JP2019211505A - トナー及びその製造方法 - Google Patents

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正希 大喜多
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Abstract

【課題】帯電性を良好に維持しつつ、黒色度の高いトナー及びその製造方法を提供する。【解決手段】トナーの製造方法は、溶融混練工程と粉砕工程とを備える。溶融混練工程では、トナー材料を溶融混練することにより、溶融混練物を得る。粉砕工程では、溶融混練物を粉砕することにより、粉砕物を得る。トナー材料は、結着樹脂とカーボンブラック粒子と炭酸カルシウム粒子とを含む。炭酸カルシウム粒子の個数平均一次粒子径は、1.00μm以下である。炭酸カルシウム粒子のBET比表面積に対するカーボンブラック粒子のBET比表面積の比は、18.5以上27.0以下である。カーボンブラック粒子の質量は、結着樹脂100質量部に対して3.0質量部以上10.0質量部以下である。炭酸カルシウム粒子の質量に対するカーボンブラック粒子の質量の比は、0.40以上0.70以下である。【選択図】なし

Description

本発明は、トナー及びその製造方法に関する。
特許文献1には、結着樹脂と黒色金属酸化物と炭酸カルシウムとを溶融混練する工程、及び得られた溶融混練物を粉砕する工程を備えたトナーの製造方法が開示されている。
特開2004−361663号公報
しかしながら、特許文献1に開示される技術だけでは、帯電性を良好に維持しつつ、黒色度(黒の発色性)の高いトナーを得ることは難しい。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、帯電性を良好に維持しつつ、黒色度の高いトナー及びその製造方法を提供することである。
本発明に係るトナーの製造方法は、溶融混練工程と粉砕工程とを備える。前記溶融混練工程では、トナー材料を溶融混練することにより、溶融混練物を得る。前記粉砕工程では、前記溶融混練物を粉砕することにより、粉砕物を得る。前記トナー材料は、結着樹脂とカーボンブラック粒子と炭酸カルシウム粒子とを含む。前記炭酸カルシウム粒子の個数平均一次粒子径は、1.00μm以下である。前記炭酸カルシウム粒子のBET比表面積に対する前記カーボンブラック粒子のBET比表面積の比は、18.5以上27.0以下である。前記カーボンブラック粒子の質量は、前記結着樹脂100質量部に対して3.0質量部以上10.0質量部以下である。前記炭酸カルシウム粒子の質量に対する前記カーボンブラック粒子の質量の比は、0.40以上0.70以下である。
本発明に係るトナーは、溶融混練物の粉砕物を含む。前記粉砕物は、結着樹脂とカーボンブラック粒子と炭酸カルシウム粒子とを含む。前記炭酸カルシウム粒子の個数平均一次粒子径は、1.00μm以下である。前記炭酸カルシウム粒子のBET比表面積に対する前記カーボンブラック粒子のBET比表面積の比は、18.5以上27.0以下である。前記カーボンブラック粒子の質量は、前記結着樹脂100質量部に対して3.0質量部以上10.0質量部以下である。前記炭酸カルシウム粒子の質量に対する前記カーボンブラック粒子の質量の比は、0.40以上0.70以下である。
本発明によれば、帯電性を良好に維持しつつ、黒色度の高いトナー及びその製造方法を提供することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、トナーは、トナー粒子の集合体(例えば粉体)である。外添剤は、外添剤粒子の集合体(例えば粉体)である。粉体(より具体的には、トナー粒子の粉体、カーボンブラック粒子の粉体、炭酸カルシウム粒子の粉体等)に関する評価結果(形状、物性等を示す値)は、何ら規定していなければ、粉体から粒子を相当数選び取って、それら粒子の各々について測定した値の個数平均である。
粉体の体積中位径(D50)の測定値は、何ら規定していなければ、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(株式会社堀場製作所製「LA−950」)を用いて測定されたメディアン径である。粉体の個数平均一次粒子径は、何ら規定していなければ、走査型電子顕微鏡を用いて測定した、100個の一次粒子の円相当径(ヘイウッド径:一次粒子の投影面積と同じ面積を有する円の直径)の個数平均値である。なお、粒子の個数平均一次粒子径は、特に断りがない限り、粉体中の粒子の個数平均一次粒子径を指す。
帯電性の強さは、何ら規定していなければ、摩擦帯電のし易さである。例えば、日本画像学会から提供される標準キャリア(負帯電性トナー用標準キャリア:N−01、正帯電性トナー用標準キャリア:P−01)と測定対象(例えばトナー)とを混ぜて攪拌することで、測定対象を摩擦帯電させる。摩擦帯電させる前と後とでそれぞれ、例えばQ/mメーター(トレック社製「MODEL 212HS」)で測定対象の帯電量を測定する。摩擦帯電の前後での帯電量の変化が大きい測定対象ほど帯電性が強いことを示す。
軟化点(Tm)は、何ら規定していなければ、高化式フローテスター(株式会社島津製作所製「CFT−500D」)を用いて測定した値である。高化式フローテスターで測定されたS字カーブ(横軸:温度、縦軸:ストローク)において、「(ベースラインストローク値+最大ストローク値)/2」となる温度が、Tm(軟化点)に相当する。融点(Mp)の測定値は、何ら規定していなければ、示差走査熱量計(セイコーインスツル株式会社製「DSC−6220」)を用いて測定される吸熱曲線(縦軸:熱流(DSC信号)、横軸:温度)中の最大吸熱ピークの温度である。この吸熱ピークは、結晶化部位の融解に起因して現れる。ガラス転移点(Tg)は、何ら規定していなければ、示差走査熱量計(セイコーインスツル株式会社製「DSC−6220」)を用いて「JIS(日本工業規格)K7121−2012」に従って測定した値である。示差走査熱量計で測定された吸熱曲線(縦軸:熱流(DSC信号)、横軸:温度)において、ガラス転移に起因する変曲点の温度(詳しくは、ベースラインの外挿線と立ち下がりラインの外挿線との交点の温度)が、Tg(ガラス転移点)に相当する。
酸価及び水酸基価の各々の測定値は、何ら規定していなければ、「JIS(日本工業規格)K0070−1992」に従い測定した値である。
数平均分子量(Mn)及び質量平均分子量(Mw)の各々の測定値は、何ら規定していなければ、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて測定した値である。
疎水性の強さ(又は親水性の強さ)は、例えば水滴の接触角(水の濡れ易さ)で表すことができる。水滴の接触角が大きいほど疎水性が強い。
以下、化合物名の後に「系」を付けて、化合物及びその誘導体を包括的に総称する場合がある。化合物名の後に「系」を付けて重合体名を表す場合には、重合体の繰返し単位が化合物又はその誘導体に由来することを意味する。
<第1実施形態:トナーの製造方法>
第1実施形態に係るトナーの製造方法について説明する。なお、第1実施形態に係るトナーの製造方法の説明において、結着樹脂の質量、及び内添剤(トナー母粒子に含まれる成分のうち、結着樹脂以外の成分)の質量は、それぞれトナー材料中の質量を指す。
第1実施形態に係るトナーの製造方法は、溶融混練工程と粉砕工程とを備える。溶融混練工程では、トナー材料を溶融混練することにより、溶融混練物を得る。粉砕工程では、溶融混練物を粉砕することにより、粉砕物を得る。トナー材料は、結着樹脂とカーボンブラック粒子と炭酸カルシウム粒子とを含む。炭酸カルシウム粒子の個数平均一次粒子径は、1.00μm以下である。炭酸カルシウム粒子のBET比表面積に対するカーボンブラック粒子のBET比表面積の比は、18.5以上27.0以下である。つまり、炭酸カルシウム粒子のBET比表面積をCCA(m2/g)とし、カーボンブラック粒子のBET比表面積をCBA(m2/g)としたときに、CBA/CCAの値が18.5以上27.0以下である。以下、炭酸カルシウム粒子のBET比表面積に対するカーボンブラック粒子のBET比表面積の比を、表面積比(CBA/CCA)と記載することがある。BET比表面積の測定方法は、後述する実施例と同じ方法又はその代替方法である。
また、第1実施形態に係るトナーの製造方法では、カーボンブラック粒子の質量は、結着樹脂100質量部に対して3.0質量部以上10.0質量部以下である。また、炭酸カルシウム粒子の質量に対するカーボンブラック粒子の質量の比は、0.40以上0.70以下である。つまり、結着樹脂100質量部に対する炭酸カルシウム粒子の質量をCCM(質量部)とし、結着樹脂100質量部に対するカーボンブラック粒子の質量をCBM(質量部)としたときに、CBM/CCMの値が0.40以上0.70以下である。以下、炭酸カルシウム粒子の質量に対するカーボンブラック粒子の質量の比を、質量比(CBM/CCM)と記載することがある。
第1実施形態に係るトナーの製造方法によれば、上述の構成を備えることにより、帯電性を良好に維持しつつ、黒色度の高いトナーを製造することができる。その理由は、以下のように推測される。
第1実施形態に係るトナーの製造方法では、結着樹脂とカーボンブラック粒子と炭酸カルシウム粒子とを含むトナー材料を溶融混練する。トナー材料に含まれる炭酸カルシウム粒子は、個数平均一次粒子径が1.00μm以下である。また、第1実施形態に係るトナーの製造方法では、表面積比(CBA/CCA)が18.5以上27.0以下であり、かつ質量比(CBM/CCM)が0.40以上0.70以下である。このように、第1実施形態に係るトナーの製造方法では、個数平均一次粒子径1.00μm以下の炭酸カルシウム粒子に対するカーボンブラック粒子のBET比表面積比が18.5以上27.0以下に調整され、かつ炭酸カルシウム粒子に対するカーボンブラック粒子の質量比が0.40以上0.70以下に調整されている。これにより、トナー材料の溶融混練時において、カーボンブラック粒子の凝集が抑制され、その結果、カーボンブラック粒子の結着樹脂への分散性が高くなるものと考えられる。また、第1実施形態に係るトナーの製造方法では、トナー材料に含まれるカーボンブラック粒子の質量が結着樹脂100質量部に対して3.0質量部以上である。よって、第1実施形態に係るトナーの製造方法によれば、黒色度の高いトナーを製造することができる。
また、第1実施形態に係るトナーの製造方法では、トナー材料に含まれるカーボンブラック粒子の質量が結着樹脂100質量部に対して10.0質量部以下である。このように、第1実施形態に係るトナーの製造方法では、得られるトナーの帯電性が低下しない程度にカーボンブラック粒子の質量の上限が設定されている。よって、第1実施形態に係るトナーの製造方法により得られるトナーは、帯電性を良好に維持することができる。
帯電性を良好に維持しつつ、黒色度のより高いトナーを製造するためには、表面積比(CBA/CCA)が18.8以上26.0以下であることが好ましい。また、帯電性を良好に維持しつつ、黒色度のより高いトナーを製造するためには、質量比(CBM/CCM)が0.42以上0.70以下であることが好ましい。
第1実施形態に係るトナーの製造方法で得られるトナー(以下、トナーTAと記載することがある。)は、例えば正帯電性トナーとして、静電潜像の現像に好適に用いることができる。トナーTAは、1成分現像剤として使用してもよい。また、混合装置(例えば、ボールミル)を用いてトナーTAとキャリアとを混合して2成分現像剤として使用してもよい。
トナーTAは、後述する粉砕工程を経て得られる粉砕物(以下、トナー粒子と記載することがある。)を含有する集合体(例えば粉体)である。トナー粒子は、外添剤を備えていてもよい。トナー粒子が外添剤を備える場合には、トナー粒子はトナー母粒子と外添剤とを備える。外添剤はトナー母粒子の表面に付着する。トナー母粒子は、結着樹脂とカーボンブラック粒子と炭酸カルシウム粒子とを含む。トナー母粒子は、必要に応じて、カーボンブラック粒子及び炭酸カルシウム粒子以外の内添剤(例えば、離型剤、電荷制御剤及び磁性粉の少なくとも1つ)を含有してもよい。なお、必要がなければ外添剤を割愛してもよい。外添剤を割愛する場合には、トナー母粒子がトナー粒子に相当する。
画像形成に適したトナーTAを得るためには、トナー母粒子の体積中位径(D50)は、4μm以上9μm以下であることが好ましい。
トナー粒子は、シェル層を備えないトナー粒子であってもよいし、シェル層を備えるトナー粒子(以下、カプセルトナー粒子と記載する。)であってもよい。カプセルトナー粒子では、トナー母粒子が、トナーコアと、トナーコアの表面に形成されたシェル層とを備える。シェル層は、樹脂を含む。例えば、低温で溶融するトナーコアを、耐熱性に優れるシェル層で覆うことで、トナーTAの耐熱保存性及び低温定着性の両立を図ることが可能になる。シェル層を構成する樹脂中に添加剤が分散されていてもよい。シェル層は、トナーコアの表面全体を覆っていてもよいし、トナーコアの表面を部分的に覆っていてもよい。
第1実施形態に係るトナーの製造方法は、溶融混練工程及び粉砕工程以外に、別の工程(例えば、後述する混合工程、微粉砕工程、分級工程、シェル層形成工程及び外添工程の少なくとも1つ)を更に含んでもよい。以下、各工程について説明する。
[混合工程]
第1実施形態に係るトナーの製造方法では、溶融混練工程の前に混合工程を実施してもよい。混合工程では、例えばFMミキサー(日本コークス工業株式会社製)を用いて、結着樹脂、カーボンブラック粒子、炭酸カルシウム粒子、及び必要に応じて添加する他の内添剤を混合して混合物(トナー材料)を得る。以下、混合工程において混合される成分(トナー材料に含有される成分)について説明する。
(結着樹脂)
トナー材料は、結着樹脂を含有する。低温定着性に優れるトナーTAを得るためには、トナー材料は、結着樹脂として熱可塑性樹脂を含有することが好ましく、結着樹脂全体の85質量%以上の割合で熱可塑性樹脂を含有することがより好ましい。熱可塑性樹脂としては、例えば、スチレン系樹脂、アクリル酸エステル系樹脂、オレフィン系樹脂(より具体的には、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等)、ビニル樹脂(より具体的には、塩化ビニル樹脂、ポリビニルアルコール、ビニルエーテル樹脂、N−ビニル樹脂等)、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、及びウレタン樹脂が挙げられる。また、これら各樹脂の共重合体、すなわち上記樹脂中に任意の繰返し単位が導入された共重合体(より具体的には、スチレン−アクリル酸エステル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂等)も、結着樹脂として使用できる。
熱可塑性樹脂は、一種以上の熱可塑性単量体を、付加重合、共重合、又は縮重合させることで得られる。なお、熱可塑性単量体は、単独重合により熱可塑性樹脂になる単量体(より具体的には、アクリル酸エステル系単量体、スチレン系単量体等)、又は縮重合により熱可塑性樹脂になる単量体(例えば、縮重合によりポリエステル樹脂になる多価アルコール及び多価カルボン酸の組合せ)である。
低温定着性に優れるトナーTAを得るためには、トナー材料が、結着樹脂としてポリエステル樹脂を含有することが好ましい。また、カーボンブラック粒子の結着樹脂への分散性をより高めるためには、トナー材料が、結着樹脂として非結晶性ポリエステル樹脂を含有することが好ましく、結着樹脂として非結晶性ポリエステル樹脂のみを含有することがより好ましい。なお、非結晶性ポリエステル樹脂は、明確な融点(Mp)を測定できないことが多い。よって、示差走査熱量計を用いて測定される吸熱曲線において明確に吸熱ピークを判断できないポリエステル樹脂は、非結晶性ポリエステル樹脂と判断して差し支えない。
ポリエステル樹脂は、一種以上の多価アルコールと一種以上の多価カルボン酸とを縮重合させることで得られる。ポリエステル樹脂を合成するためのアルコールとしては、例えば以下に示すような、2価アルコール(より具体的には、脂肪族ジオール、ビスフェノール等)、及び3価以上のアルコールが挙げられる。ポリエステル樹脂を合成するためのカルボン酸としては、例えば以下に示すような、2価カルボン酸、及び3価以上のカルボン酸が挙げられる。なお、多価カルボン酸の代わりに、多価カルボン酸の無水物、多価カルボン酸ハライド等の縮重合によりエステル結合を形成できる多価カルボン酸誘導体を使用してもよい。
脂肪族ジオールの好適な例としては、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,2−プロパンジオール、α,ω−アルカンジオール(より具体的には、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,12−ドデカンジオール等)、2−ブテン−1,4−ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、及びポリテトラメチレングリコールが挙げられる。
ビスフェノールの好適な例としては、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、及びビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物が挙げられる。
3価以上のアルコールの好適な例としては、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、ジグリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、及び1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼンが挙げられる。
2価カルボン酸の好適な例としては、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、マロン酸、1,10−デカンジカルボン酸、コハク酸、アルキルコハク酸(より具体的には、n−ブチルコハク酸、イソブチルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、イソドデシルコハク酸等)、及びアルケニルコハク酸(より具体的には、n−ブテニルコハク酸、イソブテニルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデセニルコハク酸等)が挙げられる。
3価以上のカルボン酸の好適な例としては、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、及びエンポール三量体酸が挙げられる。
非結晶性ポリエステル樹脂を合成するための好適な多価アルコールとしては、ビスフェノール(より具体的には、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物等)が挙げられる。非結晶性ポリエステル樹脂を合成するための好適な多価カルボン酸としては、芳香族ジカルボン酸(より具体的には、テレフタル酸等)、芳香族トリカルボン酸(より具体的には、トリメリット酸等)、及び不飽和ジカルボン酸(より具体的には、フマル酸等)が挙げられる。
(カーボンブラック粒子)
トナー材料は、カーボンブラック粒子を含有する。カーボンブラック粒子としては、表面積比(CBA/CCA)を18.5以上27.0以下の範囲に調整できる限り、特に限定されず、例えばサーマル法、アセチレン法、チャンネル法、ファーネス法、ランプブラック法等の公知の製法により得られたカーボンブラック粒子を用いることができる。表面積比(CBA/CCA)を18.5以上27.0以下の範囲に容易に調整するためには、カーボンブラック粒子のBET比表面積は、90m2/g以上140m2/g以下であることが好ましく、94m2/g以上130m2/g以下であることがより好ましい。
帯電性を良好に維持しつつ、黒色度のより高いトナーTAを製造するためには、カーボンブラック粒子の個数平均一次粒子径は、20nm以上30nm以下であることが好ましく、23nm以上25nm以下であることがより好ましい。
カーボンブラック粒子の質量は、結着樹脂100質量部に対して3.0質量部以上10.0質量部以下である。帯電性を良好に維持しつつ、黒色度のより高いトナーTAを製造するためには、カーボンブラック粒子の質量は、結着樹脂100質量部に対して3.8質量部以上9.8質量部以下であることが好ましい。
なお、トナー材料は、カーボンブラック粒子以外の着色剤を含有してもよい。ただし、黒色度のより高いトナーTAを製造するためには、トナー材料は、着色剤としてカーボンブラック粒子のみを含有することが好ましい。
(炭酸カルシウム粒子)
トナー材料は、炭酸カルシウム粒子を含有する。炭酸カルシウム粒子としては、個数平均一次粒子径が1.00μm以下であり、かつ表面積比(CBA/CCA)を18.5以上27.0以下の範囲に調整できる限り、特に限定されない。例えば、炭酸カルシウム粒子としては、重質炭酸カルシウム粒子、軽質炭酸カルシウム粒子、及びこれらを界面活性剤等で表面処理した炭酸カルシウム粒子が挙げられる。表面積比(CBA/CCA)を18.5以上27.0以下の範囲に容易に調整するためには、炭酸カルシウム粒子のBET比表面積は、2m2/g以上8m2/g以下であることが好ましく、3m2/g以上7m2/g以下であることがより好ましい。
黒色度のより高いトナーTAを製造するためには、炭酸カルシウム粒子の個数平均一次粒子径は、0.80μm以下であることが好ましく、0.10μm以上0.80μm以下であることがより好ましく、0.50μm以上0.80μm以下であることが更に好ましい。
炭酸カルシウム粒子の質量は、質量比(CBM/CCM)が0.40以上0.70以下となるように調整される。帯電性を良好に維持しつつ、黒色度のより高いトナーTAを製造するためには、炭酸カルシウム粒子の質量は、結着樹脂100質量部に対して4.0質量部以上25.0質量部以下であることが好ましく、5.5質量部以上15.4質量部以下であることがより好ましい。
カーボンブラック粒子の結着樹脂への分散性をより高めるためには、炭酸カルシウム粒子の形状が柱状であることが好ましい。柱状の炭酸カルシウム粒子(以下、柱状炭酸カルシウム粒子と記載することがある。)の市販品としては、例えば、奥多摩工業株式会社製「タマパール(登録商標)TP−123」が挙げられる。
(炭酸カルシウム粒子とカーボンブラック粒子との好適な組合せ)
帯電性を良好に維持しつつ、黒色度のより高いトナーTAを製造するためには、トナー材料中の炭酸カルシウム粒子が柱状炭酸カルシウム粒子であり、トナー材料中のカーボンブラック粒子が個数平均一次粒子径23nm以上25nm以下のカーボンブラック粒子であることが好ましい。同様の理由から、トナー材料中の炭酸カルシウム粒子が個数平均一次粒子径0.50μm以上0.80μm以下の柱状炭酸カルシウム粒子であり、トナー材料中のカーボンブラック粒子が個数平均一次粒子径23nm以上25nm以下のカーボンブラック粒子であることがより好ましい。
(離型剤)
トナー材料は、離型剤を含有していてもよい。離型剤は、例えば、耐オフセット性に優れるトナーTAを得る目的で使用される。耐オフセット性に優れるトナーTAを得るためには、離型剤の質量は、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
離型剤としては、例えば、エステルワックス、ポリオレフィンワックス(より具体的には、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等)、マイクロクリスタリンワックス、フッ素樹脂ワックス、フィッシャートロプシュワックス、パラフィンワックス、キャンデリラワックス、モンタンワックス、及びカスターワックスが挙げられる。エステルワックスとしては、天然エステルワックス(より具体的には、カルナバワックス、ライスワックス等)、及び合成エステルワックスが挙げられる。第1実施形態では、一種の離型剤を単独で使用してもよいし、複数種の離型剤を併用してもよい。
結着樹脂と離型剤との相溶性を改善するために、相溶化剤をトナー材料に添加してもよい。
(電荷制御剤)
トナー材料は、電荷制御剤を含有していてもよい。電荷制御剤は、例えば、帯電安定性又は帯電立ち上がり特性に優れるトナーTAを得る目的で使用される。トナーTAの帯電立ち上がり特性は、短時間で所定の帯電レベルにトナーTAを帯電させることができるか否かの指標になる。
トナー材料に負帯電性の電荷制御剤を含有させることで、トナーTAのアニオン性(負帯電性)を強めることができる。また、トナー材料に正帯電性の電荷制御剤を含有させることで、トナーTAのカチオン性(正帯電性)を強めることができる。
正帯電性の電荷制御剤の例としては、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、1,2−オキサジン、1,3−オキサジン、1,4−オキサジン、1,2−チアジン、1,3−チアジン、1,4−チアジン、1,2,3−トリアジン、1,2,4−トリアジン、1,3,5−トリアジン、1,2,4−オキサジアジン、1,3,4−オキサジアジン、1,2,6−オキサジアジン、1,3,4−チアジアジン、1,3,5−チアジアジン、1,2,3,4−テトラジン、1,2,4,5−テトラジン、1,2,3,5−テトラジン、1,2,4,6−オキサトリアジン、1,3,4,5−オキサトリアジン、フタラジン、キナゾリン、キノキサリン等のアジン化合物;アジンファストレッドFC、アジンファストレッド12BK、アジンバイオレットBO、アジンブラウン3G、アジンライトブラウンGR、アジンダークグリ−ンBH/C、アジンディープブラックEW、アジンディープブラック3RL等の直接染料;ニグロシンBK、ニグロシンNB、ニグロシンZ等の酸性染料;アルコキシル化アミン;アルキルアミド;ベンジルデシルヘキシルメチルアンモニウムクロライド、デシルトリメチルアンモニウムクロライド、2−(メタクリロイルオキシ)エチルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド塩化メチル4級塩等の4級アンモニウム塩;4級アンモニウムカチオン基を含む樹脂が挙げられる。これらの電荷制御剤の一種のみを使用してもよく、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
負帯電性の電荷制御剤の例としては、キレート化合物である有機金属錯体が挙げられる。有機金属錯体としては、アセチルアセトン金属錯体、サリチル酸系金属錯体、及びこれらの塩が好ましい。
電荷制御剤の質量は、帯電安定性に優れるトナーTAを得るためには、結着樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上10質量部以下であることが好ましい。
(磁性粉)
トナー材料は、磁性粉を含有していてもよい。磁性粉の材料としては、例えば、強磁性金属(より具体的には、鉄、コバルト、ニッケル等)及びその合金、強磁性金属酸化物(より具体的には、フェライト、マグネタイト、二酸化クロム等)、並びに強磁性化処理が施された材料(より具体的には、熱処理により強磁性が付与された炭素材料等)が挙げられる。第1実施形態では、一種の磁性粉を単独で使用してもよいし、複数種の磁性粉を併用してもよい。
[溶融混練工程]
溶融混練工程では、結着樹脂と、カーボンブラック粒子の粉体と、炭酸カルシウム粒子の粉体とを含むトナー材料を溶融混練することにより、溶融混練物を得る。トナー材料としては、例えば上述した混合工程で得られる混合物が使用できる。トナー材料を溶融混練する方法としては、例えば、2軸押出機等の溶融混練装置を用いてトナー材料を溶融混練する方法が挙げられる。なお、第1実施形態では、混合工程を実施せずに、溶融混練装置にトナー材料の各成分を投入し、溶融混練装置内で、各成分を混合しながら溶融混練してもよい。
トナー材料を均一に溶融混練するためには、トナー材料を100℃以上の温度で溶融混練することが好ましく、115℃以上140℃以下の温度で溶融混練することがより好ましい。
[粉砕工程]
粉砕工程では、溶融混練工程で得られた溶融混練物を、例えば室温(25℃)まで冷却した後、粉砕することにより、粉砕物を得る。溶融混練物を粉砕する方法としては、例えば粉砕機(ホソカワミクロン株式会社製「ロートプレックス(登録商標)」)を用いて粉砕する方法が挙げられる。第1実施形態に係るトナーの製造方法では、粉砕工程で得られた粉砕物をトナー粒子として用いることができる。また、第1実施形態に係るトナーの製造方法では、粉砕工程で得られた粉砕物を用いて以下の工程のうちの1つ以上を実施することで、トナー粒子を製造することもできる。
[微粉砕工程]
第1実施形態において、粉砕工程で得られた粉砕物の小径化が必要な場合は、粉砕物を更に粉砕する工程(微粉砕工程)を実施することができる。微粉砕工程では、粉砕工程で得られた粉砕物を、例えば粉砕機(フロイント・ターボ株式会社製「ターボミルRS型」)を用いて微粉砕することで粉砕物を小径化する。以下、「粉砕物」には、微粉砕工程において微粉砕された粉砕物(微粉砕物)も含まれる。
[分級工程]
第1実施形態において、粉砕物の粒子径を揃える場合は、粉砕物を分級する工程(分級工程)を実施することができる。分級工程では、粉砕物を、例えば風力分級機(日鉄鉱業株式会社製「エルボージェットEJ−LABO型」)を用いて分級することで粉砕物の粒子径を揃える。
[シェル層形成工程]
第1実施形態では、粉砕物の表面にシェル層を形成する工程(シェル層形成工程)を実施してもよい。シェル層形成工程を実施することにより、粉砕物であるトナーコアと、このトナーコアの表面を覆うシェル層とを備えるトナー母粒子が得られる。シェル層の形成方法の例としては、in−situ重合法、液中硬化被膜法、及びコアセルベーション法が挙げられる。以下、「粉砕物」には、上述した方法で得られた粉砕物であるトナーコアと、このトナーコアの表面を覆うシェル層とを備えるトナー母粒子も含まれる。
[外添工程]
第1実施形態では、粉砕物の表面に外添剤を付着させる工程(外添工程)を実施してもよい。外添工程を実施することにより、粉砕物であるトナー母粒子と、このトナー母粒子の表面に付着した外添剤とを備えるトナー粒子が得られる。粉砕物(トナー母粒子)の表面に外添剤を付着させる方法としては、例えば、FMミキサー(日本コークス工業株式会社製)を用いて、粉砕物であるトナー母粒子の粉体と、外添剤粒子の粉体とを混合する方法が挙げられる。
外添剤粒子としては、無機粒子が好ましく、シリカ粒子、及び金属酸化物(より具体的には、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等)の粒子が特に好ましい。第1実施形態では、一種類の外添剤粒子を単独で使用してもよいし、複数種の外添剤粒子を併用してもよい。
トナー母粒子からの外添剤粒子の脱離を抑制しながら外添剤の機能を十分に発揮させるためには、外添剤の量(複数種の外添剤粒子を使用する場合には、それら外添剤粒子の合計量)が、トナー母粒子100質量部に対して、0.5質量部以上10質量部以下であることが好ましい。
外添剤粒子は、表面処理されていてもよい。例えば、外添剤粒子としてシリカ粒子を使用する場合、表面処理剤によりシリカ粒子の表面に疎水性及び/又は正帯電性が付与されていてもよい。表面処理剤としては、例えば、カップリング剤(より具体的には、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、アルミネートカップリング剤等)、シラザン化合物(より具体的には、鎖状シラザン化合物、環状シラザン化合物等)、及びシリコーンオイル(より具体的には、ジメチルシリコーンオイル等)が挙げられる。表面処理剤としては、シランカップリング剤及びシラザン化合物が特に好ましい。シランカップリング剤の好適な例としては、シラン化合物(より具体的には、メチルトリメトキシシラン、アミノシラン等)が挙げられる。シラザン化合物の好適な例としては、HMDS(ヘキサメチルジシラザン)が挙げられる。シリカ基体(未処理のシリカ粒子)の表面が表面処理剤で処理されると、シリカ基体の表面に存在する多数の水酸基(−OH)が部分的に又は全体的に、表面処理剤に由来する官能基に置換される。その結果、表面処理剤に由来する官能基(詳しくは、水酸基よりも疎水性及び/又は正帯電性の強い官能基)を表面に有するシリカ粒子が得られる。
以上、第1実施形態に係るトナーの製造方法について説明した。第1実施形態に係るトナーの製造方法によれば、帯電性を良好に維持しつつ、黒色度の高いトナーを製造することができる。
<第2実施形態:トナー>
次に、第2実施形態に係るトナーの好適な一例について説明する。第2実施形態に係るトナーの好適な一例は、上述した第1実施形態に係る製造方法で得られるトナー(トナーTA)である。以下、第1実施形態と重複する構成要素については、説明を省略する。
第2実施形態に係るトナーの好適な一例は、溶融混練物の粉砕物を含む。溶融混練物の粉砕物としては、例えば、第1実施形態に係るトナーの製造方法の溶融混練工程及び粉砕工程を経て得られる粉砕物が挙げられる。この粉砕物は、トナー母粒子(外添剤を使用しない場合は、トナー粒子)に相当する。
粉砕物は、結着樹脂と、カーボンブラック粒子(例えば、複数個のカーボンブラック粒子)と、炭酸カルシウム粒子(例えば、複数個の炭酸カルシウム粒子)とを含む。粉砕物に含まれる炭酸カルシウム粒子の個数平均一次粒子径は、1.00μm以下である。また、炭酸カルシウム粒子のBET比表面積に対するカーボンブラック粒子のBET比表面積の比は、18.5以上27.0以下である。
カーボンブラック粒子の質量は、結着樹脂100質量部に対して3.0質量部以上10.0質量部以下である。また、炭酸カルシウム粒子の質量に対するカーボンブラック粒子の質量の比は、0.40以上0.70以下である。
第2実施形態に係るトナーの好適な一例によれば、上記構成を備えるため、上述した第1実施形態と同様の理由により、帯電性を良好に維持しつつ、黒色度の高いトナーを提供することができる。
以下、本発明の実施例について比較例と併せて説明する。なお、本発明は実施例の範囲に何ら限定されるものではない。また、以下において、カーボンブラック粒子のBET比表面積、及び炭酸カルシウム粒子のBET比表面積は、何れも全自動BET比表面積測定装置(株式会社マウンテック製「Macsorb(登録商標)HM MODEL−1208」)を用いて測定した。
<結着樹脂の合成>
[非結晶性ポリエステル樹脂P1の合成]
温度計(熱電対)、脱水管、窒素導入管、及び攪拌装置を備えた容量5Lの4つ口フラスコ内に、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物(プロピレンオキサイドの平均付加モル数:2モル)1450gと、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物(エチレンオキサイドの平均付加モル数:2モル)580gと、フマル酸370gと、テレフタル酸1500gと、トリメリット酸120gと、酸化ジブチル錫4gとを入れた。そして、温度220℃でフラスコの内容物を9時間反応させた。続けて、減圧雰囲気(圧力8kPa)かつ温度220℃の条件で、反応生成物(非結晶性ポリエステル樹脂)のTmが131.1℃に達するまでフラスコ内容物を反応させた。その結果、Tg60.8℃、酸価14mgKOH/g、水酸基価31mgKOH/g、質量平均分子量42000、数平均分子量3660の非結晶性ポリエステル樹脂P1が得られた。
[非結晶性ポリエステル樹脂P2の合成]
温度計(熱電対)、脱水管、窒素導入管、及び攪拌装置を備えた容量5Lの4つ口フラスコ内に、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物(プロピレンオキサイドの平均付加モル数:2モル)1450gと、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物(エチレンオキサイドの平均付加モル数:2モル)580gと、フマル酸296gと、テレフタル酸1390gと、トリメリット酸360gと、酸化ジブチル錫4gとを入れた。そして、温度220℃でフラスコの内容物を9時間反応させた。続けて、減圧雰囲気(圧力8kPa)かつ温度220℃の条件で、反応生成物(非結晶性ポリエステル樹脂)のTmが142.2℃に達するまでフラスコ内容物を反応させた。その結果、Tg64.3℃、酸価29mgKOH/g、水酸基価40mgKOH/g、質量平均分子量64500、数平均分子量3418の非結晶性ポリエステル樹脂P2が得られた。
[非結晶性ポリエステル樹脂P3の合成]
温度計(熱電対)、脱水管、窒素導入管、及び攪拌装置を備えた容量5Lの4つ口フラスコ内に、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物(プロピレンオキサイドの平均付加モル数:2モル)1450gと、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物(エチレンオキサイドの平均付加モル数:2モル)580gと、フマル酸440gと、テレフタル酸1500gと、酸化ジブチル錫4gとを入れた。そして、温度220℃でフラスコの内容物を9時間反応させた。続けて、減圧雰囲気(圧力8kPa)かつ温度220℃の条件で、反応生成物(非結晶性ポリエステル樹脂)のTmが122.5℃に達するまでフラスコ内容物を反応させた。その結果、Tg55.0℃、酸価8mgKOH/g、水酸基価20mgKOH/g、質量平均分子量38000、数平均分子量2500の非結晶性ポリエステル樹脂P3が得られた。
<トナーTA−1の作製>
以下、トナーTA−1の作製方法について説明する。
[トナー母粒子の調製]
(混合工程)
FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM−20B」)を用いて、100質量部の非結晶性ポリエステル樹脂P1と、5.0質量部の離型剤(日油株式会社製「ニッサンエレクトール(登録商標)WEP−9」、成分:エステルワックス)と、1.3質量部の電荷制御剤(オリヱント化学工業株式会社製「BONTRON(登録商標)P−51」、成分:4級アンモニウム塩)と、6.3質量部のカーボンブラック粒子(三菱ケミカル株式会社製「#44」、BET比表面積:110m2/g、個数平均一次粒子径:24nm)と、12.5質量部の炭酸カルシウム粒子(奥多摩工業株式会社製「タマパール(登録商標)TP−123」、BET比表面積:5m2/g、個数平均一次粒子径:0.65μm、形状:柱状)とを、回転速度2000rpmの条件で5分間混合した。これにより、混合物(トナー材料)を得た。
(溶融混練工程)
続けて、得られた混合物(トナー材料)を、2軸押出機(株式会社池貝製「PCM−30」)を用いて、材料供給速度6kg/時、軸回転速度160rpm、溶融混練温度(シリンダー温度)120℃の条件で溶融混練した。その後、得られた溶融混練物を、その温度が25℃になるまで冷却した。
(粉砕工程、微粉砕工程及び分級工程)
続けて、冷却された溶融混練物を、粉砕機(ホソカワミクロン株式会社製「ロートプレックス(登録商標)」)を用いて粗粉砕した(粉砕工程)。続けて、得られた粗粉砕物を、粉砕機(フロイント・ターボ株式会社製「ターボミルRS型」)を用いて微粉砕した(微粉砕工程)。続けて、得られた微粉砕物を、風力分級機(日鉄鉱業株式会社製「エルボージェットEJ−LABO型」)を用いて分級した(分級工程)。その結果、体積中位径(D50)7μmのトナー母粒子が得られた。
[外添工程]
続けて、得られたトナー母粒子を外添処理した。詳しくは、100質量部のトナー母粒子と、1.5質量部の疎水性シリカ粒子(日本アエロジル株式会社製「AEROSIL(登録商標)RA−200H」)と、0.8質量部の導電性酸化チタン粒子(チタン工業株式会社製「EC−100」)とを、FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM−10B」)を用いて回転速度3000rpm、ジャケット温度20℃の条件で2分間混合することにより、トナー母粒子の表面に外添剤(疎水性シリカ粒子及び導電性酸化チタン粒子)を付着させた。次いで、得られた粉体を、200メッシュ(目開き75μm)の篩を用いて篩別を行った。その結果、正帯電性のトナーTA−1が得られた。
<トナーTA−2の作製>
トナー母粒子を調製する際の混合工程において、100質量部の非結晶性ポリエステル樹脂P1の代わりに100質量部の非結晶性ポリエステル樹脂P2を用いたこと以外は、トナーTA−1の作製と同様の方法で正帯電性のトナーTA−2を作製した。
<トナーTA−3の作製>
トナー母粒子を調製する際の混合工程において、100質量部の非結晶性ポリエステル樹脂P1の代わりに100質量部の非結晶性ポリエステル樹脂P3を用いたこと以外は、トナーTA−1の作製と同様の方法で正帯電性のトナーTA−3を作製した。
<トナーTA−4の作製>
トナー母粒子を調製する際の混合工程を、以下に示す通りに行ったこと以外は、トナーTA−1の作製と同様の方法で正帯電性のトナーTA−4を作製した。トナーTA−4の作製では、FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM−20B」)を用いて、100質量部の非結晶性ポリエステル樹脂P1と、5.0質量部の離型剤(日油株式会社製「ニッサンエレクトール(登録商標)WEP−9」、成分:エステルワックス)と、1.3質量部の電荷制御剤(オリヱント化学工業株式会社製「BONTRON(登録商標)P−51」、成分:4級アンモニウム塩)と、6.3質量部のカーボンブラック粒子(キャボット社製「REGAL(登録商標)330R」、BET比表面積:94m2/g、個数平均一次粒子径:25nm)と、12.5質量部の炭酸カルシウム粒子(奥多摩工業株式会社製「タマパール(登録商標)TP−123」、BET比表面積:5m2/g、個数平均一次粒子径:0.65μm、形状:柱状)とを、回転速度2000rpmの条件で5分間混合した。これにより、混合物(トナー材料)を得た。
<トナーTA−5の作製>
トナー母粒子を調製する際の混合工程を、以下に示す通りに行ったこと以外は、トナーTA−1の作製と同様の方法で正帯電性のトナーTA−5を作製した。トナーTA−5の作製では、FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM−20B」)を用いて、100質量部の非結晶性ポリエステル樹脂P1と、5.0質量部の離型剤(日油株式会社製「ニッサンエレクトール(登録商標)WEP−9」、成分:エステルワックス)と、1.3質量部の電荷制御剤(オリヱント化学工業株式会社製「BONTRON(登録商標)P−51」、成分:4級アンモニウム塩)と、6.3質量部のカーボンブラック粒子(三菱ケミカル株式会社製「MA77」、BET比表面積:130m2/g、個数平均一次粒子径:23nm)と、12.5質量部の炭酸カルシウム粒子(奥多摩工業株式会社製「タマパール(登録商標)TP−123」、BET比表面積:5m2/g、個数平均一次粒子径:0.65μm、形状:柱状)とを、回転速度2000rpmの条件で5分間混合した。これにより、混合物(トナー材料)を得た。
<トナーTA−6の作製>
トナー母粒子を調製する際の混合工程を、以下に示す通りに行ったこと以外は、トナーTA−1の作製と同様の方法で正帯電性のトナーTA−6を作製した。トナーTA−6の作製では、FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM−20B」)を用いて、100質量部の非結晶性ポリエステル樹脂P1と、5.0質量部の離型剤(日油株式会社製「ニッサンエレクトール(登録商標)WEP−9」、成分:エステルワックス)と、1.3質量部の電荷制御剤(オリヱント化学工業株式会社製「BONTRON(登録商標)P−51」、成分:4級アンモニウム塩)と、6.1質量部のカーボンブラック粒子(三菱ケミカル株式会社製「#44」、BET比表面積:110m2/g、個数平均一次粒子径:24nm)と、9.8質量部の炭酸カルシウム粒子(奥多摩工業株式会社製「タマパール(登録商標)TP−123」、BET比表面積:5m2/g、個数平均一次粒子径:0.65μm、形状:柱状)とを、回転速度2000rpmの条件で5分間混合した。これにより、混合物(トナー材料)を得た。
<トナーTA−7の作製>
トナー母粒子を調製する際の混合工程を、以下に示す通りに行ったこと以外は、トナーTA−1の作製と同様の方法で正帯電性のトナーTA−7を作製した。トナーTA−7の作製では、FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM−20B」)を用いて、100質量部の非結晶性ポリエステル樹脂P1と、5.0質量部の離型剤(日油株式会社製「ニッサンエレクトール(登録商標)WEP−9」、成分:エステルワックス)と、1.3質量部の電荷制御剤(オリヱント化学工業株式会社製「BONTRON(登録商標)P−51」、成分:4級アンモニウム塩)と、6.4質量部のカーボンブラック粒子(三菱ケミカル株式会社製「#44」、BET比表面積:110m2/g、個数平均一次粒子径:24nm)と、15.4質量部の炭酸カルシウム粒子(奥多摩工業株式会社製「タマパール(登録商標)TP−123」、BET比表面積:5m2/g、個数平均一次粒子径:0.65μm、形状:柱状)とを、回転速度2000rpmの条件で5分間混合した。これにより、混合物(トナー材料)を得た。
<トナーTA−8の作製>
トナー母粒子を調製する際の混合工程を、以下に示す通りに行ったこと以外は、トナーTA−1の作製と同様の方法で正帯電性のトナーTA−8を作製した。トナーTA−8の作製では、FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM−20B」)を用いて、100質量部の非結晶性ポリエステル樹脂P1と、5.0質量部の離型剤(日油株式会社製「ニッサンエレクトール(登録商標)WEP−9」、成分:エステルワックス)と、1.3質量部の電荷制御剤(オリヱント化学工業株式会社製「BONTRON(登録商標)P−51」、成分:4級アンモニウム塩)と、9.8質量部のカーボンブラック粒子(三菱ケミカル株式会社製「#44」、BET比表面積:110m2/g、個数平均一次粒子径:24nm)と、14.0質量部の炭酸カルシウム粒子(奥多摩工業株式会社製「タマパール(登録商標)TP−123」、BET比表面積:5m2/g、個数平均一次粒子径:0.65μm、形状:柱状)とを、回転速度2000rpmの条件で5分間混合した。これにより、混合物(トナー材料)を得た。
<トナーTA−9の作製>
トナー母粒子を調製する際の混合工程を、以下に示す通りに行ったこと以外は、トナーTA−1の作製と同様の方法で正帯電性のトナーTA−9を作製した。トナーTA−9の作製では、FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM−20B」)を用いて、100質量部の非結晶性ポリエステル樹脂P1と、5.0質量部の離型剤(日油株式会社製「ニッサンエレクトール(登録商標)WEP−9」、成分:エステルワックス)と、1.3質量部の電荷制御剤(オリヱント化学工業株式会社製「BONTRON(登録商標)P−51」、成分:4級アンモニウム塩)と、3.8質量部のカーボンブラック粒子(三菱ケミカル株式会社製「#44」、BET比表面積:110m2/g、個数平均一次粒子径:24nm)と、5.5質量部の炭酸カルシウム粒子(奥多摩工業株式会社製「タマパール(登録商標)TP−123」、BET比表面積:5m2/g、個数平均一次粒子径:0.65μm、形状:柱状)とを、回転速度2000rpmの条件で5分間混合した。これにより、混合物(トナー材料)を得た。
<トナーTB−1の作製>
トナー母粒子を調製する際の混合工程を、以下に示す通りに行ったこと以外は、トナーTA−1の作製と同様の方法で正帯電性のトナーTB−1を作製した。トナーTB−1の作製では、FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM−20B」)を用いて、100質量部の非結晶性ポリエステル樹脂P1と、5.0質量部の離型剤(日油株式会社製「ニッサンエレクトール(登録商標)WEP−9」、成分:エステルワックス)と、1.3質量部の電荷制御剤(オリヱント化学工業株式会社製「BONTRON(登録商標)P−51」、成分:4級アンモニウム塩)と、6.3質量部のカーボンブラック粒子(キャボット社製「ELFTEX(登録商標)415」、BET比表面積:90m2/g、個数平均一次粒子径:25nm)と、12.5質量部の炭酸カルシウム粒子(奥多摩工業株式会社製「タマパール(登録商標)TP−123」、BET比表面積:5m2/g、個数平均一次粒子径:0.65μm、形状:柱状)とを、回転速度2000rpmの条件で5分間混合した。これにより、混合物(トナー材料)を得た。
<トナーTB−2の作製>
トナー母粒子を調製する際の混合工程を、以下に示す通りに行ったこと以外は、トナーTA−1の作製と同様の方法で正帯電性のトナーTB−2を作製した。トナーTB−2の作製では、FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM−20B」)を用いて、100質量部の非結晶性ポリエステル樹脂P1と、5.0質量部の離型剤(日油株式会社製「ニッサンエレクトール(登録商標)WEP−9」、成分:エステルワックス)と、1.3質量部の電荷制御剤(オリヱント化学工業株式会社製「BONTRON(登録商標)P−51」、成分:4級アンモニウム塩)と、6.3質量部のカーボンブラック粒子(キャボット社製「MOGUL(登録商標) L」、BET比表面積:138m2/g、個数平均一次粒子径:24nm)と、12.5質量部の炭酸カルシウム粒子(奥多摩工業株式会社製「タマパール(登録商標)TP−123」、BET比表面積:5m2/g、個数平均一次粒子径:0.65μm、形状:柱状)とを、回転速度2000rpmの条件で5分間混合した。これにより、混合物(トナー材料)を得た。
<トナーTB−3の作製>
トナー母粒子を調製する際の混合工程を、以下に示す通りに行ったこと以外は、トナーTA−1の作製と同様の方法で正帯電性のトナーTB−3を作製した。トナーTB−3の作製では、FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM−20B」)を用いて、100質量部の非結晶性ポリエステル樹脂P1と、5.0質量部の離型剤(日油株式会社製「ニッサンエレクトール(登録商標)WEP−9」、成分:エステルワックス)と、1.3質量部の電荷制御剤(オリヱント化学工業株式会社製「BONTRON(登録商標)P−51」、成分:4級アンモニウム塩)と、6.0質量部のカーボンブラック粒子(三菱ケミカル株式会社製「#44」、BET比表面積:110m2/g、個数平均一次粒子径:24nm)と、8.4質量部の炭酸カルシウム粒子(奥多摩工業株式会社製「タマパール(登録商標)TP−123」、BET比表面積:5m2/g、個数平均一次粒子径:0.65μm、形状:柱状)とを、回転速度2000rpmの条件で5分間混合した。これにより、混合物(トナー材料)を得た。
<トナーTB−4の作製>
トナー母粒子を調製する際の混合工程を、以下に示す通りに行ったこと以外は、トナーTA−1の作製と同様の方法で正帯電性のトナーTB−4を作製した。トナーTB−4の作製では、FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM−20B」)を用いて、100質量部の非結晶性ポリエステル樹脂P1と、5.0質量部の離型剤(日油株式会社製「ニッサンエレクトール(登録商標)WEP−9」、成分:エステルワックス)と、1.3質量部の電荷制御剤(オリヱント化学工業株式会社製「BONTRON(登録商標)P−51」、成分:4級アンモニウム塩)と、6.5質量部のカーボンブラック粒子(三菱ケミカル株式会社製「#44」、BET比表面積:110m2/g、個数平均一次粒子径:24nm)と、16.9質量部の炭酸カルシウム粒子(奥多摩工業株式会社製「タマパール(登録商標)TP−123」、BET比表面積:5m2/g、個数平均一次粒子径:0.65μm、形状:柱状)とを、回転速度2000rpmの条件で5分間混合した。これにより、混合物(トナー材料)を得た。
<トナーTB−5の作製>
トナー母粒子を調製する際の混合工程を、以下に示す通りに行ったこと以外は、トナーTA−1の作製と同様の方法で正帯電性のトナーTB−5を作製した。トナーTB−5の作製では、FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM−20B」)を用いて、100質量部の非結晶性ポリエステル樹脂P1と、5.0質量部の離型剤(日油株式会社製「ニッサンエレクトール(登録商標)WEP−9」、成分:エステルワックス)と、1.3質量部の電荷制御剤(オリヱント化学工業株式会社製「BONTRON(登録商標)P−51」、成分:4級アンモニウム塩)と、6.3質量部のカーボンブラック粒子(キャボット社製「ELFTEX(登録商標)415」、BET比表面積:90m2/g、個数平均一次粒子径:25nm)と、12.5質量部の炭酸カルシウム粒子(奥多摩工業株式会社製「タマパール(登録商標)TP−121−6S」、BET比表面積:1m2/g、個数平均一次粒子径:1.20μm)とを、回転速度2000rpmの条件で5分間混合した。これにより、混合物(トナー材料)を得た。
<トナーTB−6の作製>
トナー母粒子を調製する際の混合工程を、以下に示す通りに行ったこと以外は、トナーTA−1の作製と同様の方法で正帯電性のトナーTB−6を作製した。トナーTB−6の作製では、FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM−20B」)を用いて、100質量部の非結晶性ポリエステル樹脂P1と、5.0質量部の離型剤(日油株式会社製「ニッサンエレクトール(登録商標)WEP−9」、成分:エステルワックス)と、1.3質量部の電荷制御剤(オリヱント化学工業株式会社製「BONTRON(登録商標)P−51」、成分:4級アンモニウム塩)と、6.3質量部のカーボンブラック粒子(三菱ケミカル株式会社製「#44」、BET比表面積:110m2/g、個数平均一次粒子径:24nm)とを、回転速度2000rpmの条件で5分間混合した。これにより、混合物(トナー材料)を得た。
<トナーTB−7の作製>
トナー母粒子を調製する際の混合工程を、以下に示す通りに行ったこと以外は、トナーTA−1の作製と同様の方法で正帯電性のトナーTB−7を作製した。トナーTB−7の作製では、FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM−20B」)を用いて、100質量部の非結晶性ポリエステル樹脂P1と、5.0質量部の離型剤(日油株式会社製「ニッサンエレクトール(登録商標)WEP−9」、成分:エステルワックス)と、1.3質量部の電荷制御剤(オリヱント化学工業株式会社製「BONTRON(登録商標)P−51」、成分:4級アンモニウム塩)と、11.0質量部のカーボンブラック粒子(三菱ケミカル株式会社製「#44」、BET比表面積:110m2/g、個数平均一次粒子径:24nm)と、22.0質量部の炭酸カルシウム粒子(奥多摩工業株式会社製「タマパール(登録商標)TP−123」、BET比表面積:5m2/g、個数平均一次粒子径:0.65μm、形状:柱状)とを、回転速度2000rpmの条件で5分間混合した。これにより、混合物(トナー材料)を得た。
<トナーTB−8の作製>
トナー母粒子を調製する際の混合工程を、以下に示す通りに行ったこと以外は、トナーTA−1の作製と同様の方法で正帯電性のトナーTB−8を作製した。トナーTB−8の作製では、FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM−20B」)を用いて、100質量部の非結晶性ポリエステル樹脂P1と、5.0質量部の離型剤(日油株式会社製「ニッサンエレクトール(登録商標)WEP−9」、成分:エステルワックス)と、1.3質量部の電荷制御剤(オリヱント化学工業株式会社製「BONTRON(登録商標)P−51」、成分:4級アンモニウム塩)と、2.8質量部のカーボンブラック粒子(三菱ケミカル株式会社製「#44」、BET比表面積:110m2/g、個数平均一次粒子径:24nm)と、5.6質量部の炭酸カルシウム粒子(奥多摩工業株式会社製「タマパール(登録商標)TP−123」、BET比表面積:5m2/g、個数平均一次粒子径:0.65μm、形状:柱状)とを、回転速度2000rpmの条件で5分間混合した。これにより、混合物(トナー材料)を得た。
<評価方法>
[2成分現像剤の調製]
温度23℃かつ湿度50%RHの環境下、現像剤用キャリア(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製の「FS−C5250DN」用キャリア)100質量部と、評価に用いるトナー8質量部とを、ボールミルを用いて30分間混合して、評価に用いる2成分現像剤を調製した。
[黒色度の評価]
評価機としては、Roller−Roller方式の加熱加圧型の定着装置を備えるプリンター(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製「FS−C5250DN」)を用いた。上述のようにして調製した2成分現像剤を評価機のブラック用現像装置に投入し、補給用トナー(評価対象のトナー)を評価機のブラック用トナーコンテナに投入した。
温度23℃かつ湿度50%RHの環境下、上記評価機を用いて、評価用紙(モンディ社製「ColorCopy(登録商標)」、A4サイズ、坪量90g/m2)に、トナー載り量0.4mg/cm2の印刷条件で、大きさ25mm×25mmのソリッド画像を印刷した。これにより、評価に使用する画像を得た。
得られたソリッド画像において、L*値の測定箇所を無作為に5箇所選択し、選択した測定箇所の各々で、下記測定条件に基づいてL*値を測定した。そして、測定された5箇所のL*値の算術平均値を、評価対象のトナーの評価値(L*値)とした。
(L*値の測定条件)
測定装置:反射濃度計(X−Rite社製「SpectroEye(登録商標)」)
観測光源:D50(色温度:5000K)
観測視野角:2°
濃度基準:DIN16536(1995)
白色基準:絶対白色基準(Abs)
フィルター:偏光フィルター(POL)
*値が19.7以下であれば「黒色度が高い」と評価した。一方、L*値が19.7を超える場合、「黒色度が高くない」と評価した。
[帯電性の評価]
前述の方法で2成分現像剤を調製した直後に、調製した2成分現像剤を、温度32.5℃かつ湿度80%RHの高温高湿環境に移し、同環境(温度32.5℃かつ湿度80%RH)下に24時間静置した。その後、同環境(温度32.5℃かつ湿度80%RH)下、2成分現像剤に含まれるトナーの帯電量(単位:μC/g)を、Q/mメーターを用いて測定した。Q/mメーターによる帯電量の測定方法の詳細を以下に示す。
(Q/mメーターによる帯電量の測定方法)
Q/mメーター(トレック社製「MODEL 210HS−1」)の測定セルに2成分現像剤0.10gを投入し、投入された2成分現像剤のうちトナーのみを篩(金網)を介して10秒間吸引した。そして、式「吸引されたトナーの総電気量(単位:μC)/吸引されたトナーの質量(単位:g)」に基づいて、トナーの帯電量(単位:μC/g)を算出した。
トナーの帯電量が15.0μC/g以上であれば、「帯電性を良好に維持できている」と評価した。トナーの帯電量が15.0μC/g未満であれば、「帯電性を良好に維持できていない」と評価した。
トナーTA−1〜TA−9及びTB−1〜TB−8のそれぞれについて、カーボンブラック粒子の質量、炭酸カルシウム粒子の質量及び個数平均一次粒子径、表面積比(CBA/CCA)、質量比(CBM/CCM)、L*値、並びに帯電量を表1に示す。なお、表1において、カーボンブラック粒子の質量及び炭酸カルシウム粒子の質量は、何れも各トナーを作製する際の溶融混練工程で使用した混合物(トナー材料)における、結着樹脂(非結晶性ポリエステル樹脂)100質量部に対する質量である。また、表1において、「−」は、炭酸カルシウム粒子を使用しなかったことを意味する。
Figure 2019211505
表1に示すように、トナーTA−1〜TA−9では、炭酸カルシウム粒子の個数平均一次粒子径が1.00μm以下であった。トナーTA−1〜TA−9では、表面積比(CBA/CCA)が18.5以上27.0以下であった。トナーTA−1〜TA−9では、カーボンブラック粒子の質量が結着樹脂100質量部に対して3.0質量部以上10.0質量部以下であった。トナーTA−1〜TA−9では、質量比(CBM/CCM)が0.40以上0.70以下であった。
表1に示すように、トナーTA−1〜TA−9では、L*値が19.7以下であった。よって、トナーTA−1〜TA−9は、黒色度が高かった。トナーTA−1〜TA−9では、帯電量が15.0μC/g以上であった。よって、トナーTA−1〜TA−9は、帯電性を良好に維持できていた。
表1に示すように、トナーTB−1では、表面積比(CBA/CCA)が18.5未満であった。トナーTB−2及びTB−5では、表面積比(CBA/CCA)が27.0を超えていた。トナーTB−3では、質量比(CBM/CCM)が0.70を超えていた。トナーTB−4では、質量比(CBM/CCM)が0.40未満であった。トナーTB−5では、炭酸カルシウム粒子の個数平均一次粒子径が1.00μmを超えていた。トナーTB−6では、トナー母粒子が炭酸カルシウム粒子を含んでいなかった。トナーTB−7では、カーボンブラック粒子の質量が結着樹脂100質量部に対して10.0質量部を超えていた。トナーTB−8では、カーボンブラック粒子の質量が結着樹脂100質量部に対して3.0質量部未満であった。
表1に示すように、トナーTB−1〜TB−6及びTB−8では、L*値が19.7を超えていた。よって、トナーTB−1〜TB−6及びTB−8は、黒色度が高くなかった。トナーTB−6及びTB−7では、帯電量が15.0μC/g未満であった。よって、トナーTB−6及びTB−7は、帯電性を良好に維持できていなかった。
以上の結果から、本発明の製造方法によれば、帯電性を良好に維持しつつ、黒色度の高いトナーを製造できることが示された。
本発明の製造方法により得られるトナーは、例えば複合機又はプリンターにおいて画像を形成するために利用することができる。

Claims (5)

  1. トナー材料を溶融混練することにより、溶融混練物を得る溶融混練工程と、
    前記溶融混練物を粉砕することにより、粉砕物を得る粉砕工程と
    を備えるトナーの製造方法であって、
    前記トナー材料は、結着樹脂とカーボンブラック粒子と炭酸カルシウム粒子とを含み、
    前記炭酸カルシウム粒子の個数平均一次粒子径は、1.00μm以下であり、
    前記炭酸カルシウム粒子のBET比表面積に対する前記カーボンブラック粒子のBET比表面積の比は、18.5以上27.0以下であり、
    前記カーボンブラック粒子の質量は、前記結着樹脂100質量部に対して3.0質量部以上10.0質量部以下であり、
    前記炭酸カルシウム粒子の質量に対する前記カーボンブラック粒子の質量の比は、0.40以上0.70以下である、トナーの製造方法。
  2. 前記カーボンブラック粒子の個数平均一次粒子径は、20nm以上30nm以下である、請求項1に記載のトナーの製造方法。
  3. 前記炭酸カルシウム粒子のBET比表面積は、2m2/g以上8m2/g以下である、請求項1又は2に記載のトナーの製造方法。
  4. 前記炭酸カルシウム粒子の形状は、柱状である、請求項1〜3の何れか一項に記載のトナーの製造方法。
  5. 溶融混練物の粉砕物を含むトナーであって、
    前記粉砕物は、結着樹脂とカーボンブラック粒子と炭酸カルシウム粒子とを含み、
    前記炭酸カルシウム粒子の個数平均一次粒子径は、1.00μm以下であり、
    前記炭酸カルシウム粒子のBET比表面積に対する前記カーボンブラック粒子のBET比表面積の比は、18.5以上27.0以下であり、
    前記カーボンブラック粒子の質量は、前記結着樹脂100質量部に対して3.0質量部以上10.0質量部以下であり、
    前記炭酸カルシウム粒子の質量に対する前記カーボンブラック粒子の質量の比は、0.40以上0.70以下である、トナー。
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