JP2017195684A - マルチフェーズ型コンバータ用リアクトル - Google Patents

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【課題】インダクタンス値が容易に可変であるマルチフェーズコンバータ用リアクトルを小形化するとともに、外部への磁束漏洩を抑えて電磁誘導ノイズを低減する。【解決手段】マルチフェーズコンバータを基本構成する二相コンバータ用リアクトル10Aにおいて、コイル17、18をそれぞれ巻装した主コア11、12を近接して並べ、主コア11、12とこれを挟む一対の平板状のヨークコア13、14によって第1の磁気閉ループを形成する。また、一対のヨークコア13、14間を繋ぐように、主コア11、12が並ぶ平面と略平行な面内で展延する平板状のバイパスコア15を、二つに分割したギャップ材16を介してヨークコア13、14に取り付け、第2の磁気閉ループを形成する。ギャップ材16の厚みでインダクタンス値を調整できる。コア11〜15のサイズで決まる最大外形の内側にはコア、コイルが詰まっていて無駄な空間がないので小形化が可能であり、コイル17、18の周囲がコアで囲まれているので磁束漏れも軽減できる。【選択図】図1

Description

本発明は、マルチフェーズ型DC−DCコンバータに用いられるリアクトルに関する。
入力電圧を負荷に応じて降圧又は昇圧するDC−DCコンバータは、小型・軽量でありながら高効率であるという特徴を有しており、近年、様々な電子機器や装置の電源として広く利用されている。例えばDC−DCコンバータの一方式であるマルチフェーズ型コンバータは、バック(Buck)型コンバータをn台の降圧チョッパで構成して出力容量を均等に分担させ、駆動パルスの位相を2π/nずつずらしてインターリーブ動作させるものであり、マイクロプロセッサの電源装置として現在広く利用されている。また、パワーエレクトロニクス分野においては、主として構成の容易さから、マルチフェーズ型コンバータの基本構成である二相コンバータが頻用されている。
こうした二相コンバータには、二相間を磁気結合したリアクトルを用いることができる。例えば非特許文献1には、いわゆるEI構造である3脚のコアのうち両側の2脚を主コアとしてコイルを巻装し、残りの中央の1脚をバイパスコアとして一体化したリアクトルが記載されている。このリアクトルは、直流磁束が両側主コアにおいて逆方向、中央バイパスコアで同方向、交流磁束は反対に両側主コアにおいて同方向、中央バイパスコアで逆方向となるように各コアにおける磁束方向が定められている。なお、以下、こうしたリアクトルを「磁気反結合リアクトル」と称す。
また、二相コンバータは、電源回路と負荷との間の絶縁やインピーダンスマッチングのために高周波トランスが挿入される等、その応用回路も多岐に渡る。そのため、こうした回路に対応して、リアクトルと他の要素とを一体化したものも従来知られている。例えば特許文献1には、EEコア構造である磁気反結合リアクトルと高周波トランスとを同一コアに磁気的に集積した二相コンバータが記載されている。
図12は従来の一般的なEEコア構造である磁気反結合リアクトル(以下、単に「リアクトル」という)100Aの概略構成図であり、(a)は上面図、(b)は正面図である。
このリアクトル100Aでは、上面視略E型形状である二つのコアを向かい合わせに突き合わせて一体化することでEEコアを形成している。そのEEコアのうちの両側の二脚を主コア101、102、中央の一脚をバイパスコア105、両側の主コア101、102及びバイパスコア105を繋ぐ部分をヨークコア103、104としている。主コア101の接合部G1及び主コア102の接合部G2では突き合わせられた二つのコアは密着しており、この主コア101、102にそれぞれコイル106、107が巻回されている。一方、バイパスコア105の接合部には、研磨、切断等の機械加工によりY軸方向に所定間隔(厚さ)dのギャップG3が形成され、ギャップG3には適宜のギャップ材108が設けられている。
このリアクトル100Aを磁気反結合リアクトルとして用いる場合、インダクタンス値はギャップG3の厚さdに依存する。したがって、インダクタンス値を最適値に調整するにはギャップG3の厚さdを調整する必要があるが、機械加工によってギャップG3の厚さdを調整するのは手間が掛かりコストの増大に繋がる。即ち、従来のこうした構造のリアクトルはインダクタンス値に関して汎用性に乏しい。
また、このリアクトル100Aの最大幅W、最大高さH、最大奥行Dを三辺とする、該リアクトル100Aに外接する直方体の中で、図12(a)中に符号Pで示した矩形を高さ方向(Z軸方向)に最大高さHだけ延ばした四隅の空間、及び、図12(b)中に符号Qで示した矩形を奥行方向(Y軸方向)に最大奥行Dだけ延ばした両側の空間は、実質的にインダクタンスに寄与しない無効な空間である。即ち、従来のリアクトル100Aでは、W×H×Dの直方体の体積(以下、これを「包絡体積V」という)の中で一部に無効な空間が存在しており、その分だけ、実装効率が低くなっている。換言すれば、上記従来のリアクトルはさらなる小形化の余地を残しているということができる。
さらにまた、上記無効な空間の周りにはコア材が存在しないため、リアクトル100A外部への漏れ磁束による電磁誘導ノイズが発生し易いという問題もある。
特許文献2には、図13に示す別の構成のリアクトル100Bが開示されている。図13は図12と同様に(a)が上面図、(b)が正面図であり、図12で示した構成要素と同じ又は相当する構成要素には同じ符号を付している。
このリアクトル100Bは、略I字型のバイパスコア105を挟んでその両側に、略コ字形状の主コア101、102が配置され、主コア101、102の端部が適宜のギャップ材108が設けられたギャップG3を介してバイパスコア105と突き合わされている。四つに分割されたギャップG3はいずれもY−Z平面に平行に展延する平板状である。こうした構成では、機械加工によってコアを削ることなくギャップG3の厚さを容易に調整することができ、インダクタンス値に関する汎用性広い。しかしながら、図12に示したリアクトル100Aと同様に、包絡体積Vの中で一部に無効な空間が存在しており、実装効率が低いという問題は解決されていない。
米国特許第5,555,494号明細書 特開2014-78577号公報(図1等)
Pit-Leong Wong、「Performance Improvements of Multi-Channel Interleaving Voltage Regulator Modules with Integrated Coupling Inductors」、[online]、[2016年3月4日検索]、Virginia Polytechnic Institute and State University、インターネット<URL: https://theses.lib.vt.edu/theses/available/etd-04232001-140307/unrestricted/ETS_pwong.pdf>
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、インダクタンス値の調整を容易に行うことができ、且つ、インダクタンスに寄与しない無駄な空間を減らして外形を小形化するととともに、リアクトル外部への漏れ磁束による電磁誘導ノイズを低減することができるマルチフェーズ型コンバータ用リアクトルを提供することである。
上記課題を解決するためになされた本発明の第1の態様は、マルチフェーズ型DC−DCコンバータに用いられる、複数のリアクトルを一体化したマルチフェーズ型コンバータ用リアクトルであって、
a)それぞれコイルが巻装され、その中心が略同一平面上に載るように略平行に所定間隔を有して隣接して配置された略同一長さで直線状に延伸する形状の複数の主コアと、
b)前記複数の主コア全ての一方の端部同士と他方の端部同士とを別々に繋ぎ、該複数の主コアを挟んで対向して配置された、該主コアの延伸方向に略直交する平面内で展延する一対のヨークコアと、
c)前記一対のヨークコアに対しギャップを有し且つ該一対のヨークコアを繋ぐように前記主コアを取り囲む部分の少なくとも一部に配置されたバイパスコアと、
を備え、前記ギャップは前記複数の主コアが載る平面に略直交する方向に厚みを有し、前記バイパスコアは、該平面と平行に展延し且つ前記複数の主コアに巻装されたコイルの少なくとも一方の側面をカバーする平板状部を有することを特徴としている。
また上記課題を解決するためになされた本発明の第2の態様は、マルチフェーズ型DC−DCコンバータに用いられる、複数のリアクトルを一体化したマルチフェーズ型コンバータ用リアクトルであって、
a)それぞれコイルが巻装され、その中心が略同一平面上に載るように略平行に所定間隔を有して隣接して配置された略同一長さで直線状に延伸する形状の複数の主コアと、
b)前記複数の主コア全ての一方の端部同士と他方の端部同士とを別々に繋ぎ、該複数の主コアを挟んで対向して配置された、該主コアの延伸方向に略直交する平面内で展延する一対のヨークコアと、
c)前記一対のヨークコアに対しギャップを有し且つ該一対のヨークコアを繋ぐように前記主コアを取り囲む部分の少なくとも一部に配置されたバイパスコアと、
を備え、前記ギャップは前記複数の主コアが載る平面に略平行な方向に厚みを有し、前記バイパスコアは、該平面と略直交する平面内で展延する平板状部を有することを特徴としている。
図12及び図13に示したように、従来の一般的なマルチフェーズ型コンバータ用リアクトルでは、複数の主コアと一対のヨークコアとバイパスコアとが略同一平面上に配置されている。また、そのために、バイパスコアのギャップは、上記平面に直交する平面内で展延する形状である。これに対し本発明の第1の態様のマルチフェーズ型コンバータ用リアクトルでは、隣接して配置される複数の主コアと一対のヨークコアとは略同一平面(以下、この平面を主平面という)上に位置しているが、バイパスコアは主平面に直交する方向に該主平面から離れた位置に配置されている。また、バイパスコアは該主平面と平行に展延する平板状部を有する形状であり、ヨークコアに対して主平面に略直交する方向の厚みのギャップを有する。一方、本発明の第2の態様のマルチフェーズ型コンバータ用リアクトルでは、バイパスコアは主平面上に位置しているが、主コアに挟まれた位置ではなく複数の主コアの外側にある。また、バイパスコアは主平面と略直交する平面内で展延する平板状部を有する形状であり、ヨークコアに対して主平面に略平行な方向の厚みのギャップを有する。即ち、本発明に係るマルチフェーズ型コンバータ用リアクトルでは、主コア、ヨークコア及びバイパスコアの形状は同じまま、ヨークコアとバイパスコアとの間に形成されるギャップの厚さを変えることでインダクタンス値を調整することができる。
例えば二相コンバータ用のリアクトルである場合、主コアは2個であり、2個の主コアにそれぞれ巻装されたコイルは隣り合うように配置される。この2個の主コアと一対のヨークコアとによっていわゆる内鉄型構造の第1の磁気閉ループが形成される。また、2個の主コア、一対のヨークコア及びバイパスコアによって第2の磁気閉ループが形成される。上記第1の磁気閉ループでは二相コイルによる直流磁束が逆方向、交流磁束が同方向、第2の磁気閉ループでは反対に二相コイルによる直流磁束が同方向、交流磁束が逆方向、になるようにコイルの巻方向と電流方向とが定められることで、本発明に係るリアクトルは磁気反結合リアクトルとして機能する。
本発明に係る第1の態様のマルチフェーズ型コンバータ用リアクトルでは例えば、隣り合う二相コイルを主コアの延伸方向に沿って挟み込むように配置される一対のヨークコアの展延方向の大きさは、主コアに巻装された隣り合う二相コイルの断面によりなる外接最大平面と略同一寸法に定められるようにするとよい。また、一対のヨークコアの間を繋ぐように設けられるバイパスコアの幅はヨークコアの長さに合わせておくとよい。ヨークコア及びバイパスコアのサイズをこのように定めると、一対のヨークコアの間を繋ぐように平板状のバイパスコアを設けたときに、該バイパスコアとコイルとの間に形成される空隙は非常に小さくなる。また、主コアの両端部にごく近い位置までコイルを巻装することにより、ヨークコアとコイルとの間の空隙も非常に小さくなる。このようにして、包絡体積Vの中の無駄な空間を抑えることができる。また、複数のコイルの側面のほぼ全体をバイパスコアでカバーすることができるので、リアクトル外部への漏れ磁束による電磁誘導ノイズの低減にも有効である。
また本発明に係るマルチフェーズ型コンバータ用リアクトルでは、従来のリアクトルと同様に、一対のヨークコアとバイパスコアとの間に形成される複数のギャップには、所定厚さの非磁性体であるギャップ材を設けるようにするとよい。
また本発明に係るマルチフェーズ型コンバータ用リアクトルでは、バイパスコアは一つのみであってもよいが、一対のヨークコアの間をそれぞれ繋いで複数のコイルを挟み込むように、二つのバイパスコアを配置した構成としてもよい。この構成によれば、複数のコイルを取り囲むコアが増加することによって、リアクトル外部への漏れ磁束をより減らすことができる。
また本発明に係るマルチフェーズ型コンバータ用リアクトルでは、複数の主コアと複数のヨークコアとはそれぞれ別部材であってもよいが、複数の主コアをその長さ方向に半分にしたものと一つのヨークコアとを一体化した部材を二つ用い、その二つの部材の主コアの端部同士を突き合わせて接合することで主コア及びヨークコアを形成してもよい。これにより、部品点数が低減するとともに形状が安定し組立時の作業性を向上させることができる。
また本発明に係るマルチフェーズ型コンバータ用リアクトルでは、複数相のコイルのそれぞれに追加的にコイル(以下、この追加されたコイルを「1次コイル」という場合がある)を巻装し、該1次コイルに接続したインバータ回路等の外部回路から上記複数相のコイルに電力を伝達するようにしてもよい。この構成によれば、電源回路と負荷との間の絶縁やインピーダンスマッチング等のトランスの機能を組み込むことができる。
また本発明に係るマルチフェーズ型コンバータ用リアクトルでは、コアが複数相のコイルの少なくとも一部を取り囲む構造であるから、このコアを外壁として、複数のコイル間の隙間や一つのコイルの巻線間の隙間に高熱伝導性の充填剤を充填することが容易である。これにより、コイルの発熱がリアクトルの表面から効率よく放熱されるので、コイルの電流密度を増加させ、同じ電流を確保するためのリアクトルのサイズを小形化することができる。また、充填剤を充填することで、耐環境性と堅牢性も向上する。
本発明に係るマルチフェーズ型コンバータ用リアクトルによれば、コアを削る等の機械加工を行うことなく、簡便にギャップの厚みを変更してインダクタンス値を調整することができる。即ち、インダクタンス値に関し高い汎用性を実現することができる。また、本発明に係るマルチフェーズ型コンバータ用リアクトルによれば、従来の一般的なリアクトルに比べて包絡体積内でインダクタンスに寄与しない無駄な空間が減少するので、同じ能力のリアクトルを小形のサイズで以て実現することができる。また、コイルの周囲の中でコア要素で囲まれる部分が多くなるので、リアクトル外部への漏れ磁束による電磁誘導ノイズを低減させることができる。
本発明の第1実施例である二相コンバータ用リアクトルの構造を示す斜視組立図。 第1実施例の二相コンバータ用リアクトルであって、(a)はバイパスコアを取り除いた状態の上面図、(b)はバイパスコアを取り付けた状態の正面図。 第2実施例の二相コンバータ用リアクトルの正面図。 第3実施例の二相コンバータ用リアクトルであって、(a)はバイパスコアを取り除いた状態の上面図、(b)は主コア及びヨークコアの組立構成図。 (a)は第4実施例の二相コンバータ用リアクトルの正面図、(b)は第5実施例の二相コンバータ用リアクトルの正面図。 第6実施例の二相コンバータ用リアクトルの正面図。 第7実施例の二相コンバータ用リアクトルの正面図。 第1実施例の二相コンバータ用リアクトルを用いたDC−DCコンバータの概略回路図。 第1実施例の二相コンバータ用リアクトルを用いた他のDC−DCコンバータの概略回路図。 第1実施例と従来の二相コンバータ用リアクトルとの諸元の比較図。 本発明の一実施例である三相コンバータ用リアクトルであって、(a)はバイパスコアを取り除いた状態の上面図、(b)はバイパスコアを取り付けた状態の正面図。 従来の二相コンバータ用リアクトルの上面図(a)及び正面図(b)。 図12とは別の従来の二相コンバータ用リアクトルの上面図(a)及び正面図(b)。
以下、本発明の実施例であるマルチフェーズ型コンバータ用リアクトルについて、添付図面を参照しつつ説明する。
[リアクトルの第1実施例]
図1は第1実施例の二相コンバータ用リアクトル10Aの構造を示す斜視組立図、図2は第1実施例の二相コンバータ用リアクトル10Aであって、(a)はバイパスコアを取り除いた状態の上面図、(b)はバイパスコアを取り付けた状態の正面図である。
図1に示すように、本実施例のリアクトル10Aは、略四角柱状である2本の主コア11、12、平板状の二枚のヨークコア13、14、平板状の一枚のバイパスコア15、を含んで構成される。二相コンバータに対応する二相コイルとして、主コア11、12にはそれぞれコイル17、18が巻装されている。図1の例では、コイル17、18が巻装された主コア11、12はY軸方向に延伸し、その両端部には主コア11、12をY軸方向に挟み込むようにヨークコア13、14が接合される。ヨークコア13、14はX−Z面に平行な面内で展延している。さらに、一対のヨークコア13、14の間には、所定厚さの非磁性体であるギャップ材16を介して平板状のバイパスコア15が接合されている。そして、このギャップ材16により一対のヨークコア13、14とバイパスコア15との接合部分にギャップGcが設けられる。なお、上記のようなコア同士の接合は例えば導電性の接着剤などを用いて行うことができる。
本実施例のリアクトル10Aでは、2本の主コア11、12の両端部をそれぞれ繋ぐ二つのヨークコア13、14により主コア11及び主コア12の磁束を合成する第1の磁気閉ループが形成される。また、二つのヨークコア13、14のZ軸方向に向いた面同士を接続するバイパスコア15により、主コア11及び主コア12の磁束をバイパスする第2の磁気閉ループが形成される。
図2(b)に示すように、ヨークコア13、14のX−Z面に平行に展延する矩形状のサイズは、主コア11、12にそれぞれ巻回された隣り合う二相のコイル17、18の断面によりなる外接最大平面と略同一寸法に定められている。このリアクトル10Aにおいて、外形の最大幅Wはヨークコア13、14の長さ(X軸方向のサイズ)であり、外形の最大高さHはヨークコア13、14の幅(Z軸方向のサイズ)バイパスコア15の厚さ(Z軸方向のサイズ)にギャップ材16の厚みを加えたものであり、外形の最大奥行Dは主コア11、12の長さ(Y軸方向のサイズ)にヨークコア13、14の厚さ(Y軸方向のサイズ)を加えたものである。したがって、包絡体積Vは全て各コア11、12、13、14、15のサイズによって決まる。
上述したようにヨークコア13、14のX−Z面に平行に展延する矩形状のサイズは二相のコイル17、18の断面によりなる外接最大平面と略同一寸法であるため、バイパスコア15内側面とコイル17、18との間の空隙は非常に小さい。また、コイル17、18の前端及び後端とヨークコア13、14との間の空隙も小さい。即ち、コア11、12、13、14、15のサイズで決まる包絡体積V中はコア要素又はコイルが高い密度で詰まっており、無駄な空間は殆ど存在しない。そのため、同じ性能を実現しながらリアクトル10Aを小形化することができる。また、図11、図12に示した従来のリアクトルに比べてコイル17、18の周囲のうちコアで囲まれている面積の割合が大きいため、コイル17、18で発生する磁束のリアクトル10外部への漏れを減少させることができる。
また、バイパスコア15とヨークコア13、14との間に設けられるギャップ材16の厚みを変化させると、磁気反結合するリアクトル10Aの出力に関連するインダクタンス値が変化する。したがって、ギャップ材16の厚みを変化させることでインダクタンス値を容易に最適値に調整することができる。なお、主コア11、12とヨークコア13、14との接合部に所定の厚みの非磁性体であるギャップ材を設けることで、該ギャップ材の磁気抵抗により主コア11、12及びヨークコア13、14の磁気飽和を生じにくくすることもできる。
さらにまた、主コア11、12を磁束と直交する方向で任意の箇所及び数に分割し、図示しない分割した平面の接合部の隙間にギャップ材を設けるようにすることで、1箇所のギャップ材の厚さを薄くし、フリンジング効果を減少させ、巻装するコイル17、18がギャップの漏れ磁束によってなされる過熱を生じにくくすることもできる。
本実施例のリアクトル10Aは以下の各実施例のように種々に変形することができる。
[リアクトルの第2実施例]
図3は、第2実施例の二相コンバータ用リアクトルにおける、図2(b)と同じ正面図である。
このリアクトル10Bでは、上記第1実施例のリアクトル10Aにおけるバイパスコア15及びギャップ材16を高さ方向(Z軸方向)で二つに分割し、バイパスコア15a、15b、ギャップ材16a、16bとして二つのヨークコア13、14や主コア11、12を挟み込む二平面にそれぞれ分けて配置してある。この構成では、第1実施例に比べて二相のコイル17、18を取り囲むコア材料が増加するため、主としてコイル17、18より発生するリアクトル10Bの外部への漏れ磁束をより一層減少させることができる。
[リアクトルの第3実施例]
図4は第3実施例の二相コンバータ用リアクトルであって、(a)はバイパスコアを取り除いた状態の上面図、(b)は主コア及びヨークコアの組立構成図である。
コア材料が例えばフェライト等の焼結磁性材料であれば、複雑な形状のコアも比較的容易に作製することができる。そこで、この第3実施例のリアクトル10Cでは、主コア11、12をそれぞれ長さ方向に1/2にした部分(図中の11a、11b、12a、12b)とヨークコア13又は14とを一体化した同形状のコア部材を二つ用い、主コア11、12の中央部で両コア部材を突き合わせて接合している。これにより、主コアとヨークコアをそれぞれ別々に作製して接続する場合に比べて、コアの形状が安定し組立の作業性を向上することができる。
この構成では、分割した主コア11aと11b、12aと12bとの接合部に間隙を設け、非磁性体であって定められた厚さのギャップ材を挿入する構成とすることもできる。加えて、主コア11、12に設けた所定の厚みのギャップを上述のように分割して配置し、巻装するコイル17、18がギャップの漏れ磁束によりなされる過熱を生じにくくできる。
[リアクトルの第4、第5実施例]
図5(a)は第4実施例の二相コンバータ用リアクトル10Dの正面図、図5(b)は第5実施例の二相コンバータ用リアクトル10Eの正面図である。
第4及び第5実施例では、コイル17、18のタップ口出し方向に応じ、第1の磁気閉ループ及び第2の閉ループの磁束の流れを妨げない位置及び範囲で図5(a)又は(b)に示すタップ口出し部に合わせてヨークコア13、14を部分的に取り除いている。
また上記各実施例のリアクトル10A〜10Eでは、包絡体積Vから主コア11、12、ヨークコア13、14及びバイパスコア15によるコア部と、コイル17、18とを除いた間隙とそのコイル17、18の巻装材の間隙とに、高熱伝導性の充填剤例えば高熱伝導性エポキシ樹脂(商品名リコ・ジーマ・イナス等)を充填してもよい。こうした構成によれば、コイル17、18で発生した熱がリアクトル10A〜10Eの表面から効率よく放散されるのでコイル17、18の許容コイル損を大きく確保することができ、電流密度の増加により巻装材通電断面積を減少させ、より小形化を図ることができる。また、こうした充填により、耐環境性と堅牢性が向上する。さらにまた、コア面又は充填されたコイル面等から水冷、空冷等放熱部材を用いて強制的に冷却することにより、上記許容コイル損に加えて許容コア損も大きく確保することができ、さらに一層小形化を図ることができる。
[リアクトルの第6実施例]
図6は第6実施例の二相コンバータ用リアクトル10Fの正面図である。
このリアクトル10Fでは、図5(a)に示した第4実施例のリアクトル10Dに対し、最大幅W、最大奥行Dである底面と、最大奥行D、最大高さHである両側面との外側に、所定の隙間を設けて断面コの字形状の銅板19を取り付けている。この構成では、上述したように包絡体積Vから各コア11〜15及びコイル17、18を除いた間隙と該コイル17、18の巻装材の間隙に加えて、上記銅板19と各コア11〜15やコイル17、18との間隙にも上述した充填剤を充填するとよい。
この構成によれば、コイル17、18の下面を広く覆う銅板19の底面部から水冷、空冷等の放熱部材で強制的に冷却する場合、コイル17、18の両側面を覆う銅板19の側面部へもコイル17、18の熱が積極的に伝導し、冷却がより促進される。これにより、上記許容コイル損や許容コア損を大きく確保することができ、許容電流密度及び許容磁束密度が増加してより小形化を図ることができる。特にリアクトルが大電流仕様である場合には銅板19をコイル17、18の配線材として利用してもよい。その場合、コイル17、18の熱は充填剤の介在なく銅板19に直接伝導されるので、小形化を一層図ることができる。また、コイル17、18は各コア11〜15と銅板19とによって殆ど囲まれるので、該コイル17、18により発生するリアクトル外部への漏れ磁束を大幅に軽減することができる。
[リアクトルの第7実施例]
図7は第7実施例の二相コンバータ用リアクトル10Gの正面図である。
上記第1〜第6実施例のリアクトル10A〜10Fでは、バイパスコア15(15a、15b)は主コア11、12が載るX−Y面に平行な面内に展延する形状である。それに対し、この第7実施例のリアクトル10Gでは、2枚のバイパスコア15a、15bは主コア11、12が載るX−Y面に直交するY−Z面に平行な面内に展延する形状であり、ギャップ材16a、16bを介して主コア11、12及びヨークコア13、14をY軸に沿った方向に挟み込むように配置されている。この構成でも、第1実施例等と同様に、コア11〜15の形状を変更することなくギャップ材16a、16bの厚さを変更することができ、インダクタンス値を容易に調整可能である。また、コア11、12、13、14、15a、15bのサイズで決まる包絡体積V中はコア要素又はコイルが高い密度で詰まっており、無駄な空間が少ないので小形化に有利である。
なお、上記各実施例のリアクトル10A〜10Gでは、主コア11、12の断面及びギャップ材16の平面は矩形状としたが、これに限るものではなく、例えば主コア11、12はその断面が円形状である円柱状のコアとしてもよい。
[リアクトルを用いたDC−DCコンバータ回路例]
続いて、上述した本発明に係るリアクトルを、溶接機、光源、表面処理用電源回路の主たるDC−DCコンバータ方式であるバックコンバータに適用した回路例について説明する。
図8は、上記リアクトル10(10A〜10G)を用いた二相降圧チョッパ回路の一例である。
二相降圧チョッパ回路20は、直流電源21による電圧Viを負荷22に対応した負荷電圧Voに降圧するDC−DCコンバータである。二相降圧チョッパ回路20において、スイッチング素子23とダイオード25との第1直列回路、及びスイッチング素子24とダイオード26との第2直列回路は共に、直流電源21に並列に接続されている。スイッチング素子23とダイオード25との接続点Aはリアクトル10のコイル17の一端に、スイッチング素子24とダイオード26との接続点Bはリアクトル10の他のコイル18の一端にそれぞれ接続されている。また、それらコイル17、18の他端は互いに接続されて負荷22の一端に接続されている。負荷22の他端は直流電源21の負極とダイオード25、26との接続点に接続されており、負荷22の両端に並列に接続されるコンデンサ27はリップルを低減するためのものである。なお、スイッチング素子23、24としてはMOSFET等が使用され、図示しないものの、それぞれダイオードが逆並列に接続されている。なお、ダイオード25、26はMOSFETの第3象限とその寄生ダイオード(逆並列ダイオード)を使用した同期整流に置き換えてもよい。
駆動制御部28は駆動信号SG1、SG2を出力し、スイッチング素子23、24のオン・オフ動作を制御する。即ち、駆動制御部28は出力制御のために、スイッチング周波数fの一周期Tに対するスイッチング素子23、24それぞれのオン期間の時比率Donを0〜0.5の範囲で可変し、両駆動信号SG1、SG2間に180°の位相差を持たせてスイッチング素子23、24をインターリーブ動作させる。ダイオード25、26はそれぞれ、スイッチング素子23、24のオフ期間に発生するコイル17、18の逆誘起である放出電圧−Voによって導通する。
リアクトル10のコイル17、18は、図中に極性マーク(●印)を付して示すように互いに逆の極性に巻装され、それぞれ自己インダクタンスLを有し、主コア11、12の磁束を合成する第1の磁気閉ループにより、相互インダクタンスMで以て反結合する。これより、出力に寄与するインダクタンス(以下、「出力等価インダクタンス」という)はL−Mとなる。また、このときの反結合の係数αは1−(L−M)/L=M/Lである。
上述したようにリアクトル10には第2の磁気閉ループが設けられており、主コア11、12の磁束はバイパスコア15で分流されるから、第1の磁気閉ループの相互インダクタンスMは減少し、出力等価インダクタンスL−Mは増加する。したがって、上記バイパスコア15の磁気抵抗をギャップ材16の厚みを変えることで変化させると、出力等価インダクタンスL−Mの値を略連続的に変えることができる。
いま、コイル17、18の巻数をN、コイル17、18に流れる電流をILとすると、主コア11、12の直流磁束φdc1及びバイパスコア15の直流磁束φdc2は次のようになる。
φdc1=(L−M)・IL/N=0.5・(L−M)・Io/N [Wb]
φdc2=2・(L−M)・IL/N=(L−M)・Io/N [Wb]
スイッチング素子23、24のオン期間Don・Tにはコイル17、18に吸収電圧Vi−Voが印加され、一方、スイッチング素子23、24のオフ期間(1−Don)・Tにはコイル17、18には放出電圧−Voが印加される。上述したインターリーブ動作によってコイル17、18の電圧吸収と電圧放出とはそれぞれ交互に行われ、オン期間中には、吸収電圧を放出電圧が打ち消した残りの差分であるVi−2Voによる交流磁束が、第2の磁気閉ループ中のバイパスコア15を通過する。そのため、主コア11、12の交流磁束φac1及びバイパスコア15の交流磁束φac2は次のようになる。
φac1=(Vi−Vo)・Don・T/N=(1−Don)・Vo・T/N [Wb]
φac2=(Vi−2Vo)・Don・T/N=(1−2Don)・Vo・T/N [Wb]
二相のコイル17、18において、第1の磁気閉ループ内の主コア11、12では反結合により直流磁束が逆方向で打ち消し合う。また、コイル17、18の放出電圧は極性を変えるので交流磁束は同方向となる。一方、第2の磁気閉ループ内のバイパスコア15では反対に、二相のコイル17、18による直流磁束の方向は同じであって磁束密度は2倍となり、コイル17、18の吸収電圧と放出電圧とが逆方向になるため交流磁束は打ち消し合う。各主コア11、12の磁束は各部の直流磁束と交流磁束の合成となる。
なお、電源装置としては、図8では簡略化して表した直流電源21を、商用交流電圧を受けトランスの1次巻線側と2次巻線側との間を絶縁したフロントエンドコンバータとし、二相降圧チョッパ回路20をバックエンドコンバータとした構成も考えられる。こうした電源装置は、多数の独立した負荷22の数に対応したチョッパ回路を設け、入力された直流電圧Viをその複数のチョッパ回路に分岐してそれぞれの出力電圧Voを制御しつつ負荷22に供給するものである。
例えば10台以上もの多数のバックエンドコンバータを一つのラックに搭載するような場合、二相降圧チョッパ回路20の小形化の要求は非常に強い。そのためには、特に回路上で空間占有率の大きいリアクトルの小形化は必須であり、二相コンバータに反結合リアクトルを採用するのはこうした理由による。このような用途に対し、上述したように包絡体積を減少させた小形のリアクトルは非常に有用である。また、こうした電源装置を小形化しようとすると二相降圧チョッパ回路20の高密度実装が必要となり、リアクトルの漏れ磁束が他の部品に影響を与え易くなる。これに対し、上記リアクトル10A〜10Gでは二相コイル17、18の周囲の少なくとも一部にコアが配置されるので漏れ磁束の低減も図れ、高密度実装に好適である。また、多様な負荷22に対応するにはリアクトル10の諸元を変更する必要があるが、上記リアクトル10A〜10Gではバイパスコア15の磁気抵抗をギャップ材16の厚みのみで可変することができ、出力等価インダクタンスL−Mをほぼ連続的に可変又は調整することができる。
一例として、上記二相降圧チョッパ回路20において、直流電源21の電圧Viを150V、負荷電圧Voを100V、負荷22を10Ω、リアクトル10の出力等価インダクタンスを50μH、結合係数αを0.8、スイッチング周波数fを100kHz、としたランプ用電源装置において、従来の典型的なリアクトルと第1実施例のリアクトル10Aの諸元を比較した結果を図10に示す。
図10に示した諸元比較の条件は、従来例と第1実施例との構成の差のほか、上述した充填材の充填の有無、及び冷却方法の差である。
従来例と第1実施例の構成のみが異なる場合では、電流密度と磁束密度とは同一であり、従来例に対し第1実施例における主コア11、12の断面積Smと該コアの長さ、及び該コアに巻装されたコイル17、18のコイル巻幅と巻厚も同一とする。ここで、第1実施例において最大幅Wの比が0.63に減少しているのは、バイパスコア15が主コア11、12の間ではなくヨークコア13、14の側方に移動したことによる。一方、最大奥行Dの比が0.80に減少したのは、ヨークコア13、14の幅が減少したことによる。また、最大高さHの比が1.52に増加したのは、ヨークコア13、14の側方に移動したバイパスコア15の厚みとギャップ材16の厚みが追加されたことによる。これより、この包絡体積Vの比は0.77に減少し、従来より20%以上小形化されることが分かる。コイル露出部面積の比が0.56に減少したのは、ヨークコア13、14とバイパスコア15でコイル17、18の巻厚方向の端面及び上面部が隠されたこによる。該露出部の減少でコイル17、18の漏れ磁束による電磁誘導ノイズの低減が期待できる。
また、包絡体積Vからコア11、12、13、14、15とコイル17、18とを除いた空隙及びコイル巻装材の空隙に、高熱伝導性エポキシ樹脂を充填し、充填されたコイル17、18の底面側から水冷を行った場合では、コイル17、18の電流密度の比を2.0倍、主コア11、12、ヨークコア13、14の磁束密度Bmの比を1.15倍、バイパスコア15の磁束密度Bmの比を1.2倍として設計した。このとき、コイル17、18の巻幅は55%に減少し、主コア11、12の断面積Smとヨークコア13、14の断面積Syは87%、バイパスコア15の断面積Sbは83%に減少する。これにより、最大幅Wの比が0.58、最大奥行Dの比が0.54、最大高さHの比が1.46になるので包絡体積Vの比は従来のリアクトルの0.46に減少し、非常に小形化できることが分かる。また、コイル17、18の露出部面積の比は0.29に減少し、コイル17、18からの漏れ磁束の一層の減少が期待できる。
図9は上記リアクトル10(10A〜10G)を用いた絶縁型DC−DCコンバータ回路の一例である。この例では、上述したように構成された二相コンバータ用のリアクトル10のコイル17、18にそれぞれ重ねて第1、第2なる1次コイル41、42を巻装した二相コンバータ用のリアクトル40を用いる。この絶縁型DC−DCコンバータ回路30は、例えば商用電源を整流、平滑することで直流電圧を発生する直流電源21による電圧Viを、電気的に絶縁した状態で負荷22に対応した負荷電圧Voに降圧するDC−DCコンバータである。
インバータ回路31内のスイッチング素子34、35及びコンデンサ32、33の直列回路は、共に電源21と並列に接続され、上記スイッチング素子34と35の直列接続点Cは第1の1次コイル41の一端に、コンデンサ32と33の直列接続点Dは第2の1次コイル42の一端にそれぞれ接続されている。また、二つの1次コイル41、42の他端は接続され、該二つの1次コイル41、42は直列接続となる。一方、コイル17、18の一端はダイオード36、37の一端にそれぞれ接続され、該コイル17、18の他端は互いに接続されて負荷22の一端に接続されている。負荷22の他端は上記2本のダイオード36、37の他端と共通に接続されている。図8に示した回路と同様に、スイッチング素子34、35としてはMOS−FET等が使用でき、ダイオード36、37はMOS−FETによる同期整流としてもよい。
駆動制御部39は上記二相降圧チョッパ回路20における駆動制御部28と同一動作である。また、インバータ回路31はスイッチング素子34、35とコンデンサ32、33を用いたハーフブリッジ構成であるが、コンデンサ32、33をスイッチング素子に置き換えたフルブリッジ構成としてもよい。
図9において、スイッチング素子34がオンすると、上記二相コンバータ用リアクトル40の各コイルに示す極性に応じた方向に発生する電圧によってダイオード36が導通する一方、ダイオード37は阻止され、スイッチング素子35がオンである場合には逆にダイオード37が導通、ダイオード36が阻止される。ダイオード36が導通する場合、第2の1次コイル42に励磁エネルギが蓄積されると共に第1の1次コイル41に蓄積されていた励磁エネルギが放出され、ダイオード37が導通する場合は第1の1次コイル41にエネルギが蓄積され、第2の1次コイル42から励磁エネルギが放出される。また、スイッチング素子34、35が共にオフの場合には、励磁エネルギは二つの1次コイル41、42の両方から放出され、ダイオード36、37は共に導通する。
即ち、二つの1次コイル41、42は相互にリアクトルとして動作するので、それら1次コイル41、42の励磁インダクタンスLmはコイル17、18との巻数比の2乗で、それぞれ上記自己インダクタンスLに置き換えられる。これより、二相コンバータ用リアクトル40にはトランスの機能を持たせるために1次コイル41、42を設けたが、通常の二相コンバータ用リアクトル10とリアクトルとしての動作は全く変わらない。
なお、1次コイル41、42及びコイル17、18は電力伝達するため高周波スイッチングトランスの要素も有し、該コイル間の漏れインダクタンスを低減させるため、上記コイルの配置はサンドイッチ巻構造とすることが望ましい。
上述したように構成された絶縁型DC−DCコンバータ回路30はフロントエンドコンバータが不要であり、構成が簡素化される。
[三相以上の複相コンバータ用リアクトルの実施例]
ここまで二相コンバータ用リアクトルの例を挙げたが、三相以上の複相コンバータ用でも同様のリアクトルを構成することができる。図11は三相コンバータ用リアクトル10Hの一実施例であって、図2と同様に、(a)はバイパスコアを取り除いた状態の上面図、(b)はバイパスコアを取り付けた状態の正面図である。このリアクトル10Hは第1実施例の構成に主コア51を追加し該主コア51にコイル52を巻装して、これに合わせてヨークコア13、14とバイパスコア15のサイズを変更したものである。
このリアクトル10Hの特徴は、主コア11、12、51からヨークコア13、14を介し、バイパスコア15を通じてそれぞれ略均等な第2の磁気閉ループが構成できることである。この特徴は、相数がさらに増加し主コア及び巻装するコイルの数が増加しても何ら変わることはない。
なお、上記各実施例は本発明の一例にすぎず、本発明の趣旨の範囲で適宜変形、修正、追加を行っても本願特許請求の範囲に包含されることは当然である。
10、10A、10B、10B、10C、10D、10E、10F、10G…二相コンバータ用リアクトル
10H…三相コンバータ用リアクトル
11、12、11a、11b、12a、12b、51…主コア
13、14…ヨークコア
15、15a、15b…バイパスコア
16、16a、16b…ギャップ材
17、18、52…コイル
19…銅板
41、42…1次コイル

Claims (2)

  1. マルチフェーズ型DC−DCコンバータに用いられる、複数のリアクトルを一体化したマルチフェーズ型コンバータ用リアクトルであって、
    a)それぞれコイルが巻装され、その中心が略同一平面上に載るように略平行に所定間隔を有して隣接して配置された略同一長さで直線状に延伸する形状の複数の主コアと、
    b)前記複数の主コア全ての一方の端部同士と他方の端部同士とを別々に繋ぎ、該複数の主コアを挟んで対向して配置された、該主コアの延伸方向に略直交する平面内で展延する一対のヨークコアと、
    c)前記一対のヨークコアに対しギャップを有し且つ該一対のヨークコアを繋ぐように前記主コアを取り囲む部分の少なくとも一部に配置されたバイパスコアと、
    を備え、前記ギャップは前記複数の主コアが載る平面に略直交する方向に厚みを有し、前記バイパスコアは、該平面と平行に展延し且つ前記複数の主コアに巻装されたコイルの少なくとも一方の側面をカバーする平板状部を有することを特徴とするマルチフェーズ型コンバータ用リアクトル。
  2. マルチフェーズ型DC−DCコンバータに用いられる、複数のリアクトルを一体化したマルチフェーズ型コンバータ用リアクトルであって、
    a)それぞれコイルが巻装され、その中心が略同一平面上に載るように略平行に所定間隔を有して隣接して配置された略同一長さで直線状に延伸する形状の複数の主コアと、
    b)前記複数の主コア全ての一方の端部同士と他方の端部同士とを別々に繋ぎ、該複数の主コアを挟んで対向して配置された、該主コアの延伸方向に略直交する平面内で展延する一対のヨークコアと、
    c)前記一対のヨークコアに対しギャップを有し且つ該一対のヨークコアを繋ぐように前記主コアを取り囲む部分の少なくとも一部に配置されたバイパスコアと、
    を備え、前記ギャップは前記複数の主コアが載る平面に略平行な方向に厚みを有し、前記バイパスコアは、該平面と略直交する平面内で展延する平板状部を有することを特徴とするマルチフェーズ型コンバータ用リアクトル。
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