JP7139746B2 - 不飽和基含有ポリエステル系樹脂、プライマー組成物、プライマー層付き基材フィルム及びプリズムシート - Google Patents

不飽和基含有ポリエステル系樹脂、プライマー組成物、プライマー層付き基材フィルム及びプリズムシート Download PDF

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Description

本発明は、不飽和基含有ポリエステル系樹脂に関し、更に詳しくは、基材フィルム上にプライマー層を形成するための不飽和基含有ポリエステル系樹脂、当該不飽和基含有ポリエステル系樹脂を含有するプライマー組成物、並びに当該プライマー組成物を用いてなるプライマー層付き基材フィルム及びプリズムシートに関するものである。
従来から、合成樹脂は寸法安定性、機械的特性、耐熱性、透明性、電気的特性及び耐薬品性等に優れた性質を有するため各種基材用樹脂として広く用いられている。例えば、ポリエステルフィルムは、包装材料、磁気カード、印刷材料等の産業上種々の分野で利用されている。前記ポリエステルフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の熱可塑性ポリエステルや、これらの共重合体に必要に応じて他の樹脂を混合したものを、溶融押出して成形した後、二軸延伸し、熱固定したものが用いられている。このようなポリエステルフィルムは、諸物性に優れている反面、その表面は高度に結晶配向されているため、ポリエステルフィルム上にコーティング層が設けられる場合、そのコーティング層との密着性に乏しいという問題があった。
そのため、ポリエステルフィルムとコーティング層との密着性を向上させるために、フィルム表面に密着性を付与する検討がなされており、例えば、フィルム表面に易接着処理を施したり、各種樹脂からなるプライマー層を設けたりする方法が知られている。
しかしながら、近年、コーティング層を形成するコーティング剤等の組成は多様化しており、その種類によってはプライマー層とコーティング層との密着性が十分でない場合があり、密着性のさらなる向上が求められている。
例えば、コーティング層の一つとしてプリズム層がある。プリズム層の形成方法としては、例えば、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物をプリズム型に導入し、プリズム型とポリエステルフィルムとで活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を挟み込んだ状態で活性エネルギー線を照射し、樹脂組成物を硬化させ、プリズム型を取り除くことにより、ポリエステルフィルム上に活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が硬化してなるプリズム層を形成する方法が挙げられる。このような手法の場合、プリズムパターンが精巧に形成されるためには、無溶剤系の活性エネルギー線硬化性樹脂を使用する必要がある。しかし、無溶剤系の樹脂は、溶剤系の樹脂に比べて、ポリエステルフィルム上に積層されたプライマー層への浸透、膨潤効果が低く、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が硬化してなる層とプライマー層との密着性が不十分となりやすい。
そこで、特許文献1には、フィルムの少なくとも片面に、(メタ)アクリロイル基を含有する樹脂とウレタン樹脂とからなる複合樹脂、及び架橋剤を含有する塗布液から形成された塗布層を有することを特徴とする積層フィルムが開示され、該技術によれば、プリズム層の形成に用いられる、無溶剤型活性エネルギー線硬化性樹脂との密着性に優れるとされている。
特開2016-64517号公報
しかしながら、近年、プリズム層の形成に用いられる無溶剤型活性エネルギー線硬化性樹脂の組成は多様化しており、上記特許文献1により提案されたプライマー組成物等においても密着性が必ずしも十分ではなくなってきている。
また、プライマー層付きポリエステルフィルムフィルムは、スリット等により発生したフィルム屑を再溶融しリサイクルするのが一般的であるところ、上記特許文献1のようにウレタン樹脂を使用したものを再溶融しリサイクルすると、リサイクルされたフィルムにウレタン樹脂による黄変や凝集異物等が発生し、品位を損なうという問題が懸念される。
そこで、本発明は、このような背景下において、基材フィルムとコーティング層の双方との密着性、特にはポリエステルフィルムと無溶剤系活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が硬化してなるプリズム層の双方との密着性に優れるプライマー層を形成するための、ウレタン樹脂を実質的に含有しないプライマー組成物及び当該プライマー組成物を形成する不飽和基含有ポリエステル系樹脂を提供することを目的とするものである。
本発明者はかかる事情に鑑み鋭意研究を重ねた結果、主鎖の両分子末端に酸無水物構造及びカルボキシル基の少なくとも一方を有するポリエステル系樹脂(A)由来の構造部位と、主鎖及び主鎖の側鎖の少なくとも一方に2個以上の水酸基を有し、主鎖の側鎖に不飽和基を有する化合物(B)由来の構造部位と、を含有することを特徴とする不飽和基含有ポリエステル系樹脂を用いることにより、基材フィルムとコーティング層、とりわけ、無溶剤系活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が硬化してなるプリズム層の双方との密着性に優れるプライマー層を形成するプライマー組成物が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の(1)~(15)を特徴とする。
(1)主鎖の両分子末端に酸無水物構造及びカルボキシル基の少なくとも一方を有するポリエステル系樹脂(A)由来の構造部位と、主鎖及び主鎖の側鎖の少なくとも一方に2個以上の水酸基を有し、主鎖の側鎖に不飽和基を有する化合物(B)由来の構造部位と、を含有することを特徴とする不飽和基含有ポリエステル系樹脂。
(2)前記ポリエステル系樹脂(A)と、前記化合物(B)と、を共重合してなることを特徴とする(1)に記載の不飽和基含有ポリエステル系樹脂。
(3)前記化合物(B)が、両末端水酸基含有ポリオレフィンであることを特徴とする(1)または(2)に記載の不飽和基含有ポリエステル系樹脂。
(4)前記不飽和基含有ポリエステル系樹脂における前記化合物(B)の主鎖の側鎖に位置する不飽和基の含有量が、0.01~3mmol/gであることを特徴とする(1)~(3)のいずれか1つに記載の不飽和基含有ポリエステル系樹脂。
(5)前記不飽和基含有ポリエステル系樹脂における前記化合物(B)の主鎖の側鎖に位置する不飽和基が、ビニル基であることを特徴とする(1)~(4)のいずれか1つに記載の不飽和基含有ポリエステル系樹脂。
(6)酸価が、1.5~100mgKOH/gであることを特徴とする(1)~(5)のいずれか1つに記載の不飽和基含有ポリエステル系樹脂。
(7)重量平均分子量が、5,000~100,000であることを特徴とする(1)~(6)のいずれか1つに記載の不飽和基含有ポリエステル系樹脂。
(8)(1)~(7)のいずれか1つに記載の不飽和基含有ポリエステル系樹脂を含有することを特徴とするプライマー組成物。
(9)更に、架橋剤を含有することを特徴とする(8)に記載のプライマー組成物。
(10)前記架橋剤が、イソシアネート系化合物及びカルボジイミド系化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物であることを特徴とする(9)に記載のプライマー組成物。
(11)前記不飽和基含有ポリエステル系樹脂と前記架橋剤の含有比率が、不飽和基含有ポリエステル系樹脂の質量/架橋剤の質量として、99/1~30/70であることを特徴とする(9)または(10)に記載のプライマー組成物。
(12)前記プライマー組成物における、前記不飽和基含有ポリエステル系樹脂の不飽和基の含有量が、0.005~2mmol/gであることを特徴とする(8)~(11)のいずれか1つに記載のプライマー組成物。
(13)基材フィルム上に、(8)~(12)のいずれか1つに記載のプライマー組成物からなるプライマー層を有することを特徴とするプライマー層付き基材フィルム。
(14)(13)に記載のプライマー層付き基材フィルムのプライマー層上に、プリズム層を有することを特徴とするプリズムシート。
(15)前記プリズム層が、無溶剤系活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物であることを特徴とする(14)に記載のプリズムシート。
本発明の不飽和基含有ポリエステル系樹脂を含有するプライマー組成物は、基材フィルムとコーティング層の双方との密着性に優れ、特にはポリエステルフィルムと、例えばプリズム層の形成に用いられる無溶剤系活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が硬化してなる層の双方との密着性に優れる。
そのため、当該プライマー組成物は、ポリエステルフィルム等のポリエステル系樹脂基材の上にコーティング層、特にはプリズム層を設けるためのプライマーとして好適に用いることができる。
以下本発明を詳細に説明するが、これらは望ましい実施態様の一例を示すものである。
なお、本発明において、「(メタ)アクリロイル基」とは、アクリロイル基又はメタクリロイル基を意味する。
また、本発明において、「カルボン酸」との用語は、カルボン酸塩、カルボン酸無水物、カルボン酸ハロゲン化物、カルボン酸エステル等を含むものである。
また、本発明において、「シート」とは、シート、フィルム、テープを概念的に包含するものである。
[不飽和基含有ポリエステル系樹脂]
本発明の不飽和基含有ポリエステル系樹脂は、主鎖の両分子末端に酸無水物構造及びカルボキシル基の少なくとも一方を有するポリエステル系樹脂(A)(以下、単に「ポリエステル系樹脂(A)」と記載することがある。)由来の構造部位と、主鎖及び主鎖の側鎖の少なくとも一方に2個以上の水酸基を有し、主鎖の側鎖に不飽和基を有する化合物(B)(以下、単に「化合物(B)」と記載することがある。)由来の構造部位と、を含有することを特徴とする。
本発明の不飽和基含有ポリエステル系樹脂を後述の架橋剤で反応させることにより、架橋構造が形成される。そして、この架橋構造において、該不飽和基含有ポリエステル系樹脂中の、ポリエステル系樹脂(A)由来の構造部位の分子運動性は制限される。
一方、該不飽和基含有ポリエステル系樹脂中の、化合物(B)由来の構造部位は極性が低く、さらに化合物(B)が有する不飽和基は側鎖に位置するため、立体的及び空間的自由度が比較的高い状態にある。そのため、例えば、本発明のポリエステル系樹脂を、基材フィルムとコーティング層の間に設けるプライマー層を形成するためのプライマー組成物に用いる場合、上記不飽和基は反応性基としてプライマー層の表面に偏析する。
よって、該プライマー層上に、例えば無溶剤系活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が硬化してなるプリズム層をコーティング層として積層した際には、活性エネルギー線照射によるプリズム層の硬化過程において、表面偏析したプライマー層中の上記不飽和基と、プリズム層中の炭素-炭素二重結合に由来する活性種が層間で反応し、結合して、互いの密着性が高まる。
本発明の不飽和基含有ポリエステル系樹脂における化合物(B)の主鎖の側鎖に位置する不飽和基(以下、「不飽和基Z」と記載することがある。)の含有量は、0.01~3mmol/gが好ましく、0.03~1.5mmol/gがより好ましく、0.05~1mmol/gがさらに好ましく、0.1~0.5mmol/gが特に好ましい。かかる含有量が低すぎると、プリズム層との反応点不足で充分な密着性が得られなくなる傾向がある。一方、かかる含有量が多すぎると、不飽和基含有ポリエステル系樹脂の透明性や溶液安定性が低下する傾向がある。
なお、本発明の不飽和基含有ポリエステル系樹脂における不飽和基Zの含有量は、下記式(I)により求めることができる。
不飽和基Zの含有量(mmol/g)=P×P1/S1・・・式(I)
式(I)中、Pは化合物(B)の質量(g)、P1は化合物(B)における不飽和基Zの含有量(mmol/g)、S1は本発明の不飽和基含有ポリエステル系樹脂の固形分質量(g)である。
また、不飽和基Zの含有量は、NMRにより測定することもできる。
ここで、上記P1(化合物(B)における不飽和基Zの含有量)(mmol/g)は、例えば化合物(B)が後述する両末端水酸基含有ポリブタジエンである場合、下記式(II)により求めることができる。なお、化合物(B)が他の化合物である場合においては、化合物(B)における不飽和基Zの含有量(mmol/g)は、下記式(II)に準じて求めることができる。
P1(化合物(B)における不飽和基Zの含有量)(mmol/g)=(Pmw-POH)×1000×P/(PBD×Pmw)・・・式(II)
式(II)中、Pmwは化合物(B)の平均分子量(g/mol)(水酸基価より算出)、POHは化合物(B)中に存在する水酸基の分子量(g/mol)、Pは化合物(B)中の全不飽和基量に対する、化合物(B)中のビニル基量の割合、PBDはブタジエンの単位物質量当たりの質量(g/mol)である。
本発明の不飽和基含有ポリエステル系樹脂の酸価は、1.5~100mgKOH/gが好ましく、4~70mgKOH/gがより好ましく、10~50mgKOH/gがさらに好ましく、15~35mgKOH/gが特に好ましい。酸価が低すぎると、水分散が困難となったり、架橋剤との架橋不足により密着性、耐湿熱性が低下したりする傾向がある。一方、酸価が高すぎると、耐水性が低下する傾向がある。
なお、本発明における酸価とは、不飽和基含有ポリエステル系樹脂中におけるカルボキシル基の含有量に起因するものである。また、本発明で言うカルボキシル基とは、カルボキシル基が塩基性化合物により中和されたカルボキシラートイオン状態のものも含む。また、酸価は、JIS K0070に基づき中和滴定により求められるものである。
本発明の不飽和基含有ポリエステル系樹脂の重量平均分子量は、5,000~100,000が好ましく、6,000~50,000がより好ましく、8,000~40,000がさらに好ましく、13,000~30,000が特に好ましい。重量平均分子量が低すぎると、密着性、耐湿熱性が低下する傾向がある。一方、重量平均分子量が高すぎると、密着性、水分散性が低下する傾向がある。
なお、重量平均分子量及び後述のピークトップ分子量は、標準ポリスチレン分子量換算による重量平均分子量及びピークトップ分子量であり、高速液体クロマトグラフィー(東ソー社製、「HLC-8320GPC」)に、カラム:TSKgel SuperMultipore HZ-M(排除限界分子量:2×10、理論段数:16,000段/本、充填剤材質:スチレン-ジビニルベンゼン共重合体、充填剤粒径:4μm)の2本直列を用いることにより測定される。
本発明の不飽和基含有ポリエステル系樹脂は、例えば、主鎖の両分子末端に酸無水物構造及びカルボキシル基の少なくとも一方を有するポリエステル系樹脂(A)と、主鎖及び主鎖の側鎖の少なくとも一方に2個以上の水酸基を有し、主鎖の側鎖に不飽和基を有する化合物(B)と、を共重合して得ることができる。
<主鎖の両分子末端に酸無水物構造及びカルボキシル基の少なくとも一方を有するポリエステル系樹脂(A)>
ポリエステル系樹脂(A)は、例えば、多価カルボン酸成分(a1)とポリオール成分(a2)を共重合して得ることができる。
〔多価カルボン酸成分(a1)〕
多価カルボン酸成分(a1)は、二価以上の多価カルボン酸であればよく、少なくとも二価カルボン酸を含むことが好ましい。
二価カルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、ベンジルマロン酸、ジフェン酸、4,4′-オキシジ安息香酸、ナフタレンジカルボン酸、5-スルホイソフタル酸ジメチルナトリウム等の芳香族ジカルボン酸;
マロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、トリメチルアジピン酸、ピメリン酸、2,2-ジメチルグルタル酸、アゼライン酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、チオジプロピオン酸、ジグリコール酸等の脂肪族ジカルボン酸;
1,3-シクロペンタンジカルボン酸、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸、1,3-シクロペンタンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、2,5-ノルボルナンジカルボン酸、アダマンタンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸;
等が挙げられる。
これらは、単独で、もしくは2種以上併せて用いられる。
これらの中でも、プライマー層のコーティング層との密着性の点で、芳香族ジカルボン酸及び脂環族ジカルボン酸のうちの少なくとも1つを主成分として用いることが好ましく、特には密着性に優れる点から、芳香族ジカルボン酸を主成分として用いることが好ましく、更にはイソフタル酸を主成分として用いることが好ましい。
ここで、主成分とは、多価カルボン酸成分(a1)全体に対して、通常50モル%以上、好ましくは60モル%以上、より好ましくは70モル%以上含有することを意味する。
二価カルボン酸の含有割合は、多価カルボン酸成分(a1)全体に対して、70~98モル%であることが好ましく、80~97モル%であることがより好ましく、85~96モル%であることがさらに好ましく、90~95モル%であることが特に好ましい。かかる含有割合が低すぎると、耐湿熱性が低下したり、製造工程中にゲル化したりする傾向があり、かかる含有割合が高すぎると、水分散化が困難となる傾向がある。
本発明においては、ポリエステル系樹脂(A)中に分岐点を増やす目的で、三価以上の多価カルボン酸を用いることができる。
三価以上の多価カルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、アダマンタントリカルボン酸、トリメシン酸等を挙げることができる。
本発明においては、多価カルボン酸成分(a1)は、カルボン酸無水物構造を有するカルボン酸無水物(a11)(以下、単に「カルボン酸無水物(a11)」と記載することがある。)を含有することが好ましい。カルボン酸無水物(a11)は、化合物(B)との反応点及び後述の架橋剤との反応点を形成する機能、鎖延長剤としての機能、並びに親水性付与剤としての機能を有するからである。
カルボン酸無水物(a11)は、少なくとも2つのカルボン酸無水物構造を有するものであればよい。
カルボン酸無水物(a11)の具体例としては、例えば、
1,2,4,5-ベンゼンテトラカルボン酸二無水物(ピロメリット酸無水物)、3,3′,4,4′-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、4,4-オキシジフタル酸二無水物、2,3,6,7-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、エチレングリコールビストリメリテート二無水物、2,2′,3,3′-ジフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2′,3,3′-ジフェニルスルホンテトラカルボン酸無水物、チオフェン-2,3,4,5-テトラカルボン酸二無水物等の芳香族カルボン酸無水物;
1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、5-(2,5ジオキソテトラヒドロフリル)-3-メチル-3-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸無水物、5-(2,5-ジオキソテトラヒドロフリル)-3-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物等の脂環族カルボン酸無水物;
エチレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4-ペンタンテトラカルボン酸二無水物等の脂肪族カルボン酸無水物;
等が挙げられる。
これらは単独で、もしくは2種以上を併せて用いることができる。
これらの中でも、樹脂製造時にゲル化を招きにくい点から、テトラカルボン酸二無水物が好ましく、中でも、コーティング層とプライマー層の密着性の点から芳香族テトラカルボン酸二無水物が好ましく、更には1,2,4,5-ベンゼンテトラカルボン酸二無水物(ピロメリット酸無水物)が好ましい。
多価カルボン酸成分(a1)におけるカルボン酸無水物(a11)の含有割合は、多価カルボン酸成分(a1)全体に対して、2~30モル%であることが好ましく、3~20モル%であることがより好ましく、4~15モル%であることがさらに好ましく、5~10モル%であることが特に好ましい。かかる含有割合が低すぎると、生成されたポリエステル系樹脂を水性溶媒に分散させる際の水分散化が困難となったり、架橋剤との架橋点が不足し密着性、耐湿熱性が低下したりする傾向がある。かかる含有割合が高すぎると、製造工程中にゲル化したり、親水性が高くなるため耐湿熱性が低下したり、分子量が上がりにくくなるためコーティング層との密着性が低下したり、架橋剤配合時に架橋密度が高くなりすぎるためコーティング層との密着性が低下したりする傾向がある。
〔ポリオール成分(a2)〕
ポリオール成分(a2)としては、例えば、直鎖構造の脂肪族ジオール、その他の二価アルコール、三価以上の多価アルコール等が挙げられる。
直鎖構造の脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、1,12-ドデカンジオール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。
その他の二価アルコールとしては、例えば、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、2,4-ジメチル-2-エチルヘキサン-1,3-ジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)、2-エチル-2-ブチル-1,3-プロパンジオール、2-エチル-2-イソブチル-1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2,2,4-トリメチル-1,6-ヘキサンジオール等の分岐構造を有する脂肪族ジオール;
1,2-シクロヘキサンジメタノール、1,3-シクロヘキサンジメタノール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、スピログリコール、トリシクロデカンジメタノール、アダマンタンジオール、2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール等の脂環族ジオール;
4,4′-チオジフェノール、4,4′-メチレンジフェノール、ビスフェノールS、ビスフェノールA、ビスフェノールフルオレン、4,4′-ジヒドロキシビフェニル、o-,m-及びp-ジヒドロキシベンゼン、2,5-ナフタレンジオール、p-キシレンジオール等の芳香族ジオール;
及びこれらのエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド付加体;
等が挙げられる。
三価以上の多価アルコールとしては、例えば、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、1,3,6-ヘキサントリオール、アダマンタントリオール等が挙げられる。
これらの中でも、コーティング層とプライマー層の密着性の点で、直鎖構造の脂肪族ジオールを用いることが好ましい。さらには、適度な柔軟性を有し密着性に優れる点で、エチレングリコールを除く直鎖構造の脂肪族ジオールを用いることが好ましい。特には、ジエチレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオールを用いることが好ましい。殊には、樹脂の結晶化度が下がり、より密着性に優れる点でジエチレングリコールを用いることが好ましい。
また、水や有機溶剤等に溶解した際の溶液安定性の点からは、直鎖構造の脂肪族ジオールとそれ以外のポリオール成分を併用することが好ましい。さらには、コーティング層とプライマー層の密着性の点からは、直鎖構造の脂肪族ジオールと分岐構造を有する脂肪族ポリオールを併用することが好ましい。特には、分岐構造を有する脂肪族ポリオールとして、ネオペンチルグリコール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、ブチルエチルプロパンジオールを併用することが好ましく、殊には、ネオペンチルグリコールを併用することが好ましい。
直鎖構造の脂肪族ジオールとそれ以外のポリオール成分を併用する場合、直鎖構造の脂肪族ジオールとそれ以外のポリオール成分の使用割合(モル比)は、直鎖構造の脂肪族ジオール/それ以外のポリオール成分として、98/2~50/50が好ましく、95/5~60/40がさらに好ましく、90/10~70/30が特に好ましい。
直鎖構造の脂肪族ジオール以外のポリオール成分が多すぎると、密着性が低下する傾向があり、少なすぎると溶液安定性が低下する傾向がある。
〔ポリエステル系樹脂(A)の製造方法〕
ポリエステル系樹脂(A)は、上記多価カルボン酸成分(a1)及びポリオール成分(a2)を含む共重合成分を共重合して得ることができる。
主鎖の両分子末端にカルボキシル基を有するポリエステル系樹脂(A)は、例えば、多価カルボン酸成分(a1)、ポリオール成分(a2)を無溶媒で混合し、この混合物を適宜の反応器に仕込み、通常170~270℃に加熱することにより、副生成物である水又はメタノールを留去しながら、エステル化反応又はエステル交換反応を進行させて生成する。
このとき、多価カルボン酸成分(a1)とポリオール成分(a2)との混合比率(モル比)は、反応性の観点から、多価カルボン酸成分(a1)1モルに対してポリオール成分(a2)を0.70~0.99モルとすることが好ましく、0.80~0.97モルとすることがさらに好ましく、0.90~0.95モルとすることが特に好ましい。
また、主鎖の両分子末端に酸無水物構造を有するポリエステル系樹脂(A)は、例えば、カルボン酸無水物(a11)を除く多価カルボン酸成分(a1)、ポリオール成分(a2)を共重合して得られる水酸基含有プレポリマーに、カルボン酸無水物(a11)を反応させる方法により製造することができる。
まず、所定量の、カルボン酸無水物(a11)を除く多価カルボン酸成分(a1)、ポリオール成分(a2)を無溶媒で混合する。このとき、カルボン酸無水物(a11)を除く多価カルボン酸成分(a1)とポリオール成分(a2)との混合比率(モル比)は、反応性の観点から、多価カルボン酸成分(a1)1モルに対してポリオール成分(a2)を1.02~1.3モルとすることが好ましく、1.03~1.2モルとすることがさらに好ましく、1.04~1.1モルとすることが特に好ましい。
この混合物を適宜の反応器に仕込み、通常170~270℃に加熱することにより、副生成物である水又はメタノールを留去しながら、エステル化反応又はエステル交換反応を進行させて、水酸基含有プレポリマーを生成する。
更に、上記水酸基含有プレポリマーに、カルボン酸無水物(a11)を用いた開環付加反応によって、主鎖の両分子末端に酸無水物構造を有するポリエステル系樹脂(A)を得ることができる。
上記水酸基含有プレポリマーに、カルボン酸無水物(a11)を反応させるに際しては、〔1〕水酸基含有プレポリマーの水酸基とカルボン酸無水物(a11)のモル比(カルボン酸無水物(a11)のモル数/該水酸基のモル数)が、1以上の場合には、水酸基含有プレポリマーの主鎖の両分子末端にカルボン酸無水物(a11)が反応し、水酸基含有プレポリマーは主鎖の両分子末端に酸無水物構造を有することとなる。
〔2〕上記モル比が0より大きく1未満であっても、水酸基含有プレポリマーの水酸基とカルボン酸無水物(a11)の酸無水物基のモル比(該酸無水物基のモル数/該水酸基のモル数)が1より大きい場合は、水酸基含有プレポリマーが鎖延長されつつ、その主鎖の両分子末端に無水物構造を有することとなる。
本発明においては、上記〔2〕の場合が、本発明の不飽和基含有ポリエステル系樹脂の重量平均分子量を上述した好適な範囲にしやすく、コーティング層とプライマー層の密着性がより高くなる傾向があるため、好ましい。
また、上記水酸基含有プレポリマーに、カルボン酸無水物(a11)を反応させるに際して、触媒を使用する場合は室温~100℃、好ましくは40~90℃で反応させることができる。触媒は特に限定されないが、アミン系触媒が好ましく、乾燥過程で揮発しやすいことからトリエチルアミンが特に好ましい。
また、適宜、エステル化触媒、エステル交換触媒、その他重合触媒等を配合することができ、例えば、エステル化触媒としてテトラブトキシチタンを用いることができる。また、その他の安定剤等の種々の添加剤を用いてもよい。
なお、触媒を使用しない場合は通常230℃以下、好ましくは150~210℃、特に好ましくは160~190℃で反応させることができる。
上記反応に際して溶剤は必ずしも必要ではないが、上記温度における反応物の粘度が高過ぎる場合には、撹拌し易くするために適宜適当な溶剤を使用することができる。
かかる溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、プソイドクメン等の芳香族系溶剤、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶剤等が挙げられる。なお、エステル系溶剤及びアルコール系溶剤等、ポリエステル系樹脂と反応する恐れのある溶剤は使用しないことが好ましい。
かくして、上述の方法により主鎖の両分子末端に酸無水物構造及びカルボキシル基の少なくとも一方を有するポリエステル系樹脂(A)が得られる。
ポリエステル系樹脂(A)は、後述する化合物(B)との反応性の点から、主鎖の両分子末端に酸無水物構造を有するものであることが好ましい。
なお、ポリエステル系樹脂(A)は、後述の架橋剤と架橋反応を起こすためのカルボキシル基を、主鎖の側鎖に有することが好ましく、該カルボキシル基は、カルボン酸無水物(a11)、特にはピロメリット酸由来のものであることが好ましい。
また、ポリエステル系樹脂(A)の酸価は、1.5~120mgKOH/gが好ましく、5~100mgKOH/gがより好ましく、10~60mgKOH/gがさらに好ましく、15~35mgKOH/gが特に好ましい。酸価が低すぎると、水分散が困難となったり、架橋剤との架橋不足により密着性、耐湿熱性が低下したりする傾向がある。一方、酸価が高すぎると、耐水性が低下する傾向がある。
ポリエステル系樹脂(A)の重量平均分子量は、4,000~80,000が好ましく、5,000~40,000がより好ましく、7,000~30,000がさらに好ましく、10,000~25,000が特に好ましい。重量平均分子量が低すぎると、本発明の不飽和基含有ポリエステル系樹脂の密着性、耐湿熱性が低下する傾向がある。一方、重量平均分子量が高すぎると、本発明の不飽和基含有ポリエステル系樹脂の密着性、水分散性が低下する傾向がある。
ポリエステル系樹脂(A)のピークトップ分子量は、4,000~60,000が好ましく、5,000~40,000がより好ましく、7,000~30,000がさらに好ましく、10,000~25,000が特に好ましい。ピークトップ分子量が低すぎると、本発明の不飽和基含有ポリエステル系樹脂の密着性、耐湿熱性が低下する傾向がある。一方、ピークトップ分子量が高すぎると、本発明の不飽和基含有ポリエステル系樹脂の密着性、水分散性が低下する傾向がある。
<主鎖及び主鎖の側鎖の少なくとも一方に2個以上の水酸基を有し、主鎖の側鎖に不飽和基を有する化合物(B)>
化合物(B)は、ポリエステル系樹脂(A)と重合反応をするための反応性基として、主鎖及び主鎖の側鎖の少なくとも一方に2個以上の水酸基を有する。化合物(B)が有する水酸基の数は、ポリエステル系樹脂(A)との反応性の点から、2個が好ましい。
また、化合物(B)は、主鎖の側鎖に不飽和基を有する。上述のとおり、該不飽和基は、プリズム層等のコーティング層を形成する化合物中に含有される炭素-炭素二重結合と反応するものであり、プリズム層等を形成する化合物中に含有される炭素-炭素二重結合と反応しうるものであれば従来公知の不飽和基を利用することができる。
該不飽和基としては、ビニル基、ビニルエーテル基、ビニルエステル基、(メタ)アクリロイル基、アクリルアミド基、アリル基等の末端不飽和基が挙げられ、なかでも、コーティング層とプライマー層との密着性や入手の容易さ等からビニル基が特に好ましい。
化合物(B)の重量平均分子量は、200~10,000が好ましく、500~7,000がより好ましく、700~6,000がさらに好ましく、1,000~5,000が特に好ましい。重量平均分子量が低すぎると、本発明の不飽和基含有ポリエステル系樹脂の密着性、耐湿熱性が低下する傾向がある。一方、重量平均分子量が高すぎると、本発明の不飽和基含有ポリエステル系樹脂の溶液安定性、水分散安定性が低下する傾向がある。
化合物(B)としては、例えば、両末端水酸基含有ポリオレフィン等を挙げることができる。
上記両末端水酸基含有ポリオレフィン中のポリオレフィンとしては、例えば、ポリブタジエン、ポリイソプレン等を挙げることができる。
これらの中でも、化合物(B)としては、両末端水酸基含有ポリブタジエンが入手しやすく好ましい。
化合物(B)としては、例えば、日本曹達株式会社製「NISSO‐PB」シリーズのG-1000、G-2000、G-3000等を用いることができる。
<本発明の不飽和基含有ポリエステル系樹脂の製造方法>
本発明の不飽和基含有ポリエステル系樹脂は、上述のとおり、例えば、ポリエステル系樹脂(A)と化合物(B)を共重合して得ることができる。
具体的には、例えば、ポリエステル系樹脂(A)及び化合物(B)を溶媒中、触媒存在下、通常室温~100℃、好ましくは40~90℃及び通常0.5~10時間、好ましくは1~5時間の条件下で混合することによって、ポリエステル系樹脂(A)中の酸無水物構造と、化合物(B)中の水酸基をエステル化反応させることができる。
触媒は特に限定されないが、アミン系触媒が好ましく、乾燥過程で揮発しやすいことからトリエチルアミンが特に好ましい。
また、上述の反応は、上記酸無水物構造がカルボキシル基である場合においても、同様に進行すると考えられる。酸無水物構造を有するポリエステル系樹脂(A)も、カルボキシル基を有するポリエステル系樹脂(A)も、カルボン酸誘導体であることに変わりはないので、両者の反応性は類似するからである。
このとき、ポリエステル系樹脂(A)中の酸無水物構造又はカルボキシル基、並びに化合物(B)中の水酸基のモル比は、反応性の観点から、ポリエステル系樹脂(A)中の酸無水物構造又はカルボキシル基1モルに対して、化合物(B)中の水酸基を0.9~1.1モルとすることが好ましく、0.95~1.05モルとすることが更に好ましく、0.98~1.02モルとすることが特に好ましい。
かくして、主鎖の両分子末端に酸無水物構造及びカルボキシル基の少なくとも一方を有するポリエステル系樹脂(A)由来の構造部位と、主鎖及び主鎖の側鎖の少なくとも一方に2個以上の水酸基を有し、主鎖の側鎖に不飽和基を有する化合物(B)由来の構造部位と、を含有することを特徴とする不飽和基含有ポリエステル系樹脂を得ることができる。
なお、本発明の不飽和基含有ポリエステル系樹脂には、必要に応じて、ヒンダードフェノール系等の酸化防止剤、熱安定剤、ガラス繊維、無機充填剤、有機充填剤、色料、難燃剤、軟化剤、分散剤、湿潤剤、乳化剤、ゲル化剤、消泡剤、他の熱可塑性樹脂等を、本発明の効果を損なわない程度に配合することができる。
[プライマー組成物]
上記のようにして得られた本発明の不飽和基含有ポリエステル系樹脂を含有することにより、本発明のプライマー組成物を得ることができる。本発明のプライマー組成物は、好ましくは更に架橋剤を含有する。
<架橋剤>
本発明で用いる架橋剤は、本発明の不飽和基含有ポリエステル系樹脂中のカルボキシル基と架橋反応を起こすものであればよく、例えば、イソシアネート系化合物、オキサゾリン系化合物、エポキシ系化合物、カルボジイミド系化合物、アミン系化合物、金属系化合物、アジリジン系化合物、ヒドラジン系化合物、ヒドラジド系化合物及びメラミン系化合物等が挙げられる。
イソシアネート系化合物としては、官能基としてイソシアネート基を分子内に少なくとも2個以上含有するものであればよく、例えば、日本ポリウレタン社製の「アクアネート110」、「アクアネート210」、第一工業製薬社製の「エラストロンBN-27」、「エラストロンBN-77」、明成化学工業社製の「メイカネートTP-10」、「SU-268A」、Baxenden Chemical Limited社製の「Trixene aqua BI200」、「Trixene aqua BI220」等が挙げられる。
中でも、紫外線による黄変を避けるために、芳香族イソシアネート系化合物よりも脂肪族イソシアネート系化合物又は脂環族イソシアネート系化合物がより好ましい。
また、安定性の点からは官能基ブロックタイプのものが好ましく、「SU-268A」、「Trixene aqua BI220」等が好適である。
オキサゾリン系化合物としては、例えば、2位の炭素位置に不飽和炭素-炭素結合をもつ置換基を有する付加重合性2-オキサゾリン(例えば、2-イソプロペニル-2-オキサゾリン)と他の不飽和単量体との共重合体等が挙げられ、市販品として、例えば、日本触媒社製の「エポクロスWS-500」、「エポクロスWS-700」、「エポクロスK-2010E」、「エポクロスK-2020E」、「エポクロスK-2030E」等が挙げられる。
エポキシ系化合物としては、例えば、ビスフェノールA・エピクロルヒドリン型のエポキシ樹脂、ソルビトールポリグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス社製の「デナコールEX-611」、「デナコールEX-612」、「デナコールEX-614」、「デナコールEX-614B」、「デナコールEX-622」等)、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス社製の「デナコールEX-512」、「デナコールEX-521」等)、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス社製の「デナコールEX-411」等)、ジグリセロールポリグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス社製の「デナコールEX-421」等)、グリセロールポリグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス社製の「デナコールEX-313」、「デナコールEX-314」等)、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス社製の「デナコールEX-321」等)、レゾルシノールジグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス社製の「デナコールEX-201」等)、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス社製の「デナコールEX-211」等)、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス社製の「デナコールEX-212」等)、ヒドロゲネイティッドビスフェノールAジグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス社製の「デナコールEX-252」等)、エチレングリコールジグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス社製の「デナコールEX-810」、「デナコールEX-811」等)、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス社製の「デナコールEX-850」、「デナコールEX-851」等)、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス社製の「デナコールEX-821」、「デナコールEX-830」、「デナコールEX-832」、「デナコールEX-841」、「デナコールEX-861」等)、プロピレングリコールジグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス社製の「デナコールEX-911」等)、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス社製の「デナコールEX-941」、「デナコールEX-920」、「デナコールEX-931」等が挙げられる。中でも、水性タイプのものが好適であり、特に、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル等の2官能で直鎖構造のものがコーティング層とプライマー層の密着性の点から好適である。
カルボジイミド系化合物としては、官能基としてカルボジイミド基、又はその互変異性の関係にあるシアナミド基を分子内に少なくとも2個以上含有するものであればよく、例えば、日清紡ケミカル社製の「カルボジライトV-02」、「カルボジライトV-02-L2」、「カルボジライトSV-02」、「カルボジライトV-04」、「カルボジライトV-10」、「カルボジライトE-03A」、「カルボジライトE-02」、「カルボジライトE-04」等が挙げられる。中でも、コーティング層とプライマー層の密着性の点から、キシリレン骨格、トリレン骨格、ジフェニルメタン骨格、テトラメチルキシリレン骨格等の芳香族基を有するものが好ましく、特には「カルボジライトV-04」、「カルボジライトE-04」等が好適である。
アミン系化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジアミン、トリエタノールアミン等が挙げられる。
金属系化合物としては、例えば、テトラエチルチタネート、テトラエチルジルコネート、アルミニウムイソプロピオネート等の金属アルコキシドや、アルミニウム、鉄、銅、亜鉛、スズ、チタン、ニッケル、アンチモン、マグネシウム、バナジウム、クロム、ジルコニウム等の多価金属のアセチルアセトンやアセト酢酸エステル、エチレンジアミン四酢酸配位化合物の金属キレート化合物等や、酢酸-アンモニウム錯塩、アンモニウム-カーボネート錯塩等が挙げられる。
アジリジン系化合物としては、アジリジン基を少なくとも2個以上含有するものであればよく、例えば、日本触媒社製の「ケミタイトPZ-33」、「ケミタイトDZ-22E」等が挙げられる。
ヒドラジン系化合物としては、ヒドラジン基を少なくとも2個以上含有するものであればよく、例えば、モノ塩酸ヒドラジン、ジ塩酸ヒドラジン、モノ臭化水素酸ヒドラジン、炭酸ヒドラジン等が挙げられる。
ヒドラジド系化合物としては、例えば、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカンジオヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、サリチル酸ヒドラジド等が挙げられる。
メラミン系化合物としては、例えば、ヘキサメトキシメチロールメラミンや、三和ケミカル社製の「ニカラックMW-30M」、「ニカラックMW-30」、「ニカラックMW-22」、「ニカラックMS-11」、「ニカラックMS-011」、「ニカラックMX-730」、「ニカラックMX-750」、「ニカラックMX-706」、「ニカラックMX-035」等のメチル化メラミン樹脂、「ニカラックMX-45」、「ニカラックMX-410」等の混合エーテル化メラミン樹脂等が挙げられる。
架橋剤としては、これらの中から選ばれる1種のみを用いてもよく、2種以上を併せて用いてもよい。
本発明において、コーティング層とプライマー層の密着性の点から、上記の中でも、イソシアネート系化合物、オキサゾリン系化合物、エポキシ系化合物、カルボジイミド系化合物が好ましく、イソシアネート系化合物、カルボジイミド系化合物が特に好ましく、カルボジイミド系化合物が更に好ましい。
また、プライマー層の厚みはコストや透明性の点から薄い方が好ましいものの、厚みが薄いと密着性が低下する傾向にあるため、インラインコーティングによるナノオーダーの薄膜形成時等には上述の好ましい架橋剤の使用が特に有効である。
上記架橋剤の含有量は、本発明の不飽和基含有ポリエステル系樹脂中に含まれる官能基の量、本発明の不飽和基含有ポリエステル系樹脂の分子量、用途目的により適宜選択できるが、本発明の不飽和基含有ポリエステル系樹脂と架橋剤の質量比(本発明の不飽和基含有ポリエステル系樹脂の質量/架橋剤の質量)として、99/1~30/70が好ましく、95/5~40/60がより好ましく、90/10~50/50がさらに好ましく、80/20~60/40が特に好ましい。
架橋剤の含有量が多すぎても少なすぎても、架橋不足により密着性、耐湿熱性が低下する傾向がある。
また、本発明のプライマー組成物中における、本発明の不飽和基含有ポリエステル系樹脂の不飽和基の含有量は0.005~2mmol/gが好ましく、0.03~1mmol/gがより好ましく、0.1~0.5mmol/gがさらに好ましい。
かかる含有量が低すぎると、コーティング層との反応点不足で充分な密着性が得られなくなる傾向があり、かかる含有量が多すぎると、塗膜の透明性が低下する傾向がある。
なお、本発明のプライマー組成物中における、本発明の不飽和基含有ポリエステル系樹脂の不飽和基の含有量は、下記式(III)により求めることができる。
不飽和基の含有量(mmol/g)=P2×S1/S2・・・式(III)
式(III)中、P2は本発明の不飽和基含有ポリエステル系樹脂における不飽和基含有量(mmol/g)、S1は本発明の不飽和基含有ポリエステル系樹脂の固形分質量(g)、S2は本発明のプライマー組成物の固形分総質量(g)である。
本発明のプライマー組成物には、上記各成分以外に、必要に応じて、ヒンダードフェノール系等の酸化防止剤、熱安定剤、ガラス繊維、無機充填剤、有機充填剤、色料、難燃剤、軟化剤、分散剤、湿潤剤、乳化剤、ゲル化剤、消泡剤、他の熱可塑性樹脂等を、本発明の効果を損なわない程度に配合することができる。
本発明のプライマー組成物を製造する方法は特に限定されず、例えば、撹拌装置を用いて各成分を適宜混合すればよい。
[水性液]
本発明の不飽和基含有ポリエステル系樹脂又は本発明のプライマー組成物を水性溶媒に溶解又は分散することによって、水性液を調製することができる。以下、水性溶媒に溶解又は分散させることを「水溶解又は水分散」と表記する。
水性液を調製するに際しては、本発明の不飽和基含有ポリエステル系樹脂又は本発明のプライマー組成物、及び水性溶媒を適宜混合して行うことができ、例えば、(1)本発明の不飽和基含有ポリエステル系樹脂及び架橋剤を混合した後、水性溶媒を混合して水性液とする方法、(2)本発明の不飽和基含有ポリエステル系樹脂及び架橋剤のそれぞれを水性溶媒で水性液としておき、これらを混合し水性液とする方法、(3)本発明の不飽和基含有ポリエステル系樹脂及び架橋剤のいずれかを水性溶媒で水性液としておき、更に残りの成分を混合し水性液とする方法等が挙げられるが、調製が容易な点で上記(2)の方法が好ましい。
上記水性溶媒としては、水又は水に適宜の親水性有機溶媒を混合したものを挙げることができる。前記親水性有機溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノターシャリーブチルエーテル等のグリコールエーテル類等、水と混合可能なものが挙げられる。親水性有機溶媒を用いる場合には、その水性液の全体に対する割合は適宜設定される。例えば、30質量%以下の範囲と設定することができるが、これに限定されるものではない。また、これら水性溶媒の中から選ばれる1種を用いてもよく、あるいは2種以上を併せて用いてもよい。
水性液を調製する際には、水性媒体に均一に溶解または分散させるために中和剤を配合することが好ましく、かかる中和剤としては、本発明のプライマー組成物に含有される本発明の不飽和基含有ポリエステル系樹脂及び架橋剤のカルボキシル基を中和することができるものであればよい。
具体的には、例えば、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の金属水酸化物;エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、イミノビスプロピルアミン、3-エトキシプロピルアミン、3-ジエチルアミノプロピルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N,N-ジエチルエタノールアミン、N,N-ジメチルエタノールアミン、アミノエタノールアミン、モルホリン、N-メチルモルホリン、N-エチルモルホリン等の有機アミン;及びアンモニア等が挙げられる。これら中和剤の中から選ばれる1種を用いてもよく、あるいは2種以上を併せて用いてもよい。
これら中和剤の中でも乾燥により揮散させやすく、得られる被膜の耐水性という点で、沸点が150℃以下のものであることが好ましい。特に、汎用性が高く、低沸点であり、乾燥時の揮散が容易な点から、アンモニア、トリエチルアミンが好ましく、アンモニアが特に好ましい。
また、水性液には、必要に応じて、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤等の界面活性剤を配合することができる。界面活性剤を配合することによって、水性液をポリエステルフィルム等の基材に塗布する際の基材フィルムへの濡れ性を向上させることができる。
界面活性剤としては適宜のものを用いることができ、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸金属石鹸、アルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩等を挙げることができる。これら界面活性剤の中から選ばれる1種を用いてもよく、あるいは2種以上を併せて用いてもよい。
なお、コーティング層とプライマー層の密着性及びプライマー層の耐水性の点からは、界面活性剤を添加しない方が好ましい。
また、水性液には、更に必要に応じて、例えば、耐電防止剤、充填剤、紫外線吸収剤、滑剤、着色剤等を配合してもよい。
水性液の固形分の濃度は、本発明の不飽和基含有ポリエステル系樹脂の良好な分散性を確保することができるように適宜調整され、例えば、5~30質量%が好ましい。なお、塗布時は所望の膜厚を得るべく適宜希釈され、例えば、固形分濃度を1~15質量%に調整し使用される。
[有機溶剤溶液]
また、本発明の不飽和基含有ポリエステル系樹脂又は本発明のプライマー組成物は、必ずしも水性溶媒に溶解又は分散させる必要はなく、有機溶剤溶液として使用することもできる。
上記有機溶剤溶液としては、溶剤中で作製した不飽和基含有ポリエステル樹系樹脂をそのまま用いてもよいし、さらに適宜有機溶剤で希釈してもよい。
上記有機溶剤としては特に限定されないが、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族類、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル類が挙げられる。これら有機溶剤は1種を用いてもよく、あるいは2種以上を併せて用いてもよい。
上記有機溶剤溶液中の固形分濃度は、塗工に適した粘度や所望の膜厚を得ることができる点から、10~70質量%の範囲であることが好ましい。
[プライマー層付き基材フィルム]
上記の水性液または有機溶剤溶液を基材フィルムに塗布し、加熱乾燥することにより、プライマー組成物中の不飽和基含有ポリエステル系樹脂が架橋剤により架橋されてなる被膜(プライマー層)を形成して、プライマー層付き基材フィルムを得ることができる。
上記基材フィルムとしては、例えば、ポリエチレンナフタート、ポリエチレン-2,6-ナフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート共重合体等のポリエステル系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂;ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化エチレン等のポリフッ化エチレン樹脂;ナイロン6、ナイロン6,6等のポリアミド;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、ビニロン等のビニル重合体;三酢酸セルロース、セロファン等のセルロース系樹脂;ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系樹脂;ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリイミド等の合成樹脂フィルム又はシートから選択される単層体又は複層体が挙げられる。
なかでも、透明性、耐薬品性、耐熱性、機械的強度及びコスト等の点からポリエステルフィルムが好ましく用いられる。
上記ポリエステルフィルムは、未延伸のものと、延伸したもののいずれでもよいが、延伸フィルムを用いることが好ましく、特に二軸延伸フィルムを用いることが好ましい。
水性液または有機溶剤溶液の塗布方法としては公知一般の方法を用いることができ、例えば、基材フィルムの片面又は両面に、キスコート、リバースコート、グラビアコート、ダイコート等で塗布する方法が挙げられる。
また、加熱乾燥後(架橋後)のプライマー層の厚みは、0.01~2μmであることが好ましく、0.02~0.5μmであることがより好ましく、0.03~0.3μmであることがさらに好ましく、0.05~0.15μmであることが特に好ましい。かかる厚みが薄すぎると、密着性が低下する傾向があり、かかる厚みが厚すぎると、透明性やヘイズ等の光学特性や耐ブロッキング性が低下する傾向がある。
上記プライマー層付き基材フィルムのプライマー層上にさらにコーティング層を設け、該コーティング層をハードコート層やプリズム層とすることにより、積層フィルムやプリズムシートを得ることができる。
コーティング層を形成する材料としては、コーティング材料として一般的に用いられているアクリル系樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物等が挙げられるが、なかでも活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が好ましい。
具体的には、上記プライマー層付き基材フィルムのプライマー層上に活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を塗工し、活性エネルギー線を照射して硬化することにより、プライマー層付き基材フィルムのプライマー層上に、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が硬化してなるハードコート層を有する積層フィルムを得ることができる。
上記ハードコート層の厚みとしては、通常0.5~15μmであり、好ましくは1~10μm、特には2~7μmであることが好ましい。
[プリズムシート]
また、プライマー層付き基材フィルムのプライマー層上にプリズム層を形成し、プリズムシートを得ることができる。
プリズム層としては、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が硬化してなるプリズム層であることが好ましく、特に好ましくは、無溶剤系の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が硬化してなるプリズム層である。
プリズム層が活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を硬化してなるプリズム層である場合のプリズム層の形成方法としては、例えば、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物をプリズム型に導入し、プリズム型とプライマー層付き基材フィルム(特には、ポリエステルフィルム)のプライマー層側とで活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を挟み込んだ状態で活性エネルギー線を照射し、樹脂組成物を硬化させ、プリズム型を取り除くことにより、基材フィルム上に活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が硬化されてなるプリズム層を形成する方法が挙げられる。
上記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の塗工方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、スプレー、シャワー、ディッピング、ロール、スピン、カーテン、フロー、スリット、ダイ、グラビア、コンマ、ディスペンサー、スクリーン印刷、インクジェット印刷等のようなウェットコーティング法が挙げられる。
活性エネルギー線としては、例えば、遠紫外線、紫外線、近紫外線、赤外線等の光線、X線、γ線等の電磁波の他、電子線、プロトン線、中性子線等が利用できるが、硬化速度、照射装置の入手のし易さ、価格等から紫外線照射による硬化が有利である。
紫外線照射により硬化させる方法としては、150~450nm波長域の光を発する高圧水銀ランプ、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルランプ、無電極放電ランプ、LED等を用いて、30~3,000mJ/cm程度照射すればよい。
紫外線照射後は、必要に応じて加熱を行って硬化の完全を図ることもできる。
プリズム層の厚みとしては、5~50μmであることが好ましく、10~45μmであることがより好ましく、15~40μmであることがさらに好ましく、20~35μmであることが特に好ましい。
以下、本発明を実施例及び比較例によりさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の例に限定されるものではない。なお、下記において、「部」及び「%」とあるのは、質量基準である。
ポリエステル系樹脂に関する各物性値の測定方法は次のとおりである。
(1)不飽和基含有ポリエステル系樹脂における不飽和基(ビニル基)の含有量の算出方法
不飽和基(ビニル基)の含有量(mmol/g)は、下記式(Ia)により求めた。
不飽和基(ビニル基)の含有量(mmol/g)=P’×P’1/S’1・・・式(Ia)
式(Ia)中、P’は「G-1000」の質量(g)、P’1は「G-1000」における不飽和基(ビニル基)含有量(mmol/g)、S’1は得られた不飽和基含有ポリエステル系樹脂の固形分質量(g)である。
なお、上記「G-1000」とは、両末端水酸基含有ポリブタジエン「NISSO-PB G-1000」を意味する。
また、P’1は式(IIa)により求めた。
P’1(mmol/g)=(P’mw-34)×1000×P’/(54.09×P’mw)・・・式(IIa)
式(IIa)中、P’mwは「G-1000」の平均分子量(g/mol)(水酸基価より算出)、P’は「G-1000」中の全不飽和基量に対する、「G-1000」中のビニル基量の割合である。
(2)酸価の測定方法
酸価(mgKOH/g)は、ポリエステル系樹脂1gをトルエン/メタノール=7/3(体積比)の混合溶媒30gに溶解し、JIS K0070に基づき中和滴定により求めた。
(3)ピークトップ分子量及び重量平均分子量
ピークトップ分子量及び重量平均分子量は、高速液体クロマトグラフィー(東ソー社製、「HLC-8320GPC」)にてカラム(TSKgel SuperMultipore HZ-M(排除限界分子量:2×10、理論段数:16,000段/本、充填剤材質:スチレン-ジビニルベンゼン共重合体、充填剤粒径:4μm)の2本直列を用いて測定し、標準ポリスチレン分子量換算により求めた。
[製造例1]
〔ポリエステル系樹脂(A1)の製造〕
温度計、撹拌機、精留塔、窒素導入管の付いた反応缶に、多価カルボン酸成分としてイソフタル酸(IPA)338.9部(2.040mol)、ポリオール成分としてジエチレングリコール(DEG)173.2部(1.632mol)、ネオペンチルグリコール(NPG)53.1部(0.510mol)、触媒としてテトラブチルチタネート0.3部を仕込み、内温が200~275℃となるまで90分かけて昇温し、275℃で3時間エステル化反応を行った。
次いで、内温を80℃まで下げながらメチルエチルケトン515.6部を投入し、樹脂が完全に溶解したところでピロメリット酸無水物(PMAn)23.8部(0.109mol)、触媒としてトリエチルアミン2.6部を添加し1.5時間付加反応を行い、主鎖の両分子末端に酸無水物構造を有するポリエステル系樹脂(A1)の固形分50%溶液を得た。ポリエステル系樹脂(A1)の物性を表1に示す。
[実施例1]
〔不飽和基含有ポリエステル系樹脂1の製造〕
製造例1で得られた固形分50%のポリエステル系樹脂(A1)溶液200部(固形分100部)、両末端水酸基含有ポリブタジエン「NISSO-PB G-1000」(日本曹達株式会社製、水酸基価74.2mgKOH/g、1,2-ビニル構造含有割合89.9%)2部、触媒としてトリエチルアミン0.5部を反応器に仕込み、80℃で3時間付加反応を行い、主鎖の側鎖にビニル基を有する不飽和基含有ポリエステル系樹脂1の50.5%溶液を得た。不飽和基含有ポリエステル系樹脂1の物性を表1に示す。
〔不飽和基含有ポリエステル系樹脂1水分散体の調製〕
上記で得られた固形分50.5%の不飽和基含有ポリエステル系樹脂1溶液39.6部、脱イオン水59.6部、25%アンモニア水0.8部を反応器に仕込み、室温で撹拌しながら水分散させ、固形分濃度20%の不飽和基含有ポリエステル系樹脂1水性液(水分散体)を調製した。
〔プライマー組成物の調製〕
上記で得られた不飽和基含有ポリエステル系樹脂1水性液(水分散体)とカルボジイミド系架橋剤「カルボジライトV-04」(日清紡ケミカル社製)を、表2に示すように、固形分質量比(不飽和基含有ポリエステル系樹脂1:カルボジイミド系架橋剤)が70:30となるように混合し、室温で1時間撹拌することにより、プライマー組成物を調製した。
[比較例1]
〔ポリエステル系樹脂(A1)水分散体の調製〕
製造例1で得られた固形分50%のポリエステル系樹脂(A1)溶液40部(固形分20部)、脱イオン水59.1部、25%アンモニア水0.9部を反応器に仕込み、室温で撹拌しながら水分散させ、固形分濃度20%のポリエステル系樹脂(A1)水性液(水分散体)を調製した。
〔プライマー組成物の調製〕
上記で得られたポリエステル系樹脂(A1)水性液(水分散体)とカルボジイミド系架橋剤「カルボジライトV-04」(日清紡ケミカル社製)を、表2に示すように、固形分質量比(ポリエステル系樹脂(A1):カルボジイミド系架橋剤)が70:30となるように混合し、室温で1時間撹拌することにより、プライマー組成物を調製した。
[初期密着性評価]
上記実施例1及び比較例1で調製した各プライマー組成物を、固形分が3%となるように脱イオン水で希釈し、プライマー組成物の塗液を調製した。調製した塗液をPETフィルム「ルミラーT60」(東レ社製、厚み100μm)上にバーコーターNo.6にて塗布し、150℃で3分間乾燥させることで、厚み0.2μmのプライマー層を形成した。
次に、プリズム層形成用の無溶剤型紫外線硬化型樹脂組成物「BTW-607-1」(東莞貝特利新材料有限公司社製)を、上記プライマー層の上にアプリケーターを用いて塗布し、続いて塗布面から13cmの高さにセットした80W/cmの照射強度を有する高圧水銀ランプを用いて紫外線を400mJ/cm照射することで紫外線硬化型樹脂組成物を硬化させ、厚み25μmの紫外線硬化樹脂層を形成した。
このようにして形成した厚み25μmの紫外線硬化樹脂層に1mmのクロスカットを100個入れ、その上にニチバン社製のセロテープ(登録商標)を貼り付け、テープ上をプラスチック消しゴムで擦って十分に密着させた後、90°方向に急速に剥離し、紫外線硬化樹脂層の剥離度合い、すなわち、クロスカット100個あたりの紫外線硬化樹脂層の残存数をカウントし、下記の基準にて密着性評価を行った。結果を表2に示す。
(評価基準)(残存個数/測定個数)
◎:98/100以上
○:85/100以上、97/100以下
△:61/100以上、84/100以下
×:60/100以下
[耐湿熱密着性評価]
上記と同様にして得られた厚み25μmの紫外線硬化樹脂層を、85℃及び85%RHの環境下で96時間静置した後、23℃及び50%RHの環境下で1時間静置し、上記と同様の手法で密着性を評価した。結果を表2に示す。
Figure 0007139746000001
Figure 0007139746000002
表2の結果から、実施例1のプライマー組成物から形成されたプライマー層は、比較例1のプライマー組成物から形成されたプライマー層に比べ、基材フィルムとコーティング層の双方との密着性が格段に優れていることが分かった。
また、実施例1のプライマー組成物から形成されたプライマー層は、比較例1のプライマー組成物から形成されたプライマー層に比べ、湿熱環境下に一定時間静置した後における基材フィルムとコーティング層の双方との密着性の低下を、抑制できることが分かった。
本発明の不飽和基含有ポリエステル系樹脂から得られるプライマー組成物は、基材フィルムのプライマーとして好適に用いることができる。また、得られるプライマー層付き基材フィルムは、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が硬化してなるコーティング層との密着性に優れるものであり、例えば、ラベルシートや印刷用シート、ハードコートフィルム、プリズムシート等、フィルム上にコーティング層を設けてなるシートとして有用であり、特にはプリズムシートとして有用である。

Claims (15)

  1. 主鎖の両分子末端に少なくとも2つのカルボン酸無水物構造を有するカルボン酸無水物由来の構造を有するポリエステル系樹脂(A)由来の構造部位と、
    主鎖及び主鎖の側鎖の少なくとも一方に2個以上の水酸基を有し、主鎖の側鎖に不飽和基を有する化合物(B)由来の構造部位とを含有する不飽和基含有ポリエステル系樹脂であって、
    前記化合物(B)が、両末端水酸基含有ポリオレフィンであり、
    前記不飽和基含有ポリエステル系樹脂における前記化合物(B)の主鎖の側鎖に位置する不飽和基の含有量が、0.01~3mmol/gであることを特徴とする、不飽和基含有ポリエステル系樹脂。
  2. 前記ポリエステル系樹脂(A)と、前記化合物(B)と、を共重合してなることを特徴とする請求項1に記載の不飽和基含有ポリエステル系樹脂。
  3. 前記不飽和基含有ポリエステル系樹脂における前記化合物(B)の主鎖の側鎖に位置する不飽和基が、ビニル基であることを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載の不飽和基含有ポリエステル系樹脂。
  4. 酸価が、1.5~100mgKOH/gであることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の不飽和基含有ポリエステル系樹脂。
  5. 重量平均分子量が、5,000~100,000であることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の不飽和基含有ポリエステル系樹脂。
  6. 請求項1~5のいずれか1項に記載の不飽和基含有ポリエステル系樹脂を含有することを特徴とするプライマー組成物。
  7. 更に、架橋剤を含有することを特徴とする請求項6に記載のプライマー組成物。
  8. 前記架橋剤が、イソシアネート系化合物及びカルボジイミド系化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物であることを特徴とする請求項7に記載のプライマー組成物。
  9. 前記不飽和基含有ポリエステル系樹脂と前記架橋剤の含有比率が、不飽和基含有ポリエステル系樹脂の質量/架橋剤の質量として、99/1~30/70であることを特徴とする請求項7または8に記載のプライマー組成物。
  10. 前記プライマー組成物における、前記不飽和基含有ポリエステル系樹脂の不飽和基の含有量が、0.005~2mmol/gであることを特徴とする請求項6~9のいずれか1項に記載のプライマー組成物。
  11. 基材フィルム上に、請求項6~10のいずれか1項に記載のプライマー組成物からなるプライマー層を有することを特徴とするプライマー層付き基材フィルム。
  12. 請求項11に記載のプライマー層付き基材フィルムのプライマー層上に、プリズム層を有することを特徴とするプリズムシート。
  13. 前記プリズム層が、無溶剤系活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物であることを特徴とする請求項12に記載のプリズムシート。
  14. 不飽和基含有ポリエステル系樹脂と架橋剤を含有する樹脂組成物であって、
    前記不飽和基含有ポリエステル系樹脂は、
    主鎖の両分子末端に少なくとも2つのカルボン酸無水物構造を有するカルボン酸無水物由来の構造を有するポリエステル系樹脂(A)由来の構造部位と、
    主鎖及び主鎖の側鎖の少なくとも一方に2個以上の水酸基を有し、主鎖の側鎖に不飽和基を有する化合物(B)由来の構造部位とを含有し、
    前記化合物(B)が、両末端水酸基含有ポリオレフィンであり、
    前記架橋剤が、イソシアネート系化合物及びカルボジイミド系化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物であることを特徴とする、樹脂組成物。
  15. 請求項14に記載の樹脂組成物からなることを特徴とするプライマー組成物。
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