JP2020205377A - インダクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】従来よりも更なる高出力化等が可能なインダクタを提供する。【解決手段】インターリーブ制御方式により制御される電流がそれぞれ流れるコイル30及び31を備えたインダクタTにおいて、コイル30及び31が絶縁性のボビンB1及びB2を介してそれぞれに巻回される二本の第1脚であって、互いに平行で且つそれぞれが柱状の第1脚と、互いに平行で且つそれぞれが柱状である二本の第2脚であって、第1脚と平行な第2脚と、各第1脚の端部と、当該端部に対応した各第2脚それぞれの端部と、を接続する板状の接続部10及び10Cであって、コイル30及び31に流れる電流により発生する磁束を第1脚及び第2脚に通すための接続部10及び10Cと、を備え、各第2脚が、各第1脚それぞれの中心軸と垂直に交わる線分から相互に反対方向に離隔して配置されている。【選択図】図4
Description
本発明は、例えばトランス又はチョークコイルとして用いられるインダクタの技術分野に属する。
電子部品としてのインダクタは、例えばトランス又はチョークコイル或いはフィルタ等、様々な装置に広く用いられている。このようなインダクタに要求される特徴としては、例えば、高出力化、小型化、低雑音化及び低損失化等である。このような特徴を備えるインダクタとして、例えば下記特許文献1に記載されたものがある。下記特許文献1に開示されている発明は、電力損失の減少を可能とし、2相モードで動作する電力変換装置の実現をその課題とし、磁性材料により形成されたコアであって、中央脚と、中央脚と並行に配置された円筒形状からなり且つ巻線が巻回された第1の外側脚と、中央脚を基準として、第1の外側脚と反対の位置に配置された第2の外側脚と、から構成される閉磁路を有するコアを備えた構成とされている。
しかしながら、昨今の上記高出力化等に対する向上の要請を鑑みると、上記特許文献1に開示されているインダクタからの更なる高性能化が望まれる。
そこで本発明は、上記の要請に鑑みて為されたもので、その課題の一例は、従来よりも更なる高出力化等が可能なインダクタを提供することにある。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、インターリーブ制御方式により制御される電流がそれぞれ流れる二つのコイルを備えたインダクタにおいて、前記コイルが絶縁性のボビンを介してそれぞれに巻回された二本の第1脚であって、互いに平行で且つそれぞれが柱状の第1脚と、互いに平行で且つそれぞれが柱状である二本の第2脚であって、前記第1脚と平行な第2脚と、各前記第1脚の端部と、当該端部に対応した各前記第2脚それぞれの端部と、を接続する板状の接続部であって、各前記コイルに流れる前記電流により発生する磁束を前記第1脚及び前記第2脚に通すための接続部と、を備え、各前記第2脚が、各前記第1脚それぞれの中心軸と垂直に交わる線分から相互に反対方向に離隔して配置されている。
請求項1に記載の発明によれば、インターリーブ制御される電流による磁束が通され且つコイルが巻回されない第2脚であって、接続部により各第1脚に接続される二本の第2脚を備え、各第1脚それぞれの中心軸と垂直に交わる線分から離隔して各第2脚が配置されている。よって、上記磁束が第1脚間で相殺されることによる低雑音化と共に、磁束が通る脚としての断面積を大きくしつつ、コイルとして活用できるインダクタ内の空間を拡げることができる。また、磁束の通り道としての脚がインダクタの中央部分にないことで、インダクタとしての小型化が可能となり、インダクタの設置設計上の自由度を向上させることができる。更に、コイルが二本の第1脚にのみ巻回されるので、コイルとしての抵抗値を低減させると共にインダクタとしての発熱量を抑制することができる。
上記の課題を解決するために、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のインダクタにおいて、前記第2脚それぞれの中心軸に垂直な断面の面積である第2脚断面積の当該各第2脚についての合計が、前記第1脚の中心軸に垂直な断面の面積である第1脚断面積のいずれよりも大きいように構成される。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の作用に加えて、第2脚断面積の各第2脚についての合計が、第1脚断面積のいずれよりも大きいので、インダクタとしての動作時におけるコアロスによる発熱を抑制することができる。
上記の課題を解決するために、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のインダクタにおいて、各前記第1脚断面積が同一であり、前記第2脚断面積の合計が前記第1脚断面積の1.2倍以上であるように構成される。
請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明の作用に加えて、各第1脚断面積が同一であり、第2脚断面積の合計が第1脚断面積の1.2倍以上であるので、インダクタとしての用途に合わせて各脚断面積を調整することで、コアロスによる発熱を有効に最小化することができる。
上記の課題を解決するために、請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のインダクタにおいて、前記中心軸の方向に見た前記接続部の平面視外形が略方形であり、前記線分が前記略方形における一の対角線に相当し、各前記第2脚それぞれの中心軸と垂直に交わる線分が前記略方形における他の対角線に相当するように、各前記第1脚及び各前記第2脚が前記接続部に接続されている。
請求項4に記載の発明によれば、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の発明の作用に加えて、接続部の平面視外形が略方形であり、各第1脚それぞれの中心軸と垂直に交わる線分が略方形における一の対角線に相当し、各第2脚それぞれの中心軸と垂直に交わる線分が略方形における他の対角線に相当するように、各第1脚及び各第2脚が接続部に接続されているので、コイルとして活用できるインダクタ内の空間を拡げることができる。
上記の課題を解決するために、請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のインダクタにおいて、各前記第2脚それぞれの各前記第1脚に対向する面に切り欠き部が設けられている。
請求項5に記載の発明によれば、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の発明の作用に加えて、各第2脚それぞれの各第1脚に対向する面に切り欠き部が設けられているので、コイルとして活用できるインダクタ内の空間を更に拡げ、各第1脚におけるコイルの巻数を増やしたり、コイルとして使用する巻線を太くしたりすることができ、これにより高出力のインダクタを実現することができる。
上記の課題を解決するために、請求項6に記載の発明は、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のインダクタにおいて、各前記コイルがそれぞれ巻回される各前記ボビンの形状が相互に同一であり、当該各ボビンに各前記第1脚がそれぞれ通された状態で相互に噛み合う噛合部が当該各ボビンに設けられている。
請求項6に記載の発明によれば、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の発明の作用に加えて、各ボビンが相互に同一形状であり、各第1脚がそれぞれ通された状態で相互に噛み合う噛合部が各ボビンに設けられているので、ボビンを同一形状とすることでインダクタとしての製造コストを低減することができると共に、噛合部により、インダクタとしての強度を向上させつつ小型化することができる。
上記の課題を解決するために、請求項7に記載の発明は、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のインダクタにおいて、前記インターリーブ制御方式による前記電流の制御により、PFC(Power Factor Correction)チョークコイルとして動作するように構成される。
請求項7に記載の発明によれば、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の発明の作用に加えて、インダクタがPFCチョークコイルとして動作するので、インターリーブ制御方式により動作するPFCチョークコイルにおいて、低雑音化、高効率化、小型化、及びコアロスによる発熱を抑制することができる。
上記の課題を解決するために、請求項8に記載の発明は、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のインダクタにおいて、各前記コイルがインバータの出力段に接続されることにより、当該インバータに対するノイズフィルタとして機能するように構成される。
請求項8に記載の発明によれば、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の発明の作用に加えて、各コイルがインバータの出力段に接続されることにより、インダクタが当該インバータに対するノイズフィルタとして機能するので、ノイズフィルタ機能が付加されたインバータにおいて、低雑音化、高効率化、小型化、及びコアロスによる発熱を抑制することができる。
本発明によれば、インターリーブ制御される電流による磁束が通され且つコイルが巻回されない第2脚であって、接続部により各第1脚に接続される二本の第2脚を備え、各第1脚それぞれの中心軸と垂直に交わる線分から離隔して各第2脚が配置されている。
従って、上記磁束が第1脚間で相殺されることによる低雑音化と共に、磁束が通る脚としての断面積を大きくしつつ、コイルとして活用できるインダクタ内の空間を拡げることができ、コイルとしての巻数の増加又はコイルを構成する巻線を太くすることによる高出力化が可能となる。
また、磁束の通り道としての脚がインダクタの中央部分にないことで、インダクタとしての小型化が可能となり、インダクタの設置設計上の自由度を向上させることができる。
更に、コイルが二本の第1脚にのみ巻回されるので、コイルとしての抵抗値を低減させると共にインダクタとしての発熱量を抑制することができる。
次に、本発明に係る実施形態について、図面に基づいて説明する。なお以下に説明する実施形態は、力率改善回路用のチョークコイル及び当該チョークコイルを含む変圧装置に対して本発明を適用した場合の実施形態である。
(I)本発明の原理
初めに、本発明に係る実施形態について具体的に説明する前に、本発明の原理について説明する。なお、本発明に係るコア及びボビン並びにコイルを含む電子部品は、それが用いられる回路又は装置によって、トランスとしての機能を発揮したり、チョークコイルとしての機能を発揮したり、或いはフィルタとしての機能を発揮したりする。よって以下の原理及び実施形態の説明においては、本発明に係る上記トランス及びチョークコイル並びにフィルタを総称して「インダクタ」と称する。
初めに、本発明に係る実施形態について具体的に説明する前に、本発明の原理について説明する。なお、本発明に係るコア及びボビン並びにコイルを含む電子部品は、それが用いられる回路又は装置によって、トランスとしての機能を発揮したり、チョークコイルとしての機能を発揮したり、或いはフィルタとしての機能を発揮したりする。よって以下の原理及び実施形態の説明においては、本発明に係る上記トランス及びチョークコイル並びにフィルタを総称して「インダクタ」と称する。
上述したように、上記特許文献1に開示されているインダクタは、磁性材料により形成されたコアであって、中央脚と、中央脚と並行に配置された円筒形状からなり且つ巻線が巻回された第1の外側脚と、中央脚を基準として、第1の外側脚と反対の位置に配置された第2の外側脚と、から構成される閉磁路を有するコアを備えることにより、電力損失の減少を可能とし、2相モードで動作する電力変換装置を実現している。
これに対し本発明に係るインダクタのコアは、高効率化と、更なる低雑音化及び低損失化並びに小型化を両立すべく、上記特許文献1に開示されている中央脚を互いに平行且つ柱状の二本の脚に分割してインダクタの外縁部に相当する位置に配置すると共に、独立したコイルがそれぞれ巻回され且つ互いに平行で柱状の脚を二本備える。ここで、当該中央脚を分割した二本の脚を、以下それぞれ「第2脚」と称し、コイルが巻回される二本の脚を、以下それぞれ「第1脚」と称する。そして、各第1脚の端部と、当該端部に対応した各第2脚それぞれの端部と、を、各コイルに流れる電流により発生する磁束を第1脚及び第2脚に通す接続部により接続すると共に、各第2脚が、各第1脚それぞれの中心軸と垂直に交わる線分(後述する対角線)から相互に反対方向に離隔して配置されている。
以上の構成を有する本発明に係るインダクタでは、それを構成するコアが上述した構成の第1脚及び第2脚並びに接続部からなることで、高効率化と、更なる低雑音化及び低損失化並びに小型化を実現する。なお第1脚の位置との関係における各第2脚の位置の例としては、第1脚それぞれの中心軸の方向に見た接続部の平面視外形が略方形である場合において、各第1脚が当該略方形における一の対角線上に位置し、各第2脚が当該略方形における他の対角線上の位置に相当する構成が挙げられる。このような本発明に係る第1脚及び第2脚の配置により、相隣接する第1脚と第2脚との間の空間を拡げることができる。そしてこの結果、特に、上記磁束が通る第1脚及び第2脚としての断面積を大きくしつつ、コイルとして活用できるインダクタ内の空間を拡げることができ、コイルとしての巻数の増加又はコイルを構成する巻線を太くすることによる高出力化が可能となる。
(II)実施形態
次に、本発明に係る実施形態について、図1乃至図5を用いて説明する。なお図1は、実施形態に係るコアの構造を示す図である。また図1において、当該コアの背面図は図1(c)に示す正面図と略同一であり、当該コアの左側面図は図1(d)に示す右側面図と略同一であるので、それぞれ記載を省略する。
次に、本発明に係る実施形態について、図1乃至図5を用いて説明する。なお図1は、実施形態に係るコアの構造を示す図である。また図1において、当該コアの背面図は図1(c)に示す正面図と略同一であり、当該コアの左側面図は図1(d)に示す右側面図と略同一であるので、それぞれ記載を省略する。
実施形態に係るインダクタは、いわゆるインターリーブ制御方式により2相モードで駆動されるチョークコイルである。当該チョークコイルとしてのインダクタでは、図1にその構造を例示するコアC1と、当該コアC1と同形状の後述するコアC2と、が、それぞれの脚の端面同士が対向するように、例えば上下に組み合わされて用いられる。なお以下の説明において、実施形態に係るコアC1及びコアC2に共通の事項を説明する場合、これらを纏めて単に「コアC1等」と称する。
ここで、コアC1等のそれぞれを形成する材料は、当該コアC1等が用いられる実施形態に係るインダクタの発振周波数(換言すれば、必要とされるコアC1等の透磁率)に基づいて決定され、より具体的に例えば、フェライト粉末、鉄ダスト、パーマロイモリブデン粉末又はケイ素鋼板等が用いられる。このとき、フェライト粉末は当該インダクタを例えば40キロヘルツ以上の発振周波数で用いる場合に、コアC1等の材料として好適である。また鉄ダスト及びパーマロイモリブデン粉末はそれぞれ、当該インダクタを例えば20キロヘルツ以上の発振周波数で用いる場合に、コアC1等の材料として好適である。このとき、鉄ダストとパーマロイモリブデン粉末との使い分けは、例えば実施形態に係るコアC1等を備えるインダクタの設計上求められる、いわゆるコアロスによる。更にケイ素鋼板は、当該インダクタを例えば20キロヘルツ以下の発信周波数で用いる場合(例えば、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(Insulated Gate Bipolar Transistor(IGBT))と共に用いる場合等)に、コアC1等の材料として好適である。
そして図1にそれぞれ平面図等を示すように、実施形態に係るコアC1は、平板状の接続部10と、それぞれが柱状の第1脚1及び第1脚2並びに第2脚3及び第2脚4と、が一体成形されて形成されている。なお、実施形態に係るコアC2も、図1に示すコアC1と同様の形状を有して一体成形により形成されている。そして後ほど図4を用いて説明するように、上記コアC1等の対応する脚同士(即ち、図1に示す第1脚1及び第1脚2並びに第2脚3及び第2脚4それぞれの端面及びコアC2の対応する第1脚及び第2脚の端面同士)と、が対向するように、コアC1等が例えば上下に組み合わされて、実施形態に係るインダクタに用いられる。
そして、図1に示すコアC1では、第2脚3及び第2脚4の位置が、第1脚1及び第1脚2それぞれの中心軸の位置を結んだ線分を対称軸とした線対称の位置(即ち、当該線分から相互に反対方向に離隔した位置)となるように形成されている。換言すれば、図1(a)又は図1(b)或いは図1(f)に示すように、第2脚3及び第2脚4と、第1脚1及び第1脚2と、が平面視十字型(即ち、接続部10を平面視した場合の二本の対角線上)にそれぞれ位置する。この構成は、後述するコアC2において同様である。なお、実施形態に係るコアC1等における第2脚3及び第2脚4の平面視上の位置(例えば図1(a)参照)は、図1に例示する位置に限られるものではなく、第1脚1及び第1脚2に後述のコイルが必要な巻き数だけ巻回可能な配置であれば、接続部10の範囲における上記平面視十字型のいずれの位置でもよい。
次に、実施形態に係るコアC1の第2脚3及び第2脚4は、それぞれの中心軸に垂直な断面(中心軸に垂直な断面を、以下単に「横断面」と称する。図1(a)参照。)の面積の合計が、第1脚1又は第1脚2のいずれか一方の横断面(図1(a)参照)の面積より大きく形成されている。より具体的には、第2脚3及び第2脚4それぞれの横断面の面積が相互に等しく、且つ、これらの面積の合計が、第1脚1又は第1脚2のいずれか一方の横断面の面積の1.2倍より大きく(より具体的には、例えば1.33倍)構成されている。換言すれば、第2脚3及び第2脚4それぞれの横断面の面積の合計と、第1脚1及び第1脚2それぞれの横断面の面積と、の比が、例えば1.33(第2脚3及び第2脚4それぞれの横断面の面積合計):1(第1脚1の横断面の面積):1(第1脚2の横断面の面積)となっている。
ここで、実施形態に係るコアC1の第2脚3及び第2脚4それぞれの横断面の面積の合計と、第1脚1及び第1脚2それぞれの横断面の面積と、の比が上記とされている理由について説明する。
例えば、本願の出願人らによる特開2016−58513号公報に開示されているコアでは、その中央脚の横断面の面積と、四本の外側脚それぞれの横断面の面積と、の比が、例えば3(中央脚):1:1:1:1(各外側脚)とされており、四本の外側脚それぞれよりも中央脚が太くされている。これは、上記特開2016−58513号公報に開示されているコアを含むトランスを動作させる際の後述する寄生インダクタに起因する発熱(いわゆるコアロス)を抑えるためである。これに対して、実施形態に係るコアC1等では、本発明の原理として上述したように、上記中央脚を二本の第2脚3及び第2脚4に分割すると共に、コイルが巻回される脚を第1脚1及び第2脚2の二本のみとする。そして、当該新たに分割された第2脚3及び第2脚4それぞれの横断面の面積を相互に等しくする場合、特開2016−58513号公報に開示されているコアにおける上記中央脚の横断面の面積と各外側脚それぞれの横断面の面積との比3:1:1:1:1を引用すると、実施形態に係るコアC1等としての二本の第1脚1及び第1脚2それぞれの横断面の面積と、元の中央脚に相当する第2脚3及び第2脚4それぞれの横断面の面積の合計と、の比は、1:1:1.5:1.5となるのである。そして、実施形態に係るコアC1等の第2脚3及び第2脚4それぞれの横断面の面積の合計は、当該コアC1等としての二本の第1脚1及び第1脚2それぞれの横断面の面積に対して、上述した1.5倍の場合の他、1.2倍よりも大きい範囲でも十分に実用的であることが、本発明の発明者らにより考察されている。
次に上述したように、実施形態に係るコアC1等では、横断面の面積として大きくなりがちな中央脚を分割してインダクタの外縁部に相当するコアC1等の位置に配置することで、コアC1等(結果的には実施形態に係るインダクタ自体)の小型化と、磁束が通る脚としての断面積の拡大と、の両立を実現している、またこれに加えて、相隣接する第1脚1と第2脚3及び第2脚4との間の空間、並びに相隣接する第1脚2と第2脚3及び第2脚4との間の空間をそれぞれ拡げることによる、コイルとして活用できるコアC1等(換言すればインダクタ)内の空間の拡大に対応したコイルの巻数の増加又はコイルの巻線を太くすることによる高出力化を実現している。またコイルを二本の第1脚1及び第1脚2のみに巻回する構成とすることで、コイルとしての抵抗値を低減させると共にインダクタ(この場合はチョークコイル)としての発熱量を抑制している。
更に、実施形態に係る第1脚1及び第1脚2の横断面の形状は、後述するようにコイルが巻回されることから、円形又は楕円形或いは方形とされるが、実施形態に係る第2脚3及び第2脚4の横断面の形状は、第2脚3及び第2脚4で相互に同一であれば、その設置位置等の都合により、例えば方形或いは楕円形等、自由に変更可能である。そこで実施形態に係る第2脚3及び第2脚4では、図1に例示するように、第2脚2及び第2脚4それぞれの第1脚1及び第1脚2に対向する面に、切り欠き部3a及び切り欠き部3b並びに切り欠き部4a及び切り欠き部4bが設けられている。これら切り欠き部3a及び切り欠き部3b並びに切り欠き部4a及び切り欠き部4bが設けられていることで、第2脚3及び第2脚4と、第1脚1及び第1脚2と、の間の空間を拡げることができ、よって後述するボビンを介して第1脚1及び第1脚2にコイルを巻回する場合、その巻数を多くしたりコイルに使用する巻線を太くしたりすることで上記高出力化が可能となる。この場合でも、第2脚3及び第2脚4それぞれの横断面の面積の合計は、第1脚1及び第1脚2それぞれの横断面の面積より大きく形成されている。
次に、実施形態に係るインダクタにおいて第1脚1及び第1脚2と、それぞれに巻回されるコイルと、の間に挿入される実施形態に係るボビンの構造について、図2及び図3を用いて説明する。なお、図2は当該ボビンの構造を示す図であり、図3は実施形態に係る二つのボビンを組み合わせた状態を示す図である。また図2において、当該ボビンの背面図は図2(c)に示す正面図と略同一であり、当該ボビンの左側面図は図2(d)に示す右側面図と略同一であるので、それぞれ記載を省略する。
実施形態に係るインダクタでは、図2にその構造を例示するボビンB1と、当該ボビンB1と同一形状の後述するボビンB2と、が、それぞれの後述する噛合部が互い違いに噛み合うように組み合わされて用いられる。このときボビンB1は例えば第1脚1とそれに巻回されるコイルとの間に挿入され、ボビンB2は例えば第1脚2とそれに巻回されるコイルとの間に挿入される。なお以下の説明において、実施形態に係るボビンB1及びボビンB2に共通の事項を説明する場合、これらを纏めて単に「ボビンB1等」と称する。
そして図2にそれぞれ平面図等を示すように、実施形態に係るボビンB1は、その中を第1脚1が通され且つその外周にコイルが巻回される円筒状の胴部25と、当該コイルの位置を規定するフランジ26と、基部20と、ボビンB1とボビンB2とを対向させて噛み合わせるための上記噛合部21と、が一体成形されて形成されている。なお、実施形態に係るボビンB2も、図2に示すボビンB1と同一の形状を有して一体成形により形成されている。またボビンB1等の材料としては、例えばプラスチック等の樹脂が用いられる。そして図3に示すように、ボビンB1の噛合部21とボビンB2の噛合部21とが対向して噛み合うように当該ボビンB1とボビンB2とが組み合わされ、それぞれの胴部25内に第1脚1及び第1脚2が通されると共に、それぞれのフランジ26により位置が規定されつつそれぞれの外周にコイルが巻回されることで、実施形態に係るインダクタに用いられる。
次に、実施形態に係るコアC1等及びボビンB1等を含む実施形態に係るインダクタについて、図4を用いて説明する。なお、図4は実施形態に係るインダクタの構造を示す図である。また図4において、当該インダクタの背面図は図4(c)に示す正面図と略同一であり、当該インダクタの右側面図は図4(d)に示す左側面図と略同一であるので、それぞれ記載を省略する。
実施形態に係るインダクタTにおいて、図1を用いて説明したコアC1と、当該コアC1と同じ形状のコアC2と、は、図4(c)乃至図4(e)に示すように、コアC1の第1脚1及び第1脚2並びに第2脚3及び第2脚4それぞれの端面と、コアC2の第1脚1C及び第1脚2C並びに第2脚3C及び第2脚4Cそれぞれの端面と、が、それぞれ対向するように組み合わされている。このときコアC2は、平板状の接続部10Cと、それぞれが柱状の第1脚1C及び第1脚2C並びに第2脚3C及び第2脚4Cと、が一体成形されて形成されている。
以上の構成を有するコアC1及びコアC2において、対向する第1脚1及び第1脚1Cは、フランジ26が形成された上記ボビンB1の胴部25内に挿入されており、このボビンB1の外周には、コイル30を構成する巻線W1が必要な巻き数だけ巻回されている。また対向する第1脚2及び第1脚2Cは、フランジ26が形成された上記ボビンB2の胴部25内に挿入されており、このボビンB2の外周には、コイル31を構成する巻線W2が必要な巻き数だけ巻回されている。これらの巻線W1及び巻線W2の材質としては、例えば銅が用いられる。そして、巻線W1のインダクタTの外側に向かう両端部は、図示しない外部端子を介してインダクタTの外部に接続されている。また、巻線W2のインダクタTの外側に向かう両端部も、図示しない外部端子を介してインダクタTの外部に接続されている。更に、コイル30における巻線W1の巻き数とコイル31における巻線W2の巻き数は、相互に同一であることが好ましい。そして上述したように、第2脚3(第2脚3C)及び第2脚4(第2脚4C)と、第1脚1(第1脚1C)及び第1脚2(第1脚2C)と、が平面視十字型にそれぞれ位置していることから、相隣接する第1脚1(第1脚1C)と第2脚3(第2脚3C)及び第2脚4(第2脚4C)との間の空間、並びに相隣接する第1脚2(第1脚2C)と第2脚3(第2脚3C)及び第2脚4(第2脚4C)との間の空間をそれぞれ拡げられている。これにより、巻線W1及び巻線W2それぞれの巻数の増加又は巻線W1及び巻線W2自体を太くすることによる高出力化が実現されている。
次に、図1を用いて説明したコアC1等並びに図2及び図3を用いて説明したボビンB1等を含み、図4を用いて説明した構成を有する実施形態に係るインダクタTの応用の第1例として、当該インダクタTを力率改善に用いる実施形態に係る変圧装置について、図5を用いて説明する。なお図5は、当該変圧装置の構成を示す回路図等である。またこの場合の力率改善とは、電源としての力率(power factor)を「1」に近付けることを言い、上記PFCに相当するものである。このような力率改善が必要な理由の一つは、実施形態に係る変圧装置における入力電圧の高調波電流成分が商用電源側に流出することを規制する高調波電流規制の存在にある。この場合の高調波電流成分は、当該変圧装置にスイッチング素子が用いられていることに起因して発生する。そして、一般用の電源部分に実施形態に係る変圧装置を用いる場合、この高調波電流規制を遵守する必要があるのである。
図5(a)に示すように、実施形態に係るインダクタTを用いた変圧装置Sは、等価的な回路図として、定電圧である上記入力電圧Viと、当該インダクタTに含まれる上記コイル30及びコイル31と、ダイオード35及びダイオード36と、PFCコントローラ37と、当該PFCコントローラ37により上記インターリーブ制御方式に基づいたタイミングで相補的に駆動されるスイッチング素子40及びスイッチング素子41と、コンデンサ42と、により構成される。この変圧装置Sは、上記入力電圧Viを出力電圧VOに変圧して取り出すための変圧装置である。
この構成においてPFCコントローラ37は、例えば図5(a)に例示するような、上記インターリーブ制御方式に基づいた相補的な(即ち、移相が相互に180°ずれた)制御信号S1(t)及び制御信号S2(t)を、スイッチング素子41及びスイッチング素子40にそれぞれ出力する。このスイッチング素子41の動作及びダイオード35により、コイル30には駆動電流I1(t)が流れる。また同様に、上記スイッチング素子40の動作及びダイオード36により、コイル31には駆動電流I2(t)が流れる。そしてこれら駆動電流I1(t)及び駆動電流I2(t)によりコンデンサ42が充電されることにより、図5(a)に示す出力電圧VOが得られることになる。
ここで、スイッチング素子41及びスイッチング素子40が駆動されることによって流れる上記駆動電流I1(t)及び駆動電流I2(t)によりコアC1内及びコアC2内に発生する磁束について、図5(b)を用いて簡単に説明する。なお実施形態に係るインダクタTの場合、第2脚3及び第2脚3Cと、第2脚4及び第2脚4Cと、は、磁束の通り道としては等価であるので、図5(b)では、これらを纏めて一本の脚として扱う。
例えば図5(b)に例示するように、第1脚1及び第1脚1C、第1脚2及び第1脚2C並びに第2脚3(第2脚4)及び第2脚3C(第2脚4C)を含むコアC1及びコアC2の断面で見た場合について説明する。
この場合において、スイッチング素子40とスイッチング素子41とが上述したように相互に相補的に駆動されることにより、駆動電流I1(t)がコイル30に流れるタイミングでは、図5(b)に例示する磁束M1及び磁束M2が第2脚3(第2脚4)及び第2脚3C(第2脚4C)並びに第1脚1及び第1脚1Cに形成されるが、一方でこのタイミングではコイル31には駆動電流I2(t)が流れないため、第2脚3(第2脚4)及び第2脚3C(第2脚4C)並びに第1脚2及び第1脚2C内に図5(b)に例示する磁束M1’及び磁束M2’は形成されない。これに対し、駆動電流I2(t)がコイル31に流れるタイミングでは磁束M1’及び磁束M2’が第2脚3(第2脚4)及び第2脚3C(第2脚4C)並びに第1脚2及び第1脚2Cに形成されるが、一方でこのタイミングではコイル30には駆動電流I1(t)が流れないため、第2脚3(第2脚4)及び第2脚3C(第2脚4C)並びに第1脚1及び第1脚1C内に磁束M1及び磁束M2は形成されない。なおこれらの場合、いずれのタイミングでも、第2脚3(第2脚4)及び第2脚3C(第2脚4C)には、磁束M1及び磁束M2、又は磁束M1’及び磁束M2’のいずれか一方が形成されていることになる。
ここで、コイル30に流れる駆動電流I1(t)により磁束M1及び磁束M2が第2脚3(第2脚4)及び第2脚3C(第2脚4C)並びに第1脚1及び第1脚1Cに形成されるタイミングでは、上述した磁束M1’及び磁束M2’は形成されないのが原則である。しかしながら、後述する疎結合された共通のコアC1等では、片側スイッチングがオフの期間での僅かなインダクタ成分である、いわゆる寄生インダクタンスが、第2脚3(第2脚4)及び第2脚3C(第2脚4C)並びに第1脚2及び第1脚2C内に形成される。また同様に、コイル31に流れる駆動電流I2(t)により磁束M1’及び磁束M2’が第2脚3(第2脚4)及び第2脚3C(第2脚4C)並びに第1脚2及び第1脚2Cに形成されるタイミングでは、上述した磁束M1及び磁束M2は形成されないのが原則であるが、上記片側スイッチングがオフの期間での上記寄生インダクタンスが、第2脚3(第2脚4)及び第2脚3C(第2脚4C)並びに第1脚1及び第1脚1C内に形成される。このため上述したように、実施形態に係るコアC1等では、これらの寄生インダクタンスに起因する発熱を抑えるべく、第2脚3及び第2脚3C並びに第2脚4及び第2脚4Cの横断面の面積の合計が、第1脚1及び第1脚1C並びに第1脚2及び第1脚2Cそれぞれの横断面の面積よりも大きく(太く)形成されているのである。
一方、実施形態に係るコアC1等では、第1脚1及び第1脚2と第2脚3及び第2脚4とが一体的に形成されており、また同様に第1脚1C及び第1脚2Cと第2脚3C及び第2脚4Cとが一体的に形成されているため、図5(b)に例示する場合におけるコイル30に流れる駆動電流I1(t)により形成される磁束M1及び磁束M2と、コイル31に流れる駆動電流I2(t)により形成される磁束M1’及び磁束M2’と、の間に、上記疎結合が発生する。そしてこれにより、スイッチング素子40とスイッチング素子41とが相互に相補的に駆動されることに起因して駆動電流I1(t)の流れるタイミングと駆動電流I2(t)の流れるタイミングとが異なっても、例えば図5(b)に例示する磁束M3及び磁束M4が、第1脚1及び第1脚2並びに第1脚1C及び第1脚2C内に形成される。このときの疎結合による磁束を等価的に表すと、図5(a)に破線で例示する寄生インダクタンスLとなる。この寄生インダクタンスLは、上記疎結合された共通のコアC1等に起因した寄生インダクタンスに相当する。そしてこの疎結合により形成される磁束M3及び磁束M4により、結果的にコアC1等内に形成される他の磁束が相殺されることで、インダクタTとしての低雑音化が図られることになる。
次に、上記疎結合により与えられる影響を駆動電流の観点から見た場合について、図6を用いて説明する。なお図6は、実施形態に係る変圧装置S(インターリーブ制御方式PFC回路)の動作時の出力リップル電流波形等を示す図である。この場合のインダクタTは力率改善回路用のチョークコイルである。
上述したように、変圧装置Sの出力段に接続された上記コンデンサ42に対しては、図6(a)に例示するような波形の駆動電流I1(t)と駆動電流I2(t)とが重畳されて流れることになる。ここで、実施形態に係るインダクタTを用いずに上記疎結合が形成されない場合、コンデンサ42における駆動電流全体の変化は、図6(b)に破線で示すような波形となる。これに対して、実施形態に係るインダクタTを用いることで上記疎結合による寄生インダクタンスLが形成される効果により、コンデンサ42における駆動電流に含まれるいわゆるリップルが更に低減され、コンデンサ42に流れる電流は図6(b)に実線で示すようにより平滑化され、この結果、出力電圧VOにおける低雑音化がより促進されることになる。
以上それぞれ説明したように、実施形態に係るコアC1の構造によれば、インターリーブ制御されるコイル30及びコイル31の駆動電流I1(t)及び駆動電流I2(t)により発生する磁束が通され且つコイル30及びコイル31が巻回されない第2脚3(第2脚3C)及び第2脚4(第2脚4C)であって、接続部10(接続部10C)により第1脚1(第1脚1C)及び第1脚2(第1脚2C)に接続される二本の第2脚3(第2脚3C)及び第2脚4(第2脚4C)を備え、第1脚1(第1脚1C)及び第1脚2(第1脚2C)それぞれの中心軸と垂直に交わる線分から離隔して第2脚3(第2脚3C)及び第2脚4(第2脚4C)が配置されている。また、コアC1と共にインダクタTを構成するコアC2も、コアC1と同様の構造を備えている。
よって、上記磁束が第1脚1(第1脚1C)と第1脚2(第1脚2C)との間で相殺されることによる低雑音化と共に、上記磁束が通る脚としての断面積を大きくしつつ、コイル30及びコイル31として活用できるインダクタT内の空間を拡げることができる。これにより、コイル30及びコイル31の巻数を増やしたり、コイル30及びコイル31として使用する巻線W1及び巻線W2を太くしたりすることができ、結果的にインダクタTの高出力化を実現することができる。また、上記磁束の通り道としての中央部分の脚がないことでコアC1又はコアC2(即ちインダクタT)としての小型化が可能となり、インダクタTの設置設計上の自由度を向上させることができる。更に、コイル30及びコイル31が第1脚1(第1脚1C)及び第1脚2(第1脚2C)にそれぞれ巻回されるのみであるので、コイル30及びコイル31としての抵抗値を低減させると共にインダクタTとしての発熱量を抑制することができる。
更にまた、第2脚3(第2脚3C)及び第2脚4(第2脚4C)それぞれの横断面の面積の合計が、第1脚1(第1脚1C)及び第1脚2(第1脚2C)それぞれの横断面の面積のいずれよりも大きいので、インダクタTとしての動作時におけるコアロスによる発熱を抑制することができる。
また、第1脚1(第1脚1C)及び第1脚2(第1脚2C)それぞれの横断面の面積が同一であり、第2脚3(第2脚3C)及び第2脚4(第2脚4C)それぞれの横断面の面積の合計が第1脚1(第1脚1C)及び第1脚2(第1脚2C)それぞれの横断面の面積の1.2倍以上である場合には、インダクタTとしての用途に合わせて各脚の横断面の面積を調整することで、コアロスによる発熱を有効に最小化することができる。
更に、接続部10の平面視外形が略方形であり、第1脚1(第1脚1C)及び第1脚2(第1脚2C)それぞれの中心軸と垂直に交わる線分が略方形における一の対角線に相当し、第2脚3(第2脚3C)及び第2脚4(第2脚4C)それぞれの中心軸と垂直に交わる線分が略方形における他の対角線に相当するように、第1脚1(第1脚1C)及び第1脚2(第1脚2C)並びに第2脚3(第2脚3C)及び第2脚4(第2脚4C)が接続部10(接続部10C)に接続されているので、コイル30又はコイル31として活用できるインダクタT内の空間を拡げることができる。
更にまた、第2脚3(第2脚3C)及び第2脚4(第2脚4C)それぞれの第1脚1(第1脚1C)及び第1脚2(第1脚2C)に対向する面に切り欠き部3a乃至切り欠き部4bがそれぞれ設けられているので、コイル30及びコイル31として活用できるインダクタT内の空間を更に拡げることができる。
また、ボビンB1及びボビンB2が相互に同一形状であり、第1脚1(第1脚1C)及び第1脚2(第1脚2C)がそれぞれ通された状態で相互に噛み合う噛合部21がボビンB1及びボビンB2にそれぞれ設けられているので、インダクタTとしての製造コストを低減することができると共に、噛合部21により、インダクタTとしての強度を向上させつつ小型化することができる。
更に実施形態に係るインダクタTとして、コイル30及びコイル31に対してインターリーブ制御方式により駆動電流I1(t)及び駆動電流I2(t)を流すPFCコントローラ37を更に備えるので、インターリーブ制御方式により動作する例えば力率改善装置において、低雑音化、インダクタT全体としての小型化、及びコアロスによる発熱を抑制することができる。
なお、図4を用いて説明した実施形態に係るインダクタTの応用の第2例としては、当該インダクタTをインバータのノイズフィルタとして用いる場合が挙げられる。この場合について図7を用いて説明する。なお、図7は実施形態に係るインダクタをインバータのノイズフィルタとして用いる場合の構成を示す回路図である。
即ち図7に示すように、スイッチング素子50乃至スイッチング素子53からなるインバータIVの出力段に、実施形態に係るコイル30及びコイル31を含むインダクタTを接続することで、当該インダクタTをインバータIVに対するノイズフィルタとして用いることができる。
そして図7に示す例の場合には、ノイズフィルタ機能が付加されたインバータIVにおいて、その低雑音化、小型化、及びコアロスによる発熱を抑制することができる。
更に、上述した実施形態に係るインダクタTとしては、上記インターリーブ制御方式により2相モードで駆動される場合について説明したが、本発明はこれに限らず、3相以上の多相モードで駆動されるインダクタにも適用することができる。
以上それぞれ説明したように、本発明はインダクタの分野に利用することが可能であり、特に高出力、低雑音及び小型化並びに低損失等を目的とするインダクタの分野に適用すれば特に顕著な効果が得られる。
1、1C、2、2C 第1脚
3、3C、4、4C 第2脚
3a、3b、4a、4b 切り欠き部
10、10C 接続部
20 基部
21 噛合部
25 胴部
26 フランジ
30、31 コイル
35,36 ダイオード
37 PFCコントローラ
40、41、50、51、52、53 スイッチング素子
42 コンデンサ
W1、W2 巻線
S 変圧装置
Vi 入力電圧
B1、B2 ボビン
L 寄生インダクタンス
C1、C2 コア
T インダクタ
VO 出力電圧
S1(t)、S2(t) 制御信号
I1(t)、I2(t) 駆動電流
M1、M1’、M2、M2’、M3、M4 磁束
IV インバータ
3、3C、4、4C 第2脚
3a、3b、4a、4b 切り欠き部
10、10C 接続部
20 基部
21 噛合部
25 胴部
26 フランジ
30、31 コイル
35,36 ダイオード
37 PFCコントローラ
40、41、50、51、52、53 スイッチング素子
42 コンデンサ
W1、W2 巻線
S 変圧装置
Vi 入力電圧
B1、B2 ボビン
L 寄生インダクタンス
C1、C2 コア
T インダクタ
VO 出力電圧
S1(t)、S2(t) 制御信号
I1(t)、I2(t) 駆動電流
M1、M1’、M2、M2’、M3、M4 磁束
IV インバータ
Claims (8)
- インターリーブ制御方式により制御される電流がそれぞれ流れる二つのコイルを備えたインダクタにおいて、
前記コイルが絶縁性のボビンを介してそれぞれに巻回された二本の第1脚であって、互いに平行で且つそれぞれが柱状の第1脚と、
互いに平行で且つそれぞれが柱状である二本の第2脚であって、前記第1脚と平行な第2脚と、
各前記第1脚の端部と、当該端部に対応した各前記第2脚それぞれの端部と、を接続する板状の接続部であって、各前記コイルに流れる前記電流により発生する磁束を前記第1脚及び前記第2脚に通すための接続部と、
を備え、
各前記第2脚が、各前記第1脚それぞれの中心軸と垂直に交わる線分から相互に反対方向に離隔して配置されていることを特徴とするインダクタ。 - 請求項1に記載のインダクタにおいて、
前記第2脚それぞれの中心軸に垂直な断面の面積である第2脚断面積の当該各第2脚についての合計が、前記第1脚の中心軸に垂直な断面の面積である第1脚断面積のいずれよりも大きいことを特徴とするインダクタ。 - 請求項2に記載のインダクタにおいて、
各前記第1脚断面積が同一であり、
前記第2脚断面積の合計が前記第1脚断面積の1.2倍以上であることを特徴とするインダクタ。 - 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のインダクタにおいて、
前記中心軸の方向に見た前記接続部の平面視外形が略方形であり、
前記線分が前記略方形における一の対角線に相当し、各前記第2脚それぞれの中心軸と垂直に交わる線分が前記略方形における他の対角線に相当するように、各前記第1脚及び各前記第2脚が前記接続部に接続されていることを特徴とするインダクタ。 - 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のインダクタにおいて、
各前記第2脚それぞれの各前記第1脚に対向する面に切り欠き部が設けられていることを特徴とするインダクタ。 - 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のインダクタにおいて、
各前記コイルがそれぞれ巻回される各前記ボビンの形状が相互に同一であり、
当該各ボビンに各前記第1脚がそれぞれ通された状態で相互に噛み合う噛合部が当該各ボビンに設けられていることを特徴とするインダクタ。 - 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のインダクタにおいて、
前記インターリーブ制御方式による前記電流の制御により、PFC(Power Factor Correction)チョークコイルとして動作することを特徴とするインダクタ。 - 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のインダクタにおいて、
各前記コイルがインバータの出力段に接続されることにより、当該インバータに対するノイズフィルタとして機能することを特徴とするインダクタ。
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