JP2021008211A - フロントピラー構造 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、フロントピラー周りの剛性を向上させることができるフロントピラー構造を提供することを目的とする。
図1は、本発明の実施形態のフロントピラー構造が適用される車両1のうち、右側前方のフロントピラー2を車室内側から見た平面図である。
フロントピラー2は、車両1の左,右に一対、ほぼ対称位置に配置されている。ここでは、主に車両右側のフロントピラー2について説明し、車両左側のフロントピラーは、この右側のフロントピラー2と略同一の構成を有するため説明を省略する。
図5に示すように、フロントピラーインナ3と、フロントピラーアウタ4とは、水平方向断面形状をそれぞれ略ハット型としている。
そして、フロントピラーアウタ4およびフロントピラーインナ3は、各両側縁に形成されたフランジ部同士を車幅方向に重ねて接合される。これにより、フロントピラー2の内部には、中空閉断面が形成される。
さらに、各フロントピラー2の上部2bは、図示しないルーフサイドレールの前縁部の左,右両端にそれぞれ接続されていて、ルーフ部を支持している。
フロントピラーインナミッド6は、上部の車内側面にステアリングハンガ取付部10を備えている。
ステアリングハンガ取付部10は、ステアリングハンガ30の取付けに用いる複数の上側取付孔10a,下側取付孔10b等を有している。
本実施形態のステアリングハンガ取付部10の上側の上側取付孔10aは、車室内側方に向けて凸で、台形状の台座部10cの上端面に設けられている。
台座部10cは、周囲に隆起部が設けられていて、他の部分よりも一段高い位置に上端面を設けている。これにより、台座部10cは、上側取付孔10aが形成される上端面を平坦とする平面視多角形形状の略ハット状としている。
また、上部ビード21は、下側の幅方向寸法を中央ビード23の幅方向寸法と同じ幅方向寸法としている。そして、上部ビード21は、下側から上側に行くほど幅方向寸法が小さく(細く)なるように形成されている。
取付座面25は、車両内側方に向けて凸で、上端面の少なくとも一部が平坦となるように形成されている。
また、本実施形態の上部ビード21の上端21aは、上側の上側取付孔10aが形成されている台座部10cの車両後方の位置まで上方に延伸されている。
そして、ステアリングハンガ30を取付ける際には、まず、端部31をステアリングハンガ取付部10に対して車幅方向内側から外側に向けて当接させる。次に上側取付孔10a,下側取付孔10bに締結ボルト等を挿通させて、端部31をフロントピラー2と締結する。これにより、ステアリングハンガ30は、左,右のフロントピラー2,2間に固定される。
そして、台座部10cの上側取付孔10aの周縁の高さ方向(車幅方向)位置と、上部ビード21の下側取付孔10bの取付座面25の高さ方向(車幅方向)位置とは、同じ高さ位置に設定されていて面一の平坦面となるように形成されている。
このため、本実施形態のフロントピラー構造では、ステアリングハンガ30の端部31は、両上側取付孔10a,下側取付孔10bの周縁に形成される各平坦面間に跨るように装着される。
台座部10cおよび上部ビード21は、車両内側方に向けて凸で一定の剛性を有している。このため、フロントピラー2による支持剛性が高く、ステアリングハンガ30からの荷重入力は、フロントピラー2に効率よく伝達される。
フロントピラーロアスティフナ7は、上端7a側の上部7dと、下端7b側の下部7fと、上下方向で上部7dおよび下部7fの中間に位置する中間部7cとを有している(図4参照)。
本実施形態のフロントピラーロアスティフナ7は、中間部7cの幅方向寸法cに対して、上端7aの幅方向寸法aが大きくなるように設定されている。
また、フロントピラーロアスティフナ7は、下端7bの幅方向寸法bが中間部7cの寸法よりも大きくなるように設定されている。さらに、本実施形態のフロントピラーロアスティフナ7は、下端7b側の下部7fから車両後方に下側延出部7gを一体に延設していて、側面視の形状が略長靴型となるように構成されている。
したがって、本実施形態のフロントピラーロアスティフナ7は、上部7dの上端7a側および下部7fの下端7b側にて、フロントピラー2との間の接合面積を増大させることができる。よって、フロントピラーロアスティフナ7は、下部7fおよび下側延出部7gによってサイドシル5に強固に接合される。
そして、フロントピラーロアスティフナ7の上部は、結合孔7eに挿通された締結ボルト17とナット部材18とを用いてドアヒンジ26およびフロントピラーアウタ4と接合されている。
そして、本実施形態の下部ビード22の下端22aは、上端7aの位置を越えてさらに下方に延伸されている。これによりフロントピラーロアスティフナ7と下部ビード22の一部が車幅方向で重複する。
本実施形態では、図3に示すように、フロントピラーインナミッド6の下部に衝撃コントロール部位Aが設けられている。衝撃コントロール部位Aは、複数の凹凸を組合せることにより、所望の変形モードを生じさせて衝突性能を向上させる機能を有している。
このため、ビード20は、衝撃コントロール部位Aと車幅方向で重なることなく、衝突性能に影響を与えることがない。よって、下部ビード22の幅寸法の変化を減少させることにより、急激な形状の変化により荷重が一箇所に集中して局所的な変形を発生させないようにしている。
このため、ビード20によって向上する強度の変化が緩やかで急激な変化が抑制される。したがって、ビード20の各部分は、変形が開始される起点となりにくい。
中央ビード23は、上部ビード21および下部ビード22と比較して幅広に設定されている幅広部23aを有している。そして、本実施形態の幅広部23aには、ハーネスクリップの座面となるようにハーネス取付孔24が設けられている。
図1に示すように、本実施形態のフロントピラー構造を採用する車両1は、フロントピラーインナ3と、フロントピラーインナ3に設けられて、上下方向に延在するビード20と、フロントピラーインナ3に設けられて、ステアリングハンガ30の端部31が取付けられるステアリングハンガ取付部10とを備える。ビード20は、ステアリングハンガ取付部10の周囲を囲む上部ビード21と、下方へ延伸される下部ビード22とを有している。
すなわち、本実施形態のビード20は、ステアリングハンガ取付部10の周囲を囲む上部ビード21と、下方へ延伸される下部ビード22とを有していて、それぞれ中央ビード23から上下方向に連続して延設される。
そして、ステアリングハンガ30の端部31が固定される下側取付孔10bは、上部ビード21に設けられている。
これにより、高剛性を有する上部ビード21に周囲を囲まれて、周囲より一段高い取付座面25に配置される下側取付孔10bは、所望の取付強度を得ることができる。
したがって、ステアリングハンガ30からの荷重入力を取付座面25が受けて、下方へ延伸されるビード20から効率よくフロントピラーインナ3に分散させることができる。
したがって、さらにフロントピラーインナミッド6周りの剛性を向上させるといった相乗効果を発揮させることが可能となる。
したがって、台座部10cで受止められたステアリングハンガ30からの荷重入力は、上部ビード21から中央ビード23および下部ビードまで、ビード20全体に分散されて吸収される。
このため、荷重が一箇所に集中して局所的な変形を発生させることを抑制することができる。
このため、フロントピラーインナミッド6とフロントピラーロアスティフナ7との間の締結力を向上させて、さらに剛性を向上させることができる。
このように構成された本実施形態のフロントピラー構造では、フロントピラーロアスティフナ7にフロントピラーインナミッド6が二枚重ねとなっている部分まで下部ビード22の下端22aを延伸することにより、さらに剛性を向上させることができる。
このため、ステアリングハンガ30からの荷重入力は、フロントピラーインナミッド6を介して、サイドシル5方向に効率よく分散されて伝達される。
このように、フロントピラー2周りの剛性を向上させることにより、ステアリングハンガ30から加わる荷重の吸収効率を向上させることができる。
衝撃コントロール部位Aは、所望の変形特性を発揮させて衝突性能を向上させる。
また、下部ビード22は、衝撃コントロール部位Aと重複していない。このため、衝突性能に影響を与えることがない。そして、延伸分、下部ビード22の幅寸法の変化を緩やかにすることができる。このため、フロントピラー2の局部的な変形を抑制できる。
このため、下部ビード22において急激な強度変化が起きにくく、ビード20の下端22a近傍での局部的な変形を抑制できる。
また、ビード20の上下方向中間に位置する中央ビード23は、上部ビード21および下部ビード22と比較して幅広に設定されている。このため、ハーネスクリップの座面となる平坦面をハーネス取付孔24の周囲に設けることが容易である。
たとえば、フロントピラーインナミッド6の下端面およびフロントピラーロアスティフナ7の上端面を突合わせるように構成されていてもよい。
この場合、突合わせ部分を跨いで越えて、各フロントピラーインナ3およびフロントピラーロアスティフナ7に連続するビードを形成してもよい。
すなわち、ビード20の下端22aがフロントピラーロアスティフナ7の上端7aに到達するように延伸されていればよく、上端7aの位置を越えて下方に延設される寸法も限定されるものではない。
10 ステアリングハンガ取付部
20 ビード
21 上部ビード
22 下部ビード
30 ステアリングハンガ
31 端部
Claims (4)
- フロントピラーインナと、
前記フロントピラーインナに設けられて、上下方向に延在するビードと、
前記フロントピラーインナに設けられて、ステアリングハンガの端部が取付けられるステアリングハンガ取付部と、を備え、
前記ビードは、前記ステアリングハンガ取付部の周囲を囲む上部ビードと、下方へ延伸される下部ビードとを有していることを特徴とするフロントピラー構造。 - 前記フロントピラーインナは、前記ステアリングハンガ取付部が設けられたフロントピラーインナミッドと、前記フロントピラーインナミッドの下側に連設されたフロントピラーロアスティフナとを有し、
前記ビードの下端が前記フロントピラーロアスティフナの上端まで延伸されていることを特徴とする請求項1に記載のフロントピラー構造。 - 前記ビードの下端は、前記フロントピラーロアスティフナが前記フロントピラーインナミッドに重なっている部分まで延伸されていることを特徴とする請求項2に記載のフロントピラー構造。
- 前記ビードの下部における幅が下側に行くほど細くなるように形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載のフロントピラー構造。
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