JP2021031637A - 二液硬化型接着剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐久性に優れた接着性能を保持する技術を提供する。【解決手段】ポリオール剤Aとポリイソシアネート剤Bとを備える二液硬化型接着剤であって、ポリオール剤Aは、数平均分子量が500以上1500以下であるヒマシ油とヒマシ油系ポリオールとの少なくとも一方であるヒマシ油類A1と、アルコキシル化芳香族ジオールA2と、互いに異なる第1級炭素に結合した2つの水酸基を有し数平均分子量が60以上150以下のジオールA3と、を含み、ヒマシ油類A1と、アルコキシル化芳香族ジオールA2と、ジオールA3との合計質量に対するヒマシ油類A1の質量の割合が、40質量%以上80質量%以下であり、ポリイソシアネート剤Bは、ポリイソシアネートB1と、イソシアネート基を有するポリウレタンポリマーB2と、を含み、ポリイソシアネートB1及びポリウレタンポリマーB2内のイソシアネート基の含有割合は10質量%以上20質量%以下である。【選択図】なし

Description

本発明は、二液硬化型接着剤に関する。
従来から、ポリオールとポリイソシアネートとを基本構成とする二液硬化型接着剤が知られている(例えば、特許文献1,2)。このような二液硬化型接着剤は、混合後急速に硬化するという利点を有する。
特許文献1には、高い強度と同時に高い伸展性を有することにより、高い接着性能を示す二液硬化型接着剤について記載されている。また、特許文献2には、高い強度と同時に高い伸展性を有することにより高い接着性能を示すとともに、高い耐加水分解性を有する二液硬化型接着剤について記載されている。
特表2008−530294号公報 特表2015−535862号公報
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載の二液硬化型接着剤を硬化させた後、高温環境下や高湿度環境下において長時間暴露したところ、いずれの二液硬化型接着剤においても接着性能が落ちるという課題があることを、発明者らは見出した。このため、高温環境下や高湿度環境下に長時間暴露しても優れた接着性能を保持する二液硬化型接着剤の開発が望まれている。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することができる。
(1)本発明の一形態によれば、二液硬化型接着剤が提供される。この二液硬化型接着剤は、ポリオール剤Aと、ポリイソシアネート剤Bとを備える二液硬化型接着剤であって、
前記ポリオール剤Aは、
数平均分子量が500以上1500以下である、ヒマシ油とヒマシ油系ポリオールとの少なくとも一方であるヒマシ油類A1と、
アルコキシル化芳香族ジオールA2と、
互いに異なる第1級炭素に結合した2つの水酸基を有し、数平均分子量が60以上150以下のジオールA3と、を含み、
前記ヒマシ油類A1と、前記アルコキシル化芳香族ジオールA2と、前記ジオールA3との合計質量に対する前記ヒマシ油類A1の質量の割合A1/(A1+A2+A3)が、40質量%以上80質量%以下であり、
前記ポリイソシアネート剤Bは、
ポリイソシアネートB1と、
イソシアネート基を有するポリウレタンポリマーB2と、を含み、
前記ポリイソシアネートB1及び前記ポリウレタンポリマーB2内のイソシアネート基の含有割合は10質量%以上20質量%以下であることを特徴とする。
この形態の二液硬化型接着剤によれば、高温環境下や高湿度環境下に長時間暴露しても優れた接着性能を保持することができる。
(2)上記形態の二液硬化型接着剤において、前記ポリイソシアネートB1は、25℃で液体である、ジフェニルメタンジイソシアネート又はジフェニルメタンジイソシアネートの誘導体を含んでもよい。
この形態の二液硬化型接着剤によれば、接着強さ、引張強さ、及び伸び率を総合的に向上させるとともに、高温環境下や高湿度環境下に長時間暴露しても優れた接着性能を保持することができる。
(3)上記形態の二液硬化型接着剤において、前記ポリウレタンポリマーB2は、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートに由来する、ウレタン基及び遊離イソシアネート基を有してもよい。
この形態の二液硬化型接着剤によれば、接着強さ、引張強さ、及び伸び率を総合的に向上させるとともに、高温環境下や高湿度環境下に長時間暴露しても優れた接着性能を保持することができる。
(4)上記形態の二液硬化型接着剤において、前記アルコキシル化芳香族ジオールA2の数平均分子量が300以上800以下であってもよい。
この形態の二液硬化型接着剤によれば、接着強さ及び引張強さを特に向上させることができる。
(5)上記形態の二液硬化型接着剤において、前記ジオールA3が、1,3−プロパンジオールと、1,4−ブタンジオールと、1,5−ペンタンジオールと、3-メチル-1,5-ペンタンジオールと、1,6−ヘキサンジオールと、からなる群から選択される1種以上を含んでもよい。
この形態の二液硬化型接着剤によれば、接着強さ、引張強さ、及び伸び率を総合的に向上させるとともに、高温環境下や高湿度環境下に長時間暴露しても優れた接着性能を保持することができる。
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、二液硬化型接着剤用のポリオール剤等の態様で実現することができる。
<二液硬化型接着剤>
本発明の実施形態である二液硬化型接着剤は、ポリオール剤(以下、「ポリオール剤A」とも呼ぶ)と、ポリイソシアネート剤(以下、「ポリイソシアネート剤B」とも呼ぶ)と、を備える。本実施形態の二液硬化型接着剤は、ポリオール剤Aと、ポリイソシアネート剤Bとが混合されることにより硬化するため、接着剤としての機能を発揮することができる。
本実施形態におけるポリオール剤Aは、(i)数平均分子量が500以上1500以下である、ヒマシ油とヒマシ油系ポリオールとの少なくとも一方であるヒマシ油類A1と、(ii)アルコキシル化芳香族ジオールA2と、(iii)互いに異なる第1級炭素に結合した2つの水酸基を有し、数平均分子量が60以上150以下のジオールA3と、を含む。
本実施形態における二液硬化型接着剤は、ヒマシ油類A1と、アルコキシル化芳香族ジオールA2と、ジオールA3との合計質量に対する前記ヒマシ油類A1の質量の割合A1/(A1+A2+A3)が、40質量%以上80質量%以下である。また、本実施形態におけるポリイソシアネート剤Bは、(i)ポリイソシアネートB1と、(ii)イソシアネート基を有するポリウレタンポリマーB2と、を含み、ポリイソシアネートB1及びポリウレタンポリマーB2内のイソシアネート基の含有割合は10質量%以上20質量%以下である。
本実施形態の二液硬化型接着剤によれば、高温環境下や高湿度環境下に長時間暴露しても接着性能を保持することができる。本明細書において、「接着性能」とは、接着強さ及び引張強さが大きく、かつ伸び率が大きいことを示す。このメカニズムは定かではない。しかし、推定メカニズムとしては、耐熱性は高いが耐加水分解性が低いヒマシ油類A1と、耐熱性は低いが耐加水分解性が高いアルコキシル化芳香族ジオールA2及びジオールA3との含有割合を調製することにより、上述の効果を奏すると考えられる。つまり、耐熱性が高いことによって高温環境下に長時間暴露しても接着性能を保持できるとともに、耐加水分解性が高いことによって高湿度環境下に長時間暴露しても接着性能を保持できると考えられる。
<ポリオール剤A>
ヒマシ油類A1と、アルコキシル化芳香族ジオールA2と、ジオールA3との合計質量に対するヒマシ油類A1の質量の割合A1/(A1+A2+A3)は、上述のように40質量%以上80質量%以下である。割合A1/(A1+A2+A3)は、二液硬化型接着剤の接着強さ、引張強さ、および伸び率を向上させ、かつ耐久性を両立させる観点から、45質量%以上75質量%以下であることがより好ましく、50質量%以上70質量%以下であることがさらに好ましく、55質量%以上65質量%以下であることが特に好ましい。
(1−1)ヒマシ油類A1
本実施形態におけるヒマシ油類A1の数平均分子量は、上述のように500以上1500以下であり、二液硬化型接着剤の接着強さ、引張強さ、および伸び率を向上させ、かつ耐久性を両立させる観点から、550以上1200以下がより好ましく、600以上1000以下がさらに好ましい。ここで、ヒマシ油類を2種以上併用する場合、数平均分子量とは、使用量で加重平均をした計算値をいう。本明細書において、数平均分子量の測定は、示唆屈折率検出器として島津製作所社製RID−6Aを使用し、テトラヒドロフランを溶剤としたGPC測定にて測定することができる。
本明細書において、「ヒマシ油ポリオール」とは、ヒマシ油を変性したものであって、末端が水酸基のポリオールを示す。ヒマシ油ポリオールとしては、特に限定されないが、例えば、ヒマシ油のアルキレンオキシド付加物、ヒマシ油のエポキシ化物、ヒマシ油のハロゲン化物、ヒマシ油と多価アルコールとのエステル交換物等が挙げられる。ヒマシ油と多価アルコールとのエステル交換物に用いる多価アルコールとしては、特に限定されないが、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、グリセリン、ジグリセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリテトラメチレングリコールポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリカーボネートポリオール、アクリルポリオール等が挙げられる。本実施形態のヒマシ油類A1として、上述の化合物を単独で用いてもよく、2種類以上併用してもよい。
ヒマシ油ポリオールの具体例としては、例えば、伊藤製油社製のURIC H-30、URIC H-31、URIC H-52、URIC H-57、URIC H-62、URIC H-73X、URIC H-81、URIC H-102、URIC H-420、URIC H-854、URIC H-870、URIC H-1824、POLYCASTOR #10、POLYCASTOR #30、URIC Y-403、URIC Y-406、URIC AC-005、URIC AC-006、URIC AC-009、URIC H-368、URIC PH-319、URIC PH-5001、URIC HF-2009や、豊国製油社製のTLM、LM-R、ELA-DR、HS CM、HS 2G-120、HS 2G-160R、HS 2G-270B、HS KA-001、HS CM-025P、HS CM-075P、HS 3G-500B等が挙げられる。
本実施形態のヒマシ油類A1の水酸基価(OHV)は、特に限定されないが、50mgKOH/g以上300mgKOH/g以下が好ましく、70mgKOH/g以上200mgKOH/g以下がより好ましく、100mgKOH/g以上180mgKOH/g以下がさらに好ましい。本明細書において、水酸基価とは、試料1gをアセチル化するとき、水酸基と結合した酢酸を中和するのに要する水酸化カリウムのミリグラム(mg)数であり、JIS K 0070‐1992に準じて測定されるものである。
(1−2)アルコキシル化芳香族ジオールA2
本実施形態のアルコキシル化芳香族ジオールA2は、特に限定されないが、例えば、キシリレングリコール、ハイドロキノン、4,4’−ビフェノール、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、ビスフェノールS、ビスフェノールA、または4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン等のアルキレンオキサイド付加物が挙げられる。アルキレンオキサイドとしては、特に限定されないが、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、α−オレフィンオキサイド等が挙げられる。
本実施形態のアルコキシル化芳香族ジオールA2の数平均分子量は、特に限定されないが、二液硬化型接着剤の接着強さ、引張強さ、および伸び率を向上させ、かつ耐久性を両立させる観点から、300以上800以下が好ましく、300以上700以下がより好ましく、350以上600以下がさらに好ましい。
アルコキシル化芳香族ジオールA2としては、二液硬化型接着剤の接着強さ、引張強さに優れるという観点から、1分子中に2つ以上のベンゼン環を有するものが好ましく、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物がより好ましく、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物又はビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物がさらに好ましい。本実施形態のアルコキシル化芳香族ジオールA2として、上述の化合物を単独で用いてもよく、2種類以上併用してもよい。
本実施形態のアルコキシル化芳香族ジオールA2の水酸基価(OHV)は、特に限定されないが、100mgKOH/g以上500mgKOH/g以下が好ましく、200mgKOH/g以上400mgKOH/g以下がより好ましく、250mgKOH/g以上350mgKOH/g以下がさらに好ましい。
(1−3)ジオールA3
本実施形態のジオールA3は、アルコキシル化芳香族ジオールA2とは異なるジオールである。本実施形態のジオールA3は、互いに異なる第1級炭素に結合した2つの水酸基を有し、数平均分子量が60以上150以下のジオールである。
ジオールA3は、特に限定されないが、二液硬化型接着剤の接着強さ、引張強さ、および伸び率を向上させ、かつ耐久性を両立させる観点から、例えば、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等が好ましい。本実施形態のジオールA3として、上述の化合物を単独で用いてもよく、2種類以上併用してもよい。
本実施形態のジオールA3の水酸基価(OHV)は、特に限定されないが、300mgKOH/g以上1500mgKOH/g以下が好ましく、500mgKOH/g以上1300mgKOH/g以下がより好ましく、800mgKOH/g以上1000mgKOH/g以下がさらに好ましい。
(1−4)その他の添加剤
本実施形態のポリオール剤Aは、上述のヒマシ油類A1、アルコキシル化芳香族ジオールA2、ジオールA3以外の添加材を含んでいてもよい。添加剤としては、特に限定されないが、例えば、充填剤、溶剤、可塑剤、消泡剤等が挙げられる。
充填材としては、特に限定されないが、例えば、炭酸カルシウムなどの無機炭酸塩、タルク、マイカおよびクレーなどの無機鉱物、シリカなどの非金属酸化物、酸化カルシウム、酸化マグネシウムおよび酸化アルミニウムなどの金属酸化物、水酸化カルシウムおよび水酸化マグネシウムなどの金属水酸化物、ゼオライトなどが挙げられる。充填剤を配合することにより、作業時の粘度を調製することができる。充填材の配合量は、二液硬化型接着剤100質量部に対して10〜80質量部であることが好ましく、20〜60質量部であることがより好ましい。充填材が10質量部以上であることにより、硬度が向上し、表面がより平滑となる。また、充填材が80質量部以下であることにより、取扱いがより容易となる。充填剤として、上述の化合物を単独で用いてもよく、2種類以上併用してもよい。
可塑剤としては、例えば、ジイソノニルフタレート(DINP)、ジオクチルフタレート(DOP)、ブチルベンジルフタレート(BBP)などのフタル酸エステル類、脂肪族二塩基酸エステル類、リン酸エステル類、トリメリット酸エステル類、セバシン酸エステル類、エポキシ脂肪酸エステル類、グリコールエステル類、動植物油系脂肪酸エステル類、石油・鉱物油系可塑剤、アルキレンオキシド重合系可塑剤などが挙げられる。可塑剤の配合量は、二液硬化型接着剤100質量部に対して0.1〜20質量部であることが好ましく、0.1〜10質量部であることがより好ましい。上記範囲内とすることにより、ポリウレタン樹脂の硬化物の物性がより優れたものとなる。可塑剤として、上述の化合物を単独で用いてもよく、2種類以上併用してもよい。
溶剤としては、特に限定されないが、例えば、トルエン、キシレン、スチレン等の芳香族炭化水素類およびこれらの塩素化物、脂環族炭化水素系溶剤等が挙げられる。溶剤として、脂環族炭化水素系溶剤や、1‐メトキシプロピル‐2‐アセテート(PGMAC)等の有機溶剤中毒予防規則非該当物質を用いることにより、施工時の環境安全面での点で好ましい。溶剤として、上述の化合物を単独で用いてもよく、2種類以上併用してもよい。
消泡剤としては、特に限定されないが、例えば、ジメチルシロキサン系消泡剤、ポリアクリレート系消泡剤等が挙げられる。消泡剤として、上述の化合物を単独で用いてもよく、2種類以上併用してもよい。
また、ポリオール剤Aは、硬化した接着剤の引張強さを高める観点から、吸水材を含んでもよい。吸水材としては、特に限定されないが、例えば、多孔質粉体、吸水性アルミナ、酸化カルシウム等が挙げられる。吸水材として、上述の化合物を単独で用いてもよく、2種類以上併用してもよい。多孔質粉体としては、無機の多孔質粉体が好ましく、ゼオライトがより好ましい。
吸水材の配合量は、特に限定されないが、ポリオール剤Aを100質量部に対して、0.5質量部以上10質量部以下用いられることが好ましく、0.5質量部以上5質量部以下用いられることがより好ましい。
ポリオール剤Aとしては、さらに、例えば、モノオール、ポリアミン化合物等のポリイソシアネート剤Bと反応して硬化する他の化合物が含まれてもよい。
<ポリイソシアネート剤B>
本実施形態のポリイソシアネート剤Bは、ポリイソシアネートB1と、イソシアネート基を有するポリウレタンポリマーB2とを含む。本実施形態において、ポリイソシアネートB1及びポリウレタンポリマーB2内のイソシアネート基の含有割合は、10質量%以上20質量%以下である。二液硬化型接着剤の接着強さ、引張強さ、および伸び率を向上させ、かつ耐久性を両立させる観点から、ポリイソシアネートB1及びポリウレタンポリマーB2内のイソシアネート基の含有割合は、11質量%以上19質量%以下であることが好ましく、12質量%以上18質量%以下であることがより好ましく、13質量%以上18質量%以下であることがさらに好ましい。ここで、「ポリイソシアネートB1及びポリウレタンポリマーB2内のイソシアネート基の含有割合」は、ポリイソシアネート剤BがポリイソシアネートB1及びポリウレタンポリマーB2のみから構成されていると仮定した場合におけるポリイソシアネート剤Bのイソシアネート基の含有割合と換言できる。
本明細書において、イソシアネート基の含有割合は、JIS K1603−1:2007に準じて測定した値を示す。具体的には、ポリイソシアネート剤Bを約0.5g採取した後、過剰のジブチルアミンのトルエン溶液を加えて反応させることにより、相当する尿素を生成させる。その後、室温まで冷却した後、共溶媒としてアセトンを添加する。その後、塩酸標準溶液を用いて指示薬滴定法によって逆滴定を行い、終点を求める。
(2−1)ポリイソシアネートB1
本実施形態のポリイソシアネートB1は、特に限定されないが、例えば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジベンジルジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネート;テトラメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート、3−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネートなどの脂肪族ポリイソシアネート;これらの芳香族又は脂肪族ポリイソシアネートのビウレット体、または、これらの芳香族又は脂肪族ポリイソシアネートのビウレット体、または、これらの芳香族又は脂肪族ポリイソシアネートのイソシアネートの誘導体(変性体)、これらの芳香族又は脂肪族ポリイソシアネートをトリメチロールプロパン変性したアダクト体などが挙げられる。ポリイソシアネートB1として、上述の化合物を単独で用いてもよく、2種類以上併用してもよい。
本実施形態のポリイソシアネートB1としては、二液硬化型接着剤の接着強さ、引張強さ、および伸び率を向上させ、かつ耐久性を両立させる観点から、25℃で液体である、ジフェニルメタンジイソシアネート又はジフェニルメタンジイソシアネートの誘導体が好ましい。
(2−2)ポリウレタンポリマーB2
本実施形態のポリウレタンポリマーB2は、イソシアネート基を有する。つまり、ポリウレタンポリマーB2は、ウレタン基とイソシアネート基を有する。ポリウレタンポリマーB2としては、例えば、ポリイソシアネートとポリオールとを反応させることにより得ることができる。ポリウレタンポリマーB2は、例えば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートと、ポリオールとを、活性水素基の数に対してイソシアネート基の数が過剰になるような比率で反応させた構造を含んでもよい。なお、活性水素基とは、イソシアネート基と反応する官能基であり、水酸基、アミノ基を含む。ポリウレタンポリマーB2は、高温条件における耐久性及び高湿度条件における耐久性に優れる観点から、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートに由来する、ウレタン基及び遊離イソシアネート基を有することが好ましい。
上述のポリオールとしては、特に限定されないが、例えば、多価アルコール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオレフィンポリオール、ポリアクリルポリオール、ポリアセタールポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリシロキサンポリオール、フッ素ポリオール等が挙げられる。
上述の多価アルコールとしては、特に限定されないが、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ブタンジオール、プロピレングリール、ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ビスフェノールA、ビスフェノールB、ビスフェノールS、水素添加ビスフェノールA、ジブロムビスフェノールA、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジヒドロキシエチルテレフタレート、ハイドロキノンジヒドロキシエチルエーテル、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
上述のポリエーテルポリオールとしては、特に限定されないが、例えば、上述の多価アルコールのオキシアルキレン誘導体、ポリテトラメチレングリコール、ポリチオエーテルポリオールなどが挙げられる。より具体的には、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンビスフェノールA、ポリオキシプロピレンビスフェノールA、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンビスフェノールA、ポリオキシエチレングリセリルエーテル、ポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシエチレントリメチロールプロパン、ポリオキシプロピレントリメチロールプロパン、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレントリメチロールプロパン等が挙げられる。
上述のポリエステルポリオールとしては、特に限定されないが、例えば、多価アルコールおよびポリエーテルポリオール等の水酸基含有化合物と、多価カルボン酸、多価カルボン酸無水物および多価カルボン酸エステル等のカルボン酸誘導体とのエステル化物が挙げられる。より具体的には、エチレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、メチルペンタンオール、ネオペンチルグリコ−ルおよび1,4−シクロへキサンジメタノールから選択される少なくとも1種のジオールと、アジピン酸、セバシン酸、イソフタル酸およびテレフタル酸から選択される少なくとも1種のジカルボン酸とのエステル化物等が挙げられる。また、ポリエステルポリオールとしては、ヒマシ油、ヒマシ油ポリオール、ポリカプロラクトンポリオールなどを用いてもよい。
上述のポリカーボネートポリオールとしては、特に限定されないが、例えば、ジメチルカーボネートなどのカーボネート誘導体と上述の多価アルコールからなるものが挙げられる。より具体的には、ジメチルカーボネートと、エチレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオールおよび1,4−シクロヘキサンジオールから選択される少なくとも1種とを構成成分とするポリカーボネートポリオールが挙げられる。
上述のポリオレフィンポリオールとしては、特に限定されないが、例えば、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオールやこれらの水素添加物等が挙げられる。
(3)その他の添加剤
本実施形態の二液硬化型接着剤は、ポリオール剤Aとポリイソシアネート剤B以外の添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、特に限定されないが、例えば、可塑剤、顔料、消泡剤等が挙げられる。
また、ポリオール剤A及びポリイソシアネート剤Bの少なくとも一方には、ポリオール剤Aとポリイソシアネート剤Bとの反応を促進させるための触媒が含まれていてもよい。
触媒としては、特に限定されないが、例えば、金属触媒やアミン系触媒が挙げられる。金属触媒としては、特に限定されないが、例えば、ジブチルチンジラウレート、ジオクチルチンジラウレート、ジブチルチンジオクテートなどの錫触媒、オクチル酸鉛、オクテン酸鉛、ナフテン酸鉛などの鉛触媒、オクチル酸ビスマス、ネオデカン酸ビスマスなどのビスマス触媒などを挙げることができる。ただし、環境や人体への安全性の点で錫触媒は使用しないことが好ましい。アミン系触媒としては、特に限定されないが、例えば、トリエチレンジアミンなどの3級アミン化合物などが挙げられる。触媒の配合量は、特に限定されないが、二液硬化型接着剤100質量部に対して0.001〜3.0質量部であることが好ましく、0.002〜2.0質量部であることがより好ましい。上記範囲内とすることにより、耐久性がより優れたものとなる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例及び比較例において、「部」又は「%」とあるのは、特に指定しない限り質量基準とする。
後述する表1及び表2は、ポリオール剤Aおよびポリイソシアネート剤Bの各々を調製するために配合する原料の種類およびその量と、ポリオール剤Aおよびポリイソシアネート剤Bに関する各種の割合等と、評価結果とを示す。
後述する表1及び表2に記載の割合は、(i)ヒマシ油類A1と、アルコキシル化芳香族ジオールA2と、ジオールA3との合計量に対するヒマシ油類A1の質量の割合(質量%)(A1/(A1+A2+A3))と、(ii)ポリイソシアネート剤Bに含まれるポリイソシアネートB1およびポリウレタンポリマーB2内のNCO含有割合(質量%)を示す。
以下に、後述する表1及び表2に記載の各原料についての詳細を示す。
(ポリオール剤Aの原料)
[分子量が500以上1500以下のヒマシ油またはヒマシ油系ポリオール(A1)]
・(A1−1)
ヒマシ油(分子量941、水酸基価161)(伊藤製油社製 ヒマシ油−D)
・(A1−2)
ヒマシ油系ポリオール(分子量935、水酸基価120)(豊国製油社製 HS−2G−120)
・(A1−3)
ヒマシ油系ポリオール(分子量697、水酸基価161)(豊国製油社製 HS−2G−160R)
[A1の比較用材料(AC)]
・(A−4)
ヒマシ油系ポリオール(分子量1700、水酸基価66)(伊藤製油社製 URIC H−1824)
[アルコキシル化芳香族ジオール(A2)]
・(A2−1)
アルコキシル化芳香族ジオール(分子量360、水酸基価310)(ADEKA社製 アデカポリエーテルBPX−11)
・(A2−2)
アルコキシル化芳香族ジオール(分子量532、水酸基価211)(三洋化成社製 ニューポールBP−5P)
・(A2−3)
アルコキシル化芳香族ジオール(分子量779、水酸基価144)(ADEKA社製 アデカポリエーテルBPX−55)
[1級OHを2つ有する分子量60以上150以下のジオール(A3)]
・(A3−1)
3-メチル−1,5−ペンタンジオール(分子量118、水酸基価951)(クラレ社製 3-メチル−1,5−ペンタンジオール)
・(A3−2)
1,4−ブタンジオール(分子量90、水酸基価1247)(三菱ケミカル社製 1,4−ブタンジオール)
[無機充填剤]
・(C−1)
炭酸カルシウム(日東粉化工業社製 炭酸カルシウムNS1000)
[触媒]
・(C−2)
ジオクチルスズジラウレート(日東化成社製 ネオスタンU−810)
(ポリイソシアネート剤Bの原料)
[ポリイソシアネート(B1)]
・(B1―1)
カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)(BASF INOAC ポリウレタン社製 ルプラネート(登録商標)MM−103)
[ポリウレタンポリマー(B2)]
・(B2―1)
カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)(BASF INOAC ポリウレタン社製 ルプラネート(登録商標)MM−103)とポリプロピレングリコール(分子量1500、水酸基価112)(旭硝子社製 エクセノール903)との反応物
・(B2―2)
カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)(BASF INOAC ポリウレタン社製 ルプラネート(登録商標)MM−103)とヒマシ油(分子量941、水酸基価161)(伊藤製油社製 ヒマシ油−D)との反応物
(ポリオール剤Aおよびポリイソシアネート剤Bの調製)
後述する表1及び表2に示す配合量(質量部)に従い、実施例1から実施例9および比較例1から比較例7のポリオール剤Aおよびポリイソシアネート剤Bを調製した。
ポリオール剤Aについては、撹拌機、温度計及び窒素吹き込み管を備えた3つ口フラスコ内に、後述する表1及び表2に示す原料を添加後、23℃にて1時間撹拌混合することで調製した。
ポリイソシアネート剤Bについては、撹拌機、還流冷却管、温度計及び窒素吹き込み管を備えた4つ口フラスコ内で、カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)(BASF INOAC ポリウレタン社製 ルプラネート(登録商標)MM−103)と、ポリプロピレングリコール(分子量1500、水酸基価112)(旭硝子社製 エクセノール903)又はヒマシ油(分子量941、水酸基価161)(伊藤製油社製 ヒマシ油−D)とを90℃で2時間反応させることにより、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(B2)を得た。
(評価)
以下、評価方法について説明する。評価結果についても表1に示す。
(1)硬度(SHORE−D)
25℃に調製したポリオール剤Aおよびポリイソシアネート剤Bを1分間混合し、混合後2分経過時に、混合物を膜厚6mmとなるようにガラス面に塗布した。これを、23℃で7日間静置して硬化させた後、ガラス面から剥離することによって樹脂のシートを得た。得られたシートから3cm×3cmの試験片を切り出し、JIS K7215:1986に準じ、タイプDデュロにて硬度(SHORE−D)を測定した。
(2)引張強さ(N/mm)および破断時の伸び率(%)
25℃に調製したポリオール剤Aおよびポリイソシアネート剤Bを1分間混合し、混合後2分経過時に、混合物を膜厚2mmとなるようにガラス面に塗布した。これを、23℃で7日間静置して硬化させた後、ガラス面から剥離することによって樹脂のシートを得た。得られたシートから、5mm×4cmの試験片を切り出し、JIS A6021−2011:2011に準じ、インストロンジャパン社製のデジタル万能試験機(Instron 5581)にて引張強さ(N/mm)および破断時の伸び率(%)を測定した。試験速度は20mm/分で実施した。
(3)接着強さ(MPa)
25℃に調製したポリオール剤Aおよびポリイソシアネート剤Bを1分間混合し、混合後2分経過時に混合物を、縦25mm×横100mm×厚さ1.6mmの炭素繊維複合材板(CFRP板)を用いて、JIS K 6850:1999に準拠した接着試験片を作製した。その後、2枚のCFRP板表面に接着剤を塗布し、CFRP板同士の重なり領域が縦25mm、横12.5mmとなるよう接着し、これを23℃で7日間静置して硬化させることにより、接着試験片を作製した。この際、接着剤の厚みは1mmに調製した。そして、得られた接着試験片をインストロンジャパン社製のデジタル万能試験機(Instron 5581)にて重ね合わせせん断強さ(MPa)を測定した。試験速度は5mm/分で実施した。
(4)破壊状態
上記(3)接着強さの測定後に、接着試験片の外観を目視にて観察し、破壊が生じた部位を確認し、以下のように評価した。
〇:接着剤による接着面の全てにおいて、界面剥離が認められない場合
×:上記以外の場合
(5)高温環境での耐久性
上記(3)接着強さの条件にならって作製した試験片について、100℃にて960時間保管した後に、接着強さの測定および破壊状態の確認を行った。
(6)高湿度環境での耐久性
上記(3)接着強さの条件にならって作製した試験片について、温度50℃湿度95%にて2200時間保管した後に、接着強さの測定および破壊状態の確認を行った。
Figure 2021031637
Figure 2021031637
表1及び表2の結果から以下のことが分かった。つまり、比較例1から比較例7に比べて、実施例1から実施例10は、引張強さ、および接着強さが総合的に向上していることが分かった。また、比較例1から比較例7に比べて、実施例1から実施例10は、高温環境での耐久性及び高湿度環境での耐久性についても向上していることが分かった。
さらに、実施例1から実施例10は、ヒマシ油類A1と、アルコキシル化芳香族ジオールA2と、ジオールA3との合計質量に対するヒマシ油類A1の質量の割合A1/(A1+A2+A3)が40質量%以上80質量%以下であるため、割合A1/(A1+A2+A3)がそれ以外である比較例6から比較例7に比べて、高温環境及び高湿度環境での破壊状態に優れることが分かった。
<不可能・非実際的事情>
本実施形態の二液硬化型接着剤の構成要素であるポリオール剤Aは、数平均分子量が500以上1500以下である、ヒマシ油とヒマシ油系ポリオールとの少なくとも一方であるヒマシ油類A1と、アルコキシル化芳香族ジオールA2と、互いに異なる第1級炭素に結合した2つの水酸基を有し、数平均分子量が60以上150以下のジオールA3と、を含み、ヒマシ油類A1と、アルコキシル化芳香族ジオールA2と、ジオールA3との合計質量に対するヒマシ油類A1の質量の割合A1/(A1+A2+A3)が、40質量%以上80質量%以下であり、その構造は複雑であるため、一般式で表すことは困難である。さらに、構造が特定されなければ、それに応じて定まるその物質の特性も容易にはできない。また、異なる複数のモノマーを反応させるにあたり、それらの配合比、反応条件が異なれば、得られる反応生成物の特性も大きく異なる。すなわち、本実施形態のポリオール剤Aを、その構造又は特性により直接特定することは不可能である。
同様に、本実施形態の二液硬化型接着剤の構成要素であるポリイソシアネート剤Bは、ポリイソシアネートB1と、イソシアネート基を有するポリウレタンポリマーB2と、を含み、ポリイソシアネートB1及びポリウレタンポリマーB2内のイソシアネート基の含有割合は10質量%以上20質量%以下であり、その構造は複雑であるため、一般式で表すことは困難である。さらに、構造が特定されなければ、それに応じて定まるその物質の特性も容易にはできない。また、異なる複数のモノマーを反応させるにあたり、それらの配合比、反応条件が異なれば、得られる反応生成物の特性も大きく異なる。すなわち、本実施形態のポリイソシアネート剤Bを、その構造又は特性により直接特定することは不可能である。
本発明は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例中の技術的特徴は、上述の課題の一部または全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部または全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。

Claims (5)

  1. ポリオール剤Aと、ポリイソシアネート剤Bとを備える二液硬化型接着剤であって、
    前記ポリオール剤Aは、
    数平均分子量が500以上1500以下である、ヒマシ油とヒマシ油系ポリオールとの少なくとも一方であるヒマシ油類A1と、
    アルコキシル化芳香族ジオールA2と、
    互いに異なる第1級炭素に結合した2つの水酸基を有し、数平均分子量が60以上150以下のジオールA3と、を含み、
    前記ヒマシ油類A1と、前記アルコキシル化芳香族ジオールA2と、前記ジオールA3との合計質量に対する前記ヒマシ油類A1の質量の割合A1/(A1+A2+A3)が、40質量%以上80質量%以下であり、
    前記ポリイソシアネート剤Bは、
    ポリイソシアネートB1と、
    イソシアネート基を有するポリウレタンポリマーB2と、を含み、
    前記ポリイソシアネートB1及び前記ポリウレタンポリマーB2内のイソシアネート基の含有割合は10質量%以上20質量%以下であることを特徴とする、二液硬化型接着剤。
  2. 請求項1に記載の二液硬化型接着剤であって、
    前記ポリイソシアネートB1は、
    25℃で液体である、ジフェニルメタンジイソシアネート又はジフェニルメタンジイソシアネートの誘導体を含むことを特徴とする、二液硬化型接着剤。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の二液硬化型接着剤であって、
    前記ポリウレタンポリマーB2は、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートに由来する、ウレタン基及び遊離イソシアネート基を有することを特徴とする、二液硬化型接着剤。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の二液硬化型接着剤であって、
    前記アルコキシル化芳香族ジオールA2の数平均分子量が300以上800以下であることを特徴とする、二液硬化型接着剤。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の二液硬化型接着剤であって、
    前記ジオールA3が、1,3−プロパンジオールと、1,4−ブタンジオールと、1,5−ペンタンジオールと、3-メチル-1,5-ペンタンジオールと、1,6−ヘキサンジオールと、からなる群から選択される1種以上を含むことを特徴とする、二液硬化型接着剤。
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