JP2021004409A - 防着シート - Google Patents

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竜蔵 山田
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Abstract

【課題】着膜量を確保しつつ、着膜物に起因したパーティクルの発生を抑えることを可能とした防着シートを提供する。【解決手段】防着シート13は、成膜源DSと防着対象Sとの間に配置される。防着シート13は、成膜圧力が1.0Pa以上1.5Pa以下であり、成膜粒子径が8Å以上20Å以下である成膜に用いられる。防着シート13は、繊維を含み、成膜源DSと対向する被着面13Sに、成膜粒子DPの直径以上の開口を有し、かつ、成膜粒子DPの平均自由行程以下の深さを有した複数の空隙を有するシート本体を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、成膜装置が備える防着シートに関する。
スパッタ装置は、基板に対して各種の薄膜を形成するために用いられている。スパッタ装置は、基板以外の部位に対する着膜を抑える目的で、防着板を備えている。スパッタ装置の一例において、防着板は、金属箔、供給ローラー、および、巻取りローラーを備えている。供給ローラーに巻回された金属箔は、巻取りローラーに架け渡されている。巻取りローラーが金属箔を巻き取ることによって、金属箔のなかで、スパッタ粒子の付着によって堆積した着膜物を有する部分が、巻取りローラーに巻き取られる(例えば、特許文献1を参照)。
実開平7−19361号公報
ところで、防着板には、スパッタ装置において時間当たりに成膜される成膜対象の数を増やす上で、防着板の着膜量を増やし、これによって、時間当たりにおいて、防着板のメンテナンスを行う回数を減らすことが求められる。しかしながら、防着板が、防着シートとして上述した金属箔を備える場合には、金属箔に対する着膜量を増やすことによって、着膜物に生じた応力に起因して、着膜物が金属箔から剥がれ落ちる。結果として、着膜物に起因するパーティクルがスパッタ装置内において生じてしまう。こうした課題は、成膜源としてカソードを備えるスパッタ装置に限らず、成膜源として蒸着源を備える蒸着装置などの成膜装置においても共通する。
本発明は、着膜量を確保しつつ、着膜物に起因したパーティクルの発生を抑えることを可能とした防着シートを提供することを目的とする。
上記課題を解決するための防着シートは、成膜源と防着対象との間に配置される防着シートである。前記防着シートは、成膜圧力が1.0Pa以上1.5Pa以下であり、成膜粒子径が8Å以上20Å以下である成膜に用いられる。繊維を含み、前記成膜源と対向する被着面に、成膜粒子の直径以上の開口を有し、かつ、前記成膜粒子の平均自由行程以下の深さを有した複数の空隙を有するシート本体を備える。
上記構成によれば、被着面が複数の空隙を有することによって、被着面が空隙を有しない場合に比べて、被着面の表面積を大きくすることが可能であり、これによって、防着シートによる着膜量を確保することが可能である。
ここで、空隙の深さが平均自由行程よりも長い場合には、空隙のなかに他の成膜粒子が存在することによって、空隙に侵入した成膜粒子が当該他の成膜粒子に衝突することによって跳ね返り、これによって、空隙から出てしまう。これに対して、上述したように、空隙の深さが平均自由行程以下であれば、空隙のなかに他の成膜粒子が存在しないため、成膜粒子が空隙のなかに進入しても、当該他の成膜粒子と衝突せず、結果として、空隙内に捕捉されやすい。
また、シート本体は繊維を含むため、シート本体が金属の薄膜やセラミックの薄膜によって形成される場合に比べて、シート本体の剛性を下げることが可能である。これにより、シート本体に堆積した着膜物の膜応力が高まりにくくなり、着膜物がシート本体から剥がれ落ちにくくなる。結果として、着膜物に起因したパーティクルの発生を抑えることが可能である。
上記防着シートにおいて、前記シート本体は、前記被着面を含む第1層と、前記第1層に積層された第2層と、を含み、前記複数の空隙は、前記第1層と前記第2層とに跨がる形状を有した前記空隙を含んでもよい。
上記構成によれば、シート本体が2つの層を含むため、第1層と第2層との組み合わせによって、空隙の深さ、および、空隙の形状を変更することが可能である。そのため、シート本体が1つの層のみから形成される場合に比べて、空隙の深さ、および、空隙の形状における自由度を高めることが可能である。
上記防着シートにおいて、前記第1層と前記第2層とに跨がる形状を有した前記空隙は、前記第1層によって区画される第1部分と、前記第2層によって区画される第2部分と、を備え、前記第2部分の開口径が、前記第1部分の開口径よりも小さくてもよい。
上記構成によれば、成膜粒子が空隙に進入するための開口の開口径が、成膜粒子が空隙に進入した後に到達する第2部分の開口径よりも大きい。そのため、成膜粒子が第2部分に捕捉されることによって、第2部分が成膜粒子によって占有されてしまった場合でも、第1部分に残された空間によって、成膜粒子を捕捉することが可能である。
上記防着シートにおいて、前記シート本体は、前記空隙を有した中空のガラスビーズと、前記シート本体が広がる平面に沿う前記ガラスビーズの移動が可能な状態で、前記ガラスビーズを保持する繊維とを含んでもよい。
上記構成によれば、シート本体が剛体ではないため、シート本体に対して成膜粒子が堆積した場合に、成膜粒子の堆積した状態に応じて、シート本体内におけるガラスビーズの位置が変わる。これにより、シート本体に堆積した着膜物の膜応力が高まることが抑えられ、着膜物がシート本体から剥がれ落ちることが抑えられる。結果として、着膜物に起因したパーティクルの発生がより抑えられる。
上記防着シートにおいて、シート状を有し、前記シート本体を支持する支持体をさらに備え、前記シート本体は、前記支持体に着脱可能に取り付けられていてもよい。この構成によれば、防着シートが支持体を備えることによって、成膜粒子の平均自由行程と同程度に薄いシート本体であっても、ローラーによる防着シートの搬送が可能になる。また、支持体に対するシート本体の着脱が可能であることによって、着膜物が堆積したシート本体を支持体から取り外し、新たなシート本体を支持体に取り付けることが可能である。そのため、防着シートを形成する支持体を複数回使用することが可能である。
一実施形態における防着シートを備える防着機構が適用される成膜装置の構成を模式的に示す装置構成図。 防着シートにおいて、シート本体と支持体とを分解して示す分解斜視図。 防着シートの構造における第1例を示す断面図。 防着シートの構造における第2例を示す断面図。 防着シートの構造における第3例を示す断面図。 防着シートの構造における第4例を示す断面図。
図1から図6を参照して、防着シートの一実施形態を説明する。以下では、防着シートを備える防着機構が適用される成膜装置の構成、および、防着シートの構成を順に説明する。
[成膜装置の構成]
図1を参照して、成膜装置の構成を説明する。
図1が示すように、成膜装置20は、成膜源DSと防着機構10とを備えている。防着機構10は、第1ローラー11、第2ローラー12、防着シート13、および、回収部14を備えている。第1ローラー11は、紙面の奥行き方向に沿って延びる円筒状を有している。第1ローラー11には、防着シート13のなかで、成膜源DSから放出された成膜粒子DPが堆積した着膜物を有しない部分が巻回されている。第2ローラー12は、紙面の奥行き方向に沿って延びる円筒状を有している。第2ローラー12には、防着シート13のなかで、着膜物を有する部分が巻き取られる。防着機構10では、第1ローラー11と第2ローラー12とによって、防着シート13が、所定の張力を有する状態で、第1ローラー11から第2ローラー12に向けて搬送される。
回収部14は、第2ローラー12の鉛直方向に位置している。回収部14は、第2ローラー12に沿って延びる皿状を有している。回収部14は、防着シート13が第2ローラー12に巻き取られる際に、防着シート13内での摩擦や、防着シート13と第2ローラー12との間の摩擦によって、防着シート13から剥がれ落ちた着膜物を回収する。
防着シート13は、成膜源DSと防着対象Sとの間に配置される。防着シート13は、第1ローラー11から第2ローラー12に向けて搬送される途中で、成膜源DSに対向する被着面13Sを含んでいる。防着シート13の被着面13Sには、上述したように、成膜粒子DPが堆積した着膜物DFが形成される。防着シート13は、被着面13Sとは反対側の裏面13Rを含んでいる。防着シート13は、第1ローラー11と第2ローラー12との間において搬送が可能な帯状を有している。防着シート13の長手方向における各位置において、防着シート13は、被着面13Sに対して裏面13Rが第1ローラー11寄りに位置するように、第1ローラー11に巻回されている。防着シート13の長手方向における各位置において、防着シート13は、裏面13Rに対して被着面13Sが第2ローラー12寄りに位置するように、第2ローラー12に巻き取られる。
防着機構10がスパッタ装置に搭載された場合には、成膜源DSは、ターゲットを含むカソードである。成膜源DSは、ターゲットから叩き出されたスパッタ粒子を成膜粒子DPとして放出する。防着機構10が蒸着装置に搭載された場合には、成膜源DSは、蒸着源である。成膜源DSは、気化または昇華された蒸着材料を成膜粒子DPとして放出する。防着機構10が熱CVD装置に搭載された場合には、成膜源DSは、例えば、各種のガスを供給するガス供給部である。成膜源DSは、各ガスが含む原子や分子を成膜粒子DPとして放出する。防着機構10がプラズマCVD装置に搭載された場合には、成膜源DSは、例えば、各種のガスを供給するガス供給部と、成膜装置が区画する空間内にプラズマを生成するプラズマ生成部とを含む。成膜源DSは、気相中において形成された原子のクラスターや分子を成膜粒子DPとして放出する。
防着対象Sは、例えば、成膜装置20が備える真空槽の一部である。防着シート13は、防着対象Sを覆うことによって成膜源DSから防着対象Sを隠し、これによって、防着対象Sに成膜粒子DPが堆積することを抑える。そのため、防着対象Sに堆積した着膜物が防着対象Sから剥がれ落ちることが抑えられる。結果として、防着対象Sから剥がれ落ちた着膜物によるパーティクルの発生が抑えられる。
[防着シートの構成]
図2から図6を参照して、防着シート13の構成を説明する。
図2が示す防着シート13は、成膜圧力が1.0Pa以上1.5Pa以下であり、成膜粒子径が8Å以上20Å以下である成膜に用いられる。防着シート13は、シート本体13Mを備える。シート本体13Mは、繊維を含み、成膜源DSと対向する被着面13Sに、成膜粒子DPの直径以上の開口13aを有し、かつ、成膜粒子DPの平均自由行程以下の深さを有した複数の空隙13gを有する。
被着面13Sが複数の空隙13gを有することによって、被着面13Sが空隙13gを有しない場合に比べて、被着面13Sの表面積を大きくすることが可能であり、これによって、防着シート13による着膜量を確保することが可能である。
ここで、空隙13gの深さが平均自由行程よりも長い場合には、空隙13gのなかに他の成膜粒子DPが存在することによって、空隙13gに侵入した成膜粒子DPが当該他の成膜粒子DPに衝突することによって跳ね返り、これによって、空隙13gから出てしまう。これに対して、上述したように、空隙13gの深さが平均自由行程以下であれば、空隙13gのなかに他の成膜粒子DPが存在しないため、成膜粒子DPが空隙13gのなかに進入しても、当該他の成膜粒子DPと衝突せず、結果として、空隙13g内に捕捉されやすい。
また、シート本体13Mは繊維を含むため、シート本体13Mが金属の薄膜やセラミックの薄膜によって形成される場合に比べて、シート本体13Mの剛性を下げることが可能である。これにより、シート本体13Mに堆積した着膜物DFの膜応力が高まりにくくなり、着膜物DFがシート本体13Mから剥がれ落ちにくくなる。結果として、着膜物DFに起因したパーティクルの発生を抑えることが可能である。
シート本体13Mは、被着面13Sに複数の開口13aを有している。各開口13aは、シート本体13Mの厚さ方向に沿って延びる各空隙13gに1つずつ備えられている。すべての空隙13gが、ほぼ等しい深さを有してもよい。あるいは、複数の空隙13gには、第1の深さを有する空隙13gと、第1の深さとは異なる第2の深さを有する空隙13gとが含まれてもよい。
表1は、防着機構10を備える成膜装置20が区画する空間の圧力と、成膜粒子径、すなわち成膜粒子DPの直径との関係を示している。成膜粒子DPは、1つの原子のみを含んでもよいし、複数の原子を含んでもよい。また、成膜粒子DPは、1つの分子のみを含んでもよいし、複数の分子を含んでもよい。
表1が示すように、成膜圧力が1.0Pa以上1.5Pa以下に含まれるいずれかの値であり、かつ、成膜粒子DPの直径が8Å以上20Å以下の範囲に含まれるいずれかの値である場合には、平均自由工程は1.5mm以下である。そのため、空隙13gの深さも1.5mm以下である。なお、例えば、スパッタ装置に対してSiOCのターゲットが取り付けられ、かつ、成膜圧力が1.0Pa以上1.5Pa以下に設定された場合に、ターゲットから8Å以上20Å以下の直径を有した成膜粒子DPが放出される。
防着シート13は、例えば、織布であってもよいし、不織布であってもよい。防着シート13を形成する材料は、例えば、金属であってもよいし、ガラスであってもよい。防着シート13は、例えば、0.3mm以上0.5mm以下の太さを有した繊維によって形成されている。
防着シート13は、支持体13SPをさらに備えている。支持体13SPは、シート状を有し、シート本体13Mを支持する。シート本体13Mは、支持体13SPに着脱可能に取り付けられている。支持体13SPは、例えば、金属製の帯状部材である。支持体13SPは、長手方向および幅方向において、シート本体13Mと同様の大きさを有している。防着シート13は、例えば、着脱可能に構成された締結部材によって支持体13SPに取り付けられている。
防着シート13が支持体13SPを備えることによって、成膜粒子DPの平均自由行程と同程度に薄いシート本体13Mであっても、ローラーによる防着シート13の搬送が可能になる。また、支持体13SPに対するシート本体13Mの着脱が可能であることによって、着膜物DFが堆積したシート本体13Mを支持体13SPから取り外し、新たなシート本体13Mを支持体13SPに取り付けることが可能である。また、例えば、洗浄後のシート本体13Mを支持体13SPに取り付けることも可能である。そのため、防着シート13を形成する支持体13SPを複数回使用することが可能である。
図3から図6を参照して、シート本体13Mの構造として採用が可能な複数の例を説明する。
図3は、シート本体13Mの構造における第1例を示している。
図3が示すように、シート本体13Mが有する各空隙13gは、凹部であってよい。すなわち、各空隙13gは、被着面13Sに位置する開口13aと、シート本体13Mの厚さ方向において、開口13aとは反対側に位置する底部13bとを備えてもよい。シート本体13Mがこうした構造を有する場合であっても、空隙13gの深さDが平均自由行程以下であることによって、シート本体13Mによる着膜量を確保しつつ、着膜物に起因したパーティクルの発生を抑えることが可能である。
図4は、シート本体13Mの構造における第2例を示している。
図4が示すように、シート本体13Mが有する各空隙13gは、貫通孔であってよい。この場合には、各空隙13gは、被着面13Sから被着面13Sとは反対側の裏面13Bに向かう方向に沿って先細りする形状を有することが好ましい。各空隙13gにおいて、被着面13Sにおける開口径が第1径Dia1であり、裏面13Bにおける開口径が第2径Dia2である。第2径Dia2は、第1径Dia1よりも小さい。第2径Dia2は、成膜粒子DPの直径よりも小さいことが好ましい。これにより、空隙13g内に進入した成膜粒子DPが空隙13g内に捕捉される確実性が高まる。
図5は、シート本体13Mの構造における第3例を示している。
図5が示すように、シート本体13Mは、被着面13Sを含む第1層13L1と、第1層13L1に積層された第2層13L2とを含んでいる。複数の空隙13gは、第1層13L1と第2層13L2とに跨がる形状を有した空隙13gを含んでいる。なお、複数の空隙13gにおいて、すべての空隙13gが、第1層13L1と第2層13L2とに跨がる形状を有してもよい。あるいは、複数の空隙13gは、第1層13L1と第2層13L2とに跨がる形状を有した空隙13gと、第1層13L1のみに位置する空隙13gとを有してもよい。
第1層13L1の厚さと、第2層13L2の厚さとは、同一であってもよいし、異なってもよい。また、第1層13L1を形成する材料と、第2層13L2を形成する材料とは、同一であってもよいし、異なってもよい。
シート本体13Mが2つの層を含むため、第1層13L1と第2層13L2との組み合わせによって、空隙13gの深さ、および、空隙13gの形状を変更することが可能である。そのため、シート本体13Mが1つの層のみから形成される場合に比べて、空隙13gの深さ、および、空隙13gの形状における自由度を高めることが可能である。
また、第1層13L1と第2層13L2とが分離可能であれば、例えば、第1層13L1の着膜量が第1層13L1を新しい層に交換すべき程度の量である一方で、第2層13L2の着膜量は第2層13L2の交換を必要としない量であった場合に、第1層13L1のみを新しい層に交換することが可能である。そのため、シート本体13Mの全体を交換する場合に比べて、シート本体13Mのメンテナンスに要する材料や費用を低減することが可能にもなる。
第1層13L1と第2層13L2とに跨がる形状を有した空隙13gは、第1層13L1によって区画される第1部分13g1と、第2層13L2によって区画される第2部分13g2とを備えている。本例では、第2部分13g2の第2径Dia2が、第1部分13g1の第1径Dia1よりも小さい。成膜粒子DPが空隙13gに進入するための開口の第1径Dia1が、成膜粒子DPが空隙13gに進入した後に到達する第2部分13g2の第2径Dia2よりも大きい。そのため、成膜粒子DPが第2部分13g2に捕捉されることによって、第2部分13g2が成膜粒子DPによって占有されてしまった場合でも、第1部分13g1に残された空間によって、成膜粒子DPを捕捉することが可能である。
図6は、シート本体13Mの構造における第4例を示している。
図6が示すように、シート本体13Mは、空隙13gを有した中空のガラスビーズGと、シート本体13Mが広がる平面に沿うガラスビーズGの移動が可能な状態で、ガラスビーズGを保持する繊維とを含んでいる。図6が示す例では、シート本体13Mは、シート本体13Mの被着面13Sを形成する第1繊維群F1と、シート本体13Mの裏面13Bを形成する第2繊維群F2とを備えている。
シート本体13Mは、複数のガラスビーズGを備えている。各ガラスビーズGは中空の円筒状を有している。ガラスビーズGが区画する空隙が、シート本体13Mの空隙13gである。ガラスビーズGは、シート本体13Mの厚さ方向に沿って延びている。ガラスビーズGが有する一方の端部は、第1繊維群F1とともに被着面13Sを形成している。これによって、ガラスビーズGは、被着面13Sに開口13aを有している。
図6が示す例では、各ガラスビーズGは、シート本体13Mの厚さ方向において、第1繊維群F1と第2繊維群F2とに挟まれている。これにより、複数のガラスビーズGが、一対の繊維群F1,F2間に保持されている。ただし、シート本体13M内において、各ガラスビーズGの位置は、1つの位置に固定されていない。このように、本例のシート本体13Mは剛体ではないため、シート本体13Mに対して成膜粒子DPが堆積した場合に、成膜粒子DPの堆積した状態に応じて、シート本体13M内におけるガラスビーズGの位置が変わる。これにより、シート本体13Mに堆積した着膜物DFの膜応力が高まることが抑えられ、着膜物がシート本体13Mから剥がれ落ちることが抑えられる。結果として、着膜物DFに起因したパーティクルの発生がより抑えられる。
なお、シート本体13Mは、1つの繊維層のみを有してもよい。この場合には、複数のガラスビーズGは、繊維層に保持されることによって、シート本体13Mに空隙13gを形成することが可能である。また、シート本体13Mは、ガラス以外の材料、例えば合成樹脂製のビーズであって、中空の筒状を有したビーズを備えてもよい。この場合であっても、シート本体13MがガラスビーズGを備える場合と同等の効果を得ることはできる。
以上説明したように、防着シートの一実施形態によれば、以下に記載の効果を得ることができる。
(1)空隙13gの深さDが成膜粒子DPの平均自由行程以下であることによって、空隙13gのなかに他の成膜粒子DPが存在しないため、成膜粒子DPが空隙13gのなかに進入しても、当該他の成膜粒子DPと衝突せず、結果として、空隙13g内に捕捉されやすい。また、シート本体13Mは繊維を含むため、シート本体13Mの剛性を下げることが可能であり、結果として、着膜物DFに起因したパーティクルの発生を抑えることが可能である。
(2)防着シート13が支持体13SPを備えることによって、成膜粒子DPの平均自由行程と同程度に薄いシート本体13Mであっても、ローラーによる防着シート13の搬送が可能になる。また、支持体13SPに対するシート本体13Mの着脱が可能であることによって、着膜物DFが堆積したシート本体13Mを支持体13SPから取り外し、新たなシート本体13Mを支持体13SPに取り付けることが可能である。そのため、防着シート13を形成する支持体13SPを複数回使用することが可能である。
(3)シート本体13Mが2つの層を含むため、第1層13L1と第2層13L2との組み合わせによって、空隙13gの深さ、および、空隙13gの形状を変更することが可能である。そのため、シート本体13Mが1つの層のみから形成される場合に比べて、空隙13gの深さ、および、空隙13gの形状における自由度を高めることが可能である。
(4)成膜粒子DPが空隙13gに進入するための開口の第1径Dia1が、成膜粒子DPが空隙13gに進入した後に到達する第2部分13g2の第2径Dia2よりも大きい。そのため、成膜粒子DPが第2部分13g2に捕捉されることによって、第2部分13g2が成膜粒子DPによって占有されてしまった場合でも、第1部分13g1に残された空間によって、成膜粒子DPを捕捉することが可能である。
(5)シート本体13Mは剛体ではないため、シート本体13Mに対して成膜粒子DPが堆積した場合に、成膜粒子DPの堆積した状態に応じて、シート本体13M内におけるガラスビーズGの位置が変わる。これにより、シート本体13Mに堆積した着膜物DFの膜応力が高まることが抑えられ、着膜物DFがシート本体13Mから剥がれ落ちることが抑えられる。結果として、着膜物DFに起因したパーティクルの発生がより抑えられる。
なお、上述した実施形態は、以下のように変更して実施することができる。
[支持体]
・防着シート13は、支持体13SPを備えなくてもよい。この場合であっても、防着シート13が、成膜粒子DPの平均自由行程以下の深さDを有した複数の空隙13gを被着面13Sに有したシート本体13Mを備えていれば、上述した(1)に準じた効果を得ることはできる。
[シート本体]
・シート本体13Mが第1層13L1と第2層13L2とを備える場合には、第1層13L1の第1径Dia1と、第2層13L2の第2径Dia2とが等しくてもよい。この場合であっても、シート本体13Mが2つの層を備えることによって、上述した(3)に準じた効果を得ることはできる。
・シート本体13Mは、3つ以上の層を有してもよい。この場合には、被着面13Sから裏面13Bに向かう方向に沿って、各層の開口径が次第に小さくなってもよい。あるいは、各層の開口径は同一であってもよい。
10…防着機構、11…第1ローラー、12…第2ローラー、13…防着シート、13a…開口、13B…裏面、13b…底部、13g…空隙、13g1…第1部分、13g2…第2部分、13L1…第1層、13L2…第2層、13M…シート本体、13R…裏面、13S…被着面、13SP…支持体、14…回収部、20…成膜装置、DF…着膜物、DP…成膜粒子、DS…成膜源、F1…第1繊維群、F2…第2繊維群、G…ガラスビーズ、S…防着対象。

Claims (5)

  1. 成膜源と防着対象との間に配置される防着シートであって、
    前記防着シートは、成膜圧力が1.0Pa以上1.5Pa以下であり、成膜粒子径が8Å以上20Å以下である成膜に用いられ、
    繊維を含み、前記成膜源と対向する被着面に、成膜粒子の直径以上の開口を有し、かつ、前記成膜粒子の平均自由行程以下の深さを有した複数の空隙を有するシート本体を備える
    防着シート。
  2. 前記シート本体は、
    前記被着面を含む第1層と、
    前記第1層に積層された第2層と、を含み、
    前記複数の空隙は、前記第1層と前記第2層とに跨がる形状を有した前記空隙を含む
    請求項1に記載の防着シート。
  3. 前記第1層と前記第2層とに跨がる形状を有した前記空隙は、
    前記第1層によって区画される第1部分と、
    前記第2層によって区画される第2部分と、を備え、
    前記第2部分の開口径が、前記第1部分の開口径よりも小さい
    請求項2に記載の防着シート。
  4. 前記シート本体は、前記空隙を有した中空のガラスビーズと、前記シート本体が広がる平面に沿う前記ガラスビーズの移動が可能な状態で、前記ガラスビーズを保持する繊維とを含む
    請求項1から3のいずれか一項に記載の防着シート。
  5. シート状を有し、前記シート本体を支持する支持体をさらに備え、
    前記シート本体は、前記支持体に着脱可能に取り付けられている
    請求項1から4のいずれか一項に記載の防着シート。
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