JP2020181051A - トナー - Google Patents

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Abstract

【課題】かぶりの発生を抑制しつつ、多数枚の印刷後においても高画質の画像を形成できるトナーを提供する。【解決手段】トナーはトナー粒子10を含む。トナー粒子10は、結着樹脂を含むトナー母粒子11と、トナー母粒子11の表面に付着した外添剤とを備える。外添剤は、外添剤粒子として、ランタンと周期表第5族元素とがドープされたチタン酸化合物粒子12を含む。ランタンの量は、チタン酸化合物粒子12の全質量に対して1.50質量%以上である。周期表第5族元素の量は、チタン酸化合物粒子12の全質量に対して0.01質量%以上0.60質量%以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、トナーに関する。
トナーを用いて画像を形成する画像形成装置は、多数枚の印刷後においても、画像濃度が一定レベル以上の画像を安定して形成できることが求められている。このため、外添剤粒子としてチタン酸化合物粒子(より具体的には、チタン酸ストロンチウム粒子等)を含むトナーが検討されている。チタン酸化合物は、比誘電率が比較的高いため、多数枚の印刷後においてもトナーの帯電量を安定して維持できる。よって、外添剤粒子としてチタン酸化合物粒子を含むトナーを用いると、多数枚の印刷後においても、画像濃度が一定レベル以上の画像を安定して形成できる。
しかし、チタン酸化合物粒子は、一般に多面体形状(詳しくは、角を有する多面体形状)を有するため、多数枚の印刷中において、例えば感光体ドラムの表面がチタン酸化合物粒子により過剰に研磨される場合がある。感光体ドラムの表面が過剰に研磨されると、画像不良(筋)が発生する場合がある。
感光体ドラム表面の過剰な研磨を抑制するために、特許文献1に記載のトナーでは、ランタンをドープしたチタン酸化合物粒子(以下、ランタンドープチタン酸化合物粒子と記載することがある)が外添剤粒子として使用されている。ランタンドープチタン酸化合物粒子は球形に近い形状を有するため、外添剤粒子としてランタンドープチタン酸化合物粒子を含むトナーを用いると、感光体ドラム表面の過剰な研磨を抑制できる。
特開2018−155912号公報
しかしながら、特許文献1に開示される技術だけでは、かぶりの発生を抑制しつつ、多数枚(例えば2万枚)の印刷後においても高画質の画像を形成できるトナーを得ることは難しい。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、かぶりの発生を抑制しつつ、多数枚(例えば2万枚)の印刷後においても高画質の画像を形成できるトナーを提供することである。
本発明に係るトナーは、トナー粒子を含む。前記トナー粒子は、結着樹脂を含むトナー母粒子と、前記トナー母粒子の表面に付着した外添剤とを備える。前記外添剤は、外添剤粒子として、ランタンと周期表第5族元素とがドープされたチタン酸化合物粒子を含む。前記ランタンの量は、前記チタン酸化合物粒子の全質量に対して1.50質量%以上である。前記周期表第5族元素の量は、前記チタン酸化合物粒子の全質量に対して0.01質量%以上0.60質量%以下である。
本発明によれば、かぶりの発生を抑制しつつ、多数枚(例えば2万枚)の印刷後においても高画質の画像を形成できるトナーを提供できる。
本発明の実施形態に係るトナーに含まれるトナー粒子の断面構造の一例を示す図である。
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。まず、本明細書中で使用される用語について説明する。トナーは、トナー粒子の集合体(例えば粉体)である。外添剤は、外添剤粒子の集合体(例えば粉体)である。粉体(より具体的には、トナー粒子の粉体、外添剤粒子の粉体等)に関する評価結果(形状、物性等を示す値)は、何ら規定していなければ、粉体から粒子を相当数選び取って、それら粒子の各々について測定した値の個数平均である。
粉体の体積中位径(D50)の測定値は、何ら規定していなければ、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(株式会社堀場製作所製「LA−950」)を用いて測定されたメディアン径である。粉体の個数平均一次粒子径は、何ら規定していなければ、走査型電子顕微鏡を用いて測定した、100個の一次粒子の円相当径(ヘイウッド径:一次粒子の投影面積と同じ面積を有する円の直径)の個数平均値である。なお、粒子の個数平均一次粒子径は、特に断りがない限り、粉体中の粒子の個数平均一次粒子径(粉体の個数平均一次粒子径)を指す。
帯電性の強さは、何ら規定していなければ、摩擦帯電のし易さである。例えば、日本画像学会から提供される標準キャリア(負帯電極性トナー用標準キャリア:N−01、正帯電極性トナー用標準キャリア:P−01)と測定対象(例えばトナー)とを混ぜて攪拌することで、測定対象を摩擦帯電させる。摩擦帯電させる前と後とでそれぞれ、例えば吸引式小型帯電量測定装置(トレック社製「MODEL 212HS」)で測定対象の帯電量を測定する。摩擦帯電の前後での帯電量の変化が大きい測定対象ほど帯電性が強いことを示す。
軟化点(Tm)の測定値は、何ら規定していなければ、高化式フローテスター(株式会社島津製作所製「CFT−500D」)を用いて測定した値である。高化式フローテスターで測定されたS字カーブ(横軸:温度、縦軸:ストローク)において、「(ベースラインストローク値+最大ストローク値)/2」となる温度が、Tm(軟化点)に相当する。
材料の「主成分」は、何ら規定していなければ、質量基準で、その材料に最も多く含まれる成分を意味する。
疎水性の強さは、例えば水滴の接触角(水の濡れ易さ)で表すことができる。水滴の接触角が大きいほど疎水性が強い。疎水化処理とは、疎水性を強める処理を指す。
「炭素原子数3以上8以下のアルキル基」は、直鎖状又は分枝鎖状で非置換である。炭素原子数3以上8以下のアルキル基としては、例えば、n−プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、及びn−オクチル基が挙げられる。
「周期表」とは、IUPAC(国際純正・応用化学連合)の規定に基づく長周期型の元素の周期表を指す。「周期表第5族元素」は、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)及びドブニウム(Db)から選択される少なくとも一種の元素である。「チタン酸化合物」は、チタンと、酸素と、チタン以外の金属元素とを少なくとも含む化合物(結晶)である。「チタン酸化合物粒子」は、チタン酸化合物を主成分として含む粒子である。チタン酸化合物粒子中のチタン酸化合物の含有量は、チタン酸化合物粒子の全質量に対して、好ましくは99質量%以上100質量%以下である。
以下、化合物名の後に「系」を付けて、化合物及びその誘導体を包括的に総称する場合がある。化合物名の後に「系」を付けて重合体名を表す場合には、重合体の繰返し単位が化合物又はその誘導体に由来することを意味する。
また、以下の説明において、「元素(より具体的には、ランタン、周期表第5族元素等)がドープされる」とは、母材となるチタン酸化合物の結晶を構成する元素の一部が、母材を構成する元素とは異なる元素(より具体的には、ランタン、周期表第5族元素等)で置換されることを意味する。
<トナー>
本実施形態に係るトナーは、例えば正帯電性トナーとして、静電潜像の現像に好適に用いることができる。本実施形態に係るトナーは、トナー粒子(それぞれ後述する構成を有する粒子)の集合体(例えば粉体)である。トナーは、1成分現像剤として使用してもよい。また、混合装置(例えば、ボールミル)を用いてトナーとキャリアとを混合して、2成分現像剤を調製してもよい。
本実施形態に係るトナーに含まれるトナー粒子は、結着樹脂を含むトナー母粒子と、トナー母粒子の表面に付着した外添剤とを備える。外添剤は、外添剤粒子として、ランタンと周期表第5族元素とがドープされたチタン酸化合物粒子(以下、特定チタン酸化合物粒子と記載することがある)を含む。ランタンの量は、特定チタン酸化合物粒子の全質量に対して1.50質量%以上である。周期表第5族元素の量は、特定チタン酸化合物粒子の全質量に対して0.01質量%以上0.60質量%以下である。
以下、特定チタン酸化合物粒子の全質量に対するランタンの量を、単に「ランタンの量」と記載することがある。また、特定チタン酸化合物粒子の全質量に対する周期表第5族元素の量を、単に「周期表第5族元素の量」と記載することがある。ランタンの量及び周期表第5族元素の量は、いずれも誘導結合プラズマ発光分光分析装置により測定される。
本実施形態に係るトナーは、上述の構成を備えることにより、かぶりの発生を抑制しつつ、多数枚(例えば2万枚)の印刷後においても高画質の画像を形成できる。その理由は、以下のように推測される。
通常、球形に近い形状を有する外添剤粒子を使用すると、外添剤粒子が過剰に帯電しやすくなる傾向がある。過剰に帯電した外添剤粒子は、多数枚(例えば2万枚)の印刷中、例えば、感光体ドラムの表面に放電し、感光体ドラム表面において絶縁破壊を発生させる場合がある。絶縁破壊は、特に低温低湿環境下において発生しやすい。感光体ドラム表面において絶縁破壊が発生すると、感光体ドラム表面が損傷する場合がある。絶縁破壊に起因する感光体ドラム表面の損傷は、画像不良(黒点の発生)の原因になる。よって、通常、外添剤粒子としてランタンドープチタン酸化合物粒子を使用すると、多数枚印刷後において画像を形成する際に、画像不良(黒点)が発生しやすくなる。
これに対し、本実施形態に係るトナーでは、外添剤粒子として、周期表第5族元素をドープした特定チタン酸化合物粒子が使用されている。周期表第5族元素は、電気抵抗が適度に低い。また、周期表第5族元素の量は、0.01質量%以上である。よって、本実施形態に係るトナーでは、特定チタン酸化合物粒子の過剰な帯電を抑制できる。また、特定チタン酸化合物粒子にはランタンもドープされている。また、ランタンの量は、1.50質量%以上である。よって、本実施形態に係るトナーでは、例えば感光体ドラム表面の過剰な研磨を抑制できる。また、特定チタン酸化合物粒子は、比誘電率が比較的高いチタン酸化合物を含むため、多数枚の印刷後においてもトナーの帯電量を安定して維持できる。
よって、本実施形態に係るトナーによれば、多数枚(例えば2万枚)の印刷後においても、画像不良の発生(より具体的には、黒点の発生、筋の発生等)を抑制しつつ、画像濃度が一定レベル以上の画像を安定して形成できる。従って、本実施形態に係るトナーによれば、多数枚(例えば2万枚)の印刷後においても高画質の画像を形成できる。
また、通常、電気抵抗が低い外添剤粒子を使用すると、かぶりが発生しやすくなる。かぶりは、特に高温高湿環境下において発生しやすい。
これに対し、本実施形態に係るトナーでは、周期表第5族元素の量が0.60質量%以下である。このように、本実施形態に係るトナーでは、特定チタン酸化合物粒子の電気抵抗が過剰に低くならない程度に、周期表第5族元素の量の上限が設定されている。従って、本実施形態に係るトナーによれば、かぶりの発生を抑制できる。
本実施形態において、多数枚印刷後に、より高画質の画像を形成するためには、周期表第5族元素の量は0.10質量%以上であることが好ましい。
本実施形態において、多数枚印刷後に、より高画質の画像を形成するためには、ランタンの量は、1.80質量%以上であることが好ましい。また、本実施形態において、多数枚印刷後に画像を形成する際に、黒点の発生をより抑制するためには、ランタンの量は、15.00質量%以下であることが好ましく、12.50質量%以下であることがより好ましい。
本実施形態において、多数枚印刷後に、より高画質の画像を形成するためには、特定チタン酸化合物粒子に含まれる周期表第5族元素は、バナジウム、ニオブ及びタンタルからなる群より選択される一種以上の元素であることが好ましく、ニオブであることがより好ましい。
本実施形態において、多数枚印刷後に、より高画質の画像を形成するためには、特定チタン酸化合物粒子の量は、トナー母粒子100質量部に対して0.1質量部以上であることが好ましく、0.5質量部以上であることがより好ましい。また、本実施形態において、かぶりの発生をより抑制するためには、特定チタン酸化合物粒子の量は、トナー母粒子100質量部に対して1.2質量部以下であることが好ましく、1.0質量部以下であることがより好ましい。
本実施形態において、多数枚印刷後に、より高画質の画像を形成するためには、特定チタン酸化合物粒子の比誘電率は、100以上1200以下であることが好ましく、150以上1180以下であることがより好ましい。比誘電率の測定方法は、後述する実施例と同じ方法又はそれに準ずる方法である。
本実施形態に係るトナーに含まれるトナー粒子は、シェル層を備えないトナー粒子であってもよいし、シェル層を備えるトナー粒子(以下、カプセルトナー粒子と記載することがある)であってもよい。カプセルトナー粒子では、トナー母粒子が、結着樹脂を含むトナーコアと、トナーコアの表面を覆うシェル層とを備える。シェル層は、樹脂を含む。例えば、低温で溶融するトナーコアを、耐熱性に優れるシェル層で覆うことで、トナーの耐熱保存性及び低温定着性の両立を図ることが可能になる。シェル層を構成する樹脂中に添加剤が分散されていてもよい。シェル層は、トナーコアの表面全体を覆っていてもよいし、トナーコアの表面を部分的に覆っていてもよい。
本実施形態において、トナー母粒子は、結着樹脂以外に、必要に応じて、内添剤(例えば、着色剤、離型剤、電荷制御剤、及び磁性粉の少なくとも1つ)を更に含有してもよい。
以下、本実施形態に係るトナーの詳細について、適宜図面を参照しながら説明する。なお、参照する図1は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の大きさ、個数、形状等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合がある。
[トナー粒子の構成]
以下、図1を参照して、本実施形態に係るトナーに含まれるトナー粒子の構成について説明する。図1は、本実施形態に係るトナーに含まれるトナー粒子の断面構造の一例を示す図である。
図1に示されるトナー粒子10は、結着樹脂を含むトナー母粒子11と、トナー母粒子11の表面に付着した外添剤とを備える。外添剤は、外添剤粒子として、特定チタン酸化合物粒子12を含む。特定チタン酸化合物粒子12に含まれるランタンの量は、特定チタン酸化合物粒子12の全質量に対して1.50質量%以上である。特定チタン酸化合物粒子12に含まれる周期表第5族元素の量は、特定チタン酸化合物粒子12の全質量に対して0.01質量%以上0.60質量%以下である。
画像形成に適したトナーを得るためには、トナー母粒子11の体積中位径(D50)は、4μm以上9μm以下であることが好ましい。
多数枚印刷後に画像を形成する際に、筋の発生をより抑制するためには、特定チタン酸化合物粒子12の個数平均円形度は、0.79以上1.00以下であることが好ましく、0.80以上1.00以下であることがより好ましく、0.84以上1.00以下であることが更に好ましい。また、多数枚印刷後に画像を形成する際に、黒点の発生をより抑制するためには、特定チタン酸化合物粒子12の個数平均円形度は、0.92以下であることが好ましい。個数平均円形度の測定方法は、後述する実施例と同じ方法又はそれに準ずる方法である。
多数枚印刷後に、より高画質の画像を形成するためには、特定チタン酸化合物粒子12の個数平均一次粒子径は、20nm以上80nm以下であることが好ましく、20nm以上40nm以下であることがより好ましい。
以上、図1を参照しながら、本実施形態に係るトナーに含まれるトナー粒子の構成の一例について説明した。
[トナー粒子の要素]
次に、本実施形態に係るトナーに含まれるトナー粒子の要素について説明する。
(結着樹脂)
トナー母粒子は、例えば全成分の70質量%以上を結着樹脂が占める。このため、結着樹脂の性質がトナー母粒子全体の性質に大きな影響を与えると考えられる。低温定着性に優れるトナーを得るためには、トナー母粒子は、結着樹脂として熱可塑性樹脂を含有することが好ましく、結着樹脂全体の85質量%以上の割合で熱可塑性樹脂を含有することがより好ましい。熱可塑性樹脂としては、例えば、スチレン系樹脂、アクリル酸エステル系樹脂、オレフィン系樹脂(より具体的には、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等)、ビニル樹脂(より具体的には、塩化ビニル樹脂、ポリビニルアルコール、ビニルエーテル樹脂、N−ビニル樹脂等)、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、及びウレタン樹脂が挙げられる。また、これら各樹脂の共重合体、すなわち上記樹脂中に任意の繰返し単位が導入された共重合体(より具体的には、スチレン−アクリル酸エステル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂等)も、結着樹脂として使用できる。
熱可塑性樹脂は、一種以上の熱可塑性モノマーを、付加重合、共重合、又は縮重合させることで得られる。なお、熱可塑性モノマーは、単独重合により熱可塑性樹脂になるモノマー(より具体的には、アクリル酸エステル系モノマー、スチレン系モノマー等)、又は縮重合により熱可塑性樹脂になるモノマー(例えば、縮重合によりポリエステル樹脂になる多価アルコール及び多価カルボン酸の組合せ)である。
低温定着性に優れるトナーを得るためには、トナー母粒子が、結着樹脂としてポリエステル樹脂を含有することが好ましく、結着樹脂全体の80質量%以上100質量%以下の割合でポリエステル樹脂を含有することがより好ましい。ポリエステル樹脂は、一種以上の多価アルコールと一種以上の多価カルボン酸とを縮重合させることで得られる。ポリエステル樹脂を合成するためのアルコールとしては、例えば以下に示すような、2価アルコール(より具体的には、脂肪族ジオール、ビスフェノール等)、及び3価以上のアルコールが挙げられる。ポリエステル樹脂を合成するためのカルボン酸としては、例えば以下に示すような、2価カルボン酸、及び3価以上のカルボン酸が挙げられる。なお、多価カルボン酸の代わりに、多価カルボン酸の無水物、多価カルボン酸ハライド等の縮重合によりエステル結合を形成できる多価カルボン酸誘導体を使用してもよい。
脂肪族ジオールの好適な例としては、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,2−プロパンジオール、α,ω−アルカンジオール(より具体的には、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,12−ドデカンジオール等)、2−ブテン−1,4−ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、及びポリテトラメチレングリコールが挙げられる。
ビスフェノールの好適な例としては、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、及びビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物が挙げられる。
3価以上のアルコールの好適な例としては、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、ジグリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、及び1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼンが挙げられる。
2価カルボン酸の好適な例としては、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、マロン酸、1,10−デカンジカルボン酸、コハク酸、アルキルコハク酸(より具体的には、n−ブチルコハク酸、イソブチルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、イソドデシルコハク酸等)、及びアルケニルコハク酸(より具体的には、n−ブテニルコハク酸、イソブテニルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデセニルコハク酸等)が挙げられる。
3価以上のカルボン酸の好適な例としては、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、及びエンポール三量体酸が挙げられる。
(着色剤)
トナー母粒子は、着色剤を含有していてもよい。着色剤としては、トナーの色に合わせて公知の顔料又は染料を用いることができる。トナーを用いて高画質の画像を形成するためには、着色剤の量が、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
トナー母粒子は、黒色着色剤を含有していてもよい。黒色着色剤の例としては、カーボンブラックが挙げられる。また、黒色着色剤は、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤、及びシアン着色剤を用いて黒色に調色された着色剤であってもよい。
トナー母粒子は、カラー着色剤を含有していてもよい。カラー着色剤としては、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤、及びシアン着色剤が挙げられる。
イエロー着色剤としては、例えば、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、及びアリールアミド化合物からなる群より選択される一種以上の化合物を使用できる。イエロー着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー(3、12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、191、及び194)、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、並びにC.I.バットイエローが挙げられる。
マゼンタ着色剤としては、例えば、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン化合物、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、及びペリレン化合物からなる群より選択される一種以上の化合物を使用できる。マゼンタ着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントレッド(2、3、5、6、7、19、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、144、146、150、166、169、177、184、185、202、206、220、221、及び254)が挙げられる。
シアン着色剤としては、例えば、銅フタロシアニン化合物、アントラキノン化合物、及び塩基染料レーキ化合物からなる群より選択される一種以上の化合物を使用できる。シアン着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントブルー(1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、及び66)、フタロシアニンブルー、C.I.バットブルー、並びにC.I.アシッドブルーが挙げられる。
(離型剤)
トナー母粒子は、離型剤を含有していてもよい。離型剤は、例えば、耐オフセット性に優れるトナーを得るために使用される。耐オフセット性に優れるトナーを得るためには、離型剤の量は、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
離型剤としては、例えば、エステルワックス、ポリオレフィンワックス(より具体的には、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等)、マイクロクリスタリンワックス、フッ素樹脂ワックス、フィッシャートロプシュワックス、パラフィンワックス、キャンデリラワックス、モンタンワックス、及びカスターワックスが挙げられる。エステルワックスとしては、天然エステルワックス(より具体的には、カルナバワックス、ライスワックス等)、及び合成エステルワックスが挙げられる。本実施形態では、一種の離型剤を単独で使用してもよいし、複数種の離型剤を併用してもよい。
結着樹脂と離型剤との相溶性を改善するために、相溶化剤をトナー母粒子に添加してもよい。
(電荷制御剤)
トナー母粒子は、電荷制御剤を含有していてもよい。電荷制御剤は、例えば、帯電安定性又は帯電立ち上がり特性に優れるトナーを得るために使用される。トナーの帯電立ち上がり特性は、短時間で所定の帯電レベルにトナーを帯電させることができるか否かの指標になる。
トナー母粒子に正帯電性の電荷制御剤を含有させることで、トナー母粒子のカチオン性(正帯電性)を強めることができる。また、トナー母粒子に負帯電性の電荷制御剤を含有させることで、トナー母粒子のアニオン性(負帯電性)を強めることができる。
正帯電性の電荷制御剤の例としては、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、1,2−オキサジン、1,3−オキサジン、1,4−オキサジン、1,2−チアジン、1,3−チアジン、1,4−チアジン、1,2,3−トリアジン、1,2,4−トリアジン、1,3,5−トリアジン、1,2,4−オキサジアジン、1,3,4−オキサジアジン、1,2,6−オキサジアジン、1,3,4−チアジアジン、1,3,5−チアジアジン、1,2,3,4−テトラジン、1,2,4,5−テトラジン、1,2,3,5−テトラジン、1,2,4,6−オキサトリアジン、1,3,4,5−オキサトリアジン、フタラジン、キナゾリン、キノキサリン等のアジン化合物;アジンファストレッドFC、アジンファストレッド12BK、アジンバイオレットBO、アジンブラウン3G、アジンライトブラウンGR、アジンダークグリ−ンBH/C、アジンディープブラックEW、アジンディープブラック3RL等の直接染料;ニグロシンBK、ニグロシンNB、ニグロシンZ等の酸性染料;アルコキシル化アミン;アルキルアミド;ベンジルデシルヘキシルメチルアンモニウムクロライド、デシルトリメチルアンモニウムクロライド、2−(メタクリロイルオキシ)エチルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド塩化メチル4級塩等の4級アンモニウム塩;4級アンモニウムカチオン基を含む樹脂が挙げられる。これらの電荷制御剤の一種のみを使用してもよく、二種以上の電荷制御剤を組み合わせて使用してもよい。
負帯電性の電荷制御剤の例としては、キレート化合物である有機金属錯体が挙げられる。有機金属錯体としては、アセチルアセトン金属錯体、サリチル酸系金属錯体、及びこれらの塩からなる群より選択される一種以上が好ましい。
帯電安定性に優れるトナーを得るためには、電荷制御剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
(磁性粉)
トナー母粒子は、磁性粉を含有していてもよい。磁性粉の材料としては、例えば、強磁性金属(より具体的には、鉄、コバルト、ニッケル等)及びその合金、強磁性金属酸化物(より具体的には、フェライト、マグネタイト、二酸化クロム等)、並びに強磁性化処理が施された材料(より具体的には、熱処理により強磁性が付与された炭素材料等)が挙げられる。本実施形態では、一種の磁性粉を単独で使用してもよいし、複数種の磁性粉を併用してもよい。
(外添剤)
本実施形態に係るトナーに含まれるトナー粒子は、トナー母粒子の表面に付着した外添剤を備える。外添剤は、外添剤粒子として、特定チタン酸化合物粒子の一種又は二種以上を含む。
特定チタン酸化合物粒子の母材(ドープされるチタン酸化合物)としては、例えば、組成がMTiO3(Mは、チタン以外の金属元素のうち、ランタンと周期表第5族元素とを除いた金属元素を表す)で表されるチタン酸化合物が挙げられる。組成がMTiO3で表されるチタン酸化合物の具体例としては、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)、チタン酸バリウム(BaTiO3)、チタン酸カルシウム(CaTiO3)、チタン酸マグネシウム(MgTiO3)、及びチタン酸鉛(PbTiO3)が挙げられる。なお、組成がMTiO3で表されるチタン酸化合物の結晶構造は、通常、ペロブスカイト型結晶構造である。
特定チタン酸化合物粒子の母材として、組成がMTiO3で表されるチタン酸化合物を使用する場合、ランタン及び周期表第5族元素は、例えば、Mで表される金属が配置されるサイトを置換することにより、母材の結晶構造中に取り込まれる。以下、Mで表される金属が配置されるサイトをMサイトと記載する。また、ランタン及び周期表第5族元素がMサイトを置換して得られた特定チタン酸化合物粒子を、Mサイト置換チタン酸化合物粒子と記載する。
Mサイト置換チタン酸化合物粒子の粉末X線回折パターンのピーク位置は、その母材(組成がMTiO3で表されるチタン酸化合物)の結晶構造の粉末X線回折パターンのピーク位置と一致する。よって、特定チタン酸化合物粒子の粉末X線回折パターンのピーク位置と、その母材(組成がMTiO3で表されるチタン酸化合物)の粉末X線回折パターンのピーク位置とが一致した場合、その母材にランタン及び周期表第5族元素がドープされたと判断できる。なお、粉末X線回折パターンに関して「ピーク位置が一致する」とは、比較する2つのピーク位置について、回折角(2θ)の値が±0.5度の範囲で一致することを意味する。
多数枚印刷後に、より高画質の画像を形成するためには、特定チタン酸化合物粒子としては、ランタンと周期表第5族元素とがドープされたチタン酸ストロンチウム粒子、ランタンと周期表第5族元素とがドープされたチタン酸バリウム粒子、又はランタンと周期表第5族元素とがドープされたチタン酸カルシウム粒子が好ましく、ランタンとニオブとがドープされたチタン酸ストロンチウム粒子、ランタンとニオブとがドープされたチタン酸バリウム粒子、又はランタンとニオブとがドープされたチタン酸カルシウム粒子がより好ましい。
特定チタン酸化合物粒子の製造方法は、特に限定されない。また、本実施形態に係るトナーでは、市販の特定チタン酸化合物粒子を使用することもできる。
以下、特定チタン酸化合物粒子の製造方法の一例について説明する。まず、チタン源を鉱酸で解膠処理した処理物(以下、チタン源解膠処理物と記載することがある)と、母材を構成するチタン以外の金属元素(より具体的には、ストロンチウム、バリウム、カルシウム等)の化合物と、ランタン源と、周期表第5族元素源とを混合する。次いで、得られた混合物を50℃以上の温度に加熱しながら、混合物にアルカリ水溶液を添加する。次いで、アルカリ水溶液が添加された混合物を、所定時間(例えば30分以上2時間以下の時間)、50℃以上の温度に保持する。次いで、得られた生成物を冷却した後、生成物に塩酸を加えることより、沈殿物を得る。次いで、得られた沈殿物を洗浄し、ろ過(固液分離)した後、得られた固形分を乾燥することにより、特定チタン酸化合物粒子の粉体が得られる。
ランタンの量は、上記特定チタン酸化合物粒子の製造方法の一例において、例えば、チタン源解膠処理物の質量に対するランタン源の量を変更することにより調整できる。周期表第5族元素の量は、上記特定チタン酸化合物粒子の製造方法の一例において、例えば、チタン源解膠処理物の質量に対する周期表第5族元素源の量を変更することにより調整できる。特定チタン酸化合物粒子の個数平均円形度は、上記特定チタン酸化合物粒子の製造方法の一例において、例えば、チタン源解膠処理物の質量に対するランタン源の量を変更することにより調整できる。特定チタン酸化合物粒子の個数平均一次粒子径は、上記特定チタン酸化合物粒子の製造方法の一例において、例えば、母材を構成するチタン以外の金属元素の化合物とチタン源解膠処理物との混合比、アルカリ水溶液中のアルカリの濃度、及びアルカリ水溶液の添加量のうちの少なくとも1つを変更することにより調整できる。特定チタン酸化合物粒子の比誘電率は、上記特定チタン酸化合物粒子の製造方法の一例において、例えば、母材を構成するチタン以外の金属元素の種類、周期表第5族元素の種類、チタン源解膠処理物の質量に対する周期表第5族元素源の量、及びチタン源解膠処理物の質量に対するランタン源の量のうちの少なくとも1つを変更することにより、調整できる。
高温高湿環境下において、かぶりの発生をより抑制するためには、特定チタン酸化合物粒子の表面は、疎水化処理されていることが好ましい。表面が疎水化処理された特定チタン酸化合物粒子を得る方法としては、例えば、ランタンと周期表第5族元素とがドープされたチタン酸化合物から構成される粒子(以下、基体と記載することがある)を疎水化剤で処理する方法が挙げられる。疎水化剤としては、シリコーンオイル、シラザン化合物、及びシラン化合物から選ばれる一種以上が好ましく、シラン化合物がより好ましく、アルコキシ基と炭素原子数3以上8以下のアルキル基とを有するシラン化合物(より具体的には、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン等)が更に好ましく、イソブチルトリメトキシシランが特に好ましい。
アルコキシ基と炭素原子数3以上8以下のアルキル基とを有するシラン化合物を用いて基体の表面を処理する場合、シラン化合物のアルコキシ基が水分により加水分解されて生成したヒドロキシ基が、基体の表面に存在するヒドロキシ基と脱水縮合反応する。こうした反応により、基体の表面に炭素原子数3以上8以下のアルキル基(疎水性基)が付与される。つまり、アルコキシ基と炭素原子数3以上8以下のアルキル基とを有するシラン化合物により疎水化処理された特定チタン酸化合物粒子の表面は、炭素原子数3以上8以下のアルキル基を有する。
炭素原子数3以上8以下のアルキル基を表面に有する特定チタン酸化合物粒子は、疎水性が比較的高くなるため、高温高湿環境下において、かぶりの発生を更に抑制することができる。
基体の疎水化処理の方法としては、例えば、基体を攪拌しながら基体に向けて疎水化剤を滴下又は噴霧した後、疎水化剤がコーティングされた基体を加熱する方法、及び疎水化剤の溶液中に基体を添加した後、疎水化剤がコーティングされた基体を加熱する方法が挙げられる。疎水化剤は、有機溶剤に溶解させてもよい。また、市販の疎水化剤を有機溶剤で希釈して使用してもよい。
かぶりの発生を更に抑制しつつ、多数枚印刷後において更に高画質の画像を形成するためには、特定チタン酸化合物粒子としては、ランタンと周期表第5族元素とがドープされ、かつ炭素原子数3以上8以下のアルキル基を表面に有するチタン酸ストロンチウム粒子が好ましく、ランタンとニオブとがドープされ、かつ炭素原子数3以上8以下のアルキル基を表面に有するチタン酸ストロンチウム粒子がより好ましく、ランタンとニオブとがドープされ、かつイソブチル基を表面に有するチタン酸ストロンチウム粒子が更に好ましい。
外添剤は、外添剤粒子として特定チタン酸化合物粒子のみを含んでいてもよく、特定チタン酸化合物粒子以外に他の外添剤粒子を更に含んでいてもよい。トナーの流動性を良好に維持するためには、他の外添剤粒子としては、特定チタン酸化合物粒子以外の無機粒子が好ましく、シリカ粒子及び酸化チタン粒子から選択される一種以上がより好ましい。
他の外添剤粒子は、表面処理されていてもよい。例えば、他の外添剤粒子としてシリカ粒子を使用する場合、表面処理剤によりシリカ粒子の表面に疎水性及び/又は正帯電性が付与されていてもよい。表面処理剤としては、例えば、カップリング剤(より具体的には、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、アルミネートカップリング剤等)、シラザン化合物(より具体的には、鎖状シラザン化合物、環状シラザン化合物等)、及びシリコーンオイル(より具体的には、ジメチルシリコーンオイル等)が挙げられる。表面処理剤としては、シランカップリング剤及びシラザン化合物から選ばれる一種以上が特に好ましい。シランカップリング剤の好適な例としては、シラン化合物(より具体的には、メチルトリメトキシシラン、アミノシラン等)が挙げられる。シラザン化合物の好適な例としては、HMDS(ヘキサメチルジシラザン)が挙げられる。シリカ基体(未処理のシリカ粒子)の表面が表面処理剤で処理されると、シリカ基体の表面に存在する多数のヒドロキシ基(−OH)が部分的に又は全体的に、表面処理剤に由来する官能基に置換される。その結果、表面処理剤に由来する官能基(詳しくは、ヒドロキシ基よりも疎水性及び/又は正帯電性の強い官能基)を表面に有するシリカ粒子が得られる。
トナー母粒子からの外添剤の脱離を抑制しながら外添剤の機能を十分に発揮させるためには、外添剤の量(他の外添剤粒子を使用する場合には、特定チタン酸化合物粒子及び他の外添剤粒子の合計量)が、トナー母粒子100質量部に対して、0.1質量部以上10.0質量部以下であることが好ましい。
<トナーの製造方法>
次に、上述した実施形態に係るトナーの好適な製造方法について説明する。以下、上述した実施形態に係るトナーと重複する構成要素については説明を省略する。
[トナー母粒子の調製工程]
まず、凝集法又は粉砕法によりトナー母粒子を調製する。
凝集法は、例えば、凝集工程及び合一化工程を含む。凝集工程では、トナー母粒子を構成する成分を含む微粒子を水性媒体中で凝集させて、凝集粒子を形成する。合一化工程では、凝集粒子に含まれる成分を水性媒体中で合一化させてトナー母粒子を形成する。
次に粉砕法を説明する。粉砕法によれば、比較的容易にトナー母粒子を調製できる上、製造コストの低減が可能である。粉砕法でトナー母粒子を調製する場合、トナー母粒子の調製工程は、例えば溶融混練工程と、粉砕工程とを備える。トナー母粒子の調製工程は、溶融混練工程の前に混合工程を更に備えてもよい。また、トナー母粒子の調製工程は、粉砕工程後に、微粉砕工程及び分級工程の少なくとも一方を更に備えてもよい。
混合工程では、結着樹脂と、必要に応じて添加する内添剤とを混合して、混合物を得る。溶融混練工程では、トナー材料を溶融し混練して、溶融混練物を得る。トナー材料としては、例えば混合工程で得られる混合物が用いられる。粉砕工程では、得られた溶融混練物を、例えば室温(25℃)まで冷却した後、粉砕して粉砕物を得る。粉砕工程で得られた粉砕物の小径化が必要な場合は、粉砕物を更に粉砕する工程(微粉砕工程)を実施してもよい。また、粉砕物の粒径を揃える場合は、得られた粉砕物を分級する工程(分級工程)を実施してもよい。以上の工程により、粉砕物であるトナー母粒子が得られる。
[外添工程]
その後、混合機を用いて、得られたトナー母粒子と、外添剤とを混合して、トナー母粒子の表面に外添剤を付着させる。外添剤は、特定チタン酸化合物粒子を少なくとも含む。混合機としては、例えばFMミキサー(日本コークス工業株式会社製)が挙げられる。こうして、トナー粒子を含むトナーが製造される。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は実施例の範囲に何ら限定されるものではない。
<チタン酸化合物粒子の評価方法(評価装置)>
まず、チタン酸化合物粒子の評価方法(評価装置)について説明する。チタン酸化合物粒子の個数平均一次粒子径の測定には、日本電子株式会社製の走査型電子顕微鏡「JSM−7401F」及び画像解析ソフトウェア(三谷商事株式会社製「WinROOF」)を使用した。また、チタン酸化合物粒子中の元素の量は、誘導結合プラズマ発光分光分析装置(セイコーインスツル株式会社製「SPS1200VR」)により測定した。また、チタン酸化合物粒子の粉末X線回折パターンは、X線回折装置(株式会社リガク製「RINT(登録商標)−TTR III」、特性X線:Cu−Kα線)を用いて測定した。
また、チタン酸化合物粒子の比誘電率及び個数平均円形度は、それぞれ以下に示す方法で測定した。
[比誘電率の測定方法]
1gのチタン酸化合物粒子を、圧力200kg/cm2の条件で2分間圧縮し、直径25mm、厚さ1mmの円盤状ペレット(測定試料)に成形した。次に、直径25mmの誘電率測定治具(電極)を装着した回転式レオメーター(TA Instruments社製「ARES−G2」)に上述の測定試料をセットした。そして、LCRメーター(キーサイト・テクノロジーズ株式会社製「4284AプレシジョンLCRメーター」)を用い、測定温度25℃、荷重150g、印加電圧1.0V、周波数1.0MHzの条件で、測定試料(チタン酸化合物粒子)の比誘電率を得た。
[個数平均円形度の測定方法]
チタン酸化合物粒子を走査型電子顕微鏡(日本電子株式会社製「JSM−7401F」)により撮影し、得られた画像を画像解析ソフトウェア(三谷商事株式会社製「WinROOF」)により解析した。詳しくは、画像内に存在するチタン酸化合物粒子から無作為に100個の粒子を選択し、それぞれの粒子の円形度(粒子の投影面積と等しい円の周囲長/粒子の周囲長)を計測した。計測された100個の粒子の円形度から個数平均値を算出し、得られた値をチタン酸化合物粒子の個数平均円形度とした。
<チタン酸化合物粒子の調製>
以下、チタン酸化合物粒子EA−1〜EA−4及びEB−1〜EB−5の調製方法について説明する。
[チタン酸化合物粒子EA−1の調製]
(反応準備工程)
まず、反応準備工程について説明する。硫酸法で得られたメタチタン酸を脱鉄処理した後、脱鉄処理したメタチタン酸に水酸化ナトリウム水溶液を加えて、pH9.0の懸濁液を調製した。得られた懸濁液を脱硫処理した後、脱硫処理した懸濁液に塩酸を加えて、懸濁液のpHを5.8に調整した。次いで、pH5.8に調整した懸濁液をろ過(固液分離)し、得られた固形分を水洗した後、水洗した固形分にイオン交換水を加えて、Tiの濃度が2.13モル/Lのスラリーを得た。得られたスラリーに塩酸を加えることにより解膠処理を行った。解膠処理後のスラリーのpHは1.4であった。次いで、解膠処理後のスラリー(TiO2換算で1.8770モル)を、3Lの反応容器に投入した。次いで、反応容器に、塩化ストロンチウム(SrCl2)の水溶液を、Sr換算で2.1590モル投入した。塩化ストロンチウム水溶液を投入した後の反応容器の内容物(以下、反応容器の内容物を、単に「容器内容物」と記載する)は、SrとTiとのモル比(Sr/Ti)が1.15であった。次いで、反応容器に、塩化ランタン(LaCl3)の水溶液を、La換算で0.2160モル投入した。塩化ランタン水溶液を投入した後の容器内容物は、LaとSrとのモル比(La/Sr)が0.10であった。次いで、反応容器に、五酸化ニオブ(Nb25)を、Nb換算で0.0188モル投入した。五酸化ニオブを投入した後の容器内容物は、NbとTiとのモル比(Nb/Ti)が0.01であった。次いで、容器内容物にイオン交換水を加えて、Tiの濃度が0.939モル/Lのスラリーを得た。
(反応工程)
次に、反応工程について説明する。上述の手順で得られたスラリー(Tiの濃度:0.939モル/L)を攪拌しながら、反応容器の内温を90℃まで昇温させた後、反応容器に、553mLの水酸化ナトリウム水溶液(NaOHの濃度:10モル/L)を一定速度で1時間かけて添加した。次いで、反応容器の内温を95℃まで昇温させた後、反応容器の内温を95℃に保持した状態で容器内容物を1時間攪拌した。次いで、容器内容物を、その温度が50℃になるまで冷却した後、冷却した容器内容物に塩酸を加えて、容器内容物のpHを5.0に調整した。次いで、反応容器の内温を50℃に保持した状態で容器内容物を1時間攪拌し、沈殿物を得た。
得られた沈殿物をデカンテーションにより洗浄し、ろ過(固液分離)した後、得られた固形分を、温度120℃の大気中で10時間乾燥して、ランタンとニオブとを含むチタン酸化合物粒子A−1の粉体を得た。
(疎水化処理工程)
次に、疎水化処理工程について説明する。温度計及び攪拌装置を備えた3つ口フラスコ内に、100質量部のチタン酸化合物粒子A−1を投入し、フラスコ内の空気を窒素で置換して、フラスコ内を窒素雰囲気にした。続けて、フラスコ内容物を攪拌しながら、15質量部のイソブチルトリメトキシシランと、チタン酸化合物粒子A−1の表面での反応(詳しくは、加水分解反応)を進行させるために適した量の蒸留水とを、フラスコ内に噴霧した。その後、フラスコ内容物を攪拌しながら、温度110℃の条件で、チタン酸化合物粒子A−1とイソブチルトリメトキシシランとを、2時間反応させた。その結果、チタン酸化合物粒子A−1(基体)と、チタン酸化合物粒子A−1の表面に付与されたイソブチル基(詳しくは、イソブチルトリメトキシシラン由来のイソブチル基)とを有するチタン酸化合物粒子EA−1の粉体を得た。
(個数平均一次粒子径、個数平均円形度、及び粉末X線回折パターン)
得られたチタン酸化合物粒子EA−1の個数平均一次粒子径は、30nmであった。また、得られたチタン酸化合物粒子EA−1の個数平均円形度は、0.84であった。また、得られたチタン酸化合物粒子EA−1の粉末X線回折パターンのピーク位置は、チタン酸ストロンチウム(母材)のペロブスカイト型結晶構造の粉末X線回折パターンのピーク位置と一致していた。つまり、チタン酸化合物粒子EA−1は、ランタンとニオブとがドープされたチタン酸ストロンチウム粒子であった。なお、チタン酸化合物粒子EA−1には、ニオブ以外の周期表第5族元素が含まれていなかった。また、上記チタン酸化合物粒子EA−1の個数平均一次粒子径、個数平均円形度及び粉末X線回折パターンは、いずれも後述する方法でトナーを作製した後、トナー粒子から分離させたチタン酸化合物粒子EA−1の粉体を測定対象として測定した場合も同じ結果が得られた。後述するチタン酸化合物粒子EA−2〜EA−4及びEB−1〜EB−5の個数平均一次粒子径、個数平均円形度及び粉末X線回折パターンについても同様であった。
[チタン酸化合物粒子EA−2の調製]
反応準備工程において、塩化ランタンの水溶液の使用量(投入量)をLa換算で0.4320モルに変更したこと、及び五酸化ニオブ(Nb換算で0.0188モル)の代わりに五酸化バナジウム(組成式:V25、投入量:V換算で0.0563モル)を使用したこと以外は、チタン酸化合物粒子EA−1の調製と同じ方法で、チタン酸化合物粒子EA−2の粉体を得た。チタン酸化合物粒子EA−2は、ランタンとバナジウムとを含むチタン酸化合物粒子A−2(基体)と、チタン酸化合物粒子A−2の表面に付与されたイソブチル基とを有するチタン酸化合物粒子であった。また、チタン酸化合物粒子EA−2の個数平均一次粒子径は30nmであった。また、チタン酸化合物粒子EA−2の個数平均円形度は0.92であった。また、チタン酸化合物粒子EA−2の粉末X線回折パターンのピーク位置は、チタン酸ストロンチウム(母材)のペロブスカイト型結晶構造の粉末X線回折パターンのピーク位置と一致していた。つまり、チタン酸化合物粒子EA−2は、ランタンとバナジウムとがドープされたチタン酸ストロンチウム粒子であった。なお、チタン酸化合物粒子EA−2には、バナジウム以外の周期表第5族元素が含まれていなかった。
[チタン酸化合物粒子EA−3の調製]
反応準備工程において、塩化ストロンチウムの水溶液(Sr換算で2.1590モル)の代わりに塩化バリウム(BaCl2)の水溶液(Ba換算で2.1590モル)を使用したこと、塩化ランタンの水溶液の使用量(投入量)をLa換算で0.0650モルに変更したこと、及び五酸化ニオブ(Nb換算で0.0188モル)の代わりに五酸化タンタル(組成式:Ta25、投入量:Ta換算で0.0019モル)を使用したこと以外は、チタン酸化合物粒子EA−1の調製と同じ方法で、チタン酸化合物粒子EA−3の粉体を得た。チタン酸化合物粒子EA−3は、ランタンとタンタルとを含むチタン酸化合物粒子A−3(基体)と、チタン酸化合物粒子A−3の表面に付与されたイソブチル基とを有するチタン酸化合物粒子であった。また、チタン酸化合物粒子EA−3の個数平均一次粒子径は30nmであった。また、チタン酸化合物粒子EA−3の個数平均円形度は0.79であった。また、チタン酸化合物粒子EA−3の粉末X線回折パターンのピーク位置は、チタン酸バリウム(母材)のペロブスカイト型結晶構造の粉末X線回折パターンのピーク位置と一致していた。つまり、チタン酸化合物粒子EA−3は、ランタンとタンタルとがドープされたチタン酸バリウム粒子であった。なお、チタン酸化合物粒子EA−3には、タンタル以外の周期表第5族元素が含まれていなかった。
[チタン酸化合物粒子EA−4の調製]
反応準備工程において、塩化ストロンチウムの水溶液(Sr換算で2.1590モル)の代わりに塩化カルシウム(CaCl2)の水溶液(Ca換算で2.1590モル)を使用したこと以外は、チタン酸化合物粒子EA−1の調製と同じ方法で、チタン酸化合物粒子EA−4の粉体を得た。チタン酸化合物粒子EA−4は、ランタンとニオブとを含むチタン酸化合物粒子A−4(基体)と、チタン酸化合物粒子A−4の表面に付与されたイソブチル基とを有するチタン酸化合物粒子であった。また、チタン酸化合物粒子EA−4の個数平均一次粒子径は30nmであった。また、チタン酸化合物粒子EA−4の個数平均円形度は0.84であった。また、チタン酸化合物粒子EA−4の粉末X線回折パターンのピーク位置は、チタン酸カルシウム(母材)のペロブスカイト型結晶構造の粉末X線回折パターンのピーク位置と一致していた。つまり、チタン酸化合物粒子EA−4は、ランタンとニオブとがドープされたチタン酸カルシウム粒子であった。なお、チタン酸化合物粒子EA−4には、ニオブ以外の周期表第5族元素が含まれていなかった。
[チタン酸化合物粒子EB−1の調製]
反応準備工程において、塩化ランタンの水溶液を使用(投入)しなかったこと、塩化ストロンチウムの水溶液(Sr換算で2.1590モル)の代わりに塩化バリウム(BaCl2)の水溶液(Ba換算で2.1590モル)を使用したこと、及び五酸化ニオブ(Nb換算で0.0188モル)の代わりに五酸化タンタル(Ta換算で0.0653モル)を使用したこと以外は、チタン酸化合物粒子EA−1の調製と同じ方法で、チタン酸化合物粒子EB−1の粉体を得た。チタン酸化合物粒子EB−1は、タンタルを含むチタン酸化合物粒子B−1(基体)と、チタン酸化合物粒子B−1の表面に付与されたイソブチル基とを有するチタン酸化合物粒子であった。また、チタン酸化合物粒子EB−1の個数平均一次粒子径は30nmであった。また、チタン酸化合物粒子EB−1の個数平均円形度は0.78であった。また、チタン酸化合物粒子EB−1の粉末X線回折パターンのピーク位置は、チタン酸バリウム(母材)のペロブスカイト型結晶構造の粉末X線回折パターンのピーク位置と一致していた。つまり、チタン酸化合物粒子EB−1は、タンタルがドープされたチタン酸バリウム粒子であった。なお、チタン酸化合物粒子EB−1には、タンタル以外の周期表第5族元素が含まれていなかった。
[チタン酸化合物粒子EB−2の調製]
反応準備工程において、五酸化ニオブを使用(投入)しなかったこと、塩化ストロンチウムの水溶液(Sr換算で2.1590モル)の代わりに塩化バリウム(BaCl2)の水溶液(Ba換算で2.1590モル)を使用したこと、及び塩化ランタンの水溶液の使用量(投入量)をLa換算で0.0650モルに変更したこと以外は、チタン酸化合物粒子EA−1の調製と同じ方法で、チタン酸化合物粒子EB−2の粉体を得た。チタン酸化合物粒子EB−2は、ランタンを含むチタン酸化合物粒子B−2(基体)と、チタン酸化合物粒子B−2の表面に付与されたイソブチル基とを有するチタン酸化合物粒子であった。また、チタン酸化合物粒子EB−2の個数平均一次粒子径は30nmであった。また、チタン酸化合物粒子EB−2の個数平均円形度は0.81であった。また、チタン酸化合物粒子EB−2の粉末X線回折パターンのピーク位置は、チタン酸バリウム(母材)のペロブスカイト型結晶構造の粉末X線回折パターンのピーク位置と一致していた。つまり、チタン酸化合物粒子EB−2は、ランタンがドープされたチタン酸バリウム粒子であった。
[チタン酸化合物粒子EB−3の調製]
反応準備工程において、五酸化ニオブ(Nb換算で0.0188モル)の代わりに五酸化バナジウム(V換算で0.0657モル)を使用したこと以外は、チタン酸化合物粒子EA−1の調製と同じ方法で、チタン酸化合物粒子EB−3の粉体を得た。チタン酸化合物粒子EB−3は、ランタンとバナジウムとを含むチタン酸化合物粒子B−3(基体)と、チタン酸化合物粒子B−3の表面に付与されたイソブチル基とを有するチタン酸化合物粒子であった。また、チタン酸化合物粒子EB−3の個数平均一次粒子径は30nmであった。また、チタン酸化合物粒子EB−3の個数平均円形度は0.84であった。また、チタン酸化合物粒子EB−3の粉末X線回折パターンのピーク位置は、チタン酸ストロンチウム(母材)のペロブスカイト型結晶構造の粉末X線回折パターンのピーク位置と一致していた。つまり、チタン酸化合物粒子EB−3は、ランタンとバナジウムとがドープされたチタン酸ストロンチウム粒子であった。なお、チタン酸化合物粒子EB−3には、バナジウム以外の周期表第5族元素が含まれていなかった。
[チタン酸化合物粒子EB−4の調製]
反応準備工程において、五酸化ニオブを使用(投入)しなかったこと、塩化ストロンチウムの水溶液の使用量(投入量)をSr換算で1.8770モルに変更したこと、及び塩化ランタンの水溶液の使用量(投入量)をLa換算で0.3380モルに変更したこと以外は、チタン酸化合物粒子EA−1の調製と同じ方法で、チタン酸化合物粒子EB−4の粉体を得た。チタン酸化合物粒子EB−4は、ランタンを含むチタン酸化合物粒子B−4(基体)と、チタン酸化合物粒子B−4の表面に付与されたイソブチル基とを有するチタン酸化合物粒子であった。また、チタン酸化合物粒子EB−4の個数平均一次粒子径は30nmであった。また、チタン酸化合物粒子EB−4の個数平均円形度は0.85であった。また、チタン酸化合物粒子EB−4の粉末X線回折パターンのピーク位置は、チタン酸ストロンチウム(母材)のペロブスカイト型結晶構造の粉末X線回折パターンのピーク位置と一致していた。つまり、チタン酸化合物粒子EB−4は、ランタンがドープされたチタン酸ストロンチウム粒子であった。
[チタン酸化合物粒子EB−5の調製]
反応準備工程において、塩化ランタンの水溶液の使用量(投入量)をLa換算で0.0432モルに変更したこと以外は、チタン酸化合物粒子EA−1の調製と同じ方法で、チタン酸化合物粒子EB−5の粉体を得た。チタン酸化合物粒子EB−5は、ランタンとニオブとを含むチタン酸化合物粒子B−5(基体)と、チタン酸化合物粒子B−5の表面に付与されたイソブチル基とを有するチタン酸化合物粒子であった。また、チタン酸化合物粒子EB−5の個数平均一次粒子径は30nmであった。また、チタン酸化合物粒子EB−5の個数平均円形度は0.84であった。また、チタン酸化合物粒子EB−5の粉末X線回折パターンのピーク位置は、チタン酸ストロンチウム(母材)のペロブスカイト型結晶構造の粉末X線回折パターンのピーク位置と一致していた。つまり、チタン酸化合物粒子EB−5は、ランタンとニオブとがドープされたチタン酸ストロンチウム粒子であった。なお、チタン酸化合物粒子EB−5には、ニオブ以外の周期表第5族元素が含まれていなかった。
チタン酸化合物粒子EA−1〜EA−4及びEB−1〜EB−5のそれぞれについて、周期表第5族元素の量、ランタンの量、及び比誘電率を表1に示す。なお、表1において、周期表第5族元素の量及びランタンの量は、いずれもチタン酸化合物粒子の全質量に対する量(単位:質量%)である。また、表1において、「−」は、測定に使用した誘導結合プラズマ発光分光分析装置の検出限界(チタン酸化合物粒子の全質量に対して0.01質量ppm)未満であったことを示す。なお、各チタン酸化合物粒子の周期表第5族元素の量、ランタンの量、及び比誘電率は、いずれも後述する方法でトナーを作製した後、トナー粒子から分離させた各チタン酸化合物粒子の粉体を測定対象として測定した場合も同じ結果が得られた。
Figure 2020181051
<トナーの作製>
以下、トナーTA−1〜TA−5及びTB−1〜TB−6の作製方法を説明する。
[トナーTA−1の作製]
(ポリエステル樹脂の合成工程)
ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物(エチレンオキサイドの平均付加モル数:2モル)1.0モルと、テレフタル酸4.5モルと、無水トリメリット酸0.5モルと、酸化ジブチル錫4.0gとを、反応容器に入れた。続けて、窒素雰囲気の大気圧下、温度230℃で8時間、容器内容物を反応させた。その後、容器内の圧力を8.3kPaまで減圧して、未反応成分を減圧留去し、軟化点(Tm)が120℃のポリエステル樹脂(結着樹脂)が得られた。
(トナー母粒子の調製工程)
上述の合成工程により得られたポリエステル樹脂100質量部と、着色剤(C.I.ピグメントブルー15:1、山陽色素株式会社製)4質量部と、離型剤としてのカルナバワックス(株式会社加藤洋行製「カルナウバワックス1号」)10質量部と、正帯電性の電荷制御剤(藤倉化成株式会社製「アクリベース(登録商標)FCA−201−PS」)3質量部とを、FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM−20B」)に投入した後、これらの材料を回転速度2000rpmの条件で4分間混合した。
続けて、得られた混合物を、2軸押出機(東芝機械株式会社製「TEM45」)を用いて、温度150℃の条件で溶融混練した。その後、得られた混練物を冷却した。続けて、冷却された混練物を、粉砕機(ホソカワミクロン株式会社製「フェザミル(登録商標)350×600型」)を用いて粗粉砕した。続けて、得られた粗粉砕物を、ジェット粉砕機(日本ニューマチック工業株式会社製「ジェットミルIDS−2」)を用いて微粉砕した。続けて、得られた微粉砕物を、分級機(日鉄鉱業株式会社製「エルボージェットEJ−LABO型」)を用いて分級した。その結果、体積中位径(D50)7μmのトナー母粒子が得られた。
(外添工程)
100質量部のトナー母粒子(上述の調製工程で得られたトナー母粒子)と、0.5質量部のチタン酸化合物粒子EA−1と、1.5質量部の疎水性シリカ粒子(日本アエロジル株式会社製「AEROSIL(登録商標)RA−200H」)と、1.0質量部の導電性酸化チタン粒子(チタン工業株式会社製「EC−100」)とを、FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM−10B」)に投入した。次いで、上記FMミキサーを用いて、回転速度3500rpmかつジャケット温度20℃の条件で、トナー母粒子と外添剤(チタン酸化合物粒子EA−1、疎水性シリカ粒子及び導電性酸化チタン粒子)とを15分間混合した。これにより、トナー母粒子の表面に外添剤の全量を付着させた。
続けて、得られた粉体を、200メッシュ(目開き75μm)の篩を用いて篩別した。その結果、正帯電性のトナーTA−1が得られた。
[トナーTA−2〜TA−5及びTB−1〜TB−6の作製]
チタン酸化合物粒子の種類及びその投入量を、後述する表2に示すとおりとしたこと以外は、トナーTA−1の作製と同じ方法で、正帯電性のトナーTA−2〜TA−5及びTB−2〜TB−6をそれぞれ作製した。また、チタン酸化合物粒子EA−1を使用(投入)しなかったこと以外は、トナーTA−1の作製と同じ方法で、正帯電性のトナーTB−1を作製した。なお、表2において、チタン酸化合物粒子の欄の「投入量」は、100質量部のトナー母粒子に対してFMミキサーへ投入された各チタン酸化合物粒子の量(単位:質量部)である。また、表2において、チタン酸化合物粒子の欄の「−」は、チタン酸化合物粒子を使用しなかったことを意味する。
<トナーの評価方法>
以下、トナーTA−1〜TA−5及びTB−1〜TB−6の評価方法について説明する。
[2成分現像剤の調製]
(キャリアの作製工程)
キャリアコアとして、フェライトコア(パウダーテック株式会社製「EF−35B」、体積中位径(D50):35μm)を準備した。また、キャリアコアを被覆するコート層の原料を含む液(コート液)として、トルエンを用いて固形分濃度17質量%に希釈した加熱硬化型シリコーン樹脂(信越化学工業株式会社製「KR−220L」、硬化開始温度:170℃)の溶液を準備した。転動流動層コーティング装置(岡田精工株式会社製「スピラコータ(登録商標)SP−25」)に上記フェライトコア1000質量部を投入し、フェライトコアを流動させながら、フェライトコアに向けて、上記コート液120質量部を噴霧した。続けて、コート液で覆われたフェライトコアを、温度200℃の条件で2時間熱処理することにより、フェライトコアの表面全域がコート層(シリコーン樹脂から構成された層)で覆われたキャリア粒子の粉体(キャリア)が得られた。
(キャリアとトナーとの混合工程)
上述の作製工程により得られたキャリア100質量部と、トナー(評価対象:トナーTA−1〜TA−5及びTB−1〜TB−6のいずれか)10質量部とを、ボールミルを用いて30分間混合して、評価用の2成分現像剤を調製した。
[感光体ドラム表面の研磨に起因する画像不良の確認]
評価機としては、カラー複合機(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製「TASKalfa 3252ci」)を用いた。上記評価機は、有機感光体ドラム(有機光導電体を含む感光層を含有する感光体ドラム)を備えていた。前述のようにして調製した2成分現像剤を上記評価機のシアン用現像装置に投入し、補給用トナー(評価対象:トナーTA−1〜TA−5及びTB−1〜TB−6のいずれか)を上記評価機のシアン用トナーコンテナに投入した。
次いで、温度23℃かつ湿度50%RHの環境下、上記評価機を用いて、印字率5%の画像を印刷用紙(A4サイズ)に2万枚連続で印刷した。次いで、温度23℃かつ湿度50%RHの環境下、印字率5%の画像を1枚の印刷用紙(A4サイズ)に印刷し、印刷した画像を目視で観察した。そして、感光体ドラム表面の研磨に起因する画像不良(筋)について、下記基準で判定した。判定がAであれば「特に良い」と評価し、判定がBであれば「良い」と評価し、判定がCであれば「良くない」と評価した。
(判定基準)
A:筋が全く観察されなかった。
B:筋が少し観察されたが、実用上問題のないレベルであった。
C:筋が観察され、観察された筋は実用上問題のあるレベルであった。
[高温高湿環境下における評価]
評価機としては、カラー複合機(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製「TASKalfa 3252ci」)を用いた。温度32.5℃かつ湿度80%RHの高温高湿環境下、前述のようにして調製した2成分現像剤、及び補給用トナー(評価対象:トナーTA−1〜TA−5及びTB−1〜TB−6のいずれか)を24時間にわたって静置した。次いで、静置した2成分現像剤を上記評価機のシアン用現像装置に投入し、静置した補給用トナーを上記評価機のシアン用トナーコンテナに投入した。
次いで、温度32.5℃かつ湿度80%RHの高温高湿環境下、上記評価機を用いて、印字率5%の画像を1枚の印刷用紙(A4サイズ)に印刷し、評価用画像Aを得た。そして、上記評価用画像Aを得た直後、上記評価機のシアン用現像装置から2成分現像剤を取り出した。次いで、温度32.5℃かつ湿度80%RHの高温高湿環境下、取り出された2成分現像剤に含まれるトナーの帯電量(単位:μC/g)を、Q/mメーター(トレック社製「MODEL 210HS−2A」)を用いて測定した。以下、ここで測定された帯電量を、E1と記載する。E1が15.0μC/g以上の場合、「良い」と評価した。一方、E1が15.0μC/g未満の場合、「良くない」と評価した。
また、印刷された上記評価用画像Aの空白部の画像濃度(ID)を、反射濃度計(X−Rite社製「SpectroEye(登録商標)」)を用いて測定し、かぶり濃度(FD)を算出した。なお、かぶり濃度(FD)は、上記評価用画像Aの空白部の画像濃度(ID)からベースペーパー(未印刷紙)の画像濃度(ID)を引いた値に相当する。
かぶり濃度(FD)が0.005以下であれば、「かぶりの発生を特に抑制できている」と評価した。かぶり濃度(FD)が0.005を超えて0.010以下であれば、「かぶりの発生を抑制できている」と評価した。かぶり濃度(FD)が0.010を超える場合は、「かぶりの発生を抑制できていない」と評価した。
[低温低湿環境下における評価]
(初期帯電量)
評価機としては、カラー複合機(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製「TASKalfa 3252ci」)を用いた。温度10℃かつ湿度10%RHの低温低湿環境下、前述のようにして調製した2成分現像剤、及び補給用トナー(評価対象:トナーTA−1〜TA−5及びTB−1〜TB−6のいずれか)を12時間にわたって静置した。次いで、静置した2成分現像剤を上記評価機のシアン用現像装置に投入し、静置した補給用トナーを上記評価機のシアン用トナーコンテナに投入した。
次いで、温度10℃かつ湿度10%RHの低温低湿環境下、上記評価機を用いて、印字率2%の画像を1枚の印刷用紙(A4サイズ)に印刷した後、上記評価機のシアン用現像装置から2成分現像剤を取り出した。次いで、温度10℃かつ湿度10%RHの低温低湿環境下、取り出された2成分現像剤に含まれるトナーの帯電量(単位:μC/g)を、Q/mメーター(トレック社製「MODEL 210HS−2A」)を用いて測定した。以下、ここで測定された帯電量(初期帯電量)を、E2と記載する。E2が45.0μC/g以下の場合、「良い」と評価した。一方、E2が45.0μC/gを超える場合、「良くない」と評価した。
(黒点の有無、画像濃度、及び連続印刷後の帯電量)
評価機としては、カラー複合機(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製「TASKalfa 3252ci」)を用いた。温度10℃かつ湿度10%RHの低温低湿環境下、前述のようにして調製した2成分現像剤、及び補給用トナー(評価対象:トナーTA−1〜TA−5及びTB−1〜TB−6のいずれか)を12時間にわたって静置した。次いで、静置した2成分現像剤を上記評価機のシアン用現像装置に投入し、静置した補給用トナーを上記評価機のシアン用トナーコンテナに投入した。
次いで、温度10℃かつ湿度10%RHの低温低湿環境下、上記評価機を用いて、印字率2%の画像を2万枚の印刷用紙(A4サイズ)に連続で印刷した。次いで、温度10℃かつ湿度10%RHの低温低湿環境下、ソリッド画像を含むパターン画像を1枚の印刷用紙(A4サイズ)に印刷し、評価用画像Bを得た。そして、上記評価用画像Bを得た直後、上記評価機のシアン用現像装置から2成分現像剤を取り出した。次いで、温度10℃かつ湿度10%RHの低温低湿環境下、取り出された2成分現像剤に含まれるトナーの帯電量(単位:μC/g)を、Q/mメーター(トレック社製「MODEL 210HS−2A」)を用いて測定した。以下、ここで測定された帯電量(連続印刷後の帯電量)を、E3と記載する。E3が45.0μC/g以下の場合、「良い」と評価した。一方、E3が45.0μC/gを超える場合、「良くない」と評価した。
また、印刷された上記評価用画像Bを目視で観察し、感光体ドラムの絶縁破壊に起因する画像不良(黒点)の有無を確認した。
また、印刷された上記評価用画像Bの印字部の画像濃度(ID)を、反射濃度計(X−Rite社製「SpectroEye(登録商標)」)を用いて測定した。画像濃度(ID)が1.20以上であれば「特に良い」と評価し、画像濃度(ID)が1.00以上1.20未満であれば「良い」と評価し、画像濃度(ID)が1.00未満であれば「良くない」と評価した。
トナーTA−1〜TA−5及びTB−1〜TB−6のそれぞれについて、チタン酸化合物粒子の種類、チタン酸化合物粒子の投入量、及び感光体ドラム表面の研磨に起因する画像不良の判定結果を表2に示す。また、トナーTA−1〜TA−5及びTB−1〜TB−6のそれぞれについて、高温高湿環境下における評価結果及び低温低湿環境下における評価結果を表3に示す。
Figure 2020181051
Figure 2020181051
表1及び表2に示すように、トナーTA−1〜TA−5では、外添剤が、外添剤粒子として、ランタンと周期表第5族元素とがドープされたチタン酸化合物粒子を含んでいた。トナーTA−1〜TA−5では、ランタンの量が、チタン酸化合物粒子の全質量に対して1.50質量%以上であった。トナーTA−1〜TA−5では、周期表第5族元素の量が、チタン酸化合物粒子の全質量に対して0.01質量%以上0.60質量%以下であった。
表3に示すように、トナーTA−1〜TA−3では、かぶり濃度(FD)が0.005以下であった。よって、トナーTA−1〜TA−3は、かぶりの発生を特に抑制できていた。トナーTA−4及びTA−5では、かぶり濃度(FD)が0.005を超えて0.010以下であった。よって、トナーTA−4及びTA−5は、かぶりの発生を抑制できていた。
表2に示すように、トナーTA−1〜TA−5では、感光体ドラム表面の研磨に起因する画像不良の判定結果がA(特に良い)又はB(良い)であった。表3に示すように、トナーTA−1〜TA−5では、感光体ドラムの絶縁破壊に起因する画像不良(黒点)が確認されなかった。トナーTA−1〜TA−5では、画像濃度(ID)が1.20以上(特に良い)であった。上記評価結果から、トナーTA−1〜TA−5によれば、多数枚の印刷後においても高画質の画像を形成できることが示された。
表1及び表2に示すように、トナーTB−1では、外添剤が、チタン酸化合物粒子を含んでいなかった。トナーTB−2及びTB−6では、ランタンの量が、チタン酸化合物粒子の全質量に対して1.50質量%未満であった。トナーTB−3及びTB−5では、周期表第5族元素の量が、チタン酸化合物粒子の全質量に対して0.01質量%未満であった。トナーTB−4では、周期表第5族元素の量が、チタン酸化合物粒子の全質量に対して0.60質量%を超えていた。
表2に示すように、トナーTB−2及びTB−6では、感光体ドラム表面の研磨に起因する画像不良の判定結果がC(良くない)であった。表3に示すように、トナーTB−1では、画像濃度(ID)が1.00未満(良くない)であった。トナーTB−3及びTB−5では、感光体ドラムの絶縁破壊に起因する画像不良(黒点)が確認された。
表3に示すように、トナーTB−4では、かぶり濃度(FD)が0.010を超えていた。よって、トナーTB−4は、かぶりの発生を抑制できていなかった。
以上の結果から、本発明に係るトナーによれば、かぶりの発生を抑制しつつ、多数枚の印刷後においても高画質の画像を形成できることが示された。
本発明に係るトナーは、例えば複合機又はプリンターにおいて画像を形成するために利用することができる。
10 :トナー粒子
11 :トナー母粒子
12 :特定チタン酸化合物粒子(チタン酸化合物粒子)

Claims (10)

  1. トナー粒子を含むトナーであって、
    前記トナー粒子は、結着樹脂を含むトナー母粒子と、前記トナー母粒子の表面に付着した外添剤とを備え、
    前記外添剤は、外添剤粒子として、ランタンと周期表第5族元素とがドープされたチタン酸化合物粒子を含み、
    前記ランタンの量は、前記チタン酸化合物粒子の全質量に対して1.50質量%以上であり、
    前記周期表第5族元素の量は、前記チタン酸化合物粒子の全質量に対して0.01質量%以上0.60質量%以下である、トナー。
  2. 前記周期表第5族元素は、バナジウム、ニオブ及びタンタルからなる群より選択される一種以上の元素である、請求項1に記載のトナー。
  3. 前記チタン酸化合物粒子の個数平均円形度は、0.79以上1.00以下である、請求項1又は2に記載のトナー。
  4. 前記チタン酸化合物粒子は、前記ランタンと前記周期表第5族元素とがドープされたチタン酸ストロンチウム粒子、前記ランタンと前記周期表第5族元素とがドープされたチタン酸バリウム粒子、又は前記ランタンと前記周期表第5族元素とがドープされたチタン酸カルシウム粒子である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のトナー。
  5. 前記チタン酸化合物粒子の量は、前記トナー母粒子100質量部に対して0.1質量部以上1.2質量部以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のトナー。
  6. 前記ランタンの量は、前記チタン酸化合物粒子の全質量に対して15.00質量%以下である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のトナー。
  7. 前記チタン酸化合物粒子の個数平均一次粒子径は、20nm以上80nm以下である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のトナー。
  8. 前記チタン酸化合物粒子の比誘電率は、100以上1200以下である、請求項1〜7のいずれか一項に記載のトナー。
  9. 前記チタン酸化合物粒子の表面は、疎水化処理されている、請求項1〜8のいずれか一項に記載のトナー。
  10. 前記チタン酸化合物粒子の表面は、炭素原子数3以上8以下のアルキル基を有する、請求項9に記載のトナー。
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