JP2020164132A - 座席シート - Google Patents
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Abstract
Description
ここで、一般的には、軽く背筋を伸ばしたS字形状の着座姿勢が理想的な形とされている。したがって、従来の装置では、乗員の姿勢を、この理想的なS字形状の着座姿勢に矯正させるように動作している。
座席シートに着座している乗員の着座姿勢の態様を解析する着座姿勢解析手段と、座席シートの幅方向と平行な前記シートバックの横断面形状を可変制御するシートバック制御手段と、を有し、前記シートバック制御手段は、前記着座姿勢解析手段による解析結果に基づいて、前記シートバックの横断面形状を可変させる、ことを特徴とする。
図1は、本発明の実施の形態における座席シートを備えた車両の一部の概略を示す断面図である。また、図2は、本発明の実施の形態における座席シートの概略ブロック図である。
図1に示すように、車両1の乗員室は、下部にアンダーフロア3、上部にルーフ4が設けられている。また、アンダーフロア3には、座席シート10が配備されている。
座席シート10は、車両1に乗車した乗員Pが着座するものである。また、座席シート10は、乗員Pの臀部から大腿部を支持するシートクッション11(座部)と、リクライニング可能に設けられ、乗員Pの背中を支持するシートバック12(背もたれ部)と、乗員Pの頭部を支持するヘッドレスト13(ヘッド部)と、を備えている。
さらに、座席シート10は、圧力検知部100と、シート形状変更装置200と、制御部300と、を備えている。
また、後述するように、シートクッション11は、乗員Pが着座する座面部の傾きが変更可能となっている。また、シートバック12は、乗員Pの背中が当接する背もたれ部の傾きや凹凸が変更可能となっている。
圧力検知部100は、シートクッション11およびシートバック12に対しての乗員Pからの圧力を検知するものである。したがって、圧力検知部100は、シートクッション11およびシートバック12に対しての乗員Pからの圧力を検知することにより、乗員Pの重心を検知する(圧力検知手段)ことができる。
また、圧力検知部100は、クッション圧力センサ110およびバック圧力センサ120を備えている。
図3は、シートクッション11に設けられたクッション圧力センサ110の一例を示す図である。なお、図3(a)においては、紙面左方向が座席シート10の前方向を示し、紙面上方向が座席シート10の上方向を示す。また、図3(b)、図3(c)、図3(d)においては、紙面左方向が座席シート10の前方向を示し、紙面上方向が座席シート10の右方向を示す。
なお、クッション圧力センサ110は、図3(c)に示すように、シートクッション11の座面の全体に歪みセンサを用いたものであってもよいし、図3(d)に示すように、シートクッション11の座面の四方に荷重計を設けたものであってもよい。
バック圧力センサ120は、シートバック12の前面、乗員Pの背中が当たる背もたれ部の近傍下部に設けられた複数の圧力センサから構成される。また、バック圧力センサ120は、クッション圧力センサ110と同様に、複数の圧力センサにより、シートバック12に対する前面(背もたれ面)からの圧力をそれぞれ検知するものである。
シート形状変更装置200は、シートクッション11およびシートバック12の傾きや凹凸等を変更するものである。
また、シート形状変更装置200は、クッション形状変更装置210およびバック形状変更装置220を備えている。
クッション形状変更装置210は、シートクッション11の傾きを変更するものである。例えば、クッション形状変更装置210は、シートクッション11の座面後部(車両1の進行方向に対して後側)の上下動、および、シートクッション11の座面前部(車両1の進行方向に対して前側)の上下動を行うことができる。
バック形状変更装置220は、シートバック12の傾きや凹凸等を変更するものである。例えば、バック形状変更装置220は、座席シート10の幅方向と平行なシートバック12の横断面形状を可変させることができる。
また、バック形状変更装置220は、座席シート10の上下方向に対するシートバック12の縦断面形状等を変更できるものであってもよい。具体的には、バック形状変更装置220は、シートバック12の乗員側に向けた凸形状の位置、形状、高さ等を変更することで、シートバック12の縦断面形状を可変させることができる。さらに、バック形状変更装置220は、シートバック12の所定位置から下部を前方に傾斜させ、所定位置から上部を後方に傾斜させた中折れ状態にして、シートバック12の縦断面形状を変更できるものであってもよい。また、このとき、バック形状変更装置220は、シートクッション11の座面後部の下降に連動して、シートバック12を下降させる。
なお、図4においては、紙面左方向が座席シート10の前方向を示し、紙面上方向が座席シート10の右方向を示す。また、図4は、シートバック12を、水平方向に切断したシートバック12の横断面図を示すものである。
ガス入出力装置221は、収縮バッグ222に対して、ガスの入出力を行うものである。すなわち、ガス入出力装置221は、収縮バッグ222にガスを入力させること、収縮バッグ222からガスを出力させること、および、収縮バッグ222内のガス量を維持させることができるものである。
さらに、収縮バッグ222は、シートバック12の幅方向において略中央に設けられている。そして、収縮バッグ222は、後方位置が固定され、前方位置がガスの入出力によって変化するようになっている。すなわち、収縮バッグ222は、ガスが入力されると、前方位置が前方に移動し、ガスが出力されると、前方位置が後方に移動するようになっている。
このように、バック形状変更装置220は、シートバック12における乗員Pの背中が接触している位置に対して、横断面において凹形状を深くさせることにより、シートバック12の形状を可変させることができる。
制御部300は、座席シート10の動作を制御するためものである。なお、制御部300は、車両1全体を制御するECUと兼用のものであってもよい。また、制御部300は、中央演算処理装置としてのCPU(Central Processing Unit)、CPUにより実行される制御プログラム、データテーブル、各コマンドやデータ等の記憶を行うROM(Read Only Memory)、一時的にデータを記憶するRAM(Random Access Memory)、書き換え可能な不揮発性のメモリからなるEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)および入出力インターフェース回路を備え、座席シート10にかかる動作の制御を統括するようになっている。
なお、ROMには、予め定められた適切な着座姿勢のデータ、および、予め定められた不適切と判定する着座姿勢のデータが記憶されている。
また、制御部300は、適切な着座姿勢ではないと判定した場合には、シートクッション11の傾きを可変制御してもよい。また、制御部300は、適切な着座姿勢ではないと判定した場合には、シートバック12の傾き、または、シートバック12の縦断面形状を可変制御してもよい。
また、制御部300は、適切な着座姿勢ではないと判定した場合には、クッション形状変更装置210およびバック形状変更装置220を連動させて、クッション形状変更装置210にシートクッション11の傾きを可変させ、バック形状変更装置220にシートバック12の位置、および、シートバック12の縦断面形状を可変制御してもよい。
図5は、座席シート10における乗員Pの着座姿勢を示す図である。
図5(a)は、座席シート10における乗員Pの理想的な着座姿勢を示す図である。
図5(b)は、座席シート10における乗員Pの着座姿勢が第1のC字形状となっている図である。
図5(c)は、座席シート10における乗員Pの着座姿勢が第2のC字形状となっている図である。
次に、このような座席シート10における制御部300の動作について、説明する。
図6は、座席シート10における制御部300の動作概要を示すフローチャートである。
一方、制御部300は、乗員Pが着座したと判定した場合には(ステップS11でYES)、カウンタT1をリセットする(ステップS12)。このカウンタT1は、タイマにより1秒ごとに発生するタイマ割り込み処理により、インクリメントされる。
そして、制御部300は、カウンタT1が300(秒)以上となっていないと判定した場合には(ステップS13でNO)、カウンタT1が300(秒)以上となるまで、この判定を繰り返す。
例えば、制御部300は、乗員Pの臀部の位置が適切位置であって、乗員Pの重心が適切位置よりも前方にある着座姿勢の態様である場合には、適切な着座姿勢ではないと判定する。また、制御部300は、乗員Pの臀部の位置が適切位置よりも前方であって、乗員Pの重心が適切位置または適切位置よりも前方にある着座姿勢の態様である場合には、適切な着座姿勢ではないと判定する。
一方、制御部300は、乗員Pの着座姿勢の態様が、適切な着座姿勢ではないと判定した場合には(ステップS16でNO)、乗員Pの着座姿勢の態様が、第2のC字形状であるが否かを判定する(ステップS17)。すなわち、制御部300は、上記処理で決定した乗員Pの着座姿勢の態様が、第2のC字形状であるか否かを判定する。
これにより、乗員Pの背中が、シートバック12に強く当たり、負荷がかかっていたものを低減させることができる。
図7は、乗員Pの着座姿勢が第1のC字形状の場合における動作を示す図である。
そして、制御部300は、カウンタT1が1800(秒)以上となっていないと判定した場合には(ステップS19でNO)、カウンタT1が1800(秒)以上となるまで、この判定を繰り返す。一方、制御部300は、カウンタT1が1800(秒)以上となったと判定した場合には(ステップS19でYES)、ステップS20に移行する。
具体的には、制御部300は、シートバック12の形状を変化させる位置とし、乗員Pの背中が当たっているシートバック12との接触部、または、接触部とそのやや下方を、形状変化位置として決定する。
具体的には、制御部300は、バック形状変更装置220に対して、決定している形状変化位置に基づいて、シートバック12の形状を変更させる。例えば、制御部300は、乗員Pの背中が当たっているシートバック12との接触部近辺、または、接触部よりも下方の位置を凹ませる処理を行う。これにより、乗員Pの姿勢が下方にずり下がり、乗員Pが自ら着座姿勢を直す(例えば、腰位置を下げ、上体を上げる)ように、乗員Pの着座姿勢を最適な着座姿勢へと誘導させることができる。乗員Pの着座姿勢が第2のC字形状の場合における動作の詳細について、後述する。
そして、制御部300は、カウンタT2が300(秒)以上となっていないと判定した場合には(ステップS24でNO)、カウンタT2が300(秒)以上となるまで、この判定を繰り返す。
具体的には、制御部300は、シートバック12の形状を変化させる位置とし、上記処理(ステップS23)で変更した位置よりも下方の位置として、決定する。
図8は、乗員Pの着座姿勢が第2のC字形状の場合における動作を示す図である。
このように、第1制御処理の後、所定時間経過後に、第2制御処理を行うことにより、乗員Pの姿勢を正させることができる。したがって、乗員Pの着座姿勢が第2のC字形状であった場合、適切な姿勢に誘導することができる。
Claims (7)
- 乗員の臀部を支持するシートクッションと、
乗員の背中を支持するシートバックと、
を備えた車両の座席シートにおいて、
座席シートに着座している乗員の着座姿勢の態様を解析する着座姿勢解析手段と、
座席シートの幅方向と平行な前記シートバックの横断面形状を可変制御するシートバック制御手段と、
を有し、
前記シートバック制御手段は、
前記着座姿勢解析手段による解析結果に基づいて、前記シートバックの横断面形状を可変させる、
ことを特徴とする座席シート。 - 前記シートバック制御手段は、
前記着座姿勢解析手段により適切な着座姿勢ではないと解析されると、前記シートバックの横断面形状を可変させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の座席シート。 - 前記シートバック制御手段は、
前記シートバックの幅方向の中央部を後方側に後退させ、前記シートバックの横断面形状を特定の凹形状に可変させる、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の座席シート。 - 前記シートバック制御手段は、
前記シートバックの上下方向に対して着座している乗員が接触している接触部にある横断面形状を可変させる、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の座席シート。 - 前記着座姿勢解析手段は、
前記乗員の臀部の位置が適切位置であることが検知され、前記乗員の重心が適切位置よりも前方にあると検知されると、適切な着座姿勢ではないと判定する、
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の座席シート。 - 前記着座姿勢解析手段は、
前記乗員の臀部の位置が適切位置よりも前方であることが検知され、前記乗員の重心が適切位置または適切位置よりも前方にあると検知されると、適切な着座姿勢ではないと判定する、
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の座席シート。 - 前記シートバック制御手段は、
前記着座姿勢解析手段により適切な着座姿勢ではないと解析されると、前記シートバックの上下方向に対して着座している乗員が接触している接触部であって、前記シートバックの幅方向の中央部を後方側に後退させ、前記シートバックの横断面形状を特定の凹形状に可変させる第1制御処理を行い、
前記第1制御処理から所定時間が経過すると、前記特定の凹形状を前記接触部から異なる位置に変更させる第2制御処理を行う、
ことを特徴とする請求項6に記載の座席シート。
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