JP6799383B2 - 容器詰めアルコール飲料 - Google Patents
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Description
その一方で、風味に特徴が少ないベース酒が用いられることから、単調でコクのない味わいになる、という課題があった。
そこで、本発明の課題は、複雑な香りを有し、コクを有する容器詰めアルコール飲料を提供することにある。
〔1〕5〜150ppmのリモネンと、10〜200ppmの、イソアミルアルコール、イソブタノール、β−フェネチルアルコール、酢酸イソアミル、酢酸エチル、カプロン酸エチル、及びカプリル酸エチルからなる群から選ばれる少なくとも一種の香気成分とを含有する、容器詰めアルコール飲料。
〔2〕果汁含有量が10質量%以下であるか、又は無果汁である、前記〔1〕に記載の容器詰めアルコール飲料。
〔3〕更に、クエン酸を含有する、前記〔1〕又は〔2〕に記載のアルコール飲料。
〔4〕前記クエン酸の含有量が、0.05〜5.0g/Lである、前記〔3〕に記載のアルコール飲料。
〔5〕更に、糖類を含有する、前記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載のアルコール飲料。
〔6〕エタノール濃度が1.0〜20.0v/v%である、前記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載のアルコール飲料。
〔7〕醸造酒を含有する、前記〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載のアルコール飲料。
〔8〕前記醸造酒が、ぶどう又はりんごの果実及び/又は果汁を発酵させた果実酒である、前記〔7〕に記載のアルコール飲料。
〔9〕蒸留酒を含有する、前記〔1〕から〔8〕のいずれかに記載のアルコール飲料。
〔10〕前記蒸留酒が、糖蜜由来である、前記〔8〕に記載のアルコール飲料。
〔11〕前記蒸留酒が、原料用アルコールである、前記〔10〕に記載のアルコール飲料。
〔12〕炭酸飲料である、前記〔1〕から〔11〕のいずれかに記載のアルコール飲料。
本発明の容器詰めアルコール飲料は、リモネンと、イソアミルアルコール、イソブタノール、β−フェネチルアルコール、酢酸イソアミル、酢酸エチル、カプロン酸エチル、及びカプリル酸エチルからなる群から選ばれる少なくとも一種の香気成分(以下、特定香気成分と称す)とを含有する。飲料中のリモネンの含有量は、5〜150ppmである。飲料中の特定香気成分の含有量(合計値)は、10〜200ppmである。
本発明によれば、5〜150ppmのリモネンと、10〜200ppmの特定香気成分とを用いることにより、複雑な香気を有し、コクを有する容器詰めアルコール飲料を得ることができる。
リモネンは、例えば、柑橘系香料由来、又は、柑橘系果汁由来とすることができる。
柑橘系香料としては、例えば、オレンジ、レモン、ライム、グレープフルーツ、シークァーサー、シトラス等の香料が挙げられ、好ましくはレモン、またはグレープフルーツ香料が用いられる。また、本発明の飲料には、柑橘系香料以外の香料が含まれていてもよい。そのような香料としては、例えば、リンゴ、ブドウ、及びチェリー等のフルーツフレーバーが挙げられる。香料の含有量は、好ましくは0.1〜5g/L、より好ましくは0.5〜3g/Lである。
また、上述のように、リモネンは、柑橘系果汁由来とすることもできる。果汁を使用する場合、例えば、レモン果汁、グレープフルーツ果汁、オレンジ果汁等が好ましく用いられ、これらの中でもレモン果汁がより好ましい。但し、飲料における果汁含有量は、10質量%以下であることが好ましく、より好ましくは5質量%以下、更に好ましくは3質量%以下、最も好ましくは無果汁である。果汁は、通常、加熱殺菌されて使用される。果汁含有量が10質量%を超える場合には、加熱殺菌により生じるイモ臭及び褐変臭のような不快臭が生じて、良好な香味が損なわれやすくなる。
特定香気成分は、成分そのもの又は香料の形態で飲料に添加することもできるし、特定香気成分を含有する醸造酒(例えば、ぶどう又はりんごの果実及び/又は果汁を発酵させた果実酒)を添加することにより、飲料中に含ませることもできる。特定香気成分を醸造酒由来にする場合、その醸造酒中における特定香気成分の含有量は、例えば、10〜1000ppm、好ましくは50〜500ppm、より好ましくは100〜300ppmである。
一方で、ベース酒が醸造酒であるか、または、蒸留酒と醸造酒のブレンドであることも、また好ましい。醸造酒としては、ぶどう又はりんごの果実及び/又は果汁を発酵させた果実酒が好ましく用いられる。果実酒等を用いることにより、飲料の刺激感を低減し、より複雑な香味を付与でき、後味の余韻を増強することができる。
飲料のエタノール濃度は、例えば、1.0〜20.0v/v%、好ましくは3.0〜15.0v/v%である。飲料のエタノール濃度は、例えば、ベース酒を水又は炭酸水等で希釈することにより、調整される。
また、飲料の総酸度は、例えば、0.1〜10.0g/L、好ましくは、0.5〜5.5(g/L)である。尚、総酸度は、クエン酸換算した酸度を示し、国税庁所定分析法にて定められた酸度の測定方法に基づいて算出される。
下記表1に示される処方に従い、原料用アルコール(エタノール95%)に、特定香気成分、クエン酸、果糖ブドウ糖液糖、香料(レモン香料)及び炭酸水を加え、例1乃至6に係る飲料を得た。但し、例5の飲料については、特定香気成分を使用しなかった。尚、飲料中のリモネンは、香料由来のものである。
得られた飲料について、6名の専門パネルによる官能検査を行い、香りの複雑さ、味わいのコク、レモン香気の強さ、及び総合評価をそれぞれ評価した。各項目において、比較例である例5の飲料の値を3として、1〜5の5段階で評価を行い、複数の専門パネルの平均値を結果とした。
「香りの複雑さ」は、値が大きいほど、香りが複雑であることを示す。
「味わいのコク」は、値が大きいほど、コク(味の濃さ)が大きいことを示す。
「レモン香気の強さ」は、値が大きいほど、レモン様の香気が強く感じられることを示す。
「総合評価」は、上記各項目に甘味、苦味、及び渋み等のバランスを加味して、飲料としての総合的なおいしさを表したものであり、値が大きいほど、総合的なおいしさに優れていることを示す。
官能評価の結果を、表1に示す。尚、専門パネルにより得られたコメントも併せて表1に示されている。
表2に示される処方に従い、原料用アルコール(エタノール95%)に、りんご果実酒、クエン酸、果糖ブドウ糖液糖、香料(レモン香料)及び炭酸水を加え、例7乃至11に係る飲料を得た。実験例と同様に、飲料中に含まれるリモネンは、香料由来である。
また、リンゴ果実酒としては、特定香気成分を含有するものを使用し、飲料中の特定香気成分の含有量が表2に記載された値になるように、リンゴ果実酒の使用量を調整した。尚、例11に係る飲料については、原料用アルコールを使用しなかった。
得られた飲料について、5名の専門パネルによる官能検査を行い、香りの複雑さ、味わいのコク、後味の余韻、及び総合評価をそれぞれ評価した。各項目において、実験例1で用いた例5の飲料の値を3として、1〜5の5段階で評価を行い、複数の専門パネルの平均値を結果とした。
尚、後味の余韻は、値が大きいほど、後味の余韻が大きいことを示す。
官能評価の結果を、表2に示す。尚、専門パネルにより得られたコメントも併せて表2に示されている。
Claims (7)
- りんごの果実及び/又は果汁を発酵させた果実酒と、
糖蜜由来の、甲式焼酎又は原料用アルコールと、
を含み、
リモネンの含有量が、5〜150ppmであり、
イソアミルアルコール、イソブタノール、βフェネチルアルコール、酢酸イソアミル、酢酸エチル、カプロン酸エチル、及びカプリル酸エチルからなる群から選ばれる少なくとも一種の香気成分の含有量(合計値)が、10〜200ppmである、容器詰めアルコール飲料。 - 果汁含有量が10質量%以下であるか、又は無果汁である、請求項1に記載の容器詰めアルコール飲料。
- 更に、クエン酸を含有する、請求項1又は2に記載のアルコール飲料。
- 前記クエン酸の含有量が、0.05〜5.0g/Lである、請求項3に記載のアルコール飲料。
- 更に、糖類を含有する、請求項1〜4のいずれかに記載のアルコール飲料。
- エタノール濃度が1.0〜20.0v/v%である、請求項1〜5のいずれかに記載のアルコール飲料。
- 炭酸飲料である、請求項1から6のいずれかに記載のアルコール飲料。
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