JP2020517277A - 方法 - Google Patents
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Abstract
1又は2以上の目的の揮発性化合物をタバコ材料から抽出する方法であって、i)タバコ材料を用意するステップ、ii)タバコ材料を水蒸気蒸留にかけるステップ、及びiii)1又は2以上の目的の揮発性化合物を、タバコ材料から溶媒で抽出するステップを含み、蒸留ステップ(ii)及び抽出ステップ(iii)が、同時にかつ2以下のpHで実施され、蒸留ステップ(ii)及び抽出ステップ(iii)の両方が実施される時間が、約8時間〜約20時間である、前記方法が提供される。
Description
本発明は、1又は2以上の目的の揮発性化合物をタバコ材料から抽出する方法、前記方法によって得ることができる又は得られるタバコ抽出物、前記タバコ抽出物を含むタバコ製品、前記タバコ製品を調製する方法、及び前記タバコ抽出物の使用に関する。
紙巻きタバコなどの一般的な喫煙物品は、実質的に円柱状のロッド形状構造を有し、包み紙によって囲まれた、(例えば、切断フィラーの形態の)タバコなどの喫煙可能材料のカラムを含み、それによっていわゆる「タバコロッド」を形成している。通常、紙巻きタバコは、タバコロッドと端部同士が揃えられた円柱状フィルター要素を有し、フィルター要素は、チップペーパーとして公知の周囲を囲む包装材料を使用してタバコロッドの一方の端部に取り付けられている。紙巻きタバコは、紙巻きタバコの一方の端部に点火し、タバコロッドを燃焼することによって、喫煙者に用いられる。次いで、喫煙者は、紙巻きタバコの反対側の端部(例えば、フィルター端部)を引くことによって、彼/彼女の口に主流煙を受ける。
新しい喫煙物品も、新世代製品として設計され、市場に出始めている。これらは、3つの主なグループに分類することができ、「電子タバコ物品」と呼ばれることがある:
1.電子デバイス、
2.加熱デバイス、及び
3.ハイブリッドデバイス。
1.電子デバイス、
2.加熱デバイス、及び
3.ハイブリッドデバイス。
ハイブリッドデバイスは、電子及び加熱デバイスの組合せである。
何年もの間、タバコ製品において利用されるタバコ材料の全体的な特徴又は性質を変えるための様々な処理方法及び添加剤が提案されてきた。例えば、添加剤又は処理方法は、紙巻きタバコにおけるタバコ材料の化学若しくは知覚(sensory)特性を変えるために、又は喫煙若しくは電子タバコ材料の場合、タバコ材料を含む喫煙/電子タバコ物品によって生じる主流煙/エアロゾルの化学若しくは知覚特性を変えるために利用されている。
知覚特性は、例えば、香味材料を、紙巻きタバコ又は喫煙/電子タバコ物品の様々な構成成分に組み込むことによって強化することができる。例示的な香味添加剤には、メントール並びにメイラード反応の生成物、例えば、ピラジン、アミノ糖及びアマドリ化合物(Amadori compounds)が含まれる。
しかしながら、当技術分野において、タバコ製品(これには、喫煙及び/又は電子タバコ製品が含まれ得る)に添加して所望の知覚特徴を導入するのに適切な組成物へのニーズがなお存在する。特に、そのような組成物の効率的な抽出及び単離のための方法が提供されることが望ましいと考えられる。
本明細書に記載の一部の実施形態によると、1又は2以上の目的の揮発性化合物をタバコ材料から抽出する方法であって、
i)タバコ材料を用意するステップ、
ii)タバコ材料を水蒸気蒸留にかけるステップ、及び
iii)1又は2以上の目的の揮発性化合物を、タバコ材料から溶媒で抽出するステップ
を含み、蒸留ステップ(ii)及び抽出ステップ(iii)が、同時にかつ2以下のpHで実施され、蒸留ステップ(ii)及び抽出ステップ(iii)の両方が実施される時間が、約8時間〜約20時間である、方法が提供される。
i)タバコ材料を用意するステップ、
ii)タバコ材料を水蒸気蒸留にかけるステップ、及び
iii)1又は2以上の目的の揮発性化合物を、タバコ材料から溶媒で抽出するステップ
を含み、蒸留ステップ(ii)及び抽出ステップ(iii)が、同時にかつ2以下のpHで実施され、蒸留ステップ(ii)及び抽出ステップ(iii)の両方が実施される時間が、約8時間〜約20時間である、方法が提供される。
本明細書に記載の一部の実施形態によると、本明細書に定義される通りの方法によって得ることができる又は得られるタバコ抽出物であって、タバコ抽出物の少なくとも約75重量%の量の1又は2以上の目的の揮発性化合物を含む、タバコ抽出物が提供される。
本明細書に記載の一部の実施形態によると、本明細書に定義される通りのタバコ抽出物を含むタバコ製品が提供される。
本明細書に記載の一部の実施形態によると、本明細書に定義される通りのタバコ製品を調製する方法であって、
(a)本明細書に定義される通りの方法に従って、タバコ抽出物を調製するステップ、並びに
(b)タバコ抽出物をタバコ製品と直接組み合わせるステップ、及び/又はタバコ抽出物を再構成したタバコと組み合わせ、再構成したタバコをタバコ製品と組み合わせてよいステップ
を含む、方法が提供される。
(a)本明細書に定義される通りの方法に従って、タバコ抽出物を調製するステップ、並びに
(b)タバコ抽出物をタバコ製品と直接組み合わせるステップ、及び/又はタバコ抽出物を再構成したタバコと組み合わせ、再構成したタバコをタバコ製品と組み合わせてよいステップ
を含む、方法が提供される。
本明細書に記載の一部の実施形態によると、タバコ製品の知覚特性を改善するための、本明細書に定義される通りのタバコ抽出物の使用が提供される。
本発明の実施形態を、添付の図面を参照して、例としてのみ記載する。
同時蒸留−抽出のためのLikens-Nickerson装置を示す図である。
溶媒が水よりも密度が高い場合に有用な同時蒸留−抽出装置を示す図である。
溶媒が水よりも密度が低い場合に有用な、実施例1において使用される同時蒸留−抽出装置を示す図である。
溶媒が水よりも密度が低い場合に有用な、実施例2において使用される同時蒸留−抽出装置を示す図である。
2240gのタバコ試料から化合物を抽出するために拡大した図3の同時蒸留−抽出装置を示す図である。
ピークが3つのグループ:揮発性香味料、半揮発性香味料及びジテルペンに分離したクロマトグラムの例を示す参照図である。この図は、解釈を容易にするためにのみ含まれる。
(a)pH2.0(本発明による)及び(b)pH6.0(本発明の範囲外)で同時蒸留−抽出方法を使用して得られたクロマトグラムを示す図である。
pH6.0(本発明の範囲外)で同時蒸留−抽出方法を使用して得られたクロマトグラムを示す図である。
pH4.0(本発明の範囲外)で同時蒸留−抽出方法を使用して得られたクロマトグラムを示す図である。
pH3.0(本発明の範囲外)で同時蒸留−抽出方法を使用して得られたクロマトグラムを示す図である。
pH2.0(本発明による)で同時蒸留−抽出方法を使用して得られたクロマトグラムを示す図である。
pH0.5(本発明による)で同時蒸留−抽出方法を使用して得られたクロマトグラムを示す図である。
方法
本発明の第1の態様は、1又は2以上の目的の揮発性化合物をタバコ材料から抽出する方法であって、
i)タバコ材料を用意するステップ、
ii)タバコ材料を水蒸気蒸留にかけるステップ、及び
iii)1又は2以上の目的の揮発性化合物を、タバコ材料から溶媒で抽出するステップ
を含み、蒸留ステップ(ii)及び抽出ステップ(iii)が、同時にかつ2以下のpHで実施され、蒸留ステップ(ii)及び抽出ステップ(iii)の両方が実施される時間が、約8時間〜約20時間である、方法を提供する。
本発明の第1の態様は、1又は2以上の目的の揮発性化合物をタバコ材料から抽出する方法であって、
i)タバコ材料を用意するステップ、
ii)タバコ材料を水蒸気蒸留にかけるステップ、及び
iii)1又は2以上の目的の揮発性化合物を、タバコ材料から溶媒で抽出するステップ
を含み、蒸留ステップ(ii)及び抽出ステップ(iii)が、同時にかつ2以下のpHで実施され、蒸留ステップ(ii)及び抽出ステップ(iii)の両方が実施される時間が、約8時間〜約20時間である、方法を提供する。
本明細書で使用される場合、「タバコ材料」という用語は、ニコチアナ属(Nicotiana)種の植物に由来する材料を指す。ニコチアナ属種の植物の選択は制限されず、使用される1又は2以上のタバコの種類は様々であってよい。
一部の実施形態では、タバコ材料は、黄色種又はバージニア、バーレー、日干し、メリーランド、暗色、暗色火力乾燥、暗色空気乾燥、明色空気乾燥、インド空気乾燥、赤色ロシア及びルスティカタバコ、並びにこれらの混合物の他、様々な他の希少又は特別な、緑色又は乾燥タバコから選択される。タバコの風味を変化させ得る任意の他の種類のタバコ処理を介して生成されたタバコ材料、例えば、発酵タバコ又は遺伝子修飾若しくは品種改良技術も本発明の範囲内である。例えば、構成成分、特徴又は特性の生成を増加又は減少させるために、タバコ植物が遺伝子操作又は品種改良され得ることが想起される。
一部の実施形態では、タバコ材料は、Katerini、Prelip、Komotini、Xanthi及びYambolタバコを含むインドクルヌール(lndian Kurnool)及びオリエンタルタバコから選択される日干しタバコである。一部の実施形態では、タバコ材料は、Passanda、Cubano、Jatin及びBezukiタバコから選択される暗色空気乾燥タバコ(dark air cured tobacco)である。一部の実施形態では、タバコ材料は、North Wisconsin及びGalpaoタバコから選択される明色空気乾燥(light air cured tobacco)タバコである。
一部の実施形態では、タバコ材料は、黄色種(flue-cured)、バーレー及びオリエンタルタバコの乾燥又は非乾燥混合物である。
喫煙/電子タバコ又は無煙タバコ製品の調製のために、ニコチアナ属種の植物を乾燥プロセスにかけることがある。ある特定の種類のタバコは、代替的種類の乾燥プロセス、例えば、火力乾燥又は日干しにかけられることがある。必須ではないが好ましくは、乾燥された収穫されたタバコは、熟成される。
タバコは、成長の異なる段階、例えば、植物の芽が出始めるとき、葉ができるとき、又はさらには花が咲き始めるときに収穫することができる。
一部の実施形態では、ニコチアナ属種の植物の少なくとも一部分(例えば、タバコ材料の一部分)は、未成熟形態で用いられる。つまり、一部の実施形態では、植物又は植物の少なくとも一部分は、通常熟した又は成熟したとみなされる段階に達する前に収穫される。
一部の実施形態では、ニコチアナ属種の植物の少なくとも一部分(例えば、タバコ材料の少なくとも一部分)は、成熟形態で用いられる。つまり、一部の実施形態では、植物又はその植物の少なくとも一部分は、その植物(又は植物部分)が、伝統的に熟した、過熟した又は成熟したとみなされる時点に達したときに収穫され、これは、農業従事者によって従来用いられるタバコ収穫技術の使用を通して達成することができる。オリエンタルタバコ及びバーレータバコ植物の両方を収穫することができる。また、バージニアタバコ葉は、葉柄の位置で収穫又は摘み取ることができる。
ニコチアナ属種は、植物に存在する様々な化合物の含有量について選択することができる。例えば、植物は、それらの植物が、比較的多量の、単離することが望まれる1又は2以上の化合物(すなわち、目的の揮発性化合物)を生成することに基づいて選択することができる。ある特定の実施形態では、ニコチアナ属種の植物は、それらの葉表面の化合物が豊富であることから特に育成される。タバコ植物は、温室、成長室又は屋外の畑で栽培するか又は水耕法で栽培することができる。
ニコチアナ属種の植物の様々な部位又は部分が、本明細書に定義される方法において用いられ得る。一部の実施形態では、全植物、又は実質的に全植物が収穫され、そのまま用いられる。本明細書で使用される場合、「実質的に全植物」という用語は、植物の少なくとも90%、例えば植物の少なくとも95%、例えば植物の少なくとも99%が収穫されることを意味する。あるいは、一部の実施形態では、植物の様々な部位又は片が収穫され、収穫後、さらなる使用のために分離される。一部の実施形態では、タバコ材料は、植物の葉、茎、葉柄及びそれらの部位の様々な組合せから選択される。したがって、本発明のタバコ材料は、ニコチアナ属種の植物全体又は植物の任意の部分を含み得る。
一部の実施形態では、タバコ材料はタバコ葉を含む。一部の実施形態では、タバコ材料は、全又は切断タバコ葉であるタバコ葉を含む。一部の実施形態では、タバコ材料は全タバコ葉を含む。一部の実施形態では、タバコ葉は切断タバコ葉を含む。一部の実施形態では、タバコ材料は粉砕タバコである。
一部の実施形態では、タバコ材料は、蒸留及び抽出前に0℃未満で保存される。したがって、一部の実施形態では、タバコ材料は、蒸留ステップ(ii)及び抽出ステップ(iii)が実施される前に冷凍保存される。一部の実施形態では、タバコ材料は、蒸留ステップ(ii)及び抽出ステップ(iii)が実施される前に、冷凍保存され、次いで、およそ室温(約22℃)に達するまで解凍される。
一部の好ましい実施形態では、タバコ材料は、蒸留ステップ(ii)及び抽出ステップ(iii)が実施される前に熱処理を受けない。例えば、一部の実施形態では、タバコ材料は、蒸留ステップ(ii)及び抽出ステップ(iii)が実施される前に、約室温を超える温度に加熱されない。タバコ材料が、蒸留ステップ(ii)及び抽出ステップ(iii)が実施されるのに先立って加熱処理にかけられない場合、蒸留ステップ(ii)及び抽出ステップ(iii)の実施に先立つ抽出物の香味及び風味のために重要な揮発性化合物の喪失が減少し得ることが見出された。
蒸留ステップ(ii)及び抽出ステップ(iii)の同時実施は、一般に、当技術分野において同時蒸留−抽出(SDE,simultaneous distillation-extraction)として公知のプロセスである。SDEは、試料からのある特定の化合物の単離及び抽出ステップを同時に達成することができる技術を提供する。
一般に、SDE法は、ホップ油の分析のための独自デバイスを設計したLikens及びNickersonによって1964年に創出されたことが認知されている。(Likens ST, Nickerson GB, ASBC Proc., 1964, 5; A. Chaintreau, Flavour and Fragrance Journal, 2001, 16: 136-148)。この方法では、水蒸気蒸留及び試料から少量の溶媒への揮発物の抽出プロセスが組み合わせられる。元のLikens-Nickerson法では、図1に示される通りのデバイス1が、ホップ油を分析するために使用された。試料(水溶液又は水中の固体材料のスラリー)が、左アーム2に連結されたフラスコ中、撹拌下で煮沸された。次いで、揮発物は、左アーム2の上部を通して水蒸気蒸留され、同時に、溶媒蒸気が右アーム3の上部を通して蒸留された。蒸気がコールドフィンガー4で凝縮し、抽出プロセスが、冷却器表面5の両方の液体フィルム間で開始した。
SDEは、天然生成物からの揮発性物質の単離における利用が見出されている。この技術では、揮発性化合物が除去されるべき材料は、水蒸気蒸留にかけられ、同時に、蒸留された化合物は溶媒で抽出される。
SDEに使用される典型的な装置を図2に示すが、示されるこの装置は、使用される溶媒が水よりも密度が高い場合にSDE法に有用なものであることに留意されたい。図2に示されるように、装置10は、タバコ試料用のフラスコ11、溶媒用のフラスコ12、水浴13及び試料を加熱するための加熱/撹拌プレート14を含む。装置10は、典型的には、水蒸気蒸留が実施され得るように、タバコ試料を溶媒よりも高温に加熱するための補助加熱コイル15も含み得る。管16a、16bの各々は、約4mmの内径を有する。プロセスの間、蒸気がコールドフィンガー17で凝縮し、抽出プロセスが、冷却器表面18の両方の液体フィルム間で開始し得る。使用される装置により、分割プロセスの後、蒸留された水及び溶媒がそれらのそれぞれのフラスコに戻ることが可能になる。これにより、プロセスの終了時に、ガスクロマトグラフィーなどの技術によって分析する準備のできている抽出物を得ることが可能になる。
一部の実施形態では、蒸留ステップ(ii)及び抽出ステップ(iii)(すなわち、SDE)は、前記ステップが実施される総時間にわたって2以下のpHで実施される。驚くべきことに、SDEプロセスの間、2以下のpHが使用される場合、タバコ材料から抽出される揮発性化合物の量が増加することが本発明者らによって見出された。
一部の実施形態では、溶媒は非極性溶媒である。一部の実施形態では、溶媒は極性溶媒である。本明細書で使用される場合、「極性溶媒」という用語は、15以上の誘電率を有する任意の溶媒を指す。本明細書で使用される場合、「非極性溶媒」という用語は、15未満の誘電率を有する任意の溶媒を指す。
一部の実施形態では、溶媒は、水に非混和性である。
一部の実施形態では、溶媒は有機系溶媒を含む。一部の実施形態では、溶媒は、有機溶媒である。一部の実施形態では、溶媒は非極性有機溶媒である。「有機」という用語は、当業者によって理解される。典型的には、有機溶媒は、炭素を含む溶媒であると考えられる。
一部の実施形態では、溶媒は、水に非混和性である非極性溶媒である。
一部の実施形態では、溶媒は、n−ブタノール、シクロヘキサン、ジクロロメタン、酢酸エチル、ヘプタン、ヘキサン、メチル−t−ブチルエーテル、2−ブタノン、ペンタン、ジイソプロピルエーテル、ジエチルエーテル及びこれらの混合物からなる群から選択される。一部の実施形態では、溶媒は、ペンタン、ジエチルエーテル及びこれらの混合物からなる群から選択される。一部の好ましい実施形態では、溶媒は、ペンタンとジエチルエーテルの混合物である。ペンタンとエーテルの混合物の使用は、この溶媒が非毒性であり、目的の揮発性化合物の抽出を達成した後、エタノールによって容易に置き換えることができるため、好ましい。
一部の実施形態では、溶媒は、ペンタンとジエチルエーテルの混合物であり、ここで溶媒は、ペンタン及びジエチルエーテルを、約10:1〜約1:10、例えば約5:1〜約1:5、例えば約3:1〜約1:3、例えば3:1〜1:1、例えば約3:1〜約2:1、例えば約2:1のペンタン対ジエチルエーテルの重量比で含む。一部の実施形態では、溶媒は、ペンタンとジエチルエーテルの混合物であり、ここで溶媒は、ペンタン及びジエチルエーテルを、約3:1〜約1:1のペンタン対ジエチルエーテルの重量比で含む。一部の実施形態では、溶媒は、ペンタンとジエチルエーテルの混合物であり、ここで溶媒は、ペンタン及びジエチルエーテルを、約2:1のペンタン対ジエチルエーテルの重量比で含む。
一部の実施形態では、蒸留ステップ(ii)及び抽出ステップ(iii)(すなわち、SDE)は、約2以下のpHで実施される。一部の実施形態では、蒸留ステップ(ii)及び抽出ステップ(iii)(すなわち、SDE)は、0.5〜2のpHで実施される。一部の実施形態では、蒸留ステップ(ii)及び抽出ステップ(iii)(すなわち、SDE)は、1〜2のpHで実施される。一部の実施形態では、蒸留ステップ(ii)及び抽出ステップ(iii)(すなわち、SDE)は、約1.6のpHで実施される。
驚くべきことに、2以下のpHが使用される場合、タバコ材料から抽出される揮発性化合物の量が増加することが本発明者らによって見出された。これは、タバコ製品(例えば、喫煙/電子タバコ物品及び/又は無煙タバコ製品)に組み込まれる場合、抽出物から得られる香味がより顕著であり、タバコの香味を特定することが依然として可能であるが、多数の異なる化合物が抽出されるため、一連の他の所望の香りも感じ取ることができるという点で有利である。また驚くべきことに、抽出方法が2以上のpH値で行われる場合、抽出プロセスの終わりに向けて、pH値は増加する傾向があり、したがって加水分解プロセスの効率が低下することが本発明者らによって見出された。約1.6のpHが使用される場合、SDEプロセスの間にpHの増加があったとしても、終了時のpH値は2以下であり、したがって、任意の種類のタバコについてプロセスの効率が改善される。
一部の実施形態では、2以下のpHは、タバコ材料を酸と混合することによって得られる。一部の実施形態では、酸は、塩酸、硫酸及びこれらの混合物から選択することができる。一部の実施形態では、酸は塩酸である。塩酸(HCl,hydrochloric acid)での処理は、最も一般的な加水分解方法である。これは、この試薬が、液体及び気相モードの両方で使用することができるため、その適用が便利なことに起因する。また、塩酸は食品酸味料として国際連合食糧農業機関(FAO,Food and Agriculture Organisation of the United Nations)によって認可されているため、食品産業において多く利用されている。
一部の実施形態では、タバコ材料は、蒸留ステップ(ii)及び抽出ステップ(iii)(すなわち、SDE)が実施される前に、高温(例えば、約50℃〜約80℃)で約1時間以下、酸(例えば、HCl)と混合される。一部の実施形態では、タバコ材料は、蒸留ステップ(ii)及び抽出ステップ(iii)(すなわち、SDE)が実施される前に、高温(例えば、約50℃〜約70℃)で約45分間以下、酸(例えば、HCl)と混合される。一部の実施形態では、タバコ材料は、蒸留ステップ(ii)及び抽出ステップ(iii)(すなわち、SDE)が実施される前に、高温(例えば、およそ60℃)で約30分間以下、酸(例えば、HCl)と混合される。一部の実施形態では、タバコ材料は、蒸留ステップ(ii)及び抽出ステップ(iii)(すなわち、SDE)が実施される前に、およそ60℃の温度で約20分間、酸(例えば、HCl)と混合される。
一部の実施形態では、蒸留ステップ(ii)及び抽出ステップ(iii)の両方(すなわち、SDE)が実施される時間は、約8〜約15時間である。一部の実施形態では、蒸留ステップ(ii)及び抽出ステップ(iii)の両方(すなわち、SDE)が実施される時間は、約8〜約10時間である。一部の実施形態では、蒸留ステップ(ii)及び抽出ステップ(iii)の両方(すなわち、SDE)が実施される時間は、約9時間である。一部の実施形態では、蒸留ステップ(ii)及び抽出ステップ(iii)の両方(すなわち、SDE)が実施される時間は、約8時間である。
当業者であれば認識するように、SDEが実施される典型的な時間は、約5時間である。驚くべきことに、SDEが少なくとも8時間実施される(好ましくは、少なくとも8時間のこの時間にSDEプロセスの単一のステップのみが含まれる)場合、得られた抽出物(又は蒸留物)中の揮発性化合物の濃度が大幅に増加したことが本発明者らによって見出された。これは、タバコ製品(例えば、喫煙/電子タバコ物品及び/又は無煙タバコ製品)に組み込まれる場合、タバコ製品の知覚特性が改善し、抽出物から得られる香味がより顕著になるという点で有利である。
一部の実施形態では、蒸留ステップ(ii)及び抽出ステップ(iii)(すなわち、SDE)は、最高約130℃の温度で実施される。
一部の実施形態では、蒸留ステップ(ii)は、約100℃〜約130℃、例えば約105℃〜約125℃、例えば約110℃〜約125℃、例えば約115℃〜約125℃、例えば約120℃〜122℃、例えばおよそ121℃の温度で実施される。
一部の実施形態では、抽出ステップ(iii)は、約50℃〜約100℃、例えば約60℃〜約95℃、例えば約70℃〜約90℃、例えば約75℃〜約90℃、例えば約80℃〜90℃、例えば約85℃〜約90℃の温度で実施される。
一部の実施形態では、蒸留ステップ(ii)及び抽出ステップ(iii)(すなわち、SDE)は、大気圧で実施される。
一部の実施形態では、蒸留ステップ(ii)及び抽出ステップ(iii)は、単一ステップで同時に実施される。したがって、一部の実施形態では、本明細書に記載のSDE法は、単一のステップのみで実施される。一部の実施形態では、さらなる蒸留及び/又は抽出ステップは除外される。一部の実施形態では、SDE法全体(すなわち、蒸留ステップ(ii)及び抽出ステップ(iii))は、装置からの抽出生成物の取り出しに先立つさらなる加工なしに、1台の装置において同時に実施される。
一部の実施形態では、タバコ材料から抽出される1又は2以上の目的の揮発性化合物は、糖、糖エステル、アミノ酸、ベータ−カロテン、ビオラキサンチン(violaxanthin)、ルテイン、ネオキサンチン(neoxanthin)、フィトール、ラブダノイド(labdanoid)、センブラノイド(cembranoids)、ポリフェノール、リグニン及びこれらの混合物からなる群から選択される。
一部の実施形態では、タバコ材料から抽出される1又は2以上の目的の揮発性化合物は、メチルブタノール、ベンジルアルコール、フェニルエタノール、メトキシビニルフェノール、ビニルフェノール、ヒドロキシダマスコン、フルフラール、ヒドロキシメチルフルフラール、フラネオール、シクロテン、ジメチルピラジン、トリメチルピラジン、テトラメチルピラジン、ヒドロキシメチル(メチル)ピラジン、イソホロン、ケトイソホロン、サフラナール、イオノン(iononas)、ダマセノン、ベータ−ダマセノン、メガスティグマトリエノン(megastigmatrienone)、ベータ−ダマスコン、ベータ−イオノン、2,6−ノナジエナール、2−ノネナール、リナロール、リナロールオキシド、ゲラニルアセトン、ファルネシルアセトン、メチルヘプタジエノン、ソラノン、ソラナスコン、ノルアンブレノリド(norambrenolide)、アンブロキシド、スクラレオリド、イソ酪酸、イソ吉草酸、3−メチル吉草酸、ヘプタン酸、安息香酸、フェニル酢酸、オルト、パラ−クレゾール、メチオナール、グアヤコール、ビニルフェノール、エチルグアヤコール、ビニルグアヤコール、オイゲノール、バニリン及びこれらの混合物からなる群から選択される。
一部の実施形態では、タバコ材料から抽出される1又は2以上の目的の揮発性化合物は、少なくとも1種のタバコ変種の特徴的風味又は香味を決める。
一部の実施形態では、タバコ材料から得られた抽出物は、アルカノイド及び/又はタバコ特異的ニトロソアミン(TSNA,tobacco-specific nitrosamine)を実質的に含まない。一部の実施形態では、タバコ材料から得られた抽出物は、ニコチン及び/又はTSNAを実質的に含まない。
本明細書で使用される場合、「アルカノイドを実質的に含まない」とは、抽出物が、約15重量%未満のアルカノイド(例えばニコチン)、例えば約10重量%未満のアルカノイド(例えばニコチン)、例えば約5重量%未満のアルカノイド(例えばニコチン)、例えば約2重量%未満のアルカノイド(例えばニコチン)、例えば約1重量%未満のアルカノイド(例えばニコチン)、例えば約0.5重量%未満のアルカノイド(例えばニコチン)、例えば約0.1重量%未満のアルカノイド(例えばニコチン)を含むことを意味する。一部の実施形態では、タバコ材料から得られた抽出物は、約1重量%のアルカノイド(例えばニコチン)を含む。
理論に縛られることを望むことなく、2以下のpHの使用により、タバコ材料中に存在するニコチンが塩酸(HCl)と反応して、水溶性塩であるニコチン塩酸塩を形成することが可能になる。この塩は、本発明の方法の間に抽出されない。
本明細書で使用される場合、「TSNAを実質的に含まない」とは、抽出物が、約15重量%未満のTSNA、例えば、約10重量%未満のTSNA、例えば約5重量%未満のTSNA、例えば約2重量%未満のTSNA、例えば約1重量%未満のTSNA、例えば約0.5重量%未満のTSNA、例えば約0.1重量%未満のTSNAを含むことを意味する。一部の実施形態では、タバコ材料から得られた抽出物は、約1重量%未満のTSNAを含む。
一部の実施形態では、抽出生成物のさらなる加工を、蒸留ステップ(ii)及び抽出ステップ(iii)(すなわち、SDE)が実施された後に実施することができる。このさらなる加工は、SDE法自体のさらなるステップであるとはみなされず、むしろ、SDE法から得られた蒸留物に対するさらなる加工ステップとみなされることに留意されたい。
さらなる加工の方法は、いくつかの方法で実施することができる。さらなる加工の方法は、抽出物中に存在する化合物及び/又は抽出に使用される溶媒の種類に依存し得る。例えば、一部の実施形態では、有機非極性溶媒(例えば、ペンタン、ジエチルエーテル又はこれらの混合物)を使用して水蒸気蒸留タバコ材料から1又は2以上の化合物を抽出する場合、蒸留材料と接触した後、溶媒は単純にろ過又は乾燥されて粒状タバコ材料及び溶媒が取り出され得、ろ液は濃縮され得る。
一部の実施形態では、抽出生成物のさらなる加工が実施され、さらなる加工は、抽出に使用された溶媒をタバコ製品における使用に適切な別の溶媒で置き換えることを含む精製ステップを含む。一部の実施形態では、そのような精製ステップは、抽出に使用された溶媒(例えば、ペンタン、ジエチルエーテル又はこれらの混合物、好ましくは、ペンタン:ジエチルエーテルの2:1混合物)をエタノールで置き換えることを含む。溶媒のエタノールでの置き換えは、タバコ製品における使用のために望ましい。
一部の実施形態では、抽出生成物のさらなる加工が実施され、さらなる加工は、単離化合物又はこれらの化合物の混合物を、この/これらの化合物の化学変換をもたらす条件にかけることを含む。例えば、ニコチアナ属種の植物又はこれらの植物の一部分から得られたタバコ材料及びまた単離化合物を含有する抽出物は、化学変換を引き起こすために処理され得る、及び/又は他の成分と混合され得る。タバコ材料、抽出物又は単離化合物の化学変換又は修飾は、タバコ材料、抽出物又は単離化合物のある特定の化学及び物理特性の変化をもたらし得る(例えば、その知覚特性)。化学変性プロセスの例には、酸/塩基反応、加水分解、酸化、加熱及び/又は酵素処理が含まれる。これらのプロセスの結果として、化合物は様々な分解反応を受ける。
一部の実施形態では、タバコ材料から抽出される1又は2以上の目的の揮発性化合物は、糖、糖エステル、アミノ酸、ベータ−カロテン、ビオラキサンチン、ルテイン、ネオキサンチン、フィトール、ラブダノイド、センブラノイド、ポリフェノール及びリグニン、並びにこれらの混合物からなる群から選択される分解生成物である。一部の実施形態では、そのような分解生成物はさらに処理されて、メチルブタノール、ベンジルアルコール、フェニルエタノール、メトキシビニルフェノール、ビニルフェノール、ヒドロキシダマスコン、フルフラール、ヒドロキシメチルフルフラール、フラネオール、シクロテン、ジメチルピラジン、トリメチルピラジン、テトラメチルピラジン、ヒドロキシメチル(メチル)ピラジン、イソホロン、ケトイソホロン、サフラナール、イオノン、ベータ−ダマセノン、メガスティグマトリエノン、ベータ−ダマスコン、ベータ−イオノン、2,6−ノナジエナール、2−ノネナール、リナロール、リナロールオキシド、ゲラニルアセトン、ファルネシルアセトン、メチルヘプタジエノン、ソラノン、ソラナスコン、ノルアンブレノリド、アンブロキシド、スクラレオリド、イソ酪酸、イソ吉草酸、3−メチル吉草酸、ヘプタン酸、安息香酸、フェニル酢酸、オルト−クレゾール、パラ−クレゾール、メチオナール、グアヤコール、ビニルフェノール、エチルグアヤコール、ビニルグアヤコール、オイゲノール及びバニリンからなる群から選択される様々な香味化合物をもたらし得る。
本明細書で使用される場合、「分解生成物」は、本発明に従って抽出及び/又は分解された化合物から生成される任意の化合物である。分解生成物は、そのような化合物から自然に形成され得るか、又は加速分解プロセス(例えば、化合物の分解を加速するために熱及び/又は化学物質を加えることによる)によって生成され得る。これらの化合物は、例えば、酸化及び/又は加水分解反応(例えば、塩酸又は他の酸剤による処理を通して)によって分解することができる。
一部の実施形態では、残留タバコ材料が、本明細書に記載の抽出方法から生じた廃棄材料中に存在する。一部の実施形態では、本明細書に記載の抽出方法から生じた廃棄材料は、再構成タバコ又はブリケット(briquette)製造のための原材料として使用され得る。
タバコ抽出物
本発明の第2の態様は、上記の通りの方法によって得ることができる又は得られるタバコ抽出物であって、タバコ抽出物の少なくとも約75重量%の量の1又は2以上の目的の揮発性化合物を含む、タバコ抽出物を提供する。
本発明の第2の態様は、上記の通りの方法によって得ることができる又は得られるタバコ抽出物であって、タバコ抽出物の少なくとも約75重量%の量の1又は2以上の目的の揮発性化合物を含む、タバコ抽出物を提供する。
一部の実施形態では、タバコ抽出物は、
i)タバコ材料を用意するステップ、
ii)タバコ材料を水蒸気蒸留にかけるステップ、及び
iii)1又は2以上の目的の揮発性化合物を、タバコ材料から溶媒で抽出するステップ
を含み、蒸留ステップ(ii)及び抽出ステップ(iii)が、同時にかつ2以下のpHで実施され、蒸留ステップ(ii)及び抽出ステップ(iii)の両方が実施される時間は、約8時間〜約20時間であり、タバコ抽出物が、タバコ抽出物の少なくとも約75重量%の量の1又は2以上の目的の揮発性化合物を含む、方法によって得ることができる又は得られる。
i)タバコ材料を用意するステップ、
ii)タバコ材料を水蒸気蒸留にかけるステップ、及び
iii)1又は2以上の目的の揮発性化合物を、タバコ材料から溶媒で抽出するステップ
を含み、蒸留ステップ(ii)及び抽出ステップ(iii)が、同時にかつ2以下のpHで実施され、蒸留ステップ(ii)及び抽出ステップ(iii)の両方が実施される時間は、約8時間〜約20時間であり、タバコ抽出物が、タバコ抽出物の少なくとも約75重量%の量の1又は2以上の目的の揮発性化合物を含む、方法によって得ることができる又は得られる。
一部の実施形態では、タバコ抽出物は、上記の実施形態のいずれか1つに定義される通りの方法によって得ることができる又は得られる。
一部の実施形態では、タバコ抽出物は、タバコ抽出物の少なくとも約80重量%の量、例えばタバコ抽出物の少なくとも約85重量%の量、例えばタバコ抽出物の少なくとも約90重量%の量、例えばタバコ抽出物の少なくとも約95重量%の量、例えばタバコ抽出物の少なくとも約97重量%の量の1又は2以上の目的の揮発性化合物を含む。
一部の実施形態では、タバコ抽出物は、タバコ抽出物の少なくとも約95重量%の量の1又は2以上の目的の揮発性化合物を含む。
一部の実施形態では、タバコ抽出物中の1又は2以上の目的の揮発性化合物は、糖、糖エステル、アミノ酸、ベータ−カロテン、ビオラキサンチン、ルテイン、ネオキサンチン、フィトール、ラブダノイド、センブラノイド、ポリフェノール、リグニン及びこれらの混合物からなる群から選択される。
一部の実施形態では、タバコ抽出物中の1又は2以上の目的の揮発性化合物は、メチルブタノール、ベンジルアルコール、フェニルエタノール、メトキシビニルフェノール、ビニルフェノール、ヒドロキシダマスコン、フルフラール、ヒドロキシメチルフルフラール、フラネオール、シクロテン、ジメチルピラジン、トリメチルピラジン、テトラメチルピラジン、ヒドロキシメチル(メチル)ピラジン、イソホロン、ケトイソホロン、サフラナール、イオノン、ダマセノン、ベータ−ダマセノン、メガスティグマトリエノン、ベータ−ダマスコン、ベータ−イオノン、2,6−ノナジエナール、2−ノネナール、リナロール、リナロールオキシド、ゲラニルアセトン、ファルネシルアセトン、メチルヘプタジエノン、ソラノン、ソラナスコン、ノルアンブレノリド、アンブロキシド、スクラレオリド、イソ酪酸、イソ吉草酸、3−メチル吉草酸、ヘプタン酸、安息香酸、フェニル酢酸、オルト、パラ−クレゾール、メチオナール、グアヤコール、ビニルフェノール、エチルグアヤコール、ビニルグアヤコール、オイゲノール、バニリン及びこれらの混合物からなる群から選択される。
一部の実施形態では、タバコ抽出物は、アルカノイド及び/又はタバコ特異的ニトロソアミン(TSNA)を実質的に含まない。一部の実施形態では、タバコ抽出物は、ニコチン及び/又はTNSAを実質的に含まない。
本明細書で使用される場合、「アルカノイドを実質的に含まない」とは、タバコ抽出物が、約15重量%未満のアルカノイド(例えばニコチン)、例えば、約10重量%未満のアルカノイド(例えばニコチン)、例えば約5重量%未満のアルカノイド(例えばニコチン)、例えば約2重量%未満のアルカノイド(例えばニコチン)、例えば約1重量%未満のアルカノイド(例えばニコチン)、例えば約0.5重量%未満のアルカノイド(例えばニコチン)、例えば約0.1重量%未満のアルカノイド(例えばニコチン)を含むことを意味する。一部の実施形態では、タバコ抽出物は、約1重量%未満のアルカノイド(例えばニコチン)を含む。
本明細書で使用される場合、「TSNAを実質的に含まない」とは、タバコ抽出物が、約15重量%未満のTSNA、例えば、約10重量%未満のTSNA、例えば約5重量%未満のTSNA、例えば約2重量%未満のTSNA、例えば約1重量%未満のTSNA、例えば約0.5重量%未満のTSNA、例えば約0.1重量%未満のTSNAを含むことを意味する。一部の実施形態では、タバコ抽出物は、約1重量%未満のTSNAを含む。
タバコ製品
本発明の第3の態様は、上で定義される通りのタバコ抽出物を含むタバコ製品を提供する。
本発明の第3の態様は、上で定義される通りのタバコ抽出物を含むタバコ製品を提供する。
一部の実施形態では、タバコ製品は、喫煙/電子タバコ物品又は無煙タバコ製品、電子デバイス、加熱デバイス又はその両方のハイブリッド、紙巻きタバコ、葉巻又は無煙噛みタバコ製品である。
一部の実施形態では、タバコ製品は、喫煙/電子タバコ物品又は無煙タバコ製品である。一部の実施形態では、タバコ製品は、紙巻きタバコ、葉巻、又は無煙噛みタバコ製品である。
タバコ抽出物は、様々な方法で、タバコ製品の構成成分として用いることができる。タバコ抽出物は、加工タバコの構成成分として用いることができる。一部の実施形態では、タバコ抽出物は、タバコストリップへの又は上面仕上げ配合物内への適用のための香味料又は外装配合物において用いることができる。あるいは、タバコ抽出物は、再構成タバコ材料の成分として用いることができる。タバコ抽出物は、紙巻きタバコ製造プロセスの間に、紙巻きタバコのフィルター(例えば、フィルタープラグ、プラグラップ又はチップペーパー)に組み込まれ得、又は紙巻きタバコラップ紙に、好ましくは内部表面上に組み込まれ得る。
一部の実施形態では、タバコ抽出物は、香味剤、外装(casing)若しくはこれらの組合せの形態で、又はタバコ抽出物を含む再構成タバコの形態で、タバコ製品に含まれる。
一部の実施形態では、タバコ製品は、電子デバイス、加熱デバイス又はその両方のハイブリッドである。そのような実施形態では、タバコ抽出物の適用は、それらの技術のそれぞれの特徴に適合され得る。例えば、一部の実施形態では、タバコ製品は、タバコ抽出物を含む吸入可能な液体を含有する電子デバイス(例えば、電子シガレット)である。一部の実施形態では、タバコ製品は、タバコ抽出物を含むタバコ、フィルター又は使い捨て紙を含む加熱デバイスである。
タバコ製品の量は、タバコ抽出物の所望の機能、抽出物の化学組成及び抽出物が添加されるタバコ製品の種類に応じた任意の適切な量のタバコ抽出物を含み得る。一部の実施形態では、タバコ製品は、抽出物が添加されるタバコ製品の総乾燥重量に対してタバコ製品の約0.0001%〜約15%の量のタバコ抽出物を含む。一部の実施形態では、タバコ製品は、抽出物が添加されるタバコ製品の総乾燥重量に対してタバコ製品の約0.01重量%〜約10重量%の量のタバコ抽出物を含む。一部の実施形態では、タバコ製品は、抽出物が添加されるタバコ製品の総乾燥重量に対してタバコ製品の約0.1重量%〜約5重量%の量のタバコ抽出物を含む。
タバコ製品を調製する方法
本発明の第4の態様は、本明細書に記載の通りのタバコ製品を調製する方法であって、
(a)本明細書に記載の通りの方法に従って、タバコ抽出物を調製するステップ、並びに
(b)タバコ抽出物をタバコ製品と直接組み合わせるステップ、及び/又はタバコ抽出物を再構成したタバコと組み合わせ、再構成したタバコをタバコ製品と合わせてよいステップ
を含む、方法を提供する。
本発明の第4の態様は、本明細書に記載の通りのタバコ製品を調製する方法であって、
(a)本明細書に記載の通りの方法に従って、タバコ抽出物を調製するステップ、並びに
(b)タバコ抽出物をタバコ製品と直接組み合わせるステップ、及び/又はタバコ抽出物を再構成したタバコと組み合わせ、再構成したタバコをタバコ製品と合わせてよいステップ
を含む、方法を提供する。
一部の実施形態では、タバコ製品を調製する方法は、
(a)本明細書に記載の通りの方法に従って、タバコ抽出物を調製するステップ、及び
(b)タバコ抽出物をタバコ製品と直接組み合わせるステップ
を含む。
(a)本明細書に記載の通りの方法に従って、タバコ抽出物を調製するステップ、及び
(b)タバコ抽出物をタバコ製品と直接組み合わせるステップ
を含む。
一部の実施形態では、タバコ抽出物は、タバコ抽出物を、液体形態のタバコ製品に添加することによって、タバコ抽出物を外装の形態のタバコ製品に添加することによって又はこれらの組合せによって、タバコ製品と直接合わせられる。
一部の実施形態では、タバコ製品を調製する方法は、
(a)本明細書に記載の通りの方法に従って、タバコ抽出物を調製するステップ、及び
(b)タバコ抽出物を再構成タバコと合わせ、再構成タバコをタバコ製品と組み合わせるステップ
を含む。
(a)本明細書に記載の通りの方法に従って、タバコ抽出物を調製するステップ、及び
(b)タバコ抽出物を再構成タバコと合わせ、再構成タバコをタバコ製品と組み合わせるステップ
を含む。
使用
本発明の第5の態様は、タバコ製品の知覚特性を改善するための、本明細書に記載の通りのタバコ抽出物の使用を提供する。
本発明の第5の態様は、タバコ製品の知覚特性を改善するための、本明細書に記載の通りのタバコ抽出物の使用を提供する。
一部の実施形態では、タバコ製品の知覚特性を改善するための、本明細書に記載の方法によって得られる又は得ることができるタバコ抽出物の使用を提供する。
一部の実施形態では、本明細書に記載のタバコ抽出物は、タバコ製品の香味を強化するために使用される。
[実施例]
[実施例]
本発明による方法を、図3に示される装置を使用して実施した。図3に示される装置は、使用される溶媒が水よりも密度が低い(例えば、ペンタン:ジエチルエーテル(2:1))場合に有用である。図3に示されるように、装置20は、タバコ試料用の100mLフラスコ21、溶媒用の2mLフラスコ22、水浴23及び試料を加熱するための加熱/撹拌プレート24を含む。装置20は、水蒸気蒸留が実施され得るように、タバコ試料を溶媒よりも高温に加熱するための補助加熱コイル25も含む。プロセスの間、蒸気がコールドフィンガー27で凝縮し、抽出プロセスが、冷却器表面28の両方の液体フィルム間で開始した。管26a、26bの各々は、約4mmの内径を有する。
図3に示される装置の2mLフラスコ22に、1mLのペンタン:ジエチルエーテル(2:1)混合物及び軽石の欠片を添加した。100mLフラスコ21中、5gのタバコ(乾燥重量、一部は高品質、他は低品質とみなされる様々なグレードのバーレー及びバージニアタバコをタバコ材料として使用した)、軽石の欠片、再蒸留水及び約1mLの塩酸(HCl 37%)を、タバコと接触する水溶液について所望のpHに達するように添加し、この溶液の体積を40mLに等しくなるように維持した。予備試験により、酸溶液とタバコを混合した後、SDE系において所望のpHを維持することを確実にするために、タバコを約60℃で20分間、酸と接触したままにすべきであることが示された。
次いで、2つのフラスコ21及び22を、装置本体に連結し、再蒸留水及びペンタン:ジエチルエーテル(2:1)を、2種の液がそれらそれぞれのフラスコに戻り始めるまで混合した。
フラスコ21及び22を、それぞれ100及び140℃まで予熱した浴に入れ、フラスコ内のレベルを浴のレベルよりもわずかに上に維持した。フラスコ中の液が沸騰し始めたとき、小さい方の浴の温度は85〜90℃の間、大きい方のフラスコの温度は120〜122℃の間で安定しているかを観察した。SDEプロセスを推奨温度範囲で達成するために、必要な場合、調整を行った。
系を9時間運転し、この間、抽出物を含有するフラスコ内のレベルが一定であるかを観察した。抽出物を含有するフラスコ内の液体のレベルを一定に維持することを確実にするために、必要な場合、さらに少量のペンタン:ジエチルエーテル(2:1)混合物を、系の側面出口を通して添加した。
9時間後、器具を水浴から持ち上げ、抽出物温度が室温と平衡になるまで静置して冷却した。抽出物を、校正用管に移し、体積を、ペンタン:ジエチルエーテル(2:1)混合物により1.5mLに調整した。
ペンタン:ジエチルエーテル溶液のエタノールへの交換
1.5mLの無水エタノール及び軽石の欠片を、抽出物を含有する管に添加した。溶液を、60℃の浴中で最大およそ1.5mLに濃縮した。沸騰が止んだら、管をさらに30分間浴と接触したままにして、ペンタン及びジエチルエーテルの両方が除去されたことを確実にした。こうして、ペンタン:ジエチルエーテル溶媒をエタノール溶媒で置き換え、この時点で抽出物はエタノール溶液中にあった。エタノール中抽出物は、後続の知覚評価のために、紙巻きタバコに直接注入する、紙巻きタバコの調製前にタバコに適用する、又は電子、加熱若しくはハイブリッドデバイスに適用することができた。
1.5mLの無水エタノール及び軽石の欠片を、抽出物を含有する管に添加した。溶液を、60℃の浴中で最大およそ1.5mLに濃縮した。沸騰が止んだら、管をさらに30分間浴と接触したままにして、ペンタン及びジエチルエーテルの両方が除去されたことを確実にした。こうして、ペンタン:ジエチルエーテル溶媒をエタノール溶媒で置き換え、この時点で抽出物はエタノール溶液中にあった。エタノール中抽出物は、後続の知覚評価のために、紙巻きタバコに直接注入する、紙巻きタバコの調製前にタバコに適用する、又は電子、加熱若しくはハイブリッドデバイスに適用することができた。
紙巻きタバコへの1μlの抽出物の添加により、タバコ製品の煙の感覚刺激特性(organoleptic characteristics)を明らかに変えることが可能であったことが見出され、0.5μlでさえも許容可能な添加レベルであるとみなされた。
このレベルの添加が、紙巻きタバコ製造のために使用されることになる3トンのタバコに対して6kgのタバコから得られた抽出物の適用に対応することを考慮すると、抽出物は高度に強力であると結論づけることができる。抽出物はその特徴が変わることなく6カ月間保存することができることが見出されたことから、それらの安定性に関しても同じことが言える。
酸媒体中、SDEによって得られた抽出物は、それらが煙に付与する特徴に起因して、紙巻きタバコの香味料として大きな可能性を提示したことも見出された。また、刺激感覚の減少、幅の増加、及びそれらが、紙巻きタバコに人工的な特徴を付与することなく、緑や土などのタバコの基本の香りを強化することがさらに留意される。さらに、抽出物は、紙巻きタバコの香味料として使用される場合、毒性学的観点から何ら問題を提示しないことが見出された。
上で詳述したのと同じ手法を、カプセル、並びに電子デバイス、加熱デバイス及びハイブリッドデバイスなどのタバコ製品への抽出物の風味性能を評価するために行い、そのような製品における抽出物の使用の可能性を確認した。
より大量のタバコ材料の試料から目的の揮発性化合物を抽出するために、図4に示される通りの装置30を使用した。この実施例では、2240gのタバコ、933mLの塩酸6N(466.5mLのHCl 37%+466.5mLの水)、15Lの水及び100gの軽石(PA,pumice stone)を、加熱マントル上、24L丸底フラスコ31に入れた。混合物を、ガラス棒を用いて注意深く撹拌して、均質な混合物を得た。200mLのペンタン:ジエチルエーテル(2:1)混合物を、5gの軽石とともに小さい方の丸底フラスコ32に入れた。
SDE装置の本体を、鉤爪を用いてフラスコに連結して、系から張力をなくした。フラスコを装置に連結した後、数滴の水を(ピペットを用いて)連結部に入れて密封を補助した。ピペットを用いて、水を装置本体の中心部に添加して、左側アームのレベルを戻りレベル付近まで上昇させた。
ピペットを用いて、ペンタン:ジエチルエーテル(2:1)混合物を、右側アームのレベルが戻りレベルに上昇するまで、壁を通して装置本体にゆっくり添加した。垂直状態の系で戻りレベルが同時に達成されなかった場合、必要に応じて、装置をわずかに傾けた。
冷却器を装置本体に連結し、冷却システムを起動した(市販のエタノール:水 2:1)。
両方の丸底フラスコを加熱した。この加熱は、事前に決定された位置に2つのフラスコが位置する加熱マントルに連結された電圧制御装置を連結することによって達成した。これらの位置により、2つのフラスコ中に含有された液体が乱流なしに沸騰するのに十分な温度が可能になる。
小さい方のフラスコの溶液が還流し始めたら、9時間の蒸留を開始し始めた。この時間を通して、大きい方のフラスコ及び装置の側部アームを、石綿又はアルミニウム箔で覆ったままにした。
系が平衡に達する(2種の液体が、同時に蒸留され、それらのフラスコに戻る)まで、系に注意し続ける必要があった。溶媒層のうちの一方(ペンタン−エーテル又は水)が必要以上に上昇し、反対側のフラスコに移動するようであれば、過剰である溶媒側に系をわずかに傾ける必要があった。
SDEプロセスの間にペンタン−エーテルの体積が減少する場合、冷却器の上部にピペットを用いてさらに添加して、溶液の減少量を元に戻した。
9時間の蒸留時間後、加熱を停止し、沸騰が止むまで系を静置した。沸騰が止んだ後、ペンタン−エーテルを含有するフラスコを取り外し、45mLの無水エタノールをこの混合物に添加した。溶液を、蒸留用の装置中45℃で、さらなる沸騰が観察されなくなるまで、濃縮した。温度をさらに15分間で65℃に上昇させた。これらの15分間の後、加熱を停止し、系を、溶液が室温に達するまで静置して冷却した。次いで、溶液をビーカーに移し、無水エタノールで体積を45mLにした。こうして、この最終溶液は、香味量として使用する準備ができた。
上記の手順は、図4に示される通りの装置で実施したことに留意されたい。図5に示される通りの装置40(これは、実施例1で5gのタバコについて使用した装置の単なる拡大であり、図3に示される)で手順を実施すると、わずかな困難が生じたことが見出された。例えば、それらよりも下の系に入る水が大量であることに起因して、蒸留されたペンタン及びエチルエーテルを装置本体に戻すことが困難であった。
したがって、図4に示される装置を設計し、ここでは、図5に示される装置の上部にある2つの冷却器は、許容可能な速度で、さらなる揮発性化合物の喪失なしに水の蒸留が可能になるように適合した。図4に示される装置は、2240gのタバコから抽出物を得る場合に上記で特定する問題を回避するように設計した。図4に示されるように、蒸留した化合物を含有する水、及び有機溶媒は、独立した冷却器で凝縮し、それらが既に冷却されたときにのみ互いに合わせる。これにより、蒸留されたエチルエーテル及びペンタンが戻るのを邪魔することなく、酸溶液によるタバコの加熱を所望の方法で実施することが可能になる。
比較例1 − SDE法と中性揮発物スキャン(NVS)との比較
SDE及びNVSによって得られた抽出物のクロマトグラムの比較を行った。
SDE及びNVSによって得られた抽出物のクロマトグラムの比較を行った。
NVS法を通して、タバコ中で天然に見出される化合物が単離されること、及びそれらの単離をもたらすプロセスが単純な水蒸気蒸留である場合、SDE抽出物中に存在する実際的にすべての物質が、NVS抽出物中に存在すべきであることを前提とした。抽出物間の比較を実施するために、いくつかのバーリー及びバージニアタバコグレードを評価した。
NVS法におるタバコ分析の手順は以下の通りであった:
1. ソックスレー抽出器(500mlフラスコ、ワットマン33×80mmセルロースカートリッジ)に、300mlのジクロロメタン及び5.0gのタバコを添加した。フラスコを、水浴中、50〜55℃で6.5時間加熱した。抽出時間は、適切であると考えられる場合、16時間に延長することができた。抽出時間を通して、系を不活性雰囲気中に維持し、装置の下部をアルミニウム箔で覆うことによって抽出物の露光を回避した。抽出物を500ml分離漏斗に移し、フラスコを少量のジクロロメタンで洗浄した。体積が300ml未満であった場合、抽出物にさらにジクロロメタンを添加した。
1. ソックスレー抽出器(500mlフラスコ、ワットマン33×80mmセルロースカートリッジ)に、300mlのジクロロメタン及び5.0gのタバコを添加した。フラスコを、水浴中、50〜55℃で6.5時間加熱した。抽出時間は、適切であると考えられる場合、16時間に延長することができた。抽出時間を通して、系を不活性雰囲気中に維持し、装置の下部をアルミニウム箔で覆うことによって抽出物の露光を回避した。抽出物を500ml分離漏斗に移し、フラスコを少量のジクロロメタンで洗浄した。体積が300ml未満であった場合、抽出物にさらにジクロロメタンを添加した。
タバコ抽出に使用した装置中及びステップ4及び6で以下で特定される装置中の不活性雰囲気を創出するために、可撓管を使用して、2.0cmI.D.ガラス管により装置出口を連結し、これを通して、およそ100ml/分の流速で窒素ガスを通過させた。系の暖機運転に先立ち、ガラス管端部を閉じ、装置連結部を半分開放したままにして、窒素ガスを、装置を通して強制的に流した。15分後、ガラス管端部を開き、連結部を適切に調整した。抽出又は蒸留の間に凝集されなかった溶媒が可撓管に蓄積する(したがって、装置に逆流し、次いで、装置を汚染する)のを防ぐために、ガラス管を装置への連結点よりも下に維持し、適切な内径の可撓管を使用し、(必要であれば)装置を改良して可撓管が連結された出口が下り坂の状態になるようにした。
2. 次いで、抽出物を、0.092M Na2HPO4及び0.48M KH2PO4を含有するpH=6.0の緩衝溶液150mlで6回分割した。溶液を15秒間撹拌し、水性相を廃棄するのに先立って5分間静置した。2相の分離の界面が明らかでない場合、有機相の大部分を漏斗から取り出し、これに10mlのジクロロメタンを添加し、再度撹拌し、相間の分離が完了するまで静置した。
3. 分割後、有機相を、50gの無水硫酸ナトリウムを含有する2.5×200mmガラスカラム通して流した。カラムの流速は、およそ5ml/分であった。カラムをジクロロメタンで洗浄した。
4. 溶液を、ステップ1で上記の通りの装置中で濃縮した。フラスコを、水浴中、55〜60℃で加熱し、系全体を、ステップ1で上記の通りの不活性雰囲気中で維持し、その下部を、アルミニウム箔で覆うことによって露光を防いだ。抽出物の体積を、およそ1mlに低減した。残留物を目盛り管に移し、ジクロロメタン中7.5%v/vエタノール溶液で体積を4mlにした。
5. 15cm×15mmI.D.のガラスカラムに100〜200メッシュFlorisil 1.75gをジクロロメタン中7.5%v/vエタノール溶液と一緒に添加した。過剰の溶液を、そのレベルがFlorisilのレベルのすぐ上になるまで除去し、ステップ4で得られた抽出物をこれに適用した。得られた混合物を、カラム調製で使用したものと同一の溶液で溶出し、そこから40mlを収集した。
6. 40mlのジクロロメタンを、収集した溶液に添加し、溶液を、ステップ4で上記の通り、およそ1mlの体積に濃縮した。エタノール中パルミチン酸エチル(内部標準)溶液60μlを添加し、手で撹拌することによって均質化し、濃縮物を目盛り管に移した。溶液を、ジクロロメタンで3mlの体積にした。
7. 次いで、得られた抽出物を、Hewlett-Packardクロマトグラフ、モデル5880Aを以下の条件下で使用してガスクロマトグラフィーによって分析した:
・キャリアガス:H2、20psi;tM120℃、0.70分、スプリット比15:1。
・注入体積:2μl。
・注入技術:Grob, Jr, K. & Neurom, H.P., J. High Resol. Chromat. Chromat. Comm., 15-21, 1979に記載の通りのホットニードル技術により、シリンジに溶媒を充填した後抽出物を吸引し、注入する。
・統合装置:Hewlett-Packard 3356B Laboratory Automation System。
・カラム:25m×0.2mmI.D.、架橋メチルシリコーン;フィルム厚0.50μm、溶融シリカ。
・オーブン温度プロファイル:初期値 − 120℃、初期時間 − 0.00分
○レベル1:
− プログラム速度:1.50℃/分
− 最終値:155℃
− 最終時間:0.00分
○レベル2:
− プログラム速度0.80℃/分
− 最終値:210℃
− 最終時間:0.00分
○レベル3(カラムパージ時間):
− プログラム速度:30.00℃/分
− 最終値:300℃
− 最終時間:35分
・検出器:FID;300℃;H2、30ml/分;空気、300ml/分;窒素/メイクアップ、30ml/分
・射出機:200℃;混合チャンバー型ライナー
・さらなるコマンド(自動的に起動)
○90.00分 − シグナルオフ(レコーダー)
○90.00分 − 射出機温度、275℃
○115.00分 − 射出機温度、200℃
・キャリアガス:H2、20psi;tM120℃、0.70分、スプリット比15:1。
・注入体積:2μl。
・注入技術:Grob, Jr, K. & Neurom, H.P., J. High Resol. Chromat. Chromat. Comm., 15-21, 1979に記載の通りのホットニードル技術により、シリンジに溶媒を充填した後抽出物を吸引し、注入する。
・統合装置:Hewlett-Packard 3356B Laboratory Automation System。
・カラム:25m×0.2mmI.D.、架橋メチルシリコーン;フィルム厚0.50μm、溶融シリカ。
・オーブン温度プロファイル:初期値 − 120℃、初期時間 − 0.00分
○レベル1:
− プログラム速度:1.50℃/分
− 最終値:155℃
− 最終時間:0.00分
○レベル2:
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− 最終値:210℃
− 最終時間:0.00分
○レベル3(カラムパージ時間):
− プログラム速度:30.00℃/分
− 最終値:300℃
− 最終時間:35分
・検出器:FID;300℃;H2、30ml/分;空気、300ml/分;窒素/メイクアップ、30ml/分
・射出機:200℃;混合チャンバー型ライナー
・さらなるコマンド(自動的に起動)
○90.00分 − シグナルオフ(レコーダー)
○90.00分 − 射出機温度、275℃
○115.00分 − 射出機温度、200℃
SDE法を、5.0〜6.0のpHを使用したことを除いて実施例1に記載の方法を使用して実施したが、これは本発明によらない。
表1はこれらの比較のうちの1つから得られた結果を示し、これにより上記の結論が確認される。
SDEによって得られた抽出物中の物質の多くが、NVS抽出物中ではより少量で存在するか又はまったく存在しないかのいずれかであったことが分かる。
メガスティグマトリエノン、ソラノン及びダマセノンなどの表1に示される化合物は、非常に重要な香味料であり、SDE抽出物におけるより大量のそれらの存在は、NVS抽出物によって生じた香味と比較した場合のSDE抽出物によって生じた香味の差異を説明する。
各々の抽出物をタバコ製品に適用する際、溶媒による抽出(すなわちNVS)を通してタバコから単離された抽出物の香味は、本明細書に記載のSDE法の使用を通して単離された抽出物よりもそれほど顕著ではないことが見出された。
これらの結果に基づき、理論に縛られることを望むことなく、SDE系でのタバコの処理において以下のプロセスが起こり得ると考えられる:単純蒸留、水蒸気蒸留及びまた分解/水蒸気蒸留又は分解/単純蒸留。SDEの間にタバコと接触する水溶液のpHは、5.0〜6.0の範囲であるため、及びタバコが約100℃で最大数時間加熱されるために、加水分解、脱水、異性化及び単純熱分解などの分解プロセスが起こり得る。これらのプロセスでは、SDE系で起こる場合、閉鎖系で得られる生成物とは明らかに異なる特徴を有する生成物が生成され得る。
理論に縛られることを望むことなく、閉鎖系では、例えば、最も安定な生成物及びタバコ中に天然に存在するか又はタバコから生成される揮発性物質が化学反応を受ける機会が、最小の揮発性のものと同じくらい多くなる傾向が得られる。SDE系では、揮発性物質は、素早く取り出されるために、それらが変換される機会がより少ない。したがって、比較的不安定な化合物又は分解プロセスの中間体でさえも単離することができる。
比較例2 − pH6.0及びpH2.0で実施したSDEの比較
SDE法において2以下のpHを使用することの利点を実証するために、2.0のpH値及び6.0のpH値を使用してSDEから得られた抽出物を評価し、比較した。
SDE法において2以下のpHを使用することの利点を実証するために、2.0のpH値及び6.0のpH値を使用してSDEから得られた抽出物を評価し、比較した。
実施例1の方法を、タバコ材料としてバージニアタバコを使用し、手順のpHを変化させるために異なる量のHCl(例えば、2未満のpHを達成するために1mLのHCl 37%)を使用することによって、2.0のpH(上記の通り)、及びまた6.0のpHで、実施した。こうして得られた抽出物を、ガスクロマトグラフィーによって分離し、それらのクロマトグラムを比較した。
参照として、例示的なクロマトグラムを図6に示し、これは、クロマトグラムのピークが3つのグループ:揮発性香味料、半揮発性香味料及びジテルペンに分離している。図6は参照のためだけのものであり、本明細書に示されるクロマトグラムのピークの解釈のために使用されることになることに留意されたい。
pH=2.0及びpH=6.0での両方のSDE法から得られたクロマトグラムを、図7(a)及び図7(b)にそれぞれ示す。図7から分かるように、2以下のpHでは、pHで抽出される揮発性化合物の濃度が大幅に増加するため揮発性化合物の形成が非常に好都合になっている。香味の点では、変化も実に顕著である。2つの抽出物を比較すると、2以下のpHで得られた香味は、より顕著であり、タバコの香味を特定することが依然として可能であるが、一連の他の香りも感じ取ることができる。
pH6.0及びpH2.0でのSDEによって得られた抽出物中に存在する様々なピークの相対面積を表2で見ることができ、ここでは、重要であると認識されるいくつかの香味料が示され、それらの多くは、着香タバコ用配合物において利用されている。すべての香味化合物は、2未満のpHでの処理によってそのピークが増加した(すなわち、その濃度がより高かった)。さらに、その構造がまだ決定されていない多くの他の化合物も、pH2.0においてより高濃度で抽出された。
さらに、さらなる実験を実施して、タバコ材料をSDEの直前に酸で処理した場合と比較して、タバコ材料をSDEの数時間前に酸と混合した場合の、pH2.0でのSDE法の実施の効果を決定した。
このさらなる実験では、揮発性物質を除去することなく、約90℃で数時間、タバコを酸溶液で処理した。次いで、酸を中和し、SDEを実施した。こうして得られた抽出物は、タバコをSDEと同時に酸溶液での処理にかけることによって得られた抽出物とは異なる化学組成を示した。例示として、酸媒体中でのSDEによる処理でその形成が増加した化合物のうちの1種であるソラノンの含有量は、SDEの十分先行して酸で処理し、別個にSDEにかけたタバコから得られた抽出物中では減少した。
比較例3 − 異なるpH値の範囲で実施したSDEの比較
SDE法において2以下のpHを使用することの利点をさらに実証するために、pH値の範囲を使用してSDEから得られた抽出物を評価し、比較した。
SDE法において2以下のpHを使用することの利点をさらに実証するために、pH値の範囲を使用してSDEから得られた抽出物を評価し、比較した。
実施例1の方法を、各試料においてタバコ材料としてバージニアタバコを各々使用するある範囲の試料について、手順のpHを変化させるために使用するHClの量を変化させることによって異なるpHで実施した。6.0、4.0、3.0、2.0及び0.5のpH値でのSDEによって得られた抽出物を評価した。こうして得られた抽出物を、ガスクロマトグラフィーによって分離し、それらのクロマトグラムを比較した。
異なるpH値の各々でのSDE法から得られたクロマトグラムを、図8〜12に示す。
図8〜12の各々の比較から分かるように、揮発性化合物の形成は、2以下のpH値で顕著に増加した。
得られた抽出物を、紙巻きタバコ用の香味料としても試験した。2又は0.5のpHでSDEを使用して生成された抽出物について、中でも、非常に低レベルでの添加であっても、それらによって煙に付与される感覚の幅が増加し、刺激感覚が減少し、抽出物生成に使用されるタバコ変種によるタバコの特徴的な香りが増加する。これらの結果に基づき、酸条件下でSDEによって得られたタバコ抽出物は、化学的観点から重要になる機会を有し、例えば、低品質タバコの改善、低タール紙巻きタバコの芳香の増加を可能にし、さらにはカプセルのような新しい技術において、又はさらにはタバコ風味強化剤などの次世代製品において、又はそのような製品の望ましくない感覚特性を単純にマスクするために使用することができると結論づけることができる。
比較例4 − 異なる時間実施したSDEの比較
約8〜約20時間の時間SDE法を実施することの利点を実証するために、ある時間範囲にわたるSDEから得られた抽出物を評価し、比較した。
約8〜約20時間の時間SDE法を実施することの利点を実証するために、ある時間範囲にわたるSDEから得られた抽出物を評価し、比較した。
実施例1に記載のSDE法を実施したが、総時間は実施例1の9時間ではなく5時間とした。当業者であれば認識するであろうように、5時間は、一般に、タバコの分析のためのSDE法における抽出のための標準的な時間であるとみなされる。
5時間のこの時間は、揮発性化合物の定量的除去に十分ではないことが本発明者らによって見出された。対照的に、9時間の時間実施したSDE法では、より高濃度の香味化合物が生成され、したがって、香味の強化がもたらされた。この研究で得られた結果は、酸媒体中でのSDEの時間が、抽出物の化学組成に顕著に影響を及ぼすことを示している。
酸媒体中での長時間(すなわち、少なくとも約8時間)のSDE後に単離された化合物の感覚受容の点での重要性に関して、それらのうちの少なくとも一部は、喫煙/電子タバコ品質に寄与することが可能であることが見出された。
本明細書に記載の様々な実施形態は、特許請求される特徴の理解及び教示を補助するためだけに提示される。これらの実施形態は、実施形態の代表的なサンプルとして提供されるに過ぎず、網羅的及び/又は排他的ではない。本明細書に記載の利点、実施形態、実施例、機能、特徴、構造及び/又は他の態様は、特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲の限定又は特許請求の範囲の等価物に対する限定とはみなされないこと、並びに特許請求される発明の範囲から逸脱することなく他の実施形態が利用され得、修正がなされ得ることが理解されることになる。本発明の様々な実施形態は、本明細書に具体的に記載されるもの以外の開示される要素、構成成分、特徴、部分、ステップ、手段などの適切な組合せを適切に含み得、それらからなり得、又はそれらから本質的になり得る。さらに、本開示は、現在は特許請求されていないが、将来特許請求され得る他の発明を含み得る。
Claims (24)
- 1又は2以上の目的の揮発性化合物をタバコ材料から抽出する方法であって、
i)タバコ材料を用意するステップ、
ii)前記タバコ材料を水蒸気蒸留にかけるステップ、及び
iii)1又は2以上の目的の揮発性化合物を、前記タバコ材料から溶媒で抽出するステップ
を含み、蒸留ステップ(ii)及び抽出ステップ(iii)が、同時にかつ2以下のpHで実施され、前記蒸留ステップ(ii)及び前記抽出ステップ(iii)の両方が実施される時間が、約8時間〜約20時間である、前記方法。 - 蒸留ステップ(ii)及び抽出ステップ(iii)が、前記ステップが実施される総時間にわたって2以下のpHで実施される、請求項1に記載の方法。
- 溶媒が非極性溶媒である、請求項1又は2に記載の方法。
- 溶媒が、水に非混和性である、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
- 溶媒が、n−ブタノール、シクロヘキサン、ジクロロメタン、酢酸エチル、ヘプタン、ヘキサン、メチル−t−ブチルエーテル、2−ブタノン、ペンタン、ジイソプロピルエーテル、ジエチルエーテル、及びペンタンとエチルエーテルの混合物からなる群から選択される、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
- 溶媒が、ペンタンとエチルエーテルの混合物である、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
- 溶媒が、ペンタン及びエチルエーテルを、3:1〜1:1、例えば約2:1のペンタン対エチルエーテルの重量比で含む、請求項6に記載の方法。
- 蒸留ステップ(ii)及び抽出ステップ(iii)が、0.5〜2のpHで実施される、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
- 蒸留ステップ(ii)及び抽出ステップ(iii)が、約1.6のpHで実施される、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
- 蒸留ステップ(ii)及び抽出ステップ(iii)の両方が実施される時間が、約8〜約10時間である、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
- 蒸留ステップ(ii)及び抽出ステップ(iii)の両方が実施される時間が、約9時間である、請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
- 蒸留ステップ(ii)及び抽出ステップ(iii)が、最高約130℃の温度で実施される、請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
- タバコ材料が、蒸留ステップ(ii)及び抽出ステップ(iii)が実施される前に熱処理を受けない、請求項1〜12のいずれかに記載の方法。
- 1又は2以上の目的の揮発性化合物が、糖、糖エステル、アミノ酸、ベータ−カロテン、ビオラキサンチン、ルテイン、ネオキサンチン、フィトール、ラブダノイド、センブラノイド、ポリフェノール、リグニン及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1〜13のいずれかに記載の方法。
- 1又は2以上の目的の揮発性化合物が、メチルブタノール、ベンジルアルコール、フェニルエタノール、メトキシビニルフェノール、ビニルフェノール、ヒドロキシダマスコン、フルフラール、ヒドロキシメチルフルフラール、フラネオール、シクロテン、ジメチルピラジン、トリメチルピラジン、テトラメチルピラジン、ヒドロキシメチル(メチル)ピラジン、イソホロン、ケトイソホロン、サフラナール、イオノン、ダマセノン、ベータ−ダマセノン、メガスティグマトリエノン、ベータ−ダマスコン、ベータ−イオノン、2,6−ノナジエナール、2−ノネナール、リナロール、リナロールオキシド、ゲラニルアセトン、ファルネシルアセトン、メチルヘプタジエノン、ソラノン、ソラナスコン、ノルアンブレノリド、アンブロキシド、スクラレオリド、イソ酪酸、イソ吉草酸、3−メチル吉草酸、ヘプタン酸、安息香酸、フェニル酢酸、オルト、パラ−クレゾール、メチオナール、グアヤコール、ビニルフェノール、エチルグアヤコール、ビニルグアヤコール、オイゲノール、バニリン及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1〜13のいずれかに記載の方法。
- 抽出に使用した溶媒を、タバコ製品における使用に適切な別の溶媒、例えばエタノールで置き換えることを含む精製ステップをさらに含む、請求項1〜15のいずれかに記載の方法。
- 請求項1〜16のいずれかに記載の方法によって得ることができる又は得られるタバコ抽出物であって、前記タバコ抽出物の少なくとも約75重量%の量の1又は2以上の目的の揮発性化合物を含む、前記タバコ抽出物。
- タバコ抽出物の少なくとも約90重量%の量の1又は2以上の目的の揮発性化合物を含む、請求項17に記載のタバコ抽出物。
- タバコ抽出物の少なくとも約95重量%の量の1又は2以上の目的の揮発性化合物を含む、請求項17又は18に記載のタバコ抽出物。
- 請求項17〜19のいずれかに記載のタバコ抽出物を含むタバコ製品。
- タバコ抽出物が、香味剤、外装若しくはこれらの組合せの形態で、又は前記タバコ抽出物を含む再構成タバコの形態で、タバコ製品に含まれる、請求項20に記載のタバコ製品。
- 喫煙物品又は無煙タバコ製品、電子シガレット、加熱デバイス又はその両方のハイブリッド、紙巻きタバコ、葉巻又は無煙噛みタバコ製品である、請求項20又は21に記載のタバコ製品。
- 請求項20〜22のいずれかに記載のタバコ製品を調製する方法であって、
(a)請求項1〜16のいずれかに記載の方法に従って、タバコ抽出物を調製するステップ、並びに
(b)前記タバコ抽出物をタバコ製品と直接組み合わせるステップ、及び/又は前記タバコ抽出物を再構成したタバコと組み合わせ、前記再構成したタバコをタバコ製品と組み合わせてよいステップ
を含む、前記方法。 - タバコ製品の知覚特性を改善するための、請求項17〜19のいずれかに記載のタバコ抽出物の使用。
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