JP2021026392A - 車両制御装置、車両制御方法、及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】対向車両の動向を考慮した上で、路上に停止した車両を適切に回避することができる車両制御装置、車両制御方法、及びプログラムを提供すること。【解決手段】実施形態の車両制御装置は、自車両の周辺環境を認識する認識部と、前記認識部の認識結果に基づいて、前記自車両の速度または操舵のうち少なくとも一方を制御する運転制御部と、を備え、前記運転制御部は、前記自車両が存在する道路の少なくとも一方の路肩に停止した複数の第1車両と、前記自車両の進行方向と対向する方向を進行方向とした第2車両とが前記認識部によって認識された場合、前記複数の第1車両の間に存在するスペースに前記自車両を停止させ、前記スペースに停止させた前記自車両の側方を前記第2車両が通過した後に、前記スペースから前記自車両を移動させる。【選択図】図1
Description
本発明は、車両制御装置、車両制御方法、及びプログラムに関する。
近年、車両の運転を自動的に制御することについて研究が進められている。これに関連して、路上に停止した車両を回避して走行する技術が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
しかしながら、従来の技術では、路上に停止された車両を回避する際に、自車両の前方から近づいてくる対向車両の動向まで考慮されてなかった。
本発明の一態様は、このような事情を考慮してなされたものであり、対向車両の動向を考慮した上で、路上に停止した車両を適切に回避することができる車両制御装置、車両制御方法、及びプログラムを提供することを目的の一つとする。
この発明に係る車両制御装置、車両制御方法、及びプログラムは、以下の構成を採用した。
本発明の一態様(1)は、自車両の周辺環境を認識する認識部と、前記認識部の認識結果に基づいて、前記自車両の速度または操舵のうち少なくとも一方を制御する運転制御部と、を備え、前記運転制御部は、前記自車両が存在する道路の少なくとも一方の路肩に停止した複数の第1車両と、前記自車両の進行方向と対向する方向を進行方向とした第2車両とが前記認識部によって認識された場合、前記複数の第1車両の間に存在するスペースに前記自車両を停止させ、前記スペースに停止させた前記自車両の側方を前記第2車両が通過した後に、前記スペースから前記自車両を移動させる車両制御装置である。
(2)の態様は、上記(1)の態様の車両制御装置において、前記運転制御部は、前記複数の第1車両の間に存在する一つ以上のスペースのうち、少なくとも前記自車両の全長よりも大きいスペースに前記第1車両を停止させるものである。
(3)の態様は、上記(2)の態様の車両制御装置において、前記運転制御部は、前記複数の第1車両の間に、少なくとも前記自車両の全長よりも大きいスペースが存在しない場合、前記複数の第1車両のうち、最も前記自車両に近い第1車両の後方に前記自車両を停止させ、前記第1車両の後方に停止させた前記自車両の側方を前記第2車両が通過した後に、前記第1車両の後方の位置から前記自車両を移動させるものである。
(4)の態様は、上記(3)の態様の車両制御装置において、前記運転制御部は、前記複数の第1車両の間に、少なくとも前記自車両の全長よりも大きいスペースが存在しない場合、前記複数の第1車両を一つの物体とし、前記物体の後方に前記自車両を停止させるものである。
(5)の態様は、上記(1)から(4)のうちいずれか一つの態様の車両制御装置において、前記運転制御部は、前記自車両を前記スペースに停止させる際に、前記スペースに停止するために前記自車両が進行していることを前記第2車両に対して通知するものである。
(6)の態様は、上記(5)の態様の車両制御装置において、前記運転制御部は、前記自車両を前記スペースに停止させる際に、前記自車両を加速させることで、前記スペースに停止するために前記自車両が進行していることを前記第2車両に対して通知するものである。
(7)の態様は、上記(5)または(6)の態様の車両制御装置において、前記運転制御部は、前記自車両を前記スペースに停止させる際に、前記自車両の方向指示器を作動させることで、前記スペースに停止するために前記自車両が進行していることを前記第2車両に対して通知するものである。
(8)の態様は、上記(1)から(7)のうちいずれか一つの態様の車両制御装置において、他車両と通信する通信部と、前記通信部を制御する通信制御部と、を更に備え、前記運転制御部は、前記自車両の全長と前記第2車両の全長とに応じて、前記自車両と前記第2車両とのうち、前記スペースに優先的に停止させる車両を決定し、前記通信制御部は、前記運転制御部によって前記スペースに前記第2車両を停止させることが決定された場合、前記スペースに停止するように前記通信部を介して前記第2車両に指示するものである。
(9)の態様は、上記(1)から(8)のうちいずれか一つの態様の車両制御装置において、表示灯を更に備え、前記運転制御部は、前記スペースに前記自車両を停止させた後、前記表示灯を点灯するものである。
(10)の態様は、上記(1)から(9)のうちいずれか一つの態様の車両制御装置において、前記運転制御部は、前記認識部によって前記複数の第1車両が認識された場合、前記自車両を前記道路の中央側に移動させるものである。
(11)の態様は、上記(1)から(10)のうちいずれか一つの態様の車両制御装置において、前記運転制御部は、前記複数の第1車両の中に、前記路肩から発進する第3車両が存在することが前記認識部によって認識された場合、前記第3車両が前記路肩から発進することで形成されるスペースに前記自車両を停止させるものである。
(12)の態様は、上記(1)から(11)のうちいずれか一つの態様の車両制御装置において、前記運転制御部は、国または地域で定められた法律に基づき前記道路の左側または右側に寄って前記自車両を走行させ、前記複数の第1車両が、前記自車両が寄った第1側と同じ方向の路肩に停止している場合、前記複数の第1車両が、前記自車両が寄った第1側と反対の第2側の路肩に停止している場合に比べて、前記複数の第1車両の間に存在するスペースに前記自車両を停止させやすくするものである。
本発明の他の態様(13)は、自車両に搭載されたコンピュータが、前記自車両の周辺環境を認識し、前記認識した結果に基づいて、前記自車両の速度または操舵のうち少なくとも一方を制御し、前記自車両が存在する道路の少なくとも一方の路肩に停止した複数の第1車両と、前記自車両の進行方向と対向する方向を進行方向とした第2車両とを認識した場合、前記複数の第1車両の間に存在するスペースに前記自車両を停止させ、前記スペースに停止させた前記自車両の側方を前記第2車両が通過した後に、前記スペースから前記自車両を移動させる車両制御方法である。
本発明の他の態様(14)は、自車両に搭載されたコンピュータに、前記自車両の周辺環境を認識する処理と、前記認識した結果に基づいて、前記自車両の速度または操舵のうち少なくとも一方を制御する処理と、前記自車両が存在する道路の少なくとも一方の路肩に停止した複数の第1車両と、前記自車両の進行方向と対向する方向を進行方向とした第2車両とを認識した場合、前記複数の第1車両の間に存在するスペースに前記自車両を停止させる処理と、前記スペースに停止させた前記自車両の側方を前記第2車両が通過した後に、前記スペースから前記自車両を移動させる処理と、を実行させるためのプログラムである。
上記(1)〜(14)のいずれかの態様によれば、対向車両の動向を考慮した上で、路上に停止した車両を適切に回避することができる。
以下、図面を参照し、本発明の車両制御装置、車両制御方法、及びプログラムの実施形態について説明する。実施形態の車両制御装置は、例えば、自動運転車両に適用される。自動運転とは、例えば、車両の操舵または加減速のうち、一方または双方を制御して運転制御を実行することである。上述した運転制御には、例えば、ACC(Adaptive Cruise Control System)やTJP(Traffic Jam Pilot)、ALC(Auto Lane Changing)、CMBS(Collision Mitigation Brake System)、LKAS(Lane Keeping Assistance System)等の運転制御が含まれる。また、自動運転車両は、乗員(運転者)の手動運転による運転制御が実行されてよい。以下では、水平方向のある一方向をXとし、他方の方向をYとし、X−Yの水平方向に対して直交する鉛直方向をZとして説明する。また、以下では、左側通行の法規が適用される場合について説明するが、右側通行の法規が適用される場合、左右を逆に読み替えればよい。
<第1実施形態>
[全体構成]
図1は、第1実施形態に係る車両制御装置を利用した車両システム1の構成図である。車両システム1が搭載される車両(以下、自車両Mと称する)は、例えば、二輪や三輪、四輪等の車両であり、その駆動源は、ディーゼルエンジンやガソリンエンジン等の内燃機関、電動機、或いはこれらの組み合わせである。電動機は、内燃機関に連結された発電機による発電電力、或いは二次電池や燃料電池の放電電力を使用して動作する。
[全体構成]
図1は、第1実施形態に係る車両制御装置を利用した車両システム1の構成図である。車両システム1が搭載される車両(以下、自車両Mと称する)は、例えば、二輪や三輪、四輪等の車両であり、その駆動源は、ディーゼルエンジンやガソリンエンジン等の内燃機関、電動機、或いはこれらの組み合わせである。電動機は、内燃機関に連結された発電機による発電電力、或いは二次電池や燃料電池の放電電力を使用して動作する。
車両システム1は、例えば、カメラ10と、レーダ装置12と、ファインダ14と、物体認識装置16と、通信装置20と、HMI(Human Machine Interface)30と、車両センサ40と、ナビゲーション装置50と、MPU(Map Positioning Unit)60と、運転操作子80と、自動運転制御装置100と、走行駆動力出力装置200と、ブレーキ装置210と、ステアリング装置220とを備える。これらの装置や機器は、CAN(Controller Area Network)通信線等の多重通信線やシリアル通信線、無線通信網等によって互いに接続される。なお、図1に示す構成はあくまで一例であり、構成の一部が省略されてもよいし、更に別の構成が追加されてもよい。自動運転制御装置100は、「車両制御装置」の一例である。
カメラ10は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の固体撮像素子を利用したデジタルカメラである。カメラ10は、自車両Mの任意の箇所に取り付けられる。例えば、自車両Mの前方を撮像する場合、カメラ10は、フロントウインドシールド上部やルームミラー裏面等に取り付けられる。また、自車両Mの後方を撮像する場合、カメラ10は、リアウィンドシールド上部等に取り付けられる。また、自車両Mの右側方または左側方を撮像する場合、カメラ10は、車体やドアミラーの右側面または左側面等に取り付けられる。カメラ10は、例えば、周期的に繰り返し自車両Mの周辺を撮像する。カメラ10は、ステレオカメラであってもよい。
レーダ装置12は、自車両Mの周辺にミリ波等の電波を放射すると共に、物体によって反射された電波(反射波)を検出して少なくとも物体の位置(距離および方位)を検出する。レーダ装置12は、自車両Mの任意の箇所に取り付けられる。レーダ装置12は、FM−CW(Frequency Modulated Continuous Wave)方式によって物体の位置および速度を検出してもよい。
ファインダ14は、LIDAR(Light Detection and Ranging)である。ファインダ14は、自車両Mの周辺に光を照射し、散乱光を測定する。ファインダ14は、発光から受光までの時間に基づいて、対象までの距離を検出する。照射される光は、例えば、パルス状のレーザ光である。ファインダ14は、自車両Mの任意の箇所に取り付けられる。
物体認識装置16は、カメラ10、レーダ装置12、およびファインダ14のうち一部または全部による検出結果に対してセンサフュージョン処理を行って、物体の位置、種類、速度等を認識する。物体認識装置16は、認識結果を自動運転制御装置100に出力する。また、物体認識装置16は、カメラ10、レーダ装置12、およびファインダ14の検出結果をそのまま自動運転制御装置100に出力してよい。この場合、車両システム1から物体認識装置16が省略されてもよい。
通信装置20は、例えば、セルラー網やWi−Fi網、Bluetooth(登録商標)、DSRC(Dedicated Short Range Communication)等を利用して、自車両Mの周辺に存在する他車両と通信し、或いは無線基地局を介して各種サーバ装置と通信する。通信装置20は「通信部」の一例である。
HMI30は、自車両Mの乗員(運転者を含む)に対して各種情報を提示すると共に、乗員による入力操作を受け付ける。HMI30は、例えば、各種表示装置、スピーカ、ブザー、タッチパネル、マイクロフォン、スイッチ、キー等を含む。例えば、乗員は、HMI30に対して、自車両Mの目的地を入力する。
車両センサ40は、自車両Mの速度を検出する車速センサ、加速度を検出する加速度センサ、鉛直軸回りの角速度を検出するヨーレートセンサ、自車両Mの向きを検出する方位センサ等を含む。
ナビゲーション装置50は、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機51と、ナビHMI52と、経路決定部53とを備える。ナビゲーション装置50は、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等の記憶装置に第1地図情報54を保持している。
GNSS受信機51は、GNSS衛星から受信した信号に基づいて、自車両Mの位置を特定する。自車両Mの位置は、車両センサ40の出力を利用したINS(Inertial Navigation System)によって特定または補完されてもよい。
ナビHMI52は、表示装置、スピーカ、タッチパネル、キー等を含む。ナビHMI52は、前述したHMI30と一部または全部が共通化されてもよい。例えば、乗員は、HMI30に対して、自車両Mの目的地を入力することに代えて、或いは加えて、ナビHMI52に対して、自車両Mの目的地を入力してもよい。
経路決定部53は、例えば、GNSS受信機51により特定された自車両Mの位置(或いは入力された任意の位置)から、HM30やナビHMI52を用いて乗員が入力した目的地までの経路(以下、地図上経路)を、第1地図情報54を参照して決定する。
第1地図情報54は、例えば、道路を示すリンクと、リンクによって接続されたノードとによって道路形状が表現された情報である。第1地図情報54は、道路の曲率やPOI(Point Of Interest)情報等を含んでもよい。地図上経路は、MPU60に出力される。
ナビゲーション装置50は、地図上経路に基づいて、ナビHMI52を用いた経路案内を行ってもよい。ナビゲーション装置50は、例えば、乗員の保有するスマートフォンやタブレット端末等の端末装置の機能によって実現されてもよい。ナビゲーション装置50は、通信装置20を介してナビゲーションサーバに現在位置と目的地を送信し、ナビゲーションサーバから地図上経路と同等の経路を取得してもよい。
MPU60は、例えば、推奨車線決定部61を含み、HDDやフラッシュメモリ等の記憶装置に第2地図情報62を保持している。推奨車線決定部61は、ナビゲーション装置50から提供された地図上経路を複数のブロックに分割し(例えば、車両進行方向に関して100[m]毎に分割し)、第2地図情報62を参照してブロックごとに推奨車線を決定する。推奨車線決定部61は、左から何番目の車線を走行するといった決定を行う。推奨車線決定部61は、地図上経路に分岐箇所が存在する場合、自車両Mが、分岐先に進行するための合理的な経路を走行できるように、推奨車線を決定する。
第2地図情報62は、第1地図情報54よりも高精度な地図情報である。第2地図情報62は、例えば、車線の中央の情報あるいは車線の境界の情報等を含んでいる。また、第2地図情報62には、道路情報、交通規制情報、住所情報(住所・郵便番号)、施設情報、電話番号情報等が含まれてよい。第2地図情報62は、通信装置20が他装置と通信することにより、随時、アップデートされてよい。
運転操作子80は、例えば、アクセルペダル、ブレーキペダル、シフトレバー、ステアリングホイール、異形ステア、ジョイスティックその他の操作子を含む。また、運転操作子80は、方向指示器80Aを含んでもよい。運転操作子80には、操作量あるいは操作の有無を検出するセンサが取り付けられており、その検出結果は、自動運転制御装置100、もしくは、走行駆動力出力装置200、ブレーキ装置210、およびステアリング装置220のうち一部または全部に出力される。
自動運転制御装置100は、例えば、第1制御部120と、第2制御部160と、第3制御部170と、記憶部180とを備える。第1制御部120、第2制御部160、および第3制御部170の一部または全部は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等のハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。また、これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等のハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予め自動運転制御装置100のHDDやフラッシュメモリ等の記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD−ROM等の着脱可能な記憶媒体に格納されており、記憶媒体(非一過性の記憶媒体)がドライブ装置に装着されることで自動運転制御装置100のHDDやフラッシュメモリにインストールされてもよい。
記憶部180は、上記の各種記憶装置により実現される。また、記憶部180は、例えば、HDD、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory、ROM(Read Only Memory)、またはRAM(Random Access Memory)等により実現される。記憶部180には、例えば、プロセッサによって読み出されて実行されるプログラムなどが格納される。
図2は、第1実施形態に係る第1制御部120、第2制御部160、および第3制御部170の機能構成図である。第1制御部120は、例えば、認識部130と、行動計画生成部140とを備える。
第1制御部120は、例えば、AI(Artificial Intelligence;人工知能)による機能と、予め与えられたモデルによる機能とを並行して実現する。例えば、「交差点を認識する」機能は、ディープラーニング等による交差点の認識と、予め与えられた条件(パターンマッチング可能な信号、道路標示等がある)に基づく認識とが並行して実行され、双方に対してスコア付けして総合的に評価することで実現されてよい。これによって、自動運転の信頼性が担保される。
認識部130は、自車両Mの周辺の環境を認識する。例えば、認識部130は、カメラ10、レーダ装置12、およびファインダ14から物体認識装置16を介して入力された情報に基づいて、自車両Mの周辺に存在する物体を認識する。認識部130により認識される物体は、例えば、自転車、オートバイク、四輪自動車、歩行者、道路標識、道路標示、区画線、電柱、ガードレール、落下物などを含む。また、認識部130は、物体の位置や、速度、加速度等の状態を認識する。物体の位置は、例えば、自車両Mの代表点(重心や駆動軸中心など)を原点とした相対座標上の位置(すなわち自車両Mに対する相対位置)として認識され、制御に使用される。物体の位置は、その物体の重心やコーナー等の代表点で表されてもよいし、表現された領域で表されてもよい。物体の「状態」とは、物体の加速度やジャーク、あるいは「行動状態」(例えば車線変更をしている、またはしようとしているか否か)を含んでもよい。
また、認識部130は、例えば、自車両Mが走行している自車線や、自車線に隣接した隣接車線などを認識する。例えば、認識部130は、第2地図情報62から得られる道路区画線のパターン(例えば実線と破線の配列)と、カメラ10によって撮像された画像から認識される自車両Mの周辺の道路区画線のパターンとを比較することで、自車線や隣接車線などを認識する。
また、認識部130は、道路区画線に限らず、道路区画線や路肩、縁石、中央分離帯、ガードレール等を含む走路境界(道路境界)を認識することで、自車線や隣接車線といった車線を認識してもよい。この認識において、ナビゲーション装置50から取得される自車両Mの位置やINSによる処理結果が加味されてもよい。また、認識部130は、一時停止線、障害物、赤信号、料金所、その他の道路事象を認識する。
認識部130は、自車線を認識する際に、自車線に対する自車両Mの相対位置や姿勢を認識する。認識部130は、例えば、自車両Mの基準点の車線中央からの乖離、および自車両Mの進行方向の車線中央を連ねた線に対してなす角度を、自車線に対する自車両Mの相対位置および姿勢として認識してもよい。これに代えて、認識部130は、自車線のいずれかの側端部(道路区画線または道路境界)に対する自車両Mの基準点の位置などを、自車線に対する自車両Mの相対位置として認識してもよい。
行動計画生成部140は、例えば、イベント決定部142と、目標軌道生成部144とを備える。イベント決定部142は、推奨車線が決定された経路において、自車両Mが自動運転下にある場合、その自動運転の走行態様を決定する。以下、自動運転の走行態様を規定した情報をイベントと称して説明する。
イベントには、例えば、自車両Mを一定の速度で同じ車線を走行させる定速走行イベント、自車線上において自車両Mの前方の所定距離以内(例えば100[m]以内)に存在し、自車両Mに最も近い他車両(以下、先行車両と称する)に自車両Mを追従させる追従走行イベント、自車両Mを自車線から隣接車線へと車線変更させる車線変更イベント、道路の分岐地点で自車両Mを目的地側の車線に分岐させる分岐イベント、合流地点で自車両Mを本線に合流させる合流イベント、自動運転を終了して手動運転に切り替えるためのテイクオーバーイベントなどが含まれる。「追従する」とは、例えば、自車両Mと先行車両との車間距離(相対距離)を一定に維持させる走行態様であってもよいし、自車両Mと先行車両との車間距離を一定に維持させることに加えて、自車両Mを自車線の中央で走行させる走行態様であってもよい。また、イベントには、例えば、自車両Mを一旦隣接車線に車線変更させて先行車両を隣接車線において追い越してから再び元の車線へと車線変更させる追い越しイベント、自車両Mの前方に存在する障害物を回避するために自車両Mに制動および操舵の少なくとも一方を行わせる回避イベントなどが含まれてよい。
また、イベント決定部142は、例えば、自車両Mの走行時に認識部130により認識された周辺の状況に応じて、現在の区間に対して既に決定したイベントを他のイベントに変更したり、現在の区間に対して新たなイベントを決定したりしてよい。
また、イベント決定部142は、車載機器に対する乗員の操作に応じて、現在の区間に対して既に決定したイベントを他のイベントに変更したり、現在の区間に対して新たなイベントを決定したりしてよい。例えば、イベント決定部142は、乗員が方向指示器80Aを作動させた場合、現在の区間に対して既に決定したイベントを車線変更イベントに変更したり、現在の区間に対して新たに車線変更イベントを決定したりしてよい。
目標軌道生成部144は、原則的には推奨車線決定部61により決定された推奨車線を自車両Mが走行し、更に、自車両Mが推奨車線を走行する際に周辺の状況に対応するため、イベントにより規定された走行態様で自車両Mを自動的に(運転者の操作に依らずに)走行させる将来の目標軌道を生成する。目標軌道には、例えば、将来の自車両Mの位置を定めた位置要素と、将来の自車両Mの速度等を定めた速度要素とが含まれる。
例えば、目標軌道生成部144は、自車両Mが順に到達すべき複数の地点(軌道点)を、目標軌道の位置要素として決定する。軌道点は、所定の走行距離(例えば数[m]程度)ごとの自車両Mの到達すべき地点である。所定の走行距離は、例えば、経路に沿って進んだときの道なり距離によって計算されてよい。
また、目標軌道生成部144は、所定のサンプリング時間(例えば0コンマ数[sec]程度)ごとの目標速度および目標加速度を、目標軌道の速度要素として決定する。また、軌道点は、所定のサンプリング時間ごとの、そのサンプリング時刻における自車両Mの到達すべき位置であってもよい。この場合、目標速度や目標加速度は、サンプリング時間および軌道点の間隔によって決定される。目標軌道生成部144は、生成した目標軌道を示す情報を、第2制御部160に出力する。
第2制御部160は、目標軌道生成部144によって生成された目標軌道を、予定の時刻通りに自車両Mが通過するように、走行駆動力出力装置200、ブレーキ装置210、およびステアリング装置220を制御する。第2制御部160は、例えば、第1取得部162と、速度制御部164と、操舵制御部166とを備える。行動計画生成部140と、第2制御部160とを組み合わせたものは、「運転制御部」の一例である。
第1取得部162は、目標軌道生成部144から目標軌道(軌道点)の情報を取得し、記憶部180のメモリに記憶させる。
速度制御部164は、メモリに記憶された目標軌道に含まれる速度要素(例えば目標速度や目標加速度等)に基づいて、走行駆動力出力装置200およびブレーキ装置210の一方または双方を制御する。
操舵制御部166は、メモリに記憶された目標軌道に含まれる位置要素(例えば目標軌道の曲り具合を表す曲率等)に応じて、ステアリング装置220を制御する。
速度制御部164および操舵制御部166の処理は、例えば、フィードフォワード制御とフィードバック制御との組み合わせにより実現される。一例として、操舵制御部166は、自車両Mの前方の道路の曲率に応じたフィードフォワード制御と、目標軌道からの乖離に基づくフィードバック制御とを組み合わせて実行する。
走行駆動力出力装置200は、車両が走行するための走行駆動力(トルク)を駆動輪に出力する。走行駆動力出力装置200は、例えば、内燃機関、電動機、および変速機などの組み合わせと、これらを制御するパワーECU(Electronic Control Unit)とを備える。パワーECUは、第2制御部160から入力される情報、或いは運転操作子80から入力される情報に従って、上記の構成を制御する。
ブレーキ装置210は、例えば、ブレーキキャリパーと、ブレーキキャリパーに油圧を伝達するシリンダと、シリンダに油圧を発生させる電動モータと、ブレーキECUとを備える。ブレーキECUは、第2制御部160から入力される情報、或いは運転操作子80から入力される情報に従って電動モータを制御し、制動操作に応じたブレーキトルクが各車輪に出力されるようにする。ブレーキ装置210は、運転操作子80に含まれるブレーキペダルの操作によって発生させた油圧を、マスターシリンダを介してシリンダに伝達する機構をバックアップとして備えてよい。なお、ブレーキ装置210は、上記説明した構成に限らず、第2制御部160から入力される情報に従ってアクチュエータを制御して、マスターシリンダの油圧をシリンダに伝達する電子制御式油圧ブレーキ装置であってもよい。
ステアリング装置220は、例えば、ステアリングECUと、電動モータとを備える。電動モータは、例えば、ラックアンドピニオン機構に力を作用させて転舵輪の向きを変更する。ステアリングECUは、第2制御部160から入力される情報、或いは運転操作子80から入力される情報に従って、電動モータを駆動し、転舵輪の向きを変更させる。
第3制御部170は、例えば、第2取得部172と、通信制御部174とを備える。第2取得部172は、行動計画生成部140の各種処理結果を取得する。通信制御部174は、第2取得部172により取得された情報に基づいて、通信装置20を介して、他車両と車車間通信を行う。
[処理フロー]
以下、第1実施形態に係る自動運転制御装置100による一連の処理の流れを、フローチャートを用いて説明する。図3は、第1実施形態に係る自動運転制御装置100による一連の処理の流れの一例を示すフローチャートである。本フローチャートの処理は、例えば、所定の周期で繰り返し実行されてよい。
以下、第1実施形態に係る自動運転制御装置100による一連の処理の流れを、フローチャートを用いて説明する。図3は、第1実施形態に係る自動運転制御装置100による一連の処理の流れの一例を示すフローチャートである。本フローチャートの処理は、例えば、所定の周期で繰り返し実行されてよい。
まず、行動計画生成部140は、自車両Mが存在する道路の少なくとも一方の路肩に駐車した車両(以下、駐車車両と称する)が認識部130によって認識されるまで待機する(ステップS100)。
行動計画生成部140は、認識部130によって駐車車両が認識されると、自車両Mを道路の中央側に寄せる目標軌道を生成する。これを受けて、第2制御部160は、行動計画生成部140によって生成された目標軌道に基づいて自車両Mの操舵および速度のうち少なくとも一方を制御することで、自車両Mを道路の中央側に寄せる(ステップS102)。
図4は、自車両Mを道路の中央側に寄せる場面の一例を示す図である。図中mAは、駐車車両を表している。図示の場面のように、左側通行の法規に従って自車両Mが道路の左寄りを走行しているときに、道路の左側の路肩に複数の駐車車両mAが縦列に並んで存在する場合、行動計画生成部140は、現在の自車両Mの位置から見て道路の中央側、すなわち、右側の路肩側に自車両Mを寄せる目標軌道を生成する。これによって、自車両Mは、道路の中央寄りに移動する。この結果、カメラ10や、レーダ装置12、ファインダ14といった各種センサが、自車両Mの進行方向前方のより遠い範囲まで物体を検出したり、後方ではなく側方から駐車車両mAを検出したりすることができる。そのため、認識部130は、複数の駐車車両mAのそれぞれの車間に存在するスペース(図中SP)や、遠方に存在する対向車両などを精度よく認識することができる。ここでいう対向車両とは、自車両Mの進行方向とは反対に進行する他車両である。駐車車両mAは「第1車両」の一例であり、対向車両mBは「第2車両」の一例である。
図3のフローチャートの説明に戻る。次に、行動計画生成部140は、認識部130によって自車両Mの前方に対向車両が存在することが認識されたか否かを判定する(ステップS104)。
行動計画生成部140は、認識部130によって対向車両が存在することが認識されなかった場合、複数の駐車車両mAを追い越すために追い越しイベントを計画し、この追い越しイベントに基づいて目標軌道を生成する。これを受けて、第2制御部160は、行動計画生成部140によって生成された目標軌道に基づいて自車両Mの操舵および速度のうち少なくとも一方を制御することで、自車両Mに複数の駐車車両mAを追い越させる(ステップS106)。「追い越し」には、自車両Mが自車線から隣接車線へと車線変更し、隣接車線上で駐車車両mAよりも前方に出てから、元の車線へと車線変更することに加えて、更に、自車両Mが車線変更をせずに駐車車両mAの前方に出るような「追い抜き」が含まれてもよい。
一方、認識部130によって対向車両が存在することが認識された場合、行動計画生成部140は、複数の駐車車両mAの間に、自車両Mが停止することが可能な少なくとも1つ以上のスペースが存在するか否かを判定する(ステップS108)。
例えば、行動計画生成部140は、駐車車両mAの車間距離が所定距離以上の場合、車間距離が所定距離以上の2つの駐車車両mAの間に、自車両Mが停止することが可能なスペースが存在すると判定する。所定距離は、少なくとも自車両Mの全長よりも長い距離であり、例えば、自車両Mの全長に数[m]のマージンを加えた距離であってよい。
図5は、対向車両が存在する場面の一例を示す図である。図中mBは対向車両を表している。図示の場面では、先頭から数えて2台目の駐車車両mA(2)と3台目の駐車車両mA(3)の間にスペースSPが形成されている。そのため、行動計画生成部140は、車両進行方向(図中Y方向)に関するスペースSPの距離と所定距離とを比較する。例えば、スペースSPの距離が所定距離も短い場合、自車両MがそのスペースSPに物理的に停止することができないため、行動計画生成部140は、複数の駐車車両mAの間に、自車両Mが停止することが可能なスペースが1つも存在しないと判定する。
行動計画生成部140は、複数の駐車車両mAの間に、自車両Mが停止することが可能なスペースが1つも存在しない場合、図示のように、複数の駐車車両mAを一つのクラスタCLmAに置き換える。そして、行動計画生成部140は、クラスタCLmAの中で最も自車両Mに近い車両、すなわち、最後尾の駐車車両mAの後方に自車両Mを停止させる目標軌道を生成する。これを受けて、第2制御部160は、行動計画生成部140によって生成された目標軌道に基づいて自車両Mの操舵および速度のうち少なくとも一方を制御することで、最後尾の駐車車両mAの後方に自車両Mを停止させる(ステップS110)。
図6は、最後尾の駐車車両mAの後方に自車両Mを停止させる場面の一例を示す図である。例えば、自車両Mを道路の中央側に寄せて、駐車車両mAの間のスペースを確認した結果、自車両Mが停止することが可能なスペースが1つも存在しないことが認識された場合、第2制御部160は、自車両Mを道路の中央寄りから左寄りに移動させて、最後尾の駐車車両mA(4)の後方に自車両Mを停止させる。この結果、対向車両mBから見て、自車両Mが駐車車両mA(4)の後方に避けたことが確認できるため、自車両Mよりも先に駐車車両mAの側方を通過するよう対向車両mBに促すことができる。
図3のフローチャートの説明に戻る。次に、行動計画生成部140は、最後尾の駐車車両mAの後方に停止させた自車両Mの側方を対向車両mBが通過したことが認識部130によって認識されるまで待機する(ステップS112)。
行動計画生成部140は、自車両Mの側方を対向車両mBが通過したことが認識部130によって認識された場合、S106の処理に進み、複数の駐車車両mAを追い越すために追い越しイベントを計画し、この追い越しイベントに基づいて目標軌道を生成する。これによって、自車両Mは、駐車車両mAが存在することで狭くなった道路を対向車両mBの後に通過することになる。
一方、S108の処理において、複数の駐車車両mAの間に、自車両Mが停止することが可能なスペースが存在する場合、行動計画生成部140は、そのスペースに対向車両mBよりも自車両Mの方が早く到達するか否かを判定する(ステップS114)。
図7は、対向車両が存在する場面の他の例を示す図である。図示の場面では、2台目の駐車車両mA(2)と3台目の駐車車両mA(3)の間に形成されたスペースSPが、自車両Mが停止することが可能なスペースであると判定されている。
この場合、例えば、行動計画生成部140は、自車両MとスペースSPとの間の距離DMを自車両Mの現在の速度VMで除算し、自車両MがスペースSPに到達するまでに要する時間TMを導出する。また、行動計画生成部140は、対向車両mBとスペースSPとの間の距離DmBを対向車両mBの現在の速度VmBで除算し、対向車両mBがスペースSPに到達するまでに要する時間TmBを導出する。
そして、行動計画生成部140は、導出した時間TMが時間TmBよりも短い場合(TM<TmB)、対向車両mBよりも自車両Mの方が早くスペースSPに到達すると判定し、時間TMが時間TmBよりも長い、或いは同じ場合(TM≧TmB)、自車両Mよりも対向車両mBの方が早くスペースSPに到達すると判定する。
なお、行動計画生成部140は、認識精度などの影響を考慮して、対向車両mBの時間TmBに任意の重み係数αを積算したり、任意のバイアス成分βを加算したりしてもよい。この場合、行動計画生成部140は、TM<αTmB+βとなれば、対向車両mBよりも自車両Mの方が早くスペースSPに到達すると判定し、TM≧αTmB+βとなれば、自車両Mよりも対向車両mBの方が早くスペースSPに到達すると判定してよい。
行動計画生成部140は、対向車両mBよりも自車両Mの方が早くスペースSPに到達すると判定した場合、そのスペースSPへと至る目標軌道を生成する。これを受けて、第2制御部160は、行動計画生成部140によって生成された目標軌道に基づいて自車両Mの操舵および速度のうち少なくとも一方を制御することで、自車両MをスペースSPに移動させ、更に停止させる(ステップS116)。
図8は、自車両MをスペースSPに停止させる場面の一例を示す図である。図示の場面のように、第2制御部160は、自車両MをスペースSPに移動させる際、方向指示器80Aを作動させ、自車両Mの左側のターンランプを点灯或いは点滅させてよい。これによって、スペースSPに停止するために自車両Mが進行していることを対向車両mBに対して通知することができる。
また、第2制御部160は、スペースSPに停止するために自車両Mが進行していることを通知するために、自車両MをスペースSPに移動させる際、自車両Mを加速させてもよい。
第2制御部160は、自車両MをスペースSPに停止させると、ヘッドランプなどの各種表示灯を点灯することで、対向車両mBにパッシング等の合図を行ってよい。これによって、自車両Mよりも先に駐車車両mAの側方を通過するよう対向車両mBに促すことができる。
以上説明した第1実施形態によれば、自動運転制御装置100が、自車両Mが存在する道路の少なくとも一方の路肩に停止した複数の駐車車両mA(第1車両の一例)と、対向車両mB(第2車両の一例)とを認識した場合、複数の駐車車両mAの間に存在するスペースSPに自車両Mを停止させ、スペースSPに停止させた自車両Mの側方を対向車両mBが通過した後に、スペースSPから自車両Mを移動させる。これによって、自車両Mは、対向車両mBの動向を考慮した上で、路上に停止した駐車車両mAを適切に回避することができる。
<第1実施形態の変形例>
以下、第1実施形態の変形例について説明する。例えば、行動計画生成部140は、駐車車両mAの間にスペースSPが存在しており、対向車両mBが存在する場合、自車両Mの全長と対向車両mBの全長とに応じて、自車両Mおよび対向車両mBのどちらの車両を、スペースSPに優先的に停止させるのかを決定する。
以下、第1実施形態の変形例について説明する。例えば、行動計画生成部140は、駐車車両mAの間にスペースSPが存在しており、対向車両mBが存在する場合、自車両Mの全長と対向車両mBの全長とに応じて、自車両Mおよび対向車両mBのどちらの車両を、スペースSPに優先的に停止させるのかを決定する。
例えば、行動計画生成部140は、スペースSPに自車両Mは物理的に停止することができないものの、対向車両mBであれば停止することができる場合、スペースSPに対向車両mBを優先的に停止させることを決定する。また、行動計画生成部140は、、スペースSPに自車両Mおよび対向車両mBのどちらも停止することができる場合、自車両MがスペースSPに到達するまでに要する時間TMに比べて、対向車両mBがスペースSPに到達するまでに要する時間TmBの方が短い場合、すなわち、自車両Mよりも対向車両mBの方が先にスペースSPに到達する場合、スペースSPに対向車両mBを優先的に停止させることを決定してもよい。
通信制御部174は、行動計画生成部140がスペースSPに対向車両mBを優先的に停止させることを決定した場合、通信装置20を介して、対向車両mBにスペースSPに停止するように指示する。これによって、自車両Mや周辺車両が円滑に狭路を通過することができる。
<第2実施形態>
以下、第2実施形態について説明する。上述した第1実施形態では、路肩に駐車された複数の駐車車両mAの間のスペースを確認した結果、自車両Mが停止することが可能なスペースが1つも存在しない場合、最後尾の駐車車両mAの後方に自車両Mを停止させるものとして説明した。これに対して、第2実施形態では、複数の駐車車両mAの間に、自車両Mが停止することが可能なスペースが1つも存在しない場合であっても、いずれかの駐車車両mAが路肩から発進する兆候を見せている場合、その駐車車両mAのスペースに向けて自車両Mを移動させる点で上述した第1実施形態と相違する。以下、第1実施形態との相違点を中心に説明し、第1実施形態と共通する点については説明を省略する。なお、第2実施形態の説明において、第1実施形態と同じ部分については同一符号を付して説明する。
以下、第2実施形態について説明する。上述した第1実施形態では、路肩に駐車された複数の駐車車両mAの間のスペースを確認した結果、自車両Mが停止することが可能なスペースが1つも存在しない場合、最後尾の駐車車両mAの後方に自車両Mを停止させるものとして説明した。これに対して、第2実施形態では、複数の駐車車両mAの間に、自車両Mが停止することが可能なスペースが1つも存在しない場合であっても、いずれかの駐車車両mAが路肩から発進する兆候を見せている場合、その駐車車両mAのスペースに向けて自車両Mを移動させる点で上述した第1実施形態と相違する。以下、第1実施形態との相違点を中心に説明し、第1実施形態と共通する点については説明を省略する。なお、第2実施形態の説明において、第1実施形態と同じ部分については同一符号を付して説明する。
図9は、対向車両が存在する場面の他の例を示す図である。図示の場面では、スペースSPが自車両Mが停止することが可能なスペースでないと判定されている。このような場合、行動計画生成部140は、認識部130によって、複数の駐車車両mAの中から、発進する兆候がある車両(以下、発進車両と称する)が認識されたか否かを判定する。発進車両は「第3車両」の一例である。
図示の例では、3台目の駐車車両mA(3)が方向指示器を作動させて、右側のターンランプを点滅させている。この場合、認識部130は、駐車車両mA(3)を発進車両として認識する。行動計画生成部140は、認識部130によって発進車両が認識された場合、その車両が発進することで形成されるスペース(以下、新規スペースSP#と称する)へと至る目標軌道を生成する。
図10および図11は、自車両Mを新規スペースSP#に停止させる場面の一例を示す図である。図10に示す場面では、発進車両として認識された駐車車両mA(3)が実際に路肩から移動を開始している。駐車車両mA(3)が一旦路肩から発進すれば、対向車両mBは駐車車両mA(3)に遮られて進行できない。そのため、行動計画生成部140は、駐車車両mA(3)が後退しないという前提の下、新規スペースSP#に至る目標軌道を生成する。これを受けて、第2制御部160は、図11に示す場面のように、自車両Mを新規スペースSP#に移動させる。この際、第2制御部160は、第1実施形態と同様に、方向指示器80Aを作動させ、自車両Mの左側のターンランプを点灯或いは点滅させてよい。
以上説明した第2実施形態によれば、複数の駐車車両mAの間に、自車両Mが停止することが可能なスペースが1つも存在しない場合であっても、いずれかの駐車車両mAが路肩から発進する兆候を見せている場合、その駐車車両mAのスペースに向けて自車両Mを移動させるため、対向車両mBの動向を考慮した上で、路上に停止した駐車車両mAを適切に回避することができる。
<第3実施形態>
以下、第3実施形態について説明する。上述した第1実施形態や第2実施形態では、左側通行の法規が適用される場合に、道路の左側の路肩に駐車車両mAが存在するものとして説明した。これに対して、第3実施形態では、左側通行の法規が適用される場合に、道路の右側の路肩にも駐車車両mAが存在する点で上述した第1実施形態および第2実施形態と相違する。以下、第1実施形態および第2実施形態との相違点を中心に説明し、第1実施形態および第2実施形態と共通する点については説明を省略する。なお、第3実施形態の説明において、第1実施形態および第2実施形態と同じ部分については同一符号を付して説明する。
以下、第3実施形態について説明する。上述した第1実施形態や第2実施形態では、左側通行の法規が適用される場合に、道路の左側の路肩に駐車車両mAが存在するものとして説明した。これに対して、第3実施形態では、左側通行の法規が適用される場合に、道路の右側の路肩にも駐車車両mAが存在する点で上述した第1実施形態および第2実施形態と相違する。以下、第1実施形態および第2実施形態との相違点を中心に説明し、第1実施形態および第2実施形態と共通する点については説明を省略する。なお、第3実施形態の説明において、第1実施形態および第2実施形態と同じ部分については同一符号を付して説明する。
図12および図13は、道路の両方の路肩に複数の駐車車両mAが存在する場面の一例を示す図である。図12の場面では、自車両Mから見て左側の路肩に駐車された複数の駐車車両mAの間に、自車両Mが停止することが可能なスペースSPが存在しており、図13の場面では、自車両Mから見て右側の路肩に駐車された複数の駐車車両mAの間に、自車両Mが停止することが可能なスペースSPが存在している。このような場合、行動計画生成部140は、図13の場面に比べて図12の場面の方がスペースSPに自車両Mを停止させやすくする。すなわち、行動計画生成部140は、左側通行の法規が適用される場合に、複数の駐車車両mAが左側の路肩に存在している場合、複数の駐車車両mAが右側の路肩に存在している場合に比べて、スペースSPに自車両Mを停止させやすくする。
具体的には、行動計画生成部140は、左側通行の法規が適用されるという条件下において、複数の駐車車両mAが右側の路肩に存在している場合に比して、左側の路肩に存在している場合の方が、対向車両mBの時間TmBに付加する重み係数αやバイアス成分βを小さくする。これによって、図12の場面の方が、TM<αTmB+βという関係を満たしやすくなるため、スペースSPへの移動がより促進される。
以上説明した第3実施形態によれば、左側通行の法規が適用される場合に、複数の駐車車両mAが左側の路肩に存在している場合、複数の駐車車両mAが右側の路肩に存在している場合に比べて、スペースSPに自車両Mを停止させやすくするため、道路を通行する各車両の優先権を考慮した上で、円滑に狭路を通行することができる。
[ハードウェア構成]
図14は、実施形態の自動運転制御装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。図示するように、自動運転制御装置100は、通信コントローラ100−1、CPU100−2、ワーキングメモリとして使用されるRAM100−3、ブートプログラム等を格納するROM100−4、フラッシュメモリやHDD等の記憶装置100−5、ドライブ装置100−6等が、内部バスあるいは専用通信線によって相互に接続された構成となっている。通信コントローラ100−1は、自動運転制御装置100以外の構成要素との通信を行う。記憶装置100−5には、CPU100−2が実行するプログラム100−5aが格納されている。このプログラムは、DMA(Direct Memory Access)コントローラ(不図示)等によってRAM100−3に展開されて、CPU100−2によって実行される。これによって、第1制御部、第2制御部160、第3制御部170のうち一部または全部が実現される。
図14は、実施形態の自動運転制御装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。図示するように、自動運転制御装置100は、通信コントローラ100−1、CPU100−2、ワーキングメモリとして使用されるRAM100−3、ブートプログラム等を格納するROM100−4、フラッシュメモリやHDD等の記憶装置100−5、ドライブ装置100−6等が、内部バスあるいは専用通信線によって相互に接続された構成となっている。通信コントローラ100−1は、自動運転制御装置100以外の構成要素との通信を行う。記憶装置100−5には、CPU100−2が実行するプログラム100−5aが格納されている。このプログラムは、DMA(Direct Memory Access)コントローラ(不図示)等によってRAM100−3に展開されて、CPU100−2によって実行される。これによって、第1制御部、第2制御部160、第3制御部170のうち一部または全部が実現される。
上記説明した実施形態は、以下のように表現することができる。
プログラムを格納したメモリと、
プロセッサと、を備え、
前記プロセッサが前記プログラムを実行することにより、
自車両の周辺環境を認識し、
前記認識した結果に基づいて、前記自車両の速度または操舵のうち少なくとも一方を制御し、
前記自車両が存在する道路の少なくとも一方の路肩に停止した複数の第1車両と、前記自車両の進行方向と対向する方向を進行方向とした第2車両とを認識した場合、前記複数の第1車両の間に存在するスペースに前記自車両を停止させ、
前記スペースに停止させた前記自車両の側方を前記第2車両が通過した後に、前記スペースから前記自車両を移動させる、
ように構成されている、車両制御装置。
プログラムを格納したメモリと、
プロセッサと、を備え、
前記プロセッサが前記プログラムを実行することにより、
自車両の周辺環境を認識し、
前記認識した結果に基づいて、前記自車両の速度または操舵のうち少なくとも一方を制御し、
前記自車両が存在する道路の少なくとも一方の路肩に停止した複数の第1車両と、前記自車両の進行方向と対向する方向を進行方向とした第2車両とを認識した場合、前記複数の第1車両の間に存在するスペースに前記自車両を停止させ、
前記スペースに停止させた前記自車両の側方を前記第2車両が通過した後に、前記スペースから前記自車両を移動させる、
ように構成されている、車両制御装置。
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
1…車両システム、10…カメラ、12…レーダ装置、14…ファインダ、16…物体認識装置、20…通信装置、30…HMI、40…車両センサ、50…ナビゲーション装置、60…MPU、80…運転操作子、100…自動運転制御装置、120…第1制御部、130…認識部、140…行動計画生成部、160…第2制御部、162…第1取得部、164…速度制御部、166…操舵制御部、170…第3制御部、172…第2取得部、174…通信制御部、180…記憶部、M…自車両
Claims (14)
- 自車両の周辺環境を認識する認識部と、
前記認識部の認識結果に基づいて、前記自車両の速度または操舵のうち少なくとも一方を制御する運転制御部と、を備え、
前記運転制御部は、
前記自車両が存在する道路の少なくとも一方の路肩に停止した複数の第1車両と、前記自車両の進行方向と対向する方向を進行方向とした第2車両とが前記認識部によって認識された場合、前記複数の第1車両の間に存在するスペースに前記自車両を停止させ、
前記スペースに停止させた前記自車両の側方を前記第2車両が通過した後に、前記スペースから前記自車両を移動させる、
車両制御装置。 - 前記運転制御部は、前記複数の第1車両の間に存在する一つ以上のスペースのうち、少なくとも前記自車両の全長よりも大きいスペースに前記第1車両を停止させる、
請求項1に記載の車両制御装置。 - 前記運転制御部は、
前記複数の第1車両の間に、少なくとも前記自車両の全長よりも大きいスペースが存在しない場合、前記複数の第1車両のうち、最も前記自車両に近い第1車両の後方に前記自車両を停止させ、
前記第1車両の後方に停止させた前記自車両の側方を前記第2車両が通過した後に、前記第1車両の後方の位置から前記自車両を移動させる、
請求項2に記載の車両制御装置。 - 前記運転制御部は、前記複数の第1車両の間に、少なくとも前記自車両の全長よりも大きいスペースが存在しない場合、前記複数の第1車両を一つの物体とし、前記物体の後方に前記自車両を停止させる、
請求項3に記載の車両制御装置。 - 前記運転制御部は、前記自車両を前記スペースに停止させる際に、前記スペースに停止するために前記自車両が進行していることを前記第2車両に対して通知する、
請求項1から4のうちいずれか一項に記載の車両制御装置。 - 前記運転制御部は、前記自車両を前記スペースに停止させる際に、前記自車両を加速させることで、前記スペースに停止するために前記自車両が進行していることを前記第2車両に対して通知する、
請求項5に記載の車両制御装置。 - 前記運転制御部は、前記自車両を前記スペースに停止させる際に、前記自車両の方向指示器を作動させることで、前記スペースに停止するために前記自車両が進行していることを前記第2車両に対して通知する、
請求項5または6に記載の車両制御装置。 - 他車両と通信する通信部と、
前記通信部を制御する通信制御部と、を更に備え、
前記運転制御部は、前記自車両の全長と前記第2車両の全長とに応じて、前記自車両と前記第2車両とのうち、前記スペースに優先的に停止させる車両を決定し、
前記通信制御部は、前記運転制御部によって前記スペースに前記第2車両を停止させることが決定された場合、前記スペースに停止するように前記通信部を介して前記第2車両に指示する、
請求項1から7のうちいずれか一項に記載の車両制御装置。 - 表示灯を更に備え、
前記運転制御部は、前記スペースに前記自車両を停止させた後、前記表示灯を点灯する、
請求項1から8のうちいずれか一項に記載の車両制御装置。 - 前記運転制御部は、前記認識部によって前記複数の第1車両が認識された場合、前記自車両を前記道路の中央側に移動させる、
請求項1から9のうちいずれか一項に記載の車両制御装置。 - 前記運転制御部は、前記複数の第1車両の中に、前記路肩から発進する第3車両が存在することが前記認識部によって認識された場合、前記第3車両が前記路肩から発進することで形成されるスペースに前記自車両を停止させる、
請求項1から10のうちいずれか一項に記載の車両制御装置。 - 前記運転制御部は、
国または地域で定められた法律に基づき前記道路の左側または右側に寄って前記自車両を走行させ、
前記複数の第1車両が、前記自車両が寄った第1側と同じ方向の路肩に停止している場合、前記複数の第1車両が、前記自車両が寄った第1側と反対の第2側の路肩に停止している場合に比べて、前記複数の第1車両の間に存在するスペースに前記自車両を停止させやすくする、
請求項1から11のうちいずれか一項に記載の車両制御装置。 - 自車両に搭載されたコンピュータが、
前記自車両の周辺環境を認識し、
前記認識した結果に基づいて、前記自車両の速度または操舵のうち少なくとも一方を制御し、
前記自車両が存在する道路の少なくとも一方の路肩に停止した複数の第1車両と、前記自車両の進行方向と対向する方向を進行方向とした第2車両とを認識した場合、前記複数の第1車両の間に存在するスペースに前記自車両を停止させ、
前記スペースに停止させた前記自車両の側方を前記第2車両が通過した後に、前記スペースから前記自車両を移動させる、
車両制御方法。 - 自車両に搭載されたコンピュータに、
前記自車両の周辺環境を認識する処理と、
前記認識した結果に基づいて、前記自車両の速度または操舵のうち少なくとも一方を制御する処理と、
前記自車両が存在する道路の少なくとも一方の路肩に停止した複数の第1車両と、前記自車両の進行方向と対向する方向を進行方向とした第2車両とを認識した場合、前記複数の第1車両の間に存在するスペースに前記自車両を停止させる処理と、
前記スペースに停止させた前記自車両の側方を前記第2車両が通過した後に、前記スペースから前記自車両を移動させる処理と、
を実行させるためのプログラム。
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