JP2020112649A - トナー - Google Patents

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Abstract

【課題】高画質の画像を継続的に形成できるトナーを提供する。【解決手段】トナーはトナー粒子10を含む。トナー粒子10は、トナー母粒子11と外添剤とを備える。外添剤は、シリカ粒子12と複合粒子13とを含む。複合粒子13は、基材粒子14と導電性粒子15とを含む。基材粒子14は、チタニア粒子、アルミナ粒子又は架橋樹脂粒子である。導電性粒子15の量は、100質量部の基材粒子14に対して2.0質量部以上13.0質量部以下である。シリカ粒子12の個数平均一次粒子径は20nm以下である。基材粒子14の個数平均一次粒子径は100nm以上250nm以下である。導電性粒子15の個数平均一次粒子径は10nm以上40nm以下である。シリカ粒子12の被覆率は、40%以上80%以下である。複合粒子13の被覆率は、5%以上20%以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、トナーに関する。
特許文献1には、疎水化処理された二種類のシリカ粉体(正帯電性シリカ粉体及び負帯電性シリカ粉体)を外添剤として含むトナーが開示されている。
特開平11−231571号公報
しかしながら、特許文献1に開示される技術だけでは、高画質の画像を継続的に形成できるトナーを得ることは難しい。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、高画質の画像を継続的に形成できるトナーを提供することである。
本発明に係るトナーは、トナー粒子を含む。前記トナー粒子は、結着樹脂を含むトナー母粒子と、前記トナー母粒子の表面に付着した外添剤とを備える。前記外添剤は、外添剤粒子として、シリカ粒子と、複合粒子とを含む。前記複合粒子は、基材粒子と、前記基材粒子の表面に付着した導電性粒子とを含む。前記基材粒子は、チタニア粒子、アルミナ粒子又は架橋樹脂粒子である。前記導電性粒子の量は、前記基材粒子100質量部に対して2.0質量部以上13.0質量部以下である。前記シリカ粒子の個数平均一次粒子径は、20nm以下である。前記基材粒子の個数平均一次粒子径は、100nm以上250nm以下である。前記導電性粒子の個数平均一次粒子径は、10nm以上40nm以下である。前記トナー母粒子の表面領域のうち、前記シリカ粒子が覆っている領域の面積割合は、40%以上80%以下である。前記トナー母粒子の表面領域のうち、前記複合粒子が覆っている領域の面積割合は、5%以上20%以下である。
本発明に係るトナーによれば、高画質の画像を継続的に形成できる。
本発明の実施形態に係るトナーに含まれるトナー粒子の断面構造の一例を示す図である。
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、トナーは、トナー粒子の集合体(例えば粉体)である。外添剤は、外添剤粒子の集合体(例えば粉体)である。粉体(より具体的には、トナー粒子の粉体、基材粒子の粉体、導電性粒子の粉体、外添剤粒子の粉体等)に関する評価結果(形状、物性等を示す値)は、何ら規定していなければ、粉体から粒子を相当数選び取って、それら粒子の各々について測定した値の個数平均である。
粉体の体積中位径(D50)の測定値は、何ら規定していなければ、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(株式会社堀場製作所製「LA−950」)を用いて測定されたメディアン径である。粉体の個数平均一次粒子径は、何ら規定していなければ、走査型電子顕微鏡を用いて測定した、100個の一次粒子の円相当径(ヘイウッド径:一次粒子の投影面積と同じ面積を有する円の直径)の個数平均値である。なお、粒子の個数平均一次粒子径は、特に断りがない限り、粉体中の粒子の個数平均一次粒子径(粉体の個数平均一次粒子径)を指す。
帯電性の強さは、何ら規定していなければ、摩擦帯電のし易さである。例えば、日本画像学会から提供される標準キャリア(負帯電極性トナー用標準キャリア:N−01、正帯電極性トナー用標準キャリア:P−01)と測定対象(例えばトナー)とを混ぜて攪拌することで、測定対象を摩擦帯電させる。摩擦帯電させる前と後とでそれぞれ、例えば吸引式小型帯電量測定装置(トレック社製「MODEL 212HS」)で測定対象の帯電量を測定する。摩擦帯電の前後での帯電量の変化が大きい測定対象ほど帯電性が強いことを示す。
軟化点(Tm)の測定値は、何ら規定していなければ、高化式フローテスター(株式会社島津製作所製「CFT−500D」)を用いて測定した値である。高化式フローテスターで測定されたS字カーブ(横軸:温度、縦軸:ストローク)において、「(ベースラインストローク値+最大ストローク値)/2」となる温度が、Tm(軟化点)に相当する。
疎水性の強さ(又は親水性の強さ)は、例えば水滴の接触角(水の濡れ易さ)で表すことができる。水滴の接触角が大きいほど疎水性が強い。疎水化処理とは、疎水性を強める処理を指す。
「導電性粒子」は、導電性材料から構成された粒子であり、例えば体積抵抗率が10万Ω・cm以下の粒子である。なお、本明細書において、導電性粒子の体積抵抗率は、導電性粒子の粉体の圧縮体(例えば、導電性粒子の粉体を圧力10MPaで圧縮した圧縮体)を、「JIS(日本工業規格)K7194−1994」に従って測定した体積抵抗率である。
以下、化合物名の後に「系」を付けて、化合物及びその誘導体を包括的に総称する場合がある。化合物名の後に「系」を付けて重合体名を表す場合には、重合体の繰返し単位が化合物又はその誘導体に由来することを意味する。アクリル及びメタクリルを包括的に「(メタ)アクリル」と総称する場合がある。アクリロニトリル及びメタクリロニトリルを包括的に「(メタ)アクリロニトリル」と総称する場合がある。
シリカ基体とは、未処理のシリカ粒子を指す。チタニア基体とは、未処理のチタニア粒子を指す。アルミナ基体とは、未処理のアルミナ粒子を指す。架橋樹脂とは、架橋構造を有する樹脂を指す。架橋樹脂粒子とは、構成樹脂が架橋樹脂である樹脂粒子を指す。
本明細書中では、シリカ基体も、シリカ基体に表面処理を施して得たシリカ粒子も、「シリカ粒子」と記載することがある。チタニア基体も、チタニア基体に表面処理を施して得たチタニア粒子も、「チタニア粒子」と記載することがある。アルミナ基体も、アルミナ基体に表面処理を施して得たアルミナ粒子も、「アルミナ粒子」と記載することがある。
<トナー>
本実施形態に係るトナーは、例えば正帯電性トナーとして、静電潜像の現像に好適に用いることができる。本実施形態に係るトナーは、トナー粒子(それぞれ後述する構成を有する粒子)の集合体(例えば粉体)である。トナーは、1成分現像剤として使用してもよい。また、混合装置(例えば、ボールミル)を用いてトナーとキャリアとを混合して、2成分現像剤を調製してもよい。
本実施形態に係るトナーに含まれるトナー粒子は、結着樹脂を含むトナー母粒子と、トナー母粒子の表面に付着した外添剤とを備える。外添剤は、外添剤粒子として、シリカ粒子と、複合粒子とを含む。複合粒子は、基材粒子と、基材粒子の表面に付着した導電性粒子とを含む。基材粒子は、チタニア粒子、アルミナ粒子又は架橋樹脂粒子である。導電性粒子の量は、基材粒子100質量部に対して2.0質量部以上13.0質量部以下である。シリカ粒子の個数平均一次粒子径は、20nm以下である。基材粒子の個数平均一次粒子径は、100nm以上250nm以下である。導電性粒子の個数平均一次粒子径は、10nm以上40nm以下である。トナー母粒子の表面領域のうち、シリカ粒子が覆っている領域の面積割合は、40%以上80%以下である。トナー母粒子の表面領域のうち、複合粒子が覆っている領域の面積割合は、5%以上20%以下である。
以下、トナー母粒子の表面領域のうち、シリカ粒子が覆っている領域の面積割合を、第1被覆率と記載することがある。また、トナー母粒子の表面領域のうち、複合粒子が覆っている領域の面積割合を、第2被覆率と記載することがある。第1被覆率の測定方法、及び第2被覆率の測定方法は、後述する実施例と同じ方法又はそれに準ずる方法である。
本実施形態に係るトナーによれば、上述の構成を備えているため、高画質の画像を継続的に形成できる。その理由は、以下のように推測される。
通常、外添剤としてシリカ粒子を使用すると、トナーに優れた流動性及び帯電安定性が付与される。しかし、トナー粒子の外添剤としてシリカ粒子のみを使用した場合には、現像装置内において、トナー粒子同士の衝突、又はトナー粒子とキャリア粒子との衝突により、シリカ粒子がトナー母粒子に埋没し易くなる。その結果、トナー粒子の流動性及び帯電安定性が低下する場合がある。また、トナー粒子の外添剤としてシリカ粒子のみを使用した場合には、トナー粒子の表面において帯電したシリカ粒子が、トナー母粒子に付着した状態で、画像形成装置内の部材(より具体的には、感光体ドラム、転写ベルト等)に付着する場合がある。そのため、外添剤としてシリカ粒子のみを含むトナーを用いて、多数枚(例えば1万枚)の印刷を連続して行うと、トナー粒子の流動性及び帯電安定性が低下すると共に、トナー粒子が画像形成装置内の部材に付着することで、印刷される画像の濃度が徐々に薄くなる傾向がある。
本実施形態に係るトナーでは、外添剤が、シリカ粒子と、複合粒子とを含み、複合粒子が、基材粒子と、基材粒子の表面に付着した導電性粒子とを含む。また、複合粒子では、導電性粒子の量が、基材粒子100質量部に対して2.0質量部以上である。このように、複合粒子は、導電性が付与されているため、帯電しにくくなる。よって、複合粒子は、画像形成装置内の部材に付着しにくい傾向がある。また、本実施形態に係るトナーでは、シリカ粒子の個数平均一次粒子径が20nm以下であり、基材粒子の個数平均一次粒子径が100nm以上であり、導電性粒子の個数平均一次粒子径が10nm以上である。更に、本実施形態に係るトナーでは、第1被覆率が80%以下であり、第2被覆率が5%以上である。そのため、本実施形態に係るトナーでは、複合粒子が、トナー母粒子に付着したシリカ粒子と、画像形成装置内の他の要素(より具体的には、他のトナー母粒子、キャリア、画像形成装置内の部材等)との接触を抑制するスペーサーとして機能する。
また、本実施形態に係るトナーでは、基材粒子が、チタニア粒子、アルミナ粒子又は架橋樹脂粒子である。チタニア粒子、アルミナ粒子及び架橋樹脂粒子は、外添剤粒子として使用される粒子の中で、表面が比較的硬い。そのため、チタニア粒子、アルミナ粒子又は架橋樹脂粒子を含む複合粒子は、シリカ粒子がトナー母粒子に埋没することを抑制するスペーサーとして機能する。
また、本実施形態に係るトナーでは、導電性粒子の量が、基材粒子100質量部に対して13.0質量部以下である。また、本実施形態に係るトナーでは、基材粒子の個数平均一次粒子径が250nm以下であり、導電性粒子の個数平均一次粒子径が40nm以下である。更に、本実施形態に係るトナーでは、第1被覆率が40%以上であり、第2被覆率が20%以下である。このように、本実施形態に係るトナーでは、シリカ粒子の流動性付与機能及び帯電安定性付与機能が損なわれない程度に、導電性粒子の量の上限、基材粒子の個数平均一次粒子径の上限、導電性粒子の個数平均一次粒子径の上限、第1被覆率の下限、及び第2被覆率の上限が設定されている。
従って、本実施形態に係るトナーでは、シリカ粒子がトナーに優れた流動性及び帯電安定性を付与すると共に、複合粒子が、シリカ粒子と他の要素との接触を抑制し、かつシリカ粒子がトナー母粒子に埋没することを抑制するスペーサーとして機能するため、本実施形態に係るトナーによれば、高画質の画像を継続的に形成できる。
本実施形態に係るトナーにおいて、より高画質の画像を継続的に形成するためには、導電性粒子の量が、基材粒子100質量部に対して3.0質量部以上11.5質量部以下であることが好ましい。
本実施形態に係るトナーにおいて、より高画質の画像を継続的に形成するためには、シリカ粒子の個数平均一次粒子径が7nm以上20nm以下であることが好ましく、7nm以上15nm以下であることがより好ましく、10nm以上15nm以下であることが更に好ましい。
本実施形態に係るトナーにおいて、より高画質の画像を継続的に形成するためには、導電性粒子の個数平均一次粒子径が20nm以上30nm以下であることが好ましい。
本実施形態に係るトナーに含まれるトナー粒子は、シェル層を備えないトナー粒子であってもよいし、シェル層を備えるトナー粒子(以下、カプセルトナー粒子と記載することがある)であってもよい。カプセルトナー粒子では、トナー母粒子が、結着樹脂を含むトナーコアと、トナーコアの表面を覆うシェル層とを備える。シェル層は、樹脂を含む。例えば、低温で溶融するトナーコアを、耐熱性に優れるシェル層で覆うことで、トナーの耐熱保存性及び低温定着性の両立を図ることが可能になる。シェル層を構成する樹脂中に添加剤が分散されていてもよい。シェル層は、トナーコアの表面全体を覆っていてもよいし、トナーコアの表面を部分的に覆っていてもよい。
画像形成に適したトナーを得るためには、トナー母粒子の体積中位径(D50)は、4μm以上9μm以下であることが好ましい。
トナー母粒子は、結着樹脂以外に、必要に応じて、内添剤(例えば、着色剤、離型剤、電荷制御剤、及び磁性粉の少なくとも1つ)を含有してもよい。
以下、本実施形態に係るトナーの詳細について、適宜図面を参照しながら説明する。なお、参照する図1は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の大きさ、個数、形状等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合がある。
[トナー粒子の構成]
以下、図1を参照して、本実施形態に係るトナーに含まれるトナー粒子の構成について説明する。図1は、本実施形態に係るトナーに含まれるトナー粒子の断面構造の一例を示す図である。
図1に示されるトナー粒子10は、結着樹脂を含むトナー母粒子11と、トナー母粒子11の表面に付着した外添剤とを備える。外添剤は、外添剤粒子として、シリカ粒子12と、複合粒子13とを含む。複合粒子13は、基材粒子14と、基材粒子14の表面に付着した導電性粒子15とを含む。導電性粒子15は、1つの基材粒子14の表面に、例えば複数個付着している。基材粒子14は、チタニア粒子、アルミナ粒子又は架橋樹脂粒子である。
導電性粒子15の量は、100質量部の基材粒子14に対して2.0質量部以上13.0質量部以下である。シリカ粒子12の個数平均一次粒子径は、20nm以下である。基材粒子14の個数平均一次粒子径は、100nm以上250nm以下である。導電性粒子15の個数平均一次粒子径は、10nm以上40nm以下である。
トナー母粒子11の表面領域のうち、シリカ粒子12が覆っている領域の面積割合は、40%以上80%以下である。トナー母粒子11の表面領域のうち、複合粒子13が覆っている領域の面積割合は、5%以上20%以下である。
なお、図1では、複合粒子13がトナー母粒子11に食い込んだ状態で付着しているが、複合粒子13は、トナー母粒子11に食い込んだ状態で付着していなくてもよい。ただし、複合粒子13とトナー母粒子11との密着性を向上させるためには、複合粒子13がトナー母粒子11に食い込んだ状態で付着していることが好ましい。
以上、図1を参照しながら、本実施形態に係るトナーに含まれるトナー粒子の構成の一例について説明した。
[トナー粒子の要素]
次に、本実施形態に係るトナーに含まれるトナー粒子の要素について説明する。
(結着樹脂)
トナー母粒子は、例えば全成分の70質量%以上を結着樹脂が占める。このため、結着樹脂の性質がトナー母粒子全体の性質に大きな影響を与えると考えられる。結着樹脂として複数種の樹脂を組み合わせて使用することで、結着樹脂の性質(より具体的には、ガラス転移点等)を調整することができる。
低温定着性に優れるトナーを得るためには、トナー母粒子は、結着樹脂として熱可塑性樹脂を含有することが好ましく、結着樹脂全体の85質量%以上の割合で熱可塑性樹脂を含有することがより好ましい。熱可塑性樹脂としては、例えば、スチレン系樹脂、アクリル酸エステル系樹脂、オレフィン系樹脂(より具体的には、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等)、ビニル樹脂(より具体的には、塩化ビニル樹脂、ポリビニルアルコール、ビニルエーテル樹脂、N−ビニル樹脂等)、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、及びウレタン樹脂が挙げられる。また、これら各樹脂の共重合体、すなわち上記樹脂中に任意の繰返し単位が導入された共重合体(より具体的には、スチレン−アクリル酸エステル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂等)も、結着樹脂として使用できる。
熱可塑性樹脂は、一種以上の熱可塑性モノマーを、付加重合、共重合、又は縮重合させることで得られる。なお、熱可塑性モノマーは、単独重合により熱可塑性樹脂になるモノマー(より具体的には、アクリル酸エステル系モノマー、スチレン系モノマー等)、又は縮重合により熱可塑性樹脂になるモノマー(例えば、縮重合によりポリエステル樹脂になる多価アルコール及び多価カルボン酸の組合せ)である。
低温定着性に優れるトナーを得るためには、トナー母粒子が、結着樹脂としてポリエステル樹脂を含有することが好ましく、結着樹脂全体の80質量%以上100質量%以下の割合でポリエステル樹脂を含有することがより好ましい。ポリエステル樹脂は、一種以上の多価アルコールと一種以上の多価カルボン酸とを縮重合させることで得られる。ポリエステル樹脂を合成するためのアルコールとしては、例えば以下に示すような、2価アルコール(より具体的には、脂肪族ジオール、ビスフェノール等)、及び3価以上のアルコールが挙げられる。ポリエステル樹脂を合成するためのカルボン酸としては、例えば以下に示すような、2価カルボン酸、及び3価以上のカルボン酸が挙げられる。なお、多価カルボン酸の代わりに、多価カルボン酸の無水物、多価カルボン酸ハライド等の縮重合によりエステル結合を形成できる多価カルボン酸誘導体を使用してもよい。
脂肪族ジオールの好適な例としては、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,2−プロパンジオール、α,ω−アルカンジオール(より具体的には、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,12−ドデカンジオール等)、2−ブテン−1,4−ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、及びポリテトラメチレングリコールが挙げられる。
ビスフェノールの好適な例としては、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、及びビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物が挙げられる。
3価以上のアルコールの好適な例としては、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、ジグリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、及び1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼンが挙げられる。
2価カルボン酸の好適な例としては、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、マロン酸、1,10−デカンジカルボン酸、コハク酸、アルキルコハク酸(より具体的には、n−ブチルコハク酸、イソブチルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、イソドデシルコハク酸等)、及びアルケニルコハク酸(より具体的には、n−ブテニルコハク酸、イソブテニルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデセニルコハク酸等)が挙げられる。
3価以上のカルボン酸の好適な例としては、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、及びエンポール三量体酸が挙げられる。
(着色剤)
トナー母粒子は、着色剤を含有していてもよい。着色剤としては、トナーの色に合わせて公知の顔料又は染料を用いることができる。トナーを用いて高画質の画像を形成するためには、着色剤の量が、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
トナー母粒子は、黒色着色剤を含有していてもよい。黒色着色剤の例としては、カーボンブラックが挙げられる。また、黒色着色剤は、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤、及びシアン着色剤を用いて黒色に調色された着色剤であってもよい。
トナー母粒子は、カラー着色剤を含有していてもよい。カラー着色剤としては、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤、及びシアン着色剤が挙げられる。
イエロー着色剤としては、例えば、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、及びアリールアミド化合物からなる群より選択される一種以上の化合物を使用できる。イエロー着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー(3、12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、191、及び194)、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、並びにC.I.バットイエローが挙げられる。
マゼンタ着色剤としては、例えば、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン化合物、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、及びペリレン化合物からなる群より選択される一種以上の化合物を使用できる。マゼンタ着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントレッド(2、3、5、6、7、19、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、144、146、150、166、169、177、184、185、202、206、220、221、及び254)が挙げられる。
シアン着色剤としては、例えば、銅フタロシアニン化合物、アントラキノン化合物、及び塩基染料レーキ化合物からなる群より選択される一種以上の化合物を使用できる。シアン着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントブルー(1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、及び66)、フタロシアニンブルー、C.I.バットブルー、並びにC.I.アシッドブルーが挙げられる。
(離型剤)
トナー母粒子は、離型剤を含有していてもよい。離型剤は、例えば、耐オフセット性に優れるトナーを得るために使用される。耐オフセット性に優れるトナーを得るためには、離型剤の量は、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
離型剤としては、例えば、エステルワックス、ポリオレフィンワックス(より具体的には、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等)、マイクロクリスタリンワックス、フッ素樹脂ワックス、フィッシャートロプシュワックス、パラフィンワックス、キャンデリラワックス、モンタンワックス、及びカスターワックスが挙げられる。エステルワックスとしては、天然エステルワックス(より具体的には、カルナバワックス、ライスワックス等)、及び合成エステルワックスが挙げられる。本実施形態では、一種の離型剤を単独で使用してもよいし、複数種の離型剤を併用してもよい。
結着樹脂と離型剤との相溶性を改善するために、相溶化剤をトナー母粒子に添加してもよい。
(電荷制御剤)
トナー母粒子は、電荷制御剤を含有していてもよい。電荷制御剤は、例えば、帯電安定性又は帯電立ち上がり特性に優れるトナーを得るために使用される。トナーの帯電立ち上がり特性は、短時間で所定の帯電レベルにトナーを帯電させることができるか否かの指標になる。
トナー母粒子に正帯電性の電荷制御剤を含有させることで、トナー母粒子のカチオン性(正帯電性)を強めることができる。また、トナー母粒子に負帯電性の電荷制御剤を含有させることで、トナー母粒子のアニオン性(負帯電性)を強めることができる。
正帯電性の電荷制御剤の例としては、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、1,2−オキサジン、1,3−オキサジン、1,4−オキサジン、1,2−チアジン、1,3−チアジン、1,4−チアジン、1,2,3−トリアジン、1,2,4−トリアジン、1,3,5−トリアジン、1,2,4−オキサジアジン、1,3,4−オキサジアジン、1,2,6−オキサジアジン、1,3,4−チアジアジン、1,3,5−チアジアジン、1,2,3,4−テトラジン、1,2,4,5−テトラジン、1,2,3,5−テトラジン、1,2,4,6−オキサトリアジン、1,3,4,5−オキサトリアジン、フタラジン、キナゾリン、キノキサリン等のアジン化合物;アジンファストレッドFC、アジンファストレッド12BK、アジンバイオレットBO、アジンブラウン3G、アジンライトブラウンGR、アジンダークグリ−ンBH/C、アジンディープブラックEW、アジンディープブラック3RL等の直接染料;ニグロシンBK、ニグロシンNB、ニグロシンZ等の酸性染料;アルコキシル化アミン;アルキルアミド;ベンジルデシルヘキシルメチルアンモニウムクロライド、デシルトリメチルアンモニウムクロライド、2−(メタクリロイルオキシ)エチルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド塩化メチル4級塩等の4級アンモニウム塩;4級アンモニウムカチオン基を含む樹脂が挙げられる。これらの電荷制御剤の一種のみを使用してもよく、二種以上の電荷制御剤を組み合わせて使用してもよい。
負帯電性の電荷制御剤の例としては、キレート化合物である有機金属錯体が挙げられる。有機金属錯体としては、アセチルアセトン金属錯体、サリチル酸系金属錯体、及びこれらの塩が好ましい。
帯電安定性に優れるトナーを得るためには、電荷制御剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
(磁性粉)
トナー母粒子は、磁性粉を含有していてもよい。磁性粉の材料としては、例えば、強磁性金属(より具体的には、鉄、コバルト、ニッケル等)及びその合金、強磁性金属酸化物(より具体的には、フェライト、マグネタイト、二酸化クロム等)、並びに強磁性化処理が施された材料(より具体的には、熱処理により強磁性が付与された炭素材料等)が挙げられる。本実施形態では、一種の磁性粉を単独で使用してもよいし、複数種の磁性粉を併用してもよい。
(外添剤)
本実施形態に係るトナーに含まれるトナー粒子は、トナー母粒子の表面に付着した外添剤を備える。外添剤は、外添剤粒子として、シリカ粒子と、複合粒子とを含む。複合粒子は、基材粒子と、基材粒子の表面に付着した導電性粒子とを含む。なお、シリカ粒子、基材粒子及び導電性粒子としては、市販品を用いてもよく、例えば公知の方法に基づき製造してもよい。
〔シリカ粒子〕
シリカ粒子としては、個数平均一次粒子径が20nm以下のシリカ粒子である限り、特に限定されない。例えば、シリカ粒子は、乾式法(より具体的には、燃焼法、爆燃法等)で作製されたシリカ粒子であってもよいし、湿式法(より具体的には、沈降法、ゲル法、ゾルゲル法等)で作製されたシリカ粒子であってもよい。また、シリカ粒子は、シリカ基体であってもよく、表面処理剤を用いてシリカ基体に表面処理を施して得たシリカ粒子であってもよい。表面処理剤としては、例えば、カップリング剤(より具体的には、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、アルミネートカップリング剤等)、シラザン化合物(より具体的には、鎖状シラザン化合物、環状シラザン化合物等)、及びシリコーンオイル(より具体的には、ジメチルシリコーンオイル等)が挙げられる。表面処理剤としては、シランカップリング剤及びシラザン化合物が特に好ましい。シランカップリング剤の好適な例としては、シラン化合物(より具体的には、メチルトリメトキシシラン、アミノシラン等)が挙げられる。シラザン化合物の好適な例としては、HMDS(ヘキサメチルジシラザン)が挙げられる。
シリカ基体の表面が表面処理剤で処理されると、シリカ基体の表面に存在する多数の水酸基(−OH)が部分的に又は全体的に、表面処理剤に由来する官能基に置換される。その結果、表面処理剤に由来する官能基(詳しくは、水酸基よりも疎水性及び/又は正帯電性の強い官能基)を表面に有するシリカ粒子が得られる。本実施形態に係るトナーを正帯電性トナーとして使用する場合、シリカ粒子としては、水酸基よりも正帯電性の強い官能基(例えばアミノ基)を表面に有するシリカ粒子が好ましい。
〔複合粒子〕
複合粒子は、基材粒子と、基材粒子の表面に付着した導電性粒子とを含む。より高画質の画像を継続的に形成するためには、複合粒子は、基材粒子と導電性粒子とから構成されていることが好ましい。
まず、基材粒子について説明する。基材粒子は、以下の(1)及び(2)の条件を満たす限り、特に限定されない。
(1)チタニア粒子、アルミナ粒子又は架橋樹脂粒子である。
(2)個数平均一次粒子径が100nm以上250nm以下である。
基材粒子としてチタニア粒子を使用する場合、チタニア粒子は、チタニア基体であってもよく、チタニア基体に表面処理を施して得たチタニア粒子であってもよい。ただし、チタニア粒子と導電性粒子との密着性を高めるためには、複合粒子を形成する前のチタニア粒子としては、チタニア基体(表面処理されていないチタニア粒子)が好ましい。
基材粒子としてアルミナ粒子を使用する場合、アルミナ粒子は、アルミナ基体であってもよく、アルミナ基体に表面処理を施して得たアルミナ粒子であってもよい。ただし、アルミナ粒子と導電性粒子との密着性を高めるためには、複合粒子を形成する前のアルミナ粒子としては、アルミナ基体(表面処理されていないアルミナ粒子)が好ましい。
基材粒子として架橋樹脂粒子を使用する場合、個数平均一次粒子径を100nm以上250nm以下の範囲に容易に調整するためには、架橋樹脂粒子としては、スチレン系モノマーと、アクリル酸系モノマーと、2個以上の不飽和結合(例えば、炭素−炭素二重結合)を有する架橋剤との重合物(以下、特定架橋重合物と記載することがある)を含む樹脂粒子が好ましい。より高画質の画像を継続的に形成するためには、架橋樹脂粒子が、構成樹脂として特定架橋重合物のみを含むことが好ましい。架橋樹脂粒子の個数平均一次粒子径は、例えば、架橋剤の種類、架橋剤の使用量、重合時に使用する界面活性剤の種類、及び重合時に使用する界面活性剤の使用量の少なくとも1つを変更することにより、調整できる。
特定架橋重合物を合成するためのスチレン系モノマーとしては、例えばスチレン、アルキルスチレン、ヒドロキシスチレン、及びハロゲン化スチレンが挙げられる。アルキルスチレンとしては、例えばα−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン、及び4−t−ブチルスチレンが挙げられる。ヒドロキシスチレンとしては、例えばp−ヒドロキシスチレン、及びm−ヒドロキシスチレンが挙げられる。ハロゲン化スチレンとしては、例えばα−クロロスチレン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、及びp−クロロスチレンが挙げられる。特定架橋重合物を容易に合成するためには、スチレン系モノマーとしてはスチレンが好ましい。
特定架橋重合物を合成するためのアクリル酸系モノマーとしては、例えば(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、及び(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルが挙げられる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、及び(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルが挙げられる。(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルとしては、例えば(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、及び(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチルが挙げられる。特定架橋重合物を容易に合成するためには、アクリル酸系モノマーとしては、(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましく、メタクリル酸メチルがより好ましい。
特定架橋重合物を合成するための2個以上の不飽和結合を有する架橋剤としては、例えばN,N’−メチレンビスアクリルアミド、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、及び1,6−ヘキサンジオールジメタクリレートが挙げられる。
より高画質の画像を継続的に形成するためには、2個以上の不飽和結合を有する架橋剤としては、ジビニルベンゼンが好ましい。
更に高画質の画像を継続的に形成するためには、架橋樹脂粒子が、構成樹脂として、スチレンと、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、ジビニルベンゼンとの重合物を含むことが好ましい。同じ理由から、架橋樹脂粒子が、構成樹脂として、スチレンと、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、ジビニルベンゼンとの重合物のみを含むことがより好ましく、架橋樹脂粒子が、構成樹脂として、スチレンと、メタクリル酸メチルと、ジビニルベンゼンとの重合物のみを含むことが更に好ましい。
次に、導電性粒子について説明する。導電性粒子は、個数平均一次粒子径が10nm以上40nm以下である限り特に限定されない。
より高画質の画像を継続的に形成するためには、導電性粒子は、アンチモンがドープされた酸化スズ粒子(以下、ATO粒子と記載することがある)、又はアルミニウムがドープされた酸化亜鉛粒子(以下、AZO粒子と記載することがある)であることが好ましい。
より高画質の画像を継続的に形成するためには、導電性粒子の体積抵抗率が、1Ω・cm以上10万Ω・cm以下であることが好ましく、1Ω・cm以上2万Ω・cm以下であることがより好ましく、3Ω・cm以上1万Ω・cm以下であることが更に好ましい。
複合粒子は、例えば混合機(より具体的には、日本コークス工業株式会社製のFMミキサー等)を用いて、基材粒子と導電性粒子とを混合して、基材粒子の表面に導電性粒子を付着させることにより得られる。基材粒子100質量部に対する導電性粒子の量は、例えば、混合する際の基材粒子の質量に対する導電性粒子の添加量を変更することにより調整できる。
基材粒子としてチタニア粒子又はアルミナ粒子を使用する場合、トナー粒子の帯電安定性を容易に維持するためには、複合粒子の表面が疎水化処理されていることが好ましい。
複合粒子の表面を疎水化処理するための疎水化剤としては、例えば、シランカップリング剤及びチタネートカップリング剤が挙げられ、より高画質の画像を継続的に形成するためには、チタネートカップリング剤が好ましい。
疎水化剤として好適なチタネートカップリング剤の例としては、アルキル基(疎水性基)を含む有機基と、アルコキシ基とを有するチタネートカップリング剤が挙げられる。なお、上記アルキル基を含む有機基には、アルコキシ基は含まれない。
アルキル基を含む有機基と、アルコキシ基とを有するチタネートカップリング剤としては、例えば、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、チタンジイソプロポキシビス(アセチルアセトネート)、及びチタニウムジ−2−エチルヘキソキシビス(2−エチル−3−ヒドロキシヘキソキシド)が挙げられる。
より高画質の画像を継続的に形成するためには、チタネートカップリング剤としては、イソプロピルトリイソステアロイルチタネートが好ましい。
チタネートカップリング剤を用いて複合粒子の表面を疎水化処理する場合、例えば、水分によりチタネートカップリング剤のアルコキシ基が加水分解されて生成した水酸基が、複合粒子の表面に存在する水酸基と脱水縮合反応する。こうした反応により、複合粒子の表面にチタネートカップリング剤由来のアルキル基(疎水性基)が付与される。
〔材料の組合せ〕
更に高画質の画像を継続的に形成するためには、複合粒子に含まれる基材粒子及び導電性粒子が、以下の表1に示す組合せ例1〜4のいずれかであることが好ましい。
Figure 2020112649
また、特に高画質の画像を継続的に形成するためには、複合粒子に含まれる基材粒子及び導電性粒子が表1に示す組合せ例1であることが好ましく、複合粒子に含まれる基材粒子及び導電性粒子が表1に示す組合せ例1であり、かつ複合粒子の表面がイソプロピルトリイソステアロイルチタネートで疎水化処理されていることがより好ましい。
〔他の外添剤粒子〕
外添剤は、外添剤粒子としてシリカ粒子及び複合粒子のみを含んでいてもよく、シリカ粒子及び複合粒子以外に他の外添剤粒子を含んでいてもよい。ただし、より高画質の画像を継続的に形成するためには、外添剤は、外添剤粒子として、シリカ粒子及び複合粒子のみを含むことが好ましい。
トナー母粒子からの外添剤の脱離を抑制しながら外添剤の機能を十分に発揮させるためには、外添剤の量(他の外添剤粒子を使用する場合には、シリカ粒子、複合粒子、及び他の外添剤粒子の合計量)が、トナー母粒子100質量部に対して、3.0質量部以上10.0質量部以下であることが好ましい。
<トナーの製造方法>
次に、上述した実施形態に係るトナーの好適な製造方法について説明する。以下、上述した実施形態に係るトナーと重複する構成要素については説明を省略する。
[トナー母粒子の調製工程]
まず、凝集法又は粉砕法によりトナー母粒子を調製する。
凝集法は、例えば、凝集工程及び合一化工程を含む。凝集工程では、トナー母粒子を構成する成分を含む微粒子を水性媒体中で凝集させて、凝集粒子を形成する。合一化工程では、凝集粒子に含まれる成分を水性媒体中で合一化させてトナー母粒子を形成する。
次に粉砕法を説明する。粉砕法によれば、比較的容易にトナー母粒子を調製できる上、製造コストの低減が可能である。粉砕法でトナー母粒子を調製する場合、トナー母粒子の調製工程は、例えば溶融混練工程と、粉砕工程とを備える。トナー母粒子の調製工程は、溶融混練工程の前に混合工程を更に備えてもよい。また、トナー母粒子の調製工程は、粉砕工程後に、微粉砕工程及び分級工程の少なくとも一方を更に備えてもよい。
混合工程では、結着樹脂と、必要に応じて添加する内添剤とを混合して、混合物を得る。溶融混練工程では、トナー材料を溶融し混練して、溶融混練物を得る。トナー材料としては、例えば混合工程で得られる混合物が用いられる。粉砕工程では、得られた溶融混練物を、例えば室温(25℃)まで冷却した後、粉砕して粉砕物を得る。粉砕工程で得られた粉砕物の小径化が必要な場合は、粉砕物を更に粉砕する工程(微粉砕工程)を実施してもよい。また、粉砕物の粒径を揃える場合は、得られた粉砕物を分級する工程(分級工程)を実施してもよい。以上の工程により、粉砕物であるトナー母粒子が得られる。
[外添工程]
その後、混合機を用いて、得られたトナー母粒子と、外添剤とを混合して、トナー母粒子の表面に外添剤を付着させる。外添剤は、シリカ粒子及び複合粒子を少なくとも含む。混合機としては、例えばFMミキサー(日本コークス工業株式会社製)が挙げられる。第1被覆率及び第2被覆率は、例えば、シリカ粒子の個数平均一次粒子径、基材粒子の個数平均一次粒子径、導電性粒子の個数平均一次粒子径、混合機へ投入するシリカ粒子の量、及び混合機へ投入する複合粒子の量のうち、少なくとも1つを変更することにより調整できる。こうして、トナー粒子を含むトナーが製造される。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は実施例の範囲に何ら限定されるものではない。なお、粉体の個数平均一次粒子径の測定には、日本電子株式会社製の走査型電子顕微鏡「JSM−7401F」を使用した。
<ポリエステル樹脂の合成>
温度計(熱電対)、脱水管、窒素導入管、精留塔及び攪拌装置を備えた容量5Lの4つ口フラスコを油浴にセットし、このフラスコ内に、1,2−プロパンジオール1200gと、テレフタル酸1700gと、ジオクタン酸錫(II)3gとを投入した。続けて、窒素雰囲気下、温度230℃の条件でフラスコ内容物を15時間反応(詳しくは、縮合反応)させた。続けて、フラスコ内を減圧し、減圧雰囲気(圧力8.0kPa)かつ温度230℃の条件で、反応生成物(ポリエステル樹脂)のTmが所定の温度(90℃)になるまで、フラスコ内容物を反応させた。その結果、Tm90℃のポリエステル樹脂が得られた。
<トナー母粒子M1の調製>
上述の合成方法により得られたポリエステル樹脂80質量部と、離型剤(日油株式会社製「ニッサンエレクトール(登録商標)WEP−3」、成分:合成エステルワックス)9質量部と、着色剤(三菱ケミカル株式会社製「MA100」、成分:カーボンブラック)9質量部と、電荷制御剤(オリヱント化学工業株式会社製「BONTRON(登録商標)P−51」、成分:4級アンモニウム塩)2質量部とを、FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM−20B」)に投入した後、これらの材料を回転速度2000rpmの条件で4分間混合した。
続けて、得られた混合物を、2軸押出機(株式会社池貝製「PCM−30」)を用いて、材料供給速度5kg/時、軸回転速度160rpm、設定温度(シリンダー温度)100℃の条件で溶融混練した。その後、得られた混練物を冷却した。続けて、冷却された混練物を、機械式粉砕機(フロイント・ターボ株式会社製「ターボミルT250」)を用いて粉砕した。続けて、得られた粉砕物を、分級機(日鉄鉱業株式会社製「エルボージェットEJ−LABO型」)を用いて分級した。その結果、体積中位径(D50)6.7μmのトナー母粒子M1が得られた。
<シリカ粒子の準備>
外添剤粒子として、シリカ粒子S1と、シリカ粒子S2とを準備した。シリカ粒子S1は、表面処理により正帯電性が付与された疎水性乾式シリカ粒子(日本アエロジル株式会社製「AEROSIL(登録商標)REA200」、個数平均一次粒子径:12nm)であった。シリカ粒子S2は、疎水性シリカ粒子(日本アエロジル株式会社製「AEROSIL(登録商標)RX50」、個数平均一次粒子径:40nm)であった。なお、上記シリカ粒子の個数平均一次粒子径は、いずれも、後述する方法でトナーを作製した後、トナー粒子から分離させたシリカ粒子の粉体を測定対象として測定した場合も同じ結果が得られた。後述する基材粒子及び導電性粒子の個数平均一次粒子径についても同様である。
<複合粒子の調製>
以下、複合粒子C1〜C12の調製方法を説明する。
[複合粒子C1の調製]
(基材粒子B1の調製工程)
攪拌装置を備えたフラスコに、無水エタノール475.0gと、チタニウムテトライソプロポキシド(和光純薬工業株式会社製)14.7gとを入れた後、塩酸(塩化水素の濃度:3.0質量%)9.0gと、イオン交換水1.8gとを入れた。得られた混合物(フラスコ内容物)において、チタニウムテトライソプロポキシドと塩化水素と水とのモル比(チタニウムテトライソプロポキシド:塩化水素:水)は、1:0.01:2であった。
次いで、得られた混合物を、フラスコ内温25℃かつ回転速度160rpmの条件で2時間攪拌した。次いで、得られた生成物を、ブフナー漏斗を用いて吸引濾過(固液分離)して、ウェットケーキ状の粒子(粉体)を得た。続けて、得られたウェットケーキ状の粒子を、イオン交換水に分散させた後、ブフナー漏斗を用いて吸引濾過した。更に、分散と吸引濾過とを3回繰り返して、粒子を洗浄した。次いで、洗浄した粒子を乾燥させ、チタニア粒子である基材粒子B1(個数平均一次粒子径:130nm)を得た。
(導電性粒子の付着工程)
次いで、400gの基材粒子B1と、30gのATO粒子(石原産業株式会社製「SN−100P」、個数平均一次粒子径:20nm、体積抵抗率:3Ω・cm)とを、FMミキサー(日本コークス工業株式会社製)に投入し、FMミキサーを用いて回転速度4000rpmで10分間混合した。これにより、基材粒子B1の表面にATO粒子(導電性粒子)を付着させ、複合粒子を得た。
(疎水化処理工程)
次いで、得られた複合粒子300gを、FMミキサー(日本コークス工業株式会社製)に投入し、回転速度3000rpmで攪拌しながら、温度25℃の雰囲気下、複合粒子の表面にイソプロピルトリイソステアロイルチタネート(味の素ファインテクノ株式会社製「プレンアクト(登録商標)TTS」)5gを噴霧した。次いで、温度25℃の雰囲気下、イソプロピルトリイソステアロイルチタネートが付着した複合粒子を、回転速度3000rpmで10分間攪拌した後、温度105℃の雰囲気下で24時間乾燥させた。その結果、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート(チタネートカップリング剤)で疎水化処理された複合粒子である複合粒子C1を得た。得られた複合粒子C1では、100質量部の基材粒子B1に対するATO粒子の量が7.5質量部であった。
[複合粒子C2の調製]
400gの基材粒子B1の代わりに400gの基材粒子B2(個数平均一次粒子径:100nm)を用いたこと、及びFMミキサーへのATO粒子の投入量を40gに変更したこと以外は、複合粒子C1の調製と同じ方法で複合粒子C2を得た。基材粒子B2は、以下に示す変更点以外は、基材粒子B1の調製と同じ方法で得た。
(変更点)
基材粒子B2の調製では、フラスコに入れる塩酸の量を6.0gに変更した。基材粒子B2の調製では、フラスコ内温25℃かつ回転速度160rpmの条件で混合物を攪拌する際の攪拌時間を1時間に変更した。
得られた複合粒子C2では、100質量部の基材粒子B2に対するATO粒子の量が10.0質量部であった。
[複合粒子C3の調製]
400gの基材粒子B1の代わりに400gの基材粒子B3(個数平均一次粒子径:250nm)を用いたこと、及びFMミキサーへのATO粒子の投入量を12gに変更したこと以外は、複合粒子C1の調製と同じ方法で複合粒子C3を得た。基材粒子B3は、以下に示す変更点以外は、基材粒子B1の調製と同じ方法で得た。
(変更点)
基材粒子B3の調製では、フラスコに入れる塩酸の量を16.0gに変更した。
得られた複合粒子C3では、100質量部の基材粒子B3に対するATO粒子の量が3.0質量部であった。
[複合粒子C4の調製]
FMミキサーへのATO粒子の投入量を45gに変更したこと以外は、複合粒子C1の調製と同じ方法で複合粒子C4を得た。得られた複合粒子C4では、100質量部の基材粒子B1に対するATO粒子の量が11.3質量部であった。
[複合粒子C5の調製]
FMミキサーへのATO粒子の投入量を15gに変更したこと以外は、複合粒子C1の調製と同じ方法で複合粒子C5を得た。得られた複合粒子C5では、100質量部の基材粒子B1に対するATO粒子の量が3.8質量部であった。
[複合粒子C6の調製]
400gの基材粒子B1の代わりに400gの基材粒子B4(個数平均一次粒子径:120nm)を用いたこと、及び疎水化処理工程を行わなかったこと以外は、複合粒子C1の調製と同じ方法で複合粒子C6を得た。基材粒子B4の調製工程は、以下のとおりであった。
(基材粒子B4の調製工程)
攪拌装置、冷却管、温度計、及び窒素導入管を備えたガラス製の容器を、温度80℃のウォーターバスにセットした。続けて、容器内に、イオン交換水200質量部と、界面活性剤(ラウリル硫酸ナトリウム)3質量部とを入れた。続けて、容器内容物を攪拌しながら、窒素雰囲気かつ温度80℃の条件で、過硫酸アンモニウム1質量部と、モノマー混合物100質量部とを、それぞれ一定速度で1時間かけて容器内に滴下した。上記モノマー混合物は、メタクリル酸メチルとスチレンとジビニルベンゼンとの混合物であった。また、上記モノマー混合物では、メタクリル酸メチルとスチレンとジビニルベンゼンとの質量比(メタクリル酸メチル:スチレン:ジビニルベンゼン)が3:1:1であった。
続けて、容器内容物を攪拌しながら、窒素雰囲気かつ温度80℃の条件で容器内容物を1時間反応させた。その結果、エマルションが得られた。続けて、得られたエマルションを、冷却した後、温度80℃で18時間乾燥させて、基材粒子B4を得た。基材粒子B4は、構成樹脂がジビニルベンゼンを架橋剤として架橋された構造を有していた。つまり、基材粒子B4は、架橋樹脂粒子であった。
得られた複合粒子C6では、100質量部の基材粒子B4に対するATO粒子の量が7.5質量部であった。
[複合粒子C7の調製]
400gの基材粒子B1の代わりに400gの基材粒子B5(個数平均一次粒子径:80nm)を用いたこと、及びFMミキサーへのATO粒子の投入量を50gに変更したこと以外は、複合粒子C1の調製と同じ方法で複合粒子C7を得た。基材粒子B5は、以下に示す変更点以外は、基材粒子B1の調製と同じ方法で得た。
(変更点)
基材粒子B5の調製では、フラスコに入れる塩酸の量を4.0gに変更した。基材粒子B5の調製では、フラスコ内温25℃かつ回転速度160rpmの条件で混合物を攪拌する際の攪拌時間を1時間に変更した。
得られた複合粒子C7では、100質量部の基材粒子B5に対するATO粒子の量が12.5質量部であった。
[複合粒子C8の調製]
400gの基材粒子B1の代わりに400gの基材粒子B6(個数平均一次粒子径:270nm)を用いたこと、及びFMミキサーへのATO粒子の投入量を10gに変更したこと以外は、複合粒子C1の調製と同じ方法で複合粒子C8を得た。基材粒子B6は、以下に示す変更点以外は、基材粒子B1の調製と同じ方法で得た。
(変更点)
基材粒子B6の調製では、フラスコに入れる塩酸の量を20.0gに変更した。
得られた複合粒子C8では、100質量部の基材粒子B6に対するATO粒子の量が2.5質量部であった。
[複合粒子C9の調製]
FMミキサーへのATO粒子の投入量を55gに変更したこと以外は、複合粒子C1の調製と同じ方法で複合粒子C9を得た。得られた複合粒子C9では、100質量部の基材粒子B1に対するATO粒子の量が13.8質量部であった。
[複合粒子C10の調製]
FMミキサーへのATO粒子の投入量を4gに変更したこと以外は、複合粒子C1の調製と同じ方法で複合粒子C10を得た。得られた複合粒子C10では、100質量部の基材粒子B1に対するATO粒子の量が1.0質量部であった。
[複合粒子C11の調製]
30gのATO粒子(石原産業株式会社製「SN−100P」、個数平均一次粒子径:20nm、体積抵抗率:3Ω・cm)の代わりに、30gのAZO粒子(ハクスイテック株式会社製「Pazet CK」、個数平均一次粒子径:30nm、体積抵抗率:1万Ω・cm)を用いたこと以外は、複合粒子C1の調製と同じ方法で複合粒子C11を得た。得られた複合粒子C11では、100質量部の基材粒子B1に対するAZO粒子の量が7.5質量部であった。
[複合粒子C12の調製]
400gの基材粒子B1の代わりに400gの基材粒子B7(個数平均一次粒子径:250nm)を用いたこと以外は、複合粒子C1の調製と同じ方法で複合粒子C12を得た。基材粒子B7としては、アルミナ粒子(株式会社アドマテックス製「AO−502」)を用いた。得られた複合粒子C12では、100質量部の基材粒子B7に対するATO粒子の量が7.5質量部であった。
得られた複合粒子C1〜C12の詳細を表2に示す。なお、表2において、「粒子径」は、個数平均一次粒子径である。また、表2において、導電性粒子の欄の「量」は、基材粒子100質量部に対する導電性粒子の量(単位:質量部)である。
Figure 2020112649
<トナーの作製>
以下、トナーTA−1〜TA−12及びTB−1〜TB−9の作製方法を説明する。
[トナーTA−1の作製]
FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM−10B」)に、100質量部のトナー母粒子M1と、2.0質量部の複合粒子C1とを投入し、FMミキサーを用いて、回転速度4000rpmかつジャケット温度35℃の条件でFMミキサー内の粉体を10分間混合した。引き続き、上記FMミキサーに2.0質量部のシリカ粒子S1を投入し、FMミキサーを用いて、回転速度4000rpmかつジャケット温度35℃の条件でFMミキサー内の粉体を3分間混合した。これにより、トナー母粒子M1の表面に外添剤(シリカ粒子S1及び複合粒子C1)を付着(外添)させた。得られた粉体(外添剤が付着したトナー母粒子M1の粉体)を、200メッシュ(目開き75μm)の篩を用いて篩別した。その結果、正帯電性のトナーTA−1が得られた。
[トナーTA−2〜TA−12及びTB−1〜TB−9の作製]
シリカ粒子の種類及びその投入量、並びに複合粒子の種類及びその投入量を、表3に示すとおりとしたこと以外は、トナーTA−1の作製と同じ方法で、正帯電性のトナーTA−2〜TA−12及びTB−1〜TB−9をそれぞれ作製した。なお、表3において、シリカ粒子の欄の「投入量」及び複合粒子の欄の「投入量」は、いずれも、100質量部のトナー母粒子M1に対してFMミキサーへ投入された各外添剤粒子の量(単位:質量部)である。また、表3に示す第1被覆率及び第2被覆率は、以下に示す方法で測定した。
[第1被覆率及び第2被覆率の測定方法]
電界放出形走査電子顕微鏡(FE−SEM)(日本電子株式会社製「JSM−7600F」)を用いて、測定対象のトナーに含まれるトナー粒子を観察することによって、第1被覆率と第2被覆率とを測定した。詳しくは、FE−SEMを用いてトナー粒子の反射電子像(表面撮影像)を得た後、画像解析ソフトウェア(三谷商事株式会社製「WinROOF」)を用いて得られた表面撮影像の画像解析を行うことで、第1被覆率と第2被覆率とを求めた。第1被覆率は、トナー母粒子の表面領域のうち、シリカ粒子が覆っている領域の面積割合に相当する。また、第2被覆率は、トナー母粒子の表面領域のうち、複合粒子が覆っている領域の面積割合に相当する。なお、トナー母粒子の表面において複数種の外添剤粒子が重なって存在する部位に関しては、最も外側に存在する外添剤粒子(詳しくは、トナー母粒子の表面に対して最も高い位置に存在する外添剤粒子)が、その部位を覆っていると判定した。例えば、トナー母粒子の表面において、複合粒子とシリカ粒子とが、この順で重なっている部位は、最も外側に存在するシリカ粒子によって覆われていると判定した。
測定の手順については、まず、トナー粒子1つにつき10個の視野(1つの視野の寸法:2μm×2μm)で第1被覆率及び第2被覆率を測定し、それぞれ得られた10個の測定値の算術平均を、そのトナー粒子の評価値(以下、第1被覆率CA及び第2被覆率CBと記載する)とした。更に、測定対象(トナー)に含まれる10個のトナー粒子について、それぞれ第1被覆率CA及び第2被覆率CBを測定し、それぞれ得られた10個の測定値の算術平均を、測定対象(トナー)の評価値(表3に示す第1被覆率及び第2被覆率)とした。
Figure 2020112649
<評価方法>
[2成分現像剤の調製]
現像剤用キャリア(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製の「TASKalfa5550ci」用キャリア)100質量部と、トナー(評価対象:トナーTA−1〜TA−12及びTB−1〜TB−9のいずれか)8質量部とを、ボールミルを用いて30分間混合して、2成分現像剤を調製した。
[転写効率]
転写効率を評価する際の評価機として、複合機(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製「TASKalfa5550ci」)を使用した。前述のようにして調製した2成分現像剤を評価機のブラック用現像装置に投入し、補給用トナー(評価対象:トナーTA−1〜TA−12及びTB−1〜TB−9のいずれか)を評価機のブラック用トナーコンテナに投入した。続けて、温度20℃かつ湿度50%RHの環境下、上記評価機を用いて、印字率5%の画像を1万枚の印刷用紙(A4サイズ)に印刷した。そして、消費トナーの質量と回収トナーの質量とをそれぞれ測定して、下記式から転写効率(単位:%)を算出した。なお、消費トナーは、トナーコンテナにセットされた試料(トナー)のうち、トナーコンテナから排出されたトナーである。また、回収トナーは、消費トナーのうち、印刷用紙に転写されなかったトナーである。
転写効率=100×(消費トナーの質量−回収トナーの質量)/(消費トナーの質量)
転写効率が90%以上であればA(良い)と評価し、転写効率が90%未満であればB(良くない)と評価した。
[画像濃度]
画像濃度を評価する際の評価機として、複合機(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製「TASKalfa5550ci」)を使用した。前述のようにして調製した2成分現像剤を評価機のブラック用現像装置に投入し、補給用トナー(評価対象:トナーTA−1〜TA−12及びTB−1〜TB−9のいずれか)を評価機のブラック用トナーコンテナに投入した。続けて、温度20℃かつ湿度50%RHの環境下、上記評価機を用いて、印字率5%の画像を印刷用紙(A4サイズ)に10万枚連続で印刷した。引き続き、温度20℃かつ湿度50%RHの環境下、上記評価機を用いて、印字率1%の画像を印刷用紙(A4サイズ)に1万枚連続で印刷した。このようにして、連続印刷試験を行った。
上記連続印刷試験の際、印字率5%の画像を印刷する前(以下、「初期」と記載する)、印字率5%の画像を10万枚印刷した後かつ印字率1%の画像を印刷する前(以下、「10万枚印刷後」と記載する)、及び印字率1%の画像を1万枚印刷した後(以下、「1万枚印刷後」と記載する)の各々のタイミングにおいて、画像濃度の評価を行った。詳しくは、初期、10万枚印刷後及び1万枚印刷後の各々のタイミングにおいて、温度20℃かつ湿度50%RHの環境下、上記評価機を用いて、大きさ25mm×25mmのソリッド画像を、1枚の印刷用紙(A4サイズ)に形成した。次いで、印刷用紙に形成されたソリッド画像の画像濃度(ID)を、反射濃度計(X−Rite社製「RD914」)を用いて測定した。
得られた画像濃度(ID)のうち、10万枚印刷後及び1万枚印刷後に印刷したソリッド画像の画像濃度(ID)の双方が1.00以上であれば、「高画質の画像を継続的に形成できている」と評価した。一方、得られた画像濃度(ID)のうち、10万枚印刷後及び1万枚印刷後に印刷したソリッド画像の画像濃度(ID)の少なくとも一方が1.00未満であれば、「高画質の画像を継続的に形成できていない」と評価した。また、画像濃度(ID)が大きな値を示すほど、画像の画質が高いと評価した。
トナーTA−1〜TA−12及びTB−1〜TB−9のそれぞれについて、転写効率の評価結果、及び画像濃度(ID)の評価結果を表4に示す。なお、表4において、IDAは初期に印刷したソリッド画像の画像濃度(ID)であり、IDBは10万枚印刷後に印刷したソリッド画像の画像濃度(ID)であり、IDCは1万枚印刷後に印刷したソリッド画像の画像濃度(ID)である。
Figure 2020112649
トナーTA−1〜TA−12では、外添剤が、外添剤粒子として、シリカ粒子と、複合粒子とを含んでいた。トナーTA−1〜TA−12では、複合粒子が、基材粒子と、基材粒子の表面に付着した導電性粒子とを含んでいた。トナーTA−1〜TA−12では、基材粒子が、チタニア粒子、アルミナ粒子又は架橋樹脂粒子であった。
表2及び表3に示すように、トナーTA−1〜TA−12では、導電性粒子の量が、基材粒子100質量部に対して2.0質量部以上13.0質量部以下であった。トナーTA−1〜TA−12では、シリカ粒子の個数平均一次粒子径が20nm以下であった。トナーTA−1〜TA−12では、基材粒子の個数平均一次粒子径が100nm以上250nm以下であった。トナーTA−1〜TA−12では、導電性粒子の個数平均一次粒子径が10nm以上40nm以下であった。トナーTA−1〜TA−12では、第1被覆率が40%以上80%以下であった。トナーTA−1〜TA−12では、第2被覆率が5%以上20%以下であった。
表4に示すように、トナーTA−1〜TA−12では、10万枚印刷後及び1万枚印刷後に印刷したソリッド画像の画像濃度(ID)の双方が1.00以上であった。
表2及び表3に示すように、トナーTB−1では、基材粒子の個数平均一次粒子径が100nm未満であった。トナーTB−2では、基材粒子の個数平均一次粒子径が250nmを超えていた。トナーTB−3では、導電性粒子の量が、基材粒子100質量部に対して13.0質量部を超えていた。トナーTB−4では、導電性粒子の量が、基材粒子100質量部に対して2.0質量部未満であった。トナーTB−5では、第2被覆率が5%未満であった。トナーTB−6では、第2被覆率が20%を超えていた。トナーTB−7では、第1被覆率が40%未満であった。トナーTB−8では、第1被覆率が80%を超えていた。トナーTB−9では、シリカ粒子の個数平均一次粒子径が20nmを超えていた。
表4に示すように、トナーTB−1〜TB−9では、1万枚印刷後に印刷したソリッド画像の画像濃度(ID)が1.00未満であった。
以上の結果から、本発明に係るトナーによれば、高画質の画像を継続的に形成できることが示された。
本発明に係るトナーは、例えば複合機又はプリンターにおいて画像を形成するために利用することができる。
10 :トナー粒子
11 :トナー母粒子
12 :シリカ粒子
13 :複合粒子
14 :基材粒子
15 :導電性粒子

Claims (6)

  1. トナー粒子を含むトナーであって、
    前記トナー粒子は、結着樹脂を含むトナー母粒子と、前記トナー母粒子の表面に付着した外添剤とを備え、
    前記外添剤は、外添剤粒子として、シリカ粒子と、複合粒子とを含み、
    前記複合粒子は、基材粒子と、前記基材粒子の表面に付着した導電性粒子とを含み、
    前記基材粒子は、チタニア粒子、アルミナ粒子又は架橋樹脂粒子であり、
    前記導電性粒子の量は、前記基材粒子100質量部に対して2.0質量部以上13.0質量部以下であり、
    前記シリカ粒子の個数平均一次粒子径は、20nm以下であり、
    前記基材粒子の個数平均一次粒子径は、100nm以上250nm以下であり、
    前記導電性粒子の個数平均一次粒子径は、10nm以上40nm以下であり、
    前記トナー母粒子の表面領域のうち、前記シリカ粒子が覆っている領域の面積割合は、40%以上80%以下であり、
    前記トナー母粒子の表面領域のうち、前記複合粒子が覆っている領域の面積割合は、5%以上20%以下である、トナー。
  2. 前記導電性粒子は、アンチモンがドープされた酸化スズ粒子、又はアルミニウムがドープされた酸化亜鉛粒子である、請求項1に記載のトナー。
  3. 前記基材粒子は、前記チタニア粒子又は前記アルミナ粒子であり、
    前記複合粒子の表面は、疎水化処理されている、請求項1又は2に記載のトナー。
  4. 前記複合粒子の表面は、チタネートカップリング剤で疎水化処理されている、請求項3に記載のトナー。
  5. 前記基材粒子は、前記架橋樹脂粒子であり、
    前記架橋樹脂粒子は、スチレン系モノマーと、アクリル酸系モノマーと、2個以上の不飽和結合を有する架橋剤との重合物を含む、請求項1又は2に記載のトナー。
  6. 前記2個以上の不飽和結合を有する架橋剤は、ジビニルベンゼンである、請求項5に記載のトナー。
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