JP2020188743A - 容器入り炭酸アルコール飲料及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】新たな味質を有する容器入り炭酸アルコール飲料及びその製造方法を提供する。【解決手段】容器入り炭酸アルコール飲料は、炭酸ガス圧が3.0〜3.5ガスボリュームであり、アルコール100%換算で5〜50ml/Lのウイスキーを含有する。【選択図】なし

Description

本発明は、容器入り炭酸アルコール飲料及びその製造方法に関する。
樽等の木製容器にて熟成された酒類として、ウイスキーやブランデー等が知られている。
例えばウイスキーを得るには、大麦等の穀類を発芽させて糖化させ、発酵させる。続いて発酵により生じたアルコール含有物を蒸留する。得られた蒸留物を容器(例えばオーク材等の木製容器)内で貯蔵し、熟成させる。容器内で熟成させることにより、味がまろやかになり、エステル類やフルフラール等に起因する熟成香を生じる。また、木製容器から溶出した木質成分が溶出することによって、余韻(アフターテイスト)とよばれる味の深みが付与される。そのため、口の中に入れた時だけでなく、飲み込んだ後も味や香りの余韻を楽しむことができる。
ウイスキーを炭酸水で割った飲料は、例えばウイスキーハイボールなどと呼ばれ、居酒屋などの飲食店で人気のあるメニューとなっている。また、昨今では、缶等に詰められた容器入りの炭酸アルコール飲料(通常RTD飲料とよばれる)が、手軽に飲用できる点で消費者の支持を受け、広まっている。ウイスキーハイボールは、そのような容器入りの炭酸アルコール飲料としても、提供されるようになってきている。
上記に関連して、例えば、特開2017−176164号公報(特許文献1)には、所定量の没食子酸及び/又はシナピルアルデヒド、所定量のナリンギン、及び炭酸ガスを含む容器詰め飲料であって、没食子酸及びシナピルアルデヒドの含有量が所定の関係を満たす、容器詰め飲料において、ウイスキーを含有させる点が開示されている。
また、特開平6−253811号公報(特許文献2)には、蒸留したアルコール飲料に炭酸ガスを炭酸ガス圧力が0.5kg/cm2未満となる程度に含有させたことを特徴とするアルコール飲料において、蒸留したアルコール飲料が、ウイスキー、ブランデー、スピリッツ又は焼酎であるか、あるいは、そのアルコール濃度を低減させたものである点が開示されている。
特開2017−176164号公報 特開平6−253811号公報
消費者の嗜好は様々であり、様々な嗜好に対応するため、本発明者らは、新たな味を有するウイスキーハイボールが提供しようと検討している。すなわち、本発明の課題は、ウイスキーを有する炭酸アルコール飲料について、新たな味質を有する飲料及びその製造方法を提供することにある。
本発明者は、炭酸ガス圧とウイスキーの含有量とを所定の値に調整することにより、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の事項を含むものである。
[1]炭酸ガス圧が3.0〜3.5ガスボリュームであり、アルコール100%換算で5〜50ml/Lのウイスキーを含有する、容器入り炭酸アルコール飲料。
[2]糖類含有量が1g/100ml以下である、請求項1に記載の飲料。
[3]甘味度が2以下である、請求項1又は2に記載の飲料。
[4]更に、柑橘類浸漬蒸留酒を含有する、請求項1から3のいずれかに記載の飲料。
[5]前記柑橘類浸漬蒸留酒が、減圧蒸留により製造されたものである、請求項4に記載の飲料。
[6]無果汁飲料であるか、果汁の含有量が5(w/v%)以下である、請求項1から5のいずれかに記載の飲料。
[7]更に、食物繊維を含有する、請求項1から6のいずれかに記載の飲料。
[8]前記食物繊維の含有量が、0.1〜10.0g/100mlである、請求項7に記載の飲料。
[9]アルコール含量が5v/v%以上である、請求項1から8のいずれかに記載の飲料。
[10]前記ウイスキーが、木製の容器内で熟成されたものである、請求項1乃至9のいずれかに記載の飲料。
[11]飲料液に、ウイスキーを、アルコール100換算で5〜50ml/Lになるように添加する工程と、前記飲料液の炭酸ガス圧を、3.0〜3.5ガスボリュームになるように調整する工程と、前記飲料液に、柑橘類浸漬蒸留酒を添加する工程と、を備える、容器入り炭酸アルコール飲料の製造方法。
[12]前記柑橘類浸漬蒸留酒が、減圧蒸留法により製造されたものである、請求項10に記載の方法。
[13]更に、前記飲料液に食物繊維を添加する工程を有する、請求項11又は12に記載の方法。
本発明によれば、ウイスキーを有する炭酸アルコール飲料について、新たな味質を有する飲料及びその製造方法が提供される。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本実施形態に係る容器入り炭酸アルコール飲料は、3.0〜3.5ガスボリュームの炭酸ガス圧と、アルコール100%換算で5〜50ml/Lのウイスキーとを有する。
尚、「アルコール100%換算」の量とは、飲料中におけるウイスキー由来のアルコール(エタノール)含有量を言う。
また、本発明において、ウイスキーとは、酒税法に規定されるものをいう。
本発明者の知見によれば、市販の容器入り炭酸アルコール飲料の炭酸ガス圧は、通常、3.0未満である。これに対して、炭酸ガス圧を3.0〜3.5ガスボリュームとすることにより、炭酸感(刺激感ともいう)を強めることができる。一方で、炭酸ガス圧を比較的高い値(3.0〜3.5ガスボリューム)に設定すると、ウイスキーらしい余韻については、損なわれやすくなる。これに対して、アルコール100%換算で5〜50ml/Lのウイスキーを含有させることにより、ウイスキーらしい余韻を増強できる。尚、本発明において、ウイスキーらしい余韻とは、ウイスキー特有の味や香りが、飲料を飲み込んだ後にも長く続くことを言う。
本実施形態のウイスキーは、木製容器(例えば樽)内で熟成させたものであることが好ましい。木製容器により熟成させたウイスキーは、木製容器から溶出した成分により、余韻が感じられやすくなる。
アルコール換算でのウイスキーの含有量は、5〜50ml/Lの範囲であればよいが、好ましくは5〜35ml/L、より好ましくは5〜15ml/L、更に好ましくは8〜12ml/Lである。
本実施形態に係る飲料のアルコール含量は、特に限定されるものでは無いが、例えば5v/v%以上、好ましくは5〜15v/v%、より好ましくは6〜14v/v%、更に好ましくは7〜13v/v%、更に好ましくは8〜12v/v%、最も好ましくは9〜11v/v%である。
本実施形態に係る飲料には、ウイスキー以外の酒類(以下、他のアルコール原料という)が含まれていてもよい。他のアルコール原料としては、特に限定されるものでは無いが、蒸留酒が好ましい。蒸留酒としては、例えば、原料用アルコール、ブランデー、焼酎、スピリッツ、及びこれらの組み合わせなどが挙げられ、原料用アルコール及びスピリッツが好ましく挙げられ、原料用アルコールが更に好ましく挙げられる。
原料用アルコールとしては、酒税法に定義されるものを用いることができるが、好ましくは、廃糖蜜を発酵させて高度(例えばアルコール度数が90v/v%以上)に精製したものが用いられる。
原料用アルコールの含有量は、アルコール100%換算で、例えば30〜150ml/L、好ましくは50〜100ml/L、より好ましくは70〜95ml/Lである。
本実施形態に係る飲料は、好ましくは、柑橘類浸漬蒸留酒を含有する。
「柑橘類浸漬蒸留酒」とは、柑橘類をアルコール含有液中に浸漬させた後、アルコール含有液を蒸留し、得られた蒸留液を利用して調製された蒸留酒である。柑橘類浸漬蒸留酒が含有されていることにより、後口のキレを高めることができ、飲料としての風味の嗜好性をさらに向上することができる。尚、「後口のキレ」とは、先味で感じる炭酸の刺激感や、ウイスキーの香り以外の雑味が素早く消失し、後口に残らないことを言う。
飲料中における柑橘類浸漬蒸留酒の含有量は、例えば、0.01ml/L以上、好ましくは0.01〜20ml/L、より好ましくは0.01〜5ml/L、更に好ましくは0.02〜2ml/Lである。
柑橘類浸漬蒸留酒としては、例えば、リナロール濃度が0.5〜10ppmとなるように調製された液が好ましく用いられる。柑橘類浸漬蒸留酒におけるリナロール濃度は、より好ましくは、1.0〜8.0ppmである。
また、柑橘類浸漬蒸留酒は、例えば、炭酸アルコール飲料中における柑橘類浸漬蒸留酒由来のリナロール濃度が0.01〜1000ppb、好ましくは0.05〜500ppb、より好ましくは0.1〜200ppbとなるような量で用いられる。
柑橘類浸漬蒸留酒に用いられる柑橘類としては、特に限定されるものでは無いが、例えば、レモン、ライム、グレープフルーツ、シークァーサー、ゆず、すだち及びかぼす等を挙げることができ、レモンであることが好ましい。
例えば、柑橘類浸漬蒸留酒は、以下の方法により得ることができる。
ア:まず、柑橘類の果実を、アルコール含有液に浸漬させる。柑橘類の果実としては、生の果実を用いることが好ましく、より好ましくは生の果皮が用いられる。また、アルコール含有液としては、特に限定されるものではないが、ウイスキー、ブランデー、焼酎、スピリッツ、及び原料用アルコール等を挙げることができ、好ましくは原料用アルコールである。アルコール含有液のアルコール濃度は、例えば、20〜100v/v%、好ましくは40〜100v/v%である。
イ:次いで、果実を浸漬させたアルコール含有液を所定時間放置し、果実中に含まれる成分を抽出する。例えば、室温で、10〜30時間程度放置することにより、果実中に含まれる成分を抽出することができる。
ウ:次いで、アルコール含有液に必要に応じて水を加えてアルコール度数を調整する。例えば、アルコール度数を、20〜60v/v%、好ましくは30〜50v/v%に調製する。その後、アルコール含有液を蒸留して蒸留液を得る。この際、好ましくは、減圧蒸留により蒸留する。減圧蒸留時の減圧度は、例えば、100〜750mmHg、好ましくは500〜700mmHgである。
エ:その後、必要に応じて蒸留液に水を加えて、成分濃度を調整する。これにより、柑橘類浸漬蒸留酒が得られる。
柑橘類浸漬蒸留酒のより詳細な調製方法としては、以下の例が挙げられる。
生のレモンの果皮1000gを65v/v%アルコール2000mlに浸漬し、室温で24時間抽出し、減圧度700mmHgで減圧蒸留する。本蒸留液をさらに、45v/v%アルコール濃度になるように水で希釈する。これにより、柑橘類浸漬蒸留酒を得ることができる。
本実施形態に係る飲料は、好ましくは、食物繊維を含有する。食物繊維を含有していることにより、飲料のボディ感(味の強さ)を増強することができる。食物繊維としては、水溶性食物繊維が好ましい。水溶性食物繊維としては、例えば、ポリデキストロース、難消化性デキストリン、難消化性グルカン、イソマルトデキストリン、ペクチン、アルギン酸、ラミナリン、グアーガム分解物、グルコマンナン、カラギーナン、及びフコイジンなどを挙げることができ、好ましくはポリデキストロース及び難消化性デキストリンが挙げられ、より好ましくはポリデキストロースが挙げられる。
食物繊維の含有量は、特に限定されるものでは無いが、例えば0.1〜10.0g/100ml、好ましくは0.5〜5.0g/100mlである。
本実施形態に係る飲料には、酸味料が含まれていることが好ましい。酸味料の具体例としては、アジピン酸、クエン酸、クエン酸三ナトリウム、グルコノデルタラクトン、グルコン酸、グルコン酸カリウム、グルコン酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸一ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、酢酸ナトリウム、DL−酒石酸、L−酒石酸、DL−酒石酸ナトリウム、L−酒石酸ナトリウム、二酸化炭素、乳酸、乳酸ナトリウム、氷酢酸、フマル酸、フマル酸一ナトリウム、DL−リンゴ酸、DL−リンゴ酸ナトリウム及びリン酸が挙げられる。これらは、カリウム塩やナトリウム塩といった塩の形態で用いることも可能であるし、緩衝液の形態で用いることも可能である。好ましくは、酸味料として、無水クエン酸及び/又はクエン酸ナトリウムが用いられる。
好ましくは、飲料には、無水クエン酸が、0.01〜5.0(g/L)、より好ましくは0.2〜2.0(g/L)含まれている。また、また、クエン酸ナトリウムが、例えば、0.01〜3.0(g/L)、好ましくは0.05〜1.0(g/L)含まれている。
本実施形態に係る飲料の酸度は、特に限定されるものでは無いが、例えば、0.01〜1.0(g/100mL)、好ましくは、0.01〜0.30(g/100mL)、より好ましくは0.03〜0.1(g/100mL)である。
尚、酸度は、クエン酸換算した酸度を示し、国税庁所定分析法 (平19国税庁訓令第6号)の8頁、総酸(遊離酸)にて定められた酸度の測定方法に基づいて算出される。
詳細には、酸度は、以下の方法により測定できる。
試料1〜50mlを正確に量りとり、水で適宜希釈する。これを、0.1mol/L水酸化ナトリウム溶液で滴定し、pHメーターで8.2を終点とし、下記の式により算出する。
(数式1):酸度(%)=A×f×100/W×0.0064(クエン酸酸度の場合)
A:0.1mol/L水酸化ナトリウム溶液による滴定量(ml)
f:0.1mol/L水酸化ナトリウム溶液の力価
W:試料重量(g)
なお、数式1中、「0.0064」は、「0.1mol/L水酸化ナトリウム溶液1mlに相当する無水クエン酸の重量(g)」である。
本実施形態に係る飲料は、甘さの少ない飲料であることが好ましい。具体的には、飲料は、2以下の甘味度を有していることが好ましい。飲料の甘味度は、好ましくは、1以下、より好ましくは0.5以下、最も好ましくはゼロである。
なお、「飲料の甘味度」とは、飲料の甘さの強さを示すパラメータであり、飲料中に含まれる甘味料の含有量を、甘味の観点からショ糖に換算して求めたパラメータである。具体的には、飲料に含まれる各甘味料について、その濃度(g/100ml)に、当該甘味料の「甘味度」を乗じることにより、ショ糖に換算した時の各甘味料の含有量(g/100ml)が求められる。そして、飲料に含まれる全甘味料についてのショ糖換算含有量の合計値(g/100ml)が、飲料の「甘味度」として求められる。
尚、各甘味量の「甘味度」とは、ショ糖と比較した時の各甘味料の甘味の強さを示すパラメータであり、例えば、「飲料用語事典、平成11年6月25日発行、株式会社ビバリッジジャパン社、資11」の値を採用する。尚、甘味度の値に幅がある場合には、その中央値を採用する。
例えば、代表的な甘味料の甘味度は、以下の通りである。
ブドウ糖(甘味度0.65)
果糖(甘味度1.5)
スクラロース(甘味度600)
アセスルファムカリウム(甘味度200)
アスパルテーム(甘味度200)
本実施形態に係る飲料は、糖類の含有量が少ないことが好ましい。糖類の含有量は、好ましくは1g/100ml以下、より好ましくは0.5g/100ml以下、更に好ましくは0.1g/100ml以下、最も好ましくはゼロである。
本実施形態に係る飲料は、糖質の含有量も少ないことが好ましい。糖質の含有量は、好ましくは1g/100ml以下、より好ましくは0.5g/100ml以下、更に好ましくは0.1g/100ml以下、最も好ましくはゼロである。
本実施形態に係る飲料は、無果汁飲料であるか、果汁が含まれていたとしても比較的少量であることが好ましい。果汁の含有量は、例えば5(w/v%)以下、好ましくは3(w/v%)以下、より好ましくは1(w/v%)以下、更に好ましくは0.5(w/v%)以下、最も好ましくはゼロ(無果汁)である。
本実施形態に係る飲料の製造方法は、特に限定されるものでは無い。以下に、製造方法の一例を説明する。まず、飲用可能な飲料液(例えば水)に、必要に応じて他の原料(ウイスキー以外の酒類、酸味料、食物繊維等)等を添加し、ベース液を調整する。
更に、準備したベース液に、ウイスキーを所定量添加する。更に、ベース液に、柑橘類浸漬蒸留酒などの他の原料を添加する。更に、カーボネーションなどにより、炭酸ガス添加し、ガスボリュームを調整する。更に、得られた液を、容器に充填・密封し、必要により加熱等の殺菌処理を行う。これにより、本実施形態に係る飲料が得られる。
(実施例)
以下、本発明について実施例を用いてより詳細に説明する。但し、本発明は、以下の実施例に限定されて解釈されるべきものでは無い。
試験例1:炭酸ガス圧の検討
表1に示す組成で、原料用アルコール、クエン酸(無水)、クエン酸ナトリウム、及びポリデキストロースを混合し、水を加え、ベース液を調製した。得られたベース液のアルコール含量は、9.0(v/v%)、酸度は0.06(g/100mL)であった。
次いで、表2に示す組成にて、ベース液とウイスキー原酒とを混合した。ウイスキー原酒としては、木製の樽中で貯蔵された、アルコール度数が40v/v%であるものを用いた。更に、炭酸ガスを加え、炭酸ガス圧力が異なる例1〜例5に係る飲料を得た。尚、ベース液以外の成分は酸度にほとんど寄与していないと考えられるから、各飲料全体の酸度も、ベース液とほとんど変わらない約0.06(g/100mL)であると考えられる。また、甘味料は使用されていないから、各飲料の甘味度は、ゼロである。
得られた例1〜例5に係る飲料について、4名の訓練されたパネリストによる官能評価により、「ウイスキーらしさ(余韻)」、「炭酸感(刺激感)」、及び「味覚の総合評価」を評価した。「ウイスキーらしさ(余韻)」及び「炭酸感(刺激感)」については、例2に係る飲料を標準(3点)として、下記の5段階で評価した。
[ウイスキーらしさ(余韻)]
5:標準よりも強い
4:標準よりもやや強い
3:標準と同等
2:標準よりもやや弱い
1:標準よりも弱い
「炭酸感(刺激感)」
5:標準よりも強い
4:標準よりもやや強い
3:標準と同等
2:標準よりもやや弱い
1:標準よりも弱い
また、「味覚の総合評価」については、下記の基準で絶対評価した。
[味覚の総合評価]
5:良い
4:やや良い
3:普通
2:やや悪い
1:悪い
結果を表2に示す。表2に示されるように、炭酸ガス圧を高めると、ハイボールらしい炭酸感(刺激感)が向上することが判る。一方で、炭酸ガス圧を高めると、ウイスキーらしさ(余韻)が損なわれやすくなる。そして、味覚の総合評価は、炭酸ガス圧が3.0〜3.5の範囲内にある例2〜例4に係る飲料において、例1及び例5よりも高かった。
試験例2:ウイスキー含有量の検討
表3に示す組成にて、ベース液とウイスキー原酒とを混合し、炭酸ガスを加え、ウイスキーの含有量が異なる例6乃至11に係る飲料を調製した。
得られた例6乃至11に係る飲料について、試験例1と同様の項目について、官能評価を行った。但し、「ウイスキーらしさ(余韻)」及び「炭酸感(刺激感)」については、例6に係る飲料を標準として用いて、評価した。
結果を表3に示す。
表3に示されるように、ウイスキーの含有量を増やすと、ウイスキーらしさ(余韻)が増強された。一方で、ウイスキーの含有量が増えると、炭酸感(刺激感)が減っていく傾向にあった。ウイスキー含量がアルコール100%基準で5〜50ml/Lの範囲にある例7〜例11に係る飲料においては、味覚の総合評価が例6よりも高かった。
試験例3:柑橘類浸漬蒸留酒添加の検討
試験例2において、味覚の総合評価が最も高かった例8に係る飲料を、例12に係る飲料として準備した。また、例8に係る飲料に、柑橘類浸漬蒸留酒(レモンの果皮をアルコール含有液に浸漬させ、減圧蒸留して得られたもの;リナロール2.6ppm含有)を0.1ml/L添加し、例13に係る飲料を調製した。
得られた例12及び例13に係る飲料について、試験例1と同様の項目について、官能評価を行った。但し、「ウイスキーらしさ(余韻)」及び「炭酸感(刺激感)」については、例12に係る飲料を標準として評価した。また、「後口のキレ」についても、例12を標準として、下記の5段階で評価した。
[後口のキレ]
5:良い
4:やや良い
3:標準(例12)と同等
2:やや悪い
1:悪い
結果を表4に示す。表4に示されるように、例13に係る飲料は、例12に係る飲料よりも、後口のキレが大幅に増加しており、総合評価も極めて高かった。これにより、柑橘類浸漬蒸留酒を添加することにより、後口のキレが向上し、良好な風味を有する飲料を得ることができることが判った。
Figure 2020188743
Figure 2020188743

Figure 2020188743
Figure 2020188743

Claims (13)

  1. 炭酸ガス圧が3.0〜3.5ガスボリュームであり、アルコール100%換算で5〜50ml/Lのウイスキーを含有する、容器入り炭酸アルコール飲料。
  2. 糖類含有量が1g/100ml以下である、請求項1に記載の飲料。
  3. 甘味度が2以下である、請求項1又は2に記載の飲料。
  4. 更に、柑橘類浸漬蒸留酒を含有する、請求項1から3のいずれかに記載の飲料。
  5. 前記柑橘類浸漬蒸留酒が、減圧蒸留により製造されたものである、請求項4に記載の飲料。
  6. 無果汁飲料であるか、果汁の含有量が5(w/v%)以下である、請求項1から5のいずれかに記載の飲料。
  7. 更に、食物繊維を含有する、請求項1から6のいずれかに記載の飲料。
  8. 前記食物繊維の含有量が、0.1〜10.0g/100mlである、請求項7に記載の飲料。
  9. アルコール含量が5v/v%以上である、請求項1から8のいずれかに記載の飲料。
  10. 前記ウイスキーが、木製の容器内で熟成されたものである、請求項1乃至9のいずれかに記載の飲料。
  11. 飲料液に、ウイスキーを、アルコール100換算で5〜50ml/Lになるように添加する工程と、
    前記飲料液の炭酸ガス圧を、3.0〜3.5ガスボリュームになるように調整する工程と、
    前記飲料液に、柑橘類浸漬蒸留酒を添加する工程と、
    を備える、容器入り炭酸アルコール飲料の製造方法。
  12. 前記柑橘類浸漬蒸留酒が、減圧蒸留法により製造されたものである、請求項10に記載の方法。
  13. 更に、前記飲料液に食物繊維を添加する工程を有する、請求項11又は12に記載の方法。
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