JP2014070196A - 活性エネルギー線硬化型樹脂組成物 - Google Patents

活性エネルギー線硬化型樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】低線量の活性エネルギー線に対する硬化感度、保存安定性に優れた活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を提供する。
【解決手段】カルボキシル基ペンダント型ポリエステル(メタ)アクリレート(A)、ビスカルボキシル(メタ)アクリレート化合物(B)および光重合性開始剤(C)を含有する活性エネルギー線硬化型樹脂組成物であって、カルボキシル基ペンダント型ポリエステル(メタ)アクリレート(A)が下記(i)〜(iii)成分を反応させて得られるものであり、(A)/(B)=100/0〜12/88(質量比)であることを特徴とする活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。(i)酸成分として芳香族ジカルボン酸を40モル%以上含有し、数平均分子量1000〜10000の共重合ポリエステル(ii)カルボン酸二無水物(iii)分子内に1個以上のヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレート化合物。
【選択図】なし

Description

本発明は、低線量の活性エネルギー線に対する硬化感度、保存安定性に優れた活性エネルギー線硬化型樹脂組成物に関する。
従来より、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、ごく短時間のエネルギー照射により硬化が完了し、硬化プロセスが省エネルギー型であるために、接着剤、インキ、塗料のバインダーなど各種コーティング材料への用途開発が進められている。特にウレタン(メタ)アクリレート樹脂は活性エネルギー線に対する硬化性、硬化後の被膜の強靱性といった優れた性能を有するために、各種分野で検討されている。例えば、特許文献1では、特定のグリコールを含んだウレタンアクリレート樹脂が提案されている。また特許文献2や特許文献3ではそれぞれ特定の繰返し単位を有するポリエステルをベースにしたウレタンアクリレート樹脂が提案されている。しかしながら、特許文献1の方法では、ポリエステル基材に対する密着性に劣り、また特許文献2の方法では低線量の活性エネルギー線に対する硬化感度に劣り、また特許文献2、3の方法ではポリエステルをウレタン化する工程の中で分岐構造を生じるために、得られたウレタン(メタ)アクリレート樹脂のライフが短く、保存安定性に劣るものであった。
特許2987887号公報
特許3493724号公報
特開2006−52258号公報
本発明は、ポリエステルや非極性ポリオレフィン類、金属類に対する密着性、可撓性およびアルカリ現像性に優れ、さらに低線量の活性エネルギー線に対する硬化感度に優れ、かつ保存安定性にも優れた活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明の要旨は以下の通りである。
(1)カルボキシル基ペンダント型ポリエステル(メタ)アクリレート(A)、ビスカルボキシル(メタ)アクリレート化合物(B)および光重合性開始剤(C)を含有する活性エネルギー線硬化型樹脂組成物であって、
カルボキシル基ペンダント型ポリエステル(メタ)アクリレート(A)が下記(i)〜(iii)成分を反応させて得られ、数平均分子量が1000〜15000であり、(ii)由来単位/(i)由来単位のモル比が1.0〜1.8であり、末端に(iii)の残基を有し、
ビスカルボキシル(メタ)アクリレート化合物(B)が下記(ii)、(iii)を反応させて得られるものであり、
(A)/(B)=100/0〜12/88(質量比)であることを特徴とする活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
(i)酸成分として芳香族ジカルボン酸を40モル%以上含有し、数平均分子量1000〜10000の共重合ポリエステル
(ii)カルボン酸二無水物
(iii)分子内に1個以上のヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレート化合物
(2)(1)の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物からなるコーティング剤。
本発明によれば、低線量の活性エネルギー線に対する硬化感度に優れ、ポリエステルや非極性ポリオレフィン類、金属類に対する密着性、可撓性およびアルカリ現像性に優れた硬化被膜が得られ、かつ保存安定性にも優れた活性エネルギー線硬化型樹脂組成物が得られる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物に用いる共重合ポリエステル(i)は、カルボン酸成分とグリコール成分から構成されるが、酸成分において、芳香族ジカルボン酸を40モル%以上含有し、かつ数平均分子量1000〜10000の共重合ポリエステルである。
共重合ポリエステル(i)を構成するカルボン酸成分は、特に限定されるものではなく公知のものを用いることができる。カルボン酸成分として用いる芳香族ジカルボン酸は、芳香族性を有する基を分子内に有するジカルボン酸であり、例えば、無水フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸などが代表的なものとして挙げられる。中でもテレフタル酸とイソフタル酸が好適に用いられる。酸成分において、芳香族ジカルボン酸を40モル%以上含有することが必要であり、50モル%以上が好ましい。40モル%未満の場合、活性エネルギー線硬化コーティング被膜が強靭性に乏しく、ポリエチレンテレフタレートやポリオレフィンに対する密着性が不足して好ましくない。また必要により、酸成分として、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸などを0.2〜20モル%程度含んでいてもよい。
芳香族ジカルボン酸以外で共重合可能なジカルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、エイコサン二酸等の脂肪族ジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、パーヒドロナフタレンジカルボン酸、ダイマー酸等の脂環族ジカルボン酸、フマール酸、マレイン酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸、テトラヒドロフタル酸、シクロブテンジカルボン酸等の不飽和脂環族ジカルボン酸、p−ヒドロキシエチルオキシ安息香酸、ε−カプロラクトン等のオキシ酸が挙げられる。
共重合ポリエステル(i)を構成するグリコール成分は、特に限定されるものではなく、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,15−ペンタデカンジオール、1,16−ヘキサデカンジオール、1,17−ヘプタデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,19−ノナデカンジオール、1,20−エイコサンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジオール、スピログリコール、1,4−フェニレングリコール、1,4−フェニレングリコールのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物及びプロピレンオキサイド付加物、水素化ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物及びプロピレンオキサイド付加物、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのジオールなどが挙げられる。このうち、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールが好適に用いられる。また必要により、グリコール成分として、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトールなどのトリオール及びα−メチルグルコース、マニトール、ソルビトールなどを0.2〜20モル%程度含んでいてもよい。
共重合ポリエステル(i)は、公知の製造方法によって得られるものであり、直接エステル化法、エステル交換法などの溶融重合法が好適である。
直接エステル化法での製造方法をさらに説明する。
共重合ポリエステル(i)を構成する各成分である、多価アルコールと多価カルボン酸及び触媒を一括して反応器に仕込み、系内の空気を排出し、窒素置換する。その後エステル化温度(200〜240℃)になるまで昇温し、攪拌しながら2〜8時間反応を行う。エステル化反応終了後、重合温度(220〜290℃)まで昇温し、さらに系内を減圧し高真空下で重合反応を行う。反応時間は製造する樹脂種によって異なるが、通常3〜10時間である。重合反応終了後、系内に窒素を封入し減圧を解除し、樹脂を払い出すことで共重合ポリエステル(i)が得られる。
共重合ポリエステル(i)の数平均分子量は、1000〜10000であることが必要であり、1500〜8000であることが好ましい。数平均分子量が1000未満であると、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物より得られる被膜の強靭性が乏しく、ポリエチレンテレフタレートやポリオレフィンに対する密着性が不足して好ましくない。数平均分子量が10000を超えると高粘度になりすぎてハンドリングが悪く、好ましくない。
共重合ポリエステル(i)の分子量を制御する方法としては、重合時のポリエステル溶融物を所定の粘度で重合を終了する方法や、一旦分子量の高いポリエステルを製造したのち解重合剤を添加する方法、さらに単官能アルコール、(例えばセチルアルコール、デシルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、オクチルアルコール、ステアリルアルコール)や安息香酸などの単官能カルボン酸を予め添加する方法などが挙げられる。共重合ポリエステルは上記のいかなる方法によって分子量を制御してもよいが、重合時の共重合ポリエステルを所定の粘度で制御する方法が好適に用いられる。また、アルコール性水酸基を増やす場合には、共重合ポリエステル(i)の分子量を目標以上に重合反応を進めておき、多官能アルコール性水酸基を有する低分子物質にて解重合する方法が好ましい。
共重合ポリエステル(i)を製造する際に用いる触媒は、例えば、三酸化アンチモンなどのアンチモン化合物、テトラブチルチタネ−トなどの有機チタン酸化合物、酢酸亜鉛、酢酸マグネシウムなどのアルカリ金属、アルカリ土類金属の酢酸塩、ヒドロキシブチルスズオキサイドなどの有機錫化合物を挙げることができる。また、触媒使用量は、生成する樹脂質量に対し、0.01〜1.0質量%の範囲にあることが好ましい。0.01質量%未満では共重合ポリエステル(i)が所望の分子量に到達しないことがあり、1.0質量%を超える場合には共重合ポリエステル(i)の分子量が過剰に上昇し、含有する触媒が溶出する懸念があるため好ましくない。
共重合ポリエステル(i)の水酸基価は、100〜2000当量/トンとすることが好ましく、220〜2000当量/トンとすることがより好ましい。共重合ポリエステル(i)の水酸基価が200当量/トン未満であると、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート化合物との相溶性が低下し、ポリエステルアクリレートを合成することが困難となるので好ましくない。共重合ポリエステル(i)の水酸基価が2000当量/トンを超えると、ポリエステル基材への密着性が低下するので好ましくない。
共重合ポリエステル(i)の水酸基価を制御する方法としては、共重合ポリエステル(i)の分子量を目標以上に重合反応を進めておき多官能カルボン酸を適宜添加して解重合する方法、仕込みのジカルボン酸とグリコールのモル比を調整する方法、共重合ポリエステル(i)を熱分解する方法等が挙げられる。中でも、共重合ポリエステル(i)の分子量を目標以上に重合反応を進めておき多官能カルボン酸を適宜添加して解重合する方法が好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物に用いるカルボン酸二無水物(ii)は、共重合ポリエステル(i)と後述する分子内に1個以上のヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレート化合物(iii)を結びつける役割を果たす。
前記カルボン酸二無水物(ii)としては、例えば、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、2,3,3’,4’−ジフェニルメタンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ジフェニルメタンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4−ジフェニルメタンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、エチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート、1,3,3a、4,5,9b−ヘキサヒドロー5(テトラヒドロー2,5−ジオキソー3−フラニル)ナフト[1,2−c]フランー1,3−ジオンなどが挙げられる。なかでも、入手の汎用性から1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、2,2’,3,3’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物が特に好ましい。
前記共重合ポリエステル(i)とカルボン酸二無水物(ii)とを反応させる際には、必要に応じて反応触媒を用いることができる。反応触媒としては、スルホン酸は、例えば、硫酸、スルホン酸などの無機スルホン酸類、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、デカンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、o−トルエンスルホン酸、m−トルエンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、キシレンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸などの有機スルホン酸類を挙げることができる。これらのうちでp−トルエンスルホン酸とドデシルベンゼンスルホン酸が好ましく、特にp−トルエンスルホン酸が好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物に用いる分子内に1個以上のヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレート化合物(iii)は、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ペンタンジオールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリロイルフォスフェート、4−ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1−(メタ)アクリロイルオキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシプロパン、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等が挙げられ、さらにアルキルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレートなどのグリシジル基含有化合物と(メタ)アクリル酸との付加反応により得られる化合物も挙げられる。このうち、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジアクリロキシプロパン、2−ヒドロキシ−1,3−ジメタクリロキシプロパン、2−ヒドロキシ−1−アクリロキシ−3−メタクリロキシプロパン、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートなどが好適に用いられる。これらは単独または二種以上組み合わせて使用できる。
以下、本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を構成するカルボキシル基ペンダント型ポリエステル(メタ)アクリレート(A)、ビスカルボキシル(メタ)アクリレート化合物(B)および光重合性開始剤(C)の説明を行う。
[カルボキシル基ペンダント型ポリエステル(メタ)アクリレート(A)]
カルボキシル基ペンダント型ポリエステル(メタ)アクリレート(A)は、下記(i)〜(iii)成分を反応させて得られ、数平均分子量が1000〜15000であり、(ii)由来単位/(i)由来単位のモル比が1.0〜1.8であり、末端に(iii)の残基を有するものである。
(i)酸成分として芳香族ジカルボン酸を40モル%以上含有し、数平均分子量1000〜10000の共重合ポリエステル
(ii)カルボン酸二無水物
(iii)分子内に1個以上のヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレート化合物
成分(i)と成分(ii)の反応において、(ii)由来単位/(i)由来単位のモル比が1.0〜1.8であることが必要であり、好ましくは1.0〜1.6、さらに好ましくは1.0〜1.2である。(ii)由来単位/(i)由来単位のモル比が1.8を超えると、(ii)カルボン酸二無水物によって共重合ポリエステル(i)が高分子量化されて、カルボキシル基ペンダント型ポリエステル(メタ)アクリレートの粘度が高くなり、ハンドリングが悪く好ましくない。
カルボキシル基ペンダント型ポリエステル(メタ)アクリレート(A)の数平均分子量は1000〜15000であることが必要であり、2000〜13000であることが好ましい。数平均分子量は1000未満であると、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物より得られる被膜の強靭性が乏しく、ポリエチレンテレフタレートやポリオレフィンに対する密着性が不足して好ましくない。数平均分子量が15000を超えると、高粘度になりすぎてハンドリングが悪く好ましくない。
前記成分の反応方法は特に制限されるものではないが、共重合ポリエステル(i)の水酸基に対して、過剰のカルボン酸2無水物(ii)を反応させ、殆んど副反応のない酸無水物末端基のプレポリマーとなし、ついで1個以上のヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート化合物(iii)を反応させるのが、比較的低粘度のカルボキシル基ペンダント型ポリエステル(メタ)アクリレート(A)を得るのに最適である。さらに具体的に説明すると、まず(i)に(ii)を反応させて酸無水物末端基のプレポリマーを得る際には、(ii)の酸無水物基当量/(i)の水酸基量の比を1.55〜25.0の範囲で、好ましくは1.63〜18.0、さらに好ましくは1.88〜9.0で反応させて、酸無水物末端基のポリエステルプレポリマーとした後に、続いて該プレポリマーの酸無水物基に(iii)を反応させる際には、(ii)の酸無水物基当量から(i)の水酸基当量を減じた残りの酸無水物基当量と(iii)の水酸基当量の比が0.9〜1.1、好ましくは0.95〜1.05で反応させることにより合成することが可能である。この際、カルボキシル基ペンダント型ポリエステル(メタ)アクリレート(A)は、2つの反応工程を経ているが、一つの反応釜で一度に製造できるため、製造工程が簡略化できる。
[ビスカルボキシル(メタ)アクリレート化合物(B)]
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物には、カルボン酸二無水物(ii)、分子内に1個以上のヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレート化合物(iii)を反応させて得られるビスカルボキシル(メタ)アクリレート化合物(B)を含有することができる。
ビスカルボキシル(メタ)アクリレート化合物(B)は反応性希釈剤に相当し、酸無水物基/水酸基の比を調整することにより(B)の含有量の調整が可能である。(B)はその含有量が増大すると、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を低粘度化し、硬化膜の伸びを損なうことなく高弾性率化させることができ、非常に有用な化合物である。
カルボキシル基ペンダント型ポリエステル(メタ)アクリレート(A)とビスカルボキシル(メタ)アクリレート化合物(B)の配合は、(A)/(B)=100/0〜12/88(質量比)であることが必要であり、好ましくは100/0〜24/76(質量比)、さらに好ましくは100/0〜50/50(質量比)である。(A)の配合が、12質量%未満では、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物より得られる被膜の強靭性が乏しくなり、ポリエチレンテレフタレートやポリオレフィンに対する密着性が不足して好ましくない。
[光重合性開始剤(C)]
光重合性開始剤(C)は、特に限定されるものではなく、例えば、アセトフェノン系、ベンゾイン系、ベンフェノン系、チオキサントン系、アシルホスフィンオキシド系等の光重合開始剤を用いることができる。
アセトフェノン系光重合性開始剤としては、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製ダロキュアー1173)、ベンジルジメチルケタール(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製イルガキュアー651、BASF社製ルシリンBDKなど)、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製イルガキュアー184)、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製イルガキュアー907)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製イルガキュアー369)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(1−メチルビニル)フェニル〕プロパノンのオリゴマー(ランベルチ社製エサキュアー KIP)等が挙げられる。
ベンゾインエーテル系光重合性開始剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等が挙げられる。
ベンゾフェノン系光重合性開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、O−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4′−メチルジフェニルサルファイド、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、(4−ベンゾイルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリド等が挙げられる。
チオキサントン系光重合性開始剤としては、例えば、2−または、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン等が挙げられる。また、これら以外にメチルフェニルグリオキシエステル(AKZO社製バイキュアー55)や3,6−ビス(2−モルホリノイソブチル)−9−ブチルカルバゾール(旭電化社製A−Cure3)、チタノセン化合物等を挙げることができる。
アシルホスフィンオキシド系光重合開始剤としては、例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド(BASF社製ルシリンTPO)、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド(BAPO)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)メチルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製イルガキュアー819)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)エチルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)n−ブチルホスフィンオキシド等が挙げられる。また、これら光重合開始剤を組み合わせても使用でき、その具体例としては、市販品として、イルガキュアー1700〔ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド/2−ヒドロキシ−2−メチルフェニルプロパン−1−オン=25/75質量%〕、イルガキュアー1800〔ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド/1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン=25/75質量%〕、イルガキュアー1850〔ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド/1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン=50/50質量%〕(いずれもチバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)等を挙げることができる。
光重合開始剤(C)の配合は、カルボキシル基ペンダント型ポリエステル(メタ)アクリレート(A)、ビスカルボキシル(メタ)アクリレート化合物(B)ならびに必要に応じて添加される後述のエチレン性不飽和化合物の総量100質量部に対して、0.1〜10質量部、好ましくは、0.5〜5質量部程度の範囲から選択することができる。
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物には、必要に応じて光重合開始剤による光重合反応を促進するため、種々の光重合促進剤、例えば、ジアルキルアミノ安息香酸またはその誘導体(4−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸エステルなど)、ホスフィン系光重合促進剤(トリフェニルホスフィンなどのアリールホスフィン、トリアルキルホスフィンなどのホスフィン系化合物)などを添加してもよい。これらの重合促進剤の添加量は、例えば、(A)カルボキシル基ペンダント型ポリエステル(メタ)アクリレートならびに(B)ビスカルボキシル(メタ)アクリレート化合物および必要に応じて添加される、後述のエチレン性不飽和化合物の総量100質量部に対して、0.01〜10質量部程度の範囲が選択できる。
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物には、必要に応じて、エチレン性不飽和化合物を含有することができる。エチレン性不飽和化合物は、反応性希釈剤として機能し、室温(15〜30℃程度)で液体または固体の重合性化合物が使用できる。このエチレン性不飽和化合物には、単官能性化合物、二官能性化合物および多官能性化合物が含まれる。
単官能性化合物(単官能重合性希釈剤)としては、例えば、複素環式エチレン性不飽和化合物〔N−ビニルピロリドン、N−ビニルピリジン、N−ビニルカプロラクタムなどのN−ビニル複素環化合物、モルホリン(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートなどの複素環式(メタ)アクリレートなど〕、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルフォルムアミド、ダイアセトンアクリルアミド、ジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレート〔ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートなど〕、N,N′−ジメチルアクリルアミド、アルコキシ(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレート〔メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートなど〕、アルキルフェノキシエチル(メタ)アクリレート〔ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレートなど〕、フェノキシ(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレート〔フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートなど〕、クミルフェノール(ポリ)アルキレン(メタ)アクリレート、アルキル(メタ)アクリレート〔ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートなど〕、シクロアルキル(メタ)アクリレート〔シクロヘキシル(メタ)アクリレートなど〕、アラルキル(メタ)アクリレート〔ベンジル(メタ)アクリレートなど〕、架橋脂環式炭化水素基を有するジ(メタ)アクリレート〔イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタンジエン(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシアルキル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニルオキシエチル(メタ)アクリレートなど〕、ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレート〔2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ペンタンジオールモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸、3−アクリロイルオキシグリセリン(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1−(メタ)アクリロイルオキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシプロパン、2−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリロイルフォスフェート、4−ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートなど〕、ポリε−カプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕アッシドフォスフェート、ハロゲン含有(メタ)アクリレート〔トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレートなど〕などを挙げることができる。
二官能性化合物(2官能重合性希釈剤)としては、例えば、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピオネートのジ(メタ)アクリレート(日本化薬(株)製「MANDA」)、(ポリオキシ)アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート〔エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタンジオールジ(メタ)アクリレートなど〕、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリメチルプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのアルキレンオキシド(エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドなど)の付加物のジ(メタ)アクリレート〔2,2−ビス(2−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパンのジ(メタ)アクリレートなど〕、架橋脂環式炭化水素基を有するジ(メタ)アクリレート〔トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエンジ(メタ)アクリレートなど〕、2官能エポキシ樹脂の(メタ)アクリル酸付加物〔2,2−ビス(グリシジルオキシフェニル)プロパンの(メタ)アクリル酸付加物など〕などを挙げることができる。
多官能性化合物(多官能重合性希釈剤)としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリオキシエチル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシ)イソシアヌレート、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのトリ(メタ)アクリレート、トリス(ヒドロキシプロピル)イソシアヌレートのトリ(メタ)アクリレート、トリアリルトリメリット酸、トリアリルイソシアヌレートなどを挙げることができる。
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物におけるエチレン性不飽和化合物の使用量は、カルボキシル基ペンダント型ポリエステル(メタ)アクリレート(A)とビスカルボキシル(メタ)アクリレート化合物(B)の種類、樹脂組成物の所望する粘度や硬化物の要求特性に応じて、例えば、カルボキシル基ペンダント型ポリエステル(メタ)アクリレート(A)およびビスカルボキシル(メタ)アクリレート化合物(B)100質量部に対して、10〜100質量部、好ましくは、20〜80質量部、さらに好ましくは、30〜70質量部程度の範囲から選択できる。
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物には、必要に応じて、安定剤を少量添加することもできる。安定剤としてはヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤などが使用できる。
ヒンダードフェノール系安定剤としては、t−ブチル基が置換したヒドロキシフェニル基を有する化合物、例えば、2,6−ジ−t−ブチルヒドロキシトルエン、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、トリエチレングリコール−ビス〔(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサンジオールビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、ペンタエリスリトール−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2′−チオビス(4−メチル−6−t−ブチル)フェノール、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチル)フェノール、N,N′−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジルフォスフォネート−ジエチルエステルなどが挙げられる。
ヒンダードアミン系酸化防止剤としては、例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジニル−4−セバケート)、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル重縮合物などが挙げられる。
硫黄系酸化防止剤としては、例えば、ジラウリル−3,3′−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3′−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3′−チオジプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス−(β−ラウリル−チオプロピオネート)、ジトリデシル−3,3′−チオプロピオネート、2−メルカプトベンズイミダゾールなどが挙げられる。
これらの酸化防止剤の添加量は、カルボキシル基ペンダント型ポリエステル(メタ)アクリレート(A)ならびにビスカルボキシル(メタ)アクリレート化合物(B)および必要に応じて添加される、前述のエチレン性不飽和化合物の総量100質量部に対して、2.0質量%以下であり、水素ガス発生量、硬化速度の兼ね合いから0.1〜1.0質量%が好ましい。
本発明の樹脂組成物には、必要に応じて前記成分の他に、例えば、酸化防止剤や紫外線吸収剤などの安定剤、可塑剤、有機溶剤、シランカップリン剤、撥水性シラン化合物、変性シリコーンオイル、レベリング剤、界面活性剤、着色顔料、有機または無機微粒子などの種々の添加剤を添加してもよい。
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物には有機溶剤を加えることができる。有機溶剤は揮発性のものに限定され、活性エネルギー線硬化前に加熱乾燥等により大部分もしくは全部が揮発する必要がある。
使用可能な溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、またはこれらの混合物等がある。
以下に、参考例、実施例および比較例をあげて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
1.試験方法
(1)共重合ポリエステルの組成分析
樹脂の組成分析を、日本電子製プロトンNMR、装置名JOEL LAMDBA300WB(300MHz)を用いて行った。
(2)共重合ポリエステルの数平均分子量
数平均分子量は、移動相をテトラヒドロフランとしたGPC分析装置(島津製作所製LC−10ADvp型及びUV-VIS検出器、検出波長:254nm)を用いて、ポリスチレン換算により求めた。
(3)共重合ポリエステルのカルボキシル基当量
共重合ポリエステル0.5gを25mlのジオキサンに溶解し、クレゾールレッドを指示薬として0.1N−KOHで滴定し、当量/トン単位で求めた。
(4)共重合ポリエステルの水酸基当量
共重合ポリエステル2.0gをピリジン50mlに溶解した後、無水酢酸0.6ml加え、1時間加熱還流攪拌してアセチル化し、続いて、蒸留水5mlを加えて10分間加熱還流攪拌、更にジオキサン50mlを加えて1時間加熱還流攪拌した。一方共重合ポリエステルを加えずに同様のブランク試験を実施した。
冷却後、双方の液にクレゾールレッド・チモールブルーを指示薬として0.5N−KOHで滴定を行い、両者の差から水酸基当量をモル/トン単位で求めた。
(5)碁盤目密着試験
得られた樹脂組成物をフィルムアプリケータ(安田精機製、No.542−AB型、)を用いて、ポリエチレンテレフタレートフィルム(38μm、ユニチカ製)及びポリプロピレン板(日本テストパネル社製、厚み2mm、サイズ:70mm×100mm)、銅板(日本テストパネル社製、厚み0.3mm、サイズ:70mm×100mm)に10μmの厚さに塗布した後、紫外線照射装置(アイグラフィックス社製アイグランデージECS−401GX,メタハライドランプ160W)にて照射量700mJ/cm2(波長350nm)で照射して硬化させた後、JISK5400に準拠して碁盤目密着試験を行なった。測定結果は非剥離碁盤目数/全碁盤目数の分数で求め、分子の数字が大きいほど密着力が良いこととして下記4段階の評価を行った。
◎:非剥離碁盤目数/全碁盤目数が98/100以上
○:非剥離碁盤目数/全碁盤目数が95/100〜97/100
□:非剥離碁盤目数/全碁盤目数が90/100〜94/100
×:非剥離碁盤目数/全碁盤目数が90/100未満
(6)露光感度
厚さ0.3mm、サイズ:70mm×100mmの銅板(日本テストパネル社製)に10μmの厚さに塗布した後、紫外線照射装置(アイグラフィックス社製アイグランデージECS−401GX,メタハライドランプ160W)にて照射量200mJ/cm2と700mJ/cm2(波長350nm)の2水準で照射して硬化させた後、1,1,1−トリクロロエタンに浸漬し、35℃で60秒間の超音波処理をして被膜の損傷程度を評価した。
◎:被膜の損傷が認められない
○:若干の被膜の損傷もしくは膨潤が認められる。
×:被膜の損傷部分が多い。
(7)アルカリ現像性
厚さ0.3mm、サイズ:70mm×100mmの銅板(日本テストパネル社製)に10μmの厚さに塗布した後、所望のパターンを有するフォトマスクを介して、紫外線照射装置(アイグラフィックス社製アイグランデージECS−401GX,メタハライドランプ160W)にて照射量200mJ/cm2(波長350nm)で照射して硬化させた後、1%炭酸ナトリウム水溶液を用いて、液温30℃、スプレー圧 3kg/cm、時間60秒にて現像することにより、不要な未露光部分を溶解除去して露光済の部分のみを残存させ、所望のパターンを得た。
◎:パターン通りの現像ができた。
○:パターンのエッジコントラストが不鮮明なところがあったが、概ねパターン通りの現像ができた。
×:パターン通りの現像ができなかった。または被膜のほとんどが溶解除去されてしまった。
[参考例1](共重合ポリエステルの合成)
温度計、攪拌機、蒸留塔、コンデンサー、減圧装置を具備した反応容器中に、テレフタル酸172.8kg、イソフタル酸96.4kg、アジピン酸55.5kg、エチレングリコール80.7kg、ネオペンチルグリコール135.4kg、トリエチレングリコール33.0kgを反応器に仕込み、系内を窒素に置換した。仕込み原料を30rpmで撹拌しながら、反応器を0.4MPaに加圧し、240℃で加熱し、内容物を溶融させた。反応器内温度が240℃に到達してから4時間エステル化反応を行った。エステル化反応終了後、系内に窒素を封入することで常圧に戻した後、さらに触媒として三酸化アンチモン350gを添加し、系内を285℃に上昇させかつ減圧にし、系内が高真空に到達してから4時間重合反応を行ない、数平均分子量21700のポリマーを得た。重合反応終了後、系内に窒素を封入することで常圧に戻し、エチレングリコール17.4kgを添加し、系内を275℃で2時間解重合反応を行った。生成した樹脂を系外に払い出し、数平均分子量1400、酸当量4モル/トン、水酸基当量1425モル/トンの共重合ポリエステル(P)を得た。
以下、Q〜Vの共重合ポリエステルについても参考例1と同様の方法で製造した。得られた共重合ポリエステルの特性値を下記の方法により分析した結果を表1に示す。
[実施例1]
温度計、攪拌機、窒素導入管を具備した反応容器中に、上記(参考例1)で得られ、充分に真空乾燥された共重合ポリエステル(P)(数平均分子量1400、
酸当量4モル/トン、水酸基当量1425モル/トン)1000質量部をトルエン3900質量部に溶解させ、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物(1,2,3,4−BTCA)564質量部を加え、窒素雰囲気下、80℃で3時間反応させ、ついで、重合禁止剤ヒドロキノン1.0質量部、2−ヒドロキシオクリロイルオキシ−3メタクリロイルオキシープロパン(2H1A3MP)915質量部を加えてさらに80℃で6時間反応させた。この樹脂溶液は、固形分40%で、数平均分子量2200のカルボキシル基ペンダント型ポリエステル(メタ)アクリレート(A−1)1587質量部とビスカルボキシル(メタ)アクリレート化合物(B−1)892質量部との混合物が得られた。これに光重合開始剤イルガキュアー651(チバスペシャルティ・ケミカルズ社製)45質量部を配合し樹脂組成物1を調製した。
以下、実施例2〜実施例7及び比較例1〜比較例5についても実施例1同様に行い、共重合ポリエステル(i)、カルボン酸二無水物(ii)、1個以上のヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート化合物(iii)を反応させて得られるカルボキシル基ペンダント型ポリエステル(メタ)アクリレート(A)、前記(ii)及び(iii)を反応させて得られるビスカルボキシル(メタ)アクリレート化合物(B)を得る際のそれぞれの処方及び得られた前記(A)、(B)を表2に示す。
実施例1〜7についてはいずれも良好な密着力およびアルカリ現像性を有し、高い露光感度を示した。
比較例1は、共重合ポリエステルの分子量が下限値未満であったため、密着力に劣るものとなった。
比較例2は、去重合ポリエステルの分子量が上限値を超えたため、露光感度が低く、アルカリ現像液によって溶解除去され、所望のパターンが得られなかった。
比較例3は、共重合ポリエステルを構成する芳香族ジカルボン酸成分が40モル%未満であったために、密着力に劣るものとなり、露光感度も低く、アルカリ現像液によって溶解除去され、所望のパターンが得られなかった。
比較例4は、カルボキシル基ペンダント型ポリエステル(メタ)アクリレート(A)とビスカルボキシル(メタ)アクリレート(B)の配合比において、(A)の比率が過小であったため、ポリプロピレン及び銅板に対する密着力に劣るものとなった。
比較例5は、(ii)由来単位/(i)由来単位のモル比が過大であったため、露光感度が低く、アルカリ現像液によって溶解除去され、所望のパターンが得られなかった。






Claims (2)

  1. カルボキシル基ペンダント型ポリエステル(メタ)アクリレート(A)、ビスカルボキシル(メタ)アクリレート化合物(B)および光重合性開始剤(C)を含有する活性エネルギー線硬化型樹脂組成物であって、
    カルボキシル基ペンダント型ポリエステル(メタ)アクリレート(A)が下記(i)〜(iii)成分を反応させて得られ、数平均分子量が1000〜15000であり、(ii)由来単位/(i)由来単位のモル比が1.0〜1.8であり、末端に(iii)の残基を有し、
    ビスカルボキシル(メタ)アクリレート化合物(B)が下記(ii)、(iii)を反応させて得られるものであり、
    (A)/(B)=100/0〜12/88(質量比)であることを特徴とする活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
    (i)酸成分として芳香族ジカルボン酸を40モル%以上含有し、数平均分子量1000〜10000の共重合ポリエステル
    (ii)カルボン酸二無水物
    (iii)分子内に1個以上のヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレート化合物
  2. 請求項1記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物からなるコーティング剤。
















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