JP2020197682A - 光学素子調整機構および光学素子調整方法 - Google Patents

光学素子調整機構および光学素子調整方法 Download PDF

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山崎 達也
Tatsuya Yamazaki
達也 山崎
木村 勝彦
Katsuhiko Kimura
勝彦 木村
越智 学
Manabu Ochi
学 越智
賢司 渡部
Kenji Watabe
賢司 渡部
雅史 山下
Masafumi Yamashita
雅史 山下
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Abstract

【課題】光学素子ホルダを安定して支持するとともに、角度位置調整時に良好なリニアリティを得ることのできる光学素子調整機構を提供すること。【解決手段】光学素子調整機構60は、光学素子4を保持し回転可能な略円筒状の光学素子ホルダ10と、光学素子ホルダの円筒面を対向する2つの斜面溝21で支持する筐体20と、光学素子ホルダを筐体に押さえ付ける付勢手段17と、光学素子ホルダを回転させるために調整具30からの力を受ける把持部16と、を備える。そして、光学素子ホルダと接する斜面溝内の2箇所の支持箇所18a,18bから等距離にある仮想平面40を想定したとき、付勢手段17による付勢力Fは、光学素子ホルダに対し仮想平面40に沿って印加されるとともに、把持部16は、光学素子ホルダの回転調整開始状態において、仮想平面40上に位置するようにした。【選択図】図2A

Description

本発明は、光学素子の角度位置を好適に調整する光学素子調整機構および光学素子調整方法に関する。
各種の光学精密装置においては、実装する光学素子の方向(角度位置)を光学路に合わせて高精度に調整する必要がある。そのために、光学素子を保持する光学素子ホルダを使用し、光学素子ホルダの角度位置を調整する方法が用いられている。例えば特許文献1には、光ディスク装置で使用するセンサレンズの角度位置を調整する技術が開示されており、「センサレンズ47を円筒形のレンズホルダ51に保持させ、このレンズホルダ51を、光軸方向に延びる溝52(ホルダ支持部)上に配置する。また、レンズホルダ51の外周面を板バネ53により溝52に向けて付勢する。なお、レンズホルダ51の外周面には、小さな穴511が形成されている」と記載されている。
特開2006−286125号公報
前記特許文献1に記載されるレンズホルダは、レンズホルダの外周面が板バネにより付勢力が印加された状態で回転する構成となっている。しかし、この付勢力の印加位置はレンズホルダの外周面の頂上からずれているため、レンズホルダは溝(ホルダ支持部)に対して偏った状態で支持されることになり、回転方向によってはレンズホルダが溝から浮き上がって不安定になる恐れがある。また、レンズホルダの外周面に形成した穴に治具を差し込んでレンズホルダを回転させるとき、治具の変位量とレンズホルダの回転量の関係、すなわち角度調整時のリニアリティも調整機構の重要なポイントとなる。しかしながら前記特許文献1では、良好な角度調整リニアリティを実現するための構成については特に考慮されていない。
本発明の目的は、光学素子ホルダを安定して支持するとともに、角度位置調整時に良好なリニアリティを得ることのできる光学素子調整機構および光学素子調整方法を提供することにある。
本発明は、光学素子の角度位置を調整する光学素子調整機構において、光学素子を保持し回転可能な略円筒状の光学素子ホルダと、光学素子ホルダの円筒面を対向する2つの斜面溝で支持する筐体と、光学素子ホルダを筐体に押さえ付けるために付勢力を与える付勢手段と、光学素子ホルダに形成され、光学素子ホルダを回転させるために調整具からの力を受ける把持部と、を備える。そして、光学素子ホルダと接する斜面溝内の2箇所の支持箇所から等距離にある仮想平面を想定したとき、付勢手段による付勢力は、光学素子ホルダに対し仮想平面に沿って印加されるとともに、把持部は、光学素子ホルダの回転調整開始状態において、仮想平面上に位置するようにした。
また本発明は、光学素子の角度位置を調整する光学素子調整方法において、光学素子を回転可能な略円筒状の光学素子ホルダで保持するステップと、光学素子ホルダの円筒面を対向する2つの斜面溝を有する筐体で支持するステップと、光学素子ホルダを筐体に押さえ付けるために、筐体により保持された付勢手段により付勢力を与えるステップと、光学素子ホルダに形成された把持部に調整具により力を印加して光学素子ホルダを回転させるステップと、を備える。そして、光学素子ホルダと接する斜面溝内の2箇所の支持箇所から等距離にある仮想平面を想定したとき、付勢手段による付勢力を、光学素子ホルダに対し仮想平面に沿って印加するとともに、光学素子ホルダの回転調整開始状態において、把持部を仮想平面上に位置させるようにした。
本発明によれば、光学素子ホルダを安定して支持するとともに、角度位置調整時に良好なリニアリティを得ることのできる光学素子調整機構および光学素子調整方法を提供することができる。
上記以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
光学素子調整機構を有する光モジュールの例を示す図。 実施例1に係る光学素子調整機構60の構成を示す図。 図2Aの光学素子調整機構60の俯瞰図を示す図。 従来の光学素子調整機構61(第1の例)を示す図。 図3Aにおける付勢力の角度ずれθと反力Na,Nbの関係を示す図。 従来の光学素子調整機構62(第2の例)を示す図。 図4Aにおける把持部の変位xと回転角度θの関係を示す図。 実施例1における光学素子調整機構60の動作状態を示す図。 図5Aにおける把持部の変位xと回転角度θの関係を示す図。 角度調整後の光学素子ホルダ10を固定する方法を示す図。 実施例2に係る光学素子調整機構60aの構成を示す図。 実施例3に係る光学素子調整機構60bの構成を示す図。 実施例4に係る光学素子調整機構60cの構成を示す図。
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
図1は、光学素子調整機構を有する光モジュールの例を示す図である。ここでは、画像投射装置120に好適な光モジュール101の例を示し、光モジュール101の中には、光学素子の例として偏光素子4a〜4cの角度位置調整のための光学素子ホルダ10a〜10cが搭載されている。まず、全体構成から説明する。
光モジュール101は、画像入力信号に対応するレーザビームを走査しスクリーン107へ投射する機能を有する。スクリーン107上に表示された映像は透過反射膜110で反射され観察者200に視認される。ここで透過反射膜110とは、例えば画像投射装置120をヘッドアップディスプレイとして用いる場合、フロントガラスや樹脂製のコンバイナ等である。光モジュール101の構成は、破線で示した光源モジュール100、走査ミラー108を含む走査部、フロントモニター109、電源を内蔵する制御回路102、ビデオ信号処理回路103、レーザ光源駆動回路104、走査ミラー駆動回路105およびフロントモニター信号検出回路106を備える。以下、各部の構成を説明する。
光源モジュール100は、赤(R)/緑(G)/青(B)の3色それぞれに対応するレーザ光源として、第1のレーザ光源1a、第2のレーザ光源1b、第3のレーザ光源1cを備える。第1のレーザ光源1aから発せられたレーザビームは、第1のコリメータレンズ2aによって略平行光となる。同様に、第2のレーザ光源1bと第3のレーザ光源1cから発せられたレーザビームは、それぞれ第2のコリメータレンズ2bと第3のコリメータレンズ2cによって略平行光となる。第2のコリメータレンズ2bからのレーザビームと第3のコリメータレンズ2cからのレーザビームは、第1のビーム結合部3aにより一本の軸に沿って進む合成ビームに結合される。結合されたレーザビームは更に第2のビーム結合部3bにより、第1のコリメータレンズ2aからのレーザビームと結合される。走査ミラー108を含む走査部は、第2のビーム結合部3bからの結合されたレーザビームをスクリーン107へ投射し、スクリーン107上で2次元的にレーザビームを走査する。
次に、光モジュール101を制御し所望の画像信号に対応するレーザビームをスクリーン107に投射可能とする各種回路について説明する。
電源等を内蔵する制御回路102は、外部より入力される画像信号を取り込みビデオ信号処理回路103に出力する。ビデオ信号処理回路103は、入力される画像信号に対し各種の処理を施した後に、R/G/Bの3色信号に分離してレーザ光源駆動回路104に出力すると共に、入力された画像信号から水平同期信号および垂直同期信号を抽出し走査ミラー駆動回路105へ出力する。レーザ光源駆動回路104は、ビデオ信号処理回路103から入力されるR/G/Bの各信号の輝度値に応じて、光源モジュール100内の対応するレーザ光源(1a,1b,1c)に対して発光用の駆動電流を供給する。その結果、レーザ光源1a,1b,1cは、表示タイミングに合わせてR/G/B信号の輝度値に応じた強度のレーザビームを出射する。
また、走査ミラー駆動回路105は、ビデオ信号処理回路103から入力される水平同期信号および垂直同期信号に合わせて、光モジュール101内の走査ミラー108に対しミラー面を2次元的に反復回転させる駆動信号を供給する。これにより走査ミラー108は、ミラー面を所定の角度だけ周期的に反復回転して、第2のビーム結合部3bから供給される結合後のレーザビームを水平方向および垂直方向にレーザビームを走査して、スクリーン107上に画像を表示する。
フロントモニター信号検出回路106は、第2のビーム結合部3bからの結合後のレーザビームを検出するフロントモニター109からの信号を入力して、各レーザ光源1a,1b,1cから出射されるR/G/Bそれぞれのレーザビームの出力レベルを検出する。検出された出力レベルはビデオ信号処理回路103に入力され、レーザ光源駆動回路104を介して所定の出力になるよう各レーザ光源1a,1b,1cへの駆動電流が調整される。
なお、走査ミラー108には、例えばMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術を用いて作成された2軸駆動ミラーを用いることができる。駆動方式としては、圧電、静電、電磁駆動のものなどがある。また、1軸駆動の走査ミラーを2つ用意し、互いに直交する方向にレーザビームを走査できるように配置してもよい。
このような構成の光モジュール101においては、レーザビームの偏光方向が重要な設計項目となる。透過反射膜110では、入射する光のうちS偏光(入射面に垂直な偏光)に対する反射率がP偏光(入射面に平行な偏光)に対する反射率よりも高いため、スクリーン107に投射する光はS偏光成分が多いほど光利用効率が高い。ただし、観察者200が偏光サングラス(S偏光成分をカットするサングラス)をかけている場合、S偏光成分が多いと映像の視認性が著しく低下する。また、R/G/Bそれぞれのレーザビームの偏光方向がずれていた場合、色ごとの透過反射膜110での反射率に違いが生じるため、観察者200が視認する映像の色バランスが崩れてしまう。これらの理由より、R/G/Bのレーザビームの偏光方向を設計の意図通りに整列させる必要がある。例えば、観察者200が偏光サングラスを装着した際の視認性と光利用効率のバランスをとるため、透過反射膜110に入射する偏光方向が45°になるようレーザビームの偏光方向を整列させる。
しかしながら、各レーザ光源1a,1b,1cには偏光特性のばらつきや、各光学部品の実装ばらつき等が存在し、光モジュール101から出射される光の偏光方向にはばらつきが生じる。これを補正してR/G/Bのレーザビームの偏光方向を意図通りに整列させるため、偏光素子4a,4b,4cを設けている。偏光素子4a,4b,4cは、例えば1/2波長板である。偏光素子4a,4cは、それぞれレーザ光源1a,1cから発せられたレーザビームが合成される前の光路上に、各レーザビームの偏光方向を所定の方向に回転させる角度で配置されている。偏光素子4bは、各レーザ光源1a,1b,1cから発せられたそれぞれのレーザビームが全て合成された合成ビームの光路上に、合成ビームの偏光方向を所定の方向に回転させる角度で配置されている。
なお、ここに述べた光モジュール101の光学配置は一例であり、複数のレーザビームを合成するための手段や配置、および偏光素子4a,4b,4cの配置は問わない。例えば偏光素子4bはレーザ光源1bから発せられたレーザビームが合成ビームに合成される前の光路上に配置されてもよい。
これらの偏光素子4a,4b,4cを光モジュール101に実装する際は、各偏光素子4a,4b,4cを保持する光学素子ホルダ10a,10b,10cを使用する。そして、光モジュール101から出射される各光の偏光方向を測定しながら各光学素子ホルダ10a,10b,10cを回転させることで、偏光素子4a,4b,4cの角度位置を最適状態に調整する。以下、偏光素子4a,4b,4cの角度位置を調整するための、光学素子ホルダ10a,10b,10cを用いた光学素子調整機構について詳細に説明する。
図2Aは、実施例1に係る光学素子調整機構60の構成を示す図であり、光軸5の入射方向から見た図である。なお、図1で述べた3個の偏光素子4a〜4cに対するそれぞれの光学素子ホルダ10a〜10cは同様の構成であり、これらを区別せずに偏光素子4、光学素子ホルダ10と呼ぶことにする。
図2Aに示すように、光学素子ホルダ10は、光源モジュール100の筐体20に対して回転可能に支持されており、ここではその回転範囲の略中央の姿勢における位置関係を示している。光学素子ホルダ10には光学素子保持部12を設けており、そこに偏光素子4が保持・固定されている。固定の方法は、接着、バネ支持等を問わない。また光学素子ホルダ10は概略円筒形状であり、その上側には同一の曲率中心を持つ第1の円筒面13、および下側には同一の曲率中心を持つ第2の円筒面14が形成されている。光学素子ホルダ10の材質は加工性の良い金属材料(例えばアルミニウム)や樹脂材料が良く、サイズは例えば直径が5〜10mm、奥行きが1〜3mmである。
上側の第1の円筒面13は、板バネ17により光源モジュール100の筐体20の斜面溝21に向かって付勢力Fが印加されている。これにより、光学素子ホルダ10を筐体20に押さえ付けている。下側の第2の円筒面14は、筐体20に形成された斜面溝21と2箇所の支持箇所18a,18bで略対称形に接している。これらの構成により、光学素子ホルダ10は筐体20に安定に支持されている。ここで、2つの支持箇所18a,18bから等距離にある仮想平面40(鎖線で示す)を想定する。つまりこの仮想平面40は、光学素子ホルダ10の円筒中心を垂直方向に貫く平面である。なお、第2の円筒面14は支持箇所18a付近から支持箇所18b付近まで連続した円筒面でなくてもよく、2箇所の支持箇所18a,18b付近のみ円筒面を形成していればよい。
光学素子ホルダ10の上部には、一体に形成されたアーム部15およびその先端に形成された把持部16を有する。アーム部15は、第1の円筒面13のうち仮想平面40と交わらない部分から仮想平面40に向かって突出している。調整時には、アーム部15の先端に形成した把持部16を調整具30で水平方向に動かすことで、光学素子ホルダ10を回転させ、偏光素子4の角度調整を行うことができる。
上記の構成において、板バネ17は、第1の円筒面13と仮想平面40の交線上に配置し、光学素子ホルダ10に接触させている。また、光学素子ホルダ10の回転調整を開始する状態で、調整具30からの力を受ける把持部16は、仮想平面40上に位置するように設定されている。
図2Bは、図2Aに示した光学素子調整機構60の俯瞰図を示し、光学素子ホルダ10および板バネ17を、図2Aの紙面裏側から斜めに見た図である。板バネ17はステンレス等の金属を板金加工して作られており、偏光素子4を通る光線5を避けて配置されている。板バネ17は図示しない筐体20により保持され、付勢部171と抜け止め部172,173が形成されている。付勢部171は光学素子ホルダ10を付勢し、その反力を受ける。抜け止め部172,173は図示しない筐体20上の面に引っ掛かり、反力により板バネ17が脱落するのを防止している。
実施例1に係る光学素子調整機構60の特徴は、光学素子ホルダ10の第2の円筒面14を支持する筐体20の2つの支持箇所18a,18bから等距離な仮想平面40を想定したとき、光学素子ホルダ10に付勢力Fを与える板バネ17を、第1の円筒面13と仮想平面40の交線上で光学素子ホルダ10に接触させるとともに、光学素子ホルダ10の回転調整を開始する状態で、光学素子ホルダ10に対する調整力を受ける把持部16を、仮想平面40上に位置するように設定したことである。
これらの構成により、板バネ17の付勢力Fに対する2つの支持箇所18a,18bの反力がそれぞれ略同じ大きさになり、光学素子ホルダ10を安定して支持することができる。また、把持部16を動かす調整具30の変位量と光学素子ホルダ10の回転量の関係、すなわち角度調整時のリニアリティを良好とすることができる。
次に、本実施例の効果について、図面を用いて詳細に説明する。まず、比較のために従来の光学素子調整機構の課題について説明する。従来の光学素子調整機構の構造は、光学素子ホルダ10に対する板バネ17による付勢力の印加位置が仮想平面40からずれている状態、あるいは、回転調整の開始時における把持部16の設定位置が仮想平面40からずれている状態となっていた。これは、光学素子ホルダ10と仮想平面40との交線上に、板バネ17と把持部16の両者を配置することはできず、両者の干渉を避けるためである。
図3Aは、従来の光学素子調整機構の第1の例を示す図である。この光学素子調整機構61では、光学素子ホルダ10’に対し、仮想平面40からずれた位置に板バネ17の付勢力Fが印加されている。これは、仮想平面40上に把持部16’を配置したため、これとの干渉を避けるためである。仮想平面40と付勢力Fの角度ずれをθ、支持箇所18a,18bにおいて光学素子ホルダ10’が受ける反力をそれぞれNa,Nbとおき、仮想平面40と反力Na,Nbの角度をαとおくとき、角度ずれθと反力Na,Nbの関係は、
Na=(cosθ/cosα−sinθ/sinα)F/2・・・(1−1)
Nb=(cosθ/cosα+sinθ/sinα)F/2・・・(1−2)
で与えられる。
図3Bは、図3Aにおける付勢力Fの角度ずれθと反力Na,Nbの関係をグラフで示したものである。一例としてα=45degの場合を示す。このグラフから分かるように、角度ずれθ=0(付勢力Fが仮想平面40上にある)ときに反力Na,Nbは同じ大きさF/√2になり、光学素子ホルダ10’を最も安定に支持できる。角度ずれθの絶対値が大きくなるほど(付勢力Fが仮想平面40からずれるほど)反力Naと反力Nbの差が大きくなり、安定に支持できなくなる。このように、第1例の光学素子調整機構61においては、把持部16’との干渉を避けるため板バネ17の付勢位置を仮想平面40上からずらさなければならかった。その結果、板バネ17の付勢力に対する2つの支持箇所の反力Na,Nbに差が生じて光学素子ホルダ10’を安定して支持することができなかった。
図4Aは、従来の光学素子調整機構の第2の例を示す図である。この光学素子調整機構62では、光学素子ホルダ10’の回転調整の開始時において、把持部16’の位置が仮想平面40から距離δだけずれた位置Sに設定されている。これは、仮想平面40上に板バネ17を配置したため、これとの干渉を避けるためである。つまり、把持部16’が移動できる範囲は、板バネ17を避けた仮想平面40の片側に限定される。この図は、把持部16’を距離δの位置Sを基点として時計周りにθだけ回転(右方向にxだけ移動)させたときの姿勢を示す。このとき、光学素子ホルダ10’の回転中心から把持部16’までの距離をrとおくと、把持部16’の水平方向変位xと光学素子ホルダ9の回転角度θの関係は、
θ=sin−1(δ/r)−sin−1((δ−x)/r)・・・(2)
で表される。
図4Bは、図4Aにおける把持部16’の水平方向変位xと光学素子ホルダ10’の回転角度θの関係をグラフで示したものである。ここで変位x=0は、調整開始時の光学素子ホルダ10’の姿勢、すなわち、把持部16’が回転範囲の略中央に位置するときである。このグラフから明らかなように、x=0を境界に左側と右側の領域でθの変化が非対称になる。特に、左側の領域でxの絶対値が大きくなるほど、xに対するθの直線性が失われ、負の勾配が大きくなる。すなわち、調整具30によって把持部16’を水平方向左側に動かすほど調整時のリニアリティが失われ(角度変化が大)、微調整が難しくなる。また、θがxに対して直線性を失うほど、把持部16’の水平方向変位に対する垂直方向変位が大きくなり、調整具30から離れていく。すなわち、調整具30を水平に動かしたときに把持部16’が調整具30から離脱する恐れがあった。このように、第2例の光学素子調整機構62においては、板バネ17との干渉を避けるため、把持部16’を仮想平面40からずらさなければならかった。その結果、角度位置調整時に良好なリニアリティを得ることができなかった。
以上のように従来の光学素子調整機構においては、板バネ17の付勢力に対する2つの支持箇所の反力Na,Nbを等しくして光学素子ホルダ10を安定して支持することと、角度位置調整時に把持部16の変位に対する回転角度の間で良好なリニアリティを得ることを両立させることができなかった。
これに対し、図2Aで示した実施例1に係る光学素子調整機構60の動作を説明する。
図5Aは、実施例1における光学素子調整機構60の動作状態を示す図である。調整具30により、光学素子ホルダ10を時計周りにθだけ回転させた状態を示す。本実施例においては、仮想平面40上に板バネ17と調整開始時の把持部16の両方を配置している。これは、把持部16を仮想平面40上に形成するために、第1の円筒面13において仮想平面40と交わらない部分からアーム部15を設けたことで可能にしている。
まず、板バネ17の位置が仮想平面40上にあることから、付勢力Fに対する2つの支持箇所の反力Na,Nbは等しくなり、光学素子ホルダ10を最も安定に支持できる。また、光学素子ホルダ10の回転中心から把持部16までの距離をRとおくと、把持部16の水平方向変位xと光学素子ホルダ10の回転角度θの関係は、
θ=sin−1(x/R)・・・(3)
で表される。
図5Bは、図5Aにおける把持部16の水平方向変位xと光学素子ホルダ10の回転角度θの関係をグラフで示したものである。ここで変位x=0は、調整開始時の光学素子ホルダ10の姿勢、すなわち、把持部16が仮想平面40上に位置するときである。このグラフから明らかなように、x=0を境界に左側と右側の領域でθの変化が対称になる。また、x=0付近においてθはxに対して近似的に直線となる。すなわち、調整具30によって把持部16を水平方向に動かしたとき、これに略比例して光学素子ホルダ10が回転する。これにより、角度位置調整時に良好なリニアリティを得ることができ、安定した角度調整が可能になる。また、θの変化が近似的に直線である範囲においては、xに対するθの変化率が非常に小さくなる。すなわち、調整具30を水平に動かしたときに把持部16が調整具30から脱落する恐れが少ない。
上記の光学素子調整機構60において、板バネ17の代わりにコイルバネや弾性体等、他の付勢手段を用いてもよい。その場合も、仮想平面40と第1の円筒面13の交点を付勢の力点とすればよい。また、板バネ17ないし他の付勢手段は、調整作業をした後に筐体20等から取り外してもよい。
図6は、角度調整後の光学素子ホルダ10を固定する方法を示す図である。角度調整後の光学素子ホルダ10は、一般に、把持部16が仮想平面40からずれた姿勢となる。この姿勢を保持するため、光学素子ホルダ10の一部を筐体20に固定部材50により固定し、光学素子ホルダ10の回転を拘束する。ここで固定部材50には、例えば紫外線硬化性樹脂を用いる。ここでは、固定部材50により筐体20の底面2箇所に固定したが、固定部材50の位置や数は問わない。このように、本実施例の光学素子調整機構60により調整した光学素子ホルダ10は、調整後には、仮想平面40上に把持部16が位置しない姿勢で固定された状態が含まれる。
なお、図6に示した光学素子ホルダ10の固定方法は、以後に述べる実施例2〜4においても同様に適用可能である。
本実施例の光学素子調整機構60を光モジュール101に適用することで、レーザビームの偏光方向を設計意図通りに整列させた高品質な光モジュール101を提供できる。
次に、実施例1の光学素子調整機構60の変形例を実施例2〜4として説明する。各実施例においても、実施例1と同様に、光学素子ホルダ10を安定して支持する効果と、角度位置調整時に良好なリニアリティが得られ安定した角度調整を可能とする効果の両方を達成できる。また、各実施例の光学素子調整機構を適用することで、高品質な光モジュールを提供できる。
実施例2では、把持部16を支持するアーム部15の他の構成について説明する。
図7は、実施例2に係る光学素子調整機構60aの構成を示す図である。実施例1(図2A)と同一符号は同一部品を示し、再度の説明は省略する。光学素子ホルダ10は筐体20に対して回転可能に支持されており、調整開始時の位置関係を示している。光学素子ホルダ10の第1の円筒面13において、仮想平面40と交差する板バネ17の付勢位置を挟んだ両側の2箇所から2本のアーム部15a,15bを立ち上げ、両者が連結する位置に把持部16aを形成している。これにより、板バネ17と把持部16aの両方を仮想平面40上に位置づけている。
実施例1(図2A)と比較して実施例2の構成によれば、2本のアーム部15a,15bにより把持部16aの剛性を大きくしている。すなわち、把持部16aの剛性が十分でないと、調整具30を引っ掛けて光学素子ホルダ10を回転させる際、支持箇所18a,18bや板バネ17にて生じる摩擦力により把持部16周辺が変形することがある。その結果、調整具30の水平変位に対する光学素子ホルダ10の回転量の追従性が悪化してしまう。これに対し実施例2の構成によれば、調整時に把持部16a周辺に生じる曲げ変形を防止して、回転調整時の追従性を維持することができる。この効果は、光学素子ホルダ10の材料として弾性率の小さい樹脂等を用いる際に特に有効となる。
実施例3では、光学素子ホルダ10の第2の円筒面14側に把持部16bを形成した構成について説明する。
図8は、実施例3に係る光学素子調整機構60bの構成を示す図である。実施例1(図2A)と同一符号は同一部品を示し、再度の説明は省略する。実施例1においては、光学素子ホルダ10の第1の円筒面13側にアーム部15と把持部16を形成したのに対し、本実施例では、アーム部を設けず、光学素子ホルダ10の下側の第2の円筒面14側に把持部16bを形成している。そして、調整開始時において仮想平面40上に板バネ17と把持部16bが位置するように構成している。つまり、光学素子ホルダ10の円筒面13,14に対し、把持部16bの位置を板バネ17の位置とは径方向に対向するよう配置させた。
実施例3の構成によれば新たな効果として、アーム部を設ける必要がないので、小型の光学素子ホルダ10及び光学素子調整機構を提供できる。
実施例4では、2個の板バネ17a,17bを用いた構成について説明する。
図9は、実施例4に係る光学素子調整機構60cの構成を示す図である。実施例1(図2A)と同一符号は同一部品を示し、再度の説明は省略する。光学素子ホルダ10の第1の円筒面13の中央位置において、上方に突出するアーム部15cとその先端に把持部16cを形成している。そして、調整開始時において把持部16cは仮想平面40と交わるように位置づけている。また、アーム部15cを挟んだ第1の円筒面13には、仮想平面40に関して対称な位置に2個の板バネ17a,17bを配置している。2個の板バネ17a,17bによる付勢力Fの合力は、2箇所の支持箇所18a,18bの中央に向かうように付勢され、支持箇所18a,18bの反力Na,Nbは等しい大きさになり、光学素子ホルダ10を安定に支持することができる。
ここで、板バネ17a,17bは同一の部材で形成してもよく、代わりにコイルバネや弾性体等、他の付勢手段を用いてもよい。また、アーム部15cを設けず、実施例3と同様に把持部16cのみの構成としてもよい。
実施例4によれば新たな効果として、2個の板バネ17a,17bで2箇所を付勢することにより、単一箇所を付勢する場合よりも安定に光学素子ホルダ10を支持することができる。
以上述べた各実施例において、光学素子ホルダ10に搭載される光学素子4は偏光素子に限定されず、角度調整が必要な任意の光学素子に適用できる。また、その光学素子を用いた精密光学機器等に応用可能である。
本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1…レーザ光源、4…偏光素子(光学素子)、10…光学素子ホルダ、13…第1の円筒面、14…第2の円筒面、15…アーム部、16…把持部、17…板バネ(付勢手段)、18a,18b…支持箇所、20…筐体、21…斜面溝、30…調整具、40…仮想平面、50…固定部材、60…光学素子調整機構、101…光モジュール。

Claims (10)

  1. 光学素子の角度位置を調整する光学素子調整機構において、
    前記光学素子を保持し回転可能な略円筒状の光学素子ホルダと、
    前記光学素子ホルダの円筒面を対向する2つの斜面溝で支持する筐体と、
    前記光学素子ホルダを前記筐体に押さえ付けるために付勢力を与える付勢手段と、
    前記光学素子ホルダに形成され、該光学素子ホルダを回転させるために調整具からの力を受ける把持部と、を備え、
    前記光学素子ホルダと接する前記斜面溝内の2箇所の支持箇所から等距離にある仮想平面を想定したとき、
    前記付勢手段による付勢力は、前記光学素子ホルダに対し前記仮想平面に沿って印加されるとともに、
    前記把持部は、前記光学素子ホルダの回転調整開始状態において、前記仮想平面上に位置することを特徴とする光学素子調整機構。
  2. 請求項1に記載の光学素子調整機構において、
    前記付勢手段を、前記光学素子ホルダの円筒面と前記仮想平面の交線上に配置するとともに、
    前記把持部を、前記光学素子ホルダの前記仮想平面と交わらない部分から前記仮想平面に向かって突出するアーム部の先端に形成したことを特徴とする光学素子調整機構。
  3. 請求項2に記載の光学素子調整機構において、
    前記アーム部は、前記光学素子ホルダの円筒面と前記仮想平面の交線を挟んで両側から2本立ち上げ、その連結位置に前記把持部を形成したことを特徴とする光学素子調整機構。
  4. 請求項1に記載の光学素子調整機構において、
    前記付勢手段を、前記光学素子ホルダの円筒面と前記仮想平面の交線上に配置するとともに、
    前記把持部を、前記光学素子ホルダの円筒面に対し、前記付勢手段の位置とは径方向に対向する位置に配置させたことを特徴とする光学素子調整機構。
  5. 請求項1に記載の光学素子調整機構において、
    前記付勢手段を、前記光学素子ホルダの円筒面のうち前記仮想平面に関して対称に位置する2箇所に配置したことを特徴とする光学素子調整機構。
  6. 光学素子の角度位置を調整する光学素子調整方法において、
    前記光学素子を回転可能な略円筒状の光学素子ホルダで保持するステップと、
    前記光学素子ホルダの円筒面を対向する2つの斜面溝を有する筐体で支持するステップと、
    前記光学素子ホルダを前記筐体に押さえ付けるために、前記筐体により保持された付勢手段により付勢力を与えるステップと、
    前記光学素子ホルダに形成された把持部に調整具により力を印加して前記光学素子ホルダを回転させるステップと、を備え、
    前記光学素子ホルダと接する前記斜面溝内の2箇所の支持箇所から等距離にある仮想平面を想定したとき、
    前記付勢手段による付勢力を、前記光学素子ホルダに対し前記仮想平面に沿って印加するとともに、
    前記光学素子ホルダの回転調整開始状態において、前記把持部を前記仮想平面上に位置させることを特徴とする光学素子調整方法。
  7. 請求項6に記載の光学素子調整方法において、
    前記光学素子の角度位置の調整終了後、前記光学素子ホルダの一部を前記筐体に固定部材により固定するステップ、
    を有することを特徴とする光学素子調整方法。
  8. 請求項6に記載の光学素子調整方法において、
    前記光学素子の角度位置の調整終了後、前記付勢手段を前記筐体から取り外すことを特徴とする光学素子調整方法。
  9. 複数の光源と光学素子を有し、前記光学素子の角度位置の調整が可能な光モジュールにおいて、
    前記光学素子を保持し回転可能な略円筒状の光学素子ホルダと、
    前記光学素子ホルダの円筒面を対向する2つの斜面溝で支持する筐体と、
    前記光学素子ホルダを前記筐体に押さえ付けるために付勢力を与える付勢手段と、
    前記光学素子ホルダに形成され、該光学素子ホルダを回転させるために調整具からの力を受ける把持部と、を備え、
    前記光学素子ホルダと接する前記斜面溝内の2箇所の支持箇所から等距離にある仮想平面を想定したとき、
    前記付勢手段による付勢力は、前記光学素子ホルダに対し前記仮想平面に沿って印加されるとともに、
    前記把持部は、前記光学素子ホルダの回転調整開始状態において、前記仮想平面上に位置することを特徴とする光モジュール。
  10. 請求項9に記載の光モジュールにおいて、
    前記光学素子は偏光素子であり、前記調整具にて前記光学素子ホルダを回転させることで、前記複数の光源からの出射光の偏光状態を整列させることを特徴とする光モジュール。
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