本開示の実施例は、本開示の技術的思想を説明する目的で例示されたものである。本開示による権利範囲が、以下に提示される実施例やこれらの実施例に関する具体的説明で限定されるものではない。
本開示に用いられる全ての技術的用語及び科学的用語は、異なって定義されない限り、本開示が属する技術分野で通常の知識を有する者に一般に理解される意味を有する。本開示に用いられる全ての用語は、本開示をさらに明確に説明する目的で選択されたものであって、本開示による権利範囲を制限するために選択されたものではない。
本開示で用いられる「含む」、「備える」、「有する」などのような表現は、当該表現が含まれる語句または文章で異なって言及されない限り、他の実施例を含む可能性を内包する開放型用語(open−ended terms)として理解されるべきである。
本開示で記述された単数型の表現は、異なって言及しない限り、複数型の意味を含み得、これは請求の範囲に記載された単数型の表現にも同様に適用される。
本開示で用いられる「第1」、「第2」などの表現は、複数の構成要素を相互に区分するために用いられ、当該構成要素の順序または重要度を限定するものではない。
本開示において、ある構成要素が他の構成要素に「連結されて」いたり、「接続されて」いると言及された場合、前記ある構成要素が前記他の構成要素に直接的に連結され得たり、接続され得るものとして、または新たな他の構成要素を介して連結され得たり、接続され得るものとして理解されるべきである。
本開示で用いられた「前方」、「前」などの方向指示語は、釣り竿のチップ(tip)に向かう方向を意味し、「後方」、「後」などの方向指示語は、釣り竿のバット(butt)に向かう方向を意味する。
以下、添付の図面を参照し、実施例を説明する。添付の図面において、同一または対応する構成要素には同一の参照符号が付与されている。また、以下の実施例の説明において、同一または対応する構成要素を重複して記述することが省略され得る。しかし、構成要素に関する記述が省略されても、そのような構成要素がある実施例に含まれないものと意図されるものではない。
本開示の一実施例による釣り竿を示す図1及び図2を参照する。図1及び図2において、矢印(FD)は、釣り竿のチップ(tip)に向かう前方方向を指し、矢印(RD)は、釣り竿のバット(butt)に向かう後方方向を指す。
釣り竿(100)は、細長いロッドからなる本体(以下、簡単に「竿体」という)を含む。竿体(110)は、釣り竿(100)に作用する多様な外力に抵抗し、釣り竿(100)の形状を維持する構造物として機能する。竿体(110)は、細長い円筒形状を有する。竿体(110)は、1つの管状竿からなり得るか、複数の管状竿からなり得る。
釣り竿(100)は、釣り糸(図示せず)を案内するための複数の釣り糸ガイド(120)を含むことができる。釣り糸ガイド(120)は、釣り糸がこれを通過するように構成され、仕掛けをキャストする時にまたは魚を釣り上げる時に釣り糸を案内する。釣り糸ガイド(120)は、竿体(110)の外周面に巻き糸と接着剤を用いて取り付けられ得るか、竿体(110)に嵌合方式で取り付けられ得る。
釣り糸はリール(130A)に収納され、リール(130A)は釣り糸を放出したり巻くように構成される。リール(130A)は、釣り糸が巻かれて収納されるスプールと、スプールを回転させるためのハンドルを有し得る。図1に示すリールとして、釣り糸が繰出す方向と平行にスプールに巻かれることを特徴とする、いわゆる、両軸リールが用いられ得る。図1は、例示的なリール(130A)の形状を示し、釣り竿(100)に採用されるリールが図1に示すリールに限定されるものではない。図2に示すように、リール(130A)は一対のリール脚(131、132)を有し、リール脚(131)は前方方向(FD)に延長し、リール脚(132)は後方方向(RD)に延長する。リール脚(131、132)は、リール(130A)の本体を竿体(110)に取り付けるのに用いられる。
釣り竿(100)は、本開示の一実施例によるリールシート(1000)を含む。リールシート(1000)は、竿体(110)に取り付けられて固定される。リールシート(1000)がリール(130A)を竿体(110)に取り付ける。リール(130A)は、上付き方式で一実施例によるリールシート(1000)に固定され得る。竿体(110)の一部が竿体の軸方向(AD)に沿って後方方向(RD)にリールシート(1000)に挿入されるように、リールシート(1000)が構成される。竿体の軸方向(AD)は、竿体(110)の横断面形状の中心を通る竿体の中心線の方向を意味する。リールシート(1000)は、パイプまたはスリーブ状に形成され、その内部のボアで竿体(110)の外周面を覆うように構成される。このようなリールシート(1000)は、当該分野において、パイプタイプのリールシートとして参照され得る。リールシート(1000)は、リール(130A)のリール脚(131、132)を解除可能に固定する。リール(130A)がリール脚(131、132)を介してリールシート(1000)に固定されるため、リール(130A)が竿体(110)に脱着可能に取り付けられ得る。リールシート(1000)の後端には、ロッドハンドル(140)がリールシート(1000)に挿入されて固定され得る。ロッドハンドル(140)が釣り竿(100)のバットを形成することができる。図3〜図23を参照し、本開示によるリールシートの実施例が説明される。
図3は、一実施例によるリールシートを示す前方斜視図である。図4は、一実施例によるリールシートのシートボディを示す後方斜視図である。図3及び図4を参照すると、リールシート(1000)は、リールシート(1000)の本体として機能するシートボディ(1100)を含む。シートボディ(1100)は、リールシート(1000)を竿体(110)に取り付けるように機能し、竿体(110)に対してリールを支持するように機能し、ユーザーが指で巻いて握る部分として機能する。一実施例において、シートボディ(1100)は、パイプボディ(1200)とグリップボディ(1300)とを含む。
パイプボディ(1200)は、竿体(110)に固定され、リールの一対のリール脚(例えば、図2に示すリール脚(131、132))を支持する。グリップボディ(1300)は、パイプボディ(1200)に竿体の軸方向(AD)に結合され、ユーザーがリールシート(1000)をグリップする部分として機能する。従って、ユーザーは、一方の手でグリップボディ(1300)をグリップし、他方の手でリールに設けられたハンドルを操作することができる。パイプボディ(1200)とグリップボディ(1300)は、同一であるか、異なる樹脂材料からなり得る。または、前記樹脂材料として、繊維強化樹脂材料が用いられ得る。
図5は、図4に示すパイプボディとグリップボディを示す分解斜視図である。図6は、図5に示すパイプボディの下方斜視図である。図7と図8はそれぞれ、図5の7−7線と8−8線に沿って取った断面図である。一実施例によるパイプボディと関連し、図5〜図8が参照される。
パイプボディ(1200)は、円筒形状を取る。パイプボディ(1200)は内周部(1211)と外周部(1212)とを有し、内周部(1211)でボア(1213)を限定する。パイプボディ(1200)は、軸方向(AD)におけるパイプボディの各端を形成する一端と他端とを有する。パイプボディ(1200)の前記他端は、グリップボディ(1300)から遠くにあるパイプボディの端として参照される。ボア(1213)は、パイプボディ(1200)に、パイプボディ(1200)の一端から他端まで貫通するように形成されている。竿体(110)(図4参照)がボア(1213)に竿体の軸方向(AD)に挿入される。リールシート(1000)は、ボア(1213)に挿入された竿体(110)に取り付けられる。竿体(110)の外周面とボア(1213)(即ち、内周部(1211)の表面)との間に接着剤が塗布され、リールシート(1000)のシートボディ(例えば、パイプボディ(1200))が竿体(110)に取り付けられ得る。前記接着剤以外にテープが用いられ得、テープは、竿体(110)の外周面と内周部(1211)の表面との間に介在して竿体(110)とパイプボディ(1200)を固着させることができる。内周部(1211)の表面には、複数の溝(1214)が軸方向(AD)に延長するように形成され得る。
パイプボディ(1200)は、外周部(1212)でリール脚(例えば、図2に示す一対のリール脚(131、132))を支持する。この実施例のパイプボディ(1200)は、外周部(1212)の上側にリール脚と接触するリール脚支持部(1220)を備える。リール脚支持部(1220)は、パイプボディ(1200)の外周部における上側表面となり得る。一例として、図5に示すように、リール脚支持部(1220)は、パイプボディ(1200)の外周部(1212)から突出して軸方向(AD)に延長する一対のレールの形状に形成され得る。
図9は、図5に示すグリップボディの前方斜視図であり、図10は、図5に示すグリップボディの下方斜視図である。一実施例によるグリップボディについて、図4、図5、図9及び図10が参照される。
グリップボディ(1300)は、パイプボディ(1200)とともにリールシート(1000)のシートボディを構成する。リールシート(1000)を前方または後方から見るとき、グリップボディ(1300)はパイプボディ(1200)の外側に位置する。グリップボディ(1300)は、一部が軸方向に所定の長さだけ切欠されている円筒形状を有し得る。
グリップボディ(1300)は、その一部でまたはその全体でパイプボディ(1200)を部分的に包むように形成され得る。一実施例において、グリップボディ(1300)は、パイプボディ(1200)を部分的に包むカバー部(1310)を備える。カバー部(1310)は、軸方向(AD)に延長してグリップボディ(1300)の前方部分を形成する。カバー部(1310)は、軸方向(AD)に直交する幅方向(WD)にパイプボディ(1200)の外周部(1212)に対応するように湾曲している。図4に示すように、パイプボディ(1200)とグリップボディ(1300)が軸方向(AD)に互いに結合した状態で、カバー部(1310)はパイプボディ(1200)のリール脚支持部(1220)を露出させながらパイプボディ(1200)の外周部(1212)を部分的に包む。即ち、カバー部(1310)は軸方向(AD)と周り方向(CD)の領域において、パイプボディ(1200)の外周部(1212)を部分的に包む。図5に示すように、カバー部(1310)は、軸方向(AD)に延長する一対のエッジ(1311)を有する。一対のエッジ(1311)は、カバー部(1310)の長さ方向に垂直な側方向に位置する。カバー部(1310)のエッジ(1311)は、パイプボディ(1200)の外周部(1212)に係合するように形成される。従って、カバー部(1310)は、両側エッジ(1311)でパイプボディ(1200)の外周部(1212)に係合し、パイプボディ(1200)とグリップボディ(1300)を周り方向(CD)に結合させる。
グリップボディ(1300)は、カバー部(1310)から後方に延長する円筒部(1320)を備える。円筒部(1320)はその内周部でパイプボディ(1200)の一端部を収容する。円筒部(1320)の後端エッジは軸方向(AD)に対して傾斜しており、図1に示すロッドハンドル(140)と当接する。
図11は、図9の11−11線に沿って取った断面図である。図12と図13はそれぞれ、図4の12−12線及び13−13線に沿って取った断面形状を示す。
一実施例において、カバー部(1310)の大きさは、パイプボディの外周部とカバー部(1310)との間に間隙が限定されるように設定されている。図11に示すように、カバー部(1310)の垂直方向における高さより、軸方向(AD)に垂直な幅方向(WD)におけるカバー部(1310)の幅がさらに大きい。従って、カバー部(1310)の横断面形状は略半楕円形の形状を有する。従って、図12及び図13に示すように、パイプボディ(1200)とグリップボディ(1300)が結合すると、パイプボディ(1200)の外周部(1212)とカバー部(1310)の内周部(1312)との間には間隙(1110)が形成される。間隙(1110)は、カバー部(1310)により包まれるパイプボディ(1200)の外周部(1212)の領域に存在し、軸方向及び周り方向に形成される。カバー部(1310)の両側エッジ(1311)がパイプボディ(1200)の外周部(1212)に係合されるため、間隙(1110)はパイプボディ(1200)の外周部(1212)とカバー部(1310)の内周部(1312)との間でカバー部(1310)の両側エッジ(1311)により限定される。
一実施例のシートボディは、パイプボディ(1200)とグリップボディ(1300)が組み合わせられてなり、シートボディの内部にはパイプボディ(1200)とグリップボディ(1300)との間に間隙(1110)が形成される。従って、一実施例のリールシートのシートボディは、1つのボディとしてなるシートボディより減少した重量を有し得る。
図12及び図13に示すように、カバー部(1310)の横断面形状は略半楕円形に対応し、パイプボディ(1200)の横断面形状は円環形を有する。従って、一実施例のシートボディ(1100)は、扁平形状を有する外側ボディ(例えば、グリップ部のカバー部)と、円環形の形状を有する内側ボディ(例えば、パイプボディ)からなる。これにより、外側ボディと内側ボディはそれぞれ、独立して厚さ減少になるように設計され得るため、軽量化されたリールシートのシートボディを実現することができる。
一実施例によると、パイプボディ(1200)とグリップボディ(1300)は、パイプボディ(1200)の一部にグリップボディ(1300)の一部が軸方向(AD)に嵌合されてパイプボディ(1200)の一部及びグリップボディ(1300)の一部がボア(1213)を限定するように構成される。
図14は、図5に示すパイプボディの縦断面図である。図15は、図5に示すグリップボディの縦断面図である。図16は、パイプボディとグリップボディが結合される例を示す。図17は、結合されたパイプボディとグリップボディの縦断面図である。図18は、パイプボディとグリップボディの分解斜視図であり、パイプボディとグリップボディの縦断面形状を示す。
図6及び図14を参照すると、パイプボディ(1200)は、その下側に切り欠きスリット(1230)を備える。切り欠きスリット(1230)は、パイプボディ(1200)で一端(パイプボディ(1200)の後端)から他端(パイプボディ(1200)の前端)に向かってパイプボディの一部が切欠されて形成される。切り欠きスリット(1230)は、パイプボディ(1200)の一端から軸方向に延長し、パイプボディ(1200)は、切り欠きスリット(1230)の領域で略C字形の横断面形状を有し得る。従って、一実施例のパイプボディ(1200)は、切り欠きスリット(1230)により一部が切欠された切り欠きボディとして形成される。
図9及び図15を参照すると、グリップボディ(1300)は、パイプボディの切り欠きスリットに対応する突出部(1330)を備え、突出部(1330)は、カバー部(1310)内に位置する。突出部(1330)は、軸方向(AD)にパイプボディの切り欠きスリットへの嵌合を許容する大きさとなる。突出部(1330)は、カバー部(1310)の内周部(1312)から内側半径方向に突出する。
図16を参照すると、パイプボディがグリップボディに軸方向(AD)に嵌合されて結合されるに伴い、突出部(1330)が切り欠きスリット(1230)に軸方向(AD)に嵌合され、切り欠きスリット(1230)と突出部(1330)は、各自の側方向表面で周り方向(CD)に当接する。
図6及び図12に示すように、切り欠きスリット(1230)は、その側方向に一対のエッジ面(1231)を有する。図9及び図11に示すように、突出部(1330)はその側方向に一対のエッジ面(1331)と、エッジ面(1331)の間で軸方向(AD)に延長する内側半径方向表面(1332)を有する。内側半径方向表面(1332)は、パイプボディのボアの中心に対して同一の曲率で湾曲している。図12に示すように、パイプボディ(1200)とグリップボディ(1300)が結合されているときに、切り欠きスリットのエッジ面(1231)と突出部のエッジ面(1331)は、互いに当接する。突出部の突出高さ(エッジ面(1331)の垂直方向における高さ)は、切り欠きスリットのエッジ面(1231)の垂直方向における高さと同一であり得る。従って、突出部が切り欠きスリットに嵌合された状態で、パイプボディ(1200)の内周部(1211)の表面と突出部(1330)の内側半径方向表面(1332)とがボア(1213)を限定する。
一実施例によると、パイプボディ(1200)とグリップボディ(1300)が結合されて形成するリールシートのシートボディでは、ボア(1213)がパイプボディ(1200)の内周部(1211)と突出部(1330)の内側半径方向表面(1332)とにより限定される。従って、竿体とシートボディの結合のための接着剤は、竿体の外周面とパイプボディ(1200)の内周部(1211)及びグリップボディ(1300)の突出部(1330)の間に介在され得る。従って、パイプボディ(1200)とグリップボディ(1300)が切り欠きスリット(1230)と突出部(1330)により結合された状態で、パイプボディ(1200)とグリップボディ(1300)のいずれもが竿体に強固に固定され得る。
切り欠きスリットの幅は、リールシートの軽量化及び強度に有効なように定められ得る。一実施例において、図12及び図13を参照すると、切り欠きスリットの幅(SW)は、ボア(1213)の内径(BD)の50%〜80%の範囲が好ましい。ここで、ボア(1213)の内径(BD)は、パイプボディの横断面形状で水平方向にボア(1213)の中心を通るボアの直径を意味し得る。切り欠きスリットの幅(SW)がボア(1213)の内径(BD)の50%未満である場合、グリップボディ(1300)の突出部(1330)の幅が過度に狭くなって、グリップボディ(1300)の半径方向における厚さが過度に薄くなり、リールシートの強度を低下させ得る。切り欠きスリットの幅(SW)がボア(1213)の内径(BD)の80%を超える場合、パイプボディ(1200)の外周部(1212)とカバー部(1310)の内周部(1312)との間に形成される間隙(1110)の体積が減少するため、リールシートの軽量化の効果が小さくなり得る。
図12及び図13を参照すると、突出部(1330)が切り欠きスリット(1230)に嵌合された状態で、切り欠きスリットのエッジ面(1231)と突出部のエッジ面(1331)がボア(1213)と間隙(1110)を互いに分離させる。これにより、リールシートのシートボディに形成される間隙は、突出部(1330)に対して対称に配置される2つの間隙(1110)を含む。2つの間隙(1110)は、カバー部(1310)の両側エッジ(1311)と切り欠きスリットの両側エッジ(1232)とによりそれぞれ限定される。
カバー部(1310)は、両側エッジ(1311)でパイプボディ(1200)の外周部(1212)に係合される。エッジ(1311)と突出部(1330)との間に位置するパイプボディ(1200)の周り方向の部分が、エッジ(1311)と突出部(1330)により圧縮されるように、エッジ(1311)と突出部(1330)との間の距離が設定され得る。この場合、パイプボディ(1200)の弾性力により切り欠きスリットに向かって周り方向(CD)に圧縮力が印加され得、切り欠きスリットのエッジ面(1231)と突出部(1330)のエッジ面(1331)は、周り方向(CD)にさらに強く当接することができる。
図6と図9に示すように、切り欠きスリットの両側のエッジ面(1231)と突出部の両側のエッジ面(1331)は、軸方向(AD)に沿って延長し得る。他の例として、切り欠きスリットの両側のエッジ面(1231)は、前方方向に近づくように形成され得、突出部のエッジ面(1331)は、そのような切り欠きスリットのエッジ面に対応するように形成され得る。
図6及び図14に示すように、エッジ面(1231)は段差面(1233)を有し得る。段差面(1233)は、エッジ面(1231)の軸方向における端の付近に位置することができる。切り欠きスリット(1230)は、段差面(1233)を基準として拡大する幅を有する。即ち、段差面(1233)で切り欠きスリット(1230)の幅は拡大する。図9に示すように、突出部のエッジ面(1331)は、段差面(1333)を有し得る。突出部の段差面(1333)は、切り欠きスリットの段差面(1233)に対応し、段差面(1233)と当接する。
パイプボディ(1200)とグリップボディ(1300)は、軸方向(AD)に対して相対的な回転を防止してガタツキを抑制するように構成され得る。パイプボディ(1200)とグリップボディ(1300)との間に斜面接触構造を提供することにより、パイプボディ(1200)とグリップボディ(1300)は、軸方向(AD)に対して相対的回転なしに両方間のガタツキが抑制され得る。このような斜面接触構造は、パイプボディ(1200)とグリップボディ(1300)間の当接する部分に形成され得る。一実施例において、図15〜図17を参照すると、突出部(1330)はその先端に、パイプボディ(1200)の他端(パイプボディ(1200)の前端)に向かって傾いた第1斜面(1334)を備える。第1斜面(1334)は、軸方向(AD)に対して鋭角に傾いている。また、パイプボディ(1200)の切り欠きスリット(1230)はその内側の端に第2斜面(1234)を備える。第2斜面(1234)は、突出部(1330)の第1斜面(1334)の傾きと同一の傾きでパイプボディ(1200)の下面からパイプボディ(1200)の他端に向かって傾いている。従って、図17に示すようにパイプボディ(1200)とグリップボディ(1300)が結合されているときに、突出部(1330)の第1斜面(1334)と切り欠きスリット(1230)の第2斜面(1234)が軸方向に接触する。第1斜面(1334)と第2斜面(1234)が傾斜接触を達成して、パイプボディ(1200)とグリップボディ(1300)には、互いに向かって引き寄せられる力が作用することができる。従って、グリップボディ(1300)またはパイプボディ(1200)が相対的に回転することを防止することができ、両方間のガタツキを抑制することができる。
パイプボディ(1200)とグリップボディ(1300)は、軸方向(AD)にスナップ結合により結合され得る。パイプボディ(1200)とグリップボディ(1300)は、軸方向(AD)に分離しないように結合される。パイプボディ(1200)の一端付近とこれに対応するグリップボディ(1300)の部分に係止及びスナップ結合を行う要素を設けて、パイプボディ(1200)とグリップボディ(1300)の軸方向(AD)における結合が実行され得る。
一実施例において、図6及び図18に示すように、パイプボディ(1200)は、一端に周り方向(CD)に延長する係止溝(1241)を備える。係止溝(1241)は、切り欠きスリット(1230)の各エッジ(1232)から周り方向(CD)に延長する。例えば、パイプボディ(1200)を後方から見るとき、係止溝(1241)は略C字形を取る。これは係止溝(1241)が切り欠きスリット(1230)から延長するためである。また、係止溝(1241)は、パイプボディ(1200)の一端面(1215)から前方に離隔している。これにより、係止溝(1241)と一端面(1215)との間には、円弧状に延長する係止フランジ(1242)が形成される。
一実施例において、図15及び図18に示すように、グリップボディ(1300)は、パイプボディの前記係止溝に係止される係止突起(1341)を備える。係止突起(1341)は、周り方向(CD)に延長する。係止突起(1341)は軸方向(AD)に前記係止溝に係止されて係止溝(1241)にスナップ結合する。係止突起(1341)は、係止フランジ(1242)の形状に対応するように円弧状に延長する。
図18を参照すると、パイプボディ(1200)とグリップボディ(1300)が結合するときに、パイプボディ(1200)がグリップボディ(1300)内に軸方向(AD)に挿入される。そうすると、係止突起(1341)が係止フランジ(1242)に当接する。係止溝(1241)と係止フランジ(1242)は、切り欠きスリット(1230)の外側に位置し、切り欠きスリット(1230)によりパイプボディ(1200)の一端部はボア(1213)の中心に向かって撓みつつ変形され得る。パイプボディ(1200)をグリップボディ(1300)にさらに挿入させるに伴い、係止突起(1341)が係止フランジ(1242)を乗り越える。係止突起(1341)が係止フランジ(1242)を乗り越えると、パイプボディ(1200)の変形された後端部が元の状態に戻り、係止突起(1341)が係止溝(1241)に係止及びスナップ結合される。切り欠きスリット(1230)によりパイプボディ(1200)の一端部がたわみ及び変形可能であるため、係止溝(1241)と係止突起(1341)が行うスナップ結合は、パイプボディ(1200)とグリップボディ(1300)の結合時にパイプボディ(1200)の後端部の破損のリスクを除去する。
実施例のリールシートによると、シートボディに形成される間隙は、パイプボディとグリップボディの結合によりシーリング(sealing)される。一実施例において、図5及び図6に示すように、パイプボディ(1200)は、外周部(1212)にシーリング突起(1251)を備える。パイプボディ(1200)の外周部(1212)には、一対のシーリング突起(1251)が設けられている。シーリング突起(1251)は、パイプボディ(1200)の外周部(1212)で外側半径方向に突出し、軸方向(AD)に延長する。シーリング突起(1251)は、軸方向(AD)に階段状に延長し得る。他の例として、シーリング突起(1251)は、軸方向(AD)に直線状に延長することもできる。
図11〜図13に示すように、グリップボディ(1300)のカバー部(1310)は、シーリング突起(1251)に係合するシーリング溝(1351)を備える。互いに係合されたシーリング突起(1251)とシーリング溝(1351)により、カバー部(1310)のエッジ(1311)の下に位置する間隙(1110)がシーリングされる。シーリング溝(1351)は、カバー部(1310)の各エッジ(1311)に位置し、軸方向(AD)に各エッジ(1311)に沿って延長する。カバー部(1310)のエッジ(1311)は、パイプボディのシーリング突起(1251)の形状に対応するように延長し、シーリング溝(1351)は、このような形状を有するエッジ(1311)に沿って形成される。
シーリング溝(1351)は、シーリング突起(1251)がシーリング溝(1351)に嵌合されるように形成され得る。カバー部(1310)は、エッジ(1311)から内側半径方向に突出してエッジ(1311)に沿って延長するフック部(1313)を有し得る。フック部(1313)の下面とエッジ(1311)の半径方向の内面とがシーリング溝(1351)を限定することができ、例えば、シーリング溝(1351)の横断面形状はL字状になり得る。従って、シーリング溝(1351)は、フック部(1313)の下面となる周り方向のシーリング面(1352)と、エッジ(1311)の半径方向の内面となる半径方向のシーリング面(1353)とを有し得る。また、シーリング溝(1351)に嵌合されるシーリング突起(1251)は、シーリング溝(1351)の2つのシーリング面とそれぞれ気密にまたは水密に面接触する周り方向のシーリング面(1252)と、半径方向のシーリング面(1253)とを有し得る。これにより、シーリング突起(1251)とシーリング突起(1251)に係合されたシーリング溝(1351)は、少なくとも2つのシーリング面(例えば、周り方向のシーリング面と半径方向のシーリング面)を形成する。
一実施例のリールシートは、竿体とパイプボディ(1200)及びグリップボディ(1300)を接着する接着剤の劣化を防止する。例えば、パイプボディ(1200)の外周部とカバー部(1310)のエッジ(1311)がシーリング構造なしに接触する場合、シートボディ(1100)に形成された間隙(1110)に水または海水が侵入し得、そのような水がパイプボディの切り欠きスリットとグリップボディの突出部を介してボアに浸透し得る。そうすると、接着剤は、水分により白化(blushing)または白亜化(chalking)のような劣化を引き起こし得る。しかし、一実施例によると、間隙(1110)は、少なくとも2つの面接触がなすシーリング構造でシーリングされ、間隙(1110)への水の侵入を防止して接着剤の劣化を防止する。
図12を参照すると、一実施例において、フック部(1313)は、その半径方向の内面(1314)でパイプボディ(1200)の外周部(1212)の表面と密着するようにエッジ(1311)から突出することができる。これにより、パイプボディ(1200)の外周部(1212)とカバー部(1310)のエッジ(1311)との間には、3つの面接触がなすシーリング構造が形成され得る。前記3つの面接触は、互いに密着した外周部(1212)の表面及びフック部(1313)の半径方向の内面(1314)、互いに密着したシーリング突起(1251)の周り方向のシーリング面(1252)及びシーリング溝(1351)の周り方向のシーリング面(1352)、互いに密着したシーリング突起(1251)の半径方向のシーリング面(1253)及びシーリング溝(1351)の半径方向のシーリング面(1353)となり得る。
また、フック部(1313)と突出部(1330)との間に位置するパイプボディ(1200)の一部がフック部(1313)と突出部(1330)により圧縮されるように、フック部(1313)がエッジ(1311)から突出することができる。この場合、フック部(1313)によりシーリング突起(1251)が周り方向(CD)に力を受け、パイプボディ(1200)には、周り方向(CD)に切り欠きスリット(1230)に向かって圧縮力が印加され得、切り欠きスリットと突出部はさらに強く面接触して、ボア(1213)への水の侵入を防止することができる。
図6を参照すると、一実施例において、パイプボディ(1200)は外周部(1212)の下側から突出し、シーリング突起(1251)の前端に繋がる周り方向のシーリング突起(1254)を備える。周り方向のシーリング突起(1254)は、円弧状に延長する。また、図9を参照すると、グリップボディ(1300)のカバー部(1310)は、その先端のエッジに沿って周り方向のシーリング溝(1354)を備える。周り方向のシーリング溝(1354)は、エッジ(1311)に形成されたシーリング溝(1351)に繋がる。周り方向のシーリング突起(1254)が軸方向に周り方向のシーリング溝(1354)に嵌合され、2つの面接触によるシーリング構造を形成しつつ後方方向に間隙への水の侵入を防止することができる。
一実施例のグリップボディ(1300)は、向上したグリップ感を提供することができる。図9、図10及び図15を参照すると、パイプボディ(1200)を部分的に包むカバー部(1310)は、外周部(1315)に湾曲面(1316)を備える。湾曲面(1316)は、外周部(1315)の下面を構成する。従って、湾曲面(1316)は、カバー部(1310)の横断面形状に対応する半楕円形の横断面形状を有し得る。湾曲面(1316)は軸方向(AD)に延長する。また、図12及び図13に示すように、湾曲面(1316)は、パイプボディ(1200)とグリップボディ(1300)との間に形成される間隙(1110)の外側に位置する。湾曲面(1316)がカバー部(1310)に形成されるため、ユーザーがグリップボディ(1300)を握るときに、ユーザーは異物感なしにカバー部(1310)を指でグリップすることができる。パイプボディ(1200)を部分的に包むカバー部(1310)は、ユーザーが少なくとも人差し指、中指及び薬指をカバー部(1310)に十分に接触させ得るように、シートボディ内に長い範囲で形成され得る。従って、一実施例のリールシートは、向上したグリップ感を提供することができる。
一実施例のグリップボディ(1300)は、湾曲面(1316)に隣接して位置し指が掛かる少なくとも1つの凹部を備える。図10及び図15を参照すると、グリップボディ(1300)は、円筒部(1320)の下側の外面に2つの凹部(1321、1322)を備える。凹部(1321、1322)は、円筒部(1320)の下側から下方へ突出した突起物(以下、トリガー(trigger)という)により分離される。トリガー(1323)は、ユーザーがグリップボディ(1300)を握るときに指の間に挿入されて、リールシートをユーザーの手に堅固に固定させることができる。
指を固定させることができる凹部(1321、1322)とトリガー(1323)がグリップボディ(1300)にのみ設けられる。図17を参照すると、凹部(1321)は、軸方向に沿って突出部(1330)が形成された領域の外周部に形成され、トリガー(1323)は、パイプボディ(1200)の一端の下に対応する外周部に形成され、凹部(1322)は、トリガー(1323)の後方に位置する。凹部(1321)の領域において、突出部(1330)が切り欠きスリットに嵌合されてパイプボディ(1200)のボア(1213)の一部を限定する。これにより、シートボディにおいて、トリガー(1323)の前方部分が垂直方向で二重の構造に形成されない。従って、垂直方向で二重の構造を有する場合に比べて、一実施例のリールシートのシートボディは、減少した垂直方向の寸法を有し得る。それにより、ユーザーがリールシートをグリップするときに、ユーザーは垂直方向で狭くリールシートをグリップすることができ、向上したグリップ感でリールシートをグリップすることができる。
また、グリップボディ(1300)は、凹部(1321)の領域で突出部(1330)により釣り竿の竿体と接触する。例えば、グリップボディ(1300)には、トリガー(1323)前方の凹部(1321)にカバー部(1310)を半径方向に貫通する開口が形成され得、そのような開口を介して釣り竿の竿体の一部がグリップボディ(1300)の下側に露出することもできる。このような場合、ユーザーはグリップボディをグリップする指に竿体に対する接触感を有するようになり、良好な感度を得ることができる。
図2及び図3を参照すると、リールをリールシート(1000)に装着するときに、リール脚(131、132)はパイプボディ(1200)のリール脚支持部(1220)の上に置かれる。実施例のリールシート(1000)は、パイプボディ(1200)の上に置かれたリール脚を覆ってリール脚をパイプボディ(1200)に固定する一対のリール脚固定要素を含む。一実施例において、前記リール脚固定要素の例として、リールシート(1000)は、グリップボディ(1300)に固定されている固定フード(1360)と、軸方向(AD)に固定フード(1360)と対向してパイプボディ(1200)に沿って移動可能な可動フード(1400)とを含む。
可動フード(1400)は、パイプボディ(1200)の一端部または他端部に配置され得る。図2及び図3に示す実施例において、可動フード(1400)はパイプボディ(1200)の他端部に軸方向(AD)に移動可能に結合する。可動フード(1400)は、リール脚支持部(1220)の上に置かれたリール脚(例えば、図2に示すリール脚(131))側に移動されて、リール脚(131)をリール脚支持部(1220)に押圧して固定することができる。
図9を参照すると、固定フード(1360)は、グリップボディ(1300)の円筒部(1320)に備えられている。円筒部(1320)の前方上端部は側方部分よりさらに肉厚な厚さを有しながら上方へ突出し、固定フード(1360)を形成する。リール脚(例えば、図2に示すリール脚(132))は、固定フード(1360)とリール脚支持部(1220)との間に挿入され得る。他の実施例として、固定フード(1360)は、グリップボディ(1300)とは別個で形成され得、グリップボディ(1300)に結合され得る。
図19は、一実施例によるリールシートの後方斜視図である。図20は、図19に示す可動フードの分解斜視図であり、可動フードの縦断面形状を示す。図21は、図19に示す可動フードとパイプボディの縦断面図である。図22は、図19の22−22線に沿って取った断面形状を示す。図23は、一実施例によるリールシートのシートボディと可動フードを示す側面図である。
図19及び図20を参照すると、一実施例による可動フード(1400)は、ねじ運動によりパイプボディ(1200)に沿って移動され得る。可動フード(1400)は、ナット部(1410)と押圧部(1420)とを含む。ナット部(1410)と押圧部(1420)は、リング状に形成され、パイプボディ(1200)がナット部(1410)と押圧部(1420)を貫通する。
図20及び図21を参照すると、ナット部(1410)は、パイプボディ(1200)を中心として(即ち、周り方向(CD)に)回転可能なようにパイプボディ(1200)に螺合される。ナット部(1410)は、その内周面に雌ねじ(1411)を有する。パイプボディ(1200)は、外周部(1212)に雄ねじ(1216)を有し、雄ねじ(1216)は、パイプボディの他端から一端に向かって所定範囲に位置する。雌ねじ(1411)と雄ねじ(1216)が螺合して、ナット部(1410)はパイプボディ(1200)にねじ運動可能なように結合する。ナット部(1410)が周り方向における一方向または他方向に回転するに伴い、雌ねじ(1411)と雄ねじ(1216)間のねじ運動により、ナット部(1410)は回転と共に後方方向または前方方向に移動され得る。図19に示すように、可動フード(1400)は、ナット部(1410)の外周面に嵌合されて弾性を有する円筒状のナットカバー(1430)を備え得る。ユーザーはナットカバー(1430)を回転させてナット部(1410)を回転させ得る。
ナット部(1410)は、パイプボディ(1200)を中心として回転可能に押圧部(1420)に連結される。押圧部(1420)は、リール脚(例えば、図2に示すリール脚(131))を覆って押圧し得る形状を有する。押圧部(1420)はパイプボディ(1200)に沿って軸方向(AD)に移動可能であるが、周り方向(CD)には回転しない。即ち、押圧部(1420)は、軸方向(AD)にのみ移動されるようにガイドされる。
図22を参照すると、押圧部(1420)の軸方向への移動をガイドするために、パイプボディ(1200)はその外周部に一対のガイド溝(1217)を有し、押圧部(1420)はその内周面で内側へ突出した一対のガイド突起(1421)を有する。一対のガイド溝(1217)は、ボア(1213)の中心に対して互いに対向する。図5及び図6に示すように、ガイド溝(1217)は軸方向(AD)にパイプボディ(1200)の他端から雄ねじが形成された領域を通過して所定の長さに延長する。一対のガイド突起(1421)は、一対のガイド溝(1217)にそれぞれ嵌められてスライド可能である。ガイド溝(1217)は、ガイド突起(1421)の周り方向(CD)の回転を阻止する。これにより、ガイド溝(1217)によりガイド突起(1421)が軸方向(AD)にのみ案内されて、押圧部(1420)は、軸方向(AD)にのみ移動され得る。
図20及び図21を参照すると、ナット部(1410)と押圧部(1420)は、相対回転可能に連結される。ナット部(1410)は後端付近に、フランジ(1412)と、フランジ(1412)に隣接する係止溝(1413)と、係止溝(1413)に隣接する係止突起(1414)とを有する。フランジ(1412)と係止溝(1413)は、周り方向に延長する。押圧部(1420)は前端に、ナット部(1410)の係止溝(1413)に係合される係止突起(1422)と、係止突起(1422)に隣接してナット部(1410)の係止突起(1414)が係合される係止溝(1423)とを有する。前述の係止突起と係止溝間の係合が、押圧部(1420)とナット部(1410)に相対回転を提供する。
ナット部(1410)をパイプボディ(1200)を中心として周り方向(CD)における一方向に回転させると、雄ねじ(1216)と雌ねじ(1411)間のねじ運動により、ナット部(1410)は回転しつつ、フランジ(1412)を介して押圧部(1420)を固定フードに向かって移動させることができる。押圧部(1420)がリール脚(例えば、図2に示すリール脚(131))に接触すると、ナット部(1410)を若干さらに回転させるに伴い、雄ねじ(1216)と雌ねじ(1411)間のねじ締結力により、押圧部(1420)はリール脚(131)をパイプボディのリール脚支持部に押圧し固定させることができる。ナット部(1410)を前記一方向の反対方向に回転させると、雄ねじ(1216)と雌ねじ(1411)間のねじ運動により、ナット部(1410)は回転しつつ固定フードから遠ざかるように移動され得る。ナット部(1410)の係止突起(1414)が押圧部(1420)の係止突起(1422)を前方に引き、リール脚を押圧する押圧部(1420)が固定フードから遠ざかるように移動され得る。このように、ナット部(1410)は、その内周面でパイプボディ(1200)と螺合して、パイプボディ(1200)に沿ってねじ運動により前方または後方に移動される。押圧部(1420)は、ナット部(1410)の前記前方または後方への移動により、固定フードに向かって押されたり固定フードから遠ざかるように移動される。
図20及び図23を参照すると、一実施例において、可動フード(1400)の押圧部(1420)は、フード部(1424)と切り欠き部(1425)を備える。フード部(1424)は、押圧部(1420)の上部または下部を構成し、切り欠き部(1425)は垂直方向でフード部(1424)に隣接する。一実施例において、フード部(1424)は、押圧部(1420)の上部を構成し、切り欠き部(1425)は、フード部(1424)の下に配置される。フード部(1424)は、リール脚(例えば、図2に示すリール脚(131))を覆って押圧するように形成される。フード部(1424)と切り欠き部(1425)は、垂直方向で共通のエッジを有する。押圧部(1420)のガイド突起(1421)は、フード部(1424)の下側エッジまたは切り欠き部(1425)の上側エッジに沿って延長する。
切り欠き部(1425)は、リング状の押圧部(1420)の下側領域を軸方向(AD)に切欠して形成される。切り欠き部(1425)は、グリップボディ(1300)の先端部(即ち、可動フードと対向するカバー部(1310)の先端部)に対して凹んでいる。カバー部(1310)の先端部(1317)が可動フードと軸方向に対向するため、切り欠き部(1425)はカバー部(1310)の先端部(1317)に対して凹んでいる。従って、可動フード(1400)が固定フード側に移動してリール脚をパイプボディ(1200)のリール脚支持部(1220)に押圧して固定するときに、カバー部(1310)の先端部(1317)は軸方向(AD)に切り欠き部(1425)に挿入されたり嵌合され得、切り欠き部(1425)は、カバー部(1310)の先端部(1317)を収容することができる。また、図2及び図19に示すように、カバー部(1310)の先端部(1317)が切り欠き部(1425)に挿入されると共に、フード部(1424)はカバー部(1310)の先端部(1317)の上に位置することができる。即ち、可動フード(1400)がリール脚を固定するときに、フード部(1424)はカバー部(1310)の先端部(1317)と軸方向(AD)に重なる。
可動フード(1400)を側方から見るとき、切り欠き部(1425)はL字状、湾曲なL字状、V字状、湾曲なV字状を有し得る。例えば、図23に示すように、切り欠き部(1425)のエッジは、軸方向(AD)に位置する第1エッジ(1426)と、第1エッジ(1426)から延長して垂直方向に位置する第2エッジ(1427)からなり得る。第1エッジ(1426)は、軸方向(AD)に平行であり得る。他の例として、第1エッジ(1426)は、軸方向(AD)に対して傾斜することもできる。第2エッジ(1427)は、円弧状に湾曲する。他の例として、第2エッジ(1427)は、直線状を有することもできる。
一実施例において、切り欠き部(1425)のエッジとカバー部(1310)の先端部(1317)のエッジは、相補的な形状を有する。これにより、カバー部(1310)の先端部(1317)は、切り欠き部(1425)の第1エッジ(1426)に対応する第1エッジ(1318)と、切り欠き部(1425)の第2エッジ(1427)に対応する第2エッジ(1319)とを有する。従って、可動フード(1400)がリール脚をパイプボディ(1200)に固定するために移動するときに、切り欠き部(1425)の第1エッジ(1426)は、カバー部(1310)の第1エッジ(1318)に沿って軸方向(AD)に移動され、切り欠き部(1425)の第2エッジ(1427)は、カバー部(1310)の第2エッジ(1319)と軸方向(AD)に当接したり若干の距離で離隔する。また、フード部(1424)がカバー部(1310)の先端部(1317)と軸方向(AD)で重なりつつ、カバー部(1310)の先端部(1317)が切り欠き部(1425)に挿入される。
前述の通り、可動フード(1400)に切り欠き部(1425)を形成するとともにフード部(1424)がカバー部(1310)の先端部(1317)と軸方向(AD)で重なって位置しつつ、可動フード(1400)がリール脚をパイプボディに固定する。従って、一実施例のリールシートは、シートボディのグリップボディ(1300)を握る指(例えば、人差し指、中指及び薬指)が軸方向(AD)に沿っていずれもカバー部(1310)に置かれるように長いカバー部(1310)を有し得る。また、可動フード(1400)のフード部(1424)がカバー部(1310)の先端部(1317)と軸方向(AD)で重なるため、一実施例のリールシートは、可動フード(1400)を固定フード(1360)側にさらに近くに位置させることができる。また、可動フード(1400)に切り欠き部(1425)を形成することにより、グリップボディ(1300)を握る指のうち人差し指がグリップボディ(1300)の下端と可動フード(1400)の下端間の境界に接触しないように、可動フード(1400)の下端がグリップボディ(1300)のトリガー(1323)から遠くに配置され得る。従って、一実施例のリールシートは長いカバー部(1310)を有し、多様な長さのリール脚を有するリールに適用され得る。
一実施例のリールシート(1000)は、ユーザーが人差し指、中指及び薬指でリールシートのカバー部(1310)のみをグリップできるようにしながら人差し指が可動フード(1400)に接触する可能性を排除させる。従って、一実施例のリールシートは、ユーザーの指がシートボディの下端及び可動フードの下端に接触するときにユーザーに異物感を与え得る、段差(即ち、シートボディの下端と可動フードの下端間の高さの差)または間隙(即ち、シートボディの下端と可動フードの下端間の空間)に指が接触しないようにする。このように、可動フード(1400)に切り欠き部(1425)を形成するとともにフード部(1424)がカバー部(1310)の先端部(1317)と軸方向(AD)で重なる一実施例のリールシートは、ユーザーに良好なグリップ感を提供することができる。
一実施例のリールシートによると、グリップボディは、簡単な構造の成形金型を用いて成形され得る。例えば、シートボディが1つのボディからなり、このようなシートボディに前述の固定フードが形成される比較例を仮定することができる。このような比較例のシートボディを成形するためには、成形金型と、シートボディの円筒形状を形成するためのコアと、固定フードを形成するためのスライド機構が必須である。これにより、金型部品の合わせが複雑になり、シートボディの成形コストが増加し、バリと段差のような成形欠陥が成形品に形成され得る。
しかし、一実施例のリールシートは、パイプボディとグリップボディで組み合わせられるシートボディを有する。このようなパイプボディとグリップボディは、前述のスライド機構を用いない成形金型から成形され得る。例えば、図24に示すように、一実施例によるグリップボディは、簡単な構造の成形金型から成形され得る。図24を参照すると、一実施例によるグリップボディは、成形金型(210)と第1及び第2コア(220、230)を用いて成形され得る。第1コア(220)と第2コア(230)は、互いに対向する端部(221、231)を介して接触し、端部(221、231)は階段状を有し得る。また、第1コア(220)の端部(221)には、固定フード(1360)を形成するための凹部が形成されている。図24に示すように、一実施例によるグリップボディは、成形金型(210)と第1及び第2コア(220、230)により成形され得、前述のスライド機構がグリップボディの成形において不要となる。従って、グリップボディの成形のための金型部品の合わせが簡単になり、金型部品の寿命が増大し得、シートボディの成形コストが減少し得る。また、成形品は、バリと段差のような成形欠陥の発生が抑制される。また、1つのパイプボディと結合される多様なグリップボディが容易に設計及び製造され得るため、多様に変形された寸法を有するリールシートのシートボディが実現され得る。
本開示のもう1つの実施例によるリールシートは、リールが下付き方式でシートボディに取り付けられるように構成され得る。図25は、もう1つの実施例によるリールシートを備える釣り竿の一部を示す。
図25を参照すると、釣り竿(100)には、本開示のもう1つの実施例によるリールシート(2000)が取り付けられて、リール(130B)を竿体(110)に取り付ける。図25に示すリール(130B)は、下付き方式でリールシート(2000)のシートボディに取り付けられる。このようなリール(130B)として、当該分野においてスピニングリールとして参照されるリールが用いられ得る。リール(130B)は、前方方向(FD)と後方方向(RD)にそれぞれ延長する一対のリール脚(131、132)を有する。また、リール(130B)は、釣り糸を収納するスプール(133)とスプール(133)を回転させるためのハンドル(134)を有する。
リールシート(2000)は、釣り竿(100)の竿体(110)に取り付けられて固定される。竿体(110)が竿体の軸方向(AD)に後方方向(RD)にリールシート(2000)に挿入されるように、リールシート(2000)が構成される。リールシート(2000)は、パイプまたはスリーブ状に形成され、その内部のボアで竿体(110)の外周面を覆うように構成される。リールシート(2000)は、リール(130B)のリール脚(131、132)を解除可能に固定し、リール(130B)を竿体(110)に脱着可能に取り付ける。
リールシート(2000)は、前述の実施例のリールシートの構成と類似の構成を有する。前述の実施例のリールシートと比較し、リールシート(2000)は、下付き方式で取り付けられるリールに適用されるように構成されている。下付き方式の取り付けのために、リールシート(2000)の構成要素は、前述の実施例のリールシートの構成要素の上下の位置とは反対の位置に配置され得る。また、リールシート(2000)の構成要素は、前述の実施例のリールシートの構成要素の前後の位置とは反対の位置に配置され得る。リールシート(2000)に関する以下の説明において、前述の実施例のリールシートの構成要素と同一の構成要素に関する説明は簡素化されているか省略されている。
図26は、図25に示すリールシートの後方斜視図であり、図27は、図25に示すリールシートの前方斜視図である。図25〜図27を参照すると、リールシート(2000)は、シートボディ(2100)と、固定フード(1360)と、可動フード(1400)とを含む。
シートボディ(2100)は、リールシート(2000)を竿体(110)に取り付けるように機能し、竿体(110)に対してリールを支持するように機能する。シートボディ(2100)は、パイプボディ(1200)とグリップボディ(2300)とを含む。シートボディ(2100)のパイプボディ(1200)は、前述のシートボディ(1100)のパイプボディと同一に構成され得る。パイプボディ(1200)が竿体(110)に固定され、シートボディ(2100)を竿体(110)に取り付ける。パイプボディ(1200)は、外周部の下側に、リール脚(131、132)と接触してリール脚(131、132)を支持するリール脚支持部(1220)を備える。パイプボディ(1200)は、リール脚支持部(1220)が下側に向かうように配置され、下付き方式でリールがリールシートに取り付けられることを許容する。リール脚支持部(1220)は、パイプボディ(1200)の外周部における下側表面となり得る。グリップボディ(2300)は、パイプボディ(1200)に竿体(110)の軸方向(AD)に結合され、ユーザーがリールシート(2000)をグリップする部分として機能する。パイプボディ(1200)とグリップボディ(2300)は、同一であるか、異なる樹脂材料からなり得る。または前記樹脂材料として、繊維強化樹脂材料が用いられ得る。
固定フード(1360)と可動フード(1400)がリール脚(131、132)を固定する。固定フード(1360)は、グリップボディ(2300)に備えられており、リール脚(131)を固定する。リール脚(131)は、固定フード(1360)とリール脚支持部(1220)との間に挿入され得る。可動フード(1400)は、軸方向(AD)に固定フード(1360)と対向する。可動フード(1400)のナット部(1410)が、パイプボディ(1200)の他端部(パイプボディ(1200)の後端部)にねじ運動により軸方向(AD)に移動可能に結合される。可動フード(1400)の押圧部(1420)がリール脚(132)をリール脚支持部(1220)に押圧して固定する。リール(130B)を下付き方式で固定するために、押圧部(1420)のフード部(1424)は下側に向かって位置し、フード部(1424)に隣接する切り欠き部(1425)は、上側に向かって位置する。可動フード(1400)がリール脚(132)を覆って押圧するときに、フード部(1424)は、グリップボディ(2300)の先端部(即ち、可動フードと対向するグリップボディ(2300)の端部)と軸方向(AD)で重なる。また、押圧部(1420)の切り欠き部(1425)には、グリップボディ(2300)の先端部が軸方向(AD)に挿入される。
図28は、図25に示すリールシートのシートボディを示す前方斜視図であり、図29は、図28に示すシートボディの分解斜視図である。
図29に示すように、パイプボディ(1200)の内周部(1211)は、竿体が軸方向(AD)に挿入されるボア(1213)を限定する。ボア(1213)は、パイプボディ(1200)に、パイプボディ(1200)の軸方向における一端(パイプボディ(1200)の前端)からパイプボディ(1200)の軸方向における他端(パイプボディ(1200)の後端)まで貫通するように形成されている。竿体(110)(図25参照)の一部がボア(1213)に竿体の軸方向(AD)に挿入され、竿体(110)の外周面とボア(1213)との間に接着剤が介在されて、シートボディ(2100)のパイプボディ(1200)が竿体(110)に取り付けられ得る。
図28と図29を参照すると、シートボディ(2100)のグリップボディ(2300)は、パイプボディ(1200)に軸方向(AD)に結合される。リールシートを前方または後方から見るときに、グリップボディ(2300)は、パイプボディ(1200)の外側に位置する。グリップボディ(2300)は、一部が軸方向に所定の長さだけ切欠されている円筒形状を有する。グリップボディ(2300)は、その一部でまたはその全体でパイプボディ(1200)を部分的に包むように形成され得る。グリップボディ(2300)は、パイプボディ(1200)の外周部(1212)を部分的に包むカバー部(2310)を備える。カバー部(2310)は、前述のカバー部(1310)の構成と類似の構成を有する。カバー部(2310)は、周り方向(CD)と幅方向(WD)でパイプボディ(1200)の外周部(1212)に対応するように湾曲している。図28に示すように、カバー部(2310)は、パイプボディ(1200)のリール脚支持部(1220)を露出させながらパイプボディ(1200)の外周部(1212)を部分的に包む。
図30と図31はそれぞれ、図29に示すグリップボディの後方斜視図及び下方斜視図である。図32は、図31の32−32線に沿って取った断面形状を示す。図33は、図27の33−33線に沿って取った断面形状を示し、図34は、図27の34−34線に沿って取った断面形状を示す。
図30及び図31を参照すると、グリップボディ(2300)は、カバー部(2310)から前方に延長する円筒部(2320)を備える。円筒部(2320)は、その内周部でパイプボディの一端部(パイプボディの前端部)を収容する。また、カバー部(2310)は、カバー部(2310)の長さ方向に垂直な側方向に位置し、軸方向(AD)に延長する一対のエッジ(1311)を有する。図28を参照すると、カバー部(2310)のエッジ(1311)は、パイプボディの外周部に係合して、パイプボディ(1200)とグリップボディ(2300)を周り方向(CD)に結合させる。
図32に示すように、カバー部(2310)の横断面の形状は、幅方向(WD)における幅より垂直方向における高さがさらに大きい、略半楕円形の形状を有する。カバー部(2310)の大きさは、パイプボディの外周部とカバー部(2310)との間に間隙が限定されるように設定されている。これにより、図33及び図34に示すように、パイプボディ(1200)とグリップボディ(2300)が結合すると、パイプボディ(1200)の外周部(1212)とカバー部(2310)の内周部(1312)との間には間隙(1110)が形成される。即ち、間隙(1110)は、シートボディの内部に、また、カバー部(2310)により包まれるパイプボディ(1200)の外周部(1212)の領域に存在し、軸方向及び周り方向に形成される。間隙(1110)は、パイプボディ(1200)の外周部(1212)とカバー部(2310)の内周部(1312)との間でカバー部(2310)の両側エッジ(1311)により限定される。
これにより、リールシート(2000)のシートボディは、1つのボディとしてなるシートボディより減少した重量を有し得る。また、図33及び図34に示すように、カバー部(2310)の横断面の形状は略半楕円形に対応し、パイプボディ(1200)の横断面の形状は円環形を有する。従って、リールシート(2000)のシートボディは、半楕円形の形状を有する外側ボディ(例えば、グリップ部のカバー部)と、円環形の形状を有する内側ボディ(例えば、パイプボディ)からなる。これにより、外側ボディと内側ボディはそれぞれ、独立して厚さ減少になるように設計され得るため、軽量化されたリールシートのシートボディを実現することができる。
図35は、図29に示すシートボディのパイプボディの縦断面図であり、図36は、図29に示すシートボディのグリップボディの縦断面図である。図37は、図28に示すシートボディの縦断面図である。
図29と図35を参照すると、パイプボディ(1200)は、その上側に切り欠きスリット(1230)を備える。切り欠きスリット(1230)は、パイプボディ(1200)の軸方向における一端(パイプボディ(1200)の前端)からパイプボディ(1200)の軸方向における他端(パイプボディ(1200)の後端)に向かう一部が切欠して形成される。切り欠きスリット(1230)は、パイプボディ(1200)の一端から軸方向(AD)に他端に向かって延長する。従って、パイプボディ(1200)は、切り欠きスリット(1230)の領域で略C字形の横断面の形状を有し得る。
図31、図32及び図36を参照すると、グリップボディ(2300)は、カバー部(2310)の内周部(1312)に位置してパイプボディの切り欠きスリットに対応する突出部(1330)を備える。突出部(1330)は、軸方向(AD)にパイプボディの切り欠きスリットへの嵌合を許容する大きさとなる。突出部(1330)は、カバー部(2310)の内周部(1312)から内側半径方向に突出する。
図37を参照すると、パイプボディとグリップボディが結合すると、突出部(1330)がパイプボディ(1200)の切り欠きスリットに軸方向(AD)に嵌合され、切り欠きスリットと突出部(1330)は、各自の側方向表面で周り方向(CD)に当接する。また、図33に示すように、切り欠きスリットのエッジ面(1231)と突出部のエッジ面(1331)は、互いに当接する。突出部(1330)は、エッジ面(1331)の間で軸方向(AD)に延長する内側半径方向表面(1332)を有する。内側半径方向表面(1332)は、パイプボディのボアの中心に対して同一の曲率で湾曲している。従って、突出部が切り欠きスリットに嵌合された状態で、パイプボディ(1200)の内周部(1211)の表面と突出部(1330)の内側半径方向表面(1332)がボア(1213)を限定する。従って、竿体とシートボディの結合のための接着剤は、竿体とパイプボディ(1200)の内周部(1211)及びグリップボディ(2300)の突出部(1330)の間に介在され得、パイプボディ(1200)とグリップボディ(2300)のいずれもが竿体に強固に固定され得る。
一例として、切り欠きスリットの幅(SW)は、ボア(1213)の内径(BD)の50%〜80%の範囲が好ましい。カバー部(2310)は、両側エッジ(1311)でパイプボディ(1200)の外周部(1212)に係合される。エッジ(1311)と突出部(1330)との間に位置するパイプボディ(1200)の周り方向の部分が、エッジ(1311)と突出部(1330)により圧縮されるように、エッジ(1311)と突出部(1330)との間の距離が設定され得る。
図31及び図36を参照すると、カバー部(2310)は、突出部(1330)の領域内にリセス(2335)を有し、リセス(2335)によりグリップボディ(2300)は、さらに軽量化され得る。リセス(2335)は、突出部(1330)の内側半径方向表面(1332)から上側に凹んでいる。
図31、図33及び図34を参照すると、グリップボディ(2300)のカバー部(2310)は、パイプボディ(1200)のシーリング突起(1251)に係合して間隙(1110)をシーリングするシーリング溝(1351)を備える。シーリング溝(1351)は、カバー部(2310)の各エッジ(1311)に沿って延長する。シーリング溝(1351)は、シーリング突起(1251)がシーリング溝(1351)に嵌合されるように形成され得る。カバー部(2310)は、エッジ(1311)から内側半径方向に突出しエッジ(1311)に沿って延長するフック部(1313)を有する。フック部(1313)の上面とエッジ(1311)の半径方向の内面とがシーリング溝(1351)を限定する。
シーリング溝(1351)は、フック部(1313)の上面となる周り方向のシーリング面(1352)と、エッジ(1311)の半径方向の内面となる半径方向のシーリング面(1353)とを有し得る。また、シーリング溝(1351)に嵌合されるシーリング突起(1251)は、シーリング溝(1351)の2つのシーリング面とそれぞれ気密にまたは水密に面接触する周り方向のシーリング面(1252)と、半径方向のシーリング面(1253)とを有し得る。シーリング突起(1251)とシーリング突起(1251)に係合されたシーリング溝(1351)は、少なくとも2つのシーリング面(例えば、周り方向のシーリング面と半径方向のシーリング面)を形成する。これにより、間隙(1110)は、少なくとも2つの面接触がなすシーリング構造でシーリングされ、間隙(1110)への水の侵入を防止して接着剤の劣化を防止する。
図33を参照すると、フック部(1313)は、その半径方向の内面(1314)でパイプボディ(1200)の外周部(1212)の表面と密着することができる。これにより、パイプボディ(1200)の外周部(1212)とカバー部(2310)のエッジ(1311)との間には、3つの面接触がなすシーリング構造が形成され得る。また、フック部(1313)と突出部(1330)との間に位置するパイプボディ(1200)の一部がフック部(1313)と突出部(1330)により圧縮されるように、フック部(1313)がエッジ(1311)から突出することができる。この場合、フック部(1313)によりシーリング突起(1251)が周り方向(CD)に力を受け、パイプボディ(1200)には、周り方向(CD)に切り欠きスリットに向かって圧縮力が印加され得、切り欠きスリットと突出部はさらに強く面接触することができる。
図31を参照すると、グリップボディ(2300)のカバー部(2310)は、その先端のエッジに沿って周り方向のシーリング溝(1354)を備える。周り方向のシーリング溝(1354)は、エッジ(1311)に形成されたシーリング溝(1351)に繋がる。図37を参照すると、パイプボディの周り方向のシーリング突起(1254)が軸方向に周り方向のシーリング溝(1354)に嵌合され、2つの面接触によるシーリング構造を形成しつつ軸方向(AD)に間隙への水の侵入を防止することができる。
図31及び図36を参照すると、突出部(1330)は、その先端に、パイプボディ(1200)の軸方向における他端(パイプボディ(1200)の後端)に向かって傾いた第1斜面(1334)を備える。第1斜面(1334)は、軸方向(AD)に対して鋭角に傾いている。図29及び図35を参照すると、パイプボディ(1200)の切り欠きスリット(1230)は、突出部の第1斜面と軸方向に接触する第2斜面(1234)とを備える。第2斜面(1234)は、突出部の第1斜面の傾きと同一の傾きでパイプボディ(1200)の上面からパイプボディ(1200)の前端に向かって傾いている。図37に示すように、突出部(1330)の第1斜面(1334)と切り欠きスリット(1230)の第2斜面(1234)が接触する。第1斜面(1334)と第2斜面(1234)が傾斜接触を達成して、グリップボディ(2300)またはパイプボディ(1200)が相対的に回転することを防止することができ、両方間のガタツキを抑制することができる。
図29及び図35を参照すると、パイプボディ(1200)は、軸方向の一端(パイプボディ(1200)の後端)に切り欠きスリット(1230)から周り方向(CD)に延長する係止溝(1241)を備える。従って、パイプボディ(1200)を前方から見るとき、係止溝(1241)は略C字形を取る。係止溝(1241)は、パイプボディ(1200)の一端面(1215)から前方に離隔し、円弧状に延長する係止フランジ(1242)を形成する。図36を参照すると、グリップボディ(2300)は、周り方向(CD)に延長してパイプボディの係止溝に軸方向(AD)に係止される係止突起(1341)を備える。係止突起(1341)は、前記係止フランジの形状に対応するように円弧状に延長する。図29を参照すると、係止突起(1341)は、軸方向(AD)に係止溝(1241)にスナップ結合する。パイプボディ(1200)とグリップボディ(2300)が互いに結合されるときに、係止突起(1341)は、係止フランジ(1242)を乗り越えて、係止溝(1241)に係止及びスナップ結合される。係止突起(1341)が係止溝(1241)に結合されるときに、パイプボディ(1200)の一端部はボア(1213)の中心に向かって撓みつつ変形され得る。従って、係止溝(1241)と係止突起(1341)が行うスナップ結合は、パイプボディ(1200)とグリップボディ(2300)の結合時にパイプボディ(1200)の一端部の破損のリスクを除去する。
図32及び図36を参照すると、カバー部(2310)の外周部(1315)は、その上面を構成する湾曲面(2316)を備える。グリップボディ(2300)を側方から見るとき、湾曲面(2316)は上方に凸である。グリップボディ(2300)を前方または後方から見るとき、湾曲面(2316)は、半楕円形に形成され得る。湾曲面(2316)がカバー部(2310)に形成されるため、ユーザーがグリップボディ(2300)を握るときに、カバー部(2310)の外周部がユーザーの手の平に密着することができ、ユーザーは良好なグリップ感でグリップボディ(2300)を握ることができる。
リールシート(2000)は、パイプボディとグリップボディで組み合わせられるシートボディを有する。グリップボディは、前述のスライド機構を用いない成形金型から成形され得る。従って、グリップボディの成形のための金型部品の合わせが簡単であり、金型部品の寿命が増大し得、シートボディの成形コストが減少し得る。また、成形品は、バリと段差のような成形欠陥の発生が抑制される。また、1つのパイプボディと結合される多様なグリップボディが容易に設計及び製造され得るため、多様に変形された寸法を有するリールシートのシートボディが実現され得る。
図2に示す上付き方式に適用される前述のリールシートでは、可動フードがリールシートの前端付近に位置し、固定フードがリールシートの後端付近に位置する。他の例として、上付き方式のためのリールシートは、可動フードが後端付近に位置して固定フードが前端付近に位置し、パイプボディとグリップボディは、このようなフードの位置に合わせて位置することができる。また、図25に示す下付き方式に適用される前述のリールシートでは、可動フードがリールシートの後端付近に位置して固定フードがリールシートの前端付近に位置する。他の例として、下付き方式のためのリールシートは、可動フードが前端付近に位置して固定フードが後端付近に位置し、パイプボディとグリップボディは、このようなフードの位置に合わせて位置することができる。
以上、一部実施例と添付の図面に示す例によって本開示の技術的思想が説明されたものの、本開示が属する技術分野で通常の知識を有する者が理解できる本開示の技術的思想及び範囲を逸脱しない範囲で多様な置換、変形及び変更がなされ得るという点を知っているべきである。また、そのような置換、変形及び変更は、添付の請求の範囲内に属するものと考えられるべきである。