JP2021024916A - ポリエステル系樹脂の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ポリエステル系樹脂の側鎖に所望の構造部位を導入することができるポリエステル系樹脂の製造方法を提供する。【解決手段】側鎖にカルボキシ基を有するポリエステル系樹脂(A)と活性水素基含有化合物(B)を、下記一般式(1)で表される化合物(C)の存在下で反応させるポリエステル系樹脂の製造方法であって、上記側鎖にカルボキシ基を有するポリエステル系樹脂(A)が、脂肪族多価カルボン酸及び脂環族多価カルボン酸から選ばれる少なくとも1種の多価カルボン酸由来のカルボキシ基を側鎖に有するポリエステル系樹脂であることを特徴とするポリエステル系樹脂の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、側鎖に所望の有機基を導入することができるポリエステル系樹脂の製造方法に関するものである。
従来、合成樹脂は寸法安定性、機械的特性、耐熱性、透明性、電気的特性及び耐薬品性等に優れた性質を有するため各種基材用樹脂として広く用いられている。例えば、ポリエステルフィルムは、包装材料、磁気カード、印刷材料等の産業上種々の分野で利用されている。
また、ポリエステル系樹脂は、コーティング剤組成物やプライマー組成物、粘着剤組成物、接着剤組成物等といった組成物として使用されており、特にこの組成物をポリエステルフィルム上に塗工した場合、ポリエステルフィルムとの密着性の点で有用である。
かかる場合には、一般的なポリエステル系樹脂の主鎖や側鎖に更に機能性の構造部位を導入することが考えられる。
例えば、カルボキシ基を有するポリエステル系樹脂にグリシジル基を有するアクリル系モノマーを反応させることにより、エチレン性不飽和基の構造部位をポリエステル系樹脂に導入することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2011−122020号公報
しかしながら、特許文献1の開示方法では、(1)グリシジル基を有するモノマーを使用する必要があり、導入できる化合物が限られたり、(2)グリシジル基とカルボキシ基の反応性が低く、系によっては充分な反応が得られなかったり、反応率を上げるためにより高温で長時間の反応を行う必要があり、不飽和基等の官能基の開裂が起こりゲル化を招く懸念があったり、(3)グリシジル基とカルボキシ基の反応の結果、水酸基が発生するため得られるポリマーの耐水性が低下したりする等の問題があり、更なる改良が求められる。
そこで、本発明は、このような背景下において、ポリエステル系樹脂の側鎖に所望の構造部位、例えば不飽和基等の構造部位を導入することができるポリエステル系樹脂の製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明者はかかる事情に鑑み鋭意研究を重ねた結果、側鎖にカルボキシ基を有するポリエステル系樹脂(A)と活性水素基含有化合物(B)を、特定の化合物(C)の存在下で反応させるにあたり、かかるポリエステル系樹脂(A)として、脂肪族多価カルボン酸及び脂環族多価カルボン酸から選ばれる少なくとも1種の多価カルボン酸由来のカルボキシ基を側鎖に有するポリエステル系樹脂を用いることにより、効率的にポリエステル系樹脂の側鎖に所望の構造部位を付加できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、側鎖にカルボキシ基を有するポリエステル系樹脂(A)と活性水素基含有化合物(B)を、下記一般式(1)で表される化合物(C)の存在下で反応させるポリエステル系樹脂の製造方法であって、上記側鎖にカルボキシ基を有するポリエステル系樹脂(A)が、脂肪族多価カルボン酸及び脂環族多価カルボン酸から選ばれる少なくとも1種の多価カルボン酸由来のカルボキシ基を側鎖に有するポリエステル系樹脂であるポリエステル系樹脂の製造方法をその要旨とするものである。
Figure 2021024916
本発明の製造方法によると、側鎖にカルボキシ基を有するポリエステル系樹脂(A)と活性水素基含有化合物(B)を、上記一般式(1)で表される化合物(C)の存在下で反応させるポリエステル系樹脂の製造方法であって、上記側鎖にカルボキシ基を有するポリエステル系樹脂(A)が、脂肪族多価カルボン酸及び脂環族多価カルボン酸から選ばれる少なくとも1種の多価カルボン酸由来のカルボキシ基を側鎖に有するため、効率的に所望の構造部位を導入したポリエステル系樹脂を得ることができる。
更に、導入される構造部位が機能性の構造部位、例えば、エチレン性不飽和基を有する場合には、とりわけ、ポリエステルフィルム等のポリエステル系樹脂基材の上にコーティング層、特にはプリズム層を設けるためのプライマー組成物を形成するポリエステル系樹脂として好適に用いることができる。
以下、本発明を詳細に説明するが、これらは望ましい実施態様の一例を示すものである。
本発明において、「カルボン酸」との用語は、カルボン酸塩、カルボン酸無水物、カルボン酸ハロゲン化物、カルボン酸エステル等を含むものである。
そして、本発明において、「シート」とは、シート、フィルム、テープを概念的に包含するものである。
また、本発明において、「(メタ)アクリロイル基」とは、アクリロイル基またはメタクリロイル基を意味する。
更に、本発明において、「(メタ)アクリル」とはアクリルあるいはメタクリルを意味し、「(メタ)アクリロイル」とはアクリロイルあるいはメタクリロイルを意味する。また、「(メタ)アクリレート」とはアクリレートあるいはメタクリレートを意味する。
本発明の製造方法は、脂肪族多価カルボン酸及び脂環族多価カルボン酸から選ばれる少なくとも1種の多価カルボン酸由来のカルボキシル基を有するポリエステル系樹脂(A)〔以下、単に「ポリエステル系樹脂(A)」と称することがある〕と、活性水素基含有化合物(B)を、下記一般式(1)で表される化合物(C)の存在下で反応させるものであり、この反応により所望の構造部位を導入したポリエステル系樹脂が得られる。
以下、本発明のポリエステル系樹脂の製造方法に用いられる(A)〜(C)成分について順を追って説明する。
Figure 2021024916
〔側鎖にカルボキシ基を有するポリエステル系樹脂(A)〕
上記ポリエステル系樹脂(A)は、通常、構成原料として、多価カルボン酸(a1)およびポリオール(a2)を含む共重合成分を共重合することにより得られる。そして、上記ポリエステル系樹脂(A)は、側鎖にカルボキシ基を有するものであり、このようなポリエステル系樹脂(A)は、多価カルボン酸(a1)としてカルボン酸無水物構造を有する多価カルボン酸無水物(以下、単に「多価カルボン酸無水物」と称することがある)を用いることにより得られる。
[多価カルボン酸(a1)]
上記ポリエステル系樹脂(A)の構成原料として用いられる多価カルボン酸(a1)としては、例えば、二価カルボン酸、三価以上の多価カルボン酸等が挙げられる。なかでも、ポリエステル系樹脂(A)の主鎖を構成する多価カルボン酸(a1)としては、二価カルボン酸が好ましい。
上記二価カルボン酸としては、例えば、
マロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、トリメチルアジピン酸、ピメリン酸、2,2−ジメチルグルタル酸、アゼライン酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、チオジプロピオン酸、ジグリコール酸、1,9−ノナンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸;
フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ベンジルマロン酸、ジフェン酸、4,4’−オキシジ安息香酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸等のナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸;
1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2,5−ノルボルナンジカルボン酸、アダマンタンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸;
等が挙げられる。これらは、単独でもしくは2種以上併せて用いることができ、所望する物性に合わせて、適宜選択される。
なかでも、本発明の製造方法で得られるポリエステル系樹脂を、ポリエステル系樹脂基材とコーティング層との密着性を高めるためのプライマー層(プライマー組成物)に用いる場合は、コーティング層との密着性、水性溶媒に溶解または分散した際の水性液の安定性に優れる点で、芳香族ジカルボン酸および脂環族ジカルボン酸のうちの少なくとも1つを主成分として用いることが好ましく、特には密着性に優れる点から、芳香族ジカルボン酸を主成分として用いることが好ましく、更にはイソフタル酸を主成分として用いることが好ましい。
ここで、「主成分」とは、多価カルボン酸(a1)全体に対して、通常50モル%以上、好ましくは60モル%以上、より好ましくは70モル%以上含有することを意味する。
二価カルボン酸の含有割合は、多価カルボン酸(a1)全体に対して、70〜98モル%であることが好ましく、特には75〜97モル%、更には80〜96モル%、殊には85〜95モル%であることが好ましい。かかる含有割合が低すぎると、製造工程中にゲル化したりする傾向があり、かかる含有割合が高すぎると活性水素基含有化合物(B)の導入可能量が少なくなる傾向がある。
また、ポリエステル系樹脂(A)中に分岐点を増やす目的で、三価以上の多価カルボン酸を用いることができる。
上記三価以上のカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、アダマンタントリカルボン酸、トリメシン酸等が挙げられる。これらは、単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。
本発明で用いるポリエステル系樹脂(A)は、多価カルボン酸(a1)として、多価カルボン酸無水物を含むものであり、上記多価カルボン酸無水物は、側鎖にカルボキシ基を導入する目的から少なくとも2つのカルボン酸無水物構造を有するものであることが好ましく、例えば、
1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物(無水ピロメリット酸)、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、4,4−オキシジフタル酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、エチレングリコールビストリメリテート二無水物、2,2’,3,3’−ジフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸無水物、チオフェン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物等の芳香族多価カルボン酸無水物;
1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物等の脂環族多価カルボン酸無水物;
エチレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ペンタンテトラカルボン酸二無水物等の脂肪族多価カルボン酸無水物;
等が挙げられる。これらは、単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。
これらの多価カルボン酸無水物のなかでも、後述する活性水素基含有化合物(B)との反応性に優れる点から、好ましくは脂肪族多価カルボン酸無水物、脂環族多価カルボン酸無水物であり、より好ましくは脂環族多価カルボン酸無水物であり、特に好ましくは5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物である。
多価カルボン酸(a1)における多価カルボン酸無水物の含有割合は、多価カルボン酸(a1)全体に対して、2〜30モル%であることが好ましく、特には3〜25モル%、更には4〜20モル%、殊には5〜15モル%であることが好ましい。かかる含有割合が低すぎると、活性水素基含有化合物(B)の導入可能量が少なくなる傾向がある。かかる含有割合が高すぎると、製造工程中にゲル化したり耐湿熱性が低下したりする傾向がある。
[ポリオール(a2)]
ポリオール(a2)としては、例えば、二価アルコール、三価以上の多価アルコール等が挙げられる。
上記二価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の直鎖構造の脂肪族ジオール;
プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、2,4−ジメチル−2−エチルヘキサン−1,3−ジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−イソブチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジオール等の分岐構造を有する脂肪族ジオール;
1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、スピログリコール、トリシクロデカンジメタノール、アダマンタンジオール、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール等の脂環族ジオール;
4,4’−チオジフェノール、4,4’−メチレンジフェノール、ビスフェノールS,ビスフェノールA、ビスフェノールフルオレン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、o−,m−及びp−ジヒドロキシベンゼン、2,5−ナフタレンジオール、p−キシレンジオール等の芳香族ジオール;
及びこれらのエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド付加体;
等が挙げられる。
上記三価以上の多価アルコールとしては、例えば、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、1,3,6−ヘキサントリオール、アダマンタントリオール等が挙げられる。これらは、単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。
これらのポリオール成分(a2)は、単独でもしくは2種以上併せて用いることができ、所望する物性に合わせて、適宜選択される。
なかでも、本発明の製造方法で得られるポリエステル系樹脂を、前述のプライマー層(プライマー組成物)に用いる場合は、二価アルコールが好ましく、より好ましくは、コーティング層とプライマー層の密着性の点で、直鎖構造の脂肪族ジオールであり、更に好ましくは、適度な柔軟性を有し密着性に優れる点で、エチレングリコールを除く直鎖構造の脂肪族ジオールであり、特に好ましくはジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールであり、殊に好ましくは、樹脂の結晶化度が下がり、より密着性に優れる点でジエチレングリコールである。
また、本発明の製造方法で得られるポリエステル系樹脂を、上記プライマー層(プライマー組成物)に用いる場合は、水性溶媒に溶解または分散させた際の水性液の安定性の点から、直鎖構造の脂肪族ジオールとそれ以外のポリオールを併用することが好ましく、更には、コーティング層とプライマー層の密着性の点からは、直鎖構造の脂肪族ジオールと分岐構造を有する脂肪族ポリオールを併用することが好ましい。上記分岐構造を有する脂肪族ポリオールとして、好ましくはネオペンチルグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ブチルエチルプロパンジオールであり、特に好ましくはネオペンチルグリコールである。
直鎖構造の脂肪族ジオールと、それ以外のポリオールとを併用する場合、直鎖構造の脂肪族ジオールと、それ以外のポリオールとの混合比率(モル比)は、直鎖構造の脂肪族ジオール/それ以外のポリオールとして、98/2〜50/50が好ましく、95/5〜60/40がより好ましく、90/10〜70/30が特に好ましい。
直鎖構造の脂肪族ジオール以外のポリオール成分が多すぎると、密着性が低下する傾向があり、少なすぎると水性液の安定性が低下する傾向がある。
[ポリエステル系樹脂(A)の製造方法]
ポリエステル系樹脂(A)は、上記多価カルボン酸(a1)およびポリオール(a2)を適宜選択し、これらを共重合して得ることができる。なかでも多価カルボン酸無水物を除く多価カルボン酸(a1)とポリオール(a2)とを共重合して得られる水酸基含有プレポリマーに、多価カルボン酸無水物を反応させる方法により製造することが好ましい。
以下、ポリエステル系樹脂(A)の製造方法について詳述する。
まず、所定量の、多価カルボン酸無水物を除く多価カルボン酸(a1)、ポリオール(a2)を混合する。このとき、多価カルボン酸無水物を除く多価カルボン酸(a1)のカルボキシ基とポリオール(a2)の水酸基との混合比率(モル比)は、多価カルボン酸(a1)のカルボキシ基1モルに対してポリオール(a2)の水酸基を1.02〜1.3モルとすることが好ましく、更には1.03〜1.2モル、特には1.04〜1.15モルとすることが好ましい。
この混合物を適宜の反応器に仕込み、通常170〜270℃に加熱することにより、副生成物である水またはメタノールを留去しながら、エステル化反応またはエステル交換反応を進行させて、水酸基含有プレポリマーを生成する。
上記エステル化反応またはエステル交換反応においては、通常、触媒が用いられ、具体的には、例えば、テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート等のチタン系触媒、三酸化アンチモン等のアンチモン系触媒、二酸化ゲルマニウム等のゲルマニウム系触媒等の触媒や、酢酸亜鉛、酢酸マンガン、ジブチル錫オキサイド等の触媒を挙げることができ、これらの1種あるいは2種以上が用いられる。これらのなかでも、触媒活性の高さと色相のバランスから、三酸化アンチモン、テトラブチルチタネート、二酸化ゲルマニウム、酢酸亜鉛が好ましい。
上記触媒の配合量は、反応容器に仕込んだ混合物に対して1〜10000ppmであることが好ましく、特に好ましくは10〜5000ppm、更に好ましくは20〜3000ppmである。かかる配合量が少なすぎると、反応が充分に進行しにくい傾向があり、多すぎても反応時間短縮等の利点はなく副反応が起こりやすい傾向がある。
得られた水酸基含有プレポリマーに、多価カルボン酸無水物を開環付加反応させることによって、ポリエステル系樹脂(A)を得ることができる。
上記水酸基含有プレポリマーに、多価カルボン酸無水物を反応させるに際しては、水酸基含有プレポリマーの水酸基のモル数に対する、多価カルボン酸無水物の酸無水物基のモル数のモル比(多価カルボン酸無水物の酸無水物基のモル数/水酸基含有プレポリマーの水酸基のモル数)を、0.8〜1.8とすることが好ましく、更には0.9〜1.5、特には1.0〜1.2とすることが好ましい。上記の反応条件である場合は、水酸基含有プレポリマーが鎖延長されつつ、その側鎖にカルボキシ基を有することとなる。そのため、ポリエステル系樹脂(A)の重量平均分子量を後述する範囲に調整しやすくなり、基材への密着性や被着体への接着性、耐湿熱性、耐溶剤性等の諸物性が高くなる傾向がある。また、残存する水酸基量が抑えられるため、後述する活性水素基含有化合物(B)を導入する反応においてゲル化等の不具合を起こしにくくなる。
上記水酸基含有プレポリマーと多価カルボン酸無水物との反応には、触媒を用いることが好ましい。触媒は特に限定されないが、アミン系触媒が好ましく、乾燥過程で揮発しやすいことからトリエチルアミンが特に好ましい。
また、反応温度は、触媒を使用する場合は通常、室温(23℃)〜100℃、好ましくは40〜90℃であり、触媒を使用しない場合は通常、230℃以下、好ましくは150〜210℃、特に好ましくは160〜190℃である。
上記反応に際して溶剤は必ずしも必要ではないが、上記温度における反応物の粘度が高過ぎる場合には、撹拌しやすくするために適宜適当な溶剤を使用することができる。
上記溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、プソイドクメン等の芳香族系溶剤、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶剤等が挙げられる。なお、エステル系溶剤およびアルコール系溶剤等のポリエステル系樹脂と反応する恐れのある溶剤は使用しないことが好ましい。
また、ポリエステル系樹脂(A)の製造に際しては、適宜、安定剤等の種々の添加剤を用いてもよい。
かくして、上述の方法によりポリエステル系樹脂(A)が得られる。
上記ポリエステル系樹脂(A)は、側鎖にカルボキシ基を有するものであり、活性水素基含有化合物(B)との反応性に優れる点から、上記側鎖のカルボキシ基は脂肪族多価カルボン酸及び脂環族多価カルボン酸から選ばれる少なくとも1種の多価カルボン酸由来である。好ましくは、側鎖のカルボキシ基が脂肪族多価カルボン酸無水物および脂環族多価カルボン酸無水物から選ばれる少なくとも1種の多価カルボン酸由来であり、より好ましくは、脂環族多価カルボン酸無水物由来であり、特に好ましくは、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物由来である。
上記ポリエステル系樹脂(A)の側鎖に有するカルボキシ基が、脂肪族多価カルボン酸及び脂環族多価カルボン酸から選ばれる少なくとも1種の多価カルボン酸由来であると、
活性水素基含有化合物(B)との反応性が高くなる。
上記ポリエステル系樹脂(A)の水酸基価は、活性水素基含有化合物(B)との反応性に優れる点から、通常10mgKOH/g以下であり、好ましくは8mgKOH/g以下、特に好ましくは5mgKOH/g以下、殊に好ましくは1mgKOH/g以下である。なお、水酸基価は小さければ小さいほど好ましく、下限値は0mgKOH/gである。本発明において水酸基価は、JIS K0070に基づき中和滴定により求められるものである。
そして、上記ポリエステル系樹脂(A)の酸価は、通常4〜100mgKOH/gであり、好ましくは10〜80mgKOH/g、特に好ましくは20〜60mgKOH/gである。酸価が低すぎると、後述する活性水素基含有化合物(B)を導入する反応点が少なくなるため、活性水素基含有化合物(B)の導入量が少なくなる傾向がある。一方、酸価が高すぎると 耐湿熱性が低下 する傾向がある。本発明において酸価は、JIS K0070に基づき中和滴定により求められるものである。
なお、本発明における「酸価」とは、ポリエステル系樹脂(A)が有するカルボキシ基の含有量に起因するものである。また、本発明における「カルボキシ基」とは、カルボキシ基が塩基性化合物により中和されたカルボキシラートイオン状態のものも含む。
上記ポリエステル系樹脂(A)の重量平均分子量は、通常2000〜100000であり、好ましくは5000〜50000、より好ましくは8000〜40000、特に好ましくは10000〜30000である。重量平均分子量が小さすぎると、基材への密着性や被着体への接着性、耐湿熱性、耐溶剤性等の諸物性が低下する傾向があり、重量平均分子量が大きすぎると、密着性や接着性、溶剤溶解性や水分散性、ハンドリング性等が低下する傾向がある。
また、ポリエステル系樹脂(A)のピークトップ分子量は、2000〜60000が好ましく、5000〜40000がより好ましく、7000〜30000が更に好ましく、10000〜25000が特に好ましい。ピークトップ分子量が小さすぎると、基材への密着性や被着体への接着性、耐湿熱性、耐溶剤性等の諸物性が低下する傾向がある。一方、ピークトップ分子量が大きすぎると、溶剤溶解性や水分散性、ハンドリング性が低下する傾向がある。
なお、本発明において重量平均分子量およびピークトップ分子量は、標準ポリスチレン分子量換算による分子量であり、高速液体クロマトグラフ(東ソー社製、「HLC−8320GPC」)に、カラム:TSKgel SuperMultipore HZ−M(排除限界分子量:2×106、理論段数:16000段/本、充填剤材質:スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、充填剤粒径:4μm)を2本直列にして用いることにより測定されるものである。
上記ポリエステル系樹脂(A)のガラス転移温度(Tg)は、通常−70〜150℃であり、好ましくは−50〜100℃、特に好ましくは−20〜80℃、更に好ましくは0〜60℃である。
本発明において、ガラス転移温度は示差走査熱量計を用いて測定することにより得られる値であり、測定条件は、測定するポリエステル樹脂の構造にもよるが、例えば、測定温度範囲−90〜100℃、温度上昇速度10℃/分である。
〔活性水素基含有化合物(B)〕
本発明の製造方法においては、活性水素基含有化合物(B)が有する活性水素基と上記ポリエステル系樹脂(A)のカルボキシ基とが反応することにより、活性水素基含有化合物(B)由来の構造部位がポリエステル系樹脂の側鎖に導入される。
上記活性水素基含有化合物(B)が有する活性水素基の数は、特に限定されないが、ポリエステル系樹脂(A)との反応性の点から、1個が好ましい。
上記活性水素基としては、例えば、アミノ基、カルボキシ基、メルカプト基、水酸基等が挙げられ、なかでもアミノ基、メルカプト基、水酸基が好ましく、特にはアミノ基、水酸基が好ましく、更には水酸基が好ましい。
また活性水素基含有化合物(B)は、活性水素基を有していれば、その他の構造については特に限定されないが、得られるポリエステル系樹脂に様々な機能性を付与できる点から、官能基を有することが好ましく、特には活性水素基含有化合物(B)の末端に官能基を有することが好ましい。また、活性水素基含有化合物(B)は、ポリマーやオリゴマー等の重合体であってもよい。
上記官能基としては、例えば、エポキシ基、不飽和基等が挙げられる。活性水素基含有化合物(B)が有する官能基の数は、特に限定されないが、分子内に少なくとも1個有するものであり、各種機能付与を考慮すれば分子内に2個以上の官能基を有することも好ましい。また、上記官能基は、単独でもしくは2種以上併せて有していてもよい。
上記官能基は、所望するポリエステル系樹脂の機能性等に合わせて適宜選択することができる。例えば、本発明で得られるポリエステル系樹脂を、ポリエステルフィルム基材とコーティング層、特にはプリズム層との密着性を高めるためのプライマー層(プライマー組成物)に用いる場合は、上記プリズム層を形成する組成物中の炭素−炭素二重結合と反応し得る官能基として、不飽和基、特にはエチレン性不飽和基を有することが好ましい。
上記エチレン性不飽和基としては、例えば、ビニル基、ビニルエーテル基、ビニルエステル基、(メタ)アクリロイル基等が挙げられる。なかでも、コーティング層とプライマー層の反応性(密着性)の点から(メタ)アクリロイル基が好ましく、アクリロイル基が特に好ましい。
これらのなかでも、好ましくは、コーティング層とプライマー層との密着性に優れる点から、活性水素基含有化合物(B)が活性水素基含有(メタ)アクリレートであることが好ましく、水酸基含有(メタ)アクリレートであることが特に好ましい。
上記水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、単官能水酸基含有(メタ)アクリレート、多官能水酸基含有(メタ)アクリレートが挙げられる。
上記単官能水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、エチレングリコール−プロピレングリコール・ブロックコポリマーモノ(メタ)アクリレート、エチレングリコール−テトラメチレングリコールコポリマーモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは、単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。
上記多官能水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは、単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。
これらの水酸基含有(メタ)アクリレートのなかでも、コーティング層とプライマー層の密着性の観点から、単官能水酸基含有(メタ)アクリレートが好ましく、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートがより好ましい。
上記ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートの数平均分子量は、通常100〜1000、好ましくは110〜800、より好ましくは120〜500である。数平均分子量が上記の範囲内であると、(メタ)アクリロイル基濃度が高くなるため、コーティング層とプライマー層との密着性に優れる傾向がある。なお、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートの数平均分子量は、JIS K 1557−1に準拠して測定した水酸基価に基づいて算出することができる。
上記ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。なかでも、カルボキシ基との反応性の点からは、1級の水酸基を有するもの(例えば、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等)が好ましく、コーティング層とプライマー層の密着性の点からは、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートが好ましく、ポリエチレングリコールモノアクリレートが特に好ましい。
本発明のポリエステル系樹脂の製造方法における活性水素基含有化合物(B)の使用量は、カルボキシ基含有ポリエステル系樹脂(A)中の側鎖カルボキシ基100mol%に対して、活性水素基含有化合物(B)が有する活性水素基が通常10〜150mol%、好ましくは15〜100mol%、特に好ましくは20〜90mol%である。活性水素基含有化合物(B)の使用量が少なすぎると、ポリエステル系樹脂(A)の側鎖に導入される構造部位が少なくなる傾向があり、活性水素基含有化合物(B)の使用量が多すぎると、余剰の活性水素基含有化合物(B)が、ブリードアウトする傾向がある。
〔一般式(1)で表される化合物(C)〕
本発明のポリエステル系樹脂の製造方法は、下記一般式(1)で表される化合物(C)〔以下、単に「化合物(C)」と称する場合がある〕の存在下で行われるものである。
Figure 2021024916
化合物(C)を示す上記一般式(1)において、R1とR2は、それぞれ炭化水素基を表す。また、上記炭化水素基の炭素数は、入手容易性の観点から、1〜20であり、好ましくは2〜10であり、特に好ましくは3〜7である。
上記R1とR2は炭化水素基であれば、その種類および構造は限定されない。上記炭化水素基としては、具体的には、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基等が挙げられる。これらは、直鎖、分岐、環状のいずれの構造でもよい。また、上記炭化水素基としては、アリール基も挙げられる。更に、これらの炭化水素基は、その構造中にエーテル結合を含んでいてもよく、また、R1とR2とが結合して、環状構造を形成していてもよい。
上記化合物(C)としては、具体的には、例えば、二炭酸ジアリル、二炭酸ジ−t−ブチル、二炭酸ジ−t−アミル、二炭酸ジベンジル等が挙げられる。なかでも、所望の構造部位を導入したポリエステル系樹脂を効率よく製造できることから、R1とR2がt−ブチル基である二炭酸ジ−t−ブチルが好ましい。
上記化合物(C)としては、市販されているものを使用することができるが、公知の方法等で製造して得られたものを使用してもよい。また、化合物(C)は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、化合物(C)は、反応によってその化合物由来の成分を含む中間体を生成するが、最終的に得られるポリエステル系樹脂には、化合物(C)の成分は含まれない。
また、本発明のポリエステル系樹脂の製造方法における化合物(C)の使用量は、活性水素基含有化合物(B)が有する活性水素基に対して、通常0.8〜5当量であり、好ましくは0.9〜3当量であり、特に好ましくは1〜2当量である。化合物(C)の使用量が少なすぎると、所望の構造部位を導入したポリエステル系樹脂の収率が低くなる傾向があり、使用量が多すぎると、化合物(C)の分解による炭酸ガスが発生し、系中でそれがトラップされることによりゲル化を引き起こす傾向があり、また、経済的ではない。
<所望の構造部位を導入したポリエステル系樹脂の製造方法>
本発明の製造方法は、上記一般式(1)で表される化合物(C)の存在下でポリエステル系樹脂(A)と活性水素基含有化合物(B)とを反応させるものである。
以下、本発明のポリエステル系樹脂の製造方法について詳述する。
本発明のポリエステル系樹脂の製造方法における反応条件は、特には限定されず、反応過程で反応条件を適宜変更することもできる。
上記反応に用いる反応容器の形態は、特に限定されない。また、反応に用いる原料〔ポリエステル系樹脂(A)、活性水素基含有化合物(B)、化合物(C)〕、後述する触媒〔第15族元素を有する塩基性化合物(D)、マグネシウム化合物(E)、アルカリ金属化合物(F)〕等を反応容器に導入する方法についても特に限定されず、例えば、全ての原料及び触媒等を一度に反応容器に導入する方法、一部または、全ての原料及び触媒等を段階的に反応容器に導入する方法、一部または、全ての原料及び触媒等を連続的に反応容器に導入する方法等が挙げられる。また、これらの方法を組み合わせてもよい。
上記ポリエステル系樹脂(A)と活性水素基含有化合物(B)との反応温度は、特には限定されないが、比較的低温で反応させることができ、通常0〜150℃、好ましくは20〜120℃、特に好ましくは40〜100℃、殊に好ましくは50〜90℃である。反応温度が低すぎると反応効率が低下する傾向があり、反応温度が高すぎるとポリエステル系樹脂の主鎖の切断による分子量低下を引き起こす傾向がある。なお、化合物(C)を存在させないで反応を行うと、上記温度帯より高温での反応が必要となってしまい、ポリエステル系樹脂の主鎖の切断が起こり所望の構造のポリエステル系樹脂が得られにくくなる傾向がある。
また、反応時間も特には限定されないが、通常0.5〜72時間であり、好ましくは2〜48時間、更に好ましくは5〜24時間である。反応時間が短すぎると、反応が充分に進行しなくなる傾向があり、反応時間が長すぎても、収率の向上が見られない傾向があり、経済的ではない。
更に、上記ポリエステル系樹脂(A)と活性水素基含有化合物(B)の反応においては、反応時の雰囲気、及び圧力も特には限定されない。
本発明のポリエステル系樹脂の製造方法において、ポリエステル系樹脂(A)と活性水素基含有化合物(B)とを化合物(C)の存在下で反応させる際、更に触媒として、第15族元素を有する塩基性化合物(D)、マグネシウム化合物(E)及びアルカリ金属化合物(F)からなる群から選ばれる少なくとも1種を共存させることが好ましく、全てを共存させることが特に好ましい。これらの触媒の存在下で反応させると、より高収率で不飽和基含有ポリエステル系樹脂が得られる。
なお、本発明において「触媒の存在下」とは、触媒が反応過程の少なくとも一部の段階で存在していればよく、反応過程の全ての段階で常に存在している必要はない。本発明のポリエステル系樹脂の製造方法においては、触媒が反応系内に加えられれば、「触媒の存在下」という要件は満たされる。例えば、触媒をいずれかの段階で反応系内に加えた後、反応過程で触媒に何らかの変化が生じたとしても、「触媒の存在下」という要件は満たされる。
[第15族元素を有する塩基性化合物(D)]
上記第15族元素を有する塩基性化合物(D)を構成する第15族元素としては、例えば、窒素、リン、ヒ素、アンチモン、ビスマスが挙げられ、なかでも、窒素、リンが好ましく、特には窒素が好ましい。上記第15族元素を有する塩基性化合物(D)は、単独でもしくは2種以上を併せて用いてもよい。
また、窒素元素を有する塩基性化合物としては、触媒活性が高く、高収率で所望の構造部位が導入されたポリエステル系樹脂が得られることからアミン系化合物が好ましい。
上記アミン系化合物としては、例えば、脂肪族アミン系化合物、芳香族アミン系化合物、複素環式アミン系化合物等が挙げられる。
上記脂肪族アミン系化合物としては、例えば、
メチルアミン、エチルアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等の脂肪族一級アミン系化合物;
ジメチルアミン、ジエチルアミン等の脂肪族二級アミン系化合物;
トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、N,N,N’,N’’,N’’−ペンタメチルジメチレントリアミン、N,N,N’,N’’,N’’−ペンタメチルジエチレントリアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、N,N,N’,N’’,N’’−ペンタメチルジプロピレントリアミン、N,N−ジメチルアミノエタノール、N,N−ジメチルアミノエトキシエタノール等の脂肪族三級アミン系化合物;
等が挙げられる。
上記芳香族アミン系化合物としては、例えば、アニリン、トルイジン、1,8−ビス(ジメチルアミノ)ナフタレン等が挙げられる。
上記複素環式アミン系化合物としては、例えば、ピロリジン、ピペラジン、N’−メチルピペラジン、N−(2−ジメチルアミノエチル)−N’−メチルピペラジン、モルホリン、N−エチルモルホリン、N−(N’,N’,−2−ジメチルアミノエチル)モルホリン、キヌクリジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、ピロール、イミダゾール、ピリジン、オキサゾール、チアゾール、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン等が挙げられる。
上記アミン系化合物のなかでも、触媒活性が高く、高収率で所望の構造部位が導入されたポリエステル系樹脂が得られることから脂肪族アミン系化合物、複素環式アミン系化合物が好ましく、より好ましくは脂肪族アミン系化合物、なかでも三級アミン系化合物であり、特に好ましくはトリエチルアミンである。
第15族元素を有する塩基性化合物(D)の使用量は、ポリエステル系樹脂(A)100重量部に対して、好ましくは0.05〜20重量部であり、より好ましくは0.1〜10重量部であり、特に好ましくは0.5〜5重量部である。第15族元素を有する塩基性化合物(D)の使用量が少なすぎると、所望の構造部位が導入されたポリエステル系樹脂の収率を更に高める効果が得られにくくなる傾向があり、第15族元素を有する塩基性化合物(D)の使用量が多すぎても、収率のそれ以上の向上は見られない傾向があり、経済的ではない。
[マグネシウム化合物(E)]
上記マグネシウム化合物(E)としては、例えば、マグネシウムの、酸化物、水酸化物塩、炭酸塩、炭酸水素塩、ケイ酸塩、硫酸塩、硫酸アンモニウム塩、硝酸塩、リン酸塩、リン酸水素塩、リン酸アンモニウム塩、ホウ酸塩、ハロゲン酸塩、過ハロゲン酸塩、ハロゲン化水素酸塩等の無機酸との塩;カルボン酸塩、過カルボン酸塩、スルホン酸塩等の有機酸との塩;アセチルアセトン塩、ヘキサフルオロアセチルアセトン塩、ポルフィリン塩、フタロシアニン塩、シクロペンタジエン塩等の錯塩等が挙げられる。これらのマグネシウムの塩は、水和物および無水物のいずれでもよい。そのなかでも、マグネシウムの、酸化物、水酸化物塩、炭酸塩、硫酸塩、硫酸アンモニウム塩、硝酸塩、ハロゲン化水素酸塩、カルボン酸塩、および錯塩が好ましい。
上記好ましいマグネシウム化合物(E)として、より具体的には、例えば、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸水酸化マグネシウム(別名:塩基性炭酸マグネシウム)、硫酸マグネシウム、硫酸アンモニウムマグネシウム、硝酸マグネシウム、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、酢酸マグネシウム、安息香酸マグネシウム、(メタ)アクリル酸マグネシウム、ビス(2,4−ペンタンジオナト)マグネシウムが挙げられる。なかでも水酸化マグネシウム、ビス(2,4−ペンタンジオナト)マグネシウムが好ましく、水酸化マグネシウムが特に好ましい。
これらのマグネシウム化合物(E)は、市販されているものを使用することができるが、公知の方法等で製造して得られたものを使用してもよい。また、マグネシウム化合物(E)は単独でもしくは2種類以上を併用することができる。
上記マグネシウム化合物(E)の使用量は、活性水素基含有化合物(B)が有する活性水素基に対して、好ましくは0.001〜1000mol%であり、より好ましくは0.005〜100mol%であり、特に好ましくは0.01〜5mol%である。マグネシウム化合物(E)の使用量が少なすぎると、所望の構造部位が導入されたポリエステル系樹脂の収率を更に高める効果が得られにくくなる傾向があり、マグネシウム化合物(E)の使用量が多すぎても、収率のそれ以上の向上は見られない傾向があり、経済的ではない。
[アルカリ金属化合物(F)]
上記アルカリ金属化合物(F)としては、例えば、アルカリ金属の、水素化塩、酸化物、水酸化物塩、炭酸塩、炭酸水素塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩、ハロゲン酸塩、過ハロゲン酸塩、ハロゲン化水素酸塩、チオシアン酸塩等の無機酸との塩;アルコキシド塩、カルボン酸塩、スルホン酸塩等の有機酸との塩;アミド塩、スルホンアミド塩等の有機塩基との塩;アセチルアセトン塩、ヘキサフルオロアセチルアセトン塩、ポルフィリン塩、フタロシアニン塩、シクロペンタジエン塩等の錯塩等が挙げられる。これらのアルカリ金属塩は、水和物および無水物のいずれでもよい。また、これらは単独でもしくは2種以上を併せて用いてもよい。そのなかでも、アルカリ金属の、酸化物、水酸化物塩、炭酸塩、炭酸水素塩、ハロゲン化水素酸塩、カルボン酸塩、アミド塩、および錯塩が好ましい。
また、上記アルカリ金属化合物(F)を構成するアルカリ金属としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムが好ましく、触媒活性が高く、高収率で所望の構造部位が導入されたポリエステル系樹脂が得られることからリチウムがより好ましい。
上記リチウム化合物としては、具体的には、例えば、酸化リチウム、水酸化リチウム、炭酸リチウム、フッ化リチウム、塩化リチウム、臭化リチウム、酢酸リチウム、安息香酸リチウム、(メタ)アクリル酸リチウム、リチウムアミド、リチウムトリフルイミド、アセチルアセトンリチウム等が挙げられる。なかでも水酸化リチウムが好ましい。
上記アルカリ金属化合物(F)は、市販されているものを使用することができるが、公知の方法等で製造して得られたものを使用することもできる。また、アルカリ金属化合物(F)は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
アルカリ金属化合物(F)の使用量は、活性水素基含有化合物(B)が有する活性水素基に対して、好ましくは0.001〜1000mol%であり、好ましくは0.005〜100mol%であり、特に好ましくは0.01〜5mol%である。アルカリ金属化合物(F)の使用量が少なすぎると、所望の構造部位が導入されたポリエステル系樹脂の収率を更に高める効果が得られにくくなる傾向があり、アルカリ金属化合物(F)の使用量が多すぎると、収率のそれ以上の向上は見られない傾向があり、経済的ではない。
更に、本発明のポリエステル系樹脂の製造方法においては、その他の任意成分として、溶剤を用いることもできる。上記溶剤としては、前記ポリエステル系樹脂(A)の製造で列挙した溶剤と同じものを用いることができる。溶剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上の混合溶剤でもよい。溶剤の使用量も特に限定されず、適宜選択することができる。溶剤の反応容器内への導入方法については、特には制限されないが、全ての溶剤を一度に一括で導入してもよく、一部または全ての溶剤を段階的に導入してもよく、一部または全ての溶剤を連続的に導入してもよい。また、これらの方法を組み合わせた導入方法でもよい。
かくして、本発明の製造方法により所望の構造部位が導入されたポリエステル系樹脂が得られる。
〔所望の構造部位が導入されたポリエステル系樹脂〕
本発明の製造方法で得られるポリエステル系樹脂は、ポリエステル系樹脂の側鎖に下記一般式(2)で表される構造部位を有するものである。
Figure 2021024916
上記X部分は単結合又は連結鎖を示している。すなわち、上記X部分は、ポリエステル系樹脂の主鎖に直接結合していてもよいし、炭素原子、水素原子、ヘテロ原子等からなる連結鎖としてポリエステル系樹脂の主鎖に結合していてもよい。
上記Rは、側鎖のエステルの2番の酸素原子に隣接した2番目の炭素原子が水酸基を有しない有機基である。また、本発明の製造方法で得られるポリエステル系樹脂を、プライマー層(プライマー組成物)に用いる場合は、耐水性の点から、上記有機基にエポキシ基由来の水酸基を有しないことが好ましい。
本発明の製造方法によって得られる所望の構造部位が導入されたポリエステル系樹脂の酸価は、0〜100mgKOH/gが好ましく、特には2〜70mgKOH/g、殊には5〜50mgKOH/g、更には10〜40mgKOH/gが好ましい。
また、所望の構造部位が導入されたポリエステル系樹脂に対する活性水素基含有化合物(B)の導入率は、通常0.1%以上、好ましくは2%以上、特に好ましくは10%以上である。なお、上記導入率の上限は通常100%である。
以下、本発明の製造方法で得られるポリエステル系樹脂の好ましい態様の一つである、不飽和基含有ポリエステル系樹脂を例にし、その特性等について説明する。
[不飽和基含有ポリエステル系樹脂]
上記不飽和基含有ポリエステル系樹脂は、活性水素基含有化合物(B)として、水酸基含有(メタ)アクリレートを用いることで得られる。この不飽和基含有ポリエステル系樹脂を含む組成物は、基材とコーティング層とを密着させるためのプライマー層(プライマー組成物)として好適に用いることができる。
上記不飽和基含有ポリエステル系樹脂を後述する架橋剤で反応させることにより、架橋構造が形成される。そして、この架橋構造が形成されることにより、該不飽和基含有ポリエステル系樹脂のポリエステル構造部位の分子運動性は制限される。一方、該不飽和基含有ポリエステル系樹脂の側鎖に存在する不飽和基は、架橋構造が形成された不飽和基含有
ポリエステル系樹脂においても、立体的及び空間的自由度が比較的高い状態にある。そのため、例えば、上記不飽和基含有ポリエステル系樹脂を、基材フィルムとコーティング層の間に設けるプライマー層を形成するためのプライマー組成物に用いる場合、不飽和基含有ポリエステル系樹脂の不飽和基は反応性基としてプライマー層の表面に偏析する。
よって、該プライマー層上に、例えば、無溶剤系活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が硬化してなるプリズム層をコーティング層として積層した際には、活性エネルギー線照射によるプリズム層の硬化過程において、表面偏析したプライマー層中の不飽和基と、プリズム層中の炭素−炭素二重結合に由来する活性種とが、層間で反応して結合し、互いの密着性が高まることとなる。
上記不飽和基含有ポリエステル系樹脂の不飽和基の含有量は、通常0.005〜5mmol/gであり、好ましくは0.01〜4mmol/g、特には0.03〜2mmol/g、更には0.05〜1mmol/gが好ましい。かかる含有量が低すぎると、プリズム層との反応点不足で充分な密着性が得られなくなる傾向があり、かかる含有量が多すぎると、不飽和基含有ポリエステル樹脂内で架橋反応が進むことで塗膜が硬くなり、密着性が低下する傾向がある。
なお、上記不飽和基含有ポリエステル系樹脂の不飽和基の含有量は、下記式(I)により求めることができる。
不飽和基の含有量(mmol/g)=(P1m×P1n)/(P1mw×S1)・・・(I)
式(I)中、P1mは水酸基含有(メタ)アクリレートの重量(mg)、P1nは水酸基含有(メタ)アクリレートの1分子当たりの不飽和基数、P1mwは水酸基含有(メタ)アクリレートの分子量(g/mol)、S1は不飽和基含有ポリエステル系樹脂の固形分重量(g)である。
また、不飽和基含有ポリエステル系樹脂の不飽和基の含有量は、NMRにより測定することもできる。
上記不飽和基含有ポリエステル系樹脂のガラス転移温度(Tg)は、−5〜70℃が好ましく、0〜60℃がより好ましく、5〜50℃が特に好ましく、15〜40℃が更に好ましい。不飽和基含有ポリエステル系樹脂のガラス転移温度が低すぎると、水性溶媒に対する溶解性または分散性、耐ブロッキング性が低下する傾向があり、ガラス転移温度が高すぎると、密着性が低下する傾向がある。
また、上記不飽和基含有ポリエステル系樹脂の重量平均分子量は、3000〜200000が好ましく、特には5000〜50000、殊には8000〜40000、更には10000〜30000が好ましい。重量平均分子量が小さすぎると、密着性、耐湿熱性が低下する傾向があり、重量平均分子量が大きすぎると、密着性、水性溶媒に対する溶解性または分散性が低下する傾向がある。
上記不飽和基含有ポリエステル系樹脂は、前述のとおりプライマー組成物として好適に用いることができるものである。以下、プライマー組成物について説明する。
[プライマー組成物]
上記プライマー組成物は、不飽和基含有ポリエステル系樹脂を含むものであり、更に架橋剤を含有することが好ましい。
上記架橋剤は、不飽和基含有ポリエステル系樹脂中のカルボキシ基と架橋反応を起こすものであればよく、例えば、イソシアネート系化合物、オキサゾリン系化合物、エポキシ系化合物、カルボジイミド系化合物、アミン系化合物、金属系化合物、アジリジン系化合物、ヒドラジン系化合物、ヒドラジド系化合物及びメラミン系化合物等が挙げられる。
上記イソシアネート系化合物としては、官能基としてイソシアネート基を分子内に少なくとも2個以上含有するものであればよく、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネート等、およびこれらのビウレット体、イソシアヌレート体、更にはエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ヒマシ油等の低分子活性水素含有化合物との反応物であるアダクト体等が挙げられる。
上記イソシアネート系化合物の市販品としては、例えば、日本ポリウレタン社製の「アクアネート110」、「アクアネート210」、第一工業製薬社製の「エラストロンBN−27」、「エラストロンBN−77」、明成化学工業社製の「メイカネートTP−10」、「SU−268A」、Baxenden Chemical Limited社製の「Trixene aqua BI200」、「Trixene aqua BI220」等が挙げられる。
なかでも、紫外線による黄変を避けるために、脂肪族イソシアネート系化合物または脂環族イソシアネート系化合物が好ましい。
また、安定性の点からは官能基ブロックタイプのものが好ましく、「SU−268A」、「Trixene aqua BI220」等が好適である。
上記オキサゾリン系化合物としては、例えば、2位の炭素位置に不飽和炭素−炭素結合をもつ置換基を有する付加重合性2−オキサゾリン(例えば、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン)と他の不飽和単量体との共重合体等が挙げられ、市販品として、例えば、日本触媒社製の「エポクロスWS−500」、「エポクロスWS−700」、「エポクロスK−2010E」、「エポクロスK−2020E」、「エポクロスK−2030E」等が挙げられる。
上記エポキシ系化合物としては、例えば、ビスフェノールA・エピクロルヒドリン型のエポキシ樹脂、ソルビトールポリグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス社製の「デナコールEX−611」、「デナコールEX−612」、「デナコールEX−614」、「デナコールEX−614B」、「デナコールEX−622」等)、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス社製の「デナコールEX−512」、「デナコールEX−521」等)、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス社製の「デナコールEX−411」等)、ジグリセロールポリグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス社製の「デナコールEX−421」等)、グリセロールポリグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス社製の「デナコールEX−313」、「デナコールEX−314」等)、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス社製の「デナコールEX−321」等)、レゾルシノールジグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス社製の「デナコールEX−201」等)、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス社製の「デナコールEX−211」等)、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス社製の「デナコールEX−212」等)、ヒドロゲネイティッドビスフェノールAジグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス社製の「デナコールEX−252」等)、エチレングリコールジグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス社製の「デナコールEX−810」、「デナコールEX−811」等)、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス社製の「デナコールEX−850」、「デナコールEX−851」等)、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス社製の「デナコールEX−821」、「デナコールEX−830」、「デナコールEX−832」、「デナコールEX−841」、「デナコールEX−861」等)、プロピレングリコールジグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス社製の「デナコールEX−911」等)、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス社製の「デナコールEX−941」、「デナコールEX−920」、「デナコールEX−931」等)が挙げられる。なかでも、水性タイプのものが好適であり、特に、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル等の2官能で直鎖構造のものがコーティング層とプライマー層の密着性の点から好適である。
上記カルボジイミド系化合物としては、官能基としてカルボジイミド基、またはその互変異性の関係にあるシアナミド基を分子内に少なくとも2個以上含有するものであればよく、例えば、日清紡ケミカル社製の「カルボジライトV−02」、「カルボジライトV−02−L2」、「カルボジライトSV−02」、「カルボジライトV−04」、「カルボジライトV−10」、「カルボジライトE−03A」、「カルボジライトE−02」、「カルボジライトE−04」等が挙げられる。なかでも、コーティング層とプライマー層の密着性の点から、キシリレン骨格、トリレン骨格、ジフェニルメタン骨格、テトラメチルキシリレン骨格等の芳香族基を有するものが好ましく、特には「カルボジライトV−04」、「カルボジライトE−04」等が好適である。
上記アミン系化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジアミン、トリエタノールアミン等が挙げられる。
上記金属系化合物としては、例えば、テトラエチルチタネート、テトラエチルジルコネート、アルミニウムイソプロピオネート等の金属アルコキシドや、アルミニウム、鉄、銅、亜鉛、スズ、チタン、ニッケル、アンチモン、マグネシウム、バナジウム、クロム、ジルコニウム等の多価金属のアセチルアセトンやアセト酢酸エステル、エチレンジアミン四酢酸配位化合物の金属キレート化合物等や、酢酸−アンモニウム錯塩、アンモニウム−カーボネート錯塩等が挙げられる。
上記アジリジン系化合物としては、アジリジン基を少なくとも2個以上含有するものであればよく、例えば、日本触媒社製の「ケミタイトPZ−33」、「ケミタイトDZ−22E」等が挙げられる。
上記ヒドラジン系化合物としては、ヒドラジン基を少なくとも2個以上含有するものであればよく、例えば、モノ塩酸ヒドラジン、ジ塩酸ヒドラジン、モノ臭化水素酸ヒドラジン、炭酸ヒドラジン等が挙げられる。
上記ヒドラジド系化合物としては、例えば、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカンジオヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、サリチル酸ヒドラジド等が挙げられる。
上記メラミン系化合物としては、例えば、ヘキサメトキシメチロールメラミンや、三和ケミカル社製の「ニカラックMW−30M」、「ニカラックMW−30」、「ニカラックMW−22」、「ニカラックMS−11」、「ニカラックMS−011」、「ニカラックMX−730」、「ニカラックMX−750」、「ニカラックMX−706」、「ニカラックMX−035」等のメチル化メラミン樹脂、「ニカラックMX−45」、「ニカラックMX−410」等の混合エーテル化メラミン樹脂等が挙げられる。
架橋剤としては、これらのなかから選ばれる1種のみを用いてもよく、2種以上を併せて用いてもよい。
なかでも架橋剤としては、コーティング層とプライマー層の密着性の点から、イソシアネート系化合物およびカルボジイミド系化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物であることが好ましく、イソシアネート系化合物が特に好ましい。
特に、プライマー層の厚みはコストや透明性の点から薄い方が好ましいものの、厚みが薄いと密着性が低下する傾向にあるため、インラインコーティングによるナノオーダーの薄膜形成時等には上述の好ましい架橋剤の使用が特に有効である。
上記架橋剤の含有量は、不飽和基含有ポリエステル系樹脂中に含まれる官能基の量、不飽和基含有ポリエステル系樹脂の分子量、用途目的により適宜選択できるが、不飽和基含有ポリエステル系樹脂と架橋剤の重量比(不飽和基含有ポリエステル系樹脂の重量/架橋剤の重量)として、99/1〜30/70が好ましく、特には95/5〜40/60、殊には90/10〜50/50、更には80/20〜60/40が好ましい。
架橋剤の含有量が多すぎても少なすぎても、架橋不足により密着性、耐湿熱性が低下する傾向がある。
また、プライマー組成物に対する、不飽和基含有ポリエステル系樹脂の不飽和基の含有量は0.003〜4mmol/gが好ましく、特には0.005〜1mmol/gが好ましく、更には0.01〜0.5mmol/gが好ましい。
かかる含有量が低すぎると、コーティング層との反応点不足で充分な密着性が得られなくなる傾向があり、かかる含有量が多すぎると、プライマー組成物内で架橋反応が進むことで塗膜が硬くなり、密着性が低下する傾向がある。
なお、プライマー組成物中における、不飽和基含有ポリエステル系樹脂の不飽和基の含有量は、下記式(II)により求めることができる。
不飽和基の含有量(mmol/g)=(P2m×P2n)/(P2mw×S2)・・・(II)
式(II)中、P2mは水酸基含有(メタ)アクリレートの重量(mg)、P2nは水酸基含有(メタ)アクリレートの1分子当たりの不飽和基数、P2mwは水酸基含有(メタ)アクリレートの分子量(g/mol)、S2はプライマー組成物の固形分総重量(g)である。
上記プライマー組成物には、上記各成分以外に、必要に応じて、硬化触媒、ヒンダードフェノール系等の酸化防止剤、熱安定剤、ガラス繊維、無機・有機充填剤、色料、難燃剤、軟化剤、分散剤、湿潤剤、乳化剤、ゲル化剤、消泡剤、他の熱可塑性樹脂等を、プライマー組成物としての効果を損なわない程度で配合することができる。また、これらは単独でもしくは2種以上を併せて用いてもよい。
上記プライマー組成物を製造する方法は特に限定されず、例えば、撹拌装置を用いて各成分を適宜混合すればよい。
上記プライマー組成物または前記不飽和基含有ポリエステル系樹脂は、通常、水性溶媒に溶解または分散された水性液として用いられる。
[水性液]
上記水性液の調製は、不飽和基含有ポリエステル系樹脂またはプライマー組成物、および水性溶媒を適宜混合して行うことができ、例えば、(1)プライマー組成物を調製した後、水性溶媒を混合して水性液とする方法、(2)不飽和基含有ポリエステル系樹脂および架橋剤のそれぞれを水性溶媒で水性液としておき、これらを混合し水性液とする方法、(3)不飽和基含有ポリエステル系樹脂および架橋剤のいずれかを水性溶媒で水性液としておき、更に残りの成分を混合し水性液とする方法等が挙げられるが、調製が容易な点で上記(2)の方法が好ましい。
上記水性溶媒としては、水または水に適宜の親水性有機溶媒を混合したものを挙げることができる。上記親水性有機溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノターシャリーブチルエーテル等のグリコールエーテル類等、水と混合可能なものが挙げられる。親水性有機溶媒を用いる場合には、その水性液の全体に対する割合は適宜設定される。例えば、水性液の全体に対する親水性有機溶媒の割合は、30重量%以下の範囲と設定することができるが、これに限定されるものではない。また、これら水性溶媒の中から選ばれる1種を用いてもよく、あるいは2種以上を併せて用いてもよい。
上記水性液を調製する際には、水性媒体に均一に溶解または分散させるために中和剤を配合することが好ましく、かかる中和剤としては、プライマー組成物に含有される不飽和基含有ポリエステル系樹脂のカルボキシ基(架橋剤がカルボキシ基を含む場合は、架橋剤も含める)を中和することができるものであればよい。
上記中和剤としては、具体的には、例えば、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の金属水酸化物;エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、イミノビスプロピルアミン、3−エトキシプロピルアミン、3−ジエチルアミノプロピルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、アミノエタノールアミン、モルホリン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン等の有機アミン;およびアンモニア等が挙げられる。これら中和剤の中から選ばれる1種を用いてもよく、あるいは2種以上を併せて用いてもよい。
これら中和剤のなかでも乾燥により揮散させやすく、得られる被膜の耐水性の点から、沸点が150℃以下、特には100℃以下のものであることが好ましい。特に、汎用性が高く、低沸点であり、乾燥時の揮散が容易な点から、アンモニア、トリエチルアミンが好ましく、アンモニアが特に好ましい。
また、この水性液には、必要に応じて、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤等の界面活性剤を配合することができる。界面活性剤を配合することによって、水性液をポリエステル系フィルム等の基材に塗布する際の基材フィルムへの濡れ性を向上させることができる。
界面活性剤としては適宜のものを用いることができ、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸金属石鹸、アルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩等を挙げることができる。
これら界面活性剤のなかから選ばれる1種を用いてもよく、あるいは2種以上を併せて用いてもよい。
なお、コーティング層とプライマー層の密着性およびプライマー層の耐水性の点からは、界面活性剤を添加しない方が好ましい。
また、上記水性液には、更に必要に応じて、例えば、耐電防止剤、充填剤、紫外線吸収剤、滑剤、着色剤等を配合してもよい。また、これらは単独でもしくは2種以上を併せて用いてもよい。
上記水性液の固形分の濃度は、不飽和基含有ポリエステル系樹脂の良好な分散性を確保することができるように適宜調整され、例えば、5〜30重量%が好ましい。なお、塗布時は所望の膜厚を得るべく適宜希釈され、例えば、固形分濃度を1〜15重量%に調整し使用される。
以下、上記水性液を用いて得られるプライマー層付き基材フィルムについて説明する。
[プライマー層付き基材フィルム]
上記の水性液を基材フィルムに塗布し、加熱乾燥することにより、プライマー組成物中の不飽和基含有ポリエステル系樹脂が架橋剤により架橋されてなる被膜(プライマー層)を形成して、プライマー層付き基材フィルムを得ることができる。
上記基材フィルムとしては、例えば、ポリエチレンナフタート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート共重合体等のポリエステル系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂;ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化エチレン等のポリフッ化エチレン樹脂;ナイロン6、ナイロン6,6等のポリアミド;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、ビニロン等のビニル重合体;三酢酸セルロース、セロファン等のセルロース系樹脂;ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系樹脂;ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリイミド等の合成樹脂からなるフィルムまたはシートから選択される単層体または複層体が挙げられる。
なかでも、透明性、耐薬品性、耐熱性、機械的強度およびコスト等の点からポリエステル系フィルムが好ましく用いられる。
上記ポリエステル系フィルムは、未延伸のものと、延伸したもののいずれでもよいが、延伸フィルムを用いることが好ましく、特に二軸延伸フィルムを用いることが好ましい。
水性液の塗布方法としては公知一般の方法を用いることができ、例えば、基材フィルムの片面または両面に、キスコート、リバースコート、グラビアコート、ダイコート等で塗布する方法が挙げられる。
また、加熱乾燥後(架橋後)のプライマー層の厚みは、0.01〜2μmであることが好ましく、更には0.02〜0.5μm、殊には0.03〜0.3μm、特には0.05〜0.15μmであることが好ましい。かかる厚みが薄すぎると、密着性が低下する傾向があり、かかる厚みが厚すぎると、透明性やヘイズ等の光学特性や耐ブロッキング性が低下する傾向がある。
上記プライマー層付き基材フィルムのプライマー層上に更にコーティング層を設け、該コーティング層をハードコート層やプリズム層とすることにより、積層フィルムやプリズムシートを得ることができる。
コーティング層を形成する材料としては、コーティング材料として一般的に用いられているアクリル系樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂や、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物等が挙げられるが、なかでも活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が好ましい。
具体的には、上記プライマー層付き基材フィルムのプライマー層上に活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を塗工し、活性エネルギー線を照射して硬化することにより、プライマー層付き基材フィルムのプライマー層上に、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が硬化してなるハードコート層を有する積層フィルムを得ることができる。
上記ハードコート層の厚みとしては、通常0.5〜15μmであり、好ましくは1〜10μm、特には2〜7μmであることが好ましい。
また、プライマー層付き基材フィルムのプライマー層上にプリズム層を形成し、プリズムシートを得ることができる。
プリズム層としては、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が硬化してなるプリズム層であることが好ましく、特に好ましくは、無溶剤系の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が硬化してなるプリズム層である。
プリズム層が、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が硬化してなるプリズム層である場合のプリズム層の形成方法としては、例えば、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物をプリズム型に導入し、プリズム型とプライマー層付き基材フィルム(特には、ポリエステルフィルム)のプライマー層側とで活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を挟み込んだ状態で活性エネルギー線を照射し、樹脂組成物を硬化させ、プリズム型を取り除くことにより、基材フィルム上に活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が硬化してなるプリズム層を形成する方法が挙げられる。
上記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の塗工方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、スプレー、シャワー、ディッピング、ロール、スピン、カーテン、フロー、スリット、ダイ、グラビア、コンマ、ディスペンサー、スクリーン印刷、インクジェット印刷等のようなウェットコーティング法が挙げられる。
活性エネルギー線としては、例えば、遠紫外線、紫外線、近紫外線、赤外線等の光線、X線、γ線等の電磁波の他、電子線、プロトン線、中性子線等が利用できるが、硬化速度、照射装置の入手のしやすさ、価格等から紫外線照射による硬化が有利である。
紫外線照射により硬化させる方法としては、150〜450nm波長域の光を発する高圧水銀ランプ、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルランプ、無電極放電ランプ、LED等を用いて、30〜3,000mJ/cm2程度照射すればよい。
紫外線照射後は、必要に応じて加熱を行って硬化の完全を図ることもできる。
プリズム層の厚みとしては、5〜50μmであることが好ましく、特には10〜45μm、更には15〜40μm、殊には20〜35μmであることが好ましい。
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の例に限定されるものではない。なお、下記において、「部」及び「%」とあるのは重量基準である。
また、ポリエステル系樹脂に関する各物性値の測定方法は次のとおりである。
(1)ガラス転移温度の測定方法
ガラス転移温度は示差走査熱量計を用いて測定することにより求めた。なお、測定条件は、測定温度範囲−90〜100℃、温度上昇速度10℃/分である。
(2)水酸基価の測定方法
水酸基価(mgKOH/g)は、ポリエステル系樹脂1gをトルエン/ピリジン 5/5(重量比)の混合溶媒30gに溶解させ、JIS K0070に基づき中和滴定により求めた。
(3)酸価の測定方法
酸価(mgKOH/g)は、ポリエステル系樹脂1gをメチルエチルケトン/水=10/1(重量比)の混合溶媒30gに溶解し、室温(23℃)で1時間撹拌後、JIS K0070に基づき中和滴定により求めた。
なお、本発明において、ポリエステル系樹脂の酸価とは、樹脂中におけるカルボキシ基の含有量に起因するものである。
(4)ピークトップ分子量および重量平均分子量
ピークトップ分子量および重量平均分子量は、高速液体クロマトグラフ(東ソー社製、「HLC−8320GPC」)にてカラム(TSKgel SuperMultipore HZ−M(排除限界分子量:2×106、理論段数:16000段/本、充填剤材質:スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、充填剤粒径:4μm)を2本直列にして用いて測定し、標準ポリスチレン分子量換算により求めた。
(5)不飽和基の含有量の決定方法
不飽和基の含有量(mmol/g)は、下記式(Ia)により求めた。
不飽和基の含有量(mmol/g)=P1’m/(P1’mw×S1’)・・・(Ia)
式(Ia)中、P1’mはPEGMAの重量(mg)、P1’mwはPEGMAの平均分子量(g/mol)(水酸基価より算出)、S1’は得られた不飽和基含有ポリエステル系樹脂の固形分重量(g)である。なお、上記PEGMAとは、「反応に用いたポリエチレングリコールモノアクリレート」を意味する。
実施例に先立って、側鎖にカルボキシ基を有するポリエステル系樹脂(A)を製造した。
[製造例1]
〔側鎖にカルボキシ基を有するポリエステル系樹脂(A−1)の製造〕
温度計、撹拌機、精留塔、窒素導入管の付いた反応缶に、多価カルボン酸成分としてイソフタル酸(IPA)288.4部(1.736mol)、ポリオール成分としてジエチレングリコール(DEG)156.6部(1.476mol)、ネオペンチルグリコール(NPG)63.3部(0.608mol)、触媒としてテトラブチルチタネート0.3部を仕込み、内温が270℃となるまで150分かけて昇温し、270℃で2.5時間エステル化反応を行った。
次いで、内温を170℃まで下げ、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物91.7部(0.347mol)を添加し170℃で1時間付加反応を行い、側鎖にカルボキシ基を有するポリエステル系樹脂(A−1)(水酸基価:2.2mgKOH/g)を得た。
そして、前記測定方法に従い測定したポリエステル系樹脂(A−1)の物性値を、後記表1に示す。
[製造例2]
〔側鎖にカルボキシ基を有するポリエステル系樹脂(A−2)の製造〕
温度計、撹拌機、精留塔、窒素導入管の付いた反応缶に、多価カルボン酸成分としてイソフタル酸(IPA)320.1部(1.927mol)、ポリオール成分としてジエチレングリコール(DEG)173.8部(1.638mol)、ネオペンチルグリコール(NPG)50.2部(0.0.482mol)、触媒としてテトラブチルチタネート0.3部を仕込み、内温が270℃となるまで150分かけて昇温し、270℃で2.5時間エステル化反応を行った。
次いで、内温を80℃まで下げながらメチルエチルケトン532.2部を投入し、樹脂が完全に溶解したところで、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物56.0部(0.212mol)、触媒としてトリエチルアミン2.7部を添加し80℃で3時間付加反応を行い、側鎖にカルボキシ基を有するポリエステル系樹脂(A−2)(水酸基価:0.2mgKOH/g)の固形分50%溶液を得た。
そして、前記測定方法に従い測定したポリエステル系樹脂(A−2)の物性値を、下記表1に示す。
Figure 2021024916
上記で得られたポリエステル系樹脂(A−1)、(A−2)を用いて、不飽和基含有ポリエステル系樹脂を製造した。
[実施例1]
〔不飽和基含有ポリエステル系樹脂1の製造〕
上記で得られたポリエステル系樹脂(A−1)100部をメチルエチルケトン100部で溶解後、ポリエチレングリコールモノアクリレート1(PEGMA1、水酸基価より算出した平均分子量:540)39.7部、二炭酸ジ−t−ブチル17.5部(PEGMA1の水酸基に対して1.09当量)、メチルエチルケトン11.4部、触媒として水酸価マグネシウム(II)0.005部(PEGMA1の水酸基に対して0.1mol%)、水酸化リチウム0.012部(PEGMA1の水酸基に対して0.4mol%)、トリエチルアミン1.4部を反応器に仕込み、80℃で3時間反応を行った。得られた反応混合物の分子量測定を、前述のGPCを用いて行ったところ、後記表2に示す通り、ポリエステル系樹脂(A−1)に対して分子量が増加しており、不飽和基導入反応が進行していることが確認された。また、不飽和基含有ポリエステル系樹脂1の酸価は35.6mgKOH/gであり、不飽和基含有量は0.53mmol/gであった。
[実施例2]
〔不飽和基含有ポリエステル系樹脂2の製造〕
上記で得られた固形分50%のポリエステル系樹脂(A−2)溶液200部(固形分100部)、ポリエチレングリコールモノアクリレート2(PEGMA2、水酸基価より算出した平均分子量:163.1)8.69部、二炭酸ジ−t−ブチル11.63部(PEGMA2の水酸基に対して1.0当量)、メチルエチルケトン54部、触媒としてビス(2,4−ペンタンジオナト)マグネシウム(II)0.06部(PEGMA2の水酸基に対して0.5mol%)、水酸化リチウム0.01部(PEGMA2の水酸基に対して0.5mol%)、トリエチルアミン1.1部を反応器に仕込み、70℃で18時間反応を行った。次いで、二炭酸ジ−t−ブチル2.3部(PEGMAの水酸基に対して0.2当量)を追加し、さらに70℃で18時間反応を行った。得られた反応混合物の分子量測定を、前述のGPCを用いて行ったところ、下記表2に示す通り、ポリエステル系樹脂(A−2)に対して分子量が増加しており、不飽和基導入反応が進行していることが確認された。また、不飽和基含有ポリエステル系樹脂2の酸価は22.3mgKOH/gであり、不飽和基含有量は0.49mmol/gであった。
Figure 2021024916
表2の結果から、実施例1及び2は本発明の製造方法に従って製造されているため、不飽和基導入反応が進行し、分子量の増加が確認された。
〔不飽和基含有ポリエステル系樹脂2水分散体の調製〕
上記で得られた固形分40%の不飽和基含有ポリエステル系樹脂2溶液37.5部、脱イオン水62.05部、25%アンモニア水0.45部を反応器に仕込み、室温で撹拌しながら水分散させ、固形分濃度15%の不飽和基含有ポリエステル系樹脂2水性液(水分散体)を調製した。
〔プライマー組成物の調製〕
上記で得られた不飽和基含有ポリエステル系樹脂2水性液(水分散体)とブロックイソシアネート系架橋剤「Trixene Aqua BI220」(Lanxess Chemicals Limited社製)、硬化触媒「エラストロンCAT−21」(第一工業製薬社製)を、後記表3に示すように、固形分重量比が、不飽和基含有ポリエステル系樹脂2:架橋剤:硬化触媒=70:30:1となるように混合し、室温で1時間撹拌することにより、プライマー組成物を調製した。
得られたプライマー組成物について、以下の評価を行った。
[密着性評価]
上記で得られたプライマー組成物を固形分が3%となるように脱イオン水で希釈し、プライマー組成物の塗液を調製した。調製した塗液をPETフィルム「ルミラーT60」(東レ社製、厚み100μm)上にバーコーターNo.6にて塗布し、150℃で3分間乾燥させることで、プライマー層を形成した。
<密着性評価1>
(初期密着性)
次に、プリズム層形成用の無溶剤型紫外線硬化型樹脂組成物「サンラッドA」(三洋化成工業社製)を上記プライマー層の上にアプリケーターを用いて塗布し、続いて塗布面から13cmの高さにセットした80W/cmの照射強度を有する高圧水銀ランプを用いて紫外線を400mJ/cm2で照射することで紫外線硬化型樹脂組成物を硬化させ、厚み25μmの樹脂層を形成した。
このようにして形成した紫外線硬化樹脂層に1mm2のクロスカットを100個入れ、その上にニチバン社製のセロテープ(登録商標)を貼り付け、テープ上をプラスチック消しゴムで擦って充分に密着させた後、90°方向に急速に剥離し、紫外線硬化樹脂層の剥離度合い、すなわち、クロスカット100個当たりの紫外線硬化樹脂層の残存数をカウントし、下記の基準にて密着性評価を行った。
[評価基準]
(残存個数/測定個数)
◎:95/100以上
○:80/100以上、94/100以下
△:51/100以上、79/100以下
×:50/100以下
(耐湿熱密着性)
上記と同様にして得られたサンラッドAの硬化樹脂層を有する積層フィルムを、85℃、85%RHの環境下で96時間静置した後、23℃、50%RHの環境下で1時間静置し、上記と同様の手法で密着性評価を行った。
<密着性評価2>
(初期密着性)
プリズム層形成用の無溶剤型紫外線硬化型樹脂組成物を「BTW−607−1」(東莞貝特利新材料有限公司社製)に変えたこと以外は初期密着性評価1と同様にして評価を行い、上記と同様の手法で密着性評価を行った。
(耐湿熱密着性)
上記と同様にして得られたBTW−607−1の硬化樹脂層を有する積層フィルムを、85℃、85%RHの環境下で96時間静置した後、23℃、50%RHの環境下で1時間静置し、上記と同様の手法で密着性評価を行った。
これらの評価結果を下記表3に併せて示す。
Figure 2021024916
上記表3の結果から、本発明の製造方法で製造された不飽和基を有するポリエステル系樹脂はプライマーとして優れた性能を有することが確認された。
本発明の製造方法によれば、ポリエステル系樹脂の側鎖に所望の構造部位を導入することができる。

Claims (13)

  1. 側鎖にカルボキシ基を有するポリエステル系樹脂(A)と活性水素基含有化合物(B)を、下記一般式(1)で表される化合物(C)の存在下で反応させるポリエステル系樹脂の製造方法であって、上記側鎖にカルボキシ基を有するポリエステル系樹脂(A)が、脂肪族多価カルボン酸及び脂環族多価カルボン酸から選ばれる少なくとも1種の多価カルボン酸由来のカルボキシ基を側鎖に有するポリエステル系樹脂であることを特徴とするポリエステル系樹脂の製造方法。
    Figure 2021024916
  2. 上記側鎖にカルボキシ基を有するポリエステル系樹脂(A)の水酸基価が10mgKOH/g以下であることを特徴とする請求項1記載のポリエステル系樹脂の製造方法。
  3. 上記ポリエステル系樹脂(A)と活性水素基含有化合物(B)を、上記一般式(1)で表される化合物(C)の存在下で反応させる際、さらに、第15族元素を有する塩基性化合物(D)を共存させることを特徴とする請求項1または2記載のポリエステル系樹脂の製造方法。
  4. 上記第15族元素を有する塩基性化合物(D)がアミン系化合物であることを特徴とする請求項3記載のポリエステル系樹脂の製造方法。
  5. 上記ポリエステル系樹脂(A)と上記活性水素基含有化合物(B)を、上記一般式(1)で表される化合物(C)の存在下で反応させる際、さらに、1種以上のマグネシウム化合物(E)を共存させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリエステル系樹脂の製造方法。
  6. 上記ポリエステル系樹脂(A)と上記活性水素基含有化合物(B)を、上記一般式(1)で表される化合物(C)の存在下で反応させる際、さらに、1種以上のアルカリ金属化合物(F)を共存させることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリエステル系樹脂の製造方法。
  7. 上記活性水素基含有化合物(B)が活性水素基含有(メタ)アクリレートであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のポリエステル系樹脂の製造方法。
  8. 上記一般式(1)で表される化合物(C)が二炭酸ジ−t−ブチルであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のポリエステル系樹脂の製造方法。
  9. 上記アルカリ金属化合物(F)を構成するアルカリ金属がリチウムであることを特徴とする請求項6〜8のいずれか一項に記載のポリエステル系樹脂の製造方法。
  10. 上記活性水素基含有化合物(B)が有する活性水素基に対して、上記一般式(1)で表される化合物(C)が0.8〜5当量の存在下で反応させることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載のポリエステル系樹脂の製造方法。
  11. 上記ポリエステル系樹脂(A)100重量部に対して、上記第15族元素を有する塩基性化合物(D)を0.05〜20重量部共存させることを特徴とする請求項3〜10のいずれか一項に記載のポリエステル系樹脂の製造方法。
  12. 上記活性水素基含有化合物(B)が有する活性水素基に対して、上記マグネシウム化合物(E)を0.001〜1000mol%共存させることを特徴とする請求項5〜11のいずれか一項に記載のポリエステル系樹脂の製造方法。
  13. 上記活性水素基含有化合物(B)が有する活性水素基に対して、上記アルカリ金属化合物(F)0.001〜1000mol%の存在下で反応させることを特徴とする請求項6〜12のいずれか一項に記載のポリエステル系樹脂の製造方法。
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