JPH07285439A - 遺伝的アルゴリズム/ニューロによる列車ダイヤ作成装置及び作成方法 - Google Patents

遺伝的アルゴリズム/ニューロによる列車ダイヤ作成装置及び作成方法

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JPH07285439A
JPH07285439A JP8000594A JP8000594A JPH07285439A JP H07285439 A JPH07285439 A JP H07285439A JP 8000594 A JP8000594 A JP 8000594A JP 8000594 A JP8000594 A JP 8000594A JP H07285439 A JPH07285439 A JP H07285439A
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train
plan
station
objective function
train schedule
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JP8000594A
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Inventor
Hideo Yoshida
英雄 吉田
Haruki Inoue
春樹 井上
Susumu Tsuchiya
晋 土屋
Yoshio Watanabe
好夫 渡辺
Masakazu Yahiro
正和 八尋
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Hitachi Engineering Co Ltd
Hitachi Ltd
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Hitachi Engineering Co Ltd
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】列車ダイヤ作成において、最適解を許容される
有限時間内に得ることのできる計画立案方法および装置
を提供する。 【構成】複数の各列車の走行パタ−ン情報を含む列車ダ
イヤ情報を入力する列車ダイヤ情報入力手段2と、列車
ダイヤ作成において最適化を図る物理量を表す目的関数
を作成するための情報を含む計画条件を入力する計画条
件設定手段4と、列車の組合せベクトルをxとし目的関
数F(x)の最小値を求める列車ダイヤ計画作成手段6
と、該列車ダイヤ計画作成手段による列車ダイヤ計画作
成結果を出力する出力手段8を有する。列車ダイヤ計画
作成手段8は、複数の列車が不規則に組み合わされた第
一世代の親計画に対して、任意の2個の要素を入れ替
え、子計画を生成する操作を第二世代から予め定められ
た世代数まで、繰返し実行し、前記目的関数値を最大ま
たは最小にする計画を列車ダイヤ計画として選び出す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は列車ダイヤグラム(以下
「列車ダイヤ」と略して称する)作成方法に関し、特に
計画対象とする列車数が多く、制約条件が多い場合等の
複雑な問題の最適解を極めて高速に得る方法および装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】大都市生活圏の拡大、多様化等の社会生
活の進展とともに、電気鉄道による大量輸送機関の役割
は飛躍的に増大し、列車ダイヤについても安全で、かつ
乗客へのサ−ビス性の高い、きめ細かな対応が求められ
ている。また公共・産業の進展に伴い、主要都市間を結
ぶ高速大量輸送機関には、一層の高速性、安全性、およ
び異常事象発生時の的確、迅速な対応が急務となってい
る。上記のような状況に対し、現在の主要列車設備は、
今日の状況までをも予見して建設されたものではないた
め、車両の性能の向上、乗客の増大等に、十分に対応す
ることが困難になってきている。特に、車両の性能の向
上による効果を十分に発揮しようとすると、安全性が犠
牲になるため、十分性能を発揮できなかったり、また非
常時には逆に安全性が犠牲になる場合も存在しないとは
言えない状況となっている。このような状況を回避し、
安全で、高速な運行計画を立てるためには、限られた時
間、設備の中で最適に列車を配置すること、すなわち最
適な列車ダイヤの作成が不可欠である。列車ダイヤ作成
にあたっては、単に始発から終着までの駅の列車の位置
と時刻を表す線を輸送計画に従って配列するだけでな
く、列車運行に必要な列車の性能、乗務員の勤務計画、
駅の線路配置、乗客の乗降予想、各設備の故障・修理予
定、自動制御装置の動作および特性等、各種の条件を満
足するように考慮する必要がある。また、上記条件を満
足したうえで、次に列車ダイヤ作成の目的を最も満足す
るものを決定する必要がある。例えば、3分間隔で列車
が到着・発車し、1日16時間稼動する路線が対象の場
合、計画の対象となる列車の数は、少なくとも320本
となる。各々の列車に対し、上記の各種の条件を考慮し
ながら列車ダイヤを作成してゆくことになる。計画の目
的が、例えば各列車の始発駅発車から終着駅到着までの
時間(これを以下「旅行時間」と称する)を最短にする
ことならば、全ての列車の旅行時間の総和を計算し、考
えうる全ての組合せの中から最短の総和を有する列車ダ
イヤを見つければよい。ところが、考え得る組合せの数
は、膨大な数となる。例えば、1本の列車の割付け方法
が、一通りに決まると仮定しても、列車の割付け組合せ
数は、 320!=320×319×318×…………×3×2
×1>>10310 となる。したがって、1回のダイヤ作成、つまり320
本の列車の割付けに1秒を要する場合、10310(秒)
>10305(日)>10300(年)が、全ての組み合わせ
を計算する時間となる。現在考え得る最速のコンピュー
ターを用いても現実的には、解決不可能と言える。これ
に対し、例えば「札幌市交通局納め列車ダイヤグラム作
成支援システム」(日立評論,Vol.71,pp41
〜46,1989年8月)等の文献に記載されている様
に、経験的情報を用い、かつ計画立案者と協調して短時
間で実用できる列車ダイヤの作成方法が提案されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述のような
知識工学やOR(オペレーションズリサーチ)手法は、
下記のような点において必ずしも満足できる手法とは言
い難いものであった。まず第1に、最適解が必ずしも求
まらない点である。第2に、対象問題の変化に対する柔
軟性に欠ける点である。第3に、列車ダイヤ作成システ
ムの構造が複雑で、膨大な製作工数と費用を必要とする
点である。第4に、非常に長い処理時間を要する点であ
る。上記の問題点のそれぞれにつき、以下簡単に説明す
る。第1の点に関し、従来は前記のような膨大な組合せ
の中から、一種類存在する最適解を求める方法は、一つ
しか存在しないと考えられていた。これは「列挙法」と
称される手法で、全ての順序組合せを検討、評価して最
適解を見い出す方法である。しかし、この方法を用いる
と、許容される現実的な時間内に問題を解くことは不可
能である。
【0004】これに対し、全ての組合せを検討すること
をやめ、経験的情報に基づいて、現実に使用しても問題
のない解を求めることを研究しているのが知識工学、O
R等である。従って、最適解が必ずしも求まらないのは
当然とも言える。第2の「柔軟性の欠如」は、知識工学
等に固有の性格を鑑みるに、高速性、最適性等を追求す
る程、強調されることになる。すなわち、知識工学によ
るエキスパートシステムにおいて、良い計画システムと
は、対象問題に特有の事象を、より詳細に知っているこ
とにほかならないからである。従って、対象が異なった
り、対象の変更が発生すると、システムは全く機能しな
くなるのである。例えば、追越しができない列車ダイヤ
(これを、以下「平行ダイヤ」と称する)は、追越しを
許容する列車ダイヤ(これを、以下「非平行ダイヤ」と
称する)とは全く異なるものになってしまう。例えば、
過密に列車が入り組んでいる地下鉄の列車ダイヤを作成
するエキスパートシステムを、高速大量輸送路線の列車
ダイヤの作成に応用することは一般的には不可能と考え
られる。第3の点に関しては、上記第2の説明で明らか
な様に、良いシステムを作成するには、対象問題に対す
る十分な学習と調査が必要であり、かつその表現に多大
な工数と費用が必要になる。第4の低い処理能力の問題
は、エキスパートシステムの場合、内包する知識量が多
い程低下するために発生する。この様な現状技術の課題
は、例えば「FAreport、1992年9月号、特
集(スケジューリング・システム)」等に記載されてい
る。上記に示した多くの問題点により、問題とする対象
に大きな影響を受けず、高速で、しかも所望の目的を満
足する列車ダイヤが得られる列車ダイヤ作成システムの
提供が強く望まれていた。そこで、本発明の目的は、上
記問題点を解決し、列車ダイヤ作成において、最適解を
許容される有限時間内に得ることのできる計画立案方法
および装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため
に、本発明によれば、列車ダイヤ作成計画の対象である
複数の各列車の走行パタ−ン情報を含む列車ダイヤ情報
を入力する列車ダイヤ情報入力手段と、列車ダイヤ作成
において最適化を図る物理量を表す目的関数を作成する
ための情報を含む計画条件を入力する計画条件設定手段
と、前記列車ダイヤ情報および計画条件から目的関数を
作成する目的関数作成手段と、列車の組合せベクトルを
xとし目的関数F(x)の最小値を求める列車ダイヤ計
画作成手段と、該列車ダイヤ計画作成手段による列車ダ
イヤ計画作成結果を出力する出力手段を有する列車ダイ
ヤ作成装置において、前記列車ダイヤ計画作成手段は、
複数の列車が不規則に組み合わされた第一世代の親計画
を、所定数だけ生成する初期計画生成手段と、該計画案
に対応して、その目的関数の値を計算する演算手段と、
複数の前記計画案を前記目的関数値の順に並べる計画並
べ替え手段と、目的関数値にしたがって前記複数の計画
案の選択番号が割り当てられれているとき、世代の繰り
返し毎に予め定められている所定数個の定数が指し示す
番号を前記選択番号として親計画案を所定数だけ選択す
る親計画選択手段と、該選択された親計画に対して、任
意の2個の要素を入れ替え、子計画を生成する子計画生
成手段と、前記親計画と生成された子計画に対して、前
記演算手段および計画並べ替え手段を起動させる制御手
段と、並べ替えされた前記計画のうち、並び替え順に従
って前記所定数分だけの計画を新たな親計画として選択
する世代交代手段と、第二世代から予め定められた世代
数まで、前記親計画選択手段、子計画生成手段、制御手
段および世代交代手段を繰返し起動させ、前記目的関数
値を最大または最小にする計画を列車ダイヤ計画として
選び出す最適計画選出手段とを備えることを特徴とす
る。
【0006】
【作用】本発明の列車ダイヤ計画方式によれば、複数の
列車が不規則に組み合わされた第一世代の親計画を所定
数だけ生成し、前記列車の並びの一部を変更し、前記変
更後の計画候補に対する目的関数値を求め、前記所定の
変更回数毎に、各計画候補の目的関数値の並び順に対
し、予め与えた選択定数で示される数だけ立案された計
画候補を選択し、該選択された計画候補の中から、1つ
の計画案を列車ダイヤとして選出する。
【0007】本発明の列車ダイヤ作成方式によれば、許
容される有限時間内に最適解を得ることができる。
【0008】本発明では、計画立案過程での目的関数値
をトレンドグラフにし、実時間で表示させるようにして
いるため、利用者は立案済の列車ダイヤの品質を定量的
に知ることができ、さらに任意の時点で計画作成を打ち
切ることができるため、様々な状況下で、列車ダイヤ作
成に要する許容時間内で最良のものを提供できることに
なる。これは、例えば突発的な列車遅延発生後の列車ダ
イヤ整理時等には重要な作用である。本発明では列車ダ
イヤ作成の目的を定量的に定めることができるので、従
来の方法のように、作成された列車ダイヤの微調整をほ
とんど必要としない。
【0009】ところで、目的関数は、以下に示すものが
ある。もちろん、これらに限られるものではない。第1
は、全ての対象列車の始発駅から終着駅までの所要時
間、すなわち旅行時間の総和を最小にするものである。
これにより、定められた走行パターンを守りながら、無
駄な駅停止、減速運転等を無くした列車ダイヤが得られ
る。本目的関数により作成された列車ダイヤは、高速大
量輸送向け列車ダイヤに適している。
【0010】第2は、駅ごとの列車の到着間隔を均一に
するものである。駅ごとに列車の利用頻度は異なるの
で、各種サービスはそれに合わせる必要がある。本関数
を設定することで、駅ごとに最適なサービスを提供でき
る。これは、通勤、通学など日常的に頻繁に利用される
一般の列車ダイヤの作成において重要である。第3は、
安全性を最大とするものである。片面線路では、追突
が、対面線路では追突に加え正面衝突の可能性がある
が、いずれも必ず回避する必要がある。このため、先行
列車との間隔をできるだけ確保すること、駅構内での退
避およびポイントの切替のために十分な余裕を確保する
こと等が必要である。従って、本目的関数を用いること
は過密ダイヤ作成、および非常時の運転整理等において
重要である。第4は、到着時刻を厳守するものである。
自然災害、車両の故障、事故等が発生した場合、列車ダ
イヤの見直しが必要である。この時、変更前の列車ダイ
ヤの終着駅の到着時刻を守るように関数を設定すること
で、各種サービスを維持することができる。
【0011】第5は、乗車の負荷を均一にするものであ
る。駅間の距離が短く、時間当りの通過列車数が多い路
線では、駅での停車時間が列車ダイヤに与える影響が大
きい。従って、駅ごとの時刻に対する列車利用度合いを
入力情報に加え、各列車の乗車負荷(率)を均一になる
ように計画することで良好なサービスが保持される。ま
た、ある駅で車両の故障等が発生し、車両が遅延した場
合、その下流の駅では、待ち乗客数が多くなるため、乗
降に要する時間が次々に多くなり、列車の遅延が増大す
る現象が発生する。この様な場合でも、本目的関数を選
択すると、先行列車が少しづつ遅延し、また、後続列車
は予定に先行する様に整理されるので、列車ダイヤの乱
れは短時間で回復する。本方法は、逐次実行型のコンピ
ューター上のプログラムで実現しようとする場合でも、
主要部分の処理アルゴリズムは、わずか数十ステップで
実現でき、対象に応じて変更する必要がない。さらに相
互結合型のニューラルコンピューターで動作させること
により、一層の高速化が図れる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図を参照し
て詳細に説明する。図1に、本発明の一実施例の全体構
成図を示す。列車ダイヤ作成装置1は、列車ダイヤ情報
入力手段2、列車ダイヤ情報記憶手段3、計画条件設定
手段4、計画条件記憶手段5、列車ダイヤ作成手段6、
結果記憶手段7、出力手段8、表示装置9および印字装
置10を有して構成される。 列車ダイヤ情報入力手段
2は、各種列車情報、走行パターン、駅情報、自動運転
制御情報、故障・保守情報の入力操作を行うための手段
であり、例えばキーボード、マウス、電子式ライトペ
ン、タッチパネル等により実現される。列車ダイヤ記憶
手段3は、列車ダイヤ情報入力手段2により入力された
各種情報を記憶する手段であり、例えばRAM、磁気デ
ィスク、光ディスク等により実現される。計画条件設定
手段4は、予め登録されている列車ダイヤ作成における
目的関数を選択するか、あるいは任意の目的関数を作成
し、また該ダイヤを平行あるいは非平行のいずれかに設
定し、さらに列車ダイヤの計画開始を指示するための手
段であり、例えばCPU、ROM、RAM等により実現
される。計画条件記憶手段5は、計画条件設定手段4か
ら入力される各種情報を記憶する手段であり、例えばR
AM、磁気ディスク、光ディスク等により実現される。
列車ダイヤ作成手段6は、上記列車ダイヤ情報記憶手段
3および計画条件記憶手段5に格納されている情報に基
づいて最適列車ダイヤを計画し、その途中経過を表示装
置9に表示する手段であり、例えばCPU、ROM、R
AM等により実現される。結果記憶手段7は、前記作成
された列車ダイヤを記憶する手段であり、例えばRA
M、磁気ディスク、光ディスク等により実現される。出
力手段8は、前記結果記憶手段7に記憶されている、列
車ダイヤを表示装置9に表示し、また印字装置10に印
字する手段であり、例えばCPU、ROM、RAM等に
より実現される。なお、印字装置10としては、例えば
プリンター等が考えられ、また、表示装置9としては、
CRTディスプレイ、EL表示装置、液晶表示装置等が
考えられる。図1に示す実施例に係る装置は、1台のコ
ンピュータシステムを用いて実現できる。例えば、列車
ダイヤ情報入力手段2および計画条件設定手段4は、利
用者が入力操作を行うキーボードと、入力内容を表示す
るCRT等の表示装置を有する構成により実現できる。
列車ダイヤ作成手段6および出力手段8は、中央処理ユ
ニット(CPU)で構成でき、列車ダイヤ情報記憶手段
3、計画条件記憶手段5、結果記憶手段7はメモリー装
置により構成することができる。また表示装置9はコン
ピュータの表示画面であるCRT等のディスプレーで、
印字装置10は、コンピュータと接続されたプリンタ
ー、X−Yプロッター等で構成することができる。以
下、具体的実施例について述べるが、応用例は以下の3
つに大別される。 (1) 対面非平行ダイヤ(図5〜図31を参照して説
明する)。 (2) 片面非平行ダイヤ(図32〜図40を参照して
説明する)。 (3) 片面平行ダイヤ(図41〜図43を参照して説
明する)。 である。また、上記(1)、および(3)においては、
列車遅延等が発生した場合の運転整理についても詳細に
述べ、列車ダイヤ作成の際に考えうる主要問題を、本発
明は解決することができる。まず、対面非平行ダイヤへ
の応用例について説明する。まず、通常運行用の列車ダ
イヤの作成について、図5から図27を参照して説明す
る。図5に、列車ダイヤ情報入力手段2により設定され
る列車情報の一例を示す。ここでは16本の列車を約6
時間内に配置する例であり、図中の列車E1〜E4は、
走行速度も速く、また停車駅も主要駅のみとした高速列
車である。E5〜F6は、走行速度は速いが、全ての駅
に停車する列車である。G1〜G4は、全駅に停車する
普通列車である。各列車に対する列車情報として、横軸
方向に以下の項目が設定できる。 「予定時刻(始点)」は、始発駅発車予定時刻を示
す。 「予定時刻(終点)」は、終着駅到着予定時刻を示
す。 「優先(始/終)」は、記号「○」が入力された駅を
計画開始駅とすることを示している。 すなわち「始」(始発駅)に、「○」の時は、終着駅に
向かう前向きの割付け、「終」(終着駅)に、「○」の
時は、終着駅よりさかのぼって始発駅に向かう割付けが
指示されている。本例では、始発駅および終着駅のみを
選択できるようになっているが、路線によっては全ての
駅の中から、優先順位にしたがって駅を選択できるよう
にすることも考えられる。この場合は該当駅から始発駅
にさかのぼる割付けと、終着駅に向かう割付けを行なえ
ばよいことになる。 「優先」は、記号「○」が入力されている列車は、他
の列車に優先して割付けを行なうことが指示されてい
る。これらは最適化対象列車から外される。 「停車駅」は、該当路線に含まれる全ての駅につき以
下のような記号が設定される。
【0013】「□」は始発駅、「●」は終着駅、「○」
は、停車駅、「◇」は通過済駅を表す。 「停車時間」では、該当列車の標準停車時間、最短停
車時間、最大停車時間をそれぞれ設定する。制約が無い
場合は記号「*」が設定される。また、乗車量が時間帯
によって変化する場合には時間推移に対する乗車量変化
グラフとする。 「方向」では、本例は対面路線であるので、方向が矢
印記号で指示される。 上記は、ある特定の路線向きの例であり、全ての項目
は、対象路線、あるいは列車ダイヤ編成方針により変化
させ得る。例えば予定時刻のかわりに、単に必要な列車
の本数のみを設定してもかまわない。この場合には、目
的関数を満足するように、自動的に列車が配置される。
図6に、列車ダイヤ情報入力手段2により設定される走
行パターンを示す。
【0014】例えば、走行パターン1では、発車後6分
間で時速120(km/h)に達し、以後は120(k
m/h)の定速運行を行ない、停車駅が近づくと徐々に
減速し、約4分間で停止することを示している。走行パ
ターン2および3も同様に、走行パターンを規定してい
る。以上は、先行列車あるいは対向列車との距離、時間
差が十分あり、追突、衝突の危険性を考慮する必要が無
い場合につき有効である。従って、先行列車あるいは対
向列車に接近している場合には、後述の自動運転制御情
報を考慮した、より複雑な運転パターンになる。本例で
は列車E1〜E4に対してはパターン1、E5〜F6に
対してはパターン2、G1〜G4に対してはパターン3
が、それぞれ設定されている。図7は、列車ダイヤ情報
入力手段2により設定される駅情報を示している。計画
対象路線に属する全ての駅について、以下の項目が設定
できる。 「線路数」は、各列車進行方向に対し、入線可能な線
路数を示す。本例では、全ての線路が乗降可能なホーム
を有している例である。通過専用線路、あるいは退避専
用線路がある場合は線路数と別に設定できるようにすれ
ばよい。 「ポイント切替最小(分)」は、先行あるいは対向列
車との関係で線路切替のためのポイント操作が必要にな
るために設定される項目である。これは後述の自動運転
制御を有する路線の場合は、この情報に含まれるのが一
般的である。なお、ダイヤ作成にあたっては、ポイント
切替最小(例えば、分単位)を確保しなければならな
い。 「先行駅距離(km)」によって、隣接駅との距離が
設定される。より現実的な情報が必要な場合は、線路レ
イアウト、勾配等を考慮した情報を入力できる構成にす
ればよい。 図8は、以上の情報について図示したものであり、併せ
て、列車ダイヤ情報入力手段2により設定される自動運
転制御情報について説明したものである。多数の乗客の
安全を確実に守るため、近年においては、各列車に自動
運転制御装置を搭載し、「先行/対向列車」と、自車両
の位置の相対関係により走行速度を制御することが一般
的である。図8では、駅4を中心に(a)〜(g)の7
か所に位置検出装置を設置し、走行速度の制御を行なっ
ている。例えば、先行列車がa点を通過中に、次列車が
g点に到着した場合、g〜f区間内で走行速度を100
(km/h)以下に落とす必要があり、f点通過時に
は、100(km/h)以下になっていなければ強制的
に列車は停止させられる。したがって、列車ダイヤ作成
時は、前後の列車位置関係による速度変化を厳密に考慮
する必要がある。図27は、以上までの様々な情報を用
いて作成された最適列車ダイヤを表示装置9、あるいは
印字装置10に出力した一例である。本図では、縦軸に
駅、駅内のホーム(線路)、駅間の線路を定義し、横軸
には、時刻を定義している。図中の線は、列車の運行状
況を示しており、例えば、列車7は列車名称F1であ
り、6時10分に駅1を出発し、駅2に6時17分に到
着し、6時21分に出発していることを示し、以下順
次、駅3から駅9に停車後、8時20分に終着駅である
駅10に到着することを表わしている。この間、駅3で
後発の列車1(E1)に追越されており、また駅5、
6、7、8、9にて対向列車と安全に交差していること
がわかる。以下、この最適列車ダイヤが本発明に係る装
置により作成される状況を、図9から図26を参照して
説明する。図9から図25は、列車ダイヤ作成手段6の
動作を、理解を容易にするため、フローチャートを用い
て詳細に説明したものである。図9から図11は、列車
ダイヤ作成手段6の処理全体の流れを示したものであ
る。さて、まず図9を参照してダイヤ計画立案処理の流
れについて説明する。まず、列車ダイヤ情報入力手段2
で設定され、列車ダイヤ情報記憶手段3に記憶されてい
る、列車ダイヤ情報を取り込む。さらに、計画条件入力
手段4によって設定され、計画条件記憶手段5に記憶さ
れている計画条件を取り込む(ステップA)。
【0015】取り込んだ故障、保守情報等を基に、線
路、ホーム等の使用可否状況を作成する(ステップ
B)。本処理の詳細は具体的応用例にて後述する。次
に、ステップCからステップEにて、優先列車を最適化
処理に先立って割付ける。本実施例では、図5に示す列
車情報を参照するため、16列車分のループカウンタを
セットする(ステップC)。次に優先列車か否かの判定
を行ない(ステップD)、優先列車ならば該当列車を列
車ダイヤ情報に従って割り付ける(ステップE)。本実
施例では、図26に示す様に、列車3(E3)、列車4
(E4)、列車9(F3)が、他の列車に先立ち優先し
て割付けられている。「優先」が設定されるのは、例え
ば、特別急行、遅れが特に大きな列車等、予め運行を規
定したい場合である。かかる割付け処理の詳細について
は後述する。以上の図9ステップAからステップEまで
の処理により、最適化するためのダイヤ計画の初期状態
が作成される。この状態は、以下の処理で繰り返し使用
されるため、初期状態AとしてステップFにて記憶され
ることになる。次に図9のステップGでは、上記優先列
車を除いた列車のみの列車表(以下これを「計画対象列
車表」と称する)を作成する。図12は、かかる処理の
詳細な手順を示したものである。この処理は、以下のと
おりである。 (1)全個体を評価する(ステップG1)。 (2)全個体を評価値の下降順に全個体を並べ替える
(ステップG2)。 (3)予め記憶手段3に格納されている親個体を選択
し、図13に示す如く該個体の一部の変更、または、並
びの変更等の操作により、新たな個体を生成し、変更し
た部分についての目的関数値の変化度合を演算し、これ
を、既に求められている親個体の評価値に加えることに
よって子個体の評価値を定める、(ステップG3)。 (4)親個体群P(n)と子個体群C(n)を、各々の
個体が有する評価値の下降順に並び替え、「人口」数分
選び出す(ステップG4)。
【0016】(5)ステップG3を、C2×n(回)
(例えば、C2=人口数、nは、計画対象の要素数)繰
り返し処理するように、繰り返しポインター「PP」を
更新する。 (6)ステップG3の処理をC1×n(回)繰り返し処
理し、ステップG4をC1(回)(例えばC1=20)
繰り返し処理するように、繰り返しポインター「gn」
を更新する。記憶手段5内には、図14の左側に示され
ているように、例えば、10の列車の番号が、各々ラン
ダムに並べられた初期親染色体、すなわち、計画案が1
0個予め格納されている。
【0017】ステップG1では、目的関数、すなわち個
体(列車)に対する走行経路P(i)の走行時間の総和
F(P(i))を、次のようにして計算する。
【0018】F(P(i))=ΣDm→m+1(Σは、m
=1から10までの総和をとることを意味する演算子で
ある) ここでi=1とすると、 P(1)=(1、2、3、4、5、6、7、8、9、1
0) であるから、目的関数は F(P(1))=D12+D23+D34+D45+D
56+D67+D78+D89+D910+D1011 =17+23+27+41+34+45+43+12+
22+24 =288 となる。以下同様に、P(2)からP(10)までの目
的関数の値、すなわち個体の「評価値」が得られる。な
お、図12では、説明の都合上、P(1)=24、P
(2)=18、…、P(10)=13の値になったもの
としている。
【0019】次に、ステップG2では、世代=1の親集
合PS1に含まれる親個体の評価値の下降順に各個体を
並べ替える。この結果、図12に示されるように、記憶
手段内のワークエリア配列a(j)(j=1〜20)の
a(1)〜a(10)に、P(9)、P(3)、P
(7)、P(8)、P(1)、P(2)、P(10)、
P(4)、P(5)、P(6)の順で親個体が配置され
る。
【0020】以上のステップG1およびステップG2
は、最適化手順の前処理を行うステップである。
【0021】次に、図3に示した如く、ステップG3、
ステップG4のわずか2種類の処理で、従来の複雑で膨
大な手順を要した最適化処理が、極めて短時間内に達成
できる。本発明においては、生物進化論を検討し、情報
処理的シミュレーションを膨大に行うことで、重要な性
質を発見した。この結果、親個体選択操作と同じ結果を
得ながら、その処理ステップ数をゼロ、すなわち不要と
した。
【0022】図15は、上記進化における、淘汰、優性
遺伝における重要な性質の説明図である。前述の世代=
1の評価値の下降順配列a(1)〜(10)内の評価値
の総和は、図12を参照して、 Σa(i)(i=1〜10)=303 である。これを用い、各々の評価値の、上記総和に対す
る比率を計算した結果を、百分率(%)で示してある。
【0023】図16の右下図は、横軸をa(i)、縦軸
を評価値のap(i)(%)とした、トレンドグラフで
ある。これは、「世代=gn」で定まる指数P(gn)
を有する指数関数に近似しており、 ap(i)=a(i)∧P(gn)+C(gn)
(「∧」は、べき乗を示す)で示すことができる。ここ
で、C(gn)は、世代gnで定まる定数である。
図16の左下図は、各々の評価値比率(%)により、各
々の個体の「優性度合い」を定めるようにした円グラフ
であり、これを「ルーレットホイール」と称す。 優性
的な遺伝の仕組みは、「当該個体の属する環境への適応
度が高いものほど、生存率および子孫保存率が高いこ
と」であるから、評価値比率(%)が高いものほど子孫
生成の「親」となる確率を高めればよい。
【0024】例えば、図16の左下図のように0.1
(%)を最小目盛とするルーレットホイールを定義し、
「1〜1000」に相当する、一様整乱数を生成し、当
該箇所に対応する個体を親とすればよい。
【0025】図に示す例では、例えば、1回目に生成さ
れた整乱数がi1=88の場合を想定しており、「1か
ら277の範囲」、すなわち27.7(%)範囲内を指
すため、a(1)が「親個体」として選択される。2回
目に発生させた整数の乱数がi2=925である場合
は、a(1)からa(7)までの評価値比率(%)が9
1.7であり、a(8)が3.3(%)であるから、目
盛としては、917〜950の範囲に入るために、a
(8)が「親個体」として選択される。
【0026】このようにして遺伝操作に必要な親個体数
分の一様な整数の乱数が生成され、ルーレットホイール
を探索し、親個体が決定されてゆく。
【0027】なお、このようなルーレットホイールを特
別用意しなくても、例えば、目的関数値の大きな(ある
いは、小さな)順番に、計画を並べていき、選択番号を
付しておき、予め人口数個だけ定めてある定数(予め生
成してある乱数)が指し示す計画を選択番号として、親
計画として選択することももちろん可能である。
【0028】図15は、以上の処理を世代1から世代2
0まで、ある遺伝的操作を行なった場合の生存個体の評
価値推移を示したものである。左下図により、初期段階
の世代においては、評価値が大きなバラつきを有してい
るが、世代が進むにつれ、バラツキが小さくなってゆ
き、世代=20に至っては、最適値の近傍に収束してゆ
くことがわかる。
【0029】図15の右下図は、同じデータを評価値比
率(%)で、プロットしたものである。前述の式、 ap(i)=a(i)∧P(gn)+C(gn)
(「∧」は、べき乗を示す)を満たしていることがわか
る。
【0030】すなわち、「最適化対象と遺伝的操作が定
まれば、世代毎に優性的に選択される親は、評価値順位
によって定まっていること」を示している。つまり、ル
ーレットホィール作成処理や、一様乱数の生成は、計画
過程でその都度行なう必要はなく、それらの値は、予め
定めておくことができることを意味する。すなわち、こ
れらの値は、予め定めて記憶手段に格納しておけば良
い。
【0031】さて、図16の選択個体定数P(gn,p
p)(P(gn,pp)は、世代gn、処理回数pp時
の選択個体定数を示す。また、gnは、世代=1〜2
0、ppは、処理回数ポインタ=1〜10)は、記憶手
段5に確保されている。図16に示す様に、世代毎のル
ーレットホイールのセレクション比によって作成され
る、ルーレットに対し、本例では、10個の一様乱数を
予め作成しておき、次世代における評価値順位をPに格
納するようにした。すなわち、世代ごとに、予め定めて
おいた定数に従って、子計画生成のもとになる親計画を
選択するのである。
【0032】これらの値は、対象計画、目的関数等が同
一である限り変更する必要はない。次に、図12のステ
ップG3における処理について説明する。ステップG3
の処理は、世代gn毎に、列車数であるpp(回)行な
われる。本実施例では、列車数=10であるので、10
回の処理が行なわれる。
【0033】さて、遺伝的操作(オペレータ)には、種
々のものが存在しているが、大きくは、「交配(クロス
オーバー)」、「突然変異(ミューテーション)」、
「逆位(インバージョン)」に分類することができる。
【0034】「交配」は、少なくとも2個以上の親個体
に対し行なわれるもので、各々の親個体の特徴を有する
子個体を生成するものである。
【0035】本方法は、優性的な親個体同志の性質を効
果的に引継ぐために、非常に少ない個体数に対する遺伝
的操作により、ある程度の良い評価値を有する個体を生
成する特徴を有する反面、評価値を向上させる要素が同
一環境内での限られた親個体同志の性質に限定されるた
め、一定の評価値に達した後は、評価値が改善されなく
なるという欠点も有する。また、交配操作が複雑で、か
つ、その評価は全ての要素について毎回行なわねばなら
ないため、1回の交配操作および評価には多くの処理ス
テップが不可欠である。
【0036】したがって、比較的短時間で、ほどほどの
最適性を有する計画を立案する場合は、実用化の余地は
あるものの、実際は、他の遺伝的操作と組み合わせた
り、あるいは、他の最適化手段における、初期状態の生
成処理にのみに使用されることが多い。
【0037】一方、「突然変異」と「逆位」は、1個の
親個体の一部、あるいは、親個体における遺伝子(計画
対象となる要素に相当する)の並びを変更する操作であ
り、交配と異なり、可能解全てを探索できるが、初期個
体の評価値のバラツキにより、最適解への収束速度がバ
ラつくという欠点がある。
【0038】本発明では、現実の問題を高速に解決する
ことが目的であるため、以下の様な手段を使用した。な
お、以下の遺伝的操作は、突然変異の一種と考えられる
が、逆位操作でも全く同一の考え方で、遺伝的操作を行
うことができる。
【0039】前述した方法によって選択された親個体P
(1)は、 P(1)=(1,2,3,4,5,6,7,8,9,1
0) であり、この時の評価値は前述のとおり、 F(P(1))=288 である。
【0040】次に、1から10の範囲で一様に分布する
2種の整数乱数J、Kを生成する。この時、J≠Kとす
る。
【0041】次に、P(1)の要素並びのうち、J番目
とK番目を入れ替えて、新たに子個体C(1)を生成す
る。今、J=3、K=8として、 C(1)=(1,2,8,4,5,6,7,3,9,1
0) このC(1)の評価は、 C(1)=D12+D28+D84+D45+D56
67+D73+D39+D910+D1011 =17+45+24+41+34+45+32+27+
22+24 =311 となる。ここでは、子個体の評価は、巡回都市間の全て
の経路の距離を積算して得る方法で説明する。さて、本
発明における第2の工夫点は、この評価処理に要するス
テップを、「計画対象要素数nに依存せずに定める様に
した点」にある。
【0042】上記説明では、積算処理は、少なくともn
回必要であるから、地点数が10,000点になると、
子個体が生成される都度、10,000回以上の計算が
必要となる。
【0043】しかしながら、図13を見るとわかるよう
に、突然変異操作を行なったことによる変異個所は、2
ヶ所だけであるから、C(1)の評価値を得るには、全
ての経路を積算する必要はなく、P(1)に対して変化
があった経路についてのみ、再計算すればよいことがわ
かる。すなわち、 F(C(1))=F(P(1))−Σ(削除された経路
の距離)+Σ(加えられた経路の距離) =F(P(1))−(D23+D34+D78+D
89)+(D28+D84+D73+D39) =288−(23+27+43+12)+(45+24
+32+27) =288−105+128 =311 となる。すなわちキャンセルされる余分な計算は行わな
いようにした。
【0044】以上の処理を、図16に示す実際の記憶手
段5内に予め設定されている突然変異定数J(gn,p
p),K(gn,pp)を用いて説明する。J(gn,
pp),K(gn,pp)はそれぞれ、世代gn(gn
は、世代ポインター)における、pp番目の(ppは、
突然変異操作回数(突然変異率))突然変異定数であ
る。
【0045】前記方法にて、親個体P(gn,pp)が
選択されており、その評価値F(P(gn,pp))
は、得られている。ここで j=J(gn,pp) k=K(gn,pp) とすると、P(gn,pp)から生成される子個体C
(gn,pp)の評価値は 、F(C(gn,pp))=F(P(gn,pp))−(Dj-1→
j+Dj→j+1+Dk-1→k+Dk→k+1)+(Dj-1→k+Dk→
j+1+Dk-1→j+Dj→k+1) となり、最適化対象数nに依存せず、8回の加算、減算
処理を行なうのみで、目的関数の値が演算されることが
わかる。
【0046】なお、「逆位」の場合は、変更個所が1ヶ所
となり、上記と同様の考え方を行なうと、4回の加算、
減算を行なうのみでよい。
【0047】図14は、J、Kを使用して、上記遺伝的
操作を行なった場合に増殖された子個体の染色体(子染
色体)を示している。
【0048】各々の個体の評価は上述の通り、染色体の
要素の数に関わらず一定の処理ステップ、すなわち一定
の処理時間で、極めて高速に行なわれる。
【0049】次に、図12のステップG4は、世代gn
の推移毎に行なわれ、前記親個体群と子個体群の各々の
評価値の下降順に、個体の並び替えを行い、列車数分だ
け個体を選び出す。これは、すなわち、世代「gn+
1」の親個体集合の生成にほかならない。
【0050】かかる処理のためのステップ数は、バケッ
トソート等を使用することにより、多くとも、C×n
(回)以下で行なうことができることは言うまでもな
い。
【0051】このようにして、本実施例では、世代=2
0までの処理が終了した時点で、生成されている親個体
集合のうち、最も大きい評価値を有する個体、すなわち
計画案を最適解として出力する。CRT等の表示手段へ
の出力により、処理結果を随時観測できる。
【0052】次に図9、10のステップHからステップ
Lにて、最適列車ダイヤ作成の基本状態を作成する。ま
ず、列車割付け順の初期状態として、計画対象列車を要
素とするランダムな1次元ベクトルχを生成する(ステ
ップH)。本実施例では図12の並び順を初期状態とす
ると、 χ=(1,2,3,4,5,6,7,8,9,10) となる。
【0053】このベクトルχに従い、列車情報あるいは
計画条件に従って列車の割付けが行なわれる(ステップ
I)。ステップIは、ステップEとステップQと同じ処
理である。図17は、図9のステップEの詳細手順を示
したものであり、これをもとに説明する。 まず、駅ご
との時間推移に対する列車の発車、停車の可否を示す発
停可否マップを作成する(ステップE10)。図19に
この詳細例を示す。
【0054】図18は、対象駅に退避線路がともに無い
場合の一例を示している。本例では、駅6と駅7がこれ
に相当する。例えば図のように〜の列車の運行が既
に定まっている場合、新たな列車の割付けは発停可否マ
ップ上の白ヌキの部分内で行なわなければならないこと
を示している。ここで言う「割付け」とは、駅6での発
車時刻と、駅6から7への走行速度詳細パターンと、駅
7の到着時刻を定めることである。列車1は、駅6の線
路1(ホーム)で5分から10分(以下起点を0分とし
た絶対時刻で説明する)まで停車し、10分から20分
まで走行し、次に駅7の線路1で5分間停車した後、2
5分に発車する。この方向の駅間の線路は、1本しかな
いため駅間での追越しは不可能である。また、駅内の線
路(ホーム)も1本づつであるから、先行する列車が停
車中は、停車も発車も不可能である。従って、本例の様
に定常的な走行パターンを指定されている列車は、駅6
における5分から10分を結ぶ線と、駅7における20
分から25分を結ぶ線と、駅6の5分と駅7の20分、
および駅6の10分と駅7の25分を結ぶ直線で囲まれ
る四角形(図中の斜線塗りつぶし部分)で示される時空
間内においては通過してはならないことになる。列車
は、駅6、駅7ともに停車せずに通過する列車を示して
いるが、この場合は、駅6の通過時刻30分と駅7の通
過時刻40分を結ぶ直線で示される時空線を横切ること
はできない。但し、この時空間は、駅6に到着するこ
と、および駅7から発車することを規定するものではな
く、駅6からの発車、駅6から7の走行、駅7への到着
の可否を定めるものである点に注意が必要である。列車
は、駅6には停車するが、駅7は通過する例であり、
この場合は、上記と同じ考え方により、駅6での43分
から48分の線と、駅6の43分と駅7の56分、駅6
の48分と駅7の56分を結ぶ直線で囲まれた三角形の
領域が通過不可能な時空間を示す。列車、は、対向
列車の例である。列車は、駅7、駅6両方で停車する
が、対向列車はその停車に影響を受けない。しかし、対
向列車が駅7を発車してから駅6に到着する時間帯は、
駅6→7方向の列車は、駅6および7の間の線路は使用
できない。従って、図に示す様に、駅6の70分、80
分および駅7の70分、80分を頂点とする長方形の領
域が通過不可能な時空間となる。列車は、駅6、7を
通過する対向列車であるが、これも列車と同様に、駅
7の通過時刻88分と駅6の通過時刻100分で定まる
長方形の領域が通過不可能な時空間となる。列車、
は、対向列車同士が駅6で交差する例である。列車
は、123分に駅6に到着するが、その時点で列車は
既に駅7と駅6間を走行中であるため、列車の駅6へ
の到着(130分)を待って、132分に駅6を発車し
ている。この結果、駅7での列車の発車時刻120分
と、駅7での列車の発車時刻144分と、駅6での列
車の発車時刻132分、および駅6での前記120分
で作成される四角形の領域が通過不可能な時空間にな
る。この場合図18中のハッチングの部分は間接的に通
行不可能な時空間となったものである。図19は、駅に
退避線路がある場合の一例である。図18と異なるの
は、同一進行方向の列車が、駅内で先行列車を追越すこ
とができる点である。図19に示す例では、駅5に、双
方向ともに2本の線路(ホーム)があり、1本は、「停
車/退避」に、他方は、「停車/通過」にそれぞれ使わ
れる。列車8は、駅5で5分から10分までの5分間停
車するが、この時間帯に後続列車は駅5で停車、あるい
は、駅5を通過することが可能である。したがって、図
18における列車と同一の運行パターンであるが、図
18に示すような四角形の領域ではなく、図19に示す
ような三角形の領域が、列車の通過不可能な時空間と
なる。列車9から15についても上記と同様な理由によ
り、それぞれ通過不可能な時空間は図19に示すように
なる。以上が、ステップE10(図17参照)の処理で
ある。次に、ステップE20からステップE70(図1
7参照)により、計画対象列車が、予め設定されている
列車情報、計画条件に従い、以下の様に割付けられる。
まず、ステップE20にて、計画対象列車数nが繰り
返しポインターPにセットされる。次に、計画対象列車
表のP番目の列車の進行方向を定める(ステップE3
0)。 ステップE40では、同様にダイヤの編成方向
を定める。ここで「ダイヤの編成方向」とは、本実施例
では、始発または終着駅の優先指定により定まる。例え
ば、終着駅が優先の場合は、終着駅の到着予定時間を基
準情報として、上流駅へと徐々にさかのぼってゆく。ま
た、逆に始発駅が優先の場合には、始発駅発車時刻を基
準情報として、下流駅に向かって割付けを行う。割付け
の方法については、以上の方法に限られず他に、例え
ば、以下の方法((a)から(c))が考えられる。 (a)中途駅を指定し、上流、下流の双方向に向かって
割付ける方法でも良い。 (b)駅毎の発車、あるい
は、到着時刻が予め設定できる場合には、それらを基準
情報とし、未定情報を定めてゆく方法でも良い。 (c)発車、到着時刻等を定めず、列車の本数等のマク
ロな情報のみを与え、割付けについての自由度を与える
方法も考えられる。 (a)の方法は、例えば主要駅重視等の場合、(b)の
方法は、例えば非常時のダイヤ整理等の場合、(c)の
方法は、例えばダイヤ編成初期段階のシミュレーション
等に有効である。次に、列車Pに指定されている始発駅
から終着駅間に含まれる全ての駅について以下の処理を
繰り返し行なう(ステップE50)。
【0055】割付けは、前述の発停可否マップを用い
て、以下の様に簡単な手順で行なわれる。図20は、駅
内の線路が1本づつの駅間へ、列車(a)、列車(b)
を割付ける場合の説明図である。駅5と駅6間の割付け
の検討により、列車(a)の駅6への到着時刻は12分
に定められている。標準停車時間を2分間とし、駅6と
7の間の距離、走行パターンを考慮して27分に駅7に
到着する。さらに、標準停車時間2分間を加えた、29
分に駅7より発車する。以上の運行は発停可否マップよ
り可能と判断されるため、割付け処理は終了する。一方
列車(b)は、駅6に92分に到着するが、発停マップ
により、標準停止時間後に出発することができないこと
がわかる。このため、発車時刻を停車最小時間から最大
時間まで変化させ可能な運行を検討する。本例では列車
の駅6の通過が100分のため、ポイント切替時間を
考慮し、列車(b)は、駅6を102分に発車する様に
割付けている。この場合の自由度は、走行パターンが定
まっているため、停車時間の摂動のみであるが、走行パ
ターンを選択できる場合には、走行速度の変化も自由度
として加えることができる。この自由度内での割付け
は、目的関数毎に定義することも考えられる。例えば、
上記説明では発車可能最早時刻を採用したが、この割付
けは旅行時間を最小とするように目的関数を与える場合
に有効と考えられる。一方、安全性最大を目的関数とす
る場合には、自動運転制御が行なわれず、またポイント
切替が十分余裕をもって行なえる発停時刻に割付けるこ
とも考えられる。図21は、退避線路が存在する場合の
例を示している。列車は、6分に駅5の1番目の線路
に到着し4分間停車した後、10分に発車している。列
車(c)は、8分に駅5の2番目の線路に到着し、列車
が出発後の18分に駅6を発車している。図6で示し
た場合に比べ、密に設備が使われる様になる。次に、列
車(d)は、63分に駅6に到着するが、既に割付け済
みの列車(11)と(12)が存在するため、すぐには
発車できず、81分に発車する様に割付けられている。
これは割付け順が列車(d)が早い場合は、全く異なる
ダイヤになること示している。
【0056】以上の処理を、列車Pにおける全駅に対し
て行なった(図17、ステップE50〜E60)後に、
割付けが決定したことによって定まる発停不可能時空間
を発停可否マップに登録し(図17、ステップE7
0)、次の列車の処理へとブランチする。以上の処理を
計画対象列車の並び順からなるベクトルの全要素につい
て繰り返すことにより、一つの可能列車ダイヤが作成さ
れる。次に、図9におけるステップJで、目的関数演算
が行なわれ、上記にて生成された可能列車ダイヤが定量
的に評価される。ここでの説明は、図2に示した〜
の目的関数について行なう。図22は、旅行時間最小を
目的関数とした場合のステップJの手順を示したもので
ある。この手順は、図12に示したステップGと同じで
あるので詳細な説明は省略する。なお、ステップJは、
ステップRと同一の処理である。ここでは、既に作成さ
れた可能ダイヤiについての目的関数をf(i)とし、
「0」を初期値として設定する次に、計画対象列車数
分、処理を繰り返すためのポインターPを設定する。列
車Pの始発駅出発時刻ts(p)と、終着駅到着時刻t
e(p)より旅行時間tt(p)を以下の様にして求め
る。 tt(p)=te(p)−ts(p) 次に目的関数を更新する。すなわち、f(i)=f
(i)+tt(p) とする。かかる処理を全ての計画
対象列車数であるn回繰り返した後のf(i)は、可能
ダイヤiに含まれる全ての計画対象列車の旅行時間の総
和になっている。したがって、f(i)の最小値とは、
全ての列車が最も無駄なく運行する列車ダイヤを示すこ
とになる。次に、図23は、駅毎の列車の到着間隔均一
を目的関数とする場合の説明図である。まず、ステップ
J10にて、目的関数値f(i)を、「0」とする。次
に、計画対象路線に含まれる全ての駅について繰り返す
ポインターs(=1〜smax)を定める。ここで、s
maxは駅の総数である。次に、図23の右側に示すよ
うに、駅sに停車する全ての列車の到着時刻の差分
1,t2,……tw(wは停車列車総数)を求める。こ
れらの値から標準偏差をwで割った値H(s)を、例え
ば以下の様にして求める(ステップJ30)。 H(s)=(√(Σ(xa−xk)2))/w 但し、xaは、全ての列車の到着時刻の差分の平均値で
あり、xkは、列車の到着時刻の差分のk番目の値であ
り、Σは、w個の総和を表す。次にステップJ40で目
的関数f(i)を更新する。すなわち、f(i)=f
(i)+H(s)とする(ステップJ40)。f(i)
は、駅毎の列車到着間隔偏差の総和であるからf(i)
の最小値とは、各駅毎の、停車列車の到着時刻間隔が一
定に近いもの、すなわち利用者にとって好ましい列車ダ
イヤであることを示している。図24は、安全性最大を
目的関数とする場合の処理を示したものである。安全性
については、各種の指標が存在するが、ここでは例とし
て追突、衝突の危険性低減を取り上げる。本例では設
備、列車に自動運転制御装置が設置されており、該装置
は、先行列車、対向列車との距離が、定められた条件下
で、予め設定した値より短くなった場合、走行速度制限
を行なう。従って、この走行速度制限の発生回数を低減
することは、運用上の危険を低減すると同時に、自動制
御装置の負荷も低減することにもなる。さらに、速度制
限がない運行は、駅間の走行時間が最短になり、停車を
的確に定めることにより、旅行時間の短縮にも貢献する
ことになる。図24では、まずダイヤiに対する目的関
数値として「0」を設定する(ステップJ10)。次
に、全ての駅について処理を繰り返すためのポインター
sに、1からsmaxを設定する。但し、smaxは該
当路線に含まれる駅の総数である。駅sに進入してくる
全ての列車につき速度制限が発生する回数を演算する。
図の例では、先行列車がc点およびb点の場合にそれぞ
れ速度制限が発生するため2回となる。駅sでこの回数
の総和をH(s)とし、目的関数値f(i)を更新する
(ステップJ40)。すなわち、f(i)=f(i)+
H(s)とする。図25は、目的関数を到着時刻厳守と
した場合の手順を示したものである。本関数を用いるの
は、例えば遅れ発生後のダイヤ整理時等が考えられる。
ステップJ10にて目的関数f(i)に「0」をセット
する。次に計画対象列車数(n)だけ処理を繰り返すた
めのポインターpに、1からnを設定する(ステップJ
20)。次に、列車Pの整理後の終着駅の到着時刻te
(p)を求め、ダイヤ整理前の到着予定時刻te’
(p)との差分の絶対値th(p)を求めると次式とな
る。 th(p)=|te(p)−te’(p)| この偏差で目的関数値を更新する(ステップJ30)。
すなわち、f(i)=f(i)+th(p)とする。こ
の様にして、全ての計画対象列車のダイヤ整理前の到着
予定時刻と、ダイヤ整理後の到着予定時刻との差分の絶
対値の総和がf(i)に設定される。本例では、終着駅
に対する到着時刻偏差を評価の対象としたが、停車駅全
てに対して到着時刻偏差を評価することも考えられる。
以上が、図9に示すステップJでの処理である。次に、
ステップKでは、ステップJで得たχに対する目的関数
値を、作業用記憶変数エリアMOPTに格納する。すな
わち、MOPT=f(χ)とする。次に、最適化繰り返
し処理の回数Nを定める(図10、ステップL)。すな
わち、N=n3とする。本実施例では、計画対象列車数
nに対しn3を、最適化繰り返し処理回数として定義し
ているが、この値は、実験・統計的に見つけ出したもの
で、本来n本の列車の順序組合せはn!存在するもの
が、n3で十分な結果を得ることができ、処理が高速化
されることを示している。この値の妥当性については、
後述する。以上の処理で、最適化のための準備処理が完
了し、以下ステップMからステップW(図10)にて最
適列車ダイヤが次の様にして作成される。まず、最適解
が得られる十分な回数であるN回分の繰り返し処理を行
なうために、ループカウンターiに、1〜Nを設定する
(ステップM)。次に、図9のステップFで記憶した初
期状態Aを記憶変数エリアBに転送する。 この操作
で、優先列車、故障・保守情報等が既に設定されている
初期列車ダイヤがiのループ毎に再現される。次に、既
に割付けが行なわれた計画対象列車番号を要素とする、
列車割付け順ベクトルχを次の手順で少し変化させる
(これを、以下「摂動」と称する)。まず、1からNま
での整数範囲内で、2種の一様乱数is,ie(is<
ie)を生成する(ステップO)。次に、χの要素のi
s番目とie番目の範囲の内容を、その並びの逆順に並
び変える(ステップP)。本実施例を用いて上記ステッ
プPを、具体的に説明する。 χ=(1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,1
1,12,13) とし、 is=3,ie=8 が生成されているとすると、新しい、列車割付けベクト
ルyは、 y=(1,2,8,7,6,5,4,3,9,10,1
1,12,13) となる。
【0057】以上の操作を摂動と称し、かかる処理を列
車ダイヤ作成における次検討候補の作成ごとに行なう。
次に、新しい計画対象列車ベクトルyに対する列車割付
けが行なわれ(ステップQ)、割付け結果に対する目的
関数値f(y)が演算される(ステップR)。ここでス
テップQとステップRは、それぞれ前記ステップIとス
テップJと同一の処理である。ステップSでは、この様
にして作成された新しい計画yと、既に作成済のχを、
次の様にして検討する。まず、0.0から1.0の範囲
内での一様実数乱数aを生成する。次に、温度Tを、探
索回数iの増加に対し減少する関数で定める。さらに、
前記a,T,f(χ),f(y)にて、新たに作成した
yによる列車ダイヤが最適解候補か否かを判定する。本
実施例を用いて、上記ステップSにおける処理を具体的
に説明する。今、目的関数を旅行時間最小とし、この場
合の目的関数値は、それぞれ、 f(χ)=1255(分)、f(y)=1287(分) であるとする。また、a=0.6505、T=Δ/lo
g(i+2) (本例ではΔ=100.0とする)の場
合、i=1とすると、 a<exp(−(f(y)−f(χ))/T) =exp(−(1287−1255)/209.5)≒
0.858 (expは、自然対数の底のべき乗を表す)が成立する
ため、ダイヤyはダイヤχよりも旅行時間が大きいにも
かかわらずに、最適解に近い候補としてχを入れ替える
(ステップT)。次に、f(y)が、ステップKで設定
されたMOPTより小である場合、 MOPT=f(y) として、目的関数値の最小値を記憶する(ステップ
V)。ステップWは、最小値がこの様に更新された場
合、表示装置9に表示する処理である。この様子は図3
に示すように表示される。この例では、横軸に探索回数
i、縦軸に目的関数の最小値MOPTが、トレンドグラ
フとして表示される。利用者は、このグラフを列車ダイ
ヤ作成過程で逐次観察することができ、任意のタイミン
グで作成処理を打切ることができる。本列車ダイヤ作成
方法の特徴は、探索初期段階で極めて最適解に近いもの
が得られるため、列車ダイヤ作成時間が十分でなく、厳
密な結果を要しない場合は、大変有効である。以上、ス
テップNからステップWを高々N回繰り返すことによ
り、最適解が得られる。図4は、上記処理を行なうこと
により最適解を得る場合の説明、および探索回数による
最適解への収束状況を実験統計結果を基に示したもので
ある。前記の様に、計画対象列車数がnの場合、割付け
る順序はn!個だけ存在する。 図4中左上図は、横軸
に検索回数1からn!を定義し、これに対応する目的関
数値をプロットしたものである。検索回数は、自然数で
あるため、目的関数も、2次平面上で離散的に配置して
いるが、説明のため連続曲線で示している。この図か
ら、目的関数値は、多くの極小値を有し、一種類の最小
値を有することがわかる。本図の様にランダムな探索を
行なうと、n!回の探索が最適解決定の保証条件となら
ざるを得ないことがわかる。例えば、従来のホップフィ
ールド型のニューラルネットワークの様に、系のエネル
ギーを連続量として定義し、探索を時間的推移として時
間軸に対する微分を行なって、エネルギーの低い状態を
サーチする様な方法であると、極小値は比較的短時間で
決定できるが、最小値を検出できる確率は極めて低い。
これに対し、本発明では、ステップOとステップPで、
列車割付け順序組合せを少しだけ入替える様にし、ラン
ダムなサーチを排除している。そして、変更前の組合せ
の評価と比較して、変更後の組合せが改善されていれ
ば、変更後の組合せを、より最適解に近い順序組合せと
して、新しい候補に採用する(ステップS)。しかし、
この操作のみであると、前記と同様に極小点に到達する
と、以後新候補が作成されなくなり、最小値が得られな
いことになる。本発明では、これを以下の様に回避して
いる。図4の左上図の最小値近傍の拡大図において、
今、目的関数が探索L回目でLMなる値を有していると
仮定する。真の最小値はOPTであるから、LMからO
PTに向けて移動させることが必要である。例えば、目
的関数値をボール(球)とし(原理説明のためのアナロ
ジーである)、ボールのエネルギー量を考えてみる。こ
の時、図中でA方向の移行を行なわせることになるが、
B方向、すなわち逆戻り現象を抑止する方法を考えれば
よいことになる。これを、位置エネルギーに置き換えて
考えると、LMとLMX(極大値)のエネルギー差aよ
りも大きく、OPTとLMXのエネルギー差bよりも小
さい力を与えることで達成されることがわかる。この力
を温度T(エネルギーを決定する量である)とすると、
Tは、探索初期段階では、大きな値とし、探索回数の増
大とともに減少してゆく様に制御すればよい。具体的に
は、例えば、T=Δ/(log(i+2))とすればよ
い(但し、Δは正の数、iは探索回数とする)。もちろ
ん、他の関数も考えられるが、一般的にはこの関数が優
れている。この様にしてTを定めた後に、最適解に達す
るか否かは、確率的試行を行なえばよいので、ここで、
例えば0.0から1.0の間に一様に分布するような乱
数aを生成し、下記式による判断で極小点からの脱出を
図る。 a<exp(−(f(y)−f(χ))/T) 上式が成立する場合、組合せχを摂動して得たyを新候
補として採用すればよい。本式は、 f(χ)>f(y) の場合は、常に成立するからyがχより改善されている
場合は、必ず新候補となる。また、f(χ)<f(y)
の場合でも、(f(y)−f(χ))/Tがゼロに近づ
く程、成立する可能性が大きくなる。したがって、十分
な回数の試行を行なえば、必ず最小値が得られることに
なる。 図4中左下図は、本発明による装置を用いて、
最適列車ダイヤに到るまでの過程を示したものである。
本例ではn2程度で最小値に到達している。図4中右側
の3種類の図は、3種類の計画対象列車数nごとに列車
ダイヤを作成させた時に、最適解に到着した探索回数を
度数分布表で示したものである。例えば、1日16時間
運行すると考え、列車の運行が1時間に1本の場合は、
n=16、1時間に3本、すなわち20分毎の場合はn
=50、10分毎ならばn=100となる。現実の最も
過密なダイヤは2分毎程度と考えられ、この場合はn=
500となるが、この場合は、駅での乗降に要する時間
や他路線との接続等の要因が大きくなるため、現実的に
はn=300程度の列車ダイヤ作成が最大負荷と考えら
れる。 図4中右側図は、上記のうちn=16、n=5
0、n=100について実験を行なった結果を示したも
のである。いずれもn2からn3回内で最適解が得られて
おり、また、nが大きくなるほどn2以内に最適解が得
られる頻度が大であることがわかる。以上を、例えば1
000MIPS(「MIPS」とは、1秒間で100万
回の命令実行が行なえる単位を示す)の演算能力がある
コンピュータを用いて、列車ダイヤを作成する場合は、
下記条件のもとで、以下の時間内で作成が完了する。第
一の条件は、1本の列車の割付け、評価に要する処理ス
テップ数=10,000(I=ステップ)とする。ま
た、第二の条件は、最適化に要する探索回数=n2とす
る。n=16の場合には、 (10,000(I)×16(列車))×162/1000/
(MIPS)≒0.04(秒)。
【0058】n=50の場合には、 (10,000(I)×50(列車))×502/1000/
(MIPS)≒1.2(秒)。 n=100の場合には、 (10,000(I)×100(列車))×1002/1000/(M
IPS)≒10(秒)。 以上は、最適解を得るための所要時間であるが、現実的
に使用し得る良い解は、上記の1/10〜1/100の
時間で得られることがわかっており、前記図3の打切り
機能を用いると、nが300程度になった場合であって
も秒オーダーで解が得られることになる。図10におけ
る、ステップUからステップWは、利用者に、列車ダイ
ヤ作成状況を示すことで、上記現実的な準最適解を極め
て短時間で得るための処理である。 ステップUでは、
それまでの最適値MOPTと、新候補の目的関数値f
(y)を比較し、MOPT>f(y)が成立した場合、
MOPT=f(y)として最適値を更新する(ステップ
V)。ステップWでは、最適値が更新されたことを、図
3に示す様なグラフで示し、利用者が自分の判断で処理
を打切るか否かの情報を提供する。なお、打切りは、例
えばキーボード等の外部入力手段で行われる様システム
構成しておけば実現できる。この様にして作成された列
車ダイヤは、表示装置9に表示され(図11、ステップ
X)、また印字装置10に印字される(図11、ステッ
プY)。以上が対面非平行ダイヤ編成を対象とした、本
発明の動作の主要部の詳細説明である。次に、列車ダイ
ヤ整理(再作成)について説明する。図28から図31
は、本発明による列車ダイヤ整理の実施例を示したもの
である。従来のエキスパート型システム等では、経験的
情報を基にしているために、列車ダイヤ編成と列車ダイ
ヤ整理は異なるシステムで実現するものとして考えざる
を得ないのが一般的である。しかし、本発明では、初期
条件と目的関数を切り替えるだけで、主たる論理は変え
る必要がない。これは、ダイヤ編成とダイヤ整理におい
て異なるのは、主に、その目的と立案に要する許容時間
が異なる点であり、設備や列車の情報による割付け方法
は同一であるためである。図28は、時刻8時15分に
列車5に故障が発生し、出発の予定が大きく遅れ、9時
0分出発の見込みとなった場合を示している。この時、
他の列車は図に示す様に、予定に従って運行されている
ため、できるだけ各列車の予定を変更せずに、列車5を
適切に運行させる必要がある状況である。この場合、本
実施例では目的関数を到着時刻として以下のように、列
車ダイヤの再作成、すなわち整理を行なう。図29は、
8時15分における、列車の運行状況を列車表に示した
ものである。 既に運行が完了したE1,E2,E4,
F1列車の予定時刻は消去(記号「*」で示す)され、
また停車駅もすべて通過済駅として記号「◇」で示され
ている。
【0059】8時15分の時点で運行中の列車について
は、予定時刻と、停車駅が、次の様に更新されている。
例えば、列車8は駅3まで進行し8時15分に駅3を出
発し、終着駅である駅1に向かう予定であるから、始発
駅が駅3となり(記号□で示す)、始発駅の出発予定時
刻が8時15分に更新されている。他の運行中の列車も
同様に更新が行なわれている。また、8時15分時点で
始発駅を出発していない列車は、初期情報を保持してい
る。次に図29より、既に運行が完了している列車を取
り除き、図30に示すような、「整理(再計画)対象列
車情報」を作成する。ここでは12本の列車が対象とな
っている。以上の処理は、通常、運行管理システムにて
実時間で時々刻々行なわれる。図30の情報が、本シス
テムへの入力情報となり、以降の処理は、図9〜図11
にて説明した処理と全く同一でよい。列車ダイヤ編成時
と異なるのは、すべての列車が始発駅より出発せず、運
行中の列車は途中駅が始発になる点と、目的関数が切り
替わっているだけである。
【0060】図31に、以上の様にして作成(整理)さ
れた結果を示す。対象列車が到着時間に近い時刻に到着
できるように巧みに整理されている様子が伺える。さら
に、片面非平行ダイヤへの応用例について説明する。図
32〜図40は片面非平行ダイヤ、すなわち双方向専用
の線路があり、かつ普通列車と急行列車が混在する路線
の場合である。図32は、列車情報を示している。これ
は図5で示した前記実施例と同様の表であるが、方向は
一方向のため、これを省略している。本実施例では、A
1からA4の4本の列車が最速、B1〜B8の8本の列
車が中速、C1〜C8までが普通列車であり、それぞれ
の停車駅も異なっている。また、例えば、図33、図3
4に示すように、7種類の走行パタ−ンもきめ細かく定
められているものとする。図35は、前述の例で説明を
省略した故障・保守情報入力例を示している。これは、
列車ダイヤ情報入力手段2により入力されるもので、列
車ダイヤ作成に先立ち設定される。図の様に横軸を時刻
とし、縦軸に駅および駅構内の線路(ホーム)、駅間の
線路を定義する。図中の横太線が設定情報であり、これ
が設定されている場合、該当駅、線路(ホーム)、およ
び駅間の線路は、列車運行に使用することができないこ
とを意味している。これらの情報は、図9の処理フロー
中のステップAにて取り込まれ、図38に示す様に、最
適化処理に先立ち設定される。具体的には、該当駅に対
する発停可否マップへ、発停可否時空間帯として設定さ
れる。図39は、上記に加え、優先列車(2)、
(4)、(12)が割り付けられた状態を示したもので
ある(ステップC〜ステップE)。図40は、最適列車
ダイヤの作成が完了した状態である。本最適列車ダイヤ
の作成では、目的関数の1例として安全性最大が選択さ
れている。対面非平行ダイヤとの相違は、各列車が同一
方向に進行している点のみであり、それ以外の処理は、
前述してきた実施例と同一である。最後に、片面平行ダ
イヤへの応用例について述べる。図41〜図43に、本
発明を片面平行ダイヤの作成および整理に応用した結果
を示す。前記対面非平行、片面非平行ダイヤは、同一方
向の列車の追越しが可能であったが、本路線は追越しが
ない点が、前二者と異なる。したがって、列車割付け時
の手順の中で追越しを考慮したアルゴリズムを取り除い
て考えることで、他は全く同一の手順で列車ダイヤを作
成できる。図41では、目的関数の一例として到着間隔
均一を選択した結果であり、各駅ごとの到着間隔がよく
揃っていることがわかる。図42は、図41の予定に対
し、7時10分に列車6にトラブルが発生し、列車6の
発車が遅れ7時29分になる見込みが判明した状況であ
る。このまま放置した場合、駅3では列車5の発車から
列車6の到着までの間隔が非常に長くなり、列車待ち乗
客数が多くなる。この結果、乗降に要する時間は長くな
り、徐々に遅延は肥大し、駅10では列車5の到着から
1時間20分間列車が来ないことになってしまってい
る。これに対し、目的関数を乗車負荷均一とし、本シス
テムで列車ダイヤ整理を行なった結果が図43である。
これは、利用客の到着密度、降車密度等の時間に対する
変化量を与え、これらが各列車に均一に分散するように
計画することで得られる。具体的には、列車6に先行す
る列車の運行を遅くしたり、後続列車の運行を早める等
により、比較的短い時間で、列車ダイヤの乱れが修復し
ていることがわかる。
【0061】
【発明の効果】本発明によれば、多種多様の列車ダイヤ
編成、整理に対し、簡単な構成、論理で短時間に、最適
なダイヤを作成することが可能になった。また、計画対
象が変更しても、主たる論理の変更は不要なため、シス
テム構築の工数も低減でき、さらに、多種多様な情報を
容易に取り込むことができるという柔軟性のあるシステ
ムも構築できる。
【0062】また、従来必要とされていた、豊かな経験
者、あるいはエキスパートシステム等が不要になり、保
守性が向上した。
【図面の簡単な説明】
【図1】列車ダイヤ作成システムの構成図である。
【図2】計画条件設定手段等の説明図である。
【図3】列車ダイヤ作成状況の表示例である。
【図4】最小値探索原理、探索回数等の説明図である。
【図5】対面非平行ダイヤ例の列車情報を表した図であ
る。
【図6】列車走行パターンの説明図である。
【図7】駅に関する情報の説明図である。
【図8】駅状況と自動運転制御情報の説明図である。
【図9】ダイヤ計画立案処理のフローチャートである。
【図10】ダイヤ計画立案処理のフローチャートであ
る。
【図11】ダイヤ計画立案処理のフローチャートであ
る。
【図12】優先列車以外の列車表作成処理のフローチャ
ートである。
【図13】図12の処理における計画の突然変異オペレ
−タと高速評価を示す図である。
【図14】突然変異オペレ−タによる1倍体増殖の状況
を示す図である。
【図15】淘汰、優先遺伝における法則性を示す図であ
る。
【図16】自然法則の定量化による超高速処理の状況を
示す図である。
【図17】ダイヤ計画立案処理のフローチャートであ
る。
【図18】退避線路が無い場合の発停可否マップの説明
図である。
【図19】退避線路が有る場合の発停可否マップの説明
図である。
【図20】退避線路が無い場合の列車の割付けと発停可
否マップへの登録の説明図である。
【図21】退避線路が有る場合の列車の割付けと発停可
否マップへの登録の説明図である。
【図22】旅行時間最小化を目的関数とした処理のフロ
ーチャートである。
【図23】列車間隔均一を目的関数とした処理のフロー
チャートである。
【図24】安全性最大を目的関数とした処理のフローチ
ャートである。
【図25】到着時刻厳守を目的関数とした処理のフロー
チャートである。
【図26】優先列車の割付けを示す表である。
【図27】最適列車ダイヤの運行状況を示す図である。
【図28】列車5で故障が発生し、運転整理要求が発生
した場合の運行状況を示す図である。
【図29】現在時刻における列車運行状況を示す図であ
る。
【図30】整理(再計画)対象列車情報を示す図であ
る。
【図31】運転整理後のダイヤ整理を示す図である。
【図32】片面非平行ダイヤ例の列車情報を表した図で
ある。
【図33】列車走行パターンの説明図である。
【図34】列車走行パターンの説明図である。
【図35】故障保守情報を示した説明図である。
【図36】駅に関する情報の説明図である。
【図37】駅状況の説明図である。
【図38】故障、定修情報の割付けを示した説明図であ
る。
【図39】優先列車の割付けを示す表である。
【図40】最適ダイヤの一例を示す表である。
【図41】片面平行ダイヤ例の列車情報を表した図であ
る。
【図42】駅2で列車6のトラブルが発生した場合の列
車運行状況を示す図である。
【図43】乗車負荷均一により運転整理を行なったとき
の列車運行状況を示す図である。
【符号の説明】
1…列車ダイヤ作成装置、2…列車ダイヤ情報入力手
段、3…列車ダイヤ情報記憶手段、4…計画条件設定手
段、5…計画条件記憶手段、6…列車ダイヤ作成手段、
7…結果記憶手段、8…出力手段、9…表示装置、10
…印字装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 土屋 晋 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 株 式会社日立製作所大みか工場内 (72)発明者 渡辺 好夫 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 株 式会社日立製作所大みか工場内 (72)発明者 八尋 正和 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 株 式会社日立製作所大みか工場内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】列車ダイヤ作成計画の対象である複数の各
    列車の走行パタ−ン情報を含む列車ダイヤ情報を入力す
    る列車ダイヤ情報入力手段と、列車ダイヤ作成において
    最適化を図る物理量を表す目的関数を作成するための情
    報を含む計画条件を入力する計画条件設定手段と、前記
    列車ダイヤ情報および計画条件から目的関数を作成する
    目的関数作成手段と、列車の組合せベクトルをxとし目
    的関数F(x)の最小値を求める列車ダイヤ計画作成手
    段と、該列車ダイヤ計画作成手段による列車ダイヤ計画
    作成結果を出力する出力手段を有する列車ダイヤ作成装
    置において、 前記列車ダイヤ計画作成手段は、 複数の列車が不規則に組み合わされた第一世代の親計画
    を、所定数だけ生成する初期計画生成手段と、 該計画案に対応して、その目的関数の値を計算する演算
    手段と、 複数の前記計画案を前記目的関数値の順に並べる計画並
    べ替え手段と、 世代の繰り返し毎に予め定められている定数が指し示す
    番号を選択番号として親計画案を所定数だけ選択する親
    計画選択手段と、 該選択された親計画に対して、任意の2個の要素を入れ
    替え、子計画を生成する子計画生成手段と、 前記親計画と生成された子計画に対して、前記演算手段
    および計画並べ替え手段を起動させる制御手段と、 並べ替えされた前記計画のうち、並び替え順に従って前
    記所定数分だけの計画を新たな親計画として選択する世
    代交代手段と、 第二世代から予め定められた世代数まで、前記親計画選
    択手段、子計画生成手段、制御手段および世代交代手段
    を繰返し起動させ、前記目的関数値を最大または最小に
    する計画を列車ダイヤ計画として選び出す最適計画選出
    手段とを備えることを特徴とする列車ダイヤ作成装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記親計画選択手段
    は、複数の計画案が与えられた場合、各計画案に対する
    目的関数値の、各計画案に対する目的関数値の総和に対
    する比率順によって、各計画案の選択番号が割り当てら
    れると想定したとき、世代の繰り返し毎に予め定められ
    ている所定数個の定数であって、該定数が指し示す番号
    を前記選択番号として親計画案を所定数だけ選択するこ
    とを特徴とする列車ダイヤ作成装置。
  3. 【請求項3】請求項1において、前記子計画生成手段
    は、選択された前記親計画に対して、親計画要素数の範
    囲内で一様に分布する乱数を2個生成し、乱数で指定さ
    れた順番に配置する2個の要素を入れ替え、子計画を生
    成することを特徴とする列車ダイヤ作成装置。
  4. 【請求項4】請求項1において、前記演算手段は、与え
    られた計画案に対する目的関数値を演算する際、計画要
    素の変更に伴う目的関数の変化分のみを演算し、変更前
    の目的関数値に、前記変化分を加算することを特徴とす
    る列車ダイヤ作成装置。
  5. 【請求項5】請求項1において、前記目的関数には旅行
    時間最小が含まれ、 全列車の始発駅から終着駅までの所要時間の総和の最小
    化を図る機能を有することを特徴とする列車ダイヤ作成
    装置。
  6. 【請求項6】請求項1において、前記目的関数には駅毎
    の列車到着間隔均一が含まれ、 各駅に停車する各列車の到着時間の間隔の標準偏差値の
    最小化を図る機能を有することを特徴とする列車ダイヤ
    作成装置。
  7. 【請求項7】請求項1において、前記目的関数には、安
    全性最大が含まれ、 ある列車と他の列車との距離が所定値以下のとき減速を
    行なわしめる自動運転制御装置を備えている列車の、該
    装置による減速回数の最小化を図る機能を有することを
    特徴とする列車ダイヤ作成装置。
  8. 【請求項8】請求項1において、前記目的関数には、到
    着時刻厳守が含まれ、 各列車の終着駅への到着予定時間と実際の到着時間との
    誤差の最小化を図る機能を有することを特徴とする列車
    ダイヤ作成装置。
  9. 【請求項9】請求項1において、前記目的関数には、乗
    車負荷均一が含まれ、 各列車の各駅における停車時間の標準偏差値の最小化を
    図る機能を有することを特徴とする列車ダイヤ作成装
    置。
  10. 【請求項10】請求項1記載において、列車ダイヤ情報
    は、列車名称、始発駅発車時刻、終着駅到着時刻、途中
    駅の到着時刻、途中駅の通過時刻、ダイヤ作成時に優先
    して列車が発車するように計画を行なう駅、列車ダイヤ
    作成時の割付け方向、走行パタ−ン、始発駅、終着駅、
    停車駅、通過駅、各駅での標準停車時間、各駅での最小
    停車時間、各駅での最大停車時間を含む情報であること
    を特徴とする列車ダイヤ作成装置。
  11. 【請求項11】列車ダイヤ作成計画の対象である複数の
    各列車の走行パタ−ン情報を含む列車ダイヤ情報を入力
    する列車ダイヤ情報入力手段と、列車ダイヤ作成におい
    て最適化を図る物理量を表す目的関数を作成するための
    情報を含む計画条件を入力する計画条件設定手段と、前
    記列車ダイヤ情報および計画条件から目的関数を作成す
    る目的関数作成手段と、列車の組合せベクトルをxとし
    目的関数F(x)の最小値を求める列車ダイヤ計画作成
    手段と、該列車ダイヤ計画作成手段による列車ダイヤ計
    画作成結果を出力する出力手段を有する列車ダイヤ作成
    装置により、与えられた複数の列車ダイヤ計画候補の内
    容を変更し、所定の変更回数毎に、計画候補毎の目的関
    数値を演算し、該演算値にもとづき目的関数の値を、最
    小あるいは最大にする列車ダイヤ計画を立案する列車ダ
    イヤ計画立案方法であって、 複数の列車が不規則に組み合わされた第一世代の親計画
    を所定数だけ生成し、 前記列車の並びの一部を変更し、 前記変更後の計画候補に対する目的関数値を求め、 前記所定の変更回数毎に、各計画候補の目的関数値の並
    び順に対し、予め与えた選択定数で示される数だけ立案
    された計画候補を選択し、 該選択された計画候補から、前記目的関数値を最大また
    は最小にする1つの計画案を列車ダイヤ計画として選出
    することを特徴とする列車ダイヤ作成方法。
JP8000594A 1994-04-19 1994-04-19 遺伝的アルゴリズム/ニューロによる列車ダイヤ作成装置及び作成方法 Pending JPH07285439A (ja)

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