JP2020169747A - 冷蔵庫 - Google Patents
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Description
図1に示すように、冷蔵庫1は、前面に開口する断熱箱体からなる冷蔵庫本体2を備える。冷蔵庫本体2は鋼板製の外箱と真空成形により設けられる合成樹脂製の内箱との間隙に真空断熱パネルやウレタンフォームなどの断熱材を配置し、前面を開口し内部を貯蔵空間とした縦長の断熱箱体からなる。冷蔵庫本体2の内部に形成された貯蔵空間は、断熱仕切壁2aによって上方の冷蔵空間と下方の冷凍空間に断熱区画されている。
チルド室3cの構造について、図2に基づいて説明する。
においセンサ80は、チルド室3cにおける排気口44の近傍やリターンダクト31における吸込口2cの近傍など、チルド室3cに収納された上容器40及び下容器41の後方に設けられている。においセンサ80は、チルド室3c内のにおいの強さを検知するセンサであって、例えば、トリメチルアミンや硫化水素やメチルメルカプタン等の所定の臭気物質の濃度を検出する熱線型半導体センサ等のセンサからなる。においセンサ80は、下容器41内を後方へ向かって流れてきた冷気に含まれる臭気物質の濃度を検出し、チルド室3c内のにおいの強さを示す情報(におい情報)を検知情報として制御部28へ出力する。
除菌装置50は、図2に示すように、冷蔵冷却器室13における冷蔵冷却器10より空気流れ方向の下流側に設けられ、冷蔵空間へ供給される空気を除菌する装置である。この除菌装置50は、図3に示すように、フレーム51と、このフレーム51の上部と下部に配置された一対の発光装置52と、これら一対の発光装置52間に配置された2枚のフィルタ53とを備えている。このうち、フィルタ53は、空気の流通が可能で可視光応答型光触媒54が担持されている。
冷蔵庫本体2の上部に設けられた制御部28には、図4に示すように、操作表示部7、扉センサ9、冷蔵ファン11、冷凍ファン16、圧縮機21、切替弁22、冷蔵温度センサ23、チルド温度センサ24、冷凍温度センサ25、冷蔵冷却器センサ26、冷凍冷却器センサ27、除菌装置50、撮像手段70及びにおいセンサ80等の冷蔵庫本体2の内側又は外側に設けられた電気部品が電気接続されている。そして、制御部28は、各種センサから入力される信号や、使用者の操作によって操作表示部7から入力される信号などが入力されると、予めメモリに記憶された制御プログラムに基づいて、冷蔵ファン11、冷凍ファン16、圧縮機21及び切替弁22の動作を制御することで、圧縮機21や冷蔵ファン11及び冷凍ファン16の運転、切替弁22による冷蔵冷却器10と冷凍冷却器15への冷媒切換え、操作表示部7の表示など、冷蔵庫1の動作全般を制御する。
冷蔵庫1は、庫内を冷却する冷却運転として、冷蔵温度センサ23及び冷凍温度センサ25によって検出された冷蔵空間の庫内温度及び冷凍空間の庫内温度に基づいて、冷蔵温度帯の冷蔵室3、チルド室3c及び野菜室4を冷却する冷蔵冷却運転と、冷凍温度帯の製氷室、第1冷凍室5及び第2冷凍室6を冷却する冷凍冷却運転とを切り替えて実行する。
制御部28は、冷蔵冷却開始条件を満たすと、圧縮機21を所定周波数で駆動しつつ切替弁22の冷蔵冷媒流路側の出口を開放して冷蔵冷却器10に冷媒を流し、更に、ダンパ30を開放して冷蔵冷却器室13と冷蔵室3を連通した状態で冷蔵ファン11を回転させて冷蔵冷却運転を開始する。冷蔵冷却開始条件の一例を挙げると、例えば、冷蔵温度センサ23の検出温度が冷蔵空間に対して設定されているON温度Tr1(例えば、5℃)以上になる場合がある。
冷凍冷却運転では、冷凍冷却器15に流れ込んだ低圧、低温の冷媒が気化することで冷凍冷却器室19で冷気を生成する。生成された冷気は、冷凍ファン16の送風作用により製氷室、第1冷凍室5及び第2冷凍室6内を循環し、所定の冷凍温度帯になるように製氷室、第1冷凍室5及び第2冷凍室6を冷却する。
冷蔵庫1では、冷蔵冷却運転及び冷凍冷却運転を切り替えて順次実行する中で、所定の加湿開始条件を満たすと加湿運転を実行する。
また、冷蔵庫1では、所定の熟成実施条件を満たすと、制御部28は、上記した加湿運転中に熟成運転を行う熟成モードを設定し、チルド室3cに収納した食肉や果実などの食品を熟成させる運転を実行する。
制御部28は、所定の熟成終了条件を満たすと、加湿運転時におけるダンパ30の開度を大きく設定し(つまり、背面ダクト14への流路の開度を大きく設定し)、加湿運転の実行中にチルド室3cへ供給する加湿空気量を熟成運転中に比べて減少させ、熟成運転を終了する。なお、熟成運転の終了時に設定するダンパ30の開度は、冷蔵冷却運転時におけるダンパ30の開度と同じ開度に設定してもよい。
制御部28は、撮像手段70が撮像した上容器40に収納された収納物の画像と、においセンサ80から出力されたにおい情報に基づいて、チルド室3cに収納された食品の熟成度合いを検出する。
制御部28は、食品の種類に対応して熟成度合いを検出する判定条件がメモリに記憶されている。制御部28は、チルド室3cに収納されている食品の種類を特定し、特定した食品の種類に対応する判定条件をメモリから呼び出し、呼び出した条件に基づいて熟成度合いを判定する。この熟成度合いの判定にあたって、制御部28は、使用者が操作表示部7等から食品の種類を入力する場合と、使用者が食品の種類を入力せず、撮像手段70が取得した画像から食品の種類を特定する場合とで、判定条件が異なっており熟成度合いを検出する処理が異なる。
制御部28には、所定のにおい成分毎に熟成度合いを検出する条件が記憶されている。ここでは、熟成度合いを判定する条件として、制御部28には熟成モードの終了の目安となる閾値が記憶されており、例えば、トリメチルアミンの閾値は0.0005ppm、硫化水素の閾値は0.02ppm、メチルメルカプタンは0.002ppmである。
本実施形態の冷蔵庫1では、冷蔵室3よりチルド室3cに優先して供給するため、チルド室3cに収納された食品を熟成に適した加湿空気に曝すことができ、食品を熟成させ旨味成分を増加させることができる。
本実施形態では、冷蔵冷却器室13に設けた除菌装置50によってチルド室3cに供給する空気を除菌する場合について説明したが、これに換えて、あるいはこれに加えて紫外線などのチルド室3cを除菌(殺菌)する光を照射する照射装置90を設けてもよい。
本実施形態では、チルド室3cの食品の熟成度合いを判定する熟成判定手段として、撮像手段70及びにおいセンサ80を設ける場合について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、撮像手段70及びにおいセンサ80のいずれか一方のみを用いてチルド室3cの熟成度合いを判定してもよく、あるいは、熟成モードの実行時間(つまり、熟成運転の実行可能な時間)からチルド室3cの熟成度合いを判定してもよい。
上記した本実施形態において食品の熟成を行う熟成空間(チルド室3c)の底面に、食品を載置する金属トレイを設けてもよい。貯蔵空間に金属トレイを設けることで、熟成対象の食品を速やかに冷却することができ、食品の腐敗を抑えることができる。
本実施形態では、所定時間毎に撮像手段70が食品の画像を取得して熟成度合いを検出する場合について説明したが、任意のタイミングで撮像手段70が画像を取得して熟成度合いを検出してもよい。
本実施形態では、冷蔵室3に区画されたチルド室3cを熟成モードの実行中に食品の熟成を行う熟成空間とする場合について説明したが、野菜室4などのような冷蔵室3と別の扉により閉塞された貯蔵室を熟成空間としてもよい。
本実施形態では、熟成判定手段において検出されたチルド室3cの食品の熟成度合いが所定条件を満たすと、熟成モードを終了する場合について説明したが、例えば、食品が所定の熟成度合いに達したことを使用者に報知し、熟成モードの終了と熟成モードの延長とを使用者に選択させ、使用者から熟成モードの終了が指示されると熟成モードを終了し、延長が指示されると、更に熟成モードを継続してもよい。
本実施形態では、撮像手段70を最下段の棚板3bの下面における幅方向中央部であって前後方向中央部より後方側に設ける場合について説明したが、チルド室3cに収納された収納物を撮像できる位置であれば任意の位置に撮像手段70を設けることができる。
本実施形態では、においセンサ80をチルド室3cの後方下部に設け、においセンサ80が、後方へ向かって流れてきた冷気に含まれる臭気物質の濃度を検出する場合について説明したが、チルド室3c内におけるにおいの強さを検出することができる位置であれば任意の位置ににおいセンサ80を設けることができる。
本実施形態では、撮像手段70を最下段の棚板3bの下面に設け、撮像手段70によって上容器40内部を撮像し、においセンサ80をチルド室3cの後方下部に設け、上容器40及び下容器41を流れた後の空気に対してにおいの強さを検出する場合について説明したが、本発明はこれに限定されない。
本実施形態では、冷蔵冷却器室13において冷蔵冷却器10より空気流れ方向下流側に除菌装置50を設ける場合について説明したが、冷蔵空間の空気が流通する箇所であれば任意の位置に除菌装置50を設けることができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
Claims (9)
- 冷蔵庫本体と、
前記冷蔵庫本体の内部に設けられた第1貯蔵室及び第2貯蔵室と、
圧縮機と、前記圧縮機から吐出される冷媒が供給され空気を冷却する冷却器と、を有する冷凍サイクルと、
前記冷却器で冷却された空気を前記第1貯蔵室及び第2貯蔵室へ送風するファンと、
前記ファンから前記第1貯蔵室及び前記第2貯蔵室に送風される空気量を制御する切替手段と、
前記冷凍サイクル、前記ファン及び前記切替手段を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記冷却器への冷媒の供給を停止又は低減しつつ、前記ファンを駆動して前記冷却器に付着した水分から生成した加湿空気を前記第1貯蔵室及び前記第2貯蔵室の少なくとも一方へ供給する加湿運転を実行する冷蔵庫において、
前記制御部は、前記加湿運転の実行中に前記第2貯蔵室より前記第1貯蔵室に優先して加湿空気を供給するように前記切替手段を制御することで、前記第1貯蔵室の温度及び湿度を所定範囲に維持し、前記第1貯蔵室内の食品を熟成させる熟成運転を実行する冷蔵庫。 - 前記ファンから前記第1貯蔵室へ供給する空気を除菌する除菌手段を備える請求項1に記載の冷蔵庫。
- 前記第1貯蔵室内を除菌する光を照射する照射装置を備える請求項1又は2に記載の冷蔵庫。
- 前記熟成運転の実行可能な時間を設定する設定手段を備える請求項1〜3のいずれか1項に記載の冷蔵庫。
- 前記第1貯蔵室内の食品の熟成度合いを判定する熟成判定手段を備え、
前記熟成判定手段において検出された熟成度合いが所定条件を満たすと使用者に報知する報知手段を備える請求項1〜4のいずれか1項に記載の冷蔵庫。 - 前記熟成判定手段は、前記第1貯蔵室内のにおいの強さを検知するにおいセンサを備え、前記においセンサの検出結果から前記第1貯蔵室内の食品の熟成度合いを検出する請求項5に記載の冷蔵庫。
- 前記熟成判定手段は、前記第1貯蔵室内を撮像する撮像手段を備え、前記撮像手段の撮像結果から前記第1貯蔵室内の食品の熟成度合いを検出する請求項5又は6に記載の冷蔵庫。
- 前記熟成判定手段は、使用者が前記第1貯蔵室に収納された食品を入力する第1モードと、前記撮像手段の撮像結果から前記第1貯蔵室に収納された食品を特定する第2モードとを備え、
前記第1モードと前記第2モードとで食品の熟成度合いを検出する処理が異なる請求項7に記載の冷蔵庫。 - 前記熟成判定手段は、前記第1貯蔵室内のにおいの強さを検知するにおいセンサと、前記第1貯蔵室内を撮像する撮像手段と、を備え、
前記においセンサが前記撮像手段より前記第1貯蔵室における空気流れ方向の下流側に配置されている請求項5〜8のいずれか1項に記載の冷蔵庫。
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