JP2021020146A - 反応生成物製造装置及び反応生成物製造方法 - Google Patents

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正守 樋口
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Abstract

【課題】静電噴霧を用いた反応生成物製造装置において、一般的な金属製の種々の機器、計測器の使用が可能であり、簡易で効率的かつ実用的な工業的設備の設計、構築が可能な反応生成物製造装置を提供する。【解決手段】第1の物質R1を含む第1の溶液L1を噴出させるノズル10a,10b,10c,10dと、第2の物質R2を含む第2の溶液L2からなる液相P2と、電源21とを備え、ノズル10a,10b,10c,10dから静電噴霧された第1の溶液L1を含む微小液滴Dを、液相P2の界面Bに到達させて、第1の物質R1と第2の物質R2とを混合せしめて、第1の物質R1と第2の物質R2とを反応させる反応生成物製造装置において、液相P2が、電気的に接地されている、反応生成物製造装置1A。【選択図】図5

Description

本発明は、静電噴霧を用いた反応生成物製造装置及び反応生成物製造方法に関する。
産業界の様々な用途及びニーズに合わせて、化合物の種々の物性及び特性を選択的に精密に制御する技術が求められている。例えば、ポリマー粒子、金属ナノ粒子の合成反応にあっては、粒子の大きさの分布を数ナノメートルから数マイクロメートルの特定の範囲に制御すること又は分子量を特定の分布に制御することにより、新たな機能特性を素材に付与しうる。逐次反応による化学物質の合成では、逐次反応過程を特定段階に精密に制御することで特定物質を高収率で獲得することができうる。
実用操作上における合成反応を制御する方法として、反応物質の量又は濃度、反応環境の温度、反応時間等の条件を管理、制御することがある。ごく一般的な反応生成物製造装置として、釜状の反応容器に第1物質の溶液と第2物質の溶液を投入して供給し、両溶液を混合して接触させることで合成反応を進行させることが行われている。この場合、容器外壁にジャケット又は容器内部にコイルを装備し熱媒を通すことで反応液の温度調整が行われている。加えて、反応容器内に配置された攪拌機によって混合することで、反応液の一様性の確保が試みられている。
しかしながら、第1物質と第2物質の2種類の溶液のかたまり(バルク)を容器内に投入して撹拌混合しようとする限り、容器内液の濃度分布や温度分布が生じることは避け難い。加えて、反応遂行に長時間を要することになり、精密な反応制御は困難である。この技術的限界を克服する装置として、静電噴霧を用いた反応生成物製造装置が提案されている(特許文献1)。特許文献1に記載の反応生成物製造装置の模式図を図1に示す。
図1に示す反応生成物製造装置101は、第1の物質R1と第2の物質R2を反応させることで、反応生成物を製造する装置である。反応生成物製造装置101は、第1の物質R1を含む第1の溶液L1を噴出させるノズル110と、ノズル110の噴出口に対向するようにノズル110から離れた位置に、第2の物質R2を含む第2の溶液L2からなる液相P2を備える。反応生成物製造装置101は、導電性液体である第1の溶液L1及び第2の溶液L2の間に電位差を付与することで静電噴霧を起こさせることを特徴とする。
静電噴霧作用によりノズル110の噴出口で発生した微小液滴Dを含む液滴群は、相互に同一の電荷を持つため、反発力により互いに分散して飛翔し、かつ反対電荷を持つ液相P2の界面Bに引っ張られていく。その結果、第1の物質R1を含む第1の溶液L1からなる微小液滴Dは、液相P2の界面Bに衝突して化学反応を起こさせることができる。一つ一つの微小液滴Dは、点とみなせるほどに非常に容量サイズが小さいため、周辺環境の影響を受け難く、かつ液滴内部の一様性が高い。そのため、界面Bに衝突した瞬間にほぼ化学反応を完結させることができる。これによりシャープで精密な反応制御が可能となり、特定物質を効率的に生成しうる。
国際公開第2016/031695号
反応生成物製造装置101においては、電源121より電気ケーブルを介してノズル110に正電位を付与できる。そして、電源121より電気ケーブル及び電極を介して液相P2側に負電位を付与できる。このように、ノズル110と液相P2との間に数kVの高電圧をかけることができる。このとき、ノズル110の先端と液相P2の界面Bとの間に生じる電位差によって、ノズル110の先端から第1の溶液L1を静電噴霧せしめることができる。
ここで、第1の溶液L1、第2の溶液L2はそれぞれ導電性液体であることから、第1の溶液L1及び第2の溶液L2の全体に電流が流れることとなる。そのため、装置内の液体と接する部分は、完全に電気絶縁の状態とする必要が生じる。その結果、装置を構成する部材の材料としては、金属材料の代わりにプラスチック等の樹脂材料またはセラミック等の無機材料を用いる必要が生じる。
しかし、高温下での運転を要する化学反応を行う場合、耐熱性を考慮すると、樹脂材料の使用がそもそも不可能な場合がある。
さらに、反応生成物の製造の際にはポンプ、攪拌機、熱交換器等の様々の機器及び温度計、圧力計、流量計等の計測器の使用が想定される。例えば、液体を所定の温度に加熱又は冷却するために熱交換器を設置する場合に、装置を構成する材料が樹脂材料、無機材料であると、熱伝導率が金属と比較して著しく低下し、巨大な熱交換器の装備を強いられる。
このように、反応生成物製造装置、当該装置と組み合わせて使用される機器、計測器のすべてを金属以外の電気絶縁性の部材で構成することは、非常に困難であり、現実的ではない。
加えて、工業的な実用化に際しては、第1の溶液L1、第2の溶液L2のそれぞれを調製するための上流側の処理設備、反応生成物を含む分散液等を精製し、製品として回収する等の下流側の処理設備を反応生成物製造装置101と組み合わせて使用することが想定される。
しかし、同一の装置系内において上流側の処理、反応槽120内の化学反応、下流側の処理の一連の各工程を、効率的な生産のために流通系で連続的に行う場合、帯電した液体が非常に広範囲にわたって存在することになる。その結果、装置全体において、電気絶縁を必要とする部分が非常に広範囲に及ぶこととなる。
このように反応生成物製造装置101においては、一般的な金属製の機器、計測器の使用が困難であることから、簡易で効率的かつ実用的な工業的設備の設計、構築が困難である。
本発明は、静電噴霧を用いた反応生成物製造装置において、一般的な金属製の種々の機器、計測器の使用が可能であり、簡易で効率的かつ実用的な工業的設備の設計、構築が可能な反応生成物製造装置を提供する。
上記課題を解決するため、本発明の一態様では、図2に示す従来の反応生成物製造装置101の簡略化した模式図において、図3に示すように、反応槽20内の液相P2が電気的に接地されている構成を採用することを提案する。
図3に示す本発明の一態様では、電源21によってノズル10に正電位が付与され、液相P2に負電位が付与されている。
図3に示す本発明の一態様では、液相P2側が電気的に接地されている。これにより、界面Bとノズル10の噴出口の先端部との間の電位差△Vを保持しながら、かつ、液相P2側は電気的にニュートラルの状態となり、液相P2の電位が実質的に0Vとなる。
このように、液相P2側を電気的に接地してニュートラルの状態とすることにより、液相P2と接する部分の電気絶縁が不要となる。その結果、反応生成物製造装置並びに反応生成物製造装置の上流側の処理設備及び下流側の処理設備の構成部品の材質の選択に際し、絶縁性のものを選択する必要がなくなり、一般的な金属製の種々の機器、計測器を使用できる。したがって、簡易で効率的かつ実用的な工業的設備の設計、構築が可能となる。
図3に示す場合において、本発明の構成要件は、導電性の液相P2が電気的に接地されていることである。
また、本発明の一態様ではノズル10側を電気的に接地させることもできる。接地させた側は、電気的にニュートラルの状態となりその前後につらなる接液部の全域を電気絶縁しなければならないという制約がなくなる。液相P2側とノズル10側のどちらを接地するかは、それぞれその制約がなくなることによる効果、実益、利点の大きい方を選択すればよい。
請求項1に記載の発明は、第1の物質を含む第1の溶液を噴出させるノズルと、
前記ノズルに対向して配置され、第2の物質を含む第2の溶液からなる液相P2と、
前記液相P2の界面と前記ノズルとの間に電場を形成するための電源とを備え、
前記ノズルと前記液相P2との間に電位差を与えることで前記ノズルから静電噴霧された前記第1の溶液を含む微小液滴を、前記液相P2の界面に到達させて、前記第1の物質と前記第2の物質とを混合せしめて、前記第1の物質と前記第2の物質とを反応させる反応生成物製造装置において、
前記液相P2及び前記ノズルのいずれか一方が、電気的に接地されている、反応生成物製造装置である。
請求項1に記載の発明により、液相P2が電気的に接地されている場合には、反応槽から排出される液体の全体が電気的にニュートラルの状態となり、反応槽の下流側の広範な範囲にわたって金属製の種々の機器、計測器を使用できる。一方、ノズルが電気的に接地されている場合には、反応槽に原料として供給される液体の全体が電気的にニュートラルの状態となり、反応槽の上流側の広範な範囲にわたって金属製の種々の機器、計測器を使用できる。
したがって、簡易で効率的かつ実用的な工業的設備の設計、構築が可能となる。
請求項2に記載のさらなる発明は、前記ノズルの噴出口と前記液相P2の間に低誘電率液体からなる液相PLをさらに備える、請求項1に記載の反応生成物製造装置である。
請求項3に記載のさらなる発明は、前記ノズルの噴出口が、前記液相PLに接するか又は前記液相PL中に配置される、請求項2に記載の反応生成物製造装置である。
請求項2又は3に記載の発明によっても、請求項1に記載の発明と同様の効果を得ることができる。
本発明の反応生成物製造装置によれば、液相P2及びノズルのいずれか一方が、電気的に接地されている。そのため、液相P2側又はノズル側のうち接地する対象として選択した方を電気絶縁の状態とする必要がない。その結果、一般的な金属製の配管材や種々機器計器の採用が可能となり、反応生成物製造装置の設計の自由度が飛躍的に向上する。したがって、簡易で効率的かつ実用的な工業的設備の設計、構築が可能となる。
従来の反応生成物製造装置の構成を示す模式図である。 図1の反応生成物製造装置の簡略化した模式図である。 本発明の構成要件を説明するための模式図である。 本発明の適用対象となる反応生成物製造装置の形態例を比較して示す模式図である。 第1の実施形態に係る反応生成物製造装置の一形態例の構成を示す模式図である。 第1の実施形態に係る反応生成物製造装置の一形態例の構成を示す模式図である。 第1の実施形態に係る反応生成物製造装置の一形態例の構成を示す模式図である。 第1の実施形態に係る反応生成物製造装置の一形態例の構成を示す模式図である。 第1の実施形態に係る反応生成物製造装置の使用形態の一例を示す模式図である。 第2の実施形態に係る反応生成物製造装置の一形態例の構成を示す模式図である。 第2の実施形態に係る反応生成物製造装置の一形態例の構成を示す模式図である。 第2の実施形態に係る反応生成物製造装置の使用形態の一例を示す模式図である。
本明細書において数値範囲を示す「〜」は、その前後に記載された数値を下限値及び上限値として含むことを意味する。
以下、本発明を適用した一実施形態の反応生成物製造装置及び反応生成物製造方法について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率等が実際と同じであるとは限らない。
<反応槽内の相構成の違い及びノズルの位置の違いによる形態例>
本発明の適用対象となる静電噴霧を用いた反応生成物製造装置には、反応槽内の相構成の違い及びノズルの位置の構成の違いに基づき、例えば、以下に示す3つの形態例がある。
図4は、本発明の適用対象となる反応生成物製造装置の形態例として、反応槽内の相構成及びノズルの位置の構成を比較して示す模式図である。図4中の(4a)〜(4c)の各形態例においては、反応物製造装置は、第1の物質R1を含む第1の溶液L1をノズル10から静電噴霧させ、第1の物質R1を含む微小液滴Dを界面Bに到達衝突させて、第1の物質R1と第2の物質R2とを接触混合せしめることで、第1の物質R1と第2の物質R2とを反応させる。
図4中の(4a)に示す形態例においては、反応槽20内には、導電性の液体である第2の溶液L2からなる第2の液相P2(以下、「液相P2」と記す。)と、気相PGとが形成されている。図4中の(4a)に示す形態例においては、ノズル10の噴出口11aは、液相P2と気相PGとの界面Bから上方に離れた位置の気相PGに配置されている。そして、ノズル10は、第1の溶液L1を微小液滴Dとして、気相PG中で噴出させる。
図4中の(4b)に示す形態例においては、反応槽20内には、液相P2と、低誘電率液体LLからなる液相PL(以下、「液相PL」と記す。)とが形成されている。液相PLは、液相P2の上方に液相P2と接し、液相P2と2相分離した状態で形成される。図4中の(4b)に示す形態例においては、ノズル10の噴出口11aは、液相P2と液相PLとの界面Bから上方に離れた位置の液相PLに配置されている。そして、ノズル10は、第1の溶液L1を微小液滴Dとして、液相PL中で噴出させる。
図4中の(4c)に示す形態例においては、反応槽20内には、液相P2と液相PLと気相PGとがこの順に形成されている。図4中の(4c)に示す形態例においては、ノズル10の噴出口11aは、液相PLから液相P2と反対側に離れた位置の気相PGに配置されている。そして、ノズル10は、第1の溶液L1を微小液滴Dとして、気相PG中で噴出させる。
図4中の(4b)及び(4c)に示す形態例においては、噴出口11aは液相PLの上面に接して配置されてもよい。液相PLの上面は、界面Bと平行であり、界面Bと対向する面である。
低誘電率液体LLは、第1の溶液L1及び第2の溶液L2と相溶しない有機溶剤系を構成できる液体の有機化合物が好ましく、非水溶性の有機溶媒がより好ましい。
そして、低誘電率液体LLの比誘電率は、第1の溶液L1及び第2の溶液L2の比誘電率より低いことが好ましい。低誘電率液体LLの比誘電率は、25以下が好ましく、20以下がより好ましく、15以下がさらに好ましく、10以下が特に好ましく、5以下が最も好ましい。
低誘電率液体LLの具体例としては、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ドデカン等のノルマルパラフィン系炭化水素;イソオクタン、イソデカン、イソドデカン等のイソパラフィン系炭化水素;シクロヘキサン、シクロオクタン、シクロデカン、デカリン等のシクロパラフィン系炭化水素、流動パラフィン、ケロシン等の炭化水素系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒;クロロホルム、四塩化炭素等の塩素系溶媒;パーフルオロカーボン、パーフルオロポリエーテル、ハイドロフルオロエーテル等のフッ素系溶媒;1−ブタノール、1−ペンタノール、1−オクタノール等のアルコール系溶媒;並びにこれらの2種以上を含む混合物が例示される。
市販のイソパラフィン系炭化水素の具体例としては、出光興産株式会社製のIPソルベント1016、IPクリーンLX(登録商標)、丸善石油化学株式会社製のマルカゾールR、エクソンモービル社製のアイソパーH(登録商標)、アイソパーE(登録商標)、アイソパーL(登録商標)等が例示される。
ここで、図4中の(4a)〜(4c)の各形態例においては説明の便宜上、接地点の図示を省略した。以下の各実施形態の説明においては、図4中の(4a)に相当する形態例を一例に説明するが、本発明は、図4中の(4a)に相当する形態例に限定されない。すなわち、本発明は、図4中の(4a)〜(4c)に示すいずれの形態例にも適用可能である。
<第1の実施形態>
以下、第1の実施形態について、図5〜9を参照して説明する。図5は、反応生成物製造装置1Aの構成を示す模式図である。図6は、反応生成物製造装置1Bの構成を示す模式図である。図7は、反応生成物製造装置1Cの構成を示す模式図である。図8は、反応生成物製造装置1Dの構成を示す模式図である。図9は、第1の実施形態に係る反応生成物製造装置の使用形態の一例を示す模式図である。
(実施形態例1A)
図5に示すように、反応生成物製造装置1Aは、液相P2と気相PGと複数のノズル10a,10b,10c,10dと供給管12と分岐配管13と排出管14と反応槽20と電源21と電極22と第1の電気ケーブル31と第2の電気ケーブル32と接地ケーブル40と接地点50を備える。
反応生成物製造装置1Aにおいては、気相PGと液相P2は界面Bにおいて接している。
液相P2は、複数のノズル10a,10b,10c,10dのそれぞれに対向して配置されている。そして、液相P2は、第2の物質R2を含む第2の溶液L2からなる相である。気相PGには複数のノズル10a,10b,10c,10dが配置されている。
反応生成物製造装置1Aは、第1の物質R1と第2の物質R2とを反応させ、反応生成物を製造する装置である。
第1の物質R1は、第1の溶液L1に溶解している。第2の物質R2は、第2の溶液L2に溶解している。ただし、第1の物質R1の一部は、第1の溶液L1に分散していてもよい。同様に、第2の物質R2の一部は、第2の溶液L2に分散していてもよい。第1の溶液L1及び第2の溶液L2は、互いに相溶であることが好ましい。
供給管12は、複数のノズル10a,10b,10c,10dのそれぞれに第1の溶液L1を供給する。供給管12は、第1の端部が第1の溶液L1の供給源(図示略)と接続され、第2の端部が分岐配管13と接続されている。ここで、分岐配管13は、複数のノズル10a,10b,10c,10dのそれぞれと接続されている。そのため、供給管12は、複数のノズル10a,10b,10c,10dのそれぞれに第1の溶液L1を供給できる。
分岐配管13は、分岐部分13aと分岐部分13dとに分岐した第1の端部と、分岐部分13bと分岐部分13cとに分岐した第2の端部と本体部分13eとを有する。本体部分13eは、分岐配管13の第1の端部と分岐配管13の第2の端部との間の配管部分である。分岐配管13は、分岐部分13aと分岐部分13bと分岐部分13cと分岐部分13dと本体部分13eとを有するとも言える。
分岐配管13は、本体部分13eの部分で供給管12と接続されている。また、分岐部分13aはノズル10aと接続され、分岐部分13bはノズル10bと接続され、分岐部分13cはノズル10cと接続され、分岐部分13dはノズル10dと接続されている。よって、分岐配管13は、供給管12を介して供給される第1の溶液L1を、分岐部分13a,13b,13c,13dのそれぞれを介して、ノズル10a,10b,10c,10dのそれぞれに供給できる。
複数のノズル10a,10b,10c,10dのそれぞれは、第1の物質R1を含む第1の溶液L1を噴出させる。ノズル10a,10b,10c,10dは、第1の溶液L1を静電噴霧可能に構成されたエレクトロスプレーノズルである。
ノズル10aは、分岐部分13aと接続されている。そのため、ノズル10aには供給管12、本体部分13e及び分岐部分13aをこの順に経由して第1の溶液L1が供給される。
ノズル10bは、分岐部分13bと接続されている。そのため、ノズル10bには供給管12、本体部分13e及び分岐部分13bをこの順に経由して第1の溶液L1が供給される。
ノズル10cは、分岐部分13cと接続されている。そのため、ノズル10cには供給管12、本体部分13e及び分岐部分13cをこの順に経由して第1の溶液L1が供給される。
ノズル10dは、分岐部分13dと接続されている。そのため、ノズル10dには供給管12、本体部分13e及び分岐部分13dをこの順に経由して第1の溶液L1が供給される。
このように、複数のノズル10a,10b,10c,10dのそれぞれは、供給管12及び分岐配管13を介して第1の溶液L1の供給源(図示略)と接続されている。
複数のノズル10a,10b,10c,10dのそれぞれは、液相P2と対向して配置される噴出口11a,11b,11c,11dを有する。噴出口11a,11b,11c,11dは、液相P2と気相PGとの界面Bから上方に離れた位置の気相PGに配置されている。複数のノズル10a,10b,10c,10dのそれぞれによる静電噴霧によって第1の溶液L1からなる微小液滴Dが、噴出口11a,11b,11c,11dのそれぞれから静電噴霧される。
例えば、噴出口11a,11b,11c,11dは、界面Bに対して垂直方向に静電噴霧するように配向されていると好ましい。
噴出口11a,11b,11c,11dと界面Bとの間の各距離は、電場の強度及び静電噴霧によって生成する微小液滴Dの断片化プロセスを考慮して、最適化することが好ましい。
複数のノズル10a,10b,10c,10dの材質は、金属、合金等の導電性の材料である。この場合、図5に示すように、複数のノズル10a,10b,10c,10dのそれぞれと電源21の正電位側とを電気的に接続することで、複数のノズル10a,10b,10c,10dそのものを正電極として使用可能である。これにより、複数のノズル10a,10b,10c,10dと電極22(負電極)との間に電位差を付与できる。
ただし、本発明においてノズルの材質は特に限定されない。ノズルの材質は、ガラス、樹脂、セラミック等の絶縁性の材料でもよい。ガラス、樹脂、セラミック等の絶縁性の材料を使用する場合、ノズル内または分岐配管13、供給管12の管内に電極を設ける必要がある。ガラス、樹脂、セラミック等の材料を使用する場合においては、管内に設けられた電極と電源21を電気的に接続することで、ノズルの先端から流出する液と界面Bとの間に静電噴霧を発生させるための電位差を付与できる。
排出管14は、第1の物質R1及び第2の物質R2の反応生成物を含む液体を反応槽20内から排出する。排出管14は、反応生成物の貯留槽(図示略)と接続されている。具体的には、排出管14の第1の端部が反応槽20と接続され、排出管14の第2の端部が図示略の反応生成物の貯留槽と接続されている。そのため、反応生成物を含む液体が排出管14によって反応槽20内から排出される。
反応槽20は、液相P2を収容する容器である。反応槽20は気相PGをさらに収容している。すなわち、反応槽20内には液相P2と気相PGとが形成されている。液相P2は、複数のノズル10a,10b,10c,10dに対向して収容され、気相PGは、液相P2の上方で反応槽20内に収容されている。
電源21は、複数のノズル10a,10b,10c,10dの噴出口11a,11b,11c,11dにおける第1の溶液L1と、液相P2の界面Bにおける第2の溶液L2との間に電位差を付与する。電源21としては高電圧電源が例示される。
電源21の正電位側は、第1の電気ケーブル31を介して複数のノズル10a,10b,10c,10dと電気的に接続されている。
第1の電気ケーブル31は、電源21及びノズル10a,10b,10c,10d間に電流を流すことができる形態であれば特に限定されない。第1の電気ケーブル31の第1の端部は、電源21の正電位側と接続されている。第1の電気ケーブル31の第2の端部は、4つに分岐し、分岐した4つの端部のそれぞれが、ノズル10a,10b,10c,10dと接続されている。そのため、ノズル10a,10b,10c,10dには、第1の電気ケーブル31を介して正電位が電源21によって付与される。
電源21の負電位側は、第2の電気ケーブル32を介して電極22と電気的に接続されている。そのため、液相P2の全体が電極22を介して通電可能となり、負電位となる。その結果、複数のノズル10a,10b,10c,10dの各噴出口における第1の溶液L1と液相P2の界面Bにおける第2の溶液L2との間に静電場が形成される。
第2の電気ケーブル32は、液相P2及び電源21間に電流を流すことができる形態であれば特に限定されない。第2の電気ケーブル32の第1の端部は、電源21の負電位側と接続されている。反応生成物製造装置1Aにおいては、第2の電気ケーブル32の第2の端部は電極22と接続されている。そのため、電極22には、第2の電気ケーブル32を介して負電位が電源21によって付与される。
反応生成物製造装置1Aにおいては、複数のノズル10a,10b,10c,10dに正電位が付与され、電極22に負電位が付与されている。ただし、他の形態例においては、電極22に正電位が付与され、複数のノズル10a,10b,10c,10dに負電位が付与されてもよい。
電極22は、液相P2の界面Bと複数のノズル10a,10b,10c,10dとの間で電場を形成するための電極である。電極22は液相P2に配置されている。これにより、電極22は液相P2の全体を負に帯電させることができる。
電極22は、界面Bと複数のノズル10a,10b,10c,10dとの間に静電場を形成できる形態であれば特に限定されない。液相P2は、導電性の第2の溶液L2を含む。そのため、電極22に負電位が付与されると、液相P2の全体に通電し、液相P2に負電位が付与される。
電極22の形状は特に限定されない。電極22の形状としては、略プレート状、略リング形状、略筒形状、略メッシュ形状、略棒形状、略球形状、略半球形状等が例示される。
電極22が配置される位置は、液相P2内であれば特に限定されない。反応生成物製造装置1Aにおいては、液相P2内の壁面付近に配置されている。ただし、他の実施形態例においては、電極22が反応槽20の内壁に配置されてもよく、複数のノズル10a,10b,10c,10dと対向するように配置されてもよい。
反応生成物製造装置1Aにおいては、電極22の数は一つであるが、他の実施形態例においては、ノズルの数に応じて電極の数を複数としてもよい。
反応生成物製造装置1Aは、複数のノズル10a,10b,10c,10dと電極22の間に電位差を与え第1の溶液L1を正に帯電させることで、複数のノズル10a,10b,10c,10dから第1の溶液L1を微小液滴Dとして静電噴霧させる。反応生成物製造装置1Aは、気相PGと液相P2との界面Bに、複数のノズル10a,10b,10c,10dによる静電噴霧で生じる微小液滴Dを到達させて、第1の物質R1と第2の物質R2とを接触混合せしめて、第1の物質R1と第2の物質R2とを反応させる。その結果、第1の物質R1と第2の物質R2との化学反応が起き、反応生成物が生成する。反応生成物は、液相P2内で生成する。
一つ一つの微小液滴Dは、点とみなせるほどに非常に容量サイズが小さいため、周辺環境の影響を受け難く、かつ液滴内部の一様性が高い。そのため、界面Bに衝突した瞬間にほぼ化学反応を完結させることができる。
ここで、各ノズルの各噴出口における第1の溶液L1と、液相P2の界面Bにおける第2の溶液L2との間に静電場が形成されている。そのため、静電噴霧によって生じる微小液滴Dが各ノズル10a,10b,10c,10dから液相P2に向かって界面Bに到達することで、液相P2の界面Bとの間に電流が流れ、電極22から第2の電気ケーブル32、第1の電気ケーブル31、ノズル10a,10b,10c,10dの順に電流が流れる。
反応生成物製造装置1Aにおいては、第2の電気ケーブル32と接地ケーブル40が接続されている。接地ケーブル40の第1の端部は、第2の電気ケーブル32と接続され、接地ケーブル40の第2の端部は接地点50により接地されている。このように、反応生成物製造装置1Aにおいては、液相P2が電極22、第2の電気ケーブル32、接地ケーブル40及び接地点50を介して電気的に接地されている。
反応生成物製造装置1Aにおいて、電源21によってノズル10a,10b,10c,10dに正電位を付与して第1の溶液L1を静電噴霧すると、微小液滴Dが界面Bに到達することで、第1の電気ケーブル31、ノズル10a,10b,10c,10d、液相P2、電極22、第2の電気ケーブル32の順に電流が流れる。
ここで、液相P2が電極22、第2の電気ケーブル32、接地ケーブル40及び接地点50を介して電気的に接地されている。そのため、電源21によって高電位差をノズル10a,10b,10c,10dと液相P2との間に付与した場合であっても、第2の溶液L2の全体を電気的にニュートラルの状態に維持できる。
(実施形態例1B)
図6は、反応生成物製造装置1Bの構成を示す模式図である。以下の反応生成物製造装置1Bの説明において、反応生成物製造装置1Aの構成と同一の構成については、同一の語及び同一の符号を用いてその説明を省略する。
図6に示すように、反応生成物製造装置1Bは、液相P2と気相PGと複数のノズル10a,10b,10c,10dと供給管12と分岐配管13と排出管14と反応槽20と電源21と電極22と第1の電気ケーブル31と第1の接地ケーブル41と第2の接地ケーブル42と第1の接地点51と第2の接地点52を備える。
第1の接地ケーブル41の第1の端部は、電極22と接続され、第1の接地ケーブル41の第2の端部は、第1の接地点51により接地されている。このように、反応生成物製造装置1Bにおいては、液相P2が電極22、第1の接地ケーブル41及び第1の接地点51を介して電気的に接地されている。そのため、液相P2は電気的にニュートラルの状態である。
第2の接地ケーブル42の第1の端部は、電源21の負電位側と接続され、第2の接地ケーブル42の第2の端部は、第2の接地点52により接地されている。
このように反応生成物製造装置1Bにおいては、電源21の負電位側が、第2の接地ケーブル42を介して第2の接地点52で接地されている。そのため、電源21によってノズル10a,10b,10c,10dに正電位を付与して第1の溶液L1を静電噴霧すると、微小液滴Dが界面Bに到達することで、第1の電気ケーブル31、ノズル10a,10b,10c,10d、液相P2、電極22の順に電流が流れる。
ここで、上述のように液相P2は電気的に接地され、液相P2の全体及び液相P2を構成する第2の溶液L2のすべてが電気的にニュートラルの状態である。そのため、電源21によって高電位差をノズル10a,10b,10c,10dと液相P2との間に付与した場合であっても、第2の溶液L2の全体を電気的にニュートラルの状態に維持できる。
(実施形態例1C)
図7は、反応生成物製造装置1Cの構成を示す模式図である。以下の反応生成物製造装置1Cの説明において、反応生成物製造装置1A、1Bの構成と同一の構成については、同一の語及び同一の符号を用いてその説明を省略する。
図7に示すように、反応生成物製造装置1Cは、液相P2と気相PGと複数のノズル10a,10b,10c,10dと供給管12と分岐配管13と排出管14と反応槽25と電源21と第1の電気ケーブル31と第2の電気ケーブル32と接地ケーブル40と接地点50を備える。
反応生成物製造装置1Cにおいては、反応槽25内に気相PG、液相P2が形成されている。反応槽25は、金属等の導電性の材料でできている。そのため、反応槽25を電源21と電気的に接続することにより、反応槽25そのものを電極として使用できる。
反応生成物製造装置1Cにおいては、第2の電気ケーブル32の第2の端部が、反応槽25の導電性の壁面と接続されている。そのため、反応槽25は、液相P2の全体を負に帯電させることができる。
ここで、反応槽25は、ノズル側の装置系統とは電気絶縁されている。図7に示す反応生成物製造装置1Cにおいては、各ノズルが反応槽25の上蓋を貫通しているとも言える。
ここで、接地ケーブル40の第1の端部は、第2の電気ケーブル32と接続され、接地ケーブル40の第2の端部は接地点50により接地されている。そのため、反応生成物製造装置1Cにおいては、液相P2が反応槽25、第2の電気ケーブル32、接地ケーブル40及び接地点50を介して電気的に接地されている。その結果、液相P2は電気的にニュートラルの状態となる。
このように、反応生成物製造装置1Cは、液相P2が電気的に接地されている。そのため、液相P2の全体及び液相P2を構成する第2の溶液L2のすべてを電気的にニュートラルの状態とすることができる。よって、ノズル10a,10b,10c,10dに正電位を電源21によって付与して第1の溶液L1を静電噴霧すると、微小液滴Dが界面Bに到達することで、第1の電気ケーブル31、ノズル10a,10b,10c,10d、液相P2、反応槽25、第2の電気ケーブル32の順に電流が流れる。
このように、電源21によって高電位差をノズル10a,10b,10c,10dと液相P2との間に付与した場合であっても、液相P2が電気的に接地されているため、第2の溶液L2の全体を電気的にニュートラルの状態に維持できる。
(実施形態例1D)
図8は、反応生成物製造装置1Dの構成を示す模式図である。以下の反応生成物製造装置1Dの説明において、反応生成物製造装置1A、1B、1Cの構成と同一の構成については、同一の語及び同一の符号を用いてその説明を省略する。
図8に示すように、反応生成物製造装置1Dは、液相P2と気相PGと複数のノズル10a,10b,10c,10dと供給管12と分岐配管13と排出管14と反応槽25と電源21と第1の電気ケーブル31と第1の接地ケーブル41と第2の接地ケーブル42と第1の接地点51と第2の接地点52を備える。
反応生成物製造装置1Dにおいては、第1の接地ケーブル41の第1の端部は、反応槽25の導電性の壁面と接続されている。そのため、反応生成物製造装置1Dにおいては、液相P2が反応槽25、第1の接地ケーブル41及び第1の接地点51を介して電気的に接地されている。その結果、液相P2は電気的にニュートラルの状態となる。
反応生成物製造装置1Dにおいては、電源21が、第2の接地ケーブル42を介して第2の接地点52で接地されている。そのため、電源21によってノズル10a,10b,10c,10dに正電位を付与して第1の溶液L1を静電噴霧すると、微小液滴Dが界面Bに到達することで、第1の電気ケーブル31、ノズル10a,10b,10c,10d、液相P2及び反応槽25の順に電流が流れる。
このように、電源21によって高電位差をノズル10a,10b,10c,10dと液相P2との間に付与した場合であっても、液相P2が電気的に接地されているため、第2の溶液L2の全体を電気的にニュートラルの状態に維持できる。
(第1の実施形態の作用効果)
以上説明した第1の実施形態においては、導電性液体である第2の溶液L2で構成される液相P2が電気的に接地されている。そのため、液相P2の全体及び液相P2を構成する第2の溶液L2のすべてが電気的にニュートラルの状態である。したがって、電源21によって高電位差をノズル10a,10b,10c,10dと液相P2との間に付与した場合であっても、第2の溶液L2の全体を電気的にニュートラルの状態に維持できる。
このように、液相P2側を電気的に接地してニュートラルの状態とすることにより、液相P2と接する部分の電気絶縁が不要となる。その結果、装置及び生産設備の構成部品の材質の選択に際し、絶縁性のものを選択する必要がなくなり、一般的な金属製の種々の機器、計測器を使用できる。したがって、簡易で効率的かつ実用的な工業的設備の設計、構築が可能となる。
例えば、図9に、第1の実施形態に係る反応生成物製造装置の使用形態の一例を示す。図9に示す反応生成物製造装置1Xは、反応生成物製造装置1Aが備える各構成に加えて、第2の溶液L2が貯留される貯留槽61と、第2の溶液L2を供給する供給管62と、供給管62に設けられた供給ポンプ63と、供給管62に設けられた流量調節器64と、循環管路65と、循環管路65に設けられた循環ポンプ66と、循環管路65に設けられた流量調節器67と、循環管路65に設けられた温度調節器68と、循環管路65に設けられた温度測定器69と、排出管14に接続された反応生成物の貯留槽70と貯留槽70内から液体を排出する排出ポンプ71をさらに備える。
循環管路65の第1の端部及び循環管路65の第2の端部は、反応槽20の底部と接続されている。そのため、循環管路65は、反応槽20内の液体の一部を回収し、再度反応槽20に供給できる。
加えて、循環管路65の流量調節器67の下流側の部分が、供給管62と接続されているため、循環管路65は、貯留槽61から供給管62を介して、反応槽20に第2の溶液L2を供給し、反応槽20内の液体を循環させて、当該液体を混合できる。
従来の反応生成物製造装置においては、液相P2が電気的に接地されていなかったため、液相P2及び液相P2を構成する第2の溶液L2が電気的にニュートラルの状態でなかった。そのため、供給管62、供給ポンプ63、流量調節器64、循環管路65と、循環ポンプ66、流量調節器67、温度調節器68、温度測定器69、反応生成物の貯留槽70、排出ポンプ71等の追加機器及び構成部品には、接液部に一般的な金属部材を使用できないという制約があり、機器選定や設備設計に困難を極めた。また、反応槽内から排出される反応生成物を含む液体も帯電しているため、同様の困難が下流側の処理設備にまで生じる。
例えば、循環液の加熱保持を行うヒーター68にあっては、電気絶縁のために樹脂製の配管である場合、熱伝導率が断熱材のごとく小さいため配管外面から加熱しても配管内の液を昇温することは困難を極める。加熱、冷却をする熱交換器は工業設備で最も多用される機器の一つであるが、従来の装置の場合は、上記の理由から熱交換器の選定及び設計も難しかった。
これに対し、第1の実施形態に係る反応生成物製造装置によれば、液相P2が電気的にニュートラルの状態であるため、接液部に電気絶縁材を使わなければならなかったという制約がなくなり、最も一般的な金属部材を含めて自由な選定が可能となり、設備設計が格段に容易となる。例えば、熱交換器では熱伝導率の高い金属を伝熱部材として使うのが一般であり、樹脂部材を通しての伝熱の困難さに比べてごく簡単に加熱及び冷却が可能となる。
ここで、第1の実施形態に係る反応生成物製造装置に使用できる追加機器は、図9に図示したものに限定されない。反応生成物製造装置に使用可能な追加機器は、特に制限されず、使用する第1の物質R1、第2の物質R2、反応生成物に応じて適宜選択される。
図9においては、反応生成物製造装置1Aを一例に追加機器の使用形態を説明したが、これらの追加機器は、反応生成物製造装置1B、反応生成物製造装置1C、反応生成物製造装置1Dにおいても、反応生成物製造装置1Aと同様に使用可能である。
<第2の実施形態>
以下、第2の実施形態について、図10〜12を参照して説明する。図10は、反応生成物製造装置2Aの構成を示す模式図である。図11は、反応生成物製造装置2Bの構成を示す模式図である。図12は、第2の実施形態に係る反応生成物製造装置の使用形態の一例を示す模式図である。
以下の第2の実施形態の説明において、第1の実施形態に係る反応生成物製造装置の構成と同一の構成については、同一の語及び同一の符号を用いてその説明を省略する。
(実施形態例2A)
図10に示すように、反応生成物製造装置2Aは、液相P2と気相PGと複数のノズル10a,10b,10c,10dと供給管12と分岐配管13と排出管14と反応槽20と電源21と電極22と第1の電気ケーブル31と第2の電気ケーブル32と接地ケーブル40と接地点50を備える。
反応生成物製造装置2Aは、下記の点において、反応生成物製造装置1Aと異なる。
・接地ケーブル40の第1の端部が第1の電気ケーブル31と接続されている点。
反応生成物製造装置2Aにおいては、接地ケーブル40の第1の端部が第1の電気ケーブル31と接続され、接地ケーブル40の第2の端部が接地点50により接地されている。そのため、ノズル10a,10b,10c,10dが第1の電気ケーブル31、接地ケーブル40及び接地点50を介して電気的に接地されている。したがって、ノズル10a,10b,10c,10d及びノズル10a,10b,10c,10dに供給される第1の溶液L1の全体が電気的にニュートラルの状態である。
反応生成物製造装置2Aにおいては、電源21の正電位側が、接地ケーブル40を介して接地点50で接地されている。そのため、電源21によって電極22を介して液相P2に負電位を付与すると、ノズル10a,10b,10c,10dの電位が相対的に高くなり、ノズル10a,10b,10c,10dによる静電噴霧を行うことができる。
ノズル10a,10b,10c,10dによって、第1の溶液L1を静電噴霧すると、微小液滴Dが界面Bに到達することで、第1の電気ケーブル31、ノズル10a,10b,10c,10d、液相P2、電極22及び第2の電気ケーブル32の順に電流が流れる。
このように、電源21によって高電位差を液相P2とノズル10a,10b,10c,10dとの間に付与した場合であっても、ノズル10a,10b,10c,10dが電気的に接地されているため、ノズル10a,10b,10c,10d及び第1の溶液L1の全体を電気的にニュートラルの状態に維持できる。
(実施形態例2B)
図11は、反応生成物製造装置2Bの構成を示す模式図である。
図11に示すように、反応生成物製造装置2Bは、液相P2と気相PGと複数のノズル10a,10b,10c,10dと供給管12と分岐配管13と排出管14と反応槽20と電源21と電極22と第1の電気ケーブル31と第1の接地ケーブル41と第2の接地ケーブル42と第1の接地点51と第2の接地点52を備える。
反応生成物製造装置2Bは、下記の2点において、反応生成物製造装置1Bと異なる。
・第1の接地ケーブル41の第1の端部が、第1の電気ケーブル31の第1の端部と接続されている点。
・第2の接地ケーブル42の第1の端部が、電源21の正電位側と接続されている点。
反応生成物製造装置2Bにおいては、第1の接地ケーブル41の第1の端部が、第1の電気ケーブル31の第1の端部と接続されている。そのため、ノズル10a,10b,10c,10dが、第1の電気ケーブル31、第1の接地ケーブル41及び第1の接地点51を介して電気的に接地されている。
反応生成物製造装置2Bにおいては、第2の接地ケーブル42の第1の端部が、電源21の正電位側と接続されている。そのため、電源21の正電位側が、第2の接地ケーブル42を介して第2の接地点52で接地されている。よって、電源21によって液相P2に負電位を付与すると、ノズル10a,10b,10c,10dの電位が相対的に高くなり、ノズル10a,10b,10c,10dによる静電噴霧を行うことができる。
ノズル10a,10b,10c,10dによって、第1の溶液L1を静電噴霧すると、微小液滴Dが界面Bに到達することで、第1の電気ケーブル31、ノズル10a,10b,10c,10d、液相P2、電極22の順に電流が流れる。
このように、電源21によって高電位差を液相P2とノズル10a,10b,10c,10dとの間に付与した場合であっても、ノズル10a,10b,10c,10dが電気的に接地されているため、ノズル10a,10b,10c,10d及び第1の溶液L1の全体を電気的にニュートラルの状態に維持できる。
ここで、反応生成物製造装置2Bにおいては、第1の電気ケーブル31及び第1の接地ケーブル41の代わりに、端部が分岐した接地ケーブルを使用してもよい。すなわち、分岐した端部のそれぞれをノズル10a,10b,10c,10dと接続し、接地ケーブルによって第1の接地点51を介してノズル10a,10b,10c,10dを接地してもよい。このように、他の形態例においては、第1の電気ケーブル31は省略可能である。
(第2の実施形態の作用効果)
以上説明した第2の実施形態においては、ノズル10a,10b,10c,10dが電気的に接地されている。そのため、各ノズル10a,10b,10c,10d及び各ノズル10a,10b,10c,10dに供給される第1の溶液L1のすべてが電気的にニュートラルの状態である。したがって、電源21によって高電位差をノズル10a,10b,10c,10dと液相P2との間に付与した場合であっても、各ノズル10a,10b,10c,10d及び第1の溶液L1の全体を電気的にニュートラルの状態に維持できる。
このように、ノズル10a,10b,10c,10d側を電気的に接地してニュートラルの状態とすることにより、第1の溶液L1と接する部分の電気絶縁が不要となる。その結果、反応生成物製造装置及び反応生成物製造装置の上流側の生産設備の構成部品の接液部の材質の選択に際し、絶縁性のものを選択する必要がなくなり、一般的な金属製の種々の機器、計測器を使用できる。したがって、簡易で効率的かつ実用的な工業的設備の設計、構築が可能となる。
例えば、図12に、第2の実施形態に係る反応生成物製造装置の使用形態の一例を示す。図12に示す反応生成物製造装置2Xは、反応生成物製造装置2Aが備える各構成に加えて、第1の溶液L1が貯留される貯留槽81と、供給管12に設けられた供給ポンプ82と、供給管12に設けられた流量計83と、供給管12に設けられた圧力計84を備える。
従来の反応生成物製造装置においては、ノズル10a,10b,10c,10dが電気的に接地されていなかったため、ノズル10a,10b,10c,10d及び第1の溶液L1の全体が電気的にニュートラルの状態でなかった。そのため、反応槽内に供給される第1の溶液L1も帯電しており、反応生成物製造装置の上流側の処理設備において、追加機器を構成する材質、構成部品として金属等の導電性のものを使用できなかった、すなわち、図12に示す、供給管12、供給ポンプ82、流量計83、圧力計84等の追加機器、構成部品の接液部の材質として、一般的な金属等の導電性のものを使用できないという制約があった。
これに対し、第2の実施形態に係る反応生成物製造装置によれば、ノズル10a,10b,10c,10dが電気的にニュートラルの状態である。そのため、接液部に電気絶縁材を使用しなければならかったという制約がなくなり、最も一般的な金属部材を含めて自由な選定が可能となり、設備設計が格段に容易となる。
ここで、第2の実施形態に係る反応生成物製造装置に使用できる追加機器は、図12に図示したものに限定されない。反応生成物製造装置に使用可能な追加機器は、特に制限されず、使用する第1の物質R1、第2の物質R2、反応生成物に応じて適宜選択される。
図12においては、反応生成物製造装置2Aを一例に追加機器の使用形態を説明したが、これらの追加機器は、反応生成物製造装置2Bにおいても、反応生成物製造装置2Aと同様に使用可能である。
<反応生成物製造方法>
上述した反応生成物製造装置1A〜1D、2A,2Bを用いる、反応生成物製造方法について説明する。
まず、液相P2と複数のノズル10a,10b,10c,10dとの間に電源21によって電位差を付与する。そして、電位差が付与された複数のノズル10a,10b,10c,10dから第1の物質R1を含む微小液滴Dを気相PGで静電噴霧する。これにより、微小液滴Dは、複数のノズル10a,10b,10c,10dと液相P2との間の電位差による電場勾配に沿って気相PGを通って、液相P2に向かって移動し、気相PGと液相P2との界面Bに到達させられる。液相P2には第2の溶液L2に含まれる第2の物質R2が存在する。そのため、第2の物質R2と微小液滴Dに含まれる第1の物質R1とが反応し、反応生成物が生成する。
複数のノズル10a,10b,10c,10d及び電源21間の電位差は、例えば、絶対値にて0.3〜30kVの範囲とすることができる。反応生成物の安定性等を考慮すると、複数のノズル10a,10b,10c,10d及び電源21間の電位差の絶対値は、2.5kV以上が好ましく、さらに装置の安全性及びコストを考慮すると、10kV以下が好ましい。
複数のノズル10a,10b,10c,10dからの液滴の噴霧量は反応量に適合するように選択してもよい。例えば、反応量を100mLとする場合、第1の溶液L1の送液速度を0.001〜0.1mL/min(分)の範囲となるように噴霧量を調整してもよい。
微小液滴Dを界面Bに到達させて反応させる際には、反応槽の容量、電位差等を考慮して、複数のノズル10a,10b,10c,10dの噴出口11a,11b,11c,11dと界面Bとの間の距離を適宜調整してもよい。前記距離としては、例えば、1cm以上としてもよく、2cm以上としてもよい。
<用途>
以上説明した第1、第2の実施形態に係る反応生成物製造装置においては、反応生成物は特に限定されない。反応生成物の具体例としては、金属粒子、繊維粒子、樹脂粒子、有機結晶、半導体粒子、オリゴマー粒子、ポリマー粒子等の粒子;金属ナノ粒子、繊維ナノ粒子、樹脂ナノ粒子、有機ナノ結晶、半導体ナノ粒子、オリゴマーナノ粒子、ポリマーナノ粒子等のナノ粒子が例示される。
第1の溶液L1及び第2の溶液L2は、特に限定されない。第1の溶液L1及び第2の溶液L2の溶媒の具体例は、水、エタノール、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトン又はこれらの2種以上を含む混合物が例示される。第1の溶液L1及び第2の溶液L2は、水又は水と水溶性の溶媒(例えば、エタノール、DMF、アセトン等)とを含む混合溶液が好ましい。また、第1の溶液L1の溶媒と第2の溶液L2の溶媒は同種であると好ましい。
第1の溶液L1及び第2の溶液L2は、反応生成物に応じて適宜選択できる。
第1の物質R1及び第2の物質R2は特に限定されない。第1の物質R1及び第2の物質R2の具体例としては、セルロース、グアーガム、カラギーナン、アラビアガム、キサンタンガム、キトサン等の天然多糖類もしくはその誘導体(アセチルセルロース等);ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール、ポリアクリルニトリル、ポリアクリル酸、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレンオキシド、ポリエステル;金属塩等:これらの2種類以上を含む混合物が例示される。
第1の物質R1及び第2の物質R2は、反応生成物に応じて適宜選択できる。
第1の物質R1及び第2の物質R2の含有量は、特に限定されない。例えば、2〜30質量%とすることができ、5〜20質量%としてもよい。
(金属ナノ粒子の分散体の製造)
反応生成物が金属ナノ粒子の分散体である場合について説明する。
反応生成物が金属ナノ粒子である場合、第1の物質R1及び第2の物質R2として金属塩を選択する。金属塩の具体例としては、白金、金、銀、銅、錫、ニッケル、鉄、パラジウム、亜鉛、鉄、コバルト、タングステン、ルテニウム、インジウム、モリブテン等の一種もしくは複合系の塩;錯体化合物等;これらの2種以上を含む混合物が例示される。金属塩としては、硝酸塩、硫酸塩、塩化物等が例示される。
第1の物質R1が金属塩である場合、ノズル10から噴霧される液滴の表面張力を相対的に低くするために、第1の溶液L1がメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等の炭素数1〜3の低級アルコール;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;又はこれらの2種以上を含む混合物を含有していてもよい。また、第1の溶液L1中又は第2の溶液L2中における金属塩の含有量は、金属塩の溶解度、金属ナノ粒子の分散体の使用目的等に対応して適宜調整可能である。例えば、この金属塩の含有量は、0.01〜5mol/Lの範囲が好ましい。
反応生成物が金属ナノ粒子である場合、第1の物質R1及び第2の物質R2のうちいずれか一方が還元剤であることが好ましい。還元剤は、特に限定されず、金属イオンに合わせて適宜選択可能である。還元剤の具体例としては、ヒドロキシメタンスルフィン酸、チオグリコール酸、亜硫酸;もしくはこれらのナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等の塩;アスコルビン酸、クエン酸、ハイドロサルファイトナトリウム、チオ尿素、ジチオスレイトール、ヒドラジン類、ホルムアルデヒド類、ホウ素ハイドライド;又はこれらの2種以上を含む混合物が例示される。
金属ナノ粒子の分散体を製造する際、目的に応じて、添加剤を使用してもよい。添加剤としては、高分子樹脂分散剤、顔料、可塑剤、安定剤、酸化防止剤等、これらの2種以上を含む混合物等が例示される。
金属ナノ粒子の分散体の製造において、必要に応じて、各種分離手法によって、添加剤等の任意成分を低減させることができ、金属ナノ粒子の濃縮操作を実行してもよい。添加剤の低減及び副生成物の塩類の除去のための方法としては、遠心分離、限外ろ過、イオン交換樹脂、膜等を用いる方法が例示される。金属ナノ粒子の分散体は、所定の濃度に希釈又は濃縮可能であり、使用用途に応じて濃度を調整してもよい。
(その他の粒子の分散体の製造)
反応生成物が繊維粒子、樹脂粒子、有機結晶、半導体粒子、オリゴマー粒子、ポリマー粒子、繊維ナノ粒子、樹脂ナノ粒子、有機ナノ結晶、半導体ナノ粒子、オリゴマーナノ粒子、ポリマーナノ粒子等のその他の粒子の分散体である場合について説明する。
ラジカル重合にて得られる重合体の分散体を製造する場合、第1の物質R1及び第2の物質R2のうち一方をモノマーとし、第1の物質R1及び第2の物質R2のうち他方を重合開始剤としてもよい。すなわち、第1の物質R1及び第2の物質R2のうち一方を重合体の原料とする。ここで、第2の物質R2は、モノマーでも重合開始剤でもよいが、低誘電率液体LLに溶解可能なものを選択する。
モノマーの具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸及びそのエステル類、スチレン類等が例示される。そして、重合開始剤は、2,2’‐アゾビスイソブチロニトリル、1,1’‐アゾビス(シクロヘキサン‐1‐カルボニトリル)等のアゾ系開始剤、ジメチル‐2,2’‐アゾビスイソブチレート等のノンシアン系開始剤等が例示される。
酸化重合にて得られる重合体の分散体を製造する場合、第1の物質R1及び第2の物質R2のうち一方をモノマーとし、第1の物質R1及び第2の物質R2のうち他方を酸化剤とする。この場合、モノマーの具体例としては、ピロール類、チオフェン類等が例示される。そして、酸化剤の具体例としては、過酸化水素、過硫酸等が例示される。
その他の粒子の分散体を製造する場合、第1の物質R1及び第2の物質R2の含有量は、2〜30質量%以下の範囲とするとよい。さらに、かかる含有量は、5〜20質量%以下の範囲とすると好ましい。
(中和反応又はイオン交換反応を利用する析出物の分散体の製造)
第1の物質R1と第2の物質R2とを中和反応又はイオン交換反応させる場合、反応生成物を析出させて、析出物の分散体を製造できる。この場合、第2の物質R2は、第2の溶液L2に含まれても、低誘電率液体LLに含まれてもよい。ただし、第2の物質R2は第2の溶液L2に含まれていることが好ましい。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明はかかる特定の実施の形態に限定されない。また、本発明は特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が加えられてよい。
1A〜1D,2A,2B 反応生成物製造装置
10a,10b,10c,10d ノズル
20,25 反応槽
21 電源
22 電極
31,32 電気ケーブル
40,41,42 接地ケーブル
50,51,52 接地点
B 界面
D 微小液滴
LL 低誘電率液体
L1 第1の溶液
L2 第2の溶液
P2 第2の溶液からなる液相
PL 低誘電率液体からなる液相
R1 第1の物質
R2 第2の物質

Claims (4)

  1. 第1の物質を含む第1の溶液を噴出させるノズルと、
    前記ノズルに対向して配置され、第2の物質を含む第2の溶液からなる液相P2と、
    前記液相P2の界面と前記ノズルとの間に電場を形成するための電源とを備え、
    前記ノズルと前記液相P2との間に電位差を与えることで前記ノズルから静電噴霧された前記第1の溶液を含む微小液滴を、前記液相P2の界面に到達させて、前記第1の物質と前記第2の物質とを混合せしめて、前記第1の物質と前記第2の物質とを反応させる反応生成物製造装置において、
    前記液相P2及び前記ノズルのいずれか一方が、電気的に接地されている、反応生成物製造装置。
  2. 前記ノズルの噴出口と前記液相P2の間に低誘電率液体からなる液相PLをさらに備える、請求項1に記載の反応生成物製造装置。
  3. 前記ノズルの噴出口が、前記液相PLに接するか又は前記液相PL中に配置される、請求項2に記載の反応生成物製造装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の反応生成物製造装置を用いることを特徴とする、反応生成物製造方法。
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