以下、添付図面を参照しながら本発明に係る建具の好適な実施の形態について詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1〜図3は、本発明の実施の形態1である建具を示したものである。ここで例示する建具は、枠体1に対して障子2が室内側に開くように支持された内開き窓である。枠体1は、枠用建材10を四周枠組みすることによって構成したものである。障子2は、矩形状を成す面材3の四周に框用建材20を装着することによって構成したものである。本実施の形態1では面材3として、複数枚(図示の例では3枚)のガラス板3a1,3a2,3a3を積層した複層ガラスを適用している。ガラス板3a1,3a2,3a3の相互間には、それぞれ空気層を確保するようにスペーサ3bが配設してある。
面材3を支持する框用建材20は、框本体21及び押縁22を備えて構成したものである。框本体21及び押縁22は、それぞれ樹脂によって成形した押し出し形材であり、長手に沿った全長にわたる部分がほぼ一様な断面形状を有するように構成してある。本実施の形態1では、上下の横框及び左右の縦框となる框用建材20として、互いに同一の断面形状を有した框本体21を適用し、互いの端部相互間を留め継ぎで溶着することにより連結している。押縁22については四周で同一の断面形状を有したものを適用している。押縁22の端部相互間は連結していない。
枠体1を構成する枠用建材10は、図1〜図3に示すように、枠内方構成部11、枠外方構成部12、補枠構成部13を備えて構成したものである。枠内方構成部11は、樹脂によって成形した押し出し形材であり、長手に沿った全長にわたる部分がほぼ一様な断面形状を有するように構成してある。本実施の形態1では、上下の横枠となる枠用建材10及び左右の縦枠となる枠用建材10として、互いに同一の断面形状を有したものを適用し、図4に示すように、互いの端部相互間を留め継ぎ(マイター接合)で溶着するようにしている。これに対して枠外方構成部12は、アルミニウム合金等の金属によって成形した押し出し形材であり、長手に沿った全長にわたる部分がほぼ一様な断面形状を有するように構成してある。本実施の形態1では、左右の縦枠となる枠用建材10で互いに同一の断面形状を有した枠外方構成部12を適用している。これに対して上方の横枠となる枠用建材10の枠外方構成部(以下、区別する場合に上枠外方構成部12Aという)と、下方の横枠となる枠用建材10の枠外方構成部(以下、区別する場合に下枠外方構成部12Bという)と、縦枠となる枠用建材10の枠外方構成部(以下、区別する場合に縦枠外方構成部12Cという)とでは、互いに異なる断面形状を有したものを適用している。枠外方構成部12の端部相互間は、図4に示すように、平継ぎで接合して連結している。補枠構成部13は、矩形状を成す防虫網4を枠外方構成部12の開口部に取り付けるためのものである。補枠構成部13としては、アルミニウム合金等の金属によって成形した押し出し形材から成り、長手に沿った全長にわたる部分がほぼ一様な断面形状を有するように構成したものを適用している。本実施の形態1では、左右の縦枠となる枠用建材10及び下方の横枠となる枠用建材10で互いに同一の断面形状を有した補枠構成部(以下、区別する場合に共通補枠構成部13Aという)を適用している。これに対して上方の横枠となる枠用建材10の補枠構成部(以下、区別する場合に上補枠構成部13Bという)としては、共通補枠構成部13Aとは異なる断面形状を有したものを適用している。補枠構成部13の端部相互間は、平継ぎで接合して連結している。
以下、框用建材20及び枠用建材10の構成について詳述し、併せて本願発明の特徴部分について説明する。なお、以下においては便宜上、躯体Bに取り付けられた状態の姿勢でそれぞれの方向を特定することとする。また、見込み方向及び見付け方向という用語を用いて説明を行う。見込み方向とは、図中の矢印Aで示すように、建具の奥行きに沿った方向である。見込み方向に沿った面については見込み面と称する場合がある。見付け方向とは、横枠や横框等のように水平方向に沿って延在する建材の場合、見込み方向に直交した上下に沿う方向である。縦枠や縦框等のように上下方向に沿って延在する建材の場合には、見込み方向に直交した水平に沿う方向を見付け方向という。見付け方向に沿った面については、見付け面と称する場合がある。
框用建材20の框本体21は、図1〜図5に示すように、框基部21a、面材支持部(外方基部)21b、枠当接部21cを一体に成形したものである。框基部21aは、框本体21のベースとなる中空のブロック状を成すもので、框内周面21d、框外周面21e、装着溝21fを有している。框内周面21dは、框基部21aの内周側に設けた平面であり、框外周面21eは、框基部21aの外周側に設けた平面である。これら框内周面21d及び框外周面21eは、互いにほぼ平行となるように見込み方向に沿って延在している。図からも明らかなように、框外周面21eは、框基部21aにおいて見込み方向の中間となる部分に設けた凹部21gによって室外側と室内側とに分割してある。装着溝21fは、框基部21aの框内周面21dにおいて室内側に位置する縁部に設けた凹所であり、内周側にのみ開口している。装着溝21fの室外側に位置する開口部には、押さえ突部21hが設けてある。押さえ突部21hは、装着溝21fの縁部から開口幅を狭めるように見込み方向に沿って室内側に突出した平板状部分である。面材支持部21bは、框基部21aの室外側に位置する部分から内周側に突出した中空状のものである。枠当接部21cは、框基部21aの外周側において室内側に位置する部分から外周側に突出した中空状のものである。枠当接部21cの延在端部において室外側となる部分には、室外側に向けて突出するように2次シール部材23が装着してある。図からも明らかなように、框本体21の室内側となる見付け面21j及び室外側となる見付け面21kは、それぞれ平坦状で互いにほぼ平行となっている。
框用建材20の押縁22は、中空状を成す押縁基部22aと、押縁基部22aの内周側となる部分に設けたシール部22bと、押縁基部22aの外周側となる部分に設けた溝係合部22c及び係合突起22dとを一体に成形したものである。シール部22bは、押縁基部22aの内周側において室外側となる部分から室外側に向けて漸次内周側となるよう傾斜して延在したヒレ状部分である。本実施の形態1では、内周側から外周側に向けて3つのシール部22bが設けてある。これらのシール部22bは、押縁基部22aを構成する樹脂よりも軟質の樹脂によって成形してある。溝係合部22cは、押縁基部22aの外周側に位置する部分から室外に向けて漸次外周側となるように傾斜した後、見込み方向に沿って室外側に延在している。係合突起22dは、押縁基部22aの外周側、かつ溝係合部22cよりも室内側に位置する部分から外周に向けて突出したものである。上記の構成を有する押縁22は、溝係合部22cを装着溝21fの内部に挿入し、かつ係合突起22dを装着溝21fの開口縁部に係合させれば、框本体21に装着された状態を維持する。装着溝21fに装着された押縁22は、框内周面21dから内周側に突出し、面材支持部21bに対向した状態となる。面材支持部21bと押縁基部22aとの相互間隔は、上述した面材3の見込み方向に沿った寸法よりもわずかに大きく、面材支持部21bとシール部22bとの相互間隔は、面材3の見込み方向に沿った寸法よりも小さく設定してある。
上記のように構成した框本体21及び押縁22を有する框用建材20は、押縁22を装着する以前に框本体21の端部相互間を溶着することによって連結され、面材3の周囲に配置された状態となる。この状態からそれぞれの框本体21に対して装着溝21fに押縁22を装着することで、面材支持部21bと押縁22との間に面材3の縁部が支持された状態となり、面材3の四周に樹脂製の框用建材20が装着された障子2が構成されることになる。
枠用建材10の枠内方構成部11は、図1〜図3、図7に示すように、枠基部11a、框当接部11b、躯体支持部11c、係合突部11dを一体に成形したものである。枠基部11aは、枠内方構成部11のベースとなる中空のブロック状を成すもので、枠内周面11e、枠外周面11fを有している。枠内周面11eは、枠基部11aの内周側に設けた平面であり、枠外周面11fは、枠基部11aの外周側に設けた平面である。これら枠内周面11e及び枠外周面11fは、互いにほぼ平行となるように見込み方向に沿って延在している。枠内周面11eの室内側となる縁部には、框基部21aの装着溝21f及び押さえ突部21hとほぼ同一の断面形状となる枠装着溝11g及び枠押さえ突部11hが形成してある。框当接部11bは、枠基部11aの室外側に位置する部分から内周側に突出した中空状のものである。框当接部11bの延在端部において室内側となる部分には、室内側に向けて突出するように1次シール部材14が装着してある。躯体支持部11cは、枠基部11aの室内側に位置する部分から外周側に突出した中空状のものである。係合突部11dは、枠基部11aの室外側に位置する縁部から外周側に突出したものである。枠外周面11fからの係合突部11dの突出寸法は、躯体支持部11cの突出寸法に比べて小さく設定してある。この係合突部11dには、枠シール装着部11jが設けてある。枠シール装着部11jは、係合突部11dの室内側に位置する部分に形成した凹溝であり、外周に向けてのみ開口している。この枠シール装着部11jには、係合突部11dから突出するように枠シール部材(止水材)15が装着してある。図からも明らかなように、枠内方構成部11の室内側となる見付け面11k及び室外側となる見付け面11mは、それぞれ平坦状で互いにほぼ平行となっている。枠内周面11eの見込み方向に沿った寸法及び框当接部11bの突出寸法は、框本体21の2次シール部材23を枠内方構成部11の室内側となる見付け面11kに当接させた場合に、1次シール部材14が框本体21の室外側となる見付け面21kに当接するように設定してある。
枠用建材10の上枠外方構成部12A、下枠外方構成部12B、縦枠外方構成部12Cは、上述したように互いに断面形状が異なるものであるが、図7(b)〜図7(d)中においてドットで示すように、互いに共通となる外方枠基部12aを有している。外方枠基部12aは、枠内方構成部11の室外側となる部分を覆うためのもので、見付けカバー板部12a1、傾斜板部12a2、見付け延在部12a3、内周カバー板部(内周側となる縁部)12a4、外周カバー板部(外周カバー部)12a5、躯体取付板部(取付部)12a6を有して構成してある。見付けカバー板部12a1は、見付け方向に沿って延在した平板状を成すものである。見付けカバー板部12a1の見付け方向に沿った寸法は、枠内方構成部11の室外側となる見付け面11mよりも大きく設定してある。見付けカバー板部12a1の室内側となる見付け面には、2条の位置決めリブ12a7が設けてある。位置決めリブ12a7は、室内側に向けて突出したもので、互いに平行となる状態で上枠外方構成部12Aの長手に沿って設けてある。これらの位置決めリブ12a7は、枠内方構成部11の係合突部11dを後述する外周カバー板部12a5に当接させた際に枠内方構成部11の室外側となる見付け面11mに対向するように形成してある。2条の位置決めリブ12a7の突出寸法は互いに等しい。傾斜板部12a2は、見付けカバー板部12a1の内周側となる縁部から内周に向けて漸次室内側となるように傾斜延在したものである。見付け延在部12a3は、傾斜板部12a2の延在縁部から内周側に向けて見付け方向に延在したものである。内周カバー板部12a4は、見付け延在部12a3の内周側となる縁部から見込み方向に沿って室内側に延在したものである。外周カバー板部12a5は、見付けカバー板部12a1の外周側となる縁部から見込み方向に沿って室内側に延在したものである。外周カバー板部12a5の延在縁部には、内周側に向けてほぼ直角に屈曲した係合片部12a8が設けてある。外周カバー板部12a5の延在長さは、位置決めリブ12a7に枠内方構成部11の室外側となる見付け面11mを当接させた際に係合片部12a8が係合突部11dの室内側となる見付け面に当接するように設定してある。躯体取付板部12a6は、外周カバー板部12a5において見付けカバー板部12a1よりもわずかに室内側となる部分から見込み方向に沿って外周側に延在したものである。
図7(b)に示すように、上枠外方構成部12Aは、上述の共通構成に加えて、2つのビスホール12b、補枠支持片部12c、外装板部12dを有している。ビスホール12bは、周面の一部が開口した細径の円筒状を成すもので、見付けカバー板部12a1の室外側となる見付け面において内周側及び外周側の2箇所に設けてある。補枠支持片部12cは、内周カバー板部12a4の外周側となる見込み面から外周に向けて突出した後、ほぼ直角に屈曲して室内側に延在したものである。補枠支持片部12cの延在縁部は、内周カバー板部12a4の室内側となる縁部よりも室外側で終端している。外装板部12dは、外周カバー板部12a5の室外側となる縁部から傾斜板部12a2の室外側となる縁部までの間を連続することにより見付けカバー板部12a1との間に中空部を構成するもので、傾斜延在部12d1、外周延在部12d2、見付け外装部12d3を有している。傾斜延在部12d1は、傾斜板部12a2の延長上に設けられ、傾斜板部12a2に沿う状態で室外に向けて漸次外周となるように傾斜している。外周延在部12d2は、外周カバー板部12a5の延長上に設けられ、外周カバー板部12a5に沿う状態で見込み方向に延在している。見付け外装部12d3は、傾斜延在部12d1の延在縁部と外周延在部12d2の延在縁部との間を連結するように見付け方向に沿って延在するもので、見付けカバー板部12a1とほぼ平行となるように設けてある。見付け外装部12d3の内周側となる縁部は、傾斜延在部12d1を超えてわずかに内周側に突出することにより上方水切り部12d4を構成している。
図7(c)に示すように、下枠外方構成部12Bは、上述の共通構成に加えて、2つのビスホール12b、躯体支持突片12e、補助躯体支持突片12f、外装板部12gを有している。ビスホール12bは、上枠外方構成部12Aに設けたものと同様のものである。躯体支持突片12eは、外周カバー板部12a5の係合片部12a8から室内側に向けて見込み方向に延在し、延在縁部がほぼ直角に屈曲して外周側に延在したものである。この躯体支持突片12eは、枠内方構成部11の係合突部11dを外周カバー板部12a5に当接させた場合に枠基部11aからの突出寸法が、躯体支持部11cとほぼ同一の位置となるように構成してある。補助躯体支持突片12fは、外周カバー板部12a5の外周側となる見込み面から外周側に向けて延在したものである。補助躯体支持突片12fの延在縁部は、躯体支持突片12eの延在縁部とほぼ同一の位置となるように構成してある。外装板部12gは、外周カバー板部12a5の室外側となる縁部から傾斜板部12a2の室外側となる縁部までの間を連続することにより見付けカバー板部12a1との間に中空部を構成するもので、傾斜延在部12g1、外周延在部12g2、見付け外装部12g3を有している。傾斜延在部12g1は、傾斜板部12a2の延長上に設けられ、傾斜板部12a2に沿う状態で室外に向けて漸次外周となるように傾斜している。外周延在部12g2は、外周カバー板部12a5の延長上に設けられ、室外に向けて漸次外周となるようわずかに傾斜している。見付け外装部12g3は、傾斜延在部12g1の延在縁部と外周延在部12g2の延在縁部との間を連結するように見付け方向に沿って延在するもので、見付けカバー板部12a1とほぼ平行となるように設けてある。見付け外装部12g3の外周側となる縁部は、外周延在部12g2を超えてわずかに外周側に突出することにより下方水切り部12g4を構成している。下枠外方構成部12Bにおいて見付けカバー板部12a1から見付け外装部12g3までの距離は、上枠外方構成部12Aにおいて見付けカバー板部12a1から見付け外装部12d3までの距離とほぼ等しい。
図7(d)に示すように、縦枠外方構成部12Cは、上述の共通構成に加えて、補枠支持片部12c、外装板部12hを有している。補枠支持片部12cは、上枠外方構成部12Aに設けたものと同様のものである。外装板部12hは、外周カバー板部12a5の室外側となる縁部から内周カバー板部12a4の室外側となる部分までの間を連続することにより見付けカバー板部12a1との間に中空部を構成するもので、内周延在部12h1、外周延在部12h2、中間延在部12h3、第1見付け外装部12h4、第2見付け外装部12h5を有している。内周延在部12h1は、内周カバー板部12a4の外周側となる縁部から室外側に向けて見込み方向に延在するものである。外周延在部12h2は、外周カバー板部12a5の室外側となる縁部から室外側に向けて見込み方向に延在するものである。中間延在部12h3は、見付けカバー板部12a1の外周側となる見込み面において内周側の位置決めリブ12a7に対応する部分から室外側に向けて見込み方向に延在するものである。これら内周延在部12h1、外周延在部12h2、中間延在部12h3は、互いにほぼ平行となるように延在している。外周延在部12h2と中間延在部12h3とは、延在長さがほぼ等しく、内周延在部12h1は中間延在部12h3よりも延在長さが短い。第1見付け外装部12h4は、内周延在部12h1の室外側となる縁部から外周側に向けて見込み方向に延在し、延在縁部が中間延在部12h3に連結されたものである。第2見付け外装部12h5は、中間延在部12h3の室外側となる縁部から外周側に向けて見込み方向に延在し、延在縁部が外周延在部12h2に連結されたものである。第2見付け外装部12h5の外周側となる縁部は、外周延在部12h2を超えてわずかに外周側に突出している。縦枠外方構成部12Cにおいて見付けカバー板部12a1から第2見付け外装部12h5までの距離は、上枠外方構成部12Aにおいて見付けカバー板部12a1から見付け外装部12d3までの距離と比較すると、第2見付け外装部12h5の板厚分だけ大きく構成してある。つまり、上枠外方構成部12A、下枠外方構成部12B及び縦枠外方構成部12Cをそれぞれの見付けカバー板部12a1が同一の平面上となるように配置した場合、上枠外方構成部12Aの見付け外装部12d3と下枠外方構成部12Bの見付け外装部12d3とが同一の平面上に位置し、かつ縦枠外方構成部12Cの第2見付け外装部12h5がその板厚分だけ室外側に配置されるようにそれぞれが構成してある。
上述したように枠用建材10の共通補枠構成部13A、上補枠構成部13Bは、図6(a)、図6(b)に示すように、互いに断面形状が異なるものであるが、互いに共通となる補枠基部13a、補枠面材支持部13bを有している。補枠基部13aは、矩形の中空状を成すもので、外周側となる見込み面に2つの支持脚片部13cを有している。支持脚片部13cは、外周側に向けて見付け方向に延在したものである。支持脚片部13cの延在寸法は、室内側に比べて室外側がわずかに短くなるように構成してある。補枠面材支持部13bは、補枠基部13aの内周側となる見込み面から内周側に突出した後、室内側に向けて屈曲したものである。補枠面材支持部13bの突出寸法は、上枠外方構成部12Aに設けた補枠支持片部12cの突出寸法とほぼ等しい。
図6(a)に示すように、共通補枠構成部13Aは、上述の共通構成のみを有したものである。これに対して上補枠構成部13Bは、図6(b)に示すように、上述の共通構成に加えて規制片部13dを有している。規制片部13dは、補枠基部13aの内周側となる見込み面において室外側の縁部から内周側に突出したものである。規制片部13dと補枠面材支持部13bとの間には、上枠外方構成部12Aの補枠支持片部12cを収容することのできる幅の隙間が確保してある。規制片部13dの突出寸法は、補枠面材支持部13bの突出寸法とほぼ等しい。
上述の共通補枠構成部13A及び上補枠構成部13Bは、互いの端部間を連結することによって矩形状に構成される。この矩形状に連結された補枠構成部13A,13Bに対しては、それぞれの補枠面材支持部13bに押さえゴム4aとともに防虫網4の周縁部を圧入すれば、防虫用補助面材5が構成されることになる。矩形状に連結した補枠構成部13は、枠外方構成部12の端部相互間を連結した際に内周カバー板部12a4によって構成される矩形の筒状部分を挿入することができるように寸法が設定してある。
上記のように構成した枠内方構成部11、枠外方構成部12、補枠構成部13によって枠体1を構成するには、予め、図7(a)に示すように、框当接部11bに連結補助片16を取り付けておく。連結補助片16は、枠内方構成部11と同様、樹脂によって成形したもので、見込み取付片部16a、見付け取付片部16b及び傾斜面部16cを有している。見込み取付片部16aは、見込み方向に沿って延在した平板状を成すものである。見付け取付片部16bは、見込み取付片部16aの室外側となる縁部から内周側に向けて見付け方向に延在した平板状を成すものである。傾斜面部16cは、見付け取付片部16bの内周側となる縁部から内周に向けて漸次室内側となるように傾斜している。見付け取付片部16bに対する傾斜面部16cの傾斜角度は、枠外方構成部12に設けた見付けカバー板部12a1に対する傾斜延在部12d1の傾斜角度とほぼ同じである。この連結補助片16は、見込み取付片部16aを介して框当接部11bの内周側となる見込み面にネジ16dを螺合することによって枠内方構成部11に取り付けられる。このとき、見付け取付片部16bが枠内方構成部11の室外側となる見付け面11mよりも室外側に突出するように取り付け位置を設定する。見付け取付片部16bの枠内方構成部11からの突出寸法は、枠外方構成部12に設けた位置決めリブ12a7の突出寸法にほぼ等しい。なお、図には明示していないが、連結補助片16は、框当接部11bの全長にわたって一連となるように設けても良いし、框当接部11bの複数箇所に設けるようにしても良い。
その後、図4に示すように、枠内方構成部11の両端部にそれぞれ45°の傾斜接合面11Xを形成し、傾斜接合面11Xを介して枠内方構成部11の端部相互間を溶着することによって連結する。この状態から、それぞれの枠内方構成部11に対して対応する枠外方構成部12を装着した後、枠外方構成部12の端部相互間を連結する。より具体的には、左右の縦枠外方構成部12Cの上端部間に上枠外方構成部12Aを配置するとともに、左右の縦枠外方構成部12Cの下端部間に下枠外方構成部12Bを配置し、縦枠外方構成部12Cの外方延在部を介して縦枠外方構成部12Cのビスホール12bにネジを螺合することにより枠外方構成部12の端部相互間が連結されることになる。
図1に示すように、下枠外方構成部12Bを枠内方構成部11に装着する際には、予め下枠外方構成部12Bの内周側となる位置決めリブ12a7に沿って外方止水材(止水材)17を配設するとともに、外周カバー板部12a5に内方止水材(止水材)18を配設するようにしている。
枠内方構成部11に枠外方構成部12を装着した状態においては、外周カバー板部12a5が係合突部11dに当接し、かつ係合片部12a8が係合突部11dの室内側となる端面に当接しているとともに、見付けカバー板部12a1の位置決めリブ12a7がそれぞれ枠内方構成部11の室外側となる見付け面11mに当接している。つまり、枠内方構成部11の係合突部11dが位置決めリブ12a7と係合片部12a8との間に嵌まった状態となっている。また、枠外方構成部12の傾斜延在部12d1が傾斜面部16cに当接した状態となっている。従って、この状態から見付け取付片部16bを介して室内側から見付けカバー板部12a1に連結ネジ19を螺合すれば、枠内方構成部11と枠外方構成部12とが互いに連結される。これにより、上述した下枠外方構成部12Bと枠内方構成部11との間においては外方止水材17が見付けカバー板部12a1と枠内方構成部11の室外側となる見付け面11mとの間に押圧された状態で介在される。さらに、連結ネジ19の螺合によって傾斜延在部12d1及び傾斜面部16cが互いに押圧されるため、傾斜によって枠外方構成部12に対して枠内方構成部11が相対的に外周側に移動する。この結果、係合突部11dに配設した枠シール部材15が外周カバー板部12a5に押圧され、外周カバー板部12a5に配設した内方止水材18が枠内方構成部11の枠外周面11fに押圧される。
四周連結した枠外方構成部12及び枠内方構成部11に対しては、内周カバー板部12a4に防虫用補助面材5を外装させれば、防虫用補助面材5が枠外方構成部12に支持された状態となった枠体1が構成されることになる。この枠体1においては、開口が防虫網4によって覆われることになり、開口を通じて室内に異物が進入する事態が阻止される。図3からも明らかなように、防虫用補助面材5は、上補枠構成部13Bに設けた規制片部13dと補枠面材支持部13bとの間に、上枠外方構成部12Aの補枠支持片部12cが配置されることになり、枠外方構成部12から不用意に脱落することはない。枠体1を躯体Bに取り付けるには、下枠外方構成部12Bの躯体支持突片12e及び補助躯体支持突片12fを躯体Bに当接させるとともに、枠内方構成部11の躯体支持部11cを躯体Bに当接させ、この状態から四周の枠外方構成部12に設けた躯体取付板部12a6を介して躯体BにネジSを螺合すれば良い。
ここで、枠体1を構成する枠内方構成部11の長手に沿った寸法及び障子2を構成する框本体21の長手に沿った寸法は、図1及び図2に示すように、四周の枠用建材10と框用建材20との間において、框本体21の2次シール部材23が枠内方構成部11の室内側となる見付け面11kに当接し、かつ1次シール部材14が框本体21の室外側となる見付け面21kに当接するように設定してある。従って、この状態を維持したままで障子2を枠体1に開閉可能に支持させれば、枠体1に対して障子2を閉じた際に、四周において1次シール部材14及び2次シール部材23が枠体1と障子2との間に同時に介在することになり、所望の気密性及び止水性を確保した建具を構成することができる。
加えて、障子2を構成する框用建材20については、框本体21及び押縁22をいずれも樹脂によって成形し、かつ枠体1を構成する枠用建材10については、樹脂によって成形した枠内方構成部11が障子2を超えて室外側となる部分までの領域を占めている。また、金属によって構成した枠外方構成部12の外周カバー板部12a5は、障子2の面材3においてもっとも室外側に配置されるガラス板3a1よりも見込み方向において室外側で終端している。従って、この建具によれば、室外側の温度の影響が及ぶ範囲は、障子2よりも室外側に配置された部分までに限られることになり、断熱性の点で有利となる。これにより、例えば、室外の温度が低い場合にも枠体1や障子2の室内側に露出する部分に結露が生じ難くなる。
しかも、この建具では、枠外方構成部12においてもっとも内周側となる内周カバー板部12a4の位置が、四周すべてにおいて面材支持部21bの内周側となる見込み面(内周側となる縁部)21mの位置に対して見込み方向に一致するように設定してある。このため、障子2の框本体21おいて面材3よりも室外側に位置する面材支持部21bは、見込み方向に沿って室外側から視認し難くなる。換言すれば、建具を室外側から見た場合、視認できる部分のすべてが金属となっている。従って、この建具によれば、框本体21の面材支持部21bに太陽光が直接照射される事態も抑えられ、表面劣化や熱変形の問題が生じ難くなる等、耐候性の点で有利となる。
ところで、上述した断熱性の観点から、枠内方構成部11の見込み方向に沿った寸法が枠外方構成部12に対して大きく構成してあるため、互いの接合部が室外側に位置する結果、雨水等、室外の水が互いの間に浸入する機外が増える懸念がある。しかしながら、この建具においては、枠内方構成部11と枠外方構成部12との間に、室外側から外方止水材17、枠シール部材15、内方止水材18が配設してある。従って、室外の水が、枠内方構成部11と枠外方構成部12との接合部を通じて室内側に浸入する事態を招来するおそれはない。
上述の建具では、躯体Bとの取り付け部となる躯体取付板部12a6を有した枠外方構成部12を平継ぎによって端部相互間を連結するようにしているため、枠外方構成部12としては、隣接するものの断面形状が一致している必要がない。これにより、例えば、横枠を取り付ける部分と縦枠を取り付ける部分とで躯体Bの形状や見込み方向の位置が異なっている場合であっても、それぞれの枠外方構成部12の形状を対応させることで取り付けが可能となり、汎用性の点で有利となる。
なお、枠外方構成部12において内周側となる内周カバー板部12a4の位置は、面材支持部21bの内周側となる見込み面21mの位置に対して一致している必要はなく、面材支持部21bの内周側となる見込み面21mを超えて内周側となるように構成してあっても良い。
(変形例)
太陽光の直接照射による問題をより確実に防止するためは、図8〜図10に示す変形例のように構成することも可能である。すなわち、図8に示す変形例1では、枠内方構成部11の面材支持部(外方基部)21bに対してその内周側となる見込み面21mから室外側となる見付け面にわたる部分に金属被覆Mを施すようにしている。
図9に示す変形例2では、補枠構成部13として、障子2を閉じた場合に面材支持部(外方基部)21bの内周側となる見込み面21mに対向する見込み延在板部13eを有したものを適用している。
図10に示す変形例3では、障子2の面材支持部(外方基部)21bとして、室内側となる部分に面材用シール部材24が装着されるように構成したものを適用し、さらに面材用シール部材24として面材支持部21bの内周側となる見込み面21mを覆うカバー部分24aを有したものを適用したものである。変形例1〜変形例3において実施の形態1と同様の構成についてはそれぞれに同一の符号が付してある。
これらの変形例によれば、実施の形態1の構成に加えて、面材支持部21bの内周側となる見込み面21mを積極的に覆う部材を設けるようにしているため、建具に対して斜め方向から照射される太陽光についても面材支持部21bに直接照射される事態を防止することができ、表面劣化や熱変形の問題をより確実に解決することが可能となる。
また、変形例3では、下枠外方構成部12Bの外周カバー板部(外周カバー部)12a5′に対して枠内方構成部11の室内側となる部分まで延在するように金属製の補強カバー板部12a9が追加してある。従って、変形例3の建具では、下方の横枠の剛性を向上させることができるという作用効果を奏する。しかも、外周カバー板部12a5′と補強カバー板部12a9との間は、互いの間に介在する断熱材12a10によって熱的に遮断してある。つまり、変形例の建具においても、室外側から連続する金属製の外周カバー板部12a5は、障子2の面材3においてもっとも室外側に配置されるガラス板3a1よりも見込み方向において室内側に延在することがない。これにより、実施の形態1に比較して、断熱性が損なわれるおそれはない。
(実施の形態2)
上述した実施の形態1及び変形例1〜変形例3では、いずれも枠外方構成部12によって框本体21の外方基部である面材支持部21bを覆うようにしているが、本発明は必ずしもこれに限定されず、例えば、図11及び図12に示す実施の形態2のように、補枠構成部によって框本体の外方基部を覆うように構成することも可能である。
図11及び図12に例示する建具は、実施の形態1と同様、枠体1に対して障子2が室内側に開くように支持された内開き窓であり、実施の形態1とは、枠体1の構成のみが異なっている。以下、実施の形態1と異なる構成について詳述し、実施の形態1と同様の構成については同一の符号を付してそれぞれの詳細説明を省略することとする。また、縦枠については基本的に下方の横枠となる枠用建材10と同一の構成であるため、図示は省略している。
枠体1を構成する枠用建材10は、樹脂によって成形した枠内方構成部11、アルミニウム合金等の金属によって成形した枠外方構成部12、アルミニウム合金等の金属によって成形した補枠構成部13を備えて構成したものである。これら枠内方構成部11、枠外方構成部12、補枠構成部13は、いずれも押し出し形材であり、長手に沿った全長にわたる部分がほぼ一様な断面形状を有するように構成してある。
枠用建材10の枠内方構成部11は、実施の形態1と同様、枠基部11a、框当接部11b、躯体支持部11c、係合突部11dを一体に成形したものである。実施の形態1との相違点は、框当接部11bが枠基部11aよりも室外側に突出し、かつこの突出した部分に係合板部11pを有する点である。係合板部11pは、枠基部11aよりも室外側において外周側に向けて見付け方向に延在したものである。
図12(a)に示すように、枠用建材10の枠外方構成部12は、実施の形態1と同様、見付けカバー板部12a1、傾斜板部12a2、見付け延在部12a3、内周カバー板部12a4、外周カバー板部(外周カバー部)12a5、躯体取付板部12a6からなる外方枠基部12aを有するとともに、2つのビスホール12b、外装板部12dを有したものである。実施の形態1との相違点は、2つ位置決めリブ12a7を設ける位置及びフック片部12kを有する点である。2つの位置決めリブ12a7は、框当接部11bの室外側となる見付け面11qに対応する位置に設けてある。フック片部12kは、見付けカバー板部12a1において枠内方構成部11に設けた係合板部11pの外周縁に対応する部分から室内側に向けて延在した後、内周側に向けて屈曲したものである。フック片部12kの内周側となる縁部は、内周側に向けて漸次見付けカバー板部12a1から離隔するように傾斜している。上枠外方構成部12Aと、下枠外方構成部12Bとの相違点は、内周カバー板部12a4の形状及び見付け延在部12a3の見付け方向に沿った寸法である。
図12(b)に示すように、下枠外方構成部12Bの内周カバー板部12a4は、見込み延在部から見込み方向に沿ってのみ延在している。下枠外方構成部12Bの見付け延在部12a3は、外周カバー板部12a5に枠内方構成部11の係合突部11dを当接させた場合に框当接部11bの内周側となる見込み面と内周カバー板部12a4との間に、後述する補枠構成部13の挟持片部を挟持することができる隙間が確保されるように寸法が設定してある。
これに対して上枠外方構成部12Aの内周カバー板部12a4は、図12(c)に示すように、見込み延在部から見込み方向に沿って延在した延在縁部に補枠連結片部12mを有している。補枠連結片部12mは、内周カバー板部12a4から外周側に向けて見付け方向に延在している。上枠外方構成部12Aの見付け延在部12a3は、下枠外方構成部12Bのものよりも大きな寸法に構成してあり、外周カバー板部12a5に枠内方構成部11の係合突部11dを当接させた場合に、框当接部11bの内周側となる見込み面と補枠連結片部12mとの間に隙間が確保できるように寸法が設定してある。
枠用建材10の補枠構成部13は、四周で同一の断面形状を有したもので、補枠基部13a、補枠面材支持部(内周側となる縁部)13bを有している。補枠基部13aは、矩形の中空状を成し、室外側となる部分に支持脚部13fを有している。支持脚部13fは、外周側に向けて見付け方向に延在したもので、延在縁部に挟持片部13gを有している。挟持片部13gは、支持脚部13fから室外側に向けてほぼ直角に屈曲したものである。支持脚部13fの延在寸法は、補枠連結片部12mの延在寸法よりも大きく設定してある。補枠面材支持部13bは、実施の形態1に設けたものと同様のものである。
上述の補枠構成部13は、互いの端部間を連結することによって矩形状に構成される。この矩形状に連結された補枠構成部13に対しては、それぞれの補枠面材支持部13bに押さえゴム4aとともに防虫網4の周縁部を圧入すれば、防虫用補助面材5が構成されることになる。矩形状に連結した補枠構成部13は、それぞれの挟持片部13gによって構成される矩形の筒状部分に対して、枠外方構成部12の端部相互間を連結した際に内周カバー板部12a4によって構成される矩形の筒状部分を挿入することができるように寸法が設定してある。つまり、内周カバー板部12a4に対して補枠基部13a及び支持脚部13fがそれぞれ内周側に突出した状態で防虫用補助面材5が枠外方構成部12に取り付けられることになる。
上記のように構成した枠内方構成部11、枠外方構成部12、補枠構成部13によって枠体1を構成するには、実施の形態1と同様、枠内方構成部11の両端部にそれぞれ45°の傾斜接合面を形成し、傾斜接合面を介して枠内方構成部11の端部相互間を溶着することによって連結する。この状態から、それぞれの枠内方構成部11に対して対応する枠外方構成部12を装着した後、枠外方構成部12の端部相互間を連結する。
枠外方構成部12を枠内方構成部11に装着する際には、予め下枠外方構成部12Bのフック片部12kよりも外周側となる部分に外方止水材17を配設するとともに、外周カバー板部12a5に内方止水材18を配設する。この状態からフック片部12kと係合板部11pとを互いに係合させれば、位置決めリブ12a7が框当接部11bの室外側となる見付け面に当接し、かつ係合片部12a8が係合突部11dの室内側となる端面に当接した状態に維持される。この状態においては、枠外方構成部12及び枠内方構成部11の互いに離反する方向への移動が阻止されているとともに、外方止水材17が見付けカバー板部12a1と枠内方構成部11の室外側となる見付け面11mとの間に押圧された状態で介在されている。その後、框当接部11bを介して室内側から見付けカバー板部12a1に連結ネジ19を螺合すれば、枠内方構成部11と枠外方構成部12とが互いに連結された状態が維持される。
四周連結した枠外方構成部12及び枠内方構成部11に対しては、内周カバー板部12a4に防虫用補助面材5を外装させ、支持脚部13fを介して室内側から上枠外方構成部12Aの補枠連結片部12mにネジ30を螺合すれば、防虫用補助面材5が枠外方構成部12に支持された状態となった枠体1が構成されることになる。この枠体1においては、開口が防虫網4によって覆われることになり、開口を通じて室内に異物が進入する事態が阻止される。枠体1を躯体Bに取り付けるには、下枠外方構成部12Bの躯体支持突片12e及び補助躯体支持突片12fを躯体Bに当接させるとともに、枠内方構成部11の躯体支持部11cを躯体Bに当接させ、この状態から四周の枠外方構成部12に設けた躯体取付板部12a6を介して躯体BにネジSを螺合すれば良い。
ここで、枠体1を構成する枠内方構成部11の長手に沿った寸法及び障子2を構成する框本体21の長手に沿った寸法は、四周の枠用建材10と框用建材20との間において、框本体21の2次シール部材23が枠内方構成部11の室内側となる見付け面11kに当接し、かつ1次シール部材14が框本体21の室外側となる見付け面21kに当接するように設定してある。従って、この状態を維持したままで障子2を枠体1に開閉可能に支持させれば、枠体1に対して障子2を閉じた際に、四周において1次シール部材14及び2次シール部材23が枠体1と障子2との間に同時に介在することになり、所望の気密性及び止水性を確保することができる。
加えて、障子2を構成する框用建材20については、框本体21及び押縁22をいずれも樹脂によって成形し、かつ枠体1を構成する枠用建材10については、樹脂によって成形した枠内方構成部11が障子2を超えて室外側となる部分までの領域を占めている。また、金属によって構成した枠外方構成部12の外周カバー板部12a5は、障子2の面材3においてもっとも室外側に配置されるガラス板3a1よりも見込み方向において室外側で終端している。従って、この建具によれば、室外側の温度の影響が及ぶ範囲が障子2よりも室外側に配置された部分までに限られることになり、断熱性の点で有利となる。これにより、例えば、室外の温度が低い場合にも枠体1や障子2の室内側に露出する部分に結露が生じ難くなる。
しかも、この建具では、枠外方構成部12においてもっとも内周側となる補枠構成部13の補枠面材支持部13bの位置が、四周すべてにおいて面材支持部(外方基部)21bの内周側となる見込み面(内周側となる縁部)21mの位置よりも内周側となるように設定してある。このため、障子2の框本体21おいて面材3よりも室外側に位置する面材支持部21bが、見込み方向に沿って室外側から視認し難くなる。従って、この建具によれば、框本体21の面材支持部21bに太陽光が直接照射される事態も抑えられ、表面劣化や熱変形の問題が生じ難くなる等、耐候性の点で有利となる。
さらに、枠内方構成部11と枠外方構成部12との間には、室外側から外方止水材17、枠シール部材15、内方止水材18が配設してある。従って、室外の水が、枠内方構成部11と枠外方構成部12との接合部を通じて室内側に浸入する事態を招来するおそれはない。
なお、上述した実施の形態1、変形例及び実施の形態2では、いずれも内開き窓を例示しているが、本発明はこれに限定されず、内倒し窓やFIX窓等のように、障子2が室外側に向けて突出するものでなければ、その他の建具にも適用することが可能である。また、枠内方構成部11及び框本体21として樹脂によって成形したものを例示しているが、木材によって構成されているものにも適用することが可能である。さらに、枠内方構成部11として、端部相互間を連結(溶着)したものを例示しているが、枠外方構成部12が連結されていれば、枠内方構成部11の端部相互間は必ずしも連結されている必要はない。
また、上述した実施の形態1、変形例及び実施の形態2では、枠内方構成部11と枠外方構成部12との間を連結する連結ネジ19が室内側からのみ螺合されているため、枠外方構成部12を取り外すことなく室内側から枠内方構成部11を取り外すことができ、建具の交換や改修といった作業を容易に行うことが可能となる。しかしながら、本発明は必ずしもこれに限定されない。さらに、補枠構成部13として防虫網4を保持するものを例示しているが、必ずしもこれに限定されず、例えば、格子やスクリーン等、その他の補助面材を保持させるようにしても構わない。
以上のように、本発明に係る建具は、枠用建材によって構成された枠体と、枠用建材によって構成された枠体と、面材の四周に框用建材を装着することによって構成された障子とを備え、前記枠用建材は、樹脂もしくは木材によって成形された枠内方構成部と、金属によって成形され、前記枠内方構成部の室外側となる部分を覆うように設けられた枠外方構成部とを備えて構成され、前記框用建材は、樹脂もしくは木材によって構成された框本体を備え、前記框本体は、前記面材よりも室外側に位置する外方基部を有し、前記枠外方構成部は、前記枠体の内周側となる縁部の位置が、四周すべてにおいて前記外方基部の内周側となる縁部の位置に対して見込み方向に一致し、あるいは前記外方基部の内周側となる縁部の位置よりも内周側となるように設けられていることを特徴としている。
この発明によれば、樹脂によって成形された框本体が面材よりも室外側に位置する外方基部を有しているため、室外の温度が室内空間の近傍に伝導される事態が防止され、断熱性の点で有利となる。しかも、外方基部が金属によって成形された枠外方構成部によって覆われた状態にあり、見込み方向に沿って室外側から外方基部を視認することが困難となるため、太陽光が直接照射される事態も抑えられ、耐候性の点で有利となる。
また本発明は、上述した建具において、前記枠外方構成部は、端部相互間が平継ぎによって連結され、前記枠用建材には、前記枠外方構成部に躯体との取付部が設けられていることを特徴としている。
この発明によれば、平継ぎによって端部相互間が連結される枠外方構成部としては、隣接するものの断面形状が一致している必要がない。これにより、例えば、横枠を取り付ける部分と縦枠を取り付ける部分とで躯体の形状が異なっている場合であっても、それぞれの枠外方構成部の形状を対応させることで取り付けが可能となり、汎用性の点で有利となる。
また本発明は、上述した建具において、前記枠内方構成部と前記枠外方構成部との間には止水材が配設されていることを特徴としている。
この発明によれば、従来の複合構造に比べて枠内方構成部と枠外方構成部との接合面が室外側となるものの、互いの間に設けた止水材によって止水性を確保することが可能となる。
また本発明は、上述した建具において、前記面材は、互いの間に空気層を設けて複数のガラス板が積層されたものであり、前記枠外方構成部は、少なくとも室外に配置される部分から連続して室内側に延在することにより前記枠内方構成部の外周側となる見込み面を覆う外周カバー部を有し、前記面材は、もっとも室外側に配置されるガラス板の位置が、前記外周カバー部の室内側となる縁部に対して見込み方向に一致し、あるいは前記外周カバー部の室内側となる縁部よりも室内側となるように前記枠体に設けられていることを特徴としている。
この発明によれば、外周カバー部の室内側となる縁部が、障子の面材においてもっとも室外側に配置されるガラス板を超えて室内側に配置されないため、枠用建材を通じて室外の温度が室内空間の近傍に伝導される事態が防止され、断熱性の点でさらに有利となる。
また本発明は、上述した建具において、前記枠外方構成部と前記枠内方構成部とは、互いの間を連結する連結ネジが室内側からのみ螺合されていることを特徴としている。
この発明によれば、枠外方構成部を取り外すことなく室内側から枠内方構成部を取り外すことができ、建具の交換や改修といった作業を容易に行うことが可能となる。
また、本発明に係る建具は、枠用建材によって構成された枠体と、面材の四周に框用建材を装着することによって構成された障子とを備え、前記枠用建材は、樹脂もしくは木材によって成形された枠内方構成部と、金属によって成形され、前記枠内方構成部の室外側となる部分を覆うように設けられた枠外方構成部と、金属によって成形され、前記枠外方構成部の内周側部分に配設される補枠構成部とを備えて構成され、前記框用建材は、樹脂もしくは木材によって構成された框本体を備え、前記框本体は、前記面材よりも室外側に位置する外方基部を有し、前記補枠構成部は、前記枠体の内周側となる縁部の位置が、四周すべてにおいて前記外方基部の内周側となる縁部の位置に対して見込み方向に一致し、あるいは前記外方基部の内周側となる縁部の位置よりも内周側となるように設けられていることを特徴としている。
この発明によれば、樹脂によって成形された框本体が面材よりも室外側に位置する外方基部を有しているため、室外の温度が室内空間の近傍に伝導される事態が防止され、断熱性の点で有利となる。しかも、外方基部が金属によって成形された補枠構成部によって覆われた状態にあり、見込み方向に沿って室外側から外方基部を視認することが困難となるため、太陽光が直接照射される事態も抑えられ、耐候性の点で有利となる。補枠構成部によって外方基部を覆っている場合には、必ずしも枠外方構成部が外方基部を覆っている必要はない。