JP2020171951A - 圧延制御装置、圧延制御方法および圧延機 - Google Patents
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Abstract
【課題】圧延機の出側における圧延材の移動速度が圧延速度より大きくなりすぎることを防止する。【解決手段】圧延機1の入側と出側で圧延材WKに張力を付与しながら、圧延機へ送られてくる圧延材を、圧延機に備えられる一対のワークロール11−1,11−2で押圧して圧延する圧延システム100に用いられる圧延制御装置30であって、この装置は、圧延機の出側における圧延材の移動速度(出側移動速度)が、圧延機の圧延速度Vmより大きい予め設定された上限速度Vuを超えたとき、圧延材に付与する張力を補正することにより、出側移動速度を下げる制御をする移動速度抑制部31を備える。【選択図】図1
Description
本発明は、圧延制御装置、圧延制御方法および圧延機に関する。
圧延機の圧延速度と圧延材の移動速度との差が大きいと、圧延機のワークロールにスリップ疵が発生することがある。これを防止するために、例えば、特許文献1は、圧延機の両側にブライドルロールを配置してストリップの伸率を制御するところのスキンパスミルの電動機の速度制御方法において、少なくとも圧延機の圧延荷重から圧延中に電動機が発生すべきトルクを演算し、圧延機の電動機に対して演算にて得られた前記トルクを発生するように制御することで、ワークロールとストリップの速度を同期させることを特徴とするスキンパスミルの速度制御方法を開示する。
圧延機の出側における圧延材の移動速度が圧延速度より大きくなりすぎると、圧延材を押圧する一対のワークロールは、圧延材を拘束できず、圧延材は一対のワークロールの間を滑りながら圧延機から引き出される。これにより、圧延材の表面に疵がつくことがある。特に、スキンパスミルのように、圧延前の圧延材の厚みと圧延後の圧延材の厚みとの差が小さい場合、一対のワークロールが圧延材を押圧する力(拘束する力)が弱い。このため、圧延材が一対のワークロールの間を滑りながら圧延機から引き出されることが発生し易い。
本発明の目的は、圧延機の出側における圧延材の移動速度が圧延速度より大きくなりすぎることを防止できる、圧延制御装置、圧延制御方法および圧延機を提供することである。
本発明の第1局面に係る圧延制御装置は、圧延機の入側と出側で圧延材に張力を付与しながら、前記圧延機へ送られてくる前記圧延材を、前記圧延機に備えられる一対のワークロールで押圧して圧延する圧延システムに用いられる圧延制御装置であって、前記出側における前記圧延材の移動速度が、前記圧延機の圧延速度より大きい予め設定された上限速度を超えたとき、前記張力を補正することにより、前記移動速度を下げる制御をする移動速度抑制部を備える。
移動速度抑制部は、圧延機の出側における圧延材の移動速度が、圧延機の圧延速度より大きい予め設定された上限速度を超えたとき、圧延材に付与する張力を補正することにより、移動速度を下げる。従って、本発明の第1局面に係る圧延制御装置によれば、圧延機の出側における圧延材の移動速度が圧延速度より大きくなりすぎることを防止できる。
圧延機の出側における圧延材の移動速度を下げる制御として、以下の3つの制御の仕方がある。第1制御は、圧延機の入側で圧延材に付与する張力を大きくする。これにより、後方から圧延材が引っ張られる力が大きくなり、圧延材の移動速度が下がる。第2制御は、圧延機の出側で圧延材に付与する張力を小さくする。これにより、前方に圧延材を引っ張る力が小さくなり、圧延材の移動速度が下がる。第3制御は、第1制御と第2制御とを一緒に実行する。
上記構成において、前記圧延制御装置が前記圧延速度を一定に制御した状態で、前記移動速度抑制部は、前記移動速度を下げる制御をする。
圧延機の出側における圧延材の移動速度が圧延速度より大きすぎる場合、圧延速度を大きくすることによっても、移動速度と圧延速度との差を小さくできる。従って、これによっても、圧延材が一対のワークロールの間を滑りながら圧延機から引き出されることを防止できる。しかし、圧延中に圧延速度が変更されると、圧延材の表面の光沢が変化することがあり、圧延製品の品質を一定にするためには好ましくない。この構成によれば、圧延速度を一定に制御した状態で、圧延機の出側における圧延材の移動速度を下げる制御をするので、上記問題が発生することはない。
上記構成において、前記移動速度抑制部は、前記移動速度が、前記上限速度より小さく、かつ、前記圧延速度を含む所定範囲内になるまで、前記移動速度を下げる制御を複数回繰り返し行い、前記移動速度が前記所定範囲内になったとき、前記移動速度を下げる制御を終了させる。
圧延機の出側における圧延材の移動速度が急激に下がると、圧延材がダメージを受けるおそれがある。この構成によれば、移動速度を下げる制御を複数回繰り返すので、移動速度を徐々に下げて、所定範囲内にすることができる。
本発明の第2局面に係る圧延制御方法は、圧延機の入側と出側で圧延材に張力を付与しながら、前記圧延機へ送られてくる前記圧延材を、前記圧延機に備えられる一対のワークロールで押圧して圧延する圧延システムに用いられる圧延制御方法であって、前記出側における前記圧延材の移動速度が、前記圧延機の圧延速度より大きい予め設定された上限速度を超えたとき、前記張力を補正することにより、前記移動速度を下げる制御をするステップを備える。
本発明の第2局面に係る圧延制御方法は、本発明の第1局面に係る圧延制御装置を方法の観点から規定しており、本発明の第1局面に係る圧延制御装置と同様の作用効果を有する。
本発明の第3局面に係る圧延機は、本発明の第1局面に係る圧延制御装置を備える圧延機である。
本発明の第3局面に係る圧延機は、本発明の第1局面に係る圧延制御装置を圧延機の観点から規定しており、本発明の第1局面に係る圧延制御装置と同様の作用効果を有する。
本発明によれば、圧延機の出側における圧延材の移動速度が圧延速度より大きくなりすぎることを防止できる。
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳細に説明する。各図において、同一符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その構成について、既に説明している内容については、その説明を省略する。
圧延機として、タンデム型とリバース型とがある。タンデム型は、タンデムに配置された複数の圧延機で順番に圧延材を圧延する。リバース型は、2つのリールによって圧延材を1回以上往復させて、1台の圧延機で圧延材を圧延する。実施形態では、リバース型を例にして説明する。
図1は、実施形態における圧延システム100の構成を示すブロック図である。圧延システム100は、圧延対象である圧延材WKを自動的に所定の目標の厚み(板厚)となるように冷間圧延するシステムであり、例えば、圧延機1(冷間圧延機)と、第1テンションリール2と、第2テンションリール3と、第1デフレクタロール4と、第2デフレクタロール5と、第1速度計6と、第2速度計7と、を備える。圧延システム100は、第1テンションリール2および第2テンションリール3に巻回された帯状の圧延材WKを、第1テンションリール2と第2テンションリール3と間に配設された圧延機1によって圧延する。
圧延機1は、一対のワークロール11−1,11−2を備える。ワークロール11−1とワークロール11−2との間には、ロールギャップRGが設けられている。ワークロール11−1は、圧延材WKを上側から押圧する。ワークロール11−2は、圧延材WKを下側から押圧する。圧延材WKは、ロールギャップRGを通過する際に、一対のワークロール11−1,11−2によって押圧されて薄く延ばされる。
第1デフレクタロール4は、圧延機1と第1テンションリール2との間に配置されている。第2デフレクタロール5は、圧延機1と第2テンションリール3との間に配置されている。
圧延材WKが図1の矢印A方向に送られている場合、第1テンションリール2、第2テンションリール3、第1デフレクタロール4および第2デフレクタロール5は、以下のように機能する。第1テンションリール2は、入側テンションリールとなり、巻回された圧延材WKに張力を付与しながら圧延機1へ供給する。第1デフレクタロール4は、第1テンションリール2から引き出された圧延材WKの方向を水平方向に変更する。第2デフレクタロール5は、圧延機1から送られてきた水平方向の圧延材WKを第2テンションリール3の方向に変更する。第2テンションリール3は、出側テンションリールとなり、圧延機1で圧延された圧延材WKに張力を付与しながら巻き取って収容する。
圧延材WKが矢印A方向と逆方向に送られている場合、第1テンションリール2、第2テンションリール3、第1デフレクタロール4および第2デフレクタロール5は、以下のように機能する。第2テンションリール3は、入側テンションリールとなり、巻回された圧延材WKに張力を付与しながら圧延機1へ供給する。第2デフレクタロール5は、第2テンションリール3から引き出された圧延材WKの方向を水平方向に変更する。第1デフレクタロール4は、圧延機1から送られてきた水平方向の圧延材WKを第1テンションリール2の方向に変更する。第1テンションリール2は、出側テンションリールとなり、圧延機1で圧延された圧延材WKに張力を付与しながら巻き取って収容する。
第1速度計6は、圧延機1と第1デフレクタロール4と間における圧延材WKの移動速度を示す第1移動速度V1を測定する装置である。第1速度計6は、本実施形態では、例えば、第1デフレクタロール4の回転速度を測定するパルスジェネレータである。第2速度計7は、圧延機1と第2デフレクタロール5と間における圧延材WKの移動速度を示す第2移動速度V2を測定する装置である。第2速度計7は、本実施形態では、例えば、第2デフレクタロール5の回転速度を測定するパルスジェネレータである。
圧延システム100は、第1モータ21と、第1モータ駆動部22と、第2モータ23と、第2モータ駆動部24と、ミルモータ25と、ミルモータ駆動部26と、圧延制御装置30と、を備える。なお、圧延制御装置30は、圧延機1に備えられていてもよい。
第1モータ21は、第1モータ駆動部22によって駆動され、第1テンションリール2を回転させる。第2モータ23は、第2モータ駆動部24によって駆動され、第2テンションリール3を回転させる。ミルモータ25は、ミルモータ駆動部26によって駆動され、一対のワークロール11−1,11−2を回転させる。これらの駆動部は、サイリスタ制御やインバータ制御によって、これらのモータを駆動する。
圧延制御装置30は、圧延システム100を制御する。この制御には、第1モータ21の制御、第2モータ23の制御およびミルモータ25の制御が含まれる。圧延制御装置30は、コンピュータ、デジタル回路等によって構成される。コンピュータは、ハードウェア(CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)等)、及び、ソフトウェア等によって実現される。
圧延制御装置30は、ミル速度設定部32と、移動速度抑制部31と、を備える。ミル速度設定部32で、圧延機1の圧延速度Vmが設定される。圧延速度Vmは、一対の同径のワークロール11−1,11−2の回転速度で示される。圧延システム100が手動運転される場合、オペレータが圧延制御装置30の操作部(不図示)を操作して、ミル速度設定部32に圧延速度Vmを設定する。圧延システム100が自動運転される場合、自動運転プログラムがミル速度設定部32に圧延速度Vmを設定する。
ミル速度設定部32は、設定した圧延速度Vmをミルモータ駆動部26に送る。ミルモータ駆動部26は、設定された圧延速度Vmになるように、ミルモータ25を駆動する。
移動速度抑制部31は、第1張力設定部311、第1補正値設定部312、第1加減算部313、第2張力設定部314、第2補正値設定部315、第2加減算部316、張力補正判断部317、上限速度設定部318、第1スイッチ319および第2スイッチ320を備える。移動速度抑制部31は、デジタル回路のようなハードウェアでもよいし、コンピュータソフトウェアでもよい。
第1張力設定部311で、第1張力T1が設定される。第1張力T1は、第1テンションリール2が圧延材WKに付与する一定の張力である。第1補正値設定部312で、第1補正値ΔT1が設定される。第1補正値ΔT1は、第1張力T1の補正値であり、例えば、第1張力T1の数%である。第1加減算部313は、後で説明する。
第2張力設定部314で、第2張力T2が設定される。第2張力T2は、第2テンションリール3が圧延材WKに付与する一定の張力である。第2補正値設定部315で、第2補正値ΔT2が設定される。第2補正値ΔT2は、第2張力T2の補正値であり、例えば、第2張力T2の数%である。第2加減算部316は、後で説明する。
張力補正判断部317は、圧延機1の出側における圧延材WKの移動速度(以下、「出側移動速度」と記載する)が、上限速度Vuを超えるか否かを判定し、出側移動速度が上限速度Vuを超えたとき、圧延材WKに付与する張力を補正する指令をする。
張力補正判断部317には、第1速度計6が計測した第1移動速度V1および第2速度計7が計測した第2移動速度V2が入力される。第1移動速度V1、第2移動速度V2および圧延速度Vmの単位は、例えば、mpm(meter per minute)である。圧延材WKが送られる方向が矢印A方向のとき、第2移動速度V2が出側移動速度となる。圧延材WKが送られる方向が矢印A方向と逆のとき、第1移動速度V1が出側移動速度となる。
上限速度設定部318で、出側移動速度の上限速度Vuが設定される。張力補正判断部317には、上限速度Vuが入力される。上限速度Vuは、ミル速度設定部32に設定された圧延速度Vmより少し大きく設定される。上限速度Vuと圧延速度Vmとの差がどの程度許容されるかは、圧延材WKが一対のワークロール11−1,11−2の間を滑りながら圧延機1から引き出される現象が防止する観点から決められる。
第1スイッチ319および第2スイッチ320は後で説明する。
圧延システム100が手動運転される場合、オペレータが圧延制御装置30の操作部(不図示)を操作して、第1張力設定部311に第1張力T1を設定し、第1補正値設定部312に第1補正値ΔT1を設定し、第2張力設定部314に第2張力T2を設定し、第2補正値設定部315に第2補正値ΔT2を設定し、上限速度設定部318に上限速度Vuを設定する。圧延システム100が自動運転される場合、自動運転プログラムが、第1張力設定部311に第1張力T1を設定し、第1補正値設定部312に第1補正値ΔT1を設定し、第2張力設定部314に第2張力T2を設定し、第2補正値設定部315に第2補正値ΔT2を設定し、上限速度設定部318に上限速度Vuを設定する。
移動速度抑制部31が、出側移動速度を下げる制御として、以下の第1制御〜第3制御がある。第1制御は、圧延機1の入側で圧延材WKに付与する張力を大きくする。これにより、後方から圧延材WKが引っ張られる力が大きくなり、圧延材WKの移動速度が下がる。第2制御は、圧延機1の出側で圧延材WKに付与する張力を小さくする。これにより、前方に圧延材WKを引っ張る力が小さくなり、圧延材WKの移動速度が下がる。第3制御は、第1制御と第2制御とを一緒に実行する。
圧延材WKが送られる方向が矢印A方向のとき、第1制御〜第3制御は、以下の通りである。第1制御の場合、第1スイッチ319はオンされ、第2スイッチ320はオフされ、第1加減算部313は、第1張力T1に第1補正値ΔT1を加算する加算部として機能する。第2加減算部316は、使用されない。第1制御は、第1張力T1に第1補正値ΔT1を加算して得られた補正第1張力(=T1+ΔT1)を圧延材WKに付与する。
第2制御の場合、第1スイッチ319はオフされ、第2スイッチ320はオンされ、第2加減算部316は、第2張力T2から第2補正値ΔT2を減算する減算部として機能する。第1加減算部313は、使用されない。第2制御は、第2張力T2から第2補正値ΔT2を減算して得られた補正第2張力(=T2−ΔT2)を圧延材WKに付与する。
第3制御の場合、第1スイッチ319はオンされ、第2スイッチ320はオンされ、第1加減算部313は、第1張力T1に第1補正値ΔT1を加算する加算部として機能し、第2加減算部316は、第2張力T2から第2補正値ΔT2を減算する減算部として機能する。第3制御は、補正第1張力(=T1+ΔT1)および補正第2張力(=T2−ΔT2)を圧延材WKに付与する。第3制御の場合、第1制御および第2制御と比べて、例えば、ΔT1、ΔT2は半分に設定される。
圧延材WKが送られる方向が矢印A方向と逆のとき、第1制御〜第3制御は、以下の通りである。第1制御の場合、第1スイッチ319はオフされ、第2スイッチ320はオンされ、第2加減算部316は、第2張力T2に第2補正値ΔT2を加算するする加算部として機能する。第1加減算部313は、使用されない。第1制御は、第2張力T2に第2補正値ΔT2を加算して得られた補正第2張力(=T2+ΔT2)を圧延材WKに付与する。
第2制御の場合、第1スイッチ319はオンされ、第2スイッチ320はオフされ、第1加減算部313は、第1張力T1から第1補正値ΔT1を減算する減算部として機能する。第2加減算部316は、使用されない。第2制御は、第1張力T1から第1補正値ΔT1を減算して得られた補正第1張力(=T1−ΔT1)を圧延材WKに付与する。
第3制御の場合、第1スイッチ319はオンされ、第2スイッチ320はオンされ、第2加減算部316は、第2張力T2に第2補正値ΔT2を加算する加算部として機能し、第1加減算部313は、第1張力T1から第1補正値ΔT1を減算する減算部として機能する。第3制御は、補正第2張力(=T2+ΔT2)および補正第1張力(=T1−ΔT1)を圧延材WKに付与する。第3制御の場合、第1制御および第2制御と比べて、例えば、ΔT1、ΔT2は半分に設定される。
圧延制御装置30の動作について説明する。図2および図3は、これを説明するフローチャートである。圧延システム100の運転は手動運転であり、出側の移動速度を下げる制御は第3制御であり、圧延材WKが送られる方向は矢印A方向とする。
図1および図2を参照して、オペレータは、圧延制御装置30に備えられる操作部(不図示)を操作して、各種の設定をする(S1)。これには、圧延速度Vm(ミル速度)、第1張力T1、第1補正値ΔT1、第2張力T2、第2補正値ΔT2および出側移動速度(圧延機1の出側における圧延材WKの移動速度)の上限速度Vuの設定が含まれる。
オペレータが上記操作部を操作して、圧延システム100の運転命令を圧延制御装置30に入力する(S2)。
ミル速度設定部32は、設定された圧延速度Vm(ミル速度)を読み込む(S3)。ミル速度設定部32は、これをミルモータ駆動部26へ送る。ミルモータ駆動部26は、この圧延速度Vmになるように、ミルモータ25を駆動する。
第1張力設定部311は、設定された第1張力T1を読み込む(S4)。第1張力設定部311は、これを第1加減算部313へ送る。第1補正値設定部312は、設定された第1補正値ΔT1を読み込む(S5)。圧延システム100の運転開始時は、第3制御がされていないので、第1スイッチ319はオフである。第1スイッチ319がオフのとき、第1補正値設定部312は、第1補正値ΔT1を第1加減算部313へ送ることができない。従って、第1スイッチ319がオフのとき、第1加減算部313は第1張力T1を第1モータ駆動部22へ送る。第1モータ駆動部22は、圧延材WKに付与される張力が、第1張力T1になるように、第1モータ21を駆動する。
第1スイッチ319がオンのとき、第1補正値設定部312は、読み込んだ第1補正値ΔT1を第1加減算部313へ送る。第1加減算部313は、第1張力T1に第1補正値ΔT1を加算した補正第1張力(=T1+ΔT1)を第1モータ駆動部22へ送る。第1モータ駆動部22は、圧延材WKに付与される張力が、補正第1張力になるように、第1モータ21を駆動する。
第2張力設定部314は、設定された第2張力T2を読み込む(S6)。第2張力設定部314は、これを第2加減算部316へ送る。第2補正値設定部315は、設定された第2補正値ΔT2を読み込む(S7)。圧延システム100の運転開始時は、第3制御がされていないので、第2スイッチ320はオフである。第2スイッチ320がオフのとき、第2補正値設定部315は、第2補正値ΔT2を第2加減算部316へ送ることができない。従って、第2スイッチ320がオフのとき、第2加減算部316は第2張力T2を第2モータ駆動部24へ送る。第2モータ駆動部24は、圧延材WKに付与される張力が、第2張力T2になるように、第2モータ23を駆動する。
第2スイッチ320がオンのとき、第2補正値設定部315は、読み込んだ第2補正値ΔT2を第2加減算部316へ送る。第2加減算部316は、第2張力T2から第2補正値ΔT2を減算した補正第2張力(=T2−ΔT2)を第2モータ駆動部24へ送る。第2モータ駆動部24は、圧延材WKに付与される張力が、補正第2張力になるように、第2モータ23を駆動する。
上限速度設定部318は、設定された上限速度Vuを読み込む(S8)。上限速度設定部318は、これを張力補正判断部317へ送る。張力補正判断部317には、この上限速度Vuが入力される。
張力補正判断部317は、出側移動速度を読み込む(S9)。圧延材WKが送られる方向は矢印A方向なので、出側移動速度は、第2移動速度V2である。従って、張力補正部は、出側移動速度として、第2速度計7から第2移動速度V2を読み込む。
図1および図3を参照して、張力補正判断部317は、出側移動速度が上限速度Vu以下か否かを判断する(S10)。張力補正判断部317は、出側移動速度が上限速度Vu以下と判断したとき(S10でYes)、移動速度抑制部31は、第1張力T1および第2張力T2を補正しない(S11)。従って、出側移動速度が下げられることはない。
圧延制御装置30は、圧延システム100が運転中か否かを判断する(S12)。圧延制御装置30が、圧延システム100が運転中と判断したとき(S12でYes)、圧延制御装置30は、処理S3へ戻る。再度、処理S3〜処理S8がされるのは、圧延システム100の運転中に、オペレータが第1張力T1等の設定値を変えることがあり、また、次に説明するように、補正第1張力が第1張力T1として設定され、補正第2張力が第2張力T2として設定されるからである。
圧延制御装置30は、圧延システム100が運転中でないと判断したとき(S12でNo)、すなわち、圧延システム100の運転が停止や終了するとき、圧延制御装置30は、その動作を終了する。
張力補正判断部317は、出側移動速度が上限速度Vuを超えていると判断したとき(S10でNo)、移動速度抑制部31は、第1張力T1および第2張力T2を補正する(S13)。これにより、出側移動速度(第2移動速度V2)が下げられる。
張力補正について詳しく説明する。張力補正判断部317は、第1スイッチ319、第2スイッチ320をそれぞれオンにする。第1加減算部313は、第1張力T1に第1補正値ΔT1を加算した補正第1張力(=T1+ΔT1)を第1モータ駆動部22へ送る。第1モータ駆動部22は、圧延材WKに付与される張力が、補正第1張力になるように、第1モータ21を駆動する。第2加減算部316は、第2張力T2から第2補正値ΔT2を減算して得られる補正第2張力(=T2−ΔT2)を第2モータ駆動部24へ送る。第2モータ駆動部24は、圧延材WKに付与される張力が、補正第2張力になるように、第2モータ23を駆動する。
第1張力設定部311は、補正第1張力(=T1+ΔT1)を第1張力T1に設定する(S14)。第2張力設定部314は、補正第2張力(=T2−ΔT2)を第2張力T2に設定する(S15)。
出側移動速度が急激に下がると、圧延材WKがダメージを受けるおそれがある。ΔT1,ΔT2を小さくすると、第1張力T1および第2張力T2の一回の補正量が小さくなる。これにより、処理S13が複数回繰り返されるので、出側移動速度を徐々に下げることができる。
そして、圧延制御装置30は、処理S12をする。
実施形態の主な効果を説明する。圧延制御装置30が圧延速度Vmを一定に制御した状態で、出側移動速度(圧延機1の出側における圧延材WKの移動速度)が、出側移動速度の上限速度Vuを超えたとき(S10でNo)、移動速度抑制部31は、圧延材WKに付与する張力を補正することにより(S13)、出側移動速度を下げる。従って、実施形態によれば、出側移動速度が圧延速度Vmより大きくなりすぎることを防止できる。
実施形態の変形例について説明する。図3を参照して、実施形態において、出側移動速度を下げる制御が終了するタイミング、すなわち、第1張力T1および第2張力T2を補正する処理S13から第1張力T1および第2張力T2を補正しない処理S11に切り換えるタイミングは、出側移動速度が上限速度Vu以下になるときである(S10でYes)。変形例は、出側移動速度を下げる制御が終了するタイミングが実施形態と異なる。図4は、変形例の動作を説明するフローチャートである。
変形例は、図3の処理S10でNoと処理S12との間で、処理S13〜処理S15の換わりに、図4のフローチャートで示す処理をする。張力補正判断部317は、出側移動速度が上限速度Vuを超えていると判断したとき(S10でNo)、移動速度抑制部31は、第1張力T1および第2張力T2を補正する(S21)。これは、処理S13と同じであり、出側移動速度(第2移動速度V2)が下げられる。
第1張力設定部311は、補正第1張力(=T1+ΔT1)を第1張力T1に設定する(S22)。これは、処理S14と同じである。第2張力設定部314は、補正第2張力(=T2−ΔT2)を第2張力T2に設定する(S23)。これは、処理S15と同じである。
実施形態でも説明したように、ΔT1,ΔT2を小さくすると、第1張力T1および第2張力T2の一回の補正量が小さくなる。これにより、処理S21が複数回繰り返されるので、出側移動速度を徐々に下げることができる。
圧延制御装置30は、圧延システム100が運転中か否かを判断する(S24)。これは処理S12と同じである。圧延制御装置30は、圧延システム100が運転中でないと判断したとき(S24でNo)、すなわち、圧延システム100の運転が停止や終了するとき、圧延制御装置30は、その動作を終了する。圧延制御装置30が、圧延システム100が運転中と判断したとき(S24でYes)、圧延制御装置30は、処理S3〜処理S9をする(S25)。
張力補正判断部317は、出側移動速度(第2移動速度V2)が所定範囲内に低下したか否かを判定する(S26)。所定範囲は、上限速度Vu(例えば、120mpm)より低く、圧延速度Vm(例えば、100mpm)を含む範囲である。所定範囲は、例えば、105〜95mpmである。張力補正判断部317が、出側移動速度が所定範囲内に低下していないと判定したとき(S26でNo)、移動速度抑制部31は、処理S21に戻る。
張力補正判断部317が、出側移動速度が所定範囲内に低下したと判定したとき(S26でYes)、処理S12へ進む。
このように変形例において、移動速度抑制部31は、出側移動速度が、上限速度より小さく、かつ、所定範囲内になるまで、処理S21(出側移動速度を下げる制御)を複数回繰り返し行い、出側移動速度が所定範囲内に低下したとき、処理S21を終了させている。
実施形態および変形例では、図1に示すように、圧延材WKに張力を付与する装置として、テンションリール(第1テンションリール2、第2テンションリール3)を用いているが、これに限定されず、例えば、ブライドルロールでもよい。
1 圧延機
2 第1テンションリール
3 第2テンションリール
4 第1デフレクタロール
5 第2デフレクタロール
6 第1速度計
7 第2速度計
11−1,11−2 ワークロール
100 圧延システム
A 圧延材が送られる方向
T1 第1張力
ΔT1 第1補正値
T2 第2張力
ΔT2 第2補正値
V1 第1移動速度
V2 第2移動速度
Vu 上限速度
Vm 圧延速度
WK 圧延材
2 第1テンションリール
3 第2テンションリール
4 第1デフレクタロール
5 第2デフレクタロール
6 第1速度計
7 第2速度計
11−1,11−2 ワークロール
100 圧延システム
A 圧延材が送られる方向
T1 第1張力
ΔT1 第1補正値
T2 第2張力
ΔT2 第2補正値
V1 第1移動速度
V2 第2移動速度
Vu 上限速度
Vm 圧延速度
WK 圧延材
Claims (6)
- 圧延機の入側と出側で圧延材に張力を付与しながら、前記圧延機へ送られてくる前記圧延材を、前記圧延機に備えられる一対のワークロールで押圧して圧延する圧延システムに用いられる圧延制御装置であって、
前記出側における前記圧延材の移動速度が、前記圧延機の圧延速度より大きい予め設定された上限速度を超えたとき、前記張力を補正することにより、前記移動速度を下げる制御をする移動速度抑制部を備える、圧延制御装置。 - 前記圧延制御装置が前記圧延速度を一定に制御した状態で、前記移動速度抑制部は、前記移動速度を下げる制御をする、請求項1に記載の圧延制御装置。
- 前記移動速度抑制部は、
前記入側で前記圧延材に付与する張力を大きくする第1制御、前記出側で前記圧延材に付与する張力を小さくする第2制御、または、前記第1制御と前記第2制御とを一緒に実行する第3制御により、前記移動速度を下げる制御をする、請求項1または2に記載の圧延制御装置。 - 前記移動速度抑制部は、前記移動速度が、前記上限速度より小さく、かつ、前記圧延速度を含む所定範囲内になるまで、前記移動速度を下げる制御を複数回繰り返し行い、前記移動速度が前記所定範囲内になったとき、前記移動速度を下げる制御を終了させる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の圧延制御装置。
- 圧延機の入側と出側で圧延材に張力を付与しながら、前記圧延機へ送られてくる前記圧延材を、前記圧延機に備えられる一対のワークロールで押圧して圧延する圧延システムに用いられる圧延制御方法であって、
前記出側における前記圧延材の移動速度が、前記圧延機の圧延速度より大きい予め設定された上限速度を超えたとき、前記張力を補正することにより、前記移動速度を下げる制御をするステップを備える、圧延制御方法。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載の圧延制御装置を備える圧延機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2019076092A JP2020171951A (ja) | 2019-04-12 | 2019-04-12 | 圧延制御装置、圧延制御方法および圧延機 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2020171951A (ja) |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS491148B1 (ja) * | 1970-10-26 | 1974-01-11 |
-
2019
- 2019-04-12 JP JP2019076092A patent/JP2020171951A/ja active Pending
Patent Citations (1)
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JPS491148B1 (ja) * | 1970-10-26 | 1974-01-11 |
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