JP2002043144A - コモンモードチョークコイル及びその製造方法 - Google Patents

コモンモードチョークコイル及びその製造方法

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JP2002043144A
JP2002043144A JP2000226932A JP2000226932A JP2002043144A JP 2002043144 A JP2002043144 A JP 2002043144A JP 2000226932 A JP2000226932 A JP 2000226932A JP 2000226932 A JP2000226932 A JP 2000226932A JP 2002043144 A JP2002043144 A JP 2002043144A
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common mode
choke coil
mode choke
base
coil element
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JP2000226932A
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Atsushi Kiyota
敦史 清田
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Tokin Corp
Original Assignee
Tokin Corp
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  • Manufacturing Cores, Coils, And Magnets (AREA)
  • Coils Or Transformers For Communication (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 巻線タイプ、積層タイプでは得られない、小
型、高精度で複数のラインを有するコモンモードチョー
クコイルを提供すること。 【解決手段】 誘電体あるいは磁性体からなる、柱状の
基台の表面に設けた導電膜の所要部分を、レーザートリ
ミング法などで除去し、表面に少なくとも1つの螺旋状
導体と端子部を形成し、コモンモードチョークコイル素
子とする。この素子の少なくとも1個を、誘電体あるい
は軟磁性体からなる部材に組み付け、コモンモードチョ
ークコイルとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁ノイズを抑制
するためのノイズフィルターであって、基板装着型のコ
モンモードチョークコイル、及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】電気機器の小型化、高周波化により、E
MI対策が重要性を増している。一般に、インピーダン
ス素子では、目的とする周波数のノイズをインピーダン
ス特性として遮蔽し、EMI対策としている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】電磁ノイズフィルター
であるコモンモードチョークコイルには、巻線タイプの
ものと積層タイプのものがある。巻線タイプのものは、
小型化にするには導体の細線化などが必要であり、それ
による製造工程における不良も増加する。また、ピッチ
の変動などによる共振周波数とインダクタンスの誤差が
生じ、調整が困難となる。これらの理由により、より高
度の製造技術が必要となる。積層タイプでは、パターン
が決定してしまっているため、厚みなどのばらつきによ
りインダクタンスに誤差が生じる。また、積層構造であ
るために、巻線タイプとは異なった高度な製造技術が必
要となる。
【0004】この対策の一環として、本発明者らは、レ
ーザートリミング法などによる基台に密着した螺旋状導
体を有するコモンモードチョークコイルを、特願平11
−280079により開示した。ここに開示されたコモ
ンモードチョークコイルは、共振周波数、インダクタン
スの誤差が小さく製造が容易という利点があるが、螺旋
状導体を2つだけ有するものであった。
【0005】従って、本発明の技術的課題は、複数のラ
インを有するコモンモードチョークコイルを、簡便な製
造方法により、低コストで提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、従来の巻線タ
イプや積層タイプとまったく異なる方法でコモンモード
チョークコイル素子を得、これの複数個を軟磁性体また
は誘電体からなる部材に固定し、適宜接続することによ
り、複数のラインを有するコモンモードチョークコイル
を容易かつ低コストで提供するものである。
【0007】即ち、本発明は、軟磁性体あるいは誘電体
からなる基台の表面に、互いに電気的に絶縁されて電気
長が略等しく形成された第1及び第2の螺旋状導体が、
前記基台の両端部のそれぞれに一対ずつ形成された第1
及び第2の端子部に接続されてなるコモンモードチョー
クコイル素子と、軟磁性体あるいは誘電体からなり、少
なくとも1個の前記コモンモードチョークコイル素子を
固着可能な凹部を有する部材とを組み合わせた構成を有
することを特徴とするコモンモードチョークコイルであ
る。
【0008】また、本発明は、軟磁性体あるいは誘電体
からなる基台の表面に、互いに電気的に絶縁されて電気
長が略等しく形成された第1及び第2の螺旋状導体が、
前記基台の両端部のそれぞれに一対ずつ形成された第1
及び第2の端子部に接続されてなるコモンモードチョー
クコイル素子を、軟磁性体あるいは誘電体からなり、少
なくとも2個の前記コモンモードチョークコイル素子を
固着可能な凹部を有する部材の凹部に、直列または並列
に固定してなることを特徴とするコモンモードチョーク
コイルである。
【0009】また、本発明は、軟磁性体あるいは誘電体
からなる基台の表面に、互いに電気的に絶縁されて電気
長が略等しく形成された第1及び第2の螺旋状導体が、
前記基台の両端部のそれぞれに一対ずつ形成された第1
及び第2の端子部に接続されてなるコモンモードチョー
クコイル素子と、軟磁性体あるいは誘電体からなる板状
の部材とを組み合わせた構成を有し、少なくとも2個の
前記コモンモードチョークコイル素子を、前記板状部材
の上に直列または並列に固定してなることを特徴とする
コモンモードチョークコイルである。
【0010】また、本発明は、前記のコモンモードチョ
ークコイルにおいて、前記コモンモードチョークコイル
素子の第1及び第2の螺旋状導体が、メッキ法、スパッ
タ法、蒸着法のいずれかの少なくとも1種類の方法を用
いて設けられた導体層を、レーザートリミング法、サン
ドブラスト法、ウォータージェット法のいずれかの少な
くとも1種類の方法で部分的に除去することにより、基
台表面に交互に形成されてなることを特徴とするコモン
モードチョークコイルである。
【0011】また、本発明は、前記のコモンモードチョ
ークコイルにおいて、前記コモンモードチョークコイル
素子は、基台表面にメッキ法、スパッタ法、蒸着法のい
ずれかの少なくとも1種類の方法を用いて設けられた導
体層を、レーザートリミング法、サンドブラスト法、ウ
ォータージェット法のいずれかの少なくとも1種類の方
法で部分的に除去することにより形成されてなる第1の
螺旋状導体と、第1の螺旋状導体を被覆する絶縁層の上
に第1の螺旋状導体と同様の方法で形成されてなる第2
の螺旋状導体からなることを特徴とするコモンモードチ
ョークコイルである。
【0012】また、本発明は、前記のコモンモードチョ
ークコイルにおいて、前記コモンモードチョークコイル
素子の螺旋状導体が形成されている部分の基台の断面積
が、端子が形成されている部分の基台の断面積よりも小
さく、前記螺旋状導体部が前記部材に固定され、前記端
子部が前記部材の外側にあることを特徴とするコモンモ
ードチョークコイルである。
【0013】また、本発明は、前記のコモンモードチョ
ークコイルにおいて、前記コモンモードチョークコイル
素子の螺旋状導体が形成されている部分の基台の断面積
が、端子が形成されている部分の基台の断面積よりも小
さく、前記部材が前記コモンモードチョークコイル素子
の螺旋状導体の形状に略対応した凸部を有し、前記部材
は前記螺旋状導体部と前記端子部を覆っていることを特
徴とするコモンモードチョークコイルである。
【0014】また、本発明は、前記のコモンモードチョ
ークコイルにおいて、前記部材を構成する軟磁性体もし
くは誘電体の直流比抵抗が10Ω・m以上であること
を特徴とするコモンモードチョークコイルである。
【0015】また、本発明は、前記のコモンモードチョ
ークコイルにおいて、前記コモンモードチョークコイル
素子の第1及び第2の端子は、前記基台の長手方向に平
行な第1面とこれに対向する第2面の長手方向、及び長
手方向に垂直な面に連続した溝により分離形成され、電
気的に絶縁されてなることを特徴とするコモンモードチ
ョークコイルである。
【0016】また、本発明は、前記のコモンモードチョ
ークコイルにおいて、前記コモンモードチョークコイル
素子の第1及び第2の端子は、前記基台の両端部に形成
されてなる導体層を、長手方向に平行な第1面とこれに
対向する第2面の長手方向、及び長手方向に垂直な面に
おいて、連続した溝を形成するように除去することによ
り分離形成され、電気的に絶縁されてなることを特徴と
するコモンモードチョークコイルである。
【0017】また、本発明は、前記のコモンモードチョ
ークコイルにおいて、前記コモンモードチョークコイル
素子の第1及び第2の端子は、前記基台の長手方向に平
行な第1面以外の面の前記導体層が除去されてなること
を特徴とするコモンモードチョークコイルである。
【0018】また、本発明は、前記のコモンモードチョ
ークコイルにおいて、前記コモンモードチョークコイル
素子の導体層の除去方法は、レーザートリミング法、サ
ンドブラスト法、ウォータージェット法のいずれかの少
なくとも1種類であることを特徴とするコモンモードチ
ョークコイルである。
【0019】また、本発明は、前記のコモンモードチョ
ークコイルにおいて、前記コモンモードチョークコイル
素子の第1及び第2の端子が形成されている面の少なく
とも1つの面が露出するように、前記コモンモードチョ
ークコイル素子が前記部材に嵌合されてなることを特徴
とするコモンモードチョークコイルである。
【0020】また、本発明は、軟磁性体もしくは誘電体
からなる柱状の基台の表面に、メッキ法、スパッタ法、
蒸着法のいずれかの少なくとも1種類の方法を用いて導
体層を形成し、前記導体層の所要部分を、レーザートリ
ミング法、サンドブラスト法、ウォータージェット法の
いずれかの少なくとも1種類の方法で除去することによ
り、前記基台の表面に螺旋状導体及び端子を形成してコ
モンモードチョークコイル素子を得ることを特徴とす
る、前記のコモンモードチョークコイルの製造方法であ
る。
【0021】
【作用】本発明においては、基台表面に予め形成した導
体層の不要部分を、前記の方法を用いて除去するという
方法で、コモンモードチョークコイル素子を作製する。
このため、NC旋盤のような数値制御によって操作され
る各種の工作機械を加工に用いることができるので、従
来の巻線タイプや積層タイプのものと異なり、小型で高
精度の素子が得られる。
【0022】また、本発明によるコモンモードチョーク
コイルは、前記コモンモードチョークコイル素子の複数
個を適宜組み合わせて用いるので、設計の自由度が大き
く、幅広い要求特性に対応可能である。
【0023】
【発明の実施の形態】以下に、図面を参照して、本発明
の実施の形態を説明する。
【0024】図1は、本発明の代表的な実施の形態を示
す図で、2個のコモンモードチョークコイル素子101
を、軟磁性体あるいは誘電体からなる部材102に組み
付けて、コモンモードチョークコイル100とした状態
を示す。
【0025】コモンモードチョークコイル素子の製造方
法は、前記の方法を仕様に応じて適宜用いることができ
る。また、素子を組み付ける部材は、軟磁性体または誘
電体のブロックを切削加工して得ることができるが、量
産性を考慮するとプレス成形して焼結したものが好適で
ある。また、磁性体や誘電体の粉末を、適当な結合材で
成形したものも使用可能である。なお、用いる材料の直
流抵抗は、コモンモードチョークコイル素子間で十分な
絶縁が取れるように、10Ω・m以上必要である。
【0026】
【実施例】(実施例1)まず、コモンモードチョークコ
イル素子の製造法について説明する。図2は、素子を得
るための基台200の概略を示す図である。これは、誘
電体あるいは軟磁性体からなるが、この場合はμ′=3
0の軟磁性体を用いた。寸法及び形状は、1.6mm×
1.0mm×1.0mmの角柱状で螺旋状導体を形成する
部分201は、端子を形成する部分202より0.2m
m凹んでいて、断面の形状は一辺が0.6mmの正方形
となっている。また、端子を形成する部分202の幅
は、0.3mmである。
【0027】まず、基台20に、厚さ10μmとなるよ
うに、銅メッキを施した。この導体膜を設けた基台表面
に、レーザートリミング法により、20μmの深さで第
1の溝を形成した。次に、開始点をずらし、第1の溝の
間に第2の溝を形成した。これによって電気的に絶縁さ
れた螺旋状の溝を形成した。また、端子を形成する部分
の導体膜も、レーザートリミング法で所要部分を除去し
て端子とし、半田メッキを施した。この場合、螺旋状導
体を形成する部分の断面形状は四角柱であるが、多角
柱、円柱形状でもよい。各稜部は、RやCの面取り加工
を施すことが望ましい。
【0028】図3は、前記の方法で得られたコモンモー
ドチョークコイル素子300を示す図である。図3
(a)は正面図、図3(b)は側面図である。この図に
示したように、この素子には、隣接して設けられた第1
の溝301と、第2の溝302によって、第1の螺旋状
導体303と、第2の螺旋状導体304が形成されてい
る。そして、前記溝が端子形成部に延長された溝30
5、306によって、基台の両端に一対ずつ端子30
7、308、309、310が形成され、螺旋状導体3
03が、端子307と端子310に、螺旋状導体302
が端子308と309にそれぞれ接続されている。
【0029】このコモンモードチョークコイル素子30
0を、やはりμ′=30の軟磁性体からなり、素子30
0が嵌合し得る凹部を有する部材に組み付けて、2個並
列に固定することにより、4ラインのコモンモードチョ
ークコイルとした。図4は、この部材の斜視図である。
寸法は、高さが0.9mm、幅が2.4mm、奥行きが
0.8mmで、凹部が0.4mmの間隔で2箇所形成され
ていて、その寸法は高さが0.5mm、幅が0.6mmで
ある。
【0030】このコモンモードチョークコイルのコモン
モードインピーダンスを、インピーダンスアナライザに
より測定したところ、100MHzにおけるインピーダ
ンスが507Ωであった。ディファレンシャルモードイ
ンピーダンスは、5.0Ωであった。また、同一形状で
基台の材質をBaTiO系の誘電体としたものでは、
100MHzにおけるインピーダンスは100Ωであっ
た。
【0031】(実施例2)次に、第2の実施例として端
子の構造を変えた例を示す。図5は、第2の実施例に用
いたコモンモードチョークコイル素子を示す図で、図5
(a)は正面図、図5(b)は側面図である。この図に
示したように、本実施例では、端子501、502、5
03、504を形成する導体を、基台の底面には形成し
ていない。これを第1の実施例に用いたものと同一の、
軟磁性体からなる部材に組み込んでコモンモードチョー
クコイルとした。なお、螺旋状導体の形成法は、第1の
実施例と同様とした。
【0032】このコモンモードチョークコイルのコモン
モードのインピーダンスを、インピータンスアナライザ
により測定した。その結果、100MHzにおけるイン
ピーダンスが519Ωとなり、ディファレンシャルモー
ドのインピーダンスは5.1Ωとなった。
【0033】(実施例3)次に、第3の実施例として、
やはり端子の構造を変えた例を示す。図6、図7は、端
子の形成状態を示す図である。図6は、端子601、6
02を基台の正面部分にのみ形成した例であり、図7
は、端子701、702を基台の正面及び側面に亘って
形成した例である。螺旋状導体の形成法は、第1の実施
例と同様とした。
【0034】このコモンモードチョークコイル素子を、
第1の実施例に用いたものと同一の、軟磁性体からなる
部材に組み込んでコモンモードチョークコイルとした。
そして、インピーダンス特性を測定した結果、コモンモ
ードでは510Ω、ディファレンシャルモードでは5.
4Ωとなった。
【0035】(実施例4)第4の実施例として、レーザ
ートリミングではなく、サンドブラスト法により螺旋状
導体の形成を行い、第1の実施例とまったく同じコモン
モードチョークコイルを作製した。これについてインピ
ーダンスを測定したが、第1の実施例と何らの有意差も
認められなかった。
【0036】(実施例5)第5の実施例として、ウォー
タージェット法で螺旋状導体を形成して、第1の実施例
とまったく同じコモンモードチョークコイルを作製し
た。これについてもインピーダンスを測定したが、第1
の実施例と何らの有意差も認められなかった。
【0037】(実施例6)次に、第6の実施例として、
コモンモードチョークコイル素子を組み付ける部材の形
状を変えた例を示す。図8は、本実施例のコモンモード
チョークコイルを示す図であり、図8(a)は斜視図
を、図8(b)はAAの面における断面を示す。ここで
用いたコモンモードチョークコイル素子は、第1の実施
例に用いたものと同一である。組み付ける部材801
は、図に示したように、奥行きがコモンモードチョーク
コイル素子の全体の長さと略等しくなっている。即ち、
その寸法は、幅2.4mm、高さ1.0mm、奥行き1.
6mmである。また、コモンモードチョークコイル素子
を組み付ける部分には、図8(b)に示したように、コ
モンモードチョークコイル素子の螺旋状導体部の形状に
対応した凸部が設けられている。
【0038】このコモンモードチョークコイルのコモン
モードのインピーダンスを、インピーダンスアナライザ
により測定した結果、100MHzにおけるインピーダ
ンスが、コモンモードでは526Ω、ディファレンシャ
ルモードでは5.2Ωとなった。
【0039】また、この部材にコモンモードチョークコ
イル素子を1個固定した場合の100MHzにおけるイ
ンピーダンスは、コモンモードでは532Ω、ディファ
レンシャルモードでは5.7Ωであった。なお、本実施
例では、コモンモードチョークコイル素子として、第1
の実施例と同じものを用いたが、このような部材を用い
る場合は、第3の実施例に示した端子構造の方が好適で
ある。
【0040】(実施例7)次に、第7の実施例として、
コモンモードチョークコイル素子を、板状の部材に組み
付ける例を示す。図9は、本実施例のコモンモードチョ
ークコイルの斜視図である。ここで用いた部材の寸法
は、幅が2.0mm、高さが0.4mm、奥行きが1.6
mmである。
【0041】このコモンモードチョークコイルのインピ
ーダンスを、インピーダンスアナライザにより測定した
結果、100MHzにおけるコモンモードのインピーダ
ンスが507Ωとなった。ディファレンシャルモードの
インピーダンスは5.1Ωとなった。また、この部材9
00に1個だけ固定したコモンモードチョークコイル素
子のインピーダンス特性は、コモンモードでは509
Ω、ディファレンシャルモードでは5.1Ωとなった。
【0042】(実施例8)実施例1で用いたコモンモー
ドチョークコイル素子と同等品を4個用意し、4箇所の
凹部を有する部材を用いて8ラインのコモンモードチョ
ークコイルを形成した。図10は、このコモンモードチ
ョークコイル1000の側面を示す。部材1001の外
形寸法は、幅が4.4mm、高さが0.9mm、奥行きが
0.8mmである。
【0043】このコモンモードチョークコイルのコモン
モードのインピーダンスを、インピーダンスアナライザ
により測定した。その結果、100MHzにおけるイン
ピ一ダンスが516Ωとなった。ディファレンシャルモ
ードのインピーダンスは、5.1Ωとなった。また、コ
モンモードチョークコイル素子を2個以上並列に並べた
場合でも同等の結果が得られる。
【0044】(実施例9)実施例9は、コモンモードチ
ョークコイル素子として、螺旋状導体を基台表面に絶縁
層を介して、積層して形成したものを使用した。図11
は、本実施例に使用するコモンモードチョークコイル素
子1100を示す。この素子は、第1の実施例とまった
く同様に、第1の螺旋状導体を形成した後、絶縁層を形
成し、更に第1の螺旋状導体層と同様の方法で第2の螺
旋状導体を形成したものである。図11には、第2の螺
旋状導体のみが示されている。
【0045】このコモンモードチョークコイル素子を第
1の実施例と同様に軟磁性体からなる部材に組み付けコ
モンモードチョークコイルを得た。このコモンモードチ
ョークコイルのコモンモードのインピーダンスを、イン
ピーダンスアナライザにより測定した結果、100MH
zにおけるインピーダンスが517Ωとなり、ディファ
レンシャルモードのインピーダンスは5.2Ωとなっ
た。
【0046】また、第1の実施例に用いたコモンモード
チョークコイル素子を1個だけ部材に組み付けた場合
と、本実施例のコモンモードチョークコイル素子を1個
だけ部材に組み付けた場合についても、インピーダンス
特性を測定したところ、両者ともコモンモードでは52
1Ω、ディファレンシャルモードでは5.9Ωとなっ
た。
【0047】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、軟磁性体または誘電体にからなる基台表面に、互い
に電気的に絶縁された複数の螺旋状導体を形成したコモ
ンモードチョークコイル素子と、それを嵌合することが
できる凹部を有する部材からなり、少なくとも1個以上
のコモンモードチョークコイル素子を、前記部材並列に
固定することにより、共振周波数、インダクタンスのば
らつきが少ないコモンモードチョークコイルを、容易か
つ低コストで提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のコモンモードチョークコイルの一例を
示す図。
【図2】本発明のコモンモードチョークコイル素子に用
いる基台を示す図。
【図3】本発明の第1の実施例に用いるコモンモードチ
ョークコイル素子を示す図、図3(a)は正面図、図3
(b)は側面図。
【図4】本発明の第1の実施例に用いる部材を示す図。
【図5】本発明の第2の実施例に用いるコモンモードチ
ョークコイル素子を示す図、図5(a)は正面図、図5
(b)は側面図。
【図6】本発明の第3の実施例に用いるコモンモードチ
ョークコイル素子の端子の形成状態を示す図。
【図7】本発明の第3の実施例に用いるコモンモードチ
ョークコイル素子の端子の形成状態を示す図。
【図8】本発明の第6の実施例のコモンモードチョーク
コイルを示す図、図8(a)は全体の斜視図、図8
(b)はAAに対応する断面図。
【図9】本発明の第7の実施例のコモンモードチョーク
コイルを示す図。
【図10】本発明の第8の実施例のコモンモードチョー
クコイルを示す図。
【図11】本発明の第9の実施例に用いるコモンモード
チョークコイル素子を示す図。
【符号の説明】
100,800,1000 コモンモードチョークコ
イル 101,300,500 コモンモードチョークコイ
ル素子 102,400,801,900,1001 部材 200 基台 201 螺旋状導体形成部分 301,302,305,306,1102 溝 303,304,1101 螺旋状導体 307,308,309,310,501,502,5
03,504 端子 601,602,701,702,1103,1104
端子

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軟磁性体あるいは誘電体からなる基台の
    表面に、互いに電気的に絶縁されて電気長が略等しく形
    成された第1及び第2の螺旋状導体が、前記基台の両端
    部のそれぞれに一対ずつ形成された第1及び第2の端子
    部に接続されてなるコモンモードチョークコイル素子
    と、軟磁性体あるいは誘電体からなり、少なくとも1個
    の前記コモンモードチョークコイル素子を固着可能な凹
    部を有する部材とを組み合わせた構成を有することを特
    徴とするコモンモードチョークコイル。
  2. 【請求項2】 軟磁性体あるいは誘電体からなる基台の
    表面に、互いに電気的に絶縁されて電気長が略等しく形
    成された第1及び第2の螺旋状導体が、前記基台の両端
    部のそれぞれに一対ずつ形成された第1及び第2の端子
    部に接続されてなるコモンモードチョークコイル素子
    を、軟磁性体あるいは誘電体からなり、少なくとも2個
    の前記コモンモードチョークコイル素子を固着可能な凹
    部を有する部材の凹部に、直列または並列に固定してな
    ることを特徴とするコモンモードチョークコイル。
  3. 【請求項3】 軟磁性体あるいは誘電体からなる基台の
    表面に、互いに電気的に絶縁されて電気長が略等しく形
    成された第1及び第2の螺旋状導体が、前記基台の両端
    部のそれぞれに一対ずつ形成された第1及び第2の端子
    部に接続されてなるコモンモードチョークコイル素子
    と、軟磁性体あるいは誘電体からなる板状の部材とを組
    み合わせた構成を有し、少なくとも2個の前記コモンモ
    ードチョークコイル素子を、前記板状部材の上に直列ま
    たは並列に固定してなることを特徴とするコモンモード
    チョークコイル。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3のいずれかに記
    載のコモンモードチョークコイルにおいて、前記コモン
    モードチョークコイル素子の第1及び第2の螺旋状導体
    が、メッキ法、スパッタ法、蒸着法のいずれかの少なく
    とも1種類の方法を用いて設けられた導体層を、レーザ
    ートリミング法、サンドブラスト法、ウォータージェッ
    ト法のいずれかの少なくとも1種類の方法で部分的に除
    去することにより、基台表面に交互に形成されてなるこ
    とを特徴とするコモンモードチョークコイル。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項3のいずれかに記
    載のコモンモードチョークコイルにおいて、前記コモン
    モードチョークコイル素子は、基台表面にメッキ法、ス
    パッタ法、蒸着法のいずれかの少なくとも1種類の方法
    を用いて設けられた導体層を、レーザートリミング法、
    サンドブラスト法、ウォータージェット法のいずれかの
    少なくとも1種類の方法で部分的に除去することにより
    形成されてなる第1の螺旋状導体と、第1の螺旋状導体
    を被覆する絶縁層の上に第1の螺旋状導体と同様の方法
    で形成されてなる第2の螺旋状導体からなることを特徴
    とするコモンモードチョークコイル。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし請求項5のいずれかに記
    載のコモンモードチョークコイルにおいて、前記コモン
    モードチョークコイル素子の螺旋状導体が形成されてい
    る部分の基台の断面積が、端子が形成されている部分の
    基台の断面積よりも小さく、前記螺旋状導体部が前記部
    材に固定され、前記端子部が前記部材の外側にあること
    を特徴とするコモンモードチョークコイル。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし請求項5のいずれかに記
    載のコモンモードチョークコイルにおいて、前記コモン
    モードチョークコイル素子の螺旋状導体が形成されてい
    る部分の基台の断面積が、端子が形成されている部分の
    基台の断面積よりも小さく、前記部材が前記コモンモー
    ドチョークコイル素子の螺旋状導体の形状に略対応した
    凸部を有し、前記部材は前記螺旋状導体部と前記端子部
    を覆っていることを特徴とするコモンモードチョークコ
    イル。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし請求項7のいずれかに記
    載のコモンモードチョークコイルにおいて、前記部材を
    構成する軟磁性体もしくは誘電体の直流比抵抗が10
    Ω・m以上であることを特徴とするコモンモードチョー
    クコイル。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし請求項8のいずれかに記
    載のコモンモードチョークコイルにおいて、前記コモン
    モードチョークコイル素子の第1及び第2の端子は、前
    記基台の長手方向に平行な第1面とこれに対向する第2
    面の長手方向、及び長手方向に垂直な面に連続した溝に
    より分離形成され、電気的に絶縁されてなることを特徴
    とするコモンモードチョークコイル。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし請求項8のいずれかに
    記載のコモンモードチョークコイルにおいて、前記コモ
    ンモードチョークコイル素子の第1及び第2の端子は、
    前記基台の両端部に形成されてなる導体層を、長手方向
    に平行な第1面とこれに対向する第2面の長手方向、及
    び長手方向に垂直な面において、連続した溝を形成する
    ように除去することにより分離形成され、電気的に絶縁
    されてなることを特徴とするコモンモードチョークコイ
    ル。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載のコモンモードチョ
    ークコイルにおいて、前記コモンモードチョークコイル
    素子の第1及び第2の端子は、前記基台の長手方向に平
    行な第1面以外の面の前記導体層が除去されてなること
    を特徴とするコモンモードチョークコイル。
  12. 【請求項12】 請求項10もしくは請求項11のいず
    れかに記載のコモンモードチョークコイルにおいて、前
    記コモンモードチョークコイル素子の導体層の除去方法
    は、レーザートリミング法、サンドブラスト法、ウォー
    タージェット法のいずれかの少なくとも1種類であるこ
    とを特徴とするコモンモードチョークコイル。
  13. 【請求項13】 請求項1ないし請求項12のいずれか
    に記載のコモンモードチョークコイルにおいて、前記コ
    モンモードチョークコイル素子の第1及び第2の端子が
    形成されている面の少なくとも1つの面が露出するよう
    に、前記コモンモードチョークコイル素子が前記部材に
    嵌合されてなることを特徴とするコモンモードチョーク
    コイル。
  14. 【請求項14】 軟磁性体もしくは誘電体からなる柱状
    の基台の表面に、メッキ法、スパッタ法、蒸着法のいず
    れかの少なくとも1種類の方法を用いて導体層を形成
    し、前記導体層の所要部分を、レーザートリミング法、
    サンドブラスト法、ウォータージェット法のいずれかの
    少なくとも1種類の方法で除去することにより、前記基
    台の表面に螺旋状導体及び端子を形成してコモンモード
    チョークコイル素子を得ることを特徴とする、請求項1
    ないし請求項13のいずれかに記載のコモンモードチョ
    ークコイルの製造方法。
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