ある特定の腫瘍は、従来の治療法を使用して管理することが特に困難である。ハイポキシアは、がん性細胞が非常に低い酸素濃度で存在する固形腫瘍の特有の特徴である。ハイポキシアの領域は、多くの場合、壊死組織を包囲し、固形のがんがそれらの脈管構造より大きくなると発生する。血管供給が、腫瘍の代謝要求を満たすことができないと、腫瘍の微量環境は酸欠になる。腫瘍内の複数のエリアは、正常組織内の3〜15%酸素と比較して<1%酸素を含有し(VaupelおよびHockel、1995年)、無血管領域が腫瘍塊の25〜75%を占めることもある(Dangら、2001年)。腫瘍のおおよそ95%は、ある程度は低酸素である(Huangら、2004年)。全身送達される抗がん剤は、腫瘍脈管構造
に頼って送達されるが、不良な脈管形成が、急速に分裂する細胞への酸素供給を妨げ、その結果、脈管形成不良の低酸素腫瘍領域における細胞増殖を標的とする治療に対するそれらの細胞の感受性が低くなる。放射線療法は、酸素が放射線誘導細胞死の必要エフェクターであるため、低酸素細胞を死滅させることができない。低酸素細胞には、放射線療法に対して、正常な酸素レベルを有する細胞の3倍までの抵抗性がある(Bettegowdaら、2003年;Tiecher、1995年;Wachsbergerら、2003年)。これらのすべての理由のため、切除不能な局所進行腫瘍は、従来の治療法を使用して管理することが特に困難である。
低酸素環境を標的とすることに関連する課題に加えて、がんを特異的に標的とし、破壊する治療法は、遺伝的変更と、ハイポキシアおよび壊死のエリアを有する不均質な塊をもたらす病態生理学的変化とを含む、正常組織と悪性組織との差を認識しなければならない。
本開示は、遺伝子操作された微生物、例えば、遺伝子操作された細菌、その医薬組成物、およびがんをモジュレートまたは処置するための方法に関する。ある特定の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、がん性細胞を標的とすることができる。ある特定の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、特に、低酸素腫瘍環境などの低酸素条件で、がん性細胞を標的とすることができる。ある特定の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、腫瘍細胞に局所送達される。ある特定の態様では、本明細書で開示される組成物および方法を使用して、1つもしくは複数の免疫モジュレーターをがん性細胞に送達すること、またはがん性細胞において1つもしくは複数の免疫モジュレーターを産生することができる。
本開示は、がんを処置するために免疫モジュレーターを局所的かつ腫瘍特異的に送達するための、組成物および治療方法に関する。ある特定の態様では、本開示は、がん性細胞を標的とすることができ、1つまたは複数のエフェクター分子、例えば、免疫モジュレーター、例えば、本明細書で提供されるエフェクター分子のいずれかを産生することができる、遺伝子操作された微生物に関する。ある特定の態様では、本開示は、がん性細胞を標的とすることができ、1つまたは複数のエフェクター分子、例えば、免疫モジュレーターを産生することができる、遺伝子操作された細菌に関する。ある特定の態様では、本開示は、がん性細胞、特に、腫瘍の低酸素領域におけるがん性細胞を標的とすることができ、酸素レベル誘導性プロモーターの制御下で1つまたは複数のエフェクター分子、例えば、免疫モジュレーターを産生することができる、遺伝子操作された細菌に関する。既存の従来の治療法とは対照的に、腫瘍の低酸素エリアは、嫌気性細菌の成長のための完璧なニッチを提供し、その使用は、周囲の脈管形成良好な酸素正常状態の組織を温存して、進行した局所腫瘍を正確に根絶する機会をもたらす。
具体的には、一部の実施形態では、遺伝子操作された微生物は、1つもしくは複数の免疫イニシエーターを産生することができる。一部の実施形態では、遺伝子操作された微生物は、1つもしくは複数の免疫イニシエーターと組み合わせて、1つもしくは複数の免疫サステナーを産生することができる。
一部の態様では、本開示は、1つまたは複数のエフェクター分子、例えば、免疫モジュレーター(例えば、免疫イニシエーターおよび/または免疫サステナー)を腫瘍細胞または腫瘍微小環境に送達することができる、遺伝子操作された微生物を提供する。一部の態様では、本開示は、全身的に、例えば本開示に記載の送達手段のいずれかによって、送達され、1つまたは複数のエフェクター分子、例えば、本明細書に記載の免疫イニシエーターおよび/または免疫サステナーを産生することができる、遺伝子操作された微生物に関する。一部の態様では、本開示は、局所的に、例えば局所腫瘍内投与によって、送達され、1つまたは複数のエフェクター分子、例えば、免疫イニシエーターおよび/または免疫サステナーを産生することができる、遺伝子操作された微生物に関する。一部の態様では、本明細書で開示される組成物および方法を使用して、1つまたは複数のエフェクター分子、例えば、免疫イニシエーターおよび/または免疫サステナーを腫瘍細胞に選択的に送達することによって、全身性細胞傷害性または全身性免疫不全、例えば、自己免疫事象または他の免疫関連有害事象の発生を低減させることができる。
本開示をより容易に理解することができるように、ある特定の用語が最初に定義される。これらの定義は、本開示の残部に照らし合わせて、また当業者により理解されるように、読まれたい。別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての専門および科学用語は、当業者によって一般に理解されているのと同じ意味を有する。さらなる定義は、詳細な説明の至る所に示される。
がんに対する免疫の生成は、「がん−免疫サイクル」(ChenおよびMellman、Oncology Meets Immunology: The Cancer−Immunity Cycle; Immunity、(2013年)、39巻:1〜10頁)と称されている潜在的に自己伝播性の周期的プロセスであり、これにより、T細胞応答の広範化および増幅がもたらされ得る。サイクルは、サイクル内の様々なステップにおいて免疫調節性フィードバック機序を引き起し、発達を停止させるかまたは免疫を制限し得る、阻害因子によって妨害される。
サイクルは、本質的に、抗がん免疫応答の開始が成功するために起こる必要のある一連のステップを含む。サイクルには、免疫応答が開始されるために起こる必要のあるステップと、免疫応答が維持される(すなわち、進行および拡大増殖することが可能となり、衰えない)ために、続いて起こる必要のある第2の一連の事象とが含まれる。これらのステップは、「がん−免疫サイクル」(ChenおよびMellman、2013年)と称されており、本質的には、以下のものである。
1.腫瘍細胞内容物の放出(腫瘍溶解)および/または獲得:腫瘍細胞が破壊され、その内容物が流出し、結果としてネオ抗原の放出が起こり、それが、プロセシングのために抗原提示細胞(樹状細胞およびマクロファージによって取り込まれる。あるいは、抗原提示細胞が、能動的に、腫瘍細胞に直接食作用を行ってもよい。
2.抗原提示細胞(APC)(樹状細胞およびマクロファージ)の活性化:上記の第1のステップに加えて、次のステップには、抗原提示細胞の活性化およびそれに続く抗がんT細胞応答をもたらすために、瀕死の腫瘍細胞からのDAMPまたはPAMPの放出の結果として、炎症性サイトカインの放出または炎症性サイトカインの生成が含まれなければならない。抗原提示細胞の活性化は、腫瘍由来の抗原に対する末梢寛容を回避するために、極めて重要である。適正に活性化されると、抗原提示細胞は、その表面で以前に内部移行された抗原を、MHCIおよびMHCII分子の状況下で、適正な共刺激シグナル(CD80/86、サイトカインなど)とともに提示して、T細胞をプライミングおよび活性化する。
3.T細胞のプライミングおよび活性化:DCおよびマクロファージによる抗原提示は、免疫系によって「外来」として認識される、がん特異的抗原に対するエフェクターT細胞応答のプライミングおよび活性化をもたらす。このステップは、エフェクターT細胞の数量および質、ならびに調節性T細胞の寄与を決定することにより、抗がん免疫応答の強度および範囲に極めて重要である。加えて、T細胞の適正なプライミングは、より優れたメモリーT細胞の形成および永続的な免疫をもたらし得る。
4.移動および浸潤:次に、活性化エフェクターT細胞は、腫瘍に移動し、腫瘍に浸潤しなければならない。
5.T細胞およびT細胞支持体によるがん細胞の認識、ならびにエフェクターT細胞応答の増強および拡大増殖:腫瘍部位に到達すると、T細胞は、それらのT細胞受容体(TCR)を介してがん細胞を認識し、それに結合することができ、TCRは、がん細胞上にMHC分子の状況で提示されているそれらの同種抗原に特異的に結合し、続いて、標的がん細胞を死滅させる。がん細胞の死滅により、腫瘍細胞の細胞溶解を通じて腫瘍関連抗原が放出され、サイクルが再度開始され、それによって、後続の回のサイクルにおける応答の量が増大する。MHC−IまたはMHC−IIのいずれかに制限されるT細胞による抗原認識は、さらなるエフェクター機能、例えば、ケモカインおよびエフェクターサイトカインの放出をもたらし、強固な抗腫瘍応答をさらに強化し得る。
6.免疫抑制の克服:最後に、がんに対する免疫応答におけるある特定の欠損を克服することおよび/またはがんの防御戦略を克服すること、すなわち、がんが免疫応答と戦う際に用いる弱点を克服することは、サイクルにおける別の極めて重要なステップとして解釈することができる。一部の事例では、T細胞のプライミングおよび活性化が生じたとしても、他の免疫抑制細胞サブセット、すなわち、調節性T細胞または骨髄系(myloid)由来サプレッサー細胞が、腫瘍微小環境に対して能動的に動員および活性化される。他の事例では、T細胞は、適正に腫瘍にホーミングするための正しいシグナルを受容しない可能性があるか、または腫瘍に浸潤することから能動的に除外され得る。最後に、腫瘍微小環境には、サイクルの結果として産生されるエフェクター細胞を抑制または抑止することができる、ある特定の機序が存在している。そのような耐性機序には、通常、免疫寛容を媒介し、がん組織損傷を弱める、免疫チェックポイントと称されることも多い免疫阻害経路が組み入れられている(例えば、Pardoll、(2012年)、The blockade of immune checkpoints in cancer immunotherapy; Nature Reviews Cancer、12巻、252〜264頁を参照されたい)。
1つの重要な免疫チェックポイント受容体は、細胞傷害性Tリンパ球関連抗原4(CTLA4)であり、これは、T細胞活性化の振幅をダウンモジュレートする。一部の免疫チェックポイント受容体、例えば、プログラム細胞死タンパク質1(PD1)は、組織内のT細胞エフェクター機能を制限する。PD1のリガンドを上方調節することによって、腫瘍細胞および抗原提示細胞は、腫瘍微小環境における抗腫瘍免疫応答を遮断する。いくつかは様々な種類の腫瘍細胞においては選択的に上方調節される、複数の追加の免疫チェックポイント受容体およびリガンドは、特に、抗腫瘍免疫応答の開始または活性化を増強するアプローチとの組合せにおいて、遮断の重要な標的である。
6つのステップのうちの1つまたは複数において、がん−免疫サイクルを経ての進行を促進および支持するための治療法が、開発されている。これらの治療法は、広義には、免疫応答の開始を促進する治療法および免疫応答を維持するのに役立つ治療法として、分類することができる。
本明細書で使用される場合、「免疫開始」または「免疫応答を開始すること」という用語は、免疫応答の生成および確立をもたらすステップを通じた前進を指す。例えば、これらのステップには、上述のがん免疫サイクルの最初の3つのステップ、すなわち、抗原獲得のプロセス(ステップ(1))、樹状細胞およびマクロファージの活性化(ステップ(2))、ならびに/またはT細胞のプライミングおよび活性化(ステップ(3))が含まれ得る。
本明細書で使用される場合、「免疫維持」または「免疫応答を維持すること」という用語は、免疫応答が、経時的に広範化および強化されるのを確実にし、免疫応答の減弱または抑制を予防するステップを通じた前進を指す。例えば、これらのステップには、記載されるサイクルのステップ4から6、すなわち、T細胞の移動および腫瘍浸潤、TCRを通じたがん細胞の認識、ならびに免疫抑制を克服すること、すなわち、調節性T細胞の枯渇または阻害、およびエフェクター応答の他の能動的な抑制の確立を予防することが含まれ得る。
したがって、一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、サイクル内のステップのうちの1つまたは複数をモジュレートすること、例えば、活性化すること、促進すること、支持することによって、がん免疫サイクルをモジュレート、例えば、前進させることができる。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、免疫応答の開始をモジュレート、例えば、強化するステップを、モジュレート、例えば、促進することができる。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、免疫応答の維持を増強するサイクル内のある特定のステップを、モジュレート、例えば、ブーストすることができる。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、免疫応答の開始をモジュレート、例えば、強化すること、および免疫応答の持続をモジュレート、例えば、増強することができる。
したがって、一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、免疫応答の開始をモジュレート、例えば、強化する、1つまたは複数のエフェクター分子、例えば、免疫モジュレーターを産生することができる。したがって、一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、免疫応答の維持をモジュレート、例えば、増強する、1つまたは複数のエフェクター分子、例えば、免疫モジュレーターを産生することができる。したがって、一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、免疫応答の開始をモジュレート、例えば、強化する、1つまたは複数のエフェクター分子、例えば、免疫モジュレーター、ならびに免疫応答の維持をモジュレート、例えば、増強する、1つまたは複数のエフェクター分子、例えば、免疫モジュレーターを産生することができる。
したがって、一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、免疫応答の開始をモジュレート、例えば、強化する、1つまたは複数のエフェクター分子、例えば、免疫モジュレーターをコードする遺伝子配列を含む。したがって、一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、免疫応答の維持をモジュレート、例えば、増強する、1つまたは複数のエフェクター分子、例えば、免疫モジュレーターをコードする遺伝子配列を含む。したがって、一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、免疫応答の開始をモジュレート、例えば、強化する、1つまたは複数のエフェクター分子、例えば、免疫モジュレーター、ならびに免疫応答の維持をモジュレート、例えば、増強する、1つまたは複数のエフェクター分子、例えば、免疫モジュレーターをコードする遺伝子配列を含む。
「エフェクター」、「エフェクター物質」、または「エフェクター分子」は、目的の1つまたは複数の分子、治療用物質、または薬物を指す。一実施形態では、「エフェクター」は、改変された微生物、例えば、細菌によって産生される。別の実施形態では、本明細書に記載される第1のエフェクターを産生することができる改変された微生物は、第2のエフェクター、例えば、改変された微生物によって産生されないが、第1のエフェクターを産生する改変された微生物の投与の前に、それと同時に、またはその後に投与される第2のエフェクターと組み合わせて、投与される。
そのようなエフェクターまたはエフェクター分子の非限定的な例は、「免疫モジュレーター」であり、本明細書に記載される免疫サステナーおよび/または免疫イニシエーターが含まれる。一部の実施形態では、改変された微生物は、2つまたはそれより多いエフェクター分子または免疫モジュレーターを産生することができる。一部の実施形態では、改変された微生物は、3、4、5、6、7、8、9、または10個のエフェクター分子または免疫モジュレーターを産生することができる。一部の実施形態では、エフェクター分子または免疫モジュレーターは、がんのモジュレーションまたは処置に有用である治療用分子である。別の実施形態では、本明細書に記載される第1の免疫モジュレーターを産生することができる改変された微生物は、第2の免疫モジュレーター、例えば、改変された微生物によって産生されないが、第1の免疫モジュレーターを産生する改変された微生物の投与の前に、それと同時に、またはその後に投与される第2の免疫モジュレーターと組み合わせて、投与される。
一部の実施形態では、エフェクターまたは免疫モジュレーターは、少なくとも1つの遺伝子によってコードされる治療用分子である。他の実施形態では、エフェクターまたは免疫モジュレーターは、少なくとも1つの遺伝子によってコードされる酵素によって産生される治療用分子である。代替実施形態では、エフェクター分子または免疫モジュレーターは、少なくとも1つの遺伝子によってコードされる生化学的または生合成経路によって産生される治療用分子である。別の実施形態では、エフェクター分子または免疫モジュレーターは、少なくとも1つの遺伝子によってコードされる生化学的、生合成、または異化経路の少なくとも1つの酵素である。一部の実施形態では、エフェクター分子または免疫モジュレーターは、RNA干渉、マイクロRNA応答もしくは阻害、TLR応答、アンチセンス遺伝子調節、標的タンパク質結合(アプタマーまたはデコイオリゴ)、または遺伝子編集、例えば、CRISPR干渉を媒介する核酸分子であり得る。他の種類のエフェクターおよび免疫モジュレーターは、本明細書に記載および列挙されている。
エフェクター分子および/または免疫モジュレーターの非限定的な例としては、免疫チェックポイント阻害剤(例えば、CTLA−4抗体、PD−1抗体、PDL−1抗体)、細胞傷害剤(例えば、Cly A、FASL、TRAIL、TNFα)、免疫刺激性サイトカインおよび共刺激分子(例えば、OX40抗体またはOX40L、CD28、ICOS、CCL21、IL−2、IL−18、IL−15、IL−12、IFN−ガンマ、IL−21、TNF、GM−CSF)、抗原および抗体(例えば、腫瘍抗原、ネオ抗原、CtxB−PSA融合タンパク質、CPV−OmpA融合タンパク質、NY−ESO−1腫瘍抗原、RAF1、免疫サプレッサー分子に対する抗体、抗VEGF、抗CXR4/CXCL12、抗GLP1、抗GLP2、抗ガレクチン1、抗ガレクチン3、抗Tie2、抗CD47、免疫チェックポイントに対する抗体、免疫抑制性サイトカインおよびケモカインに対する抗体)、DNA転移ベクター(例えば、エンドスタチン、トロンボスポンジン−1、TRAIL、SMAC、Stat3、Bcl2、FLT3L、GM−CSF、IL−12、AFP、VEGFR2)、ならびに酵素(例えば、E.coli CD、HSV−TK)、免疫刺激性代謝物およびそれらを産生する生合成経路の酵素(STINGアゴニスト、例えば、c−ジAMP、3’3’−cGAMP、および2’3’−cGAMP、アルギニン、トリプトファン)が挙げられる。
エフェクターにはまた、免疫抑制性または腫瘍成長促進性代謝物、例えば、キヌレニン、アデノシン、およびアンモニアの異化をもたらす、酵素もしくは他のポリペプチド(例えば、輸送体または調節タンパク質)または他の改変(例えば、ある特定の内在性遺伝子、例えば、栄養要求体の不活性化)も含まれ得る。キヌレニン、アデノシン、およびアンモニアの消費回路の非限定的な例は、本明細書に記載されている。
免疫モジュレーターには、とりわけ、免疫イニシエーターおよび免疫サステナーが含まれる。
本明細書で使用される場合、「免疫イニシエーター」または「イニシエーター」という用語は、あるクラスのエフェクターまたは分子、例えば、免疫モジュレーター、または物質を指す。免疫イニシエーターは、(1)腫瘍細胞の細胞溶解(腫瘍溶解)、(2)APC(樹状細胞およびマクロファージ)の活性化、ならびに/または(3)T細胞のプライミングおよび活性化を含む、がん免疫サイクルの1つまたは複数のステップをモジュレート、例えば、強化または増強し得る。一実施形態では、免疫イニシエーターは、本明細書に記載される改変された微生物、例えば、細菌によって産生され得るか、または本開示の改変された微生物と組み合わせて投与され得る。例えば、本明細書に記載される第1の免疫イニシエーターまたは免疫サステナーを産生することができる改変された微生物は、第2の免疫イニシエーター、例えば、改変された微生物によって産生されないが、第1の免疫イニシエーターまたは免疫サステナーを産生する改変された微生物の投与の前に、それと同時に、またはその後に投与される第2の免疫イニシエーターと組み合わせて、投与される。このような免疫イニシエーターの非限定的な例は、本明細書にさらに詳細に記載されている。
一部の実施形態では、免疫イニシエーターは、少なくとも1つの遺伝子によってコードされる治療用分子である。このような治療用分子の非限定的な例は、本明細書に記載されており、サイトカイン、ケモカイン、単鎖抗体(アゴニストまたはアンタゴニスト)、リガンド(アゴニストまたはアンタゴニスト)、共刺激受容体/リガンドなどが挙げられるが、これらに限定されない。別の実施形態では、免疫イニシエーターは、少なくとも1つの遺伝子によってコードされる酵素によって産生される治療用分子である。このような酵素の非限定的な例は、本明細書に記載されており、STINGアゴニストを産生するDacAおよびcGASが挙げられるが、これらに限定されない。別の実施形態では、免疫イニシエーターは、少なくとも1つの遺伝子によってコードされる生合成経路の少なくとも1つの酵素である。このような生合成経路の非限定的な例は、本明細書に記載されており、アルギニンの産生に関与する酵素が挙げられるが、これに限定されない。別の実施形態では、免疫イニシエーターは、少なくとも1つの遺伝子によってコードされる異化経路の少なくとも1つの酵素である。このような異化経路の非限定的な例は、本明細書に記載されており、有害な代謝物の異化に関与する酵素が挙げられるが、これに限定されない。別の実施形態では、免疫イニシエーターは、少なくとも1つの遺伝子によってコードされる生合成経路の少なくとも1つの酵素によって産生される少なくとも1つの分子である。別の実施形態では、免疫イニシエーターは、代謝変換によって産生される治療用分子である、すなわち、免疫イニシエーターは、代謝変換因子である。他の実施形態では、免疫イニシエーターは、RNA干渉、マイクロRNA応答または阻害、TLR応答、アンチセンス遺伝子調節、標的タンパク質結合(アプタマーまたはデコイオリゴ)、遺伝子編集、例えば、CRISPR干渉を媒介する核酸分子であり得る。
「免疫イニシエーター」という用語はまた、内在性遺伝子の任意の改変、例えば、突然変異または欠失も指し得る。一部の実施形態では、細菌は、生化学的、生合成、または異化経路を発現するように操作されている。一部の実施形態では、細菌は、第2のメッセンジャー分子を産生するように操作されている。
広義には、微生物、例えば、細菌は、「免疫イニシエーター」を産生することができる場合、本明細書において、「免疫イニシエーター微生物」と称される場合がある。
特定の実施形態では、改変された微生物は、(1)腫瘍細胞の細胞溶解および/もしくは腫瘍抗原の取込みのステップ、(2)APCの活性化のステップ、ならびに/または(3)T細胞のプライミングおよび活性化のステップのうちの1つまたは複数をモジュレート、例えば、強化する、1つまたは複数の免疫イニシエーターを産生することができる。一部の実施形態では、改変された微生物は、(1)腫瘍細胞の細胞溶解および/もしくは腫瘍抗原の取込みのステップ、(2)APCの活性化のステップ、ならびに/または(3)T細胞のプライミングおよび活性化のステップのうちの1つまたは複数をモジュレート、例えば、強化する、1つまたは複数の免疫イニシエーターの産生のための遺伝子回路網を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、(1)腫瘍溶解および/もしくは腫瘍抗原の取込みのステップ、(2)APCの活性化のステップ、ならびに/または(3)T細胞のプライミングおよび活性化のステップのうちの1つまたは複数をモジュレート、例えば、強化する、1つまたは複数の免疫イニシエーターをコードする1つまたは複数の遺伝子を含む。任意の免疫イニシエーターを、がん免疫サイクルにおける同じかまたは異なるステップをモジュレートする1つまたは複数の追加の同じかまたは異なる免疫イニシエーターと組み合わせてもよい。
一実施形態では、改変された微生物は、腫瘍溶解または腫瘍抗原の取込み(ステップ(1))をモジュレートする、1つまたは複数の免疫イニシエーターを産生する。抗原獲得をモジュレートする免疫イニシエーターの非限定的な例は、本明細書に記載されており、当該技術分野で公知であり、溶解性ペプチド、CD47遮断抗体、SIRP−アルファおよびバリアント、TNFα、IFN−γ、ならびに5FUが挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態では、改変された微生物は、APCの活性化(ステップ(2))をモジュレートする、1つまたは複数の免疫イニシエーターを産生する。APCの活性化をモジュレートする免疫イニシエーターの非限定的な例は、本明細書に記載されており、当該技術分野で公知であり、Toll様受容体アゴニスト、STINGアゴニスト、CD40L、およびGM−CSFが挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態では、改変された微生物は、T細胞のプライミングおよび活性化(ステップ(3))をモジュレート、例えば、増強する、1つまたは複数の免疫イニシエーターを産生する。T細胞のプライミングおよび活性化をモジュレート、例えば、増強する、免疫イニシエーターの非限定的な例は、本明細書に記載されており、当該技術分野で公知であり、抗OX40抗体、OXO40L、抗41BB抗体、41BBL、抗GITR抗体、GITRL、抗CD28抗体、抗CTLA4抗体、抗PD1抗体、抗PDL1抗体、IL−15、およびIL−12などが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される場合、「免疫サステナー」または「サステナー」は、あるクラスのエフェクターもしくは分子、例えば、免疫モジュレーター、または物質を指す。免疫サステナーは、(4)移動及び浸潤、(5)T細胞およびT細胞支持体によるがん細胞の認識、ならびに/または(6)免疫抑制を克服する能力を含む、がん免疫サイクルの1つまたは複数のステップをモジュレート、例えば、ブーストまたは増強することができる。一実施形態では、免疫サステナーは、本明細書に記載される改変された微生物、例えば、細菌によって産生され得る。別の実施形態では、免疫サステナーは、本明細書に記載される改変された微生物と組み合わせて投与され得る。例えば、本明細書に記載される第1の免疫イニシエーターまたは免疫サステナーを産生することができる改変された微生物は、第2の免疫サステナー、例えば、改変された微生物によって産生されないが、第1の免疫イニシエーターまたは免疫サステナーを産生する改変された微生物の投与の前に、それと同時に、またはその後に投与される第2の免疫サステナーと組み合わせて、投与される。
一部の実施形態では、免疫サステナーは、少なくとも1つの遺伝子によってコードされる治療用分子である。このような治療用分子の非限定的な例は、本明細書に記載されており、サイトカイン、ケモカイン、単鎖抗体(アゴニストまたはアンタゴニスト)、リガンド(アゴニストまたはアンタゴニスト)などが挙げられる。別の実施形態では、免疫サステナーは、少なくとも1つの遺伝子によってコードされる酵素によって産生される治療用分子である。このような酵素の非限定的な例は、本明細書に記載されており、表8に記載されるものが挙げられるが、これらに限定されない。別の実施形態では、免疫サステナーは、少なくとも1つの遺伝子によってコードされる生合成経路または異化経路の少なくとも1つの酵素である。このような生合成経路の非限定的な例は、本明細書に記載されており、アルギニンの産生に関与する酵素が挙げられるが、これに限定されない。このような異化経路の非限定的な例は、本明細書に記載されており、キヌレニンの触媒作用に関与する酵素またはアデノシンの触媒作用に関与する酵素が挙げられるが、これらに限定されない。別の実施形態では、免疫サステナーは、少なくとも1つの遺伝子によってコードされる生合成、生化学的、または異化経路の少なくとも1つの酵素によって産生される少なくとも1つの分子である。別の実施形態では、免疫サステナーは、代謝変換によって産生される治療用分子である、すなわち、免疫イニシエーターは、代謝変換因子である。他の実施形態では、免疫サステナーは、RNA干渉、マイクロRNA応答または阻害、TLR応答、アンチセンス遺伝子調節、標的タンパク質結合(アプタマーまたはデコイオリゴ)、遺伝子編集、例えば、CRISPR干渉を媒介する核酸分子であり得る。
特定の実施形態では、改変された微生物は、有害な代謝物、例えば、細胞分裂、増殖、がんの成長を促進する、および/または例えばがん免疫サイクルを経ての進行を防止することによって免疫系を抑制する代謝物を、破壊することができる。したがって、「免疫サステナー」という用語はまた、有害な分子の低減または排除も指し得る。そのような事例では、「免疫サステナー」という用語は、1つまたは複数の遺伝子によってコードされ得る、有害な代謝物を破壊する異化経路の1つまたは複数の酵素も指すために使用され得る。「免疫サステナー」という用語は、異化酵素をコードする回路網、異化酵素を産生するための回路網、または微生物によって発現される異化酵素を指し得る。
「免疫サステナー」という用語はまた、内在性遺伝子の任意の改変、例えば、突然変異または欠失も指し得る。一部の実施形態では、微生物は、生化学的、生合成、または異化経路を発現するように改変されている。一部の実施形態では、微生物は、第2のメッセンジャー分子を産生するように操作されている。
広義には、微生物、例えば、細菌は、「免疫サステナー」を産生することができる場合、「免疫サステナー微生物」と称される場合がある。
一部の実施形態では、改変された微生物は、(4)T細胞の移動および浸潤のステップ、(5)T細胞および/もしくはT細胞支持体によるがん細胞の認識のステップ、ならびに/または(6)免疫抑制を克服する能力のステップのうちの1つまたは複数をモジュレート、例えば、ブーストする、1つまたは複数の免疫サステナーを産生することができる。任意の免疫サステナーを、同じかまたは異なるステップをモジュレートする1つまたは複数の追加の免疫サステナーと組み合わせてもよい。一部の実施形態では、改変された微生物は、(4)T細胞の移動および浸潤のステップ、(5)T細胞および/もしくはT細胞支持体によるがん細胞の認識のステップ、ならびに/または(6)免疫抑制を克服する能力のステップのうちの1つまたは複数をモジュレート、例えば、ブーストする、1つまたは複数の免疫サステナーの産生のための遺伝子回路網を含む。一部の実施形態では、改変された微生物は、(4)T細胞の移動および浸潤のステップ、(5)T細胞および/もしくはT細胞支持体によるがん細胞の認識のステップ、ならびに/または(6)免疫抑制を克服する能力のステップのうちの1つまたは複数をモジュレート、例えば、ブーストする、1つまたは複数の免疫サステナーをコードする1つまたは複数の遺伝子を含む。
一実施形態では、改変された微生物は、T細胞の移動および浸潤(ステップ(4))をモジュレートする、1つまたは複数の免疫サステナーを産生する。T細胞の移動および浸潤をモジュレートする免疫サステナーの非限定的な例は、本明細書に記載されており、当該技術分野で公知であり、ケモカイン、例えば、CXCL9およびCXCL10、またはそのようなサイトカインの発現を誘導する上流の活性化因子が挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態では、改変された微生物は、T細胞およびT細胞支持体によるがん細胞の認識(ステップ(5))をモジュレートする、1つまたは複数の免疫サステナーを産生する。T細胞およびT細胞支持体によるがん細胞の認識をモジュレートする免疫サステナーの非限定的な例は、本明細書に記載されており、当該技術分野で公知であり、抗PD1/PD−L1抗体(アンタゴニスト)、抗CTLA−4抗体(アンタゴニスト)、キヌレニン消費、アデノシン消費、抗OX40抗体(アゴニスト)、抗41BB抗体(アゴニスト)、および抗GITR抗体(アゴニスト)が挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態では、改変された微生物は、免疫抑制を克服する能力(ステップ(6))をモジュレート、例えば、増強する、1つまたは複数の免疫サステナーを産生する。免疫抑制を克服する能力をモジュレート、例えば、増強する免疫サステナーの非限定的な例は、本明細書に記載されており、当該技術分野で公知であり、IL−15およびIL−12、ならびにそれらのバリアントが挙げられるが、これらに限定されない。
任意の1つまたは複数の免疫イニシエーターを、任意の1つまたは複数の免疫サステナーと組み合わせてもよい。したがって、一部の実施形態では、改変された微生物は、(1)腫瘍溶解のステップ、(2)APCの活性化のステップ、ならびに/または(3)T細胞のプライミングおよび活性化のステップのうちの1つまたは複数をモジュレート、例えば、強化する、1つまたは複数の免疫イニシエーターを、(4)T細胞の移動および浸潤のステップ、(5)T細胞および/もしくはT細胞支持体によるがん細胞の認識のステップ、ならびに/または(6)免疫抑制を克服する能力のステップのうちの1つまたは複数をモジュレート、例えば、ブーストする、1つまたは複数の免疫サステナーと組み合わせて、産生することができる。
一部の実施形態では、ある特定の免疫モジュレーターは、がん免疫サイクルの複数の段階、例えば、免疫開始の1つもしくは複数の段階、または免疫維持の1つもしくは複数、または免疫開始の1つもしくは複数の段階および免疫維持の1つもしくは複数の段階で、作用する。
本明細書で使用される場合、「代謝変換」は、細胞、例えば、細菌細胞内における化学的形質変換を指し、これは、酵素に触媒される反応の結果である。酵素に触媒される反応は、自然には生合成または異化のいずれかであり得る。
本明細書で使用される場合、「代謝変換因子」という用語は、生合成または異化回路、すなわち、化学的形質変換を触媒する、すなわち、代謝物を消費、産生、または変換する、1つまたは複数の酵素をコードする遺伝子を含む回路を指す。一実施形態では、遺伝子は、非ネイティブ遺伝子である。別の実施形態では、遺伝子は、ネイティブ遺伝子によってコードされ得るが、回路は、1つもしくは複数の非ネイティブ遺伝子および/または1つもしくは複数の非ネイティブ栄養要求体を含むようにさらに改変される。一部の実施形態では、「代謝変換因子」という用語は、少なくとも1つの遺伝子によってコードされる生合成経路の少なくとも1つの酵素によって産生される、少なくとも1つの分子を指す。
「代謝変換因子」はまた、回路によってコードされる生合成または異化酵素、ならびに内在性遺伝子の任意の改変、例えば、突然変異または欠失を指す。「代謝変換因子」という用語はまた、異化酵素をコードする1つもしくは複数の遺伝子、および/または内在性遺伝子の改変を指す。例えば、代謝変換因子は、毒性もしくは免疫抑制性の代謝物を消費するか、または抗がん代謝物を産生するか、またはその両方であり得る。代謝変換因子の非限定的な例としては、キヌレニン消費物質、アデノシン消費物質、アルギニン産生物質、および/またはアンモニア消費物質、すなわち、キヌレニンもしくはアデノシンの消費またはアルギニンの産生、ならびに/またはアンモニアの消費のための酵素をコードする回路網が挙げられる。
広義には、微生物、例えば、細菌は、「代謝変換因子」を含むか、またはそれを産生することができる場合、本明細書において、「代謝変換因子微生物」または「代謝変換因子細菌」と称され得る。
本明細書で使用される場合、「部分的な退縮」という用語は、改変された微生物および/または免疫モジュレーターの、腫瘍を有する対象への投与の後の、腫瘍の成長の阻害、および/または腫瘍の、例えば、サイズにおける、退縮を指す。一実施形態では、「部分的な退縮」は、腫瘍の、例えば、サイズにおける、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、または少なくとも約90%の退縮を指し得る。別の実施形態では、「部分的な退縮」は、腫瘍のサイズの、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、または少なくとも約90%の減少を指し得る。一実施形態では、「部分的な退縮」は、腫瘍の、例えば、サイズにおける、退縮を指すが、腫瘍は、依然として、対象において検出可能である。
本明細書で使用される場合、「完全な退縮」という用語は、改変された微生物および/または免疫モジュレーターの、腫瘍を有する対象へ投与の後の、腫瘍の、例えば、サイズにおける、完全な退縮を指す。「完全な退縮」が生じた場合、腫瘍は、対象において検出不能である。
本明細書で使用される場合、「応答パーセント」という用語は、対象集団における、改変された微生物および/または免疫モジュレーターの投与の後に、本明細書に定義される部分的な退縮または完全な退縮のいずれかを示す対象のパーセンテージを指す。例えば、一実施形態では、対象集団における対象のうちの約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、または約95%が、部分奏功または完全奏功を示す。
本明細書で使用される場合、「安定疾患」という用語は、成長も収縮もしていないがんまたは腫瘍を指す。「安定疾患」はまた、新しい腫瘍が発生しておらず、がんまたは腫瘍が、例えば、転移によって、身体の任意の新しい領域またはエリアに、拡がっていない、疾患状態も指す。
「腫瘍内投与」は、腫瘍内部位への微生物送達についての任意のおよびすべての意味を含むように意図されており、腫瘍内注射手段に限定されない。操作された微生物の送達手段の例は、本明細書中で詳細に論じられている。
「がん」または「がん性」は、非調節細胞成長を特徴とする生理状態を指すために使用される。一部の実施形態では、がんは、腫瘍を指す。「腫瘍」は、任意の新生物細胞成長もしくは増殖または任意の前がん性もしくはがん性細胞もしくは組織を指すために使用される。腫瘍は、悪性であることもあり、または良性であることもある。がんの種類の例としては、副腎がん、副腎皮質癌、肛門がん、虫垂がん、胆管がん、膀胱がん、骨がん(例えば、ユーイング肉腫腫瘍、骨肉腫、悪性線維性組織球腫)、脳がん(例えば、星細胞腫、脳幹神経膠腫、頭蓋咽頭腫、脳室上衣腫)、気管支腫瘍、中枢神経系腫瘍、乳がん、キャッスルマン病、子宮頸がん、結腸がん、直腸がん、結腸直腸がん、子宮内膜がん、食道がん、眼がん、胆嚢がん、消化器がん、消化器カルチノイド腫瘍、消化器間質腫瘍、妊娠性絨毛性疾患、心臓がん、カポジ肉腫、腎がん、喉頭がん、下咽頭がん、白血病(例えば、急性リンパ性白血病、急性骨髄系白血病、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病)、肝がん、肺がん、リンパ腫(例えば、AIDS関連リンパ腫、バーキットリンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、中枢神経系原発リンパ腫)、悪性中皮腫、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群、鼻腔がん、副鼻腔がん、上咽頭がん、神経芽腫、口腔がん、中咽頭がん、骨肉腫、卵巣がん、膵がん、陰茎がん、下垂体腫瘍、前立腺がん、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、ラブドイド腫瘍、唾液腺がん、肉腫、皮膚がん(例えば、基底細胞癌、黒色腫)、小腸がん、胃がん、奇形腫、精巣がん、のどのがん、胸腺がん、甲状腺がん、非通常型小児がん、尿道がん、子宮がん、子宮肉腫、膣がん、外陰がん、ワルデンストレーム高ガンマグロブリン血症、およびウィルムス腫瘍が挙げられるが、これらに限定されない。がん処置の副作用としては、日和見自己免疫障害、全身毒性、貧血、食欲減退、膀胱内膜の炎症、出血および内出血(血小板減少)、味覚または嗅覚の変化、便秘、下痢、口内乾燥、嚥下障害、浮腫、疲労、毛髪脱落(脱毛症)、感染、不妊、リンパ浮腫、口内炎、悪心、疼痛、末梢神経障害、う歯、尿路感染症、ならびに/または記憶および集中力に関する問題を挙げることができるが、これらに限定されない(米国国立がん研究所(National Cancer Institute))。
本明細書で使用される場合、「アブスコパル」および「アブスコパル効果」は、腫瘍の局部的処置が、処置される腫瘍を収縮させるかまたはそれらに別様に影響を与えるばかりでなく、局部的処置の範囲外の他の腫瘍も収縮させるかまたはそれらにも別様に影響を与える効果を指す。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、アブスコパル効果を惹起することができる。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌の投与時にアブスコパル効果が観察されない。
アブスコパル効果が観察されるこれらの実施形態のいずれにおいても、投与部位に対して遠位である同じ種類の腫瘍における腫瘍成長のタイミングは、ナイーブ動物または対象における腫瘍成長(腫瘍体積)と比較して、同じ種類から少なくとも約0〜2日間、少なくとも約2〜4日間、少なくとも約4〜6日間、少なくとも約6〜8日間、少なくとも約8〜10日間、少なくとも約10〜12日間、少なくとも約12〜14日間、少なくとも約14〜16日間、少なくとも約16〜18日間、少なくとも約18〜20日間、少なくとも約20〜25日間、少なくとも約25〜30日間、少なくとも約30〜35日間、遅延される。
アブスコパル効果が観察されるこれらの実施形態のいずれにおいても、同じ種類の遠位腫瘍における腫瘍体積で測定した場合の腫瘍成長のタイミングは、腫瘍再チャレンジでは、ナイーブ動物または対象における腫瘍成長(腫瘍体積)と比較して、少なくとも約0〜2週間、少なくとも約2〜4週間、少なくとも約4〜6週間、少なくとも約6〜8週間、少なくとも約8〜10週間、少なくとも約10〜12週間、少なくとも約12〜14週間、少なくとも約14〜16週間、少なくとも約16〜18週間、少なくとも約18〜20週間、少なくとも約20〜25週間、少なくとも約25〜30週間、少なくとも約30〜35週間、少なくとも約35〜40週間、少なくとも約40〜45週間、少なくとも約45〜50週間、少なくとも約50〜55週間、少なくとも約55〜60週間、少なくとも約60〜65週間、少なくとも約65〜70週間、少なくとも約70〜80週間、少なくとも約80〜90週間、または少なくとも約90〜100、遅延される。
アブスコパル効果が観察されるこれらの実施形態のいずれにおいても、投与部位に対して遠位の同じ種類の腫瘍において腫瘍体積で測定した場合の腫瘍成長のタイミングは、腫瘍再チャレンジでは、ナイーブ動物または対象における腫瘍成長(腫瘍体積)と比較して、少なくとも約0〜2年間、少なくとも約2〜4年間、少なくとも約4〜6年間、少なくとも約6〜8年間、少なくとも約8〜10年間、少なくとも約10〜12年間、少なくとも約12〜14年間、少なくとも約14〜16年間、少なくとも約16〜18年間、少なくとも約18〜20年間、少なくとも約20〜25年間、少なくとも約25〜30年間、少なくとも約30〜35年間、少なくとも約35〜40年間、少なくとも約40〜45年間、少なくとも約45〜50年間、少なくとも約50〜55年間、少なくとも約55〜60年間、少なくとも約60〜65年間、少なくとも約65〜70年間、少なくとも約70〜80年間、少なくとも約80〜90年間、または少なくとも約90〜100、遅延される。
さらに別の実施形態では、生存率は、腫瘍再チャレンジでは、ナイーブ対象における腫瘍成長(腫瘍体積)と比較して、少なくとも約1.0〜1.2倍、少なくとも約1.2〜1.4倍、少なくとも約1.4〜1.6倍、少なくとも約1.6〜1.8倍、少なくとも約1.8〜2倍、または少なくとも約2倍高くなる。さらに別の実施形態では、生存率は、腫瘍再チャレンジでは、ナイーブ対象における腫瘍成長(腫瘍体積)と比較して、少なくとも約2〜3倍、少なくとも約3〜4倍、少なくとも約4〜5倍、少なくとも約5〜6倍、少なくとも約6〜7倍、少なくとも約7〜8倍、少なくとも約8〜9倍、少なくとも約9〜10倍、少なくとも約10〜15倍、少なくとも約15〜20倍、少なくとも約20〜30倍、少なくとも約30〜40倍、もしくは少なくとも約40〜50倍、少なくとも約50〜100倍、少なくとも約100〜50000倍、または少なくとも約500〜1000倍高い。この例では、「腫瘍再チャレンジ」には、がん進行のある特定の段階において、対象に生じ得る、転移形成も含まれ得る。
免疫学的記憶は、哺乳動物における免疫応答の重要な側面を表す。記憶応答は、がん細胞に対するワクチンの有効性の基礎を形成する。本明細書で使用される場合、「免疫記憶」または「免疫学的記憶」という用語は、長期生存抗原特異的リンパ球が、利用可能であり、特定の抗原への反復的な曝露により、応答を急速に開始することができる状態を指す。がん免疫療法における免疫学的記憶の重要性は、公知であり、メモリーT細胞の移動特性および長期継続的抗腫瘍能力は、悪性腫瘍の制御および転移または再発の予防に極めて重要な役割を果たす。免疫学的記憶は、Bリンパ球およびT細胞の両方に存在し、現在では、NK細胞、マクロファージ、および単球を含む、広範な種類の他の免疫細胞に存在すると考えられている。(例えば、Farberら、Immunological memory: lessons from the past and a look to the future (Nat. Rev. Immunol.、(2016年)、16巻:124〜128頁を参照されたい)。メモリーB細胞は、長期間にわたり、抗体を産生することができる形質細胞である。メモリーB細胞は、既に、クローン拡大増殖および分化、ならびに親和性成熟を受けており、そのため、数倍急速に分裂し、はるかに高い親和性を有する抗体を産生することができる。メモリーT細胞は、CD4+およびCD8+の両方であり得る。これらのメモリーT細胞は、増殖するためにさらなる抗原刺激を必要とせず、したがって、MHCを介したシグナルを必要としない。
免疫学的記憶は、例えば、改変された微生物での処置により、完全な退縮を達成した後、動物モデルを再チャレンジすることによって、動物モデルにおいて測定することができる。動物に、次いで、がん細胞系からがん細胞を移植し、成長をモニターし、以前に腫瘍に曝露されていない同じ種類の年齢が一致するナイーブ動物と比較する。そのような腫瘍再チャレンジは、腫瘍細胞に対する全身的かつ長期的な免疫性を示すために使用され、将来的な再発または転移の形成に対抗する能力を表すことができる。そのような実験は、本明細書において、実施例にA20腫瘍モデルを使用して記載されている。免疫学的記憶は、ナイーブ動物と比較して、再チャレンジした動物における腫瘍の再発を予防するか、または遅らせるであろう。細胞レベルでは、免疫学的記憶の形成は、腫瘍抗原特異的メモリーT細胞またはエフェクターメモリーT細胞の拡大増殖および/または存続性によって測定することができる。
一部の実施形態では、本明細書に記載される改変された微生物の投与時に、免疫学的記憶が、対象において達成される。一部の実施形態では、本明細書に記載される改変された微生物の投与時に、免疫学的記憶が、がん患者において達成される。
一部の実施形態では、本明細書に記載される改変された微生物の投与時に、完全奏功が、対象において達成される。一部の実施形態では、本明細書に記載される改変された微生物の投与時に、完全奏功が、がん患者において達成される。
一部の実施形態では、本明細書に記載される改変された微生物の投与時に、完全寛解が、対象において達成される。一部の実施形態では、本明細書に記載される改変された微生物を投与した後に、完全寛解が、がん患者において達成される。
一部の実施形態では、本明細書に記載される改変された微生物の投与時に、部分奏功が、対象において達成される。一部の実施形態では、本明細書に記載される改変された微生物の投与時に、部分奏功が、がん患者において達成される。
一部の実施形態では、本明細書に記載される改変された微生物の投与時に、安定疾患が、対象において達成される。一部の実施形態では、本明細書に記載される改変された微生物の投与時に、部分奏功が、がん患者において達成される。
一部の実施形態では、本明細書に記載される改変された微生物の投与時に、群内の対象のサブセットに、部分または完全奏功が達成される。一部の実施形態では、本明細書に記載される改変された微生物の投与時に、群内の患者のサブセットに、部分的または完全奏功が達成される。
免疫学的記憶が観察されるこれらの実施形態のいずれにおいても、腫瘍成長のタイミングは、腫瘍再チャレンジでは、ナイーブ動物または対象における腫瘍成長(腫瘍体積)と比較して、少なくとも約0〜2日間、少なくとも約2〜4日間、少なくとも約4〜6日間、少なくとも約6〜8日間、少なくとも約8〜10日間、少なくとも約10〜12日間、少なくとも約12〜14日間、少なくとも約14〜16日間、少なくとも約16〜18日間、少なくとも約18〜20日間、少なくとも約20〜25日間、少なくとも約25〜30日間、少なくとも約30〜35日間、遅延される。
免疫学的記憶が観察されるこれらの実施形態のいずれにおいても、腫瘍体積で測定した場合の腫瘍成長のタイミングは、腫瘍再チャレンジでは、ナイーブ動物または対象における腫瘍成長(腫瘍体積)と比較して、少なくとも約0〜2週間、少なくとも約2〜4週間、少なくとも約4〜6週間、少なくとも約6〜8週間、少なくとも約8〜10週間、少なくとも約10〜12週間、少なくとも約12〜14週間、少なくとも約14〜16週間、少なくとも約16〜18週間、少なくとも約18〜20週間、少なくとも約20〜25週間、少なくとも約25〜30週間、少なくとも約30〜35週間、少なくとも約35〜40週間、少なくとも約40〜45週間、少なくとも約45〜50週間、少なくとも約50〜55週間、少なくとも約55〜60週間、少なくとも約60〜65週間、少なくとも約65〜70週間、少なくとも約70〜80週間、少なくとも約80〜90週間、または少なくとも約90〜100、遅延される。
免疫学的記憶が観察されるこれらの実施形態のいずれにおいても、腫瘍体積で測定した場合の腫瘍成長のタイミングは、腫瘍再チャレンジでは、ナイーブ動物または対象における腫瘍成長(腫瘍体積)と比較して、少なくとも約0〜2年間、少なくとも約2〜4年間、少なくとも約4〜6年間、少なくとも約6〜8年間、少なくとも約8〜10年間、少なくとも約10〜12年間、少なくとも約12〜14年間、少なくとも約14〜16年間、少なくとも約16〜18年間、少なくとも約18〜20年間、少なくとも約20〜25年間、少なくとも約25〜30年間、少なくとも約30〜35年間、少なくとも約35〜40年間、少なくとも約40〜45年間、少なくとも約45〜50年間、少なくとも約50〜55年間、少なくとも約55〜60年間、少なくとも約60〜65年間、少なくとも約65〜70年間、少なくとも約70〜80年間、少なくとも約80〜90年間、または少なくとも約90〜100、遅延される。
さらに別の実施形態では、生存率は、腫瘍再チャレンジでは、ナイーブ対象における腫瘍成長(腫瘍体積)と比較して、少なくとも約1.0〜1.2倍、少なくとも約1.2〜1.4倍、少なくとも約1.4〜1.6倍、少なくとも約1.6〜1.8倍、少なくとも約1.8〜2倍、または少なくとも約2倍高くなる。さらに別の実施形態では、生存率は、腫瘍再チャレンジでは、ナイーブ対象における腫瘍成長(腫瘍体積)と比較して、少なくとも約2〜3倍、少なくとも約3〜4倍、少なくとも約4〜5倍、少なくとも約5〜6倍、少なくとも約6〜7倍、少なくとも約7〜8倍、少なくとも約8〜9倍、少なくとも約9〜10倍、少なくとも約10〜15倍、少なくとも約15〜20倍、少なくとも約20〜30倍、少なくとも約30〜40倍、もしくは少なくとも約40〜50倍、少なくとも約50〜100倍、少なくとも約100〜50000倍、または少なくとも約500〜1000倍高い。
本明細書で使用される場合、「熱い腫瘍」は、T細胞が炎症状態(inflamed)にある、すなわち、腫瘍に浸潤しているT細胞の高存在量と関連する、腫瘍を指す。「冷たい腫瘍」は、腫瘍に浸潤しているエフェクターT細胞の非存在により特徴付けられ、さらに、免疫細胞は腫瘍に誘引されるが、腫瘍微小環境に浸潤することができない「免疫遮断(immune excluded)」腫瘍、および免疫細胞の動員が全く生じない、「免疫無視(immune ignored)」表現型にグループ化される(Van der Woudeら、Migrating into the Tumor: a Roadmap for T Cells.Trends Cancer.、2017年11月、3巻(11号):797〜808頁にさらに概説されている)。
「ハイポキシア」は、酸欠環境を生じさせる結果となる、生理的レベルと比較して低下した組織への酸素供給量を指すように使用される。「酸素正常状態」は、組織への生理的酸素供給レベルを指す。ハイポキシアは、固形腫瘍の顕著な特徴であり、不十分な灌流に起因する低酸素および壊死領域を特徴とする(Grootら、2007年)。
本明細書で使用する場合、「ペイロード」は、遺伝子操作された微生物、例えば、細菌またはウイルスにより産生される、目的の1つまたは複数の分子を指す。一部の実施形態では、ペイロードは、治療用ペイロード、例えば、エフェクター分子または免疫モジュレーター(例えば、免疫イニシエーターまたは免疫サステナー)である。一部の実施形態では、ペイロードは、調節分子、例えば、FNRなどの転写調節因子である。一部の実施形態では、ペイロードは、プロモーターまたはリプレッサーなどの、調節エレメントを含む。一部の実施形態では、ペイロードは、FNRSからのものなどの誘導性プロモーターを含む。一部の実施形態では、ペイロードは、キルスイッチなどのリプレッサーエレメントを含む。一部の実施形態では、ペイロードは、遺伝子(1つもしくは複数)またはオペロンによりコードされている。代替実施形態では、ペイロードは、生合成または生化学的経路により産生され、生合成または生化学的経路は、必要に応じて微生物に内在性のものであってもよい。一部の実施形態では、遺伝子操作された微生物は、2またはそれより多いペイロードを含む。
本明細書で使用される場合、用語「低酸素」は、大気中に存在する酸素のレベル、量または濃度より少ない(例えば、<21%O2;<160Torr O2))、酸素(O2)のレベル、量または濃度を指すように意図されている。したがって、用語「1つまたは複数の低酸素条件」または「低酸素環境」は、大気中に存在するより低いレベルの酸素を含有する条件または環境を指す。
一部の実施形態では、用語「低酸素」は、哺乳動物の消化管、例えば、内腔、胃、小腸、十二指腸、空腸、回腸、大腸、盲腸、結腸、遠位S状結腸、直腸および肛門管に見られる酸素(O2)のレベル、量または濃度を指すように意図されている。一部の実施形態では、用語「低酸素」は、0〜60mmHg O2(0〜60Torr O2)(例えば、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45,46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、および60mmHg O2)であって、これらの任意のおよびすべての増分分数(例えば、0.2mmHg、0.5mmHg O2、0.75mmHg O2、1.25mmHg O2、2.175mmHg O2、3.45mmHg O2、3.75mmHg O2、4.5mmHg O2、6.8mmHg O2、11.35mmHg O2、46.3mmHg O2、58.75mmHgなど(これらの例示的分数は、説明を目的としてここに列挙されており、決して制限するようには意図されていない))を含む、O2のレベル、量または濃度を指すように意図されている。一部の実施形態では、「低酸素」は、約60mmHg O2またはそれ未満(例えば、0〜約60mmHg O2)を指す。用語「低酸素」は、0〜60mmHg O2の間(両端の値を含む)、例えば、0〜5mmHg O2、<1.5mmHg O2、6〜10mmHg、<8mmHg、47〜60mmHgなどの、O2レベル、量または濃度の範囲を指すこともあり、この列挙された例示的範囲は、説明を目的としてここに列挙されおり、決して制限するようには意図されていない。例えば、Albenbergら、Gastroenterology、147巻(5号):1055〜1063頁(2014年);Bergofskyら、J Clin.Invest.、41巻(11号):1971〜1980頁(1962年);Cromptonら、J Exp.Biol.、43巻:473〜478頁(1965年);Heら、PNAS (USA)、96巻:4586〜4591頁(1999年);McKeown, Br. J. Radiol.、87巻:20130676頁(2014年)(doi: 10.1259/brj.20130676)を参照されたく、これらの開示の各々は、様々な種の哺乳動物の消化管に見られる酸素レベルを論じており、これらの各々は、それら全体が参照により本明細書に組み込まれる。
一部の実施形態では、用語「低酸素」は、酸素が低下したレベルで、例えば、低酸素または無酸素レベルで存在する、消化管以外の哺乳動物の臓器または組織、例えば、尿生殖路、腫瘍組織などに見られる酸素(O2)のレベル、量または濃度を指すように意図されている。一部の実施形態では、「低酸素」は、部分好気、半好気、微好気、非好気、微有酸素、低酸素、無酸素および/または嫌気条件で存在する、酸素(O2)のレベル、量または濃度を指すように意図されている。例えば、表1は、様々な臓器および組織に存在する酸素量を要約するものである。一部の実施形態では、酸素(O2)のレベル、量または濃度は、溶存酸素(「DO」)の量として表され、これは、液体中に存在する遊離、非化合物酸素(O2)のレベルを指し、通常は、1リットル当たりのミリグラム(mg/L)、百万分率(ppm;1mg/L=1ppm)、またはマイクロモル(μmol)(1μmol O2=0.022391mg/L O2)で報告される。Fondriest Environmental, Inc.、「Dissolved Oxygen」、Fundamentals of Environmental Measurements、2013年11月19日、www.fondriest.com/environmental−measurements/parameters/water−quality/dissolved− oxygen/>。
一部の実施形態では、用語「低酸素」は、約6.0mg/L DOまたはそれ未満、例えば、6.0mg/L、5.0mg/L、4.0mg/L、3.0mg/L、2.0mg/L、1.0mg/L、または0mg/L、ならびにこれらに関する任意の分数、例えば、3.25mg/L、2.5mg/L、1.75mg/L、1.5mg/L、1.25mg/L、0.9mg/L、0.8mg/L、0.7mg/L、0.6mg/L、0.5mg/L、0.4mg/L、0.3mg/L、0.2mg/Lおよび0.1mg/L DOである、酸素(O2)のレベル、量または濃度を指すように意図されており、例示的分数は、説明を目的としてここに列挙され、決して制限するようには意図されていない。液体または溶液中の酸素のレベルはまた、空気飽和度のパーセンテージとして報告されることもあり、または酸素飽和度のパーセンテージ(溶液中の溶存酸素(O2)の濃度の、ある特定の温度、圧力および塩分で、安定平衡下で、溶液に溶解するであろう酸素の最大量に対する比)として報告されることもある。酸素産生物質も消費物質も含まない、十分に曝気された溶液(例えば、混合および/または撹拌に供された溶液)は、100%空気飽和されている。
一部の実施形態では、用語「低酸素」は、空気飽和度40%またはそれ未満、例えば、空気飽和度40%、39%、38%、37%、36%、35%、34%、33%、32%、31%、30%、29%、28%、27%、26%、25%、24%、23%、22%、21%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、および0%を、これらの任意のおよびすべての増分分数(例えば、30.25%、22.70%、15.5%、7.7%、5.0%、2.8%、2.0%、1.65%、1.0%、0.9%、0.8%、0.75%、0.68%、0.5%、0.44%、0.3%、0.25%、0.2%、0.1%、0.08%、0.075%、0.058%、0.04%、0.032%、0.025%、0.01%など)、ならびに0〜40%の間(両端の値を含む)の任意の空気飽和レベル範囲(例えば、0〜5%、0.05〜0.1%、0.1〜0.2%、0.1〜0.5%、0.5〜2.0%、0〜10%、5〜10%、10〜15%、15〜20%、20〜25%、25〜30%など)を含めて、指すように意図されている。
ここに列挙された例示的分数および範囲は、説明を目的としたものであり、決して制限するようには意図されていない。一部の実施形態では、用語「低酸素」は、O
2飽和度9%またはそれ未満、例えば、O
2飽和度9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0%を、これらの任意のおよびすべての増分分数(例えば、6.5%、5.0%、2.2%、1.7%、1.4%、0.9%、0.8%、0.75%、0.68%、0.5%、0.44%、0.3%、0.25%、0.2%、0.1%、0.08%、0.075%、0.058%、0.04%、0.032%、0.025%、0.01%など)、および0〜9%の間(両端の値を含む)の任意のO
2飽和レベルの範囲(例えば、0〜5%、0.05〜0.1%、0.1〜0.2%、0.1〜0.5%、0.5〜2.0%、0〜8%、5〜7%、0.3〜4.2%O
2など)を含めて、指すように意図されている。ここに列挙された例示的分数および範囲は、説明を目的としたものであり、決して制限するようには意図されていない。
本明細書で使用される場合、用語「遺伝子」または「遺伝子配列」は、ゲノム配列、cDNA配列、天然に存在する配列、人工配列、およびコドン最適化配列を含む、ポリペプチドまたはタンパク質を発現する任意の配列を指す。用語「遺伝子」または「遺伝子配列」は、内在性遺伝子の改変、例えば、欠失、突然変異、ならびにネイティブおよび非ネイティブ遺伝子の、それらが自然には通常は関連していないプロモーターの制御下での発現を、とりわけ含む。
本明細書で使用される場合、用語「遺伝子カセット」および「回路(circuit)」または「回路(circuity)」は、内在性遺伝子の改変、例えば、欠失、突然変異、ならびにネイティブおよび非ネイティブ遺伝子の、それらが自然には通常は関連していないプロモーターの制御下での発現を含む、ゲノム配列、cDNA配列、天然に存在する配列、人工配列、およびコドン最適化配列を含む、ポリペプチドまたはタンパク質を発現する任意の配列を、とりわけ指す。
抗体は、対応する抗原に非共有結合で、可逆的に、および特異的様式で結合することができる、免疫グロブリンファミリーのポリペプチド、または免疫グロブリンの断片を含むポリペプチドを一般的に指す。例示的抗体構造ユニットは、ジスルフィド結合によって接続された同一の2対のポリペプチド鎖であって、各対が1本の「軽」鎖(約25kD)および1本の「重」鎖(約50〜70kD)を有するポリペプチド鎖で構成されている四量体を含む。
本明細書で使用される場合、用語「抗体」(単数)または「抗体」(複数)は、1つまたは複数の特定の結合特異性を有する、様々な抗体およびそれらの断片すべてを包含するように意図されている。したがって、用語「抗体」(単数)または「抗体」(複数)は、完全長抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、単鎖抗体(ScFv、ラクダ科動物)、Fab、Fab’、これらの断片の多量体バージョン(例えば、F(ab’)2)、単一ドメイン抗体(sdAB、VHH断片)、重鎖抗体(HCAb)、ナノボディ、ダイアボディ、およびミニボディを含むように意図されている。抗体は、1つより多くの結合特異性を有することができ、例えば、二特異性でありうる。用語「抗体」はまた、いわゆる抗体模倣物、すなわち、抗原に特異的に結合することができるが抗体関連構造を有さないものを含むように意図されている。
「単鎖抗体」(単数)または「単鎖抗体」(複数)は、免疫グロブリンの重鎖と、免疫グロブリンの軽鎖と、必要に応じて、リンカーまたは結合、例えばジスルフィド結合とを含むペプチドを通常は指す。単鎖抗体は、旧来の抗体に見られる定常Fc領域を欠いている。一部の実施形態では、単鎖抗体は、天然に存在する単鎖抗体、例えば、ラクダ科動物抗体である。一部の実施形態では、単鎖抗体は、合成の、操作された、または修飾された単鎖抗体である。一部の実施形態では、単鎖抗体は、リンカーの付加および定常領域の除去にもかかわらず、元の免疫グロブリンと比較して実質的に同じ抗原特異性を保持することができる。一部の態様では、単鎖抗体は、例えば米国特許4,946,778号に記載されているような、アミノ酸数10〜約25の短いリンカーペプチドで、必要に応じて接続されている、免疫グロブリンの重鎖(VH)および軽鎖(VL)の可変領域の(いずれの定常領域も有さない)融合タンパク質を指す、「scFv抗体」であってもよく、前記特許文献の内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。Fv断片は、抗体の結合部位を保持する最小の断片であって、一部の態様では結合部位が元の抗体の特異性を維持しうる、断片である。単鎖抗体の産生技術は、米国特許第4,946,778号に記載されている。
本明細書で使用される場合、用語「ポリペプチド」は、「ポリペプチド」(単数)はもちろん「ポリペプチド」(複数)も含み、アミド結合(すなわち、ペプチド結合)により直鎖状に連結されたアミノ酸単量体で構成されている分子を指す。用語「ポリペプチド」は、2またはそれより多いアミノ酸数の任意の鎖(単数)または鎖(複数)を指し、生成物の特定の長さを意味しない。したがって、「ペプチド」、「ジペプチド」、「トリペプチド」、「オリゴペプチド」、「タンパク質」、「アミノ酸鎖」、または2もしくはそれより多いアミノ酸数の鎖(単数)もしくは鎖(複数)を指すために使用される任意の他の用語は、「ポリペプチド」の定義の中に含まれ、用語「ポリペプチド」は、これらの用語のいずれかの代わりに、またはいずれかと同義で使用されうる。用語「ポリペプチド」は、グリコシル化、アセチル化、リン酸化、アミド化、誘導体化、タンパク質切断、または天然に存在しないアミノ酸による修飾を含むがこれらに限定されない、ポリペプチドの発現後修飾産物を指すようにも意図されている。一部の実施形態では、ポリペプチドは、本発明の遺伝子操作された細菌により産生される。本発明のポリペプチドは、約3もしくはそれより多い、5もしくはそれより多い、10もしくはそれより多い、20もしくはそれより多い、25もしくはそれより多い、50もしくはそれより多い、75もしくはそれより多い、100もしくはそれより多い、200もしくはそれより多い、500もしくはそれより多い、1,000もしくはそれより多い、または2,000もしくはそれより多いアミノ酸数のサイズのものであってもよい。
「単離された」ポリペプチドまたはその断片、バリアントもしくは誘導体は、その天然の環境にないポリペプチドを指す。特定の精製レベルは、要求されない。細菌または哺乳動物細胞を含むがこれらに限定されない宿主細胞において発現された、組換え産生ポリペプチドおよびタンパク質は、本発明の目的では単離されたと見なされ、任意の適切な技術により分離された、分画された、または部分的にもしくは実質的に精製されたネイティブまたは組換えポリペプチドも、単離されたとみなされる。組換えペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質は、組換えDNA技術により産生された、すなわち、ポリペプチドをコードする外因性組換えDNA発現構築物により形質転換された、微生物または哺乳動物の細胞から産生された、ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質を指す。ほとんどの細菌培養において発現されるタンパク質またはペプチドには、通常はグリカンがないであろう。前述のポリペプチドの断片、誘導体、アナログまたはバリアント、およびそれらの組合せも、ポリペプチドとして含まれる。用語「断片」、「バリアント」、「誘導体」および「アナログ」は、元のペプチドのアミノ酸配列と十分に類似しているアミノ酸配列を有するポリペプチドを含み、対応する元のポリペプチドの少なくとも1つまたは複数の特性を保持する任意のポリペプチドを含む。本発明のポリペプチドの断片は、タンパク質分解断片はもちろん、欠失断片も含む。断片は、本明細書に記載の任意のポリペプチドに由来する特異的抗体または生物活性断片または免疫学的活性断片も含む。バリアントは、天然に存在することもあり、または天然に存在しないこともある。天然に存在しないバリアントは、当技術分野において公知の突然変異誘発法を使用して産生することができる。バリアントポリペプチドは、保存的または非保存的アミノ酸置換、欠失または付加を含みうる。
ポリペプチドは、融合タンパク質も含む。本明細書で使用される場合、用語「バリアント」は、元のペプチドの配列を含む、または元のペプチドと十分に類似している配列を含む、融合タンパク質を含む。本明細書で使用される場合、用語「融合タンパク質」は、2つまたはそれより多い異なるタンパク質のアミノ酸配列を含むキメラタンパク質を指す。典型的に、融合タンパク質は、周知のin vitro組換え技術の結果として得られる。融合タンパク質は、融合タンパク質の成分である個々の元のタンパク質と、類似の構造機能を(必ずしも同程度にではないが)、および/または類似の調節機能を(必ずしも同程度にではないが)、および/または類似の生化学機能を(必ずしも同程度にではないが)および/または免疫学的活性を(必ずしも同程度にではないが)有しうる。「誘導体」は、20の標準アミノ酸についての1つまたは複数の天然に存在するアミノ酸誘導体を含有するペプチドを含むが、これらに限定されない。2つのペプチド間の「類似性」は、1つのペプチドのアミノ酸配列をもう1つのペプチドの配列と比較することにより決定される。1つのペプチドのアミノ酸は、もう1つのペプチドの対応するアミノ酸と、それが同一のまたは保存的アミノ酸置換である場合、類似している。保存的置換は、Dayhoff, M. O.編、The Atlas of Protein Sequence and Structure 5、National Biomedical Research Foundation、Washington, D.C.(1978年)、およびArgos, EMBO J. 8巻(1989年)、779〜785頁に記載されているものを含む。例えば、次の群の1つに属するアミノ酸は、保存的変化または置換を示す:−Ala、Pro、Gly、Gln、Asn、Ser、Thr;−Cys、Ser、Tyr、Thr;−Val、Ile、Leu、Met、Ala、Phe;−Lys、Arg、His;−Phe、Tyr、Trp、His;および−Asp、Glu。
これらの組合せ実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、1つまたは複数の融合タンパク質をコードする遺伝子配列を含むことができる。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、安定化ポリペプチドと融合されているエフェクター、例えば、免疫モジュレーターをコードする遺伝子配列を含む。そのような安定化ポリペプチドは、当技術分野において公知であり、Fcタンパク質を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌によりコードされている融合タンパク質は、Fc融合タンパク質、例えば、IgG Fc融合タンパク質またはIgA Fc融合タンパク質である。
一部の実施形態では、免疫モジュレーターは、ペプチドリンカーまたはペプチド結合によって安定化ポリペプチドと共有結合で融合されている。一部の実施形態では、安定化ポリペプチドは、免疫グロブリンFcポリペプチドを含む。一部の実施形態では、免疫グロブリンFcポリペプチドは、免疫グロブリン重鎖CH2定常領域の少なくとも一部分を含む。一部の実施形態では、免疫グロブリンFcポリペプチドは、免疫グロブリン重鎖CH3定常領域の少なくとも一部分を含む。一部の実施形態では、免疫グロブリンFcポリペプチドは、免疫グロブリン重鎖CH1定常領域の少なくとも一部分を含む。一部の実施形態では、免疫グロブリンFcポリペプチドは、免疫グロブリン可変ヒンジ領域の少なくとも一部分を含む。一部の実施形態では、免疫グロブリンFcポリペプチドは、免疫グロブリン可変ヒンジ領域、免疫グロブリン重鎖CH2定常領域および免疫グロブリン重鎖CH3定常領域の少なくとも一部分を含む。前記免疫グロブリンFcポリペプチドが、ヒトIgG Fcポリペプチドである、請求項2〜64のいずれか、および請求項112〜122のいずれかに記載の、遺伝子操作された細菌。一部の実施形態では、免疫グロブリンFcポリペプチドは、ヒトIgG4Fcポリペプチドである。一部の実施形態では、リンカーは、グリシンリッチペプチドを含む。一部の実施形態では、グリシンリッチペプチドは、配列[GlyGlyGlyGlySer]n(配列中、nは、1、2、3、4、5または6である)を含む。一部の実施形態では、融合タンパク質は、SIRPαIgG FC融合ポリペプチドを含む。一部の実施形態では、融合タンパク質は、SIRPαIgG4 Fcポリペプチドを含む。一部の実施形態では、グリシンリッチペプチドリンカーは、配列SGGGGSGGGGSGGGGSを含む。一部の実施形態では、SIRPαのN末端は、SGGGGSGGGGSGGGGSを含むペプチドリンカーによってIgG4 FcのC末端と共有結合で融合されている。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、多量体ポリペプチドの成分をコードする1つまたは複数の遺伝子配列を含む。一部の実施形態では、ポリペプチドは、二量体である。二量体タンパク質の非限定的な例としては、IL−15(ヘテロ二量体)などの、サイトカインが挙げられる。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、1つまたは複数のポリペプチドをコードする1つまたは複数の遺伝子を含み、1つまたは複数のポリペプチドは、第1の単量体および第2の単量体を含む。一部の実施形態では、第1の単量体ポリペプチドは、ペプチドリンカーまたはペプチド結合によって第2の単量体ポリペプチドと共有結合で連結されている。一部の実施形態では、リンカーは、グリシンリッチペプチドを含む。一部の実施形態では、第1および第2の単量体は、同じポリペプチド配列を有する。一部の実施形態では、第1および第2の単量体は、各々が異なるポリペプチド配列を有する。一部の実施形態では、第1の単量体は、IL−12 p35ポリペプチドであり、第2の単量体は、IL−12 p40ポリペプチドである。一部の実施形態では、リンカーは、GGGGSGGGSを含む。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号1117の1つまたは複数と約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有するhIgG4部分を含むhIGg4融合タンパク質をコードする。別の実施形態では、hIgG4部分は、配列番号1117を含む。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌により発現されるポリペプチドのhIgG4部分は、配列番号1117からなる。
一部の実施形態では、hIGg4融合タンパク質などの融合タンパク質をコードする核酸は、配列番号1103と少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約99%の同一性を有する配列を含む。一部の実施形態では、融合タンパク質をコードする核酸は、配列番号1103を含む。一部の実施形態では、hIgG4をコードする核酸部分は、配列番号1103からなる。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号1121の1つまたは複数と約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有するリンカー部分を含む融合タンパク質をコードする。別の実施形態では、リンカー部分は、配列番号1121を含む。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌により発現されるポリペプチドのリンカー部分は、配列番号1121からなる。
一部の実施形態では、免疫モジュレーターのエフェクター機能を、エフェクター機能を助長する別のポリペプチドとの融合によって向上させることができる。そのような融合の非限定的な例は、本明細書に記載のIL−15RアルファのSushiドメインとのIL−15の融合である。したがって、一部の実施形態では、第1の単量体ポリペプチドは、IL−15単量体であり、第2の単量体は、IL−15Rアルファsushiドメインポリペプチドである。
これらの実施形態のいずれか、およびすべての組合せ実施形態において、遺伝子操作された細菌は、本明細書に記載の1つまたは複数の分泌タグをコードする遺伝子配列を含む。これらの実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、拡散性外膜表現型を可能にする、内在性膜会合タンパク質の1つまたは複数の突然変異を含む。適切な外膜突然変異は、本明細書に記載されている。
本明細書で使用される場合、用語「十分に類似している」は、第2のアミノ酸配列と比較して同一または同等のアミノ酸残基を、第1および第2のアミノ酸配列が共通の構造ドメインおよび/または共通の機能活性を有するために十分なまたは最小の数、含有する、第1のアミノ酸配列を意味する。例えば、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または少なくとも約100%同一である共通の構造ドメインを含むアミノ酸配列は、十分に類似していると本明細書では定義される。好ましくは、バリアントは、本発明のペプチドのアミノ酸配列と十分に類似しているであろう。そのようなバリアントは、本発明のペプチドの機能活性を一般に保持する。バリアントは、1つまたは複数のアミノ酸欠失、付加および/または置換によってそれぞれネイティブおよびwtペプチドとはアミノ酸配列が異なるペプチドを含む。これらは、天然に存在するバリアントはもちろん、人工的に設計されたものでもありうる。
本明細書で使用される場合、用語「リンカー」、「リンカーペプチド」または「ペプチドリンカー」または「リンカー」は、2つのポリペプチド配列を接続するまたは連結させる、例えば、2つのポリペプチドドメインを連結させる、合成のまたは非ネイティブのまたは天然に存在しないアミノ酸配列を指す。本明細書で使用される場合、用語「合成(の)」は、天然に存在しないアミノ酸配列を指す。例示的リンカーは、本明細書に記載されている。さらなる例示的リンカーは、米国特許出願公開第20140079701号に提供されており、前記特許文献の内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。一部の実施形態では、リンカーは、グリシンリッチリンカーである。一部の実施形態では、リンカーは、(Gly−Gly−Gly−Gly−Ser)nである。一部の実施形態では、リンカーは、配列番号979を含む。
本明細書で使用される場合、用語「コドン最適化配列」は、例えば、コード配列から転写された転写物RNA分子の発現宿主細胞もしくは生物における翻訳を向上させるように、またはコード配列の転写を向上するように、既存のコード配列から修飾された、または設計された、配列を指す。コドン最適化は、発現宿主生物のコドン選好に適合するようにコード配列のコドンを選択することを含むプロセスを含むが、これらに限定されない。
多くの生物は、成長ポリペプチド鎖における特定のアミノ酸の挿入をコードするための特定のコドンの使用にバイアスまたは選好を示す。コドン選好またはコドンバイアス(生物間のコドン使用頻度の差)は、遺伝コードの縮重により可能にされ、多くの生物間で十分に裏付けられている。コドンバイアスは、メッセンジャーRNA(mRNA)の翻訳効率と相関することが多く、さらにはその翻訳効率は、とりわけ、翻訳されることになるコドンの特性、および特定の転移RNA(tRNA)分子の利用可能性に依存すると考えられている。細胞において選択されるtRNAの優位性は、一般に、ペプチド合成に最も多く使用されるコドンの現れである。したがって、遺伝子を、コドン最適化に基づいて所与の生物における最適な遺伝子発現に合わせることができる。
本明細書で使用される場合、用語「分泌系」または「分泌タンパク質」は、微生物の、例えば、細菌の細胞質から、免疫モジュレーターを分泌または排出することができるネイティブまたは非ネイティブ分泌機構を指す。グラム陰性菌の分泌系の非限定的な例としては、修飾III型鞭毛、I型(例えば、溶血素分泌系)、II型、IV型、V型、VI型およびVII型分泌系、耐性−結節形成−分裂(RND)多剤排出ポンプ、様々な単一膜分泌系が挙げられる。分泌系の非限定的な例は、本明細書に記載される。
本明細書で使用される場合、用語「輸送体」は、例えば、細胞外環境から微生物に分子を移入するための機構、例えば、タンパク質(単数)またはタンパク質(複数)を指すように意図されている。
免疫系は、最も広くは、自然免疫と適応免疫という2つのカテゴリーに通常は分けられるが、これらの免疫に関連する免疫応答は、相互排他的ではない。「自然免疫」は、体内での外来作用因子または抗原の出現から直ちにまたは数時間以内に活性化される非特異的防御機構を指す。これらの機構は、物理的バリア、例えば皮膚、血液中の化学物質、ならびに体内の外来作用因子または細胞を攻撃する免疫系細胞、例えば樹状細胞(DC)、白血球、食細胞、マクロファージ、好中球およびナチュラルキラー細胞(NK)を含み、外来作用因子の存在に対して残りの免疫系を変更する。自然免疫応答中に、免疫学的抗原の提示と組み合わせてサイトカインおよびケモカインおよびが産生され、これにより適応免疫細胞を活性化し、完全に作動する免疫応答が開始化するように働く。「適応免疫」または「獲得免疫」は、抗原特異的免疫応答を指す。抗原は、先ず、抗原提示細胞(APC)によりプロセシングまたは提示されなければならない。抗原提示細胞またはアクセサリー細胞は、それらの表面に、直接、または主要組織適合複合体(MHC)と複合体を形成している抗原を提示する、細胞である。マクロファージ、B細胞および樹状細胞をはじめとする、プロフェッショナル抗原提示細胞は、MHC−II制限様式で外来抗原のヘルパーT細胞への提示を専門に扱い、その一方で、他の細胞型は、細胞内で発生する抗原をMHC−I制限様式で細胞傷害性T細胞に提示することができる。抗原が提示され、認識されると、適応免疫系が、抗原を攻撃するように特異的に設計された免疫細胞の大群を活性化する。自然系同様、適応系は、液性免疫成分(Bリンパ球細胞)と細胞性免疫(Tリンパ球細胞)成分の両方を含む。B細胞が活性化されて抗体を分泌し、これらの抗体が、血流を通って移動し、外来抗原と結合する。ヘルパーT細胞(調節性T細胞、CD4+細胞)および細胞傷害性T細胞(CTL、CD8+細胞)は、それらのT細胞受容体が抗原結合MHC分子と相互作用すると活性化される。サイトカインおよび共刺激分子は、T細胞成熟を助け、さらにはこれらの成熟細胞がサイトカインを産生し、これにより、応答を維持するさらなるT細胞の産生、プライミングおよび拡大増殖が可能になる。活性化されると、ヘルパーT細胞は、サイトカインを放出し、これらのサイトカインが、APC、マクロファージ、好中球および他のリンパ球を含む異なる免疫細胞型の活性を調節し、標的細胞を死滅させ、除去するように活性を方向付ける。ヘルパーT細胞はまた、免疫応答の維持も助ける細胞傷害性T細胞の活性化を支援する追加のシグナルを分泌する。活性化されると、CTLは、クローン選択され、その際に機能を獲得し、迅速に分裂して活性化されたエフェクター細胞の大群を産生し、将来の脅威に急速に応答する準備の整った長期にわたって生きるメモリーT細胞を形成する。次いで、活性化されたCTLは、体中を移動して、特有のMHCクラスIおよび抗原を有する細胞を探索する。エフェクターCTLは、標的細胞の細胞膜に孔を形成する細胞毒を放出して、アポトーシスを引き起こす。適応免疫は、特定の抗原に対するさらなる応答をより効率的にする「メモリー」も含む。感染が解消されると、ヘルパーT細胞および細胞傷害性T細胞は死滅し、食細胞により一掃されるが、これらの細胞の少数は、メモリー細胞として残存する。後になって同じ抗原に遭遇した場合、これらのメモリー細胞が迅速にエフェクター細胞に分化して、有効な応答を開始するのに必要な時間を短縮する。
「免疫チェックポイントインヒビター」または「免疫チェックポイント」は、1つもしくは複数の免疫チェックポイントタンパク質を完全にまたは部分的に低減させる、阻害する、そのようなタンパク質に干渉する、またはそのようなタンパク質をモジュレートする分子を指す。免疫チェックポイントタンパク質は、T細胞活性化または機能を調節し、当技術分野において公知である。非限定的な例としては、CTLA−4およびそのリガンドCD80およびCD86、ならびにPD−1およびそのリガンドPD−L1およびPD−L2が挙げられる。免疫チェックポイントタンパク質は、T細胞応答の共刺激性または阻害性相互作用に関与し、自己免疫寛容および生理的免疫応答を調節し、維持する。
「共刺激」分子または「共刺激因子」は、免疫応答または炎症応答を刺激するシグナルを増大させるまたは活性化する免疫モジュレーターである。
本明細書で使用される場合、がん性細胞を「阻害する」、遺伝子操作された微生物、例えば操作された細菌、または免疫モジュレーターは、同じ条件下で対照、例えば、未処置対照もしくは同じ亜型の未改変微生物と比較して少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく細胞増殖を低減させること、腫瘍成長を低減させること、および/または腫瘍体積を低減させることができる、細菌またはウイルスまたは分子を指す。
本明細書で使用される場合、免疫モジュレーター、例えば、サイトカイン、ケモカイン、免疫モジュレーション代謝物、または任意の他の免疫モジュレーション物質、因子もしくは分子などの、生体分子を「阻害する」、遺伝子操作された微生物、例えば操作された細菌、または免疫モジュレーターは、その生体分子、の生物活性、生物学的機能および/または数を、同じ条件下で、対照、例えば、未処置対照もしくは同じ亜型の未改変微生物と比較して低減させること、減少させること、または除去することができる、細菌またはウイルスまたは免疫モジュレーターを指す。
本明細書で使用される場合、例えば、サイトカイン、ケモカイン、免疫モジュレーション代謝物、または任意の他の免疫モジュレーション物質、因子もしくは分子などの、生体分子を「活性化する」または「刺激する」、遺伝子操作された微生物、例えば、操作された細菌、または免疫モジュレーターは、その生体分子の生物活性、生物学的機能および/または数を、同じ条件下で、対照、例えば、未処置対照もしくは同じ亜型の未改変微生物と比較して活性化すること、増大させること、増強すること、または促進することができる、細菌またはウイルスまたは抗がん分子を指す。
「腫瘍内投与のための細菌」は、それら自体をがん性細胞に方向付けることができる細菌を指す。腫瘍内投与のための細菌は、天然に、それら自体をがん性細胞、壊死組織および/または低酸素組織に方向付けることができる。一部の実施形態では、天然にそれら自体をがん性細胞、壊死組織および/または低酸素組織に方向付けることができない細菌は、それら自体をがん性細胞、壊死組織および/または低酸素組織に方向付けるように遺伝子操作される。腫瘍内投与のための細菌を、所望の生物学的特性を増強もしくは向上させるように、全身毒性を弱めるように、および/または臨床的安全性を確実にするように、さらに操作することができる。これらの種、株および/または亜型を弱毒化することができ、例えば、毒性遺伝子について欠失させることができる。一部の実施形態では、腫瘍内投与のための細菌は、低い感染能を有する。一部の実施形態では、腫瘍内投与のための細菌は、運動性である。一部の実施形態では、腫瘍内投与のための細菌は、標準的処置が届かない腫瘍に深く侵入することができる。一部の実施形態では、腫瘍内投与のための細菌は、悪性腫瘍の少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも95%にコロニー形成することができる。腫瘍内投与のための細菌の例としては、Bifidobacterium、Caulobacter、Clostridium、Escherichia coli、Listeria、Mycobacterium、Salmonella、Streptococcus、およびVibrio、例えば、Bifidobacterium adolescentis、Bifidobacterium bifidum、Bifidobacterium breve UCC2003、Bifidobacterium infantis、Bifidobacterium longum、Clostridium acetobutylicum、Clostridium butyricum、Clostridium butyricum M−55、Clostridium butyricum miyairi、Clostridium cochlearum、Clostridium felsineum、Clostridium histolyticum、Clostridium multifermentans、Clostridium novyi−NT、Clostridium paraputrificum、Clostridium pasteureanum、Clostridium pectinovorum、Clostridium perfringens、Clostridium roseum、Clostridium sporogenes、Clostridium tertium、Clostridium tetani、Clostridium tyrobutyricum、Corynebacterium parvum、Escherichia coli MG1655、Escherichia coli Nissle 1917、Listeria monocytogenes、Mycobacterium bovis、Salmonella choleraesuis、Salmonella typhimurium、およびVibrio choleraが挙げられるが、これらに限定されない(Croninら、2012年;Forbes、2006年;JainおよびForbes、2001年;Liuら、2014年;Morrisseyら、2010年;Nunoら、2013年;Patyarら、2010年;Croninら、Mol Ther 2010年;18巻:1397〜407頁)。一部の実施形態では、腫瘍内投与のための細菌は、非病原性細菌である。一部の実施形態では、腫瘍内投与は注射によりなされる。
「微生物」は、単一細胞から通常はなる顕微鏡的な、顕微鏡でも見えないほど微小なまたは超顕微鏡的なサイズの、生物または微小生物を指す。微生物の例としては、細菌、ウイルス、寄生虫、真菌、ある特定の藻類、原虫、および酵母が挙げられる。一部の態様では、ナイーブな状態から改変された微生物(「改変された微生物」)は、1つまたは複数のエフェクターまたは免疫モジュレーターを産生するように操作されている。ある特定の実施形態では、改変された微生物は、改変された細菌である。一部の実施形態では、改変された微生物は、遺伝子操作された細菌である。ある特定の実施形態では、改変された微生物は、改変された酵母である。他の実施形態では、改変された微生物は、遺伝子操作された酵母である。
本明細書で使用される場合、用語「組換え微生物」は、そのネイティブ状態から遺伝子改変された微生物、例えば、細菌、酵母もしくはウイルス細胞、または細菌、酵母もしくはウイルスを指す。したがって、「組換え細菌細胞」または「組換え細菌」は、そのネイティブ状態から遺伝子改変された、細菌細胞または細菌を指す。例えば、組換え細菌細胞は、それらのDNAに導入された、ヌクレオチド挿入、ヌクレオチド欠失、ヌクレオチド再構成およびヌクレオチド修飾を有しうる。これらの遺伝子改変は、細菌のもしくは細菌細胞の染色体内に存在することもあり、または細菌もしくは細菌細胞におけるプラスミド上に存在することもある。本明細書で開示される組換え細菌細胞は、プラスミド上に外因性ヌクレオチド配列を含むこともある。あるいは、組換え細菌細胞は、それらの染色体に安定に組み込まれた外因性ヌクレオチド配列を含むこともある。
「プログラムされたまたは操作された微生物」は、特定の機能を遂行するようにそのネイティブ状態から遺伝子改変された微生物、例えば、細菌、酵母もしくはウイルス細胞、または細菌、酵母もしくはウイルスを指す。したがって、「プログラムされたもしくは操作された細菌細胞」または「プログラムされたもしくは操作された細菌」は、特定の機能を遂行するようにそのネイティブ状態から遺伝子改変された、細菌細胞または細菌を指す。ある特定の実施形態では、プログラムされたまたは操作された細菌細胞は、1つまたは複数のタンパク質、例えば、治療活性を有するまたは治療目的に役立つ1つまたは複数のタンパク質を発現するように改変されたものである。プログラムされたまたは操作された細菌細胞は、目的のタンパク質が発現されると成長を停止させるまたはそれ自体を破壊する能力を、さらに有しうる。
「非病原性細菌」は、宿主において疾患または有害な応答を引き起こすことができない細菌を指す。一部の実施形態では、非病原性細菌は、グラム陰性菌である。一部の実施形態では、非病原性細菌は、グラム陽性菌である。一部の実施形態では、非病原性細菌は、リポ多糖(LPS)を含有しない。一部の実施形態では、非病原性細菌は、共生細菌である。非病原性細菌の例としては、Bacillus、Bacteroides、Bifidobacterium、Brevibacteria、Clostridium、Enterococcus、Escherichia coli、Lactobacillus、Lactococcus、Saccharomyces、およびStaphylococcus属に属する、ある特定の株、例えば、Bacillus coagulans、Bacillus subtilis、Bacteroides fragilis、Bacteroides subtilis、Bacteroides thetaiotaomicron、Bifidobacterium bifidum、Bifidobacterium infantis、Bifidobacterium lactis、Bifidobacterium longum、Clostridium butyricum、Enterococcus faecium、Escherichia coli Nissle、Lactobacillus acidophilus、Lactobacillus bulgaricus、Lactobacillus casei、Lactobacillus johnsonii、Lactobacillus paracasei、Lactobacillus plantarum、Lactobacillus reuteri、Lactobacillus rhamnosus、Lactococcus lactis、およびSaccharomyces boulardiiが挙げられるが、これらに限定されない(Sonnenbornら、2009年;Dinleyiciら、2014年;米国特許第6,835,376号、米国特許第6,203,797号、米国特許第5,589,168号、米国特許第7,731,976号)。天然に病原性の細菌を遺伝子操作して、病原性の低下または除去をもたらすことができる。
「プロバイオティック」は、適切な量の微生物を含有する宿主生物に健康上の恩恵をもたらすことができる、生存している非病原性微生物、例えば、細菌を指すために使用される。一部の実施形態では、宿主生物は、哺乳動物である。一部の実施形態では、宿主生物は、ヒトである。一部の実施形態では、プロバイオティック細菌は、グラム陰性菌である。一部の実施形態では、プロバイオティック細菌は、グラム陽性菌である。非病原性細菌の一部の種、株および/または亜型は、現在プロバイオティック細菌として認知されている。プロバイオティック細菌の例としては、Bifidobacteria、Escherichia coli、Lactobacillus、およびSaccharomyces属に属する、ある特定の株、例えば、Bifidobacterium bifidum、Enterococcus faecium、Escherichia coli Nissle株、Lactobacillus acidophilus、Lactobacillus bulgaricus、Lactobacillus paracasei、Lactobacillus plantarum、およびSaccharomyces boulardiiが挙げられるが、これらに限定されない(Dinleyiciら、2014年;米国特許第5,589,168号;米国特許第6,203,797号;米国特許第6,835,376号)。プロバイオティックは、細菌のバリアントまたは突然変異株でありうる(Arthurら、2012年;Cuevas−Ramosら、2010年;Olierら、2012年;Nougayredeら、2006年)。非病原性細菌を、所望の生物学的特性、例えば、生存性を増強または向上させるように、遺伝子操作することができる。非病原性細菌を、プロバイオティック特性をもたらすように、遺伝子操作することができる。プロバイオティック細菌を、プロバイオティック特性を増強または向上させるように、遺伝子操作するか、またはプログラムすることができる。
本明細書で使用される場合、「腫瘍溶解性ウイルス」(OV)は、正常細胞を無傷のままにしながら、がん細胞を特異的に感染させ、溶解する能力を有する、ウイルスである。目的の腫瘍溶解性ウイルスは、これらに限定されないが、アデノウイルス、コクサッキー、レオウイルス、単純ヘルペスウイルス(HSV)、ワクシニア、鶏痘、水疱性口内炎ウイルス(VSV)、麻疹、およびパルボウイルスを含み、狂犬病、ウエストナイルウイルス、ニューカッスル病、およびそれらの遺伝子改変バージョンも含む。OVの非限定的な例は、FDAによりがん治療剤として認可された最初の腫瘍溶解性ウイルスである、タリモジーン・ラハーパレプベック(T−VEC)である。
「作動可能に連結した」は、核酸配列の発現を可能にする様式で、例えばcisで作用する様式で、調節領域配列に接合されている、核酸配列、例えば、STINGアゴニスト(例えば、ジアデニル酸シクラーゼまたはc−ジ−GAMPシンターゼ)の産生に関する酵素をコードする遺伝子に当てはまる。調節領域は、目的の遺伝子の転写を指示することができる核酸であり、プロモーター配列、エンハンサー配列、応答エレメント、タンパク質認識部位、誘導性エレメント、プロモーター制御エレメント、タンパク質結合配列、5’および3’非翻訳領域、転写開始部位、終結配列、ポリアデニル化配列ならびにイントロンを含みうる。
「誘導性プロモーター」は、1つまたは複数の遺伝子に作動可能に連結した調節領域であって、遺伝子の発現が前記調節領域のインデューサーの存在下で増加される、調節領域を指す。
「外因性環境条件」は、本明細書に記載のプロモーターが誘導される設定または状況を指す。一部の実施形態では、外因性環境条件は、がん性細胞を含有する悪性成長、例えば、腫瘍に特異的である。句「外因性環境条件」は、無傷の(溶解されていない)操作された微生物の外部の、しかし腫瘍環境または宿主対象環境に内在性のまたはそれに固有の、環境条件を指すように意図されている。したがって、「外因性」および「内在性」は、哺乳動物体に内在性であるが、無傷の微生物細胞の外部にあるかまたはそのような細胞にとって外因性である、環境条件を指すために同義で使用される。一部の実施形態では、外因性環境条件は、低酸素、微好気または嫌気条件、例えば、低酸素および/または壊死組織である。一部の固形腫瘍は、低い細胞内および/または細胞外pHを伴い、一部の実施形態では、外因性環境条件は、低pH環境である。一部の実施形態では、本開示の遺伝子操作された微生物は、pH依存性プロモーターを含む。一部の実施形態では、本開示の遺伝子操作された微生物は、酸素レベル依存性プロモーターを含む。一部の態様では、細菌は、酸素レベルを感知することができる転写因子を発達させてきた。異なるシグナル伝達経路を異なる酸素レベルにより誘発することができ、異なるシグナル伝達経路は、異なる動態で存在しうる。「酸素レベル依存性プロモーター」または「酸素レベル依存性調節領域」は、1つまたは複数の酸素レベル感知転写因子が結合することができる核酸配列であって、対応する転写因子の結合および/または活性化が、下流の遺伝子発現を活性化する、核酸配列を指す。
酸素レベル依存性転写因子の例としては、FNR(フマル酸・硝酸レダクターゼ)、ANRおよびDNRが挙げられるが、これらに限定されない。対応するFNR応答性プロモーター、ANR(嫌気硝酸呼吸)応答性プロモーター、およびDNR(異化型硝酸呼吸調節因子)応答性プロモーターは、当技術分野において公知であり(例えば、Castiglioneら、2009年;Eiglmeierら、1989年;Galimandら、1991年;Hasegawaら、1998年;Hoerenら、1993年;Salmonら、2003年を参照されたい)、非限定的な例は、表2に示される。
非限定的な例では、プロモーター(PfnrS)は、低または無環境酸素条件下で高度に発現されることが公知であるE.coli Nissleフマル酸・硝酸レダクターゼ遺伝子S(fnrS)から得られた(DurandおよびStorz、2010年;Boysenら、2010年)。PfnrSプロモーターは、天然にNissleに見られる包括的転写調節因子FNRにより嫌気条件下で活性化される。嫌気条件下で、FNRは、二量体を形成し、その制御下にある特定の遺伝子のプロモーター中の特定の配列と結合することによって、それらの遺伝子の発現を活性化する。しかし、好気条件下では、酸素がFNR二量体中の鉄−硫黄クラスターと反応し、それらを不活性形態に変換する。このように、PfnrS誘導性プロモーターは、タンパク質またはRNAの発現をモジュレートするために採用される。PfnrSは、本願では、FNRS、fnrs、FNR、P−FNRSプロモーター、およびプロモーターPfnrSを示すための他のそのような関連する呼称と同義で使用される。
本明細書で使用される場合、「非ネイティブ」核酸配列は、微生物に通常は存在しない核酸配列、例えば、内在性配列の余剰コピー、あるいは異種配列、例えば、細菌もしくはウイルスの異なる種、株もしくは亜株からの配列、または同じ亜型の細菌もしくはウイルスからの非修飾配列と比較して修飾および/もしくは突然変異されている配列を指す。一部の実施形態では、非ネイティブ核酸配列は、合成の、天然に存在しない配列である(例えば、Purcellら、2013年を参照されたい)。非ネイティブ核酸配列は、調節領域、
プロモーター、遺伝子、および/または遺伝子カセット内の1つもしくは複数の遺伝子でありうる。一部の実施形態では、「非ネイティブ」は、自然には互いに同じ関係性で見いだされない2つまたはそれより多い核酸配列を指す。非ネイティブ核酸配列は、プラスミドまたは染色体上に存在しうる。一部の実施形態では、本開示の遺伝子操作された細菌は、ある遺伝子を有し、遺伝子は、前記遺伝子と自然には関連していない誘導性プロモーター、例えば、免疫モジュレーターをコードする遺伝子に作動可能に連結したFNR応答性プロモーター(または本明細書に記載の他のプロモーター)に直接または間接的に作動可能に連結している。
一実施形態では、エフェクターまたは免疫モジュレーターは、少なくとも1つの非ネイティブ遺伝子によってコードされる治療用分子である。一実施形態では、エフェクターまたは免疫モジュレーターは、少なくとも1つの非ネイティブ遺伝子によってコードされる酵素によって産生される治療用分子である。一実施形態では、エフェクターまたは免疫モジュレーターは、少なくとも1つの非ネイティブ遺伝子によってコードされる生合成経路の少なくとも1つの酵素である。別の実施形態では、エフェクターまたは免疫モジュレーターは、少なくとも1つの非ネイティブ遺伝子によってコードされる生合成経路の少なくとも1つの酵素によって産生される少なくとも1つの分子である。
一実施形態では、免疫イニシエーターは、少なくとも1つの非ネイティブ遺伝子によってコードされる治療用分子である。一実施形態では、免疫イニシエーターは、少なくとも1つの非ネイティブ遺伝子によってコードされる酵素によって産生される治療用分子である。一実施形態では、免疫イニシエーターは、少なくとも1つの非ネイティブ遺伝子によってコードされる生合成経路の少なくとも1つの酵素である。別の実施形態では、免疫イニシエーターは、少なくとも1つの非ネイティブ遺伝子によってコードされる生合成経路の少なくとも1つの酵素によって産生される少なくとも1つの分子である。
一実施形態では、免疫サステナーは、少なくとも1つの非ネイティブ遺伝子によってコードされる治療用分子である。一実施形態では、免疫サステナーは、少なくとも1つの非ネイティブ遺伝子によってコードされる酵素によって産生される治療用分子である。一実施形態では、免疫サステナーは、少なくとも1つの非ネイティブ遺伝子によってコードされる生合成経路の少なくとも1つの酵素である。別の実施形態では、免疫サステナーは、少なくとも1つの非ネイティブ遺伝子によってコードされる生合成経路の少なくとも1つの酵素によって産生される少なくとも1つの分子である。
「構成的プロモーター」は、その制御下にある、および/またはそれが作動可能に連結した、コード配列または遺伝子の連続転写を助長することができる、プロモーターを指す。構成的プロモーターおよびバリアントは、当技術分野において周知であり、構成的プロモーターの非限定的な例は、本明細書、および2017年1月11日に出願され、WO2017/123675として公開された、国際特許出願PCT/US2017/013072に記載されており、その内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。一部の実施形態では、そのようなプロモーターは、in vitroで、例えば、培養、拡大増殖および/または製造条件下で、活性である。一部の実施形態では、そのようなプロモーターは、in vivoで、例えば、in vivo環境、例えば、消化管および/または腫瘍微小環境に見られる条件で、活性である。
本明細書で使用される場合、「安定に維持された」または「安定な」細菌またはウイルスは、非ネイティブ遺伝物質、例えば免疫モジュレーターを保有して、非ネイティブ遺伝物質が保持され、発現され、増やされるような、細菌またはウイルス宿主細胞を指すために使用される。安定な細菌またはウイルスは、in vitroで、例えば培地中で、ならびに/またはin vivoで、例えば、低酸素および/もしくは壊死組織において、生存および/または成長することができる。例えば、安定な細菌またはウイルスは、免疫モジュレーターをコードする非ネイティブ遺伝物質を含む、遺伝子操作された細菌であって、非ネイティブ遺伝物質を保有するプラスミドまたは染色体が、細菌またはウイルスにおいて安定に維持されて、免疫モジュレーターを細菌またはウイルスにおいて発現することができ、細菌およびウイルスがin vitroおよび/またはin vivoで生存および/または成長することができるような、細菌でありうる。
本明細書で使用する場合、「モジュレートする」および「処置する」という用語ならびにそれらの同語源語は、がん、またはその少なくとも1つの認識できる症状の改善を指す。他の実施形態では、「モジュレートする」および「処置する」は、患者によって必ずしも認識されうるとは限らない、少なくとも1つの測定可能な物理的パラメーターの改善を指す。別の実施形態では、「モジュレートする」および「処置する」は、がんの進行を、身体的に(例えば、認識できる症状の安定化)、生理的に(例えば、物理的パラメーターの安定化)または両方により、阻害することを指す。別の実施形態では、「モジュレートする」および「処置する」は、がんの進行を緩徐化することまたは進行を好転させることを指す。本明細書で使用される場合、「予防する」およびその同語源語は、所与のがんの獲得の開始を遅らせること、またはその獲得リスクを低下させることを指す。
処置を必要とする者は、特定のがんを既に有する個体はもちろん、がんを有するリスクがある、または最終的にがんにかかる可能性がある個体を含みうる。処置の必要性は、例えば、がんの発症に関連する1つもしくは複数のリスク因子(例えば、アルコール使用、タバコ使用、肥満、紫外線への過度の曝露、高いエストロゲンレベル、家族歴、遺伝的感受性)の存在、がんの存在もしくは進行、または可能性としてがんを有する対象の処置に対する受容性によって評定される。がんは、ゲノム不安定性および罹患細胞内の高い突然変異率によって引き起こされる。がんの処置は、がんに関連する症状の除去、ならびに/または対象の腫瘍の成長および/もしくは体積のモジュレーションを包含し得、がんの根本原因、例えば、根底にある遺伝的素因の除去を必ずしも包含しない。
本明細書で使用される場合、用語「従来のがん処置」または「従来のがん治療(法)」は、ほとんどの医療専門家によって広く受入れられ、使用されている、処置または治療(法)を指す。それは、幅広く使用されていない代替または補完療法とは異なる。がんのための従来の処置の例としては、外科手術、化学療法、標的療法、放射線治療、トモセラピー、免疫療法、がんワクチン、ホルモン療法、温熱療法、幹細胞移植(末梢血、骨髄、および臍帯血移植)、光線力学的療法、治療、ならびに血液製剤輸血および輸注が挙げられる。
本明細書で使用される場合、「医薬組成物」は、生理学的に適切な担体および/または賦形剤のような他の成分を伴う本開示の遺伝子操作された微生物の調製物を指す。
同義で使用されうる句「生理学的に許容される担体」および「薬学的に許容される担体」は、生物を有意に刺激しない、かつ投与される細菌性またはウイルス性化合物の生物活性および生物学的特性を消失させない、担体または希釈剤を指す。アジュバントは、これらの句のもとに含まれる。
用語「賦形剤」は、活性成分の投与をさらに助長するために医薬組成物に添加される不活性物質を指す。例としては、重炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、様々な糖および様々な種類のデンプン、セルロース誘導体、ゼラチン、植物油、ポリエチレングリコール、ならびに界面活性剤(例えば、ポリソルベート20を含む)が挙げられるが、これらに限定されない。
用語「治療有効用量」および「治療有効量」は、状態、例えばがんの予防、症状開始の遅延、または症状の改善をもたらす、化合物の量を指すために使用される。治療有効量は、例えば、がん性細胞に関連する障害の1つもしくは複数の症状の処置、予防、重症度低下、開始遅延、および/または発生リスク低下に十分でありうる。治療有効量、ならびに治療に有効な投与頻度は、当技術分野において公知の方法および下段で論じられる方法により決定することができる。
一部の実施形態では、「治療用分子」という用語は、状態、例えば、がんの予防、症状開始の遅延、または症状の改善をもたらす、分子または化合物を指す。一部の実施形態では、治療用分子は、とりわけ、例えば、サイトカイン、ケモカイン、単鎖抗体、リガンド、代謝変換因子、例えば、アルギニン、キヌレニン消費物質、もしくはアデノシン消費物質、T細胞共刺激受容体、T細胞共刺激受容体リガンド、操作化学療法、または溶解性ペプチドであり得る。
本明細書で使用される場合、冠詞「a」および「an」は、相反する明確な指示がない限り、「少なくとも1つ」を意味すると解されたい。
リスト内の要素間に使用される場合の句「および/または」は、(1)挙げられている単一の要素のみが存在すること、または(2)リストの1つより多い要素が存在することのいずれかを意味するように意図されている。例えば、「A、B、および/またはC」は、選択が、A単独、B単独、C単独、AとB、AとC、BとC、またはA、BおよびCでありうることを示す。句「および/または」は、リスト中の要素「の少なくとも1つ」または「の1つもしくは複数」と同義で使用されうる。
細菌
一実施形態では、改変された微生物は、細菌、例えば、遺伝子操作された細菌であり得る。本開示の改変された微生物、または遺伝子操作された微生物、例えば、改変された細菌は、エフェクターおよび/または免疫モジュレーターを局所的にかつ腫瘍特異的に送達することができ、それによって、前記分子の全身投与に関連する全身性の細胞傷害性および/または免疫不全を低減させることができる。操作された細菌は、全身、経口、局所および/または腫瘍内投与することができる。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、がん性細胞、特に、腫瘍の低酸素領域のがん性細胞を標的とすることができ、エフェクター分子、例えば、本明細書で提供される免疫モジュレーター(例えば、免疫刺激因子または免疫サステナー)を産生することができる。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、低酸素条件、例えば腫瘍の低酸素環境、により活性化されるプロモーターの制御下でエフェクター、例えば 、免疫モジュレーターを発現する、細菌である。
一部の実施形態では、腫瘍を標的とする微生物は、天然にそれ自体をがん性細胞、壊死組織および/または低酸素組織に方向付けることができる、細菌である。例えば、腫瘍の細菌コロニー形成を、細菌のまたは宿主のいかなる特異的遺伝子改変もなく、達成することができる(Yuら、2008年)。一部の実施形態では、腫瘍を標的とする細菌は、天然にそれ自体をがん性細胞、壊死組織および/または低酸素組織に方向付けることができないが、それをするように遺伝子操作されている細菌である。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、血行性に拡散して標的腫瘍に達する。細菌感染は、腫瘍退縮と結び付けられており(Hall、1998年;NautsおよびMcLaren、1990年)、ある特定の細菌種は、壊死性哺乳動物腫瘍に局在し、それらを溶解することが示されている(JainおよびForbes、2001年)。腫瘍を標的とする細菌の非限定的な例は、表3に示される。
一部の実施形態では、目的の遺伝子が細菌内で発現され、これにより、免疫療法の有効性が増強される。最近の研究は、マウスにおいて、ある特定の種類の消化管微小生物の存在が、毒性副作用を増大させることなくがん免疫療法の抗腫瘍効果を増強することができることを示唆している(M.Vetizouら、「Anticancer immunotherapy by CTLA−4 blockade relies on the gut microbiota」、Science、doi:10.1126/aad1329、2015年;A.Sivanら、「Commensal Bifidobacterium promotes antitumor immunity and facilitates anti−PD−L1 efficacy」、Science、doi:0.1126/science.aac4255、2015年)。これらのマウス研究で同定された消化管微生物種に人間でも同じ効果があるかどうかは、明らかでない。Vetizouら(2015年)には、マウスにおいておよび患者においてCTLA−4遮断の有効性と関連付けられた、Bacteroides thetaiotaomicronまたはBacteroides fragilisに特異的なT細胞応答が記載されている。Sivanら(2015年)は、黒色腫のマウスモデルにおいて、抗腫瘍免疫にとっての、および(PD−1リガンド)有効性に対する抗PD−L1抗体にとっての、Bifidobacteriumの重要性を説明している。一部の実施形態では、1つまたは複数の免疫モジュレーターを発現する細菌は、Bacteroidesである。一部の実施形態では、1つまたは複数の免疫モジュレーターを発現する細菌は、Bifidobacteriumである。一部の実施形態では、1つまたは複数の免疫モジュレーターを発現する細菌は、Escherichia Coli Nissleである。一部の実施形態では、1つまたは複数の免疫モジュレーターを発現する細菌は、Clostridium novyi−NTである。一部の実施形態では、1つまたは複数の免疫モジュレーターを発現する細菌は、Clostridium butyricum miyairiである。
ある特定の実施形態では、改変された微生物または遺伝子操作された細菌は、偏性嫌気性細菌である。ある特定の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、通性嫌気性細菌である。ある特定の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、好気性細菌である。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、グラム陽性菌であり、LPSを欠く。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、グラム陰性菌である。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、グラム陽性かつ偏性嫌気性の細菌である。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、グラム陽性かつ通性嫌気性の細菌である。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、非病原性細菌である。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、共生細菌である。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、プロバイオティック細菌である。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、病原性を低下させるようにまたは除去するように改変または突然変異されている、天然に病原性の細菌である。例示的細菌としては、これらに限定されないが、Bacillus、Bacteroides、Bifidobacterium、Brevibacteria、Caulobacter、Clostridium、Enterococcus、Escherichia coli、Lactobacillus、Lactococcus、Listeria、Mycobacterium、Saccharomyces、Salmonella、Staphylococcus、Streptococcus、Vibrio、Bacillus coagulans、Bacillus subtilis、Bacteroides fragilis、Bacteroides subtilis、Bacteroides thetaiotaomicron、Bifidobacterium adolescentis、Bifidobacterium bifidum、Bifidobacterium breve UCC2003、Bifidobacterium infantis、Bifidobacterium lactis、Bifidobacterium longum、Clostridium acetobutylicum、Clostridium butyricum、Clostridium butyricum M−55、Clostridium butyricum miyairi、Clostridium cochlearum、Clostridium felsineum、Clostridium histolyticum、Clostridium multifermentans、Clostridium novyi−NT、Clostridium paraputrificum、Clostridium pasteureanum、Clostridium pectinovorum、Clostridium perfringens、Clostridium roseum、Clostridium sporogenes、Clostridium tertium、Clostridium tetani、Clostridium tyrobutyricum、Corynebacterium parvum、Escherichia coli MG1655、Escherichia coli Nissle 1917、Listeria monocytogenes、Mycobacterium bovis、Salmonella choleraesuis、Salmonella typhimurium、Vibrio cholera、および表3に示されている細菌が挙げられる。ある特定の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、Enterococcus faecium、Lactobacillus acidophilus、Lactobacillus bulgaricus、Lactobacillus casei、Lactobacillus johnsonii、Lactobacillus paracasei、Lactobacillus plantarum、Lactobacillus reuteri、Lactobacillus rhamnosus、Lactococcus lactis、およびSaccharomyces boulardiiからなる群から選択される。ある特定の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、Bacteroides fragilis、Bacteroides thetaiotaomicron、Bacteroides subtilis、Bifidobacterium bifidum、Bifidobacterium infantis、Bifidobacterium lactis、Clostridium butyricum、Escherichia coli Nissle、Lactobacillus acidophilus、Lactobacillus plantarum、Lactobacillus reuteri、およびLactococcus lactisからなる群から選択される。一部の実施形態では、Lactobacillusが、1つまたは複数の免疫モジュレーターの腫瘍特異的送達に使用される。静脈内注射されたLactobacillus caseiは、腫瘍内に蓄積し、これが、一般に使用されるNO供与体であるニトログリセリン(NG)により、おそらく乏血管性腫瘍への血流を増加させる上でのNOの役割に起因して増進されたことが以前に判明している(Fangら、2016年(Methods Mol Biol.2016年;1409巻:9〜23頁.Enhancement of Tumor−Targeted Delivery of Bacteria with Nitroglycerin Involving Augmentation of the EPR Effect)。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、偏性嫌気性菌である。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、Clostridiaであり、免疫モジュレーターを腫瘍特異的に送達することができる。Clostridiaは、胞子を産生し、天然にコロニー形成することができ、低酸素腫瘍を溶解することができる場合もある、偏性嫌気性細菌である(Grootら、2007年)。実験的モデルにおいて、Clostridiaは、プロドラッグ変換酵素を送達するために、および放射線療法を増強させるために、使用されている(Grootら、2007年)。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、Clostridium novyi−NT、Clostridium histolyticium、Clostridium tetani、Clostridium oncolyticum、Clostridium sporogenes、およびClostridium beijerinckiiからなる群から選択される(Liuら、2014年)。一部の実施形態では、Clostridiumは、天然に非病原性である。例えば、Clostridium oncolyticumは、病原性であり、腫瘍細胞を溶解することができる。代替実施形態では、Clostridiumは、天然に病原性であるが、病原性を低下させるようにまたは除去するように改変される。例えば、Clostridium novyiは、天然に病原性であり、Clostridium novyi−NTは、致死性毒素を除去するように改変されている。Clostridium novyi−NTおよびClostridium sporogenesは、がんを処置するために側鎖HIF−1α抗体を送達するために使用されており、「優れた腫瘍コロニー形成性Clostridium株」である(Grootら、2007年)。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、通性嫌気性菌である。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、Salmonella、例えば、Salmonella typhimuriumであり、免疫モジュレーターを腫瘍特異的に送達することができる。Salmonellaは、通性嫌気性菌である、非胞子形成性グラム陰性菌である。一部の実施形態では、Salmonellaは、天然に病原性であるが、病原性を低下させるようにまたは除去するように改変される。例えば、Salmonella typhimuriumは、病原性部位を除去するように改変される(弱毒化される)。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、Bifidobacteriumであり、免疫モジュレーターを腫瘍特異的に送達することができる。Bifidobacteriumは、グラム陽性、分岐状嫌気性細菌である。一部の実施形態では、Bifidobacteriumは、天然に非病原性である。代替実施形態では、Bifidobacteriumは、天然に病原性であるが、病原性を低下させるようにまたは除去するように改変される。BifidobacteriumおよびSalmonellaは、腫瘍の低酸素で壊死の領域を優先的に標的とし、そこで複製することが示されている(Yuら、2014年)。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、グラム陰性菌である。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、E.coliである。例えば、E.coli Nissleは、経口投与または静脈内投与のどちらかの後、in vivoで腫瘍組織に優先的にコロニー形成することが示されている(Zhangら、2012年およびDaninoら、2015年)。E.coliは、確固たる腫瘍特異的複製を示すことも示されている(Yuら、2008年)。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、「最もよく特徴付けられているプロバイオティクスの1つに進化した」Enterobacteriaceae科のグラム陰性細菌である(Ukenaら、2007年)、Escherichia coli Nissle 1917株(E.coli Nissle)である。この株は、その完全な無害性(Schultz、2008年)を特徴とし、GRAS(一般的に安全と認められる)状態(Reisterら、2014年、この文献を強調しておく)を有する。
本発明の遺伝子操作された細菌は、例えば組織または血清中の防御因子により、破壊されうる(Sonnenbornら、2009年)。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、反復投与される。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、1回投与される。
ある特定の実施形態では、本明細書に記載のエフェクターおよび/または免疫モジュレーター(複数可)は、遺伝子操作された細菌の1つの種、株または亜型において発現される。代替実施形態では、エフェクターおよび/または免疫モジュレーターは、遺伝子操作された細菌の2つまたはそれより多い種、株および/または亜型において発現される。当業者には、本明細書で開示される遺伝子改変を、他の細菌の種、株および亜型のために改変し、それらに適応させることができることは理解されるであろう。
適切である細菌の他の例は、国際特許出願公開WO/2014/043593に記載されており、この内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。一部の実施形態では、そのような細菌は、1つまたは複数の病原性因子を弱毒化するように突然変異されている。
一部の実施形態では、本開示の遺伝子操作された細菌は、増殖し、腫瘍にコロニー形成する。一部の実施形態では、コロニー形成は、数日間、数週間、数カ月間、数年間、または無期限に、持続する。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、腫瘍において増殖せず、細菌の数は、注射後、検出できなくなるまで、急速に、例えば、注射後1週間も経たずに、低下する。
バクテリオファージ
一部の実施形態では、本開示の遺伝子操作された細菌は、その天然の状態に、1つまたは複数の溶原性、休眠、テンペレート、インタクト、欠損、潜在、またはサテライトファージまたはバクテリオシン/ファージ尾部、または遺伝子移入剤を含む。一部の実施形態では、プロファージまたはバクテリオファージは、目的の特定の細菌のすべての分離株に存在する。一部の実施形態では、細菌は、そのようなバクテリオファージの1つまたは複数を含む、親株の遺伝子操作された誘導体である。本明細書に記載される実施形態のいずれにおいても、細菌は、バクテリオファージの特性または挙動を変化させるプロファージまたはバクテリオファージのゲノム内に、1つまたは複数の改変または突然変異を含み得る。一部の実施形態では、改変または突然変異は、プロファージが、溶解性プロセスに入ることまたは溶解性プロセスを完了することを防止する。一部の実施形態では、改変または突然変異は、ファージが、同じかまたは異なる種類の他の細菌に感染するのを防止する。一部の実施形態では、改変または突然変異は、細菌宿主の適応度を変化させる。一部の実施形態では、改変または突然変異は、細菌宿主の適応度を変化させない。一部の実施形態では、改変または突然変異は、遺伝子操作された細菌の所望のエフェクター機能に対して、例えば、エフェクター分子、例えば、免疫モジュレーター、例えば、免疫刺激因子またはサステナーの発現のレベルに対して、影響を有する。一部の実施形態では、改変または突然変異は、所望の機能に対して、例えば、エフェクター分子の発現のレベルに対して、またはエフェクター分子の活性のレベルに対して、影響を有さない。
ファージゲノムのサイズは、多様であり、最も小さいものでLeuconostocファージL5(2,435bp)、約11.5kbp(例えば、MycoplasmaファージP1)、約21kbp(例えば、Lactococcusファージc2)、および約30kbp(例えば、PasteurellaファージF108)から、ほぼ500kbpのBacillus megateriumファージGのゲノムまでの範囲である(HatfullおよびHendrix、Bacteriophages and their Genomes、Curr Opin Virol.、2011年10月1日、1巻(4号):298〜303頁、ならびにその中の参考文献)。ファージゲノムは、10個よりも少ない遺伝子〜最大数百個の遺伝子をコードし得る。テンペレートファージまたはプロファージは、典型的に、細菌宿主の染色体に組み込まれるが、細菌プラスミドに組み込まれるファージのいくつかの例もまた、存在する(Little、Loysogeny, Prophage Induction, and Lysogenic Conversion. In: Waldor MK、Friedman DI、Adhya S編、Phages Their Role in Bacterial Pathogenesis and Biotechnology. Washington DC: ASM Press、2005年、37〜54頁)。一部の事例では、ファージは、常に、細菌宿主の染色体内の同じ位置に位置しており、この位置は、各ファージに特異的である、すなわち、異なるファージは、異なる位置に位置する。他のファージは、多数の異なる場所に組み込まれ得る。
したがって、本開示の細菌は、長さが、少なくとも約1bp〜10kb、少なくとも約10kb〜20kb、少なくとも約20kb〜30kb、少なくとも約30kb〜40kb、少なくとも約30kb〜40kb、少なくとも約40kb〜50kb、少なくとも約50kb〜60kb、少なくとも約60kb〜70kb、少なくとも約70kb〜80kb、少なくとも約80kb〜90kb、少なくとも約90kb〜100kb、少なくとも約100kb〜120kb、少なくとも約120kb〜140kb、少なくとも約140kb〜160kb、少なくとも約160kb〜180kb、少なくとも約180kb〜200kb、少なくとも約200kb〜180kb、少なくとも約160kb〜250kb、少なくとも約250kb〜300kb、少なくとも約300kb〜350kb、少なくとも約350kb〜400kb、少なくとも約400kb〜500kb、少なくとも約500kb〜1000kb変動し得る、1つまたは複数のファージゲノムを含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、長さが1000kbを超えるバクテリオファージゲノムを含む。
一部の実施形態では、本開示の細菌は、1つまたは複数のポリペプチドをコードする1つまたは複数の遺伝子を含む、1つまたは複数のファージゲノムを含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、少なくとも約1〜5個の遺伝子、少なくとも約5〜10個の遺伝子、少なくとも約10〜15個の遺伝子、少なくとも約15〜20個の遺伝子、少なくとも約20〜25個の遺伝子、少なくとも約25〜30個の遺伝子、少なくとも約30〜35個の遺伝子、少なくとも約35〜40個の遺伝子、少なくとも約40〜45個の遺伝子、少なくとも約45〜50個の遺伝子、少なくとも約50〜55個の遺伝子、少なくとも約55〜60個の遺伝子、少なくとも約60〜65個の遺伝子、少なくとも約65〜70個の遺伝子、少なくとも約70〜75個の遺伝子、少なくとも約75〜80個の遺伝子、少なくとも約80〜85個の遺伝子、少なくとも約85〜90個の遺伝子、少なくとも約90〜95個の遺伝子、少なくとも約95〜100個の遺伝子、少なくとも約100〜115個の遺伝子、少なくとも約115〜120個の遺伝子、少なくとも約120〜125個の遺伝子、少なくとも約125〜130個の遺伝子、少なくとも約130〜135個の遺伝子、少なくとも約135〜140個の遺伝子、少なくとも約140〜145個の遺伝子、少なくとも約145〜150個の遺伝子、少なくとも約150〜160個の遺伝子、少なくとも約160〜170個の遺伝子、少なくとも約170〜180個の遺伝子、少なくとも約180〜190個の遺伝子、少なくとも約190〜200個の遺伝子、少なくとも約200〜300個の遺伝子を含む、バクテリオファージゲノムを含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、約300個より多くの遺伝子を含む、バクテリオファージゲノムを含む。
一部の実施形態では、ファージは、特定の種では、常に、またはほぼ常に、細菌宿主の染色体内で、同じ場所または位置に位置する。一部の実施形態では、ファージは、特定の種では、宿主の染色体内で、異なる場所に組み込まれることが見出されている。一部の実施形態では、ファージは、プラスミド上に位置する。
一部の実施形態では、プロファージは、欠損プロファージまたは潜在プロファージであり得る。欠損プロファージは、もはや溶解性サイクルを受け得ない。潜在プロファージは、溶解性サイクルを受けることができないか、または溶解性サイクルを受けたことがない場合がある(Bobayら、2014年)。一部の実施形態では、細菌は、1つまたは複数のサテライトファージゲノムを含む。サテライトファージは、それら自体の構造タンパク質遺伝子を有さない、その他の点では機能性のファージであり、他の特定のファージの構造タンパク質によるカプセル被包のために構成されるゲノムを有する(SixおよびKlug Bacteriophage P4: a satellite virus depending on a helper such as prophage P2、Virology、51巻、2号、1973年2月、327〜344頁)。
一部の実施形態では、細菌は、1つまたは複数のテイロシン(tailiocin)を含む。グラム陽性およびグラム陰性の両方の多くの細菌は、付随するファージ頭部なしで機能性であるファージ尾部に似た様々な粒子を産生し(テイロシンと称される)、それらの多くは、バクテリオシン特性を有することが示されている(GhequireおよびMot、The Tailocin Tale: Peeling off Phage; Trends in Microbiology、2015年10月、23巻、10号において概説されている)。ファージ尾部様バクテリオシンは、収縮性ファージ尾部様(R型)および非収縮性であるが可動性であるもの(F型)の2つの異なるファミリーに分類される。一部の実施形態では、細菌は、1つまたは複数の遺伝子移入剤を含む。遺伝子移入剤(GTA)は、一部の細菌ゲノムによってコードされるファージ様エレメントである。GTAは、ファージに似ているが、典型的なファージを定義する特徴的な能力が欠如しており、宿主細胞のDNAのランダムな断片をパッケージングし、次いで、それらを、同じ種の他の細菌へと横方向に移入する(Langら、Gene transfer agents: phage−like elements of genetic exchange、Nat Rev Microbiol.、2012年6月11日、10巻(7号):472〜482頁において概説されている)。そこで、DNAが、常在する同種染色体領域を、相同組換えによって置き換え得る。しかし、これらの粒子は、粒子の大半が、GTAをコードする遺伝子を有していないため、ウイルスとして繁殖することはできない。一部の実施形態では、細菌は、1つまたは複数の繊維状ビリオンを含む。繊維状ビリオンは、dsDNAプロファージとして組み込まれる(Marvin DAら、Structure and assembly of filamentous bacteriophages、Prog Biophys Mol Biol.、2014年4月、114巻(2号):80〜122頁において概説されている)。これらの実施形態のいずれにおいても、本明細書に記載される細菌は、それらの配列内に1つまたは複数の改変または突然変異を含み得る、欠損または潜在プロファージ、サテライトファージゲノム、テイロシン、遺伝子移入剤、繊維状ビリオンを含む。
プロファージは、実験またはコンピュータ計算のいずれかで、特定することができる。実験的アプローチは、宿主細菌を、UV光または他のDNA損傷条件に曝露することによって、ファージ粒子を放出するように誘導することを含む。しかし、一部の事例では、プロファージが誘導される条件は未知であり、したがって、プラークアッセイにおけるプラークの非存在は、必ずしも、プロファージの非存在を証明するものではない。加えて、このアプローチは、生存可能なファージの存在を示すことができるだけであり、欠損プロファージを明らかにするものではない。そのため、コンピュータ計算によるゲノム配列データからのプロファージの同定が、最も好ましい経路となっている。
2018年6月21日に出願され、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、同時係属中の国際特許出願PCT/US18/38840は、Phasterスコア付けによって決定される細菌ゲノムに含有されるいくつかの潜在的なバクテリオファージを含有する、プロバイオティック細菌の非限定的な例を提供している。Phasterスコア付けは、phaster.caおよびZhouら(「PHAST: A Fast Phage Search Tool」、Nucl. Acids Res.、(2011年)、39巻(付録2):W347〜W352頁)およびArndtら(Arndtら、(2016年)、PHASTER: a better, faster version of the PHAST phage search tool. Nucleic Acids Res.、2016年5月3日)に詳細に記載されている。簡単に述べると、3つの方法を、異なる基準で適用して、提供された細菌ゲノム配列内のプロファージ領域を(インタクト、問題あり、または不完全として)スコア付けする。
本明細書に記載される実施形態のいずれにおいても、本明細書に記載される細菌は、既存のプロファージまたはバクテリオファージゲノム内の1つまたは複数の改変または突然変異を含み得る。一部の実施形態では、これらの改変は、プロファージの特性または挙動を変化させる。一部の実施形態では、改変または突然変異は、プロファージが、溶解性プロセスに入ることまたは溶解性プロセスを完了することを防止する。一部の実施形態では、改変または突然変異は、ファージが、同じかまたは異なる種類の他の細菌に感染するのを防止する。一部の実施形態では、改変または突然変異は、細菌宿主の適応度を変化させる。一部の実施形態では、改変または突然変異は、細菌宿主の適応度を変化させない。一部の実施形態では、改変または突然変異は、例えば、遺伝子操作された細菌の所望のエフェクター機能に対する影響を有する。一部の実施形態では、改変または突然変異は、例えば、遺伝子操作された細菌の所望のエフェクター機能に対する影響を有さない。
一部の実施形態では、改変または突然変異は、プロファージ溶解性プロセスの侵入または完了を、少なくとも約1〜2倍、少なくとも約2〜3倍、少なくとも約3〜4倍、少なくとも約4〜5倍、少なくとも約5〜10倍、少なくとも約10〜100倍、少なくとも約100〜1000倍、低減させる。一部の実施形態では、改変または突然変異は、プロファージ溶解性プロセスの侵入または完了を完全に予防する。
一部の実施形態では、改変または突然変異は、プロファージ溶解性プロセスの侵入または完了を、少なくとも約1%〜10%、少なくとも約10%〜20%、少なくとも約20%〜30%、少なくとも約30%〜40%、少なくとも約40%〜50%、少なくとも約50%〜60%、少なくとも約60%〜70%、少なくとも約70%〜80%、少なくとも約80%〜90%、または少なくとも約90%〜100%、低減させる。
一部の実施形態では、突然変異は、ファージゲノム配列内の1つまたは複数の欠失を含む。一部の実施形態では、突然変異は、ファージゲノム配列への1つまたは複数の挿入を含む。一部の実施形態では、抗生物質カセットが、ファージゲノム配列内の1つまたは複数の位置に挿入され得る。一部の実施形態では、突然変異は、ファージゲノム配列内の1つまたは複数の置換を含む。一部の実施形態では、突然変異は、ファージゲノム配列内の1つまたは複数の逆転を含む。一部の実施形態では、ファージゲノム内の改変は、1つまたは複数のファージゲノム遺伝子内の挿入、欠失、置換、または逆転のうちの2つまたはそれよりも多くの組合せである。本明細書に記載される実施形態のいずれにおいても、改変は、ファージゲノム内の1つまたは複数の遺伝子の1つまたは複数のフレームシフト突然変異をもたらし得る。
これらの実施形態のいずれにおいても、突然変異は、様々な機能のタンパク質、例えば、細胞溶解、例えば、プロテアーゼまたはリシン、毒素、抗生物質耐性、翻訳、構造(例えば、頭部、尾部、カラー、またはコーティングタンパク質)、バクテリオファージアセンブリ、組換え(例えば、インテグラーゼ、インベルターゼ、またはトランスポサーゼ)、または複製(例えば、プライマーゼ、tRNA関連タンパク質)、ファージ挿入、付加、パッケージング、またはターミナーゼをコードする1つまたは複数の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含し得る。
一部の実施形態では、本明細書に記載される遺伝子操作された細菌は、操作されたEscherichia coli株Nissle 1917(E.coli Nissle)である。2018年6月21日に出願され、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる同時係属中の国際特許出願PCT/US18/38840に記載されており、本明細書では実施例においてより詳細に記載されているように、慣例的な試験手順により、Escherichia coli Nissle 1917(E.coli Nissle)および関連する操作された誘導体からのバクテリオファージ産生が同定されている。バクテリオファージの源を決定するために、E.coli Nissleおよび操作された誘導体のゲノムの共同研究によるバイオインフォマティクスアセスメントを行って、プロファージの形跡に関して株のゲノム配列を分析し、機能性ファージを産生する可能性について、任意の同定されたプロファージエレメントをアセスメントし、任意の機能性ファージエレメントを細菌ゲノム配列の中から同定された他の公知のファージと比較し、プロファージエレメントが他の配列決定されたEscherichia coli(E.coli)ゲノムにおいて見出される頻度を評価した。アセスメントツールには、ファージ予測ソフトウェア(PHASTおよびPHASTER)、SPAdesゲノムアセンブラーソフトウェア、変動性の低い配列を大きな参照ゲノムにマッピングするためのソフトウェア(BWA MEM)、ゲノム配列アライメントソフトウェア(MUMmer)、およびNational Center for Biotechnology Information (NCBI)非冗長データベースが含まれた。アセスメント結果により、分析したE.coli Nissleおよび操作された誘導体が、3つの候補プロファージエレメントを含有し、3つのうちの2つ(ファージ2およびファージ3)が、インタクトなファージゲノムの特徴であるほとんどの遺伝子特徴を含有することが示された。2つの他の可能性のあるファージエレメントもまた、同定された。注目すべきことに、操作された株は、親E.coli Nissleにおいて同定されていない追加のファージエレメントを含有しておらず、これらの株によって産生されるプラーク形成単位は、これらの内在性ファージ(ファージ3)のうちの1つを起源とすることが示された。興味深いことに、ファージ3は、およそ6000個の配列決定したE.coliゲノムの集りの中で、E.coli Nissleに固有であるが、関連する配列は、短い相同性領域に限定されており、他の推定的プロファージエレメントは、少数のゲノムにおいて見出される。ファージ3は、誘導性であり、誘導されると細菌の細胞溶解をもたらすことが見出されたが、他のファージのいずれも、そう見出されなかった。
プロファージは、E.coli株で非常に一般的であり、E.coli Nissleは、配列決定したE.coliゲノムの十分に特徴付けられたセットにおいて見出される平均数と比較して、比較的少数のプロファージ配列を含有する。そのため、操作された株におけるプロファージの存在は、この種の天然の状態の一部であり、分析した操作された株のプロファージ特徴は、前駆株E.coli Nissleと一貫していた。
一部の実施形態では、本明細書に記載される細菌は、E.coli Nissleファージ3ゲノム内に、ファージ3の特性または挙動を変化させる1つまたは複数の改変または突然変異を含み得る。一部の実施形態では、改変または突然変異は、ファージ3が、溶解性プロセスに入ることまたは溶解性プロセスを完了することを防止する。一部の実施形態では、改変または突然変異は、E.coli Nissleファージ3が、同じかまたは異なる種類の他の細菌に感染するのを防止する。一部の実施形態では、改変または突然変異は、細菌宿主の適応度を改善する。一部の実施形態では、細菌宿主の有効な適応度がないことが、観察される。一部の実施形態では、改変または突然変異は、所望のエフェクター機能、例えば、免疫モジュレーターの発現に対する影響を有する。一部の実施形態では、所望のエフェクター機能、例えば、免疫モジュレーターの発現に対する影響は、観察されない。
一部の実施形態では、細菌の骨格(chassis)に導入される突然変異には、E.coli Nissleファージ3ゲノム配列内の1つまたは複数の欠失が含まれる。一部の実施形態では、突然変異には、E.coli Nissleファージ3ゲノム配列への1つまたは複数の挿入が含まれる。一部の実施形態では、抗生物質カセットが、E.coli Nissleファージ3ゲノム配列内の1つまたは複数の位置に挿入され得る。ファージ3内の突然変異は、同時係属中の米国仮出願第62/523,202号および第62/552,829号により詳細に記載されており、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
1つの特定の実施形態では、少なくとも約9000〜10000bpのE.coli Nissleファージ3ゲノムが、突然変異され、例えば、一例では、9687bpのE.coli Nissleファージ3ゲノムが、欠失される。
本明細書に記載される実施形態のいずれにおいても、改変は、ECOLIN_09965、ECOLIN_09970、ECOLIN_09975、ECOLIN_09980、ECOLIN_09985、ECOLIN_09990、ECOLIN_09995、ECOLIN_10000、ECOLIN_10005、ECOLIN_10010、ECOLIN_10015、ECOLIN_10020、ECOLIN_10025、ECOLIN_10030、ECOLIN_10035、ECOLIN_10040、ECOLIN_10045、ECOLIN_10050、ECOLIN_10055、ECOLIN_10065、ECOLIN_10070、ECOLIN_10075、ECOLIN_10080、ECOLIN_10085、ECOLIN_10090、ECOLIN_10095、ECOLIN_10100、ECOLIN_10105、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、ECOLIN_10170、ECOLIN_10175、ECOLIN_10180、ECOLIN_10185、ECOLIN_10190、ECOLIN_10195、ECOLIN_10200、ECOLIN_10205、ECOLIN_10210、ECOLIN_10220、ECOLIN_10225、ECOLIN_10230、ECOLIN_10235、ECOLIN_10240、ECOLIN_10245、ECOLIN_10250、ECOLIN_10255、ECOLIN_10260、ECOLIN_10265、ECOLIN_10270、ECOLIN_10275、ECOLIN_10280、ECOLIN_10290、ECOLIN_10295、ECOLIN_10300、ECOLIN_10305、ECOLIN_10310、ECOLIN_10315、ECOLIN_10320、ECOLIN_10325、ECOLIN_10330、ECOLIN_10335、ECOLIN_10340およびECOLIN_10345から選択される1つまたは複数の遺伝子を包含し、そこに位置している。
一実施形態では、突然変異は、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、ECOLIN_10170、およびECOLIN_10175のうちの1つまたは複数の完全または部分的な欠失である。一つの具体的な実施形態では、突然変異は、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、およびECOLIN_10170、およびECOLIN_10175の完全または部分的な欠失である。一つの具体的な実施形態では、突然変異は、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、およびECOLIN_10170の完全な欠失およびECOLIN_10175の完全な欠失である。一実施形態では、ファージゲノムの突然変異または欠失は、配列番号1285内の1つまたは複数の位置に位置している。一部の実施形態では、配列番号1432の少なくとも約0〜1%、1%〜10%、10%〜20%、20%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜80%、80%〜90%が、ファージゲノムから欠失されている。一部の実施形態では、配列番号1432の少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または少なくとも約100%が、ファージゲノムから欠失されている。一部の実施形態では、配列番号1432の少なくとも約99%、98%、97%、96%、95%、94%、93%、92%、91%、または90%が、ファージゲノムから欠失されている。一実施形態では、配列番号1432を含む配列は、ファージ3ゲノムから欠失されている。一実施形態では、配列番号1432の配列は、ファージ3ゲノムから欠失されている。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号1433を含む改変されたファージゲノム配列を含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号1433からなる改変されたファージゲノム配列を含む。
エフェクター分子
腫瘍溶解および自然免疫応答の活性化
ある特定の実施形態では、本開示のエフェクター分子または免疫モジュレーターは、自然抗腫瘍免疫応答を生成する。ある特定の実施形態では、本開示の免疫モジュレーターは、局所抗腫瘍免疫応答を生成する。一部の態様では、エフェクター分子または免疫モジュレーターは、遠位がん細胞に対する全身抗腫瘍免疫を活性化することができる。ある特定の実施形態では、免疫モジュレーターは、全身または適応抗腫瘍免疫応答を生成する。一部の実施形態では、免疫モジュレーターは、長期免疫学的記憶をもたらす。適切な免疫モジュレーター、例えば、免疫イニシエーターおよび/または免疫サステナーの例は、本明細書に記載されている。
一部の実施形態では、1つまたは複数の免疫モジュレーターは、本明細書に記載される改変された微生物によって産生され得る。他の実施形態では、1つまたは複数の免疫モジュレーターは、第2の免疫モジュレーターを産生することができる改変された微生物と組み合わせて、投与され得る。例えば、1つまたは複数の免疫イニシエーターは、1つまたは複数の免疫サステナーを産生することができる改変された微生物と組み合わせて、投与され得る。別の実施形態では、1つまたは複数の免疫サステナーは、1つまたは複数の免疫イニシエーターを産生することができる改変された微生物と組み合わせて、投与され得る。あるいは、1つまたは複数の第1の免疫イニシエーターは、1つまたは複数の第2の免疫イニシエーターを産生することができる改変された微生物と組み合わせて、投与され得る。あるいは、1つまたは複数の第1の免疫サステナーは、1つまたは複数の第2の免疫サステナーを産生することができる改変された微生物と組み合わせて、投与され得る。
腫瘍微小環境に見られる多くの免疫細胞は、パターン認識受容体(PRR)を発現し、この受容体は、炎症誘発性シグナル伝達経路の活性化、食細胞応答(マクロファージ、好中球、および樹状細胞)の刺激、または分泌タンパク質としての微生物との結合により、自然免疫応答において重要な役割を果たす。PRRは、以下の2つのクラスの分子を認識する:微生物病原体に関連する、(PAMP)と、細胞損傷、死滅ストレスまたは組織傷害中に放出される細胞成分に関連する、損傷関連分子パターン(DAMP)という、2つの分子クラスを認識する。PAMPは、各病原体に特有のものであり、病原体生存に必要な不可欠分子構造、例えば、細菌細胞壁分子(例えば、リポタンパク質)、ウイルスカプシドタンパク質、ならびにウイルスおよび細菌DNAである。PRRは、細菌、ウイルス、寄生虫、真菌および原虫を含む、様々な微生物病原体を特定することができる。PRRは、主として、自然免疫系の細胞、例えば、抗原提示マクロファージおよび樹状細胞によって発現されるが、他の細胞(免疫細胞と非免疫細胞の両方)によって発現されることもあり、細胞表面に局在して細胞外病原体を検出するか、またはエンドソームおよび細胞基質内に局在し、そこで細胞内に侵入するウイルスを検出する。
PRRの例としては、感染病原体を検出する細胞外ドメインを有する1型膜貫通受容体である、Toll様受容体(TLR)が挙げられる。TLR1、2、4および6は、細菌脂質を認識し、TLR3、7および8は、ウイルスRNAを認識し、TLR9は、細菌DNAを認識し、TLR5および10は、細菌または寄生虫タンパク質を認識する。。PRRの他の例としては、C型レクチン受容体(CLR)、例えば、I型マンノース受容体およびII型アシアロ糖タンパク質受容体、細胞質(細胞内)PRR、ヌクレオチドオリゴマー化(NOD)様受容体(NLR)、例えば、NOD1およびNOD2、レチノイン酸誘導性遺伝子I(RIG−1)様受容体(RLR)、例えば、RIG−I、MDA5およびDDX3、ならびに分泌PRR、例えば、コレクチン、ペントラキシン、フィコリン、脂質トランスフェラーゼ、ペプチドグリカン認識タンパク質(PGR)およびロイシンリッチリピート受容体(LRR)が挙げられる。
PRRは、共刺激分子および炎症性サイトカイン、例えば、I型IFN、IL−6、TNFおよびIL−12の産生を刺激する、NF−カッパB経路などの、シグナル伝達経路の活性化を開始し、この機序は、感染性病原体に対して開始される炎症および免疫応答の活性化の一因となる。そのような応答は、適応免疫応答に関与する腫瘍微小環境に存在する免疫細胞(例えば、抗原提示細胞(APC)、例えば、B細胞、DC、TAM、および他の骨髄系由来サプレッサー細胞)の活性化を誘発する。最近の証拠は、PAMPおよびDAMPにより活性化される免疫機序が、腫瘍細胞に対する免疫応答の活性化の一因にもなることを示す。(LeMercierら、Canc Res、73巻:4629〜40頁(2013年);Kimら、Blood、119巻:355〜63頁(2012年))。
もう1つのPRRサブファミリーは、RIG−I様受容体(RLR)であり、これは、ウイルス感染時の二本鎖ウイルスRNAのセンサーであると考えられており、腫瘍内免疫刺激の標的とされうる。刺激されると、例えば、腫瘍溶解性ウイルスが腫瘍内に送達されると、RLRは、宿主細胞によるI型IFNの放出を誘発し、アポトーシスによるその死滅をもたらす。そのようなサイトカインおよび腫瘍関連抗原(TAA)は、抗腫瘍免疫応答の活性化ももたらす。RLRは、すべての腫瘍型において内因性発現されることを考えると、RLRは、普遍的な免疫原性促進性治療標的であり、腫瘍溶解性ウイルスの局所送達により生成される免疫応答に特に関連性がある。
一部の態様では、細菌の骨格そのものが、PRR受容体、例えば、TLRまたはRIGIのうちの1つまたは複数を活性化し、自然免疫応答を刺激することができる。一部の態様では、PRR、例えば、TLRまたはRIGIは、遺伝子操作された細菌によって産生される1つまたは複数の免疫モジュレーターによって活性化される。
溶解性ペプチド
本開示の細菌それら自体が、PAMPおよびDAMPの存在に起因して腫瘍部位で細胞溶解をもたらすことになり、これにより、自然免疫応答が発動されることになり得る。加えて、一部の細菌は、腫瘍細胞を溶解する能力がある細胞溶解性の微生物であるという追加の特徴を有する。したがって、一部の実施形態では、操作された微生物は、天然またはネイティブ細胞溶解性ペプチドを産生する。一部の実施形態では、腫瘍部位に送達されると局所的に腫瘍微小環境内のがんまたは腫瘍細胞を溶解する能力がある1つまたは複数の細胞傷害性分子、例えば細胞溶解性ペプチドを産生するように、細菌をさらに操作することができる。細胞が溶解すると、腫瘍細胞は、適応免疫応答を促進するのに役立つ腫瘍関連抗原を放出する。PAMPおよびDAMPの存在は、樹状細胞などの抗原提示細胞の成熟を促進し、これにより、抗原特異的CD4+およびCD8+T細胞応答が活性化される。したがって、一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、1つまたは複数の細胞毒を産生することができる。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、1つまたは複数の溶解性ペプチド分子を産生することができる。遺伝子操作された細菌によって産生され得る例示的な溶解性ペプチドおよび細胞毒、ならびにそれらがどのようにして発現、誘導、および調節され得るかは、2017年1月11日に出願され、WO2017/123675号として公開された、国際特許出願PCT/US2017/013072、ならびに2018年1月1日に出願されたPCT/US2018/012698に記載されており、これらのそれぞれの内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
これらの実施形態のいずれにおいても、溶解性ペプチドをコードする遺伝子配列を含む遺伝子操作された細菌は、1つまたは複数のさらなるエフェクター分子、すなわち、治療用分子または代謝変換因子をコードする遺伝子配列をさらに含む。これらの実施形態のいずれにおいても、溶解性ペプチドをコードする回路は、同じかまたは異なる細菌株において、本明細書に記載される1つまたは複数の免疫イニシエーターまたは免疫サステナーをコードする回路と組み合わせることができる(組合せ回路または株の混合物)。免疫イニシエーターまたは免疫サステナーをコードする回路は、構成的または誘導性プロモーター、例えば、低酸素誘導性プロモーターまたは本明細書に記載される任意の他の構成的もしくは誘導性プロモーターの制御下にあり得る。これらの実施形態のいずれにおいても、溶解性ペプチドをコードする遺伝子配列は、同じかまたは異なる細菌株において、本明細書に記載される1つまたは複数のSTINGアゴニスト産生酵素をコードする遺伝子配列と組み合わせることができる(組合せ回路または株の混合物)。一部の実施形態では、溶解性ペプチドをコードする遺伝子配列と組み合わされる遺伝子配列は、DacAをコードする。DacAは、構成的または誘導性プロモーター、例えば、低酸素誘導性プロモーター、例えば、FNR、または本明細書に記載される任意の他の構成的もしくは誘導性プロモーターの制御下にあり得る。一部の実施形態では、dacA遺伝子は、染色体に組み込まれている。一部の実施形態では、溶解性ペプチドをコードする遺伝子配列と組み合わされる遺伝子配列は、cGASをコードする。cGASは、構成的または誘導性プロモーター、例えば、低酸素誘導性プロモーター、例えば、FNR、または本明細書に記載される任意の他の構成的もしくは誘導性プロモーターの制御下にあり得る。一部の実施形態では、cGASをコードする遺伝子は、染色体に組み込まれている。これらの組合せの実施形態のいずれにおいても、細菌は、栄養要求性の改変、例えば、DapA、ThyA、または両方の突然変異または欠失をさらに含み得る。これらの実施形態のいずれにおいても、細菌は、ファージの改変、例えば、本明細書に記載される内在性プロファージの突然変異または欠失をさらに含み得る。
抗原/ワクチン
腫瘍抗原、例えば、腫瘍特異的抗原、腫瘍関連抗原(TAA)、および/またはネオ抗原を局所腫瘍環境に導入することにより、ネオ抗原に関連することが公知である目的の特定のがんまたは腫瘍細胞に対する免疫応答を生じさせることができる。本明細書で使用される場合、用語「腫瘍抗原」は、腫瘍特異的抗原、腫瘍関連抗原(TAA)、およびネオ抗原を指すことを意図する。本明細書で使用される場合、腫瘍抗原は、「発癌ウイルス抗原」、腫瘍胎児抗原、組織分化抗原、およびがん精巣抗原も含む。操作された微生物は、ペプチド、例えば腫瘍抗原を微生物細胞壁に(例えば、微生物細胞表面に)アンカーすることができるように操作されていることもある。したがって、一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、1つまたは複数の腫瘍抗原を産生するように操作されている。本開示の細菌によって産生され得るそのような腫瘍抗原の非限定的な例は、例えば、2017年1月11日に出願され、WO2017/123675として公開された国際特許出願PCT/US2017/013072、および2018年1月1日に出願されたPCT/US2018/012698に記載されており、これらのそれぞれの内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるか、またはそうでなければ当該技術分野で公知である。
これらの実施形態のいずれにおいても、抗原をコードする遺伝子配列を含む遺伝子操作された細菌は、1つまたは複数のさらなるエフェクター分子、すなわち、治療用分子または代謝変換因子をコードする遺伝子配列をさらに含む。これらの実施形態のいずれにおいても、抗原をコードする回路は、同じかまたは異なる細菌株において、本明細書に記載される1つまたは複数の免疫イニシエーターまたは免疫サステナーをコードする回路と組み合わせることができる(組合せ回路または株の混合物)。免疫イニシエーターまたは免疫サステナーをコードする回路は、構成的または誘導性プロモーター、例えば、低酸素誘導性プロモーターまたは本明細書に記載される任意の他の構成的もしくは誘導性プロモーターの制御下にあり得る。これらの実施形態のいずれにおいても、抗原をコードする遺伝子配列は、同じかまたは異なる細菌株において、本明細書に記載される1つまたは複数のSTINGアゴニスト産生酵素をコードする遺伝子配列と組み合わせることができる(組合せ回路または株の混合物)。一部の実施形態では、抗原をコードする遺伝子配列と組み合わされる遺伝子配列は、DacAをコードする。DacAは、構成的または誘導性プロモーター、例えば、低酸素誘導性プロモーター、例えば、FNR、または本明細書に記載される任意の他の構成的もしくは誘導性プロモーターの制御下にあり得る。一部の実施形態では、dacA遺伝子は、染色体に組み込まれている。一部の実施形態では、抗原をコードする遺伝子配列と組み合わされる遺伝子配列は、cGASをコードする。cGASは、構成的プまたは誘導性プロモーター、例えば、低酸素誘導性プロモーター、例えば、FNR、または本明細書に記載される任意の他の構成的もしくは誘導性プロモーターの制御下にあり得る。一部の実施形態では、cGASをコードする遺伝子は、染色体に組み込まれている。これらの組合せの実施形態のいずれにおいても、細菌は、栄養要求性の改変、例えば、DapA、ThyA、または両方の突然変異または欠失をさらに含み得る。これらの実施形態のいずれにおいても、細菌は、ファージの改変、例えば、本明細書に記載される内在性プロファージの突然変異または欠失をさらに含み得る。
プロドラッグ
プロドラッグ療法は、反応性および細胞傷害性の低い形態の抗がん薬を提供する。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、プロドラッグをその活性形態に変換することができる。適切なプロドラッグ系の一例は、5−FC/5−FU系である。
細胞傷害性の放射線増感剤5−フルオロウラシル(5−FU)は、消化器、乳、頭頸部および結腸直腸がんを含む、多くのがんの処置に使用される(Duivenvorrdenら、2006年、Sensitivity of 5−fluorouracil−resistant cancer cells to adenovirus suicide gene therapy;Cancer Gene Therapy(2006年)14巻、57〜65頁)。しかし、毒性が、より高濃度でのその投与を制限する。腫瘍においてより高濃度をより低い毒性で達成するために、プロドラッグ系が開発された。シトシンデアミナーゼは、プロドラッグ5−フルオロシトシン(5−FC)を5−FUに脱アミノ化する。5−FCを比較的高濃度で導入することができ、それによって、腫瘍部位で生成される5−FUは、全身投与することができる濃度より高濃度を安全に達成することができる。次いで、腫瘍部位で、5−FUは、細胞酵素によって、強力なピリミジン代謝拮抗物質5−FdUMP、5−FdUTPおよび5−FUTPに形質転換される。これらの代謝物は、リボヌクレオチドをデオキシリボヌクレオチドに変換するチミジル酸シンテターゼを阻害する代謝遮断剤として作用し、その結果としてDNA合成を阻害する(Horaniら2015年、Anticancer Prodrugs − Three Decades Of Design; wjpps;4巻、07号、1751〜1779頁およびその中の参考文献)。
この系は、5−FUを5−フルオロウリジン一リン酸に変換するUPRT(哺乳動物オロチン酸ホスホリボシルトランスフェラーゼの作用と類似)を含めること、活性化へのその経路の第1のステップ、によって、さらに改善された(Tirabyら、1998年;Concomitant expression of E.coli cytosine deaminase and uracil phosphoribosyltransferase improves the cytotoxicity of 5−fluorocytosine. FEMS Microbiol Lett 1998年;176巻:41〜49頁)。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、5−FCを5FUに変換することができる。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、腫瘍微小環境において、5−FCを5FUに変換することができる。一部の実施形態では、5−FCは、全身投与される。一部の実施形態では、5−FCは、経口、静脈内、または皮下投与される。一部の実施形態では、5−FCは、腫瘍内注射によって投与される。遺伝子操作された細菌は、シトシンデアミナーゼ(EC 3.5.4.1)をコードする遺伝子配列を含む。
一部の実施形態では、シトシンデアミナーゼは、E.coliからのものである。一部の実施形態では、シトシンデアミナーゼは、codAである。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、酵母からのシトシンデアミナーゼを発現する。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、codA−upp融合タンパク質を発現する。
遺伝子操作された細菌における異種発現に適したシトシンデアミナーゼの非限定的な例としては、以下のものが挙げられる:Photobacterium leiognathi subsp.mandapamensis svers.1.1.(PMSV_1378)、Pseudomonas mendocina NK−01(MDS_1548)、Streptomyces coelicolor A3(2)(SCO4634)、Achromobacter xylosoxidans AXX−A(AXXA_10715、AXXA_16292)、Gluconacetobacter sp.SXCC−1(CODA)、Gallibacterium anatis UMN179(UMN179_00049)、Klebsiella oxytoca KCTC 1686(KOX_14050、KOX_04555)、Taylorella asinigenitalis MCE3(TASI_1310)、Rhodococcus jostii RHA1(RHA1_RO00599、RHA1_RO00597)、Enterobacter aerogenes KCTC 2190(EAE_13265、EAE_05115)、Candidatus Arthromitus sp.SFB−mouse−Japan(SFBM_1249)、Ralstonia solanacearum Po82(CODA)、Salinisphaera shabanensis E1L3A(SSPSH_07086)、Paenibacillus mucilaginosus KNP414(KNP414_03230、KNP414_03233)、Bradyrhizobium japonicum USDA 6(BJ6T_60100、BJ6T_60090)、Candidatus Arthromitus sp.SFB−rat−Yit(RATSFB_1079)、Pseudomonas putida S16(PPS_2740)、Weissella koreensis KACC 15510(WKK_05060)、Enterobacter cloacae EcWSU1(YAHJ、CODA)、Bizionia argentinensis JUB59(BZARG_2213)、Agrobacterium tumefaciens F2(AGAU_L101956)、Paracoccus denitrificans SD1(PDI_1216)、Sulfobacillus acidophilus TPY(CODA)、Vibrio tubiashii ATCC 19109(VITU9109_13741)、Nitrosococcus watsonii C−113(NWAT_2475)、Blattabacterium sp.(Mastotermes darwiniensis)str.MADAR(CODA)、Blattabacterium sp.(Cryptocercus punctulatus)str.Cpu(CODA)、Pelagibacterium halotolerans B2(KKY_852、KKY_850)、Burkholderia sp.YI23(BYI23_A018410、BYI23_A008960)、Synechococcus sp.CC9605(SYNCC9605_0854)、Pseudomonas fluorescens F113(AEV61892.1)、Vibrio sp.EJY3(VEJY3_16491)、Synechococcus elongatus PCC 7942(SYNPCC7942_0568)、Bradyrhizobium sp.ORS 278(BRADO1789、BRADO0862)、Synechocystis sp.PCC 6803(CODA)、Microcoleus chthonoplastes PCC 7420(MC7420_274)、Prochlorococcus marinus str.AS9601(CODA)、Escherichia coli O157:H7 str.EDL933(YAHJ、CODA)、Pseudomonas putida KT2440(CODA)、Synechococcus sp.WH 8109(SH8109_1371)、Prochlorococcus marinus subsp.marinus str.CCMP1375(SSNA)、Prochlorococcus marinus str.MIT 9515(CODA)、Prochlorococcus marinus str.MIT 9301(CODA)、Prochlorococcus marinus str.NATL1A(CODA)、Agrobacterium tumefaciens str.C58(ATU4698)、Desulfobacterium autotrophicum HRM2(CODA)、Cyanobium sp.PCC 7001(CPCC7001_2605)、Yersinia pestis KIM10(CODA)、Clostridium perfringens ATCC 13124(CODA)、Nocardioides sp.JS614(NOCA_1495)、Corynebacterium efficiens YS−314(CODA)、Corynebacterium glutamicum ATCC 13032(CGL0076、CODA)、Bacillus anthracis str.Ames(BAS4389)、Dickeya dadantii 3937(CODA)、Escherichia coli CFT073(CODA、YAHJ)、Trichodesmium erythraeum IMS101(TERY_4570)、Pseudomonas fluorescens Pf0−1(CODA、PFL01_3146)、Bifidobacterium longum NCC2705(CODA)、Carnobacterium sp.17−4(CAR_C04640、ATZC)、Pseudomonas aeruginosa PAO1(CODA)、Clostridium tetani E88(CTC_01883)、Yersinia pestis CO92(CODA)、Burkholderia cenocepacia J2315(BCAM2780、CODA)、Pseudomonas fluorescens SBW25(CODA)、Vibrio vulnificus CMCP6(VV2_0789)、Salmonella bongori NCTC 12419(CODA)、Salmonella enterica subsp.enterica serovar Typhi str.CT18(CODA)、Pseudomonas fluorescens Pf−5(CODA)、Oceanobacillus iheyensis HTE831(OB1267)、Synechococcus sp.RS9916(RS9916_32902)、Synechococcus sp.RS9917(RS9917_02061)、Mannheimia succiniciproducens MBEL55E(SSNA)、Vibrio parahaemolyticus RIMD 2210633(VPA1243)、Bradyrhizobium japonicum USDA 110(BLL3846、BLL7276)、Marinobacter adhaerens HP15(HP15_2772)、Enterococcus faecalis V583 3seqs EF_1061、EF_1062、EF_0390)、Bacillus cereus ATCC 14579(BC_4503)、Synechococcus sp.CB0101(SCB01_010100001875)、Synechococcus sp.CB0205(SCB02_010100013621)、Burkholderia mallei ATCC 23344(CODA)、Labrenzia alexandrii DFL−11(SADFL11_5050)、Myxococcus xanthus DK 1622(MXAN_5420)、Ruegeria pomeroyi DSS−3(SPO2806)、Gloeobacter violaceus PCC 7421(GLL2528)、Streptomyces sp.C(SSNG_03287、SSNG_04186)、Ralstonia eutropha JMP134(REUT_B3993)、Moorella thermoacetica ATCC 39073(MOTH_0460)、Rubrobacter xylanophilus DSM 9941(RXYL_0224)、Burkholderia xenovorans LB400(BXE_A2120、BXE_A1533)、Sinorhizobium meliloti 1021(R02596)、Mesorhizobium loti MAFF303099(MLR5363、MLL2061)、Ralstonia solanacearum GMI1000(CODA)、Synechococcus elongatus PCC 6301(CODA)、Burkholderia vietnamiensis G4(BCEP1808_4874)、Rhodospirillum rubrum ATCC 11170(RRU_A2788)、Marinobacter sp.ELB17(MELB17_06099)、Gluconacetobacter diazotrophicus PAl 5(GDIA_2518、GDI3632)、Klebsiella pneumoniae subsp.pneumoniae MGH 78578(KPN_00632、CODA)、Pasteurella multocida subsp.multocida str.Pm70(PM0565)、Rhodobacter sphaeroides 2.4.1(RSP_0341)、Pediococcus pentosaceus ATCC 25745(PEPE_0241)、Pseudogulbenkiania ferrooxidans 2002(FURADRAFT_0739)、Desulfuromonas acetoxidans DSM 684(DACE_0684)、Aurantimonas manganoxydans SI85−9A1(SI859A1_01947)、Bradyrhizobium sp.BTAi1(BBTA_2105、BBTA_7204)、Cronobacter sakazakii ATCC BAA−894(ESA_03405)、Arthrobacter aurescens TC1(AAUR_3889、AAUR_0925)、Arthrobacter sp.FB24(ARTH_3600)、Jannaschia sp.CCS1(JANN_1306)、Polaromonas sp.JS666(BPRO_1960)、Photobacterium profundum SS9(Y3946)、Frankia sp.EuI1c(FRAEUI1C_4724、FRAEUI1C_4625)、Thermomicrobium roseum DSM 5159(TRD_1845)、Agrobacterium vitis S4(AVI_2101、AVI_2102)、Agrobacterium radiobacter K84 5seqs ARAD_9085、ARAD_9086、ARAD_8033、ARAD_3518、ARAD_9893)、Vibrio fischeri ES114(CODA)、Lyngbya sp.PCC 8106(L8106_10086)、Synechococcus sp.BL107(B
L107_11056)、Bacillus sp.NRRL B−14911(B14911_04044)、Roseobacter sp.MED193(MED193_17224)、Roseovarius sp.217(ROS217_10957)、Pelagibaca bermudensis HTCC2601(R2601_16485、R2601_00530)、Marinomonas sp.MED121(MED121_23629)、Lactobacillus sakei subsp.sakei 23K(LCA_1212)、Bacillus weihenstephanensis KBAB4(BCERKBAB4_4331)、Rhodopseudomonas palustris HaA2(RPB_2084)、Aliivibrio salmonicida LFI1238(CODA)、Synechococcus sp.CC9902(SYNCC9902_1538)、Escherichia coli str.K−12 substr.W3110(CODA、YAHJ)、Paracoccus denitrificans PD1222(PDEN_1057)、Synechococcus sp.WH 7803(CODA)、Synechococcus sp.JA−3−3Ab(CYA_1567、CODA)、Synechococcus sp.JA−2−3Ba(2−13)(CYB_1063、CODA)、Brevibacterium linens BL2(BLINB_010200009485)、Azotobacter vinelandii DJ(CODA)、Paenibacillus sp.JDR−2 6seqs PJDR2_6131、PJDR2_6134、PJDR2_3617、PJDR2_3622、PJDR2_3255、PJDR2_3254)、Frankia alni ACN14a(FRAAL4250)、Bifidobacterium breve UCC2003(CODA)、Blattabacterium sp.(Blattella germanica)str.Bge(BLBBGE_353)、アルファプロテオバクテリアBAL199(BAL199_01644、BAL199_09865)、Carnobacterium sp.AT7(CAT7_10495、CAT7_05806)、Nitrosomonas eutropha C91(NEUT_1722)、Vibrio harveyi ATCC BAA−1116(VIBHAR_05319)、Burkholderia ambifaria AMMD(BAMB_3745、BAMB_4900)、Actinobacillus succinogenes 130Z(ASUC_1190)、Rhodobacter sphaeroides ATCC 17025(RSPH17025_0955)、Lactobacillus reuteri 100−23(LR0661)、Acidiphilium cryptum JF−5(ACRY_0828)、Hahella chejuensis KCTC 2396(HCH_05147)、Alkaliphilus oremlandii OhILAs(CLOS_1212、CLOS_2457)、Burkholderia dolosa AUO158(BDAG_04094、BDAG_03273)、Roseobacter sp.AzwK−3b(RAZWK3B_08901)、Pseudomonas putida F1(PPUT_2527)、Clostridium phytofermentans ISDg(CPHY_3622)、Brevibacillus brevis NBRC 100599 4seqs BBR47_15870、BBR47_15630、BBR47_15620、BBR47_15610)、Bordetella avium 197N(CODA)、Escherichia coli 536(CODA、YAHJ)、Polaromonas naphthalenivorans CJ2(PNAP_4007)、Ramlibacter tataouinensis TTB310(CODA)、Janthinobacterium sp.Marseille(CODA)、Pseudomonas stutzeri A1501(CODA)、Aeromonas hydrophila subsp.hydrophila ATCC 7966(CODA)、Ralstonia eutropha H16(CODA、SSNA)、Pseudomonas entomophila L48(PSEEN3598)、Labrenzia aggregata IAM 12614(SIAM614_16372、SIAM614_21000)、Lactobacillus brevis ATCC 367(LVIS_1932)、Sagittula stellata E−37(SSE37_18952)、Bacillus sp.B14905 3seqs BB14905_20948、BB14905_12010、BB14905_12015)、Pseudomonas putida W619 3seqs PPUTW619_3228、PPUTW619_2210、PPUTW619_2162)、Stenotrophomonas maltophilia R551−3(SMAL_2348)、Burkholderia phymatum STM815(BPHY_1477)、Vibrionales bacterium SWAT−3(VSWAT3_26556)、Roseobacter sp.GAI101(RGAI101_2568)、Vibrio shilonii AK1(VSAK1_17107)、Pedobacter sp.BAL39(PBAL39_00410)、Roseovarius sp.TM1035(RTM1035_18230、RTM1035_17900)、Octadecabacter antarcticus 238(OA238_4970)、Phaeobacter gallaeciensis DSM 17395(CODA)、Oceanibulbus indolifex HEL−45(OIHEL45_14065、OIHEL45_01925)、Octadecabacter antarcticus 307(OA307_78)、Verminephrobacter eiseniae EF01−2(VEIS_0416、VEIS_4430)、Shewanella woodyi ATCC 51908(SWOO_1853)、Yersinia enterocolitica subsp.enterocolitica 8081(CODA)、Clostridium cellulolyticum H10(CCEL_0909)、Burkholderia multivorans ATCC 17616(CODA、BMUL_4281)、Leptothrix cholodnii SP−6(LCHO_0318)、Acidovorax citrulli AAC00−1(AAVE_3221)、Burkholderia phytofirmans PsJN(BPHYT_2598、BPHYT_2388)、Delftia acidovorans SPH−1(DACI_4995)、Shewanella pealeana ATCC 700345(SPEA_2187)、Dinoroseobacter shibae DFL 12(CODA)、Pseudomonas mendocina ymp(PMEN_3834)、Serratia proteamaculans 568(SPRO_0096、SPRO_4594)、Enterobacter sp.638(ENT638_3792、ENT638_3140)、Marinomonas sp.MWYL1(MMWYL1_1583)、Saccharopolyspora erythraea NRRL 2338(SERYN2_010100001217)、Xenorhabdus nematophila ATCC 19061(XNC1_2097)、Nocardioidaceae bacterium Broad−1(NBCG_02556)、Hoeflea phototrophica DFL−43(HPDFL43_16047)、Paracoccus sp.TRP(PATRP_010100008956)、Cyanothece sp.PCC 8801(PCC8801_1952)、Shewanella sediminis HAW−EB3(SSED_2803)、Methylobacterium sp.4−46(M446_3603、M446_0933)、Methylobacterium radiotolerans JCM 2831(MRAD2831_4824)、Azorhizobium caulinodans ORS 571(AZC_1945)、Ochrobactrum anthropi ATCC 49188(OANT_3311)、Ruegeria sp.R11(RR11_1621)、Cyanothece sp.ATCC 51142(CODA)、Streptomyces clavuligerus ATCC 27064(SCLAA2_010100026671、SCLAV_5539)、Lysinibacillus sphaericus C3−41(BSPH_4231)、Clostridium botulinum NCTC 2916(CODA)、Anaerotruncus colihominis DSM 17241(ANACOL_03998、ANACOL_02279、ANACOL_01309)、Actinosynnema mirum DSM 43827(AMIR_0538)、Sanguibacter keddieii DSM 10542(SKED_28020、SKED_17260)、Stackebrandtia nassauensis DSM 44728(SNAS_1703)、Microcystis aeruginosa NIES−843(MAE_05360)、Clostridium perfringens NCTC 8239(CODA)、Kitasatospora setae KM−6054(KSE_36300、KSE_36320)、Arthrobacter chlorophenolicus A6(ACHL_1061)、Streptomyces griseus subsp.griseus NBRC 13350(SGR_6458)、Clostridium sp.7_2_43FAA(CSBG_02087)、Clostridiales bacterium 1_7_47FAA(CBFG_00901)、Streptomyces albus J1074(SSHG_05633)、Shewanella halifaxensis HAW−EB4(SHAL_2160)、Methylobacterium nodulans ORS 2060(MNOD_3349)、Streptomyces sp.Mg1(SSAG_05271)、Erwinia tasmaniensis Et1/99(CODA)、Escherichia coli BL21(DE3)(YAHJ、CODA、B21_00295、B21_00283)、Conexibacter woesei DSM 14684(CWOE_5700、CWOE_5704、CWOE_0344)、Citrobacter sp.30_2(CSAG_03013、CSAG_02691)、Burkholderiales bacterium 1_1_47(HMPREF0189_01313)、Enterobacteriaceae bacterium 9_2_54FAA(HMPREF0864_03568
)、Fusobacterium ulcerans ATCC 49185(FUAG_02220)、Fusobacterium varium ATCC 27725(FVAG_00901)、Beutenbergia cavernae DSM 12333(BCAV_1683、BCAV_1451)、Providencia stuartii ATCC 25827(PROSTU_04183)、Proteus penneri ATCC 35198(PROPEN_03672)、Streptosporangium roseum DSM 43021(SROS_3184、SROS_4847)、Paenibacillus sp.Y412MC10 3seqs GYMC10_2692、GYMC10_4727、GYMC10_3398)、Escherichia coli ATCC 8739(YAHJ、CODA)、Ktedonobacter racemifer DSM 44963(KRAC_3038)、Marinomonas posidonica IVIA−Po−181(MAR181_2188)、Cyanothece sp.PCC 7822(CYAN7822_1898)、Edwardsiella tarda EIB202(CODA)、Providencia rustigianii DSM 4541(PROVRUST_05865)、Enterobacter cancerogenus ATCC 35316(ENTCAN_08376、ENTCAN_08631)、Citrobacter youngae ATCC 29220(CIT292_10672、CIT292_09697)、Citreicella sp.SE45(CSE45_2970)、Escherichia albertii TW07627(ESCAB7627_0317)、Oligotropha carboxidovorans OM5(OCAR_4627、CODA)、Escherichia coli str.K−12 substr.MG1655(YAHJ、CODA)、Lactobacillus buchneri NRRL B−30929(LBUC_2038)、Arthrospira maxima CS−328(AMAXDRAFT_2897)、Pantoea sp.aB(PANABDRAFT_0565、PANABDRAFT_2938)、Eubacterium biforme DSM 3989(EUBIFOR_01772)、Providencia alcalifaciens DSM 30120(PROVALCAL_01131、PROVALCAL_02804)、Providencia rettgeri DSM 1131(PROVRETT_08714、PROVRETT_08169)、Stenotrophomonas maltophilia K279a(ATZC2)、Anaerococcus lactolyticus ATCC 51172(CODA)、Anaerococcus tetradius ATCC 35098(HMPREF0077_0097)、Chryseobacterium gleum ATCC 35910(DAN2)、Lactobacillus buchneri ATCC 11577(CODA)、Lactobacillus vaginalis ATCC 49540(CODA)、Listeria grayi DSM 20601(HMPREF0556_10753、HMPREF0556_10751、ATZC)、Desulfomicrobium baculatum DSM 4028(DBAC_2936)、Anaerococcus prevotii DSM 20548(APRE_1112)、Sebaldella termitidis ATCC 33386(STERM_0789)、Meiothermus silvanus DSM 9946(MESIL_2103)、Proteus mirabilis HI4320(CODA)、Mesorhizobium opportunistum WSM2075(MESOP_0162)、Variovorax paradoxus S110(VAPAR_2654)、Bacillus megaterium QM B1551(BMQ_0980)、Bifidobacterium pseudocatenulatum DSM 20438=JCM 1200(BIFPSEUDO_04382)、Ferrimonas balearica DSM 9799(FBAL_2173)、Ruminococcaceae bacterium D16(HMPREF0866_00501)、Photorhabdus asymbiotica subsp.asymbiotica ATCC 43949(PAU_00294)、Halothiobacillus neapolitanus c2(HNEAP_0844)、Haemophilus parasuis SH0165(CODA)、Dickeya zeae Ech1591(DD1591_0763)、Bilophila wadsworthia 3_1_6(HMPREF0179_03393)、Enterococcus gallinarum EG2(EGBG_00349)、Enterococcus casseliflavus EC20(ECBG_00307)、Spirochaeta smaragdinae DSM 11293(SPIRS_1052、SPIRS_0110)、Acinetobacter junii SH205(HMPREF0026_02783)、Vibrio splendidus LGP32(VS_II0327)、Dickeya dadantii Ech703(DD703_0777)、Moritella sp.PE36(PE36_15643)、Hirschia baltica ATCC 49814(HBAL_0036)、Aminomonas paucivorans DSM 12260(APAU_2064)、Weissella paramesenteroides ATCC 33313(CODA)、Dickeya dadantii Ech586(DD586_3388)、Streptomyces sp.SPB78(SSLG_06016)、Streptomyces sp.AA4(SSMG_05855、SSMG_03227)、Streptomyces viridochromogenes DSM 40736(SSQG_04727)、Streptomyces flavogriseus ATCC 33331(SFLA_1190)、Anaerobaculum hydrogeniformans ATCC BAA−1850(HMPREF1705_02256)、Pantoea sp.At−9b(PAT9B_3678、PAT9B_1029、PAT9B_0855)、Variovorax paradoxus EPS(VARPA_3257、VARPA_0920)、Prochlorococcus marinus subsp.pastoris str.CCMP1986(CODA)、Synechococcus sp.WH 7805(WH7805_05676)、Blattabacterium sp.(Periplaneta americana)str.BPLAN(CODA)、Burkholderia glumae BGR1(BGLU_1G17900)、Azoarcus sp.BH72(CODA)、Clostridium butyricum E4 str.BoNT E BL5262(CODA)、Erwinia pyrifoliae Ep1/96(CODA)、Erwinia billingiae Eb661(EBC_35430、CODA、EBC_32850、EBC_32780)、Edwardsiella ictaluri 93−146(NT01EI_3615)、Citrobacter rodentium ICC168(CODA)、Starkeya novella DSM 506(SNOV_3614、SNOV_2304)、Burkholderia sp.CCGE1001(BC1001_2311)、Burkholderia sp.CCGE1002(BC1002_1908、BC1002_1610)、Burkholderia sp.CCGE1003(BC1003_1147)、Enterobacter asburiae LF7a(ENTAS_4074、ENTAS_3370)、Ochrobactrum intermedium LMG 3301(OINT_2000395、OINT_2001541)、Clostridium lentocellum DSM 5427(CLOLE_1291)、Desulfovibrio aespoeensis Aspo−2(DAES_2101)、Gordonia neofelifaecis NRRL B−59395(SCNU_19677)、Synechococcus sp.CC9311(SYNC_0740)、Thermaerobacter marianensis DSM 12885(TMAR_1477)、Rhodomicrobium vannielii ATCC 17100(RVAN_3395)、Bacillus cellulosilyticus DSM 2522(BCELL_1091、BCELL_1234)、Cyanothece sp.PCC 7424(PCC7424_0235)、Lachnospiraceae bacterium 3_1_57FAA_CT1(HMPREF0994_04419)、Bacillus sp.2_A_57_CT2(HMPREF1013_04901、HMPREF1013_04902、HMPREF1013_01532、HMPREF1013_04888)、Afipia sp.1NLS2(AFIDRAFT_3092)、Bacillus clausii KSM−K16(ABC4032)、Serratia odorifera DSM 4582(YAHJ、CODA)、Vibrio alginolyticus 40B(VMC_19080)、Pseudonocardia dioxanivorans CB1190(PSED_5383)、Vibrio coralliilyticus ATCC BAA−450(VIC_002709)、Vibrio orientalis CIP 102891=ATCC 33934(VIA_000851)、Photobacterium damselae subsp.damselae CIP 102761(VDA_000799)、Prevotella buccalis ATCC 35310(HMPREF0650_2329)、Serratia odorifera 4Rx13(SOD_G01050、SOD_H00810)、Synechococcus sp.WH 5701(WH5701_16173、WH5701_07386)、Arthrospira platensis NIES−39(BAI89358.1)、Vibrio sp.N418(VIBRN418_08807)、Enterobacter cloacae SCF1(ENTCL_0362)、Pediococcus claussenii ATCC BAA−344(CODA)、Pantoea ananatis LMG 20103(CODA、YAHJ)、Bradyrhizobiaceae bacterium SG−6C(CSIRO_2009)、Pantoea vagans C9−1(CODA、YAHJ)、Lactobacillus fermentum CECT 5716(LC40_0597)、Lactobacillus iners AB−1(LINEA_01010
0006044)、Lysinibacillus fusiformis ZC1(BFZC1_05123、BFZC1_05118)、Paenibacillus vortex V453(PVOR_16204、PVOR_25863)、Enterobacter cloacae subsp.cloacae ATCC 13047(ECL_04741、ECL_03997)、Marinomonas mediterranea MMB−1(MARME_0493)、Enterobacter cloacae subsp.cloacae NCTC 9394(ENC_29090、ENC_34640)、Rahnella sp.Y9602(RAHAQ_4063、RAHAQ_0278)、Achromobacter piechaudii ATCC 43553(HMPREF0004_2397、ATZC、CODA)、Sutterella wadsworthensis 3_1_45B(HMPREF9464_00595)、Pseudomonas fulva 12−X(PSEFU_1564)、Rahnella aquatilis CIP 78.65=ATCC 33071(AEX50243.1、AEX53933.1)、Prochlorococcus marinus str.MIT 9312(PMT9312_1400)、Prochlorococcus marinus str.MIT 9313(CODA)、Pseudomonas fluorescens WH6(YAHJ)、Clostridium ljungdahlii DSM 13528(CLJU_C19230)、Streptomyces bingchenggensis BCW−1(SBI_06150)、Amycolatopsis mediterranei U32(AMED_1997)、Microcoleus vaginatus FGP−2(MICVADRAFT_2986、MICVADRAFT_1253)、Ketogulonigenium vulgarum WSH−001(CODAB、KVU_1143)、Achromobacter xylosoxidans A8 (AXYL_01223、AXYL_05738、AXYL_01981、CODA)、Pedobacter saltans DSM 12145(PEDSA_0106)、Mesorhizobium ciceri biovar biserrulae WSM1271(MESCI_0163)、Pseudomonas putida GB−1(PPUTGB1_2651、PPUTGB1_3590)、Xanthobacter autotrophicus Py2(XAUT_4058)、Synechococcus sp.WH 8102(CODA)、Corynebacterium variabile DSM 44702(CODA)、Agrobacterium sp.H13−3(AGROH133_09551)、Pediococcus acidilactici DSM 20284(CODA)、Haemophilus parainfluenzae T3T1(PARA_18250)、Weeksella virosa DSM 16922(WEEVI_1993)、Aerococcus urinae ACS−120−V−Col10a(CODA)、Thermaerobacter subterraneus DSM 13965(THESUDRAFT_1163)、Aeromonas caviae Ae398(ACAVA_010100000636)、Burkholderia rhizoxinica HKI 454(RBRH_03808)、Salmonella enterica subsp.arizonae serovar str.RSK2980(SARI_04290)、Hylemonella gracilis ATCC 19624(HGR_11321)、Aggregatibacter segnis ATCC 33393(CODA)、Roseovarius nubinhibens ISM(ISM_11230)、Plautia stali symbiont(PSTAS_010100016161、PSTAS_010100013574)、Peptoniphilus harei ACS−146−V−Sch2b(CODA)、Pseudovibrio sp.FO−BEG1(PSE_0768)、Weissella cibaria KACC 11862(WCIBK1_010100001529)、Synechococcus sp.PCC 7335(S7335_2052、S7335_109、S7335_1731)、Anaerolinea thermophila UNI−1(ANT_02950)、Prochlorococcus marinus str.MIT 9211(CODA)、Prochlorococcus marinus str.MIT 9215(CODA)、Fructobacillus fructosus KCTC 3544(FFRUK3_010100004834)、Lactobacillus farciminis KCTC 3681(LFARK3_010100001847)、Lactobacillus fructivorans KCTC 3543(LFRUK3_010100002075)、Tetragenococcus halophilus NBRC 12172(TEH_05430、TEH_14850、TEH_02220)、Vibrio brasiliensis LMG 20546(VIBR0546_14545)、Cupriavidus taiwanensis LMG 19424(CODA)、Microbacterium testaceum StLB037(MTES_1247、MTES_3600)、Paenibacillus terrae HPL−003(HPL003_22070)、Rubrivivax benzoatilyticus JA2(RBXJA2T_04743)、Polymorphum gilvum SL003B−26A1(SL003B_2461)、Salmonella enterica subsp.enterica serovar Typhimurium str.LT2(STM3334)、Streptomyces griseoaurantiacus M045(SGM_3210)、Aeromonas veronii B565(B565_3987)、Halomonas sp.TD01(GME_08209)、Burkholderia gladioli BSR3(BGLA_2G13660)。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、腫瘍内投与され、5−FCは、全身投与される。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌と5−FCの両方が、全身投与される。
これらの実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、同じ条件、例えば、in vitroまたはin vivo条件下で、5−FCから、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約0%〜2%〜4%、4%〜6%、6%〜8%、8%〜10%、10%〜12%、12%〜14%、14%〜16%、16%〜18%、18%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜35%、35%〜40%、40%〜45%、45%〜50%、50%〜55%、55%〜60%、60%〜65%、65%〜70%〜80%、80%〜90%、または90%〜100%多い5−FUを産生する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、5−FCから、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍多い5−FUを産生する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件、例えば、in vitroまたはin vivo条件下で、5−FCから、同じ細菌亜型の未改変細菌より約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、または50倍、100倍、500倍、または1000倍多い5−FUを産生する。
これらの実施形態のいずれにおいても、5−FUを産生するように遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より0%〜2%〜4%、4%〜6%、6%〜8%、8%〜10%、10%〜12%、12%〜14%、14%〜16%、16%〜18%、18%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜35%、35%〜40%、40%〜45%、45%〜50%、50%〜55%、55%〜60%、60%〜65%、65%〜70%〜80%、80%〜90%、または90%〜100%またはそれより大きく増加された量の5−FCを消費する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍多い5−FCを消費する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、50倍、100倍、500倍、または1000倍もしくはそれより大きく増加された量の5−FCを産生する。
これらの実施形態のいずれにおいても、5−FCから5−FUへの変換のための回路をコードする遺伝子配列を含む遺伝子操作された細菌は、細胞増殖を、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく低減させることができる。
これらの実施形態のいずれにおいても、5−FCから5−FUへの変換のための回路をコードする遺伝子配列を含む遺伝子操作された細菌は、腫瘍成長を、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく低減させることができる。これらの実施形態のいずれにおいても、5−FCから5−FUへの変換のための回路をコードする遺伝子配列を含む遺伝子操作された細菌は、腫瘍サイズを、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく低減させることができる。これらの変換実施形態のいずれにおいても、5−FCから5−FUへの変換のための回路をコードする遺伝子配列を含む遺伝子操作された細菌は、細胞体積を、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく低減させることができる。これらの実施形態のいずれにおいても、5−FCから5−FUへの変換のための回路をコードする遺伝子配列を含む遺伝子操作された細菌は、細胞重量を、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく低減させることができる。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、CodAをコードする遺伝子配列を含む。一実施形態では、CodA遺伝子は、配列番号1213と少なくとも約80%の同一性を有する。別の実施形態では、CodA遺伝子は、配列番号1213と少なくとも約85%の同一性を有する。一実施形態では、CodA遺伝子は、配列番号1213と少なくとも約90%の同一性を有する。一実施形態では、CodA遺伝子は、配列番号1213と少なくとも約95%の同一性を有する。別の実施形態では、CodA遺伝子は、配列番号1213と少なくとも約96%、97%、98%または99%の同一性を有する。したがって、一実施形態では、CodA遺伝子は、配列番号1213と少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%の同一性を有する。別の実施形態では、CodA遺伝子は、配列番号1213の配列を含む。さらに別の実施形態では、CodA遺伝子は、配列番号1213の配列からなる。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号1216または配列番号1217と少なくとも約80%の同一性を有するCodAポリペプチドをコードする遺伝子配列を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号1216または配列番号1217と少なくとも約90%の同一性をほぼ有することがあるCodAポリペプチドをコードする遺伝子配列を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号1216または配列番号1217と少なくとも約95%の同一性をほぼ有することがあるCodAポリペプチドをコードする遺伝子配列を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号1216もしくは配列番号1217と約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の同一性を有するCodAポリペプチドまたはその機能性断片をコードする遺伝子配列を含む。別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号1216または配列番号1217を含むCodAポリペプチドをコードする遺伝子配列を含む。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌により発現されるポリペプチドは、配列番号1216または配列番号1217からなる。
一部の実施形態では、シトシンデアミナーゼは、例えば、安定性を増強するために、または5−FU産生を増大させるために、改変および/または突然変異される。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌および/または他の微生物は、誘導条件下で、例えば、免疫抑制および/または腫瘍微小環境に関連する条件下で、シトシンデアミナーゼを産生することができる。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌および/または他の微生物は、低酸素条件もしくは低酸素条件で、ある特定の分子もしくは代謝物の存在下で、がん、もしくはある特定の組織、免疫抑制、もしくは炎症に関連する分子もしくは代謝物の存在下で、または消化管、血行路もしくは腫瘍内に存在することもあり、しないこともある何らかの他の代謝物、例えばアラビノース、クメートおよびサリチレート、の存在下で、シトシンデアミナーゼを産生することができる。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、E.coliからのシトシンデアミナーゼをコードする。一部の実施形態では、E.coliからのシトシンデアミナーゼは、例えば、安定性を増強するために、または5−FU産生を増大させるために、改変および/または突然変異される。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌および/または他の微生物は、誘導条件下で、例えば、免疫抑制および/または腫瘍微小環境に関連する条件下で、シトシンデアミナーゼを産生することができる。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌および/または他の微生物は、低酸素条件もしくは低酸素条件で、ある特定の分子もしくは代謝物の存在下で、がん、もしくはある特定の組織、免疫抑制、もしくは炎症に関連する分子もしくは代謝物の存在下で、または消化管、血行路もしくは腫瘍内に存在することもあり、しないこともある何らかの他の代謝物、例えばアラビノース、クメートおよびサリチレートの存在下で、シトシンデアミナーゼを産生することができる。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌および/または微生物は、低酸素条件で、ならびに/あるいはがんの存在下で、ならびに/あるいは腫瘍微小環境、および/または腫瘍微小環境または組織特異的分子もしくは代謝物において、ならびに/あるいは炎症または免疫抑制に関連する分子または代謝物の存在下で、ならびに/あるいは消化管内または腫瘍に存在しうる代謝物の存在下で、ならびに/あるいはin vivoで存在することもあり、しないこともあり、in vitroで、株培養、拡大増殖、産生および/もしくは製造中に存在することもある、代謝物、例えば、アラビノース、クメートおよびサリチレートおよび本明細書に記載の他のものの存在下で、E.coli由来のシトシンデアミナーゼの発現のための回路を含むが、これに限定されてない、記載の回路のいずれか1つまたは複数を発現することができる。一部の実施形態では、遺伝子配列は、そのような条件および/またはインデューサーにより誘導されうるプロモーターによって制御される。一部の実施形態では、遺伝子配列は、本明細書に記載の構成的プロモーターによって制御される。一部の実施形態では、遺伝子配列は、構成的プロモーターによって制御され、本明細書に記載の、in vivo条件および/またはin vitro条件で、例えば、細菌および/または他の微生物の拡大増殖、産生および/または製造中に発現される。これらの実施形態のいずれにおいても、例えばE.coliからの、シトシンデアミナーゼの発現のための回路網を含むがこれに限定されない、記載の回路のいずれか1つまたは複数は、1つもしくは複数のプラスミド(例えば、高コピー数もしくは低コピー数プラスミド)上に存在するか、または細菌および/もしくは他の微生物染色体内の1つもしくは複数の部位に組み込まれている。
これらの実施形態のいずれにおいても、シトシンデアミナーゼをコードする遺伝子配列を含む遺伝子操作された細菌は、1つまたは複数のさらなるエフェクター分子、すなわち、治療用分子または代謝変換因子をコードする遺伝子配列をさらに含む。これらの実施形態のいずれにおいても、シトシンデアミナーゼをコードする回路は、同じかまたは異なる細菌株において、本明細書に記載される1つまたは複数の免疫イニシエーターまたは免疫サステナーをコードする回路と組み合わせることができる(組合せ回路または株の混合物)。免疫イニシエーターまたは免疫サステナーをコードする回路は、構成的または誘導性プロモーター、例えば、低酸素誘導性プロモーターまたは本明細書に記載される任意の他の構成的もしくは誘導性プロモーターの制御下にあり得る。これらの実施形態のいずれにおいても、シトシンデアミナーゼをコードする遺伝子配列は、同じかまたは異なる細菌株において、本明細書に記載される1つまたは複数のSTINGアゴニスト産生酵素をコードする遺伝子配列と組み合わせることができる(組合せ回路または株の混合物)。一部の実施形態では、シトシンデアミナーゼをコードする遺伝子配列と組み合わされる遺伝子配列は、DacAをコードする。DacAは、構成的または誘導性プロモーター、例えば、低酸素誘導性プロモーター、例えば、FNR、または本明細書に記載される任意の他の構成的もしくは誘導性プロモーターの制御下にあり得る。一部の実施形態では、dacA遺伝子は、染色体に組み込まれている。一部の実施形態では、シトシンデアミナーゼをコードする遺伝子配列と組み合わされる遺伝子配列は、cGASをコードする。cGASは、構成的または誘導性プロモーター、例えば、低酸素誘導性プロモーター、例えば、FNR、または本明細書に記載される任意の他の構成的もしくは誘導性プロモーターの制御下にあり得る。一部の実施形態では、cGASをコードする遺伝子は、染色体に組み込まれている。これらの組合せの実施形態のいずれにおいても、細菌は、栄養要求性の改変、例えば、DapA、ThyA、または両方の突然変異または欠失をさらに含み得る。これらの実施形態のいずれにおいても、細菌は、ファージの改変、例えば、本明細書に記載される内在性プロファージの突然変異または欠失をさらに含み得る。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌および/または微生物は、記載の回路のいずれか1つまたは複数をさらに発現することができ、以下のものの1つまたは複数をさらに含む:(1)1つまたは複数の栄養要求体、例えば、当技術分野において公知の、および本明細書で提供される、任意の栄養要求体、例えばthyA栄養要求体、(2)1つまたは複数のキルスイッチ回路、例えば、本明細書に記載の、またはそうでなければ当技術分野において公知の、キルスイッチのいずれか、(3)1つまたは複数の抗生物質耐性回路、(4)生体分子または基質を移入するための1つまたは複数の輸送体、例えば、本明細書に記載の、またはそうでなければ当技術分野において公知の、輸送体のいずれか、(5)1つまたは複数の分泌回路、例えば、本明細書に記載の、でなければ当技術分野において公知の、分泌回路のいずれか、(6)1つまたは複数の表面提示回路、例えば、本明細書に記載の、でなければ当技術分野において公知の、表面提示回路のいずれか、(7)本明細書に記載の1つまたは複数の代謝物(例えば、キヌレニン、トリプトファン、アデノシン、アルギニン)の産生または分解のための1つまたは複数の回路、および(8)このような追加の回路の1つまたは複数の組合せ。これらの実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌を単独で投与することができ、または抗CTLA4、抗体または抗PD1もしくは抗PDL1抗体を含むがこれらに限定されない、本明細書に記載の1つもしくは複数の免疫チェックポイントインヒビターと組み合わせて投与することができる。
食作用回避の阻害−CD47−SIRPα経路
がんには、腫瘍進行を促進するために、プログラム細胞死およびプログラム細胞除去の一部として誘導された内因性の「私を食べて」シグナルの回避を可能にするように「私を食べないで」シグナルを上方調節する能力がある。
CD47は、細胞遊走ならびにT細胞および樹状細胞活性化に関与する細胞表面分子である。加えて、CD47は、チロシンホスファターゼ活性化および食作用性シナプスの膜直下集合部位でのミオシン蓄積の阻害につながる、食細胞上に発現されるシグナル調節タンパク質アルファ(SIRPα)のライゲーションによって、食作用のインヒビターとして機能する。結果として、CD47は、「私を食べないでシグナル」を伝達する。CD47の喪失は、加齢および損傷細胞の恒常的食作用に至る。
腫瘍が食作用の回避によって自然免疫系を回避することを可能にする、CD47発現レベル上昇が、複数のヒト腫瘍型で観察される。このプロセスは、腫瘍細胞上のCD47が食細胞上のSIRPαと結合すること、その結果、食作用の阻害および腫瘍生存を促進することによって起こる。
抗CD47抗体は、多くの異なるヒトがんに対する前臨床活性を、in vitroでも、マウス異種移植モデルにおいても明示している(Chaoら、Curr Opin Immunol.2012年4月;24巻(2号):225〜232頁.The CD47−SIRPα Pathway in Cancer Immune Evasion and Potential Therapeutic Implications、およびその中の参考文献)。CD47に加えて、治療戦略としてSIRPαを標的とすることもでき、例えば、in vitroで投与された抗SIRPα抗体は、マクロファージによる腫瘍細胞の食作用を引き起こした(Chaoら、2012年)。
第3の手法では、ヒトSIRPαの単一14kDa CD47結合ドメイン(膜貫通タンパク質を有さない可溶性形態)をヒトCD47に対する競合的アンタゴニストとして使用する、CD47標的療法が、開発されている(Weiskopfら、Engineered SIRPα variants as immunotherapeutic adjuvants to anti−cancer antibodies;Science.2013年7月5日;341巻(6141号):10.1126/science.1238856に記載の通りで
あり、この内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。野生型SIRPαは、CD47に対して比較的低い親和性を示したため、突然変異SIRPαが酵母表面提示によるin vitro進化によって生成され、それらは、CD47の強力な結合剤およびアンタゴニストとして作用することが示された。これらのバリアントは、CV1(コンセンサスバリアント1)および高親和性バリアントFD6、ならびにこれらのバリアントのFc融合タンパク質を含む。親和性増加につながるアミノ酸変化は、ヒトSIRPαのd1ドメインに位置する。SIRPαバリアントの非限定的な例は、WO/2013/109752にも記載されており、この内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
ある特定の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、CD47を阻害する、および/またはSIRPαを阻害する、および/またはCD47とマクロファージに発現されたSIRPαとの相互作用を阻害もしくは防止する、1つまたは複数の免疫モジュレーターを産生する。例えば、遺伝子操作された微生物は、CD47に対する抗体および/またはSIRPαに対する抗体、例えば、CD47に対する単鎖抗体および/またはSIRPαに対する単鎖抗体をコードしうる。別の非限定的な例では、遺伝子操作された微生物は、SIRPαCD47結合ドメインを含む競合的アンタゴニストポリペプチドをコードしうる。そのような競合的アンタゴニストポリペプチドは、CD47の競合的結合によって機能して、CD47とマクロファージ上に発現されたSIRPαとの相互作用を防止することができる。一部の実施形態では、競合的アンタゴニストポリペプチドは、可溶性であり、例えば、微生物から分泌される。一部の実施形態では、競合的アンタゴニストポリペプチドは、微生物の表面に提示される。一部の実施形態では、競合的アンタゴニストポリペプチドをコードする遺伝子操作された微生物は、SIRPαCD47結合ドメインの野生型形態をコードする。一部の実施形態では、競合的アンタゴニストポリペプチドをコードする遺伝子操作された微生物は、SIRPαCD47結合ドメインの突然変異またはバリアント形態をコードする。一部の実施形態では、バリアント形態は、CV1 SIRPαバリアントである。一部の実施形態では、バリアント形態は、FD6バリアントである。一部の実施形態では、SIRPαバリアントは、Weiskopfら、および/または国際特許出願公開WO/2013/109752に記載のバリアントである。一部の実施形態では、競合的アンタゴニストポリペプチドをコードする遺伝子操作された微生物は、安定化ポリペプチドと融合されているSIRPαCD47結合ドメインまたはそのバリアントをコードする。一部の実施形態では、競合的アンタゴニストポリペプチドをコードする遺伝子操作された微生物は、安定化ポリペプチドと融合されているSIRPαCD47結合ドメインの野生型形態をコードする。非限定的な例では、野生型SIRPαCD47結合ドメインポリペプチドと融合されている安定化ポリペプチドは、Fc部分である。一部の実施形態では、野生型SIRPαCD47結合ドメインポリペプチドと融合されている安定化ポリペプチドは、IgG Fc部分である。一部の実施形態では、野生型SIRPαCD47結合ドメインポリペプチドと融合されている安定化ポリペプチドは、IgG4 Fc部分である。一部の実施形態では、競合的アンタゴニストポリペプチドをコードする遺伝子操作された微生物は、安定化ポリペプチドと融合されているSIRPαCD47結合ドメインの突然変異またはバリアント形態をコードする。一部の実施形態では、安定化ポリペプチドと融合されているバリアント形態は、CV1 SIRPαバリアントである。一部の実施形態では、安定化ポリペプチドと融合されているバリアント形態は、F6バリアントである。一部の実施形態では、安定化ポリペプチドと融合されているSIRPαバリアントは、Weiskopfら、および/または国際特許出願公開WO/2013/109752に記載のバリアントである。非限定的な例では、バリアントSIRPαCD47結合ドメインポリペプチドと融合されている安定化ポリペプチドは、Fc部分である。一部の実施形態では、バリアントSIRPαCD47結合ドメインポリペプチドと融合されている安定化ポリペプチドは、IgG Fc部分である。一部の実施形態では、バリアントSIRPαCD47結合ドメインポリペプチドと融合されている安定化ポリペプチドは、IgG4 Fc部分である。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、抗CD47抗体および/または抗SIRPα抗体、例えば単鎖抗体を発現する、細菌である。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、競合的アンタゴニストSIRPαCD47結合ドメイン(WT、またはCD47親和性を向上させるように突然変異されたもの)を発現する、細菌である。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、低酸素条件により活性化されるプロモーターの制御下で、抗CD47抗体および/または抗SIRPα抗体、例えば単鎖抗体を発現する、細菌である。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、低酸素条件により活性化されるプロモーターの制御下で、競合的アンタゴニストSIRPαCD47結合ドメイン(WT、またはCD47親和性が向上された突然変異バリアント)を発現する。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、低酸素条件によりまたは炎症性条件により活性化されるプロモーター、例えば、前記条件により活性化される、本明細書に記載のプロモーターのいずれかの制御下で、抗CD47抗体および/または抗SIRPα、例えば単鎖抗体を発現する。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、低酸素条件によりまたは炎症性条件により活性化されるプロモーター、例えば、前記条件により活性化される、本明細書に記載のプロモーターのいずれかの制御下で、競合的アンタゴニストSIRPαCD47結合ドメイン(WT、またはCD47親和性が向上された突然変異バリアント)を発現する。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、がん特異的プロモーター、組織特異的プロモーター、または構成的プロモーター、例えば、本明細書に記載のプロモーターのいずれかの制御下で、抗CD47抗体および/または抗SIRPα抗体、例えば単鎖抗体を発現する。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、がん特異的プロモーター、組織特異的プロモーター、または構成的プロモーター、例えば、本明細書に記載のプロモーターのいずれかの制御下の、競合的アンタゴニストSIRPαCD47結合ドメイン(WT、またはCD47親和性が向上された突然変異バリアント)をコードする1つまたは複数の遺伝子を含む。これらの実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された微生物は、Fc媒介機能、例えばADCC、ならびに/またはM−CSFおよび/もしくはGM−CSFを刺激することができ、その結果、食作用阻害を遮断することになる、1つまたは複数の免疫モジュレーターを産生することもできる。
遺伝子操作された細菌および/または他の微生物は、CD47−SIRPα相互作用の阻害または防止のための、任意の適する抗CD47抗体、抗SIRPα抗体または競合的SIRPαCD47結合ドメインポリペプチド(野生型、またはCD47結合親和性が向上された突然変異バリアント)をコードする、1つまたは複数の遺伝子を含むことができる。一部の実施形態では、抗体または競合的ポリペプチドは、例えば、安定性を増強させ、CD47拮抗作用を増大させるために、改変および/または突然変異される。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌および/または他の微生物は、誘導条件下で、例えば、免疫抑制および/または腫瘍微小環境に関連する条件下で、抗体または競合的ポリペプチドを産生することができる。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌および/または他の微生物は、低酸素条件もしくは低酸素条件で、ある特定の分子もしくは代謝物の存在下で、がん、もしくはある特定の組織、免疫抑制、もしくは炎症に関連する分子もしくは代謝物の存在下で、または消化管、血行路もしくは腫瘍内に存在することもあり、しないこともある何らかの他の代謝物、例えばアラビノース、、クメートおよびサリチレートの存在下で、抗体または競合的ポリペプチドを産生することができる。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、B6H12−抗CD47−scFvをコードする抗CD47遺伝子配列を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号994と少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約99%相同であるポリペプチドをコードする。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号994を含むポリペプチドをコードする。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号994からなるポリペプチドをコードする。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、5F9−抗CD47−scFvをコードする抗CD47遺伝子配列を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号996から選択される配列と少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約99%相同であるポリペプチドをコードする。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号996を含むポリペプチドをコードする。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号996からなるポリペプチドをコードする。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、5F9抗hCD47scFv−V5−HISをコードする抗CD47遺伝子配列を含む。一部の実施形態では、抗CD47 scFv配列は、非コード領域とタグをコードする配列とを除く、配列番号993および配列番号995から選択される配列と、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約99%相同である。一部の実施形態では、遺伝子配列は、非コード領域とタグをコードする配列とを除く、配列番号993および配列番号995から選択される配列を含む。一部の実施形態では、遺伝子配列は、非コード領域とタグをコードする配列とを除く、配列番号993および配列番号995から選択される配列からなる。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号1118、配列番号1231、配列番号1119、配列番号1120から選択される配列と少なくとも約80%の同一性を有するSIRPαポリペプチドをコードする遺伝子配列を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号1118、配列番号1231、配列番号1119、配列番号1120から選択される配列と少なくとも約90%の同一性を有するSIRPαポリペプチドをコードする遺伝子配列を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号1118、配列番号1231、配列番号1119、配列番号1120から選択される配列と少なくとも約95%の同一性を有するSIRPαポリペプチドをコードする遺伝子配列を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号1118、配列番号1231、配列番号1119、配列番号1120から選択される配列またはその機能性断片と約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%の同一性を有するSIRPαポリペプチドをコードする遺伝子配列を含む。別の実施形態では、SIRPαポリペプチドは、配列番号1118、配列番号1231、配列番号1119および配列番号1120から選択される配列を含む。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌により発現されるポリペプチドは、配列番号1118、配列番号1231、配列番号1119および配列番号1120から選択される配列からなる。
これらの実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約0%〜2%〜4%、4%〜6%、6%〜8%、8%〜10%、10%〜12%、12%〜14%、14%〜16%、16%〜18%、18%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜35%、35%〜40%、40%〜45%、45%〜50%、50%〜55%、55%〜60%、60%〜65%、65%〜70%〜80%、80%〜90%、または90%〜100%多い、SIRPα、SIRPαバリアント(例えば、CV1もしくはFD6バリアント)、またはSIRPα融合タンパク質(例えば、SIRPα IgG Fc融合タンパク質)を産生する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍多い、SIRPα、SIRPαバリアント(例えば、CV1もしくはFD6バリアント)、またはSIRPα融合タンパク質(例えば、SIRPα IgG Fc融合タンパク質)を産生する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、または50倍、100倍、500倍、または1000倍多い、SIRPα、SIRPαバリアント(例えば、CV1もしくはFD6バリアント)、またはSIRPα融合タンパク質(例えば、SIRPα IgG Fc融合タンパク質)を産生する。
これらの実施形態のいずれにおいても、SIRPα、SIRPαバリアント(例えば、CV1もしくはFD6バリアント)、またはSIRPα融合タンパク質(例えば、SIRPα IgG Fc融合タンパク質)を産生するように遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約0%〜2%〜4%、4%〜6%、6%〜8%、8%〜10%、10%〜12%、12%〜14%、14%〜16%、16%〜18%、18%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜35%、35%〜40%、40%〜45%、45%〜50%、50%〜55%、55%〜60%、60%〜65%、65%〜70%〜80%、80%〜90%、または90%〜100%多い、SIRPα、SIRPαバリアント(例えば、CV1もしくはFD6バリアント)、またはSIRPα融合タンパク質(例えば、SIRPα IgG Fc融合タンパク質)を分泌する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍多い、SIRPα、SIRPαバリアント(例えば、CV1もしくはFD6バリアント)、またはSIRPα融合タンパク質(例えば、SIRPα IgG Fc融合タンパク質)を分泌する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、50倍、100倍、500倍、または1000倍多い、SIRPα、SIRPαバリアント(例えば、CV1もしくはFD6バリアント)、またはSIRPα融合タンパク質(例えば、SIRPα IgG Fc融合タンパク質)を分泌する。
一部の実施形態では、SIRPα、SIRPαバリアント(例えば、CV1もしくはFD6バリアント)、またはSIRPα融合タンパク質(例えば、SIRPα IgG Fc融合タンパク質)を分泌するように遺伝子操作された細菌は、細胞増殖を、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく低減させることができる。
一部の実施形態では、SIRPα、SIRPαバリアント(例えば、CV1もしくはFD6バリアント)、またはSIRPα融合タンパク質(例えば、SIRPα IgG Fc融合タンパク質)を分泌するように遺伝子操作された細菌は、腫瘍成長を、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく低減させることができる。
一部の実施形態では、SIRPα、SIRPαバリアント(例えば、CV1もしくはFD6バリアント)、またはSIRPα融合タンパク質(例えば、SIRPα IgG Fc融合タンパク質)を分泌するように遺伝子操作された細菌は、腫瘍サイズを、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく低減させることができる。
一部の実施形態では、SIRPα、SIRPαバリアント(例えば、CV1もしくはFD6バリアント)、またはSIRPα融合タンパク質(例えば、SIRPα IgG Fc融合タンパク質)を分泌するように遺伝子操作された細菌は、腫瘍体積を、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく低減させることができる。
一部の実施形態では、SIRPα、SIRPαバリアント(例えば、CV1もしくはFD6バリアント)、またはSIRPα融合タンパク質(例えば、SIRPα IgG Fc融合タンパク質)を分泌するように遺伝子操作された細菌は、腫瘍重量を、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく低減させることができる。一部の実施形態では、SIRPα、SIRPαバリアント(例えば、CV1もしくはFD6バリアント)、またはSIRPα融合タンパク質(例えば、SIRPα IgG Fc融合タンパク質)を分泌するように遺伝子操作された細菌は、奏功率を、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく上昇させることができる。
一部の実施形態では、SIRPα、SIRPαバリアント(例えば、CV1もしくはFD6バリアント)、またはSIRPα融合タンパク質(例えば、SIRPα IgG Fc融合タンパク質)を分泌するように遺伝子操作された細菌は、腫瘍細胞の食作用を、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく増加させることができる。
これらの実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約0%〜2%〜4%、4%〜6%、6%〜8%、8%〜10%、10%〜12%、12%〜14%、14%〜16%、16%〜18%、18%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜35%、35%〜40%、40%〜45%、45%〜50%、50%〜55%、55%〜60%、60%〜65%、65%〜70%〜80%、80%〜90%、または90%〜100%多い抗CD47 scFvを産生する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍多い抗CD47 scFvを産生する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、または50倍、100倍、500倍、または1000倍多い抗CD47 scFvを産生する。
これらの実施形態のいずれにおいても、抗CD47 scFvを産生するように遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約0%〜2%〜4%、4%〜6%、6%〜8%、8%〜10%、10%〜12%、12%〜14%、14%〜16%、16%〜18%、18%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜35%、35%〜40%、40%〜45%、45%〜50%、50%〜55%、55%〜60%、60%〜65%、65%〜70%〜80%、80%〜90%、または90%〜100%多い抗CD47 scFvを分泌する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍多い抗CD47 scFvを分泌する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、50倍、100倍、500倍、または1000倍多い抗CD47 scFvを分泌する。
一部の実施形態では、抗CD47 scFvを分泌するように遺伝子操作された細菌は、細胞増殖を、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく低減させることができる。
一部の実施形態では、抗CD47 scFvを分泌するように遺伝子操作された細菌は、腫瘍成長を、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく低減させることができる。
一部の実施形態では、抗CD47 scFvを分泌するように遺伝子操作された細菌は、腫瘍サイズを、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく低減させることができる。
一部の実施形態では、抗CD47 scFvを分泌するように遺伝子操作された細菌は、腫瘍体積を、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく低減させることができる。
一部の実施形態では、抗CD47 scFvを分泌するように遺伝子操作された細菌は、腫瘍重量を、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく低減させることができる。一部の実施形態では、抗CD47 scFvを産生するように遺伝子操作された細菌は、奏功率を、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく上昇させることができる。
一部の実施形態では、抗CD47 scFvを分泌するように遺伝子操作された細菌は、腫瘍細胞の食作用を、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく増大させることができる。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、腫瘍細胞の食作用を、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍大きく増大させる。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、腫瘍細胞の食作用を、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、50倍、100倍、500倍、または1000倍大きく増大させる。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌および/または他の微生物は、低酸素条件で、ならびに/あるいはがんの、および/または腫瘍微小環境の、および/または腫瘍微小環境もしくは組織特異的分子もしくは代謝物の存在下で、ならびに/あるいは炎症、または免疫抑制に関連する分子または代謝物の存在下で、ならびに/あるいは消化管または腫瘍内に存在しうる代謝物の存在下で、ならびに/あるいはin vivoで存在することもあり、しないこともあり、in vitroで株培養、拡大増殖、産生および/もしくは製造中に存在することもある、代謝物、例えば、アラビノース、クメートおよびサリチレートおよび本明細書に記載の他のものの存在下で、記載SIRPαまたは抗CD47の回路のいずれか1つまたは複数を発現することができる。一部の実施形態では、遺伝子配列は、そのような条件および/またはインデューサーにより誘導されうるプロモーターによって制御される。一部の実施形態では、遺伝子配列は、本明細書に記載の構成的プロモーターによって制御される。一部の実施形態では、遺伝子配列は、構成的プロモーターによって制御され、本明細書に記載の、in vivo条件および/またはin vitro条件で、例えば、細菌および/または他の微生物の拡大増殖、産生および/または製造中に発現される。一部の実施形態では、遺伝子配列は、1つもしくは複数のプラスミド(例えば、高コピー数もしくは低コピー数プラスミド)上に存在するか、または細菌および/もしくは他の微生物染色体内の1つもしくは複数の部位に組み込まれている。
これらの実施形態のいずれにおいても、SIRPαもしくはそのバリアントまたは抗CD47ポリペプチドをコードする遺伝子配列を含む遺伝子操作された細菌は、1つまたは複数のさらなるエフェクター分子、すなわち、治療用分子または代謝変換因子をコードする遺伝子配列をさらに含む。これらの実施形態のいずれにおいても、SIRPαもしくはそのバリアントまたは抗CD47ポリペプチドをコードする回路は、同じかまたは異なる細菌株において、本明細書に記載される1つまたは複数の免疫イニシエーターまたは免疫サステナーをコードする回路と組み合わせることができる(組合せ回路または株の混合物)。免疫イニシエーターまたは免疫サステナーをコードする回路は、構成的または誘導性プロモーター、例えば、低酸素誘導性プロモーターまたは本明細書に記載される任意の他の構成的もしくは誘導性プロモーターの制御下にあり得る。
これらの実施形態のいずれにおいても、SIRPαもしくはそのバリアントまたは抗CD47ポリペプチドをコードする遺伝子配列は、同じかまたは異なる細菌株において、本明細書に記載される1つまたは複数のSTINGアゴニスト産生酵素をコードする遺伝子配列と組み合わせることができる(組合せ回路または株の混合物)。一部の実施形態では、SIRPαもしくはそのバリアントまたは抗CD47ポリペプチドをコードする遺伝子配列と組み合わされる遺伝子配列は、DacAをコードする。DacAは、構成的または誘導性プロモーター、例えば、低酸素誘導性プロモーター、例えば、FNR、または本明細書に記載される任意の他の構成的もしくは誘導性プロモーターの制御下にあり得る。一部の実施形態では、dacA遺伝子は、染色体に組み込まれている。一部の実施形態では、SIRPαもしくはそのバリアントまたは抗CD47ポリペプチドをコードする遺伝子配列と組み合わされる遺伝子配列は、cGASをコードする。cGASは、構成的または誘導性プロモーター、例えば、低酸素誘導性プロモーター、例えば、FNR、または本明細書に記載される任意の他の構成的もしくは誘導性プロモーターの制御下にあり得る。一部の実施形態では、cGASをコードする遺伝子は、染色体に組み込まれている。
これらの組合せの実施形態のいずれにおいても、細菌は、栄養要求性の改変、例えば、DapA、ThyA、または両方の突然変異または欠失をさらに含み得る。これらの実施形態のいずれにおいても、細菌は、ファージの改変、例えば、内在性プロファージの突然変異または欠失をさらに含み得る。
一部の実施形態では、記載の回路のうちのいずれか1つまたは複数は、1つもしくは複数のプラスミド(例えば、高コピー数または低コピー数プラスミド)上に存在するか、または細菌および/もしくは他の微生物の染色体内の1つもしくは複数の部位に組み込まれている。また、一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌および/または他の微生物は、記載の回路のいずれか1つまたは複数をさらに発現することができ、以下のものの1つまたは複数をさらに含む:(1)1つまたは複数の栄養要求体、例えば、当技術分野において公知の、および本明細書で提供される、任意の栄養要求体、例えばthyA栄養要求体、(2)1つまたは複数のキルスイッチ回路、例えば、本明細書に記載の、またはそうでなければ当技術分野において公知の、キルスイッチのいずれか、(3)1つまたは複数の抗生物質耐性回路、(4)生体分子または基質を移入するための1つまたは複数の輸送体、例えば、本明細書に記載の、またはそうでなければ当技術分野において公知の、輸送体のいずれか、(5)1つまたは複数の分泌回路、例えば、本明細書に記載の、でなければ当技術分野において公知の、分泌回路のいずれか、(6)1つまたは複数の表面提示回路、例えば、本明細書に記載の、でなければ当技術分野において公知の、表面提示回路のいずれか、(7)本明細書に記載される1つまたは複数の代謝物(例えば、キヌレニン、トリプトファン、アデノシン、アルギニン)の産生または分解のための1つまたは複数の回路、ならびに(8)このような追加の回路のうちの1つまたは複数の組合せ。これらの実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌を単独で投与することができ、または抗CTLA4、抗PD1もしくは抗PD−L1抗体を含むがこれらに限定されない、本明細書に記載の1つもしくは複数の免疫チェックポイントインヒビターと組み合わせて投与することができる。
抗原提示細胞の活性化
STINGアゴニスト
インターフェロン遺伝子刺激因子(STING)タンパク質は、DNAウイルス、細菌、および腫瘍由来のDNAに由来する細胞質性核酸によって誘発されるシグナル伝達の極めて重要なメディエーターであることが示されている。STINGが、I型インターフェロン産生を誘導する能力は、抗腫瘍応答の状況での研究に繋がり、結果として、STINGは、抗腫瘍免疫療法における強力な標的となる可能性があることが判明した。STING活性化によって引き起こされる抗腫瘍作用の大部分は、APCによるIFN−βの産生およびこれらの細胞による抗原提示の改善、それによって腫瘍関連抗原に対するCD8+T細胞のプライミングを促進することに依存し得る。しかし、STINGタンパク質はまた、骨髄系由来サプレッサー細胞(MDSC)およびがん細胞そのものを含む、様々な種類の細胞にも広範に発現され、それらにおいては、経路の機能は依然として十分に特徴付けられていない(Sokolowska, O.およびNowis, D、STING Signaling in Cancer Cells: Important or Not?; Archivum Immunologiae et Therapiae Experimentalis; Arch. Immunol. Ther. Exp.、(2018年)、66巻:125頁)。
膜貫通タンパク質173(TMEM173)、インターフェロン調節因子3活性化メディエーター(MITA)、MPYS、または小胞体インターフェロン刺激因子(ERIS)としても公知の、インターフェロン遺伝子刺激因子(STING)は、主としてマクロファージ、T細胞、樹状細胞、内皮細胞、ならびにある特定の線維芽細胞および上皮細胞に発現される、二量体タンパク質である。STINGは、自然免疫応答に重要な役割を果たす−STINGを欠くマウスは、様々な微小生物への曝露後に生存可能であるが、致死性感染に罹りやすい。STINGは、サイトゾルサイクリックジヌクレオチド(CDN)、例えば、cGAMPおよび細菌の二次メッセンジャーc−ジ−GMPおよびc−ジ−AMPの形態の二次メッセンジャーのサイトゾル受容体として機能する。CDNによって刺激されると、STINGの構造変化が起こる。STINGは、ERからゴルジ体へと移動し、そのカルボキシ末端は遊離される。これは、TBK1(TANK結合キナーゼ1)/IRF3(インターフェロン調節因子3)、NF−κB、およびSTAT6シグナル伝達経路を活性化をもたらし、そしてそれによってI型インターフェロンおよび炎症性サイトカイン応答を促進する。CDNは、正規のサイクリックジGMP(c[G(30−50)pG(30−50)p])またはサイクリックジAMPまたはサイクリックGAMP(cGMP−AMP)を含む(Barber、STING−dependent cytosolic DNA sensing pathways; Trends Immunol.2014年2月:35巻(2号):88〜93頁)。
CDNは、外因性に(すなわち、細菌によって)産生されることもあり、および/または内因性に(すなわち、dsDNAへの曝露時に宿主酵素により宿主内で)産生されることもある。STINGは、様々な細菌性の二次メッセンジャー分子、サイクリックジグアニル酸一リン酸(c−ジ−GMP)およびサイクリックジアデニル酸一リン酸(c−ジ−AMP)を認識することができ、この認識によって、自然免疫シグナル伝達応答が誘発される(Maら、The cGAS−STING Defense Pathway and Its Counteraction by Viruses ; Cell Host & Microbe 19巻、2016年2月10日)。加えて、サイクリックGMPAMP(cGAMP)はまた、STINGに結合し、IRF3の不活性化およびβ−インターフェロン産生をもたらし得る。Vibrio choleraeによって産生される3’5’−3’5’cGAMP(3’3’cGAMP)および後生動物二次メッセンジャーサイクリック[G(2’,5’)pA(3’5’)](2’3’ cGAMP)のいずれも、STING経路を通じて自然免疫応答を活性化することができる(Yiら、Single Nucleotide Polymorphisms of Human STING Can Affect Innate Immune Response to Cyclic Dinucleotides; PLOS One、(2013年)、8巻(10号)e77846頁、その中の参考文献)。細菌および後生動物(例えば、ヒト)c−ジ−GAMPシンターゼ(cGAS)は、GTPおよびATPを利用して、STING活性化を行うことができるcGAMPを生成する。2つの正規の30〜50ホスホジエステル連結を有する原核生物CDNとは対照的に、ヒトcGAS産物は、特有の20〜50結合を含有し、その結果、2’,3’cGAMPとして表される混合連結型のサイクリックGMP−AMP分子となる(Kranzuschら、Ancient Origin of cGAS−STING Reveals Mechanism of Universal 2’,3’cGAMP Signaling; Molecular Cell 59巻、891〜903頁、2015年9月17日、およびその中の参考文献に記載の通り)。細菌Vibrio choleraeは、cGASの構造ホモログであるDncVと呼ばれる酵素をコードし、正規の3’−5’結合を有する関連二次メッセンジャー(3’,3’cGAMP)を合成する。
インターフェロン遺伝子刺激因子(STING)経路の成分は、免疫系による腫瘍細胞の検出に重要な役割を果たす。前臨床研究では、サイクリックジヌクレオチド(CDN)、天然に存在するまたは合理的に設計された合成誘導体は、攻撃的な抗腫瘍応答を促進することができる。例えば、STINGVAX形態の放射線照射GM−CSF分泌全細胞ワクチンと合剤にされたとき、合成CDNは、抗腫瘍有効性を増大させ、PD−1遮断と組み合わせられたSTINGVAXは、定着腫瘍の退縮を誘導した(Fuら、STING agonist formulated cancer vaccines can cure established tumors resistant to PD−1 blockade; Sci Transl Med.2015年4月15日;7巻(283号):283ra52)。別の例では、Smithらは、STINGアゴニストが、養子移入されたリンパ
球によって認識されない腫瘍細胞を除去するように免疫応答を刺激することによってCAR T療法を増強することができること、およびそれによってCAR T細胞療法の有効性を向上させることができることを示す研究を行った(Smithら、Biopolymers co−delivering engineered T cells and STING agonists can eliminate heterogeneous tumors;J Clin Invest.2017年6月1日:127巻(6号):2176〜2191頁)。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、1つまたは複数のSTINGアゴニストを産生することができる、細菌である。本開示の遺伝子操作された細菌により産生されうるSTINGアゴニストの非限定的な例としては、3’3’cGAMP、2’3’−cGAMP、2’2’−cGAMP、2’2’−cGAMP VacciGrade(商標)(サイクリック[G(2’,5’)pA(2’,5’)p])、2’3’−cGAMP、2’3’−cGAMP VacciGrade(商標)(サイクリック[G(2’,5’)pA(3’,5’)p])、2’3’−cGAM(PS)2(Rp/Sp)、3’3’−cGAMP、3’3’−cGAMP VacciGrade(商標)(サイクリック[G(3’,5’)pA(3’,5’)p])、c−ジAMP、c−ジAMP VacciGrade(商標)(サイクリックジアデニル酸一リン酸Th1/Th2応答)、2’3’−c−ジAMP、2’3’−c−ジAM(PS)2(Rp,Rp)(c−ジAMPのビスホスホロチオエートアナログ、Rp異性体)、2’3’−c−ジAM(PS)2(Rp,Rp)VacciGrade(商標)、c−ジGMP、c−ジGMP VacciGrade(商標)、2’3’−c−ジGMP、およびc−ジIMPが挙げられる。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、1つまたは複数のSTINGアゴニストの産生のための1つまたは複数の酵素をコードする遺伝子を含む、細菌である。サイクリックジGAMPシンターゼ(cdi−GAMPシンターゼまたはcGAS)は、1つのATPおよび1つのGTPからサイクリックジGAMPを産生する。一部の実施形態では、酵素は、c−ジGAMPシンターゼ(cGAS)である。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、クラスEC 2.7.7.86の酵素の発現のための1つまたは複数の遺伝子配列を含む。一部の実施形態では、そのような酵素は、細菌酵素である。一部の実施形態では、酵素は、細菌c−ジGMPシンターゼである。一部の実施形態では、酵素は、細菌c−GAMPシンターゼ(GMP−AMPシンターゼ)である。一部の実施形態では、細菌は、3’3’c−dGAMPを産生することができる。
一部の実施形態では、細菌は、3’3’−cGAMPを産生することができる。本開示によると、遺伝子操作された細菌からの3’3’−cGAMPの産生に適切ないくつかの酵素が、同定されている。これらの酵素としては、Verminephrobacter eiseniae(EF01−2 Earthworm symbiont)、Kingella denitrificans(ATCC 33394)、およびNeisseria bacilliformis(ATCC BAA−1200)に由来するVibrio cholerae cGASオルソログが挙げられる。したがって、一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、Vibrio choleraeに由来するcGASをコードする遺伝子配列を含む。したがって、一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、Verminephrobacter eiseniae(EF01−2 Earthworm symbiont)、Kingella denitrificans(ATCC 33394)、およびNeisseria bacilliformis(ATCC BAA−1200)から選択される種に由来する1つまたは複数のVibrio cholerae cGASオルソログをコードする遺伝子配列を含む。一部の実施形態では、細菌は、DncVをコードする遺伝子配列を含む。一部の実施形態では、DncVは、Vibrio choleraeに由来する。一実施形態では、DncVオルソログは、Verminephrobacter eiseniaeに由来する。一実施形態では、DncVオルソログは、Kingella denitrificansに由来する。一実施形態では、DncVオルソログは、Neisseria bacilliformisに由来する。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、Enhydrobacter aerosaccus、Kingella denitrificans、Neisseria bacilliformis、Phaeobacter gallaeciensi、Citromicrobium sp.、Roseobacter litoralis、Roseovarius sp.、Methylobacterium populi、Erythrobacter sp.、Erythrobacter litoralis、Methylophaga thiooxydans、Methylophaga thiooxydans、Herminiimonas arsenicoxydans、Verminephrobacter eiseniae、Methylobacter tundripaludum、Psychrobacter arcticus、Vibrio cholerae、Vibrio sp、Aeromonas salmonicida、Serratia odorifera、Verminephrobacter eiseniae、およびMethylovorus glucosetrophusから選択される種に由来するDncVオルソログをコードする遺伝子配列を含む。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、2’3’−cGAMPを産生することができる。ヒトcGASは、2’3’−cGAMPを産生することが公知である。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、ヒトcGASをコードする遺伝子配列を含む。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、腫瘍微小環境において、c−GAMP(2’3’または3’3’)のレベルを増加させることができる。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、細胞内空間において、c−GAMPのレベルを増加させることができる。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、真核細胞の内部で、c−GAMPのレベルを増加させることができる。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、免疫細胞の内部で、c−GAMP(2’3’または3’3’)のレベルを増加させることができる。一部の実施形態では、細胞は、食細胞である。一部の実施形態では、細胞は、マクロファージである。一部の実施形態では、細胞は、樹状細胞である。一部の実施形態では、細胞は、好中球である。一部の実施形態では、細胞は、MDSCである。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、がん細胞の内部で、c−GAMP(2’3’または3’3’)を増加させることができる。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、細菌細胞および/または成長培地において、in vitroでc−GAMPのレベルを増加させることができる。
一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、Vibrio choleraeに由来する細菌c−ジ−GAMPシンターゼをコードする遺伝子配列を含む。一部の実施形態では、酵素は、DncVである。
一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、Verminephrobacter eiseniaeに由来するc−ジ−AMPシンターゼをコードする遺伝子配列を含む。一実施形態では、細菌c−ジ−GAMPシンターゼは、Verminephrobacter eiseniae(EF01−2 Earthworm symbiont)に由来するDcnVオルソログである。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号1262を含む1つまたは複数のポリペプチドまたはその機能性断片をコードするc−ジ−GAMPシンターゼ遺伝子配列を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号1262と少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約99%の同一性を有するポリペプチドまたはその機能性断片をコードする遺伝子配列を含む。一部の実施形態では、ポリペプチドは、配列番号1262と少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する。一部の特定の実施形態では、ポリペプチドは、配列番号1262を含む。他の特定の実施形態では、ポリペプチドは、配列番号1262からなる。ある特定の実施形態では、細菌c−ジ−GAMPシンターゼ遺伝子配列は、配列番号1265と少なくとも約80%の同一性を有する。ある特定の実施形態では、遺伝子配列は、配列番号1265と少なくとも約90%の同一性を有する。ある特定の実施形態では、遺伝子配列は、配列番号1265と少なくとも約95%の同一性を有する。一部の実施形態では、遺伝子配列は、配列番号1265と少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する。一部の特定の実施形態では、遺伝子配列は、配列番号1265を含む。他の特定の実施形態では、遺伝子配列は、配列番号1265ならなる。
一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、Kingella denitrificans(ATCC 33394)に由来するc−ジ−AMPシンターゼをコードする遺伝子配列を含む。一実施形態では、細菌c−ジ−GAMPシンターゼは、Kingella denitrificansに由来するDcnVオルソログである。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号1260を含む1つまたは複数のポリペプチドまたはその機能性断片をコードするc−ジ−GAMPシンターゼ遺伝子配列を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号1260と少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約99%の同一性を有するポリペプチドまたはその機能性断片をコードする遺伝子配列を含む。一部の実施形態では、ポリペプチドは、配列番号1260と少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する。一部の特定の実施形態では、ポリペプチドは、配列番号1260を含む。他の特定の実施形態では、ポリペプチドは、配列番号1260からなる。ある特定の実施形態では、細菌c−ジ−GAMPシンターゼ遺伝子配列は、配列番号1263と少なくとも約80%の同一性を有する。ある特定の実施形態では、遺伝子配列は、配列番号1263と少なくとも約90%の同一性を有する。ある特定の実施形態では、遺伝子配列は、配列番号1263と少なくとも約95%の同一性を有する。一部の実施形態では、遺伝子配列は、配列番号1263と少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する。一部の特定の実施形態では、遺伝子配列は、配列番号1263を含む。他の特定の実施形態では、遺伝子配列は、配列番号1263ならなる。
一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、Neisseria bacilliformis(ATCC BAA−1200)に由来するc−ジ−AMPシンターゼをコードする遺伝子配列を含む。一実施形態では、細菌c−ジ−GAMPシンターゼは、Neisseria bacilliformisに由来するDcnVオルソログである。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号1261を含む1つまたは複数のポリペプチドまたはその機能性断片をコードするc−ジ−GAMPシンターゼ遺伝子配列を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号1261と少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約99%の同一性であるポリペプチドまたはその機能性断片をコードする遺伝子配列を含む。一部の実施形態では、ポリペプチドは、配列番号1261と少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する。一部の特定の実施形態では、ポリペプチドは、配列番号1261を含む。他の特定の実施形態では、ポリペプチドは、配列番号1261からなる。ある特定の実施形態では、c−ジ−GAMPシンターゼ配列は、配列番号1264と少なくとも約80%の同一性を有する。ある特定の実施形態では、遺伝子配列は、配列番号1264と少なくとも約90%の同一性を有する。ある特定の実施形態では、遺伝子配列は、配列番号1264と少なくとも約95%の同一性を有する。一部の実施形態では、遺伝子配列は、配列番号1264と少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する。一部の特定の実施形態では、遺伝子配列は、配列番号1264を含む。他の特定の実施形態では、遺伝子配列は、配列番号1264ならなる。
一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、哺乳動物c−ジ−GAMP酵素をコードする遺伝子配列を含む。一部の実施形態では、STINGアゴニスト産生酵素は、ヒト酵素である。一部の実施形態では、遺伝子配列は、微生物宿主細胞における発現のためにコドン最適化される。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、ヒトポリペプチドcGASをコードする遺伝子配列を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号1254を含む1つまたは複数のポリペプチドまたはその機能性断片をコードするフトcHAS遺伝子配列を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号1254と少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約99%の同一性であるポリペプチドまたはその機能性断片をコードする遺伝子配列を含む。一部の実施形態では、ポリペプチドは、配列番号1254と少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する。一部の特定の実施形態では、ポリペプチドは、配列番号1254を含む。他の特定の実施形態では、ポリペプチドは、配列番号1254からなる。ある特定の実施形態では、ヒトcGAS遺伝子配列は、配列番号1255と少なくとも約80%の同一性を有する。ある特定の実施形態では、遺伝子配列は、配列番号1255と少なくとも約90%の同一性を有する。ある特定の実施形態では、遺伝子配列は、配列番号1255と少なくとも約95%の同一性を有する。一部の実施形態では、遺伝子配列は、配列番号1255と少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する。一部の特定の実施形態では、遺伝子配列は、配列番号1264を含む。他の特定の実施形態では、遺伝子配列は、配列番号1255ならなる。
一部の実施形態では、細菌は、サイクリック−ジ−GMPを産生することができる。したがって、一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、1つまたは複数のジグアニル酸シクラーゼをコードする遺伝子配列を含む。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、腫瘍微小環境においてサイクリック−ジ−GMPのレベルを増加させることができる。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、細胞内空間において、サイクリック−ジ−GMPのレベルを増加させることができる。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、真核細胞の内部において、サイクリック−ジ−GMPのレベルを増加させることができる。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、免疫細胞の内部において、サイクリック−ジ−GMPのレベルを増加させることができる。一部の実施形態では、細胞は、食細胞である。一部の実施形態では、細胞は、マクロファージである。一部の実施形態では、細胞は、樹状細胞である。一部の実施形態では、細胞は、好中球である。一部の実施形態では、細胞は、MDSCである。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、がん細胞の内部において、サイクリック−ジ−GMPのレベルを増加させることができる。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、細菌細胞および/または成長培地において、in vitroでc−GMPのレベルを増加させることができる。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、c−ジAMPを産生することができる。ジアデニル酸シクラーゼは、2つのATP分子から1分子サイクリックジAMPを産生する。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、ジアデニル酸シクラーゼの発現のための1つまたは複数の遺伝子配列を含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、クラスEC 2.7.7.85の酵素の発現のための1つまたは複数の遺伝子配列を含む。一実施形態では、ジアデニル酸シクラーゼは、細菌ジアデニル酸シクラーゼである。一実施形態では、ジアデニル酸シクラーゼは、DacAである。一実施形態では、DacAは、Listeria monocytogenesからのものである。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号1257を含む1つまたは複数のポリペプチドまたはその機能性断片をコードするDacA遺伝子配列を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号1257と少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約99%の同一性を有するポリペプチドまたはその機能性断片をコードする遺伝子配列を含む。一部の実施形態では、ポリペプチドは、配列番号1257と少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する。一部の特定の実施形態では、ポリペプチドは、配列番号1257を含む。他の特定の実施形態では、ポリペプチドは、配列番号1257からなる。ある特定の実施形態では、Dac A配列は、配列番号1258と少なくとも約80%の同一性を有する。ある特定の実施形態では、遺伝子配列は、配列番号1258と少なくとも約90%の同一性を有する。ある特定の実施形態では、遺伝子配列は、配列番号1258と少なくとも約95%の同一性を有する。一部の実施形態では、遺伝子配列は、配列番号1258と少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する。一部の特定の実施形態では、遺伝子配列は、配列番号1258を含む。他の特定の実施形態では、遺伝子配列は、配列番号1258ならなる。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、低酸素条件下で誘導可能なプロモーター、例えば、本明細書に記載されるFNR誘導性プロモーターに作動可能に連結されている、DacA遺伝子配列を含む。ある特定の実施形態では、FNR誘導性プロモーターに作動可能に連結されたDacA遺伝子の配列は、配列番号1284と少なくとも約80%の同一性を有する。ある特定の実施形態では、FNR誘導性プロモーターに作動可能に連結されたDacA遺伝子の配列は、配列番号1258と少なくとも約90%の同一性を有する。ある特定の実施形態では、FNR誘導性プロモーターに作動可能に連結されたDacA遺伝子の配列は、配列番号1258と少なくとも約95%の同一性を有する。一部の実施形態では、FNR誘導性プロモーターに作動可能に連結されたDacA遺伝子の配列は、配列番号1258と少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する。一部の特定の実施形態では、FNR誘導性プロモーターに作動可能に連結されたDacA遺伝子の配列は、配列番号1258を含む。他の特定の実施形態では、FNR誘導性プロモーターに作動可能に連結されたDacA遺伝子の配列は、配列番号1258からなる。
他の適切なジアデニル酸シクラーゼは、当技術分野において公知であり、EggNogデータベース(http://eggnogdb.embl.de)に含まれているものを含む。細菌により発現されうるジアデニル酸シクラーゼの非限定的な例としては、以下のものが挙げられる:Megasphaera sp.UPII 135−E(HMPREF1040_0026)、Streptococcus anginosus SK52=DSM 20563(HMPREF9966_0555)、Streptococcus mitis bv.2 str.SK95(HMPREF9965_1675)、Streptococcus infantis SK1076(HMPREF9967_1568)、Acetonema longum DSM 6540(ALO_03356)、Sporosarcina newyorkensis 2681(HMPREF9372_2277)、Listeria monocytogenes str.Scott A(BN418_2551)、Candidatus Arthromitus sp.SFB−mouse−Japan(SFBM_1354)、Haloplasma contractile SSD−17B 2 seqs HLPCO_01750、HLPCO_08849)、Lactobacillus kefiranofaciens ZW3(WANG_0941)、Mycoplasma anatis 1340(GIG_03148)、Streptococcus constellatus subsp.pharyngis SK1060=CCUG 46377(HMPREF1042_1168)、Streptococcus infantis SK970(HMPREF9954_1628)、Paenibacillus mucilaginosus KNP414(YBBP)、Nostoc sp.PCC 7120(ALL2996)、Mycoplasma columbinum SF7(MCSF7_01321)、Lactobacillus ruminis SPM0211(LRU_01199)、Candidatus Arthromitus sp.SFB−rat−Yit(RATSFB_1182)、Clostridium sp.SY8519(CXIVA_02190)、Brevibacillus laterosporus LMG 15441(BRLA_C02240)、Weissella koreensis KACC 15510(WKK_01955)、Brachyspira intermedia PWS/A(BINT_2204)、Bizionia argentinensis JUB59(BZARG_2617)、Streptococcus salivarius 57.I(SSAL_01348)、Alicyclobacillus acidocaldarius subsp.acidocaldarius Tc−4−1(TC41_3001)、Sulfobacillus acidophilus TPY(TPY_0875)、Streptococcus pseudopneumoniae IS7493(SPPN_07660)、Megasphaera elsdenii DSM 20460(MELS_0883)、Streptococcus infantarius subsp.infantarius CJ18(SINF_1263)、Blattabacterium sp.(Mastotermes darwiniensis) str.MADAR(MADAR_511)、Blattabacterium sp.(Cryptocercus punctulatus) str.Cpu(BLBCPU_093)、Synechococcus sp.CC9605(SYNCC9605_1630)、Thermus sp.CCB_US3_UF1(AEV17224.1)、Mycoplasma haemocanis str.Illinois(MHC_04355)、Streptococcus macedonicus ACA−DC 198(YBBP)、Mycoplasma hyorhinis GDL−1(MYM_0457)、Synechococcus elongatus PCC 7942(SYNPCC7942_0263)、Synechocystis sp.PCC 6803(SLL0505)、Chlamydophila pneumoniae CWL029(YBBP)、Microcoleus chthonoplastes PCC 7420(MC7420_6818)、Persephonella marina EX−H1(PERMA_1676)、Desulfitobacterium hafniense Y51(DSY4489)、Prochlorococcus marinus str.AS9601(A9601_11971)、Flavobacteria bacterium BBFL7(BBFL7_02553)、Sphaerochaeta globus str.Buddy(SPIBUDDY_2293)、Sphaerochaeta pleomorpha str.Grapes(SPIGRAPES_2501)、Staphylococcus aureus subsp.aureus Mu50(SAV2163)、Streptococcus pyogenes M1 GAS(SPY_1036)、Synechococcus sp.WH 8109(SH8109_2193)、Prochlorococcus marinus subsp.marinus str.CCMP1375(PRO_1104)、Prochlorococcus marinus str.MIT 9515(P9515_11821)、Prochlorococcus marinus str.MIT 9301(P9301_11981)、Prochlorococcus marinus str.NATL1A(NATL1_14891)、Listeria monocytogenes EGD−e(LMO2120)、Streptococcus pneumoniae TIGR4 2 seqs SPNET_02000368、SP_1561)、Streptococcus pneumoniae R6(SPR1419)、Staphylococcus epidermidis RP62A(SERP1764)、Staphylococcus epidermidis ATCC 12228(SE_1754)、Desulfobacterium autotrophicum HRM2(HRM2_32880)、Desulfotalea psychrophila LSv54(DP1639)、Cyanobium sp.PCC 7001(CPCC7001_1029)、Chlamydophila pneumoniae TW−183(YBBP)、Leptospira interrogans serovar Lai str.56601(LA_3304)、Clostridium perfringens ATCC 13124(CPF_2660)、Thermosynechococcus elongatus BP−1(TLR1762)、Bacillus anthracis str.Ames(BA_0155)、Clostridium thermocellum ATCC 27405(CTHE_1166)、Leuconostoc mesenteroides subsp.mesenteroides ATCC 8293(LEUM_1568)、Oenococcus oeni PSU−1(OEOE_1656)、Trichodesmium erythraeum IMS101(TERY_2433)、Tannerella forsythia ATCC 43037(BFO_1347)、Sulfurihydrogenibium azorense Az−Fu1(SULAZ_1626)、Candidatus Koribacter versatilis Ellin345(ACID345_0278)、Desulfovibrio alaskensis G20(DDE_1515)、Carnobacterium sp.17−4(YBBP)、Streptococcus mutans UA159(SMU_1428C)、Mycoplasma agalactiae(MAG3060)、Streptococcus agalactiae NEM316(GBS0902)、Clostridium tetani E88(CTC_02549)、Ruminococcus champanellensis 18P13(RUM_14470)、Croceibacter atlanticus HTCC2559(CA2559_13513)、Streptococcus uberis 0140J(SUB1092)、Chlamydophila abortus S26/3(CAB642)、Lactobacillus plantarum WCFS1(LP_0818)、Oceanobacillus iheyensis HTE831(OB0230)、Synechococcus sp.RS9916(RS9916_31367)、Synechococcus sp.RS9917(RS9917_00967)、Bacillus subtilis subsp.subtilis str.168(YBBP)、Aquifex aeolicus VF5(AQ_1467)、Borrelia burgdorferi B31(BB_0008)、Enterococcus faecalis V583(EF_2157)、Bacteroides thetaiotaomicron VPI−5482(BT_3647)、Bacillus cereus ATCC 14579(BC_0186)、Chlamydophila caviae GPIC(CCA_00671)、Synechococcus sp.CB0101(SCB01_010100000902)、Synechococcus sp.CB0205(SCB02_010100012692)、Candidatus Solibacter usitatus Ellin6076(ACID_1909)、Geobacillus kaustophilus HTA426(GK0152)、Verrucomicrobium spinosum DSM 4136(VSPID_010100022530)、Anabaena variabilis ATCC 29413(AVA_0913)、Porphyromonas gingivalis W83(PG_1588)、Chlamydia muridarum Nigg(TC_0280)、Deinococcus radiodurans R1(DR_0007)、Geobacter sulfurreducens PCA 2 seqs GSU1807、GSU0868)、Mycoplasma arthritidis 158L3−1(MARTH_ORF527)、Mycoplasma genitalium G37(MG105)、Treponema denticola ATCC 35405(TDE_1909)、Treponema pallidum subsp.pallidum str.Nichols(TP_0826)、酪酸産生菌SS3/4(CK3_23050)、Carboxydothermus hydrogenoformans Z−2901(CHY_2015)、Ruminococcus albus 8(CUS_5386)、Streptococcus mitis NCTC 12261(SM12261_1151)、Gloeobacter violaceus PCC 7421(GLL0109)、Lactobacillu
s johnsonii NCC 533(LJ_0892)、Exiguobacterium sibiricum 255−15(EXIG_0138)、Mycoplasma hyopneumoniae J(MHJ_0485)、Mycoplasma synoviae 53(MS53_0498)、Thermus thermophilus HB27(TT_C1660)、Onion yellows phytoplasma OY−M(PAM_584)、Streptococcus thermophilus LMG 18311(OSSG)、Candidatus Protochlamydia amoebophila UWE25(PC1633)、Chlamydophila felis Fe/C−56(CF0340)、Bdellovibrio bacteriovorus HD100(BD1929)、Prevotella ruminicola 23(PRU_2261)、Moorella thermoacetica ATCC 39073(MOTH_2248)、Leptospira interrogans serovar Copenhageni str.Fiocruz L1−130(LIC_10844)、Mycoplasma mobile 163K(MMOB4550)、Synechococcus elongatus PCC 6301(SYC1250_C)、Cytophaga hutchinsonii ATCC 33406(CHU_3222)、Geobacter metallireducens GS−15 2 seqs GMET_1888、GMET_1168)、Bacillus halodurans C−125(BH0265)、Bacteroides fragilis NCTC 9343(BF0397)、Chlamydia trachomatis D/UW−3/CX(YBBP)、Clostridium acetobutylicum ATCC 824(CA_C3079)、Clostridium difficile 630(CD0110)、Lactobacillus acidophilus NCFM(LBA0714)、Lactococcus lactis subsp.lactis Il1403(YEDA)、Listeria innocua Clip11262(LIN2225)、Mycoplasma penetrans HF−2(MYPE2120)、Mycoplasma pulmonis UAB CTIP(MYPU_4070)、Thermoanaerobacter tengcongensis MB4(TTE2209)、Pediococcus pentosaceus ATCC 25745(PEPE_0475)、Bacillus licheniformis DSM 13=ATCC 14580 2 seqs YBBP、BL02701)、Staphylococcus haemolyticus JCSC1435(SH0877)、Desulfuromonas acetoxidans DSM 684(DACE_0543)、Thermodesulfovibrio yellowstonii DSM 11347(THEYE_A0044)、Mycoplasma bovis PG45(MBOVPG45_0394)、Anaeromyxobacter dehalogenans 2CP−C(ADEH_1497)、Clostridium beijerinckii NCIMB 8052(CBEI_0200)、Borrelia garinii PBi(BG0008)、Symbiobacterium thermophilum IAM 14863(STH192)、Alkaliphilus metalliredigens QYMF(AMET_4313)、Thermus thermophilus HB8(TTHA0323)、Coprothermobacter proteolyticus DSM 5265(COPRO5265_1086)、Thermomicrobium roseum DSM 5159(TRD_0688)、Salinibacter ruber DSM 13855(SRU_1946)、Dokdonia donghaensis MED134(MED134_03354)、Polaribacter irgensii 23−P(PI23P_01632)、Psychroflexus torquis ATCC 700755(P700755_02202)、Robiginitalea biformata HTCC2501(RB2501_10597)、Polaribacter sp.MED152(MED152_11519)、Maribacter sp.HTCC2170(FB2170_01652)、Microscilla marina ATCC 23134(M23134_07024)、Lyngbya sp.PCC 8106(L8106_18951)、Nodularia spumigena CCY9414(N9414_23393)、Synechococcus sp.BL107(BL107_11781)、Bacillus sp.NRRL B−14911(B14911_19485)、Lentisphaera araneosa HTCC2155(LNTAR_18800)、Lactobacillus sakei subsp.sakei 23K(LCA_1359)、Mariprofundus ferrooxydans PV−1(SPV1_13417)、Borrelia hermsii DAH(BH0008)、Borrelia turicatae 91E135(BT0008)、Bacillus weihenstephanensis KBAB4(BCERKBAB4_0149)、Bacillus cytotoxicus NVH 391−98(BCER98_0148)、Bacillus pumilus SAFR−032(YBBP)、Geobacter sp.FRC−32 2 seqs GEOB_2309、GEOB_3421)、Herpetosiphon aurantiacus DSM 785(HAUR_3416)、Synechococcus sp.RCC307(SYNRCC307_0791)、Synechococcus sp.CC9902(SYNCC9902_1392)、Deinococcus geothermalis DSM 11300(DGEO_0135)、Synechococcus sp.PCC 7002(SYNPCC7002_A0098)、Synechococcus sp.WH 7803(SYNWH7803_1532)、Pedosphaera parvula Ellin514(CFLAV_PD5552)、Synechococcus sp.JA−3−3Ab(CYA_2894)、Synechococcus sp.JA−2−3Ba(2−13)(CYB_1645)、Aster yellows witches−broom phytoplasma AYWB(AYWB_243)、Paenibacillus sp.JDR−2(PJDR2_5631)、Chloroflexus aurantiacus J−10−fl(CAUR_1577)、Lactobacillus gasseri ATCC 33323(LGAS_1288)、Bacillus amyloliquefaciens FZB42(YBBP)、Chloroflexus aggregans DSM 9485(CAGG_2337)、Acaryochloris marina MBIC11017(AM1_0413)、Blattabacterium sp.(Blattella germanica) str.Bge(BLBBGE_101)、Simkania negevensis Z(YBBP)、Chlamydophila pecorum E58(G5S_1046)、Chlamydophila psittaci 6BC 2 seqs CPSIT_0714、G5O_0707)、Carnobacterium sp.AT7(CAT7_06573)、Finegoldia magna ATCC 29328(FMG_1225)、Syntrophomonas wolfei subsp.wolfei str.Goettingen(SWOL_2103)、Syntrophobacter fumaroxidans MPOB(SFUM_3455)、Pelobacter carbinolicus DSM 2380(PCAR_0999)、Pelobacter propionicus DSM 2379 2 seqs PPRO_2640、PPRO_2254)、Thermoanaerobacter pseudethanolicus ATCC 33223(TETH39_0457)、Victivallis vadensis ATCC BAA−548(VVAD_PD2437)、Staphylococcus saprophyticus subsp.saprophyticus ATCC 15305(SSP0722)、Bacillus coagulans 36D1(BCOA_1105)、Mycoplasma hominis ATCC 23114(MHO_0510)、Lactobacillus reuteri 100−23(LREU23DRAFT_3463)、Desulfotomaculum reducens MI−1(DRED_0292)、Leuconostoc citreum KM20(LCK_01297)、Paenibacillus polymyxa E681(PPE_04217)、Akkermansia muciniphila ATCC BAA−835(AMUC_0400)、Alkaliphilus oremlandii OhILAs(CLOS_2417)、Geobacter uraniireducens Rf4 2 seqs GURA_1367、GURA_2732)、Caldicellulosiruptor saccharolyticus DSM 8903(CSAC_1183)、Pyramidobacter piscolens W5455(HMPREF7215_0074)、Leptospira borgpetersenii serovar Hardjo−bovis L550(LBL_0913)、Roseiflexus sp.RS−1(ROSERS_1145)、Clostridium phytofermentans ISDg(CPHY_3551)、Brevibacillus brevis NBRC 100599(BBR47_02670)、Exiguobacterium sp.AT1b(EAT1B_1593)、Lactobacillus salivarius UCC118(LSL_1146)、Lawsonia intracellularis PHE/MN1−00(LI0190)、Streptococcus mitis B6(SMI_1552)、Pelotomaculum thermopropionicum SI(PTH_0536)、Streptococcus pneumoniae D39(SPD_1392)、Candidatus Phytoplasma mali(ATP_00312)、Gemmatimonas aurantiaca T−27(GAU_1394)、Hydrogenobaculum sp.Y04AAS1(HY04AAS1_0006)、Roseiflexus castenholzii DSM 13941(RCAS_3986)、Listeria welshimeri serovar 6b str.SLCC5334(LWE2139)、Clostridium n
ovyi NT(NT01CX_1162)、Lactobacillus brevis ATCC 367(LVIS_0684)、Bacillus sp.B14905(BB14905_08668)、Algoriphagus sp.PR1(ALPR1_16059)、Streptococcus sanguinis SK36(SSA_0802)、Borrelia afzelii PKo 2 seqs BAPKO_0007、AEL69242.1)、Lactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricus ATCC 11842(LDB0651)、Streptococcus suis 05ZYH33(SSU05_1470)、Kordia algicida OT−1(KAOT1_10521)、Pedobacter sp.BAL39(PBAL39_03944)、Flavobacteriales bacterium ALC−1(FBALC1_04077)、Cyanothece sp.CCY0110(CY0110_30633)、Plesiocystis pacifica SIR−1(PPSIR1_10140)、Clostridium cellulolyticum H10(CCEL_1201)、Cyanothece sp.PCC 7425(CYAN7425_4701)、Staphylococcus carnosus subsp.carnosus TM300(SCA_1665)、Bacillus pseudofirmus OF4(YBBP)、Leeuwenhoekiella blandensis MED217(MED217_04352)、Geobacter lovleyi SZ 2 seqs GLOV_3055、GLOV_2524)、Streptococcus equi subsp.zooepidemicus(SEZ_1213)、Thermosinus carboxydivorans Nor1(TCARDRAFT_1045)、Geobacter bemidjiensis Bem(GBEM_0895)、Anaeromyxobacter sp.Fw109−5(ANAE109_2336)、Lactobacillus helveticus DPC 4571(LHV_0757)、Bacillus sp.m3−13(BM3−1_010100010851)、Gramella forsetii KT0803(GFO_0428)、Ruminococcus obeum ATCC 29174(RUMOBE_03597)、Ruminococcus torques ATCC 27756(RUMTOR_00870)、Dorea formicigenerans ATCC 27755(DORFOR_00204)、Dorea longicatena DSM 13814(DORLON_01744)、Eubacterium ventriosum ATCC 27560(EUBVEN_01080)、Desulfovibrio piger ATCC 29098(DESPIG_01592)、Parvimonas micra ATCC 33270(PEPMIC_01312)、Pseudoflavonifractor capillosus ATCC 29799(BACCAP_01950)、Clostridium scindens ATCC 35704(CLOSCI_02389)、Eubacterium hallii DSM 3353(EUBHAL_01228)、Ruminococcus gnavus ATCC 29149(RUMGNA_03537)、Subdoligranulum variabile DSM 15176(SUBVAR_05177)、Coprococcus eutactus ATCC 27759(COPEUT_01499)、Bacteroides ovatus ATCC 8483(BACOVA_03480)、Parabacteroides merdae ATCC 43184(PARMER_03434)、Faecalibacterium prausnitzii A2−165(FAEPRAA2165_01954)、Clostridium sp.L2−50(CLOL250_00341)、Anaerostipes caccae DSM 14662(ANACAC_00219)、Bacteroides caccae ATCC 43185(BACCAC_03225)、Clostridium bolteae ATCC BAA−613(CLOBOL_04759)、Borrelia duttonii Ly(BDU_14)、Cyanothece sp.PCC 8801(PCC8801_0127)、Lactococcus lactis subsp.cremoris MG1363(LLMG_0448)、Geobacillus thermodenitrificans NG80−2(GTNG_0149)、Epulopiscium sp.N.t.morphotype B(EPULO_010100003839)、Lactococcus garvieae Lg2(LCGL_0304)、Clostridium leptum DSM 753(CLOLEP_03097)、Clostridium spiroforme DSM 1552(CLOSPI_01608)、Eubacterium dolichum DSM 3991(EUBDOL_00188)、Clostridium kluyveri DSM 555(CKL_0313)、Porphyromonas gingivalis ATCC 33277(PGN_0523)、Bacteroides vulgatus ATCC 8482(BVU_0518)、Parabacteroides distasonis ATCC 8503(BDI_3368)、Staphylococcus hominis subsp.hominis C80(HMPREF0798_01968)、Staphylococcus caprae C87(HMPREF0786_02373)、Streptococcus sp.C150(HMPREF0848_00423)、Sulfurihydrogenibium sp.YO3AOP1(SYO3AOP1_0110)、Desulfatibacillum alkenivorans AK−01(DALK_0397)、Bacillus selenitireducens MLS10(BSEL_0372)、Cyanothece sp.ATCC 51142(CCE_1350)、Lactobacillus jensenii 1153(LBJG_01645)、Acholeplasma laidlawii PG−8A(ACL_1368)、Bacillus coahuilensis m4−4(BCOAM_010100001120)、Geobacter sp.M18 2 seqs GM18_0792、GM18_2516)、Lysinibacillus sphaericus C3−41(BSPH_4568)、Clostridium botulinum NCTC 2916(CBN_3506)、Clostridium botulinum C str.Eklund(CBC_A1575)、Alistipes putredinis DSM 17216(ALIPUT_00190)、Anaerofustis stercorihominis DSM 17244(ANASTE_01539)、Anaerotruncus colihominis DSM 17241(ANACOL_02706)、Clostridium bartlettii DSM 16795(CLOBAR_00759)、Clostridium ramosum DSM 1402(CLORAM_01482)、Borrelia valaisiana VS116(BVAVS116_0007)、Sorangium cellulosum So ce 56(SCE7623)、Microcystis aeruginosa NIES−843(MAE_25390)、Bacteroides stercoris ATCC 43183(BACSTE_02634)、Candidatus Amoebophilus asiaticus 5a2(AASI_0652)、Leptospira biflexa serovar Patoc strain Patoc 1(Paris)(LEPBI_I0735)、Clostridium sp.7_2_43FAA(CSBG_00101)、Desulfovibrio sp.3_1_syn3(HMPREF0326_02254)、Ruminococcus sp.5_1_39BFAA(RSAG_02135)、Clostridiales bacterium 1_7_47FAA(CBFG_00347)、Bacteroides fragilis 3_1_12(BFAG_02578)、Natranaerobius thermophilus JW/NM−WN−LF(NTHER_0240)、Macrococcus caseolyticus JCSC5402(MCCL_0321)、Streptococcus gordonii str.Challis substr.CH1(SGO_0887)、Dethiosulfovibrio peptidovorans DSM 11002(DPEP_2062)、Coprobacillus sp.29_1(HMPREF9488_03448)、Bacteroides coprocola DSM 17136(BACCOP_03665)、Coprococcus comes ATCC 27758(COPCOM_02178)、Geobacillus sp.WCH70(GWCH70_0156)、非培養シロアリ第1群細菌系統型Rs−D17(TGRD_209)、Dyadobacter fermentans DSM 18053(DFER_0224)、Bacteroides intestinalis DSM 17393(BACINT_00700)、Ruminococcus lactaris ATCC 29176(RUMLAC_01257)、Blautia hydrogenotrophica DSM 10507(RUMHYD_01218)、Candidatus Desulforudis audaxviator MP104C(DAUD_1932)、Marvinbryantia formatexigens DSM 14469(BRYFOR_07410)、Sphaerobacter thermophilus DSM 20745(STHE_1601)、Veillonella parvula DSM 2008(VPAR_0292)、Methylacidiphilum infernorum V4(MINF_1897)、Paenibacillus sp.Y412MC10(GYMC10_5701)、Bacteroides finegoldii DSM 17565(BACFIN_07732)、Bacteroides eggerthii DSM 20697(BACEGG_03561)、Bacteroides pectinophilus ATCC 43243(BACPEC_02936)、Bacteroides plebeius DSM 17135(BACPLE_00693)、Desulfohalobium retbaense DSM 5692(DRET_1725)、Desulfotomaculum acetoxidans DSM 771(DTOX_0604)、Pedobacter heparinus DSM 2366(PHEP_3664)、Chitinophaga pinensis DSM 25
88(CPIN_5466)、Flavobacteria bacterium MS024−2A(FLAV2ADRAFT_0090)、Flavobacteria bacterium MS024−3C(FLAV3CDRAFT_0851)、Moorea producta 3L(LYNGBM3L_14400)、Anoxybacillus flavithermus WK1(AFLV_0149)、Mycoplasma fermentans PG18(MBIO_0474)、Chthoniobacter flavus Ellin428(CFE428DRAFT_3031)、Cyanothece sp.PCC 7822(CYAN7822_1152)、Borrelia spielmanii A14S(BSPA14S_0009)、Heliobacterium modesticaldum Ice1(HM1_1522)、Thermus aquaticus Y51MC23(TAQDRAFT_3938)、Clostridium sticklandii DSM 519(CLOST_0484)、Tepidanaerobacter sp.Re1(TEPRE1_0323)、Clostridium hiranonis DSM 13275(CLOHIR_00003)、Mitsuokella multacida DSM 20544(MITSMUL_03479)、Haliangium ochraceum DSM 14365(HOCH_3550)、Spirosoma linguale DSM 74(SLIN_2673)、未同定の真正細菌SCB49(SCB49_03679)、Acetivibrio cellulolyticus CD2(ACELC_020100013845)、Lactobacillus buchneri NRRL B−30929(LBUC_1299)、Butyrivibrio crossotus DSM 2876(BUTYVIB_02056)、Candidatus Azobacteroides pseudotrichonymphae genomovar.CFP2(CFPG_066)、Mycoplasma crocodyli MP145(MCRO_0385)、Arthrospira maxima CS−328(AMAXDRAFT_4184)、Eubacterium eligens ATCC 27750(EUBELI_01626)、Butyrivibrio proteoclasticus B316(BPR_I2587)、Chloroherpeton thalassium ATCC 35110(CTHA_1340)、Eubacterium biforme DSM 3989(EUBIFOR_01794)、Rhodothermus marinus DSM 4252(RMAR_0146)、Borrelia bissettii DN127(BBIDN127_0008)、Capnocytophaga ochracea DSM 7271(COCH_2107)、Alicyclobacillus acidocaldarius subsp.acidocaldarius DSM 446(AACI_2672)、Caldicellulosiruptor bescii DSM 6725(ATHE_0361)、Denitrovibrio acetiphilus DSM 12809(DACET_1298)、Desulfovibrio desulfuricans subsp.desulfuricans str.ATCC 27774(DDES_1715)、Anaerococcus lactolyticus ATCC 51172(HMPREF0072_1645)、Anaerococcus tetradius ATCC 35098(HMPREF0077_0902)、Finegoldia magna ATCC 53516(HMPREF0391_10377)、Lactobacillus antri DSM 16041(YBBP)、Lactobacillus buchneri ATCC 11577(HMPREF0497_2752)、Lactobacillus ultunensis DSM 16047(HMPREF0548_0745)、Lactobacillus vaginalis ATCC 49540(HMPREF0549_0766)、Listeria grayi DSM 20601(HMPREF0556_11652)、Sphingobacterium spiritivorum ATCC 33861(HMPREF0766_11787)、Staphylococcus epidermidis M23864:W1(HMPREF0793_0092)、Streptococcus equinus ATCC 9812(HMPREF0819_0812)、Desulfomicrobium baculatum DSM 4028(DBAC_0255)、Thermanaerovibrio acidaminovorans DSM 6589(TACI_0837)、Thermobaculum terrenum ATCC BAA−798(TTER_1817)、Anaerococcus prevotii DSM 20548(APRE_0370)、Desulfovibrio salexigens DSM 2638(DESAL_1795)、Brachyspira murdochii DSM 12563(BMUR_2186)、Meiothermus silvanus DSM 9946(MESIL_0161)、Bacillus cereus Rock4−18(BCERE0024_1410)、Cylindrospermopsis raciborskii CS−505(CRC_01921)、Raphidiopsis brookii D9(CRD_01188)、Clostridium carboxidivorans P7 2 seqs CLCAR_0016、CCARBDRAFT_4266)、Clostridium botulinum E1 str.BoNT E Beluga(CLO_3490)、Blautia hansenii DSM 20583(BLAHAN_07155)、Prevotella copri DSM 18205(PREVCOP_04867)、Clostridium methylpentosum DSM 5476(CLOSTMETH_00084)、Lactobacillus casei BL23(LCABL_11800)、Bacillus megaterium QM B1551(BMQ_0195)、Treponema primitia ZAS−2(TREPR_1936)、Treponema azotonutricium ZAS−9(TREAZ_0147)、Holdemania filiformis DSM 12042(HOLDEFILI_03810)、Filifactor alocis ATCC 35896(HMPREF0389_00366)、Gemella haemolysans ATCC 10379(GEMHA0001_0912)、Selenomonas sputigena ATCC 35185(SELSP_1610)、Veillonella dispar ATCC 17748(VEIDISOL_01845)、Deinococcus deserti VCD115(DEIDE_19700)、Bacteroides coprophilus DSM 18228(BACCOPRO_00159)、Nostoc azollae 0708(AAZO_4735)、Erysipelotrichaceae bacterium 5_2_54FAA(HMPREF0863_02273)、Ruminococcaceae bacterium D16(HMPREF0866_01061)、Prevotella bivia JCVIHMP010(HMPREF0648_0338)、Prevotella melaninogenica ATCC 25845(HMPREF0659_A6212)、Porphyromonas endodontalis ATCC 35406(POREN0001_0251)、Capnocytophaga sputigena ATCC 33612(CAPSP0001_0727)、Capnocytophaga gingivalis ATCC 33624(CAPGI0001_1936)、Clostridium hylemonae DSM 15053(CLOHYLEM_04631)、Thermosediminibacter oceani DSM 16646(TOCE_1970)、Dethiobacter alkaliphilus AHT 1(DEALDRAFT_0231)、Desulfonatronospira thiodismutans ASO3−1(DTHIO_PD2806)、Clostridium sp.D5(HMPREF0240_03780)、Anaerococcus hydrogenalis DSM 7454(ANHYDRO_01144)、Kyrpidia tusciae DSM 2912(BTUS_0196)、Gemella haemolysans M341(HMPREF0428_01429)、Gemella morbillorum M424(HMPREF0432_01346)、Gemella sanguinis M325(HMPREF0433_01225)、Prevotella oris C735(HMPREF0665_01741)、Streptococcus sp.M143(HMPREF0850_00109)、Streptococcus sp.M334(HMPREF0851_01652)、Bilophila wadsworthia 3_1_6(HMPREF0179_00899)、Brachyspira hyodysenteriae WA1(BHWA1_01167)、Enterococcus gallinarum EG2(EGBG_00820)、Enterococcus casseliflavus EC20(ECBG_00827)、Enterococcus faecium C68(EFXG_01665)、Syntrophus aciditrophicus SB(SYN_02762)、Lactobacillus rhamnosus GG 2 seqs OSSG、LRHM_0937)、Acidaminococcus intestini RyC−MR95(ACIN_2069)、Mycoplasma conjunctivae HRC/581(MCJ_002940)、Halanaerobium praevalens DSM 2228(HPRAE_1647)、Aminobacterium colombiense DSM 12261(AMICO_0737)、Clostridium cellulovorans 743B(CLOCEL_3678)、Desulfovibrio magneticus RS−1(DMR_25720)、Spirochaeta smaragdinae DSM 11293(SPIRS_1647)、Bacteroidetes oral taxon 274 str.F0058(HMPREF0156_01826)、Lachnospiraceae oral taxon 107 str.F0167(HMPREF0491_01238)、Lactobacillus coleohominis 101−4−CHN(HMPREF0501_01094)、Lactobacillus jensenii 27−2−CHN(HMPREF0525_00616)、Prevotella buccae D1
7(HMPREF0649_02043)、Prevotella sp.oral taxon 299 str.F0039(HMPREF0669_01041)、Prevotella sp.oral taxon 317 str.F0108(HMPREF0670_02550)、Desulfobulbus propionicus DSM 2032 2 seqs DESPR_2503、DESPR_1053)、Thermoanaerobacterium thermosaccharolyticum DSM 571(TTHE_0484)、Thermoanaerobacter italicus Ab9(THIT_1921)、Thermovirga lienii DSM 17291(TLIE_0759)、Aminomonas paucivorans DSM 12260(APAU_1274)、Streptococcus mitis SK321(SMSK321_0127)、Streptococcus mitis SK597(SMSK597_0417)、Roseburia hominis A2−183(RHOM_12405)、Oribacterium sinus F0268(HMPREF6123_0887)、Prevotella bergensis DSM 17361(HMPREF0645_2701)、Selenomonas noxia ATCC 43541(YBBP)、Weissella paramesenteroides ATCC 33313(HMPREF0877_0011)、Lactobacillus amylolyticus DSM 11664(HMPREF0493_1017)、Bacteroides sp.D20(HMPREF0969_02087)、Clostridium papyrosolvens DSM 2782(CPAP_3968)、Desulfurivibrio alkaliphilus AHT2(DAAHT2_0445)、Acidaminococcus fermentans DSM 20731(ACFER_0601)、Abiotrophia defectiva ATCC 49176(GCWU000182_00063)、Anaerobaculum hydrogeniformans ATCC BAA−1850(HMPREF1705_01115)、Catonella morbi ATCC 51271(GCWU000282_00629)、Clostridium botulinum D str.1873(CLG_B1859)、Dialister invisus DSM 15470(GCWU000321_01906)、Fibrobacter succinogenes subsp.succinogenes S85 2 seqs FSU_0028、FISUC_2776)、Desulfovibrio fructosovorans JJ(DESFRDRAFT_2879)、Peptostreptococcus stomatis DSM 17678(HMPREF0634_0727)、Staphylococcus warneri L37603(STAWA0001_0094)、Treponema vincentii ATCC 35580(TREVI0001_1289)、Porphyromonas uenonis 60−3(PORUE0001_0199)、Peptostreptococcus anaerobius 653−L(HMPREF0631_1228)、Peptoniphilus lacrimalis 315−B(HMPREF0628_0762)、Candidatus Phytoplasma australiense(PA0090)、Prochlorococcus marinus subsp.pastoris str.CCMP1986(PMM1091)、Synechococcus sp.WH 7805(WH7805_04441)、Blattabacterium sp.(Periplaneta americana) str.BPLAN(BPLAN_534)、Caldicellulosiruptor obsidiansis OB47(COB47_0325)、Oribacterium sp.oral taxon 078 str.F0262(GCWU000341_01365)、Hydrogenobacter thermophilus TK−6 2 seqs ADO46034.1、HTH_1665)、Clostridium saccharolyticum WM1(CLOSA_1248)、Prevotella sp.oral taxon 472 str.F0295(HMPREF6745_1617)、Paenibacillus sp.oral taxon 786 str.D14(POTG_03822)、Roseburia inulinivorans DSM 16841 2 seqs ROSEINA2194_02614、ROSEINA2194_02613)、Granulicatella elegans ATCC 700633(HMPREF0446_01381)、Prevotella tannerae ATCC 51259(GCWU000325_02844)、Shuttleworthia satelles DSM 14600(GCWU000342_01722)、Phascolarctobacterium succinatutens YIT 12067(HMPREF9443_01522)、Clostridium butyricum E4 str.BoNT E BL5262(CLP_3980)、Caldicellulosiruptor hydrothermalis 108(CALHY_2287)、Caldicellulosiruptor kristjanssonii 177R1B(CALKR_0314)、Caldicellulosiruptor owensensis OL(CALOW_0228)、Eubacterium cellulosolvens 6(EUBCEDRAFT_1150)、Geobacillus thermoglucosidasius C56−YS93(GEOTH_0175)、Thermincola potens JR(THERJR_0376)、Nostoc punctiforme PCC 73102(NPUN_F5990)、Granulicatella adiacens ATCC 49175(YBBP)、Selenomonas flueggei ATCC 43531(HMPREF0908_1366)、Thermocrinis albus DSM 14484(THAL_0234)、Deferribacter desulfuricans SSM1(DEFDS_1031)、Ruminococcus flavefaciens FD−1(RFLAF_010100012444)、Desulfovibrio desulfuricans ND132(DND132_0877)、Clostridium lentocellum DSM 5427(CLOLE_3370)、Desulfovibrio aespoeensis Aspo−2(DAES_1257)、Syntrophothermus lipocalidus DSM 12680(SLIP_2139)、Marivirga tractuosa DSM 4126(FTRAC_3720)、Desulfarculus baarsii DSM 2075(DEBA_0764)、Synechococcus sp.CC9311(SYNC_1030)、Thermaerobacter marianensis DSM 12885(TMAR_0236)、Desulfovibrio sp.FW1012B(DFW101_0480)、Jonquetella anthropi E3_33 E1(GCWU000246_01523)、Syntrophobotulus glycolicus DSM 8271(SGLY_0483)、Thermovibrio ammonificans HB−1(THEAM_0892)、Truepera radiovictrix DSM 17093(TRAD_1704)、Bacillus cellulosilyticus DSM 2522(BCELL_0170)、Prevotella veroralis F0319(HMPREF0973_02947)、Erysipelothrix rhusiopathiae str.Fujisawa(ERH_0115)、Desulfurispirillum indicum S5(SELIN_2326)、Cyanothece sp.PCC 7424(PCC7424_0843)、Anaerococcus vaginalis ATCC 51170(YBBP)、Aerococcus viridans ATCC 11563(YBBP)、Streptococcus oralis ATCC 35037 2 seqs HMPREF8579_1682、SMSK23_1115)、Zunongwangia profunda SM−A87(ZPR_0978)、Halanaerobium hydrogeniformans(HALSA_1882)、Bacteroides xylanisolvens XB1A(BXY_29650)、Ruminococcus torques L2−14(RTO_16490)、Ruminococcus obeum A2−162(CK5_33600)、Eubacterium rectale DSM 17629(EUR_24910)、Faecalibacterium prausnitzii SL3/3(FPR_27630)、Ruminococcus sp.SR1/5(CK1_39330)、Lachnospiraceae bacterium 3_1_57FAA_CT1(HMPREF0994_01490)、Lachnospiraceae bacterium 9_1_43BFAA(HMPREF0987_01591)、Lachnospiraceae bacterium 1_4_56FAA(HMPREF0988_01806)、Erysipelotrichaceae bacterium 3_1_53(HMPREF0983_01328)、Ethanoligenens harbinense YUAN−3(ETHHA_1605)、Streptococcus dysgalactiae subsp.dysgalactiae ATCC 27957(SDD27957_06215)、Spirochaeta thermophila DSM 6192(STHERM_C18370)、Bacillus sp.2_A_57_CT2(HMPREF1013_05449)、Bacillus clausii KSM−K16(ABC0241)、Thermodesulfatator indicus DSM 15286(THEIN_0076)、Bacteroides salanitronis DSM 18170(BACSA_1486)、Oceanithermus profundus DSM 14977(OCEPR_2178)、Prevotella timonensis CRIS 5C−B1(HMPREF9019_2028)、Prevotella buccalis ATCC 35310(HMPREF0650_0675)、Prevotella amnii CRIS 21A−A(HMPREF9018_0365)、Bulleidia extructa W1219(HMPREF9013_0078)、Bacteroides coprosuis DSM 18011(BCOP_0558)、Prevote
lla multisaccharivorax DSM 17128(PREMU_0839)、Cellulophaga algicola DSM 14237(CELAL_0483)、Synechococcus sp.WH 5701(WH5701_10360)、Desulfovibrio africanus str.Walvis Bay(DESAF_3283)、Oscillibacter valericigenes Sjm18−20(OBV_23340)、Deinococcus proteolyticus MRP(DEIPR_0134)、Bacteroides helcogenes P 36−108(BACHE_0366)、Paludibacter propionicigenes WB4(PALPR_1923)、Desulfotomaculum nigrificans DSM 574(DESNIDRAFT_2093)、Arthrospira platensis NIES−39(BAI89442.1)、Mahella australiensis 50−1 BON(MAHAU_1846)、Thermoanaerobacter wiegelii Rt8.B1(THEWI_2191)、Ruminococcus albus 7(RUMAL_2345)、Staphylococcus lugdunensis HKU09−01(SLGD_00862)、Megasphaera genomosp.type_1 str.28L(HMPREF0889_1099)、Clostridiales genomosp.BVAB3 str.UPII9−5(HMPREF0868_1453)、Pediococcus claussenii ATCC BAA−344(PECL_571)、Prevotella oulorum F0390(HMPREF9431_01673)、Turicibacter sanguinis PC909(CUW_0305)、Listeria seeligeri FSL N1−067(NT03LS_2473)、Solobacterium moorei F0204(HMPREF9430_01245)、Megasphaera micronuciformis F0359(HMPREF9429_00929)、Capnocytophaga sp.oral taxon 329 str.F0087 2 seqs HMPREF9074_00867、HMPREF9074_01078)、Streptococcus anginosus F0211(HMPREF0813_00157)、Mycoplasma suis KI3806(MSUI04040)、Mycoplasma gallisepticum str.F(MGF_2771)、Deinococcus maricopensis DSM 21211(DEIMA_0651)、Odoribacter splanchnicus DSM 20712(ODOSP_0239)、Lactobacillus fermentum CECT 5716(LC40_0265)、Lactobacillus iners AB−1(LINEA_010100006089)、cyanobacterium UCYN−A(UCYN_03150)、Lactobacillus sanfranciscensis TMW 1.1304(YBBP)、Mucilaginibacter paludis DSM 18603(MUCPA_1296)、Lysinibacillus fusiformis ZC1(BFZC1_03142)、Paenibacillus vortex V453(PVOR_30878)、Waddlia chondrophila WSU 86−1044(YBBP)、Flexistipes sinusarabici DSM 4947(FLEXSI_0971)、Paenibacillus curdlanolyticus YK9(PAECUDRAFT_1888)、Clostridium cf.saccharolyticum K10(CLS_03290)、Alistipes shahii WAL 8301(AL1_02190)、Eubacterium cylindroides T2−87(EC1_00230)、Coprococcus catus GD/7(CC1_32460)、Faecalibacterium prausnitzii L2−6(FP2_09960)、Clostridium clariflavum DSM 19732(CLOCL_2983)、Bacillus atrophaeus 1942(BATR1942_19530)、Mycoplasma pneumoniae FH(MPNE_0277)、Lachnospiraceae bacterium 2_1_46FAA(HMPREF9477_00058)、Clostridium symbiosum WAL−14163(HMPREF9474_01267)、Dysgonomonas gadei ATCC BAA−286(HMPREF9455_02764)、Dysgonomonas mossii DSM 22836(HMPREF9456_00401)、Thermus scotoductus SA−01(TSC_C24350)、Sphingobacterium sp.21(SPH21_1233)、Spirochaeta caldaria DSM 7334(SPICA_1201)、Prochlorococcus marinus str.MIT 9312(PMT9312_1102)、Prochlorococcus marinus str.MIT 9313(PMT_1058)、Faecalibacterium cf.prausnitzii KLE1255(HMPREF9436_00949)、Lactobacillus crispatus ST1(LCRIS_00721)、Clostridium ljungdahlii DSM 13528(CLJU_C40470)、Prevotella bryantii B14(PBR_2345)、Treponema phagedenis F0421(HMPREF9554_02012)、Clostridium sp.BNL1100(CLO1100_2851)、Microcoleus vaginatus FGP−2(MICVADRAFT_1377)、Brachyspira pilosicoli 95/1000(BP951000_0671)、Spirochaeta coccoides DSM 17374(SPICO_1456)、Haliscomenobacter hydrossis DSM 1100(HALHY_5703)、Desulfotomaculum kuznetsovii DSM 6115(DESKU_2883)、Runella slithyformis DSM 19594(RUNSL_2859)、Leuconostoc kimchii IMSNU 11154(LKI_08080)、Leuconostoc gasicomitatum LMG 18811(OSSG)、Pedobacter saltans DSM 12145(PEDSA_3681)、Paraprevotella xylaniphila YIT 11841(HMPREF9442_00863)、Bacteroides clarus YIT 12056(HMPREF9445_01691)、Bacteroides fluxus YIT 12057(HMPREF9446_03303)、Streptococcus urinalis 2285−97(STRUR_1376)、Streptococcus macacae NCTC 11558(STRMA_0866)、Streptococcus ictaluri 707−05(STRIC_0998)、Oscillochloris trichoides DG−6(OSCT_2821)、Parachlamydia acanthamoebae UV−7(YBBP)、Prevotella denticola F0289(HMPREF9137_0316)、Parvimonas sp.oral taxon 110 str.F0139(HMPREF9126_0534)、Calditerrivibrio nitroreducens DSM 19672(CALNI_1443)、Desulfosporosinus orientis DSM 765(DESOR_0366)、Streptococcus mitis bv.2 str.F0392(HMPREF9178_0602)、Thermodesulfobacterium sp.OPB45(TOPB45_1366)、Synechococcus sp.WH 8102(SYNW0935)、Thermoanaerobacterium xylanolyticum LX−11(THEXY_0384)、Mycoplasma haemofelis Ohio2(MHF_1192)、Capnocytophaga canimorsus Cc5(CCAN_16670)、Pediococcus acidilactici DSM 20284(HMPREF0623_1647)、Prevotella marshii DSM 16973(HMPREF0658_1600)、Peptoniphilus duerdenii ATCC BAA−1640(HMPREF9225_1495)、Bacteriovorax marinus SJ(BMS_2126)、Selenomonas sp.oral taxon 149 str.67H29BP(HMPREF9166_2117)、Eubacterium yurii subsp.margaretiae ATCC 43715(HMPREF0379_1170)、Streptococcus mitis ATCC 6249(HMPREF8571_1414)、Streptococcus sp.oral taxon 071 str.73H25AP(HMPREF9189_0416)、Prevotella disiens FB035−09AN(HMPREF9296_1148)、Aerococcus urinae ACS−120−V−Col10a(HMPREF9243_0061)、Veillonella atypica ACS−049−V−Sch6(HMPREF9321_0282)、Cellulophaga lytica DSM 7489(CELLY_2319)、Thermaerobacter subterraneus DSM 13965(THESUDRAFT_0411)、Desulfurobacterium thermolithotrophum DSM 11699(DESTER_0391)、Treponema succinifaciens DSM 2489(TRESU_1152)、Marinithermus hydrothermalis DSM 14884(MARKY_1861)、Streptococcus infantis SK1302(SIN_0824)、Streptococcus parauberis NCFD 2020(SPB_0808)、Streptococcus porcinus str.Jelinkova 176(STRPO_0164)、Streptococcus criceti HS−6(STRCR_1133)、Capnocytophaga ochracea F0287(HMPREF1977_0786)、Prevotella oralis ATCC 33269(HMPREF0663_10671)、Porphyromonas asaccharolytica DSM 20707(PORAS_063
4)、Anaerococcus prevotii ACS−065−V−Col13(HMPREF9290_0962)、Peptoniphilus sp.oral taxon 375 str.F0436(HMPREF9130_1619)、Veillonella sp.oral taxon 158 str.F0412(HMPREF9199_0189)、Selenomonas sp.oral taxon 137 str.F0430(HMPREF9162_2458)、Cyclobacterium marinum DSM 745(CYCMA_2525)、Desulfobacca acetoxidans DSM 11109(DESAC_1475)、Listeria ivanovii subsp.ivanovii PAM 55(LIV_2111)、Desulfovibrio vulgaris str.Hildenborough(DVU_1280)、Desulfovibrio vulgaris str.’Miyazaki F’(DVMF_0057)、Muricauda ruestringensis DSM 13258(MURRU_0474)、Leuconostoc argentinum KCTC 3773(LARGK3_010100008306)、Paenibacillus polymyxa SC2(PPSC2_C4728)、Eubacterium saburreum DSM 3986(HMPREF0381_2518)、Pseudoramibacter alactolyticus ATCC 23263(HMP0721_0313)、Streptococcus parasanguinis ATCC 903(HMPREF8577_0233)、Streptococcus sanguinis ATCC 49296(HMPREF8578_1820)、Capnocytophaga sp.oral taxon 338 str.F0234(HMPREF9071_1325)、Centipeda periodontii DSM 2778(HMPREF9081_2332)、Prevotella multiformis DSM 16608(HMPREF9141_0346)、Streptococcus peroris ATCC 700780(HMPREF9180_0434)、Prevotella salivae DSM 15606(HMPREF9420_1402)、Streptococcus australis ATCC 700641 2 seqs HMPREF9961_0906、HMPREF9421_1720)、Streptococcus cristatus ATCC 51100 2 seqs HMPREF9422_0776、HMPREF9960_0531)、Lactobacillus acidophilus 30SC(LAC30SC_03585)、Eubacterium limosum KIST612(ELI_0726)、Streptococcus downei F0415(HMPREF9176_1204)、Streptococcus sp.oral taxon 056 str.F0418(HMPREF9182_0330)、Oribacterium sp.oral taxon 108 str.F0425(HMPREF9124_1289)、Streptococcus vestibularis F0396(HMPREF9192_1521)、Treponema brennaborense DSM 12168(TREBR_1165)、Leuconostoc fallax KCTC 3537(LFALK3_010100008689)、Eremococcus coleocola ACS−139−V−Col8(HMPREF9257_0233)、Peptoniphilus harei ACS−146−V−Sch2b(HMPREF9286_0042)、Clostridium sp.HGF2(HMPREF9406_3692)、Alistipes sp.HGB5(HMPREF9720_2785)、Prevotella dentalis DSM 3688(PREDE_0132)、Streptococcus pseudoporcinus SPIN 20026(HMPREF9320_0643)、Dialister microaerophilus UPII 345−E(HMPREF9220_0018)、Weissella cibaria KACC 11862(WCIBK1_010100001174)、Lactobacillus coryniformis subsp.coryniformis KCTC 3167(LCORCK3_010100001982)、Synechococcus sp.PCC 7335(S7335_3864)、Owenweeksia hongkongensis DSM 17368(OWEHO_3344)、Anaerolinea thermophila UNI−1(ANT_09470)、Streptococcus oralis Uo5(SOR_0619)、Leuconostoc gelidum KCTC 3527(LGELK3_010100006746)、Clostridium botulinum BKT015925(CBC4_0275)、Prochlorococcus marinus str.MIT 9211(P9211_10951)、Prochlorococcus marinus str.MIT 9215(P9215_12271)、Staphylococcus aureus subsp.aureus NCTC 8325(SAOUHSC_02407)、Staphylococcus aureus subsp.aureus COL(SACOL2153)、Lactobacillus animalis KCTC 3501(LANIK3_010100000290)、Fructobacillus fructosus KCTC 3544(FFRUK3_010100006750)、Acetobacterium woodii DSM 1030(AWO_C28200)、Planococcus donghaensis MPA1U2(GPDM_12177)、Lactobacillus farciminis KCTC 3681(LFARK3_010100009915)、Melissococcus plutonius ATCC 35311(MPTP_0835)、Lactobacillus fructivorans KCTC 3543(LFRUK3_010100002657)、Paenibacillus sp.HGF7(HMPREF9413_5563)、Lactobacillus oris F0423(HMPREF9102_1081)、Veillonella sp.oral taxon 780 str.F0422(HMPREF9200_1112)、Parvimonas sp.oral taxon 393 str.F0440(HMPREF9127_1171)、Tetragenococcus halophilus NBRC 12172(TEH_13100)、Candidatus Chloracidobacterium thermophilum B(CABTHER_A1277)、Ornithinibacillus scapharcae TW25(OTW25_010100020393)、Lacinutrix sp.5H−3−7−4(LACAL_0337)、Krokinobacter sp.4H−3−7−5(KRODI_0177)、Staphylococcus pseudintermedius ED99(SPSE_0659)、Staphylococcus aureus subsp.aureus MSHR1132(CCE59824.1)、Paenibacillus terrae HPL−003(HPL003_03660)、Caldalkalibacillus thermarum TA2.A1(CATHTA2_0882)、Desmospora sp.8437(HMPREF9374_2897)、Prevotella nigrescens ATCC 33563(HMPREF9419_1415)、Prevotella pallens ATCC 700821(HMPREF9144_0175)、Streptococcus infantis X(HMPREF1124。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、腫瘍微小環境において、c−ジ−AMPのレベルを増加させることができる。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、腫瘍の細胞内空間において、c−ジAMPのレベルを増加させることができる。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、真核細胞の内部において、c−ジAMPのレベルを増加させることができる。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、免疫細胞の内部において、c−ジAMPのレベルを増加させることができる。一部の実施形態では、細胞は、食細胞である。一部の実施形態では、細胞は、マクロファージである。一部の実施形態では、細胞は、樹状細胞である。一部の実施形態では、細胞は、好中球である。一部の実施形態では、細胞は、MDSCである。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、がん細胞の内部において、c−GAMP(2’3’ または3’3’)および/またはサイクリック−ジ−GMPのレベルを増加させることができる。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、細菌細胞および/または成長培地において、in vitroでc−ジ−AMPのレベルを増加させることができる。
これらの実施形態のいずれにおいても、サイクリック−ジAMPを産生するように遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約0%〜2%〜4%、4%〜6%、6%〜8%、8%〜10%、10%〜12%、12%〜14%、14%〜16%、16%〜18%、18%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜35%、35%〜40%、40%〜45%、45%〜50%、50%〜55%、55%〜60%、60%〜65%、65%〜70%〜80%、80%〜90%、または90%〜100%多いサイクリックジAMPを産生する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約0〜1.0倍、1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍多いサイクリックジAMPを産生する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より約2〜3倍、3〜4倍、4〜5倍、5〜6倍、6〜7倍、7〜8倍、8〜9倍、9〜10倍、10〜15倍、15〜20倍、20〜30倍、30〜40倍、または40〜50倍、50〜100倍、100〜500倍、または500〜1000倍またはそれより多いサイクリックジAMPを産生する。
これらの実施形態のいずれにおいても、サイクリックジAMPを産生するように遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より、少なくとも約0%〜2%〜4%、4%〜6%、6%〜8%、8%〜10%、10%〜12%、12%〜14%、14%〜16%、16%〜18%、18%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜35%、35%〜40%、40%〜45%、45%〜50%、50%〜55%、55%〜60%、60%〜65%、65%〜70%〜80%、80%〜90%、または90%〜100%多いATPを消費する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約0〜1.0倍、1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍多いATPを消費する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より約2〜3倍、3〜4倍、4〜5倍、5〜6倍、6〜7倍、7〜8倍、8〜9倍、9〜10倍、10〜15倍、15〜20倍、20〜30倍、30〜40倍、40〜50倍、50〜100倍、100〜500倍、または500〜1000倍またはそれより多いサイクリック−ジ−AMPを産生する。
これらの実施形態のいずれにおいても、サイクリック−ジGAMPを産生するように遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約0%〜2%〜4%、4%〜6%、6%〜8%、8%〜10%、10%〜12%、12%〜14%、14%〜16%、16%〜18%、18%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜35%、35%〜40%、40%〜45%、45%〜50%、50%〜55%、55%〜60%、60%〜65%、65%〜70%〜80%、80%〜90%、または90%〜100%多いアルギニンを産生する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約0〜1.0倍、1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍多いサイクリックジGAMPを産生する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より約2〜3倍、3〜4倍、4〜5倍、5〜6倍、6〜7倍、7〜8倍、8〜9倍、9〜10倍、10〜15倍、15〜20倍、20〜30倍、30〜40倍、または40〜50倍、50〜100倍、100〜500倍、または500〜1000倍またはそれより多いサイクリック−ジGAMPを産生する。
これらの実施形態のいずれにおいても、サイクリック−ジGAMPを産生するように遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より、少なくとも約0%〜2%〜4%、4%〜6%、6%〜8%、8%〜10%、10%〜12%、12%〜14%、14%〜16%、16%〜18%、18%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜35%、35%〜40%、40%〜45%、45%〜50%、50%〜55%、55%〜60%、60%〜65%、65%〜70%〜80%、80%〜90%、または90%〜100%多いATPを消費する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約0〜1.0倍、1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍多いATPおよび/またはGTPを消費する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約2〜3倍、3〜4倍、4〜5倍、5〜6倍、6〜7倍、7〜8倍、8〜9倍、9〜10倍、10〜15倍、15〜20倍、20〜30倍、30〜40倍、または40〜50倍、50〜100倍、100〜500倍、または500〜1000倍またはそれよりATPおよび/またはGTPを消費する。
これらの実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌と比較して、STINGアゴニスト産生速度を少なくとも約0%〜2%〜4%、4%〜6%、6%〜8%、8%〜10%、10%〜12%、12%〜14%、14%〜16%、16%〜18%、18%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜35%、35%〜40%、40%〜45%、45%〜50%、50%〜55%、55%〜60%、60%〜65%、65%〜70%〜80%、80%〜90%、または90%〜100%上昇させる。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌と比較して、STINGアゴニスト産生速度を少なくとも約0〜1.0倍、1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍大きく上昇させる。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌と比較して、STINGアゴニスト産生速度を約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、または50倍、100倍、500倍、または1000倍上昇させる。
一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、4時間後、同じ細菌亜型の未改変細菌と比較して、STINGアゴニスト産生を少なくとも約80%〜100%増加させる。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、4時間後、同じ細菌亜型の未改変細菌と比較して、STINGアゴニスト産生を少なくとも約90%〜100%増加させる。1つの特定の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、4時間後、同じ細菌亜型の未改変細菌と比較して、STINGアゴニスト産生を約95%〜100%増加させる。1つの特定の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、4時間後、同じ細菌亜型の未改変細菌と比較して、STINGアゴニスト産生を少なくとも約99%〜100%増加させる。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、4時間後、STINGアゴニスト産生を少なくとも約10〜50倍増加させる。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、4時間後、STINGアゴニスト産生を少なくとも約50〜100倍増加させる。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、4時間後、STINGアゴニスト産生を少なくとも約100〜500倍増加させる。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、4時間後、STINGアゴニスト産生を少なくとも約500〜1000倍増加させる。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、4時間後、STINGアゴニスト産生を少なくとも約1000〜5000倍増加させる。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、4時間後、STINGアゴニスト産生を少なくとも約5000〜10000倍増加させる。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、4時間後、STINGアゴニスト産生を少なくとも約10000〜1000倍増加させる。
これらのSTINGアゴニスト産生実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、腫瘍細胞増殖を(細胞培養中にin vitroで、および/またはin vivoで)、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、少なくとも約0〜10%、10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく低減することができる。これらのSTINGアゴニスト産生実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、腫瘍成長を(細胞培養中にin vitroで、および/またはin vivoで)、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、少なくとも約0〜10%、10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく低減することができる。これらのSTINGアゴニスト産生実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、腫瘍サイズを(細胞培養中にin vitroで、および/またはin vivoで)、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、少なくとも約0〜10%、10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく低減することができる。これらのアゴニストSTINGアゴニスト産生実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、腫瘍体積を(細胞培養中にin vitroで、および/またはin vivoで)、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、少なくとも約0〜10%、10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく低減することができる。これらのSTINGアゴニスト産生実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、腫瘍重量を(細胞培養中にin vitroで、および/またはin vivoで)、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、少なくとも約0〜10%、10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく低減することができる。
一部の実施形態では、dacA(および/またはSTINGアゴニスト例えば、cGASの産生のための別の酵素)をコードする遺伝子配列を含む、遺伝子操作された細菌は、例えば細胞培養下の、マクロファージおよび/または樹状細胞中のIFN−β1 mRNAまたはタンパク質レベルを上昇させることができる。一部の実施形態では、IFN−β1 mRNAまたはタンパク質は、投与される細菌の用量に依存して増加する。一部の実施形態では、dacA(および/またはSTINGアゴニスト、例えば、cGASの産生のための別の酵素)をコードする遺伝子配列を含む、遺伝子操作された細菌は、例えば腫瘍内の、マクロファージおよび/または樹状細胞中のIFN−β1 mRNAまたはタンパク質レベルを上昇させることができる。一部の実施形態では、IFN−ベータ1 mRNAまたはタンパク質増加は、投与される細菌の投薬量に依存する。
一実施形態では、腫瘍内でのIFN−ベータ1 mRNAまたはタンパク質産生は、同じ条件下、同じ亜型の未改変細菌の投与時に、例えば、細菌の初回注射後2日目に、観察されるIFN−ベータ1産生レベルと比較して、約2倍、約3倍、約4倍である。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、例えば刺激後4時間の時点で、骨髄由来樹状細胞において少なくとも約6,000〜25,000、15,000〜25,000、6,000〜8,000、20,000〜25,000pg/mlのIFN b1 mRNAの産生を誘導する。
一部の実施形態では、dacA(またはSTINGアゴニストの産生のための別の酵素)をコードする遺伝子配列を含む、遺伝子操作された細菌は、例えば刺激後2または4時間の時点で、骨髄由来樹状細胞におけるIFN−b1産生を用量依存的に増加させることができる。
一部の実施形態では、dacA(またはSTINGアゴニストの産生のための別の酵素)をコードする遺伝子配列を含む、遺伝子操作された細菌は、例えば、細菌処置3回のレジメン後4または9日の時点で、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して腫瘍体積を低減させることができる。非限定的な例では、腫瘍体積は、9日後、約0〜30mm3である。
一部の実施形態では、27日間またはそれより長い間、1、4、および12日目に、または1週間に3回の腫瘍体積。一部の実施形態では、完全な腫瘍拒絶が観察される。
マウスのモデルにおける腫瘍体積を使用して、株の活性を特徴付けることができる。例えば、腫瘍体積は、A20 B細胞リンパ腫モデルまたは本明細書に記載されるかもしくは当該技術分野で公知の他のモデルなどの腫瘍モデルにおいて、27日間またはそれより長い間、1、4、および12日目、または1週間に3回、測定され得る。異なる用量を投与して、用量依存的応答を確立して示し、有効性および忍容性を確立することができる。腫瘍体積を、STINGアゴニスト株を投与した動物と、同じ条件下で、同じ亜型のSTING回路網を有さない株を投与した動物との間で比較してもよい。一部の実施形態では、腫瘍体積は、27日間またはそれよりも長い間、1、4、および12日目、または1週間に3回、測定され得る。一実施形態では、腫瘍体積は、STING産生株では、例えば、A20モデルにおいてアセスメントした場合、同じ条件下で、同じ亜型の未改変株と比較して、少なくとも約1〜2倍、2〜3倍、3〜4倍、4〜5倍、5〜6倍、6〜7倍、または7〜8倍低減される。一実施形態では、腫瘍体積は、5、8、または12日目に、A20マウスモデルにおいて、同じ条件下で、STING産生株と、同じ亜型の未改変株との間で比較することができる。一実施形態では、腫瘍体積は、STING産生株を10^8 CFUで投与した場合、12日後に、同じ条件下で、同じ亜型の未改変株と比較して、12日目に、少なくとも約6倍低減される。一実施形態では、腫瘍体積は、STING産生株を10^7 CFUで投与した場合、12日後に、同じ条件下で、同じ亜型の未改変株と比較して、12日目に、少なくとも約2倍〜3倍低減される。一実施形態では、腫瘍体積は、STING産生株を10^7 CFUで投与した場合、12日後に、同じ条件下で、同じ亜型の未改変株と比較して、12日目に、少なくとも約3倍〜4倍低減される。
STINGアゴニスト産生株の株の活性は、in vitroで、c−ジ−AMP産生(細胞においてまたは培地において)の測定を行うことによって、定義することができる。c−ジ−AMP産生は、1、2、3、4、5、6時間、またはそれより長い期間にわたって、測定することができる。一例では、c−ジ−AMPのレベルは、0、2、または4時間目に測定することができる。未改変Nissleは、そのような測定のベースラインとして使用することができる。STINGアゴニスト産生酵素が、化学インデューサーによって誘導されるプロモーターの制御下にある場合、インデューサーを添加する必要がある。STINGアゴニスト産生酵素が、外因性環境条件、例えば低酸素条件によって誘導されるプロモーターの制御下にある場合、細菌細胞は、これらの条件、例えば、低酸素条件下で、誘導される。追加のベースライン測定として、誘導可能であるSTINGアゴニスト産生株を、誘導しないまま残してもよい。インキュベーション時間の後に、c−ジAMPのレベルを、本明細書に記載されるように、LC−MSによって測定してもよい。一部の実施形態では、誘導されたSTINGアゴニスト産生株は、10^9当たり少なくとも約0.01mM〜1.4mMの濃度で、c−ジ−AMPを産生することができる。一部の実施形態では、誘導されたSTINGアゴニスト産生株は、例えば、2または4時間後に、10^9当たり、少なくとも約0.01mM〜0.02mM、0.02mM〜0.03mM、0.03mM〜0.04mM、0.04mM〜0.05mM、0.05mM〜0.06mM、0.06mM〜0.07mM、0.07mM〜0.08mM、0.08mM〜0.09mM、0.09mM〜0.10mM、0.10mM〜0.12mMの濃度で、c−ジ−AMPを産生することができる。一部の実施形態では、誘導されたSTINGアゴニスト産生株は、例えば、2または4時間後に、10^9当たり、少なくとも約0.1mM〜0.2mM、0.2mM〜0.3mM、0.3mM〜0.4mM、0.4mM〜0.5mM、0.5mM〜0.6mM、0.6mM〜0.7mM、0.7mM〜0.8mM、0.8mM〜0.9mM、0.9mM〜1mM、1mM〜1.2mM、1.2mM〜1.3mM、1.3mM〜1.4mMの濃度で、c−ジ−AMPを産生することができる。
STINGアゴニスト産生株の株の活性はまた、in vitroでの活性測定を使用して測定してもよい。in vitroでの株の活性の測定の非限定的な例では、培養物でのRAW 264.7細胞(または他のマクロファージもしくは樹状細胞)におけるIFN−ベータ1誘導が、測定され得る。株の活性は、様々な時点において、様々な感染多重度(MOI)で測定することができる。例えば、活性は、1、2、3、4、5、6時間、またはそれよりも遅くに、測定することができる。一例では、活性は、45分または4時間目に測定され得る。未改変Nissleは、そのような測定のベースラインとして使用することができる。STINGアゴニスト産生酵素が、化学インデューサーによって誘導されるプロモーターの制御下にある場合、インデューサーを添加する必要がある。STINGアゴニスト産生酵素が、外因性環境条件、例えば低酸素条件によって誘導されるプロモーターの制御下にある場合、細菌細胞は、これらの条件、例えば、低酸素条件下で、誘導される。追加のベースライン測定として、誘導可能であるSTINGアゴニスト産生株を、誘導しないまま残してもよい。インキュベーション時間の後、IFN−ベータのレベルを、タンパク質抽出物から測定することができるか、またはRNAレベルを、例えば、PCTに基づく方法によって分析することができる。一部の実施形態では、誘導されたSTINGアゴニスト産生株は、IFN−bレベルの用量依存的誘導を惹起し得る。一部の実施形態では、10^1〜10^2(感染多重度(MOI)により、同じ条件下で、例えば、4時間後、同じ亜型の未改変Nissle baseline株よりも、少なくとも約20〜25倍、25〜30倍、30〜35倍、35〜40倍、またはそれよりさらに高いIFN−ベータレベルを誘導することができる。一部の実施形態では、10^1〜10^2(感染多重度(MOI)により、例えば、4時間後、少なくとも約10,000〜12,000、12,000〜15,000、15,000〜20,000、または20,000〜25,000pg/培地mlのIFN−ベータを誘導することができる。
一部の実施形態では、10^1〜10^2(感染多重度(MOI)により、同じ条件下で、例えば、45分後、同じ亜型の野生型Nissleベースライン株よりも、少なくとも約10〜12倍、12〜15倍、15〜20倍、20〜25倍、またはそれよりさらに高いIFN−ベータレベルを誘導することができる。一部の実施形態では、10^1〜10^2(感染多重度(MOI)により、例えば、45分後、少なくとも約4,000〜6,000、6,000〜8,000、8,000〜10,000、または10,000〜12,000pg/培地mlのIFN−ベータを誘導することができる。
一部の実施形態では、STINGアゴニストを産生するように遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、少なくとも約0〜10%、10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、98%、またはそれより多く、奏功率を増加させることができる。一部の実施形態では、dacAをコードする遺伝子配列を含む遺伝子操作された細菌は、100%奏功率を達成する。
一部の実施形態では、奏功率は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌で観察されるものに比べて、少なくとも約0〜1.0倍、1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍である。さらに別の実施形態では、奏功率は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌で観察されるものより約2〜3倍、3〜4倍、4〜5倍、5〜6倍、6〜7倍、7〜8倍、8〜9倍、9〜10倍、10〜15倍、15〜20倍、20〜30倍、30〜40倍、もしくは40〜50倍、50〜100倍、100〜500倍、もしくは500〜1000倍、またはそれよりも高度である。
一部の実施形態では、ジアデニル酸シクラーゼ、例えば、DacA、ジ−GAMPシンターゼ、および/または他のSTINGアゴニスト産生ポリペプチドをコードする遺伝子配列を含む、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、少なくとも約0〜10%、10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、98%、またはそれより多くの腫瘍退縮を達成する。一部の実施形態では、腫瘍退縮は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌で観察されるものに比べて、少なくとも約0〜1.0倍、1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍である。さらに別の実施形態では、腫瘍退縮は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌で観察されるものより約2〜3倍、3〜4倍、4〜5倍、5〜6倍、6〜7倍、7〜8倍、8〜9倍、9〜10倍、10〜15倍、15〜20倍、20〜30倍、30〜40倍、もしくは40〜50倍、50〜100倍、100〜500倍、もしくは500〜1000倍、またはそれよりも高度である。
一部の実施形態では、ジアデニル酸シクラーゼ、例えば、DacA、ジ−GAMPシンターゼ、および/または他のSTINGアゴニスト産生ポリペプチドをコードする遺伝子配列を含む、遺伝子操作された細菌は、腫瘍流入領域リンパ節における総T細胞数を増加させる。一部の実施形態では、腫瘍流入領域リンパ節における総T細胞数の増加は、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、少なくとも約0〜10%、10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、98%であるか、またはそれよりも大きい。一部の実施形態では、総T細胞数の増加は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌で観察されるものに比べて、少なくとも約0〜1.0倍、1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍である。さらに別の実施形態では、総T細胞数の増加は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌で観察されるものより約2〜3倍、3〜4倍、4〜5倍、5〜6倍、6〜7倍、7〜8倍、8〜9倍、9〜10倍、10〜15倍、15〜20倍、20〜30倍、30〜40倍、または40〜50倍、50〜100倍、100〜500倍、または500〜1000倍大きい。
一部の実施形態では、ジアデニル酸シクラーゼ、例えば、DacA、ジ−GAMPシンターゼ、および/またはSTINGアゴニスト産生ポリペプチドをコードする遺伝子配列を含む、遺伝子操作された細菌は、腫瘍流入領域リンパ節における活性化エフェクターCD4およびCD8 T細胞のパーセンテージを増加させる。
一部の実施形態では、腫瘍流入領域リンパ節における活性化エフェクターCD4およびCD8 T細胞のパーセンテージは、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、少なくとも約0〜10%、10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、98%であるか、またはそれよりも高い。一部の実施形態では、活性化エフェクターCD4およびCD8 T細胞のパーセンテージは、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌で観察されるものに比べて、少なくとも約0〜1.0倍、1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍である。さらに別の実施形態では、活性化エフェクターCD4およびCD8 T細胞のパーセンテージは、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌で観察されるものより約2〜3倍、3〜4倍、4〜5倍、5〜6倍、6〜7倍、7〜8倍、8〜9倍、9〜10倍、10〜15倍、15〜20倍、20〜30倍、30〜40倍、または40〜50倍、50〜100倍、100〜500倍、または500〜1000倍高い。一実施形態では、細菌にコードされた遺伝子は、DacAであり、活性化エフェクターCD4およびCD8 T細胞のパーセンテージは、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌で観察されるものより2〜4倍高い。
一部の実施形態では、ジアデニル酸シクラーゼ、例えば、DacA、ジ−GAMPシンターゼ、および/または他のSTINGアゴニスト産生ポリペプチドをコードする遺伝子配列を含む、遺伝子操作された細菌は、腫瘍内の先天的サイトカインの早期上昇、およびその後のエフェクターT細胞応答の上昇を達成する。
一部の実施形態では、腫瘍微小環境における、dacA(またはSTINGアゴニストの産生のための他の酵素)をコードする遺伝子配列を含む、遺伝子操作された細菌は、免疫学的抑制を克服することができ、強固な自然および適応抗腫瘍免疫応答を生成することになる。一部の実施形態では、dacAをコードする遺伝子配列を含む遺伝子操作された細菌は、調節性T細胞の増殖または蓄積を阻害する。
一部の実施形態では、dacA、cGAS、および/またはSTINGアゴニストの産生のための他の酵素をコードする遺伝子配列を含む、遺伝子操作された細菌は、IL−6、IL−1ベータ、およびMCP−1を含むがこれらに限定されない、腫瘍内の先天的サイトカインの早期上昇を達成する。
一部の実施形態では、IL−6は、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、少なくとも約0〜10%、10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、98%、またはそれより多く、誘導される。一部の実施形態では、IL−6は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌で観察されるものより少なくとも約0〜1.0倍、1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍多く誘導される。さらに別の実施形態では、IL−6は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌で観察されるものより約2〜3倍、3〜4倍、4〜5倍、5〜6倍、6〜7倍、7〜8倍、8〜9倍、9〜10倍、10〜15倍、15〜20倍、20〜30倍、30〜40倍、もしくは40〜50倍、50〜100倍、100〜500倍、もしくは500〜1000倍、またはそれより多く、誘導される。一実施形態では、細菌にコードされた遺伝子は、dacAであり、誘導されるIL−6のレベルは、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌で観察されるものより約2〜3倍高い。
一部の実施形態では、腫瘍内IL−1bのレベルは、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、少なくとも約0〜10%、10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、98%、またはそれより多く、上昇する。一部の実施形態では、IL−1bのレベルは、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌で観察されるものより少なくとも約0〜1.0倍、1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍またはそれより多く上昇する。さらに別の実施形態では、IL−1bのレベルは、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌で観察されるものより約2〜3倍、3〜4倍、4〜5倍、5〜6倍、6〜7倍、7〜8倍、8〜9倍、9〜10倍、10〜15倍、15〜20倍、20〜30倍、30〜40倍、もしくは40〜50倍、50〜100倍、100〜500倍、もしくは500〜1000倍、またはそれより多く、上昇する。一実施形態では、細菌にコードされた遺伝子は、ジアデニル酸シクラーゼ、例えば、DacA、ジ−GAMPシンターゼ、および/または他のSTINGアゴニスト産生ポリペプチドであり、IL−1ベータのレベルは、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌で観察されるものより約2倍、3倍、または4倍高い。
一部の実施形態では、腫瘍内MCP1のレベルは、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、少なくとも約0〜10%、10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、98%、またはそれより多く、上昇する。一部の実施形態では、MCP1のレベルは、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌で観察されるものより少なくとも約0〜1.0倍、1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍またはそれより多く上昇する。さらに別の実施形態では、MCP1のレベルは、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌で観察されるものより約2〜3倍、3〜4倍、4〜5倍、5〜6倍、6〜7倍、7〜8倍、8〜9倍、9〜10倍、10〜15倍、15〜20倍、20〜30倍、30〜40倍、もしくは40〜50倍、50〜100倍、100〜500倍、もしくは500〜1000倍、またはそれより多く、上昇する。一実施形態では、細菌にコードされた遺伝子は、ジアデニル酸シクラーゼ、例えば、DacA、ジ−GAMPシンターゼ、および/または他のSTINGアゴニスト産生ポリペプチドであり、MCP1のレベルは、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌で観察されるものより約2倍、3倍、または4倍高い。
一部の実施形態では、ジアデニル酸シクラーゼ、例えば、dacA、ジ−GAMPシンターゼ、および/または他のSTINGアゴニスト産生ポリペプチドをコードする遺伝子配列を含む、遺伝子操作された細菌は、グランザイムB、IL−2、およびIL−15を含むがこれらに限定されない、エフェクターT細胞応答に対して関連性のある分子の活性化を達成する。
一部の実施形態では、腫瘍内グランザイムBのレベルは、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、少なくとも約0〜10%、10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、98%、またはそれより多く、上昇する。一部の実施形態では、グランザイムBのレベルは、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌で観察されるものより少なくとも約0〜1.0倍、1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍またはそれより多く上昇する。さらに別の実施形態では、グランザイムBのレベルは、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌で観察されるものより約2〜3倍、3〜4倍、4〜5倍、5〜6倍、6〜7倍、7〜8倍、8〜9倍、9〜10倍、10〜15倍、15〜20倍、20〜30倍、30〜40倍、もしくは40〜50倍、50〜100倍、100〜500倍、もしくは500〜1000倍、またはそれより多く、上昇する。一実施形態では、細菌にコードされた遺伝子は、ジアデニル酸シクラーゼ、例えば、DacA、ジ−GAMPシンターゼ、および/または他のSTINGアゴニスト産生ポリペプチドであり、グランザイムBのレベルは、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌で観察されるものより約2倍、3倍、または4倍高い。
一部の実施形態では、腫瘍内IL−2のレベルは、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、少なくとも約0〜10%、10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、98%、またはそれより多く、上昇する。一部の実施形態では、IL−2のレベルは、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌で観察されるものより少なくとも約0〜1.0倍、1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍またはそれより多く上昇する。さらに別の実施形態では、IL−2のレベルは、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌で観察されるものより約2〜3倍、3〜4倍、4〜5倍、5〜6倍、6〜7倍、7〜8倍、8〜9倍、9〜10倍、10〜15倍、15〜20倍、20〜30倍、30〜40倍、もしくは40〜50倍、50〜100倍、100〜500倍、もしくは500〜1000倍、またはそれより多く、上昇する。一実施形態では、細菌にコードされた遺伝子は、DacAであり、IL−2のレベルは、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌で観察されるものより約3倍、4倍、または5倍高い。
一部の実施形態では、腫瘍内IL−15のレベルは、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、少なくとも約0〜10%、10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、98%、またはそれより多く、上昇する。一部の実施形態では、IL−15のレベルは、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌で観察されるものより少なくとも約0〜1.0倍、1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍またはそれより多く上昇する。さらに別の実施形態では、IL−15のレベルは、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌で観察されるものより約2〜3倍、3〜4倍、4〜5倍、5〜6倍、6〜7倍、7〜8倍、8〜9倍、9〜10倍、10〜15倍、15〜20倍、20〜30倍、30〜40倍、もしくは40〜50倍、50〜100倍、100〜500倍、もしくは500〜1000倍、またはそれより多く、上昇する。一実施形態では、細菌にコードされた遺伝子は、DacAであり、IL−15のレベルは、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌で観察されるものより約2倍、3倍、倍、または5倍高い。
一部の実施形態では、腫瘍内IFNgのレベルは、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、少なくとも約0〜10%、10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、98%、またはそれより多く、上昇する。一部の実施形態では、IFNgのレベルは、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌で観察されるものより少なくとも約0〜1.0倍、1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍またはそれより多く上昇する。さらに別の実施形態では、IFNgのレベルは、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌で観察されるものより約2〜3倍、3〜4倍、4〜5倍、5〜6倍、6〜7倍、7〜8倍、8〜9倍、9〜10倍、10〜15倍、15〜20倍、20〜30倍、30〜40倍、もしくは40〜50倍、50〜100倍、100〜500倍、もしくは500〜1000倍、またはそれより多く、上昇する。一実施形態では、細菌にコードされた遺伝子は、ジアデニル酸シクラーゼ、例えば、DacA、ジ−GAMPシンターゼ、および/または他のSTINGアゴニスト産生ポリペプチドであり、IFNgのレベルは、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌で観察されるものより約2倍、3倍、または4倍高い。
一部の実施形態では、腫瘍内IL−12のレベルは、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、少なくとも約0〜10%、10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、98%、またはそれより多く、上昇する。一部の実施形態では、IL−12のレベルは、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌で観察されるものより少なくとも約0〜1.0倍、1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍またはそれより多く上昇する。さらに別の実施形態では、IL−12のレベルは、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌で観察されるものより約2〜3倍、3〜4倍、4〜5倍、5〜6倍、6〜7倍、7〜8倍、8〜9倍、9〜10倍、10〜15倍、15〜20倍、20〜30倍、30〜40倍、もしくは40〜50倍、50〜100倍、100〜500倍、もしくは500〜1000倍、またはそれより多く、上昇する。一実施形態では、細菌にコードされた遺伝子は、ジアデニル酸シクラーゼ、例えば、DacA、ジ−GAMPシンターゼ、および/または他のSTINGアゴニスト産生ポリペプチドであり、IL−12のレベルは、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌で観察されるものより約2倍、3倍、または4倍高い。
一部の実施形態では、腫瘍内TNFαのレベルは、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、少なくとも約0〜10%、10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、98%、またはそれより多く、上昇する。一部の実施形態では、TNFαのレベルは、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌で観察されるものより少なくとも約0〜1.0倍、1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍またはそれより多く上昇する。さらに別の実施形態では、TNFαのレベルは、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌で観察されるものより約2〜3倍、3〜4倍、4〜5倍、5〜6倍、6〜7倍、7〜8倍、8〜9倍、9〜10倍、10〜15倍、15〜20倍、20〜30倍、30〜40倍、もしくは40〜50倍、50〜100倍、100〜500倍、もしくは500〜1000倍、またはそれより多く、上昇する。一実施形態では、細菌にコードされた遺伝子は、ジアデニル酸シクラーゼ、例えば、DacA、ジ−GAMPシンターゼ、および/または他のSTINGアゴニスト産生ポリペプチドであり、TNF−aのレベルは、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌で観察されるものより少なくとも約2倍、3倍、または4倍高い。
一部の実施形態では、腫瘍におけるGM−CSFのレベルは、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、少なくとも約0〜10%、10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、98%、またはそれより大きく上昇される。一部の実施形態では、GM−CSFのレベルは、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌で観察されるものより少なくとも約0〜1.0倍、1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、もしくは2倍、またはそれより大きく上昇される。さらに別の実施形態では、GM−CSFのレベルは、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌で観察されるものより約2〜3倍、3〜4倍、4〜5倍、5〜6倍、6〜7倍、7〜8倍、8〜9倍、9〜10倍、10〜15倍、15〜20倍、20〜30倍、30〜40倍、もしくは40〜50倍、50〜100倍、100〜500倍、もしくは500〜1000倍、またはそれより大きく上昇される。一実施形態では、細菌にコードされた遺伝子は、ジアデニル酸シクラーゼ、例えば、DacA、ジ−GAMPシンターゼ、および/または他のSTINGアゴニスト産生ポリペプチドであり、GM−CSFのレベルは、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌で観察されるものより少なくとも約2倍、3倍、または4倍高い。
一部の実施形態では、ジアデニル酸シクラーゼ、例えば、DacA、ジ−GAMPシンターゼ、および/または他のSTINGアゴニスト産生ポリペプチドのうちの1つまたは複数をコードする遺伝子配列を含む、遺伝子操作された細菌の投与は、長期免疫学的記憶をもたらす。一部の実施形態では、ナイーブな年齢一致対照と比較して、少なくとも約0〜10%、10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、98%、またはそれよりも大きい、二次腫瘍チャレンジからの保護によって例証される、長期免疫学的記憶が、確立される。一部の実施形態では、ナイーブな年齢一致対照と比較して、少なくとも約0〜1.0倍、1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、もしくは2倍、またはそれよりも大きい、二次腫瘍チャレンジからの保護によって例証される、長期免疫学的記憶が、確立される。さらに別の実施形態では、ナイーブな年齢一致対照と比較して、少なくとも約2〜3倍、3〜4倍、4〜5倍、5〜6倍、6〜7倍、7〜8倍、8〜9倍、9〜10倍、10〜15倍、15〜20倍、20〜30倍、30〜40倍、もしくは40〜50倍、50〜100倍、100〜500倍、もしくは500〜1000倍、またはそれよりも大きい、二次腫瘍チャレンジからの保護によって例証される、長期免疫学的記憶が、確立される。
一部の実施形態では、c−ジGAMPシンターゼ、ジアデニル酸シクラーゼ、または他のSTINGアゴニスト産生ポリペプチドは、例えば、安定性を増強させるために、またはSTING作動作用を増大させるために、改変および/または突然変異される。一部の実施形態では、Vibrio choleraeまたはそのオルソログ(例えば、Verminephrobacter eiseniae、Kingella denitrificans、および/またはNeisseria bacilliformisに由来する)に由来するc−ジ−GAMPシンターゼは、またはヒトcGASは、例えば、安定性を増強するために、またはSTING作動作用を増大させるために、改変および/または突然変異される。一部の実施形態では、Listeria monocytogenes由来のジアデニル酸シクラーゼは、例えば、安定性を増強するために、またはSTING作動作用を増大させるために、改変および/または突然変異される。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌および/または他の微生物は、誘導条件下で、例えば、免疫抑制および/または腫瘍微小環境に関連する条件下で、1つまたは複数のジアデニル酸シクラーゼ、c−ジ−GAMPシンターゼおよび/または他のSTINGアゴニスト産生ポリペプチドを産生することができる。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌および/または他の微生物は、低酸素条件もしくはハイポキシック条件で、ある特定の分子もしくは代謝物の存在下で、がん、もしくはある特定の組織、免疫抑制、もしくは炎症に関連する分子もしくは代謝物の存在下で、または消化管、血行路、もしくは腫瘍内に存在することもあり、しないこともあり、in vitroで、株培養、拡大増殖、産生、および/もしくは製造中に存在することもある、代謝物、例えば、アラビノース、クメート、およびサリチレートの存在下で、ジアデニル酸シクラーゼ、c−ジ−GAMPシンターゼおよび/または他のSTINGアゴニスト産生ポリペプチドを産生することができる。一部の実施形態では、1つまたは複数の遺伝子操作された細菌は、ジアデニル酸シクラーゼ、c−ジ−GAMPシンターゼ、および/または他のSTINGアゴニスト産生ポリペプチドをコードする遺伝子配列を含み、ここで、ジアデニル酸シクラーゼ、c−ジ−GAMPシンターゼ、および/または他のSTINGアゴニスト産生ポリペプチドは、腫瘍微小環境の外因性環境条件によって誘導可能なプロモーターに作動可能に連結されている。一部の実施形態では、腫瘍微小環境の外因性環境条件は、低酸素条件である。一部の実施形態では、1つまたは複数の遺伝子操作された細菌は、ジアデニル酸シクラーゼ、c−ジ−GAMPシンターゼ、および/または他のSTINGアゴニスト産生ポリペプチドをコードする遺伝子配列を含み、ここで、ジアデニル酸シクラーゼ、c−ジ−GAMPシンターゼ、および/または他のSTINGアゴニスト産生ポリペプチドは、本明細書に記載されるクメートまたはサリチレートによって誘導可能なプロモーターに作動可能に連結されている。一部の実施形態では、ジアデニル酸シクラーゼ、c−ジ−GAMPシンターゼ、および/または他のSTINGアゴニスト産生ポリペプチドをコードする遺伝子配列は、構成的プロモーターに作動可能に連結されている。一部の実施形態では、ジアデニル酸シクラーゼ、c−ジ−GAMPシンターゼ、および/または他のSTINGアゴニスト産生ポリペプチドをコードする遺伝子配列は、1つもしくは複数のプラスミド(例えば、高コピー数または低コピー数プラスミド)上に存在するか、または細菌および/もしくは他の微生物の染色体内の1つもしくは複数の部位に組み込まれている。
これらの実施形態のいずれにおいても、本明細書に記載されるSTINGアゴニスト産生株のいずれも、栄養要求性の改変を含み得る。これらの実施形態のいずれにおいても、STINGアゴニスト産生株は、DapAの栄養要求性の改変、例えば、DapAの欠失または突然変異を含み得る。これらの実施形態のいずれにおいても、STINGアゴニスト産生株は、ThyAの栄養要求性の改変、例えば、ThyAの欠失または突然変異をさらに含み得る。これらの実施形態のいずれにおいても、STINGアゴニスト産生株は、DapAおよびThyA栄養要求体を含み得る。これらの実施形態のいずれにおいても、細菌は、内在性ファージの改変、例えば、内在性ファージの突然変異または欠失をさらに含み得る。非限定的な例では、細菌宿主は、E.coli Nissleであり、ファージの改変は、本明細書に記載のNissleファージ3の改変を含む。一例では、ファージの改変は、1つまたは複数の遺伝子の欠失、例えば、10kbの欠失である。
1つまたは複数のジアデニル酸シクラーゼ、c−ジ−GAMPシンターゼ、または他のSTINGアゴニスト産生ポリペプチドをコードする遺伝子配列を含む、遺伝子操作された細菌について記載しているこれらの実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、キヌレニナーゼ、例えば、Pseudomonas fluorescensに由来するキヌレニナーゼをコードし、(必要に応じて)TrpE遺伝子の改変、例えば、突然変異または欠失を有する、遺伝子配列をさらに含み得る。あるいは、1つまたは複数のジアデニル酸シクラーゼ、c−ジ−GAMPシンターゼ、または他のSTINGアゴニスト産生ポリペプチドをコードする遺伝子配列を含む、遺伝子操作された細菌は、キヌレニナーゼ、例えば、Pseudomonas fluorescensに由来するキヌレニナーゼをコードし、(必要に応じて)TrpE遺伝子の改変、例えば、突然変異または欠失を有する遺伝子配列を含む、遺伝子操作された細菌と組み合わせても、それとともに投与してもよい。
ある特定の実施形態では、1つまたは複数の遺伝子操作された細菌は、ジアデニル酸シクラーゼ、例えば、DacA、例えば、Listeria monocytogenesに由来するものをコードする遺伝子配列を含み、ここで、ジアデニル酸シクラーゼ遺伝子は、外因性環境条件、例えば、腫瘍微小環境内の条件下で誘導可能なプロモーターに作動可能に連結されている。一実施形態では、ジアデニル酸シクラーゼ遺伝子は、低酸素条件下で誘導可能なプロモーター、例えば、FNRプロモーターに作動可能に連結されている。ある特定の実施形態では、1つまたは複数の遺伝子操作された細菌は、ジアデニル酸シクラーゼ、例えば、dacA、例えば、Listeria monocytogenesに由来するものをコードする遺伝子配列を含み、ここで、ジアデニル酸シクラーゼは、本明細書に記載されるクメートまたはサリチレートによって誘導可能なプロモーターに作動可能に連結されている。ある特定の実施形態では、ジアデニル酸シクラーゼ遺伝子配列は、細菌の染色体に組み込まれている。適切な組込み部位は、本明細書に記載されている。非限定的な例では、ジアデニル酸シクラーゼ遺伝子は、HA910において組み込まれている。ある特定の実施形態では、ジアデニル酸シクラーゼをコードする遺伝子配列を含む細菌は、栄養要求性の改変をさらに含む。一部の実施形態では、改変、例えば、突然変異または欠失は、dapA遺伝子におけるものである。一部の実施形態では、改変、例えば、突然変異または欠失は、thyA遺伝子におけるものである。一部の実施形態では、改変、例えば、突然変異または欠失は、dapAおよびthyA遺伝子の両方におけるものである。これらの実施形態のいずれにおいても、細菌は、ファージの改変、例えば、内在性プロファージの突然変異または欠失をさらに含み得る。一例では、プロファージの改変は、1つまたは複数の遺伝子の欠失、例えば、10kbの欠失である。非限定的な例では、ジアデニル酸シクラーゼをコードする遺伝子配列を含む遺伝子操作された細菌は、E.coli Nissleに由来し、プロファージの改変は、本明細書に記載されるNissleプロファージ3の欠失または突然変異を含む。
1つまたは複数のジアデニル酸シクラーゼをコードする遺伝子配列を含む遺伝子操作された細菌のある特定の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、キヌレニナーゼ、例えば、Pseudomonas fluorescensに由来するキヌレニナーゼをコードし、(必要に応じて)TrpE遺伝子の改変、例えば、突然変異または欠失を有する、遺伝子配列をさらに含み得る。あるいは、1つまたは複数のジアデニル酸シクラーゼをコードする遺伝子配列を含む、遺伝子操作された細菌は、キヌレニナーゼ、例えば、Pseudomonas fluorescensに由来するキヌレニナーゼをコードし、(必要に応じて)TrpE遺伝子の改変、例えば、突然変異または欠失を有する遺伝子配列を含む、遺伝子操作された細菌と組み合わせても、それとともに投与してもよい。
1つの特定の実施形態では、1つまたは複数の遺伝子操作された細菌は、ジアデニル酸シクラーゼ、例えば、DacA、例えば、Listeria monocytogenesに由来するものをコードする遺伝子配列を含み、ここで、ジアデニル酸シクラーゼ遺伝子は、低酸素条件下で誘導可能なプロモーター、例えば、FNRプロモーターに作動可能に連結されている。dacA遺伝子配列は、例えば、組込み部位HA910において、細菌の染色体に組み込まれている。細菌は、栄養要求性の改変、例えば、dapAもしくはthyA、または両方の遺伝子の突然変異または欠失をさらに含む。細菌は、内在性ファージの改変、例えば、内在性ファージの突然変異または欠失、例えば、10kbの欠失をさらに含み得る。1つの特定の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、E.coli Nissleに由来し、ファージの改変は、例えば、本明細書に記載されるように、Nissleファージ3の欠失または突然変異を含む。
別の特定の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、キヌレニナーゼ、例えば、Pseudomonas fluorescensに由来するキヌレニナーゼをコードし、(必要に応じて)TrpE遺伝子の改変、例えば、突然変異または欠失を有する、遺伝子配列をさらに含み得る。あるいは、遺伝子操作された細菌は、キヌレニナーゼ、例えば、Pseudomonas fluorescensに由来するキヌレニナーゼをコードし、(必要に応じて)TrpE遺伝子の改変、例えば、突然変異または欠失を有する遺伝子配列を含む、遺伝子操作された細菌と組み合わせても、それとともに投与してもよい。
ある特定の実施形態では、1つまたは複数の遺伝子操作された細菌は、cGAMPシンターゼ、例えば、ヒトcGASをコードする遺伝子配列を含み、ここで、cGAS遺伝子は、外因性環境条件、例えば、腫瘍微小環境内の条件下で誘導可能なプロモーターに作動可能に連結されている。一実施形態では、cGAS遺伝子は、低酸素条件下で誘導可能なプロモーター、例えば、FNRプロモーターに作動可能に連結されている。ある特定の実施形態では、1つまたは複数の遺伝子操作された細菌は、cGAS、例えば、ヒトcGASをコードする遺伝子配列を含み、ここで、cGAS遺伝子は、本明細書に記載されるクメートまたはサリチレートによって誘導可能なプロモーターに作動可能に連結されている。ある特定の実施形態では、cGAS遺伝子配列は、細菌の染色体に組み込まれている。適切な組込み部位は、本明細書に記載されており、当該技術分野で公知である。ある特定の実施形態では、cGASをコードする遺伝子配列を含む細菌は、栄養要求性の改変、例えば、dapAもしくはthyA、または両方の遺伝子の突然変異または欠失をさらに含む。一部の実施形態では、改変、例えば、突然変異または欠失は、dapA遺伝子におけるものである。一部の実施形態では、改変、例えば、突然変異または欠失は、thyA遺伝子におけるものである。一部の実施形態では、改変、例えば、突然変異または欠失は、dapAおよびthyA遺伝子の両方におけるものである。これらの実施形態のいずれにおいても、細菌は、プロファージの改変、例えば、内在性プロファージの突然変異または欠失をさらに含み得る。一例では、プロファージの改変は、1つまたは複数の遺伝子の欠失、例えば、10kbの欠失である。非限定的な例では、cGASをコードする遺伝子配列を含む遺伝子操作された細菌は、E.coli Nissleに由来し、プロファージの改変は、本明細書に記載されるNissleファージ3の欠失または突然変異を含む。
1つまたは複数のcGASをコードする遺伝子配列を含む、遺伝子操作された細菌について記載しているこれらの実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、キヌレニナーゼ、例えば、Pseudomonas fluorescensに由来するキヌレニナーゼをコードし、(必要に応じて)TrpE遺伝子の改変、例えば、突然変異または欠失を有する、遺伝子配列をさらに含み得る。あるいは、1つまたは複数のcGASをコードする遺伝子配列を含む、遺伝子操作された細菌は、キヌレニナーゼ、例えば、Pseudomonas fluorescensに由来するキヌレニナーゼをコードし、(必要に応じて)TrpE遺伝子の改変、例えば、突然変異または欠失を有する遺伝子配列を含む、遺伝子操作された細菌と組み合わせても、それとともに投与してもよい。
一実施形態では、1つまたは複数の遺伝子操作された細菌は、cGAS、例えば、ヒトcGASをコードする遺伝子配列を含み、ここで、cGAS遺伝子は、低酸素条件下で誘導可能なプロモーター、例えば、FNRプロモーターに作動可能に連結されている。cGAS遺伝子配列は、細菌の染色体に組み込まれている。細菌は、栄養要求性の改変、例えば、dapAもしくはthyA、または両方の遺伝子の突然変異または欠失をさらに含む。細菌は、内在性ファージの改変、例えば、内在性ファージの突然変異または欠失、例えば、10kbの欠失をさらに含み得る。1つの特定の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、E.coli Nissleに由来し、ファージの改変は、例えば、本明細書に記載されるように、Nissleファージ3の欠失または突然変異を含む。
1つまたは複数のcGASをコードする遺伝子配列を含む、遺伝子操作された細菌の別の特定の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、キヌレニナーゼ、例えば、Pseudomonas fluorescensに由来するキヌレニナーゼをコードし、(必要に応じて)TrpE遺伝子の改変、例えば、突然変異または欠失を有する、遺伝子配列をさらに含み得る。あるいは、1つまたは複数のcGASをコードする遺伝子配列を含む、遺伝子操作された細菌は、キヌレニナーゼ、例えば、Pseudomonas fluorescensに由来するキヌレニナーゼをコードし、(必要に応じて)TrpE遺伝子の改変、例えば、突然変異または欠失を有する遺伝子配列を含む、遺伝子操作された細菌と組み合わせても、それとともに投与してもよい。
ある特定の実施形態では、1つまたは複数の遺伝子操作された細菌は、ジアデニル酸シクラーゼ、例えば、DacA、例えば、Listeria monocytogenesに由来するもの、およびcGAMPシンターゼ、例えば、ヒトcGASをコードする遺伝子配列を含む。ある特定の実施形態では、ジアデニル酸シクラーゼ遺伝子および/またはcGAS遺伝子は、外因性環境条件、例えば、腫瘍微小環境内の条件下で誘導可能なプロモーターに作動可能に連結されている。ある特定の実施形態では、ジアデニル酸シクラーゼ遺伝子および/またはcGAS遺伝子は、クメートもしくはサリチレート、または別の化学インデューサーによって誘導可能なプロモーターに作動可能に連結されている。ある特定の実施形態では、ジアデニル酸シクラーゼ遺伝子および/またはcGAS遺伝子は、構成的プロモーターに作動可能に連結されている。一実施形態では、ジアデニル酸シクラーゼ遺伝子および/またはcGAS遺伝子は、低酸素条件下で誘導可能なプロモーター、例えば、FNRプロモーターに作動可能に連結されている。ある特定の実施形態では、1つまたは複数の遺伝子操作された細菌は、ジアデニル酸シクラーゼ遺伝子、例えば、dacA、例えば、Listeria monocytogenesに由来するもの、およびcGAS、例えば、ヒトcGASをコードする遺伝子配列を含み、ここで、ジアデニル酸シクラーゼ遺伝子および/またはcGAS遺伝子は、本明細書に記載されるクメートまたはサリチレートによって誘導可能なプロモーターに作動可能に連結されている。ある特定の実施形態では、ジアデニル酸シクラーゼおよびcGAS遺伝子配列は、細菌の染色体に組み込まれている。適切な組込み部位は、本明細書に記載されており、当該技術分野で公知である。ある特定の実施形態では、ジアデニル酸シクラーゼおよびcGASをコードする遺伝子配列を含む細菌は、dapAもしくはthyA、または両方の遺伝子の突然変異または欠失をさらに含む。これらの実施形態のいずれにおいても、細菌は、プロファージの改変、例えば、内在性プロファージの突然変異または欠失をさらに含み得る。一例では、プロファージの改変は、1つまたは複数の遺伝子の欠失、例えば、10kbの欠失である。非限定的な例では、ジアデニル酸シクラーゼおよびcGASをコードする遺伝子配列を含む遺伝子操作された細菌は、E.coli Nissleに由来し、プロファージの改変は、本明細書に記載されるNissleファージ3の欠失または突然変異を含む。
1つまたは複数のジアデニル酸シクラーゼおよびcGAS産生ポリペプチドをコードする遺伝子配列を含む、遺伝子操作された細菌について記載しているこれらの実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、キヌレニナーゼ、例えば、Pseudomonas fluorescensに由来するキヌレニナーゼをコードし、(必要に応じて)TrpE遺伝子の改変、例えば、突然変異または欠失を有する、遺伝子配列をさらに含み得る。あるいは、1つまたは複数のジアデニル酸シクラーゼおよびcGASポリペプチドをコードする遺伝子配列を含む、遺伝子操作された細菌は、キヌレニナーゼ、例えば、Pseudomonas fluorescensに由来するキヌレニナーゼをコードし、(必要に応じて)TrpE遺伝子の改変、例えば、突然変異または欠失を有する遺伝子配列を含む、遺伝子操作された細菌と組み合わせても、それとともに投与してもよい。
1つの特定の実施形態では、1つまたは複数の遺伝子操作された細菌は、ジアデニル酸シクラーゼ、例えば、DacA、例えば、Listeria monocytogenesに由来するもの、およびcGAS、例えば、ヒトcGASをコードする遺伝子配列を含み、ここで、ジアデニル酸シクラーゼ遺伝子および/またはcGAS遺伝子は、低酸素条件下で誘導可能なプロモーター、例えば、FNRプロモーターに作動可能に連結されている。ジアデニル酸シクラーゼ遺伝子およびcGAS遺伝子配列は、細菌の染色体に組み込まれている。細菌は、栄養要求性の改変、例えば、dapAもしくはthyA、または両方の遺伝子の突然変異または欠失をさらに含む。細菌は、内在性ファージの改変、例えば、内在性ファージの突然変異または欠失、例えば、10kbの欠失をさらに含み得る。1つの特定の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、E.coli Nissleに由来し、ファージの改変は、例えば、本明細書に記載されるように、Nissleファージ3の欠失または突然変異を含む。
1つまたは複数のジアデニル酸シクラーゼおよびcGASポリペプチドをコードする遺伝子配列を含む、遺伝子操作された細菌の別の特定の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、キヌレニナーゼ、例えば、Pseudomonas fluorescensに由来するキヌレニナーゼをコードし、(必要に応じて)TrpE遺伝子の改変、例えば、突然変異または欠失を有する、遺伝子配列をさらに含み得る。あるいは、1つまたは複数のジアデニル酸シクラーゼおよびcGASポリペプチドをコードする遺伝子配列を含む、遺伝子操作された細菌は、キヌレニナーゼ、例えば、Pseudomonas fluorescensに由来するキヌレニナーゼをコードし、(必要に応じて)TrpE遺伝子の改変、例えば、突然変異または欠失を有する遺伝子配列を含む、遺伝子操作された細菌と組み合わせても、それとともに投与してもよい。
これらの実施形態のいずれにおいても、1つまたは複数のSTINGアゴニストを産生するように遺伝子操作された1つまたは複数の細菌は、単独で、または抗CTLA4、抗PD1、もしくは抗PD−L1抗体を含むがこれらに限定されない、本明細書に記載される1つもしくは複数の免疫チェックポイント阻害剤と組み合わせて投与してもよい。一部の実施形態では、STINGアゴニストを産生する1つまたは複数の遺伝子操作された細菌は、チェックポイント阻害剤療法と組み合わせて投与した場合に、免疫学的記憶を誘起する。
これらの実施形態のいずれにおいても、STINGアゴニストを産生するように遺伝子操作された1つまたは複数の細菌は、抗CTLA4、抗PD1、または抗PD−L1抗体を含むがこれらに限定されない、本明細書に記載される1つまたは複数の免疫チェックポイント阻害剤を産生し、それらの表面上に分泌または提示するように、遺伝子操作されていてもよい。一部の実施形態では、STINGアゴニスト産生のための1つまたは複数の酵素をコードする遺伝子配列、および1つまたは複数の免疫チェックポイント阻害剤抗体、例えば、scFv抗体をコードする遺伝子配列を含む、1つまたは複数の遺伝子操作された細菌は、腫瘍の再チャレンジ/再発の後に、免疫学的記憶を促進する。
これらの実施形態のいずれにおいても、1つまたは複数のSTINGアゴニストを産生するように遺伝子操作された1つまたは複数の細菌は、単独で、または抗OX40、抗41BB、もしくは抗GITR抗体を含むがこれらに限定されない、本明細書に記載される1つもしくは複数の免疫刺激アゴニスト、例えば、アゴニスト抗体と組み合わせて投与してもよい。一部の実施形態では、STINGアゴニストを産生する1つまたは複数の遺伝子操作された細菌は、抗OX40、抗41BB、または抗GITR抗体と組み合わせて投与した場合に、免疫学的記憶を誘起する。
これらの実施形態のいずれにおいても、STINGアゴニストを産生するように遺伝子操作された1つまたは複数の細菌は、抗OX40、抗41BB、または抗GITR抗体を含むがこれらに限定されない、本明細書に記載される1つまたは複数の免疫刺激アゴニスト、例えば、アゴニスト抗体を産生し、それらの表面上に分泌または提示するように、遺伝子操作されていてもよい。一部の実施形態では、1つまたは複数のSTINGアゴニスト産生酵素をコードする遺伝子配列、および例えば、抗OX40、抗41BB、または抗GITR抗体から選択される1つまたは複数の共刺激抗体をコードする遺伝子配列を含む、1つまたは複数の遺伝子操作された細菌は、免疫学的記憶を誘起する。
一実施形態では、STINGアゴニスト産生株の投与は、単独で投与するか、またはチェックポイント阻害剤療法および/もしくは共刺激抗体、例えば、抗OX40、抗41BB、もしくは抗GITR抗体から選択されるものと組み合わせて投与した場合に、アブスコパル効果を惹起する。一実施形態では、ジアデニル酸シクラーゼ、例えば、DacA、例えば、Listeria monocytogenesに由来するものをコードする1つまたは複数の遺伝子を含む、遺伝子操作された細菌の投与は、アブスコパル効果を惹起する。一実施形態では、アブスコパル効果は、2日目〜3日目の間に観察される。一実施形態では、cGAS、例えば、ヒトcGASをコードする1つまたは複数の遺伝子を含む遺伝子操作された細菌の投与は、アブスコパル効果を惹起する。
また、一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌および/または他の微生物は、記載の回路のいずれか1つまたは複数をさらに発現することができ、以下のものの1つまたは複数をさらに含む:(1)1つまたは複数の栄養要求体、例えば、当技術分野において公知の、および本明細書で提供される、任意の栄養要求体、例えばdapAおよびthyA栄養要求体、(2)1つまたは複数のキルスイッチ回路、例えば、本明細書に記載の、またはそうでなければ当技術分野において公知の、キルスイッチのいずれか、(3)1つまたは複数の抗生物質耐性回路、(4)生体分子または基質を移入するための1つまたは複数の輸送体、例えば、本明細書に記載の、またはそうでなければ当技術分野において公知の、輸送体のいずれか、(5)1つまたは複数の分泌回路、例えば、本明細書に記載の、でなければ当技術分野において公知の、分泌回路のいずれか、(6)1つまたは複数の表面提示回路、例えば、本明細書に記載の、でなければ当技術分野において公知の、表面提示回路のいずれか、(7)本明細書に記載の1つまたは複数の代謝物(例えば、キヌレニン、トリプトファン、アデノシン、アルギニン)の産生または分解のための1つまたは複数の回路、(8)本明細書に記載される1つまたは複数の免疫イニシエーター(例えば、STINGアゴニスト、CD40L、SIRPα)、(9)本明細書に記載される1つまたは複数の免疫サステナー(例えば、IL−15、IL−12、CXCL10)、ならびに(10)そのような追加の回路のうちの1つまたは複数の組合せ。
CD40
CD40は、抗原提示細胞上に見られる共刺激タンパク質であり、それらの細胞の活性化に必要とされる。ヘルパーT細胞上のCD154(CD40L)のCD40との結合は、抗原提示細胞を活性化し、様々な下流免疫刺激効果を誘導する。一部の実施形態では、免疫モジュレーターは、CD40のアゴニスト、例えば、アゴニスト抗CD40抗体、アゴニスト抗CD40抗体断片、CD40リガンド(CD40L)ポリペプチド、およびCD40Lポリペプチド断片から選択されるアゴニストである。したがって、一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、アゴニスト抗CD40抗体もしくはその断片、またはCD40リガンド(CD40L)ポリペプチドもしくはその断片をコードする配列を含む。
したがって、一部の実施形態では、操作された細菌は、アゴニスト抗CD40抗体もしくはその断片、またはCD40リガンド(CD40L)ポリペプチドもしくはその断片を産生するように操作されている。一部の実施形態では、操作された細菌は、アゴニスト抗CD40抗体もしくはその断片、またはCD40リガンド(CD40L)ポリペプチドもしくはその断片をコードするための配列を含む。一部の実施形態では、操作された細菌は、CD40に対する抗体の1つまたは複数のコピーをコードする遺伝子配列を含む。一部の実施形態では、CD40は、ヒトCD40である。一部の実施形態では、抗CD40抗体は、scFvである。一部の実施形態では、抗CD40抗体は、分泌される。一部の実施形態では、抗CD40抗体は、細胞表面に提示される。これらの実施形態のいずれにおいても、アゴニスト抗CD40抗体もしくはその断片、またはCD40リガンド(CD40L)ポリペプチドもしくはその断片をコードする遺伝子配列は、例えば本明細書に記載されるような分泌タグを、さらにコードする。
これらの実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約0%〜2%〜4%、4%〜6%、6%〜8%、8%〜10%、10%〜12%、12%〜14%、14%〜16%、16%〜18%、18%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜35%、35%〜40%、40%〜45%、45%〜50%、50%〜55%、55%〜60%、60%〜65%、65%〜70%〜80%、80%〜90%、または90%〜100%多いCD40リガンドを産生する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍多いCD40リガンドを産生する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、または50倍、100倍、500倍、または1000倍多いCD40リガンドを産生する。
これらの実施形態のいずれにおいても、CD40リガンドを産生するように遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約0%〜2%〜4%、4%〜6%、6%〜8%、8%〜10%、10%〜12%、12%〜14%、14%〜16%、16%〜18%、18%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜35%、35%〜40%、40%〜45%、45%〜50%、50%〜55%、55%〜60%、60%〜65%、65%〜70%〜80%、80%〜90%、または90%〜100%多いCD40リガンドを分泌する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍多いCD40リガンドを分泌する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、50倍、100倍、500倍、または1000倍多いCD40リガンドを分泌する。
一部の実施形態では、CD40リガンドを分泌するように遺伝子操作された細菌は、細胞増殖を、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく低減させることができる。
一部の実施形態では、CD40リガンドを分泌するように遺伝子操作された細菌は、腫瘍増殖を、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく低減させることができる。一部の実施形態では、CD40リガンドを分泌するように遺伝子操作された細菌は、腫瘍サイズを、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく低減させることができる。一部の実施形態では、CD40リガンドを分泌するように遺伝子操作された細菌は、腫瘍体積を、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく低減させることができる。一部の実施形態では、CD40リガンドを分泌するように遺伝子操作された細菌は、腫瘍重量を、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく低減させることができる。一部の実施形態では、CD40リガンドを分泌するように遺伝子操作された細菌は、奏効率を、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく増大させることができる。一部の実施形態では、CD40リガンドを産生するように遺伝子操作された細菌は、樹状細胞および/またはマクロファージにおいてCCR7発現を増加させることができる。
一部の実施形態では、CCR7は、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、98%、またはそれより多く誘導される。一部の実施形態では、CCR7は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌で観察されるものより約1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍多く誘導される。さらに別の実施形態では、CCR7は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌で観察されるものより約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、または50倍、100倍、500倍、または1000倍もしくはそれより多く誘導される。一実施形態では、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌で観察されるものより25%〜55%、約30〜45%高い、マクロファージにおいて誘導されるCCR7のレベル。
一実施形態では、樹状細胞において誘導されるCCR7のレベルは、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌で観察されるものより約2倍高い。
一部の実施形態では、CD40リガンドを産生するように遺伝子操作された細菌は、樹状細胞および/またはマクロファージ上でのCCR7発現を増加させることができる。
一部の実施形態では、CD40は、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、98%、またはそれより多く誘導される。一部の実施形態では、CD40は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌で観察されるものより約1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍多く誘導される。さらに別の実施形態では、CD40は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌で観察されるものより約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、または50倍、100倍、500倍、または1000倍もしくはそれより多く誘導される。一実施形態では、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌で観察されるものより30%〜50%高い、マクロファージにおいて誘導されるCD40のレベル。
一実施形態では、樹状細胞において誘導されるCD40のレベルは、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌で観察されるものより約10%高い。
したがって、一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号1093の1つまたは複数と約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有するCD40リガンドポリペプチドをコードする。別の実施形態では、ポリペプチドは、配列番号1093を含む。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌により発現されるポリペプチドは、配列番号1093からなる。
一部の実施形態では、遺伝子操作された微生物は、低酸素条件で、ならびに/あるいはがんおよび/または腫瘍微小環境、または組織特異的分子もしくは代謝物の存在下で、ならびに/あるいは炎症または免疫抑制に関連する分子または代謝物の存在下で、ならびに/あるいは消化管内に存在し得る代謝物の存在下で、ならびに/あるいはin vivoで存在することもあり、しないこともあり、in vitroで、株培養、拡大増殖、産生、および/または製造中に存在することもある、代謝物、例えば、アラビノース、クメート、およびサリチレート、ならびに本明細書に記載されている他のものの存在下で、アゴニスト抗CD40抗体もしくはその断片、またはCD40リガンド(CD40L)ポリペプチドもしくはその断片をコードする記載の回路のうちのいずれか1つまたは複数を発現することができる。一部の実施形態では、遺伝子配列は、そのような条件および/またはインデューサーにより誘導可能なプロモーターによって制御される。一部の実施形態では、遺伝子配列は、構成的プロモーターにより制御され、本明細書に記載の、in vivo条件および/またはin vitro条件で、例えば、拡大増殖、産生および/または製造中に発現される。一部の実施形態では、記載の回路のいずれか1つまたは複数は、1つもしくは複数のプラスミド(例えば、高コピー数もしくは低コピー数プラスミド)上に存在するか、または微生物染色体内の1つもしくは複数の部位に組み込まれている。
これらの実施形態のいずれにおいても、アゴニスト抗CD40抗体もしくはその断片、またはCD40リガンド(CD40L)ポリペプチドもしくはその断片をコードする遺伝子配列を含む、遺伝子操作された細菌は、1つまたは複数のさらなるエフェクター分子、すなわち、治療用分子または代謝変換因子をコードする遺伝子配列をさらに含む。これらの実施形態のいずれにおいても、アゴニスト抗CD40抗体もしくはその断片、またはCD40リガンド(CD40L)ポリペプチドもしくはその断片をコードする回路は、同じかまたは異なる細菌株において、本明細書に記載される1つまたは複数の免疫イニシエーターまたは免疫サステナーをコードする回路と組み合わせることができる(組合せ回路または株の混合物)。免疫イニシエーターまたは免疫サステナーをコードする回路は、構成的または誘導性プロモーター、例えば、低酸素誘導性プロモーターまたは本明細書に記載される任意の他の構成的もしくは誘導性プロモーターの制御下にあり得る。
これらの実施形態のいずれにおいても、アゴニスト抗CD40抗体もしくはその断片、またはCD40リガンド(CD40L)ポリペプチドもしくはその断片をコードする遺伝子配列は、同じかまたは異なる細菌株において、本明細書に記載される1つまたは複数のSTINGアゴニスト産生酵素をコードする遺伝子配列と組み合わせることができる(組合せ回路または株の混合物)。一部の実施形態では、アゴニスト抗CD40抗体もしくはその断片、またはCD40リガンド(CD40L)ポリペプチドもしくはその断片をコードする遺伝子配列と組み合わされる遺伝子配列は、DacAをコードする。DacAは、構成的または誘導性プロモーター、例えば、低酸素誘導性プロモーター、例えば、FNR、または本明細書に記載される任意の他の構成的もしくは誘導性プロモーターの制御下にあり得る。一部の実施形態では、dacA遺伝子は、染色体に組み込まれている。一部の実施形態では、アゴニスト抗CD40抗体もしくはその断片、またはCD40リガンド(CD40L)ポリペプチドもしくはその断片をコードする遺伝子配列と組み合わされる遺伝子配列は、cGASをコードする。cGASは、構成的または誘導性プロモーター、例えば、低酸素誘導性プロモーター、例えば、FNR、または本明細書に記載される任意の他の構成的もしくは誘導性プロモーターの制御下にあり得る。一部の実施形態では、cGASをコードする遺伝子は、染色体に組み込まれている。
これらの組合せの実施形態のいずれにおいても、細菌は、栄養要求性の改変、例えば、DapA、ThyA、または両方の突然変異または欠失をさらに含み得る。これらの実施形態のいずれにおいても、細菌は、ファージの改変、例えば、本明細書に記載される内在性プロファージの突然変異または欠失をさらに含み得る。
また、一部の実施形態では、遺伝子操作された微生物は、アゴニスト抗CD40抗体もしくはその断片、またはCD40リガンド(CD40L)ポリペプチドもしくはその断片をコードする記載の回路のうちのいずれか1つまたは複数を発現することができ、以下のうちの1つまたは複数をさらに含む:(1)1つまたは複数の栄養要求体、例えば、当技術分野において公知の、本明細書に提供される、任意の栄養要求体、例えば、thyA栄養要求体、(2)1つまたは複数のキルスイッチ回路、例えば、本明細書に記載されるか、またはそうでなければ当該技術分野において公知の、キルスイッチのうちのいずれか、(3)1つまたは複数の抗生物質耐性回路、(4)生体分子または基質を移入するための1つまたは複数の輸送体、例えば、本明細書に記載されるか、またはそうでなければ当該技術分野において公知の、輸送体のうちのいずれか、(5)1つまたは複数の分泌回路、例えば、本明細書に記載され、そうでなければ当該技術分野において公知の、分泌回路のうちのいずれか、(6)1つまたは複数の表面提示回路、例えば、本明細書に記載され、そうでなければ当該技術分野において公知の、表面提示回路のうちのいずれか、および(7)本明細書に記載される1つまたは複数の代謝物(例えば、キヌレニン、トリプトファン、アデノシン、アルギニン)の産生または分解のための1つまたは複数の回路、(8)このような追加の回路のうちの1つまたは複数の組合せ。これらの実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、単独で、または抗CTLA4、抗PD1、もしくは抗PD−L1抗体を含むがこれらに限定されない、本明細書に記載される1つもしくは複数の免疫チェックポイント阻害剤と組み合わせて投与してもよい。
GMCSF
コロニー刺激因子2(CSF2)としても公知の、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)は、マクロファージ、T細胞、マスト細胞、NK細胞、内皮細胞および線維芽細胞により分泌される単量体糖タンパク質である。GM−CSFは、免疫系の発達を助長しかつ感染に対する防御を促進するサイトカインとして機能する、白血球成長因子である。例えば、GM−CSFは、顆粒球(好中球、好酸球および好塩基球)および単球を産生するように幹細胞を刺激し、単球は、血行路を出て組織に遊走し、するとすぐに成熟して、マクロファージおよび樹状細胞になる。GM−CSFは、免疫/炎症カスケードの一部であり、このカスケードは、少数のマクロファージの活性化がそれらの数の急速な増加につながるカスケードであり、このプロセスは、感染との戦いに極めて重要である。GM−CSFは、シグナル伝達兼転写活性化因子、STAT5を介して、またはSTAT3(マクロファージを活性化する)を介して、シグナル伝達する。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、樹状細胞活性化をモジュレートする免疫モジュレーターを産生することができる。一部の実施形態では、免疫モジュレーターは、GM−CSFである。したがって、一部の実施形態では、操作された細菌は、GM−CSFを産生するように操作されている。一部の実施形態では、操作された細菌は、GM−CSFをコードする配列を含む。一部の実施形態では、操作された細菌は、GM−CSFをコードするための配列、およびGM−CSFの分泌のための分泌ペプチドをコードするための配列を含む。例示的な分泌タグおよび分泌方法は、本明細書に記載されている。
一部の実施形態では、遺伝子操作された微生物は、低酸素条件で、ならびに/あるいはがんの存在下で、および/または腫瘍微小環境、または組織特異的分子もしくは代謝物において、ならびに/あるいは炎症または免疫抑制に関連する分子または代謝物の存在下で、ならびに/あるいは消化管内に存在し得る代謝物の存在下で、ならびに/あるいはin vivoで存在することもあり、しないこともあり、in vitroで、株培養、拡大増殖、産生、および/または製造中に存在することもある、代謝物、例えば、アラビノース、クメート、およびサリチレート、ならびに本明細書に記載される他のものの存在下で、記載のGM−CSF回路のうちのいずれか1つまたは複数を発現することができる。一部の実施形態では、そのようなインデューサーは、エフェクター遺伝子発現を誘導するために、in vivoで投与され得る。一部の実施形態では、GM−CSFをコードする遺伝子配列は、そのような条件および/またはインデューサーにより誘導可能なプロモーターによって制御される。一部の実施形態では、GM−CSFをコードする遺伝子配列は、本明細書に記載される構成的プロモーターによって制御される。一部の実施形態では、遺伝子配列は、構成的プロモーターによって制御され、本明細書に記載の、in vivo条件および/またはin vitro条件で、例えば、拡大増殖、産生、および/または製造中に発現される。一部の実施形態では、GM−CSFをコードする記載の遺伝子配列のうちのいずれか1つまたは複数は、1つもしくは複数のプラスミド(例えば、高コピー数または低コピー数プラスミド)上に存在するか、または微生物の染色体内の1つもしくは複数の部位に組み込まれている。
これらの実施形態のいずれにおいても、GM−CSFをコードする遺伝子配列を含む、遺伝子操作された細菌は、1つまたは複数のさらなるエフェクター分子、すなわち、治療用分子または代謝変換因子をコードする遺伝子配列をさらに含む。これらの実施形態のいずれにおいても、GM−CSFをコードする回路は、同じかまたは異なる細菌株において、本明細書に記載される1つまたは複数の免疫イニシエーターまたは免疫サステナーをコードする回路と組み合わせることができる(組合せ回路または株の混合物)。免疫イニシエーターまたは免疫サステナーをコードする回路は、構成的または誘導性プロモーター、例えば、低酸素誘導性プロモーターまたは本明細書に記載される任意の他の構成的もしくは誘導性プロモーターの制御下にあり得る。
これらの実施形態のいずれにおいても、GM−CSFをコードする遺伝子配列は、同じかまたは異なる細菌株において、本明細書に記載される1つまたは複数のSTINGアゴニスト産生酵素をコードする遺伝子配列と組み合わせることができる(組合せ回路または株の混合物)。一部の実施形態では、GM−CSFをコードする遺伝子配列と組み合わされる遺伝子配列は、DacAをコードする。DacAは、構成的または誘導性プロモーター、例えば、低酸素誘導性プロモーター、例えば、FNR、または本明細書に記載される任意の他の構成的もしくは誘導性プロモーターの制御下にあり得る。一部の実施形態では、dacA遺伝子は、染色体に組み込まれている。一部の実施形態では、GM−CSFをコードする遺伝子配列と組み合わされる遺伝子配列は、cGASをコードする。cGASは、構成的または誘導性プロモーター、例えば、低酸素誘導性プロモーター、例えば、FNR、または本明細書に記載される任意の他の構成的もしくは誘導性プロモーターの制御下にあり得る。一部の実施形態では、cGASをコードする遺伝子は、染色体に組み込まれている。
これらの組合せの実施形態のいずれにおいても、細菌は、栄養要求性の改変、例えば、DapA、ThyA、または両方の突然変異または欠失をさらに含み得る。これらの実施形態のいずれにおいても、細菌は、ファージの改変、例えば、本明細書に記載される内在性プロファージの突然変異または欠失をさらに含み得る。
一部の実施形態では、遺伝子操作された微生物は、GM−CSFをコードする記載の回路のうちのいずれか1つまたは複数を発現することができ、以下のうちの1つまたは複数をさらに含む:(1)1つまたは複数の栄養要求体、例えば、当該技術分野で公知であり、本明細書に提供される、任意の栄養要求体、例えば、thyA栄養要求体、(2)1つまたは複数のキルスイッチ回路、例えば、本明細書に記載されるか、またはそうでなければ当該技術分野において公知の、キルスイッチのうちのいずれか、(3)1つまたは複数の抗生物質耐性回路、(4)生体分子または基質を移入するための1つまたは複数の輸送体、例えば、本明細書に記載されるか、またはそうでなければ当該技術分野において公知の、輸送体のうちのいずれか、(5)1つまたは複数の分泌回路、例えば、本明細書に記載され、そうでなければ当該技術分野において公知の、分泌回路のうちのいずれか、(6)1つまたは複数の表面提示回路、例えば、本明細書に記載され、そうでなければ当該技術分野において公知の、表面提示回路のうちのいずれか、および(7)本明細書に記載される1つまたは複数の代謝物(例えば、キヌレニン、トリプトファン、アデノシン、アルギニン)の産生または分解のための1つまたは複数の回路、(8)このような追加の回路のうちの1つまたは複数の組合せ。これらの実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、単独で、または抗CTLA4、抗PD1、もしくは抗PD−L1抗体を含むがこれらに限定されない、本明細書に記載される1つもしくは複数の免疫チェックポイント阻害剤と組み合わせて投与してもよい。
エフェクター免疫細胞(免疫刺激因子)の活性化およびプライミング
T細胞活性化因子
サイトカインおよびサイトカイン受容体
CD4(表面抗原分類4)は、免疫細胞、例えば、細胞、単球、マクロファージおよび樹状細胞の表面に見られる糖タンパク質である。CD4+ヘルパーT細胞は、他の種類の免疫細胞にシグナルを送ることによって、B細胞の形質細胞およびメモリーB細胞への成熟、ならびに細胞傷害性T細胞およびマクロファージの活性化を含む、免疫学的プロセスにおいて、他の免疫細胞を支援するように働く、白血球である。ヘルパーT細胞は、抗原提示細胞(APC)の表面に発現されるMHCクラスII分子によってペプチド抗原とともに提示されると活性化される。活性化されると、ヘルパーT細胞は分裂し、活性免疫応答を調節または支援するサイトカインを分泌する。ヘルパーT細胞は、いくつかのサブタイプのうちの1つに分化することができ、そのようなサブタイプは、TH1、TH2、TH3、TH17、TH9またはTFH細胞を含み、これらは、異なるサイトカインを分泌して、異なるタイプの免疫応答を助長する。
細胞傷害性T細胞(TC細胞、またはCTL)は、ウイルス感染細胞および腫瘍細胞を破壊し、移植拒絶反応にも関与する。これらの細胞は、それらの表面でCD8糖タンパク質を発現することから、CD8+T細胞としても公知である。細胞傷害性T細胞は、すべての有核細胞の表面に存在するMHCクラスI分子と会合している抗原と結合することにより、それらの標的を認識する。
一部の実施形態では、遺伝子操作された微生物、例えば、遺伝子操作された細菌は、1つまたは複数のエフェクターT細胞、例えば、CD4+細胞および/またはCD8+細胞をモジュレートする、1つまたは複数のエフェクター分子または免疫モジュレーターを産生することができる。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、1つまたは複数のエフェクターT細胞、例えば、CD4+および/またはCD8+細胞の分化を活性化、刺激および/または誘導する、1つまたは複数のエフェクター分子を産生することができる。一部の実施形態では、免疫モジュレーターは、エフェクターT細胞、例えば、CD4+および/またはCD8+細胞の分化を活性化、刺激および/または誘導する、サイトカインである。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、IL−2、IL−15、IL−12、IL−7、IL−21、IL−18、TNF、およびIFN−ガンマから選択される1つまたは複数のサイトカインを産生する。本明細書で使用される場合、1つまたは複数のサイトカインの産生は、別のサイトカインまたは他の免疫モジュレーション分子に連結されたペプチドを介して融合されている、1つまたは複数のサイトカインを含む融合タンパク質を含む。例としては、IL−12およびIL−15融合タンパク質が挙げられるが、これらに限定されない。一般に、本明細書に記載のすべてのアゴニストおよびアンタゴニストを、ペプチドリンカーを介して目的の別のポリペプチドと融合させて、それらの機能を向上させることまたは変更することができる。例えば、一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、IL−2、IL−15、IL−12、IL−7、IL−21、IL−18、TNF、およびIFN−ガンマから選択される1つまたは複数のサイトカインをコードする配列を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された微生物は、1つまたは複数のサイトカイン融合タンパク質をコードする。そのような融合タンパク質の非限定的な例としては、抗体ポリペプチドに作動可能に連結した1つまたは複数のサイトカインポリペプチドであって、抗体が、腫瘍特異的抗原を認識することによってサイトカインを腫瘍と近接させる、サイトカインポリペプチドが挙げられる。
インターロイキン12(IL−12)は、その作用が自然免疫と適応免疫間の相互接続を生じさせる、サイトカインである。IL−12は、活性化樹状細胞、単球、マクロファージおよび好中球はもちろん、他の細胞型も含む、多数の免疫細胞によって分泌される。IL−12は、p35およびp40サブユニットからなるヘテロ二量体タンパク質(IL−12−p70;IL−12−p35/p40)であり、IL−12R−β1およびIL−12R−β2という2つのサブユニットで構成されている受容体と結合する。IL−12受容体は、NK細胞、TおよびBリンパ球を含む、多数の免疫細胞上に、構成的または誘導的に発現される。IL−12が結合すると、受容体は、活性化され、JAK/STAT経路を介した下流のシグナル伝達が開始され、その結果として、IL−12に対する細胞応答が生じる。IL−12は、IL−12作用の最も強力なメディエーターであるIFN−γのNK細胞およびT細胞からの産生を増加させることによって作用する。加えて、IL−12は、活性化NK細胞、CD8+およびCD4+T細胞の成長および細胞傷害性を促進し、CD4+Th0細胞の分化をTh1表現型にシフトさせる。さらに、IL−12は、腫瘍細胞に対する抗体依存性細胞傷害(ADCC)、およびIgGの誘導、およびB細胞からのIgE産生の抑制を増強する。加えて、IL−12はまた、骨髄系由来サプレッサー細胞の再プログラミングに関与し、Th1型免疫応答を指示し、MHCクラスI分子の発現の増加を助長する(例えば、Waldmannら、Cancer Immunol Res 2015年3月、3巻;219頁に概説されている)。
したがって、一部の実施形態では、操作された細菌は、IL−12を産生するように操作されている。一部の実施形態では、操作された細菌は、IL−12(すなわち、p35およびp40サブユニット)をコードするための配列を含む。一部の実施形態では、操作された細菌は、例えば、強力なプロモーターに動作可能に連結した、および/またはIL−12遺伝子配列の1つより多くのコピーを含む、IL−12を過剰発現するように、操作されている。一部の実施形態では、操作された細菌は、IL−12の2つまたはそれより多いコピー、例えば、IL−12遺伝子の2、3、4、5、6またはそれより多いコピーをコードする配列を含む。一部の実施形態では、操作された細菌は、IL−12の産生を刺激する1つまたは複数の免疫モジュレーターを産生する。一部の実施形態では、操作された細菌は、IL−12をコードするための配列、およびIL−12の分泌のための分泌ペプチドをコードするための配列を含む。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、2つのインターロイキン−12単量体サブユニット(IL−12A(p35)およびIL−12B(p40))がリンカーにより共有結合で連結されている、遺伝子配列を含む。一部の実施形態では、リンカーは、セリングリシンリッチリンカーである。一実施形態では、遺伝子配列は、「GGGGSGGGGSGGGGS(配列番号1247)」のアミノ酸数15のリンカーが、強制二量体ヒトIL−12(diIL−12)融合タンパク質を産生するように、2つの単量体サブユニット(IL−12A(p35)およびIL−12B(p40))の間に挿入されている、構築物をコードする。一部の実施形態では、遺伝子配列は、発現のために、例えば、E.coliにおける発現のために、コドン最適化される。遺伝子操作された細菌が、2つのサブユニットが連結されているIL−12の発現のための遺伝子配列を含む、実施形態のいずれにおいても、遺伝子配列は、分泌タグをさらに含むことができる。分泌タグは、本明細書に記載のまたは当技術分野において公知の分泌タグのいずれかを含む。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号1169、配列番号1170、配列番号1171、配列番号1172、配列番号1173、配列番号1174、配列番号1175、配列番号1176、配列番号1177、配列番号1178、配列番号1179、配列番号1191、配列番号1192、配列番号1193、および配列番号1194から選択される配列と少なくとも約80%の同一性を有する、IL−12(p40)サブユニットに連結されたIL−12(p35)サブユニットをコードする遺伝子配列を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号1169、配列番号1170、配列番号1171、配列番号1172、配列番号1173、配列番号1174、配列番号1175、配列番号1176、配列番号1177、配列番号1178、配列番号1179、配列番号1191、配列番号1192、配列番号1193、および配列番号1194から選択される配列と少なくとも約90%の同一性をほぼ有することがある、IL−12(p40)サブユニットに連結されたIL−12(p35)サブユニットをコードする遺伝子配列を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号1169、配列番号1170、配列番号1171、配列番号1172、配列番号1173、配列番号1174、配列番号1175、配列番号1176、配列番号1177、配列番号1178、配列番号1179、配列番号1191、配列番号1192、配列番号1193、および配列番号1194から選択される配列と少なくとも約95%の同一性をほぼ有することがある、IL−12(p40)サブユニットに連結されたIL−12(p35)サブユニットをコードする遺伝子配列を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号1169、配列番号1170、配列番号1171、配列番号1172、配列番号1173、配列番号1174、配列番号1175、配列番号1176、配列番号1177、配列番号1178、配列番号1179、配列番号1191、配列番号1192、配列番号1193、および配列番号1194から選択される配列またはその機能性断片と約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%の同一性を有する、IL−12(p40)サブユニットに連結されたIL−12(p35)サブユニットをコードする遺伝子配列を含む。別の実施形態では、IL−12(p40)サブユニットに連結されたIL−12(p35)サブユニットは、配列番号1169、配列番号1170、配列番号1171、配列番号1172、配列番号1173、配列番号1174、配列番号1175、配列番号1176、配列番号1177、配列番号1178、配列番号1179、配列番号1191、配列番号1192、配列番号1193、および配列番号1194から選択される配列を含む。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌により発現される、IL−12(p40)サブユニットに連結されたIL−12(p35)サブユニットは、配列番号1169、配列番号1170、配列番号1171、配列番号1172、配列番号1173、配列番号1174、配列番号1175、配列番号1176、配列番号1177、配列番号1178、配列番号1179、配列番号1191、配列番号1192、配列番号1193、および配列番号1194から選択される配列からなる。遺伝子操作された細菌が、IL−12(p40)サブユニットに連結されたIL−12(p35)サブユニットをコードする、これらの実施形態のいずれにおいても、V5、FLAGまたはHisタグなどの、タグをコードする配列の1つまたは複数は、除去される。他の実施形態では、分泌タグは除去され、異なる分泌タグにより置換される。
これらの実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約0%〜2%〜4%、4%〜6%、6%〜8%、8%〜10%、10%〜12%、12%〜14%、14%〜16%、16%〜18%、18%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜35%、35%〜40%、40%〜45%、45%〜50%、50%〜55%、55%〜60%、60%〜65%、65%〜70%〜80%、80%〜90%、または90%〜100%多いIL−12を産生する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍多いIL−12を産生する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、または50倍、100倍、500倍、または1000倍多いIL−12を産生する。
これらの実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、例えば4時間の誘導後、培地1ml当たり少なくとも約5〜10、10〜20、20〜30、30〜40、40〜50、50〜60、60〜70、80〜90、90〜100、100〜150、150〜200、200〜250、250〜300、300〜350、350〜400pgを産生する。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、例えば4時間の誘導後、培地1ml当たり少なくとも約195、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490または500pgを産生する。
これらの実施形態のいずれにおいても、IL−12を産生するように遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約0%〜2%〜4%、4%〜6%、6%〜8%、8%〜10%、10%〜12%、12%〜14%、14%〜16%、16%〜18%、18%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜35%、35%〜40%、40%〜45%、45%〜50%、50%〜55%、55%〜60%、60%〜65%、65%〜70%〜80%、80%〜90%、または90%〜100%多いIL−12を分泌する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍多いIL−12を分泌する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、または50倍、100倍、500倍、または1000倍多いIL−12を分泌する。
一部の実施形態では、IL−12を分泌するように遺伝子操作された細菌は、細胞増殖を、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく低減することができる。
一部の実施形態では、IL−12を分泌するように遺伝子操作された細菌は、腫瘍増殖を、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく低減することができる。一部の実施形態では、IL−12を分泌するように遺伝子操作された細菌は、腫瘍サイズを、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく低減することができる。一部の実施形態では、IL−12を分泌するように遺伝子操作された細菌は、腫瘍体積を、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく低減することができる。一部の実施形態では、IL−12を分泌するように遺伝子操作された細菌は、腫瘍重量を、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく低減することができる。一部の実施形態では、IL−12を分泌するように遺伝子操作された細菌は、奏効率を、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく増大することができる。
IL−15は、自然免疫系と適応免疫系両方の恒常性において多面的機能を示し、3つのサブユニットで構成されているヘテロ三量体受容体であるIL−15受容体と結合する。アルファサブユニットは、IL−15に特異的であるが、ベータ(CD122)およびガンマ(CD132)サブユニットは、IL−2受容体と共有され、JAK/STAT経路を介して共同でシグナル伝達することができる。
IL−15は、樹状細胞、単球およびマクロファージを含む、いくつかの細胞型により産生される。同じ細胞において産生されたIL−15RαおよびIL−15の同時発現は、IL−15のIL−15Rαとの細胞内結合を可能にし、これは、その後、複合体として細胞表面にピストン輸送される。細胞表面にピストン輸送されると、次いで、これらの細胞のIL−15Rαは、IL−15を発現しないCD8 T細胞、NK細胞およびNK−T細胞のIL−15Rβ−γcに、IL−15をトランス提示することができ、これにより、いわゆる免疫学的シナプスの形成が誘導される。マウスおよびヒトIL−15Rαは、両方とも、結合した膜中に存在し、およびまた可溶性形態で存在する。可溶性IL−15Rα(sIL−15Rα)は、膜貫通受容体からタンパク質切断によって構成的に生成される。
IL−15は、リンパ球発生、および自然免疫細胞の末梢維持、ならびにT細胞、特に、ナチュラルキラー(NK)およびCD8+T細胞集団の免疫学的記憶に、非常に重要である。IL−2とは対照的に、IL−15は、Tregの維持を促進せず、さらに、IL−15は、IL−2により媒介される活性化誘導細胞死からエフェクターT細胞を保護することが示されている。
それ故に、IL−15の送達は、長期にわたる抗腫瘍免疫のための有望な戦略と考えられる。組換えヒトIL−15のヒトで初めての臨床試験において、NK細胞10倍拡大増殖、ならびにγδT細胞およびCD8+T細胞の増殖の有意な増加が、処置時に観察された。加えて、サイトカイン−受容体融合複合体を含有するIL−15スーパーアゴニストが開発され、応答長を延長することが評価されている。これらは、L−15 N72Dスーパーアゴニスト/IL−15RαSushi−Fc融合複合体(IL−15SA/IL−15RαSu−Fc;ALT−803)を含む(Kimら、2016年 IL−15 superagonist/IL−15RαSushi−Fc fusion complex (IL−15SA/IL− 15RαSu−Fc; ALT−803) markedly enhances specific subpopulations of NK and memory CD8+ T cells,
and mediates potent anti−tumor activity against murine breast and colon carcinomas)。
したがって、一部の実施形態では、操作された細菌は、IL−15を産生するように操作されている。一部の実施形態では、IL−15は分泌される。
IL−15の生物活性は、IL−15を融合タンパク質IL−15Rα−Fcと前もって会合させることによって、または細胞会合IL−15RαによるIL−15のトランス提示を模倣するためのIL−15Rαのsushiドメインとの直接融合(ハイパーIL−15)によって、大きく向上される。単独で、またはIL−15Rαとの複合体として、いずれかで投与されたIL−15は、動物モデルにおいて強力な抗腫瘍活性を示す(Chengら、Immunotherapy of metastatic and autochthonous liver cancer with IL−15/IL−15Rα fusion protein;Oncoimmunology.2014年;3巻(11号):e963409頁、およびその中の参考文献)。
一部の実施形態では、操作された細菌は、IL−15をコードする遺伝子配列を含む。一部の実施形態では、操作された細菌は、IL−15Raをコードするための配列を含む。一部の実施形態では、操作された細菌は、IL−15をコードするための配列、およびIL−15Raをコードするための配列を含む。一部の実施形態では、操作された細菌は、IL−15およびIL−15Raを含む融合ポリペプチドをコードするための配列を含む。一部の実施形態では、操作された細菌は、IL−15をコードする配列、および分泌タグをコードする配列を含む。例示的な分泌タグは、当該技術分野で公知であり、本明細書に記載されている。
これらの実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約0%〜2%〜4%、4%〜6%、6%〜8%、8%〜10%、10%〜12%、12%〜14%、14%〜16%、16%〜18%、18%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜35%、35%〜40%、40%〜45%、45%〜50%、50%〜55%、55%〜60%、60%〜65%、65%〜70%〜80%、80%〜90%、または90%〜100%多いIL−15またはIL−15/IL−15Rα融合タンパク質を産生する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍多いIL−15またはIL−15/IL−15Rα融合タンパク質を産生する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、または50倍、100倍、500倍、または1000倍多いIL−15またはIL−15/IL−15Rα融合タンパク質を産生する。
これらの実施形態のいずれにおいても、IL−15またはIL−15/IL−15Rα融合タンパク質を産生するように遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約0%〜2%〜4%、4%〜6%、6%〜8%、8%〜10%、10%〜12%、12%〜14%、14%〜16%、16%〜18%、18%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜35%、35%〜40%、40%〜45%、45%〜50%、50%〜55%、55%〜60%、60%〜65%、65%〜70%〜80%、80%〜90%、または90%〜100%多いIL−15またはIL−15/IL−15Rα融合タンパク質を分泌する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍多いIL−15またはIL−15/IL−15Rα融合タンパク質を分泌する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、または50倍、100倍、500倍、または1000倍多いIL−15またはIL−15/IL−15Rα融合タンパク質を分泌する。
一部の実施形態では、IL−15またはIL−15/IL−15Rα融合タンパク質を分泌するように遺伝子操作された細菌は、細胞増殖を、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく低減させることができる。一部の実施形態では、IL−15またはIL−15/IL−15Rα融合タンパク質を分泌するように遺伝子操作された細菌は、腫瘍成長を、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく低減させることができる。一部の実施形態では、IL−15またはIL−15/IL−15Rα融合タンパク質を分泌するように遺伝子操作された細菌は、腫瘍サイズを、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく低減させることができる。一部の実施形態では、IL−15またはIL−15/IL−15Rα融合タンパク質を産生するように遺伝子操作された細菌は、腫瘍体積を、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく低減させることができる。一部の実施形態では、IL−15またはIL−15/IL−15Rα融合タンパク質を産生するように遺伝子操作された細菌は、腫瘍重量を、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく低減させることができる。一部の実施形態では、IL−15またはIL−15/IL−15Rα融合タンパク質を産生するように遺伝子操作された細菌は、奏功率を、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく上昇させることができる。
一部の実施形態では、IL−15またはIL−15/IL−15Rα融合タンパク質を産生するように遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく、NK細胞の拡大増殖を促進することができる。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍高度に、NK細胞の拡大増殖を促進する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の細菌より少なくとも3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、50倍、100倍、500倍、または1000倍高度に、NK細胞の拡大増殖を促進する。
一部の実施形態では、IL−15またはIL−15/IL−15Rα融合タンパク質を産生するように遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより高度に、γδT細胞および/またはCD8+T細胞の増殖を増加させることができる。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍高度に、γδT細胞および/またはCD8+T細胞の増殖を増加させる。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、50倍、100倍、500倍、または1000倍高度に、γδT細胞および/またはCD8+T細胞の増殖を増加させる。
一部の実施形態では、IL−15またはIL−15/IL−15Rα融合タンパク質を産生するように遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きい親和性によりIL−15またはIL−15/IL−15Rα融合タンパク質受容体と結合することができる。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍大きい親和性でIL−15またはIL−15/IL−15Rα融合タンパク質受容体と結合する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、50倍、100倍、500倍、または1000倍もしくはそれより大きい親和性で、IL−15またはIL−15/IL−15Rα融合タンパク質受容体と結合することができる。
一部の実施形態では、分泌のためのIL−15をコードする1つまたは複数の遺伝子を含む遺伝子操作された細菌は、例えばCD3+IL15RAアルファ+T細胞において、STAT5リン酸化を誘導することができる。一部の実施形態では、IL−15またはIL−15/IL−15Rα融合タンパク質を産生するように遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれよりもっと高レベルにSTAT5リン酸化を誘導することができる。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍もしくはそれよりもっと高レベルにSTAT5リン酸化を誘導する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、50倍、100倍、500倍、または1000倍もしくはそれよりもっと高レベルにSTAT5リン酸化を誘導する。一実施形態では、IL−15分泌株は、同じ条件下で、同じ量で、rhIL15のものに匹敵するSTAT5リン酸化を誘導する。
一部の実施形態では、分泌のためのIL−15をコードする1つまたは複数の遺伝子を含む遺伝子操作された細菌は、例えばCD3+IL15RAアルファ+T細胞において、STAT3リン酸化を誘導することができる。一部の実施形態では、分泌のためのIL−15をコードする1つまたは複数の遺伝子を含む遺伝子操作された細菌は、例えばCD3+IL15RAアルファ+T細胞において、STAT3リン酸化を誘導することができる。一部の実施形態では、IL−15またはIL−15/IL−15Rα融合タンパク質を産生するように遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれよりもっと高レベルにSTAT3リン酸化を誘導することができる。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍もしくはそれよりもっと高レベルにSTAT3リン酸化を誘導する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、50倍、100倍、500倍、または1000倍もしくはもっと高レベルにSTAT3リン酸化を誘導する。一実施形態では、IL−15分泌株は、同じ条件下で、同じ量で、rhIL15のものに匹敵するSTAT3リン酸化を誘導する。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号1133、配列番号1134、配列番号1135、配列番号1136から選択される配列と少なくとも約80%の同一性を有する1つまたは複数のIL−15、IL−Rアルファ、リンカー、およびIL−15−IL15Rアルファ融合ポリペプチドをコードする遺伝子配列を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号1133、配列番号1134、配列番号1135、配列番号1136から選択される配列と少なくとも約90%の同一性を有する1つまたは複数のIL−15、IL−Rアルファ、リンカー、およびIL−15−IL15Rアルファ融合ポリペプチドをコードする遺伝子配列を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号1133、配列番号1134、配列番号1135、配列番号1136から選択される配列と少なくとも約90%の同一性を有する1つまたは複数のIL−15、IL−Rアルファ、リンカー、およびIL−15−IL15Rアルファ融合ポリペプチドをコードする遺伝子配列を含む。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号1133、配列番号1134、配列番号1135、配列番号1136から選択される1つもしくは複数のポリペプチドまたはその機能性断片と少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約99%同一性を有するポリペプチドをコードする遺伝子配列を含む。他の特定の実施形態では、ポリペプチドは、配列番号1133、配列番号1134、配列番号1135、配列番号1136から選択される1つまたは複数のポリペプチドからなる。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、IL−15、IL−Rアルファ、リンカー、およびIL−15−IL15Rアルファ融合タンパク質またはその断片もしくは機能性バリアントをコードする遺伝子配列を含む。一実施形態では、IL−15またはIL−15融合タンパク質をコードする遺伝子配列は、配列番号1338、配列番号1339、配列番号1340、配列番号1341、配列番号1342、配列番号1343、配列番号1344から選択される配列と少なくとも約90%の同一性を有する。一実施形態では、IL−15またはIL−15融合タンパク質をコードする遺伝子配列は、配列番号1338、配列番号1339、配列番号1340、配列番号1341、配列番号1342、配列番号1343、配列番号1344から選択される配列と少なくとも約80%の同一性を有する。一実施形態では、IL−15またはIL−15融合タンパク質をコードする遺伝子配列は、配列番号1338、配列番号1339、配列番号1340、配列番号1341、配列番号1342、配列番号1343、配列番号1344から選択される配列と少なくとも約95%の同一性を有する。ある特定の実施形態では、IL−15、IL−Rアルファ、リンカー、およびIL−15−IL15Rアルファ融合タンパク質配列は、配列番号1338、配列番号1339、配列番号1340、配列番号1341、配列番号1342、配列番号1343、配列番号1344から選択される1つもしくは複数のポリヌクレオチドまたはその機能性断片と少なくとも約80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%の同一性を有する。一部の特定の実施形態では、遺伝子配列は、配列番号1338、配列番号1339、配列番号1340、配列番号1341、配列番号1342、配列番号1343、配列番号1344から選択される1つまたは複数のポリヌクレオチドを含む。他の特定の実施形態では、遺伝子配列は、配列番号1338、配列番号1339、配列番号1340、配列番号1341、配列番号1342、配列番号1343、配列番号1344から選択される1つまたは複数のポリヌクレオチドからなる。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、IL−15もしくはIL−15融合タンパク質、またはその断片もしくは機能性バリアントをコードする、遺伝子配列を含む。一実施形態では、IL−15またはIL−15融合タンパク質をコードする遺伝子配列は、配列番号1345、配列番号1200、配列番号1201、配列番号1202、配列番号1203、配列番号1204、および配列番号1199から選択される配列と少なくとも約80%の同一性を有する。別の実施形態では、IL−15またはIL−15融合タンパク質をコードする遺伝子配列は、配列番号1345、配列番号1200、配列番号1201、配列番号1202、配列番号1203、配列番号1204、および配列番号1199から選択される配列と少なくとも約85%の同一性を有する。一実施形態では、IL−15またはIL−15融合タンパク質をコードする遺伝子配列は、配列番号1345、配列番号1200、配列番号1201、配列番号1202、配列番号1203、配列番号1204、および配列番号1199から選択される配列と少なくとも約90%の同一性を有する。一実施形態では、遺伝子配列IL−15またはIL−15融合タンパク質は、配列番号1345、配列番号1200、配列番号1201、配列番号1202、配列番号1203、配列番号1204、および配列番号1199から選択される配列と少なくとも約95%の同一性を有する。別の実施形態では、IL−15またはIL−15融合タンパク質をコードする遺伝子配列は、配列番号1345、配列番号1200、配列番号1201、配列番号1202、配列番号1203、配列番号1204、および配列番号1199から選択される配列と少なくとも約96%、97%、98%または99%の同一性を有する。したがって、一実施形態では、IL−15またはIL−15融合タンパク質をコードする遺伝子配列は、配列番号1345、配列番号1200、配列番号1201、配列番号1202、配列番号1203、配列番号1204、および配列番号1199から選択される配列と少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%の同一性を有する。別の実施形態では、IL−15またはIL−15融合タンパク質をコードする遺伝子配列は、配列番号1345、配列番号1200、配列番号1201、配列番号1202、配列番号1203、配列番号1204、および配列番号1199から選択される配列を含む。さらに別の実施形態では、IL−15またはIL−15融合タンパク質をコードする遺伝子配列は、配列番号1345、配列番号1200、配列番号1201、配列番号1202、配列番号1203、配列番号1204、および配列番号1199から選択される配列からなる。これらの実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、IL−15またはIL−15融合タンパク質をコードし、タグをコードする配列の1つまたは複数の配列は、除去される。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号1195、配列番号1196、配列番号1197、および配列番号1198から選択される配列と少なくとも約80%の同一性を有する本明細書に記載のIL−15またはIL−15融合タンパク質をコードする遺伝子配列を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号1195、配列番号1196、配列番号1197、および配列番号1198から選択される配列と少なくとも約90%の同一性をほぼ有することがあるIL−15またはIL−15融合タンパク質をコードする遺伝子配列を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号1195、配列番号1196、配列番号1197、および配列番号1198から選択される配列と少なくとも約95%の同一性をほぼ有することがあるIL−15またはIL−15融合タンパク質をコードする遺伝子配列を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号1195、配列番号1196、配列番号1197、および配列番号1198から選択される配列またはその機能性断片と約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%の同一性を有するIL−15またはIL−15融合タンパク質をコードする遺伝子配列を含む。別の実施形態では、IL−15またはIL−15融合タンパク質は、配列番号1195、配列番号1196、配列番号1197および配列番号1198から選択される配列を含む。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌により発現されるIL−15またはIL−15融合タンパク質は、配列番号1195、配列番号1196、配列番号1197および配列番号1198から選択される配列からなる。遺伝子操作された細菌がIL−15またはIL−15融合タンパク質をコードする、これらの実施形態のいずれにおいても、分泌タグを除去してもよく、異なる分泌タグで置換してもよい。
インターフェロンガンマ(IFNγまたはII型インターフェロン)は、ウイルス、一部の細菌および原虫感染に対する自然または適応免疫に、非常に重要なサイトカインである。IFNγは、マクロファージを活性化し、クラスII主要組織適合複合体(MHC)分子発現を誘導する。IFNγは、ウイルス複製を阻害することができ、免疫系において免疫刺激および免疫モジュレーション効果を有する。IFNγは、主として、ナチュラルキラー(NK)およびナチュラルキラーT(NKT)細胞により自然免疫応答の一部として、ならびにCD4 Th1およびCD8細胞傷害性Tリンパ球(CTL)エフェクターT細胞により産生される。抗原特異的免疫が発生すると、IFNγは、ヘルパーT細胞(特に、Th1細胞)、細胞傷害性T細胞(TC細胞)およびNK細胞のみによって分泌される。IFNγは、非常に多くの免疫刺激効果を有し、免疫系においていくつかの異なる役割を果たし、そのような役割には、NK細胞活性の促進、マクロファージの抗原提示およびリソソーム活性の増大、誘導性一酸化窒素シンターゼiNOSの活性化、活性化血漿B細胞からのある特定のIgGの産生、細胞免疫につながるTh1分化の促進が含まれる。IFNγはまた、正常細胞に、抗原提示細胞上でのクラスI MHC分子はもちろんクラスII MHCの発現を増加させ、白血球遊走に関連する接着および結合を促進し、マクロファージの、それらが細胞内生物を死滅させる点でより強力になるような、活性化による肉芽腫形成に関与する。
これらの実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約0%〜2%〜4%、4%〜6%、6%〜8%、8%〜10%、10%〜12%、12%〜14%、14%〜16%、16%〜18%、18%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜35%、35%〜40%、40%〜45%、45%〜50%、50%〜55%、55%〜60%、60%〜65%、65%〜70%〜80%、80%〜90%、または90%〜100%多いIFN−ガンマを産生する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍多いIFN−ガンマを産生する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、または50倍、100倍、500倍、または1000倍多いIFN−ガンマを産生する。
これらの実施形態のいずれにおいても、IFN−ガンマを産生するように遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約0%〜2%〜4%、4%〜6%、6%〜8%、8%〜10%、10%〜12%、12%〜14%、14%〜16%、16%〜18%、18%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜35%、35%〜40%、40%〜45%、45%〜50%、50%〜55%、55%〜60%、60%〜65%、65%〜70%〜80%、80%〜90%、または90%〜100%多いIFN−ガンマを分泌する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍多いIFN−ガンマを分泌する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、または50倍、100倍、500倍、または1000倍多いIFN−ガンマを分泌する。
一部の実施形態では、IFN−ガンマを分泌するように遺伝子操作された細菌は、細胞増殖を、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく低減させることができる。
一部の実施形態では、IFN−ガンマをコードする1つまたは複数の遺伝子を含む遺伝子操作された細菌は、マクロファージ細胞系においてSTAT1リン酸化を誘導する。これらの実施形態のいずれにおいても、IFN−ガンマを産生するように遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より0%〜2%〜4%、4%〜6%、6%〜8%、8%〜10%、10%〜12%、12%〜14%、14%〜16%、16%〜18%、18%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜35%、35%〜40%、40%〜45%、45%〜50%、50%〜55%、55%〜60%、60%〜65%、65%〜70%〜80%、80%〜90%、または90%〜100%もしくはそれより高レベルにSTAT1リン酸化を誘導する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍もしくはそれより高レベルにSTAT1リン酸化を誘導する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、または50倍、100倍、500倍、または1000倍もしくはそれより高いレベルにSTAT1リン酸化を誘導する。
1つの特定の実施形態では、細菌は、腫瘍におけるIFNガンマ産生を、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌と比較して腫瘍1グラム当たり0.1、0.2、0.3ng増加させることができる。1つの特定の実施形態では、細菌は、IFNガンマ産生を、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌と比較して約5、10または15倍増加させることができる。
一部の実施形態では、IFNガンマを分泌するように遺伝子操作された細菌は、腫瘍成長を、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく低減させることができる。
一部の実施形態では、IFNガンマを分泌するように遺伝子操作された細菌は、腫瘍サイズを、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく低減させることができる。一部の実施形態では、IFNガンマを産生するように遺伝子操作された細菌は、腫瘍体積を、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく低減させることができる。一部の実施形態では、IFNガンマを産生するように遺伝子操作された細菌は、腫瘍重量を、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく低減させることができる。一部の実施形態では、IFNガンマを産生するように遺伝子操作された細菌は、奏功率を、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく上昇させることができる。
インターロイキン−18(IL−18、これは、インターフェロン−ガンマ誘導因子としても公知である)は、IL−1スーパーファミリーに属する炎症性サイトカインであり、マクロファージおよび他の細胞により産生される。IL−18は、インターロイキン−18受容体と結合し、IL−12と一緒に、IL−18は、リポ多糖(LPS)のような微生物産物による感染後に細胞媒介免疫を誘導する。IL−18で刺激されると、ナチュラルキラー(NK)細胞およびある特定の1型ヘルパーT細胞は、マクロファージおよび他の免疫細胞の活性化に関与するインターフェロン−γ(IFN−γ)またはII型インターフェロンを放出する。IL−18はまた、重篤な炎症反応を誘導しうる。
したがって、一部の実施形態では、操作された細菌は、IL−18を産生するように操作されている。一部の実施形態では、操作された細菌は、IL−18をコードするための配列を含む。一部の実施形態では、操作された細菌は、例えば、強力なプロモーターに動作可能に連結した、および/またはIL−18遺伝子配列の1つより多くのコピーを含む、IL−18を過剰発現するように、操作されている。一部の実施形態では、操作された細菌は、IL−18遺伝子の2つまたはそれより多いコピー、例えば、IL−18遺伝子の2、3、4、5、6またはそれより多いコピーをコードする配列を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、低酸素条件により活性化されるプロモーターの制御下で、IL−18を発現する、および/または分泌ペプチドを発現する。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、低酸素条件により活性化されるプロモーターの制御下で、IL−18を発現する、および/または分泌ペプチドを発現する、細菌である。ある特定の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、低酸素条件によりまたは炎症性条件により活性化されるプロモーター、例えば、前記条件により活性化される、本明細書に記載のプロモーターのいずれかの制御下で、IL−18および/または分泌ペプチドを発現する。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、がん特異的プロモーター、組織特異的プロモーター、または構成的プロモーター、例えば、本明細書に記載のプロモーターのいずれかの制御下で、IL−18を発現する、および/または分泌ペプチドを発現する。
インターロイキン−2(IL−2)は、白血球(white blood cell)(白血球(leukocyte)、多くの場合、リンパ球)の活性を調節するサイトカインである。IL−2は、微生物感染に対する、および外来のもの(「非自己」)と「自己」とを区別する際の、身体の自然応答の一部である。IL−2は、リンパ球により発現されるIL−2受容体と結合することによってその効果を媒介する。IL−2は、サイトカインファミリーのメンバーであり、このファミリーは、IL−4、IL−7、IL−9、IL−15およびIL−21も含む。IL−2は、アルファ、ベータおよびガンマサブユニットからなる複合体であるIL−2受容体を介してシグナルを伝達する。ガンマサブユニットは、このサイトカイン受容体ファミリーのすべてのメンバーによって共有される。IL−2は、T細胞のエフェクターT細胞への分化を促進し、最初のT細胞が抗原により刺激されたときにメモリーT細胞への分化を促進する。抗原選択T細胞クローンの数および機能の拡大に依存する、T細胞の免疫学的記憶の発生におけるその役割によって、IL−2はまた、細胞媒介免疫において肝要な役割を果たす。IL−2は、食品医薬局(FDA)によって、および欧州数カ国で、がん(悪性黒色腫、腎細胞がん)の処置に認可されている。IL−2は、黒色腫転移を処置するためにも使用され、高い完全奏功率を有する。
したがって、一部の実施形態では、操作された細菌は、IL−2を産生するように操作されている。一部の実施形態では、操作された細菌は、IL−2をコードするための配列を含む。一部の実施形態では、操作された細菌は、IL−2、例えば、強力なプロモーターに動作可能に連結したIL−2、および/またはIL−2遺伝子配列の1つより多くのコピーを含むIL−2を過剰発現するように、操作されている。一部の実施形態では、操作された細菌は、IL−2遺伝子の2つまたはそれより多いコピー、例えば、IL−2遺伝子の2、3、4、5、6またはそれより多いコピーをコードする配列を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、低酸素条件により活性化されるプロモーターの制御下で、IL−2を発現する、および/または分泌ペプチドを発現する。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、低酸素条件により活性化されるプロモーターの制御下で、IL−2を発現する、および/または分泌ペプチドを発現する、細菌である。ある特定の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、低酸素条件によりまたは炎症性条件により活性化されるプロモーター、例えば、前記条件により活性化される、本明細書に記載のプロモーターのいずれかの制御下で、IL−2および/または分泌ペプチドを発現する。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、がん特異的プロモーター、組織特異的プロモーター、または構成的プロモーター、例えば、本明細書に記載のプロモーターのいずれかの制御下で、IL−2を発現する、および/または分泌ペプチドを発現する。
インターロイキン−21は、ナチュラルキラー(NK)細胞および細胞傷害性T細胞を含む、免疫系のある特定の細胞に対して強力な調節効果があるサイトカインである。IL−21は、そのこれらの細胞における細胞分裂/増殖を誘導する。IL−21は、活性化ヒトCD4+T細胞に発現されるが、ほとんどの他の組織には発現されない。加えて、IL−21発現は、ヘルパーT細胞のTh2およびTh17サブセットでは上方調節される。IL−21は、これらの細胞の機能を調節するNK T細胞にも発現される。IL−21と結合したとき、IL−21受容体は、その標的遺伝子を活性化するためにJak1とJak3とSTAT3ホモ二量体とを利用する、Jak/STAT経路を介して作用する。IL−21は、IL−2産生能力がある特有のCD28+CD127hi CD45RO+表現型を有するメモリー型CTLの集団の濃縮によってヒトT細胞の分化プログラミングをモジュレートすることが示されている。IL−21には、永続的腫瘍免疫を獲得するための、CD8+細胞応答の継続および増加による抗腫瘍効果もある。IL−21は、転移性黒色腫(MM)および腎細胞癌(RCC)患者における第1相臨床試験に認可されている。
したがって、一部の実施形態では、操作された細菌は、IL−21を産生するように操作されている。一部の実施形態では、操作された細菌は、IL−21をコードする配列を含む。一部の実施形態では、操作された細菌は、例えば、強力なプロモーターに動作可能に連結した、および/またはIL−21遺伝子配列の1つより多くのコピーを含む、IL−21を過剰発現するように、操作されている。一部の実施形態では、操作された細菌は、IL−21の2つまたはそれより多いコピー、例えば、IL−21遺伝子の2、3、4、5、6またはそれより多いコピーをコードする配列を含む。一部の実施形態では、操作された細菌は、IL−21の産生を刺激する1つまたは複数の免疫モジュレーターを産生する。一部の実施形態では、操作された細菌は、IL−21をコードするための配列、およびIl−21の分泌のための分泌ペプチドをコードするための配列を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、低酸素条件により活性化されるプロモーターの制御下で、IL−21を発現する、および/または分泌ペプチドを発現する。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、低酸素条件により活性化されるプロモーターの制御下で、Il−21を発現する、および/または分泌ペプチドを発現する、細菌である。ある特定の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、低酸素条件によりまたは炎症性条件により活性化されるプロモーター、例えば、前記条件により活性化される、本明細書に記載のプロモーターのいずれかの制御下で、IL−21および/または分泌ペプチドを発現する。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、がん特異的プロモーター、組織特異的プロモーター、または構成的プロモーター、例えば、本明細書に記載のプロモーターのいずれかの制御下で、IL−21を発現する、および/または分泌ペプチドを発現する。
腫瘍壊死因子(TNF)(カケクチンまたはTNFアルファとしても公知)は、ある特定の腫瘍細胞系の細胞溶解を引き起こすことができ、ある特定の条件下で細胞増殖を刺激し、細胞分化を誘導することができる、サイトカインである。TNFは、全身性炎症に関与し、急性相反応を構成するサイトカインの1つである。TNFは、主として活性化マクロファージによって産生されるが、多くの他の細胞型、例えば、CD4+リンパ球、NK細胞、好中球、マスト細胞、好酸球およびニューロンによって産生されうる。TNFの主な役割は、免疫細胞の調節にある。
TNFは、TNFR1(TNF受容体1型;CD120a;p55/60)およびTNFR2(TNF受容体2型;CD120b;p75/80)という、2つの受容体に結合することができる。TNFR1は、ほとんどの組織で発現され、TNFの膜結合形態と可溶性三量体形態の両方によって完全に活性化されうるが、TNFR2は、免疫系の細胞にしか見られず、TNFホモ三量体の膜結合形態に応答する。その受容体と結合すると、TNFは、NF−κBおよびMAPK経路を活性化することができ、これらの経路は、非常に多くのタンパク質の転写を媒介し、ならびに炎症応答に関与する経路を含む、細胞分化および増殖に関与するいくつかの経路を媒介する。TNFは、細胞アポトーシスを誘導する経路も調節する。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、樹状細胞活性化をモジュレートする免疫モジュレーターを産生することができる。一部の実施形態では、免疫モジュレーターは、TNFである。したがって、一部の実施形態では、操作された細菌は、TNFを産生するように操作されている。一部の実施形態では、TNFは、本明細書に記載されるように、細菌から分泌される。一部の実施形態では、操作された細菌は、TNFをコードする配列を含む。
これらの実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約0%〜2%〜4%、4%〜6%、6%〜8%、8%〜10%、10%〜12%、12%〜14%、14%〜16%、16%〜18%、18%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜35%、35%〜40%、40%〜45%、45%〜50%、50%〜55%、55%〜60%、60%〜65%、65%〜70%〜80%、80%〜90%、または90%〜100%多いTNFを産生する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍多いTNFを産生する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、または50倍、100倍、500倍、または1000倍多いTNFを産生する。
これらの実施形態のいずれにおいても、TNFを産生するように遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より、少なくとも約0%〜2%〜4%、4%〜6%、6%〜8%、8%〜10%、10%〜12%、12%〜14%、14%〜16%、16%〜18%、18%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜35%、35%〜40%、40%〜45%、45%〜50%、50%〜55%、55%〜60%、60%〜65%、65%〜70%〜80%、80%〜90%、または90%〜100%多いTNFを分泌する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍多いTNFを分泌する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、または50倍、100倍、500倍、または1000倍多いTNFを分泌する。
一部の実施形態では、TNFを分泌するように遺伝子操作された細菌は、細胞増殖を、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく低減させることができる。一部の実施形態では、TNFを分泌するように遺伝子操作された細菌は、腫瘍成長を、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく低減させることができる。一部の実施形態では、TNFを分泌するように遺伝子操作された細菌は、腫瘍サイズを、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく低減させることができる。一部の実施形態では、TNFを産生するように遺伝子操作された細菌は、腫瘍体積を、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく低減させることができる。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、例えば2用量処置レジメンの7日目に、腫瘍体積を約40〜60%、約45〜55%、低減させることができる。一実施形態では、腫瘍体積は、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細胞の投与時の約600mm3と比較して、TNFを発現する細菌の投与時には約300mm3である。一部の実施形態では、TNFを産生するように遺伝子操作された細菌は、腫瘍重量を、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく低減させることができる。一部の実施形態では、TNFを産生するように遺伝子操作された細菌は、奏功率を、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく上昇させることができる。
一部の実施形態では、TNFを産生するように遺伝子操作された細菌は、樹状細胞および/またはマクロファージ上でのCCR7発現を増加させることができる。
一部の実施形態では、分泌のためのTNFαをコードする1つまたは複数の遺伝子を含む遺伝子操作された細菌は、例えばTNF受容体を有する細胞において、NFカッパB経路を活性化することができる。一部の実施形態では、TNFαをコードする1つまたは複数の遺伝子を含む遺伝子操作された細菌は、IカッパBアルファ分解を誘導することができる。一部の実施形態では、操作された細菌から分泌される分泌TNFαレベルは、同じ条件下で、同濃度の組換えTNFαとほぼ同程度に、IカッパBアルファ分解を引き起こす。
一部の実施形態では、遺伝子操作された微生物は、低酸素条件で、ならびに/あるいはがんおよび/または腫瘍微小環境、または組織特異的分子もしくは代謝物の存在下で、ならびに/あるいは炎症または免疫抑制に関連する分子または代謝物の存在下で、ならびに/あるいは消化管内に存在しうる代謝物の存在下で、ならびに/あるいはin vivoで存在することもあり、しないこともあり、ならびにin vitroで株培養、拡大増殖、産生および/または製造中に存在することもある、代謝物、例えば、アラビノース、クメートおよびサリチレートおよび本明細書に記載の他のものの存在下で、記載のIL−2、IL−15、IL−12、IL−7、IL−21、IL−18、TNFおよびIFNガンマ回路のいずれか1つまたは複数を発現することができる。一部の実施形態では、遺伝子配列は、そのような条件および/またはインデューサーにより誘導されうるプロモーターによって制御される。一部の実施形態では、遺伝子配列は、本明細書に記載の構成的プロモーターによって制御される。一部の実施形態では、そのようなインデューサーは、エフェクター遺伝子発現を誘導するために、in vivoで投与され得る。一部の実施形態では、IL−2、IL−15、IL−12、IL−7、IL−21、IL−18、TNF、およびIFN−ガンマをコードする遺伝子配列は、そのような条件および/またはインデューサーにより誘導可能なプロモーターによって制御される。一部の実施形態では、IL−2、IL−15、IL−12、IL−7、IL−21、IL−18、TNF、およびIFN−ガンマをコードする遺伝子配列は、本明細書に記載される構成的プロモーターによって制御される。一部の実施形態では、遺伝子配列は、構成的プロモーターにより制御され、本明細書に記載の、in vivo条件および/またはin vitro条件で、例えば、拡大増殖、産生および/または製造中に発現される。一部の実施形態では、IL−2、IL−15、IL−12、IL−7、IL−21、IL−18、TNF、および/またはIFN−ガンマをコードする記載の遺伝子配列のうちのいずれか1つまたは複数は、1つもしくは複数のプラスミド(例えば、高コピー数または低コピー数プラスミド)上に存在するか、または微生物の染色体内の1つもしくは複数の部位に組み込まれている。
これらの実施形態のいずれにおいても、IL−2、IL−15、IL−12、IL−7、IL−21、IL−18、TNF、および/またはIFN−ガンマをコードする遺伝子配列を含む、遺伝子操作された細菌は、1つまたは複数のさらなるエフェクター分子、すなわち、治療用分子または代謝変換因子をコードする遺伝子配列をさらに含む。これらの実施形態のいずれにおいても、IL−2、IL−15、IL−12、IL−7、IL−21、IL−18、TNF、および/またはIFN−ガンマをコードする回路は、同じかまたは異なる細菌株において、本明細書に記載される1つまたは複数の免疫イニシエーターまたは免疫サステナーをコードする回路と組み合わせることができる(組合せ回路または株の混合物)。免疫イニシエーターまたは免疫サステナーをコードする回路は、構成的または誘導性プロモーター、例えば、低酸素誘導性プロモーターまたは本明細書に記載される任意の他の構成的もしくは誘導性プロモーターの制御下にあり得る。
これらの実施形態のいずれにおいても、IL−2、IL−15、IL−12、IL−7、IL−21、IL−18、TNF、および/またはIFN−ガンマをコードする遺伝子配列は、同じかまたは異なる細菌株において、本明細書に記載される1つまたは複数のSTINGアゴニスト産生酵素をコードする遺伝子配列と組み合わせることができる(組合せ回路または株の混合物)。一部の実施形態では、IL−2、IL−15、IL−12、IL−7、IL−21、IL−18、TNF、および/またはIFN−ガンマをコードする遺伝子配列と組み合わされる遺伝子配列は、DacAをコードする。DacAは、構成的または誘導性プロモーター、例えば、低酸素誘導性プロモーター、例えば、FNR、または本明細書に記載される任意の他の構成的もしくは誘導性プロモーターの制御下にあり得る。一部の実施形態では、dacA遺伝子は、染色体に組み込まれている。一部の実施形態では、IL−2、IL−15、IL−12、IL−7、IL−21、IL−18、TNF、および/またはIFN−ガンマをコードする遺伝子配列と組み合わされる遺伝子配列は、cGASを含む。cGASは、構成的または誘導性プロモーター、例えば、低酸素誘導性プロモーター、例えば、FNR、または本明細書に記載される任意の他の構成的もしくは誘導性プロモーターの制御下にあり得る。一部の実施形態では、cGASをコードする遺伝子は、染色体に組み込まれている。
これらの組合せの実施形態のいずれにおいても、細菌は、栄養要求性の改変、例えば、DapA、ThyA、または両方の突然変異または欠失をさらに含み得る。これらの実施形態のいずれにおいても、細菌は、ファージの改変、例えば、本明細書に記載される内在性プロファージの突然変異または欠失をさらに含み得る。
また、一部の実施形態では、遺伝子操作された微生物は、IL−2、IL−15、IL−12、IL−7、IL−21、IL−18、TNFおよびIFNガンマをコードする記載の回路のいずれか1つまたは複数をさらに発現することができ、以下のものの1つまたは複数をさらに含む:(1)1つまたは複数の栄養要求体、例えば、当技術分野において公知の、および本明細書で提供される、任意の栄養要求体、例えばthyA栄養要求体、(2)1つまたは複数のキルスイッチ回路、例えば、本明細書に記載の、またはそうでなければ当技術分野において公知の、キルスイッチのいずれか、(3)1つまたは複数の抗生物質耐性回路、(4)生体分子または基質を移入するための1つまたは複数の輸送体、例えば、本明細書に記載の、またはそうでなければ当技術分野において公知の、輸送体のいずれか、(5)1つまたは複数の分泌回路、例えば、本明細書に記載の、でなければ当技術分野において公知の、分泌回路のいずれか、(6)1つまたは複数の表面提示回路、例えば、本明細書に記載の、でなければ当技術分野において公知の、表面提示回路のいずれか、および(7)本明細書に記載の1つまたは複数の代謝物(例えば、キヌレニン、トリプトファン、アデノシン、アルギニン)の産生または分解のための1つまたは複数の回路、(8)このような追加の回路の1つまたは複数の組合せ。これらの実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌を単独で投与することができ、または抗CTLA4、抗PD1もしくは抗PD−L1抗体を含むがこれらに限定されない、本明細書に記載の1つもしくは複数の免疫チェックポイントインヒビターと組み合わせて投与することができる。
共刺激分子
グルココルチコイドに誘導される腫瘍壊死因子受容体(TNFR)関連受容体(GITR、TNFR18)は、I型膜貫通タンパク質であり、TNFRスーパーファミリーのメンバーである1。GITRは、主として、CD25+ CD4+調節性T(Treg)細胞に高いレベルで発現されるが、従来的なCD25− CD4+およびCD8+T細胞においても低いレベルで構成的に発現され、活性化後には急速に上方調節される。アゴニスト抗GITRモノクローナル抗体(mAb、DTA−1)2,6,7またはGITRLトランスフェクタントおよび可溶性GITRL5,8,9を使用したin vitroでの研究により、GITR−GITRL経路が、CD4+およびCD8+エフェクターT細胞(ならびに対抗するエフェクター機能にもかかわらず、Treg細胞)の活性化をもたらす、正の共刺激シグナルを誘導することが示された(Piaoら、(2009年)、Enhancement of T−cell−mediated anti−tumour immunity via the ectopically expressed glucocorticoid−induced tumour necrosis factor receptor−related receptor ligand (GITRL) on tumours; Immunology、127巻、489〜499頁、およびその中の参考文献)。一部の実施形態では、エフェクターまたは免疫モジュレーターは、GITRのアゴニスト、例えば、アゴニスト抗GITR抗体、アゴニスト抗GITR抗体断片、GITRリガンドポリペプチド(GITRL)、およびGITRLポリペプチド断片から選択されるアゴニストである。したがって、一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、アゴニスト抗GITR抗体もしくはその断片、またはGITRリガンドポリペプチドもしくはその断片をコードする配列を含む。したがって、一部の実施形態では、操作された細菌は、アゴニスト抗GITR抗体もしくはその断片、またはGITRリガンドポリペプチドもしくはその断片を産生するように操作されている。一部の実施形態では、操作された細菌は、アゴニスト抗GITR抗体もしくはその断片、またはGITRリガンドポリペプチドもしくはその断片をコードするための配列を含む。一部の実施形態では、操作された細菌は、アゴニスト抗GITR抗体もしくはその断片、またはGITRリガンドポリペプチドもしくはその断片をコードするための配列と、前記抗体およびポリペプチドの分泌のための分泌ペプチドをコードするための配列とを含む。分泌タグおよび適切な分泌機序の非限定的な例は、本明細書に記載されている。一部の実施形態では、抗体またはリガンドは、表面上に提示される。細菌表面提示のための適切な技術は、本明細書に記載されている。
GITRは、活性化T細胞において、T細胞増殖およびT細胞生存を促進するように機能するため、GITR作動作用は、有益なことに、T細胞応答を開始することができる第2のモダリティ(免疫イニシエーター)と組み合わせることができ、これには、自然免疫刺激因子、例えば、本明細書に記載されるSTINGアゴニストを発現する遺伝子操作された細菌が含まれるがこれに限定されない。
したがって、1つの非限定的な例では、1つまたは複数の遺伝子操作された細菌は、例えば、本明細書に記載されるように、アゴニスト抗GITR抗体と組み合わせて、STINGアゴニストの産生のための1つまたは複数の酵素を発現する。別の非限定的な例では、1つまたは複数の遺伝子操作された細菌は、例えば、本明細書に記載されるように、STINGアゴニストの産生のための1つまたは複数の酵素を発現し、本明細書に記載されるように、アゴニスト抗GITR抗体と組み合わせて投与される。
CD137または4−1BBは、TNFスーパーファミリーに属する2型膜貫通糖タンパク質であって、活性化Tリンパ球(例えば、CD8+およびCD4+細胞)上に発現され、活性化Tリンパ球に対する共刺激活性を有する、2型膜貫通糖タンパク質である。CD137または4−1BBは、T細胞増殖、IL−2分泌生存および細胞溶解活性を増強することが示されている。一部の実施形態では、免疫モジュレーターは、CD137(4−1BB)のアゴニスト、例えば、アゴニスト抗CD137抗体もしくはその断片、またはCD137リガンドポリペプチドもしくはその断片から選択されるアゴニストである。したがって、一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、アゴニスト抗CD137抗体もしくはその断片、またはCD137リガンドポリペプチドもしくはその断片をコードする配列を含む。したがって、一部の実施形態では、操作された細菌は、アゴニスト抗CD137抗体もしくはその断片、またはCD137リガンドポリペプチドもしくはその断片を産生するように操作されている。一部の実施形態では、操作された細菌は、アゴニスト抗CD137抗体もしくはその断片、またはCD137リガンドポリペプチドもしくはその断片をコードするための配列を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、アゴニスト抗CD137抗体もしくはその断片、またはCD137リガンドポリペプチドもしくはその断片を発現する、および/または分泌ペプチドを発現する。適切な分泌タグおよび適切な分泌機序の非限定的な例は、本明細書に記載されている。一部の実施形態では、抗体またはリガンドは、表面上に提示される。細菌表面提示のための適切な技術は、本明細書に記載されている。
CD137(4−1BB)は、活性化されたマウスおよびヒトCD8+およびCD4+T細胞に発現される7。これは、TNFRファミリーのメンバーであり、共刺激および抗アポトーシス機能を媒介し、T細胞増殖およびT細胞生存を促進する10,11。CD137は、T細胞刺激に応じて、刺激後12時間〜最大5日間、上方調節されることが報告されている(Wolflら、Activation−induced expression of CD137 permits detection, isolation, and expansion of the full repertoire of CD8 T cells responding to antigen without requiring knowledge of epitope specificities; BLOOD、2007年7月1日、110巻、1号、およびその中の参考文献)。したがって、CD137(4−1BB)作動作用は、有益なことに、T細胞応答を開始することができる第2のモダリティ(免疫イニシエーター)と組み合わせることができ、これには、自然免疫刺激因子(免疫イニシエーター)を発現する遺伝子操作された細菌が含まれるがこれに限定されない。自然免疫刺激因子(免疫イニシエーター)を発現する例示的な細菌は、本明細書に記載されている。
したがって、1つの非限定的な例では、1つまたは複数の遺伝子操作された細菌は、例えば、本明細書に記載されるように、アゴニスト抗41BB(CD137)抗体と組み合わせて、STINGアゴニストの産生のための1つまたは複数の酵素を発現する。別の非限定的な例では、1つまたは複数の遺伝子操作された細菌は、例えば、本明細書に記載されるように、STINGアゴニストの産生のための1つまたは複数の酵素を発現し、本明細書に記載されるように、アゴニスト抗41BB(CD137)抗体と組み合わせて投与される。
OX40、またはCD134は、T細胞の生存を保つこと、およびその後にサイトカイン産生を増加させることに関与する、T細胞受容体である。OX40は、生存を増強するその能力に起因して、免疫応答および記憶応答の維持に極めて重要な役割がある。OX40はまた、Th1媒介反応およびTh2媒介反応の両方において、有意な役割を果たす。一部の実施形態では、免疫モジュレーターは、OX40のアゴニスト、例えば、アゴニスト抗OX40抗体もしくはその断片、またはOX40リガンド(OX40L)もしくはその断片から選択されるアゴニストである。したがって、一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、アゴニスト抗OX40抗体もしくはその断片、またはOX40リガンドもしくはその断片をコードする配列を含む。したがって、一部の実施形態では、操作された細菌は、アゴニスト抗OX40抗体もしくはその断片、またはOX40リガンドもしくはその断片を産生するように操作されている。一部の実施形態では、操作された細菌は、アゴニスト抗OX40抗体もしくはその断片、またはOX40リガンドもしくはその断片をコードするための配列を含む。一部の実施形態では、操作された細菌は、アゴニスト抗OX40抗体もしくはその断片、またはOX40リガンドもしくはその断片をコードするための配列と、前記抗体およびポリペプチドの分泌のための分泌ペプチドをコードするための配列とを含む。適切な分泌タグおよび適切な分泌機序の非限定的な例は、本明細書に記載されている。一部の実施形態では、抗体またはリガンドは、表面上に提示される。細菌表面提示のための適切な技術は、本明細書に記載されている。
近年では、Toll様受容体9(TLR9)リガンドである非メチル化CG富化オリゴデオキシヌクレオチド(CpG)と、抗OX40抗体との組合せを、腫瘍の1つの部位に局所的に注射することにより、局所的にT細胞免疫応答が相乗的に誘発され、これが、次いで、身体全体にわたり、遠位部位のがんを攻撃することが見出されている(Sagiv−Barfiら、Eradication of spontaneous malignancy by local immunotherapy ; Sci. Transl. Med.、10巻、eaan4488、(2018年))。非メチル化CG富化オリゴデオキシヌクレオチド(CpG)は、自然免疫系の構成成分であるTLR9を活性化する。したがって、免疫系の他の活性化機序は、自然免疫刺激因子(免疫イニシエーター)を発現する遺伝子操作された細菌を含むがこれに限定されない、アゴニストOX40抗体と組み合わせて、同様の結果をもたらすことができる。自然免疫刺激因子(免疫イニシエーター)を発現する例示的な細菌は、本明細書に記載されている。
したがって、1つの非限定的な例では、1つまたは複数の遺伝子操作された細菌は、例えば、本明細書に記載されるように、アゴニストOX40抗体と組み合わせて、STINGアゴニストの産生のための1つまたは複数の酵素を発現する。別の非限定的な例では、1つまたは複数の遺伝子操作された細菌は、例えば、本明細書に記載されるように、STINGアゴニストの産生のための1つまたは複数の酵素を発現し、本明細書に記載されるように、OX40抗体と組み合わせて投与される。
CD28は、T細胞活性化および生存に必要な共刺激シグナルを提供する、T細胞に発現されるタンパク質の1つである。一部の実施形態では、免疫モジュレーターは、CD28のアゴニスト、例えば、アゴニスト抗CD28抗体、アゴニスト抗CD28抗体断片、CD80(B7.1)ポリペプチドまたはそのポリペプチド断片、およびCD86(B7.2)ポリペプチドまたはそのポリペプチド断片から選択されるアゴニストである。したがって、一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、アゴニスト抗CD28抗体もしくはその断片、またはCD80ポリペプチドもしくはその断片、またはCD86ポリペプチドもしくはその断片をコードする配列を含む。一部の実施形態では、操作された細菌は、アゴニスト抗CD28抗体もしくはその断片、またはCD80ポリペプチドもしくはその断片、またはCD86ポリペプチドもしくはその断片を産生するように操作されている。一部の実施形態では、操作された細菌は、アゴニスト抗CD28抗体もしくはその断片、またはCD80ポリペプチドもしくはその断片、またはCD86ポリペプチドもしくはその断片をコードするための配列を含む。一部の実施形態では、操作された細菌は、アゴニスト抗CD28抗体もしくはその断片、またはCD80ポリペプチドもしくはその断片、またはCD86ポリペプチドもしくはその断片をコードするための配列と、前記抗体およびポリペプチドの分泌のための分泌ペプチドをコードするための配列とを含む。適切な分泌タグおよび適切な分泌機序の非限定的な例は、本明細書に記載されている。一部の実施形態では、抗体またはリガンドは、表面上に提示される。細菌表面提示のための適切な技術は、本明細書に記載されている。
ICOSは、CD28に構造的におよび機能的に関連する誘導性T細胞共刺激因子である。一部の実施形態では、免疫モジュレーターは、ICOSのアゴニスト、例えば、アゴニスト抗ICOS抗体もしくはその断片、またはICOSリガンドポリペプチドもしくはその断片から選択されるアゴニストである。したがって、一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、アゴニスト抗ICOS抗体もしくはその断片、またはICOSリガンドポリペプチドもしくはその断片をコードする配列を含む。したがって、一部の実施形態では、操作された細菌は、アゴニスト抗ICOS抗体もしくはその断片、またはICOSリガンドポリペプチドもしくはその断片を産生するように操作されている。一部の実施形態では、操作された細菌は、アゴニスト抗ICOS抗体もしくはその断片、またはICOSリガンドポリペプチドもしくはその断片をコードするための配列を含む。一部の実施形態では、操作された細菌は、アゴニスト抗ICOS抗体もしくはその断片、またはICOSリガンドポリペプチドもしくはその断片をコードするための配列と、前記抗体およびポリペプチドの分泌のための分泌ペプチドをコードするための配列とを含む。適切な分泌タグおよび適切な分泌機序の非限定的な例は、本明細書に記載されている。一部の実施形態では、抗体またはリガンドは、表面上に提示される。細菌表面提示のための適切な技術は、本明細書に記載されている。
CD226は、ナチュラルキラー細胞、血小板、単球、およびT細胞のサブセット(例えば、CD8+およびCD4+細胞)の表面に発現される糖タンパク質であって、そのリガンド、CD112およびCD155を有する他の細胞との細胞接着を媒介する糖タンパク質である。数ある中でも特に、CD226は、免疫シナプス形成に関与し、ナチュラルキラー(NK)細胞活性化を誘発する。一部の実施形態では、免疫モジュレーターは、CD226のアゴニスト、例えば、アゴニスト抗CD226抗体またはその断片、CD112ポリペプチドまたはその断片、CD155ポリペプチドまたはその断片から選択されるアゴニストである。したがって、一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、アゴニスト抗CD226抗体またはその断片、CD112ポリペプチドまたはその断片、CD155ポリペプチドまたはその断片から選択されるアゴニストをコードする配列を含む。したがって、一部の実施形態では、操作された細菌は、アゴニスト抗CD226抗体またはその断片、CD112ポリペプチドまたはその断片、CD155またはその断片から選択されるアゴニストを産生するように操作されている。一部の実施形態では、操作された細菌は、アゴニスト抗CD226抗体もしくはその断片、CD112もしくはCD155ポリペプチドもしくはその断片から選択されるアゴニストをコードするための配列を含む。一部の実施形態では、操作された細菌は、アゴニスト抗CD226抗体もしくはその断片、CD112もしくはCD155ポリペプチドもしくはその断片から選択されるアゴニストをコードするための配列と、前記抗体およびポリペプチドの分泌のための分泌ペプチドをコードするための配列とを含む。適切な分泌タグおよび適切な分泌機序の非限定的な例は、本明細書に記載されている。一部の実施形態では、抗体またはリガンドは、表面上に提示される。細菌表面提示のための適切な技術は、本明細書に記載されている。
これらの実施形態のいずれにおいても、アゴニスト抗体は、ヒト抗体であっても、ヒト化抗体であってもよく、異なるアイソタイプ、例えば、ヒトIgG1、IgG2、IgG3およびIgG4を含むこともある。また、抗体は、FcR結合、FcRn結合、補体機能、グリコシル化、C1q結合などの、エフェクター機能;補体依存性細胞傷害(CDC);Fc受容体結合;抗体依存性細胞介在性細胞傷害(ADCC);食作用;細胞表面受容体(例えば、B細胞受容体;BCR)の下方調節を増大または減少させるように改変されている定常領域を含むこともある。これらの実施形態のいずれにおいても、抗体は、単鎖抗体であってもよく、または単鎖抗体断片であってもよい。
一部の実施形態では、遺伝子操作された微生物は、低酸素条件で、ならびに/あるいはがんの存在下で、および/または腫瘍微小環境、または組織特異的分子もしくは代謝物において、ならびに/あるいは炎症または免疫抑制に関連する分子または代謝物の存在下で、ならびに/あるいは消化管内に存在し得る代謝物の存在下で、ならびに/あるいはin vivoで存在することもあり、しないこともあり、in vitroで、株培養、拡大増殖、産生、および/または製造中に存在することもある、代謝物、例えば、アラビノース、クメート、およびサリチレート、ならびに本明細書に記載される他のものの存在下で、記載されるアゴニスト抗GITR抗体/GITRリガンド、抗CD137/CD137リガンド、抗OX40抗体/OX40リガンド、抗CD28抗体/CD80もしくはCD86ポリペプチド、抗ICOS抗体/ICOSリガンド、抗CD226抗体/CD112、および/またはCD155回路のうちのいずれか1つまたは複数を発現することができる。一部の実施形態では、そのようなインデューサーは、エフェクター遺伝子発現を誘導するために、in vivoで投与され得る。一部の実施形態では、アゴニスト抗GITR抗体/GITRリガンド、抗CD137/CD137リガンド、抗OX40抗体/OX40リガンド、抗CD28抗体/CD80もしくはCD86ポリペプチド、抗ICOS抗体/ICOSリガンド、抗CD226抗体/CD112、および/またはCD155ポリペプチドをコードする遺伝子配列は、そのような条件および/またはインデューサーにより誘導可能なプロモーターによって制御される。一部の実施形態では、アゴニスト抗GITR抗体/GITRリガンド、抗CD137/CD137リガンド、抗OX40抗体/OX40リガンド、抗CD28抗体/CD80もしくはCD86ポリペプチド、抗ICOS抗体/ICOSリガンド、抗CD226抗体/CD112、および/またはCD155ポリペプチドをコードする遺伝子配列は、本明細書に記載されるように、構成的プロモーターによって制御される。一部の実施形態では、遺伝子配列は、構成的プロモーターによって制御され、本明細書に記載の、in vivo条件および/またはin vitro条件で、例えば、拡大増殖、産生、および/または製造中に発現される。一部の実施形態では、アゴニスト抗GITR抗体/GITRリガンド、抗CD137/CD137リガンド、抗OX40抗体/OX40リガンド、抗CD28抗体/CD80もしくはCD86ポリペプチド、抗ICOS抗体/ICOSリガンド、抗CD226抗体/CD112、および/またはCD155ポリペプチドをコードする記載の遺伝子配列のうちのいずれか1つまたは複数は、1つもしくは複数のプラスミド(例えば、高コピー数または低コピー数プラスミド)上に存在するか、または微生物の染色体内の1つまたは複数の部位に組み込まれている。
これらの実施形態のいずれにおいても、アゴニスト抗GITR抗体/GITRリガンド、抗CD137/CD137リガンド、抗OX40抗体/OX40リガンド、抗CD28抗体/CD80もしくはCD86ポリペプチド、抗ICOS抗体/ICOSリガンド、抗CD226抗体/CD112、および/またはCD155ポリペプチドをコードする遺伝子配列を含む遺伝子操作された細菌は、1つまたは複数のさらなるエフェクター分子、すなわち、治療用分子または代謝変換因子をコードする遺伝子配列をさらに含む。これらの実施形態のいずれにおいても、アゴニスト抗GITR抗体/GITRリガンド、抗CD137/CD137リガンド、抗OX40抗体/OX40リガンド、抗CD28抗体/CD80もしくはCD86ポリペプチド、抗ICOS抗体/ICOSリガンド、抗CD226抗体/CD112、および/またはCD155ポリペプチドをコードする回路は、同じかまたは異なる細菌株において、本明細書に記載される1つまたは複数の免疫イニシエーターまたは免疫サステナーをコードする回路と組み合わせることができる(組合せ回路または株の混合物)。免疫イニシエーターまたは免疫サステナーをコードする回路は、構成的または誘導性プロモーター、例えば、低酸素誘導性プロモーターまたは本明細書に記載される任意の他の構成的もしくは誘導性プロモーターの制御下にあり得る。
これらの実施形態のいずれにおいても、アゴニスト抗GITR抗体/GITRリガンド、抗CD137/CD137リガンド、抗OX40抗体/OX40リガンド、抗CD28抗体/CD80もしくはCD86ポリペプチド、抗ICOS抗体/ICOSリガンド、抗CD226抗体/CD112、および/またはCD155ポリペプチドをコードする遺伝子配列は、同じかまたは異なる細菌株において、本明細書に記載される1つまたは複数のSTINGアゴニスト産生酵素をコードする遺伝子配列と組み合わせることができる(組合せ回路または株の混合物)。一部の実施形態では、アゴニスト抗GITR抗体/GITRリガンド、抗CD137/CD137リガンド、抗OX40抗体/OX40リガンド、抗CD28抗体/CD80もしくはCD86ポリペプチド、抗ICOS抗体/ICOSリガンド、抗CD226抗体/CD112、および/またはCD155ポリペプチドをコードする遺伝子配列と組み合わされる遺伝子配列は、DacAをコードする。DacAは、構成的または誘導性プロモーター、例えば、低酸素誘導性プロモーター、例えば、FNR、または本明細書に記載される任意の他の構成的もしくは誘導性プロモーターの制御下にあり得る。一部の実施形態では、dacA遺伝子は、染色体に組み込まれている。一部の実施形態では、アゴニスト抗GITR抗体/GITRリガンド、抗CD137/CD137リガンド、抗OX40抗体/OX40リガンド、抗CD28抗体/CD80もしくはCD86ポリペプチド、抗ICOS抗体/ICOSリガンド、抗CD226抗体/CD112、および/またはCD155ポリペプチドをコードする遺伝子配列と組み合わされる遺伝子配列は、cGASをコードする。cGASは、構成的または誘導性プロモーター、例えば、低酸素誘導性プロモーター、例えば、FNR、または本明細書に記載される任意の他の構成的もしくは誘導性プロモーターの制御下にあり得る。一部の実施形態では、cGASをコードする遺伝子は、染色体に組み込まれている。
これらの組合せの実施形態のいずれにおいても、細菌は、栄養要求性の改変、例えば、DapA、ThyA、または両方の突然変異または欠失をさらに含み得る。これらの実施形態のいずれにおいても、細菌は、ファージの改変、例えば、本明細書に記載される内在性プロファージの突然変異または欠失をさらに含み得る。
また、一部の実施形態では、遺伝子操作された微生物は、アゴニスト抗GITR抗体/GITRリガンド、抗CD137/CD137リガンド、抗OX40抗体/OX40リガンド、抗CD28抗体/CD80もしくはCD86ポリペプチド、抗ICOS抗体/ICOSリガンド、抗CD226抗体/CD112、および/またはCD155ポリペプチドをコードする記載の回路のうちのいずれか1つまたは複数を発現することができ、以下のうちの1つまたは複数をさらに含む:(1)1つまたは複数の栄養要求体、例えば、当技術分野において公知の、本明細書に提供される、任意の栄養要求体、例えば、thyA栄養要求体、(2)1つまたは複数のキルスイッチ回路、例えば、本明細書に記載されるか、またはそうでなければ当該技術分野において公知の、キルスイッチのうちのいずれか、(3)1つまたは複数の抗生物質耐性回路、(4)生体分子または基質を移入するための1つまたは複数の輸送体、例えば、本明細書に記載されるか、またはそうでなければ当該技術分野において公知の、輸送体のうちのいずれか、(5)1つまたは複数の分泌回路、例えば、本明細書に記載され、そうでなければ当該技術分野において公知の、分泌回路のうちのいずれか、(6)1つまたは複数の表面提示回路、例えば、本明細書に記載され、そうでなければ当該技術分野において公知の、表面提示回路のうちのいずれか、および(7)本明細書に記載される1つまたは複数の代謝物(例えば、キヌレニン、トリプトファン、アデノシン、アルギニン)の産生または分解のための1つまたは複数の回路、(8)このような追加の回路のうちの1つまたは複数の組合せ。これらの実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、単独で、または抗CTLA4、抗PD1、もしくは抗PD−L1抗体を含むがこれらに限定されない、本明細書に記載される1つもしくは複数の免疫チェックポイント阻害剤と組み合わせて投与してもよい。
局所免疫抑制の除去(逆転)
腫瘍細胞は、抗原提示または樹状細胞の成熟に干渉するシグナルを生成し、それらの前駆体を代わりに免疫抑制細胞型に成熟させることによって、破壊を免れることが多い。したがって、腫瘍部位での免疫抑制の開始、促進、および/または維持に関与する免疫モジュレーション分子の活性を防止または阻害する1つまたは複数の免疫モジュレーターの、単独での、または1つもしくは複数の他の免疫モジュレーターとの組合せでの、局所送達は、治療利益をもたらす。
免疫チェックポイント阻害剤
一部の実施形態では、免疫モジュレーターは、免疫サプレッサー分子のインヒビター、例えば、免疫チェックポイント分子のインヒビターである。阻害される免疫チェックポイント分子は、いずれの公知のまたは後に発見される免疫チェックポイント分子または他の免疫サプレッサー分子であってもよい。一部の実施形態では、阻害される免疫チェックポイント分子、または他の免疫サプレッサー分子は、CTLA−4、PD−1、PD−L1、PD−L2、TIGIT、VISTA、LAG−3、TIM1、TIM3、CEACAM1、LAIR−1、HVEM、BTLA、CD160、CD200、CD200R、CD39、CD73、B7−H3、B7−H4、IDO、TDO、KIR、およびA2aRから選択される。ある特定の態様では、本開示は、免疫チェックポイントまたは他の免疫サプレッサー分子を阻害する1つまたは複数の免疫モジュレーターを産生するように操作されている、操作された微生物、例えば、操作された細菌を提供する。一部の実施形態では、遺伝子操作された微生物は、がん性細胞増殖、腫瘍成長、および/または腫瘍体積を低減させることができる。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、がんまたは腫瘍細胞を標的とするように操作されている、細菌である。一部の実施形態では、遺伝子操作された微生物は、低酸素条件、例えば、腫瘍の低酸素環境により活性化されるプロモーターの制御下で免疫チェックポイントインヒビターまたは別の免疫サプレッサー分子のインヒビターを発現する細菌である。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、ハイポキシック条件によりまたは炎症性条件により活性化されるプロモーター、例えば、前記条件により活性化される、本明細書に記載されるプロモーターのうちのいずれかの制御下で、1つまたは複数の免疫チェックポイント阻害剤を発現する。
一部の実施形態では、本開示の遺伝子操作された微生物は、CTLA−4阻害剤、例えば、CTLA−4に対する抗体をコードする遺伝子を含む、遺伝子操作された細菌である。これらの実施形態のいずれにおいても、抗CTLA−4抗体は、単鎖抗CTLA−4抗体であり得る。一部の実施形態では、本開示の遺伝子操作された微生物は、PD−1阻害剤、例えば、PD−1またはPD−L1に対する抗体をコードする遺伝子を含む、遺伝子操作された細菌である。これらの実施形態のいずれにおいても、抗PD−1またはPD−L1抗体は、単鎖抗PD−1抗体であり得る。一部の実施形態では、本開示の遺伝子操作された微生物は、CTLA−4、PD−1、PD−L1、PD−L2、TIGIT、VISTA、LAG−3、TIM1、TIM3、CEACAM1、LAIR−1、HVEM、BTLA、CD160、CD200、CD200R、CD39、CD73、B7−H3、B7−H4、IDO、TDO、KIR、およびA2aR阻害剤から選択される阻害剤、例えば、列挙された免疫チェックポイントまたは他のサプレッサー分子のうちのいずれかに対する抗体をコードする遺伝子を含む、操作された細菌である。そのようなチェックポイント阻害剤分子の例は、例えば、2017年1月11日に出願され、WO2017/123675として公開された、国際特許出願PCT/US2017/013072、および2018年1月1日に出願されたPCT/US2018/012698に記載されており、これらのそれぞれの内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。これらの実施形態のいずれにおいても、抗体は、単鎖抗体であってもよい。一部の実施形態では、チェックポイントインヒビターまたは別の免疫サプレッサー分子のインヒビターを発現する、操作された細菌は、局所的に、例えば、腫瘍内注射によって、投与される。
一部の実施形態では、本開示は、CTLA−4インヒビターを発現する、遺伝子操作された微生物、例えば、操作された細菌を提供する。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、低酸素条件、例えば、腫瘍の低酸素環境により活性化されるプロモーターの制御下で、CTLA−4インヒビターを発現する。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、抗CTLA−4抗体、例えば、単鎖抗体を発現する。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、抗CTLA−4抗体、例えば、単鎖抗体を発現する、細菌である。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、低酸素条件により活性化されるプロモーターの制御下で、抗CTLA−4抗体、例えば、単鎖抗体を発現する。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、低酸素条件により活性化されるプロモーターの制御下で、抗CTLA−4抗体、例えば、単鎖抗体を発現する、細菌である。
一部の実施形態では、遺伝子操作された微生物は、PD−1阻害剤を発現する、細菌である。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、低酸素条件、例えば、腫瘍の低酸素環境により活性化されるプロモーターの制御下で、PD−1インヒビターを発現する。一部の実施形態では、遺伝子操作された微生物は、低酸素条件、例えば、腫瘍のハイポキシック環境により活性化されるプロモーターの制御下で、PD−1阻害剤を発現する、細菌である。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、抗PD−1抗体、例えば、単鎖抗体を発現する。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、抗PD−1抗体、例えば、単鎖抗体を発現する、細菌である。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、低酸素条件により活性化されるプロモーターの制御下で、抗PD−1抗体、例えば、単鎖抗体を発現する。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、低酸素条件により活性化されるプロモーターの制御下で、抗PD−1抗体、例えば、単鎖抗体を発現する、細菌である。
一部の実施形態では、scFv構築物、例えばPD1−scFvをコードする核酸は、配列番号975、配列番号976、配列番号977、配列番号978、配列番号979、および/または配列番号980から選択される配列と少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約99%の同一性を有する配列を含む。一部の実施形態では、scFv構築物、例えばPD1−scFv、をコードする核酸は、配列番号975、配列番号976、配列番号977、配列番号978、配列番号979、および/または配列番号980から選択される配列を含む。一部の実施形態では、scFv構築物、例えばPD1−scFv、をコードする核酸は、配列番号975、配列番号976、配列番号977、配列番号978、配列番号979、および/または配列番号980から選択される配列からなる。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、PD−L1阻害剤を発現する。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、抗PD−L1抗体、例えば、単鎖抗体を発現する。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、抗PD−L1抗体、例えば、単鎖抗体を発現する、細菌である。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、低酸素条件により活性化されるプロモーターの制御下で、抗PD−L1抗体、例えば、単鎖抗体を発現する、細菌である。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、PD−L2阻害剤を発現する、細菌である。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、抗PD−L2抗体、例えば、単鎖抗体を発現する、細菌である。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、抗PD−L2抗体、例えば、単鎖抗体を発現する、細菌である。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、低酸素条件により活性化されるプロモーターの制御下で、抗PD−L2抗体、例えば、単鎖抗体を発現する、細菌である。
単鎖抗CTLA−4抗体の構築における使用のための例示的重鎖および軽鎖アミノ酸配列が示され、本明細書に記載されている(例えば、配列番号761、配列番号762、配列番号763、配列番号764)。
単鎖抗PD−1抗体の構築における使用のための例示的な重鎖および軽鎖アミノ酸配列としては、配列番号1、配列番号2、配列番号3、および/または配列番号4が挙げられる。
一部の実施形態では、配列は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、および/または配列番号4の配列と少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約99%相同である。単鎖抗体の構築のための他の例示的な重鎖および軽鎖アミノ酸配列としては、配列番号5〜46が挙げられる。
一部の実施形態では、単鎖抗体は、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号34、配列番号35、配列番号36、配列番号37、配列番号38、配列番号39、配列番号40、配列番号41、配列番号42、配列番号43、配列番号44 配列番号45、または配列番号46の配列と少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約99%相同である。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、および/または配列番号4のDNA配列と少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約99%相同であるポリペプチドをコードする核酸配列を含む。
一部の実施形態では、遺伝子操作された微生物は、低酸素条件で、ならびに/あるいはがんの存在下で、および/または腫瘍微小環境、または組織特異的分子もしくは代謝物において、ならびに/あるいは炎症または免疫抑制に関連する分子または代謝物の存在下で、ならびに/あるいは消化管内に存在し得る代謝物の存在下で、ならびに/あるいはin vivoで存在することもあり、しないこともあり、in vitroで、株培養、拡大増殖、産生、および/または製造中に存在することもある、代謝物、例えば、アラビノース、クメート、およびサリチレート、ならびに本明細書に記載される他のものの存在下で、記載のCTLA−4、PD−1、PD−L1、PD−L2、TIGIT、VISTA、LAG−3、TIM1、TIM3、CEACAM1、LAIR−1、HVEM、BTLA、CD160、CD200、CD200R、CD39、CD73、B7−H3、B7−H4、IDO、TDO、KIR、およびA2aR回路のうちのいずれか1つまたは複数を発現することができる。一部の実施形態では、そのようなインデューサーは、エフェクター遺伝子発現を誘導するために、in vivoで投与され得る。一部の実施形態では、CTLA−4、PD−1、PD−L1、PD−L2、TIGIT、VISTA、LAG−3、TIM1、TIM3、CEACAM1、LAIR−1、HVEM、BTLA、CD160、CD200、CD200R、CD39、CD73、B7−H3、B7−H4、IDO、TDO、KIR、およびA2aRをコードする遺伝子配列は、そのような条件および/またはインデューサーにより誘導可能なプロモーターによって制御される。一部の実施形態では、CTLA−4、PD−1、PD−L1、PD−L2、TIGIT、VISTA、LAG−3、TIM1、TIM3、CEACAM1、LAIR−1、HVEM、BTLA、CD160、CD200、CD200R、CD39、CD73、B7−H3、B7−H4、IDO、TDO、KIR、およびA2aRをコードする遺伝子配列は、本明細書に記載される構成的プロモーターによって制御される。一部の実施形態では、遺伝子配列は、構成的プロモーターにより制御され、本明細書に記載の、in vivo条件および/またはin vitro条件で、例えば、拡大増殖、産生および/または製造中に発現される。一部の実施形態では、CTLA−4、PD−1、PD−L1、PD−L2、TIGIT、VISTA、LAG−3、TIM1、TIM3、CEACAM1、LAIR−1、HVEM、BTLA、CD160、CD200、CD200R、CD39、CD73、B7−H3、B7−H4、IDO、TDO、KIR、およびA2aRをコードする記載の遺伝子配列のうちのいずれか1つまたは複数は、1つもしくは複数のプラスミド(例えば、高コピー数または低コピー数プラスミド)上に存在するか、または微生物の染色体内の1つもしくは複数の部位に組み込まれている。
これらの実施形態のいずれにおいても、CTLA−4、PD−1、PD−L1、PD−L2、TIGIT、VISTA、LAG−3、TIM1、TIM3、CEACAM1、LAIR−1、HVEM、BTLA、CD160、CD200、CD200R、CD39、CD73、B7−H3、B7−H4、IDO、TDO、KIR、およびA2aRをコードする遺伝子配列を含む、遺伝子操作された細菌は、1つまたは複数のさらなるエフェクター分子、すなわち、治療用分子または代謝変換因子をコードする遺伝子配列をさらに含む。これらの実施形態のいずれにおいても、CTLA−4、PD−1、PD−L1、PD−L2、TIGIT、VISTA、LAG−3、TIM1、TIM3、CEACAM1、LAIR−1、HVEM、BTLA、CD160、CD200、CD200R、CD39、CD73、B7−H3、B7−H4、IDO、TDO、KIR、およびA2aRをコードする回路は、同じかまたは異なる細菌株において、本明細書に記載される1つまたは複数の免疫イニシエーターまたは免疫サステナーをコードする回路と組み合わせることができる(組合せ回路または株の混合物)。免疫イニシエーターまたは免疫サステナーをコードする回路は、構成的または誘導性プロモーター、例えば、低酸素誘導性プロモーターまたは本明細書に記載される任意の他の構成的もしくは誘導性プロモーターの制御下にあり得る。
これらの実施形態のいずれにおいても、CTLA−4、PD−1、PD−L1、PD−L2、TIGIT、VISTA、LAG−3、TIM1、TIM3、CEACAM1、LAIR−1、HVEM、BTLA、CD160、CD200、CD200R、CD39、CD73、B7−H3、B7−H4、IDO、TDO、KIR、およびA2aRをコードする遺伝子配列は、同じかまたは異なる細菌株において、本明細書に記載される1つまたは複数のSTINGアゴニスト産生酵素をコードする遺伝子配列と組み合わせることができる(組合せ回路または株の混合物)。一部の実施形態では、CTLA−4、PD−1、PD−L1、PD−L2、TIGIT、VISTA、LAG−3、TIM1、TIM3、CEACAM1、LAIR−1、HVEM、BTLA、CD160、CD200、CD200R、CD39、CD73、B7−H3、B7−H4、IDO、TDO、KIR、およびA2aRをコードする遺伝子配列と組み合わされる遺伝子配列は、DacAをコードする。DacAは、構成的または誘導性プロモーター、例えば、低酸素誘導性プロモーター、例えば、FNR、または本明細書に記載される任意の他の構成的もしくは誘導性プロモーターの制御下にあり得る。一部の実施形態では、dacA遺伝子は、染色体に組み込まれている。一部の実施形態では、CTLA−4、PD−1、PD−L1、PD−L2、TIGIT、VISTA、LAG−3、TIM1、TIM3、CEACAM1、LAIR−1、HVEM、BTLA、CD160、CD200、CD200R、CD39、CD73、B7−H3、B7−H4、IDO、TDO、KIR、およびA2aRをコードする遺伝子配列と組み合わされる遺伝子配列は、cGASをコードする。cGASは、構成的または誘導性プロモーター、例えば、低酸素誘導性プロモーター、例えば、FNR、または本明細書に記載される任意の他の構成的もしくは誘導性プロモーターの制御下にあり得る。一部の実施形態では、cGASをコードする遺伝子は、染色体に組み込まれている。
これらの組合せの実施形態のいずれにおいても、細菌は、栄養要求性の改変、例えば、DapA、ThyA、または両方の突然変異または欠失をさらに含み得る。これらの実施形態のいずれにおいても、細菌は、ファージの改変、例えば、本明細書に記載される内在性プロファージの突然変異または欠失をさらに含み得る。
また、一部の実施形態では、遺伝子操作された微生物は、CTLA−4、PD−1、PD−L1、PD−L2、TIGIT、VISTA、LAG−3、TIM1、TIM3、CEACAM1、LAIR−1、HVEM、BTLA、CD160、CD200、CD200R、CD39、CD73、B7−H3、B7−H4、IDO、TDO、KIR、およびA2aRをコードする記載の回路のうちのいずれか1つまたは複数を発現することができ、以下のうちの1つまたは複数をさらに含む:(1)1つまたは複数の栄養要求体、例えば、当技術分野において公知の、本明細書に提供される、任意の栄養要求体、例えば、thyA栄養要求体、(2)1つまたは複数のキルスイッチ回路、例えば、本明細書に記載されるか、またはそうでなければ当該技術分野において公知の、キルスイッチのうちのいずれか、(3)1つまたは複数の抗生物質耐性回路、(4)生体分子または基質を移入するための1つまたは複数の輸送体、例えば、本明細書に記載されるか、またはそうでなければ当該技術分野において公知の、輸送体のうちのいずれか、(5)1つまたは複数の分泌回路、例えば、本明細書に記載され、そうでなければ当該技術分野において公知の、分泌回路のうちのいずれか、(6)1つまたは複数の表面提示回路、例えば、本明細書に記載され、そうでなければ当該技術分野において公知の、表面提示回路のうちのいずれか、および(7)本明細書に記載される1つまたは複数の代謝物(例えば、キヌレニン、トリプトファン、アデノシン、アルギニン)の産生または分解のための1つまたは複数の回路、(8)このような追加の回路のうちの1つまたは複数の組合せ。これらの実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、単独で、または抗CTLA4、抗PD1、もしくは抗PD−L1抗体を含むがこれらに限定されない、本明細書に記載される1つもしくは複数の免疫チェックポイント阻害剤と組み合わせて投与してもよい。
免疫代謝および代謝変換因子
トリプトファンおよびキヌレニン
調節性T細胞、またはTregは、過剰な免疫反応を防止すること、自己抗原に対する寛容を維持すること、および自己免疫を消失させることによって免疫系をモジュレートする、T細胞の亜集団である。Tregは、他の細胞の免疫応答を抑制し、例えば、侵入してくる生物の排除に成功した後、免疫応答を停止させる。これらの細胞は、エフェクターT細胞の誘導および増殖を一般に抑制または下方調節する。CD4、CD25、およびFoxp3(CD4+CD25+調節性T細胞)を発現するものを含む、調節性T細胞の種々の亜集団がある。Tregは、エフェクターT細胞応答を減弱させるのに肝要であり、したがって、有効な抗腫瘍応答の主な障害の1つに相当し、抗腫瘍応答の誘導または強化に頼る現行の治療の失敗を意味する。したがって、ある特定の実施形態では、本開示の遺伝子操作された細菌は、Tregを枯渇させる、および/またはTreg活性化を阻害もしくは遮断する、1つまたは複数の免疫モジュレーターを産生する。
トリプトファン(TRP)からキヌレニン(KYN)への代謝経路は、自然および適応免疫の肝要な調節因子として確立されている。インドールアミン−2,3−ジオキシゲナーゼ1(IDO1)およびTRP−2,3−ジオキシゲナーゼ2(TDO)による必須アミノ酸であるトリプトファンの分解、ならびに結果として生じるアリール炭化水素受容体(AHR)を活性化するトリプトファン代謝物、例えば、キヌレニンの産生はいずれも、多くの種類のがんにおいて、免疫抑制性微小環境を維持する中心経路である。例えば、AHRとのキヌレニンの結合は、調節性T細胞表現型(Treg)に有利に働くナイーブCD4+ヘルパーT(Th)細胞の分化の再プログラミングをもたらし、その一方で、インターロイキン−17(IL−17)産生Th(Th17)細胞への分化の抑制をもたらす。アリール水素受容体の活性化は、樹状細胞に対する免疫寛容性表現型の促進ももたらす。
一部の実施形態では、本開示の遺伝子操作された微生物、例えば、遺伝子操作された細菌は、トリプトファンを産生する、および/またはキヌレニンを分解することによって、Tregを枯渇させることまたはTregの活性化を阻害もしくは遮断することができる。一部の実施形態では、本開示の遺伝子操作された微生物は、トリプトファンを産生する、および/またはキヌレニンを分解することによって、CD8+:Tregの比を増大させることができる(例えば、TregよりCD8+の産生に有利に働く)。
トリプトファンを増加させること
一部の実施形態では、本開示の遺伝子操作された微生物は、トリプトファンを産生することができる。一部の実施形態では、トリプトファンを産生する、遺伝子操作された細菌および/または他の微生物は、トリプトファン生合成経路の1つまたは複数の酵素をコードする1つまたは複数の遺伝子配列を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、B.subtilisまたはE.coli.に由来するtrpE、trpD、trpC、trpF、trpB、およびtrpA遺伝子をコードする配列を含み、必要に応じて、トリプトファン前駆体であるコリスマイト(chorismite)を産生する遺伝子配列、例えば、aroG、aroF、aroH、aroB、aroD、aroE、aroK、およびAroCをコードする配列、ならびに必要に応じて野生型またはフィードバック耐性のいずれかのSerA遺伝子を含む。必要に応じて、AroGおよびTrpEは、フィードバック耐性バージョンで置き換えられる。これらの実施形態のいずれにおいても、トリプトファンリプレッサー(trpR)を、必要に応じて、そのリプレッサー機能を低下させるかまたは消去するように、欠失、突然変異、または改変してもよい。これらの実施形態のいずれにおいても、tnaA遺伝子(Trpをインドールに変換するトリプトファナーゼをコードする)が、必要に応じて、欠失していてもよい。そのようなチェックポイント阻害剤分子の例は、例えば、2017年1月11日に出願され、WO2017/123675として公開された国際特許出願PCT/US2017/013072、および2018年1月1日に出願されたPCT/US2018/012698に記載されており、これらのそれぞれの内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、低酸素条件で、ならびに/あるいはがんの、および/または腫瘍微小環境の、および/または腫瘍微小環境もしくは組織特異的分子もしくは代謝物の存在下で、ならびに/あるいは炎症または免疫抑制に関連する分子または代謝物の存在下で、ならびに/あるいは腫瘍もしくは消化管内に存在し得る代謝物の存在下で、ならびに/あるいはin vivoで存在することもあり、しないこともあり、in vitroで、株培養、拡大増殖、産生、および/または製造中に存在することもある、代謝物、例えば、アラビノース、クメート、およびサリチレート、ならびに本明細書に記載される他のものの存在下で、記載の回路のうちのいずれか1つまたは複数を発現することができる。一部の実施形態では、そのようなインデューサーは、エフェクター遺伝子発現を誘導するために、in vivoで投与され得る。一部の実施形態では、遺伝子配列は、そのような条件および/またはインデューサーにより誘導可能なプロモーターによって制御される。一部の実施形態では、遺伝子配列は、本明細書に記載される構成的プロモーターによって制御される。一部の実施形態では、遺伝子配列は、構成的プロモーターによって制御され、本明細書に記載の、in vivo条件および/またはin vitro条件で、例えば、細菌の拡大増殖、産生、および/または製造中に発現される。
一部の実施形態では、記載の回路のうちのいずれか1つまたは複数は、1つもしくは複数のプラスミド(例えば、高コピー数または低コピー数プラスミド)上に存在するか、または細菌の染色体内の1つもしくは複数の部位に組み込まれている。また、一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌および/または他の微生物は、記載の回路のうちのいずれか1つまたは複数をさらに発現することができ、以下のうちの1つまたは複数をさらに含む:(1)本明細書に記載される、STINGアゴニストの産生のための1つまたは複数の酵素を含むがこれらに限定されない、1つまたは複数のイニシエーター回路、(2)本明細書に記載される1つまたは複数のサステナー回路、(3)1つまたは複数の栄養要求体、例えば、当該技術分野において公知の、本明細書に提供される、任意の栄養要求体、例えば、thyA栄養要求体、(2)本明細書に記載されるか、またはそうでなければ当該技術分野において公知の、1つまたは複数のキルスイッチ回路、(3)1つまたは複数の抗生物質耐性回路、(4)本明細書に記載されるか、またはそうでなければ当該技術分野において公知の、生体分子または基質を移入するための1つまたは複数の輸送体、(5)本明細書に記載され、そうでなければ当該技術分野において公知の、1つまたは複数の分泌回路、(6)本明細書に記載され、そうでなければ当該技術分野において公知の、1つまたは複数の表面提示回路、(7)本明細書に記載される1つまたは複数の代謝物の産生または分解のための1つまたは複数の回路(代謝変換因子)(例えば、キヌレニン、トリプトファン、アデノシン、アルギニン)、および(8)このような追加の回路のうちの1つまたは複数の組合せ。これらの実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌を単独で投与することができ、または抗CTLA4抗体、抗PD1および/もしくは抗PDL1抗体を含むがこれらに限定されない、本明細書に記載の1つもしくは複数の免疫チェックポイントインヒビターと組み合わせて投与することができる。
キヌレニンを減少させること
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌および/または他の微生物は、キヌレニンを代謝または分解するため、および細胞外環境におけるキヌレニンレベルを低減させるための機序を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌および/または他の微生物は、キヌレニナーゼをコードする遺伝子配列を含む。
一実施形態では、遺伝子操作された微生物は、Pseudomonas fluorescensからのキヌレニナーゼの発現のための遺伝子配列をコードし、このキヌレニナーゼは、キヌレニンをAA(アントラニル酸(Anthranillic acid))に変換し、その後、このAAは、E.coli trpオペロンの酵素によってトリプトファンに変換されうる。必要に応じて、trpE遺伝子を、それがキヌレニンからのトリプトファンの生成に必要とされない場合には、欠失させてもよい。したがって、一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、trpD、trpC、trpA、ならびにtrpDおよびキヌレニナーゼをコードする、1つまたは複数の遺伝子または遺伝子カセットを含むことができる。この欠失は、内在性コリスメート経路によるトリプトファンの産生を妨げることもあり、キヌレニナーゼによるキヌレニンからのトリプトファンの産生を増加させることもある。
代替実施形態では、trpE遺伝子は、キヌレニンおよびコリスメートの両方を基質として使用することによりトリプトファン産生を最大にするために、欠失されない。本発明の一実施形態では、この回路を含む遺伝子操作された細菌および/または他の微生物は、がんにおける免疫回避を低減させるのに有用であり得る。
一部の実施形態では、微生物は、細胞外環境、例えば腫瘍環境、からのキヌレニンの取込みのための輸送体をコードする。Salmonella typhimuriumにおいてchrとtrpオペロンの間に位置するAroT、ならびにEscherichia coliのtrp座位付近の類似の遺伝子、aroRおよびaroSは、芳香族アミノ酸の輸送に関与することが判明した。AroPは、芳香族アミノ酸(フェニルアラニン、チロシン、およびトリプトファン)の細胞質膜を横断する輸送に関与する透過酵素である。そのような輸送体/透過酵素の発現は、遺伝子操作された微生物におけるキヌレニン移入に有用でありうる。
本開示の遺伝子操作された細菌によりコードされるキヌレニナーゼをコードする例示的な遺伝子としては、ある特定の実施形態では、配列番号65〜67が挙げられる。
一実施形態では、遺伝子操作された細菌によりコードされ、発現される1つまたは複数のポリペプチドおよび/またはポリヌクレオチドは、配列番号65から配列番号67までの1つまたは複数と少なくとも約80%の同一性を有する。一実施形態では、遺伝子操作された細菌によりコードされ、発現される1つまたは複数のポリペプチドおよび/またはポリヌクレオチドは、配列番号65から配列番号67までの1つまたは複数と少なくとも約85%の同一性を有する。一実施形態では、遺伝子操作された細菌によりコードされ、発現される1つまたは複数のポリペプチドおよび/またはポリヌクレオチドは、配列番号65から配列番号67までの1つまたは複数と少なくとも約90%の同一性を有する。一実施形態では、遺伝子操作された細菌によりコードされ、発現される1つまたは複数のポリペプチドおよび/またはポリヌクレオチドは、配列番号65から配列番号67までの1つまたは複数と少なくとも約95%の同一性を有する。一実施形態では、遺伝子操作された細菌によりコードされ、発現される1つまたは複数のポリペプチドおよび/またはポリヌクレオチドは、配列番号65から配列番号67までの1つまたは複数と少なくとも約96%、97%、98%、または99%の同一性を有する。したがって、一実施形態では、遺伝子操作された細菌により発現される1つまたは複数のポリペプチドおよび/またはポリヌクレオチドは、配列番号65から配列番号67までの1つまたは複数と少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する。別の実施形態では、遺伝子操作された細菌によりコードされ、発現される1つまたは複数のポリヌクレオチドおよび/またはポリペプチドは、配列番号65から配列番号67までの1つまたは複数の配列を含む。別の実施形態では、遺伝子操作された細菌によりコードされ、発現される1つまたは複数のポリヌクレオチドおよび/またはポリペプチドは、配列番号65から配列番号67までの1つまたは複数の配列からなる。
例示的なコドン最適化キヌレニナーゼカセット配列は、配列番号68、865、69、866、70、867を含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌によりコードされ、発現される1つまたは複数のポリヌクレオチドは、配列番号68から配列番号70および配列番号865から配列番号868までの1つまたは複数と少なくとも約80%の同一性を有する。一実施形態では、遺伝子操作された細菌によりコードされ、発現される1つまたは複数のポリヌクレオチドは、配列番号68から配列番号70および配列番号865から配列番号868までの1つまたは複数と少なくとも約85%の同一性を有する。一実施形態では、遺伝子操作された細菌によりコードされ、発現される1つまたは複数のポリヌクレオチドは、配列番号68から配列番号70および配列番号865から配列番号868までの1つまたは複数と少なくとも約90%の同一性を有する。一実施形態では、遺伝子操作された細菌によりコードされ、発現される1つまたは複数のポリヌクレオチドは、配列番号68から配列番号70および配列番号865から配列番号868までの1つまたは複数と少なくとも約95%の同一性を有する。一実施形態では、遺伝子操作された細菌によりコードされ、発現される1つまたは複数のポリヌクレオチドは、配列番号68から配列番号70および配列番号865から配列番号868までの1つまたは複数と少なくとも約96%、97%、98%、または99%の同一性を有する。したがって、一実施形態では、遺伝子操作された細菌により発現される1つまたは複数のポリヌクレオチドは、配列番号68から配列番号70および配列番号865から配列番号868までの1つまたは複数と少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する。別の実施形態では、遺伝子操作された細菌によりコードされ、発現される1つまたは複数のポリヌクレオチドは、配列番号68から配列番号70および配列番号865から配列番号868までの1つまたは複数の配列を含む。別の実施形態では、遺伝子操作された細菌によりコードされ、発現される1つまたは複数のポリヌクレオチドは、配列番号68から配列番号70および配列番号865から配列番号868までの1つまたは複数の配列からなる。
一部の実施形態では、Pseudomonas fluorescensキヌレニナーゼの発現のための構築物は、配列番号116、配列番号888、配列番号889、配列番号890、配列番号891、配列番号892、および/または配列番号893から選択される配列と少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約99%相同である。一部の実施形態では、Pseudomonas fluorescensキヌレニナーゼの発現のための構築物は、配列番号116、配列番号888、配列番号889、配列番号890、配列番号891、配列番号892、および/または配列番号893から選択される配列を含む。一部の実施形態では、Pseudomonas fluorescensキヌレニナーゼの発現のための構築物は、配列番号116、配列番号888、配列番号889、配列番号890、配列番号891、配列番号892、および/または配列番号893から選択される配列からなる。他の適切なキヌレニナーゼは、米国特許出願公開第20170056449号に記載されており、前記特許文献の内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
これらの実施形態のいずれにおいても、キヌレニンを消費するように、および必要に応じて、トリプトファンを産生するように、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より0%〜2%〜4%、4%〜6%、6%〜8%、8%〜10%、10%〜12%、12%〜14%、14%〜16%、16%〜18%、18%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜35%、35%〜40%、40%〜45%、45%〜50%、50%〜55%、55%〜60%、60%〜65%、65%〜70%〜80%、80%〜90%、または90%〜100%多いキヌレニンを消費する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍多いキヌレニンを消費する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より約3倍、4倍、約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、50倍、100倍、500倍、または1000倍多いキヌレニンを消費する。
これらの実施形態のいずれにおいても、キヌレニンを消費するように、および必要に応じて、トリプトファンを産生するように、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約0%〜2%〜4%、4%〜6%、6%〜8%、8%〜10%、10%〜12%、12%〜14%、14%〜16%、16%〜18%、18%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜35%、35%〜40%、40%〜45%、45%〜50%、50%〜55%、55%〜60%、60%〜65%、65%〜70%〜80%、80%〜90%、または90%〜100%多いトリプトファンを産生する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍多いトリプトファンを産生する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、または50倍、100倍、500倍、または1000倍多いトリプトファンを産生する。
これらの実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌と比較して、キヌレニン消費速度を0%〜2%〜4%、4%〜6%、6%〜8%、8%〜10%、10%〜12%、12%〜14%、14%〜16%、16%〜18%、18%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜35%、35%〜40%、40%〜45%、45%〜50%、50%〜55%、55%〜60%、60%〜65%、65%〜70%〜80%、80%〜90%、または90%〜100%上昇させる。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌と比較して、キヌレニン消費速度を1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍大きく上昇させる。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌と比較して、キヌレニン消費速度を約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、または50倍、100倍、500倍、または1000倍上昇させる。
一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、4時間後、同じ細菌亜型の未改変細菌と比較して、キヌレニン消費を約80%〜100%増加させる。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、4時間後、同じ細菌亜型の未改変細菌と比較して、キヌレニン消費を約90%〜100%増加させる。1つの特定の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、4時間後、同じ細菌亜型の未改変細菌と比較して、キヌレニン消費を約95%〜100%増加させる。1つの特定の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、4時間後、同じ細菌亜型の未改変細菌と比較して、キヌレニン消費を約99%〜100%増加させる。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、4時間後、キヌレニン消費を約10〜50倍増加させる。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、4時間後、キヌレニン消費を約50〜100倍増加させる。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、4時間後、キヌレニン消費を約100〜500倍増加させる。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、4時間後、キヌレニン消費を約500〜1000倍増加させる。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、4時間後、キヌレニン消費を約1000〜5000倍増加させる。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、4時間後、キヌレニン消費を約5000〜10000倍増加させる。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、4時間後、キヌレニン消費を約10000〜1000倍増加させる。
これらの実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、例えば、腫瘍において、細胞増殖を、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく低減することができる。これらの実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、例えば、腫瘍において、腫瘍増殖を、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく低減することができる。これらの実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、例えば、腫瘍において、腫瘍サイズを、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく低減することができる。これらの実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、例えば、腫瘍において、腫瘍体積を、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく低減することができる。これらの実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、例えば、腫瘍において、腫瘍重量を、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく低減することができる。
一部の実施形態では、キヌレニナーゼは、本明細書に記載される分泌系を使用して、細胞外環境、例えば、腫瘍微小環境に分泌される。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌および/または他の微生物は、キヌレニンを代謝または分解するための機構であって、一部の実施形態では、トリプトファンの産生増加ももたらす機構を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、細胞外環境におけるTRP:KYN比またはKYN:TRP比をモジュレートする。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、TRP:KYN比またはKYN:TRP比を増大させる。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、TRP:KYN比またはKYN:TRP比を低減させる。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、酵素キヌレニナーゼをコードする配列を、さらに、本明細書に記載されるトリプトファン産生回路のうちのいずれかを含む。
遺伝子操作された細菌および/または他の微生物は、キヌレニナーゼを産生するために任意の適切な遺伝子を含むことができる。一部の実施形態では、キヌレニナーゼを産生するための遺伝子は、例えば、安定性を増強させ、キヌレニナーゼ産生を増加させるように、改変および/または突然変異される。一部の実施形態では、操作された細菌および/または他の微生物はまた、キヌレニンの取込みまたは移入が増強されており、例えば、キヌレニンの細菌および/または他の微生物細胞への取込みを増加させるための輸送体または他の機構を含む。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌および/または他の微生物は、誘導条件下で、例えば、免疫抑制および/または腫瘍微小環境に関連する条件下で、キヌレニナーゼを産生することができる。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌および/または他の微生物は、低酸素条件で、がん、もしくはある特定の組織、免疫抑制、もしくは炎症と関連するある特定の分子または代謝物の存在下で、あるいはin vivoで、例えば、腫瘍微小環境に存在することもあり、しないこともあり、in vitroで、株培養、拡大増殖、産生、および/または製造中に存在することもある、何らかの他の代謝物、例えば、アラビノース、クメート、およびサリチレートの存在下で、キヌレニナーゼを産生することができる。
一部の実施形態では、遺伝子配列は、そのような条件および/またはインデューサーにより誘導されうるプロモーターによって制御される。一部の実施形態では、遺伝子配列は、本明細書に記載の構成的プロモーターによって制御される。一部の実施形態では、遺伝子配列は、構成的プロモーターにより制御され、本明細書に記載の、in vivo条件および/またはin vitro条件で、例えば、細菌および/もしくは他の微生物の拡大増殖、産生および/または製造中に発現される。一部の実施形態では、記載の回路のうちのいずれか1つまたは複数は、1つもしくは複数のプラスミド(例えば、高コピー数または低コピー数プラスミド)上に存在するか、または細菌の染色体内の1つもしくは複数の部位に組み込まれている。
これらの実施形態のいずれにおいても、キヌレニナーゼ、例えば、Pseudomonas fluorescensに由来するものをコードする遺伝子配列を含む、遺伝子操作された細菌は、1つまたは複数のさらなるエフェクター分子、すなわち、治療用分子または代謝変換因子をコードする遺伝子配列をさらに含む。これらの実施形態のいずれにおいても、キヌレニナーゼ、例えば、Pseudomonas fluorescensに由来するものをコードする回路は、同じかまたは異なる細菌株において、本明細書に記載される1つまたは複数の免疫イニシエーターまたは免疫サステナーをコードする回路と組み合わせることができる(組合せ回路または株の混合物)。免疫イニシエーターまたは免疫サステナーをコードする回路は、構成的または誘導性プロモーター、例えば、低酸素誘導性プロモーターまたは本明細書に記載される任意の他の構成的もしくは誘導性プロモーターの制御下にあり得る。
これらの実施形態のいずれにおいても、キヌレニナーゼ、例えば、Pseudomonas fluorescensに由来するものをコードする遺伝子配列は、同じかまたは異なる細菌株において、本明細書に記載される1つまたは複数のSTINGアゴニスト産生酵素をコードする遺伝子配列と組み合わせることができる(組合せ回路または株の混合物)。一部の実施形態では、キヌレニナーゼ、例えば、Pseudomonas fluorescensに由来するものをコードする遺伝子配列と組み合わされる遺伝子配列は、DacAをコードする。DacAは、構成的または誘導性プロモーター、例えば、低酸素誘導性プロモーター、例えば、FNR、または本明細書に記載される任意の他の構成的もしくは誘導性プロモーターの制御下にあり得る。一部の実施形態では、dacA遺伝子は、染色体に組み込まれている。一部の実施形態では、キヌレニナーゼ、例えば、Pseudomonas fluorescensに由来するものをコードする遺伝子配列と組み合わされる遺伝子配列は、cGASをコードする。cGASは、構成的または誘導性プロモーター、例えば、低酸素誘導性プロモーター、例えば、FNR、または本明細書に記載される任意の他の構成的もしくは誘導性プロモーターの制御下にあり得る。一部の実施形態では、cGASをコードする遺伝子は、染色体に組み込まれている。これらの組合せの実施形態のいずれにおいても、細菌は、栄養要求性の改変、例えば、DapA、ThyA、または両方の突然変異または欠失をさらに含み得る。これらの実施形態のいずれにおいても、細菌は、ファージの改変、例えば、本明細書に記載される内在性プロファージの突然変異または欠失をさらに含み得る。必要に応じて、細菌株は、本明細書に記載されるトリプトファン産生回路網をさらに含み得る。
また、一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌および/または他の微生物は、記載の回路のうちのいずれか1つまたは複数をさらに発現することができ、以下のうちの1つまたは複数をさらに含む:(1)本明細書に記載される、STINGアゴニストの産生のための1つまたは複数の酵素を含むがこれらに限定されない、1つまたは複数のイニシエーター回路、(2)本明細書に記載される1つまたは複数のサステナー回路、(3)1つまたは複数の栄養要求体、例えば、当該技術分野において公知の、本明細書に提供される、任意の栄養要求体、例えば、thyA栄養要求体、(2)本明細書に記載されるか、またはそうでなければ当該技術分野において公知の、1つまたは複数のキルスイッチ回路、(3)1つまたは複数の抗生物質耐性回路、(4)本明細書に記載されるか、そうでなければ当該技術分野において公知の、生体分子または基質を移入するための1つまたは複数の輸送体、(5)本明細書に記載され、そうでなければ当該技術分野において公知の、1つまたは複数の分泌回路、(6)本明細書に記載され、そうでなければ当該技術分野において公知の、1つまたは複数の表面提示回路、および(7)本明細書に記載される1つまたは複数の代謝物の産生または分解のための1つまたは複数の回路(代謝変換因子)(例えば、キヌレニン、トリプトファン、アデノシン、アルギニン)、および(8)このような追加の回路のうちの1つまたは複数の組合せ。これらの実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、単独で、または抗CTLA4抗体、抗PD1、および/もしくは抗PDL1抗体を含むがこれらに限定されない、本明細書に記載される1つもしくは複数の免疫チェックポイント阻害剤と組み合わせて投与してもよい。
適応実験室進化(ALE)
本明細書に記載されるPseudomonas fluorescens(kynU)に由来するキヌレニナーゼ(KYNase)を導入することによって、KYNを効率的に移入し、それをTRPに変換するように、E.coli Nissleを操作することができる。
E.coliは、そのTRP生合成経路においてアントラニレートを天然に利用する。簡単に述べると、TrpE(TrpDとの複合体でのTrpE)酵素は、コリスメートをアントラニレートに変換する。次いで、TrpD、TrpC、TrpAおよびTrpBは、インドールとセリンが縮合してトリプトファンを形成することで終わる、5ステップ反応を触媒する。ラムダ−REDリコンビニアリングによってTrpE酵素を置換することにより、その後のNissle株(ΔtrpE::Cm)は、TRPまたはアントラニレートの補給のない最少培地では成長することができない栄養要求株である。あるいは、ΔtrpE::Cmにおけるキヌレニナーゼの発現(KYNase−trpE)によって、KYNを供給することによりこの栄養要求体をレスキューすることができる。
本明細書に記載されるように、KYNase−trpE中のKYNの成長制限性を活用し、適応実験室進化を用いて、KYNを益々効率的に利用することができる株を進化させた。
それらの培養の容易さ、短い世代時間、非常に高い集団密度および小さいゲノムのため、微小生物を簡易タイムスケールで固有の表現型に進化させることができる。適応実験室進化(ALE)は、好ましい表現型を有する株を進化させるために選択圧下で微小生物を継代させる方法である。適応実験室進化は、は、2017年1月11日に出願され、WO2017/123675として公開された、国際特許出願PCT/US2017/013072に記載されており、その内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
先ず、KYN濃度の下限を確立し、漸減KYN濃度で継代させることにより突然変異体を進化させた。これは、KYN移入を増加させることができる突然変異体を選択することができるが、細菌細胞は、遊離している外因性TRPを利用するほうを依然として選ぶ。腫瘍環境において、KYNを枯渇させ、局所TRP濃度を上昇させることにより、二重治療機能を得ることができる。したがって、TRPよりKYNのほうを選ぶ株を進化させるために、TRPの毒性アナログ−5−フルオローL−トリプトファン(ToxTRP)−をALE実験に組み込むことができる。次いで、結果として得られた最高性能の株を全ゲノム配列解析に供して、寄与する突然変異を逆重畳積分する。ラムダ−REDを行って、TrpEを再導入し、Trp調節(trpR、tyrR転写アテニュエーター)を不活性化して、TrpABCDE発現を上方調節し、コリスメート産生を増加させることができる。結果として得られる株は、今や外部TRPに対して非感受性であり、KYNを効率的にTRPに変換し、そしてまた、今やTRPを過剰産生する。
プリン作動性の系−ATP/アデノシン代謝
がん免疫療法の成功に対する重要な障害は、腫瘍が、抗炎症性サイトカインの産生、調節性免疫サブセットの動員、および免疫抑制性代謝物の産生を含む、免疫回避を容易にするいくつかの機序を用いることである。1つのそのような免疫抑制経路は、CD73による、強力な免疫抑制分子である細胞外アデノシンの産生である。損傷したまたは瀕死の細胞および細菌により放出される、免疫刺激性細胞外ATPは、免疫食細胞の動員を促進し、NLRP3インフラマソームの共活性化因子であるP2X7Rを活性化し、これにより、その後、IL−1βおよびIL−18などの炎症性サイトカインの産生が誘発される。細胞外ATPのADP、AMP、およびアデノシンへの異化は、ATPをAMPに加水分解するCD39(エクトヌクレオシド三リン酸ジホスホヒドロラーゼ1、E−NTPDase1)、およびAMPを脱リン酸化してアデノシンにするCD73(エクト−5’ヌクレオチダーゼ、Ecto5’NTase)によって制御される。したがって、CD39およびCD73は、協調して作用して、炎症性ATPを免疫抑制性アデノシンに変換する。その免疫調節性の役割に加えて、エクトヌクレオチダーゼ経路は、がん細胞成長、分化、浸潤、遊走、転移および腫瘍血管新生のモジュレーションに直接寄与する。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、腫瘍微小環境から過剰なアデノシンを除去するための手段を含む。多くの細菌は、合成のサルベージ経路によりヌクレオチドおよびデオキシヌクレオチドの合成環境から低濃度のヌクレオチドを捕捉する。加えて、Escherichia coliでは、ヌクレオチドが、成長のための唯一の窒素および炭素源として使用されうる(Neuhard J, Nygaard P. Biosynthesis and conversion of nucleotides, purines and pyrimidines. In: Neidhardt FC、Ingraham JL、Low KB、Magasanik B、Schaechter M、Umbarger HE編. Escherichia coli and Salmonella typhimurium: Cellular and molecular biology. Washington DC: ASM Press;1987年、445〜473頁)。濃縮型ヌクレオシド輸送体(CNT)ファミリーと、ヌクレオシド:H+共輸送体(NHS)ファミリーという、2つの進化的に無関係のカチオン連結輸送体ファミリーが、ヌクレオシド取込みに関与する(例えば、Cabritaら、Biochem. Cell Biol. 80巻、2002年.Molecular biology and regulation of nucleoside and nucleobase transporter proteins in eukaryotes and prokaryotesを参照されたく、この内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。NupCおよびNupGは、E.coliにおける輸送体ファミリーメンバーである。nupC遺伝子とnupG遺伝子の両方が欠失している突然変異体は、単一炭素源としてヌクレオシドを用いて成長することができない。これら両方の輸送体は、プロトンに連結しているが、それらの選択性に差がある。NupCは、H+/ヌクレオチド共輸送体ファミリーのヌクレオチド輸送体である。NupCピリミジンヌクレオシド−H+輸送体は、ヌクレオシド、特にピリミジンの共輸送(すなわち、H+結合基質取込み)を媒介する。このファミリーの2つの公知メンバーは、グラム陽性およびグラム陰性菌で見られる。NupGは、広範なヌクレオシドおよびデオキシヌクレオシドを輸送することができ、対照的に、NupCは、グアノシンもデオキシグアノシンも輸送することができない。E.coli由来のNupGのホモログは、ヒト消化管病原体、例えば、Salmonella typhimurium、歯周病に関連する生物、例えば、Porphyromonas gingivalisおよびPrevotella intermedia、ならびにErwinia属の植物病原体を含む、広範な真性細菌に見られる(Vaziriら、Mol Membr Biol.、2013年3月;30巻(1〜2号):114〜128頁;Use of molecular modelling to probe the mechanism of the nucleoside transporter NupGに記載の通りであり、この内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。CNTスーパーファミリーに由来する推定的細菌輸送体およびNupG/XapBファミリーに由来する輸送体としては、以下の表5および表6に列挙されているものが挙げられる。加えて、codB(GenBank P25525、Escherichia coli)が、ウラシル/アラントイン輸送体ファミリーと称する酵母輸送体ファミリーとの相同性に基づいて同定された(Cabritaら、上掲)。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、操作された細菌に腫瘍微小環境からアデノシンを移入するための手段を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、操作された細菌または操作されたウイルスに腫瘍微小環境からアデノシンを移入するための手段を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、ヌクレオシド輸送体をコードするための配列を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、アデノシン輸送体をコードするための配列を含む。ある特定の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、E.coliヌクレオシド透過酵素nupGまたはnupCをコードするための配列を含む。これらの実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、腫瘍内投与のための細菌である。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、低酸素条件により活性化されるプロモーターの制御下の、ヌクレオシド輸送体またはアデノシン輸送体をコードするための配列、例えば、nupGまたはnupC輸送体配列を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、低酸素条件によりまたは炎症性条件により活性化されるプロモーター、例えば、前記条件により活性化される、本明細書に記載のプロモーターのいずれかの制御下の、ヌクレオシド輸送体またはアデノシン輸送体をコードするための配列、例えば、nupGまたはnupC輸送体配列を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、がん特異的プロモーター、組織特異的プロモーター、または構成的プロモーター、例えば、本明細書に記載のプロモーターのいずれかの制御下の、ヌクレオシド輸送体またはアデノシン輸送体をコードするための配列、例えば、nupGまたはnupC輸送体配列を含む。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、アデノシンを代謝または分解するための手段を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、アデノシンを尿酸に変換することができる1つまたは複数の酵素をコードする1つまたは複数の遺伝子配列を含む(図1、図2および図3を参照されたい)。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、E.coliからのadd、xapA、deoD、xdhA、xdhB、およびxdhC遺伝子をコードする配列を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、E.coliからのadd、xapA、deoD、xdhA、xdhB、およびxdhC遺伝子をコードする配列を含み、ヌクレオシドまたはアデノシン輸送体をコードする配列を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、E.coliからのadd、xapA、deoD、xdhA、xdhB、およびxdhC遺伝子をコードする配列を含み、nupGまたはnupCをコードする配列を含む。例示的な操作された細菌は、図2に示されている。
アデノシン分解回路に有用な例示的な配列としては、配列番号71〜77が挙げられる。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号71、配列番号72、配列番号73、配列番号74、配列番号75、配列番号76および/もしくは配列番号77から選択される1つもしくは複数のポリヌクレオチド配列またはその機能性断片と少なくとも約80%の同一性を有する、アデノシン分解酵素またはアデノシン輸送体をコードする核酸配列を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号71、配列番号72、配列番号73、配列番号74、配列番号75、配列番号76および/もしくは配列番号77から選択される1つもしくは複数のポリヌクレオチド配列またはその機能性断片と少なくとも約90%の同一性を有する、アデノシン分解酵素またはアデノシン輸送体をコードする核酸配列を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号71、配列番号72、配列番号73、配列番号74、配列番号75、配列番号76および/もしくは配列番号77から選択される1つもしくは複数のポリヌクレオチド配列またはその機能性断片と少なくとも約95%の同一性を有する、アデノシン分解酵素またはアデノシン輸送体をコードする核酸配列を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号71、配列番号72、配列番号73、配列番号74、配列番号75、配列番号76、および/または配列番号77から選択される1つまたは複数のポリヌクレオチド配列と少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約99%相同である、アデノシン分解酵素またはアデノシン輸送体をコードする核酸配列を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号71、配列番号72、配列番号73、配列番号74、配列番号75、配列番号76および/または配列番号77から選択される1つまたは複数のポリヌクレオチド配列を含む、アデノシン分解酵素またはアデノシン輸送体をコードする核酸配列を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号71、配列番号72、配列番号73、配列番号74、配列番号75、配列番号76および/または配列番号77から選択される1つまたは複数のポリヌクレオチド配列からなる、アデノシン分解酵素またはアデノシン輸送体をコードする核酸配列を含む。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、遺伝コードの冗長性がなければ、配列番号71、配列番号72、配列番号73、配列番号74、配列番号75、配列番号76、および/または配列番号77から選択される配列と同じタンパク質をコードする、アデノシン分解酵素またはアデノシン輸送体をコードする核酸配列を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、遺伝コードの冗長性がなければ、配列番号71、配列番号72、配列番号73、配列番号74、配列番号75、配列番号76、および/もしくは配列番号77から選択される配列によりコードされるポリペプチドまたはその機能性断片に対して少なくとも約80%である、ポリペプチドをコードする、アデノシン分解酵素またはアデノシン輸送体をコードする核酸を含む。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、遺伝コードの冗長性がなければ、配列番号71、配列番号72、配列番号73、配列番号74、配列番号75、配列番号76、および/もしくは配列番号77から選択される配列によりコードされるポリペプチドまたはその機能性断片と少なくとも約90%相同であるポリペプチドをコードする、アデノシン分解酵素またはアデノシン輸送体をコードする核酸を含む。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、遺伝コードの冗長性がなければ、配列番号71、配列番号72、配列番号73、配列番号74、配列番号75、配列番号76および/もしくは配列番号77から選択される配列またはその機能性断片によりコードされているポリペプチドと少なくとも約95%相同であるポリペプチドをコードする、アデノシン分解酵素またはアデノシン輸送体をコードする核酸を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、遺伝コードの冗長性がなければ、配列番号71、配列番号72、配列番号73、配列番号74、配列番号75、配列番号76および/または配列番号77から選択される配列によりコードされているポリペプチドと少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約99%相同であるポリペプチドをコードする、アデノシン分解酵素またはアデノシン輸送体をコードする核酸を含む。
1つの特定の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、染色体のHA1/2(agaI/rsmI)領域に組み込まれたPfnrS−nupC、染色体のHA9/10(exo/cea)領域に組み込まれたPfnrS−xdhABC、および染色体のmalE/K領域に組み込まれたPfnrS−add−xapA−deoDを含む。
一部の実施形態では、構築物は、PfnrS(配列番号856)、PfnrS−nupC(配列番号857)、PfnrS−xdhABC(配列番号858)、xdhABC(配列番号859)、PfnrS−add−xapA−deoD(配列番号860)、およびadd−xapA−deoD(配列番号861)を含む。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号856、配列番号857、配列番号858、配列番号859、配列番号860、および/もしくは配列番号861から選択されるポリヌクレオチド配列またはそのバリアントもしくは機能性断片と少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約99%相同である構築物を消費するアデノシンをコードする核酸配列を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号856、配列番号857、配列番号858、配列番号859、配列番号860、および/または配列番号861から選択される1つまたは複数のポリヌクレオチド配列を含む構築物を消費するアデノシンをコードする核酸配列を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号856、配列番号857、配列番号858、配列番号859、配列番号860、および/または配列番号861から選択される1つまたは複数のポリヌクレオチド配列からなる構築物を消費するアデノシンをコードする核酸配列を含む。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、NupCをコードする核酸配列を含む。一実施形態では、核酸配列は、配列番号78と少なくとも約80%の同一性を有するNupCポリペプチドをコードする。一実施形態では、核酸配列は、配列番号78と少なくとも約90%の同一性を有するNupCポリペプチドをコードする。別の実施形態では、核酸配列は、配列番号78と少なくとも約95%の同一性を有するNupCポリペプチドをコードする。したがって、一実施形態では、核酸配列は、配列番号78と少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%の同一性を有するNupCポリペプチドをコードする。別の実施形態では、核酸配列は、配列番号78をコードする配列を含むNupCポリペプチドをコードする。さらに別の実施形態では、核酸配列は、配列番号78からなるNupCポリペプチドをコードする。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、XdhAをコードする核酸配列を含む。一実施形態では、核酸配列は、配列番号79と少なくとも約80%の同一性を有するXdhAポリペプチドをコードする。一実施形態では、核酸配列は、配列番号79と少なくとも約90%の同一性を有するXdhAポリペプチドをコードする。別の実施形態では、核酸配列は、配列番号79と少なくとも約95%の同一性を有するXdhAポリペプチドをコードする。したがって、一実施形態では、核酸配列は、配列番号79と少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%の同一性を有するXdhAポリペプチドをコードする。別の実施形態では、核酸配列は、配列番号79をコードする配列を含むXdhAポリペプチドをコードする。さらに別の実施形態では、核酸配列は、配列番号79をコードする配列からなるXdhAポリペプチドをコードする。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、XdhBをコードする核酸配列を含む。一実施形態では、核酸配列は、配列番号80と少なくとも約80%の同一性を有するXdhBポリペプチドをコードする。一実施形態では、核酸配列は、配列番号80と少なくとも約90%の同一性を有するXdhBポリペプチドをコードする。別の実施形態では、核酸配列は、配列番号80と少なくとも約95%の同一性を有するXdhBポリペプチドをコードする。したがって、一実施形態では、核酸配列は、配列番号80と少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%の同一性を有するXdhBポリペプチドをコードする。別の実施形態では、核酸配列は、配列番号80をコードする配列を含むXdhBポリペプチドをコードする。さらに別の実施形態では、核酸配列は、配列番号80をコードする配列からなるXdhBポリペプチドをコードする。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、XdhCをコードする核酸配列を含む。一実施形態では、核酸配列は、配列番号81と少なくとも約80%の同一性を有するXdhCポリペプチドをコードする。一実施形態では、核酸配列は、配列番号81と少なくとも約90%の同一性を有するXdhCポリペプチドをコードする。別の実施形態では、核酸配列は、配列番号81と少なくとも約95%の同一性を有するXdhCポリペプチドをコードする。したがって、一実施形態では、核酸配列は、配列番号81と少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%の同一性を有するXdhCポリペプチドをコードする。別の実施形態では、核酸配列は、配列番号81をコードする配列を含むXdhCポリペプチドをコードする。さらに別の実施形態では、核酸配列は、配列番号81をコードする配列からなるXdhCポリペプチドをコードする。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、Addをコードする核酸配列を含む。一実施形態では、核酸配列は、配列番号82と少なくとも約80%の同一性を有するAddポリペプチドをコードする。一実施形態では、核酸配列は、配列番号82と少なくとも約90%の同一性を有するAddポリペプチドをコードする。別の実施形態では、核酸配列は、配列番号82と少なくとも約95%の同一性を有するAddポリペプチドをコードする。したがって、一実施形態では、核酸配列は、配列番号82と少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%の同一性を有するAddポリペプチドをコードする。別の実施形態では、核酸配列は、配列番号82をコードする配列を含むAddポリペプチドをコードする。さらに別の実施形態では、核酸配列は、配列番号82をコードする配列からなるAddポリペプチドをコードする。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、XapAをコードする核酸配列を含む。一実施形態では、核酸配列は、配列番号83と少なくとも約80%の同一性を有するXapAポリペプチドをコードする。一実施形態では、核酸配列は、配列番号83と少なくとも約90%の同一性を有するXapAポリペプチドをコードする。別の実施形態では、核酸配列は、配列番号83と少なくとも約95%の同一性を有するXapAポリペプチドをコードする。したがって、一実施形態では、核酸配列は、配列番号83と少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%の同一性を有するXapAポリペプチドをコードする。別の実施形態では、核酸配列は、配列番号83をコードする配列を含むXapAポリペプチドをコードする。さらに別の実施形態では、核酸配列は、配列番号83をコードする配列からなるXapAポリペプチドをコードする。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、DeoDをコードする核酸配列を含む。一実施形態では、核酸配列は、配列番号84と少なくとも約80%の同一性を有するDeoDポリペプチドをコードする。一実施形態では、核酸配列は、配列番号84と少なくとも約90%の同一性を有するDeoDポリペプチドをコードする。別の実施形態では、核酸配列は、配列番号84と少なくとも約95%の同一性を有するDeoDポリペプチドをコードする。したがって、一実施形態では、核酸配列は、配列番号84と少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%の同一性を有するDeoDポリペプチドをコードする。別の実施形態では、核酸配列は、配列番号84をコードする配列を含むDeoDポリペプチドをコードする。さらに別の実施形態では、核酸配列は、配列番号84をコードする配列からなるDeoDポリペプチドをコードする。
これらの実施形態のいずれにおいても、アデノシンを消費するように遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より、0%〜2%〜4%、4%〜6%、6%〜8%、8%〜10%、10%〜12%、12%〜14%、14%〜16%、16%〜18%、18%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜35%、35%〜40%、40%〜45%、45%〜50%、50%〜55%、55%〜60%、60%〜65%、65%〜70%〜80%、80%〜90%、または90%〜100%多いアデノシンを消費する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍多いアデノシンを消費する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、50倍、100倍、500倍、または1000倍多いアデノシンを消費する。
これらの実施形態のいずれにおいても、アデノシンを消費するように遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より、少なくとも約0%〜2%〜4%、4%〜6%、6%〜8%、8%〜10%、10%〜12%、12%〜14%、14%〜16%、16%〜18%、18%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜35%、35%〜40%、40%〜45%、45%〜50%、50%〜55%、55%〜60%、60%〜65%、65%〜70%〜80%、80%〜90%、または90%〜100%多い尿酸を産生する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍多い尿酸を産生する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、または50倍、100倍、500倍、または1000倍多い尿酸を産生する。
これらの実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌と比較して、アデノシン分解速度を0%〜2%〜4%、4%〜6%、6%〜8%、8%〜10%、10%〜12%、12%〜14%、14%〜16%、16%〜18%、18%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜35%、35%〜40%、40%〜45%、45%〜50%、50%〜55%、55%〜60%、60%〜65%、65%〜70%〜80%、80%〜90%、または90%〜100%上昇させる。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌と比較して、アデノシン分解速度を1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍大きく上昇させる。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌と比較して、分解速度を約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、または50倍、100倍、500倍、または1000倍、上昇させる。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、低酸素条件下で誘導されたとき、約1.8〜10umol/hr/109細胞のアデノシン分解速度を有する。1つの特定の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、約5〜9umol/hr/109細胞のアデノシン分解速度を有する。1つの特定の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、約6〜8umol/hr/109細胞のアデノシン分解速度を有する。
一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、すなわち、低酸素条件下で誘導されたとき、1時間後、同じ細菌亜型の未改変細菌と比較して、アデノシン分解を約50%〜70%増加させる。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、すなわち、低酸素条件下で誘導されたとき、1時間後、同じ細菌亜型の未改変細菌と比較して、アデノシン分解を約55%〜65%増加させる。1つの特定の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、すなわち、低酸素条件下で誘導されたとき、1時間後、同じ細菌亜型の未改変細菌と比較して、アデノシン分解を約55%〜60%増加させる。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、低酸素条件下で誘導されたとき、1時間後、アデノシン分解を約1.5〜3倍増加させる。1つの特定の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、低酸素条件下で誘導されたとき、1時間後、アデノシン分解を約2〜2.5倍増加させる。
一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、すなわち、低酸素条件下で誘導されたとき、2時間後、同じ細菌亜型の未改変細菌と比較して、アデノシン分解を約85%〜100%増加させる。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、すなわち、低酸素条件下で誘導されたとき、2時間後、同じ細菌亜型の未改変細菌と比較して、アデノシン分解を約95%〜100%増加させる。1つの特定の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、すなわち、低酸素条件下で誘導されたとき、2時間後、同じ細菌亜型の未改変細菌と比較して、アデノシン分解を約97%〜99%増加させる。
さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、低酸素条件下で誘導されたとき、2時間後、アデノシン分解を約40〜50倍増加させる。1つの特定の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、低酸素条件下で誘導されたとき、2時間後、アデノシン分解を約44〜48倍増加させる。
一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、すなわち、低酸素条件下で誘導されたとき、3時間後、同じ細菌亜型の未改変細菌と比較して、アデノシン分解を約95%〜100%増加させる。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、すなわち、低酸素条件下で誘導されたとき、3時間後、同じ細菌亜型の未改変細菌と比較して、アデノシン分解を約98%〜100%増加させる。1つの特定の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、すなわち、低酸素条件下で誘導されたとき、3時間後、同じ細菌亜型の未改変細菌と比較して、アデノシン分解を約99%〜99%増加させる。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、低酸素条件下で誘導されたとき、3時間後、アデノシン分解を約100〜1000倍増加させる。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、低酸素条件下で誘導されたとき、3時間後、アデノシン分解を約1000〜10000倍増加させる。
一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、すなわち、低酸素条件下で誘導されたとき、4時間後、同じ細菌亜型の未改変細菌と比較して、アデノシン分解を約95%〜100%増加させる。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、すなわち、低酸素条件下で誘導されたとき、4時間後、同じ細菌亜型の未改変細菌と比較して、アデノシン分解を約98%〜100%増加させる。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、すなわち、低酸素条件下で誘導されたとき、4時間後、同じ細菌亜型の未改変細菌と比較して、アデノシン分解を約99%〜99%増加させる。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、低酸素条件下で誘導されたとき、4時間後、アデノシン分解を約100〜1000倍増加させる。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、低酸素条件下で誘導されたとき、4時間後、アデノシン分解を約1000〜10000倍増加させる。
これらの実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、細胞増殖を、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく低減させることができる。これらの実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、腫瘍成長を、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく低減させることができる。これらの実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、腫瘍サイズを、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく低減させることができる。これらの実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、腫瘍体積を、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく低減させることができる。これらの実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、腫瘍重量を、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく低減させることができる。
一部の実施形態では、遺伝子操作された微生物は、低酸素条件で、ならびに/あるいはがんの、および/または腫瘍微小環境の、または組織特異的分子もしくは代謝物の存在下で、ならびに/あるいは炎症または免疫抑制に関連する分子または代謝物の存在下で、ならびに/あるいは消化管内に存在し得る代謝物の存在下で、ならびに/あるいはin vivoで存在することもあり、しないこともあり、in vitroで、株培養、拡大増殖、産生、および/または製造中に存在することもある、代謝物、例えば、アラビノース、クメート、およびサリチレート、ならびに本明細書に記載される他のものの存在下で、アデノシンの分解のための記載の回路のうちのいずれか1つまたは複数を発現することができる。一部の実施形態では、そのようなインデューサーは、エフェクター遺伝子発現を誘導するために、in vivoで投与され得る。一部の実施形態では、アデノシンの分解のための回路網をコードする遺伝子配列は、そのような条件および/またはインデューサーにより誘導可能なプロモーターによって制御される。一部の実施形態では、遺伝子配列は、本明細書に記載の構成的プロモーターによって制御される。一部の実施形態では、遺伝子配列は、構成的プロモーターによって制御され、本明細書に記載の、in vivo条件および/またはin vitro条件で、例えば、拡大増殖、産生、および/または製造中に発現される。一部の実施形態では、記載されるアデノシン分解回路のうちのいずれか1つまたは複数は、1つもしくは複数のプラスミド(例えば、高コピー数または低コピー数プラスミド)上に存在するか、または微生物の染色体内の1つもしくは複数の部位に組み込まれている。
これらの実施形態のいずれにおいても、本明細書に記載されるアデノシン異化経路およびアデノシン輸送体をコードする遺伝子配列を含む、遺伝子操作された細菌は、1つまたは複数のさらなるエフェクター分子、すなわち、治療用分子または代謝変換因子をコードする遺伝子配列をさらに含む。これらの実施形態のいずれにおいても、アデノシン異化経路およびアデノシン輸送体をコードする回路は、同じかまたは異なる細菌株において、本明細書に記載される1つまたは複数の免疫イニシエーターまたは免疫サステナーをコードする回路と組み合わせることができる(組合せ回路または株の混合物)。免疫イニシエーターまたは免疫サステナーをコードする回路は、構成的または誘導性プロモーター、例えば、低酸素誘導性プロモーターまたは本明細書に記載される任意の他の構成的もしくは誘導性プロモーターの制御下にあり得る。
これらの実施形態のいずれにおいても、アデノシン異化経路およびアデノシン輸送体をコードする遺伝子配列は、同じかまたは異なる細菌株において、本明細書に記載される1つまたは複数のSTINGアゴニスト産生酵素をコードする遺伝子配列と組み合わせることができる(組合せ回路または株の混合物)。一部の実施形態では、アデノシン異化経路およびアデノシン輸送体をコードする遺伝子配列と組み合わされる遺伝子配列は、DacAをコードする。DacAは、構成的または誘導性プロモーター、例えば、低酸素誘導性プロモーター、例えば、FNR、または本明細書に記載される任意の他の構成的もしくは誘導性プロモーターの制御下にあり得る。一部の実施形態では、dacA遺伝子は、染色体に組み込まれている。一部の実施形態では、アデノシン異化経路およびアデノシン輸送体をコードする遺伝子配列と組み合わされる遺伝子配列は、cGASをコードする。cGASは、構成的または誘導性プロモーター、例えば、低酸素誘導性プロモーター、例えば、FNR、または本明細書に記載される任意の他の構成的もしくは誘導性プロモーターの制御下にあり得る。一部の実施形態では、cGASをコードする遺伝子は、染色体に組み込まれている。これらの組合せの実施形態のいずれにおいても、細菌は、栄養要求性の改変、例えば、DapA、ThyA、または両方の突然変異または欠失をさらに含み得る。これらの実施形態のいずれにおいても、細菌は、ファージの改変、例えば、本明細書に記載される内在性プロファージの突然変異または欠失をさらに含み得る。
また、一部の実施形態では、遺伝子操作された微生物は、記載の回路のうちのいずれか1つまたは複数を発現することができ、以下のうちの1つまたは複数をさらに含む:(1)1つまたは複数の栄養要求体、例えば、当該技術分野において公知の、本明細書に提供される、任意の栄養要求体、例えば、thyA栄養要求体、(2)1つまたは複数のキルスイッチ回路、例えば、本明細書に記載の、またはそうでなければ当技術分野において公知の、キルスイッチのいずれか、(3)1つまたは複数の抗生物質耐性回路、(4)生体分子または基質を移入するための1つまたは複数の輸送体、例えば、本明細書に記載の、またはそうでなければ当技術分野において公知の、輸送体のいずれか、(5)1つまたは複数の分泌回路、例えば、本明細書に記載の、でなければ当技術分野において公知の、分泌回路のいずれか、(6)1つまたは複数の表面提示回路、例えば、本明細書に記載の、でなければ当技術分野において公知の、表面提示回路のいずれか、および(7)本明細書に記載の1つまたは複数の代謝物(例えば、キヌレニン、トリプトファン、アデノシン、アルギニン)の産生または分解のための1つまたは複数の回路、(8)このような追加の回路の1つまたは複数の組合せ。これらの実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌を単独で投与することができ、または抗CTLA4、抗PD1もしくは抗PD−L1抗体を含むがこれらに限定されない、本明細書に記載の1つもしくは複数の免疫チェックポイントインヒビターと組み合わせて投与することができる。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、腫瘍微小環境におけるATPレベルを、例えば、微生物からのATPの産生および分泌を増加させることにより、上昇させる手段を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、腫瘍微小環境におけるアデノシンレベルを(例えば、アデノシンの取込みを増加させることにより、アデノシンを代謝および/または分解することにより)低下させるための、腫瘍微小環境におけるATPレベルを上昇させるための、および/または腫瘍微小環境におけるATPのアデノシンへの変換を妨げるもしくは遮断するための、1つまたは複数の手段を含む。これらの実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、腫瘍内投与のための細菌である。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、低酸素条件により、低酸素条件により、または炎症性条件により活性化されるプロモーター、例えば、前記条件により活性化される、本明細書に記載のプロモーターのいずれかの制御下の、アデノシンを代謝するための1つまたは複数の遺伝子を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、がん特異的プロモーター、組織特異的プロモーター、または構成的プロモーター、例えば、本明細書に記載のプロモーターのいずれかの制御下で、アデノシンを代謝するための1つまたは複数の遺伝子を発現する。
アルギニン/アルギナーゼI代謝
L−アルギニン(L−Arg)は、免疫応答を含む、いくつかの生物システムにおいて中心的役割を果たす非必須アミノ酸である。L−アルギニンは、アルギナーゼI、アルギナーゼII、および誘導性一酸化窒素シンターゼにより代謝される。アルギナーゼ1は、L−アルギニンを尿素およびL−オルニチンに加水分解し、L−オルニチンは、悪性腫瘍において急速な細胞周期進行に必要とされるポリアミンの産生のための主要な基質である。腫瘍浸潤骨髄由来サプレッサー細胞(MDSC)の特徴的な亜集団で、腫瘍細胞自体ではないものは、腫瘍微小環境においてそれらにL−アルギニン(L−Arg)を急速に組み込ませ、細胞外L−Argを枯渇させる、高レベルのアルギナーゼIおよびカチオン性アミノ酸輸送体2Bを産生することが示されている。これらの細胞は、T細胞受容体発現および抗原特異的T細胞応答の強力な阻害剤ならびに調節性T細胞の強力なインデューサーである。さらに、Lanzavecchiaおよび同僚による近年の研究により、活性化T細胞もまた、L−アルギニンを大量に消費し、それを急速に下流の代謝物へと変換し、これによって、活性化後の細胞内アルギニンレベルの著しい減少がもたらされることが示されている。これらの研究において、外因性L−アルギニンをT細胞培養培地に添加することにより、T細胞における遊離L−アルギニンの細胞内レベルが増加し、さらに、L−アルギニンレベルの増加は、生体エネルギーおよび生存の増加から、in vivo抗腫瘍活性までに及ぶ、T細胞の活性化、分化、および機能に多面的な効果を引き起こした(Geigerら、(2016年)、L−Arginine Modulates T Cell Metabolism and Enhances Survival and Anti−tumor Activity; Cell、167巻、829〜842頁、この内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。したがって、アルギニンを産生および分泌するように操作された細菌は、T細胞によるアルギニンの取込みを促進し、T細胞活性化の増強およびより長期の持続をもたらすことが可能であり得る。したがって、一部の実施形態では、本開示の遺伝子操作された細菌は、アルギニンを産生することができる。
近年の発見により、腫瘍微小環境が、ヒト身体のいずれの他の臓器とも異なる、固有な種類のアンモニア代謝を有することが示唆されている(Spinelliら、Metabolic recycling of ammonia via glutamate dehydrogenase supports breast cancer biomass; Science 10.1126/science.aam9305、(2017年))。腫瘍は脈管形成不良であるため、腫瘍微小環境に蓄積するアンモニアは、老廃物ではなく、むしろ、独自に、腫瘍がこのアンモニアを重要な窒素源として代謝経路に再吸収して、急速に増殖しているがん細胞におけるアミノ酸合成に対する高い需要を支持することを可能にしている。加えて、Engら(Engら、Ammonia Derived from Glutaminolysis Is a Diffusible Regulator of Autophagy; Science Signaling、(2010年);3巻(118号)ra31)は、グルタミノリシス中に遊離したアンモニアが、オートファジーを刺激し、これにより、巨大分子を再利用して、急速に増殖している細胞において生存に必要とされる代謝前駆体にすることとで、細胞の適応度が促進されることを見出した。著者らは、グルタミノリシスに関与する腫瘍細胞からのアンモニアの遊離により、オートファジーを促進するシグナルが提供され、これにより、腫瘍の様々な領域にある細胞が、内部生成されたまたは環境的ストレスから保護されると提案している。
したがって、遺伝子操作された細菌によるアンモニアの消費は、がん代謝またはがん細胞におけるオートファジーの促進に対するアンモニアの利用可能性を低減させ得る。本明細書に記載される本開示は、過剰なアンモニアを低減させること、ならびにアンモニアおよび/または窒素を、代替的な副産物へと変換することができる、遺伝子操作された細菌をさらに提供する。ある特定の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、腫瘍微小環境において、過剰なアンモニアを低減させ、アンモニアおよび/または窒素を代替的な副産物へと変換する。ある特定の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、腫瘍内の過剰な窒素を、腫瘍に対する窒素の利用可能性を低減する分子、例えば、アルギニン、シトルリン、メチオニン、ヒスチジン、リシン、アスパラギン、グルタミン、またはトリプトファンに組み込むことによって、過剰なアンモニアを低減させる。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、腫瘍内の過剰な窒素を、腫瘍の成長を阻害するか、またはT細胞の活性化を促進する、アルギニンを含むがこれに限定されない分子に組み込むことによって、過剰なアンモニアを低減させる。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、アンモニアを消費し、アルギニンを産生することができる。
本明細書において以下に記載され、2016年05月25日に出願されたPCT/US2016/034200、および2016年05月25日に出願され、US20160333326として公開された米国出願第15/164,828号、ならびに2015年12月04日に出願されたPCT/US2015/064140、ならびに2015年12月04日に出願された米国特許第9,487,764号により詳細に記載されている、アルギニン産生回路において、アンモニアは、細菌(例えば、E.coli Nissle)によって取り込まれ、グルタメートに変換され、グルタメートが、続いて、アルギニンへと代謝される。アルギニンは、次いで、最終的には細菌細胞から排出される。このため、この回路は、アンモニアの消費に好適であり、腫瘍におけるがん細胞に対するアンモニアの利用可能性を低減させると同時に、アルギニンを産生し、アルギニンが、T細胞活性化を促進し、免疫抑制を予防する。
一部の実施形態では、L−アルギニンを産生する、および/またはアンモニアを消費する、遺伝子操作された細菌は、L−アルギニン生合成経路の1つまたは複数の酵素をコードする1つまたは複数の遺伝子配列を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、アンモニアをグルタメートに組み込み、グルタメートをアルギニンに変換することができる、1つまたは複数の酵素をコードする1つまたは複数の遺伝子配列を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、アルギニンオペロンを含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、E.coliのアルギニンオペロンを含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、別の細菌のアルギニンオペロンを含む。これらの実施形態のいずれにおいても、アルギニンリプレッサー(ArgR)は、必要に応じて、そのリプレッサー機能を低下させるかまたは消去するように、欠失、突然変異、または改変され得る。
「アルギニンオペロン」、「アルギニン生合成オペロン」、および「argオペロン」は、少なくとも1つのプロモーターと少なくとも1つのARGボックスとを含む共有調節領域の制御下にあるアルギニン生合成酵素をコードする遺伝子のうちの1つまたは複数についての一群を指すために、同義で使用される。一部の実施形態では、1つまたは複数の遺伝子は、同時転写および/または同時翻訳される。
「突然変異型アルギニンレギュロン」または「突然変異アルギニンレギュロン」は、突然変異型アルギニンレギュロンが、同じ条件下で、同じ細菌亜型由来の未改変レギュロンより多くのアルギニンおよび/または中間副産物を産生するように、アルギニン生合成経路におけるグルタメートからアルギニンへの変換に関与する酵素をコードするオペロンのそれぞれに対するアルギニンにより媒介される抑止を低減させるまたは除去する1つまたは複数の核酸突然変異を含む、アルギニンレギュロンを指すために使用される。
Escherichia coli(E.coli)などの細菌において、アルギニン生合成経路は、2016年5月25日に出願されたPCT/US2016/034200、および2016年5月25日に出願され、US20160333326として公開された、米国出願第15/164,828号、ならびに2015年12月4日に出願された国際出願第PCT/US2015/064140号、ならびに2015年12月4日に出願された米国特許第9,487,764号に記載されており、これらのそれぞれの内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、8ステップの酵素的プロセスでグルタメートをアルギニンに変換することができる。これらの酵素をコードする遺伝子のすべては、アルギニンにより、各遺伝子の調節領域と結合して転写を阻害する複合体を形成することになるArgRとのその相互作用によって、抑止される。N−アセチルグルタミン酸シンテターゼは、タンパク質レベルでアルギニンのみによる、アロステリックフィードバック阻害も受ける。
一部の操作された細菌または操作されたウイルスにおいて、アルギニンレギュロンは、N−アセチルグルタミン酸シンテターゼをコードするargA、N−アセチルグルタミン酸キナーゼをコードするargB、N−アセチルグルタミルリン酸レダクターゼをコードするargC、アセチルオルニチンアミノトランスフェラーゼをコードするargD、N−アセチルオルニチナーゼをコードするargE、アルギニノコハク酸シンターゼをコードするargG、アルギニノコハク酸リアーゼをコードするargH、オルニチントランスカルバミラーゼを各々が独立してコードするargFおよびargIの一方もしくは両方、カルバモイルリン酸シンターゼの小さいサブユニットをコードするcarA、カルバモイルリン酸シンターゼの大きいサブユニットをコードするcarB、これらのオペロン、これらのオペレーター、これらのプロモーター、これらのARGボックス、および/またはこれらの調節領域を含むが、それらに限定されない。一部の実施形態では、アルギニンレギュロンは、オルニチンアセチルトランスフェラーゼを(N−アセチルグルタミン酸シンテターゼおよび/もしくはN−アセチルオルニチナーゼに加えて、またはその代わりに)コードするargJ、そのオペロン、そのオペレーター、そのプロモーター、そのARGボックス、および/またはその調節領域を含む。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、アルギニン生合成経路を含み、アルギニンを産生する、および/またはアンモニアを消費することができる。より具体的な態様では、遺伝子操作された細菌は、アルギニン生合成酵素をコードする1つまたは複数のオペロンが、同じ条件下で同じ亜型の未改変細菌より多くのアルギニンを産生するように抑止解除されている、突然変異型アルギニンレギュロンを含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、アルギニンを過剰産生する。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、アンモニアを消費する。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、アルギニンを過剰産生し、アンモニアを消費する。
各オペロンは、前記オペロンにおけるアルギニン生合成遺伝子の抑止および発現を制御する、少なくとも1つのプロモーターおよび少なくとも1つのARGボックスを含む、調節領域によって調節される。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌または遺伝子操作された細菌は、アルギニン生合成経路におけるグルタメートからアルギニンへの変換に関与する酵素をコードするオペロンの1つまたは複数に対するアルギニンにより媒介される抑止を低減または除去する1つまたは複数の核酸突然変異を含むアルギニンレギュロンを含む。アルギニンにより媒介される抑止の低減または除去は、ArgRリプレッサー結合を(例えば、アルギニンリプレッサーを突然変異もしくは欠失させることにより、またはアルギニン生合成酵素をコードするオペロンの各々についての少なくとも1つARGボックスを突然変異させることにより)、および/またはN−アセチルグルタミン酸シンテターゼとのアルギニンの結合を(例えば、アルギニンフィードバック耐性N−アセチルグルタミン酸シンターゼ突然変異体、例えば、argAfbr、を産生するようにN−アセチルグルタミン酸シンテターゼを突然変異させることにより)低減または除去することによって果たすことができる。
一部の実施形態では、アルギニンにより媒介される抑止の低減または除去は、ArgRリプレッサー結合を低減させるもしくは除去することにより、例えば、アルギニン生合成酵素をコードするオペロンのうちの1つもしくは複数について、少なくとも1つのARGボックスを突然変異させることにより、またはアルギニンリプレッサーを突然変異もしくは欠失させることにより、および/またはN−アセチルグルタミン酸シンテターゼとのアルギニン結合を低減させるもしくは除去することにより(例えば、アルギニンフィードバック耐性N−アセチルグルタミン酸シンターゼ突然変異体、例えばargAfbrを産生するようにN−アセチルグルタミン酸シンテターゼを突然変異させることにより)、達成され得る。
「ArgR」または「アルギニンリプレッサー」は、アルギニンレギュロン内のアルギニン生合成遺伝子の転写を調節することによりアルギニン生合成を抑制することができるタンパク質を指すために使用される。「いずれかの機能性ArgRを欠く」細菌、および「ArgR欠失細菌」は、各アルギニンリプレッサーが、同じ条件下で同じ亜型の細菌からの未改変アルギニンリプレッサーと比較して有意な活性低減または除去を有する、細菌を指すために使用される。ARGボックスは、コンセンサス配列を含む核酸配列を指し、これは、argR、argA、argB、argC、argD、argE、argF、argG、argH、argI、argJ、carA、および/またはcarBの調節領域のうちの1つまたは複数に高頻度で存在することが公知である。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、アルギニン生合成酵素N−アセチルグルタミン酸キナーゼ、N−アセチルグルタミルリン酸レダクターゼ、アセチルオルニチンアミノトランスフェラーゼ、N−アセチルオルニチナーゼ、オルニチントランスカルバミラーゼ、アルギニノコハク酸シンターゼ、アルギニノコハク酸リアーゼ、およびカルバモイルリン酸シンターゼをコードするオペロンの1つまたは複数についての少なくとも1つのARGボックスに、アルギニンレギュロンが抑制解除され、アルギニンおよび/または中間副産物、例えばシトルリン、の生合成が増進されるような1つまたは複数の核酸突然変異を含む、突然変異型アルギニンレギュロンをさらに含む。そのような遺伝子操作された細菌、突然変異型Argボックス、および例示的な突然変異型アルギニンレギュロンは、2016年5月25日に出願されたPCT/US2016/034200および2016年5月25日に出願され、US20160333326として公開された米国出願第15/164,828号、ならびに2015年12月4日に出願されたPCT/US2015/064140、ならびに2015年12月4日に出願された米国特許第9,487,764号に記載されており、これらのそれぞれの内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、機能性ArgRリプレッサーが欠如しており、したがって、アルギニン生合成オペロンのそれぞれに対するArgRリプレッサーにより媒介される転写抑止が低減または除去される。機能性ArgRリプレッサーが欠如している本開示の遺伝子操作された細菌は、2016年05月25日に出願されたPCT/US2016/034200および2016年5月25日に出願され、US20160333326として公開された米国出願第15/164,828号、ならびに2015年12月4日に出願されたPCT/US2015/064140、ならびに2015年12月4日に出願された米国特許第9,487,764号に記載されており、これらのそれぞれの内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。一部の実施形態では、操作された細菌は、アルギニンリプレッサー機能が低下されるかまたは不活性になるような、1つまたは複数の核酸突然変異を含む、突然変異型アルギニンリプレッサーを含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、アルギニンリプレッサーを有さず(例えば、アルギニンリプレッサー遺伝子が欠失されており)、その結果、レギュロンが抑止解除され、アルギニンおよび/または中間副産物の生合成が増強され、かつ/またはアンモニア消費が増大されることになる。アルギニンリプレッサー活性が低減または除去されている細菌は、細菌argR遺伝子を改変することによって、またはargR遺伝子の転写を改変することによって、生成することができる。一部の実施形態では、対応する野生型細菌に通常は存在する機能性argR遺伝子の各コピーが、独立して、1つもしくは複数のヌクレオチドの欠失、挿入、もしくは置換によって欠失されているかもしくは不活性になっているか、または欠失されている。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、アルギニンフィードバック耐性N−アセチルグルタミン酸シンターゼ突然変異体、例えば、argAfbrを含む(例えば、Eckhardtら、1975年;Rajagopalら、1998年を参照されたい)。argAfbrを含む本開示による遺伝子操作された細菌は、2016年5月25日に出願されたPCT/US2016/034200および2015年5月25日に出願され、US20160333326として公開された米国出願第15/164,828号、ならびに2015年12月4日に出願されたPCT/US2015/064140号、ならびに2015年12月4日に出願された米国特許第9,487,764号に記載されており、これらのそれぞれの内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、アルギニンフィードバック耐性ArgAを含む突然変異型アルギニンレギュロンを含み、アルギニンフィードバック耐性ArgAが発現されると、同じ条件下で同じ亜型の未改変細菌より多くのアルギニンおよび/または中間副産物を産生することができる。フィードバック耐性argA遺伝子は、プラスミド上に、または染色体、例えば、1つもしくは複数の組込み部位における1つもしくは複数のコピーに、存在し得る。複数の別個のフィードバック耐性N−アセチルグルタミン酸シンテターゼタンパク質が、当該技術分野で公知であり、遺伝子操作された細菌において、組み合わせることができる。一部の実施形態では、argAfbr遺伝子は、構成的プロモーターの制御下で発現される。一部の実施形態では、argAfbr遺伝子は、腫瘍微小環境によって誘導されるプロモーターの制御下で発現される。一部の実施形態では、argAfbr遺伝子は、低酸素条件下で誘導されるプロモーター、例えば、FNRプロモーターの制御下で発現される。
例示的argAfbr配列の核酸配列は、配列番号102で示される。例示的argAfbr配列のポリペプチド配列は、配列番号103で示される。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号102の核酸配列またはその機能性断片を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、遺伝コードの冗長性がなければ配列番号102と同じポリペプチドまたはその機能性断片をコードする、核酸配列を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号102のDNA配列もしくはその機能性断片と少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、もしくは少なくとも約99%相同である核酸配列、または遺伝コードの冗長性がなければ配列番号102と同じポリペプチドもしくはその機能性断片をコードする核酸配列を含む。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号103のポリペプチド配列またはその機能性断片をコードする。一部の実施形態では、ポリペプチド配列をコードする遺伝子操作された細菌は、配列番号103またはその機能性断片と比較して1つもしくは複数の保存的アミノ酸置換を含有するポリペプチドをコードする。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号103のDNA配列またはその機能性断片と少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約99%相同であるポリペプチド配列をコードする。
一部の実施形態では、N−アセチルグルタミン酸シンテターゼのアルギニンフィードバック阻害は、遺伝子操作された細菌では、アルギニンフィードバック耐性N−アセチルグルタミン酸シンテターゼが活性であるとき、同じ条件下で、同じ亜型の細菌由来の野生型N−アセチルグルタミン酸シンテターゼと比較して、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、または少なくとも約95%低減される。
一部の実施形態では、突然変異型または欠失アルギニンリプレッサーを含む、遺伝子改変された細菌は、アルギニンフィードバック耐性N−アセチルグルタミン酸シンターゼ突然変異体、例えば、argAfbrをさらに含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、ArgAのフィードバック耐性形態を含み、あらゆる機能性アルギニンリプレッサーが欠如しており、アルギニンを産生することができる。一部の実施形態では、argR遺伝子は、遺伝子操作された細菌において欠失している。一部の実施形態では、argR遺伝子は、ArgR機能を不活性化するために突然変異される。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、argAfbrおよび欠失ArgRを含む。一部の実施形態では、欠失ArgRおよび/または欠失argGは、細菌ゲノムから欠失されるものであり、argAfbrは、プラスミド内に存在する。一部の実施形態では、欠失ArgRは、細菌ゲノムから欠失されるものであり、argAfbrは、染色体に組み込まれている。
これらの実施形態のいずれにおいても、アルギニンを産生する、および/またはアンモニアを消費するように遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約0%〜2%〜4%、4%〜6%、6%〜8%、8%〜10%、10%〜12%、12%〜14%、14%〜16%、16%〜18%、18%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜35%、35%〜40%、40%〜45%、45%〜50%、50%〜55%、55%〜60%、60%〜65%、65%〜70%〜80%、80%〜90%、または90%〜100%多いアルギニンを産生する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍多いアルギニンを産生する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、または50倍、100倍、500倍、または1000倍多いアルギニンを産生する。
これらの実施形態のいずれにおいても、アルギニンを産生する、および/またはアンモニアを消費するように遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より0%〜2%〜4%、4%〜6%、6%〜8%、8%〜10%、10%〜12%、12%〜14%、14%〜16%、16%〜18%、18%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜35%、35%〜40%、40%〜45%、45%〜50%、50%〜55%、55%〜60%、60%〜65%、65%〜70%〜80%、80%〜90%、または90%〜100%多いグルタミン酸を消費する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍多いグルタミン酸を消費する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、50倍、100倍、500倍、または1000倍多いグルタミン酸を消費する。
これらの実施形態のいずれにおいても、アルギニンを産生する、および/またはアンモニアを消費するように遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より0%〜2%〜4%、4%〜6%、6%〜8%、8%〜10%、10%〜12%、12%〜14%、14%〜16%、16%〜18%、18%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜35%、35%〜40%、40%〜45%、45%〜50%、50%〜55%、55%〜60%、60%〜65%、65%〜70%〜80%、80%〜90%、または90%〜100%多いアンモニアを消費する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍多いアンモニアを消費する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、50倍、100倍、500倍、または1000倍多いアンモニアを消費する。
これらの実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、細胞増殖を、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく低減させることができる。これらの実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、腫瘍成長を、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく低減させることができる。これらの実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、腫瘍サイズを、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく低減させることができる。これらの実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、腫瘍体積を、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく低減させることができる。これらの実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、腫瘍重量を、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく低減させることができる。
アルギニン産生株およびアンモニア消費株は、米国特許出願公開第20160333326号として発行された、2016年5月25日出願のPCT/US2016/034200および2016年5月25日出願の15/164,828、ならびに2015年12月4日出願のPCT/US2015/064140、ならびに2015年12月4日出願の米国特許第9,487,764号にも記載されており、これらの各々についての内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
一部の実施形態では、アルギニンの産生およびまたはアンモニアの消費のための遺伝子操作された微生物は、低酸素条件下で、ならびに/あるいはがんの、および/または腫瘍微小環境もしくは組織特異的分子もしくは代謝物の存在下で、ならびに/あるいは炎症または免疫抑制に関連する分子または代謝物の存在下で、記載の回路のうちのいずれか1つまたは複数を発現することができる。
一部の実施形態では、アルギニンの産生およびまたはアンモニアの消費のための記載の回路のうちのいずれか1つまたは複数は、1つもしくは複数のプラスミド(例えば、高コピー数または低コピー数プラスミド)上に存在するか、または微生物の染色体内の1つもしくは複数の部位に組み込まれている。また、一部の実施形態では、遺伝子操作された微生物は、記載の回路のいずれか1つまたは複数をさらに発現することができ、以下のものの1つまたは複数をさらに含む:(1)1つまたは複数の栄養要求体、例えば、当技術分野において公知の、および本明細書で提供される、任意の栄養要求体、例えばthyA栄養要求体、(2)1つまたは複数のキルスイッチ回路、例えば、本明細書に記載の、またはそうでなければ当技術分野において公知の、キルスイッチのいずれか、(3)1つまたは複数の抗生物質耐性回路、(4)生体分子または基質を移入するための1つまたは複数の輸送体、例えば、本明細書に記載の、またはそうでなければ当技術分野において公知の、輸送体のいずれか、(5)1つまたは複数の分泌回路、例えば、本明細書に記載の、でなければ当技術分野において公知の、分泌回路のいずれか、(6)1つまたは複数の表面提示回路、例えば、本明細書に記載の、でなければ当技術分野において公知の、表面提示回路のいずれか、および(7)本明細書に記載の1つまたは複数の代謝物(例えば、キヌレニン、トリプトファン、アデノシン、アルギニン)の産生または分解のための1つまたは複数の回路、(8)このような追加の回路の1つまたは複数の組合せ。これらの実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌を単独で投与することができ、または抗CTLA4、抗PD1もしくは抗PD−L1抗体を含むがこれらに限定されない、本明細書に記載の1つもしくは複数の免疫チェックポイントインヒビターと組み合わせて投与することができる。
これらの実施形態のいずれにおいても、アルギニン産生および/またはアンモニア消費の回路網をコードする遺伝子配列を含む、遺伝子操作された細菌は、1つまたは複数のさらなるエフェクター分子、すなわち、治療用分子または代謝変換因子をコードする遺伝子配列をさらに含む。これらの実施形態のいずれにおいても、アルギニン産生および/またはアンモニア消費の回路網をコードする回路は、同じかまたは異なる細菌株において、本明細書に記載される1つまたは複数の免疫イニシエーターまたは免疫サステナーをコードする回路と組み合わせることができる(組合せ回路または株の混合物)。免疫イニシエーターまたは免疫サステナーをコードする回路は、構成的または誘導性プロモーター、例えば、低酸素誘導性プロモーターまたは本明細書に記載される任意の他の構成的もしくは誘導性プロモーターの制御下にあり得る。
これらの実施形態のいずれにおいても、アルギニン産生および/またはアンモニア消費の回路網をコードする遺伝子配列は、同じかまたは異なる細菌株において、本明細書に記載される1つまたは複数のSTINGアゴニスト産生酵素をコードする遺伝子配列と組み合わせることができる(組合せ回路または株の混合物)。一部の実施形態では、アルギニン産生および/またはアンモニア消費の回路網をコードする遺伝子配列と組み合わされる遺伝子配列は、DacAをコードする。DacAは、構成的または誘導性プロモーター、例えば、低酸素誘導性プロモーター、例えば、FNR、または本明細書に記載される任意の他の構成的もしくは誘導性プロモーターの制御下にあり得る。一部の実施形態では、dacA遺伝子は、染色体に組み込まれている。一部の実施形態では、アルギニン産生および/またはアンモニア消費の回路網をコードする遺伝子配列と組み合わされる遺伝子配列は、cGASをコードする。cGASは、構成的または誘導性プロモーター、例えば、低酸素誘導性プロモーター、例えば、FNR、または本明細書に記載される任意の他の構成的もしくは誘導性プロモーターの制御下にあり得る。一部の実施形態では、cGASをコードする遺伝子は、染色体に組み込まれている。
これらの組合せの実施形態のいずれにおいても、細菌は、栄養要求性の改変、例えば、DapA、ThyA、または両方の突然変異または欠失をさらに含み得る。これらの実施形態のいずれにおいても、細菌は、ファージの改変、例えば、本明細書に記載される内在性プロファージの突然変異または欠失をさらに含み得る。
Th1/CD8誘引性(attacting)ケモカイン
ケモカインは、免疫細胞、例えば、免疫応答を活性化するもの、およびがん細胞アポトーシスを誘導するもの、の誘引および動員に非常に重要である。ケモカインの標的細胞は、ケモカインが結合して機能を媒介する、対応する受容体を発現する。それ故、CCおよびCXCケモカインの受容体は、それぞれ、CCRおよびCXCRと呼ばれる。CCケモカインは、CCケモカイン受容体と結合し、CXCケモカインは、CXCケモカイン受容体と結合する。ほとんどの受容体は、通常は1つより多くのケモカインと結合し、ほとんどのケモカインは、通常は1つより多くの受容体と結合する。
ケモカインインターフェロン−γ誘導性タンパク質10kDa(CXCL10)は、CXCR3受容体と結合してその生物学的効果を発揮する、CXCケモカインファミリーのメンバーである。CXCL10は、走化性、アポトーシスの誘導、細胞成長の調節、および血管新生抑制効果の媒介に関与する。CXCL10は、感染性疾患、慢性炎症、免疫不全、腫瘍発達、転移および播種を含む、様々なヒト疾患に関連する。より重要なこととして、CXCL10は、疾患重症度を媒介する主要生物学的マーカーとして同定されており、様々な疾患の予後指標として利用されうる。この概説では、本発明者らは、がんの発病機序におけるCXCL10の新たな役割を解明する現行の研究に重点を置いている。疾患開始および進行におけるCXCL10の役割を理解することにより、関連ヒト悪性腫瘍についての可能性のあるバイオマーカーおよび治療標的としてCXCL10を開発するための基礎を得ることができる。
CXCL10およびCXCL9は、主として、活性化Tリンパ球(Th1)、ナチュラルキラー(NK)細胞、炎症性樹状細胞、マクロファージおよびB細胞上に発現される、7回膜貫通型Gタンパク質共役受容体である受容体、CXCR3を、各々が特異的に活性化する。インターフェロン誘導血管新生抑制性CXCケモカインおよびインターフェロン誘導性T細胞化学誘引物質(I−TAC/CXCL11)も、CXCR3を活性化する。これらのCXCケモカインは、優先的にTh1リンパ球上に発現される。
免疫により媒介される組織特異的破壊は、Th1分極、関連ケモカイン(CXCR3およびCCR5リガンド、例えば、CXCL10およびCXCL9)、および細胞傷害性機序の活性化に関連する遺伝子と、関連付けられている。他の研究により、がん、例えば、早期乳がん、結腸直腸、肺、肝細胞、卵巣および黒色腫における長い無病生存および全生存期間は、1型ヘルパーT(Th1)細胞関連因子、例えば、IFN−ガンマ、シグナル伝達兼転写活性化因子1(STA1)、IL−12、IFN調節因子1、転写因子T−bet、免疫エフェクターまたは細胞傷害性因子(グランザイム)、パーフォリン、およびグラニュライシン、CXCR3およびCCR6リガンドケモカイン(CXCL9、CXCL10、およびCCL5)、他のケモカイン(CXCL1およびCCL2)、ならびに接着分子(MADCAM1、ICAM1、VCAM1)の活性化に、一貫して関連することが示されている。化学誘引および接着は、腫瘍内免疫細胞の密度の決定に非常に重要な役割を果たすことが示されている。他の研究により、CXCL9、CXCL10およびCXCL11の上方調節は、処置応答性(特に、養子移入療法に応答性のもの)を予示することが示されている。さらに他の研究により、リンパ球による腫瘍浸潤を駆動するケモカインは、肝細胞癌を有する患者の生存期間を予示することが示されている。
がん進行が、がん細胞固有の因子と微小環境の因子の両方により調節されることは、今では認知されている。ヘルパーT1(Th1)および/または細胞傷害性T細胞の存在が、いくつかのがんにおいて再燃リスク低減と相関すること、ならびに炎症誘発性腫瘍微小環境が、肝細胞癌を有する患者のコホートにおいて生存期間延長と相関することは、実証されている。CXCL10、CCL5、およびCCL2発現は、Th1、CD8+T細胞、およびナチュラルキラー細胞による腫瘍浸潤と相関することが示されている。データは、CXCL10、CCL5、およびCCL2が、Th1、CD8+T細胞、およびNK細胞を腫瘍微小環境に誘引する主ケモカインであることを示す。また、CXCL10およびTLR3(CXCL10、CCL5、およびCCL2を誘導する)発現は、がん細胞アポトーシスと相関する。
インターフェロンガンマ誘導タンパク質10(IP−10)または低分子誘導性サイトカインB10としても公知のC−X−Cモチーフケモカイン10(CXCL10)は、ヒトにおいてCXCL10遺伝子にコードされている8.7kDaタンパク質である。CXCL10は、単球、内皮細胞および線維芽細胞を含むいくつかの細胞型によりIFN−γに応答して分泌されるCXCケモカインファミリーに属する低分子サイトカインである。CXCL10は、単球/マクロファージ、T細胞、NK細胞および樹状細胞の化学誘引、内皮細胞へのT細胞接着の促進、抗腫瘍活性、ならびに骨髄コロニー形成および血管新生の阻害を含む、いくつかの役割を果たす。このケモカインは、その効果を、細胞表面ケモカイン受容体CXCR3と結合することによって惹起する。
炎症誘発性条件下で、CXCL10は、白血球、活性化好中球、好酸球、単球、上皮細胞、内皮細胞、間質細胞(線維芽細胞)およびケラチノサイトなどの、様々な細胞から、IFN−γに応答して分泌される。インターフェロン応答のこの極めて重要な調節因子は、活性化Th1リンパ球を優先的に炎症のエリアに誘引し、その発現は、Th1免疫応答と関連する。CXCL10は、単球、T細胞およびNK細胞の化学誘引物質でもある。(Chewら、Gut、2012年、61巻:427〜438頁)。さらに他の研究により、免疫
防御シグネチャー遺伝子、例えば、Th1型ケモカインCXCL10およびCXCL9は、がんにおいて後成的にサイレンシングされうることが示されている。(Pengら、Nature、2015年、doi:10.1038/nature 15520)。
ケモカイン(C−X−Cモチーフ)リガンド9(CXCL9)は、ガンマインターフェロンにより誘導されるモノカイン(MIG)としても公知であるCXCケモカインファミリーに属する低分子サイトカインである。CXCL9は、IFN−γにより誘導されるT細胞化学誘引物質(Th1/CD8誘引性ケモカイン)である。CXCL9は、CXCL10およびCXCL11という2つの他のCXCケモカインに密接に関連している。CXCL9、CXCL10およびCXCL11はすべて、それらの走化性機能を、ケモカイン受容体CXCR3と相互作用することによって惹起する。
一部の実施形態では、操作された細菌は、Th1/CD8誘引性(attacting)ケモカインである1つまたは複数のケモカインをコードする遺伝子配列を含む。一部の実施形態では、操作された細菌は、CXCR3リガンドケモカインである1つまたは複数のケモカインをコードする遺伝子配列を含む。一部の実施形態では、操作された細菌は、CCR5リガンドケモカインである1つまたは複数のケモカインをコードする遺伝子配列を含む。一部の実施形態では、操作された細菌は、CXCL10の1つまたは複数のコピーをコードする遺伝子配列を含む。
これらの実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約0%〜2%〜4%、4%〜6%、6%〜8%、8%〜10%、10%〜12%、12%〜14%、14%〜16%、16%〜18%、18%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜35%、35%〜40%、40%〜45%、45%〜50%、50%〜55%、55%〜60%、60%〜65%、65%〜70%〜80%、80%〜90%、または90%〜100%多いCXCL10を産生する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍多いCXCL10を産生する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、または50倍、100倍、500倍、または1000倍多いCXCL10を産生する。
これらの実施形態のいずれにおいても、CXCL10を産生するように遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約0%〜2%〜4%、4%〜6%、6%〜8%、8%〜10%、10%〜12%、12%〜14%、14%〜16%、16%〜18%、18%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜35%、35%〜40%、40%〜45%、45%〜50%、50%〜55%、55%〜60%、60%〜65%、65%〜70%〜80%、80%〜90%、または90%〜100%多いCXCL10を分泌する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍多いCXCL10を分泌する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、または50倍、100倍、500倍、または1000倍多いCXCL10を分泌する。
一部の実施形態では、CXCL10を分泌するように遺伝子操作された細菌は、細胞増殖を、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく低減させることができる。一部の実施形態では、CXCL10を分泌するように遺伝子操作された細菌は、腫瘍成長を、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく低減させることができる。一部の実施形態では、CXCL10を分泌するように遺伝子操作された細菌は、腫瘍サイズを、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく低減させることができる。一部の実施形態では、CXCL10を産生するように遺伝子操作された細菌は、腫瘍体積を、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく低減させることができる。一部の実施形態では、CXCL10を産生するように遺伝子操作された細菌は、腫瘍重量を、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく低減させることができる。一部の実施形態では、CXCL10を産生するように遺伝子操作された細菌は、奏功率を、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく上昇させることができる。
一部の実施形態では、CXCL10を産生するように遺伝子操作された細菌は、活性化Th1リンパ球を、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより高度に誘引することができる。一部の実施形態では、CXCL10に対して遺伝子操作された細菌は、活性化Th1リンパ球を、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより高度に誘引することができる。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍高度に、活性化Th1リンパ球を誘引する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、50倍、100倍、500倍、または1000倍高度に、活性化Th1リンパ球を誘引する。
一部の実施形態では、CXCL10を産生するように遺伝子操作された細菌は、T細胞の走化性を、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより高度に促進することができる。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍高度に、T細胞の走化性を促進する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、50倍、100倍、500倍、または1000倍高度に、T細胞の走化性を促進する。
一部の実施形態では、CXCL10を産生するように遺伝子操作された細菌は、NK細胞の走化性を、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより高度に促進することができる。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍高度に、NK細胞の走化性を促進する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、50倍、100倍、500倍、または1000倍高度に、NK細胞の走化性を促進する。
一部の実施形態では、CXCL10を産生するように遺伝子操作された細菌は、CXCR3に、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより高い親和性で結合することができる。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍大きい親和性でCXCR3と結合する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、50倍、100倍、500倍、または1000倍高度に、T細胞の走化性を促進することができる。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、CXCL10ポリペプチドまたはその断片もしくは機能性バリアントをコードする、遺伝子配列を含む。一実施形態では、CXCL10ポリペプチドをコードする遺伝子配列は、配列番号1207または配列番号1208から選択される配列と少なくとも約80%の同一性を有する。別の実施形態では、CXCL10ポリペプチドをコードする遺伝子配列は、配列番号1207または配列番号1208から選択される配列と少なくとも約85%の同一性を有する。一実施形態では、CXCL10ポリペプチドをコードする遺伝子配列は、配列番号1207または配列番号1208から選択される配列と少なくとも約90%の同一性を有する。一実施形態では、遺伝子配列CXCL10ポリペプチドは、配列番号1207または配列番号1208から選択される配列と少なくとも約95%の同一性を有する。別の実施形態では、CXCL10ポリペプチドをコードする遺伝子配列は、配列番号1207または配列番号1208から選択される配列と少なくとも約96%、97%、98%または99%の同一性を有する。したがって、一実施形態では、CXCL10ポリペプチドをコードする遺伝子配列は、配列番号1207または配列番号1208から選択される配列と少なくとも約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%の同一性を有する。別の実施形態では、CXCL10ポリペプチドをコードする遺伝子配列は、配列番号1207または配列番号1208から選択される配列を含む。さらに別の実施形態では、CXCL10ポリペプチドをコードする遺伝子配列は、配列番号1207または配列番号1208から選択される配列からなる。遺伝子操作された細菌がCXCL10をコードする、これらの実施形態のいずれにおいても、分泌タグをコードする配列の1つまたは複数を除去してもよく、異なるタグで置換してもよい。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号1205または配列番号1206から選択される配列と少なくとも約80%の同一性を有するCXCL10ポリペプチドをコードする遺伝子配列を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号1205または配列番号1206から選択される配列と少なくとも約90%の同一性をほぼ有することがあるCXCL10ポリペプチドをコードする遺伝子配列を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号1205または配列番号1206から選択される配列と少なくとも約95%の同一性をほぼ有することがあるCXCL10ポリペプチドをコードする遺伝子配列を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号1205もしくは配列番号1206から選択される配列と約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の同一性を有するCXCL10ポリペプチドまたはその機能性断片をコードする遺伝子配列を含む。別の実施形態では、CXCL10ポリペプチドは、配列番号1205または配列番号1206から選択される配列を含む。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌により発現されるCXCL10ポリペプチドは、配列番号1205または配列番号1206から選択される配列からなる。遺伝子操作された細菌がCXCL10ポリペプチドをコードする、これらの実施形態のいずれにおいても、分泌タグを除去してもよく、異なる分泌タグで置換してもよい。
一部の実施形態では、遺伝子操作された微生物は、低酸素条件で、ならびに/あるいはがんの存在下で、ならびに/あるいは腫瘍微小環境、または組織特異的分子もしくは代謝物において、ならびに/あるいは炎症または免疫抑制に関連する分子または代謝物の存在下で、ならびに/あるいは消化管内に存在し得る代謝物の存在下で、ならびに/あるいはin vivoで存在することもあり、しないこともあり、in vitroで、株培養、拡大増殖、産生、および/または製造中に存在することもある、代謝物、例えば、アラビノース、クメート、およびサリチレート、ならびに本明細書に記載される他のものの存在下で、記載のCXCL10回路のうちのいずれか1つまたは複数を発現することができる。一部の実施形態では、そのようなインデューサーは、エフェクター遺伝子発現を誘導するために、in vivoで投与され得る。一部の実施形態では、CXCL10をコードする遺伝子配列は、そのような条件および/またはインデューサーにより誘導可能なプロモーターによって制御される。一部の実施形態では、CXCL10をコードする遺伝子配列は、本明細書に記載の構成的プロモーターによって制御される。一部の実施形態では、遺伝子配列は、構成的プロモーターによって制御され、本明細書に記載の、in vivo条件および/またはin vitro条件で、例えば、拡大増殖、産生および/または製造中に発現される。
一部の実施形態では、CXCL10は、分泌される。一部の実施形態では、CXCL10をコードする遺伝子配列を含む遺伝子操作された細菌は、PhoA、OmpF、cvaC、TorA、FdnG、DmsAおよびPelBから選択される分泌タグを含む。一部の実施形態では、分泌タグは、PhoAである。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、lpp、nlP、tolAおよびPALから選択される外膜タンパク質の1つまたは複数の欠失をさらに含む。一部の実施形態では、欠失または突然変異した外膜タンパク質は、PALである。一部の実施形態では、CXCL10の産生のための遺伝子配列を含む遺伝子操作された細菌は、IL−15をコードする遺伝子配列をさらに含む。一部の実施形態では、IL−15は、分泌される。一部の実施形態では、IL−15をコードする遺伝子配列は、PhoA、OmpF、cvaC、TorA、FdnG、DmsAおよびPelBから選択される分泌タグを含む。一部の実施形態では、分泌タグは、PhoAである。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、lpp、nlP、tolAおよびPALから選択される外膜タンパク質の1つまたは複数の欠失をさらに含む。一部の実施形態では、欠失または突然変異した外膜タンパク質は、PALである。
一部の実施形態では、CXCL10をコードする記載の遺伝子配列のいずれか1つまたは複数は、1つもしくは複数のプラスミド(例えば、高コピー数もしくは低コピー数プラスミド)上に存在するか、または微生物染色体内の1つもしくは複数の部位に組み込まれている。また、一部の実施形態では、遺伝子操作された微生物は、記載の回路のいずれか1つまたは複数をさらに発現することができ、以下のものの1つまたは複数をさらに含む:(1)1つまたは複数の栄養要求体、例えば、当技術分野において公知の、および本明細書で提供される、任意の栄養要求体、例えばthyA栄養要求体、(2)1つまたは複数のキルスイッチ回路、例えば、本明細書に記載の、またはそうでなければ当技術分野において公知の、キルスイッチのいずれか、(3)1つまたは複数の抗生物質耐性回路、(4)生体分子または基質を移入するための1つまたは複数の輸送体、例えば、本明細書に記載の、またはそうでなければ当技術分野において公知の、輸送体のいずれか、(5)1つまたは複数の分泌回路、例えば、本明細書に記載の、でなければ当技術分野において公知の、分泌回路のいずれか、(6)1つまたは複数の表面提示回路、例えば、本明細書に記載の、でなければ当技術分野において公知の、表面提示回路のいずれか、および(7)本明細書に記載の1つまたは複数の代謝物(例えば、キヌレニン、トリプトファン、アデノシン、アルギニン)の産生または分解のための1つまたは複数の回路、(8)このような追加の回路の1つまたは複数の組合せ。これらの実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌を単独で投与することができ、または抗CTLA4、抗PD1もしくは抗PD−L1抗体を含むがこれらに限定されない、本明細書に記載の1つもしくは複数の免疫チェックポイントインヒビターと組み合わせて投与することができる。
これらの実施形態のいずれにおいても、CXCL10をコードする遺伝子配列を含む、遺伝子操作された細菌は、1つまたは複数のさらなるエフェクター分子、すなわち、治療用分子または代謝変換因子をコードする遺伝子配列をさらに含む。これらの実施形態のいずれにおいても、CXCL10をコードする回路は、同じかまたは異なる細菌株において、本明細書に記載される1つまたは複数の免疫イニシエーターまたは免疫サステナーをコードする回路と組み合わせることができる(組合せ回路または株の混合物)。免疫イニシエーターまたは免疫サステナーをコードする回路は、構成的または誘導性プロモーター、例えば、低酸素誘導性プロモーターまたは本明細書に記載される任意の他の構成的もしくは誘導性プロモーターの制御下にあり得る。
これらの実施形態のいずれにおいても、CXCL10をコードする遺伝子配列は、同じかまたは異なる細菌株において、本明細書に記載される1つまたは複数のSTINGアゴニスト産生酵素をコードする遺伝子配列と組み合わせることができる(組合せ回路または株の混合物)。一部の実施形態では、CXCL10をコードする遺伝子配列と組み合わされる遺伝子配列は、DacAをコードする。DacAは、構成的または誘導性プロモーター、例えば、低酸素誘導性プロモーター、例えば、FNR、または本明細書に記載される任意の他の構成的もしくは誘導性プロモーターの制御下にあり得る。一部の実施形態では、dacA遺伝子は、染色体に組み込まれている。一部の実施形態では、CXCL10をコードする遺伝子配列と組み合わされる遺伝子配列は、cGASをコードする。cGASは、構成的または誘導性プロモーター、例えば、低酸素誘導性プロモーター、例えば、FNR、または本明細書に記載される任意の他の構成的もしくは誘導性プロモーターの制御下にあり得る。一部の実施形態では、cGASをコードする遺伝子は、染色体に組み込まれている。
これらの組合せの実施形態のいずれにおいても、細菌は、栄養要求性の改変、例えば、DapA、ThyA、または両方の突然変異または欠失をさらに含み得る。これらの実施形態のいずれにおいても、細菌は、ファージの改変、例えば、本明細書に記載される内在性プロファージの突然変異または欠失をさらに含み得る。
これらの実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約0%〜2%〜4%、4%〜6%、6%〜8%、8%〜10%、10%〜12%、12%〜14%、14%〜16%、16%〜18%、18%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜35%、35%〜40%、40%〜45%、45%〜50%、50%〜55%、55%〜60%、60%〜65%、65%〜70%〜80%、80%〜90%、または90%〜100%多いCXCL9を産生する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍多いCXCL9を産生する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、または50倍、100倍、500倍、または1000倍多いCXCL9を産生する。
これらの実施形態のいずれにおいても、CXCL9を産生するように遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約0%〜2%〜4%、4%〜6%、6%〜8%、8%〜10%、10%〜12%、12%〜14%、14%〜16%、16%〜18%、18%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜35%、35%〜40%、40%〜45%、45%〜50%、50%〜55%、55%〜60%、60%〜65%、65%〜70%〜80%、80%〜90%、または90%〜100%多いCXCL9を分泌する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍多いCXCL9を分泌する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、または50倍、100倍、500倍、または1000倍多いCXCL9を分泌する。
一部の実施形態では、少なくとも約CXCL9を分泌するように遺伝子操作された細菌は、細胞増殖を、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく低減させることができる。一部の実施形態では、少なくとも約CXCL9を分泌するように遺伝子操作された細菌は、腫瘍増殖を、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく低減させることができる。一部の実施形態では、少なくとも約CXCL9を分泌するように遺伝子操作された細菌は、腫瘍サイズを、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく低減させることができる。一部の実施形態では、少なくとも約CXCL9を分泌するように遺伝子操作された細菌は、腫瘍体積を、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく低減させることができる。一部の実施形態では、少なくとも約CXCL9を分泌するように遺伝子操作された細菌は、腫瘍重量を、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく低減させることができる。一部の実施形態では、少なくとも約CXCL9を分泌するように遺伝子操作された細菌は、細胞増殖奏効率を、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく増加させることができる。
一部の実施形態では、CXCL9を産生するように遺伝子操作された細菌は、活性化Th1リンパ球を、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより高度に誘引することができる。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍高度に、活性化Th1リンパ球を誘引する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、50倍、100倍、500倍、または1000倍高度に、活性化Th1リンパ球を誘引する。
一部の実施形態では、CXCL9を産生するように遺伝子操作された細菌は、T細胞の走化性を、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく促進することができる。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍高度に、T細胞の走化性を促進する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、50倍、100倍、500倍、または1000倍高度に、T細胞の走化性を促進する。
一部の実施形態では、CXCL9を産生するように遺伝子操作された細菌は、NK細胞の走化性を、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく促進することができる。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍高度に、NK細胞の走化性を促進する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、50倍、100倍、500倍、または1000倍高度に、NK細胞の走化性を促進する。
一部の実施形態では、CXCL9を産生するように遺伝子操作された細菌は、CXCR3に、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより高い親和性で結合することができる。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍大きい親和性でCXCR3と結合する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、50倍、100倍、500倍、または1000倍大きい親和性で、CXCR3と結合することができる。
一部の実施形態では、遺伝子操作された微生物は、低酸素条件で、ならびに/あるいはがんの存在下で、ならびに/あるいは腫瘍微小環境、または組織特異的分子もしくは代謝物において、ならびに/あるいは炎症または免疫抑制に関連する分子または代謝物の存在下で、ならびに/あるいは消化管内に存在し得る代謝物の存在下で、ならびに/あるいはin vivoで存在することもあり、しないこともあり、in vitroで、株培養、拡大増殖、産生、および/または製造中に存在することもある、代謝物、例えば、アラビノース、クメート、およびサリチレート、ならびに本明細書に記載される他のものの存在下で、記載のCXCL9回路のうちのいずれか1つまたは複数を発現することができる。一部の実施形態では、そのようなインデューサーは、エフェクター遺伝子発現を誘導するために、in vivoで投与され得る。一部の実施形態では、CXCL9をコードする遺伝子配列は、そのような条件および/またはインデューサーにより誘導可能なプロモーターによって制御される。一部の実施形態では、CXCL9をコードする遺伝子配列は、本明細書に記載の構成的プロモーターによって制御される。一部の実施形態では、遺伝子配列は、構成的プロモーターによって制御され、本明細書に記載の、in vivo条件および/またはin vitro条件で、例えば、拡大増殖、産生および/または製造中に発現される。
一部の実施形態では、CXCL9をコードする記載の遺伝子配列のいずれか1つまたは複数は、1つもしくは複数のプラスミド(例えば、高コピー数もしくは低コピー数プラスミド)上に存在するか、または微生物染色体内の1つもしくは複数の部位に組み込まれている。また、一部の実施形態では、遺伝子操作された微生物は、記載の回路のいずれか1つまたは複数をさらに発現することができ、以下のものの1つまたは複数をさらに含む:(1)1つまたは複数の栄養要求体、例えば、当技術分野において公知の、および本明細書で提供される、任意の栄養要求体、例えばthyA栄養要求体、(2)1つまたは複数のキルスイッチ回路、例えば、本明細書に記載の、またはそうでなければ当技術分野において公知の、キルスイッチのいずれか、(3)1つまたは複数の抗生物質耐性回路、(4)生体分子または基質を移入するための1つまたは複数の輸送体、例えば、本明細書に記載の、またはそうでなければ当技術分野において公知の、輸送体のいずれか、(5)1つまたは複数の分泌回路、例えば、本明細書に記載の、でなければ当技術分野において公知の、分泌回路のいずれか、(6)1つまたは複数の表面提示回路、例えば、本明細書に記載の、でなければ当技術分野において公知の、表面提示回路のいずれか、および(7)本明細書に記載の1つまたは複数の代謝物(例えば、キヌレニン、トリプトファン、アデノシン、アルギニン)の産生または分解のための1つまたは複数の回路、(8)このような追加の回路の1つまたは複数の組合せ。これらの実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌を単独で投与することができ、または抗CTLA4、抗PD1もしくは抗PD−L1抗体を含むがこれらに限定されない、本明細書に記載の1つもしくは複数の免疫チェックポイントインヒビターと組み合わせて投与することができる。
これらの実施形態のいずれにおいても、CXCL9をコードする遺伝子配列を含む、遺伝子操作された細菌は、1つまたは複数のさらなるエフェクター分子、すなわち、治療用分子または代謝変換因子をコードする遺伝子配列をさらに含む。これらの実施形態のいずれにおいても、CXCL9をコードする回路は、同じかまたは異なる細菌株において、本明細書に記載される1つまたは複数の免疫イニシエーターまたは免疫サステナーをコードする回路と組み合わせることができる(組合せ回路または株の混合物)。免疫イニシエーターまたは免疫サステナーをコードする回路は、構成的または誘導性プロモーター、例えば、低酸素誘導性プロモーターまたは本明細書に記載される任意の他の構成的もしくは誘導性プロモーターの制御下にあり得る。これらの実施形態のいずれにおいても、CXCL9をコードする遺伝子配列は、同じかまたは異なる細菌株において、本明細書に記載される1つまたは複数のSTINGアゴニスト産生酵素をコードする遺伝子配列と組み合わせることができる(組合せ回路または株の混合物)。一部の実施形態では、CXCL9をコードする遺伝子配列と組み合わされる遺伝子配列は、DacAをコードする。DacAは、構成的または誘導性プロモーター、例えば、低酸素誘導性プロモーター、例えば、FNR、または本明細書に記載される任意の他の構成的もしくは誘導性プロモーターの制御下にあり得る。一部の実施形態では、dacA遺伝子は、染色体に組み込まれている。一部の実施形態では、CXCL9をコードする遺伝子配列と組み合わされる遺伝子配列は、cGASをコードする。cGASは、構成的または誘導性プロモーター、例えば、低酸素誘導性プロモーター、例えば、FNR、または本明細書に記載される任意の他の構成的もしくは誘導性プロモーターの制御下にあり得る。一部の実施形態では、cGASをコードする遺伝子は、染色体に組み込まれている。これらの組合せの実施形態のいずれにおいても、細菌は、栄養要求性の改変、例えば、DapA、ThyA、または両方の突然変異または欠失をさらに含み得る。これらの実施形態のいずれにおいても、細菌は、ファージの改変、例えば、本明細書に記載される内在性プロファージの突然変異または欠失をさらに含み得る。
間質モジュレーション
細胞外基質(ECM)成分の蓄積は、腫瘍および間質組織の正常な構造を変形させ、これが血管およびリンパ管の異常な形状の原因となる。腫瘍の治療抵抗性に寄与しうる1つの要因は、血管を有意に圧迫するECMの剛性であり、この圧迫の結果として(拡散および対流に対する制約に起因して)灌流が低減されることになり、この低減により、最終的に腫瘍細胞への治療薬の送達が妨げられる。間質における血管圧迫を低減させて薬物送達を支援する1つの戦略は、一部の間質腫瘍環境における豊富なヒアルロナンまたはヒアルロン酸(HA)を有する高密度の複雑なECM中に埋め込まれた線維芽細胞、免疫細胞、および内皮細胞からなるECM足場の酵素的破壊である。HAは、その高いコロイド浸透圧に起因して水を保持する、反復N−アセチルグルコサミンおよびグルクロン酸ユニットで構成されている大きな直鎖状グリコサミノグリカン(GAG)であるHAは、腫瘍間質形成および維持における役割を果たすと考えられる。ヒアルロニダーゼ(PEGPH20;rHuPH20)による酵素的HA分解は、マウス膵管腺癌(PDA)腫瘍において間質液圧を低下させ、血管開存性、薬物送達および生存が同時に観察されることが示されている(Provenzanoら、Cancer Cell、2012年、21巻:418〜429頁;Thompsonら、Mol Cancer Ther、2010年、9巻:3052〜64頁)。PEGPH20は、伸長ポリマーを切断して置換ユニットにすることによって、HAと結合している水を遊離させると考えられている。捕捉された水の放出は、20〜30mmHgの範囲に間質液圧を低下させ、これにより、潰れた細動脈および毛細血管の開放が可能になる(Provenzanoら)。
一部の実施形態では、操作された細菌は、間質をモジュレートする1つまたは複数の分子をコードする遺伝子配列を含む。一部の実施形態では、操作された細菌は、ヒアルロナンまたはヒアルロン酸(HA)を分解する酵素の1つまたは複数のコピーをコードする遺伝子配列を含む。一部の実施形態では、操作された細菌は、ヒアルロニダーゼの1つまたは複数のコピーをコードする遺伝子配列を含む。
これらの実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約0%〜2%〜4%、4%〜6%、6%〜8%、8%〜10%、10%〜12%、12%〜14%、14%〜16%、16%〜18%、18%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜35%、35%〜40%、40%〜45%、45%〜50%、50%〜55%、55%〜60%、60%〜65%、65%〜70%〜80%、80%〜90%、または90%〜100%多いヒアルロニダーゼを産生する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍多いヒアルロニダーゼを産生する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、または50倍、100倍、500倍、または1000倍多いヒアルロニダーゼを産生する。
これらの実施形態のいずれにおいても、ヒアルロニダーゼを産生するように遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より0%〜2%〜4%、4%〜6%、6%〜8%、8%〜10%、10%〜12%、12%〜14%、14%〜16%、16%〜18%、18%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜35%、35%〜40%、40%〜45%、45%〜50%、50%〜55%、55%〜60%、60%〜65%、65%〜70%〜80%、80%〜90%、または90%〜100%多いヒアルロナンを分解する。
さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍多いヒアルロナンを分解する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、または50倍、100倍、500倍、または1000倍多いヒアルロナンを分解する。一実施形態では、分泌のためのヒアルロニダーゼをコードする1つまたは複数の遺伝子を含む、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ濃度の組換えヒアルロニダーゼとほぼ同程度にヒアルロナンを分解することができる。
一部の実施形態では、ヒアルロニダーゼを分泌するように遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、細胞増殖を、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%またはそれよりも多く低下させることができる。一部の実施形態では、ヒアルロニダーゼを分泌するように遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、腫瘍増殖を、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%またはそれよりも多く低下させることができる。一部の実施形態では、ヒアルロニダーゼを分泌するように遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、腫瘍サイズを、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%またはそれよりも多く低下させることができる。一部の実施形態では、ヒアルロニダーゼを分泌するように遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、腫瘍体積を、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%またはそれよりも多く低下させることができる。一部の実施形態では、ヒアルロニダーゼを分泌するように遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、腫瘍重量を、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%またはそれよりも多く低下させることができる。一部の実施形態では、ヒアルロニダーゼを分泌するように遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、奏効率を、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%またはそれよりも多く増加させることができる。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号1127、配列番号1128、配列番号1129、配列番号1130、配列番号1131から選択される1つもしくは複数のポリペプチドまたはその機能性断片をコードするヒアルロニダーゼ遺伝子配列を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号1127、配列番号1128、配列番号1129、配列番号1130、配列番号1131から選択される1つもしくは複数のポリペプチドまたはその機能性断片と少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約99%の同一性を有するポリペプチドをコードする遺伝子配列を含む。一部の特定の実施形態では、ポリペプチドは、配列番号1127、配列番号1128、配列番号1129、配列番号1130、配列番号1131から選択される1つまたは複数のポリペプチドを含む。他の特定の実施形態では、ポリペプチドは、配列番号1127、配列番号1128、配列番号1129、配列番号1130、配列番号1131から選択される1つまたは複数のポリペプチドからなる。ある特定の実施形態では、ヒアルロニダーゼ配列は、配列番号1122、配列番号1123、配列番号1224、配列番号1225、配列番号1226から選択される1つもしくは複数のポリヌクレオチドまたはその機能性断片と少なくとも約80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%の同一性を有する。一部の特定の実施形態では、遺伝子配列は、配列番号1127、配列番号1128、配列番号1129、配列番号1130、配列番号1131から選択される1つまたは複数の配列を含む。他の特定の実施形態では、遺伝子配列は、配列番号1127、配列番号1128、配列番号1129、配列番号1130、配列番号1131から選択される1つまたは複数のポリヌクレオチドからなる。
一部の実施形態では、操作された細菌は、ヒトヒアルロニダーゼの1つまたは複数のコピーをコードする遺伝子配列を含む。一部の実施形態では、ヒアルロニダーゼは、ヒルヒアルロニダーゼである。これらの実施形態のいずれにおいても、ヒアルロニダーゼを含む遺伝子配列は、PhoA、OmpF、cvaC、TorA、FdnG、DmsAおよびPelBから選択される分泌タグをさらにコードする。一部の実施形態では、分泌タグは、ヒアルロニダーゼポリペプチド配列のN末端に、かつヒアルロニダーゼコード配列の5’末端にある。一部の実施形態では、分泌タグは、ヒアルロニダーゼポリペプチド配列のC末端に、かつヒアルロニダーゼコード配列の3’末端にある。一実施形態では、分泌タグは、PhoAである。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、分泌のためのヒアルロニダーゼをコードする。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、細菌細胞表面への提示のためのヒアルロニダーゼをコードする。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、lpp、nlP、tolAおよびPALから選択される外膜タンパク質の1つまたは複数の欠失をさらに含む。一部の実施形態では、欠失または突然変異した外膜タンパク質は、PALである。
一部の実施形態では、遺伝子操作された微生物は、低酸素条件で、ならびに/あるいはがんの、および/または腫瘍微小環境の、または組織特異的分子もしくは代謝物の存在下で、ならびに/あるいは炎症または免疫抑制に関連する分子または代謝物の存在下で、ならびに/あるいは消化管内に存在しうる代謝物の存在下で、ならびに/あるいはin vivoで存在することもあり、しないこともあり、in vitroで、株培養、拡大増殖、産生および/または製造中に存在することもある、代謝物、例えば、アラビノース、クメート(cumate)およびサリチレート(salicylate)および本明細書に記載の他のものの存在下で、記載の間質モジュレーション回路または遺伝子配列、例えば、ヒアルロニダーゼ回路のうちいずれか1つまたは複数を発現することができる。一部の実施形態では、そのようなインデューサーをin vivoで投与して、エフェクター遺伝子発現を誘導することができる。一部の実施形態では、間質モジュレーション回路、例えば、ヒアルロニダーゼ回路をコードする遺伝子配列は、in vivoおよび/またはin vitroでそのような条件および/またはインデューサーにより誘導されうるプロモーターによって制御される。一部の実施形態では、遺伝子配列は、本明細書に記載の構成的プロモーターによって制御される。一部の実施形態では、遺伝子配列は、構成的プロモーターによって制御され、本明細書に記載の、in vivo条件および/またはin vitro条件で、例えば、拡大増殖、産生および/または製造中に発現される。一部の実施形態では、記載の間質モジュレーション遺伝子配列、例えば、ヒアルロニダーゼ遺伝子配列のうちいずれか1つまたは複数は、1つもしくは複数のプラスミド(例えば、高コピー数または低コピー数プラスミド)上に存在するか、または微生物染色体内の1つもしくは複数の部位に組み込まれている。
これらの実施形態のいずれにおいても、間質モジュレーションエフェクター、例えば、ヒアルロニダーゼをコードする遺伝子配列(複数可)を含む遺伝子操作された細菌は、1つまたは複数のさらに別のエフェクター分子、すなわち、治療分子または代謝変換因子をコードする遺伝子配列をさらに含む。これらの実施形態のいずれにおいても、間質モジュレーションエフェクター、例えば、ヒアルロニダーゼをコードする回路は、同じまたは異なる細菌株(組合せ回路または株の混合物)において、本明細書に記載される1つまたは複数の免疫イニシエーターまたは免疫サステナーをコードする回路と組み合わせることができる。免疫イニシエーターまたは免疫サステナーをコードする回路は、構成的または誘導性プロモーター、例えば、低酸素誘導性プロモーターまたは本明細書に記載される他のいずれかの構成的または誘導性プロモーターの制御下に置くことができる。
これらの実施形態のいずれにおいても、間質モジュレーションエフェクター、例えば、ヒアルロニダーゼをコードする遺伝子配列(複数可)は、同じまたは異なる細菌株(組合せ回路または株の混合物)において、本明細書に記載される1つまたは複数のSTINGアゴニスト産生酵素をコードする遺伝子配列(複数可)と組み合わせることができる。一部の実施形態では、間質モジュレーションエフェクター、例えば、ヒアルロニダーゼをコードする遺伝子配列(複数可)と組み合わされる遺伝子配列は、DacAをコードする。DacAは、構成的または誘導性プロモーター、例えば、FNR等の低酸素誘導性プロモーターまたは本明細書に記載される他のいずれかの構成的または誘導性プロモーターの制御下に置くことができる。一部の実施形態では、dacA遺伝子は、染色体に組み込まれている。一部の実施形態では、間質モジュレーションエフェクター、例えば、ヒアルロニダーゼをコードする遺伝子配列(複数可)と組み合わされる遺伝子配列は、cGASをコードする。cGASは、構成的または誘導性プロモーター、例えば、FNR等の低酸素誘導性プロモーターまたは本明細書に記載される他のいずれかの構成的または誘導性プロモーターの制御下に置くことができる。一部の実施形態では、cGASをコードする遺伝子は、染色体に組み込まれている。
これらの組合せ実施形態のいずれにおいても、細菌は、DapA、ThyAまたはその両方に、栄養要求性改変、例えば、突然変異または欠失をさらに含むことができる。これらの実施形態のいずれにおいても、細菌は、本明細書に記載される内在性プロファージに、ファージ改変、例えば、突然変異または欠失をさらに含むことができる。
また、一部の実施形態では、遺伝子操作された微生物は、記載の間質モジュレーション回路のいずれか1つまたは複数、例えば、ヒアルロニダーゼ回路をさらに発現することができ、以下のものの1つまたは複数をさらに含む:(1)1つまたは複数の栄養要求体、例えば、当技術分野において公知の、および本明細書で提供される、任意の栄養要求体、例えばthyA栄養要求体、(2)1つまたは複数のキルスイッチ回路、例えば、本明細書に記載の、またはそうでなければ当技術分野において公知の、キルスイッチのいずれか、(3)1つまたは複数の抗生物質耐性回路、(4)生体分子または基質を移入するための1つまたは複数の輸送体、例えば、本明細書に記載の、またはそうでなければ当技術分野において公知の、輸送体のいずれか、(5)1つまたは複数の分泌回路、例えば、本明細書に記載の、でなければ当技術分野において公知の、分泌回路のいずれか、(6)1つまたは複数の表面提示回路、例えば、本明細書に記載の、でなければ当技術分野において公知の、表面提示回路のいずれか、および(7)本明細書に記載の1つまたは複数の代謝物(例えば、キヌレニン、トリプトファン、アデノシン、アルギニン)の産生または分解のための1つまたは複数の回路、(8)このような追加の回路の1つまたは複数の組合せ。これらの実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌を単独で投与することができ、または抗CTLA4、抗PD1もしくは抗PD−L1抗体を含むがこれらに限定されない、本明細書に記載の1つもしくは複数の免疫チェックポイントインヒビターと組み合わせて投与することができる。
他の免疫モジュレーター
他の免疫モジュレーターは、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、01/11/2017に出願され、WO2017/123675として公開された国際特許出願PCT/US2017/013072に記載されている、治療核酸(RNAおよびDNA)、例えば、RNAi分子(siRNA、miRNA、dsRNA等)、mRNA、アンチセンス分子、アプタマーおよびCRISPER/Cas9分子を含む。よって、一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、例えば、RNAi分子(siRNA、miRNA、dsRNA)、mRNA、アンチセンス分子、アプタマーおよびCRISPR/Cas9分子から選択される核酸分子を含む、RNAまたはDNA免疫モジュレーターである1つまたは複数の免疫モジュレーターを産生するための配列(複数可)を含む。そのような分子は、本明細書で後述する参考文献において例証および考察されている。
これらの実施形態のいずれにおいても、これらの回路は、同じまたは異なる細菌株(組合せ回路または株の混合物)において、1つまたは複数の免疫イニシエーター(例えば、本明細書に記載されるSTINGアゴニスト)の産生のための回路と組み合わせることができる。
免疫イニシエーターおよび免疫サステナーの組合せ
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌により発現される回路網は、複数の機構を兼備するように選択される。例えば、腫瘍微小環境において複数の直交免疫モジュレーション経路を活性化することにより、免疫学的に冷たい腫瘍は、免疫学的に熱い腫瘍に形質転換される。免疫応答の異なる成分に対して影響を与える複数のエフェクターを選択することができる。遺伝子操作された細菌によって発現されるエフェクターによって標的化されうる、異なる免疫応答構成成分は、免疫開始および免疫増大およびT細胞拡大増殖(免疫持続)を含む。
一部の実施形態では、少なくとも第1の免疫モジュレーター、例えば、免疫イニシエーターまたは免疫サステナーを産生する第1の改変された微生物は、少なくとも第2の免疫モジュレーター、例えば、免疫イニシエーターまたは免疫サステナーを産生する第2の改変された微生物と組み合わせて、例えば、その前に、それと同時に、またはその後に投与することができる。他の実施形態では、1つまたは複数の免疫モジュレーターは、第2の免疫モジュレーター(複数可)を産生することができる改変された微生物と組み合わせて、例えば、その前に、それと同時に、またはその後に投与することができる。例えば、1つまたは複数の免疫イニシエーターは、1つまたは複数の免疫サステナーを産生することができる改変された微生物と組み合わせて、例えば、その前に、それと同時に、またはその後に投与することができる。別の実施形態では、1つまたは複数の免疫サステナーは、1つまたは複数の免疫イニシエーターを産生することができる改変された微生物と組み合わせて、例えば、その前に、それと同時に、またはその後に投与することができる。あるいは、1つまたは複数の第1の免疫イニシエーターは、1つまたは複数の第2の免疫イニシエーターを産生することができる改変された微生物と組み合わせて、例えば、その前に、それと同時に、またはその後に投与することができる。あるいは、1つまたは複数の第1の免疫サステナーは、1つまたは複数の第2の免疫サステナーを産生することができる改変された微生物と組み合わせて、例えば、その前に、それと同時に、またはその後に投与することができる。一部の実施形態では、免疫イニシエーターおよび/または免疫サステナーは、間質モジュレーター、例えば、ヒアルロニダーゼとさらに組み合わせることができる。
一部の実施形態では、1つまたは複数の微生物は、1つまたは複数の免疫調節エフェクターまたは2つもしくはそれよりも多いこれらのエフェクターの組合せをコードする遺伝子配列(複数可)を発現するように遺伝子操作される。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、1つもしくは複数の免疫調節エフェクターまたは2つもしくはそれよりも多いこれらのエフェクターの組合せをコードする回路網を含む。あるいは、本開示は、異なるまたは別々の遺伝子操作された細菌の組合せ(例えば、2つまたはそれよりも多く)を含む組成物であって、各細菌が、1つまたは複数の免疫調節エフェクターをコードする、組成物を提供する。そのような別個のまたは異なる細菌株は、同時発生的にまたは逐次に投与することができる。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、免疫開始(例えば、活性化およびプライミングを含む)および免疫持続(例えば、免疫増大またはT細胞拡大増殖を含む)をモジュレートすることができる回路網を含む。したがって、一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、1つまたは複数の免疫イニシエーターおよび1つまたは複数の免疫サステナーをコードする回路網または遺伝子配列を含む。
あるいは、本開示は、異なる遺伝子操作された細菌の組合せ(例えば、2つまたはそれよりも多く)を含む組成物であって、各細菌が、1つもしくは複数の免疫イニシエーターおよび/または1つもしくは複数の免疫サステナーをコードする、組成物を提供する。そのような別個のまたは異なる細菌株は、同時発生的にまたは逐次に投与することができる。
本明細書に記載される遺伝子配列(複数可)、回路、エフェクター、免疫モジュレーター、免疫イニシエーターまたは免疫サステナーの各組合せは、1つの細菌株における組合せ回路網として、あるいは組合せの1つまたは複数の遺伝子配列、回路、エフェクター、免疫モジュレーター、免疫イニシエーターまたは免疫サステナーをそれぞれ発現する2つまたはそれよりも多い異なるまたは別々の細菌株において提供することができる。例えば、免疫イニシエーターの産生のための回路網および免疫サステナーの産生のための遺伝子回路網を含む1つまたは複数の遺伝子操作された細菌は、両方の回路を含む1つの株、または回路の少なくとも1つをそれぞれ含む2つもしくはそれよりも多い株において提供することができる。
微生物が、免疫イニシエーター回路および免疫サステナー回路を発現するように遺伝子操作された、本開示の一部の実施形態では、微生物は、先ず、より高いレベルの免疫刺激因子を、より後の時点では、免疫サステナーを産生する。ある特定の実施形態では、1つまたは複数の遺伝子配列は、当技術分野で公知のまたは本明細書に記載される誘導性プロモーターの制御下に置かれる。例えば、そのような誘導性プロモーターは、FNRプロモーター等、低酸素条件下で誘導されうる。一部の実施形態では、1つまたは複数の遺伝子配列は、本明細書に記載される通り、炎症性条件下で(例えば、RNS、ROS)誘導される直接的にまたは間接的に誘導性のプロモーターに作動可能に連結される。他の実施形態では、プロモーターは、ある特定の分子または代謝物の存在下で、例えば、腫瘍微小環境および/または免疫抑制に関連する分子または代謝物の存在下で誘導される。一部の実施形態では、プロモーターは、ある特定の組織型において誘導される。一部の実施形態では、プロモーターは、ある特定の消化管特異的または腫瘍特異的分子または代謝物の存在下で誘導される。一部の実施形態では、プロモーターは、アラビノース、クメートおよびサリチレートまたは当技術分野で公知のもしくは本明細書に記載される別の化学的もしくは栄養的インデューサー等、消化管または腫瘍内に存在することもあり、しないこともある他の何らかの代謝物の存在下で誘導される。ある特定の実施形態では、1つまたは複数のカセットは、本明細書に記載されるまたは当技術分野で公知の構成的プロモーターの制御下にあり、例えばその発現を、異なる強さのリボソーム結合部位を使用して微調整することができる。そのような微生物は、必要に応じて、栄養要求性改変、例えば、アミノ酸またはヌクレオチド代謝における栄養要求性改変も含む。改変されうる遺伝子の非限定的な例は、ThyAおよびDapAまたはその両方(ΔDapAもしくはΔThyAまたはその両方)である。
一部の実施形態では、免疫イニシエーターの発現は、化学的インデューサーによって誘導されるプロモーターの制御下に置かれる。一部の実施形態では、免疫サステナーは、化学的インデューサーによって誘導されるプロモーターの制御下に置かれる。一部の実施形態では、免疫イニシエーターおよび免疫サステナーの両方は、化学的インデューサーによって誘導されるプロモーターの制御下に置かれる。インデューサー(免疫刺激因子発現を誘導)および第2のインデューサー(免疫サステナー発現を誘導)は、同じまたは異なるインデューサーとなることができる。第1のインデューサーおよび第2のインデューサーは、逐次にまたは同時発生的に投与することができる。一部の実施形態では、免疫サステナーおよび/または免疫イニシエーターは、in vivo条件下で、例えば、消化管もしくは腫瘍微小環境の条件(例えば、低酸素、ある特定の栄養素等)によって、細胞培養もしくはin vitro成長の際の条件によって、またはin vitroもしくはin vivoで用いることができる化学的インデューサー(例えば、アラビノース、クメートおよびサリチレート、IPTGまたは本明細書に記載される他の化学的インデューサー)によって誘導されうる。
一部の実施形態では、免疫イニシエーターは、誘導性プロモーターによって制御される、またはこれに直接的にもしくは間接的に連結され、免疫サステナーは、構成的プロモーターによって制御される、またはこれに直接的にもしくは間接的に連結される。一部の実施形態では、免疫イニシエーターは、構成的プロモーターによって制御される、またはこれに直接的にもしくは間接的に連結され、免疫サステナーは、誘導性プロモーターによって制御される、またはこれに直接的にもしくは間接的に連結される。
一部の実施形態では、両方の回路が、細菌染色体中に組み込まれていてよい。一部の実施形態では、両方の回路が、プラスミド上に存在していてよい。一部の実施形態では、両方の回路が、プラスミド上に存在していてよい。一部の実施形態では、一方の回路が、細菌染色体中に組み込まれていてよく、別の回路が、プラスミド上に存在していてよい。
別の実施形態では、免疫開始のための回路網を発現する細菌株は、免疫持続のための回路網を発現する別々の細菌株と併せて投与することができる。例えば、免疫イニシエーター回路網を発現する遺伝子操作された細菌の1つまたは複数の株、および免疫サステナー回路網を発現する遺伝子操作された細菌の1つまたは複数の別々の株は、逐次に投与することができる、例えば、免疫刺激因子は、免疫サステナーの前に投与することができる。別の例では、免疫イニシエーター株は、免疫サステナー株の後に投与することができる。さらに別の例では、免疫イニシエーター株は、免疫サステナー株と同時発生的に投与することができる。
投与の順序またはタイミング(同時発生的または逐次)に関係なく、操作された株は、投与後逐次にまたは同時発生的に、免疫サステナーのための回路網を発現することができる、すなわち、発現のタイミングおよびレベルは、プロモーターおよびリボソーム結合部位を含むがこれらに限定されない、本明細書に記載される1つまたは複数の機構を使用して調整される。
より具体的な例では、STINGアゴニストの産生のための酵素をコードする遺伝子配列(複数可)、およびキヌレニンの消費のための酵素をコードする遺伝子配列(複数可)を含む1つまたは複数の遺伝子操作された細菌は、両方の回路を含む1つの株において、または回路の少なくとも1つをそれぞれ含む、2つもしくはそれよりも多い株において提供することができる。投与の非限定的な例では、免疫イニシエーター産生株が1番目に投与され、次いで免疫サステナー産生株が2番目に投与される。投与のより具体的な非限定的な例では、STINGアゴニスト産生株が1番目に投与され、次いでキヌレニン消費株が2番目に投与される。
免疫イニシエーターおよびサステナーの非限定的な例は、表7および表8に記載されている。
一部の組合せ実施形態では、表7の1つまたは複数のエフェクターは、表8の1つまたは複数のエフェクターと組み合わせることができる。
免疫応答の異なる構成成分に影響を有する複数のエフェクターを選択することができる。1つまたは複数の遺伝子操作された細菌によって発現されるエフェクターによって標的化されうる異なる免疫応答構成成分は、腫瘍退縮、APCの免疫活性化、ならびにT細胞の活性化およびプライミング(「免疫イニシエーター」)、搬送および浸潤、免疫増大、T細胞拡大増殖(「免疫サステナー」)を含む。一部の組合せ実施形態では、「免疫イニシエーター」は、「免疫サステナー」と組み合わせられる。一部の実施形態では、免疫イニシエーターおよび/または免疫サステナーを、さらに、間質モジュレーター、例えば、ヒアルロニダーゼと組み合わせることができる。一部の実施形態では、免疫イニシエーターおよび免疫サステナーおよび必要に応じて間質モジュレーターをコードする遺伝子を含む2つまたはそれより多い異なる細菌を、組み合わせ、同時にまたは逐次的に投与することができる。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、免疫応答を開始するエフェクターまたは免疫モジュレーター、すなわち、免疫イニシエーターを産生することができる。本明細書に記載される免疫活性化およびプライミングを標的化するためのそのようなエフェクターの非限定的な例は、可溶性SIRPα、抗CD47抗体および抗CD40抗体、CD40−リガンド、TNFα、IFN−ガンマ、5−FCから5−FUへの変換、およびSTINGアゴニストを含む。本明細書に記載される免疫増大を標的化するためのエフェクターの非限定的な例は、キヌレニン分解、アデノシン分解、アルギニン産生、CXCL10、IL−15、IL−12分泌、および例えば、抗PD−1分泌またはディスプレイによる、チェックポイント阻害を含む。本明細書に記載されるT細胞拡大増殖を標的化するためのエフェクターの非限定的な例は、抗PD−1および抗PD−L1抗体、抗CTLA−4抗体、およびIL−15を含む。
一実施形態では、免疫イニシエーターは、免疫サステナーと同じではない。非限定的な一例として、免疫イニシエーターがIFN−ガンマである場合、免疫サステナーはIFN−ガンマではない。一実施形態では、免疫イニシエーターは、免疫サステナーとは異なる。非限定的な一例として、免疫イニシエーターがIFN−ガンマである場合、免疫サステナーはIFN−ガンマではない。
一組合せ実施形態では、遺伝子操作された細菌は、1つまたは複数の免疫サステナーの産生のための1つまたは複数の遺伝子配列と組み合わせた、1つまたは複数の免疫イニシエーターの産生のための遺伝子配列を含む。代替実施形態では、本開示は、異なる遺伝子操作された細菌の組合せ(例えば、2つまたはそれよりも多く)を含む組成物を提供する。そのような一組成物実施形態では、1つまたは複数の免疫イニシエーターの産生のための遺伝子配列を含む1つまたは複数の遺伝子操作された細菌は、1つまたは複数の免疫サステナーの産生のための遺伝子配列を含む1つまたは複数の遺伝子操作された細菌と組み合わせることができる。あるいは、組成物における各細菌は、免疫サステナー(複数可)および免疫イニシエーター(複数可)の両方を有することができる。
これらの組合せおよび/または組成物実施形態のいずれにおいても、1つの免疫イニシエーターは、ケモカインまたはサイトカインとなることができる。一部の免疫サステナーおよび免疫イニシエーター組合せおよび/または組成物実施形態では、1つの免疫イニシエーターは、ケモカインまたはサイトカインであり、1つの免疫サステナーは、一本鎖抗体である。一部の免疫サステナーおよび免疫イニシエーター組合せおよび/または組成物実施形態では、1つの免疫イニシエーターは、ケモカインまたはサイトカインであり、1つの免疫サステナーは、受容体リガンドである。一部の実施形態では、1つの免疫イニシエーターは、ケモカインまたはサイトカインであり、1つの免疫サステナーは、受容体リガンドである。一部の実施形態では、1つの免疫イニシエーターは、ケモカインまたはサイトカインであり、1つの免疫サステナーは、ケモカインまたはサイトカインである。一部の実施形態では、1つの免疫イニシエーターは、ケモカインまたはサイトカインであり、1つの免疫サステナーは、ケモカインまたはサイトカインである。一部の実施形態では、1つの免疫イニシエーターは、ケモカインまたはサイトカインであり、1つの免疫サステナーは、代謝的変換である。代謝的変換は、アルギニン産生、アデノシン消費、および/またはキヌレニン消費でありうる。一部の実施形態では、ケモカインまたはサイトカインイニシエーターは、TNFα、IFN−ガンマおよびIFN−ベータ1から選択される。これらの実施形態のいずれにおいても、免疫サステナーまたはオーグメンターは、抗PD−1単鎖抗体、抗CTLA4単鎖抗体、IL−15、CXCL10または代謝的変換から選択することができる。代謝的変換は、アルギニン産生、アデノシン消費、および/またはキヌレニン消費でありうる。
これらの組合せおよび/または組成物実施形態のいずれにおいても、1つの免疫イニシエーターは、単鎖抗体でありうる。一部の免疫サステナーおよび免疫イニシエーター組合せおよび/または組成物実施形態では、1つの免疫イニシエーターは、単鎖抗体であり、1つの免疫サステナーは、単鎖抗体である。一部の実施形態では、1つの免疫イニシエーターは、単鎖抗体であり、1つの免疫サステナーは、受容体リガンドである。一部の実施形態では、1つの免疫イニシエーターは、単鎖抗体であり、1つの免疫サステナーは、受容体リガンドである。一部の実施形態では、1つの免疫イニシエーターは、単鎖抗体であり、1つの免疫サステナーは、ケモカインまたはサイトカインである。一部の実施形態では、1つの免疫イニシエーターは、単鎖抗体であり、1つの免疫サステナーは、代謝的変換である。代謝的変換は、アルギニン産生、アデノシン消費、および/またはキヌレニン消費でありうる。これらの実施形態のいずれにおいても、免疫サステナーまたはオーグメンターは、抗PD−1単鎖抗体、抗CTLA4単鎖抗体、IL−15、CXCL10または代謝的変換から選択することができる。代謝的変換は、アルギニン産生、アデノシン消費、および/またはキヌレニン消費でありうる。
これらの組合せおよび/または組成物実施形態のいずれにおいても、1つの免疫イニシエーターは、受容体リガンドでありうる。一部の免疫サステナーおよび免疫イニシエーター組合せおよび/または組成物実施形態では、1つの免疫イニシエーターは、受容体リガンドであり、1つの免疫サステナーは、単鎖抗体である。一部の実施形態では、1つの免疫イニシエーターは、受容体リガンドであり、1つの免疫サステナーは、受容体リガンドである。一部の実施形態では、1つの免疫イニシエーターは、受容体リガンドであり、1つの免疫サステナーは、受容体リガンドである。一部の実施形態では、1つの免疫イニシエーターは、受容体リガンドであり、1つの免疫サステナーは、ケモカインまたはサイトカインである。一部の実施形態では、1つの免疫イニシエーターは、受容体リガンドであり、1つの免疫サステナーは、代謝的変換である。代謝的変換は、アルギニン産生、アデノシン消費、および/またはキヌレニン消費でありうる。1つの免疫イニシエーターが受容体リガンドである、一部の実施形態では、免疫イニシエーターは、CD40Lである。これらの実施形態のいずれにおいても、免疫サステナーまたはオーグメンターは、抗PD−1単鎖抗体、抗CTLA4単鎖抗体、IL−15、CXCL10または代謝的変換から選択することができる。代謝的変換は、アルギニン産生、アデノシン消費、および/またはキヌレニン消費でありうる。一部の実施形態では、受容体リガンドは、SIRPα、またはその断片、バリアントもしくは融合タンパク質である。これらの実施形態のいずれにおいても、免疫サステナーまたはオーグメンターは、抗PD−1単鎖抗体、抗CTLA4単鎖抗体、IL−15、CXCL10または代謝的変換から選択することができる。代謝的変換は、アルギニン産生、アデノシン消費、および/またはキヌレニン消費でありうる。
これらの組合せおよび/または組成物実施形態のいずれにおいても、1つの免疫イニシエーターは、代謝的変換因子でありうる。一部の免疫サステナーおよび免疫イニシエーター組合せおよび/または組成物実施形態では、1つの免疫イニシエーターは、代謝的変換であり、1つの免疫サステナーは、単鎖抗体である。一部の実施形態では、1つの免疫イニシエーターは、代謝的変換であり、1つの免疫サステナーは、受容体リガンドである。一部の実施形態では、1つの免疫イニシエーターは、代謝的変換であり、1つの免疫サステナーは、受容体リガンドである。一部の実施形態では、1つの免疫イニシエーターは、代謝的変換であり、1つの免疫サステナーは、ケモカインまたはサイトカインである。一部の実施形態では、1つの免疫イニシエーターは、代謝的変換であり、1つの免疫サステナーは、例えばキヌレニン消費物質、トリプトファン産生物質、アルギニン産生物質およびアデノシン消費物質から選択される、代謝的変換である。一部の実施形態では、イニシエーター代謝性変換は、STINGアゴニスト生産者、例えば、ジアデニル酸(diadenylate)シクラーゼ、例えば、DacAである。これらの実施形態のいずれにおいても、免疫サステナーまたはオーグメンターは、抗PD−1単鎖抗体、抗CTLA4単鎖抗体、IL−15、CXCL10または代謝的変換から選択することができる。代謝的変換は、アルギニン産生、アデノシン消費、および/またはキヌレニン消費でありうる。
これらの組合せおよび/または組成物実施形態のいずれにおいても、1つの免疫イニシエーターは、遺伝子操作免疫療法(engineered immunotherapy)でありうる。一部の免疫サステナーおよび免疫イニシエーター組合せおよび/または組成物実施形態では、1つの免疫イニシエーターは、遺伝子操作化学療法(engineered chemotherapy)であり、1つの免疫サステナーは、単鎖抗体である。一部の実施形態では、1つの免疫イニシエーターは、遺伝子操作化学療法であり、1つの免疫サステナーは、受容体リガンドである。一部の実施形態では、1つの免疫イニシエーターは、遺伝子操作化学療法であり、1つの免疫サステナーは、受容体リガンドである。一部の実施形態では、1つの免疫イニシエーターは、遺伝子操作化学療法であり、1つの免疫サステナーは、ケモカインまたはサイトカインである。一部の実施形態では、1つの免疫イニシエーターは、遺伝子操作化学療法であり、1つの免疫サステナーは、代謝的変換である。代謝的変換は、アルギニン産生、アデノシン消費、および/またはキヌレニン消費でありうる。一部の実施形態では、イニシエーター遺伝子操作化学療法は、例えば、codAまたはそのバリアントもしくは融合タンパク質による、5FCから5FUへの変換である。これらの実施形態のいずれにおいても、免疫サステナーまたはオーグメンターは、抗PD−1単鎖抗体、抗CTLA4単鎖抗体、IL−15、CXCL10または代謝的変換から選択することができる。代謝的変換は、アルギニン産生、アデノシン消費、および/またはキヌレニン消費でありうる。
これらの組合せおよび/または組成物実施形態のいずれにおいても、1つの免疫サステナーは、単鎖抗体でありうる。一部の免疫サステナーおよび免疫イニシエーター組合せおよび/または組成物実施形態では、1つの免疫サステナーは、単鎖抗体であり、免疫イニシエーターは、サイトカインまたはケモカインである。一部の実施形態では、1つの免疫サステナーは、単鎖抗体であり、免疫イニシエーターは、受容体リガンドである。一部の実施形態では、1つの免疫サステナーは、単鎖抗体であり、免疫イニシエーターは、単鎖抗体である。一部の実施形態では、1つの免疫サステナーは、単鎖抗体であり、免疫イニシエーターは、代謝的変換である。一部の実施形態では、1つの免疫サステナーは、単鎖抗体であり、免疫イニシエーターは、遺伝子操作化学療法である。一部の免疫サステナーおよび免疫イニシエーター組合せおよび/または組成物実施形態では、免疫サステナーは、抗PD−1抗体である。一部の免疫サステナーおよび免疫イニシエーター組合せおよび/または組成物実施形態では、免疫サステナーは、抗CTLA4抗体である。これらの実施形態のいずれにおいても、免疫イニシエーターは、TNFα、IFN−ガンマ、IFN−ベータ1、SIRPα、CD40L、STINGアゴニスト、および5FC−>5FUから選択することができる。
これらの組合せおよび/または組成物実施形態のいずれにおいても、1つの免疫サステナーは、受容体リガンドでありうる。一部の免疫サステナーおよび免疫イニシエーター組合せおよび/または組成物実施形態では、1つの免疫サステナーは、受容体リガンドであり、免疫イニシエーターは、サイトカインまたはケモカインである。一部の実施形態では、1つの免疫サステナーは、受容体リガンドであり、免疫イニシエーターは、受容体リガンドである。一部の実施形態では、1つの免疫サステナーは、受容体リガンドであり、免疫イニシエーターは、単鎖抗体である。一部の実施形態では、1つの免疫サステナーは、受容体リガンドであり、免疫イニシエーターは、代謝的変換である。一部の実施形態では、1つの免疫サステナーは、受容体リガンドであり、免疫イニシエーターは、遺伝子操作化学療法である。一部の免疫サステナーおよび免疫イニシエーター組合せおよび/または組成物実施形態では、免疫サステナーは、PD1もしくはPDL1もしくはCTLA4、またはそれらの断片、バリアントもしくは融合タンパク質である。これらの実施形態のいずれにおいても、免疫イニシエーターは、TNFα、IFN−ガンマ、IFN−ベータ1、SIRPα、CD40L、STINGアゴニスト、および5FC−>5FUから選択することができる。
これらの組合せおよび/または組成物実施形態のいずれにおいても、1つの免疫サステナーは、サイトカインまたはケモカインでありうる。一部の免疫サステナーおよび免疫イニシエーター組合せおよび/または組成物実施形態では、1つの免疫サステナーは、サイトカインまたはケモカインであり、免疫イニシエーターは、サイトカインまたはケモカインである。一部の実施形態では、1つの免疫サステナーは、サイトカインまたはケモカインであり、免疫イニシエーターは、受容体リガンドである。一部の実施形態では、1つの免疫サステナーは、サイトカインまたはケモカインであり、免疫イニシエーターは、単鎖抗体である。一部の実施形態では、1つの免疫サステナーは、サイトカインまたはケモカインであり、免疫イニシエーターは、代謝的変換である。一部の実施形態では、1つの免疫サステナーは、サイトカインまたはケモカインであり、免疫イニシエーターは、遺伝子操作化学療法である。一部の免疫サステナーおよび免疫イニシエーター組合せおよび/または組成物実施形態では、免疫サステナーは、IL−15またはその断片、バリアントもしくは融合タンパク質である。一部の免疫サステナーおよび免疫イニシエーター組合せおよび/または組成物実施形態では、免疫サステナーは、CXCL10またはその断片、バリアントもしくは融合タンパク質である。これらの実施形態のいずれにおいても、免疫イニシエーターは、TNFα、IFN−ガンマ、IFN−ベータ1、SIRPα、CD40L、STINGアゴニスト、および5FC−>5FUから選択することができる。
これらの組合せおよび/または組成物実施形態のいずれにおいても、1つの免疫サステナーは、代謝的変換でありうる。一部の免疫サステナーおよび免疫イニシエーター組合せおよび/または組成物実施形態では、1つの免疫サステナーは、代謝的変換であり、免疫イニシエーターは、サイトカインまたはケモカインである。一部の実施形態では、1つの免疫サステナーは、代謝的変換であり、免疫イニシエーターは、受容体リガンドである。一部の実施形態では、1つの免疫サステナーは、代謝的変換であり、免疫イニシエーターは、単鎖抗体である。一部の実施形態では、1つの免疫サステナーは、代謝的変換であり、免疫イニシエーターは、代謝的変換である。一部の実施形態では、1つの免疫サステナーは、代謝的変換であり、免疫イニシエーターは、遺伝子操作化学療法である。一部の免疫サステナーおよび免疫イニシエーター組合せおよび/または組成物実施形態では、免疫サステナーは、キヌレニン消費である。一部の免疫サステナーおよび免疫イニシエーター組合せおよび/または組成物実施形態では、免疫サステナーは、アルギニン産生である。一部の免疫サステナーおよび免疫イニシエーター組合せおよび/または組成物実施形態では、免疫サステナーは、アデノシン消費である。これらの実施形態のいずれにおいても、免疫イニシエーターは、TNFα、IFN−ガンマ、IFN−ベータ1、SIRPα、CD40L、STINGアゴニスト、および5FC−>5FUから選択することができる。
これらの組合せ実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、キヌレニンの消費(および必要に応じて、トリプトファンの産生)のための酵素をコードする遺伝子配列と、免疫イニシエーターの産生のための遺伝子配列とを含むことができる。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、キヌレニナーゼをコードする遺伝子配列と、免疫イニシエーターの産生のための遺伝子配列とを含む。一部の実施形態では、キヌレニナーゼと組み合わせた免疫イニシエーターは、ケモカインまたはサイトカインである。一部の実施形態では、キヌレニナーゼと組み合わせた免疫イニシエーターは、一本鎖抗体である。一部の実施形態では、キヌレニナーゼと組み合わせた免疫イニシエーターは、受容体リガンドである。一部の実施形態では、キヌレニナーゼと組み合わせた免疫イニシエーターは、代謝性変換、例えば、STINGアゴニスト生産者、例えば、ジアデニル酸シクラーゼ、例えば、dacAである。一部の実施形態では、キヌレニナーゼと組み合わせられる免疫イニシエーターは、遺伝子操作化学療法、例えば、5FCの5FUへの変換のためのcodAである。一部の実施形態では、免疫イニシエーターは、TNFα、IFN−ガンマ、IFN−ベータ1、SIRPα、CD40L、STINGアゴニスト、および5FC−>5FUから選択される。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、キヌレニナーゼをコードする遺伝子配列と、TNFαをコードする遺伝子配列とを含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、キヌレニナーゼをコードする遺伝子配列と、IFN−ガンマをコードする遺伝子配列とを含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、キヌレニナーゼをコードする遺伝子配列と、IFN−ベータ1をコードする遺伝子配列とを含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、キヌレニナーゼをコードする遺伝子配列と、本明細書に記載のSIRPαまたはそのバリアントをコードする遺伝子配列とを含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、キヌレニナーゼをコードする遺伝子配列と、CD40Lをコードする遺伝子配列とを含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、キヌレニナーゼをコードする遺伝子配列と、STINGアゴニストの産生のための酵素、例えばサイクリック−ジAMPの産生のためのdacA、をコードする遺伝子配列とを含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、キヌレニナーゼをコードする遺伝子配列と、5FCの5FUへの変換のための酵素、例えばcodAまたはそのバリアントもしくは融合タンパク質、をコードする遺伝子配列とを含む。これらのキヌレニン消費および免疫イニシエーター組合せおよび/または組成物実施形態のいずれにおいても、trpEを欠失させることができる。
これらの組合せ実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、STINGアゴニストの産生のための酵素をコードする遺伝子配列と、免疫サステナーの産生のための遺伝子配列とを含むことができる。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、例えば、ジアデニレートシクラーゼ、例えばdacAをコードする遺伝子配列と、免疫サステナーの産生のための遺伝子配列とを含む。一部の実施形態では、dacAと組み合わせられる免疫サステナーは、ケモカインまたはサイトカインである。一部の実施形態では、dacAと組み合わせられる免疫サステナーは、単鎖抗体である。一部の実施形態では、ジアデニレートシクラーゼ、例えばdacA、と組み合わせられる免疫サステナーは、受容体リガンドである。一部の実施形態では、ジアデニレートシクラーゼ、例えばdacA、と組み合わせられる免疫サステナーは、代謝的変換、例えば、アルギニン産生物質、キヌレニン消費物質および/またはアデノシン消費物質である。一部の実施形態では、免疫サステナーは、抗PD−1抗体、抗CTLA4抗体、抗PD−L1抗体、IL−15、CXCL10、アルギニン産生物質、アデノシン消費物質、およびキヌレニン消費物質から選択される。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、dacAをコードする遺伝子配列と、抗PD−1抗体をコードする遺伝子配列とを含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、ジアデニレートシクラーゼ、例えばdacA、をコードする遺伝子配列と、抗CTLA4抗体をコードする遺伝子配列とを含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、dacAをコードする遺伝子配列と、IL−15をコードする遺伝子配列とを含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、ジアデニレートシクラーゼ、例えばdacA、をコードする遺伝子配列と、CXCL10をコードする遺伝子配列とを含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、ジアデニレートシクラーゼ、例えばdacA、をコードする遺伝子配列と、例えば本明細書に記載の、アルギニンの産生のための回路網をコードする遺伝子配列とを含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、ジアデニレートシクラーゼ、例えばdacA、をコードする遺伝子配列と、キヌレニンの消費のための酵素、例えば、キヌレニナーゼ、例えばPseudomonas fluorescensからのキヌレニナーゼ、をコードする遺伝子配列とを含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、ジアデニレートシクラーゼ、例えばdacA、をコードする遺伝子配列と、本明細書に記載の、消費アデノシンのための酵素をコードする遺伝子配列とを含む。一実施形態では、アデノシン分解経路酵素をコードする遺伝子配列は、xdhA、xdhB、xdhC、add、xapA、deoDおよびnupCから選択される1つまたは複数の遺伝子を含む。一実施形態では、アデノシン分解経路をコードする遺伝子配列は、xdhA、xdhB、xdhC、add、xapA、deoDおよびnupCを含む。一実施形態では、dacAは、Listeria monocytogenesからのものである。
これらの組成物実施形態のいずれにおいても、キヌレニンの消費(および必要に応じて、トリプトファンの産生)のための酵素をコードする遺伝子配列を含む1つまたは複数の異なる遺伝子操作された細菌は、免疫イニシエーターの産生のための遺伝子配列を含む1つまたは複数の異なる遺伝子操作された細菌と組み合わせることができる。一部の実施形態では、キヌレニナーゼをコードする遺伝子配列を含む組成物の1つまたは複数の異なる遺伝子操作された細菌は、免疫イニシエーターの産生のための遺伝子配列を含む1つまたは複数の異なる遺伝子操作された細菌と組み合わされる。一部の実施形態では、キヌレニナーゼと組み合わせられる免疫イニシエーターは、ケモカインまたはサイトカインである。一部の実施形態では、キヌレニナーゼと組み合わせられる免疫イニシエーターは、単鎖抗体である。一部の実施形態では、キヌレニナーゼと組み合わせられる免疫イニシエーターは、受容体リガンドである。一部の実施形態では、キヌレニナーゼと組み合わせられる免疫イニシエーターは、代謝的変換、例えば、STINGアゴニスト産生物質、例えば、デアデニレートシクラーゼ、例えばdacAである。一部の実施形態では、キヌレニナーゼと組み合わせられる免疫イニシエーターは、遺伝子操作化学療法、例えば、5FCの5FUへの変換のためのcodAである。一部の実施形態では、免疫イニシエーターは、TNFα、IFN−ガンマ、IFN−ベータ1、SIRPα、CD40L、STINGアゴニストおよび5FC−>5FUから選択される。一実施形態では、1つまたは複数の異なる遺伝子操作された細菌は、キヌレニナーゼをコードする遺伝子配列およびTNFαをコードする遺伝子配列を含む。一実施形態では、キヌレニナーゼをコードする遺伝子配列を含む組成物の1つまたは複数の異なる遺伝子操作された細菌は、IFN−ガンマをコードする遺伝子配列を含む1つまたは複数の異なる遺伝子操作された細菌と組み合わされる。一実施形態では、キヌレニナーゼをコードする遺伝子配列を含む組成物の1つまたは複数の異なる遺伝子操作された細菌は、IFN−ベータ1をコードする遺伝子配列を含む1つまたは複数の異なる遺伝子操作された細菌と組み合わせられる。一実施形態では、キヌレニナーゼをコードする遺伝子配列を含む組成物の1つまたは複数の異なる遺伝子操作された細菌は、本明細書に記載のSIRPαまたはそのバリアントをコードする遺伝子配列を含む1つまたは複数の異なる遺伝子操作された細菌と組み合わせられる。一実施形態では、キヌレニナーゼをコードする遺伝子配列を含む組成物の1つまたは複数の異なる遺伝子操作された細菌は、CD40Lをコードする遺伝子配列を含む1つまたは複数の異なる遺伝子操作された細菌と組み合わせられる。一実施形態では、キヌレニナーゼをコードする遺伝子配列を含む組成物の1つまたは複数の異なる遺伝子操作された細菌は、STINGアゴニストの産生のための酵素、例えばサイクリック−ジAMPの産生のためのdacA、をコードする遺伝子配列を含む1つまたは複数の異なる遺伝子操作された細菌と組み合わせられる。一実施形態では、キヌレニナーゼをコードする遺伝子配列を含む組成物の1つまたは複数の異なる遺伝子操作された細菌は、5FCの5FUへの変換のための酵素、例えばcodAまたはそのバリアントもしくは融合タンパク質、をコードする遺伝子配列を含む1つまたは複数の異なる遺伝子操作された細菌と組み合わせられる。これらのキヌレニン消費および免疫イニシエーター組合せおよび/または組成物実施形態のいずれにおいても、trpEを欠失させることができる。
これらの組成物実施形態のいずれにおいても、STINGアゴニストの産生のための酵素をコードする遺伝子配列を含むことができる、1つまたは複数の異なる遺伝子操作された細菌を、免疫サステナーの産生のための遺伝子配列を含む1つまたは複数の異なる遺伝子操作された細菌と、組み合わせることができる。一部の実施形態では、ジアデニル酸シクラーゼ、例えば、dacAをコードする遺伝子配列を含む組成物の1つまたは複数の異なる遺伝子操作された細菌は、免疫サステナーの産生のための遺伝子配列を含む1つまたは複数の異なる遺伝子操作された細菌と組み合わされる。一部の実施形態では、ジアデニル酸シクラーゼ、例えば、dacAと組み合わされる免疫サステナーは、ケモカインまたはサイトカインである。一部の実施形態では、dacAと組み合わされる免疫サステナーは、一本鎖抗体である。一部の実施形態では、ジアデニル酸シクラーゼ、例えば、dacAと組み合わされる免疫サステナーは、受容体リガンドである。一部の実施形態では、ジアデニル酸シクラーゼ、例えば、dacAと組み合わされる免疫サステナーは、代謝性変換、例えば、アルギニン生産者、キヌレニン消費者および/またはアデノシン消費者である。一部の実施形態では、免疫サステナーは、抗PD−1抗体、抗CTLA4抗体、IL−15、CXCL10、アルギニン生産者、アデノシン消費者およびキヌレニン消費者から選択される。一実施形態では、ジアデニル酸シクラーゼ、例えば、dacAをコードする遺伝子配列を含む組成物の1つまたは複数の異なる遺伝子操作された細菌は、抗PD−1抗体をコードする遺伝子配列を含む1つまたは複数の異なる遺伝子操作された細菌と組み合わされる。一実施形態では、ジアデニル酸シクラーゼ、例えば、dacAをコードする遺伝子配列を含む組成物の1つまたは複数の異なる遺伝子操作された細菌は、抗CTLA4抗体をコードする遺伝子配列を含む1つまたは複数の異なる遺伝子操作された細菌と組み合わされる。一実施形態では、ジアデニル酸シクラーゼ、例えば、dacAをコードする遺伝子配列を含む組成物の1つまたは複数の異なる遺伝子操作された細菌は、IL−15をコードする遺伝子配列を含む1つまたは複数の異なる遺伝子操作された細菌と組み合わされる。一実施形態では、ジアデニル酸シクラーゼ、例えば、dacAをコードする遺伝子配列を含む組成物の1つまたは複数の異なる遺伝子操作された細菌は、CXCL10をコードする遺伝子配列を含む1つまたは複数の異なる遺伝子操作された細菌と組み合わされる。一実施形態では、ジアデニル酸シクラーゼ、例えば、dacAをコードする遺伝子配列を含む組成物の1つまたは複数の異なる遺伝子操作された細菌は、例えば、本明細書に記載される通り、アルギニンの産生のための回路網をコードする遺伝子配列を含む1つまたは複数の異なる遺伝子操作された細菌と組み合わされる。一実施形態では、ジアデニル酸シクラーゼ、例えば、dacAをコードする遺伝子配列を含む組成物の1つまたは複数の異なる遺伝子操作された細菌は、キヌレニンの消費のための酵素、例えば、Pseudomonas fluorescens由来の、例えば、キヌレニナーゼをコードする遺伝子配列を含む1つまたは複数の異なる遺伝子操作された細菌と組み合わされる。
一実施形態では、dacAをコードする遺伝子配列を含む組成物の1つまたは複数の異なる遺伝子操作された細菌は、本明細書に記載の消費アデノシンのための酵素をコードする遺伝子配列を含む1つまたは複数の異なる遺伝子操作された細菌と組み合わせられる。一実施形態では、アデノシン分解経路酵素をコードする遺伝子配列は、xdhA、xdhB、xdhC、add、xapA、deoDおよびnupCから選択される1つまたは複数の遺伝子を含む。一実施形態では、アデノシン分解経路をコードする遺伝子配列は、xdhA、xdhB、xdhC、add、xapA、deoDおよびnupCを含む。一実施形態では、dacAは、Listeria monocytogenesからのものである。
いずれか1つまたは複数の免疫イニシエーターは、がん免疫サイクルにおいて、いずれか1つまたは複数の免疫サステナーと組み合わせることができる。したがって、一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、がん免疫サイクル(1)腫瘍退縮、(2)APCの活性化ならびに/または(3)T細胞のプライミングおよび活性化のステップのうち1つまたは複数をモジュレート、例えば、強化する1つまたは複数の免疫イニシエーターを、(4)T細胞搬送および浸潤、(5)T細胞によるがん細胞の認識および/もしくはT細胞支持ならびに/または(6)免疫抑制を克服する能力のステップのうち1つまたは複数をモジュレート、例えば、ブーストする1つまたは複数の免疫サステナーと組み合わせて産生することができる。ステップ(1)、(2)および(an)(3)をモジュレートする免疫イニシエーターの非限定的な例は、本明細書に提供される。ステップ(4)、(5)および(an)(6)をモジュレートする免疫サステナーの非限定的な例は、本明細書に提供される。したがって、これらの例示的な免疫モジュレーターのいずれが、本明細書に記載される1つまたは複数のがん免疫サイクルステップをモジュレートすることができる免疫イニシエーター/免疫サステナー組合せの一部となってもよい。したがって、免疫イニシエーター(複数可)/免疫サステナー(複数可)の組合せをコードする遺伝子配列を含む遺伝子操作された細菌は、例えば、次に示すがん免疫サイクルステップの組合せをモジュレートすることができる:ステップ(1)、ステップ(2)、ステップ(3)、ステップ(4)、ステップ(5)、ステップ(6);ステップ(1)、ステップ(2)、ステップ(3)、ステップ(4)、ステップ(5);ステップ(1)、ステップ(2)、ステップ(3)、ステップ(4)、ステップ(6);ステップ(1)、ステップ(2)、ステップ(3)、ステップ(5)、ステップ(6);ステップ(1)、ステップ(2)、ステップ(3)、ステップ(4);ステップ(1)、ステップ(2)、ステップ(3)、ステップ(5);ステップ(1)、ステップ(2)、ステップ(3)、ステップ(6);ステップ(1)、ステップ(2)、ステップ(4)、ステップ(5)、ステップ(6);ステップ(1)、ステップ(2)、ステップ(4)、ステップ(5);ステップ(1)、ステップ(2)、ステップ(4)、ステップ(6);ステップ(1)、ステップ(2)、ステップ(5)、ステップ(6);ステップ(1)、ステップ(2)、ステップ(4);ステップ(1)、ステップ(2)、ステップ(5);ステップ(1)、ステップ(2)、ステップ(6);ステップ(1)、ステップ(3)、ステップ(4)、ステップ(5)、ステップ(6);ステップ(1)、ステップ(3)、ステップ(4)、ステップ(5);ステップ(1)、ステップ(3)、ステップ(4)、ステップ(6);ステップ(1)、ステップ(3)、ステップ(5)、ステップ(6);ステップ(1)、ステップ(3)、ステップ(4);ステップ(1)、ステップ(3)、ステップ(5);ステップ(1)、ステップ(3)、ステップ(6);ステップ(2)、ステップ(3)、ステップ(4)、ステップ(5)、ステップ(6);ステップ(2)、ステップ(3)、ステップ(4)、ステップ(5);ステップ(2)、ステップ(3)、ステップ(4)、ステップ(6);ステップ(2)、ステップ(3)、ステップ(5)、ステップ(6);ステップ(2)、ステップ(3)、ステップ(4);ステップ(2)、ステップ(3)、ステップ(5);ステップ(2)、ステップ(3)、ステップ(6);ステップ(1)、ステップ(4)、ステップ(5)、ステップ(6);ステップ(1)、ステップ(4)、ステップ(5);ステップ(1)、ステップ(4)、ステップ(6);ステップ(1)、ステップ(5)、ステップ(6);ステップ(1)、ステップ(4);ステップ(1)、ステップ(5);ステップ(1)、ステップ(6);ステップ(2)、ステップ(4)、ステップ(5)、ステップ(6);ステップ(2)、ステップ(4)、ステップ(5);ステップ(2)、ステップ(4)、ステップ(6);ステップ(2)、ステップ(5)、ステップ(6);ステップ(2)、ステップ(4);ステップ(2)、ステップ(5);ステップ(2)、ステップ(6);ステップ(3)、ステップ(4)、ステップ(5)、ステップ(6);ステップ(3)、ステップ(4)、ステップ(5);ステップ(3)、ステップ(4)、ステップ(6);ステップ(3)、ステップ(5)、ステップ(6);ステップ(3)、ステップ(4);ステップ(3)、ステップ(5);ステップ(3)、ステップ(6)。
一部の実施形態では、本発明の遺伝子操作された細菌は、低酸素条件下で、免疫イニシエーターおよび/または免疫サステナーを産生し、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、細胞増殖、腫瘍成長および/または腫瘍体積を、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%またはそれよりも多く低下させることができる。
一部の実施形態では、本発明の遺伝子操作された細菌は、構成的プロモーターの制御下で、免疫イニシエーターおよび/または免疫サステナーを産生し、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、細胞増殖、腫瘍成長および/または腫瘍体積を、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%またはそれよりも多く低下させることができる。
免疫イニシエーターまたは免疫サステナーをコードする回路は、構成的または誘導性プロモーター、例えば、低酸素誘導性プロモーターまたは本明細書に記載される他のいずれかの構成的または誘導性プロモーターの制御下に置くことができる。これらの実施形態のいずれにおいても、免疫イニシエーターまたは免疫サステナーをコードする遺伝子配列(複数可)は、同じまたは異なる細菌株(組合せ回路または株の混合物)において、本明細書に記載される1つまたは複数のSTINGアゴニスト産生酵素をコードする遺伝子配列(複数可)と組み合わせることができる。一部の実施形態では、免疫イニシエーターまたは免疫サステナーをコードする遺伝子配列(複数可)と組み合わされる遺伝子配列は、DacAをコードする。DacAは、構成的または誘導性プロモーター、例えば、FNR等の低酸素誘導性プロモーターまたは本明細書に記載される他のいずれかの構成的または誘導性プロモーターの制御下に置くことができる。一部の実施形態では、dacA遺伝子は、染色体に組み込まれている。一部の実施形態では、免疫イニシエーターまたは免疫サステナーをコードする遺伝子配列(複数可)と組み合わされる遺伝子配列は、cGASをコードする。cGASは、構成的または誘導性プロモーター、例えば、FNR等の低酸素誘導性プロモーターまたは本明細書に記載される他のいずれかの構成的または誘導性プロモーターの制御下に置くことができる。一部の実施形態では、cGASをコードする遺伝子は、染色体に組み込まれている。これらの組合せ実施形態のいずれにおいても、細菌は、DapA、ThyAまたはその両方に、栄養要求性改変、例えば、突然変異または欠失をさらに含むことができる。これらの実施形態のいずれにおいても、細菌は、本明細書に記載される内在性プロファージに、ファージ改変、例えば、突然変異または欠失をさらに含むことができる。
これらの実施形態およびあらゆる組合せ実施形態のいずれにおいても、操作された細菌は、外科手術、化学療法、標的化療法、放射線療法、トモセラピー、免疫療法、がんワクチン、ホルモン療法、温熱療法、幹細胞移植(末梢血、骨髄および臍帯血移植)、光線力学的療法、腫瘍退縮ウイルス療法、ならびに血液製剤供与および輸血等、従来のがん治療と併せて使用することができる。免疫モジュレーターを産生するためのこれらの実施形態のいずれにおいても、1つまたは複数の操作された細菌は、チェックポイント阻害剤、Fc媒介性ADCC、BiTE、TCR、養子細胞療法(TIL、CAR、NK/NKT等)、ならびに本明細書に記載されるおよびそれ以外に当技術分野で公知の他の免疫療法のいずれか等、がんの処置に使用される他の従来の免疫療法と併せて使用することができる。これらの実施形態のいずれにおいても、操作された細菌は、がんまたは腫瘍ワクチンと併せて使用することができる。
免疫イニシエーターおよび免疫イニシエーターの組合せ
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、ステップ(1)、(2)および/または(3)のうち1つまたは複数をモジュレート、例えば、強化する2つまたはそれよりも多いイニシエーターを産生することができる。あるいは、本開示は、異なる遺伝子操作された細菌の組合せ(例えば、2つまたはそれよりも多く)を含む組成物であって、各細菌が、1つまたは複数の免疫イニシエーターをコードする、組成物を提供する。さらに別の実施形態では、本開示は、免疫イニシエーターを産生することができる改変された微生物と組み合わせて、例えば、その前に、それと同時に、またはその後に免疫イニシエーターを投与することを提供する。そのような別個のまたは異なる組合せおよび/または細菌株は、同時発生的にまたは逐次に投与することができる。投与の順序またはタイミング(同時発生的または逐次)に関係なく、操作された株は、投与後逐次にまたは同時発生的に、免疫サステナーのための回路網を発現することができる、すなわち、発現のタイミングおよびレベルは、プロモーターおよびリボソーム結合部位を含むがこれらに限定されない、本明細書に記載される1つまたは複数の機構を使用して調整される。
微生物が、2つまたはそれよりも多い免疫イニシエーター回路を発現するように遺伝子操作された、本開示の一部の実施形態では、微生物は、先ず、より高いレベルの第1の免疫刺激因子を、より後の時点では、第2の免疫イニシエーターを産生する。微生物が、2つまたはそれよりも多い免疫イニシエーター回路を発現するように遺伝子操作された、本開示の一部の実施形態では、微生物は、第1の免疫刺激因子および第2の免疫イニシエーターを同時発生的に産生する。ある特定の実施形態では、1つまたは複数の遺伝子配列は、当技術分野で公知のまたは本明細書に記載される誘導性プロモーターの制御下に置かれる。例えば、そのような誘導性プロモーターは、FNRプロモーター等、低酸素条件下で誘導されうる。一部の実施形態では、免疫イニシエーターをコードする1つまたは複数の遺伝子配列は、本明細書に記載される通り、炎症性条件下で(例えば、RNS、ROS)誘導される直接的にまたは間接的に誘導性のプロモーターに作動可能に連結される。他の実施形態では、プロモーターは、ある特定の分子または代謝物の存在下で、例えば、腫瘍微小環境および/または免疫抑制に関連する分子または代謝物の存在下で誘導される。一部の実施形態では、プロモーターは、ある特定の組織型において誘導される。一部の実施形態では、プロモーターは、ある特定の消化管特異的または腫瘍特異的分子または代謝物の存在下で誘導される。一部の実施形態では、プロモーターは、アラビノース、クメートおよびサリチレートまたは当技術分野で公知のもしくは本明細書に記載される別の化学的もしくは栄養的インデューサー等、消化管または腫瘍内に存在することもあり、しないこともある他の何らかの代謝物の存在下で誘導される。ある特定の実施形態では、2つまたはそれよりも多い免疫イニシエーター回路は、本明細書に記載されるまたは当技術分野で公知の構成的プロモーターの制御下に置かれる、例えば、その発現は、異なる強度のリボソーム結合部位を使用して微調整することができる。そのような微生物は、必要に応じて、栄養要求性改変、例えば、アミノ酸またはヌクレオチド代謝における栄養要求性改変も含む。非限定的な例は、ΔDapAもしくはΔThyAまたはその両方を含む。
2つまたはそれよりも多い免疫イニシエーターの発現を制御するプロモーターは、同じであっても異なっていてもよく、同じ化学的もしくは環境的インデューサーまたは異なる化学的もしくは環境的インデューサーによって誘導することができる。第1のインデューサーおよび第2のインデューサーは、逐次にまたは同時発生的に投与することができる。一部の実施形態では、一方のイニシエーターが、低酸素プロモーターの制御下に置かれる。一部の実施形態では、両方のイニシエーターが、低酸素プロモーターの制御下に置かれる。一部の実施形態では、一方のイニシエーターが、構成的プロモーターの制御下に置かれる。一部の実施形態では、両方のイニシエーターが、構成的プロモーターの制御下に置かれる。
一部の実施形態では、両方の回路が、細菌染色体中に組み込まれていてよい。一部の実施形態では、両方の回路が、プラスミド上に存在していてよい。一部の実施形態では、両方の回路が、プラスミド上に存在していてよい。一部の実施形態では、一方の回路が、細菌染色体中に組み込まれていてよく、別の回路が、プラスミド上に存在していてよい。
いずれかの免疫イニシエーターを、がん免疫サイクルにおける同じまたは異なるステップをモジュレートする1つまたは複数の追加的な同じまたは異なる免疫イニシエーター(複数可)と組み合わせることができる。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、(1)腫瘍細胞の溶解、(2)APCの活性化ならびに/または(3)T細胞のプライミングおよび活性化のステップのうち1つまたは複数をモジュレート、例えば、強化する1つまたは複数の免疫イニシエーターを産生することができる。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、ステップ(1)、(2)および/または(3)のうち1つまたは複数をモジュレート、例えば、強化する2つまたはそれよりも多いイニシエーターを産生することができる。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、がん免疫サイクルの同じステップをモジュレート、例えば、強化する2つまたはそれよりも多い免疫イニシエーターを産生する。一例では、遺伝子操作された細菌は、腫瘍退縮(ステップ(1))をモジュレートする2つまたはそれよりも多い免疫イニシエーターを産生する。一例では、遺伝子操作された細菌は、APCの活性化(ステップ(2))をモジュレートする2つまたはそれよりも多い免疫イニシエーターを産生する。一例では、遺伝子操作された細菌は、T細胞のプライミングおよび活性化(ステップ(3))をモジュレート、例えば、増強する2つまたはそれよりも多い免疫イニシエーターを産生する。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じステップをモジュレート、例えば、強化する2つまたはそれよりも多い免疫イニシエーターを産生する。非限定的な例では、遺伝子操作された細菌は、腫瘍退縮(ステップ(1))をモジュレート、例えば、強化する1つまたは複数の免疫イニシエーター、およびAPCの活性化(ステップ(2))をモジュレート、例えば、強化する1つまたは複数の免疫イニシエーターを産生する。別の非限定的な例では、遺伝子操作された細菌は、腫瘍退縮(ステップ(1))をモジュレート、例えば、強化する1つまたは複数の免疫イニシエーター、ならびにT細胞のプライミングおよび活性化(ステップ(3))をモジュレート、例えば、強化する1つまたは複数の免疫イニシエーターを産生する。別の非限定的な例では、遺伝子操作された細菌は、APCの活性化(ステップ(2))をモジュレート、例えば、強化する1つまたは複数の免疫イニシエーター、ならびにT細胞のプライミングおよび活性化(ステップ(3))をモジュレート、例えば、強化する1つまたは複数の免疫イニシエーターを産生する。さらに別の非限定的な例では、遺伝子操作された細菌は、ステップ(1)腫瘍退縮をモジュレート、例えば、強化する1つまたは複数の免疫イニシエーター、APCの活性化(ステップ(2))をモジュレート、例えば、強化する1つまたは複数の免疫イニシエーター、ならびにT細胞のプライミングおよび活性化(ステップ(3))をモジュレート、例えば、強化する1つまたは複数の免疫イニシエーターを産生する。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、(1)腫瘍退縮、(2)APCの活性化ならびに/または(3)T細胞のプライミングおよび活性化のステップのうち1つまたは複数をモジュレート、例えば、強化する1つまたは複数の免疫イニシエーターの産生のための遺伝子回路網を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、(1)腫瘍退縮、(2)APCの活性化ならびに/または(3)T細胞のプライミングおよび活性化のステップのうち1つまたは複数をモジュレート、例えば、強化する1つまたは複数の免疫イニシエーターをコードする1つまたは複数の遺伝子を含む。いずれかの免疫イニシエーターを、同じまたは異なるステップをモジュレートする別の免疫イニシエーターと組み合わせることができる。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、(1)腫瘍退縮、(2)APCの活性化ならびに/または(3)T細胞のプライミングおよび活性化のステップのうち1つまたは複数をモジュレート、例えば、強化する2つまたはそれよりも多いイニシエーターをコードする遺伝子配列(複数可)を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じステップをモジュレート、例えば、強化する2つまたはそれよりも多い免疫イニシエーターをコードする遺伝子配列(複数可)を含む。一例では、遺伝子操作された細菌は、(1)腫瘍細胞の溶解(腫瘍退縮)のステップをモジュレートする2つまたはそれよりも多い免疫イニシエーターをコードする遺伝子配列(複数可)を含む。一例では、遺伝子操作された細菌は、APCの活性化(ステップ(2))をモジュレートする2つまたはそれよりも多い免疫イニシエーターをコードする遺伝子配列(複数可)を含む。一例では、遺伝子操作された細菌は、T細胞のプライミングおよび活性化(ステップ(3))をモジュレートする2つまたはそれよりも多い免疫イニシエーターをコードする遺伝子配列(複数可)を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じステップをモジュレート、例えば、強化する2つまたはそれよりも多い免疫イニシエーターをコードする遺伝子配列(複数可)を含む。非限定的な例では、遺伝子操作された細菌は、腫瘍退縮(ステップ(1))をモジュレート、例えば、強化する1つまたは複数の免疫イニシエーター、およびAPCの活性化(ステップ(2))をモジュレート、例えば、強化する1つまたは複数の免疫イニシエーターをコードする遺伝子配列(複数可)を含む。別の非限定的な例では、遺伝子操作された細菌は、腫瘍退縮(ステップ(1))をモジュレート、例えば、強化する1つまたは複数の免疫イニシエーター、ならびにT細胞のプライミングおよび活性化(ステップ(3))をモジュレート、例えば、強化する1つまたは複数の免疫イニシエーターをコードする遺伝子配列(複数可)を含む。別の非限定的な例では、遺伝子操作された細菌は、APCの活性化(ステップ(2))をモジュレート、例えば、強化する1つまたは複数の免疫イニシエーター、ならびにT細胞のプライミングおよび活性化(ステップ(3))をモジュレート、例えば、強化する1つまたは複数の免疫イニシエーターをコードする遺伝子配列(複数可)を含む。さらに別の非限定的な例では、遺伝子操作された細菌は、腫瘍退縮(ステップ(1))をモジュレート、例えば、強化する1つまたは複数の免疫イニシエーター、APCの活性化(ステップ(2))をモジュレート、例えば、強化する1つまたは複数の免疫イニシエーター、ならびにT細胞のプライミングおよび活性化(ステップ(3))をモジュレート、例えば、強化する1つまたは複数の免疫イニシエーターをコードする遺伝子配列(複数可)を含む。
一部の実施形態では、本発明の遺伝子操作された細菌は、低酸素条件下で、2つまたはそれよりも多い免疫イニシエーターを産生し、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、細胞増殖、腫瘍成長および/または腫瘍体積を、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%またはそれよりも多く低下させることができる。
一部の実施形態では、本発明の遺伝子操作された細菌は、構成的プロモーターの制御下で、2つまたはそれよりも多い免疫イニシエーターを産生し、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、細胞増殖、腫瘍成長および/または腫瘍体積を、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%またはそれよりも多く低下させることができる。
これらの実施形態およびあらゆる組合せ実施形態のいずれにおいても、操作された細菌は、外科手術、化学療法、標的化療法、放射線療法、トモセラピー、免疫療法、がんワクチン、ホルモン療法、温熱療法、幹細胞移植(末梢血、骨髄および臍帯血移植)、光線力学的療法、腫瘍退縮ウイルス療法、ならびに血液製剤供与および輸血等、従来のがん治療と併せて使用することができる。
免疫イニシエーターをコードする回路は、構成的または誘導性プロモーター、例えば、低酸素誘導性プロモーターまたは本明細書に記載される他のいずれかの構成的または誘導性プロモーターの制御下に置くことができる。
これらの実施形態のいずれにおいても、免疫イニシエーターをコードする遺伝子配列(複数可)は、同じまたは異なる細菌株(組合せ回路または株の混合物)において、本明細書に記載される1つまたは複数のSTINGアゴニスト産生酵素をコードする遺伝子配列(複数可)と組み合わせることができる。一部の実施形態では、免疫イニシエーターをコードする遺伝子配列(複数可)と組み合わされる遺伝子配列は、DacAをコードする。DacAは、構成的または誘導性プロモーター、例えば、FNR等の低酸素誘導性プロモーターまたは本明細書に記載される他のいずれかの構成的または誘導性プロモーターの制御下に置くことができる。一部の実施形態では、dacA遺伝子は、染色体に組み込まれている。一部の実施形態では、免疫イニシエーターをコードする遺伝子配列(複数可)と組み合わされる遺伝子配列は、cGASをコードする。cGASは、構成的または誘導性プロモーター、例えば、FNR等の低酸素誘導性プロモーターまたは本明細書に記載される他のいずれかの構成的または誘導性プロモーターの制御下に置くことができる。一部の実施形態では、cGASをコードする遺伝子は、染色体に組み込まれている。
これらの組合せ実施形態のいずれにおいても、細菌は、DapA、ThyAまたはその両方に、栄養要求性改変、例えば、突然変異または欠失をさらに含むことができる。これらの実施形態のいずれにおいても、細菌は、本明細書に記載される内在性プロファージに、ファージ改変、例えば、突然変異または欠失をさらに含むことができる。
免疫モジュレーターを産生するためのこれらの実施形態のいずれにおいても、1つまたは複数の操作された細菌は、チェックポイント阻害剤、Fc媒介性ADCC、BiTE、TCR、養子細胞療法(TIL、CAR、NK/NKT等)、ならびに本明細書に記載されるおよびそれ以外に当技術分野で公知の他の免疫療法のいずれか等、がんの処置に使用される他の従来の免疫療法と併せて使用することができる。これらの実施形態のいずれにおいても、操作された細菌は、がんまたは腫瘍ワクチンと併せて使用することができる。
免疫サステナーおよび免疫サステナーの組合せ
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、ステップ(1)、(2)および/または(3)のうち1つまたは複数をモジュレート、例えば、強化する2つまたはそれよりも多いサステナーを産生することができる。あるいは、本開示は、異なる遺伝子操作された細菌の組合せ(例えば、2つまたはそれよりも多く)を含む組成物であって、各細菌が、1つまたは複数の免疫サステナーをコードする、組成物を提供する。さらに別の実施形態では、本開示は、免疫サステナーを産生することができる改変された微生物と組み合わせて、例えば、その前に、それと同時に、またはその後に免疫サステナーを投与することを提供する。そのような別個のまたは異なる組合せまたは細菌株は、同時発生的にまたは逐次に投与することができる。投与の順序またはタイミング(同時発生的または逐次)に関係なく、操作された株は、投与後逐次にまたは同時発生的に、免疫サステナーのための回路網を発現することができる、すなわち、発現のタイミングおよびレベルは、プロモーターおよびリボソーム結合部位を含むがこれらに限定されない、本明細書に記載される1つまたは複数の機構を使用して調整される。
微生物が、2つまたはそれよりも多い免疫サステナー回路を発現するように遺伝子操作された、本開示の一部の実施形態では、微生物は、先ず、より高いレベルの第1の免疫刺激因子を、より後の時点では、第2の免疫サステナーを産生する。微生物が、2つまたはそれよりも多い免疫サステナー回路を発現するように遺伝子操作された、本開示の一部の実施形態では、微生物は、第1の免疫刺激因子および第2の免疫サステナーを同時発生的に産生する。ある特定の実施形態では、1つまたは複数の遺伝子配列は、当技術分野で公知のまたは本明細書に記載される誘導性プロモーターの制御下に置かれる。例えば、そのような誘導性プロモーターは、FNRプロモーター等、低酸素条件下で誘導されうる。一部の実施形態では、免疫サステナーをコードする1つまたは複数の遺伝子配列は、本明細書に記載される通り、炎症性条件下で(例えば、RNS、ROS)誘導される直接的にまたは間接的に誘導性のプロモーターに作動可能に連結される。他の実施形態では、プロモーターは、ある特定の分子または代謝物の存在下で、例えば、腫瘍微小環境および/または免疫抑制に関連する分子または代謝物の存在下で誘導される。一部の実施形態では、プロモーターは、ある特定の組織型において誘導される。一部の実施形態では、プロモーターは、ある特定の消化管特異的または腫瘍特異的分子または代謝物の存在下で誘導される。一部の実施形態では、プロモーターは、アラビノース、クメートおよびサリチレートまたは当技術分野で公知のもしくは本明細書に記載される別の化学的もしくは栄養的インデューサー等、消化管または腫瘍内に存在することもあり、しないこともある他の何らかの代謝物の存在下で誘導される。ある特定の実施形態では、2つまたはそれよりも多い免疫サステナー回路は、本明細書に記載されるまたは当技術分野で公知の構成的プロモーターの制御下に置かれ、例えば、その発現は、異なる強度のリボソーム結合部位を使用して微調整することができる。そのような微生物は、必要に応じて、栄養要求性改変、例えば、ΔDapAもしくはΔThyAまたはその両方等、アミノ酸またはヌクレオチド代謝における栄養要求性改変も含む。
2つまたはそれよりも多い免疫サステナーの発現を制御するプロモーターは、同じであっても異なっていてもよく、同じ化学的もしくは環境的インデューサーまたは異なる化学的もしくは環境的インデューサーによって誘導することができる。第1のインデューサーおよび第2のインデューサーは、逐次にまたは同時発生的に投与することができる。一部の実施形態では、一方のサステナーが、低酸素プロモーターの制御下に置かれる。一部の実施形態では、両方のサステナーが、低酸素プロモーターの制御下に置かれる。一部の実施形態では、一方のサステナーが、構成的プロモーターの制御下に置かれる。一部の実施形態では、両方のサステナーが、構成的プロモーターの制御下に置かれる。
一部の実施形態では、両方の回路が、細菌染色体中に組み込まれていてよい。一部の実施形態では、両方の回路が、プラスミド上に存在していてよい。一部の実施形態では、両方の回路が、プラスミド上に存在していてよい。一部の実施形態では、一方の回路が、細菌染色体中に組み込まれていてよく、別の回路が、プラスミド上に存在していてよい。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、(4)T細胞搬送および浸潤、(5)T細胞によるがん細胞の認識および/もしくはT細胞支持ならびに/または(6)免疫抑制を克服する能力のステップのうち1つまたは複数をモジュレート、例えば、ブーストする1つまたは複数の免疫サステナーを産生することができる。いずれかの免疫サステナーを、同じまたは異なるステップをモジュレートする別の免疫サステナーと組み合わせることができる。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、ステップ(4)、(5)および/または(6)のうち1つまたは複数をモジュレート、例えば、ブーストする2つまたはそれよりも多いサステナーを産生することができる。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じステップをモジュレート、例えば、ブーストする2つまたはそれよりも多い免疫サステナーを産生することができる。一例では、遺伝子操作された細菌は、T細胞搬送および浸潤(ステップ(4))をモジュレートする2つまたはそれよりも多い免疫サステナーを産生する。一例では、遺伝子操作された細菌は、(5)T細胞によるがん細胞の認識および/またはT細胞支持のステップをモジュレートする2つまたはそれよりも多い免疫サステナーを産生する。一例では、遺伝子操作された細菌は、免疫抑制を克服する能力(ステップ(6))をモジュレート、例えば、増強する2つまたはそれよりも多い免疫サステナーを産生する。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じステップをモジュレート、例えば、ブーストする2つまたはそれよりも多い免疫サステナーを産生する。非限定的な例では、遺伝子操作された細菌は、T細胞搬送および浸潤(ステップ(4))をモジュレート、例えば、ブーストする1つまたは複数の免疫サステナー、ならびにT細胞によるがん細胞の認識および/またはT細胞支持(ステップ(5))をモジュレート、例えば、ブーストする1つまたは複数の免疫サステナーを産生する。別の非限定的な例では、遺伝子操作された細菌は、T細胞搬送および浸潤(ステップ(4))をモジュレート、例えば、ブーストする1つまたは複数の免疫サステナー、ならびに免疫抑制を克服する能力(ステップ(6))をモジュレート、例えば、ブーストする1つまたは複数の免疫サステナーを産生する。別の非限定的な例では、遺伝子操作された細菌は、T細胞によるがん細胞の認識および/またはT細胞支持(ステップ(5))をモジュレート、例えば、ブーストする1つまたは複数の免疫サステナー、ならびに免疫抑制を克服する能力(ステップ(6))をモジュレート、例えば、ブーストする1つまたは複数の免疫サステナーを産生する。さらに別の非限定的な例では、遺伝子操作された細菌は、(4)T細胞搬送および浸潤のステップをモジュレート、例えば、ブーストする1つまたは複数の免疫サステナー、T細胞によるがん細胞の認識および/またはT細胞支持(ステップ(5))をモジュレート、例えば、ブーストする1つまたは複数の免疫サステナー、ならびに免疫抑制を克服する能力(ステップ(6))をモジュレート、例えば、ブーストする1つまたは複数の免疫サステナーを産生する。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、(4)T細胞搬送および浸潤、(5)T細胞によるがん細胞の認識および/もしくはT細胞支持ならびに/または(6)免疫抑制を克服する能力のステップのうち1つまたは複数をモジュレート、例えば、ブーストする1つまたは複数の免疫サステナーの産生のための遺伝子回路網を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、(4)T細胞搬送および浸潤、(5)T細胞によるがん細胞の認識および/もしくはT細胞支持ならびに/または(6)免疫抑制を克服する能力のステップのうち1つまたは複数をモジュレート、例えば、ブーストする1つまたは複数の免疫サステナーをコードする1つまたは複数の遺伝子を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、(4)T細胞搬送および浸潤、(5)T細胞によるがん細胞の認識および/もしくはT細胞支持、ならびに/または(6)免疫抑制を克服する能力のステップのうち1つまたは複数をモジュレート、例えば、ブーストする2つまたはそれよりも多いサステナーをコードする遺伝子配列(複数可)を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じステップをモジュレート、例えば、ブーストする2つまたはそれよりも多い免疫サステナーをコードする遺伝子配列(複数可)を含む。一例では、遺伝子操作された細菌は、T細胞搬送および浸潤(ステップ(4))をモジュレートする2つまたはそれよりも多い免疫サステナーをコードする遺伝子配列(複数可)を含む。一例では、遺伝子操作された細菌は、T細胞によるがん細胞の認識および/またはT細胞支持(ステップ(5))をモジュレートする2つまたはそれよりも多い免疫サステナーをコードする遺伝子配列(複数可)を含む。一例では、遺伝子操作された細菌は、免疫抑制を克服する能力(ステップ(6))をモジュレートする2つまたはそれよりも多い免疫サステナーをコードする遺伝子配列(複数可)を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じステップをモジュレート、例えば、ブーストする2つまたはそれよりも多い免疫サステナーをコードする遺伝子配列(複数可)を含む。非限定的な例では、遺伝子操作された細菌は、T細胞搬送および浸潤(ステップ(4))をモジュレート、例えば、ブーストする1つまたは複数の免疫サステナー、ならびにT細胞によるがん細胞の認識および/またはT細胞支持(ステップ(5))をモジュレート、例えば、ブーストする1つまたは複数の免疫サステナーをコードする遺伝子配列(複数可)を含む。別の非限定的な例では、遺伝子操作された細菌は、T細胞搬送および浸潤(ステップ(4))をモジュレート、例えば、ブーストする1つまたは複数の免疫サステナー、ならびに免疫抑制を克服する能力(ステップ(6))をモジュレート、例えば、ブーストする1つまたは複数の免疫サステナーをコードする遺伝子配列(複数可)を含む。別の非限定的な例では、遺伝子操作された細菌は、T細胞によるがん細胞の認識および/またはT細胞支持(ステップ(5))をモジュレート、例えば、ブーストする1つまたは複数の免疫サステナー、ならびに免疫抑制を克服する能力(ステップ(6))をモジュレート、例えば、ブーストする1つまたは複数の免疫サステナーをコードする遺伝子配列(複数可)を含む。さらに別の非限定的な例では、遺伝子操作された細菌は、T細胞搬送および浸潤(ステップ(4))をモジュレート、例えば、ブーストする1つまたは複数の免疫サステナー、T細胞によるがん細胞の認識および/またはT細胞支持(ステップ(5))をモジュレート、例えば、ブーストする1つまたは複数の免疫サステナー、ならびに免疫抑制を克服する能力(ステップ(6))をモジュレート、例えば、ブーストする1つまたは複数の免疫サステナーをコードする遺伝子配列(複数可)を含む。
一部の実施形態では、本発明の遺伝子操作された細菌は、低酸素条件下で、2つまたはそれよりも多い免疫サステナーを産生し、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、細胞増殖、腫瘍成長および/または腫瘍体積を、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%またはそれよりも多く低下させることができる。
一部の実施形態では、本発明の遺伝子操作された細菌は、構成的プロモーターの制御下で、2つまたはそれよりも多い免疫サステナーを産生し、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、細胞増殖、腫瘍成長および/または腫瘍体積を、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%またはそれよりも多く低下させることができる。
免疫サステナーをコードする回路は、構成的または誘導性プロモーター、例えば、低酸素誘導性プロモーターまたは本明細書に記載される他のいずれかの構成的または誘導性プロモーターの制御下に置くことができる。
これらの実施形態のいずれにおいても、免疫サステナーをコードする遺伝子配列(複数可)は、同じまたは異なる細菌株(組合せ回路または株の混合物)において、本明細書に記載される1つまたは複数のSTINGアゴニスト産生酵素をコードする遺伝子配列(複数可)と組み合わせることができる。一部の実施形態では、免疫サステナーをコードする遺伝子配列(複数可)と組み合わされる遺伝子配列は、DacAをコードする。DacAは、構成的または誘導性プロモーター、例えば、FNR等の低酸素誘導性プロモーターまたは本明細書に記載される他のいずれかの構成的または誘導性プロモーターの制御下に置くことができる。一部の実施形態では、dacA遺伝子は、染色体に組み込まれている。一部の実施形態では、免疫サステナーをコードする遺伝子配列(複数可)と組み合わされる遺伝子配列は、cGASをコードする。cGASは、構成的または誘導性プロモーター、例えば、FNR等の低酸素誘導性プロモーターまたは本明細書に記載される他のいずれかの構成的または誘導性プロモーターの制御下に置くことができる。一部の実施形態では、cGASをコードする遺伝子は、染色体に組み込まれている。
これらの組合せ実施形態のいずれにおいても、細菌は、DapA、ThyAまたはその両方に、栄養要求性改変、例えば、突然変異または欠失をさらに含むことができる。これらの実施形態のいずれにおいても、細菌は、本明細書に記載される内在性プロファージに、ファージ改変、例えば、突然変異または欠失をさらに含むことができる。
これらの実施形態およびあらゆる組合せ実施形態のいずれにおいても、操作された細菌は、外科手術、化学療法、標的化療法、放射線療法、トモセラピー、免疫療法、がんワクチン、ホルモン療法、温熱療法、幹細胞移植(末梢血、骨髄および臍帯血移植)、光線力学的療法、腫瘍退縮ウイルス療法、ならびに血液製剤供与および輸血等、従来のがん治療と併せて使用することができる。免疫モジュレーターを産生するためのこれらの実施形態のいずれにおいても、1つまたは複数の操作された細菌は、チェックポイント阻害剤、Fc媒介性ADCC、BiTE、TCR、養子細胞療法(TIL、CAR、NK/NKT等)、ならびに本明細書に記載されるおよびそれ以外に当技術分野で公知の他の免疫療法のいずれか等、がんの処置に使用される他の従来の免疫療法と併せて使用することができる。これらの実施形態のいずれにおいても、操作された細菌は、がんまたは腫瘍ワクチンと併せて使用することができる。
STINGアゴニスト組合せ
STINGアゴニストおよびキヌレニン消費
一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、キヌレニンの消費のための酵素をコードする1つまたは複数の遺伝子と組み合わせて、STINGアゴニストの産生のための酵素をコードする1つまたは複数の遺伝子を含む。一実施形態では、産生されるSTINGアゴニストは、c−ジAMPである。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、キヌレニナーゼをコードする遺伝子配列と組み合わせて、ジアデニル酸シクラーゼをコードする遺伝子配列を含む。一実施形態では、ジアデニル酸シクラーゼは、Listeria monocytogenesからのものである。一実施形態では、キヌレニナーゼは、Pseudomonas fluorescensからのものである。1つの特定の実施形態では、ジアデニル酸シクラーゼは、Listeria monocytogenesからのものであり、キヌレニナーゼは、Pseudomonas fluorescensからのものである。一実施形態では、産生されるSTINGアゴニストは、サイクリック−ジGAMPである。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、キヌレニナーゼをコードする遺伝子配列と組み合わせて、c−ジGAMPシンターゼをコードする遺伝子配列を含む。一実施形態では、c−ジGAMPシンターゼは、Vibrio choleraeからのものである。一部の実施形態では、cGASはヒトcGASである。一実施形態では、キヌレニナーゼは、Pseudomonas fluorescensからのものである。特異的な一実施形態では、c−ジ−GAMPシンターゼは、ヒトcGASであり、キヌレニナーゼは、Pseudomonas fluorescensに由来する。特異的な一実施形態では、Pseudomonas fluorescens由来のキヌレニナーゼは、染色体に組み込まれ、構成的プロモーターの制御下に置かれる。
一部の実施形態では、本開示の微生物は、STINGアゴニストの産生のための1つまたは複数の酵素をコードする遺伝子配列(複数可)、およびその上、キヌレニン消費酵素の発現のための1つまたは複数の遺伝子配列を発現するように遺伝子操作されている。STINGアゴニストの産生のためのそのような酵素の非限定的な例は、例えば、Listeria monocytogenes由来のDacAを含む。そのようなキヌレニン消費酵素の非限定的な例は、キヌレニナーゼ(例えば、Pseudomonas fluorescens由来のキヌレニナーゼ)を含む。より一般には、免疫イニシエーター回路(STINGアゴニスト生産者または本明細書に記載の他のもの)は、免疫サステナー回路(例えば、キヌレニン消費または本明細書に記載の他のもの)と組み合わせることができる。
微生物が、STINGアゴニストおよびキヌレニン消費回路を発現するように遺伝子操作された、本開示の一部の実施形態では、微生物は、先ず、より高レベルのSTINGアゴニスト産生酵素、例えば、Listeria monocytogenes由来の例えば、DacAを産生し、より後の時点では、例えば、Pseudomonas fluorescens由来のキヌレニナーゼを産生する。一部の実施形態では、STINGアゴニスト産生酵素、例えば、dacAの発現は、インデューサーによって誘導される。一部の実施形態では、キヌレニナーゼは、インデューサーによって誘導される。一部の実施形態では、STINGアゴニスト産生酵素、例えば、dacAおよびキヌレニナーゼは、1つまたは複数のインデューサーによって誘導される。第1のインデューサー(例えば、dacA発現を誘導)および第2のインデューサー(例えば、キヌレニナーゼ発現を誘導)は、同じまたは異なるインデューサーとなることができる。第1および第2のインデューサーは、逐次にまたは同時発生的に投与することができる。インデューサーの非限定的な例は、消化管もしくは腫瘍微小環境の条件(例えば、低酸素、ある特定の栄養素等)、細胞培養中のある特定のin vitro条件、またはin vitroもしくはin vivoで添加されうる化学的インデューサー(例えば、アラビノース、クメートおよびサリチレート、IPTGまたは本明細書に記載される他の化学的インデューサー)を含む。他の実施形態では、STINGアゴニスト産生酵素、例えば、dacAおよびキヌレニナーゼの両方は、本明細書に記載されるものを含むがこれらに限定されない構成的プロモーターによって制御される、またはこれに直接的にもしくは間接的に連結される。一部の実施形態では、STINGアゴニスト産生酵素、例えば、dacAは、誘導性プロモーターによって制御される、またはこれに直接的にもしくは間接的に連結され、キヌレニナーゼは、構成的プロモーターによって制御される、またはこれに直接的にもしくは間接的に連結される。一部の実施形態では、STINGアゴニスト産生酵素、例えば、dacAは、構成的プロモーターによって制御される、またはこれに直接的にもしくは間接的に連結され、キヌレニナーゼは、誘導性プロモーターによって制御される、またはこれに直接的にもしくは間接的に連結される。一部の実施形態では、両方の回路が、細菌染色体中に組み込まれていてよい。一部の実施形態では、両方の回路が、プラスミド上に存在していてよい。一部の実施形態では、両方の回路が、プラスミド上に存在していてよい。一部の実施形態では、一方の回路が、細菌染色体中に組み込まれていてよく、別の回路が、プラスミド上に存在していてよい。
さらに別の実施形態では、STINGアゴニスト産生回路網、例えば、dacAを発現する遺伝子操作された細菌の1つまたは複数の株、およびキヌレニン消費回路網(例えば、キヌレニナーゼ)を発現する遺伝子操作された細菌の1つまたは複数の別々の株は、逐次に投与することができる、例えば、STINGアゴニスト生産者は、キヌレニン消費者の前に投与することができる。他の実施形態では、STINGアゴニスト生産者は、キヌレニン消費者の後に投与することができる。さらに別の実施形態では、STINGアゴニスト生産者は、キヌレニン消費者と同時発生的に投与することができる。
代替実施形態では、本開示は、各細菌が異なる免疫モジュレーターをコードする、異なる遺伝子操作された細菌の組合せ(例えば、2つまたはそれより多く)を含む、組成物を提供する。一実施形態では、組成物は、STINGアゴニストの産生のための酵素をコードする1つまたは複数の遺伝子を含む遺伝子操作された細菌と、キヌレニンの消費のための酵素をコードする1つまたは複数の遺伝子を含む遺伝子操作された細菌とを含む。一実施形態では、産生されるSTINGアゴニストは、c−ジAMPである。一実施形態では、組成物は、ジアデニル酸シクラーゼをコードする遺伝子配列を含む遺伝子操作された細菌と、キヌレニナーゼをコードする遺伝子配列を含む遺伝子操作された細菌とを含む。一実施形態では、ジアデニル酸シクラーゼは、Listeria monocytogenesからのものである。一実施形態では、キヌレニナーゼは、Pseudomonas fluorescensからのものである。1つの特定の実施形態では、ジアデニル酸シクラーゼは、Listeria monocytogenesからのものであり、キヌレニナーゼは、Pseudomonas fluorescensからのものである。一実施形態では、産生されるSTINGアゴニストは、サイクリック−ジGAMPである。一実施形態では、組成物は、c−ジGAMPシンターゼをコードする遺伝子配列を含む遺伝子操作された細菌と、キヌレニナーゼをコードする遺伝子配列を含む遺伝子操作された細菌とを含む。一実施形態では、c−ジGAMPシンターゼは、Vibrio choleraeからのものである。特異的な一実施形態では、c−ジ−GAMPシンターゼは、Vibrio choleraeに由来し、キヌレニナーゼは、Pseudomonas fluorescensに由来する。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、ヒトcGASの産生のための配列を含む。一実施形態では、キヌレニナーゼは、Pseudomonas fluorescensに由来する。特異的な一実施形態では、c−ジ−GAMPシンターゼは、ヒトcGASであり、キヌレニナーゼは、Pseudomonas fluorescensに由来する。特異的な一実施形態では、Pseudomonas fluorescens由来のキヌレニナーゼは、染色体に組み込まれ、構成的プロモーターの制御下に置かれる。
これらのSTINGアゴニスト産生およびキヌレニン消費実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約0%〜2%〜4%、4%〜6%、6%〜8%、8%〜10%、10%〜12%、12%〜14%、14%〜16%、16%〜18%、18%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜35%、35%〜40%、40%〜45%、45%〜50%、50%〜55%、55%〜60%、60%〜65%、65%〜70%〜80%、80%〜90%、または90%〜100%多いSTINGアゴニスト、例えば、サイクリック−ジAMPを産生する。
これらのSTINGアゴニスト産生およびキヌレニン消費実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より0%〜2%〜4%、4%〜6%、6%〜8%、8%〜10%、10%〜12%、12%〜14%、14%〜16%、16%〜18%、18%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜35%、35%〜40%、40%〜45%、45%〜50%、50%〜55%、55%〜60%、60%〜65%、65%〜70%〜80%、80%〜90%、または90%〜100%多いキヌレニンを消費する。
さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍多いSTINGアゴニスト、例えば、サイクリック−ジAMPを産生する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、または50倍、100倍、500倍、または1000倍多いSTINGアゴニスト、例えば、サイクリック−ジAMPを産生する。
さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍多いキヌレニンを消費する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、または50倍、100倍、500倍、または1000倍多いキヌレニンを消費する。
これらのSTINGアゴニスト産生およびキヌレニン消費実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より0%〜2%〜4%、4%〜6%、6%〜8%、8%〜10%、10%〜12%、12%〜14%、14%〜16%、16%〜18%、18%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜35%、35%〜40%、40%〜45%、45%〜50%、50%〜55%、55%〜60%、60%〜65%、65%〜70%〜80%、80%〜90%、または90%〜100%多いATPを消費する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍多いATPを消費する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、50倍、100倍、500倍、または1000倍多いATPを消費する。
非限定的な例では、血液中のキヌレニンレベルの低減は、キヌレニナーゼ発現株活性に関する指標として測定することができる。
これらのSTINGアゴニスト産生およびキヌレニン消費実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約0%〜2%〜4%、4%〜6%、6%〜8%、8%〜10%、10%〜12%、12%〜14%、14%〜16%、16%〜18%、18%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜35%、35%〜40%、40%〜45%、45%〜50%、50%〜55%、55%〜60%、60%〜65%、65%〜70%〜80%、80%〜90%、または90%〜100%多いトリプトファンを産生する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍多いトリプトファンを産生する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、50倍、100倍、500倍、または1000倍多いトリプトファンを産生する。
これらの実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌と比較して、キヌレニン消費速度を0%〜2%〜4%、4%〜6%、6%〜8%、8%〜10%、10%〜12%、12%〜14%、14%〜16%、16%〜18%、18%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜35%、35%〜40%、40%〜45%、45%〜50%、50%〜55%、55%〜60%、60%〜65%、65%〜70%〜80%、80%〜90%、または90%〜100%上昇させる。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌と比較して、キヌレニン消費速度を1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍大きく上昇させる。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌と比較して、キヌレニン消費速度を約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、または50倍、100倍、500倍、または1000倍上昇させる。
一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、4時間後、同じ細菌亜型の未改変細菌と比較して、キヌレニン消費を約80%〜100%増加させる。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、4時間後、同じ細菌亜型の未改変細菌と比較して、キヌレニン消費を約90%〜100%増加させる。1つの特定の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、4時間後、同じ細菌亜型の未改変細菌と比較して、キヌレニン消費を約95%〜100%増加させる。1つの特定の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、4時間後、同じ細菌亜型の未改変細菌と比較して、キヌレニン消費を約99%〜100%増加させる。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、キヌレニン消費を、4時間後、約10〜50倍増加させる。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、キヌレニン消費を、4時間後、約50〜100倍増加させる。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、キヌレニン消費を、4時間後、約100〜500倍増加させる。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、キヌレニン消費を、4時間後、約500〜1000倍増加させる。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、キヌレニン消費を、4時間後、約1000〜5000倍増加させる。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、キヌレニン消費を、4時間後、約5000〜10000倍増加させる。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、キヌレニン消費を、4時間後、約10000〜1000倍増加させる。
これらの実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌と比較して、STINGアゴニスト産生速度を0%〜2%〜4%、4%〜6%、6%〜8%、8%〜10%、10%〜12%、12%〜14%、14%〜16%、16%〜18%、18%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜35%、35%〜40%、40%〜45%、45%〜50%、50%〜55%、55%〜60%、60%〜65%、65%〜70%〜80%、80%〜90%、または90%〜100%上昇させる。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌と比較して、STINGアゴニスト産生速度を1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍大きく上昇させる。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌と比較して、STINGアゴニスト産生速度を約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、または50倍、100倍、500倍、または1000倍上昇させる。
一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、4時間後、同じ細菌亜型の未改変細菌と比較して、STINGアゴニスト産生を約80%〜100%増加させる。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、4時間後、同じ細菌亜型の未改変細菌と比較して、STINGアゴニスト産生を約90%〜100%増加させる。1つの特定の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、4時間後、同じ細菌亜型の未改変細菌と比較して、STINGアゴニスト産生を約95%〜100%増加させる。1つの特定の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、4時間後、同じ細菌亜型の未改変細菌と比較して、STINGアゴニスト産生を約99%〜100%増加させる。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、4時間後、STINGアゴニスト産生を約10〜50倍増加させる。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、4時間後、STINGアゴニスト産生を約50〜100倍増加させる。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、4時間後、STINGアゴニスト産生を約100〜500倍増加させる。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、4時間後、STINGアゴニスト産生を約500〜1000倍増加させる。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、4時間後、STINGアゴニスト産生を約1000〜5000倍増加させる。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、4時間後、STINGアゴニスト産生を約5000〜10000倍増加させる。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、4時間後、STINGアゴニスト産生を約10000〜1000倍増加させる。
これらのSTINGアゴニスト産生およびキヌレニン消費実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、細胞増殖を、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく低減させることができる。これらのSTINGアゴニスト産生およびキヌレニン消費実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、腫瘍成長を、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく低減させることができる。これらのSTINGアゴニスト産生およびキヌレニン消費実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、腫瘍サイズを、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく低減させることができる。これらのSTINGアゴニスト産生およびキヌレニン消費実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、腫瘍体積を、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく低減させることができる。これらのSTINGアゴニスト産生およびキヌレニン消費実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、腫瘍重量を、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく低減させることができる。
一部のSTINGアゴニスト産生およびキヌレニン消費実施形態では、遺伝子操作された微生物は、低酸素条件で、ならびに/あるいはがんの、および/または腫瘍微小環境の、または組織特異的分子もしくは代謝物の存在下で、ならびに/あるいは炎症または免疫抑制に関連する分子または代謝物の存在下で、ならびに/あるいは消化管内に存在しうる代謝物の存在下で、ならびに/あるいはin vivoで存在することもあり、しないこともあり、in vitroで、株培養、拡大増殖、産生および/または製造中に存在することもある、代謝物、例えば、アラビノース、クメートおよびサリチレートおよび本明細書に記載の他のものの存在下で、アデノシンおよびキヌレニンの分解のための記載の回路のうちいずれか1つまたは複数を発現することができる。一部の実施形態では、そのようなインデューサーをin vivoで投与して、エフェクター遺伝子発現を誘導することができる。一部の実施形態では、STINGアゴニスト産生およびキヌレニンの分解のための回路網をコードする遺伝子配列(複数可)は、そのような条件および/またはインデューサーによって誘導性のプロモーターによって制御される。一部の実施形態では、遺伝子配列(複数可)は、本明細書に記載される構成的プロモーターによって制御される。一部の実施形態では、遺伝子配列は、構成的プロモーターにより制御され、本明細書に記載の、in vivo条件および/またはin vitro条件で、例えば、拡大増殖、産生および/または製造中に発現される。
これらのSTINGアゴニスト産生およびキヌレニン消費実施形態のいずれにおいても、記載されたSTINGアゴニスト産生回路およびキヌレニン消費回路のいずれか1つまたは複数は、1つもしくは複数のプラスミド(例えば、高コピー数または低コピー数プラスミド)上に存在するか、または微生物染色体内の1つもしくは複数の部位に組み込まれている。また、一部の実施形態では、遺伝子操作された微生物は、記載の回路のうちいずれか1つまたは複数をさらに発現することができ、次のうち1つまたは複数をさらに含む:(1)当技術分野で公知かつ本明細書に提供されるいずれかの栄養要求体、例えば、thyAおよび/またはdapA栄養要求体等、1つまたは複数の栄養要求体、(2)本明細書に記載されるまたはそれ以外に当技術分野で公知のキルスイッチのいずれか等、1つまたは複数のキルスイッチ回路、(3)1つまたは複数の抗生物質抵抗性回路、(4)本明細書に記載されるまたはそれ以外に当技術分野で公知の輸送体のいずれか等、生物学的分子または基質を移入するための1つまたは複数の輸送体、(5)本明細書に記載されるおよびそれ以外に当技術分野で公知の分泌回路のいずれか等、1つまたは複数の分泌回路、(6)本明細書に記載されるおよびそれ以外に当技術分野で公知の表面ディスプレイ回路のいずれか等、1つまたは複数の表面ディスプレイ回路、ならびに(7)本明細書に記載される1つまたは複数の代謝物(例えば、キヌレニン、トリプトファン、アデノシン、アルギニン)の産生または分解のための1つまたは複数の回路、(8)そのような追加的な回路のうち1つまたは複数の組合せ。
これらの実施形態のいずれにおいても、STINGアゴニストを産生し、キヌレニンを消費するように遺伝子操作された1つまたは複数の細菌は、単独で、または抗CTLA4、抗PD1もしくは抗PD−L1抗体を含むがこれらに限定されない、本明細書に記載される1つもしくは複数の免疫チェックポイント阻害剤と組み合わせて投与することができる。これらの実施形態のいずれにおいても、STINGアゴニストを産生し、キヌレニンを消費するように遺伝子操作された1つまたは複数の細菌は、抗CTLA4、抗PD1または抗PD−L1抗体を含むがこれらに限定されない、本明細書に記載される1つまたは複数の免疫チェックポイント阻害剤を産生および分泌またはその表面にディスプレイするように遺伝子操作されうる。
これらの実施形態のいずれにおいても、STINGアゴニストを産生し、キヌレニンを消費するように遺伝子操作された1つまたは複数の細菌は、単独で、または本明細書に記載される1つもしくは複数の免疫刺激性アゴニスト、例えば、抗OX40、抗41BBもしくは抗GITR抗体を含むがこれらに限定されない、アゴニスト抗体と組み合わせて投与することができる。これらの実施形態のいずれにおいても、STINGアゴニストを産生し、キヌレニンを消費するように遺伝子操作された1つまたは複数の細菌は、本明細書に記載される1つまたは複数の免疫刺激性アゴニスト、例えば、抗OX40、抗41BBまたは抗GITR抗体を含むがこれらに限定されない、アゴニスト抗体を産生および分泌またはその表面にディスプレイするように遺伝子操作されうる。
ある特定の実施形態では、1つまたは複数のSTINGアゴニストおよび例えば、Pseudomonas fluorescens由来の1つまたは複数のキヌレニナーゼの産生のための記載の回路のうちいずれか1つまたは複数を発現する1つまたは複数の遺伝子操作された細菌は、抗CTLA4、抗PD1または抗PD−L1抗体を含むがこれらに限定されない、本明細書に記載される1つまたは複数の免疫チェックポイント阻害剤を産生および分泌またはその表面にディスプレイするように遺伝子操作されうる。一実施形態では、1つまたは複数の遺伝子操作された細菌は、例えば、Listeria monocytogenes由来のDacAをコードする遺伝子配列(複数可)を含み、DacAは、低酸素条件下で誘導性のプロモーター、例えば、FNRプロモーターに作動可能に連結されている。dacAをコードする遺伝子配列を含む細菌は、dapAに突然変異または欠失を含む。1つまたは複数の遺伝子操作された細菌は、Pseudomonas fluorescens由来のキヌレニナーゼをコードする遺伝子配列をさらに含み、キヌレニナーゼをコードする遺伝子配列を含む細菌は、TrpEに突然変異または欠失をさらに含む。ある特定の実施形態では、dacAおよびキヌレニナーゼ配列は、細菌染色体中に組み込まれる。特異的な一実施形態では、1つまたは複数の遺伝子操作された細菌は、ThyAに突然変異(複数可)または欠失(複数可)をさらに含むことができる。特異的な一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、PD−1である。特異的な一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、PD−L1である。特異的な一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、CTLA−4である。
一実施形態では、dacA回路網(例えば、Listeria monocytogenes由来の、例えば、低酸素プロモーターの制御下に置かれ、染色体に組み込まれる)、キヌレニナーゼ回路網(例えば、Pseudomonas fluorescens由来の、例えば、構成的プロモーターの制御下に置かれ、染色体に組み込まれる)および栄養要求性突然変異(TrpE、dapAおよびThyAにおける突然変異または欠失)、およびチェックポイント阻害剤分泌またはディスプレイ回路網(例えば、構成的プロモーターまたは誘導性プロモーターの制御下に置かれ、染色体に組み込まれる)は、1つの細菌において組み合わされる。代替実施形態では、細菌組成物は、dacA(例えば、Listeria monocytogenes由来の、例えば、低酸素プロモーターの制御下に置かれ、染色体に組み込まれる)をコードする遺伝子配列を含み、DapAにおける突然変異または欠失、およびThyAにおける必要に応じた突然変異または欠失をさらに含む第1の細菌、ならびにキヌレニナーゼ回路網(例えば、Pseudomonas fluorescens由来の、例えば、構成的プロモーターの制御下に置かれ、染色体に組み込まれる)をコードする遺伝子配列、TrpEにおける突然変異または欠失、および必要に応じて、ThyAにおける突然変異または欠失を含む第2の細菌を含む。組成物は、チェックポイント阻害剤を分泌またはディスプレイするように操作された第3の細菌をさらに含む。あるいは、第1または第2の細菌は、チェックポイント阻害剤を分泌またはディスプレイするように操作される。
遺伝子操作された細菌が、1つまたは複数のSTINGアゴニストの産生のための回路網をコードする、これらの組合せ実施形態のいずれにおいても、細菌は、DapA、ThyAまたはその両方に、栄養要求性改変、例えば、突然変異または欠失をさらに含むことができる。遺伝子操作された細菌が、1つまたは複数のSTINGアゴニストの産生のための回路網をコードする、これらの実施形態のいずれにおいても、細菌は、本明細書に記載される内在性プロファージに、ファージ改変、例えば、突然変異または欠失をさらに含むことができる。
STINGアゴニストおよびアデノシン消費
一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、アデノシンの消費のための酵素をコードする1つまたは複数の遺伝子と組み合わせて、STINGアゴニストの産生のための酵素をコードする1つまたは複数の遺伝子を含む。一実施形態では、産生されるSTINGアゴニストは、c−ジAMPである。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、アデノシン分解経路をコードする遺伝子配列と組み合わせて、ジアデニル酸シクラーゼをコードする遺伝子配列を含む。一実施形態では、ジアデニル酸シクラーゼは、Listeria monocytogenesからのものである。一実施形態では、アデノシン分解経路酵素をコードする遺伝子配列は、xdhA、xdhB、xdhC、add、xapA、deoDおよびnupCから選択される1つまたは複数の遺伝子を含む。一実施形態では、アデノシン分解経路をコードする遺伝子配列は、xdhA、xdhB、xdhC、add、xapA、deoDおよびnupCを含む。一実施形態では、アデノシン経路酵素は、E coliからのものである。1つの特定の実施形態では、ジアデニル酸シクラーゼは、Listeria monocytogenesからのものであり、アデノシン分解経路をコードする遺伝子配列は、例えばE.coliからの、xdhA、xdhB、xdhC、add、xapA、deoDおよびnupCを含む。1つの特定の実施形態では、アデノシン経路酵素は、染色体に組み込まれており、低酸素プロモーター、例えばFNR、の制御下にある。
一実施形態では、産生されるSTINGアゴニストは、サイクリック−ジGAMPである。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、アデノシン分解経路をコードする遺伝子配列と組み合わせて、c−ジGAMPシンターゼをコードする遺伝子配列を含む。一実施形態では、c−ジGAMPシンターゼは、Vibrio choleraeからのものである。一実施形態では、c−ジ−GAMPシンターゼは、ヒトcGASである。一実施形態では、アデノシン分解経路酵素をコードする遺伝子配列は、xdhA、xdhB、xdhC、add、xapA、deoDおよびnupCから選択される1つまたは複数の遺伝子を含む。一実施形態では、アデノシン分解経路をコードする遺伝子配列は、xdhA、xdhB、xdhC、add、xapA、deoDおよびnupCを含む。一実施形態では、アデノシン経路酵素は、E coliからのものである。1つの特定の実施形態では、c−ジGAMPシンターゼは、Vibrio choleraeからのものであり、アデノシン分解経路をコードする遺伝子配列は、例えばE.coliからの、xdhA、xdhB、xdhC、add、xapA、deoDおよびnupCを含む。1つの特定の実施形態では、c−ジ−GAMPシンターゼは、ヒトcGASからのものであり、アデノシン分解経路をコードする遺伝子配列は、例えば、e.coliからのxdhA、xdhB、xdhC、add、xapA、deoD、およびnupCを含む。1つの特定の実施形態では、アデノシン分解経路をコードする遺伝子は、染色体に組み込まれており、低酸素プロモーター、例えばFNR、の制御下にある。
代替実施形態では、本開示は、各細菌が異なる免疫モジュレーターをコードする、異なる遺伝子操作された細菌の組合せ(例えば、2つまたはそれより多く)を含む、組成物を提供する。したがって、一実施形態では、組成物は、STINGアゴニストの産生のための酵素をコードする1つまたは複数の遺伝子を含む遺伝子操作された細菌を含み、これと組み合わせて、アデノシンの消費のための酵素をコードする1つまたは複数の遺伝子を含む遺伝子操作された細菌を含む。一実施形態では、産生されるSTINGアゴニストは、c−ジAMPである。一実施形態では、組成物は、アデノシン分解経路をコードする遺伝子配列を含む遺伝子操作された細菌と組み合わせて、ジアデニル酸シクラーゼをコードする遺伝子配列を含む遺伝子操作された細菌を含む。一実施形態では、ジアデニル酸シクラーゼは、Listeria monocytogenesからのものである。一実施形態では、アデノシン分解経路酵素をコードする遺伝子配列は、xdhA、xdhB、xdhC、add、xapA、deoDおよびnupCから選択される1つまたは複数の遺伝子を含む。一実施形態では、アデノシン分解経路をコードする遺伝子配列は、xdhA、xdhB、xdhC、add、xapA、deoDおよびnupCを含む。一実施形態では、アデノシン経路酵素は、E coliからのものである。1つの特定の実施形態では、ジアデニル酸シクラーゼは、Listeria monocytogenesからのものであり、アデノシン分解経路をコードする遺伝子配列は、例えばE.coliからの、xdhA、xdhB、xdhC、add、xapA、deoDおよびnupCを含む。1つの特定の実施形態では、アデノシン経路酵素は、染色体に組み込まれており、低酸素プロモーター、例えばFNR、の制御下にある。
一実施形態では、産生されるSTINGアゴニストは、サイクリック−ジGAMPである。一実施形態では、組成物は、アデノシン分解経路をコードする遺伝子配列を含む遺伝子操作された細菌と組み合わせて、c−ジGAMPシンターゼをコードする遺伝子配列を含む遺伝子操作された細菌を含む。一実施形態では、c−ジGAMPシンターゼは、Vibrio choleraeからのものである。一実施形態では、c−ジ−GAMPシンターゼはヒトcGASである。
一実施形態では、アデノシン分解経路酵素をコードする遺伝子配列は、xdhA、xdhB、xdhC、add、xapA、deoDおよびnupCから選択される1つまたは複数の遺伝子を含む。一実施形態では、アデノシン分解経路をコードする遺伝子配列は、xdhA、xdhB、xdhC、add、xapA、deoDおよびnupCを含む。一実施形態では、アデノシン経路酵素は、E coliからのものである。1つの特定の実施形態では、c−ジGAMPシンターゼは、Vibrio choleraeからのものであり、アデノシン分解経路をコードする遺伝子配列は、例えばE.coliからの、xdhA、xdhB、xdhC、add、xapA、deoDおよびnupCを含む。1つの特定の実施形態では、c−ジ−GAMPシンターゼは、ヒトcGASであり、アデノシン分解経路をコードする遺伝子配列は、例えば、e.coliからのxdhA,xdhB、xdhC、add、xapA、deoD、およびnupCを含む。1つの特定の実施形態では、アデノシン分解経路をコードする遺伝子は、染色体に組み込まれており、低酸素プロモーター、例えばFNR、の制御下にある。
これらのSTINGアゴニスト産生およびアデノシン消費実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約0%〜2%、2%〜4%、4%〜6%、6%〜8%、8%〜10%、10%〜12%、12%〜14%、14%〜16%、16%〜18%、18%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜35%、35%〜40%、40%〜45%、45%〜50%、50%〜55%、55%〜60%、60%〜65%、65%〜70%〜80%、80%〜90%、または90%〜100%多いSTINGアゴニスト、例えば、サイクリック−ジAMPを産生する。
これらのSTINGアゴニスト産生およびアデノシン消費実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より0%〜2%、2%〜4%、4%〜6%、6%〜8%、8%〜10%、10%〜12%、12%〜14%、14%〜16%、16%〜18%、18%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜35%、35%〜40%、40%〜45%、45%〜50%、50%〜55%、55%〜60%、60%〜65%、65%〜70%〜80%、80%〜90%、または90%〜100%多いアデノシンを消費する。
さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍多いSTINGアゴニスト、例えば、サイクリック−ジAMPを産生する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、または50倍、100倍、500倍、または1000倍多いSTINGアゴニスト、例えば、サイクリック−ジAMPを産生する。
さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍多いアデノシンを消費する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、または50倍、100倍、500倍、または1000倍多いアデノシンを消費する。
これらのSTINGアゴニスト産生およびアデノシン消費実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より0%〜2%、2%〜4%、4%〜6%、6%〜8%、8%〜10%、10%〜12%、12%〜14%、14%〜16%、16%〜18%、18%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜35%、35%〜40%、40%〜45%、45%〜50%、50%〜55%、55%〜60%、60%〜65%、65%〜70%〜80%、80%〜90%、または90%〜100%多いATPを消費する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍多いアデノシンを消費する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、50倍、100倍、500倍、または1000倍多いATPを消費する。
これらのSTINGアゴニスト産生およびアデノシン消費実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約0%〜2%、2%〜4%、4%〜6%、6%〜8%、8%〜10%、10%〜12%、12%〜14%、14%〜16%、16%〜18%、18%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜35%、35%〜40%、40%〜45%、45%〜50%、50%〜55%、55%〜60%、60%〜65%、65%〜70%〜80%、80%〜90%、または90%〜100%多い尿酸を産生する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍多い尿酸を産生する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、50倍、100倍、500倍、または1000倍多い尿酸を産生する。
これらのSTINGアゴニスト産生およびアデノシン消費実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、細胞増殖を、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく低減させることができる。これらのSTINGアゴニスト産生およびアデノシン消費実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、腫瘍成長を、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく低減させることができる。これらのSTINGアゴニスト産生およびアデノシン消費実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、腫瘍サイズを、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく低減させることができる。これらのSTINGアゴニスト産生およびアデノシン消費実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、腫瘍体積を、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく低減させることができる。これらのSTINGアゴニスト産生およびアデノシン消費実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、腫瘍重量を、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく低減させることができる。
一部のSTINGアゴニスト産生およびアデノシン消費実施形態では、遺伝子操作された微生物は、低酸素条件で、ならびに/あるいはがんの、および/または腫瘍微小環境の、または組織特異的分子もしくは代謝物の存在下で、ならびに/あるいは炎症または免疫抑制に関連する分子または代謝物の存在下で、ならびに/あるいは消化管内に存在しうる代謝物の存在下で、ならびに/あるいはin vivoで存在することもあり、しないこともあり、in vitroで、株培養、拡大増殖、産生および/または製造中に存在することもある、代謝物、例えば、アラビノース、クメートおよびサリチレートおよび本明細書に記載の他のものの存在下で、STINGアゴニスト産生およびアデノシンの分解のための記載の回路のうちいずれか1つまたは複数を発現することができる。一部の実施形態では、そのようなインデューサーをin vivoで投与して、エフェクター遺伝子発現を誘導することができる。一部の実施形態では、STINGアゴニスト産生およびアデノシンの分解のための回路網をコードする遺伝子配列(複数可)は、そのような条件および/またはインデューサーによって誘導性のプロモーターによって制御される。一部の実施形態では、遺伝子配列(複数可)は、本明細書に記載される構成的プロモーターによって制御される。一部の実施形態では、遺伝子配列(複数可)は、構成的プロモーターによって制御され、本明細書に記載される通り、in vivo条件および/またはin vitro条件において、例えば、拡大増殖、産生および/または製造中に発現される。
これらのSTINGアゴニスト産生およびアデノシン消費実施形態のいずれにおいても、記載のSTINGアゴニスト産生回路およびアデノシン消費回路のうちいずれか1つまたは複数は、1つもしくは複数のプラスミド(例えば、高コピー数または低コピー数プラスミド)上に存在するか、または微生物染色体内の1つもしくは複数の部位に組み込まれている。また、一部の実施形態では、遺伝子操作された微生物は、記載の回路のうちいずれか1つまたは複数をさらに発現することができ、次のうち1つまたは複数をさらに含む:(1)当技術分野で公知かつ本明細書に提供されるいずれかの栄養要求体、例えば、thyAおよび/またはdapA栄養要求体等、1つまたは複数の栄養要求体、(2)本明細書に記載されるまたはそれ以外に当技術分野で公知のキルスイッチのいずれか等、1つまたは複数のキルスイッチ回路、(3)1つまたは複数の抗生物質抵抗性回路、(4)本明細書に記載されるまたはそれ以外に当技術分野で公知の輸送体のいずれか等、生物学的分子または基質を移入するための1つまたは複数の輸送体、(5)本明細書に記載されるおよびそれ以外に当技術分野で公知の分泌回路のいずれか等、1つまたは複数の分泌回路、(6)本明細書に記載されるおよびそれ以外に当技術分野で公知の表面ディスプレイ回路のいずれか等、1つまたは複数の表面ディスプレイ回路、ならびに(7)本明細書に記載される1つまたは複数の代謝物(例えば、アデノシン、トリプトファン、アデノシン、アルギニン)の産生または分解のための1つまたは複数の回路、(8)そのような追加的な回路のうち1つまたは複数の組合せ。
これらの実施形態のいずれにおいても、STINGアゴニストを産生し、アデノシンを消費するように遺伝子操作された1つまたは複数の細菌は、単独で、または抗CTLA4、抗PD1もしくは抗PD−L1抗体を含むがこれらに限定されない、本明細書に記載される1つもしくは複数の免疫チェックポイント阻害剤と組み合わせて投与することができる。これらの実施形態のいずれにおいても、STINGアゴニストを産生し、アデノシンを消費するように遺伝子操作された1つまたは複数の細菌は、抗CTLA4、抗PD1または抗PD−L1抗体を含むがこれらに限定されない、本明細書に記載される1つまたは複数の免疫チェックポイント阻害剤を産生および分泌またはその表面にディスプレイするように遺伝子操作されうる。
これらの実施形態のいずれにおいても、STINGアゴニストを産生し、アデノシンを消費するように遺伝子操作された1つまたは複数の細菌は、単独で、または本明細書に記載される1つもしくは複数の免疫刺激性アゴニスト、例えば、抗OX40、抗41BBもしくは抗GITR抗体を含むがこれらに限定されない、アゴニスト抗体と組み合わせて投与することができる。これらの実施形態のいずれにおいても、STINGアゴニストを産生し、アデノシンを消費するように遺伝子操作された1つまたは複数の細菌は、本明細書に記載される1つまたは複数の免疫刺激性アゴニスト、例えば、抗OX40、抗41BBまたは抗GITR抗体を含むがこれらに限定されない、アゴニスト抗体を産生および分泌またはその表面にディスプレイするように遺伝子操作されうる。
STINGアゴニストおよびアルギニン産生/アンモニア消費
一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、アルギニンの産生および/またはアンモニアの消費のための酵素をコードする1つまたは複数の遺伝子と組み合わせて、STINGアゴニストの産生のための酵素をコードする1つまたは複数の遺伝子を含む。一実施形態では、産生されるSTINGアゴニストは、c−ジAMPである。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、アルギニン産生および/またはアンモニアの消費経路をコードする遺伝子配列と組み合わせて、ジアデニル酸シクラーゼをコードする遺伝子配列を含む。一実施形態では、ジアデニル酸シクラーゼは、Listeria monocytogenesからのものである。一実施形態では、アルギニン産生および/またはアンモニアの消費回路をコードする遺伝子配列は、フィードバック耐性ArgA(ArgAfbr)を含み、内在性アルギニンオペロンリプレッサーArgRの欠失を含む。一実施形態では、ArgAfbrは、E coliからのものである。1つの特定の実施形態では、ArgAfbrは、染色体に組み込まれており、低酸素プロモーター、例えばFNRの制御下にある。
代替実施形態では、本開示は、各細菌が異なる免疫モジュレーターをコードする、異なる遺伝子操作された細菌の組合せ(例えば、2つまたはそれより多く)を含む、組成物を提供する。したがって、一実施形態では、組成物は、アルギニンの産生のための酵素をコードする1つまたは複数の遺伝子を含む遺伝子操作された細菌と組み合わせて、STINGアゴニストの産生のための酵素をコードする1つまたは複数の遺伝子を含む遺伝子操作された細菌を含む。一実施形態では、産生されるSTINGアゴニストは、c−ジAMPである。一実施形態では、組成物は、アルギニン産生経路をコードする遺伝子配列を含む遺伝子操作された細菌と組み合わせて、ジアデニル酸シクラーゼをコードする遺伝子配列を含む遺伝子操作された細菌を含む。一実施形態では、ジアデニル酸シクラーゼは、Listeria monocytogenesからのものである。一実施形態では、アルギニン産生回路をコードする遺伝子配列は、フィードバック耐性ArgA(ArgAfbr)を含み、内在性アルギニンオペロンリプレッサーArgRの欠失を含む。一実施形態では、ArgAfbrは、E coliからのものである。1つの特定の実施形態では、ArgAfbrは、染色体に組み込まれており、低酸素プロモーター、例えばFNRの制御下にある。
これらのSTINGアゴニスト産生およびアルギニン産生および/またはアンモニアの消費実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約0%〜2%〜4%、4%〜6%、6%〜8%、8%〜10%、10%〜12%、12%〜14%、14%〜16%、16%〜18%、18%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜35%、35%〜40%、40%〜45%、45%〜50%、50%〜55%、55%〜60%、60%〜65%、65%〜70%〜80%、80%〜90%、または90%〜100%多いSTINGアゴニスト、例えば、サイクリック−ジAMPを産生する。
これらのSTINGアゴニスト産生およびアルギニン産生および/またはアンモニアの消費実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約0%〜2%、2%〜4%、4%〜6%、6%〜8%、8%〜10%、10%〜12%、12%〜14%、14%〜16%、16%〜18%、18%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜35%、35%〜40%、40%〜45%、45%〜50%、50%〜55%、55%〜60%、60%〜65%、65%〜70%〜80%、80%〜90%、または90%〜100%多いアルギニンを産生する。
さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍多いSTINGアゴニスト、例えば、サイクリック−ジAMPを産生する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、または50倍、100倍、500倍、または1000倍多いSTINGアゴニスト、例えば、サイクリック−ジAMPを産生する。
さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍多いアルギニンを産生する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、または50倍、100倍、500倍、または1000倍多いアルギニンを産生する。
これらのSTINGアゴニスト産生およびアルギニン産生および/またはアンモニアの消費実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より0%〜2%、2%〜4%、4%〜6%、6%〜8%、8%〜10%、10%〜12%、12%〜14%、14%〜16%、16%〜18%、18%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜35%、35%〜40%、40%〜45%、45%〜50%、50%〜55%、55%〜60%、60%〜65%、65%〜70%〜80%、80%〜90%、または90%〜100%多いATPを消費する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍多いアルギニンを消費する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、50倍、100倍、500倍、または1000倍多いグルタメートを消費する。
これらのSTINGアゴニスト産生ならびにアルギニン産生および/またはアンモニア消費実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より0%〜2%、2%〜4%、4%〜6%、6%〜8%、8%〜10%、10%〜12%、12%〜14%、14%〜16%、16%〜18%、18%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜35%、35%〜40%、40%〜45%、45%〜50%、50%〜55%、55%〜60%、60%〜65%、65%〜70%〜80%、80%〜90%、または90%〜100%多いグルタメートを消費する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍多いグルタメートを消費する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、50倍、100倍、500倍、または1000倍多いグルタメートを消費する。
これらのSTINGアゴニスト産生ならびにアルギニン産生および/またはアンモニア消費実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より0%〜2%、2%〜4%、4%〜6%、6%〜8%、8%〜10%、10%〜12%、12%〜14%、14%〜16%、16%〜18%、18%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜35%、35%〜40%、40%〜45%、45%〜50%、50%〜55%、55%〜60%、60%〜65%、65%〜70%〜80%、80%〜90%、または90%〜100%多いアンモニアを消費する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍多いアンモニアを消費する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、50倍、100倍、500倍または1000倍多いアンモニアを消費する。
これらのSTINGアゴニスト産生ならびにアルギニン産生および/またはアンモニア消費実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、細胞増殖を、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%またはそれよりも多く低下させることができる。これらのSTINGアゴニスト産生ならびにアルギニン産生および/またはアンモニア消費実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、腫瘍増殖を、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%またはそれよりも多く低下させることができる。これらのSTINGアゴニスト産生ならびにアルギニン産生および/またはアンモニア消費実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、腫瘍サイズを、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%またはそれよりも多く低下させることができる。これらのSTINGアゴニスト産生ならびにアルギニン産生および/またはアンモニア消費実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、腫瘍体積を、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%またはそれよりも多く低下させることができる。これらのSTINGアゴニスト産生ならびにアルギニン産生および/またはアンモニア消費実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、腫瘍重量を、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%またはそれよりも多く低下させることができる。
一部のSTINGアゴニスト産生およびアルギニン産生/アンモニア消費実施形態では、遺伝子操作された微生物は、低酸素条件で、ならびに/あるいはがんの、および/または腫瘍微小環境の、または組織特異的分子もしくは代謝物の存在下で、ならびに/あるいは炎症または免疫抑制に関連する分子または代謝物の存在下で、ならびに/あるいは消化管内に存在しうる代謝物の存在下で、ならびに/あるいはin vivoで存在することもあり、しないこともあり、in vitroで、株培養、拡大増殖、産生および/または製造中に存在することもある、代謝物、例えば、アラビノース、クメートおよびサリチレートおよび本明細書に記載の他のものの存在下で、STINGアゴニスト産生およびアルギニン産生/アンモニア消費のための記載の回路のうちいずれか1つまたは複数を発現することができる。一部の実施形態では、そのようなインデューサーをin vivoで投与して、エフェクター遺伝子発現を誘導することができる。一部の実施形態では、STINGアゴニスト産生およびアルギニン産生/アンモニア消費のための回路網をコードする遺伝子配列(複数可)は、そのような条件および/またはインデューサーによって誘導性のプロモーターによって制御される。一部の実施形態では、遺伝子配列は、構成的プロモーターにより制御され、本明細書に記載の、in vivo条件および/またはin vitro条件で、例えば、細菌の拡大増殖、産生および/または製造中に発現される。
これらのSTINGアゴニスト産生およびアルギニン産生/アンモニア消費実施形態のいずれにおいても、記載のSTINGアゴニスト産生回路およびアルギニン産生/アンモニア消費回路のうちいずれか1つまたは複数は、1つもしくは複数のプラスミド(例えば、高コピー数または低コピー数プラスミド)上に存在するか、または微生物染色体内の1つもしくは複数の部位に組み込まれている。また、一部の実施形態では、遺伝子操作された微生物は、記載の回路のうちいずれか1つまたは複数をさらに発現することができ、次のうち1つまたは複数をさらに含む:(1)当技術分野で公知かつ本明細書に提供されるいずれかの栄養要求体、例えば、thyAおよび/またはdapA栄養要求体等、1つまたは複数の栄養要求体、(2)本明細書に記載されるまたはそれ以外に当技術分野で公知のキルスイッチのいずれか等、1つまたは複数のキルスイッチ回路、(3)1つまたは複数の抗生物質抵抗性回路、(4)本明細書に記載されるまたはそれ以外に当技術分野で公知の輸送体のいずれか等、生物学的分子または基質を移入するための1つまたは複数の輸送体、(5)本明細書に記載されるおよびそれ以外に当技術分野で公知の分泌回路のいずれか等、1つまたは複数の分泌回路、(6)本明細書に記載されるおよびそれ以外に当技術分野で公知の表面ディスプレイ回路のいずれか等、1つまたは複数の表面ディスプレイ回路、ならびに(7)本明細書に記載される1つまたは複数の代謝物の産生または分解(例えば、アルギニン産生/アンモニア、トリプトファン、アルギニン産生/アンモニア、アルギニンおよびキヌレニン)のための1つまたは複数の回路、(8)そのような追加的な回路のうち1つまたは複数の組合せ。
これらの実施形態のいずれにおいても、STINGアゴニストを産生し、アルギニンを産生および/またはアンモニアを消費するように遺伝子操作された1つまたは複数の細菌は、単独で、または抗CTLA4、抗PD1もしくは抗PD−L1抗体を含むがこれらに限定されない、本明細書に記載される1つもしくは複数の免疫チェックポイント阻害剤と組み合わせて投与することができる。これらの実施形態のいずれにおいても、STINGアゴニストを産生し、アルギニンを産生および/またはアンモニアを消費するように遺伝子操作された1つまたは複数の細菌は、抗CTLA4、抗PD1または抗PD−L1抗体を含むがこれらに限定されない、本明細書に記載される1つまたは複数の免疫チェックポイント阻害剤を産生および分泌またはその表面にディスプレイするように遺伝子操作されうる。
これらの実施形態のいずれにおいても、STINGアゴニストを産生し、アルギニンを産生および/またはアンモニアを消費するように遺伝子操作された1つまたは複数の細菌は、単独で、または本明細書に記載される1つもしくは複数の免疫刺激性アゴニスト、例えば、抗OX40、抗41BBもしくは抗GITR抗体を含むがこれらに限定されない、アゴニスト抗体と組み合わせて投与することができる。これらの実施形態のいずれにおいても、STINGアゴニストを産生し、アルギニンを産生および/またはアンモニアを消費するように遺伝子操作された1つまたは複数の細菌は、本明細書に記載される1つまたは複数の免疫刺激性アゴニスト、例えば、抗OX40、抗41BBまたは抗GITR抗体を含むがこれらに限定されない、アゴニスト抗体を産生および分泌またはその表面にディスプレイするように遺伝子操作されうる。
ある特定の実施形態では、1つまたは複数のSTINGアゴニストおよび例えば、Pseudomonas fluorescens由来の1つまたは複数のキヌレニナーゼの産生のための記載の回路のうちいずれか1つまたは複数を発現する1つまたは複数の遺伝子操作された細菌は、チェックポイント阻害剤、例えば、抗PD−1、抗PD−L1または抗CTLA−4の分泌またはディスプレイのための回路網をさらに含む。一実施形態では、1つまたは複数の遺伝子操作された細菌は、例えば、Listeria monocytogenes由来のDacAをコードする遺伝子配列(複数可)を含み、DacAは、低酸素条件下で誘導性のプロモーター、例えば、FNRプロモーターに作動可能に連結されている。dacAをコードする遺伝子配列を含む細菌は、dapAに突然変異または欠失を含む。1つまたは複数の遺伝子操作された細菌は、フィードバック抵抗性ArgAをコードする遺伝子配列をさらに含み、フィードバック抵抗性ArgAをコードする遺伝子配列を含む細菌は、ArgRに突然変異または欠失をさらに含む。ある特定の実施形態では、dacAおよびフィードバック抵抗性ArgA配列は、細菌染色体中に組み込まれる。特異的な一実施形態では、1つまたは複数の遺伝子操作された細菌は、ThyAに突然変異(複数可)または欠失(複数可)をさらに含むことができる。特異的な一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、PD−1である。特異的な一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、PD−L1である。特異的な一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、CTLA−4である。チェックポイント阻害剤は、構成的または誘導性プロモーターの制御下に置くことができる。
一実施形態では、dacA回路網(例えば、Listeria monocytogenes由来の、例えば、低酸素プロモーターの制御下に置かれ、染色体に組み込まれる)、アルギニン産生/アンモニア消費回路網(例えば、ArgAfbrを含む、例えば、低酸素誘導性プロモーターの制御下に置かれ、染色体に組み込まれ、ΔArgRである)、チェックポイント阻害剤、例えば、抗PD−1、抗PD−L1または抗CTLA−4の分泌またはディスプレイのための回路網、および栄養要求性突然変異(dapAおよびThyAにおける突然変異または欠失)は、1つの細菌において組み合わされる。代替実施形態では、細菌組成物は、dacA(例えば、Listeria monocytogenes由来の、例えば、低酸素プロモーターの制御下に置かれ、染色体に組み込まれる)をコードする遺伝子配列を含み、DapAにおける突然変異または欠失、およびThyAにおける必要に応じた突然変異または欠失をさらに含む第1の細菌、ならびにアルギニン産生/アンモニア消費回路網(例えば、ArgAfbrを含む、例えば、低酸素誘導性プロモーターの制御下に置かれ、染色体に組み込まれ、ΔArgRである)をコードする遺伝子配列、および必要に応じてThyAにおける突然変異または欠失を含む第2の細菌を含む。組成物は、チェックポイント阻害剤を分泌またはディスプレイするように操作された第3の細菌をさらに含む。あるいは、第1または第2の細菌は、チェックポイント阻害剤を分泌またはディスプレイするように操作される。
STINGアゴニストおよびチェックポイント阻害剤
一部の実施形態では、1つまたは複数の遺伝子操作された細菌は、1つまたは複数のチェックポイント阻害剤、例えば、抗PD−1、抗PDL−1および/または抗CTLA4抗体をコードする1つまたは複数の遺伝子と組み合わせて、STINGアゴニスト(複数可)の産生のための酵素をコードする1つまたは複数の遺伝子を含む。一部の実施形態では、抗体は、細菌から分泌される。一部の実施形態では、抗体は、細菌の表面にディスプレイされる。一実施形態では、産生されるSTINGアゴニストは、c−ジ−AMPである。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、1つまたは複数のチェックポイント阻害剤、例えば、抗PD−1、抗PDL−1および/または抗CTLA4抗体をコードする遺伝子配列と組み合わせて、ジアデニル酸シクラーゼをコードする遺伝子配列を含む。一部の実施形態では、1つまたは複数の遺伝子操作された細菌は、チェックポイント阻害剤の分泌を改善するための、DOM(拡散性外膜)突然変異、例えば、ΔPALをさらに含む。一実施形態では、ジアデニル酸シクラーゼは、Listeria monocytogenesに由来する。一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、PD−1である。一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、PD−L1である。一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、CTLA−4である。特異的な一実施形態では、チェックポイント阻害遺伝子回路網は、染色体に組み込まれ、低酸素プロモーター、例えば、FNRの制御下に置かれる。
代替実施形態では、本開示は、異なる遺伝子操作された細菌の組合せ(例えば、2つまたはそれよりも多く)を含む組成物であって、各細菌が、異なる免疫モジュレーターをコードする、組成物を提供する。したがって、一実施形態では、組成物は、1つまたは複数のチェックポイント阻害剤、例えば、抗PD−1、抗PDL−1および/または抗CTLA4抗体をコードする1つまたは複数の遺伝子を含む遺伝子操作された細菌と組み合わせて、STINGアゴニスト(複数可)の産生のための酵素をコードする1つまたは複数の遺伝子を含む遺伝子操作された細菌を含む。一実施形態では、産生されるSTINGアゴニストは、c−ジ−AMPである。一実施形態では、組成物は、1つまたは複数のチェックポイント阻害剤、例えば、抗PD−1、抗PDL−1および/または抗CTLA4抗体をコードする遺伝子配列を含む遺伝子操作された細菌と組み合わせて、ジアデニル酸シクラーゼをコードする遺伝子配列を含む遺伝子操作された細菌を含む。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤をコードする遺伝子操作された細菌は、チェックポイント阻害剤の分泌を改善するための、DOM(拡散性外膜)突然変異、例えば、ΔPALをさらに含む。一実施形態では、ジアデニル酸シクラーゼは、Listeria monocytogenesに由来する。一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、PD−1である。一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、PD−L1である。一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、CTLA−4である。特異的な一実施形態では、チェックポイント阻害遺伝子回路網は、染色体に組み込まれ、低酸素プロモーター、例えば、FNRの制御下に置かれる。
これらのSTINGアゴニストおよびチェックポイント阻害剤産生実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約0%〜2%〜4%、4%〜6%、6%〜8%、8%〜10%、10%〜12%、12%〜14%、14%〜16%、16%〜18%、18%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜35%、35%〜40%、40%〜45%、45%〜50%、50%〜55%、55%〜60%、60%〜65%、65%〜70%〜80%、80%〜90%、または90%〜100%多いSTINGアゴニスト、例えば、サイクリック−ジ−AMPを産生する。
さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍多いSTINGアゴニスト、例えば、サイクリック−ジAMPを産生する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、または50倍、100倍、500倍、または1000倍多いSTINGアゴニスト、例えば、サイクリック−ジAMPを産生する。
これらのSTINGアゴニストおよびチェックポイント阻害剤産生実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より0%〜2%、2%〜4%、4%〜6%、6%〜8%、8%〜10%、10%〜12%、12%〜14%、14%〜16%、16%〜18%、18%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜35%、35%〜40%、40%〜45%、45%〜50%、50%〜55%、55%〜60%、60%〜65%、65%〜70%〜80%、80%〜90%、または90%〜100%多いATPを消費する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍多いアルギニンを消費する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、50倍、100倍、500倍または1000倍多いグルタメートを消費する。
これらのSTINGアゴニストおよびチェックポイント阻害剤産生実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、細胞増殖を、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%またはそれよりも多く低下させることができる。これらのSTINGアゴニストおよびチェックポイント阻害剤産生実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、腫瘍増殖を、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%またはそれよりも多く低下させることができる。これらのSTINGアゴニストおよびチェックポイント阻害剤産生実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、腫瘍サイズを、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%またはそれよりも多く低下させることができる。これらのSTINGアゴニストおよびチェックポイント阻害剤産生実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、腫瘍体積を、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%またはそれよりも多く低下させることができる。これらのSTINGアゴニストおよびチェックポイント阻害剤産生実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、腫瘍重量を、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%またはそれよりも多く低下させることができる。
これらのSTINGアゴニストおよびチェックポイント阻害剤産生実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された微生物は、低酸素条件で、ならびに/あるいはがんの、および/または腫瘍微小環境の、または組織特異的分子もしくは代謝物の存在下で、ならびに/あるいは炎症または免疫抑制に関連する分子または代謝物の存在下で、ならびに/あるいは消化管内に存在しうる代謝物の存在下で、ならびに/あるいはin vivoで存在することもあり、しないこともあり、in vitroで、株培養、拡大増殖、産生および/または製造中に存在することもある、代謝物、例えば、アラビノース、クメートおよびサリチレートおよび本明細書に記載の他のものの存在下で、STINGアゴニスト産生ならびにチェックポイント阻害剤産生、例えば、抗PD−1、抗PD−L1および/または抗CTLA−4産生のための記載の回路のうちいずれか1つまたは複数を発現することができる。一部の実施形態では、そのようなインデューサーをin vivoで投与して、エフェクター遺伝子発現を誘導することができる。一部の実施形態では、STINGアゴニスト産生ならびにチェックポイント阻害剤産生、例えば、抗PD−1、抗PD−L1および/または抗CTLA−4産生のための回路網をコードする遺伝子配列(複数可)は、そのような条件および/またはインデューサーによって誘導性のプロモーターによって制御される。一部の実施形態では、遺伝子配列(複数可)は、本明細書に記載される構成的プロモーターによって制御される。一部の実施形態では、遺伝子配列(複数可)は、構成的プロモーターによって制御され、本明細書に記載される通り、in vivo条件および/またはin vitro条件において、例えば、拡大増殖、産生および/または製造中に発現される。
これらのSTINGアゴニスト産生ならびにチェックポイント阻害剤産生、例えば、抗PD−1、抗PD−L1および/または抗CTLA−4産生実施形態のいずれにおいても、記載のSTINGアゴニスト産生回路およびチェックポイント阻害剤産生回路のうちいずれか1つまたは複数は、1つもしくは複数のプラスミド(例えば、高コピー数または低コピー数プラスミド)上に存在するか、または微生物染色体内の1つもしくは複数の部位に組み込まれている。また、一部の実施形態では、遺伝子操作された微生物は、記載の回路のうちいずれか1つまたは複数をさらに発現することができ、次のうち1つまたは複数をさらに含む:(1)当技術分野で公知かつ本明細書に提供されるいずれかの栄養要求体、例えば、thyAおよび/またはdapA栄養要求体等、1つまたは複数の栄養要求体、(2)本明細書に記載されるまたはそれ以外に当技術分野で公知のキルスイッチのいずれか等、1つまたは複数のキルスイッチ回路、(3)1つまたは複数の抗生物質抵抗性回路、(4)本明細書に記載されるまたはそれ以外に当技術分野で公知の輸送体のいずれか等、生物学的分子または基質を移入するための1つまたは複数の輸送体、(5)本明細書に記載されるおよびそれ以外に当技術分野で公知の分泌回路のいずれか等、1つまたは複数の分泌回路、(6)本明細書に記載されるおよびそれ以外に当技術分野で公知の表面ディスプレイ回路のいずれか等、1つまたは複数の表面ディスプレイ回路、ならびに(7)本明細書に記載される1つまたは複数の代謝物の産生または分解(例えば、アルギニン産生/アンモニア、トリプトファン、アルギニン産生/アンモニア、アルギニンおよびキヌレニン)のための1つまたは複数の回路、(8)そのような追加的な回路のうち1つまたは複数の組合せ。
これらの実施形態のいずれにおいても、STINGアゴニストを産生し、チェックポイント阻害剤産生回路を含むように遺伝子操作された1つまたは複数の細菌は、単独で、または抗CTLA4、抗PD1もしくは抗PD−L1抗体を含むがこれらに限定されない、本明細書に記載される1つもしくは複数の免疫チェックポイント阻害剤と組み合わせて投与することができる。これらの実施形態のいずれにおいても、STINGアゴニストを産生し、チェックポイント阻害剤産生回路を含むように遺伝子操作された1つまたは複数の細菌は、抗CTLA4、抗PD1または抗PD−L1抗体を含むがこれらに限定されない、本明細書に記載される1つまたは複数の免疫チェックポイント阻害剤を産生および分泌またはその表面にディスプレイするように遺伝子操作されうる。
これらの実施形態のいずれにおいても、STINGアゴニストを産生し、チェックポイント阻害剤産生回路を含むように遺伝子操作された1つまたは複数の細菌は、単独で、または本明細書に記載される1つもしくは複数の免疫刺激性アゴニスト、例えば、抗OX40、抗41BBもしくは抗GITR抗体を含むがこれらに限定されない、アゴニスト抗体と組み合わせて投与することができる。これらの実施形態のいずれにおいても、STINGアゴニストを産生し、チェックポイント阻害剤産生回路を含むように遺伝子操作された1つまたは複数の細菌は、本明細書に記載される1つまたは複数の免疫刺激性アゴニスト、例えば、抗OX40、抗41BBまたは抗GITR抗体を含むがこれらに限定されない、アゴニスト抗体を産生および分泌またはその表面にディスプレイするように遺伝子操作されうる。
STINGアゴニストおよび免疫刺激性アゴニスト
一部の実施形態では、1つまたは複数の遺伝子操作された細菌は、1つまたは複数の免疫刺激因子アゴニスト、例えば、抗OX40、抗41BBおよび/または抗GITR抗体をコードする1つまたは複数の遺伝子と組み合わせて、STINGアゴニスト(複数可)の産生のための酵素をコードする1つまたは複数の遺伝子を含む。一部の実施形態では、抗体は、細菌から分泌される。一部の実施形態では、抗体は、細菌の表面にディスプレイされる。一実施形態では、産生されるSTINGアゴニストは、c−ジ−AMPである。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、1つまたは複数の免疫刺激因子アゴニスト、例えば、抗OX40、抗41BBおよび/または抗GITR抗体をコードする遺伝子配列と組み合わせて、ジアデニル酸シクラーゼをコードする遺伝子配列を含む。一部の実施形態では、1つまたは複数の遺伝子操作された細菌は、免疫刺激因子アゴニストの分泌を改善するための、DOM(拡散性外膜)突然変異、例えば、ΔPALをさらに含む。一実施形態では、ジアデニル酸シクラーゼは、Listeria monocytogenesに由来する。一実施形態では、免疫刺激因子アゴニストは、OX40である。一実施形態では、免疫刺激因子アゴニストは、41BBである。一実施形態では、免疫刺激因子アゴニストは、GITRである。特異的な一実施形態では、チェックポイント阻害遺伝子回路網は、染色体に組み込まれ、低酸素プロモーター、例えば、FNRの制御下に置かれる。
代替実施形態では、本開示は、異なる遺伝子操作された細菌の組合せ(例えば、2つまたはそれよりも多く)を含む組成物であって、各細菌が、異なる免疫モジュレーターをコードする、組成物を提供する。したがって、一実施形態では、組成物は、1つまたは複数の免疫刺激因子アゴニスト、例えば、抗OX40、抗41BBおよび/または抗GITR抗体をコードする1つまたは複数の遺伝子を含む遺伝子操作された細菌と組み合わせて、STINGアゴニスト(複数可)の産生のための酵素をコードする1つまたは複数の遺伝子を含む遺伝子操作された細菌を含む。一実施形態では、産生されるSTINGアゴニストは、c−ジ−AMPである。一実施形態では、組成物は、1つまたは複数の免疫刺激因子アゴニスト、例えば、抗OX40、抗41BBおよび/または抗GITR抗体をコードする遺伝子配列を含む遺伝子操作された細菌と組み合わせて、ジアデニル酸シクラーゼをコードする遺伝子配列を含む遺伝子操作された細菌を含む。一部の実施形態では、免疫刺激因子アゴニストをコードする遺伝子操作された細菌は、免疫刺激因子アゴニストの分泌を改善するための、DOM(拡散性外膜)突然変異、例えば、ΔPALをさらに含む。一実施形態では、ジアデニル酸シクラーゼは、Listeria monocytogenesに由来する。一実施形態では、免疫刺激因子アゴニストは、OX40である。一実施形態では、免疫刺激因子アゴニストは、41BBである。一実施形態では、免疫刺激因子アゴニストは、GITRである。特異的な一実施形態では、チェックポイント阻害遺伝子回路網は、染色体に組み込まれ、低酸素プロモーター、例えば、FNRの制御下に置かれる。
これらのSTINGアゴニストおよび免疫刺激因子アゴニスト産生実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約0%〜2%〜4%、4%〜6%、6%〜8%、8%〜10%、10%〜12%、12%〜14%、14%〜16%、16%〜18%、18%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜35%、35%〜40%、40%〜45%、45%〜50%、50%〜55%、55%〜60%、60%〜65%、65%〜70%〜80%、80%〜90%、または90%〜100%多いSTINGアゴニスト、例えば、サイクリック−ジ−AMPを産生する。
さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍多いSTINGアゴニスト、例えば、サイクリック−ジ−AMPを産生する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、または50倍、100倍、500倍、または1000倍多いSTINGアゴニスト、例えば、サイクリック−ジ−AMPを産生する。
これらのSTINGアゴニストおよび免疫刺激因子アゴニスト産生実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より0%〜2%、2%〜4%、4%〜6%、6%〜8%、8%〜10%、10%〜12%、12%〜14%、14%〜16%、16%〜18%、18%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜35%、35%〜40%、40%〜45%、45%〜50%、50%〜55%、55%〜60%、60%〜65%、65%〜70%〜80%、80%〜90%、または90%〜100%多いATPを消費する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍多いアルギニンを消費する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、50倍、100倍、500倍、または1000倍多いグルタメートを消費する。
これらのSTINGアゴニストおよび免疫刺激因子アゴニスト産生実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、細胞増殖を、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%またはそれよりも多く低下させることができる。これらのSTINGアゴニストおよび免疫刺激因子アゴニスト産生実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、腫瘍増殖を、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%またはそれよりも多く低下させることができる。これらのSTINGアゴニストおよび免疫刺激因子アゴニスト産生実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、腫瘍サイズ増殖を、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%またはそれよりも多く低下させることができる。これらのSTINGアゴニストおよび免疫刺激因子アゴニスト産生実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、腫瘍体積を、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%またはそれよりも多く低下させることができる。これらのSTINGアゴニストおよび免疫刺激因子アゴニスト産生実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、腫瘍重量を、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%またはそれよりも多く低下させることができる。
これらのSTINGアゴニストおよび免疫刺激因子アゴニスト産生実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された微生物は、低酸素条件で、ならびに/あるいはがんの、および/または腫瘍微小環境の、または組織特異的分子もしくは代謝物の存在下で、ならびに/あるいは炎症または免疫抑制に関連する分子または代謝物の存在下で、ならびに/あるいは消化管内に存在しうる代謝物の存在下で、ならびに/あるいはin vivoで存在することもあり、しないこともあり、in vitroで、株培養、拡大増殖、産生および/または製造中に存在することもある、代謝物、例えば、アラビノース、クメートおよびサリチレートおよび本明細書に記載の他のものの存在下で、STINGアゴニスト産生ならびに免疫刺激因子アゴニスト産生、例えば、抗OX40、抗41BBおよび/または抗GITR産生のための記載の回路のうちいずれか1つまたは複数を発現することができる。一部の実施形態では、そのようなインデューサーをin vivoで投与して、エフェクター遺伝子発現を誘導することができる。一部の実施形態では、STINGアゴニスト産生ならびに免疫刺激因子アゴニスト産生、例えば、抗OX40、抗41BBおよび/または抗GITR産生のための回路網をコードする遺伝子配列(複数可)は、そのような条件および/またはインデューサーによって誘導性のプロモーターによって制御される。一部の実施形態では、遺伝子配列は、本明細書に記載の構成的プロモーターによって制御される。一部の実施形態では、遺伝子配列は、構成的プロモーターによって制御され、本明細書に記載の、in vivo条件および/またはin vitro条件で、例えば、拡大増殖、産生および/または製造中に発現される。
これらのSTINGアゴニスト産生ならびに免疫刺激因子アゴニスト産生、例えば、抗OX40、抗41BBおよび/または抗GITR産生実施形態のいずれにおいても、記載のSTINGアゴニスト産生回路および免疫刺激因子アゴニスト産生回路のうちいずれか1つまたは複数は、1つもしくは複数のプラスミド(例えば、高コピー数または低コピー数プラスミド)上に存在するか、または微生物染色体内の1つもしくは複数の部位に組み込まれている。また、一部の実施形態では、遺伝子操作された微生物は、記載の回路のうちいずれか1つまたは複数をさらに発現することができ、次のうち1つまたは複数をさらに含む:(1)当技術分野で公知かつ本明細書に提供されるいずれかの栄養要求体、例えば、thyAおよび/またはdapA栄養要求体等、1つまたは複数の栄養要求体、(2)本明細書に記載されるまたはそれ以外に当技術分野で公知のキルスイッチのいずれか等、1つまたは複数のキルスイッチ回路、(3)1つまたは複数の抗生物質抵抗性回路、(4)本明細書に記載されるまたはそれ以外に当技術分野で公知の輸送体のいずれか等、生物学的分子または基質を移入するための1つまたは複数の輸送体、(5)本明細書に記載されるおよびそれ以外に当技術分野で公知の分泌回路のいずれか等、1つまたは複数の分泌回路、(6)本明細書に記載されるおよびそれ以外に当技術分野で公知の表面ディスプレイ回路のいずれか等、1つまたは複数の表面ディスプレイ回路、ならびに(7)本明細書に記載される1つまたは複数の代謝物の産生または分解(例えば、アルギニン産生/アンモニア、トリプトファン、アルギニン産生/アンモニア、アルギニンおよびキヌレニン)のための1つまたは複数の回路、(8)そのような追加的な回路のうち1つまたは複数の組合せ。
これらの実施形態のいずれにおいても、STINGアゴニストを産生し、免疫刺激因子アゴニスト産生回路を含むように遺伝子操作された1つまたは複数の細菌は、単独で、または抗CTLA−4、抗PD−1もしくは抗PD−L1抗体を含むがこれらに限定されない、本明細書に記載される1つもしくは複数の免疫刺激因子アゴニストと組み合わせて投与することができる。これらの実施形態のいずれにおいても、STINGアゴニストを産生し、免疫刺激因子アゴニスト産生回路を含むように遺伝子操作された1つまたは複数の細菌は、抗CTLA−4、抗PD−1または抗PD−L1抗体を含むがこれらに限定されない、本明細書に記載される1つまたは複数の免疫刺激因子アゴニストを産生および分泌またはその表面にディスプレイするように遺伝子操作されうる。
これらの実施形態のいずれにおいても、STINGアゴニストを産生し、免疫刺激因子アゴニスト産生回路を含むように遺伝子操作された1つまたは複数の細菌は、単独で、または本明細書に記載される1つもしくは複数の免疫刺激性アゴニスト、例えば、抗OX40、抗41BBもしくは抗GITR抗体を含むがこれらに限定されない、アゴニスト抗体と組み合わせて投与することができる。これらの実施形態のいずれにおいても、STINGアゴニストを産生し、免疫刺激因子アゴニスト産生回路を含むように遺伝子操作された1つまたは複数の細菌は、本明細書に記載される1つまたは複数の免疫刺激性アゴニスト、例えば、抗OX40、抗41BBまたは抗GITR抗体を含むがこれらに限定されない、アゴニスト抗体を産生および分泌またはその表面にディスプレイするように遺伝子操作されうる。
5−FCから5−FUへの組合せ
一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、キヌレニンの消費のための酵素をコードする1つまたは複数の遺伝子と組み合わせて、5−FCの5−FUへの変換のための酵素をコードする1つまたは複数の遺伝子を含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、キヌレニナーゼをコードする遺伝子配列と組み合わせて、シトシンデアミナーゼをコードする遺伝子配列を含む。一実施形態では、シトシンデアミナーゼは、E.coliからのものである。一実施形態では、シトシンデアミナーゼは、酵母からのものである。一実施形態では、キヌレニナーゼは、Pseudomonas fluorescensからのものである。1つの特定の実施形態では、シトシンデアミナーゼは、E.coliからのものであり、キヌレニナーゼは、Pseudomonas fluorescensからのものである。一実施形態では、キヌレニナーゼは、Pseudomonas fluorescensからのものである。1つの特定の実施形態では、Pseudomonas
fluorescensからのキヌレニナーゼは、染色体に組み込まれており、構成的プロモーターの制御下にある。
代替実施形態では、本開示は、各細菌が異なる免疫モジュレーターをコードする、異なる遺伝子操作された細菌の組合せ(例えば、2つまたはそれより多く)を含む、組成物を提供する。したがって、一実施形態では、組成物は、キヌレニンの消費のための酵素をコードする1つまたは複数の遺伝子を含む遺伝子操作された細菌と組み合わせて、5−FCの5−FUへの変換のための酵素をコードする1つまたは複数の遺伝子を含む遺伝子操作された細菌を含む。一実施形態では、組成物は、キヌレニナーゼをコードする遺伝子配列を含む遺伝子操作された細菌と組み合わせて、シトシンデアミナーゼをコードする遺伝子配列を含む遺伝子操作された細菌を含む。一実施形態では、シトシンデアミナーゼは、E.coliからのものである。一実施形態では、シトシンデアミナーゼは、酵母からのものである。一実施形態では、キヌレニナーゼは、Pseudomonas fluorescensからのものである。1つの特定の実施形態では、シトシンデアミナーゼは、E.coliからのものであり、キヌレニナーゼは、Pseudomonas fluorescensからのものである。一実施形態では、キヌレニナーゼは、Pseudomonas fluorescensからのものである。1つの特定の実施形態では、Pseudomonas fluorescensからのキヌレニナーゼは、染色体に組み込まれており、構成的プロモーターの制御下にある。
これらの5−FCから5−FUへの変換およびキヌレニン消費実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約0%〜2%〜4%、4%〜6%、6%〜8%、8%〜10%、10%〜12%、12%〜14%、14%〜16%、16%〜18%、18%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜35%、35%〜40%、40%〜45%、45%〜50%、50%〜55%、55%〜60%、60%〜65%、65%〜70%〜80%、80%〜90%、または90%〜100%多いSTINGアゴニスト、例えば、サイクリック−ジ−AMPを産生する。
これらの5−FCから5−FUへの変換およびキヌレニン消費実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より0%〜2%〜4%、4%〜6%、6%〜8%、8%〜10%、10%〜12%、12%〜14%、14%〜16%、16%〜18%、18%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜35%、35%〜40%、40%〜45%、45%〜50%、50%〜55%、55%〜60%、60%〜65%、65%〜70%〜80%、80%〜90%、または90%〜100%多いキヌレニンを消費する。
さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍多い5−FCを5−FUへと変換する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、または50倍、100倍、500倍、または1000倍多い5−FUを産生する。
さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍多いキヌレニンを消費する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、または50倍、100倍、500倍、または1000倍多いキヌレニンを消費する。
これらの5−FCから5−FUへの変換およびキヌレニン消費実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より0%〜2%〜4%、4%〜6%、6%〜8%、8%〜10%、10%〜12%、12%〜14%、14%〜16%、16%〜18%、18%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜35%、35%〜40%、40%〜45%、45%〜50%、50%〜55%、55%〜60%、60%〜65%、65%〜70%〜80%、80%〜90%、または90%〜100%多い5−FCを消費する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍多い5−FCを消費する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、50倍、100倍、500倍または1000倍多い5−FCを消費する。
これらの5−FCから5−FUへの変換およびキヌレニン消費実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約0%〜2%〜4%、4%〜6%、6%〜8%、8%〜10%、10%〜12%、12%〜14%、14%〜16%、16%〜18%、18%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜35%、35%〜40%、40%〜45%、45%〜50%、50%〜55%、55%〜60%、60%〜65%、65%〜70%〜80%、80%〜90%、または90%〜100%多いトリプトファンを産生する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍多いトリプトファンを産生する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、50倍、100倍、500倍または1000倍多いトリプトファンを産生する。
これらの5−FCから5−FUへの変換およびキヌレニン消費実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、細胞増殖を、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%またはそれよりも多く低下させることができる。これらの5−FCから5−FUへの変換およびキヌレニン消費実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、腫瘍増殖を、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%またはそれよりも多く低下させることができる。これらの5−FCから5−FUへの変換およびキヌレニン消費実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、腫瘍サイズを、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%またはそれよりも多く低下させることができる。これらの5−FCから5−FUへの変換およびキヌレニン消費実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、腫瘍体積を、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%またはそれよりも多く低下させることができる。これらの5−FCから5−FUへの変換およびキヌレニン消費実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、腫瘍重量を、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%またはそれよりも多く低下させることができる。
一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、アデノシンの消費のための酵素をコードする1つまたは複数の遺伝子と組み合わせて、5−FCの5−FUへの変換のための酵素をコードする1つまたは複数の遺伝子を含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、アデノシン分解経路をコードする遺伝子配列と組み合わせて、シトシンデアミナーゼをコードする遺伝子配列を含む。一実施形態では、シトシンデアミナーゼは、E.coliからのものである。一実施形態では、シトシンデアミナーゼは、酵母からのものである。一実施形態では、アデノシン分解経路酵素をコードする遺伝子配列は、xdhA、xdhB、xdhC、add、xapA、deoDおよびnupCから選択される1つまたは複数の遺伝子を含む。一実施形態では、アデノシン分解経路をコードする遺伝子配列は、xdhA、xdhB、xdhC、add、xapA、deoDおよびnupCを含む。一実施形態では、アデノシン経路酵素は、E coliからのものである。1つの特定の実施形態では、シトシンデアミナーゼは、E.coliからのものであり、アデノシン分解経路をコードする遺伝子配列は、例えばE.coliからの、xdhA、xdhB、xdhC、add、xapA、deoDおよびnupCを含む。1つの特定の実施形態では、アデノシン経路酵素は、染色体に組み込まれており、低酸素プロモーター、例えばFNR、の制御下にある。
代替実施形態では、本開示は、各細菌が異なる免疫モジュレーターをコードする、異なる遺伝子操作された細菌の組合せ(例えば、2つまたはそれより多く)を含む、組成物を提供する。したがって、一実施形態では、組成物は、アデノシンの消費のための酵素をコードする1つまたは複数の遺伝子と組み合わせて、5−FCの5−FUへの変換のための酵素をコードする1つまたは複数の遺伝子を含む、遺伝子操作された細菌を含む。一実施形態では、組成物は、アデノシン分解経路をコードする遺伝子配列を含む遺伝子操作された細菌と組み合わせて、シトシンデアミナーゼをコードする遺伝子配列を含む遺伝子操作された細菌を含む。一実施形態では、シトシンデアミナーゼは、E.coliからのものである。一実施形態では、シトシンデアミナーゼは、酵母からのものである。一実施形態では、アデノシン分解経路酵素をコードする遺伝子配列は、xdhA、xdhB、xdhC、add、xapA、deoDおよびnupCから選択される1つまたは複数の遺伝子を含む。一実施形態では、アデノシン分解経路をコードする遺伝子配列は、xdhA、xdhB、xdhC、add、xapA、deoDおよびnupCを含む。一実施形態では、アデノシン経路酵素は、E coliからのものである。1つの特定の実施形態では、シトシンデアミナーゼは、E.coliからのものであり、アデノシン分解経路をコードする遺伝子配列は、例えばE.coliからの、xdhA、xdhB、xdhC、add、xapA、deoDおよびnupCを含む。1つの特定の実施形態では、アデノシン経路酵素は、染色体に組み込まれており、低酸素プロモーター、例えばFNR、の制御下にある。
これらの5−FCから5−FUへの変換およびアデノシン消費実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約0%〜2%、2%〜4%、4%〜6%、6%〜8%、8%〜10%、10%〜12%、12%〜14%、14%〜16%、16%〜18%、18%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜35%、35%〜40%、40%〜45%、45%〜50%、50%〜55%、55%〜60%、60%〜65%、65%〜70%〜80%、80%〜90%、または90%〜100%多いSTINGアゴニスト、例えば、サイクリック−ジ−AMPを産生する。
これらの5−FCから5−FUへの変換およびアデノシン消費実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より0%〜2%、2%〜4%、4%〜6%、6%〜8%、8%〜10%、10%〜12%、12%〜14%、14%〜16%、16%〜18%、18%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜35%、35%〜40%、40%〜45%、45%〜50%、50%〜55%、55%〜60%、60%〜65%、65%〜70%〜80%、80%〜90%、または90%〜100%多いアデノシンを消費する。
さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍多い5−FUを産生する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、または50倍、100倍、500倍、または1000倍多い5−FUを産生する。
さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍多いアデノシンを消費する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、または50倍、100倍、500倍、または1000倍多いアデノシンを消費する。
これらの5−FCから5−FUへの変換およびアデノシン消費実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より0%〜2%〜4%、4%〜6%、6%〜8%、8%〜10%、10%〜12%、12%〜14%、14%〜16%、16%〜18%、18%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜35%、35%〜40%、40%〜45%、45%〜50%、50%〜55%、55%〜60%、60%〜65%、65%〜70%〜80%、80%〜90%、または90%〜100%多い5−FCを消費する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍多いアデノシンを消費する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、50倍、100倍、500倍または1000倍多い5−FCを消費する。
これらの5−FCから5−FUへの変換およびアデノシン消費実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約0%〜2%〜4%、4%〜6%、6%〜8%、8%〜10%、10%〜12%、12%〜14%、14%〜16%、16%〜18%、18%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜35%、35%〜40%、40%〜45%、45%〜50%、50%〜55%、55%〜60%、60%〜65%、65%〜70%〜80%、80%〜90%、または90%〜100%多いウレート(urate)を産生する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍多いウレートを産生する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、50倍、100倍、500倍または1000倍多いウレートを産生する。
これらの5−FCから5−FUへの変換およびアデノシン消費実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、細胞増殖を、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%またはそれよりも多く低下させることができる。これらのSTINGアゴニスト産生およびアデノシン消費実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、腫瘍増殖を、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%またはそれよりも多く低下させることができる。これらの5−FCから5−FUへの変換およびアデノシン消費実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、腫瘍サイズを、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%またはそれよりも多く低下させることができる。これらの5−FCから5−FUへの変換およびアデノシン消費実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、腫瘍体積を、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%またはそれよりも多く低下させることができる。これらの5−FCから5−FUへの変換およびアデノシン消費実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、腫瘍重量を、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%またはそれよりも多く低下させることができる。
一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、アルギニンの産生のための酵素をコードする1つまたは複数の遺伝子と組み合わせて、5−FUの産生のための酵素をコードする1つまたは複数の遺伝子を含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、アルギニン産生経路をコードする遺伝子配列と組み合わせて、シトシンデアミナーゼをコードする遺伝子配列を含む。一実施形態では、シトシンデアミナーゼは、E.coliからのものである。一実施形態では、シトシンデアミナーゼは、酵母からのものである。一実施形態では、アルギニン産生回路をコードする遺伝子配列は、フィードバック耐性ArgA(ArgAfbr)を含み、内在性アルギニンオペロンリプレッサーArgRの欠失を含む。一実施形態では、ArgAfbrは、E coliからのものである。特異的な一実施形態では、ArgAfbrは、染色体に組み込まれ、低酸素プロモーター、例えば、FNRの制御下に置かれる。
代替実施形態では、本開示は、各細菌が異なる免疫モジュレーターをコードする、異なる遺伝子操作された細菌の組合せ(例えば、2つまたはそれより多く)を含む、組成物を提供する。したがって、一実施形態では、組成物は、アルギニンの産生のための酵素をコードする1つまたは複数の遺伝子を含む遺伝子操作された細菌と組み合わせて、5−FUの産生のための酵素をコードする1つまたは複数の遺伝子を含む遺伝子操作された細菌を含む。一実施形態では、組成物は、アルギニン産生経路をコードする遺伝子配列を含む遺伝子操作された細菌と組み合わせて、シトシンデアミナーゼをコードする遺伝子配列を含む遺伝子操作された細菌を含む。一実施形態では、シトシンデアミナーゼは、E.coliからのものである。一実施形態では、シトシンデアミナーゼは、酵母からのものである。一実施形態では、アルギニン産生回路をコードする遺伝子配列は、フィードバック耐性ArgA(ArgAfbr)を含み、内在性アルギニンオペロンリプレッサーArgRの欠失を含む。一実施形態では、ArgAfbrは、E coliからのものである。特異的な一実施形態では、ArgAfbrは、染色体に組み込まれ、低酸素プロモーター、例えば、FNRの制御下に置かれる。
これらの5−FCから5−FUへの変換およびアルギニン産生実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約0%〜2%〜4%、4%〜6%、6%〜8%、8%〜10%、10%〜12%、12%〜14%、14%〜16%、16%〜18%、18%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜35%、35%〜40%、40%〜45%、45%〜50%、50%〜55%、55%〜60%、60%〜65%、65%〜70%〜80%、80%〜90%、または90%〜100%多い5−FUを産生する。
5−FCから5−FUへの変換およびアルギニン産生実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約0%〜2%、2%〜4%、4%〜6%、6%〜8%、8%〜10%、10%〜12%、12%〜14%、14%〜16%、16%〜18%、18%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜35%、35%〜40%、40%〜45%、45%〜50%、50%〜55%、55%〜60%、60%〜65%、65%〜70%〜80%、80%〜90%、または90%〜100%多いアルギニンを産生する。
さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍多い5−FUを産生する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、または50倍、100倍、500倍、または1000倍多い5−FUを産生する。
さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍多いアルギニンを産生する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、または50倍、100倍、500倍、または1000倍多いアルギニンを産生する。
これらの5−FCから5−FUへの変換およびアルギニン産生実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より0%〜2%、2%〜4%、4%〜6%、6%〜8%、8%〜10%、10%〜12%、12%〜14%、14%〜16%、16%〜18%、18%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜35%、35%〜40%、40%〜45%、45%〜50%、50%〜55%、55%〜60%、60%〜65%、65%〜70%〜80%、80%〜90%、または90%〜100%多い5−FCを消費する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍多い5−FCを消費する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、50倍、100倍、500倍、または1000倍多い5FCを消費する。
これらの5−FCから5−FUへの変換およびアルギニン産生実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より0%〜2%、2%〜4%、4%〜6%、6%〜8%、8%〜10%、10%〜12%、12%〜14%、14%〜16%、16%〜18%、18%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜35%、35%〜40%、40%〜45%、45%〜50%、50%〜55%、55%〜60%、60%〜65%、65%〜70%〜80%、80%〜90%、または90%〜100%多いグルタメートを消費する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍多いグルタメートを消費する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、50倍、100倍、500倍、または1000倍多いグルタメートを消費する。
これらの5−FCから5−FUへの変換およびアルギニン産生実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、細胞増殖を、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%またはそれよりも多く低下させることができる。これらの5−FCから5−FUへの変換およびアルギニン産生実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、腫瘍増殖を、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%またはそれよりも多く低下させることができる。これらの5−FCから5−FUへの変換およびアルギニン産生実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、腫瘍サイズを、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%またはそれよりも多く低下させることができる。これらの5−FCから5−FUへの変換およびアルギニン産生実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、腫瘍体積を、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%またはそれよりも多く低下させることができる。これらの5−FCから5−FUへの変換およびアルギニン産生実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、腫瘍重量を、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%またはそれよりも多く低下させることができる。
免疫活性化およびプライミングを免疫増強と組み合わせるこれらの実施形態のいずれにおいても、免疫活性化およびプライミングを標的化するためのエフェクターをコードする遺伝子配列、ならびに免疫増強のためのエフェクターをコードする遺伝子配列を、1つまたは複数の直接または間接誘導性プロモーターに作動可能に連結させることができる。一部の実施形態では、2つまたはそれより多い遺伝子配列は、外因性環境条件下で、例えば、消化管内に見られる条件、腫瘍微小環境または他の組織特異的条件下で誘導される直接または間接誘導性プロモーターに作動可能に連結している。一部の実施形態では、2つまたはそれより多い遺伝子配列は、消化管内に見られる代謝物、腫瘍微小環境または他の特異的条件によって誘導される直接または間接誘導性プロモーターに作動可能に連結している。一部の実施形態では、2つまたはそれより多い遺伝子配列は、低酸素または嫌気条件下で誘導される直接または間接誘導性プロモーターに作動可能に連結している。一部の実施形態では、2つまたはそれより多い遺伝子配列は、本明細書に記載の炎症性条件(例えば、RNS、ROS)下で誘導される直接または間接誘導性プロモーターに作動可能に連結している。一部の実施形態では、2つまたはそれより多い遺伝子配列は、本明細書に記載の、例えば腫瘍内に見られるような、免疫抑制性条件下で誘導される直接または間接誘導性プロモーターに作動可能に連結している。一部の実施形態では、2つまたはそれより多い遺伝子配列は、in vivo条件下で存在することもあり、しないこともあり、およびin vitro条件(例えば、株培養、拡大増殖、製造)中に存在することもある、化学的または栄養学的インデューサー、例えば、テトラサイクリンもしくはアラビノース、クメートおよびサリチレート、または本明細書に記載の他のものへの曝露によって誘導される直接または間接誘導性プロモーターに連結されている。一部の実施形態では、2つまたはそれより多いペイロードは、すべてが構成的プロモーターに連結されている。適切な構成的プロモーターは、本明細書に記載されている。一部の実施形態では、2つまたはそれより多い遺伝子配列は、同じプロモーター配列に作動可能に連結している。一部の実施形態では、2つまたはそれより多い遺伝子配列は、2つまたはそれより多い異なるプロモーター配列に作動可能に連結しており、プロモーター配列は、すべてが構成的(同じもしくは異なる構成的プロモーター)であることもあり、すべてが誘導性(同じもしくは異なるインデューサーによって誘導可能)であることもあり、または構成的プロモーターと誘導性プロモーターの混合物であることもある。
上記免疫活性化および免疫増強組合せ実施形態のいずれにおいても、1つまたは複数の免疫活性化および免疫増強エフェクターを産生するための遺伝子配列は、細菌の染色体上に存在しうる。上記組合せ実施形態のいずれにおいても、1つまたは複数の免疫活性化および免疫増強エフェクターを産生するための遺伝子配列は、細菌のプラスミド上に存在しうる。上記組合せ実施形態のいずれにおいても、1つまたは複数の免疫活性化および免疫増強エフェクターを産生するための遺伝子配列は、細菌のプラスミド上にも染色体上にも存在しうる。上記組合せ実施形態のいずれにおいても、細菌は、細胞生存および/または成長に必要な遺伝子の欠失または突然変異を含む栄養要求株でありえ、例えば、遺伝子は、thyA、dapDおよびdapAから選択される。上記組合せ実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、キルスイッチを含むことができる。
一部の免疫イニシエーターおよびサステナー組合せおよび/または組成物において、遺伝子操作された微生物は、低酸素条件で、ならびに/あるいはがんおよび/または腫瘍微小環境、または組織特異的分子もしくは代謝物の存在下で、ならびに/あるいは炎症または免疫抑制に関連する分子または代謝物の存在下で、ならびに/あるいは消化管内に存在しうる代謝物の存在下で、ならびに/あるいはin vivoで存在することもあり、しないこともあり、ならびにin vitroで株培養、拡大増殖、産生および/または製造中に存在することもある、代謝物、例えば、アラビノース、クメートおよびサリチレートおよび本明細書に記載の他のものの存在下で、記載の免疫イニシエーター回路および免疫サステナー回路のいずれか1つまたは複数を発現することができる。一部の実施形態では、そのようなインデューサーをin vivoで投与して、エフェクター遺伝子発現を誘導することができる。一部の免疫イニシエーターおよびサステナー組合せおよび/または組成物において、免疫イニシエーターおよび免疫サステナーの回路網をコードする遺伝子配列は、そのような条件および/またはインデューサーにより誘導されうるプロモーターによって制御される。一部の実施形態では、遺伝子配列は、本明細書に記載の構成的プロモーターによって制御される。一部の実施形態では、遺伝子配列は、構成的プロモーターにより制御され、本明細書に記載の、in vivo条件および/またはin vitro条件で、例えば、拡大増殖、産生および/または製造中に発現される。
これらの免疫イニシエーターおよびサステナー組合せおよび/または組成物のいずれにおいても、免疫イニシエーター回路および免疫サステナー回路のいずれか1つまたは複数は、1つもしくは複数のプラスミド(例えば、高コピー数もしくは低コピー数プラスミド)上に存在するか、または微生物染色体内の1つもしくは複数の部位に組み込まれている。また、一部の実施形態では、遺伝子操作された微生物は、記載の回路のいずれか1つまたは複数をさらに発現することができ、以下のものの1つまたは複数をさらに含む:(1)1つまたは複数の栄養要求体、例えば、当技術分野において公知の、および本明細書で提供される、任意の栄養要求体、例えばthyAおよび/またはdpaA栄養要求体、(2)1つまたは複数のキルスイッチ回路、例えば、本明細書に記載の、またはそうでなければ当技術分野において公知の、キルスイッチのいずれか、(3)1つまたは複数の抗生物質耐性回路、(4)生体分子または基質を移入するための1つまたは複数の輸送体、例えば、本明細書に記載の、またはそうでなければ当技術分野において公知の、輸送体のいずれか、(5)1つまたは複数の分泌回路、例えば、本明細書に記載の、でなければ当技術分野において公知の、分泌回路のいずれか、(6)1つまたは複数の表面提示回路、例えば、本明細書に記載の、でなければ当技術分野において公知の、表面提示回路のいずれか、および(7)本明細書に記載の1つまたは複数の代謝物(例えば、キヌレニン、トリプトファン、アデノシン、アルギニン)の産生または分解のための1つまたは複数の回路、(8)このような追加の回路の1つまたは複数の組合せ。これらの実施形態のいずれにおいても、アデノシンおよびキヌレニンを消費するように遺伝子操作された細菌を単独で投与することができ、または抗CTLA4、抗PD1もしくは抗PD−L1抗体を含むがこれらに限定されない、本明細書に記載の1つもしくは複数の免疫チェックポイントインヒビターと組み合わせて投与することができる。
微生物が、1つまたは複数の免疫イニシエーター回路および免疫サステナー回路を発現するように遺伝子操作された、これらの実施形態のいずれにおいても、微生物は、先ず、より高いレベルの免疫刺激因子を産生し、後に、免疫サステナーを産生することができる。これらの免疫イニシエーター/サステナー実施形態のいずれにおいても、免疫イニシエーターの発現は、インデューサーによって誘導されうる。これらの免疫イニシエーター/サステナー実施形態のいずれにおいても、免疫サステナーは、インデューサーによって誘導されうる。これらの免疫イニシエーター/サステナー実施形態のいずれにおいても、免疫イニシエーターおよび免疫サステナーの両方は、1つまたは複数のインデューサーによって誘導されうる。第1のインデューサー(免疫刺激因子発現を誘導)および第2のインデューサー(免疫サステナー発現を誘導)は、同じまたは異なるインデューサーとなることができる。これらの免疫イニシエーター/サステナー実施形態のいずれにおいても、第1のインデューサーおよび第2のインデューサーは、逐次にまたは同時発生的に投与することができる。インデューサーの非限定的な例は、in vivo条件、例えば、消化管もしくは腫瘍微小環境の条件(例えば、低酸素、ある特定の栄養素等)、細胞培養もしくはin vitro成長の際の条件、またはin vitroもしくはin vivoで用いることができる化学的インデューサー(例えば、アラビノース、クメートおよびサリチレート、IPTGまたは本明細書に記載される他の化学的インデューサー)を含む。これらの免疫イニシエーター/サステナー実施形態のいずれにおいても、免疫イニシエーターおよび免疫サステナーの両方は、本明細書に記載されるものを含むがこれらに限定されない、構成的プロモーターによって制御されうる、またはこれに直接的にもしくは間接的に連結されうる。これらの免疫イニシエーター/サステナー実施形態のいずれにおいても、免疫イニシエーターは、誘導性プロモーターによって制御されうる、またはこれに直接的にもしくは間接的に連結されうる、かつ免疫サステナーは、構成的プロモーターによって制御されうる、またはこれに直接的にもしくは間接的に連結されうる。これらの免疫イニシエーター/サステナー実施形態のいずれにおいても、免疫イニシエーターは、構成的プロモーターによって制御されうる、またはこれに直接的にもしくは間接的に連結されうる、かつ免疫サステナーは、誘導性プロモーターによって制御されうる、またはこれに直接的にもしくは間接的に連結されうる。
これらの免疫イニシエーター/サステナー実施形態のいずれにおいても、免疫開始のための回路網を発現する細菌株は、免疫持続のための回路網を発現する別々の細菌株と併せて投与することができる。例えば、免疫イニシエーター回路網を発現する遺伝子操作された細菌の1つまたは複数の株、および免疫サステナー回路網を発現する遺伝子操作された細菌の1つまたは複数の別々の株は、逐次に投与することができ、例えば、免疫刺激因子は、免疫サステナーの前に投与することができる。別の例では、免疫イニシエーター株は、免疫サステナー株の後に投与することができる。さらに別の例では、免疫イニシエーター株は、免疫サステナー株と同時発生的に投与することができる。
これらの免疫イニシエーター/サステナー実施形態のいずれにおいても、投与の順序またはタイミング(同時発生的または逐次)に関係なく、操作された株は、投与後逐次にまたは同時発生的に、免疫サステナーのための回路網を発現することができる、すなわち、発現のタイミングおよびレベルは、プロモーターおよびリボソーム結合部位を含むがこれらに限定されない、本明細書に記載される1つまたは複数の機構を使用して調整される。
代謝回路の組合せ
アデノシンおよびキヌレニン消費
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、1つまたは複数の代謝物を産生および/または消費する回路網を含む。あるいは、本開示は、各細菌が1つまたは複数の代謝基質の産生および/または消費のための1つまたは複数の酵素をコードする、異なる遺伝子操作された細菌の組合せ(例えば、2つまたはそれより多く)を含む、組成物を提供する。そのような別個のまたは異なる菌株を同時にまたは逐次的に投与することができる。そのような基質の非限定的な例は、キヌレニン、トリプトファン、アデノシンおよびアルギニンを含む。
本明細書に記載される回路、エフェクターまたは免疫モジュレーターの各組合せは、1つの細菌株における組合せ回路網として、あるいは、組合せの1つまたは複数の回路をそれぞれ発現する2つまたはそれよりも多い異なるまたは別々の細菌株において提供することができる。例えば、キヌレニンの消費のための回路網およびアルギニンの産生のための遺伝子回路網を含む1つまたは複数の遺伝子操作された細菌は、両方の回路を含む1つの株において、または回路のうち少なくとも1つをそれぞれ含む2つもしくはそれよりも多い株において提供することができる。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、アデノシンの分解およびキヌレニンの消費のための回路網を含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、アデノシン分解経路と組み合わせてキヌレニナーゼをコードする遺伝子配列を含む。一実施形態では、キヌレニナーゼは、Pseudomonas fluorescensからのものである。1つの特定の実施形態では、Pseudomonas fluorescensからのキヌレニナーゼは、染色体に組み込まれており、構成的プロモーターの制御下にある。一実施形態では、アデノシン分解経路酵素をコードする遺伝子配列は、xdhA、xdhB、xdhC、add、xapA、deoDおよびnupCから選択される1つまたは複数の遺伝子を含む。一実施形態では、アデノシン分解経路をコードする遺伝子配列は、xdhA、xdhB、xdhC、add、xapA、deoDおよびnupCを含む。一実施形態では、アデノシン経路酵素は、E coliからのものである。1つの特定の実施形態では、キヌレニナーゼは、Pseudomonas fluorescensからのものであり、アデノシン分解経路をコードする遺伝子配列は、例えばE.coliからの、xdhA、xdhB、xdhC、add、xapA、deoDおよびnupCを含む。1つの特定の実施形態では、アデノシン経路酵素は、染色体に組み込まれており、低酸素プロモーター、例えばFNR、の制御下にある。これらの実施形態のいずれにおいても、TrpEを欠失させることができる。
代替実施形態では、本開示は、各細菌が異なる免疫モジュレーターをコードする、異なる遺伝子操作された細菌の組合せ(例えば、2つまたはそれより多く)を含む、組成物を提供する。したがって、一部の実施形態では、組成物は、アデノシンの分解のための回路網を含む遺伝子操作された細菌、および遺伝子操作された細菌、キヌレニンの消費を含む。一実施形態では、組成物は、アデノシン分解経路をコードする遺伝子配列を含む遺伝子操作された細菌と組み合わせて、キヌレニナーゼをコードする遺伝子配列を含む遺伝子操作された細菌を含む。これらの実施形態のいずれにおいても、TrpEを欠失させることができる。
一実施形態では、キヌレニナーゼは、Pseudomonas fluorescensからのものである。1つの特定の実施形態では、Pseudomonas fluorescensからのキヌレニナーゼは、染色体に組み込まれており、構成的プロモーターの制御下にある。一実施形態では、アデノシン分解経路酵素をコードする遺伝子配列は、xdhA、xdhB、xdhC、add、xapA、deoDおよびnupCから選択される1つまたは複数の遺伝子を含む。一実施形態では、アデノシン分解経路をコードする遺伝子配列は、xdhA、xdhB、xdhC、add、xapA、deoDおよびnupCを含む。一実施形態では、アデノシン経路酵素は、E coliからのものである。1つの特定の実施形態では、キヌレニナーゼは、Pseudomonas fluorescensからのものであり、アデノシン分解経路をコードする遺伝子配列は、例えばE.coliからの、xdhA、xdhB、xdhC、add、xapA、deoDおよびnupCを含む。1つの特定の実施形態では、アデノシン経路酵素は、染色体に組み込まれており、低酸素プロモーター、例えばFNR、の制御下にある。これらの実施形態のいずれにおいても、TrpEを欠失させることができる。
これらのアデノシンおよびキヌレニン消費実施形態のいずれにおいても、アデノシンおよびキヌレニンを消費するように遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より0%〜2%〜4%、4%〜6%、6%〜8%、8%〜10%、10%〜12%、12%〜14%、14%〜16%、16%〜18%、18%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜35%、35%〜40%、40%〜45%、45%〜50%、50%〜55%、55%〜60%、60%〜65%、65%〜70%〜80%、80%〜90%、または90%〜100%多いアデノシンを消費する。さらに別の実施形態では、アデノシンおよびキヌレニンを消費するように遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍多いアデノシンを消費する。さらに別の実施形態では、アデノシンおよびキヌレニンを消費するように遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、50倍、100倍、500倍、または1000倍多いアデノシンを消費する。
これらのアデノシンおよびキヌレニン消費実施形態のいずれにおいても、アデノシンおよびキヌレニンを消費するように遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約0%〜2%〜4%、4%〜6%、6%〜8%、8%〜10%、10%〜12%、12%〜14%、14%〜16%、16%〜18%、18%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜35%、35%〜40%、40%〜45%、45%〜50%、50%〜55%、55%〜60%、60%〜65%、65%〜70%〜80%、80%〜90%、または90%〜100%多い尿酸を産生する。さらに別の実施形態では、アデノシンおよびキヌレニンを消費するように遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍多い尿酸を産生する。さらに別の実施形態では、アデノシンおよびキヌレニンを消費するように遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、または50倍、100倍、500倍、または1000倍多い尿酸を産生する。
これらのアデノシンおよびキヌレニン消費実施形態のいずれにおいても、アデノシンおよびキヌレニンを消費するように遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌と比較して、アデノシン分解速度を0%〜2%〜4%、4%〜6%、6%〜8%、8%〜10%、10%〜12%、12%〜14%、14%〜16%、16%〜18%、18%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜35%、35%〜40%、40%〜45%、45%〜50%、50%〜55%、55%〜60%、60%〜65%、65%〜70%〜80%、80%〜90%、または90%〜100%上昇させる。さらに別の実施形態では、アデノシンおよびキヌレニンを消費するように遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌と比較して、アデノシン分解速度を1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍大きく上昇させる。さらに別の実施形態では、アデノシンおよびキヌレニンを消費するように遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌と比較して、分解速度を約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、または50倍、100倍、500倍、または1000倍上昇させる。
これらのアデノシンおよびキヌレニン消費実施形態のいずれにおいても、アデノシンおよびキヌレニンを消費するように遺伝子操作された細菌は、低酸素条件下で誘導されたとき、約1.8〜10umol/hr/109細胞のアデノシン分解速度を有しうる。1つの特定の実施形態では、アデノシンおよびキヌレニンを消費するように遺伝子操作された細菌は、約5〜9umol/hr/109細胞のアデノシン分解速度を有する。1つの特定の実施形態では、アデノシンおよびキヌレニンを消費するように遺伝子操作された細菌は、約6〜8umol/hr/109細胞のアデノシン分解速度を有する。
これらのアデノシンおよびキヌレニン消費実施形態のいずれにおいても、アデノシンおよびキヌレニンを消費するように遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、すなわち、低酸素条件下で誘導されたとき、1時間後、同じ細菌亜型の未改変細菌と比較して、アデノシン分解を約50%〜70%増加させることができる。一実施形態では、アデノシンおよびキヌレニンを消費するように遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、すなわち、低酸素条件下で誘導されたとき、1時間後、同じ細菌亜型の未改変細菌と比較して、アデノシン分解を約55%〜65%増加させる。1つの特定の実施形態では、アデノシンおよびキヌレニンを消費するように遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、すなわち、低酸素条件下で誘導されたとき、1時間後、同じ細菌亜型の未改変細菌と比較して、アデノシン分解を約55%〜60%増加させる。さらに別の実施形態では、アデノシンおよびキヌレニンを消費するように遺伝子操作された細菌は、低酸素条件下で誘導されたとき、1時間後、アデノシン分解を約1.5〜3倍増加させる。1つの特定の実施形態では、アデノシンおよびキヌレニンを消費するように遺伝子操作された細菌は、低酸素条件下で誘導されたとき、1時間後、アデノシン分解を約2〜2.5倍増加させる。
1つのアデノシンおよびキヌレニン消費実施形態では、細菌は、同じ条件下で、すなわち、低酸素条件下で誘導されたとき、2時間後、同じ細菌亜型の未改変細菌と比較して、アデノシン分解を約85%〜100%増加させる。一実施形態では、アデノシンおよびキヌレニンを消費するように遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、すなわち、低酸素条件下で誘導されたとき、2時間後、同じ細菌亜型の未改変細菌と比較して、アデノシン分解を約95%〜100%増加させる。1つの特定の実施形態では、アデノシンおよびキヌレニンを消費するように遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、すなわち、低酸素条件下で誘導されたとき、2時間後、同じ細菌亜型の未改変細菌と比較して、アデノシン分解を約97%〜99%増加させる。
1つのアデノシンおよびキヌレニン消費実施形態では、アデノシンおよびキヌレニンを消費するように遺伝子操作された細菌は、低酸素条件下で誘導されたとき、2時間後、アデノシン分解を約40〜50倍増加させることができる。1つの特定の実施形態では、アデノシンおよびキヌレニンを消費するように遺伝子操作された細菌は、低酸素条件下で誘導されたとき、2時間後、アデノシン分解を約44〜48倍増加させる。
1つのアデノシンおよびキヌレニン消費実施形態では、アデノシンおよびキヌレニンを消費するように遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、すなわち、低酸素条件下で誘導されたとき、3時間後、同じ細菌亜型の未改変細菌と比較して、アデノシン分解を約95%〜100%増加させる。一実施形態では、アデノシンおよびキヌレニンを消費するように遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、すなわち、低酸素条件下で誘導されたとき、3時間後、同じ細菌亜型の未改変細菌と比較して、アデノシン分解を約98%〜100%増加させる。1つの特定の実施形態では、アデノシンおよびキヌレニンを消費するように遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、すなわち、低酸素条件下で誘導されたとき、3時間後、同じ細菌亜型の未改変細菌と比較して、アデノシン分解を約99%〜99%増加させる。さらに別の実施形態では、アデノシンおよびキヌレニンを消費するように遺伝子操作された細菌は、低酸素条件下で誘導されたとき、3時間後、アデノシン分解を約100〜1000倍増加させる。さらに別の実施形態では、アデノシンおよびキヌレニンを消費するように遺伝子操作された細菌は、低酸素条件下で誘導されたとき、3時間後、アデノシン分解を約1000〜10000倍増加させる。
1つのアデノシンおよびキヌレニン消費実施形態では、アデノシンおよびキヌレニンを消費するように遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、すなわち、低酸素条件下で誘導されたとき、4時間後、同じ細菌亜型の未改変細菌と比較して、アデノシン分解を約95%〜100%増加させる。一実施形態では、アデノシンおよびキヌレニンを消費するように遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、すなわち、低酸素条件下で誘導されたとき、4時間後、同じ細菌亜型の未改変細菌と比較して、アデノシン分解を約98%〜100%増加させる。一実施形態では、アデノシンおよびキヌレニンを消費するように遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、すなわち、低酸素条件下で誘導されたとき、4時間後、同じ細菌亜型の未改変細菌と比較して、アデノシン分解を約99%〜99%増加させる。さらに別の実施形態では、アデノシンおよびキヌレニンを消費するように遺伝子操作された細菌は、低酸素条件下で誘導されたとき、4時間後、アデノシン分解を約100〜1000倍増加させる。さらに別の実施形態では、アデノシンおよびキヌレニンを消費するように遺伝子操作された細菌は、低酸素条件下で誘導されたとき、4時間後、アデノシン分解を約1000〜10000倍増加させる。
これらのアデノシンおよびキヌレニン消費実施形態のいずれにおいても、細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より0%〜2%〜4%、4%〜6%、6%〜8%、8%〜10%、10%〜12%、12%〜14%、14%〜16%、16%〜18%、18%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜35%、35%〜40%、40%〜45%、45%〜50%、50%〜55%、55%〜60%、60%〜65%、65%〜70%〜80%、80%〜90%、または90%〜100%多いキヌレニンを消費する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍多いキヌレニンを消費する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より約3倍、4倍、約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、50倍、100倍、500倍、または1000倍多いキヌレニンを消費する。
これらのアデノシンおよびキヌレニン消費実施形態のいずれにおいても、キヌレニンを消費するように、および必要に応じて、トリプトファンを産生するように、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約0%〜2%〜4%、4%〜6%、6%〜8%、8%〜10%、10%〜12%、12%〜14%、14%〜16%、16%〜18%、18%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜35%、35%〜40%、40%〜45%、45%〜50%、50%〜55%、55%〜60%、60%〜65%、65%〜70%〜80%、80%〜90%、または90%〜100%多いトリプトファンを産生する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍多いトリプトファンを産生する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、または50倍、100倍、500倍、または1000倍多いトリプトファンを産生する。
これらのアデノシンおよびキヌレニン消費実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌と比較して、キヌレニン消費速度を0%〜2%〜4%、4%〜6%、6%〜8%、8%〜10%、10%〜12%、12%〜14%、14%〜16%、16%〜18%、18%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜35%、35%〜40%、40%〜45%、45%〜50%、50%〜55%、55%〜60%、60%〜65%、65%〜70%〜80%、80%〜90%、または90%〜100%上昇させる。さらに別のアデノシンおよびキヌレニン消費実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌と比較して、キヌレニン消費速度を1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍大きく上昇させる。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌と比較して、キヌレニン消費速度を約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、または50倍、100倍、500倍、または1000倍上昇させる。
1つのアデノシンおよびキヌレニン消費実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、4時間後、同じ細菌亜型の未改変細菌と比較して、キヌレニン消費を約80%〜100%増加させる。1つのアデノシンおよびキヌレニン消費実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、4時間後、同じ細菌亜型の未改変細菌と比較して、キヌレニン消費を約90%〜100%増加させる。1つの特定のアデノシンおよびキヌレニン消費実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、4時間後、同じ細菌亜型の未改変細菌と比較して、キヌレニン消費を約95%〜100%増加させる。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、4時間後、同じ細菌亜型の未改変細菌と比較して、キヌレニン消費を約99%〜100%増加させる。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、キヌレニン消費を、4時間後、約10〜50倍増加させる。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、キヌレニン消費を、4時間後、約50〜100倍増加させる。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、キヌレニン消費を、4時間後、約100〜500倍増加させる。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、キヌレニン消費を、4時間後、約500〜1000倍増加させる。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、キヌレニン消費を、4時間後、約1000〜5000倍増加させる。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、キヌレニン消費を、4時間後、約5000〜10000倍増加させる。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、キヌレニン消費を、4時間後、約10000〜1000倍増加させる。
これらのアデノシンおよびキヌレニン消費実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、細胞増殖を、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して少なくとも約
10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく低減させることができる。これらのアデノシンおよびキヌレニン消費実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、腫瘍成長を、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して少なくとも約
10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく低減させることができる。これらのアデノシンおよびキヌレニン消費実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、腫瘍サイズを、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して少なくとも約
10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく低減させることができる。これらのアデノシンおよびキヌレニン消費実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、腫瘍体積を、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して少なくとも約
10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく低減させることができる。これらのアデノシンおよびキヌレニン消費実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、腫瘍重量を、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して少なくとも約
10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%、またはそれより大きく低減させることができる。
一部のアデノシンおよびキヌレニン消費実施形態では、遺伝子操作された微生物は、低酸素条件で、ならびに/あるいはがんおよび/または腫瘍微小環境、または組織特異的分子もしくは代謝物の存在下で、ならびに/あるいは炎症または免疫抑制に関連する分子または代謝物の存在下で、ならびに/あるいは消化管内に存在しうる代謝物の存在下で、ならびに/あるいはin vivoで存在することもあり、しないこともあり、ならびにin vitroで株培養、拡大増殖、産生および/または製造中に存在することもある、代謝物、例えば、アラビノース、クメートおよびサリチレートおよび本明細書に記載の他のものの存在下で、アデノシンおよびキヌレニンの分解のための記載の回路のいずれか1つまたは複数を発現することができる。一部の実施形態では、このようなインデューサーはin vivoで投与され得、エフェクター遺伝子発現を誘導する。一部の実施形態では、アデノシンおよび/またはキヌレニンの分解のための回路網をコードする遺伝子配列は、そのような条件および/またはインデューサーにより誘導されうるプロモーターによって制御される。一部の実施形態では、遺伝子配列は、本明細書に記載の構成的プロモーターによって制御される。一部の実施形態では、遺伝子配列は、構成的プロモーターにより制御され、本明細書に記載の、in vivo条件および/またはin vitro条件で、例えば、拡大増殖、産生および/または製造中に発現される。
これらのアデノシンおよびキヌレニン消費実施形態のいずれにおいても、記載のアデノシン分解回路およびキヌレニン消費回路のいずれか1つまたは複数は、1つもしくは複数のプラスミド(例えば、高コピー数もしくは低コピー数プラスミド)上に存在するか、または微生物染色体内の1つもしくは複数の部位に組み込まれている。また、一部の実施形態では、遺伝子操作された微生物は、記載の回路のいずれか1つまたは複数をさらに発現することができ、以下のものの1つまたは複数をさらに含む:(1)1つまたは複数の栄養要求体、例えば、当技術分野において公知の、および本明細書で提供される、任意の栄養要求体、例えばthyAおよび/またはdpaA栄養要求体、(2)1つまたは複数のキルスイッチ回路、例えば、本明細書に記載の、またはそうでなければ当技術分野において公知の、キルスイッチのいずれか、(3)1つまたは複数の抗生物質耐性回路、(4)生体分子または基質を移入するための1つまたは複数の輸送体、例えば、本明細書に記載の、またはそうでなければ当技術分野において公知の、輸送体のいずれか、(5)1つまたは複数の分泌回路、例えば、本明細書に記載の、でなければ当技術分野において公知の、分泌回路のいずれか、(6)1つまたは複数の表面提示回路、例えば、本明細書に記載の、でなければ当技術分野において公知の、表面提示回路のいずれか、および(7)本明細書に記載の1つまたは複数の代謝物(例えば、キヌレニン、トリプトファン、アデノシン、アルギニン)の産生または分解のための1つまたは複数の回路、(8)このような追加の回路の1つまたは複数の組合せ。
これらの実施形態のいずれにおいても、アデノシンおよびキヌレニンを消費するように遺伝子操作された1つまたは複数の細菌は、単独で、または抗CTLA4、抗PD1もしくは抗PD−L1抗体を含むがこれらに限定されない、本明細書に記載される1つもしくは複数の免疫チェックポイント阻害剤と組み合わせて投与することができる。これらの実施形態のいずれにおいても、アデノシンおよびキヌレニンを消費するように遺伝子操作された1つまたは複数の細菌は、抗CTLA4、抗PD1または抗PD−L1抗体を含むがこれらに限定されない、本明細書に記載される1つまたは複数の免疫チェックポイント阻害剤を産生および分泌またはその表面にディスプレイするように遺伝子操作されうる。
これらの実施形態のいずれにおいても、アデノシンおよびキヌレニンを消費するように遺伝子操作された1つまたは複数の細菌は、単独で、または本明細書に記載される1つもしくは複数の免疫刺激性アゴニスト、例えば、抗OX40、抗41BBもしくは抗GITR抗体を含むがこれらに限定されない、アゴニスト抗体と組み合わせて投与することができる。これらの実施形態のいずれにおいても、アデノシンおよびキヌレニンを消費するように遺伝子操作された1つまたは複数の細菌は、本明細書に記載される1つまたは複数の免疫刺激性アゴニスト、例えば、抗OX40、抗41BBまたは抗GITR抗体を含むがこれらに限定されない、アゴニスト抗体を産生および分泌またはその表面にディスプレイするように遺伝子操作されうる。
アデノシン消費およびアルギニン産生
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、アデノシンの分解およびアルギニンの産生および/またはアンモニアの消費のための回路網を含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、アデノシン分解経路と組み合わせてアルギニン産生および/またはアンモニア消費回路をコードする遺伝子配列を含む。一実施形態では、アルギニン産生および/またはアンモニア消費回路をコードする遺伝子配列は、フィードバック耐性ArgA(ArgAfbr)を含み、内在性アルギニンオペロンリプレッサーArgRの欠失を含む。一実施形態では、ArgAfbrは、E coliからのものである。1つの特定の実施形態では、ArgAfbrは、染色体に組み込まれており、低酸素プロモーター、例えばFNRの制御下にある。
一実施形態では、アデノシン分解経路酵素をコードする遺伝子配列は、xdhA、xdhB、xdhC、add、xapA、deoDおよびnupCから選択される1つまたは複数の遺伝子を含む。一実施形態では、アデノシン分解経路をコードする遺伝子配列は、xdhA、xdhB、xdhC、add、xapA、deoDおよびnupCを含む。一実施形態では、アデノシン経路酵素は、E coliからのものである。1つの特定の実施形態では、フィードバック耐性ArgA(ArgAfbr)は、E.coliからのものであり、アデノシン分解経路をコードする遺伝子配列は、例えばE.coliからの、xdhA、xdhB、xdhC、add、xapA、deoDおよびnupCを含む。1つの特定の実施形態では、アデノシン経路酵素は、染色体に組み込まれており、低酸素プロモーター、例えばFNR、の制御下にある。
代替実施形態では、本開示は、各細菌が異なる免疫モジュレーターをコードする、異なる遺伝子操作された細菌の組合せ(例えば、2つまたはそれより多く)を含む、組成物を提供する。したがって、一部の実施形態では、組成物は、アデノシンの分解のための回路網を含む遺伝子操作された細菌と、アルギニンの産生および/またはアンモニアの消費のための配列を含む遺伝子操作された細菌とを含む。一実施形態では、組成物は、アデノシン分解経路をコードする遺伝子配列を含む遺伝子操作された細菌と組み合わせて、フィードバック耐性ArgA(ArgAfbr)をコードする遺伝子配列を含み、内在性アルギニンオペロンリプレッサーArgRの欠失を含む、遺伝子操作された細菌を含む。
1つの組成物実施形態では、ArgAfbrは、E coliからのものである。1つの特定の実施形態では、ArgAfbrは、染色体に組み込まれており、低酸素プロモーター、例えばFNR、の制御下にある。1つの組成物実施形態では、アデノシン分解経路酵素をコードする遺伝子配列は、xdhA、xdhB、xdhC、add、xapA、deoDおよびnupCから選択される1つまたは複数の遺伝子を含む。一実施形態では、アデノシン分解経路をコードする遺伝子配列は、xdhA、xdhB、xdhC、add、xapA、deoDおよびnupCを含む。一実施形態では、アデノシン経路酵素は、E coliからのものである。1つの特定の実施形態では、ジアデニル酸シクラーゼは、Listeria monocytogenesからのものであり、アデノシン分解経路をコードする遺伝子配列は、例えばE.coliからの、xdhA、xdhB、xdhC、add、xapA、deoDおよびnupCを含む。1つの特定の実施形態では、アデノシン経路酵素は、染色体に組み込まれており、低酸素プロモーター、例えばFNR、の制御下にある。
これらのアデノシン消費およびアルギニン産生および/またはアンモニア消費実施形態のいずれにおいても、細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より0%〜2%〜4%、4%〜6%、6%〜8%、8%〜10%、10%〜12%、12%〜14%、14%〜16%、16%〜18%、18%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜35%、35%〜40%、40%〜45%、45%〜50%、50%〜55%、55%〜60%、60%〜65%、65%〜70%〜80%、80%〜90%、または90%〜100%多いアデノシンを消費する。さらに別の実施形態では、細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍多いアデノシンを消費する。さらに別の実施形態では、細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、50倍、100倍、500倍、または1000倍多いアデノシンを消費する。
これらのアデノシン消費およびアルギニン産生実施形態のいずれにおいても、細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約0%〜2%〜4%、4%〜6%、6%〜8%、8%〜10%、10%〜12%、12%〜14%、14%〜16%、16%〜18%、18%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜35%、35%〜40%、40%〜45%、45%〜50%、50%〜55%、55%〜60%、60%〜65%、65%〜70%〜80%、80%〜90%、または90%〜100%多い尿酸を産生する。さらに別の実施形態では、細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍多い尿酸を産生する。さらに別の実施形態では、細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、または50倍、100倍、500倍、または1000倍多い尿酸を産生する。
これらのアデノシン消費およびアルギニン産生および/またはアンモニア消費実施形態のいずれにおいても、細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌と比較して、アデノシン分解速度を0%〜2%〜4%、4%〜6%、6%〜8%、8%〜10%、10%〜12%、12%〜14%、14%〜16%、16%〜18%、18%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜35%、35%〜40%、40%〜45%、45%〜50%、50%〜55%、55%〜60%、60%〜65%、65%〜70%〜80%、80%〜90%、または90%〜100%上昇させる。さらに別の実施形態では、細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌と比較して、アデノシン分解速度を1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍大きく上昇させる。さらに別の実施形態では、細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌と比較して、分解速度を約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、または50倍、100倍、500倍、または1000倍上昇させる。
これらのアデノシン消費およびアルギニン産生および/またはアンモニア消費実施形態のいずれにおいても、細菌は、低酸素条件下で誘導されたとき、約1.8〜10umol/hr/109細胞のアデノシン分解速度を有しうる。1つの特定の実施形態では、細菌は、約5〜9umol/hr/109細胞のアデノシン分解速度を有する。1つの特定の実施形態では、細菌は、約6〜8umol/hr/109細胞のアデノシン分解速度を有する。
これらのアデノシン消費ならびにアルギニン産生および/またはアンモニア消費実施形態のいずれにおいても、細菌は、同じ条件下での、同じ細菌亜型の未改変細菌と比べて、すなわち、低酸素条件下で誘導された場合、1時間後に、アデノシン分解を約50%〜70%増加させることができる。一実施形態では、細菌は、同じ条件下での、同じ細菌亜型の未改変細菌と比べて、すなわち、低酸素条件下で誘導された場合、1時間後に、アデノシン分解を約55%〜65%増加させる。特異的な一実施形態では、細菌は、同じ条件下での、同じ細菌亜型の未改変細菌と比べて、すなわち、低酸素条件下で誘導された場合、1時間後に、アデノシン分解を約55%〜60%増加させる。さらに別の実施形態では、細菌は、低酸素条件下で誘導された場合、1時間後に、アデノシン分解を約1.5〜3倍増加させる。特異的な一実施形態では、細菌は、低酸素条件下で誘導された場合、1時間後に、アデノシン分解を約2〜2.5倍増加させる。
アデノシン消費ならびにアルギニン産生および/またはアンモニア消費の一実施形態では、細菌は、同じ条件下での、同じ細菌亜型の未改変細菌と比べて、すなわち、低酸素条件下で誘導された場合、2時間後に、アデノシン分解を約85%〜100%増加させる。一実施形態では、細菌は、同じ条件下での、同じ細菌亜型の未改変細菌と比べて、すなわち、低酸素条件下で誘導された場合、2時間後に、アデノシン分解を約95%〜100%増加させる。特異的な一実施形態では、細菌は、同じ条件下での、同じ細菌亜型の未改変細菌と比べて、すなわち、低酸素条件下で誘導された場合、2時間後に、アデノシン分解を約97%〜99%増加させる。
アデノシン消費ならびにアルギニン産生および/またはアンモニア消費の一実施形態では、細菌は、低酸素条件下で誘導された場合、2時間後に、アデノシン分解を約40〜50倍増加させることができる。特異的な一実施形態では、細菌は、低酸素条件下で誘導された場合、2時間後に、アデノシン分解を約44〜48倍増加させる。
アデノシン消費ならびにアルギニン産生および/またはアンモニア消費の一実施形態では、細菌は、同じ条件下での、同じ細菌亜型の未改変細菌と比べて、すなわち、低酸素条件下で誘導された場合、3時間後に、アデノシン分解を約95%〜100%増加させる。一実施形態では、細菌は、同じ条件下での、同じ細菌亜型の未改変細菌と比べて、すなわち、低酸素条件下で誘導された場合、3時間後に、アデノシン分解を約98%〜100%増加させる。特異的な一実施形態では、細菌は、同じ条件下での、同じ細菌亜型の未改変細菌と比べて、すなわち、低酸素条件下で誘導された場合、3時間後に、アデノシン分解を約99%〜99%増加させる。さらに別の実施形態では、細菌は、低酸素条件下で誘導された場合、3時間後に、アデノシン分解を約100〜1000倍増加させる。さらに別の実施形態では、細菌は、低酸素条件下で誘導された場合、3時間後に、アデノシン分解を約1000〜10000倍増加させる。
アデノシン消費ならびにアルギニン産生および/またはアンモニア消費の一実施形態では、細菌は、同じ条件下での、同じ細菌亜型の未改変細菌と比べて、すなわち、低酸素条件下で誘導された場合、4時間後に、アデノシン分解を約95%〜100%増加させる。一実施形態では、細菌は、同じ条件下での、同じ細菌亜型の未改変細菌と比べて、すなわち、低酸素条件下で誘導された場合、4時間後に、アデノシン分解を約98%〜100%増加させる。一実施形態では、細菌は、同じ条件下での、同じ細菌亜型の未改変細菌と比べて、すなわち、低酸素条件下で誘導された場合、4時間後に、アデノシン分解を約99%〜99%増加させる。さらに別の実施形態では、細菌は、低酸素条件下で誘導された場合、4時間後に、アデノシン分解を約100〜1000倍増加させる。さらに別の実施形態では、細菌は、低酸素条件下で誘導された場合、4時間後に、アデノシン分解を約1000〜10000倍増加させる。
いずれのアデノシン消費およびアルギニン産生および/またはアンモニア消費実施形態においても、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約0%〜2%、2%〜4%、4%〜6%、6%〜8%、8%〜10%、10%〜12%、12%〜14%、14%〜16%、16%〜18%、18%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜35%、35%〜40%、40%〜45%、45%〜50%、50%〜55%、55%〜60%、60%〜65%、65%〜70%〜80%、80%〜90%、または90%〜100%多いアルギニンを産生する。
さらに別のアデノシン消費およびアルギニン産生および/またはアンモニア消費実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍多いアルギニンを産生する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、または50倍、100倍、500倍、または1000倍多いアルギニンを産生する。
これらのアデノシン消費ならびにアルギニン産生および/またはアンモニア消費実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より0%〜2%、2%〜4%、4%〜6%、6%〜8%、8%〜10%、10%〜12%、12%〜14%、14%〜16%、16%〜18%、18%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜35%、35%〜40%、40%〜45%、45%〜50%、50%〜55%、55%〜60%、60%〜65%、65%〜70%〜80%、80%〜90%、または90%〜100%多いグルタメートを消費する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍多いグルタメートを消費する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、50倍、100倍、500倍、または1000倍多いグルタメートを消費する。
これらのアデノシン消費ならびにアルギニン産生および/またはアンモニア消費実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より0%〜2%、2%〜4%、4%〜6%、6%〜8%、8%〜10%、10%〜12%、12%〜14%、14%〜16%、16%〜18%、18%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜35%、35%〜40%、40%〜45%、45%〜50%、50%〜55%、55%〜60%、60%〜65%、65%〜70%〜80%、80%〜90%、または90%〜100%多いアンモニアを消費する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍多いアンモニアを消費する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、50倍、100倍、500倍または1000倍多いアンモニアを消費する。
これらのアデノシン消費ならびにアルギニン産生および/またはアンモニア消費実施形態のいずれにおいても、細菌は、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、細胞増殖を、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%またはそれよりも多く低下させることができる。これらのアデノシン消費ならびにアルギニン産生および/またはアンモニア消費実施形態のいずれにおいても、細菌は、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、腫瘍増殖を、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%またはそれよりも多く低下させることができる。これらのアデノシン消費ならびにアルギニン産生および/またはアンモニア消費実施形態のいずれにおいても、細菌は、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、腫瘍サイズを、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%またはそれよりも多く低下させることができる。これらのアデノシン消費ならびにアルギニン産生および/またはアンモニア消費実施形態のいずれにおいても、細菌は、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、腫瘍体積を、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%またはそれよりも多く低下させることができる。これらのアデノシン消費ならびにアルギニン産生および/またはアンモニア消費実施形態のいずれにおいても、細菌は、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、腫瘍重量を、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%またはそれよりも多く低下させることができる。
一部のアデノシン消費ならびにアルギニン産生および/またはアンモニア消費実施形態では、遺伝子操作された微生物は、低酸素条件で、ならびに/あるいはがんの、および/または腫瘍微小環境の、または組織特異的分子もしくは代謝物の存在下で、ならびに/あるいは炎症または免疫抑制に関連する分子または代謝物の存在下で、ならびに/あるいは消化管内に存在しうる代謝物の存在下で、ならびに/あるいはin vivoで存在することもあり、しないこともあり、in vitroで、株培養、拡大増殖、産生および/または製造中に存在することもある、代謝物、例えば、アラビノース、クメートおよびサリチレートおよび本明細書に記載の他のものの存在下で、アデノシンの分解およびアルギニンの産生のための記載の回路のうちいずれか1つまたは複数を発現することができる。一部の実施形態では、そのようなインデューサーをin vivoで投与して、エフェクター遺伝子発現を誘導することができる。一部の実施形態では、アデノシンの分解およびアルギニンの産生のための回路網をコードする遺伝子配列は、そのような条件および/またはインデューサーにより誘導されうるプロモーターによって制御される。一部の実施形態では、遺伝子配列は、本明細書に記載の構成的プロモーターによって制御される。一部の実施形態では、遺伝子配列は、構成的プロモーターによって制御され、本明細書に記載の、in vivo条件および/またはin vitro条件で、例えば、拡大増殖、産生および/または製造中に発現される。
これらのアデノシン消費ならびにアルギニン産生および/またはアンモニア消費実施形態のいずれにおいても、記載のアデノシン分解回路およびアルギニン産生回路のいずれか1つまたは複数は、1つもしくは複数のプラスミド(例えば、高コピー数もしくは低コピー数プラスミド)上に存在するか、または微生物染色体内の1つもしくは複数の部位に組み込まれている。また、一部の実施形態では、遺伝子操作された微生物は、記載の回路のいずれか1つまたは複数をさらに発現することができ、以下のものの1つまたは複数をさらに含む:(1)1つまたは複数の栄養要求体、例えば、当技術分野において公知の、および本明細書で提供される、任意の栄養要求体、thyAおよび/またはdapA栄養要求体、(2)本明細書に記載されるまたはそれ以外に当技術分野で公知のキルスイッチのいずれか等、1つまたは複数のキルスイッチ回路、(3)1つまたは複数の抗生物質抵抗性回路、(4)本明細書に記載されるまたはそれ以外に当技術分野で公知の輸送体のいずれか等、生物学的分子または基質を移入するための1つまたは複数の輸送体、(5)本明細書に記載されるおよびそれ以外に当技術分野で公知の分泌回路のいずれか等、1つまたは複数の分泌回路、(6)本明細書に記載されるおよびそれ以外に当技術分野で公知の表面ディスプレイ回路のいずれか等、1つまたは複数の表面ディスプレイ回路、ならびに(7)本明細書に記載される1つまたは複数の代謝物(例えば、キヌレニン、トリプトファン、アデノシン、アルギニン)の産生または分解のための1つまたは複数の回路、(8)そのような追加的な回路のうち1つまたは複数の組合せ。
これらの実施形態のいずれにおいても、アデノシンを消費し、アルギニンを産生および/またはアンモニアを消費するように遺伝子操作された細菌は、単独で、または抗CTLA4、抗PD1もしくは抗PD−L1抗体を含むがこれらに限定されない、本明細書に記載される1つもしくは複数の免疫チェックポイント阻害剤と組み合わせて投与することができる。これらの実施形態のいずれにおいても、アデノシンを消費し、アルギニンを産生および/またはアンモニアを消費するように遺伝子操作された1つまたは複数の細菌は、抗CTLA4、抗PD1または抗PD−L1抗体を含むがこれらに限定されない、本明細書に記載される1つまたは複数の免疫チェックポイント阻害剤を産生および分泌またはその表面にディスプレイするように遺伝子操作されうる。
これらの実施形態のいずれにおいても、アデノシンを消費し、アルギニンを産生および/またはアンモニアを消費するように遺伝子操作された1つまたは複数の細菌は、単独で、または本明細書に記載される1つもしくは複数の免疫刺激性アゴニスト、例えば、抗OX40、抗41BBもしくは抗GITR抗体を含むがこれらに限定されない、アゴニスト抗体と組み合わせて投与することができる。これらの実施形態のいずれにおいても、アデノシンを消費し、アルギニンを産生および/またはアンモニアを消費するように遺伝子操作された1つまたは複数の細菌は、本明細書に記載される1つまたは複数の免疫刺激性アゴニスト、例えば、抗OX40、抗41BBまたは抗GITR抗体を含むがこれらに限定されない、アゴニスト抗体を産生および分泌またはその表面にディスプレイするように遺伝子操作されうる。
キヌレニン消費およびアルギニン産生
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、キヌレニンの消費ならびにアルギニンの産生および/またはアンモニアの消費のための回路網を含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、キヌレニン消費(および必要に応じてトリプトファン産生)経路と組み合わせて、アルギニン産生および/またはアンモニア消費回路をコードする遺伝子配列を含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、アルギニン産生経路と組み合わせて、キヌレニナーゼをコードする遺伝子配列を含む。一実施形態では、キヌレニナーゼは、Pseudomonas fluorescensに由来する。特異的な一実施形態では、Pseudomonas fluorescens由来のキヌレニナーゼは、染色体に組み込まれ、構成的プロモーターの制御下に置かれる。一実施形態では、アルギニン産生および/またはアンモニア消費回路をコードする遺伝子配列は、フィードバック抵抗性ArgA(ArgAfbr)、および内在性アルギニンオペロンリプレッサーArgRにおける欠失を含む。一実施形態では、ArgAfbrは、E.coliに由来する。1つの特定の実施形態では、ArgAfbrは、染色体に組み込まれており、低酸素プロモーター、例えばFNR、の制御下にある。これらの実施形態のいずれにおいても、TrpEを欠失させることができる。
代替実施形態では、本開示は、各細菌が異なる免疫モジュレーターをコードする、異なる遺伝子操作された細菌の組合せ(例えば、2つまたはそれより多く)を含む、組成物を提供する。したがって、一部の実施形態では、組成物は、キヌレニンの消費のための回路網を含む遺伝子操作された細菌、ならびにアルギニンの産生および/またはアンモニアの消費のための回路網を含む遺伝子操作された細菌を含む。一実施形態では、組成物は、キヌレニン消費(および必要に応じてトリプトファン産生)経路をコードする遺伝子配列を含む遺伝子操作された細菌と組み合わせて、アルギニン産生回路をコードする遺伝子配列を含む遺伝子操作された細菌を含む。一実施形態では、組成物は、アルギニン産生経路をコードする遺伝子配列を含む遺伝子操作された細菌と組み合わせて、キヌレニナーゼをコードする遺伝子配列を含む遺伝子操作された細菌を含む。一実施形態では、キヌレニナーゼは、Pseudomonas fluorescensに由来する。特異的な一実施形態では、Pseudomonas fluorescens由来のキヌレニナーゼは、染色体に組み込まれ、構成的プロモーターの制御下に置かれる。一実施形態では、アルギニン産生および/またはアンモニア消費回路をコードする遺伝子配列は、フィードバック抵抗性ArgA(ArgAfbr)、および内在性アルギニンオペロンリプレッサーArgRにおける欠失を含む。一実施形態では、ArgAfbrは、E.coliに由来する。特異的な一実施形態では、ArgAfbrは、染色体に組み込まれ、低酸素プロモーター、例えば、FNRの制御下に置かれる。これらの実施形態のいずれにおいても、TrpEは、欠失されうる。
これらのキヌレニン消費ならびにアルギニン産生および/またはアンモニア消費実施形態のいずれにおいても、細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より0%〜2%〜4%、4%〜6%、6%〜8%、8%〜10%、10%〜12%、12%〜14%、14%〜16%、16%〜18%、18%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜35%、35%〜40%、40%〜45%、45%〜50%、50%〜55%、55%〜60%、60%〜65%、65%〜70%〜80%、80%〜90%、または90%〜100%多いキヌレニンを消費する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍多いキヌレニンを消費する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より約3倍、4倍、約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、50倍、100倍、500倍または1000倍多いキヌレニンを消費する。
これらのキヌレニン消費ならびにアルギニン産生および/またはアンモニア消費実施形態のいずれにおいても、キヌレニンを消費し、必要に応じてトリプトファンを産生するように遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約0%〜2%〜4%、4%〜6%、6%〜8%、8%〜10%、10%〜12%、12%〜14%、14%〜16%、16%〜18%、18%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜35%、35%〜40%、40%〜45%、45%〜50%、50%〜55%、55%〜60%、60%〜65%、65%〜70%〜80%、80%〜90%、または90%〜100%多いトリプトファンを産生する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍多いトリプトファンを産生する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、または50倍、100倍、500倍、または1000倍多いトリプトファンを産生する。
これらのキヌレニン消費ならびにアルギニン産生および/またはアンモニア消費実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、キヌレニン消費率を、同じ条件下での、同じ細菌亜型の未改変細菌と比べて、0%〜2%〜4%、4%〜6%、6%〜8%、8%〜10%、10%〜12%、12%〜14%、14%〜16%、16%〜18%、18%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜35%、35%〜40%、40%〜45%、45%〜50%、50%〜55%、55%〜60%、60%〜65%、65%〜70%〜80%、80%〜90%、または90%〜100%増加させる。さらに別のキヌレニン消費およびアルギニン産生実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下での、同じ細菌亜型の未改変細菌と比べて、キヌレニン消費率を、1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍多く増加させる。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下での、同じ細菌亜型の未改変細菌と比べて、キヌレニン消費率を、約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、または50倍、100倍、500倍、または1000倍増加させる。
キヌレニン消費ならびにアルギニン産生および/またはアンモニア消費の一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、4時間後に、同じ条件下での、同じ細菌亜型の未改変細菌と比べて、キヌレニン消費を約80%〜100%増加させる。キヌレニン消費ならびにアルギニン産生および/またはアンモニア消費の一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、4時間後に、同じ条件下での、同じ細菌亜型の未改変細菌と比べて、キヌレニン消費を約90%〜100%増加させる。キヌレニン消費ならびにアルギニン産生および/またはアンモニア消費の特異的な一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、4時間後、同じ細菌亜型の未改変細菌と比較して、キヌレニン消費を約95%〜100%増加させる。1つの特定の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、4時間後、同じ細菌亜型の未改変細菌と比較して、キヌレニン消費を約99%〜100%増加させる。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、キヌレニン消費を、4時間後、約10〜50倍増加させる。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、キヌレニン消費を、4時間後、約50〜100倍増加させる。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、キヌレニン消費を、4時間後、約100〜500倍増加させる。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、キヌレニン消費を、4時間後、約500〜1000倍増加させる。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、キヌレニン消費を、4時間後、約1000〜5000倍増加させる。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、キヌレニン消費を、4時間後、約5000〜10000倍増加させる。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、キヌレニン消費を、4時間後、約10000〜1000倍増加させる。
いずれのキヌレニン消費ならびにアルギニン産生および/またはアンモニア消費実施形態においても、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約0%〜2%、2%〜4%、4%〜6%、6%〜8%、8%〜10%、10%〜12%、12%〜14%、14%〜16%、16%〜18%、18%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜35%、35%〜40%、40%〜45%、45%〜50%、50%〜55%、55%〜60%、60%〜65%、65%〜70%〜80%、80%〜90%、または90%〜100%多いアルギニンを産生する。
さらに別のキヌレニン消費ならびにアルギニン産生および/またはアンモニア消費実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より少なくとも約1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍多いアルギニンを産生する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、または50倍、100倍、500倍、または1000倍多いアルギニンを産生する。
これらのキヌレニン消費ならびにアルギニン産生および/またはアンモニア消費実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より0%〜2%、2%〜4%、4%〜6%、6%〜8%、8%〜10%、10%〜12%、12%〜14%、14%〜16%、16%〜18%、18%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜35%、35%〜40%、40%〜45%、45%〜50%、50%〜55%、55%〜60%、60%〜65%、65%〜70%〜80%、80%〜90%、または90%〜100%多いグルタメートを消費する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍多いグルタメートを消費する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、50倍、100倍、500倍または1000倍多いグルタメートを消費する。
これらのキヌレニン消費ならびにアルギニン産生および/またはアンモニア消費実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より0%〜2%、2%〜4%、4%〜6%、6%〜8%、8%〜10%、10%〜12%、12%〜14%、14%〜16%、16%〜18%、18%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜35%、35%〜40%、40%〜45%、45%〜50%、50%〜55%、55%〜60%、60%〜65%、65%〜70%〜80%、80%〜90%、または90%〜100%多いアンモニアを消費する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍多いアンモニアを消費する。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じ条件下で、同じ細菌亜型の未改変細菌より約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、50倍、100倍、500倍または1000倍多いアンモニアを消費する。
これらのキヌレニン消費ならびにアルギニン産生および/またはアンモニア消費実施形態のいずれにおいても、細菌は、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、細胞増殖を、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%またはそれよりも多く低下させることができる。これらのキヌレニン消費ならびにアルギニン産生および/またはアンモニア消費実施形態のいずれにおいても、細菌は、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、腫瘍増殖を、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%またはそれよりも多く低下させることができる。これらのキヌレニン消費ならびにアルギニン産生および/またはアンモニア消費実施形態のいずれにおいても、細菌は、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、腫瘍サイズを、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%またはそれよりも多く低下させることができる。これらのキヌレニン消費ならびにアルギニン産生および/またはアンモニア消費実施形態のいずれにおいても、細菌は、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、腫瘍体積を、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%またはそれよりも多く低下させることができる。これらのキヌレニン消費ならびにアルギニン産生および/またはアンモニア消費実施形態のいずれにおいても、細菌は、同じ条件下で、同じ亜型の未改変細菌と比較して、腫瘍重量を、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%またはそれよりも多く低下させることができる。
一部のキヌレニン消費ならびにアルギニン産生および/またはアンモニア消費実施形態では、遺伝子操作された微生物は、低酸素条件で、ならびに/あるいはがんおよび/または腫瘍微小環境、または組織特異的分子もしくは代謝物の存在下で、ならびに/あるいは炎症または免疫抑制に関連する分子または代謝物の存在下で、ならびに/あるいは消化管内に存在しうる代謝物の存在下で、ならびに/あるいはin vivoで存在することもあり、しないこともあり、ならびにin vitroで株培養、拡大増殖、産生および/または製造中に存在することもある、代謝物、例えば、アラビノース、クメートおよびサリチレートおよび本明細書に記載の他のものの存在下で、キヌレニン消費およびアルギニン産生のための記載の回路のいずれか1つまたは複数を発現することができる。一部の実施形態では、そのようなインデューサーをin vivoで投与して、エフェクター遺伝子発現を誘導することができる。一部の実施形態では、遺伝子配列は、本明細書に記載の構成的プロモーターによって制御される。一部の実施形態では、遺伝子配列は、構成的プロモーターにより制御され、本明細書に記載の、in vivo条件および/またはin vitro条件で、例えば、拡大増殖、産生および/または製造中に発現される。これらのキヌレニン消費ならびにアルギニン産生および/またはアンモニア消費実施形態のいずれにおいても、記載のアデノシン分解回路およびキヌレニン消費回路のうちいずれか1つまたは複数は、1つもしくは複数のプラスミド(例えば、高コピー数または低コピー数プラスミド)上に存在するか、または微生物染色体内の1つもしくは複数の部位に組み込まれている。
また、一部の実施形態では、遺伝子操作された微生物は、記載の回路のいずれか1つまたは複数をさらに発現することができ、以下のものの1つまたは複数をさらに含む:(1)1つまたは複数の栄養要求体、例えば、当技術分野において公知の、および本明細書で提供される、任意の栄養要求体、例えばthyAおよび/またはdapA栄養要求体、(2)1つまたは複数のキルスイッチ回路、例えば、本明細書に記載の、またはそうでなければ当技術分野において公知の、キルスイッチのいずれか、(3)1つまたは複数の抗生物質耐性回路、(4)生体分子または基質を移入するための1つまたは複数の輸送体、例えば、本明細書に記載の、またはそうでなければ当技術分野において公知の、輸送体のいずれか、(5)1つまたは複数の分泌回路、例えば、本明細書に記載の、でなければ当技術分野において公知の、分泌回路のいずれか、(6)1つまたは複数の表面提示回路、例えば、本明細書に記載の、でなければ当技術分野において公知の、表面提示回路のいずれか、および(7)本明細書に記載の1つまたは複数の代謝物(例えば、キヌレニン、トリプトファン、アデノシン、アルギニン)の産生または分解のための1つまたは複数の回路、(8)このような追加の回路の1つまたは複数の組合せ。これらの実施形態のいずれにおいても、アデノシンおよびキヌレニンを消費するように遺伝子操作された細菌を単独で投与することができ、または抗CTLA4、抗PD1もしくは抗PD−L1抗体を含むがこれらに限定されない、本明細書に記載の1つもしくは複数の免疫チェックポイントインヒビターと組み合わせて投与することができる。
これらの実施形態のいずれにおいても、キヌレニンを消費し、アルギニンを産生および/またはアンモニアを消費するように遺伝子操作された細菌は、単独で、または抗CTLA4、抗PD1もしくは抗PD−L1抗体を含むがこれらに限定されない、本明細書に記載される1つもしくは複数の免疫チェックポイント阻害剤と組み合わせて投与することができる。これらの実施形態のいずれにおいても、キヌレニンを消費し、アルギニンを産生および/またはアンモニアを消費するように遺伝子操作された1つまたは複数の細菌は、抗CTLA4、抗PD1または抗PD−L1抗体を含むがこれらに限定されない、本明細書に記載される1つまたは複数の免疫チェックポイント阻害剤を産生および分泌またはその表面にディスプレイするように遺伝子操作されうる。
これらの実施形態のいずれにおいても、キヌレニンを消費し、アルギニンを産生および/またはアンモニアを消費するように遺伝子操作された1つまたは複数の細菌は、単独で、または本明細書に記載される1つもしくは複数の免疫刺激性アゴニスト、例えば、抗OX40、抗41BBもしくは抗GITR抗体を含むがこれらに限定されない、アゴニスト抗体と組み合わせて投与することができる。これらの実施形態のいずれにおいても、キヌレニンを消費し、アルギニンを産生および/またはアンモニアを消費するように遺伝子操作された1つまたは複数の細菌は、本明細書に記載される1つまたは複数の免疫刺激性アゴニスト、例えば、抗OX40、抗41BBまたは抗GITR抗体を含むがこれらに限定されない、アゴニスト抗体を産生および分泌またはその表面にディスプレイするように遺伝子操作されうる。
これらの代謝変換因子組合せ回路実施形態(すなわち、AD+Kyn、AD+Arg/NH4+、Kyn+Arg)のいずれにおいても、代謝変換因子組合せをコードする遺伝子配列(複数可)を含む遺伝子操作された細菌は、1つまたは複数のさらに別のエフェクター分子、すなわち、治療分子または代謝変換因子をコードする遺伝子配列(複数可)をさらに含む。これらの実施形態のいずれにおいても、代謝変換因子組合せをコードする回路は、同じまたは異なる細菌株(組合せ回路または株の混合物)において、本明細書に記載される1つまたは複数の免疫イニシエーターまたは免疫サステナーをコードする回路と組み合わせることができる。免疫イニシエーターまたは免疫サステナーをコードする回路は、構成的または誘導性プロモーター、例えば、低酸素誘導性プロモーターまたは本明細書に記載される他のいずれかの構成的または誘導性プロモーターの制御下に置くことができる。これらの実施形態のいずれにおいても、代謝変換因子組合せをコードする遺伝子配列(複数可)は、同じまたは異なる細菌株(組合せ回路または株の混合物)において、本明細書に記載される1つまたは複数のSTINGアゴニスト産生酵素をコードする遺伝子配列(複数可)と組み合わせることができる。一部の実施形態では、代謝変換因子組合せをコードする遺伝子配列(複数可)と組み合わされる遺伝子配列は、DacAをコードする。DacAは、構成的または誘導性プロモーター、例えば、FNR等の低酸素誘導性プロモーターまたは本明細書に記載される他のいずれかの構成的または誘導性プロモーターの制御下に置くことができる。一部の実施形態では、dacA遺伝子は、染色体に組み込まれている。一部の実施形態では、代謝変換因子組合せをコードする遺伝子配列(複数可)と組み合わされる遺伝子配列は、cGASをコードする。cGASは、構成的または誘導性プロモーター、例えば、FNR等の低酸素誘導性プロモーターまたは本明細書に記載される他のいずれかの構成的または誘導性プロモーターの制御下に置くことができる。一部の実施形態では、cGASをコードする遺伝子は、染色体に組み込まれている。
これらの代謝変換因子組合せ実施形態(すなわち、AD+Kyn、AD+Arg/NH4+、Kyn+Arg)のいずれにおいても、細菌は、DapA、ThyAまたはその両方に、栄養要求性改変、例えば、突然変異または欠失をさらに含むことができる。これらの実施形態のいずれにおいても、細菌は、本明細書に記載される内在性プロファージに、ファージ改変、例えば、突然変異または欠失をさらに含むことができる。
エフェクターおよび免疫モジュレーターの発現の調節
一部の実施形態では、細菌細胞は、ペイロードをコードする遺伝子を有する、安定に維持されたプラスミドまたは染色体を含み、したがって、ペイロードを宿主細胞において発現させることができ、宿主細胞は、in vitroで、例えば培地中で、および/またはin vivoで、例えば消化管内で、もしくは腫瘍微小環境において、生存および/または成長することができる。一部の実施形態では、細菌細胞は、2つまたはそれより多い別個のペイロードまたはオペロン、例えば、2つまたはそれより多いペイロード遺伝子を含む。一部の実施形態では、細菌細胞は、3つまたはそれより多い別個の輸送体またはオペロン、例えば、3つまたはそれより多いペイロード遺伝子を含む。一部の実施形態では、細菌細胞は、4、5、6、7、8、9、10、またはそれより多い別個のペイロードまたはオペロン、例えば、4、5、6、7、8、9、10、またはそれより多いペイロード遺伝子を含む。
本明細書において、用語「ペイロード(単数)」、「目的のポリペプチド(単数)」または「目的のポリペプチド(複数)」、「目的のタンパク質(単数)」、「目的のタンパク質(複数)」、「ペイロード(複数)」、「エフェクター分子」、「エフェクター」は、本明細書に記載の1つもしくは複数のエフェクター分子、および/またはそのようなエフェクター分子の産生に必要な1つもしくは複数の酵素もしくは酵素としてのポリペプチド機能を指す。ペイロードの非限定的な例としては、IL−12、IL−2、IL−15、IL−18、IL−7、IL−21、CD40アゴニスト、CD40アゴニスト、CD226アゴニスト、CD137アゴニスト、ICOSアゴニスト、OXO40アゴニスト、GM−CSF、CXCL10、CXCL9、これに限定されないがチェックポイントインヒビター(例えば、PD1、PDL1、CTLA4、抗LAG3、抗TIM3および本明細書に記載の他のもの)を含む抗体、例えばscFv、キヌレニナーゼ、トリプトファンおよび/またはアルギニン産生酵素、アデノシン分解酵素が挙げられる。
本明細書で使用される場合、用語「目的のポリペプチド(単数)」または「目的のポリペプチド(複数)」、「目的のタンパク質(単数)」、「目的のタンパク質(複数)」、「ペイロード(単数)」、「ペイロード(複数)」は、本明細書に記載のトリプトファン合成酵素、キヌレニン分解酵素、アデノシン分解酵素、アルギニン産生酵素および他の代謝経路酵素のいずれか単数またはいずれか複数をさらに含む。本明細書で使用される場合、用語「目的の遺伝子」または「目的の遺伝子配列」は、本明細書に記載の1つまたは複数の免疫モジュレーターをコードする遺伝子および/もしくは(an/or)遺伝子配列およびもしくは遺伝子カセットのいずれか単数またはいずれか複数を含む。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じペイロード遺伝子の複数のコピーを含む。一部の実施形態では、ペイロードをコードする遺伝子は、プラスミド上に存在し、直接または間接誘導性プロモーターに作動可能に連結している。一部の実施形態では、ペイロードをコードする遺伝子は、プラスミド上に存在し、構成的プロモーターに作動可能に連結している。一部の実施形態では、ペイロードをコードする遺伝子は、プラスミド上に存在し、低酸素または嫌気条件下で誘導されるプロモーターに作動可能に連結している。一部の実施形態では、ペイロードをコードする遺伝子は、プラスミド上に存在し、テトラサイクリンもしくはアラビノース、クメートおよびサリチレートまたは本明細書に記載の別の化学もしくは栄養インデューサーへの曝露により誘導されるプロモーターに作動可能に連結している。
一部の実施形態では、ペイロードをコードする遺伝子は、染色体上に存在し、直接または間接誘導性プロモーターに作動可能に連結している。一部の実施形態では、ペイロードをコードする遺伝子は、染色体上に存在し、構成的プロモーターに作動可能に連結している。一部の実施形態では、ペイロードをコードする遺伝子は、染色体内に存在し、低酸素または嫌気条件下で誘導されるプロモーターに作動可能に連結している。一部の実施形態では、ペイロードをコードする遺伝子は、染色体上に存在し、テトラサイクリンもしくはアラビノース、クメートおよびサリチレートまたは本明細書に記載の別の化学もしくは栄養インデューサーへの曝露により誘導されるプロモーターに作動可能に連結している。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、2つまたはそれより多いペイロードを含み、ペイロードのすべてが染色体上に存在する。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、2つまたはそれより多いペイロードを含み、ペイロードのすべてが1つまたは複数の同じまたは異なるプラスミド上に存在する。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、2つまたはそれより多いペイロードを含み、ペイロードの一部は、染色体上に存在し、ペイロードの一部は、1つまたは複数の同じまたは異なるプラスミド上に存在する。
上記実施形態のいずれにおいても、エフェクターまたは免疫モジュレーター組合せを産生するための1つまたは複数のペイロードは、1つまたは複数の直接または間接誘導性プロモーターに作動可能に連結している。一部の実施形態では、1つまたは複数のペイロードは、外因性環境条件下で、例えば、消化管内に見られる条件、腫瘍微小環境または他の特異的条件下で、誘導される直接または間接誘導性プロモーターに、作動可能に連結している。一部の実施形態では、1つまたは複数のペイロードは、消化管内に見られる代謝物、腫瘍微小環境または他の組織特異的条件によって誘導される直接または間接誘導性プロモーターに、作動可能に連結している。一部の実施形態では、1つまたは複数のペイロードは、低酸素または嫌気条件下で誘導される直接または間接誘導性プロモーターに作動可能に連結している。一部の実施形態では、1つまたは複数のペイロードは、本明細書に記載の炎症性条件(例えば、RNS、ROS)下で誘導される直接または間接誘導性プロモーターに作動可能に連結している。一部の実施形態では、1つまたは複数のペイロードは、本明細書に記載の、例えば腫瘍内に見られるような、免疫抑制性条件下で誘導される直接または間接誘導性プロモーターに作動可能に連結している。一部の実施形態では、2つまたはそれより多い遺伝子配列は、in vivo条件下で存在することもあり、しないこともあり、ならびにin vitro条件(例えば、株培養、拡大増殖、製造)中に存在することもある、化学または栄養インデューサー、例えば、テトラサイクリンもしくはアラビノース、クメートおよびサリチレートまたは本明細書に記載の他のものへの曝露によって誘導される直接または間接誘導性プロモーターに連結されている。一部の実施形態では、2つまたはそれより多いペイロードは、すべてが構成的プロモーターに連結されている。
一部の実施形態では、プロモーターは、本明細書に記載のin vivo条件、例えば消化管のもとで誘導される。一部の実施形態では、プロモーターは、本明細書に記載のin vitro条件、例えば、様々な細胞培養および/または製造条件下で誘導される。一部の実施形態では、プロモーターは、本明細書に記載のin vivo条件、例えば消化管のもとで、ならびに本明細書に記載のin vitro条件、例えば、様々な細胞培養ならびに/または細胞産生および/もしくは製造条件下で誘導される。
一部の実施形態では、ペイロードをコードする遺伝子に作動可能に連結したプロモーターは、外因性環境条件(例えば、in vivoおよび/またはin vitroおよび/または産生/製造条件)により、直接誘導される。一部の実施形態では、ペイロードをコードする遺伝子に作動可能に連結したプロモーターは、外因性環境条件(例えば、in vivoおよび/またはin vitroおよび/または産生/製造条件)により、間接的に誘導される。
一部の実施形態では、プロモーターは、哺乳動物の消化管に特異的な外因性環境条件により、直接または間接的に誘導される。一部の実施形態では、プロモーターは、腫瘍および/または哺乳動物の小腸の低酸素環境に特異的な外因性環境条件により、直接または間接的に誘導される。一部の実施形態では、プロモーターは、腫瘍の低酸素環境および/または哺乳動物消化管の環境などの、低酸素または嫌気条件により、直接または間接的に誘導される。一部の実施形態では、プロモーターは、腫瘍、哺乳動物の特定の組織または消化管に特異的である分子または代謝物により、直接または間接的に誘導される。一部の実施形態では、プロモーターは、細菌細胞と併用投与される分子により、直接または間接的に誘導される。
FNR依存性調節
本発明の遺伝子操作された細菌は、免疫モジュレーターを産生するための遺伝子または遺伝子カセットを含み、遺伝子または遺伝子カセットは、外因性環境条件により制御される直接または間接誘導性プロモーターに、作動可能に連結している。一部の実施形態では、誘導性プロモーターは、酸素レベル依存性プロモーターであり、免疫モジュレーターは、低酸素、微好気または嫌気条件で発現される。例えば、低酸素条件では、酸素レベル依存性プロモーターは、対応する酸素レベル感知転写因子により活性化され、それによって、免疫モジュレーターの産生が駆動される。
細菌は、酸素レベルを感知することができる転写因子を発達させてきた。異なるシグナル伝達経路を異なる酸素レベルにより誘発することができ、異なるシグナル伝達経路は、異なる動態で存在しうる。酸素レベル依存性プロモーターは、1つまたは複数の酸素レベル感知転写因子が結合することができる核酸配列であって、対応する転写因子の結合および/または活性化が下流の遺伝子発現を活性化する、核酸配列である。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、ペイロードを産生するための遺伝子または遺伝子カセットであって、酸素レベル依存性プロモーターの制御下にある遺伝子または遺伝子カセットを含む。より特異的な態様では、遺伝子操作された細菌は、低酸素または嫌気環境下、例えば、腫瘍の低酸素環境および/または哺乳動物消化管の環境下で活性化される酸素レベル依存性プロモーターの制御下の、ペイロードを産生するための遺伝子または遺伝子カセットを含む。
ある特定の実施形態では、細菌細胞は、フマル酸および硝酸レダクターゼ調節因子(FNR)応答性プロモーターに作動可能に連結された、ペイロードをコードする遺伝子を含む。ある特定の実施形態では、細菌細胞は、フマル酸・硝酸レダクターゼ調節因子(FNR)応答性プロモーターの制御下で発現されるペイロードをコードする遺伝子を含む。E.coliにおいて、FNRは、好気性代謝から嫌気性代謝への切り替えを制御する主転写アクチベーターである(Undenら、1997年)。嫌気状態で、FNRは、二量体化して活性DNA結合タンパク質になり、このタンパク質が、嫌気成長への適応に関与する何百もの遺伝子を活性化する。好気状態では、FNRは、酸素により二量体化が妨げられ、不活性である。FNR応答性プロモーターは、配列番号563〜579のFNR応答性プロモーターを含むが、これらに限定されない。下線付き配列は、予測されるリボソーム結合部位であり、太字の配列は、クローニングに使用される制限部位である。
FNRプロモーター配列は、当技術分野において公知であり、任意の適するFNRプロモーター配列を本発明の遺伝子操作された細菌において使用することができる。任意の適するFNRプロモーターを任意の適するペイロードと組み合わせることができる。
本明細書で使用される場合、用語「ペイロード」は、本明細書に記載される免疫イニシエーターおよび免疫サステナーを含むがこれらに限定されない、1つまたは複数のエフェクター分子、例えば、免疫モジュレーターを指す。
FNRプロモーター配列の非限定的な例は、配列番号563〜579で提供される。一部の実施形態では、本開示の遺伝子操作された細菌は、配列番号563、配列番号564、配列番号565、配列番号566、配列番号567、配列番号568、配列番号569、nirB1プロモーター(配列番号570)、nirB2プロモーター(配列番号571)、nirB3プロモーター(配列番号572)、ydfZプロモーター(配列番号573)、強力なリボソーム結合部位に融合されたnirBプロモーター(配列番号574)、強力なリボソーム結合部位に融合されたydfZプロモーター(配列番号575)、fnrS、嫌気誘導型低分子RNA遺伝子(fnrS1プロモーター配列番号576またはfnrS2プロモーター配列番号577)、crp結合部位に融合されたnirBプロモーター(配列番号578)、およびcrp結合部位に融合されたfnrS(配列番号579)を含む、低酸素誘導性、例えば、FNR調節プロモーターに作動可能に連結した、ペイロード、例えば、エフェクターまたは免疫モジュレーターを含む。一部の実施形態では、FNR応答性プロモーターは、配列番号563〜579から選択される配列と少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約99%相同である。別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号563〜579から選択される配列を含むFNR応答性プロモーターを含む遺伝子配列を含む。さらに別の実施形態では、FNR応答性プロモーターは、配列番号563〜579をから選択される配列からなる。.一部の実施形態では、本開示の遺伝子操作された細菌は、配列番号1281または配列番号1282から選択される配列に対して少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%または少なくとも約99%相同であるFNR応答性プロモーターに作動可能に連結された、エフェクター分子、例えば、免疫イニシエーターまたは免疫刺激因子をコードする遺伝子を含む。別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号1281または配列番号1282から選択される配列を含むFNR応答性プロモーターに作動可能に連結されたエフェクター分子を含む。さらに別の実施形態では、FNR応答性プロモーターは、配列番号1281または配列番号1282から選択される配列からなる。
一部の実施形態では、複数の異なるFNR核酸配列が遺伝子操作された細菌に挿入される。代替実施形態では、遺伝子操作された細菌は、代替酸素レベル依存性プロモーター、例えば、DNR(Trunkら、2010年)またはANR(Rayら、1997年)の制御下で発現されるペイロードをコードする遺伝子を含む。これらの実施形態では、ペイロード遺伝子の発現は、消化管内などの、低酸素または嫌気環境で特に活性化される。一部の実施形態では、遺伝子発現は、当技術分野において公知の方法により、例えば、リボソーム結合部位を最適化することおよび/またはmRNA安定性を増大させることにより、さらに最適化される。一実施形態では、哺乳動物消化管は、ヒト哺乳動物消化管である。
別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、アルギニンデイミナーゼおよび硝酸還元転写調節因子の嫌気的調節(ANR)の制御下で発現される免疫モジュレーターを産生するための遺伝子または遺伝子カセットを含む。P.aeruginosaにおいて、ANRは、「酸素制限条件または嫌気条件下で誘導されうる生理的機能の発現に必要である」(Wintelerら、1996年;Sawers 1991年)。P.aeruginosa ANRは、E.coli FNRと相同であり、「コンセンサスFNR部位(TTGAT−−−−ATCAA)は、ANRおよびFNRによって効率的に認識された」(Wintelerら、1996年)。FNRと同様に、嫌気状態では、ANRは、嫌気成長への適応に関与する非常に多くの遺伝子を活性化する。好気状態では、ANRは不活性である。Pseudomonas fluorescens、Pseudomonas putida、Pseudomonas syringae、およびPseudomonas mendocinaは、すべて、ANRの機能的アナログを有する(Zimmermannら、1991年)。ANRにより調節されるプロモーター、例えば、arcDABCオペロンのプロモーターは、当技術分野において公知である(例えば、Hasegawaら、1998年を参照されたい)。
他の実施形態では、ペイロードを産生するための1つまたは複数の遺伝子配列は、転写アクチベーター、例えばCRP、の結合部位に融合された酸素レベル依存性プロモーターの制御下で発現される。CRP(サイクリックAMP受容体タンパク質またはカタボライト活性化タンパク質またはCAP)は、グルコースなどの急速に代謝可能な炭水化物が存在するときに、あまり好ましくない炭素源の取込み、代謝および同化の原因となる遺伝子を抑止することにより、細菌において主要な調節的役割を果たす(Wuら、2015年)。グルコースに対するこの選好性は、グルコース抑止、ならびにカーボンカタボライト抑止と名付けられた(Deutscher、2008年;GorkeおよびStulke、2008年)。一部の実施形態では、免疫モジュレーターを産生するための遺伝子または遺伝子カセットは、CRP結合部位に融合された酸素レベル依存性プロモーターにより制御される。一部の実施形態では、ペイロードの1つまたは複数の遺伝子配列は、CRP結合部位に融合されたFNRプロモーターにより制御される。これらの実施形態では、サイクリックAMPは、環境にグルコースが存在しない場合、CRPと結合する。この結合によって、CRPの立体構造変化が生じ、CRPはその結合部位と密接に結合することが可能になる。その場合、CRP結合は、RNAポリメラーゼを直接タンパク質間相互作用によってFNRプロモーターに動員することにより、遺伝子または遺伝子カセットの転写を活性化する。グルコースの存在下では、サイクリックAMPは、CRPと結合せず、ペイロードを産生するための遺伝子または遺伝子カセットの転写は、抑止される。一部の実施形態では、転写アクチベーターの結合部位に融合された酸素レベル依存性プロモーター(例えば、FNRプロモーター)は、例えばin vitroで成長培地にグルコースを添加することにより、十分な量のグルコースが存在する場合に、ペイロードを産生するための遺伝子または遺伝子カセットが嫌気条件下で確実に発現されないようにするために使用される。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、細菌の異なる種、株または亜株からの酸素レベル依存性プロモーターを含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、細菌の異なる種、株または亜株からの酸素レベル感知転写因子、例えば、FNR、ANRまたはDNRを含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、細菌の異なる種、株または亜株からの酸素レベル感知転写因子および対応するプロモーターを含む。異種酸素レベル依存性転写調節因子および/またはプロモーターは、低酸素または嫌気環境で、前記プロモーターに作動可能に連結した遺伝子、例えばペイロードを産生するための1つまたは複数の遺伝子配列、の転写を、同じ条件下で細菌のネイティブ遺伝子およびプロモーターと比較して増加させる。ある特定の実施形態では、非ネイティブ酸素レベル依存性転写調節因子は、N.gonorrhoeaeに由来するFNRタンパク質である(例えば、Isabellaら、2011年を参照されたい)。一部の実施形態では、対応する野生型転写調節因子は、無傷の状態で保たれ、野生型活性を保持する。代替実施形態では、対応する野生型転写調節因子は、野生型活性を低減または消失させるために欠失または突然変異される。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、野生型酸素レベル依存性転写調節因子、例えば、FNR、ANRまたはDNRと、同じ亜型の細菌からの野生型プロモーターと比較して突然変異されている対応するプロモーターとを含む。突然変異プロモーターは、野生型転写調節因子との結合を増進させ、低酸素または嫌気環境で、前記プロモーターに作動可能に連結した遺伝子、例えばペイロードをコードする遺伝子、の転写を、同じ条件下で、野生型プロモーターと比較して増加させる。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、野生型酸素レベル依存性プロモーター、例えば、FNR、ANRまたはDNRプロモーターと、同じ亜型の細菌に由来する野生型転写調節因子と比較して突然変異されている対応する転写調節因子とを含む。突然変異転写調節因子は、野生型プロモーターとの結合を増進させ、低酸素または嫌気環境で、前記プロモーターに作動可能に連結した遺伝子、例えばペイロードをコードする遺伝子、の転写を、同じ条件下で、野生型転写調節因子と比較して増加させる。ある特定の実施形態では、突然変異型酸素レベル依存性転写調節因子は、二量体化を増進させかつFNR活性を増強するアミノ酸置換を含む、FNRタンパク質である(例えば、Mooreら、2006年を参照されたい)。一部の実施形態で
は、酸素レベル感知転写調節因子と対応するプロモーターの両方が、低酸素条件で、ペイロードの発現を、同じ亜型の細菌からの野生型配列と比較して増加させるために、突然変異される。
一部の実施形態では、細菌細胞は、酸素レベル感知転写調節因子をコードする内因性遺伝子、例えばFNR遺伝子、の複数のコピーを含む。一部の実施形態では、酸素レベル感知転写調節因子をコードする遺伝子は、プラスミド上に存在する。一部の実施形態では、酸素レベル感知転写調節因子をコードする遺伝子、およびペイロードをコードする遺伝子は、異なるプラスミド上に存在する。一部の実施形態では、酸素レベル感知転写調節因子をコードする遺伝子、およびペイロードをコードする遺伝子は、同じプラスミド上に存在する。
一部の実施形態では、酸素レベル感知転写調節因子をコードする遺伝子は、染色体上に存在する。一部の実施形態では、酸素レベル感知転写調節因子をコードする遺伝子、およびペイロードをコードする遺伝子は、異なる染色体上に存在する。一部の実施形態では、酸素レベル感知転写調節因子をコードする遺伝子、およびペイロードをコードする遺伝子は、同じ染色体上に存在する。一部の事例では、発現安定性を増強するために誘導性プロモーターの制御下で酸素レベル感知転写調節因子を発現させるほうが有利でありうる。一部の実施形態では、転写調節因子の発現は、ペイロードをコードする遺伝子の発現を制御するプロモーターとは異なるプロモーターにより制御される。一部の実施形態では、転写調節因子の発現は、ペイロードの発現を制御する同じプロモーターにより制御される。一部の実施形態では、転写調節因子およびペイロードは、プロモーター領域から分岐転写される。
RNS依存性調節
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は炎症性条件により活性化されるプロモーターの制御下でペイロードを発現する。一実施形態では、ペイロードを産生するための遺伝子は、炎症性環境で活性化される炎症依存性プロモーター、例えば活性窒素種またはRNSプロモーター、の制御下で発現される。例えば、活性窒素種によって誘導性の、適したRNS誘導性プロモーターは、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、01/11/2017に出願され、WO2017/123675として公開された国際特許出願PCT/US2017/013072に記載されている。
RNSを感知する転写因子およびその対応するRNS応答性遺伝子、プロモーター、および/または調節領域の例は、表9に示すものを含むがこれらに限定されない。
ROS依存性調節
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、細胞損傷の条件によって活性化されるプロモーターの制御下でペイロードを発現する。一実施形態では、ペイロードを産生するための遺伝子は、細胞または組織損傷が存在する環境において活性化される細胞損傷依存性プロモーター、例えば、活性酸素種またはROSプロモーターの制御下で発現される。一部の実施形態では、本発明の遺伝子操作された細菌は、少なくとも1つの活性酸素種を感知することができる転写因子によって直接的にまたは間接的に制御される調整可能な調節領域を含む。例えば、活性酸素種によって誘導性の、適したROS誘導性プロモーターは、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、01/11/2017に出願され、WO2017/123675として公開された国際特許出願PCT/US2017/013072に記載されている。
ROSを感知する転写因子およびその対応するROS応答性遺伝子、プロモーター、および/または調節領域の例は、表10に示すものを含むがこれらに限定されない。
他のプロモーター
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、環境、例えば、腫瘍微小環境、特定の組織、または哺乳動物消化管において、特定の分子または代謝物に応答性である誘導性プロモーターの制御下で発現される免疫モジュレーターを産生するための遺伝子または遺伝子カセットを含む。哺乳動物消化管内に、健常および/もしくは疾患状態の際に、または腫瘍微小環境に見られる任意の分子または代謝物を、ペイロード発現を誘導するために使用することができる。
代替実施形態では、免疫モジュレーターを産生するための遺伝子または遺伝子カセットは、環境、例えば、腫瘍微小環境、特定の組織、または哺乳動物消化管に存在しない栄養または化学インデューサーに作動可能に連結している。一部の実施形態では、栄養または化学インデューサーは、遺伝子操作された細菌の前に、それと同時に、またはそれと逐次的に投与される。
他の誘導性プロモーター
一部の実施形態では、本明細書に記載の目的のポリペプチドをコードする1つまたは複数の遺伝子配列は、プラスミド上に存在し、1つまたは複数の栄養および/もしくは化学インデューサーならびに/または代謝物により直接または間接的に誘導されうるプロモーターに作動可能に連結している。一部の実施形態では、細菌細胞は、1つまたは複数の栄養および/もしくは化学インデューサーならびに/または代謝物により誘導される免疫モジュレーターをコードする遺伝子を有する安定に維持されたプラスミドまたは染色体を含み、したがって、免疫モジュレーターを宿主細胞において発現させることができ、宿主細胞は、in vitroで、例えば培養条件下で、および/またはin vivoで、例えば消化管内もしくは腫瘍微小環境内で、生存および/または成長することができる。
一部の実施形態では、1つまたは複数の免疫モジュレーターおよび/または他の目的のポリペプチドの発現は、in vivoで、1つまたは複数のアラビノース、クメートおよびサリチレート誘導性プロモーターによって直接的にまたは間接的に駆動される。一部の実施形態では、プロモーターは、本発明の遺伝子操作された細菌と同時投与される化学的および/または栄養的インデューサーおよび/または代謝物によって直接的にまたは間接的に誘導される。一部の実施形態では、インデューサーは、腫瘍への細菌注射前の規定された時点に腹腔内投与される。一部の実施形態では、インデューサーは、腫瘍への細菌注射後の規定された時点に腹腔内投与される。一部の実施形態では、インデューサーは、腫瘍への細菌注射と同時発生的に腹腔内投与される。一部の実施形態では、インデューサーは、腫瘍への細菌注射前の規定された時点に静脈内投与される。一部の実施形態では、インデューサーは、腫瘍への細菌注射後の規定された時点に静脈内投与される。一部の実施形態では、インデューサーは、腫瘍への細菌注射と同時発生的に静脈内投与される。一部の実施形態では、インデューサーは、腫瘍への細菌注射前の規定された時点に皮下投与される。一部の実施形態では、インデューサーは、腫瘍への細菌注射後の規定された時点に皮下投与される。一部の実施形態では、インデューサーは、腫瘍への細菌注射と同時発生的に皮下投与される。
一部の実施形態では、インデューサーは、腫瘍への細菌注射前の規定された時点に腫瘍内投与される。一部の実施形態では、インデューサーは、腫瘍への細菌注射後の規定された時点に腫瘍内投与される。一部の実施形態では、インデューサーは、腫瘍への細菌注射と同時発生的に腫瘍内投与される。一部の実施形態では、インデューサーは、腫瘍への細菌注射前の規定された時点に腹腔内投与される。一部の実施形態では、インデューサーは、腫瘍への細菌注射後の規定された時点に腹腔内投与される。一部の実施形態では、インデューサーは、静脈内細菌投与と同時発生的に腹腔内投与される。一部の実施形態では、インデューサーは、腫瘍への細菌注射前の規定された時点に静脈内投与される。一部の実施形態では、インデューサーは、腫瘍への細菌注射後の規定された時点に静脈内投与される。一部の実施形態では、インデューサーは、静脈内細菌投与と同時発生的に静脈内投与される。一部の実施形態では、インデューサーは、腫瘍への細菌注射前の規定された時点に皮下投与される。一部の実施形態では、インデューサーは、腫瘍への細菌注射後の規定された時点に皮下投与される。一部の実施形態では、インデューサーは、静脈内細菌投与と同時発生的に皮下投与される。一部の実施形態では、インデューサーは、腫瘍への細菌注射前の規定された時点に腫瘍内投与される。一部の実施形態では、インデューサーは、腫瘍への細菌注射後の規定された時点に腫瘍内投与される。一部の実施形態では、インデューサーは、静脈内細菌投与と同時発生的に腫瘍内投与される。
一部の実施形態では、目的の1つまたは複数の免疫モジュレーターおよび/または他のポリペプチドの発現は、in vivoでの投与の前の株のin vitroでの成長、調製または製造中に化学および/もしくは栄養インデューサーならびに/または代謝物により誘導される1つまたは複数のプロモーターによって直接または間接的に駆動される。一部の実施形態では、化学および/もしくは栄養インデューサーならびに/または代謝物により誘導されるプロモーターは、例えば、細胞成長、細胞拡大増殖、発酵、回収、精製、製剤化および/または製造中に使用される、例えば、フラスコ、発酵槽または他の適切な培養容器において成長させられる、培養中に誘導される。一部の実施形態では、プロモーターは、投与の前に、発現を誘導するためにならびに細菌に目的の免疫モジュレーターおよび/または他のポリペプチドを前負荷するために細菌培養に添加される分子により直接または間接的に誘導される。一部の実施形態では、化学および/もしくは栄養インデューサーならびに/または代謝物により誘導される培養は、好気的に成長させられる。一部の実施形態では、化学および/もしくは栄養インデューサーならびに/または代謝物により誘導される培養は、嫌気的に成長させられる。
一実施形態では、エフェクターまたは免疫モジュレーターをコードする遺伝子は、サリチレートまたはその誘導体によって誘導されるプロモーターに作動可能に連結される。100年間を超える臨床使用の後に、サリチレートは、依然として、世界中で最も広範に使用されている「店頭販売の(over−the−counter)」薬物の1つであり続け、未だに、それによって新薬が評価される標準鎮痛剤/解熱剤/抗炎症剤として認識されている(Clissold;Salicylate and related derivatives of salicylic acid;Drugs.1986年;32巻、追補4号:8〜26頁)。非限定的な例では、免疫モジュレーターは、Pseudomonas putidaから本来適応されたサリチレートPSal/NahRバイオセンサー回路(パート:BBa_J61051)の一部として、プロモーターPSalに作動可能に連結される。nahR遺伝子は、インデューサーサリチレートに応答してnahおよびsalプロモーターに結合して転写を活性化する34kDaタンパク質をコードする、Pseudomonas putidaの83kbナフタレン分解プラスミドNAH7から取り出された(Dunn, N. W.およびI. C. Gunsalus(1973年)Transmissible plasmid encoding early enzymes of naphthalene oxidation in Pseudomonas putida.、J. Bacteriol.114巻:974〜979頁)。この系において、NahRは、構成的プロモーター(Pc)によって構成的に発現され、目的のタンパク質、例えば、免疫モジュレーターの発現は、インデューサー(例えば、サリチレート)の存在下でNahRによって正に調節される。よって、一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、サリチレート誘導性プロモーター(例えば、PSal)に作動可能に連結された、免疫モジュレーターをコードする遺伝子配列を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、プロモーターに作動可能に連結された、NahRをコードする遺伝子配列(複数可)をさらに含む。一部の実施形態では、NahRは、本明細書に記載されるまたは当技術分野で公知の構成的プロモーターの制御下に置かれる。一部の実施形態では、NahRは、本明細書に記載されるまたは当技術分野で公知の誘導性プロモーターの制御下に置かれる。本明細書に記載される一部の実施形態では、Biobrick BBa_J61051(構成的プロモーターおよびPSalプロモーターによって駆動されるNahRをコードする遺伝子を含有する)は、dacAに先行してクローニングされた。
一部の実施形態では、目的の1つまたは複数の免疫モジュレータータンパク質、例えば1つまたは複数の治療用ポリペプチド、の発現は、1つまたは複数のサリチレート誘導性プロモーターにより直接または間接的に駆動される。
一部の実施形態では、サリチレート誘導性プロモーターは、目的の1つまたは複数のタンパク質のin vivoでの発現に有用であり、またはそのような発現中に誘導される。一部の実施形態では、目的の1つまたは複数の免疫モジュレーターの発現は、in vivoで1つまたは複数のサリチレート誘導性プロモーターにより直接または間接的に駆動される。一部の実施形態では、プロモーターは、本発明の遺伝子操作された細菌と併用投与される分子、例えばサリチレート、により直接または間接的に誘導される。
一部の実施形態では、サリチレートは、腫瘍への細菌注射前の規定された時点に腹腔内投与される。一部の実施形態では、サリチレートは、腫瘍への細菌注射後の規定された時点に腹腔内投与される。一部の実施形態では、サリチレートは、腫瘍への細菌注射と同時発生的に腹腔内投与される。一部の実施形態では、サリチレートは、腫瘍への細菌注射前の規定された時点に静脈内投与される。一部の実施形態では、サリチレートは、腫瘍への細菌注射後の規定された時点に静脈内投与される。一部の実施形態では、サリチレートは、腫瘍への細菌注射と同時発生的に静脈内投与される。一部の実施形態では、サリチレートは、腫瘍への細菌注射前の規定された時点に皮下投与される。一部の実施形態では、サリチレートは、腫瘍への細菌注射後の規定された時点に皮下投与される。一部の実施形態では、サリチレートは、腫瘍への細菌注射と同時発生的に皮下投与される。
一部の実施形態では、サリチレートは、腫瘍への細菌注射前の規定された時点に腫瘍内投与される。一部の実施形態では、サリチレートは、腫瘍への細菌注射後の規定された時点に腫瘍内投与される。一部の実施形態では、サリチレートは、腫瘍への細菌注射と同時発生的に腫瘍内投与される。一部の実施形態では、サリチレートは、腫瘍への細菌注射前の規定された時点に腹腔内投与される。一部の実施形態では、サリチレートは、腫瘍への細菌注射後の規定された時点に腹腔内投与される。一部の実施形態では、サリチレートは、静脈内細菌投与と同時発生的に腹腔内投与される。一部の実施形態では、サリチレートは、腫瘍への細菌注射前の規定された時点に静脈内投与される。一部の実施形態では、サリチレートは、腫瘍への細菌注射後の規定された時点に静脈内投与される。一部の実施形態では、サリチレートは、静脈内細菌投与と同時発生的に静脈内投与される。一部の実施形態では、サリチレートは、腫瘍への細菌注射前の規定された時点に皮下投与される。一部の実施形態では、サリチレートは、腫瘍への細菌注射後の規定された時点に皮下投与される。一部の実施形態では、サリチレートは、静脈内細菌投与と同時発生的に皮下投与される。一部の実施形態では、サリチレートは、腫瘍への細菌注射前の規定された時点に腫瘍内投与される。一部の実施形態では、サリチレートは、腫瘍への細菌注射後の規定された時点に腫瘍内投与される。一部の実施形態では、サリチレートは、静脈内細菌投与と同時発生的に腫瘍内投与される。
一部の実施形態では、1つまたは複数の目的のタンパク質の発現は、in vivo投与に先立つ株のin vitro成長、調製または製造において、1つまたは複数のサリチレート誘導性プロモーターによって直接的にまたは間接的に駆動される。一部の実施形態では、サリチレート誘導性プロモーターは、培養中に、例えば、フラスコ、発酵槽または他の適切な培養容器内での育成下で誘導され、例えば、細胞成長、細胞拡大増殖、発酵、回収、精製、製剤化および/または製造中に使用される。一部の実施形態では、プロモーターは、細菌培養物に添加されて発現を誘導し、投与に先立ち細菌にペイロードを前負荷する分子、例えば、サリチレートによって直接的にまたは間接的に誘導される。一部の実施形態では、サリチレートによって誘導される培養物は、好気的に育成される。一部の実施形態では、サリチレートによって誘導される培養物は、嫌気的に育成される。
一部の実施形態では、サリチレート誘導性プロモーターは、低コピー数プラスミドまたは高コピー数プラスミドまたは本明細書に記載のバイオセーフティシステムプラスミドからの目的の1つまたは複数のタンパク質の発現を駆動する。一部の実施形態では、サリチレート誘導性プロモーターは、細菌染色体に組み込まれている構築物からの目的の1つまたは複数のタンパク質の発現を駆動する。例示的な挿入部位は、本明細書に記載されている。
一部の実施形態では、1つまたは複数の目的のタンパク質は、ネイティブサリチレート誘導性プロモーターに連結され、これによって駆動される。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号1273または配列番号1274と少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%,96%、97%、98%、または99%の同一性を有する1つまたは複数の遺伝子配列を含む。
一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号1273または配列番号1274を含む遺伝子配列を含む。別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号1273または配列番号1274からなる遺伝子配列を含む。
一部の実施形態では、サリチレート誘導性構築物は、一部の実施形態では、構成的または誘導性プロモーターから多岐にわたり転写される、NahRをコードする遺伝子をさらに含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号1278と少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一性を有する1つまたは複数の遺伝子配列を含む。別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号1278を含む遺伝子配列を含む。別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号1278からなる遺伝子配列を含む。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号1280によりコードされているポリペプチドと少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%,96%、97%、98%、または99%の同一性を有するポリペプチドをコードする1つまたは複数の遺伝子配列を含む。別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号1280を含むポリペプチドをコードする遺伝子配列を含む。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌により発現されるポリペプチドは、配列番号1280からなる。
一実施形態では、免疫モジュレーターをコードする遺伝子は、クメートまたはその誘導体によって誘導されるプロモーターに作動可能に連結される。適した誘導体は、当技術分野で公知であり、例えば、米国特許第7745592号に記載されている。クメート誘導の利点は、クメートが、無毒性、水溶性かつ安価であることを含む。ネイティブP.putida F1においてクメート調節性発現が機能する基礎的機構、およびE.coliを含むがこれらに限定されない他の細菌クラスにこれが適用される仕方は、以前に記載された(例えば、Choiら、Novel, Versatile, and Tightly Regulated Expression System for Escherichia coli Strains;Appl. Environ. Microbiol. 2010年8月、76巻、15号、5058〜5066頁を参照)。基本的に、クメート回路またはスイッチは、4つの構成成分を含む:強いプロモーター、リプレッサー結合DNA配列またはオペレーター、cymRの発現、リプレッサー、およびインデューサーとしてのクメート。インデューサーの添加は、クメートおよびCymRの間の複合体の形成を引き起こし、そのDNA結合部位からのリプレッサーの除去をもたらし、目的の遺伝子の発現を可能にする。構成的プロモーターおよびcymR応答性プロモーターによって駆動されるcymR遺伝子を含む構築物は、DacA遺伝子の前にクローニングされて、DacAのクメート誘導性発現を可能にし、これは、本明細書の他の箇所に記載されている。
一実施形態では、1つまたは複数の目的の免疫モジュレータータンパク質、例えば、1つまたは複数の治療ポリペプチドの発現は、クメートまたはその誘導体によって誘導性の1つまたは複数のプロモーターによって直接的にまたは間接的に駆動される。
一部の実施形態では、クメート誘導性プロモーターは、1つまたは複数の目的のタンパク質のin vivo発現に有用であるまたはその際に誘導される。一部の実施形態では、1つまたは複数の目的の免疫モジュレータータンパク質の発現は、in vivoで1つまたは複数のクメート誘導性プロモーターによって直接的にまたは間接的に駆動される。一部の実施形態では、プロモーターは、本発明の遺伝子操作された細菌と同時投与される分子、例えば、クメートによって直接的にまたは間接的に誘導される。
一部の実施形態では、クメートは、腫瘍への細菌注射前の規定された時点に腹腔内投与される。一部の実施形態では、クメートは、腫瘍への細菌注射後の規定された時点に腹腔内投与される。一部の実施形態では、クメートは、腫瘍への細菌注射と同時発生的に腹腔内投与される。一部の実施形態では、クメートは、腫瘍への細菌注射前の規定された時点に静脈内投与される。一部の実施形態では、クメートは、腫瘍への細菌注射後の規定された時点に静脈内投与される。一部の実施形態では、クメートは、腫瘍への細菌注射と同時発生的に静脈内投与される。一部の実施形態では、クメートは、腫瘍への細菌注射前の規定された時点に皮下投与される。一部の実施形態では、クメートは、腫瘍への細菌注射後の規定された時点に皮下投与される。一部の実施形態では、クメートは、腫瘍への細菌注射と同時発生的に皮下投与される。
一部の実施形態では、クメートは、腫瘍への細菌注射前の規定された時点に腫瘍内投与される。一部の実施形態では、クメートは、腫瘍への細菌注射後の規定された時点に腫瘍内投与される。一部の実施形態では、クメートは、腫瘍への細菌注射と同時発生的に腫瘍内投与される。一部の実施形態では、クメートは、腫瘍への細菌注射前の規定された時点に腹腔内投与される。一部の実施形態では、クメートは、腫瘍への細菌注射後の規定された時点に腹腔内投与される。一部の実施形態では、クメートは、静脈内細菌投与と同時発生的に腹腔内投与される。一部の実施形態では、クメートは、腫瘍への細菌注射前の規定された時点に静脈内投与される。一部の実施形態では、クメートは、腫瘍への細菌注射後の規定された時点に静脈内投与される。一部の実施形態では、クメートは、静脈内細菌投与と同時発生的に静脈内投与される。一部の実施形態では、クメートは、腫瘍への細菌注射前の規定された時点に皮下投与される。一部の実施形態では、クメートは、腫瘍への細菌注射後の規定された時点に皮下投与される。一部の実施形態では、クメートは、静脈内細菌投与と同時発生的に皮下投与される。一部の実施形態では、クメートは、腫瘍への細菌注射前の規定された時点に腫瘍内投与される。一部の実施形態では、クメートは、腫瘍への細菌注射後の規定された時点に腫瘍内投与される。一部の実施形態では、クメートは、静脈内細菌投与と同時発生的に腫瘍内投与される。
一部の実施形態では、目的の1つまたは複数のタンパク質の発現は、in vivoでの投与の前の株のin vitroでの成長、調製または製造中に1つまたは複数のクメート誘導性プロモーターにより直接または間接的に駆動される。一部の実施形態では、テトラサイクリン誘導性プロモーターは、例えば、細胞成長、細胞拡大増殖、発酵、回収、精製、製剤化および/または製造中に使用される、例えば、フラスコ、発酵槽または他の適切な培養容器において成長させられる、培養中に誘導される。一部の実施形態では、プロモーターは、投与の前に、発現を誘導するためにおよび細菌にペイロードを前負荷するために細菌培養に添加される分子、例えばクメート、により直接または間接的に誘導される。一部の実施形態では、クメートにより誘導される培養は、好気的に成長させられる。一部の実施形態では、クメートにより誘導される培養は、嫌気的に成長させられる。
一部の実施形態では、クメート誘導性プロモーターは、低コピー数プラスミドまたは高コピー数プラスミドまたは本明細書に記載のバイオセーフティシステムプラスミドからの目的の1つまたは複数のタンパク質の発現を駆動する。一部の実施形態では、クメート誘導性プロモーターは、細菌染色体に組み込まれている構築物から目的の1つまたは複数のタンパク質の発現を駆動する。例示的な挿入部位は、本明細書に記載されている。
一部の実施形態では、1つまたは複数の目的のタンパク質は、ネイティブクメート誘導性プロモーターに作動可能に連結される。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号1270または配列番号1271と少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一性を有する1つまたは複数の遺伝子配列を含む。
一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号1270または配列番号1271を含む遺伝子配列を含む。別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号1270または配列番号1271からなる遺伝子配列を含む。
一部の実施形態では、クメート誘導性構築物は、一部の実施形態では、構成的または誘導性プロモーターから多岐にわたり転写される、CymRをコードする遺伝子をさらに含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号1268と少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一性を有する1つまたは複数の遺伝子配列を含む。別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号1268を含む遺伝子配列を含む。別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号1268からなる遺伝子配列を含む。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号1269によってコードされるポリペプチドと少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一性を有するポリペプチドをコードする1つまたは複数の遺伝子配列を含む。別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号1269を含むポリペプチドをコードする遺伝子配列を含む。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌によって発現されるポリペプチドは、配列番号1269からなる。
本開示において企図される他の誘導性プロモーターは、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、01/11/2017に出願され、WO2017/123675として公開された国際特許出願PCT/US2017/013072に記載されている。そのようなプロモーターは、アラビノース誘導性、ラムノース誘導性およびIPTG誘導性プロモーター、テトラサイクリン誘導性プロモーター、温度誘導性プロモーター、ならびにPSSBプロモーターを含む。これらのプロモーターは、互いと、または低酸素誘導性プロモーター等の他の誘導性プロモーターもしくは構成的プロモーターと組み合わせて使用して、例えば、1つの細菌において、または2つ以上の細菌株の組成物において、異なるエフェクターの発現を微調整することができる。
構成的プロモーター
一部の実施形態では、ペイロードをコードする遺伝子は、プラスミド上に存在し、構成的プロモーターに作動可能に連結している。一部の実施形態では、ペイロードをコードする遺伝子は、染色体上に存在し、構成的プロモーターに作動可能に連結している。
一部の実施形態では、構成的プロモーターは、本明細書に記載のin vivo条件下で、例えば消化管のもとで、および/または腫瘍微小環境の条件下で、活性である。一部の実施形態では、プロモーターは、本明細書に記載のin vitro条件下で、例えば、様々な細胞培養および/または細胞製造条件下で、活性である。一部の実施形態では、構成的プロモーターは、本明細書に記載のin vivo条件下で、例えば、消化管のもとで、および/または腫瘍微小環境の条件下で、ならびに本明細書に記載のin vitro条件下で、例えば、様々な細胞培養ならびに/または細胞産生および/もしくは製造条件下で、活性である。
一部の実施形態では、ペイロードをコードする遺伝子に作動可能に連結している構成的プロモーターは、様々な外因性環境条件(例えば、in vivoおよび/またはin vitroおよび/または産生/製造条件)で、活性である。
一部の実施形態では、構成的プロモーターは、哺乳動物の消化管に特異的な外因性環境条件、および/または腫瘍微小環境条件で、活性である。一部の実施形態では、構成的プロモーターは、哺乳動物の小腸に特異的な外因性環境条件において活性である。一部の実施形態では、構成的プロモーターは、低酸素または嫌気条件、例えば、哺乳動物の消化管の環境、および/または腫瘍微小環境条件で、活性である。一部の実施形態では、構成的プロモーターは、哺乳動物の消化管および/または腫瘍微小環境条件に特異的である分子または代謝物の存在下で活性である。一部の実施形態では、構成的プロモーターは、細菌細胞と併用投与される分子により直接または間接的に誘導される。一部の実施形態では、構成的プロモーターは、分子もしくは代謝物、またはin vitroでの培養中に存在する他の条件、細胞産生および/または製造条件の存在下で、活性である。
細菌の構成的プロモーターは、当技術分野で公知であり、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、01/11/2017に出願され、WO2017/123675として公開された国際特許出願PCT/US2017/013072に記載されている。例は、配列番号598〜739において本明細書に含まれており、サブセットは、表11に示されている。
一部の実施形態では、プロモーターは、Plppまたはその誘導体である。一部の実施形態では、プロモーターは、配列番号740からの配列を含む。一部の実施形態では、構成的プロモーターは、配列番号740の配列と少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約99%相同である。一部の実施形態では、プロモーターは、PapFAB46またはその誘導体である。一部の実施形態では、プロモーターは、配列番号741からの配列を含む。一部の実施形態では、構成的プロモーターは、配列番号741の配列と少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約99%相同である。一部の実施形態では、プロモーターは、PJ23101+UPエレメントまたはその誘導体である。一部の実施形態では、プロモーターは、配列番号742からの配列を含む。一部の実施形態では、構成的プロモーターは、配列番号742の配列と少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約99%相同である。一部の実施形態では、プロモーターは、PJ23107+UPエレメントまたはその誘導体である。一部の実施形態では、プロモーターは、配列番号743からの配列を含む。一部の実施形態では、構成的プロモーターは、配列番号743の配列と少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約99%相同である。一部の実施形態では、プロモーターは、PSYN23119またはその誘導体である。一部の実施形態では、プロモーターは、配列番号744からの配列を含む。一部の実施形態では、構成的プロモーターは、配列番号744の配列と少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約99%相同である。
ペイロードに連結されうる追加的なプロモーターは、apFAB124(tcgacatttatcccttgcggcgaatacttacagccatagcaa(配列番号1443));apfab338(GGCGCGCCTTGACAATTAATCATCCGGCTCCTAGGATGTGTGGAGGGAC(配列番号1444))、apFAB66(GGCGCGCCTTGACATCAGGAAAATTTTTCTGTATAATAGATTCATCTCAA(配列番号1445))およびapFAB54(GGCGCGCCTTGACATAAAGTCTAACCTATAGGATACTTACAGCCATACAAG(配列番号1446))を含む。一部の実施形態では、プロモーターは、apFAB124またはその誘導体である。一部の実施形態では、プロモーターは、apFAB124の配列を含む。一部の実施形態では、構成的プロモーターは、apFAB124の配列に対して少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%または少なくとも約99%相同である。一部の実施形態では、プロモーターは、apFAB338またはその誘導体である。一部の実施形態では、プロモーターは、apFAB338の配列を含む。一部の実施形態では、構成的プロモーターは、apFAB338の配列に対して少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%または少なくとも約99%相同である。一部の実施形態では、プロモーターは、apFAB66またはその誘導体である。一部の実施形態では、プロモーターは、apFAB66の配列を含む。一部の実施形態では、構成的プロモーターは、apFAB66の配列に対して少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%または少なくとも約99%相同である。一部の実施形態では、プロモーターは、apFAB54またはその誘導体である。一部の実施形態では、プロモーターは、apFAB54の配列を含む。一部の実施形態では、構成的プロモーターは、apFAB54の配列に対して少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%または少なくとも約99%相同である。
リボソーム結合部位
一部の実施形態では、リボソーム結合部位は、付加、交換または置換される。少数のリボソーム結合部位を試験することにより、発現レベルを微調整して所望のレベルにすることができる。一部の実施形態では、原核生物発現に適しており、所望の発現レベルを達成するために使用することができるRBSが、選択される。RBSの非限定的な例は、標準生物学的パーツ・レジストリ(Registry of standard biological parts)に収載されており、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、01/11/2017に出願され、WO2017/123675として公開された国際特許出願PCT/US2017/013072に記載されている。適した例は、配列番号1018〜1050および869〜871、873〜877、880〜887に示されている。
株培養におけるペイロードの誘導
培養におけるペイロードの誘導は、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、01/11/2017に出願され、WO2017/123675として公開された国際特許出願PCT/US2017/013072に記載されている。
一部の実施形態では、投与の前に目的のペイロードもしくはタンパク質発現および/またはペイロード活性を前誘導するのが望ましい。そのような目的のペイロードまたはタンパク質は、分泌を目的としたエフェクターであってもよく、またはエフェクターを産生するように代謝反応を触媒する酵素であってもよい。他の実施形態では、目的のタンパク質は、有害な代謝物を異化する酵素である。そのような状況では、株に目的の活性ペイロードまたはタンパク質が前負荷される。そのような事例では、本発明の遺伝子操作された細菌は、in vivoでの投与の前の細胞成長、拡大増殖、精製、発酵および/または製造中の細菌培養に関して規定される条件下で、目的の1つまたは複数のタンパク質を発現する。そのような培養条件は、例えば、細胞成長、細胞拡大増殖、発酵、回収、精製、製剤化および/または製造中に使用される、フラスコ、発酵槽または他の適切な培養容器で、規定されうる。本明細書で使用される場合、用語「細菌培養」または「細菌細胞培養」または「培養」は、in vitroで、細胞成長、細胞拡大増殖、回収、精製、発酵および/または製造を含む、いくつかの産生プロセス中に維持または成長させられる、細菌細胞または微生物を指す。本明細書で使用される場合、用語「発酵」は、被定義条件下での細菌の成長、拡大増殖および維持を指す。発酵は、嫌気または低酸素または酸素負荷条件を含む多数の細胞培養条件下で、インデューサー、栄養素の存在下で、被定義温度などで、行われうる。
培養条件は、高い細胞密度(高バイオマス)収率を維持しながら細胞の最適な活性および生存率を達成するように選択される。酸素レベル(例えば、低酸素、微好気性、好気性)、培地の温度、ならびに栄養素および/または種々の成長培地、培地に供給される化学および/または栄養インデューサーならびに他の成分を含む、多数の細胞培養条件および運転パラメーターが、最適な活性、高い収率および高い生存率を達成するためにモニターされ、調整される。
一部の実施形態では、目的の1つまたは複数のタンパク質は、株がin vivoでの投与のために成長させられている間に、直接または間接的に誘導される。理論に縛られることは望まないが、前誘導は、例えば、消化管又は腫瘍において、in vivoでの活性を高めることができる。特に消化管区画での細菌滞留時間が比較的短い場合、細菌は、十分なin vivo誘導能力に達することなく小腸を通過することもある。対照的に、株が前誘導されており、かつ株に前負荷されていた場合、株は、既に十分に活性であり、これによって、細菌が腸に到達したとき、より迅速に、より大きい活性が可能になる。それ故、株が最適な活性でない通過時間が「浪費され」ない。細菌は、腸を通って移動し続けるので、in vivoでの誘導は、消化管の環境条件下(例えば、低酸素、または消化管代謝物の存在下)で起こる。同様に、他の細菌の、本明細書に記載される通りの、全身性投与または腫瘍内注射は、細菌が腫瘍に達すると、より大きい活性をより急速に可能にすることができる。腫瘍に入ると、例えば、腫瘍微小環境の条件下で、in vivo誘導が起こる。
一実施形態では、1つまたは複数のペイロードの発現は、細胞成長、細胞拡大増殖、発酵、回収、精製、製剤化および/または製造中に誘導される。一実施形態では、目的の、いくつかの異なるタンパク質の発現は、細胞成長、細胞拡大増殖、発酵、回収、精製、製剤化および/または製造中に誘導される。
一部の実施形態では、株は、in vivoでの投与の前の株成長中にいかなる前誘導プロトコールもなく、投与される。
嫌気誘導
一部の実施形態では、細胞は、培養中に嫌気または低酸素条件下で誘導される。そのような事例では、細胞は、ある特定の密度、例えば1×108〜1×1011の範囲の密度、を示す、ある特定のOD、例えば0.1〜10の範囲内のODに達し、そして指数関数的成長に達し終えるまで(例えば、1.5〜3時間)成長させられ、次いで、おおよそ3〜5時間にわたって嫌気または低酸素条件に切り替えられる。一部の実施形態では、株は、例えば、FNRプロモーター活性を誘導し、1つまたは複数のFNRプロモーターの制御下で1つまたは複数のペイロードおよび/または輸送体の発現を駆動するために、嫌気または低酸素条件下で誘導される。
一実施形態では、1つまたは複数のペイロードの発現は、1つまたは複数のFNRプロモーターの制御下にあり、細胞成長、細胞拡大増殖、発酵、回収、精製、製剤化および/または製造中に、嫌気または低酸素条件下で誘導される。一実施形態では、目的のいくつかの異なるタンパク質の発現は、1つまたは複数のFNRプロモーターの制御下にあり、細胞成長、細胞拡大増殖、発酵、回収、精製、製剤化および/または製造中に、嫌気または低酸素条件下で誘導される。
理論に縛られることは望まないが、FNRプロモーターの制御下の1つまたは複数のペイロードを含む株は、in vitroで、嫌気または低酸素培養条件下での、ならびにin vivoで、消化管に見られる低酸素条件および/または腫瘍微小環境の条件下で、これらのプロモーターからのペイロードの発現を可能にしうる。
一部の実施形態では、アラビノース、クメートおよびサリチレートIPTG、ラムノース、テトラサイクリンならびに/または他の化学および/もしくは栄養インデューサーにより誘導されうる、目的のペイロードに連結されたプロモーターを、嫌気または低酸素条件下、化学および/または栄養インデューサーの存在下で、誘導することができる。詳細には、株は、遺伝子配列の一部がFNRプロモーターの制御下にあり、他の遺伝子配列が、化学および/または栄養インデューサーにより誘導されるプロモーターの制御下にある、遺伝子配列の組合せを含むことができる。一部の実施形態では、株は、1つまたは複数のFNRプロモーターの制御下の1つまたは複数のペイロード遺伝子配列と、本明細書に記載の1つまたは複数の構成的プロモーターの制御下の1つまたは複数のペイロード遺伝子配列とを含むことができる。好気誘導
一部の実施形態では、好気条件下で株を調製すること、株に前負荷すること、および株を前誘導することが望ましい。これは、より効率的な成長および生存率を可能にし、場合によっては、毒性代謝物の蓄積を低減させる。そのような事例では、細胞は、ある特定の密度、例えば1×108〜1×1011の範囲の密度、を示す、ある特定のOD、例えば0.1〜10の範囲内のODに達し、そして指数関数的成長に達し終えるまで(例えば、1.5〜3時間)成長させられ、次いで、インデューサーの添加によって、または他の手段、例えば、許容温度へのシフトによって、おおよそ3〜5時間にわたって誘導される。
一部の実施形態では、アラビノース、クメートおよびサリチレート、IPTG、ラムノース、テトラサイクリン、ならびに/または本明細書に記載のもしくは当技術分野において公知の他の化学および/もしくは栄養インデューサーにより誘導されうるプロモーターを、好気条件下で、化学および/または栄養インデューサーの存在下で、細胞成長、細胞拡大増殖、発酵、回収、精製、製剤化および/または製造中に誘導することができる。一実施形態では、1つまたは複数のペイロードの発現は、化学および/または栄養インデューサーにより調節される1つまたは複数のプロモーターの制御下にあり、好気条件下で、細胞成長、細胞拡大増殖、発酵、回収、精製、製剤化および/または製造中に誘導される。
一部の実施形態では、遺伝子操作された株は、好気培養条件下で誘導される遺伝子配列を含む。一部の実施形態では、これらの株は、in vivoで消化管内および/または腫瘍微小環境条件での活性化のためのFNR誘導性遺伝子配列をさらに含む。一部の実施形態では、これらの株は、in vivoで消化管内および/または腫瘍微小環境条件での活性化のためのFNR誘導性遺伝子配列をさらに備えていない。
微好気誘導
一部の実施形態では、生存率、成長および活性は、微好気条件下で菌株を前誘導することにより最適化される。一部の実施形態では、微好気条件は、特に、1つまたは複数のペイロードの発現が、嫌気性および/または低酸素プロモーター、例えばFNRプロモーター、により駆動される場合、最適な成長、活性および生存率の条件と、誘導のための最適な条件との「バランスを取る」のに最もよく適している。そのような事例では、細胞は、例えば、ある特定の密度、例えば1×108〜1×1011の範囲の密度、を示す、ある特定のOD、例えば0.1〜10の範囲内のODに達し、そして指数関数的成長に達し終えるまで成長させられ(例えば、1.5〜3時間)、次いで、インデューサーの添加によって、または他の手段、例えば、許容温度へのシフトによって、おおよそ3〜5時間にわたって誘導される。
一実施形態では、1つまたは複数のペイロードの発現は、1つまたは複数のFNRプロモーターの制御下にあり、微好気条件下で、細胞成長、細胞拡大増殖、発酵、回収、精製、製剤化および/または製造中に誘導される。
理論に縛られることは望まないが、FNRプロモーターの制御下の1つまたは複数のペイロードを含む株は、in vitroで、微好気培養条件下で、ならびにin vivoで、消化管に見られる低酸素条件および/または腫瘍微小環境の条件下で、これらのプロモーターからのペイロードの発現を可能にしうる。
一部の実施形態では、アラビノース、クメートおよびサリチレート、IPTG、ラムノース、テトラサイクリンならびに/または他の化学および/もしくは栄養インデューサーにより誘導されうるプロモーターを、微好気条件下で、化学および/または栄養インデューサーの存在下で、誘導することができる。詳細には、株は、遺伝子配列の一部がFNRプロモーターの制御下にあり、他の遺伝子配列が化学および/または栄養インデューサーにより誘導されるプロモーターの制御下にある、遺伝子配列の組合せを含むことができる。一部の実施形態では、株は、1つまたは複数のFNRプロモーターの制御下の1つまたは複数のペイロード遺伝子配列と、本明細書に記載の1つまたは複数の構成的プロモーターの制御下の1つまたは複数のペイロード遺伝子配列とを含むことができる。
一実施形態では、1つまたは複数のペイロードの発現は、化学および/または栄養インデューサーにより調節される1つまたは複数のプロモーターの制御下にあり、微好気条件下で、細胞成長、細胞拡大増殖、発酵、回収、精製、製剤化および/または製造中に誘導される。
フェージング、パルシングおよび/またはサイクリングを使用する株の誘導
一部の実施形態では、in vivoでの投与の前に、株を効率的に誘導し、成長させるために、細胞成長、拡大増殖、回収、精製、発酵および/または製造中にサイクリング、フェージングまたはパルシング技術が利用される。この方法は、特に、成長、細胞健康状態または生存率が誘導条件下で悪影響を受ける場合、最適な成長、活性、細胞健康状態、および生存率の条件と、誘導のための最適な条件との「バランスを取る」ために使用される。そのような事例では、細胞は、第1のフェーズまたはサイクルで、ある特定の密度、例えば1×108〜1×1011の範囲の密度、を示す、ある特定のOD、例えば0.1〜10の範囲内のODに達し終えるまで成長させられ(例えば、1.5〜3時間)、次いで、インデューサーの添加によって、または他の手段、例えば、許容温度へのシフト(プロモーターが温度調節型である場合)、または酸素レベルの変化(例えば、FNRプロモーターにより駆動される構築物の誘導の場合、酸素レベルの低減)によって、おおよそ3〜5時間にわたって誘導される。第2のフェーズまたはサイクルでは、条件は、最適な成長、細胞健康状態および生存率を支持する当初の条件に戻される。あるいは、化学および/または栄養インデューサーが使用される場合には、第2のフェーズまたはサイクルで、インデューサーの第2の用量を培養にスパイクすることができる。
一部の実施形態では、2サイクルの最適条件および誘導条件が利用される(すなわち、成長、誘導、回収および成長、誘導)。一部の実施形態では、3サイクルの最適条件および誘導条件が利用される。一部の実施形態では、4サイクルまたはそれより多いサイクルの最適条件および誘導条件が利用される。非限定的な例では、そのようなサイクリングおよび/またはフェージングは、嫌気および/または低酸素条件下での誘導(例えば、FNRプロモーターの誘導)に使用される。一実施形態では、細胞は、最適な密度に成長させられ、次いで、嫌気および/または低酸素条件下で誘導される。成長および/または生存率が、ストレスの多い誘導条件のために悪影響を受ける前に、細胞は、酸素負荷条件に戻されて回復させられ、その後、2回目の誘導嫌気および/または低酸素条件に戻される。一部の実施形態では、これらのサイクルが必要に応じて繰り返される。
一部の実施形態では、成長中の培養に、1回、化学および/または栄養インデューサーがスパイクされる。一部の実施形態では、成長中の培養に、2回、化学および/または栄養インデューサーがスパイクされる。一部の実施形態では、成長中の培養に、3回またはそれより多い回数、化学および/または栄養インデューサーがスパイクされる。非限定的な例では、細胞は、先ず、最適成長条件下で、ある特定の密度まで、例えば、細胞が1×108〜1×1011の範囲の密度になるまで、0.1〜10に達するように1.5〜3時間、成長させられる。次いで、化学インデューサー、例えば、アラビノースまたはIPTGが、培養に添加される。3〜5時間後、追加のインデューサー用量が、誘導の再開始のために添加される。スパイキングを必要に応じて繰り返すことができる。
一部の実施形態では、フェージング(phasing)またはサイクリングまたはパルシングまたはスパイキング技法を使用することにより、細胞成長、細胞拡大増殖、発酵、回収、精製、製剤化および/または製造において誘導されたペイロード(複数可)は、異なる誘導性プロモーター、例えば、2つの異なる化学的インデューサーの制御下に置かれる。他の実施形態では、ペイロードは、低酸素条件または微好気的条件下で誘導され、第2のペイロードは、化学的インデューサーによって誘導される。
核酸
一部の実施形態では、本開示は、1つまたは複数の免疫イニシエーターおよび/または免疫サステナーを産生するための新規核酸を提供する。一部の実施形態では、核酸は、1つまたは複数の免疫イニシエーターおよび/または免疫サステナーポリペプチドをコードする。よって、一部の実施形態では、核酸は、1つまたは複数の免疫イニシエーターおよび/または免疫サステナーポリペプチドをコードする遺伝子配列(複数可)を含む。
一部の実施形態では、本開示は、1つまたは複数のSTINGアゴニストを産生するための新規核酸を提供する。一部の実施形態では、核酸は、1つまたは複数のSTINGアゴニスト産生ポリペプチドをコードする。よって、一部の実施形態では、核酸は、1つまたは複数のSTINGアゴニスト産生ポリペプチドをコードする遺伝子配列(複数可)を含む。
一部の実施形態では、本開示は、c−ジ−AMPを産生するための新規核酸を提供する。一部の実施形態では、核酸は、1つまたは複数のc−ジAMP産生ポリペプチドをコードする。よって、一部の実施形態では、核酸は、1つまたは複数のサイクリックジアデニル酸シクラーゼポリペプチドをコードする遺伝子配列(複数可)を含む。一部の実施形態では、核酸は、DacAポリペプチドをコードする遺伝子配列を含む。ある特定の実施形態では、DacAポリペプチドは、配列番号1257と少なくとも約80%同一性を有する。ある特定の実施形態では、DacAポリペプチドは、配列番号1257と少なくとも約90%同一性を有する。ある特定の実施形態では、DacAポリペプチドは、配列番号1257と少なくとも約95%同一性を有する。一部の実施形態では、DacAポリペプチドは、配列番号1257と少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一性を有する。一部の特異的な実施形態では、DacAポリペプチドは、配列番号1257を含む。他の特異的な実施形態では、DacAポリペプチドは、配列番号1257からなる。一部の実施形態では、核酸は、dacA遺伝子配列を含む。ある特定の実施形態では、dacA遺伝子配列を含む核酸は、配列番号1258と少なくとも約80%同一性を有する。ある特定の実施形態では、dacA遺伝子配列を含む核酸は、配列番号1258と少なくとも約90%同一性を有する。ある特定の実施形態では、dacA遺伝子配列を含む核酸は、配列番号1258と少なくとも約95%同一性を有する。一部の実施形態では、dacA遺伝子配列を含む核酸は、配列番号1258と少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一性を有する。一部の特異的な実施形態では、dacA遺伝子配列を含む核酸は、配列番号1258を含む。他の特異的な実施形態では、dacA遺伝子配列を含む核酸は、配列番号1258からなる。
ある特定の実施形態では、dacA遺伝子配列を含む核酸は、低酸素誘導性プロモーターに作動可能に連結される。ある特定の実施形態では、dacA遺伝子配列を含む核酸は、低酸素誘導性プロモーターに作動可能に連結され、配列番号1284と少なくとも約80%同一性を有する。ある特定の実施形態では、低酸素誘導性プロモーターに作動可能に連結されたdacA遺伝子配列を含む核酸は、配列番号1284と少なくとも約90%同一性を有する。ある特定の実施形態では、低酸素誘導性プロモーターに作動可能に連結されたdacA遺伝子配列を含む核酸は、配列番号1284と少なくとも約95%同一性を有する。一部の実施形態では、低酸素誘導性プロモーターに作動可能に連結されたdacA遺伝子配列を含む核酸は、配列番号1284と少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一性を有する。一部の特異的な実施形態では、低酸素誘導性プロモーターに作動可能に連結されたdacA遺伝子配列を含む核酸は、配列番号1284を含む。他の特異的な実施形態では、低酸素誘導性プロモーターに作動可能に連結されたdacA遺伝子配列を含む核酸は、配列番号1284からなる。
一部の実施形態では、本開示は、c−GAMPを産生するための新規核酸を提供する。一部の実施形態では、核酸は、1つまたは複数のc−GAMP産生ポリペプチドをコードする。よって、一部の実施形態では、核酸は、1つまたは複数のサイクリックc−GAMPシンターゼ(cGAS)ポリペプチドをコードする遺伝子配列(複数可)を含む。一部の実施形態では、核酸は、GAMPシンターゼポリペプチドをコードする遺伝子配列を含む。一部の実施形態では、核酸は、ヒトGAMPシンターゼポリペプチドをコードする遺伝子配列を含む。一部の実施形態では、核酸は、Verminephrobacter eiseniae由来のGAMPシンターゼポリペプチドをコードする遺伝子配列を含む。一部の実施形態では、核酸は、Kingella denitrificans由来のGAMPシンターゼポリペプチド(ATCC 33394)をコードする遺伝子配列を含む。一部の実施形態では、核酸は、Neisseria bacilliformis由来のGAMPシンターゼポリペプチド(ATCC BAA−1200)をコードする遺伝子配列を含む。ある特定の実施形態では、cGASポリペプチドは、配列番号1254、1260、1261および1262から選択される配列と少なくとも約80%同一性を有する。ある特定の実施形態では、cGASポリペプチドは、配列番号1254、1260、1261および1262から選択される配列と少なくとも約90%同一性を有する。ある特定の実施形態では、cGASポリペプチドは、配列番号1254、1260、1261および1262から選択される配列と少なくとも約95%同一性を有する。一部の実施形態では、cGASポリペプチドは、配列番号1254、1260、1261および1262から選択される配列と少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一性を有する。一部の特異的な実施形態では、cGASポリペプチドは、配列番号1254、1260、1261および1262から選択される配列を含む。他の特異的な実施形態では、cGASポリペプチドは、配列番号1254、1260、1261および1262から選択される配列からなる。一部の実施形態では、核酸は、cGAS遺伝子配列を含む。ある特定の実施形態では、cGAS遺伝子配列を含む核酸は、配列番号1255、1263、1264および1265から選択される配列と少なくとも約80%同一性を有する。ある特定の実施形態では、cGAS遺伝子配列を含む核酸は、配列番号1255、1263、1264および1265から選択される配列と少なくとも約90%同一性を有する。ある特定の実施形態では、cGAS遺伝子配列を含む核酸は、配列番号1255、1263、1264および1265から選択される配列と少なくとも約95%同一性を有する。一部の実施形態では、cGAS遺伝子配列を含む核酸は、配列番号1255、1263、1264および1265から選択される配列と少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一性を有する。一部の特異的な実施形態では、cGAS遺伝子配列を含む核酸は、配列番号1255、1263、1264および1265から選択される配列を含む。他の特異的な実施形態では、cGAS遺伝子配列を含む核酸は、配列番号1255、1263、1264および1265から選択される配列からなる。
一部の実施形態では、本開示は、キヌレニンを枯渇させるための新規核酸を提供する。一部の実施形態では、核酸は、1つまたは複数のキヌレニン枯渇酵素をコードする遺伝子配列を含む。本明細書に記載の核酸実施形態の1つでは、キヌレニン異化酵素をコードする核酸配列は、kynU(Pseudomonas)を含む。したがって、一実施形態では、kynU遺伝子を含む核酸配列は、配列番号68と少なくとも約80%の同一性を有する。一実施形態では、kynU遺伝子を含む核酸配列は、配列番号68と少なくとも約90%の同一性を有する。別の実施形態では、kynU遺伝子を含む核酸配列は、配列番号68と少なくとも約95%の同一性を有する。したがって、一実施形態では、kynU遺伝子を含む核酸配列は、配列番号68と少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%の同一性を有する。別の実施形態では、kynU遺伝子を含む核酸配列は、配列番号68を含む。さらに別の実施形態では、kynU遺伝子を含む核酸配列は、配列番号68からなる。
本明細書に記載の核酸実施形態の1つでは、キヌレニン分解酵素は、キヌレニナーゼ(Pseudomonase fluorescens)を含む。一実施形態では、核酸配列は、配列番号65と少なくとも約80%の同一性を有するポリペプチドをコードする。一実施形態では、核酸配列は、配列番号65と少なくとも約90%の同一性を有するポリペプチドをコードする。別の実施形態では、核酸配列は、配列番号65と少なくとも約95%の同一性を有するポリペプチドをコードする。したがって、一実施形態では、核酸配列は、配列番号65と少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%の同一性を有するポリペプチドをコードする。別の実施形態では、核酸配列は、配列番号65をコードする配列を含むポリペプチドをコードする。さらに別の実施形態では、核酸配列は、配列番号65をコードする配列からなるポリペプチドをコードする。
一部の実施形態では、本開示は、キヌレニンを消費するための新規核酸を提供する。一部の実施形態では、核酸は、1つまたは複数のキヌレニン消費ポリペプチドをコードする。よって、一部の実施形態では、核酸は、1つまたは複数のキヌレニン消費ポリペプチドをコードする遺伝子配列(複数可)を含む。
一部の実施形態では、本開示は、キヌレニンを消費するための新規核酸を提供する。一部の実施形態では、核酸は、1つまたは複数のキヌレニン消費ポリペプチドをコードする。よって、一部の実施形態では、核酸は、1つまたは複数のキヌレニナーゼポリペプチドをコードする遺伝子配列(複数可)を含む。一部の実施形態では、核酸は、例えば、Pseudomonas fluorescensに由来するキヌレニナーゼポリペプチドをコードする遺伝子配列を含む。ある特定の実施形態では、キヌレニナーゼポリペプチドは、配列番号65と少なくとも約80%同一性を有する。ある特定の実施形態では、キヌレニナーゼポリペプチドは、配列番号65と少なくとも約90%同一性を有する。ある特定の実施形態では、キヌレニナーゼポリペプチドは、配列番号65と少なくとも約95%同一性を有する。一部の実施形態では、キヌレニナーゼポリペプチドは、配列番号65と少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一性を有する。一部の特異的な実施形態では、キヌレニナーゼポリペプチドは、配列番号65を含む。他の特異的な実施形態では、キヌレニナーゼポリペプチドは、配列番号65からなる。一部の実施形態では、核酸は、kyn遺伝子配列を含む。ある特定の実施形態では、kyn遺伝子配列を含む核酸は、配列番号68と少なくとも約80%同一性を有する。ある特定の実施形態では、kyn遺伝子配列を含む核酸は、配列番号68と少なくとも約90%同一性を有する。ある特定の実施形態では、kyn遺伝子配列を含む核酸は、配列番号68と少なくとも約95%同一性を有する。一部の実施形態では、kyn遺伝子配列を含む核酸は、配列番号68と少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一性を有する。一部の特異的な実施形態では、kyn遺伝子配列を含む核酸は、配列番号68を含む。他の特異的な実施形態では、kyn遺伝子配列を含む核酸は、配列番号68からなる。一部の実施形態では、核酸は、kyn遺伝子配列を含む。ある特定の実施形態では、kyn遺伝子配列を含む核酸は、配列番号1283と少なくとも約80%同一性を有する。ある特定の実施形態では、kyn遺伝子配列を含む核酸は、配列番号1283と少なくとも約90%同一性を有する。ある特定の実施形態では、kyn遺伝子配列を含む核酸は、配列番号1283と少なくとも約95%同一性を有する。一部の実施形態では、kyn遺伝子配列を含む核酸は、配列番号1283と少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一性を有する。一部の特異的な実施形態では、kyn遺伝子配列を含む核酸は、配列番号1283を含む。他の特異的な実施形態では、kyn遺伝子配列を含む核酸は、配列番号1283からなる。
ある特定の実施形態では、kyn遺伝子配列を含む核酸は、本明細書に記載される構成的プロモーター、例えば、PSYN23119に作動可能に連結される。ある特定の実施形態では、kyn遺伝子配列を含む核酸は、低酸素誘導性プロモーターに作動可能に連結され、配列番号890と少なくとも約80%同一性を有する。ある特定の実施形態では、低酸素誘導性プロモーターに作動可能に連結されたkyn遺伝子配列を含む核酸は、配列番号890と少なくとも約90%同一性を有する。ある特定の実施形態では、低酸素誘導性プロモーターに作動可能に連結されたkyn遺伝子配列を含む核酸は、配列番号890と少なくとも約95%同一性を有する。一部の実施形態では、低酸素誘導性プロモーターに作動可能に連結されたkyn遺伝子配列を含む核酸は、配列番号890と少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一性を有する。一部の特異的な実施形態では、低酸素誘導性プロモーターに作動可能に連結されたkyn遺伝子配列を含む核酸は、配列番号890を含む。他の特異的な実施形態では、低酸素誘導性プロモーターに作動可能に連結されたkyn遺伝子配列を含む核酸は、配列番号890からなる。
追加的な適した核酸配列は、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、01/11/2017に出願され、WO2017/123675として公開された国際特許出願PCT/US2017/013072に記載されている。
上に記載される核酸実施形態のいずれにおいても、エフェクター、例えば、免疫モジュレーター、例えば、免疫イニシエーターおよび/または免疫サステナーを産生するための1つまたは複数の核酸配列は、1つまたは複数の直接的にまたは間接的に誘導性のプロモーターに作動可能に連結される。一部の実施形態では、1つまたは複数の核酸配列は、外因性環境条件下で、例えば、消化管内に見られる条件、腫瘍微小環境または他の組織特異的条件下で誘導される直接または間接誘導性プロモーターに作動可能に連結している。一部の実施形態では、1つまたは複数の核酸配列は、消化管内に見られる代謝物、腫瘍微小環境または他の特異的条件によって誘導される直接または間接誘導性プロモーターに、作動可能に連結している。一部の実施形態では、1つまたは複数の核酸配列は、低酸素または嫌気条件下で誘導される直接または間接誘導性プロモーターに作動可能に連結している。一部の実施形態では、1つまたは複数の核酸配列は、本明細書に記載の炎症性条件(例えば、RNS、ROS)下で誘導される直接または間接誘導性プロモーターに作動可能に連結している。一部の実施形態では、1つまたは複数の核酸配列は、本明細書に記載の、例えば腫瘍内に見られるような、免疫抑制性条件下で誘導される直接または間接誘導性プロモーターに作動可能に連結している。一部の実施形態では、1つまたはそれより多い遺伝子配列は、in vivo条件下で存在することもあり、しないこともあり、ならびにin vitro条件(例えば、株培養、拡大増殖、製造)中に存在することもある、化学または栄養インデューサー、例えば、テトラサイクリンもしくはアラビノース、クメートおよびサリチレート、または本明細書に記載の他のものへの曝露によって誘導される直接または間接誘導性プロモーターに連結されている。一部の実施形態では、1つまたは複数のペイロードは、本明細書、およびその内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、01/11/2017に出願され、WO2017/123675として公開された国際特許出願PCT/US2017/013072に記載される、構成的プロモーターに連結される。一部の実施形態では、1つまたはそれより多い遺伝子配列は、同じプロモーター配列に作動可能に連結している。一部の実施形態では、2つまたはそれより多い遺伝配列は、2つまたはそれより多い異なるプロモーター配列に作動可能に連結しており、プロモーター配列は、すべてが構成的(同じもしくは異なる構成的プロモーター)であることもあり、すべてが誘導性(同じもしくは異なるインデューサーによって誘導可能)であることもあり、または構成的プロモーターと誘導性プロモーターの混合物であることもある。
一実施形態では、1つまたは複数の免疫モジュレーターをコードする1つまたは複数の核酸配列は、細菌細胞におけるプラスミド上に位置する。別の実施形態では、1つまたは複数の免疫モジュレーターをコードする1つまたは複数の核酸配列は、細菌細胞の染色体中に位置する。これらの核酸実施形態のいずれにおいても、1つまたは複数の免疫モジュレーターをコードするそのような1つまたは複数の核酸配列は、本明細書に記載される他の免疫モジュレーターをコードする他のいずれかの核酸と組み合わせることができる。
これらの実施形態のいずれにおいても、上記および本明細書の他の箇所に記載されるエフェクター分子、例えば、免疫モジュレーター、例えば、免疫サステナーまたは免疫モジュレーターをコードする核酸配列(複数可)は、1つまたは複数のさらに別のエフェクター分子、すなわち、治療分子または代謝変換因子をコードする核酸配列(複数可)と組み合わせることができる(同じまたは別々の核酸分子上に)。免疫イニシエーターまたは免疫サステナーをコードする核酸配列は、構成的または誘導性プロモーター、例えば、低酸素誘導性プロモーターまたは本明細書に記載される他のいずれかの構成的または誘導性プロモーターの制御下に置くことができる。
これらの実施形態のいずれにおいても、上記に記載されるエフェクター分子のうち1つまたは複数をコードする核酸配列(複数可)は、本明細書に記載される1つまたは複数のSTINGアゴニスト産生酵素をコードする核酸配列(複数可)と組み合わせることができる(同じまたは別々の核酸分子上に)。一部の実施形態では、エフェクター分子をコードする核酸配列(複数可)と組み合わされる核酸配列(複数可)は、DacAをコードする。DacAは、構成的または誘導性プロモーター、例えば、FNR等の低酸素誘導性プロモーターまたは本明細書に記載される他のいずれかの構成的または誘導性プロモーターの制御下に置くことができる。一部の実施形態では、エフェクター分子をコードする遺伝子配列(複数可)と組み合わされる核酸配列(複数可)は、cGASをコードする。cGASは、構成的または誘導性プロモーター、例えば、FNR等の低酸素誘導性プロモーターまたは本明細書に記載される他のいずれかの構成的または誘導性プロモーターの制御下に置くことができる。
これらの組合せ実施形態のいずれにおいても、核酸配列(複数可)は、DapA、ThyAまたはその両方に、栄養要求性改変、例えば、突然変異または欠失を有する核酸配列(複数可)を含む。これらの実施形態のいずれにおいても、核酸配列(複数可)は、本明細書に記載される内在性プロファージに、ファージ改変、例えば、突然変異または欠失を含む核酸配列を含む。
分泌
遺伝子操作された微生物が、その微生物から分泌されるように意図されたタンパク質、ポリペプチド、ペプチド、または他の免疫調節、DNA、RNA、小分子もしくは他の分子を産生する、本明細書に記載の実施形態のいずれにおいても、操作された微生物は、分泌機構と、分泌系をコードする対応する遺伝子配列とを含むことができる。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、細胞外環境で細菌細胞質から免疫モジュレーターを分泌することができる、ネイティブ分泌機構または非ネイティブ分泌機構をさらに含む。多くの細菌は、細菌細胞エンベロープを横断して基質を輸送するための洗練された分泌系を発達させてきた。小分子、タンパク質およびDNAなどの基質を、細胞外空間もしくは周辺質(例えば、消化管内腔または他の空間)に放出すること、標的細胞に注入すること、または細菌の膜と会合させることができる。
グラム陰性細菌において、分泌機構は、内膜および外膜の一方または両方にまたがることができる。タンパク質、例えば治療用ポリペプチド、を細胞外空間に移行させるために、ポリペプチドを、先ず、細胞内で翻訳し、内膜を横断して移動できるようにし、最終的には外膜を横断して移動できるようにしなければならない。多くのエフェクタータンパク質(例えば、治療用ポリペプチド)−特に、真核生物由来のもの−は、三次および四次構造を安定させるためにジスルフィド結合を含有する。これらの結合は、周辺質シャペロンのおかげで酸化性周辺質区画において正しく形成することができるが、外膜を横断してポリペプチドを移行させるために、ジスルフィド結合を還元し、タンパク質を再びアンフォールディングしなければならない。
グラム陰性およびグラム陽性細菌からの異種ポリペプチド、例えば、エフェクター分子の分泌に適した分泌系は、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、01/11/2017に出願され、WO2017/123675として公開された国際特許出願PCT/US2017/013072に記載されている。そのような分泌系は、二重膜貫通(Double membrane−spanning)分泌系を含み、I型分泌系(T1SS)、II型分泌系(T2SS)、III型分泌系(T3SS)、IV型分泌系(T4SS)、VI型分泌系(T6SS)、および多剤排出ポンプの抵抗性結節形成区画(resistance−nodulation−division)(RND)ファミリー、およびVII型分泌系(T7SS)を含むがこれらに限定されない。あるいは、ヘモリジンに基づく分泌系、V型オートトランスポーター分泌系、伝統的もしくは改変型III型またはIII型様分泌系(T3SS)、鞭毛III型分泌経路を使用することができる。一部の実施形態では、非ネイティブ1回(single)膜貫通分泌系、例えば、TatもしくはTat様系またはSecもしくはSec様系を使用することができる。本明細書およびPCT/US2017/013072に記載される分泌系のいずれかを本開示に従って用いて、目的のポリペプチドを分泌させてもよい。
グラム陰性菌において正確にフォールディングされたタンパク質を分泌する1つの方法−特に、ジスルフィド結合を必要とするもの−は、還元性環境周辺質を不安定化性外膜とともに標的化することである。この方法で、タンパク質を、酸化性環境に移動できるようにし、正確にフォールディングさせる。組織化された細胞外分泌系とは対照的に、タンパク質は、その後、正しくフォールディングされた形態で膜漏出によって細胞膜周辺腔から抜け出すことができる。したがって、これらの「漏出性の」グラム陰性突然変異体は、生物活性の、正確にジスルフィド結合したポリペプチドを分泌することができる。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、「漏出性の」または不安定化された外膜(DOM)を有する。漏出性を誘導するための細菌外膜の不安定化は、例えばlpp、ompC、ompA、ompF、tolA、tolBおよびpalを含む、硬いペプチドグリカン骨格への外膜の繋留に関与する遺伝子を欠失させることによって、またはそのような遺伝子の突然変異を誘発することによって、遂行することができる。Lppは、細胞1個当たり約500,000コピーで存在する、細菌細胞内に最も大量に存在するポリペプチドであり、ペプチドグリカンへの細菌細胞壁の主要「ステープル」として機能する。TolA−PALおよびOmpA複合体は、Lppと同様に機能し、漏出性表現型を生じさせるための他の欠失標的である。加えて、漏出性表現型は、周辺質プロテアーゼが不活性化されたときに観察されている。周辺質にはタンパク質が非常に密集しており、それ故、周辺質は、タンパク質代謝回転を助長するためのいくつかの周辺質タンパク質をコードする。degS、degPまたはnlpIなどの周辺質プロテアーゼの除去は、周辺質タンパク質の過剰な蓄積を促進することにより漏出性表現型を誘導することができる。プロテアーゼの突然変異もまた、これらのプロテアーゼによる標的化分解を防止することにより、エフェクターポリペプチドを失わないようにすることができる。
さらに、これらの突然変異の組合せは、細胞生存率を大きく犠牲にすることなく、細胞の漏出性表現型を相乗的に増強することができる。したがって、一部の実施形態では、操作された細菌は、1つまたは複数の欠失または突然変異した膜遺伝子を有する。一部の実施形態では、操作された細菌は、欠失または突然変異したlpp遺伝子を有する。一部の実施形態では、操作された細菌は、ompA、ompA、およびompF遺伝子から選択される、1つまたは複数の欠失または突然変異した遺伝子を有する。一部の実施形態では、操作された細菌は、tolA、tolBおよびpal遺伝子から選択される、1つまたは複数の欠失または突然変異した遺伝子を有する。一部の実施形態では、操作された細菌は、1つまたは複数の欠失または突然変異した周辺質プロテアーゼ遺伝子を有する。一部の実施形態では、操作された細菌は、degS、degPおよびnlplから選択される、1つまたは複数の欠失または突然変異した周辺質プロテアーゼ遺伝子を有する。一部の実施形態では、操作された細菌は、lpp、ompA、ompF、tolA、tolB、pal、degS、degPおよびnlpl遺伝子から選択される、1つまたは複数の欠失または突然変異した遺伝子を有する。
細胞生存率に対する障害を最小にするために、例えばlpp、ompA、ompF、tolA、tolB、pal、degS、degPおよびnlplから選択される、1つまたは複数の膜または周辺質プロテアーゼ遺伝子を、誘導性プロモーターの制御下に置くことにより、漏出性表現型を誘導可能にすることができる。例えば、lppまたは他の細胞壁安定性タンパク質または周辺質プロテアーゼの発現を、治療用ポリペプチドを送達する(分泌する)必要がある状態の際に、抑止することができる。例えば、標的膜または周辺質プロテアーゼ遺伝子の転写または翻訳を低減させる、転写リプレッサータンパク質または設計されたアンチセンスRNAを、誘導条件下で発現させることができる。逆に言うと、ある特定のペプチドの過剰発現、例えば、コリシン、またはTolAの第3のトポロジカルドメインの過剰発現は、不安定化された表現型をもたらすことができ、治療用ポリペプチドを送達する(分泌する)必要がある状態の際にペプチド過剰発現を誘導することができる。これらの種類の戦略は、バイオマス産生から脆弱な漏出性表現型を分離することになる。したがって、一部の実施形態では、操作された細菌は、誘導性プロモーターの制御下の1つまたは複数の膜および/または周辺質プロテアーゼ遺伝子を有する。
1つまたは複数の目的のタンパク質または治療タンパク質が、微生物から分泌または搬出される一部の実施形態では、操作された微生物は、分泌タグを含む遺伝子配列(複数可)を含む。一部の実施形態では、1つまたは複数の目的のタンパク質または治療タンパク質は、1つまたは複数の目的のタンパク質または治療タンパク質を特異的な分泌系に方向付けるための、RNAまたはペプチド起源のいずれかの「分泌タグ」を含む。分泌タグは、secまたはtat系に由来することができる。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、免疫モジュレーター、例えば、サイトカイン、抗体(例えば、scFv)、代謝酵素、例えばキヌレニナーゼ、および本明細書に記載の他のもの、の分泌のための、本明細書に記載のネイティブまたは非ネイティブ分泌系を含む。
一部の実施形態では、分泌タグは、PhoA、OmpF、cvaC、TorA、fdnG、dmsA、PelB、HlyA分泌シグナル、およびHlyA分泌シグナルから選択される。一部の実施形態では、分泌タグは、PhoA分泌シグナルである。一部の実施形態では、分泌タグは、配列番号745または配列番号746から選択される配列を含む。一部の実施形態では、分泌タグは、OmpF分泌シグナルである。一部の実施形態では、分泌タグは、OmpF分泌シグナルである。一部の実施形態において、分泌タグは、配列番号747を含む。一部の実施形態では、分泌タグは、cvaC分泌シグナルである。一部の実施形態において、分泌タグは、配列番号748を含む。一部の実施形態では、分泌タグは、torA分泌シグナルである。一部の実施形態において、分泌タグは、配列番号749を含む。一部の実施形態では、分泌タグは、fdnG分泌シグナルである。一部の実施形態において、分泌タグは、配列番号750を含む。一部の実施形態では、分泌タグは、dmsA分泌シグナルである。一部の実施形態において、分泌タグは、配列番号751を含む。一部の実施形態では、分泌タグは、PelB分泌シグナルである。一部の実施形態において、分泌タグは、配列番号752を含む。一部の実施形態では、分泌タグは、HlyA分泌シグナルである。一部の実施形態では、分泌タグは、配列番号753および配列番号754から選択される配列を含む。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、アドヘシン(ECOLIN_19880)、DsbA(ECOLIN_21525)、GltI(ECOLIN_03430)、GspD(ECOLIN_16495)、HdeB(ECOLIN_19410)、MalE(ECOLIN_22540)、OppA(ECOLIN_07295)、PelB、PhoA(ECOLIN_02255)、PpiA(ECOLIN_18620)、TolB、tort、OmpA、PelB、DsbA mglBおよびlamB分泌タグから選択される分泌タグを含むポリペプチドをコードする。分泌タグの例示的配列は、配列番号1222、配列番号1223、配列番号1224、配列番号1225、配列番号1226、配列番号1227、配列番号1228、配列番号1229、配列番号1230、配列番号1141、配列番号1142、配列番号1143、配列番号1144、配列番号1145、配列番号1253、配列番号1157、配列番号1158、配列番号1159、配列番号1160、配列番号1161、配列番号1162、配列番号1163、配列番号1164、配列番号1165、配列番号1166、および配列番号1167に示される。
一部の実施形態では、分泌タグは、配列番号1218、配列番号1219、配列番号1181、配列番号1220、配列番号1221、配列番号1180、配列番号1184、配列番号1186、配列番号1190、配列番号1182、配列番号1135、配列番号1183、配列番号1188、配列番号1187、配列番号747、配列番号1185、および配列番号1189から選択される。
いずれかの分泌タグまたは分泌系を、分泌が意図される本明細書に記載されるいずれかの免疫モジュレーターと組み合わせることができる。一部の実施形態では、分泌系は、lpp、nlP、tolA、PALを含むがこれらに限定されない、漏出性または拡散性外膜表現型(DOM)をもたらす1つまたは複数のゲノム突然変異と組み合わせて使用される。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌によって分泌される治療タンパク質は、プロテアーゼ、例えば、腸プロテアーゼに対する抵抗性を増加させるように改変される。
一部の実施形態では、目的の治療ポリペプチド、例えば、免疫モジュレーター、例えば、本明細書に記載される免疫イニシエーターおよび/または免疫サステナーは、拡散性外膜(DOM)系を経て分泌される。一部の実施形態では、目的の治療用ポリペプチドは、N末端Sec依存性分泌シグナルと融合されている。そのようなN末端Sec依存性分泌シグナルの非限定的な例としては、PhoA、OmpF、OmpA、およびcvaCが挙げられる。代替実施形態では、目的の治療用ポリペプチドは、Tat依存性分泌シグナルと融合されている。例示的なTat依存性タグとしては、TorA、FdnG、およびDmsAが挙げられる。
ある特定の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、外膜および/または周辺質タンパク質の1つまたは複数における欠失または突然変異を有する。1つまたは複数が欠失または突然変異されうる、そのようなタンパク質の非限定的な例としては、lpp、pal、tolAおよび/またはnlpIが挙げられる。一部の実施形態では、lppが、欠失または突然変異される。一部の実施形態では、palが、欠失または突然変異される。一部の実施形態では、tolAが、欠失または突然変異される。他の実施形態では、nlpIが、欠失または突然変異される。さらに他の実施形態では、ある特定の周辺質プロテアーゼは、例えば、周辺質におけるポリペプチドの安定性を増大させるために、欠失または突然変異される。そのようなプロテアーゼの非限定的な例としては、degPおよびompTが挙げられる。一部の実施形態では、degPが、欠失または突然変異される。一部の実施形態では、ompTが、欠失または突然変異される。一部の実施形態では、degPおよびompTが、欠失または突然変異される。
表面ディスプレイ
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌および/または微生物は、細菌および/または微生物の表面にアンカーまたは提示される免疫モジュレーターをコードする1種もしくは複数の遺伝子および/または遺伝子カセットをコードする。細菌および/または微生物に提示またはアンカーされる免疫モジュレーターの例は、本明細書に記載されている免疫モジュレーターのいずれかであり、抗体、例えば、scFv断片、および腫瘍特異的抗原またはネオ抗原が挙げられるがこれらに限定されない。非限定的な例では、細菌細胞表面にアンカーまたは提示される抗体またはscFv断片は、CLTLA4、PD−1、PD−L1が挙げられるがこれらに限定されない、本明細書に記載されているチェックポイントインヒビターに対する。
グラム陰性およびグラム陽性細菌の表面における異種ポリペプチド、例えば、エフェクター分子の表面ディスプレイに適した系は、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、01/11/2017に出願され、WO2017/123675として公開された国際特許出願PCT/US2017/013072に記載されている。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、インベイシン提示タグを含む治療用ポリペプチドをコードする遺伝子配列を含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号990を含むポリペプチドをコードする遺伝子配列を含む。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、LppOmpA提示タグを含む治療用ポリペプチドをコードする遺伝子配列を含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号991を含むポリペプチドをコードする遺伝子配列を含む。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、インチミンN提示タグを含む治療用ポリペプチドをコードする遺伝子配列を含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号992を含むポリペプチドをコードする遺伝子配列を含む。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号990、配列番号991および配列番号992から選択される配列と少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%または少なくとも約99%相同である提示アンカーを含む。別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号990、配列番号991および配列番号992から選択される配列を含む提示アンカーをコードする遺伝子配列を含む。さらに別の実施形態では、遺伝子操作された細菌によって発現される提示アンカーは、配列番号990、配列番号991および配列番号992から選択される配列からなる。
一部の実施形態では、1つまたは複数のScFvが、単独で、または他の目的の治療用ポリペプチドと組み合わせて、細菌細胞表面に提示される。
一部の実施形態では、細胞表面提示戦略または回路は、1個の細菌において分泌戦略または回路と組み合わされる。一部の実施形態では、同じポリペプチドが、提示かつ分泌される。一部の実施形態では、第1のポリペプチドが提示され、第2のポリペプチドが分泌される。一部の実施形態では、提示戦略または回路戦略は、酵素の細胞内産生および結果として、その基質の細胞内異化作用の回路と組み合わされる。一部の実施形態では、提示戦略または提示回路は、腸障壁エンハンサー分子および/または抗炎症性エフェクター分子の細胞内産生の回路と組み合わされる。
一部の実施形態では、表面提示されるポリペプチドまたは融合タンパク質の発現は、誘導性プロモーターによって駆動される。一部の実施形態では、誘導性プロモーターは、酸素レベル依存性プロモーター(例えば、FNR誘導性プロモーター)である。一部の実施形態では、誘導性プロモーターは、腸特異的および/または腫瘍特異的によって誘導されるプロモーター、または炎症もしくは炎症性応答によって誘導されるプロモーター(RNS、ROSプロモーター)、または腸に天然に存在していても存在していなくてもよい(例えば、外因的に添加され得る)代謝物、例えば、アラビノース、クメートおよびサリチレートによって誘導されるプロモーターである。代替実施形態では、表面提示されるポリペプチドまたはポリペプチド融合タンパク質の発現は、構成的プロモーターによって駆動される。
一部の実施形態では、表面提示されるポリペプチドまたは融合タンパク質の発現は、プラスミドに基づく。一部の実施形態では、表面提示のための抗体またはscFv断片をコードする遺伝子配列は、染色体に挿入される。
必須遺伝子、栄養要求株、キルスイッチ(Kill Switch)および宿主−プラスミド依存性
本明細書で使用される場合、用語「必須遺伝子」は、細胞成長および/または生存に必要な遺伝子を指す。細菌必須遺伝子は、当業者にとって周知であり、遺伝子の定方向欠失および/またはランダム突然変異誘発ならびにスクリーニングによって同定することができる(例えば、これらそれぞれの内容全体が明確に参照により本明細書に組み込まれる、ZhangおよびLin、2009年、DEG 5.0、a database of essential genes in both prokaryotes and eukaryotes、Nucl. Acids Res.、37巻:D455〜D458頁ならびにGerdesら、Essential genes on metabolic maps、Curr. Opin. Biotechnol.、17巻(5号):448〜456頁を参照)。
「必須遺伝子」は、生物が生きる状況および環境に依存することができる。例えば、必須遺伝子の突然変異、その修飾、またはその切除は、栄養要求株となる本開示の組換え細菌をもたらし得る。栄養要求性修飾は、生存または成長に必須な、外因的に添加される栄養素の非存在下では、細菌が、当該必須栄養素の産生に必要な遺伝子を欠くせいで、死滅するように意図される。
栄養要求性修飾は、生存または成長に必須な、外因的に添加される栄養素の非存在下では、細菌が、当該必須栄養素の産生に必要な遺伝子を欠くせいで、死滅するように意図される。一部の実施形態では、本明細書に記載されている遺伝子操作された細菌のいずれかは、細胞生存および/または成長に要求される遺伝子における欠失または突然変異も含む。一実施形態では、必須遺伝子は、DNA合成遺伝子、例えば、thyAである。別の実施形態では、必須遺伝子は、細菌細胞壁合成遺伝子、例えば、dapAである。さらに別の実施形態では、必須遺伝子は、アミノ酸遺伝子、例えば、serAまたはmetAである。対応する野生型遺伝子産物が細菌において産生されないのであれば、cysE、glnA、ilvD、leuB、lysA、serA、metA、glyA、hisB、ilvA、pheA、proA、thrC、trpC、tyrA、thyA、uraA、dapA、dapB、dapD、dapE、dapF、flhD、metB、metC、proABおよびthi1が挙げられるがこれらに限定されない、細胞生存および/または成長に要求されるいかなる遺伝子を標的としてもよい。栄養要求性株を産生するために破壊または欠失され得る例示的な細菌遺伝子は、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、2017年1月11日に出願され、WO2017/123675として公開された、国際特許出願PCT/US2017/013072に記載されている。そのようなものとして、オリゴヌクレオチド合成、アミノ酸合成および細胞壁合成に要求される遺伝子が挙げられるがこれらに限定されない。表12は、栄養要求性株を産生するために破壊または欠失されうる例示的な細菌遺伝子を収載する。これらは、オリゴヌクレオチド合成、アミノ酸合成および細胞壁合成に要求される遺伝子を含むがこれらに限定されない。
栄養要求性突然変異は、天然の生態系における遺伝子操作された細菌の意図されない増殖の防止に生物学的封じ込め戦略が要求されうる場合に有用である。上に記載されるまたは当技術分野で公知の必須遺伝子、例えば、DNA合成遺伝子、アミノ酸合成遺伝子、または細胞壁の合成のための遺伝子におけるいずれかの栄養要求性突然変異が、この目的に有用となりうる。したがって、一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、例えば、天然の環境における細菌の成長および増殖を防止するために、1つまたは複数の栄養要求性遺伝子に改変、例えば、突然変異(複数可)または欠失(複数可)を含む。一部の実施形態では、改変は、非コード領域に位置することができる。一部の実施形態では、改変は、転写または翻訳の減弱をもたらす。一部の実施形態では、改変、例えば、突然変異または欠失は、必須遺伝子の転写低下もしくは転写なしまたは翻訳低下もしくは翻訳なしをもたらす。一部の実施形態では、改変、例えば、突然変異または欠失は、必須遺伝子の非機能的バージョンの転写および/または翻訳をもたらす。一部の実施形態では、改変、例えば、突然変異または欠失は、必須遺伝子のトランケートされた転写または翻訳をもたらし、トランケートされたポリペプチドをもたらす。一部の実施形態では、改変、例えば、突然変異は、遺伝子のコード領域内に位置する。
天然の生態系において成長することができないが、ある特定の栄養要求性突然変異は、細菌が投与された哺乳動物宿主における、例えば、腫瘍環境において、成長および増殖を可能にすることができる。例えば、栄養要求性突然変異によって非機能的にされる必須経路は、腫瘍微小環境内で宿主による代謝物の産生によって補完されうる。結果として、宿主に投与された細菌は、環境から代謝物を取り入れることができ、腫瘍において増殖およびコロニー形成することができる。よって、一部の実施形態では、栄養要求性遺伝子は、代謝物の産生のための必須遺伝子であり、この代謝物は、in vivoで、例えば、腫瘍状況において哺乳動物宿主によっても産生される。一部の実施形態では、宿主腫瘍による代謝物産生は、細菌による代謝物の取込みを可能にすることができ、腫瘍内での細菌の生存および/または増殖を許す。一部の実施形態では、そのような栄養要求性突然変異を含む細菌は、栄養要求性突然変異を保有しない同じ亜型の細菌と同じ程度まで、腫瘍において増殖およびコロニー形成することができる。
一部の実施形態では、細菌は、腫瘍微小環境においてコロニー形成および増殖することができる。一部の実施形態では、腫瘍コロニー形成細菌は、1つまたは複数の栄養要求性突然変異を含む。一部の実施形態では、腫瘍コロニー形成細菌は、1つまたは複数の栄養要求性改変または突然変異を含まない。非限定的な例では、対象に本来注射された数よりも多い数の細菌が、24時間および72時間後に検出される。一部の実施形態では、注射24時間後に検出されるCFUは、投与時よりも、少なくとも約1〜2log多い。一部の実施形態では、注射24時間後に検出されるCFUは、投与時よりも、少なくとも約2〜3log多い。一部の実施形態では、注射24時間後に検出されるCFUは、投与時よりも、少なくとも約3〜4log多い。一部の実施形態では、注射24時間後に検出されるCFUは、投与時よりも、少なくとも約4〜5log多い。一部の実施形態では、注射24時間後に検出されるCFUは、投与時よりも、少なくとも約5〜6log多い。一部の実施形態では、注射72時間後に検出されるCFUは、投与時よりも、少なくとも約1〜2log多い。一部の実施形態では、注射72時間後に検出されるCFUは、投与時よりも、少なくとも約2〜3log多い。一部の実施形態では、注射72時間後に検出されるCFUは、投与時よりも、少なくとも約3〜4log多い。一部の実施形態では、注射72時間後に検出されるCFUは、投与時よりも、少なくとも約4〜5log多い。一部の実施形態では、注射72時間後に検出されるCFUは、投与時よりも、少なくとも約5〜6log多い。一部の実施形態では、CFUは、注射から少なくとも1週間後、少なくとも2週間後またはそれよりも後、少なくとも1カ月後、少なくとも2カ月後またはそれよりも後等、より後の時点で測定することができる。
腫瘍での増殖およびコロニー形成を可能にするそのような栄養要求性遺伝子の非限定的な例は、本明細書に示す通り、thyAおよびuraAである。したがって、一部の実施形態では、本開示の遺伝子操作された細菌は、thyA遺伝子に栄養要求性改変、例えば、突然変異または欠失を含むことができる。一部の実施形態では、本開示の遺伝子操作された細菌は、uraA遺伝子に栄養要求性改変、例えば、突然変異または欠失を含むことができる。一部の実施形態では、本開示の遺伝子操作された細菌は、thyA遺伝子およびuraA遺伝子に栄養要求性改変、例えば、突然変異または欠失を含むことができる。
あるいは、栄養要求性遺伝子は、宿主が腫瘍内で産生することができない代謝物の産生のための必須遺伝子である、すなわち、栄養要求性突然変異は、腫瘍微小環境内で宿主による代謝物の産生によって補完されない。結果として、この突然変異は、腫瘍で成長およびコロニー形成する細菌の能力に影響を与えることができ、細菌計数は、時間と共に減少する。この種の栄養要求性突然変異は、例えば、腫瘍内での、免疫モジュレーターのin vivo活性または免疫モジュレーターの活性の持続時間のモジュレーションに有用となることができる。免疫モジュレーター放出のレベルおよびタイミングを微調整するこの方法の例は、dapAにおける栄養要求性改変、例えば、突然変異を使用して本明細書に記載される。ジアミノピメリン酸(Dap)は、例えば、グラム陰性細菌の、ある特定の細菌細胞壁の特徴的な構成成分である。ジアミノピメリン酸がないと、細菌は、プロテオグリカンを形成することができず、そのような訳で、成長することができない。DapAは、哺乳動物細胞によって産生されず、したがって、DapAの代替供給源は、腫瘍において提供されない。そのような訳で、dapA栄養要求体は、腫瘍における細菌の存在のタイミングおよび程度ならびに/または免疫モジュレーター発現および産生のレベルおよびタイミングをモジュレートおよび微調整するための特に有用な戦略を示すことができる。したがって、一部の実施形態では、本開示の遺伝子操作された細菌は、宿主が腫瘍内で産生することができない代謝物の産生のための必須遺伝子に突然変異を含む。一部の実施形態では、栄養要求性突然変異は、当技術分野で公知のもしくは本明細書に記載される細菌細胞壁の産生および維持に必須の遺伝子に存する、または細菌に特有であり、哺乳動物細胞には存在しない別の構造に必須の遺伝子における突然変異である。一部の実施形態では、そのような栄養要求性突然変異を含む細菌は、栄養要求性突然変異を保有しない同じ亜型の細菌よりも実質的に少ない程度に、腫瘍で増殖およびコロニー形成することができる。細菌成長(およびエフェクターレベルの程度)の制御は、本明細書に記載される代謝物または化学的誘導性プロモーターを含むがこれらに限定されない、他の調節戦略とさらに組み合わせることができる。
非限定的な例では、対象に本来注射された数よりも少ない数の細菌が、24時間および72時間後に検出される。一部の実施形態では、注射24時間後に検出されるCFUは、投与時よりも、少なくとも約1〜2log少ない。一部の実施形態では、注射24時間後に検出されるCFUは、投与時よりも、少なくとも約2〜3log少ない。一部の実施形態では、注射24時間後に検出されるCFUは、投与時よりも、少なくとも約3〜4log少ない。一部の実施形態では、注射24時間後に検出されるCFUは、投与時よりも、少なくとも約4〜5log少ない。一部の実施形態では、注射24時間後に検出されるCFUは、投与時よりも、少なくとも約5〜6log少ない。一部の実施形態では、注射72時間後に検出されるCFUは、投与時よりも、少なくとも約1〜2log少ない。一部の実施形態では、注射72時間後に検出されるCFUは、投与時よりも、少なくとも約2〜3log少ない。一部の実施形態では、注射72時間後に検出されるCFUは、投与時よりも、少なくとも約3〜4log少ない。一部の実施形態では、注射72時間後に検出されるCFUは、投与時よりも、少なくとも約4〜5log少ない。一部の実施形態では、注射72時間後に検出されるCFUは、投与時よりも、少なくとも約5〜6log少ない。一部の実施形態では、CFUは、注射から少なくとも1週間後、少なくとも2週間後またはそれよりも後、少なくとも1カ月後、少なくとも2カ月後またはそれよりも後等、より後の時点で測定することができる。
一部の実施形態では、本開示の遺伝子操作された細菌は、dapAに栄養要求性改変、例えば、突然変異を含む。本明細書に記載される非限定的な例は、c−ジ−AMP産生のためにdacAをコードする遺伝子配列を含む遺伝子操作された細菌である。STINGアゴニストの産生は、dapA栄養要求体の導入により時間的に調節または制限することができる。一部の実施形態では、dapA栄養要求体は、調整可能なSTINGアゴニスト産生のための手段を提供する。
栄養要求性改変を使用して、様々な用途のためのエフェクター分子を産生する突然変異体細菌に関してスクリーニングすることもできる。一例では、栄養要求体は、細菌株のスモールスケールおよびラージスケール産生におけるバッチの純度または「無菌性」のモニタリングに有用である。この場合、栄養要求体は、潜在的な夾雑物から操作された細菌を区別するための手段を示す。非限定的な例では、生きているバイオ治療薬の製造プロセスにおいて(すなわち、ラージスケール)、栄養要求体は、薬物物質の純度または「無菌性」を実証するための有用なツールとなることができる。培養物の純度を決定するためのこの方法は、この目的のために実験株において使用されることが多いが、生きている治療薬製品の開発の際に除去されることがある、抗生物質抵抗性遺伝子の非存在下で特に有用である。
trpEは、本明細書に記載される別の栄養要求性(auxtrophic)突然変異である。この突然変異を保有する細菌は、トリプトファンを産生することができない。trpE突然変異を有する本明細書に記載される遺伝子操作された細菌は、キヌレニナーゼをさらに含む。キヌレニナーゼは、細菌に、キヌレニンをトリプトファン前駆体アントラニル酸塩へと変換させ、したがって、細菌は、キヌレニンが存在すれば、トリプトファンの非存在下で成長することができる。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、1つの必須遺伝子に栄養要求性突然変異(複数可)を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、2つの必須遺伝子に栄養要求性突然変異(複数可)を含む(二重栄養要求体)。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、3つまたはそれよりも多い必須遺伝子に栄養要求性突然変異(複数可)を含む。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、dapAおよびthyAに栄養要求性突然変異(複数可)を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、dapAおよびuraAに栄養要求性突然変異(複数可)を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、thyAおよびuraAに栄養要求性突然変異(複数可)を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、dapA、thyAおよびuraAに栄養要求性突然変異(複数可)を含む。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、trpEに栄養要求性突然変異(複数可)を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、trpEおよびthyAに栄養要求性突然変異(複数可)を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、trpEおよびdapAに栄養要求性突然変異(複数可)を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、trpEおよびuraAに栄養要求性突然変異(複数可)を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、trpE、dapAおよびthyAに栄養要求性突然変異(複数可)を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、trpE、dapAおよびuraAに栄養要求性突然変異(複数可)を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、trpE、thyAおよびuraAに栄養要求性突然変異(複数可)を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、trpE、dapA、thyAおよびuraAに栄養要求性突然変異(複数可)を含む。
別の非限定的な例では、条件付き栄養要求株を生成することができる。dapAまたはthyAの染色体コピーがノックアウトされる。thyAまたはdapAの別のコピーが、例えば、低酸素プロモーターの制御下で導入される。嫌気的条件下で、dapAまたはthyA(場合によっては)が発現され、株は、dapまたはチミジンの非存在下で成長することができる。好気的条件下で、dapAまたはthyA発現は打ち切られ、株は、dapまたはチミジンの非存在下で成長することができない。そのような戦略を用いて、嫌気的条件、例えば、消化管または腫瘍微小環境の条件下での細菌の生存を可能にするが、好気的条件下での生存を防止することもできる。
一部の実施形態では、本開示の遺伝子操作された細菌は、合成リガンド依存性必須遺伝子(SLiDE)細菌細胞である。SLiDE細菌細胞は、特定のリガンドの存在下でのみ成長する、1つまたは複数の必須遺伝子における突然変異を有する合成栄養要求株である(その内容全体が明確に参照により本明細書に組み込まれる、LopezおよびAnderson「Synthetic Auxotrophs with Ligand−Dependent Essential Genes for a BL21 (DE3 Biosafety Strain」ACS Synthetic Biology(2015年)DOI:10.1021/acssynbio.5b00085を参照)。SLiDE細菌細胞は、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、01/11/2017に出願され、WO2017/123675として公開された国際特許出願PCT/US2017/013072に記載されている。
一部の実施形態では、本発明の遺伝子操作された細菌は、キルスイッチも含む。適したキルスイッチは、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、2016年6月24日に出願され、WO2016/210373として公開された、国際特許出願PCT/US2016/39427に記載されている。キルスイッチは、外部刺激に応答して、操作された微生物を能動的に死滅させるように意図される。生存のための必須栄養素を欠くせいで細菌が死滅する栄養要求性突然変異とは対照的に、キルスイッチは、細胞死を引き起こす微生物内における毒性分子の産生を誘導する、環境中における特定の因子によって引き金を引かれる。一部の実施形態では、本発明の遺伝子操作された細菌は、宿主−プラスミド相互依存性を作るように修飾されたプラスミドも含む。ある特定の実施形態では、相互に依存性の宿主−プラスミドプラットフォームは、Wrightら、2015年に記載されている通りである。上述および他の系およびプラットフォームは、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、01/11/2017に出願され、WO2017/123675として公開された国際特許出願PCT/US2017/013072に記載されている。
遺伝的調節性回路
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、本明細書に記載されている構築物を発現するための、多層状遺伝的調節性回路を含む。適した多層状遺伝的調節性回路は、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、2016年6月24日に出願され、WO2016/210378として公開された、国際特許出願PCT/US2016/39434に記載されている。遺伝的調節性回路は、免疫モジュレーターを産生するまたは栄養要求株をレスキューする突然変異体細菌のスクリーニングに有用である。ある特定の実施形態では、本発明は、1つまたは複数の目的の遺伝子を産生する遺伝子操作された細菌を選択するための方法を提供する。
医薬組成物および製剤
本発明の遺伝子操作された微生物を含む医薬組成物を使用して、がんを処置、管理、寛解および/または予防することができる。1つもしくは複数の遺伝子操作された細菌を単独で、または予防剤、治療剤および/または薬学的に許容される担体と組み合わせて含む本発明の医薬組成物が提供される。
ある特定の実施形態では、医薬組成物は、本明細書に記載されている遺伝子改変、例えば、1つまたは複数のエフェクター、例えば、免疫モジュレーターをコードする1つまたは複数の遺伝子を含むように操作された、1つの種、株またはサブタイプの細菌を含む。代替実施形態では、医薬組成物は、本明細書に記載されている遺伝子改変、例えば、1つまたは複数のエフェクター、例えば、免疫モジュレーターをコードする1つまたは複数の遺伝子を含むようにそれぞれ操作された、2つまたはそれより多い種、株および/またはサブタイプの細菌を含む。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、胞子として全身性または腫瘍内に投与される。非限定的な例として、遺伝子操作された細菌は、Clostridia株であり、投与は、腫瘍内の低酸素/壊死エリアの選択的コロニー形成をもたらす。一部の実施形態では、胞子は、固形腫瘍に存在する低酸素/壊死領域において排他的に発芽し、他のいかなる身体箇所においても発芽しない。
本発明の医薬組成物は、医薬品使用のための組成物への活性成分の加工を容易にする、賦形剤および補助物を含む1つまたは複数の生理学的に許容される担体を使用して、従来様式で製剤化することができる。医薬組成物を製剤化する方法は、当該技術分野で公知である(例えば、「Remington’s Pharmaceutical Sciences」、Mack Publishing Co.、Easton、PAを参照)。一部の実施形態では、医薬組成物は、打錠、凍結乾燥、直接圧縮、従来混合、溶解、造粒、水簸、乳化、カプセル被包、封入または噴霧乾燥に付されて、腸溶的にコーティングされていてもコーティングされていなくてもよい、錠剤、粒状(granulate)、ナノ粒子、ナノカプセル剤、マイクロカプセル剤、マイクロ錠剤、ペレット剤または散剤を形成する。適切な製剤は、投与経路に依存する。
遺伝子操作された微生物は、いずれか適した剤形(例えば、経口投与のための液剤、カプセル剤、サシェ剤、硬カプセル剤、軟カプセル剤、錠剤、腸溶コーティングされた錠剤、懸濁剤、散剤、粒剤またはマトリックス持続放出形成)で、いずれか適した種類の投与(例えば、経口、局所、注射用、静脈内、皮下、腫瘍内、腫瘍周囲、即時放出、パルス放出、遅延放出または持続放出)のために、医薬組成物へと製剤化することができる。遺伝子操作された細菌に適した投薬の量は、約104〜1012個細菌の範囲であり得る。組成物は、毎日、毎週または毎月1回またはそれより多く投与することができる。組成物は、食事の前、その最中またはその後に投与することができる。一実施形態では、医薬組成物は、対象が食事をとる前に投与される。一実施形態では、医薬組成物は、食事と同時に投与される。一実施形態では、医薬組成物は、対象が食事をとった後に投与される。
遺伝子操作された細菌は、1つまたは複数の薬学的に許容される担体、増粘剤、希釈剤、緩衝剤、緩衝用薬剤、表面活性剤、中性またはカチオン性脂質、脂質複合体、リポソーム、浸透エンハンサー、担体化合物、および他の薬学的に許容される担体または薬剤を含む医薬組成物へと製剤化することができる。例えば、医薬組成物として、炭酸水素カルシウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸カルシウム、様々な糖およびデンプンの種類、セルロース誘導体、ゼラチン、植物油、ポリエチレングリコール、ならびに例えば、ポリソルベート20を含む界面活性物質の添加を挙げることができるがこれらに限定されない。一部の実施形態では、本発明の遺伝子操作された細菌は、炭酸水素ナトリウムの溶液、例えば、炭酸水素ナトリウムの1モル濃度溶液中に製剤化することができる(例えば胃など、酸性の細胞環境を緩衝するために)。遺伝子操作された細菌は、中性または塩形態として投与および製剤化することができる。薬学的に許容される塩は、塩酸、リン酸、酢酸、シュウ酸、酒石酸などに由来する塩など、アニオンにより形成される塩、および水酸化ナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム、第二鉄、イソプロピルアミン、トリエチルアミン、2−エチルアミノエタノール、ヒスチジン、プロカインなどに由来する塩など、カチオンにより形成される塩を含む。
遺伝子操作された微生物は、例えば、注入または注射によって、静脈内投与することができる。その代わりに、遺伝子操作された微生物は、腫瘍内および/または腫瘍周囲に投与することができる。他の実施形態では、遺伝子操作された微生物は、動脈内、筋肉内または腹腔内投与することができる。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、腫瘍の約20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%またはそれより大きくコロニー形成する。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、腫瘍被膜、コラーゲンおよび/または間質の浸透を増強するために腫瘍中隔(septae)を破壊するために、ペグ化形態のrHuPH20(PEGPH20)または他の薬剤と同時投与される。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、免疫モジュレーターと共に、線維性組織を分解する1つまたは複数の酵素を産生することができる。
本開示の遺伝子操作された微生物は、標的腫瘍内に直接的に置かれた細菌またはウイルスをもたらす腫瘍内注射により投与することができる。操作された細菌またはウイルスの腫瘍内注射は、強力な局在化された炎症性応答と共に、腫瘍細胞に対する適応免疫応答を誘発することができる。細菌またはウイルスは、1mlシリンジ内に引き抜かれる前に、溶液に懸濁される。一部の実施形態では、腫瘍は、18ゲージ多叉針(multipronged needle)(Quadra−Fuse、Rex Medical)を用いて注射される。注射部位は、無菌的に準備される。利用できるのであれば、超音波またはCTを使用して、注射のための腫瘍の壊死性領域を同定することができる。壊死性領域が同定されない場合、注射は、腫瘍の中心に方向付けることができる。針を予め定義された領域に1回挿入し、一定の圧力で分注する。注射針をゆっくり除去し、注射部位を滅菌する。
固形腫瘍への本発明の遺伝子操作された細菌またはウイルスの直接腫瘍内注射は、静脈内投与と比較して有利となり得る。静脈内注射方法を使用すると、ごく僅かな割合の細菌が、標的腫瘍に達することができる。例えば、4T1腫瘍を有するマウスの尾静脈へのE.coli Nissle注射後に、大部分の細菌(>99%)は動物から迅速に排除され、ごく僅かなパーセンテージの投与細菌が腫瘍にコロニー形成する(Stritzkerら、2007年)。特に、マウスと比較して相対的に大きい血液体積および相対的に小さい腫瘍を有する大型動物およびヒト患者において、腫瘍内注射が特に有益となり得る。腫瘍への直接的な注射は、より高濃度の治療剤の送達を可能にし、全身性投与に起因し得る毒性を回避する。加えて、細菌の腫瘍内注射は、腫瘍内に頑強かつ局在化された免疫応答を誘導する。
場所、腫瘍型および腫瘍サイズに応じて、皮膚、皮下および経皮注射、治療的超音波内視鏡検査、または気管支内腫瘍内送達が挙げられるがこれらに限定されない、異なる投与技法を使用することができる。腫瘍内投与手順に先立ち、患者の局所麻酔薬ならびに標準心、圧力および酸素モニタリング、または全身麻酔と組み合わせた鎮静が行われる。
一部の腫瘍に対して、最小侵襲的な投与方法である経皮注射を用いることができる。超音波、コンピュータ断層撮影(CT)または蛍光透視法をガイダンスとして使用して、針を導入および位置決めすることができる。経皮腫瘍内注射は、例えば、Lencioniら、2010年において肝細胞癌について記載されている。皮膚、皮下および結節性腫瘍の腫瘍内注射は、例えば、後期黒色腫についてWO/2014/036412(Amgen)において記載されている。
単一の挿入ポイントまたは複数の挿入ポイントを経皮注射プロトコールにおいて使用することができる。単一の挿入ポイントを使用すると、針の放射状リーチが及ぶ限りにおいて、溶液を複数のトラックに沿って経皮注射することができる。他の実施形態では、腫瘍が、針の放射状リーチより大きい場合、複数の注射ポイントを使用することができる。総用量が注射および分散されるまで必要な頻度で、針を抜き出さずに引き戻して向け直すことができる。滅菌性を維持するために、注射毎に別々の針が使用される。針のサイズおよび長さは、腫瘍の型およびサイズに応じて変動する。
一部の実施形態では、腫瘍は、18ゲージ多叉針(Quadra−Fuse、Rex Medical)を用いて経皮注射される。デバイスは、18ゲージ穿刺針、20cmの長さからなる。針は、4個の末端側孔およびコネクタと延長チューブクランプをそれぞれ備える格納式3叉を有する。叉は、針の外側壁から展開される。針は、腫瘍の中心へと経皮導入し、腫瘍の最深縁に位置決めすることができる。叉は、腫瘍の縁へと展開される。叉は、最大の長さで展開され、次いで、規定の間隔で格納される。必要に応じて、1回または複数の回転−注射−回転手技を行うことができ、その際、叉が格納され、針が60度回転し、続いて、叉の反復展開および追加的な注射がなされる。
治療的超音波内視鏡検査(EUS)は、ある特定の他の腫瘍へのアクセスを得る際に固有の解剖学的制約を克服するために用いられる(Shirleyら、2013年)。EUSガイドされた細針注射(EUS−FNI)は、頭頸部、食道、膵、肝および副腎腫瘤の処置のための抗腫瘍療法の使用に成功した(Vernaら、2008年)。EUS−FNIは、膵がん注射のために広範に使用された。細針注射は、曲線エコー(echo)内視鏡の使用を要求する。食道に注意深く挿管され、エコー内視鏡が、胃および十二指腸へと通過し、そこで膵検査が行われ、標的腫瘍が同定される。最も大きい平面が測定され、腫瘍体積を推定し、注射体積を計算する。適切な体積がシリンジ内に引かれる。準備の整った22ゲージ細針吸引(FNA)針が、エコー内視鏡のワーキングチャネルへと通過する。超音波ガイダンス下で、針は、腫瘍へと通過する。腫瘍のサイズに応じて、投与は、腫瘍をセクションへと分け、次いで体積の対応する画分を各セクションへと注射することにより行うことができる。ドプラ技術によるインストールされた内視鏡超音波プロセッサの使用は、腫瘍への針通過に干渉し得る動脈または静脈構造がないことを保証する(Shirleyら、2013年)。一部の実施形態では、EUS−FNIのための「複数注射用針」(MIN)を使用して、ストレート型の針と比較して、腫瘍への注射分布を改善することができる(Oharaら、2013年)。
非小細胞肺がんなど、肺がんのための腫瘍内投与は、Celikogluら、2008年に記載されている通り、気管支内腫瘍内送達方法により達成することができる。気管支鏡検査(経鼻または経口)は、処置されるべき病変を可視化するために遂行される。腫瘍体積は、気管支表面にわたる目に見える長さ−幅高さ測定値から視覚的に推定することができる。次に、気管支鏡のワーキングチャネルを通して針デバイスが導入される。プラスチックカテーテルに取り付けられた金属性の針からなる針カテーテルは、前進の際にワーキングチャネルへの針による損傷を防止するためにシース内に配置される。針のサイズおよび長さは変動し、腫瘍の腫瘍型およびサイズにより決定される。プラスチック製の針は、金属針より硬くなく、ワーキングチャネルにおけるより鋭角な屈曲の辺りを通過し得るため理想的である。針が病変内に挿入され、本発明の遺伝子操作された細菌が注射される。腫瘍塊が完全に灌流されるまで、針は、いくつかの挿入ポイントに反復的に挿入される。各注射後に、針は、腫瘍から完全に引き抜かれ、次いで、別の場所に埋伏される。気管支鏡注射セッションの終わりに、処置に起因するいずれかの壊死性デブリの除去は、機械的解剖、または灌注および吸引を伴う他のアブレーション技法を使用して除去することができる。
一部の実施形態では、標的腫瘍に免疫モジュレーターを送達することができる遺伝子操作された細菌またはウイルスは、経皮注射、EUS−FNIまたは気管支内腫瘍内送達方法が挙げられるがこれらに限定されない方法を使用して腫瘍へと直接的に投与される。一部の事例では、腹腔鏡または外科的切開技法など、他の技法が、標的腫瘍のアクセスに使用されるが、これらの技法は、はるかにより侵襲的であり、はるかにより重い病的状態およびより長い入院をもたらす。
一部の実施形態では、細菌、例えば、E.coli Nissleまたは胞子、例えば、Clostridium novyi NTは、全身性または腫瘍内注射のために滅菌リン酸緩衝食塩水(PBS)に溶解される。
注射されるべき用量は、腫瘍の型およびサイズに由来する。薬物または本発明の遺伝子操作された細菌もしくはウイルスの用量は典型的に、全身性静脈内投与のための用量より低い、例えば、数桁低い。
各病変へと注射される体積は、腫瘍のサイズに基づく。腫瘍体積を得るために、最も大きい平面の測定を遂行することができる。次に、推定される腫瘍体積は、総体積のパーセンテージとして注射体積の決定を通知することができる。例えば、総腫瘍体積のおよそ20〜40%の注射体積を使用することができる。
例えば、WO/2014/036412に例えば記載されているように、その最も大きい寸法が5cmより大きい腫瘍に対して、最大4mlを注射することができる。その最も大きい寸法が2.5〜5cmの間の腫瘍に対して、最大2mlを注射することができる。その最も大きい寸法が2.5〜5cmの間の腫瘍に対して、最大2mlを注射することができる。その最も大きい寸法が1.5〜2.5cmの間の腫瘍に対して、最大1mlを注射することができる。その最も大きい寸法が0.5〜1.5cmの間の腫瘍に対して、最大0.5mlを注射することができる。その最も大きい寸法が0.5に等しいまたはそれより小さい腫瘍に対して、最大0.1mlを注射することができる。その代わりに、超音波スキャンを使用して、周囲の組織へと漏出することなく腫瘍によって取り込まれ得る注射体積を決定することができる。
一部の実施形態では、処置レジメンは、1回または複数の腫瘍内投与を含むであろう。一部の実施形態では、処置レジメンは、初回用量と、それに続く少なくとも1回のその後の用量を含むであろう。1回または複数回の用量は、2つまたはそれより多いサイクルで逐次投与することができる。
例えば、第1の用量は、1日目に投与することができ、第2の用量は、1、2、3、4、5、6日または1、2、3もしくは4週間後に、またはより長い間隔の後に投与することができる。追加的な用量は、1、2、3、4、5、6日後にまたは1、2、3もしくは4週間後に、またはより長い間隔の後に投与することができる。一部の実施形態では、第1およびその後の投与は、同じ投薬量を有する。他の実施形態では、異なる用量が投与される。一部の実施形態では、1日に2回以上の用量が投与される、例えば、1日に2、3回またはそれより多い用量を投与することができる。
記載されている投与経路および投薬量は、単なるガイドとして意図される。最適な投与経路および投薬量は、当業者であれば直ちに決定することができる。投薬量は、様々なパラメーターに従って、特に、腫瘍の場所、腫瘍のサイズ、処置されるべき患者の年齢、体重および状態、ならびに投与の経路および方法に従って決定することができる。
一実施形態では、Clostridium胞子は、全身性に送達される。別の実施形態では、Clostridium胞子は、腫瘍内注射により送達される。一実施形態では、E.coli Nissleは、腫瘍内注射により送達される。他の実施形態では、例えば、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、Daninoら、2015年またはStritzkerら、2007年におけるマウスモデルにおいて記載されている通り、腫瘍に向かうことが公知のE coli Nissleは、静脈内注射によりまたは経口で投与される。毒性を低減させるE.coli Nissle突然変異として、Stritzkerら、2010年(Stritzkerら、Bioengineered Bugs 1巻:2号、139〜145頁;Myristylation negative msbB−mutants of probiotic E. coli Nissle 1917 retain tumor specific colonization properties but show less side effects in immunocompetent mice)に記載されている通り、非ミリストイル化LPSおよび低下されたエンドトキシン活性をもたらすmsbB突然変異体が挙げられるがこれに限定されない。
静脈内注射のため、細菌の好ましい用量は、最大数の細菌が腫瘍に見出され、最低量が他の組織に見出される用量である。マウスにおいて、Stritzkerら(International Journal of Medical Microbiology 297巻(2007年)151〜162頁;Tumor specific colonization, tissue distribution, and gene induction by Escherichia coli Nissle 1917 in live mice)は、腫瘍コロニー形成成功に必要とされる細菌の最低数が、2e4CFUであり、この場合、マウスの半分が、腫瘍コロニー形成を示したことを見出した。2e5および2e6CFUの注射は、全腫瘍のコロニー形成をもたらし、腫瘍における細菌の数が増加した。しかし、より高濃度では、細菌計数が、肝臓および脾臓において検出可能になった。
一部の実施形態では、本開示の微生物は、経口投与することができる。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、肝臓がんまたは肝臓転移の予防、処置または管理において有用となり得る。例えば、Daninoらは、経口投与されたE.coli Nissleが、肝臓転移のマウスモデルにおける胃腸管にわたることにより、肝臓転移にコロニー形成することができることを示した(その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、Daninoら、Programmable probiotics for detection of cancer in urine. Science Translational Medicine、7巻(289号):1〜10頁)。
一実施形態では、遺伝子操作された微生物は、腫瘍内注射によって送達される。一実施形態では、遺伝子操作された微生物は、胸膜内送達される。一実施形態では、遺伝子操作された微生物は、皮下送達される。一実施形態では、遺伝子操作された微生物は、静脈内送達される。一実施形態では、遺伝子操作された微生物は、胸膜内送達される。
一部の実施形態では、本発明の遺伝子操作された微生物は、複数の注射を要求するレジメンに従って腫瘍内投与することができる。一部の実施形態では、同じ細菌株が、各腫瘍内注射において投与される。一部の実施形態では、第1の株が先ず注射され、第2の株がより後の時点で注射される。例えば、免疫イニシエーター、例えば、STINGアゴニストを産生することができる株は、別の免疫イニシエーター、例えば、共刺激性分子、例えば、アゴニスト抗OX40、41BBまたはGITRを産生することができる株と同時発生的にまたは逐次に投与することができる。この2つの免疫イニシエーターの追加的な注射を、同時発生的または逐次のいずれかで、続いて行うことができる。別の例では、免疫イニシエーター、例えば、STINGアゴニストを産生することができる株を先ず投与することができ、免疫サステナーを産生すること、例えば、キヌレニン消費または抗PD−1/抗PD−L1分泌または抗PD−1/抗PD−L1表面ディスプレイができる株を2番目に投与することができる。STINGアゴニスト産生株および/または抗PD−1/抗PD−L1産生株の追加的な注射を続いて行うことができる。これらの例のいずれにおいても、必要に応じて、腫瘍内注射と同時発生的に腫瘍生検を採取することができる。必要に応じて、抗生物質を使用して、第2の株の注射前に腫瘍から第1の株を排除することができる。あるいは、コロニー形成を限定するdapA遺伝子における栄養要求性改変、例えば、突然変異を第1の株に取り込むことができ、これにより、第2の株の注射に先立ち第1の株の細菌を排除することができる。
本発明の操作された細菌またはウイルスが腫瘍内送達される腫瘍型は、B、TおよびNK細胞リンパ腫、結腸および直腸がん、転移性黒色腫を含む黒色腫、菌状息肉症、メルケル癌、肝細胞癌および結腸直腸がんに続発する肝臓転移を含む肝臓がん、膵がん、乳がん、濾胞性リンパ腫、前立腺がん、不応性肝臓がん、ならびにメルケル細胞癌が挙げられるがこれらに限定されない、局所的に進行性および転移性の腫瘍を含む。
一部の実施形態では、腫瘍内注射の一部として、腫瘍細胞溶解が起こる。結果として、腫瘍抗原が露出されて、抗腫瘍応答を誘発する。この露出は、細菌によって発現されるエフェクターと協調して、抗腫瘍効果を増強することができる。一部の実施形態では、腫瘍内注射の一部として、腫瘍細胞溶解は起こらない。
本明細書に開示されている遺伝子操作された微生物は、局所的に投与することができ、軟膏剤、クリーム剤、経皮パッチ剤、ローション剤、ゲル剤、シャンプー剤、スプレー剤、エアロゾル剤、液剤、エマルション剤の形態または当業者に周知の他の形態で製剤化することができる。例えば、「Remington’s Pharmaceutical Sciences」Mack Publishing Co.、Easton, PA.を参照されたい。ある実施形態では、スプレー用ではない局所剤形のため、局所的適用と適合性の担体または1つもしくは複数の賦形剤を含み、水より大きい動的粘性を有する、粘稠性から半固体または固体形態が用いられる。適した製剤として、滅菌され得る、または様々な特性、例えば、浸透圧に影響を与えるために補助剤(例えば、保存料、安定剤、湿潤剤、緩衝剤または塩)と混合され得る、液剤、懸濁剤、エマルション剤、クリーム剤、軟膏剤、散剤、リニメント剤、膏薬等が挙げられるがこれらに限定されない。他の適した局所剤形は、固体または液体不活性担体と組み合わせた活性成分が、加圧された揮発性物質(例えば、フロン等のガス状噴霧剤)との混合物においてまたはスクイーズボトルにおいて包装された、スプレー用エアロゾル調製物を含む。保湿剤または保水剤が、医薬組成物および剤形に添加されてもよい。このような追加的な成分の例は、当該技術分野で周知である。一実施形態では、本発明の組換え細菌を含む医薬組成物は、衛生製品として製剤化することができる。例えば、衛生製品は、抗細菌製剤、または発酵ブロス等の発酵製品であってもよい。衛生製品は、例えば、シャンプー、コンディショナー、クリーム、ペースト、ローションおよびリップクリームであってもよい。
本明細書に開示されている遺伝子操作された微生物は、経口投与することができ、錠剤、丸剤、ドラジェ剤、カプセル剤、液剤、ゲル剤、シロップ剤、スラリー、懸濁剤などとして製剤化することができる。経口使用のための薬理学的組成物は、固体賦形剤を使用し、必要に応じて、得られた混合物を粉砕し、所望に応じて適した補助物を添加した後に顆粒の混合物を加工して作製して、錠剤またはドラジェコアを得ることができる。適した賦形剤として、ラクトース、スクロース、マンニトールまたはソルビトールを含む糖などのフィラー;トウモロコシデンプン、コムギデンプン、イネデンプン、ジャガイモデンプン、ゼラチン、トラガントガム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル−セルロース、ナトリウムカルボメチルセルロースなどのセルロース組成物;および/またはポリビニルピロリドン(PVP)もしくはポリエチレングリコール(PEG)等の生理学的に許容されるポリマーが挙げられるがこれらに限定されない。架橋ポリビニルピロリドン、寒天、アルギン酸またはアルギン酸ナトリウムなどのその塩等の崩壊剤が添加されてもよい。
錠剤またはカプセル剤は、結合剤(例えば、アルファ化トウモロコシデンプン、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、スクロース、グルコース、ソルビトール、デンプン、ガム、カオリンおよびトラガント);フィラー(例えば、ラクトース、微結晶性セルロースまたはリン酸水素カルシウム);滑沢剤(例えば、カルシウム、アルミニウム、亜鉛、ステアリン酸、ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、デンプン、安息香酸ナトリウム、L−ロイシン、ステアリン酸マグネシウム、タルクまたはシリカ);崩壊物質(例えば、デンプン、ジャガイモデンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、糖、セルロース誘導体、シリカ粉末);または湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)などの薬学的に許容される賦形剤を用いて、従来手段によって調製することができる。錠剤は、当該技術分野で周知の方法によってコーティングすることができる。コーティング殻が存在することができ、一般的な膜として、ポリラクチド、ポリグリコール酸、ポリ酸無水物、他の生分解性ポリマー、アルギン酸塩−ポリリシン−アルギン酸塩(APA)、アルギン酸塩−ポリメチレン−co−グアニジン−アルギン酸塩(A−PMCG−A)、ヒドロキシ(hydroy)メチルアクリレート−メチルメタクリレート(HEMA−MMA)、多層状HEMA−MMA−MAA、ポリアクリロニトリル塩化ビニル(PAN−PVC)、アクリロニトリル/メタリルスルホン酸ナトリウム(AN−69)、ポリエチレングリコール/ポリペンタメチルシクロペンタシロキサン/ポリジメチルシロキサン(PEG/PD5/PDMS)、ポリN,N−ジメチルアクリルアミド(PDMAAm)、ケイ質カプセル被包、セルロースサルフェート/アルギン酸ナトリウム/ポリメチレン−co−グアニジン(CS/A/PMCG)、セルロースアセテートフタレート、アルギン酸カルシウム、k−カラゲナン−ローカストビーンガムゲルビーズ、ジェラン−キサンタンビーズ、ポリ(ラクチド−co−グリコリド)、カラゲナン、デンプンポリ酸無水物、デンプンポリメタクリレート、ポリアミノ酸、および腸溶コーティングポリマーが挙げられるがこれらに限定されない。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、腸または腸の特定の領域、例えば、大腸への放出のために腸溶的にコーティングされる。胃から結腸までの典型的なpHプロファイルは、約1〜4(胃)、5.5〜6(十二指腸)、7.3〜8.0(回腸)および5.5〜6.5(結腸)である。一部の疾患では、pHプロファイルは修飾され得る。一部の実施形態では、コーティングは、放出部位を指定するために、特異的pH環境において分解される。一部の実施形態では、少なくとも2つのコーティングが使用される。一部の実施形態では、外側コーティングおよび内側コーティングは、異なるpHレベルで分解される。
一部の実施形態では、1つまたは複数のコーティング層(例えば、外側、内側および/または(o)中間コーティング層)において、腸溶コーティング材料を使用することがで
きる。腸溶コーティングされたポリマーは、低pHでは非イオン化を維持し、したがって、不溶性を維持する。しかし、胃腸管においてpHが増加するにつれて、酸性官能基は、イオン化が可能になり、ポリマーは膨張する、または腸液に可溶性になる。
腸溶コーティングに使用される材料は、セルロースアセテートフタレート(CAP)、ポリ(メタクリル酸−co−メチルメタクリレート)、セルロースアセテートトリメリテート(CAT)、ポリ(ビニルアセテートフタレート)(PVAP)およびヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP)、脂肪酸、ワックス、Shellac(アロイリット酸(aleurtic acid)のエステル)、プラスチックおよび植物繊維を含む。その上、ゼイン、アクア−ゼイン(アルコールを含有しない水性ゼイン製剤)、アミロースデンプンおよびデンプン誘導体、ならびにデキストリン(例えば、マルトデキストリン)も使用される。他の公知の腸溶コーティングは、エチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アミロースアセテートフタレート、セルロースアセテートフタレート、ヒドロキシルプロピルメチルセルロースフタレート、エチルアクリレートおよびメチルメタクリレートを含む。
コーティングポリマーは、フタレート誘導体、CAT、HPMCAS、ポリアクリル酸誘導体、アクリル酸および少なくとも1種のアクリル酸エステルを含むコポリマー、Eudragit(商標)S(ポリ(メタクリル酸、メチルメタクリレート)1:2);Eudragit L100(商標)S(ポリ(メタクリル酸、メチルメタクリレート)1:1);Eudragit L30D(商標)(ポリ(メタクリル酸、エチルアクリレート)1:1);および(Eudragit L100−55)(ポリ(メタクリル酸、エチルアクリレート)1:1)(Eudragit(商標)Lは、メタクリル酸およびメタクリル酸メチルエステルから合成されるアニオン性ポリマーである)、アクリル酸およびアクリル酸エステルコポリマーとブレンドされたポリメチルメタクリレート、アルギン酸、アルギン酸アンモニア、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸マグネシウムもしくはアルギン酸カルシウム、ビニルアセテートコポリマー、ポリビニルアセテート30D(水における30%分散)、ポリ(ジメチルアミノエチルアクリレート)を含む中性メタクリル酸エステル(“Eudragit E(商標))、メチルメタクリレートおよびエチルアクリレートとトリメチルアンモニオエチルメタクリレートクロライドのコポリマー、メチルメタクリレートおよびエチルアクリレートのコポリマー、ゼイン、shellac、ガムもしくは多糖、またはそれらの組合せのうち1つまたは複数を含むこともできる。
コーティング層は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルエチルセルロース(HPEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルエチルセルロース(HPEC)、ヒドロキシメチルプロピルセルロース(HMPC)、エチルヒドロキシエチルセルロース(EHEC)(エツロース)、ヒドロキシエチルメチルセルロース(HEMC)、ヒドロキシメチルエチルセルロース(HMEC)、プロピルヒドロキシエチルセルロース(PHEC)、メチルヒドロキシエチルセルロース(MHEC)、疎水性に修飾されたヒドロキシエチルセルロース(NEXTON)、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース(CMHEC)、メチルセルロース、エチルセルロース、水溶性ビニルアセテートコポリマー、ガム、アルギン酸、およびアルギン酸アンモニア、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウムなどのアルギン酸など等の多糖、炭水化物の酸フタレート、アミロースアセテートフタレート、セルロースアセテートフタレート(CAP)、セルロースエステルフタレート、セルロースエーテルフタレート、ヒドロキシプロピルセルロースフタレート(HPCP)、ヒドロキシプロピルエチルセルロースフタレート(HPECP)、ヒドロキシプロピル(proply)メチルセルロースフタレート(HPMCP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート(HPMCAS)を含有するポリマーを含むこともできる。
一部の実施形態では、遺伝子操作された微生物は、腸または腸の特定の領域、例えば、大腸への放出のために腸溶的にコーティングされる。胃から結腸までの典型的なpHプロファイルは、約1〜4(胃)、5.5〜6(十二指腸)、7.3〜8.0(回腸)および5.5〜6.5(結腸)である。一部の疾患では、pHプロファイルは修飾され得る。一部の実施形態では、コーティングは、放出部位を指定するために、特異的pH環境において分解される。一部の実施形態では、少なくとも2つのコーティングが使用される。一部の実施形態では、外側コーティングおよび内側コーティングは、異なるpHレベルで分解される。
経口投与のための液体調製物は、液剤、シロップ剤、懸濁剤、または使用前の水もしくは他の適したビヒクルによる構成のための乾燥製品の形態をとることができる。このような液体調製物は、懸濁剤(例えば、ソルビトールシロップ、セルロース誘導体または水添食用脂肪);乳化剤(例えば、レシチンまたはアカシア);非水性ビヒクル(例えば、アーモンド油、油性エステル、エチルアルコールまたは分画された植物油);および保存料(例えば、メチルもしくはプロピル−p−ヒドロキシベンゾエートまたはソルビン酸)などの薬学的に許容される薬剤を用いて、従来手段によって調製することができる。調製物は、適宜、緩衝剤の塩、調味剤、着色剤および甘味剤を含有することもできる。経口投与のための調製物は、本明細書に記載されている遺伝子操作された微生物の緩徐放出、制御放出または持続放出のために適切に製剤化することができる。
一実施形態では、本開示の遺伝子操作された微生物は、小児対象への投与に適した組成物において製剤化することができる。当該技術分野で周知の通り、子供は、異なる胃排出速度、pH、胃腸管透過性などを含む多くの側面において成人とは異なる(Ivanovskaら
、Pediatrics、134巻(2号):361〜372頁、2014年)。さらに、投与経路および味覚特質など、小児製剤の認容性および嗜好性は、許容される小児服薬遵守の達成に重要である。よって、一実施形態では、小児対象への投与に適した組成物は、嚥下し易いもしくは溶解可能な剤形、または香味料、甘味料もしくは味覚遮断物が添加された組成物など、より口当たりが良い組成物を含むことができる。一実施形態では、小児対象への投与に適した組成物は、成人への投与に適する場合もある。
一実施形態では、小児対象への投与に適した組成物は、液剤、シロッ剤プ、懸濁剤、エリキシル剤、懸濁剤もしくは液剤としての再構成のための散剤、分散性/発泡性錠剤、咀嚼錠剤、グミキャンディ、ロリポップ、フリーザーポップ(freezer pop)、トローチ剤、チューインガム、経口の細長い条片(thin strip)、経口で崩壊する錠剤、サシェ剤、軟ゼラチンカプセル剤、振りかけ用(sprinkle)経口散剤、または粒剤を含むことができる。一実施形態では、組成物は、キャンディに弾性、所望の腰の強い稠度およびより長い有効期間を与えるゼラチン基剤から作られた、グミキャンディである。一部の実施形態では、グミキャンディは、甘味料または香味料を含むこともできる。
一実施形態では、小児対象への投与に適した組成物は、香味料を含むことができる。本明細書で使用される場合、「香味料」は、製剤に別個の味覚および芳香をもたらす物質(液体または固体)である。香味料は、製剤の嗜好の改善にも役立つ。香味料として、ストロベリー、バニラ、レモン、グレープ、バブルガムおよびチェリーが挙げられるがこれらに限定されない。
ある特定の実施形態では、遺伝子操作された微生物は、例えば、不活性希釈剤または同化可能な食用担体と共に経口投与することができる。化合物は、硬もしくは軟殻ゼラチンカプセルに封入する、錠剤中に圧縮する、または対象の食事に直接的に組み込むこともできる。経口治療投与のため、化合物は、賦形剤と共に組み込み、経口摂取可能な錠剤、バッカル錠剤、トローチ剤、カプセル剤、エリキシル剤、懸濁剤、シロップ剤、ウエハその他の形態で使用することができる。非経口的投与以外によって化合物を投与するために、その不活性化を防止するための材料で化合物をコーティングする、または化合物をそれと同時投与することが必要となり得る。
別の実施形態では、本発明の組換え細菌を含む医薬組成物は、食べられる製品、例えば、食品であってもよい。一実施形態では、食品は、ミルク、濃縮乳、発酵乳(ヨーグルト、酸乳、フローズンヨーグルト、乳酸菌発酵飲料)、粉乳、アイスクリーム、クリームチーズ、ドライチーズ、豆乳、発酵豆乳、野菜−フルーツジュース、フルーツジュース、スポーツドリンク、菓子類、キャンディ、乳児食(乳児用ケーキなど)、栄養性食品、動物飼料または栄養補助食品である。一実施形態では、食品は、発酵乳製品など、発酵食である。一実施形態では、発酵乳製品は、ヨーグルトである。別の実施形態では、発酵乳製品は、チーズ、ミルク、クリーム、アイスクリーム、ミルクセーキまたはケフィアである。別の実施形態では、本発明の組換え細菌は、プロバイオティクスとして機能することが意図される他の生きた細菌細胞を含有する調製物において組み合わされる。別の実施形態では、食品は、飲料である。一実施形態では、飲料は、フルーツジュースに基づく飲料または植物もしくはハーブ抽出物を含有する飲料である。別の実施形態では、食品は、ゼリーまたはプディングである。本発明の組換え細菌の投与に適した他の食品は、当該技術分野で周知である。例えば、これらそれぞれの内容全体が明確に参照により本明細書に組み込まれる、U.S.2015/0359894およびUS2015/0238545を参照されたい。さらに別の実施形態では、本発明の医薬組成物は、パン、ヨーグルトまたはチーズなどの食品の中へと注射される、その上にスプレーされる、またはその上に振りかけられる。
一部の実施形態では、組成物は、腸溶的にコーティングされているまたはコーティングされていない、ナノ粒子、ナノカプセル剤、マイクロカプセル剤またはマイクロ錠剤による、小腸内(intraintestinal)投与、空腸内(intrajejunal)投与、十二指腸内投与、回腸内(intraileal)投与、胃シャント投与または結腸内投与のために製剤化される。医薬組成物は、例えば、カカオバターまたは他のグリセリドなどの従来坐薬基剤を使用して、坐薬または停留浣腸などの直腸組成物において製剤化することもできる。組成物は、油性または水性ビヒクルにおける懸濁剤、液剤またはエマルション剤となることができ、懸濁化剤、安定化剤および/または分散剤を含有することができる。
本明細書に記載されている遺伝子操作された微生物は、鼻腔内投与することができ、エアロゾル形態、スプレー、ミスト、または液滴の形態で製剤化することができ、適した噴霧剤(例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素または他の適したガス)の使用による、加圧パックまたはネブライザーからのエアロゾルスプレー提示の形態で簡便に送達することができる。加圧エアロゾル投薬量単位は、計量した量を送達するバルブの設置により決定することができる。インヘラーまたは吸入器における使用のためのカプセルおよびカートリッジ(例えば、ゼラチン製)は、化合物、およびラクトースまたはデンプンなどの適した粉末基剤の粉末混合物を含有して製剤化することができる。
遺伝子操作された微生物は、デポー調製物として投与および製剤化することができる。このような長時間作用性製剤は、植え込みによって、または静脈内注射、皮下注射、局所注射、直接注射もしくは注入を含む注射によって投与することができる。例えば、組成物は、適したポリマーもしくは疎水性材料(例えば、許容される油中のエマルションとして)またはイオン交換樹脂により、または難溶性誘導体(例えば、難溶性塩として)として製剤化することができる。
一部の実施形態では、単一の剤形における薬学的に許容される組成物が本明細書に開示されている。単一の剤形は、液体または固体形態のものとなることができる。単一の剤形は、修飾することなく患者に直接的に投与することができる、または投与に先立ち希釈もしくは再構成することができる。ある特定の実施形態では、単一の剤形は、ボーラス形態で、例えば、単一の注射で、複数の錠剤、カプセル剤、丸剤などを含む経口用量を含む単一の経口用量で投与することができる。代替実施形態では、単一の剤形は、例えば、注入によって、ある期間にわたって投与することができる。
医薬組成物の単一の剤形は、腸溶的にコーティングされていてもコーティングされていなくてもよい、錠剤、粒状、ナノ粒子、ナノカプセル剤、マイクロカプセル剤、マイクロ錠剤、ペレット剤または散剤など、より小さいアリコート、単一用量容器、単一用量液体形態または単一用量固体形態へと、医薬組成物を分割することにより調製することができる。固体形態における単一用量は、患者への投与に先立ち液体、典型的には滅菌水または生理食塩水溶液を添加することにより再構成することができる。
他の実施形態では、組成物は、制御放出または持続放出システムにおいて送達することができる。一実施形態では、ポンプを使用して、制御または持続放出を達成することができる。別の実施形態では、ポリマー材料を使用して、本開示の治療法の制御または持続放出を達成することができる(例えば、米国特許第5,989,463号を参照)。持続放出製剤において使用されるポリマーの例として、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(エチレン−co−ビニルアセテート)、ポリ(メタクリル酸)、ポリグリコリド(PLG)、ポリ酸無水物、ポリ(N−ビニルピロリドン)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリアクリルアミド、ポリ(エチレングリコール)、ポリラクチド(PLA)、ポリ(ラクチド−co−グリコリド)(PLGA)およびポリオルトエステルが挙げられるがこれらに限定されない。持続放出製剤において使用されるポリマーは、不活性で、浸出可能な(leachable)不純物を含まず、貯蔵下で安定し、滅菌され、生分解性となることができる。一部の実施形態では、制御または持続放出システムは、予防または治療標的に近接して配置することができ、よって、全身性用量の僅かな一部分のみを要求する。当業者に公知のいかなる適した技法を使用してもよい。
投薬量レジメンは、治療応答をもたらすように調整することができる。投薬は、疾患の重症度および応答性、投与経路、処置の時間的経過(数日間〜数カ月間〜数年間)、ならびに疾患寛解までの時間を含むいくつかの因子に依存し得る。例えば、単一のボーラスを一度に投与することができる、いくつかの分割用量を所定の期間にわたって投与することができる、または治療状況によって示される通りに用量を低減もしくは増加させることができる。投薬量の仕様は、活性化合物の特有の特徴および達成されるべき特定の治療効果によって指示される。投薬量の値は、軽減されるべき状態の種類および重症度と共に変動し得る。いずれか特定の対象に対して、個々の必要および処置担当の臨床医の専門的判断に従って、特異的な投薬量レジメンを経時的に調整することができる。本明細書に提供される化合物の毒性および治療有効性は、細胞培養または動物モデルにおいて標準医薬品手順によって決定することができる。例えば、LD50、ED50、EC50およびIC50を決定することができ、毒性および治療効果の間の用量比(LD50/ED50)を治療指数として計算することができる。毒性副作用を示す組成物は、潜在的損傷を最小化して副作用を低減させるための慎重な修飾により使用することができる。投薬は、細胞培養アッセイおよび動物モデルから初期に推定することができる。in vitroおよびin vivoアッセイならびに動物研究から得られるデータは、ヒトにおける使用のためのある範囲の投薬量の製剤化において使用することができる。
成分は、例えば、活性薬剤の含量を示すアンプルまたはサシェなど、密閉シールされた容器における乾燥した凍結乾燥粉末または水を含まない濃縮物として、別々に、または単位剤形において一緒に混合して供給される。投与機序が、注射によるものである場合、投与に先立ち成分を混合することができるように、注射用滅菌水または生理食塩水のアンプルを提供することができる。
医薬組成物は、薬剤の含量を示すアンプルまたはサシェなど、密閉シールされた容器内に包装することができる。一実施形態では、医薬組成物の1つまたは複数は、密閉シールされた容器内に乾燥し滅菌された凍結乾燥粉末または水を含まない濃縮物として供給され、対象への投与に適切な濃度に再構成(例えば、水または生理食塩水で)され得る。ある実施形態では、予防もしくは治療剤または医薬組成物の1つまたは複数は、2℃〜8℃の間で貯蔵され、再構成後1時間以内、3時間以内、5時間以内、6時間以内、12時間以内、24時間以内、48時間以内、72時間以内または1週間以内に投与される、密閉シールされた容器内に乾燥した滅菌凍結乾燥粉末として供給される。凍結乾燥剤形のために凍結保護物質、主に0〜10%スクロース(最適には0.5〜1.0%)が含まれていてよい。他の適した凍結保護物質は、トレハロースおよびラクトースを含む。他の適した増量剤は、グリシンおよびアルギニンを含み、そのいずれかは、0〜0.05%の濃度で含まれ得、ポリソルベート−80(最適には、0.005〜0.01%の濃度で含まれる)も含まれ得る。追加的な界面活性物質として、ポリソルベート20およびBRIJ界面活性物質が挙げられるがこれらに限定されない。医薬組成物は、注射用溶液として調製することができ、吸収または分散の増加に使用される薬剤、例えば、ヒアルロニダーゼなど、アジュバントとして有用な薬剤をさらに含むことができる。
一部の実施形態では、遺伝子操作された微生物およびその組成物は、静脈内投与、腫瘍内投与または腫瘍周囲投与のために製剤化される。遺伝子操作された微生物は、デポー調製物として製剤化することができる。このような長時間作用性製剤は、植え込みまたは注射によって投与することができる。例えば、組成物は、適したポリマーもしくは疎水性材料(例えば、許容される油中のエマルションとして)またはイオン交換樹脂により、または難溶性誘導体(例えば、難溶性塩として)として製剤化することができる。
一部の実施形態では、遺伝子操作されたOVは、効率的送達および宿主抗ウイルス免疫応答の克服の必要を考慮に入れて、送達のために調製される。抗ウイルス応答を逃れるためのアプローチは、処置レジメンの一部としての異なるウイルス血清型の投与(血清型スイッチング)、抗体認識からウイルスをマスクするためのポリマーコーティングなどの製剤、および送達ビヒクルとしての細胞の使用を含む。
別の実施形態では、組成物は、制御放出または持続放出システムにおいて送達することができる。一実施形態では、ポンプを使用して、制御または持続放出を達成することができる。別の実施形態では、ポリマー材料を使用して、本開示の治療法の制御または持続放出を達成することができる(例えば、米国特許第5,989,463号を参照)。持続放出製剤において使用されるポリマーの例として、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(エチレン−co−ビニルアセテート)、ポリ(メタクリル酸)、ポリグリコリド(PLG)、ポリ酸無水物、ポリ(N−ビニルピロリドン)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリアクリルアミド、ポリ(エチレングリコール)、ポリラクチド(PLA)、ポリ(ラクチド−co−グリコリド)(PLGA)およびポリオルトエステルが挙げられるがこれらに限定されない。持続放出製剤において使用されるポリマーは、不活性で、浸出可能な不純物を含まず、貯蔵下で安定し、滅菌され、生分解性となることができる。一部の実施形態では、制御または持続放出システムは、予防または治療標的に近接して配置することができ、よって、全身性用量の僅かな一部分のみを要求する。当業者に公知のいかなる適した技法を使用してもよい。
本発明の遺伝子操作された細菌は、中性または塩形態として投与および製剤化することができる。薬学的に許容される塩は、塩酸、リン酸、酢酸、シュウ酸、酒石酸などに由来する塩など、アニオンにより形成される塩、および水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カルシウム、水酸化第二鉄、イソプロピルアミン、トリエチルアミン、2−エチルアミノエタノール、ヒスチジン、プロカインなどに由来する塩など、カチオンにより形成される塩を含む。
処置方法
本発明の別の態様は、がんを処置する方法を提供する。一部の実施形態では、本発明は、がんに関連する1つまたは複数の症状を低減、寛解または排除するための方法を提供する。一部の実施形態では、前記がんが、副腎がん、副腎皮質癌、肛門がん、虫垂がん、胆管がん、膀胱がん、骨がん(例えば、ユーイング肉腫腫瘍、骨肉腫、悪性線維性組織球腫)、脳がん(例えば、星細胞腫、脳幹神経膠腫、頭蓋咽頭腫、脳室上衣腫)、気管支腫瘍、中枢神経系腫瘍、乳がん、キャッスルマン病、子宮頸がん、結腸がん、直腸がん、結腸直腸がん、子宮内膜がん、食道がん、眼がん、胆嚢がん、消化器がん、消化器カルチノイド腫瘍、消化器間質腫瘍、妊娠性絨毛性疾患、心臓がん、カポジ肉腫、腎がん、喉頭がん、下咽頭がん、白血病(例えば、急性リンパ性白血病、急性骨髄系白血病、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病)、肝がん、肺がん、リンパ腫(例えば、AIDS関連リンパ腫、バーキットリンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、中枢神経系原発リンパ腫)、悪性中皮腫、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群、鼻腔がん、副鼻腔がん、上咽頭がん、神経芽腫、口腔がん、中咽頭がん、骨肉腫、卵巣がん、膵がん、陰茎がん、下垂体腫瘍、前立腺がん、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、ラブドイド腫瘍、唾液腺がん、肉腫、皮膚がん(例えば、基底細胞癌、黒色腫)、小腸がん、胃がん、奇形腫、精巣がん、のどのがん、胸腺がん、甲状腺がん、非通常型小児がん、尿道がん、子宮がん、子宮肉腫、膣がん、外陰がん、ワルデンストレーム高ガンマグロブリン血症、およびウィルムス腫瘍から選択される。一部の実施形態では、それらに関連する症状として、貧血、食欲不振、膀胱裏層の刺激作用、出血および内出血(血小板減少症)、味覚もしくは嗅覚の変化、便秘、下痢、口渇、嚥下障害、浮腫、疲労、毛髪脱落(脱毛症)、感染症、不妊症、リンパ浮腫、口内炎、悪心、疼痛、末梢神経障害、う歯、尿路感染症、および/または記憶および集中に関する問題が挙げられるがこれらに限定されない。
本方法は、本明細書に記載されている細菌の少なくとも1つの遺伝子操作された種、株またはサブタイプにより医薬組成物を調製するステップと、この医薬組成物を対象に治療有効量で投与するステップとを含むことができる。遺伝子操作された微生物は、組織もしくは供給を担う血管へと局所に、例えば、腫瘍内もしくは腫瘍周囲に、または全身性に、例えば、注入もしくは注射により静脈内に投与することができる。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、静脈内、腫瘍内、動脈内、筋肉内、腹腔内、経口または局所的に投与される。一部の実施形態では、遺伝子操作された微生物は、静脈内に、すなわち、全身性に投与される。
ある特定の実施形態では、対象への医薬組成物の投与は、対象における細胞増殖、腫瘍成長および/または腫瘍体積を低減させる。一部の実施形態では、本開示の方法は、細胞増殖、腫瘍成長および/または腫瘍体積を、無処置または対照の対象におけるレベルと比較して、少なくとも約10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%またはそれより大きく低減させることができる。一部の実施形態では、低減は、医薬組成物の投与前および後に、対象における細胞増殖、腫瘍成長および/または腫瘍体積を比較することにより測定される。一部の実施形態では、対象におけるがんを処置または寛解する方法は、がんの1つまたは複数の症状を、少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%またはそれより大きく改善させる。
医薬組成物の投与の前、その最中およびその後に、血液、血清、血漿、尿、腹水、および/または組織もしくは臓器由来の生検などの生体試料において、対象におけるがん性細胞および/またはバイオマーカーを測定することができる。一部の実施形態では、方法は、対象における腫瘍体積を検出不能なサイズまで、または処置に先立つ対象の腫瘍体積の約1%、2%、5%、10%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%もしくは90%未満まで低下させるために、本発明の組成物の投与を含むことができる。他の実施形態では、方法は、対象における細胞増殖速度または腫瘍成長速度を検出不能な速度まで、または処置に先立つ速度の約1%、2%、5%、10%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%もしくは90%未満まで低下させるために、本発明の組成物の投与を含むことができる。
免疫に基づく免疫モジュレーターを発現する遺伝子操作された微生物に対して、応答パターンは、伝統的細胞傷害性療法に対するものとは異なる場合がある。例えば、免疫に基づく治療法で処置された腫瘍は、これが退縮する前に拡大し得る、および/または新たな病変が出現し得る(Agarwalaら、2015年)。腫瘍サイズ増加は、腫瘍組織には通常存在しないリンパ球およびマクロファージによる重度の浸潤が原因となり得る。その上、応答時間は、標準療法、例えば、細胞傷害性療法に関連する応答時間より遅くなる場合がある。一部の実施形態では、免疫モジュレーターの送達は、腫瘍の体積および/またはサイズを一時的に増加させるが、対象の腫瘍の成長をモジュレートするおよび/またはがんの症状を寛解することができる。
遺伝子操作された細菌は、例えば、投与の数時間または数日後に、組織もしくは血清における防御因子によって(Sonnenbornら、2009年)、またはキルスイッチの活性化によって破壊され得る。よって、免疫モジュレーターを産生するための遺伝子または遺伝子カセットを含む医薬組成物は、治療有効用量および頻度で再投与することができる。代替実施形態では、遺伝子操作された細菌は、投与後数時間または数日以内に破壊されず、腫瘍において繁殖し、腫瘍にコロニー形成することができる。
医薬組成物は、単独で、または1つもしくは複数のさらなる治療剤、例えば、本明細書に記載されており、当該技術分野で公知の、例えば、化学療法薬もしくはチェックポイントインヒビターと組み合わせて投与することができる。1つまたは複数のさらなる治療剤の選択における重要な考慮は、薬剤が、本発明の遺伝子操作された細菌と適合性となるべきであり、例えば、薬剤が、細菌を死滅させてはならないことである。一部の研究では、抗がん免疫療法、例えば、CTLA−4またはPD−1インヒビターの有効性は、マイクロバイオームにおける特定の細菌株の存在を要求する(Ildaら、2013年;Vetizouら、2015年;Sivanら、2015年)。一部の実施形態では、細菌を含む医薬組成物は、チェックポイントインヒビターまたは化学療法剤の効果を増大させ、例えば、全身性に投与される化学療法または免疫療法剤の用量の低下を可能にする。一部の実施形態では、医薬組成物は、1種もしくは複数の共生またはプロバイオティクス細菌、例えば、BifidobacteriumまたはBacteroidesと共に投与される。
ある特定の実施形態では、医薬組成物は、第1の免疫イニシエーターをコードする少なくとも1つの遺伝子を含む第1の遺伝子操作された細菌を対象に投与し、第2の免疫イニシエーターをコードする少なくとも1つの遺伝子を含む第2の遺伝子操作された細菌を対象に投与することにより、がんを処置するために対象に投与することができる。一部の実施形態では、投与ステップは、同時的に行われる。一部の実施形態では、対象への第1の遺伝子操作された細菌の投与は、対象への第2の遺伝子操作された細菌の投与の前に起こる。一部の実施形態では、対象への第2の遺伝子操作された細菌の投与は、対象への第1の遺伝子操作された細菌の投与の前に起こる。一部の実施形態では、第1の遺伝子操作された細菌の第2の遺伝子操作された細菌に対する比は、5:1、4:1、3:1、2:1、1:1、1:2、1:3、1:4または1:5である。一部の実施形態では、第2の遺伝子操作された細菌の第1の遺伝子操作された細菌に対する比は、5:1、4:1、3:1、2:1、1:1、1:2、1:3、1:4または1:5である。
化学療法剤
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、1つまたは複数の化学療法剤による投薬と逐次に、それと同時にまたはその後に投与される。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、Trabectedin(登録商標)、Belotecan(登録商標)、Cisplatin(登録商標)、Carboplatin(登録商標)、Bevacizumab(登録商標)、Pazopanib(登録商標)、5−フルオロウラシル、Capecitabine(登録商標)、Irinotecan(登録商標)およびOxaliplatin(登録商標)から選択される1つまたは複数の化学療法剤による投薬と逐次に、それと同時にまたはその後に投与される。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、ゲムシタビン(ジェムザール)による投薬と逐次に、それと同時にまたはその後に投与される。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、シクロホスファミドによる投薬と逐次に、それと同時にまたはその後に投与される。これらの実施形態のいずれかでは、1つまたは複数の細菌は、全身性にまたは経口にまたは腫瘍内に投与される。
一部の実施形態では、代謝物の産生または消費のための酵素をコードする遺伝子配列を含む、本明細書に記載されている1つまたは複数の操作された細菌、例えば、キヌレニンもしくはアデノシン消費者、アンモニア消費者、アルギニン生産者および/またはSTINGアゴニスト生産者は、1つまたは複数の化学療法剤による投薬と逐次に、それと同時にまたはその後に投与される。一部の実施形態では、化学療法剤は、全身性に投与され、細菌は、腫瘍内に投与される。一部の実施形態では、化学療法剤および細菌は、全身性に投与される。一部の実施形態では、代謝変換因子をコードする遺伝子配列を含む、本明細書に記載されている1つまたは複数の操作された細菌、例えば、キヌレニン消費者、アデノシン消費者、アルギニン生産者、アンモニア消費者および/またはSTINGアゴニスト生産者および/またはアンモニア消費者は、化学療法剤による投薬と逐次に、それと同時にまたはその後に投与される。一実施形態では、化学療法剤は、シクロホスファミドである。
一部の実施形態では、アデノシンの分解のための記載されている回路のうちいずれか1つまたは複数を発現する遺伝子操作された1つまたは複数の細菌は、化学療法剤投薬と逐次に、それと同時にまたはその後に投与される。一実施形態では、化学療法剤は、シクロホスファミドである。一部の実施形態では、キヌレニンの消費のための記載されている回路のうちいずれか1つまたは複数を発現する遺伝子操作された細菌は、化学療法剤による投薬と逐次に、それと同時にまたはその後に投与される。一実施形態では、化学療法剤は、シクロホスファミドである。一部の実施形態では、アルギニンの産生のための記載されている回路のうちいずれか1つまたは複数を発現する遺伝子操作された細菌は、化学療法剤による投薬と逐次に、それと同時にまたはその後に投与される。一部の実施形態では、消費および/またはアルギニン産生のための記載の回路のうちいずれか1つまたは複数を発現する遺伝子操作された細菌は、化学療法剤による投薬と逐次に、同時に、またはその後に投与される。一実施形態では、化学療法剤は、シクロホスファミドである。
一部の実施形態では、1つまたは複数の操作された細菌、例えば、アデノシン消費者、キヌレニン消費者、アンモニア消費者、アルギニン生産者は、同時投与された化学療法剤(例えば、シクロホスファミド、または本明細書に記載されているもしくは当該技術分野で公知の別の薬剤)の抗腫瘍活性(例えば、腫瘍増殖、サイズ、体積、重量)を、例えば、同じ条件下での化学療法単独と比較して、または同じ条件下での同じサブタイプの無修飾細菌と比較して、10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%またはそれより大きく改善することができる。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌、例えば、アデノシン消費者、キヌレニン消費者、アルギニン生産者は、同時投与された化学療法剤(例えば、シクロホスファミド、または本明細書に記載されているもしくは当該技術分野で公知の別の薬剤)の抗腫瘍活性(例えば、腫瘍増殖、サイズ、体積、重量)を、例えば、同じ条件下での化学療法単独と比較して、または同じ条件下での同じサブタイプの無修飾細菌と比較して、1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍もしくは2倍にまたはそれより大きく改善することができる。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌、例えば、アデノシン消費者、キヌレニン消費者、アルギニン生産者は、同時投与された化学療法剤(例えば、シクロホスファミド、または本明細書に記載されているもしくは当該技術分野で公知の別の薬剤)の抗腫瘍活性(例えば、腫瘍増殖、サイズ、体積、重量)を、例えば、同じ条件下での化学療法単独と比較して、または同じ条件下での同じサブタイプの無修飾細菌と比較して、約3倍、4倍、約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、50倍、100倍、500倍もしくは1000倍にまたはそれより大きく改善することができる。
一部の実施形態では、免疫活性化およびプライミングのためのエフェクターの産生のための遺伝子配列を含む、本明細書に記載されている1つまたは複数の操作された細菌は、化学療法剤による投薬と逐次に、それと同時にまたはその後に投与される。一部の実施形態では、化学療法剤は、全身性に投与され、細菌は、腫瘍内に投与される。一部の実施形態では、化学療法剤および細菌は、全身性に投与される。
一部の実施形態では、化学療法剤と共に投与される遺伝子操作された細菌は、1つまたは複数のSTINGアゴニストの産生のための1つまたは複数の酵素をコードする遺伝子配列(複数可)を含む。一部の実施形態では、ジアデニル酸シクラーゼおよび/またはヒトもしくは細菌cGAS等の他のSTINGアゴニスト産生酵素をコードする遺伝子配列(複数可)を含む、本明細書に記載される1つまたは複数の操作された細菌は、化学療法剤による投薬と逐次に、同時に、またはその後に投与される。一実施形態では、化学療法剤は、シクロホスファミドである。
一部の実施形態では、ジアデニル酸シクラーゼまたはSTINGアゴニストの生成のための他の酵素を発現する遺伝子操作された細菌は、同時投与された化学療法剤(例えば、シクロホスファミド)の抗腫瘍活性(例えば、腫瘍増殖、サイズ、体積、重量)を、例えば、同じ条件下での化学療法単独と比較して、または同じ条件下での同じサブタイプの無修飾細菌と比較して、10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%またはそれより大きく改善することができる。一部の実施形態では、ジアデニル酸シクラーゼ、cGASおよび/またはSTINGアゴニストの生成のための他の酵素を発現する遺伝子操作された細菌は、同時投与された化学療法剤(例えば、シクロホスファミド、または本明細書に記載されているもしくは当該技術分野で公知の別の薬剤)の抗腫瘍活性(例えば、腫瘍増殖、サイズ、体積、重量)を、例えば、同じ条件下での化学療法単独と比較して、または同じ条件下での同じサブタイプの無修飾細菌と比較して、1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍もしくは2倍にまたはそれより大きく改善することができる。一部の実施形態では、ジアデニル酸シクラーゼまたはSTINGアゴニストの生成のための他の酵素を発現する遺伝子操作された細菌は、同時投与された化学療法剤(例えば、シクロホスファミド、または本明細書に記載されているもしくは当該技術分野で公知の別の薬剤)の抗腫瘍活性(例えば、腫瘍増殖、サイズ、体積、重量)を、例えば、同じ条件下での化学療法単独と比較して、または同じ条件下での同じサブタイプの無修飾細菌と比較して、約3倍、4倍、約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、50倍、100倍、500倍もしくは1000倍にまたはそれより大きく改善することができる。
一部の実施形態では、5−FCから5−FUへの変換のための記載されているシトシンデアミナーゼのうちいずれか1つまたは複数を発現する遺伝子操作された細菌は、化学療法剤投薬と逐次に、それと同時にまたはその後に投与される。一実施形態では、化学療法剤は、シクロホスファミドである。
一部の実施形態では、化学療法剤と共に投与される遺伝子操作された細菌は、5−FCから5−FUへの変換のための1つまたは複数の酵素をコードする遺伝子配列(複数可)を含む。一部の実施形態では、5−FCから5−FUへの変換のためのシトシンデアミナーゼを発現する遺伝子操作された細菌は、同時投与された化学療法剤(例えば、シクロホスファミド)の抗腫瘍活性(例えば、腫瘍増殖、サイズ、体積、重量)を、例えば、同じ条件下での化学療法単独と比較して、または同じ条件下での同じサブタイプの無修飾細菌と比較して、10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%またはそれより大きく改善することができる。
一部の実施形態では、5−FCから5−FUへの変換のためのシトシンデアミナーゼを発現する遺伝子操作された細菌は、同時投与された化学療法剤(例えば、シクロホスファミド、または本明細書に記載されているもしくは当該技術分野で公知の別の薬剤)の抗腫瘍活性(例えば、腫瘍増殖、サイズ、体積、重量)を、例えば、同じ条件下での化学療法単独と比較して、または同じ条件下での同じサブタイプの無修飾細菌と比較して、1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍もしくは2倍にまたはそれより大きく改善することができる。一部の実施形態では、5−FCから5−FUへの変換のためのシトシンデアミナーゼを発現する遺伝子操作された細菌は、同時投与された化学療法剤(例えば、シクロホスファミド、または本明細書に記載されているもしくは当該技術分野で公知の別の薬剤)の抗腫瘍活性(例えば、腫瘍増殖、サイズ、体積、重量)を、例えば、同じ条件下での化学療法単独と比較して、または同じ条件下での同じサブタイプの無修飾細菌と比較して、約3倍、4倍、約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、50倍、100倍、500倍もしくは1000倍にまたはそれより大きく改善することができる。
一部の実施形態では、アデノシンの分解、キヌレニン消費、アンモニア消費および/またはアルギニン産生のための1つまたは複数の酵素をコードする遺伝子配列(複数可)と組み合わせてSTINGアゴニストの産生のための酵素をコードする遺伝子配列(複数可)を含む、本明細書に記載される1つまたは複数の操作された細菌は、本明細書に記載される1つまたは複数の化学療法試薬による投薬と逐次に、同時に、またはその後に投与される。これらの実施形態のいずれかでは、1つまたは複数の化学療法試薬は、全身性にまたは経口的にまたは腫瘍内に投与される。これらの実施形態のいずれかでは、1つまたは複数の細菌は、全身性にまたは経口的にまたは腫瘍内に投与される。
遺伝子操作された1つまたは複数の細菌が化学療法剤と組み合わされる、一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同時投与された化学療法剤(例えば、シクロホスファミド)の抗腫瘍活性(例えば、腫瘍増殖、サイズ、体積、重量)を、例えば、同じ条件下での化学療法単独と比較して、または同じ条件下での同じサブタイプの無修飾細菌と比較して、10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%またはそれより大きく改善することができる。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同時投与された化学療法剤(例えば、シクロホスファミド、または本明細書に記載されているもしくは当該技術分野で公知の別の薬剤)の抗腫瘍活性(例えば、腫瘍増殖、サイズ、体積、重量)を、例えば、同じ条件下での化学療法単独と比較して、または同じ条件下での同じサブタイプの無修飾細菌と比較して、1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍もしくは2倍にまたはそれより大きく改善することができる。一部の実施形態では、遺伝子操作された1つまたは複数の細菌は、同時投与された化学療法剤(例えば、シクロホスファミド、または本明細書に記載されているもしくは当該技術分野で公知の別の薬剤)の抗腫瘍活性(例えば、腫瘍増殖、サイズ、体積、重量)を、例えば、同じ条件下での化学療法単独と比較して、または同じ条件下での同じサブタイプの無修飾細菌と比較して、約3倍、4倍、約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、50倍、100倍、500倍もしくは1000倍にまたはそれより大きく改善することができる。
一部の実施形態では、本明細書に記載されている1つまたは複数のアデノシン分解酵素をコードする遺伝子配列を含む、1つまたは複数の遺伝子操作された細菌は、ゲムシタビンによる投薬と逐次に、それと同時にまたはその後に投与される。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌によってコードされるアデノシン消費のための酵素は、add、xapA、deoD、xdhA、xdhBおよびxdhCおよびnupCのうち1つまたは複数を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌によってコードされるアデノシン消費のための酵素は、add、xapA、deoD、xdhA、xdhBおよびxdhCおよびnupGのうち1つまたは複数を含む。一部の実施形態では、表面提示または分泌のための抗CD40抗体をコードする遺伝子配列を含む、本明細書に記載されている1つまたは複数の操作された細菌は、ゲムシタビンによる投薬と逐次に、それと同時にまたはその後に投与される。一部の実施形態では、分泌のためまたは表面提示のためのヒアルロニダーゼをコードする遺伝子配列を含む、本明細書に記載されている1つまたは複数の操作された細菌は、ゲムシタビンによる投薬と逐次に、それと同時にまたはその後に投与される。これらの実施形態のいずれかでは、1つまたは複数の細菌は、全身性にまたは経口的にまたは腫瘍内に投与される。
遺伝子操作された細菌がゲムシタビンと組み合わされる、一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同時投与された化学療法剤(例えば、シクロホスファミド)の抗腫瘍活性(例えば、腫瘍増殖、サイズ、体積、重量)を、例えば、同じ条件下での化学療法単独と比較して、または同じ条件下での同じサブタイプの無修飾細菌と比較して、
10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%またはそれより大きく改善することができる。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同時投与された化学療法剤(例えば、シクロホスファミドまたは本明細書に記載されるもしくは当技術分野で公知の別の薬剤)の抗腫瘍活性(例えば、腫瘍増殖、サイズ、体積、重量)を、同じ条件下で化学療法単独と比較して、または同じ条件下で同じ亜型の未改変細菌と比較して、例えば、1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍多くまたはそれよりも多く改善することができる。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同時投与された化学療法剤(例えば、シクロホスファミド、または本明細書に記載されているもしくは当該技術分野で公知の別の薬剤)の抗腫瘍活性(例えば、腫瘍増殖、サイズ、体積、重量)を、例えば、同じ条件下での化学療法単独と比較して、または同じ条件下での同じサブタイプの無修飾細菌と比較して、約3倍、4倍、約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、50倍、100倍、500倍もしくは1000倍にまたはそれより大きく改善することができる。
チェックポイント阻害
ある特定の実施形態では、1つまたは複数の遺伝子操作された細菌は、1つまたは複数のチェックポイント阻害剤、免疫刺激性抗体(阻害性またはアゴニスト性)または当技術分野で公知のもしくは本明細書に記載される他のアゴニストによる投薬と逐次に、同時に、またはその後に投与される。ある特定の実施形態では、1つまたは複数の遺伝子操作された細菌は、1つのチェックポイント阻害剤、免疫刺激性抗体(阻害性またはアゴニスト性)または当技術分野で公知のもしくは本明細書に記載される他のアゴニストによる投薬と逐次に、同時に、またはその後に投与される。ある特定の実施形態では、1つまたは複数の遺伝子操作された細菌は、2つのチェックポイント阻害剤、免疫刺激性抗体(阻害性またはアゴニスト性)または当技術分野で公知のもしくは本明細書に記載される他のアゴニストによる投薬と逐次に、同時に、またはその後に投与される。
免疫チェックポイントインヒビターの非限定的な例として、CTLA−4抗体(イピリムマブおよびトレメリムマブ(CP675206)が挙げられるがこれらに限定されない)、抗4−1BB(CD137、TNFRSF9)抗体(PF−05082566およびウレルマブが挙げられるがこれらに限定されない)、抗OX40抗体(Providence Health and Services)が挙げられるがこれに限定されない抗CD134(OX40)抗体、抗PD−1抗体(ニボルマブ、ピディリズマブ、ペムブロリズマブ(MK−3475/SCH900475)、ランブロリズマブ、REGN2810、PD−1(Agenus)が挙げられるがこれらに限定されない)、抗PD−L1抗体(デュルバルマブ(MEDI4736)、アベルマブ(MSB0010718C)およびアテゾリズマブ(MPDL3280A、RG7446、RO5541267)が挙げられるがこれらに限定されない)、および抗KIR抗体(リリルマブが挙げられるがこれに限定されない)、LAG3抗体(BMS−986016が挙げられるがこれに限定されない)、抗CCR4抗体(モガムリズマブが挙げられるがこれに限定されない)、抗CD27抗体(バルリルマブが挙げられるがこれらに限定されない)、抗CXCR4抗体(ウロクプルマブが挙げられるがこれに限定されない)が挙げられる。一部の実施形態では、少なくとも1種の細菌細胞は、抗ホスファチジルセリン抗体(バビツクスマブが挙げられるがこれに限定されない)による投薬と逐次に、それと同時にまたはその後に投与される。
一部の実施形態では、少なくとも1種の細菌細胞は、TLR9抗体(MGN1703が挙げられるがこれに限定されない)、PD−1抗体(SHR−1210(Incyte/Jiangsu Hengrui)が挙げられるがこれに限定されない)、抗OX40抗体(OX40(Agenus)が挙げられるがこれに限定されない)、抗Tim3抗体(抗Tim3(Agenus/INcyte)が挙げられるがこれに限定されない)、抗Lag3抗体(抗Lag3(Agenus/INcyte)が挙げられるがこれに限定されない)、抗B7H3抗体(エノブリツズマブ(MGA−271)、WO2009101611に記載されている抗CT−011(hBAT、hBAT1)が挙げられるがこれらに限定されない)、抗PDL−2抗体(AMP−224(WO2010027827およびWO2011066342に記載)が挙げられるがこれに限定されない)、抗CD40抗体(CP−870、893が挙げられるがこれに限定されない)、抗CD40抗体(CP−870、893が挙げられるがこれに限定されない)から選択される1つまたは複数の抗体による投薬と逐次に、それと同時にまたはその後に投与される。
一部の実施形態では、代謝物の産生または消費のための酵素をコードする遺伝子配列を含む、本明細書に記載されている1つまたは複数の操作された細菌、例えば、キヌレニン消費者、アデノシン消費者、アルギニン生産者、アンモニア消費者および/またはSTINGアゴニスト生産者は、1つまたは複数のチェックポイントインヒビターによる投薬と逐次に、それと同時にまたはその後に投与される。一部の実施形態では、チェックポイントインヒビターは、全身投与され、細菌は、腫瘍内に投与される。一部の実施形態では、チェックポイントインヒビターおよび細菌は、全身投与される。一部の実施形態では、代謝変換因子をコードする遺伝子配列を含む、本明細書に記載されている1つまたは複数の操作された細菌、例えば、キヌレニン消費者、アデノシン消費者、アルギニン生産者および/またはアンモニア消費者および/またはSTINGアゴニスト生産者は、抗PD1抗体による投薬と逐次に、それと同時にまたはその後に投与される。一部の実施形態では、代謝変換因子をコードする遺伝子配列を含む、本明細書に記載されている1つまたは複数の操作された細菌、例えば、キヌレニン消費者、アデノシン消費者、アルギニン生産者、アンモニア消費者および/またはSTINGアゴニスト生産者は、抗CTLA−4抗体による投薬と逐次に、それと同時にまたはその後に投与される。一部の実施形態では、アデノシンの分解のための記載の回路のうちいずれか1つまたは複数を発現する遺伝子操作された細菌は、抗PD−L1抗体による投薬と逐次に、同時に、またはその後に投与される。
一部の実施形態では、代謝変換因子をコードする遺伝子配列を含む遺伝子操作された細菌、例えば、キヌレニン消費者もしくはアデノシン消費者、アルギニン生産者、アンモニア消費者および/またはSTINGアゴニスト生産者は、抗CTLA4抗体および抗PD−1抗体による投薬と逐次に、それと同時にまたはその後に投与される。一部の実施形態では、アデノシンの分解のための記載されている回路のうちいずれか1つまたは複数を発現する遺伝子操作された細菌は、抗PD−L1抗体および抗CTLA4抗体による投薬と逐次に、それと同時にまたはその後に投与される。
一部の実施形態では、アデノシンの分解のための記載されている回路のうちいずれか1つまたは複数を発現する遺伝子操作された細菌は、例えば、抗PD−1、抗PD−L1および抗CTLA−4が挙げられるがこれらに限定されない、本明細書に記載されている当該技術分野で公知のチェックポイントインヒビターによる投薬と逐次に、それと同時にまたはその後に投与される。一部の実施形態では、アデノシンの分解のための記載の回路のうちいずれか1つまたは複数を発現する遺伝子操作された細菌は、抗PD1抗体による投薬と逐次に、同時に、またはその後に投与される。一部の実施形態では、アデノシンの分解のための記載の回路のうちいずれか1つまたは複数を発現する遺伝子操作された細菌は、抗PD−L1抗体による投薬と逐次に、同時に、またはその後に投与される。一部の実施形態では、アデノシンの分解のための記載の回路のうちいずれか1つまたは複数を発現する遺伝子操作された細菌は、抗CTLA4抗体による投薬と逐次に、同時に、またはその後に投与される。一部の実施形態では、アデノシンの分解のための記載の回路のうちいずれか1つまたは複数を発現する遺伝子操作された細菌は、抗CTLA4抗体および抗PD1抗体および/またはPD−L1抗体による投薬と逐次に、同時に、またはその後に投与される。
一部の実施形態では、キヌレニンの消費のための記載の回路のうちいずれか1つまたは複数を発現する遺伝子操作された細菌は、例えば、抗PD−1、抗PD−L1および抗CTLA−4を含むがこれらに限定されない、本明細書に記載され、当技術分野で公知のチェックポイント阻害剤による投薬と逐次に、同時に、またはその後に投与される。一部の実施形態では、キヌレニンの消費のための記載の回路のうちいずれか1つまたは複数を発現する遺伝子操作された細菌は、抗CTLA4抗体による投薬と逐次に、同時に、またはその後に投与される。一部の実施形態では、キヌレニンの消費のための記載の回路のうちいずれか1つまたは複数を発現する遺伝子操作された細菌は、抗PD1抗体による投薬と逐次に、同時に、またはその後に投与される。一部の実施形態では、キヌレニンの消費のための記載されている回路のうちいずれか1つまたは複数を発現する遺伝子操作された細菌は、抗PD−L1抗体による投薬と逐次に、それと同時にまたはその後に投与される。一部の実施形態では、キヌレニンの消費のための記載されている回路のうちいずれか1つまたは複数を発現する遺伝子操作された細菌は、抗CTLA4抗体ならびに抗PD1抗体および/または抗PD−L1抗体による投薬と逐次に、それと同時にまたはその後に投与される。
一部の実施形態では、アルギニンの産生および/またはアンモニアの消費のための記載されている回路のうちいずれか1つまたは複数を発現する遺伝子操作された細菌は、例えば、抗PD−1、抗PD−L1および抗CTLA−4が挙げられるがこれらに限定されない、本明細書に記載されている当該技術分野で公知のチェックポイントインヒビターによる投薬と逐次に、それと同時にまたはその後に投与される。一部の実施形態では、アルギニンの産生および/またはアンモニアの消費のための記載されている回路のうちいずれか1つまたは複数を発現する遺伝子操作された細菌は、抗CTLA4抗体による投薬と逐次に、それと同時にまたはその後に投与される。一部の実施形態では、アルギニンの産生および/またはアンモニアの消費のための記載されている回路のうちいずれか1つまたは複数を発現する遺伝子操作された細菌は、抗PD1抗体による投薬と逐次に、それと同時にまたはその後に投与される。一部の実施形態では、アルギニンの産生および/またはアンモニアの消費のための記載の回路のうちいずれか1つまたは複数を発現する遺伝子操作された細菌は、抗PD−1L抗体による投薬と逐次に、同時に、またはその後に投与される。一部の実施形態では、アルギニンの産生および/またはアンモニアの消費のための記載の回路のうちいずれか1つまたは複数を発現する遺伝子操作された細菌は、抗CTLA4抗体および抗PD1抗体による投薬と逐次に、同時に、またはその後に投与される。
一部の実施形態では、1つまたは複数のSTINGアゴニストの産生のための記載の回路のうちいずれか1つまたは複数を発現する遺伝子操作された細菌は、例えば、抗PD−1、抗PD−L1および抗CTLA−4を含むがこれらに限定されない、本明細書に記載され、当技術分野で公知のチェックポイント阻害剤による投薬と逐次に、同時に、またはその後に投与される。一部の実施形態では、1つまたは複数のSTINGアゴニストの産生のための記載の回路のうちいずれか1つまたは複数を発現する遺伝子操作された細菌は、抗CTLA4抗体による投薬と逐次に、同時に、またはその後に投与される。一部の実施形態では、1つまたは複数のSTINGアゴニストの産生のための記載の回路のうちいずれか1つまたは複数を発現する遺伝子操作された細菌は、抗PD1抗体による投薬と逐次に、同時に、またはその後に投与される。一部の実施形態では、1つまたは複数のSTINGアゴニストの産生のための記載の回路のうちいずれか1つまたは複数を発現する遺伝子操作された細菌は、抗PD−L1抗体による投薬と逐次に、同時に、またはその後に投与される。一部の実施形態では、1つまたは複数のSTINGアゴニストの産生のための記載の回路のうちいずれか1つまたは複数を発現する遺伝子操作された細菌は、抗CTLA−4抗体および抗PD−1抗体および/または抗PD−L1抗体による投薬と逐次に、同時に、またはその後に投与される。
一部の実施形態では、1つまたは複数のSTINGアゴニストの産生のための記載の回路、および1つまたは複数の代謝性変換回路のうちいずれか1つまたは複数を発現する1つまたは複数の遺伝子操作された細菌は、例えば、抗PD−1、抗PD−L1および抗CTLA−4を含むがこれらに限定されない、本明細書に記載され、当技術分野で公知のチェックポイント阻害剤による投薬と逐次に、同時に、またはその後に投与される。一部の実施形態では、1つまたは複数のSTINGアゴニストの産生のための記載の回路、および1つまたは複数の代謝性変換回路のうちいずれか1つまたは複数を発現する1つまたは複数の遺伝子操作された細菌は、抗CTLA−4抗体による投薬と逐次に、同時に、またはその後に投与される。一部の実施形態では、1つまたは複数のSTINGアゴニストの産生のための記載の回路、および1つまたは複数の代謝性変換回路のうちいずれか1つまたは複数を発現する1つまたは複数の遺伝子操作された細菌は、抗PD−1抗体による投薬と逐次に、同時に、またはその後に投与される。一部の実施形態では、1つまたは複数のSTINGアゴニストの産生のための記載の回路、および1つまたは複数の代謝性変換回路のうちいずれか1つまたは複数を発現する1つまたは複数の遺伝子操作された細菌は、抗PD−L1抗体による投薬と逐次に、同時に、またはその後に投与される。一部の実施形態では、1つまたは複数のSTINGアゴニストの産生のための記載の回路、および1つまたは複数の代謝性変換回路のうちいずれか1つまたは複数を発現する遺伝子操作された細菌は、抗CTLA−4抗体および抗PD−1抗体および/または抗PD−L1抗体による投薬と逐次に、同時に、またはその後に投与される。これらの実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、1つまたは複数の必須遺伝子に、突然変異(複数可)または欠失(複数可)をさらに含むことができる。これらの実施形態のいずれにおいても、細菌は、dapAに1つまたは複数の栄養要求性改変、例えば、突然変異または欠失を含むことができる。これらの実施形態のいずれにおいても、細菌は、thyAに1つまたは複数の栄養要求性改変、例えば、突然変異または欠失を含むことができる。これらの実施形態のいずれにおいても、細菌は、本明細書に記載される内在性プロファージに、ファージ改変、例えば、突然変異または欠失をさらに含むことができる。
一部の実施形態では、1つまたは複数のSTINGアゴニストおよび例えば、Pseudomonas fluorescens由来の1つまたは複数のキヌレニナーゼの産生のための記載の回路のうちいずれか1つまたは複数を発現する1つまたは複数の遺伝子操作された細菌は、例えば、抗PD−1、抗PD−L1および抗CTLA−4を含むがこれらに限定されない、本明細書に記載され、当技術分野で公知のチェックポイント阻害剤による投薬と逐次に、同時に、またはその後に投与される。一部の実施形態では、1つまたは複数のSTINGアゴニストおよび例えば、Pseudomonas fluorescens由来の1つまたは複数のキヌレニナーゼの産生のための記載の回路のうちいずれか1つまたは複数を発現する1つまたは複数の遺伝子操作された細菌は、抗CTLA−4抗体による投薬と逐次に、同時に、またはその後に投与される。一部の実施形態では、1つまたは複数のSTINGアゴニストおよび例えば、Pseudomonas fluorescens由来の1つまたは複数のキヌレニナーゼの産生のための記載の回路のうちいずれか1つまたは複数を発現する1つまたは複数の遺伝子操作された細菌は、抗PD−1抗体による投薬と逐次に、同時に、またはその後に投与される。一部の実施形態では、1つまたは複数のSTINGアゴニストおよび例えば、Pseudomonas fluorescens由来の1つまたは複数のキヌレニナーゼの産生のための記載の回路のうちいずれか1つまたは複数を発現する1つまたは複数の遺伝子操作された細菌は、抗PD−L1抗体による投薬と逐次に、同時に、またはその後に投与される。
一部の実施形態では、1つまたは複数のSTINGアゴニストおよび例えば、Pseudomonas fluorescens由来の1つまたは複数のキヌレニナーゼの産生のための記載の回路のうちいずれか1つまたは複数を発現する遺伝子操作された細菌は、抗CTLA−4抗体および抗PD−1抗体および/または抗PD−L1抗体による投薬と逐次に、同時に、またはその後に投与される。一部の実施形態では、STINGアゴニストは、c−ジAMPである。一部の実施形態では、STINGアゴニスト産生酵素は、例えば、Listeria monocytogenes由来のDacAである。ある特定の実施形態では、dacAは、低酸素条件下で誘導性のプロモーター、例えば、FNRプロモーターに作動可能に連結されている。一部の実施形態では、キヌレニナーゼは、Pseudomonas fluorescensに由来し、キヌレニナーゼをコードする遺伝子配列を含む細菌は、trpEに突然変異または欠失をさらに含む。一部の実施形態では、キヌレニナーゼは、構成的プロモーターに作動可能に連結される。これらの実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、1つまたは複数の必須遺伝子に、突然変異(複数可)または欠失(複数可)をさらに含むことができる。これらの実施形態のいずれにおいても、細菌は、dapAに1つまたは複数の栄養要求性改変、例えば、突然変異または欠失を含むことができる。これらの実施形態のいずれにおいても、細菌は、trpEに1つまたは複数の栄養要求性改変、例えば、突然変異または欠失を含むことができる。これらの実施形態のいずれにおいても、細菌は、thyAに1つまたは複数の栄養要求性改変、例えば、突然変異または欠失を含むことができる。これらの実施形態のいずれにおいても、細菌は、本明細書に記載される内在性プロファージに、ファージ改変、例えば、突然変異または欠失をさらに含むことができる。
ある特定の実施形態では、1つまたは複数のSTINGアゴニストおよび例えば、Pseudomonas fluorescens由来の1つまたは複数のキヌレニナーゼの産生のための記載の回路のうちいずれか1つまたは複数を発現する1つまたは複数の遺伝子操作された細菌は、抗PD−1、抗PD−L1または抗CTLA−4による投薬と逐次に、同時に、またはその後に投与される。一実施形態では、1つまたは複数の遺伝子操作された細菌は、例えば、Listeria monocytogenes由来のDacAをコードする遺伝子配列(複数可)を含み、DacAは、低酸素条件下で誘導性のプロモーター、例えば、FNRプロモーターに作動可能に連結されている。dacAをコードする遺伝子配列を含む細菌は、dapAに突然変異または欠失を含む。1つまたは複数の遺伝子操作された細菌は、Pseudomonas fluorescens由来のキヌレニナーゼをコードする遺伝子配列をさらに含み、キヌレニナーゼをコードする遺伝子配列を含む細菌は、trpEに突然変異または欠失をさらに含む。ある特定の実施形態では、dacAおよびキヌレニナーゼ配列は、細菌染色体中に組み込まれる。特異的な一実施形態では、1つまたは複数の遺伝子操作された細菌は、thyAに突然変異(複数可)または欠失(複数可)をさらに含むことができる。特異的な一実施形態では、細菌は、本明細書に記載される内在性プロファージに、ファージ改変、例えば、突然変異または欠失をさらに含むことができる。
特異的な一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、PD−1である。特異的な一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、PD−L1である。特異的な一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、CTLA−4である。
一実施形態では、dacA回路網(例えば、Listeria monocytogenes由来の、例えば、低酸素プロモーターの制御下に置かれ、染色体に組み込まれる)、キヌレニナーゼ回路網(例えば、Pseudomonas fluorescens由来の、例えば、構成的プロモーターの制御下に置かれ、染色体に組み込まれる)および栄養要求性突然変異(trpE、dapAおよびthyAにおける突然変異または欠失)は、1つの細菌において組み合わされる。代替実施形態では、細菌組成物は、dacA(例えば、Listeria monocytogenes由来の、例えば、低酸素プロモーターの制御下に置かれ、染色体に組み込まれる)をコードする遺伝子配列を含み、dapAにおける突然変異または欠失、およびthyAにおける必要に応じた突然変異または欠失をさらに含む第1の細菌、ならびにキヌレニナーゼ回路網(例えば、Pseudomonas fluorescens由来の、例えば、構成的プロモーターの制御下に置かれ、染色体に組み込まれる)をコードする遺伝子配列、trpEにおける突然変異または欠失、および必要に応じてthyAにおける突然変異または欠失を含む第2の細菌を含む。これらの実施形態のいずれにおいても、細菌は、本明細書に記載される内在性プロファージに、ファージ改変、例えば、突然変異または欠失をさらに含むことができる。
一部の実施形態では、本明細書に記載される1つまたは複数のSTINGアゴニストおよび1つまたは複数のアデノシン消費酵素の産生のための記載の回路のうちいずれか1つまたは複数を発現する1つまたは複数の遺伝子操作された細菌は、例えば、抗PD−1、抗PD−L1および抗CTLA−4を含むがこれらに限定されない、本明細書に記載され、当技術分野で公知のチェックポイント阻害剤による投薬と逐次に、同時に、またはその後に投与される。一部の実施形態では、本明細書に記載される1つまたは複数のSTINGアゴニストおよび1つまたは複数のアデノシン消費酵素の産生のための記載の回路のうちいずれか1つまたは複数を発現する1つまたは複数の遺伝子操作された細菌は、抗CTLA−4抗体による投薬と逐次に、同時に、またはその後に投与される。一部の実施形態では、本明細書に記載される1つまたは複数のSTINGアゴニストおよび1つまたは複数のアデノシン消費酵素の産生のための記載の回路のうちいずれか1つまたは複数を発現する1つまたは複数の遺伝子操作された細菌は、抗PD−1抗体による投薬と逐次に、同時に、またはその後に投与される。一部の実施形態では、本明細書に記載される1つまたは複数のSTINGアゴニストおよび1つまたは複数のアデノシン消費酵素の産生のための記載の回路のうちいずれか1つまたは複数を発現する1つまたは複数の遺伝子操作された細菌は、抗PD−L1抗体による投薬と逐次に、同時に、またはその後に投与される。一部の実施形態では、本明細書に記載される1つまたは複数のSTINGアゴニストおよび1つまたは複数のアデノシン消費酵素の産生のための記載の回路のうちいずれか1つまたは複数を発現する遺伝子操作された細菌は、抗CTLA−4抗体および抗PD−1抗体および/または抗PD−L1抗体による投薬と逐次に、同時に、またはその後に投与される。これらの実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、1つまたは複数の必須遺伝子に、突然変異(複数可)または欠失(複数可)をさらに含むことができる。これらの実施形態のいずれにおいても、細菌は、dapAに1つまたは複数の栄養要求性改変、例えば、突然変異または欠失を含むことができる。これらの実施形態のいずれにおいても、細菌は、trpEに1つまたは複数の栄養要求性改変、例えば、突然変異または欠失を含むことができる。これらの実施形態のいずれにおいても、細菌は、thyAに1つまたは複数の栄養要求性改変、例えば、突然変異または欠失を含むことができる。これらの実施形態のいずれにおいても、細菌は、本明細書に記載される内在性プロファージに、ファージ改変、例えば、突然変異または欠失をさらに含むことができる。
一部の実施形態では、本明細書に記載される1つまたは複数のSTINGアゴニストの産生のための記載の回路ならびに1つまたは複数のアルギニン産生および/またはアンモニア消費回路のうちいずれか1つまたは複数を含む1つまたは複数の遺伝子操作された細菌は、例えば、抗PD−1、抗PD−L1および抗CTLA−4を含むがこれらに限定されない、本明細書に記載され、当技術分野で公知のチェックポイント阻害剤による投薬と逐次に、同時に、またはその後に投与される。一部の実施形態では、本明細書に記載される1つまたは複数のSTINGアゴニストの産生のための記載の回路ならびに1つまたは複数のアルギニン産生および/またはアンモニア消費回路のうちいずれか1つまたは複数を含む遺伝子操作された細菌は、抗CTLA−4抗体による投薬と逐次に、同時に、またはその後に投与される。一部の実施形態では、本明細書に記載される1つまたは複数のSTINGアゴニストの産生のための記載の回路ならびに1つまたは複数のアルギニン産生および/またはアンモニア消費回路のうちいずれか1つまたは複数を含む遺伝子操作された細菌は、抗PD−1抗体による投薬と逐次に、同時に、またはその後に投与される。一部の実施形態では、本明細書に記載される1つまたは複数のSTINGアゴニストの産生のための記載の回路ならびに1つまたは複数のアルギニン産生および/またはアンモニア消費回路のうちいずれか1つまたは複数を含む遺伝子操作された細菌は、抗PD−L1抗体による投薬と逐次に、同時に、またはその後に投与される。一部の実施形態では、本明細書に記載される1つまたは複数のSTINGアゴニストの産生のための記載の回路ならびに1つまたは複数のアルギニン産生および/またはアンモニア消費回路のうちいずれか1つまたは複数を含む遺伝子操作された細菌は、抗CTLA−4抗体および抗PD−1抗体および/または抗PD−L1抗体による投薬と逐次に、同時に、またはその後に投与される。これらの実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、1つまたは複数の必須遺伝子に、突然変異(複数可)または欠失(複数可)をさらに含むことができる。これらの実施形態のいずれにおいても、細菌は、dapAに1つまたは複数の栄養要求性改変、例えば、突然変異または欠失を含むことができる。これらの実施形態のいずれにおいても、細菌は、trpEに1つまたは複数の栄養要求性改変、例えば、突然変異または欠失を含むことができる。これらの実施形態のいずれにおいても、細菌は、thyAに1つまたは複数の栄養要求性改変、例えば、突然変異または欠失を含むことができる。これらの実施形態のいずれにおいても、細菌は、本明細書に記載される内在性プロファージに、ファージ改変、例えば、突然変異または欠失をさらに含むことができる。
一部の実施形態では、1つまたは複数のSTINGアゴニストの産生のための記載の回路および1つまたは複数のアルギニン産生/アンモニア消費回路のうちいずれか1つまたは複数を発現する遺伝子操作された細菌は、抗CTLA−4抗体および抗PD−1抗体および/または抗PD−L1抗体による投薬と逐次に、同時に、またはその後に投与される。一部の実施形態では、STINGアゴニストは、c−ジAMPである。一部の実施形態では、STINGアゴニスト産生酵素は、例えば、Listeria monocytogenes由来のDacAである。ある特定の実施形態では、dacAは、低酸素条件下で誘導性のプロモーター、例えば、FNRプロモーターに作動可能に連結されている。一部の実施形態では、アルギニン産生/アンモニア消費回路は、フィードバック抵抗性ArgAを含み、フィードバック抵抗性ArgAをコードする遺伝子配列を含む細菌は、ArgRに突然変異または欠失をさらに有する。一部の実施形態では、フィードバック抵抗性ArgAは、低酸素条件下で誘導性のプロモーターに作動可能に連結される。これらの実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、1つまたは複数の必須遺伝子に、突然変異(複数可)または欠失(複数可)をさらに含むことができる。これらの実施形態のいずれにおいても、細菌は、dapAに1つまたは複数の栄養要求性改変、例えば、突然変異または欠失を含むことができる。これらの実施形態のいずれにおいても、細菌は、thyAに1つまたは複数の栄養要求性改変、例えば、突然変異または欠失を含むことができる。
ある特定の実施形態では、1つまたは複数のSTINGアゴニストおよび例えば、Pseudomonas fluorescens由来の1つまたは複数のキヌレニナーゼの産生のための記載の回路のうちいずれか1つまたは複数を発現する1つまたは複数の遺伝子操作された細菌は、抗PD−1、抗PD−L1または抗CTLA−4による投薬と逐次に、同時に、またはその後に投与される。一実施形態では、1つまたは複数の遺伝子操作された細菌は、例えば、Listeria monocytogenes由来のDacAをコードする遺伝子配列(複数可)を含み、DacAは、低酸素条件下で誘導性のプロモーター、例えば、FNRプロモーターに作動可能に連結されている。dacAをコードする遺伝子配列を含む細菌は、dapAに突然変異または欠失を含む。1つまたは複数の遺伝子操作された細菌は、フィードバック抵抗性ArgAをコードする遺伝子配列をさらに含み、フィードバック抵抗性ArgAをコードする遺伝子配列を含む細菌は、ArgRに突然変異または欠失をさらに含む。ある特定の実施形態では、dacAおよびフィードバック抵抗性ArgA配列は、細菌染色体中に組み込まれる。特異的な一実施形態では、1つまたは複数の遺伝子操作された細菌は、thyAに突然変異(複数可)または欠失(複数可)をさらに含むことができる。特異的な一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、PD−1である。特異的な一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、PD−L1である。特異的な一実施形態では、チェックポイント阻害剤は、CTLA−4である。
一実施形態では、dacA回路網(例えば、Listeria monocytogenes由来の、例えば、低酸素プロモーターの制御下に置かれ、染色体に組み込まれる)、アルギニン産生/アンモニア消費回路網(例えば、ArgAfbrを含む、例えば、低酸素誘導性プロモーターの制御下に置かれ、染色体に組み込まれ、ΔArgRである)および栄養要求性突然変異(dapAおよびthyAにおける突然変異または欠失)は、1つの細菌において組み合わされる。代替実施形態では、細菌組成物は、dacA(例えば、Listeria monocytogenes由来の、例えば、低酸素プロモーターの制御下に置かれ、染色体に組み込まれる)をコードする遺伝子配列を含み、dapAにおける突然変異または欠失、およびthyAにおける必要に応じた突然変異または欠失をさらに含む第1の細菌、ならびにアルギニン産生/アンモニア消費回路網(例えば、ArgAfbrを含む、例えば、低酸素誘導性プロモーターの制御下に置かれ、染色体に組み込まれ、ΔArgRである)をコードする遺伝子配列、および必要に応じてthyAにおける突然変異または欠失を含む第2の細菌を含む。
一部の実施形態では、1つまたは複数の遺伝子操作された細菌、例えば、アデノシン消費者、キヌレニン消費者、アンモニア消費者、アルギニン生産者および/またはSTINGアゴニスト生産者は、同時投与されたチェックポイント阻害剤(例えば、抗PD−1、抗PD−L1および/または抗CTLA−4)の抗腫瘍活性(例えば、腫瘍増殖、サイズ、体積、重量)を、同じ条件下でチェックポイント阻害剤療法単独と比較して、または同じ条件下で同じ亜型の未改変細菌と比較して、例えば、10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%またはそれよりも多く改善することができる。一部の実施形態では、1つまたは複数の遺伝子操作された細菌、例えば、アデノシン消費者、キヌレニン消費者、アンモニア消費者、アルギニン生産者および/またはSTINGアゴニスト生産者は、同時投与されたチェックポイント阻害剤(例えば、抗PD−1、抗PD−L1および/または抗CTLA−4)の抗腫瘍活性(例えば、腫瘍増殖、サイズ、体積、重量)を、同じ条件下で化学療法単独と比較して、または同じ条件下で同じ亜型の未改変細菌と比較して、例えば、1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍多くまたはそれよりも多く改善することができる。一部の実施形態では、1つまたは複数の遺伝子操作された細菌、例えば、アデノシン消費者、キヌレニン消費者、アンモニア消費者、アルギニン生産者および/またはSTINGアゴニスト生産者は、同時投与されたチェックポイントインヒビター(例えば、抗PD−1、抗PD−L1および/またはCTLA−4)の抗腫瘍活性(例えば、腫瘍増殖、サイズ、体積、重量)を、例えば、同じ条件下での化学療法単独と比較して、または同じ条件下での同じサブタイプの無修飾細菌と比較して、約3倍、4倍、約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、50倍、100倍、500倍もしくは1000倍にまたはそれより大きく改善することができる。
一部の実施形態では、アデノシンを消費するように遺伝子操作された細菌は、同時投与されたチェックポイント阻害剤(例えば、PD−1および/またはCTLA−4)の抗腫瘍活性(例えば、腫瘍増殖、サイズ、体積、重量)を、同じ条件下でチェックポイント阻害剤療法単独と比較して、または同じ条件下で同じ亜型の未改変細菌と比較して、例えば、10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%またはそれよりも多く改善することができる。一部の実施形態では、アデノシンを消費するように遺伝子操作された細菌は、同時投与されたチェックポイント阻害剤(例えば、抗PD−1、抗PD−L1および/または抗CTLA−4)の抗腫瘍活性(例えば、腫瘍増殖、サイズ、体積、重量)を、同じ条件下で化学療法単独と比較して、または同じ条件下で同じ亜型の未改変細菌と比較して、例えば、1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍多くまたはそれよりも多く改善することができる。一部の実施形態では、アデノシンを消費するように遺伝子操作された細菌は、同時投与されたチェックポイント阻害剤(例えば、抗PD−1、抗PD−L1および/または抗CTLA−4)の抗腫瘍活性(例えば、腫瘍増殖、サイズ、体積、重量)を、同じ条件下で化学療法単独と比較して、または同じ条件下で同じ亜型の未改変細菌と比較して、例えば、約3倍、4倍、約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、50倍、100倍、500倍または1000倍多くまたはそれよりも多く改善することができる。
一部の実施形態では、キヌレニンを消費するように遺伝子操作された細菌は、同時投与されたチェックポイント阻害剤(例えば、抗PD−1、抗PD−L1および/または抗CTLA−4)の抗腫瘍活性(例えば、腫瘍増殖、サイズ、体積、重量)を、同じ条件下でチェックポイント阻害剤療法単独と比較して、または同じ条件下で同じ亜型の未改変細菌と比較して、例えば、10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%またはそれよりも多く改善することができる。一部の実施形態では、キヌレニンを消費するように遺伝子操作された細菌は、同時投与されたチェックポイント阻害剤(例えば、PD−1、PD−L1および/またはCTLA−4)の抗腫瘍活性(例えば、腫瘍増殖、サイズ、体積、重量)を、同じ条件下で化学療法単独と比較して、または同じ条件下で同じ亜型の未改変細菌と比較して、例えば、1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍多くまたはそれよりも多く改善することができる。一部の実施形態では、キヌレニンを消費するように遺伝子操作された細菌は、同時投与されたチェックポイント阻害剤(例えば、PD−1、PD−L1および/またはCTLA−4)の抗腫瘍活性(例えば、腫瘍増殖、サイズ、体積、重量)を、同じ条件下で化学療法単独と比較して、または同じ条件下で同じ亜型の未改変細菌と比較して、例えば、約3倍、4倍、約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、50倍、100倍、500倍または1000倍多くまたはそれよりも多く改善することができる。
一部の実施形態では、アルギニンを産生するおよび/またはアンモニアを消費するように遺伝子操作された細菌は、同時投与されたチェックポイント阻害剤(例えば、PD−1、PD−L1および/またはCTLA−4)の抗腫瘍活性(例えば、腫瘍増殖、サイズ、体積、重量)を、同じ条件下でチェックポイント阻害剤療法単独と比較して、または同じ条件下で同じ亜型の未改変細菌と比較して、例えば、10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%またはそれよりも多く改善することができる。一部の実施形態では、アルギニンを産生するおよび/またはアンモニアを消費するように遺伝子操作された細菌は、同時投与されたチェックポイント阻害剤(例えば、PD−1、PD−L1および/またはCTLA−4)の抗腫瘍活性(例えば、腫瘍増殖、サイズ、体積、重量)を、同じ条件下で化学療法単独と比較して、または同じ条件下で同じ亜型の未改変細菌と比較して、例えば、1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍多くまたはそれよりも多く改善することができる。一部の実施形態では、アルギニンを産生するおよび/またはアンモニアを消費するように遺伝子操作された細菌は、同時投与されたチェックポイント阻害剤(例えば、PD−1、PD−L1および/またはCTLA−4)の抗腫瘍活性(例えば、腫瘍増殖、サイズ、体積、重量)を、同じ条件下で化学療法単独と比較して、または同じ条件下で同じ亜型の未改変細菌と比較して、例えば、約3倍、4倍、約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、50倍、100倍、500倍または1000倍多くまたはそれよりも多く改善することができる。
一部の実施形態では、STINGアゴニスト(複数可)を産生するように遺伝子操作された細菌は、同時投与されたチェックポイント阻害剤(例えば、抗PD−1、抗PD−L1および/または抗CTLA−4)の抗腫瘍活性(例えば、腫瘍増殖、サイズ、体積、重量)を、同じ条件下でチェックポイント阻害剤療法単独と比較して、または同じ条件下で同じ亜型の未改変細菌と比較して、例えば、10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%またはそれよりも多く改善することができる。一部の実施形態では、STINGアゴニスト(複数可)を産生するように遺伝子操作された細菌は、同時投与されたチェックポイント阻害剤(例えば、PD−1、PD−L1および/またはCTLA−4)の抗腫瘍活性(例えば、腫瘍増殖、サイズ、体積、重量)を、同じ条件下で化学療法単独と比較して、または同じ条件下で同じ亜型の未改変細菌と比較して、例えば、1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍多くまたはそれよりも多く改善することができる。一部の実施形態では、STINGアゴニスト(複数可)を産生するように遺伝子操作された細菌は、同時投与されたチェックポイント阻害剤(例えば、PD−1、PD−L1および/またはCTLA−4)の抗腫瘍活性(例えば、腫瘍増殖、サイズ、体積、重量)を、同じ条件下で化学療法単独と比較して、または同じ条件下で同じ亜型の未改変細菌と比較して、例えば、約3倍、4倍、約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、50倍、100倍、500倍または1000倍多くまたはそれよりも多く改善することができる。
共刺激性分子
ある特定の実施形態では、1つまたは複数の遺伝子操作された細菌は、アゴニスト抗体を含むがこれらに限定されない、1つまたは複数のアゴニスト免疫刺激性分子またはアゴニストによる投薬と逐次に、同時に、またはその後に投与される。
一部の実施形態では、少なくとも1つの細菌細胞は、抗OX40抗体(INCAGN01949(Agenus);BMS 986178(Bristol−Myers Squibb)、MEDI0562(Medimmune)、GSK3174998(GSK)、PF−04518600(Pfizer)を含むがこれらに限定されない)、抗41BB/CD137(PF−05082566(Pfizer)、ウレルマブ(BMS−663513;Bristol−Myers Squibb)を含むがこれらに限定されない)および抗GITR(TRX518(Leap Therapeutics)、MK−4166(Merck)、MK−1248(Merck)、AMG 228(Amgen)、BMS−986156(BMS)、INCAGN01876(Incyte/Agenus)、MEDI1873(AZ)、GWN323(NVS)を含むがこれらに限定されない)から選択される1つまたは複数の抗体による投薬と逐次に、同時に、またはその後に投与される。一部の実施形態では、代謝物の産生または消費のための酵素をコードする遺伝子配列(複数可)を含む、本明細書に記載される1つまたは複数の操作された細菌、例えば、キヌレニン消費者、アデノシン消費者、アルギニン生産者、アンモニア消費者および/またはSTINGアゴニスト生産者は、抗OX40抗体、抗41BBおよび/または抗GITRから選択されるアゴニスト抗体による投薬と逐次に、同時に、またはその後に投与される。一部の実施形態では、アゴニスト抗体、例えば、抗OX40抗体、抗41BBおよび/または抗GITRは、全身性投与され、細菌は、腫瘍内投与される。一部の実施形態では、アゴニスト抗体、例えば、抗OX40抗体、抗41BBおよび/または抗GITR、ならびに細菌は、全身性投与される。一部の実施形態では、代謝変換因子をコードする遺伝子配列(複数可)を含む、本明細書に記載される1つまたは複数の操作された細菌、例えば、キヌレニン消費者、アデノシン消費者、アルギニン生産者および/もしくはアンモニア消費者ならびに/またはSTINGアゴニスト生産者は、抗OX40抗体による投薬と逐次に、同時に、またはその後に投与される。一部の実施形態では、代謝変換因子をコードする遺伝子配列(複数可)を含む、本明細書に記載される1つまたは複数の操作された細菌、例えば、キヌレニン消費者、アデノシン消費者、アルギニン生産者、アンモニア消費者および/またはSTINGアゴニスト生産者は、抗41BB抗体による投薬と逐次に、同時に、またはその後に投与される。一部の実施形態では、アデノシンの分解のための記載の回路のうちいずれか1つまたは複数を発現する遺伝子操作された細菌は、抗GITR抗体による投薬と逐次に、同時に、またはその後に投与される。
一部の実施形態では、アデノシンの分解のための記載の回路のうちいずれか1つまたは複数を発現する遺伝子操作された細菌は、アゴニスト免疫刺激性分子、例えば、アゴニスト抗体、例えば、抗OX40抗体、抗41BB抗体および/または抗GITR抗体による投薬と逐次に、同時に、またはその後に投与される。一部の実施形態では、アデノシンの分解のための記載の回路のうちいずれか1つまたは複数を発現する遺伝子操作された細菌は、抗Ox40抗体による投薬と逐次に、同時に、またはその後に投与される。一部の実施形態では、アデノシンの分解のための記載の回路のうちいずれか1つまたは複数を発現する遺伝子操作された細菌は、抗41BB抗体による投薬と逐次に、同時に、またはその後に投与される。一部の実施形態では、アデノシンの分解のための記載の回路のうちいずれか1つまたは複数を発現する遺伝子操作された細菌は、抗GITR抗体による投薬と逐次に、同時に、またはその後に投与される。一部の実施形態では、アデノシンの分解のための記載の回路のうちいずれか1つまたは複数を発現する遺伝子操作された細菌は、抗GITR抗体および抗OX40抗体および/または抗41BB抗体による投薬と逐次に、同時に、またはその後に投与される。
一部の実施形態では、キヌレニンの消費のための記載の回路のうちいずれか1つまたは複数を発現する遺伝子操作された細菌は、アゴニスト免疫刺激性分子、例えば、アゴニスト抗体、例えば、抗OX40抗体、抗41BB抗体および/または抗GITR抗体による投薬と逐次に、同時に、またはその後に投与される。一部の実施形態では、キヌレニンの消費のための記載の回路のうちいずれか1つまたは複数を発現する遺伝子操作された細菌は、抗GITR抗体による投薬と逐次に、同時に、またはその後に投与される。一部の実施形態では、キヌレニンの消費のための記載の回路のうちいずれか1つまたは複数を発現する遺伝子操作された細菌は、抗OX40抗体による投薬と逐次に、同時に、またはその後に投与される。一部の実施形態では、キヌレニンの消費のための記載の回路のうちいずれか1つまたは複数を発現する遺伝子操作された細菌は、抗41BB抗体による投薬と逐次に、同時に、またはその後に投与される。一部の実施形態では、キヌレニンの消費のための記載の回路のうちいずれか1つまたは複数を発現する遺伝子操作された細菌は、抗GITR抗体および抗OX40抗体および/または抗41BB抗体による投薬と逐次に、同時に、またはその後に投与される。
一部の実施形態では、アルギニンの産生および/またはアンモニアの消費のための記載の回路のうちいずれか1つまたは複数を発現する遺伝子操作された細菌は、アゴニスト免疫刺激性分子、例えば、アゴニスト抗体、例えば、抗OX40抗体、抗41BB抗体および/または抗GITR抗体による投薬と逐次に、同時に、またはその後に投与される。一部の実施形態では、アルギニンの産生および/またはアンモニアの消費のための記載の回路のうちいずれか1つまたは複数を発現する遺伝子操作された細菌は、抗GITR抗体による投薬と逐次に、同時に、またはその後に投与される。一部の実施形態では、アルギニンの産生および/またはアンモニアの消費のための記載の回路のうちいずれか1つまたは複数を発現する遺伝子操作された細菌は、抗OX40抗体による投薬と逐次に、同時に、またはその後に投与される。一部の実施形態では、アルギニンの産生および/またはアンモニアの消費のための記載の回路のうちいずれか1つまたは複数を発現する遺伝子操作された細菌は、抗OX40L抗体による投薬と逐次に、同時に、またはその後に投与される。一部の実施形態では、アルギニンの産生および/またはアンモニアの消費のための記載の回路のうちいずれか1つまたは複数を発現する遺伝子操作された細菌は、抗GITR抗体および抗OX40抗体による投薬と逐次に、同時に、またはその後に投与される。
一部の実施形態では、1つまたは複数のSTINGアゴニストの産生のための記載の回路のうちいずれか1つまたは複数を発現する遺伝子操作された細菌は、アゴニスト免疫刺激性分子、例えば、アゴニスト抗体、例えば、抗OX40抗体、抗41BB抗体および/または抗GITR抗体による投薬と逐次に、同時に、またはその後に投与される。一部の実施形態では、1つまたは複数のSTINGアゴニストの産生のための記載の回路のうちいずれか1つまたは複数を発現する遺伝子操作された細菌は、抗GITR抗体による投薬と逐次に、同時に、またはその後に投与される。一部の実施形態では、1つまたは複数のSTINGアゴニストの産生のための記載の回路のうちいずれか1つまたは複数を発現する遺伝子操作された細菌は、抗OX40抗体による投薬と逐次に、同時に、またはその後に投与される。一部の実施形態では、1つまたは複数のSTINGアゴニストの産生のための記載の回路のうちいずれか1つまたは複数を発現する遺伝子操作された細菌は、抗41BB抗体による投薬と逐次に、同時に、またはその後に投与される。一部の実施形態では、1つまたは複数のSTINGアゴニストの産生のための記載の回路のうちいずれか1つまたは複数を発現する遺伝子操作された細菌は、抗GITR抗体および抗OX40抗体および/または抗41BB抗体による投薬と逐次に、同時に、またはその後に投与される。これらの実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、1つまたは複数の必須遺伝子に、突然変異(複数可)または欠失(複数可)をさらに含むことができる。これらの実施形態のいずれにおいても、細菌は、dapAに1つまたは複数の栄養要求性改変、例えば、突然変異または欠失を含むことができる。これらの実施形態のいずれにおいても、細菌は、thyAに1つまたは複数の栄養要求性改変、例えば、突然変異または欠失を含むことができる。これらの実施形態のいずれにおいても、細菌は、本明細書に記載される内在性プロファージに、ファージ改変、例えば、突然変異または欠失をさらに含むことができる。
一部の実施形態では、1つまたは複数のSTINGアゴニストの産生のための記載の回路、および1つまたは複数の代謝性変換回路のうちいずれか1つまたは複数を発現する1つまたは複数の遺伝子操作された細菌は、例えば、抗OX40、抗41BBおよび抗GITRを含むがこれらに限定されない、本明細書に記載され、当技術分野で公知の、アゴニスト抗体または他の免疫刺激性アゴニストによる投薬と逐次に、同時に、またはその後に投与される。一部の実施形態では、1つまたは複数のSTINGアゴニストの産生のための記載の回路、および1つまたは複数の代謝性変換回路のうちいずれか1つまたは複数を発現する1つまたは複数の遺伝子操作された細菌は、抗GITR抗体による投薬と逐次に、同時に、またはその後に投与される。一部の実施形態では、1つまたは複数のSTINGアゴニストの産生のための記載の回路、および1つまたは複数の代謝性変換回路のうちいずれか1つまたは複数を発現する1つまたは複数の遺伝子操作された細菌は、抗OX40抗体による投薬と逐次に、同時に、またはその後に投与される。一部の実施形態では、1つまたは複数のSTINGアゴニストの産生のための記載の回路、および1つまたは複数の代謝性変換回路のうちいずれか1つまたは複数を発現する1つまたは複数の遺伝子操作された細菌は、抗41BB抗体による投薬と逐次に、同時に、またはその後に投与される。一部の実施形態では、1つまたは複数のSTINGアゴニストの産生のための記載の回路、および1つまたは複数の代謝性変換回路のうちいずれか1つまたは複数を発現する遺伝子操作された細菌は、抗GITR抗体および抗OX40抗体および/または抗41BB抗体による投薬と逐次に、同時に、またはその後に投与される。これらの実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、1つまたは複数の必須遺伝子に、突然変異(複数可)または欠失(複数可)をさらに含むことができる。これらの実施形態のいずれにおいても、細菌は、dapAに1つまたは複数の栄養要求性改変、例えば、突然変異または欠失を含むことができる。これらの実施形態のいずれにおいても、細菌は、thyAに1つまたは複数の栄養要求性改変、例えば、突然変異または欠失を含むことができる。これらの実施形態のいずれにおいても、細菌は、本明細書に記載される内在性プロファージに、ファージ改変、例えば、突然変異または欠失をさらに含むことができる。
一部の実施形態では、1つまたは複数のSTINGアゴニストおよび例えば、Pseudomonas fluorescens由来の1つまたは複数のキヌレニナーゼの産生のための記載の回路のうちいずれか1つまたは複数を発現する1つまたは複数の遺伝子操作された細菌は、例えば、抗OX40、抗41BBおよび抗GITRを含むがこれらに限定されない、本明細書に記載され、当技術分野で公知の、アゴニスト抗体または他の免疫刺激性アゴニストによる投薬と逐次に、同時に、またはその後に投与される。一部の実施形態では、1つまたは複数のSTINGアゴニストおよび例えば、Pseudomonas fluorescens由来の1つまたは複数のキヌレニナーゼの産生のための記載の回路のうちいずれか1つまたは複数を発現する1つまたは複数の遺伝子操作された細菌は、抗GITR抗体による投薬と逐次に、同時に、またはその後に投与される。一部の実施形態では、1つまたは複数のSTINGアゴニストおよび例えば、Pseudomonas fluorescens由来の1つまたは複数のキヌレニナーゼの産生のための記載の回路のうちいずれか1つまたは複数を発現する1つまたは複数の遺伝子操作された細菌は、抗OX40抗体による投薬と逐次に、同時に、またはその後に投与される。一部の実施形態では、1つまたは複数のSTINGアゴニストおよび例えば、Pseudomonas fluorescens由来の1つまたは複数のキヌレニナーゼの産生のための記載の回路のうちいずれか1つまたは複数を発現する1つまたは複数の遺伝子操作された細菌は、抗41BB抗体による投薬と逐次に、同時に、またはその後に投与される。一部の実施形態では、1つまたは複数のSTINGアゴニストおよび例えば、Pseudomonas fluorescens由来の1つまたは複数のキヌレニナーゼの産生のための記載の回路のうちいずれか1つまたは複数を発現する遺伝子操作された細菌は、抗GITR抗体および抗OX40抗体および/または抗41BB抗体による投薬と逐次に、同時に、またはその後に投与される。これらの実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、1つまたは複数の必須遺伝子に、突然変異(複数可)または欠失(複数可)をさらに含むことができる。これらの実施形態のいずれにおいても、細菌は、dapAに1つまたは複数の栄養要求性改変、例えば、突然変異または欠失を含むことができる。これらの実施形態のいずれにおいても、細菌は、trpEに1つまたは複数の栄養要求性改変、例えば、突然変異または欠失を含むことができる。これらの実施形態のいずれにおいても、細菌は、thyAに1つまたは複数の栄養要求性改変、例えば、突然変異または欠失を含むことができる。これらの実施形態のいずれにおいても、細菌は、本明細書に記載される内在性プロファージに、ファージ改変、例えば、突然変異または欠失をさらに含むことができる。
一部の実施形態では、本明細書に記載される1つまたは複数のSTINGアゴニストおよび1つまたは複数のアデノシン消費酵素の産生のための記載の回路のうちいずれか1つまたは複数を発現する1つまたは複数の遺伝子操作された細菌は、例えば、抗OX40、抗41BBおよび抗GITRを含むがこれらに限定されない、本明細書に記載され、当技術分野で公知の、アゴニスト抗体または他の免疫刺激性アゴニストによる投薬と逐次に、同時に、またはその後に投与される。一部の実施形態では、本明細書に記載される1つまたは複数のSTINGアゴニストおよび1つまたは複数のアデノシン消費酵素の産生のための記載の回路のうちいずれか1つまたは複数を発現する1つまたは複数の遺伝子操作された細菌は、抗GITR抗体による投薬と逐次に、同時に、またはその後に投与される。一部の実施形態では、本明細書に記載される1つまたは複数のSTINGアゴニストおよび1つまたは複数のアデノシン消費酵素の産生のための記載の回路のうちいずれか1つまたは複数を発現する1つまたは複数の遺伝子操作された細菌は、抗OX40抗体による投薬と逐次に、同時に、またはその後に投与される。一部の実施形態では、本明細書に記載される1つまたは複数のSTINGアゴニストおよび1つまたは複数のアデノシン消費酵素の産生のための記載の回路のうちいずれか1つまたは複数を発現する1つまたは複数の遺伝子操作された細菌は、抗41BB抗体による投薬と逐次に、同時に、またはその後に投与される。一部の実施形態では、本明細書に記載される1つまたは複数のSTINGアゴニストおよび1つまたは複数のアデノシン消費酵素の産生のための記載の回路のうちいずれか1つまたは複数を発現する遺伝子操作された細菌は、抗GITR抗体および抗OX40抗体および/または抗41BB抗体による投薬と逐次に、同時に、またはその後に投与される。これらの実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、1つまたは複数の必須遺伝子に、突然変異(複数可)または欠失(複数可)をさらに含むことができる。これらの実施形態のいずれにおいても、細菌は、dapAに1つまたは複数の栄養要求性改変、例えば、突然変異または欠失を含むことができる。これらの実施形態のいずれにおいても、細菌は、trpEに1つまたは複数の栄養要求性改変、例えば、突然変異または欠失を含むことができる。これらの実施形態のいずれにおいても、細菌は、thyAに1つまたは複数の栄養要求性改変、例えば、突然変異または欠失を含むことができる。これらの実施形態のいずれにおいても、細菌は、本明細書に記載される内在性プロファージに、ファージ改変、例えば、突然変異または欠失をさらに含むことができる。
一部の実施形態では、本明細書に記載される1つまたは複数のSTINGアゴニストの産生のための記載の回路ならびに1つまたは複数のアルギニン産生および/またはアンモニア消費回路のうちいずれか1つまたは複数を含む1つまたは複数の遺伝子操作された細菌は、例えば、抗OX40、抗41BBおよび抗GITRを含むがこれらに限定されない、本明細書に記載され、当技術分野で公知の、アゴニスト抗体または他の免疫刺激性アゴニストによる投薬と逐次に、同時に、またはその後に投与される。一部の実施形態では、本明細書に記載される1つまたは複数のSTINGアゴニストの産生のための記載の回路ならびに1つまたは複数のアルギニン産生および/またはアンモニア消費回路のうちいずれか1つまたは複数を含む遺伝子操作された細菌は、抗GITR抗体による投薬と逐次に、同時に、またはその後に投与される。一部の実施形態では、本明細書に記載される1つまたは複数のSTINGアゴニストの産生のための記載の回路ならびに1つまたは複数のアルギニン産生および/またはアンモニア消費回路のうちいずれか1つまたは複数を含む遺伝子操作された細菌は、抗OX40抗体による投薬と逐次に、同時に、またはその後に投与される。一部の実施形態では、本明細書に記載される1つまたは複数のSTINGアゴニストの産生のための記載の回路ならびに1つまたは複数のアルギニン産生および/またはアンモニア消費回路のうちいずれか1つまたは複数を含む遺伝子操作された細菌は、抗41BB抗体による投薬と逐次に、同時に、またはその後に投与される。一部の実施形態では、本明細書に記載される1つまたは複数のSTINGアゴニストの産生のための記載の回路ならびに1つまたは複数のアルギニン産生および/またはアンモニア消費回路のうちいずれか1つまたは複数を含む遺伝子操作された細菌は、抗GITR抗体および抗OX40抗体および/または抗41BB抗体による投薬と逐次に、同時に、またはその後に投与される。これらの実施形態のいずれにおいても、遺伝子操作された細菌は、1つまたは複数の必須遺伝子に、突然変異(複数可)または欠失(複数可)をさらに含むことができる。これらの実施形態のいずれにおいても、細菌は、dapAに1つまたは複数の栄養要求性改変、例えば、突然変異または欠失を含むことができる。これらの実施形態のいずれにおいても、細菌は、trpEに1つまたは複数の栄養要求性改変、例えば、突然変異または欠失を含むことができる。これらの実施形態のいずれにおいても、細菌は、thyAに1つまたは複数の栄養要求性改変、例えば、突然変異または欠失を含むことができる。これらの実施形態のいずれにおいても、細菌は、本明細書に記載される内在性プロファージに、ファージ改変、例えば、突然変異または欠失をさらに含むことができる。
一部の実施形態では、1つまたは複数の遺伝子操作された細菌、例えば、アデノシン消費者、キヌレニン消費者、アンモニア消費者、アルギニン生産者および/またはSTINGアゴニスト生産者は、同時投与されたアゴニスト抗体または他の免疫刺激性アゴニスト(例えば、抗OX40、抗41BBおよび/または抗GITR)の抗腫瘍活性(例えば、腫瘍増殖、サイズ、体積、重量)を、同じ条件下でアゴニスト抗体療法単独と比較して、または同じ条件下で同じ亜型の未改変細菌と比較して、例えば、10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%またはそれよりも多く改善することができる。一部の実施形態では、1つまたは複数の遺伝子操作された細菌、例えば、アデノシン消費者、キヌレニン消費者、アンモニア消費者、アルギニン生産者および/またはSTINGアゴニスト生産者は、同時投与されたアゴニスト抗体または他の免疫刺激性アゴニスト(例えば、抗OX40、抗41BBおよび/または抗GITR)の抗腫瘍活性(例えば、腫瘍増殖、サイズ、体積、重量)を、同じ条件下で化学療法単独と比較して、または同じ条件下で同じ亜型の未改変細菌と比較して、例えば、1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍多くまたはそれよりも多く改善することができる。一部の実施形態では、1つまたは複数の遺伝子操作された細菌、例えば、アデノシン消費者、キヌレニン消費者、アンモニア消費者、アルギニン生産者および/またはSTINGアゴニスト生産者は、同時投与されたアゴニスト抗体または他の免疫刺激性アゴニスト(例えば、抗OX40、抗41BBおよび/または抗GITR)の抗腫瘍活性(例えば、腫瘍増殖、サイズ、体積、重量)を、同じ条件下で化学療法単独と比較して、または同じ条件下で同じ亜型の未改変細菌と比較して、例えば、約3倍、4倍、約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、50倍、100倍、500倍または1000倍多くまたはそれよりも多く改善することができる。
一部の実施形態では、アデノシンを消費するように遺伝子操作された細菌は、同時投与されたアゴニスト抗体または他の免疫刺激性アゴニスト(例えば、OX40および/またはGITR)の抗腫瘍活性(例えば、腫瘍増殖、サイズ、体積、重量)を、同じ条件下でアゴニスト抗体療法単独と比較して、または同じ条件下で同じ亜型の未改変細菌と比較して、例えば、10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%またはそれよりも多く改善することができる。一部の実施形態では、アデノシンを消費するように遺伝子操作された細菌は、同時投与されたアゴニスト抗体または他の免疫刺激性アゴニスト(例えば、抗OX40、抗41BBおよび/または抗GITR)の抗腫瘍活性(例えば、腫瘍増殖、サイズ、体積、重量)を、同じ条件下で化学療法単独と比較して、または同じ条件下で同じ亜型の未改変細菌と比較して、例えば、1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍多くまたはそれよりも多く改善することができる。一部の実施形態では、アデノシンを消費するように遺伝子操作された細菌は、同時投与されたアゴニスト抗体または他の免疫刺激性アゴニスト(例えば、抗OX40、抗41BBおよび/または抗GITR)の抗腫瘍活性(例えば、腫瘍増殖、サイズ、体積、重量)を、同じ条件下で化学療法単独と比較して、または同じ条件下で同じ亜型の未改変細菌と比較して、例えば、約3倍、4倍、約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、50倍、100倍、500倍または1000倍多くまたはそれよりも多く改善することができる。
一部の実施形態では、キヌレニンを消費するように遺伝子操作された細菌は、同時投与されたアゴニスト抗体または他の免疫刺激性アゴニスト(例えば、抗OX40、抗41BBおよび/または抗GITR)の抗腫瘍活性(例えば、腫瘍増殖、サイズ、体積、重量)を、同じ条件下でアゴニスト抗体療法単独と比較して、または同じ条件下で同じ亜型の未改変細菌と比較して、例えば、10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%またはそれよりも多く改善することができる。一部の実施形態では、キヌレニンを消費するように遺伝子操作された細菌は、同時投与されたアゴニスト抗体または他の免疫刺激性アゴニスト(例えば、抗OX40、抗41BBおよび/または抗GITR)の抗腫瘍活性(例えば、腫瘍増殖、サイズ、体積、重量)を、同じ条件下で化学療法単独と比較して、または同じ条件下で同じ亜型の未改変細菌と比較して、例えば、1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍多くまたはそれよりも多く改善することができる。一部の実施形態では、キヌレニンを消費するように遺伝子操作された細菌は、同時投与されたアゴニスト抗体または他の免疫刺激性アゴニスト(例えば、抗OX40、抗41BBおよび/または抗GITR)の抗腫瘍活性(例えば、腫瘍増殖、サイズ、体積、重量)を、同じ条件下で化学療法単独と比較して、または同じ条件下で同じ亜型の未改変細菌と比較して、例えば、約3倍、4倍、約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、50倍、100倍、500倍または1000倍多くまたはそれよりも多く改善することができる。
一部の実施形態では、アルギニンを産生するおよび/またはアンモニアを消費するように遺伝子操作された細菌は、同時投与されたアゴニスト抗体または他の免疫刺激性アゴニスト(例えば、抗OX40、抗41BBおよび/または抗GITR)の抗腫瘍活性(例えば、腫瘍増殖、サイズ、体積、重量)を、同じ条件下でアゴニスト抗体療法単独と比較して、または同じ条件下で同じ亜型の未改変細菌と比較して、例えば、10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%またはそれよりも多く改善することができる。一部の実施形態では、アルギニンを産生するおよび/またはアンモニアを消費するように遺伝子操作された細菌は、同時投与されたアゴニスト抗体または他の免疫刺激性アゴニスト(例えば、抗OX40、抗41BBおよび/または抗GITR)の抗腫瘍活性(例えば、腫瘍増殖、サイズ、体積、重量)を、同じ条件下で化学療法単独と比較して、または同じ条件下で同じ亜型の未改変細菌と比較して、例えば、1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍多くまたはそれよりも多く改善することができる。一部の実施形態では、アルギニンを産生するおよび/またはアンモニアを消費するように遺伝子操作された細菌は、同時投与されたアゴニスト抗体または他の免疫刺激性アゴニスト(例えば、抗OX40、抗41BBおよび/または抗GITR)の抗腫瘍活性(例えば、腫瘍増殖、サイズ、体積、重量)を、同じ条件下で化学療法単独と比較して、または同じ条件下で同じ亜型の未改変細菌と比較して、例えば、約3倍、4倍、約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、50倍、100倍、500倍または1000倍多くまたはそれよりも多く改善することができる。
一部の実施形態では、STINGアゴニスト(複数可)を産生するように遺伝子操作された細菌は、同時投与されたアゴニスト抗体または他の免疫刺激性アゴニスト(例えば、抗OX40、抗41BBおよび/または抗GITR)の抗腫瘍活性(例えば、腫瘍増殖、サイズ、体積、重量)を、同じ条件下でアゴニスト抗体療法単独と比較して、または同じ条件下で同じ亜型の未改変細菌と比較して、例えば、10%〜20%、20%〜25%、25%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜75%、75%〜80%、80%〜85%、85%〜90%、90%〜95%、95%〜99%またはそれよりも多く改善することができる。一部の実施形態では、STINGアゴニスト(複数可)を産生するように遺伝子操作された細菌は、同時投与されたアゴニスト抗体または他の免疫刺激性アゴニスト(例えば、抗OX40、抗41BBおよび/または抗GITR)の抗腫瘍活性(例えば、腫瘍増殖、サイズ、体積、重量)を、同じ条件下で化学療法単独と比較して、または同じ条件下で同じ亜型の未改変細菌と比較して、例えば、1.0〜1.2倍、1.2〜1.4倍、1.4〜1.6倍、1.6〜1.8倍、1.8〜2倍、または2倍多くまたはそれよりも多く改善することができる。一部の実施形態では、STINGアゴニスト(複数可)を産生するように遺伝子操作された細菌は、同時投与されたアゴニスト抗体または他の免疫刺激性アゴニスト(例えば、抗OX40、抗41BBおよび/または抗GITR)の抗腫瘍活性(例えば、腫瘍増殖、サイズ、体積、重量)を、同じ条件下で化学療法単独と比較して、または同じ条件下で同じ亜型の未改変細菌と比較して、例えば、約3倍、4倍、約3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、40倍、50倍、100倍、500倍または1000倍多くまたはそれよりも多く改善することができる。
一部の実施形態では、遺伝子操作された微生物は、他の処置モダリティまたは他のモダリティの組合せを含むレジメンの一部として投与することができる。そのようなモダリティまたは薬剤の非限定的な例は、従来の治療法(例えば、放射線療法、化学療法)、他の免疫療法、幹細胞療法および標的化療法(例えば、BRAFまたは血管内皮増殖因子インヒビター;抗体または化合物)、本明細書に記載されている細菌、ならびに腫瘍溶解性ウイルスである。治療法は、Fc媒介性ADCC療法、細胞傷害性T細胞を腫瘍細胞に連結する二特異性可溶性scFv(例えば、BiTE)、およびエフェクター機能を有する可溶性TCRを使用した治療法を含む抗体−免疫係合関連も含む。免疫療法は、ワクチン(例えば、ウイルス抗原、腫瘍関連抗原、ネオ抗原またはそれらの組合せ)、チェックポイントインヒビター、サイトカイン療法、養子細胞療法(ACT)を含む。ACTとして、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)療法、ネイティブまたは操作されたTCRまたはCAR−T療法、ナチュラルキラー細胞療法、および樹状細胞ワクチン、または他の抗原提示細胞の他のワクチンが挙げられるがこれらに限定されない。標的化療法は、抗体および化合物を含み、例えば、血管新生抑制戦略およびBRAF阻害を含む。
細菌DNAの免疫賦活活性は、非メチル化CpGモチーフを発現する合成オリゴデオキシヌクレオチド(ODN)によって模倣される。Bodeら、Expert Rev Vaccines.、2011年4月;10巻(4号):499〜511頁、CpG DNA as a vaccine adjuvant。ワクチンアジュバントとして使用されると、CpG ODNは、プロフェッショナル抗原提示細胞の機能を改善し、液性および細胞性ワクチン特異的免疫応答の生成をブーストする。一部の実施形態では、CpGは、本発明の遺伝子操作された細菌と組み合わせて投与することができる。
一実施形態では、遺伝子操作された微生物は、腫瘍細胞溶解物と組み合わせて投与される。
医薬組成物の投薬量および投与の頻度は、症状の重症度およびがんの進行に基づき選択することができる。適切な治療有効用量および投与の頻度は、処置担当の臨床医によって選択することができる。
In Vivoでの処置
改変された微生物は、in vivoで、例えば、動物モデルにおいて評価することができる。がんに関連する疾患または状態のいずれか適した動物モデルを使用することができる、例えば、腫瘍同系または異種移植マウスモデル(例えば、Yuら、2015年を参照)。遺伝子操作された細菌は、全身性にまたは局所的に、例えば、経口投与(経管栄養)により、静脈内もしくは皮下注射によりまたは腫瘍内注射により動物に投与することができ、例えば、腫瘍体積を測定することにより、処置有効性を決定することができる。
動物モデルの非限定的な例として、Dangら、2001年、Heapら、2014年およびDaninoら、2015年に記載されているマウスモデルが挙げられる。
前臨床マウスモデルは、いずれの免疫療法および併用免疫療法が、種々のがんにおいて最適な治療指数(最大の抗腫瘍有効性および最小の免疫関連有害事象(irAE))を生成するかを決定する。
マウス組織部位への様々なヒトがん細胞型に由来する培養細胞または患者の腫瘍塊の移植は、がんマウスモデル(異種移植モデリング)の生成に広く使用されてきた。異種移植モデリングにおいて、ヒト腫瘍または細胞系は、移植片拒絶を回避するために免疫低下宿主動物(例えば、ヌードまたはSCIDマウス)へと皮下または同所性のいずれかで植え込まれる。本来のヒト腫瘍微小環境は、このようなモデルにおいて再現されないため、免疫モジュレーターを標的とする抗がん剤の活性は、これらのモデルにおいて正確に測定されない可能性があり、インタクトな免疫系を有するマウスモデルをより望ましいものとする。
したがって、同系免疫適格性宿主におけるマウスがん細胞の移植(同種移植)が使用されて、所与のマウス系統(strain)と同じ遺伝的背景に由来する腫瘍組織を有するマウスモデルを生成する。同系モデルにおいて、宿主免疫系は正常であり、このことは、腫瘍の微小環境の実際の生活状況をより密接に表すことができる。腫瘍細胞またはがん細胞系は、同系免疫適格性宿主動物(例えば、マウス)へと皮下または同所性のいずれかで移植される。免疫チェックポイントベンチマーク評価のための同系マウスモデルにおいて使用することができる代表的なマウス腫瘍細胞系として、WO2017/123675として出版され、その内容の全体が本明細書に参照として援用される2017年1月11日に出願された国際特許出願PCT/US2017/013072に収載されている細胞系が挙げられるがこれらに限定されない。ある特定の細胞系に由来する腫瘍に関して、オボアルブミンを添加して、免疫応答をさらに刺激し、これにより、応答ベースラインレベルを増加させることができる。同系マウスモデルにおいて使用することができるマウス系統の例として、C57BL/6、FVB/N、Balb/c、C3H、HeJ、C3H/HeJ、NOD/ShiLT、A/J、129S1/SvlmJ、NODを含む細胞系に依存する。その上、いくつかのさらに遺伝子操作されたマウス系統は、分子および組織学的レベルの両方でヒト腫瘍発生を擬態することが報告された。これらの遺伝子操作されたマウスモデルも、本分野に優れたツールを提供し、その上、これらのモデルにおいて開発された侵襲的腫瘍に由来するがん細胞系も、同系腫瘍モデルのための細胞系の良好な資源である。遺伝子操作された系統の例は、WO2017/123675として出版され、その内容の全体が本明細書に参照として援用される2017年1月11日に出願された国際特許出願PCT/US2017/013072に提示される。
多くの場合、潜在的治療分子は、ヒト免疫モジュレーターと相互作用し、ヒト免疫系を刺激し、そのマウス対応物を検出せず、その逆もまた同じである。治療分子の研究において、このことを考慮に入れる必要がある。さらに最近では、免疫不全マウスがヒト免疫系により再構成された、マウスとヒト免疫系との間の差に関する問題の克服に役立ち、ヒト免疫のin vivo研究を可能にした、「ヒト化」マウスモデルが開発された。IL2受容体ヌルおよび重症の組み合わせた免疫欠乏性突然変異(scid)を組み合わせる、重症の免疫不全なマウス(NOD−scid IL2Rgヌルマウス)は、成熟T細胞、B細胞または機能的NK細胞を欠き、サイトカインシグナル伝達を欠乏する。このようなマウスは、ヒト造血幹細胞および末梢血単核細胞を生着することができる。CD34+造血幹細胞(hu−CD34)が免疫欠乏性マウスに注射され、長期研究において非常に良好なT細胞成熟および機能を含むヒト免疫細胞集団の多系列生着をもたらす。このモデルは、12カ月間の研究スパンを有し、機能的ヒト免疫系が、宿主に対するドナー細胞免疫反応性なしで、T細胞依存性炎症性応答を示す。患者由来異種移植は、これらのモデルにおいて直ちに移植することができ、in vivo設定において研究される免疫モジュレーション剤の効果は、ヒト腫瘍微小環境をさらに反映する(免疫および非免疫細胞に基づく両方で)(Baiaら、2015年)。
ヒト化マウスモデルにおける使用のための目的のヒト細胞系として、HCT−116およびHT−29結腸がん細胞系が挙げられるがこれらに限定されない。
ラットF98神経膠腫モデル、および自然発症イヌ腫瘍の有用性は、これらそれぞれの内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、Robertsら、2014年に記載されてい
る。ルシフェラーゼを発現するように操作されたF98ラット神経膠腫細胞の移植によって生成される局所に侵襲的な腫瘍に、C.novyi−NT胞子を腫瘍内注射したところ、発芽およびルシフェラーゼ活性急落をもたらした。C.novyi−NT発芽は、この細菌の栄養型の出現によって実証された。これらの研究において、C.novyi−NTは、近隣細胞を温存しつつ、腫瘍へと正確に向かう。
例えば、イヌ軟部組織肉腫は、多くの品種において一般的であり、特に、遺伝的変更および突然変異のスペクトルの観点から、ヒトにおけるものと同様の臨床的、病理組織学的および遺伝的特色を有する(Robertsら、2014年;Staedtkeら、2015年)。Robertsらは、イヌにおける研究を遂行し、それによると、C.novyi−NT胞子は、1〜4処置サイクルにおいて、自然発症で起こる固形腫瘍に腫瘍内注射され(1×108個のC.novyi−NT胞子)、90日間追跡した。強力な炎症性応答が観察されており、腫瘍内注射が自然免疫応答を開始したことを示す。
一部の実施形態では、本発明の遺伝子操作された微生物は、本明細書に記載されているモデルのいずれかへと全身性に、例えば、経口、皮下、静脈内または腫瘍内に投与されて、抗腫瘍有効性およびいずれかの処置関連の有害副作用をアセスメントする。
配列
一部の実施形態では、ある特定の前駆体配列は、細菌分泌シグナル配列を含むがこれに限定されない、1つまたは複数の細菌配列で置換される。一部の実施形態では、サイトカインをコードするポリヌクレオチド配列は、細菌発現のためにコドン最適化される。一部の実施形態では、ある特定の前駆体配列は、哺乳動物分泌シグナル配列を含むがこれに限定されない、1つまたは複数の哺乳動物配列で置換される。一部の実施形態では、サイトカインをコードするポリ
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、免疫モジュレーションサイトカインをコードする遺伝子配列を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、hIL−12の発現のための1つまたは複数の遺伝子配列を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号1053のポリペプチドをコードする1つまたは複数の遺伝子配列を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号1054のポリペプチドをコードする1つまたは複数の遺伝子配列を含む。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、hIL−15の発現のための1つまたは複数の遺伝子配列を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号1057のポリペプチドをコードする1つまたは複数の遺伝子配列を含む。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、GMCSFの発現のための1つまたは複数の遺伝子配列を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号1058のポリペプチドをコードする1つまたは複数の遺伝子配列を含む。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、TNFα、例えば、細胞外部分の発現のための1つまたは複数の遺伝子配列を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号1059のポリペプチドをコードする1つまたは複数の遺伝子配列を含む。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、IFN−ガンマの発現のための1つまたは複数の遺伝子配列を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号1060のポリペプチドをコードする1つまたは複数の遺伝子配列を含む。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、CXCL10の発現のための1つまたは複数の遺伝子配列を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号1061のポリペプチドをコードする1つまたは複数の遺伝子配列を含む。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、CXCL9の発現のための1つまたは複数の遺伝子配列を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号1062のポリペプチドをコードする1つまたは複数の遺伝子配列を含む。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号1053、配列番号1054、配列番号1055、配列番号1056、配列番号1057、配列番号1058、配列番号1059、配列番号1060、配列番号1061および配列番号1062に対して少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%または少なくとも約99%相同であるポリペプチドをコードする核酸配列を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号1053、配列番号1054、配列番号1055、配列番号1056、配列番号1057、配列番号1058、配列番号1059、配列番号1060、配列番号1061および配列番号1062から選択される配列を含むポリペプチドをコードする核酸配列を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号1053、配列番号1054、配列番号1055、配列番号1056、配列番号1057、配列番号1058、配列番号1059、配列番号1060、配列番号1061および配列番号1062から選択される配列からなるポリペプチドをコードする核酸配列を含む。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、遺伝暗号の冗長性を別にすれば、配列番号1063と同じポリペプチドをコードする遺伝子配列を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号1063を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、遺伝暗号の冗長性を別にすれば、配列番号1064と同じポリペプチドをコードする遺伝子配列を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、遺伝子配列、配列番号1064を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、遺伝暗号の冗長性を別にすれば、配列番号1067と同じポリペプチドをコードする遺伝子配列を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号1067を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、遺伝暗号の冗長性を別にすれば、配列番号1068と同じポリペプチドをコードする遺伝子配列を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号1068を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、遺伝暗号の冗長性を別にすれば、配列番号1069と同じポリペプチドをコードする遺伝子配列を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号1069を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、遺伝子配列を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、遺伝暗号の冗長性を別にすれば、配列番号1070と同じポリペプチドをコードする遺伝子配列を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号1070を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、遺伝暗号の冗長性を別にすれば、配列番号1071と同じポリペプチドをコードする遺伝子配列を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号1071を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号1063、配列番号1064、配列番号1067、配列番号1068、配列番号1069、配列番号1070および/または配列番号1071のDNA配列に対して少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%または少なくとも約99%相同である核酸配列を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号1063、配列番号1064、配列番号1067、配列番号1068、配列番号1069、配列番号1070および/または配列番号1071から選択される配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号1063、配列番号1064、配列番号1067、配列番号1068、配列番号1069、配列番号1070および/または配列番号1071から選択される配列からなる核酸配列を含む。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号894、配列番号895、配列番号896、配列番号897、配列番号898、配列番号899、配列番号900、配列番号901、配列番号902、配列番号903、配列番号904、配列番号905、配列番号906、配列番号907、配列番号908、配列番号909、配列番号910、配列番号911、配列番号912、および/または配列番号913のDNA配列に対して少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%または少なくとも約99%相同である核酸配列を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号894、配列番号895、配列番号896、配列番号897、配列番号898、配列番号899、配列番号900、配列番号901、配列番号902、配列番号903、配列番号904、配列番号905、配列番号906、配列番号907、配列番号908、配列番号909、配列番号910、配列番号911、配列番号912、および/または配列番号913から選択されるDNA配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号894、配列番号895、配列番号896、配列番号897、配列番号898、配列番号899、配列番号900、配列番号901、配列番号902、配列番号903、配列番号904、配列番号905、配列番号906、配列番号907、配列番号908、配列番号909、配列番号910、配列番号911、配列番号912、および/または配列番号913から選択されるDNA配列からなる核酸配列を含む。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号914、配列番号915、配列番号916、配列番号917、配列番号918および配列番号919のDNA配列に対して少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%または少なくとも約99%相同である核酸配列を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号914、配列番号915、配列番号916、配列番号917、配列番号918および配列番号919から選択されるDNA配列を含む核酸配列を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号914、配列番号915、配列番号916、配列番号917、配列番号918および配列番号919から選択されるDNA配列からなる核酸配列を含む。
一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、N末端OmpF分泌タグを有するヒトIL−12a構築物をコードする遺伝子配列、例えば、配列番号920を含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、N末端PhoA分泌タグを有するヒトIL−12a構築物をコードする遺伝子配列、例えば、配列番号921を含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、N末端TorA分泌タグを有するヒトIL−12a構築物をコードする遺伝子配列、例えば、配列番号922を含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、N末端OmpF分泌タグを有するヒトIL−12b構築物をコードする遺伝子配列、例えば、配列番号923を含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、N末端PhoA分泌タグを有するヒトIL−12b構築物をコードする遺伝子配列、例えば、配列番号924を含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、N末端TorA分泌タグを有するヒトIL−12構築物をコードする遺伝子配列、例えば、配列番号925を含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、N末端OmpF分泌タグを有するヒトGMCSF構築物をコードする遺伝子配列、例えば、配列番号932を含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、N末端PhoA分泌タグを有するヒトGMCSF構築物をコードする遺伝子配列、例えば、配列番号933を含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、N末端TorA分泌タグを有するヒトGMCSF構築物をコードする遺伝子配列、例えば、配列番号934を含む。
一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、N末端OmpF分泌タグを有するヒトIL−15構築物をコードする遺伝子配列、例えば、配列番号935を含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、N末端PhoA分泌タグを有するヒトIL−15構築物をコードする遺伝子配列、例えば、配列番号936を含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、N末端TorA分泌タグを有するヒトIL−15構築物をコードする遺伝子配列、例えば、配列番号937を含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、N末端OmpF分泌タグを有するヒトTNFアルファ構築物をコードする遺伝子配列、例えば、配列番号938を含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、N末端PhoA分泌タグを有するヒトTNFa構築物をコードする遺伝子配列、例えば、配列番号939を含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、N末端TorA分泌タグを有するヒトTNFa構築物をコードする遺伝子配列、例えば、配列番号940を含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、N末端OmpF分泌タグを有するヒトIFNg構築物をコードする遺伝子配列、例えば、配列番号941を含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、N末端PhoA分泌タグを有するヒトIFNg構築物をコードする遺伝子配列、例えば、配列番号942を含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、N末端TorA分泌タグを有するヒトIFNガンマ構築物をコードする遺伝子配列、例えば、配列番号943を含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、N末端OmpF分泌を有するヒトCXCL9構築物をコードする遺伝子配列、例えば、配列番号1075を含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、N末端PhoA分泌タグを有するヒトCXCL9構築物をコードする遺伝子配列、例えば、配列番号1076を含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、N末端TorA分泌タグを有するヒトCXCL9構築物をコードする遺伝子配列、例えば、配列番号1077を含む。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号920〜943もしくは1072〜1078から選択されるポリペプチド配列またはそれらの機能的な断片もしくはバリアントに対して少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%または少なくとも約99%相同であるポリペプチドをコードする遺伝子配列を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号920〜943または1072〜1078から選択されるポリペプチド配列に対して少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%または少なくとも約99%相同であるポリペプチドをコードする遺伝子配列を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号920〜943または1072〜1078から選択される配列を含むポリペプチドをコードする遺伝子配列を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号920〜943または1072〜1078から選択される配列からなるポリペプチドをコードする遺伝子配列を含む。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号953〜960および配列番号1081〜1084から選択される1つまたは複数の核酸配列を含む。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号953〜960および配列番号1081〜1084から選択される1つまたは複数のDNA配列に対して少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%または少なくとも約99%相同である核酸配列を含む。
一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、ヒトIL−12aおよびヒトIL−12bの両方を含む構築物を含む遺伝子配列を含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号965のphoA−hIL12b−phoA−hIL12a部分または配列番号966のphoA−mIL12b−phoA−mIL12a部分を含む遺伝子配列を含む。
一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、phoA−IL15を含む構築物を含む遺伝子配列を含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号967のphoA−IL15部分を含む遺伝子配列を含む。
一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、phoA−GMCSFを含む構築物を含む遺伝子配列を含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号968のphoA−GMCSF部分を含む遺伝子配列を含む。
一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、phoA−TNFαを含む構築物を含む遺伝子配列を含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号969のphoA−TNFα部分を含む遺伝子配列を含む。
一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、phoA−IFNガンマを含む構築物を含む遺伝子配列を含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号970のphoA−IFNガンマ部分を含む遺伝子配列を含む。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、非コード領域を除外して、配列番号965、配列番号966、配列番号967、配列番号968、配列番号969、配列番号970から選択されるDNA配列に対して少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%または少なくとも約99%相同である核酸配列を含む。
以下の実施例は、本開示の例示的な実施形態を提供する。当業者は、本開示の精神または範囲を変化させることなく行ってもよい多数の改変および変形形態を認識するであろう。そのような改変および変形形態は、本開示の範囲内に包含される。実施例は、本開示をいかなるようにも制限しない。
本明細書に提供する本開示は、以下の実施例に記載される配列番号のいずれかの配列と少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約99%相同性を有する配列を提供する。
(実施例1)
免疫モジュレーター
一本鎖抗CTLA−4抗体の構築に使用するための例示的な核酸配列は、例えば実施例1において、その内容のその全体が参照により本明細書に組み込まれる、WO2017/123675として公開された、2017年1月11日に提出された国際特許出願PCT/US2017/013072に記載されている。一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、そのDNA配列と少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、もしくは少なくとも約99%相同である核酸配列、または配列番号765、配列番号766、配列番号767、配列番号768、配列番号769、配列番号770、配列番号771、配列番号772、配列番号773、配列番号774、配列番号775、および/または配列番号776と少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、もしくは少なくとも約99%相同であるポリペプチドをコードするDNA配列を含む核酸配列を含む。別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号765、配列番号766、配列番号767、配列番号768、配列番号769、配列番号770、配列番号771、配列番号772、配列番号773、配列番号774、配列番号775、および/または配列番号776から選択される配列を含むポリペプチドをコードする遺伝子配列を含む。なお別の実施形態では、遺伝子操作された細菌によって発現されるポリペプチドは、配列番号765、配列番号766、配列番号767、配列番号768、配列番号769、配列番号770、配列番号771、配列番号772、配列番号773、配列番号774、配列番号775、および/または配列番号776から選択される配列からなる。
一部の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、そのDNA配列と少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、もしくは少なくとも約99%相同である核酸配列、または配列番号777、配列番号778、配列番号779、配列番号780、配列番号781、配列番号782、配列番号783、配列番号784、配列番号785、配列番号786、配列番号787、および/または配列番号788と少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、もしくは少なくとも約99%相同であるポリペプチドをコードするDNA配列を含む核酸配列を含む。別の実施形態では、遺伝子配列は、配列番号777、配列番号778、配列番号779、配列番号780、配列番号781、配列番号782、配列番号783、配列番号784、配列番号785、配列番号786、配列番号787、および/または配列番号788から選択される配列を含む。別の実施形態では、遺伝子配列は、配列番号777、配列番号778、配列番号779、配列番号780、配列番号781、配列番号782、配列番号783、配列番号784、配列番号785、配列番号786、配列番号787、および/または配列番号788から選択される配列からなる。
(実施例2)
E.coli Nissleの腫瘍薬物動態
腫瘍薬物動態をアッセイし、その内容の全体が参照により本明細書に、例えば実施例58〜61に組み込まれる、WO2017/123675として公開された、2017年1月11日に提出された国際特許出願PCT/US2017/013072に記載されるように決定した。Nissle(1e7および1e8個細胞/用量)の腫瘍薬物動態を、CT26腫瘍モデルを使用して7日にわたって決定した。腫瘍組織中の細菌数は、両方の用量で類似であった。血液中ではいずれの時点においても細菌は検出されなかった。
ストレプトマイシン抵抗性NissleおよびNissle DOM変異体(NissleΔPAL::CmR)の腫瘍薬物動態を、CT26腫瘍モデルにおいて比較した。腫瘍組織中の細菌数は両方の株において類似であった。血液中に細菌は検出されなかった。これらの結果は、野生型およびDOM変異体Nissleの両方が腫瘍環境において生存することができることを示している。
ストレプトマイシン抵抗性Nissleの腫瘍内投与に対するin vivoでのサイトカイン応答を、CT26腫瘍モデルを使用して1e6(群1)または1e7個細胞/用量(群2)のいずれかでアセスメントした。表記の用量でマウスCT−24モデルにおいてSYN94腫瘍内投与後の時間経過において、レベルを血清中および腫瘍中で測定した。結果は、サイトカイン応答が腫瘍において高用量で誘発されたが血清中では誘発されなかったことを示す。低用量は、実質的なサイトカイン応答を誘発しない。
様々な組織における腫瘍PK、細菌レベル、およびこれらの組織におけるサイトカインレベルを、IT投与(1e7個細胞/用量)の48時間後にアセスメントした。参照により本明細書に組み込まれる国際特許出願PCT/US2017/013072に認められるように、細菌は、腫瘍に主に存在し、試験した他の組織には存在しなかった。測定したTNFαレベルは、SYN94、食塩水処置およびナイーブ群の間で全ての血清、腫瘍、および肝臓において類似であった。TNFαレベルは、Nissleを、IVを介して1e8で投与した場合に1.5時間で測定されたTNFαレベルと比較して無視できる程度である。しかし、IV投与によっても、TNFαレベルは4時間で検出不能レベルへと低下した。類似の低レベルのTNFαが、SYN94の1e6 IV用量で検出される。
(実施例3A)
代謝物のLC−MS/MS定量
細菌上清および腫瘍組織中のアデノシン、キヌレニン、トリプトファン、およびアルギニンの定量化を、その内容の全体が参照により本明細書に組み込まれる、WO2017/123675として公開された、2017年1月11日に提出された国際特許出願PCT/US2017/013072に記載されるLC−MS/MSによって実施した。
(実施例3B)
染色体挿入を使用する細菌株の操作
E.coli Nissleゲノムに構築物を組み込む方法は、参照により本明細書に組み込まれる国際特許出願PCT/US2017/013072に記載される。
(実施例4)
アデノシン分解株の生成
アデノシン分解経路における3つのオペロンの概略図を図47および48に示す。アデノシン消費株を生成するために、オペロンの各々1つ(またはnupCの場合には単一の遺伝子)をP
fnrSプロモーターの制御下でKIKOベクターにクローニングした。ノックインPCR産物をKIKOベクターから作製し、アレル交換を行ってこれらのオペロンをE.coliゲノムに組み込んだ。アレル交換は、本明細書に記載されるラムダredリコンビナーゼ系を使用することにより容易となった。複数の株の組合せを生成し、表13は、生成し、アデノシン分解アッセイにおいて比較した株を要約する。表14は、構築物の各々に関して使用した組み込み部位を要約する。
(実施例5)
In vitroでのアデノシン分解の測定
In vitroアデノシン消費
グルコースは、E.coliの好ましい炭素源である。しかし、E.coliはまた、グルコースの非存在下では唯一の炭素源としてアデノシンも使用することができる。新たに生成された株がアデノシンを分解する能力をアセスメントするために、および好ましい炭素源であるグルコースの存在下であってもそのようにできるか否かをアセスメントするために。
これを達成するために、野生型対照を含む各株の一晩培養物を、LB中、250rpmで振とうさせながら37Cで成長させた。培養物を1:100(125mLバッフル付きフラスコ中に100mL)に逆希釈(back dilution)し、初期対数期まで1.5時間成長させた。培養物が初期対数期に達すると、培養物を、嫌気的雰囲気(85%N2、10%CO2、5%H2)を供給するCoy嫌気的チャンバーに移動させた。培養物を嫌気的に4時間インキュベートし、操作されたアデノシン分解経路遺伝子を誘導させた。
培養物を嫌気的チャンバーから取り出し、アデノシン分解活性に関して試験した。これを達成するために、約1e8個の活性化細菌細胞を1.5mL微量遠心管において遠心沈降させ、アデノシンアッセイ緩衝液(10mMアデノシンを含み、グルコースを含まないかまたは0.5%グルコースを含む1×M9最少培地(スライドを参照されたい))に再懸濁させた。管を37℃で5時間静置してインキュベートし、上清試料を5時間の間、毎時間回収した。上清試料を、アデノシン濃度の決定のためにLC−MSを介して分析した。
結果を図3に示し、操作された全ての株が、野生型対照株より速い速度でアデノシンを分解(上清試料中にそれが存在しないことによって決定する)できることを示す。全ての株は、E.coliの好ましい炭素源であるグルコースが存在するか否かにかかわらず、アデノシンを分解することができた。
基質制限条件下でのIn vitro活性
これまでの試験では、基質は無限であった、すなわち株はVmaxで機能することができた。そのような基質濃度は、in vivoで予想される濃度の大過剰量であった。次に、操作された細菌のアデノシン分解能を、より制限的な基質濃度(in vivoでの腫瘍中のアデノシン濃度により一貫する)およびより低用量(敗血症を引き起こしていないマウスにおいてIVまたはIT投与することができる用量とより一貫する)でアセスメントした。
各株の一晩培養物をLB中、250rpmで振とうさせながら37Cで成長させた。培養物を1:100(125mLバッフル付きフラスコ中に10mL)に逆希釈し、初期対数期まで1.5時間成長させた。培養物が初期対数期に達すると、培養物を、嫌気的雰囲気(85%N2、10%CO2、5%H2)を供給するCoy嫌気的チャンバーに移動させた。培養物を嫌気的に4時間インキュベートし、操作されたアデノシン分解経路遺伝子を誘導させた。
活性化細胞をcellometerにおいて定量し、PBS中で5e8 cfu/mLに希釈した。この懸濁液(5e6個の細菌を含む)10μLを、M9最少培地、0.5%グルコース、および100μMアデノシンで構成されるアデノシンアッセイ緩衝液1mL中に再懸濁させた。細胞を、37Cで静置してインキュベートした。上清試料を5時間の間、毎時間除去して、アデノシン分解速度を決定した。上清試料を、アデノシン濃度の決定のためにLC−MSを介して分析した。報告された分解速度は、試料採取の0から5時間の間の最大線形速度である(極めて低い基質(アデノシン)分解では速度は線形ではない場合があることから、これは後の時点を含まなくてもよい)。
結果を図5および6に示し、操作された株は全て、対照株SYN01の速度より速い速度でアデノシンを分解することができた(上清試料中にそれが存在しないことによって決定)ことを示している。SYN1656は、アデノシン分解経路を含む3つ全ての組み込みを含む最も高度に操作された株であり、アデノシンを最高速度で分解することができ、アデノシンレベルは3時間で検出不能レベルとなった。
線形速度を表15に示す。
(実施例6)
In vivoでのアデノシン消費株の効果
アデノシン消費株SYN1656(PfnrS−nupC;PfnrS−xdhABC;PfnrS−add−xapA−deoDを含む)のin vivoでの効果を、単独および抗PD1との組合せにおいてアセスメントした。
ATCCから得たCT26細胞を提供されたガイドラインに従って培養した。PBS中のおよそ1e6個細胞/マウスを各動物(BalbC/J(雌性、8週齢))の右脇腹に皮下移植し、腫瘍の成長をおよそ10日間モニタリングした。腫瘍が約100〜150mm3に達すると、動物を投与のための群に無作為化した。
細胞を調製するために、ストレプトマイシン抵抗性Nissle(SYN094)を、LBブロス中で600nmでの吸光度(A600nm)が0.4(2×108コロニー形成単位(CFU)/mLに対応する)となるまで成長させ、PBS中で2回洗浄した。懸濁液をPBSまたは食塩水中で希釈し、100μLを、腫瘍を有するマウスの腫瘍内に適切な用量で注射することができる。SYN1656を調製するために、細胞をLB(2L)中で1:100に希釈し、好気的に1.5時間成長させた後、嫌気的チャンバーに4時間移動させた。投与前に、細胞を200倍濃縮し、凍結した(PBS中に15%グリセロール、2g/Lグルコース)。
CT26移植のおよそ10日後、1日目に細菌をPBS 0.1mlに懸濁させて、マウスを秤量し、測定し、以下のような処置群に無作為化した:群1、食塩水注射(100μl)(n=14);群2、SYN94 IT 10e7(n=14);群3、SYN1656 IT 10e7(n=14);群4、SYN1656 IT 10e7+aPD−1(BioXcell)、10mg/kg、i.p.(n=14);群5、aPD−1(BioXcell)、10mg/kg、i.p(n=9)。
1日目および4日目に、動物にその群分けに従って食塩水または株を腫瘍内に(IT)単独で、または抗PD1(I.P)と組み合わせて投与した。血漿をさらなる分析のために収集した。図49は、1、4、および7日目のマウスの腫瘍体積を示す。結果は、腫瘍体積が、食塩水処置対照と比較して7日目に3つ全ての処置群(SYN1656、抗PD1、およびSYN1656+抗PD1)において減少することを示している;腫瘍サイズは、SYN1656および抗PD1処置群において最小であり、次いでSYN1656単独および抗PD1単独であり、2つの処置の間に相乗効果が存在しうることを示しており、単剤としてのおよびaPD−1との組合せにおけるアデノシン消費株の抗腫瘍活性を示唆している。腫瘍体積は、SYN1656および抗PD1によって処置した動物では食塩水単独より有意に低かった(p=0.01)。SYN1656および抗PD1によって処置した動物の腫瘍体積もまた、抗PD1単独によって処置した動物より有意に低かった。
他の試験では、動物がおよそ2000mm3の腫瘍サイズに達するまで、本試験を、10、15、および18日目での投与および分析を含めるように延長した。
(実施例7)
適応実験室進化(ALE)
先ず、trpEノックアウトを含む株であって、構成的プロモーターにより駆動されるPseudomonas fluorescens KYNアーゼの発現のための構築物を組み込んだ株を、WO2017/123675として公開された、2017年1月11日に出願された国際特許出願PCT/US2017/013072、および2018年1月5日に出願された国際特許出願PCT/US2018/012698(これらの参考特許文献の内容は、それら全体が参照により組み込まれる)に記載されているように生成した。KYNアーゼ構築物をHA3/4部位に組み込み、2つの異なるプロモーターを使用した;内因性のlpp遺伝子のプロモーターを親株SYN2027(HA3/4::Plpp−pKYNase KanR TrpE::CmR)に使用し、合成pSynJ23119を親株SYN2028(HA3/4::PSynJ23119−pKYNase KanR TrpE::CmR)に使用した。株を進化させ、その株がPseudomonas fluorescens KYNアーゼの染色体組み込みバージョンを含むことになるように、これらの株を生成した。これらの株をチェッカーボードアッセイ(例えば、PCT/US2017/013072に記載される)において、それらのプラスミドに基づくPtet相対物と類似のALEパラメータを有することを確証した。ALE実験に使用するためのキヌレニン(KYN)およびToxTrp濃度の下限を、PCT/US2017/013072に記載されるチェッカーボードアッセイを使用して確立し、下限濃度は、中コピー数プラスミドからのtet誘導性KYNアーゼを発現する株に関して観察された濃度に対応した。
親株SYN2027およびSYN2028に由来する変異体を、以下のように、KYNの漸減濃度および異なる3つのToxTrp濃度で継代することによって進化させた。
ALE親株を、プレートにおいてグルコースおよびL−キヌレニンを補充したM9最少培地(M9+KYN)中で培養した。各親からの単一コロニーを選択し、滅菌リン酸緩衝食塩水溶液20μLに再懸濁させた。次に、このコロニーを使用してM9+KYNの2つの培養物に接種し、後期対数期へと成長させ、600nmでの吸光度を決定した。次に、これらの培養物を、M9+KYNU 1mLを有する96ウェル深型プレートの3つの行で103に希釈した。3つの列の各1つは、異なるToxTrp濃度(2倍増加)を有し、各行は、漸減濃度のKYN(2分の1づつ)を有した。12時間ごとに、培養物のOD600がほぼ0.1となるまで成長したウェルからの30μLを使用してプレートを逆希釈した。このプロセスを5日間繰り返した後、ToxTrp濃度は、選択圧を維持するために倍加させた。2週間後、増殖速度の増加は検出されず、培養物をM9+KYNに播種した。培養は全て37℃、350RPMで振とうさせながら実施した。個々のコロニーを、M9+KYN+ToxTrp培地中で選択およびスクリーニングして、増加した成長速度表現型を確認した。
各親株(SYN20207−R1、SYN2027−R2、SYN2028−R1、およびSYN2028−R2)の2つのレプリケートを選択し、キヌレニン産生に関してアッセイした。
簡単に説明すると、一晩培養物をLB 400mL中で1:100に希釈し、4時間成長させた。次に、培養物2mLを遠心沈降させ、M9緩衝液2mLに再懸濁させた。培養物のOD600を測定した(PBS中で1/100希釈)。OD約0.8(約1E8)の開始細胞数を目標とする3mlアッセイのために必要な細胞培養物の量を遠心沈降させた。細胞ペレットを、培養管中でアッセイ体積(3ml)のM9+0.5%グルコース+75μM KYN中に再懸濁させた。各時点(t=0、2、および3時間)で220μlを3連で円錐形の96WPに採取し、4μlを各時点でcfu測定のために除去した。各時点で、試料を円錐底の96WP中、3000gで5分間遠心沈降させ、各ウェルからの200μlを透明な平底96WPに移した。キヌレニンの検量線およびブランク試料を、同じプレートで調製した。次に、30%トリクロロ酢酸(体積/体積)40ulを各ウェルに添加し、ピペットを上下させることによって混合した。プレートをアルミニウムホイルで密閉し、60Cで15分間インキュベートした。プレートを4C、11500rpmで15分間遠心沈降させ、各ウェルから125μlをアリコートにし、別の96WPにおいて氷酢酸中の2%エールリッヒ試薬125μlと混合した。試料を、ピペットを上下させることによって混合し、OD480での吸光度を測定した。成長速度を、親株SYN2027およびSYN2028、ならびに対応する進化株に関して図51に示す。
(実施例8)
キヌレニン消費株はCT26マウス腫瘍モデルにおいて腫瘍性キヌレニンレベルを減少させる
Pseudomonas fluorescensからのキヌレニナーゼを含む遺伝子操作された細菌がin vivoの腫瘍環境でキヌレニンを消費する能力をアセスメントした。SYN1704、すなわちTrp:Eに欠失を含み、構成的プロモーターの制御下でPseudomonas fluorescensからのキヌレニナーゼを発現する中コピー数プラスミドを含むE.coli Nissle株(NissleΔTrpE::CmR+Pconstitutive−Pseudomonas KYNU KanR)を第1の試験(試験1)に使用した。
第2の試験(試験2)では、SYN2028、すなわちTrp:Eに欠失を含み、構成的プロモーターの制御下でPseudomonas fluorescensからのキヌレニナーゼを発現する組み込まれた構築物を含むE.coli Nissle株(Nissle HA3/4::PSynJ23119−pKYNase KanR TrpE::CmR)の活性をアセスメントした。
両方の試験において、ATCCから得たCT26細胞を、提供されたガイドラインに従って培養した。PBS中のおよそ1e6個細胞/マウスを各動物(BalbC/J(雌性、8週齢))の右脇腹に皮下移植し、腫瘍の成長をおよそ10日間モニタリングした。腫瘍が約100〜150mm3に達すると、動物を投与のための群に無作為化した。
腫瘍内注射の場合、細菌を、600nmでの吸光度(A600 nm)が0.4(2×108コロニー形成単位(CFU)/mLに対応する)に達するまでLBブロス中で成長させ、PBS中で2回洗浄した。100マイクロLを、腫瘍を有するマウスの腫瘍内に適切な用量で注射することができるように、懸濁液をPBSまたは食塩水中で希釈した。
試験1:CT26移植の約10日後、細菌をPBS 0.1mlに懸濁させて、マウスに以下のように100μlを腫瘍内に注射した(5e6個細胞/マウス):群1−ビヒクル対照(n=8)、群2−SYN94(n=8)、および群3−SYN1704(n=8)。2日目から試験終了まで、動物に、ビヒクル対照または細菌5e6個細胞/マウスの100μlを隔週で腫瘍内に投与した。動物の体重を測定し、腫瘍体積を週に2回測定した。腫瘍が約2000mm3に達すると動物を安楽死させ、キヌレニン濃度を、本明細書に記載されるようにLC/MSによって測定した。結果を図52Aに示す。腫瘍内濃度の有意な低減が、キヌレニン消費株SYN1704および野生型E.coli Nissleに関して観察された。腫瘍内キヌレニンレベルは、野生型Nissleと比較してSYN1704において低減されたが、その差は、1つの外れ値のために有意性に達しなかった。
試験2:CT26移植のおよそ10日後、細菌を、食塩水0.1mlに懸濁させて、マウスの腫瘍内に細菌懸濁液(1e8個細胞/マウス)を以下のように注射した:群1−ビヒクル対照(n=10)、群2−SYN94(n=10)、群3−SYN2028(n=10)。群5(n=10)には、対照としてINCB024360(IDOインヒビター)を、1日2回強制経口投与した。2日目から試験終了まで、動物にビヒクル対照または細菌1e8個細胞/マウス100μlを隔週で腫瘍内に投与した。動物の体重を測定し、腫瘍体積を週に2回測定した。群5には、対照としてINCB024360を試験終了まで1日2回強制経口投与した。腫瘍が約2000mm3に達すると動物を安楽死させた。腫瘍の断片を、予め重量を測定したビードバスター(bead−buster)管に入れ、分析のために氷中で保存した。キヌレニン濃度を本明細書に記載されるようにLC/MSによって測定した。結果を図52Bに示す。腫瘍内濃度の有意な低減が、野生型Nissleまたは野生型対照と比較してキヌレニン消費株SYN2028に関して観察された。SYN2028において観察された腫瘍内キヌレニンレベルは、IDOインヒビターINCB024360に関して観察されたレベルと類似であった。
(実施例9)
染色体挿入およびプラスミドを有する操作された細菌株のin vitro有効性の比較
malEK座でfnr誘導性プロモーターによって駆動されるArgAfbrの染色体挿入を有する操作された細菌株と、fnr誘導性プロモーターによって駆動されるArgAfbrを含む低コピー数プラスミドを有する株との間のin vitro有効性を比較するために、培地中のアルギニンレベルを嫌気的誘導後の様々な時点で測定した。さらに、チミジンに関する栄養要求性が、アルギニン産生効率に対して影響を及ぼしうるか否かをアセスメントするために、ThyA欠失を有するまたは有しない、低コピー数プラスミドにおいてfnr−ArgAfbrを含むか、または染色体に組み込まれた、操作された細菌株のアルギニン産生を比較した。
一晩培養物をLB中で1:100に希釈し、振とう(250rpm)させながら37℃で成長させた。1.5時間成長させた後、細菌培養物を以下のように誘導した:(1)FNR誘導性argAfbrを含む細菌を、37℃のCoy嫌気的チャンバー(90%N2、5%CO2、5%H2、および20mM硝酸塩を供給する)中での嫌気的条件で、LB中37℃で4時間誘導した;(2)テトラサイクリン誘導性argAfbrを含む細菌を、アンヒドロテトラサイクリン(100ng/mL)によって誘導した。誘導後、細菌をインキュベータから取り出し、最高速度で5分間遠心沈降させた。細胞をM9グルコース1mLに再懸濁させ、OD600を測定した。OD600が0.6〜0.8の間になるまで細胞を希釈した。M9グルコース培地中に再懸濁させた細胞を、37Cで振とうさせながら好気的に成長させた。細胞懸濁液100μLを採取し、時間=0でのOD600を測定する。100μLアリコートを、質量分析(LC−MS/MS)のために丸底96ウェルプレートにおいて−20℃で凍結した。その後の各時点(例えば、30、60、および120分)で、細胞懸濁液100μLを除去し、OD600を測定した;100μLアリコートを、質量分析のために丸底96ウェルプレートにおいて−20Cで凍結した。試料を、アルギニン濃度に関して分析した。各時点で、質量分析によって決定した正規化濃度対OD600を使用して、単位時間あたり細胞あたりのアルギニン産生速度を決定した。LC−MS/MS法の要約を上記に提供する。
30、60、および120分間の誘導後のアルギニン産生を、(1)Syn−UCD301(SYN−UCD304;malEK座で染色体に組み込まれたFNR誘導性プロモーターの制御下で発現されたΔArgRおよびargAfbrを含む)、(2)SYN−UCD205(低コピー数プラスミドにおいてFNR誘導プロモーターの制御下で発現されたΔArgRおよびargAfbrを含む)、および(3)SYN−UCD206(低コピー数プラスミドにおいてFNR誘導プロモーターの制御下で発現されたΔArgRおよびΔThyAおよびargAfbrを含む)の間で比較した。SYN−UCD103を対照Nissle構築物として使用し、結果を示す。
本明細書において、0、30、60、および120分で測定したSYN−UCD205、SYN−UCD206、およびSYN−UCD301のアルギニン産生レベルを示す。アルギニン産生は、3つ全ての株の間で同等であり、最大のアルギニン産生は、SYN−UCD301に関して120分で得られ、このことはFNR ArgA fbrの染色体組み込みによって、同じ構築物を発現する低コピー数プラスミド株について認められるものと類似のレベルのアルギニン産生が得られ、アルギニン産生速度をさらにわずかに増加させうることを示している。SYN−UCD206は、SYN−UCD205およびSYN−UCD−301(60分でより低いアルギニンレベル)と比較して減弱されたアルギニン産生を示したが、120分では同等のアルギニン産生レベルに達し、ΔThyAがアルギニン産生に対してわずかに減弱作用を有しうることを示している。SYN−UCD103対照ではアルギニン産生は検出されなかった。
次に、試料を上記のように調製し、誘導後120分でのアルギニン産生を、(1)SYN−UCD204(低コピー数プラスミドにおいてテトラサイクリン誘導性プロモーターの制御下で発現されたΔArgRおよびargAfbrを含む)、および(2)SYN−UCD301(malEK座で染色体に組み込まれたFNR誘導性プロモーターの制御下で発現されたΔArgR、CmR、およびargAfbrを含む)、(3)SYN−UCD302(malEK座で染色体に組み込まれたFNR誘導性プロモーターの制御下で発現されたΔArgR、ΔThyA、CmR(クロラムフェニコール抵抗性)およびargAfbrを含む)、および(4)SYN−UCD303(malEK座で染色体に組み込まれたFNR誘導性プロモーターの制御下で発現されたΔArgR、ΔThyA、KanR(カナマイシン抵抗性)およびargAfbrを含む)の間で比較した。
ΔArgRおよびΔThyAを含むSYN−UCD106を、対照のNissle構築物として使用した。結果を図42Bに示す。図42Bにおいて認められるように、アルギニン産生は、0.7〜0.9μmol/1×109個細胞の間まで上昇し、アルギニン産生が、プラスミドにおいてArgAfbrを有する株およびArgAfbrの組み込まれたコピーを有する株において類似のレベルであることを示している。
(実施例10)
染色体挿入およびプラスミドを有する操作された細菌株のin vitro有効性の比較
malEK座でfnr誘導性プロモーターによって駆動されるArgAfbrの染色体挿入を有し、ΔArgRおよびThyA欠失を有し、抗生物質耐性を有しない操作された細菌株におけるin vitro有効性(アンモニアからのアルギニン産生)をアセスメントした(SYN−UCD303)。
一晩培養物をLB中で1:100に希釈し、振とう(250rpm)させながら37℃で成長させた。1.5時間成長させた後、細菌培養物を、37℃のCoy嫌気的チャンバー(90%N2、5%CO2、5%H2、および20mM硝酸塩を供給する)中での嫌気的条件で、LB中37℃で4時間誘導した。誘導後、細菌をインキュベータから取り出し、最高速度で5分間遠心沈降させた。細胞をM9グルコース1mLに再懸濁させ、OD600を測定した。OD600が0.6〜0.8の間になるまで細胞を希釈した。M9グルコース培地中に再懸濁させた細胞を、37Cで振とうさせながら好気的に成長させた。細胞懸濁液100μLを除去し、時間=0でのOD600を測定した。100μLアリコートを、質量分析(LC−MS/MS)のために丸底96ウェルプレートにおいて−20℃で凍結した。その後の各時点(例えば、20、40、60、80、100、および120分)で、細胞懸濁液100μLを除去し、OD600を測定した;100μLアリコートを、質量分析のために丸底96ウェルプレートにおいて−20Cで凍結した。試料を、アルギニン濃度に関して分析した。各時点で、質量分析によって決定した正規化濃度対OD600を使用して、単位時間あたり細胞あたりのアルギニン産生速度を決定した。LC−MS/MS法の要約を本明細書に提供する。結果を図43に示す。
(実施例11)
サイトカイン分泌のための構築物および細菌の生成
免疫モジュレーションポリペプチド、例えばサイトカイン、例えばhIL−12、mIL−12、hIL−15、GMCSF、TNFα、IFN−ガンマ、CXCL9、およびCXCL10を分泌することができる株を産生するために、異なる分泌戦略を用いるいくつかの構築物を設計した。様々なサイトカイン構築物を合成し、E.coliの形質転換のためにベクターpBR322にクローニングした。一部の実施形態では、エフェクター分子をコードする構築物をゲノムに組み込む。一部の実施形態では、エフェクター分子をコードする構築物は、プラスミド、例えば中コピー数プラスミドに存在する。
(実施例12)
MC38モデルにおける抗PD−1および抗CTLA−4の全身投与と組み合わせたキヌレニン消費株の活性
キヌレニン消費株SYN2028が、抗CTLA4と抗PD−1との組合せの抗腫瘍応答を増強する能力を、C57BL/6−MC38同系腫瘍モデルにおいてアセスメントした。
試験において使用する細胞を産生するために、一晩培養物を使用して、抗生物質と共にLB培地500mLに接種した。株を、培養物が、対数期終期(OD600=0.8〜1.0)に達するまで振とうさせながら37Cでインキュベートした。収集するために、細胞を5000rpmで20分間遠心沈降させ、培地を吸引し、細胞をPBSによって洗浄し、15%グリセロールおよびPBS中に再懸濁させ、アリコートにして−80Cで凍結した。細胞は、連続プレーティング(plating)によって濃度を試験した。
表16における試験デザインに従って、マウスにMC38腫瘍を移植し、マウスにキヌレニン消費細菌を腫瘍内注射し、抗CTLA−4および抗PD−1抗体を腹腔内に注射した。MC38細胞(1×105個/マウス/100μL)を−9日目に各動物の右脇腹にSC移植した。腫瘍の成長をモニタリングした;腫瘍が1日目に約50〜80mm3に達すると、マウスを表16に示す処置群に無作為化した。
2回の測定の間を1〜2日空けて週に3回、腫瘍体積および体重を記録した。
図58A、58B、58C、および58Eの結果は、キヌレニン消費株が、MC38モデルにおいて抗CTLA−4/抗PD−1抗体媒介抗腫瘍活性を改善する能力を有することを示す。具体的には、抗PD−1/抗CTLA−4群では、マウスの25%が処置に応答した;抗PD−1/抗CTLA−4+SYN94群では同じ応答率が観察された。抗PD−1/抗CTLA−4+SYN2028群では、マウスの71%が応答した。
(実施例13)
骨髄非破壊性化学療法と組み合わせたアルギニン産生体およびキヌレニン消費体の活性
アルギニン産生体(SYN828)およびキヌレニン消費体(SYN2028)の活性を、CT26腫瘍モデルにおいてシクロホスファミド処置と組み合わせてアセスメントした。
試験のための細胞を産生するために、一晩培養物を使用して、抗生物質と共にLB培地500mLに接種した。株を、培養物が、対数期終期(OD600=0.8〜1.0)に達するまで振とうさせながら37Cでインキュベートした。収集するために、細胞を5000rpmで20分間遠心沈降させ、培地を吸引し、細胞をPBSによって洗浄し、15%グリセロールおよびPBS中に再懸濁させ、アリコートにして−80Cで凍結した。細胞は、連続プレーティング(plating)によって濃度を試験した。
以下および図44Aに記載のタイムラインに従って、マウスにCT26腫瘍を移植し、マウスにアルギニン産生細菌(SYN828)およびキヌレニン消費細菌(SYN2028)ならびに対照を、100mg/kgシクロホスファミド(CP)と組み合わせて腫瘍内に注射した。
簡単に説明すると、CT26細胞(PBS中に1e6個細胞/マウス)を−9日目に各動物の右脇腹にSC移植した。腫瘍の成長を、腫瘍が約50〜80mm3に達するまでモニタリングした。0日目に、マウスを100mg/kg(100μL/マウス)シクロホスファミドのI.P.によって前処置し、群に無作為化した。処置の1日目に、マウスにSYN94(WT、1e8 CFU/mL)(I.T.)、SYN2028(Kyn、1e8 CFU/mL)、またはSYN825(Arg、1e8 CFU/mL)(I.T.)のいずれかの100μLを投与した。4、8、11、および15日目に動物の体重を測定し、腫瘍を測定し、マウスに適切な処置/群を投与した。個々のマウスの腫瘍体積を、図44B、44C、44D、44E、および44Fに示し、シクロホスファミドと組み合わせたキヌレニン消費株およびアルギニン産生株の抗腫瘍活性をシクロホスファミド単独と比較して示す。
(実施例14)
LC−MS/MSによる細菌細胞ペレットおよび腫瘍組織ホモジネートにおける環状ジAMPの定量
試料の調製
標準物質を生成するために、10mg/mL環状ジAMPを1.5mL微量遠心管において調製し、250、100、20、4、0.8、0.16、0.032μg/mL溶液を水中で調製した。QC溶液は、200、20、および2μg/mLレベルで調製した。
試料調製:In vitro試料に関して、細菌ペレットを、2:1 アセトニトリル:水100μLを添加することによって抽出し、ボルテックスし、遠心分離した。上清20μLを新しい96ウェルプレートに移し、0.1%ギ酸180μLを添加することによって10倍希釈した。In vivo試料の場合、組織ホモジネートは、2:1 アセトニトリル:水90μLを腫瘍ホモジネート10μLに添加することによって抽出した。試料をボルテックスし、遠心分離した。上清20μLを新しい96ウェルプレートに移し、0.1%ギ酸180μLを添加することによって10倍希釈した。プレートをClearASealシートによって熱密封し、十分に混合した。
LC−MS/MS法
検体を、Thermo TSQ Quantum Maxトリプル四重極質量分析計を使用してタンデム質量分析にカップリングした液体クロマトグラフィー(LC−MS/MS)によって測定した。表17〜表19は、LC−MS/MS法の要約を提供する。
データ解析のために、SRMクロマトグラムを組み込み、標準物質のピーク面積を濃度に対してプロットした。線形の曲線をフィットさせ、未知物質の濃度を、そのピーク面積および検量線の式の勾配切片を使用して計算した。
(実施例15)
E.coli Nissle細胞表面上の抗mPD1−scFvの提示
Nissle細胞表面上に抗mPD1−scFvを提示することができる遺伝子操作された細菌を生成するために、表20に示すように本明細書に記載される方法に従って構築物を生成した。配列は、配列番号987〜989である。提示アンカーポリペプチドは配列番号990〜992を含む。
一部の実施形態では、提示アンカーは、配列番号990、配列番号991、および/または配列番号992の配列と少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約99%相同である。
tet誘導性ptet−LppOmpA−抗PD1−scFvを含むプラスミドに基づく構築物を含むE.coli Nissleを、LB培地中で一晩成長させた。培養物をLB中で1:100に希釈し、振とう(200rpm)させながら吸光度が0.8となるまで成長させ、その時点で培養物を室温に冷却し、無水テトラサイクリン(anhydrous tetracycline)(ATC)を培養物に100ng/mLの濃度で培養物に添加し、ptet−LppOmpA−J43−scFvの発現を18時間誘導した。
一本鎖抗体が遺伝子操作されたE.coli Nissleの表面上に提示されるか否か、およびPD1に機能的に結合するか否かを決定するために、全細胞ELISAアッセイを実施した。細胞10
9個を、2%BSAを含むPBSを使用して室温で1時間遮断し、ビオチン化−mPD1を添加し、室温で1時間インキュベートした。その後、細胞をPBST(PBS/0.1%Tween−20)によって3回洗浄し、ブロッキング溶液中のストレプトアビジンコンジュゲートHRPと共に40分間インキュベートした。インキュベーション後、ウェルをPBSTによって3回洗浄し、PBS中に再懸濁させた後、3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン(TMB)基質キットを使用し、製造元の説明書(Thermofisher)に従って染色した。ビオチン化IgGおよび無添加のPBSを陰性対照としてmPD1の代わりに使用した。細胞を遠心分離によって除去し、上清を収集した。上清のシグナル強度を、ELISAリーダーを使用して450nmで測定した。結果(データは利用できない)は、J43−scFv(抗mPD1)が、遺伝子操作された細菌の表面上に提示され、mPD1に結合することができることを示している(表21)。
(実施例16)
E.coliにおけるα−PD1−scFv発現
機能的scFvをE coliにおいて発現させることができるか否かを決定するために、抗PD1−scFv断片を、マウスPD−1と反応するJ43モノクローナル抗体に基づいて生成した。
マウスモノクローナル抗体J43配列を、特許EP第1445264A1から得た。次に、一本鎖可変断片(scFv)を設計した。tetプロモーター、リボソーム結合部位、設計したJ43−scFv、C末端V5タグおよびC末端ヘキサヒスチジンタグ(配列番号1252)を含む断片を、IDTDNAにより合成した。構築物を、pCR(商標)−Blunt II−TOPO(登録商標)ベクター(Invitrogen)にクローニングし、本明細書に記載されるようにE.coli DH5αに形質転換し、プラスミドpUC−ptet−J43scFv−V5−HIS(配列番号976〜980)を生成した。
tet誘導性J43−抗PD1−scFv−V5を含むE.coliまたは野生型対照をLB培地中で一晩成長させた。培養物をLB中で1:40に希釈し、振とう(250rpm)させながら吸光度が0.8となるまで成長させ、その時点で無水テトラサイクリン(ATC)を培養物に100ng/mLの濃度で添加し、J43−抗PD1−scFv−V5の発現を誘導した。同量のテトラサイクリンを野生型対照培養物に添加した。4時間誘導後、細菌をペレットにし、PBS中で洗浄して収集し、超音波緩衝液(PBS)2mLに再懸濁させ、氷上で超音波によって溶解した。不溶性のデブリを、12,000rpm、4℃で15分間、2回遠心沈降させた。
タンパク質濃度をBCAタンパク質アッセイによって決定し、野生型およびPtet−J43−抗PD1−scFV−V5を含む株から単離した抽出物をウェスタンブロットによって分析した。タンパク質をPVDF膜に転写し、J43−抗PD1−scFvを、HRPコンジュゲート抗V5抗体(Biolegend)によって検出した。レーン2(J43−抗PD1−scFv−V5株からの抽出物)において単一のバンドが27kDaで検出された。レーン1(野生型抽出物)ではバンドは検出されなかった。
E.coli DH5αから精製した一本鎖抗体が標的タンパク質PD1に機能的に結合するか否かを決定するために、ELISAアッセイを実施した。プレートに、2μg/mL PD1(Rndsystems)を100μL/ウェル、4℃で一晩吸収させた。ウェルを、PBS/0.1%Tween−20中の2%BSAによって室温で2時間遮断した。3回洗浄後、ウェルを細菌抽出物(J43−scFv−V5または野生型陰性対照)と共に室温で1時間インキュベートした。ウェルをPBST(PBS/0.1%Tween−20)によって4回洗浄し、ブロッキング溶液中のHRPコンジュゲート抗V5抗体(Biolegend)と共に40分間インキュベートした。インキュベーション後、ウェルをPBSTによって4回洗浄した後、3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン(TMB)を使用して染色した。シグナル強度を、ELISAリーダーを使用して450nmで測定した。結果を表22に示し、遺伝子操作された細菌によって発現された抗体がPD1に特異的に結合することができることを示している。
次に、組換えJ43−抗scFv−V5を、C末端ポリヒスチジンタグを回収するpET22bベクターを使用して発現させ、固定した金属イオンアフィニティクロマトグラフィーを使用して精製した。タンパク質濃度を280nmでの吸光度によって決定し、純度をクーマシーゲルによって確認した(データは示していない)。
E.coliにおいて発現された抗PD1−scFvが、マウスEL4細胞上の表面PD1に結合するか否かを決定するために、EL4細胞を使用してフローサイトメトリー分析を実施した。EL4は、その細胞表面上にPD1を発現するマウスリンパ腫細胞系である。
EL4細胞を、10%FBSを含むダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)において成長させた。細胞を遠心沈降させ、上清を吸引し、ペレットをD−PBS 1mlに再懸濁させ、冷却したアッセイ管に移し(1×106個細胞)、0.5%BSAを含むD−PBS中で2〜3回洗浄した。細胞を、0.5%BSAを含むPBSに再懸濁させ、これに精製scFv−V5および抗V5−FITC抗体を添加し、室温で1時間インキュベートした。陰性対照はscFv−V5を除外した。細胞をPBS 0.5mlに再懸濁させ、フローサイトメーターにおいて分析した。結果を図62に示す。EL4単独およびEL4+二次抗体のみの試料と比較して、精製抗PD1−scFv−V5および抗V5−FITCの両方が存在した場合に限り、集団のシフトが観察される(異なる2つのバッチを示す)。
(実施例17)
抗mPD1−scFvの分泌
抗mPD1−scFvの分泌のために本明細書に記載される方法に従って生成した株を表24に示す。
tet誘導性J43−抗scFv−V5をPhoA、OmpF、もしくはPelB分泌タグと共に含むプラスミドに基づく構築物(配列番号981〜986を参照)を含むE.coli Nissleまたは野生型対照をLB培地中で一晩成長させた。培養物をLB中で1:100に希釈し、振とう(200rpm)させながら吸光度が0.8となるまで成長させ、その時点で培養物を室温に冷却し、無水テトラサイクリン(ATC)を培養物に100ng/mLの濃度で添加し、PhoA−、OmpF−、またはPelB−J43−抗scFv−V5の発現を誘導した。野生型Nissle培養物にはテトラサイクリンを添加しなかった。室温で18時間誘導後、細菌をペレットにし、上清を収集して氷上に置いた。
培地および細胞溶解物中のタンパク質濃度をBCAタンパク質アッセイによって決定し、野生型およびPtet−J43−抗scFv−V5を含む株から単離した抽出物および培地をウェスタンブロットによって解析した。タンパク質をPVDF膜に転写し、J43−抗scFvを、HRPコンジュゲート抗V5抗体(Biolegend)によって検出した。結果を図63に示す。レーン1〜6においてSYN2767、SYN2769、SYN2771、SYN2773、SYN2775、およびSYN2777からの抽出物にそれぞれ対応する単一のバンドが34kDa付近に検出された。
E.coli Nissleにおける分泌されたJ43−抗scFvが、マウス細胞上のPD1に結合するか否かを決定するために、フローサイトメトリー分析を、EL4細胞を使用して実施した。EL4は、その細胞表面上にPD1を発現するマウスリンパ腫細胞系である。
EL4細胞を、10%FBSおよび1%ペニシリン−ストレプトマイシンを含むダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)中で成長させた。細胞を遠心沈降させ、上清を吸引し、ペレットをD−PBS 1ml中に再懸濁させ、冷アッセイ管(1×106個)に移し、D−PBS中で3回洗浄した。細胞を、0.5%BSAを含むD−PBS中に再懸濁させ、これに精製scFv−V5および抗V5−FITC抗体を添加し、室温で1時間インキュベートした。陰性対照は、分泌されたJ43−scFv−V5を除外した。次いで細胞をPBS 0.5ml中に再懸濁させ、フローサイトメーターで分析した。結果を(図64)に示す。EL4単独およびEL4+二次抗体のみによる試料と比較して、分泌された抗PD1−scFv−V5(一次抗体)および抗V5−FITC(二次抗体)の両方が存在する場合に限って集団シフトが観察された。類似の試験を、分泌されたscFvの異なる量(0、2、5、および15μL)について実施し、EL4細胞の用量依存的染色を観察した(図65)。
次に、PDL1が、遺伝子操作された細菌によって分泌された抗PD1−scFvのマウスPD1に対する結合を阻害するか否かを決定するために競合アッセイを実施した。EL4細胞を成長させ、フローサイトメトリープロトコールを、分泌された抗PD1−scFv−V5のインキュベーションの間にPDL1を様々な濃度(0、5、10、および30μg/mL)で添加したことを除き、本質的に上記の通りに実施した。ラット−IgGを、分泌されたscFvの陰性対照として使用した。結果を図66Aおよび図66Bに示す。PDL1は、分泌された抗mPD1−scFvの、EL4細胞表面上のmPD1に対する結合に対して用量依存的に競合した。ラット−IgGタンパク質の陰性対照は、類似の用量依存的な結合競合を示さなかった。
(実施例18)
サイトカイン分泌(IL−15)
操作された細菌によって発現されたhIL−15が分泌されるか否かを決定するために、hIL−15分泌構築物/株を含む操作された株からの細菌上清中のhIL−15濃度を測定した。株は、Lpp(lpp::Cm)、nlpI(nlpI::Cm)、tolA(tolA::Cm)、またはPAL(PAL::Cm)のいずれかの欠失を含む。全ての株は、PhoA分泌タグと共にhIL−15を発現するプラスミドをさらに含む。
E.coli Nissle株をLB培地中で一晩成長させた。培養物をLB中で1:200に希釈し、振とう(200rpm)させながら2時間成長させた。培養物を、吸光度が0.5となるまで希釈し、その時点で無水テトラサイクリン(ATC)を培養物に100ng/mLの濃度で添加して、hIL−15の発現を誘導した。12時間誘導後、細胞を遠心沈降させ、上清を収集した。無細胞培地を生成するために、清澄な上清を、0.22ミクロンフィルターを通してさらに濾過し、いかなる残留細菌も除去し、氷上に置いた。さらに、細胞内組換えタンパク質産生を検出するために、ペレットにした細菌を洗浄し、プロテアーゼインヒビターおよびReady−Lyseリゾチーム溶液(Epicenter)を含むBugBuster(商標)(Millipore)中に再懸濁させ、当初の培養条件と比較して10倍濃縮された溶解物を得た。室温で10分間インキュベーション後、不溶性のデブリを12,000rcf、4℃で20分間遠心沈降させた後、さらに処理するまで氷上に置いた。
無細胞培地および細菌細胞抽出物中のhIL−15の濃度を、hIL−15 ELISA(RnD Systems、Minneapolis、MN)によって製造元の説明書に従って測定した。試料を全て3連で実施し、検量線を使用して分泌されたhIL−15レベルを計算した。検量線は、組換えhIL−15を使用して生成した。野生型NissleをELISAに陰性対照として含め、シグナルは観察されなかった。表24は、それぞれの上清中で測定したhIL−15のレベルを要約する。データは、hIL−15が、異なる細菌株から様々なレベルで分泌されることを示している。
(実施例19)
サイトカイン分泌(GMCSF)
操作された細菌によって発現されるhGMCSFが分泌されるか否かを決定するために、hGMCSF分泌構築物/株を含む操作された株からの細菌上清中のhGMCSFの濃度を測定した。株は、Lpp(lpp::Cm)、nlpI(nlpI::Cm)、tolA(tolA::Cm)、またはPAL(PAL::Cm)のいずれかの欠失を含む。株は全て、PhoA分泌タグと共にhGMCSFを発現するプラスミドをさらに含む。
E.coli Nissle株を、IL−15に関する上記の実施例に記載したとおりに成長、誘導および処理した。
無細胞培地中および細菌細胞抽出物中のhGMCSFの濃度を、hGMCSF ELISA(RnD Systems、Minneapolis、MN)によって、製造元の説明書に従って測定した。全ての試料を3連で実行し、検量線を使用して分泌されたhGMCSFレベルを計算した。検量線は組換えhGMCSFを使用して生成した。野生型NissleをELISAに陰性対照として含め、シグナルは観察されなかった。表25は、それぞれの上清中で測定されたhGMCSFのレベルを要約する。データは、hGMCSFが、異なる細菌株から様々なレベルで分泌されることを示している。
(実施例20)
サイトカインの分泌(TNFa)
操作された細菌によって発現されたhTNFaが分泌されるか否かを決定するために、hTNFa分泌構築物/株を含む操作された株からの細菌上清中のhTNFaの濃度を測定した。株は、Lpp(lpp::Cm)、nlpI(nlpI::Cm)、tolA(tolA::Cm)、またはPAL(PAL::Cm)のいずれかの欠失を含む。全ての株は、PhoA分泌タグと共にhTNFaを発現するプラスミドをさらに含む。
E.coli Nissle株を、IL−15に関する上記の実施例に記載したとおりに成長、誘導および処理した。
無細胞培地中および細菌細胞抽出物中のhTNFaの濃度を、hTNFa ELISA(RnD Systems、Minneapolis、MN)によって、製造元の説明書に従って測定した。全ての試料を3連で実行し、検量線を使用して分泌されたhTNFaレベルを計算した。検量線は組換えhTNFaを使用して生成した。野生型NissleをELISAに陰性対照として含め、シグナルは観察されなかった。表26は、それぞれの上清中で測定されたhTNFaのレベルを要約する。データは、hTNFaが、異なる細菌株から様々なレベルで分泌されることを示している。
(実施例21)
分泌されたTNFαの機能的アッセイ
次に、遺伝子操作された細菌から分泌されたTNFαが機能的であることを証明するために試験を実施した。TNFα媒介NF−カッパB活性化に基づいて細胞に基づくアッセイを用いた。TNFαのその受容体に対する結合により、IKKによるIkBアルファのリン酸化および分解をもたらす。TNFαの生物活性を、フローサイトメトリーを介してIkB分解の定量によって決定することができる。
簡単に説明すると、HeLa細胞を、SYN2304(PAL::Cm p15a TetR Ptet−phoA TNFaを含む)に由来するTNFa分泌上清によって10分間処置した。次に、細胞をパラホルムアルデヒドに基づく緩衝液中で固定した後、Triton X−100中で透過性にした。IkBa分解のモジュレーションをフローサイトメトリーによって決定し、結果を図37に示す。
図37に認められるように、SYN2304はrhTNFaの生物活性に近づく生物活性を示し、SYN1557処置によって、細菌上清のオフターゲット成分からの交絡因子(すなわち、LPS)を示さない、測定可能なシグナルはもたらさなかった。
(実施例22)
サイトカイン分泌(hIFNg)
操作された細菌によって発現されるhIFNgが分泌されるか否かを決定するために、hIFNa分泌構築物/株を含む操作された株からの細菌上清中のhIFNgの濃度を測定した。株は、Lpp(lpp::Cm)、nlpI(nlpI::Cm)、tolA(tolA::Cm)、またはPAL(PAL::Cm)のいずれかの欠失を含む。全ての株は、PhoA分泌タグと共にhIFNgを発現するプラスミドをさらに含む。
E.coli Nissle株を、IL−15に関する上記の実施例に記載したとおりに成長、誘導および処理した。
無細胞培地中および細菌細胞抽出物中のhIFNgの濃度を、hIFNg ELISA(RnD Systems、Minneapolis、MN)によって、製造元の説明書に従って測定した。全ての試料を3連で実行し、検量線を使用して分泌されたhIFNgレベルを計算した。検量線は組換えhIFNgを使用して生成した。野生型NissleをELISAに陰性対照として含め、シグナルは観察されなかった。表27は、それぞれの上清中で測定されたhIFNgのレベルを要約する。データは、hIFNgが、異なる細菌株から様々なレベルで分泌されることを示している。
表28は、各サイトカインに関して得られた分泌レベルの要約を提供し、観察された分泌レベルの差のいくつかを説明しうるサイトカインのいくつかの構造特徴を記載する。
(実施例23)
E.coliにおける抗CD47 scFvの発現
機能的な抗CD47−scFvを、E.coliにおいて発現させることができるか否かを決定するために、抗CD47−scFv断片を、ヒトCD47と反応するB6H12および5F9モノクローナル抗体に基づいて生成した。
モノクローナル抗体B6H12および5F9(抗ヒトCD47)配列を、公開された特許(US20130142786A1)から得た。次に、ヒトCD47を標的とする一本鎖可変断片(scFv)を設計した。tetプロモーター、リボソーム結合部位、設計された抗hCD47−scFv、C末端V5タグ、およびC末端ヘキサヒスチジンタグ(配列番号1252)を含む断片を、IDTDNAが合成した。構築物をpCR(商標)−Blunt II−TOPO(登録商標)ベクター(Invitrogen)にクローニングし、本明細書に記載されるようにE.coli DH5αに形質転換し、プラスミドpUC−ptet−B6H12抗hCD47scFv−V5−HIS(配列番号993)およびpUC−ptet−5F9抗hCD47scFv−V5−HIS(配列番号994)を生成した。
pUC−ptet−B6H12抗hCD47scFv−V5−HISまたはpUC−ptet−5F9抗hCD47scFv−V5−HISを含むE.coli DH5αを、LB培地中で一晩成長させた。培養物をLB中で1:100に希釈し、振とう(200rpm)させながら、吸光度が0.8となるまで成長させ、その時点で培養物を室温まで冷却し、無水テトラサイクリン(ATC)を培養物に100ng/mLの濃度で添加して、ptet−scFvの発現を18時間誘導した後、細菌をペレットにし、PBS中で洗浄して回収し、PBS緩衝液 2mL中に再懸濁させて、氷上で超音波によって溶解した。不溶性のデブリを12,000rpm、4℃で15分間、2回遠心沈降させる。
E.coli DH5αにおいて発現された抗CD47一本鎖抗体が、標的タンパク質に機能的に結合するか否かを決定するために、ELISAアッセイを実施した。プレートに、2μg/mL標的タンパク質(ヒトCD47、マウスCD47、IgG、およびPBS、Rndsystemsから)を100μL/ウェル、4℃で一晩吸収させた。ウェルをPBS/0.1% Tween−20中の2%BSAによって室温で2時間遮断した。3回洗浄後、ウェルを細菌抽出物と共に室温で1時間インキュベートした。ウェルをPBST(PBS/0.1% Tween−20)によって4回洗浄し、HRPコンジュゲート抗V5抗体(Biolegend)と共にブロッキング溶液中で40分間インキュベートした。インキュベーション後、ウェルをPBSTによって4回洗浄した後、3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン(TMB)を使用して染色した。シグナル強度を、ELISAリーダーを使用して450nmで測定した。結果を表29に示し、遺伝子操作された細菌によって発現された抗CD47−scFvが、ヒトCD47に特異的に結合することができることを示している。
(実施例24)
キヌレニン消費株はCT26マウス腫瘍モデルにおいて腫瘍性キヌレニンレベルを減少させる
Pseudomonas fluorescensからのキヌレニナーゼを含む遺伝子操作された細菌がin vivoの腫瘍環境でキヌレニンを消費する能力をアセスメントした。Trp:Eに欠失を含み、構成的プロモーターの制御下でPseudomonas
fluorescensからのキヌレニナーゼを発現する中コピー数プラスミドを含むSYN1704、E.coli Nissle株(NissleデルタTrpE::CmR+Pconstitutive−Pseudomonas KYNU KanR)を使用した。
両方の試験において、ATCCから得たCT26細胞を、提供されたガイドラインに従って培養した。PBS中のおよそ1e6個細胞/マウスを各動物(BalbC/J(雌性、8週齢))の右脇腹に皮下移植し、腫瘍の成長をおよそ10日間モニタリングした。腫瘍が約100〜150mm3に達すると、動物を投与のための群に無作為化した。
腫瘍内注射のために、細菌を、LBブロス中で600nmでの吸光度(A600nm)が0.4(2×108コロニー形成単位(CFU)/mLに対応する)となるまで成長させ、PBS中で2回洗浄した。懸濁液をPBSまたは食塩水で希釈して、100μLを、腫瘍を有するマウスに適切な用量で腫瘍内注射することができる。
CT26移植の約10日後、細菌をPBS 0.1mL中に懸濁させ、マウスに100μLを以下のように腫瘍内注射した(1e7個細胞/マウス):群1−食塩水対照(n=7)、群2−SYN1704(n=7)。動物に、それらの群分けに従って食塩水または株のいずれかを隔週(BIW)で腫瘍内に投与した。動物の体重を測定し、腫瘍体積を週に2回測定した。腫瘍が約2000mm3に達すると動物を安楽死させた。血漿および腫瘍組織を収集し、キヌレニンおよびトリプトファン濃度を本明細書に記載のようにLC/MSによって測定した。結果を図42Aおよび42Bに示す。キヌレニンの腫瘍内(P<0.001)および血漿中(P<0.005)濃度の有意な低減が、キヌレニン消費株SYN1704について観察された。トリプトファンレベルは一定のままであった(データは示していない)。
(実施例25)
CT26腫瘍モデルにおけるSYN94およびSYN1704による動態試験
CT26腫瘍におけるKYN消費株の1回投与が腫瘍KYNレベルおよび腫瘍重量に及ぼす効果をアセスメントした。CRLからの8週齢の雌性Balb/Cマウス(18〜25g)を、施設に少なくとも3日間順化させた。動物に通常の食餌および水を与えた。
−8日目に、CT26細胞(PBS中に約1e6個細胞/マウス)を各動物の右脇腹にSC移植した。腫瘍の成長を、腫瘍が約100〜150mm3に達するまで1週間モニタリングした。次いで、動物を秤量し、測定し、表30に従って処置群に無作為化した(1日目)。動物に、腫瘍内投与を介してSYN94またはSYN1704を適切な濃度で投与した。腫瘍内注射のために、SYN94細胞を3.0×10e11 CFU/mL保存液から1×10e8 CFU/mLの濃度に希釈し、SYN1704細胞を保存液から1×10e8 CFU/mLの濃度に希釈した。
動物を腫瘍の成長に関連する異常または過剰な疼痛の兆候に関して投与後毎日観察した。動物を1日目(T=0群;群1)、2日目(T=24時間;群2および5)、4日目(T=72時間;群3および6)、および8日目(T=168時間;群4および7)に犠牲にした。
各群に関して全血を適切なエンドポイントで心採血により収集した。得ることができる最大の血液をLiHep管(BD)に収集した。試料を氷上で維持した後、遠心分離機で遠心沈降させた(2000g、4Cで10分間)。次に、血漿を1.5mL Eppendorf管に移し、後に分析するまで−80Cで保存した。腫瘍試料を2つの部分に分割し、第1の部分を、再度秤量したビードバスター管において適切なエンドポイントで収集した。管中の組織の秤量後、さらなる分析のために−80Cで保存した。腫瘍の他の部分を切片作製および分析のために10%ホルマリン中で固定した。採血からの血漿試料をLCMSによって分析し、細胞に基づくアッセイを使用してサイトカイン分析を実施した。腫瘍試料を、キヌレニンレベルに関してLCMSによって分析した。結果を図54A〜54Cに示す。
(実施例26)
マウスCD40Lの分泌
CD40Lを分泌することができる遺伝子操作された細菌を生成するために、表89に示されるmCD40L1(47−260)およびmCD40L2(122−260)構築物を、本明細書に記載される方法に従って生成した。mCD40L1(47−260)およびmCD40L2(122−260)はそれぞれ、完全長のmCD40Lの細胞外部分およびmCD4Lの可溶性型に対応する。
ptet−PhoA−CD40L1(47−260)(SYN3366)およびtet−PhoA−CD40L2(112−260)(SYN3367)を含むプラスミドに基づくtet誘導性構築物を含むE.coli Nissleならびに親対照株SYN1557を、LB培地中で一晩成長させた。培養物をLB中で1:100に希釈し、振とう(200rpm)させながら吸光度が0.8となるまで成長させ、その時点で培養物を室温に冷却し、無水テトラサイクリン(ATC)を100ng/mLの濃度で培養物に添加し、mCD40L1およびmCD40L2の発現を誘導した。
18時間誘導後、細胞を遠心沈降させ、上清を収集した。無細胞培地を生成するために、清澄な上清を、0.22ミクロンフィルターを通してさらに濾過し、いかなる残留細菌も除去し、氷上に置いた。
次に、上清をウェスタンブロットによって解析した。上清25μLからのタンパク質を、PVDF膜に転写し、mCD40−L1およびmCD40L−2を、HRPコンジュゲート抗V5抗体(Biolegend)によって検出した。結果を図55に示す。mCD40L1およびmCD40L2に関してそれぞれ、32kDaおよび24kDa付近に単一のバンドが検出された。
清澄な上清中の捕捉された遺伝子操作されたE.coli Nissleによって分泌されたmCD40Lが、mCD40に機能的に結合することができるか否か、および/または抗mCD40L抗体によって検出されるか否かを決定するために、プレートをmCD40または抗mCD40L抗体によってコーティングすることによってELISAアッセイを実施した。結果を表32に示し、遺伝子操作された細菌によって分泌されたmCD40L1(47−260)およびmCD40L2(112−260)が、mCD40に結合することができることを示している。
(実施例27)
SIRPαおよびバリアントならびに抗CD47 scFvの分泌
抗SIRPAを分泌することができる遺伝子操作された細菌を生成するために、表33に示される構築物を本明細書に記載される方法に従って生成した。配列番号1094〜1104および配列番号1105〜1121を含む配列を示す。
E.coli Nissle株SYN1557、SYN2996、SYN3159、SYN3160、SYN3021、SYN3020、およびSYN3161をLB培地中で一晩成長させた。培養物をLB中で1:100に希釈し、振とう(200rpm)させながら吸光度が0.8となるまで成長させ、その時点で培養物を室温に冷却し、無水テトラサイクリン(ATC)を100ng/mLの濃度で培養物に添加し、SIRPα、もしくはSIRPαバリアント、またはCD47 scFvの発現を誘導した。
18時間誘導後、細胞を遠心沈降させ、上清を収集した。無細胞培地を生成するために、清澄な上清を、0.22ミクロンフィルターを通してさらに濾過し、いかなる残留細菌も除去し、氷上に置いた。
次に、上清をウェスタンブロットによって解析した。上清25μL中のタンパク質をPVDF膜に転写し、SIRPαおよびSIRPαバリアントならびに抗CD47 scFvを、抗V5−HRP抗体(Biolegend)を使用して検出した。結果を図67に示す。WT mSIRPαに関して46kDa、CV1SIRPαに関して20kDa、FD6x2 SIRPαに関して33kDa、FD6SIRPα−IgG4に関して42kDa、CV1SIRPα−IgG4に関して42kDa、および抗CD47 scFvに関して30kDa付近に、それぞれ単一のバンドが検出された。
遺伝子操作されたE.coli Nissleによって分泌された野生型SIRPα、SIRPαバリアント、および抗CD47−scFvが、CD47に機能的に結合することができるか否か、ならびに/または抗SIRPα抗体によって検出されるか否かを決定するために、プレートを対応する抗体またはリガンドによってコーティングすることによってELISAアッセイを実施した。結果を表34に示し、遺伝子操作された細菌によって分泌されたmSIRPαおよび抗mCD47scFvの両方がmCD47に結合することができることを示している。
E.coli Nissleから分泌されたSIRPα、SIRPαバリアント、および抗CD47 scFvが、マウス細胞上のCD47に結合するか否かを決定するために、CT26細胞を使用してフローサイトメトリー分析を実施した。CT26は、その細胞表面上にCD47を発現するマウス結腸癌細胞系である。
CT26細胞を、10%FBSおよび1%ペニシリン−ストレプトマイシンを含むダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)において成長させた。細胞を遠心沈降させ、上清を吸引し、ペレットをD−PBS 1mL中に再懸濁させ、冷却したアッセイ管に移し(1×106個細胞)、D−PBS中で3回洗浄した。細胞を、0.5%BSAを含むD−PBS中に再懸濁させ、これに上清10μL(10倍濃縮)を添加し、4Cで1時間インキュベートした。SYN1557からの上清をベースライン陰性対照として使用した。次に細胞をPBS 0.5ml中に再懸濁させ、適当な濃度に希釈し、フローサイトメーターにおいて分析した。結果を(図68および図69)に示す。ベースラインと比較して、分泌されたSIRPα、SIRPαバリアント、および抗CD47 scFvを含む試料では集団のシフトが観察され、CV1SIRPα−IgG4を発現するSYN3021については最大のシフトが観察される。
次に、競合アッセイを実施して、遺伝子操作された細菌によって分泌されたマウスSIRPαが、CT26細胞上のマウスCD47に対する組換えmSIRPαまたは抗CD47抗体の結合と競合できるか否かを決定した。CT26細胞を成長させ、組換えSIRPα(Rndsystems)または抗CD47抗体(Biolegend)を、分泌されたFD6x2sirpαまたはFD6sirpαhIgG4のインキュベーションの間に添加したことを除き、本質的に上記の通りにフローサイトメトリープロトコールを実施した。図70および図71はそれぞれ、組換えSIRPαおよび抗CD47抗体との競合の結果を示す。組換えSIRPαおよび抗CD47抗体はいずれも、CT26細胞上のCD47に対する結合に関して分泌されたSIRPαと競合することができた。
(実施例28)
ヒアルロニダーゼの分泌
ヒアルロニダーゼを分泌することができる遺伝子操作された細菌を生成するために、構築物を、本明細書に記載される方法に従って生成した(SYN2998:NissleΔPAL::CmR;p15A−ptet−RBS−PhoA−−FLAG−ヒトヒアルロニダーゼ−V5− His tags;SYN2997:NissleΔPAL::CmR;p15A−ptet−RBS−PhoA−FLAG−ヒトヒアルロニダーゼ−V5−His;SYN3369:NissleΔPAL::CmR;p15A−ptet−RBS−PhoA−FLAG−leechヒルヒアルロニダーゼ−V5−His)。
E.coli Nissle株SYN1557、SYN2997(マウスヒアルロニダーゼを分泌する)、SYN2998(ヒトヒアルロニダーゼを分泌する)およびSYN3369(leechヒルヒアルロニダーゼを分泌する)を、LB培地中で一晩成長させた。培養物をLB中で1:100に希釈し、振とう(200rpm)させながら吸光度が0.8となるまで成長させ、その時点で培養物を室温に冷却し、無水テトラサイクリン(ATC)を100ng/mLの濃度で培養物に添加し、ヒアルロニダーゼの発現を誘導した。
18時間誘導後、細胞を遠心沈降させ、上清を収集した。無細胞培地を生成するために、澄明な上清を、0.22ミクロンフィルターを通してさらに濾過し、いかなる残留細菌も除去し、氷上に置いた。
次に、上清をウェスタンブロットによって解析した。上清25μL中のタンパク質をPVDF膜に転写し、抗V5−HRP抗体(Biolegend)を使用してヒアルロニダーゼを検出した。結果を図72に示す。分泌されたマウスおよびヒトヒアルロニダーゼの両方に関して50kDa付近、ならびにleechヒルヒアルロニダーゼに関して57kDa付近で単一のバンドを検出した。
遺伝子操作されたE.coli Nissleによって分泌されたヒアルロニダーゼが活性であるか否かを決定するために、ビオチン化ヒアルロネートコーティングプレートを使用して、製造元の説明書に従って、ヒアルロナンの切断能に関するヒアルロニダーゼ活性アッセイを実施した。簡単に説明すると、ヒアルロニダーゼはポリマーを切断し、それによってプレート上のビオチンが失われ、次いで、これをストレプトアビジン−HPRおよび基質によって検出することができる。結果を図74A〜74Bに示し、遺伝子操作された細菌によって分泌されるヒアルロニダーゼが、ヒアルロナンを分解することができることを示している。親株SYN1557を陰性対照として使用した。分泌されたleechヒルヒアルロニダーゼに関して得られた結果を図74A〜74Bに示す。
(実施例29)
操作されたIL−15産生E.coli Nissle株
株の構築および生化学分析:
生物活性インターロイキン15(IL−15)を分泌することができる操作されたE.coli Nissle株を生成するために、IL−15が、Sushiドメインとして公知の機能的受容体の形成にとって必要なIL−15Rαの最小の領域に融合されている融合タンパク質を構築した。IL−15およびIL−15Rαは、機能的複合体を形成し、これはトランスプレゼンテーションと呼ばれるプロセスにおいて、IL−2Rβおよびγcを発現する隣接するリンパ球の細胞のシグナル伝達、活性化および増殖を刺激する(例えば、Ochoaら、High−density lipoproteins delivering interleukin−15;Oncoimmunology、2013年4月1日;2巻(4号):e23410頁を参照されたい)。IL−15の生物活性は、2つの異なる改変:IL−15のアミノ酸72位でのアスパラギンからアスパラギン酸への置換(Zhu X、Marcus WD、Xu W, Lee HI、Han K、Egan JO、 Yovandich JL、Rhode PR、Wong HC. Novel human interleukin−15 agonists. J Immunol.、2009年;183巻:3598〜3607頁)および/または細胞会合IL−15RαによるIL−15のトランスプレゼンテーションの模倣によるIL−15Rαのsushiドメインとの直接融合(Mortierら、Soluble interleukin−15 receptor alpha(IL−15R alpha)−sushi as a selective and potent agonist of IL−15 action through IL−15R betagamma. Hyperagonist IL−15 x IL−15R alpha fusion proteins. J Biol Chem 2006年;281巻:1612〜9頁)によって大きく改善される。
改変された組換えIL−15−Sushi融合タンパク質を産生するために、N72D変異を有するIL−15単量体を、20アミノ酸リンカーによって連結されたsushiドメインのC末端(78アミノ酸)に融合した。IL−15R sushiドメインのN末端に、タグの検出、精製、および除去を促進するために、FLAG−タグおよび第Xa因子切断部位を含めた。ペリプラズムへの移行を促進するために、IL15融合タンパク質を10種のメンバーのプラスミドライブラリにクローニングした。分泌された融合タンパク質のコード配列をE.coliでの発現に関してコドン最適化し、IDT Technologiesに二本鎖DNA断片として注文した。DNAを受領した後、標準的なクローニング手順を使用して、これを消化し、10種のメンバーのプラスミドライブラリにライゲートした。プラスミドライブラリの各メンバーは、低コピー数プラスミド骨格、ならびに多様な最適化リボソーム結合部位および分泌タグの発現を駆動するPtetプロモーターを含む。IL−15融合体を分泌タグのC末端にクローニングした後、プラスミドをSYN1557(ΔPAL、拡散性外膜(DOM)表現型)に形質転換し、IL−15−Sushi分泌株SYN3516−SYN3525を作製した。構築物配列の非制限的な例には、配列番号1132〜1137および配列番号1138〜1144が挙げられる。表35は、IL−15−Sushi株の説明を提供する。表36は、WT IL−15を使用して生成した株の一覧を提供する。
SYN3525によるIL−15の産生およびin vitro定量
IL−15の産生をアッセイするため、および/または生物活性を定量するために、培養物を成長させ、誘導し、上清を回収し、ELISAによって定量化した。アッセイ日の前に、陰性対照株(SYN1557)およびIL−15−sushiドメイン産生株(SYN3516−SYN3525)の両方をLB寒天プレート上に播き、適切な抗生物質と共に37℃で成長させた。2YTブロスの2mL開始培養物に、成長させる誘導培養物50mL毎に単一のコロニーを接種し、37℃で2時間成長させ、8000×gで10分間遠心沈降させ、細胞を、アンヒドロテトラサイクリン(aTc)インデューサー(100ng/mL)を有する当初の体積の2YT培地中に再懸濁させた。これらの培養物を30℃に置き、4時間振とうさせ、IL−15−sushi融合タンパク質産生を誘導した。次に、培養物をインキュベータから取り出し、20,000×gで10分間遠心分離し、全ての細胞をペレットにして、上清を、0.22μmフィルターの中に通過させて、滅菌した上清を生じた。これらの上清を細胞に基づくアッセイにおいて使用した。
プラスミドライブラリによるIL−15融合体の産生を評価するために、SYN1557およびIL−15産生ライブラリの培養物を誘導し、2連で収集した。これらの上清を連続希釈し、IL−15 ELISAキット(ヒトIL−15 Quantikine ELISAキット−D1500、R&D Systems、Minneapolis、MN)を使用して定量化した。表37に示した分泌ライブラリのスクリーニングからのデータは、リーダーペプチドとしてE.coliからのPpiA分泌シグナルを含むSYN3525から最大の産生を示した。SYN1557上清は、ELISAにおいて交叉反応性を示さなかった(データは示していない)。
SYN3525からのIL−15産生をさらに評価するために、株を成長させて、バッフル付きフラスコにおいて最大の収率を生成するように誘導した。SYN3525の濾過した上清から、SYN1557およびSYN3525の試料を3連で希釈し、ELISAキット(ヒトIL−15 Quantikine ELISAキット−D1500、R&D Systems、Minneapolis、MN)において実行した。これらの分析の結果を表38に示す。結果は、最大の誘導条件下で、SYN3525上清がIL−15 ELISAアッセイにおいて正に反応した材料の733〜795ng/mLの間を含むことを示した。これに対し、SYN1557上清は、検出可能なレベルを有しなかった(示していない)。
比較のために、WT IL−15を発現する構築物からの分泌を表39に示す。
(実施例30)
細菌によって分泌されたIL−15の機能的アッセイ
次に、機能的アッセイを実施してSYN3525から分泌されたIL−15が機能的であることを証明した。STAT3およびSTAT5は、リガンドが結合するとIL−15Rアルファによってリン酸化されることが示されている。
T細胞を、Miltenyi untouched pan−T細胞キット(収率=約5e7個細胞/調製物)を介してヒトロイコフェレーシスから精製した。IL15Ra発現を、フィトヘマグルチニンP(PHA)による48時間の軽度の刺激によって誘導した。活性化T細胞を、IL15発現細菌SYN3525からの上清によって15分間処置した。処置した細胞をパラホルムアルデヒドに基づく溶液中で固定した後、90%メタノール中で厳しい透過処理を行った。ホスホ−STAT5のモジュレーションを、IL15R+CD3+細胞におけるマルチカラーフローサイトメトリーによって定量化した。結果を図46に示し、SYN3525由来IL15が、rhIL15のそれと同等の生物活性を呈することを示す。2つの個々の細菌調製物からの上清の間で一貫した結果が観察された。
(実施例31)
分泌のための二量体化IL−12の構築
株の操作:生物活性インターロイキン12(IL−12)ヘテロ二量体を分泌することができる、操作されたE.coli Nissle株を生成するために、2つのインターロイキン−12単量体サブユニット(IL−12A(p35)およびIL−12B(p40))がリンカーによって共有結合により連結されている構築物を生成した。
E.coli Nissleから産生された組換えヒトIL−12タンパク質の二量体化を促進するために、15アミノ酸のリンカー「GGGGSGGGGSGGGGS」(配列番号1247)を2つの単量体サブユニット(IL−12A(p35)およびIL−12B(p40)の間に挿入し、強制的な二量体ヒトIL−12(ジIL−12)融合タンパク質を産生し、配列をコドン最適化した。
ペリプラズムへの移行を促進するために、分泌タグをジIL−12融合タンパク質のN末端に付加した。誘導性Ptetプロモーター、リボソーム結合部位、ジIL−12コード配列、および他の必要なリンカーのエレメントを含むDNA配列を、IDT Technologiesが合成し、その後高コピー数プラスミドベクターにクローニングした。プラスミドを、SYN1555、SYN1556、SYN1557、またはSYN1625(nlpl、tolA、PAL、またはlpp欠失をそれぞれ含み、拡散性膜表現型を作製する)に形質転換し、二量体化ヒトIL−12(ジIL−12)分泌株を作製した。
In vitroアッセイのためのSYN3466からSYN3505によるジIL−12の産生:
IL−12の産生に関してアッセイするためおよび/または生物活性を定量化するために、培養物を成長させて誘導し、その後上清を収集し、シェーカープレートを使用して以下のようにELISAを介して定量化した。陰性対照株(SYN1555、SYN1556、SYN1557、またはSYN1625)およびジIL−12産生株(SYN3466からSYN3505)の両方をLB寒天プレート上に播き、それぞれ、クロラムフェニコールまたはクロラムフェニコールとカルベニシリンと共に37℃で成長させた。一晩成長させた後、個々のコロニーを採取して、成長させる将来のシェーカープレートにおいて2YTブロスの4mL開始培養物に接種するために使用した。開始培養物には、寒天プレートで使用した同じ抗生物質を接種した。開始培養物が飽和に達すると、培養物を、適切な抗生物質を含む2YTを含む新しいシェーカープレートに1:25に逆希釈した。この開始培養物を、OD600=約0.8〜1となるまで37℃で2時間成長させた。次に培養物を、aTcインデューサー(100マイクロg/mL)を添加することによって誘導した。これらの誘導した培養物を、振とうさせながら30℃で4時間インキュベートし、IL−12産生を促進した。
産生期が終了した後、培養物のシェーカープレートをインキュベータから取り出し、20000×gで10分間遠心分離し、全ての細胞をペレットにした。上清をELISA分析のために維持した。
ELISAによる上清中のジIL−12の定量:
上清中のジIL−12の量を評価するために、試料を、R&D systemsのヒトIL−12 p70 Quantikine ELISAキットを使用してアッセイした。これらの分析の結果を、表42に示す。結果は、上清が、IL−12 ELISAアッセイにおいて正に反応する材料の17から309pg/mLの間を含むことを示した。これに対し、SYN1557上清は、検出不能レベルを有した。
(実施例32)
操作されたIL−15産生E.coli Nissle株
株の操作
生物活性インターロイキン15(IL−15)を分泌することができる操作されたE.coli Nissle株を生成するために、Sushiドメインとして公知の、機能的受容体の形成にとって必要なIL−15Rαの最小領域に、IL−15を融合させる融合タンパク質を構築した。IL−15およびIL−15Rαは、機能的複合体を形成し、これはトランスプレゼンテーションと呼ばれるプロセスにおいて、IL−2Rβおよびγcを発現する隣接するリンパ球の細胞のシグナリング、活性化、および増殖を刺激する(例えば、Ochoaら、High−density lipoproteins delivering interleukin−15;Oncoimmunology.2013年4月1日;2巻(4号):e23410頁を参照されたい)。IL−15の生物活性は、細胞会合IL−15RαによるIL−15のトランスプレゼンテーションを模倣することによって、IL−15Rαのsushiドメインとの直接融合によって大きく改善する(Mortierら、Soluble interleukin−15 receptor alpha (IL−15R alpha) −sushi as a selective and potent agonist of IL−15 action through IL−15R betagamma. Hyperagonist IL−15 x IL−15R alpha fusion proteins. J Biol Chem、2006年;281巻:1612〜9頁)。
組換えIL−15−Sushi融合タンパク質を産生するために、IL−15単量体を20アミノ酸リンカーによって連結されたsushiドメインのC末端に融合させた。ペリプラズムへの移行を促進するために、19410、tort、またはpelB分泌タグをIL−15−Sushi融合タンパク質のN末端に添加した。Ptetプロモーター、RBS、IL−15−Sushiのコード配列、および他の必要なリンカーを含むDNA配列は、IDT Technologiesが合成し、その後、tet誘導性プロモーターの制御下でIDT Technologiesが提供する高コピー数プラスミドベクターにクローニングした。プラスミドをSYN1557(ΔPAL、拡散可能な外膜(DOM)表現型)またはSYN94(PAL欠失なしのE.coli Nissle株)に形質転換し、IL−15−Sushi分泌株SYN3458からSYN3463を作製した。表43および表44は、構築物配列の多数の非制限的な例を記載する。
In vitroアッセイのためのSYN3458からSYN3463によるIL−15の産生:
IL−15の産生に関してアッセイするためおよび/または生物活性を定量化するために、培養物を成長させて誘導し、上清を収集してELISAによって定量化した。アッセイ日の前に、陰性対照株(SYN1557)およびIL−15−sushiドメイン産生株SYN3458からSYN3463の両方を、LB寒天プレート上に播き、適切な抗生物質と共に37℃で成長させた。2YTブロスの2mL開始培養物に、成長させる誘導した培養物50mL毎に単一のコロニーを接種し、37℃で2時間成長させ、8000×gで10分間遠心沈降させ、細胞をアンヒドロテトラサイクリン(aTc)インデューサー(100μg/mL)を有する当初の体積の2YT培地に再懸濁した。これらの培養物を30℃置き、4時間振とうさせ、IL−15−sushi融合タンパク質の産生を誘導した。次に、培養物をインキュベータから取り出して、20,000×gで10分間遠心分離し、全ての細胞をペレットにして、上清を、0.22μmフィルターを通して濾過し、滅菌した上清を生じた。これらの上清を細胞に基づくアッセイにおいて使用した。
ELISAによるSYN3458からSYN3463の上清中のIL−15の定量化:
濾過した上清中のIL−15の産生を評価するために、SYN1557およびSYN3458からSYN3463の試料を3連で希釈し、ヒトIL−15 Quantikine ELISAキット(Ra&D Systems)において実行した。これらの分析の結果を表45に示す。結果は、SYN3458からSYN3463の上清が、IL−15 ELISAアッセイにおいて正に反応する材料の4〜275ng/mLの間を含むことを示した。これに対し、SYN94およびSYN1557上清は、検出不能レベルを有した(示していない)。
(実施例33)
CXCL10の分泌
組換えCXCL10ケモカインを産生するために、合成構築物を考案した(データは提供していない)。CXCL10タンパク質の分泌型/可溶性型を、E.coliにおける発現に関してコドン最適化し、IDT Technologiesに二本鎖DNA断片として注文した。ペリプラズムへの移行を促進するために、CXCL10可溶性タンパク質を、10種のメンバーのプラスミドライブラリにクローニングした。DNAを受領後、標準的なクローニング手順を使用して、これを消化し、10種のメンバーのプラスミドライブラリにライゲートした。プラスミドライブラリの各メンバーは、低コピー数プラスミド骨格、および様々な最適化リボソーム結合部位の発現を駆動するPtetプロモーター、および分泌タグを含む。CXCL10を分泌タグのC末端にクローニングした後、プラスミドをSYN1557(ΔPAL、拡散性外膜(DOM)表現型)に形質転換し、CXCL10分泌株、SYN3404およびSYN3406〜SYN3414を作製した。構築物の配列は、配列番号1205、配列番号1206、配列番号1208、および配列番号1209を含む。
CXCL10の産生に関してアッセイするためおよび/または生物活性を定量化するために、培養物を成長させて誘導し、上清を収集してELISAによって定量化した。アッセイ日の前に、陰性対照株(SYN1557)およびCXCL10産生株(SYN3404〜SYN3414)の両方を、LB寒天プレート上に播き、適切な抗生物質と共に37℃で成長させた。2YTブロスの2mL開始培養物に、成長させる誘導した培養物50mL毎に単一のコロニーを接種し、37℃で2時間成長させ、8000×gで10分間遠心沈降させ、細胞をアンヒドロテトラサイクリン(aTc)インデューサー(100ng/mL)を有する当初の体積の2YT培地に再懸濁した。これらの培養物を30℃に置き、4時間振とうさせ、CXCL10タンパク質の産生を誘導した。次に、培養物をインキュベータから取り出して、20,000×gで10分間遠心分離して、全ての細胞をペレットにして、上清を、0.22μmフィルターの中に通過させて、滅菌した上清を生じた。これらの上清を細胞に基づくアッセイにおいて使用した。
プラスミドライブラリによるCXCL10の産生を評価するために、SYN1557およびCXCL10産生ライブラリの培養物を誘導し、2連で収集した。これらの上清を連続希釈し、CXCL10 ELISAキット(ヒトCXCL10/IP−10 Quantikine ELISAキット−DIP100,R&D Systems、Minneapolis、MN)を使用して定量化した。表47に示す本発明者らの分泌ライブラリのスクリーニングからのデータは、リーダーペプチドとしてE.coliからのPhoA分泌シグナルを含むSYN3413から最大の産生を示す。SYN1557の上清は、ELISAにおいて交叉反応性を示さなかった(データは示していない)。
SYN3413からのCXCL10の産生をさらに評価するために、株をバッフル付きフラスコ中で最大収率を生成するように成長させて誘導した。SYN3413の濾過した上清から、SYN1557およびSYN3413の試料を3連で希釈し、ELISAキット(ヒトCXCL10/IP−10 Quantikine ELISAキット−DIP100、R&D Systems、Minneapolis、MN)において実行した。これらの分析の結果を表112に示す。結果は、最大の誘導条件では、SYN3413上清が、CXCL10 ELISAアッセイにおいて正に反応する材料の199〜232ng/mLの間を含むことを示した。これに対し、SYN1557上清は検出可能なレベルを有しなかった(示していない)。
CXCL10の機能的アッセイ
上記の株のいずれかから分泌されたCXCL10が、機能的であるか否かを決定するために、走化性アッセイを、本質的にMikuckiら(その内容の全体が参照により本明細書に組み込まれる、Mikuckiら、Non−redundant Requirement for CXCR3 Signaling
during Tumoricidal T Cell Trafficking across Tumor Vascular Checkpoints;Nat Commun.2015年;6巻:7458頁)に記載されているとおりに実施する。
簡単に説明すると、cell trace標識ナイーブ(または拡大増殖した)ヒトCD8+T細胞を、PTXまたは抗CXCL10の存在下または非存在下で、上部にT細胞(5×105個細胞)を有し、下部にrCXCL10/上清を有する24ウェルトランスウェルプレート(5μM孔)に移す。−>細胞を3時間インキュベートし、遊走した細胞をフローサイトメトリーによって計数する。あるいは、ホスホAKTを、フローサイトメトリー、ウェスタンブロット、またはELISAによって測定する。
(実施例34)
STINGアゴニスト産生株の生成
STINGアゴニスト株を生成するために、DacA(listeria monocytogenes環状ジAMPシンターゼ)を、P
tetプロモーターの制御下でp15にクローニングし、表50に記載される株を生成した。構築物の配列を要約する。
(実施例35)
In vitro STINGアゴニスト産生
新たに生成した株がc−ジ−AMPを産生する能力を、最初にin vitroでアセスメントした。
E.coli Nissle株SYN3527(DacA構築物を含む)および対照株をLB培地中で一晩成長させた。培養物を、0.5%グルコース(重量/体積)を補充したM9最少培地中で1:25に希釈し、振とう(350rpm)させながら37℃で2時間成長させた。培養物を吸光度が0.5となるように希釈し、その時点で無水テトラサイクリン(ATC)を培養物に100ng/mLの濃度で添加し、DacAの発現を誘導した。4時間誘導後、試料を、環状ジヌクレオチド産生のLC/MS分析のために採取した。試料を5000RPMで20分間遠心分離し、細胞分画と細胞外分画とを分離した。次に細胞ペレットを使用して、細胞内環状ジ−AMPを決定し、培地上清を使用して、環状ジ−AMPの細胞外蓄積を決定した。濃度を、LC/MSを介して決定した。
結果を図2に示し、操作された株が、c−ジ−AMPを細胞内で産生することができること、および程度は低いものの細胞外でも産生することができることを示している。野生型対照では、環状ジ−AMPは、細胞内または細胞外分画のいずれにも見出されなかった(データは示していない)。
図3は、本質的に上記の通りに行った後続試験を表す。
(実施例36)
細菌産生STINGアゴニストは免疫応答を誘導する
細菌産生STINGアゴニストまたは細菌の骨格そのものが免疫応答の誘導の原因であるかどうかを決定するために、生きたおよび熱殺菌したSYN3527(テトラサイクリン誘導性プロモーターの制御下にあるプラスミドに基づくDacA(p15−ptet−DacA)を含む)をRAW 267.4マウスマクロファージ細胞系の上清に添加し、IFN−ベータ1 mRNAのレベルを測定した。
図4に示すように、IFNb1 mRNA発現は、c−ジ−AMP分泌株によって用量依存的に増加するが、熱殺菌した場合には増加しない。
(実施例37)
STINGアゴニスト産生株のin vivoでの活性
STINGアゴニスト産生株SYN3527(プラスミドに基づく、Listeria
monocytogenes由来のテトラサイクリン誘導性p15a Ptet−DacAを含むE coli Nissle)の忍容性、定着、および活性を決定するために、腫瘍体積、重量、およびT細胞応答を、B16腫瘍モデルにおいてアセスメントした。
試験のための細胞を産生するため、一晩培養物を使用して、抗生物質を含むLB培地500mLに接種した。株を、培養物が対数期の終期に達するまで(OD600=0.8〜1.0)、振とうさせながら37Cでインキュベートした。収集するために、細胞を5000rpmで20分間遠心沈降させ、培地を吸引し、細胞をPBSによって洗浄し、15%グリセロールおよびPBS中に再懸濁させ、アリコートにして、−80Cで凍結した。細胞は、連続プレーティングによって濃度を試験した。
マウスにB16腫瘍を移植し、以下に記載のタイムラインおよび図7Aに従ってマウスに細菌産生STINGアゴニストおよび対照を腫瘍内注射した。様々な時点で採取した試料を、腫瘍1グラムあたりのCFU数、サイトカイン分析(IFN−ベータおよびT細胞パネル)、および腫瘍流入領域リンパ節(TDLN)のフローサイトメトリー分析のために処理した。
簡単に説明すると、B16細胞を−9日目に各動物の右脇腹にSC(PBS中に2×10e5個細胞/マウス)移植した。−3日目に腫瘍の成長をモニタリングした;腫瘍が1日目に約50〜80mm3に達すると、マウスを、以下のような腫瘍内投与のための群(1群あたりN=15/マウス5匹/時点)に無作為化した:食塩水(対照、群1)、SYN94(ストレプトマイシン抵抗性Nissle、群2、1×10e7)、およびSYN3527(STINGアゴニスト、群3、1×10e7)。動物に、群に基づいて適切な細菌または食塩水(注射のための対照)を投与した。4時間後、マウスを、10μg ATC(アンヒドロテトラサイクリン)の腹腔内注射により処置した。2日目に、各処置群からのマウス5匹を、ATC投与の24時間後に1群あたりマウス5匹犠牲にし(群1〜4)、試料を分析のために処理した。4日目に、マウスの体重を測定し、腫瘍体積を測定し、マウスに適切な処置/群を投与した。4時間後、マウスに10μg ATCを注射した。5日目に、マウス5匹/群をATC投与の24時間後に犠牲にした。8日目に残りのマウスの腫瘍を秤量し、測定し、マウスに適切な処置/群を投与した。9日目にマウス5匹/群を、ATC投与の24時間後に犠牲にした。
1、4、および9日目での腫瘍体積を図7Bに示し、個々のマウスに関して図7Cに示し、SYN3527の投与によって、この期間にわたって腫瘍成長の拒絶または制御が起こったことを示している(9日目でのSYN3527に関してp<0.02対食塩水対照)。STINGアゴニスト産生細菌の投与後9日目での図7Dに示す腫瘍重量は、食塩水対照処置と比較して有意な腫瘍の退縮を示す(p<0.02)。腫瘍流入領域リンパ節からのリンパ球のフローサイトメトリー分析は、細胞を単細胞懸濁液に入れ、以下の抗体によって染色することによって実施した:抗CD4−APC、TCR−ベータ−PECy7、CD8−アルファ−BV785、CD25−BV650、およびFoxP3−PE(全て、Biolegendから)。腫瘍の退縮は、フローサイトメトリー分析によって測定すると、腫瘍流入領域リンパ節(TDLN)におけるT細胞総数の増加と相関し(SYN3527に関してp<0.03対食塩水対照)、このことは腫瘍特異的T細胞の活性化および拡大増殖を示しうる(図7E)。
B16F10腫瘍のSYN−STING処置後の腫瘍コロニー形成および細菌成長を評価するために、B16F10腫瘍を、本質的に上記の通り処置した。処置開始後9日目に腫瘍をホモジナイズした。ホモジネートを連続希釈し、LB寒天プレート上に播種して、腫瘍内の組織1グラムあたりの生菌数(またはコロニー形成単位)を計算した。確実に細菌がSTING回路の発現を失わないようにするために適切な抗生物質を含有する寒天プレート上に、SYN−STING試料を播種した。結果を図7Hに示す。
サイトカイン分析に関して、Luminexアッセイを、製造元の説明書に従って実施した。細菌産生STINGアゴニストによる生得の免疫系の活性化を決定するために、INF−ベータ1、IL−6、IL−1ベータ、およびMCP−1(Ccl2))のレベルをアセスメントし、2日目および9日目の結果を、図8Aおよび図8Bに示す。結果は、SYN3527によって産生されたSTINGアゴニストが、2日目で腫瘍中のIFN−ベータ産生を有意に増加することができること(P<0.008対対照またはSYN94)、ならびに2日目で食塩水およびNissle単独と比較してIL−6(p<0.006対対照)、TNFα(** p<0.002対対照、* p<0.01対SYN94)およびMCP−1誘導によって示されるように、一般的な生得の免疫応答を誘導することができるが、9日目では誘導できないことを示している。2日目での腫瘍内の生得の応答は、T細胞関連サイトカインであるグランザイムB(p<0.006対対照;p<0.03対SYN94)、IL−2(p<0.03対対照)、およびIL−15(p<0.05対対照またはSYN94)の産生によって示されるように、9日目でT細胞関連応答に切り替えられた(図8B)。図9は、サイトカインが細菌注射(すなわち、WTおよびSYN−STING両方)により上方調節されたことを示す。
(実施例38)
MC38腫瘍モデルにおける抗PD−1および抗CTLA−4の全身投与と組み合わせたアデノシン消費株の活性
アデノシン消費株SYN1656が、抗CTLA4と抗PD−1の組合せの抗腫瘍応答を増強する能力を、C57BL/6−MC38同系腫瘍モデルにおいてアセスメントした。
試験において使用する細胞を産生するために、一晩培養物を使用して、抗生物質と共にLB培地500mLに接種した。株を、培養物が、対数期終期(OD600=0.8〜1.0)に達するまで振とうさせながら37Cでインキュベートした。収集するために、細胞を5000rpmで20分間遠心沈降させ、培地を吸引し、細胞をPBSによって洗浄し、15%グリセロールおよびPBS中に再懸濁させ、アリコートにして−80Cで凍結した。細胞は、連続プレーティング(plating)によって濃度を試験した。
表54における試験デザインに従って、マウスにMC38腫瘍を移植し、マウスにアデノシン消費細菌を腫瘍内に注射し、抗CTLA−4および抗PD−1抗体を腹腔内に注射した。MC38細胞を、−9日目に各動物の右脇腹にSC(1×105個/マウス/100μL)移植した。腫瘍の成長をモニタリングした;1日目に腫瘍が約50〜80mm3に達すると、マウスを表50に示す処置群に無作為化した。
腫瘍体積および体重を2回の測定の間に1〜2日の間隔を空けて週に3回記録した。
結果は、アデノシン消費株が、MC38モデルにおいて抗CTLA−4/抗PD−1抗体媒介性抗腫瘍活性を改善する能力を有することを示している。具体的には、抗PD−1/抗CTLA−4群では、完全な応答を示した12匹中1匹を含むマウス12匹中5匹が処置に応答した。抗PD−1/抗CTLA−4+SYN1656群では、同数(12匹中5匹)が応答したが、5匹の応答体のうち少なくとも4匹は完全な応答体であった。
(実施例39)
5−FCを5−FUに変換するための株の生成
5−FUは、その全身毒性によって制限される一般的な化学療法剤である。しかし、5−FCは、かなり良好に忍容される。codA(シトシンデアミナーゼ)、またはcodA(シトシンデアミナーゼ)とupp(ウラシルホスホリボシルトランスフェラーゼ)の融合体を使用すると、5−FCを、関連する副作用を最小限にしながら、腫瘍において活性薬型の5F−UMPに変換することができる。
5−FU産生株を生成するために、codA(シトシンデアミナーゼ)またはcodA(シトシンデアミナーゼ)とupp(ウラシルホスホリボシルトランスフェラーゼ)の融合体を、Ptetプロモーターの制御下でp15ベクターにクローニングし、表51に記載される株を生成した。
(実施例40)5−FCの5−FUへのin vitroでの変換
新たに生成した株が5−FCを5−FUに変換する能力を、最初にin vitroでアセスメントした。
上記のE.coli Nissle株SYN3529、SYN3620、およびSYN94対照(ストレプトマイシン抵抗性を有する野生型Nissle)をLB培地中で一晩成長させた。培養物を、0.5%グルコース(重量/体積)を補充したM9最少培地中で1:50に希釈し、振とう(350rpm)させながら37℃で2時間成長させ、その時点で無水テトラサイクリン(ATC)を培養物に100ng/mLの濃度で添加し、CodAまたはCodA−Upp融合体の発現を誘導した。2時間誘導後、培養物を遠心沈降させ、培地を吸引し、細胞ペレットをM9+0.5%グルコース(重量/体積)+ATC(100ng/ml)+10mM 5−フルオロシトシン(Sigma−Aldrich(登録商標))に再懸濁させた。次いで、これらの培養物を37℃のインキュベータに戻し、振とうさせながらさらに2時間インキュベートし、その時点で試料を、5−FU産生のLC/MS分析のために除去した。試料を5000RPMで20分間遠心分離して、細胞分画と細胞外分画とを分離した。次に細胞ペレットを使用して、細胞内5−FCおよび5−FUを決定し、培地上清を使用して、5−FUの細胞外蓄積または5−FCの消費を決定した。
結果を、図34Aおよび図34Bに示し、操作された株が、野生型対照株より速い速度で5−FCを分解することができ(図34A)、5−FUを産生することができる(図34B)ことを示している。5−FUMPに関して利用可能な標準物質がないために、本発明者らは、SYN3620からの5−FUMPの蓄積を測定することができなかった。
(実施例41)
CT26腫瘍モデルにおける5F−Cから5−FUへの変換体のin vivo活性
5−FCから5−FUへの変換株SYN3529(pUC−Kan−tet−CodA(シトシンデアミナーゼ)を含む)およびSYN3620(pUC−Kan−tet−CodA::Upp融合体を含む)のin vivo活性および有効性を決定するために、腫瘍体積をCT26腫瘍モデルにおいてアセスメントし、PBS対照と比較した。
試験のための細胞を産生するために、一晩培養物を使用して、抗生物質を含むLB培地500mLに接種した。株を、培養物が対数期の終期に達するまで(OD600=0.8〜1.0)、振とうさせながら37Cでインキュベートした。収集するために、細胞を5000rpmで20分間遠心沈降させ、培地を吸引し、細胞をPBSで洗浄し、15%グリセロールおよびPBS中に再懸濁させ、アリコートにして、−80Cで凍結した。細胞を連続プレーティングにより濃度試験した。
以下および図35Aに記載されるタイムラインに従って、マウスにCT26腫瘍を移植し、5−FCを5−FUに変換することができる細菌産生酵素またはビヒクル対照を腫瘍内に注射し、5−FCを投与した。腫瘍体積を様々な時点で測定し、実験終了時に腫瘍を秤量し、処理して、株の生物活性の測定として5−FCの相対的消費を評価した。
簡単に説明すると、CT26細胞を−15日目に各動物の右脇腹にSC(PBS中で1×106個細胞/マウス)移植した。腫瘍の成長を、腫瘍が約150〜450mm3に達するまでモニタリングした。0日目に、マウスを以下のように腫瘍内投与の群(1群あたりN=5)に無作為化した:PBS(群1、ビヒクル対照)、SYN3529(群2、1×107CFU)、SYN3620(群3、1×107CFU)。腫瘍サイズを測定し、0、2、および5日目にATC(1μg I.P.)投与の4時間後に、マウスに細菌またはPBSをI.T.注射した。3日目に開始して、5−FC(500mg/kg)をIP注射によって毎日投与した。マウスを6日目に最終分析のために犠牲にした。
0、2、および5日目での平均腫瘍体積を図35Bに示し、個々のマウスに関して図35Cに示し、5−FCと共にSYN3529またはSYN3560のいずれかを投与することにより、PBS対照と比較してこの期間にわたって腫瘍成長の鈍化が起こることを示している。図35Dに示す、細菌投与の6日後で5−FC投与の3日後の腫瘍重量は、PBS対照処置と比較して腫瘍質量の低減を示す。腫瘍ホモジネートの質量分析により、PBS対照と比較して細菌定着腫瘍では5−FCレベルが低減することが証明され、5−FCがその活性型5−FUへとその場で変換されたことを示唆している(図35E)。
(実施例42)
キヌレニン消費体とSTINGアゴニスト産生体の組合せの生成および株の活性のin vitro測定
キヌレニンを消費してSTINGアゴニストを産生する株を生成するために、SYN2028(Nissle HA3/4::PSynJ23119−pKynase TrpE::CmRを含む)を、SYN3527において既に使用された構築物(Ptetプロモーターの制御下でp15ベクターにクローニングされたDacA)によって形質転換し、表52に記載される株を生成した。
次に、新たに生成された株がキヌレニンを消費してSTINGアゴニストを産生する能力をin vitroでアセスメントした。E.coli Nissle株SYN094(野生型対照)、SYN2028(KYN)、SYN3527(STING)、およびSYN3831(KYN+STING)を、適切な抗生物質を含むLB培地中で一晩成長させた。培養物を、0.5%グルコース(重量/体積)および適切な抗生物質を補充したM9最少培地またはLBおよび抗生物質中で1:25に希釈し、振とう(350rpm)させながら37℃で2時間成長させた。
環状ジ−AMP産生の測定のために、M9培地中での培養物を同じM9補充培地によって吸光度(600nm)が0.5となるまで希釈し、その時点で無水テトラサイクリン(ATC)を100ng/mLの濃度で培養物に添加し、DacAの発現を誘導した。細胞をさらに4時間誘導して、環状ジ−AMPを蓄積させた。
試料を、環状ジヌクレオチド産生のLC/MS分析のために除去した。試料を10000×gで5分間遠心分離し、細胞分画と細胞外分画とを分離した。次に、細胞ペレットを使用して、細胞内環状ジ−AMPを決定した。濃度を、LC/MSを介して決定した。
キヌレニン消費を定量化するために、LB培養物を遠心沈降させて、100μM L−キヌレニン(Sigma−Aldrich(登録商標))を含むLB中に、吸光度(600nm)が1.0となるように再懸濁させた。次いで、これらの培養物を37℃に置き、4時間振とうさせ、キヌレニンを消費させた。キヌレニン消費の測定に関して、試料を各培養物から除去し、10000×gで5分間遠心沈降させ、細胞分画と細胞外分画とを分離した。培地上清を除去し、LC/MS分析を介してキヌレニンの消費を決定するために使用した。
図17Aに示す結果は、操作された株SYN3831が、SYN3527と類似の環状ジ−AMPを産生することができることを示し、そのキヌレニン消費親株SYN2028は、環状ジ−AMPを産生することができなかった。図17Bの結果は、新たな組合せ株SYN3831もまた、その親株SYN2028と同様にキヌレニンを消費する能力を保持したことを示している。まとめると、これらの結果は、in vitroの組合せ株SYN3831は、STINGアゴニストである環状ジ−AMPを産生する能力と共にAHRアゴニストであるキヌレニンを消費する能力の両方を保有することを支持する。
(実施例43)
分泌されたIFN−ガンマの機能的アッセイ
次に、遺伝子操作された細菌から分泌されたIFN−ガンマが機能的であることを証明する試験を実施した。細胞に基づくアッセイを、IFNガンマがその受容体に結合した場合のSTAT1のリン酸化の増加に基づいて用いた。IFN−ガンマの生物活性は、フローサイトメトリーを介するSTAT1リン酸化の定量によって決定することができる。
次に、遺伝子操作された細菌から分泌されたIFN−ガンマが機能的であることを証明する試験を実施した。細胞に基づくアッセイを、IFNガンマがその受容体に結合した場合のSTAT1のリン酸化の増加に基づいて用いた。IFN−ガンマの生物活性は、フローサイトメトリーを介してSTAT1リン酸化の定量によって決定することができる。
簡単に説明すると、マウスRAW264.7細胞を、マウスIFNg発現細菌(PAL::Cm p15a Ptet−87K PhoA−mIFNgを含むSYN3543)からの上清によって15分間処置した。処置した細胞をパラホルムアルデヒドに基づく溶液中で固定した後、90%メタノール中で厳しい透過処理を行った。ホスホ−STAT1のモジュレーションをフローサイトメトリーによって定量化し、結果を図39Aおよび39Bに示す。
図39Aおよび図39Bは、2つの独立したアッセイにおけるSYN3543の生物活性を示す。
(実施例44)
CD40L分泌株SYN3367のin vivoでの活性
CD40L分泌株SYN3367(PAL::Cm pUC−tet−PhoA−mCD40L 112−260を含む;本実施例および図36においてSYN−CD40Lと呼ぶ)のin vivo活性を決定するために、腫瘍内抗原提示細胞(APC)の活性化を、フローサイトメトリーによってアセスメントし、CT26腫瘍モデルにおいてSYN1557(DOM変異体;本実施例および図36においてSYNと呼ぶ)、または組換えマウスCD40L(R&D Systems)のいずれかによる処置と比較した。
試験のための細菌細胞を産生するために、一晩培養物を使用して、抗生物質と共にLB培地500mLに接種した。株を、培養物が、対数期終期(OD600=0.8〜1.0)に達するまで振とうさせながら37Cでインキュベートした。収集するために、細胞を5000rpmで20分間遠心沈降させ、培地を吸引し、細胞をPBSによって洗浄し、15%グリセロールおよびPBS中に再懸濁させ、アリコートにして−80Cで凍結した。細胞は、連続プレーティング(plating)によって濃度を試験した。
簡単に説明すると、CT26細胞を各動物の右脇腹にSC(PBS中で1×106個細胞/マウス)移植した。腫瘍の成長をモニタリングした;腫瘍が約80〜100mm3に達すると、マウスを以下の腫瘍内投与の群(1群あたりN=6)に無作為化した:SYN1557(漏出表現型DOM変異体、群1、1×107個)、SYN3367(mCD40L分泌体、群2、1×107個)、および組換えmCD40L(1μg;群3)。0日目に、マウスに細菌をI.T.注射した。1、4、および7日目に全ての群にATC 1μgを、IP注射により注射した(3回のパルス)。1、4、および7日目に、群3を組換えCD40L 1μgのI.T.注射により処置した。8日目に、全てのマウスを犠牲にし、マウス3匹を、腫瘍内APCの活性化をフローサイトメトリーによって分析するために利用し、マウス3匹を、CFUプレーティングを介して細菌定着を測定するために利用した。
3つの代表的な腫瘍をホモジナイズし、腫瘍ホモジネートを連続希釈し、コロニー形成単位濃度を測定するために適切な抗生物質を含むLB寒天プレート上に播種した。図36Bに示されるように、SYN−CD40Lは、SYNと類似の程度に腫瘍に定着し、最大1×108CFU/グラム腫瘍に達した。3つの代表的な腫瘍からの腫瘍内APCのフローサイトメトリー分析を、腫瘍をDNアーゼとリベラーゼTL(Sigma)の混合物中、37℃で30分間消化し、細胞を単細胞懸濁液に入れ、以下の抗体によって染色することによって実施した:抗MHCII(IA/IE)、CD45.2、CD40、Gr1、CD197(CCR7)、CD11b、CD11c(全てBiolegendから)。CT26腫瘍をSYN−CD40Lによって処置すると、腫瘍内樹状細胞においてより高レベルのCCR7発現が得られ(SYN−CD40Lに関してp<0.04対SYN対照)、マクロファージにおいても同様に高い発現傾向が見られた(図36C)。さらに、CD40に関するより高い発現傾向は、腫瘍中の樹状細胞とマクロファージの両方について観察された。これらの結果は、SYN−CD40Lによる処置によって、腫瘍内の重要なAPCサブセットの活性化の増加が起こることを示唆している。
(実施例45)
CT26腫瘍におけるhTNFαの活性
hTNFa発現株SYN2304(PAL::CM p15a TetR Ptet−PhoA−TNFαを含む;本実施例および図38においてSYN−TNFαと呼ぶ)のin vivo活性を決定するために、CT26腫瘍において腫瘍体積をアセスメントし、SYN1557(DOM変異体;本実施例および図38においてSYNと呼ぶ)と比較した。
試験のための細菌細胞を産生するために、一晩培養物を使用して、抗生物質と共にLB培地500mLに接種した。株を、培養物が、対数期終期(OD600=0.8〜1.0)に達するまで振とうさせながら37Cでインキュベートした。収集するために、細胞を5000rpmで20分間遠心沈降させ、培地を吸引し、細胞をPBSによって洗浄し、15%グリセロールおよびPBS中に再懸濁させ、アリコートにして−80Cで凍結した。細胞は、連続プレーティング(plating)によって濃度を試験した。
簡単に説明すると、CT26細胞を、各動物の右脇腹にSC(PBS中で1×106個細胞/マウス)移植した。腫瘍の成長をモニタリングした;腫瘍が約50〜80mm3に達すると、マウスを以下の腫瘍内投与の群(1群あたりN=5)に無作為化した:SYN(漏出表現型DOM変異体、群1、1×107個)およびSYN−TNFα(TNFα分泌体、群2、1×107個)。0および4日目に、マウスに細菌をI.T.注射した。1および4日目に両方の群にATC 1μgを、IP注射により投与した(2回のパルス)。腫瘍サイズを週に2回測定した。腫瘍をホモジナイズし、腫瘍ホモジネートを連続希釈し、コロニー形成単位濃度を測定するために適切な抗生物質を含むLB寒天プレート上に播種した。図38Bに示すように、SYN−TNFαは、SYNと類似の程度に腫瘍に定着し、1x108CFU/グラム腫瘍にまで達した。hTNFαの腫瘍内発現は、hTNFα ELISA(R&D Systems)によって測定した場合にSYN−TNFα処置CT26腫瘍に限って検出された(図38C)。図38Dに示す結果は、SYNによる処置(P<0.02)と比較するとSYN−TNFαによって処置したCT26腫瘍では最初の細菌投与の7日後で、腫瘍の成長の有意な低減を示す。まとめると、これらの結果は、SYN−TNFαが、CT26腫瘍において定着および持続することができ、そこでそれらがhTNFαの検出可能なレベルを発現し、それによって腫瘍の成長の有意な低減をもたらすことを証明する。
(実施例46)
mIFNガンマ分泌株SYN3367のin vivoでの活性
IFNガンマ発現株SYN3367(PAL::Cm p15a Ptet−87K PhoA−mIFNgを含む;本明細書においてSYN−IFNγと呼ぶ)のin vivo動力学を決定するために、CT26腫瘍を処置し、SYN1557(DOM変異体;本明細書においてSYNと呼ぶ)処置腫瘍と比較した。
試験のための細菌細胞を産生するため、一晩培養物を使用して、抗生物質を含むLB培地500mLに接種した。株を、培養物が、対数期の終期に達するまで(OD600=0.8〜1.0)、振とうさせながら37Cでインキュベートした。収集するために、細胞を5000rpmで20分間遠心沈降させ、培地を吸引し、細胞をPBSによって洗浄し、15%グリセロールおよびPBS中に再懸濁させ、アリコートにして、−80Cで凍結した。細胞は、連続プレーティングによって濃度を試験した。
簡単に説明すると、CT26細胞を、各動物の右脇腹にSC(PBS中で1×106個細胞/マウス)移植した。腫瘍の成長をモニタリングした;腫瘍が約50〜80mm3に達すると、マウスを以下の腫瘍内投与の群(1群あたりN=6)に無作為化した:SYN(漏出表現型DOM変異体、群1、1×107個)およびSYN−IFNγ(IFNガンマ分泌体、群2、1×107個)。0日目および3日目に、マウスに適切な細菌株を投与した。1、4および7 4日目に、全てのマウスにATC 1μgを、I.P.で注射した(3回のパルス)。8日目に全てのマウスを犠牲にし、マウス3匹を、CFUプレーティングを介して腫瘍内細菌定着を測定するために利用し、マウス3匹をELISAによって腫瘍内IFNγ産生を分析するために利用した。腫瘍をホモジナイズし、腫瘍ホモジネートを連続希釈し、コロニー形成単位濃度を測定するために適切な抗生物質を含むLB寒天プレート上に播種した。図XBに示すように、SYN−IFNγは、SYNと類似の程度に腫瘍に定着し、1x108CFU/グラム腫瘍にまで達した。IFNγの腫瘍内発現は、マウスIFNγ ELISA(R&D Systems)によって測定した場合にSYN−IFNγ処置CT26腫瘍に限って検出された(図40C)。まとめると、これらの結果は、SYN−IFNγが、CT26腫瘍において定着および持続することができ、そこでそれらがATCによる誘導後にIFNγの検出可能なレベルを発現することを証明する。
(実施例47)
分泌されたCXCL10の機能的アッセイ
上記の株のいずれかから分泌されたヒトCXCL10が機能的であるか否かを決定するために、走化性アッセイを、本質的にMikuckiら(その内容の全体が参照により本明細書に組み込まれる、Mikuckiら、Non−redundant Requirement for CXCR3 Signaling during Tumoricidal T Cell Trafficking across Tumor Vascular Checkpoints;Nat Commun.2015年;6巻:7458頁)に記載されているとおりに実施した。このアッセイにおいて、ヒトCD8+T細胞(抗CD3/CD28による拡大増殖の8日後)をCell traceバイオレットによって標識し、抗hCXCR3の存在下または非存在下で、上部にT細胞を有し、下部に細菌上清を有する24ウェルトランスウェルプレート(5μM孔)に移した。細胞を3時間インキュベートし、ウェルの底から回収した遊走細胞をフローサイトメトリーによって計数した。
細菌上清を調製するために、株(SYN1557対照株およびSYN2942(PAL::Cm Ptet−87K PhoAを含む(ECOLIN_02255)))を融解して一晩成長させ、次いで、テトラサイクリンを3時間添加することによってhCXCL10を発現するように誘導した。上清を滅菌した後、以下に記されるように使用した。T細胞を調製するために、予め単離した初代ヒトCD8 T細胞(AllCells)を計数し、収集し、刺激後およそ8日目に抗CD3/CD28ビーズと共にT細胞培地に再懸濁させた。ウェルの下部に0.5mlおよび上部に0.1mlの空隙を有し、5μM孔径の24ウェルトランスウェルプレートをアッセイのために使用した。ウェルの下部の細菌上清を調製するために、SYN2942からの上清を、SYN1557対照細菌から得た上清中で希釈し、100%、33%、11%、3.7%、および0%SYN2942を含む混合物を生成した。ウェルの上部を調製するために、T細胞100μLを上部ウェル(およそ2.5×10個細胞を含む)に添加した。抗CXCR3(マウスIgG1;クローンG025H7)を対照ウェルに最終濃度1μg/mLで添加した。プレートを37Cのインキュベータ内に3時間入れた後分析した。分析のために、各下部のウェルの内容物を96ウェルプレートの2つのウェルに移した。プレートを遠心沈降させ、2つのウェルを合わせて、PBS中に再懸濁させ、MACSQuantフローサイトメーターにおいて分析し、遊走した細胞数を定量化した。初代ヒトT細胞は、SYN2942上清に向かって用量依存的に移動し、これはCXCL10の受容体CXCR3の遮断によって消失した。このデータ(示していない)は、SYN2942によって産生されたhCXCL10が生物学的に活性であり、初代T細胞の移動をin vitroで誘発するために十分な濃度で豊富に存在することを示唆している。
(実施例48)
Balb/c−A20腫瘍モデルにおけるSYN3527処置の有効性の評価
c−A20腫瘍モデル(A20 B細胞リンパ腫)における、3つの異なる用量での、およびPBS対照と比較した、経時的なSYN3527(Listeria monocytogenesからのプラスミドに基づくtet誘導性dacAを含む)のin vivo活性および有効性の判定。
試験のための細胞を産生するために、一晩培養物を使用して、抗生物質と共にLB培地500mLに接種した。株を、培養物が、対数期終期(OD600=0.8〜1.0)に達するまで振とうさせながら37Cでインキュベートした。収集するために、細胞を5000rpmで20分間遠心沈降させ、培地を吸引し、細胞をPBSによって洗浄し、15%グリセロールおよびPBS中に再懸濁させ、アリコートにして−80Cで凍結した。細胞は、連続プレーティング(plating)によって濃度を試験した。
雌Balb/cマウス6週齢にA20腫瘍を移植し、c−ジAMPを産生することができる細菌産生酵素の3つの異なる用量を腫瘍内注射した。腫瘍体積を様々な時点で測定し、実験終了時に腫瘍を秤量し、処理した。
簡単に説明すると、−15日目に各動物の右脇腹にA−20細胞(PBS中の2×10 5/マウス/100μL)をSC移植した。腫瘍が約100mm3に達するまで、腫瘍成長をモニタリングした。0日目に、マウスを次のような腫瘍内投与の群(1群あたりN=8)に無作為化した:PBS(群1、ビヒクル対照)、SYN3527(群2、1×10^7 CFU)、SYN3527(群3、5×10^7 CFU)、およびSYN3527(群4、5×10^8 CFU)。腫瘍サイズを測定し、0、2および5日目に細菌またはPBSをマウスにI.T.注射し、その後、4時間後にATC(1μg I.P.)を注射した。
動物に、群に基づいた適切な細菌または食塩水(注射のための対照)を0、3および7日目に投与した。細菌を投与した4時間後、マウスを10μgのATC(アンヒドロテトラサイクリン)で腹腔内注射によって処置した。2回の測定の間を1〜2日空けて週に3回、腫瘍体積および体重を記録した。
1、4および12日目の腫瘍体積を図11に示し、個々のマウスにおける27日までの間の腫瘍体積を図12A(食塩水対照)、図12B(1×10^7 CFU)、図12C(5×10^7 CFU)および図12D(5×10^8 CFU)に示す。結果は、SYN3527の投与がA20リンパ腫モデルにおいて用量依存的腫瘍制御を駆動することを示す。
(実施例49)
STINGイニシエーターとKynサステナーを組み合わせること:aPD1チェックポイント阻害剤での有効性の改善
次に、免疫イニシエーター/サステナー対の組合せを、単独でまたはチェックポイント阻害剤療法と組み合わせて試験した。サステナーキヌレニン消費株SYN2028(構成的プロモーターの制御下にある組み込まれたキヌレニナーゼと、ΔTrpEとを含む)と組み合わせたイニシエーターSTING産生株SYN3527(Listeria monocytogenesからの、プラスミドに基づく、テトラサイクリン誘導性p15a Ptet−DacAを含む、E.coli Nissle)の有効性を判定するために、免疫学的に「冷たい」腫瘍モデルと見なされるB16F10腫瘍モデルにおいて、腫瘍体積、生存および体重をモニタリングした。チェックポイント阻害がイニシエーター/サステナーペアの有効性をさらに改善するかどうかをアセスメントするために、全身投与される抗PD1抗体の追加についての効果もアセスメントした。マウスを2用量のSTINGアゴニスト産生株(イニシエーター)で処置し、その後、抗PD1、キヌレニン消費株または組合せのいずれか(サステナー)で処置した。
試験のための細胞(SYN3527およびSYN2028)を産生するために、一晩培養物を使用して、抗生物質を含むLB培地500mLに接種した。株を、培養物が対数期の終期に達するまで(OD600=0.8〜1.0)、振とうさせながら37Cでインキュベートした。収集するために、細胞を5000rpmで20分間遠心沈降させ、培地を吸引し、細胞をPBSで洗浄し、15%グリセロールおよびPBS中に再懸濁させ、アリコートにして、−80Cで凍結した。細胞を連続プレーティングにより濃度試験した。
マウスにB16F10腫瘍を移植し、下記のタイムラインに従ってマウスにSTINGアゴニストを産生する細菌を、続いて、キヌレニンを消費する細菌を腫瘍内注射した。簡単に説明すると、−9日目に各動物の右脇腹にB16F10細胞(PBS中の2e5個細胞/マウス)をSC移植した。−3日目に腫瘍成長をモニタリングし、0日目、腫瘍が約50〜80mm
3に達したら、マウスを次のような腫瘍内投与の実験群(1群あたりN=10)に無作為化した:群1:食塩水+アイソタイプ対照;群2:食塩水+抗PD1抗体;群3:SYN3527[1e7]+アイソタイプ対照;群4:SYN3527[1e7]+抗PD1抗体;群5:SYN3527[1e7]−>SYN3527:SYN2028[1e7]−>SYN2028[1e7]+アイソタイプ対照;群6:SYN3527[1e7]−>SYN3527:SYN2028[1e7]−>SYN2028[1e7]+抗PD1抗体;群7:SYN3527[1e6]−>SYN3527[1e7]+アイソタイプ対照;群8:SYN3527[1e6]−>SYN3527[1e7]+抗PD1抗体。アイソタイプ対照および抗PD1抗体を注射1回あたり200μgで投与した。1日目、5日目および8日目に群に基づいて適切な細菌を動物に投与した。各細菌投与の4時間後、マウスを10μgのATC(アンヒドロテトラサイクリン)で腹腔内注射によって処置した。完全な応答体については細菌投与を停止した。表53は、処置タイムラインの要約を提供する。結果を表54に示す。
処置に対して完全または部分奏効を明示した腫瘍を有するマウスについては投与を中止し、50日間、持続的奏効についてマウスをモニタリングした。この期間中に再燃した腫瘍はなかった。
次に、CRを示した動物に初回腫瘍移植とは反対側の脇腹への腫瘍再移植によって再投与して、SYN3527での処置が免疫学的記憶を付与できるかどうかをアセスメントした。簡単に説明すると、B16F10細胞を71日目に群3〜8からの11匹の完全な応答体に再移植し、未処置動物(n=6)と比較した。結果を図12に示す。この結果は、初回SYN3527処置に対するCRを以前に経験したマウスについて、未処置マウスと比較して腫瘍成長の有意な遅延を実証し、これは、免疫学的記憶の形成を含意する。
(実施例50)
安全性および生物学的封じ込め戦略のアセスメント:腫瘍における栄養要求性突然変異体の増殖
栄養要求性突然変異株の腫瘍における増殖能力をアセスメントした。3種の栄養要求性株を生成した:SYN1193(ΔUraA::CM)、SYN1534またはSYN1605(ΔThyA::CM)、SYN766(ΔDapA::CM)。
栄養要求性株の増殖を、先ず、CT26モデルにおいてアセスメントした。CT26細胞(PBS中の約1e6個細胞/マウス)を各動物(BalbC/J(雌、8週齢))の右脇腹に皮下移植し、腫瘍成長をおおよそ10日間にわたってモニタリングした。腫瘍が約100〜150mm3に達したら、動物を投与の群に無作為化した。
腫瘍内注射のために、チミジン(3mM)とジアミノピメリン酸(100μg/mLのDAP)またはウラシルを必要に応じて含有するLBブロス中で細菌を600nmでの吸光度(A600nm)0.4(2e8コロニー形成単位(CFU)/mLに相当する)に達するまで成長させ、PBSで2回洗浄した。40μLを適切な用量で担腫瘍マウスに腫瘍内注射することができるように、PBSまたは食塩水で懸濁液を希釈した。
細菌をPBSに懸濁させ、次のように40μLをマウスに腫瘍内注射(1e6個細胞/マウス)した:群1−SYN94(n=6)、群2−SYN1193(n=6)、群3−SYN1534(n=6)、および群2−SYN766(n=6)。腫瘍組織を24および72時間の時点で収集した。腫瘍組織ホモジネートを連続希釈し、LB寒天プレート(抗生物質とチミジン、ジアミノピメリン酸またはウラシルとを含有する)上に播種して、腫瘍内の組織1グラムあたりの生菌数(またはコロニー形成単位)を計算した。図18Aにおける結果は、ΔThyAおよびΔUraA突然変異を含む株が、未改変E.coli Nissle株と同様に、腫瘍においてコロニー形成することおよび増殖することができることを示す。ピリミジン経路の突然変異は、ピリミジン源の非存在下で細菌の成長を防止するが、結果は、コロニー形成および成長を可能にするために十分なレベルのこれらの栄養素が腫瘍内に存在することを示す。しかるが故に、これらの栄養要求性突然変異は、成長およびコロニー形成特性に悪影響を及ぼさずにピリミジンの非存在下で成長を防止することにより、および腫瘍内での拡張、エフェクター産生または有効性により、生物学的封じ込め戦略に有用である。
対照的に、ΔDapA突然変異を含有する株は増殖せず、最初に注射したものより少ない細菌数が24時間および72時間後に検出される。ジアミノピメリン酸(Dap)は、細菌によって作製されるが、哺乳動物宿主によって作製されないアミノ酸である。これは、ある特定の細菌の細胞壁、例えばグラム陰性菌の細胞壁、に特有の成分である。ジアミノピメリン酸がなければ、細菌は、プロテオグリカンを形成することができず、しかるが故に、成長することができない。しかるが故に、DapA栄養要求性は、細菌成長および腫瘍のコロニー形成に影響を与えることができ、ある期間にわたって腫瘍内の細菌の存在度ならびに/またはエフェクター発現および産生レベルを経時的にモジュレートする、タイミングを微調整する、ために特に有用な戦略をもたらしうる。
B16F10およびEL4細胞においてThyA栄養要求性株を用いて、図18Bおよび図18Cに示す、後続試験を行った。ThyA栄養要求性株は、CT26モデルにおいて未改変株に対して観察された成長パターンを再現して、72時間の期間にわたってWT株と同様の速度で増殖することができた。
(実施例51)
骨格改変による時間的な用量のモジュレーション:DAP−STING株で治療域を改善する可能性
in vivoでのエフェクター産生のレベルおよびタイミングを制御するための様々な方法であって、各々を個々にまたは(より厳密な制御を可能にするために)組み合わせて使用することができる方法をアセスメントした。誘導性プロモーター(テトラサイクリン、クミン酸塩、サリチル酸塩またはハイポキシア/嫌気生活誘導性)を使用してエフェクター分子産生のレベルおよびタイミングを制御または微調整することができることをアセスメントするための試験を行った。それを下で説明する。
加えて、遺伝子操作された細菌の存在量を制御することによってエフェクター分子産生のレベルおよびタイミングを調節することができることをアセスメントした。前の実施例で説明したように、有利なことに、DapA栄養要求性株は腫瘍で成長して腫瘍にコロニーを形成することができないことが判明した。したがって、DapA栄養要求体は、細菌負荷量および用量に対してならびに拡張エフェクターペイロード送達および存在量により時間的制御を獲得する手段をもたらすことができるだろう。
STING産生に対するDapAの効果を試験するために、STING産生体SYN4023(Listeria monocytogenesからの、プラスミドに基づく、テトラサイクリン誘導性p15a Ptet−DacAと、ΔDapAとを含む、E.coli Nissle)を生成した。次に、腫瘍の細菌成長またはコロニー形成とエフェクター産生とをモジュレートする能力を試験した。
DAP−STING株SYN4023(Listeria monocytogenesからのp15a Ptet−DacAとΔDapAとを含むE.coli Nissle)を含む処置の有効性を判定するために、B16F10腫瘍モデルにおいて腫瘍体積および体重をモニタリングした。
試験のための細胞を産生するために、一晩培養物を使用して、抗生物質を含むLB培地500mLに接種した。株を、培養物が対数期の終期に達するまで(OD600=0.8〜1.0)、振とうさせながら37Cでインキュベートした。収集するために、細胞を5000rpmで20分間遠心沈降させ、培地を吸引し、細胞をPBSで洗浄し、15%グリセロールおよびPBS中に再懸濁させ、アリコートにして、−80Cで凍結した。細胞を連続プレーティングにより濃度試験した。
マウスにB16F10腫瘍を移植し、下記のタイムラインに従ってマウスにSTINGアゴニストを産生する細菌を腫瘍内注射した。簡単に説明すると、−9日目に各動物の右脇腹にB16F10細胞(PBS中の2e5個細胞/マウス)をSC移植した。−3日目に腫瘍成長をモニタリングし、0日目、腫瘍が約50〜80mm3に達したら、マウスを次のような腫瘍内投与の群(1群あたりN=10)に無作為化した:食塩水(対照、群1)、SYN4023(DAP−STING、群2、1e7 CFU)およびSYN4023(DAP−STING、群3、1e8 CFU)。動物に、群に基づいた適切な細菌または食塩水(注射のための対照)を1、5および8日目に投与した。細菌投与の4時間前に、マウスを10μgのATC(アンヒドロテトラサイクリン)で腹腔内注射によって処置した。完全な応答体については細菌投与を停止した。
5、8および12日目の腫瘍体積を図19Aに示す。個々のマウスについての腫瘍体積を図19B、図19Cおよび図19Dに示す。結果は、1e8の用量でのSYN4023の投与がこの期間にわたって腫瘍成長の拒絶または制御をもたらすことを示す。
加えて、これらの結果は、DapA栄養要求性の導入による細菌成長の制限が株の有効性を低下させないことを示す。
(実施例52)
サイトカイン放出症候群の除外
サイトカイン放出症候群(CRS)は、一部の疾患または感染症の合併症として生じる、ならびにまた、一部のモノクローナル抗体薬のおよびCAR−T療法などの養子T細胞療法の有害効果である、全身性炎症反応症候群の一形態である。サイトカイン放出症候群は、免疫療法の過程で、免疫細胞から血液中へのサイトカインの大量の急速な放出により引き起こされる。同様に、全身性細菌感染症は、敗血症として公知の過程でサイトカインの急速な放出をもたらしうる。腫瘍内細菌処置が、マウスの血液中のCRSまたは敗血症に関連するサイトカインレベル上昇をもたらさないことを保証するために、STINGアゴニスト産生細菌および対応する未改変対照での腫瘍の処置時に血液中のサイトカインレベルを測定した。
B16F10腫瘍を本明細書の他の箇所で説明するように移植してモニタリングし、0時点で、マウスを次のように無作為化し、群に応じてマウスにI.T.注射した:食塩水、1e7 CFUでのSYN3527(STING、誘導)、1e7 CFUでのSYN3527(STING、未誘導)、1e8 CFUでのSYN4023(STING DAP、誘導)または1e7 CFUでのSYN94(未改変細菌)(1群あたりn=12)。LPS誘導敗血症対照(100μL PBS中の500μg)をこの試験に含め、静脈内投与した。各細菌投与の4時間後、マウスを10μgのATC(アンヒドロテトラサイクリン)で腹腔内注射によって処置した(誘導)か、またはPBSビヒクル対照で処置した(未誘導)。マウスを1、5および24時間の時点で(各時点に4匹)犠牲にした。特別注文のLuminexキットを製造業者の使用説明書に従って使用して、血液中のTNFαおよびIL−1βレベルを定量した。結果を図20に示す。この結果は、サイトカインレベルが敗血症対照において観察されたものをはるかに下回ることを示す。これらのデータは、敗血症性ショックおよびサイトカイン急増が担腫瘍マウスにおいてSYN3527の処置後にもSYN4023の処置後にも起こらないことを示唆する。
腫瘍ホモジネート(1時間、5時間、24時間)を液体クロマトグラフィー質量分析によってSTINGアゴニストc−ジAMPの産生について分析し、LBプレート上へのプレーティングによってCFUを測定した。図20Cは、c−ジAMP測定を示し、c−ジAMPがin vivoで(ATCで誘導したとき)SYN3527およびSYN4023の両方により生成されることを確証する。図20Dは、CFU数を示し、SYN3527が未改変SYN94と同様の程度に腫瘍においてコロニー形成し、成長する一方で、ΔDapA株であるSYN4023が測定した期間(24時間)にわたって細菌数低減を示すことを実証する。注目すべきことに、すべての血液試料は、細菌成長に対して陰性であった。注目すべきことに、分析した細菌株のいずれでの処置後にも血流へのサイトカインの放出が起こらない。全体的に見れば、これらの結果は、B16F10腫瘍の腫瘍内処置およびSTINGアゴニストの発現が安全であり、敗血症に関連するサイトカインの全身性の増加も、サイトカイン急増に関連するサイトカインの全身性増加も引き起こさないことを示す。
(実施例53)
STING多型性:複数の対立遺伝子に対処するための追加のアゴニスト産生株の構築
複数の対立遺伝子がヒトSTING(hSTING)について記載されている。異なるSTINGアゴニストは、異なる特異性でこれらの対立遺伝子を活性化する(例えば、Yiら、Single Nucleotide Polymorphisms of Human STING Can Affect Innate Immune Response to Cyclic Dinucleotides; PLOS One 2013年10月|8巻|10号|e77846を参照されたく、この参考文献の内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)。STINGは、細菌からの環状ジヌクレオチド、および/または内在性サイクリックGAMPを感知する。c−ジAMPの産生に加えて、SYN3527について本明細書中で示すように、追加のまたは代替のアゴニストの産生は、追加の対立遺伝子の刺激を増強するために使用することができる可能性があり、操作された株の有効性をモジュレートするためのより大きな自由度を提供することができるだろう。
推定的cGAMPシンターゼ(21種のタンパク質)の系統発生学的ライブラリーを、公知のcGAMPシンターゼ(cGAS)DncVとの相同性に基づいて同定した。STINGアゴニスト株を生成するために、cGASオルソログをPtetプロモーターの制御下のp15にクローニングした。次いで、cGASオルソログをスクリーニングして、in vitroでcGAMPを産生することができる代替酵素を同定した。
簡単に説明すると、cGASオルソログの1つをコードする異種構築物を含むE.coli Nissle株、および対照株を、LB培地中で一晩成長させた。培養物を、0.5%グルコース(w/v)を補充したM9最少培地で1:10希釈し、振とう(350rpm)しながら37℃で2時間成長させた。培養物を1.0の光学密度に希釈し、このとき、無水テトラサイクリン(ATC)を100ng/mLの濃度で培養物に添加してcGASの発現を誘導した。誘導の4時間後、環状ジヌクレオチド産生のLC/MS分析のために試料を除去した。試料を20分間、5000RPMで遠心分離して、細胞画分と細胞外画分を分離した。次いで、細胞ペレットを使用して、細胞内3’,3’cGAMPを決定した。LC/MSによって濃度を決定した。
結果を図33Aおよび図33Bに示す。前に示したように、SYN3527は、高レベルのcdAMPを産生する。試験した他の株では有意な産生が観察されなかった。しかし、cGAMPのいくつかの有意な産生体(SYN4251、SYN4240、SYN4241)を同定した。SYN4251は、Verminephrobacter eiseniae(EF01−2 ミミズ共生生物)からのオルソログを発現し、SYN4240は、Kingella denitrificansからのオルソログ(ATCC 33394)を発現し、SYN4241は、Neisseria bacilliformisからのオルソログ(ATCC BAA−1200)を発現する。配列を表55に記載する。
(実施例54)
A20腫瘍モデルについてのSYN4023処置の抗腫瘍有効性
SYN4023(ptet−DacAおよびΔDapA)の抗腫瘍活性をA20腫瘍モデルにおいてアセスメントした。
試験のための細胞を産生するために、一晩培養物を使用して、抗生物質を含むLB培地500mLに接種した。株を、培養物が対数期の終期に達するまで(OD600=0.8〜1.0)、振とうさせながら37Cでインキュベートした。収集するために、細胞を5000rpmで20分間遠心沈降させ、培地を吸引し、細胞をPBSで洗浄し、15%グリセロールおよびPBS中に再懸濁させ、アリコートにして、−80Cで凍結した。細胞を連続プレーティングにより濃度試験した。
−14日目にマウスの各々の右脇腹にA20腫瘍(PBS中の1e6個細胞/マウス)をSC移植した。−3日目に腫瘍成長をモニタリングし、腫瘍が約40〜80mm
3に達したら、マウス(0日目)を表56に示すような腫瘍内投与の実験群(1群あたりN=12)に無作為化した。
1日目および4日目にSYN4023細菌または食塩水を動物にI.T.投与した。各細菌投与の4時間前に、マウスを10μgのATC(アンヒドロテトラサイクリン)で腹腔内注射によって前処置した。腫瘍体積を測定し、動物の健康状態を、3回/週、アセスメントした。結果を図21に示す。この結果は、SYN4023でのA20腫瘍の処置が腫瘍制御および拒絶をもたらすことを示す。これらのデータは、SYN4023処置が、A20腫瘍モデルにおいて2用量のみで効果があることを実証する。
(実施例55)
DAP栄養要求株STINGアゴニスト産生株での免疫刺激因子有効性の増強
OX40、41BBおよびGITRによる免疫刺激を誘発するアゴニスト抗体は、細胞傷害性CD8+およびヘルパーCD4+T細胞の拡大増殖および増殖によって抗腫瘍免疫を促進することが示されており(Sanmamed, M. F.ら(2015年).「Agonists of Co−stimulation in Cancer Immunotherapy Directed Against CD137, OX40, GITR, CD27, CD28, and ICOS.」Semin Oncol 42巻(4号):640〜655頁、この参考文献の内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)、したがって、本発明者らは、これらの処置と本発明者らのSTINGアゴニスト産生細菌株との組み合わせた有効性を評価しようとした。
SYN4023(Listeria monocytogenesからの、プラスミドに基づく、テトラサイクリン誘導性p15a Ptet−DacAと、ΔDapAとを含む、E.coli Nissle)が、aOX40、a41BBおよびaGITRの有効性を増強することができるかどうかを判定するために、腫瘍成長をB16F10腫瘍モデルにおいてモニタリングした。
試験のための細胞を産生するために、一晩培養物を使用して、抗生物質を含むLB培地500mLに接種した。株を、培養物が対数期の終期に達するまで(OD600=0.8〜1.0)、振とうさせながら37Cでインキュベートした。収集するために、細胞を5000rpmで20分間遠心沈降させ、培地を吸引し、細胞をPBSで洗浄し、15%グリセロールおよびPBS中に再懸濁させ、アリコートにして、−80Cで凍結した。細胞を連続プレーティングにより濃度試験した。
−9日目にマウスの各々の右脇腹にB16F10腫瘍(PBS中の2e5個細胞/マウス)をSC移植した。−3日目に腫瘍成長をモニタリングし、腫瘍が約40〜80に達したら、マウス(0日目)を表57に示すような腫瘍内投与の実験群(1群あたりN=10)に無作為化した。
動物に試験期間にわたって週2回、SYN4023細菌をI.T.投与し、適切な抗体をI.P.投与した。抗体処置(I.P.)は、次の通りであった:抗OX−40(1用量あたり100μgでの抗OX−40)、抗GITR(1用量あたり350μgでのDTA−1)、およびα4−1BB(1用量あたり350μgでのLOB12.3)。各細菌投与の4時間前に、マウスを10μgのATC(アンヒドロテトラサイクリン)で腹腔内注射によって処置した。完全な応答体については細菌投与を停止した。腫瘍成長を、図22A(体積中央値)ならびに図22B、図22C、図22D、図22E、図22F、図22Gおよび図22H(個々のマウス)に示すように、3、6、9および13日目に測定した。結果は、SYN4023と様々なアゴニスト抗体の併用投与がアゴニスト抗体単独と比較して腫瘍成長および腫瘍拒絶の優れた制御をもたらすことを示す。これらのデータおよび上記データは、STINGアゴニスト産生が免疫チェックポイント療法と免疫アゴニスト療法の両方の有効性を改善することができることを実証する。
(実施例56)
B16F10腫瘍モデルにおけるin vivoプロモーター試験
免疫学的ペイロード送達に対する制御手段として、いくつかの誘導性プロモーター系の機能および有用性を評価した。低酸素誘導性FNR、クミン酸塩誘導性およびサリチル酸塩誘導性プロモーターの活性をin vivoで腫瘍微小環境においてアセスメントした。
誘導後の腫瘍内の様々な誘導性プロモーターの発現を評価するために、試験する様々なプロモーターにより駆動されるGFP受容体構築物を生成した。構成的プロモーターにより駆動されるRFPを使用して、腫瘍内の細菌細胞を同定し、単離した。
本明細書に記載するようにB16F10に移植し(2e5で移植し)、投与前に約100mm
3の腫瘍サイズに到達させた。試験1日目に、表58に収載するように、マウスを群(1群あたりマウス8匹;1時点あたりマウス4匹)に無作為化し、誘導性GFP株をマウスに注射した。インデューサーを細菌注射の48時間後(3日目)にI.P.投与した。
インデューサー注射の1および16時間後(3日目および4日目)に、腫瘍を40μMセルストレーナーで破砕し、700gで5分間遠心した。上清を新たな管に移し、4,000rpmで10分間遠心した。ペレットを500μLのPBS中に再懸濁させ、200μLをフローサイトメトリー分析のために96ウェルペレットに移した。結果を図24および図25に示す。図24は、GFP陽性である(すなわち、プロモーターが活性である)、RFP陽性(細菌細胞、無腫瘍細胞)のパーセンテージを示す。3つのプロモーターが活性である細菌細胞のパーセンテージが、1時間の時点と16時間の時点で同じであることに注目されたい。図25は、全遺伝子発現レベルを測定する、平均蛍光強度(MFI)を表す。16時間の時点でより高い発現レベルを示すtet誘導性構築物を除いて、これらの発現レベルもまた、2つの時点にわたって同じままである。考え合わせると、これらの結果は、試験した3つすべてのプロモーターが、免疫学的ペイロードのプロキシであるレポーター遺伝子発現を腫瘍においてin vivoで駆動することができることを示す。
(実施例57)
WT STING株の投与は長期免疫学的記憶をもたらす
SYN3527(WT Tet−STING)により惹起される完全退縮が長期にわたる免疫学的記憶をもたらすことことができることを、A20腫瘍モデルにおいてアセスメントした。
SYN3527用量応答試験(実施例52、図65)でSYN3527処置により完全退縮が認められた動物(n=4)を使用し、未処置同齢マウスと比較した。
−14日目に未処置対照マウスの各々の右脇腹にA20腫瘍(PBS中の2e5個細胞/マウス)をSC移植した。以前にSYN3527によって処置した(そして完全退縮を示している)マウスの、最初の腫瘍とは反対側の脇腹である左脇腹に、最初の処置後60日目にA20腫瘍(PBS中の2e5個細胞/マウス)をSC移植した。
腫瘍体積および体重を週に3回測定し、動物の健康状態を週に3回アセスメントした。結果を図13に示す。この結果は、WT STING株の投与が長期免疫学的記憶をもたらすことを示す。未処置対照とは対照的に、以前にSYN3527で処置した動物では腫瘍の再発が観察されなかった。これは、持続的記憶応答を示す。
(実施例58)
プロモーター試験(FNR、クミン酸塩誘導性およびサリチル酸塩誘導性プロモーターの比較)
FNR、クミン酸塩誘導性およびサリチル酸塩誘導性プロモーターを、in vitroで調節可能かつ効果的なエフェクター発現レベルを可能にするそれらの能力についてアセスメントした。
利用したサリチル酸センサー回路PSal/NahRバイオセンサー回路(パート:BBa_J61051)を最初はPseudomonas putidaから適応させた。nahおよびsalプロモーターと結合して、インデューサーサリチル酸塩に応答して転写を活性化する34kDaタンパク質をコードする、Pseudomonas putidaの83kbナフタレン分解プラスミドNAH7(Dunn, N. W.、およびI. C. Gunsalus.(1973年)Transmissible plasmid encoding early enzymes of naphthalene oxidation in Pseudomonas putida. J. Bacteriol. 114巻:974〜979頁)からnahR遺伝子を取り出した。NahRは、構成的プロモーター(Pc)により構成的に発現され、目的のタンパク質の発現は、インデューサーの存在下でNahRにより正に調節される。ここでは、Biobrick BBa_J61051(構成的プロモーターおよびPSalプロモーターにより駆動されるNahRをコードする遺伝子を含有する)を、骨格p15内のdacAの前にクローニングした。
クミン酸塩により調節される発現が、ネイティブP.putida F1において機能する基本的機序、およびそれをE.coliに適用する方法は、以前に記載されている(例えば、Choiら、Novel, Versatile, and Tightly Regulated Expression System for Escherichia coli Strains; Appl.Environ.Microbiol.2010年8月76巻15号5058〜5066頁を参照されたい)。本質的に、クミン酸回路またはスイッチは、次の4つの構成要素を含む:強力プロモーター、リプレッサー結合DNA配列またはオペレーター、cymRの発現、リプレッサー、およびインデューサーとしてのクミン酸塩。インデューサー変化の付加は、クミン酸塩とCymRとの複合体の形成を引き起こし、結果としてリプレッサーがそのDNA結合部位から除去されることになり、それによって目的の遺伝子の発現が可能になる。ここでは、構成的プロモーターおよびcymR応答性プロモーターにより駆動されるcymR遺伝子を含む構築物を、クミン酸塩誘導性発現を可能にするために、p15内のDacA遺伝子の前にクローニングした。
in vitroでDacAの発現を駆動するおよびc−ジAMPの産生を可能にするこれらのプロモーターの能力をアセスメントした。FNR、クミン酸塩誘導性およびサリチル酸塩誘導性プロモーターを含有する断片を、dacA構築物を含有するp15にクローニングした。株を下記の表60に示すように表した。
(実施例59)
ThyA栄養要求体(ΔthyA)の生成
栄養要求性突然変異は、生存または成長に必須の外部から加えられる栄養素の非存在下で細菌を死滅させる。これらの細菌には、その必須栄養素を産生するために必要な遺伝子がないからである。遺伝子操作された株に栄養要求性修飾を加えることで遺伝子操作された細菌を生成するために、オリゴヌクレオチド合成に必須の遺伝子であるthyAを欠失させる。E.coli NissleにおけるthyA遺伝子の欠失は、チミジンが補充されない限りLBプレート上でコロニーを形成することができない株を生じさせる。次のような3ラウンドのPCRを使用して、thyA::cam PCR断片を増幅する。第1のPCRラウンドについては、鋳型としての1ngのpKD3と、25μlの2×phusionと、0.2μLのプライマーSR36およびSR38と、0、0.2、0.4または0.6μlのいずれかのDMSOとを含有する4×50μlのPCR反応物を、ヌクレアーゼフリー水で50μlの体積にし、以下のサイクル条件下で増幅させる:
ステップ1:30秒間、98c
ステップ2:10秒間、98c
ステップ3:15秒間、55c
ステップ4:20秒間、72c
ステップ2〜4を30サイクル繰り返す
ステップ5:5分間、72c
その後、5μlの各PCR反応物をアガロースゲル上で泳動させて、適切なサイズのPCR産物を確認する。ZymocleanゲルDNA回収キットを製造業者の使用説明書に従って使用して、残りのPCR反応物からPCR産物を精製し、30μlのヌクレアーゼフリー水で溶出する。
第2のPCRラウンドについては、0.2μlのプライマーSR33およびSR34を用いたことを除いて上記の通りの4×50μlのPCR反応物において、ラウンド1からの1μlの精製PCR産物を鋳型として使用する。サイクル条件は、第1のPCR反応について上で述べたのと同じである。PCR産物を、上記の通り、アガロースゲル上で泳動させて増幅を検証し、精製し、30μlで溶出する。
第3のPCRラウンドについては、プライマーSR43およびSR44を用いたことを除いて上記の通りの4×50μlのPCR反応物において、ラウンド2からの1μlの精製PCR産物を鋳型として使用する。サイクル条件は、ラウンド1および2について記載したのと同じである。上記の通り、増幅を検証し、PCR産物を精製し、溶出する。分光光度計を使用して、濃度および純度を測定する。thyAの上流と相同の92bpと、frt部位と隣接しているクロラムフェニコールカセットと、thyA遺伝子の下流と相同の98bpとを含有する、得られた直鎖DNA断片を、リコンビニアリングのために成長させたpKD46を含有するE.coli Nissle 1917株に形質転換させる。電子穿孔後、3mMのチミジンを含有する1mlのSOC培地を添加し、細胞を振とうさせながら2時間、37Cで放置して回復させる。次いで、細胞を10,000xgで1分間ペレット化し、上清を廃棄し、3mMのチミジンを含有する100μlのLBに細胞ペレットを再懸濁させ、3mMのthyと20μg/mlのクロラムフェニコールとを含有するLB寒天プレートに塗る。細胞を37Cで一晩インキュベートする。LBプレート上に出現したコロニーを再画線する。+cam 20μg/ml+または−thy 3mM。(thyA栄養要求株は、thy 3mMを補充した培地中でのみ成長することになる)。
次に、抗生物質耐性をpCP20形質転換で除去する。pCP20は、酵母Flpリコンビナーゼ遺伝子、FLP、クロラムフェニコールおよびアンピシリン耐性遺伝子、ならびに温度感受性複製を有する。選択抗生物質を含有するLB培地中、37℃で、OD600=0.4〜0.6まで、細菌を成長させる。1mLの細胞を次のように洗浄する:細胞を16,000xgで1分間、ペレット化する。上清を廃棄し、ペレットを1mLの氷冷10%グリセロールに再懸濁させる。このステップを3回繰り返す。最終ペレットを70μlの氷冷10%グリセロールに再懸濁させる。次に、細胞に1ngのpCP20プラスミドDNAを電子穿孔し、3mMのチミジンを補充した1mLのSOCを直ちにキュベットに添加する。細胞を再懸濁させ、培養管に移し、30℃で1時間、成長させる。次いで、細胞を10,000xgで1分間ペレット化し、上清を廃棄し、3mMのチミジンを含有する100μlのLBに細胞ペレットを再懸濁させ、3mMのthyと100μg/mlのカルベニシリンとを含有するLB寒天プレートに塗り、30℃で16〜24時間、成長させる。次に、形質転換体を、42℃で、非選択的に(抗生物質なし)、コロニー精製する。
コロニー精製形質転換体を試験するために、ピペット先端部を用いてコロニーを42℃プレートから採取し、10μLのLBに再懸濁させる。3μLの細胞懸濁液を次の3枚1セットのプレートにピペットで移す:Cam、(37℃;宿主株のゲノム中のCamR遺伝子の存在/非存在について試験する)、Amp、(30℃、pCP20プラスミドからのAmpRの存在/非存在について試験する)、およびLBのみ(クロラムフェニコールカセットおよびpCP20プラスミドを喪失した望ましい細胞)、37℃。CamプレートでもAmpプレートでも成長がない場合にはコロニーを消滅したと見なし、採取し、LBプレートに再画線して単一コロニーを得、一晩、37℃で成長させる。
その後、5μlの各PCR反応物をアガロースゲル上で泳動させて、適切なサイズのPCR産物を確認する。ZymocleanゲルDNA回収キットを製造業者の使用説明書に従って使用して、残りのPCR反応物からPCR産物を精製し、30μlのヌクレアーゼフリー水で溶出する。
第2のPCRラウンドについては、0.2μlのプライマーSR33およびSR34を用いたことを除いて上記の通りの4×50μlのPCR反応物において、ラウンド1からの1μlの精製PCR産物を鋳型として使用する。サイクル条件は、第1のPCR反応について上で述べたのと同じである。PCR産物を、上記の通り、アガロースゲル上で泳動させて増幅を検証し、精製し、30μlで溶出する。
第3のPCRラウンドについては、プライマーSR43およびSR44を用いたことを除いて上記の通りの4×50μlのPCR反応物において、ラウンド2からの1μlの精製PCR産物を鋳型として使用する。サイクル条件は、ラウンド1および2について記載したのと同じである。上記の通り、増幅を検証し、PCR産物を精製し、溶出する。分光光度計を使用して、濃度および純度を測定する。thyAの上流と相同の92bpと、frt部位と隣接しているクロラムフェニコールカセットと、thyA遺伝子の下流と相同の98bpとを含有する、得られた直鎖DNA断片を、リコンビニアリングのために成長させたpKD46を含有するE.coli Nissle 1917株に形質転換させる。電子穿孔後、3mMのチミジンを含有する1mlのSOC培地を添加し、細胞を振とうさせながら2時間、37Cで放置して回復させる。次いで、細胞を10,000xgで1分間ペレット化し、上清を廃棄し、3mMのチミジンを含有する100μlのLBに細胞ペレットを再懸濁させ、3mMのthyと20μg/mlのクロラムフェニコールとを含有するLB寒天プレートに塗る。細胞を37Cで一晩インキュベートする。LBプレート上に出現したコロニーを再画線する。+cam 20μg/ml+または−thy 3mM。(thyA栄養要求株は、thy 3mMを補充した培地中でのみ成長することになる)。
次に、抗生物質耐性をpCP20形質転換で除去する。pCP20は、酵母Flpリコンビナーゼ遺伝子、FLP、クロラムフェニコールおよびアンピシリン耐性遺伝子、ならびに温度感受性複製を有する。選択抗生物質を含有するLB培地中、37℃で、OD600=0.4〜0.6まで、細菌を成長させる。1mLの細胞を次のように洗浄する:細胞を16,000xgで1分間、ペレット化する。上清を廃棄し、ペレットを1mLの氷冷10%グリセロールに再懸濁させる。このステップを3回繰り返す。最終ペレットを70μlの氷冷10%グリセロールに再懸濁させる。次に、細胞に1ngのpCP20プラスミドDNAを電子穿孔し、3mMのチミジンを補充した1mLのSOCを直ちにキュベットに添加する。細胞を再懸濁させ、培養管に移し、30℃で1時間、成長させる。次いで、細胞を10,000xgで1分間ペレット化し、上清を廃棄し、3mMのチミジンを含有する100μlのLBに細胞ペレットを再懸濁させ、3mMのthyと100μg/mlのカルベニシリンとを含有するLB寒天プレートに塗り、30℃で16〜24時間、成長させる。次に、形質転換体を、42℃で、非選択的に(抗生物質なし)、コロニー精製する。
コロニー精製形質転換体を試験するために、ピペット先端部を用いてコロニーを42℃プレートから採取し、10μLのLBに再懸濁させる。3μLの細胞懸濁液を次の3枚1セットのプレートにピペットで移す:Cam、(37℃;宿主株のゲノム中のCamR遺伝子の存在/非存在について試験する)、Amp、(30℃、pCP20プラスミドからのAmpRの存在/非存在について試験する)、およびLBのみ(クロラムフェニコールカセットおよびpCP20プラスミドを喪失した望ましい細胞)、37℃。CamプレートでもAmpプレートでも成長がない場合にはコロニーを消滅したと見なし、採取し、LBプレートに再画線して単一コロニーを得、一晩、37℃で成長させる。
他の実施形態では、同様の方法を使用して、dapAを含むがこれに限定されない他の栄養要求体を作出する。
(実施例60)
DAPA栄養要求株STING株の生成
in vivoおよびその環境での成長を制御するために、細菌成長に必須である4−ヒドロキシ−テトラヒドロピコリン酸シンターゼをコードするdapA遺伝子を欠失させることによって親E.coli Nissle骨格を栄養要求性株になるように操作した。この欠失は、細菌をジアミノピメリン酸(DAP)合成不能することによって、細菌細胞壁の適正な形成を、その株にDAPが外部から補充されない限り、防止する。
dapA欠失(ΔdapA)を生じさせるために、ネステッドプライマーを使用して2ラウンドのPCRを行った。第1のPCRラウンドについては、pKD3を鋳型DNAとして使用した。EcN染色体内のdapA遺伝子座に隣接する相同性と、frt部位と隣接しているクロラムフェニコール耐性遺伝子とを含有するdsDNA断片を生成するためのプライマーを設計した。第2のPCRラウンドで使用したプライマーは、第1のラウンドのPCR産物を鋳型DNAとして利用した。これらのプライマーは、リコンビニアリングのためのより長いEcN相同長を提供するためにdapAとの追加の相同性を含有した。結果として生じるdapAノックアウト断片は、その5’および3’末端に、それぞれ、68塩基対および70塩基対のEcN相同性を含んだ。pKD46を含有する株を電子穿孔によりdapAノックアウト断片で形質転換した。クロラムフェニコール(30μg/mL)とジアミノピメリン酸塩(100μg/mL)とを含有するLB寒天でコロニーを選択し、適正な組換え事象をPCRにより検証した。pKD46を37Cでの継代により株から消滅させた。
このDAP栄養要求株骨格を使用して、STINGアゴニスト産生株SYN4023などの、エフェクターの産生のための遺伝子配列を発現する細菌を生成した。
(実施例61)
全身性抗腫瘍免疫:DAP−STINGはアゴニスト抗OX40抗体との組合せでアブスコパル効果を惹起し、長期免疫学的記憶をもたらす
T細胞活性化を促進する正の共刺激受容体としては、CD28、CD137(4−1BBとしても公知)、およびOX40(CD134または腫瘍壊死因子受容体(TNFR)スーパーファミリーメンバー4としても公知)が挙げられる。最近、アゴニストOX40抗体と組み合わせた(例えば、Toll様受容体による)自然免疫刺激は、T細胞依存性(CD4+およびCD8+T細胞依存性)アブスコパル効果および免疫学的記憶を促進することができることが示された(Sagiv−Barfiら、In Situ Vaccination with a TLR9 Agonist and Anti−OX40 Antibody Leads to Tumor Regression and Induces Abscopal Responses in Murine Lymphoma; Blood 2016年128巻:1847頁;Sagiv−Barfiら、Eradication of spontaneous malignancy by local immunotherapy Science Translation Medicine、2018年)。抗OX40抗体との組合せでアブスコパル効果を誘導するSYN4023(プラスミドに基づくテトラサイクリン誘導性DacAと、dapA栄養要求性突然変異とを含む)の能力をA20腫瘍モデルにおいてアセスメントした。
試験のための細胞を産生するために、一晩培養物を使用して、抗生物質を含むLB培地500mLに接種した。株を、培養物が対数期の終期に達するまで(OD600=0.8〜1.0)、振とうさせながら37Cでインキュベートした。収集するために、細胞を5000rpmで20分間遠心沈降させ、培地を吸引し、細胞をPBSで洗浄し、15%グリセロールおよびPBS中に再懸濁させ、アリコートにして、−80Cで凍結した。細胞を連続プレーティングにより濃度試験した。
−14日目に、A20腫瘍(50:50 マトリゲルマトリゲル:PBS)をマウスの各々の右脇腹に2e5個細胞/マウス、および左脇腹に1e5個細胞/マウス、SC移植した。−3日目に腫瘍成長をモニタリングし、腫瘍が約80〜100mm
3に達したら、マウス(0日目)を表61に示すような腫瘍内投与の実験群(1群あたりN=10)に無作為化した。
動物に、0、3および7日目に3用量のSYN4023細菌I.T.およびOX40抗体I.T.投与を施した。投与の4時間後にマウスに10μgのATC(アンヒドロテトラサイクリン)を腹腔内注射によって投与した。完全な応答体については細菌投与を停止した。両方の脇腹における腫瘍体積を測定し、動物の健康状態を、3回/週、アセスメントした。結果を図23A〜図23Cに示す。この結果は、SYN4023でのA20腫瘍の処置がaOX40との組合せでアブスコパル効果を惹起することを示す。体重に対する有意な効果は観察されなかった(図23E)。腫瘍負荷に起因して除去する必要がなく、試験時に維持することができた動物の生存、すなわち時間の長さを、図23Dに示す。
次に、上記試験においてSYN4023により惹起された完全退縮が長期にわたる免疫学的記憶をもたらすかどうかを試験するために、A20およびCT26腫瘍を用いて再投与を行った。SYN4023処置により完全退縮が認められた動物を使用し、未処置同齢マウスと比較した。
簡単に説明すると、4匹の14週齢未処置Balb/c雌の左脇腹に、50%マトリゲル中の2×105個A20細胞を、右脇腹に50%マトリゲル中の1×105個CT26細胞を接種した。上記の試験の第1部により腫瘍寛解が認められたマウス(n=11)に、同じ方法で接種した。マウスを、腫瘍体積、体重および健康状態観察のために、週に2〜3回モニタリングした。
結果を図23F〜Hおよび図23Iに表す。この結果は、SYN4023株の投与が、A20再投与に対して完全に防御する長期免疫学的記憶をもたらすことを示す。図23Fは、各処置群についての腫瘍体積平均中央値を表し、図23Gおよび図23Hは、個々のマウスの腫瘍体積を経時的に示す折れ線グラフを表す。図23Iは、アブスコパル効果および免疫学的記憶能力を問い合わせる2部構成の試験全体を表す(A20の再投与を表す)。A20再投与試験アームでは、未処置対照とは対照的に、以前にSYN4023で処置した動物では腫瘍の再発が観察されなかった。これは、持続的記憶応答を示す。CT26再投与試験アームでは、SYN4023株の投与は、CT26腫瘍成長からある程度保護した。以前にSYN4023で処置し、CT26を投与した動物11匹中9匹が腫瘍再成長から保護された。
(実施例62)
B16.F10腫瘍モデルにおけるSYN4449(DAP−FNR STING)の用量依存的抗腫瘍活性
FNRプロモーターの制御下にあるdacAを発現するプラスミドに基づく構築物を含む、本明細書中の他の箇所で説明したように構築したDap栄養要求性株(SYN4449;ΔDAP、p15A−fnr−dacA)を、B16.F10黒色腫腫瘍モデルにおいて様々な用量でアセスメントした。
試験のための細胞を産生するために、一晩培養物を使用して、抗生物質を含むLB培地500mLに接種した。株を、培養物が対数期の終期に達するまで(OD600=0.8〜1.0)、振とうさせながら37Cでインキュベートした。収集するために、細胞を5000rpmで20分間遠心沈降させ、培地を吸引し、細胞をPBSで洗浄し、15%グリセロールおよびPBS中に再懸濁させ、アリコートにして、−80Cで凍結した。細胞を連続プレーティングにより濃度試験した。
マウスにB16腫瘍を移植し、STINGアゴニストを産生する細菌を様々な用量で、および対照を、マウスに腫瘍内注射した。
簡単に説明すると、−9日目に各動物の右脇腹にB16細胞(PBS中の2×10e5個細胞/マウス)をSC移植した。−3日目に腫瘍成長をモニタリングし、1日目、腫瘍が約50〜80mm3に達したら、マウスを次のような腫瘍内投与の群(1群あたりN=9)に無作為化した:群1−PBS(対照);群2−SYN4449、1e7 CFU;群3−SYN4449、1e8 CFU;および群4−SYN4449、1e9 CFU。動物に、群に基づいた適切な細菌またはPBS(注射のための対照に)を1および4日目に投与した。完全な応答体については細菌投与を停止した。
4、7、10、12および15日目の腫瘍体積を個々のマウスについて図26A〜図26Dに示す。結果は、SYN4449の投与がB16−F10腫瘍成長および腫瘍拒絶に対して用量依存的影響を及ぼすことを示す。1e9の用量(図26D)でのこの処置は、最大の拒絶パーセンテージ、およびこの期間にわたって腫瘍成長の有意な制御をもたらす。
(実施例63)
A20腫瘍モデルにおけるSYN4449用量応答
A20腫瘍モデル(B細胞リンパ腫モデル)における、3つの異なる用量での、およびPBS対照と比較した、経時的なSYN4449(FNR−dacA、デルタdapA(ΔDAP、p15A−fnr−dacA)を含む)のin vivo活性および有効性の判定。
試験のための細胞を産生するために、一晩培養物を使用して、抗生物質を含むLB培地500mLに接種した。株を、培養物が対数期の終期に達するまで(OD600=0.8〜1.0)、振とうさせながら37Cでインキュベートした。収集するために、細胞を5000rpmで20分間遠心沈降させ、培地を吸引し、細胞をPBSで洗浄し、15%グリセロールおよびPBS中に再懸濁させ、アリコートにして、−80Cで凍結した。細胞を連続プレーティングにより濃度試験した。
雌Balb/cマウス6週齢にA20腫瘍を移植し、c−ジAMPを産生することができる細菌産生酵素の3種の異なる用量を腫瘍内注射した。腫瘍体積を様々な時点で測定した。
簡単に説明すると、−15日目に各動物の右脇腹にA20細胞(PBS中の2×10 5/マウス/100μL)をSC移植した。腫瘍が約60〜80mm3に達するまで、腫瘍成長をモニタリングした。0日目に、マウスを次のような腫瘍内投与の群(1群あたりN=10)に無作為化した:PBS(群1,ビヒクル対照)、SYN4449(群2、1e6 CFU)、SYN4449(群3、1e7 CFU)、およびSYN4449(群4、1e8 CFU)。動物に、群に基づいた適切な細菌またはPBS(注射のための対照に)を0、3および7日目に投与した。2回の測定の間を1〜2日空けて週に3回、30日間、腫瘍体積および体重を記録した。結果を図27A〜図27Dに示す。この結果は、1e6(図27A)、1e7(図27B)および1e8 CFU(図27C)でのSYN4449が、それぞれ、10匹中5匹の完全奏功、10匹中6匹の完全奏効、および10匹中6匹の完全奏効をもたらしたことで、SY4449の投与がA20リンパ腫モデルにおいて用量依存的腫瘍制御を駆動することを示す。
(実施例64)
低酸素プロモーターの制御下でのSTINGアゴニスト産生株の構築および活性
例えば腫瘍微小環境に存在するような、低酸素条件下で誘導されるSTINGアゴニスト産生株を生成するために、Listeria monocytogenesからのdacAをFNR誘導性プロモーターの制御下で低コピー数プラスミドにクローニングし、DapAの欠失をさらに含むNissle株に形質転換して、SYN4449(ΔDAP、15A−fnr−dacA)を生成した。
SYN4449のin vitro活性を測定するために、SYN4449および野生型対照の一晩培養物を、250rpmで振とうさせながら2YT(ジアミノピメリン酸を補充したもの)中、37Cで成長させた。培養物を1:100(125mLバッフル付きフラスコ中に10mL)に逆希釈し、初期対数期まで2〜3時間成長させた。培養物が初期対数期に達したら、培養物を、嫌気的雰囲気(85%N2、10%CO2、5%H2)を供給するCoy嫌気的チャンバーに移動させた。培養物を、嫌気的に3〜4時間インキュベートして、または管の中で一晩、37C、250rpmで振とうさせて、dacAを誘導させた。次に、試料を5分間、10000Xgで遠心分離して、細胞画分と細胞外画分を分離した。次いで、細胞ペレットを使用して、細胞内環状ジAMPを判定した。濃度は、本明細書に記載の通りLC/MSによって決定した。結果を図28Aに示す。この結果は、SYN4449が、in vitroでFNRプロモーターの制御下でc−ジAMPを産生することができることを示す。
(実施例65)
低酸素プロモーターの制御下での様々なSTINGアゴニスト産生株の構築
次に、FNR−DacAおよび/またはヒトcGASの組み込まれたコピーを含む株を構築した。例を表63に収載する。dapAおよび/またはThyA栄養要求性を有する株を構築し、dacAおよびキヌレニン消費回路両方を有する株を設計し、一部の事例では、本明細書に記載するおよび当技術分野で公知である方法を使用して、E.coli Nissleプロファージ3を破壊した。
表63中の株を生成するために、本明細書に記載するおよび当技術分野で公知である方法を、様々な配列に使用した。例えば、DapAノックアウト、HA910−FNR−dacAノックイン、そしてその後、thyAノックアウトを加えることにより、ファージ3ノックアウトを除いて野生型であるNissle株からSYN4910を構築した。別の例では、thyAノックアウト、HA910−FNR−dacAノックイン、dapノックアウト、およびファージノックアウトを加えることにより、SYN2306(構成的プロモーターの制御下にある組み込まれたキヌレニナーゼを含む株)からSYN4939を構築した。
A.DacAの染色体組み込み
FNRプロモーターの制御下にある染色体に組み込まれているDacAを含む株を生成するために、Listeria monocytogenesからのdacAをFNRプロモーター(配列番号1281)の制御下にあるKIKOベクターにクローニングした。ノックインPCR産物をKIKOベクターから作製し、対立遺伝子交換を行って、これらのオペロンをE.coli NissleゲノムのHA910部位に組み込んだ。本明細書におよび2017年1月11日に出願されたPCT/US2017/013072(この内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載のラムダredリコンビナーゼ系の使用によって対立遺伝子交換を容易にした。ラムダred系は、DatsenkoおよびWanner(One−step inactivation of chromosomal genes in Escherichia coli K−12 using PCR products; PNAS 2000年6月6日.97巻(12号)6640〜6645頁)に記載されており、その修飾形態および適応形態も、当技術分野において記載されている。
B.ファージ3ノックアウトの生成
生物情報学的手法は、活性ファージを含有すると推定されるゲノムの3領域を同定するのに役立つ(2018年6月21日に出願された国際特許出願PCT/US18/38840に記載されている通り(この参考特許文献の内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる))。社内開発PCR方法を使用して、活性ファージがE.coli Nissleゲノムの塩基2,035,867〜2,079,177の間のゲノム座に由来することを証明した。
ファージを不活性化するために、ラムダredリコンビニアリングを使用して、9,687塩基対欠失を生じさせた。先ず、プラスミドpKD3からフリッパーゼ認識部位(FRT)と隣接しているクロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)遺伝子を増幅するためのプライマーを設計し、合成した。Nissleに導入すると、このカセットは、抗生物質クロラムフェニコールに対する耐性をもたらす。加えて、これらのプライマーは、ファージ座内に抗生物質カセットを方向付けるゲノムと相同性の60塩基対を含有する。ファージ3 KO FWDおよびファージ3 KO REVプライマーを使用して1178塩基対直鎖DNA断片をPCR増幅し、これをPCR精製した。得られたDNA鋳型をリコンビニアリングに使用した。
ファージの欠失の用意をするために、先ず、ラムダred系を、当技術分野で公知の電子穿孔によるE.coli Nissle宿主株(野生型、または操作された成分をさらに含む)へのラムダred遺伝子を含むpKD46プラスミドの形質転換により導入した。細胞を選択培地プレートに塗り広げ、一晩、30℃でインキュベートした。次に、リコンビニアリング構築物を、電子穿孔により、pKD46を含むE.coli Nissle株に形質転換した。形質転換細胞を、35μg/mLのクロラムフェニコールを含有するLBプレートに塗り広げ、一晩インキュベートした。突然変異の存在をコロニーPCRにより検証した。CAT遺伝子がゲノムに挿入された(それによってファージが欠失し、不活性化された)場合にのみ、PCR産物が形成する。
抗生物質耐性遺伝子をプラスミドpCP20で除去した。プラスミドpCP20は、FRT部位を組み換えることによってCAT遺伝子を除去するフリッパーゼリコンビナーゼを発現する、温度感受性プラスミドである。ファージ配列が欠失された株を、抗生物質を含有するLB培地中、37℃で、0.4〜0.6のOD600に達するまで成長させ、次いで、電子穿孔を使用してpCP20で形質転換した。200μlの細胞をカルベニシリンプレートに塗り、200μLの細胞をクロラムフェニコールプレートに塗り、両方を37℃で一晩成長させた。カルベニシリンプレートは、pCP20を有する細胞を含有する。クロラムフェニコールプレートによって、電子穿孔で生き残った細胞数の指標が得られる。カルベニシリンプレートからの形質転換体を非選択的に43℃で精製し、一晩放置して成長させた。
精製された形質転換体をカルベニシリンおよびクロラムフェニコールに対する感度について試験した。コロニーの成長がクロラムフェニコールプレートでもカルベニシリンプレートでも観察されなかった場合には、CAT遺伝子とpCP20プラスミドの両方が失われており、コロニーをさらなる分析のために保存した。保存したコロニーをLBプレート上に再画線して単一コロニーを得、一晩、37℃で成長させた。ファージ配列の欠失を、ゲノムのファージ座領域の配列解析により、および溶菌斑形成の非存在の表現型検証により(2018年6月21に出願された国際特許出願PCT/US18/38840(この内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)(に記載されているように)に記載のプロトコールに本質的に従って)、確認した。
ファージKOなどのノックアウトの代替実施方法は、FRTの代わりにloxP認識部位を使用し、pCP20の代わりにpCREプラスミドを使用する方法である。この場合、先ず、プラスミドpKD4−loxP(配列番号1442)からフリッパーゼ認識部位(loxP)と隣接しているアミノグリコシドホスホトランスフェラーゼ(NeoR/KanR)遺伝子を増幅するためのプライマーを設計し、合成した。Nissleに導入すると、このカセットは、抗生物質カナマイシンに対する耐性をもたらす。加えて、これらのプライマーは、ファージ座内に抗生物質カセットを方向付けるゲノムと相同性の60塩基対を含有する。プライマーを使用して1178塩基対直鎖DNA断片をPCR増幅し、これをPCR精製した。得られたDNA鋳型をリコンビニアリングに使用した。
ファージの欠失の用意をするために、先ず、ラムダred系を、当技術分野で公知の電子穿孔によるE.coli Nissle宿主株(野生型、または操作された成分をさらに含む)へのラムダred遺伝子を含むpKD46プラスミドの形質転換により導入した。細胞を選択培地プレートに塗り広げ、一晩、30℃でインキュベートした。次に、リコンビニアリング構築物を、電子穿孔により、pKD46を含むE.coli Nissle株に形質転換した。形質転換細胞を、50μg/mLのカナマイシンを含有するLBプレートに塗り広げ、一晩インキュベートした。突然変異の存在をコロニーPCRにより検証した。CAT遺伝子がゲノムに挿入された(それによってファージが欠失し、不活性化された)場合にのみ、PCR産物が形成する。
抗生物質耐性遺伝子をプラスミドpKD4−loxPで除去した。プラスミドpKD4−loxPは、loxP部位を組み換えることによってNeoR/KanR遺伝子を除去するフリッパーゼリコンビナーゼを発現する温度感受性プラスミドである、FRT部位がloxP部位により置換されている、変性pKD4である。ファージ配列が欠失された株を、抗生物質を含有するLB培地中、37℃で、0.4〜0.6のOD600に達するまで成長させ、次いで、電子穿孔を使用してlogic1253で形質転換した。200μlの細胞をカルベニシリンプレートに塗り、200μLの細胞をカナマイシンプレートに塗り、両方を37℃で一晩成長させた。カルベニシリンプレートは、pKD4−loxPを有する細胞を含有する。カナマイシンプレートによって、電子穿孔で生き残った細胞数の指標が得られる。カルベニシリンプレートからの形質転換体を非選択的に43℃で精製し、一晩放置して成長させた。
精製された形質転換体をカルベニシリンおよびカナマイシンに対する感度について試験した。コロニーの成長がカナマイシンプレートでもカルベニシリンプレートでも観察されなかった場合には、NeoR/KanR遺伝子とpKD4−loxPプラスミドの両方が失われており、コロニーをさらなる分析のために保存した。保存したコロニーをLBプレート上に再画線して単一コロニーを得、一晩、37℃で成長させた。ファージ欠失部位に隣接するプライマー(GTGATTAAGTACGTGAAATCGACTGAAC(配列番号1436)およびCTCTGTCGGCAACATGAGGA(配列番号1437))を使用する、予想された640bp断片のPCR増幅により、ファージ配列の欠失を確認した。
表64は、欠失により不活性化されたファージ3遺伝子を収載する。
C.ThyA栄養要求株(ΔthyA)STINGアゴニスト産生株の生成
E.coli NissleにおけるthyA遺伝子の突然変異は、チミジンが補充されない限りLBプレート上でコロニーを形成することができない株を生じさせる。ネステッドプライマーでの3ラウンドのPCRを使用して、thyA::cam PCR断片を増幅した。第1のPCRラウンドについては、pKD3を鋳型として使用した。PCR産物を残りのPCR反応物から精製し、第2のPCR反応で鋳型として使用した。この場合もやはり、得られたPCR産物を精製し、第3のPCRランドで鋳型として使用した。thyAの上流と相同の92bpと、frt部位と隣接しているクロラムフェニコールカセットと、thyA遺伝子の下流と相同の98bpとを含有する、得られた直鎖DNA断片を、リコンビニアリングのために成長させたpKD46を含有するE.coli Nissle 1917株に、電子穿孔を使用して形質転換させた。クロラムフェニコール(30μg/mL)とチミジン(3mM)とを含有するLB寒天でコロニーを選択し、適正な組換え事象をPCRにより検証した。pKD46を37Cでの継代により株から消滅させた。
次に、抗生物質耐性をpCP20形質転換で除去し、細胞を3mMのチミジンと100μg/mlのカルベニシリンとを含有するLB寒天プレートに塗り、30℃で16〜24時間成長させた。次に、形質転換体を、42℃で、非選択的に(抗生物質なし)、コロニー精製した。コロニー精製形質転換体を試験するために、Cam、AmpおよびLBのみのプレート上にコロニーを播種し、Camプレート上でもAmpプレート上でも成長がなかった場合にはコロニーを消滅したと見なした。抗生物質カセットの非存在をPCRにより確認した。
D.DAPA栄養要求株STING株の生成
dapA欠失(ΔdapA)を生じさせるために、ネステッドプライマーを使用して2ラウンドのPCRを行った。第1のPCRラウンドについては、pKD3を鋳型DNAとして使用した。EcN染色体内のdapA遺伝子座に隣接する相同性と、frt部位と隣接しているクロラムフェニコール耐性遺伝子とを含有するdsDNA断片を生成するためのプライマーを設計した。第2のPCRラウンドで使用したプライマーは、第1のラウンドのPCR産物を鋳型DNAとして利用した。これらのプライマーは、リコンビニアリングのためのより長いEcN相同長を提供するためにdapAとの追加の相同性を含有した。結果として生じるdapAノックアウト断片は、その5’および3’末端に、それぞれ、68塩基対および70塩基対のEcN相同性を含んだ。pKD46を含有する株を電子穿孔によりdapAノックアウト断片で形質転換した。クロラムフェニコール(30μg/mL)とジアミノピメリン酸塩(100μg/mL)とを含有するLB寒天でコロニーを選択し、適正な組換え事象をPCRにより検証した。pKD46を37Cでの継代により株から消滅させた。
(実施例66)
低酸素プロモーターの制御下での様々なSTINGアゴニスト産生株の構築および活性
二重栄養要求性とファージノックアウトとを含む株の試験
FNR−DacAを含み、かつ二重栄養要求性とファージノックアウトとを含む株である、SYN4910(ΔΦ、ΔDAP、ΔThyA、HA9/10::fnr−DacA)および組合せ株SYN4939(Nissle、ΔΦ、ΔDAP、ΔThyA、HA9/10::fnr−DacA、PSynJ23119−pKYNase、ΔTrpE)を、本明細書に記載の方法に従って構築した。
SYN4910およびSYN4939のin vitro活性を測定、比較するために、Nissle対照(SYN94、ストレプトマイシン耐性Nissle)を含む各株の一晩培養物を、250rpmで振とうさせながらLB中、37Cで成長させた。培養物を1:100(125mLバッフル付きフラスコ中に10mL)に逆希釈し、初期対数期まで2〜3時間成長させた。培養物が初期対数期に達したら、培養物を、嫌気的雰囲気(85%N2、10%CO2、5%H2)を供給するCoy嫌気的チャンバーに移動させた。培養物を、嫌気的に3〜4時間インキュベートして、または管の中で一晩、37C、250rpmで振とうさせて、dacA遺伝子を誘導させた。
次に、環状ジヌクレオチド産生のLC/MS分析のために培養物を除去した。試料を5分間、10000xgで遠心分離して、細胞画分と細胞外画分を分離した。次いで、細胞ペレットを使用して、細胞内環状ジAMPを判定した。濃度は、本明細書に記載の通りLC/MSによって決定した。
キヌレニン消費を定量するために、LB一晩培養物SYN4910およびSYN4939+キヌレニン消費株SYN2306(HA3/4::PSynJ23119−pKYNaseデルタTrpEを含む)およびNissle対照(SYN94)を、0.5%グルコース(w/v)および適切な抗生物質を補充したまたはLBおよび抗生物質を補充したM9最少培地で1:25希釈し、振とう(250rpm)しながら37℃で5〜6時間成長させた。細胞を遠心沈降させ、200μMのL−キヌレニン(Sigma−Aldrich(登録商標))を補充したLB培地に再懸濁させて1.0の光学密度(600nm)にした。次いで、これらの培養物を37℃で振とうさせながら3〜4時間インキュベートして、キヌレニンを消費させた。キヌレニン消費測定のために、試料を各培養物から除去し、5分間、10000xgで遠心して、細胞画分と細胞外画分を分離した。培地上清を除去し、使用して、LC/MS分析によってキヌレニンの消費を判定した。
図28Bおよび図28Cに示す結果は、SYN4910とSYN4939の両方が環状ジAMPを産生することができたことを示す。図28Dの結果は、組合せ株SYN4939もまたその親SYN2306と同様にキヌレニンを消費する能力を保持したことを示す。考え合わせると、これらの結果は、ファージノックアウトと二重栄養要求性とを含むこれらの株がin vitro環状ジAMP産生能力を維持すること、および組合せ株SYN4939が環状ジAMP産生とキヌレニン消費両方の能力を有することを示す。
株活性に対するファージノックアウトおよびdapA栄養要求性の効果の試験
株活性に対するファージノックアウトおよびdapA栄養要求性の効果を試験するために、ファージノックアウトおよびdapAノックアウトを有するおよび有さない株である、SYN4739(Nissle HA3/4::PSynJ23119−pKYNase、ΔTrpE、ΔThyA、HA9/10::fnr−DacA)およびSYN4939(Nissle、ΔΦ、ΔDAP、ΔThyA、HA9/10::fnr−DacA、PSynJ23119−pKYNase、ΔTrpE)を対照比較した。本質的には上記の通り株を成長させ、c−ジAMP産生およびキヌレニン消費についてアセスメントした。
両方の株についての環状ジAMP産生を図29Aおよび図29Bに示す。キヌレニン消費体単一回路株SYN2028およびSYN2306と比較してキヌレニン産生を図29Cおよび図29Dに示す。図30および図31で同様の結果が見られる。SYN4787は、本質的に、SYN4739(Nissle ΔThyA、HA9/10::fnr−DacA、HA3/4::PSynJ23119−pKYNase、ΔTrpE)と同じ回路を含むが、いずれの抗生物質マーカーも含まない(SYN4739はカナマイシン耐性を有する)。考え合わせると、これらの結果は、ファージおよびdapAノックアウトがin vitroで株の活性に影響を与えないことを示す。
(実施例67)
ファージ試験プロトコール:マイトマイシンC誘導データ分析を使用するEscherichia coliからの細菌ウイルスの溶菌斑アッセイ
マイトマイシンCファージ誘導手順(Sinsheimer RL. Purification and Properties of Bacteriophage X174. J. Mol. Biol. 1959年;1巻:37〜42頁ならびにClowes, RCおよびHayes, W. Experiments in microbial genetics. John Wiley & Sons、NY. 1968年に記載されているような、マイトマイシンC誘導を使用するEscherichia coli(E.coli)からの細菌ウイルスの溶菌斑アッセイである、方法STM−V−708(前記参考文献の各々についての内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる))を使用してファージの産生について細胞系を分析した。簡単に説明すると、試料(細胞拡大増殖を支持するためにチミジン補充培地を適宜用いる)および対照細胞を一晩成長させた。試料の一部分、陽性対照(E.coli、EMG2:K(ラムダ)、ATCC 23716、または同等のもの)および陰性対照(E.coli、ATCC 13706、または同等のもの)を除去し、遠心分離し、各上清をバクテリオファージの存在について溶菌斑アッセイで検査した。2μg/mLの最終濃度でマイトマイシンCを、残りの試料、陽性および陰性細菌培養物に添加した。次いで、培養物を37±2℃にし、陽性対照で溶解が起こるまで300〜400RPMで振とうした(〜4.5時間)。各培養物をクロロホルムで処置し、遠心分離し、上清の0.1mLアリコートをバクテリオファージの存在について検査した。これを遂行するために、上清をファージ感受性E.coli株ATCC 13706と混合し、0.7%アガロース溶液と混合し、溶原性ブロス(LB)寒天の上に菌叢として播種した。陽性対照に溶菌斑が存在し、陰性対照に溶菌斑が存在しなかった場合、試験を有効と見なした。
(実施例68)
SYN4737により産生されたc−ジAMPについての機能アッセイ
次に、機能アッセイを行って、SYN4737(デルタファージ、デルタDap、HA9/10::FNR−dacA)の活性をさらに確認した。抗原提示細胞集団においてSTING経路を活性化するSYN4737の能力をアセスメントした。細菌(WT NissleまたはSYN4737)を様々な感染多重度(MOI)で0.5×106個RAW 264.7細胞(不死化マウスマクロファージ細胞系)とともに共培養した。SYN4737を250rpmで振とうさせながら37Cで1時間インキュベートし、実験前に4〜5時間、嫌気的チャンバーで誘導した。共培養物を、述べたように4時間インキュベートし、タンパク質抽出物をIFNβ1産生について分析した。図32は、WT NissleではなくSYN4737が、MOI依存的にIFNβ1産生を誘導することができることを示す。