JP2020179790A - ダイヤ作成装置、ダイヤ作成方法、及び自動列車制御システム - Google Patents

ダイヤ作成装置、ダイヤ作成方法、及び自動列車制御システム Download PDF

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Abstract

【課題】移動需要の変動がある場合でも、基準となる運行サービス品質により近い品質を実現する、ダイヤ作成装置を提供する。【解決手段】目標ダイヤ作成装置100は、列車群の制御に使用する列車ダイヤである目標ダイヤ310を、移動需要の予測結果を用いて更新する。目的関数生成部115は、移動需要の予測結果を用いて、列車群に含まれる列車間の運転間隔に関する目的関数を生成する。制約条件生成部117は、列車群の運行に関し、各列車の各駅の到着時刻および出発時刻が満たすべき制約条件を求める。候補ダイヤ作成部119は、目的関数を制約条件の下で最適化して、各列車の各駅の到着時刻および出発時刻を求め、目標ダイヤ310の更新候補となる候補ダイヤ330を作成する。予想される移動需要に対して最も適切と判断された最良候補ダイヤ350を、新たな目標ダイヤとして更新する。【選択図】図2

Description

本発明は、ダイヤ作成装置、ダイヤ作成方法、及び自動列車制御システムに関する。
鉄道輸送サービスに代表される公共交通機関において旅客の快適性を維持するためには、旅客の移動需要(いつ、どこからどこまで、どの程度の人数が移動しようとしているか)を把握する必要がある。なぜなら、移動需要と列車ダイヤ(鉄道分野において、「ダイヤ」という用語は、列車運行計画を指す場合と、それを図表に表した列車運行図表を指す場合とがあるが、本明細書中における「ダイヤ」は前者、すなわち列車運行計画の意味で用いる。)から導かれる各列車の乗車率(混雑度)が、旅客の快適性に影響するためである。例えば鉄道の場合、列車の乗車率が増加すると、パーソナルスペースの観点で不快感が増加するほか、停車駅での旅客の乗降に時間がかかるようになって列車が遅延しやすくなり、予定していた時刻に目的地に到着できない、といった不都合が発生し得る。他方、混雑度の低減のみに注力し、便数を無為に増やして過剰な輸送力を提供すると、サービスコストが上昇し、運賃の引き上げなどを通じて旅客の不利益に繋がる可能性がある。
このような背景の下、時間的に変動し得る旅客の移動需要に適合した輸送力を供給することを目的とした技術が、特許文献1や特許文献2に開示されている。特許文献1に記載の技術では、対象路線の代表区間の時間帯毎の予測需要に基づいて適切な列車本数を算出し、算出された適切な列車本数と現在運行されている実列車本数とを比較して、実列車本数が適正な本数より多い場合は折返し時間を長くして運行密度を下げ、実列車本数が適正な本数より少ない場合は折返し時間を短くして運行密度を上げることで、時間帯毎の需要に適合した輸送力を供給するようにしている。また、特許文献2に記載の技術では、折返し駅の変更を許容する条件下で、同一路線内における時間帯別の列車本数を、駅間別乗車人員の最大値に基づき自動で決定し、所定駅の出発時刻が等時隔となるような列車ダイヤを生成することで、時間帯毎の需要に適合した輸送力を供給するようにしている。
特開平9−123913号公報 特開平9−76912号公報
特許文献1及び特許文献2で開示されている技術は、時間帯毎の運行本数を移動需要を考慮して調整するものであるが、例えば以下のような場合において十分な調整ができず、移動需要への適合度合いが不均一となっていた。一つの例としては、使用できる車両が不足しているなど、移動需要に適合させるための理想的な状態が物理的に達成できないような場合である。別の例としては、列車が運行されている路線の形状が単純でない場合であり、例えば、ある方面を担当する路線と別の方面を担当する路線が一部の区間で線路や番線を共通に使用するようなY字型の線路配線となっており、列車ダイヤに応じて各方面の各列車にどの(物理的な)車両を割り当てるかを適切に振り分けて運用効率化を図っているような場合や、環状線のように、運転間隔の増減の影響が前方と後方の両側に広がる場合が挙げられる。移動需要への適合度合いが不均一になると、例えば「ある列車の混雑度が非常に高いにもかかわらずその次の列車には乗客がほとんど乗っていない」というように、近しい時間帯を走行する列車間において、快適性の面で旅客間の不公平が生じ得る。
本発明はこのような現状に鑑みてなされたものであり、その目的は、移動需要の変動がある場合でも均質な品質での運行サービスを旅客に提供することが可能なダイヤ作成装置、ダイヤ作成方法、及び自動列車制御システムを提供することにある。
以上の課題を解決するための本発明の一つは、列車群の制御に使用する列車ダイヤである目標ダイヤを、移動需要の予測結果を用いて修正して新たな目標ダイヤを作成するダイヤ作成装置であって、前記移動需要の予測結果を用いて前記列車群に含まれる列車間の運転間隔に関する目的関数を生成する目的関数生成部と、前記列車群の運行に関し、各列車の各駅の到着時刻および出発時刻が満たすべき制約条件を求める制約条件生成部と、前記目的関数を前記制約条件の下で最適化して求めた各列車の各駅の到着時刻および出発時刻を用いて目標ダイヤの候補となる候補ダイヤを作成する候補ダイヤ作成部と、を備え、前記候補ダイヤ作成部が作成した候補ダイヤを新たな目標ダイヤとして出力する。
また、本発明の他の一つは、自動列車制御システムであって、所定のセンサから取得した情報に基づいて算出された移動需要の予測結果を用いて制御対象となる列車群に含まれる列車間の運転間隔に関する目的関数を生成する目的関数生成部、前記列車群の運行に関し、各列車の各駅の到着時刻および出発時刻が満たすべき制約条件を求める制約条件生成部、及び、前記目的関数を前記制約条件の下で最適化して求めた各列車の各駅の到着時刻および出発時刻を用いて列車群の制御に使用する列車ダイヤである目標ダイヤの候補となる候補ダイヤを作成する候補ダイヤ作成部、を備え、前記候補ダイヤ作成部が最新の目標ダイヤを基に作成した前記候補ダイヤを新たな目標ダイヤとして出力するダイヤ作成装置と、前記出力された目標ダイヤに基づき、各列車を制御する運行管理システムと、を備えて構成される。
本発明によれば、移動需要の変動がある場合でも均質な品質での運行サービスを旅客に提供することができる。
第1の実施形態に係る自動列車制御システムのブロック図である。 第1の実施形態に係る目標ダイヤ作成装置100の構成を表わす図である。 図2に示した目標ダイヤ作成装置が備えるダイヤ変更パターンデータベースに保持されたダイヤ変更パターンを説明する図である。 図3に示したダイヤ変更パターンにおけるパターンマッチング情報901の内容を説明する図である。 図2に示した目標ダイヤ作成装置が備える運行予測用データに保持された運行経路情報の内容を説明する図である。 図2に示した目標ダイヤ作成装置が図16の組合せ要素反映処理において列車ID対応テーブルを求めるために作成する有向グラフの内容を説明する図である。 図3に示したダイヤ変更パターンにおける変更後列車群情報904の内容を説明する図である。 図2に示した目標ダイヤ作成装置の動作のうちダイヤ更新処理に関する動作を説明するためのフロー図である。 図2に示した目標ダイヤ作成装置の動作のうち、図8で示した目標ダイヤ修正要否判定処理における詳細な動作を説明するためのフロー図である。 図2に示した目標ダイヤ作成装置が図9で示した目標ダイヤ修正要否判定処理において算出する評価指標ベクトルの内容を説明する図である。 第1の実施形態を適用するに好適な路線の例を示す図である。 図2に示した目標ダイヤ作成装置が図9で示した目標ダイヤ修正要否判定処理において評価指標ベクトル500を算出する際に使用する台形窓関数の内容を説明する図である。 図2に示した目標ダイヤ作成装置の動作のうち、図8で示した目標ダイヤ修正処理における詳細な動作を説明するためのフロー図である。 図2に示した目標ダイヤ作成装置の動作のうち、図13で示した修正箇所特定処理における詳細な動作を説明するためのフロー図である。 図2に示した目標ダイヤ作成装置の動作のうち、図13で示した候補ダイヤ作成処理における詳細な動作を説明するためのフロー図である。 図2に示した目標ダイヤ作成装置の動作のうち、図15で示した組合せ要素反映処理における詳細な動作を説明するためのフロー図である。 図16で示した組合せ要素反映処理の動作を説明するための図であり、組合せ要素反映処理の実行前の列車ダイヤの状態を示すダイヤ図である。 図16で示した組合せ要素反映処理の動作を説明するための図であり、図17の状態の列車ダイヤ1500aに対して、変更対象列車群削除処理が実行された後の列車ダイヤの状態を示すダイヤ図である。 図16で示した組合せ要素反映処理の動作を説明するための図であり、図18の状態の列車ダイヤ1500bに対して変更後列車群追加処理が実行された後の列車ダイヤの状態を示すダイヤ図である。 図2に示した目標ダイヤ作成装置の動作のうち、図15で示した時隔調整処理における詳細な動作を説明するためのフロー図である。 図15で示した時隔調整処理において、目標運転間隔の算出方法を説明するための図である。 図2に示した目標ダイヤ作成装置の動作のうち、図13で示した候補ダイヤ選択処理における詳細な動作を説明するためのフロー図である。 第2の実施形態を適用するに好適な路線の例を示す図である。 路線形状が環状線である場合における運転間隔調整の特徴を説明するための図である。 第3の実施形態を適用するに好適な路線の例を示す図である。 第3の実施形態における候補ダイヤ作成処理の動作を説明するための図であり、(A)は組合せ要素反映処理の実行前の列車ダイヤの状態を示すダイヤ図である。(B)は組合せ要素反映処理の実行後の列車ダイヤの状態を示すダイヤ図である。 第3の実施形態における候補ダイヤ作成処理の動作を説明するための図であり、(A)は図26(B)の状態の列車ダイヤに対して列車の行先を考慮せずに時隔調整処理を実行した後の列車ダイヤの状態を示すダイヤ図である。(B)は図26(B)の状態の列車ダイヤに対して列車の行先を考慮して時隔調整処理を実行した後の列車ダイヤの状態を示すダイヤ図である。 第3の実施形態における目標ダイヤ作成装置の動作のうち、時隔調整処理における詳細な動作を説明するためのフロー図である。
<第1実施形態>
以下、本発明の第1の実施形態について図1乃至図22を用いて説明する。本実施形態は、例えば後述の図11に示すような単純な線形の路線に対して適用するに好適な例である。以下では説明を簡単にするため、列車に緩急の別がなく、すべての列車の輸送力(車両1両あたりの定員や1編成あたりの車両数など)が同一で、すべての列車が各駅停車である場合を例として説明するが、本発明の実施形態はこれに限るものではない。
本実施形態の自動列車制御システムは、列車制御時に目標とする列車ダイヤ(目標ダイヤ)を保持し、走行実績など各種センサから得られた情報を基に当該目標ダイヤを更新していくことで、状況に変化があった場合でも、基準となるサービス品質により近い品質での運行サービスを旅客に提供することを可能とする。自動列車制御システムは、目標ダイ
ヤの更新にあたり、各種センサから得られた情報と現在の目標ダイヤとを基に未来の列車の運行状況を予測して、現在までの列車の運行状況に加えて未来の列車の運行状況も含むような列車ダイヤである予測ダイヤを作成し、この予測ダイヤと移動需要の予測結果とに基づいて目標ダイヤのうち修正すべき部分を求めて、それら各々の部分に対する修正案として新たな目標ダイヤの候補となる列車ダイヤ(候補ダイヤ)を作成する、目標ダイヤ作成装置を含むように構成される。目標ダイヤ作成装置は、作成した各々の候補ダイヤについて、予想される各列車の混雑度等の評価を行い、最良となった候補ダイヤを用いて目標ダイヤを更新する。候補ダイヤの作成では、目標ダイヤ作成装置は、列車本数の増減に加えて、目標とする列車の運転間隔の算出と、列車ダイヤ上の運転間隔を当該運転間隔に近付けるような運転間隔の最適化の処理を行う。
図1は、第1実施形態に係る自動列車制御システム1の構成の一例を説明する図である。自動列車制御システム1は、運行管理システム200と、移動需要予測システム300と、目標ダイヤ作成装置100を備えて構成される。目標ダイヤ作成装置100は、運行管理システム200から得られる、列車制御の際に制御目標として使用されている列車ダイヤ(目標ダイヤ)を、移動需要予測システム300から得られる、未来の予測結果も含む移動需要(例えば、いつ、どこからどこまで、どの程度の人数が移動しようとしているか)の情報に基づいて適切に修正し、運行管理システム200に送信する。目標ダイヤ作成装置100、運行管理システム200、及び移動需要予測システム300の間は、例えば、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネット、
専用線等の有線又は無線の通信ネットワーク5によって通信可能に接続されている。
運行管理システム200は、列車ダイヤ(目標ダイヤ)や各列車の在線位置などを管理し、目標ダイヤの情報に基づき運行管理エリア内の各列車25の走行を制御するものである。
移動需要予測システム300は、これまでに蓄積されてきた移動需要の履歴情報と、リアルタイムのセンサ情報から、現在時刻以降の移動需要を予測するものである。移動需要予測システム300が用いるリアルタイムのセンサ情報としては、例えば、駅の改札ゲート30の通過人数を計数したデータのように旅客の絶対数を情報として持つものや、駅のホームに設置された監視カメラ35で撮影した映像のように、上り列車と下り列車に乗車する人数の比率を推定するための情報などがある。尚、移動需要予測システム300が用いるセンサ情報はこれらに限るものではなく、切符や定期券などの情報をICカードリーダから取得することで、旅客の入場駅だけでなく、目的地の駅の情報も一緒に取得するような構成としてもよい。
図2は、目標ダイヤ作成装置100が備える構成の一例を説明する図である。目標ダイヤ作成装置100は、ハードウェアとして、CPU(Central Processing Unit)などの
プロセッサ101と、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置103と、キーボード、マウス、タッチパネルなどからなる入力装置104と、モニタ(ディスプレイ)等からなる出力装置105と、各装置と通信を行う通信装置106とを備える。なお、運行管理システム200、及び移動需要予測システム300も同様のハードウェア構成を備える。
目標ダイヤ作成装置100は、予測ダイヤ生成部111、混雑度予測部113、目的関数生成部115、制約条件生成部117、候補ダイヤ作成部119、目標運転間隔算出部121、及び評価指標値算出部123の各機能を有する。これらの機能は、FPGA等のハードウェアによって実現されてもよいし、プロセッサ101が記憶装置103に記憶されたプログラムを読み出して実行するような構成によって実現されてもよい。以下ではこ
のうち後者、すなわちプロセッサ101が記憶装置103に記憶されたプログラムを読み出して実行するような構成を念頭に、例えば目標ダイヤ作成装置100が予測ダイヤ生成部111(予測ダイヤ生成プログラム)を用いて予測ダイヤ230を生成する場合に、動作主体を目標ダイヤ作成装置100とした「目標ダイヤ作成装置100は予測ダイヤ230を生成する」のような表現や、「予測ダイヤ生成部111は予測ダイヤ230を生成するために実行される」のような表現も用いる。
予測ダイヤ生成部111は、運行予測用データ210と、列車ダイヤ(例えば運行管理システム200から取得した最新の目標ダイヤ310)とを用いて、各列車の未来の運行状況を予測し、現在までの(過去の)各列車の走行実績と合わせて、「これまではこのように運行しており、今後このようになる」と予想される列車ダイヤである予測ダイヤ230を生成するものである。ここで、予測ダイヤ生成部111が、予測ダイヤ230を生成する際に、過去の情報である各列車の走行実績も含めておくのは、混雑度予測部113が混雑度を予測する際に、すでに走行済みの区間から乗車した旅客に関する情報を考慮するためである。
混雑度予測部113は、予測ダイヤ230と、混雑度予測用データ250と、移動需要データ270とを用いて、各隣接駅間を走行する際の各列車の混雑度を予測するものである。混雑度予測部113は、また、各駅において、各列車に対して積み残した(すなわち、乗車しようとしたが定員を超過するため乗車できなかった)旅客の人数も予測する。
目的関数生成部115は、後述の時隔調整処理s93のステップs115において、目標運転間隔算出部121が算出した目標運転間隔に基づき、時隔調整の目的関数を作成するために実行されるものである。
制約条件生成部117は、後述の時隔調整処理s93のステップs117において、実行可能解が満たすべき列車走行に関する制約条件を作成するために実行されるものである。
候補ダイヤ作成部119は、後述の目標ダイヤ修正処理s21のステップs57において、現在の状況により適した、新たな目標ダイヤの候補となる候補ダイヤを作成するために実行されるものである。
目標運転間隔算出部121は、移動需要データ270を用いて、時隔調整対象となっている列車群の運転間隔の理想値を算出するものであり、後述の時隔調整処理s93のステップs113において、目標運転間隔を算出するために実行されるものである。
評価指標値算出部123は、列車ダイヤに関する所定の評価指標の指標値を算出するものであり、後述の目標ダイヤ修正要否判定処理s17のステップs35や、後述の候補ダイヤ選択処理s61のステップs133で、評価指標ベクトルを算出するために実行されるものである。なお、評価指標は、例えば、複数要素からなるベクトルによって表される。
さらに、図2に示すように、目標ダイヤ作成装置100は、運行予測用データ210、予測ダイヤ230、混雑度予測用データ250、移動需要データ270、ダイヤ変更パターンデータベース290、目標ダイヤ310、候補ダイヤ330、及び最良候補ダイヤ350の各データを記憶している。
運行予測用データ210は、予測ダイヤ生成部111が使用するデータであり、駅や線路の設備に関する情報(例えば、路線の駅並びや線路配線に関する情報、各駅で使用可能
な番線に関する情報、隣接駅間の車種ごとの運転時分、先行列車と後続列車の間で最低限確保すべき時分である続行時隔や交差時隔など)、及び、各列車の走行実績などを含む。
予測ダイヤ230は、予測ダイヤ生成部111によって生成されるものであり、これまでの列車の走行実績に加え、「今後このようになる」と予想される未来の運行状況を含むような列車ダイヤである。
混雑度予測用データ250は、混雑度予測部113が使用するデータであり、例えば、各路線の駅並びや乗換駅など乗車駅から降車駅までの移動経路に関する情報や、旅客の行動パターンの情報(旅客行動モデル)を含む。
移動需要データ270は、移動需要予測システム300より取得されるものであり、現在までの旅客の移動需要のほか、未来の移動需要の予測結果も含むようなものである。
ダイヤ変更パターンデータベース290は、1つ以上のダイヤ変更パターン291(詳細は後述)を含むデータである。各々のダイヤ変更パターン291は、1つ以上の列車に関する運転整理の内容に対応するものであり、列車ダイヤを変更する際に当該列車ダイヤの構成要素をどのように変更すればよいかを定義した情報を含む。
各々のダイヤ変更パターン291は、例えば列車の本数の増減や列車の走行順序など、組合せ要素に関する情報と、時隔調整の対象となる範囲を定めるための情報とを含む。これにより、例えば、列車の増発、列車の全区間または一部区間に関する運休、列車の行き先の変更(延長運転、方面の変更、留置線への一時退避など含む)、列車の運転間隔の調整、などの運転整理や、これらの運転整理を複数組み合わせた運転整理に対応するダイヤ変更の内容を定義することができる。
なお、本実施形態では、1つ以上のダイヤ変更パターン291を含む情報としてダイヤ変更パターンデータベース290を予め作成して記憶部に記憶しておく例について説明するが、本発明の実施形態はこれに限るものではなく、各ダイヤ変更パターン291に定義された内容に相当するダイヤ変更処理を実行できる実行可能プログラムを予め作成して記憶しているものであってもよい。ダイヤ変更パターン291の詳細は後述する。
目標ダイヤ310は、運行管理システム200において列車制御の目標として使用されている最新の列車ダイヤであり、運行管理システム200より取得される。目標ダイヤ作成装置100は、必要に応じて目標ダイヤ310を修正し、運行管理システム200に対して送信する。
候補ダイヤ330は、目標ダイヤ作成装置100が実行するダイヤ更新処理の中で作成されるものであり、目標ダイヤの修正結果の候補となる列車ダイヤである。
最良候補ダイヤ350は、目標ダイヤ作成装置100が実行するダイヤ更新処理の中で作成されるものであり、候補ダイヤのうち予想される移動需要に対して最も適切と判断された列車ダイヤである。
次に、図3乃至図7を用いて、ダイヤ変更パターンデータベース290に含まれる個々のダイヤ変更パターン291の詳細を説明する。
(ダイヤ変更パターン)
図3は、ダイヤ変更パターン291の構成の一例を説明する図である。図3に示すように、本実施形態におけるダイヤ変更パターン291は、パターンマッチング情報901と、基準列車ID902と、変更対象列車群情報903と、変更後列車群情報904と、時
隔調整対象範囲情報905とを含んでいる。
パターンマッチング情報901には、列車ID(列車の識別子)を用いて、ダイヤ変更前のダイヤの状態を特定する情報が登録される。例えば、パターンマッチング情報901には、ダイヤ変更前のダイヤの組合せ要素を、列車IDを用いて定義した情報が登録される。パターンマッチング情報901の詳細は後述する。
基準列車ID902には、変更を行うべき列車ダイヤの構成要素のうち内容の変更が必要な箇所(違反箇所)に対する列車に係る列車IDが登録される。目標ダイヤ作成装置100は、基準列車ID902に基づいて、ダイヤ変更パターン291における列車IDと候補ダイヤ内の列車IDとを紐付ける。
本実施形態では、列車ダイヤ(目標ダイヤ、予測ダイヤ、候補ダイヤ等)のデータで使用されている列車IDの値と、ダイヤ変更パターン291における列車IDとは、異なるデータとして取り扱われるため、両者の値は必ずしも一致しない。これは、ダイヤ変更パターン291は個別具体的な列車ダイヤ(目標ダイヤ、予測ダイヤ、候補ダイヤ等)に対応づけて作成されるものではなく、汎用的なものとして定義される(すなわち、ダイヤ変更パターン291におけるある列車が個別具体的な列車ダイヤのどの列車に対応するかは、状況によって異なり得る)ので、ダイヤ変更パターン291における列車IDは、ダイヤ変更パターン内で閉じたローカルな列車IDとして定義されているためである。本実施形態では、目標ダイヤ作成装置100は、ダイヤ変更パターン291におけるローカルな列車IDと、列車ダイヤにおける列車IDとを、着目する違反箇所に応じて紐付けるため、ダイヤ変更パターン291における列車IDと個別具体的な列車ダイヤにおける列車IDとを1対1に対応付ける列車ID対応テーブルを作成し、作成した列車ID対応テーブルを参照することにより、ダイヤ変更パターン291における列車IDを、実際の具体的な列車IDに変換する。列車ID対応テーブルは、一般に、着目する違反箇所に応じて異なるものとなる。
変更対象列車群情報903には、列車ダイヤの変更により削除される列車の列車IDのリスト(例えば、行き先変更や走行順序の変更、運休などが発生する列車の列車IDのリスト)が登録される。
変更後列車群情報904には、列車ダイヤの変更のために追加される列車の情報が格納される。この情報は、例えば、どのような経路を走行する列車を、どの列車と同じ車両を用いて、どの列車を先行列車として走行させるか、という情報である。変更後列車群情報904の詳細は後述する。このように、列車ダイヤにおける時刻以外の要素(どの列車がどの経路を走行するか、どの列車とどの列車に同じ車両を割り当てるか、線路等のリソースを各列車がどのような順序で使用するか、等)を特定することで、列車の制御に実際に使うことのできる(即ち実行可能な)列車ダイヤの変更案の探索が容易となる。
時隔調整対象範囲情報905には、後述の時隔調整処理s93において運転間隔を調整する列車を特定する情報が格納される。例えば、「変更対象の列車又は新規に追加された列車を基準に、先行列車Np列車分、後続列車Ns列車分の範囲の各列車の時隔を調整する」という場合、「Np」と「Ns」の組が格納される。なお、列車を特定するための情報はこれに限るものではなく、例えば「変更対象の列車又は新規に追加された列車を基準に所定の駅をTp秒前からTs秒後までに発車する列車を対象として時隔を調整する」というように、時間を基準とするようなものとしてもよい。
ここで、前記のパターンマッチング情報901の詳細を説明する。
(パターンマッチング情報901)
図4は、ダイヤ変更パターン291の備えるパターンマッチング情報901の内容を説明する図である。パターンマッチング情報901は、ダイヤ変更の前提条件となるダイヤ変更前の各列車の情報を定義したデータである。パターンマッチング情報901の各レコードは、列車IDが格納される列車ID9011と、経路ID9012と、前運用列車ID9013と、後運用列車ID9014と、列車属性9015と、着発番線先行列車9016と、隣接駅間先行列車9017とを含む各項目を有する。
列車ID9011には、列車ダイヤを構成する列車の識別子(列車ID)が格納される。経路ID9012には、列車ID9011に係る列車が走行する経路を識別する識別情報(経路ID)が格納される。経路IDが示す具体的な運行経路の内容は、運行経路情報(後述)に定義されている。
前運用列車ID9013には、列車ID9011に係る列車に使用される車両が列車ID9011に係る列車の前に割り当てられていた列車の識別情報(前運用列車ID)が格納される。後運用列車ID9014には、列車ID9011に係る列車に使用される車両が列車ID9011に係る列車の次に割り当てられる列車の識別情報(後運用列車ID)である。列車属性9015には、ダイヤ変更パターン内における列車の役割等を示す列車属性を示す情報が格納される。列車属性には、例えば、「変更対象」、「先行列車」、「運用接続」がある。
「変更対象」は、ダイヤ変更により運行に変更が生じる列車であることを意味する。したがって、この「変更対象」に係る列車が、列車ダイヤの変更に際して変更を特に禁止されている列車(変更の対象除外)である場合、当該列車ダイヤの変更に係るダイヤ変更パターン291は適用できない。
「先行列車」は、変更対象以外であって、変更前又は変更後の列車ダイヤを時刻の違いを除いて一意に定める際に(すなわち、どの列車がどの列車と同じ車両を使ってどの経路を走行し、着発番線等、他の列車と進路が競合する箇所がある場合には当該箇所においてどの列車がどの列車の後に走行するかを一意に定める際に)、先行列車となる列車であることを意味する。このように、「先行列車」は、変更前又は変更後の列車ダイヤを、時刻の違いを除いて一意に定めるためにのみ必要な列車であり、ダイヤ変更パターン291を適用することによって当該列車のダイヤが変更されるわけではないため、この「先行列車」に係る列車が、列車ダイヤの変更に際して変更を特に禁止されている列車(変更の対象除外)である場合であっても、当該列車ダイヤの変更に係るダイヤ変更パターン291は適用可能である。
「運用接続」は、「変更対象」以外であって、変更前又は変更後の列車ダイヤを時刻の違いを除いて一意に定める際に(すなわち、どの列車がどの列車と同じ車両を使ってどの経路を走行し、着発番線等、他の列車と進路が競合する箇所がある場合には当該箇所においてどの列車がどの列車の後に走行するかを一意に定める際に)、前運用列車又は後運用列車となる列車であることを意味する。このように、「運用接続」は、変更前又は変更後の列車ダイヤを、時刻の違いを除いて一意に定めるためにのみ必要な列車であり、ダイヤ変更パターン291を適用することによって当該列車のダイヤが変更されるわけではないため、この「運用接続」に係る列車が、列車ダイヤの変更に際して変更を特に禁止されている列車(変更の対象除外)である場合であっても、当該列車ダイヤの変更に係るダイヤ変更パターン291は適用可能である。
なお、列車属性9015が「先行列車」又は「運用接続」であり、前運用列車ID9013又は後運用列車ID9014に情報(列車ID)を格納する必要が無い場合、前運用列車ID9013又は後運用列車ID9014には、「Don’t Care」を意味す
る所定の例外値(例えば、「―」)が登録される。なお、本実施形態では、前記のように、ダイヤ変更パターン291は個別具体的な列車ダイヤに対応づけて作成されるものでないので、当該列車が走行する経路と走行順序はダイヤ変更パターン291に設定されるが、着発時刻は設定されない。
着発番線先行列車9016及び隣接駅間先行列車9017には、それぞれ、列車ID9011で特定される列車が経路ID9012で特定される経路を走行する場合に使用する着発番線及び隣接駅間(着目している駅とその次の駅の間)の線路に対して、当該着発番線を当該列車の直前に使用する列車の列車ID、及び、当該隣接駅間の線路を当該列車の直前に使用する列車の列車IDが、駅並びに従って登録される。具体的には、駅並び上で最初の駅に関する情報が着発番線先行列車9016(1)及び隣接駅間先行列車9017(1)に、2番目の駅に関する情報が着発番線先行列車9016(2)及び隣接駅間先行列車9017(2)に登録される。以下同様に、駅並び上で最後の駅まで、各情報が登録される。
すなわち、着発番線先行列車9016には、列車ID9011に係る列車が発着する各駅の着発番線について、その着初番線を当該列車の直前に使用する列車の識別情報(着発番線先行列車ID)が格納される。具体的には、着発番線先行列車9016には、列車ID9011に係る列車が走行する駅並びの順に、列車IDが格納される(着発番線先行列車9016(1)(2)・・・)。例えば、列車ID9011が「PTR003」の列車について、駅並び上で2番目の駅の着発番線先行列車は、着発番線先行列車9016(2)に記載のある「PTR006」となる。
隣接駅間先行列車9017には、列車ID9011に係る列車が各駅を出発する際に使用する、当該各駅と当該各駅の隣接駅との間(すなわち次駅との間)の線路を、当該列車の直前に使用する列車の識別情報(隣接駅間先行列車ID)が格納される。具体的には、隣接駅間先行列車9017には、列車ID9011に係る列車が走行する駅並びの順に、列車IDが格納される(隣接駅間先行列車9017(1)(2)・・・)。
なお、線路の配線上、追い越し又は単線双方向走行が不可能な場合には、データ量を削減するため、先行列車が変わり得ない区間について、着発番線先行列車9016に係る着発番線の複数又は、隣接駅間先行列車9017の次駅までの線路の複数をまとめて一つの先行列車(列車ID)を登録するようにしてもよい。あるいは、列車ID9011に係る列車の駅並び順で先行列車が変わる駅と先行列車とを組にして可変長のデータとして記憶しておくことにより、データ量を削減するようにしてもよい。
また、各番線を最初に使用する列車の着発番線先行列車9016又は隣接駅間先行列車9017の項目には、「先行列車なし」を意味する所定の例外値(例えば、「―」)を格納してもよい。また、「先行列車」としてのみ登録される列車の着発番線先行列車9016及び隣接駅間先行列車9017の項目には、「Don’t Care」を意味する所定の例外値(例えば、「―」)を格納してもよい。その理由は、これらの情報が、列車ID対応テーブルを作成する際に必要とされない情報であるためである。
ここで、経路ID9012に関する運行経路情報の詳細を説明する。
(運行経路情報)
図5は、運行経路情報の一例を説明する図である。運行経路情報1200は、列車が走行する物理的な経路、及び、当該経路上の各駅で各列車が停車するのか通過するのかといった運行パターンを定義した情報である。運行経路情報1200は、予め作成して運行予測要データ210の一部として記憶しておく。
同図に示すように、運行経路情報1200の各レコードは、経路ID1201、駅ID1203、番線ID1205、及び停車区分1207の各項目を有する。経路ID1201には、運行経路の経路IDが格納される。駅ID1203には、経路ID1201に係る経路における各駅を個別に識別する識別情報(駅ID)が格納される。番線ID1205には、駅ID1203に係る駅内での着発番線(番線ホーム)を個別に識別する識別情報(番線ID)が格納される。停車区分1207には、駅ID1203に係る駅に列車が停車するか通過するかを示す情報(停車区分)が格納される。同図の運行経路情報1200では、経路IDの順に、また、同一の経路IDについては時系列順に各情報が格納されている。例えば、経路「RT001」を走行する列車については、始発駅である駅「ST01」の着発番線「#1」から出発し、駅「ST02」の着発番線「#1」で停車し、その後、駅「ST03」の着発番線「#1」に停車し、駅「ST04」の着発番線「#1」に停車した後、駅「ST05」の着発番線「#1」に終着する。
このように、運行経路情報1200は、始発駅から終着駅までの駅並び、使用する着発番線、及び停車区分を特定する情報であって、列車の走行パターンを全て含んでいる。
なお、隣接駅間で使用する線路に複数の選択肢がある場合は、その旨の情報を運行経路情報1200に含めてもよい。具体的には、例えば、出発側の線路の識別情報(発側線路ID)に関する項目を運行経路情報1200の各レコードに含める。その場合、路線の終着駅のレコードにおける発側線路IDの項目には、所定の例外値を設定する。
(有向グラフ)
本実施形態では、目標ダイヤ作成装置100は、列車ID対応テーブルを生成するために、ダイヤ変更パターン291内に記載された列車間の関係に基づき有向グラフを生成する。以下、図6を用いて、当該有向グラフについて説明する。なお、ダイヤ変更パターン291は、予め作成してダイヤ変更パターンデータベース290に登録しておくが、当該事前準備を行う際にも、この有向グラフを用いることで、ダイヤ変更パターン291の妥当性を(必要条件の意味で)簡易的に確認することができる。そのため、ダイヤ変更パターンを別途のツール等で自動で作成する場合には、図6で説明する有向グラフを用いた妥当性チェックを、当該ツールが実行する構成としておくことが望ましい。
図6は、列車ID対応テーブルを生成するために用いられる有向グラフの一例を説明する図である。図6に示す有向グラフ931は、パターンマッチング情報901に登録されている各列車IDをノード933とし、パターンマッチング情報901で規定されている前運用列車、後運用列車、及び先行列車の間の関係がアーク(有向辺)で表現されるように作成したものである。具体的には、各列車(列車ID)に対応するノード933がアークの始点となり、その列車に対する前運用列車、後運用列車、着発番線先行列車の列車、及び隣接駅間先行列車の各列車(列車ID)いずれかに対応するノード933が、アークの終点となる。
有向グラフ931をダイヤ変更パターン291の妥当性チェックに使用する場合、例えばパターンマッチング情報901及び基準列車ID902の妥当性を、基準列車ID902に係るノード933(「PTR001」)から、その他の各ノード933まで到達する経路(ノードとアークの列)が存在するか否かで判定できる。図6の例では、太線のアーク935を用いることによって「PTR001」から「PTR002」乃至「PTR008」の各ノードに直接または他のノードを介して到達することができるため、「妥当である」と判定される。仮に、「妥当でない」と判定される場合には、「妥当である」と判定されるように、ダイヤ変更パターン291に登録される列車を増やす等した上で、ダイヤ変更パターンデータベース290に登録しておく。
次に、ダイヤ変更パターン291における変更後列車群情報904の詳細を説明する。
(変更後列車群情報904)
図7は、ダイヤ変更パターン291における変更後列車群情報904の一例を示す図である。変更後列車群情報904は、ダイヤ変更後の列車群の情報であり、変更後の各列車ダイヤに関する各レコードは、列車ID9041、経路ID9042、前運用列車ID9043、後運用列車ID9044、着発番線先行列車9045、及び隣接駅間先行列車9046の各項目を有する。
列車ID9041には、新たに列車ダイヤに追加される列車の列車IDが格納される。ここで、列車ID9041に格納される列車IDは、個別具体的な列車ダイヤにおける列車IDに関連するものではなく、ダイヤ変更パターン内のローカルな列車IDである。
経路ID9042には、列車ID9041に係る列車が走行する経路の識別情報(経路ID)が格納される。前運用列車ID9043には、列車ID9041に係る列車に対する前運用列車IDが格納される。後運用列車ID9044には、列車ID9041に係る列車に対する後運用列車IDが格納される。着発番線先行列車9045には、列車ID9041に係る着発番線先行列車IDが格納される。隣接駅間先行列車9046には、列車ID9041に係る列車に対する隣接駅間先行列車IDが格納される。
以上に説明したダイヤ変更パターン291は、手作業または別途ツールを用いて以下のような条件を満たすように作成し、ダイヤ変更パターンデータベース290に予め格納しておく。
変更対象列車の前運用列車で、変更対象列車でない列車はすべて、いずれかの変更後列車の前運用になるようにダイヤ変更パターン291を作成する。また、変更対象列車の後運用列車で、変更対象列車でない列車はすべて、いずれかの変更後列車の後運用になるようにダイヤ変更パターン291を作成する。さらに、基準列車IDで特定される列車から、先行列車、前運用列車、後運用列車の何れかの関係にある列車を再帰的に辿っていったとき、ダイヤ変更パターン内に現れる列車のすべてが辿れるように、ダイヤ変更パターン291を作成する。これらは、列車ID対応テーブルが一意に作成できるための必要条件である。
以上の条件を満たしていれば、ある時間帯に走行している列車すべてをダイヤ変更パターンに含めておく必要はなく、ダイヤ変更に直接関係する列車と、その列車の関連列車(先行列車、前運用列車、後運用列車等)のみをダイヤ変更パターン291に含めておけばよい。
以上、図1乃至図7で説明した目標ダイヤ作成装置100の機能は、目標ダイヤ作成装置100のハードウェアによって、もしくは、目標ダイヤ作成装置100のプロセッサ101が、記憶装置103に記憶されている各プログラムを読み出して実行することによって実現される。
また、これらのプログラムは、例えば、二次記憶デバイスや不揮発性半導体メモリ、ハードディスクドライブ、SSDなどの記憶デバイス、又は、ICカード、SDカード、DVDなどの、情報処理装置で読み取り可能な非一時的データ記憶媒体に格納され得る。
<<<処理説明>>>
次に、目標ダイヤ作成装置100が行う処理について説明する。
<<ダイヤ更新処理>>
図8は、目標ダイヤ作成装置100が行うダイヤ更新処理の一例を示すフロー図である。ダイヤ更新処理は、現在列車制御に使用されている目標ダイヤを運行管理システム200から取得し、必要に応じて修正した後に、運行管理システム200に送信する処理である。運行管理システム200は、目標ダイヤ作成装置100より送信された目標ダイヤを受信すると、当該目標ダイヤを列車制御に使用するよう、内部で保持する目標ダイヤを更新する。ダイヤ更新処理は、例えば、ユーザによる所定の入力がなされた場合、又は所定のタイミング(例えば、所定の時刻、所定の時間間隔)で実行される。
ダイヤ更新処理が開始されると、まず、目標ダイヤ作成装置100は、移動需要データを取得する(s11)。具体的には、例えば、目標ダイヤ作成装置100は、移動需要予測システム300が予測した移動需要データを移動需要予測システム300から取得し、これを移動需要データ270として記憶する。
また、目標ダイヤ作成装置100は、現在の目標ダイヤを取得する(s13)。具体的には、例えば、目標ダイヤ作成装置100は、運行管理システム200から目標ダイヤを取得し、これを目標ダイヤ310として記憶する。
また、目標ダイヤ作成装置100は、走行実績データを取得する(s15)。具体的には、例えば、目標ダイヤ作成装置100は、運行管理システム200から走行実績データを取得し、これを運行予測用データ210に記憶する。
目標ダイヤ作成装置100は、予測ダイヤを生成し、さらに、各列車の各隣接駅間の混雑度を予測することによりs13で取得した現在の目標ダイヤを修正する必要があるか否かを判定する、目標ダイヤ修正要否判定処理を実行する(s17)。目標ダイヤ修正要否判定処理の詳細は後述する。
目標ダイヤ修正要否判定処理の結果、現在の目標ダイヤを修正する必要があると判定した場合は(s19:YES)、目標ダイヤ作成装置100は、現在の目標ダイヤを修正する目標ダイヤ修正処理(後述)を実行し(s21)、その後、目標ダイヤを運行管理システム200に送信する(s25)。
他方、目標ダイヤ修正要否判定処理の結果、現在の目標ダイヤを修正する必要はないと判定した場合は(s19:NO)、目標ダイヤ作成装置100は、目標ダイヤ修正要否判定処理で生成した予測ダイヤを、新たな目標ダイヤとして保存し(s23)、目標ダイヤを運行管理システム200に送信する(s25)。これは、列車の遅延などの軽微な修正を、運行管理システム側の目標ダイヤに反映させるための措置である。
運行管理システム200は、目標ダイヤ作成装置100から送信された新たな目標ダイヤを受信すると、受信した目標ダイヤに従って内部で保持する目標ダイヤを更新し、更新後の目標ダイヤに従って各列車の走行を制御する。目標ダイヤ作成装置100は、ステップs25の処理の終了後、ダイヤ更新処理を終了する(s27)。
ここで、前記の目標ダイヤ修正要否判定処理について説明する。
<目標ダイヤ修正要否判定処理>
図9は、ダイヤ更新処理における目標ダイヤ修正要否判定処理の詳細を説明するフロー図である。まず、目標ダイヤ作成装置100は、予測ダイヤを生成する(s31)。具体的には、例えば、目標ダイヤ作成装置100は、s13で取得した目標ダイヤ及びs15で取得した走行実績情報に基づき、未来の所定の時間範囲(以下、予測時間帯という。例えば、現在時刻から24時間後までの時間帯。)における列車群の運行状況を予測して、予測ダイヤを生成する。目標ダイヤ作成装置100は、走行実績がある部分についても、
当該走行実績に基づいて列車の着発時刻を決定し、予測ダイヤに含める。
なお、このように、ミクロな列車走行シミュレーションに依らずに各列車の各駅の着発時刻を予測する運行予測方法、また、当該運行予測方法による予測ダイヤの生成方法は、例えば、国際公開WO2011/125613号公報に開示されている。
さらに、目標ダイヤ作成装置100は、各列車がs31で生成した予測ダイヤによる運行を行った場合の、予測時間帯における各列車の各隣接駅間に関する混雑度を予測する(s33)。具体的には、例えば、目標ダイヤ作成装置100は、s11で取得した移動需要データ及びs31で生成した予測ダイヤと、混雑度予測用データ250に格納された旅客行動モデルとを用いて、予測時間帯における各旅客の移動状況(どの列車にどの駅からどの駅まで乗車するか)を予測して、予測時間帯の各時刻における各駅の旅客の列車待ち人数の状況、及び、各列車の各隣接駅間における乗車人数を予測する。
なお、列車ダイヤに基づく混雑度の予測方法は、例えば、国際公開WO2018/087811号公報に開示されている。
目標ダイヤ作成装置100は、s33で予測した各列車の混雑度に基づき、予測時間帯における、列車ダイヤのサービス品質を評価するための評価指標ベクトルを算出する(s35)。
目標ダイヤ作成装置100は、s35で算出した評価指標ベクトルが、後述の基準評価指標ベクトルに照らして許容される範囲内にあるか否かを判定する(s37)。具体的には、例えば、目標ダイヤ作成装置100は、評価指標ベクトル及び基準評価指標ベクトルの各構成要素の指標値を比較して所定値以上の乖離があるか否かを判定する。なお、基準評価指標ベクトルは、所定の基準時における評価指標ベクトルであり、目標ダイヤ作成装置100は、各日において列車の運行が開始される際に、その時点での列車ダイヤと、当該列車ダイヤの計画時に想定した移動需要データとに基づいて、この基準評価指標ベクトルを生成し、記憶部103に記憶しておく。または、各日において使用される列車ダイヤに識別子を持たせておき、予め算出した基準評価指標ベクトルを当該識別子に紐付けて記憶しておくようにしてもよい。なお、基準評価指標ベクトルの生成に必要となるデータについては、記憶部103に予め記憶しておく(図示は省略)。
評価指標ベクトルが基準評価指標ベクトルに照らして許容範囲内にある場合は(s37:YES)、目標ダイヤ作成装置100は、目標ダイヤの修正は不要と判定し(s39)、目標ダイヤ修正要否判定処理を終了する(s41)。他方、評価指標ベクトルが基準評価指標ベクトルに照らして許容範囲内にない場合は(s37:NO)、目標ダイヤ作成装置100は、目標ダイヤの修正が必要と判定し(s43)、目標ダイヤ修正要否判定処理を終了する(s41)。
ここで、評価指標ベクトルについて具体的に説明する。
(評価指標ベクトル)
図10は、評価指標ベクトルの一例を示す図であり、図11は、本実施例に係る路線の一例を示す図である。
評価指標ベクトル500は、列車ダイヤを構成する各構成要素に関する評価指標の集合となっている。同図の例では、評価指標ベクトル500は、各時間帯ごとの、混雑度平均値要素510(AVERAGE#CNGSTN#RATE)及び積み残し旅客人数要素520(NUM#PSSNGR#UtB)を含んで構成されている。混雑度平均値要素510は、カラム511で特定される開
始時刻からカラム513で特定される終了時刻までの時間帯において、カラム515で特
定される路線におけるカラム517で特定される駅を出発する全列車の平均の混雑度を評価要素の一つとしたものである。この混雑度の平均は、列車の出発タイミングが異なることに起因する、時間窓境界付近での離散的な挙動の差異の、評価値への影響を抑制するため、単純平均ではなく、後述(図12)の台形窓関数を用いた加重平均とする。なお、窓の中央ほど重みが重く、窓の両端で重みが0となるような窓関数であれば、使用する窓関数は台形窓関数に限るものではない。積み残し旅客人数要素520は、カラム521で特定される開始時刻からカラム523で特定される終了時刻までの時間帯において、カラム525で特定される路線におけるカラム527で特定される駅で積み残される旅客の人数を評価要素の一つとしたものである。開始時刻と終了時刻で定義される時間窓が少しずつ重複するように評価要素を定義することにより、各時刻の評価が平等に評価ベクトルに反映される効果がある。
図12は、評価指標ベクトル500を求める際、各時間帯における評価指標の値とその前後の時間帯における値との連続性を担保するための調整パラメータである窓関数の例として、台形窓関数の例を示す図である。窓関数は、評価指標の値について加重平均を取るために使用されるものであり、図12の台形窓関数700を用いた場合、各時間帯における中間の時間帯702の評価指標の値には一定の正の重み値703が考慮される(例えば乗算される)。また、各時間帯の開始時刻704(基準時刻)及び終了時刻706(基準時刻の1時間後)の評価指標の値に対する重み値は0である。そして、中間の時間帯702の開始時刻と開始時刻704との間の時間帯、及び、中間の時間帯702の終了時刻と終了時刻706との間の時間帯における重み値705は、それぞれ、開始時刻704又は終了時刻706に近づくほど値が小さくなっている。
<目標ダイヤ修正処理>
図13は、ダイヤ更新処理における目標ダイヤ修正処理の一例を説明するフロー図である。まず、目標ダイヤ作成装置100は、最適な候補ダイヤ(最良候補ダイヤ)の初期値として、ダイヤ修正要否判定処理で生成した予測ダイヤを設定する(s51)。
この際、目標ダイヤ作成装置100は、この予測ダイヤに対する評価指標ベクトルを生成し、最良候補ダイヤに紐付けて記憶しておく。
目標ダイヤ作成装置100は、予測ダイヤにおいて修正が必要な部分(違反箇所のうちの1つであり、以下では修正箇所という。)を特定する、修正箇所特定処理を実行する(s53)。修正箇所特定処理の詳細は後述する。
また、目標ダイヤ作成装置100は、ダイヤ変更パターンデータベース290を参照し、登録されているダイヤ変更パターン291のうち一つ(以下、選択ダイヤ変更パターンという)を選択する(s55)。
目標ダイヤ作成装置100は、s55で選択した選択ダイヤ変更パターンにより、予測ダイヤにおける組合せ要素を変更し、さらにその時隔要素を最適化した列車ダイヤである候補ダイヤを生成する、候補ダイヤ作成処理を実行する(s57)。候補ダイヤ作成処理の詳細は後述する。
候補ダイヤ作成処理により候補ダイヤが生成できた場合は(s59:YES)、目標ダイヤ作成装置100は、その候補ダイヤを新たな最良候補ダイヤとするか否かを判定する候補ダイヤ選択処理を実行する(s61)。候補ダイヤ選択処理の詳細は後述する。
その後、目標ダイヤ作成装置100は、他のダイヤ変更パターン291を選択すべくs55からの処理を繰り返す(s63)。他のダイヤ変更パターン291が無くなった場合
、または、ステップs55乃至ステップs63の部分の演算時間に上限値が設定されており実際の演算時間が当該上限値に達した場合には、後述するs65の処理が行われる。
他方、候補ダイヤ作成処理により候補ダイヤが生成できなかった場合は(s59:NO)、目標ダイヤ作成装置100は、他のダイヤ変更パターン291を選択すべくs55からの処理を繰り返す(s63)。
s65において目標ダイヤ作成装置100は、現在の最良候補ダイヤを新たな目標ダイヤとして保存し、目標ダイヤ修正処理を終了する(s67)。
次に、目標ダイヤ修正処理における前記の修正箇所特定処理について説明する。
<修正箇所特定処理>
図14は、目標ダイヤ修正処理における修正箇所特定処理の詳細を説明するフロー図である。まず目標ダイヤ作成装置100は、ステップs71においてダイヤ変更禁止列車を特定し、マークする(s71)。具体的には、例えば、目標ダイヤ作成装置100は、予測ダイヤを構成している全列車のうち、現在既に始発駅を出発している列車をダイヤ変更の対象外とし、各駅の発車標に既に掲載されている列車を行き先変更の対象外とする。
次に、目標ダイヤ作成装置100は、評価指標ベクトルの指標値が基準評価指標ベクトルにおける当該構成要素の指標値と比べて上方乖離又は下方乖離の度合いが所定の閾値を超えている構成要素(例えば、旅客の積み残し人数が所定の閾値を超えている駅、列車の隣接駅間のうち予測時間帯において混雑度が所定の閾値を超える隣接駅間等。)を、違反箇所として抽出する(s73)。
目標ダイヤ作成装置100は、s73で抽出した違反箇所のうち適切な一つを選択する(s75)。具体的には、例えば、目標ダイヤ作成装置100は、違反箇所に係る列車のうち最も早い時間帯の列車、又は、違反の度合いが最も大きい違反箇所に係る列車を一つ選択する。なお、違反箇所に係る列車のうち最も早い時間帯の列車を選択するのは、遅い時間帯の列車ほど移動需要の予測結果の精度が低くなるためである。なお、s71で特定した列車(ダイヤ変更禁止列車であるとしてマークされている列車)は選択の対象外とする。違反箇所選択処理s75の終了後、目標ダイヤ作成装置100は修正箇所特定処理を終了する。
次に、候補ダイヤ作成処理の詳細を説明する。
<候補ダイヤ作成処理>
図15は、目標ダイヤ修正処理における候補ダイヤ作成処理の一例を示すフロー図である。まず目標ダイヤ作成装置100は、予測ダイヤに対して、s55で選択した選択ダイヤ変更パターンによって特定される組合せ要素の変更を行う組合せ要素反映処理を実行する(s91)。具体的には、例えば、目標ダイヤ作成装置100は、選択ダイヤ変更パターンが示す変更内容に従って、各列車の走行順序及び行き先を変更した新たなダイヤを生成する(例えば、どういう走行順序でどの車両を用いてどこ行きの列車を走行させるかを、与えられたダイヤ変更パターン291に従って決定し、候補ダイヤの組合せ要素までを確定させる)。組合せ要素反映処理の詳細は後述する。
組合せ要素反映処理の結果、組合せ要素の反映に成功しなかった場合(s92:NO)、目標ダイヤ作成装置100は、「候補ダイヤの作成に『失敗した』」と判定し(s99)、候補ダイヤ作成処理を終了する(s101)。
他方、組合せ要素の反映に成功した場合(s92:YES)、目標ダイヤ作成装置100は、s91で生成した組合せ要素が反映された列車ダイヤにおける、組合せ要素の反映
前後で変化があった箇所の前後の時間帯において、各列車の時隔調整をする処理である時隔調整処理を実行する(s93)。具体的には、例えば、目標ダイヤ作成装置100は、組合せ要素が変更されないとの条件下で、各列車の各駅の着発時刻を変更する。時隔調整処理の詳細は後述する。
続いて、目標ダイヤ作成装置100は、s93の時隔調整処理で実行可能解が見つかったのかどうかを判定する(s95)。
実行可能解が見つかっている場合(s95:YES)、目標ダイヤ作成装置100は、候補ダイヤの生成に成功したと判定し(s97)、候補ダイヤ作成処理は終了する(s101)。他方、実行可能解が見つかっていなかった場合(s95:NO)、目標ダイヤ作成装置100は、候補ダイヤの生成に失敗したと判定し(s99)、候補ダイヤ作成処理を終了する(s101)。
ここで、候補ダイヤ作成処理における組合せ要素反映処理の詳細を説明する。
(組合せ要素反映処理)
図16は、候補ダイヤ作成処理における組合せ要素反映処理の一例を説明するフロー図である。目標ダイヤ作成装置100は、候補ダイヤ初期化処理を行う(s1201)。具体的には、例えば、目標ダイヤ作成装置100は、目標ダイヤ修正要否判定処理s17で求めた予測ダイヤを複製して候補ダイヤの初期値として登録する。
次に、目標ダイヤ作成装置100は、ダイヤ変更パターン291における列車IDと、候補ダイヤにおける列車IDとを紐付ける列車ID対応テーブルを生成する(s1202)。具体的には、例えば、目標ダイヤ作成装置100は、ダイヤ変更パターン291から有向グラフ931を作成し、ダイヤ変更パターン291における基準列車ID902が示す列車IDと、修正箇所特定処理で特定された修正箇所における列車IDとを対応付け、生成した有向グラフ931におけるアーク935を辿っていくことにより、ダイヤ変更パターン291における各列車IDについて、候補ダイヤ上の列車との対応関係を求める。
目標ダイヤ作成装置100は、s1202で列車ID対応テーブルの生成に成功したか否かを判定する(s1203)。
具体的には、例えば、目標ダイヤ作成装置100は、ダイヤ変更パターン291におけるパターンマッチング情報901の列車属性9015が「変更対象」である列車が、修正箇所特定処理で特定されたダイヤ変更禁止列車に紐付けられる場合、又は、パターンマッチング情報901と整合する紐付けができない場合(例えばダイヤ変更パターン291における列車IDと候補ダイヤ上の列車IDとが1対1で対応しない場合や、ダイヤ変更パターン291における列車IDに係る列車と候補ダイヤ上の列車ID係る列車とで経路IDが相違する場合)は、当該修正箇所に対して現在のダイヤ変更パターン291を適用することができないので、列車ID対応テーブルの生成に失敗したと判定する。
他方、ダイヤ変更パターン291におけるパターンマッチング情報901の列車属性9015が「変更対象」である列車が、修正箇所特定処理で特定されたダイヤ変更禁止列車に紐付けられることなく、パターンマッチング情報901と整合する紐付けができた場合、目標ダイヤ作成装置100は、列車ID対応テーブルの生成に成功したと判定する。
目標ダイヤ作成装置100は、列車ID対応テーブルの生成に失敗したと判定した場合(s1203:NO)、組合せ要素の反映に失敗したと判定し(s1204)、組合せ要素反映処理を終了する(s1209)。
他方、目標ダイヤ作成装置100は、列車ID対応テーブルの生成に成功したと判定した場合(s1203:YES)、変更対象列車群削除処理を行う(s1205)。具体的には、例えば、目標ダイヤ作成装置100は、列車ID対応テーブルを参照することにより、ダイヤ変更パターン291における変更対象列車群情報903に列挙されている列車IDを、現在の候補ダイヤから削除する。その際、目標ダイヤ作成装置100は、変更対象列車群情報903に関して、削除する列車IDに係る列車の前運用列車に関する後運用列車の情報を、「後運用未定」の旨の情報で更新し、また、削除する列車IDに係る列車の後運用列車に関する前運用列車の情報を、「前運用未定」の旨の情報で更新する。
その後、目標ダイヤ作成装置100は、列車ID対応テーブルを参照することにより、変更後列車群情報904に列挙されている列車IDに対応する各列車を候補ダイヤに追加する変更後列車群追加処理を行う(s1206)。
具体的には、例えば、目標ダイヤ作成装置100は、各列車の列車IDを、経路IDで規定される駅並びに従って、始発駅から順に、着発番線先行列車の直後、及び、隣接駅間先行列車の直後に追加する。
なお、列車IDの具体的な割り当ての方法については、例えば、目標ダイヤ作成装置100は、新規に追加される列車IDに対応する候補ダイヤ上での列車IDについては、現在の候補ダイヤ上に存在していない列車IDを、所定の規則に従って割り当てる。
また、その他の情報の更新については、例えば以下のとおりである。すなわち、目標ダイヤ作成装置100は、追加した列車の前運用列車について、当該前運用列車に関する後運用列車の情報を、追加した列車を指すように更新し、同様に、追加した列車の後運用列車について、当該後運用列車に関する前運用列車の情報を、追加した列車を指すように更新する。また、目標ダイヤ作成装置100は、追加する列車の各駅における到着時刻及び出発時刻について、先行列車と後続列車の関係、及び、前運用列車と後運用列車の関係を満たすような、仮の時刻を登録する。これらの値は、後述の時隔調整処理s93で調整される。
そして、目標ダイヤ作成装置100は、組合せ要素の反映に『成功した』と判定し(s1207)、組合せ要素反映処理を終了する(s1209)。
(組合せ要素反映処理の具体例)
以下、図17乃至図19を用いて、組合せ要素反映処理の具体例について説明する。図17は組合せ要素反映処理の実行前の列車ダイヤ1500aの状態を示すダイヤ図であり、図18は列車ダイヤ1500aに対して変更対象列車群削除処理が実行された後の列車ダイヤ1500bの状態を示すダイヤ図であり、図19は列車ダイヤ1500bに対して変更後列車群追加処理が実行された後の列車ダイヤ1500cの状態を示すダイヤ図である。これらの図において、列車スジ1501は列車TR001に対応し、列車スジ1502は列車TR002に対応し、列車スジ1503は列車TR003に対応し、列車スジ1504は列車TR004に対応し、列車スジ1505は列車TR005に対応し、列車スジ1506は列車TR006に対応し、列車スジ1507は列車TR007に対応し、列車スジ1508は列車TR008に対応し、列車スジ1511は列車TR101に対応し、列車スジ1512は列車TR102に対応し、列車スジ1513は列車TR103に対応し、列車スジ1520は列車TR020に対応する。
以下、図3乃至図7で例示したダイヤ変更パターン291の基準列車である「PTR001」を、図17の列車ダイヤ1500aにおける列車「TR001」に紐付ける場合の例について説明する。ここで、列車ダイヤ1500はパターンダイヤと呼ばれる類の列車
ダイヤであり、列車「TR001」と列車「TR020」とが同等の関係にあることから、前記で例示したダイヤ変更パターン291は、ダイヤ変更パターン291内の基準列車である「PTR001」を、列車ダイヤ1500における列車「TR001」だけでなく、列車「TR020」に紐付けることもできることに注意する。すなわち、パターンダイヤの特徴を利用してダイヤ変更パターン291を作成しておくことで、予めダイヤ変更パターンデータベース290に登録しておくダイヤ変更パターン291の個数を抑えることができる。
図3乃至図7で例示したダイヤ変更パターン291における基準列車である「PTR001」を図17における列車「TR001」に紐付ける場合、ダイヤ変更パターン291内の列車IDと実際の列車との紐付けは、ダイヤ変更パターン291内の「PTR001」が列車「TR001」に、ダイヤ変更パターン291内の「PTR002」が列車「TR002」に、ダイヤ変更パターン291内の「PTR003」が列車「TR003」に、ダイヤ変更パターン291内の「PTR004」が列車「TR004」に、ダイヤ変更パターン291内の「PTR005」が列車「TR005」に、ダイヤ変更パターン291内の「PTR006」が列車「TR006」に、ダイヤ変更パターン291内の「PTR007」が列車「TR007」に、ダイヤ変更パターン291内の「PTR008」が列車「TR008」に、それぞれ一意に紐付けられる。
その後、変更対象列車群削除処理が実行されると、図18に示す列車ダイヤ1500bの状態となる。すなわち、列車ダイヤ1500aの状態から、変更対象である「PTR001」、「PTR002」、及び「PTR003」にそれぞれ対応する列車である「TR001」、列車「TR002」、及び列車「TR003」が削除される。
その後、変更後列車群追加処理が実行されると、図19に示す列車ダイヤ1500cの状態となる。すなわち、図7で例示した変更後列車群情報904に登録されている「PTR101」、「PTR102」、及び「PTR103」にそれぞれ対応する列車「TR101」、「TR102」、及び「TR103」が、変更後列車群情報904の経路IDが示す運行経路で、また、着発番線に関する走行順序が変更後列車群情報904の着発番線先行列車9045が示す先行列車の直後となるように、かつ、隣接駅間の線路に関する走行順序が変更後列車群情報904の隣接駅間先行列車9046が示す先行列車の直後となるように追加され、また、変更後列車群情報904の前運用列車ID9043及び後運用列車ID9044が示す情報に従って、前運用列車及び後運用列車が登録される。さらに、前運用列車である「TR004」及び「TR005」の運用情報のうち後運用列車の情報が、各々「TR101」及び「TR103」のように辻褄が合うよう更新され、後運用列車である「TR007」と「TR008」の運用情報のうち前運用列車の情報が、各々「TR102」及び「TR103」のように辻褄が合うよう更新される。
なお、例えば、留置線「PK03」のように、列車の使用頻度が低いと期待される箇所については、当該箇所に関する組合せ要素の反映の成否の判定(s92)を、後述の時隔調整処理s93で最適解を求めた後に実施するようにしてもよい。具体的には、例えば、目標ダイヤ作成装置100は、「ST03からPK03へ移動する際に使用する線路における先行列車」、「PK03に到着する際の先行列車」、及び「PK03からST03へ移動する際に使用する線路における先行列車」を「Don’t Care」と設定しておき、時隔調整処理で制約条件を作成する際に、当該箇所については列車間の関係に基づく制約条件(即ち先行列車や後続列車との時隔を確保するための制約条件)を作成せず、駅間の運転時分や「PK03」における停車時分に関する制約条件のみ作成して最適解を求め、得られた最適解での留置線「PK03」に関する到着時刻から出発時刻までの間に、他の列車が当該留置線「PK03」を使っている場合に「実行可能解が存在しなかった」と判定する。このような構成とすることで、「実行可能解が存在しなかった」と判定され
るケースが増加する可能性はあるものの、使用頻度が低いと期待される箇所での先行列車を特定するための情報のみが異なる複数パターンの組合せ要素を、同一のダイヤ変更パターンで表現できるため、ダイヤ変更パターンデータベース290に登録するダイヤ変更パターンの数を削減できる。なお、ここでの「Don’t Care」は、「先行列車なし」を表す前記の(図4等で説明した)「Don’t Care」とは意味が異なることから、両者の判別ができるよう、変更後列車群情報904に登録する着発番線先行列車あるいは隣接駅間先行列車の値に「Don’t Care」とは異なる例外値を登録しておき、適切な処理が選択できるようにする。
以上で、組合せ要素反映処理の説明を終了する。
次に、候補ダイヤ作成処理s57における時隔調整処理s93の詳細を説明する。
<時隔調整処理>
図20は、候補ダイヤ作成処理における時隔調整処理の一例を説明するフロー図である。目標ダイヤ作成装置100は、時隔調整処理において、組合せ要素に関する部分(列車の本数や運行経路、走行順序、使用する線路や番線等)を変更せずに、各列車TRiの各駅STjへの(時隔調整後の)到着時刻ARV(TRi,STj)と各列車TRiの各駅STjからの(時隔調整後の)出発時刻DPT(TRi,STj)とを決定する。
目標ダイヤ作成装置100は、時隔調整処理が開始されると、まず、ステップs111において、ステップs91で組合せ要素の変更を行った列車ダイヤにおける各列車のうち、時隔調整を行う列車を決定する。具体的には、例えば、目標ダイヤ作成装置100は、時隔調整対象範囲情報905を参照し、組合せ要素の変更の対象となった列車及びその前後のスジの列車を含む列車群を、時隔調整を行う列車として決定する。
次に、ステップs113において、目標ダイヤ作成装置100は、ステップs111で時隔調整を行うと決定した各列車に対して、予測されている移動需要の時間変化に基づき、理想とする運転間隔である目標運転間隔を算出する。
ここで、この運転間隔の算出方法について、図21を用いて説明する。
(目標運転間隔の算出方法)
図21は、時隔調整処理における各列車に関する運転間隔の理想値の求め方の一例を説明する図である。図21で、横軸は各列車の所定の着目駅の出発時刻を表しており、縦軸は移動需要(本実施例の場合、図11に示す単純な路線の例であるため、例えば、各時刻において次に到着する列車に乗車したい旅客が着目駅に何人到着したかという値)を表している。図21は、予測移動需要曲線808で示されているように、移動需要が時間に応じて変動する場合に、出発時刻が早い側の基準である列車TR0以前に着目駅を出発する列車の当該駅の出発時刻と、出発時刻が遅い側の基準である列車TR5以降に着目駅を出発する列車の当該駅の出発時刻とを動かさずに、列車TR1、列車TR2、列車TR3、列車TR4の出発時刻を調整する場合の例である。その際、着目駅をTR0、TR1、TR2、TR3、TR4、TR5の時間順で出発することは変更しない。このとき、目標ダイヤ作成装置100は、TR1〜TR4の出発時刻の理想値(すなわち、各列車に関する運転間隔の理想値)を、次のように求める。まず、列車TR0の出発時刻以降、列車TR5の出発時刻以前の時間帯における移動需要を積分することで、移動需要の総数、すなわち当該時間帯において列車に乗車したい旅客の総数を求める。次に、当該時間帯の旅客をTR1、TR2、TR3、TR4、TR5の5列車で輸送する前提で、各列車の割当人数が等しくなるよう、1列車あたりの割当人数を求める。最後に、各列車に乗車する旅客数に相当する定積分値810、定積分値811、定積分値812、定積分値813、定積分値814が各々前記割当人数に等しくなるよう、TR1、TR2、TR3、TR4の4列車の出発時刻をこの順で決めていく。これにより、各列車の乗車人数、すなわち混雑度を平準化するような、運転間隔の理想値が算出される。
なお、編成両数が異なるなど、列車によって輸送力が異なる場合には、「各列車の割当人数」ではなく「各列車の輸送力に対する割当人数の割合」を平準化するように運転間隔の理想値を求めてもよい。そのような変更は容易である。
図20の説明に戻る。目標ダイヤ作成装置100は、ステップs115において、ステップs113で算出した目標運転間隔を基に、時隔調整の目的関数を作成する。目標ダイヤ作成装置100が算出する目的関数は、各列車の運転間隔が前記目標運転間隔から乖離するほどその評価値(出力値)が悪くなるような関数であり、例えば以下のような関数である。後述のステップs119では、以下の目的関数f1を最小にする解が最良な解である、として最適解を求める。
目的関数f1=Σ|HDW(TRi,STj)−IdealHDW(TRi,STj)|
ここでΣは、調整対象となっている列車TRiと着目する駅STjの組について和を取るが、調整対象となっている列車TRiが着目する駅STjを走行する場合のみ、和を取る対象とする。なお、調整対象となっている列車TRiの添え字iは一般に1つ以上存在し(すなわち1つ以上の列車が調整対象であり)、着目する駅STjの添え字jも一般に1つ以上存在する(例えば、ST14とST16など複数の駅に着目することも許容する)。また、HDW(TRi,STj)は、駅STjにおける列車TRi基準での運転間隔(列車TRiと後続の列車との間の運転間隔)であり、IdealHDW(TRi,STj)は、駅STjにおける列車TRi基準での目標運転間隔(列車TRiと後続の列車との間の理想的な運転間隔)である。駅STjにおける列車TRi基準での運転間隔HDW(TRi,STj)は、例えば以下の式で表される。
HDW(TRi,STj)=DPT(NEXT(TRi,STj),STj)−DPT(TRi,STj)
ここで、NEXT(TRi,STj)は駅STjにおける列車TRiの次の列車である。
次に、目標ダイヤ作成装置100は、ステップs117において、列車走行に関する制約条件を作成する。列車走行に関する制約条件としては、運行予測関連の制約条件と運行サービス関連の制約条件の二種類があり、例えば以下のような制約条件を作成する。前述のとおり、決定変数は各列車TRiの各駅STjへの到着時刻ARV(TRi,STj)と各列車TRiの各駅STjからの出発時刻DPT(TRi,STj)であり、以下の制約条件はこれらの変数を用いて作成する。
運行予測関連の制約条件は、以下の通りである。なお、条件4と条件5はPERT等を活用した公知の運行予測技術において採用されているものと同様の制約条件であり、各駅におけるこれらの制約条件の要否は、線路配線に依存して決まるものである。
(条件1)時隔調整後の各列車の各隣接駅間の運転時分は、時隔調整前の当初の運転時分に等しい。
(条件2)時隔調整後の各列車の各駅の停車時分は、時隔調整前の停車時分に等しい。
(条件3)時隔調整後の各列車の各折返し駅での折返し時分は、予め設定された最小の折返し時分以上である。
(条件4)時隔調整後の各駅の各列車の後続列車の到着時刻は、「先行列車の出発時刻+続行時隔」以降である。
(条件5)時隔調整後の各駅の各列車の後続列車の到着又は出発時刻は、「先行列車の出
発又は到着時刻+交差時隔」以降である。
運行サービス関連の制約条件は、以下の通りである。
(条件6)時隔調整後の、各駅の各列車の出発間隔は、予め設定された最大待ち時間以下である。
列車走行に関する制約条件をこのように作成することで、後述のステップs119で最適解を求める際に、旅客が列車に乗車してから目的地に到着するまでの旅行時間は変わらず、かつ、折返し時分によって運転間隔が調整された列車ダイヤを作成することができる。
目標ダイヤ作成装置100は、ステップs119において、s117で生成した制約条件を満たしつつ、s115で生成した目的関数の値を最小化するような各決定変数の値(すなわち最適解)を求め、時隔調整処理を終了する。
ステップs119の最適解の算出は、例えば、混合整数計画問題のソルバー等、公知の技術を用いて行えばよく、また、要求される応答性能の観点から最適解を求めるだけの十分な演算時間が得られない場合には、制限時間の範囲内で実行可能な準最適解を求めて出力するようにしてもよい。実行可能解が見つからない場合には、目標ダイヤ作成装置100は、実行可能解が見つからない旨を出力し、図15の候補ダイヤ作成処理におけるステップs95の条件分岐で「NO」が選択できるようにする。
目標ダイヤ作成装置100は、ステップs119において実行可能解が見つかった場合には、時隔調整処理を終了する前に、求めた各決定変数の値、すなわち、各列車TRiの各駅STjへの時隔調整後の到着時刻ARV(TRi,STj)と、各列車TRiの各駅STjからの時隔調整後の出発時刻DPT(TRi,STj)とを作成対象となっている候補ダイヤに反映しておく。
<候補ダイヤ選択処理>
次に、目標ダイヤ修正処理における候補ダイヤ選択処理について説明する。
図22は、目標ダイヤ修正処理s21における候補ダイヤ選択処理s61の一例を説明するフロー図である。
候補ダイヤ選択処理が開始されると、目標ダイヤ作成装置100は、まず、ステップs131において、候補ダイヤ作成処理s57で作成に成功した候補ダイヤについて、予測時間帯における各隣接駅間の各列車の混雑度を予測する。
続いて、ステップs133において、目標ダイヤ作成装置100は、ステップs131で予測した混雑度に基づいて、候補ダイヤに対応する評価指標ベクトルを算出する。
次に、ステップs135において、目標ダイヤ作成装置100は、ステップs133で算出した評価指標ベクトルと、予め生成しておいた基準評価指標ベクトルとを比較して、評価値を算出する。この評価値としては、例えば「両者の差のベクトルの大きさ」等、両者の類似度が測れ、両者が類似しているほど「良好」との評価となるような評価値を用いる。このとき、基準評価指標ベクトルを求めた時点での列車ダイヤと、候補ダイヤとは、時刻の観点を除いたとしても必ずしも一致するとは限らないため、列車単位の比較では無意味である。そのため、例えば図10で例示したように、統計量としての比較が行えるよう、評価指標ベクトルを構成しておく。
ステップs135で算出した評価値の方が、最良候補ダイヤに対応する評価指標ベクトルと基準評価指標ベクトルとから算出される評価値よりも良好である場合、すなわち、今
回の候補ダイヤの方が現在の最良候補ダイヤよりも計画立案時に想定したサービス品質に近い場合(ステップs137「YES」)、目標ダイヤ作成装置100は、ステップs139で今回の候補ダイヤを新たな最良候補ダイヤとして設定し、候補ダイヤ選択処理を終了する。他方、ステップs135で算出した評価値の方が、最良候補ダイヤに対応する評価指標ベクトルと基準評価指標ベクトルとから算出される評価値よりも良好でない場合(ステップs137「NO」)、最良候補ダイヤを更新せずに、そのまま候補ダイヤ選択処理を終了する。なお、ステップs139で今回の候補ダイヤを新たな最良候補ダイヤとして設定する場合、目標ダイヤ作成装置100は、今回の候補ダイヤに対応する評価値も、合わせて記憶しておく。
以上、本実施形態によれば、移動需要の予測結果に基づいて理想とする運転間隔を算出し、当該理想とする運転間隔に基づいて運転間隔に関する目的関数を生成し、列車の運行に関して満たすべき制約条件の下で前記目的関数に基づき各列車の折返し時分を最適化することによって目標ダイヤの更新候補となる候補ダイヤを作成するような構成としたため、何らかの理由によって理想通りの運転間隔が実現できない場合であっても、従来技術に比べ、移動需要への適合度合いがより平準化された候補ダイヤを作成することができ、より均質な品質での運行サービスを旅客に提供することができる。
さらに、評価指標ベクトルを介して、当初計画において想定していたサービス品質に近いような候補ダイヤを良好であるとするような構成としたことで、例えば混雑度だけを見て評価する場合であっても、増発を頻発することによって過剰サービスに陥ることなく、「基準となるサービス品質に近い品質での運行サービス」を提供することができる。
このように、本実施形態の自動列車制御システム1によれば、移動需要の変動がある場合でも従来より均質な品質での運行サービスを旅客に提供することができる、言い換えれば、(例えば計画時点で想定した)基準となるサービス品質により近い品質での運行サービスを旅客に提供することができる。
<第2実施形態>
以下、本発明の第2の実施形態について、図23及び図24を用いて説明する。本実施形態は、環状線に対して適用するに好適な例である。本実施形態における目標ダイヤ作成装置100a(図示せず)は、前記第1の実施形態における目標ダイヤ作成装置100に対して、時隔調整処理s93の内容が異なる。そのため、以下、本実施形態における時隔調整処理の内容について、詳細に説明する。
図23は、本実施形態に係る環状線の一例を示す図である。図23に示すように、この環状線では、外側の線路LN21を走行する各列車953は、ST21、ST22、・・・、ST26の順に時計回りに各駅を循環し、内側の線路LN22を走行する各列車は、反時計回りに各駅を循環する(反時計周りに走行する列車については、図示を省略する)。図24は、このような環状線を運行する列車の運行状況を表したダイヤ図であるが、図24に示すように、列車954の出発時刻を遅らせることで次の列車との運転間隔956を縮めると、その影響で、列車954と同一の車両で運行する列車955の出発時刻も遅れる可能性があり、それによって先行列車との運転間隔957が間延びする可能性がある。このように、ある列車の時刻変更の影響がその直後の列車との運転間隔の変化のみに止まらないというのが環状線の場合の1つの特徴である。また、環状線の場合の別の特徴として、列車の折り返しが発生しないため、折り返し時分による運転間隔の調整ができない、という点がある。これらの検討結果を踏まえ、本実施形態における目標ダイヤ作成装置100aは、前記第1の実施形態における目標ダイヤ作成装置100に対して、時隔調整処理s93におけるステップs117の処理(列車走行に関する制約条件を作成する処理)の内容が主に異なる。そのため以下では、当該処理の内容について詳細に説明する。
本実施形態の目標ダイヤ作成装置は、ステップs117の処理において、前述の2つの
環状線の特徴を踏まえつつ旅行時間(出発地を出発してから目的地に到着するまでの時間)の増加など旅客の不利益を所定範囲内に抑えるため、第1実施形態における条件2を緩和して条件2’とし、条件3を削除し、運行サービス関連の制約条件として条件7を追加して、以下のような制約条件を作成する。
(条件1)時隔調整後の各列車の各隣接駅間の運転時分は、時隔調整前の当初の運転時分に等しい。
(条件2’)時隔調整後の各列車の各駅の停車時分は、時隔調整前の停車時分以上である。ただし、両者の差異は、所定時分以内でなければならない。
(条件4)時隔調整後の各駅の各列車の後続列車の到着時刻は、「先行列車の出発時刻+続行時隔」以降である。
(条件5)時隔調整後の各駅の各列車の後続列車の到着又は出発時刻は、「先行列車の出発又は到着時刻+交差時隔」以降である。
(条件6)時隔調整後の各駅の各列車の出発間隔は、予め設定した最大待ち時間以下である。
(条件7)路線一周分の旅行時間は、所定時分以下である。
以上、本実施形態によれば、計画値からの変更を許容するよう、停車時分に関する条件を緩和した制約条件を作成することで、折返し時分による時隔調整が困難である環状線においても、予測される移動需要に応じた運転間隔の調整を行うことが可能となり、第1実施形態と同様に、列車の混雑度が平準化される列車ダイヤ(目標ダイヤ)を作成することができる。
<第3実施形態>
以下、本発明の第3の実施形態について、図25乃至図28を用いて説明する。本実施形態は、図25に示すように、ある方面を担当する路線と別の方面を担当する路線が一部の区間で線路や番線を共通に使用しているような場合に対して適用するに好適な例である。本実施形態はまた、運行密度が高く、方面別の移動需要が時隔調整の範囲内でほぼ均一であるとみなせる場合に、ダイヤ作成の応答性を優先し、簡易な時隔調整によって混雑度を平準化する処理の例でもある。本実施形態における目標ダイヤ作成装置100c(図示せず)は、前記第1の実施形態における目標ダイヤ作成装置100に対して、時隔調整処理s93の内容が異なる。そのため、以下、本実施形態における時隔調整処理の内容について、詳細に説明する。
図25は、本実施形態を適用するに好適な路線の特徴を説明するための路線図である。本実施形態では、第1の方面を担当する第1の路線は、駅ST11、駅ST12、駅ST13、駅ST14、駅ST15という駅並びを往復する路線であり、第2の方面を担当する第2の路線は、駅ST11、駅ST12、駅ST13、駅ST16、駅ST17という駅並びを往復する路線である。図25に示すように、第1の路線と第2の路線は、駅ST11から駅ST12を経由して駅ST13の先で分岐するまでの線路や番線等の設備を共通で使用しており、また、同一の車両が第1の路線と第2の路線のいずれもを走行可能であるように成されている。これらの路線で使用される車両は共通に、線路LN6を経由して出入りを行う車両基地Depotを使用する。
図26(A)は、本実施形態における組合せ要素反映処理s91の実行前の列車ダイヤの一例を示すダイヤ図である。縦軸が駅並び、横軸が時刻を表しており、細線の列車スジが第1の路線を走行する列車、太線の列車スジが第2の路線を走行する列車を表している。図26(A)において、例えば、列車スジ1101は第1の路線を走行する列車の列車スジである。ここで例えば、第1の路線を走行する列車に対して第2の路線を走行する列車の混雑度が大幅に高くなることが予想されるが、予備車がなく、第1の路線を走行する列車を減らし、第2の路線を走行する列車を増やしたい、という場合を想定する。
図26(B)は、前記想定の状況において、組合せ要素反映処理s91を実行した後の列車ダイヤの一例を示すダイヤ図である。図26(B)に示す列車ダイヤでは、図26(A)における列車スジ1101に対応する列車を、列車スジ1301のように第2の路線を走行するように方面変更し、以降の列車についても方面変更しながら走行させることで、すべての列車に車両を割り当てたまま、すなわち「車両が割り当たらず実際には走行できない列車」を発生させずに、第1の路線を走行する列車を減らし、第2の路線を走行する列車を増やすことを実現している。このような組合せ要素の変更は、第1実施形態同様、ダイヤ変更パターンデータベース290に格納されたダイヤ変更パターン291に基づいて実施すればよい。本実施形態の特徴は、前述のように時隔調整処理s93にあるため、次に、図27乃至図28を用いて、時隔調整処理の詳細について説明する。
図27(A)及び図27(B)は、図26(B)で示した列車ダイヤに対して、本実施形態における時隔調整処理の特徴を分かり易く説明するため、右肩上がりの直線で表現されている列車スジの記載を省略し、運行密度を高めた部分の列車スジを太線で表して比較したものである。ここで、図27(A)は、「太線の列車スジと前後1本分の列車スジに関して時隔調整が可能である(すなわち時刻を変更してよい)」という条件の下で、時隔調整の対象列車として列車スジ1301、列車スジ1302、列車スジ1303、列車スジ1304に対応する列車を選択し、旅客数が最も多い区間であるST11乃至ST13の区間で列車の運転間隔が等間隔となるように時隔調整を行った場合のダイヤ図であり、図27(B)は、同じ条件の下で、分岐後の区間ST14乃至ST15、及び、区間ST16乃至ST17において列車の運転間隔が等間隔となるように時隔調整を行った場合のダイヤ図である。移動需要が時隔調整の範囲内でほぼ均一であるとみなせる場合、すなわち、図21の例の場合であれば曲線808が横軸に平行な直線で近似できる場合、運転間隔を等間隔にした方が、運転間隔に疎密を持たせる場合に比べて、各列車の混雑度が均一になる傾向にある。そのため、図27(A)は旅客数が最も多い区間に着目して運転間隔を最適化した場合であり、図27(B)は行先別に運転間隔を最適化した場合である、と整理できる。
直感的には、旅客数が最も多い区間に着目して運転間隔を最適化する図27(A)の方式が好適であると予想されるが、幾つかのデータを用いて検討した結果、図27(B)の方式が図27(A)の方式に比べて好適である場合も散見された。具体的には、第2の路線を走行する列車数を増やしたにもかかわらず、第2の路線を走行する列車のうち先行列車との運転間隔が開いている列車の混雑度が高く、先行列車との運転間隔が詰まっている列車の混雑度が低くなる、という現象が発生する。これは、例えばST11乃至ST13の区間内から乗車し、第2の路線でしか到達できない駅を目的地とする旅客が、第1の路線に向かう列車には乗車せず、第2の路線に向かう列車を待つ、という旅客行動モデルに起因するものであるが、実世界における旅客の挙動としても尤もらしいと考えられる。この知見から、本実施形態では、後述のステップs155で時隔調整の目的関数を作成する際に、列車の行き先も踏まえて目的関数を作成するようにした。
図28は、本実施形態における目標ダイヤ作成装置100cの動作のうち、時隔調整処理における詳細な動作を説明するためのフロー図である。図28において図20と同じ符号は図20と同じものを表す。図28の時隔調整処理は、図20の時隔調整処理に比べて、目標運転間隔を算出する処理s153と時隔調整の目的関数を作成する処理s155とが異なっている。このうちステップs153の処理は、前述のように、移動需要が時隔調整の範囲内でほぼ均一であるとみなせる場合を想定し、「運転間隔を等間隔にするのが最良である」と近似する簡易的な方法をとる、というものである。よって以下では、ステップs155の処理について詳細に説明する。
本実施形態における目標ダイヤ作成装置100cは、時隔調整の目的関数を作成する際、列車の運行経路も踏まえて目的関数を作成する。具体的には、「同一の運行経路を走行する列車間の運転間隔の変化が少ないほうが望ましい」及び「理想的な状況が達成できない場合には混雑している区間を優先させて理想的な状況に近づけたい」という意図を反映するため、HDW(TRi,STj)の代わりに後述するHDW#SM(TRi,STj
)を用いて、例えば以下のような目的関数f3を作成する。目的関数f3を最小にする解が最良な解である、として最適解を求める点は、第1実施形態と同様である。
目的関数f3=Σ{CNG(TRi,STj)×|HDW#SM(TRi,STj)−
HDW#SM(PREV#SM(TRi,STj),STj)|}
ここでΣは、調整対象となっている列車TRiと着目する駅STjの組について和を取るが、調整対象となっている列車TRiが着目する駅STjを走行する場合のみ、和を取る対象とする。なお、調整対象となっている列車TRiの添え字iは一般に1つ以上存在し(すなわち1つ以上の列車が調整対象であり)、着目する駅STjの添え字jも一般に1つ以上存在する(例えば、ST14とST16など複数の駅に着目することも許容する)。なお、各駅STjに対しては、その重要度に応じて重みづけをしてもよい。
また、CNG(TRi,STj)は、列車TRiが駅STjを出発する時刻前後の時間帯(対象範囲は例えば所与のパラメータを記憶部103に記憶しておき当該パラメータを参照することで特定する)における、列車TRiと運行経路が同じ列車の、駅STj出発時の1列車あたりの平均乗車率である。
HDW#SM(TRi,STj)は列車TRi基準での駅STjにおける運行経路が同
じ列車の運転間隔であり、具体的には以下の式で表される。なお、同式のNEXT#SM
(TRi,STj)は、駅STjにおける、列車TRiと運行経路が同じ列車のうち、列車TRiの1つ次の列車を表す。
HDW#SM(TRi,STj)=DPT(NEXT#SM(TRi),STj)−DPT(TRi,STj)
PREV#SM(TRi,STj)は、駅STjにおける、列車TRiと運行経路が同
じ列車のうち、列車TRiの1つ前の列車を表す。
以上、本実施形態の自動列車制御システム1によれば、列車の運行経路を考慮した運転間隔を用いて目的関数を作成することで、ある方面を担当する路線と別の方面を担当する路線が一部の区間で線路や番線を共通に使用しているような場合において、方面ごとに移動需要の多寡が異なるような場合であっても、列車の混雑度を平準化することができる。また、運行密度が高く、方面別の移動需要が時隔調整の範囲内でほぼ均一であるとみなせる場合に、目標運転間隔の算出において運転間隔を等間隔にすることを良しとするような近似を行うことで、時隔調整処理を簡易化でき、ダイヤ作成の応答性を向上させることができる。
以上、本発明の複数の実施形態について説明したが、本発明の実施形態は例示したものに限るものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、前記実施形態では、時隔調整処理において、時隔調整後の運転時分や停車時分が当初計画時の運転時分や停車時分と同じ値となるように制約条件を作成したが、本発明の実施形態はこれに限るものではなく、所定の値の範囲内で時分が増えることを許すような制約条件を作成するようにしてもよい。その場合、運行サービス関連の制約条件として
、例えば、始発駅から終着駅までの旅行時間の最大値を所定値以下とするような制約条件も合わせて作成し、旅客の被り得る不利益の程度を限定しておくことが望ましい。
また、前記実施形態では、自動列車制御システム1が移動需要予測システム300を備えるような構成としたが、本発明の実施形態はこれに限るものではない。目標ダイヤ作成装置100が必要に応じて移動需要の予測結果を移動需要予測システム300から取得できるような構成であればよく、例えば、自動列車制御システム1の外部にある移動需要予測システム300に対して、公開されているインタフェースを介して目標ダイヤ作成装置100がリクエストを送信し、移動需要の予測結果を取得するような構成としてもよい。
また、前記実施形態では、運行経路情報1200が各駅において使用する番線の識別子である番線IDを備えるような構成としたが、本発明の実施形態はこれに限るものではない。例えば、始発駅や終着駅などのターミナル駅において使用する番線をプログラムが自動で求めるような構成とし、そのような駅に対応する番線IDを「*」などのマーカーで表現するようにしてもよい。
また、前記実施形態は、鉄道における輸送サービスを実現するための制御システムを例として説明したが、本発明の実施形態はこれに限らず、LRT(Light Rail Transit)やバス等、時刻表に基づき所定の経路を走行する交通機関に対して、広く適用することができる。
以上、前記実施形態では、目標ダイヤ作成装置100において、目的関数生成部が、時隔調整の目的関数として、運行経路が同じ列車間の運転間隔が相違するほど評価値が悪くなる関数を生成するような構成とした。
これにより、例えば、ある方面を担当する路線と別の方面を担当する路線が一部の区間で線路や番線を共通に使用しているような場合において、方面ごとの移動需要を踏まえつつ、方面ごとの輸送力を時間的に平準化させるような時隔調整を行うことができる。その結果、本発明者が得た知見によれば、路線全体として各列車の混雑度をより効果的に平準化することができる。
また、前記実施形態では、目標ダイヤ作成装置100が、移動需要の予測結果を用いて各列車間の運転間隔の理想値を算出する目標運転間隔算出部を備え、目的関数生成部が、時隔調整の目的関数として、各列車の運転間隔が前記理想値から乖離するほど評価値が悪くなる関数を生成し、目標ダイヤ作成装置100が、制約条件生成部が生成した制約条件の下で前記目的関数を最適化することで最適な時隔調整結果を求めるような構成とした。
このような構成とすることで、移動需要に照らして理想とする運転間隔が実現可能である場合には理想とする運転間隔を実現するような列車ダイヤが作成できる一方、理想とする運転間隔が実現できない場合であっても、理想とする運転間隔にできるだけ近い運転間隔を実現するような列車ダイヤを作成することができるため、移動需要に変動がある場合において従来より均質な品質の運行サービスを旅客に提供することができる。
また、前記実施形態では、制約条件生成部が、各列車の所定の駅における停車時分の値が所定の範囲内で変わり得るように時隔調整の際の制約条件を生成し、目標ダイヤ作成装置が、当該制約条件の下で最適解を求めるような構成とした。
このような構成とすることで、環状の路線など、折り返し時分での調整ができない路線においても、理想とする運転間隔に近づけるよう、運転間隔の調整を適切に行うことができる。
また、前記実施形態では、目標ダイヤ作成装置100が、列車ダイヤに関する評価指標
値を算出する評価指標値算出部を備え、さらに、候補ダイヤ生成部が、新たな目標ダイヤの候補となる候補ダイヤを複数生成し、評価指標値算出部が、前記複数の候補ダイヤのそれぞれの評価指標値を算出し、算出した評価指標値のうち、所定の基準値と最も類似度が高い評価指標値を有する候補ダイヤを、前記複数の候補ダイヤのうち最良の候補ダイヤとして特定し、前記特定した最良の候補ダイヤを新たな目標ダイヤとして出力するような構成とした。
このような構成とすることで、基準となるサービス品質に近いサービス品質が得られると期待される候補ダイヤを新たな目標ダイヤとして選択することができるため、サービス過剰やサービス不足に陥ることなく、均質な品質の運行サービスを提供することができる。
例えば、評価指標ベクトルを用い、当初のダイヤ計画で想定していた列車運行サービス品質に近い候補ダイヤを良好であると判定することができるので、列車の増発を頻発して過剰なサービスに陥ることなく、通常と同様の質の運行サービスを提供することができる。
また、前記実施形態では、目標ダイヤ作成装置100が、列車ダイヤに関する評価指標値を算出する評価指標値算出部を備え、前記評価指標値算出部が、修正前の目標ダイヤの評価指標値を算出し、算出した評価指標値と所定の基準値との比較において所定の差異が検出された場合に、前記候補ダイヤを生成するような構成とした。
このような構成とすることで、列車ダイヤの変更を、予想されるサービス品質が所定の基準値からかけ離れる場合に限定して行うことができるため、車両保守計画等、他の計画への影響を低減することができる。
また、前記実施形態では、複数の候補ダイヤから最良の候補ダイヤを特定するための所定の基準値として、当日に修正が行われる前の計画時の列車ダイヤと、当該列車ダイヤを作成する際に想定されていた移動需要と、に基づき算出された評価指標値を用いるような構成とした。
このような構成とすることで、移動需要が変動する場合においても、輸送計画の作成者が想定したサービス品質に近い品質のサービスを安定して提供することができる。
また、前記実施形態では、前記評価指標値として、所定の駅における積み残し旅客人数を前記評価指標値の要素として含むような構成とした。
このような構成とすることで、予想される列車内の混雑度だけでなく、予想される駅での状況も含めて、均質なサービスを提供することができる。
また、前記実施形態では、前記評価指標値として、所定の時間帯ごとの列車の平均混雑度に関する値を窓関数を用いて求め、前記評価指標値の要素として含むような構成とした。
このような構成とすることで、ダイヤ変更によって所定の時間帯の境界付近における列車の存在有無が変化するような場合においても、各時間帯における平均混雑度の変化を適切に把握し、適切な候補ダイヤを最良の候補ダイヤとして特定することができる。
また、前記実施形態では、所定のセンサから取得した情報に基づいて算出された移動需要の予測結果を用いて制御対象となる列車群に含まれる列車間の運転間隔に関する目的関数を生成する目的関数生成部、前記列車群の運行に関し、各列車の各駅の到着時刻および
出発時刻が満たすべき制約条件を求める制約条件生成部、及び、前記目的関数を前記制約条件の下で最適化して求めた各列車の各駅の到着時刻および出発時刻を用いて列車群の制御に使用する列車ダイヤである目標ダイヤの候補となる候補ダイヤを作成する候補ダイヤ作成部、を備え、最新の目標ダイヤを基に前記候補ダイヤ作成部が作成した前記候補ダイヤを新たな目標ダイヤとして出力するダイヤ作成装置を、自動列車制御システムが備え、当該自動列車制御システムが、前記出力された目標ダイヤに基づき、各列車を制御する、という構成とした。
このような構成とすることで、旅客の利用状況を把握しつつ旅客にとって快適な運行サービスを均質に提供できる列車運行を実現することができる
以上のように、列車自動制御システム1は、移動需要の増減に応じて各列車の運転間隔を動的に調整し、特に、移動需要の増減に応じて各列車の運行計画である目標ダイヤ(タイムテーブル)を修正することができる。これにより、自動列車制御システム1は、この修正された目標ダイヤに従って各車両が走行するよう制御することができる。
また、自動列車制御システム1は、移動需要に適合させるための理想的な状態が物理的に達成できない場合、分岐・合流がある路線の場合、環状の路線である場合等であっても、移動需要への適合度合いを適切に調節したダイヤ(例えば、運転間隔を適度に平準化した列車ダイヤ)を作成することができる。これにより、移動需要に適合し、平準化された列車運行サービスを提供することができる。
1 自動列車制御システム、100 目標ダイヤ作成装置、115 目的関数生成部、117 制約条件生成部、119 候補ダイヤ作成部

Claims (11)

  1. 列車群の制御に使用する列車ダイヤである目標ダイヤを、移動需要の予測結果を用いて修正して新たな目標ダイヤを作成するダイヤ作成装置であって、
    前記移動需要の予測結果を用いて前記列車群に含まれる列車間の運転間隔に関する目的関数を生成する目的関数生成部と、
    前記列車群の運行に関し、各列車の各駅の到着時刻および出発時刻が満たすべき制約条件を求める制約条件生成部と、
    前記目的関数を前記制約条件の下で最適化して求めた各列車の各駅の到着時刻および出発時刻を用いて目標ダイヤの候補となる候補ダイヤを作成する候補ダイヤ作成部と、を備え、
    前記候補ダイヤ作成部が作成した候補ダイヤを新たな目標ダイヤとして出力する、ダイヤ作成装置。
  2. 前記目的関数生成部は、前記目的関数として、運行経路が同じ列車間の運転間隔が相違するほど評価値が悪くなる関数を生成する、請求項1に記載のダイヤ作成装置。
  3. 前記移動需要の予測結果を用いて各列車間の運転間隔の理想値を算出する目標運転間隔算出部を備え、
    前記目的関数生成部は、前記目的関数として、各列車の運転間隔が前記算出した理想値から乖離するほど評価値が悪くなる関数を生成する、
    請求項1に記載のダイヤ作成装置。
  4. 前記制約条件生成部は、各列車の所定の駅における停車時分の値が所定の範囲内で変わり得るように前記制約条件を求める、
    請求項3に記載のダイヤ作成装置。
  5. 列車ダイヤに関する評価指標値を算出する評価指標値算出部を備え、
    前記候補ダイヤ生成部は、前記候補ダイヤを複数生成し、
    前記評価指標値算出部は、前記複数の候補ダイヤのそれぞれの評価指標値を算出し、
    算出した評価指標値のうち、所定の基準値と最も類似度が高い評価指標値を有する候補ダイヤを、前記複数の候補ダイヤのうち最良の候補ダイヤとして特定し、前記特定した最良の候補ダイヤを新たな目標ダイヤとして出力する、
    請求項1に記載のダイヤ作成装置。
  6. 列車ダイヤに関する評価指標値を算出する評価指標値算出部を備え、
    前記評価指標値算出部は、修正前の前記目標ダイヤの評価指標値を算出し、算出した評価指標値と所定の基準値との比較において所定の差異が検出された場合に、前記候補ダイヤを生成する、
    請求項1に記載のダイヤ作成装置。
  7. 前記所定の基準値は、修正前の、計画時の列車ダイヤと、当該列車ダイヤを作成する際に推定されていた移動需要と、に基づき算出された評価指標値である、請求項5に記載のダイヤ作成装置。
  8. 前記評価指標値は、所定の駅における積み残し旅客人数を前記評価指標値の要素として含む、請求項5に記載のダイヤ作成装置。
  9. 前記評価指標値は、窓関数を用いて算出された、所定の時間帯ごとの列車の平均混雑度に関する値を前記評価指標値の要素として含む、請求項5に記載のダイヤ作成装置。
  10. 所定のセンサから取得した情報に基づいて算出された移動需要の予測結果を用いて制御対象となる列車群に含まれる列車間の運転間隔に関する目的関数を生成する目的関数生成部、
    前記列車群の運行に関し、各列車の各駅の到着時刻および出発時刻が満たすべき制約条件を求める制約条件生成部、及び、
    前記目的関数を前記制約条件の下で最適化して求めた各列車の各駅の到着時刻および出発時刻を用いて列車群の制御に使用する列車ダイヤである目標ダイヤの候補となる候補ダイヤを作成する候補ダイヤ作成部、
    を備え、前記候補ダイヤ作成部が最新の目標ダイヤを基に作成した前記候補ダイヤを新たな目標ダイヤとして出力するダイヤ作成装置と、
    前記出力された目標ダイヤに基づき、各列車を制御する運行管理システムと、
    を備えて構成される、自動列車制御システム。
  11. 列車群の制御に使用する列車ダイヤである目標ダイヤを、移動需要の予測結果を用いて修正して新たな目標ダイヤを作成するダイヤ作成方法であって、
    ダイヤ作成装置が、
    前記移動需要の予測結果を用いて前記列車群に含まれる列車間の運転間隔に関する目的関数を生成する目的関数生成処理と、
    前記列車群の運行に関し、各列車の各駅の到着時刻および出発時刻が満たすべき制約条件を求める制約条件生成処理と、
    前記目的関数を前記制約条件の下で最適化して求めた各列車の各駅の到着時刻および出発時刻を用いて目標ダイヤの候補となる候補ダイヤを作成する候補ダイヤ作成処理と、を実行し、
    前記候補ダイヤ作成処理によって作成された候補ダイヤを新たな目標ダイヤとして出力する、
    ダイヤ作成方法。
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