JP2021001343A - ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】透明性、耐熱性、及び、延伸加工性に優れたポリエステル樹脂組成物の提供。【解決手段】ジカルボン酸成分(a−1)としてテレフタル酸単位を90モル%以上、ジオール成分(a−2)として1,4−シクロヘキサンジメタノール単位を90モル%以上含むポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート樹脂(A)100質量部に対して、前記ポリシクロへキシレンジメチレンテレフタレート樹脂(A)よりも、JISK7198Aに準じて測定されるガラス転移温度が高いポリアリレート樹脂(B)を1質量部以上50質量部以下の割合で含むポリエステル樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は透明性、耐熱性、及び、延伸加工性に優れたポリエステル樹脂組成物に関する。
ポリエステルは、耐熱性、機械的強度、透明性、耐薬品性、ガスバリアー性などの性質に優れており、かつ価格的にも入手し易い事から、汎用性が高く、現在、飲料・食品用容器や包装材、成形品、フィルムなどに広く利用されている樹脂である。中でも、酸成分としてテレフタル酸、ジオール成分として1,4−シクロヘキサンジメタノールをそれぞれ主成分とするポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(PCT)は、融点が290℃と高く、また、結晶化速度が速い事から、耐熱性が必要とされる射出成形用途として広く使用されており、二軸延伸フィルム用途としても各種検討がなされている。ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレートを用いた二軸延伸フィルムは、その耐熱性を生かして、フレキシブル基板、ITOの保護フィルム、スマートフォンやタブレット用のプリズムシート、液晶の保護フィルム等の用途での使用が期待されている。これらの用途においては、使用時の温度が高温になるため、80〜200℃×数分〜数日間という過酷な耐熱試験にも耐える必要がある。
例えば特許文献1には、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレートからなる二軸延伸配向ポリエステルフィルムであって、特定の延伸比及び延伸温度で延伸又は配向され、且つ続いて延伸されたフィルムが、260℃以上の実際のフィルム温度において、延伸フィルムの寸法を保持しながらヒートセットされた、耐熱性に優れたフィルムが開示されている。
一方、特許文献2には、(a)テレフタル酸残基、(b)1,4−シクロヘキサンジメタノール残基、及び、(c)別のジカルボン酸又はジオール残基、を含んでなるポリエステルから製造された、耐熱性に優れた二軸延伸ポリエステルフィルムが開示されている。
特表2005−530908号公報 特表2008−524396号公報
しかしながら、特許文献1、2に開示されているフィルムは、フレキシブル回路基板のような、高温で長期間の環境下で使用される用途によってはフィルム収縮といった不具合が生じる。
本発明で解決しようとする課題は、上記の問題点を解決し、透明性、耐熱性、及び、延伸加工性に優れたポリエステル樹脂組成物を提供することにある。また透明性、加熱時の耐収縮性に優れたポリエステル系二軸延伸フィルムを提供することにある。
本発明の要旨は以下のとおりである。
[1] ジカルボン酸成分(a−1)としてテレフタル酸単位を90モル%以上、ジオール成分(a−2)として1,4−シクロヘキサンジメタノール単位を90モル%以上含むポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート樹脂(A)100質量部に対して、前記ポリシクロへキシレンジメチレンテレフタレート樹脂(A)よりも、JIS K7198Aに準じて測定されるガラス転移温度が高いポリアリレート樹脂(B)を1質量部以上50質量部以下の割合で含むポリエステル樹脂組成物。
[2] 単一のガラス転移温度を有する[1]に記載のポリエステル樹脂組成物。
[3] 本樹脂組成物を加熱速度10℃/分で示差走査熱量計(DSC)を用いて、結晶融解温度より30℃高い温度まで昇温し、10℃/分で降温した際、結晶融解温度と降温結晶化温度の差は40℃以上80℃以下である[2]または[3]に記載のポリエステル樹脂組成物。
[4] [1]〜[3]のいずれか一項に記載のポリエステル樹脂組成物からなるポリエステル系二軸延伸フィルム。
[5] ジカルボン酸成分(a−1)としてテレフタル酸単位を90モル%以上、ジオール成分(a−2)として1,4−シクロヘキサンジメタノール単位を90モル%以上含むポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート樹脂(A)100質量部に対して、ポリアリレート樹脂(B)を1質量部以上50質量部以下の割合で、260℃以上350℃以下で溶融混練してなるポリエステル樹脂組成物の製造方法。
本発明が提案するポリエステル樹脂組成物は、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート樹脂の透明性を損なわずに耐熱性、延伸加工性が改善されており、この樹脂組成物から得られるポリエステル系二軸延伸フィルムは透明性、加熱時の耐収縮性に優れるので、耐熱性や光学特性が必要な用途にも好適に使用できる。
結晶性樹脂材料における動的粘弾性の温度分散測定の結果概略を示したものである(村上謙吉(昭和61年)「やさしいレオロジー−基礎から最先端まで−」産業図書.より引用)。
以下、本発明を詳細に説明する。ただし、本発明の内容が以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
<ポリエステル樹脂組成物>
本発明の実施形態の一例に係るポリエステル樹脂組成物(以下、「本樹脂組成物」と称することがある)は、ジカルボン酸成分(a−1)としてテレフタル酸単位を90モル%以上、ジオール成分(a−2)として1,4−シクロヘキサンジメタノール単位を90モル%以上含むポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート樹脂(A)100質量部に対して、前記ポリシクロへキシレンジメチレンテレフタレート樹脂(A)よりもガラス転移温度が高いポリアリレート樹脂(B)を1質量部以上50質量部以下の割合で含むポリエステル樹脂組成物である。
ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート樹脂の耐熱性を改善する方法としては、結晶性の向上を目的として結晶核剤を添加する方法が知られている。この方法では、結晶核剤を添加する事により結晶化度が向上し、それに伴って耐熱性も向上するものの、一般に結晶化速度も向上する為、延伸加工性が悪化するという問題がある。
また、インライン工程またはアウトライン工程にて熱処理を施すことによって、結晶化を促し耐熱性を向上する方法が知られているが、最終的に到達する結晶化度には限界があり、熱処理という工程が加わるため生産性が低下するという問題もある。
本発明においては、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート樹脂よりもガラス転移温度が高い非晶性樹脂であるポリアリレート樹脂がポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート樹脂と相溶性を示す事を見出し、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート樹脂とポリアリレート樹脂を含む樹脂組成物が、優れた透明性、耐熱性、延伸加工性を示すことを見出したものである。
本発明のポリエステル樹脂組成物は極めて耐熱性に優れる為、この樹脂組成物から得られるポリエステル系二軸延伸フィルムは透明性や加熱時の耐収縮性に優れ、耐熱性や光学特性が必要な用途にも好適に使用できる。
本発明の樹脂組成物は、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート樹脂(A)100質量部に対して、ポリアリレート樹脂(B)を1質量部以上50質量%以下の割合で含むことが重要である。
本発明の樹脂組成物において、ポリアリレート樹脂(B)の含有割合はポリシクロへキシレンジメチレンテレフタレート樹脂(A)100質量部に対して、1質量部以上50質量部以下であることが重要であり、3質量部以上或いは45質量部以下であることが好ましく、5質量部以上或いは40質量部以下であることがより好ましく、10質量部以上或いは35質量部以下であることが更に好ましい。ポリアリレート樹脂(B)の割合が1質量部以上であれば、本発明の樹脂組成物の耐熱性が十分なものとなり、ひいては結晶化温度を遅くすることができるため樹脂組成物の延伸加工性が向上する。一方、ポリアリレート樹脂(B)の割合が50質量部以下であれば、樹脂組成物の結晶性を維持され、ひいては得られる二軸延伸フィルムの加熱時の耐収縮性が十分なものとなる。
前記ポリエステル樹脂組成物の結晶融解温度Tmは、JIS K7121(2012年)に準じて、示差走査熱量計(DSC)を用いて加熱速度10℃/分で測定する事ができ、200℃以上、350℃以下であり、210℃以上、340℃以下である事が好ましく、220℃以上、330℃以下である事がより好ましく、230℃以上、320℃以下である事が更に好ましく、240℃以上、310℃以下である事が特に好ましく、250℃以上、300℃以下である事がとりわけ好ましい。ポリエステル樹脂組成物の結晶融解温度Tmがかかる範囲であれば、ポリエステル樹脂組成物は耐熱性と溶融成形性のバランスに優れる。
(1)ガラス転移温度
本樹脂組成物は、単一のガラス転移温度を有する事が好ましい。単一のガラス転移温度を有するとは、歪み0.1%、周波数10Hz、昇温速度3℃/分の条件にて動的粘弾性の温度分散測定(JIS K7198A法の動的粘弾性測定)を行った際、本樹脂組成物は損失正接(tanδ)の主分散のピークが1つだけ存在することを意味する。樹脂組成物のガラス転移温度が単一であれば、樹脂組成物に含まれる樹脂は相溶しており、透明性を有したポリエステル樹脂組成物となる。
ここで、主分散についてさらに説明する。図1で示すように、一般に、結晶性樹脂の温度を低温から徐々に上げていくと、側鎖全体の熱運動(γ分散)、主鎖の局所的運動(β分散)、非晶領域における主鎖のミクロブラウン運動(αa分散)、結晶内分子鎖の運動(αc分散)、融解、流動といった緩和機構にそれぞれ対応したピークが観察される。これらの中でも、非晶領域における主鎖のミクロブラウン運動(αa分散)は、他の緩和機構に比べて活性化エネルギーが高く、それに対応するピークも大きくなる事から、主分散と呼ばれる(それより低温の緩和機構は副分散と呼ばれる)。ガラス転移温度は、非晶領域における主鎖のミクロブラウン運動が生じる際の温度であるので、動的粘弾性の温度分散測定における主分散のピークは、ガラス転移温度を示しているということができる。
続いて、ポリマーブレンド系の動的粘弾性挙動について説明する。ポリマーブレンド系は、相溶系の組み合わせと非相溶系の組み合わせとに分けられる。
相溶系とは、混合する2種類以上の樹脂が分子レベルで完全に混ざり合う系を意味する。この際、分子レベルで混ざり合っている非晶領域は単一の相と見なす事ができ、ミクロブラウン運動も単一の温度で生じる。従って、相溶系の場合、ガラス転移温度が単一であり、主分散のピークも単一となる。また、その温度は、ブレンド比率に応じて、ブレンドするそれぞれの樹脂の間の範囲に値をとる。
一方、非相溶系の場合、混合する2種類以上の樹脂が混ざり合っておらず、二相系(あるいはそれ以上)として存在する。従って、ガラス転移温度を示す主分散のピークは、ブレンドするそれぞれの樹脂と同じ位置に2つ以上存在する事になる。非相溶の場合、それぞれの樹脂の屈折率が極めて近い値になければマトリックスとドメインの界面で光が散乱し、樹脂組成物の透明性が損なわれる。また、引張や曲げ等の外力を加えた際に界面で剥離が生じ、機械物性の低下や白化を招く。さらに、延伸フィルムの製造の際、延伸時に界面剥離が生じ、破断や白化の原因となる。
本発明においては、本樹脂組成物を構成する樹脂が相溶しているため、本樹脂組成物及び該組成物を用いて得られる成形品は優れた透明性を有する。
本樹脂組成物のガラス転移温度が単一である場合、その温度は110℃以上、300℃以下である事が好ましく、115℃以上或いは290℃以下である事がより好ましく、120℃以上或いは280℃以下である事が更に好ましく、125℃以上或いは270℃以下である事が特に好ましく、130℃以上或いは260℃以下である事がとりわけ好ましい。本樹脂組成物のガラス転移温度がかかる範囲にあれば、本樹脂組成物は耐熱性と延伸成型性のバランスに優れる。
ガラス転移温度は、JIS K7198Aに準じて、動的粘弾性の温度分散測定を用いて歪み0.1%、周波数10Hz、昇温速度3℃/分にて測定される損失正接(tanδ)の主分散のピークで評価される。
(2)結晶融解熱量
本樹脂組成物の結晶融解熱量ΔHmは25J/g以上50J/g以下である事が好ましく、26J/g以上或いは45J/g以下である事がより好ましく、27J/g以上或いは40J/g以下である事が更に好ましい。ΔHmが25J/g以上であれば、本樹脂組成物は十分な結晶性を有しており、得られる二軸延伸フィルムの加熱時の耐収縮性に優れる。一方、ΔHmが50J/g以下であれば、本樹脂組成物の結晶性は延伸成形性にも適したものとなる。
本樹脂組成物の結晶融解熱量ΔHmは、JIS K7121(2012年)に準じて、示差走査熱量計(DSC)を用いて加熱速度10℃/分で測定するものである。
(3)結晶融解温度と降温結晶化温度の差
本樹脂組成物の結晶化速度を好ましいものとするための目安として、本樹脂組成物を加熱速度10℃/分で示差走査熱量計(DSC)を用いて、結晶融解温度より30℃高い温度まで昇温し、10℃/分で降温した際の結晶化ピークの温度を降温結晶化温度としたときの、結晶融解温度と降温結晶化温度の差が使用される。結晶融解温度と降温結晶化温度の差は、40℃以上80℃以下であることが好ましく、45℃以上或いは75℃以下であることが好ましく、50℃以上或いは70℃以下であることが更に好ましい。結晶融解温度と降温結晶化温度の差が40℃以上であれば、本樹脂組成物の結晶化が速すぎず、二軸延伸フィルムの製造工程におけるキャスティングロールでの急冷過程の際、十分に結晶性が低い非晶シートが得られ、その後の延伸過程でも急激に結晶化が促進されることがないため、破断等のトラブルが生じにくく、延伸性に優れる。一方、結晶融解温度と降温結晶化温度の差が80℃以下であれば、結晶化速度は遅すぎないため、延伸後の熱処理過程において結晶化を完了させ、耐熱性に優れる二軸延伸フィルムを得る事ができる。
本発明においては、本発明の効果を損なわない範囲において、本樹脂組成物は、前記ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート樹脂(A)、及び、ポリアリレート樹脂(B)以外の他の樹脂を含むことを許容することができる。
他の樹脂としては、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、塩素化ポリエチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、アクリル系樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリメチルペンテン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、環状オレフィン系樹脂、ポリ乳酸系樹脂、ポリブチレンサクシネート系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリエチレンオキサイド系樹脂、セルロース系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリブタジエン系樹脂、ポリブテン系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアミドビスマレイミド系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン系樹脂、ポリエーテルケトン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリケトン系樹脂、ポリサルフォン系樹脂、アラミド系樹脂、及び、フッ素系樹脂等が挙げられる。
また、本発明においては、前述した成分のほか、本発明の効果を著しく阻害しない範囲内で、本樹脂組成物は一般的に配合される添加剤を適宜含むことができる。前記添加剤としては、成形加工性、生産性および多孔フィルムの諸物性を改良・調整する目的で添加される、耳などのトリミングロス等から発生するリサイクル樹脂や、シリカ、タルク、カオリン、炭酸カルシウム等の無機粒子、酸化チタン、カーボンブラック等の顔料、難燃剤、耐候性安定剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、溶融粘度改良剤、架橋剤、滑剤、核剤、可塑剤、老化防止剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤、及び、着色剤などの添加剤が挙げられる。
以下、本樹脂組成物を構成するポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート樹脂(A)、及び、ポリアリレート樹脂(B)についてそれぞれ説明する。
<ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート樹脂(A)>
ポリシクロへキシレンジメチレンテレフタレート樹脂は、テレフタル酸と1,4−シクロヘキサンジメタノールを主成分とする樹脂である。特に、本発明で用いるポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート樹脂(A)は、ジカルボン酸成分(a−1)としてテレフタル酸単位を90モル%以上、ジオール成分(a−2)として1,4−シクロヘキサンジメタノール単位を90モル%以上含む樹脂である。
前記ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート樹脂(A)を構成するジカルボン酸成分(a−1)は、テレフタル酸を90モル%以上とすることが重要である。ジカルボン酸成分(a−1)のうち、テレフタル酸が92モル%以上であることが好ましく、94モル%以上である事がより好ましく、96モル%以上であることが更に好ましく、98モル%以上であることが特に好ましく、ジカルボン酸成分(a−1)の全て(100モル%)がテレフタル酸であることがとりわけ好ましい。ジカルボン酸成分(a−1)としてテレフタル酸を90モル%以上とすることにより、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート樹脂(A)のガラス転移温度、融点、及び、結晶性が向上し、ひいては本発樹脂組成物の耐熱性が向上する。
前記ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート樹脂(A)は、成型性や耐熱性の向上を目的として、テレフタル酸以外の酸成分を10モル%未満共重合しても良い。具体的には、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,5−フランジカルボン酸、2,4−フランジカルボン酸、3,4−フランジカルボン酸、ベンゾフェノンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、3,3’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸等が挙げられるが、この中でも成形性の観点からイソフタル酸、2,5−フランジカルボン酸、2,4−フランジカルボン酸、3,4−フランジカルボン酸が好ましい。
前記ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート樹脂(A)を構成するジオール成分(a−2)は、1,4−シクロヘキサンジメタノールを90モル%以上含む事が重要である。ジオール成分(a−2)のうち、1,4−シクロヘキサンジメタノールが92モル%以上である事が好ましく、94モル%以上である事がより好ましく、96モル%以上である事が更に好ましく、98モル%以上である事が特に好ましく、ジオール成分(a−2)の全て(100モル%)が1,4−シクロヘキサンジメタノールである事がとりわけ好ましい。ジオール成分(a−2)が1,4−シクロヘキサンジメタノールを90モル%以上とすることにより、ポリアリレート樹脂(B)との相溶性が向上し、さらにはポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート樹脂(A)の融点、及び、結晶性が向上し、ひいては本樹脂組成物の耐熱性が向上する。
前記ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート樹脂(A)は、成型性や耐熱性の向上を目的として、1,4−シクロヘキサンジメタノール以外のジオール成分を10モル%未満共重合しても良い。具体的には、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、ヒドロキノン、ビスフェノール、スピログリコール、2,2,4,4,−テトラメチルシクロブタン−1,3−ジオール、イソソルバイド等が挙げられるが、この中でも成形性の観点からエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−シクロヘキサンジメタノールが好ましい。
ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート樹脂(A)の結晶融解温度Tm(A)は250℃以上350℃以下であるのが好ましく、260℃以上或いは340℃以下であることがより好ましく、270℃以上或いは330℃以下であることがさらに好ましく、280℃以上或いは320℃以下であることが特に好ましい。ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート樹脂(A)の結晶融解温度Tm(A)がかかる範囲であれば、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート樹脂(A)は耐熱性と溶融成形性のバランスに優れる。
ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート樹脂(A)の結晶融解温度Tm(A)は、JIS K7121(2012年)に準じて、示差走査熱量計(DSC)を用いて加熱速度10℃/分で測定する事ができる。
ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート樹脂(A)の結晶融解熱量ΔHm(A)は、25J/g以上55J/g以下であるのが好ましく、30J/g以上或いは50J/g以下である事がより好ましく、35J/g以上或いは45J/g以下である事が更に好ましい。ΔHm(A)がかかる範囲であれば、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート樹脂(A)は耐熱性、溶融成形性、及び、延伸加工性にも優れる適度な結晶性を有する。
ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート樹脂(A)の結晶融解熱量ΔHm(A)は、JIS K7121(2012年)に準じて、示差走査熱量計(DSC)を用いて加熱速度10℃/分で測定する事ができる。
ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート樹脂(A)のガラス転移温度Tg(A)は、60℃以上150℃以下である事がより好ましく、70℃以上或いは120℃以下である事が更に好ましい。前記ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート樹脂(A)のガラス転移温度Tg(A)がかかる範囲にあれば、耐熱性と溶融成形性のバランスに優れる。
ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート樹脂(A)のガラス転移温度Tg(A)は、JIS K7198Aに準じて、動的粘弾性の温度分散測定を用いて歪み0.1%、周波数10Hz、昇温速度3℃/分にて測定される損失正接(tanδ)の主分散のピークで評価する事ができる。
<ポリアリレート樹脂(B)>
本樹脂組成物は、前記ポリシクロへキシレンジメチレンテレフタレート樹脂(A)よりもJIS K7198Aに準じて測定されるガラス転移温度が高いポリアリレート樹脂(B)を含む。
ポリシクロへキシレンジメチレンテレフタレート樹脂は、芳香族ジカルボン酸と二価フェノールとの重縮合物である。
前記ポリアリレート樹脂(B)を構成するジカルボン酸成分(b−1)としては、二価の芳香族カルボン酸であれば特に制限はないが、中でもテレフタル酸成分とイソフタル酸成分の混合物であることが好ましい。
そのテレフタル酸成分とイソフタル酸成分の混合比は、テレフタル酸/イソフタル酸=99/1〜1/99モル%である事が好ましく、90/10〜10/90モル%である事がより好ましく、80/20〜20/80モル%である事が更に好ましく、70/30〜30/70モル%である事が特に好ましく、60/40〜40/60モル%である事がとりわけ好ましい。ジカルボン酸成分(b−1)としてテレフタル酸とイソフタル酸をかかる範囲で含む事により、ポリアリレート樹脂(B)は耐熱性と溶融成形性に優れる。
前記ポリアリレート樹脂(B)は、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸とイソフタル酸以外の酸成分を共重合しても良い。具体的には、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ベンゾフェノンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、3,3’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸や、シクロヘキサンジカルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸等が挙げられる。ポリアリレート樹脂(B)の耐熱性を損なわないよう、共重合比率は10モル%未満である事が好ましい。
前記ポリアリレート樹脂(B)を構成するビスフェノール成分(b−2)としては、二価のフェノール類であれば特に制限はないが、ビスフェノールA成分、ビスフェノールTMC成分のいずれか、または、ビスフェノールAとビスフェノールのいずれも含むことが好ましい。一般に、ビスフェノールA成分を含むことで溶融成形性(流動性)に優れたポリアリレート樹脂となる。一方、ビスフェノールTMC成分を含むことで、ガラス転移温度が向上し耐熱性に優れたポリアリレート樹脂(B)となる。溶融成形性と耐熱性のバランスを取りたい場合には、ビスフェノールA成分とビスフェノールTMC成分のいずれも用いる。この場合、ビスフェノールA成分とビスフェノールTMC成分の割合は、ビスフェノールA/ビスフェノールTMC=99/1〜1/99モル%の範囲である事が好ましく、90/10〜10/90モル%である事がより好ましく、80/20〜20/80モル%である事が更に好ましく、70/30〜30/70モル%である事が特に好ましく、60/40〜40/60モル%である事がとりわけ好ましい。ビスフェノールA成分とビスフェノールTMC成分の割合をかかる範囲にする事により、耐熱性と溶融成形性のバランスに優れるポリアリレート樹脂(B)となる。
前記ポリアリレート樹脂(B)は、ビスフェノール成分(b−2)としてビスフェノールA(2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン)とビスフェノールTMC(1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン)以外のビスフェノール成分を共重合しても良い。具体的には、ビスフェノールAP(1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン)、ビスフェノールAF(2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン)、ビスフェノールB(2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン)、ビスフェノールBP(ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン)、ビスフェノールC(2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン)、ビスフェノールE(1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン)、ビスフェノールF(ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン)、ビスフェノールG(2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−イソプロピルフェニル)プロパン)、ビスフェノールM(1,3−ビス(2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル)ベンゼン)、ビスフェノールS(ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン)、ビスフェノールP(1,4−ビス(2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル)ベンゼン)、ビスフェノールPH(5,5‘−(1−メチルエチリデン)−ビス[1,1’−(ビスフェニル)−2−オール]プロパン)、ビスフェノールZ(1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン)等が挙げられる。ポリアリレート樹脂(B)の耐熱性を損なわないよう、共重合比率は10モル%未満である事が好ましい。
本発明に用いるポリアリレート樹脂(B)は、ポリシクロへキシレンジメチレンテレフタレートとの相溶性を高め透明性に優れた樹脂組成物を得るという観点より、ジカルボン酸成分(b−1)としてテレフタル酸成分とイソフタル酸成分の混合物を、ビスフェノール成分(b−2)としてビスフェノールA成分、ビスフェノールTMC成分のいずれか、または、ビスフェノールAとビスフェノールの混合物を選択することが好ましい。
本発明に用いるポリアリレート樹脂(B)は、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート樹脂(A)よりもガラス転移温度が高い事が重要である。そのガラス転移温度の差は60℃以上であるのが好ましく、70℃以上であるのがより好ましく、80℃以上であるのが更に好ましく、90℃以上であるのが特に好ましく、100℃以上であるのがとりわけ好ましい。
ポリアリレート樹脂(B)のガラス転移温度は150℃以上350℃以下であるのが好ましく、160℃以上或いは340℃以下であるのがより好ましく、170℃以上或いは330℃以下であるのが更に好ましく、180℃以上或いは320℃以下であるのが特に好ましく、190℃以上或いは300℃以下であるのがとりわけ好ましい。ポリアリレート樹脂(B)のガラス転移温度が上記を満たすことで、ガラス転移温度を向上し溶融成形性にも優れた本樹脂組成物が得られる。
本発明に用いるポリアリレート樹脂(B)は、溶融成形性の向上を目的としてポリカーボネート樹脂をブレンドしても良い。ポリアリレート樹脂(B)とポリカーボネート樹脂は相溶系を示すため、ポリアリレート樹脂(B)に対してポリカーボネート樹脂をブレンドする事によって、透明性や機械特性を維持したままポリアリレート樹脂(B)のガラス転移温度を下げる事ができ、結果として溶融成形性を向上する事が出来る。
ポリアリレート樹脂(B)とポリカーボネート樹脂をブレンドする場合、その混合比率はポリアリレート樹脂(B)/ポリカーボネート樹脂=99/1〜50/50質量%であるのが好ましく、98/2=60/40質量%であるのがより好ましく、97/3〜70/30質量%であるのが更に好ましく、96/5〜80/20質量%であるのが特に好ましい。ポリアリレート樹脂(B)とポリカーボネート樹脂の混合比率がかかる範囲であれば、ポリアリレート樹脂(B)の耐熱性を維持したまま溶融成形性を向上する事ができる。
<ポリエステル樹脂組成物の製造方法>
本発明のポリエステル樹脂組成物の製造方法(以下、「本樹脂組成物の製造方法」と称する)について説明するが、以下の説明は、本樹脂組成物を製造する方法の一例であり、本樹脂組成物はかかる製造方法により製造される本樹脂組成物に限定されるものではない。
本発明の実施形態の一例に係る本樹脂組成物の製造方法は、ジカルボン酸成分(a−1)としてテレフタル酸単位を90モル%以上、ジオール成分(a−2)として1,4−シクロヘキサンジメタノール単位を90モル%以上含むポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート樹脂(A)100質量部に対して、ポリアリレート樹脂(B)を1質量部以上50質量部以下の割合で、260℃以上350℃以下で溶融混練してなるポリエステル樹脂組成物の製造方法である。
本樹脂組成物の製造方法においては、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート樹脂(A)及びポリアリレート樹脂(B)のそれぞれ一部がエステル交換反応をして、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート樹脂(A)とポリアリレート樹脂(B)間の界面張力が大幅に低下し相溶化して、透明性、耐熱性に優れたポリエステル樹脂組成物が得られるものと考えられる。
上記樹脂を混練する方法は特に限定されないが、なるべく簡便に本樹脂組成物を得る為に、押出機を用いて溶融混練する事によって製造するのが好ましい。
更に、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート樹脂(A)とポリアリレート樹脂(B)とを均一に混合するために、同方向二軸押出機を用いて溶融混練するのが好ましい。
混練温度は、用いる全ての樹脂のガラス転移温度以上であり、かつ結晶性樹脂に対しては、その樹脂の結晶融解温度以上である事が必要である。使用する樹脂のガラス転移温度や結晶融解温度に対して、なるべく混練温度が高い方が、樹脂の一部のエステル交換反応が生じやすく、相溶性が向上しやすいものの、必要以上に混練温度が高くなると樹脂の分解が起こる為好ましくない。この事から、混練温度は260℃以上350℃以下であり、270℃以上340℃以下が好ましく、280℃以上330℃以下がより好ましく、290℃以上320℃以下が特に好ましい。混練温度がかかる範囲であれば、樹脂の分解を生じる事なく、相溶性や溶融成形性を向上させる事ができる。
得られた本樹脂組成物を、一般の成形法、例えば、押出成形、射出成形、ブロー成形、真空成形、圧空成形、プレス成形等によって成形して二軸延伸フィルムを作製する事ができる。それぞれの成形方法において、装置および加工条件は特に限定されない。
<ポリエステル系二軸延伸フィルムとその製造方法>
以下に、本樹脂組成物からなるポリエステル系二軸延伸フィルム(以下「本フィルム」と称することがある)について記載する。上記の本樹脂組成物を一般の成形法、例えば、押出成形、射出成形、ブロー成形、真空成形、圧空成形、プレス成形等によって成形して二軸延伸フィルムを作製する事ができる。それぞれの成形方法において、装置および加工条件は特に限定されない。
本フィルムは例えば、以下の方法により製造する事が好ましい。
上記で説明した本樹脂組成物より実質的に無定型で配向していないフィルム(以下「未延伸フィルム」と称することがある)を押出法で製造する。この未延伸フィルムの製造は、例えば、上記原料を押出機により溶融し、フラットダイ、または環状ダイから押出した後、急冷する事によりフラット状、または環状の未延伸フィルムとする押出法を採用する事ができる。この際、場合によって、複数の押出機を使用した積層構成としてもよい。
次に、上記の未延伸フィルムを、フィルムの流れ方向(縦方向)、及びこれと直角な方向(横方向)で、延伸効果、フィルム強度等の点から、少なくとも一方向に通常1.1〜5.0倍、好ましくは縦横二軸方向に各々1.1〜5.0倍の範囲で延伸する。
二軸延伸の方法としては、テンター式逐次二軸延伸、テンター式同時二軸延伸、チューブラー式同時二軸延伸等、従来公知の延伸方法がいずれも採用できる。例えば、テンター式逐次二軸延伸方法の場合には、未延伸フィルムを、本樹脂組成物のガラス転移温度をTgとして、Tg〜Tg+50℃の温度範囲に加熱し、ロール式縦延伸機によって縦方向に1.1〜5.0倍に延伸し、続いてテンター式横延伸機によってTg〜Tg+50℃の温度範囲内で横方向に1.1〜5.0倍に延伸する事により製造する事ができる。また、テンター式同時二軸延伸やチューブラー式同時二軸延伸方法の場合は、例えば、Tg〜Tg+50℃の温度範囲において、縦横同時に各軸方向に1.1〜5.0倍に延伸する事により製造する事ができる。
上記方法により延伸された二軸延伸フィルムは、引き続き熱固定される。熱固定をする事により常温における寸法安定性を付与する事ができる。この場合の処理温度は、好ましくは本樹脂組成物の結晶融解温度Tm−1〜50℃の範囲を選択する。熱固定温度が上記範囲内にあれば、熱固定が十分に行われ、延伸時の応力が緩和され、十分な耐熱性や機械特性が得られ、破断やフィルム表面の白化などのトラブルがない優れたフィルムが得られる。
本発明においては、熱固定による結晶化収縮の応力を緩和させる為に、熱固定中に幅方向に0〜15%、好ましくは3〜10%の範囲で弛緩を行う事で、弛緩が十分に行われ、フィルムの幅方向に均一に弛緩する為、幅方向の収縮率が均一になり常温寸法安定性に優れたフィルムが得られる。また、フィルムの収縮に追従した弛緩が行われる為、フィルムのタルミ、テンター内でのバタツキがなく、フィルムの破断もない。
本発明の二軸延伸フィルムの厚みは、1〜200μmであることが好ましく、5〜150μmであるのがより好ましい。1μm以上とすることでフィルム強度が実用範囲内に保たれる。
本発明の二軸延伸フィルムについて200℃で30分間熱処理した際の加熱収縮率は、縦方向(MD)、横方向(TD)共に2%以下である事が好ましい。本発明の二軸延伸フィルムの加熱収縮率がかかる範囲にあれば、フィルムとして使用するのに十分な耐熱性を有する。
本発明の二軸延伸フィルムのヘーズの値は、5%以下である事が好ましく、4%以下ある事がより好ましく、3%以下である事が更に好ましく、2%以下である事が特に好ましく、1%以下である事がとりわけ好ましい。本発明の二軸延伸フィルムのヘーズの値がかかる範囲にあれば、フィルムとして使用するのに十分な透明性を有する。
なお、本発明におけるヘーズの値は、以下の式で計算する事ができる。
[ヘーズ]=([拡散透過率]/[全光線透過率])×100
以下に実施例を示すが、これらにより本発明は何ら制限を受けるものではない。
(1)ガラス転移温度
粘弾性スペクトロメーターDVA−200(アイティー計測制御株式会社製)を用い、JIS K7244(1999年)に準じて、歪み0.1%、周波数10Hz、昇温速度3℃/分で動的粘弾性の温度分散測定を用い、損失正接(tanδ)の主分散のピーク温度を測定した。ピークが単一であり、かつそのピーク温度が110℃以上、300℃以下のものを合格(○)、この範囲から外れるものを不合格(×)とした。
(2)結晶融解温度、結晶融解エンタルピー、降温時の結晶化温度
得られたキャストフィルムについて、Diamond DSC(パーキンエルマージャパン社製)を用いて、JIS K7121(2012年)に準じて、加熱速度10℃/分で昇温過程における結晶融解温度及び結晶融解エンタルピーを測定した。結晶融解エンタルピーが25J/g以上、50J/g以下のものを合格(○)、この範囲から外れるものを不合格(×)とした。結晶融解温度より30℃高い温度まで昇温した後、10℃/分で降温した際の結晶化ピークの温度を測定し、結晶融解温度との差から結晶化速度を評価した。結晶融解温度と降温結晶化温度の差が40℃以上、80℃以下のものを合格(○)、この範囲から外れるものを不合格(×)とした。
(3)成形性
キャストフィルムについて、二軸延伸を行った際、問題なく延伸できたものを合格(○)、破断が起こったものを不合格(×)とした。
(4)加熱収縮率
熱処理オーブンベーキング試験装置(株式会社大栄科学製作所製)を用いて二軸延伸フィルムを200℃で30分間加熱し、加熱後の収縮率を測定した。収縮率が2%以下であるものを合格(○)、2%を超えるものを不合格(×)とした。
(5)ヘーズ
ヘーズメーターNDH−5000(日本電色工業社製)を用いて、JIS K7136(2000年)に基づいて、全光線透過率および拡散透過率を測定し、ヘーズを以下の式で算出した。
[ヘーズ]=([拡散透過率]/[全光線透過率])×100
ヘーズが5%以下であるものを合格(○)、5%を超えるものを不合格(×)とした。
[ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート樹脂(A)]
(A)−1:SKYPURA0502
(SKケミカル社製、ジカルボン酸成分:テレフタル酸=100モル%、ジオール成分:1,4−シクロヘキサンジメタノール=100モル%、Tm(A)=286℃、ΔHm(A)=42J/g、Tg(A)=104℃)
[ポリアリレート樹脂(B)]
(B)−1:Uポリマー U−100
(ユニチカ社製、ジカルボン酸成分:テレフタル酸/イソフタル酸=50/50モル%、ビスフェノール成分:ビスフェノールA=100モル%、Tg(B)=210℃)
(B)−2:Uポリマー T−240AF
(ユニチカ社製、ジカルボン酸成分:テレフタル酸/イソフタル酸=50/50モル%、ビスフェノール成分:ビスフェノールA/ビスフェノールTMC=60/40モル%、Tg(B)=244℃)
(B)−3:Uポリマー T−200
(ユニチカ社製、ジカルボン酸成分:テレフタル酸/イソフタル酸=50/50モル%、ビスフェノール成分:ビスフェノールTMC=100モル%、Tg(B)=286℃)
(B)−4:Uポリマー T−1000
(ユニチカ社製、Uポリマー T−200/ポリカーボネート樹脂=90/10質量%の混合物、Tg(B)=272℃)
(参考例1)
ペレット状の(A)−1を100質量部に対して、ペレット状の(B)−1を25質量部の割合で添加し、ドライブレンドした後、300℃に設定したΦ25mm二軸押出機にて溶融混練し、Tダイ内からフィルムとして押出し、20℃のキャストロールに密着急冷し、厚み450μmのキャストフィルムを得た。このキャストフィルムについて、結晶融解温度、結晶融解熱量、降温結晶化温度、ガラス転移温度の評価を行った。
続いて、得られたキャストフィルムを縦延伸機に通し、125℃で縦方向(MD)に3倍延伸を行った。続いて、得られた縦延伸フィルムを横延伸機(テンター)に通し、予熱温度125℃、延伸温度130℃、熱固定温度260℃で横方向(TD)に3倍延伸を行った。得られた二軸延伸フィルムについて、加熱収縮率及びヘーズの測定を行った。結果を表1に示す。
(実施例2)
(B)−1の代わりに(B)−2を使用し、成形温度を320℃、縦延伸温度を132℃、予熱温度を132℃、横延伸温度を142℃とした以外は参考例1と同様の方法でサンプルの作製及び評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例3)
(B)−1の代わりに(B)−3を使用し、成形温度を330℃、縦延伸温度を140℃、予熱温度を140℃、横延伸温度を150℃とした以外は参考例1と同様の方法でサンプルの作製及び評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例4)
(B)−1の代わりに(B)−4を使用し、成形温度を330℃、縦延伸温度を138℃、予熱温度を138℃、横延伸温度を148℃とした以外は参考例1と同様の方法でサンプルの作製及び評価を行った。結果を表1に示す。
(参考例5)
(A)−1を100質量部に対して、(B)−1を10質量部の割合で添加し、縦延伸温度を114℃、予熱温度を114℃、横延伸温度を124℃とした以外は参考例1と同様の方法でサンプルの作製及び評価を行った。結果を表1に示す。
(参考例6)
(A)−1を100質量部に対して(B)−1を40質量部の割合で添加し、縦延伸温度を134℃、予熱温度を134℃、横延伸温度を144℃とした以外は参考例1と同様の方法でサンプルの作製及び評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例1)
(A)−1を単体で使用し、縦延伸温度を104℃、予熱温度を104℃、横延伸温度を114℃とした以外は参考例1と同様にサンプルの作製を行ったところ、横延伸過程において破断が起こった。評価結果を表1に示す。
(比較例2)
縦方向(MD)に2.5倍、横方向(TD)に2.5倍で延伸を行った以外は比較例1と同様にサンプルの作成を行ったところ、問題なく二軸延伸フィルムが得られた。評価結果を表1に示す。
(比較例3)
(A)−1を100質量部に対して(B)−1を100質量部の割合で添加し、縦延伸温度を157℃、予熱温度を157℃、横延伸温度を167℃とした以外は参考例1と同様の方法でサンプルの作製及び評価を行った。結果を表1に示す。
参考例1、実施例2〜4では、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート樹脂(A)100質量部に対して、ビスフェノール成分が異なるポリアリレート樹脂又はポリカーボネートを含むポリアリレート樹脂を、それぞれ25質量部添加している。得られる樹脂組成物は、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート樹脂(A)単体と比較してガラス転移温度が向上しており、より耐熱性に優れることがわかる。また、この樹脂組成物は特に問題なく二軸延伸フィルムを製造することができ、得られた二軸延伸フィルムは透明性と加熱時の耐熱性に優れることが分かる。
参考例5では、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート樹脂(A)100質量部に対するポリアリレート樹脂(B)の配合割合を10質量部としている。参考例1と比較してポリアリレート樹脂(B)の配合割合が少ないためガラス転移温度の向上効果が小さく耐熱性が若干低下しているものの、優れた透明性、延伸加工性を示す樹脂組成物が得られている。
参考例6では、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート樹脂(A)100質量部に対するポリアリレート樹脂(B)の配合割合を40質量部としている。参考例1と比較してポリアリレート樹脂(B)の配合割合が多いため樹脂組成物の結晶性が低下しており、耐熱性が若干低下しているものの、優れた透明性、延伸加工性を示す樹脂組成物が得られている。
比較例1、2では、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート樹脂(A)を単体で使用している。この樹脂組成物は、結晶融解温度と降温結晶化温度の差が小さいことより、結晶性が高く、結晶化速度が大きい樹脂組成物であることがわかる。比較例1においては、キャスティングロールでの急冷過程において結晶性が高いシートが得られるため、実施例と等倍率での延伸をした時、破断を起こしてしまったと考えられる。一方、比較例2においては、実施例や比較例1よりも延伸倍率を下げているため延伸は可能であるものの、ポリアリレート樹脂を含まないため樹脂組成物のガラス転移温度が低く、得られる二軸延伸フィルムの加熱収縮率は大きくなっている。すなわち、耐熱性が低下している。
比較例3では、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート樹脂(A)100質量部に対するポリアリレート樹脂(B)の配合割合を100質量部としている。この樹脂組成物は、結晶融解温度と降温結晶化温度の差が大きいこと、及び、結晶融解熱量が小さいことより、結晶化速度が小さく、結晶化度が低い樹脂組成物であることがわかる。当該樹脂組成物を用いた二軸延伸フィルムは、製造時の熱固定の際に十分な結晶化が起こらず、また、起こったとしても絶対的な結晶化度が低いため、加熱収縮率が大きい、すなわち耐熱性が低くなったと考えられる。

Claims (5)

  1. ジカルボン酸成分(a−1)としてテレフタル酸単位を90モル%以上、ジオール成分(a−2)として1,4−シクロヘキサンジメタノール単位を90モル%以上含むポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート樹脂(A)100質量部に対して、前記ポリシクロへキシレンジメチレンテレフタレート樹脂(A)よりも、JIS K7198Aに準じて測定されるガラス転移温度が高いポリアリレート樹脂(B)を1質量部以上50質量部以下の割合で含み、前記ポリアリレート樹脂(B)が、ビスフェノールTMC成分を含むポリエステル樹脂組成物。
  2. 単一のガラス転移温度を有する請求項1に記載のポリエステル樹脂組成物。
  3. 本樹脂組成物を加熱速度10℃/分で示差走査熱量計(DSC)を用いて、結晶融解温度より30℃高い温度まで昇温し、10℃/分で降温した際、結晶融解温度と降温結晶化温度の差は40℃以上80℃以下である請求項1または2に記載のポリエステル樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリエステル樹脂組成物からなるポリエステル系二軸延伸フィルム。
  5. ジカルボン酸成分(a−1)としてテレフタル酸単位を90モル%以上、ジオール成分(a−2)として1,4−シクロヘキサンジメタノール単位を90モル%以上含むポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート樹脂(A)100質量部に対して、ビスフェノールTMC成分を含むポリアリレート樹脂(B)を1質量部以上50質量部以下の割合で、260℃以上350℃以下で溶融混練してなるポリエステル樹脂組成物の製造方法。

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