JP2023157647A - 柑橘風味飲料 - Google Patents

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Abstract

【課題】エキス分を増大させることなく、飲用時に喉に引っかかりを感じるような好ましい飲み応えが増強された柑橘風味飲料の提供。【解決手段】フェニル酢酸濃度が0.001~0.5ppmである、柑橘風味飲料、フェニル酢酸を原料として含有させる工程と、フェニル酢酸濃度を0.001~0.5ppmに調整する工程と、を有する、柑橘風味飲料の製造方法、及び、フェニル酢酸濃度を0.001~0.5ppmに調整する、柑橘風味飲料の香味改善方法。【選択図】なし

Description

本発明は、柑橘風味を有する飲料、柑橘風味を有する飲料の製造方法、及び柑橘風味を有する飲料の香味向上方法に関する。
レモン、オレンジ、グレープフルーツ等の柑橘風味を有する飲料は、柑橘の適度な酸味とフレッシュな香り、柑橘特有のコク感や複雑味を持った味わいを有することで多くの人に好まれている。近年は、健康や美容上の理由から飲用により摂取する糖分やカロリーを低減したり、食事に合うすっきりとした味覚にする目的で、エキス分を低くした低エキス飲料に対する需要も高まっている。ところが、エキス分の低い柑橘風味飲料の場合、後味のすっきり感は増すものの、柑橘果実特有の好ましいコク味や飲み応えが不足することにより、飲料全体としての嗜好性が低下してしまう問題がある。
従来から、飲料の嗜好性向上のために、種々の成分を添加することや、香味を増強することが行われている。エキス分の低い柑橘風味飲料の香味を改善する技術も、幾つか報告されている。例えば、特許文献1には、アルコール度数が9%未満である低エキスアルコール飲料に、オクタン酸エチルを含有させることにより、味の厚みと余韻とを増強させ、渋雑味とエグ味とを低減させられることが開示されており、飲料の例として、柑橘果汁や柑橘フレーバーを添加した飲料が挙げられている。特許文献2には、甘味度が3.0未満である柑橘風味アルコール飲料に、乳酸を含有させることにより、飲用時に感じられる果実味の厚みを増強できることが開示されている。また、特許文献3には、低果汁かつ低カロリーのオレンジ風味アルコール飲料に、高甘味度甘味料とオクタナールを特定範囲量含有させることにより、高甘味度甘味料とオクタナールを特定範囲量含有させることにより、増強できることが開示されている。
特開2021-78408号公報 特開2020-80774号公報 特開2020-96551号公報
本発明は、エキス分を増大させることなく、飲用時に喉に引っかかりを感じるような好ましい飲み応えが増強された柑橘風味飲料を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、柑橘風味飲料に、十分量のフェニル酢酸(CAS No.:103-82-2)を含有させることによって、エキス分が低い場合であっても、飲用時に喉に引っかかりを感じるような好ましい飲み応えが増強して嗜好性が向上することを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明に係る柑橘風味飲料、柑橘風味飲料の製造方法、及び柑橘風味飲料の香味改善方法は、下記の通りである。
[1] フェニル酢酸濃度が0.001~0.5ppmであることを特徴とする、柑橘風味飲料。
[2] エキス分が5.0w/v%以下である、前記[1]の柑橘風味飲料。
[3] アルコール飲料である、前記[1]又は[2]の柑橘風味飲料。
[4] アルコール濃度が6.0v/v%以下である、前記[3]の柑橘風味飲料。
[5] ノンアルコール飲料である、前記[1]又は[2]の柑橘風味飲料。
[6] クエン酸に換算した酸度が0.10g/100mL以上である、前記[1]~[5]のいずれかの柑橘風味飲料。
[7] 炭酸飲料である、前記[1]~[6]のいずれかの柑橘風味飲料。
[8] 炭酸ガス圧が1.5~3.5ガスボリュームである、前記[7]の柑橘風味飲料。
[9] 果汁含有率が0~5.0w/v%である、前記[1]~[8]のいずれかの柑橘風味飲料。
[10] 容器詰飲料である、前記[1]~[9]のいずれかの柑橘風味飲料。
[11] フェニル酢酸を原料として含有させる工程と、
フェニル酢酸濃度を0.001~0.5ppmに調整する工程と、
を有することを特徴とする、柑橘風味飲料の製造方法。
[12] フェニル酢酸濃度を0.001~0.5ppmに調整することを特徴とする、柑橘風味飲料の香味改善方法。
本発明に係る柑橘風味飲料は、飲用時に喉に引っかかりを感じるような好ましい飲み応えが増強されており、嗜好性が高い。
また、本発明に係る柑橘風味飲料の製造方法や柑橘風味飲料の香味改善方法により、好ましい飲み応えを有する、嗜好性の高い柑橘風味飲料が製造できる。
本発明及び本願明細書において、「アルコール飲料」とは、エタノールを含有する飲料であればよく、発泡性飲料であってもよく、非発泡性飲料であってもよい。また、発酵工程を経て製造される飲料であってもよく、発酵工程を経ずに製造される飲料であってもよい。すなわち、本発明におけるアルコール飲料には、ウォッカ、ウイスキー、ブランデー、焼酎、ラム酒、スピリッツ、及びジン等の蒸留酒やリキュール等の非発泡性のアルコール飲料;ビールテイストアルコール飲料(ビールと同等の又はそれと似た風味・味覚及びテクスチャーを有するアルコール飲料)、発泡ワイン、シードル等の発泡性のアルコール飲料;蒸留酒やリキュール等の非発泡性のアルコール飲料を、ジュース、清涼飲料、サイダー、ラムネ、炭酸水等のノンアルコール飲料と混合したチューハイ、カクテル等が挙げられる。
本発明及び本願明細書において、「アルコールテイスト飲料」とは、アルコール飲料、又は、エタノールを含有していないものの、香味上いずれかのアルコール飲料を想起させる呈味を有する飲料を意味する。
本発明及び本願明細書において、「柑橘風味飲料」とは、柑橘類が有する風味を備えた飲料を意味する。本発明における柑橘風味飲料としては、喫飲者にいずれかの柑橘類の果実を想起させる風味を有する飲料であれば、特に限定されるものではなく、柑橘類の果汁やエキスを含有する飲料や、柑橘類の果実の特徴的な香気成分を含有する飲料が挙げられる。
本発明に係る柑橘風味飲料は、フェニル酢酸濃度が0.001~0.5ppm(mg/L)であることを特徴とする。本発明に係る柑橘風味飲料は、十分量のフェニル酢酸を含有することにより、飲用時に喉に引っかかりを感じるような好ましい飲み応えが増強されている。この増強された飲み応えにより、本発明に係る柑橘風味飲料は、エキス分濃度が低い場合でも、すっきりとした香味と十分な飲み応えを両立することができる。
本発明及び本願明細書において、「飲用時に喉に引っかかりを感じるような飲み応え」とは、好ましいと感じる喉へのひっかかり感を意味する。この「好ましいと感じる喉へのひっかかり感」は、硬度の低い水を飲用した時には感じられず、硬度の高い水を飲用した際に感じられる。以降において、特に記載のない限り、「飲み応え」とは、「飲用時に喉に引っかかりを感じるような飲み応え」を指す。
なお、液体の硬度とは、液体1L当たりに含まれているカルシウムとマグネシウムの量から、下記式で求められる。
[硬度(mg/L)]=[カルシウム量(mg/L)]×2.5 +[マグネシウム量(mg/L)]×4.1
本発明に係る柑橘風味飲料のフェニル酢酸濃度は、柑橘風味飲料に対する飲み応え増強効果が得られる濃度であれば、特に限定されるものではない。本発明に係る柑橘風味飲料のフェニル酢酸濃度としては、十分な飲み応え増強効果が得られやすい点から、0.001ppm以上であることが好ましく、0.01ppm以上であることがより好ましく、0.025ppm以上であることがさらに好ましい。また、本発明に係る柑橘風味飲料のフェニル酢酸濃度としては、フェニル酢酸が本来有している香味が飲料に与える影響を十分に抑えられる点から、1.0ppm以下であることが好ましく、0.5ppm以下であることがより好ましい。なかでも、本発明に係る柑橘風味飲料のフェニル酢酸濃度としては、0.05~0.5ppmであることが特に好ましい。
本発明に係る柑橘風味飲料に、フェニル酢酸を含有させる手段は特に限定されない。例えば、フェニル酢酸を原料として用いることにより、フェニル酢酸を含有する柑橘風味飲料を製造することができる。使用する原料としては、合成の又は天然物に由来するフェニル酢酸であってもよく、フェニル酢酸を含有する香料であってもよい。
なお、本発明に係る柑橘風味飲料のフェニル酢酸の濃度は、例えば、GC-MS(ガスクロマトグラフィー質量分析法)により定量することができる。
本発明に係る柑橘風味飲料のエキス分は、フェニル酢酸による飲み応え増強効果が得られる濃度であれば、特に限定されるものではない。本発明に係る柑橘風味飲料としては、フェニル酢酸による飲み応え増強効果がより発揮されやすい点から、比較的低エキス分であることが好ましい。エキス分が低い飲料は、一般的に、後味はすっきりしているものの、コク味やボディ感が低く、飲み応えが弱い。特に、低エキス化のために果汁の含有量も抑えられている柑橘風味飲料では、果実由来のコク味やボディ感も弱いが、フェニル酢酸による飲み応え増強効果によって、エキス分を増量させることなく、十分な飲み応えを付与することができる。
本発明に係る柑橘風味飲料のエキス分としては、例えば、10.0w/v%以下であることが好ましく、7.0w/v%以下であることがより好ましく、5.0w/v%以下であることがさらに好ましい。また、本発明に係る柑橘風味飲料のエキス分としては、例えば、0.1w/v%以上であることが好ましく、0.5w/v%以上であることがより好ましく、1.0w/v%以上であることがさらに好ましい。また、0.1w/v%未満であってもよい。
なお、エキス分とは、飲料中に含まれる不揮発性固形分の含有量を示す数値である。エキス分は、15℃のときにおいて原容量100cm3中に含有する不揮発性成分のグラム数をいう。エキス分の測定は、第四回改正国税庁所定分析法注解(平成5年2月20日、第四回改正版、財団法人日本醸造協会発行)を用いて行うことができる。
本発明に係る柑橘風味飲料は、アルコール飲料であってもよく、ノンアルコール飲料(エタノールを含有していない飲料、又はアルコール濃度が1v/v%未満である飲料)であってもよい。本発明に係る柑橘風味飲料がノンアルコール飲料である場合、アルコールテイスト飲料であってもよく、ノンアルコールテイスト飲料(清涼飲料)であってもよい。柑橘風味アルコール飲料としては、例えば、原料用アルコールや、焼酎、ジン、ウォッカ等の蒸留酒をベース酒とし、このベース酒に、果汁、フレーバー、甘味料、及び酸味料等を添加し、柑橘風味を付したアルコール飲料が挙げられる。
本発明に係る柑橘風味飲料が柑橘風味アルコール飲料である場合、アルコール濃度は、フェニル酢酸による飲み応え増強効果が得られる濃度であれば、特に限定されるものではない。本発明に係る柑橘風味飲料としては、フェニル酢酸による飲み応え増強効果がより発揮されやすい点から、比較的低アルコール濃度であることが好ましく、ノンアルコール飲料であることも好ましい。低アルコール飲料及びノンアルコール飲料は、一般的に、アルコールに由来するコク味やボディ感が弱く、飲み応えが弱いが、フェニル酢酸による飲み応え増強効果によって、アルコール濃度が低くても、十分な飲み応えを付与することができる。
本発明に係る柑橘風味飲料がアルコール飲料である場合、当該柑橘風味アルコール飲料のアルコール濃度としては、例えば、9.0v/v%以下であることが好ましく、8.0v/v%以下であることがより好ましく、6.0v/v%以下であることがさらに好ましい。また、当該柑橘風味アルコール飲料のアルコール濃度としては、例えば、0.1v/v%以上であることが好ましく、0.5v/v%以上であることがより好ましく、1.0v/v%以上であることがさらに好ましい。また、0.5v/v%以下であってもよい。
本発明に係る柑橘風味飲料が有している柑橘風味は、いずれの柑橘類の風味であってもよい。柑橘類としては、みかん、オレンジ、夏みかん、レモン、ゆず、すだち、カボス、グレープフルーツ、シークワァーサー、はっさく、ライム等が挙げられる。本発明に係る柑橘風味飲料の柑橘風味は、1種類の柑橘類の風味であってもよく、2種類以上の柑橘類の風味を組み合わせたものであってもよい。
本発明に係る柑橘風味飲料は、例えば、柑橘類の果実の果汁、柑橘類の果皮の精油、又は柑橘系香料を原料として含有させることにより製造できる。果汁や果皮の精油は、常法により調製されたものを用いることができる。柑橘類の果汁としては、果汁を乳酸菌や酵母で発酵した発酵果汁であってもよい。本発明に係る柑橘風味飲料としては、柑橘類の果汁等に加えて又は果汁等に代えて、柑橘類の果実又は果皮を含有させることもできる。これらの果汁等は、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
柑橘系香料としては、柑橘類の果実の特徴的な香気成分を有する香料が挙げられる。例えば、レモンの特徴的な香気成分としては、シトラール、リモネン、ネロール、ゲラニオール、酢酸ネリル、酢酸ゲラニル等が挙げられ、シトラールはレモン由来の精油に含まれる含酸素化合物の半分以上を占める。グレープフルーツの特徴的な香気成分としては、オクタナール、デカナール、ヌートカトン等が挙げられる。ユズの特徴的な香気成分としては、リナロール、チモール、ユズノン(登録商標)、N-メチルアントラニル酸メチル等が挙げられる。オレンジの特徴的な香気成分としては、オクタナール、デカナール、リナロール、酢酸ゲラニル、シネンサール等が挙げられる。
柑橘系香料としては、例えば、柑橘類の果実の果皮等から香気成分をアルコール等の溶媒で抽出したものやこれを減圧蒸留や常圧蒸留等により濃縮したものを用いることができる。その他、飲料に添加される各種の市販の柑橘系香料を適宜用いることもできる。これらの柑橘系香料は、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
一般的に、柑橘類の果汁の含有量が多い飲料ほど、柑橘風味が強くなり、柑橘類の果汁の含有量が少ない飲料ほど、柑橘風味が弱くなる。また、一般的に、柑橘風味が弱いほど、低エキスによるコク味やボディ感の低下がより強く感じられる。本発明に係る柑橘風味飲料では、フェニル酢酸による飲み応え増強効果により、低果汁の柑橘風味飲料であっても、十分な飲み応えを有している。本発明に係る柑橘風味飲料としては、フェニル酢酸による飲み応え増強効果がより充分に発揮されることから、飲料全量に対する柑橘類の果汁の含有率は、10.0w/v%以下であることが好ましく、5.0w/v%以下であることがより好ましい。また、本発明に係る柑橘風味飲料の飲料全量に対する柑橘類の果汁の含有率は、0w/v%である、すなわち、果汁を含有していないことも好ましい。
本発明に係る柑橘風味飲料は、酸味料を含有していてもよい。酸味料としては、リン酸、有機酸、又はこれらの塩を用いることができる。有機酸としては、クエン酸、グルコン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、酢酸、アジピン酸、及びフマル酸等の有機酸が挙げられる。また、リン酸や有機酸の塩としては、ナトリウム塩やカリウム塩が挙げられる。これらの酸味料は、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
本発明に係る柑橘風味飲料のクエン酸換算した酸度は、特に限定されるものではなく、飲料の種類や求める製品品質等を考慮して適宜調整することができる。本発明に係る柑橘風味飲料のクエン酸換算した酸度としては、0.01g/100mL以上であることが好ましく、0.10g/100mL以上であることがより好ましい。本発明に係る柑橘風味飲料のクエン酸換算した酸度としては、1.0g/100mL以下であることが好ましく、0.5g/100mL以下であることがより好ましく、0.35g/100mL以下であることがさらに好ましい。
なお、飲料のクエン酸換算した酸度は、国税庁所定分析法(平19国税庁訓令第6号)の8頁、総酸(遊離酸)にて定められた酸度の測定方法に基づいて算出される。詳細には、酸度は、以下の方法により測定できる。
まず、試料1~50mLを正確に量りとり、水で適宜希釈する。これを、0.1mol/L 水酸化ナトリウム溶液で滴定し、pHメーターで8.2を終点とし、下記の式により算出する。式中、「A」は0.1mol/L 水酸化ナトリウム溶液による滴定量(mL)であり、「f」は0.1mol/L 水酸化ナトリウム溶液の力価であり、Wは試料重量(g)である。また、「0.0064」は、0.1mol/L 水酸化ナトリウム溶液1mLに相当する無水クエン酸の重量(g)である。
[クエン酸換算酸度(%)]=A×f×100/W×0.0064
本発明に係る柑橘風味飲料の甘味値は特に限定されるものではない。柑橘風味を有する飲料において、甘味は、柑橘由来の酸味をまろやかにして飲料としての嗜好性を向上させられる呈味であるが、甘味が強すぎると、柑橘風味がやや弱められるおそれがある。本発明に係る柑橘風味飲料の甘味値としては、15.0g/100mL以下が好ましく、10.0g/100mL以下がより好ましく、0.5~8.0g/100mLであることがさらに好ましい。
本発明及び本願明細書において、「甘味値」とは、飲料の甘さの強さを示すパラメータであり、飲料中に含まれる甘味料の含有量を、甘味の観点からショ糖に換算して求めたパラメータである。具体的には、飲料に含まれる各甘味料について、その濃度(g/100mL)に、当該甘味料の「甘味度」を乗じることにより、ショ糖に換算した時の各甘味料の含有量(g/100mL)が求められる。そして、飲料に含まれる全甘味料についてのショ糖換算含有量の合計値(g/100mL)が、飲料の「甘味値」として求められる。
なお、「甘味度」とは、ショ糖と比較した時の各甘味料の甘味の強さを示すパラメータであり、本発明においては、「甘味度」として、「飲料用語事典、平成11年6月25日発行、株式会社ビバリッジジャパン社、資11」の値を採用する。甘味度の値に幅がある場合には、その中央値を採用する。例えば、代表的な甘味料の甘味度は、例えば、ブドウ糖が0.65、果糖が1.5、スクラロースが600、アセスルファムカリウムが200、アスパルテームが200である。
本発明に係る柑橘風味飲料の糖質含有量は、特に限定されるものではない。本発明に係る柑橘風味飲料の糖質含有量としては、10.0g/100mL以下であることが好ましく、7.0g/100mL以下であることがより好ましく、5.0g/100mL以下であることがさらに好ましい。
なお、糖質とは、食物繊維ではない炭水化物をいう。糖質は、栄養表示基準(一部改正平成21年消費者庁告示第9号)の別表第2に記載の方法(当該食品の重量から、たんぱく質、脂質、食物繊維、灰分及び水分の量を控除して算定する)に従って算出できる。
本発明に係る柑橘風味飲料がアルコール飲料である場合、当該柑橘風味飲料は、例えば、各種アルコールをベース酒として製造することができる。ベース酒とするアルコールは、原料用アルコールであってもよく、常法により製造された酒類であってもよい。当該酒類としては、蒸留酒であってもよく、醸造酒であってもよい。蒸留酒としては、ウォッカ、ウイスキー、ブランデー、スピリッツ、焼酎、ラム酒、ジン等が挙げられ、リキュールであってもよい。醸造酒としては、ビール、ワイン、シードル等が挙げられる。
原料用アルコールとしては、好ましくは、廃糖蜜を発酵させて高度(例えばアルコール濃度が95v/v%以上)に精製したものが用いられる。原料用アルコールは、安価であることから、製造コストを低減できる。また、原料用アルコールは、他のベース酒として香気成分の含有量が少ないため、すっきりとした味わいの飲料を得やすくなる。
本発明に係る柑橘風味飲料がノンアルコール飲料である場合、当該柑橘風味飲料は、例えば、喫飲可能な液体のうち、清涼飲料や原料水等のエタノールを含有していない液体又はアルコール濃度が1.0v/v%未満である液体をベースとして用いて製造することができる。
本発明に係る柑橘風味飲料は、炭酸ガスを含有していない非発泡性飲料であってもよく、炭酸ガスを含有する発泡性飲料(炭酸飲料)であってもよい。本発明に係る柑橘風味飲料が発泡性飲料の場合、炭酸ガス圧は、0.5~5.0ガスボリューム(GV)であることが好ましく、1.0~4.0GVであることがより好ましく、1.5~3.5GVであることがさらに好ましい。
本発明に係る柑橘風味飲料は、フェニル酢酸による飲み応え増強効果を損なわない限りにおいて、フェニル酢酸に加えて、その他の成分を含有していてもよい。当該その他の成分としては、果汁、果実、果皮、柑橘系香料、酸味料、炭酸ガス、炭酸水、甘味料、清涼飲料水、水溶性食物繊維、着色料、起泡剤、タンパク質若しくはその分解物、酵母エキス、原料水、酸化防止剤、乳化剤等が挙げられる。
甘味料としては、ショ糖、液糖、オリゴ糖、デキストリン、でんぷん、甘味系アミノ酸、高甘味度甘味料等が挙げられる。当該高甘味度甘味料としては、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、ステビア、酵素処理ステビア、スクラロース等が挙げられる。これらの甘味料は、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
水溶性食物繊維とは、水に溶解し、かつヒトの消化酵素により消化されない又は消化され難い炭水化物を意味する。水溶性食物繊維としては、例えば、大豆食物繊維、ポリデキストロース、難消化性デキストリン、ガラクトマンナン、イヌリン、グアーガム分解物、ペクチン、アラビアゴム等が挙げられる。これらの水溶性食物繊維は、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
起泡剤としては、例えば、大豆ペプチド、大豆サポニン、アルギン酸エステル、キラヤサポニン等が挙げられる。これらの起泡剤は、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
タンパク質分解物としては、例えば、大豆タンパク分解物等が挙げられる。これらのタンパク質分解物は、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
着色料としては、例えば、カラメル色素等の飲食品に一般的に使用される色素等が挙げられる。これらの着色料は、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
酸化防止剤としては、例えば、亜硫酸やビタミンC等が挙げられる。これらの酸化防止剤は、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
乳化剤としては、例えば、レシチン、サポニン、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。これらの乳化剤は、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
本発明に係る柑橘風味飲料は、例えば、フェニル酢酸を含む各原料を混合する方法(調合法)によって製造できる。各原料を混合する順番は特に限定されるものではない。原料水に、全ての原料を同時に添加してもよく、先に添加した原料を溶解させた後に残る原料を添加する等、順次原料を添加してもよい。また、例えば、原料水に、固形(例えば粉末状や顆粒状)の原料を混合してもよく、固形原料を予め水溶液としておき、これらの水溶液に、液体の原料を混合し、さらに必要に応じて原料水を混合してもよい。さらに、原料水に原料を加熱したものを入れてもよく、調製した調合液を加熱してもよい。
調製された調合液に、不溶物が生じた場合には、当該調合液に対して濾過等の不溶物を除去する処理を行うことが好ましい。不溶物除去処理は、特に限定されるものではなく、濾過法、遠心分離法等の当該技術分野で通常用いられている方法で行うことができる。本発明においては、不溶物は濾過除去することが好ましく、珪藻土濾過により除去することがより好ましい。
本発明に係る柑橘風味飲料が発泡性飲料の場合、例えば、原料として炭酸水や、サイダーやラムネ等の発泡性清涼飲料を用いることにより製造できる。また、炭酸ガス以外の原料を全て混合した調合液を調製した後、この調合液に炭酸ガスを導入することによっても、発泡性飲料を製造できる。炭酸ガスの導入は、常法により行うことができる。
製造された柑橘風味飲料を容器に充填して密封することにより、容器詰飲料が製造できる。容器への充填及び密封は、常法により行うことができる。また、容器詰柑橘風味飲料の空寸部には、窒素、二酸化炭素等の不活性ガスを充填させてもよい。これらの不活性ガスにより、容器内に存在する酸素を減少させることができる。
本発明に係る柑橘風味飲料を充填する容器としては、特に限定されるものではなく、ツーピース飲料缶、スリーピース飲料缶、ボトル缶、可撓性容器、ガラス瓶などを用いることができる。可撓性容器としては、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、EVOH(エチレン・ビニルアルコール共重合体)、PET(ポリエチレンテレフタレート)等の可撓性樹脂をボトル形状等に成形してなる容器が挙げられる。可撓性容器は、単層樹脂からなるものであってもよく、多層樹脂からなるものであってもよい。
本発明に係る柑橘風味飲料が発泡性飲料の場合、耐圧性の高い容器を使用する。現在、流通しているアルミニウム(合金)製ツーピース飲料缶やアルミニウム(合金)製ボトル缶のメーカー保証耐圧は、高いもので686kPa程度であり、実際の耐圧を考慮すると加熱殺菌を要する場合はおおよそ3.2GV以下、加熱殺菌が不要な場合はおおよそ3.8GV以下となる。
また、本発明に係る柑橘風味飲料は、その製造工程において、必要に応じて加熱殺菌処理を行う。加熱殺菌処理は、容器に充填前に行ってもよく、容器充填後に行ってもよい。殺菌方法としては、UHT(超高温)殺菌処理、パストライザー殺菌処理、レトルト殺菌処理等の常法により行うことができる。
次に実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[参考例1]
フェニル酢酸を各種濃度で精製水に含有させた液体を製造し、飲み応えに対するフェニル酢酸の影響を調べた。
飲み応え(好ましい喉へのひっかかり感)の官能評価は、4名のパネルにより、フェニル酢酸を添加していない精製水(硬度0mg/L、サンプルG-1)を対照(評点0)とし、硬水(硬度1468mg/L、サンプルG-6)を評点5とし、0~5点の6段階で評価した。硬水としては、飲料用硬水「Contrex(登録商標)」を用いた。全パネルの評価点の平均値を、評価対象の評価点とした。評価結果を表1に示す。
Figure 2023157647000001
表1に示すように、硬度は0mg/Lであるにもかかわらず、フェニル酢酸を含有させることにより、フェニル酢酸濃度依存的に好ましい喉へのひっかかり感が強くなり、飲み応えが強くなった。これらの結果から、フェニル酢酸を含有させることにより、飲み応えを増強させられることがわかった。
[実施例1]
シトラスフレーバーの無果汁飲料に各種濃度のフェニル酢酸を含有させて、官能評価を行った。
原料用アルコール(アルコール濃度95.3v/v%)、55%果糖ぶどう糖液糖、クエン酸(無水)、クエン酸三ナトリウム、及びシトラスフレーバー(フェニル酢酸を含有していないことを確認済)を原料水に混合した後、炭酸ガスを圧入することによって、表2に示す処方の柑橘風味飲料ベース液A(クエン酸換算酸度0.20g/100mL、エキス分3.8w/v%、炭酸ガス圧2.3ガスボリューム、アルコール濃度5.2v/v%)を調製した。さらに、最終濃度が表3に記載の濃度となる量のフェニル酢酸を配合した以外は同様にして、柑橘風味飲料ベース液Aにフェニル酢酸を含有させた飲料サンプルA-2からA-7を製造した。
Figure 2023157647000002
製造した各飲料サンプルと柑橘風味飲料ベース液A(サンプルA-1)について、訓練された識別能力のあるパネル4名により、すっきり感、コク感、好ましい喉へのひっかかり感(飲み応え)、及び香味の総合評価について、官能評価を行った。官能評価は、評価基準を下記に示すように、フェニル酢酸を添加していないサンプルを対照(評点0)とする7段階(-3~+3)の相対評価として行った。表3に記載のサンプルA-2~A-7の官能評価は、サンプルA-1を対照として行った。全パネルの評価点の平均値を、評価対象の評価点とした。
具体的には、すっきり感、コク感、及び好ましい喉へのひっかかり感(飲み応え)については、対照よりかなり強い場合に+3点、対照より強い場合に+2点、対照よりやや強い場合に+1点、対照と同程度の場合に0点、対照よりやや弱い場合に-1点、対照より弱い場合に-2点、対照よりかなり弱い場合に-3点、と評価した。香味の総合評価については、対象よりかなり良い場合に+3点、対象より良い場合に+2点、対象よりやや良い場合に+1点、対象と同程度である場合に0点、対象よりやや悪い場合に-1点、対象より悪い場合に-2点、対象よりかなり悪い場合に-3点、と評価した。
Figure 2023157647000003
評価結果を表3に示す。フェニル酢酸を0.001~0.5ppm含有させたサンプルA-2~A-6はいずれも、フェニル酢酸を含有させていないサンプルA-1よりも、コク感と飲み応えが増強されており、香味の総合評価も高かった。ただし、フェニル酢酸濃度が0.1ppm以上であるサンプルA-5~A-7は、すっきり感はサンプルA-1よりも低下していた。フェニル酢酸を1.0ppm含有させたサンプルA-7は、コク感は増強されていたものの、フェニル酢酸由来のハチミツ様の香気や香味のもたつきが強くなり過ぎ、が低下した。すっきり感と飲み応えと香味の総合評価が、サンプルA-1よりも低下していた。これらの結果から、柑橘風味飲料にフェニル酢酸を0.001~0.5ppm含有させることにより、エキス分を増大させなくても、スッキリとした香味を維持しつつ、飲み応えを増強させられることがわかった。
[実施例2]
エキス分濃度が異なるシトラスフレーバーの無果汁飲料に、各種濃度のフェニル酢酸を含有させて、官能評価を行った。
具体的には、果糖ぶどう糖液糖の添加量を変えてエキス分を調整した以外は、柑橘風味飲料ベース液Aと同様にして、柑橘風味飲料ベース液B(クエン酸換算酸度0.20g/100mL、エキス分1.0w/v%、炭酸ガス圧2.3ガスボリューム、アルコール濃度5.2v/v%)と柑橘風味飲料ベース液C(クエン酸換算酸度0.20g/100mL、エキス分7.0w/v%、炭酸ガス圧2.3ガスボリューム、アルコール濃度5.2v/v%)を作製した。さらに、最終濃度が0.05ppmとなる量のフェニル酢酸を配合した以外は同様にして、柑橘風味飲料ベース液Bにフェニル酢酸を含有させた飲料サンプルB-2及び柑橘風味飲料ベース液Cにフェニル酢酸を含有させた飲料サンプルC-2を製造した。なお、フェニル酢酸0.05ppmは、実施例1で飲み応え増強効果が確認された濃度である。
製造した飲料サンプルB-2及びC-2と、柑橘風味飲料ベース液B(サンプルB-1)及び柑橘風味飲料ベース液C(サンプルC-1)について、実施例1と同様にして官能評価を行った。表4に記載のサンプルB-2及びC-2の官能評価は、それぞれ、サンプルB-1及びC-1を対照として行った。全パネルの評価点の平均値を、評価対象の評価点とした。
Figure 2023157647000004
評価結果を表4に示す。エキス分が1.0%のサンプルB-1とサンプルB-2を比較すると、フェニル酢酸0.05ppmの添加によって、コク感、喉へのひっかかり感が強まり、香味の総合評価が向上した。また、エキス分が7.0%のサンプルC-1とサンプルC-2を比較すると、フェニル酢酸0.05ppmの添加によって、すっきり感は弱まったものの、コク感と喉へのひっかかり感が強まり、香味の総合評価が向上した。
[実施例3]
アルコール濃度が異なるシトラスフレーバーの無果汁飲料にフェニル酢酸を含有させて、官能評価を行った。
具体的には、原料用アルコールの添加量を変えてアルコール濃度を調整した以外は、柑橘風味飲料ベース液Aと同様にして、柑橘風味飲料ベース液D(クエン酸換算酸度0.20g/100mL、エキス分3.8w/v%、炭酸ガス圧2.3ガスボリューム、アルコール濃度0v/v%)、柑橘風味飲料ベース液E(クエン酸換算酸度0.20g/100mL、エキス分3.8w/v%、炭酸ガス圧2.3ガスボリューム、アルコール濃度1.2v/v%)、及び柑橘風味飲料ベース液F(クエン酸換算酸度0.20g/100mL、エキス分3.8w/v%、炭酸ガス圧2.3ガスボリューム、アルコール濃度6.0v/v%)を作製した。さらに、最終濃度が0.05ppmとなる量のフェニル酢酸を配合した以外は同様にして、柑橘風味飲料ベース液Dにフェニル酢酸を含有させた飲料サンプルD-2、柑橘風味飲料ベース液Eにフェニル酢酸を含有させた飲料サンプルE-2、及び柑橘風味飲料ベース液Fにフェニル酢酸を含有させた飲料サンプルF-2を製造した。
製造した飲料サンプルD-2、E-2、及びF-2と、柑橘風味飲料ベース液D(サンプルD-1)、柑橘風味飲料ベース液E(サンプルE-1)、及び柑橘風味飲料ベース液F(サンプルF-1)について、実施例1と同様にして官能評価を行った。表5に記載のサンプルD-2、E-2及びF-2の官能評価は、それぞれ、サンプルD-1、E-1及びF-1を対照として行った。全パネルの評価点の平均値を、評価対象の評価点とした。
Figure 2023157647000005
各サンプルの評価結果を表5に示す。フェニル酢酸を0.05ppm含有させた全てのサンプルにおいて、アルコール濃度にかかわらず、コク感と飲み応えが増強され、香味の総合評価が改善されていた。これらの結果から、柑橘風味ノンアルコール飲料においても、柑橘風味アルコール飲料と同様に、フェニル酢酸を含有させることによって飲み応えが改善できることがわかった。

Claims (12)

  1. フェニル酢酸濃度が0.001~0.5ppmであることを特徴とする、柑橘風味飲料。
  2. エキス分が5.0w/v%以下である、請求項1に記載の柑橘風味飲料。
  3. アルコール飲料である、請求項1又は2に記載の柑橘風味飲料。
  4. アルコール濃度が6.0v/v%以下である、請求項3に記載の柑橘風味飲料。
  5. ノンアルコール飲料である、請求項1又は2に記載の柑橘風味飲料。
  6. クエン酸に換算した酸度が0.10g/100mL以上である、請求項1又は2に記載の柑橘風味飲料。
  7. 炭酸飲料である、請求項1又は2に記載の柑橘風味飲料。
  8. 炭酸ガス圧が1.5~3.5ガスボリュームである、請求項7に記載の柑橘風味飲料。
  9. 果汁含有率が0~5.0w/v%である、請求項1又は2に記載の柑橘風味飲料。
  10. 容器詰飲料である、請求項1又は2に記載の柑橘風味飲料。
  11. フェニル酢酸を原料として含有させる工程と、
    フェニル酢酸濃度を0.001~0.5ppmに調整する工程と、
    を有することを特徴とする、柑橘風味飲料の製造方法。
  12. フェニル酢酸濃度を0.001~0.5ppmに調整することを特徴とする、柑橘風味飲料の香味改善方法。
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