[A]管理併用シャッター
[A−1]第1実施形態
図1を参照しつつ、機械式危害防止装置付き防火シャッターについて説明する。図中、要素間を繋ぐ実線は電線であり、一点鎖線はワイヤである。第1実施形態に係る管理併用防火シャッターは、機械式危害防止装置を備えている。
図1に示すように、シャッター装置は、左右のガイドレール2の間に形成された開口部を開閉するシャッターカーテン1と、開口部の上方に設けられ、シャッターカーテン1が巻き取られる巻取シャフト(図示せず)と、開口部上方において、開口幅方向の一側に寄った部位に設けられ、巻取シャフトと伝動連結されている電動開閉機Mと、電動開閉操作部3A(図5に示すように、開スイッチU、閉スイッチD、停止スイッチSの3点押しボタンスイッチからなる)と、手動閉鎖装置3Bと、電動開閉操作部3Aからの信号が入力される制御装置4と、電動開閉操作部3Aからの信号が制御装置4を介して入力されるシャッター制御盤5と、防災盤6bからの火災検知信号の入力あるいは手動閉鎖装置3Bからの操作によってシャッターカーテン1を自重降下させる自動閉鎖装置6と、自重下降するシャッターカーテン1が障害物に当たった時に障害物を検知する障害物検知手段と、この障害物検知手段を用いた機械式危害防止装置と、を備えている。
管理併用防火シャッターは、電動開閉機Mによって電動駆動される。具体的には、電動開閉操作部3Aから開スイッチが押されると、開信号が制御装置4を介してシャッター制御盤5に送信され、電動開閉機Mが駆動して、シャッターカーテン1を上昇させ、電動開閉操作部3Aから閉スイッチが押されると、閉信号が制御装置4を介してシャッター制御盤5に送信され、電動開閉機Mが駆動して、シャッターカーテン1を下降させ、電動開閉操作部3Aから停止スイッチが押されると、停止信号が制御装置4を介してシャッター制御盤5に送信され、電動開閉機Mが停止して、移動中のシャッターカーテン1を停止させる。
シャッターカーテン1は、複数枚の開口幅方向に延びる長尺状のスラットを上下に連結して構成されており、下端には座板1Aが設けてある。座板1Aは、開口部幅方向に延びる長尺状の上座板(図示せず)と、上座板の下方側に上座板に対して相対的に上下動自在に吊持された長尺状の下座板(図示せず)とからなり、座板1Aは、障害物検知手段の一構成要素となっている。
シャッター装置は、火災時にシャッターカーテン1を自重降下させる自動閉鎖装置6及び作動部7(ブレーキ解放・復帰装置)を備えている。本実施形態では、自動閉鎖装置6と作動部7は物理的に離間してワイヤW1で伝動連結されているが、自動閉鎖装置6に作動部7の機能を搭載してもよい。
自動閉鎖装置6は、防災盤6bからの火災検知信号の入力によって作動して、ワイヤW1、作動部7を介してブレーキを解放させる。図示の態様では、自動閉鎖装置6と作動部7は離間しており、自動閉鎖装置6と作動部7がワイヤW1を介して機械的に接続されており、火災信号が入力されると自動閉鎖装置6が作動してワイヤW1を引っ張ることで、作動部7がブレーキ解放姿勢となって電動開閉機Mのブレーキが解放される。本実施形態では、自動閉鎖装置6には、復旧機構6´が一体化されている。このような自動閉鎖装置6、作動部7、復旧機構6´は当業者に知られており、これらの具体的な構成については、本発明の構成を限定するものではないが、例えば、例えば、特開2017−96073を参照することができる。
開口部全開状態で火災が発生すると、煙感知器6aによって火災が感知され、防災盤6bからの火災検知信号によって自動閉鎖装置6が作動して、ワイヤW1を介して作動部7がブレーキ解放姿勢となって、電動開閉機Mのブレーキを解放する。ブレーキが解放されると、シャッターカーテン1は、幅方向両端部がガイドレール2の溝部に案内されながら自重で下降し、座板1Aが着床することで開口部を全閉する。
シャッター装置は、いわゆる危害防止装置を備えており、自重降下中のシャッターカーテン1の下端の座板1Aが障害物に当たって当該障害物を検知すると、復帰ワイヤを介して電動開閉機Mのブレーキを復帰させて、シャッターカーテン1の降下を停止させるようになっている。復帰ワイヤは、第1ワイヤW2と第2ワイヤW3とから構成されている。開口部上方部位には、開口幅方向の電動開閉機Mが設置された側に寄って、中継装置10が設けてあり、座板1Aには、中継装置10の下方に位置するように開口幅方向の一側に寄って、ロック装置11が設けてある。
第1ワイヤW2と第2ワイヤW3は中継装置10を介して接続されている。第1ワイヤW2の一端は作動部7のブレーキ解放体(図示せず)をブレーキ復帰方向に移動させるように作動部7(ブレーキ解放体)に連結されており、他端は中継装置10に連結されている。第2ワイヤW3の一端は中継装置10に連結されており、他端は座板1Aに設けたロック装置11に連結されている。第2ワイヤW3は、シャッターカーテン1の降下に伴ってシャッターカーテン1の面部に沿って延びるように引き出される。
ロック装置11は、上座板に設けられ、降下中のシャッターカーテン1の下座板が障害物に当たって上座板に対して相対的に上動することで、復帰用ワイヤ(第2ワイヤW3)の引き出しを機械的に規制し、当該引き出しが規制された復帰ワイヤ(第2ワイヤW3+第1ワイヤW2)によりブレーキ解放体をブレーキ復帰方向に引っ張るようになっている。
自重降下中のシャッターカーテン1の下座板が障害物に当たった場合には、復帰ワイヤ(第2ワイヤW3+第1ワイヤW2)によりブレーキ解放体をブレーキ復帰位置に移動させてシャッターカーテン1の自重降下を停止させる。
作動部7と制御装置4は電線EW6によって電気的に接続されており、ブレーキ解放体の移動に連動して生成された信号が電線EW6を介して制御装置4に送信されるようになっている。電動降下中のシャッターカーテン1の下座板が障害物に当たった場合には、復帰ワイヤ(第2ワイヤW3+第1ワイヤW2)によるブレーキ解放体の移動に連動して作動体が移動することで、作動部7の障害物検知用のマイクロスイッチ(図示せず)がON状態からOFF状態となることで(OFF状態からON状態となることで障害物検知を行うように設計してもよい)、制御装置4に障害物検知信号が送信され、制御装置4からシャッター制御盤5に信号が送信されて、電動降下中のシャッターカーテン1を停止させる。
シャッター装置は、停止したシャッターカーテン1を再降下させる再降下手段(自重再降下手段)を備えている。自重降下中のシャッターカーテン1の下座板が障害物に当たってシャッターカーテン1を停止させた後に障害物が取り除かれると、復帰ワイヤの引き出しが可能となって、ブレーキ解放体がブレーキ解放方向に移動して、シャッターカーテン1が自重再降下する。また、障害物除去後において、シャッターカーテン1が自重で再降下するタイミングを遅延させるようにしてもよい。
電動降下中のシャッターカーテン1の下座板が障害物に当たってシャッターカーテン1を停止させた後に障害物が取り除かれると、復帰ワイヤの引っ張り力が無くなり、作動体が定常位置に復帰して、作動部7のマイクロスイッチはOFFからONとなり、電動開閉操作部3Aからの操作によってシャッターカーテン1の電動開閉が可能となる。このような危害防止装置(例えば、障害物検知機構、中継装置10、ロック装置11等を含む)の具体的な構成については、本発明を限定するものではないものの、例えば、特開2017−96073を参照することができる。
シャッター装置の近傍の壁面には、操作し易い高さに手動閉鎖装置3Bが設けてある。手動閉鎖装置3Bは、縦長直方体の箱体からなる操作ボックスであり、手動閉鎖用の操作部、及び、自動閉鎖装置6の復旧用の操作部が設けられる。手動閉鎖用の操作部は、操作ボックスの前面部に設けた非常時閉鎖スイッチ(蓋に隠れており、図示せず)である。
手動閉鎖装置の操作部(非常時閉鎖スイッチ、回動レバー3a)は、作動部7のブレーキ解放操作、ブレーキ復帰操作を行えるように手動操作用のワイヤW4の一端に機械的に連結されている。ワイヤW4の他端は、作動部7に連結されている。手動閉鎖装置の操作部は、ブレーキ解放作動前の状態から第1の操作(非常時閉鎖スイッチの押し操作)によってブレーキを解放するように作動し、ブレーキ解放作動後の状態から第2の操作(非常閉鎖スイッチの押操作によって突出した回動レバー3aの操作)によってブレーキを復帰させるように作動する。操作ボックス内の前面部には自動閉鎖装置復旧ワイヤW5を巻き掛けするプーリ(図示せず)が設けてあり、復旧用レバー(図示せず)は、自動閉鎖装置の復旧ワイヤW5によって復旧機構6´と接続されており、復旧機構6´と共に、自動閉鎖装置6の復旧装置を構成する。
本実施形態に係る管理併用防火シャッターにおいて、通常時には、電動開閉機M及び制御装置4には商用電源からの電力が供給される。停電時等には、臨時電源を用いてシャッターの電動開閉及び開閉制御が可能となっている。本実施形態では、電源供給路には電源切替装置8が設けてあり、商用電源と臨時電源の両方の電源が有効な場合には、いずれかの電源を選択可能となっている。1つの態様では、非停電時に臨時電源が接続された場合には、電源切替装置8において、臨時電源が優先されて、臨時電源からの電力が電動開閉機M及び制御装置4に供給される。この場合、臨時電源を選択する手段は限定されないが、例えば、電源切替装置8において、臨時電源が接続された時の電線EW1の電流の検出に応じて、電線EW4へ供給する電源を商用電源から臨時電源に切り替える。なお、非停電時に臨時電源が接続された場合に、電源切替装置8において、商用電源が優先されて、商用電源からの電力が電動開閉機M及び制御装置4に供給されるようにしてもよい。
本実施形態では、躯体には、電動開閉操作部3Aの操作ボックスに隣接して、臨時電源と接続可能な電源接続部としてのコネクタC1を備えた筐体としての操作ボックスからなる電源接続装置9が設けられる。本実施形態では、電源接続装置9には、さらに、電動開放操作部(開スイッチ9A)が設けてあり、電動開放操作部(開スイッチ9A)と電源接続部(コネクタC1)は、開スイッチ9Aが上側、コネクタC1が下側に位置して、上下に隣接して配置されている。なお、電源接続装置9の前面部90に、コネクタC1、電動開放操作部(開スイッチ9A)に加えて、図示しない閉スイッチおよび/あるいは停止スイッチを設けてもよい。
臨時電源は、電動開閉機Mへ電力を供給する電線EW1(コネクタC1と電源切替装置8を電気的に接続する)に設けた電源接続部(コネクタC1)に接続可能な電源であり、かつ、通常のシャッター装置の使用状態では、電源接続部(コネクタC1)に接続されておらず、停電時等に一時的に電源接続部(コネクタC1)に接続される電源である。
図1に示す態様では、臨時電源として可搬式の発電機Gを用意し、発電機Gの出力側にコネクタC1に接続できるコネクタC2を備えた電線EW2を設けて、電源接続装置9の操作ボックスの前面部90に露出するコネクタC1に発電機Gを接続可能となっている。発電機Gは、例えば、走行ローラを備えた可動式の発電機Gである。
発電機Gに代えて、例えば、移動台車に搭載された大型バッテリを臨時電源として用いてもよい。また、非停電時に何等かの理由でシャッターを駆動したい場合には、壁体に露出した電源コンセントPを臨時電源として用いてもよい。
図1に示すように、第1実施形態に係る管理併用防火シャッターの電動開閉機M及び制御装置4には、回路遮断器Brを介して商用電源が接続されており、通常時には、商用電源から供給される電力によって作動するようになっている。商用電源からの入力は電源切替装置8を介して、電動開閉機M、制御装置4に供給される。より具体的には、商用電源と電源切替装置8は電線(電源線)EW3によって電気的に接続されており、電源切替装置8と電動開閉機Mのシャッター制御盤5は電線(電源線)EW4によって電気的に接続されており、シャッター制御盤5と制御装置4は電線(電源線)EW5によって電気的に接続されている。本実施形態では、商用電源からの電力は電動開閉機Mのシャッター制御盤5に供給され、電動開閉機Mのシャッター制御盤5に供給された電力が制御装置4に供給されるようになっている。電動開閉操作部3Aと制御装置4は、電線(信号線)EW4´によって電気的に接続されており、制御装置4とシャッター制御盤5は、電線(信号線)EW5´によって電気的に接続されている。電動開閉操作部3Aからの開信号、閉信号、停止信号は、制御装置4を介してシャッター制御盤5に出力される。
臨時電源を使用する場合の電動開閉機Mの電源線は、電源接続装置9と電源切替装置8を電気的に接続する電線EW1と、電源切替装置8と電動開閉機Mのシャッター制御盤5を電気的に接続する電線EW4と、からなる。臨時電源からの電力は電動開閉機Mのシャッター制御盤5に供給され、電動開閉機Mのシャッター制御盤5に供給された電力が制御装置4に供給されるようになっている。電源接続装置9とシャッター制御盤5は電線(信号線)EW1´によって接続されており、電動開放操作部(開スイッチ9A)からの開信号は、電線EW1´を通って、制御装置4を経由せずに、シャッター制御盤5に出力される。
1つの態様では、例えば、電線EW1は、ガイドレール2の側方の壁体内を通って、壁体の下方部位に埋設した電源接続装置9の操作ボックスまで延びており、電線EW1の第2端には電源接続装置9が電気的に接続されている。同様に、信号線である電線EW1´は、壁体内を通って延びている。電源接続装置9の操作ボックスには図示しない蓋が設けてあり、蓋を開けることで前面部90及び前面部90に設けた開スイッチ9A、コネクタC1が露出するようになっている。
上記例では、電動開閉機Mへ電力を供給する電線EW1、信号を供給する電線EW1´は壁体内を通るように設けてあるが、電線EW1、EW1´を、壁体の外面に沿って設けてもよい。また、電線EW1、EW1´を、ガイドレール2を介して開口部下方まで案内してもよい。より具体的には、電線は、ガイドレール2内を通って、または、ガイドレール2外面に沿って、ガイドレール2の下方部位まで延びており、下方部位において電線EW1の端部にはコネクタC1を備えた電源接続装置9が電気的に設けられる。コネクタC1はガイドレール2の外面に露出可能に設けてもよく、あるいは、ガイドレール2に電源接続装置が設けてある場合には、当該電源接続装置の前面において外部に露出可能に設けてもよい。あるいは、電線EW1は、壁体内あるいはガイドレール2内を通って、または、壁体外面あるいはガイドレール2の外面に沿って、ガイドレール2の下方部位あるいは壁体の下方部位(床面ないし床内を含む)まで延びており、電源接続装置の操作ボックス(開スイッチ9Aが設けられる)及びガイドレール2とは独立した壁体上ないし床面上あるいは床面内の部位において、外部から接続可能な電源接続部としてのコネクタC1を設けてもよく、この場合、電源接続装置の開スイッチ9Aと電源接続部(コネクタC1)は物理的に離れた場所に配置される。
本実施形態において、電動開閉機Mを駆動するための電力を供給する臨時電源は、コネクタC1に接続可能な可搬式発電機あるいは電源コンセント、バッテリ(例えば、移動台車に搭載されたバッテリ)であるが、これらの臨時電源は通常時には、コネクタC1に接続されておらず、すなわち、これらの臨時電源と電動開閉機Mとは接続されていない。
シャッター装置は、通常時の使用状態では、コネクタC1には、可搬式発電機は接続されていない。停電時等にシャッターを開閉させる必要が生じた場合には、臨時電源をコネクタC1に接続することで、臨時電源からの電力が、電線EW1、電線EW4を介して、電動開閉機Mのシャッター制御盤5に供給されて、電動開閉機Mが動作可能となる。同時に、臨時電源からの電力が、電線EW1、電線EW4、電線EW5を介して、制御装置4に供給されて、制御装置4が動作可能となる。電動開閉操作部3Aからの入力(開信号、閉信号、停止信号)は、電線EW4´を介して制御装置4に出力(送信)され、さらに、制御装置4からシャッター制御盤5に出力(送信)されて、電動開閉機Mによるシャッターカーテン1の電動開閉が可能となる。
臨時電源を用いた電動降下時に、シャッターカーテン1の下座板が障害物に当たった場合には、復帰ワイヤ(第2ワイヤW3+第1ワイヤW2)により作動部7のブレーキ解放体がブレーキ復帰位置に移動することに連動して、作動部7から電線EW6を介して制御装置4に障害物検知信号が送信され、制御装置4からシャッター制御盤5に停止信号が送信されて、シャッターカーテン1の降下が停止する。
火災時等に自重降下中のシャッターカーテン1の下座板が障害物に当たった場合には、復帰ワイヤ(第2ワイヤW3+第1ワイヤW2)により作動体7のブレーキ解放体がブレーキ復帰位置に移動してシャッターカーテン1の自重降下が停止する。自重降下中のシャッターカーテン1の下座板が障害物に当たってシャッターカーテン1を停止させた後に障害物が取り除かれると、復帰ワイヤの引き出しが可能となって、ブレーキ解放体がブレーキ解放方向に移動して、シャッターカーテン1が自重再降下する。停電時において、臨時電源が接続される前にシャッターカーテン1が自重降下し、自重降下中のシャッターカーテン1の下座板が障害物に当たった場合も同様である。なお、1つの態様では、制御装置4が火災検知信号を受信している間は当該制御装置4は火災モードとなり、火災モード中は電動開閉操作部3Aからの信号が無効とされる。
図1に示す態様では、電源接続装置9には、電動開放操作部(開スイッチ9A)が設けてあり、電動開放操作スイッチ7Aからの開放信号は、コネクタC1とシャッター制御盤6とを電気的に接続する電線EW1´を通って、制御装置4を経由しないで電動開閉機Mのシャッター制御盤6に送信される。電動開放操作部7Aからの開放信号は、制御装置4による制御とは独立しており、制御装置4が動作可能であるか否か(例えば、制御装置4が故障していないか否か)、あるいは、火災信号の有無にかかわらず(例えば、制御装置4が通常モードであるか火災モードであるかにかかわらず)、電動開放操作部7Aからの開放信号は有効であり、シャッターカーテン1の開放が可能である。したがって、制御装置4が故障したような場合であっても、あるいは、自重降下中や全閉状態のシャッターカーテン1を上昇させたい場合(例えば、避難者が通過する十分な開口を確保したい場合)には、制御装置4が火災モード中であっても、電動開放操作スイッチ7Aを押すことで、シャッターカーテン1を上昇させることができる。本実施形態では電動開放スイッチ7Aの押し切り動作によってシャッターカーテン1を開放させるものであることから、避難者が開口部を通過した後に、電動開放スイッチ7Aから手を離せば、電動開閉機Mの駆動が停止し、火災検知信号が継続して出力中の場合、シャッターカーテン1は自重で再降下する。
[A−2]第2実施形態
図2を参照しつつ、危害防止装置付き防火シャッターについて説明する。図中、要素間を繋ぐ実線は電線である。図2に示すように、シャッター装置は、左右のガイドレール2の間に形成された開口部を開閉するシャッターカーテン1と、開口部の上方に設けられ、シャッターカーテン1が巻き取られる巻取シャフト(図示せず)と、開口部上方において、開口幅方向の一側に寄った部位に設けられ、巻取シャフトと伝動連結されている電動開閉機Mと、電動開閉操作部と手動閉鎖装置(非常作動スイッチ31)を備えた操作ボックス3と、制御装置(危害防止連動中継器)4と、自動閉鎖装置6と、煙感知器6aと、防災盤6bと、を備えている。
シャッターカーテン1は、複数枚の開口幅方向に延びる長尺状のスラットを上下に連結して構成されており、下端には座板1Aが設けてある。座板1Aは、開口部幅方向に延びる長尺状の上座板(図示せず)と、上座板の下方側に上座板に対して相対的に上下動自在に吊持された長尺状の下座板(図示せず)とからなり、座板1Aは、障害物検知手段の一構成要素である座板スイッチを備えている。シャッターカーテン1の最下端に設けた座板1Aは、座板スイッチを有しており、下降中のシャッターカーテン1の下方に障害物が存在する場合に、これを座板スイッチで検出し、障害物検知信号を信号線1Bによって制御装置(危害防止連動中継器)4に出力する。座板スイッチに接続される信号線1Bは、開口部上端に位置して取り付けられたコードリールC内に巻き取り方向への付勢力を保持して巻装される。
管理併用防火シャッターは、電動開閉機Mによって電動駆動される。具体的には、操作ボックス3の電動開閉操作部から開スイッチが押されると、開信号が制御装置4を介してシャッター制御盤5に送信され、電動開閉機Mが駆動して、シャッターカーテン1を上昇させ、電動開閉操作部から閉スイッチが押されると、閉信号が制御装置4を介してシャッター制御盤5に送信され、電動開閉機Mが駆動して、シャッターカーテン1を下降させ、電動開閉操作部から停止スイッチが押されると、停止信号が制御装置4を介してシャッター制御盤5に送信され、電動開閉機Mが停止して、移動中のシャッターカーテン1を停止させる。
管理併用防火シャッターにおいて、開口部全開状態で火災が発生すると、煙感知器6aによって火災が感知され、防災盤6bからの火災検知信号に基づく自動閉鎖装置6の作動によって、シャッターカーテン1が、その幅方向両端部がガイドレール2の溝部に案内されながら自重降下し、シャッターカーテン1の最下端の座板1Aが着床して開口部を全閉する。
本実施形態に係る自動閉鎖装置6は、電動開閉機Mに隣接して設けられ、防災盤6bからの火災検知信号の入力あるいは非常作動スイッチ31(手動閉鎖装置)からの手動閉鎖信号の入力によってシャッターカーテン1を自重降下させる。本実施形態では、火災検知信号、手動閉鎖信号は制御装置(危害防止連動中継器)4に入力され、火災検知信号あるいは手動閉鎖信号の入力に応じて、制御装置(危害防止連動中継器)4からブレーキ解放信号が電線EW7を介して自動閉鎖装置6に出力され、自動閉鎖装置(ブレーキ解放機構)6の作動によって電動開閉機Mのブレーキを解放して、シャッターカーテン1を自重降下させる。
図2に示すように、防災盤6b、自動閉鎖装置6、有線式の障害物検知手段は、例えば天井裏に配設された制御装置(危害防止連動中継器)4にケーブルを介してそれぞれ電気的に接続されている。制御装置(危害防止連動中継器)4は、火災時に煙検知器6aの検知に基づく防災盤6bからの信号を受信すると、自動閉鎖装置6にブレーキ解放信号を送信して自動閉鎖装置(ブレーキ解放機構)6を作動させて電動開閉機Mのブレーキを解放してシャッターカーテン1を自重降下させる。一方、制御装置(危害防止連動中継器)4は、自重降下するシャッターカーテン1が障害物(例えば避難者)に接触して生成される障害物検知信号を受信すると、有線式の障害物検知によって、自動閉鎖装置6にブレーキ復帰信号を送信して自動閉鎖装置(ブレーキ復帰機構)6を作動させて、電動開閉機Mのブレーキを復帰させてシャッターカーテン1の自重降下を停止させる。
自動閉鎖装置6の作動について説明する。防災盤6bからの火災信号を制御装置(危害防止連動中継器)4が受信すると、制御装置4からの通電によって自動閉鎖装置(ブレーキ解放機構)6が作動して、電動開閉機Mのブレーキ部を解放させてシャッター2を自重降下させて防火区画を形成する。自重降下するシャッターカーテン1の下端の座板1Aに障害物が当接した時には、座板スイッチから障害物検知信号が制御装置4に送信され、障害物検知信号を受信した制御装置4からの指令で、電動開閉機Mのブレーキが復帰する。
座板スイッチから検知信号が制御装置(危害防止連動中継器)4に送信されると、検知信号を受信した制御装置4から自動閉鎖装置6に所定時間、例えば、0.5秒から1秒程度、DC24Vが通電(ブレーキ復帰信号)されて、ブレーキ復帰機構が作動して、電動開閉機Mのブレーキが復帰する。障害物が除去されると、制御装置4は、障害物が除去されたことを、座板スイッチを介して検知する。障害物が除去されたことを検知した後、所定時間、例えば、10秒から20秒後に、制御装置4から自動閉鎖装置6に起動信号(DC24)が通電され、電動開閉機Mのブレーキが解放され、シャッターカーテン1は自重降下を再開する。
制御装置(危害防止連動中継器)4は、電動降下するシャッターカーテン1が障害物(例えば避難者)に接触して生成される障害物検知信号を受信すると、有線式の障害物検知によって、シャッター制御盤5に信号を送信して電動開閉機Mの駆動を停止させてシャッターカーテン1の電動降下を停止させる。
本実施形態に係る障害物検知手段は有線式であり、座板スイッチに接続される信号線1Bは、開口部上端に位置して取り付けられたコードリールC内に巻き取り方向への付勢力を保持して巻装されており、シャッターカーテン1の昇降駆動に伴って、信号線1BがコードリールCに巻き取られ、あるいは、繰り出されるようになっている。座板スイッチの具体的な構成としては、座板を上座板と下座板から構成して、上座板に対して下座板が上動することで上座板と下座板との間に設けたスイッチが入力されるもの、座板の下面にテープスイッチを設けたもの、座板を上座板と下座板から構成して、上座板に対して下座板が上動することで座板の端部に設けたリンク機構によってガイドレール内のテープスイッチが入力されるもの、等が例示される。また、障害物検知は無線方式(赤外線や電波)であってもよい。
操作ボックス3は、シャッター装置の近傍の壁面において、操作し易い高さに設けてある。操作ボックス3は蓋を備えており、蓋を開けることで露出する前面部30には、電動開閉操作部、及び、手動閉鎖装置を構成する非常作動スイッチ31(蓋を開けずに押し操作可能)が設けてある。本実施形態に係る手動閉鎖装置は電気式手動閉鎖装置であって、例えば、非常作動スイッチ31を押すことで、無電圧接点信号が生成されて、制御装置4からブレーキ解放信号を出力する。非常作動スイッチ31は、例えば、火災信号入力による制御作動に先立ってシャッターカーテン1を直ちに自重降下させたいような場合に用いられる。操作ボックス3の前面部30には、復旧ボタン(図示せず)が設けてあり、復旧ボタンを押し操作することで、制御装置4が火災モードから通常モードに復旧する。
本実施形態に係る管理併用防火シャッターの制御システムでは、制御装置(危害防止連動中継器)4を経由して制御が行われている。制御装置(危害防止連動中継器)4には、通常時の商用電源とは別に停電時の制御動作を確保するために小容量のバッテリ(図示せず)が内蔵されており、火災時に、停電で商用電源が遮断されるような緊急状態であっても、バッテリによって、火災検知信号に基づいて信号を出力して、自動閉鎖装置6を作動させて、シャッターカーテン1の自重降下を行えるようになっている。
本実施形態に係る管理併用防火シャッターにおいて、通常時には、電動開閉機M及び制御装置4には商用電源からの電力が供給される。停電時等には、臨時電源を用いてシャッターの電動開閉及び開閉制御が可能となっている。本実施形態では、電源供給路には電源切替装置8が設けてあり、商用電源と臨時電源の両方の電源が有効な場合には、いずれかの電源を選択可能となっている。1つの態様では、非停電時に臨時電源が接続された場合には、電源切替装置8において、臨時電源が優先されて、臨時電源からの電力が電動開閉機M及び制御装置4に供給される。この場合、臨時電源を選択する手段は限定されないが、例えば、電源切替装置8において、臨時電源が接続された時の電線EW1の電流の検出に応じて、電線EW4へ供給する電源を商用電源から臨時電源に切り替える。なお、非停電時に臨時電源が接続された場合に、電源切替装置8において、商用電源が優先されて、商用電源からの電力が電動開閉機M及び制御装置4に供給されるようにしてもよい。
本実施形態では、躯体には、電動開閉操作部3Aの操作ボックスに隣接して、臨時電源と接続可能な電源接続部としてのコネクタC1を備えた筐体としての操作ボックスからなる電源接続装置9が設けられる。本実施形態では、電源接続装置9には、さらに、電動開放操作部(開スイッチ9A)が設けてあり、電動開放操作部(開スイッチ9A)と電源接続部(コネクタC1)は、開スイッチ9Aが上側、コネクタC1が下側に位置して、上下に隣接して配置されている。なお、電源接続装置9の前面部90に、コネクタC1、電動開放操作部(開スイッチ9A)に加えて、図示しない閉スイッチおよび/あるいは停止スイッチを設けてもよい。
臨時電源は、電動開閉機Mへ電力を供給する電線EW1(コネクタC1と電源切替装置8を電気的に接続する)に設けた電源接続部(コネクタC1)に接続可能な電源であり、かつ、通常のシャッター装置の使用状態では、電源接続部(コネクタC1)に接続されておらず、停電時等に一時的に電源接続部(コネクタC1)に接続される電源である。
図2に示す態様では、臨時電源として可搬式の発電機Gを用意し、発電機Gの出力側にコネクタC1に接続できるコネクタC2を備えた電線EW2を設けて、電源接続装置9の操作ボックスの前面部90に露出するコネクタC1に発電機Gを接続可能となっている。発電機Gは、例えば、走行ローラを備えた可動式の発電機Gである。
発電機Gに代えて、例えば、移動台車に搭載された大型バッテリを臨時電源として用いてもよい。また、非停電時に何等かの理由でシャッターを駆動したい場合には、壁体に露出した電源コンセントPを臨時電源として用いてもよい。
図2に示すように、第2実施形態に係る管理併用防火シャッターの電動開閉機M及び制御装置4には、回路遮断器Brを介して商用電源が接続されており、通常時には、商用電源から供給される電力によって作動するようになっている。商用電源からの入力は電源切替装置8を介して、電動開閉機M、制御装置4に供給される。より具体的には、商用電源と電源切替装置8は電線(電源線)EW3によって電気的に接続されており、電源切替装置8と電動開閉機Mのシャッター制御盤5は電線(電源線)EW4によって電気的に接続されており、シャッター制御盤5と制御装置4は電線(電源線)EW5によって電気的に接続されている。本実施形態では、商用電源からの電力は電動開閉機Mのシャッター制御盤5に供給され、電動開閉機Mのシャッター制御盤5に供給された電力が制御装置4に供給されるようになっている。電動開閉操作部3Aと制御装置4は、電線(信号線)EW4´によって電気的に接続されており、制御装置4とシャッター制御盤5は、電線(信号線)EW5´によって電気的に接続されている。電動開閉操作部3Aからの開信号、閉信号、停止信号は、制御装置4を介してシャッター制御盤5に出力される。
臨時電源を使用する場合の電動開閉機Mの電源線は、電源接続装置9と電源切替装置8を電気的に接続する電線EW1と、電源切替装置8と電動開閉機Mのシャッター制御盤5を電気的に接続する電線EW4と、からなる。臨時電源からの電力は電動開閉機Mのシャッター制御盤5に供給され、電動開閉機Mのシャッター制御盤5に供給された電力が制御装置4に供給されるようになっている。電源接続装置9とシャッター制御盤5は電線(信号線)EW1´によって接続されており、電動開放操作部(開スイッチ9A)からの開信号は、電線EW1´を通って、制御装置4を経由せずに、シャッター制御盤5に出力される。
1つの態様では、例えば、電線EW1は、ガイドレール2の側方の壁体内を通って、壁体の下方部位に埋設した電源接続装置9の操作ボックスまで延びており、電線EW1の第2端には電源接続装置9が電気的に接続されている。同様に、信号線である電線EW1´は、壁体内を通って延びている。電源接続装置9の操作ボックスには図示しない蓋が設けてあり、蓋を開けることで前面部90及び前面部90に設けた開スイッチ9A、コネクタC1が露出するようになっている。
上記例では、電動開閉機Mへ電力を供給する電線EW1、信号を供給する電線EW1´は壁体内を通るように設けてあるが、電線EW1、EW1´を、壁体の外面に沿って設けてもよい。また、電線EW1、EW1´を、ガイドレール2を介して開口部下方まで案内してもよい。より具体的には、電線は、ガイドレール2内を通って、または、ガイドレール2外面に沿って、ガイドレール2の下方部位まで延びており、下方部位において電線EW1の端部にはコネクタC1を備えた電源接続装置9が電気的に設けられる。コネクタC1はガイドレール2の外面に露出可能に設けてもよく、あるいは、ガイドレール2に電源接続装置が設けてある場合には、当該電源接続装置の前面において外部に露出可能に設けてもよい。あるいは、電線EW1は、壁体内あるいはガイドレール2内を通って、または、壁体外面あるいはガイドレール2の外面に沿って、ガイドレール2の下方部位あるいは壁体の下方部位(床面ないし床内を含む)まで延びており、電源接続装置の操作ボックス(開スイッチ9Aが設けられる)及びガイドレール2とは独立した壁体上ないし床面上あるいは床面内の部位において、外部から接続可能な電源接続部としてのコネクタC1を設けてもよく、この場合、電源接続装置の開スイッチ9Aと電源接続部(コネクタC1)は物理的に離れた場所に配置される。
本実施形態において、電動開閉機Mを駆動するための電力を供給する臨時電源は、コネクタC1に接続可能な可搬式発電機あるいは電源コンセント、バッテリ(例えば、移動台車に搭載されたバッテリ)であるが、これらの臨時電源は通常時には、コネクタC1に接続されておらず、すなわち、これらの臨時電源と電動開閉機Mとは接続されていない。
シャッター装置は、通常時の使用状態では、コネクタC1には、可搬式発電機は接続されていない。停電時等にシャッターを開閉させる必要が生じた場合には、臨時電源をコネクタC1に接続することで、臨時電源からの電力が、電線EW1、電線EW4を介して、電動開閉機Mのシャッター制御盤5に供給されて、電動開閉機Mが動作可能となる。同時に、臨時電源からの電力が、電線EW1、電線EW4、電線EW5を介して、制御装置4に供給されて、制御装置が動作可能となる。電動開閉操作部3Aからの入力(開信号、閉信号、停止信号)は、電線EW4´を介して制御装置4に出力(送信)され、さらに、制御装置4からシャッター制御盤5に出力(送信)されて、電動開閉機Mによるシャッターカーテン1の電動開閉が可能となる。
臨時電源を用いた電動降下時に、シャッターカーテン1の下座板が障害物に当たった場合には、座板スイッチからの障害物検知信号がコードリールC、電線EW6´を介して制御装置4に送信され、制御装置4からシャッター制御盤5に電線EW5´を通って停止信号が送信されて、シャッターカーテン1の電動降下が停止する。
火災時等に自重降下中のシャッターカーテン1の下座板が障害物に当たった場合には、
座板スイッチからの障害物検知信号がコードリールC、電線EW6´を介して制御装置4に送信され、制御装置4から自動閉鎖装置6に電線EW7を通ってブレーキ復帰信号が送信されて、
ブレーキ復帰機構が作動して、電動開閉機Mのブレーキが復帰して、シャッターカーテン1の自重降下が停止する。障害物が除去されると、制御装置4は、障害物が除去されたことを、座板スイッチを介して検知し、電線EW7を通って、制御装置4から自動閉鎖装置6に起動信号(DC24)が通電され、電動開閉機Mのブレーキが解放され、シャッターカーテン1は自重降下を再開する。停電時において、臨時電源が接続される前にシャッターカーテン1が自重降下し、自重降下中のシャッターカーテン1の下座板が障害物に当たった場合も同様である。なお、1つの態様では、制御装置4が火災検知信号を受信している間は当該制御装置4は火災モードとなり、火災モード中は電動開閉操作部3Aからの信号が無効とされる。
図2に示す態様では、電源接続装置9には、電動開放操作部(開スイッチ9A)が設けてあり、電動開放操作スイッチ7Aからの開放信号は、コネクタC1とシャッター制御盤6とを電気的に接続する電線EW1´を通って、制御装置4を経由しないで電動開閉機Mのシャッター制御盤6に送信される。電動開放操作部7Aからの開放信号は、制御装置4による制御とは独立しており、制御装置4が動作可能であるか否か(例えば、制御装置4が故障していないか否か)、あるいは、火災信号の有無にかかわらず(例えば、制御装置4が通常モードであるか火災モードであるかにかかわらず)、電動開放操作部7Aからの開放信号は有効であり、シャッターカーテン1の開放が可能である。したがって、制御装置4が故障したような場合であっても、あるいは、自重降下中や全閉状態のシャッターカーテン1を上昇させたい場合(例えば、避難者が通過する十分な開口を確保したい場合)には、制御装置4が火災モード中であっても、電動開放操作スイッチ7Aを押すことで、シャッターカーテン1を上昇させることができる。本実施形態では電動開放スイッチ7Aの押し切り動作によってシャッターカーテン1を開放させるものであることから、避難者が開口部を通過した後に、電動開放スイッチ7Aから手を離せば、電動開閉機Mの駆動が停止し、火災検知信号が継続して出力中の場合、シャッターカーテン1は自重で再降下する。
[B]管理用シャッター(第3実施形態)
図3を参照しつつ、管理用シャッターについて説明する。図中、要素間を繋ぐ実線は電線である。図3に示すように、シャッター装置は、左右のガイドレール2の間に形成された開口部を開閉するシャッターカーテン1と、開口部の上方に設けられ、シャッターカーテン1が巻き取られる巻取シャフト(図示せず)と、開口部上方において、開口幅方向の一側に寄った部位に設けられ、巻取シャフトと伝動連結されている電動開閉機Mと、電動開閉操作部3Aと、を備えている。電動開閉操作部3Aは、シャッター装置の近傍の壁面において、操作し易い高さに設けてある。
シャッターカーテン1は、複数枚の開口幅方向に延びる長尺状のスラットを上下に連結して構成されており、下端には座板1Aが設けてある。座板1Aは、開口部幅方向に延びる長尺状の上座板(図示せず)と、上座板の下方側に上座板に対して相対的に上下動自在に吊持された長尺状の下座板(図示せず)とからなり、座板1Aは、障害物検知手段の一構成要素である座板スイッチを備えている。シャッターカーテン1の最下端に設けた座板1Aは、座板スイッチを有しており、下降中のシャッターカーテン1の下方に障害物が存在する場合に、これを座板スイッチで検出し制御装置4に出力する。
管理用シャッターは、電動開閉機Mによって電動駆動される。具体的には、電動開閉操作部3Aから開スイッチが押されると、開信号が制御装置4を介してシャッター制御盤5に送信され、電動開閉機Mが駆動して、シャッターカーテン1を上昇させ、電動開閉操作部3Aから閉スイッチが押されると、閉信号が制御装置4を介してシャッター制御盤5に送信され、電動開閉機Mが駆動して、シャッターカーテン1を下降させ、電動開閉操作部3Aから停止スイッチが押されると、停止信号が制御装置4を介してシャッター制御盤5に送信され、電動開閉機Mが停止して、移動中のシャッターカーテン1を停止させる。
制御装置4は、電動降下するシャッターカーテン1が障害物(例えば避難者)に接触して生成される障害物検知信号を受信すると、無線方式の障害物検知手段によって、シャッター制御盤5に信号を送信して電動開閉機Mの駆動を停止させてシャッターカーテン1の電動降下を停止させる。より詳しくは、障害物検知手段は、座板1Aに設けた送信部12と、開口部上方(たとえば、まぐさ部)に設けた受信部13と、からなり、送信部12には障害物検知信号を出力するためのバッテリが設けてある。座板スイッチが障害物を検知すると、送信部12から受信部13に障害物検知信号が無線送信され、障害物検知信号を受信した受信部13から電線EW6´を通って制御装置4に障害物検知信号が送信される。障害物検知信号を受信した制御装置4からシャッター制御盤5に停止信号が送信されて、シャッターカーテン1の電動開閉が停止する。
本実施形態に係る障害物検知手段は無線方式(赤外線や電波)であるが、座板スイッチの具体的な構成としては、座板を上座板と下座板から構成して、上座板に対して下座板が上動することで上座板と下座板との間に設けたスイッチが入力されるもの、座板の下面にテープスイッチを設けたもの、座板を上座板と下座板から構成して、上座板に対して下座板が上動することで座板の端部に設けたリンク機構によってガイドレール内のテープスイッチが入力されるもの、等が例示される。また、障害物検知は有線方式(例えば、コードリールを用いるもの)であってもよい。
本実施形態に係る管理用シャッターにおいて、通常時には、電動開閉機M及び制御装置4には商用電源からの電力が供給される。停電時等には、臨時電源を用いてシャッターの電動開閉及び開閉制御が可能となっている。本実施形態では、電源供給路には電源切替装置8が設けてあり、商用電源と臨時電源の両方の電源が有効な場合には、いずれかの電源を選択可能となっている。1つの態様では、非停電時に臨時電源が接続された場合には、電源切替装置8において、臨時電源が優先されて、臨時電源からの電力が電動開閉機M及び制御装置4に供給される。この場合、臨時電源を選択する手段は限定されないが、例えば、電源切替装置8において、臨時電源が接続された時の電線EW1の電流の検出に応じて、電線EW4へ供給する電源を商用電源から臨時電源に切り替える。なお、非停電時に臨時電源が接続された場合に、電源切替装置8において、商用電源が優先されて、商用電源からの電力が電動開閉機M及び制御装置4に供給されるようにしてもよい。
本実施形態では、躯体には、電動開閉操作部3Aの操作ボックスに隣接して、臨時電源と接続可能な電源接続部としてのコネクタC1を備えた筐体としての操作ボックスからなる電源接続装置9が設けられる。本実施形態では、電源接続装置9には、さらに、電動開放操作部(開スイッチ9A)が設けてあり、電動開放操作部(開スイッチ9A)と電源接続部(コネクタC1)は、開スイッチ9Aが上側、コネクタC1が下側に位置して、上下に隣接して配置されている。なお、電源接続装置9の前面部90に、コネクタC1、電動開放操作部(開スイッチ9A)に加えて、図示しない閉スイッチおよび/あるいは停止スイッチを設けてもよい。
臨時電源は、電動開閉機Mへ電力を供給する電線EW1(コネクタC1と電源切替装置8を電気的に接続する)に設けた電源接続部(コネクタC1)に接続可能な電源であり、かつ、通常のシャッター装置の使用状態では、電源接続部(コネクタC1)に接続されておらず、停電時等に一時的に電源接続部(コネクタC1)に接続される電源である。
図3に示す態様では、臨時電源として可搬式の発電機Gを用意し、発電機Gの出力側にコネクタC1に接続できるコネクタC2を備えた電線EW2を設けて、電源接続装置9の操作ボックスの前面部90に露出するコネクタC1に発電機Gを接続可能となっている。発電機Gは、例えば、走行ローラを備えた可動式の発電機Gである。
発電機Gに代えて、例えば、移動台車に搭載された大型バッテリを臨時電源として用いてもよい。また、非停電時に何等かの理由でシャッターを駆動したい場合には、壁体に露出した電源コンセントPを臨時電源として用いてもよい。
図3に示すように、第3実施形態に係る管理用シャッターの電動開閉機M及び制御装置4には、回路遮断器Brを介して商用電源が接続されており、通常時には、商用電源から供給される電力によって作動するようになっている。商用電源からの入力は電源切替装置8を介して、電動開閉機M、制御装置4に供給される。より具体的には、商用電源と電源切替装置8は電線(電源線)EW3によって電気的に接続されており、電源切替装置8と電動開閉機Mのシャッター制御盤5は電線(電源線)EW4によって電気的に接続されており、シャッター制御盤5と制御装置4は電線(電源線)EW5によって電気的に接続されている。本実施形態では、商用電源からの電力は電動開閉機Mのシャッター制御盤5に供給され、電動開閉機Mのシャッター制御盤5に供給された電力が制御装置4に供給されるようになっている。電動開閉操作部3Aと制御装置4は、電線(信号線)EW4´によって電気的に接続されており、制御装置4とシャッター制御盤5は、電線(信号線)EW5´によって電気的に接続されている。電動開閉操作部3Aからの開信号、閉信号、停止信号は、制御装置4を介してシャッター制御盤5に出力される。
臨時電源を使用する場合の電動開閉機Mの電源線は、電源接続装置9と電源切替装置8を電気的に接続する電線EW1と、電源切替装置8と電動開閉機Mのシャッター制御盤5を電気的に接続する電線EW4と、からなる。臨時電源からの電力は電動開閉機Mのシャッター制御盤5に供給され、電動開閉機Mのシャッター制御盤5に供給された電力が制御装置4に供給されるようになっている。電源接続装置9とシャッター制御盤5は電線(信号線)EW1´によって接続されており、電動開放操作部(開スイッチ9A)からの開信号は、電線EW1´を通って、制御装置4を経由せずに、シャッター制御盤5に出力される。
1つの態様では、例えば、電線EW1は、ガイドレール2の側方の壁体内を通って、壁体の下方部位に埋設した電源接続装置9の操作ボックスまで延びており、電線EW1の第2端には電源接続装置9が電気的に接続されている。同様に、信号線である電線EW1´は、壁体内を通って延びている。電源接続装置9の操作ボックスには図示しない蓋が設けてあり、蓋を開けることで前面部90及び前面部90に設けた開スイッチ9A、コネクタC1が露出するようになっている。
上記例では、電動開閉機Mへ電力を供給する電線EW1、信号を供給する電線EW1´は壁体内を通るように設けてあるが、電線EW1、EW1´を、壁体の外面に沿って設けてもよい。また、電線EW1、EW1´を、ガイドレール2を介して開口部下方まで案内してもよい。より具体的には、電線は、ガイドレール2内を通って、または、ガイドレール2外面に沿って、ガイドレール2の下方部位まで延びており、下方部位において電線EW1の端部にはコネクタC1を備えた電源接続装置9が電気的に設けられる。コネクタC1はガイドレール2の外面に露出可能に設けてもよく、あるいは、ガイドレール2に電源接続装置が設けてある場合には、当該電源接続装置の前面において外部に露出可能に設けてもよい。あるいは、電線EW1は、壁体内あるいはガイドレール2内を通って、または、壁体外面あるいはガイドレール2の外面に沿って、ガイドレール2の下方部位あるいは壁体の下方部位(床面ないし床内を含む)まで延びており、電源接続装置の操作ボックス(開スイッチ9Aが設けられる)及びガイドレール2とは独立した壁体上ないし床面上あるいは床面内の部位において、外部から接続可能な電源接続部としてのコネクタC1を設けてもよく、この場合、電源接続装置の開スイッチ9Aと電源接続部(コネクタC1)は物理的に離れた場所に配置される。
本実施形態において、電動開閉機Mを駆動するための電力を供給する臨時電源は、コネクタC1に接続可能な可搬式発電機あるいは電源コンセント、バッテリ(例えば、移動台車に搭載されたバッテリ)であるが、これらの臨時電源は通常時には、コネクタC1に接続されておらず、すなわち、これらの臨時電源と電動開閉機Mとは接続されていない。
シャッター装置は、通常時の使用状態では、コネクタC1には、可搬式発電機は接続されていない。停電時等にシャッターを開閉させる必要が生じた場合には、臨時電源をコネクタC1に接続することで、臨時電源からの電力が、電線EW1、電線EW4を介して、電動開閉機Mのシャッター制御盤5に供給されて、電動開閉機Mが動作可能となる。同時に、臨時電源からの電力が、電線EW1、電線EW4、電線EW5を介して、制御装置4に供給されて、制御装置が動作可能となる。電動開閉操作部3Aからの入力(開信号、閉信号、停止信号)は、電線EW4´を介して制御装置4に出力(送信)され、さらに、制御装置4からシャッター制御盤5に出力(送信)されて、電動開閉機Mによるシャッターカーテン1の電動開閉が可能となる。臨時電源を用いた電動降下時に、障害物検知が行われた場合には、障害物検知手段を構成する受信部13から電線EW6´を通って制御装置4に障害物検知信号が送信され、制御装置4からシャッター制御盤5に停止信号が送信されて、シャッターカーテン1の降下が停止する。
図3に示す態様では、電源接続装置9には、電動開放操作部(開スイッチ9A)が設けてあり、電動開放操作部からの開信号によって、シャッターカーテン1を開放させることができる。1つの態様では、開スイッチ9Aの押し切り動作(開スイッチ9Aの押し操作を継続している間だけシャッターカーテン1が上昇する)によってシャッターカーテン1を上昇させる。電動開放操作部(開スイッチ9A)からの開信号は、制御装置4を経由しないでシャッター制御盤5に出力されるので、例えば、制御装置4が故障したような場合であっても、シャッターカーテン1の開放が可能である。
[C]光電センサを備えた電動シャッター(第4実施形態)
図4を参照しつつ、光電センサを備えた電動シャッターについて説明する。図中、要素間を繋ぐ実線は電線である。図4に示すように、シャッター装置は、左右のガイドレール2の間に形成された開口部を開閉するシャッターカーテン1と、開口部の上方に設けられ、シャッターカーテン1が巻き取られる巻取シャフト(図示せず)と、開口部上方において、開口幅方向の一側に寄った部位に設けられ、巻取シャフトと伝動連結されている電動開閉機Mと、電動開閉操作部3Aと、を備えている。電動開閉操作部3Aは、シャッター装置の近傍の壁面において、操作し易い高さに設けてある。
シャッターカーテン1は、複数枚の開口幅方向に延びる長尺状のスラットを上下に連結して構成されており、下端には座板1Aが設けてある。なお、図4では、複数枚のスラットからなるシャッターカーテン1を図示したが、光電センサを備えた電動シャッターはスラットシャッターに限定されるものではなく、例えば、複数枚のパネルによって開口部を開閉するオーバーヘッドドアであってもよい。
本実施形態に係る電動シャッターは、電動開閉機Mによって電動駆動される。具体的には、電動開閉操作部3Aから開スイッチが押されると、開信号がシャッター制御盤5に送信され、電動開閉機Mが駆動して、シャッターカーテン1を上昇させ、電動開閉操作部3Aから閉スイッチが押されると、閉信号がシャッター制御盤5に送信され、電動開閉機Mが駆動して、シャッターカーテン1を下降させ、電動開閉操作部3Aから停止スイッチが押されると、停止信号がシャッター制御盤5に送信され、電動開閉機Mが停止して、移動中のシャッターカーテン1を停止させる。
本実施形態では、障害物検知手段は、投光部14と受光部15を備えた光電センサから構成されている。左右のガイドレール2の一方のガイドレール2の下方部位には投光部14が設けられ、他方のガイドレール2の下方部位には受光部15が設けられている。投光部14から投光された光軸が障害物によって遮られたことを、受光部15で検出し、電気信号に変換して、シャッター制御盤5に障害物検知信号を送信して電動開閉機Mの駆動を停止させてシャッターカーテン1の電動降下を停止させる。
本実施形態に係る電動シャッターにおいて、通常時には、電動開閉機M及び光電センサ(投光部14、受光部15)には商用電源からの電力が供給される。停電時等には、臨時電源を用いてシャッターの電動開閉及び開閉制御が可能となっている。本実施形態では、電源供給路には電源切替装置8が設けてあり、商用電源と臨時電源の両方の電源が有効な場合には、いずれかの電源を選択可能となっている。1つの態様では、非停電時に臨時電源が接続された場合には、電源切替装置8において、臨時電源が優先されて、臨時電源からの電力が電動開閉機M及び制御装置4に供給される。この場合、臨時電源を選択する手段は限定されないが、例えば、電源切替装置8において、臨時電源が接続された時の電線EW1の電流の検出に応じて、電線EW4へ供給する電源を商用電源から臨時電源に切り替える。なお、非停電時に臨時電源が接続された場合に、電源切替装置8において、商用電源が優先されて、商用電源からの電力が電動開閉機M及び制御装置4に供給されるようにしてもよい。
本実施形態では、躯体には、電動開閉操作部3Aの操作ボックスに隣接して、臨時電源と接続可能な電源接続部としてのコネクタC1を備えた筐体としての操作ボックスからなる電源接続装置9が設けられる。本実施形態では、電源接続装置9には、さらに、電動開放操作部(開スイッチ9A)が設けてあり、電動開放操作部(開スイッチ9A)と電源接続部(コネクタC1)は、開スイッチ9Aが上側、コネクタC1が下側に位置して、上下に隣接して配置されている。なお、電源接続装置9の前面部90に、コネクタC1、電動開放操作部(開スイッチ9A)に加えて、図示しない閉スイッチおよび/あるいは停止スイッチを設けてもよい。
臨時電源は、電動開閉機Mへ電力を供給する電線EW1(コネクタC1と電源切替装置8を電気的に接続する)に設けた電源接続部(コネクタC1)に接続可能な電源であり、かつ、通常のシャッター装置の使用状態では、電源接続部(コネクタC1)に接続されておらず、停電時等に一時的に電源接続部(コネクタC1)に接続される電源である。
図4に示す態様では、臨時電源として可搬式の発電機Gを用意し、発電機Gの出力側にコネクタC1に接続できるコネクタC2を備えた電線EW2を設けて、電源接続装置9の操作ボックスの前面部90に露出するコネクタC1に発電機Gを接続可能となっている。発電機Gは、例えば、走行ローラを備えた可動式の発電機Gである。
発電機Gに代えて、例えば、移動台車に搭載された大型バッテリを臨時電源として用いてもよい。また、非停電時に何等かの理由でシャッターを駆動したい場合には、壁体に露出した電源コンセントPを臨時電源として用いてもよい。
図4に示すように、第4実施形態に係る電動シャッターの電動開閉機M及び光電センサ(投光部14、受光部15)には、回路遮断器Brを介して商用電源が接続されており、通常時には、商用電源から供給される電力によって作動するようになっている。商用電源からの入力は電源切替装置8を介して、電動開閉機M、光電センサ(投光部14、受光部15)に供給される。より具体的には、商用電源と電源切替装置8は電線(電源線)EW3によって電気的に接続されており、電源切替装置8と電動開閉機Mのシャッター制御盤5は電線(電源線)EW4によって電気的に接続されている。本実施形態では、商用電源からの電力は電動開閉機Mのシャッター制御盤5に供給され、電動開閉機Mのシャッター制御盤5に供給された電力が光電センサ(投光部14、受光部15)に供給されるようになっている。より具体的には、シャッター制御盤5から延びる電線EW8は、分岐され、電線EW80が投光部14に電気的に接続されており、電線EW81が受光部15に電気的に接続されている。電動開閉操作部3Aとシャッター制御盤5は、電線(信号線)EW9によって電気的に接続されており、電動開閉操作部3Aからの開信号、閉信号、停止信号はシャッター制御盤5に出力される。
臨時電源を使用する場合の電動開閉機Mの電源線は、電源接続装置9と電源切替装置8を電気的に接続する電線EW1と、電源切替装置8と電動開閉機Mのシャッター制御盤5を電気的に接続する電線EW4と、からなる。臨時電源からの電力は電動開閉機Mのシャッター制御盤5に供給され、電動開閉機Mのシャッター制御盤5に供給された電力が光電センサ(投光部14、受光部15)に供給されるようになっている。電源接続装置9とシャッター制御盤5は電線(信号線)EW1´によって接続されており、電動開放操作部(開スイッチ9A)からの開信号は、電線EW1´を通って、シャッター制御盤5に出力される。
1つの態様では、例えば、電線EW1は、ガイドレール2の側方の壁体内を通って、壁体の下方部位に埋設した電源接続装置9の操作ボックスまで延びており、電線EW1の第2端には電源接続装置9が電気的に接続されている。同様に、信号線である電線EW1´は、壁体内を通って延びている。電源接続装置9の操作ボックスには図示しない蓋が設けてあり、蓋を開けることで前面部90及び前面部90に設けた開スイッチ9A、コネクタC1が露出するようになっている。
上記例では、電動開閉機Mへ電力を供給する電線EW1、信号を供給する電線EW1´は壁体内を通るように設けてあるが、電線EW1、EW1´を、壁体の外面に沿って設けてもよい。また、電線EW1、EW1´を、ガイドレール2を介して開口部下方まで案内してもよい。より具体的には、電線は、ガイドレール2内を通って、または、ガイドレール2外面に沿って、ガイドレール2の下方部位まで延びており、下方部位において電線EW1の端部にはコネクタC1を備えた電源接続装置9が電気的に設けられる。コネクタC1はガイドレール2の外面に露出可能に設けてもよく、あるいは、ガイドレール2に電源接続装置が設けてある場合には、当該電源接続装置の前面において外部に露出可能に設けてもよい。あるいは、電線EW1は、壁体内あるいはガイドレール2内を通って、または、壁体外面あるいはガイドレール2の外面に沿って、ガイドレール2の下方部位あるいは壁体の下方部位(床面ないし床内を含む)まで延びており、電源接続装置の操作ボックス(開スイッチ9Aが設けられる)及びガイドレール2とは独立した壁体上ないし床面上あるいは床面内の部位において、外部から接続可能な電源接続部としてのコネクタC1を設けてもよく、この場合、電源接続装置の開スイッチ9Aと電源接続部(コネクタC1)は物理的に離れた場所に配置される。
本実施形態において、電動開閉機Mを駆動するための電力を供給する臨時電源は、コネクタC1に接続可能な可搬式発電機あるいは電源コンセント、バッテリ(例えば、移動台車に搭載されたバッテリ)であるが、これらの臨時電源は通常時には、コネクタC1に接続されておらず、すなわち、これらの臨時電源と電動開閉機Mとは接続されていない。
シャッター装置は、通常時の使用状態では、コネクタC1には、可搬式発電機は接続されていない。停電時等にシャッターを開閉させる必要が生じた場合には、臨時電源をコネクタC1に接続することで、臨時電源からの電力が、電線EW1、電線EW4を介して、電動開閉機Mのシャッター制御盤5に供給されて、電動開閉機Mが動作可能となる。同時に、臨時電源からの電力が、電線EW1、電線EW4、電線EW8(EW80、EW81)を介して、光電センサ(投光部14、受光部15)に供給されて、障害物検知手段が動作可能となる。電動開閉操作部3Aからの入力(開信号、閉信号、停止信号)は、電線EW9を介してシャッター制御盤5に出力(送信)されて、電動開閉機Mによるシャッターカーテン1の電動開閉が可能となる。臨時電源を用いた電動降下時に、障害物検知が行われた場合には、障害物検知手段を構成する光電センサの受光部15からシャッター制御盤5に障害物検知信号が送信されて、シャッターカーテン1の降下が停止する。
図4に示す態様では、電源接続装置9には、電動開放操作部(開スイッチ9A)が設けてあり、電動開放操作部からの開信号によって、シャッターカーテン1を開放させることができる。1つの態様では、開スイッチ9Aの押し切り動作(開スイッチ9Aの押し操作を継続している間だけシャッターカーテン1が上昇する)によってシャッターカーテン1を上昇させる。
図5に示すように、実施形態に係るシャッターは、シャッター制御盤を備えた電動開閉機と、電動開閉操作部3Aと、障害物検知手段と、電動開閉操作部からの入力、障害物検知手段からの入力に応じて、シャッター制御盤に所定の信号を出力してシャッターの動作を制御する制御装置と、臨時電源が接続可能な電源接続部と、を備え、停電時には、電源接続部に接続された臨時電源から供給される電力で電動開閉機が動作可能となっており、さらに、臨時電源からの電力を制御装置に供給することで、停電時における、電動開閉操作部からの入力及び障害物検知手段からの入力に応じたシャッターの動作が制御可能となっている。電動開閉機と制御装置は、電源線EW5及び信号線EW5´によって電気的に接続されており、臨時電源からの電力は、電動開閉機を介して電線EW4を通って制御装置に供給され、電動開閉操作部からの操作は、電線EW4´を通って制御装置に入力され、制御装置から電線EW5´を通って電動開閉機に出力される。障害物検知手段からの障害物検知信号は、電線EW6、EW6´を通って制御装置に入力される。