本発明の様々な実施形態を、添付の図面を参照して説明する。図面の全体にわたって、同一又は類似の部品や素子には同一又は類似の符号を付し、同一又は類似の部品や素子の説明を省略又は単純化していることに留意すべきである。一般的に、半導体装置の表記においては普通のことであるが、様々な図面間において、尺度は異なっており、図面を簡単に読み取れるようにするために適宜記載していることに留意すべきである。
以下に説明する発明の詳細な説明では、本発明を十分に理解できるように、特定の材料、プロセス、装置のような具体的な形態として明らかにされる。しかし、本発明は、これらの発明の詳細な説明がなくても、実施できるであろうことは、当業者にとって自明である。即ち、周知の製造に使われる材料、プロセス、装置は、本発明を不要に曖昧にしないために、あえて以下の発明の詳細な説明において明らかにしない。
(MMM & MM計算機システムの概要)
図1に示すように、本発明の第1〜第3実施形態で使用されるべき計算機システムは、プロセッサ11とマーチング主記憶装置(MMM)31を含む。プロセッサ11は、クロック信号を生成するように構成されたクロック発生器113を有する制御装置111と、クロック信号に同期して算術論理演算を実行するように構成された算術論理演算装置(ALU)を含む。
例えば、第1、第2、及び第3実施形態で説明されるMMM31は、図2に示すように、奇数列U1, U2, U3, ……,Un-1, Unを含む。奇数列U1, U2, U3, ……,Un-1, Unのそれぞれは、進行する情報に含まれる複数の信号のセットを記憶し、かつ情報に含まれる複数の信号のセットを並列に転送する。進行する情報に含まれる複数の信号のセットは、連続する、バイトサイズデータ、ワードサイズデータ、バイトサイズ命令、又はワードサイズ命令の反転データを含む。
即ち、奇数列U1, U2, U3, ……,Un-1, Unのそれぞれは、バイトサイズ若しくはワードサイズのパラレルデータ・ストリーム、又はバイトサイズ若しくはワードサイズのパラレル命令ストリームの情報を記憶する。MMM31は、更に、アレイの入力端子及びアレイの出力端子を含む。奇数列U1, U2, U3, ……,Un-1, Unのそれぞれは、低電源電圧で駆動される場合であっても、入力された情報の対応するパルス波形を整形する。
加えて、左から右に向かって、偶数列Ur1, Ur2, Ur3, ……,Urn-1, Urnのそれぞれは、順番に、隣接奇数列U1, U2, U3, ……,Un-1, Unの間に交互に更に挿入される。また、 図2に示すように、最も右にある偶数列Urnは、最終ステージの奇数列Unの後に更に付加される。即ち、偶数列Ur1, Ur2, Ur3, ……,Urn-1, Urnは、パラレルデータ・ストリーム又はパラレル命令ストリームの方向に沿って、奇数列U1, U2, U3, ……,Un-1, Unに対して、交互かつ周期的に配置される。
図2に示すように、偶数列Ur1, Ur2, Ur3, ……,Urn-1, Urnのそれぞれは、並列に、進行する情報に含まれる複数の信号のセットを再反転及び記憶し、進行する情報に含まれる複数の信号のセットは、対応する連続的配置で隣接する奇数列U1, U2, U3, ……,Un-1, Unの反転バイトサイズデータ、反転ワードサイズデータ、反転バイトサイズ命令、又は反転ワードサイズ命令を含む。即ち、偶数列Ur1, Ur2, Ur3, ……,Urn-1, Urnのそれぞれは、バイトサイズ若しくはワードサイズのパラレルデータ・ストリーム、又はバイトサイズ若しくはワードサイズのパラレル命令ストリームの情報を記憶する。
そして、奇数列とこれに対応する偶数列のペアのそれぞれ(U1とUr1; U2とUr2; U3とUr3; ……;Un-1とUrn-1; UnとUrn)は、弱まった入力波形を元のパルス波高に回復することができる。なぜなら、信号”1”の弱まったパルス波高は、奇数列U1, U2, U3, ……,Un-1, Unとこれに対応する偶数列Ur1, Ur2, Ur3, ……,Urn-1, Urnの組合せ動作のそれぞれを通して、電源電圧の電圧レベルに増幅することができるからである。
それぞれの奇数列U1, U2, U3, ……,Un-1, Un内に記憶された反転情報に含まれる複数の信号のセットは、偶数列Ur1, Ur2, Ur3, ……,Urn-1, Urnを介して、クロック信号に同期して、ストリームの方向に沿って、出力端子に向かって、連続的に、かつ並列に、再反転され、かつ転送されるので、記憶された情報は、能動的かつ連続的に、ALU112に並列に転送される。
即ち、MMM31は、プロセッサ11のクロック周波数に同期して、ストリームの方向に沿って、計算機システムのプロセッサ11に向かって、パラレルデータ・ストリーム又はパラレル命令ストリームを転送するために、バイトサイズ若しくはワードサイズの連続したパラレルデータ・ストリーム又はバイトサイズ若しくはワードサイズの連続したパラレル命令ストリームを記憶する。そして、ALU112は、MMM31から連続的に転送された情報に従って、クロック信号に同期した算術論理演算を実行する。
図1に示すように、MMM31とプロセッサ11は、複数の接合部材54によって電気的に接続される。例えば、接合部材54のそれぞれは、MMM31に付加される第1の端子ピンによって構成してもよいし、プロセッサ11に付加される第2の端子ピンによって構成してもよいし、第1の端子ピンと第2の端子ピンの間に挿入される導電性バンプによって構成してもよい。導電性バンプの材料としては、半田ボール、金(Au)バンプ、銀(Ag)バンプ、銅(Cu)バンプ、ニッケル金(Ni-Au)合金バンプ、又はニッケル金インジウム(Ni-Au-In)合金バンプなどを採用することが可能である。
ALU112での処理の結果としてのデータは、結合部材54を介してMMM31に送られる。従って、図1の双方向矢印Φ12によって表されるように、データは、MMM31とプロセッサ11との間で結合部材54を介して双方向に転送される。これに対し、図1の単方向矢印η11によって表されるように、命令の動きについては、MMM31からプロセッサ11への命令ストリームが一方向のみに生じる。
図1に示すように、第1〜第3実施形態に関するMM計算機システムの構成は、ディスク、入力装置61、出力装置62、及び入出力(I/O)インターフェース回路63のような2次記憶装置41を更に含む。従来のフォン・ノイマン形コンピュータのように、信号又はデータは、入力装置61によって受け取られ、かつ信号又はデータは、出力装置62に向かって送られる。例えば、周知のモニタ及びプリンタを出力装置62として考慮することができるならば、周知のキーボード及び周知のマウスは、入力装置61として考慮することができる。モデム及びネットワークカードのような、コンピュータ間の情報伝達のための周知の装置は、入力装置61及び出力装置62の双方として一般的に役割を果たす。
入力装置61又は出力装置62のいずれとして装置が指定されるかは、その装置の役割をどのように捉えるかに依存することに留意すべきである。入力装置61は、人間のユーザが呈する物理的な移動を入力し、それを第1〜第3実施形態に係る計算機システムが理解できる信号に変換する。例えば、入力装置61は、入力したデータと命令を、第1〜第3実施形態に係る計算機システムが識別可能な2進コードの電気信号のパターンに変換し、入力装置61からの出力は、マーチング主記憶装置31にI/Oインターフェース回路63を介して出力される。
出力装置62は、MMM31がI/Oインターフェース回路63を介して提供する入力信号を受け取る。出力装置62は、次に、これらの信号を、人間のユーザが見る又は読むことができる表現方式に変換し、入力装置61の処理と逆の処理を行って、デジタル信号を、ユーザが判読可能な形式に変換する。I/Oインターフェース回路63は、プロセッサ11が入力装置61及び出力装置62を駆動するときに必ず要求される。プロセッサ11は、I/Oインターフェース回路63を介して入力装置61及び出力装置62に通信できる。もし、異なるデータ形式で交換された場合、I/Oインターフェース回路63は、シリアルデータをパラレル形式に、又は、逆にパラレルデータをシリアル形式に変換する。必要に応じて、プロセッサ11による更なる処理のために、インタラプト及び対応する形式番号を生成する方式もある。
2次記憶装置41は、MMM31より更に長い時間的な基準でデータ及び情報を記憶する。MMM31は、現在実行中のプログラムと、現在採用されているデータの記憶を主に対象とするが、2次記憶装置41は、コンピュータがオフに切り替えられている場合、又はプログラムが現在実行していない場合でも、維持される必要のある任意のデータ及び情報を記憶するように全体的に意図されている。2次記憶装置41の例は、周知のハードディスク又はハードドライバと周知のCD−ROMドライバのような外部記憶媒体である。
これらの記憶アーキテクチャは最も広く用いられている方式であり、コンピュータのオペレーティング・システム、ユーザが所有するソフトウェア、ユーザが望む任意の他のデータを記憶する。ハードドライバは、半永久的な基準で、データとソフトウェアとを記憶するために用いられる。外部記憶媒体は、他のデータを保持するために用いられる。ただし、これらの構成は、入手可能な記憶装置の異なる形式や、記憶装置のそれぞれを利用する際の便宜性に基づいて大きく変わる。双方向矢印Φ1で表されるように、データは、周知の接続配線53を介して、2次記憶装置41とMMM31とプロセッサ11との間で双方向に転送される。
図示を省略するが、図1に示す第1〜第3実施形態に係るMM計算機システムでは、プロセッサ11は、MMM31から出力端子を介して記憶された情報を入力する複数の演算パイプラインを含むことができ、図1の双方向矢印Φ12で表されるように、データは、接合部材54を介して、MMM31と複数の演算パイプラインとの間で双方向に転送される。
図1に示す第1〜第3実施形態に係るMM計算機システムでは、データバスとアドレスバスとから成るバスが存在しない。これは、計算機システム全体には、プロセッサ11とMMM31との間における任意のデータ交換でもグローバル配線を必要としないからである。一方、従来の計算機システムでは、配線又はバスがフォン・ノイマン・ボトルネックを形成する。第1〜第3実施形態に係るMM計算機システムでは、MMM31、又は対応するALU112とMMM31との接続部分の内部に短い局部的な配線が存在するだけである。時間的な遅延と浮遊容量とを生成するグローバル配線が存在しないので、第1〜第3実施形態に係る計算機システムは、更に高速の処理速度と小電力消費とを達成できる。
(全体的なMMのマトリクス構成)
従来のフォン・ノイマン型コンピュータでは、アドレス解決の単位は、キャラクタ(例えば、バイト)、又はワードとなる。もし、その単位がワードであるなら、所定サイズのアドレスを使って、メモリからより大きな量のデータをアクセスすることができる。他方、もし、その単位がバイトであるなら、アドレスされた(即ち、メモリ動作中に選択された)個別のキャラクタにアクセスすることができる。マシン命令は、通常、アーキテクチャのバイトサイズ若しくはアーキテクチャのワードサイズの分数又は倍数となる。これは、命令及びデータが、通常、同じメモリサブシステムを共有することから当然の結果となる。
MMM31は、説明を容易化するために、図1に例示する構造を用いて説明する。しかし、本発明のマーチングメモリ(MM)は、図1に示されるMMM31に限定されることはない。MMは、従来のキャッシュメモリや、従来のレジスタファイルなどのような記憶媒体の小サイズ化に適用可能である。
それぞれ本発明のMMとして構成される、3トランジスタセル(第1実施形態)、4トランジスタセル(第2実施形態)、25トランジスタセル(第3実施形態)の詳細なトランジスタレベル表記を説明する前に、まず、 図3A、図3B、及び図3Cを参照しながら、図2に示したMMの全体構造の概要を説明する。
図3A、図3B、及び図3Cに示すように、MMは、奇数列U1, U2, U3, ……, Un-1, Unのアレイと、配列の順序が隣接する、奇数列U1, U2, U3, ……, Un-1, Unの間に交互に挿入される偶数列Ur1, Ur2, Ur3, ……, Urn-1, Urnのアレイを含むm×2nマトリクスによって構成される。マトリクスの列の長さを規定する“m”は、バイトサイズ若しくはワードサイズによって決定される整数である。バイトサイズ若しくはワードサイズの選択は任意に行うことができ、コンピュータアーキテクチャが設計されるとき、バイトサイズ若しくはワードサイズは、8ビットの自然数倍、よく使われるものとして、16、32、64ビットとすることができる。
即ち、図3Aに示すように、第1偶数列Ur1は、第1奇数列U1と第2奇数列U2との間に挿入される。第1奇数列U1 と第1偶数列Ur1との組み合わせは、第1の2ビットメモリユニットを構成する。2ビットメモリユニットにおいては、水平方向におけるビットレベルセルの隣接するペアが2つの列を構成するように、垂直方向に配列される。従って、情報の流れ(ストリーム)の方向において連続する2つのビットレベルデータは、2ビットメモリユニット内の2つの隣接するビットレベルセルによって共有される。
また、図3Bに示すように、第2偶数列Ur2 は、第2奇数列U2と第3奇数列U3との間に挿入される。第2奇数列U2と第2偶数列Ur2との組み合わせは、第2の2ビットメモリユニットを構成する。同様に、第3偶数列Ur3は、第3奇数列U3と第4奇数列U4との間に挿入される。第3奇数列U3と第3偶数列Ur3との組み合わせは、第3の2ビットメモリユニットを構成する。そして、図3Cに示すように、第n偶数列Urnは、第n奇数列Unの後に配置される。第n奇数列Unと第n偶数列Urnとの組み合わせは、第nの2ビットメモリユニットを構成する。
従って、2ビットメモリユニットの配列に焦点を当てると、MMは、m×nマトリクスによって構成されることになる。m×nマトリクスにおいて、奇数列と、これに対応する偶数列のペアのそれぞれ(U1とUr1; U2とUr2; U3とUr3; ……;Un-1とUrn-1; UnとUrn)は、奇数列U1, U2, U3, ……, Un-1, Unと、これに対応する偶数列Ur1, Ur2, Ur3, ……, Urn-1, Urnとの結合動作を介して、信号“1”の減衰した電圧レベルを電源電圧の電圧レベルに増幅することによって、歪んだ入力波形を回復することができる。
m×2nマトリクス内の左側から第1列は、図2に示す第1奇数列U1で表され、かつ図3Aに示すような前段セルM11, M21, M31, ……, M(m-1)1, MM1の垂直方向アレイによって構成される。即ち、前段セルM11, M21, M31, ……, M(m-1)1, MM1は、m×2nマトリクスの列方向に並んでいる。前段セルM11, M21, M31, ……, M(m-1)1, MM1のそれぞれは、単一ビットのデータを記憶するビットレベルセルである。
m×2nマトリクス内の左側から第2列は、図2に示す第1偶数列Ur1で表され、かつ図3Aに示すような後段セルMr11, Mr21, Mr31, ……, Mr(m-1)1, Mrm1の垂直方向アレイによって構成される。即ち、後段セルMr11, Mr21, Mr31, ……, Mr(m-1)1, Mrm1は、m×2nマトリクスの列方向に並んでいる。後段セルMr11, Mr21, Mr31, ……, Mr(m-1)1, Mrm1のそれぞれは、単一ビットのデータを記憶するビットレベルセルである。
同様に、m×2nマトリクス内の左側から第3列は、図2に示す第2奇数列U2で表され、かつ図3Bに示すような前段セルM12, M22, M32, ……, M(m-1)2, MM2の垂直方向アレイによって構成される。前段セルM12, M22, M32, ……, M(m-1)2, MM2のそれぞれは、単一ビットのデータを記憶するビットレベルセルである。m×2nマトリクスを構成する第4列は、第2偶数列Ur2で表され、かつ後段セルMr12, Mr22, Mr32, ……, Mr(m-1)2, Mrm2の垂直方向アレイによって構成される。後段セルMr12, Mr22, Mr32, ……, Mr(m-1)2, Mrm2のそれぞれは、単一ビットのデータを記憶するビットレベルセルである。
図示を省略するが、m×2nマトリクス内の左側から第5列は、図3A及び図3Bの説明によって理解されるように、前段セルM13, M23, M33, ……, M(m-1)3, MM3の垂直方向アレイによって構成される。m×2nマトリクス内の左側から第5列は、図2に示す第3奇数列U3を表す。
前段セルM13, M23, M33, ……, M(m-1)3, MM3のそれぞれは、単一ビットのデータを記憶するビットレベルセルである。図示を省略するが、m×2nマトリクスを構成する第6列は、図3A及び図3Bの説明によって理解されるように、後段セルMr13, Mr23, Mr33, ……, Mr(m-1)3, Mrm3の垂直方向アレイによって構成される。m×2nマトリクス内の左側から第6列は、図2に示す第3偶数列Ur3を表す。後段セルMr13, Mr23, Mr33, ……, Mr(m-1)3, Mrm3のそれぞれは、単一ビットのデータを記憶するビットレベルセルである。
同様に、図示を省略するが、m×2nマトリクス内の右側から第4列は、図2に示す第(n−1)奇数列U(n-1)で表され、かつ前段セルM1(n-1), M2(n-1), M3(n-1), ……, M(m-1)(n-1), MM(n-1)の垂直方向アレイ(列方向アレイ)によって構成される。前段セルM1(n-1), M2(n-1), M3(n-1), ……, M(m-1)(n-1), MM(n-1)のそれぞれは、単一ビットのデータを記憶するビットレベルセルである。
同様に、図示を省略するが、m×2nマトリクス内の右側から第3列は、第(n−1)偶数列Ur(n-1)で表され、かつ後段セルMr1(n-1), Mr2(n-1), Mr3(n-1), ……, Mr(m-1)(n-1), Mrm(n-1)の垂直方向アレイ(列方向アレイ)によって構成される。後段セルMr1(n-1), Mr2(n-1), Mr3(n-1), ……, Mr(m-1)(n-1), Mrm(n-1)のそれぞれは、単一ビットのデータを記憶するビットレベルセルである。
m×2nマトリクス内の右側から第2列は、図2に示す第n奇数列Unで表され、かつ図3Cに示すような前段セルM1n, M2n, M3n, ……, M(m-1)n, MMnの垂直方向アレイによって構成される。前段セルM1n, M2n, M3n, ……, M(m-1)n, MMnのそれぞれは、単一ビットのデータを記憶するビットレベルセルである。m×2nマトリクス内の右側から第1列は、図2に示す第n偶数列Urnで表され、かつ図3Cに示されるような後段セルMr1n, Mr2n, Mr3n, ……, Mr(m-1)n, Mrmnの垂直方向アレイによって構成される。後段セルMr1n, Mr2n, Mr3n, ……, Mr(m-1)n, Mrmnのそれぞれは、単一ビットのデータを記憶するビットレベルセルである。
<第1列第1行>:
即ち、図3Aに示すように、マトリクスを構成する第1奇数列U1において、第1行に配列される前段セルM11は、入力カラムの第1のビットレベル入力端子IN1の出力端子に接続された入力端子を有し、更にクロック配線Lclkに接続された制御端子も有する結合素子Tc11を含む。図5Aに示すように、第1クロック信号CLKは、論理レベル”1”の高レベルと論理レベル ”0”の低レベルとの間で振動する。前段セルM11は、更に、前段インバータI11を含み、前段インバータの入力端子は、結合素子Tc11の出力端子に接続される。
前段インバータI11は、電源電圧供給配線に接続された第1電源端子と、結合素子Tc11の出力端子に接続された入力端子と、接地電位に接続された第2電源端子を有する。インバータの本来の性能を構成するために、前段インバータI11が1V程度の低電源電圧で駆動されたとしても、前段インバータI11は、減衰したパルス波高を電源電圧の電圧レベルまで増幅することによって、入力された入力信号のパルス波形を整形することができる。
記憶コンデンサC11は、出力端子と接地電位との間に接続される。集積回路のような縮小化された構造において、記憶コンデンサC11は、前段インバータI11に寄生する浮遊容量によって構成することができるので、記憶コンデンサC11の代表例としては、キャパシタに等価な仮想回路素子と考えるべきである。図3A〜図3Cは、記憶コンデンサC11を説明するが、記憶コンデンサC11は、前段インバータI11の物理的構成に依存する。記憶コンデンサC11が寄生容量によって構成される場合は、記憶コンデンサC11は、物理的な容量素子又はそれと同種なもののような実際の電子部品は不要である。
更に、後述する他の記憶コンデンサC21, C31, ……,C(m-1)1, Cm1などは、それぞれ寄生容量によって構成してもよいし、また、記憶コンデンサC21, C31, ……,C(m-1)1, Cm1は、上記と同様に、物理的な容量素子又はそれと同種なもののような実際の電子部品によって構成しなくてもよい。出力端子は、記憶コンデンサC11内に記憶された信号を、次の第2奇数列U2内の前段セルM12の前に配置される後段セルMr11に出力する。
また、図3Aに示すように、マトリクスを構成する第1偶数列Ur1において、第1行の後段セルMr11は、前段セルM11と第2奇数列U2内の前段セルM12との間に挿入される。第1行の後段セルMr11は、バッファ素子、又は前段の前段セルM11の出力端子に接続された入力端子と、クロック配線Lclkに接続された制御端子と、後段インバータIr11の入力端子に接続された出力端子を有する後段結合素子Tr11を含む。
図5Aに示すように、第1クロック信号CLK及び第2クロック信号CLKのそれぞれは、第1クロック信号CLK及び第2クロック信号CLKが互いにτclock/2だけ離れるようにして、クロックサイクルτclockの高レベルと低レベルの間で周期的に振動する。従って、第2クロック信号CLKが第1クロック信号CLKの立ち下りエッジからτclock/6の所定時間後に立ち上がり、かつ第1クロック信号CLKの立ち上がりエッジからτclock/6の所定時間後に立ち下がるようなモードにおいて、第1及び第2クロック信号は、準相補的に振動する。
そして、第2クロック信号CLKが第1クロック信号CLKの立ち下りエッジからτclock/6の所定時間後に立ち上がり、かつ第1クロック信号CLKの立ち上がりエッジからτclock/6の所定時間後に立ち下がるようなモードにおいて、1つの共通クロック配線Lclkは、相補的に振動するクロックパルスを供給することができる。ここで、図5Aに示す第1クロック信号CLK及び第2クロック信号CLKのクロックサイクルτclockは、ALU112における算術論理演算を制御するクロックサイクルと同じである。
上述したように、後段インバータIr11の入力端子は、バッファ素子Tr11の出力端子に接続される。即ち、バッファ素子Tr11は、第1偶数列Ur1の入力側に隣接する第1奇数列U1の1つに定義される隣接前段セルM11の出力端子からの進行する情報に含まれる複数の信号のセットに含まれる1つの信号の転送を制御する。後段インバータIr11は、電源電圧供給配線Lsvに接続された第1電源端子と、バッファ素子Tr11の出力端子に接続された入力端子と、接地電位に接続された第2電源端子を含む。
結合素子Tc11が導電状態であり、かつバッファ素子Tr11が遮断状態であるとき、及びその逆であるときも同様に、第1及び第2クロック信号は、準相補的モードにおいて周期的に振動するので、結合素子Tc11及びバッファ素子Tr11は、準相補的に動作する。従って、前段インバータI11の記憶コンデンサC11から後段インバータIr11に意図せずに信号が転送され、かつその信号の転送が、ドミノ倒しのように発生するといった信号の「ドミノ転送」が防止される。
このように、前段インバータI11から後段インバータIr11へのドミノ転送が防止されるので、前段セルM11と後段セルMr11のそれぞれは、能動的かつ独立したビットレベルセルとして機能することができる。情報の流れ(ストリーム)の方向に連続する2つのビットレベルデータは、最初の2つのビットメモリユニット内の隣接するビットレベルセルM11, Mr11によって共有することができるので、記憶容量を増やすことができるように、データ転送密度を最大にすることが可能となる。
接地電位と後段インバータIr11の出力端子との間に後段インバータIr11用の記憶コンデンサCr11が接続される。記憶コンデンサCr11は、後段インバータIr11内に寄生する寄生容量によって構成してもよい。その他の記憶コンデンサCr21, Cr31, ……, Cr(m-1)1, Crm1も、後段インバータIr21, Ir31, ……, Ir(m-1)1, Irm1の微細構造内にそれぞれ寄生する寄生容量によって構成してもよい。
後段セルMr11の出力端子は、記憶コンデンサCr11内に記憶された信号を、次の前段セルM12に出力する。即ち、後段インバータIr11は、同一の行に配置された前段セルM11から転送された反転信号を再反転し、更に、再反転された信号を、後段セルMr11の出力側に隣接して配置された第2奇数列U2に出力する。そして、記憶コンデンサCr11は、再反転された信号を記憶する。
<第1列第2行>:
同様に、図3Aに示すように、第2行に配列される前段セルM21は、入力カラムの第2のビットレベル入力端子IN2の出力端子に接続された入力端子を有し、更にクロック配線Lclkに接続された制御端子も有する結合素子Tc21と、前段インバータI21を含む。前段インバータI21の入力端子は、結合素子Tc21の出力端子に接続される。前段インバータI21は、電源電圧供給配線Lsvに接続された第1電源端子と、結合素子Tc21の出力端子に接続された入力端子と、接地電位に接続された第2電源端子を有する。
インバータの本来の性能を構成するために、前段インバータI21が1V程度の低電源電圧で駆動されたとしても、前段インバータI21は、減衰したパルス波高を電源電圧の電圧レベルまで増幅することによって、入力された入力信号のパルス波形を整形することができる。接地電位と前段インバータI21の出力端子との間において、前段インバータI21用の記憶コンデンサC21が接続される。出力端子は、記憶コンデンサC21内に記憶された信号を、第2奇数列U2内の次の前段セルM22の前に配置された後段セルMr21に出力する。
図3Aに示すように、前段セルM21と前段セルM22の間に挿入される第2行の後段セルM21は、前段の前段セルM21の出力端子に接続された入力端子を有し、更にクロック配線Lclkに接続された制御端子も有するバッファ素子Tr21と、バッファ素子Tr21の出力端子に接続された入力端子を有する後段インバータIr21を含む。即ち、バッファ素子Tr21は、偶数列Ur1の入力側に隣接して配置された奇数列U1に定義される隣接前段セルM21の出力端子からの信号の転送を制御する。後段インバータIr21は、電源電圧供給配線Lsvに接続された第1電源端子と、バッファ素子Tr21の出力端子に接続された入力端子と、接地電位に接続された第2電源端子を有する。
接地電位と後段インバータIr21の出力端子との間に後段インバータIr21用の記憶コンデンサC21が接続される。後段セルMr21の出力端子は、記憶コンデンサCr21内に記憶された信号を、次の前段セルM22に出力する。即ち、後段インバータIr21は、同一の行に配置された前段セルM21から転送された反転信号を再反転し、更に、再反転された信号を、後段セルMr21の出力側に隣接して配置された奇数列U2に出力する。そして、記憶コンデンサCr21は、再反転された信号を記憶する。
準相補的モードにおいて周期的に振動する第1及び第2クロック信号CLKに同期するように、第1奇数列U1の結合素子Tc21及び第1偶数列Ur1のバッファ素子Tr21のそれぞれは、結合素子Tc21が導電状態のとき第1偶数列Ur1のバッファ素子Tr21が遮断状態となり、その逆に結合素子Tc21が遮断状態のとき第1偶数列Ur1のバッファ素子Tr21が導通状態となるように相補的に動作する。従って、前段インバータI11の記憶コンデンサC11から後段インバータIr11へのドミノ転送を防止したのと同様に、前段インバータI21の記憶コンデンサC21から後段インバータIr21へのドミノ転送は、防止される。また、前段インバータI21と後段インバータIr21とのペアによって、減衰した信号”1”の電圧レベルは、歪んだ入力信号を整形するために、電源電圧の電圧レベルまでそれぞれ増幅される。
<第1列第3行>:
図3Aに示すように、第3行に配列される前段セルM31は、入力カラムの第3のビットレベル入力端子IN3の出力端子に接続された入力端子を有し、更にクロック配線Lclkに接続された制御端子も有する結合素子Tc31と、前段インバータI31を含む。前段インバータの入力端子は、結合素子Tc31の出力端子に接続される。前段インバータI31は、電源電圧供給配線Lsvに接続された第1電源端子と、結合素子Tc31の出力端子に接続された入力端子と、接地電位に接続された第2電源端子を有する。
インバータの本来の性能を構成するために、前段インバータI31が1V程度の低電源電圧で駆動されたとしても、前段インバータI31は、入力された入力信号のパルス波形を整形することができる。接地電位と前段インバータI31の出力端子との間において、前段インバータI31用の記憶コンデンサC21が接続される。出力端子は、記憶コンデンサC31内に記憶された信号を、第2奇数列U2内の次の前段セルM32の前に配置された後段セルMr31に出力する。
図3Aに示すように、第3行の後段セルMr31は、前段セルM31と前段セルM32との間に挿入される。第3行の後段セルMr31は、前段の前段セルM31の出力端子に接続された入力端子を有し、更にクロック配線Lclkに接続された制御端子も有するバッファ素子Tr31と、バッファ素子Tr31の出力端子に接続された入力端子を有する後段インバータIr31を含む。
即ち、バッファ素子Tr31は、偶数列Ur1の入力側に隣接して配置された奇数列U1に定義される隣接前段セルM31の出力端子からの信号の転送を制御する。後段インバータIr31は、電源電圧供給配線Lsvに接続された第1電源端子と、バッファ素子Tr31の出力端子に接続された入力端子と、接地電位に接続された第2電源端子を有する。接地電位と後段インバータIr31の出力端子との間に後段インバータIr31用の記憶コンデンサC31が接続される。
後段セルMr31の出力端子は、記憶コンデンサCr31内に記憶された信号を、次の前段セルM32に出力する。即ち、後段インバータIr31は、同一の行に配置された前段セルM31から転送された反転信号を再反転し、更に、再反転された信号を、後段セルMr31の出力側に隣接して配置された奇数列U2に出力する。そして、記憶コンデンサCr31は、再反転された信号を記憶する。
周期的に振動する第1及び第2クロック信号CLKに同期するように、第1奇数列U1の結合素子Tc31及び第1偶数列Ur1のバッファ素子Tr31のそれぞれは、結合素子Tc31が導電状態のとき第1偶数列Ur1のバッファ素子Tr31が遮断状態となり、その逆に、結合素子Tc31が遮断状態のとき第1偶数列Ur1のバッファ素子Tr31が導電状態となるように動作する。従って、前段インバータI31の記憶コンデンサC31から後段インバータIr31へのドミノ転送は、防止される。また、前段インバータI31と後段インバータIr31とのペアによって、減衰した信号”1”の電圧レベルは、歪んだ入力信号を整形するために、電源電圧の電圧レベルまでそれぞれ増幅される。
<第1列第(m−1)行>
第(m−1)行に配列される前段セルM(m-1)1は、入力カラムの第(m−1)のビットレベル入力端子IN(m-1)の出力端子に接続される入力端子を有し、更にクロック配線Lclkに接続される制御端子も有する結合素子Tc(m-1)1と、前段インバータI(m-1)1を含む。前段インバータの入力端子は、結合素子Tc(m-1)1の出力端子に接続される。前段インバータI(m-1)1は、電源電圧供給配線Lsvに接続される第1電源端子と、結合素子Tc(m-1)1の出力端子に接続される入力端子と、接地電位に接続される第2電源端子を有する。
インバータの本来の性能を構成するために、前段インバータI(m-1)1が1V程度の低電源電圧で駆動されたとしても、前段インバータI(m-1)1は、入力された入力信号のパルス波形を整形することができる。接地電位と前段インバータI(m-1)1の出力端子との間において、前段インバータI(m-1)1用の記憶コンデンサC(m-1)1が接続される。出力端子は、記憶コンデンサC(m-1)1内に記憶された信号を、第2奇数列U2内の次の前段セルM(m-1)2の前に配置された後段セルMr(m-1)1に出力する。
図3Aに示すように、前段セルM(m-1)1と前段セルM(m-1)2との間に挿入される第(m−1)行の後段セルMr(m-1)1は、前段の前段セルM(m-1)1の出力端子に接続される入力端子を有し、更にクロック配線Lclkに接続される制御端子も有するバッファ素子Tr(m-1)1と、バッファ素子Tr(m-1)1の出力端子に接続される入力端子を有する後段インバータIr(m-1)1を含む。即ち、バッファ素子Tr(m-1)1は、偶数列Ur1の入力側に隣接して配置された奇数列U1に定義される隣接前段セルM(m-1)1の出力端子からの信号の転送を制御する。後段インバータIr(m-1)1は、電源電圧供給配線Lsvに接続される第1電源端子と、バッファ素子Tr(m-1)1の出力端子に接続される入力端子と、接地電位に接続される第2電源端子を有する。
接地電位と後段インバータIr(m-1)1の出力端子との間に後段インバータIr(m-1)1用の記憶コンデンサC(m-1)1が接続される。後段セルMr(m-1)1の出力端子は、記憶コンデンサCr(m-1)1内に記憶された信号を、次の前段セルM(m-1)2に出力する。即ち、後段インバータIr(m-1)1は、同一の行に配置された前段セルM(m-1)1から転送された反転信号を再反転し、更に、再反転された信号を、後段セルMr(m-1)1の出力側に隣接して配置された奇数列U2に出力する。 そして、記憶コンデンサCr(m-1)1は、再反転された信号を記憶する。
周期的に振動する第1及び第2クロック信号CLKに同期するように、第1奇数列U1の結合素子Tc(m-1)1及び第1偶数列Ur1のバッファ素子Tr(m-1)1のそれぞれは、結合素子Tc(m-1)1が導電状態のとき第1偶数列Ur1のバッファ素子Tr(m-1)1が遮断状態となり、その逆に、結合素子Tc(m-1)1が遮断状態のとき第1偶数列Ur1のバッファ素子Tr(m-1)1が導電状態となるように動作する。従って、前段インバータI(m-1)1の記憶コンデンサC(m-1)1から後段インバータIr(m-1)1へのドミノ転送は、防止される。また、前段インバータI(m-1)1と後段インバータIr(m-1)1とのペアによって、減衰した信号”1”の電圧レベルは、歪んだ入力信号を整形するために、電源電圧の電圧レベルまでそれぞれ増幅される。
<第1列第m行>
第m行に配列される前段セルMM1は、入力カラムの第mのビットレベル入力端子INmの出力端子に接続される入力端子を有し、更にクロック配線Lclkに接続される制御端子も有する結合素子Tcm1と、前段インバータIm1を含む。前段インバータの入力端子は、結合素子Tcm1の出力端子に接続される。前段インバータIm1は、電源電圧供給配線Lsvに接続される第1電源端子と、結合素子Tcm1の出力端子に接続される入力端子と、接地電位に接続される第2電源端子を有する。
インバータの本来の性能を構成するために、前段インバータIm1が1V程度の低電源電圧で駆動されたとしても、前段インバータIm1は、入力された入力信号のパルス波形を整形することができる。接地電位と前段インバータIm1の出力端子との間において、前段インバータIm1用の記憶コンデンサCm1が接続される。出力端子は、記憶コンデンサCm1内に記憶された信号を、第2奇数列U2内の次の前段セルMM2の前に配置された後段セルMrm1に出力する。
図3Aに示すように、前段セルMM1と前段セルMM2との間に挿入される第m行の後段セルMrm1は、前段の前段セルMM1の出力端子に接続される入力端子を有し、更にクロック配線Lclkに接続される制御端子も有するバッファ素子Trm1と、バッファ素子Trm1の出力端子に接続される入力端子を有する後段インバータIrm1を含む。即ち、バッファ素子Trm1は、偶数列Ur1の入力側に隣接して配置された奇数列U1に定義される隣接前段セルMM1の出力端子からの信号の転送を制御する。
後段インバータIrm1は、電源電圧供給配線Lsvに接続される第1電源端子と、バッファ素子Trm1の出力端子に接続される入力端子と、接地電位に接続される第2電源端子を有する。接地電位と後段インバータIrm1の出力端子との間に後段インバータIrm1用の記憶コンデンサCm1が接続される。後段セルMrm1の出力端子は、記憶コンデンサCrm1内に記憶された信号を、次の前段セルMM2に出力する。即ち、後段インバータIrm1は、同一の行に配置された前段セルMM1から転送された反転信号を再反転し、更に、再反転された信号を、後段セルMrm1の出力側に隣接して配置された奇数列U2に出力する。 そして、記憶コンデンサCrm1は、再反転された信号を記憶する。
周期的に振動する第1及び第2クロック信号CLKに同期するように、第1奇数列U1の結合素子Tcm1及び第1偶数列Ur1のバッファ素子Trm1のそれぞれは、結合素子Tcm1が導電状態のときは第1偶数列Ur1のバッファ素子Trm1が遮断状態となり、その逆に、結合素子Tcm1が遮断状態のときは第1偶数列Ur1のバッファ素子Trm1が導電状態となるように動作する。従って、前段インバータIm1の記憶コンデンサCm1から後段インバータIrm1へのドミノ転送は、防止される。また、前段インバータIm1と後段インバータIrm1とのペアによって、減衰した信号”1”の電圧レベルは、歪んだ入力信号を整形するために、電源電圧の電圧レベルまでそれぞれ増幅される。
<第2列第1行>
図3Bに示すように、マトリクスを構成する第2奇数列U2において、第1行に配列される前段セルM12は、第1偶数列Ur1の後段セルMr11の出力端子に接続された入力端子を有し、更にクロック配線Lclkに接続された制御端子も有する結合素子Tc12を含む。前段セルM12は、更に、前段インバータI12を含み、前段インバータの入力端子は、結合素子Tc12の出力端子に接続される。
前段インバータI12は、電源電圧供給配線Lsvに接続された第1電源端子と、結合素子Tc12の出力端子に接続された入力端子と、接地電位に接続された第2電源端子を有する。
前段インバータI12が1V程度の低電源電圧で駆動されたとしても、前段インバータI12は、入力された入力信号のパルス波形を整形することができる。前段インバータI12の出力端子において、記憶コンデンサC12は、出力端子と接地電位123との間に接続される。記憶コンデンサC12は、前段インバータI12に寄生する浮遊容量によって構成してもよい。他の記憶コンデンサC22, C32, ……,C(m-1)2, Cm2は、それぞれ寄生容量によって構成してもよい。出力端子は、記憶コンデンサC12内に記憶された信号を、第3奇数列U3内の次の前段セルM13の前に配置される後段セルMr12に出力する。
また、図3Bに示すように、マトリクスを構成する第1偶数列Ur2において、第1行の後段セルMr12は、前段セルM12と第3奇数列U3内の前段セルM13との間に挿入される。第1行の後段セルMr12は、バッファ素子、又は前段の前段セルM12の出力端子に接続された入力端子と、クロック配線Lclkに接続された制御端子と、後段インバータIr12の入力端子に接続された出力端子を有する後段結合素子Tr12を含む。
後段インバータIr12の入力端子は、バッファ素子Tr12の出力端子に接続される。即ち、バッファ素子Tr12は、第2偶数列Ur2の入力側に隣接する第2奇数列U2に定義される隣接前段セルM12の出力端子からの信号の転送を制御する。後段インバータIr12は、電源電圧供給配線Lsvに接続された第1電源端子と、バッファ素子Tr12の出力端子に接続された入力端子と、接地電位に接続された第2電源端子を含む。第1及び第2クロック信号は、準相補的モードにおいて周期的に振動するので、結合素子Tc12及びバッファ素子Tr12は、結合素子Tc12が導電状態のときはバッファ素子Tr12が遮断状態となり、その逆に、結合素子Tc12が遮断状態のときはバッファ素子Tr12が導電状態となるように準相補的に動作する。従って、前段インバータI12の記憶コンデンサC12から後段インバータIr12に意図せずに信号が転送されるといった信号の「ドミノ転送」が防止される。
このように、前段インバータI12から後段インバータIr12へのドミノ転送が防止されるので、前段セルM12と後段セルMr12のそれぞれは、能動的かつ独立したビットレベルセルとして機能することができる。情報の流れ(ストリーム)の方向に連続する2つのビットレベルデータは、隣接するビットレベルセルM12, Mr12によって共有することができるので、記憶容量を増やすことができるように、データ転送密度を最大にすることが可能となる。接地電位と後段インバータIr12の出力端子との間に後段インバータIr12用の記憶コンデンサCr12が接続される。記憶コンデンサCr12は、後段インバータIr12内に寄生する寄生容量によって構成してもよい。その他の記憶コンデンサCr22, Cr32, ……, Cr(m-1)2, Crm2も、後段インバータIr22, Ir32, ……, Ir(m-1)2, Irm2の微細構造内にそれぞれ寄生する寄生容量によって構成してもよい。
後段セルMr12の出力端子は、記憶コンデンサCr12内に記憶された信号を、次の前段セルM13に出力する。即ち、後段インバータIr12は、同一の行に配置された前段セルM12から転送された反転信号を再反転し、更に、再反転された信号を、後段セルMr12の出力側に隣接して配置された第3奇数列U3に出力する。そして、記憶コンデンサCr12は、再反転された信号を記憶する。
<第2列第2行>
同様に、図3Bに示すように、第2行に配列される前段セルM22は、第1偶数列Ur1の後段セルMr21の出力端子に接続された入力端子を有し、更にクロック配線Lclkに接続された制御端子も有する結合素子Tc22と、前段インバータI22を含む。前段インバータI22の入力端子は、結合素子Tc22の出力端子に接続される。前段インバータI22は、電源電圧供給配線Lsvに接続された第1電源端子と、結合素子Tc22の出力端子に接続された入力端子と、接地電位に接続された第2電源端子を有する。
前段インバータI22が1V程度の低電源電圧で駆動されたとしても、前段インバータI22は、減衰したパルス波高を電源電圧の電圧レベルまで増幅することによって、入力された入力信号のパルス波形を整形することができる。接地電位と前段インバータI22の出力端子との間において、前段インバータI22用の記憶コンデンサC22が接続される。出力端子は、記憶コンデンサC22内に記憶された信号を、第3奇数列U3内の次の前段セルM23の前に配置された後段セルMr22に出力する。
図3Bに示すように、前段セルM22と前段セルM22の間に挿入される第2行の後段セルMr22は、前段の前段セルM22の出力端子に接続された入力端子を有し、更にクロック配線Lclkに接続された制御端子も有するバッファ素子Tr22と、バッファ素子Tr22の出力端子に接続された入力端子を有する後段インバータIr22を含む。即ち、バッファ素子Tr22は、偶数列Ur1の入力側に隣接して配置された奇数列U1に定義される隣接前段セルM22の出力端子からの信号の転送を制御する。後段インバータIr22は、電源電圧供給配線Lsvに接続された第1電源端子と、バッファ素子Tr22の出力端子に接続された入力端子と、接地電位に接続された第2電源端子を有する。
接地電位と後段インバータIr22の出力端子との間に後段インバータIr22用の記憶コンデンサCr22が接続される。後段セルMr22の出力端子は、記憶コンデンサCr22内に記憶された信号を、次の前段セルM22に出力する。 即ち、後段インバータIr22は、同一の行に配置された前段セルM22から転送された反転信号を再反転し、更に、再反転された信号を、後段セルMr22の出力側に隣接して配置された奇数列U3に出力する。そして、記憶コンデンサCr22は、再反転された信号を記憶する。
準相補的モードにおいて周期的に振動する第1及び第2クロック信号に同期するように、第2奇数列U2の結合素子Tc22及び第2偶数列Ur2のバッファ素子Tr22のそれぞれは、結合素子Tc22が導電状態のときは第2偶数列Ur2のバッファ素子Tr22が遮断状態となり、その逆に、結合素子Tc22が遮断状態のときは第2偶数列Ur2のバッファ素子Tr22が導電状態となるように準相補的に動作する。従って、前段インバータI22の記憶コンデンサC22から後段インバータIr22へのドミノ転送は、防止される。また、前段インバータI22と後段インバータIr22とのペアによって、減衰した信号”1”の電圧レベルは、歪んだ入力信号を整形するために、電源電圧の電圧レベルまでそれぞれ増幅される。
<第2列第3行>
図3Bに示すように、第3行に配列される前段セルM32は、第1偶数列Ur1の後段セルM31の出力端子に接続された入力端子を有し、更にクロック配線Lclkに接続された制御端子も有する結合素子Tc32と、前段インバータI32を含む。前段インバータの入力端子は、結合素子Tc32の出力端子に接続される。前段インバータI32は、電源電圧供給配線Lsvに接続された第1電源端子と、結合素子Tc32の出力端子に接続された入力端子と、接地電位に接続された第2電源端子を有する。
前段インバータI32が1V程度の低電源電圧で駆動されたとしても、前段インバータI32は、入力された入力信号のパルス波形を整形することができる。接地電位と前段インバータI32の出力端子との間において、前段インバータI32用の記憶コンデンサC32が接続される。出力端子は、記憶コンデンサC32内に記憶された信号を、第3奇数列U3内の次の前段セルM33の前に配置された後段セルMr32に出力する。
図3Bに示すように、第3行の後段セルMr32は、前段セルM32と前段セルM33との間に挿入される。第3行の後段セルMr32は、前段の前段セルM32の出力端子に接続された入力端子を有し、更にクロック配線Lclkに接続された制御端子も有するバッファ素子Tr32と、バッファ素子Tr32の出力端子に接続された入力端子を有する後段インバータIr32を含む。即ち、バッファ素子Tr32は、偶数列Ur2の入力側に隣接して配置された奇数列U2に定義される隣接前段セルM32の出力端子からの信号の転送を制御する。後段インバータIr32は、電源電圧供給配線Lsvに接続された第1電源端子と、バッファ素子Tr32の出力端子に接続された入力端子と、接地電位に接続された第2電源端子を有する。
接地電位と後段インバータIr32の出力端子との間に後段インバータIr32用の記憶コンデンサC32が接続される。後段セルMr32の出力端子は、記憶コンデンサCr32内に記憶された信号を、次の前段セルM33に出力する。即ち、後段インバータIr32は、同一の行に配置された前段セルM32から転送された反転信号を再反転し、更に、再反転された信号を、後段セルMr32の出力側に隣接して配置された奇数列U3に出力する。そして、記憶コンデンサCr32は、再反転された信号を記憶する。
周期的に振動する第1及び第2クロック信号CLKに同期するように、第2奇数列U2の結合素子Tc32及び第2偶数列Ur2のバッファ素子Tr32のそれぞれは、結合素子Tc32が導電状態のときは第2偶数列Ur2のバッファ素子Tr32が遮断状態となり、その逆に、結合素子Tc32が遮断状態のときは第2偶数列Ur2のバッファ素子Tr32が導電状態となるように動作する。従って、前段インバータI32の記憶コンデンサC32から後段インバータIr32へのドミノ転送は、防止される。また、前段インバータI32と後段インバータIr32とのペアによって、減衰した信号”1”の電圧レベルは、歪んだ入力信号を整形するために、電源電圧の電圧レベルまでそれぞれ増幅される。
<第2列第(m−1)行>
第(m−1)行に配列される前段セルM(m-1)2は、第1偶数列Ur1の後段セルMr(m-1)2の出力端子に接続される入力端子を有し、更にクロック配線Lclkに接続される制御端子も有する結合素子Tc(m-1)2と、前段インバータI(m-1)2を含む。前段インバータI(m-1)2の入力端子は、結合素子Tc(m-1)2の出力端子に接続される。前段インバータI(m-1)2は、電源電圧供給配線Lsv2に接続される第1電源端子と、結合素子Tc(m-1)2の出力端子に接続される入力端子と、接地電位に接続される第2電源端子を有する。
前段インバータI(m-1)2が1V程度の低電源電圧で駆動されたとしても、前段インバータI(m-1)2は、入力された入力信号のパルス波形を整形することができる。接地電位と前段インバータI(m-1)2の出力端子との間において、前段インバータI(m-1)2用の記憶コンデンサC(m-1)2が接続される。前段セルM(m-1)2の出力端子は、記憶コンデンサC(m-1)2内に記憶された信号を、第3奇数列U3内の次の前段セルM(m-1)3の前に配置された後段セルMr(m-1)2に出力する。
図3Bに示すように、前段セルM(m-1)2と前段セルM(m-1)3との間に挿入される第(m−1)行の後段セルMr(m-1)2は、前段の前段セルM(m-1)2の出力端子に接続される入力端子を有し、更にクロック配線Lclkに接続される制御端子も有するバッファ素子Tr(m-1)2と、バッファ素子Tr(m-1)2の出力端子に接続される入力端子を有する後段インバータIr(m-1)2を含む。即ち、バッファ素子Tr(m-1)2は、偶数列Ur2の入力側に隣接して配置された奇数列U2に定義される隣接前段セルM(m-1)2の出力端子からの信号の転送を制御する。
後段インバータIr(m-1)2は、電源電圧供給配線Lsvに接続される第1電源端子と、バッファ素子Tr(m-1)2の出力端子に接続される入力端子と、接地電位に接続される第2電源端子を有する。接地電位と後段インバータIr(m-1)2の出力端子との間に後段インバータIr(m-1)2用の記憶コンデンサCr(m-1)2が接続される。後段セルMr(m-1)2の出力端子は、記憶コンデンサCr(m-1)2内に記憶された信号を、次の前段セルM(m-1)3に出力する。即ち、後段インバータIr(m-1)2は、同一の行に配置された前段セルM(m-1)2から転送された反転信号を再反転し、更に、再反転された信号を、後段セルMr(m-1)2の出力側に隣接して配置された奇数列U3に出力する。 そして、記憶コンデンサCr(m-1)2は、再反転された信号を記憶する。
周期的に振動する第1及び第2クロック信号に同期するように、第2奇数列U2の結合素子Tc(m-1)2及び第2偶数列Ur2のバッファ素子Tr(m-1)2のそれぞれは、結合素子Tc(m-1)2が導電状態のときはバッファ素子Tr(m-1)2が遮断状態となり、その逆に、結合素子Tc(m-1)2が遮断状態のときはバッファ素子Tr(m-1)2が導電状態となるように動作する。従って、前段インバータI(m-1)2の記憶コンデンサC(m-1)2から後段インバータIr(m-1)2へのドミノ転送は、防止される。また、前段インバータI(m-1)2と後段インバータIr(m-1)2とのペアによって、減衰した信号”1”の電圧レベルは、歪んだ入力信号を整形するために、電源電圧の電圧レベルまでそれぞれ増幅される。
<第2列第m行>
第m行に配列される前段セルMM2は、第1偶数列Ur1の後段セルMrm1の出力端子に接続される入力端子を有し、更にクロック配線Lclkに接続される制御端子も有する結合素子Tcm2と、前段インバータIm2を含む。前段インバータの入力端子は、結合素子Tcm2の出力端子に接続される。前段インバータIm2は、電源電圧供給配線Lsvに接続される第1電源端子と、結合素子Tcm2の出力端子に接続される入力端子と、接地電位に接続される第2電源端子を有する。
前段インバータIm2が1V程度の低電源電圧で駆動されたとしても、前段インバータIm2は、入力された入力信号のパルス波形を整形することができる。接地電位と前段インバータIm2の出力端子との間において、前段インバータIm2用の記憶コンデンサCm2が接続される。前段セルMM2の出力端子は、記憶コンデンサCm2内に記憶された信号を、第3奇数列U3内の次の前段セルMM3の前に配置された後段セルMrm2に出力する。
図3Bに示すように、第m行の後段セルMrm2は、前段セルMM2と前段セルMM3との間に挿入される。第m行の後段セルMrm2は、前段の前段セルMM2の出力端子に接続される入力端子を有し、更にクロック配線Lclkに接続される制御端子も有するバッファ素子Trm2と、バッファ素子Trm2の出力端子に接続される入力端子を有する後段インバータIrm2を含む。即ち、バッファ素子Trm2は、偶数列Ur1の入力側に隣接して配置された奇数列U1に定義される隣接前段セルMM2の出力端子からの信号の転送を制御する。
後段インバータIrm2は、電源電圧供給配線Lsvに接続される第1電源端子と、バッファ素子Trm2の出力端子に接続される入力端子と、接地電位に接続される第2電源端子を有する。接地電位と後段インバータIrm2の出力端子との間に後段インバータIrm2用の記憶コンデンサCrm2が接続される。後段セルMrm2の出力端子は、記憶コンデンサCrm2内に記憶された信号を、次の前段セルMM2に出力する。即ち、後段インバータIrm2は、同一の行に配置された前段セルMM2から転送された反転信号を再反転し、更に、再反転された信号を、後段セルMrm2の出力側に隣接して配置された奇数列U3に出力する。 そして、記憶コンデンサCrm2は、再反転された信号を記憶する。
周期的に振動する第1及び第2クロック信号に同期するように、第2奇数列U2の結合素子Tcm2及び第2偶数列Ur2のバッファ素子Trm2のそれぞれは、結合素子Tcm2が導電状態のときはバッファ素子Trm2が遮断状態となり、その逆に、結合素子Tcm2が遮断状態のときはバッファ素子Trm2が導電状態となるように動作する。従って、前段インバータIm2の記憶コンデンサCm2から後段インバータIrm2へのドミノ転送は、防止される。また、前段インバータIm2と後段インバータIrm2とのペアによって、減衰した信号”1”の電圧レベルは、歪んだ入力信号を整形するために、電源電圧の電圧レベルまでそれぞれ増幅される。
<第n列第1行>
更に、図3Cに示すように、マトリクスを構成する第n奇数列U2において、第1行に配列される前段セルM1nは、前段となる第(n-1)偶数列Ur1の後段セルMr1(n-1)の出力端子に接続された入力端子を有し、更にクロック配線Lclkに接続された制御端子も有する結合素子Tc1n2を含む。前段セルM1nは、更に、前段インバータI1nを含み、前段インバータの入力端子は、結合素子Tc1nの出力端子に接続される。
前段インバータI1nは、電源電圧供給配線Lsvに接続された第1電源端子と、結合素子Tc1nの出力端子に接続された入力端子と、接地電位に接続された第2電源端子を有する。前段インバータI1nが1V程度の低電源電圧で駆動されたとしても、前段インバータI1nは、入力された入力信号のパルス波形を整形することができる。前段インバータI1nの出力端子において、記憶コンデンサC1nは、出力端子と接地電位1n3との間に接続される。記憶コンデンサC1nは、前段インバータI1nに寄生する浮遊容量によって構成してもよい。他の記憶コンデンサC2n, C3n, ……,C(m-1)n, Cmnは、それぞれ寄生容量によって構成してもよい。出力端子は、記憶コンデンサC1n内に記憶された信号を、出力カラム内の出力端子OUT1の前に配置される後段セルMr1nに出力する。
また、図3Cに示すように、マトリクスを構成する第n偶数列Urnにおいて、第1行の後段セルMr1nは、前段セルM1nと出力カラム内の出力端子OUT1との間に挿入される。第1行の後段セルMr1nは、バッファ素子、又は前段セルM1nの出力端子に接続された入力端子と、クロック配線Lclkに接続された制御端子と、CMOSインバータによって構成された後段インバータIr1nの入力端子に接続された出力端子を有する後段結合素子Tr1nを含む。
CMOSインバータの入力端子は、バッファ素子Tr1nの出力端子に接続される。即ち、バッファ素子Tr1nは、第n偶数列Urnの入力側に隣接する第n奇数列Un内に割り当てられる前段セルM1nの出力端子からの信号の転送を制御する。後段インバータIr1nは、電源電圧供給配線Lsvに接続された第1電源端子と、バッファ素子Tr1nの出力端子に接続された入力端子と、接地電位に接続された第2電源端子を含む。第1及び第2クロック信号は、準相補的モードにおいて周期的に振動するので、結合素子Tc1n及びバッファ素子Tr1nは、結合素子Tc1nが導電状態のときはバッファ素子Tr1nが遮断状態となり、その逆に、結合素子Tc1nが遮断状態のときはバッファ素子Tr1nが導電状態となるように準相補的に動作する。
従って、信号の「ドミノ転送」が防止され、前段セルM1nと後段セルMr1nのそれぞれは、能動的かつ独立したビットレベルセルとして機能することができる。情報の流れ(ストリーム)の方向に連続する2つのビットレベルデータは、隣接するビットレベルセルM1n, Mr1nによって共有することができるので、記憶容量を増やすことができるように、データ転送密度を最大にすることが可能となる。接地電位と後段インバータIr1nの出力端子との間に後段インバータIr1n用の記憶コンデンサCr1nが接続される。記憶コンデンサCr1nは、後段インバータIr1n内に寄生する寄生容量によって構成してもよい。その他の記憶コンデンサCr2n, Cr3n, ……, Cr(m-1)n, Crmnも、後段インバータIr2n, Ir3n, ……, Ir(m-1)n, Irmnの微細構造内にそれぞれ寄生する寄生容量によって構成してもよい。
後段セルMr1nの出力端子は、記憶コンデンサCr1n内に記憶された信号を、出力端子OUT1に出力する。即ち、後段インバータIr1nは、同一の行に配置された前段セルM1nから転送された反転信号を再反転し、更に、再反転された信号を、出力カラム内の出力端子OUT1に出力する。そして、記憶コンデンサCr1nは、再反転された信号を記憶する。
<第n列第2行>
同様に、図3Cに示すように、第2行に配列される前段セルM2nは、前段となる第(n-1)偶数列Ur(n-1)の後段セルMr2(n-1)の出力端子に接続された入力端子を有し、更にクロック配線Lclkに接続された制御端子も有する結合素子Tc2n1と、前段インバータI2nを含む。前段インバータの入力端子は、結合素子Tc2nの出力端子に接続される。前段インバータI2nは、電源電圧供給配線Lsvに接続された第1電源端子と、結合素子Tc2nの出力端子に接続された入力端子と、接地電位に接続された第2電源端子を有する。
前段インバータI2nが1V程度の低電源電圧で駆動されたとしても、前段インバータI2nは、減衰したパルス波高を電源電圧の電圧レベルまで増幅することによって、入力された入力信号のパルス波形を整形することができる。接地電位と前段インバータI2nの出力端子との間において、前段インバータI2n用の記憶コンデンサC2nが接続される。出力端子は、記憶コンデンサC2n内に記憶された信号を、出力カラム内の出力端子OUT2の前に配置された後段セルMr2nに出力する。
図3Cに示すように、前段セルM2nと出力端子OUT2の間に挿入される第2行の後段セルMr2nは、前段セルM2nの出力端子に接続された入力端子を有し、更にクロック配線Lclkに接続された制御端子も有するバッファ素子Tr2nと、バッファ素子Tr2nの出力端子に接続された入力端子を有する後段インバータIr2nを含む。即ち、バッファ素子Tr2nは、偶数列Urnの入力側に隣接して配置された奇数列Unに割り当てられた前段セルM2nの出力端子からの信号の転送を制御する。後段インバータIr2nは、電源電圧供給配線Lsvに接続された第1電源端子と、バッファ素子Tr2nの出力端子に接続された入力端子と、接地電位に接続された第2電源端子を有する。
接地電位と後段インバータIr2nの出力端子との間に後段インバータIr2n用の記憶コンデンサCr2nが接続される。後段セルMr2nの出力端子は、記憶コンデンサCr2n内に記憶された信号を、出力端子OUT2に出力する。即ち、後段インバータIr2nは、同一の行に配置された前段セルM2nから転送された反転信号を再反転し、更に、再反転された信号を、出力カラム内の出力端子OUT2に出力する。 そして、記憶コンデンサCr2nは、再反転された信号を記憶する。
準相補的モードにおいて周期的に振動する第1及び第2クロック信号に同期するように、第n奇数列Unの結合素子Tc2n及び第n偶数列Urnのバッファ素子Tr2nのそれぞれは、結合素子Tc2nが導電状態のときはバッファ素子Tr2nが遮断状態となり、その逆に、結合素子Tc2nが遮断状態のときはバッファ素子Tr2nが導電状態となるように準相補的に動作する。従って、前段インバータI2nの記憶コンデンサC2nから後段インバータIr2nへの信号のドミノ転送は、防止される。また、前段インバータI2nと後段インバータIr2nとのペアによって、減衰した信号“1”の電圧レベルは、歪んだ入力信号を整形するために、電源電圧の電圧レベルまでそれぞれ増幅される。
<第n列第3行>
図3Cに示すように、第3行に配列される前段セルM3nは、前段となる第(n-1)偶数列Ur1の後段セルM31の出力端子に接続された入力端子を有し、更にクロック配線Lclkに接続された制御端子も有する結合素子Tc3nと、前段インバータI3nを含む。前段インバータの入力端子は、結合素子Tc3nの出力端子に接続される。前段インバータI3nは、電源電圧供給配線Lsvに接続された第1電源端子と、結合素子Tc3nの出力端子に接続された入力端子と、接地電位に接続された第2電源端子を有する。
前段インバータI3nが1V程度の低電源電圧で駆動されたとしても、前段インバータI3nは、入力された入力信号のパルス波形を整形することができる。接地電位と前段インバータI3nの出力端子との間において、前段インバータI3n用の記憶コンデンサC3nが接続される。出力端子は、記憶コンデンサC3n内に記憶された信号を、出力カラム内の出力端子OUT3の前に配置された後段セルMr3nに出力する。
図3Cに示すように、第3行の後段セルMr3nは、前段セルM3nと前段セルM33との間に挿入される。第3行の後段セルMr3nは、前段セルM3nの出力端子に接続された入力端子を有し、更にクロック配線Lclkに接続された制御端子も有するバッファ素子Tr3nと、バッファ素子Tr3nの出力端子に接続された入力端子を有する後段インバータIr3nを含む。即ち、バッファ素子Tr3nは、偶数列Ur2の入力側に隣接して配置された奇数列U2に割り当てられた前段セルM3nの出力端子からの信号の転送を制御する。
後段インバータIr3nは、電源電圧供給配線Lsvに接続された第1電源端子と、バッファ素子Tr3nの出力端子に接続された入力端子と、接地電位に接続された第2電源端子を有する。接地電位と後段インバータIr3nの出力端子との間に後段インバータIr3n用の記憶コンデンサCr3nが接続される。後段セルMr3nの出力端子は、記憶コンデンサCr3n内に記憶された信号を、出力端子OUT3に出力する。即ち、後段インバータIr3nは、同一の行に配置された前段セルM3nから転送された反転信号を再反転し、更に、再反転された信号を、出力カラム内の出力端子OUT3に出力する。そして、記憶コンデンサCr3nは、再反転された信号を記憶する。
周期的に振動する第1及び第2クロック信号CLKに同期するように、第n奇数列U2の結合素子Tc3n及び第n偶数列Ur2のバッファ素子Tr3nのそれぞれは、結合素子Tc3nが導電状態のときは第n偶数列Ur1のバッファ素子Tr3nが遮断状態となり、その逆に、結合素子Tc3nが遮断状態のときは第n偶数列Ur1のバッファ素子Tr3nが導電状態となるように動作する。従って、前段インバータI3nの記憶コンデンサC3nから後段インバータIr3nへのドミノ転送は、防止される。また、前段インバータI3nと後段インバータIr3nとのペアによって、減衰した信号“1”の電圧レベルは、歪んだ入力信号を整形するために、電源電圧の電圧レベルまでそれぞれ増幅される。
<第n列第(m−1)行>
第(m−1)行に配列される前段セルM(m-1)nは、前段となる第(n-1)偶数列Ur1の後段セルMr(m-1)nの出力端子に接続される入力端子を有し、更にクロック配線Lclkに接続される制御端子も有する結合素子Tc(m-1)nと、前段インバータI(m-1)nを含む。前段インバータの入力端子は、結合素子Tc(m-1)nの出力端子に接続される。前段インバータI(m-1)nは、電源電圧供給配線Lsvに接続される第1電源端子と、結合素子Tc(m-1)nの出力端子に接続される入力端子と、接地電位に接続される第2電源端子を有する。
前段インバータI(m-1)nが1V程度の低電源電圧で駆動されたとしても、前段インバータI(m-1)nは、入力された入力信号のパルス波形を整形することができる。接地電位と前段インバータI(m-1)nの出力端子との間において、前段インバータI(m-1)n用の記憶コンデンサC(m-1)nが接続される。前段セルM(m-1)nの出力端子は、記憶コンデンサC(m-1)n内に記憶された信号を、出力カラム内の出力端子OUT(m-1)の前に配置された後段セルMr(m-1)nに出力する。
図3Cに示すように、前段セルM(m-1)nと前段セルM(m-1)3との間に挿入される第(m−1)行の後段セルMr(m-1)nは、前段セルM(m-1)nの出力端子に接続される入力端子を有し、更にクロック配線Lclkに接続される制御端子も有するバッファ素子Tr(m-1)nと、バッファ素子Tr(m-1)nの出力端子に接続される入力端子を有する後段インバータIr(m-1)nを含む。即ち、バッファ素子Tr(m-1)nは、偶数列Ur2の入力側に隣接して配置された奇数列U2に割り当てられた前段セルM(m-1)nの出力端子からの信号の転送を制御する。
後段インバータIr(m-1)nは、電源電圧供給配線Lsvに接続される第1電源端子と、バッファ素子Tr(m-1)nの出力端子に接続される入力端子と、接地電位に接続される第2電源端子を有する。接地電位と後段インバータIr(m-1)nの出力端子との間に後段インバータIr(m-1)n用の記憶コンデンサCr(m-1)nが接続される。後段セルMr(m-1)nの出力端子は、記憶コンデンサCr(m-1)n内に記憶された信号を、出力端子OUT(m-1)に出力する。即ち、後段インバータIr(m-1)nは、同一の行に配置された前段セルM(m-1)nから転送された反転信号を再反転し、更に、再反転された信号を、出力カラム内の出力端子OUT(m-1)に出力する。そして、記憶コンデンサCr(m-1)nは、再反転された信号を記憶する。
周期的に振動する第1及び第2クロック信号に同期するように、第n奇数列U2の結合素子Tc(m-1)n及び第n偶数列Ur2のバッファ素子Tr(m-1)nのそれぞれは、結合素子Tc(m-1)nが導電状態のときはバッファ素子Tr(m-1)nが遮断状態となり、その逆に、結合素子Tc(m-1)nが遮断状態のときはバッファ素子Tr(m-1)nが導電状態となるように動作する。従って、前段インバータI(m-1)nの記憶コンデンサC(m-1)nから後段インバータIr(m-1)nへのドミノ転送は、防止される。また、前段インバータI(m-1)nと後段インバータIr(m-1)nとのペアによって、減衰した信号”1”の電圧レベルは、歪んだ入力信号を整形するために、電源電圧の電圧レベルまでそれぞれ増幅される。
<第n列第m行>
第m行に配列される前段セルMMnは、前段となる第(n-1)偶数列Ur1の後段セルMrmnの出力端子に接続される入力端子を有し、更にクロック配線Lclkに接続される制御端子も有する結合素子Tcmnと、前段インバータImnを含む。前段インバータの入力端子は、結合素子Tcmnの出力端子に接続される。前段インバータImnは、電源電圧供給配線Lsvに接続される第1電源端子と、結合素子Tcmnの出力端子に接続される入力端子と、接地電位に接続される第2電源端子を有する。
前段インバータImnが1V程度の低電源電圧で駆動されたとしても、前段インバータImnは、入力された入力信号のパルス波形を整形することができる。接地電位と前段インバータImnの出力端子との間において、前段インバータImn用の記憶コンデンサCmnが接続される。前段セルMMnの出力端子は、記憶コンデンサCmn内に記憶された信号を、出力カラム内の出力端子OUTmの前に配置された後段セルMrmnに出力する。
図3Cに示すように、第m行の後段セルMrmnは、前段セルMMnと前段セルMM3との間に挿入される。第m行の後段セルMrmnは、前段セルMMnの出力端子に接続される入力端子を有し、更にクロック配線Lclkに接続される制御端子も有するバッファ素子Trmnと、バッファ素子Trmnの出力端子に接続される入力端子を有する後段インバータIrmnを含む。即ち、バッファ素子Trmnは、偶数列Ur1の入力側に隣接して配置された奇数列U1に割り当てられた前段セルMMnの出力端子からの信号の転送を制御する。
後段インバータIrmnは、電源電圧供給配線Lsvに接続される第1電源端子と、バッファ素子Trmnの出力端子に接続される入力端子と、接地電位に接続される第2電源端子を有する。接地電位と後段インバータIrmnの出力端子との間に後段インバータIrmn用の記憶コンデンサCrmnが接続される。後段セルMrmnの出力端子は、記憶コンデンサCrmn内に記憶された信号を、出力端子OUTmに出力する。即ち、後段インバータIrmnは、同一の行に配置された前段セルMMnから転送された反転信号を再反転し、更に、再反転された信号を、出力カラム内の出力端子OUTmに出力する。そして、記憶コンデンサCrmnは、再反転された信号を記憶する。
周期的に振動する第1及び第2クロック信号に同期するように、第n奇数列U2の結合素子Tcmn及び第n偶数列Ur2のバッファ素子Trmnのそれぞれは、結合素子Tcmnが導電状態のときはバッファ素子Trmnが遮断状態となり、その逆に、結合素子Tcmnが遮断状態のときはバッファ素子Trmnが導電状態となるように動作する。従って、前段インバータImnの記憶コンデンサCmnから後段インバータIrmnへのドミノ転送は、防止される。また、前段インバータImnと後段インバータIrmnとのペアによって、減衰した信号”1”の電圧レベルは、歪んだ入力信号を整形するために、電源電圧の電圧レベルまでそれぞれ増幅される。
図3A〜図3Cにおいては、それぞれが1つの制御端子を有する結合素子Tcij (i = 1〜m; j = 1〜n)及びバッファ素子Trijについて図示したが、図3A〜図3Cに示す回路形態は単なる例にすぎず、結合素子Tcij及びバッファ素子Trijは、相補型パストランジスタ行ジック、CMOSトランスミッション・ゲートなどのようなダブル制御端子を持っていてもよい。
例えば、結合素子Tcij及びバッファ素子Trijのダブル制御端子が相補的方法でバイアスされるように、CMOSトランスミッション・ゲートの第2の制御端子に、第1クロック信号を反転した第2クロック信号を印加している間、CMOSトランスミッション・ゲートの第1の制御端子に第1クロック信号を印加してもよい。尚、結合素子Tcij及びバッファ素子Trijのそれぞれがダブル制御端子を有する場合であっても、第1及び第2クロック信号を提供するに当たって、図3A〜図3Cに示す1つのクロック配線を有していれば十分である。なぜなら、インバータが第1及び第2クロック信号の間に挿入されることで、第1クロック信号が反転されて容易に第2クロック信号を得ることができるからである。
(第1実施形態:3トランジスタ)
図4A及び図4Bは、第1実施形態に係るMM計算機システムに使用される後段セルのアレイを含むMMセルのそれぞれの2×2アレイのトランジスタレベル表記の例を示す。図4A及び図4Bに示す回路構成において、MOS電界効果トランジスタ(FET)のトランジスタシンボルは、能動素子を示すものとして使われるが、MOSFETは、MOS静電誘導トランジスタ(SIT)によって置き換えることもできる。
更に、MOSFET及びMOSSITは、シリコン酸化膜(SiO2膜)以外のゲート絶縁膜を有する金属−絶縁体−半導体(MIS)FET及びMISSITによってそれぞれ置き換えることができる。このようなMMのトランジスタレベル構成を構成する能動素子の同じような置き換えは、第2及び第3実施形態においても適用することができる。
従って、第1〜第3実施形態で言及される「MOSトランジスタ」は、実質的には「MISトランジスタ」と同義のものとして解釈されるべきである。例えば、MISトランジスタに使用されるゲート絶縁膜は、シリコン酸化膜(SiO2膜)、シリコン窒化膜(Si3N4膜)、及びシリコン酸化膜(SiO2膜)を含む3層構造を有するONO膜としてもよい。更に、MISトランジスタに使用されるゲート絶縁膜は、ストロンチウム(Sr)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、イットリウム(Y)、ハフニウム(Hf)、ジルコニウム(Zr)、タンタル(Ta)、ビスマス(Bi)から選択される少なくとも1つの元素を含む酸化物、又は上記の元素から選択される少なくとも1つの元素を含む窒化シリコンを含んでいてもよい。
図4Aの上部左側の位置に、MMのマトリクスの第i行に配列された第j列の前段セルMij(i=1〜m; j=1〜n)が示される。前段セルMijは、前段の前段セルMi(j-1)との間に挿入された後段セルMri(j-1)の出力端子に接続された第1主電極、及び第1のクロック配線Lclk1に接続されたゲート電極を有するnMOSトランジスタQij1によって構成される結合素子と、結合素子Qij1の第2主電極に接続された入力端子を有する前段インバータIijを含む。
即ち、結合素子Qij1は、奇数列Ujの入力側に隣接する偶数列Ur(j-1)に定義される隣接後段セルMri(j-1)の出力端子からの信号の転送を制御する。前段インバータIijは、電源電圧供給配線Lsvに接続される第1主電極、及び結合素子Qij1の第2主電極に接続されるゲート電極を有するpMOSトランジスタQij2と、pMOSトランジスタQij2の第2主電極に接続される第1主電極、結合素子Qij1の第2主電極に接続されるゲート電極、及び接地電位に接続される第2主電極を有するnMOSトランジスタQij3を含むCMOSインバータによって構成される。
前段インバータIijの出力端子に対して、前段インバータIijに割り当てられた記憶コンデンサCijは、nMOSトランジスタQij3と共に並列に接続される。また、pMOS トランジスタQij2の第2主電極及びnMOSトランジスタQij3の第1主電極に接続される出力ノードは、前段セルMijの内部出力端子として機能する。
前段セルMijの内部出力端子は、記憶コンデンサCij内に記憶された信号を次列の前段セルMi(j+1)の前に配置された後段セルMrijに出力する。即ち、前段インバータIijは、結合素子Qij1を介して転送された信号を反転し、更に、反転された信号を、前段セルMijの出力側に隣接して配置された偶数列Urjに出力する。そして、前段記憶コンデンサCijは、反転された信号を記憶する。
また、前段セルMijと前段セルMi(j+1)との間に挿入された後段セルMrijは、前段の前段セルMijの内部出力端子に接続される第1主電極、及び第2のクロック配線Lclk2に接続されるゲート電極を有するnMOSトランジスタQrij1と、nMOSトランジスタQrij1の第2主電極に接続される入力端子を有する後段インバータIrijと、によって構成されるバッファ素子を含む。既に説明したように、第1のクロック配線Lclk1及び第2のクロック配線Lclk2は、図2に示すように、単一の共通クロック配線Lclkとして共通化することができる。
即ち、バッファ素子Qrij1は、偶数列Urjの入力側に隣接する奇数列Ujに定義される隣接前段セルMijの出力端子からの信号の転送を制御する。後段インバータIrijは、電源電圧供給配線Lsvに接続される第1主電極、及びバッファ素子Qrij1の第2主電極に接続されるゲート電極を有するpMOSトランジスタQrij2と、pMOSトランジスタQrij2の第2主電極に接続される第1主電極、バッファ素子Qrij1の第2主電極に接続されるゲート電極、及び接地電位に接続される第2主電極を有するnMOSトランジスタQrij3を含むCMOSインバータによって構成される。
後段インバータIrijの出力端子に対して、後段インバータIrijに割り当てられた記憶コンデンサCrijは、nMOSトランジスタQrij3と共に並列に接続される。また、pMOS トランジスタQrij2の第2主電極及びnMOSトランジスタQrij3の第1主電極に接続される出力ノードは、後段セルMrijの出力端子として機能する。後段セルMrijの出力端子は、記憶コンデンサCrij内に記憶された信号を次列の前段セルMi(j+1)に出力する。即ち、後段インバータIrijは、同一の行に配置された前段セルMijから転送された反転信号を再反転し、更に、再反転された信号を、後段セルMrijの出力側に隣接して配置された奇数列U(j+1)に出力する。そして、記憶コンデンサCrijは、再反転された信号を記憶する。
そして、図4Aに示すように、第(i+1)行に配列された第j列の前段セルM(i+1)jは、前段の前段セルM(i+1)(j-1)との間に挿入された後段セルMr(i+1)(j-1)の出力端子に接続された第1主電極、及び第1のクロック配線Lclk1に接続されたゲート電極を有するnMOSトランジスタQ(i+1)j1によって構成される結合素子と、結合素子Q(i+1)j1の第2主電極に接続された入力端子を有する前段インバータI(i+1)jを含む。
即ち、結合素子Q(i+1)j1は、奇数列Ujの入力側に隣接する偶数列Ur(j-1)に定義される隣接後段セルMri(j-1), Mr(i+1)(j-1)の出力端子からの信号の転送を制御する。前段インバータI(i+1)jは、電源電圧供給配線Lsvに接続される第1主電極、及び結合素子Q(i+1)j1の第2主電極に接続されるゲート電極を有するpMOSトランジスタQ(i+1)j2と、pMOSトランジスタQ(i+1)j2の第2主電極に接続される第1主電極、結合素子Q(i+1)j1の第2主電極に接続されるゲート電極、及び接地電位に接続される第2主電極を有するnMOSトランジスタQ(i+1)j3を含むCMOSインバータによって構成される。
前段インバータI(i+1)jの出力端子に対して、前段インバータI(i+1)jに割り当てられた記憶コンデンサC(i+1)jは、nMOSトランジスタQ(i+1)j3と共に並列に接続される。また、pMOS トランジスタQ(i+1)j2の第2主電極及びnMOSトランジスタQ(i+1)j3の第1主電極に接続される出力ノードは、前段セルM(i+1)jの内部出力端子として機能する。前段セルM(i+1)jの内部出力端子は、記憶コンデンサC(i+1)j内に記憶された信号を次列の前段セルM(i+1)(j+1)の前に配置された後段セルMr(i+1)jに出力する。即ち、前段インバータI(i+1)jは、結合素子Q(i+1)j1を介して転送された信号を反転し、更に、反転された信号を、前段セルM(i+1)jの出力側に隣接して配置された偶数列Urjに出力する。そして、前段記憶コンデンサC(i+1)jは、反転された信号を記憶する。
また、前段セルM(i+1)jと前段セルM(i+1)(j+1)との間に挿入された後段セルMr(i+1)jは、前段の前段セルM(i+1)jの内部出力端子に接続される第1主電極、及び第2のクロック配線Lclk2に接続されるゲート電極を有するnMOSトランジスタQr(i+1)j1と、nMOSトランジスタQr(i+1)j1の第2主電極に接続される入力端子を有する後段インバータIr(i+1)jと、によって構成されるバッファ素子を含む。
即ち、バッファ素子Qr(i+1)j1は、偶数列Urjの入力側に隣接する奇数列Ujに定義される隣接前段セルM(i+1)jの出力端子からの信号の転送を制御する。後段インバータIr(i+1)jは、電源電圧供給配線Lsvに接続される第1主電極、及びバッファ素子Qr(i+1)j1の第2主電極に接続されるゲート電極を有するpMOSトランジスタQr(i+1)j2と、pMOSトランジスタQr(i+1)j2の第2主電極に接続される第1主電極、バッファ素子Qr(i+1)j1の第2主電極に接続されるゲート電極、及び接地電位に接続される第2主電極を有するnMOSトランジスタQr(i+1)j3を含むCMOSインバータによって構成される。
後段インバータIr(i+1)jの出力端子に対して、後段インバータIr(i+1)jに割り当てられた記憶コンデンサCr(i+1)jは、nMOSトランジスタQr(i+1)j3と共に並列に接続される。また、pMOSトランジスタQr(i+1)j2の第2主電極及びnMOSトランジスタQr(i+1)j3の第1主電極に接続される出力ノードは、後段セルMr(i+1)jの出力端子として機能する。後段セルMr(i+1)jの出力端子は、記憶コンデンサCr(i+1)j内に記憶された信号を次列の前段セルM(i+1)(j+1)に出力する。即ち、後段インバータIr(i+1)jは、同一の行に配置された前段セルM(i+1)jから転送された反転信号を再反転し、更に、再反転された信号を、後段セルMr(i+1)jの出力側に隣接して配置された奇数列U(j+1)に出力する。そして、記憶コンデンサCr(i+1)jは、再反転された信号を記憶する。
図4Bに示すように、第i行に配列された第(j+1)列の前段セルMi(j+1)は、前段の前段セルMijとの間に挿入された後段セルMrijの出力端子に接続された第1主電極、及び第1のクロック配線Lclk1に接続されたゲート電極を有するnMOSトランジスタQi(j+1)1によって構成される結合素子と、結合素子Qi(j+1)1の第2主電極に接続された入力端子を有する前段インバータIi(j+1)を含む。即ち、結合素子Qi(j+1)1は、奇数列U(j+1)の入力側に隣接する偶数列Urjに定義される隣接後段セルMrijの出力端子からの信号の転送を制御する。
前段インバータIi(j+1)は、電源電圧供給配線Lsvに接続される第1主電極、及び結合素子Qi(j+1)1の第2主電極に接続されるゲート電極を有するpMOSトランジスタQi(j+1)2と、pMOSトランジスタQi(j+1)2の第2主電極に接続される第1主電極、結合素子Qi(j+1)1の第2主電極に接続されるゲート電極、及び接地電位に接続される第2主電極を有するnMOSトランジスタQi(j+1)3を含むCMOSインバータによって構成される。前段インバータIi(j+1)の出力端子に対して、前段インバータIi(j+1)に割り当てられた記憶コンデンサCi(j+1)は、nMOSトランジスタQi(j+1)3と共に並列に接続される。
また、pMOS トランジスタQi(j+1)2の第2主電極及びnMOSトランジスタQi(j+1)3の第1主電極に接続される出力ノードは、前段セルMi(j+1)の内部出力端子として機能する。前段セルMi(j+1)の内部出力端子は、記憶コンデンサCi(j+1)内に記憶された信号を次列の前段セルMi(j+2)の前に配置された後段セルMri(j+1)に出力する。即ち、前段インバータIi(j+1)は、結合素子Qi(j+1)1を介して転送された信号を反転し、更に、反転された信号を、前段セルMi(j+1)の出力側に隣接して配置された偶数列Ur(j+1)に出力する。そして、前段記憶コンデンサCi(j+1)は、反転された信号を記憶する。
また、前段セルMi(j+1)と前段セルMi(j+2)との間に挿入された後段セルMri(j+1)は、前段の前段セルMi(j+1)の内部出力端子に接続される第1主電極、及び第2のクロック配線Lclk2に接続されるゲート電極を有するnMOSトランジスタQri(j+1)1と、nMOSトランジスタQri(j+1)1の第2主電極に接続される入力端子を有する後段インバータIri(j+1)と、によって構成されるバッファ素子を含む。即ち、バッファ素子Qri(j+1)1は、偶数列Ur(j+1)の入力側に隣接する奇数列U(j+1)に定義される隣接前段セルMi(j+1)の出力端子からの信号の転送を制御する。
後段インバータIri(j+1)は、電源電圧供給配線Lsvに接続される第1主電極、及びバッファ素子Qri(j+1)1の第2主電極に接続されるゲート電極を有するpMOSトランジスタQri(j+1)2と、pMOSトランジスタQri(j+1)2の第2主電極に接続される第1主電極、バッファ素子Qri(j+1)1の第2主電極に接続されるゲート電極、及び接地電位に接続される第2主電極を有するnMOSトランジスタQri(j+1)3を含むCMOSインバータによって構成される。後段インバータIri(j+1)の出力端子に対して、後段インバータIri(j+1)に割り当てられた記憶コンデンサCri(j+1)は、nMOSトランジスタQri(j+1)3と共に並列に接続される。また、pMOSトランジスタQri(j+1)2の第2主電極及びnMOSトランジスタQri(j+1)3の第1主電極に接続される出力ノードは、後段セルMri(j+1)の出力端子として機能する。
後段セルMri(j+1)の出力端子は、記憶コンデンサCri(j+1)内に記憶された信号を次列の前段セルMi(j+2)に出力する。即ち、後段インバータIri(j+1)は、同一の行に配置された前段セルMi(j+1)から転送された反転信号を再反転し、更に、再反転された信号を、後段セルMri(j+1)の出力側に隣接して配置された奇数列U(j+2)に出力する。そして、記憶コンデンサCri(j+1)は、再反転された信号を記憶する。
更に、図4Bに示すように、第(i+1)行に配列された第(j+1)列の前段セルM(i+1)(j+1)は、前段の前段セルM(i+1)jとの間に挿入された後段セルMr(i+1)jの出力端子に接続された第1主電極、及び第1のクロック配線Lclk1に接続されたゲート電極を有するnMOSトランジスタQ(i+1)(j+1)1によって構成される結合素子と、結合素子Q(i+1)(j+1)1の第2主電極に接続された入力端子を有する前段インバータI(i+1)(j+1)を含む。
即ち、結合素子Q(i+1)(j+1)1は、奇数列U(j+1)の入力側に隣接する偶数列Urjに定義される隣接後段セルMr(i+1)jの出力端子からの信号の転送を制御する。前段インバータI(i+1)(j+1)は、電源電圧供給配線Lsvに接続される第1主電極、及び結合素子Q(i+1)(j+1)1の第2主電極に接続されるゲート電極を有するpMOSトランジスタQ(i+1)(j+1)2と、pMOSトランジスタQ(i+1)(j+1)2の第2主電極に接続される第1主電極、結合素子Q(i+1)(j+1)1の第2主電極に接続されるゲート電極、及び接地電位に接続される第2主電極を有するnMOSトランジスタQ(i+1)(j+1)3を含むCMOSインバータによって構成される。
前段インバータI(i+1)(j+1)の出力端子に対して、前段インバータI(i+1)(j+1)に割り当てられた記憶コンデンサC(i+1)(j+1)は、nMOSトランジスタQ(i+1)(j+1)3と共に並列に接続される。また、pMOSトランジスタQ(i+1)(j+1)2の第2主電極及びnMOSトランジスタQ(i+1)(j+1)3の第1主電極に接続される出力ノードは、前段セルM(i+1)(j+1)の内部出力端子として機能する。前段セルM(i+1)(j+1)の内部出力端子は、記憶コンデンサC(i+1)(j+1)内に記憶された信号を次列の前段セルM(i+1)(j+2)の前に配置された後段セルMr(i+1)(j+1)に出力する。即ち、前段インバータI(i+1)(j+1)は、結合素子Q(i+1)(j+1)1を介して転送された信号を反転し、更に、反転された信号を、前段セルM(i+1)(j+1)の出力側に隣接して配置された偶数列Ur(j+1)に転送する。そして、前段記憶コンデンサC(i+1)(j+1)は、反転された信号を記憶する。
また、前段セルM(i+1)(j+1)と前段セルM(i+1)(j+2)との間に挿入された後段セルMr(i+1)(j+1)は、前段の前段セルM(i+1)(j+1)の内部出力端子に接続される第1主電極、及び第2のクロック配線Lclk2に接続されるゲート電極を有するnMOSトランジスタQr(i+1)(j+1)1と、nMOSトランジスタQr(i+1)(j+1)1の第2主電極に接続される入力端子を有する後段インバータIr(i+1)(j+1)と、によって構成されるバッファ素子を含む。
即ち、バッファ素子Qr(i+1)(j+1)1は、偶数列Ur(j+1)の入力側に隣接する奇数列U(j+1)に定義される隣接前段セルM(i+1)(j+1)の出力端子からの信号の転送を制御する。後段インバータIr(i+1)(j+1)は、電源電圧供給配線Lsvに接続される第1主電極、及びバッファ素子Qr(i+1)(j+1)1の第2主電極に接続されるゲート電極を有するpMOSトランジスタQr(i+1)(j+1)2と、pMOSトランジスタQr(i+1)(j+1)2の第2主電極に接続される第1主電極、バッファ素子Qr(i+1)(j+1)1の第2主電極に接続されるゲート電極、及び接地電位に接続される第2主電極を有するnMOSトランジスタQr(i+1)(j+1)3を含むCMOSインバータによって構成される。
後段インバータIr(i+1)(j+1)の出力端子に対して、後段インバータIr(i+1)(j+1)に割り当てられた記憶コンデンサCr(i+1)(j+1)は、nMOSトランジスタQr(i+1)(j+1)3と共に並列に接続される。また、pMOSトランジスタQr(i+1)(j+1)2の第2主電極及びnMOSトランジスタQr(i+1)(j+1)3の第1主電極に接続される出力ノードは、後段セルMr(i+1)(j+1)の出力端子として機能する。後段セルMr(i+1)(j+1)の出力端子は、記憶コンデンサCr(i+1)(j+1)内に記憶された信号を次列の前段セルM(i+1)(j+2)に出力する。即ち、後段インバータIr(i+1)(j+1)は、同一の行に配置された前段セルM(i+1)(j+1)から転送された反転信号を再反転し、更に、再反転された信号を、後段セルMr(i+1)(j+1)の出力側に隣接して配置された奇数列U(j+2)に転送する。そして、記憶コンデンサCr(i+1)(j+1)は、再反転された信号を記憶する。
<第1実施形態のクロック信号>
図5A〜図5Eは、トランジスタレベルでの前段セルと後段セルの動作のタイミングチャートを示す。即ち、図5A〜図5Eに示す波形は、第1クロック信号CLK1及び第2クロック信号CLK2の波形によって生成される前段セルと後段セルがなす周期的変化を示すトポロジーの構造例である。即ち、図5A〜図5Eに示す波形は、図4Aによって表記される前段セルMij及び後段セルMrijの動作に係る論理レベルの時間的変動に対応する。図5Aに示すように、第1クロック信号CLK1及び第2クロック信号CLK2のそれぞれは、クロックサイクルτclockの周期において、論理レベル“1”と論理レベル“0”との間で周期的に振動する。
例えば、第1クロック信号CLK1は、τclock/3の周期において論理レベル“1”を保持する。そして、第1クロック信号CLK1は、τclock/3の周期において論理レベル“1”を保持した後に、2τclock/3の周期において論理レベル“0”になる。一方、τclock/2の周期において、第2クロック信号CLK2は、論理レベル“0”を保持する。そして、第2クロック信号CLK2は、τclock/2の周期において論理レベル“0”を保持した後に、τclock/3の周期において論理レベル“1”になる。
第1クロック信号CLK1及び第2クロック信号CLK2は、互いにτclock/2だけ時間的に離れている。従って、第2クロック信号CLK2は、第1クロック信号CLK1の立ち下りエッジからτclock/6の所定の時間が経過した後に立ち上がり、次の第1クロック信号CLK1の立ち上がりエッジからτclock/6だけ前のタイミングで立ち下がる。図5A〜図5Eに示すように、t1〜t0の期間、及びt3〜t2の期間はτclock/3で定義され、t2〜t1の期間、及びt4〜t3の期間はτclock/6で定義される。
しかし、図6Aに示す方形波は、無負荷状態の下での理想波形であり、MMを実装した半導体チップ内の第1クロック信号CLK1及び第2クロック信号CLK2の実際の波形は、以下に述べる図7Bに示すような方形波から歪んだ形状となる。浮遊容量及び浮遊抵抗に起因する遅延時間τd1, τd2により第1クロック信号CLK1及び第2クロック信号CLK2の波形歪みを呈する。波形歪みを呈した第1クロック信号CLK1及び第2クロック信号CLK2は、図2に示すように、単一の共通クロック配線Lclkから供給される。
<時刻"t0"から"t2"までの間におけるNAND/AND動作>
図5Aに示すように、図4Aに示す前段セルMijに関して、その入力側の列(前列)に位置する後段セルMri(j-1)の記憶コンデンサCri(j-1)の論理レベルが“1”である、即ち前列に位置する後段セルMri(j-1)の出力端子が論理レベル“1”であると仮定する。時刻“t0”において、第1クロック信号CLK1が高レベルになり、かつその高レベル信号が結合素子Qij1のゲート電極に印加されるときに、前段セルMijの前段インバータIijの入力端子は、論理レベル“1”になる。結合素子Qij1は、前列側の後段セルMri(j-1)の出力端子と前段セルMijの前段インバータIijの入力端子との間で導電状態を確立し、かつ第1クロック信号CLK1が時刻"t1"において低レベルとなるまでの間、その導電状態を保持する。
そして、その前列に位置する後段セルMri(j-1)の記憶コンデンサCri(j-1)内に記憶された信号は、記憶コンデンサCri(j-1)から前段セルMijの前段インバータIijの入力端子に転送される。前列側の後段セルMri(j-1)の記憶コンデンサCri(j-1)内の信号が前段セルMijの前段インバータIijの入力端子に転送されるとき、前段インバータIijは、図5B及び図5Cに示す遅延時間τd1, τd2だけ遅れて、図5B及び図5Cに示すように、後段セルMri(j-1)の記憶コンデンサCri(j-1)内に記憶された信号を反転し始める。
図5Bに示すように、遅延時間τd1は、第1クロック信号CLK1の立ち上がりエッジと、信号レベルが閾値電圧Vth (=0.4V)に落ちたときの時刻との間の期間として定義される。また、図5Cに示すように、遅延時間τd2は、第1クロック信号CLK1の立ち上がりエッジと、信号レベルが閾値電圧Vthに上昇したときの時刻との間の期間として定義される。遅延時間τd1, τd2は、記憶コンデンサCij及び浮遊抵抗によって決定される。ここで、前段セルMijに寄生する浮遊容量は、記憶コンデンサCijによって構成してもよい。また、反転信号は、前段セルMijの記憶コンデンサCijのノードに転送される。
例えば、論理レベル“1”が前列側の後段セルMri(j-1)から前段セルMijの前段インバータIijの入力端子に転送されたとすると、即ち、論理レベル“1”がpMOSトランジスタQij2のゲート電極及びnMOSトランジスタQij3のゲート電極に印加されたとすると、pMOSトランジスタQij2は、nMOSトランジスタQij3が導電状態のとき遮断状態となる。その結果、論理レベル“0”は、記憶コンデンサCijに一時的に記憶される。
このようにして、前段セルMijは、図5Bに示すNAND動作を実行することによって、前列側の後段セルMri(j-1)内に記憶された論理レベル“1”の信号を論理レベル“0”に反転し、更に記憶コンデンサCijに論理レベル“0”の反転信号を転送するようになる。
即ち、第1クロック信号CLK1によって提供された入力信号“1”と、前列側の後段セルMri(j-1)によって出力された他の入力信号“1”とに関して、
1+1=0 ……(1)
となり、(1)式に示す公知のデュアル入力NAND動作を実行することができる。図5Bは、論理レベル“0”が時刻"t0"から始まる期間内で、記憶コンデンサCij内に一時的に信号が記憶されるときの波形の過渡変化を表す。図5Bの例において、記憶コンデンサCijの理想の論理レベルは実線によって示され、記憶コンデンサCijの実際の電位変化は一点鎖線によって示される。
論理レベル“0”が前段セルMijの記憶コンデンサCij内に一時的に記憶された後に、論理レベル“0”は、前段セルMijから図4Aの後段セルMrij内の後段インバータIrijの入力端子に転送される。即ち、論理レベル“0”は、pMOSトランジスタQrij2のゲート電極、及びnMOSトランジスタQrij3のゲート電極に印加されるので、pMOSトランジスタQrij2は、導電状態になり、nMOSトランジスタQrij3の第1及び第2主電極の間は、遮断状態となる。その結果、論理レベル“1”は、記憶コンデンサCij内に記憶される。
このようにして、後段セルMrijは、前段セルMijに記憶された論理レベル“0”の信号を論理レベル“1”に反転し、また、反転された信号“1”は、図5Eに示すように、NAND動作を実行するために、記憶コンデンサCrijのノードに転送される。即ち、第2クロック信号CLK2によって提供された入力信号“1”と、前段セルMrijの入力端子を介して入力された他の入力信号“0”とに関して、
0+1=1 ……(2)
となり、(2)式に示す公知のデュアル入力NAND動作を実行することができる。
図5Eの例において、論理レベル“0”が時刻"t0"から"t2"までの期間内で記憶コンデンサCrij内に記憶されている間において、記憶コンデンサCrijの理想の論理レベルは、実線によって示され、記憶コンデンサCrijの実際の電位変化は、一点鎖線によって示される。pMOSトランジスタQrij2の第2主電極及びnMOSトランジスタQrij3の第1主電極に接続される出力ノードNroutは、後段セルMrijの出力端子として機能する。後段セルMrijの出力端子は、記憶コンデンサCrij内に記憶された信号を次列の前段セルMi(j+1)に出力する。
上述のように、第j奇数列Ujと第j偶数列Urjとの組み合わせは、前段セルMij (1+1=0)及び後段セルMrij (0+1=1)の全体動作の図に示すように、第j番目の2ビットメモリユニットを構築するので、
1+1=1 ……(3)
となる。(3)式に示す公知のデュアル入力AND動作は、第(j-1)番目の2ビットメモリユニットの後段セルMri(j-1)内に記憶された論理レベル“1”の信号が第j番目の2ビットメモリユニットの前段セルMijの入力端子に入力されたと仮定すると、第j番目の2ビットメモリユニット内の前段セルMij及び後段セルMrij介して達成される。
前段セルMij及び後段セルMrijのそれぞれは、独立したビットレベルセルとして機能するので、それぞれ、情報の流れ(ストリーム)の方向における連続する2つのビットレベルデータは、第j番目の2ビットメモリユニット内の隣り合うビットレベルセルMij, Mrijで共有することができる。即ち、デュアル入力AND動作による結果は、後段セルMrijにおいて現れるけれども、反転されたデュアル入力AND動作による結果、又はデュアル入力NAND動作による結果は、前段セルMijにおいて実行される。
これに対し、論理レベル“0”の信号が前列側の後段セルMri(j-1)の記憶コンデンサCri(j-1)内に記憶されたと仮定すると、論理レベル“0”は、前列側の後段セルMri(j-1)から前段セルMrijの前段インバータIijの入力端子に転送される。即ち、論理レベル“0”は、pMOSトランジスタQij2のゲート電極、及びnMOSトランジスタQij3のゲート電極に印加され、pMOSトランジスタQij2は、導電状態になり、nMOSトランジスタQij3は、遮断状態となる。その結果、論理レベル”1”は、記憶コンデンサCij内に一時的に記憶される。
このようにして、前段セルMijは、図5Cに示すようなNAND動作を実行するために、前列側の後段セルMri(j-1)内に記憶された論理レベル“0”の信号を論理レベル“1”に反転し始め、かつ反転された信号“1”は、記憶コンデンサCijのノードに転送される。即ち、第1クロック信号CLK1によって提供された入力信号“1”と、前列側の後段セルMri(j-1)によって出力された他の入力信号 “0”とに関して、
0+1=1 ……(4)
となり、(4)式に示す公知のデュアル入力NAND動作を実行することができる。
図5Cは、時刻”t0”から始まる期間内で記憶コンデンサCij内に論理レベル”1”が一時的に記憶されるときの波形の過渡変化を表す。図5Cの例において、記憶コンデンサCijの理想の論理レベルは、実線によって示され、記憶コンデンサCijの実際の電位変化は、一点鎖線によって示される。
pMOSトランジスタQij2の第2主電極及びnMOSトランジスタQij3の第1主電極に接続される出力ノードNoutは、前段セルMijの内部出力端子として機能する。前段セルMijの内部出力端子は、記憶コンデンサCij内に記憶された信号を後段セルMrijに出力する。
時刻”t0”から”t2”までの期間において、低レベルの第2クロック信号CLK2がバッファ素子を構成するnMOSトランジスタQrij1のゲート電極に印加されるとバッファ素子Qrij1は遮断状態になり、前段セルMijの記憶コンデンサCijに割り当てられた出力端子を後段セルMrijの後段インバータIrijの入力端子から絶縁する。また、バッファ素子Qrij1は、第2クロック信号CLK2が時刻”t2”において高レベルになるまで、遮断状態に保持される。従って、前段セルMijの記憶コンデンサCij内に記憶された信号が、意図せずに、後段インバータIrijの入力端子に転送されることを防止することが可能となる。即ち、後段インバータIrijは、第2クロック信号CLK2が時刻”t2”において高レベルになるまで、記憶コンデンサCrij内に記憶された信号を、自ら保持する。
また、時刻”t2”において、第2クロック信号CLK2が高レベルになり、かつ第2クロック信号CLK2の高レベル信号がバッファ素子を構成するnMOSトランジスタQrij1のゲート電極に印加されたとき、前段セルMijの記憶コンデンサCijに割り当てられた出力端子から後段セルMrijの後段インバータIrijの入力端子までの信号経路が導通状態になる。バッファ素子Qrij1は、導電状態となり、かつ第2クロック信号CLK2が時刻”t3”において低レベルになるまで、その導電状態を保持する。そして、前段セルMijの記憶コンデンサCij内に記憶された信号は、記憶コンデンサCijから後段セルMrijの後段インバータIrijの入力端子に転送される。
前段セルMijの記憶コンデンサCij内に記憶された信号が後段セルMrijの後段インバータIrijの入力端子に転送されたとき、図5D及び図5Eに示すように、遅延時間τd1, τd2だけ遅れて、後段インバータIrijは、前段セルMijの記憶コンデンサCij内に記憶された信号を反転し始める。図5Dに示すように、遅延時間τd1は、第2クロック信号CLK2の立ち上がりエッジと、信号レベルが閾値電圧Vth (=0.4V)に落ちたときの時刻との間の期間として定義される。
また、図5Eに示すように、遅延時間τd2は、第2クロック信号CLK2の立ち上がりエッジと、信号レベルが閾値電圧Vthに上昇したときの時刻との間の期間として定義される。遅延時間τd1, τd2は、記憶コンデンサCrij及び浮遊抵抗によって決定される。記憶コンデンサCrijは、後段セルMrijに寄生する浮遊容量によって構成してもよい。また、反転信号は、後段セルMrijの記憶コンデンサCrijのノードに転送される。
論理レベル”1”が前段セルMijの記憶コンデンサCij内に一時的に記憶されたとき、論理レベル”1”は、前段セルMijから後段セルMrij内の後段インバータIrijの入力端子に転送される。即ち、論理レベル”1”は、pMOSトランジスタQrij2のゲート電極、及びnMOSトランジスタQrij3のゲート電極に転送されるので、pMOSトランジスタQrij2は、nMOSトランジスタQrij3の第1主電極及び第2主電極が導電状態に設定されている間、遮断状態となる。その結果、論理レベル”0”は、記憶コンデンサCrij内に記憶される。
このようにして、後段セルMrijは、前段セルMijに記憶された論理レベル”1”の信号を論理レベル”0”に反転し始め、また、反転された信号”0”は、図5Dに示すように、NAND動作を実行するために、記憶コンデンサCrij内に記憶される。即ち、第2クロック信号CLK2によって提供された入力信号“1”と、前段セルMijの入力端子を介して入力された他の入力信号“1”とに関して、
1+1=0 ……(5)
となり、(5)式に示す公知のデュアル入力NAND動作を実行することができる。図5Dの例において、記憶コンデンサCrijの理想の論理レベルは、実線によって示され、記憶コンデンサCrijの実際の電位変化は、一点鎖線によって示される。
第j奇数列Ujと第j偶数列Urjとの組み合わせは、前段セルMij (0+1=1)及び後段セルMrij (1+1=0)の全体動作の図に示すように、第j番目の2ビットメモリユニットを構築するので、
0+1=0 ……(6)
となる。(6)式に示す公知のデュアル入力AND動作は、第(j-1)番目の2ビットメモリユニットの後段セルMri(j-1)内に記憶された論理レベル“0”の信号が第j番目の2ビットメモリユニットの前段セルMijの入力端子に入力されたと仮定すると、第j番目の2ビットメモリユニット内の前段セルMij及び後段セルMrij介して達成される。
<時刻”t1”及び”t4”間の信号保持>
次に、図5Aに示すように、次列の前段セルMi(j+1)に関して、時刻”t1”から”t4”までの期間において、第1クロック信号CLK1が低レベルに設定され、かつ第1クロック信号CLK1の低レベル信号は、第(j-1)番目の2ビットメモリユニット内の次段の結合素子を構成するnMOSトランジスタQi(j+1)1のゲート電極に印加される。後段セルMrijの記憶コンデンサCrijに割り当てられた出力端子から前段セルMi(j+1)の次段の前段インバータIi(j+1)の入力端子までの信号経路は遮断状態になる。
次段の結合素子Qi(j+1)1は、第1クロック信号CLK1が時刻”t4”において高レベルになるまで遮断状態を保持する。従って、第j番目の2ビットメモリユニットの後段セルMrijの記憶コンデンサCrij内に記憶された信号が、意図せずに、第(j+1)番目の2ビットメモリユニット内の次段の前段インバータIi(j+1)の入力端子に転送されることを防止することが可能となる。即ち、次段の前段インバータIi(j+1)は、第1クロック信号CLK1が時刻”t4”において高レベルになるまで、記憶コンデンサCi(j+1)内に記憶された信号を自ら保持する。
==第1実施形態におけるバイト/ワードサイズの信号の進行==
図3A、図3B及び図3Cに戻って、時刻”t0”において、図6Aに示す第1クロック信号CLK1が高レベルになる場合を説明する。即ち、高レベルの第1クロック信号CLK1がnMOSトランジスタのゲート電極に印加されると、図3Aに示す第1奇数列U1内の結合素子Q111, Q211, Q311, ……, Q(m-1)11, Qm11のシーケンスにおいて、結合素子Q111, Q211, Q311, ……, Q(m-1)11, Qm11のそれぞれは導電状態になる。
従って、図6Bに示すように、それぞれが16、32、及び64ビットのような8ビットの倍数となるバイトサイズ若しくはワードサイズの信号のシーケンスが、それぞれ、前段インバータI11, I21, I31, ……, I(m-1)1, Im1のシーケンスの入力端子に印加されるとき、前段インバータI11, I21, I31, ……, I(m-1)1, Im1の連続配置のそれぞれは、図6Cに示すように、それぞれ、記憶コンデンサC11, C21, C31, ……, C(m-1)1, Cm1と浮遊抵抗によって決定される遅延時間τd1だけ遅れて、バイトサイズ若しくはワードサイズの信号を反転し、その反転信号を、それぞれ、前段インバータI11, I21, I31, ……, I(m-1)1, Im1内の記憶コンデンサC11, C21, C31, ……, C(m-1)1, Cm1のノードに転送する。
ここで、図6Bは、第1奇数列U1内の前段インバータI11, I21, I31, ……, I(m-1)1, Im1の入力端子に入力される方形波の理想入力信号の例を示す波形図である。図6Cは、記憶コンデンサCi1の論理レベルの変化の例を示す波形図である。図6Cの例において、記憶コンデンサCi1の理想の論理レベルは、実線によって示され、記憶コンデンサCi1の実際の電位変化は、一点鎖線によって示される。
(a) 時刻”t1”、即ち、τclock/3の期間後においては、低レベルクロック信号が第1奇数列U1内の結合素子Q111, Q211, Q311, ……, Q(m-1)11, Qm11の連続配置を構成するnMOSトランジスタのそれぞれのゲート電極に印加される。低レベルクロック信号がゲート電極に印加されると、結合素子Q111, Q211, Q311, ……, Q(m-1)11, Qm11は、それぞれ遮断状態になる。従って、図6B及び図6Cに示すように、結合素子Q111, Q211, Q311, ……, Q(m-1)11, Qm11の連続配置のそれぞれの第1主電極に入力される信号が変化したとしても、記憶コンデンサC11, C21, C31, ……, C(m-1)1, Cm1内に既に記憶された信号の電荷又は論理レベルは、それぞれ維持される。
(b) また、時刻”t2”を経過したとき、即ち、τclock/2の期間後において第2クロック信号CLK2は高レベルになる。第2クロック信号CLK2が高レベルになると、バッファ素子Qr111, Qr211, Qr311, ........, Qr(m-1)11, Qrm11が、記憶コンデンサC11, C21, C31, ……, C(m-1)1, Cm1内に一時的に記憶されたバイトサイズ若しくはワードサイズの信号のシーケンスを、図3Aに示す第1偶数列Ur1の後段セルMr11, Mr21, Mr31, ……, Mr(m-1)1, Mrm1のそれぞれの後段インバータIr11, Ir21, Ir31, ……, Ir(m-1)1, Irm1の入力端子に転送する。更に、第2クロック信号CLK2の高レベルクロック信号は、図3Aに示す第1偶数列Ur1のバッファ素子Qr111, Qr211, Qr311, ........, Qr(m-1)11, Qrm11の連続配置を構成するnMOSトランジスタのそれぞれのゲート電極に印加される。
前段セルM11, M21, M31, ……, M(m-1)1, MM1の記憶コンデンサC11, C21, C31, ……, C(m-1)1, Cm1内に一時的に記憶された信号が後段セルMr11, Mr21, Mr31, ……, Mr(m-1)1, Mrm1の後段インバータIr11, Ir21, Ir31, ……, Ir(m-1)1, Irm1の入力端子にそれぞれ転送されるとき、後段インバータIr11, Ir21, Ir31, ……, Ir(m-1)1, Irm1は、図6Dに示すように、遅延時間τd2だけ遅れて、前段セルM11, M21, M31, ……, M(m-1)1, MM1の記憶コンデンサC11, C21, C31, ……, C(m-1)1, Cm1内に一時的に記憶された信号をそれぞれ反転する。遅延時間τd2は、それぞれ、記憶コンデンサC11, C21, C31, ……, C(m-1)1, Cm1及び浮遊抵抗によって決定される。
ここで、図6Dは、記憶コンデンサCri1の論理レベルの例を示す波形図である。図6Dの例において、記憶コンデンサCri1の理想の論理レベルは、実線によって示され、記憶コンデンサCri1の実際の電位変化は、一点鎖線によって示される。
(c) 時刻”t3”、即ち、τclock/6の期間後においては、第2クロック信号CLK2が低レベルになる。第2クロック信号CLK2の低レベル信号がバッファ素子Qr111, Qr211, Qr311, ……, Qr(m-1)11, Qrm11の連続配置を構成するnMOSトランジスタのゲート電極にそれぞれ印加される。この結果、バッファ素子Qr111, Qr211, Qr311, ……, Qr(m-1)11, Qrm11の複数の入力端子INから後段インバータIr11, Ir21, Ir31, ……, Ir(m-1)1の複数の入力端子INへのそれぞれの信号経路は、遮断状態になる。従って、図6C及び図6Dに示すように、前段の記憶コンデンサC11, C21, C31, ……, C(m-1)1, Cm1内に記憶されたバイトサイズ若しくはワードサイズの信号が変化したとしても、信号の論理レベルを規定する記憶コンデンサC11, C21, C31, ……, C(m-1)1, Cm1内に既に記憶された電荷は、第2クロック信号CLK2が時刻”t6”において高レベルになるまで、維持される。
(d) 時刻”t4”、即ち、τclockの期間後においては、第1クロック信号CLK1が高レベルになる。第1クロック信号CLK1の高レベルクロック信号は、図3Bに示すように、第2奇数列U2内の結合素子Q121, Q221, Q321, ……, Q(m-1)21, Qm21の連続配置のゲート電極にそれぞれ印加される。第1クロック信号CLK1の高レベルクロック信号が印加されると、結合素子Q121, Q221, Q321, ……, Q(m-1)21, Qm21は導電状態になる。
図3Aに示す第1偶数列Ur1内に定義される前列側の記憶コンデンサCr11, Cr21, Cr31, ……, Cr(m-1)1, Crm1が出力するバイトサイズ若しくはワードサイズの信号のシーケンスが、第2奇数列U2内の結合素子Q121, Q221, Q321, ……, Q(m-1)21, Qm21の連続配置のそれぞれの第1主電極に入力されるとき、結合素子Q121, Q221, Q321, ……, Q(m-1)21, Qm21の連続配置のそれぞれは、バイトサイズ若しくはワードサイズの信号を転送する。バイトサイズ若しくはワードサイズの信号の転送は、図6Eに示すように、記憶コンデンサC12, C22, C32, ……, C(m-1)2, Cm2及び浮遊抵抗によって決定される遅延時間τd1だけ遅れる。更に、結合素子Q121, Q221, Q321, ……, Q(m-1)21, Qm21の連続配置のそれぞれは、反転された信号を、第2奇数列U2内の前段インバータI12, I22, I32, ……, I(m-1)2, Im2内の記憶コンデンサC12, C22, C32, ……, C(m-1)2, Cm2のノードに転送する。
ここで、図6Eは、第2奇数列U2内の記憶コンデンサCi2の論理レベルの例を示す波形図である。図6Eの例において、記憶コンデンサCi2の理想の論理レベルは、実線によって示され、記憶コンデンサCi2の実際の電位変化は、一点鎖線によって示される。
(e) 時刻”t5”、即ち、4τclock/3の期間後においては、第1クロック信号CLK1が低レベルになる。第1クロック信号CLK1の低レベル信号が第2奇数列U2内の結合素子Q121, Q221, Q321, ……, Q(m-1)21, Qm21の連続配置のゲート電極にそれぞれ印加され、結合素子Q121, Q221, Q321, ……, Q(m-1)21, Qm21は遮断状態になる。従って、図7D及び図7Eに示すように、第1偶数列Ur1内の記憶コンデンサCr11, Cr21, Cr31, ……, Cr(m-1)1, Crm1内に記憶されたバイトサイズ若しくはワードサイズの信号が変化したとしても、第2奇数列U2内の記憶コンデンサC11, C21, C31, ……, C(m-1)1, Cm1内に既に一時的に記憶された信号のそれぞれの論理レベルは、維持される。
(f) 時刻”t6”、即ち、3τclock/2の期間後においては、第2クロック信号CLK2が高レベルになる。第2クロック信号CLK2の高レベルクロック信号は、図3Bに示すように、第2偶数列Ur2のバッファ素子Qr121, Qr221, Qr321, ……, Qr(m-1)21, Qrm21の連続配置のゲート電極にそれぞれ印加され、バッファ素子Qr121, Qr221, Qr321, ……, Qr(m-1)21, Qrm21は導電状態になる。従って、第2奇数列U2内に定義される前列側の記憶コンデンサC12, C22, C32, ……, C(m-1)2, Cm2内に記憶されるバイトサイズ若しくはワードサイズの信号のシーケンスが第2偶数列Ur2のバッファ素子Qr121, Qr221, Qr321, ……, Qr(m-1)21, Qrm21の連続配置のそれぞれの第1主電極に入力されるとき、バッファ素子Qr121, Qr221, Qr321, ……, Qr(m-1)21, Qrm21の連続配置のそれぞれは、バイトサイズ若しくはワードサイズの信号を転送する。図6Fに示すように、記憶コンデンサCr12, Cr22, Cr32, ……, Cr(m-1)2, Crm2及び浮遊抵抗によって決定される遅延時間τd2だけ遅れて、バイトサイズ若しくはワードサイズの信号が反転される。反転された信号は、第2偶数列Ur2内の記憶コンデンサCr12, Cr22, Cr32, ……, Cr(m-1)2, Crm2のノードに転送される。
そして、第1奇数列U1の結合素子Q111, Q211, Q311, ……, Q(m-1)11, Qm11の第1主電極に入力された信号は、第2偶数列Ur2内の記憶コンデンサCr12, Cr22, Cr32, ……, Cr(m-1)2, Crm2のノードに転送される。ここで、図6Fは、第2偶数列Ur2内の記憶コンデンサCri2の論理レベルの例を示す波形図である。図6Fの例において、記憶コンデンサCri2の理想の論理レベルは、実線によって示され、記憶コンデンサCri2の実際の電位変化は、一点鎖線によって示される。
(g) 時刻”t7”、即ち、11τclock/6の期間後においては、第2クロック信号CLK2が低レベルになる。第2クロック信号CLK2の低レベルクロック信号は、図3Bに示すように、第2偶数列Ur2のバッファ素子Qr121, Qr221, Qr321, ……, Qr(m-1)21, Qrm21の連続配置のゲート電極にそれぞれ印加され、バッファ素子Qr121, Qr221, Qr321, ……, Qr(m-1)21, Qrm21は、遮断状態になる。従って、図6E及び図6Fに示すように、第2奇数列U2内に定義される前列側の記憶コンデンサC12, C22, C32, ……, C(m-1)2, Cm2内に記憶されたバイトサイズ若しくはワードサイズの信号が変化したとしても、図3Bに示される第2偶数列Ur2内の記憶コンデンサCr12, Cr22, Cr32, ……, Cr(m-1)2, Crm2内に既に記憶された信号の論理レベルを規定する電荷量は維持される。
==第1実施形態における波形整形==
第i行に配列された第(j-1)列の後段セルMri(j-1)から転送された論理レベル”1”の信号として、0.7Vの電位、例えば、第i行に配列された第j列の前段セルMijのnMOSトランジスタQij3の0.4Vの閾値電圧Vthよりも少し高い電位が、第1実施形態に係るMMを構成する結合素子(nMOSトランジスタ)Qij1を介して前段インバータIijの入力端子に印加される場合を想定する。0.7Vの電位がnMOSトランジスタQij3のゲート電極に印加されると、nMOSトランジスタQij3は、記憶コンデンサCij内に記憶された信号の電荷を放電することができるように導電状態になり、そして、記憶コンデンサCij内に記憶された信号電荷は、論理レベル“0” (=零ボルト)になる。
そして、論理レベル“0”の信号は、第i行に配列された第j列の後段セルMrijのpMOSトランジスタQrij2のゲート電極に転送され、pMOSトランジスタQrij2は、導電状態になる。ここで、pMOSトランジスタQrij2は、pMOSトランジスタQrij2の第1主電極に印加される電源電圧(=1V)に対して電圧降下を発生させ、記憶コンデンサCrijの内部電極電位は、pMOSトランジスタQrij2の電圧降下のために、減衰した電位(=0.7V)になり、論理レベル”1”の信号は、記憶コンデンサCrij内に記憶される。
また、第j列の後段セルMrijから第(j+1)列の前段セルMi(j+1)のnMOSトランジスタQi(j+1)3の第1主電極に転送される論理レベル“1”の電位(=0.7V)は、第(j-1)列の後段セルMri(j-1)から転送された信号の電位(=0.7V)に等しくなる。従って、入力側に先行する複数の列を通過しても、nMOSトランジスタのゲート電極に印加される信号レベルは、弱められず、信号レベルを、nMOSトランジスタの閾値電圧Vthよりも小さくなることから防止することが可能となる。その結果、記憶された情報は、適切に、次の列の前段セルに出力することができる。
==2ビットメモリユニットの最大データ記録密度==
上述のように、第1実施形態に係るMMにおいては、2ビットメモリユニットのそれぞれは、2ビットメモリユニットのそれぞれが元のパルス波高を回復するために弱められた入力波形を整形するような機能を持つ奇数列及び偶数列を含むので、低い電源電圧で動作しても、入力信号”1”の減衰したパルス波高を奇数列及び偶数列の結合された動作を介して電源電圧の電圧レベルに増幅することによって、バイトサイズ若しくはワードサイズの記憶情報の正確なマーチング転送を、低い電源電圧であっても達成することができる。
ここで、奇数列に配置される前段セル及び偶数列に配置される後段セルのそれぞれは、情報の流れ(ストリーム)の方向において連続する2つのビットレベルデータが2ビットメモリユニット内の奇数列及び偶数列によって共有されるように、それぞれ、能動的な独立したビットレベルセルとして機能することができるので、データ記録密度は、最大化することができ、従って、第1実施形態に係るMMの記憶容量を増加することができる。
情報の流れ(ストリーム)の方向において連続する2つのビットレベルデータが2ビットメモリユニット内の奇数列及び偶数列によって共有することができるという挙動は、マスタースレーブ・フリップフロップ・チェインの動作から区別可能である。なぜなら、マスタースレーブ・フリップフロップ・チェインは、第1ステージ・フリップフロップ(マスター)によって構成され、第1ステージ・フリップフロップに接続される第2ステージ・フリップフロップ(スレーブ)と2つのインバータを備えるので、マスタースレーブ・フリップフロップ・チェインは、これら2つのステージ・フリップフロップ内で単一のビットレベルデータのみしか記憶でないからである。
マスタースレーブ・フリップフロップ・チェインにおいて、クロックが高レベルのときは、入力が第1ステージに転送されても、第2ステージ(スレーブ)の出力は変化しない。クロックが再び低レベルになると、第2ステージは、第2ステージの出力が変化するという第1ステージと同じ状態に設定される。従って、第1実施形態の奇数列及び偶数列を含む2ビットメモリユニットは、マスタースレーブ・フリップフロップ・チェインの2倍のデータ記録密度を達成することができる。
==第1実施形態の他の効果==
更に、第1実施形態に係るMM計算機システムによれば、MMは、能動的かつ連続的に、ユニット内のバイトサイズ若しくはワードサイズの情報をプロセッサ11に出力するので、プロセッサ11は、連続的に転送された情報の単位を使って、極めて高速に算術論理演算を実行することができる。
SRAM又はDRAMのような従来の半導体記憶装置で行われる個別の前段セルに対するランダムアクセスは、要求されないので、プロセッサチップと、従来の半導体記憶装置チップ又は従来のキャッシュメモリチップとの間のフォン・ノイマン・ボトルネックは、取り除くことができる。従って、低い電源電圧で動作すると共に、極めて低消費電力かつ極めて高速動作という効果を達成できる計算機システムを提供することが可能となる。
(第2実施形態:4トランジスタセル)
図4A及び図4Bに示す構成においては、第i行に配列された第(j-1)列の後段セルMri(j-1)の信号記憶状態と、第i行に配列された第j列の前段セルMijの信号記憶状態との間におけるドミノ転送の分離は、3トランジスタ・ビットレベルセルを構築するための第i行に配列された第j列の前段セルMij内の1つのnMOSトランジスタQij1によって構成される結合素子によって達成することができた。
また、第i行に配列された第j列の前段セルMijの信号記憶状態と、第i行に配列された第j列の後段セルMrijの信号記憶状態との間におけるドミノ転送の分離は、他の3トランジスタ・ビットレベルセルを構築するための第i行に配列された第j列の後段セルMrij内の1つのnMOSトランジスタQrij1によって構成される結合素子によって達成することができた。
しかし、第2実施形態に係るMMの説明では、図7Aに示すように、結合素子及びバッファ素子のそれぞれは、それぞれ、CMOSトランスミッション・ゲート(トランスファー・ゲート)を構築するための2つのパストランジスタによって構成される。即ち、第i行に配列された第j列の前段セルMij内の結合素子(Qij1, Qij4)は、前段トランスミッション・ゲート(Qij1, Qij4)を構成するためのnMOSトランジスタQij1及びpMOSトランジスタQij4を含む。また、第i行に配列された第j列の後段セルMrijのバッファ素子(Qrij1, Qrij4)は、後段トランスミッション・ゲート(Qrij1, Qrij4)を構成するためのnMOSトランジスタQrij1及びpMOSトランジスタQrij4を含む。
そして、図7Aに示すように、前段セルMijは、前段トランスミッション・ゲート(Qij1, Qij4)及び前段インバータIijを持つ4トランジスタ・ビットレベルセルを含む。同様に、後段セルMrijは、後段トランスミッション・ゲート(Qrij1, Qrij4)及び後段インバータIrijを持つ4トランジスタ・ビットレベルセルを含む。
第2実施形態に係るMMにおいて、結合素子(Qij1, Qij4)内のnMOSトランジスタQij1は、前列側の後段セルMri(j-1)の出力端子に接続された第1主電極と、前段セルMijの前段インバータIijの入力端子に接続された第2主電極と、第1のクロック配線Lclk1に接続されたゲート電極を有する。図7Aにおいては図示を省略するが、後段セルMri(j-1)は、図3A〜図3Cに示す偶数列Ur(j-1)に割り当てられた後段セルMr1(j-1), Mr2(j-1), Mr3(j-1), ……,Mr(m-1)(j-1), Mrm(j-1)の1つである。偶数列Ur(j-1)は、図2に示す奇数列U1, U2, U3,……, Un-1, Unのアレイの入力側に隣接する。
また、結合素子(Qij1, Qij4)内のpMOSトランジスタQij4は、前列側の後段セルMri(j-1)の出力端子に接続された第1主電極と、前段セルMijの前段インバータIijの入力端子に接続された第2主電極と、第2のクロック配線Lclk2に接続されたゲート電極を有する。従来の個別MOSトランジスタ(ディスクリートデバイス)の構造とは異なり、nMOSトランジスタQij1及びpMOSトランジスタQij4の基板端子(バルク)は、それぞれの第1主電極に内部接続されない。そして、nMOSトランジスタQij1及びpMOSトランジスタQij4のそれぞれの第1主電極及び第2主電極が、互いに並列に接続される。
図7Bに示すように、第1クロック信号CLK及び第2クロック信号/CLKのそれぞれは、第1クロック信号CLK及び第2クロック信号/CLKが互いにτclock/2だけ一時的に離れるようにして、クロックサイクルτclockで、高レベルと低レベルとの間を周期的に振動する(ここで、第2クロック信号の符号”/CLK”は図7B(b)の右側に示すように、記号「CLK」の上に付した「オーバー・バー」を有する標章を表す。”/CLK”は、クロック信号CLKの反転を意味する。)。CMOSトランスミッション・ゲートとしての結合素子(Qij1, Qij4)は、pMOSトランジスタQij4及びnMOSトランジスタQij1によって構成される。第2クロック信号/CLKは、第1クロック信号CLKの反転信号であるので、結合素子(Qij1, Qij4)の制御端子は、pMOSトランジスタQij4及びnMOSトランジスタQij1のいずれかがオン又はオフとなるように、第1クロック信号CLK及び第2クロック信号/CLKを介した相補的手段に基づいて駆動される。
図5Aに示す波形についても同様に、第1クロック信号CLK及び第2クロック信号/CLKは、第2クロック信号/CLKが第1クロック信号CLK立ち下がりエッジからτclock/6の期間後に立ち上がり、かつ第1クロック信号CLKの次の立ち上がりエッジよりτclock/6の期間だけ先行するタイミングで立ち下がるようなモードにおいて、準相補的に振動する。ここで、図7Bに示す第1クロック信号CLK及び第2クロック信号/CLKのクロックサイクルτclockは、ALU 112内での算術論理演算を制御するクロックサイクルと同じである。
そして、第1クロック信号CLKが高レベルであり、第2クロック信号/CLKが低レベルであるとき、及び前列側の後段セルMri(j-1)の出力端子に接続されたnMOSトランジスタQij1の第1主電極が論理レベル“0”であるとき、正のゲート・ソース間電圧(又はゲート・ドレイン間電圧)がnMOSトランジスタQij1で発生し、nMOSトランジスタQij1は導通し始め、前段トランスミッション・ゲート(Qij1, Qij4)は導通する。
前列側の後段セルMri(j-1)の出力端子に接続された第1主電極が論理レベル”1”に連続的に上昇しようとするとき、nMOSトランジスタQij1のゲート・ソース間電圧(又はゲート・ドレイン間電圧)は減少していくので、nMOSトランジスタQij1はターンオフし始める。この時、pMOSトランジスタQij4は負のゲート・ソース間電圧(又はゲート・ドレイン間電圧)を有するので、pMOSトランジスタQij4は導通し始める。即ち、前段トランスミッション・ゲート(Qij1, Qij4)は、pMOSトランジスタQij4が信号レベルの強い(高い)“1”を転送するのが得意であるが、信号レベルの弱い(低い)“0”を転送するのは不得意である。一方、nMOSトランジスタQij1が信号レベルの強い“0”を転送するのが得意で、信号レベルの弱い“1”を転送するのが不得意である。前段トランスミッション・ゲート(Qij1, Qij4)では、pMOSトランジスタQij4及びnMOSトランジスタQij1の両方が同時に働くように、切り替わる。
従って、結合素子(Qij1, Qij4)が奇数列Ujの入力側に隣接して配置された偶数列Ur(j-1)に定義される隣接後段セルMri(j-1)の出力端子からの信号の転送を制御でき、かつ結合素子(Qij1, Qij4)の寄生的な電圧降下が最小化できるように、前段トランスミッション・ゲート(Qij1, Qij4)が、それらの閾値電圧とは独立に、電圧レンジの全体で信号を通過させることが達成される。そして、前段セルMijの前段インバータIijの入力端子に向かう第(j-1)列の後段セルMri(j-1)の記憶コンデンサCri(j-1)内に記憶された信号のドミノ転送は、防止される。
即ち、第2実施形態に係るMMにおいては、結合素子(Qij1, Qij4)は、第1実施形態で示した結合素子Qij1と同様に、第j列の前段セルMijの信号記憶状態を、入力側に先行して位置する2ビットメモリユニットの第(j-1)列の後段セルMri(j-1)の信号記憶状態から分離するために提供される。第2のクロック配線Lclk2から供給される第2クロック信号/CLKが低レベルになるタイミングと同時に、第1のクロック配線Lclk1から供給される第1クロック信号CLKが高レベルになったとき、第(j-1)列の後段セルMri(j-1)の出力端子から第j列の前段セルMijの前段インバータIijの入力端子への信号経路は、導通状態となる。
第1実施形態と同様に、前段インバータIijは、電源電圧供給配線Lsvに接続された第1主電極と、結合素子Qij1の第2主電極に接続されたゲート電極を有するpMOSトランジスタQij2、及びpMOSトランジスタQij2の第2主電極に接続された第1主電極と、結合素子Qij1の第2主電極に接続されたゲート電極と、接地電位に接続された第2主電極を有するnMOSトランジスタQij3を含むCMOSインバータによって構成される。前段インバータIijの出力端子に対して、前段インバータIijに割り当てられた記憶コンデンサCijは、nMOSトランジスタQij3と並列に接続される。また、pMOSトランジスタQij2の第2主電極及びnMOSトランジスタQij3の第1主電極に接続される出力ノードは、前段セルMijの内部出力端子として機能する。
前段セルMijの内部出力端子は、記憶コンデンサCij内に記憶された信号を後段セルMrijに出力する。即ち、前段インバータIijは、結合素子Qij1を介して転送された信号を反転し、更に、反転された信号を、前段セルMijの出力側に隣接して配置された偶数列Urjに出力する。そして、前段記憶コンデンサCijは、反転された信号を記憶する。後段セルMrijは、後段トランスミッション・ゲート(Qrij1, Qrij4)を構成するnMOSトランジスタQij1及びpMOSトランジスタQrij4を有するバッファ素子(Qrij1, Qrij4)を含む。
前段トランスミッション・ゲート(Qij1, Qij4)と同様に、バッファ素子(Qrij1, Qrij4)内のpMOSトランジスタQrij4は、前段セルMijの出力端子に接続された第1主電極と、後段セルMrijの後段インバータIrijの入力端子に接続された第2主電極と、第1の信号供給ラインLclk1に接続されたゲート電極を有する。
バッファ素子(Qrij1, Qrij4)内のnMOSトランジスタQrij1は、前段セルMijの出力端子に接続された第1主電極と、後段セルMrijの後段インバータIrijの入力端子に接続された第2主電極と、第2の信号供給ラインLclk2に接続されたゲート電極を有する。nMOSトランジスタQrij1及びpMOSトランジスタQrij4の基板端子(バルク)は、それぞれの第1主電極に内部接続されない。更に、nMOSトランジスタQrij1及びpMOSトランジスタQrij4のそれぞれの第1主電極及び第2主電極が、互いに並列に接続される。
第2クロック信号/CLKは、第1クロック信号CLKの反転信号であるので、バッファ素子(Qrij1, Qrij4)の制御端子は、pMOSトランジスタQrij4及びnMOSトランジスタQrij1のいずれかがオン又はオフとなるように、第1クロック信号CLK及び第2クロック信号/CLKを介して相補的方法に基づいて駆動される。
そして、第1の制御端子に印加される電圧が高レベルであるとき、これに相補的な低レベル信号が第2の制御端子に印加され、pMOSトランジスタQrij4及びnMOSトランジスタQrij1が導電状態になり、入力端子の信号を出力端子に転送することが許可される。第1の制御端子に印加される電圧が低レベルであるとき、これに相補的な高レベル信号が第2の制御端子に印加され、pMOSトランジスタQrij4及びnMOSトランジスタQrij1がオフ状態に変化し、入力端子及び出力端子の両方を高インピーダンス状態に強制する。
そして、バッファ素子(Qrij1, Qrij4)は、偶数列Urjの入力側に隣接して配置された奇数列Ujに定義される隣接前段セルMijの出力端子からの信号の転送を制御する。第1クロック信号CLK及び第2クロック信号/CLKは、図7Bに示すように、準相補的モードにおいて周期的に振動するので、結合素子(Qij1, Qij4)が導電状態のときバッファ素子(Qrij1, Qrij4)が遮断状態となるか、又はその逆に、結合素子(Qij1, Qij4)が遮断状態になるとバッファ素子(Qrij1, Qrij4)が導電状態となるように、結合素子(Qij1, Qij4)及びバッファ素子(Qrij1, Qrij4)は、準相補的に動作する。従って、前段インバータIijの記憶コンデンサCijから後段インバータIrijへの信号のドミノ転送は、防止される。
これに対し、第2のクロック配線Lclk2から供給される第2クロック信号/CLKが低レベルになるタイミングと同時に、第1のクロック配線Lclk1から供給される第1クロック信号CLKが高レベルになったとき、第j列の前段セルMijの出力端子から第j列の後段セルMrijの後段インバータIrijの入力端子への信号経路は、バッファ素子(Qrij1, Qrij4)によって遮断状態となる。
そして、第j列の前段セルMijの記憶コンデンサCij)内に記憶された信号が後段セルMrijの後段インバータIrijの入力端子に転送されている間、後段セルMrijの後段インバータIrijの入力端子に向かう前段セルMijの記憶コンデンサCij)内に記憶された信号のドミノ転送は、バッファ素子(Qrij1, Qrij4)によって防止される。また、バッファ素子(Qrij1, Qrij4)内の寄生的な電圧降下は、最小化することができる。寄生的な電圧降下は、pMOSトランジスタQrij4及びnMOSトランジスタQrij1の閾値電圧に依存する。
後段インバータIrijは、後段トランスミッション・ゲート(Qrij1, Qrij4)の出力端子に接続された入力端子を有する。後段インバータIrijは、電源電圧供給配線Lsvに接続された第1主電極と、バッファ素子Qrij1の第2主電極に接続されたゲート電極を有するpMOSトランジスタQrij2、及びpMOSトランジスタQrij2の第2主電極に接続された第1主電極と、バッファ素子Qrij1の第2主電極に接続されたゲート電極と、接地電位に接続された第2主電極を有するnMOSトランジスタQrij3を含むCMOSインバータによって構成される。後段インバータIrijの出力端子に対して、後段インバータIrijに割り当てられた記憶コンデンサCrijは、nMOSトランジスタQrij3と並列に接続される。
また、pMOSトランジスタQrij2の第2主電極及びnMOSトランジスタQrij3の第1主電極に接続される出力ノードは、後段セルMrijの出力端子として機能する。後段セルMrijの出力端子は、記憶コンデンサCrij内に記憶された信号を次列の前段セルMi(j+1)に出力する。即ち、後段インバータIrijは、同一行内に配置された前段セルMijから転送された反転信号を再反転し、更に、再反転された信号を、後段セルMrijの出力側に隣接して配置された奇数列U(j+1)に出力する。そして、記憶コンデンサCrijは、再反転された信号を記憶する。
そして、第1クロック信号CLK及び第2クロック信号/CLKに関して、第(j-1)列の後段セルMri(j-1)の記憶コンデンサCri(j-1)内に記憶された信号は、後段セルMrijの記憶コンデンサCrijのノードに転送することができる。
更に、第1実施形態と同様に、前段インバータIij及び後段インバータIrijのCMOSインバータは、それぞれ、前段セルMij及び後段セルMrijのそれぞれが電源電圧供給配線Lsvの電位に接続することができ、かつ連続的な信号伝搬チェーンの信号電圧レベルが減少しないように、nMOSトランジスタQij1, Qrij1と、pMOSトランジスタQij4, Qrij4とで、切り替わる。従って、第2実施形態に係るMMによれば、バイトサイズ若しくはワードサイズの記憶情報の正確なマーチング転送を、低い電源電圧であっても達成することができる。
(第3実施形態:25トランジスタセル)
=比較例=
図4A及び図4Bに示す構成では、第j行に配列された第j列の前段セルMijは、1つのインバータによって構成される前段インバータIijを有する。また、第j行に配列された第j列の後段セルMrijは、1つのインバータによって構成される後段インバータIrijを有する。
しかし、第3実施形態の比較例に係るMMにおいては、図8に示すように、前段セル及び後段セルのそれぞれは5トランジスタ・ビットレベルセルを構築するために、2つのインバータを含んでいてもよい。即ち、第i行に配列された第j列の前段セルMijは、第1の前段インバータIij1と記憶コンデンサCijとの間に第2の前段インバータIij2を含む。また、第i行に配列された第j列の後段セルMrijは、第1の後段インバータIrij1と記憶コンデンサCrijとの間に第2の後段インバータIrij2を含む。
第3実施形態の比較例に係るMMにおいては、第2の前段インバータIij2は、電源電圧供給配線Lsvに接続される第1主電極、及び前段インバータIij1の出力端子に接続されるゲート電極を有するpMOSトランジスタQij5と、pMOSトランジスタQij5の第2主電極に接続される第1主電極、第1の前段インバータIij1の出力端子に接続されるゲート電極、及び接地電位に接続される第2主電極を有するnMOSトランジスタQij6を含むCMOSインバータによって構成される。記憶コンデンサCijは、nMOSトランジスタQij6に並列に接続される。
また、pMOSトランジスタQij5の第2主電極及びnMOSトランジスタQij6の第1主電極に接続される出力ノードは、前段セルMijの内部出力端子として機能する。前段セルMijの内部出力端子は、記憶コンデンサCij内に記憶された信号を次列の前段セルMi(j+1)の前に配置された後段セルMrijに出力する。
第2の後段インバータIrij2は、電源電圧供給配線Lsvに接続される第1主電極、及び第1の後段インバータIrij1の出力端子に接続されるゲート電極を有するpMOSトランジスタQrij5と、pMOSトランジスタQrij5の第2主電極に接続される第1主電極、第1の後段インバータIrij1の出力端子に接続されるゲート電極、及び接地電位に接続される第2主電極を有するnMOSトランジスタQrij6を含むCMOSインバータによって構成される。
記憶コンデンサCrijは、nMOSトランジスタQrij6に並列に接続される。また、pMOSトランジスタQrij5の第2主電極及びnMOSトランジスタQrij6の第1主電極に接続される出力ノードは、後段セルMrijの内部出力端子として機能する。後段セルMrijの内部出力端子は、記憶コンデンサCrij内に記憶された信号を次段の後段セルMri(j+1)の前に配置された前段セルMri(j+1)に出力する。
第2の前段インバータIij2が第1の前段インバータIij1と記憶コンデンサCijとの間に挿入されるので、第1の前段インバータIij1によって反転された信号は、前段インバータIij2によって再び反転され、かつ記憶コンデンサCij内に記憶される。即ち、前段セルMijに送った信号と同じ信号が記憶コンデンサCij内に記憶される。同じく、第2の後段インバータIrij2が第1の後段インバータIrij1と記憶コンデンサCrijとの間に挿入されるので、第1の後段インバータIrij1によって反転された信号は、第2の後段インバータIrij2によって再び反転され、かつ記憶コンデンサCrij内に記憶される。即ち、後段セルMrijに送った信号と同じ信号が記憶コンデンサCrij内に記憶される。
第i行に配列された第(j-1)列の後段セルMri(j-1)から転送された論理レベル”1”の信号として、0.7Vの電位、例えば、第i行に配列された第j列の前段セルMijのnMOSトランジスタQij3の0.4Vの閾値電圧Vthよりも少し高い電位が、比較例に係るMMを構成する結合素子(nMOSトランジスタ)Qij1を介して前段インバータIijの入力端子に印加される場合を想定する。0.7Vの電位がnMOSトランジスタQij3のゲート電極に印加されると、nMOSトランジスタQij3は、導電状態になり、そして、前段インバータIij2の入力端子は、論理レベル”0” (=零ボルト)になる。
そして、論理レベル ”0”の信号は、第2の前段インバータIij2の入力端子に転送され、pMOSトランジスタQij5は、導電状態になる。ここで、pMOSトランジスタQij5は、pMOSトランジスタQij5の第1主電極に印加される電源電圧(=1V)に対して電圧降下を発生させ、記憶コンデンサCijの内部電極電位は、pMOSトランジスタQij5の電圧降下のために、減衰した電位(=0.7V)になり、論理レベル”1”の信号は、記憶コンデンサCij内に記憶される。また、同じ動作が第i行上の後段セルMrijにおいても実行される。
そして、第j列の後段セルMrijから第(j+1)列の前段セルMi(j+1)のnMOSトランジスタQi(j+1)3の第1主電極に転送される論理レベル”1”の電位(=0.7V)は、第(j-1)列の後段セルMri(j-1)から転送された信号の電位(=0.7V)に等しくなる。従って、入力側に先行する複数の列を通過しても、nMOSトランジスタのゲート電極に印加される信号レベルは、弱められず、信号レベルを、それぞれのnMOSトランジスタの閾値電圧Vthよりも小さくなることから防止することが可能となる。その結果、記憶された情報は、適切に、後段の前段セルに出力することができる。
上述のように、比較例に係るMMにおいては、2ビットメモリユニットのそれぞれは、奇数列及び偶数列のそれぞれが元のパルス波高を回復するために弱められた入力波形を整形するような機能を持ち、そのような奇数列及び偶数列を含むので、低い電源電圧で動作しても、入力信号”1”の減衰したパルス波高を電源電圧の電圧レベルに増幅することによって、バイトサイズ若しくはワードサイズの記憶情報の正確なマーチング転送を、低い電源電圧であっても達成することができる。
=第3実施形態の25トランジスタセル=
図8に示す構成において、第i行に配列された第j列の前段セルMijは、2つの前段インバータIij1, Iij2及び記憶コンデンサCijを含む。また、第i行に配列された第j列の後段セルMrijは、2つの後段インバータIrij1, Irij2及び記憶コンデンサCrijを含む。しかし、第3実施形態に係るMMでは、図9に示すように、前段セル及び後段セルのそれぞれは、第3実施形態で提示された5トランジスタ・ビットレベルセルを分割し、25トランジスタ・ビットレベルセルを達成するために、寄生ロウパスフィルタを含んでいる。
第i行に配列された第j列の前段セルMijは、第1の前段インバータIij1と第2の前段インバータIij2との間に寄生ロウパスフィルタLPFijを含む。また、第i行に配列された第j列の後段セルMrijは、インバータIrij1, Irij2間に寄生ロウパスフィルタLPFrijを含む。
第3実施形態に係るMMにおいては、寄生ロウパスフィルタLPFijは、第1の前段インバータIij1の出力端子に接続される一端、及び第2の前段インバータIij2の入力端子に接続される他端を有する浮遊抵抗Rlpfijと、浮遊抵抗Rlpfij及び第2の前段インバータIij2間に接続される一端、及び接地電位に接続される他端を有する浮遊容量Clpfijを含む。
寄生ロウパスフィルタLPFrijは、第1の後段インバータIrij1の出力端子に接続される一端、及び第2の後段インバータIrij2の入力端子に接続される他端を有する浮遊抵抗Rlpfrijと、浮遊抵抗Rlpfrij及び後段インバータIrij2間に接続される一端、及び接地電位に接続される他端を有する浮遊容量Crlpfijを含む。
しかし、図9に示す浮遊抵抗Rlpfij、浮遊容量Clpfij、浮遊抵抗Rlpfrij、及び浮遊容量Crlpfijは、抵抗値又は容量値に関して大きな値を得るために、物理的抵抗素子、物理的容量素子などのような実際の電子部品によって構成してもよい。もし、物理的容量Crlpfijとして大きな値が要求されるならば、物理的容量Crlpfijを構成するキャパシタ絶縁膜として、Si3N4膜、又はシリコン酸化膜(SiO2膜)を含む3層構造を有するONO膜のようなSiO2膜以外の絶縁膜を使用してもよい。更に、キャパシタ絶縁膜は、Sr、Al、Mg、Y、Hf、Zr、Ta、Biから選択される少なくとも1つの元素を含む酸化物、又は上記の元素から選択される少なくとも1つの元素を含む窒化シリコンを含んでいる。
寄生ロウパスフィルタLPFijが第1の前段インバータIij1と第2の前段インバータIij2との間に挿入されるので、もし、結合素子Qij1が第1クロック信号CLKによって高速で遮断状態及び導電状態間で切り替わり、高周波ノイズが結合素子Qij1の出力で発生したとしても、その高周波ノイズを寄生ロウパスフィルタLPFijによって取り除くことができ、第2の前段インバータIij2を高周波ノイズによる誤動作から保護することが可能となる。
同様に、寄生ロウパスフィルタLPFrijが第1の後段インバータIrij1と第2の後段インバータIrij2との間に挿入されるので、もし、結合素子Qrij1が第1クロック信号CLKによって高速で遮断状態及び導電状態間で切り替わり、高周波ノイズが結合素子Qrij1の出力で発生したとしても、その高周波ノイズを寄生ロウパスフィルタLPFrijによって取り除くことができ、第2の後段インバータIrij2を高周波ノイズによる誤動作から保護することが可能となる。
更に、第1及び第2実施形態と同様に、前段インバータIij1, Iij2及び後段インバータIrij1, Irij2からなるCMOSインバータは、前段セルMij及び後段セルMrijの出力のそれぞれが電源電圧供給配線Lsvの電位に接続することができ、かつ連続的な信号伝搬チェーンの信号電圧レベルが減少しないように、それぞれ、nMOSトランジスタQij3, Qij6, Qrij3, Qrij6とpMOSトランジスタQij2, Qij5, Qrij2, Qrij5との間で切り替わる。
(逆方向MM)
図2は、奇数列U1, U2, U3, ……, Un-1, Un及び偶数列Ur1, Ur2, Ur3, ……, Ur(n-1), Urnのそれぞれ内に、バイトサイズデータ、ワードサイズデータ、バイトサイズ命令、又はワードサイズ命令といった情報を記憶し、又は一時的に記憶し、クロック信号に同期して、入力カラムから出力カラムに向かって、順次、情報を連続的に転送するMMM31を含むMMを示すが、ここでは、逆方向MMを説明する。
図10は、本発明の他の実施形態に係る逆方向MMを示す。図10に示すように、他の実施形態の逆方向MMは、奇数列U1, U2, U3, ……, Un-1, Unのアレイと、配列の順序が隣接する奇数列U1, U2, U3, ……, Un-1, Unの間に交互に挿入される偶数列Ur1, Ur2, Ur3, ……, Ur(n-1), Urnのアレイを含むm×2nマトリクスによって構成される。
即ち、偶数列Ur1, Ur2, Ur3, ……, Ur(n-1), Urnは、情報の流れ(ストリーム)の方向に沿って、奇数列U1, U2, U3, ……, Un-1, Unに対して交互かつ周期的に配置される。奇数列U1, U2, U3, ……, Un-1, Unを通して、情報は、図10に示すように、出力カラムから入力カラムに向かって、順次、偶数列Ur1, Ur2, Ur3, ……, Ur(n-1), Urnを介して、第1クロック信号に同期して転送される。ここで、”m”は、バイトサイズ若しくはワードサイズによって決定される整数とする。バイトサイズ若しくはワードサイズの選択は、任意であるが、コンピュータアーキテクチャが設計される場合においては、バイトサイズ若しくはワードサイズは、m=16、32、64ビットといった8ビットの自然数倍が一般的によく使用される。
即ち、図10に示すように、第1偶数列Ur1は、m×2nマトリクスの左側に割り当てられ、第1奇数列U1は、第1偶数列Ur1と第2偶数列Ur2との間に挿入される。第1奇数列U1と第1偶数列Ur1との結合は、第1番目の2ビットメモリユニットを構成する。
また、図10に示すように、第2偶数列Ur2は、第2奇数列U2と第1奇数列U1との間に挿入される。第2奇数列U2と第2偶数列Ur2との結合は、第2番目の2ビットメモリユニットを構成する。同様に、第3偶数列Ur3は、第2奇数列U2と第3奇数列U3との間に挿入される。第3奇数列U3と第3偶数列Ur3との結合は、第3番目の2ビットメモリユニットを構成する。
また、図10に示すように、第n奇数列Unは、第n偶数列Urnの右に配置される。第n奇数列Unと第n偶数列Urnとの結合は、第n番目の2ビットメモリユニットを構成する。従って、2ビットメモリユニットの配列に焦点を当てると、他の実施形態における逆方向MMは、m×nマトリクスによって構成される。
図11A及び図11Bは、図10に示す本発明の他の実施形態に係る逆方向MMの素子レベル表記におけるm×2nマトリクス(ここで、”m”は、バイトサイズ若しくはワードサイズによって決定される整数である)の第i行のアレイであって、前段セルMi1, Mi2, Mi3, ……, Mi(n-1), Minのそれぞれにおいてビットレベルの反転された情報を記憶し、後段セルMri1, Mri2, Mri3, ……, Mri(n-1), Mrinを介して、第1クロック信号に同期して、図2〜図5に示すMMに対して逆方向に、順次、情報を連続的に反転し、かつ転送するアレイを示す。
m×2nマトリクス内の左側から1番目の列は、図11Aに示すような第1偶数列Ur1に相当する後段セルMr11, Mr21, Mr31, ……, Mr(m-1)1, Mrm1の垂直方向アレイによって構成される。それぞれの後段セルMr11, Mr21, Mr31, ……, Mr(m-1)1, Mrm1の具体的な構成の表示をMrj1 (j=1〜m)で示される包括的な表記で簡略表現をしているが、後段セルMr11, Mr21, Mr31, ……, Mr(m-1)1, Mrm1のそれぞれは、単一ビットのデータを記憶するビットレベルセルである。
m×2nマトリクス内の左側から2番目の列は、第1奇数列U1に相当する前段セルM11, M21, M31, ……, M(m-1)1, MM1の垂直方向アレイによって構成される。それぞれの前段セルM11, M21, M31, ……, M(m-1)1, MMm1の具体的な構成の表示をMj1 (j=1〜m)で示される包括的な表記で簡略表現をしているが、前段セルM11, M21, M31, ……, M(m-1)1, MMm1のそれぞれは、単一ビットのデータを記憶するビットレベルセルである。
同様に、m×2nマトリクス内の3番目の列は、第2偶数列Ur2に相当する後段セルMr12, Mr22, Mr32, ……, Mr(m-1)2, Mrm2の垂直方向アレイによって構成される。それぞれの後段セルMr12, Mr22, Mr32, ……, Mr(m-1)2, Mrm2の具体的な構成の表示をMrj2 (j=1〜m)で示される包括的な表記で簡略表現をしているが、後段セルMr12, Mr22, Mr32, ……, Mr(m-1)2, Mrm2のそれぞれは、単一ビットのデータを記憶するビットレベルセルである。
m×2nマトリクス内の4番目の列は、第2奇数列U2に相当する前段セルM12, M22, M32, ……, M(m-1)2, MMm2の垂直方向アレイによって構成される。それぞれの前段セルM12, M22, M32, ……, M(m-1)2, MMm2の具体的な構成の表示をMj2 (j=1〜m)で示される包括的な表記で簡略表現をしているが、前段セルM12, M22, M32, ……, M(m-1)2, MMm2のそれぞれは、単一ビットのデータを記憶するビットレベルセルである。
m×2nマトリクス内の右側から2番目の列は、図11Bに示すような第n偶数列Urnに相当する後段セルMr1n, Mr2n, Mr3n, ……, Mr(m-1)n, Mrmnの垂直方向アレイによって構成される。それぞれの後段セルMr1n, Mr2n, Mr3n, ……, Mr(m-1)n, Mrmnの具体的な構成の表示をMrjn (j=1〜m)で示される包括的な表記で簡略表現をしているが、後段セルMr1n, Mr2n, Mr3n, ……, Mr(m-1)n, Mrmnのそれぞれは、単一ビットのデータを記憶するビットレベルセルである。
m×2nマトリクス内の右側から1番目の列は、第n奇数列Unに相当する前段セルM1n, M2n, M3n, ……, M(m-1)n, MMmnの垂直方向アレイによって構成される。それぞれの前段セルM1n, M2n, M3n, ……, M(m-1)n, MMmnの具体的な構成の表示をMjn (j=1〜m)で示される包括的な表記で簡略表現をしているが、前段セルM1n, M2n, M3n, ……, M(m-1)n, MMmnのそれぞれは、単一ビットのデータを記憶するビットレベルセルである。
図12に示すように、本発明の他の実施形態に係る逆方向MMにおいて、第i行に配列された第j列の前段セルMijは、第(j+1)列の後段セルMri(j+1)の出力端子に接続された入力端子と、第1のクロック配線Lclk1に接続されたゲート電極を有する結合素子Qij1を含む。即ち、後段セルMri(j+1)は、結合素子Qij1の右手側に割り当てられる。
また、第j列の前段セルMijは、更に、結合素子Qij1の出力端子に接続された入力端子を有する前段インバータIijを含む。前段インバータIijは、電源電圧供給配線Lsvに接続される第1主電極、及び結合素子Qij1の出力端子に接続されるゲート電極を有するpMOSトランジスタQij2と、pMOSトランジスタQij2の第2主電極に接続される第1主電極、結合素子Qij1の入力端子に接続されるゲート電極、及び接地電位に接続される第2主電極を有するnMOSトランジスタQij3を含むCMOSインバータによって構成される。
前段インバータIijに割り当てられた記憶コンデンサCijは、前段インバータIijの内部出力端子と接地電位との間に並列に接続される。また、pMOSトランジスタQij2の第2主電極及びnMOSトランジスタQij3の第1主電極に接続される出力ノードは、前段セルMijの内部出力端子として機能する。内部出力端子は、記憶コンデンサCij内に記憶された信号を前段セルMijの左手側に割り当てられた第j列の後段セルMrijに出力する。
また、第i行に配列された第j列の後段セルMrijは、第j列の前段セルMijの内部出力端子に接続された入力端子、及び第2のクロック配線Lclk2に接続されたゲート電極を有するバッファ素子Qrij1と、バッファ素子Qrij1の出力端子に接続された入力端子を有する後段インバータIrijを含む。後段インバータIrijは、電源電圧供給配線Lsvに接続される第1主電極、及びバッファ素子Qrij1の出力端子に接続されるゲート電極を有するpMOSトランジスタQrij2と、pMOSトランジスタQrij2の第2主電極に接続される第1主電極、バッファ素子Qrij1の出力端子に接続されるゲート電極、及び接地電位に接続される第2主電極を有するnMOSトランジスタQrij3を含むCMOSインバータによって構成される。
後段インバータIrijに割り当てられた記憶コンデンサCrijは、後段インバータIrijの出力端子と接地電位の間に、nMOSトランジスタと並列に接続される。また、pMOSトランジスタQrij2の第2主電極及びnMOSトランジスタQrij3の第1主電極に接続される出力ノードは、後段セルMrijの出力端子として機能する。出力端子は、記憶コンデンサCrij内に記憶された信号を後段セルMrijの左手側に割り当てられた第(j-1)列の前段セルMi(j-1)に出力する。
上述のように、本発明の他の実施形態に係る逆方向MMにおいては、2ビットメモリユニットのそれぞれは、奇数列及び偶数列のそれぞれが元のパルス波高を回復するために弱められた入力波形を整形するような機能を持ち、そのような奇数列及び偶数列を含むので、信号”1”の減衰したパルス波高を電源電圧の電圧レベルに増幅することによって、バイトサイズ若しくはワードサイズの記憶情報の正確なマーチング転送を、低い電源電圧であっても達成することができる。
また、更に、図10、図11A、図11B、及び図12に示す本発明の他の実施形態に係る逆方向MMにおいては、奇数列U1, U2, U3, ……, Un-1, Un及び偶数列Ur1, Ur2, Ur3, ……, Urn-1, Urnのそれぞれに対するアドレス割り振りが不要となるので、要求された情報を、より低い電源電圧で、メモリチップのエッジ側に配置された宛先ユニットに出力することが可能となる。
(双方向MM)
更に、図10に示す逆方向MM及び図2に示す順方向MMは、バイトサイズ若しくはワードサイズの情報が入力カラムと出力カラムとの間で双方向に転送される双方向MMを達成するために、それらを組み合わせることも可能である。双方向MMを構成するいくつかの選択肢のうちの1つは、米国特許第8949650号明細書、及び米国特許第9361957号明細書に記載される構成における1つの半導体チップ上に、順方向MM及び逆方向MMのパターンを描画することである。
双方向MMを構成するための他の選択肢は、図13及び図14に示すように、逆方向MMのパターンが描画される第2の半導体チップ2上に、順方向MMのパターンが描画される第1の半導体チップ1を積み重ねることである。図14に示すフリップチップ構成において、第1の半導体チップ1と第2の半導体チップ2との内部接続のために、複数の半田バンプBijは、それぞれ、第2の半導体チップ2 (i = 1〜m; j = 1〜n)上の複数のチップパッドP2ij上に配置される。
第2の半導体チップ2上に第1の半導体チップ1を実装するために、第1の半導体チップ1は、第1の半導体チップ1の上面側が下を向くように反対向きにされ、第1の半導体チップ1のパッドが第2の半導体チップ2上のパッドに一致するように位置合わせされ、そして、半田バンプBijは、両者の内部接続を完了させるためにリフローされる。
図12に示す回路構成と同様に、図13の下部に示す半導体チップ2の上面の右側において、第i行に配置された第j列の前段セルMij(2)は、nMOSトランジスタによって構成される面内結合素子Qij1を有する。面内結合素子Qij1は、第(j+1)列の後段セルの出力端子に接続された入力端子と、第1のクロック配線Lclk1に接続されたゲート電極を有する。図示を省略するが、第(j+1)列の後段セルは、面内結合素子Qij1の右手側上に割り当てられる。また、第j列の前段セルMij(2)は、更に、面内結合素子Qij1の出力端子に接続された入力端子を持つ前段CMOSインバータを有する。
前段CMOSインバータは、第1の電源電圧供給配線Lsvに接続される第1主電極、及び面内結合素子Qij1の出力端子に接続されるゲート電極を有するpMOSトランジスタQij2と、pMOSトランジスタQij2の第2主電極に接続される第1主電極、面内結合素子Qij1の出力端子に接続されるゲート電極、及び接地電位に接続される第2主電極を有するnMOSトランジスタQij3を有する。前段CMOSインバータに割り当てられる記憶コンデンサCijは、前段CMOSインバータの内部出力端子と接地電位の間に、nMOSトランジスタと並列に接続される。
また、pMOSトランジスタQij2の第2主電極及びnMOSトランジスタQij3の第1主電極に接続される出力ノードは、前段セルMij(2)の内部出力端子として機能する。第i行の列と列の間のゾーン(ライン)を通して、内部出力端子は、記憶コンデンサCij内に記憶された信号を、前段セルMij(2)の左手側に割り当てられた第j列の後段セルMrij(2)に出力する。
第j列の前段セルMij(2)及び第j列の後段セルMrij(2)間の第i行の列と列の間のゾーン(ライン)上の中間点に、nMOSトランジスタによって構成されるチップ間結合素子Qij4の入力端子が接続される。チップ間結合素子Qij4は、チップパッドP2ijに接続される出力端子と、チップ間クロック配線Lint-1に接続されるゲート電極を有する。
また、第i行に配列された第j列の後段セルMrij(2)は、nMOSトランジスタによって構成されるバッファ素子Qrij1とバッファ素子Qrij1の出力端子に接続される入力端子を持つ後段CMOSインバータを有する。バッファ素子Qrij1は、第j列の前段セルMij(2)の内部出力端子に接続される入力端子と、第2のクロック配線Lclk2に接続されるゲート電極と、後段CMOSインバータの入力端子に接続される出力端子を有する。
後段CMOSインバータは、第1の電源電圧供給配線Lsvに接続される第1主電極、及びバッファ素子Qrij1の出力端子に接続されるゲート電極を有するpMOSトランジスタQrij2と、pMOSトランジスタQrij2の第2主電極に接続される第1主電極、バッファ素子Qrij1の出力端子に接続されるゲート電極、及び接地電位に接続される第2主電極を有するnMOSトランジスタQrij3を有する。
後段CMOSインバータに割り当てられる記憶コンデンサCrijは、後段CMOSインバータの出力端子と接地電位の間に、nMOSトランジスタと並列に接続される。また、pMOSトランジスタQrij2の第2主電極及びnMOSトランジスタQrij3の第1主電極に接続される出力ノードは、後段セルMrij(2)の出力端子として機能する。その出力端子は、記憶コンデンサCrij内に記憶された信号を、後段セルMrij(2)の左手側に割り当てられた第(j-1)列の前段セルに出力する。
フリップチップ実装された表面上における詳細な回路構成の図については省略するが、図4Aに示す回路構成と同様に、図13の上部に示す半導体チップ1のフリップチップ実装された表面の左の位置において、MMのマトリクスを構成する第i行に配列された第j列の前段セルMij(1).が配置されている。前段セルMij(1).は、第(j-1)列の後段セルの出力端子に接続される第1主電極、及び第1のクロック配線に接続されるゲート電極を有するnMOSトランジスタによって構成される面内結合素子と、その面内結合素子の第2主電極に接続される入力端子を有する前段CMOSインバータを含む。即ち、面内結合素子は、第(j-1)列の後段セルの出力端子からの信号の転送を制御する。
前段CMOSインバータは、電源電圧供給配線に接続される第1主電極、及び面内結合素子の第2主電極に接続されるゲート電極を有するpMOSトランジスタと、そのpMOSトランジスタの第2主電極に接続される第1主電極、面内結合素子の第2主電極に接続されるゲート電極、及び接地電位に接続される第2主電極を有するnMOSトランジスタとを備える。
前段CMOSインバータに設けられた記憶コンデンサCijは、CMOSインバータの出力端子と接地電位の間に、nMOSトランジスタと並列に接続される。また、前段CMOSインバータの出力ノードは、前段セルMij(1)の出力端子として機能する。第i行の列と列の間のゾーン(ライン)を通して、前段セルMij(1)の内部出力端子は、記憶コンデンサCij内に記憶された信号を、第(j+1)列の前段セルの前に配置された後段セルMrij(1)に出力する。
第j列の前段セルMij(1)及び第j列の後段セルMrij(1)間の第i行の列と列の間のゾーン(ライン)上の中間点に、チップパッドP1ijが接続される。また、後段セルMrij(1)は、前段の前段セルMij(1)の内部出力端子に接続される第1主電極、及び第2のクロック配線に接続されるゲート電極を有するnMOSトランジスタによって構成されるバッファ素子と、そのnMOSトランジスタによって構成されるバッファ素子の第2主電極に接続される入力端子を有するCMOSインバータとを備える。
後段CMOSインバータは、電源電圧供給配線に接続される第1主電極、及びバッファ素子の第2主電極に接続されるゲート電極を有するpMOSトランジスタと、そのpMOSトランジスタの第2主電極に接続される第1主電極、バッファ素子の第2主電極に接続されるゲート電極、及び接地電位に接続される第2主電極を有するnMOSトランジスタとを備える。
CMOSインバータの出力端子に対して、後段CMOSインバータに割り当てられた記憶コンデンサCijは、nMOSトランジスタに並列に接続される。また、後段CMOSインバータの出力ノードは、後段セルMrij(1)の出力端子として機能する。後段セルMrij(1)の出力端子は、記憶キャパシタ内に記憶された信号を、第(j+1)列の前段セルに出力する。
フリップチップ構成において、第1の半導体チップ1及び第2の半導体チップ2が複数の中間ノードに配置される複数の半田バンプBijを介してそれぞれ内部接続されるとき、第1の半導体チップ1の特定の内部出力ノードは、第2の半導体チップ2の対応する内部入力ノードに接続され、かつ第2の半導体チップ2の第1の半導体チップ1の内部出力ノードとは異なる位置の特定の内部出力ノードは、チップ間結合素子Qij4を介して、第1の半導体チップ1の対応する内部入力ノードに接続される。
チップ間クロック配線Lint1を介して供給されるクロック信号によって、第1の半導体チップ1の特定の内部出力ノードを第2の半導体チップ2の対応する内部入力ノードに接続し、かつ、第1の半導体チップ1の内部出力ノードとは異なる位置にある、第2の半導体チップ2の特定の内部出力ノードを、第1の半導体チップ1の対応する内部入力ノードに接続することができる。2つの中間ノードの間を調整することにより、より短いベクトルデータを選択できる。2つの中間ノードを用いて、第1の半導体チップ1及び第2の半導体チップ2間で、短いベクトルデータをローテーション移動させることができる。
第1の半導体チップ1及び第2の半導体チップ2間で、ローテーション移動して、行き来する最も短いベクトルデータは、隣接する2つの列内に記憶された2ビットデータによって構成してもよい。連続して隣接する2つの列のセットのいくつかは、ベクトルデータの望ましい長さを決定することができる。ベクトルデータの長さは、ベルトコンベアに用いられる連続する可動ベルトに対応する。ベクトルデータの望ましい長さを、可動ベルトの長さを調整するようにして、第1の半導体チップ1と第2の半導体チップ2の間を、ローテーション方向に沿ってベクトルデータを行き来させることができる。
(MM支援ランダムアクセス可能メモリ)
図15は、本発明の更に他の実施形態に係るMM支援ランダムアクセス可能メモリ(MM-SRACM)が描画された半導体チップの概略平面図を示す。特に、MM-SRACMの例の1つとして、図15は、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、又はダブルデータレート(DDR)シンクロナスDRAM(SDRAM)、及びDDR SDRAMの出力インターフェース22aの平面配置を示す。図15には出力インターフェース22aが、DDR SDRAMと計算機システムのプロセッサとの間の経路に配置された例が示されているが、図15の構成に限定されない。出力インターフェース22aは、プロセッサに向かう経路に設けられた他の記憶装置とDDR SDRAMの間に配置された出力インターフェースであってもよい。
出力インターフェース22aは、内部バス221と、内部バス221に接続されたインターフェースメモリ222と、インターフェースメモリ222に接続された出力バス223とを備える。出力インターフェース22aは、データディバイダ224と、MMキャッシュメモリ(BLB1, ……, BLB13, BLB14, BLB15 anDBLB16)を含む。DDR SDRAMは、DRAMの単なる例であり、図15に示すDDR SDRAM内のデータは、メモリマトリクス20内に配列されたビットレベルセル内のメモリキャパシタ内の電荷として記憶される。
例えば、メモリマトリクス20は、第1のメモリアレイブロックDB1、第2のメモリアレイブロックDB2、第3のメモリアレイブロックDB3、……、第16のメモリアレイブロックDB16の16個のメモリアレイブロックに分割され、かつこれら16個のメモリアレイブロックは、設計仕様に応じて、図15に示す例における4つのグループに分類されてもよい。第1のメモリアレイブロックDB1、第2のメモリアレイブロックDB2、第3のメモリアレイブロックDB3、……、第16のメモリアレイブロックDB16のそれぞれは、128本のビット線を含み、例えば、これら128本のビット線は、それぞれ、電圧差動増幅器によって構成される対応するセンスアンプに接続される。
メモリアレイブロックDB1, DB2, DB3, ……, DB16のそれぞれに割り当てられたセンスアンプの出力は、それぞれに対応する出力バッファに接続される。センスアンプと出力バッファのセットは、図15に示す例において、「センスアンプ及びバッファ21」として、概略的に示される。
読み出し動作でビットレベルセル内の電荷が使い果たされてデータが破壊されても、データがセンスアンプ及びバッファ21に読み出された後に、「メモリリフレッシュ」と呼ばれるメモリキャパシタに対する再チャージで、ビットレベルセルに電圧を印加することによって、データは、直ちにビットレベルセルに書き戻される。例えば、16個のメモリブロックは、メモリバンクの一部を構成してもよく、複数のメモリブロックの三次元(3D)積層構造は、DDR SDRAMを構成してもよい。なぜなら、複数のメモリバンクは、並列動作が可能なように提供され、SDRAMは、個別のデータバスとコマンドバスを持つため、異なるバンクに対するコマンドは、パイプライン動作で提供できるからである。即ち、複数のメモリバンク内において、「活性化」、「プリチャージ」、及び「データ転送」は、並行して行うことができる。
DRAM内の複数のビットレベルセルはそれぞれ、メモリマトリクス20の第1のメモリアレイブロックDB1、第2のメモリアレイブロックDB2、第3のメモリアレイブロックDB3、……、第16のメモリアレイブロックDB16のそれぞれの行及び列のビットレベルセルとして配置される。それぞれの行の各ビットレベルセルには、それぞれの行に沿って延びる「ワード線」と呼ばれる配線が接続されている。それぞれの行の各ビットレベルセルは、ワード線に電圧を印加することによって活性化される。
DRAMにおいて、列方向に沿って延びる配線は、「ビット線」と呼ばれる。また、2本の相補的なビット線は、メモリアレイの端部に配置されたセンスアンプ及びバッファ21内のセンスアンプを構成する電圧差動増幅器に接続される。所定のワード線及び所定のビット線の交差部に配置される各ビットレベルセルは、「アドレス」を指定することでアクセス可能である。即ち、ビットレベルセル内のデータは、行及び列の上に沿って延びる同一のビット線によって読み出し及び書き込みを行える。
DRAMのアクセス遅延(レイテンシ)は、メモリマトリクス20によって基本的に制限されるので、DDR方式は、非常に高いポテンシャルの帯域幅を形成するために開発された。DDR方式においては、クロックパルスの立ち上がりエッジと立ち下がりエッジの両方でデータの転送が可能となる。DDR方式は、1サイクルで1回だけ同一コマンド使うが、1サイクルで2ワードのデータの読み出し又は書き込みが可能である。
バーストモードにおいては、バースト長のデータが、メモリアレイブロックDB1, DB2, DB3, ……, DB16のそれぞれに対応して接続された、それぞれのセンスアンプにそれぞれ転送される。第1のメモリアレイブロックDB1、第2のメモリアレイブロックDB2、第3のメモリアレイブロックDB3、……、第16のメモリアレイブロックDB16内に記憶されたそれぞれのデータに対応する、センスアンプ及びバッファ21からのそれぞれの出力は、16ビットバースト長で内部バス221にそれぞれ入力される。例えば、128ビットパラレルデータのそれぞれが、内部バス221を介して内部メモリ222に、それぞれ転送される。
バースト長は、DDR SDRAM構成によって決定され、かつバースト長の値は、最小アクセス粒度を直接的に決定するので、バースト長は、「最小キャッシュラインサイズ」と解釈することができる。MMキャッシュメモリ(BLB1, ……, BLB13, BLB14, BLB15, BLB16)は、第1のバースト長ブロックBLB1、……、第13のバースト長ブロックBLB13、第14のバースト長ブロックBLB14、第15のバースト長ブロックBLB15、及び第16のバースト長ブロックBLB16を備える。
図16に示すように、第kのバースト長ブロックBLBk (k=1〜16)は、図16に示す8×16マトリクス内において、複数の奇数列U1, U2, U3, ……, U7, U8と、複数の奇数列U1, U2, U3, ……, U7, U8の行方向に沿って、複数の奇数列U1, U2, U3, ……, U7, U8に対して交互かつ周期的に配置される複数の偶数列Ur1, Ur2, Ur3, ……, Ur7, Ur8を有する。奇数列U1, U2, U3, ……, U7, U8のそれぞれは、8ビットの進行する情報に含まれる複数の信号のセットを、それぞれ反転及び記憶するために、8×16マトリクスの列方向に並んだ前段セルの配列を有する。
また、複数の偶数列Ur1, Ur2, Ur3, ……, Ur7, Ur8のそれぞれは、隣接する奇数列によって反転された8ビットの進行する情報に含まれる複数の信号のセットを、再反転及び記憶するために、列方向に沿って並んだ後段セルの配列を有する。そして、第kのバースト長ブロックBLBkの8×16マトリクスを構成する行のそれぞれが、16ビットバースト長のシリアル情報を記憶する。
即ち、内部バス221を介して転送される128ビットパラレルデータは、データディバイダ224によって、16ビットバースト長のシリアル情報の8つの並列セットに分割される。また、16ビットバースト長のシリアル情報は、第1のバースト長ブロックBLB1に転送され、更に、第1のバースト長ブロックBLB1は、16ビットバースト長で、8つのパラレルデータのストリームの情報をそれぞれ記憶する。そして、第1のバースト長ブロックBLB1は、計算機システムのプロセッサ駆動用のクロック周波数に同期して、情報の流れ(ストリーム)の方向に沿って、第2のバースト長ブロック(第2のバースト長ブロックの図示は、図15において省略する)に向かって、16ビットバースト長で、8つのパラレルデータのストリームをそれぞれ転送する。
第1のバースト長ブロックと同様に、16ビットバースト長を有する8つのパラレルデータのストリームが、プロセッサ駆動用のクロック周波数に同期して、ストリームの方向に沿って、第2のバースト長ブロックから第3のバースト長ブロック(図示を省略する)に向かってそれぞれ転送される。最終的に、16ビットバースト長を有する8つのパラレルデータのストリームは、プロセッサ駆動用のクロック周波数に同期して、ストリームの方向に沿って、第15のバースト長ブロックBLB15から第16のバースト長ブロックBLB16に向かってそれぞれ転送される。そして、16ビットバースト長を有する8つのパラレルデータのストリームは、第16のバースト長ブロックBLB16からの8ビットパラレル情報として、計算機システムのプロセッサにそれぞれ提供される。
図17は、DDR SDRAMと、そのDDR SDRAMの出力インターフェース22bで構成されるMM支援DRAMの他の例の概略平面図を示す。出力インターフェース22bは、DDR SDRAMと計算機システムのプロセッサとの間の経路に配置される。しかし、出力インターフェース22bは、プロセッサに向かう経路に設けられた他の記憶装置とDDR SDRAMの間に配置されたインターフェースデあってもよい。出力インターフェース22bは、第1のMMキャッシュメモリMMC1、第2のMMキャッシュメモリMMC2、第3のMMキャッシュメモリMMC3、……、及び第16のMMキャッシュメモリMMC16を含む。図15に示す出力インターフェース22aとは異なり、出力インターフェース22bは、内部バス221を含まない。また、第1のMMキャッシュメモリMMC1、第2のMMキャッシュメモリMMC2、第3のMMキャッシュメモリMMC3、……、及び第16のMMキャッシュメモリMMC16のそれぞれは、メモリマトリクス20を分割した、対応する第1のメモリアレイブロックDB1、第2のメモリアレイブロックDB2、第3のメモリアレイブロックDB3、……、第16のメモリアレイブロックDB16の16個のメモリアレイブロックに直接接続される。
第1のメモリアレイブロックDB1、第2のメモリアレイブロックDB2、第3のメモリアレイブロックDB3、……、第16のメモリアレイブロックDB16は、128本のビット線を含み、また、128本のビット線は、対応するセンスアンプに接続され、更に、メモリアレイブロックDB1, DB2, DB3,……, DB16のそれぞれに割り当てられたセンスアンプの出力は、対応する出力バッファに接続されるので、第1のMMキャッシュメモリMMC1、第2のMMキャッシュメモリMMC2、第3のMMキャッシュメモリMMC3、……、及び第16のMMキャッシュメモリMMC16は、それぞれ、第1のメモリアレイブロックDB1、第2のメモリアレイブロックDB2、第3のメモリアレイブロックDB3、……、第16のメモリアレイブロックDB16の対応する出力バッファに直接接続される。センスアンプと出力バッファのセットは、図17に示す例において、「センスアンプ及びバッファ(センスアンプ及びバッファ)21」として、概略的に示される。図15に示すトポロジー(構成)でも同様に、図17における16個のメモリアレイブロックは、メモリバンクの一部を構成してもよいし、複数のメモリブロックの三次元(3D)積層構造は、DDR SDRAMを構成してもよい。
なぜなら、複数のメモリバンクは、並列動作が可能なように提供され、SDRAMは、個別のデータバスとコマンドバスを持つため、異なるバンクに対するコマンドは、パイプライン動作で提供できるからである。更に、第1のメモリアレイブロックDB1、第2のメモリアレイブロックDB2、第3のメモリアレイブロックDB3、……、第16のメモリアレイブロックDB16から第1のMMキャッシュメモリMMC1、第2のMMキャッシュメモリMMC2、第3のMMキャッシュメモリMMC3、……、及び第16のMMキャッシュメモリMMC16へのデータのストリームは、パラレルに実行することができる。バースト長は、DDR SDRAM構成によって決定され、かつバースト長の値は、最小アクセス粒度を直接的に決定するので、バースト長は、最小キャッシュラインサイズと解釈することができる。
図16に示す構造と同様に、第kのMMキャッシュメモリMMCk (k=1〜16)は、128×16マトリクス内において、複数の奇数列U1, U2, U3, ……, U7, U8と、これら行方向に沿う複数の奇数列U1, U2, U3, ……, U7, U8に対して交互かつ周期的に配置される複数の偶数列Ur1, Ur2, Ur3, ……, Ur7, Ur8を有する。奇数列U1, U2, U3, ……, U7, U8のそれぞれは、8ビットの進行する情報に含まれる複数の信号のセットを反転及び記憶するために、128×16マトリクスの列方向に並んだ前段セルの配列を有する。
また、複数の偶数列Ur1, Ur2, Ur3, ……, Ur7, Ur8のそれぞれは、隣接する奇数列によって反転された8ビットの進行する情報に含まれる複数の信号のセットを再反転及び記憶するために、列方向に沿って並んだ後段セルの配列を有する。そして、第kのMMキャッシュメモリMMCkの128×16マトリクスを構成する行のそれぞれにおいて、キャッシュラインサイズのシリアル情報が記憶される。また、キャッシュラインサイズの128個のパラレルデータのストリームは、それぞれ記憶されると共に、更にそれぞれ、第1のMMキャッシュメモリMMC1、第2のMMキャッシュメモリMMC2、第3のMMキャッシュメモリMMC3、……、及び第16のMMキャッシュメモリMMC16を介して、計算機システムのプロセッサに向かって順次転送される。
図15に示すインターフェースメモリ222のタンデム構造と同様に、図17に示すMMキャッシュメモリMMC1, MMC2, MMC3,……, MMC16をそれぞれ構成する複数のメモリマトリクスが、列方向に沿って直列(タンデム)に多数接続されるならば、MMキャッシュメモリは、より大きなサイズを達成することができる。例えば、仮に、8個の128×16マトリクスが列方向に沿って直列に接続されるとすると、128×128マトリクスサイズのMMキャッシュメモリを達成することができる。仮に、16個の128×16マトリクスが列方向に沿って直列に接続されるとすると、128×256マトリクスサイズのMMキャッシュメモリを達成することができる。更に、より大きなマトリクスサイズを、図18に示すMM L3キャッシュメモリ22bとして提供することができる。
そして、DDR4DRAMとMM L3キャッシュメモリ22bのメモリマトリクス20は、計算機システムのメインメモリとして機能するMM支援DRAM (20,22b)を構成する。図18に示す計算機システムにおいて、ハードディスクドライブ(HDD)又はフラッシュメモリによって構成される二次メモリ41は、インターフェース26を介して、MM支援DRAM (20,22b)に接続され、かつMM L3キャッシュメモリ22bは、インターフェース27を介して、SRAM-L2キャッシュメモリ23に接続される。更に、インターフェース28を介して、SRAM-L2キャッシュメモリ23は、第1のSRAM-L1キャッシュメモリ24-1、第2のSRAM-L1キャッシュメモリ24-2, ……に接続される。また、第1のSRAM-L1キャッシュメモリ24-1は、第2のSRAM-L1キャッシュメモリ24-2が第2のCPU25-2に接続されている間、第1のCPU25-1に接続される。
MM L3キャッシュメモリ22bは、全てのCPU25-1, 25-2, …に共通の高速メモリのプール(データの一時蓄積箇所)として特徴付けられる。MM L3キャッシュメモリ22bは、しばしばCPUコアの残りから独立してゲート化されるので、アクセススピード、電力消費、及び記憶容量を調整するように、ダイナミックに仕切ることが可能となる。従来の技術においては、SRAM L3キャッシュメモリは、SRAM-L1キャッシュメモリ又はSRAM-L2キャッシュメモリに対して十分に高速ではないことが知られている。しかしながら、本発明の更に他の実施形態に係るMM L3キャッシュメモリ22bは、SRAM-L1キャッシュメモリ又はSRAM-L2キャッシュメモリよりも高速に動作させることができる。従って、MM L3キャッシュメモリ22bは、高速計算機システムを動作させるに当たって、より柔軟に、かつ極めて重要な役割を果たすことになる。
図18に示すコンピュータ構成において、SRAM-L2キャッシュメモリ23は、MM L2キャッシュメモリに変更することができる。第1のSRAM-L1キャッシュメモリ24-1、第2のSRAM-L1キャッシュメモリ24-2, ……は、複数のMM L1キャッシュメモリに、それぞれ変更することができる。なぜなら、マーチングメモリアーキテクチャを構成するMMキャッシュメモリは、SRAMキャッシュメモリよりも高速であるからである。
(その他の実施形態)
様々な変形例が、本明細書及び図面の開示から、本発明の趣旨から逸脱せずに、当業者に明らかとなろう。
図4A、図4B、図7A、図8、図9、図11A、図11B、図12、及び図13の回路表記において、MOSFETのトランジスタシンボルが便宜上使われているが、図4A、図4B、図7A、図8、図9、図11A、図11B、図12、及び図13に示す回路を構成する能動素子は、MOSFETに限定されることはなく、MOSFETは、例えばMOSSITによって置き換えることもできる。
MOSSITはパンチスルー電流モードを用いるトランジスタであり、ショートチャネルMOSFETの究極かつ極限の構造を有する。よって、MOSSITは三極管のようなドレイン電流対ドレイン電圧特性を示すので、MOSFETに固有の閾値電圧はMOSSITにおいては定義することができない。従って、MOSFETをMOSSITに置き換えたならば、更に低い電源電圧を、第1〜第3実施形態で説明したMMに供給することができる。なぜなら、MOSFETの閾値電圧Vthとなるビットレベルセルの出力端子における寄生的な電圧降下を取り除けるからである。
更に、MOSFET及びMOSSITは、それぞれ、シリコン酸化膜(SiO2膜)以外のゲート絶縁膜を持つMISFET又はMISSITのような絶縁ゲート(IG)トランジスタによって置き換えることができる。IGトランジスタの他の例として、高電子移動度トランジスタ(HEMT)、ヘテロ接合FET、又はヘテロ接合SITは、図4A、図4B、図7A、図8、図9、図11A、図11B、図12、及び図13に示す回路を構成する能動素子として使用することができる。
第1〜第3実施形態に関するMMの例においては、CMOSインバータが前段インバータ及び後段インバータとして使用される回路構成を便宜上説明した。しかし、前段インバータ及び後段インバータは、CMOSインバータに限定されることはなく、静的な抵抗負荷を含んだnMOSインバータ又はpMOSインバータを使用することもできる。静的な抵抗負荷を持つnMOSインバータが、それぞれ前段インバータ及び後段インバータに使用されるとすると、上述の3トランジスタセルは、2−トランジスタセルにすることができる。nMOSインバータを用いれば、上述の4トランジスタセルは、3トランジスタセルにすることができる。よって、nMOSインバータを用いれば縮小化されたビットレベルセルの効果を、ますます際立出せることができる。
加えて、プルアップ用としてのデプレッションモードの他のnMOSインバータを前段インバータ及び後段インバータとして使用することができる。更に、バイポーラモード接合型SIT (BSIT)は、バイポーラ接合トランジスタ(BJT)によって構成されるTTLインバータに似た構成を持つので、本発明の前段インバータ及び後段インバータに使用可能なインバータを構成することができる。
ある種のノーマリオン型SITのp-n接合構造を逆バイアスして、ノーマリオン型SITの信号電荷に対する電位障壁を形成すると可変抵抗特性が実現できる。ノーマリオン型SITによる可変抵抗を、前段結合素子及び後段結合素子としてそれぞれ使用すれば、ビットレベルセル内のトランジスタ数を、更に減らすことができる。
図15は、DDR-SDRAMの平面配置を一つの例として示したが、MM-SRACMのアーキテクチャは、NANDフラッシュメモリ又はNORフラッシュメモリの様々なメモリアレイに適用することが可能である。例えば、図15に示すメモリアレイブロックDB1, DB2, DB3,……, DB16を、電気的に消去・書き換え可能な読み出し専用メモリ(EEPROM)スキームによって構成されるフラッシュメモリセルのアレイによって置き換えてもよい。フラッシュメモリセルのアレイを用いた場合も、図15及び図16で説明したのと同一の技術的思想を使用することができる。
フラッシュメモリセルのそれぞれは、例えば半導体基板と、この半導体基板上に積層されたゲート絶縁膜と、このゲート絶縁膜上に積層された浮遊ゲート電極と、この浮遊ゲート電極上に積層された正電荷層を含む電極間誘電体と、この電極間誘電体上に積層された制御ゲート電極とを備えて構成される。フラッシュメモリセルのそれぞれのゲート絶縁膜は、そのゲート絶縁膜を介して電子がトンネリングすることが可能であり、フラッシュメモリセルのそれぞれの浮遊ゲート電極は、電荷を蓄積する。
NANDフラッシュメモリ又はNORフラッシュメモリのメモリアレイが、パイプライン化されたメモリアレイブロックを構成すると、そのパイプライン化されたメモリアレイブロックは、バイトサイズ若しくはワードサイズのパラレルデータ・ストリーム、又はバイトサイズ若しくはワードサイズのパラレル命令ストリームの情報を記憶することができる。そして、パイプライン化されたメモリアレイブロックは、パラレルデータ・ストリーム又はパラレル命令ストリームを、複数のメモリアレイブロックからMMによって構成される出力インターフェースに出力するように構成すればよい。この場合、出力インターフェースは、フラッシュメモリと計算機システムのプロセッサとの間の経路に設けられる。
フラッシュメモリのバーストモードにおいて、バースト長を有するデータのそれぞれは、メモリブロックのそれぞれに接続された対応するセンスアンプにそれぞれ転送される。更に、センスアンプのそれぞれの出力は、出力バッファにそれぞれ転送される。そして、出力バッファからのそれぞれの出力は、内部バスに入力してもよい。また、内部バスからの出力は、MMによって構成されるインターフェースメモリに転送される。そして、フラッシュメモリのメモリアレイブロック内に記憶されたパラレルデータのそれぞれは、ストリームの方向に沿って、計算機システムのプロセッサに向かって、それぞれ転送することが可能となる。
パラレルデータ・ストリーム又はパラレル命令ストリームが、プロセッサからフラッシュメモリに向かって、逆方向に生じる場合は、フラッシュメモリとプロセッサとの間の出力インターフェースは、プロセッサとフラッシュメモリとの間の入力インターフェースに変更される。
上述のように、入力/出力インターフェースは、フラッシュメモリと他の記憶装置との間に内部接続されていてもよいし、又は入力/出力インターフェースは、フラッシュメモリと計算機システムのプロセッサとの間に内部接続されていてもよい。図15及び図16に示す構成と同様に、フラッシュメモリの入力/出力インターフェースは、MMによって構成される内部バス及びインターフェースメモリを含んでいてもよい。
又は、それに代えて、フラッシュメモリの入力/出力インターフェースは、内部バスを含んでいなくてもよい。しかし、MMによって構成されるインターフェースメモリは、図17に示す構成と同様に、フラッシュメモリのパイプライン化されたメモリアレイブロックに直接接続されている必要がある。フラッシュメモリの出力バッファからの出力がMMキャッシュメモリに直接入力されるならば、図18に示す計算機システムと同様の構成をフラッシュメモリによって構成できる。即ち、DRAM以外のランダムアクセス可能メモリによって、図18に示す計算機システムと同様の構成を実現することができる。
このように、本発明は、上記の説明で詳述してない様々な実施形態、変形例など含むことは勿論である。従って、本発明の技術的範囲は、以下の特許請求の範囲の記載に規定される。