JP2021016531A - 発熱組成物及び発熱具 - Google Patents

発熱組成物及び発熱具 Download PDF

Info

Publication number
JP2021016531A
JP2021016531A JP2019133420A JP2019133420A JP2021016531A JP 2021016531 A JP2021016531 A JP 2021016531A JP 2019133420 A JP2019133420 A JP 2019133420A JP 2019133420 A JP2019133420 A JP 2019133420A JP 2021016531 A JP2021016531 A JP 2021016531A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mass
metal
less
composite particles
heat
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2019133420A
Other languages
English (en)
Inventor
哲也 田端
Tetsuya Tabata
哲也 田端
小林 英男
Hideo Kobayashi
英男 小林
裕貴 近藤
Hiroki Kondo
裕貴 近藤
太一 本間
Taichi Honma
太一 本間
岡本 拓也
Takuya Okamoto
拓也 岡本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP2019133420A priority Critical patent/JP2021016531A/ja
Publication of JP2021016531A publication Critical patent/JP2021016531A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Thermotherapy And Cooling Therapy Devices (AREA)

Abstract

【課題】香料を含む場合であっても、発熱特性に優れる発熱組成物及び発熱具を提供すること。【解決手段】本発明の発熱組成物2は、被酸化性金属元素単体及び炭素元素単体が一つの粒子内に存在している複合粒子と、水とを含む。また発熱組成物2は、被酸化性金属元素単体と、炭素元素単体と、鉄かんらん石と、水とを含む。本発明の発熱具10は、発熱組成物2がシート状基材11,12に積層された発熱体1を備える。発熱具10は、シート材21,22から構成され、発熱体1を収容する袋体20を更に備え、シート状基材11,12及びシート材21,22の少なくとも一方に香料を含むことも好適である。【選択図】図1

Description

本発明は、発熱組成物及び発熱具に関する。
従来、鉄粉などの被酸化性金属及び活性炭を含む発熱組成物を通気性を有する包材内に封入した発熱具は、使い捨てカイロなどとして、人体に温熱を付与するために広く利用されている。このような発熱具には、使用者の使用感を向上させることを目的として、香料を含有させることがある。
特許文献1及び2には、使用時に所望の芳香性を発揮させることを目的として、金属イオン封鎖剤又はよう素吸着性能500mg/g以下の酸化促進剤を含む発熱性組成物と、香料とを含む発熱具が記載されている。また特許文献3には、香料による芳香効果の発揮と、安定した発熱との両立を目的として、香料を含む発熱組成物に香料吸着抑制剤を含有させた使い捨てカイロが記載されている。
特開2013−176549号公報 特開2014−30486号公報 国際公開第2016/002555号パンフレット
しかし、特許文献1ないし3に記載の発熱具はいずれも、発熱に関与しないか、又は発熱を阻害する成分を含んでいるので、鉄粉の酸化反応が効果的に進行せず、安定した発熱を生じさせることができなかった。特に、特許文献3に記載されているように、活性炭及び香料をともに用いた場合には、活性炭が香料を吸着してしまうため、香料の芳香効果が十分に発揮され難い。
したがって、本発明の課題は、香料を含む場合でも発熱特性に優れる発熱組成物及び発熱具を提供することにある。
本発明は、被酸化性金属元素単体及び炭素元素単体を含む複合粒子と、水とを含み、
前記複合粒子は、前記被酸化性金属元素単体と前記炭素元素単体とが一つの粒子内に存在している、発熱組成物を提供するものである。
また本発明は、被酸化性金属元素単体と、炭素元素単体と、鉄かんらん石と、水とを含む、発熱組成物を提供するものである。
更に本発明は、前記発熱組成物がシート状基材に積層された発熱体を備える発熱具を提供するものである。
本発明によれば、香料を含む場合でも発熱特性に優れる発熱組成物及び発熱具を提供できる。
図1(a)は、発熱体の一実施形態を示す断面の模式図であり、図1(b)は、発熱具の一実施形態の模式図であり、図1(c)は図1(b)のI−I線断面図である。
以下に本発明を、その好ましい実施形態に基づき説明する。本発明の発熱組成物は、被酸化性金属元素単体(以下、これを「金属単体」ともいう。)と、炭素元素単体(以下、これを「炭素単体」ともいう。)とを含む複合粒子を含むことを特徴の一つとしている。複合粒子は、金属単体と、炭素単体とが一つの粒子内に存在しているものである。金属単体とは、被酸化性金属元素が他の元素と化合物を形成しておらず、該金属元素が単体で存在している状態のことである。同様に、炭素単体とは、炭素元素が他の元素と化合物を形成しておらず、炭素元素が単体で存在している状態のことである。
詳細には、複合粒子は、金属単体のみが主として存在している領域と、炭素単体のみが主として存在している領域とが、別個に観察されない状態となっており、例えば炭素単体が存在する領域と同一の領域に、該領域よりも小さい金属単体の領域が分散して複数存在し、複合化している状態が含まれる。これに対して、例えば、被酸化性金属の粒子と炭素単体の粒子とを混合成形して一体化させた粒子は、混合成形時の粒子径のまま、金属単体のみが存在する領域と炭素単体のみが存在する領域との境界が明瞭に観察され、且つこれらの領域がそれぞれ別個に観察されるので、本発明の複合粒子とは異なるものである。複合粒子中における金属単体と炭素単体との存在態様は、例えば粒子表面に対して、走査型電子顕微鏡を用いたエネルギー分散型X線分析で元素マッピングを行うことによって確認することができる。
複合粒子は、金属単体及び炭素単体のみを含んでいてもよく、あるいは主成分として金属単体及び炭素単体を含み、且つ他の成分を含んでいてもよい。
複合粒子に含まれる被酸化性金属元素単体は、空気中の酸素と反応して酸化し、熱を発生する性質を有する金属元素の単体である。被酸化性金属としては、例えば鉄、アルミニウム、亜鉛、マンガン、マグネシウム、カルシウム等が挙げられ、これらのうち一種を単独で含んでいてもよく、二種以上を含んでいてもよい。取り扱い性、安全性、製造コスト及び保存安定性の観点から、被酸化性金属は鉄を主体として含んでいることが好ましい。「主体として」とは、複合粒子に含まれる被酸化性金属の全量に占める鉄の含有割合が50質量%以上であることをいう。
複合粒子における被酸化性金属の含有量は、1質量%以上であることが好ましく、2質量%以上であることがより好ましく、25質量%以上であることが更に好ましく、また、60質量%以下であることが好ましく、57質量%以下であることがより好ましく、35質量%以下であることが更に好ましい。複合粒子における被酸化性金属の含有量がこのような範囲にあることで、被酸化性金属の酸化反応を効果的に進行させ、発熱組成物の発熱特性をより確実に発揮することができる。被酸化性金属の含有量は、例えば被酸化性金属が鉄である場合には、ISO5416に規定される臭素−メタノール溶解法によって測定することができる。
複合粒子に含まれる炭素単体は、保水能、酸素保持能、酸素供給能、及び触媒能の少なくとも一つの機能を有することが好ましく、これらの機能を全て有していることが特に好ましい。このような炭素単体としては、例えば黒鉛、グラファイト、非晶質炭素等が挙げられ、これらのうち一種を単独で含んでいてもよく、二種以上を含んでいてもよい。これらのうち、香料を発熱組成物あるいは発熱具に含有させた場合であっても、所望の発熱特性を発現させる観点から、複合粒子に含まれる炭素単体は、非晶質のものであることが好ましい。炭素単体が非晶質であることは、例えば炭素単体をX線回折測定によって測定したときに、炭素単体由来の回折ピークが観察されないことによって確認することができる。
複合粒子における炭素単体の含有量は、30質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることがより好ましく、50質量%以上であることが更に好ましく、また、95質量%以下であることが好ましく、90質量%以下であることがより好ましく、60質量%以下であることが更に好ましい。複合粒子における炭素単体の含有量がこのような範囲であることによって、被酸化性金属の酸化反応の反応率を高めて所望の発熱特性を発現でき、これに加えて、香料を含有させた場合における香料の芳香性を高めることができる。炭素単体の含有量は、例えばISO9556に規定される鋼及び鉄‐全炭素含有量の定量‐誘導炉で燃焼後赤外線吸収法によって測定することができる。
複合粒子は、その真密度が2.0g/cm以上であることが好ましく、2.1g/cm以上であることがより好ましく、2.3g/cm以上であることが更に好ましく、また、5.0g/cm以下であることが好ましく、3.5g/cm以下であることがより好ましく、2.7g/cm以下であることが更に好ましい。このような真密度を有する複合粒子を発熱組成物に用いることによって、被酸化性金属の酸化反応の反応率を高めて所望の発熱特性を発現でき、これに加えて、香料を含有させた場合において香料の芳香の発現を損ないにくくすることができる。複合粒子の真密度は、例えばJIS Z 8807:2012に規定される固体の密度及び比重の測定方法によって測定することができる。
複合粒子の水銀圧入法による細孔容量は、0.01μm以上100μm以下の細孔の範囲で、1.0cm/g以下が好ましく、0.6cm/g以下であることがより好ましく、0.5cm/g以下であることが更に好ましく、また、0.1cm/g以上であることが好ましく、0.2cm/g以上であることがより好ましく、0.3cm/g以上であることが更に好ましい。細孔容量がこれらのような範囲にあることによって、被酸化性金属の酸化反応の反応率を高めて所望の発熱特性を発現でき、これに加えて、香料を含有させた場合において香料の芳香の発現を損ないにくくすることができる。水銀圧入法による細孔容量は、例えばJIS R 1655:2003の方法に準じて測定することができる。
複合粒子のBET比表面積は、100m/g以上であることが好ましく、400m/g以上であることがより好ましく、また、1000m/g以下であることが好ましく、600m/g以下であることがより好ましい。複合粒子のBET比表面積がこのような範囲にあることによって、被酸化性金属の酸化反応の反応率を高めて所望の発熱特性を発現でき、これに加えて、香料を含有させた場合において香料の芳香の発現を損ないにくくなる。複合粒子のBET比表面積は、例えばBET1点法によって測定することができる。
酸化反応を効率良く進行させて、所望の発熱特性を得る観点から、複合粒子の形状は粒状であることが好ましい。このとき、複合粒子の平均粒子径は5μm以上であることが好ましく、10μm以上であることがより好ましく、また、50μm以下であることが好ましく、30μm以下であることがより好ましい。このような平均粒子径を有する複合粒子を発熱組成物に用いることによって、発熱特性を向上させるとともに、発熱組成物を含む発熱体の薄型化を図ることができるという利点もある。
複合粒子の平均粒子径は、例えばレーザー回折式粒度分布測定装置によって測定される体積基準のメジアン径とする。平均粒子径の測定は、株式会社堀場製作所製LA−950V2を用い、標準の湿式循環セルを利用し、屈折率を実数部1.9、虚数部を0.0iとし、分散媒として水を用い屈折率を1.33とし、循環速度を15に、撹拌を5にそれぞれ設定し、常法に従って測定することができる。
本発明に用いられる複合粒子の好適な態様である、金属単体として鉄の単体を含み、上述した真密度及び細孔容積の範囲を満たす複合粒子は、例えば以下のように製造することができる。詳細には、酸化鉄(III)を含む鉄鉱石を原料として、これをロータリーキルンなどの還元炉にて石炭等の炭素源を含有する還元剤を用いて還元処理して、主生成物である還元鉄を生成させる工程を行ったときに、該工程で生成した副生成物を本発明の複合粒子として用いることができる。最大吸着力3300Nの電磁石を使用した磁力選鉱において、主生成物である還元鉄は選別されて他の工程に供されるが、副生成物は選別されず、一般的に不要物として廃棄される。本発明者は、意外にも、この副生成物を発熱組成物に含有させることによって、発熱組成物を含む発熱具に香料を含有させた場合でも、優れた発熱特性を発現させるとともに、香料を発熱組成物又は発熱具に含有させた場合において、香料の芳香性にも優れたものとなることを見出した。
得られた複合粒子は、必要に応じて、粉砕機で粉砕したり、あるいは所望の粒度にふるい分けを行って、粒子径及び粒度を調整してもよい。複合粒子を粉砕する場合、例えば0.1kgの複合粒子に対して、振動式ディスクミル(例えば、ヴァーダー・サイエンティフィック株式会社製、商品名「RS200」)を用いて、回転数700〜1000rpmで5〜300秒程度の粉砕処理を行うことができる。このような粉砕処理を行うことによって、上述した平均粒子径、BET比表面積及び水銀圧入法による細孔容量を満たす複合粒子の集合体からなる粉末を容易に得ることができる。
複合粒子における被酸化性金属及び炭素単体の含有量は、上述の還元鉄の還元条件や、磁力選鉱の条件等を適宜変更することで調整することができる。また、複合粒子の平均粒子径、BET比表面積及び水銀圧入法による細孔容量は、粉砕処理における粉砕の程度を適宜調整することによって調整することができる。
なお、上述の方法で得られた複合粒子は、他の成分として、例えばシリカ(SiO)を10質量%以下程度、アルミナ(Al)を3質量%以下程度含有していてもよい。これらの他の成分は、主として、鉄鉱石及び還元剤の成分に由来するものであり、複合粒子の製造工程において不可避的に混入するものである。また複合粒子は、その製造時において大気中の酸素と反応して不可避的に酸化されているため、酸素(O)を10質量%以下程度含有しうる。複合粒子は、金属単体及び炭素単体を含み、且つ本発明の効果を奏する限りにおいて、上述した他の成分と、被酸化性金属元素及び炭素元素の少なくとも一種との化合物が更に含まれていてもよい。
発熱組成物における複合粒子の含有量は、優れた発熱特性を得る観点から、5質量%以上であることが好ましく、7質量%以上であることがより好ましく、12質量%以上であることが更に好ましく、また、25質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましく、16質量%以下であることが更に好ましい。
発熱組成物は、上述の複合粒子に加えて、水を含む。水は、被酸化性金属の酸化反応に用いられるほか、発生する熱を適温に冷却する冷媒としても用いられる。発熱組成物における水の含有量は、適切な発熱温度の発現と、発熱の持続性とを両立して、優れた発熱特性を得る観点から、15質量%以上であることが好ましく、20質量%以上であることがより好ましく、25質量%以上であることが更に好ましく、また、50質量%以下であることが好ましく、40質量%以下であることがより好ましく、35質量%以下であることが更に好ましい。
本発明の発熱組成物は、上述した複合粒子に代えて、被酸化性金属元素単体と、炭素単体と、鉄かんらん石(FeSiO)とを含む多成分混合物を用いてもよい。多成分混合物は、その形状が好ましくは粒状であり、より好ましくは多成分混合物を構成する各成分が一つの粒子内に存在している複合物である。多成分混合物が複合物の粒子である場合、その一つの粒子中で、金属単体のみが主として存在している領域と、炭素単体のみが主として存在している領域とが、別個に観察されない状態となっていることも好ましい。このような複合物は、例えば上述した複合粒子の製造方法と同様に得ることができる。多成分混合物における金属単体及び炭素単体に関する説明は、上述した複合粒子に関する説明が適宜適用される。
発熱組成物中に鉄かんらん石が含まれるか否かは、例えばX線回折測定及び元素分析を行うことによって判定することができる。X線回折測定は、例えば株式会社リガク社製、X線回折装置Miniflex600を用いて、管電圧40kV、管電流15mAの条件でCuKα線を発生させ、2θ/θを5°から80°までの範囲において0.05°間隔で測定することによって行う。また元素分析は、例えば株式会社堀場製作所社製、蛍光X線分析顕微鏡XGT−5000を用いて、管電圧30kV、管電流1mAの条件で定性分析を行う。
発熱組成物は、複合粒子と水とを含有していれば、その製造方法に特に制限はなく、例えば複合粒子と水とを公知の攪拌装置を用いて混合して製造することができる。
以上の構成を有する本発明の発熱組成物によれば、所定の発熱温度に到達する時間が早く、且つ最高発熱温度の持続時間が長いという発熱特性に優れたものとなる。特に、前記発熱組成物又は該発熱組成物を備える発熱具に香料を含有させた場合、発熱組成物への香料の吸着を低減できるので、発熱組成物に含まれる被酸化性金属の酸化反応が香料に阻害されることなく進行することができ、その結果、優れた発熱特性を発現できるという利点もある。これに加えて、前記発熱組成物又は該発熱組成物を備える発熱具に香料を含有させた場合、香料が有する良好な芳香を使用者に知覚させやすくするという利点も奏される。
詳細には、本技術分野では、被酸化性金属の酸化反応に起因して熱を発生させることを目的として、被酸化性金属と、活性炭などの炭素材料とがともに好ましく用いられる。この酸化反応は被酸化性金属と炭素材料との電子の授受によって発生することが知られている。本発明によれば、金属単体と炭素単体とが一つの粒子中に含まれる複合粒子を用いているので、複合粒子中の被酸化性金属原子と炭素原子との間での電子の授受が生じやすく、これに伴って、被酸化性金属の酸化が一つの複合粒子内で進行しやすくなる。その結果、金属単体の粒子と炭素単体の粒子とをそれぞれ別個に混合した場合と比較して、酸化反応がより早期に且つ高い反応率で進行し、所定の発熱温度に到達する時間が早く、且つ最高発熱温度の持続時間が長いという優れた発熱特性を得ることができる。特に、後述するように、複合粒子又は多成分混合物に加えて、複合粒子及び多成分混合物とは別体の被酸化性金属を更に含む発熱組成物は、複合粒子内での電子の授受に加えて、該被酸化性金属の粒子と複合粒子中における炭素単体との間での電子の授受が生じるので、発熱特性に一層優れたものとなる。このような優れた発熱特性は、後述する実施例に示すように、複合粒子を用いた実施例と、金属単体の粒子と炭素単体の粒子とをそれぞれ別個に混合した比較例との発熱特性の比較からも支持される。更に、複合粒子は、還元鉄を工業的に生産したときの副生成物として得ることができるので、これを再利用することによって、製造コストを低減したり、廃棄物処理の手間やコストを低減したりできるという利点も奏される。
また本技術分野では、使用者の使用感を向上させることを目的として、発熱組成物、あるいはこれを用いた発熱具に香料が含まれる場合がある。このような発熱組成物及び発熱具に、活性炭などの細孔容量及び比表面積が大きい炭素材料を併用する場合、香料分子は炭素材料の表面及び内部に吸着されてしまう。その結果、炭素材料が本来有する保水能や酸素保持供給能、あるいは被酸化性金属との酸化還元反応の進行に悪影響を及ぼし、所望の発熱特性が発現できなかったり、あるいは芳香を良好に発現できなかったりする。この点に関して、活性炭などの炭素材料に代えて、上述した複合粒子を用いると、複合粒子は、活性炭と比較して、細孔容量及び比表面積がともに小さいので、発熱組成物又は発熱具に香料を含ませた場合であっても、香料分子が複合粒子中に吸着されにくくなる。その結果、香料を含有した場合であっても、該粒子中の炭素成分が有する保水能や酸素保持供給能、あるいは酸化還元反応の進行を十分に発揮させて、優れた発熱特性を有する発熱組成物を得ることができる。これに加えて、発熱組成物又は発熱具に香料を含有させた場合に、香料が有する良好な芳香を使用者に知覚させやすくするという利点も奏される。これらの効果を顕著なものとする観点から、発熱組成物は、活性炭を実質的に非含有であることも好ましい。
所望の発熱特性を効率良く発現させる観点から、発熱組成物は、複合粒子又は多成分混合物と、水とに加えて、複合粒子及び多成分混合物に含まれる被酸化性金属元素単体とは別に、被酸化性金属(以下、これを「第2の被酸化性金属」ともいう。)を更に含有することが好ましい。つまり、発熱組成物は、複合粒子と第2の被酸化性金属とを含む態様であるか、又は多成分混合物と第2の被酸化性金属とを含む態様であることが好ましい。第2の被酸化性金属は、上述した被酸化性金属と同様のものを用いることができる。取り扱い性、安全性、製造コスト及び保存安定性の観点から、第2の被酸化性金属は鉄を主体として含んでいることが好ましく、酸化反応の反応性及び発熱組成物の流動性の確保の観点から、その形状は粒状であることが好ましく、これらの利点を好適に得る観点から、鉄粒子の集合体、つまり鉄粉を用いることが特に好ましい。鉄粉としては、例えば、還元鉄粉、アトマイズ鉄粉などが挙げられる。
鉄を主体として含んでいる第2の被酸化性金属を用いた場合、第2の被酸化性金属中の金属鉄分の含有量は、60質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、またその上限は、95質量%以下であることが好ましく、90質量%以下であることがより好ましい。被酸化性金属中の金属鉄分の含有量がこのような範囲にあることで、発熱体の発熱特性をより確実に且つ効果的に発揮することができる。第2の被酸化性金属における金属鉄分の含有量は、例えば上述の方法と同様に、ISO5416に規定される臭素−メタノール溶解法によって測定することができる。
第2の被酸化性金属は、そのかさ密度が0.3g/cm以上であることが好ましく、0.4g/cm以上であることがより好ましく、0.5g/cm以上であることが更に好ましく、またその上限は、3.0g/cm以下であることが好ましく、2.5g/cm以下であることがより好ましく、2.2g/cm以下であることが更に好ましい。このようなかさ密度を有する第2の被酸化性金属を発熱組成物に用いることによって、酸化反応の反応率を向上することができ、これに起因して発熱組成物の発熱特性を一層向上させることができる。第2の被酸化性金属のかさ密度は、例えば、JIS Z 2504:2012に従って、かさ密度測定器(JISカサ比重測定器、筒井理化学器械株式会社製)を用いて測定することができる。かさ密度の値が低いほど、嵩高い粒子であるといえる。
第2の被酸化性金属として粒状のものを用いたときに、その平均粒子径は10μm以上であることが好ましく、20μm以上であることがより好ましく、また、150μm以下であることが好ましく、100μm以下であることがより好ましい。このような平均粒子径を有する被酸化性金属を発熱組成物に用いることによって、発熱組成物の発熱特性を向上させるとともに、発熱組成物を備える発熱体の薄型化を図ることができる。
第2の被酸化性金属の平均粒子径としては、例えばレーザー回折式粒度分布測定装置によって測定される体積基準のメジアン径を用いる。第2の被酸化性金属として鉄粉を用いた場合には、例えば、株式会社堀場製作所製LA‐950V2を用い、標準の湿式循環セルを利用し、鉄粉の屈折率を実数部3.5、虚数部3.8iとし、分散媒として水を用い屈折率を1.33とし、循環速度を15に、撹拌を5にそれぞれ設定し、体積基準のメジアン径をもって、鉄粉の平均粒子径の測定結果とする方法が用いられる。
第2の被酸化性金属のBET比表面積は、0.1m/g以上であることが好ましく、0.2m/g以上であることがより好ましく、またその上限は、20m/g以下であることが好ましく、10m/g以下であることがより好ましい。被酸化性金属のBET比表面積がこのような範囲にあることによって、被酸化性金属の酸化反応の活性が高くなり、その結果、発熱組成物の発熱特性を一層向上させることができる。第2の被酸化性金属のBET比表面積は、例えばBET1点法で測定することができる。
第2の被酸化性金属の水銀圧入法による細孔容量は、1μm以上の範囲で、0.1cm/g以上が好ましく、0.2cm/g以上であることがより好ましく、またその上限は、4.0cm/g以下であることが好ましく、3.0cm/g以下であることがより好ましい。また、第2の被酸化性金属の水銀圧入法による細孔容量が1μm以上の範囲で上述の特定範囲にあることを条件として、第2の被酸化性金属の全細孔容量は、0.1cm/g以上であることが好ましく、0.2cm/g以上であることがより好ましく、またその上限は、4.0cm/g以下であることが好ましく、3.0cm/g以下であることがより好ましい。第2の被酸化性金属の細孔容量がこれらのような範囲にあることによって、被酸化性金属の酸化反応の活性が高くなり、発熱組成物の発熱特性を向上させることができる。水銀圧入法による細孔容量は、例えばJIS R 1655:2003の方法に準じて測定することができる。
以上の好適な物性を有する第2の被酸化性金属は、例えば上述の方法で鉄鉱石を還元処理して生成した主生成物である還元鉄を用いることができる。生成した還元鉄は、必要に応じて、これを上述した装置及び条件で粉砕機で粉砕したり、所望の粒度にふるい分けすることによって、上述した平均粒子径、BET比表面積及び水銀圧入法による細孔容量を満たす第2の被酸化性金属粒子を容易に得ることができる。
第2の被酸化性金属における金属鉄分の含有量は、還元条件や、還元後の熱処理条件等を適宜変更することで調整することができる。また、第2の被酸化性金属の平均粒子径、BET比表面積及び水銀圧入法による細孔容量は、粉砕処理における粉砕の程度を適宜調整することによって調整することができる。
なお、第2の被酸化性金属には、他の成分として、例えばシリカ(SiO)を3質量%以下程度、炭素(C)を15質量%以下程度、アルミナ(Al)を3質量%以下程度含有していてもよい。また第2の被酸化性金属は、その製造時においても大気中の酸素と常温で反応して不可避的に酸化されているため、酸素(O)を10質量%以下程度含有しうる。これらの他の成分は、主として、上述した製造工程において不可避的に混入するものである。
被酸化性金属の酸化反応効率を上げるとともに、被酸化性金属の酸化反応を持続させる観点から、発熱組成物は、更に塩を含有していてもよい。発熱組成物中に塩を含む場合には、水に溶解した状態となっている。塩としては、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム等の塩化物や、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム等の硫酸塩、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム等のリン酸塩、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化物等が挙げられる。これらの塩は一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。同様の観点から、発熱組成物中の塩の含有量は、0.5質量%以上であることが好ましく、1質量%以上であることがより好ましく、また、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。
発熱組成物には、第2の被酸化性金属のほかに、必要に応じて他の添加剤を含有することもできる。添加剤としては、例えば、水分保持や酸素供給を目的とした反応促進剤や、発熱組成物の塗布性を良好にすることを目的とした増粘剤及び界面活性剤などが挙げられる。反応促進剤としては、例えばゼオライト、パーライト、バーミキュライト、シリカ、アルミナ、チタニア、おがくず等を含有させることができる。増粘剤としては、例えば水分を吸収し、稠度を増大させるか、又はチキソトロピー性を付与する物質が挙げられ、ベントナイト、ステアリン酸塩、ポリアクリル酸ソーダ等のポリアクリル酸塩;ゼラチン、トラガカントゴム、ローカストビーンガム、グアーガム、アラビアガム、アルギン酸ソーダ等のアルギン酸塩;ペクチン、カルボキシビニルボリマー、デキストリン、α化澱粉及び加工用澱粉などの澱粉系吸水剤;キサンタンガム、カラギーナン及び寒天などの多糖類系増粘剤;カルボキシメチルセルロース、酢酸エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース及びヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース誘導体系増粘剤などを用いることができる。界面活性剤としては、例えば芳香族スルホン酸とホルマリンとの縮合物、又は特殊カルボン酸型高分子界面活性剤を主成分とする陰イオン性界面活性剤などを用いることができる。発熱組成物のハンドリング性を高める観点から、発熱組成物中の他の添加剤の含有量は、0.01質量%以上であることが好ましく、0.05質量%以上であることがより好ましく、また、1質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以下であることがより好ましい。
発熱組成物は、これをシート状基材に積層して発熱体とし、該発熱体を備える発熱具とすることができる。図1(a)には、発熱組成物を含む発熱体の一実施形態が示されており、図1(b)及び(c)には、発熱体を備える発熱具の一実施形態が示されている。
図1(a)に示す実施形態では、発熱体1は、発熱組成物2が第1のシート状基材11と、第2のシート状基材12との間に積層されて配された構造となっている。各シート状基材11,12の構成材料としては、当該技術分野において従来用いられてきたものと同様のものを用いることができ、例えば、合成樹脂フィルム等の不透気性材料、不織布や紙等の繊維シートからなる透気性材料、あるいは該不透気性材料と該繊維シートとのラミネート等が挙げられる。また、各シート状基材11,12は吸水性を有していても良く、例えば親水性繊維を含む繊維シート、吸水性ポリマーの粒子及び親水性繊維を含む高吸収性シート等が挙げられる。各シート状基材11,12は同じ材料で構成されていてもよく、異なる材料から構成されていてもよい。酸化反応に起因した発熱体の発熱持続性の観点から、各シート状基材11,12のうち、少なくとも一方のシートは透気性を有していることが好ましい。これに代えて、一枚のシート状基材の一方の面に発熱組成物が積層されたのみの二層構造の発熱体としてもよい。発熱体1は、例えばスラリー状の発熱組成物をシート状基材の一方の面に塗布したり、粉状又は塊状の発熱組成物をシート状基材の一方の面に散布したりすることによって、形成することができる。
図1(b)及び(c)に示す発熱具10は、発熱体1と、該発熱体1を収容するする袋体20とを含んで構成されている。発熱体1は、発熱具10において熱を発生させる部材であり、上述の組成を有する発熱組成物2を含んで構成されている。袋体20は、発熱体1の全体を包囲して、発熱具10の外面をなす部材であり、その一部又は全体に通気性を有する。発熱具10においては、発熱体1は、袋体20に固定されておらず、発熱体1と袋体20とは別個に移動することが可能になっている。
図1(c)に示すように、袋体20は、第1のシート材21と第2のシート材22とを備えている。第1のシート材21と第2のシート材22とは、発熱体1の周縁から外方に延出する延出部をそれぞれ有し、その延出部どうしが発熱体1を取り囲むように接合されて、内部に空間を有する袋状に形成されている。各シート材は、上述した透気性材料や、通気性を有する多孔性シート等を用いることができる。
発熱具の使用感を高める観点から、発熱具10は、発熱体1を構成する各シート状基材並びに袋体20を構成する各シート材のうち少なくとも一つに香料を含むことが好ましい。特に、本発明によれば、香料分子に起因した発熱特性の悪影響は低減されているので、所望の発熱特性を発現しつつ、良好な芳香を発熱具の使用者に知覚させることができる。
発熱具10に用いられる香料としては、例えば、「合成香料 化学と商品知識」(印藤元一著 化学工業日報社)に記載の香料成分を、本発明の効果を妨げない範囲で調合して使用する。香料の具体例としては、ヘキシルシンナミックアルデヒド、2−メチル−3−(4−tert−ブチルフェニル)−プロパナール、4−(4−ヒドロキシ−4−メチルペンチル)−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド、バニリン等のアルデヒド類;アネトール、オイゲノール等のフェノール類;γ−ノナラクトン、γ−ウンデカラクトン等のラクトン類;アミルサリシレート、ベンジルベンゾエート、ベンジルサリシレート、シス−3−ヘキセニルベンゾエート、シス−3−ヘキセニルサリシレート、ヘキシルベンゾエート、ヘキシルサリシレート、フェネチルフェニルアセテート、ノニルアセテート、メチルジヒドロジャスモネート(MDJ)などのエステル類等が挙げられる。これらは単独で又は二種以上組み合わせて用いることができる。
発熱具10に香料を含む場合、香料の塗布性及び保持性の向上の観点から、香料が賦香されるシート状基材及びシート材は、透気性材料を含むものであることが好ましく、繊維シートを含むものであることがより好ましい。すなわち、香料は、好ましくは透気性材料、より好ましくは繊維シートに対して賦香する。このような構成とすることによって、発生した熱の発散に伴って香料が揮発しやすくなるので、発熱具の使用者に心地よい芳香を知覚させることができる。
このような発熱具は、使い捨てカイロなど発熱物品として使用することができる。本発明が適用可能な発熱具は、人体に直接適用されるか、又は衣類に適用されて、人体の加温に好適に用いられる。人体における適用部位としては例えば肩、首、顔、目、腰、肘、膝、太腿、下腿、腹、下腹部、手、足裏等が挙げられる。また、本発明が適用可能な発熱具は、人体の他に、各種の物品に適用されてその加温や保温等にも好適に用いられる。また、発熱具を適用部位に固定するために、包材の外面に公知の粘着剤が塗工されていてもよい。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。例えば、本発明の効果が奏される限りにおいて、発熱組成物は、上述した香料を含んでいてもよい。
上述した実施形態に関し、本発明は更に以下の発熱組成物及び発熱具を開示する。
<1>
被酸化性金属元素単体及び炭素元素単体を含む複合粒子と、水とを含み、
前記複合粒子は、前記被酸化性金属元素単体と前記炭素元素単体とが一つの粒子内に存在している、発熱組成物。
<2>
前記複合粒子における前記被酸化性金属の含有量が1質量%以上60質量%以下である、前記<1>に記載の発熱組成物。
<3>
前記複合粒子における前記被酸化性金属の含有量は、1質量%以上であることが好ましく、2質量%以上であることがより好ましく、25質量%以上であることが更に好ましく、また、60質量%以下であることが好ましく、57質量%以下であることがより好ましく、35質量%以下であることが更に好ましい、前記<1>又は<2>に記載の発熱組成物。
<4>
前記複合粒子に含まれる前記炭素元素単体は、保水能、酸素保持能、酸素供給能、及び触媒能の少なくとも一つの機能を有することが好ましく、これらの機能を全て有していることが特に好ましく、
前記炭素元素単体として、黒鉛、グラファイト及び非晶質炭素の少なくとも一種を含む、前記<1>〜<3>のいずれか一に記載の発熱組成物。
<5>
前記複合粒子に含まれる前記炭素元素単体は、非晶質のものであることが好ましい、前記<1>〜<4>のいずれか一に記載の発熱組成物。
<6>
前記複合粒子における前記炭素元素単体の含有量は、30質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることがより好ましく、50質量%以上であることが更に好ましく、また、95質量%以下であることが好ましく、90質量%以下であることがより好ましく、60質量%以下であることが更に好ましい、前記<1>〜<5>のいずれか一に記載の発熱組成物。
<7>
前記複合粒子の真密度が2.0g/cm以上5.0g/cm以下である、前記<1>〜<6>のいずれか一に記載の発熱組成物。
<8>
前記複合粒子の真密度が2.0g/cm以上であることが好ましく、2.1g/cm以上であることがより好ましく、2.3g/cm以上であることが更に好ましく、また、5.0g/cm以下であることが好ましく、3.5g/cm以下であることがより好ましく、2.7g/cm以下であることが更に好ましい、前記<1>〜<7>のいずれか一に記載の発熱組成物。
<9>
前記複合粒子の細孔容量が0.1cm/g以上1.0cm/g以下である、前記<1>〜<8>のいずれか一に記載の発熱組成物。
<10>
前記複合粒子の水銀圧入法による細孔容量は、0.01μm以上100μm以下の細孔の範囲で、1.0cm/g以下が好ましく、0.6cm/g以下であることがより好ましく、0.5cm/g以下であることが更に好ましく、また、0.1cm/g以上であることが好ましく、0.2cm/g以上であることがより好ましく、0.3cm/g以上であることが更に好ましい、前記<1>〜<9>のいずれか一に記載の発熱組成物。
<11>
前記複合粒子のBET比表面積は、100m/g以上であることが好ましく、400m/g以上であることがより好ましく、また、1000m/g以下であることが好ましく、600m/g以下であることがより好ましい、前記<1>〜<10>のいずれか一に記載の発熱組成物。
<12>
前記複合粒子の形状が粒状であり、
前記複合粒子の平均粒子径は5μm以上であることが好ましく、10μm以上であることがより好ましく、また、50μm以下であることが好ましく、30μm以下であることがより好ましい、前記<1>〜<11>のいずれか一に記載の発熱組成物。
<13>
前記複合粒子を5質量%以上25質量%以下含む、前記<1>〜<12>のいずれか一に記載の発熱組成物。
<14>
前記複合粒子の含有量は、5質量%以上であることが好ましく、7質量%以上であることがより好ましく、12質量%以上であることが更に好ましく、また、25質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましく、16質量%以下であることが更に好ましい、前記<1>〜<13>のいずれか一に記載の発熱組成物。
<15>
被酸化性金属元素単体と、炭素元素単体と、鉄かんらん石と、水とを含む、発熱組成物。
<16>
水の含有量は、15質量%以上であることが好ましく、20質量%以上であることがより好ましく、25質量%以上であることが更に好ましく、また、50質量%以下であることが好ましく、40質量%以下であることがより好ましく、35質量%以下であることが更に好ましい、前記<1>〜<15>のいずれか一に記載の発熱組成物。
<17>
前記被酸化性金属元素単体とは別に、第2の被酸化性金属を更に含有することが好ましい、前記<1>〜<16>のいずれか一に記載の発熱組成物。
<18>
第2の被酸化性金属として鉄を含み、
第2の被酸化性金属中の金属鉄分の含有量は、60質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、またその上限は、95質量%以下であることが好ましく、90質量%以下であることがより好ましい、前記<17>に記載の発熱組成物。
<19>
第2の被酸化性金属は、そのかさ密度が0.3g/cm以上であることが好ましく、0.4g/cm以上であることがより好ましく、0.5g/cm以上であることが更に好ましく、またその上限は、3.0g/cm以下であることが好ましく、2.5g/cm以下であることがより好ましく、2.2g/cm以下であることが更に好ましい、前記<17>又は<18>に記載の発熱組成物。
<20>
第2の被酸化性金属は粒状であり、その平均粒子径は10μm以上であることが好ましく、20μm以上であることがより好ましく、また、150μm以下であることが好ましく、100μm以下であることがより好ましい、前記<17>〜<19>のいずれか一に記載の発熱組成物。
<21>
第2の被酸化性金属のBET比表面積は、0.1m/g以上であることが好ましく、0.2m/g以上であることがより好ましく、またその上限は、20m/g以下であることが好ましく、10m/g以下であることがより好ましい、前記<17>〜<20>のいずれか一に記載の発熱組成物。
<22>
第2の被酸化性金属の水銀圧入法による細孔容量は、1μm以上の範囲で、0.1cm/g以上が好ましく、0.2cm/g以上であることがより好ましく、またその上限は、4.0cm/g以下であることが好ましく、3.0cm/g以下であることがより好ましい、前記<17>〜<21>のいずれか一に記載の発熱組成物。
<23>
第2の被酸化性金属の水銀圧入法による細孔容量が1μm以上の範囲で上述の特定範囲にあることを条件として、第2の被酸化性金属の全細孔容量は、0.1cm/g以上であることが好ましく、0.2cm/g以上であることがより好ましく、またその上限は、4.0cm/g以下であることが好ましく、3.0cm/g以下であることがより好ましい、前記<17>〜<22>のいずれか一に記載の発熱組成物。
<24>
前記<1>〜<23>のいずれか一に記載の発熱組成物がシート状基材に積層された発熱体を備える発熱具。
<25>
前記発熱体を収容する袋体を更に備え、
前記袋体がシート材から構成され、
前記シート状基材及び前記シート材の少なくとも一方に香料を含む、前記<24>に記載の発熱具。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲は、かかる実施例に制限されない。
〔実施例1〕
<複合粒子の製造>
複合粒子を以下のとおり製造した。被酸化性金属源としての酸化鉄(III)を含む鉄鉱石と、還元剤としての石炭チャーとを質量比7:3で混合したものをロータリーキルン内で還元処理し、塊状の還元粗鉄を得た。還元処理は、窒素雰囲気下で、常温から15℃/minで950℃まで昇温し、950℃を1時間保持した後、常温まで徐冷することで行った。この還元粗鉄を、最大吸着力3300Nの電磁石を使用した磁力選鉱にて、還元鉄塊と複合粒子塊とを分離した。分離した複合粒子塊を、振動式ディスクミル(ヴァーダー・サイエンティフィック株式会社製、RS200、SUS製標準粉砕セット)を用い、回転数700rpmで1分間粉砕し、その粉砕物を、目開き250μmの試験ふるい(東京スクリーン株式会社製、JTS−250−60−37)を用いて、ロータップ試験機(株式会社吉田製作所製、1038−A)によって5分間ふるい分けを行った。この工程を経て、粉状の複合粒子の集合体を得た。以下、この複合粒子を「複合粒子A」ともいう。
複合粒子Aの物性は、以下のとおりであった。
燃焼後赤外線吸収法(炭素)と高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法とによって測定した複合粒子の元素組成は、炭素(C):54.3質量%、鉄(Fe):30.0質量%、ケイ素(Si):4.7質量%、カルシウム(Ca):0.6質量%、残部:10.4質量%であり、元素マッピングでは、一つの複合粒子の中に、炭素単体が存在する領域と同一の領域に、該領域よりも小さい金属単体の領域が分散して複数存在し、複合化している状態が観察された。複合粒子A中には、鉄かんらん石(FeSiO)の結晶が含まれていることをX線回折測定によって確認した。また、複合粒子A中に含まれる炭素は、非晶質であることをX線回折測定によって確認した。
複合粒子Aの真密度は、2.47g/cmであった。
複合粒子Aの水銀圧入法による細孔容量は、0.50cm/gであった。
複合粒子Aの窒素吸着法による比表面積は、503m/gであった。
<発熱組成物の調製>
上述の複合粒子と、水と、以下の表1に示す成分を、以下の表1に示す質量割合で混合し、発熱組成物を調製した。第2の被酸化性金属として用いた還元鉄粉は、上述の還元鉄塊を振動式ディスクミル(ヴァーダー・サイエンティフィック株式会社製、RS200、SUS製標準粉砕セット)を用い、回転数700rpmで10秒間粉砕し、その粉砕物を、目開き250μmの試験ふるい(東京スクリーン株式会社製、JTS−250−60−37)を用いて、ロータップ試験機(株式会社吉田製作所製、1038−A)によって5分間ふるい分けを行って得たものである。得られた還元鉄粉の元素組成は、燃焼後赤外線吸収法(炭素)と高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法によって測定した結果、炭素(C):0.3質量%、鉄(Fe):80.0質量%、残部:19.7質量%であり、かさ密度は、2.2g/cm、平均粒子径は41μm、BET比表面積は3.8m/g、水銀圧入法による細孔容量は1μm以上の範囲で0.2cm/gであった。
<発熱具の製造>
第1のシート状基材として坪量70g/mの木材パルプからなる繊維シートと、樹脂フィルムとからなるラミネートシートを用い、ラミネートシートの繊維シート側の面に発熱組成物を均一に塗布して塗布体を形成し、第2のシート状基材として坪量80g/mの高吸収性シートを該塗布体4の上面に重ねて、図1(a)に示す発熱体1を製造した。発熱体1における発熱組成物2の坪量は680g/mであった。
次いで、袋体を構成するシート材として、6.3cm×6.3cmの透気度3500秒/100mLの透気性シート材と、6.3cm×6.3cmの非透気性シート材とを用い、これらのシート材の間に発熱体を収容し、両シート材の周縁を接合し、その後、非透気性シート材に、香料(MDJを主成分とするフローラル調香料)0.2mLを滴下して、図1(b)及び(c)に示す発熱具10を作製した。本実施例の発熱具は香料を含むものである。
〔実施例2〕
複合粒子の製造過程において、還元処理温度を900℃に変更して、以下の物性を有する複合粒子(以下、「複合粒子B」ともいう。)を得た。この複合粒子Bを用いて、以下の表1に示す混合割合で発熱組成物を調製し、実施例1と同様に発熱具を製造した。本実施例の発熱具は香料を含むものである。
複合粒子Bの元素組成は、炭素(C):88.9質量%、鉄(Fe):1.9質量%、ケイ素(Si):0.4質量%、カルシウム(Ca):0.9質量%、残部:7.9質量%であり、元素マッピングでは、炭素単体が存在する領域と同一の領域に、該領域よりも小さい金属単体の領域が分散して複数存在し、複合化している状態が観察された。複合粒子B中には、鉄かんらん石(FeSiO)の結晶が含まれていることをX線回折測定によって確認した。また、複合粒子B中に含まれる炭素は、非晶質であることをX線回折測定によって確認した。
複合粒子Bの真密度は、2.15g/cmであった。
複合粒子Bの水銀圧入法による細孔容量は、0.6cm/gであった。
複合粒子Bの窒素吸着法による比表面積は、597m/gであった。
〔実施例3〕
以下の表1に示す混合割合に変更して発熱組成物を調製した他は、実施例2と同様に発熱具を製造した。本実施例の発熱具は香料を含むものである。
〔実施例4〕
複合粒子の製造過程において、還元処理温度を1000℃に変更して、以下の物性を有する複合粒子(以下、「複合粒子C」ともいう。)を得た。この複合粒子Cを用いて、以下の表1に示す混合割合で発熱組成物を調製し、実施例1と同様に発熱具を製造した。本実施例の発熱具は香料を含むものである。
複合粒子Cの元素組成は、炭素(C):39.7質量%、鉄(Fe):57.0質量%、ケイ素(Si):1.0質量%、カルシウム(Ca):0.3質量%、残部:2.0質量%であり、元素マッピングでは、炭素単体が存在する領域と同一の領域内に金属単体が分散して存在し、複合化している状態が観察された。複合粒子C中には、鉄かんらん石(FeSiO)の結晶が含まれていることをX線回折測定によって確認した。また、複合粒子C中に含まれる炭素は、非晶質であることをX線回折測定によって確認した。
複合粒子Cの真密度は、4.0g/cmであった。
複合粒子Cの水銀圧入法による細孔容量は、0.2cm/gであった。
複合粒子Cの窒素吸着法による比表面積は、223m/gであった。
〔実施例5〕
香料を用いない以外は、実施例1と同様に発熱具を製造した。
〔比較例1及び2〕
複合粒子に代えて、活性炭を以下の表1に示す混合割合で発熱組成物を調製した他は、実施例1と同様に発熱具を製造した。本比較例の発熱具は香料を含むものである。活性炭の真密度は、1.58g/cmであり、水銀圧入法による細孔容量は、2.50cm/gであった。比較例1は、後述する初期到達温度が60℃以上になるように実施例1及び2に合わせて製造したものであり、比較例2は、発熱組成物中の全被酸化性金属と炭素の含有質量を実施例1、3及び4に合わせて製造したものである。すなわち、比較例1は実施例1及び2と対応し、比較例2は実施例1、3及び4と対応するものである。
〔比較例3〕
複合粒子に代えて、実施例1で用いた還元鉄粉と石炭チャー(炭粉)とを質量比3:5の割合で混合して調製した擬似材料を用いて、以下の表1に示す混合割合で発熱組成物を調製した他は、実施例5と同様に発熱具を製造した。本比較例の発熱具は香料を含まないものである。擬似材料の真密度は、5.2g/cmであり、水銀圧入法による細孔容量は、0.5cm/gであり、元素マッピングでは、鉄のみが存在する領域と炭素のみが存在する領域とが別個に観察されていた。比較例3は、発熱組成物中の全被酸化性金属の含有質量を実施例5に合わせて製造したものであり、比較例3と実施例5とが対応している。
〔比較例4〕
非透気性シート材に、香料(MDJを主成分とするフローラル調香料)0.2mLを滴下した他は、比較例3と同様に発熱具を製造した。本比較例の発熱具は香料を含むものである。比較例4は、発熱組成物中の全被酸化性金属の含有質量を実施例1に合わせて製造したものであり、比較例4と実施例1とが対応している。
〔発熱特性の評価〕
各実施例及び比較例で製造した発熱具を、以下の方法に基づいて発熱させ、最高温度低下率及び最高到達温度によって発熱特性を評価した。結果を以下の表1に示す。
最高温度低下率の評価方法は以下のとおりとした。実施例1ないし4並びに比較例1及び2の発熱具を50℃、50%RHの環境で24時間静置した。その後、23℃、50%RHの環境で酸化反応を開始させ、JIS S 4100:2007の方法に準じて、実施例及び比較例における最高到達温度T1(℃)を温度計によって測定する。これとは別に、実施例1ないし4並びに比較例1及び2の各発熱具と同一の発熱組成物の組成を有するが、香料を含まない陰性対照の発熱具をそれぞれ作製し、その後、各陰性対照の酸化反応を開始させ、各陰性対照における最高到達温度T2(℃)を温度計によって測定する。得られた温度T1及び温度T2から、(T2−T1)/T2の百分率(%)を算出し、これを最高温度低下率とした。最高温度低下率の値が低いほど、香料による悪影響が少なく、発熱特性に優れたものである。結果を表1に示す。
また、各実施例及び各比較例について、最高温度低下率の評価と同じ条件で酸化反応を開始させて、その最高到達温度T1(℃)を温度計によって確認した。最高到達温度が高いほど、香料による悪影響が少なく、発熱特性に優れたものである。結果を表1に示す。
Figure 2021016531
表1に示すとおり、複合粒子を含む実施例は、複合粒子に代えて活性炭又は擬似材料を含む比較例と比較して、香料を含有した場合であっても、発熱特性に優れたものであることが判る。特に、発熱組成物中の被酸化性金属及び炭素単体の含有割合を複合粒子と同様の組成となるように混合したのみの比較例3及び4は、実施例に示すような良好な発熱特性を発現できないことも判る。

Claims (8)

  1. 被酸化性金属元素単体及び炭素元素単体を含む複合粒子と、水とを含み、
    前記複合粒子は、前記被酸化性金属元素単体と前記炭素元素単体とが一つの粒子内に存在している、発熱組成物。
  2. 前記複合粒子における前記被酸化性金属の含有量が1質量%以上60質量%以下である、請求項1に記載の発熱組成物。
  3. 前記複合粒子の真密度が2.0g/cm以上5.0g/cm以下である、請求項1又は2に記載の発熱組成物。
  4. 前記複合粒子の細孔容量が0.1cm/g以上1.0cm/g以下である、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の発熱組成物。
  5. 前記複合粒子を5質量%以上25質量%以下含む、請求項1ないし4のいずれか一項に記載の発熱組成物。
  6. 被酸化性金属元素単体と、炭素元素単体と、鉄かんらん石と、水とを含む、発熱組成物。
  7. 請求項1ないし6のいずれか一項に記載の発熱組成物がシート状基材に積層された発熱体を備える発熱具。
  8. 前記発熱体を収容する袋体を更に備え、
    前記袋体がシート材から構成され、
    前記シート状基材及び前記シート材の少なくとも一方に香料を含む、請求項7に記載の発熱具。
JP2019133420A 2019-07-19 2019-07-19 発熱組成物及び発熱具 Pending JP2021016531A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019133420A JP2021016531A (ja) 2019-07-19 2019-07-19 発熱組成物及び発熱具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019133420A JP2021016531A (ja) 2019-07-19 2019-07-19 発熱組成物及び発熱具

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021016531A true JP2021016531A (ja) 2021-02-15

Family

ID=74563428

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019133420A Pending JP2021016531A (ja) 2019-07-19 2019-07-19 発熱組成物及び発熱具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2021016531A (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001238906A (ja) * 1999-12-24 2001-09-04 Lion Corp 発熱体組成物、発熱体及びその製造方法
JP2016047478A (ja) * 2016-01-12 2016-04-07 花王株式会社 発熱具
JP2019111313A (ja) * 2017-12-25 2019-07-11 花王株式会社 発熱体の製造方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001238906A (ja) * 1999-12-24 2001-09-04 Lion Corp 発熱体組成物、発熱体及びその製造方法
JP2016047478A (ja) * 2016-01-12 2016-04-07 花王株式会社 発熱具
JP2019111313A (ja) * 2017-12-25 2019-07-11 花王株式会社 発熱体の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2018212353A1 (ja) 発熱組成物用鉄粉及びその製造方法、並びに該鉄粉を用いた発熱組成物及び発熱体の製造方法
US7856948B2 (en) Self-steaming compositions, articles comprising such compositions and methods of preparing such compositions
JP6472917B2 (ja) 発熱組成物及び発熱体
CN106413764A (zh) 用于控制气味的方法
TW201336979A (zh) 發熱體、及具備其之溫熱器具
JP2005508823A (ja) アルカリ金属鉄酸塩類を調製する方法および新規なアルカリ金属鉄酸塩粒状体
TW201542460A (zh) 粉末狀雪矽鈣石型矽酸鈣系材料及其製造方法
WO2014050796A1 (ja) 加水発熱剤
WO2023002731A1 (ja) 酸素反応剤用鉄基粉末およびそれを用いた酸素反応剤
JP6472916B1 (ja) 発熱組成物用鉄粉の製造方法
JP2021016531A (ja) 発熱組成物及び発熱具
JP7008574B2 (ja) 発熱体の製造方法
JP3376826B2 (ja) 板状炭酸カルシウム系の球状複合体およびその製造方法
JP6715104B2 (ja) 温熱具
JP7469166B2 (ja) 鉄構造体及びその製造方法並びに発熱組成物用鉄粉の製造方法
JP4460484B2 (ja) 化学カイロの製造方法
JP3341020B2 (ja) 活性鉄粉
JP2006263630A (ja) 脱酸素剤用鉄粉及びその製造方法
JP4562838B2 (ja) ゲル状脱臭剤
JP2003054943A (ja) 板状炭酸カルシウム球状複合体およびその製造方法
JP3570513B2 (ja) 活性鉄粉の脱酸素剤としての使用
WO2024014177A1 (ja) 酸素反応剤用鉄基粉末および酸素反応剤
JPH11318966A (ja) 発熱体
WO2024014022A1 (ja) 酸素反応剤用鉄基粉末および酸素反応剤
JPS61213283A (ja) 発熱組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220608

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230215

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230221

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20230815