JPH06107179A - 列車ダイヤ作成方法と装置 - Google Patents

列車ダイヤ作成方法と装置

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JPH06107179A
JPH06107179A JP26018192A JP26018192A JPH06107179A JP H06107179 A JPH06107179 A JP H06107179A JP 26018192 A JP26018192 A JP 26018192A JP 26018192 A JP26018192 A JP 26018192A JP H06107179 A JPH06107179 A JP H06107179A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】多種多様の列車ダイヤ編成、整理に対し、簡単
な構成、論理で短時間に、最適なダイヤを作成する方法
および装置を提供すること。 【構成】本発明にかかる列車ダイヤ作成装置1は、列車
ダイヤ情報入力手段2、列車ダイヤ情報記憶手段3、計
画条件設定手段4、計画条件記憶手段5、列車ダイヤ作
成手段6、結果記憶手段7、出力手段8、表示装置9お
よび印字装置10を有して構成される。 【効果】多種多様の列車ダイヤ編成、整理を簡単な装置
構成で行なえる。また、計画対象が変更しても、主たる
論理の変更は不要なため、システム構築の工数も低減で
き、さらに、多種多様な情報を容易に取り込むことがで
きる柔軟性のあるシステムも構築できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は列車ダイヤグラム(以下
「列車ダイヤ」と略して称する)作成方法に関し、特に
計画対象とする列車数が多く、制約条件が多い場合等の
複雑な問題の最適解を極めて高速に得る方法および装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】大都市生活圏の拡大、多様化等の社会生
活の進展とともに、電気鉄道による大量輸送機関の役割
は飛躍的に増大し、列車ダイヤについても安全で、かつ
乗客へのサ−ビス性の高い、きめ細かな対応が求められ
ている。また公共・産業の進展に伴い、主要都市間を結
ぶ高速大量輸送機関には、一層の高速性、安全性、およ
び異常事象発生時の的確、迅速な対応が急務となってい
る。上記のような状況に対し、現在の主要列車設備は、
今日の状況までをも予見して建設されたものではないた
め、車両の性能の向上、乗客の増大等に、十分に対応す
ることが困難になってきている。特に、車両の性能の向
上による効果を十分に発揮しようとすると、安全性が犠
牲になるため、十分性能を発揮できなかったり、また非
常時には逆に安全性が犠牲になる場合も存在しないとは
言えない状況となっている。このような状況を回避し、
安全で、高速な運行計画を立てるためには、限られた時
間、設備の中で最適に列車を配置すること、すなわち最
適な列車ダイヤの作成が不可欠である。列車ダイヤ作成
にあたっては、単に始発から終着までの駅の列車の位置
と時刻を表す線を輸送計画に従って配列するだけでな
く、列車運行に必要な列車の性能、乗務員の勤務計画、
駅の線路配置、乗客の乗降予想、各設備の故障・修理予
定、自動制御装置の動作および特性等、各種の条件を満
足するように考慮する必要がある。また、上記条件を満
足したうえで、次に列車ダイヤ作成の目的を最も満足す
るものを決定する必要がある。例えば、3分間隔で列車
が到着・発車し、1日16時間稼動する路線が対象の場
合、計画の対象となる列車の数は、少なくとも320本
となる。各々の列車に対し、上記の各種の条件を考慮し
ながら列車ダイヤを作成してゆくことになる。計画の目
的が、例えば各列車の始発駅発車から終着駅到着までの
時間(これを以下「旅行時間」と称する)を最短にする
ことならば、全ての列車の旅行時間の総和を計算し、考
えうる全ての組合せの中から最短の総和を有する列車ダ
イヤを見つければよい。ところが、考え得る組合せの数
は、膨大な数となる。例えば、1本の列車の割付け方法
が、一通りに決まると仮定しても、列車の割付け組合せ
数は、 320!=320×319×318×…………×3×2×1>>10310 となる。したがって、1回のダイヤ作成、つまり320
本の列車の割付けに1秒を要する場合、10310(秒)
>10305(日)>10300(年)が、全ての組み合わせ
を計算する時間となる。現在考え得る最速のコンピュー
ターを用いても現実的には、解決不可能と言える。これ
に対し、例えば「札幌市交通局納め列車ダイヤグラム作
成支援システム」(日立評論,Vol.71,pp41
〜46,1989年8月)等の文献に記載されている様
に、経験的情報を用い、かつ計画立案者と協調して短時
間で実用できる列車ダイヤの作成方法が提案されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述のような
知識工学やOR(オペレーションズリサーチ)手法は、
下記のような点において必ずしも満足できる手法とは言
い難いものであった。まず第1に、最適解が必ずしも求
まらない点である。次に、第2に、対象問題の変化に対
する柔軟性に欠ける点である。次に、第3に、列車ダイ
ヤ作成システムの構造が複雑で、膨大な製作工数と費用
を必要とする点である。さらに、第4に、非常に長い処
理時間を要する点である。上記の問題点のそれぞれにつ
き、以下簡単に説明する。第1の点に関し、従来は前記
のような膨大な組合せの中から、一種類存在する最適解
を求める方法は、一つしか存在しないと考えられてい
た。これは「列挙法」と称される手法で、全ての順序組
合せを検討、評価して最適解を見い出す方法である。し
かし、この方法を用いると、許容される現実的な時間内
に問題を解くことは不可能である。これに対し、全ての
組合せを検討することをやめ、経験的情報に基づいて、
現実に使用しても問題のない解を求めることを研究して
いるのが知識工学、OR等である。従って、最適解が必
ずしも求まらないのは当然とも言える。第2の「柔軟性
の欠如」は、知識工学等に固有の性格を鑑みるに、高速
性、最適性等を追求する程、強調されることになる。す
なわち、知識工学によるエキスパートシステムにおい
て、良い計画システムとは、対象問題に特有の事象を、
より詳細に知っていることにほかならないからである。
従って、対象が異なったり、対象の変更が発生すると、
システムは全く機能しなくなるのである。例えば、追越
しができない列車ダイヤ(これを、以下「平行ダイヤ」
と称する)は、追越しを許容する列車ダイヤ(これを、
以下「非平行ダイヤ」と称する)とは全く異なるものに
なってしまう。例えば、過密に列車が入り組んでいる地
下鉄の列車ダイヤを作成するエキスパートシステムを、
高速大量輸送路線の列車ダイヤの作成に応用することは
一般的には不可能と考えられる。第3の点に関しては、
上記第2の説明で明らかな様に、良いシステムを作成す
るには、対象問題に対する十分な学習と調査が必要であ
り、かつその表現に多大な工数と費用が必要になる。第
4の低い処理能力の問題は、エキスパートシステムの場
合、内包する知識量が多い程低下するために発生する。
この様な現状技術の課題は、例えば「FArepor
t、1992年9月号、特集(スケジューリング・シス
テム)」等に記載されている。上記に示した多くの問題
点により、問題とする対象に大きな影響を受けず、高速
で、しかも所望の目的を満足する列車ダイヤが得られる
列車ダイヤ作成システムの提供が強く望まれていた。そ
こで、本発明の目的は、上記問題点を解決し、列車ダイ
ヤ作成において、最適解を許容される有限時間内に得る
ことのできる計画立案方法および装置を提供することに
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため
に、以下の手段が考えられる。列車ダイヤ作成計画の対
象である複数の列車の各々の停車駅、各列車の所望発車
時刻、各列車の到着時刻、各列車に対応する走行パタ−
ンの番号、各列車の各駅における停車を行なうか否かを
示す停車条件、所定の列車に付加され、優先的に運行計
画を立てることを示す識別子からなる優先情報、各列車
の走行パタ−ン情報、各駅の線路数および先行駅との距
離データを含む駅情報、各列車が他の列車と所定距離以
下のとき減速を行なわしめる自動運転制御に関する自動
運転制御情報および、駅あるいは列車に備えられた設備
および列車の、故障・保守情報を含む列車ダイヤ情報を
入力する列車ダイヤ情報入力手段と、追越しの可否を示
す平行・非平行ダイヤ指示情報、および列車ダイヤ作成
において、最適化を図る物理量を表す目的関数を作成す
るための情報を含む計画条件を入力する計画条件設定手
段と、与えられた列車ダイヤ情報および計画条件から目
的関数を作成する目的関数作成手段と、列車の組合せベ
クトルをxとし、目的関数F(x)の最小値を求める列
車ダイヤ計画作成手段と、列車ダイヤ計画作成手段での
列車ダイヤ計画作成結果を出力する出力手段を有する列
車ダイヤ作成装置である。また、前記装置において、予
め複数の目的関数を登録し、該目的関数を選択できる機
能を備える列車ダイヤ作成装置も考えられる。この場
合、予め登録した複数の目的関数には、旅行時間最小、
駅毎の列車到着間隔均一、安全性最大、到着時刻厳守、
および乗車負荷均一が少なくとも含まれ、前記旅行時間
最小を目的関数とした場合には、全列車の始発駅から終
着駅までの所要時間の総和の最小化を図り、前記駅毎の
列車到着間隔均一を目的関数とした場合には、各駅に停
車する各列車の到着時間の間隔の標準偏差値の最小化を
図り、前記安全性最大を目的関数とした場合には、ある
列車と他の列車との距離が所定値以下のとき減速を行な
わしめる自動運転制御装置を備えている列車の、該装置
による減速回数の最小化を図り、前記到着時刻厳守を目
的関数とした場合には、各列車の終着駅への到着予定時
間と実際の到着時間との誤差の最小化を図り、前記乗車
負荷均一を目的関数とした場合は、各列車の各駅におけ
る停車時間の標準偏差値の最小化を図る機能を有する列
車ダイヤ作成装置でもよい。また、上記装置において、
前記出力手段は、印刷装置または表示装置のうち少なく
とも1つを備えて構成するのが好ましい。この場合、前
記表示装置は、列車ダイヤ作成回数および作成したダイ
ヤに対する目的関数値を、トレンドグラフとして表示す
る機能を有する構成でも良い。また、上記記載におい
て、さらに、列車ダイヤ作成を打ち切る機能を有する列
車ダイヤ作成装置も考えられる。さらに、前記列車ダイ
ヤ情報としては、列車名称、始発駅発車時刻、終着駅到
着時刻、途中駅の到着時刻、途中駅の通過時刻、ダイヤ
作成時に優先して列車が発車するように計画を行なう
駅、列車ダイヤ作成時の割付け方向、走行パタ−ン、始
発駅、終着駅、停車駅、通過駅、各駅での標準停車時
間、各駅での最小停車時間、各駅での最大停車時間を含
む情報が考えられ、さらに、前記駅情報は、進行方向毎
の線路数、先行駅との距離、ポイント切替の最小時間を
含む情報が考えられる。また、上記装置において、前記
列車ダイヤ作成手段は、各列車をギブス行列の各要素と
し、マルコフ連鎖をシミュレートすることにより、マル
コフ連鎖の状態確率分布を最適状態確率分布に近づけ、
目的関数の最小値を与える列車の組合せを求める手段で
あり、さらに、該手段は、探索時のパラメータである温
度Tを探索回数が大きくなるにしたがって低下させる手
段を備える構成でも良い。また、探索は列車ダイヤ作成
計画の対象である列車数をnとした場合、nの3乗回で
終了させる機能を有する構成でも良い。加えて、上記装
置の応用例として、以下の手段が考えられる。前記装置
において、駅間の線路が一種類しかなく、必ず駅構内の
退避線路を用いて対向する列車は交わらねばならない運
行を特徴とする対面非平行ダイヤを列車ダイヤ作成計画
対象とし、目的関数として、旅行時間最小、駅毎の列車
到着間隔均一、および安全性最大のうち少なくとも1つ
を定め、前記旅行時間最小を目的関数とした場合は、全
列車の始発駅から終着駅までの所要時間の総和の最小化
を図り、前記駅毎の列車到着間隔均一を目的関数とした
場合には、各駅に停車する各列車の到着時間の間隔の標
準偏差値の最小化を図り、前記安全性最大を目的関数と
した場合には、ある列車と他の列車との距離が所定値以
下のとき減速を行なわしめる自動運転制御装置を備えて
いる列車の、該装置による減速回数の最小化を図る機能
を有する構成とした列車ダイヤ作成装置がある。また、
駅間の線路が一種類しかなく、必ず駅構内の退避線路を
用いて対向する列車は交わらねばならない運行を特徴と
する対面非平行ダイヤを計画対象とし、ある列車に所定
時間以上の遅れが発生した場合には、遅れが発生した時
点での列車ダイヤ情報を入力し、遅れが発生しない場合
の各列車の到着予定時刻との標準偏差値を最小とする到
着時刻厳守を目的関数とする機能を有する構成も考えら
れる。さらに、駅間の線路は、進行方向毎に設置されて
おり、かつ駅構内には進行方向毎に退避線路と通過線路
が、各々少なくとも1本以上ある片面非平行ダイヤを列
車ダイヤ作成計画対象とし、目的関数として旅行時間最
小、駅毎の列車到着間隔均一、および安全性最大の少な
くとも1つを定め、前記旅行時間最小を目的関数とした
場合は、全列車の始発駅から終着駅までの所要時間の総
和の最小化を図り、前記駅毎の列車到着間隔均一を目的
関数とした場合には、各駅に停車する各列車の到着時間
の間隔の標準偏差値の最小化を図り、前記安全性最大を
目的関数とした場合には、ある列車と他の列車との距離
が所定値以下のとき減速を行なわしめる自動運転制御装
置を備えている列車の、該装置による減速回数の最小化
を図る機能を有する構成も考えられる。さらに、駅間の
線路は、進行方向毎に設置されており、かつ駅構内には
退避線路が無い片面平行ダイヤを列車ダイヤ作成計画対
象とし、ダイヤ作成時には、時間に対する乗車量あるい
は輸送量の各駅ごとの推移情報を列車ダイヤ情報として
入力し、目的関数として駅毎の列車到着間隔均一、安全
性最大、および乗車負荷均一のうち少なくとも1つを定
め、前記駅毎の列車到着間隔均一を目的関数とした場合
には、各駅に停車する各列車の到着時間の間隔の標準偏
差値の最小化を図り、前記安全性最大を目的関数とした
場合には、ある列車と他の列車との距離が所定値以下の
とき減速を行なわしめる自動運転制御装置を備えている
列車の、該装置による減速回数の最小化を図り、前記乗
車負荷均一を目的関数とした場合は、各列車の各駅にお
ける、停車時間の標準偏差値の最小化を図る機能を有す
る構成も考えられる。さらに、列車ダイヤ作成計画対象
のうちのある列車に所定時間以上の遅れが発生した場合
には、遅れが発生した時点での列車ダイヤ情報、時間に
対する乗車量あるいは輸送量の各駅ごとの推移情報を入
力し、乗車負荷均一を目的関数として定め、各列車の各
駅における停車時間の標準偏差値の最小化を図る機能を
有する構成も考えられる。また、上記問題を解決するた
めの方法として、以下の手段が考えられる。最適列車ダ
イヤを作成するために、与えられた計画対象の列車ダイ
ヤ情報、各列車の走行パタ−ン情報、各駅の線路数を含
む駅情報、各列車が他の列車と所定距離以下のとき減速
を行なわしめる自動運転制御に関する自動運転制御情
報、列車の故障保守情報と、各駅の時間に対する乗車乗
客数の推移情報、これらの情報内で発生し得る列車の割
付け順序候補を表す状態変数を入力とし、状態変数の組
替えを行なう探索を行ない、この探索の回数が大きくな
る毎に低下する様にランダム系のエネルギーを決定する
温度Tを設定し、さらに第1の一様乱数を発生させ、該
第1の乱数にもとづき状態変数(列車)の並べ替えを行
ない、現在計画候補Xから次計画候補Yを作成し、予め
定められた目的関数にしたがって、現在計画候補の目的
関数値f(x)、および、次計画候補の目的関数値f
(y)を演算し、前記f(x)、f(y)と、前記温度
Tと、新たに発生させた第2の一様乱数aが、 a<exp(−(f(y)−f(x))/T) (但し、expは、自然対数の底のべき乗を表す)なる
不等式を満たすときに、次計画候補yを、最適列車ダイ
ヤ候補とする処理を所定回数行なう方法である。
【0005】
【作用】以下、作用について説明する。本発明におけ
る、処理のポイントは次の三点にある。まず第一に、列
車ダイヤは1回のみでなく、最適解が得られるまで繰り
返し作成する。すなわち、対象列車の計画可能順序組合
せ集合の全体を観察して、最適解を得るようにしている
ため、得られた結果は、常に目的関数に対して安定し
て、最も満足できるものになっている。次に第二に、列
車ダイヤ作成後、次回の列車ダイヤを作成する場合、前
回作成した列車ダイヤにおける列車の順序組合せを、確
率過程を利用して少しづつ変更し、変更前の列車ダイヤ
の目的関数値と比較している。次に第三に、変更前の列
車ダイヤの目的関数値を、変更後の列車ダイヤの目的関
数値と比較し、それが改善されていない場合(悪化した
場合も含む)であっても、最適解に到達する探索過程と
判断される場合には、変更後の列車ダイヤを最適解探索
ル−ト上の、より良い候補として採用する。上記処理を
繰り返し、目的関数値の推移を観察し、最適解に到達し
た段階で、列車ダイヤの作成を終了させる。従来の知識
工学的手法、OR手法等では、計画立案過程で一旦評価
が下がる方向に向かうことがないため、極小値に停留
し、最適解に到達することができなっかたが、本発明で
は、最適列車ダイヤに到着する探索過程であることが的
確に判断できるため、従来困難であった最適解の検出を
確実に行なうことができる。また、実際の列車割付けを
忠実に模擬することができるため、故障、保守、細かな
速度変化等の条件を厳密に演算処理させることができ、
極めて現実に近い検討が行われる。さらに、上記、処理
の繰り返し回数は、従来の列挙法では計画対象列車数を
nとすると、n!(階乗)回の検討が必要であるが、本
発明においては、実験統計的考察を鑑み、nの二乗から
三乗回で十分であることを確認している。これは、例え
ばn=100とすると、列挙法では100!(≫1
90)の探索が必要であるのに対し、1003=106
以下で最適列車ダイヤが求まることを示している。1回
の探索に1(msec)を要するとした場合、列挙法で
は少なくとも1087(秒)>1079年を要するが、本発
明では、103(秒)≒17(分)で終了することとな
る。さらに、本発明による温度(エネルギーを表す量で
ある)制御方式では、探索の初期段階では、温度を大き
く設定し、その後急激に温度を降下させているため、探
索の初期段階、例えばn回以下で、最適解に極めて近い
解を得ることができるという重要な作用がある。これは
現実に使用するには、十分な性能を有しているものであ
る。この場合は、n=100であるから、わずか100
(ms)で実用上の最適列車ダイヤが得られることを示
している。本発明では、計画立案過程での目的関数値を
トレンドグラフにし、実時間で表示させるようにしてい
るため、利用者は立案済の列車ダイヤの品質を定量的に
知ることができ、さらに任意の時点で計画作成を打ち切
ることができるため、様々な状況下で、列車ダイヤ作成
に要する許容時間内で最良のものを提供できることにな
る。これは、例えば突発的な列車遅延発生後の列車ダイ
ヤ整理時等には重要な作用である。また、本発明では列
車ダイヤ作成の目的を定量的に定めることができるの
で、従来の方法のように、作成された列車ダイヤの微調
整をほとんど必要としない。
【0006】ところで、目的関数は、以下に示すものが
ある。もちろん、これらに限られるものではない。第1
は、全ての対象列車の始発駅から終着駅までの所要時
間、すなわち旅行時間の総和を最小にするものである。
これにより、定められた走行パターンを守りながら、無
駄な駅停止、減速運転等を無くした列車ダイヤが得られ
る。本目的関数により作成された列車ダイヤは、高速大
量輸送向け列車ダイヤに適している。
【0007】第2は、駅ごとの列車の到着間隔を均一に
するものである。駅ごとに列車の利用頻度は異なるの
で、各種サービスはそれに合わせる必要がある。本関数
を設定することで、駅ごとに最適なサービスを提供でき
る。これは、通勤、通学など日常的に頻繁に利用される
一般の列車ダイヤの作成において重要である。第3は、
安全性を最大とするものである。片面線路では、追突
が、対面線路では追突に加え正面衝突の可能性がある
が、いずれも必ず回避する必要がある。このため、先行
列車との間隔をできるだけ確保すること、駅構内での退
避およびポイントの切替のために十分な余裕を確保する
こと等が必要である。従って、本目的関数を用いること
は過密ダイヤ作成、および非常時の運転整理等において
重要である。第4は、到着時刻を厳守するものである。
自然災害、車両の故障、事故等が発生した場合、列車ダ
イヤの見直しが必要である。この時、変更前の列車ダイ
ヤの終着駅の到着時刻を守るように関数を設定すること
で、各種サービスを維持することができる。もちろん、
各駅ごとの到着時刻を厳守するように変更できることは
言うまでもない。第5は、乗車の負荷を均一にするもの
である。駅間の距離が短く、時間当りの通過列車数が多
い路線では、駅での停車時間が列車ダイヤに与える影響
が大きい。従って、駅ごとの時刻に対する列車利用度合
いを入力情報に加え、各列車の乗車負荷(率)を均一に
なるように計画することで良好なサービスが保持され
る。また、ある駅で車両の故障等が発生し、車両が遅延
した場合、その下流の駅では、待ち乗客数が多くなるた
め、乗降に要する時間が次々に多くなり、列車の遅延が
増大する現象が発生する。この様な場合でも、本目的関
数を選択すると、先行列車が少しづつ遅延し、また、後
続列車は予定に先行する様に整理されるので、列車ダイ
ヤの乱れは短時間で回復する。本方法は、逐次実行型の
コンピューター上のプログラムで実現しようとする場合
でも、主要部分の処理アルゴリズムは、わずか数十ステ
ップで実現でき、対象に応じて変更する必要がない。さ
らに相互結合型のニューラルコンピューターで動作させ
ることにより、一層の高速化が図れる。
【0008】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図を参照し
て詳細に説明する。図1に、本発明の一実施例の構成図
を示す。列車ダイヤ作成装置1は、列車ダイヤ情報入力
手段2、列車ダイヤ情報記憶手段3、計画条件設定手段
4、計画条件記憶手段5、列車ダイヤ作成手段6、結果
記憶手段7、出力手段8、表示装置9および印字装置1
0を有して構成される。列車ダイヤ情報入力手段2は、
各種列車情報、走行パターン、駅情報、自動運転制御情
報、故障・保守情報の入力操作を行うための手段であ
り、例えばキーボード、マウス、電子式ライトペン、タ
ッチパネル等により実現される。列車ダイヤ記憶手段3
は、列車ダイヤ情報入力手段2により入力された各種情
報を記憶する手段であり、例えばRAM、磁気ディス
ク、光ディスク等により実現される。計画条件設定手段
4は、予め登録されている列車ダイヤ作成における目的
関数を選択するか、あるいは任意の目的関数を作成し、
また該ダイヤを平行あるいは非平行のいずれかに設定
し、さらに列車ダイヤの計画開始を指示するための手段
であり、例えばCPU、ROM、RAM等により実現さ
れる。計画条件記憶手段5は、計画条件設定手段4から
入力される各種情報を記憶する手段であり、例えばRA
M、磁気ディスク、光ディスク等により実現される。列
車ダイヤ作成手段6は、上記列車ダイヤ情報記憶手段3
および計画条件記憶手段5に格納されている情報に基づ
いて最適列車ダイヤを計画し、その途中経過を表示装置
9に表示する手段であり、例えばCPU、ROM、RA
M等により実現される。結果記憶手段7は、前記作成さ
れた列車ダイヤを記憶する手段であり、例えばRAM、
磁気ディスク、光ディスク等により実現される。出力手
段8は、前記結果記憶手段7に記憶されている、列車ダ
イヤを表示装置9に表示し、また印字装置10に印字す
る手段であり、例えばCPU、ROM、RAM等により
実現される。なお、印字装置10としては、例えばプリ
ンター等が考えられ、また、表示装置9としては、CR
Tディスプレイ、EL表示装置、液晶表示装置等が考え
られる。図1に示す実施例に係る装置は、1台のコンピ
ュータシステムを用いて実現できる。例えば、列車ダイ
ヤ情報入力手段2および計画条件設定手段4は、利用者
が入力操作を行うキーボードと、入力内容を表示するC
RT等の表示装置を有する構成により実現できる。列車
ダイヤ作成手段6および出力手段8は、中央処理ユニッ
ト(CPU)で構成でき、列車ダイヤ情報記憶手段3、
計画条件記憶手段5、結果記憶手段7はメモリー装置に
より構成することができる。また表示装置9はコンピュ
ータの表示画面であるCRT等のディスプレーで、印字
装置10は、コンピュータと接続されたプリンター、X
−Yプロッター等で構成することができる。以下、具体
的実施例について述べるが、応用例は以下の3つに大別
される。 (1) 対面非平行ダイヤ(図5〜図27を参照して説
明する)。
【0009】(2) 片面非平行ダイヤ(図28〜図3
6を参照して説明する)。
【0010】(3) 片面平行ダイヤ(図37〜図39
を参照して説明する)。
【0011】である。また、上記(1)、および(3)
においては、列車遅延等が発生した場合の運転整理につ
いても詳細に述べ、列車ダイヤ作成の際に考えうる主要
問題を、本発明は解決することができる。まず、対面非
平行ダイヤへの応用例について説明する。まず、通常運
行用の列車ダイヤの作成について、図5から図23を参
照して説明する。図5に、列車ダイヤ情報入力手段2に
より設定される列車情報の一例を示す。ここでは16本
の列車を約6時間内に配置する例であり、図中の列車E
1〜E4は、走行速度も速く、また停車駅も主要駅のみ
とした高速列車である。E5〜F6は、走行速度は速い
が、全ての駅に停車する列車である。G1〜G4は、全
駅に停車する普通列車である。各列車に対する列車情報
として、横軸方向に以下の項目が設定できる。 「予定時刻(始点)」は、始発駅発車予定時刻を示
す。 「予定時刻(終点)」は、終着駅到着予定時刻を示
す。 「優先(始/終)」は、記号「○」が入力された駅を
計画開始駅とすることを示している。すなわち「始」
(始発駅)に、「○」の時は、終着駅に向かう前向きの
割付け、「終」(終着駅)に、「○」の時は、終着駅よ
りさかのぼって始発駅に向かう割付けが指示されてい
る。本例では、始発駅および終着駅のみを選択できるよ
うになっているが、路線によっては全ての駅の中から、
優先順位にしたがって駅を選択できるようにすることも
考えられる。この場合は該当駅から始発駅にさかのぼる
割付けと、終着駅に向かう割付けを行なえばよいことに
なる。 「優先」は、記号「○」が入力されている列車は、他
の列車に優先して割付けを行なうことが指示されてい
る。これらは最適化対象列車から外される。 「停車駅」は、該当路線に含まれる全ての駅につき以
下のような記号が設定される。
【0012】「□」は始発駅、「●」は終着駅、「○」
は、停車駅、「◇」は通過済駅を表す。 「停車時間」では、該当列車の標準停車時間、最短停
車時間、最大停車時間をそれぞれ設定する。制約が無い
場合は記号「*」が設定される。また、乗車量が時間帯
によって変化する場合には時間推移に対する乗車量変化
グラフとする。
【0013】「方向」では、本例は対面路線であるの
で、方向が矢印記号で指示される。
【0014】上記は、ある特定の路線向きの例であり、
全ての項目は、対象路線、あるいは列車ダイヤ編成方針
により変化させ得る。例えば予定時刻のかわりに、単に
必要な列車の本数のみを設定してもかまわない。この場
合には、目的関数を満足するように、自動的に列車が配
置される。図6に、列車ダイヤ情報入力手段2により設
定される走行パターンを示す。
【0015】例えば、走行パターン1では、発車後6分
間で時速120(km/h)に達し、以後は120(k
m/h)の定速運行を行ない、停車駅が近づくと徐々に
減速し、約4分間で停止することを示している。走行パ
ターン2および3も同様に、走行パターンを規定してい
る。以上は、先行列車あるいは対向列車との距離、時間
差が十分あり、追突、衝突の危険性を考慮する必要が無
い場合につき有効である。従って、先行列車あるいは対
向列車に接近している場合には、後述の自動運転制御情
報を考慮した、より複雑な運転パターンになる。本例で
は列車E1〜E4に対してはパターン1、E5〜F6に
対してはパターン2、G1〜G4に対してはパターン3
が、それぞれ設定されている。図7は、列車ダイヤ情報
入力手段2により設定される駅情報を示している。計画
対象路線に属する全ての駅について、以下の項目が設定
できる。 「線路数」は、各列車進行方向に対し、入線可能な線
路数を示す。本例では、全ての線路が乗降可能なホーム
を有している例である。通過専用線路、あるいは退避専
用線路がある場合は線路数と別に設定できるようにすれ
ばよい。 「ポイント切替最小(分)」は、先行あるいは対向列
車との関係で線路切替のためのポイント操作が必要にな
るために設定される項目である。これは後述の自動運転
制御を有する路線の場合は、この情報に含まれるのが一
般的である。なお、ダイヤ作成にあたっては、ポイント
切替最小(例えば、分単位)を確保しなければならな
い。 「先行駅距離(km)」によって、隣接駅との距離が
設定される。より現実的な情報が必要な場合は、線路レ
イアウト、勾配等を考慮した情報を入力できる構成にす
ればよい。図8は、以上の情報について図示したもので
あり、併せて、列車ダイヤ情報入力手段2により設定さ
れる自動運転制御情報について説明したものである。多
数の乗客の安全を確実に守るため、近年においては、各
列車に自動運転制御装置を搭載し、「先行/対向列車」
と、自車両の位置の相対関係により走行速度を制御する
ことが一般的である。図8では、駅4を中心に(a)〜
(g)の7か所に位置検出装置を設置し、走行速度の制
御を行なっている。例えば、先行列車がa点を通過中
に、次列車がg点に到着した場合、g〜f区間内で走行
速度を100(km/h)以下に落とす必要があり、f
点通過時には、100(km/h)以下になっていなけ
れば強制的に列車は停止させられる。
【0016】したがって、列車ダイヤ作成時は、前後の
列車位置関係による速度変化を厳密に考慮する必要があ
る。図23は、以上までの様々な情報を用いて作成され
た最適列車ダイヤを表示装置9、あるいは印字装置10
に出力した一例である。本図では、縦軸に駅、駅内のホ
ーム(線路)、駅間の線路を定義し、横軸には、時刻を
定義している。図中の線は、列車の運行状況を示してお
り、例えば、列車7は列車名称F1であり、6時10分
に駅1を出発し、駅2に6時17分に到着し、6時21
分に出発していることを示し、以下順次、駅3から駅9
に停車後、8時20分に終着駅である駅10に到着する
ことを表わしている。この間、駅3で後発の列車1(E
1)に追越されており、また駅5、6、7、8、9にて
対向列車と安全に交差していることがわかる。以下、こ
の最適列車ダイヤが本発明に係る装置により作成される
状況を、図9から図22を参照して説明する。図9から
図21は、列車ダイヤ作成手段6の動作を、理解を容易
にするため、フローチャートを用いて詳細に説明したも
のである。図9から図11は、列車ダイヤ作成手段6の
処理全体の流れを示したものである。さて、まず図9を
参照してダイヤ計画立案処理の流れについて説明する。
まず、列車ダイヤ情報入力手段2で設定され、列車ダイ
ヤ情報記憶手段3に記憶されている、列車ダイヤ情報を
取り込む。さらに、計画条件入力手段4によって設定さ
れ、計画条件記憶手段5に記憶されている計画条件を取
り込む(ステップA)。
【0017】取り込んだ故障、保守情報等を基に、線
路、ホーム等の使用可否状況を作成する(ステップ
B)。本処理の詳細は具体的応用例にて後述する。次
に、ステップCからステップEにて、優先列車を最適化
処理に先立って割付ける。本実施例では、図5に示す列
車情報を参照するため、16列車分のループカウンタを
セットする(ステップC)。次に優先列車か否かの判定
を行ない(ステップD)、優先列車ならば該当列車を列
車ダイヤ情報に従って割り付ける(ステップE)。本実
施例では、図22に示す様に、列車3(E3)、列車4
(E4)、列車9(F3)が、他の列車に先立ち優先し
て割付けられている。「優先」が設定されるのは、例え
ば、特別急行、遅れが特に大きな列車等、予め運行を規
定したい場合である。かかる割付け処理の詳細について
は後述する。以上のステップAからステップEまでの処
理により、最適化するためのダイヤ計画の初期状態が作
成される。この状態は、以下の処理で繰り返し使用され
るため、初期状態AとしてステップFにて記憶されるこ
とになる。次にステップGでは、上記優先列車を除いた
列車のみの列車表(以下これを「計画対象列車表」と称
する)を作成する。図12は、かかる処理の詳細な手順
を示したものである。まず、計画対象列車表のセット位
置ポインターmを初期化し(ステップG10)、次に全
列車数であるn回繰り返す様に、ループカウンターPを
設定する(ステップG20)。前記列車表のP番目の列
車が優先列車でない場合は、計画対象列車表のm番目に
登録し(ステップG30)、セット位置ポインターmの
値を1だけ更新する(ステップG35)。以上の処理を
n回繰り返すことにより、図に示すような13本の列車
が登録されている計画対象列車表が作成される。次にス
テップHからステップL(図9参照)にて、最適列車ダ
イヤ作成の基本状態を作成する。まず、列車割付け順の
初期状態として、計画対象列車を要素とするランダムな
1次元ベクトルχを生成する(ステップH)。本実施例
では図12の並び順を初期状態とすると、 χ=(1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,1
1,12,13) となる。ここでは列車を変数mで示しているため、実際
はE1,E2,E5,E6,F1,F2,F4,F5,
F6,G1,G2,G3,G4の順序で並んでいること
になる。このベクトルχに従い、列車情報あるいは計画
条件に従って列車の割付けが行なわれる(ステップ
I)。ステップIは、ステップEとステップQと同じ処
理である。図13は、ステップEの詳細手順を示したも
のであり、これをもとに説明する。 まず、駅ごとの時
間推移に対する列車の発車、停車の可否を示す発停可否
マップを作成する(ステップE10)。図14、図15
にこの詳細例を示す。図14は、対象駅に退避線路がと
もに無い場合の一例を示している。本例では、駅6と駅
7がこれに相当する。例えば図のように〜の列車の
運行が既に定まっている場合、新たな列車の割付けは発
停可否マップ上の白ヌキの部分内で行なわなければなら
ないことを示している。ここで言う「割付け」とは、駅
6での発車時刻と、駅6から7への走行速度詳細パター
ンと、駅7の到着時刻を定めることである。列車1は、
駅6の線路1(ホーム)で5分から10分(以下起点を
0分とした絶対時刻で説明する)まで停車し、10分か
ら20分まで走行し、次に駅7の線路1で5分間停車し
た後、25分に発車する。この方向の駅間の線路は、1
本しかないため駅間での追越しは不可能である。また、
駅内の線路(ホーム)も1本づつであるから、先行する
列車が停車中は、停車も発車も不可能である。従って、
本例の様に定常的な走行パターンを指定されている列車
は、駅6における5分から10分を結ぶ線と、駅7にお
ける20分から25分を結ぶ線と、駅6の5分と駅7の
20分、および駅6の10分と駅7の25分を結ぶ直線
で囲まれる四角形(図中の斜線塗りつぶし部分)で示さ
れる時空間内においては通過してはならないことにな
る。列車は、駅6、駅7ともに停車せずに通過する列
車を示しているが、この場合は、駅6の通過時刻30分
と駅7の通過時刻40分を結ぶ直線で示される時空線を
横切ることはできない。但し、この時空間は、駅6に到
着すること、および駅7から発車することを規定するも
のではなく、駅6からの発車、駅6から7の走行、駅7
への到着の可否を定めるものである点に注意が必要であ
る。列車は、駅6には停車するが、駅7は通過する例
であり、この場合は、上記と同じ考え方により、駅6で
の43分から48分の線と、駅6の43分と駅7の56
分、駅6の48分と駅7の56分を結ぶ直線で囲まれた
三角形の領域が通過不可能な時空間を示す。列車、
は、対向列車の例である。列車は、駅7、駅6両方で
停車するが、対向列車はその停車に影響を受けない。し
かし、対向列車が駅7を発車してから駅6に到着する時
間帯は、駅6→7方向の列車は、駅6および7の間の線
路は使用できない。従って、図に示す様に、駅6の70
分、80分および駅7の70分、80分を頂点とする長
方形の領域が通過不可能な時空間となる。列車は、駅
6、7を通過する対向列車であるが、これも列車と同
様に、駅7の通過時刻88分と駅6の通過時刻100分
で定まる長方形の領域が通過不可能な時空間となる。列
車、は、対向列車同士が駅6で交差する例である。
列車は、123分に駅6に到着するが、その時点で列
車は既に駅7と駅6間を走行中であるため、列車の
駅6への到着(130分)を待って、132分に駅6を
発車している。この結果、駅7での列車の発車時刻1
20分と、駅7での列車の発車時刻144分と、駅6
での列車の発車時刻132分、および駅6での前記1
20分で作成される四角形の領域が通過不可能な時空間
になる。この場合図14中のハッチングの部分は間接的
に通行不可能な時空間となったものである。図15は、
駅に退避線路がある場合の一例である。図14と異なる
のは、同一進行方向の列車が、駅内で先行列車を追越す
ことができる点である。図15に示す例では、駅5に、
双方向ともに2本の線路(ホーム)があり、1本は、
「停車/退避」に、他方は、「停車/通過」にそれぞれ
使われる。列車8は、駅5で5分から10分までの5分
間停車するが、この時間帯に後続列車は駅5で停車、あ
るいは、駅5を通過することが可能である。したがっ
て、図14における列車と同一の運行パターンである
が、図14に示すような四角形の領域ではなく、図15
に示すような三角形の領域が、列車の通過不可能な時
空間となる。列車9から15についても上記と同様な理
由により、それぞれ通過不可能な時空間は図15に示す
ようになる。以上が、ステップE10(図13参照)の
処理である。次に、ステップE20からステップE70
(図13参照)により、計画対象列車が、予め設定され
ている列車情報、計画条件に従い、以下の様に割付けら
れる。 まず、ステップE20にて、計画対象列車数n
が繰り返しポインターPにセットされる。次に、計画対
象列車表のP番目の列車の進行方向を定める(ステップ
E30)。 ステップE40では、同様にダイヤの編成
方向を定める。ここで「ダイヤの編成方向」とは、本実
施例では、始発または終着駅の優先指定により定まる。
例えば、終着駅が優先の場合は、終着駅の到着予定時間
を基準情報として、上流駅へと徐々にさかのぼってゆ
く。また、逆に始発駅が優先の場合には、始発駅発車時
刻を基準情報として、下流駅に向かって割付けを行う。
割付けの方法については、以上の方法に限られず他に、
例えば、以下の方法((a)から(c))が考えられ
る。 (a)中途駅を指定し、上流、下流の双方向に向かって
割付ける方法でも良い。 (b)駅毎の発車、あるい
は、到着時刻が予め設定できる場合には、それらを基準
情報とし、未定情報を定めてゆく方法でも良い。 (c)発車、到着時刻等を定めず、列車の本数等のマク
ロな情報のみを与え、割付けについての自由度を与える
方法も考えられる。 (a)の方法は、例えば主要駅重視等の場合、(b)の
方法は、例えば非常時のダイヤ整理等の場合、(c)の
方法は、例えばダイヤ編成初期段階のシミュレーション
等に有効である。次に、列車Pに指定されている始発駅
から終着駅間に含まれる全ての駅について以下の処理を
繰り返し行なう(ステップE50)。
【0018】割付けは、前述の発停可否マップを用い
て、以下の様に簡単な手順で行なわれる。図16は、駅
内の線路が1本づつの駅間へ、列車(a)、列車(b)
を割付ける場合の説明図である。駅5と駅6間の割付け
の検討により、列車(a)の駅6への到着時刻は12分
に定められている。標準停車時間を2分間とし、駅6と
7の間の距離、走行パターンを考慮して27分に駅7に
到着する。さらに、標準停車時間2分間を加えた、29
分に駅7より発車する。以上の運行は発停可否マップよ
り可能と判断されるため、割付け処理は終了する。一方
列車(b)は、駅6に92分に到着するが、発停マップ
により、標準停止時間後に出発することができないこと
がわかる。このため、発車時刻を停車最小時間から最大
時間まで変化させ可能な運行を検討する。本例では列車
の駅6の通過が100分のため、ポイント切替時間を
考慮し、列車(b)は、駅6を102分に発車する様に
割付けている。この場合の自由度は、走行パターンが定
まっているため、停車時間の摂動のみであるが、走行パ
ターンを選択できる場合には、走行速度の変化も自由度
として加えることができる。この自由度内での割付け
は、目的関数毎に定義することも考えられる。例えば、
上記説明では発車可能最早時刻を採用したが、この割付
けは旅行時間を最小とするように目的関数を与える場合
に有効と考えられる。一方、安全性最大を目的関数とす
る場合には、自動運転制御が行なわれず、またポイント
切替が十分余裕をもって行なえる発停時刻に割付けるこ
とも考えられる。図17は、退避線路が存在する場合の
例を示している。列車は、6分に駅5の1番目の線路
に到着し4分間停車した後、10分に発車している。列
車(c)は、8分に駅5の2番目の線路に到着し、列車
が出発後の18分に駅6を発車している。図6で示し
た場合に比べ、密に設備が使われる様になる。次に、列
車(d)は、63分に駅6に到着するが、既に割付け済
みの列車(11)と(12)が存在するため、すぐには
発車できず、81分に発車する様に割付けられている。
これは割付け順が列車(d)が早い場合は、全く異なる
ダイヤになること示している。
【0019】以上の処理を、列車Pにおける全駅に対し
て行なった(図13、ステップE50〜E60)後に、
割付けが決定したことによって定まる発停不可能時空間
を発停可否マップに登録し(図13、ステップE7
0)、次の列車の処理へとブランチする。以上の処理を
計画対象列車の並び順からなるベクトルの全要素につい
て繰り返すことにより、一つの可能列車ダイヤが作成さ
れる。次に、図9におけるステップJで、目的関数演算
が行なわれ、上記にて生成された可能列車ダイヤが定量
的に評価される。ここでの説明は、図2に示した〜
の目的関数について行なう。図18は、旅行時間最小を
目的関数とした場合のステップJの詳細手順を示したも
のである。なお、ステップJは、ステップRと同一の処
理である。既に作成された可能ダイヤiについての目的
関数をf(i)とし、「0」を初期値として設定する
(ステップJ10)。次に、計画対象列車数分、処理を
繰り返すためのポインターPを設定する(ステップJ2
0)。列車Pの始発駅出発時刻ts(p)と、終着駅到
着時刻te(p)より旅行時間tt(p)を以下の様に
して求める。 tt(p)=te(p)−ts(p) 次に目的関数を更新する。すなわち、f(i)=f
(i)+tt(p) とする。以上がステップJ30の
処理である。かかる処理を全ての計画対象列車数である
n回繰り返した後のf(i)は、可能ダイヤiに含まれ
る全ての計画対象列車の旅行時間の総和になっている。
したがって、f(i)の最小値とは、全ての列車が最も
無駄なく運行する列車ダイヤを示すことになる。次に、
図19は、駅毎の列車の到着間隔均一を目的関数とする
場合の説明図である。まず、ステップJ10にて、目的
関数値f(i)を、「0」とする。次に、計画対象路線
に含まれる全ての駅について繰り返すポインターs(=
1〜smax)を定める。ここで、smaxは駅の総数
である。次に、図19右側に示すように、駅sに停車す
る全ての列車の到着時刻の差分t1,t2,……tw(w
は停車列車総数)を求める。これらの値から標準偏差を
wで割った値H(s)を、例えば以下の様にして求める
(ステップJ30)。 H(s)=(√(Σ(xa−xk)2))/w 但し、xaは、全ての列車の到着時刻の差分の平均値で
あり、xkは、列車の到着時刻の差分のk番目の値であ
り、Σは、w個の総和を表す。次にステップJ40で目
的関数f(i)を更新する。すなわち、f(i)=f
(i)+H(s)とする(ステップJ40)。f(i)
は、駅毎の列車到着間隔偏差の総和であるからf(i)
の最小値とは、各駅毎の、停車列車の到着時刻間隔が一
定に近いもの、すなわち利用者にとって好ましい列車ダ
イヤであることを示している。図20は、安全性最大を
目的関数とする場合の処理を示したものである。安全性
については、各種の指標が存在するが、ここでは例とし
て追突、衝突の危険性低減を取り上げる。本例では設
備、列車に自動運転制御装置が設置されており、該装置
は、先行列車、対向列車との距離が、定められた条件下
で、予め設定した値より短くなった場合、走行速度制限
を行なう。従って、この走行速度制限の発生回数を低減
することは、運用上の危険を低減すると同時に、自動制
御装置の負荷も低減することにもなる。さらに、速度制
限がない運行は、駅間の走行時間が最短になり、停車を
的確に定めることにより、旅行時間の短縮にも貢献する
ことになる。図20では、まずダイヤiに対する目的関
数値として「0」を設定する(ステップJ10)。次
に、全ての駅について処理を繰り返すためのポインター
sに、1からsmaxを設定する。但し、smaxは該
当路線に含まれる駅の総数である。駅sに進入してくる
全ての列車につき速度制限が発生する回数を演算する。
図の例では、先行列車がc点およびb点の場合にそれぞ
れ速度制限が発生するため2回となる。駅sでこの回数
の総和をH(s)とし、目的関数値f(i)を更新する
(ステップJ40)。すなわち、f(i)=f(i)+
H(s)とする。図21は、目的関数を到着時刻厳守と
した場合の手順を示したものである。本関数を用いるの
は、例えば遅れ発生後のダイヤ整理時等が考えられる。
ステップJ10にて目的関数f(i)に「0」をセット
する。次に計画対象列車数(n)だけ処理を繰り返すた
めのポインターpに、1からnを設定する(ステップJ
20)。次に、列車Pの整理後の終着駅の到着時刻te
(p)を求め、ダイヤ整理前の到着予定時刻te’
(p)との差分の絶対値th(p)を求めると次式とな
る。
【0020】th(p)=|te(p)−te’(p)
| この偏差で目的関数値を更新する(ステップJ30)。
すなわち、f(i)=f(i)+th(p)とする。こ
の様にして、全ての計画対象列車のダイヤ整理前の到着
予定時刻と、ダイヤ整理後の到着予定時刻との差分の絶
対値の総和がf(i)に設定される。本例では、終着駅
に対する到着時刻偏差を評価の対象としたが、停車駅全
てに対して到着時刻偏差を評価することも考えられる。
以上が、図9に示すステップJでの処理である。次に、
ステップKでは、ステップJで得たχに対する目的関数
値を、作業用記憶変数エリアMOPTに格納する。すな
わち、MOPT=f(χ)とする。次に、最適化繰り返
し処理の回数Nを定める(図10、ステップL)。すな
わち、N=n3とする。本実施例では、計画対象列車数
nに対しn3を、最適化繰り返し処理回数として定義し
ているが、この値は、実験・統計的に見つけ出したもの
で、本来n本の列車の順序組合せはn!存在するもの
が、n3で十分な結果を得ることができ、処理が高速化
されることを示している。この値の妥当性については、
後述する。以上の処理で、最適化のための準備処理が完
了し、以下ステップMからステップW(図10)にて最
適列車ダイヤが次の様にして作成される。まず、最適解
が得られる十分な回数であるN回分の繰り返し処理を行
なうために、ループカウンターiに、1〜Nを設定する
(ステップM)。次に、図9のステップFで記憶した初
期状態Aを記憶変数エリアBに転送する。 この操作
で、優先列車、故障・保守情報等が既に設定されている
初期列車ダイヤがiのループ毎に再現される。次に、既
に割付けが行なわれた計画対象列車番号を要素とする、
列車割付け順ベクトルχを次の手順で少し変化させる
(これを、以下「摂動」と称する)。まず、1からNま
での整数範囲内で、2種の一様乱数is,ie(is<
ie)を生成する(ステップO)。次に、χの要素のi
s番目とie番目の範囲の内容を、その並びの逆順に並
び変える(ステップP)。本実施例を用いて上記ステッ
プPを、具体的に説明する。 χ=(1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,1
1,12,13) とし、 is=3,ie=8 が生成されているとすると、新しい、列車割付けベクト
ルyは、 y=(1,2,8,7,6,5,4,3,9,10,1
1,12,13) となる。これを実際の列車名称で示すと、図12を参照
して、E1,E2,F5,F4,F2,F1,E6,E
5,F6,G1,G2,G3,G4となる。以上の操作
を摂動と称し、かかる処理を列車ダイヤ作成における次
検討候補の作成ごとに行なう。次に、新しい計画対象列
車ベクトルyに対する列車割付けが行なわれ(ステップ
Q)、割付け結果に対する目的関数値f(y)が演算さ
れる(ステップR)。ここでステップQとステップR
は、それぞれ前記ステップIとステップJと同一の処理
である。ステップSでは、この様にして作成された新し
い計画yと、既に作成済のχを、次の様にして検討す
る。まず、0.0から1.0の範囲内での一様実数乱数
aを生成する。次に、温度Tを、探索回数iの増加に対
し減少する関数で定める。さらに、前記a,T,f
(χ),f(y)にて、新たに作成したyによる列車ダ
イヤが最適解候補か否かを判定する。本実施例を用い
て、上記ステップSにおける処理を具体的に説明する。
今、目的関数を旅行時間最小とし、この場合の目的関数
値は、それぞれ、 f(χ)=1255(分)、f(y)=1287(分) であるとする。また、a=0.6505、T=Δ/lo
g(i+2) (本例ではΔ=100.0とする)の場
合、i=1とすると、 a<exp(−(f(y)−f(χ))/T)=exp
(−(1287−1255)/209.5)≒0.85
8 (expは、自然対数の底のべき乗を表す)が成立する
ため、ダイヤyはダイヤχよりも旅行時間が大きいにも
かかわらずに、最適解に近い候補としてχを入れ替える
(ステップT)。次に、f(y)が、ステップKで設定
されたMOPTより小である場合、 MOPT=f(y) として、目的関数値の最小値を記憶する(ステップ
V)。ステップWは、最小値がこの様に更新された場
合、表示装置9に表示する処理である。この様子は図3
に示すように表示される。この例では、横軸に探索回数
i、縦軸に目的関数の最小値MOPTが、トレンドグラ
フとして表示される。利用者は、このグラフを列車ダイ
ヤ作成過程で逐次観察することができ、任意のタイミン
グで作成処理を打切ることができる。本列車ダイヤ作成
方法の特徴は、探索初期段階で極めて最適解に近いもの
が得られるため、列車ダイヤ作成時間が十分でなく、厳
密な結果を要しない場合は、大変有効である。以上、ス
テップNからステップWを高々N回繰り返すことによ
り、最適解が得られる。図4は、上記処理を行なうこと
により最適解を得る場合の説明、および探索回数による
最適解への収束状況を実験統計結果を基に示したもので
ある。前記の様に、計画対象列車数がnの場合、割付け
る順序はn!個だけ存在する。 図4中左上図は、横軸
に検索回数1からn!を定義し、これに対応する目的関
数値をプロットしたものである。検索回数は、自然数で
あるため、目的関数も、2次平面上で離散的に配置して
いるが、説明のため連続曲線で示している。この図か
ら、目的関数値は、多くの極小値を有し、一種類の最小
値を有することがわかる。本図の様にランダムな探索を
行なうと、n!回の探索が最適解決定の保証条件となら
ざるを得ないことがわかる。例えば、従来のホップフィ
ールド型のニューラルネットワークの様に、系のエネル
ギーを連続量として定義し、探索を時間的推移として時
間軸に対する微分を行なって、エネルギーの低い状態を
サーチする様な方法であると、極小値は比較的短時間で
決定できるが、最小値を検出できる確率は極めて低い。
これに対し、本発明では、ステップOとステップPで、
列車割付け順序組合せを少しだけ入替える様にし、ラン
ダムなサーチを排除している。そして、変更前の組合せ
の評価と比較して、変更後の組合せが改善されていれ
ば、変更後の組合せを、より最適解に近い順序組合せと
して、新しい候補に採用する(ステップS)。しかし、
この操作のみであると、前記と同様に極小点に到達する
と、以後新候補が作成されなくなり、最小値が得られな
いことになる。本発明では、これを以下の様に回避して
いる。図4の左上図の最小値近傍の拡大図において、
今、目的関数が探索L回目でLMなる値を有していると
仮定する。真の最小値はOPTであるから、LMからO
PTに向けて移動させることが必要である。例えば、目
的関数値をボール(球)とし(原理説明のためのアナロ
ジーである)、ボールのエネルギー量を考えてみる。こ
の時、図中でA方向の移行を行なわせることになるが、
B方向、すなわち逆戻り現象を抑止する方法を考えれば
よいことになる。これを、位置エネルギーに置き換えて
考えると、LMとLMX(極大値)のエネルギー差aよ
りも大きく、OPTとLMXのエネルギー差bよりも小
さい力を与えることで達成されることがわかる。この力
を温度T(エネルギーを決定する量である)とすると、
Tは、探索初期段階では、大きな値とし、探索回数の増
大とともに減少してゆく様に制御すればよい。具体的に
は、例えば、T=Δ/(log(i+2))とすればよ
い(但し、Δは正の数、iは探索回数とする)。もちろ
ん、他の関数も考えられるが、一般的にはこの関数が優
れている。この様にしてTを定めた後に、最適解に達す
るか否かは、確率的試行を行なえばよいので、ここで、
例えば0.0から1.0の間に一様に分布するような乱
数aを生成し、下記式による判断で極小点からの脱出を
図る。 a<exp(−(f(y)−f(χ))/T) 上式が成立する場合、組合せχを摂動して得たyを新候
補として採用すればよい。本式は、 f(χ)>f(y) の場合は、常に成立するからyがχより改善されている
場合は、必ず新候補となる。また、f(χ)<f(y)
の場合でも、(f(y)−f(χ))/Tがゼロに近づ
く程、成立する可能性が大きくなる。したがって、十分
な回数の試行を行なえば、必ず最小値が得られることに
なる。 図4中左下図は、本発明による装置を用いて、
最適列車ダイヤに到るまでの過程を示したものである。
本例ではn2程度で最小値に到達している。図4中右側
の3種類の図は、3種類の計画対象列車数nごとに列車
ダイヤを作成させた時に、最適解に到着した探索回数を
度数分布表で示したものである。例えば、1日16時間
運行すると考え、列車の運行が1時間に1本の場合は、
n=16、1時間に3本、すなわち20分毎の場合はn
=50、10分毎ならばn=100となる。現実の最も
過密なダイヤは2分毎程度と考えられ、この場合はn=
500となるが、この場合は、駅での乗降に要する時間
や他路線との接続等の要因が大きくなるため、現実的に
はn=300程度の列車ダイヤ作成が最大負荷と考えら
れる。 図4中右側図は、上記のうちn=16、n=5
0、n=100について実験を行なった結果を示したも
のである。いずれもn2からn3回内で最適解が得られて
おり、また、nが大きくなるほどn2以内に最適解が得
られる頻度が大であることがわかる。以上を、例えば1
000MIPS(「MIPS」とは、1秒間で100万
回の命令実行が行なえる単位を示す)の演算能力がある
コンピュータを用いて、列車ダイヤを作成する場合は、
下記条件のもとで、以下の時間内で作成が完了する。第
一の条件は、1本の列車の割付け、評価に要する処理ス
テップ数=10,000(I=ステップ)とする。ま
た、第二の条件は、最適化に要する探索回数=n2とす
る。n=16の場合には、 (10,000(I)×16(列車))×162/1000/
(MIPS)≒0.04(秒)。
【0021】n=50の場合には、 (10,000(I)×50(列車))×502/1000/
(MIPS)≒1.2(秒)。 n=100の場合には、 (10,000(I)×100(列車))×1002/1000/(M
IPS)≒10(秒)。 以上は、最適解を得るための所要時間であるが、現実的
に使用し得る良い解は、上記の1/10〜1/100の
時間で得られることがわかっており、前記図3の打切り
機能を用いると、nが300程度になった場合であって
も秒オーダーで解が得られることになる。図10におけ
る、ステップUからステップWは、利用者に、列車ダイ
ヤ作成状況を示すことで、上記現実的な準最適解を極め
て短時間で得るための処理である。 ステップUでは、
それまでの最適値MOPTと、新候補の目的関数値f
(y)を比較し、MOPT>f(y)が成立した場合、
MOPT=f(y)として最適値を更新する(ステップ
V)。ステップWでは、最適値が更新されたことを、図
3に示す様なグラフで示し、利用者が自分の判断で処理
を打切るか否かの情報を提供する。なお、打切りは、例
えばキーボード等の外部入力手段で行われる様システム
構成しておけば実現できる。この様にして作成された列
車ダイヤは、表示装置9に表示され(図11、ステップ
X)、また印字装置10に印字される(図11、ステッ
プY)。以上が対面非平行ダイヤ編成を対象とした、本
発明の動作の主要部の詳細説明である。次に、列車ダイ
ヤ整理(再作成)について説明する。図24から図27
は、本発明による列車ダイヤ整理の実施例を示したもの
である。従来のエキスパート型システム等では、経験的
情報を基にしているために、列車ダイヤ編成と列車ダイ
ヤ整理は異なるシステムで実現するものとして考えざる
を得ないのが一般的である。しかし、本発明では、初期
条件と目的関数を切り替えるだけで、主たる論理は変え
る必要がない。これは、ダイヤ編成とダイヤ整理におい
て異なるのは、主に、その目的と立案に要する許容時間
が異なる点であり、設備や列車の情報による割付け方法
は同一であるためである。図24は、時刻8時15分に
列車5に故障が発生し、出発の予定が大きく遅れ、9時
0分出発の見込みとなった場合を示している。この時、
他の列車は図に示す様に、予定に従って運行されている
ため、できるだけ各列車の予定を変更せずに、列車5を
適切に運行させる必要がある状況である。この場合、本
実施例では目的関数を到着時刻として以下のように、列
車ダイヤの再作成、すなわち整理を行なう。図25は、
8時15分における、列車の運行状況を列車表に示した
ものである。 既に運行が完了したE1,E2,E4,
F1列車の予定時刻は消去(記号「*」で示す)され、
また停車駅もすべて通過済駅として記号「◇」で示され
ている。
【0022】8時15分の時点で運行中の列車について
は、予定時刻と、停車駅が、次の様に更新されている。
例えば、列車8は駅3まで進行し8時15分に駅3を出
発し、終着駅である駅1に向かう予定であるから、始発
駅が駅3となり(記号□で示す)、始発駅の出発予定時
刻が8時15分に更新されている。他の運行中の列車も
同様に更新が行なわれている。また、8時15分時点で
始発駅を出発していない列車は、初期情報を保持してい
る。次に図25より、既に運行が完了している列車を取
り除き、図26に示すような、「整理(再計画)対象列
車情報」を作成する。ここでは12本の列車が対象とな
っている。以上の処理は、通常、運行管理システムにて
実時間で時々刻々行なわれる。図26の情報が、本シス
テムへの入力情報となり、以降の処理は、図9〜図11
にて説明した処理と全く同一でよい。列車ダイヤ編成時
と異なるのは、すべての列車が始発駅より出発せず、運
行中の列車は途中駅が始発になる点と、目的関数が切り
替わっているだけである。
【0023】図27に、以上の様にして作成(整理)さ
れた結果を示す。対象列車が到着時間に近い時刻に到着
できるように巧みに整理されている様子が伺える。さら
に、片面非平行ダイヤへの応用例について説明する。図
28〜図36は片面非平行ダイヤ、すなわち双方向専用
の線路があり、かつ普通列車と急行列車が混在する路線
の場合である。図28は、列車情報を示している。これ
は図5で示した前記実施例と同様の表であるが、方向は
一方向のため、これを省略している。本実施例では、A
1からA4の4本の列車が最速、B1〜B8の8本の列
車が中速、C1〜C8までが普通列車であり、それぞれ
の停車駅も異なっている。また、例えば、図29、図3
0に示すように、7種類の走行パタ−ンもきめ細かく定
められているものとする。図31は、前述の例で説明を
省略した故障・保守情報入力例を示している。これは、
列車ダイヤ情報入力手段2により入力されるもので、列
車ダイヤ作成に先立ち設定される。図の様に横軸を時刻
とし、縦軸に駅および駅構内の線路(ホーム)、駅間の
線路を定義する。図中の横太線が設定情報であり、これ
が設定されている場合、該当駅、線路(ホーム)、およ
び駅間の線路は、列車運行に使用することができないこ
とを意味している。これらの情報は、図9の処理フロー
中のステップAにて取り込まれ、図34に示す様に、最
適化処理に先立ち設定される。具体的には、該当駅に対
する発停可否マップへ、発停可否時空間帯として設定さ
れる。図35は、上記に加え、優先列車(2)、
(4)、(12)が割り付けられた状態を示したもので
ある(ステップC〜ステップE)。図36は、最適列車
ダイヤの作成が完了した状態である。本最適列車ダイヤ
の作成では、目的関数の1例として安全性最大が選択さ
れている。対面非平行ダイヤとの相違は、各列車が同一
方向に進行している点のみであり、それ以外の処理は、
前述してきた実施例と同一である。最後に、片面平行ダ
イヤへの応用例について述べる。図37〜図39に、本
発明を片面平行ダイヤの作成および整理に応用した結果
を示す。前記対面非平行、片面非平行ダイヤは、同一方
向の列車の追越しが可能であったが、本路線は追越しが
ない点が、前二者と異なる。したがって、列車割付け時
の手順の中で追越しを考慮したアルゴリズムを取り除い
て考えることで、他は全く同一の手順で列車ダイヤを作
成できる。図37では、目的関数の一例として到着間隔
均一を選択した結果であり、各駅ごとの到着間隔がよく
揃っていることがわかる。図38は、図37の予定に対
し、7時10分に列車6にトラブルが発生し、列車6の
発車が遅れ7時29分になる見込みが判明した状況であ
る。このまま放置した場合、駅3では列車5の発車から
列車6の到着までの間隔が非常に長くなり、列車待ち乗
客数が多くなる。この結果、乗降に要する時間は長くな
り、徐々に遅延は肥大し、駅10では列車5の到着から
1時間20分間列車が来ないことになってしまってい
る。これに対し、目的関数を乗車負荷均一とし、本シス
テムで列車ダイヤ整理を行なった結果が図39である。
これは、利用客の到着密度、降車密度等の時間に対する
変化量を与え、これらが各列車に均一に分散するように
計画することで得られる。具体的には、列車6に先行す
る列車の運行を遅くしたり、後続列車の運行を早める等
により、比較的短い時間で、列車ダイヤの乱れが修復し
ていることがわかる。
【0024】
【発明の効果】多種多様の列車ダイヤ編成、整理に対
し、簡単な構成、論理で短時間に、最適なダイヤを作成
することが可能になった。また、計画対象が変更して
も、主たる論理の変更は不要なため、システム構築の工
数も低減でき、さらに、多種多様な情報を容易に取り込
むことができるという柔軟性のあるシステムも構築でき
る。
【0025】また、従来必要とされていた、豊かな経験
者、あるいはエキスパートシステム等が不要になり、保
守性が向上した。
【図面の簡単な説明】
【図1】列車ダイヤ作成システムの構成図である。
【図2】計画条件設定手段等の説明図である。
【図3】列車ダイヤ作成状況の表示例である。
【図4】最小値探索原理、探索回数等の説明図である。
【図5】対面非平行ダイヤ例の列車情報を表した図であ
る。
【図6】列車走行パターンの説明図である。
【図7】駅に関する情報の説明図である。
【図8】駅状況と自動運転制御情報の説明図である。
【図9】ダイヤ計画立案処理のフローチャートである。
【図10】ダイヤ計画立案処理のフローチャートであ
る。
【図11】ダイヤ計画立案処理のフローチャートであ
る。
【図12】優先列車以外の列車表作成処理のフローチャ
ートである。
【図13】ダイヤ計画立案処理のフローチャートであ
る。
【図14】退避線路が無い場合の発停可否マップの説明
図である。
【図15】退避線路が有る場合の発停可否マップの説明
図である。
【図16】退避線路が無い場合の列車の割付けと発停可
否マップへの登録の説明図である。
【図17】退避線路が有る場合の列車の割付けと発停可
否マップへの登録の説明図である。
【図18】旅行時間最小化を目的関数とした処理のフロ
ーチャートである。
【図19】列車間隔均一を目的関数とした処理のフロー
チャートである。
【図20】安全性最大を目的関数とした処理のフローチ
ャートである。
【図21】到着時刻厳守を目的関数とした処理のフロー
チャートである。
【図22】優先列車の割付けを示す表である。
【図23】最適列車ダイヤの運行状況を示す図である。
【図24】列車5で故障が発生し、運転整理要求が発生
した場合の運行状況を示す図である。
【図25】現在時刻における列車運行状況を示す図であ
る。
【図26】整理(再計画)対象列車情報を示す図であ
る。
【図27】運転整理後のダイヤ整理を示す図である。
【図28】片面非平行ダイヤ例の列車情報を表した図で
ある。
【図29】列車走行パターンの説明図である。
【図30】列車走行パターンの説明図である。
【図31】故障保守情報を示した説明図である。
【図32】駅に関する情報の説明図である。
【図33】駅状況の説明図である。
【図34】故障、定修情報の割付けを示した説明図であ
る。
【図35】優先列車の割付けを示す表である。
【図36】最適ダイヤの一例を示す表である。
【図37】片面平行ダイヤ例の列車情報を表した図であ
る。
【図38】駅2で列車6のトラブルが発生した場合の列
車運行状況を示す図である。
【図39】乗車負荷均一により運転整理を行なったとき
の列車運行状況を示す図である。
【符号の説明】
1…列車ダイヤ作成装置、2…列車ダイヤ情報入力手
段、3…列車ダイヤ情報記憶手段、4…計画条件設定手
段、5…計画条件記憶手段、6…列車ダイヤ作成手段、
7…結果記憶手段、8…出力手段、9…表示装置、10
…印字装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 八尋 正和 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 株 式会社日立製作所大みか工場内 (72)発明者 佐藤 良幸 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 株 式会社日立製作所大みか工場内 (72)発明者 田代 維史 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】列車ダイヤ作成計画の対象である複数の列
    車の各々の停車駅、各列車の所望発車時刻、各列車の到
    着時刻、各列車に対応する走行パタ−ンの番号、各列車
    の各駅における停車を行なうか否かを示す停車条件、所
    定の列車に付加され、優先的に運行計画を立てることを
    示す識別子からなる優先情報、各列車の走行パタ−ン情
    報、各駅の線路数および先行駅との距離データを含む駅
    情報、各列車が他の列車と所定距離以下のとき減速を行
    なわしめる自動運転制御に関する自動運転制御情報およ
    び、駅あるいは列車に備えられた設備および列車の、故
    障・保守情報を含む列車ダイヤ情報を入力する列車ダイ
    ヤ情報入力手段と、追越しの可否を示す平行・非平行ダ
    イヤ指示情報、および列車ダイヤ作成において、最適化
    を図る物理量を表す目的関数を作成するための情報を含
    む計画条件を入力する計画条件設定手段と、与えられた
    列車ダイヤ情報および計画条件から目的関数を作成する
    目的関数作成手段と、列車の組合せベクトルをxとし、
    目的関数F(x)の最小値を求める列車ダイヤ計画作成
    手段と、列車ダイヤ計画作成手段での列車ダイヤ計画作
    成結果を出力する出力手段を有する列車ダイヤ作成装
    置。
  2. 【請求項2】請求項1記載において、予め複数の目的関
    数を登録し、該目的関数を選択できる機能を備えること
    を特徴とする列車ダイヤ作成装置。
  3. 【請求項3】請求項2記載において、予め登録した複数
    の目的関数には、 旅行時間最小、駅毎の列車到着間隔均一、安全性最大、
    到着時刻厳守、および乗車負荷均一が少なくとも含ま
    れ、 前記旅行時間最小を目的関数とした場合には、全列車の
    始発駅から終着駅までの所要時間の総和の最小化を図
    り、前記駅毎の列車到着間隔均一を目的関数とした場合
    には、各駅に停車する各列車の到着時間の間隔の標準偏
    差値の最小化を図り、前記安全性最大を目的関数とした
    場合には、ある列車と他の列車との距離が所定値以下の
    とき減速を行なわしめる自動運転制御装置を備えている
    列車の、該装置による減速回数の最小化を図り、前記到
    着時刻厳守を目的関数とした場合には、各列車の終着駅
    への到着予定時間と実際の到着時間との誤差の最小化を
    図り、前記乗車負荷均一を目的関数とした場合は、各列
    車の各駅における停車時間の標準偏差値の最小化を図る
    機能を有することを特徴とする列車ダイヤ作成装置。
  4. 【請求項4】請求項1記載において、前記出力手段は、
    印刷装置または表示装置のうち少なくとも1つを備えて
    構成されることを特徴とする列車ダイヤ作成装置。
  5. 【請求項5】請求項4記載において、前記表示装置は、
    列車ダイヤ作成回数および作成したダイヤに対する目的
    関数値を、トレンドグラフとして表示する機能を有する
    ことを特徴とする列車ダイヤ作成装置。
  6. 【請求項6】請求項1記載において、さらに、列車ダイ
    ヤ作成を打ち切る機能を有することを特徴とする列車ダ
    イヤ作成装置。
  7. 【請求項7】請求項1記載において、列車ダイヤ情報
    は、列車名称、始発駅発車時刻、終着駅到着時刻、途中
    駅の到着時刻、途中駅の通過時刻、ダイヤ作成時に優先
    して列車が発車するように計画を行なう駅、列車ダイヤ
    作成時の割付け方向、走行パタ−ン、始発駅、終着駅、
    停車駅、通過駅、各駅での標準停車時間、各駅での最小
    停車時間、各駅での最大停車時間を含む情報であること
    を特徴とする列車ダイヤ作成装置。
  8. 【請求項8】請求項記載1において、駅情報は、進行方
    向毎の線路数、先行駅との距離、ポイント切替の最小時
    間を含む情報であることを特徴とする列車ダイヤ作成装
    置。
  9. 【請求項9】請求項1記載において、列車ダイヤ作成手
    段は、各列車をギブス行列の各要素とし、マルコフ連鎖
    をシミュレートすることにより、マルコフ連鎖の状態確
    率分布を最適状態確率分布に近づけ、目的関数の最小値
    を与える列車の組合せを求める手段であり、さらに、該
    手段は、探索時のパラメータである温度Tを探索回数が
    大きくなるにしたがって低下させる手段を備えることを
    特徴とする列車ダイヤ作成装置。
  10. 【請求項10】請求項9記載において、探索は列車ダイ
    ヤ作成計画の対象である列車数をnとした場合、nの3
    乗回で終了させる機能を有することを特徴とする列車ダ
    イヤ作成装置。
  11. 【請求項11】最適列車ダイヤを作成するために、与え
    られた計画対象の列車ダイヤ情報、各列車の走行パタ−
    ン情報、各駅の線路数を含む駅情報、各列車が他の列車
    と所定距離以下のとき減速を行なわしめる自動運転制御
    に関する自動運転制御情報、列車の故障保守情報と、各
    駅の時間に対する乗車乗客数の推移情報、これらの情報
    内で発生し得る列車の割付け順序候補を表す状態変数を
    入力とし、状態変数の組替えを行なう探索を行ない、こ
    の探索の回数が大きくなる毎に低下する様にランダム系
    のエネルギーを決定する温度Tを設定し、さらに第1の
    一様乱数を発生させ、該第1の乱数にもとづき状態変数
    (列車)の並べ替えを行ない、現在計画候補Xから次計
    画候補Yを作成し、予め定められた目的関数にしたがっ
    て、現在計画候補の目的関数値f(x)、および、次計
    画候補の目的関数値f(y)を演算し、前記f(x)、
    f(y)と、前記温度Tと、新たに発生させた第2の一
    様乱数aが、 a<exp(−(f(y)−f(x))/T) (但し、expは、自然対数の底のべき乗を表す)なる
    不等式を満たすときに、次計画候補yを、最適列車ダイ
    ヤ候補とする処理を所定回数行なう列車ダイヤ作成方
    法。
  12. 【請求項12】請求項1記載において、駅間の線路が一
    種類しかなく、必ず駅構内の退避線路を用いて対向する
    列車は交わらねばならない運行を特徴とする対面非平行
    ダイヤを列車ダイヤ作成計画対象とし、目的関数とし
    て、旅行時間最小、駅毎の列車到着間隔均一、および、
    安全性最大のうち少なくとも1つを定め、 前記旅行時間最小を目的関数とした場合は、全列車の始
    発駅から終着駅までの所要時間の総和の最小化を図り、
    前記駅毎の列車到着間隔均一を目的関数とした場合に
    は、各駅に停車する各列車の到着時間の間隔の標準偏差
    値の最小化を図り、前記安全性最大を目的関数とした場
    合には、ある列車と他の列車との距離が所定値以下のと
    き減速を行なわしめる自動運転制御装置を備えている列
    車の、該装置による減速回数の最小化を図る機能を有す
    ることを特徴とする列車ダイヤ作成装置。
  13. 【請求項13】請求項1記載において、駅間の線路が一
    種類しかなく、必ず駅構内の退避線路を用いて対向する
    列車は交わらねばならない運行を特徴とする対面非平行
    ダイヤを計画対象とし、ある列車に所定時間以上の遅れ
    が発生した場合には、遅れが発生した時点での列車ダイ
    ヤ情報を入力し、遅れが発生しない場合の各列車の到着
    予定時刻との標準偏差値を最小とする到着時刻厳守を目
    的関数とする機能を有することを特徴とする列車ダイヤ
    作成装置。
  14. 【請求項14】請求項1記載において、駅間の線路は、
    進行方向毎に設置されており、かつ駅構内には進行方向
    毎に退避線路と通過線路が、各々少なくとも1本以上あ
    る片面非平行ダイヤを列車ダイヤ作成計画対象とし、目
    的関数として旅行時間最小、駅毎の列車到着間隔均一、
    および安全性最大のうち少なくとも1つを定め、 前記旅行時間最小を目的関数とした場合は、全列車の始
    発駅から終着駅までの所要時間の総和の最小化を図り、
    前記駅毎の列車到着間隔均一を目的関数とした場合に
    は、各駅に停車する各列車の到着時間の間隔の標準偏差
    値の最小化を図り、前記安全性最大を目的関数とした場
    合には、ある列車と他の列車との距離が所定値以下のと
    き減速を行なわしめる自動運転制御装置を備えている列
    車の、該装置による減速回数の最小化を図る機能を有す
    ることを特徴とする列車ダイヤ作成装置。
  15. 【請求項15】請求項1記載において、駅間の線路は、
    進行方向毎に設置されており、かつ駅構内には退避線路
    が無い片面平行ダイヤを列車ダイヤ作成計画対象とし、
    ダイヤ作成時には、時間に対する乗車量あるいは輸送量
    の各駅ごとの推移情報を列車ダイヤ情報として入力し、
    目的関数として駅毎の列車到着間隔均一、安全性最大、
    および乗車負荷均一のうち少なくとも1つを定め、 前記駅毎の列車到着間隔均一を目的関数とした場合に
    は、各駅に停車する各列車の到着時間の間隔の標準偏差
    値の最小化を図り、前記安全性最大を目的関数とした場
    合には、ある列車と他の列車との距離が所定値以下のと
    き減速を行なわしめる自動運転制御装置を備えている列
    車の、該装置による減速回数の最小化を図り、前記乗車
    負荷均一を目的関数とした場合は、各列車の各駅におけ
    る、停車時間の標準偏差値の最小化を図る機能を有する
    ことを特徴とする列車ダイヤ作成装置。
  16. 【請求項16】請求項1記載において、列車ダイヤ作成
    計画対象のうちのある列車に所定時間以上の遅れが発生
    した場合には、遅れが発生した時点での列車ダイヤ情
    報、時間に対する乗車量あるいは輸送量の各駅ごとの推
    移情報を入力し、乗車負荷均一を目的関数として定め、
    各列車の各駅における停車時間の標準偏差値の最小化を
    図る機能を有することを特徴とする列車ダイヤ作成装
    置。
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