JPH0684457B2 - エラストマ−組成物 - Google Patents

エラストマ−組成物

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JPH0684457B2
JPH0684457B2 JP60178331A JP17833185A JPH0684457B2 JP H0684457 B2 JPH0684457 B2 JP H0684457B2 JP 60178331 A JP60178331 A JP 60178331A JP 17833185 A JP17833185 A JP 17833185A JP H0684457 B2 JPH0684457 B2 JP H0684457B2
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thermoplastic copolyester
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は,機械的強度に優れ,しかも可撓性に富み,耐
熱性,耐候性,耐熱水性,耐湿接着性に優れた成形品や
接着剤に有効なエラストマー組成物に関するものであ
り,さらに詳しくは,種々のエラストマーに対して優れ
た相溶性を有する熱可塑性ポリエステルエラストマーと
ゴム状物質からなるエラストマー組成物に関するもので
ある。
(従来の技術)(発明が解決しようとする問題点) 1965年に米国シエル化学社が発表したSBSエラストマー
(スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体)
は,加硫工程を要しない成形材料用エラストマー,接着
剤用ベースエラストマーとして広く用いられてきた。
さらに,熱的に安定なSISエラストマー(スチレン−イ
ソプレン−スチレンブロック共重合体),SEBSエラスト
マー(スチレン−エチレン・ブチレン−スチレンブロッ
ク共重合体)などが次いで発表されてきた。
しかし,これらのスチレン系エラストマーは,成形品あ
るいは接着剤として使用した場合,耐熱性や機械的強度
が劣る問題点があった。
これらの欠点を改良するため,それらエラストマーにソ
フトセグメントにポリオキシテトラメチレングリコール
などのポリ(アルキレンエーテル)グリコールを用いた
熱可塑性共重合ポリエステルエラストマーを配合するこ
とが提案されている。これらの配合組成物は,耐熱性や
機械的強度はやや改善されるが,耐候性,耐熱水性,耐
湿接着性が悪く,外気にさらされるところや高温多湿下
での使用は困難であった。
さらに,ポリオキシテトラメチレングリコールなどのポ
リアルキレンエーテルグリコールを用いた熱可塑性共重
合ポリエステルエラストマーは,スチレン系以外のエラ
ストマー(例えば,エチレン−プロピレン系エラストマ
ーやブチルゴムなど)とは相溶性がなく,広い用途範囲
へは供し得ないという欠点があった。
スチレン系,ブチルゴムなどのゴム系のエラストマー型
接着剤及びシーラントは,オープンタイムが長く接着作
業に巾がでること,低温時にも脆くならないで優れた接
着性能を有することから広く使用されている。しかしな
がら,これらエラストマー型接着剤及びシーラントは,
特にホットメルト接着剤あるいはホットメルトシーラン
トとして使用する場合,耐熱性が低く,高温になるとほ
とんど接着力が出なくなり,容易に接着破壊及び凝集破
壊を生じてしまうという欠点を有している。
これらの欠点を補うため,ポリアミド樹脂あるいはポリ
エステル樹脂を配合して,耐熱性の高いエラストマー型
ホットメルト接着剤及びシーラントにするこころみがな
されてきたが,ポリアミド樹脂あるいはポリエステル樹
脂はこれらエラストマーとの親和性に乏しく,混練時に
ほとんど相溶化しないか,たとえ分散してもホットメル
トの塗布工程やあるいは接着の際の溶融時にただちに分
離してしまうなど,実用に供し難かった。
ただ,スチレン系エラストマーはポリアルキレンエーテ
ルグリコールからなる熱可塑性共重合ポリエステルエラ
ストマーとは比較的相溶性を有するため,それらを配合
する提案もなされているが,前述したごとく,耐候性,
耐湿接着性が悪く,その上ホットメルト塗布工程時の熱
安定性が非常に悪く,実用に供し得ないものであった。
また,熱可塑性共重合ポリエステルエラストマーを単独
で成形品用途に用いる場合,機械的強度を上げるため,
芳香族ジカルボン酸成分から主としてなる短鎖エステル
セグメントの共重合量を多くする必要があるが,この場
合には樹脂の柔軟性が乏しくなり,可撓性の必要な部位
(例えばホースのような)には使用できない欠点があっ
た。また,柔軟性を出すためソフトセグメントからなる
長鎖エステルセグメントの共重合量を増やすと,機械的
強度が低下するという問題点があった。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らは,平均分子量約350〜6000の脂肪族長鎖グ
リコールを含有した特定の熱可塑性共重合ポリエステル
エラストマーが,ゴム状物質と優れた相溶性を有し,こ
れらを配合することにより前記のような欠点を解消し,
機械的強度,可撓性,耐候性,耐熱水性,耐湿接着性に
優れ,成形用途や接着剤用途に適したエラストマー組成
物となることを見出し,本発明に到達したものである。
すなわち,本発明は,(A)芳香族ジカルボン酸(I)
の40〜98モル%,炭素数10〜38の長鎖脂肪族ジカルボン
酸(II)の2〜60モル%及び(II)以外の脂肪族及び/
または脂環族ジカルボン酸(III)の0〜30モル%を酸
成分とし,炭素数2〜10のアルキレングリコール(IV)
の60〜98モル%,平均分子量約350〜6000の脂肪族長鎖
グリコール(V)の2〜40モル%をグリコール成分と
し,(II)と(V)の両成分の和が4〜70モル%であ
り,かつ極限粘度〔フェノール:テトラクロルエタン=
1:1(重量比)の混合溶媒中,20℃で測定〕が少なくとも
0.2である熱可塑性共重合ポリエステルエラストマー10
〜95重量%と,(B)成形用材料あるいは接着剤ベース
ポリマーとして使用されるゴム状物質90〜10重量%とか
らなるエラストマー組成物である。
本発明における熱可塑性共重合ポリエステルエラストマ
ーは,芳香族ジカルボン酸成分からなるハードセグメン
トと,長鎖脂肪族ジカルボン酸及び脂肪族長鎖グリコー
ル成分からなるソフトセグメントがブロック状に構成さ
れているものである。ハードセグメントを構成する芳香
族ジカルボン酸成分は,熱可塑性共重合ポリエステルエ
ラストマーの軟化点を上げ,耐熱性を付与すると共に機
械的強度を上げることに寄与し,その量は酸成分中の40
〜98モル%である。また,その好適な使用範囲は熱可塑
性共重合ポリエステルエラストマーの用途によっていく
ぶん異なり,成形用としては60〜98モル%,より好まし
くは65〜96モル%であり,接着剤用としては40〜95モル
%,より好ましくは55〜90モル%の範囲である。芳香族
ジカルボン酸成分の割合が40モル%未満になると,機械
的強度,耐熱性,凝集力が低くなり,一方98モル%を超
えると,すなわち長鎖脂肪族ジカルボン酸成分の割合が
2モル%未満になると,ソフトセグメントの効果が低下
し,低温において可撓性がなくなる。長鎖脂肪族ジカル
ボン酸以外の脂肪族及び/または脂環族ジカルボン酸成
分は,樹脂の軟化点や溶融粘度の調整を目的に0〜30モ
ル%の範囲内で適宜使用される。ソフトセグメントを構
成する長鎖脂肪族ジカルボン酸及び脂肪族長鎖グリコー
ル成分は,ゴム状物質との相溶性を高めると共にガラス
転移点を下げ,低温での可撓性を保持することに寄与
し,長鎖脂肪族ジカルボン酸の量は全酸成分中の2〜60
モル%,脂肪族長鎖グリコール成分は全グリコール成分
中の2〜40モル%であり,かつ両成分の量の和は4〜70
モル%である。両成分の和が70モル%を越えると,機械
的強度や耐熱性,凝集力が低くなり,一方,4モル%未満
ではゴム状物質との相溶性が悪くなるばかりか,低温特
性も悪くなり,熱可塑性共重合ポリエステルエラストマ
ーが硬く,脆くなる。このように,ソフトセグメントに
は長鎖脂肪族ジカルボン酸と脂肪族長鎖グリコールの両
者の存在が必須であり,長鎖脂肪族ジカルボン酸の単独
使用の場合はゴム状物質との相溶性が悪く,さらに長鎖
脂肪族ジカルボン酸自身が分子量が比較的低く,さらに
ハードセグメント部分との相溶性が良好であるので,両
者が混ざり合うため低温特性が不十分となり,脂肪族長
鎖グリコール単独使用の場合は,逆に芳香族ジカルボン
酸との相溶性が悪く,このため機械的強度,耐熱性,凝
集力が悪くなる。
すなわち,熱可塑性共重合ポリエステルエラストマーの
うち,脂肪族ジカルボン酸と脂肪族長鎖グリコールから
構成されるソフトセグメントがゴム状物質と相溶化し,
熱可塑性共重合ポリエステルエラストマーとゴム状物質
の優れたブレンド状態を産み出す。
本発明における熱可塑性共重合ポリエステルエラストマ
ーの構成成分である芳香族ジカルボン酸としては,例え
ばテレフタル酸,イソフタル酸,フタル酸,ナフタレン
ジカルボン酸などがあげられ,これらの一種または二種
以上を使用することもできるが,特にテレフタル酸また
はテレフタル酸とイソフタル酸の混合物が好ましく用い
られる。
炭素数10〜38の長鎖脂肪族ジカルボン酸としては,セバ
シン酸,ウンデカン二酸,ドデカン二酸,ブラシリン
酸,ヘキサデカン二酸,アイコサン二酸,ドコサン二酸
などの飽和脂肪族ジカルボン酸,炭素数10以上の不飽和
脂肪酸の二量体からなるダイマ一酸などから選ばれる一
種または二種以上が使用できる。ダイマ一酸の好ましい
具体例としては,リノール酸の二量体であるバーサダイ
ム288(ヘンケル社製),Empol104(エメリー社製)など
があげられる。さらに,該ダイマ一酸中の二重結合を水
素添加した水添ダイマ一酸は熱安定性にも優れ,好まし
く使用することができる。
炭素数10〜38の長鎖脂肪族ジカルボン酸以外の脂肪族ジ
カルボン酸としては,マロン酸,コハク酸,グルタル
酸,アジピン酸,ピメリン酸,コルク酸,アゼライン酸
などの直鎖脂肪族ジカルボン酸及び/または分岐を有す
るそれらの異性体などがあげられ,脂環族ジカルボン酸
としては,シクロヘキサンジカルボン酸などがあげら
れ,それらの一種または2種以上が使用できる。
本発明における熱可塑性共重合ポリエステルエラストマ
ーの構成成分であるアルキレングリコールとしては,炭
素数が2〜10のものが用いられるが,例えばエチレング
リコール,トリメチレングリコール,1,4−ブタンジオー
ル,1,5−ペンタンジオール,1,6−ヘキサンジオール,ネ
オペンチルグリコールの一種または二種以上が好ましく
用いられる。また,その使用割合は,全グリコール成分
の60〜98モル%である。
脂肪族長鎖グリコールの成分としては約350〜6000,好ま
しくは約600〜4000の平均分子量を有するポリブタジエ
ングリコール,例えば1,2−ポリブタジエングリコール,
1,4−ポリブタジエングリコールあるいはこれらの共重
合物あるいは混合物及びこれらの水添物,ポリイソプレ
ングリコール及びその水添物,ポリオレフィングリコー
ルなどが好ましく用いられる。
脂肪族長鎖グリコール成分の代わりに一般によく用いら
れるポリ(アルキレンエーテル)グリコール,例えばポ
リエチレングリコール,ポリテトラメチレングリコール
などを用いた場合は,ポリイソプレン,ポリイソブチレ
ン,ブチルゴム,ポリブタジエンなどのゴム状物質との
相溶性が悪く,成形用途や接着剤用途に適した優れたエ
ラストマー組成物を得ることができない。
本発明においては,前記成分の他の場合によってはトリ
メチロールプロパン,ペンタエリスリトール,トリメリ
ット酸等のごとき三官能以上のエステル形成性単量体を
用いることができる。
本発明における熱可塑性共重合ポリエステルエラストマ
ーは,フェノール/テトラクロルエタンの1対1(重量
比)の混合溶媒に溶解して,20℃で測定した極限粘度が
すくなくとも0.2のものである。極限粘度が0.2未満では
分子量が低すぎ,樹脂の強度が低く脆くなり,ゴム状物
質と配合した組成物も強度的に問題が生じ,成形用とし
ても接着剤用としても使用が困難である。成形用として
は,極限粘度の高いほど強度も強くなり,好ましい。た
だし,接着剤用,特にホットメルト接着剤用としては,
極限粘度は1.6を越えると溶融粘度が高くなりすぎ使用
が困難となり,1.6未満が好ましい。
本発明における熱可塑性共重合ポリエステルエラストマ
ーの製造方法は特に制限されるものではなく,公知の通
常の方法に従って行うことができる。例えば,前記芳香
族ジカルボン酸成分,長鎖脂肪族ジカルボン酸成分,他
の脂肪族ジカルボン酸成分,アルキレングリコール成
分,脂肪族長鎖グリコール成分を同時に,または段階的
に直接エステル化するか,あるいはエステル交換反応さ
せたのち重合する方法を採用することができる。また,
高分子量あるいは低分子量の共重合体ポリエステルと長
鎖脂肪族ジカルボン酸と脂肪族長鎖グリコール成分をエ
ステル交換反応させ,場合によってはその後重合を行う
方法を採用することもできる。これらの重合あるいはエ
ステル交換反応の際に,公知の任意の各種触媒,安定
剤,改質剤,あるいは添加剤などを使用してもよい。
また,ジカルボン酸成分にはエステル形成性誘導体とし
て,アルキルエステル,アリルエステルなどの通常のエ
ステルを用いることもできる。
本発明におけるゴム状物質とは,従来から成形用材料あ
るいは接着剤ベースポリマーとして使用されているもの
で,例えばポリイソプレン,ポリイソブチレン,ブチル
ゴム,ポリブタジエン,スチレン−ブタジエン共重合
体,スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合
体,スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合
体,スチレン−エチレン・ブチレン−スチレンブロック
共重合体,エチレン−プロピレン−ジエン共重合体,ク
ロルスルホン化ポリエチレン,天然ゴムなどである。
本発明における熱可塑性共重合ポリエステルエラストマ
ー(A)とゴム状物質(B)との配合比(A/B)は,10/9
0〜95/5(重量比)の範囲である。(A)成分の配合比
が10重量%未満になると,機械的強度,耐熱性の効果が
認められず,一方,95重量%を越えるとゴム状物質の配
合による可撓性,低温特性,接着性などの効果が発現で
きなくなってしまう。
本発明のエラストマー組成物を成形用途に使用する場合
には,通常の成形用樹脂に配合される酸化防止剤,熱安
定剤,難燃剤,防炎剤,紫外線吸収剤,顔料,可塑剤,
ガラス繊維,その他の補強剤,カーボンブラック,アル
ミナ,シリカゲル,粘土などの種々の添加剤を必要に応
じて配合させることができる。
また,本発明のエラストマー組成物を接着剤用途に使用
する場合には,通常のエラストマーに配合される粘着付
与剤樹脂,可塑剤,酸化防止剤,充填剤などを必要に応
じて含有させることができる。特に,本発明に用いる熱
可塑性共重合ポリエステルエラストマーは粘着付与剤樹
脂との相溶性に優れ,それからなるエラストマー組成物
においても分散状態は非常に良好であり,優れた接着力
が得られる。
本発明のエラストマー組成物を製造するための熱可塑性
共重合ポリエステルエラストマーとゴム状物質の配合方
法としては,溶融配合法が好ましく,そのために通常の
ロール,ニーダー,バンバリーミキサー,一軸及び二軸
押出し機などの混練装置を用いることができる。
本発明のエラストマー組成物は,押出し機等により繊
維,フィルム,シート,管等の形状に成形することがで
き,また,射出成形機や圧縮成形機等を用いて各種形状
に成形することができる。
本発明のエラストマー組成物は,溶融状態として一般の
ホットメルトアプリケーターあるいはロールコーターな
どにより被着体上に塗布して使用するほか,例えば粉末
状,チップ状,テープ状,ひも状,フィルム状あるいは
ウェーブ状など各種の形態に成形したのち被着体にはさ
み,次いで接着剤の軟化点以上の温度で加熱して被着体
を融着することもできる。さらに,コーティング剤とし
て基材に塗布し,基材表面の改良に使用することもでき
る。
また,溶剤に溶解し,基材に塗布乾燥後,再熱活性によ
り接着するようなホットメルト接着剤としても使用でき
る。
(実施例) 以下,本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。
なお,例中の「部」は「重量部」を意味する。
また,例中の特性値は次の方法により測定した。
(1)極限粘度 フェノール:テトラクロルエタン=1:1(重量比)の混
合溶媒中,20℃で測定した。
(2)融点(℃) パーキンエルマー社製DSC2C型を使用し,20℃/分で昇温
し,融解ピーク温度で測定した。
(3)引張強度(kg/cm2) JIS K−6301法により測定した。
(4)耐熱水性 沸騰水に試料を浸漬し,所定時間毎に取り出して引張強
度を測定し,初期値の50%になるまでの日数を調べた。
(5)耐候性 サンシャインウェザーメーター(スガ試験機製作所製ス
ーパーロングライフ)を用い,500時間照射後の試料の引
張強度あるいは接着強度の保持率で評価した。
(6)せん断弾性率(dyne/cm2) JIS K−7213法により測定した。
(7)軟化点(℃) JIS JAI−7に従い,環球法により測定した。
(8)せん断クリープ軟化温度(℃) 2.5cm×2.5cmの接着面積で接着した試験片(クラフト紙
/クラフト紙)にせん断方向に300gの荷重をかけてお
き,2℃/5分で昇温し,おもりが落下した時の温度を測定
した。
(9)溶融粘度(cps) ブルックフィールドサーモゼルシステムHBTDタイプ(米
国ブルックフィールドエンジニアリングラボレイトリー
ズ社製)により温度200℃で測定した。
(10)剥離接着強度(kg/25mm) JIS K−6854に従い,常温(20℃)における剥離接着強
度を剥離速度50mm/分で測定した。
接着条件は以下のとおりである。
(a)被着体:アルミニウム板(0.5mm厚さ)/アルミ
ニウム板(0.5mm厚さ) (b)接合:接着剤をホットメルトアプリケーターで20
0℃に加熱溶融し,被着体に巾25mm,ラップ長50mmに塗布
し,加圧接着した。
(11)耐湿性 50℃×95%RHの恒温恒湿槽中に試料を置き,所定時間毎
に取り出して剥離接着強度を測定し,初期値の50%にな
るまでの日数を調べた。
実施例1 テレフタル酸ジメチル97モル,炭素数36のダイマ一酸
(米国エメリー社製;エンポール1010)3モル,1,4−ブ
タンジオール140モル,平均分子量約1300の水素添加液
状ポリブタジエングリコール(日本曹達社製;GI-1000)
4モルと,テトラ−n−ブチルチタネート0.01モルを添
加し,200℃に加熱して生成するメタノールを系外に留去
し,エステル交換反応を行った。
メタノール留去がほぼ完了してから反応生成物を攪拌機
付重合器に移し,温度240℃にて30分間で徐々に真空度
を上げながら0.1〜0.3mmHgの高真空までもっていき,そ
の後4時間重縮合反応を行った。
得られた熱可塑性共重合ポリエステルエラストマー
(I)は,極限粘度0.81,融点210℃,引張強度475kg/cm
2であった。
この熱可塑性共重合ポリエステルエラストマー(I)の
50部と,(スチレン−エチレン・ブチレン−スチレン)
ブロック共重合物(SEBS,シエル化学社製;クレイトン,
G−7705)の50部をスクリュー押出し機を用いて押出し
混練して,チップ化した。このブレンドポリマーを射出
成形機(日本製鋼所社製;J−100S)を用いてダンベル型
サンプル(JIS K−6301による)に成形し,物性測定に
供した。
その結果を第1表に示した。
実施例2 テレフタル酸ジメチル92モル,デカメチレンジカルボン
酸8モル,1,4−ブタンジオール140モル,平均分子量約1
300の水素添加液状ポリブタジエングリコール(日本曹
達社製;GI-1000)4モルと,テトラ−n−ブチルチタネ
ート0.01モルを添加し,実施例1と同様にして熱可塑性
共重合ポリエステルエラストマー(II)を製造した。得
られた熱可塑性共重合ポリエステルエラストマー(II)
は,極限粘度0.80,融点197℃,引張強度383kg/cm2であ
った。
この熱可塑性共重合ポリエステルエラストマー(II)の
80部と,ブチルゴム(米国ハードマン社製;Kalar5214)
の20部をニーダーで混練し,次いで押出し機を用いてチ
ップ化した。
このブレンドポリマーを実施例1と同様にして物性を測
定した。
その結果を第1表に示した。
比較例1 テレフタル酸ジメチル100モル,1,4−ブタンジオール140
モル,平均分子量約1000のポリオキシテトラメチレング
リコール5モル,テトラ−n−ブチルチタネート0.01モ
ルを用い,実施例1と同様にして熱可塑性共重合ポリエ
ステルエラストマー(III)を製造した。得られた熱可
塑性共重合ポリエステルエラストマー(III)は,極限
粘度0.80,融点217℃,引張強度464kg/cm2であった。
得られた熱可塑性共重合ポリエステルエラストマー(II
I)の50部と,SEBS(クレイトンG−7705)の50部をスク
リュー押出し機を用いて押出し混練してチップ化した。
実施例1と同様にして物性の測定を行った。
その結果を第1表に示した。
比較例2 熱可塑性共重合ポリエステルエラストマー(III)の80
部と,ブチルゴム(米国ハードマン社製;Kalar5214)の
20部をニーダーで混練し,次いで押出し機で押出してチ
ップ化した。実施例1と同様にして物性の測定を行っ
た。
その結果を第1表に示した。
比較例3 熱可塑性共重合ポリエステルエラストマー(II)のみ
で,実施例2と同様にして成形し,物性の測定を行っ
た。
結果を第1表に示した。
比較例4 ブチルゴム(米国ハードマン社製;Kalar5214)のみで,
プレス成形して,物性の測定を行った。
結果を第1表に示した。
第1表に示すように,本発明の熱可塑性共重合ポリエス
テルエラストマーにゴム状物質を配合したエラストマー
組成物は,機械的強度も強く,耐熱水性,耐候性に優
れ,しかも非常に可撓性に富んだエラストマー組成物が
得られる。
しかるに,同じ熱可塑性共重合ポリエステルエラストマ
ーでも,ポリテトラメチレングリコールをソフトセグメ
ントとした熱可塑性共重合ポリエステルエラストマーか
らなる組成物としてゴム状物にSEBSを配合した場合に
は,機械的強度や可撓性は良好であるが,耐熱水性や耐
候性が悪く,屋外用途などの耐久性を必要とする用途に
は不適当である。また,ブチルゴムを配合した場合には
相溶性が悪く,機械的な強度も低い。
また,熱可塑性共重合ポリエステルエラストマー単独で
は樹脂が固く,可撓性を必要とする用途には不適当であ
り,逆にゴム状物質単独では柔軟性が大きすぎるばかり
でなく,耐熱性が低く,熱水中で軟化変形してしまっ
た。
実施例3 テレフタル酸ジメチル80モル,イソフタル酸20モル,デ
カメチレンジカルボン酸ジメチル30モル,1,4−ブタンジ
オール200モル及び平均分子量約1300の水素添加液状ポ
リブタジエングリコール(日本曹達社製;GI-1000)10モ
ルにテトラ−n−ブチルチタネート0.013モルを触媒と
して添加し,高真空後の重縮合時間を3時間とした以外
は実施例1と同様にして,熱可塑性共重合ポリエステル
エラストマー(IV)を作製した。
得られた熱可塑性共重合ポリエステルエラストマー(I
V)は,極限粘度0.32,軟化点168℃,溶融粘度35,000cps
である。
この熱可塑性共重合ポリエステルエラストマー(IV)の
20部,(スチレン−エチレン・ブチレン−スチレン)ブ
ロック共重合物(SEBS,シエル化学社製;クレイトン,G
−1657)の20部,水素添加ロジンのエステル(米国ハー
キュレス社製;フォーラル85)の30部,脂環族飽和炭化
水素樹脂(荒川化学社製:アルコンP−90)の30部を,1
80℃に設定したラボプラストミル(東洋精機社製)中で
混練し,接着剤として有用なエラストマー組成物を調製
した。
得られたエラストマー組成物は良好な混合状態を示し,B
&R軟化点,溶融粘度,せん断クリープ軟化温度,アル
ミニウム板に対する剥離接着強度及び耐候性を測定した
結果は第2表のごとくであった。
実施例4 テレフタル酸ジメチル75モル,イソフタル酸20モル,ア
ジピン酸5モル,ダイマ一酸(米国エメリー社製;エン
ポール1010)30モル,1,4−ブタンジオール200モル及
び,平均分子量約1300の水素添加液状ポリブタジエング
リコール(GI-1000)15モルに触媒としてテトラ−n−
ブチルチタネート0.013モルを添加し,実施例1と同様
にして熱可塑性共重合ポリエステルエラストマー(V)
を作製した。
得られた熱可塑性共重合ポリエステルエラストマー
(V)は,極限粘度0.75,軟化点165℃,溶融粘度260,00
0cpsであった。
この熱可塑性共重合ポリエステルエラストマー(V)の
10部と,ブチルゴム(ハードマン社製;Kalar5214)の15
部をよく素練りし,それからタルクの30部,アルコンP
−90の20部,ポリイソブチレン(日本石油化学社製;テ
トラックス4T)の20部,ポリブテン(日本石油化学社
製;HV-3000)の10部を,180℃に設定したラボプラストミ
ル中で混練し,シーラントとして有用なエラストマー組
成物を調製した。
得られたエラストマー組成物は良好な混合状態を示し,B
&R軟化点,溶融粘度,せん断クリープ軟化温度,アル
ミニウム板に対する剥離強度及び耐候性を測定した。そ
の結果は第2表のごとくであった。
比較例5 (スチレン−エチレン・ブチレン−スチレン)ブロック
共重合物(SEBS,クレイトンG−1657)の40部,水素添
加ロジンのエステル(フォーラル85)の30部,脂環族飽
和炭化水素樹脂(アルコンP−90)の30部を180℃に設
定したラボプラストミル中で混練し,組成物を調製し
た。
得られた接着剤として有用な組成物のB&R軟化点,溶
融粘度,せん断クリープ軟化温度,アルミニウム板に対
する剥離強度及び耐候性を測定した結果を第2表に記
す。
比較例6 テレフタル酸ジメチル70モル,イソフタル酸30モル,1,4
−ブタンジオール160モル,分子量約1000のポリテトラ
メチレングリコール30モルとテトラ−n−ブチルチタネ
ート0.01モルから,比較例3と同様にして熱可塑性共重
合ポリエステルエラストマー(VI)(極限粘度0.83,軟
化点158℃,溶融粘度530,000cps)を作製した。
この熱可塑性共重合ポリエステルエラストマー(VI)の
10部とブチルゴム(Kalar5214)の15部とよく素練り
し,それからタルクの30部,アルコンP−90の20部,ポ
リイソブチレン(テトラックス4T)の20部,ポリブテン
の10部を,180℃に設定したラボプラストミル中で混練
し,組成物を調製した。このシーラントとして有用な組
成物のB&R軟化点,溶融粘度,せん断クリープ軟化温
度,アルミニウム板に対する剥離強度及び耐候性を測定
した結果を第2表に記す。
第2表に示すように,本発明の熱可塑性共重合ポリエス
テルエラストマーにゴム状物質及び他の配合剤を配合し
た接着剤として有用なエラストマー組成物は,ゴム状物
質に配合剤を配合しただけの組成物に比べ,軟化点が高
く,耐熱性が向上し,しかも溶融粘度は低下し,ホット
メルト型の接着剤として好ましい結果を得た。また,ア
ルミニウム板に対する接着性及び耐候性,耐湿性も優れ
ている。また,ポリテトラメチレングリコールをソフト
セグメントに使用した熱可塑性共重合ポリエステルエラ
ストマーにゴム状物質と他の配合剤を配合したシーラン
トとして有用な組成物は,アルミニウム板に対する接着
性が低く,しかも耐候性,耐湿性も悪い結果となった。
(発明の効果) 本発明のエラストマー組成物は,本発明の構成成分であ
るゴム状物質だけを使用した組成物よりも耐熱水性,耐
熱接着性に優れている。
また,本発明のエラストマー組成物は,熱可塑性共重合
ポリエステルエラストマー単体よりも優れた柔軟性を有
している。
さらに,本発明のエラストマー組成物は,従来からのポ
リアルキレンエーテルグリコールをソフトセグメントに
した熱可塑性共重合ポリエステルエラストマーに比べ,
耐候性,耐熱水性,耐湿性等に優れており,従来使用で
きなかった自動車外装部品,土木建材などの成形品に使
用でき,さらに,金属・プラスチック・繊維などの接着
にも好ましく用いられる。
このように,本発明のエラストマー組成物に用いられる
熱可塑性共重合ポリエステルエラストマーは,従来のポ
リエステルエラストマーでは相溶しなかったゴム状物質
とよく相溶するので,機械的強度・耐熱性・柔軟性・耐
候性・耐熱水性・耐湿性などに優れたエラストマー組成
物を与える。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)芳香族ジカルボン酸(I)の40〜98
    モル%,炭素数10〜38の長鎖脂肪族ジカルボン酸(II)
    の2〜60モル%,及び(II)以外の脂肪族及び/または
    脂環族ジカルボン酸(III)の0〜30モル%を酸成分と
    し,炭素数2〜10のアルキレングリコール(IV)の60〜
    98モル%,平均分子量約350〜6000の脂肪族長鎖グリコ
    ール(V)の2〜40モル%をグリコール成分とし,(I
    I)と(V)の両成分の和が4〜70モル%であり,かつ
    極限粘度〔フェノール:テトラクロルエタン=1:1(重
    量比)の混合溶媒中,20℃で測定〕が少なくとも0.2であ
    る熱可塑性共重合ポリエステルエラストマー10〜95重量
    %と,(B)成形用材料あるいは接着剤ベースポリマー
    として使用されるゴム状物質90〜5重量%とからなるエ
    ラストマー組成物。
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