は、一端部の曲率半径(R1)が他端部の曲率半径(R2)よりも大きく、且つ、軸方向において一端部が他端部よりも前記第2動翼(42,132)側に位置しており、
    各前記第2動翼(42,132)の周方向断面形状は、一端部の曲率半径(R1)が他端部の曲率半径(R2)よりも大きく、且つ、軸方向において一端部が他端部よりも前記第1動翼(32,112)側に位置している
    ことを特徴とする軸流ファン。
  3. 請求項1又は2において、
    前記第1動翼(32,112)の数と、前記第2動翼(42,132)の数とは、互いに等しい
    ことを特徴とする軸流ファン。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項において、
    前記第1動翼(32)の形状と、前記第2動翼(42)の形状とは、互いに同じであり、
    前記第1動翼(32)の翼弦線(33)と、前記第2動翼(42)の翼弦線(43)とは、任意の周方向断面において互いに平行である
    ことを特徴とする軸流ファン。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項において、
    前記第1動翼(112)の翼弦線(113)と前記第2動翼(132)の翼弦線(133)とは、軸方向に垂直な面に対して互いに異なる向きに傾斜し、
    前記第1インペラ(110)と前記第2インペラ(130)とは、互いに逆方向に回転する
    ことを特徴とする軸流ファン。
  6. 請求項5において、
    前記第1インペラ(110)と前記第2インペラ(130)とは、互いに鏡面対称な形状を持つ
    ことを特徴とする軸流ファン。
  7. 請求項5又は6において、
    前記第1インペラ(110)と前記第2インペラ(130)とは、互いに異なる回転数で回転する
    ことを特徴とする軸流ファン。
  8. 請求項7において、
    前記第1インペラ(110)及び前記第2インペラ(130)のうち上流側に位置するインペラの方が、下流側に位置するインペラよりも小さい回転数で回転する
    ことを特徴とする軸流ファン。
  9. 請求項5〜8のいずれか1項において、
    前記第1インペラ(110)及び前記第2インペラ(130)のそれぞれに対して、別体のモータ(120,140)が同軸上に設けられる
    ことを特徴とする軸流ファン。
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