JP2020190333A - 歯車伝動装置 - Google Patents

歯車伝動装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2020190333A
JP2020190333A JP2020143420A JP2020143420A JP2020190333A JP 2020190333 A JP2020190333 A JP 2020190333A JP 2020143420 A JP2020143420 A JP 2020143420A JP 2020143420 A JP2020143420 A JP 2020143420A JP 2020190333 A JP2020190333 A JP 2020190333A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gear
carrier
pinion
input
output
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020143420A
Other languages
English (en)
Inventor
磯野 宏
Hiroshi Isono
宏 磯野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2020143420A priority Critical patent/JP2020190333A/ja
Publication of JP2020190333A publication Critical patent/JP2020190333A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Retarders (AREA)

Abstract

【課題】大きな入出力比を設定することができるとともに、入出力軸の配置の自由度や入出力軸に連結される部材の体格の設計の自由度を向上することのできる歯車伝動装置を提供する。【解決手段】歯車伝動装置において、互いに歯数が異なりかつ同一軸線上に配置されて一体となって回転する少なくとも一対のピニオンギヤP1,P2と、ピニオンギヤP1,P2を自転可能に保持して自転するキャリヤ5と、一対のピニオンギヤP1,P2のうちの第1ピニオンギヤP1に噛み合いかつ固定部8に固定されている固定ギヤS1,R1と、一対のピニオンギヤP1,P2のうちの第2ピニオンギヤP2に噛み合いかつキャリヤ5の内周側にキャリヤ5と同一軸線上に回転可能に配置された第1入出力ギヤS2,R2と、キャリヤ5の外周部に設けられた外歯ギヤ6と、外歯ギヤ6に噛み合う複数の第2入出力ギヤ4とを備えている。【選択図】図1

Description

この発明は、遊星歯車機構を用いて動力を伝達する歯車伝動装置に関するものである。
この種の装置の一例が特許文献1に記載されている。その装置は、2つのステップドピニオンギヤと、それらのステップドピニオンギヤを自転および公転可能に支持するキャリヤとを備えている。そのキャリヤにモータが連結されており、そのモータはキャリヤと同一軸線上に配置されている。各ステップドピニオンギヤは、キャリヤにおける同一円周上に等間隔に配置されており、固定側遊星歯車と当該固定側遊星歯車より小径の出力側遊星歯車とを有している。また、キャリヤと同一軸線上に、所定の固定部に固定された固定歯車と、出力軸に連結された出力歯車とが配置されている。固定歯車は固定側遊星歯車より大径のギヤであって、その固定歯車に固定側遊星歯車が噛み合っている。出力歯車は出力側遊星歯車より大径のギヤであって、その出力歯車に出力側遊星歯車が噛み合っている。そして、モータのトルクによってキャリヤが回転すると、固定側遊星歯車は固定歯車に噛み合いながら自転および公転する。その自転回転数は、固定側遊星歯車と固定歯車との歯数の比に応じて決まる回転数となり、その回転数で出力側遊星歯車が自転する。この出力側遊星歯車に噛み合っている出力歯車すなわち出力軸は、出力側遊星歯車と出力歯車との歯数の比および出力側遊星歯車の自転回転数ならびに公転回転数に応じた回転数で回転する。すなわち、出力軸の回転数に対するモータの回転数である変速比は、各固定側遊星歯車と固定歯車との歯数比および出力側遊星歯車と出力歯車との歯数比によって決まり、モータトルクはその変速比に応じて増減されて出力軸から出力される。
特開2010−60095号公報
特許文献1に記載された装置では、出力歯車あるいはこれと一体の出力軸を回転させる出力側遊星歯車を公転させるとともに、その出力側遊星歯車の自転回転数を固定歯車およびこれに噛み合っている固定側遊星歯車によって減速するから、減速機構として構成した場合には、減速比を大きくすることができる。しかしながら、特許文献1に記載された構成では、キャリヤに連結されている入力軸と固定歯車が設けられている出力軸とが、上記の歯車機構を挟んだ両側で同一軸線上に配置されている。そのため、入力のための機構と出力のための機構との配置に制約があり、例えば車両に搭載する場合には、車載性の点で改良する余地がある。また、特許文献1に記載された構成では、変速比を決める各歯車がキャリヤの内周側に配置されているので、組み付け性や歯車の加工性などの点で、各歯車の径や歯数が制約され、その結果、装置の全体としての変速比が制約され、例えば減速比を大きくできないなどの課題がある。
この発明は上記のような技術的課題に着目してなされたものであり、大きな入出力比を設定することができるとともに、入出力軸の配置の自由度や入出力軸に連結される部材の体格の設計の自由度を向上することのできる歯車伝動装置を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、この発明は、入力されたトルクを複数の歯車を介して出力側に伝達して出力する歯車伝動装置において、互いに歯数が異なりかつ同一軸線上に配置されて一体となって回転する少なくとも一対のピニオンギヤと、前記ピニオンギヤを自転可能に保持しかつ前記ピニオンギヤを公転させるように自転するキャリヤと、一対の前記ピニオンギヤのうちの第1ピニオンギヤに噛み合いかつ所定の固定部に固定されている固定ギヤと、一対の前記ピニオンギヤのうちの第2ピニオンギヤに噛み合いかつ前記キャリヤの内周側に前記キャリヤと同一軸線上に回転可能に配置された第1入出力ギヤと、前記キャリヤの外周部に設けられた外歯ギヤと、前記外歯ギヤに噛み合っている複数の第2入出力ギヤとを備えていることを特徴とするものである。
この発明では、前記第1入出力ギヤと前記第2入出力ギヤとは、それぞれの回転中心軸線が前記キャリヤの回転中心軸線と平行になるように配置され、前記第1入出力ギヤに連結されている第1入出力機構と、前記第2入出力ギヤのそれぞれに連結されている複数の第2入出力機構とを更に備え、前記第1入出力機構と前記第2入出力機構とは、前記回転中心軸線の方向で、前記歯車伝動装置に対して同じ側に配置されていてよい。
この発明では、前記第1ピニオンギヤの歯数は、前記第2ピニオンギヤの歯数より少なくてよい。
この発明では、前記固定ギヤは、前記第1ピニオンギヤの内周側に配置されたサンギヤであってよい。
この発明では、前記固定ギヤは、前記第1ピニオンギヤの外周側に配置されたリングギヤであってよい。
この発明では、前記第1入出力機構は、前記第1入出力ギヤからトルクを伝達される出力機構であり、前記第2入出力機構の各々は、前記第2入出力ギヤにトルクを入力する入力機構であってよい。
この発明によれば、例えば、第2入出力ギヤのそれぞれにトルクが入力されると、外歯ギヤすなわちキャリヤが回転する。そのキャリヤの回転に伴って各ピニオンギヤが自転しながら回転する。第1ピニオンギヤは固定ギヤに噛み合っているので固定ギヤから反力を受けて自転し、第2ピニオンギヤが第1ピニオンギヤと共に自転する。そして、第2ピニオンギヤから第1入出力ギヤにトルクが伝達され、第1入出力ギヤが所定の回転数で回転する。その第1入出力ギヤの回転数と第2入出力ギヤの回転数との比である変速比を決める各ギヤのうち第2入出力ギヤおよびこれに噛み合っている外歯ギヤは、キャリヤの外周側に配置されていてその外径や歯数がキャリヤの内径によって制限されない。すなわち、この発明の歯車伝動装置では、変速比を制約する要因が少ないので、変速比を従来に比較して大きくすることができ、あるいは変速比の選択の幅を広くすることができる。
また、この発明では、第1入出力機構と第2入出力機構との配置位置をキャリヤの回転中心軸線の方向で同じ側にすることができるなど、配置の自由度が高く、そのため車両に搭載する場合には車載性を向上させることができる。
この発明の第1実施形態に係る歯車伝動装置を模式的に示す図である。 この発明の第2実施形態に係る歯車伝動装置を模式的に示す図である。 この発明の第3実施形態に係る歯車伝動装置を模式的に示す図である。 この発明の第4実施形態に係る歯車伝動装置を模式的に示す図である。 この発明の第5実施形態に係る歯車伝動装置を模式的に示す図である。 この発明の第6実施形態に係る歯車伝動装置を模式的に示す図である。
(第1実施形態)
図1は、この発明の第1実施形態に係る歯車伝動装置を模式的に示す図である。ここに示す歯車伝動装置1は減速装置として構成されており、トルクが入力される互いに平行に配置された3つの入力軸2を備え、3つの入力軸2のうちの第1入力軸2Aおよび第2入力軸2Bは、歯車伝動装置1の回転中心軸線(以下、単に軸線と記す。)O方向で第3入力軸2Cとは反対側に位置している。また、各入力軸2に、この発明の実施形態における第2入出力機構および入力機構に相当するアクチュエータ3がそれぞれ連結されている。第1入力軸2Aに第1アクチュエータ3Aが連結され、第2入力軸2Bに第2アクチュエータ3Bが連結されている。各入力軸2A,2Bに、この発明の実施形態における第2入出力ギヤに相当する外歯歯車であるドライブギヤ4がそれぞれ連結されている。また、第3入力軸2Cに第3アクチュエータ3Cが連結されている。歯車伝動装置1および第3入力軸2Cと同一軸線上であって、第3アクチュエータ3Cとは反対側に、複数のピニオンギヤを自転可能に保持して回転するキャリヤ5が設けられている。そのキャリヤ5に第3入力軸2Cが連結されている。
キャリヤ5は平板状に形成されており、その外周部にドライブギヤ4より大径の外歯ギヤ6が形成されている。その外歯ギヤ6にドライブギヤ4が噛み合っている。したがって、キャリヤ5の半径方向で第3入力軸2Cの外側に、第1入力軸2Aと第2入力軸2Bとが位置している。また、キャリヤ5の外周部に軸線O方向と平行に配置された第1ピニオン軸7が取り付けられている。第1ピニオン軸7に第1ピニオンギヤP1と第2ピニオンギヤP2とが回転可能に支持されている。また、第1ピニオンギヤP1と第2ピニオンギヤP2とは一体となって回転するように構成されている。
ここで、各アクチュエータ3A,3B,3Cについて説明する。図1に示す例では、第1アクチュエータ3Aと第2アクチュエータ3Bとは、例えば、制動トルクを発生するアクチュエータであって、通電されることにより発生する磁気吸引力を利用して所定の回転部材つまり上述した各ドライブギヤ4を制動する励磁作動型の電磁ブレーキによって構成されている。あるいは、第1アクチュエータ3Aと第2アクチュエータ3Bとは、電動モータによって駆動される送りねじ機構を用いて摩擦制動力を発生させる電動ブレーキ、あるいは、モータで発電する際に発生する抵抗力を利用して各ドライブギヤ4を制動する回生ブレーキなどによって構成されていてもよい。第3アクチュエータ3Cは、例えば、駆動トルクを発生させるアクチュエータであって、永久磁石式の同期モータ、あるいは、誘導モータなどによって構成されている。
第1ピニオンギヤP1に、当該第1ピニオンギヤP1より大径の外歯歯車である第1サンギヤS1が噛み合っている。第1サンギヤS1はこの発明の実施形態における固定ギヤに相当し、キャリヤ5と同一軸線上に配置されかつ、ケースなどの所定の固定部8に固定されている。第2ピニオンギヤP2に、当該第2ピニオンギヤP2より大径の外歯歯車である第2サンギヤS2が噛み合っている。第2サンギヤS2は、この発明の実施形態における第1入出力ギヤに相当し、キャリヤ5の軸線O方向でキャリヤ5を挟んで第1サンギヤS1とは反対側であって、キャリヤ5と同一軸線上に配置されている。その第2サンギヤS2に出力軸9が連結されている。つまり、キャリヤ5に対して各アクチュエータ3A,3Bと同じ側に出力軸9が配置されている。出力軸9には、この発明の実施形態における第1入出力機構および出力機構に相当する車両の駆動輪などの出力部材10が連結されている。
次に、この発明の第1実施形態に係る歯車伝動装置1の作用について説明する。第3アクチュエータ3Cを駆動してトルクを発生させると、そのトルクを受けて第3入力軸2Cとキャリヤ5とが回転する。キャリヤ5の回転に伴って、第1ピニオンギヤP1は第1サンギヤS1に噛み合いながら第1サンギヤS1の周囲を公転する。第1サンギヤS1は固定されているので、第1ピニオンギヤP1は第1サンギヤS1から反力を受けて自転する。この第1ピニオンギヤP1と第2ピニオンギヤP2とは一体となって回転するように構成されているので、第2ピニオンギヤP2は第1ピニオンギヤP1と同回転数で同方向に自転する。この第2ピニオンギヤP2に第2サンギヤS2が噛み合っているので、第2サンギヤS2およびこれと一体の出力軸9が第2ピニオンギヤP2からトルクを受けて回転する。その場合、第2ピニオンギヤP2は自転しつつ公転しているので、第2サンギヤS2およびこれと一体の出力軸9は、第2ピニオンギヤP2と第2サンギヤS2との歯数の比、ならびに第2ピニオンギヤP2の自転回転数および公転回転数に応じた回転数で回転する。また、キャリヤ5の外歯ギヤ6からトルクを受けて2つのドライブギヤ4が回転し、各ドライブギヤ4からトルクを受けて第1アクチュエータ3Aと第2アクチュエータ3Bとが回転する。なお、このように第1アクチュエータ3Aと第2アクチュエータ3Bとが回転する場合において、第3アクチュエータ3Cのトルクの一部を第1アクチュエータ3Aと第2アクチュエータ3Bとの少なくともいずれか一方によって回生してもよく、あるいは、各アクチュエータ3A,3Bは、制動トルクを発生させないフリーな状態に設定されていてもよい。
ここで、この発明の第1実施形態に係る歯車伝動装置1におけるキャリヤ5の回転数に対する第2サンギヤS2の回転数について説明する。下記の(1)式は、キャリヤ5の回転数NINに対する第2サンギヤS2の回転数NOUTを算出する式である。
NOUT=NIN×(1-(ZS1/ZP1)×(ZP2/ZS2)) ・・・(1)
上記のZS1は第1サンギヤS1の歯数であり、ZP1は第1ピニオンギヤP1の歯数であり、ZP2は第2ピニオンギヤP2の歯数であり、ZS2は第2サンギヤS2の歯数である。なお、第2サンギヤS2の回転数NOUTの絶対値が「1」より小さくなるように、各ギヤS1,S2,P1,P2の歯数が設定される。なお、ZP1<ZP2であってよい。
したがって、上記構成の歯車伝動装置1によれば、第3アクチュエータ3Cのトルクを増幅して出力軸9から出力することができる。そのため、最高出力や体格などが可及的に小さいアクチュエータを第3アクチュエータ3Cとして用いることができる。また、第1アクチュエータ3Aと第2アクチュエータ3Bとには、外歯ギヤ6とドライブギヤ4とのギヤ比に応じてキャリヤ5の回転数が増速して伝達される。つまり、キャリヤ5のトルクは上述したギヤ比に応じて低減されて各アクチュエータ3A,3Bに伝達される。そのため、出力部材10の回転数を低減し、あるいは出力部材10の回転を止める場合において、各アクチュエータ3A,3Bで発生させる制動トルクを低減することができる。また、2つのアクチュエータ3A,3Bが設けられているため、各アクチュエータ3A,3Bでの負荷を低減することができる。これらのことにより各アクチュエータ3A,3Bを小型化することができる。また、第3アクチュエータ3Cに対して、第1アクチュエータ3Aと第2アクチュエータ3Bとがキャリヤ5の半径方向にずれて配置されるため、各アクチュエータ3A,3B,3Cを同一軸線上に配置する場合に比較して各アクチュエータ3A,3B,3Cの配置や体格の自由度を向上することができる。ひいては、この発明の第1実施形態に係る歯車伝動装置1を小型化することができる。
(第2実施形態)
図2は、この発明の第2実施形態に係る歯車伝動装置1を模式的に示す図である。ここに示すキャリヤ5は、軸線O方向で第1サンギヤS1側に配置されるリング状の第1キャリヤプレート11と、第1キャリヤプレート11の外周部から軸線O方向に延びる円筒部12と、円筒部12を挟んで第1キャリヤプレート11とは反対側すなわち第2サンギヤS2側に連結されたリング状の第2キャリヤプレート13とを備えている。第1キャリヤプレート11の内周部に第1貫通部11Aが形成されている。この第1貫通部11Aを、この発明の実施形態における固定ギヤに相当する第1サンギヤS1の第1サンギヤ軸14が貫通している。また、第2キャリヤプレート13の内周部に第2貫通部13Aが形成されている。この第2貫通部13Aを、出力軸9が貫通しており、出力軸9に、この発明の実施形態における第1入出力ギヤに相当する第2サンギヤS2が連結されている。つまり、各キャリヤプレート11,13に各貫通部11A,13Aが形成されている以外は、キャリヤ5は閉じた形状を成しており、キャリヤ5の断面は、図2に示すように、ほぼ方形あるいは矩形の断面を成している。
キャリヤ5の軸線O方向であって円筒部12の外周面における第2キャリヤプレート13側に、外歯ギヤ6が形成されている。外歯ギヤ6に、この発明の実施形態における第2入出力ギヤに相当する2つのドライブギヤ4がそれぞれ噛み合っている。各ドライブギヤ4に入力軸2A,2Bが連結されている。各入力軸2A,2Bは、キャリヤ5の軸線O方向でキャリヤ5を挟んで出力軸9と同じ側に配置されている。第1入力軸2Aに第1アクチュエータ3Aが連結され、第2入力軸2Bに第2アクチュエータ3Bが連結されている。各アクチュエータ3A,3Bがこの発明の実施形態における第2入出力機構および入力機構に相当している。また、外歯ギヤ6の少なくとも一部と第2ピニオンギヤP2の少なくとも一部とは半径方向に並んで配置されている。ここで、「並んで」とは、外歯ギヤ6と第2ピニオンギヤP2とのそれぞれの少なくとも一部が半径方向で重なり合っている状態を意味している。
キャリヤ5の軸線と平行に第1ピニオン軸7が配置されており、その一端部は第1キャリヤプレート11に取り付けられ、他端部は第2キャリヤプレート13に取り付けられている。
図2に示す例における、各アクチュエータ3A,3Bについて説明する。各アクチュエータ3A,3Bは共に駆動トルクと発生するアクチュエータであってよく、あるいは、制動トルクを発生するアクチュエータであってよい。あるいは、各アクチュエータ3A,3Bのうち、いずれか一方のアクチュエータ3A(3B)が駆動トルクを発生するアクチュエータであって、いずれか他方のアクチュエータ3B(3A)が制動トルクを発生するアクチュエータであってよい。各アクチュエータ3A,3Bとして、駆動トルクを発生するアクチュエータを用いる場合には、上述した永久磁石式の同期モータや、誘導モータであってよい。また、各アクチュエータ3A,3Bとして、制動トルクを発生するアクチュエータを用いる場合には、上述した電磁ブレーキや電動ブレーキあるいは回生ブレーキであってよい。他の構成は図1に示す構成と同様であるため、図1に示す構成と同様の部分には図1と同様の符号を付してその説明を省略する。
次に、この発明の第2実施形態に係る歯車伝動装置1におけるキャリヤ5の回転数NINに対する第2サンギヤS2の回転数NOUTについて説明すると、キャリヤ5の回転数NINに対する第2サンギヤS2の回転数NOUTの算出式は上記の(1)と同様である。なお、第2サンギヤS2の回転数NOUTの絶対値が「1」より小さくなるように、各ギヤS1,S2,P1,P2の歯数が設定される。なお、ZP1<ZP2であってよい。そのため、キャリヤ5の回転数NINに対して第2サンギヤS2の回転数NOUTが減速される。
この発明の第2実施形態に係る歯車伝動装置1の作用について、先ず、各アクチュエータ3A,3Bを共に駆動トルクを発生するアクチュエータによって構成した場合について説明する。第1アクチュエータ3Aと第2アクチュエータ3Bとのうちの少なくとも一方を駆動してトルクを発生させる。そのトルクを受けて各アクチュエータ3A,3Bに連結されているドライブギヤ4が回転する。各ドライブギヤ4は、当該ドライブギヤ4より大径の外歯ギヤ6に噛み合っているため、ドライブギヤ4の回転数に対してキャリヤ5の回転数は減速される。キャリヤ5の回転に伴って、第1ピニオンギヤP1は第1サンギヤS1に噛み合いながら第1サンギヤS1の周囲を公転する。第1サンギヤS1は固定されているので、第1ピニオンギヤP1は第1サンギヤS1から反力を受けて自転する。この第1ピニオンギヤP1と第2ピニオンギヤP2とは一体となって回転するように構成されているので、第2ピニオンギヤP2は第1ピニオンギヤP1と同回転数で同方向に自転する。この第2ピニオンギヤP2に第2サンギヤS2が噛み合っているので、第2サンギヤS2およびこれと一体の出力軸9が第2ピニオンギヤP2からトルクを受けて回転する。その場合、第2ピニオンギヤP2は自転しつつ公転しているので、第2サンギヤS2およびこれと一体の出力軸9は、第2ピニオンギヤP2と第2サンギヤS2との歯数の比、ならびに第2ピニオンギヤP2の自転回転数および公転回転数に応じた回転数で回転する。その回転数は、上述したように、キャリヤ5の回転数に対して減速されるため、各アクチュエータ3A,3Bのトルクは増幅されて第2サンギヤS2およびこれと一体の出力軸9に伝達される。また、2つのアクチュエータ3A,3Bによって駆動トルクを発生するから、第1実施形態と同様に、各アクチュエータ3A,3Bでの負荷を低減することができ、各アクチュエータ3A,3Bを可及的に小型化することができる。
また、各アクチュエータ3A,3Bを共に制動トルクを発生するアクチュエータによって構成した場合について説明する。つまり、出力部材10の回転数を低減あるいは止める場合について説明する。第2サンギヤS2およびこれと一体の出力軸9の回転数に対してキャリヤ5の回転数は高い、すなわち増速されている。また、キャリヤ5の外歯ギヤ6には当該外歯ギヤ6より小径のドライブギヤ4が噛み合っている。そのため、キャリヤ5の回転数に対してドライブギヤ4の回転数は増速され、つまり、ドライブギヤ4に現れるトルクはキャリヤ5のトルクに対して低減される。そして、2つのアクチュエータ3A,3Bによって制動トルクを発生するから、各アクチュエータ3A,3Bでの負荷を低減することができる。それらの結果、第1実施形態と同様に、各アクチュエータ3A,3Bを可及的に小型化することができる。
さらに、各アクチュエータ3A,3Bのうち一方を、駆動トルクを発生するアクチュエータによって構成し、他方を、制動トルクを発生するアクチュエータによって構成した場合について説明する。この場合であっても、駆動トルクを発生するアクチュエータ3A(3B)のトルクは出力部材10に増幅して伝達され、また、制動トルクを発生するアクチュエータ3B(3A)に対しては出力部材10のトルクは低減されて伝達される。そのため、各アクチュエータ3A,3Bを小型化することができると共に、駆動用のアクチュエータ3A(3B)と制動用のアクチュエータ3B(3A)とを備えた歯車伝動装置1とすることができる。さらに、各入力軸2A,2Bと出力軸9とはキャリヤ5に対して同じ側に配置され、かつ、キャリヤ5の半径方向で出力軸9の外側に各入力軸2A,2Bが配置されるため、装置の軸長を短くできると共に、各入力軸2A,2Bの配置の自由度や、各入力軸2A,2Bに連結される各アクチュエータ3A,3Bの体格などの設計の自由度を向上することができる。そのため車両に搭載する場合には車載性を向上することができる。そして、キャリヤ5はいわゆる閉じた形状に形成されているため、キャリヤ5の剛性は向上されており、その結果、トルク伝達に伴う荷重を受けることができる。
(第3実施形態)
図3は、この発明の第3実施形態に係る歯車伝動装置1を模式的に示す図である。図3に示すキャリヤ5は、軸線O方向で第1サンギヤS1側に配置されるリング状の第1キャリヤプレート11と、第1キャリヤプレート11の外周部から軸線O方向に延びる円筒部12と、円筒部12を挟んで第1キャリヤプレート11とは反対側すなわち第2サンギヤS2側に連結されたリング状の第2キャリヤプレート13とを備えている。第1キャリヤプレート11の内周部に第1貫通部11Aが形成されている。その第1貫通部11Aを、この発明の実施形態における固定ギヤに相当する第1サンギヤS1のサンギヤ軸14が貫通している。第1サンギヤS1に第1ピニオンギヤP1が噛み合っている。第2キャリヤプレート13の内周部に第2貫通部13Aが形成されている。その第2貫通部13Aを出力軸9が貫通しており、出力軸9に、この発明の実施形態における第1入出力ギヤに相当する第2サンギヤS2が連結されている。第2サンギヤに第2ピニオンギヤP2が噛み合っている。そのため、各キャリヤプレート11,13に各貫通部11A,13Aが形成されている以外は、キャリヤ5は、図3に示すように、閉じた形状を成している。
上記の円筒部12は小径部12Aと、当該小径部12Aよりも外径の大きい大径部12Bと、軸線O方向で小径部12Aと大径部12Bとの間に配置されていて小径部12Aと大径部12Bとを連結するリング状の連結部12Cとを有している。つまり、円筒部12は図3に示すように階段状を成している。小径部12Aは第2キャリヤプレート13側に位置しており、軸線O方向で第2キャリヤプレート13側の開口部に第2キャリヤプレート13の外周部が連結され、これとは反対側の開口部に連結部12Cの内周部が連結されている。連結部12Cの外周部には、大径部12Bの開口部が連結されている。大径部12Bにおける第2キャリヤプレート13とは反対側の開口部に、第2キャリヤプレート13の外周部が連結されている。
キャリヤ5の軸線O方向であって小径部12Aの外周面に、外歯ギヤ6が形成されている。外歯ギヤ6に、この発明の実施形態における第2入力ギヤに相当する2つのドライブギヤ4がそれぞれ噛み合っており、各ドライブギヤ4に入力軸2A,2Bが連結されている。各入力軸2A,2Bは、キャリヤ5の軸線O方向でキャリヤ5を挟んで出力軸9と同じ側に配置されている。第1入力軸2Aに第1アクチュエータ3Aが連結され、第2入力軸2Bに第2アクチュエータ3Bが連結されている。各アクチュエータ3A,3Bがこの発明の実施形態における第2入出力機構および入力機構に相当している。また、外歯ギヤ6の少なくとも一部と第2ピニオンギヤP2の少なくとも一部とは半径方向に並んで配置されている。ここで、「並んで」とは、外歯ギヤ6と第2ピニオンギヤP2とのそれぞれの少なくとも一部が半径方向で重なり合っている状態を意味している。
上記構成のキャリヤ5に外歯歯車である5つのピニオンギヤP1,P2,P3,P4,P5が回転可能に支持されている。第1ピニオンギヤP1は第1ピニオン軸7に回転可能に取り付けられている。第1ピニオン軸7は第1キャリヤプレート11に設けられており、第1ピニオン軸7の軸線とキャリヤ5の軸線Oとは平行になっている。第1ピニオンギヤP1は、上述した第1サンギヤS1に噛み合っている。
また、第1ピニオンギヤP1に第3ピニオンギヤP3が噛み合っている。第3ピニオンギヤP3は、キャリヤ5の円周方向に第1ピニオンギヤP1と並んで配置されている。ここで、「並んで」とは、第1ピニオンギヤP1と第3ピニオンギヤP3とのそれぞれの少なくとも一部が円周方向で重なり合っている状態を意味している。なお、図3では、作図の都合上、キャリヤ5の半径方向で第1ピニオンギヤP1の外側に第3ピニオンギヤP3を記載してある。
第3ピニオンギヤP3は第1ピニオン軸7と平行に配置された第2ピニオン軸15に回転可能に支持されている。第2ピニオン軸15の一端部は第1キャリヤプレート11に取り付けられ、他端部は連結部12Cに取り付けられている。また、第2ピニオン軸15に第4ピニオンギヤP4が回転可能に支持されている。第4ピニオンギヤP4は第3ピニオンギヤP3と一体となって回転するように構成されている。その第4ピニオンギヤP4に第5ピニオンギヤP5が噛み合っている。
第5ピニオンギヤP5はキャリヤ5の円周方向に第4ピニオンギヤP4と並んで配置されている。ここで、「並んで」とは、第4ピニオンギヤP4と第5ピニオンギヤP5とのそれぞれの少なくとも一部が円周方向で重なり合っている状態を意味している。なお、図3では、作図の都合上、キャリヤ5の半径方向で第5ピニオンギヤP5の外側に第4ピニオンギヤP4を記載してある。その第5ピニオンギヤP5は上述した第2ピニオンギヤP2と一体となって回転するように構成されている。そのため、第5ピニオンギヤP5と第2ピニオンギヤP2とは共に、第3ピニオン軸16に回転可能に支持されている。その第3ピニオン軸16は第2キャリヤプレート13に設けられている。
ここで、各アクチュエータ3A,3Bについて説明する。図3に示す例では、各アクチュエータ3A,3Bは共に駆動トルクと発生するアクチュエータであってよく、あるいは、制動トルクを発生するアクチュエータであってよい。あるいは、各アクチュエータ3A,3Bのうち、いずれか一方のアクチュエータ3A(3B)が駆動トルクを発生するアクチュエータであって、いずれか他方のアクチュエータ3B(3A)が制動トルクを発生するアクチュエータであってよい。各アクチュエータ3A,3Bとして制動トルクを発生するアクチュエータを用いる場合には、各アクチュエータ3A,3Bは共に、上述した電磁ブレーキや電動ブレーキ、回生ブレーキであってよく、また、駆動トルクを発生するアクチュエータを用いる場合には、上述した永久磁石式の同期モータや、誘導モータであってよい。他の構成は図1に示す構成と同様であるため、図1に示す構成と同様の部分には図1と同様の符号を付してその説明を省略する。
次に、この発明の第3実施形態に係る歯車伝動装置1の作用について、先ず、各アクチュエータ3A,3Bを共に駆動トルクを発生するアクチュエータによって構成した場合について説明する。第1アクチュエータ3Aと第2アクチュエータ3Bとのうちの少なくとも一方を駆動してトルクを発生させる。そのトルクを受けて各アクチュエータ3A,3Bに連結されているドライブギヤ4が回転する。各ドライブギヤ4は、当該ドライブギヤ4より大径の外歯ギヤ6に噛み合っているため、ドライブギヤ4の回転数に対してキャリヤ5の回転数は減速される。キャリヤ5の回転に伴って、第1ピニオンギヤP1は第1サンギヤS1に噛み合いながら第1サンギヤS1の周囲を公転する。第1サンギヤS1は固定されているので、第1ピニオンギヤP1は第1サンギヤS1から反力を受けて自転する。この第1ピニオンギヤP1に第3ピニオンギヤP3が噛み合っているので、第3ピニオンギヤP3が第1ピニオンギヤP1からトルクを受けて回転する。第3ピニオンギヤP3と第4ピニオンギヤP4とは一体となって回転するように構成されているので、第4ピニオンギヤP4は第3ピニオンギヤP3と同回転数で同方向に自転する。第4ピニオンギヤP4に第5ピニオンギヤP5が噛み合っているので、第5ピニオンギヤP5が第4ピニオンギヤP4からトルクを受けて回転する。第5ピニオンギヤP5と第2ピニオンギヤP2とは一体となって回転するように構成されているので、第2ピニオンギヤP2は第5ピニオンギヤP5と同回転数で同方向に自転する。第2サンギヤS2およびこれと一体の出力軸9が第2ピニオンギヤP2からトルクを受けて回転する。その場合、第2ピニオンギヤP2は自転しつつ公転しているので、第2サンギヤS2およびこれと一体の出力軸9は、第2ピニオンギヤP2と第2サンギヤS2との歯数の比、ならびに第2ピニオンギヤP2の自転回転数および公転回転数に応じた回転数で回転する。
また、この発明の第3実施形態に係る歯車伝動装置1におけるキャリヤ5の回転数NINに対する第2サンギヤS2の回転数NOUTについて、各ギヤS1,S2,P1,P2,P3,P4,P5の歯数の例を挙げて、具体的に説明する。下記の(2)式は、歯車伝動装置1の第2サンギヤS2の回転数NOUTを算出する式である。
NOUT=NIN×(1-(ZS1/ZP3)×(ZP4/ZP5)×(ZP2/ZS2)) ・・・(2)
上記のZS1は第1サンギヤS1の歯数であり、ZP2は第2ピニオンギヤの歯数であり、ZP3は第3ピニオンギヤP3の歯数であり、ZP4は第4ピニオンギヤP4の歯数であり、ZP5は第5ピニオンギヤP5の歯数であり、ZS2は第2サンギヤS2の歯数である。
上記の(2)式に、NIN=1、ZS1=30、ZP2=30、ZP3=29、ZP4=30、ZP5=31、ZS2=30をそれぞれ代入して第2サンギヤS2の回転数NOUTを計算すると、
OUT=−0.001112
となる。すなわち、アクチュエータ3を駆動してキャリヤ5を1回転させると、第2サンギヤS2はキャリヤ5とは反対方向に0.001112回転する。減速比γは第2サンギヤS2の回転数NOUTの逆数であって、−899となる。
上述した構成では、キャリヤ5の回転数NINに対して第2サンギヤS2の回転数NOUTは減速される。つまり、各アクチュエータ3A,3Bのトルクは増幅されて第2サンギヤS2に伝達される。また、2つのアクチュエータ3A,3Bによって駆動トルクを発生するから、第1実施形態および第2実施形態と同様に、各アクチュエータ3A,3Bでの負荷を低減することができ、各アクチュエータ3A,3Bを可及的に小型化することができる。
また、各アクチュエータ3A,3Bを共に制動トルクを発生するアクチュエータによって構成した場合について説明する。つまり、出力部材10の回転数を低減あるいは止める場合について説明する。上述した構成では、第2サンギヤS2およびこれと一体の出力軸9の回転数に対してキャリヤ5の回転数は高い、すなわち増速される。また、第2サンギヤS2のトルクに対してキャリヤ5のトルクは低減される。キャリヤ5の外歯ギヤ6には当該外歯ギヤ6より小径のドライブギヤ4が噛み合っているため、キャリヤ5の回転数に対してドライブギヤ4の回転数は更に増速される。つまり、ドライブギヤ4に現れるトルクはキャリヤ5のトルクに対して低減される。そして、2つのアクチュエータ3A,3Bによって制動トルクを発生するから、各アクチュエータ3A,3Bでの負荷を低減することができる。それらの結果、第1実施形態と同様に、各アクチュエータ3A,3Bを可及的に小型化することができる。
さらに、各アクチュエータ3A,3Bのうち一方を、駆動トルクを発生するアクチュエータによって構成し、他方を、制動トルクを発生するアクチュエータによって構成した場合について説明する。この場合であっても、駆動トルクを発生するアクチュエータ3A(3B)のトルクは出力部材10に増幅して伝達され、また、制動トルクを発生するアクチュエータ3B(3A)に対しては出力部材10のトルクは低減されて伝達される。そのため、各アクチュエータ3A,3Bを小型化することができると共に、駆動用のアクチュエータ3A(3B)と制動用のアクチュエータ3B(3A)とを備えた歯車伝動装置1とすることができる。さらに、各入力軸2A,2Bと出力軸9とはキャリヤ5に対して同じ側に配置され、かつ、キャリヤ5の半径方向で出力軸9の外側に各入力軸2A,2Bが配置されるため、装置の軸長を短くできると共に、各入力軸2A,2Bの配置の自由度や、各入力軸2A,2Bに連結される各アクチュエータ3A,3Bの体格などの設計の自由度を向上することができる。そのため、車両に搭載する場合には車載性を向上することができる。そして、キャリヤ5はいわゆる閉じた形状に形成されているため、キャリヤ5の剛性は向上されており、その結果、トルク伝達に伴う荷重を受けることができる。
(第4実施形態)
図4は、この発明の第4実施形態に係る歯車伝動装置1を模式的に示す図である。図4に示すキャリヤ5は、同一軸線上に一定の間隔で配置された3つのキャリヤプレート11,13,17と、それらのキャリヤプレート11,13,17を連結する支持軸部18とを備えている。すなわち、支持軸部18の両端部に第1キャリヤプレート11と第2キャリヤプレート13とがそれぞれ連結されている。ここに示す例では、第1キャリヤプレート11と第2キャリヤプレート13とは同径であってかつ平板状に形成されている。また、支持軸部18の軸線O方向での中央部に第3キャリヤプレート17が一体に設けられている。第3キャリヤプレート17は、第1キャリヤプレート11や第2キャリヤプレート13よりも大径に形成されると共に、その外周部に軸線O方向に延びる円筒部17Aが一体に形成されている。
第3キャリヤプレート17の円筒部17Aの外周面に外歯ギヤ6が形成されている。その外歯ギヤ6に、この発明の実施形態における第2入出力ギヤに相当する2つのドライブギヤ4が噛み合っている。各ドライブギヤ4に入力軸2A,2Bが連結されている。各入力軸2A,2Bは、キャリヤ5の軸線O方向でキャリヤ5を挟んで出力軸9と同じ側に配置されている。第1入力軸2Aに第1アクチュエータ3Aが連結され、第2入力軸2Bに第2アクチュエータ3Bが連結されている。各アクチュエータ3A,3Bがこの発明の実施形態における第2入出力機構および入力機構に相当している。
また、第3キャリヤプレート17にキャリヤ5の軸線と平行に配置された第1ピニオン軸7が取り付けられている。第1ピニオン軸7は第3キャリヤプレート17に形成された第3貫通部17Bを貫通しており、その一方の端部に第1ピニオンギヤP1が回転可能に支持されており、他方の端部に第2ピニオンギヤP2が回転可能に支持されている。すなわち、図4に示すように、第3キャリヤプレート17を挟んで両側に、第1ピニオンギヤP1と第2ピニオンギヤP2とが配置されている。また、それらの第1ピニオンギヤP1と第2ピニオンギヤP2とは一体となって回転するように構成されている。
第1ピニオンギヤP1に、当該第1ピニオンギヤP1より大径であってかつキャリヤ5と同心円状に配置された内歯歯車である第1リングギヤR1が噛み合っている。第1リングギヤR1は、この発明の実施形態における固定ギヤに相当し、ケースなどの所定の固定部8に固定されている。第2ピニオンギヤP2に、当該第2ピニオンギヤP2より大径であってかつキャリヤ5と同心円状に配置された内歯歯車である第2リングギヤR2が噛み合っている。第2リングギヤR2は、この発明の実施形態における第1入出力ギヤに相当し、底部(図4における右側面)を有する円筒軸19の内周面に形成されている。キャリヤ5と円筒軸19とは同一軸線上に配置され、円筒軸19の底部に出力軸9を介して出力部材10が連結されている。
また、第2ピニオンギヤP2と外歯ギヤ6とは、キャリヤ5の半径方向に並んで配置されている。ここで、「並んで」とは、第2ピニオンギヤP2と外歯ギヤ6とのそれぞれの少なくとも一部が半径方向で重なり合っている状態を意味している。
各アクチュエータ3A,3Bについて説明する。図4に示す例では、各アクチュエータ3A,3Bは共に駆動トルクと発生するアクチュエータであってよく、あるいは、制動トルクを発生するアクチュエータであってよい。あるいは、各アクチュエータ3A,3Bのうち、いずれか一方のアクチュエータ3A(3B)が駆動トルクを発生するアクチュエータであって、いずれか他方のアクチュエータ3B(3A)が制動トルクを発生するアクチュエータであってよい。各アクチュエータ3A,3Bとして制動トルクを発生するアクチュエータを用いる場合には、そのアクチュエータは上述した電磁ブレーキや電動ブレーキ、回生ブレーキであってよく、また、駆動トルクを発生するアクチュエータを用いる場合には、上述した永久磁石式の同期モータや、誘導モータであってよい。
次に、この発明の第4実施形態に係る歯車伝動装置1の作用について、先ず、各アクチュエータ3A,3Bを共に駆動トルクを発生するアクチュエータによって構成した場合について説明する。第1アクチュエータ3Aと第2アクチュエータ3Bとのうちの少なくとも一方を駆動してトルクを発生させる。そのトルクを受けて各アクチュエータ3A,3Bに連結されているドライブギヤ4が回転する。ドライブギヤ4は、ドライブギヤ4より大径の外歯ギヤ6に噛み合っているため、ドライブギヤ4の回転数に対してキャリヤ5の回転数は減速される。キャリヤ5の回転に伴って第1ピニオン軸7が回転し、また、第1リングギヤR1に噛み合いながら第1ピニオンギヤP1が公転する。第1リングギヤR1は固定されているので、第1ピニオンギヤP1は第1リングギヤR1から反力を受けて自転する。この第1ピニオンギヤP1と第2ピニオンギヤP2とは一体となって回転するように構成されているので、第2ピニオンギヤP2は第1ピニオンギヤP1と同回転数で同方向に自転する。この第2ピニオンギヤP2に第2リングギヤR2が噛み合っているので、第2リングギヤR2およびこれと一体の出力軸9が第2ピニオンギヤP2からトルクを受けて回転する。その場合、第2ピニオンギヤP2は自転しつつ公転しているので、第2リングギヤR2およびこれと一体の出力軸9は、第2ピニオンギヤP2と第2リングギヤR2との歯数の比、ならびに第2ピニオンギヤP2の自転回転数および公転回転数に応じた回転数で回転する。
ここで、この発明の第4実施形態に係る歯車伝動装置1におけるキャリヤ5の回転数NINに対する第2サンギヤS2の回転数NOUTについて説明する。下記の(3)式は、キャリヤ5の回転数NINに対する第2リングギヤR2の回転数NOUTを算出する式である。
NOUT=NIN×(1-(ZR1/ZP1)×(ZP2/ZR2)) ・・・(3)
上記のZR1は第1リングギヤR1の歯数であり、ZP1は第1ピニオンギヤP1の歯数であり、ZP2は第2ピニオンギヤP2の歯数であり、ZR2は第2リングギヤR2の歯数である。なお、第2リングギヤR2の回転数NOUTの絶対値が「1」より小さくなるように、各ギヤR1,R2,P1,P2の歯数が設定される。なお、ZP1<ZP2であってよい。
上述した構成では、キャリヤ5の回転数に対して第2リングギヤR2の回転数は減速される。つまり、各アクチュエータ3A,3Bのトルクは増幅されて第2リングギヤR2に伝達される。また、2つのアクチュエータによって駆動トルクを発生するから、上述した各実施形態と同様に、各アクチュエータ3A,3Bでの負荷を低減することができ、各アクチュエータ3A,3Bを可及的に小型化することができる。
また、各アクチュエータ3A,3Bを共に制動トルクを発生するアクチュエータによって構成した場合について説明する。上述した構成では、第2リングギヤR2の回転数に対してキャリヤ5の回転数は高い、すなわち増速される。また、キャリヤ5の外歯ギヤ6には当該外歯ギヤ6より小径のドライブギヤ4が噛み合っているため、キャリヤ5の回転数に対してドライブギヤ4の回転数は更に増速される。つまり、ドライブギヤ4に現れるトルクはキャリヤ5のトルクに対して低減される。そして、2つのアクチュエータ3A,3Bによって制動トルクを発生するから、各アクチュエータ3A,3Bでの負荷を低減することができる。それらの結果、各実施形態と同様に、各アクチュエータ3A,3Bを可及的に小型化することができる。
さらに、各アクチュエータ3A,3Bのうち一方を、駆動トルクを発生するアクチュエータによって構成し、他方を、制動トルクを発生するアクチュエータによって構成した場合について説明する。この場合であっても、駆動トルクを発生するアクチュエータ3A(3B)のトルクは出力部材10に増幅して伝達され、また、制動トルクを発生するアクチュエータ3B(3A)に対しては出力部材10のトルクは低減されて伝達される。そのため、各アクチュエータ3A,3Bを小型化することができると共に、駆動用のアクチュエータ3A(3B)と制動用のアクチュエータ3B(3A)とを備えた歯車伝動装置1とすることができる。さらに、図4に示す構成であっても、各入力軸2A,2Bと出力軸9とはキャリヤ5に対して同じ側に配置され、かつ、キャリヤ5の半径方向で出力軸9の外側に各入力軸2A,2Bが配置される。そのため、歯車伝動装置1の軸長を短くできると共に、各入力軸2A,2Bの配置の自由度や、各入力軸2A,2Bに連結される各アクチュエータ3A,3Bの体格などの設計の自由度を向上することができ、車両に搭載する場合には、車載性を向上することができる。
(第5実施形態)
図5は、この発明の第5実施形態に係る歯車伝動装置1を模式的に示す図である。図5に示すキャリヤ5は、同一軸線上に一定の間隔で配置されていて、かつ一体となって回転する3つのキャリヤプレート11,13,17を備えている。すなわち、キャリヤ5の軸線O方向で両側に第1キャリヤプレート11と第2キャリヤプレート13とがそれぞれ配置されている。第1キャリヤプレート11と第2キャリヤプレート13とは同径の平板状に形成されている。また、キャリヤ5の軸線O方向で第1キャリヤプレート11と第2キャリヤプレート13との間に第3キャリヤプレート17が設けられている。第3キャリヤプレート17は、第1キャリヤプレート11や第2キャリヤプレート13よりも大径に形成されると共に、その外周部に軸線O方向に延びる円筒部17Aが一体に形成されている。
第3キャリヤプレート17の円筒部17Aの外周面に外歯ギヤ6が形成されている。その外歯ギヤ6に、この発明の実施形態における第2入出力ギヤに相当する2つのドライブギヤ4が噛み合っている。各ドライブギヤ4に入力軸2A,2Bが連結されている。各入力軸2A,2Bは、キャリヤ5の軸線O方向でキャリヤ5を挟んで出力軸9と同じ側に配置されている。第1入力軸2Aに第1アクチュエータ3Aが連結され、第2入力軸2Bに第2アクチュエータ3Bが連結されている。各アクチュエータ3A,3Bがこの発明の実施形態における第2入出力機構および入力機構に相当している。
上記構成のキャリヤ5に外歯歯車である5つのピニオンギヤP1,P2,P3,P4,P5が回転可能に支持されている。第1ピニオンギヤP1は第1ピニオン軸7に回転可能に取り付けられている。その第1ピニオン軸7は第1キャリヤプレート11に設けられており、第1ピニオン軸7の軸線とキャリヤ5の軸線Oとは平行になっている。第1ピニオンギヤP1に、第1リングギヤR1が噛み合っている。第1リングギヤR1は、この発明の実施形態における固定ギヤに相当し、ケースなどの所定の固定部8に固定されている。
また、第1ピニオンギヤP1に第3ピニオンギヤP3が噛み合っている。第3ピニオンギヤP3は、キャリヤ5と同一軸線上であってかつ第1ピニオン軸7と平行に配置された第2ピニオン軸15に回転可能に支持されている。第2ピニオン軸15は第3キャリヤプレート17に形成された第3貫通部17Bを貫通しており、その一端部は第1キャリヤプレート11に取り付けられ、他端部は第2キャリヤプレート13に取り付けられている。また、第2ピニオン軸15に第4ピニオンギヤP4が回転可能に支持されている。第4ピニオンギヤP4は第3キャリヤプレート17を挟んで第3ピニオンギヤP3とは反対側であってかつ第3ピニオンギヤP3と一体となって回転するように構成されている。その第4ピニオンギヤP4に第5ピニオンギヤP5が噛み合っている。
第5ピニオンギヤP5は、この発明の実施形態における第1入出力ギヤに相当する第2ピニオンギヤP2と一体となって回転するように構成されている。つまり、第5ピニオンギヤP5と第2ピニオンギヤP2とは共に、第3ピニオン軸16に回転可能に支持されている。第3ピニオン軸16は上述した第2キャリヤプレート13に設けられている。他の構成は図1に示す構成と同様であるため、図1に示す構成と同様の部分には図1と同様の符号を付してその説明を省略する。
ここで、各アクチュエータ3A,3Bについて説明する。図5に示す例では、各アクチュエータ3A,3Bは共に駆動トルクと発生するアクチュエータであってよく、あるいは、制動トルクを発生するアクチュエータであってよい。あるいは、各アクチュエータ3A,3Bのうち、いずれか一方のアクチュエータ3A(3B)が駆動トルクを発生するアクチュエータであって、いずれか他方のアクチュエータ3B(3A)が制動トルクを発生するアクチュエータであってよい。各アクチュエータ3A,3Bとして制動トルクを発生するアクチュエータを用いる場合には、各アクチュエータは上述した電磁ブレーキや電動ブレーキ、回生ブレーキであってよく、また、駆動トルクを発生するアクチュエータを用いる場合には、上述した永久磁石式の同期モータや、誘導モータであってよい。
次に、この発明の第5実施形態に係る歯車伝動装置1の作用について、先ず、各アクチュエータ3A,3Bを共に駆動トルクを発生するアクチュエータによって構成した場合について説明する。第1アクチュエータ3Aと第2アクチュエータ3Bとのうちの少なくとも一方を駆動してトルクを発生させる。そのトルクを受けて、各アクチュエータ3A,3Bに連結されているドライブギヤ4が回転する。ドライブギヤ4は、当該ドライブギヤ4より大径の外歯ギヤ6に噛み合っているため、ドライブギヤ4の回転数に対してキャリヤ5の回転数は減速される。キャリヤ5の回転に伴って第1リングギヤR1に噛み合いながら第1ピニオンギヤP1が公転する。第1リングギヤR1は固定されているので、第1ピニオンギヤP1は第1リングギヤR1から反力を受けて自転する。この第1ピニオンギヤP1に第3ピニオンギヤP3が噛み合っているので、第3ピニオンギヤP3は第1ピニオンギヤP1からトルクを受けて回転する。第3ピニオンギヤP3と第4ピニオンギヤP4とは一体となって回転するように構成されているので、第4ピニオンギヤP4は第3ピニオンギヤP3と同回転数で同方向に自転する。第4ピニオンギヤP4に第5ピニオンギヤP5が噛み合っているので、第5ピニオンギヤP5が第4ピニオンギヤP4からトルクを受けて回転する。第5ピニオンギヤP5と第2ピニオンギヤP2とは一体となって回転するように構成されているので、第2ピニオンギヤP2は第5ピニオンギヤP5と同回転数で同方向に自転する。第2リングギヤR2およびこれと一体の出力軸9が第2ピニオンギヤP2からトルクを受けて回転する。その場合、第2ピニオンギヤP2は自転しつつ公転しているので、第2リングギヤR2およびこれと一体の出力軸9は、第2ピニオンギヤP2と第2リングギヤR2との歯数の比、ならびに第2ピニオンギヤP2の自転回転数および公転回転数に応じた回転数で回転する。
また、この発明の第5実施形態に係る歯車伝動装置1におけるキャリヤ5の回転数NINに対する第2リングギヤR2の回転数NOUTについて、各ギヤS1,S2,P1,P2,P3,P4,P5の歯数の例を挙げて、具体的に説明する。下記の(4)式は、キャリヤ5の回転数NINに対する第2リングギヤR2の回転数NOUTを算出する式である。
NOUT=NIN×(1-(ZR1/ZP3)×(ZP4/ZP5)×(ZP2/ZR2)) ・・・(4)
上記のZR1は第1リングギヤR1の歯数であり、ZP2は第2ピニオンギヤの歯数であり、ZP3は第3ピニオンギヤP3の歯数であり、ZP4は第4ピニオンギヤP4の歯数であり、ZP5は第5ピニオンギヤP5の歯数であり、ZR2は第2リングギヤR2の歯数である。
上記の(4)式に、NIN=1、ZR1=30、ZP2=30、ZP3=29、ZP4=30、ZP5=31、ZR2=30をそれぞれ代入して第2リングギヤR2の回転数NOUTを計算すると、
OUT=−0.001112
となる。すなわち、アクチュエータ3を駆動してキャリヤ5を1回転させると、第2リングギヤR2はキャリヤ5とは反対方向に0.001112回転する。減速比γは第2リングギヤR2の回転数NOUTの逆数であって、−899となる。
上述した構成では、キャリヤ5の回転数に対して第2リングギヤR2の回転数は減速される。つまり、各アクチュエータ3A,3Bのトルクは増幅されて第2リングギヤR2に伝達される。また、2つのアクチュエータ3A,3Bによって駆動トルクを発生するから、各実施形態と同様に、各アクチュエータ3A,3Bでの負荷を低減することができ、各アクチュエータ3A,3Bを可及的に小型化することができる。
また、各アクチュエータ3A,3Bを共に制動トルクを発生するアクチュエータによって構成した場合について説明する。つまり、出力部材10の回転数を低減あるいは止める場合について説明する。上述した構成では、第2リングギヤR2の回転数に対してキャリヤ5の回転数は高い、すなわち増速される。また、キャリヤ5の外歯ギヤ6には当該外歯ギヤ6より小径のドライブギヤ4が噛み合っているため、キャリヤ5の回転数に対してドライブギヤ4の回転数は更に増速される。つまり、ドライブギヤ4に現れるトルクはキャリヤ5のトルクに対して低減される。そして、2つのアクチュエータ3A,3Bによって制動トルクを発生するから、各アクチュエータ3A,3Bでの負荷を低減することができる。それらの結果、各実施形態と同様に、各アクチュエータ3A,3Bを可及的に小型化することができる。
さらに、各アクチュエータ3A,3Bのうち一方を、駆動トルクを発生するアクチュエータによって構成し、他方を、制動トルクを発生するアクチュエータによって構成した場合について説明する。この場合であっても、駆動トルクを発生するアクチュエータ3A(3B)のトルクは出力部材10に増幅して伝達され、また、制動トルクを発生するアクチュエータ3B(3A)に対しては出力部材10のトルクが低減されて伝達される。そのため、各アクチュエータ3A,3Bを小型化することができると共に、駆動用のアクチュエータ3A(3B)と制動用のアクチュエータ3B(3A)とを備えた歯車伝動装置1とすることができる。さらに、図5に示す構成であっても、各入力軸2A,2Bと出力軸9とはキャリヤ5に対して同じ側に配置され、かつ、キャリヤ5の半径方向で出力軸9の外側に各入力軸2A,2Bが配置される。そのため、歯車伝動装置1の軸長を短くできると共に、各入力軸2A,2Bの配置の自由度や、各入力軸2A,2Bに連結される各アクチュエータ3A,3Bの体格などの設計の自由度を向上することができ、車両に搭載する場合には、車載性を向上することができる。
(第6実施形態)
図6は、この発明の第6実施形態に係る歯車伝動装置1を模式的に示す図である。ここに示すキャリヤ5は、軸線O方向で第1サンギヤS1側に配置されたリング状の第1キャリヤプレート11を備え、その第1キャリヤプレート11の内周部に円筒状の小径部20が連結されている。その小径部20における第1キャリヤプレート11とは反対側に、リング状の連結部21の内周部が連結されている。連結部21の外周部に、小径部20より大径の円筒状に形成された大径部22が連結されている。その大径部22における第1キャリヤプレート11とは反対側に、リング状の第2キャリヤプレート13の外周部が連結されている。
上述した連結部21に第4貫通部21Aが形成されている。その第4貫通部21Aを第1ピニオン軸7が貫通しており、その一端部は第1キャリヤプレート11に取り付けられ、他端部は第2キャリヤプレート13に取り付けられている。軸線O方向で第1ピニオン軸7における第1キャリヤプレート11側に、第1ピニオンギヤP1が回転可能に支持されている。第1ピニオンギヤP1は、第1キャリヤプレート11と、小径部20と、連結部21とによって囲われた空間つまりキャリヤ5の外側に露出して配置されている。その第1ピニオンギヤP1に、当該第1ピニオンギヤP1より大径であってかつキャリヤ5と同心円状に配置された内歯歯車である第1リングギヤR1が噛み合っている。第1リングギヤR1は、この発明の実施形態における固定ギヤに相当し、ケースなどの所定の固定部8に固定されている。
軸線O方向で第1ピニオン軸7における第2キャリヤプレート13側に第2ピニオンギヤP2が回転可能に支持されている。第2ピニオンギヤP2と上述した第1ピニオンギヤP1とは一体となって回転するように構成されている。第2ピニオンギヤP2は、連結部21と、大径部22と、第2キャリヤプレート13とによって囲われた空間つまりキャリヤ5の内側に配置されている。また、第2キャリヤプレート13の内周部に第2貫通部13Aが形成されている。この第2貫通部13Aを、出力軸9が貫通している。出力軸9に、この発明の実施形態における第1入出力ギヤに相当する第2サンギヤS2が連結されている。
キャリヤ5の大径部22の外周面における第2キャリヤプレート13側に、外歯ギヤ6が形成されている。外歯ギヤ6に、この発明の実施形態における第2入出力ギヤに相当する2つのドライブギヤ4がそれぞれ噛み合っている。各ドライブギヤ4に入力軸2A,2Bが連結されている。各入力軸2A,2Bは、キャリヤ5の軸線O方向でキャリヤ5を挟んで出力軸9と同じ側に配置されている。第1入力軸2Aに第1アクチュエータ3Aが連結され、第2入力軸2Bに第2アクチュエータ3Bが連結されている。各アクチュエータ3A,3Bがこの発明の実施形態における第2入出力機構および入力機構に相当している。また、外歯ギヤ6の少なくとも一部と第2ピニオンギヤP2の少なくとも一部とは半径方向に並んで配置されている。ここで、「並んで」とは、外歯ギヤ6と第2ピニオンギヤP2とのそれぞれの少なくとも一部が半径方向で重なり合っている状態を意味している。
図6に示す例における、各アクチュエータ3A,3Bについて説明する。各アクチュエータ3A,3Bは共に駆動トルクと発生するアクチュエータであってよく、あるいは、制動トルクを発生するアクチュエータであってよい。あるいは、各アクチュエータ3A,3Bのうち、いずれか一方のアクチュエータ3A(3B)が駆動トルクを発生するアクチュエータであって、いずれか他方のアクチュエータ3B(3A)が制動トルクを発生するアクチュエータであってよい。各アクチュエータ3A,3Bとして、駆動トルクを発生するアクチュエータを用いる場合には、上述した永久磁石式の同期モータや、誘導モータであってよい。また、各アクチュエータ3A,3Bとして、制動トルクを発生するアクチュエータを用いる場合には、上述した電磁ブレーキや電動ブレーキあるいは回生ブレーキであってよい。他の構成は図1に示す構成と同様であるため、図1に示す構成と同様の部分には図1と同様の符号を付してその説明を省略する。
次に、この発明の第6実施形態に係る歯車伝動装置1におけるキャリヤ5の回転数NINに対する第2サンギヤS2の回転数NOUTについて説明する。下記の(5)式は、キャリヤ5の回転数NINに対する第2サンギヤS2の回転数NOUTを算出する式である。
NOUT=NIN×(1-(ZR1/ZP1)×(ZP2/ZS2)) ・・・(5)
上記のZR1は第1リングギヤR1の歯数であり、ZP1は第1ピニオンギヤP1の歯数であり、ZP2は第2ピニオンギヤP2の歯数であり、ZS2は第2サンギヤS2の歯数である。なお、第2サンギヤS2の回転数NOUTの絶対値が「1」より小さくなるように、各ギヤR1,S2,P1,P2の歯数が設定される。なお、ZP1<ZP2であってよい。そのため、キャリヤ5の回転数NINに対して第2サンギヤS2の回転数NOUTが減速される。
この発明の第6実施形態に係る歯車伝動装置1の作用について、先ず、各アクチュエータ3A,3Bを共に駆動トルクを発生するアクチュエータによって構成した場合について説明する。第1アクチュエータ3Aと第2アクチュエータ3Bとのうちの少なくとも一方を駆動してトルクを発生させる。そのトルクを受けて各アクチュエータ3A,3Bに連結されているドライブギヤ4が回転する。各ドライブギヤ4は、当該ドライブギヤ4より大径の外歯ギヤ6に噛み合っているため、ドライブギヤ4の回転数に対してキャリヤ5の回転数は減速される。キャリヤ5の回転に伴って、第1ピニオンギヤP1は第1リングギヤR1に噛み合いながら第1ピニオンギヤP1が公転する。第1リングギヤR1は固定されているので、第1ピニオンギヤP1は第1リングギヤR1から反力を受けて自転する。この第1ピニオンギヤP1と第2ピニオンギヤP2とは一体となって回転するように構成されているので、第2ピニオンギヤP2は第1ピニオンギヤP1と同回転数で同方向に自転する。この第2ピニオンギヤP2に第2サンギヤS2が噛み合っているので、第2サンギヤS2およびこれと一体の出力軸9が第2ピニオンギヤP2からトルクを受けて回転する。その場合、第2ピニオンギヤP2は自転しつつ公転しているので、第2サンギヤS2およびこれと一体の出力軸9は、第2ピニオンギヤP2と第2サンギヤS2との歯数の比、ならびに第2ピニオンギヤP2の自転回転数および公転回転数に応じた回転数で回転する。その回転数は、上述したように、キャリヤ5の回転数に対して減速されるため、各アクチュエータ3A,3Bのトルクは増幅されて第2サンギヤS2およびこれと一体の出力軸9に伝達される。また、2つのアクチュエータ3A,3Bによって駆動トルクを発生するから、第1実施形態と同様に、各アクチュエータ3A,3Bでの負荷を低減することができ、各アクチュエータ3A,3Bを可及的に小型化することができる。
また、各アクチュエータ3A,3Bを共に制動トルクを発生するアクチュエータによって構成した場合について説明する。つまり、出力部材10の回転数を低減あるいは止める場合について説明する。第2サンギヤS2およびこれと一体の出力軸9の回転数に対してキャリヤ5の回転数は高い、すなわち増速されている。また、キャリヤ5の外歯ギヤ6には当該外歯ギヤ6より小径のドライブギヤ4が噛み合っている。そのため、キャリヤ5の回転数に対してドライブギヤ4の回転数は増速され、つまり、ドライブギヤ4に現れるトルクはキャリヤ5のトルクに対して低減される。そして、2つのアクチュエータ3A,3Bによって制動トルクを発生するから、各アクチュエータ3A,3Bでの負荷を低減することができる。それらの結果、第1実施形態と同様に、各アクチュエータ3A,3Bを可及的に小型化することができる。
さらに、各アクチュエータ3A,3Bのうち一方を、駆動トルクを発生するアクチュエータによって構成し、他方を、制動トルクを発生するアクチュエータによって構成した場合について説明する。この場合であっても、駆動トルクを発生するアクチュエータ3A(3B)のトルクは出力部材10に増幅して伝達され、また、制動トルクを発生するアクチュエータ3B(3A)に対しては出力部材10のトルクは低減されて伝達される。そのため、各アクチュエータ3A,3Bを小型化することができると共に、駆動用のアクチュエータ3A(3B)と制動用のアクチュエータ3B(3A)とを備えた歯車伝動装置1とすることができる。さらに、各入力軸2A,2Bと出力軸9とはキャリヤ5に対して同じ側に配置され、かつ、キャリヤ5の半径方向で出力軸9の外側に各入力軸2A,2Bが配置されるため、装置の軸長を短くできると共に、各入力軸2A,2Bの配置の自由度や、各入力軸2A,2Bに連結される各アクチュエータ3A,3Bの体格などの設計の自由度を向上することができる。そのため車両に搭載する場合には車載性を向上することができる。
なお、この発明は上述した各実施形態に限定されないのであって、この発明に係る歯車伝動装置1を増速機構として用いることも可能である。すなわち、上述した歯車伝動装置1において、ドライブギヤ4やキャリヤ5に出力軸9を連結し、第2サンギヤS2や第2リングギヤR2に入力軸2を連結する。こうすることにより、入力軸2の回転数に対して出力軸9の回転数が増速される増速機構を構成することができる。
1…歯車伝動装置、 4…ドライブギヤ(第2入出力ギヤ)、 5…キャリヤ、 6…外歯ギヤ、 8…固定部、 S1…第1サンギヤ(固定ギヤ)、 S2…第2サンギヤ(第1入出力ギヤ)、 P1…第1ピニオンギヤ、 P2…第2ピニオンギヤ、 R1…第1リングギヤ(固定ギヤ)、 R2…第2リングギヤ(第1入出力ギヤ)。
上記の目的を達成するために、この発明は、入力されたトルクを複数の歯車を介して出力側に伝達して出力する歯車伝動装置において、互いに歯数が異なりかつ同一軸線上に配置されて一体となって自転および公転する少なくとも一対のピニオンギヤと、軸線方向で前記一対のピニオンギヤを挟み込むように配置されると共に前記一対のピニオンギヤを自転可能かつ公転可能に保持して自転する第1キャリヤプレートと第2キャリヤプレートと、第1キャリヤプレートの外周部と第2キャリヤプレートの外周部とを連結して前記一対のピニオンギヤの周囲を覆う前記軸線方向に延びる円筒部とを有するキャリヤと、前記一対のピニオンギヤのうちの第1ピニオンギヤに噛み合いかつ所定の固定部に固定されている固定ギヤと、前記一対のピニオンギヤのうちの第2ピニオンギヤに噛み合いかつ前記キャリヤの半径方向で前記第2ピニオンギヤの内側であって前記キャリヤと同一軸線上に前記キャリヤに対して相対回転可能に配置された第1入出力ギヤと、前記円筒部の外周部に設けられた外歯ギヤと、前記外歯ギヤに噛み合っていて前記外歯ギヤより小径の複数の第2入出力ギヤと、前記第1入出力ギヤに連結されている第1入出力機構と、複数の前記第2入出力ギヤのそれぞれに連結されている第2入出力機構とを備え、前記第1入出力ギヤと前記第2入出力ギヤとは、それぞれの回転中心軸線が前記キャリヤの回転中心軸線と平行になるように配置され、前記第1入出力機構と前記第2入出力ギヤに連結されている前記第2入出力機構とはそれぞれ、前記回転中心軸線方向で前記キャリヤに対して同じ側に配置され、複数の前記第2入出力機構のうち、少なくともいずれか一方は、前記トルクを発生させるアクチュエータであり、前記第1入出力機構は前記トルクを出力する出力機構であり、前記キャリヤの回転数に対する前記第1入出力機構の回転数の絶対値が「1」より小さくなるように、前記固定ギヤの歯数、前記第1入出力ギヤの歯数、前記第1ピニオンギヤの歯数、前記第2ピニオンギヤの歯数が設定されていることを特徴とするものである。
この発明では、複数の前記第2入出力機構のうち、いずれか他方は、制動トルクを生じるアクチュエータであってよい。
また、この発明では、前記第2入出力機構の各々は、前記第2入出力ギヤにトルクを入力する入力機構であってよい。
この発明の第1参考例に係る歯車伝動装置を模式的に示す図である。 この発明の第1実施形態に係る歯車伝動装置を模式的に示す図である。 この発明の第2実施形態に係る歯車伝動装置を模式的に示す図である。 この発明の第2参考例に係る歯車伝動装置を模式的に示す図である。 この発明の第3参考例に係る歯車伝動装置を模式的に示す図である。 この発明の第4参考例に係る歯車伝動装置を模式的に示す図である。
(第1参考例
図1は、この発明の第1参考例に係る歯車伝動装置を模式的に示す図である。ここに示す歯車伝動装置1は減速装置として構成されており、トルクが入力される互いに平行に配置された3つの入力軸2を備え、3つの入力軸2のうちの第1入力軸2Aおよび第2入力軸2Bは、歯車伝動装置1の回転中心軸線(以下、単に軸線と記す。)O方向で第3入力軸2Cとは反対側に位置している。また、各入力軸2に、この発明の実施形態における第2入出力機構および入力機構に相当するアクチュエータ3がそれぞれ連結されている。第1入力軸2Aに第1アクチュエータ3Aが連結され、第2入力軸2Bに第2アクチュエータ3Bが連結されている。各入力軸2A,2Bに、この発明の実施形態における第2入出力ギヤに相当する外歯歯車であるドライブギヤ4がそれぞれ連結されている。また、第3入力軸2Cに第3アクチュエータ3Cが連結されている。歯車伝動装置1および第3入力軸2Cと同一軸線上であって、第3アクチュエータ3Cとは反対側に、複数のピニオンギヤを自転可能に保持して回転するキャリヤ5が設けられている。そのキャリヤ5に第3入力軸2Cが連結されている。
ここで、この発明の第1参考例に係る歯車伝動装置1におけるキャリヤ5の回転数に対する第2サンギヤS2の回転数について説明する。下記の(1)式は、キャリヤ5の回転数NINに対する第2サンギヤS2の回転数NOUTを算出する式である。
NOUT=NIN×(1-(ZS1/ZP1)×(ZP2/ZS2)) ・・・(1)
上記のZS1は第1サンギヤS1の歯数であり、ZP1は第1ピニオンギヤP1の歯数であり、ZP2は第2ピニオンギヤP2の歯数であり、ZS2は第2サンギヤS2の歯数である。なお、第2サンギヤS2の回転数NOUTの絶対値が「1」より小さくなるように、各ギヤS1,S2,P1,P2の歯数が設定される。なお、ZP1<ZP2であってよい。
したがって、上記構成の歯車伝動装置1によれば、第3アクチュエータ3Cのトルクを増幅して出力軸9から出力することができる。そのため、最高出力や体格などが可及的に小さいアクチュエータを第3アクチュエータ3Cとして用いることができる。また、第1アクチュエータ3Aと第2アクチュエータ3Bとには、外歯ギヤ6とドライブギヤ4とのギヤ比に応じてキャリヤ5の回転数が増速して伝達される。つまり、キャリヤ5のトルクは上述したギヤ比に応じて低減されて各アクチュエータ3A,3Bに伝達される。そのため、出力部材10の回転数を低減し、あるいは出力部材10の回転を止める場合において、各アクチュエータ3A,3Bで発生させる制動トルクを低減することができる。また、2つのアクチュエータ3A,3Bが設けられているため、各アクチュエータ3A,3Bでの負荷を低減することができる。これらのことにより各アクチュエータ3A,3Bを小型化することができる。また、第3アクチュエータ3Cに対して、第1アクチュエータ3Aと第2アクチュエータ3Bとがキャリヤ5の半径方向にずれて配置されるため、各アクチュエータ3A,3B,3Cを同一軸線上に配置する場合に比較して各アクチュエータ3A,3B,3Cの配置や体格の自由度を向上することができる。ひいては、この発明の第1参考例に係る歯車伝動装置1を小型化することができる。
第1実施形態)
図2は、この発明の第1実施形態に係る歯車伝動装置1を模式的に示す図である。ここに示すキャリヤ5は、軸線O方向で第1サンギヤS1側に配置されるリング状の第1キャリヤプレート11と、第1キャリヤプレート11の外周部から軸線O方向に延びる円筒部12と、円筒部12を挟んで第1キャリヤプレート11とは反対側すなわち第2サンギヤS2側に連結されたリング状の第2キャリヤプレート13とを備えている。第1キャリヤプレート11の内周部に第1貫通部11Aが形成されている。この第1貫通部11Aを、この発明の実施形態における固定ギヤに相当する第1サンギヤS1の第1サンギヤ軸14が貫通している。また、第2キャリヤプレート13の内周部に第2貫通部13Aが形成されている。この第2貫通部13Aを、出力軸9が貫通しており、出力軸9に、この発明の実施形態における第1入出力ギヤに相当する第2サンギヤS2が連結されている。つまり、各キャリヤプレート11,13に各貫通部11A,13Aが形成されている以外は、キャリヤ5は閉じた形状を成しており、キャリヤ5の断面は、図2に示すように、ほぼ方形あるいは矩形の断面を成している。
次に、この発明の第1実施形態に係る歯車伝動装置1におけるキャリヤ5の回転数NINに対する第2サンギヤS2の回転数NOUTについて説明すると、キャリヤ5の回転数NINに対する第2サンギヤS2の回転数NOUTの算出式は上記の(1)と同様である。なお、第2サンギヤS2の回転数NOUTの絶対値が「1」より小さくなるように、各ギヤS1,S2,P1,P2の歯数が設定される。なお、ZP1<ZP2であってよい。そのため、キャリヤ5の回転数NINに対して第2サンギヤS2の回転数NOUTが減速される。
この発明の第1実施形態に係る歯車伝動装置1の作用について、先ず、各アクチュエータ3A,3Bを共に駆動トルクを発生するアクチュエータによって構成した場合について説明する。第1アクチュエータ3Aと第2アクチュエータ3Bとのうちの少なくとも一方を駆動してトルクを発生させる。そのトルクを受けて各アクチュエータ3A,3Bに連結されているドライブギヤ4が回転する。各ドライブギヤ4は、当該ドライブギヤ4より大径の外歯ギヤ6に噛み合っているため、ドライブギヤ4の回転数に対してキャリヤ5の回転数は減速される。キャリヤ5の回転に伴って、第1ピニオンギヤP1は第1サンギヤS1に噛み合いながら第1サンギヤS1の周囲を公転する。第1サンギヤS1は固定されているので、第1ピニオンギヤP1は第1サンギヤS1から反力を受けて自転する。この第1ピニオンギヤP1と第2ピニオンギヤP2とは一体となって回転するように構成されているので、第2ピニオンギヤP2は第1ピニオンギヤP1と同回転数で同方向に自転する。この第2ピニオンギヤP2に第2サンギヤS2が噛み合っているので、第2サンギヤS2およびこれと一体の出力軸9が第2ピニオンギヤP2からトルクを受けて回転する。その場合、第2ピニオンギヤP2は自転しつつ公転しているので、第2サンギヤS2およびこれと一体の出力軸9は、第2ピニオンギヤP2と第2サンギヤS2との歯数の比、ならびに第2ピニオンギヤP2の自転回転数および公転回転数に応じた回転数で回転する。その回転数は、上述したように、キャリヤ5の回転数に対して減速されるため、各アクチュエータ3A,3Bのトルクは増幅されて第2サンギヤS2およびこれと一体の出力軸9に伝達される。また、2つのアクチュエータ3A,3Bによって駆動トルクを発生するから、第1参考例と同様に、各アクチュエータ3A,3Bでの負荷を低減することができ、各アクチュエータ3A,3Bを可及的に小型化することができる。
また、各アクチュエータ3A,3Bを共に制動トルクを発生するアクチュエータによって構成した場合について説明する。つまり、出力部材10の回転数を低減あるいは止める場合について説明する。第2サンギヤS2およびこれと一体の出力軸9の回転数に対してキャリヤ5の回転数は高い、すなわち増速されている。また、キャリヤ5の外歯ギヤ6には当該外歯ギヤ6より小径のドライブギヤ4が噛み合っている。そのため、キャリヤ5の回転数に対してドライブギヤ4の回転数は増速され、つまり、ドライブギヤ4に現れるトルクはキャリヤ5のトルクに対して低減される。そして、2つのアクチュエータ3A,3Bによって制動トルクを発生するから、各アクチュエータ3A,3Bでの負荷を低減することができる。それらの結果、第1参考例と同様に、各アクチュエータ3A,3Bを可及的に小型化することができる。
第2実施形態)
図3は、この発明の第2実施形態に係る歯車伝動装置1を模式的に示す図である。図3に示すキャリヤ5は、軸線O方向で第1サンギヤS1側に配置されるリング状の第1キャリヤプレート11と、第1キャリヤプレート11の外周部から軸線O方向に延びる円筒部12と、円筒部12を挟んで第1キャリヤプレート11とは反対側すなわち第2サンギヤS2側に連結されたリング状の第2キャリヤプレート13とを備えている。第1キャリヤプレート11の内周部に第1貫通部11Aが形成されている。その第1貫通部11Aを、この発明の実施形態における固定ギヤに相当する第1サンギヤS1のサンギヤ軸14が貫通している。第1サンギヤS1に第1ピニオンギヤP1が噛み合っている。第2キャリヤプレート13の内周部に第2貫通部13Aが形成されている。その第2貫通部13Aを出力軸9が貫通しており、出力軸9に、この発明の実施形態における第1入出力ギヤに相当する第2サンギヤS2が連結されている。第2サンギヤに第2ピニオンギヤP2が噛み合っている。そのため、各キャリヤプレート11,13に各貫通部11A,13Aが形成されている以外は、キャリヤ5は、図3に示すように、閉じた形状を成している。
次に、この発明の第2実施形態に係る歯車伝動装置1の作用について、先ず、各アクチュエータ3A,3Bを共に駆動トルクを発生するアクチュエータによって構成した場合について説明する。第1アクチュエータ3Aと第2アクチュエータ3Bとのうちの少なくとも一方を駆動してトルクを発生させる。そのトルクを受けて各アクチュエータ3A,3Bに連結されているドライブギヤ4が回転する。各ドライブギヤ4は、当該ドライブギヤ4より大径の外歯ギヤ6に噛み合っているため、ドライブギヤ4の回転数に対してキャリヤ5の回転数は減速される。キャリヤ5の回転に伴って、第1ピニオンギヤP1は第1サンギヤS1に噛み合いながら第1サンギヤS1の周囲を公転する。第1サンギヤS1は固定されているので、第1ピニオンギヤP1は第1サンギヤS1から反力を受けて自転する。この第1ピニオンギヤP1に第3ピニオンギヤP3が噛み合っているので、第3ピニオンギヤP3が第1ピニオンギヤP1からトルクを受けて回転する。第3ピニオンギヤP3と第4ピニオンギヤP4とは一体となって回転するように構成されているので、第4ピニオンギヤP4は第3ピニオンギヤP3と同回転数で同方向に自転する。第4ピニオンギヤP4に第5ピニオンギヤP5が噛み合っているので、第5ピニオンギヤP5が第4ピニオンギヤP4からトルクを受けて回転する。第5ピニオンギヤP5と第2ピニオンギヤP2とは一体となって回転するように構成されているので、第2ピニオンギヤP2は第5ピニオンギヤP5と同回転数で同方向に自転する。第2サンギヤS2およびこれと一体の出力軸9が第2ピニオンギヤP2からトルクを受けて回転する。その場合、第2ピニオンギヤP2は自転しつつ公転しているので、第2サンギヤS2およびこれと一体の出力軸9は、第2ピニオンギヤP2と第2サンギヤS2との歯数の比、ならびに第2ピニオンギヤP2の自転回転数および公転回転数に応じた回転数で回転する。
また、この発明の第2実施形態に係る歯車伝動装置1におけるキャリヤ5の回転数NINに対する第2サンギヤS2の回転数NOUTについて、各ギヤS1,S2,P1,P2,P3,P4,P5の歯数の例を挙げて、具体的に説明する。下記の(2)式は、歯車伝動装置1の第2サンギヤS2の回転数NOUTを算出する式である。
NOUT=NIN×(1-(ZS1/ZP3)×(ZP4/ZP5)×(ZP2/ZS2)) ・・・(2)
上記のZS1は第1サンギヤS1の歯数であり、ZP2は第2ピニオンギヤの歯数であり、ZP3は第3ピニオンギヤP3の歯数であり、ZP4は第4ピニオンギヤP4の歯数であり、ZP5は第5ピニオンギヤP5の歯数であり、ZS2は第2サンギヤS2の歯数である。
上述した構成では、キャリヤ5の回転数NINに対して第2サンギヤS2の回転数NOUTは減速される。つまり、各アクチュエータ3A,3Bのトルクは増幅されて第2サンギヤS2に伝達される。また、2つのアクチュエータ3A,3Bによって駆動トルクを発生するから、第1参考例おびこの発明の第1実施形態と同様に、各アクチュエータ3A,3Bでの負荷を低減することができ、各アクチュエータ3A,3Bを可及的に小型化することができる。
また、各アクチュエータ3A,3Bを共に制動トルクを発生するアクチュエータによって構成した場合について説明する。つまり、出力部材10の回転数を低減あるいは止める場合について説明する。上述した構成では、第2サンギヤS2およびこれと一体の出力軸9の回転数に対してキャリヤ5の回転数は高い、すなわち増速される。また、第2サンギヤS2のトルクに対してキャリヤ5のトルクは低減される。キャリヤ5の外歯ギヤ6には当該外歯ギヤ6より小径のドライブギヤ4が噛み合っているため、キャリヤ5の回転数に対してドライブギヤ4の回転数は更に増速される。つまり、ドライブギヤ4に現れるトルクはキャリヤ5のトルクに対して低減される。そして、2つのアクチュエータ3A,3Bによって制動トルクを発生するから、各アクチュエータ3A,3Bでの負荷を低減することができる。それらの結果、第1参考例と同様に、各アクチュエータ3A,3Bを可及的に小型化することができる。
第2参考例
図4は、この発明の第2参考例に係る歯車伝動装置1を模式的に示す図である。図4に示すキャリヤ5は、同一軸線上に一定の間隔で配置された3つのキャリヤプレート11,13,17と、それらのキャリヤプレート11,13,17を連結する支持軸部18とを備えている。すなわち、支持軸部18の両端部に第1キャリヤプレート11と第2キャリヤプレート13とがそれぞれ連結されている。ここに示す例では、第1キャリヤプレート11と第2キャリヤプレート13とは同径であってかつ平板状に形成されている。また、支持軸部18の軸線O方向での中央部に第3キャリヤプレート17が一体に設けられている。第3キャリヤプレート17は、第1キャリヤプレート11や第2キャリヤプレート13よりも大径に形成されると共に、その外周部に軸線O方向に延びる円筒部17Aが一体に形成されている。
次に、この発明の第2参考例に係る歯車伝動装置1の作用について、先ず、各アクチュエータ3A,3Bを共に駆動トルクを発生するアクチュエータによって構成した場合について説明する。第1アクチュエータ3Aと第2アクチュエータ3Bとのうちの少なくとも一方を駆動してトルクを発生させる。そのトルクを受けて各アクチュエータ3A,3Bに連結されているドライブギヤ4が回転する。ドライブギヤ4は、ドライブギヤ4より大径の外歯ギヤ6に噛み合っているため、ドライブギヤ4の回転数に対してキャリヤ5の回転数は減速される。キャリヤ5の回転に伴って第1ピニオン軸7が回転し、また、第1リングギヤR1に噛み合いながら第1ピニオンギヤP1が公転する。第1リングギヤR1は固定されているので、第1ピニオンギヤP1は第1リングギヤR1から反力を受けて自転する。この第1ピニオンギヤP1と第2ピニオンギヤP2とは一体となって回転するように構成されているので、第2ピニオンギヤP2は第1ピニオンギヤP1と同回転数で同方向に自転する。この第2ピニオンギヤP2に第2リングギヤR2が噛み合っているので、第2リングギヤR2およびこれと一体の出力軸9が第2ピニオンギヤP2からトルクを受けて回転する。その場合、第2ピニオンギヤP2は自転しつつ公転しているので、第2リングギヤR2およびこれと一体の出力軸9は、第2ピニオンギヤP2と第2リングギヤR2との歯数の比、ならびに第2ピニオンギヤP2の自転回転数および公転回転数に応じた回転数で回転する。
ここで、この発明の第2参考例に係る歯車伝動装置1におけるキャリヤ5の回転数NINに対する第2サンギヤS2の回転数NOUTについて説明する。下記の(3)式は、キャリヤ5の回転数NINに対する第2リングギヤR2の回転数NOUTを算出する式である。
NOUT=NIN×(1-(ZR1/ZP1)×(ZP2/ZR2)) ・・・(3)
上記のZR1は第1リングギヤR1の歯数であり、ZP1は第1ピニオンギヤP1の歯数であり、ZP2は第2ピニオンギヤP2の歯数であり、ZR2は第2リングギヤR2の歯数である。なお、第2リングギヤR2の回転数NOUTの絶対値が「1」より小さくなるように、各ギヤR1,R2,P1,P2の歯数が設定される。なお、ZP1<ZP2であってよい。
第3参考例
図5は、この発明の第3参考例に係る歯車伝動装置1を模式的に示す図である。図5に示すキャリヤ5は、同一軸線上に一定の間隔で配置されていて、かつ一体となって回転する3つのキャリヤプレート11,13,17を備えている。すなわち、キャリヤ5の軸線O方向で両側に第1キャリヤプレート11と第2キャリヤプレート13とがそれぞれ配置されている。第1キャリヤプレート11と第2キャリヤプレート13とは同径の平板状に形成されている。また、キャリヤ5の軸線O方向で第1キャリヤプレート11と第2キャリヤプレート13との間に第3キャリヤプレート17が設けられている。第3キャリヤプレート17は、第1キャリヤプレート11や第2キャリヤプレート13よりも大径に形成されると共に、その外周部に軸線O方向に延びる円筒部17Aが一体に形成されている。
次に、この発明の第3参考例に係る歯車伝動装置1の作用について、先ず、各アクチュエータ3A,3Bを共に駆動トルクを発生するアクチュエータによって構成した場合について説明する。第1アクチュエータ3Aと第2アクチュエータ3Bとのうちの少なくとも一方を駆動してトルクを発生させる。そのトルクを受けて、各アクチュエータ3A,3Bに連結されているドライブギヤ4が回転する。ドライブギヤ4は、当該ドライブギヤ4より大径の外歯ギヤ6に噛み合っているため、ドライブギヤ4の回転数に対してキャリヤ5の回転数は減速される。キャリヤ5の回転に伴って第1リングギヤR1に噛み合いながら第1ピニオンギヤP1が公転する。第1リングギヤR1は固定されているので、第1ピニオンギヤP1は第1リングギヤR1から反力を受けて自転する。この第1ピニオンギヤP1に第3ピニオンギヤP3が噛み合っているので、第3ピニオンギヤP3は第1ピニオンギヤP1からトルクを受けて回転する。第3ピニオンギヤP3と第4ピニオンギヤP4とは一体となって回転するように構成されているので、第4ピニオンギヤP4は第3ピニオンギヤP3と同回転数で同方向に自転する。第4ピニオンギヤP4に第5ピニオンギヤP5が噛み合っているので、第5ピニオンギヤP5が第4ピニオンギヤP4からトルクを受けて回転する。第5ピニオンギヤP5と第2ピニオンギヤP2とは一体となって回転するように構成されているので、第2ピニオンギヤP2は第5ピニオンギヤP5と同回転数で同方向に自転する。第2リングギヤR2およびこれと一体の出力軸9が第2ピニオンギヤP2からトルクを受けて回転する。その場合、第2ピニオンギヤP2は自転しつつ公転しているので、第2リングギヤR2およびこれと一体の出力軸9は、第2ピニオンギヤP2と第2リングギヤR2との歯数の比、ならびに第2ピニオンギヤP2の自転回転数および公転回転数に応じた回転数で回転する。
また、この発明の第3参考例に係る歯車伝動装置1におけるキャリヤ5の回転数NINに対する第2リングギヤR2の回転数NOUTについて、各ギヤS1,S2,P1,P2,P3,P4,P5の歯数の例を挙げて、具体的に説明する。下記の(4)式は、キャリヤ5の回転数NINに対する第2リングギヤR2の回転数NOUTを算出する式である。
NOUT=NIN×(1-(ZR1/ZP3)×(ZP4/ZP5)×(ZP2/ZR2)) ・・・(4)
上記のZR1は第1リングギヤR1の歯数であり、ZP2は第2ピニオンギヤの歯数であり、ZP3は第3ピニオンギヤP3の歯数であり、ZP4は第4ピニオンギヤP4の歯数であり、ZP5は第5ピニオンギヤP5の歯数であり、ZR2は第2リングギヤR2の歯数である。
第4参考例
図6は、この発明の第4参考例に係る歯車伝動装置1を模式的に示す図である。ここに示すキャリヤ5は、軸線O方向で第1サンギヤS1側に配置されたリング状の第1キャリヤプレート11を備え、その第1キャリヤプレート11の内周部に円筒状の小径部20が連結されている。その小径部20における第1キャリヤプレート11とは反対側に、リング状の連結部21の内周部が連結されている。連結部21の外周部に、小径部20より大径の円筒状に形成された大径部22が連結されている。その大径部22における第1キャリヤプレート11とは反対側に、リング状の第2キャリヤプレート13の外周部が連結されている。
次に、この発明の第4参考例に係る歯車伝動装置1におけるキャリヤ5の回転数NINに対する第2サンギヤS2の回転数NOUTについて説明する。下記の(5)式は、キャリヤ5の回転数NINに対する第2サンギヤS2の回転数NOUTを算出する式である。
NOUT=NIN×(1-(ZR1/ZP1)×(ZP2/ZS2)) ・・・(5)
上記のZR1は第1リングギヤR1の歯数であり、ZP1は第1ピニオンギヤP1の歯数であり、ZP2は第2ピニオンギヤP2の歯数であり、ZS2は第2サンギヤS2の歯数である。なお、第2サンギヤS2の回転数NOUTの絶対値が「1」より小さくなるように、各ギヤR1,S2,P1,P2の歯数が設定される。なお、ZP1<ZP2であってよい。そのため、キャリヤ5の回転数NINに対して第2サンギヤS2の回転数NOUTが減速される。
この発明の第4参考例に係る歯車伝動装置1の作用について、先ず、各アクチュエータ3A,3Bを共に駆動トルクを発生するアクチュエータによって構成した場合について説明する。第1アクチュエータ3Aと第2アクチュエータ3Bとのうちの少なくとも一方を駆動してトルクを発生させる。そのトルクを受けて各アクチュエータ3A,3Bに連結されているドライブギヤ4が回転する。各ドライブギヤ4は、当該ドライブギヤ4より大径の外歯ギヤ6に噛み合っているため、ドライブギヤ4の回転数に対してキャリヤ5の回転数は減速される。キャリヤ5の回転に伴って、第1ピニオンギヤP1は第1リングギヤR1に噛み合いながら第1ピニオンギヤP1が公転する。第1リングギヤR1は固定されているので、第1ピニオンギヤP1は第1リングギヤR1から反力を受けて自転する。この第1ピニオンギヤP1と第2ピニオンギヤP2とは一体となって回転するように構成されているので、第2ピニオンギヤP2は第1ピニオンギヤP1と同回転数で同方向に自転する。この第2ピニオンギヤP2に第2サンギヤS2が噛み合っているので、第2サンギヤS2およびこれと一体の出力軸9が第2ピニオンギヤP2からトルクを受けて回転する。その場合、第2ピニオンギヤP2は自転しつつ公転しているので、第2サンギヤS2およびこれと一体の出力軸9は、第2ピニオンギヤP2と第2サンギヤS2との歯数の比、ならびに第2ピニオンギヤP2の自転回転数および公転回転数に応じた回転数で回転する。その回転数は、上述したように、キャリヤ5の回転数に対して減速されるため、各アクチュエータ3A,3Bのトルクは増幅されて第2サンギヤS2およびこれと一体の出力軸9に伝達される。また、2つのアクチュエータ3A,3Bによって駆動トルクを発生するから、第1参考例と同様に、各アクチュエータ3A,3Bでの負荷を低減することができ、各アクチュエータ3A,3Bを可及的に小型化することができる。
また、各アクチュエータ3A,3Bを共に制動トルクを発生するアクチュエータによって構成した場合について説明する。つまり、出力部材10の回転数を低減あるいは止める場合について説明する。第2サンギヤS2およびこれと一体の出力軸9の回転数に対してキャリヤ5の回転数は高い、すなわち増速されている。また、キャリヤ5の外歯ギヤ6には当該外歯ギヤ6より小径のドライブギヤ4が噛み合っている。そのため、キャリヤ5の回転数に対してドライブギヤ4の回転数は増速され、つまり、ドライブギヤ4に現れるトルクはキャリヤ5のトルクに対して低減される。そして、2つのアクチュエータ3A,3Bによって制動トルクを発生するから、各アクチュエータ3A,3Bでの負荷を低減することができる。それらの結果、第1参考例と同様に、各アクチュエータ3A,3Bを可及的に小型化することができる。

Claims (6)

  1. 入力されたトルクを複数の歯車を介して出力側に伝達して出力する歯車伝動装置において、
    互いに歯数が異なりかつ同一軸線上に配置されて一体となって回転する少なくとも一対のピニオンギヤと、
    前記ピニオンギヤを自転可能に保持しかつ前記ピニオンギヤを公転させるように自転するキャリヤと、
    一対の前記ピニオンギヤのうちの第1ピニオンギヤに噛み合いかつ所定の固定部に固定されている固定ギヤと、
    一対の前記ピニオンギヤのうちの第2ピニオンギヤに噛み合いかつ前記キャリヤの内周側に前記キャリヤと同一軸線上に回転可能に配置された第1入出力ギヤと、
    前記キャリヤの外周部に設けられた外歯ギヤと、
    前記外歯ギヤに噛み合っている複数の第2入出力ギヤと
    を備えていることを特徴とする歯車伝動装置。
  2. 請求項1に記載の歯車伝動装置において、
    前記第1入出力ギヤと前記第2入出力ギヤとは、それぞれの回転中心軸線が前記キャリヤの回転中心軸線と平行になるように配置され、
    前記第1入出力ギヤに連結されている第1入出力機構と、
    前記第2入出力ギヤのそれぞれに連結されている複数の第2入出力機構とを更に備え、
    前記第1入出力機構と前記第2入出力機構とは、前記回転中心軸線の方向で、前記歯車伝動装置に対して同じ側に配置されている
    ことを特徴とする歯車伝動装置。
  3. 請求項1または2に記載の歯車伝動装置において、
    前記第1ピニオンギヤの歯数は、前記第2ピニオンギヤの歯数より少ないことを特徴とする歯車伝動装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれか一項に記載の歯車伝動装置において、
    前記固定ギヤは、前記第1ピニオンギヤの内周側に配置されたサンギヤであることを特徴とする歯車伝動装置。
  5. 請求項1ないし3のいずれか一項に記載の歯車伝動装置において、
    前記固定ギヤは、前記第1ピニオンギヤの外周側に配置されたリングギヤであることを特徴とする歯車伝動装置。
  6. 請求項2ないし5のいずれか一項に記載の歯車伝動装置において、
    前記第1入出力機構は、前記第1入出力ギヤからトルクを伝達される出力機構であり、
    前記第2入出力機構のそれぞれは、前記第2入出力ギヤにトルクを入力する入力機構である
    ことを特徴とする歯車伝動装置。
JP2020143420A 2020-08-27 2020-08-27 歯車伝動装置 Pending JP2020190333A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020143420A JP2020190333A (ja) 2020-08-27 2020-08-27 歯車伝動装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020143420A JP2020190333A (ja) 2020-08-27 2020-08-27 歯車伝動装置

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017099709A Division JP2018194121A (ja) 2017-05-19 2017-05-19 歯車伝動装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2020190333A true JP2020190333A (ja) 2020-11-26

Family

ID=73454957

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020143420A Pending JP2020190333A (ja) 2020-08-27 2020-08-27 歯車伝動装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2020190333A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN116532200A (zh) * 2023-04-11 2023-08-04 安徽郎溪南方水泥有限公司 一种水泥熟料制造工艺

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6095250U (ja) * 1983-12-05 1985-06-28 神鋼電機株式会社 歯車式減速機
JP2011127726A (ja) * 2009-12-21 2011-06-30 Miyoji Suzuki 動力源切り替え装置
JP2013181645A (ja) * 2012-03-05 2013-09-12 Ntn Corp 電気自動車用駆動装置
JP2014080154A (ja) * 2012-10-18 2014-05-08 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 舵取機及びこれを備えた船舶

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6095250U (ja) * 1983-12-05 1985-06-28 神鋼電機株式会社 歯車式減速機
JP2011127726A (ja) * 2009-12-21 2011-06-30 Miyoji Suzuki 動力源切り替え装置
JP2013181645A (ja) * 2012-03-05 2013-09-12 Ntn Corp 電気自動車用駆動装置
JP2014080154A (ja) * 2012-10-18 2014-05-08 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 舵取機及びこれを備えた船舶

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN116532200A (zh) * 2023-04-11 2023-08-04 安徽郎溪南方水泥有限公司 一种水泥熟料制造工艺

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN108953499B (zh) 齿轮传动装置
JP6583346B2 (ja) 歯車伝動装置
JP5811267B2 (ja) 車両用駆動装置
JP2018189119A (ja) 歯車伝動装置
JP7437406B2 (ja) 車両用駆動装置
JP6583347B2 (ja) 歯車伝動装置
JP2019074166A (ja) 複合遊星歯車装置
JP2020190333A (ja) 歯車伝動装置
JP2010052518A (ja) ハイブリッド車両の駆動装置
JP2014084000A (ja) 車両用駆動装置
JP7342806B2 (ja) 複合遊星歯車装置
JP2019074207A (ja) 車両用駆動装置
JP2001016710A (ja) 車両の駆動装置
JP2018179212A (ja) 歯車伝動装置
JP2021076203A (ja) 減速装置
JP7276560B2 (ja) 電動駆動装置
JP4543304B2 (ja) スプリット形駆動装置
JP2019105331A (ja) 電動駆動装置
JP2019065865A (ja) 歯車伝動装置
CN114542684B (zh) 差动装置
WO2023243276A1 (ja) ユニット
JP2019065864A (ja) 歯車伝動装置
US20230358306A1 (en) Vehicle drive device
JP2023067198A (ja) トルクベクタリング装置
JP2023067197A (ja) トルクベクタリング装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200827

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200827

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210528

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210608

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20211130