JP2020530494A - 健康な腸バリアを維持及び回復するための組成物及び方法 - Google Patents

健康な腸バリアを維持及び回復するための組成物及び方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、部分的に、健康な腸バリアの維持及び/又は回復のための細菌株の新規混合物の送達のための組成物及び方法に関する。

Description

本発明は、部分的には、健康な腸バリアの維持及び回復に有用な細菌株の新規混合物の送達のための組成物及び方法に関する。
優先権
この出願は、2017年8月7日に出願された米国出願番号62/542,035の利益及び優先権を主張し、その内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
電子的に提出されたテキストファイルの説明
本明細書において電子的に提出されたテキストファイルの内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる:配列表のコンピューター読み取り可能な形式のコピー(ファイル名:FIN−004PC−SequenceListing_ST25、記録日:2018年8月7日、ファイルサイズ:1.83MB)。
人間の消化管(gastro−intestinal、GI)の面積は約400mで、外界と人体との間の最大のバリアとなっている。実際、身体のエネルギー消費の約40%が腸バリアを維持するために使用される。その機能は、身体からの水及び電解質の損失を防ぎ、小分子と代謝産物との交換を可能にし、共生細菌及びその関連毒素並びに抗原から身体を守ることである。
腸のバリア機能の欠損は、多くの病気に関連している。炎症性腸疾患、過敏性腸症候群、特定の肝障害、慢性炎症(例えば、血液透析に関連)、代謝性疾患、がん患者の化学療法による細胞毒性(又は他の抗がん療法)、凝固亢進、及び関節炎などの慢性疾患が、欠損した腸バリア(すなわち、より透過性の高い腸)に関連している。感染症、特に血流感染症(bloodstream infection、BSI)などのより急性の状態も、腸バリアの障害に関連している。
ヒトの腸内微生物叢は、腸バリアを維持する役割を果たすことが知られている。共生細菌株は、粘液層の肥厚を誘発する可能性がある。短鎖脂肪酸(Short−Chain Fatty Acid、SCFA)産生細菌は、結腸上皮細胞の主要なエネルギー源である酪酸を分泌できる。アセテートなどの他のSCFAは、IgAの産生を誘導する役割を果たす。SCFA産生細菌は、粘液分解細菌と競合して、腸バリアを維持するのを助けることもあり得る。他の細菌は、リポポリサッカライドやフラジェリンなどの分子を生成し、バンコマイシン耐性腸球菌(vancomycin−resistant Enterococcus、VRE)のコロニーを除去する能力を持つレクチンであるRegIIIgammaなどの抗菌ペプチドの生成を誘導する。
多くの炎症性疾患では、強力なコルチコステロイドや有害な副作用を伴う他の薬物が、健康な腸バリアを維持及び回復するための唯一の選択肢である。したがって、健康な腸バリアの維持及び回復に有用な微生物叢に基づく治療法に対する満たされていないニーズが残されている。この治療法は、腸バリアの不足に関連する慢性及び急性の症状を治療し、現在利用可能な治療法よりも副作用が少ない。
本発明は、部分的には、共生細菌株の特定の混合物を含む医薬組成物が、腸バリアの健康を維持(すなわち、適切に維持)及び完全性を回復できるという発見に基づいている。したがって、腸バリアの不足(すなわち「漏れやすい腸」)によって引き起こされる症状を治療するのではなく、微生物叢に基づく治療法は、健全な腸バリアを回復及び維持する共生細菌の生着を提供する。この戦略は、不十分な腸バリアに関連する患者の症状の原因を修復し、より耐久性のある治療法を生み出し、より少ないコスト及び/又は有害な副作用を少なくする。
様々な態様では、本発明は、細菌混合物を含む医薬組成物に関する。前記細菌混合物は、表5に記載の操作的分類単位(operational taxonomic unit、OTU)のいずれか一つの16S rRNA配列及び/又は表6に記載される属のいずれか1つのOTUの16S rRNA配列に対して約97%超の同一性(例えば、約98%、99%、99.5%、又は100%の同一性)を有する16S rRNA配列を含む少なくとも1種類の細菌株を含む。
様々な実施形態では、前記細菌混合物は、2種類以上の細菌株(例えば、少なくとも約5、10、20、30、40、50、及び100細菌株)を含み、複数の前記細菌株は、表5に記載のOTUのいずれか一つの16S rRNA配列及び/又は表6に記載される属のいずれか1つのOTUの16S rRNA配列に対して約97%超の同一性(例えば、約98%、99%、99.5%、又は100%の同一性)を有する16S rRNA配列を含む。実施形態では、前記細菌混合物は、2種類以上の細菌株(例えば、少なくとも約5、10、20、30、40、50、及び100細菌株)を含み、各細菌株は、表5に記載のOTUのいずれか一つの16S rRNA配列及び/又は表6に記載される属のいずれか1つのOTUの16S rRNA配列に対して約97%超の同一性(例えば、約98%、99%、99.5%、又は100%の同一性)を有する16S rRNA配列を含む。
様々な実施形態では、前記細菌混合物は、約5〜100の細菌株(例えば、約10〜約75、約15〜約50、約20〜約45、約25〜約40、及び約30種類〜約35種類の細菌株)を含み、複数の前記細菌株は、表5に記載のOTUのいずれか一つの16S rRNA配列及び/又は表6に記載される属のいずれか1つのOTUの16S rRNA配列に対して約97%超の同一性(例えば、約98%、99%、99.5%、又は100%の同一性)を有する16S rRNA配列を含む。実施形態では、前記細菌混合物は、約5〜100の細菌株(例えば、約10〜約75、約15〜約50、約20〜約45、約25〜約40、及び約30種類〜約35種類の細菌株)を含み、各細菌株は、表5に記載のOTUのいずれか一つの16S rRNA配列及び/又は表6に記載される属のいずれか1つのOTUの16S rRNA配列に対して約97%超の同一性(例えば、約98%、99%、99.5%、又は100%の同一性)を有する16S rRNA配列を含む。
様々な実施形態では、前記細菌混合物は、ドナーの全体的又は実質的に完全な微生物叢を含む糞便微生物叢調製物を含む。一態様では、糞便微生物叢調製物は、無選抜の糞便微生物叢を含む。別の態様では、糞便微生物叢調製物は、生きた非病原性糞便細菌の単離又は純化された集団を含む。さらなる態様では、糞便微生物叢調製物は、単一のドナーからの無選抜かつ実質的に完全な糞便微生物叢調製物を含む。かかる実施形態では、前記細菌混合物は、表5に記載の操作的分類単位(OTU)のいずれか一つの16S rRNA配列及び/又は表6に記載される属のいずれか1つのOTUの16S rRNA配列に対して約97%超の同一性(例えば、約98%、99%、99.5%、又は100%の同一性)を有する16S rRNA配列を含む少なくとも1種類の細菌株を含む。様々な実施形態では、細菌混合物中の少なくとも1種類の細菌株は、共生細菌株である。
様々な実施形態では、細菌混合物中の少なくとも1種類の細菌株は、1人又は複数人のヒト、例えば健康であり及び/又は少なくとも1つの選択基準を満たすヒトから得られる。
様々な実施形態では、細菌混合物中の少なくとも1種類の細菌株は、実験用ストック又は細菌細胞バンクから得られる。
様々な実施形態では、細菌混合物中の少なくとも1種類の細菌株は、前記細菌混合物を形成する前にその由来材料から単離、培養、及び/又は純化される。様々な実施形態では、細菌混合物中の少なくとも1種類の細菌株は、前記細菌混合物を形成する前にその由来材料から単離、培養、及び/又は純化されない。
様々な実施形態では、少なくとも1種類の細菌株が細菌混合物に含まれ、これは、腸球菌BSIを発症した対象の糞便中の前記細菌株の量と比較して、血流感染(BSI)を発症しなかった対象の糞便中の前記細菌株の量が多いため(例えば、少なくとも2倍)である。
様々な実施形態では、少なくとも1種類の細菌株が細菌混合物に含まれ、これは、BSIを発症した化学療法を受けている対象の糞便中の前記細菌株の量と比較して、血流感染(BSI)を発症しなかった化学療法を受けている対象の糞便中の前記細菌株の量が多いため(例えば、少なくとも2倍)である。
様々な実施形態では、少なくとも1種類の細菌株が細菌混合物に含まれ、これは、グラム陰性菌により生じるBSIを発症した対象の糞便中の前記細菌株の量と比較して、グラム陰性菌により生じる血流感染(BSI)を発症しなかった対象の糞便中の前記細菌株の量が多いため(例えば、少なくとも2倍)である。
様々な実施形態では、細菌混合物に少なくとも1種類の細菌株が含まれ、これは、前記細菌株が、例えば、分泌産物の産生を通じて病原性細菌を直接阻害することにより、Toll様受容体(TLR)を活性化することにより、結腸上皮粘液の肥厚を誘発することにより、IgA産生の増加を誘導することにより、抗菌ペプチド産生の増加を誘導することにより、改善されたタイトジャンクション(tight junction)の完全性(integrity)を誘導することにより、短鎖脂肪酸(SCFA)を産生することにより、SCFAの産生を強化することにより、結腸細胞の健康を維持することにより、IgA産生を誘導することにより、腸内の酪酸レベルを増加させることにより、一酸化窒素合成酵素活性を阻害することにより、及び/又は腸内における宿主由来の硝酸塩濃度を下げることにより、腸管バリアの維持及び/又は修復を助ける能力を有するためである。様々な実施形態では、細菌混合物に少なくとも1種類の細菌株が含まれ、これは、前記細菌株が、例えば、分泌産物の産生を通じて病原性細菌を直接阻害することにより、Toll様受容体(TLR)を活性化することにより、結腸上皮粘液の肥厚を誘導することにより、IgA産生の増加を誘導することにより、抗菌ペプチド産生の増加を誘導することにより、改善されたタイトジャンクションの完全性を誘導することにより、短鎖脂肪酸(SCFA)を産生することにより、SCFAの産生を強化することにより、結腸細胞の健康を維持することにより、IgA産生を誘導することにより、腸内の酪酸レベルを増加させることにより、一酸化窒素合成酵素活性を阻害することにより、及び/又は腸内における宿主由来の硝酸塩濃度を下げることにより、腸管バリアの維持及び/又は修復を助ける能力があるためである。TLRを活性化すると、抗菌ペプチドの産生を調節できる。様々な実施形態では、前記病原性細菌は抗生物質耐性菌(ARB)である。
様々な実施形態では、医薬組成物は、医薬的に許容される添加剤をさらに含む。様々な実施形態では、医薬組成物は、経口投与用及び/又は前記細菌混合物の腸、例えば、小腸及び/又は大腸(例えば、盲腸を含む)への送達用に製剤化される。様々な実施形態では、医薬組成物の送達が、直腸より前で実質的に完了する。様々な実施形態では、医薬組成物が、カプセル、例えば、遅延放出コーティングを含むカプセルとして製剤化される。
様々な実施形態では、医薬組成物は、生きている栄養細胞、及び/又は凍結乾燥細胞である複数の前記細菌株を含む。前記細菌混合物中の複数の前記細菌株は、胞子であり得るか及び/又は胞子形成性であり得る。様々な実施形態では、前記細菌混合物中の複数の前記細菌株(例えば、全ての細菌株)は、非病原性細菌であり得る。
様々な実施形態では、医薬組成物は、対象、例えばヒト対象の健康な腸バリアを維持及び/又は回復することができる。
様々な実施形態では、前記細菌混合物中の少なくとも1種類の細菌株は、表5又は表6に記載されるバルネシエラ(Barnesiellaceae)科由来のOTUの16S rRNA配列に対して約97%超の同一性を有する16S rRNA配列を含み、前記細菌混合物中の少なくとも1種類の細菌株は、表5又は表6に記載されるS24−7科由来のOTUの16S rRNA配列に対して約97%超の同一性を有する16S rRNA配列を含み、前記細菌混合物中の少なくとも1種類の細菌株は、表5又は表6に記載されるMagibacteriaceae科由来のOTUの16S rRNA配列に対して約97%超の同一性を有する16S rRNA配列を含み、前記細菌混合物中の少なくとも1種類の細菌株は、表5又は表6に記載されるクリステンセネラ(Chrissensenellaceae)科由来のOTUの16S rRNA配列に対して約97%超の同一性を有する16S rRNA配列を含み、前記細菌混合物中の少なくとも1種類の細菌株は、表5又は表6に記載されるラクノスピラ(Lachnospiraceae)科由来のOTUの16S rRNA配列に対して約97%超の同一性を有する16S rRNA配列を含み、且つ/又は前記細菌混合物中の少なくとも1種類の細菌株は、表5又は表6に記載されるルミノコッカス(Ruminococcaceae)科由来のOTUの16S rRNA配列に対して約97%超の同一性を有する16S rRNA配列を含む。様々な実施形態では、前記細菌混合物中の少なくとも1種類の細菌株は、表5又は表6に記載されるバルネシエラ(Barnesiellaceae)科由来のOTUの16S rRNA配列に対して約97%超の同一性を有する16S rRNA配列を含み、前記細菌混合物中の少なくとも1種類の細菌株は、表5又は表6に記載されるS24−7科由来のOTUの16S rRNA配列に対して約97%超の同一性を有する16S rRNA配列を含み、前記細菌混合物中の少なくとも1種類の細菌株は、表5又は表6に記載されるMagibacteriaceae科由来のOTUの16S rRNA配列に対して約97%超の同一性を有する16S rRNA配列を含み、前記細菌混合物中の少なくとも1種類の細菌株は、表5又は表6に記載されるクリステンセネラ(Chrissensenellaceae)科由来のOTUの16S rRNA配列に対して約97%超の同一性を有する16S rRNA配列を含み、前記細菌混合物中の少なくとも1種類の細菌株は、表5又は表6に記載されるラクノスピラ(Lachnospiraceae)科由来のOTUの16S rRNA配列に対して約97%超の同一性を有する16S rRNA配列を含み、且つ前記細菌混合物中の少なくとも1種類の細菌株は、表5又は表6に記載されるルミノコッカス(Ruminococcaceae)科由来のOTUの16S rRNA配列に対して約97%超の同一性を有する16S rRNA配列を含む。
様々な態様では、本発明は、1種類又は複数種類の病原性細菌が腸バリアを越えて移動するのを防ぐ方法に関する。前記方法は、本明細書に開示された態様又は実施形態のいずれかの医薬組成物を有効量、それを必要とする対象(例えば、ヒト対象)に投与することを含む。
様々な実施形態では、1種類又は複数種類の病原性細菌は、腸バリアを越えてまだ移動して対象の血流に入ることはしていない。様々な実施形態では、1種類又は複数種類の病原性細菌は、腸バリアを越えて移動して対象の血流に既に入っている。様々な実施形態では、有効量の医薬組成物の投与は、腸バリアを超える1種類又は複数種類の病原性細菌の移動及び/又はさらなる移動及び/又は対象の血流への進入を防ぐ。
様々な態様では、1種類又は複数種類の病原性細菌による血流への進入は、血流感染症(BSI)、カテーテル又は血管内ライン感染、肝障害、例えば血液透析に関連した慢性炎症、慢性炎症性疾患、化学療法による細胞毒性、凝固亢進、腸から離れた部位での感染、例えば潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患、過敏性腸症候群、例えばII型糖尿病を含むインスリン抵抗性などの代謝性疾患、その他の公知の抗生物質耐性感染、関節リウマチ、例えば抗生物質耐性尿路感染及びカテーテル関連尿路感染などの尿路感染(UTI)、及び創傷感染から選択される疾患を引き起こす可能性がある。
様々な実施形態では、前記1種類又は複数種類の病原性細菌は、エロモナス・ハイドロフィラ(Aeromonas hydrophila)、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)などのバチルス属(Bacillus)、ビフィドバクテリウム属(Bifidobacterium)、ボルデテラ属(Bordetella)、ボレリア属(Borrelia)、ブルセラ属(Brucella)、バークホルデリア属(Burkholderia)、クロストリディオイデス・ディフィシル(C. difficile)、カンピロバクター・フェタス(Campylobacter fetus)及びカンピロバクター・ジェジュニ(Campylobacter jejuni)などのカンピロバクター属(Campylobacter)、クラミジア属(Chlamydia)、クラミドフィラ属(Chlamydophila)、クロストリジウム・ボツリヌム(Clostridium botulinum)、クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)、及びクロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)などのクロストリジウム属(Clostridium)、コリネバクテリウム属(Corynebacterium)、コクシエラ属(Coxiella)、エーリキア属(Ehrlichia)、カルバペネム耐性腸内細菌(Carbapenem−resistent Enterobacteriaceae、CRE)、フルオロキノロン耐性腸内細菌(fluoroquinolone−resistant Enterobacteriaceae)及び基質特異性拡張型βラクタマーゼ産生腸内細菌(Extended Spectrum Beta−Lactamase producing Enterobacteriaceae、ESBL−E)などの腸内細菌(Enterobacteriaceae)、バンコマイシン耐性腸球属菌(vancomycin−resistant enterococcus spp.)、基質特異性拡張型βラクタマーゼ耐性腸球菌(extended spectrum beta−lactam resistant Enterococci、ESBL)、及びバンコマイシン耐性腸球菌(vancomycin−resistant Enterococci、VRE)などの腸球菌属(Enterococcus)、腸管凝集性大腸菌(enteroaggregative Escherichia coli)、腸管出血性大腸菌(enterohemorrhagic Escherichia coli)、腸管侵入性大腸菌(enteroinvasive Escherichia coli)、腸管病原性大腸菌(enteropathogenic E. coli)、毒素原性大腸菌(enterotoxigenic Escherichia coli(限定されるものではないがLT及び/又はSTなど))、大腸菌O157:H7(Escherichia coli O157:H7)、及び多剤耐性大腸菌などのエシェリキア属(Escherichia)、フランシセラ属(Francisella)、ヘモフィルス属(Haemophilus)、ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)などのヘリコバクター属(Helicobacter)、クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiellia pneumonia)及び多剤耐性クレブシエラ菌などのクレブシエラ属(Klebsiella)、レジオネラ属(Legionella)、レプトスピラ属(Leptospira)、リステリア・モノサイトゲネス(Lysteria monocytogenes)などのリステリア属(Listeria)、モルガネラ属(Morganella)、マイコバクテリウム属(Mycobacterium)、マイコプラズマ属(Mycoplasma)、ナイセリア属(Neisseria)、オリエンティア属(Orientia)、プレシオモナス・シゲロイデス(Plesiomonas shigelloides)、抗生物質耐性プロテオバクテリア属(Antibiotic−resistant Proteobacteria)、プロテウス属(Proteus)、シュードモナス属(Pseudomonas)、リケッチア属(Rickettsia)、パラチフス菌(Salmonella paratyphi)、サルモネラ属菌(Salmonella spp.)、及びチフス菌(Salmonella typhi)などのサルモネラ属(Salmonella)、赤痢菌(Shigella spp)などのシゲラ属(Shigella)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)及びスタフィロコッカス属菌(Staphylococcus spp.)などのスタフィロコッカス属(Staphylococcus)、ストレプトコッカス属(Streptococcus)、トレポネーマ属(Treponema)、コレラ菌(Vibrio cholerae)、腸炎ビブリオ(Vibrio parahaemolyticus)、ビブリオ属菌(Vibrio spp.)、及びビブリオ・バルニフィカス(Vibrio vulnificus)などのビブリオ属(Vibrio)、及びエルシニア・エンテロコリチカ(Yersinia enterocolitica)などのエルシニア属(Yersinia)のうち1又は複数を含む。前記1種類又は複数種類の病原性細菌の少なくとも1つは、抗生物質耐性菌(ARB)、例えば、抗生物質耐性プロテオバクテリア(Antibiotic−resistant Proteobacteria)、バンコマイシン耐性腸球菌(Vancomycin Resistant Enterococcus、VRE)、カルバペネム耐性腸内細菌(Carbapenem Resistant Enterobacteriaceae、CRE)、フルオロキノロン耐性腸内細菌、又は基質特異性拡張型βラクタマーゼ産生腸内細菌(Extended Spectrum Beta−Lactamase producing Enterobacteriaceae、ESBL−E)であり得る。
様々な実施形態では、必要とする対象が慢性腎臓病を有する、がんを有する、及び/又は臓器移植を受けたものとする。
様々な実施形態では、必要とする対象は、抗がん治療薬及び/又は抗がん療法を受けた、受けている、又は受けるであろう。したがって、前記医薬組成物は、抗がん治療薬の副作用及び/又は抗がん療法の副作用を低減、治療、又は予防すること、及び/又は抗がん治療薬及び/又は抗がん療法の有効性を高めることに使用される。前記抗がん療法は、手術、放射線療法、化学療法(ホルモン療法を含む)、及び/又は標的療法(免疫療法を含む)であってもよい。前記必要とする対象は、腸内細菌叢異常に引き起こされる又は関連した抗がん療法の副作用を患っている。
本発明の一態様は、抗がん治療薬及び/又は抗がん療法の有効性を高める方法を提供する。前記方法は、本明細書に開示されるように細菌混合物を含む有効量の医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む。前記医薬組成物は、抗がん治療薬及び/又は抗がん療法の前後及び/又は同時に投与される。
前記必要とする対象は、外来患者である、入院している、及び/又は長期介護施設にいてもよい。
様々な態様では、前記必要とする対象は、血流感染(BSI)、カテーテル又は血管内ライン感染、肝障害、例えば血液透析に関連した慢性炎症、慢性炎症性疾患、髄膜炎、例えば人工呼吸器関連肺炎などの肺炎、皮膚及び軟部組織の感染、手術部位感染、化学療法による細胞毒性、凝固亢進、腸から離れた部位での感染、例えば潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患、過敏性腸症候群、例えばII型糖尿病を含むインスリン抵抗性のなど代謝性疾患、その他の公知の抗生物質耐性感染、関節リウマチ、例えば抗生物質耐性尿路感染及びカテーテル関連尿路感染などの尿路感染(UTI)、及び創傷感染又はそのリスクを有する。
本明細書に開示される任意の態様又は実施形態は、本明細書に開示される任意の他の態様又は実施形態と組み合わせることができる。
図1は、GreenGenesデータベース内の全ての操作的分類単位(OTU)のうち、健康なヒトの腸には見られないOTU、ヒトの腸に見られるが表5には含まれないOTU、及び健康なヒトの腸に見られ表5に含まれるOTUの割合(%)を示した図である。
本発明は、部分的には、無選抜又は実質的に完全な(例えば、単一の健康なドナーからの)糞便微生物叢の調製物を含む、共生細菌株の特定の混合物を含む医薬組成物が、腸バリアの健康を維持(すなわち、適切に維持)し完全性を回復できるという発見に基づいている。これらの医薬組成物は、腸管バリアの欠損に関連する慢性及び急性の状態を治療し、現在利用可能な治療法よりも副作用が少ない。さらに、前記共生細菌株の混合物は、例えば、がん細胞に対する免疫応答をシミュレーションすることにより、抗がん療法の有効性を高めることができ、例えば、抗がん療法を受ける前、受けている間、及び/又は受けた後、腸バリアの完全性を保護、維持、及び回復することにより、副作用の重症度を低下させるか、抗がん療法の副作用を排除することができる。したがって、本発明の混合物は、がん関連の用途にも有用である。
細菌株の混合物
本発明は、腸内に導入されて腸バリアの適切な維持及び欠損腸バリアの回復を促進する細菌株の混合物の医薬組成物(結腸への標的送達用に処方)に関する。
理論に縛られることを望むものではないが、本発明の細菌株の混合物は、1又は複数のメカニズムを通じて、腸バリアを保護、維持、及び修復するように作用する。1番目のメカニズムは、粘液層の厚さを増やし、結腸細胞の健康を維持し、IgA産生を誘導する短鎖脂肪酸(SCFA)の産生である。2番目のメカニズムは、多くのヒト細菌病原体を標的とする抗菌ペプチドの産生を調節するToll様受容体(TLR)の活性化によるものである。2番目のメカニズムでは、様々な細菌産物がTLR−MyD88を介した経路を介して免疫系を刺激する。この経路を刺激すると、抗菌性タンパク質が上方制御される。抗菌性タンパク質及びペプチド(AMP)(例えば、ディフェンシン又はカテリシジン)は、自然免疫系の重要な部分であり、全身に発現している。それらは、腸内では腸上皮細胞及びパネート細胞によって、望ましくない細菌種(片利共生的及び病原性の両方)からの防御のために産生される。生成されるAMPは、ビタミンD、サイトカイン、及び微生物産物を含むがこれらに限定されない多種多様な刺激によって誘発され得る。これらの刺激性微生物製品には、リポ多糖(LPS)、ペプチドグリカン、及びフラジェリンが含まれるが、これらに限定されない。例えば、フラジェリンは、C型レクチンであるRegIIIgammaの産生を誘導するTLR5アゴニストである。RegIIIgammaは、バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)を含むグラム陽性病原体を死滅させる役割を有する。抗感染性AMPがサイトカイン産生の下方制御を介して宿主の炎症反応を減衰させる役割を果たしているというエビデンスもある。AMPの誘導は、病原体に対する適切に調節された免疫応答で宿主を支援し、腸上皮の治癒を促進すると同時に、定着している病原体を根絶する。
さらに、本発明の細菌株の混合物は、結腸上皮粘液の肥厚化、IgA産生の増加、抗菌ペプチド産生の増加、及び/又はタイトジャンクションの完全性の改善を介して腸バリアを保護、維持、及び回復するように作用する。
本発明は、粘液層の薄層化及び上皮層を介した病原体の血流への移動を防ぎ、血流感染(BSI)及び腸から離れた部位での感染を防ぐことに役立つ。回復したより安定した腸バリアは、毒性の代謝産物や細菌の副産物の血流への進入も防ぎ、それにより慢性炎症の原因を低減する。
本発明の細菌株の混合物は、経口(例えば、カプセルで)、ND/NGチューブを介して、又は結腸内視鏡検査を含む様々な方法で、患者に送達することができる。混合物は、純粋であり且つ/又は単離された培養物、凍結乾燥細菌及び水溶液、胞子、及びより広範な細菌の群落又は共同体(例えば、由来材料に含まれる細菌を含む自然群落の混合物)の一部としてのものを含む、多数の製剤に製剤化できる。
本発明は、少なくとも以下の患者集団に有用である:(1)固形臓器移植患者を含む、BSIの発症リスクが高い患者集団;例えば血液透析中である慢性腎臓病患者;及びがん患者;並びに(2)以下の炎症性疾患を有する患者集団:炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎及びクローン病);過敏性腸症候群;代謝性疾患/インスリン抵抗性(II型糖尿病);及び関節リウマチ。
本発明は、外来患者であるか、入院しているか、又は長期介護施設にいる患者にも有用である。
実施形態では、本発明の細菌株の混合物は、実質的に完全な糞便微生物叢調製物(例えば、単一の健康なドナーから)である。実質的に完全な糞便微生物叢調製物は、通常、1人又は複数人の健康なヒトの糞便中に見られる機能性微生物の完全な補完物を含む。
実施形態では、本発明の細菌株の混合物は、1人の健康なヒトの糞便又は複数の健康なヒトドナーの糞便に見られる機能性微生物の完全な補完物を含む。実施形態では、本発明の細菌株の混合物は、1人の健康なヒトの糞便又は複数の健康なヒトドナーの糞便中に見られる機能性微生物の完全な補完物を含み、さらに、表5に記載の操作的分類単位(OTU)のいずれか一つの16S rRNA配列及び/又は表6に記載される属のいずれか1つのOTUの16S rRNA配列に対して約97%超の同一性(例えば、約98%、99%、99.5%、又は100%の同一性)を有する16S rRNA配列を含む少なくとも1種類の細菌株を含む。換言すれば、表5に記載の操作的分類単位(OTU)のいずれか一つ又は表6に記載される属のいずれか1つのOTUの16S rRNA配列に対して約97%超の同一性を有する16S rRNA配列を含む前記細菌混合物中の少なくとも1種類の細菌株を含む細菌混合物は、本明細書に開示されるように、機能性微生物の完全な補完物をさらに含むことができ得る。
実施形態では、本発明の細菌株の混合物は、1人の健康なヒトの糞便又は複数の健康なヒトドナーの糞便に見られる機能性微生物の「完全ではない補完物」を含む。この場合、少なくとも1つの機能性微生物が完全な補完物から省略されている。実施形態では、本発明の細菌株の混合物は、1人の健康なヒトの糞便又は複数の健康なヒトドナーの糞便中に見られる機能性微生物の完全ではない補完物を含み、さらに、表5に記載の操作的分類単位(OTU)のいずれか一つの16S rRNA配列及び/又は表6に記載の属のいずれか1つのOTUの16S rRNA配列に対して約97%超の同一性(例えば、約98%、99%、99.5%、又は100%の同一性)を有する16S rRNA配列を含む少なくとも1種類の細菌株を含む。換言すれば、表5に記載のOTUのいずれか一つ又は表6に記載される属のいずれか1つのOTUの16S rRNA配列に対して約97%超の同一性を有する16S rRNA配列を含む前記細菌混合物中の少なくとも1種類の細菌株を含む細菌混合物は、本明細書に開示されるように、機能性微生物の完全ではない補完物をさらに含むことができ得る。
様々な実施形態では、本発明の細菌株は、1人又は複数人のヒトから単離又は純化された細菌を含む。様々な実施形態では、本細菌株の混合物は、1人又は複数人のヒトから単離又は純化されている。例えば、単離又は純化は、1人又は複数人のヒトの糞便からのものであってもよい。さらに、単離又は純化は、消化管内の液体の吸引物又は消化管内の部位からの粘膜生検物であり得る。
様々な実施形態では、本発明の細菌株は、その由来材料から単離又は純化される、すなわち、最初に産生された際(例えば、天然物(糞便)、実験環境(実験用ストック)、及び/又は人による生産、調製、純化、及び/又は製造された際)に関連付けられていた成分の少なくとも一部から分離される。細菌株は、最初に関連付けられていた他の成分の少なくとも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%又はそれ以上から分離してもよい。いくつかの実施形態では、細菌株の純度は、約80%超、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、又は約99%超である。
実施形態では、細菌混合物の細菌株は、ヒトの糞便から直接得られる。これらの実施形態では、糞便は1人又は複数人のヒトから採取され、経口送達及び/又は消化管への送達に適した製剤が調製されるまで最終的に処理される。
他の実施形態では、細菌混合物中のいくつかの細菌株は、ヒトの糞便から間接的に得られ、及び/又はヒトの糞便から独立して取得される(例えば、細菌細胞バンク又は実験用ストックから)。間接的に取得した場合、ヒトの糞便からの細菌株を培養し、細菌を増殖させてから単離及び/又は純化する。単離/純化された細菌は、ヒトの糞便から直接得られた細菌株を含む細菌混合物に導入することができる。あるいは、複数の単離/純化された細菌は、ヒトの糞便から間接的に得られた、又はヒトの糞便から独立して得られた細菌株のみを含む定義された細菌混合物に組み合わせることができる。
様々な実施形態では、ヒトの糞便は、スクリーニングされた資格のあるドナーから取得される。
実施形態では、資格のあるドナーは、本明細書に開示されるように、1人又は複数人の健康なヒトの糞便中に見られる機能性微生物の完全な補完物を有する糞便を提供する。
実施形態では、資格のあるドナーは、表5に記載の操作的分類単位(OTU)のいずれか一つの16S rRNA配列及び/又は表6に記載される属のいずれか1つのOTUの16S rRNA配列に対して約97%超の同一性(例えば、約98%、99%、99.5%、又は100%の同一性)を有する16S rRNA配列を含む少なくとも1種類の細菌株(例えば、複数の細菌株)を有する糞便を提供する。さらに、資格のあるドナーは、本明細書の他の記載に開示されているように、感染症に関連することが知られている細菌株を実質的に有さない糞便を提供する。
本発明の実施形態では、ドナー候補(potential donor)は、以下を介してスクリーニングされる。(1)初期予備スクリーニング:登録前に、ドナー候補(例えば、約18歳〜約50歳)は、適格性を評価するために、ドナー健康アンケート(Donor Health Questionnaire、DHQ)から選択された質問のサブセットを含む予備スクリーニングを受ける、及び/又は(2)ドナー対面インタビュー:ドナー候補が最初の予備審査に合格した場合、当該ドナーは医療専門家との面接及び臨床評価を受ける。このインタビューの一環として、ドナー候補はインフォームドコンセント及び真実で正確かつ完全な情報を提供することを証明するドナー宣誓供述書の全てに記入する。DHQ、対面インタビュー、及び臨床評価により、ドナーとしてドナー候補の適格性が決定される。
DHQ及び臨床評価は、ドナーになる(例えば、一時的及び永続的に)ことを除外する関連する基準を特定する。DHQの対象となる3つのカテゴリーの基準は以下を含む:(1)感染性の危険因子、例えば、多剤耐性生物(multi−drug resistance organism、MDRO)の要因のリスク、ハイリスクの性的行動、違法薬物の使用を含む社会歴、ハイリスクの渡航歴(現行の国際SOS(ISOS)ガイドラインで定義されているように、ドナー候補がハイリスク又は非常にハイリスクな地域に渡航した場合の12か月の除外を含む);(2)潜在的な微生物叢が介在する状態及び一般的な健康状態、例えば、胃腸の併存疾患、代謝併存疾患、神経学的併存疾患、精神医学的併存疾患、慢性疼痛症候群、感染症、自己免疫疾患、アトピー/喘息/アレルギー(食物その他)、悪性腫瘍、手術/その他の治療歴、現在の症状(排便習慣を含む)、抗菌療法を含む薬物療法、食生活、及び家族歴;及び(3)女性ドナー候補のための妊娠及び母乳育児の状態。実施形態では、前記臨床評価は、例として、体温、血圧、心拍数、呼吸数、腰囲、及び体格指数(body mass index、BMI)を含むバイタルサインの測定を含む。
実施形態において、DHQは、血液ドナー候補をスクリーニングするために赤十字社によって使用されるものに類似している(必要に応じて、少ない又は追加の質問を伴う)。
DHQ、対面インタビュー結果、及び臨床評価に基づいてドナーになる適格性を有するドナー候補は、一連の血清学的、糞便、及び鼻腔スワブスクリーニング/検査を受ける。血清学的、糞便、及び鼻腔スワブ検査/スクリーニングは、診断検査室、例えば、臨床検査室改善法(Clinical Laboratory Improvement Amendments、CLIA)認定診断検査室と組み合わせて実施される。
表1は、様々な実施形態のドナースクリーニングプロセスの一環として実施された、例示的な血清学的、糞便、及び鼻腔スワブスクリーニング/検査の概要を提示する。スクリーニング/検査は、当技術分野で周知の条件下で実施され、非限定的な例としてはたとえば、C型肝炎は免疫測定法(IA)で検出可能であり、志賀毒素は酵素免疫測定法(EIA)で検出可能であり、クロストリジウム・ディフィシルはリアルタイムポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)で検出可能である。
いくつかの実施形態では、感染性疾患の検査/スクリーニングで陽性の結果が得られた場合、例えば表1に記載される病原体の1つが原因である場合、ドナー候補は除外される。いくつかの実施形態では、HIV−1/2、B型肝炎、C型肝炎の検査で陽性であるドナー候補は、糞便提供から無期限に除外される。
いくつかの実施形態では、A型肝炎、梅毒トレポネーマ、又はストロンギロイデス属(線虫)の検査で陽性であるドナー候補は、治療が完了し、症状が軽快し、症状が再発しなくなった後8週間まで糞便提供を延期する。
いくつかの実施形態では、アデノウイルス(Adenovirus)、カンピロバクター属菌(Campylobacter spp)、クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)、B毒素(toxin B)、クリプトスポリジウム属菌(Cryptosporidium spp)、シクロスポラ属(Cyclospora)及びイソスポラ属(Isospora)、ランブル鞭毛虫(Giardia lamblia)、プロテウス属(Proteus)、モルガネラ属(Morganella)、ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)、微胞子虫(Microsporidia)、ノロウイルス(Norovirus)、卵(Ova)及び寄生虫(parasites)、サルモネラ属菌(Salmonella spp)、志賀毒素(Shiga)、シゲラ属菌(Shigella spp)、又はビブリオ属菌(Vibrio spp)の検査で陽性であるドナー候補は、直ちに保留(hold)になり、症状の軽快、治療の完了、及び再発無しとなってから8週間延期(deferred)される。スクリーニングされたドナーは、上記のいずれかに起因する症状の軽快、治療の完了、及び再発無しとなってから8週間延期され、組入れの評価のための全スクリーニングを再度受ける場合がある。
いくつかの実施形態では、ロタウイルスの検査で陽性であるドナー候補は、直ちに提供保留となり、確認検査を再度受ける。陽性と確認された場合、これらのドナーは8週間の間、提供不適格とされる。ロタウイルスにより8週間延期されたスクリーニングされたドナーは、組入れの評価のための全スクリーニングを再度受ける場合がある。
いくつかの実施形態では、多剤耐性生物(MDRO)、例えばバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)、カルバペネム耐性腸内細菌(CRE)、フルオロキノロン耐性腸内細菌(FRE)、及び基質特異性拡張型βラクタマーゼ(ESBL)の検査で陽性であるドナー候補は、直ちに保留になり、症状又は再発のない治療/除菌(decolonize)の成功後8週間延期される。上記のいずれかに起因する症状又は再発のない治療/除菌の成功後8週間延期されたスクリーニングされたドナーは、組入れ評価のための全スクリーニングを再度受ける場合がある。
いくつかの実施形態では、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の検査で陽性であるドナー候補は、直ちに保留になり、症状又は再発のない治療/除菌の成功後8週間延期される。上記のいずれかに起因する症状又は再発のない治療/除菌の成功後8週間延期されたスクリーニングされたドナーは、組入れ評価のための全スクリーニングを再度受ける場合がある。
いくつかの実施形態では、ドナー候補は、肝機能パネル、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)、アルカリホスファターゼ(ALP)、アルブミン、ビリルビン(総、直接、又は間接ビリルビン)、及び鑑別を伴う全血球計算(CBC)のアッセイを含み得る追加のスクリーニングのために試料を提出する場合がある。これらの追加スクリーニングアッセイの結果が正常範囲外であるドナー(例えば、表2を参照)は、糞便提供に不適格である。

異常なアッセイ結果の原因が感染性であるか、ドナー又はFMTレシピエントの健康を損なう可能性があることが判明した場合、当該ドナーは臨床使用のための糞便の提供から除外されてもよい。異常な読み取りの原因が臨床的に重要ではなく、FMTレシピエントに脅威を与えないと判断された場合、例えば、結果は偶発的アーチファクトであるか、ギルバート症候群によるものである場合、ドナーは登録/再登録の対象となり得る。
他のスクリーニング又は検査を使用して、ドナー候補を除外又は含めることもできる。
いくつかの実施形態では、ドナー候補は、サイトメガロウイルス(CMV)及びエプスタイン・バーウイルス(EBV)の一方又は両方に対して陽性である場合がある。多くの免疫不全患者(Kelly et al. 2014)及び固形臓器移植患者(Fischer et al. 2017)を含む、成人のドナーからFMTを受けた人々(Wang et al. 2016)にはCMV又はEBV感染の報告例はない。
いくつかの実施形態では、ドナー候補は、リステリア・モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)に対して陽性であり得る。実施形態では、提供された材料及び/又は血清学的試料は、ドナーがリステリア・モノサイトゲネス感染症の症状を示さない限り、リステリア・モノサイトゲネスについて検査されない。
いくつかの実施形態では、糞便の提供イベントの前後に、事前にスクリーニングされたドナーは再びDHQを完了する。ドナーの適格性は、このアンケートで何らかの肯定的な回答がある場合にさらに評価される。除外基準にかかる健康状態の何らかの変化をドナーの回答が示している場合、提供された材料は破棄される。ドナーのDHQ結果が除外(exclusion)を示していない場合、容器及びその中に含まれる糞便材料が処理される。
いくつかの実施形態では、ドナーは、ドナーの健康を確保するために、糞便の提供の前後に対面臨床健康診断を完了することがある。ドナーの健康状態が良好でない場合、提供材料は破棄される場合がある。
いくつかの実施形態では、ドナーは一般的に健康であり、かかる健康と一致する微生物叢を有する。多くの場合、前記ドナーは糞便提供前の一定期間内に抗生物質化合物を投与されていない。
いくつかの実施形態では、ドナーは、過敏性腸疾患(例えば、クローン病や潰瘍性大腸炎)、過敏性腸症候群、セリアック病、結腸直腸がん、又はこれらの疾患の家族歴を有さない。
いくつかの実施形態では、ドナーは、特定の属及び/又は種(それらの属又は種を含む治療用組成物の有効性を高める)の存在について選択される。いくつかの実施形態では、好ましいドナーは、胞子の濃度が比較的高い糞便材料を提供する。いくつかの実施形態では、好ましいドナーは、高められた有効性を有する胞子を含む糞便材料を提供する。
いくつかの実施形態では、提供された糞便材料又は提供された糞便の試料は、追加スクリーニングに使用できる。追加スクリーニングは、肝機能パネル、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)、アルカリホスファターゼ(ALP)、アルブミン、ビリルビン(総、直接、又は間接ビリルビン)、及び鑑別を伴う全血球計算(CBC)のアッセイを含み得る。これらの追加スクリーニングアッセイの結果が正常範囲外であるドナー(例えば、表2を参照)は、提供材料が破棄される場合がある。
一時的又は永続的にドナーを除外するために、他のスクリーニングや検査も使用可能である。
いくつかの実施形態では、A型肝炎、梅毒トレポネーマ、又はストロンギロイデス属(線虫)の検査で陽性であるドナーは、治療が完了し、症状が軽快し、症状が再発しなくなった後8週間まで糞便提供を延期する。影響を受けた提供材料は破壊される。スクリーニングされたドナーは、上記のいずれかに起因する症状の軽快、治療の完了、及び再発無しとなってから8週間延期され、ドナーとしての復帰の評価のための全スクリーニングを再度受ける場合がある。
いくつかの実施形態では、アデノウイルス、カンピロバクター属菌、クロストリジウム・ディフィシル、B毒素、クリプトスポリジウム属菌、シクロスポラ属及びイソスポラ属、ランブル鞭毛虫、プロテウス属、モルガネラ属、ヘリコバクター・ピロリ、微胞子虫、ノロウイルス、卵及び寄生虫、サルモネラ属菌、志賀毒素、シゲラ属菌、又はビブリオ属菌の検査で陽性であるドナーは、直ちに保留になり、症状の軽快、治療の完了、及び再発無しとなってから8週間延期される。影響を受けた提供材料は破棄される。スクリーニングされたドナーは、上記のいずれかに起因する症状の軽快、治療の完了、及び再発無しとなってから8週間延期され、ドナーとしての復帰の評価のための全スクリーニングを再度受ける場合がある。
いくつかの実施形態では、ロタウイルスの検査で陽性であるドナーは、直ちに提供保留となり、確認検査が再度実施されることになる。陽性と確認された場合、これらのドナーは、提供材料を破棄され、8週間は提供不適格となる。ロタウイルスにより8週間延期されたスクリーニング被験済ドナーは、ドナーとしての復帰の評価のための全スクリーニングを再度受ける場合がある。
多剤耐性生物(MDRO)、例えばバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)、カルバペネム耐性腸内細菌(CRE)、フルオロキノロン耐性腸内細菌(FRE)、及び基質特異性拡張型βラクタマーゼ(ESBL)の検査で陽性であるドナーは、直ちに保留になり、症状又は再発のない治療/除菌の成功後8週間延期される。影響を受けた提供材料は破棄される。上記のいずれかに起因する症状又は再発のない治療/除菌の成功後8週間延期されたスクリーニングされたドナーは、ドナーとしての復帰の評価のための全スクリーニングを再度受ける場合がある。
いくつかの実施形態では、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の検査で陽性であるドナーは、直ちに保留になり、症状又は再発のない治療/除菌の成功後8週間延期される。影響を受けた提供材料は破棄される。上記のいずれかに起因する症状又は再発のない治療/除菌の成功後8週間延期されたスクリーニングされたドナーは、ドナーとしての復帰の評価のための全スクリーニングを再度受ける場合がある。
いくつかの実施形態では、ドナーは、サイトメガロウイルス(CMV)及びエプスタイン・バーウイルス(EBV)の一方又は両方に対して陽性である場合がある。多くの免疫不全患者(Kelly et al. 2014)及び固形臓器移植患者(Fischer et al. 2017)を含む、成人のドナーからFMTを受けた人々(Wang et al. 2016)にはCMV又はEBV感染の報告例はない。
いくつかの実施形態では、ドナーは、HIVセロコンバージョンの説明責任として最後の提供から約21日後、例えば2週間後〜1か月後、又はそれ以上の後、血液検査を受ける。
いくつかの実施形態では、ドナーは、リステリア・モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)に対して陽性であり得る。実施形態では、提供材料及び/又は血清学的試料は、ドナーがリステリア・モノサイトゲネス感染症の症状を示さない限り、リステリア・モノサイトゲネスについて検査されない。
実施形態では、提供材料の処理は、糞便材料の便通(passage)の6時間以内に開始する。糞便処理前の経過時間を記録する場合もある。
いくつかの実施形態では、提供材料は、ブリストル便性状スケールを使用して、及び/又は血便、下血、粘液、及び/又は脂肪便に対して評価される。提供材料からの試料の収集は、バイオセーフティキャビネット内で行われる場合がある。
ブリストルタイプ3未満の糞便及びブリストルタイプ5超の糞便は破棄される。
血便、血尿、粘液、及び/又は脂肪便の徴候を示す糞便は廃棄される。
いくつかの実施形態では、提供材料は、約60日間(例えば、30〜90日間)の「採取期間」の間、そしてドナーが2回目のDHQ、2回目の対面臨床評価、及び/又は2回目の血清学的、糞便、及び/又は鼻腔スワブ検査に合格するまで(上記のとおり)、隔離される(すなわち、原薬に含まれない、及び/又は製剤に含まれない)。表3を参照。

いくつかの実施形態では、提供された糞便の微生物叢の生存率は、提供された糞便の試料か、そうでなければ提供された糞便のその他の精製形態、濾液、均質化製品、解凍された中間体、プール材料、及び/又は原薬を培養することにより確認できる。糞便又は糞便由来の製品から微生物叢を培養する方法は、当技術分野で周知である。いくつかの実施形態では、微生物叢は、通常「CDC嫌気性菌5%羊血寒天プレート(CDC Anaerobe 5% Sheep Blood Agar plate)」と称される、偏好性の増殖が遅い必須嫌気性細菌の分離と培養を可能にする米国疾病対策予防センター(CDC)プレート、バクテロイデスの特定の指標種培地であるバクテロイデス胆汁エスクリン(Bacteroides Bile Esculin、BBE)寒天プレート、又はGIFU嫌気性培地(GIFU Anaerobic Medium Agar、GAA)を使用して培養される。いくつかの実施形態では、糞便又は糞便由来の製品内の生存可能で培養可能な細胞の数は、コロニー形成単位(CFU)数の存在によって、例えばドロッププレートCFUアッセイによって確認できる。糞便中又は糞便由来の製品からの生存微生物の多様性を分析することができる。生存微生物の混合又は微生物の多様性は、提供糞便及び原薬の品質のさらなる尺度となる。
いくつかの実施形態では、提供された糞便の微生物叢の生存率はプロピジウムモノアジド(PMA)シーケンシングによって確認される(Chu et al., “Using Propodium Monoazide Sequencing(PMA−Seq) to Develop Data−Driven Best Practices in Fecal Microbiota Transplantations.” Open Forum Infect Dis. Oxford University Press; 2015)。簡潔に述べると、このアプローチは、細胞生存率のハイスループットで培養に依存しない測定を提供する。
いくつかの実施形態では、細菌は生きた栄養細胞である。いくつかの実施形態では、細菌は胞子を形成することができる。いくつかの実施形態では、細菌は胞子の形態、例えば、生存可能な胞子である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される細菌株の混合物は、生きた栄養細胞及び胞子を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の細菌株の混合物は、生きた栄養細胞を実質的に含まない。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の細菌株の混合物は、実質的に胞子を含まない。いくつかの実施形態では、細菌株は生きた栄養細胞の形態である。いくつかの実施形態では、細菌株は胞子の形態である。いくつかの実施形態では、細菌株は凍結乾燥細胞の形態である。いくつかの実施形態では、細菌混合物は、1又は複数の生きた栄養細胞、胞子、及び凍結乾燥細胞を含む。
いくつかの実施形態では、細菌株は非病原性である。例えば、いくつかの実施形態では、細菌株は、生物又は実体を含む宿主生物の疾患、障害、又は状態を引き起こす又は影響を与えることができる生物又は実体を実質的に含まない。例示的な病原菌は、本明細書の他の記載に示される。
様々な実施形態では、細菌株の混合物には、患者の消化管に生着できる1又は複数の非病原性細菌株が含まれる。いくつかの実施形態では、細菌株の混合物には、患者の粘膜バリアにコロニーを形成できる1又は複数の非病原性細菌株が含まれる。いくつかの実施形態では、細菌株の混合物には、患者の粘膜バリアの完全性及び機能を維持及び/又は強化する1又は複数の細菌株が含まれる。様々な実施形態では、細菌株の混合物には、病原性感染因子を除菌する1又は複数の細菌株が含まれる。いくつかの実施形態では、細菌株の混合物には、資源(例えば、生態的地位及び/又は栄養素)について病原性感染因子と競合する1又は複数の細菌株が含まれる。別の実施形態では、細菌株の混合物には、腸内での酪酸塩、酢酸塩、及びプロピオン酸塩の1又は複数の産生を促進する1又は複数の細菌株が含まれる。様々な実施形態では、細菌株の混合物には、腸内での短鎖脂肪酸(short−chain fatty acid、SCFA)産生を補う1又は複数の細菌株が含まれる。様々な実施形態では、細菌株の混合物が、腸の粘膜内層におけるFoxp3+細胞、例えば、制御性T細胞(Tregs)の増殖及び/又は蓄積を誘発する。様々な実施形態では、細菌株の混合物は、腸内でインターロイキン−10(IL−10)の増殖及び/又は蓄積を誘発する。様々な実施形態では、細菌株の混合物は、腸内でインターロイキン−12(IL−12)、インターロイキン−4(IL−4)、及び/又はγインターフェロン(IFNγ)の増殖及び/又は蓄積を減少させる。
理論に縛られることを望むものではないが、抗生物質による腸内微生物叢の治療は、腸内の酪酸塩レベルの低下をもたらす可能性がある。酪酸塩は結腸細胞の主要なエネルギー源として機能し、酪酸塩レベルが低下すると、結腸細胞は嫌気性/発酵成長に切り替わる。この成長は酸素を利用しないため、腸バリアはますます酸素化される。酪酸塩は通常、一酸化窒素合成酵素も阻害するため、正常な酪酸塩レベルが存在しない場合、腸内の宿主由来の硝酸塩の濃度が増加する。腸内細菌科はしばしば日和見病原体であり、これらの細菌の発生は、腸内細菌叢異常及び炎症の兆候である。腸内細菌科のメンバーは、呼吸時に電子受容体として硝酸塩と酸素との両方を使用できる。したがって、抗生物質処理により、酪酸塩の産生が減少し、腸内の酸素及び硝酸塩の含有量が増加し、腸内細菌科のような病原性通性嫌気性菌に増殖上の利点がもたらされ、腸内細菌科が発生する。
様々な実施形態では、本発明の細菌株の混合物は、全身性抗炎症効果及び免疫調節効果の両方を提供する。
様々な実施形態では、本発明の細菌株の混合物は、本明細書の他の記載のように、個々に又は混合物中で一緒に病原菌に対して細胞毒性又は細胞増殖抑制効果を有する1又は複数の単離又は純化された細菌株を含む。様々な実施形態では、本発明の細菌株の混合物は、患者の消化管内に存在する又は消化管に入る病原性細菌に対して阻害効果を発揮する。様々な実施形態では、本発明の細菌株の混合物は、投与前に患者の消化管に検出可能に存在しない少なくとも1種類の細菌の増殖を増強する。様々な実施形態では、本発明の細菌株の混合物は、相乗的に相互作用して病原性細菌に対して細胞毒性又は細胞増殖抑制効果を有する1又は複数の単離又は純化された細菌株を含む。
例示的な病原菌としては、クロストリジウム・ディフィシル(C. difficile)、サルモネラ属菌、腸内病原性大腸菌、クレブシエラ属及び大腸菌などの多剤耐性菌、カルバペネム耐性腸内細菌(CRE)、フルオロキノロン耐性腸内細菌、基質特異性拡張型βラクタマーゼ耐性腸球菌(ESBL)、及びバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)が挙げられる。さらなる例示的な細菌としては、エルシニア属(Yersinia)、ビブリオ属(Vibrio)、トレポネーマ属(Treponema)、ストレプトコッカス属(Streptococcus)、スタフィロコッカス属(Staphylococcus)、シゲラ属(Shigella)、サルモネラ属(Salmonella)、リケッチア属(Rickettsia)、オリエンティア属(Orientia)、シュードモナス属(Pseudomonas)、ナイセリア属(Neisseria)、マイコプラズマ属(Mycoplasma)、マイコバクテリウム属(Mycobacterium)、リステリア属(Listeria)、レプトスピラ属(Leptospira)、レジオネラ属(Legionella)、クレブシエラ属(Klebsiella)、ヘリコプター属(Helicobacter)、ヘモフィルス属(Haemophilus)、フランシセラ属(Francisella)、エシェリキア属(Escherichia)、エーリキア属(Ehrlichia)、エンテロコッカス属(Enterococcus)、コクシエラ属(Coxiella)、コリネバクテリウム属(Corynebacterium)、クロストリジウム属(Clostridium)、クラミジア属(Chlamydia)、クラミドフィラ属(Chlamydophila)、カンピロバクター属(Campylobacter)、バークホルデリア属(Burkholderia)、ブルセラ属(Brucella)、ボレリア属(Borrelia)、ボルデテラ属(Bordetella)、ビフィドバクテリウム属(Bifidobacterium)、バチルス属(Bacillus)、プロテウス属(Proteus)、モルガネラ属(Morganella)、多剤耐性菌、基質特異性拡張型βラクタマーゼ耐性腸球菌(ESBL)、カルバペネム耐性腸内細菌(CRE)、フルオロキノロン耐性腸内細菌、及びバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)が挙げられる。例示的な病原菌としては、エロモナス・ハイドロフィラ(Aeromonas hydrophila)、カンピロバクター・フェタス(Campylobacter fetus)、プレジオモナス・シゲロイデス(Plesiomonas shigelloides)、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)、カンピロバクター・ジェジュニ(Campylobacter jejuni)、クロストリジウム・ボツリヌム(Clostridium botulinum)、クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)、クロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)、腸管凝集性大腸菌(enteroaggregative Escherichia coli)、腸管出血性大腸菌(enterohemorrhagic Escherichia coli)、腸管侵入性大腸菌(enteroinvasive Escherichia coli)、毒素原性大腸菌(enterotoxigenic Escherichia coli(限定されるものではないがLT及び/又はSTなど))、大腸菌O157:H7(Escherichia coli O157:H7)、ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)、クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiellia pneumonia)、リステリア・モノサイトゲネス(Lysteria monocytogenes)、プレシオモナス・シゲロイデス(Plesiomonas shigelloides)、サルモネラ属菌(Salmonella spp.)であるチフス菌(Salmonella typhi)やパラチフス菌(Salmonella paratyphi)、シゲラ属菌(Shigella spp.)、スタフィロコッカス属菌(Staphylococcus spp.)である黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、バンコマイシン耐性エンテロコッカス属菌(vancomycin−resistant enterococcus spp.)、ビブリオ属菌(Vibrio spp.)、コレラ菌(Vibrio cholerae)、腸炎ビブリオ(Vibrio parahaemolyticus)、ビブリオ・バルニフィカス(Vibrio vulnificus)、及びエルシニア・エンテロコリチカ(Yersinia enterocolitica)が挙げられる。特に関連する病原菌としては、抗生物質耐性菌、例えば、抗生物質耐性プロテオバクテリア(Proteobacteria)、バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)、カルバペネム耐性腸内細菌(CRE)、フルオロキノロン耐性腸内細菌、及び基質特異性拡張型βラクタマーゼ産生腸内細菌(ESBL−E)が挙げられる。
様々な実施形態では、細菌株は、その16S rRNA配列同一性に基づいて本発明の医薬組成物に含まれる。一実施形態では、本発明の医薬組成物は、表5又は表6で提示される操作的分類単位(OTU)のいずれか1つの16S rRNA配列と少なくとも約80%同一である16S rRNA配列を有する1又は複数の細菌株を含む。例えば、前記医薬組成物は、表5又は表6で提示される操作的分類単位のいずれか1つの16S rRNA配列と少なくとも約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、又は約100%同一である16S rRNA配列を有する1又は複数の細菌株を含んでいてもよい。一実施形態では、前記医薬組成物は、表5又は表6で提示される操作的分類単位(OTU)のいずれか1つの16S rRNA配列と少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又は約100%同一である16S rRNA配列を有する1又は複数の細菌株を含んでいてもよい。
様々な実施形態では、本発明の医薬組成物は、表5又は表6を参照して、例えば、表5又は表6に記載されているか、又は例として、表5又は表6に記載の細菌株のいずれかの16S rRNA配列と少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又は約100%同一である16S rRNA配列を有する細菌株である、少なくとも約50種類の細菌株、少なくとも約49種類の細菌株、少なくとも約48種類の細菌株、少なくとも約47種類の細菌株、少なくとも約46種類の細菌株、少なくとも約45種類の細菌株、少なくとも約44種類の細菌株、少なくとも約43種類の細菌株、少なくとも約42種類の細菌株、少なくとも約41種類の細菌株、少なくとも約40種類の細菌株、少なくとも約39細菌株、少なくとも約38細菌株、少なくとも約37細菌株、少なくとも約36細菌株、少なくとも約35細菌株、少なくとも約34細菌株、少なくとも約33細菌株、少なくとも約32細菌株、少なくとも約31細菌株、少なくとも約30細菌株、少なくとも約29細菌株、少なくとも約28細菌株、少なくとも約27細菌株、少なくとも約26細菌株、少なくとも約25細菌株、少なくとも約24細菌株、少なくとも約23細菌株、少なくとも約22細菌株、少なくとも約21細菌株、少なくとも約20細菌株、少なくとも約19細菌株、少なくとも約18細菌株、少なくとも約17細菌株、少なくとも約16細菌株、少なくとも約15細菌株、少なくとも約14細菌株、少なくとも約13細菌株、少なくとも約12細菌株、少なくとも約11細菌株、少なくとも約10細菌株、少なくとも約9細菌株、少なくとも約8細菌株、少なくとも約7細菌株、少なくとも約6細菌株、少なくとも約5細菌株、少なくとも約4細菌株、少なくとも約3細菌株、少なくとも約2細菌株、又は約1細菌株の細菌混合物を含む。
様々な実施形態では、本発明の医薬組成物は、本明細書に記載の(例えば、表5又は表6を参照して)約50種類以下の細菌株の細菌混合物を含む。
いくつかの実施形態では、本発明の医薬組成物は、本明細書に記載の(例えば、表5又は表6を参照して)、約2を超える、約5を超える、約10を超える、約15を超える、約20を超える、約25を超える、約30を超える、約35を超える、約40を超える、約45を超える、約50を超える、約75を超える、又は約100を超える種類の細菌株を含む。
いくつかの実施形態では、本発明の医薬組成物は、本明細書に記載の(例えば、表5又は表6を参照して)、約5未満の、約10未満の、約15未満の、約20未満の、約25未満の、約30未満の、約35未満の、約40未満の、約45未満の、約50未満の種類の細菌株を含む。
いくつかの実施形態では、本発明の医薬組成物は、本明細書に記載の(例えば、表5又は表6を参照して)、約10〜約45、約10〜約40、約10〜約30、約10〜約20、又は約10〜約15種類の細菌株を含む、約10〜約50種類の細菌株を含む。
いくつかの実施形態では、本発明の医薬組成物は、本明細書に記載の(例えば、表5又は表6を参照して)、約10〜約20種類の細菌株を含む。
様々な実施形態では、前記細菌株の混合物は、以下の表5又は表6に記載されている細菌株のいずれか、又は以下の表5又は表6に記載される菌株のいずれかの16S rRNA配列と、例として、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又は約100%同一である16S rRNA配列を有する細菌株から選択される。
実施形態では、前記細菌株の混合物は、実質的に完全な糞便微生物叢調製物であり、通常1人又は複数人以上の健康なヒト(例えば、単一の健康な糞便ドナー)の糞便に見られる機能性微生物の完全な補完物を含む。かかる細菌株の混合物は、以下の表5又は表6に提示された1又は複数の株、及び/又は以下の表5又は表6に提示された細菌株のいずれか1つの16S rRNA配列と少なくとも約95%同一である16S rRNA配列を有する1又は複数の菌株を含んでいてもよい。
実施形態では、本発明の医薬組成物は、表5又は表6に記載のBarnesiellaceae科由来の細菌株のいずれかの16S rRNA配列と、例えば、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又は約100%同一である16S rRNA配列を有する少なくとも1種類の細菌株を含む。
実施形態では、本発明の医薬組成物は、表5又は表6に記載のS24−7科由来の細菌株のいずれかの16S rRNA配列と、例えば、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又は約100%同一である16S rRNA配列を有する少なくとも1種類の細菌株を含む。
実施形態では、本発明の医薬組成物は、表5又は表6に記載のMogibacteriaceae科由来の細菌株のいずれかの16S rRNA配列と、例えば、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又は約100%同一である16S rRNA配列を有する少なくとも1種類の細菌株を含む。
実施形態では、本発明の医薬組成物は、表5又は表6に記載のChristensenellaceae科由来の細菌株のいずれかの16S rRNA配列と、例えば、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又は約100%同一である16S rRNA配列を有する少なくとも1種類の細菌株を含む。
実施形態では、本発明の医薬組成物は、表5又は表6に記載のLachnospiraceae科由来の細菌株のいずれかの16S rRNA配列と、例えば、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又は約100%同一である16S rRNA配列を有する少なくとも1種類の細菌株を含む。
実施形態では、本発明の医薬組成物は、表5又は表6に記載のBarnesiellaceae科由来の細菌株のいずれかの16S rRNA配列と約95%同一である16S rRNA配列を有する細菌株、表5又は表6に記載のS24−7科由来の細菌株のいずれかの16S rRNA配列と約95%同一である16S rRNA配列を有する細菌株、表5又は表6に記載のMogibacteriaceae科由来の細菌株のいずれかの16S rRNA配列と約95%同一である16S rRNA配列を有する細菌株、表5又は表6に記載のChristensenellaceae科由来の細菌株のいずれかの16S rRNA配列と約95%同一である16S rRNA配列を有する細菌株、表5又は表6に記載のLachnospiraceae科由来の細菌株のいずれかの16S rRNA配列と約95%同一である16S rRNA配列を有する細菌株、及び/又は表5又は表6に記載のRuminococcaceae科由来の細菌株のいずれかの16S rRNA配列と約95%同一である16S rRNA配列を有する細菌株、を複数含む。医薬組成物は2つ、3つ、4つ、又は5つの細菌株を有しうる。実施形態では、本発明の医薬組成物は、表5又は表6に記載のBarnesiellaceae科由来の細菌株のいずれかの16S rRNA配列と約95%同一である16S rRNA配列を有する細菌株、表5又は表6に記載のS24−7科由来の細菌株のいずれかの16S rRNA配列と約95%同一である16S rRNA配列を有する細菌株、表5又は表6に記載のMogibacteriaceae科由来の細菌株のいずれかの16S rRNA配列と約95%同一である16S rRNA配列を有する細菌株、表5又は表6に記載のChristensenellaceae科由来の細菌株のいずれかの16S rRNA配列と約95%同一である16S rRNA配列を有する細菌株、表5又は表6に記載のLachnospiraceae科由来の細菌株のいずれかの16S rRNA配列と約95%同一である16S rRNA配列を有する細菌株、及び表5又は表6に記載のRuminococcaceae科由来の細菌株のいずれかの16S rRNA配列と約95%同一である16S rRNA配列を有する細菌株、を複数含む。ここで、医薬組成物は6つの細菌株を有する。
表5に、GreenGenes識別番号及び各OTUに関連付けられたラテン語の分類名別にOTUを示す。
列:
A−OTUのGreenGenes ID
B−OTUが存在する糞便ドナーの数
C−OTUが存在する全ての糞便ドナーの割合
D−そのOTUの分類
E−OTUの16S rRNA配列の配列番号
16S rRNA配列の同一性に基づいて細菌をクラスター化する操作的分類単位(OTU)。
この列では、文字は系統分類を指す(例えば、「k」は「界」を指し、「p」は門を指す、など)。
表6に、GreenGenesデータベースで特定された(及び表5に記載の)例示的な細菌属及びOTU数を示す。
列:
A−その属の分類
B−その属に属する健康な糞便ドナーで見つかったOTU数
C−その属のOTUの16S rRNA配列の配列番号
この列では、文字は系統分類を指す(例えば、「k」は「界」を指し、「p」は門を指す、など)。

一実施形態では、細菌株が本発明の医薬組成物に含まれ、ここで前記医薬組成物における前記細菌株の存在量は、例えば以前又は現在の抗がん療法によって引き起こされた腸内細菌叢異常を患っている患者の糞便移植療法(FMT)の成功例又は失敗例にその便が使用されたドナーにおける存在量に基づくものである。
一実施形態では、本発明の医薬組成物には、細菌株が含まれ、ここで前記医薬組成物における前記細菌株の存在は、消化管疾患患者に治療上有効な結果をもたらすFMTにその便が使用されたドナーの糞便試料中の当該細菌株の存在に基づくものである。
一実施形態では、レシピエントに生着する能力に基づいて、細菌株が本発明の医薬組成物に含まれる。例えば、レシピエントは、ドナーから糞便移植を受けたFMTレシピエントである場合がある。菌株がドナーに豊富で、レシピエント患者でも増加している場合、細菌株はうまく生着すると考えられる。いくつかの実施形態では、選択された細菌株は、粘膜へのコロニー形成能力の向上を示す。つまり、優れた粘膜生着菌である。
様々な実施形態では、細菌混合物に含める細菌株を、分泌物の産生を通じて病原性細菌を直接阻害する能力に基づいて、選択してもよい。
いくつかの実施形態では、細菌混合物に含める細菌株を、欠損腸バリアを維持及び/又は修復するのに役立つ能力に基づいて選択してもよい。
実施形態では、細菌混合物に含める細菌株を、多くのヒト細菌性病原体を標的とする抗菌ペプチドの産生を調節するToll様受容体(TLR)を活性化する能力に基づいて選択してもよい。
実施形態では、細菌混合物に含める細菌株を、結腸上皮粘液の肥厚化を誘導する能力に基づいて選択してもよい。
実施形態では、細菌混合物に含める細菌株を、IgA産生の増加を誘導する能力に基づいて選択してもよい。
実施形態では、細菌混合物に含める細菌株を、抗菌ペプチド産生増加を誘導する能力に基づいて選択してもよい。
実施形態では、細菌混合物に含める細菌株を、タイトジャンクションの完全性の改善を誘導する能力に基づいて選択してもよい。
一実施形態では、細菌混合物に含める細菌株は、短鎖脂肪酸(SCFA)を産生するか又はSCFAの産生を増強させる能力に基づいて選択してもよく、ここで前記産生及び前記産生増強は、粘液層の厚さを増加させ、結腸細胞の健康を維持し、腸内の酪酸塩レベルを増加させ、腸内の一酸化窒素合成酵素活性を阻害し、腸内の宿主由来硝酸塩レベルの濃度を低下させ、及び/又はIgA産生を誘導する。本明細書で使用される場合、SCFAは、6個未満の炭素原子の脂肪族尾部を有する脂肪酸を指す。例示的なSCFAとしては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、及びイソ吉草酸が挙げられるが、これらに限定されない。理論に縛られることを望むものではないが、SCFAは消化管炎症の媒介に関与しており、SCFA産生菌は潰瘍性大腸炎(UC)の持続的な臨床的寛解と関連している。したがって、いくつかの実施形態において、細菌株は、増加したレベルのSCFAを産生する能力に基づいて選択される。さらに、いくつかの実施形態では、細菌株は、健康な個人と比較して、機能的に欠陥のある微生物群(例えば、病原菌に感染及び/又はコロニー形成した患者の微生物群)の能力を補完する能力で選択される。
一実施形態では、細菌混合物に含める細菌株は、粘膜バリア機能の回復を促進する能力に基づいて選択してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、粘膜の治癒を可能にし、粘膜バリア機能を改善し、及び/又は炎症を軽減する能力に基づいて細菌株を選択してもよい。理論に縛られることを望むものではないが、かかる細菌株の包含は、病原性粘液分解微生物を置き換えることにより粘膜の構造的及び化学的バリア機能の両方を強化し、粘膜修復をサポートすると考えられている。一実施形態では、かかる細菌株を含めることは、不適切な微生物への曝露に関連する多くの炎症経路に影響を与える。
したがって、いくつかの実施形態では、本発明の医薬組成物は、様々な消化管障害に関連する粘液の厚さの損失を予防及び/又は低減する細菌株を含む。いくつかの実施形態では、本発明の医薬組成物は、粘液中の細菌の浸透又は細菌負荷の減少をもたらす細菌株を含む。いくつかの実施形態では、本発明の医薬組成物は、対象の硫酸塩還元細菌(sulfate−reducing bacteria、SRB)を減少させる細菌株を含む。
本発明の医薬組成物に含めるための細菌株を選択するために利用できる追加の基準には、IgA分解細菌を阻害する細菌株の能力、セロトニン産生及びセロトニン誘導細菌を阻害する細菌株の能力、トリプトファンの可用性を高める細菌株の能力、抗炎症性双性イオン多糖類を生産する細菌株の能力、アリール炭化水素受容体と相互作用するシグナル分子の修飾、及び/又は細菌株がビタミンD受容体(VCD)又はビタミンDシグナル伝達を遮断する能力が含まれるが、これらに限定されない。
様々な実施形態では、個々の細菌株は、最初に表5又は表6から選択され、続いてプールされて細菌株の混合物を形成する。例えば、一実施形態では、細菌株の混合物は、表5又は表6で提示される操作的分類単位のいずれか1つの16S rRNA配列と少なくとも約97%同一である16S rRNA配列を有する1又は複数の菌株、SCFAの産生を増強する1又は複数の細菌株、腸バリアの回復及び/又は維持を促進する1又は複数の細菌株を含めることで形成できる。
いくつかの実施形態では、細菌株の混合物は、急性血性下痢(例えば、赤痢)、急性水様性下痢(例えば、コレラ)、チェックポイント阻害剤関連大腸炎、食中毒による下痢、持続性下痢、及び旅行者下痢を含む下痢性疾患を治療又は予防する。
いくつかの実施形態では、細菌株の混合物は、クローン病、潰瘍性大腸炎、膠原性大腸炎、リンパ球性大腸炎、転用性大腸炎、ベーチェット病、中間型大腸炎、短腸症候群、潰瘍性直腸炎、嚢炎、直腸S状結腸炎、左側大腸炎、汎大腸炎、及び劇症大腸炎を含むがこれらに限定されない炎症性腸疾患(IBD)又は関連疾患を治療又は予防する。
いくつかの実施形態では、細菌株の混合物は、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)、急性壊死性出血性白質脳炎、アジソン病、無ガンマグロブリン血症、円形脱毛症、アミロイドーシス、強直性脊椎炎、抗GBM/抗TBM腎炎、抗リン脂質症候群(APS)、自己免疫性血管性浮腫、自己免疫性再生不良性貧血、自己免疫性自律神経障害、自己免疫性溶血性貧血、自己免疫性肝炎、自己免疫性高脂血症、自己免疫性免疫不全、自己免疫性内耳疾患(AIED)、自己免疫性心筋炎、自己免疫性卵巣炎、自己免疫性膵炎、自己免疫性網膜症、自己免疫性血小板減少性紫斑病(ATP)、自己免疫性甲状腺疾患、自己免疫性じんま疹、軸索及び神経ニューロパチー、バロー病、ベーチェット病、水疱性類天疱瘡、心筋症、キャッスルマン病、セリアック病、シャーガス病、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー(CIDP)、慢性再発性多巣性骨髄炎(CRMO)、チャーグ−ストラウス症候群、瘢痕性類天疱瘡/良性粘膜類天疱瘡、クローン病、コーガン症候群、寒冷凝集素症、先天性心ブロック、コクサッキー心筋炎、CREST病、本態性混合型クリオグロブリン血症、脱髄性ニューロパチー、疱疹状皮膚炎、皮膚筋炎、ドヴィック病(視神経脊髄炎)、円板状紅斑性狼瘡、ドレスラー症候群、子宮内膜症、好酸球性食道炎、好酸球性筋膜炎、結節性紅斑、実験的アレルギー性脳脊髄炎、エヴァンス症候群、線維化肺胞炎、巨細胞性動脈炎(側頭動脈炎)、巨細胞性心筋炎、糸球体腎炎、グッドパスチャー症候群、多発血管炎性肉芽腫症(GPA)、グレーブス病、ギラン−バレー症候群、橋本脳症、橋本甲状腺炎、溶血性貧血、ヘノッホ−シェーンライン紫斑病、妊娠性疱疹、低ガンマグロブリン血症、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、IgA腎症、IgG4関連硬化性疾患、免疫調節性リポタンパク質、封入体筋炎、間質性膀胱炎、若年性関節炎、若年性特発性関節炎、若年性筋炎、川崎症候群、ランバート−イートン症候群、白血球破砕性血管炎、扁平苔癬、硬化性苔癬、木質性結膜炎、線状IgA病(LAD)、ループス(SLE)、慢性ライム病、メニエール病、顕微鏡的多発性血管炎、混合結合組織病(MCTD)、モーレン潰瘍、ムッハ−ハーベルマン病、多発性硬化症、重症筋無力症、筋炎、ナルコレプシー、視神経脊髄炎(ドヴィック病)、好中球減少症、眼瘢痕性類天疱瘡、視神経炎、回帰性リウマチ、PANDAS(小児自己免疫性溶連菌関連性精神神経障害)、腫瘍随伴性小脳変性症、発作性夜間血色素尿症(PNH)、パリーロンバーグ症候群、パーソネージ−ターナー症候群(Parsonnage−Turner syndrome)、扁平部炎(周辺性ブドウ膜炎)、天疱瘡、末梢性ニューロパチー、静脈周囲脳脊髄炎、悪性貧血、POEMS症候群、結節性多発性動脈炎、I型、II型、及びIII型多腺性自己免疫症候群、リウマチ性多発筋痛症、多発性筋炎、心筋梗塞後症候群、心膜切開後症候群、月経疹、原発性胆汁性肝硬変、原発性硬化性胆管炎、乾癬、乾癬性関節炎、特発性肺線維症、壊疽性膿皮症、赤芽球癆、レイノー現象、反応性関節炎、反射性交感神経性ジストロフィー、ライター症候群、再発性多発性軟骨炎、むずむず脚症候群、後腹膜線維症、リウマチ熱、関節リウマチ、サルコイドーシス、シュミット症候群、強膜炎、強皮症、シェーグレン症候群、精子及び精巣の自己免疫、全身硬直症候群、亜急性細菌性心内膜炎(SBE)、スザック症候群、交感性眼炎、高安動脈炎、側頭動脈炎/巨細胞性動脈炎、血小板減少性紫斑病(TTP)、トローザ−ハント症候群、横断性脊髄炎、1型糖尿病、喘息、潰瘍性大腸炎、未分化結合組織疾患(UCTD)、ブドウ膜炎、脈管炎、小水疱水疱性皮膚病、白斑、及びヴェゲナー肉芽腫症を含むがこれらに限定されない自己免疫疾患を治療又は予防する。
実施形態では、細菌株の混合物は、食欲不振、不安、自閉症スペクトラム障害、鬱病、パーキンソン病、及び統合失調症などの神経変性障害、神経発達障害、及び神経認知障害を含む「腸脳軸」に関連する疾患又は障害を治療又は予防する。
実施形態では、細菌株の混合物は、抗がん療法の副作用を治療、予防、又は低減し、及び/又は抗がん治療薬及び/又は抗がん療法の有効性を高める。
実施形態では、抗がん療法は、手術、放射線療法、化学療法(ホルモン療法を含む)及び/又は標的療法(免疫療法を含む)である。例示的な化学療法剤は、本明細書の他の記載に提示される。実施形態では、免疫療法は、腫瘍細胞抗原及び/又はがん細胞抗原、例えばCTLA−4、PD−1、PD−L1、又はPD−L2に対して結合及び/又は認識する。実施形態では、免疫療法は、キイトルーダ(ペンブロリズマブ)、オプジーボ(ニボルマブ)、ヤーボイ(イピリムマブ)、テセントリク(アテゾリズマブ)、バベンチオ(アベルマブ)、又はイミフィンジ(デュルバルマブ)の投与を含む。
実施形態では、対象、例えばヒトは、抗がん療法に対して(本明細書に記載されるように)不応性及び/又は非応答性である。実施形態では、医薬組成物は、抗がん療法を受けてから12週間程度後に、非治癒的応答、限定的応答、又は抗がん療法に対する無応答、または進行までも示す対象を治療する。したがって、本発明の医薬組成物は、抗がん療法に対して不応性及び/又は非応答性の対象を救う。実施形態では、対象は、チェックポイント分子、例えばCTLA−4、PD−1、PD−L1、及び/又はPD−L2を指向した治療に対して不応性及び/又は非応答性である。実施形態では、チェックポイント分子を指向した前記治療が、キイトルーダ(ペンブロリズマブ)、オプジーボ(ニボルマブ)、ヤーボイ(イピリムマブ)、テセントリク(アテゾリズマブ)、バベンチオ(アベルマブ)、又はイミフィンジ(デュルバルマブ)の投与を含む。
がん又は腫瘍は、細胞の制御されない増殖、及び/又は異常な細胞生存の増加、及び/又は身体の器官及びシステムの正常な機能を妨げるアポトーシスの阻害を指す。良性又は悪性のがん、ポリープ、過形成、並びに休眠腫瘍又は微小転移が含まれまる。また、免疫系によって妨げられない異常な増殖を有する細胞(例えば、ウイルス感染細胞)も含まれる。がんは、原発性がん又は転移性がんであり得る。原発性がんは、臨床的に検出可能になる発生部位のがん細胞の領域であり得、原発性腫瘍であり得る。対照的に、転移性がんは、ある器官又は部位から別の隣接していない器官又は部位への疾患の広がりであり得る。転移性がんは、局所領域の周囲の正常組織に浸透して浸潤する能力を獲得するがん細胞によって引き起こされ、局所転移の可能性がある新しい腫瘍を形成し得る。がんは、リンパ壁及び/又は血管壁を貫通する能力を獲得したがん細胞によって引き起こされることもある。その後、がん細胞は血流を介して身体の他の部位及び組織へと循環することができる(したがって、循環腫瘍細胞である)。がんは、リンパ又は血行性の広がりなどのプロセスが原因である可能性がある。がんは、腫瘍細胞が別の部位に留まり、血管又は壁を再貫通し、増殖を続け、最終的に別の臨床的に検出可能な腫瘍を形成することによって引き起こされる場合もある。がんはこの新しい腫瘍である可能性があり、転移性(又は続発性)腫瘍であり得る。
がんは、転移した腫瘍細胞によって引き起こされる場合があり、これは二次性腫瘍又は転移性腫瘍でありうる。腫瘍の細胞は、元の腫瘍の細胞と似ている場合がある。例として、乳がん又は結腸がんが肝臓に転移する場合、肝臓に存在する二次腫瘍は、異常な肝細胞ではなく、異常な乳房細胞又は結腸細胞で構成される。したがって、肝臓の腫瘍は、転移性乳がん又は転移性結腸がんであり、肝臓がんではない。
がんは任意の組織に由来する場合がある。がんは黒色腫、結腸、乳房、又は前立腺から発生する場合があり、したがって、それぞれ皮膚、結腸、乳房、又は前立腺であった細胞で構成されている場合がある。がんは血液悪性腫瘍の場合もあり、白血病又はリンパ腫の場合もある。がんは、肝臓、肺、膀胱、腸などの組織に浸潤する場合がある。
本発明の代表的ながん及び/又は腫瘍には、以下を含むがこれらに限定されない:基底細胞がん、胆道がん;膀胱がん;骨がん;脳及び中枢神経系がん;乳がん(トリプルネガティブ乳がんを含む);腹膜がん;子宮頸がん;絨毛がん;結腸及び直腸がん;結合組織がん;消化器系のがん;子宮内膜がん;食道がん;眼腫瘍;頭頸部がん;胃がん(消化器がんを含む);膠芽腫;肝がん;肝細胞がん;上皮内腫瘍;腎臓がん又は腎がん;喉頭がん;白血病;肝臓がん;肺がん(例えば、小細胞肺がん、非小細胞肺がん、肺腺がん、及び肺扁平上皮がん);黒色腫;骨髄腫;神経芽細胞腫;口腔がん(唇、舌、口、及び咽頭);卵巣がん;膵臓がん;前立腺がん;網膜芽細胞腫;横紋筋肉腫;直腸がん;呼吸器系のがん;唾液腺がん;肉腫;皮膚がん;扁平上皮がん;胃がん;精巣腫瘍;甲状腺がん;子宮がん又は子宮内膜がん;尿路がん;尿路上皮がん、外陰がん;ホジキン及び非ホジキンリンパ腫を含むリンパ腫、及びB細胞リンパ腫(低悪性度/濾胞性非ホジキンリンパ腫(NHL)を含む);小リンパ球(SL)NHL;中悪性度/濾胞性NHL;中悪性度びまん性NHL;高悪性度免疫芽細胞性NHL;高悪性度NHLリンパ芽球性NHL;高悪性度小型非分割細胞(small non−cleaved cell)NHL;巨大腫瘤性病変(bulky disease)NHL;マントル細胞リンパ腫;エイズ関連リンパ腫;及びワルデンシュトレームマクログロブリン血症;慢性リンパ性白血病(CLL);急性リンパ芽球性白血病(ALL);有毛細胞白血病;慢性骨髄芽球性白血病;並びに他のがん及び肉腫;及び移植後リンパ増殖性疾患(PTLD)、並びに母斑症に関連する異常な血管増殖、浮腫(脳腫瘍に関連するものなど)、及びMeigs症候群。
様々な実施形態では、細菌株の混合物は、Toll様受容体活性(例えば、TLR1、及び/又はTLR2、及び/又はTLR3、及び/又はTLR4、及び/又はTLR5、及び/又はTLR6、及び/又はTLR7、及び/又はTLR8、及び/又はTLR9、及び/又はTLR10、及び/又はTLR11、及び/又はTLR12、及び/又はTLR13)を刺激及び/又は活性化し得る。
いくつかの実施形態では、細菌株の混合物は、腸内細菌叢異常の結果として当技術分野で知られている様々な消化管障害を治療又は予防する。
いくつかの実施形態では、細菌株の混合物は、消化管免疫活性化及び炎症を低減する。
様々な実施形態では、細菌株の混合物は、血流感染(BSI)を治療又は予防する。このようなBSIのリスクがある患者としては、固形臓器移植患者、例えば血液透析中の慢性腎臓病患者、及び腫瘍患者が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明は、外来患者であるか、入院しているか、又は長期介護施設にいる患者にも有用である。
様々な実施形態では、細菌株の混合物は、様々な炎症性障害を治療又は予防する。炎症性障害としては、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎及びクローン病)、過敏性腸症候群、代謝性疾患/インスリン抵抗性(II型糖尿病)、及び関節リウマチが挙げられるが、これらに限定されない。
様々な実施形態では、細菌株の混合物は、本明細書に記載の障害、疾患、又は障害を治療又は予防するために相乗的に相互作用する1又は複数の細菌株を含む。
いくつかの実施形態では、細菌株の混合物は、本明細書に記載の疾患、障害、又は状態に関連する1又は複数の症状を軽減、改善、又は排除する。例示的な症状としては、下痢、血便、口内炎、肛門周囲疾患、腹痛、腹部けいれん、発熱、疲労、体重減少、鉄欠乏、貧血、食欲減退、体重減少、食欲不振、発育遅延、思春期の発達の遅れ、並びに皮膚、眼、関節、肝臓、及び胆管の炎症があるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、本発明の医薬組成物は、表5又は表6に記載された門、綱、目、科、属、及び/又は種のいずれか1つに由来する細菌株を含む。例示的な実施形態では、本発明の医薬組成物は、バクテロイデス門又はフィルミクテス門に属する細菌株を含む。例示的な実施形態では、本発明の医薬組成物は、クロストリジウム綱、バクテロイデス綱、又はバチルス綱に属する細菌株を含む。例示的な実施形態では、本発明の医薬組成物は、バクテロイデス目、クロストリジウム目、又はラクトバチルス目に属する細菌株を含む。例示的な実施形態では、本発明の医薬組成物は、バクテロイド科、ルミノコッカス科、ラクノスピラ科、又はストレプトコッカス科に属する細菌株を含む。例示的な実施形態では、本発明の医薬組成物は、バクテロイデス属、ブラウティア属、フィーカリバクテリウム属、コプロコッカス属、ローズブリア属、ドレア属、クロストリジウム属、ユーバクテリウム属、又はストレプトコッカス属に属する細菌株を含む。例示的な実施形態において、本発明の医薬組成物は、ユニフォミス種、プラウスニッツ種、又はファエシス種に属する細菌株を含む。
医薬組成物、製剤、及び投与
本発明は、細菌株の新規混合物(及び/又は追加の治療薬)を含む様々な組成(formulation)の医薬組成物を提供する。本明細書に記載の任意の医薬組成物(及び/又は追加の治療薬)は、錠剤、丸剤、ペレット、カプセル、液体を含むカプセル、多粒子を含むカプセル、粉末、溶液、エマルジョン、ドロップ、坐剤、エマルジョン、エアロゾル、スプレー、懸濁液、遅延放出製剤、持続放出製剤、制御放出製剤、又は使用に適した他の形態をとることができる。
前記医薬組成物(及び/又は追加の治療薬)を含む製剤は、単位剤形で簡便に提供され得る。例えば、剤形は、治療薬を1又は複数の補助成分を構成する担体と結合させる工程を含む方法によって調製することができる。例えば、前記製剤は、治療薬を液体担体、微細固体担体、又はその両方と均一かつ密接に結合させ、その後、必要に応じて、製品を所望の製剤の剤形に成形すること(例えば、湿潤又は乾燥造粒、粉末ブレンドなどに続いてプレス打錠)により調製される。
一実施形態では、本明細書に記載の細菌株(及び/又は追加の治療薬)の新規混合物を含む医薬組成物は、本明細書に記載の投与様式に適合した組成物として製剤化される。
様々な実施形態では、前記医薬組成物(及び/又は追加の治療薬)の投与は、経口、静脈内、腹腔内、及び非経口のいずれかである。例えば、投与経路としては、経口、腹腔内、静脈内、筋肉内、又は直腸内が挙げられるが、これらに限定されない。様々な実施形態では、前記医薬組成物(及び/又は追加の治療薬)の投与は、経口、経鼻胃、順行性消化管、逆行性消化管、経内視鏡、又は注腸投与である。
一実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物(及び/又は追加の治療薬)は、経口投与に適合した組成物として製剤化される。経口送達のための組成物は、例として、錠剤、水性又は油性懸濁液、顆粒、粉末、スプリンクル(sprinkle)、エマルジョン、又はカプセルの形態であり得る。経口投与される組成物は、好まれる医薬製剤を提供するために、1又は複数の物質、例えば、フルクトース、アスパルテーム、サッカリンなどの甘味料、ペパーミント、ウィンターグリーン油、チェリーなどの香味料、着色剤、細菌混合物の臭いを隠す香料、及び保存剤を含むことができる。さらに、カプセル、錠剤、又は丸薬の形態の場合、組成物をコーティングして崩壊を遅らせ、長期間にわたって持続的な作用を提供することができる。本明細書に記載の微生物株(及び/又は追加の治療薬)を駆動する浸透圧活性剤を囲む選択的透過性膜も、経口投与される組成物に適している。これら後者のプラットフォームでは、カプセルを取り囲む環境からの液体が駆動化合物(driving compound)により吸収されて、駆動化合物が膨潤し、開口を通して薬物又は薬物組成物を移動させる。これらの送達プラットフォームは即時放出製剤のくさび型プロファイルとは対照的に、基本的にゼロ次の送達プロファイルを与えることができる。モノステアリン酸グリセロール又はステアリン酸グリセロールのような時間遅延材料も有用である。経口組成物は、マンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、エタクリル酸及びその誘導体ポリマー、及び炭酸マグネシウムなどの標準的な添加剤を含むことができる。一実施形態では、前記添加剤は医薬品グレードのものである。懸濁液は、前記活性化合物に加えて、例えば、エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトール及びソルビタンエステル、微結晶セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天、トラガカント、及びそれらの混合物などの懸濁剤を含んでいてもよい。
例えば、カプセルを介した細菌混合物を含む医薬組成物の経口投与は、注腸、経鼻胃管、又は結腸内視鏡検査などの従来の侵襲的手法よりも、この投与経路がより単純で簡便なため好ましい。
様々な実施形態では、前記医薬組成物(及び/又は追加の治療薬)は、錠剤、分散性粉末、顆粒、及びカプセルなどの固体剤形として製剤化される。一実施形態では、前記医薬組成物(及び/又は追加の治療薬)はカプセルとして製剤化される。別の実施形態では、前記医薬組成物(及び/又は追加の治療薬)は、カプセル又は錠剤として製剤化される。さらに別の実施形態では、前記医薬組成物(及び/又は追加の治療薬)はソフトゲルカプセルとして製剤化される。さらなる実施形態では、前記医薬組成物(及び/又は追加の治療薬)はゼラチンカプセルとして製剤化される。
非経口投与(例えば、静脈内、筋肉内、又は腹腔内注射及び注入)に適した剤形には、例えば、液剤、懸濁剤、分散剤、乳剤などが含まれる。それらはまた、滅菌固体組成物(例えば、凍結乾燥組成物)の形態で製造されてもよく、使用直前に滅菌注射用媒体に溶解又は懸濁することができる。それらは、例えば、懸濁化剤又は分散剤を含んでいてもよい。
様々な実施形態では、本発明の製剤は、医薬的に許容される担体又は添加剤をさらに含んでいてもよい。当業者が認識するように、前記製剤は、所望の使用及び投与経路に適切な任意の適切な形態であり得る。
一部の剤形では、本明細書に記載の薬剤は、クエン酸ナトリウム、リン酸二カルシウムなどの少なくとも1つの不活性な医薬的に許容される添加剤又は担体、及び/又は(a)デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、ケイ酸、微結晶セルロース、ベーカーズ・スペシャル・シュガー(Bakers Special Sugar)などの充填剤又は増量剤、(b)例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、アカシア、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、及びヒドロキシメチルセルロースなどの結合剤、(c)グリセロールなどの保湿剤、(d)寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモ又はタピオカデンプン、アルギン酸、特定のケイ酸塩、炭酸ナトリウム、クロスポビドンなどの架橋ポリマー(架橋ポリビニルピロリドン)、クロスカルメロースナトリウム(架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム)、デンプングリコール酸ナトリウムなどの崩壊剤、(e)パラフィンなどの溶液遅延剤、(f)四級アンモニウム塩などの吸収促進剤、(g)セチルアルコール及びモノステアリン酸グリセロールなどの湿潤剤、(h)カオリン及びベントナイト粘土などの吸収剤、及び(i)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、ベヘン酸グリセリルなどの潤滑剤、又はこれら添加剤の混合物と混合することができる。当業者は、特定の添加剤が経口剤形において2つ以上の機能を有し得ることを認識するであろう。経口剤形、例えばカプセル又は錠剤の場合、剤形は緩衝剤も含み得る。
前記製剤は、界面活性剤をさらに含むことができる。本発明において使用に適した界面活性剤としては、任意の医薬的に許容される非毒性界面活性剤が挙げられるが、これらに限定されない。本発明の組成物における使用に適した界面活性剤のクラスには、これらに限定されるものではないが、ポリエトキシ化脂肪酸、PEG−脂肪酸ジエステル、PEG−脂肪酸モノ及びジエステル混合物、ポリエチレングリコールグリセロール脂肪酸エステル、アルコール−油エステル交換生成物、ポリグリセリン化脂肪酸、プロピレングリコール脂肪酸エステル、プロピレングリコールエステル−グリセロールエステルの混合物、モノ及びジグリセリド、ステロール及びステロール誘導体、ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、糖エステル、ポリエチレングリコールアルキルフェノール、ポリオキシエチレン−オリオキシプロピレンブロック共重合体、ソルビタン脂肪酸エステル、低級アルコール脂肪酸エステル、イオン性界面活性剤、及びそれらの混合物が含まれる。いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート80、及びクエン酸トリエチルを含むがこれらに限定されない1又は複数の界面活性剤を含み得る。
前記製剤はまた、柔軟性及び硬度などの所望の機械的特性を得るために、医薬的に許容される可塑剤を含むことができる。かかる可塑剤としては、トリアセチン、クエン酸エステル、クエン酸トリエチル、フタル酸エステル、セバシン酸ジブチル、セチルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリソルベート、又は他の可塑剤が挙げられるが、これらに限定されない。
前記製剤はまた、1又は複数の適用溶媒を含むことができる。例えば、遅延放出コーティング組成物を適用するために使用可能なより一般的な溶媒のいくつかには、イソプロピルアルコール、アセトン、塩化メチレンなどが含まれる。
前記製剤は、1又は複数のアルカリ性物質も含むことができる。本発明の組成物における使用に適したアルカリ性物質としては、リン酸、炭酸、クエン酸、および他のアルミニウム/マグネシウム化合物などの酸のナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム及びアルミニウム塩が挙げられるが、これらに限定されない。加えて、アルカリ性物質は、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、及び酸化マグネシウムなどの制酸物質から選択されてもよい。
様々な実施形態では、前記医薬組成物(及び/又は追加の治療薬)は、全身又は局所送達用に製剤化される。一実施形態では、全身投与である。別の実施形態では、治療が必要な領域に局所投与することが望ましい場合がある。
本明細書に記載の薬剤を製剤化及び/又は目的の場所に送達するには、様々な方法を使用することができる。例えば、本明細書に記載の医薬組成物(及び/又は追加の治療薬)は、消化管への送達用に製剤化してもよい。消化管には、口、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸(本明細書では「結腸」とも称する)、及び直腸などの消化器系の器官並びにそれらのサブセクションとしての器官(例えば、小腸には十二指腸、空腸、回腸が含まれる場合がある;大腸には、横行結腸、下行結腸、上行結腸、S状結腸、及び盲腸が含まれる場合がある)が含まれる。例えば、本明細書に記載の細菌株及び/又は医薬組成物(及び/又は追加の治療薬)は、胃、小腸、大腸、及び直腸及びそれらのサブセクションとしての器官(例えば、十二指腸、空腸及び回腸、横行結腸、下行結腸、上行結腸、S状結腸、及び盲腸)の1又は複数への送達用に製剤化可能である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物は、上部又は下部消化管に送達するように製剤化してもよい。一実施形態では、細菌株及び/又は医薬組成物(及び/又は追加の治療薬)は、例えば、消化管の粘膜組織に直接又は間接的に接触することにより、対象に投与してもよい。
様々な実施形態では、前記医薬組成物(及び/又は追加の治療薬)は、例えば、経口送達、経鼻胃管、腸管挿管(例えば、空腸チューブ又は胃空腸チューブなどの経腸チューブ又は栄養チューブ)を介して、直接注入(例えば、十二指腸注入)、内視鏡検査、結腸内視鏡検査、又は注腸により消化管へ投与される。
例えば、様々な実施形態では、本発明は、細菌株(及び/又は追加の治療薬)の新規混合物を含む放出調節製剤を提供し、前記製剤は相当量の細菌株(及び/又は追加の治療薬)を1又は複数の消化管領域に放出する。例えば、前記製剤は、胃を通過後に、1又は複数の消化管領域に細菌株の少なくとも約60%を放出し得る。
様々な実施形態では、本発明の放出調節製剤は、胃を通過後に腸の1又は複数の領域に前記細菌株(又は追加の治療薬)の少なくとも60%を放出する。例えば、前記放出調節製剤は、少なくとも60%、少なくとも61%、少なくとも62%、少なくとも63%、少なくとも64%、少なくとも65%、少なくとも66%、少なくとも67%、少なくとも68%、少なくとも69%、少なくとも70%、少なくとも71%、少なくとも72%、少なくとも73%、少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の前記細菌株(又は追加の治療薬)を腸で放出する。
様々な実施形態では、本発明の放出調節製剤は、前記細菌株(又は追加の治療薬)の少なくとも60%を小腸で放出する。例えば、前記放出調節製剤は、少なくとも60%、少なくとも61%、少なくとも62%、少なくとも63%、少なくとも64%、少なくとも65%、少なくとも66%、少なくとも67%、少なくとも68%、少なくとも69%、少なくとも70%、少なくとも71%、少なくとも72%、少なくとも73%、少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の前記細菌株(又は追加の治療薬)を小腸(例えば、十二指腸、空腸、回腸、及び回盲接合部の1又は複数)で放出する。
様々な実施形態では、本発明の放出調節製剤は、前記細菌株(又は追加の治療薬)の少なくとも60%を大腸で放出する。例えば、前記放出調節製剤は、少なくとも60%、少なくとも61%、少なくとも62%、少なくとも63%、少なくとも64%、少なくとも65%、少なくとも66%、少なくとも67%、少なくとも68%、少なくとも69%、少なくとも70%、少なくとも71%、少なくとも72%、少なくとも73%、少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の前記細菌株(又は追加の治療薬)を大腸(例えば、盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸又はS状結腸、及び直腸の1又は複数)で放出する。
様々な実施形態では、前記医薬組成物は、直腸到達より前に実質的に送達完了するように製剤化される。
いくつかの実施形態では、前記医薬組成物は、胃における放出のために製剤化される(例えば、いわゆる逆腸溶性製剤)。他の実施形態において、前記医薬組成物は、胃内で前記細菌株を実質的に放出しないように製剤化される。
特定の実施形態では、前記放出調節製剤は、特定のpHで前記細菌株(又は追加の治療薬)を放出する。例えば、いくつかの実施形態では、前記放出調節製剤は、酸性環境で実質的に安定であり、中性に近い環境からアルカリ性環境で実質的に不安定である(例えば、急速に溶解するか、物理的に不安定である)。いくつかの実施形態では、安定であるとは実質的に放出しないこと(not substantially releasing)を示し、不安定であるとは実質的に放出すること(substantially releasing)を示す。例えば、いくつかの実施形態では、前記放出調節製剤は、約7.0以下、約6.5以下、約6.0以下、約5.5以下、約5.0以下、約4.5以下、約4.0以下、約3.5以下、約3.0以下、約2.5以下、約2.0以下、約1.5以下、又は約1.0以下のpHで実質的に安定である。いくつかの実施形態では、本発明の製剤は、より低いpH領域で安定であり、したがって、例えば胃で実質的に放出しない。いくつかの実施形態では、放出調節製剤は、約1〜約4又はそれ以下のpHで実質的に安定であり、より高いpH値では実質的に不安定である。これらの実施形態では、前記放出調節製剤は、胃で実質的に放出しない。これらの実施形態では、前記放出調節製剤は、実質的に小腸(例えば、十二指腸、空腸、回腸の1又は複数)及び/又は大腸(例えば、盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、及びS状結腸の1又は複数)で放出する。いくつかの実施形態では、放出調節製剤は、約4〜約5又はそれ以下のpHで実質的に安定であり、結果として、より高いpH値で実質的に不安定であり、したがって胃及び/又は小腸(例えば、十二指腸、空腸、及び回腸の1又は複数)では実質的に放出しない。これらの実施形態では、前記放出調節製剤は、実質的に大腸(例えば、盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、及びS状結腸の1又は複数)で放出する。様々な実施形態では、本明細書に記載のpH値は、対象の状態、例えば空腹状態か食後状態かを説明するために、当技術分野で公知のように調節可能である。
いくつかの実施形態では、前記放出調節製剤は、胃液中で実質的に安定であり、腸液中で実質的に不安定であり、したがって、実質的に小腸(例えば、十二指腸、空腸、回腸の1又は複数)及び/又は大腸(例えば、盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、及びS状結腸の1又は複数)で放出する。
いくつかの実施形態では、前記放出調節製剤は、胃液中で安定しているか、酸性環境で安定している。これらの放出調節製剤は、pHが約4〜約5以下の胃液中又はpHが約4〜約5以下の模擬胃液中で、放出調節製剤中の細菌株及び/又は追加の治療薬の約30重量%以下を、約15分、約30分、約45分、約60分、又は約90分で放出する。本発明の放出調節製剤は、pHが約4〜約5以下の胃液中又はpHが約4〜約5以下の模擬胃液中で、放出調節製剤中の細菌株及び/又は追加の治療薬の約0重量%〜約30重量%、約0重量%〜約25重量%、約0重量%〜約20重量%、約0重量%〜約15重量%、約0重量%〜約10重量%、約5重量%〜約30重量%、約5重量%〜約25重量%、約5重量%〜約20重量%、約5重量%〜約15重量%、約5重量%〜約10重量%を、約15分、約30分、約45分、約60分、又は約90分で放出する。本発明の放出調節製剤は、pHが約5以下の胃液中又はpHが約5以下の模擬胃液中で、放出調節製剤中の細菌株及び/又は追加の治療薬の約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、又は約10重量%を、約15分、約30分、約45分、約60分、又は約90分で放出する。
いくつかの実施形態では、前記放出調節製剤は腸液で不安定である。これらの放出調節製剤は、腸液中又は模擬腸液中で、放出調節製剤中の細菌株及び/又は追加の治療薬の約70重量%以上を、約15分、約30分、約45分、約60分、又は約90分で放出する。いくつかの実施形態では、前記放出調節製剤は中性付近〜アルカリ性の環境では不安定である。これらの放出調節製剤は、pHが約4〜約5以上の腸液中又はpHが約4〜約5以上の模擬腸液中で、放出調節製剤中の細菌株及び/又は追加の治療薬の約70重量%以上を、約15分、約30分、約45分、約60分、又は約90分で放出する。中性又はアルカリに近い環境で不安定な放出調節製剤は、pHが約5を超える体液(例えば、pHが約5〜約14、約6〜約14、約7〜約14、約8〜約14、約9〜約14、約10〜約14、又は約11〜約14の体液)中で、放出調節製剤中の細菌株及び/又は追加の治療薬の約70重量%以上を、約5分〜約90分、約10分〜約90分、約15分〜約90分、約20分〜約90分、約25分〜約90分、約30分〜約90分、約5分〜約60分、約10分〜約60分、約15分〜約60分、約20分〜約60分、約25分〜約90分、又は約30分〜約60分で放出する。
模擬胃液及び模擬腸液としては、2005年の米国薬局方の「試液」(the 2005 Pharmacopeia 23NF/28USP in Test Solutions)の2858ページに記載のもの、及び/又は当業者に公知の他の模擬胃液及び模擬腸液、例えば、酵素なしで調製された模擬胃液及び/又は腸液が挙げられるが、これらに限定されない。
様々な実施形態では、本発明の放出調節製剤は、糜粥(chyme)中で実質的に安定している。例えば、いくつかの実施形態では、投与から約10時間、9時間、8時間、7時間、6時間、5時間、4時間、3時間、2時間、又は1時間で、細菌株の活性の約50%未満、約40%未満、約30%未満、約20%未満、又は約10%未満の損失が生じる。
様々な実施形態では、本発明の放出調節製剤は、即時放出(例えば、摂取時)用に設計されている。様々な実施形態では、前記放出調節製剤は、持続放出プロファイルを有していてもよく、すなわち、長時間にわたる体内(例えば、消化管)における有効成分の徐放を伴う。様々な実施形態では、前記放出調節製剤は、遅延放出プロファイルを有していてもよく、すなわち、摂取時に有効成分を即座に放出しない、むしろ、例えば、小腸(例えば、十二指腸、空腸、回腸の1又は複数)又は大腸(例えば、盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸又はS状結腸、及び直腸の1又は複数)における放出のために、組成物が消化管のより下部に至るまで有効成分の放出を延期する。例えば、組成物を腸溶性コーティングして、小腸又は大腸に到達するまで有効成分の放出を遅らせることができる。
様々な実施形態では、本発明の放出調節製剤は、遅延放出コーティングなどの1又は複数の放出調節コーティングを利用して、所望により追加の治療薬と共に、消化管へ細菌株を効果的かつ遅延させて実質的に送達をしうる。
一実施形態では、前記遅延放出コーティングは、酸性環境で実質的に安定であり、中性付近〜アルカリ性環境で実質的に不安定な腸溶性剤を含む。一実施形態では、前記遅延放出コーティングは、胃液中で実質的に安定な腸溶性剤を含む。前記腸溶性剤は、例えば、メタクリル酸共重合体、セルロースアセテートフタレート(CAP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ポリ酢酸ビニルフタレート、カルボキシメチルエチルセルロース、EUDRAGIT(登録商標)タイプのポリマー(ポリ(メタクリル酸−メチルメタクリレート)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートコハク酸塩、セルロースアセテートトリメリット酸塩、ヒプロメロース(INN)ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、シェラック又は他の適切な腸溶性コーティングポリマーの溶液又は分散液から選択することができる。同様のポリマーには、Kollicoat(登録商標)MAE 30 DP及びKollicoat(登録商標)MAE 100 Pが含まれる。様々な実施形態では、腸溶性剤は、前述の溶液又は分散液の組み合わせであってもよい。実施形態では、前記腸溶性剤は、任意のEUDRAGIT(登録商標)タイプのポリマー、その誘導体、及びその共重合体(コポリマー)を含む。EUDRAGIT(登録商標)ポリマーは、エボニック インダストリーズAG(Evonik Industries AG)(エッセン、ドイツ)から入手可能である。
特定の実施形態では、1又は複数のコーティングシステム添加剤が腸溶性剤と共に使用される。例えば、1又は複数のPlasACRYL(商標)添加剤を粘着防止剤コーティング添加剤として使用してもよい。例示的PlasACRYL(商標)添加剤にとしては、PlasACRYL(商標)HTP20及びPlasACRYL(商標)T20が挙げられるが、これらに限定されない。
別の実施形態では、前記遅延放出コーティングは、水溶液中にある場合、pH及び/又は溶液中の酵素の存在に関係なく、時間関数として分解し得る。かかるコーティングは、水不溶性ポリマーを含んでいてもよい。したがって、水溶液への溶解度はpH非依存性である。本明細書で使用される「pH非依存性」という用語は、ポリマーの水透過性及び医薬成分を放出するその能力がpHの関数ではないこと、及び/又はpHに非常にわずかに依存することを意味する。かかるコーティングは、例えば、徐放性製剤を調製するために使用され得る。適切な水不溶性ポリマーには、溶液のpHに非依存性で、水性媒体、例えば水に実質的に不溶性である医薬的に許容される非毒性ポリマーが含まれる。適切なポリマーとしては、セルロースエーテル、セルロースエステル、又はセルロースエーテルエステル、すなわち、セルロース骨格上のヒドロキシ基の一部がアルキル基で置換され、一部がアルカノイル基で修飾されたセルロース誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。例として、エチルセルロース、アセチルセルロース、及びニトロセルロースなどが挙げられる。不溶性ポリマーの他の例としては、ラッカー、並びにアクリル及び/又はメタクリルエステルポリマー、第四級アンモニウム含有量が低いアクリレート又はメタクリレートのポリマー又はコポリマー、又はそれらの混合物などが挙げられるが、これらに限定されない。不溶性ポリマーの他の例としては、EUDRAGIT RS(登録商標)、EUDRAGIT RL(登録商標)、及びEUDRAGIT NE(登録商標)が挙げられる。本発明において有用な不溶性ポリマーには、ポリビニルエステル、ポリビニルアセタール、ポリアクリル酸エステル、ブタジエンスチレンコポリマーなどが含まれる。一実施形態において、結腸送達は、緩やかに浸食するワックスプラグ(例えば、PEG6000などを含む様々なPEG)の使用により達成される。
いくつかの実施形態では、腸溶性(内部又は外部)コーティングはポリマー材料を含む。適切な高分子材料の非限定的な例としては、ポリメチルメタクリレート、ポリ(N,N−ジメチルアクリルアミド)、ポリオキサマー、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、多糖類(例えば、スクロース、トレハロース、グルコース、タピオカやクズウコンなどのデンプン、キトサン、アルギン酸塩、グアーガム)、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリビニルアルコール、ポリアルキレングリコール、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリウレタン、ポリラクチド、ラクチド/グリコリド共重合体、ポリカプロラクトン、ポリジオキサノン、ポリ無水物、ポリヒドロキシブチレート、ポリシロキサン、ポリトリメチレンカーボネート、ポリアルキレングリコール、及びそれらの組み合わせ及び/又は共重合体が挙げられる。
さらなる実施形態において、前記遅延放出コーティングは、腸内細菌叢に存在する微生物酵素により分解され得る。一実施形態では、前記遅延放出コーティングは、小腸に存在する細菌によって分解され得る。別の実施形態では、前記遅延放出コーティングは、大腸に存在する細菌によって分解され得る。
かかるコーティングは、結腸細菌による攻撃を受けやすい第1の材料と、約pH5以上で溶解閾値を有する第2の材料との混合物を含んでいてもよい。第1の材料は、デンプン、アミロース、アミロペクチン、キトサン、コンドロイチン硫酸、シクロデキストリン、デキストラン、プルラン、カラギーナン、スクレログルカン、キチン、カードラン、及びレバンから選択される多糖類を含み得る。第2の材料は、それ以下では不溶性となり、それ以上では可溶性となるpHである「pH閾値」を有するように、pH依存的に溶解し得る。周囲の媒体のpHが、第2の材料の溶解を引き起こすため、第2の材料はほとんどpH閾値以下で溶解しない。周囲の媒体のpHがpH閾値に達する(又は超える)と、第2の材料は可溶性になる。実施形態では、周囲の培地は、胃液若しくは腸液又は消化管内の培地のインビトロ等価物など、消化管内の培地を意味する。第2の材料は、アクリレートポリマー、セルロースポリマー、又はポリビニル系ポリマーなどの膜形成ポリマー材料であってもよい。適切なセルロースポリマーの例としては、酢酸フタル酸セルロース(CAP)、酢酸トリメリット酸セルロース(CAT)、及び酢酸コハク酸ヒドロプロピルメチルセルロースが挙げられる。適切なポリビニル系ポリマーの例としては、ポリ酢酸ビニルフタレート(PVAP)が挙げられる。第2の材料は、(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸C1−4アルキルエステルとのコポリマー、例えば、メタクリル酸とメタクリル酸メチルエステルとのコポリマーであってもよい。かかるポリマーは、ポリ(メタクリル酸/メタクリル酸メチル)コポリマーとして知られている。かかるコポリマーの例は、通常、アニオン性であり、徐放性ポリメタクリレートではない。アニオン性ポリ(メタクリル酸/メタクリル酸メチル)共重合体の例としては、EUDRAGIT(登録商標)L、EUDRAGIT(登録商標)S、及びEUDRAGIT(登録商標)FSが挙げられる。前記コーティングは、細菌混合物のコアと上記の遅延放出組成物を含む層との間の追加層、及び/又は上記の遅延放出組成物層をコーティングする外層を有してもよい。
実施形態において、カプセルは、水相(例えば、本開示の原薬)とカプセル(又はカプセル材料)との接触を防止又は遅延させる疎水性特性を有する内部腸溶性コーティングを含む。実施形態では、内部腸溶性コーティングは疎水性コーティングを含む。疎水性コーティングは、シェラック、ゼイン、多糖類、絹、ポリカプロラクトン、油、ペクチン、ワックス、ポリマー、シェラック、及びそれらの誘導体、並びにそれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含んでいてもよい。適切な多糖類の非限定的な例としては、アルギン酸塩、ヒアルロン酸、及びキトサンが挙げられる。適切な油の非限定的な例としては、アボカド油、植物油、ヒマシ油、オリーブ油、ホホバ油、ココアバター、ココナッツ油が挙げられる。適切なワックスの非限定的な例としては、蜜蝋、カルナウバ蝋、及びパラフィン蝋が挙げられる。いくつかの実施形態では、疎水性コーティングはシェラックである。
内部腸溶性コーティングは、カプセル(又はカプセル材料)を水相から保護するように選択及び設計することが可能である。例えば、いくつかの実施形態では、内部腸溶性コーティングは、水相(例えば、本開示の細菌株の混合物)がカプセルに接触するのを防ぎ、且つ/又はカプセル材料が水相によって分解及び/又は溶解しないようにする。いくつかの実施形態では、内部腸溶性コーティングは、1日以上、2日以上、3日以上、7日以上、14日以上、30日以上、90日以上、又は180日以上の期間、周囲条件下の室温でカプセルを水相から保護する。特定の実施形態では、内部腸溶性コーティングは、365日以下、180日以下、90日以下、30日以下、14日以下、7日以下、3日以下、又は2日以下の期間、周囲条件下の室温でカプセルを水相から保護する。上記の範囲の組み合わせが可能である(例えば、1日〜365日)。他の範囲も可能である。かかるものとして、いくつかの実施形態にでは、前記カプセルは、上記の時間(例えば、1日以上)周囲条件下の室温で安定している。
特定の実施形態では、内部腸溶性コーティングは、1時間以上、2時間以上、3時間以上、6時間以上、12時間以上、18時間以上、24時間以上、48時間以上、又は96時間以上の期間、37℃でカプセルを水相から保護する(例えば、内部腸溶性コーティングは、水相がカプセルに接触するのを防ぎ、且つ/又はカプセル材料が水相によって分解及び/又は溶解しないようにする)。特定の実施形態では、内部腸溶性コーティングは、168時間以下、96時間以下、48時間以下、24時間以下、18時間以下、12時間以下、6時間以下、3時間以下、又は2時間以下の期間、周囲条件下の37℃でカプセルを水相から保護する。上記の範囲の組み合わせが可能である(例えば、1時間〜168時間)。そのため、特定の実施形態では、前記カプセルは、上記の時間(例えば、1時間以上)周囲条件下で37℃で安定している。
様々な実施形態では、前記放出調節製剤は、結腸における放出用に設計されている。様々な結腸特異的送達アプローチが利用され得る。例えば、前記放出調節製剤は、例えば、Li et al.(AAPS PharmSciTech(2002),3(4):1−9)に記載の結腸特異的薬物送達システム(CODES)を使用して製剤化することができ、当該文献の内容全体は参照により本明細書に組み込まれる。かかるシステムによる薬物放出は、pH感受性ポリマーコーティングと組み合わされた結腸微生物叢によって引き起こされる。例えば、前記製剤は、ポリマーの3つの層を持つコアタブレットとして設計されてもよい。最初のコーティングは酸可溶性ポリマー(例えば、EUDRAGIT E)で、外側のコーティングは腸溶性で、それらの間にヒドロキシプロピルメチルセルロースバリア層が挿入される。別の実施形態では、結腸送達は、例えば、ペクチンなどの結腸で分解する特定のポリマーを用いて細菌株(及び/又は追加の治療薬)を製剤化することにより達成され得る。ペクチンは、亜鉛カチオンなどのカチオンでさらにゲル化又は架橋されていてもよい。一実施形態では、前記製剤は、ポリマー(例えば、EUDRAGITポリマー)でさらにコーティングされたイオン架橋ペクチンビーズの形態である。追加の結腸特異的製剤としては、圧力制御薬物送達システム(例えば、エチルセルロースで調製)及び浸透圧制御薬物送達システム(すなわち、ORDS−CT)が挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、腸溶性(内部又は外部)コーティングは、腸溶性エラストマーを含む。いくつかの実施形態では、腸溶性エラストマーは、カルボキシル官能性を有する2以上のポリマーの混合物を含み、2以上のポリマーが互いに水素結合を形成し、腸溶性及び弾性の両方の特性を有する。特定の実施形態では、前記腸溶性エラストマーは、式(I)に示す構造を含む第1のポリマー又は医薬的に許容されるその塩、及び、前記第1のポリマーに水素結合した式(II)に示す構造を含む第2のポリマーを含む。
式(I)中、互いに同一又は異なる各Rはそれぞれ、任意で置換されていてもよいアルキレン、任意で置換されていてもよいヘテロアルキレン、任意で置換されていてもよいアリーレン、及び任意で置換されていてもよいヘテロアリーレンからなる群から選択され、互いに同一又は異なる各Rはそれぞれ、水素、任意で置換されていてもよいアルキル、及び任意で置換されていてもよいヘテロアルキルからなる群から選択され、互いに同一又は異なる各Rはそれぞれ、任意で置換されていてもよいアルキレン及び任意で置換されていてもよいヘテロアルキレンからなる群から選択され、nは25〜250,000の整数である。
式(II)中、互いに同一又は異なる各Rはそれぞれ、任意で置換されていてもよいアルキレン及び任意で置換されていてもよいヘテロアルキレンからなる群から選択され、互いに同一又は異なる各Rはそれぞれ、任意で置換されていてもよいアルキレン及び任意で置換されていてもよいヘテロアルキレンからなる群から選択され、互いに同一又は異なる各Rはそれぞれ、水素、任意で置換されていてもよいアルキル、及び任意で置換されていてもよいヘテロアルキルからなる群から選択され、互いに同一又は異なる各Rはそれぞれ、水素、任意で置換されていてもよいアルキル、及び任意で置換されていてもよいヘテロアルキルからなる群から選択され、互いに同一又は異なる各Rはそれぞれ、任意で置換されていてもよいアルキルであり、pは1〜10の整数、qは1〜10の整数、及びzは1〜150,000の整数であるが、(p+q)*zは20以上である。適切な腸溶性エラストマー及びかかる腸溶性エラストマーの製造方法は、国際公開第2015191922号により詳細に記載されており、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、カプセルは高分子材料を含む。適切な高分子材料の非限定的な例としては、ゼラチン、ポリメチルメタクリレート、ポリ(N,N−ジメチルアクリルアミド)、ポリオキサマー、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、多糖類(例えば、スクロース、トレハロース、グルコース、タピオカやクズウコンなどのデンプン、キトサン、アルギン酸塩、グアーガム)、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリビニルアルコール、ポリアルキレングリコール、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリウレタン、ポリラクチド、ラクチド/グリコリド共重合体、ポリカプロラクトン、ポリジオキサノン、ポリ無水物、ポリヒドロキシブチレート、ポリシロキサン、ポリトリメチレンカーボネート、ポリアルキレングリコール、及びそれらの組み合わせ及び/又は共重合体が挙げられる。実施形態では、カプセルはゼラチンを含む。
特定の実施形態では、カプセルはムチンなどの生体接着性ポリマーを含んでいてもよい。
二重コーティングカプセルの実施形態は、国際公開第2018057747号に開示されており、その内容は参照によりその全体が組み込まれる。
特定の実施形態では、カプセルは特定の形状又はサイズを有する。例えば、いくつかの場合、カプセルは、米国薬局方(USP)に記載の#000カプセル、#00カプセル、#0カプセル、#1カプセル、#2カプセル、#3カプセル、#4カプセル、又は#5カプセルを含むがこれらに限定されない形状又はサイズを有する。他のカプセル形状及び/又はサイズであってもよい。
本明細書に記載されるように、前記細菌株(及び/又は追加の治療薬)の結腸特異的送達のための製剤は、例えば、インビトロ溶解試験を使用して評価され得る。例えば、異なるpHレベルにおける製剤の挙動を特徴づける(characterize)ために、異なる緩衝液での並行溶解試験を実施してもよい。あるいは、インビトロ酵素試験を実施してもよい。例えば、前記製剤は、細菌に適した培地を含む発酵槽でインキュベートされてもよく、異なる時間間隔で放出される薬物の量が決定される。薬物放出研究は、酵素又はラット、モルモット、若しくはウサギの盲腸内容物を含む緩衝液で行うこともでき、特定の時間で放出される薬物の量が決定される。さらなる実施形態では、イヌ、モルモット、ラット、及びブタなどの動物モデルを使用してインビボ評価を実施してもよい。さらに、結腸特異的薬物送達製剤の臨床評価は、結腸特異性薬物送達配合物の臨床評価が、RSC(血中の薬物相対的量、即ち、薬物への相対的全身暴露量)に対するRCE(薬物への相対的結腸組織暴露)の相対比率を検討する薬物送達指数(DDI)を計算することにより評価してもよい。より高い薬物DDIは、より良好な結腸薬物送達を示す。結腸からの薬物吸収は、大腸内視鏡検査及び挿管によりモニタリングされてよい。
様々な実施形態では、本発明の製剤は、消化管での放出領域における細菌株(及び/又は追加の治療薬)を実質的に均一に溶解させる。一実施形態では、本発明の製剤は、細菌株のまばらな又は不均一な放出を最小限に抑える。
様々な実施形態では、本発明の製剤は、消化管に沿って前記細菌株を複数用量で放出する。例えば、前記組成物及び/又は製剤は、腸に沿った異なる位置で、異なる時間に、及び/又は異なるpHで、前記細菌株の複数用量を放出することができる。かかる製剤の全体的な放出プロファイルは、例えば、複数の粒子タイプ又は複数の層を使用して調整してもよい。例えば、一実施形態では、前記細菌株の1回目の用量は、例えば小腸(例えば、十二指腸、空腸、回腸の1又は複数)における放出用に製剤化されてもよい一方で、2回目の用量は、例えば大腸(例えば、盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、又はS状結腸、及び直腸の1又は複数)における遅延放出用に製剤化される。他の例では、前記細菌株の1回目の用量は、例えば小腸(例えば、十二指腸、空腸、回腸の1又は複数)での放出用に製剤化されてもよい一方で、2回目の用量は、例えば小腸の別の部分(例えば、十二指腸、空腸、回腸の1又は複数)における遅延放出用に製剤化される。別の実施形態では、前記細菌株の1回目の用量は、例えば大腸(例えば、盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、又はS状結腸、及び直腸の1又は複数)における放出用に製剤化されてもよい一方で、2回目の用量は、例えば大腸の別の部分(例えば、盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、又はS状結腸、及び直腸の1又は複数)における遅延放出用に製剤化される。様々な実施形態では、前記組成物及び/又は製剤は、腸に沿った異なる場所、異なる時間、及び/又は異なるpHで、少なくとも1用量、少なくとも2用量、少なくとも3用量、少なくとも4用量、又は少なくとも5用量の前記細菌株を放出してもよい。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の細菌株は生きた栄養細胞の形態である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の細菌株は胞子の形態である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の細菌株は凍結乾燥されている。本明細書で使用する用語「凍結乾燥」又は「フリーズドライ」とは、材料を最初に凍結し、次にその中の氷を真空環境で昇華させることにより材料を乾燥させるプロセスを指す。非限定的な例として、凍結乾燥は、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7,799,328号に記載されているものを含む、当技術分野で公知の方法により行うことができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の凍結乾燥細菌株は、腸溶性コーティングされたソフトゲル又はカプセルに入れられる。
一態様では、医薬組成物は、還元剤をさらに含む凍結乾燥製剤を含む。特定の実施形態では、還元剤は、D−システイン及びL−システインからなる群より選択されるシステインを含む。別の態様では、システインの濃度は少なくとも約0.025%である。一態様では、システインの濃度は約0.025%である。別の態様では、システインの濃度は0.025%である。別の態様では、システインの代わりに、又はシステインと組み合わせて、システイン以外の別の還元剤が使用される。一態様では、別の還元剤は、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、チオグリコール酸、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸カリウム、グルタチオン、メチオニン、チオグリセロール、及びアルファトコフェロールを含む群から選択される。
一態様では、システインの濃度は、約0.005%以上、約0.01%以上、約0.015%以上、約0.02%以上、約0.025%以上、約0.03%以上、約0.035%以上、約0.04%以上、約0.045%以上、約0.05%以上、約0.055%以上、約0.06%以上、約0.065%以上、約0.07%以上、約0.075%以上、約0.08%以上、約0.085%以上、約0.09%以上、約0.095%以上、約0.1%以上、約0.12%以上、約0.14%以上、約0.16%以上、約0.18%以上、約0.2%以上、約0.25%以上、約0.3%以上、約0.4%以上、約0.5%以上、約0.6%以上、約0.7%以上、約0.8%以上、約0.9%以上、約1%以上、約2%以上、約4%以上、約6%以上、約8%以上、約10%以上、約12%以上、約14%以上、約16%以上、約18%以上、約20%以上、約22%以上、約24%以上、又は約26%以上である。
一態様では、治療用組成物は抗凍結剤を含む。本明細書で使用される「抗凍結剤」とは、凍結中に活性成分を保護するために製剤に添加される物質を指す。一態様では、抗凍結剤は、ポリエチレングリコール、スキムミルク、エリスリトール、アラビトール、ソルビトール、グルコース、フルクトース、アラニン、グリシン、プロリン、スクロース、ラクトース、リボース、トレハロース、ジメチルスルホキシド(DMSO)、グリセロール、又はそれらの組み合わせを含む、本質的にそれらからなる、又はそれらからなる。本開示の一態様では、抗凍結剤は、5%スクロース、10%スクロース、10%スキムミルク、2.5%スクロースを含む10%トレハロース、2.5%スクロースを含む5%トレハロース、5%マンニトール、0.1%ポリソルベート80を含む5%マンニトール、10%マンニトール、0.1%ポリソルベート80を含む10%マンニトール、5%トレハロース、0.1%ポリソルベート80を含む5%トレハロース、10%トレハロース、及び0.1%ポリソルベート80を含む10%トレハロースからなる群から選択できる。
別の態様では、治療用組成物は、凍結保護剤を含む。本明細書で使用する場合、「凍結保護剤」とは、凍結乾燥(フリーズドライとしても知られる)プロセスの乾燥段階中に有効成分を保護するために製剤に添加される物質を指す。一態様では、同一の物質又は同一の物質の組み合わせが、抗凍結剤及び凍結保護剤の両方として使用される。例示的な凍結保護剤としては、スクロースやトレハロースなどの糖、グルタミン酸ナトリウム又はヒスチジンなどのアミノ酸、ベタインなどのメチルアミン、硫酸マグネシウムなどのリオトロピック塩、三価以上の糖アルコールなどのポリオール、例えば、グリセリン、エリスリトール、グリセロール、アラビトール、キシリトール、ソルビトール、及びマンニトール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、プルロニクス、及びそれらの組み合わせが挙げられる。一態様では、凍結保護剤は、トレハロースやスクロースなどの非還元糖である。一態様では、抗凍結剤又は凍結保護剤は、本段落及び上記段落で言及した1又は複数の物質から本質的になるか又はそれらからなる。
一態様では、抗凍結剤又は凍結保護剤は、細胞内に浸透して膜破裂を引き起こす可能性のある氷晶の形成を防ぐ細胞内薬剤、例えばDMSO、グリセロール、又はPEGを含む。別の態様では、抗凍結剤又は凍結保護剤は、細胞膜に浸透しないが、凍結中に生じる浸透圧の不均衡を改善するように作用する細胞外剤、例えばスクロース、トレハロース、又はデキストロースを含む。
一態様では、本開示は、約12.5%のトレハロースを含む凍結乾燥製剤を含む凍結乾燥糞便微生物製剤を含む医薬組成物を提供する。
一態様では、凍結乾燥製剤は、約5%以上、約7.5%以上、約10%以上、約12.5%以上、約13%以上、約13.5%以上、約14%以上、約14.5%以上、約15%以上、約15.5%以上、約16%以上、約16.5%以上、約17%以上、約17.5%以上、約18%以上、約18.5%以上、約19%以上、約19.5%以上、約20%以上、約22.5%以上、約25%以上、約27.5%以上、約30%以上、約32.5%以上、約35%以上、約37.5%以上、約40%以上、約42.5%以上、約45%以上、約47.5%以上、約50%以上、約52.5%以上、約55%以上、約57.5%以上、又は約60%以上のトレハロースを含む。
様々な実施形態では、本発明の製剤は、米国特許第8,535,713号及び第8,9117,77号、並びに米国特許公開第20120141585号、第20120141531号、第2006/001896号、第2007/0292523号、第2008/0020018号、第2008/0113031号、第2010/0203120号、第2010/0255087号、第2010/0297221号、第2011/0052645号、第2013/0243873号、第2013/0330411号、第2014/0017313号、及び第2014/0234418号の1又は複数に記載されているものの形態を取り、それらの内容はその全体が参照により本明細書に組み入れられる。
様々な実施形態では、本発明の製剤は、国際公開第2008/135090号に記載されているものの形態を取り、その内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
様々な実施形態では、本発明の製剤は、米国特許第4,196,564号、第4,196,565号、第4,247,006号、第4,250,997号、第4,268,265号、第5,317,849号、第6,572,892号、第7,712,634号、第8,074,835号、第8,398,912号、第8,440,224号、第8,557,294号、第8,646,591号、第8,739,812号、第8,810,259号、第8,852,631号、及び第8,911,788号、並びに米国特許公開第2014/0302132号、第2014/0227357号、第20140088202号、第20130287842号、第2013/0295188号、第2013/0307962号、及び第20130184290号の1又は複数に記載されているものの形態を取り、それらの内容はその全体が参照により本明細書に組み入れられる。
用法・用量
本発明に従って投与されるべき細菌株(及び/又は追加の治療薬)の実際の用量は、例えば、特定の剤形及び投与様式に従って変化することが理解されるであろう。細菌株の作用を変更する可能性のある多くの要因(例えば、体重、性別、食事、投与時間、投与経路、排泄率、対象の状態、薬物の組み合わせ、遺伝的素因、及び反応感受性)は、当業者によって考慮され得る。投与は、連続的に、又は最大耐量内の1又は複数の別個の用量で実施することができる。所定の条件のセットに対する最適な投与率は、従来の用法・用量試験を使用して、当業者によって確認され得る。
様々な実施形態では、細菌株の投与量は、患者の微生物叢を調整して生態学的バランスを促進するのに効果的であり、すなわち、本明細書に記載の消化管障害を治療又は予防する。
様々な実施形態では、細菌株の用量には、少なくとも1×10、1×10、1×10、1×10、1×10、1×10、1×1010、1×1011 又は1×1011 を超えるコロニー形成単位(CFU)の細菌(例えば、発芽可能な細菌胞子)が含まれる。
細菌株(及び/又は追加の治療薬)の個々の用量は、例えば、単位剤形あたり約0.01mg〜約5,000mg、約0.01mg〜約4,000mg、約0.01mg〜約3,000mg、約0.01mg〜約2,000mg、約0.01mg〜約1,000mg、約0.01mg〜約950mg、約0.01mg〜約900mg、約0.01mg〜約850mg、約0.01mg〜約800mg、約0.01mg〜約750mg、約0.01mg〜約700mg、約0.01mg〜約650mg、約0.01mg〜約600mg、約0.01mg〜約550mg、約0.01mg〜約500mg、約0.01mg〜約450mg、約0.01mg〜約400mg、約0.01mg〜約350mg、約0.01mg〜約300mg、約0.01mg〜約250mg、約0.01mg〜約200mg、約0.01mg〜約150mg、約0.01mg〜約100mg、約0.1mg〜約90mg、約0.1mg〜約80mg、約0.1mg〜約70mg、約0.1mg〜約60mg、約0.1mg〜約50mg、約0.1mg〜約40mg、約0.1mg〜約30mg、約0.1mg〜約20mg、約0.1mg〜約10mg、約0.1mg〜約5mg、約0.1mg〜約3mg、約0.1mg〜約1mg、又は単位剤形あたり約5mg〜約80mgの有効成分を含む単位剤形(例えば、錠剤又はカプセル)で投与することができる。例えば、単位剤形は、約0.01mg、約0.02mg、約0.03mg、約0.04mg、約0.05mg、約0.06mg、約0.07mg、約0.08mg、約0.09mg、約0.1mg、約0.2mg、約0.3mg、約0.4mg、約0.5mg、約0.6mg、約0.7mg、約0.8mg、約0.9mg、約1mg、約2mg、約3mg、約4mg、約5mg、約6mg、約7mg、約8mg、約9mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約150mg、約200mg、約250mg、約300mg、約350mg、約400mg、約450mg、約500mg、約550mg、約600mg、約650mg、約700mg、約750mg、約800mg、約850mg、約900mg、約950mg、約1,000mg、約2,000mg、約3,000mg、約4,000mg、もしくは約5,000mgの活性成分、又はそれらの数値間の全ての値もしくは範囲の活性成分を含むことができる。
一実施形態では、細菌株(及び/又は追加の治療薬)は、約0.01mg〜約100mg/日、約0.01mg〜約5,000mg/日、約0.01mg〜約4,000mg/日、約0.01mg〜約3,000mg/日、約0.01mg〜約2,000mg/日、約0.01mg〜約1,000mg/日、約0.01mg〜約950mg/日、約0.01mg〜約900mg/日、約0.01mg〜約850mg/日、約0.01mg〜約800mg/日、約0.01mg〜約750mg/日、約0.01mg〜約700mg/日、約0.01mg〜約650mg/日、約0.01mg〜約600mg/日、約0.01mg〜約550mg/日、約0.01mg〜約500mg/日、約0.01mg〜約450mg/日、約0.01mg〜約400mg/日、約0.01mg〜約350mg/日、約0.01mg〜約300mg/日、約0.01mg〜約250mg/日、約0.01mg〜約200mg/日、約0.01mg〜約150mg/日、約0.1mg〜約100mg/日、約0.1mg〜約95mg/日、約0.1mg〜約90mg/日、約0.1mg〜約85mg/日、約0.1mg〜約80mg/日、約0.1mg〜約75mg/日、約0.1mg〜約70mg/日、約0.1mg〜約65mg/日、約0.1mg〜約60mg/日、約0.1mg〜約55mg/日、約0.1mg〜約50mg/日、約0.1mg〜約45mg/日、約0.1mg〜約40mg/日、約0.1mg〜約35mg/日、約0.1mg〜約30mg/日、約0.1mg〜約25mg/日、約0.1mg〜約20mg/日、約0.1mg〜約15mg/日、約0.1mg〜約10mg/日、約0.1mg〜約5mg/日、約0.1mg〜約3mg/日、約0.1mg〜約1mg/日、又は約5mg〜約80mg/日の量で投与される。様々な実施形態では、細菌株(及び/又は追加の治療薬)は、約0.01mg、約0.02mg、約0.03mg、約0.04mg、約0.05mg、約0.06mg、約0.07mg、約0.08mg、約0.09mg、約0.1mg、約0.2mg、約0.3mg、約0.4mg、約0.5mg、約0.6mg、約0.7mg、約0.8mg、約0.9mg、約1mg、約2mg、約3mg、約4mg、約5mg、約6mg、約7mg、約8mg、約9mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約150mg、約200mg、約250mg、約300mg、約350mg、約400mg、約450mg、約500mg、約550mg、約600mg、約650mg、約700mg、約750mg、約800mg、約850mg、約900mg、約950mg、約1,000mg、約2,000mg、約3,000mg、約4,000mg、もしくは約5,000mgの1日用量で投与され、又はそれらの数値間の全ての値もしくは範囲の1日用量で投与される。
いくつかの実施形態では、細菌株(及び/又は追加の治療薬)の適切な用量は、対象において約0.01mg/kg〜約100mg/kg(体重)、例えば、約0.01mg/kg(体重)、約0.02mg/kg(体重)、約0.03mg/kg(体重)、約0.04mg/kg(体重)、約0.05mg/kg(体重)、約0.06mg/kg(体重)、約0.07mg/kg(体重)、約0.08mg/kg(体重)、約0.09mg/kg(体重)、約0.1mg/kg(体重)、約0.2mg/kg(体重)、約0.3mg/kg(体重)、約0.4mg/kg(体重)、約0.5mg/kg(体重)、約0.6mg/kg(体重)、約0.7mg/kg(体重)、約0.8mg/kg(体重)、約0.9mg/kg(体重)、約1mg/kg(体重)、約1.1mg/kg(体重)、約1.2mg/kg(体重)、約1.3mg/kg(体重)、約1.4mg/kg(体重)、約1.5mg/kg(体重)、約1.6mg/kg(体重)、約1.7mg/kg(体重)、約1.8mg/kg(体重)、約1.9mg/kg(体重)、約2mg/kg(体重)、約3mg/kg(体重)、約4mg/kg(体重)、約5mg/kg(体重)、約6mg/kg(体重)、約7mg/kg(体重)、約8mg/kg(体重)、約9mg/kg(体重)、約10mg/kg(体重)、約20mg/kg(体重)、約30mg/kg(体重)、約40mg/kg(体重)、約50mg/kg(体重)、約60mg/kg(体重)、約70mg/kg(体重)、約80mg/kg(体重)、約90mg/kg(体重)、もしくは約100mg/kg(体重)であり、又はそれらの数値間の全ての値もしくは範囲にある。他の実施形態では、細菌株(及び/又は追加の治療薬)の適切な用量は、約0.01mg/kg〜約100mg/kg(体重)の範囲、約0.01mg/kg〜約90mg/kg(体重)の範囲、約0.01mg/kg〜約80mg/kg(体重)の範囲、約0.01mg/kg〜約70mg/kg(体重)の範囲、約0.01mg/kg〜約60mg/kg(体重)の範囲、約0.01mg/kg〜約50mg/kg(体重)の範囲、約0.01mg/kg〜約40mg/kg(体重)の範囲、約0.01mg/kg〜約30mg/kg(体重)の範囲、約0.01mg/kg〜約20mg/kg(体重)の範囲、約0.01mg/kg〜約10mg/kg(体重)の範囲、約0.01mg/kg〜約9mg/kg(体重)の範囲、約0.01mg/kg〜約8mg/kg(体重)の範囲、約0.01mg/kg〜約7mg/kg(体重)の範囲、約0.01mg/kg〜約6mg/kg(体重)の範囲、約0.05mg/kg〜約5mg/kg(体重)の範囲、約0.05mg/kg〜約4mg/kg(体重)の範囲、約0.05mg/kg〜約3mg/kg(体重)の範囲、約0.05mg/kg〜約2mg/kg(体重)の範囲、約0.05mg/kg〜約1.5mg/kg(体重)の範囲、又は約0.05mg/kg〜約1mg/kg(体重)の範囲である。
一態様では、本明細書において提供される治療用組成物は、シャノン多様度指数(Shannon Diversity Index)が、0.3以上、0.4以上、0.5以上、0.6以上、0.7以上、0.8以上、0.9以上、1.0以上、1.1以上、1.2以上、1.3以上、1.4以上、1.5以上、1.6以上、1.7以上、1.8以上、1.9以上、2.0以上、2.1以上、2.2以上、2.3以上、2.4以上、2.5以上、3.0以上、3.1以上、3.2以上、3.3以上、3.4以上、3.5以上、3.6以上、3.7以上、3.8以上、3.9以上、4.0以上、4.1以上、4.2以上、4.3以上、4.4以上、4.5以上、又は5.0以上である糞便微生物叢を含む。別の態様では、治療用組成物は、シャノン多様度指数が、0.1〜3.0、0.1〜2.5、0.1〜2.4、0.1〜2.3、0.1〜2.2、0.1〜2.1、0.1〜2.0、0.4〜2.5、0.4〜3.0、0.5〜5.0、0.7〜5.0、0.9〜5.0、1.1〜5.0、1.3〜5.0、1.5〜5.0、1.7〜5.0、1.9〜5.0、2.1〜5.0、2.3〜5.0、2.5〜5.0、2.7〜5.0、2.9〜5.0、3.1〜5.0、3.3〜5.0、3.5〜5.0、3.7〜5.0、31.9〜5.0、又は4.1〜5.0である糞便微生物叢を含む。一態様では、シャノン多様度指数は、門レベルで計算される。別の態様では、シャノン多様度指数は、科レベルで計算される。一態様では、シャノン多様度指数は、属レベルで計算される。別の態様では、シャノン多様度指数は、種レベルで計算される。さらなる態様では、治療用組成物は、正常かつ健康なヒト糞便細菌叢に類似する比例した含有量の細菌叢の調製物を含む。
本明細書で使用される「シャノン多様度指数」とは、以下の式を使用して、特定の群落に存在する種の豊富さと均一性とを説明する多様度指数を指す:
Hはシャノン多様度指数、Rは群落内の種の総数、及びpiはi番目の種で構成されるRの割合を示す。より高い値は、多様で均等に分散した群落を示し、0の値は、特定の群落に1種のみが存在することを示す。さらに、Shannon and Weaver,(1949) The mathematical theory of communication. The University of Illinois Press, Urbana. pp. 117を参照。
本発明の特定の実施形態によれば、前記細菌株は、例えば、1日1回以上、1日約1回、約1日おき、約3日ごと、約1週間に1回、約2週間に1回、約1ヶ月に1回、約2ヶ月に1回、約3ヶ月に1回、約6ヶ月に1回、又は約1年に1回投与されてもよい。
一態様では、本開示は、治療を必要とする対象の障害を治療する方法を提供し、この方法は、本明細書に記載の治療用組成物の医薬的に活性な用量を前記対象に投与することを含む。一態様では、本開示は、治療を必要とする対象の障害を治療する方法を提供し、この方法は、本明細書に記載の治療用組成物の医薬的に活性な用量を前記対象に毎日投与することを含む。一態様では、治療用組成物は、それを必要とする患者に、少なくとも1日1回、少なくとも二日間連続で投与される。一態様では、治療用組成物は、少なくとも1日1回、少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、又は15日間連続で投与される。別の態様では、治療用組成物は、少なくとも1日1回、少なくとも、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12週間連続で投与される。別の態様では、治療用組成物は、少なくとも週に2回、3回、4回、又は5回、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12週間連続で投与される。一態様では、治療用組成物は、少なくとも1日1回、最大4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20日間又は週間連続で投与される。別の態様では、治療用組成物は、少なくとも1日1回、最大1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12週間又は月間連続で投与される。さらなる態様では、治療用組成物は、少なくとも連続する1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12ヶ月間又は年間に少なくとも1回、慢性的に対象の一生涯の間又は無期限の期間投与される。
一態様では、治療用組成物は、それを必要とする患者に、少なくとも1日2回、少なくとも二日間連続で投与される。一態様では、治療用組成物は、少なくとも1日2回、少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、又は15日間連続で投与される。別の態様では、治療用組成物は、少なくとも1日2回、少なくとも、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12週間連続で投与される。一態様では、治療用組成物は、少なくとも1日2回、最大4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20日間又は週間連続で投与される。別の態様では、治療用組成物は、少なくとも1日2回、最大1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12週間又は月間連続で投与される。さらなる態様では、治療用組成物は、少なくとも連続する1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12ヶ月間又は年間に少なくとも2回、慢性的に対象の一生涯の間又は無期限の期間投与される。
一態様では、治療用組成物は、それを必要とする患者に、少なくとも1日3回、少なくとも二日間連続で投与される。一態様では、治療用組成物は、少なくとも1日3回、少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、又は15日間連続で投与される。別の態様では、治療用組成物は、少なくとも1日3回、少なくとも、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12日間連続で投与される。一態様では、治療用組成物は、少なくとも1日3回、最大4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20日間又は週間連続で投与される。別の態様では、治療用組成物は、少なくとも1日3回、最大1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12週間又は月間連続で投与される。さらなる態様では、治療用組成物は、少なくとも連続する1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12ヶ月間又は年間に少なくとも3回、慢性的に対象の一生涯の間又は無期限の期間投与される。
一態様では、本開示は、治療を必要とする対象の障害を治療する方法を提供し、この方法は、本明細書に記載の凍結乾燥製剤中の生きた非病原性の合成細菌混合物又は生きた非病原性の純化又は抽出された糞便微生物叢を含む治療用組成物の医薬的に活性な用量を前記対象に経口投与することを含み、用量は、少なくとも連続する3日間又は週間の1日少なくとも1回又は2回の投与スケジュールで投与される。別の態様では、用量は、少なくとも1日1回、2回、又は3回、1〜12週間、2〜12週間、3〜12週間、4〜12週間、5〜12週間、6〜12週間、7〜12週間、8〜12週間、9〜12週間、10〜12週間、1〜2週間、2〜3週間、3〜4週間、4〜5週間、5〜6週間、6〜7週間、7〜8週間、8〜9週間、9〜10週間、又は10〜11週間の期間投与される。
一態様では、本開示は、本明細書に記載の医薬組成物を投与することにより、それを必要とする対象の障害を治療する方法を提供し、この方法は第1の投与スケジュールとそれに続く第2の投与スケジュールを含む。一態様では、第1の投与スケジュールは、治療又は導入用量を含む。一態様では、第1の投与スケジュールは、連続投与スケジュールを含む。別の態様では、第2の投与スケジュールは、第1の投与スケジュールの医薬的に活性な用量以下の維持用量を含む。別の態様では、第2の投与スケジュールは、少なくとも約2、4、6、8、10、12、18、24、36、48、72、又は96ヶ月間継続する。一態様では、第2の投与スケジュールは、治療対象の一生涯又は無期限の期間永続的に続く。一態様では、第2の投与スケジュールは、連続的な投与スケジュールである。別の態様では、第2の投与スケジュールは、断続的な投与スケジュールである。さらなる態様では、第2の投与スケジュールは、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、又は14日間の治療期間とそれに続く少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、又は14日間の休薬期間を含む、断続的な投与スケジュールである。別の態様では、第2の投与スケジュールは、2回目の用量(例えば、維持用量)を1日おき、2日ごと、又は3、4、5、6、7、若しくは8日ごとに投与することを含む。別の態様では、維持用量は、滴定を伴う又は伴わない長期間、投与される(そうでなければ投与量又は投与スケジュールを変更する)。一態様では、第1の投与スケジュールと第2の投与スケジュールとの間隔は、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12週間である。別の態様では、第2の投与スケジュール(例えば、維持用量)は、第1の投与スケジュールで使用される投与量(例えば、初期治療投与量)よりも約2、5、10、50、100、200、400、800、1000、又は5000倍以上低い投与量を含む。別の態様では、第2の投与スケジュール(例えば、維持投与スケジュール)は、第1の投与スケジュール(例えば、初期治療投与スケジュール)以下の投与頻度を有する。別の態様では、第2の投与スケジュール(例えば、維持投与スケジュール)は、第1の投与スケジュール(例えば、初期治療投与スケジュール)よりも長い投与間隔を有する。
一態様では、本方法で使用される第1の投与スケジュール又は第2の投与スケジュールは、週1回、週2回、又は週3回であり得る。「週1回」という用語は、週に1回、好ましくは各週の同じ日に投与されることを意味する。「週2回」とは、週に2回、好ましくは各週の同じ2日間に投与されることを意味する。「週3回」とは、週に3回、好ましくは各週の同じ3日間に投与されることを意味する。
追加の治療薬及び併用療法又は共製剤
本発明の製剤の投与は、追加の治療薬と組み合わせてもよい。追加の治療薬と本発明の製剤の同時投与は、同時又は逐次的であってもよい。さらに、本発明の製剤は、追加の治療薬を(例えば、共製剤を介して)含んでもよい。例えば、追加の治療薬と前記細菌株とを組み合わせて単一の製剤にしてもよい。
一実施形態では、追加の治療薬及び前記細菌株は、対象に同時に投与される。本明細書で使用される「同時に」という用語は、追加の治療薬及び前記細菌株が、約30分未満、約20分未満、約10分未満、約5分未満、又は約1分未満などの約60分未満の時間間隔で投与されることを意味する。追加の治療薬及び前記細菌株の投与は、単一製剤(例えば、追加の治療薬と前記細菌株を含む製剤)又は別個の製剤(例えば、追加の治療薬を含む第1の製剤及び前記細菌株を含む第2の製剤)の同時投与によるものであり得る。
同時投与では、追加の治療薬は、それらの投与のタイミングが、追加の治療薬と前記細菌株の薬理活性が時間的に重複するようなものである場合、同時に投与する必要はない。例えば、追加の治療薬及び前記細菌株は逐次的に投与することができる。本明細書で使用される「逐次的に」という用語は、追加の治療薬及び前記細菌株が約60分を超える時間間隔で投与されることを意味する。例えば、追加の治療薬及び前記細菌株の逐次的投与の間の時間間隔は、約60分超、約2時間超、約5時間超、約10時間超、約1日超、約2日超、約3日超、又は約1週間超であり得る。最適な投与時間は、投与される追加の治療薬及び前記細菌株の代謝、排泄、及び/又は薬力学的活性の速度によって決まる。追加の治療薬又は前記細菌株のいずれかを最初に投与してもよい。
さらなる実施形態において、前記追加の治療薬及び細菌株は、対象に同時に投与されるが、消化管における追加の治療薬及び細菌株のそれぞれの剤形(又は共製剤の場合は単一単位剤形)からの放出が連続して起こる。
同時投与では、追加の治療薬を同じ投与経路で対象に投与する必要性もない。むしろ、各追加の治療薬は、例えば、非経口的又は経口的など、任意の適切な経路で投与することができる。
いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、対象が現在感染している及び/又は感染するリスクがある病原菌の現在の標準治療導入療法で使用される薬剤であり、例えば、1又は複数の抗炎症薬、プロバイオティクス剤、プレバイオティクス剤、止瀉剤、鎮痛剤、及び抗生物質である。
いくつかの実施形態では、追加の治療薬は、ステロイド性抗炎症薬又は非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDS)などの抗炎症薬である。ステロイド、特に副腎コルチコステロイド及びそれらの合成類似体は、当技術分野で公知である。本発明において有用なコルチコステロイドとしては、ヒドロキシルトリアムシノロン、α−メチルデキサメタゾン、β−メチルベタメタゾン、ベクロメタゾンジプロピオネート、ベタメタゾン安息香酸塩、ジプロピオン酸ベタメタゾン、吉草酸ベタメタゾン、吉草酸クロベタゾール、デソニド、デスオキシメタゾン、デキサメタゾン、二酢酸ジフロラゾン、吉草酸ジフルコルトロン、フルアドレノロン、フルクロロロンアセトニド、ピバリン酸フルメタゾン、フルオシノロンアセトニド、フルオシノニド、フルコルチゾン酪酸エステル、フルオコルトロン、酢酸フルプレドニデン(フルプレドニリデン)、フルランドレノロン、ハルシノニド、酢酸ヒドロコルチゾン、酪酸ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、トリアムシノロンアセトニド、コルチゾン、コルトドキソン、フルセトニド、フルドロコルチゾン、ジフルオロゾンジアセテート、フルラドレノロンアセトニド、メドリゾン、アムシナフェル、アムシナフィド、ベタメタゾン及びそのエステル残部、クロロプレドニゾン、クロコルテロン、クレシノロン、ジクロリゾン、ジフルルプレドネート、フルクロロニド、フルニゾリド、フルオロメタロン、フルペロロン、フルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、メプレドニゾン、パラメタゾン、プレドニゾロン、プレドニゾン、並びにベクロメタゾンジプロピオネートが挙げられるが、これらに限定されない。本発明において使用可能な非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)としては、サリチル酸、アセチルサリチル酸、サリチル酸メチル、サリチル酸グリコール、サリチルアミド、ベンジル−2,5−ジアセトキシ安息香酸、イブプロフェン、スリンダク、ナプロキセン、ケトプロフェン、エトフェナメート、フェニルブタゾン、及びインドメタシンが挙げられるが、これらに限定されない。追加の抗炎症剤は、例えば、米国特許第4,537,776号に記載されており、その全内容は参照により本明細書に組み込まれている。
いくつかの実施形態では、追加の治療薬はプロバイオティクスである。本発明での使用に適したプロバイオティクスとしては、サッカロミセス・ブラウディ(Saccharomyces boulardii)、ラクトバチルス・ラムノサス(Lactobacillus rhamnosus)GG、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)299v、クロストリジウム・ブチリカム(Clostridium butyricum)M588、クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)VP20621(非毒素産生のC. difficile株)、ラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)とラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus(Bio−K + CL1285))との組み合わせ、ラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)と、ラクトバチルス・ブルガリクス(Lactobacillus bulgaricus)と、ストレプトコッカス・サーモフィラス(Streptococcus thermophilus)との組み合わせ(Actimel)、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)とビフィドバクテリウム・ビフィドゥム(Bifidobacterium bifidum)との組み合わせ(Florajen3)、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)と、ラクトバチルス・ブルガリクス・デルブリュッキイ亜種ブルガリクス(Lactobacillus bulgaricus delbrueckii subsp. bulgaricus)と、ラクトバチルス・ブルガリクス・カゼイ(Lactobacillus bulgaricus casei)と、ラクトバチルス・ブルガリクス・プランタルム(Lactobacillus bulgaricus plantarum)と、ビフィドバクテリウム・ロングム(Bifidobacterium longum)と、ビフィドバクテリウム・インファンティス(Bifidobacterium infantis)と、ビフィドバクテリウム・ブレーベ(Bifidobacterium breve)と、ストレプトコッカス・サリバリウス亜種サーモフィルス(Streptococcus salivarius subsp.thermophilus)との組み合わせ(VSL#3))が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の組成物及び方法は、1又は複数のプレバイオティクスをさらに含み得る。
プレバイオティクスは、宿主微生物が選択的に使用することにより、対象/患者に健康上の利益をもたらす基質である。理論に縛られることを望むものではないが、プレバイオティクスは、例えば、有益な細菌の1又は複数の菌株の増殖又は活性を刺激するために、微生物叢及び/又は微生物組成中の細菌を栄養的に補うために加えられる。さらに、プレバイオティクスは、単離又は純化、凍結、フリーズドライ、噴霧乾燥、溶液での再構成などに続く細菌株への「ショック」を防ぐために添加してもよい。
プレバイオティクスの例としては、アミノ酸類、硝酸アンモニウム、アミロース、大麦マルチ、ビオチン、炭酸塩、セルロース、キチン、コリン、フラクトオリゴ糖類(FOS)、フルクトース、ガラクトオリゴ糖類(GOS)、グルコース、グリセロール、ヘテロ多糖類、ヒスチジン、ホモ多糖類、ハイドロキシアパタイト、イヌリン、イソマルツロース、ラクトース、ラクツロース、マルトデキストリン、マルトース、マンノオリゴ糖類、タガトース、窒素、オリゴデキストロース、オリゴフルクトース、オリゴフルクトース富化イヌリン、オリゴ糖類、ペクチン、リン酸塩類、リン、ポリデキストロース類、ポリオール、カリ、カリウム、硝酸ナトリウム、デンプン、スクロース、硫黄、サンファイバー(Sunfiber)、タガトース、チアミン、トランスガラクトオリゴ糖類、トレハロース、ビタミン、水溶性炭水化物、及び/又はキシロオリゴ糖類(XOS)が挙げられる。
実施形態では、プレバイオティクスを本発明の微生物組成物に(例えば、乾燥又は液体形態で)添加することができる。
あるいは又はさらに、プレバイオティクスは、本発明の微生物組成物を欠く別個の医薬組成物に(例えば、乾燥又は液体形態で)含めることができる。
プレバイオティクスは、微生物組成物を含む医薬組成物又は微生物組成物を含まない医薬組成物のいずれかで、本発明の微生物組成物を含む医薬組成物を投与する前、同時、及び/又は後に、対象に提供され得る。
プレバイオティクスは、単回投与又は複数回投与で提供されてもよい。単一の組成物として提供される場合、単一の組成物は、単一のプレバイオティクス又はプレバイオティクスの混合物を含んでいてもよい。複数の組成物で提供される場合、各組成物は単一のプレバイオティクス又はプレバイオティクスの混合物を含んでいてもよい。
例として、複数回用量が提供される場合、プレバイオティクスを含む第1の組成物は1つの特定のプレバイオティクス、例えばイヌリンを含み、第2の組成物は第2の特定のプレバイオティクス、例えばペクチンを含み得る。あるいは、第1の組成物は、プレバイオティクス、例えばイヌリンとペクチンの混合物を含んでいてもよく、第2の組成物はプレバイオティクスの異なる混合物、例えばイヌリンとFOSの混合物を含んでいてもよい。第1の組成物はプレバイオティクスの混合物を含んでいてもよく、第2の組成物は1つの特定のプレバイオティクスを含んでいてもよい。
対象/患者に提供される及び/又は組成物に含まれるプレバイオティクスの量は、特定のプレバイオティクス、有益な細菌の特定の細菌株、及び/又は対象/患者の病状によって決まる。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は止瀉剤である。本発明での使用に適した止瀉剤としては、DPP−IV阻害剤、天然オピオイド、例えばアヘンチンキ、パレゴリック、及びコデインなど、合成オピオイド、例えばジフェノキシラート、ジフェノキシン、及びロペラミドなど、次サリチル酸ビスマス、ランレオチド、バプレオチド、及びおよびオクトレオチド、モチルン(motiln)アンタゴニスト、セレコキシブなどのCOX2阻害剤、グルタミン、サリドマイド並びに従来の止瀉薬、例えばカオリン、ペクチン、ベルベリン、及びムスカリン作用薬が挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、追加の治療薬は鎮痛剤であり得る。本発明の組成物及び方法に有用な鎮痛剤としては、モルヒネ、コデイン、ヘロイン、メサドン及び関連化合物、テバイン、オルピアビン(orpiavine)及びその誘導体、ブプレノルフィン、ピペリジン、モルフィナン、ベンゾモルファン、テトラヒドロイソキノリン、チアムブタン(thiambutane)、ベンジルアミン、チリジン、ビミノール、ネホパム、カプサイシン(8−メチル−N−バニリル−6E−ノネンアミド)、「合成」カプサイシン(N−バニリルノナミド)及び関連化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、追加の治療薬は抗菌剤であり、セファロスポリン系抗生物質(セファレキシン、セフロキシム、セファドロキシル、セファゾリン、セファロチン、セファクロル、セファマンドール、セフォキシチン、セフプロジル、及びセフトビプロル)、フルオロキノロン系抗生物質(シプロ、レバキン、フロキシン、テキン、アベロックス、及びノルフロックス)、テトラサイクリン系抗生物質(テトラサイクリン、ミノサイクリン、オキシテトラサイクリン、及びドキシサイクリン)、ペニシリン系抗生物質(アモキシシリン、アンピシリン、ペニシリンV、ジクロキサシリン、カルベニシリン、バンコマイシン、及びメチシリン)、モノバクタム系抗生物質(aztreonam)、及びカルバペネム系抗生物質(エルタペネム、ドリペネム、イミペネム/シラスタチン、及びメロペネム)が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、抗菌剤は、ペニシリン、セファロスポリン、モノバクタム、及びカルバペネム抗生物質のいずれかであり得る。
いくつかの実施形態では、追加の治療薬には、限定されるものではないが、短鎖脂肪酸、酪酸塩、プロピオン酸塩、酢酸塩、IL−2、IL−22、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)、GLP−2及び類似体、GLP−1、IL−10、IL−27、TGF−β1、TGF−β2、N−アシルホスファチジルエタノールアミン(NAPE)、エラフィン(ペプチダーゼ阻害剤3及びSKALPとも称される)、トレフォイル因子、メラトニン、トリプトファン、PGD2、及びキヌレン酸、インドール代謝産物、並びにその他のトリプトファン代謝産物が含まれる。
本発明の態様は、細菌混合物及び抗がん治療薬を含む医薬組成物に関する。抗がん治療薬は化学療法剤であってもよい。本発明の医薬組成物では、経口投与用に製剤化できる化学療法剤及び前記細菌混合物を組み合わせて、カプセルに一緒にカプセル化することができる。あるいは、化学療法剤は、前記細菌混合物をカプセル化するカプセルをコーティングする層に含まれていてもよい。実施形態において、化学療法剤及び前記細菌混合物を含む医薬組成物は、別々の剤形である。実施形態において、前記医薬組成物を必要とする対象は、細菌混合物と共に、又は細菌混合物から分離して、化学療法剤を受けた、受けている、又は将来受ける。
実施形態では、経口投与用に製剤化することができる化学療法剤はいずれも使用され得る。かかる化学療法剤としては、Afinitor(エベロリムス)、Alecensa(アレクチニブ)、Alkeran(メルファラン)、Alunbrig(ブリガチニブ)、Arimidex(アナストロゾール)、Aromasin(エキセメスタン)、Bosulif(ボスチニブ)、Cabometyx(カボザンチニブ)、Caprelsa(バンデタニブ)、Casodex(ビカルタミド)、Cometriq(カボザンチニブ)、Cotellic(コビメチニブ)、Cyclophosphamide(シクロホスファミド CAPS)、Cytoxan(シクロホスファミド)、Droxia(ヒドロキシウレア)、Emcyt(エストラムスチン)、Erivedge(ビスモデギブ)、エトポシド、Fareston(トレミフェンクエン酸塩)、Farydak(パノビノスタット)、Femara(レトロゾール)、フルタミド、Gilotrif(アファチニブ)、Gleevec(イマチニブ)、Gleostine(ロムスチン)、Hexalen(アルトレタミン)、Hycamtin(トポテカン)、Hydrea(ヒドロキシウレア)、Ibrance(パルボシクリブ)、Iclusig(ポナチニブ)、Idamycin(イダルビシン)、Idhifa(エナシデニブ)、Imbruvica(イブルチニブ)、Inlyta(アキシチニブ)、Iressa(ゲフィチニブ)、Jakafi(ルキソリチニブ)、Kisqali(リボシクリブ)、Kisqali Femara Co−Pack(リボシクリブ及びレトロゾール)、Lenvima(レンバチニブ)、ロイコボリン、Leukeran(クロラムブシル)、Lonsurf(トリフルリジン/チピラシル)、Lynparza(オラパリブ)、Lysodren(ミトタン)、Matulane(プロカルバジン)、Megace(メゲストロールアセテート)、Mekinist(トラメチニブ)、メルカプトプリン、Mesnex(メスナ)、メトトレキサート、Myleran(ブスルファン)、Navelbine(ビノレルビン)、Nerlynx(ネラチニブ)、Nexavar(ソラフェニブ)、Nilandron(ニルタミド)、Ninlaro(イキサゾミブ)、Odomzo(ソニデジブ)、Pomalyst(ポマリドミド)、Purixan(メルカプトプリン懸濁液)、Revlimid(レナリドミド)、Rubraca(ルカパリブ)、Rydapt(ミドスタウリン)、Soltamox(クエン酸タモキシフェン)、Sprycel(ダサチニブ)、Stivarga(レゴラフェニブ)、Sutent(スニチニブ)、Tabloid(チオグアニン)、Tafinlar(ダブラフェニブ)、Tagrisso(オシメルチニブ)、タモキシフェン、Tarceva(エルロチニブ)、Targretin(ベキサロテン)、Tasigna(ニロチニブ)、Temodar(テモゾロミド)、Thalomid(サリドマイド)、Toposar(エトポシド)、トレチノイン、Trexall(メトトレキサート)、Tykerb(ラパチニブ)、Venclexta(ベネトクラックス)、Votrient(パゾパニブ)、Xalkori(クリゾチニブ)、Xatmep(メトトレキサート溶液)、Xeloda(カペシタビン)、Xtandi(エンザルタミド)、Zejula(ニラパリブ)、Zelboraf(ベムラフェニブ)、Zolinza(ボリノスタット)、Zydelig(イデラリシブ)、Zykadia(セリチニブ)、又はZytiga(アビラテロン)、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
実施形態では、医薬組成物は、カプセル、錠剤、又は丸薬の形態であり得る。実施形態では、カプセル、錠剤、又は丸薬をコーティングするか、そうでなければ配合して、長時間作用の利点をもたらす剤形を提供することができる。例えば、カプセル、錠剤、又は丸薬は、内部投与量(例えば、細菌混合物)及び外部投与量成分(例えば、化学療法剤及び/又は追加の治療薬)を含むことができ、後者は前者を覆うエンベロープの形態である。この2つの成分は、胃での崩壊に抵抗し、内部成分が十二指腸又は結腸を通過すること、及び/又は放出を遅らせることを可能にする腸溶性層により分離され得る。かかる腸溶性層又はコーティングに様々な材料を(本明細書に記載されるように)使用することができる。例示的な材料には、複数のポリマー酸、及びシェラック、セチルアルコール、酢酸セルロースなどの材料とポリマー酸との混合物が含まれる。
全ての追加の治療薬組成物及び方法について、本明細書に記載されるように、消化管の様々な部分を標的とすることが採用され得る。
様々な実施形態では、本発明の方法の患者は、1又は複数の追加の治療薬による治療を受けており、非限定的に、かかる追加の治療薬は微生物叢を破壊する可能性がある。
治療方法
様々な実施形態では、本発明は、患者の微生物叢を調節して生態学的バランスを提供又は回復する方法を提供する。例えば、様々な実施形態では、本明細書には、本明細書の他の記載における1種類又は複数種類の病原性細菌を減少又は抑制する方法が提供される。様々な実施形態では、本発明の細菌株の混合物は、投与前に患者の消化管に検出可能に存在しない少なくとも1種類の細菌の増殖を促進し、様々な実施形態では、非病原性である。
様々な実施形態では、本発明は、患者の腸の病原体又は患者における病原性共生生物に対する生態学的制御を回復又は強化する方法を提供する。
様々な実施形態では、本発明は、本明細書に記載の有効量の医薬組成物をその必要性のある対象又は患者に投与することを含む、消化管の腸内細菌叢異常に関連する疾患又は状態を治療又は予防する方法を提供する。
理論に縛られることを望むものではないが、本発明の細菌株の混合物は、1又は複数のメカニズムを通じて、腸バリアを保護、維持、及び修復するように作用する。1番目のメカニズムは、粘液層の厚さを増やし、結腸細胞の健康を維持し、IgA産生を誘導する短鎖脂肪酸(SCFA)の産生である。2番目のメカニズムは、多くのヒト細菌病原体を標的とする抗菌ペプチドの産生を調節するToll様受容体(TLR)の活性化によるものである。2番目のメカニズムでは、様々な細菌産物がTLR−MyD88を介した経路を介して免疫系を刺激する。この経路を刺激すると、抗菌性タンパク質が上方制御される。抗菌タンパク質及びペプチドは、腸上皮細胞及びパネート細胞によって産生され、望ましくない細菌種(片利共生的及び病原性の両方)から防御する。多くの場合、様々な細菌産物がこの経路の刺激に関与している。例えば、フラジェリンは、C型レクチンであるRegIIIgammaの産生を誘導するTLR5アゴニストである。RegIIIgammaは、バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)を含むグラム陽性病原体を死滅させる役割を有する。
さらに、本発明の細菌株の混合物は、結腸上皮粘液の肥厚化、IgA産生の増加、抗菌ペプチド産生の増加、及び/又はタイトジャンクションの完全性の改善を介して腸バリアを保護、維持、及び回復するように作用する。
様々な実施形態では、本発明の方法は、微生物叢媒介障害を治療又は予防することを含む。例示的な微生物叢媒介障害には、例えば、その全内容が参照により本明細書に組み込まれる国際公開第2014/121298号の表3に見られるものが含まれるが、これらに限定されない。
様々な実施形態では、本発明は、消化管の腸内細菌叢異常に関連する疾患又は状態に苦しむ患者を治療する方法を提供する。いくつかの実施形態では、患者は炎症性腸疾患(IBD)、例えばクローン病、大腸炎(例えば、潰瘍性大腸炎(UC)又は顕微鏡的大腸炎)、又は嚢炎を患っている。炎症性腸疾患(IBD)は大腸の炎症状態の一群であり、場合によっては小腸の炎症状態の一群である。本発明により治療され得る炎症性腸疾患(IBD)の主な形態には、クローン病、UC、嚢炎、膠原性大腸炎、リンパ球性大腸炎、虚血性大腸炎、転用性大腸炎、ベーチェット症候群、感染性大腸炎、及び不確定性大腸炎が含まれるが、これらに限定されない。一実施形態では、本発明は、潰瘍性大腸炎(UC)を治療する方法を提供する。別の実施形態では、本発明は、クローン病(CD)を治療する方法を提供する。さらなる実施形態において、本発明は、嚢炎を治療する方法を提供する。
様々な実施形態では、本発明の方法は、潰瘍性大腸炎(UC)の治療に利用される。潰瘍性大腸炎(UC)は炎症性腸疾患(IBD)の1つの形態である。これは、結腸の慢性疾患であり、結腸の内層が炎症を起こし、膿及び粘液を産生する小さな開放創(ただれ)又は潰瘍を発症する。いくつかの実施形態では、本発明の方法は、潰瘍性大腸炎(UC)に関連する炎症及び/又は潰瘍形成を改善、軽減、又は排除する。いくつかの実施形態では、本発明の方法は、腹部不快感又は痛み、結腸の頻繁な排出、腸運動の喪失及び便意切迫、持続性下痢、血便、食欲不振、並びに体重減少を含むがこれらに限定されない、潰瘍性大腸炎(UC)に関連する1又は複数の症状を改善、軽減、又は排除する。いくつかの実施形態では、本発明の方法は、潰瘍性大腸炎(UC)に苦しむ子供の成長及び発達の遅延を低減又は防止し得る。
いくつかの実施形態では、本発明は、過敏性腸症候群(IBS)を治療する方法を提供する。過敏性腸症候群(IBS)は、結腸に影響を及ぼす一般的な障害であり、けいれん、腹痛、腹部膨満、ガス、下痢、及び便秘を引き起こす可能性がある。過敏性腸症候群(IBS)は、下痢の主な症状(主な下痢を伴うIBS、IBS−D)、便秘(主な便秘を伴うIBS、IBS−C)、又は混合症状(便秘と下痢が交互に起こるIBS、IBS−A)に基づいて分類される。本発明の方法は、IBS−D、IBS−C、及び/又はIBS−Aの1又は複数を治療するのに効果的である。いくつかの実施形態では、本発明の方法は、IBS−D、IBS−C、及び/又はIBS−Aの1又は複数に関連する1又は複数の症状を改善、軽減、又は排除する。
いくつかの実施形態では、本発明は、病原菌による感染(コロニー形成を含む)の治療又は予防、及び/又は消化管における病原菌の増殖の抑制又は病原菌数の減少のための組成物及び方法を提供する。一実施形態では、病原菌はサルモネラなどの腸内細菌である。様々な実施形態では、本発明は、患者の腸内の様々な大腸菌(毒性及び/又は抗生物質耐性の大腸菌を含む)の異常増殖を緩和又は防止する組成物及び方法を提供する。例示的な大腸菌には、シトロバクター(Citrobacter)、エンテロバクター(Enterobacer)、ハフニア(Hafnia)、ケルブシエラ(Kelbsiella)、及びエシェリキア(Escherichia)が挙げられる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法及び組成物は、耐性生物による二次感染を予防又は減少させる。
さらに他の実施形態では、本発明は、腸の感染症、例えば、クロストリジウム・ディフィシル感染症(CDI)及び/又はクロストリジウム・ディフィシル関連下痢症/疾患(CDAD)、院内感染、二次的緊急感染、アメーバ症、腸結核、又は寄生虫病の患者を治療する方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、クロストリジウム・ディフィシル感染症(CDI)及び/又はクロストリジウム・ディフィシル関連下痢症/疾患(CDAD)を治療又は予防する方法であって、本明細書に記載の組成物の有効量をその必要性のある対象又は患者に投与することを含む方法を提供する。様々な実施形態では、クロストリジウム・ディフィシル感染症(CDI)及び/又はクロストリジウム・ディフィシル関連下痢症/疾患(CDAD)は、以下の1又は複数を含む:クロストリジウム・ディフィシル下痢症(CDD)、クロストリジウム・ディフィシル腸炎症性疾患、大腸炎、偽膜性大腸炎、発熱、腹痛、脱水症及び電解質の乱れ、巨大結腸、腹膜炎、並びに結腸の穿孔及び/又は破裂。
様々な実施形態では、消化管の腸内細菌叢異常に関連する疾患又は状態は、最初の発症又は再発/再燃の状況で治療又は予防される(例えば、抗生物質療法の継続又は再開による)。例えば、以前に消化管の腸内細菌叢異常に苦しんでいた患者において、本発明の組成物又は製剤は、患者の再発の最初の症状に応じて投与され得る。非限定的な例として、再発の症状には、軽度の場合、1日あたり約5〜約10回の水様性排便、著しい発熱なし、及びごく軽度の腹部痙攣が含まれるが、血液検査では、白血球数が最大約15,000まで(通常のレベルは最大約10,000)穏やかに増加することがあり、重症の場合、1日あたり約12回を超える水様便、吐気、嘔吐、高熱(例えば、華氏約102度〜104度(約38.9℃〜約40℃))、直腸出血、重度の腹痛(例えば、圧痛を伴う)、腹部膨満、及び白血球数高値(例えば、約15,000〜約40,000)を認める。
いくつかの実施形態では、本発明の方法は、消化管の腸内細菌叢異常に関連する疾患又は状態に罹患している又は罹患しやすい、対象又は患者を治療するために使用される。例えば、前記患者は、消化管の腸内細菌叢異常に関連する疾患又は状態の影響を受けやすくする初期療法及び/又は補助療法を受けているか、または受けたことがある場合がある。いくつかの実施形態では、前記患者は抗生物質による治療を受けているか、治療を受けたことがある。例えば、前記患者は、過去約30日ほどの間に抗生物質を服用していた、及び/又は免疫系が(例えば、慢性疾患により)弱っている可能性がある。別の例では、前記患者は最近、集中治療室を含む病院にいた可能性がある。したがって、いくつかの実施形態では、本発明の方法及び使用は、院内感染(nosocomial infection)及び/又は続発性緊急感染及び/又は院内感染(hospital acquired infection、HAI)を治療又は予防する。
様々な実施形態では、本発明は、有効量の本明細書に記載の細菌株の混合物(及び/又は追加の治療薬)を必要とする対象に、前記有効量の混合物を投与することを含む、消化管における抗生物質誘発有害作用を治療する方法を提供する。別の実施形態では、本発明は、有効量の本明細書に記載の細菌株の混合物(及び/又は追加の治療薬)を必要とする対象に、前記有効量の混合物を投与することを含む、消化管における抗生物質誘発有害作用を予防する方法を提供する。
様々な実施形態では、本明細書に記載の細菌株の混合物は、腸内微生物叢を抗生物質による被害から保護する。いくつかの実施形態では、本発明の方法は、下痢、悪心、嘔吐、味覚異常、大腸炎、並びに偽膜性大腸炎疾患及び/又は症状を含むがこれらに限定されない抗生物質関連有害作用を治療又は予防する。一実施形態では、本発明の方法を使用して、抗生物質関連下痢(antibiotic−associated diarrhea、AAD)を治療又は予防することができる。
消化管機能の変化及び/又は改善を測定する方法には、以下を含むが、これらに限定されない:上皮及び粘膜の直接的検査のための内視鏡検査;構造変化及び/又は免疫バイオマーカーの直接的評価のための組織学的評価及び/又は組織調達;非吸収性糖及びLPS(リポポリサッカライド)レベルによる透過性の評価のための尿検査;炎症及び/又は微生物叢の変化を評価するための糞便検査(例えばPCRによる);及び/又はCD4+細胞数、Th17細胞数、LPSレベルなどの特定のマーカーの評価のための血液検査。
いくつかの実施形態では、本発明の方法は、急性血性下痢(例えば、赤痢)、急性水様性下痢(例えば、コレラ)、チェックポイント阻害剤関連大腸炎、食中毒による下痢、持続性下痢、及び旅行者下痢を含むがこれらに限定されない下痢性疾患を治療又は予防する。
様々な実施形態では、本発明の方法は、クローン病、潰瘍性大腸炎、膠原性大腸炎、リンパ球性大腸炎、転用性大腸炎、ベーチェット病、中間型大腸炎、短腸症候群、潰瘍性直腸炎、直腸S状結腸炎、左側大腸炎、汎大腸炎、及び劇症大腸炎含むがこれらに限定されない炎症性腸疾患(IBD)又は関連疾患を治療又は予防する。
様々な実施形態では、本発明の方法は、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)、急性壊死性出血性白質脳炎、アジソン病、無ガンマグロブリン血症、円形脱毛症、アミロイドーシス、強直性脊椎炎、抗GBM/抗TBM腎炎、抗リン脂質症候群(APS)、自己免疫性血管性浮腫、自己免疫性再生不良性貧血、自己免疫性自律神経障害、自己免疫性溶血性貧血、自己免疫性肝炎、自己免疫性高脂血症、自己免疫性免疫不全、自己免疫性内耳疾患(AIED)、自己免疫性心筋炎、自己免疫性卵巣炎、自己免疫性膵炎、自己免疫性網膜症、自己免疫性血小板減少性紫斑病(ATP)、自己免疫性甲状腺疾患、自己免疫性じんま疹、軸索及び神経ニューロパチー、バロー病、ベーチェット病、水疱性類天疱瘡、心筋症、キャッスルマン病、セリアック病、シャーガス病、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー(CIDP)、慢性再発性多巣性骨髄炎(CRMO)、チャーグ−ストラウス症候群、瘢痕性類天疱瘡/良性粘膜類天疱瘡、クローン病、コーガン症候群、寒冷凝集素症、先天性心ブロック、コクサッキー心筋炎、CREST病、本態性混合型クリオグロブリン血症、脱髄性ニューロパチー、疱疹状皮膚炎、皮膚筋炎、ドヴィック病(視神経脊髄炎)、円板状紅斑性狼瘡、ドレスラー症候群、子宮内膜症、好酸球性食道炎、好酸球性筋膜炎、結節性紅斑、実験的アレルギー性脳脊髄炎、エヴァンス症候群、線維化肺胞炎、巨細胞性動脈炎(側頭動脈炎)、巨細胞性心筋炎、糸球体腎炎、グッドパスチャー症候群、多発血管炎性肉芽腫症(GPA)、グレーブス病、ギラン−バレー症候群、橋本脳症、橋本甲状腺炎、溶血性貧血、ヘノッホ−シェーンライン紫斑病、妊娠性疱疹、低ガンマグロブリン血症、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、IgA腎症、IgG4関連硬化性疾患、免疫調節性リポタンパク質、封入体筋炎、間質性膀胱炎、若年性関節炎、若年性特発性関節炎、若年性筋炎、川崎症候群、ランバート−イートン症候群、白血球破砕性血管炎、扁平苔癬、硬化性苔癬、木質性結膜炎、線状IgA病(LAD)、ループス(SLE)、慢性ライム病、メニエール病、顕微鏡的多発性血管炎、混合結合組織病(MCTD)、モーレン潰瘍、ムッハ−ハーベルマン病、多発性硬化症、重症筋無力症、筋炎、ナルコレプシー、視神経脊髄炎(ドヴィック病)、好中球減少症、眼瘢痕性類天疱瘡、視神経炎、回帰性リウマチ、PANDAS(小児自己免疫性溶連菌関連性精神神経障害)、腫瘍随伴性小脳変性症、発作性夜間血色素尿症(PNH)、パリーロンバーグ症候群、パーソネージ−ターナー症候群(Parsonnage−Turner syndrome)、扁平部炎(周辺性ブドウ膜炎)、天疱瘡、末梢性ニューロパチー、静脈周囲脳脊髄炎、悪性貧血、POEMS症候群、結節性多発性動脈炎、I型、II型、及びIII型多腺性自己免疫症候群、リウマチ性多発筋痛症、多発性筋炎、心筋梗塞後症候群、心膜切開後症候群、月経疹、原発性胆汁性肝硬変、原発性硬化性胆管炎、乾癬、乾癬性関節炎、特発性肺線維症、壊疽性膿皮症、赤芽球癆、レイノー現象、反応性関節炎、反射性交感神経性ジストロフィー、ライター症候群、再発性多発性軟骨炎、むずむず脚症候群、後腹膜線維症、リウマチ熱、関節リウマチ、サルコイドーシス、シュミット症候群、強膜炎、強皮症、シェーグレン症候群、精子及び精巣の自己免疫、全身硬直症候群、亜急性細菌性心内膜炎(SBE)、スザック症候群、交感性眼炎、高安動脈炎、側頭動脈炎/巨細胞性動脈炎、血小板減少性紫斑病(TTP)、トローザ−ハント症候群、横断性脊髄炎、1型糖尿病、喘息、潰瘍性大腸炎、未分化結合組織疾患(UCTD)、ブドウ膜炎、脈管炎、小水疱水疱性皮膚病、白斑、及びヴェゲナー肉芽腫症を含むがこれらに限定されない自己免疫障害を治療又は予防する。
様々な実施形態では、本発明の方法は、抗がん治療に伴う副作用を治療、予防、又は軽減する。多くの抗がん治療が腸内生物に影響を及ぼし得ることは、当技術分野で周知である。例えば、化学療法は腸粘膜を弱めるか、腸内微生物叢の多様性の低下を含む粘膜関連微生物叢を変化させる可能性がある。したがって、このような腸内細菌叢異常は、血流感染症につながる可能性がある。さらに、抗がん療法は、抗生物質耐性菌の感染及びコロニー形成を促進する可能性がある。例えば、Papanicolas et al.(“Not Just Antibiotics: Is Cancer Chemotherapy Driving Antimicrobial Resistance?” Trends Microbiol. 2018 May;26(5):393−400)を参照。したがって、本発明の細菌混合物は、例えば、部分的には、抗がん療法を受ける前、受けている間、及び/又は受けた後、腸バリアの完全性(integrity)を保護、維持、及び修復することによって、少なくとも副作用の重症度を低下させ、副作用の排除に至るまでのがん関連の用途に有用である。
態様および実施形態において、理論に縛られることを望むものではないが、本発明の細菌混合物は、腫瘍の反応性を維持し、他の方法よりも(抗がん療法の)治療用量の増加を可能にし、より頻繁な治療用量の投与を可能にし(例えば、患者が副作用のためにセッションを逃す必要がない)、及び/又は免疫系を強化する(例えば、チェックポイント阻害剤療法用)ことにより腫瘍学において有益な効果を発揮し得る。
様々な実施形態では、必要とする対象は、抗がん治療薬及び/又は抗がん療法を受けた、受けている、又は受けるであろう。
本発明の態様は、微生物組成物を含む医薬組成物を(本明細書に記載の経口投与用に製剤化可能な化学療法剤の併用有無を問わず)投与し、抗がん療法を実施することを含む、がんを予防又は治療する方法に関する。
実施形態において、医薬組成物は、抗がん療法と同時に(本明細書に記載されるように)投与される。
あるいは、医薬組成物投与及び抗がん療法は逐次的に実施される。本明細書で使用される「逐次的に」という用語は、抗がん療法及び医薬組成物が約60分を超える時間間隔で投与されることを意味する。例えば、抗がん療法及び医薬組成物の逐次的投与の間の時間間隔は、約60分超、約2時間超、約5時間超、約10時間超、約1日超、約2日超、約3日超、約1週間超、約1か月超、又はそれ以上であり得る。最適な投与時間は、特定の抗がん療法及び投与される医薬組成物によって決まる。抗がん療法又は医薬組成物のいずれかを最初に投与してもよい。実施形態において、対象は、抗がん療法の前に医薬組成物を投与され、それにより、対象が抗がん療法を受ける前に健康な腸バイオームを有することを確実にするのを助ける。あるいは、対象は、抗がん療法の後に医薬組成物を投与され、それにより、対象が抗がん療法を受けた後に自身の腸バイオームを修復/再構築するのを助ける。
実施形態において、細菌混合物は、例えば経口などの経腸的に投与され、抗がん療法は、非経口的に投与される化学療法又は標的療法である。
態様及び実施形態では、抗がん療法は放射線療法である。
態様及び実施形態では、抗がん療法は、外科手術、すなわち、がん性細胞を含む腫瘍又は臓器/組織を切除することである。
態様及び実施形態では、抗がん療法は化学療法を含む。化学療法剤としては、5−FU(フルオロウラシル)、アベマシクリブ、アビラテロン酢酸塩、Abitrexate(メトトレキサート)、Abraxane(パクリタキセルアルブミン安定化ナノ粒子製剤)、ABVD、ABVE、ABVE−PC、AC、アカラブルチニブ、AC−T、ADE、アドリアマイシン(ドキソルビシン)、アファチニブマレイン酸塩、Afinitor(エベロリムス)、Afinitor Difsperz(エベロリムス)、Akynzeo(ネツピタント・パロノセトロン)、Aldara(イミキモド)、アルデスロイキン、Alecensa(アレクチニブ)、アレクチニブ、Alimta(PEMETREXED)、Aliqopa(コパンリシブ塩酸塩)、Alkeran(メルファラン)、Aloxi(パロノセトロン塩酸塩)、Alunbrig(ブリガチニブ)、Ambochlorin(クロラムブシル)、Amboclorin(クロラムブシル)、アミフォスチン、アミノレブリン酸、アナストロゾール、アプレピタント、Aredia(パミドロン酸)、Arimidex(アナストロゾール)、Aromasin(エキセメスタン)、Arranon(ネララビン)、三酸化ひ素、アスパラギナーゼエルウィニアクリサンチミー、アキシカブタゲンシロロイセル、アキシチニブ、アザシチジン、BEACOPP、Becenum(カルムスチン)、Beleodaq(ベリノスタット)、ベリノスタット、ベンダムスチン塩酸塩、BEP、ベキサロテン、ビカルタミド、BiCNU(カルムスチン)、Blenoxane(ブレオマイシン)、ボルテゾミブ、Bosulif(ボスチニブ)、ボスチニブ、ブリガチニブ、BuMel、ブスルファン、Busulfex(ブスルファン)C、カバジタキセル、Cabometyx(カボザンチニブ)、カボザンチニブ−S−リンゴ酸塩、CAF、Calquence(アカラブルチニブ)、Camptosar(塩酸イリノテカン)、カペシタビン、CAPOX、Caprelsa(バンデタニブ)、Carac(フルオロウラシル−局所用)、カルボプラチン、CARBOPLATIN−TAXOL、カルフィルゾミブ、Carmubris(カルムスチン)、カルムスチン、Casodex(ビカルタミド)、CeeNU(ロムスチン)、CEM、セリチニブ、Cerubidine(ダウノルビシン)、Cervarix(組換えHPV二価ワクチン)、CEV、クロラムブシル、クロラムブシル・プレドニゾン(CHLORAMBUCIL−PREDNISONE)、CHOP、シスプラチン、クラドリビン、Clafen(シクロホスファミド)、クロファラビン、Clofarex(クロファラビン)、Clolar(クロファラビン)、CMF、コビメチニブ、Cometriq(カボザンチニブ)、コパンリシブ塩酸塩、COPDAC、COPP、COPP−ABV、Cosmegen(ダクチノマイシン)、Cotellic(コビメチニブ)、クリゾチニブ、CVP、シクロホスファミド、Cyfos(イホスファミド)、シタラビン、シタラビンリポソーム、Cytosar−U(シタラビン)、Cytoxan(シクロホスファミド)、Cytoxan(シトキサン)、ダブラフェニブ、ダカルバジン、Dacogen(デシタビン)、ダクチノマイシン、ダサチニブ、ダウノルビシン塩酸塩、ダウノルビシン塩酸塩・シタラビンリポソーム、DaunoXome(ダウノルビシン脂質複合体)、Decadron(デキサメタゾン)、デシタビン、デフィブロチドナトリウム、Defitelio(デフィブロチドナトリウム)、デガレリクス、デニロイキン・ディフティトックス、DepoCyt(シタラビンリポソーム)、デキサメタゾン、デキサメタゾンインテンソール(デキサメタゾン)、Dexpak Taperpak(デキサメタゾン)、デクスラゾキサン塩酸塩、Docefrez(ドセタキセル)、ドセタキセル、Doxil(ドキソルビシン塩酸塩リポソーム)、ドキソルビシン塩酸塩、ドキソルビシン塩酸塩リポソーム、Dox−SL(ドキソルビシン塩酸塩リポソーム)、Droxia(ヒドロキシウレア)、DTIC(ダカルバジン)、DTIC−Dome(ダカルバジン)、Efudex(フルオロウラシル−局所用)、Eligard(ロイプロリド)、Elitek(ラスブリカーゼ)、Ellence(エピルビシン)、Eloxatin(オキサリプラチン)、Elspar(アスパラギナーゼ)、エルトロンボパグオラミン、Emcyt(エストラムスチン)、Emend(アプレピタント)、エナシデニブメシル酸塩、エンザルタミド、エピルビシン塩酸塩、EPOCH、エリブリンメシル酸塩、Erivedge(ビスモデギブ)、エルロチニブ塩酸塩、Erwinaze(アスパラギナーゼエルウィニアクリサンチミー)、Ethyol(アミフォスチン)、Etopophos(エトポシドリン酸塩)、エトポシド、エトポシドリン酸塩、Eulexin(フルタミド)、Evacet(ドキソルビシン塩酸塩リポソーム)、エベロリムス、Evista(ラロキシフェン塩酸塩)、Evomela(メルファラン塩酸塩)、エキセメスタン、Fareston(トレミフェン)、Farydak(パノビノスタット)、Faslodex(フルベストラント)、FEC、Femara(レトロゾール)、フィルグラスチム、Firmagon(デガレリクス)、FloPred(プレドニゾロン)、Fludara(フルダラビン)、フルダラビンリン酸エステル、Fluoroplex(フルオロウラシル)、フルオロウラシル、フルタミド、Folex(メトトレキサート)、Folex PFS(メトトレキサート)、FOLFIRI、FOLFIRINOX、FOLFOX、Folotyn(プララトレキサート)、FUDR(FUDR(フロクスウリジン))、FU−LV、フルベストラント、Gardasil(組換えHPV4価ワクチン)、Gardasil 9(組換えHPV9価ワクチン)、ゲフィチニブ、ゲムシタビン塩酸塩、ゲムシタビン・シスプラチン(GEMCITABINE−CISPLATIN)、ゲムシタビン・オキサリプラチン(GEMCITABINE−OXALIPLATIN)、Gemzar(ゲムシタビン)、Gilotrif(アファチニブマレイン酸塩)、Gilotrif(アファチニブ)、Gleevec(イマチニブメシル酸塩)、Gliadel(カルムスチン)、グルカルピダーゼ、ゴセレリン酢酸塩、Halaven(エリブリンメシル酸塩)、Hemangeol(プロプラノロール塩酸塩)、Hexalen(アルトレタミン)、HPV2価ワクチン、組換えHPV9価ワクチン、組換えHPV4価ワクチン、組換えハイカムチン(トポテカン塩酸塩)、ハイカムチン(トポテカン)、Hydrea(ヒドロキシウレア)、ヒドロキシウレア、Hyper−CVAD、Ibrance(パルボシクリブ)、イブルチニブ、ICE、Iclusig(ポナチニブ)、Idamycin PFS(イダルビシン)、イダルビシン塩酸塩、イデラリシブ、Idhifa(エナシデニブ)、Ifex(イホスファミド)、イホスファミド、Ifosfamidum(イホスファミド)、イマチニブメシル酸塩、Imbruvica(イブルチニブ)、イミキモド、Imlygic(タリモジェンラヘルパレプベク)、Inlyta(アキシチニブ)、Iressa(ゲフィチニブ)、イリノテカン塩酸塩、イリノテカン塩酸塩リポソーム、Istodax(ロミデプシン)、イクサベピロン、イキサゾミブクエン酸エステル、Ixempra(イクサベピロン)、Jakafi(ルキソリチニブリン酸塩)、Jakafi(ルキソリチニブ)、JEB、Jevtana(カバジタキセル)、Keoxifene(ラロキシフェン塩酸塩)、Kepivance(パリフェルミン)、Kisqali(リボシクリブ)、Kyprolis(カルフィルゾミブ)、ランレオチド酢酸塩、Lanvima(レンバチニブ)、ラパチニブトシル酸塩、レナリドミド、レンバチニブメシル酸塩、Lenvima(レンバチニブメシル酸塩)、レトロゾール、ロイコボリンカルシウム、Leukeran(クロラムブシル)、Leukine(サルグラモスチム)、ロイプロリド酢酸塩、Leustatin(クラドリビン)、Levulan(アミノレブリン酸)、Linfolizin(クロラムブシル)、LipoDox(塩酸ドキソルビシンリポソーム)、ロムスチン、Lonsurf(トリフルリジン・チピラシル)、Lupron(ロイプロリド)、Lynparza(オラパリブ)、Lysodren(ミトタン)、Marqibo(硫酸ビンクリスチンリボソーム)、Marqiboキット(ビンクリスチン脂質複合体)、Matulane(プロカルバジン)、メクロレタミン塩酸塩、Megace(メゲストロール)、メゲストロール酢酸塩、Mekinist(トラメチニブ)、メルファラン、メルファラン塩酸塩、メルカプトプリン、Mesnex(メスナ)、Metastron(塩化ストロンチウム89)、Methazolastone(テモゾロミド)、メトトレキサート、メトトレキサートLPF(メトトレキサート)、臭化メチルナルトレキソン、Mexate(メトトレキサート)、Mexate−AQ(メトトレキサート)、ミドスタウリン、マイトマイシンC、ミトキサントロン塩酸塩、Mitozytrex(マイトマイシンC)、MOPP、Mostarina(プレドニムスチン)、Mozobil(プレリキサフォル)、Mustargen(メクロレタミン)、Mutamycin(マイトマイシン)、Myleran(ブスルファン)、Mylosar(アザシチジン)、ナノ粒子パクリタキセル(パクリタキセル・アルブミン安定化小粒子製剤)、Navelbine(ビノレルビン)、ネララビン、Neosar(シクロホスファミド)、ネラチニブマレイン酸塩、Nerlynx(ネラチニブ)、ネツピタント・パロノセトロン塩酸塩、Neulasta(フィルグラスチム)、Neulasta(ペグフィルグラスチム)、Neupogen(フィルグラスチム)、Nexavar(ソラフェニブ)、Nilandron(ニルタミド)、ニロチニブ、ニルタミド、Ninlaro(イキサゾミブ)、Nipent(ペントスタチン)、ニラパリブトシル酸塩水和物、Nolvadex(タモキシフェン)、Novantrone(ミトキサントロン)、Nplate(ロミプロスチム)、Odomzo(ソニデジブ)、OEPA、OFF、オラパリブ、オマセタキシンメペスクシナート、Oncaspar(ペグアスパラガーゼ)、Oncovin(ビンクリスチン)、オンダンセトロン塩酸塩、Onivyde(イリノテカン塩酸塩リポソーム)、Ontak(デニロイキン・ディフティトックス)、Onxol(パクリタキセル)、OPPA、Orapred(プレドニゾロン)、オシメルチニブ、オキサリプラチン、パクリタキセル、パクリタキセル・アルブミン安定化小粒子製剤、PAD、パルボシクリブ、パリフェルミン、パロノセトロン塩酸塩、ネツピタント・パロノセトロン塩酸塩、パミドロン酸二ナトリウム、パノビノスタット、Panretin(アリトレチノイン)、Paraplat(カルボプラチン)、パゾパニブ塩酸塩、PCV、PEB、Pediapred(プレドニゾロン)、ペグアスパラガーゼ、ペグフィルグラスチム、ペメトレキセド二ナトリウム、Platinol(シスプラチン)、PlatinolAQ(シスプラチン)、プレリキサホル、Pomalyst(ポマリドミド)、ポナチニブ塩酸塩、プララトレキサート、プレドニゾン、プロカルバジン塩酸塩、Proleukin(アルデスロイキン)、Promacta(エルトロンボパグオラミン)、プロプラノロール塩酸塩、Purinethol(メルカプトプリン)、Purixan(メルカプトプリン)、塩化ラジウム223、ラロキシフェン塩酸塩、ラスブリカーゼ、R−CHOP、R−CVP、Reclast(ゾレドロン酸)、組換えヒトパピローマウイルス(HPV)2価ワクチン、組換

えヒトパピローマウイルス(HPV)9価ワクチン、組換えヒトパピローマウイルス(HPV)4価ワクチン、レゴラフェニブ、Relistor(臭化メチルナルトレキソン)、R−EPOCH、Revlimid(レナリドミド)、Rheumatrex(メトトレキサート)、リボシクリブ、R−ICE、ロラピタント塩酸塩、ロミデプシン、ロミプロスチム、Rubex(ドキソルビシン)、Rubidomycin(ダウノルビシン塩酸塩)、Rubraca(ルカパリブ)、ルカパリブカンシル酸塩、ルキソリチニブリン酸塩、Rydapt(ミドスタウリン)、Sandostatin(オクトレオチド)、Sandostatin LAR Depot(オクトレオチド)、Sclerosol Intrapleural Aerosol(タルク)、Soltamox(タモキシフェン)、Somatuline Depot(ランレオチド酢酸塩)、ソニデジブ、トシル酸ソラフェニブ、Sprycel(ダサチニブ)、STANFORD V、Sterapred(プレドニゾン)、Sterapred DS(プレドニゾン)、滅菌タルクパウダー(タルク)、Steritalc(タルク)、Sterecyst(プレドニマスチン)、Stivarga(レゴラフェニブ)、リンゴ酸スニチニブ、Supprelin LA(ヒストレリン)、Sutent(リンゴ酸スニチニブ)、Sutent(スニチニブ)、Synribo(オマセタキシンメペスクシナート)、Tabloid(チオグアニン)、TAC、Tafinlar(ダブラフェニブ)、Tagrisso(オシメルチニブ)、タルク、タリモジェンラヘルパレプベク、タモキシフェンクエン酸塩、Tarabine PFS(シタラビン)、Tarceva(エルロチニブ)、Targretin(ベキサロテン)、Tasigna(ダカルバジン)、Tasigna(ニロチニブ)、Taxol(パクリタキセル)、Taxotere(ドセタキセル)、Temodar(テモゾロミド)、テモゾロミド、テムシロリムス、Tepadina(チオテパ)、サリドマイド、Thalomid(サリドマイド)、TheraCys BCG(BCG)、チオグアニン、Thioplex(チオテパ)、チオテパ、TICE BCG(BCG)、チサゲンレクロイセル、Tolak(フルオロウラシル−局所用)、Toposar(エトポシド)、トポテカン塩酸塩、トレミフェン、Torisel(テムシロリムス)、Totect(デクスラゾキサン塩酸塩)、TPF、トラベクテジン、トラメチニブ、Treanda(ベンダムスチン塩酸塩)、Trelstar(トリプトレリン)、Trexall(メトトレキサート)、トリフルリジン・チピラシル塩酸塩、Trisenox(三酸化二ヒ素)、Tykerb(ラパチニブ)、ウリジントリアセタート、VAC、バルルビシン、Valstar(バルルビシン膀胱内投与用)、Valstar(バルルビシン)、VAMP、バンデタニブ、Vantas(ヒストレリン)、Varubi(ロラピタント)、VeIP、Velban(ビンブラスチン)、Velcade(ボルテゾミブ)、Velsar(ビンブラスチン硫酸塩)、ベムラフェニブ、Venclexta(ベネトクラックス)、Vepesid(エトポシド)、Verzenio(アベマシクリブ)、Vesanoid(トレチノイン)、Viadur(ロイプロリド酢酸塩)、Vidaza(アザシチジン)、ビンブラスチン硫酸塩、Vincasar PFS(ビンクリスチン)、Vincrex(ビンクリスチン)、ビンクリスチン硫酸塩、ビンクリスチン硫酸塩リポソーム、ビノレルビン酒石酸塩、VIP、ビスモデギブ、Vistogard(ウリジントリアセテート)、Voraxaze(グルカルピダーゼ)、Vorinostat、Votrient(パゾパニブ)、Vumon(テニポシド)、Vyxeos(ダウノルビシン塩酸塩・シタラビンリポソーム)、Wellcovorin(ロイコボリンカルシウム)、Wellcovorin IV(ロイコボリン)、Xalkori(クリゾチニブ)、XELIRI、Xeloda(カペシタビン)、XELOX、Xofigo(塩化ラジウム223)、Xtandi(エンザルタミド)、Yescarta(アキシカブタゲンシロロイセル)、Yondelis(トラベクテジン)、Zaltrap(アフリベルセプト)、Zanosar(ストレプトゾトシン)、Zarxio(フィルグラスチム)、Zejula(ニラパリブ)、Zelboraf(ベムラフェニブ)、Zinecard(デキスラゾキサン塩酸塩)、アフリベルセプト、Zofran(オンダンセトロン塩酸塩)、Zoladex(ゴセレリン)、ゾレドロン酸、Zolinza(ボリノスタット)、Zometa(ゾレドロン酸)、Zortress(エベロリムス)、Zydelig(イデラリシブ)、Zykadia(セリチニブ)、Zytiga(酢酸アビラテロン)、及びZytiga(アビラテロン)が挙げられる。
実施形態では、化学療法はホルモン療法である。例示的なホルモン療法としては、アロマターゼ阻害剤、例えば、レトロゾール、アナストロゾール、エキセメスタン、アミノグルテチミド;性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)類似体、例えば、リュープロレリン及びゴセレリン;ホルモン受容体拮抗薬、例えば、選択的エストロゲン受容体調節薬(例として、タモキシフェン、ラロキシフェン、トレミフェン、及びフルベストラント)及び抗アンドロゲン、例えば、フルタミド及びビカルタミド;及びホルモン補充薬、例えば、酢酸メゲストロール、酢酸メドロキシプロゲステロン、フルオキシメステロン、ジエチルスチルベストロール、エストレース、リン酸ポリエストラジオール、及びオクトレオチドが挙げられる。
態様及び実施形態では、抗がん療法は免疫腫瘍学療法である。免疫腫瘍学療法は、腫瘍細胞抗原及び/又はがん細胞抗原を結合及び/又は認識することができる少なくとも1つの分子を含む。腫瘍細胞抗原及び/又はがん細胞抗原としては、炭酸脱水酵素IX(CAIX)、5T4、CD19、CD20、CD22、CD30、CD33、CD38、CD47、CS1、CD138、Lewis−Y、L1−CAM、MUC16、ROR−1、IL13Rα2、gp100、前立腺幹細胞抗原(PSCA)、前立腺特異的膜抗原(PSMA)、B細胞成熟抗原(BCMA)、ヒトパピローマウイルス16型E6(HPV−16 E6)、CD171、葉酸受容体−α(FR−α)、GD2、ヒト上皮成長因子受容体2(HER2)、メソテリン、EGFRvIII、線維芽細胞活性化タンパク質(FAP)、がん胎児性抗原(CEA)、及び血管内皮成長因子受容体2(VEGF−R2)、並びに当技術分野で公知の他の腫瘍抗原が挙げられるが、これらに限定されない。追加の例示的な腫瘍抗原としては、MART−1/Melan−A、gp100、ジペプチジルペプチダーゼIV(DPPIV)、アデノシンデアミナーゼ結合タンパク質(ADAbp)、シクロフィリンB、結腸直腸関連性抗原(CRC)−0017−1A/GA733、がん胎児性抗原(CEA)及びその免疫原性エピトープCAP−1及びCAP−2、etv6、aml1、前立腺特異抗原(PSA)及びその免疫原性エピトープPSA−1、PSA−2、及びPSA−3、T細胞受賞体/CD3ゼータ鎖、MAGEファミリーの腫瘍抗原(例えば、MAGE−A1、MAGE−A2、MAGE−A3、MAGE−A4、MAGE−A5、MAGE−A6、MAGE−A7、MAGE−A8、MAGE−A9、MAGE−A10、MAGE−A11、MAGE−A12、MAGE−Xp2(MAGE−B2)、MAGE−Xp3(MAGE−B3)、MAGE−Xp4(MAGE−B4)、MAGE−C1、MAGE−C2、MAGE−C3、MAGE−C4、MAGE−C5)、GAGEファミリーの腫瘍抗原(例えば、GAGE−1、GAGE−2、GAGE−3、GAGE−4、GAGE−5、GAGE−6、GAGE−7、GAGE−8、GAGE−9)、BAGE、RAGE、LAGE−1、NAG、GnT−V、MUM−1、CDK4、チロシナーゼ、p53、MUCファミリー、HER2/neu、p21ras、RCAS1、α−フェトプロテイン、E−カドヘリン、α−カテニン、β−カテニン、γ−カテニン、p120ctn、gp100、Pmel117、PRAME、NY−ESO−1、cdc27、大腸腺腫性ポリポーシスタンパク質(APC)、フォドリン、コネキシン37、Igイディオタイプ、p15、gp75、GM2及びGD2ガングリオシド、ヒトパピローマウイルスタンパク質などのウイルス産物、Smadファミリーの腫瘍抗原、lmp−1、NA、EBVコード核抗原(EBNA)−1、脳グリコーゲンホスホリラーゼ、SSX−1、SSX−2(HOM−MEL−40)、SSX−1、SSX−4、SSX−5、SCP−1、CT−7、c−erbB−2、CD19、CD37、CD56、CD70、CD74、CD138、AGS16、MUC1、GPNMB、Ep−CAM、PD−L1、及びPD−L2が挙げられるが、これらに限定されない。
実施形態では、腫瘍細胞抗原及び/又はがん細胞抗原はチェックポイント分子である。チェックポイント分子は、例えば、CD27、CD28、CD40、CD122、CD137、OX40、GITR、及びICOSなどの刺激性チェックポイント分子であり得る。チェックポイント分子は、阻害性チェックポイント分子、例えば、2B4、A2AR、B−7ファミリーリガンド(限定されるものではないが、B7−1、B7−2、B7−DC、B7−H1、B7−H2、B7−H3、B7−H4、B7−H5、B7−H6、及びB7−H7)、BTLA、CD115、CD160/By55、CD172a/SIRPα、CD200、CD223、CD244、CEACAM、CHK 1及びCHK2キナーゼ、CTLA−4、GAL9、HVEM、IDO、KIR、LAG3、PD−1、PD−L1、PD−L2、TIGIT、TIM−3、TMIGD2、及びVISTA/VSIG8であり得る。
実施形態では、免疫腫瘍学療法は、例えば、抗体、融合タンパク質、及び/又はサイトカインなどのタンパク質に基づく。
実施形態では、抗体は、Adcetris(ブレンツキシマブベドチン)、トラスツズマブエムタンシン、アレムツズマブ、Arzerra(オファツムマブ)、アテゾリズマブ、Avastin(ベバシズマブ)、アベルマブ、Bavencio(アベルマブ)、Besponsa(イノツズマブオゾガマイシン)、ベバシズマブ、Bexxar(トシツモマブ)、ブリナツモマブ、Blincyto(ブリナツモマブ)、BMS 936559、ブレンツキシマブベドチン、Campath(アレムツズマブ)、セツキシマブ、Cinqair(レスリズマブ)、Cyramza(ラムシルマブ)、ダラツムマブ、Darzalex(ダラツムマブ)、デノスマブ、ジヌツキシマブ、デュルバルマブ、エロツズマブ、Empliciti(エロツズマブ)、Erbitux(セツキシマブ)、FOLFIRI(フォルフィリ)−ベバシズマブ、FOLFIRI(フォルフィリ)−セツキシマブ、Gazyva(オビヌツズマブ)、ゲムツズマブオゾガマイシン、Herceptin(トラスツズマブ)、イブリツモマブチウキセタン、Imfinzi(デュルバルマブ)、イノツズマブオゾガマイシン、イピリムマブ、Kadcyla(トラスツズマブエムタンシン)、Keytruda(ペンブロリズマブ)、Lartruvo(オララツマブ)、MK−3475、MPDL328OA、Mylotarg(ゲムツズマブオゾガマイシン)、ネシツムマブ、ニボルマブ、オビヌツズマブ、オファツムマブ、オララツマブ、Opdivo(ニボルマブ)、パニツムマブ、Perjeta(ペルツズマブ)、ペルツズマブ、ペンブロリズマブ、ピディリズマブ、Portrazza(ネシツムマブ)、Prolia(デノスマブ)、ラムシルマブ、Rituxan(リツキシマブ)、リツキシマブ・ヒアルロニダーゼ・ヒューマン、シルツキシマブ、Sylvant(シルツキシマブ)、Tecentriq(アテゾリズマブ)、トラスツズマブ、Unituxin(ジヌツキシマブ)、Vectibix(パニツムマブ)、Xgeva(デノスマブ)、Yervoy(イピリムマブ)、及びZevalin(イブリツモマブチウキセタン)である。
実施形態では、免疫腫瘍学療法には、改変タンパク質又は融合タンパク質が含まれる。実施形態では、改変タンパク質又は融合タンパク質は、1又は複数の腫瘍細胞抗原及び/又はがん細胞抗原に結合する。実施形態において、融合タンパク質は、1又は複数の腫瘍細胞抗原及び/又はがん細胞抗原に結合し、化学療法剤に(本明細書に記載されるように)結合される。
実施形態において、免疫腫瘍学療法は、例えば、1又は複数の腫瘍細胞抗原及び/又はがん細胞抗原に結合するサイトカインを含む。実施形態では、サイトカインは、インターフェロンα−2b、インターロイキン−2(アルデスロイキン)、イントロンA α−b(インターフェロンα−2a)、ペグインターフェロンα−2b、PEG−イントロン(ペグインターフェロンα−2b)、組換えインターフェロンα−2b、ロフェロンA α−a(インターフェロンα−2a)、及びシラトロン(ペグインターフェロンα−2b)である。
実施形態では、腫瘍細胞抗原及び/又はがん細胞抗原の結合及び/又は認識は、腫瘍細胞抗原及び/又はがん細胞抗原の下流シグナル伝達を遮断及び/又は防止する。あるいは、腫瘍細胞抗原及び/又はがん細胞抗原の結合及び/又は認識は、腫瘍細胞抗原及び/又はがん細胞抗原の下流シグナル伝達を活性化及び/又は刺激する。
実施形態では、免疫腫瘍学療法は、例えば養子細胞移植(ACT)に関連する細胞に基づく免疫腫瘍学療法である。ACTは、自家又は同種移植であってもよい。
実施形態では、細胞に基づく免疫腫瘍学療法は、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞の使用を含む。例示的なCAR T細胞療法には、限定されるものではないが、JCAR014(Juno Therapeutics)、JCAR015(Juno Therapeutics)、JCAR017(Juno Therapeutics)、JCAR018(Juno Therapeutics)、JCAR020(Juno Therapeutics)、JCAR023(Juno Therapeutics)、JCAR024(Juno Therapeutics)、CTL019(Novartis)、Kymriah(又はチサゲンレクロイセル、Novartis)、KTE−C19(Kite Pharma)、BPX−401(Bellicum Pharmaceuticals)、BPX−501(Bellicum Pharmaceuticals)、BPX−601(Bellicum Pharmaceuticals)、bb2121(Bluebird Bio)、CD−19スリーピングビューティー(Sleeping Beauty)細胞(Ziopharm Oncology)、UCART19(Cellectis)、UCART123(Cellectis)、UCART38(Cellectis)、UCARTCS1(Cellectis)、OXB−302(Oxford BioMedica)、MB−101(Mustang Bio)、及びInnovative Cellular Therapeuticsが開発したCAR T細胞が含まれる。
実施形態では、細胞に基づく免疫腫瘍学療法は、抗原提示細胞(APC)の使用を含む。実施形態では、APC関連療法は、腫瘍細胞抗原又はがん細胞抗原(本明細書に記載)を発現する樹状細胞又は他のAPCの使用を含む。一例では、APCはシプリューセル−T(Sipuleucel−T)(APC8015、商品名「Provenge」、Dendreon Corporation)である。
実施形態において、細胞に基づく免疫腫瘍学療法は、腫瘍細胞抗原又はがん細胞抗原(本明細書に記載)を認識する改変T細胞受容体(TCR)の使用を含む。
実施形態では、細胞に基づく免疫腫瘍学療法は、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)の使用、例えば、腫瘍細胞抗原又はがん細胞抗原(本明細書に記載)を認識するTILの養子移入を含む。
様々な実施形態では、細菌株の混合物は、Toll様受容体活性(例えば、TLR1、及び/又はTLR2、及び/又はTLR3、及び/又はTLR4、及び/又はTLR5、及び/又はTLR6、及び/又はTLR7、及び/又はTLR8、及び/又はTLR9、及び/又はTLR10、及び/又はTLR11、及び/又はTLR12、及び/又はTLR13)を刺激及び/又は活性化し得る。
様々な実施形態では、本発明の方法は、カテーテル又は血管内ライン感染(例えば、中心静脈カテーテル感染)、慢性炎症性疾患、髄膜炎、呼吸器関連肺炎などの肺炎、皮膚及び軟部組織の感染、手術部位感染、尿路感染(例えば、抗生物質耐性尿路感染又はカテーテル関連尿路感染)、創傷感染、及び/又はその他の公知の感染(抗生物質耐性感染症でも抗生物質感受性感染症でもよい)を治療又は予防する。
様々な実施形態では、本発明の方法は、本明細書に開示される及び/又は腸内細菌叢異常の結果であることが当技術分野で公知の様々な消化管障害を治療又は予防する。
様々な実施形態では、本発明の方法は、消化管免疫活性化及び炎症を低減する。
様々な実施形態では、本発明の方法は、様々な血流感染(BSI)を治療又は予防する。このようなBSIのリスクがある患者としては、固形臓器移植患者、例えば血液透析中の慢性腎臓病患者、及び腫瘍患者が挙げられるが、これらに限定されない。このようなBSIのリスクがある患者には、外来患者であるか、入院しているか、又は長期介護施設にいる患者も含まれる。
様々な実施形態では、本発明の方法は、様々な炎症性障害を治療又は予防する。炎症性障害としては、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎及びクローン病)、過敏性腸症候群、代謝性疾患/インスリン抵抗性(II型糖尿病)、及び関節リウマチが挙げられるが、これらに限定されない。
様々な実施形態では、本発明の方法は、本明細書に記載の疾患、障害、又は状態に関連する1又は複数の症状を軽減、改善、又は排除する。例示的な症状には、下痢、血便、口内炎、肛門周囲疾患、腹痛、腹部けいれん、発熱、疲労、体重減少、鉄欠乏、貧血、食欲減退、体重減少、食欲不振、発育遅延、思春期の発達の遅れ、並びに皮膚、眼、関節、肝臓、及び胆管の炎症を含むが、これらに限定されない。
一態様では、方法は、治療用組成物を経口的に、注腸により、又は直腸坐剤を介して投与することを含む。一態様では、医薬組成物は、ジェルタブ、ピル、マイクロカプセル、カプセル、又は錠剤として製剤化される。一態様では、治療用組成物は、腸溶性コーティングカプセル又はマイクロカプセル、耐酸性カプセル又はマイクロカプセルとして製剤化されるか、又は食品、食品添加物、乳製品、大豆製品又はその誘導体、ゼリー、又はヨーグルトの一部として製剤されるか又はそれらとともに投与される。別の態様では、治療用組成物は、耐酸性の腸溶性カプセルとして製剤化される。治療用組成物は、食品又は飲料と組み合わせて販売するための粉末として提供することができる。食品又は飲料は、乳製品又は大豆製品であり得る。別の態様では、食品又は栄養補助食品には、治療用組成物を含む腸溶性及び/又は耐酸性のマイクロカプセルが含まれる。
本明細書に開示される態様又は実施形態はいずれも、本明細書に開示される任意の他の態様又は実施形態と組み合わせることができる。
定義
本明細書で使用する場合、「単離された」又は「純化された」とは、(1)最初に(自然又は実験的環境において)産生されたときに関連していた成分の少なくとも一部から分離された、及び/又は(2)人工的に生産、調製、純化、及び/又は製造された、細菌又は他の実体若しくは物質を指す。単離又は純化された細菌は、最初に関連付けられていた他の成分の少なくとも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%又はそれ以上から分離可能である。
本明細書で使用される「微生物叢(microbiota)」及び「細菌叢(flora)」とは、真核生物、古細菌、細菌、及びウイルス(バクテリアウイルス(すなわち、ファージ)を含む)を含む、持続的及び一時的の両方で対象の身体内又は身体上に常在する微生物の群落を指す。無選抜の糞便微生物叢とは、無選抜のドナーの糞便試料に由来する糞便微生物の群落又は混合物を指し、かかる糞便試料に見られる微生物成分及び群落構造に実質的に類似している。
本明細書で使用される「腸内細菌叢異常」とは、対象の消化器系の微生物叢の不均衡、不適応、及び/又は多様性の低下を指す。例えば、通常優勢な種、すなわち有益な細菌が過小評価されて(及び/又は代謝活性が低下)腸内細菌叢の一部が不均衡となり、含まれる種、例えば病原性及び/又は抗生物質耐性菌が優勢となって増殖し、空隙を埋める。
本明細書で使用される「抗がん治療薬の副作用」及び「抗がん療法の副作用」としては、腹痛、貧血及び低血球数、食欲不振、自己免疫効果、出血及び打撲傷(血小板減少症)、がん、気分や思考の変化、病原菌の定着、便秘、咳嗽、脱水症、せん妄、糖尿病関連症状、下痢、口渇又は口内乾燥、摂食障害、浮腫、転倒、疲労、不妊の問題、発熱、インフルエンザ様症状、腹部の体液又は腹水、消化管粘膜炎、腸内細菌叢異常、脱毛(脱毛症)、手足症候群又は手掌足底紅色感覚異常、頭痛、聴覚障害、高血圧又は低血圧、ホルモン変化、吃逆、高カルシウム血症、感染症および好中球減少症、病原菌による感染、炎症性腸疾患、過敏性腸症候群、脚のけいれん、リンパ浮腫、記憶又は集中力の問題、口腔及び喉の問題、吐気及び嘔吐、神経の問題(末梢神経障害)、肥満、骨粗鬆症、オストミー、疼痛、発作、性的健康問題、息切れ、副鼻腔鬱血、皮膚及び爪の変化、睡眠の問題、便又は尿の変化、発汗、腫脹、潰瘍性大腸炎、尿及び膀胱の問題、体液貯留による体重増加、及び/又は衰弱が挙げられる。実施形態では、抗がん治療薬及び/又は抗がん療法の副作用は腸内細菌叢異常によって引き起こされる。化学療法は、例えば、腸内微生物叢の多様性の減少に関連していることが報告されている。したがって、「副作用の治療、予防、又は低減」とは、例えば、部分的には、抗がん治療薬投与及び/又は抗がん療法を実施した後、腸内微生物叢を修復/再配置することにより、副作用の重症度を低下させ、副作用の完全除去に至ることを指す。
本明細書で使用する「抗がん治療薬及び/又は抗がん療法の有効性を高める」とは、抗がん治療薬及び/又は抗がん療法の有益かつ望ましい効果を促進する微生物組成物又はそれを使用する方法の能力、すなわち、がん細胞を死滅させる、腫瘍サイズを縮小する、及び/又はがん細胞又は腫瘍に対する免疫応答をシミュレーションする能力を指す。
本明細書で使用する場合、「胞子」又は「胞子」の集団には、一般に生存可能であり、同じ細菌の栄養型よりも熱や殺菌剤などの環境の影響に対してより耐性のある細菌(又は他の単細胞生物)が含まれ、通常、発芽及び成長が可能である。「胞子形成体」又は「胞子を形成できる」細菌は、適切な環境条件下で胞子を生産するための遺伝子及びその他の必要な能力を含む細菌である。
実施形態では、対象、例えばヒトは、チェックポイント分子を指向した治療に対して不応性及び/又は非応答性である。実施形態では、チェックポイント分子を指向した治療が、キイトルーダ(ペンブロリズマブ)、オプジーボ(ニボルマブ)、ヤーボイ(イピリムマブ)、テセントリク(アテゾリズマブ)、バベンチオ(アベルマブ)、又はイミフィンジ(デュルバルマブ)の投与を含む。
本明細書で使用される「治療する」という用語は、(i)病気、障害、又は状態を完全に又は部分的に阻害する、例えば、その発達を阻止すること、(ii)疾患、障害、又は状態を完全に又は部分的に緩和し、例えば、疾患、障害、及び/又は状態の退行を引き起こすこと、又は(iii)疾患、障害、及び/又は状態が生じやすい可能性があるが、それを有するとまだ診断されていない患者での疾患、障害、又は状態の発生を完全に又は部分的に防止すること、を指す。同様に、「治療」とは、治療的治療と予防薬又は予防的手段との両方を指す。
本明細書で使用される「実質的に」という用語は、性質を変更するために使用される場合、通常、その性質を失うことなくある程度の変動を可能にする。例えば、特定の態様では、かかる変動の程度は0.1%未満、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、1%〜2%、2%〜3%、3%〜4%、4%〜5%、又は5%超であり得る。
いくつかの実施形態では、「患者」及び「対象」という用語は互換可能に使用される。いくつかの実施形態では、対象及び/又は動物は、哺乳動物、例えば、ヒト、マウス、ラット、モルモット、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ブタ、ウサギ、ヒツジ、又はサル、チンパンジー、又はヒヒなどの非ヒト霊長類である。他の実施形態では、対象及び/又は動物は、例えばゼブラフィッシュなどの非哺乳類である。
様々な実施形態では、本発明の方法は、ヒト対象の治療に有用である。いくつかの実施形態では、ヒトは小児である。他の実施形態では、ヒトは成人である。他の実施形態では、ヒトは老人である。他の実施形態では、ヒトは患者と称されてもよい。いくつかの実施形態では、ヒトは女性である。いくつかの実施形態では、ヒトは男性である。
特定の実施形態では、ヒトは、年齢が約1〜約18ヶ月、約18〜約36ヶ月、約1〜約5歳、約5〜約10歳、約10〜約15歳、約15〜約20歳、約20〜約25歳、約25〜約30歳、約30〜約35歳、約35〜約40歳、約40〜約45歳、約45〜約50歳、約50〜約55歳、約55〜約60歳、約60〜約65歳、約65〜約70歳、約70〜約75歳、約75〜約80歳、約80〜約85歳、約85〜約90歳、約90〜約95歳、及び約95〜約100歳の範囲内である。
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるように、単数形「1つ(a)」、「1つ(an)」、及び「前記(the)」は、文脈が明らかにそうでないことを示さない限り、複数の指示対象を含む。
本明細書で使用されるように、具体的に記載又は文脈から明らかでない限り、用語「又は」は包括的であると理解され、「又は」並びに「及び」の両方を包含する。
本明細書で使用されるように、具体的に記載または文脈から明らかでない限り、用語「約」は、当技術分野の通常の許容範囲内、例えば、指定された値の(プラス又はマイナス)10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.1%、0.05%、又は0.01%であると理解される。文脈からそうでないことが明確でない限り、本明細書で提供される全ての数値は、用語「約」によって修正される。
「1又は複数」、「少なくとも1つ」などの用語には、これらに限定されるものではないが、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、又は150、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、3000、4000、5000以上及びそれらの間の任意の数が含まれると理解される。
一方、「以下」という用語には、指定された値より小さい各値が含まれる。
「複数」、「少なくとも2つ」、「2つ以上」、「少なくとも第2の」などの用語には、これらに限定されるものではないが、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、又は150、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、3000、4000、5000以上及びそれらの間の任意の数が含まれると理解される。
「超(える)」などの用語は、記載された値より少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、又は150、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、3000、4000、5000以上及びそれらの間の任意の数の分大きい値が含まれると理解される。
記載された範囲は、記載された範囲の間及び記載された範囲内の上限・下限の値であると理解される。例として、1〜5の範囲には、1、2、3、4、及び5が含まれ、1〜10の範囲には、1、2、3、4、5、6、7、8、9、及び10が含まれ、そして1〜100の範囲には、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、及び100が含まれる。
別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が関係する当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載のものと類似又は同等の他のプローブ、組成物、方法、及びキットを本発明の実施に使用することができるが、好ましい材料及び方法は本明細書に記載されている。本明細書で使用される用語は、特定の実施形態のみを説明するためのものであり、限定することを意図するものではないことを理解されたい。
実施例1:本発明の細菌混合物中の有用な細菌の決定
表5及び表5(上記)は、腸バリアの維持及び回復に役立つ細菌株を特定するために、公的及び私的ソースからの16S rRNA配列データを使用した分析の結果である。
いくつかの操作的分類単位(OTU)は、健康な便提供者に存在し、それらが属する科又は属は、腸球菌血流感染症(BSI)を発症した患者と比較して腸球菌血流感染症(BSI)を発症しなかった患者で濃縮されたために特定され、そして受信者オペレータ曲線(ROC)プロットでは、AUCは0.6以上であったため、これらの科及び属の存在の有無により、腸球菌血流感染症(BSI)を患者が発症するかどうかを予測可能であることを示している。いくつかのOTUは、健康な便提供者に存在し、それらが属する科又は属は、BSIを発症した患者と比較してBSIを発症しなかった化学療法中の患者で少なくとも2倍濃縮されたために特定され、そしてROCプロットでは、AUCは0.6以上であったため、これらの科及び属の存在の有無により、BSIを患者が発症するかどうかを予測可能であることを示している。いくつかのOTUは、健康な便提供者に存在し、それらが属する科又は属は、グラム陰性菌によって引き起こされるBSIを発症した患者と比較してグラム陰性菌によって引き起こされるBSIを発症しなかった患者で濃縮されたために特定され、そしてROCプロットでは、AUCは0.6以上であったため、これらの科及び属の存在の有無により、グラム陰性菌によって引き起こされるBSIを患者が発症するかどうかを予測可能であることを示している。患者は、白血病、リンパ腫、多発性骨髄腫、又は骨髄異形成症候群の治療の一環として、幹細胞移植を受けたか治療中であった。
これらの分析では3つのデータセットを使用した:(1)Taur Y, Xavier J, Lipuma L, Carles Ubeda, Goldberg J, Gobourne A, Lee Y, Dubin K, Socci N, Viale A, Perales M−A, Jenq R, Brink M, Pamer E. Intestinal Domination and the Risk of Bacteremia in Patients Undergoing Allogeneic Hematopoietic Stem Cell Transplantation. Clin Infect Dis. 2012;55(7):905−914. PMCID: PMC3657523、(2)Montassier E, Al−Ghalith GA, Ward T, Corvec S, Gastinne T, Potel G, Moreau P, de la Cochetiere MF, Batard E, Knights D. Pretreatment gut microbiome predicts chemotherapy−related bloodstream infection. Genome Medicine. 2016;8:49、及び(3)広範囲にスクリーニングされた健康な63人の便ドナーからの試料で16S配列決定を実施。
図1は、GreenGenesデータベース内の全OTUにおける、健康なヒトの腸で検出されるOTU及び表5に含まれるOTUの割合を示す円グラフである。GreenGenesデータベースには、配列決定された様々な細菌株からのおよそ100,000の特有な16S配列に対応する配列データが含まれている。ワールド・ワイド・ウェブ(www)で「greengenes.lbl.gov」を参照のこと。図1は、GreenGenesデータベースに見られる全OTUにおける、ヒトの腸で見られるOTU及び本発明に関するOTUの割合を示す。図1に示すように、GreenGenesデータベース内の全OTUの94.6%は健康なヒトの腸で見出されない。GreenGenesデータベース内の全OTUの5.1%は健康なヒトの腸で見出される。表5に示すOTUはGreenGenesデータベース内の全OTUの0.3%である。
実施例2 細菌混合物の開発
腸バリアの完全性を、例えば、抗がん療法を受ける前、受けている時、及び/又は受けた後に、保護、維持、及び/又は回復する共生細菌株の新規の混合物を含む製品候補が開発されている。
細菌株が混合物に含まれ得、これは、例えば以前又は現在の抗がん療法によって引き起こされた腸内毒素性障害に苦しむ患者の糞便移植療法(FMT)の成功のためにその便が使用されたドナーにおける前記細菌株の存在量に基づくものである。さらに、細菌株が混合物に含まれ得、これは前記細菌株の、多くのヒト細菌病原体を標的とする抗菌ペプチドの産生を調節するToll様受容体(TLR)を活性化
する能力、機能的欠損を有する微生物群(例えば、病原菌が感染した及び/又はコロニー形成した患者の微生物群)の能力を補完して健康な個体に匹敵するレベルのSCFAを産生する能力、分泌物の産生を通じて病原性細菌を直接阻害する能力、粘膜治癒を可能にする能力、粘膜バリア機能を改善する能力、及び/又は炎症を軽減する能力、SCFAの産生を強化すること、SCFAの病原性細菌産生を根絶すること、粘膜バリア機能を改善する能力、欠損腸バリアを維持及び/又は修復するのを助ける能力、結腸上皮粘液の肥厚化を誘導する能力、IgA産生の増加を誘導する能力、タイトジャンクションの完全性の改善を誘導する能力、及び/又は粘膜バリア機能の回復を促進する能力に基づくものである。
特定の細菌株は、16S rRNA配列同一性に基づいて混合物に含まれる。例えば、前記混合物は、表5又は表6で提示される操作的分類単位(OTU)のいずれか1つの16S rRNA配列と少なくとも約80%同一である16S rRNA配列を有する1又は複数の細菌株を含む。例えば、前記混合物は、表5又は表6で提示される操作的分類単位(OTU)のいずれか1つの16S rRNA配列と少なくとも約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、又は約100%同一である16S rRNA配列を有する1又は複数の細菌株を含んでいてもよい。
細菌株の特定の混合物は、実質的に完全な又は無選抜の糞便微生物叢調製物(例えば、単一のドナーから)であり、通常1人又は複数人以上の健康なヒトの糞便に見られる機能性微生物の完全な補完物を含む。かかる細菌株の混合物には、表5又は表6に提示された1又は複数の株、及び/又は表5又は表6に提示された細菌株のいずれか1つの16S rRNA配列と少なくとも約95%同一である16S rRNA配列を有する1又は複数の菌株が補充されていてもよい。
他の細菌株の混合物は、1人の健康なヒトの糞便又は複数の健康なヒトドナーの糞便に見られる機能性微生物の「完全ではない補完物(less than the full complement)」を含む。これらの細菌混合物は、完全な補完物から少なくとも1種類の細菌株を省略するものである。かかる細菌株の混合物には、表5又は表6に提示された1又は複数の株、及び/又は表5又は表6に提示された細菌株のいずれか1つの16S rRNA配列と少なくとも約95%同一である16S rRNA配列を有する1又は複数の株が補充されていてもよい。
混合物中のいくつかの細菌株は、ヒトの糞便から(すなわち、適切で健康なドナーから)直接取得される。それらの菌株の一部は、その由来材料から単離又は純化されていてもよい。すなわち、最初に産生された際に関連付けられていた成分の少なくとも一部から(例えば、天然物(糞便から))分離されていてもよい。
混合物中のいくつかの細菌株は、ヒトの糞便から間接的に得られ、及び/又はヒトの糞便から独立して(例えば、細菌細胞バンク又は実験用ストックから)取得される。
実施例3 医薬組成物の製造
実施例1及び/又は実施例2で選択された菌株は、独立して培養され、投与前に混合されてもよい。培養株は、支持培地、例えば、37℃及びpH7で、1g/Lシステイン・HClで予め還元したGMM又はその他の動物性製品非含有培地で独立して増殖される。各菌株が十分なバイオマスに達した後、所望により15%のグリセロールを添加して細胞バンク用に保存した後−80°Cで1mlのクライオチューブ内で凍結する。
次に、各菌株を約1010CFU/mLの濃度まで培養し、接線流精密ろ過により20倍に濃縮してもよい。使用済み培地は、2%ゼラチン、100mMトレハロース、及び10mMリン酸ナトリウム緩衝液からなる保存培地又は他の適切な保存培地とダイアフィルトレーションにより交換する。懸濁液を凍結乾燥して粉末にし、滴定する。
乾燥後、前記粉末を微結晶セルロース及びステアリン酸マグネシウムと混合し、10mgの凍結乾燥粉末(10〜1011 個の細菌)、160mgの微結晶セルロース、77.5mgのゼラチン、及び2.5mgのステアリン酸マグネシウムを含む250mgのゼラチンカプセルに製剤化する。
実施例4 治療方法
腸内細菌叢異常を有する対象には、腸内細菌叢異常を治療するために本発明の細菌混合物を含む医薬組成物が投与される。
抗がん治療薬の副作用及び/又は抗がん療法の副作用として腸内細菌叢異常を有する対象の場合、前記医薬組成物は副作用の軽減又は治療に役立つ。
抗がん治療薬及び/又は抗がん療法の副作用を経験した又は経験している対象の場合、前記医薬組成物は、抗がん治療薬及び/又は抗がん療法の有効性を高める。
実施例5 予防方法
腸内細菌叢異常のリスクを有する対象には、腸内細菌叢異常を予防するために本発明の細菌混合物を含む医薬組成物が投与される。
抗がん治療薬の副作用及び/又は抗がん療法の副作用として腸内細菌叢異常のリスクを有する対象の場合、前記医薬組成物は副作用起こす可能性を予防することに役立つ。
均等物
本発明をその特定の実施形態に関連して説明したが、さらなる修正が可能であり、本出願は、本発明のあらゆる変形、使用、又は適応を網羅することを意図しており、一般に本発明の原理に従い、本開示からのかかる逸脱を含み、本発明が関係する技術分野内の既知又は慣例の範囲内であり、添付の特許請求の範囲内で前述及び以下の本質的特徴に適用できるものであることが理解されるであろう。
当業者は、本明細書に具体的に記載された特定の実施形態に対する多数の均等物を、通常の実験のみを使用して認識又は確認することができるであろう。かかる均等物は、添付の特許請求の範囲に含まれることが意図される。
参考文献
参照による組み込み
本明細書で参照される全ての特許及び刊行物は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本明細書で検討される刊行物は、本出願の出願日前のそれらの開示のためにのみ提供される。本明細書中の如何なるものも、本発明が先行発明のためにかかる刊行物に先行する権利を与えられないという承認として解釈されるべきではない。
本明細書で使用される場合、全ての見出しは単に組織化のためのものであり、いかなる方法でも開示を制限することを意図するものではない。個々のセクションの内容は、全てのセクションに等しく適用され得る。

Claims (99)

  1. 細菌混合物を含む医薬組成物であって、前記細菌混合物中の少なくとも1種類の細菌株が、表5に記載の操作的分類単位(OTU)のいずれか1つの16S rRNA配列に対して約97%超の同一性を有する16S rRNA配列を含む、細菌混合物を含む医薬組成物。
  2. 細菌混合物を含む医薬組成物であって、前記細菌混合物中の少なくとも1種類の細菌株が、表6に記載される属のいずれか1つの操作的分類単位(OTU)の16S rRNA配列に対して約97%超の同一性を有する16S rRNA配列を含む、細菌混合物を含む医薬組成物。
  3. 前記細菌混合物中の前記少なくとも1種類の細菌株の16S rRNA配列が、表5に記載のOTUのいずれか1つ又は表6に記載される属のいずれか1つのOTUの16S rRNA配列に対して約98%超の同一性を有する、請求項1又は請求項2に記載の医薬組成物。
  4. 前記細菌混合物中の前記少なくとも1種類の細菌株の16S rRNA配列が、表5に記載のOTUのいずれか1つ又は表6に記載される属のいずれか1つのOTUの16S rRNA配列に対して約99%超の同一性を有する、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  5. 前記細菌混合物中の前記少なくとも1種類の細菌株の16S rRNA配列が、表5に記載のOTUのいずれか1つ又は表6に記載される属のいずれか1つのOTUの16S rRNA配列に対して約99.5%超の同一性を有する、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  6. 前記細菌混合物中の前記少なくとも1種類の細菌株の16S rRNA配列が、表5に記載のOTUのいずれか1つ又は表6に記載される属のいずれか1つのOTUの16S rRNA配列と同一である、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  7. 前記少なくとも1種類の細菌株が、共生細菌株である、請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  8. 前記少なくとも1種類の細菌株が、1人又は複数人のヒトから得られる、請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  9. 前記1人又は複数人のヒトが健康なヒトである、及び/又は、少なくとも1つの選択基準を満たす、請求項8に記載の医薬組成物。
  10. 前記少なくとも1種類の細菌株が1人のヒトから得られる、請求項8又は請求項9に記載の医薬組成物。
  11. 前記少なくとも1種類の細菌株が複数人のヒトから得られる、請求項8又は請求項9に記載の医薬組成物。
  12. 前記少なくとも1種類の細菌株が、前記細菌混合物を形成する前にその由来材料から単離及び/又は純化される、請求項1〜請求項11のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  13. 前記少なくとも1種類の細菌株が、前記細菌混合物を形成する前に培養される、請求項1〜請求項12のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  14. 前記少なくとも1種類の細菌株が、前記細菌混合物を形成する前に培養されない、請求項1〜請求項12のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  15. 前記少なくとも1種類の細菌株が、前記細菌混合物を形成する前にその由来材料から単離及び/又は純化されない、請求項1〜請求項11のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  16. 前記少なくとも1種類の細菌株が、前記細菌混合物を形成する前に培養されない、請求項15に記載の医薬組成物。
  17. 前記少なくとも1種類の細菌株が、実験用ストック又は細菌細胞バンクから取得される、請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  18. 前記少なくとも1種類の細菌株が、前記細菌混合物を形成する前にその由来材料から単離及び/又は純化される、請求項17に記載の医薬組成物。
  19. 前記少なくとも1種類の細菌株が、前記細菌混合物を形成する前に培養される、請求項17又は請求項18に記載の医薬組成物。
  20. 前記細菌混合物が、表5に記載のOTUのうち1つの16S rRNA配列に対して約97%超の同一性を有する16S rRNA配列を含む細菌株を2種類以上含む、請求項1〜請求項19のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  21. 前記細菌混合物が約5種類以上の細菌株を含み、前記細菌株のうち複数種類が、表5に記載のOTUのうち1つの16S rRNA配列に対して約97%超の同一性を有する16S rRNA配列を含む、請求項20に記載の医薬組成物。
  22. 前記細菌混合物が約10種類以上の細菌株を含み、前記細菌株のうち複数種類が、表5に記載のOTUのうち1つの16S rRNA配列に対して約97%超の同一性を有する16S rRNA配列を含む、請求項21に記載の医薬組成物。
  23. 前記細菌混合物が約20種類以上の細菌株を含み、前記細菌株のうち複数種類が、表5に記載のOTUのうち1つの16S rRNA配列に対して約97%超の同一性を有する16S rRNA配列を含む、請求項22に記載の医薬組成物。
  24. 前記細菌混合物が約30種類以上の細菌株を含み、前記細菌株のうち複数種類が、表5に記載のOTUのうち1つの16S rRNA配列に対して約97%超の同一性を有する16S rRNA配列を含む、請求項23に記載の医薬組成物。
  25. 前記細菌混合物が約40種類以上の細菌株を含み、前記細菌株のうち複数種類が、表5に記載のOTUのうち1つの16S rRNA配列に対して約97%超の同一性を有する16S rRNA配列を含む、請求項24に記載の医薬組成物。
  26. 前記細菌混合物が約50種類以上の細菌株を含み、前記細菌株のうち複数種類が、表5に記載のOTUのうち1つの16S rRNA配列に対して約97%超の同一性を有する16S rRNA配列を含む、請求項25に記載の医薬組成物。
  27. 前記細菌混合物が2種類以上の細菌株を含み、前記細菌混合物中の各細菌株が、表5に記載のOTUのうち1つの16S rRNA配列に対して約97%超の同一性を有する16S rRNA配列を含む、請求項1〜請求項26のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  28. 前記細菌混合物が、前記細菌混合物中に約5種類〜約100種類の細菌株を含み、前記細菌株のうち複数種類が、表5に記載のOTUのうち1つの16S rRNA配列に対して約97%超の同一性を有する16S rRNA配列を含む、請求項1〜請求項26のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  29. 前記細菌混合物が、前記細菌混合物中に約10種類〜約75種類の細菌株を含み、前記細菌株のうち複数種類が、表5に記載のOTUのうち1つの16S rRNA配列に対して約97%超の同一性を有する16S rRNA配列を含む、請求項28に記載の医薬組成物。
  30. 前記細菌混合物が、前記細菌混合物中に約15種類〜約50種類の細菌株を含み、前記細菌株のうち複数種類が、表5に記載のOTUのうち1つの16S rRNA配列に対して約97%超の同一性を有する16S rRNA配列を含む、請求項29に記載の医薬組成物。
  31. 前記細菌混合物が、前記細菌混合物中に約20種類〜約45種類の細菌株を含み、前記細菌株のうち複数種類が、表5に記載のOTUのうち1つの16S rRNA配列に対して約97%超の同一性を有する16S rRNA配列を含む、請求項30に記載の医薬組成物。
  32. 前記細菌混合物が、前記細菌混合物中に約25種類〜約40種類の細菌株を含み、前記細菌株のうち複数種類が、表5に記載のOTUのうち1つの16S rRNA配列に対して約97%超の同一性を有する16S rRNA配列を含む、請求項31に記載の医薬組成物。
  33. 前記細菌混合物が、前記細菌混合物中に約30種類〜約35種類の細菌株を含み、前記細菌株のうち複数種類が、表5に記載のOTUのうち1つの16S rRNA配列に対して約97%超の同一性を有する16S rRNA配列を含む、請求項32に記載の医薬組成物。
  34. 前記細菌混合物が、前記細菌混合物中に約5種類〜約100種類の細菌株を含み、各細菌株が、表5に記載のOTUのうち1つの16S rRNA配列に対して約97%超の同一性を有する16S rRNA配列を含む、請求項1〜請求項21のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  35. 前記細菌混合物が、単一のドナーからの実質的に完全な糞便微生物叢調製物を含む、請求項1〜請求項27のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  36. 前記細菌混合物が、表6に記載される属のいずれか1つのOTUの16S rRNA配列に対して約97%超の同一性を有する16S rRNA配列を含む細菌株を2種類以上含む、請求項1〜請求項19のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  37. 前記細菌混合物が約5種類以上の細菌株を含み、前記細菌株のうち複数種類が、表6に記載される属のいずれか1つのOTUの16S rRNA配列に対して約97%超の同一性を有する16S rRNA配列を含む、請求項36記載の医薬組成物。
  38. 前記細菌混合物が約10種類以上の細菌株を含み、前記細菌株のうち複数種類が、表6に記載される属のいずれか1つのOTUの16S rRNA配列に対して約97%超の同一性を有する16S rRNA配列を含む、請求項37記載の医薬組成物。
  39. 前記細菌混合物が約20種類以上の細菌株を含み、前記細菌株のうち複数種類が、表6に記載される属のいずれか1つのOTUの16S rRNA配列に対して約97%超の同一性を有する16S rRNA配列を含む、請求項38記載の医薬組成物。
  40. 前記細菌混合物が約30種類以上の細菌株を含み、前記細菌株のうち複数種類が、表6に記載される属のいずれか1つのOTUの16S rRNA配列に対して約97%超の同一性を有する16S rRNA配列を含む、請求項39記載の医薬組成物。
  41. 前記細菌混合物が約40種類以上の細菌株を含み、前記細菌株のうち複数種類が、表6に記載される属のいずれか1つのOTUの16S rRNA配列に対して約97%超の同一性を有する16S rRNA配列を含む、請求項40記載の医薬組成物。
  42. 前記細菌混合物が約50種類以上の細菌株を含み、前記細菌株のうち複数種類が、表6に記載される属のいずれか1つのOTUの16S rRNA配列に対して約97%超の同一性を有する16S rRNA配列を含む、請求項41記載の医薬組成物。
  43. 前記細菌混合物が2種類以上の細菌株を含み、前記細菌混合物中の各細菌株が、表6に記載される属のいずれか1つのOTUの16S rRNA配列に対して約97%超の同一性を有する16S rRNA配列を含む、請求項1〜請求項19のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  44. 前記細菌混合物が、前記細菌混合物中に約5種類〜約100種類の細菌株を含み、前記細菌株のうち複数種類が、表6に記載される属のいずれか1つのOTUの16S rRNA配列に対して約97%超の同一性を有する16S rRNA配列を含む、請求項1〜請求項19のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  45. 前記細菌混合物が、前記細菌混合物中に約10種類〜約75種類の細菌株を含み、前記細菌株のうち複数種類が、表6に記載される属のいずれか1つのOTUの16S rRNA配列に対して約97%超の同一性を有する16S rRNA配列を含む、請求項44に記載の医薬組成物。
  46. 前記細菌混合物が、前記細菌混合物中に約15種類〜約50種類の細菌株を含み、前記細菌株のうち複数種類が、表6に記載される属のいずれか1つのOTUの16S rRNA配列に対して約97%超の同一性を有する16S rRNA配列を含む、請求項45に記載の医薬組成物。
  47. 前記細菌混合物が、前記細菌混合物中に約20種類〜約45種類の細菌株を含み、前記細菌株のうち複数種類が、表6に記載される属のいずれか1つのOTUの16S rRNA配列に対して約97%超の同一性を有する16S rRNA配列を含む、請求項46に記載の医薬組成物。
  48. 前記細菌混合物が、前記細菌混合物中に約25種類〜約40種類の細菌株を含み、前記細菌株のうち複数種類が、表6に記載される属のいずれか1つのOTUの16S rRNA配列に対して約97%超の同一性を有する16S rRNA配列を含む、請求項47に記載の医薬組成物。
  49. 前記細菌混合物が、前記細菌混合物中に約30種類〜約35種類の細菌株を含み、前記細菌株のうち複数種類が、表6に記載される属のいずれか1つのOTUの16S rRNA配列に対して約97%超の同一性を有する16S rRNA配列を含む、請求項48に記載の医薬組成物。
  50. 前記細菌混合物が、前記細菌混合物中に約5種類〜約100種類の細菌株を含み、各細菌株が、表6に記載される属のいずれか1つのOTUの16S rRNA配列に対して約97%超の同一性を有する16S rRNA配列を含む、請求項1〜請求項19のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  51. 前記細菌混合物が、単一のドナーからの実質的に完全な糞便微生物叢調製物を含む、請求項36〜請求項43のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  52. 少なくとも1種類の細菌株が、血流感染(BSI)を発症した対象の糞便中の当該細菌株の量と比較して、BSIを発症しなかった対象の糞便中の当該細菌株の量が多量であるために前記細菌混合物に含まれる、請求項1〜請求項51のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  53. 少なくとも1種類の細菌株が、血流感染(BSI)を発症した化学療法を受けている対象の糞便中の当該細菌株の量と比較して、BSIを発症しなかった化学療法を受けている対象の糞便中の当該細菌株の量が多量であるために前記細菌混合物に含まれる、請求項1〜請求項51のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  54. 前記多量が2倍以上である、請求項53に記載の医薬組成物。
  55. 少なくとも1種類の細菌株が、グラム陰性菌により生じる血流感染(BSI)を発症した対象の糞便中の当該細菌株の量と比較して、グラム陰性菌により生じるBSIを発症しなかった対象の糞便中の当該細菌株の量が多量であるために前記細菌混合物に含まれる、請求項1〜請求項51のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  56. 少なくとも1種類の細菌株が、当該細菌株が、分泌産物の産生を通じて病原性細菌を直接阻害することにより、Toll様受容体(TLR)を活性化することにより、結腸上皮粘液の肥厚を誘発することにより、IgA産生の増加を誘導することにより、抗菌ペプチド産生の増加を誘導することにより、改善されたタイトジャンクションの完全性(integrity)を誘導することにより、短鎖脂肪酸(SCFA)を産生することにより、SCFAの産生を強化することにより、結腸細胞の健康を維持することにより、IgA産生を誘導することにより、腸内の酪酸レベルを増加させることにより、一酸化窒素合成酵素活性を阻害することにより、及び/又は腸内における宿主由来の硝酸塩濃度を下げることにより、腸管バリアの維持及び/又は修復を助ける能力を有するために前記細菌混合物に含まれる、請求項1〜請求項55のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  57. 複数の細菌株が、当該細菌株が、分泌産物の産生を通じて病原性細菌を直接阻害することにより、Toll様受容体(TLR)を活性化することにより、結腸上皮粘液の肥厚を誘導することにより、IgA産生の増加を誘導することにより、抗菌ペプチド産生の増加を誘導することにより、改善されたタイトジャンクションの完全性を誘導することにより、短鎖脂肪酸(SCFA)を産生することにより、SCFAの産生を強化することにより、結腸細胞の健康を維持することにより、IgA産生を誘導することにより、腸内の酪酸レベルを増加させることにより、一酸化窒素合成酵素活性を阻害することにより、及び/又は腸内における宿主由来の硝酸塩濃度を下げることにより、腸管バリアの維持及び/又は修復を助ける能力があるために前記細菌混合物に含まれる、請求項56に記載の医薬組成物。
  58. TLRを活性化すると、抗菌ペプチドの産生が調節される、請求項56又は請求項57に記載の医薬組成物。
  59. 前記病原性細菌は抗生物質耐性菌(ARB)である、請求項56〜請求項58のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  60. 医薬的に許容される添加剤をさらに含む、請求項1〜請求項59のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  61. 前記医薬組成物は、経口投与用及び/又は前記細菌混合物の腸への送達用に製剤化される、請求項1〜請求項60のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  62. 前記腸が小腸又は大腸を含む、請求項61に記載の医薬組成物。
  63. 前記腸が小腸及び大腸を含む、請求項62に記載の医薬組成物。
  64. 前記腸が大腸を含む、請求項62に記載の医薬組成物。
  65. 前記大腸が盲腸を含む、請求項62〜請求項64のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  66. 送達が、直腸より前で実質的に完了する、請求項61〜請求項65のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  67. 前記医薬組成物がカプセルとして製剤化される、請求項61〜請求項66のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  68. 前記カプセルが遅延放出コーティングを含む、請求項67に記載の医薬組成物。
  69. 前記細菌混合物中の前記細菌株のうち複数種類が、生きている栄養細胞、及び/又は凍結乾燥細胞である、請求項1〜請求項68のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  70. 前記細菌混合物中の前記細菌株のうち複数種類が胞子である、請求項1〜請求項69のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  71. 前記細菌混合物中の前記細菌株のうち複数種類が非病原性細菌である、請求項1〜請求項70のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  72. 前記細菌混合物中の各細菌株が非病原性細菌である、請求項1〜請求項71のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  73. 前記医薬組成物は、対象における健康な腸バリアを維持及び/又は回復することができる、請求項1〜請求項72のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  74. 前記対象がヒトである、請求項73に記載の医薬組成物。
  75. 前記細菌混合物中の少なくとも1種類の細菌株は、表5又は表6に記載されるバルネシエラ(Barnesiellaceae)科由来のOTUの16S rRNA配列に対して約97%超の同一性を有する16S rRNA配列を含み、前記細菌混合物中の少なくとも1種類の細菌株は、表5又は表6に記載されるS24−7科由来のOTUの16S rRNA配列に対して約97%超の同一性を有する16S rRNA配列を含み、前記細菌混合物中の少なくとも1種類の細菌株は、表5又は表6に記載されるMogibacteriaceae科由来のOTUの16S rRNA配列に対して約97%超の同一性を有する16S rRNA配列を含み、前記細菌混合物中の少なくとも1種類の細菌株は、表5又は表6に記載されるクリステンセネラ(Chrissensenellaceae)科由来のOTUの16S rRNA配列に対して約97%超の同一性を有する16S rRNA配列を含み、前記細菌混合物中の少なくとも1種類の細菌株は、表5又は表6に記載されるラクノスピラ(Lachnospiraceae)科由来のOTUの16S rRNA配列に対して約97%超の同一性を有する16S rRNA配列を含み、及び/又は前記細菌混合物中の少なくとも1種類の細菌株は、表5又は表6に記載されるルミノコッカス(Ruminococcaceae)科由来のOTUの16S rRNA配列に対して約97%超の同一性を有する16S rRNA配列を含む、請求項1〜請求項74のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  76. 前記細菌混合物中の少なくとも1種類の細菌株は、表5又は表6に記載されるバルネシエラ(Barnesiellaceae)科由来のOTUの16S rRNA配列に対して約97%超の同一性を有する16S rRNA配列を含み、前記細菌混合物中の少なくとも1種類の細菌株は、表5又は表6に記載されるS24−7科由来のOTUの16S rRNA配列に対して約97%超の同一性を有する16S rRNA配列を含み、前記細菌混合物中の少なくとも1種類の細菌株は、表5又は表6に記載されるMogibacteriaceae科由来のOTUの16S rRNA配列に対して約97%超の同一性を有する16S rRNA配列を含み、前記細菌混合物中の少なくとも1種類の細菌株は、表5又は表6に記載されるクリステンセネラ(Chrissensenellaceae)科由来のOTUの16S rRNA配列に対して約97%超の同一性を有する16S rRNA配列を含み、前記細菌混合物中の少なくとも1種類の細菌株は、表5又は表6に記載されるラクノスピラ(Lachnospiraceae)科由来のOTUの16S rRNA配列に対して約97%超の同一性を有する16S rRNA配列を含み、及び前記細菌混合物中の少なくとも1種類の細菌株は、表5又は表6に記載されるルミノコッカス(Ruminococcaceae)科由来のOTUの16S rRNA配列に対して約97%超の同一性を有する16S rRNA配列を含む、請求項75に記載の医薬組成物。
  77. 有効量の請求項1〜請求項76のいずれか一項に記載の医薬組成物を、投与を必要とする対象に投与することを含む、1種類又は複数種類の病原性細菌が腸バリアを越えて移動するのを防ぐ方法。
  78. 前記1種類又は複数種類の病原性細菌は、まだ腸バリアを越えて移動して対象の血流に入ることはしていない、請求項77に記載の方法。
  79. 前記1種類又は複数種類の病原性細菌は、腸バリアを越えて移動して対象の血流に既に入っている、請求項77に記載の方法。
  80. 有効量の前記医薬組成物の投与は、腸バリアを超える前記1種類又は複数種類の病原性細菌のさらなる移動及び対象の血流への進入を防ぐ、請求項79に記載の方法。
  81. 前記1種類又は複数種類の病原性細菌による血流への進入は、血流感染(BSI)、カテーテル又は血管内ライン感染、肝障害、例えば血液透析に関連した慢性炎症、慢性炎症性疾患、化学療法による細胞毒性、凝固亢進、腸から離れた部位での感染、例えば潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患、過敏性腸症候群、例えばII型糖尿病を含むインスリン抵抗性などの代謝性疾患、その他の公知の抗生物質耐性感染、関節リウマチ、例えば抗生物質耐性尿路感染及びカテーテル関連尿路感染などの尿路感染(UTI)、及び創傷感染から選択される疾患を引き起こす、請求項77〜請求項80のいずれか一項に記載の方法。
  82. 前記1種類又は複数種類の病原性細菌は、エロモナス・ハイドロフィラ(Aeromonas hydrophila)、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)などのバチルス属(Bacillus)、ビフィドバクテリウム属(Bifidobacterium)、ボルデテラ属(Bordetella)、ボレリア属(Borrelia)、ブルセラ属(Brucella)、バークホルデリア属(Burkholderia)、クロストリディオイデス・ディフィシル(C. difficile)、カンピロバクター・フェタス(Campylobacter fetus)及びカンピロバクター・ジェジュニ(Campylobacter jejuni)などのカンピロバクター属(Campylobacter)、クラミジア属(Chlamydia)、クラミドフィラ属(Chlamydophila)、クロストリジウム・ボツリヌム(Clostridium botulinum)、クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)、及びクロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)などのクロストリジウム属(Clostridium)、コリネバクテリウム属(Corynebacterium)、コクシエラ属(Coxiella)、エーリキア属(Ehrlichia)、カルバペネム耐性腸内細菌(Carbapenem−resistent Enterobacteriaceae、CRE)フルオロキノロン耐性腸内細菌(fluoroquinolone−resistant Enterobacteriaceae)、及び基質特異性拡張型βラクタマーゼ産生腸内細菌(Extended Spectrum Beta−Lactamase producing Enterobacteriaceae、ESBL−E)などの腸内細菌(Enterobacteriaceae)、バンコマイシン耐性腸球属菌(vancomycin−resistant enterococcus spp.)、基質特異性拡張型βラクタマーゼ耐性腸球菌(extended spectrum beta−lactam resistant Enterococci、ESBL)、及びバンコマイシン耐性腸球菌(vancomycin−resistant Enterococci、VRE)などの腸球菌属(Enterococcus)、腸管凝集性大腸菌(enteroaggregative Escherichia coli)、腸管出血性大腸菌(enterohemorrhagic Escherichia coli)、腸管侵入性大腸菌(enteroinvasive Escherichia coli)、腸管病原性大腸菌(enteropathogenic E. coli)、毒素原性大腸菌(enterotoxigenic Escherichia coli(限定されるものではないがLT及び/又はSTなど))、大腸菌O157:H7(Escherichia coli O157:H7)、及び多剤耐性大腸菌などのエシェリキア属(Escherichia)、フランシセラ属(Francisella)、ヘモフィルス属(Haemophilus)、ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)などのヘリコバクター属(Helicobacter)、クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiellia pneumonia)及び多剤耐性クレブシエラ菌などのクレブシエラ属(Klebsiella)、レジオネラ属(Legionella)、レプトスピラ属(Leptospira)、リステリア・モノサイトゲネス(Lysteria monocytogenes)などのリステリア属(Listeria)、モルガネラ属(Morganella)、マイコバクテリウム属(Mycobacterium)、マイコプラズマ属(Mycoplasma)、ナイセリア属(Neisseria)、オリエンティア属(Orientia)、プレシオモナス・シゲロイデス(Plesiomonas shigelloides)、抗生物質耐性プロテオバクテリア属(Antibiotic−resistant Proteobacteria)、プロテウス属(Proteus)、シュードモナス属(Pseudomonas)、リケッチア属(Rickettsia)、パラチフス菌(Salmonella paratyphi)、サルモネラ属菌(Salmonella spp.)、及びチフス菌(Salmonella typhi)などのサルモネラ属(Salmonella)、赤痢菌(Shigella spp)などのシゲラ属(Shigella)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)及びスタフィロコッカス属菌(Staphylococcus spp.)などのスタフィロコッカス属(Staphylococcus)、ストレプトコッカス属(Streptococcus)、トレポネーマ属(Treponema)、コレラ菌(Vibrio cholerae)、腸炎ビブリオ(Vibrio parahaemolyticus)、ビブリオ属菌(Vibrio spp.)、及びビブリオ・バルニフィカス(Vibrio vulnificus)などのビブリオ属(Vibrio)、及びエルシニア・エンテロコリチカ(Yersinia enterocolitica)などのエルシニア属(Yersinia)のうちの1種類又は複数種類を含む、請求項77〜請求項81のいずれか一項に記載の方法。
  83. 前記1種類又は複数種類の病原性細菌の少なくとも1つが抗生物質耐性菌(ARB)である、請求項77〜請求項82のいずれか一項に記載の方法。
  84. 前記ARBが抗生物質耐性プロテオバクテリア(Antibiotic−resistant Proteobacteria)、バンコマイシン耐性腸球菌(Vancomycin Resistant Enterococcus、VRE)、カルバペネム耐性腸内細菌(Carbapenem Resistant Enterobacteriaceae、CRE)、フルオロキノロン耐性腸内細菌(fluoroquinolone−resistant Enterobacteriaceae)、又は基質特異性拡張型βラクタマーゼ産生腸内細菌(Extended Spectrum Beta−Lactamase producing Enterobacteriaceae、ESBL−E)である、請求項83に記載の方法。
  85. 前記投与を必要とする対象が慢性腎臓病を有する、がんを有する、及び/又は臓器移植を受けた、請求項77〜請求項84のいずれか一項に記載の方法。
  86. 前記投与を必要とする対象が、外来患者である、入院している、及び/又は長期介護施設にいる、請求項77〜請求項85のいずれか一項に記載の方法。
  87. 前記投与を必要とする対象が、血流感染(BSI)、カテーテル又は血管内ライン感染、肝障害、例えば血液透析に関連した慢性炎症、慢性炎症性疾患、髄膜炎、例えば人工呼吸器関連肺炎などの肺炎、皮膚及び軟部組織の感染、手術部位感染、化学療法による細胞毒性、凝固亢進、腸から離れた部位での感染、例えば潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患、過敏性腸症候群、例えばII型糖尿病を含むインスリン抵抗性などの代謝性疾患、その他の公知の抗生物質耐性感染、その他の公知の抗生物質耐性感染、関節リウマチ、例えば抗生物質耐性尿路感染及びカテーテル関連尿路感染などの尿路感染(UTI)、及び創傷感染から選択される疾患を有するか、又はそのリスクを有する、請求項77〜請求項86のいずれか一項に記載の方法。
  88. 前記対象が、抗がん治療薬及び/又は抗がん療法を受けた又は受けている、請求項77〜請求項87のいずれか一項に記載の方法。
  89. 前記抗がん療法が、手術、放射線療法、化学療法、及び/又は標的療法を含む、請求項88に記載の方法。
  90. 前記化学療法がホルモン療法である又は前記標的療法が免疫療法である、請求項89に記載の方法。
  91. 前記対象が、腸内細菌叢異常によって引き起こされる抗がん療法の副作用を患っている、請求項88〜請求項90のいずれか一項に記載の方法。
  92. 前記細菌混合物が、前記抗がん治療薬の副作用及び/又は抗がん療法の副作用を低減、治療、又は予防する、請求項91に記載の方法。
  93. 有効量の請求項1〜請求項76のいずれか一項に記載の医薬組成物を、投与を必要とする対象に投与することを含む、抗がん治療薬及び/又は抗がん療法の有効性を高める方法。
  94. 前記抗がん療法が、手術、放射線療法、化学療法、及び/又は標的療法を含む、請求項93に記載の方法。
  95. 前記医薬組成物が、前記抗がん治療薬及び/又は前記抗がん療法の後に投与される、請求項93又は請求項94に記載の方法。
  96. 前記医薬組成物が、前記抗がん治療薬及び/又は前記抗がん療法の前に投与される、請求項93又は請求項94に記載の方法。
  97. 前記医薬組成物が、前記抗がん治療薬及び/又は前記抗がん療法と同時に投与される、請求項93又は請求項94に記載の方法。
  98. 前記抗がん療法がチェックポイント分子を指向した標的療法であり、前記対象が前記チェックポイント分子を指向した前記治療に不応性及び/又は非応答性である、請求項94〜請求項97のいずれか一項に記載の方法。
  99. 前記チェックポイント分子を指向した前記治療が、キイトルーダ(ペンブロリズマブ)、オプジーボ(ニボルマブ)、ヤーボイ(イピリムマブ)、テセントリク(アテゾリズマブ)、バベンチオ(アベルマブ)、又はイミフィンジ(デュルバルマブ)の投与を含む、請求項98に記載の方法。
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