JP2021049492A - 反応生成物製造装置及び反応生成物製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】静電噴霧を用いた反応生成物製造装置において、継続して化学反応を行うことができ、電気的な短絡によるノズルの損耗が低減される反応生成物製造装置を提供する。【解決手段】第1の物質R1を含む第1の溶液L1を噴出させるノズル10と第2の物質R2を含む第2の溶液L2からなる液相P2と反応槽20と泡除去機構50とノズル保護機構60を備え、ノズル10から静電噴霧された第1の溶液L1を含む微小液滴Dを、液相P2の界面Bに到達させて、第1の物質R1と第2の物質R2とを混合せしめて第1の物質R1と第2の物質R2とを反応させる反応生成物製造装置1。泡除去機構50:反応槽20で発生する泡Eを、第1の物質R1と第2の物質R2とが反応する反応場Fから除去する機構。ノズル保護機構60:反応槽20で発生する泡Eとノズル10との接触を防止する機構。【選択図】図5
Description
本発明は、静電噴霧を用いた反応生成物製造装置及び反応生成物製造方法に関する。
産業界の様々な用途及びニーズに合わせて、化合物の種々の物性及び特性を選択的に精密に制御する技術が求められている。例えば、ポリマー粒子、金属ナノ粒子の合成反応にあっては、粒子の大きさの分布を数ナノメートルから数マイクロメートルの特定の範囲に制御すること又は分子量を特定の分布に制御することにより、新たな機能特性を素材に付与しうる。逐次反応による化学物質の合成では、逐次反応過程を特定段階に精密に制御することで特定物質を高収率で獲得することができうる。
実用操作上における合成反応を制御する方法として、反応物質の量又は濃度、反応環境の温度、反応時間等の条件を管理、制御することがある。ごく一般的な反応生成物製造装置として、釜状の反応容器に第1物質の溶液と第2物質の溶液を投入して供給し、両溶液を混合して接触させることで合成反応を進行させることが行われている。この場合、容器外壁にジャケット又は容器内部にコイルを装備し熱媒を通すことで反応液の温度調整が行われている。加えて、反応容器内に配置された攪拌機によって混合することで、反応液の一様性の確保が試みられている。
しかしながら、第1物質と第2物質の2種類の溶液のかたまり(バルク)を容器内に投入して撹拌混合しようとする限り、容器内液の濃度分布や温度分布が生じることは避け難い。加えて、反応遂行に長時間を要することになり、精密な反応制御は困難である。この技術的限界を克服する装置として、静電噴霧を用いた反応生成物製造装置が提案されている(特許文献1)。特許文献1に記載の反応生成物製造装置の模式図を図1に示す。
図1に示す反応生成物製造装置101は、第1の物質R1と第2の物質R2を反応させることで、反応生成物を製造する装置である。反応生成物製造装置101は、第1の物質R1を含む第1の溶液L1を噴出させるノズル110と、ノズル110の噴出口に対向するようにノズル110から離れた位置に、第2の物質R2を含む第2の溶液L2からなる液相P2とスターラー162を備える。反応生成物製造装置101は、導電性液体である第1の溶液L1及び第2の溶液L2の間に電位差を付与することで静電噴霧を起こさせることを特徴とする。
静電噴霧作用によりノズル110の噴出口で発生した微小液滴Dを含む液滴群は、相互に同一の電荷を持つため、反発力により互いに分散して飛翔し、かつ反対電荷を持つ液相P2の界面Bに引っ張られていく。その結果、第1の物質R1を含む第1の溶液L1からなる微小液滴Dは、液相P2の界面Bに衝突して化学反応を起こさせることができる。一つ一つの微小液滴Dは、点とみなせるほどに非常に容量サイズが小さいため、周辺環境の影響を受け難く、かつ液滴内部の一様性が高い。そのため、界面Bに衝突した瞬間にほぼ化学反応を完結させることができる。これによりシャープで精密な反応制御が可能となり、特定物質を効率的に生成しうる。
図1に示す反応生成物製造装置101は、第1の物質R1と第2の物質R2を反応させることで、反応生成物を製造する装置である。反応生成物製造装置101は、第1の物質R1を含む第1の溶液L1を噴出させるノズル110と、ノズル110の噴出口に対向するようにノズル110から離れた位置に、第2の物質R2を含む第2の溶液L2からなる液相P2とスターラー162を備える。反応生成物製造装置101は、導電性液体である第1の溶液L1及び第2の溶液L2の間に電位差を付与することで静電噴霧を起こさせることを特徴とする。
静電噴霧作用によりノズル110の噴出口で発生した微小液滴Dを含む液滴群は、相互に同一の電荷を持つため、反発力により互いに分散して飛翔し、かつ反対電荷を持つ液相P2の界面Bに引っ張られていく。その結果、第1の物質R1を含む第1の溶液L1からなる微小液滴Dは、液相P2の界面Bに衝突して化学反応を起こさせることができる。一つ一つの微小液滴Dは、点とみなせるほどに非常に容量サイズが小さいため、周辺環境の影響を受け難く、かつ液滴内部の一様性が高い。そのため、界面Bに衝突した瞬間にほぼ化学反応を完結させることができる。これによりシャープで精密な反応制御が可能となり、特定物質を効率的に生成しうる。
反応生成物製造装置101においては、微小液滴の液相界面衝突による瞬間的に化学反応が起きるため、シャープかつ精密な反応制御がなされる。この反応操作を継続的に続ける場合、順次微小液滴が衝突してくるため界面Bには反応生成物が蓄積し、界面Bの近傍では著しい高濃度状態となる。そのため、反応阻害や2次反応、生成物の会合や凝集等の悪影響を及ぼすこととなる。これらの悪影響を回避するためには、継続的かつ迅速な界面更新が求められる。そのため、スターラー162による容器内の液体の攪拌は、界面の更新に有効である。
しかしながら、反応生成物製造装置101においては、スターラー162による攪拌の際に反応槽120内で泡Eが発生することがある。発生した泡Eは、スターラー162の攪拌による遠心力を受けて反応槽120の外周部に寄せられる(図2参照)。その後、反応を継続すると泡Eは反応槽120の中央部にも溜まり始める(図3参照)。その結果、微小液滴の滴下部分にも泡Eが溜まり、微小液滴が界面Bに到達できず、化学反応が進行しなくなる。このように、反応生成物製造装置101においては、発生した泡Eのために継続して化学反応を行うことが困難であるという問題がある。
加えて、泡Eには液相P2中の成分が分散することから、泡Eはノズル110に付与された電位と反対の電荷を帯びている。そのため、泡Eとノズル110との間の電位差に起因して、泡Eとノズル110とが接触した際に電気的な短絡が生じるおそれがある(図3参照)。このようにして発生する電気的な短絡は、ノズル110の損耗の原因となるという問題もある。
加えて、泡Eには液相P2中の成分が分散することから、泡Eはノズル110に付与された電位と反対の電荷を帯びている。そのため、泡Eとノズル110との間の電位差に起因して、泡Eとノズル110とが接触した際に電気的な短絡が生じるおそれがある(図3参照)。このようにして発生する電気的な短絡は、ノズル110の損耗の原因となるという問題もある。
本発明は、静電噴霧を用いた反応生成物製造装置において、継続して化学反応を行うことができ、電気的な短絡によるノズルの損耗が低減される反応生成物製造装置を提供する。
上記課題を解決するため、本発明の一態様では、静電噴霧を用いた反応生成物製造装置において、下記の泡除去機構及び下記のノズル保護機構のいずれ一方又は両方を付加することを提案する。
泡除去機構:液相P2から発生する泡を、第1の物質と第2の物質とが反応する反応場から除去する泡除去機構。
ノズル保護機構:反応槽で発生する泡とノズルとの接触を防止するノズル保護機構。
これにより、反応場から泡が除去されることから、微小液滴の滴下部分に泡が溜まることがなく、化学反応を継続して行うときでも、微小液滴が泡に邪魔されずに界面Bに確実に到達できる。そのため、泡が発生したとしても継続して化学反応を行うことができる。
加えて本発明においては、反応場から泡が除去されること及び泡とノズルとの接触を防止することのいずれか一方又は両方を必須の要件とすることから、泡とノズルとの接触が低減され、電気的な短絡が生じにくい。そのため、電気的な短絡によるノズルの損耗が低減される。
泡除去機構:液相P2から発生する泡を、第1の物質と第2の物質とが反応する反応場から除去する泡除去機構。
ノズル保護機構:反応槽で発生する泡とノズルとの接触を防止するノズル保護機構。
これにより、反応場から泡が除去されることから、微小液滴の滴下部分に泡が溜まることがなく、化学反応を継続して行うときでも、微小液滴が泡に邪魔されずに界面Bに確実に到達できる。そのため、泡が発生したとしても継続して化学反応を行うことができる。
加えて本発明においては、反応場から泡が除去されること及び泡とノズルとの接触を防止することのいずれか一方又は両方を必須の要件とすることから、泡とノズルとの接触が低減され、電気的な短絡が生じにくい。そのため、電気的な短絡によるノズルの損耗が低減される。
請求項1に記載の発明は、上述の解決手段の構成要件を示したものである。
すなわち、請求項1に記載の発明は、第1の物質を含む第1の溶液を噴出させるノズルと、前記ノズルに対向して配置され、第2の物質を含む第2の溶液からなる液相P2と、前記液相P2を収容する反応槽と、前記液相P2の界面と、前記ノズルとの間で電場を形成するための電極とを備え、前記ノズルと前記電極の間に電位差を与えることで前記ノズルから静電噴霧された前記第1の溶液を含む微小液滴を、前記液相P2の界面に到達させて、前記第1の物質と前記第2の物質とを混合せしめて、前記第1の物質と前記第2の物質とを反応させる反応生成物製造装置において、下記の泡除去機構及び下記のノズル保護機構のいずれ一方又は両方をさらに備える、反応生成物製造装置である。
泡除去機構:前記液相P2から発生する泡を、前記第1の物質と前記第2の物質とが反応する反応場から除去する泡除去機構。
ノズル保護機構:前記反応槽で発生する泡と前記ノズルとの接触を防止するノズル保護機構。
請求項1に記載の発明によれば、継続して化学反応を行うことができ、電気的な短絡によるノズルの損耗が低減される。
すなわち、請求項1に記載の発明は、第1の物質を含む第1の溶液を噴出させるノズルと、前記ノズルに対向して配置され、第2の物質を含む第2の溶液からなる液相P2と、前記液相P2を収容する反応槽と、前記液相P2の界面と、前記ノズルとの間で電場を形成するための電極とを備え、前記ノズルと前記電極の間に電位差を与えることで前記ノズルから静電噴霧された前記第1の溶液を含む微小液滴を、前記液相P2の界面に到達させて、前記第1の物質と前記第2の物質とを混合せしめて、前記第1の物質と前記第2の物質とを反応させる反応生成物製造装置において、下記の泡除去機構及び下記のノズル保護機構のいずれ一方又は両方をさらに備える、反応生成物製造装置である。
泡除去機構:前記液相P2から発生する泡を、前記第1の物質と前記第2の物質とが反応する反応場から除去する泡除去機構。
ノズル保護機構:前記反応槽で発生する泡と前記ノズルとの接触を防止するノズル保護機構。
請求項1に記載の発明によれば、継続して化学反応を行うことができ、電気的な短絡によるノズルの損耗が低減される。
請求項2に記載のさらなる発明は、前記泡除去機構が、前記泡をかき出すことにより前記反応場から前記泡を除去する、請求項1に記載の反応生成物製造装置である。
請求項3に記載のさらなる発明は、前記泡除去機構が、前記泡を吸引することにより前記反応場から前記泡を除去する、請求項1又は2に記載の反応生成物製造装置である。
請求項4に記載のさらなる発明は、前記泡除去機構が、前記泡を押し潰すことにより前記反応場から前記泡を除去する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の反応生成物製造装置である。
請求項5に記載のさらなる発明は、前記ノズル保護機構が、前記泡の拡散を防止することにより前記ノズルと前記泡との接触を防止する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の反応生成物製造装置である。
請求項6に記載のさらなる発明は、前記泡を前記反応槽から排出する排出部をさらに備える、請求項1〜5のいずれか一項に記載の反応生成物製造装置である。
請求項7に記載のさらなる発明は、前記ノズルの噴出口と前記液相P2の間に低誘電率液体からなる液相PLをさらに備える、請求項1〜6のいずれか一項に記載の反応生成物製造装置である。
請求項8に記載のさらなる発明は、前記ノズルの噴出口が、前記液相PLに接するか又は前記液相PL中に配置される、請求項7に記載の反応生成物製造装置である。
請求項2〜8のいずれか一項に記載の発明によっても、請求項1に記載の発明と同様の作用効果が得られ、本発明の課題を解決できる。
請求項3に記載のさらなる発明は、前記泡除去機構が、前記泡を吸引することにより前記反応場から前記泡を除去する、請求項1又は2に記載の反応生成物製造装置である。
請求項4に記載のさらなる発明は、前記泡除去機構が、前記泡を押し潰すことにより前記反応場から前記泡を除去する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の反応生成物製造装置である。
請求項5に記載のさらなる発明は、前記ノズル保護機構が、前記泡の拡散を防止することにより前記ノズルと前記泡との接触を防止する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の反応生成物製造装置である。
請求項6に記載のさらなる発明は、前記泡を前記反応槽から排出する排出部をさらに備える、請求項1〜5のいずれか一項に記載の反応生成物製造装置である。
請求項7に記載のさらなる発明は、前記ノズルの噴出口と前記液相P2の間に低誘電率液体からなる液相PLをさらに備える、請求項1〜6のいずれか一項に記載の反応生成物製造装置である。
請求項8に記載のさらなる発明は、前記ノズルの噴出口が、前記液相PLに接するか又は前記液相PL中に配置される、請求項7に記載の反応生成物製造装置である。
請求項2〜8のいずれか一項に記載の発明によっても、請求項1に記載の発明と同様の作用効果が得られ、本発明の課題を解決できる。
本発明によれば、静電噴霧を用いた反応生成物製造装置であり、継続して化学反応を行うことができ、電気的な短絡によるノズルの損耗が低減される反応生成物製造装置が提供される。
本明細書において数値範囲を示す「〜」は、その前後に記載された数値を下限値及び上限値として含むことを意味する。
以下、本発明を適用した一実施形態の反応生成物製造装置及び反応生成物製造方法について、図面を参照しながら詳細に説明する。以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率等が実際と同じであるとは限らない。
<反応槽内の相構成の違い及びノズルの位置の違いによる形態例>
本発明の適用対象となる静電噴霧を用いた反応生成物製造装置には、反応槽内の相構成の違い及びノズルの位置の構成の違いに基づき、例えば、以下に示す3つの形態例がある。
図4は、本発明の適用対象となる反応生成物製造装置の形態例として、反応槽内の相構成及びノズルの位置の構成を比較して示す模式図である。図4中の(4a)〜(4c)の各形態例においては、反応物製造装置は、第1の物質R1を含む第1の溶液L1をノズル10から静電噴霧させ、第1の物質R1を含む微小液滴Dを界面Bに到達衝突させて、第1の物質R1と第2の物質R2とを接触混合せしめて、第1の物質R1と第2の物質R2とを反応させる。
本発明の適用対象となる静電噴霧を用いた反応生成物製造装置には、反応槽内の相構成の違い及びノズルの位置の構成の違いに基づき、例えば、以下に示す3つの形態例がある。
図4は、本発明の適用対象となる反応生成物製造装置の形態例として、反応槽内の相構成及びノズルの位置の構成を比較して示す模式図である。図4中の(4a)〜(4c)の各形態例においては、反応物製造装置は、第1の物質R1を含む第1の溶液L1をノズル10から静電噴霧させ、第1の物質R1を含む微小液滴Dを界面Bに到達衝突させて、第1の物質R1と第2の物質R2とを接触混合せしめて、第1の物質R1と第2の物質R2とを反応させる。
図4中の(4a)に示す形態例においては、反応槽20内には、導電性の液体である第2の溶液L2からなる第2の液相P2(以下、「液相P2」と記す。)と、気相PGとが形成されている。図4中の(4a)に示す形態例においては、ノズル10の噴出口10aは、液相P2と気相PGとの界面Bから上方に離れた位置の気相PGに配置されている。そして、ノズル10は、第1の溶液L1を微小液滴Dとして、気相PG中で噴出させる。
図4中の(4b)に示す形態例においては、反応槽20内には、液相P2と、低誘電率液体LLからなる液相PL(以下、「液相PL」と記す。)とが形成されている。液相PLは、液相P2の上方に液相P2と接し、液相P2と2相分離した状態で形成される。図4中の(4b)に示す形態例においては、ノズル10の噴出口10aは、液相P2と液相PLとの界面Bから上方に離れた位置の液相PLに配置されている。そして、ノズル10は、第1の溶液L1を微小液滴Dとして、液相PL中で噴出させる。
図4中の(4c)に示す形態例においては、反応槽20内には、液相P2と液相PLと気相PGとがこの順に形成されている。図4中の(4c)に示す形態例においては、ノズル10の噴出口10aは、液相PLから液相P2と反対側に離れた位置の気相PGに配置されている。そして、ノズル10は、第1の溶液L1を微小液滴Dとして、気相PG中で噴出させる。
図4中の(4b)及び(4c)に示す形態例においては、噴出口10aは液相PLの上面に接して配置されてもよい。液相PLの上面は、界面Bと平行であり、界面Bと対向する面である。
以下、本発明の一実施形態について、図5を参照して説明する。図5は、反応生成物製造装置1の構成を示す模式図である。反応生成物製造装置1は、液相P2と液相PLと気相PGと複数のノズル10,10,10とノズルヘッダ11と反応槽20とブロック25と給液管30と排液管40と泡除去機構50とノズル保護機構60と排出部70と図示略の電極と図示略の電源を備える。
反応生成物製造装置1は、第1の物質R1と第2の物質R2とを反応させ、反応生成物を製造する装置である。
第1の物質R1は、第1の溶液L1に溶解している。第2の物質R2は、第2の溶液L2に溶解している。ただし、第1の物質R1の一部は、第1の溶液L1に分散していてもよい。同様に、第2の物質R2の一部は、第2の溶液L2に分散していてもよい。第1の溶液L1及び第2の溶液L2は、互いに相溶であることが好ましい。
第1の物質R1は、第1の溶液L1に溶解している。第2の物質R2は、第2の溶液L2に溶解している。ただし、第1の物質R1の一部は、第1の溶液L1に分散していてもよい。同様に、第2の物質R2の一部は、第2の溶液L2に分散していてもよい。第1の溶液L1及び第2の溶液L2は、互いに相溶であることが好ましい。
ノズル10は、第1の物質R1を含む第1の溶液L1を噴出させる。ノズル10は、第1の溶液L1を静電噴霧可能に構成されたエレクトロスプレーノズルである。ノズル10は、ノズルヘッダ11と接続されている。ノズルヘッダ11の内部には第1の溶液L1が貯留されている。加えて、ノズルヘッダ11は、図示略の電源と接続されている。これによりノズル10はエレクトロスプレーノズルとして静電噴霧を実施できる。ノズル10による静電噴霧によって第1の溶液L1からなる微小液滴Dが噴霧される。
ノズル10は、液相P2と対向して配置される噴出口10aを有する。噴出口10aは、液相P2と液相PLとの界面Bから上方に離れた位置の液相PLに配置されている。そして、ノズル10は、第1の溶液L1を微小液滴Dとして、液相PL中で噴出させる。
例えば、噴出口10aは、界面Bに対して垂直方向に静電噴霧するように配向されていると好ましい。
噴出口10aと界面Bとの間の各距離は、電場の強度及び静電噴霧によって生成する微小液滴Dの断片化プロセスを考慮して、最適化することができる。
ノズル10は、液相P2と対向して配置される噴出口10aを有する。噴出口10aは、液相P2と液相PLとの界面Bから上方に離れた位置の液相PLに配置されている。そして、ノズル10は、第1の溶液L1を微小液滴Dとして、液相PL中で噴出させる。
例えば、噴出口10aは、界面Bに対して垂直方向に静電噴霧するように配向されていると好ましい。
噴出口10aと界面Bとの間の各距離は、電場の強度及び静電噴霧によって生成する微小液滴Dの断片化プロセスを考慮して、最適化することができる。
反応生成物製造装置1においては、ノズル10の材質は、金属、合金等の導電性の材料である。この場合、ノズル10と図示略の電源の正電位側とを電気的に接続することで、ノズル10そのものを正電極として使用可能である。これにより、ノズル10と電極との間に電位差を付与できる。
ただし、ノズル10の材質は特に限定されない。ノズル10の材質は、ガラス、樹脂、セラミック等の絶縁性の材料でもよい。ガラス、樹脂、セラミック等の絶縁性の材料を使用する場合、ノズル10内にはさらに電極を設ける必要がある。ガラス、樹脂、セラミック等の材料を使用する場合においては、ノズル10内に設けられる電極と電源とを電気的に接続することで、ノズル10と電極との間に電位差を付与できる。
ただし、ノズル10の材質は特に限定されない。ノズル10の材質は、ガラス、樹脂、セラミック等の絶縁性の材料でもよい。ガラス、樹脂、セラミック等の絶縁性の材料を使用する場合、ノズル10内にはさらに電極を設ける必要がある。ガラス、樹脂、セラミック等の材料を使用する場合においては、ノズル10内に設けられる電極と電源とを電気的に接続することで、ノズル10と電極との間に電位差を付与できる。
反応槽20は、液相P2を収容する容器である。液相P2は、ノズル10に対向して配置されている。そして、液相P2の上側には液相PL、気相PGがこの順で形成されている。液相PLは、液相P2の上方で反応槽20内に収容され、気相PGは液相PLの上方で反応槽20内に収容されている。
反応生成物製造装置1においては、液相P2と液相PLが界面Bを境界面として反応槽20内で重なっている。
反応生成物製造装置1においては、液相P2と液相PLが界面Bを境界面として反応槽20内で重なっている。
ブロック25は、反応槽20内に配置されている。界面Bは、ブロック25の上面25c及び傾斜面25dの形状に沿って形成されている。反応槽20の底部の液相P2に第2の溶液L2が供給されていることから、ブロック25の底面25a、左側面25b、上面25c、傾斜面25dに沿って液体の流れが発生する。
図6は、反応槽20の内部の拡大模式図である。図6中、距離L1は、ブロック25の上面25cの端部と最下流に位置するノズル10との間の水平方向の距離である。図6中、距離L2は、滞留場Gの水平方向の距離である。図6中、落差Hは、上面25cと滞留場Gの底面との間の距離である。
反応場Fは、第1の物質R1及び第2の物質R2が反応する液相P2内の領域である。反応場Fは、微小液滴Dが界面Bに衝突し得る液相P2内の領域であるともいえる。
滞留場Gは第1の物質R1及び第2の物質R2の反応生成物を含む液体が滞留する場であり、発生した泡Eが滞留する場でもある。滞留場Gは、第1の物質R1及び第2の物質R2が反応する反応場Fの下流側に位置する。泡Eは、例えば、第1の物質R1及び第2の物質R2との化学反応により気体がする場合、特に発生しやすい。
反応生成物製造装置1においては、反応場Fで発生する泡Eは、ブロック25の上面25cから傾斜面25dに向かって流れる。そして、泡Eは、傾斜面25dに沿って降下し、滞留場Gに集められる。滞留場Gに集められる泡Eは、新たな泡Eの発生に伴い、滞留場Gの上方に向かって蓄積される。このように、傾斜面25dは、反応場Fから泡Eを滞留場Gに搬送する機能を果たすことができる。
反応生成物製造装置1においては、距離L1、距離L2、落差H、傾斜面25dの傾斜の角度を適宜調節すること、液相P2を形成する第2の溶液L2の仕込量、液相PLの形成の有無によっても泡Eの発生、滞留及び拡散を抑制することもできる。
反応場Fは、第1の物質R1及び第2の物質R2が反応する液相P2内の領域である。反応場Fは、微小液滴Dが界面Bに衝突し得る液相P2内の領域であるともいえる。
滞留場Gは第1の物質R1及び第2の物質R2の反応生成物を含む液体が滞留する場であり、発生した泡Eが滞留する場でもある。滞留場Gは、第1の物質R1及び第2の物質R2が反応する反応場Fの下流側に位置する。泡Eは、例えば、第1の物質R1及び第2の物質R2との化学反応により気体がする場合、特に発生しやすい。
反応生成物製造装置1においては、反応場Fで発生する泡Eは、ブロック25の上面25cから傾斜面25dに向かって流れる。そして、泡Eは、傾斜面25dに沿って降下し、滞留場Gに集められる。滞留場Gに集められる泡Eは、新たな泡Eの発生に伴い、滞留場Gの上方に向かって蓄積される。このように、傾斜面25dは、反応場Fから泡Eを滞留場Gに搬送する機能を果たすことができる。
反応生成物製造装置1においては、距離L1、距離L2、落差H、傾斜面25dの傾斜の角度を適宜調節すること、液相P2を形成する第2の溶液L2の仕込量、液相PLの形成の有無によっても泡Eの発生、滞留及び拡散を抑制することもできる。
図5に示す給液管30は、第2の物質R2を含む第2の溶液L2を反応槽20内に供給する。給液管30は、第2の溶液L2の貯留槽(図示略)と接続されている。具体的には、給液管30の第1の端部が第2の溶液L2の貯留槽と接続され、給液管30の第2の端部が反応槽20と接続されている。そのため、第2の溶液L2が給液管30によって反応槽20内に供給される。
排液管40は、第1の物質R1及び第2の物質R2の反応生成物を含む液体を反応槽20内から排出する。排液管40は、反応生成物の貯留槽(図示略)と接続されている。具体的には、排液管40の第1の端部が反応槽20と接続され、排液管40の第2の端部が図示略の反応生成物の貯留槽と接続されている。そのため、反応生成物を含む液体が排液管40によって反応槽20内から排出される。
泡除去機構50は、液相P2から発生する泡Eを、第1の物質R1と第2の物質R2とが反応する反応場Fから除去する。反応生成物製造装置1においては、泡除去機構50は泡Eを押し潰すことにより反応場Fから泡Eを除去する。
通常、泡Eの膜の液体の主成分は第2の溶液L2である。そのため、泡Eの膜の表面はノズル10に付与された電位と反対の電荷を帯びている。ここで、泡Eは、第2の溶液L2が界面活性剤を含む場合、顕著に発生する傾向がある。
通常、泡Eの膜の液体の主成分は第2の溶液L2である。そのため、泡Eの膜の表面はノズル10に付与された電位と反対の電荷を帯びている。ここで、泡Eは、第2の溶液L2が界面活性剤を含む場合、顕著に発生する傾向がある。
図7は、泡除去機構50の模式図である。図7に示す押し潰し型の泡除去機構50は、泡を押し潰すことにより反応場から泡を除去する。泡除去機構50は、2つのメッシュ59,59を有する。泡除去機構50は、滞留場で蓄積した泡Eをメッシュ59によって押し潰すことで泡Eを消去し、破裂させ、又は微粒化する。これにより、泡除去機構50は、反応場から泡Eを除去できる。具体的には、例えば、2つのメッシュ59同士を摺動させる又は1つのメッシュを摺動させることで泡Eを壁に押し当てて潰す等して、泡Eを消去し、破裂させまたは微細化して泡Eを除去できる。2つのメッシュ59,59のサイズは、互いに異なっていてもよく、同一でもよい。
図5に示すノズル保護機構60は、反応槽20で発生する泡Eとノズル10との接触を防止する。反応生成物製造装置1においては、ノズル保護機構60は、泡Eの拡散を防止することによりノズル10と泡Eとの接触を防止する。
図8は、ノズル保護機構60の模式図である。ノズル保護機構60は、泡Eの拡散を防止する拡散防止板61を有する。
拡散防止板61は、滞留場Gで発生した泡Eがノズル10,10,10及びノズルヘッダ11に向かって拡散することを防止する。これにより、滞留場Gに蓄積し、嵩が増した泡Eがノズル10と接触しなくなる。このようにして、ノズル保護機構60は反応槽20で発生する泡Eとノズル10との接触を防止できる。
拡散防止板61は、界面Bに到達するまで液相PLに挿入されていることが好ましい。これにより、滞留場Gで蓄積する泡Eが反応場Fに向かって拡散することを確実に防止できる。
図8は、ノズル保護機構60の模式図である。ノズル保護機構60は、泡Eの拡散を防止する拡散防止板61を有する。
拡散防止板61は、滞留場Gで発生した泡Eがノズル10,10,10及びノズルヘッダ11に向かって拡散することを防止する。これにより、滞留場Gに蓄積し、嵩が増した泡Eがノズル10と接触しなくなる。このようにして、ノズル保護機構60は反応槽20で発生する泡Eとノズル10との接触を防止できる。
拡散防止板61は、界面Bに到達するまで液相PLに挿入されていることが好ましい。これにより、滞留場Gで蓄積する泡Eが反応場Fに向かって拡散することを確実に防止できる。
排出部70は、泡Eを反応槽20から排出する。反応生成物製造装置1においては、排出部70は、溝71と排出管72とを有する。溝71は、メッシュ59によって微粒化された泡Eを排出できるように反応槽20内に形成されている。排出管72は、溝71と接続されている。排出部70は、メッシュ59によって微粒化された泡Eのみならず、微細化されなかった泡Eも溝71、排出管72によって反応槽20から排出できる。このように排出部70においては、微細化前の比較的大きな泡Eをそのまま排出してもよい。
図示略の電極は、ノズル10の噴出口10aにおける第1の溶液L1と、液相P2の界面Bにおける第2の溶液L2との間で電場を形成するための電極である。電極は、図示略の電源の負電位側と接続され、電極は液相P2に配置される。また、液相P2は導電性の第2の溶液L2を含む。これにより、電極は液相P2の全体を負に帯電させることができる。
電極は、ノズル10の噴出口10aにおける第1の溶液L1と、液相P2の界面Bにおける第2の溶液L2との間に静電場を形成できる形態であれば特に限定されない。
電極の形状は特に限定されない。電極の形状としては、略プレート状、略リング形状、略筒形状、略メッシュ形状、略棒形状、略球形状、略半球形状等が例示される。
電極は、ノズル10の噴出口10aにおける第1の溶液L1と、液相P2の界面Bにおける第2の溶液L2との間に静電場を形成できる形態であれば特に限定されない。
電極の形状は特に限定されない。電極の形状としては、略プレート状、略リング形状、略筒形状、略メッシュ形状、略棒形状、略球形状、略半球形状等が例示される。
電極が配置される位置は、液相P2内であれば特に限定されない。電極は、液相P2内の壁面付近に配置されてもよく、反応槽20の内壁付近に配置されてもよく、ノズル10と対向するように配置されてもよい。
反応生成物製造装置1においては、電極の数は特に限定されない。電極の数は一つでもよく、ノズルの数に合わせて複数でもよい。
反応生成物製造装置1においては、電極の数は特に限定されない。電極の数は一つでもよく、ノズルの数に合わせて複数でもよい。
図示略の電源は、ノズル10の噴出口10aにおける第1の溶液L1と、液相P2の界面Bにおける第2の溶液L2との間に電位差を付与する。電源としては高電圧電源が例示される。
電源の正電位側は、例えば、ノズル10と電気的に接続される。また、電源の負電位側は、例えば、電極と電気的に接続される。そのため、液相P2の全体が電極を介して通電可能となり、負電位となる。その結果、ノズル10の噴出口10aにおける第1の溶液L1と液相P2の界面Bにおける第2の溶液L2との間に静電場が形成される。
反応生成物製造装置1においては、電極に正電位が付与され、ノズル10に負電位が付与されてもよい。
電源の正電位側は、例えば、ノズル10と電気的に接続される。また、電源の負電位側は、例えば、電極と電気的に接続される。そのため、液相P2の全体が電極を介して通電可能となり、負電位となる。その結果、ノズル10の噴出口10aにおける第1の溶液L1と液相P2の界面Bにおける第2の溶液L2との間に静電場が形成される。
反応生成物製造装置1においては、電極に正電位が付与され、ノズル10に負電位が付与されてもよい。
反応生成物製造装置1は、ノズル10と電極の間に電位差を与え第1の溶液L1を正に帯電させることで、ノズル10から第1の溶液L1を微小液滴Dとして静電噴霧させることができる。反応生成物製造装置1は、ノズル10による静電噴霧で生じる微小液滴Dを液相PLと液相P2との界面Bに到達させて、第1の物質R1と第2の物質R2とを接触混合せしめて、第1の物質R1と第2の物質R2とを反応させる。その結果、第1の物質R1と第2の物質R2との化学反応が起き、反応生成物が生成する。反応生成物は液相P2内で生成する。
このように、反応生成物製造装置1はノズル10と電極との間に電位差を与えることでノズル10から静電噴霧された第1の溶液L1を含む微小液滴Dを液相P2の界面Bに到達させて、第1の物質R1と第2の物質R2とを混合せしめて、第1の物質R1と第2の物質R2とを反応させる。一つ一つの微小液滴Dは、点とみなせるほどに非常に容量サイズが小さいため、周辺環境の影響を受け難く、かつ液滴内部の一様性が高い。そのため、界面Bに衝突した瞬間にほぼ化学反応を完結させることができる。
このように、反応生成物製造装置1はノズル10と電極との間に電位差を与えることでノズル10から静電噴霧された第1の溶液L1を含む微小液滴Dを液相P2の界面Bに到達させて、第1の物質R1と第2の物質R2とを混合せしめて、第1の物質R1と第2の物質R2とを反応させる。一つ一つの微小液滴Dは、点とみなせるほどに非常に容量サイズが小さいため、周辺環境の影響を受け難く、かつ液滴内部の一様性が高い。そのため、界面Bに衝突した瞬間にほぼ化学反応を完結させることができる。
(作用効果)
以上説明した反応生成物製造装置においては、反応場から泡が除去されること及び泡とノズルとの接触を防止することのいずれか一方又は両方を必須の要件とする。
泡除去機構により、反応場から泡が除去されることから、微小液滴の滴下部分に泡が溜まることがなく、化学反応を継続して行うときでも、微小液滴が泡に邪魔されずに界面Bに確実に到達できる。そのため、泡が発生したとしても継続して化学反応を行うことができる。
加えて、反応場から泡が除去されること及び泡とノズルとの接触を防止することのいずれか一方又は両方を必須の要件とすることから、泡とノズルとの接触が低減され、電気的な短絡が生じにくい。そのため、電気的な短絡によるノズルの損耗が低減される。
したがって、泡とノズルとの接触が低減され、電気的な短絡が生じにくくなり、電気的な短絡によるノズルの損耗が低減される。
以上説明した反応生成物製造装置においては、反応場から泡が除去されること及び泡とノズルとの接触を防止することのいずれか一方又は両方を必須の要件とする。
泡除去機構により、反応場から泡が除去されることから、微小液滴の滴下部分に泡が溜まることがなく、化学反応を継続して行うときでも、微小液滴が泡に邪魔されずに界面Bに確実に到達できる。そのため、泡が発生したとしても継続して化学反応を行うことができる。
加えて、反応場から泡が除去されること及び泡とノズルとの接触を防止することのいずれか一方又は両方を必須の要件とすることから、泡とノズルとの接触が低減され、電気的な短絡が生じにくい。そのため、電気的な短絡によるノズルの損耗が低減される。
したがって、泡とノズルとの接触が低減され、電気的な短絡が生じにくくなり、電気的な短絡によるノズルの損耗が低減される。
<反応生成物製造方法>
反応生成物製造装置1を用いる、反応生成物製造方法について説明する。
まず、ノズル10の噴出口10aにおける第1の溶液L1と、液相P2の界面Bにおける第2の溶液L2との間に図示略の電源によって電位差を付与する。そして、ノズル10から第1の物質R1を含む微小液滴Dを液相PLで静電噴霧する。これにより、微小液滴Dは、ノズル10と液相P2との間の電位差による電場勾配に沿って液相PLを通って、液相P2に向かって移動し、液相PLと液相P2との界面Bに到達させられる。液相P2には第2の溶液L2に含まれる第2の物質R2が存在する。そのため、第2の物質R2と微小液滴Dに含まれる第1の物質R1とが反応し、反応生成物が生成する。
反応生成物製造装置1を用いる、反応生成物製造方法について説明する。
まず、ノズル10の噴出口10aにおける第1の溶液L1と、液相P2の界面Bにおける第2の溶液L2との間に図示略の電源によって電位差を付与する。そして、ノズル10から第1の物質R1を含む微小液滴Dを液相PLで静電噴霧する。これにより、微小液滴Dは、ノズル10と液相P2との間の電位差による電場勾配に沿って液相PLを通って、液相P2に向かって移動し、液相PLと液相P2との界面Bに到達させられる。液相P2には第2の溶液L2に含まれる第2の物質R2が存在する。そのため、第2の物質R2と微小液滴Dに含まれる第1の物質R1とが反応し、反応生成物が生成する。
電源によって付与する電位差は、例えば、絶対値にて0.3〜30kVの範囲とすることができる。反応生成物の安定性等を考慮すると、ノズル10及び電源間の電位差の絶対値は、2.5kV以上が好ましく、さらに装置の安全性及びコストを考慮すると、10kV以下が好ましい。
ノズル10からの液滴の噴霧量は反応量に適合するように選択してもよい。例えば、反応量を100mLとする場合、第1の溶液L1の送液速度を0.001〜0.1mL/min(分)の範囲となるように噴霧量を調整してもよい。
微小液滴Dを界面Bに到達させて反応させる際には、反応槽20の容量、電位差等を考慮して、ノズル10の噴出口10aと界面Bとの間の距離を適宜調整してもよい。
ノズル10からの液滴の噴霧量は反応量に適合するように選択してもよい。例えば、反応量を100mLとする場合、第1の溶液L1の送液速度を0.001〜0.1mL/min(分)の範囲となるように噴霧量を調整してもよい。
微小液滴Dを界面Bに到達させて反応させる際には、反応槽20の容量、電位差等を考慮して、ノズル10の噴出口10aと界面Bとの間の距離を適宜調整してもよい。
<用途>
反応生成物製造装置において、反応生成物は特に限定されない。反応生成物の具体例としては、金属粒子、繊維粒子、樹脂粒子、有機結晶、半導体粒子、オリゴマー粒子、ポリマー粒子等の粒子;金属ナノ粒子、金属酸化物ナノ粒子、繊維ナノ粒子、樹脂ナノ粒子、有機ナノ結晶、半導体ナノ粒子、オリゴマーナノ粒子、ポリマーナノ粒子等のナノ粒子が例示される。
反応生成物製造装置において、反応生成物は特に限定されない。反応生成物の具体例としては、金属粒子、繊維粒子、樹脂粒子、有機結晶、半導体粒子、オリゴマー粒子、ポリマー粒子等の粒子;金属ナノ粒子、金属酸化物ナノ粒子、繊維ナノ粒子、樹脂ナノ粒子、有機ナノ結晶、半導体ナノ粒子、オリゴマーナノ粒子、ポリマーナノ粒子等のナノ粒子が例示される。
第1の溶液L1及び第2の溶液L2は、特に限定されない。第1の溶液L1及び第2の溶液L2の溶媒の具体例は、水、エタノール、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトン又はこれらの2種以上を含む混合物が例示される。第1の溶液L1及び第2の溶液L2は、水又は水と水溶性の溶媒(例えば、エタノール、DMF、アセトン等)とを含む混合溶液が好ましい。また、第1の溶液L1の溶媒と第2の溶液L2の溶媒は同種であると好ましい。
第1の溶液L1及び第2の溶液L2は、反応生成物に応じて適宜選択できる。
第1の溶液L1及び第2の溶液L2は、反応生成物に応じて適宜選択できる。
第1の物質R1及び第2の物質R2は特に限定されない。第1の物質R1及び第2の物質R2の具体例としては、セルロース、グアーガム、カラギーナン、アラビアガム、キサンタンガム、キトサン等の天然多糖類もしくはその誘導体(アセチルセルロース等);ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール、ポリアクリルニトリル、ポリアクリル酸、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレンオキシド、ポリエステル;金属塩等:これらの2種類以上を含む混合物が例示される。
第1の物質R1及び第2の物質R2は、反応生成物に応じて適宜選択できる。
第1の物質R1及び第2の物質R2は、反応生成物に応じて適宜選択できる。
低誘電率液体LLは、第1の溶液L1及び第2の溶液L2と相溶しない有機溶剤系を構成できる液体の有機化合物が好ましく、非水溶性の有機溶媒がより好ましい。
そして、低誘電率液体LLの比誘電率は、第1の溶液L1及び第2の溶液L2の比誘電率より低いことが好ましい。低誘電率液体LLの比誘電率は、25以下が好ましく、20以下がより好ましく、15以下がさらに好ましく、10以下が特に好ましく、5以下が最も好ましい。
そして、低誘電率液体LLの比誘電率は、第1の溶液L1及び第2の溶液L2の比誘電率より低いことが好ましい。低誘電率液体LLの比誘電率は、25以下が好ましく、20以下がより好ましく、15以下がさらに好ましく、10以下が特に好ましく、5以下が最も好ましい。
低誘電率液体LLの具体例としては、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ドデカン等のノルマルパラフィン系炭化水素;イソオクタン、イソデカン、イソドデカン等のイソパラフィン系炭化水素;シクロヘキサン、シクロオクタン、シクロデカン、デカリン等のシクロパラフィン系炭化水素、流動パラフィン、ケロシン等の炭化水素系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒;クロロホルム、四塩化炭素等の塩素系溶媒;パーフルオロカーボン、パーフルオロポリエーテル、ハイドロフルオロエーテル等のフッ素系溶媒;1−ブタノール、1−ペンタノール、1−オクタノール等のアルコール系溶媒;並びにこれらの2種以上を含む混合物が例示される。
市販のイソパラフィン系炭化水素の具体例としては、出光興産株式会社製のIPソルベント1016、IPクリーンLX(登録商標)、丸善石油化学株式会社製のマルカゾールR、エクソンモービル社製のアイソパーH(登録商標)、アイソパーE(登録商標)、アイソパーL(登録商標)等が例示される。
市販のイソパラフィン系炭化水素の具体例としては、出光興産株式会社製のIPソルベント1016、IPクリーンLX(登録商標)、丸善石油化学株式会社製のマルカゾールR、エクソンモービル社製のアイソパーH(登録商標)、アイソパーE(登録商標)、アイソパーL(登録商標)等が例示される。
(金属ナノ粒子の分散体の製造)
反応生成物が金属ナノ粒子の分散体である場合について説明する。
反応生成物が金属ナノ粒子である場合、第1の物質R1及び第2の物質R2として金属塩を選択する。金属塩の具体例としては、白金、金、銀、銅、錫、ニッケル、鉄、パラジウム、亜鉛、鉄、コバルト、タングステン、ルテニウム、インジウム、モリブテン等の一種もしくは複合系の塩;錯体化合物等;これらの2種以上を含む混合物が例示される。金属塩としては、硝酸塩、硫酸塩、塩化物等が例示される。
反応生成物が金属ナノ粒子の分散体である場合について説明する。
反応生成物が金属ナノ粒子である場合、第1の物質R1及び第2の物質R2として金属塩を選択する。金属塩の具体例としては、白金、金、銀、銅、錫、ニッケル、鉄、パラジウム、亜鉛、鉄、コバルト、タングステン、ルテニウム、インジウム、モリブテン等の一種もしくは複合系の塩;錯体化合物等;これらの2種以上を含む混合物が例示される。金属塩としては、硝酸塩、硫酸塩、塩化物等が例示される。
第1の物質R1が金属塩である場合、ノズル10から噴霧される液滴の表面張力を相対的に低くするために、第1の溶液L1がメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等の炭素数1〜3の低級アルコール;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;又はこれらの2種以上を含む混合物を含有していてもよい。また、第1の溶液L1中又は第2の溶液L2中における金属塩の含有量は、金属塩の溶解度、金属ナノ粒子の分散体の使用目的等に対応して適宜調整可能である。例えば、この金属塩の含有量は、0.01〜5mol/Lの範囲でもよい。
反応生成物が金属ナノ粒子である場合、第1の物質R1及び第2の物質R2のうちいずれか一方が還元剤であることが好ましい。還元剤は、特に限定されず、金属イオンに合わせて適宜選択可能である。還元剤の具体例としては、ヒドロキシメタンスルフィン酸、チオグリコール酸、亜硫酸;もしくはこれらのナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等の塩;アスコルビン酸、クエン酸、ハイドロサルファイトナトリウム、チオ尿素、ジチオスレイトール、ヒドラジン類、ホルムアルデヒド類、ホウ素ハイドライド;又はこれらの2種以上を含む混合物が例示される。
金属ナノ粒子の分散体を製造する際、目的に応じて、添加剤を使用してもよい。添加剤としては、界面活性剤、高分子樹脂分散剤、顔料、可塑剤、安定剤、酸化防止剤等、これらの2種以上を含む混合物等が例示される。
金属ナノ粒子の分散体の製造において、必要に応じて、各種分離手法によって、添加剤等の任意成分を低減させることができ、金属ナノ粒子の濃縮操作を実行してもよい。添加剤の低減及び副生成物の塩類の除去のための方法としては、遠心分離、限外ろ過、イオン交換樹脂、膜等を用いる方法が例示される。金属ナノ粒子の分散体は、所定の濃度に希釈又は濃縮可能であり、使用用途に応じて濃度を調整してもよい。
金属ナノ粒子の分散体の製造において、必要に応じて、各種分離手法によって、添加剤等の任意成分を低減させることができ、金属ナノ粒子の濃縮操作を実行してもよい。添加剤の低減及び副生成物の塩類の除去のための方法としては、遠心分離、限外ろ過、イオン交換樹脂、膜等を用いる方法が例示される。金属ナノ粒子の分散体は、所定の濃度に希釈又は濃縮可能であり、使用用途に応じて濃度を調整してもよい。
界面活性剤は、ノニオン界面活性剤でもよく、アニオン界面活性剤でもよく、カチオン界面活性剤でもよく、両性界面活性剤でもよい。
アニオン界面活性剤としては、例えば、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、パラフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸塩、α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩等のスルホン基を有するアニオン界面活性剤;高級アルコール硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキル(又はアルケニル)エーテル硫酸エステル塩等の硫酸エステル基を有するアニオン界面活性剤が例示される。
これらのアニオン界面活性剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
カチオン界面活性剤としては、例えば、モノアルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、モノアルキルアミン酢酸塩、ジアルキルアミン酢酸塩、アルキルイミダゾリン四級塩等が例示される。アルキル基の炭素数はいずれも8〜24が好ましい。
これらのカチオン界面活性剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
両性界面活性剤としては、例えば、アルキルベタイン、脂肪酸アミドプロピルベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、アルキルジエチレントリアミノ酢酸、ジアルキルジエチレントリアミノ酢酸、アルキルアミンオキサイド等が例示される。
これらの両性界面活性剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
アニオン界面活性剤としては、例えば、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、パラフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸塩、α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩等のスルホン基を有するアニオン界面活性剤;高級アルコール硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキル(又はアルケニル)エーテル硫酸エステル塩等の硫酸エステル基を有するアニオン界面活性剤が例示される。
これらのアニオン界面活性剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
カチオン界面活性剤としては、例えば、モノアルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、モノアルキルアミン酢酸塩、ジアルキルアミン酢酸塩、アルキルイミダゾリン四級塩等が例示される。アルキル基の炭素数はいずれも8〜24が好ましい。
これらのカチオン界面活性剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
両性界面活性剤としては、例えば、アルキルベタイン、脂肪酸アミドプロピルベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、アルキルジエチレントリアミノ酢酸、ジアルキルジエチレントリアミノ酢酸、アルキルアミンオキサイド等が例示される。
これらの両性界面活性剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤としては、金属ナノ粒子の分散液を安定化できることから、ノニオン界面活性剤が好ましい。
ノニオン界面活性剤としては、例えば、アルコール又はアルコールのアルキレンオキサイド付加物の脂肪酸エステル、フェノール類又はフェノール類のアルキレンオキサイド付加物の脂肪酸エステル、フェノール類又は炭素数を8〜24とするアルコールのアルキレンオキサイド付加物、エチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドの重合物(プルロニック型ノニオン界面活性剤)、アルキルアミンのアルキレンオキサイド付加物、脂肪酸アミドのアルキレンオキサイド付加物、アルカノールアミン類の脂肪酸アミド等が例示される。
これらのノニオン界面活性剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。ただし、金属ナノ粒子分散液をより安定化できることから、ノニオン界面活性剤は2種以上を併用することが好ましい。
ノニオン界面活性剤としては、例えば、アルコール又はアルコールのアルキレンオキサイド付加物の脂肪酸エステル、フェノール類又はフェノール類のアルキレンオキサイド付加物の脂肪酸エステル、フェノール類又は炭素数を8〜24とするアルコールのアルキレンオキサイド付加物、エチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドの重合物(プルロニック型ノニオン界面活性剤)、アルキルアミンのアルキレンオキサイド付加物、脂肪酸アミドのアルキレンオキサイド付加物、アルカノールアミン類の脂肪酸アミド等が例示される。
これらのノニオン界面活性剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。ただし、金属ナノ粒子分散液をより安定化できることから、ノニオン界面活性剤は2種以上を併用することが好ましい。
金属ナノ粒子分散液をさらに安定化できることから、ノニオン界面活性剤としては、アルコール又はアルコールのアルキレンオキサイド付加物の脂肪酸エステル、フェノール類又はフェノール類のアルキレンオキサイド付加物の脂肪酸エステル、フェノール類又は炭素数を8〜24とするアルコールのアルキレンオキサイド付加物が好ましく、アルコール又はアルコールのアルキレンオキサイド付加物の脂肪酸エステル、フェノール類又はフェノール類のアルキレンオキサイド付加物の脂肪酸エステルからなるノニオン界面活性剤、がより好ましく、アルコール又はアルコールのアルキレンオキサイド付加物の脂肪酸エステルがさらに好ましい。
フェノール類としては、例えば、フェノール、モノ、ジ又はトリスチレン化フェノール、アルキルフェノール、モノ、ジ又はトリスチレン化アルキルフェノール等が例示される。アルキル基の炭素数を1〜12とし、芳香族環への結合数を1個〜3個とすることができる。
アルキレンオキサイドとしては、炭素数が2〜3であるアルキレンオキサイドが例示される。金属ナノ粒子分散液をより安定化できることから、アルキレンオキサイドは、エチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドであると好ましい。
アルコール又はアルコールのアルキレンオキサイド付加物の脂肪酸エステルにおけるアルコールは、炭素数が1〜24であり、かつ、価数が1価〜6価であるアルコールでもよい。金属ナノ粒子分散液をより安定化できるということから、これらのアルコールは、炭素数が3〜12であり、かつ価数が2価〜6価であるアルコールが好ましい。さらに、これらのアルコールの炭素数は3〜6がより好ましい。
アルコールとしては、例えば、ソルビタン、糖アルコール、糖等が例示される。このうち糖アルコールとしては、グリセリン、エリスリトール、トレイトール、アラビトール、キシリトール、ペンタエリトリトール、リビトール、イジトール、ズルシトール、ソルビトール、マンニトール等が例示される。
糖としては、グルコース、エリトロース、アラビノース、マンノース、ガラクトース、フルクトース等の単糖類、ショ糖、トレハロース等の二糖類等が例示される。金属ナノ粒子分散液をより安定化できるということから、アルコールは、ソルビタン、グリセリン、ペンタエリトリトール、ソルビトール、ショ糖が好ましく、ソルビタン、グリセリン、ソルビトールがより好ましい。
脂肪酸としては、例えば、炭素数が8〜22の脂肪酸が例示される。金属ナノ粒子分散液をより安定化できることから、脂肪酸は、炭素数が12〜18である脂肪酸が好ましい。脂肪酸の好適な具体例としては、ドデカン酸、テトラデカン酸、ペンタデカン酸、ヘキサデカン酸、ヘキサデセン酸、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸、オクタデセン酸、オクタデカジエン酸、オクタデカントリエン酸等が例示される。金属ナノ粒子分散液をより安定化できることから、アルキレンオキサイドの平均付加モル数は、エチレンオキサイドにおいて5モル〜100モルが好ましく、プロピレンオキサイドにおいて0モル〜10モルが好ましい。
アルコール又はアルコールのアルキレンオキサイド付加物の脂肪酸エステルは、天然物由来の油脂、その硬化油若しくは半硬化油、又はこれらのアルキレンオキサイド付加物でもよい。油脂の具体例としては、ひまし油、落花生油、オリーブ油、ナタネ油、やし油、パーム油、パーム核油、牛脂、羊脂等が例示される。特に、金属ナノ粒子分散液をより安定化できることから、油脂がひまし油であると好ましい。
フェノール類としては、例えば、フェノール、モノ、ジ又はトリスチレン化フェノール、アルキルフェノール、モノ、ジ又はトリスチレン化アルキルフェノール等が例示される。アルキル基の炭素数を1〜12とし、芳香族環への結合数を1個〜3個とすることができる。
アルキレンオキサイドとしては、炭素数が2〜3であるアルキレンオキサイドが例示される。金属ナノ粒子分散液をより安定化できることから、アルキレンオキサイドは、エチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドであると好ましい。
アルコール又はアルコールのアルキレンオキサイド付加物の脂肪酸エステルにおけるアルコールは、炭素数が1〜24であり、かつ、価数が1価〜6価であるアルコールでもよい。金属ナノ粒子分散液をより安定化できるということから、これらのアルコールは、炭素数が3〜12であり、かつ価数が2価〜6価であるアルコールが好ましい。さらに、これらのアルコールの炭素数は3〜6がより好ましい。
アルコールとしては、例えば、ソルビタン、糖アルコール、糖等が例示される。このうち糖アルコールとしては、グリセリン、エリスリトール、トレイトール、アラビトール、キシリトール、ペンタエリトリトール、リビトール、イジトール、ズルシトール、ソルビトール、マンニトール等が例示される。
糖としては、グルコース、エリトロース、アラビノース、マンノース、ガラクトース、フルクトース等の単糖類、ショ糖、トレハロース等の二糖類等が例示される。金属ナノ粒子分散液をより安定化できるということから、アルコールは、ソルビタン、グリセリン、ペンタエリトリトール、ソルビトール、ショ糖が好ましく、ソルビタン、グリセリン、ソルビトールがより好ましい。
脂肪酸としては、例えば、炭素数が8〜22の脂肪酸が例示される。金属ナノ粒子分散液をより安定化できることから、脂肪酸は、炭素数が12〜18である脂肪酸が好ましい。脂肪酸の好適な具体例としては、ドデカン酸、テトラデカン酸、ペンタデカン酸、ヘキサデカン酸、ヘキサデセン酸、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸、オクタデセン酸、オクタデカジエン酸、オクタデカントリエン酸等が例示される。金属ナノ粒子分散液をより安定化できることから、アルキレンオキサイドの平均付加モル数は、エチレンオキサイドにおいて5モル〜100モルが好ましく、プロピレンオキサイドにおいて0モル〜10モルが好ましい。
アルコール又はアルコールのアルキレンオキサイド付加物の脂肪酸エステルは、天然物由来の油脂、その硬化油若しくは半硬化油、又はこれらのアルキレンオキサイド付加物でもよい。油脂の具体例としては、ひまし油、落花生油、オリーブ油、ナタネ油、やし油、パーム油、パーム核油、牛脂、羊脂等が例示される。特に、金属ナノ粒子分散液をより安定化できることから、油脂がひまし油であると好ましい。
金属ナノ粒子分散液をより安定化できることから、フェノール類のアルキレンオキサイド付加物におけるフェノール類は、トリスチレン化フェノールが好ましい。
金属ナノ粒子分散液をより安定化できることから、アルキレンオキサイドの平均付加モル数は、エチレンオキサイドにおいて5モル〜40モルが好ましく、プロピレンオキサイドにおいて0モル〜10モルが好ましい。
金属ナノ粒子分散液をより安定化できることから、アルキレンオキサイド付加物におけるアルコールの炭素数は12〜22が好ましい。
金属ナノ粒子分散液をより安定化できることから、アルキレンオキサイドの付加モル数は、エチレンオキサイドにおいて1モル〜30モルが好ましく、プロピレンオキサイドにおいて0モル〜5モルが好ましい。
2種以上のノニオン界面活性剤を併用する場合、ノニオン界面活性剤の組み合わせは、アルコール又はアルコールのアルキレンオキサイド付加物の脂肪酸エステルと、フェノール類又は炭素数を8〜24とするアルコールのアルキレンオキサイド付加物とを含むと好ましい。
金属ナノ粒子分散液をより安定化できることから、アルキレンオキサイドの平均付加モル数は、エチレンオキサイドにおいて5モル〜40モルが好ましく、プロピレンオキサイドにおいて0モル〜10モルが好ましい。
金属ナノ粒子分散液をより安定化できることから、アルキレンオキサイド付加物におけるアルコールの炭素数は12〜22が好ましい。
金属ナノ粒子分散液をより安定化できることから、アルキレンオキサイドの付加モル数は、エチレンオキサイドにおいて1モル〜30モルが好ましく、プロピレンオキサイドにおいて0モル〜5モルが好ましい。
2種以上のノニオン界面活性剤を併用する場合、ノニオン界面活性剤の組み合わせは、アルコール又はアルコールのアルキレンオキサイド付加物の脂肪酸エステルと、フェノール類又は炭素数を8〜24とするアルコールのアルキレンオキサイド付加物とを含むと好ましい。
例えば、金ナノ粒子を製造する際、第1の溶液L1、第2の溶液L2、低誘電率液体LLの組み合わせとしては下記の組み合わせC1〜C4が好ましい。下記の組み合わせC1〜C4を従来の反応生成物製造装置に適用すると、液相P2で泡Eが非常に発生しやすいことから、継続して化学反応を行うことが困難であるという問題があった。これに対して、反応生成物製造装置1においては、下記の組み合わせC1〜C4を適用した場合であっても、継続して化学反応を行うことができ、電気的な短絡によるノズルの損耗が低減されるという本発明の効果が顕著に得られる。特に組み合わせC2〜C4による化学反応においては、窒素ガスの発生による泡が生じやすい。本発明の反応生成物製造装置1によれば、組み合わせC2〜C4を適用した場合であっても、継続して化学反応を行うことができ、電気的な短絡によるノズルの損耗が低減される点でさらに顕著な効果が奏される。
(組み合わせC1)
・第1の溶液L1:第1の物質R1としてテトラクロロ金(III)酸四水和物を含み、溶媒としてエタノールを含む液体。
・第2の溶液L2:第2の物質R2としてアスコルビン酸(還元剤)を含み、分散剤としてPOE(ポリオキシエチレン)及びソルビタンモノオレイン酸エステルを含み、溶媒として水を含む液体。
・低誘電率液体LL:ヘキサン。
・第1の溶液L1:第1の物質R1としてテトラクロロ金(III)酸四水和物を含み、溶媒としてエタノールを含む液体。
・第2の溶液L2:第2の物質R2としてアスコルビン酸(還元剤)を含み、分散剤としてPOE(ポリオキシエチレン)及びソルビタンモノオレイン酸エステルを含み、溶媒として水を含む液体。
・低誘電率液体LL:ヘキサン。
組み合わせC1を反応生成物製造装置1に適用すると、反応生成物として金ナノ粒子が得られる。
組み合わせC1において、第1の物質R1の濃度は、0.01〜5mol/Lが好ましい。
組み合わせC1において、第2の物質R2の濃度は、第1の物質R1に対する化学当量の1〜5倍が好ましい。例えば、第2の物質R2の濃度は0.015〜37.5mol/でもよい。第2の物質R2の濃度が化学当量の1倍未満であると、金属イオンへの還元反応が十分に進まないおそれがある。第2の物質R2の濃度が化学当量の5倍を超えても差し支えはないが、コストが高くなる。
組み合わせC1において、分散剤の濃度は、0.1〜10質量%が好ましく、0.1〜5質量%がより好ましい。
組み合わせC1において、第1の物質R1の濃度は、0.01〜5mol/Lが好ましい。
組み合わせC1において、第2の物質R2の濃度は、第1の物質R1に対する化学当量の1〜5倍が好ましい。例えば、第2の物質R2の濃度は0.015〜37.5mol/でもよい。第2の物質R2の濃度が化学当量の1倍未満であると、金属イオンへの還元反応が十分に進まないおそれがある。第2の物質R2の濃度が化学当量の5倍を超えても差し支えはないが、コストが高くなる。
組み合わせC1において、分散剤の濃度は、0.1〜10質量%が好ましく、0.1〜5質量%がより好ましい。
(組み合わせC2)
・第1の溶液L1:第1の物質R1として硝酸銀(I)を含み、溶媒として水を含む液体。
・第2の溶液L2:第2の物質R2としてヒドラジン(還元剤)を含み、分散剤としてPOE(ポリオキシエチレン)及び硬化ひまし油を含み、溶媒として水を含む液体。
・低誘電率液体LL:トルエン。
・第1の溶液L1:第1の物質R1として硝酸銀(I)を含み、溶媒として水を含む液体。
・第2の溶液L2:第2の物質R2としてヒドラジン(還元剤)を含み、分散剤としてPOE(ポリオキシエチレン)及び硬化ひまし油を含み、溶媒として水を含む液体。
・低誘電率液体LL:トルエン。
組み合わせC2を反応生成物製造装置1に適用すると、反応生成物として銀ナノ粒子が得られる。
組み合わせC2において、第1の物質R1の濃度は、0.01〜5mol/Lが好ましい。
組み合わせC2において、第2の物質R2の濃度は、第1の物質R1に対する化学当量の1〜5倍が好ましい。第2の物質R2の濃度が化学当量の1倍未満であると、金属イオンへの還元反応が十分に進まないおそれがある。第2の物質R2の濃度が化学当量の5倍を超えても差し支えはないが、コストが高くなる。例えば、第2の物質R2の濃度は0.0025〜6.25mol/Lでもよい。
組み合わせC2において、分散剤の濃度は、0.1〜10質量%が好ましく、0.1〜5質量%がより好ましい。
組み合わせC2において、第1の物質R1の濃度は、0.01〜5mol/Lが好ましい。
組み合わせC2において、第2の物質R2の濃度は、第1の物質R1に対する化学当量の1〜5倍が好ましい。第2の物質R2の濃度が化学当量の1倍未満であると、金属イオンへの還元反応が十分に進まないおそれがある。第2の物質R2の濃度が化学当量の5倍を超えても差し支えはないが、コストが高くなる。例えば、第2の物質R2の濃度は0.0025〜6.25mol/Lでもよい。
組み合わせC2において、分散剤の濃度は、0.1〜10質量%が好ましく、0.1〜5質量%がより好ましい。
(組み合わせC3)
・第1の溶液L1:第1の物質R1として硝酸銀(I)を含み、溶媒としてエタノールを含む液体。
・第2の溶液L2:第2の物質R2としてヒドラジン(還元剤)を含み、分散剤としてPOE(ポリオキシエチレン)及びソルビトールテトラオレイン酸エステルを含み、溶媒として水を含む液体。
・低誘電率液体LL:イソパラフィン。
・第1の溶液L1:第1の物質R1として硝酸銀(I)を含み、溶媒としてエタノールを含む液体。
・第2の溶液L2:第2の物質R2としてヒドラジン(還元剤)を含み、分散剤としてPOE(ポリオキシエチレン)及びソルビトールテトラオレイン酸エステルを含み、溶媒として水を含む液体。
・低誘電率液体LL:イソパラフィン。
組み合わせC3を反応生成物製造装置1に適用すると、反応生成物として銀ナノ粒子が得られる。
組み合わせC3において、第1の物質R1の濃度は、0.01〜5mol/Lが好ましい。
組み合わせC3において、第2の物質R2の濃度は、第1の物質R1に対する化学当量の1〜5倍が好ましい。第2の物質R2の濃度が化学当量の1倍未満であると、金属イオンへの還元反応が十分に進まないおそれがある。第2の物質R2の濃度が化学当量の5倍を超えても差し支えはないが、コストが高くなる。例えば、第2の物質R2の濃度は0.0025〜6.25mol/Lでもよい。
組み合わせC3において、分散剤の濃度は、0.1〜10質量%が好ましく、0.1〜5質量%がより好ましい。
組み合わせC3において、第1の物質R1の濃度は、0.01〜5mol/Lが好ましい。
組み合わせC3において、第2の物質R2の濃度は、第1の物質R1に対する化学当量の1〜5倍が好ましい。第2の物質R2の濃度が化学当量の1倍未満であると、金属イオンへの還元反応が十分に進まないおそれがある。第2の物質R2の濃度が化学当量の5倍を超えても差し支えはないが、コストが高くなる。例えば、第2の物質R2の濃度は0.0025〜6.25mol/Lでもよい。
組み合わせC3において、分散剤の濃度は、0.1〜10質量%が好ましく、0.1〜5質量%がより好ましい。
(組み合わせC4)
・第1の溶液L1:第1の物質R1として硝酸銀(I)及び硝酸銅(II)三水和物を含み、溶媒として水を含む液体。
・第2の溶液L2:第2の物質R2としてヒドラジン(還元剤)を含み、分散剤としてPOE(ポリオキシエチレン)及びソルビトールテトラオレイン酸エステルを含み、溶媒として水を含む液体。
・低誘電率液体LL:ヘキサン。
・第1の溶液L1:第1の物質R1として硝酸銀(I)及び硝酸銅(II)三水和物を含み、溶媒として水を含む液体。
・第2の溶液L2:第2の物質R2としてヒドラジン(還元剤)を含み、分散剤としてPOE(ポリオキシエチレン)及びソルビトールテトラオレイン酸エステルを含み、溶媒として水を含む液体。
・低誘電率液体LL:ヘキサン。
組み合わせC4を反応生成物製造装置1に適用すると、反応生成物として銀ナノ粒子及び銅ナノ粒子が得られる。
組み合わせC4において、第1の物質R1の濃度は、0.01〜5mol/Lが好ましい。
組み合わせC4において、第2の物質R2の濃度は、第1の物質R1に対する化学当量の1〜5倍が好ましい。第2の物質R2の濃度が化学当量の1倍未満であると、金属イオンへの還元反応が十分に進まないおそれがある。第2の物質R2の濃度が化学当量の5倍を超えても差し支えはないが、コストが高くなる。
組み合わせC4において、分散剤の濃度は、0.1〜10質量%が好ましく、0.1〜5質量%がより好ましい。
組み合わせC4において、第1の物質R1の濃度は、0.01〜5mol/Lが好ましい。
組み合わせC4において、第2の物質R2の濃度は、第1の物質R1に対する化学当量の1〜5倍が好ましい。第2の物質R2の濃度が化学当量の1倍未満であると、金属イオンへの還元反応が十分に進まないおそれがある。第2の物質R2の濃度が化学当量の5倍を超えても差し支えはないが、コストが高くなる。
組み合わせC4において、分散剤の濃度は、0.1〜10質量%が好ましく、0.1〜5質量%がより好ましい。
(その他の粒子の分散体の製造)
反応生成物が金属酸化物ナノ粒子、繊維粒子、樹脂粒子、有機結晶、半導体粒子、オリゴマー粒子、ポリマー粒子、繊維ナノ粒子、樹脂ナノ粒子、有機ナノ結晶、半導体ナノ粒子、オリゴマーナノ粒子、ポリマーナノ粒子等のその他の粒子の分散体である場合について説明する。
反応生成物が金属酸化物ナノ粒子、繊維粒子、樹脂粒子、有機結晶、半導体粒子、オリゴマー粒子、ポリマー粒子、繊維ナノ粒子、樹脂ナノ粒子、有機ナノ結晶、半導体ナノ粒子、オリゴマーナノ粒子、ポリマーナノ粒子等のその他の粒子の分散体である場合について説明する。
ラジカル重合にて得られる重合体の分散体を製造する場合、第1の物質R1及び第2の物質R2のうち一方をモノマーとし、第1の物質R1及び第2の物質R2のうち他方を重合開始剤としてもよい。すなわち、第1の物質R1及び第2の物質R2のうち一方を重合体の原料とする。ここで、第2の物質R2は、モノマーでも重合開始剤でもよいが、低誘電率液体LLに溶解可能なものを選択する。
モノマーの具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸及びそのエステル類、スチレン類等が例示される。そして、重合開始剤は、2,2’‐アゾビスイソブチロニトリル、1,1’‐アゾビス(シクロヘキサン‐1‐カルボニトリル)等のアゾ系開始剤、ジメチル‐2,2’‐アゾビスイソブチレート等のノンシアン系開始剤等が例示される。
酸化重合にて得られる重合体の分散体を製造する場合、第1の物質R1及び第2の物質R2のうち一方をモノマーとし、第1の物質R1及び第2の物質R2のうち他方を酸化剤とする。この場合、モノマーの具体例としては、ピロール類、チオフェン類等が例示される。そして、酸化剤の具体例としては、過酸化水素、過硫酸等が例示される。
モノマーの具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸及びそのエステル類、スチレン類等が例示される。そして、重合開始剤は、2,2’‐アゾビスイソブチロニトリル、1,1’‐アゾビス(シクロヘキサン‐1‐カルボニトリル)等のアゾ系開始剤、ジメチル‐2,2’‐アゾビスイソブチレート等のノンシアン系開始剤等が例示される。
酸化重合にて得られる重合体の分散体を製造する場合、第1の物質R1及び第2の物質R2のうち一方をモノマーとし、第1の物質R1及び第2の物質R2のうち他方を酸化剤とする。この場合、モノマーの具体例としては、ピロール類、チオフェン類等が例示される。そして、酸化剤の具体例としては、過酸化水素、過硫酸等が例示される。
その他の粒子の分散体を製造する場合、第1の物質R1及び第2の物質R2の含有量は、2〜30質量%以下の範囲とするとよい。さらに、かかる含有量は、5〜20質量%以下の範囲とすると好ましい。
(中和反応又はイオン交換反応を利用する析出物の分散体の製造)
第1の物質R1と第2の物質R2とを中和反応又はイオン交換反応させる場合、反応生成物を析出させて、析出物の分散体を製造できる。この場合、第2の物質R2は、第2の溶液L2に含まれても、低誘電率液体LLに含まれてもよい。ただし、第2の物質R2は第2の溶液L2に含まれていることが好ましい。
第1の物質R1と第2の物質R2とを中和反応又はイオン交換反応させる場合、反応生成物を析出させて、析出物の分散体を製造できる。この場合、第2の物質R2は、第2の溶液L2に含まれても、低誘電率液体LLに含まれてもよい。ただし、第2の物質R2は第2の溶液L2に含まれていることが好ましい。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明はかかる特定の実施の形態に限定されない。また、本発明は特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が加えられてよい。
例えば、反応生成物製造装置1においては、泡除去機構50の代わりに、図9に示す掻き出し型の泡除去機構54を備えてもよく、図10に示す吸引型の泡除去機構55を備えてもよく、図11に示す掬い取り型の泡除去機構56を備えてもよい。泡除去機構50の代わりに、図9〜11に示す泡除去機構を備える反応生成物製造装置によっても、本発明の目的を達成できる。
図9に示す掻き出し型の泡除去機構54は、泡をかき出すことにより反応場から泡を除去する。泡除去機構54は、回転体57を有する。泡除去機構54においては、回転体57が回転することで泡が搬送されて移動する。滞留場で蓄積した泡Eは、回転体57によって掻き出されることで、反応槽の外部に排出される。
図10に示す吸引型の泡除去機構55は、泡を吸引することにより反応場から泡を除去する。泡除去機構55は、吸引ノズル55であるともいえる。吸引ノズル55には、泡Eの吸引口58aと排出口58bとが形成されている。吸引ノズル55は、滞留場で蓄積した泡Eを吸引口58aで吸引し、図中に示す矢印の方向に排出口58bから泡Eを排出する。
図11に示す掬い取り型の泡除去機構56は、泡を掬い取ることにより反応場から泡を除去する。泡除去機構56は、ベルト51とベルト固定具52a,52b,52cとスクレーパ53を有する。ベルト51は、3つのベルト固定具52a,52b,52cによって3点を固定され、直角三角形状の泡Eの搬送路を形成している。
ベルト51は泡Eを搬送する。まず、滞留場Gに泡Eが蓄積すると、蓄積した泡のかたまりの上部にある泡Eが、固定具52a及び固定具52bの間のベルト51の表面に付着し、ベルト51上で搬送される。
スクレーパ53は、ベルト51の表面に付着した泡をベルト51から分離してベルト51から除去する。スクレーパ53の先端は、固定具52b及び固定具52cの間のベルト51と接するように配置されている。これにより、スクレーパ53の先端によって、ベルト51に付着した泡Eがベルト51の表面から分離される。
図9に示す掻き出し型の泡除去機構54は、泡をかき出すことにより反応場から泡を除去する。泡除去機構54は、回転体57を有する。泡除去機構54においては、回転体57が回転することで泡が搬送されて移動する。滞留場で蓄積した泡Eは、回転体57によって掻き出されることで、反応槽の外部に排出される。
図10に示す吸引型の泡除去機構55は、泡を吸引することにより反応場から泡を除去する。泡除去機構55は、吸引ノズル55であるともいえる。吸引ノズル55には、泡Eの吸引口58aと排出口58bとが形成されている。吸引ノズル55は、滞留場で蓄積した泡Eを吸引口58aで吸引し、図中に示す矢印の方向に排出口58bから泡Eを排出する。
図11に示す掬い取り型の泡除去機構56は、泡を掬い取ることにより反応場から泡を除去する。泡除去機構56は、ベルト51とベルト固定具52a,52b,52cとスクレーパ53を有する。ベルト51は、3つのベルト固定具52a,52b,52cによって3点を固定され、直角三角形状の泡Eの搬送路を形成している。
ベルト51は泡Eを搬送する。まず、滞留場Gに泡Eが蓄積すると、蓄積した泡のかたまりの上部にある泡Eが、固定具52a及び固定具52bの間のベルト51の表面に付着し、ベルト51上で搬送される。
スクレーパ53は、ベルト51の表面に付着した泡をベルト51から分離してベルト51から除去する。スクレーパ53の先端は、固定具52b及び固定具52cの間のベルト51と接するように配置されている。これにより、スクレーパ53の先端によって、ベルト51に付着した泡Eがベルト51の表面から分離される。
ここで、ベルト51によって形成される搬送路の形状は、特に限定されない。図12〜15に示すように、鈍角三角形状の搬送路を有する泡除去機構82(図12)、二等辺三角形状の搬送路を有する泡除去機構83(図13)、正三角形状の搬送路を有する泡除去機構84(図14)等の任意の三角形状の搬送路;四角形状の搬送路を有する泡除去機構85(図15)のような任意の多角形状の搬送路でもよい。掬い取り型の泡除去機構としては、回転部が2か所のコンベアベルト状の搬送路を有する泡除去機構86(図16)でもよい。
10 ノズル
20 反応槽
30 給液管
40 排液管
50 泡除去機構
60 ノズル保護機構
70 排出部
B 界面
D 微小液滴
E 泡
F 反応場
G 滞留場
LL 低誘電率液体
L1 第1の溶液
L2 第2の溶液
P2 第2の溶液からなる液相
PL 低誘電率液体からなる液相
R1 第1の物質
R2 第2の物質
20 反応槽
30 給液管
40 排液管
50 泡除去機構
60 ノズル保護機構
70 排出部
B 界面
D 微小液滴
E 泡
F 反応場
G 滞留場
LL 低誘電率液体
L1 第1の溶液
L2 第2の溶液
P2 第2の溶液からなる液相
PL 低誘電率液体からなる液相
R1 第1の物質
R2 第2の物質
Claims (9)
- 第1の物質を含む第1の溶液を噴出させるノズルと、
前記ノズルに対向して配置され、第2の物質を含む第2の溶液からなる液相P2と、
前記液相P2を収容する反応槽と、
前記液相P2の界面と、前記ノズルとの間で電場を形成するための電極とを備え、
前記ノズルと前記電極の間に電位差を与えることで前記ノズルから静電噴霧された前記第1の溶液を含む微小液滴を、前記液相P2の界面に到達させて、前記第1の物質と前記第2の物質とを混合せしめて、前記第1の物質と前記第2の物質とを反応させる反応生成物製造装置において、
下記の泡除去機構及び下記のノズル保護機構のいずれ一方又は両方をさらに備える、反応生成物製造装置。
泡除去機構:前記液相P2から発生する泡を、前記第1の物質と前記第2の物質とが反応する反応場から除去する泡除去機構。
ノズル保護機構:前記反応槽で発生する泡と前記ノズルとの接触を防止するノズル保護機構。 - 前記泡除去機構が、前記泡をかき出すことにより前記反応場から前記泡を除去する、請求項1に記載の反応生成物製造装置。
- 前記泡除去機構が、前記泡を吸引することにより前記反応場から前記泡を除去する、請求項1又は2に記載の反応生成物製造装置。
- 前記泡除去機構が、前記泡を押し潰すことにより前記反応場から前記泡を除去する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の反応生成物製造装置。
- 前記ノズル保護機構が、前記泡の拡散を防止することにより前記ノズルと前記泡との接触を防止する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の反応生成物製造装置。
- 前記泡を前記反応槽から排出する排出部をさらに備える、請求項1〜5のいずれか一項に記載の反応生成物製造装置。
- 前記ノズルの噴出口と前記液相P2の間に低誘電率液体からなる液相PLをさらに備える、請求項1〜6のいずれか一項に記載の反応生成物製造装置。
- 前記ノズルの噴出口が、前記液相PLに接するか又は前記液相PL中に配置される、請求項7に記載の反応生成物製造装置。
- 請求項1〜8のいずれか一項に記載の反応生成物製造装置を用いる、反応生成物製造方法。
Priority Applications (1)
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