JP2013163405A - 車両用シート - Google Patents

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Abstract

【課題】着座する乗員の体格差に応じて、着座する際の安楽な姿勢による着座感を得ることができる車両用シートを提供する。
【解決手段】本発明による車両用シート1は、シートクッション2とシートバック3とを有し、前記シートバック3は中折れ部を境に側面視くの字状に中折れ変形する。着座した乗員Dの尻部から肩部までの肩高さHに基づいて前記中折れ部の高さ位置を算出して中折れ部を境に前記シートバック3を中折れ変形させると共に、前記肩高さHに基づいてアームレスト35の上面の高さ位置を調整するように構成した。
【選択図】図7

Description

本発明は、車両用シートに関する。
従来から、シートバックを上下に2分割して上部シート体と下部シート体とし、上部シート体を下部シート体に対して中折れ変形させる車両用シートが公知である(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1においては、上部シート体に上部フレームを設け、下部シート体に下部フレームを設け、これらの上部フレームおよび下部フレームを中折れ軸支部を介して回動可能に軸支している。また、シートバックの中折れ角度に応じてアームレストの高さを可変させるリンク機構を備えている。これにより、上部シート体を下部シート体に対して中折れ変形させた場合に、前記リンク機構によってアームレストの高さを調整する。
実開平4−107653号公報
しかしながら、前記特許文献1に記載された車両用シートにおいては、着座する乗員の体格差によって、シートバックの中折れ部の位置が変化したり、アームレストの高さが変化する構造にはなっていない。このため、乗員が着座する際の安楽な着座感を得ることができないという問題があった。
そこで、本発明は、着座する乗員の体格差に応じて、着座する際の安楽な姿勢による着座感を得ることができる車両用シートを提供することを目的とする。
本発明に係る車両用シートは、乗員の尻部が着座するシートクッションと、乗員の背中を支持するシートバックとを有し、前記シートバックは中折れ部を境に中折れ変形する車両用シートである。着座した乗員の尻部から肩部までの肩高さを検出し、この肩高さに基づいて前記中折れ部の高さ位置を算出し、この中折れ部を境に前記シートバックを中折れ変形させる。また、前記肩高さに基づいてアームレストの上面の高さ位置を調整するように構成している。
本発明では、着座した乗員の尻部から肩部までの肩高さに基づいて中折れ部の高さ位置を算出し、この中折れ部を境に前記シートバックを中折れ変形させると共にアームレストの上面の高さ位置を調整する。
従って、乗員の体格差に応じて、中折れ部の高さ位置およびアームレストの上面の高さ位置を調整するため、着座する際の安楽な姿勢による着座感を得ることができる。
本発明の実施形態による車両用シートを示す斜視図である。 図1のA−A線による断面図であり、図1の車両用シートに乗員が着座した状態を示している。 本発明の実施形態による車両用シートを示す斜視図であり、シートバックに分割エアバッグを収容している。 図3のB−B線による断面図である。 本発明の実施形態によるドアの斜視図である。 図5のC−C線による断面図である。 アームレストの上面の高さ位置が変化する状態を示す概略的な側面図であり、(a)は小体格の乗員の場合におけるアームレストの高さ状態を示し、(b)は中体格の乗員の場合におけるアームレストの高さ状態を示し、(c)は大体格の乗員の場合におけるアームレストの高さ状態を示している。 シートバックにおける中折れ部の高さ位置とアームレストの上面の高さ位置との関係を示すグラフである。 車両用シートの機能と着座時の乗員の行為との関係を示す図である。 シートバックの中折れ変形とアームレストの上面の高さ調整の手順を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態を図面と共に詳述する。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。本実施形態は、自動車等車両の後席に適用した例であるが、前席に適用することも可能である。なお、図面の説明において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
本実施形態にかかる後席用の車両用シート1は、図1に示すように、シートクッション2と、シートバック3と、ヘッドレスト4とを備えている。シートバック3は、シートクッション2の後端部に、リクライニング装置5を介して前後方向に傾動可能に連結されている。シートバック3の上端部には、ヘッドレスト4が設けられている。
シートクッションの上面は、乗員Dが着座する着座面2aであり、シートバック3の前面は、乗員Dの背中を支持する背もたれ面3aである。
図2に示すように、シートクッション2は、前方部2fと後方部2gとからなる。前方部2fは、シートクッション2の前端部を含む部位であって、シートクッション2の側面視において、シートクッション2の前端から乗員Dの大腿長(大転子から膝関節までの長さ)の約1/6〜1/3程度の範囲である。一方、後方部2gとは、シートクッション2のうち、前方部2fの後方に隣接して位置する部位(前方部2f以外の部位)である。さらに、図2に示すように、シートクッション2は、パッド材6と、該パッド材6の表面を覆う表皮材7と、パッド材6の下側を支持する支持体8とからなる。
また、シートクッション2の前方部2fは、低剛性領域PScに設定されており、シートクッション2の後方部2gは、低剛性領域PScよりも剛性の高い高剛性領域PHcに設定されている。このようにしてシートクッション2には、前後方向に低剛性領域PScと高剛性領域PHcとからなる剛性分布が付与されている。
低剛性領域PSc及び高剛性領域PHcの剛性は、シートクッション2のパッド材6のばね定数の設定により適宜に調整される。例えば、高剛性領域PHcは、乗員Dの重心位置となる尻部を重点として、大腿部の付け根側をしっかりと弾性的に支持することが可能な、通常、車両用シートクッションに求められる標準的なばね定数とすることが望ましい。一方、低剛性領域PScは、乗員Dの大腿前部を、パッド材6の沈み込みによる違和感を与えない程度に柔軟に支持可能な適宜のばね定数に設定される。
各領域PSc,PHcの剛性等機械的性状や、それらの位置、大きさ、範囲等は、前述の通り、乗員Dの身体の各部位の寸法や重量等を基準に設定される。この基準となる乗員Dの身体の各部位の寸法や重量等としては、例えば、車両用シート1が生産、販売、使用等される国の成人男子の50パーセンタイル値を採用することができる。
また、図2に示すように、乗員Dの主な骨格は、胸郭Da、肩甲骨Db、腰部Dc、および骨盤Ddであり、骨盤Ddの下端部に坐骨Deが配置される。
そして、シートクッション2の内部における後方部2gには、上端の着座面2a近傍に坐骨検出センサー11が埋設されている。この坐骨検出センサー11は、乗員Dの尻部の坐骨Deからの荷重を受けて乗員Dの尻部の高さ位置を検出する。また、シートバック3は、内部のパッド材9と、該パッド材9の表面を覆う表皮材10と、パッド材9に埋設されたフレーム14とから構成される。シートバック3の内部における上部には、前端の背もたれ面3a近傍に肩検出センサー12が埋設されている。この肩検出センサー12は、乗員Dの肩部の肩甲骨Dbの上端部分からの荷重を受けて乗員Dの肩部の高さ位置を検出する。これらの坐骨検出センサー11と肩検出センサー12によって、肩高さ検出手段13が構成される。そして、坐骨検出センサー11で検出した乗員Dの尻部の高さ位置と肩検出センサー12で検出した乗員Dの肩部の高さ位置との差を肩高さHとして算出する。
また、坐骨検出センサー11と肩検出センサー12には、図4にて説明するコントローラ21(中折れ部検出手段)が接続されている。このコントローラ21では、肩高さ検出手段13で算出した肩高さHに所定の係数α(例えば、0.7)を掛けてシートバック3の中折れ部の高さ位置hを算出する。例えば、前記係数αが0.7の場合、中折れ部の高さ位置hは0.7Hとなる。このように、中折れ部検出手段は、前記肩高さ検出手段13で検出した肩高さHに基づいて、前記中折れ部の高さ位置hを算出する。
図3に示すように、本実施形態によるシートバック3における車幅方向中央部には、上下方向の中央に複数(本実施形態では5個)の分割エアバッグ22(中折れ変形手段)が上下に配列されている。具体的には、シートバック3は幅方向中央部3bと該幅方向中央部3bの左右両側に配置された一対の幅方向側部3cとからなり、これらのうち幅方向中央部3bに分割エアバッグ22が配置されている。前記分割エアバッグ22は、通常時は膨張した状態で配設されている。それぞれの分割エアバッグ22は、車幅方向に沿って延在して横長に形成されており、図4に示すように、配管23を介してアクチュエータ24に接続されている。また、アクチュエータ24は配線25を介して前述したコントローラ21に接続されている。前記コントローラ21からの信号がアクチュエータ24に伝達されると、前記5つの分割エアバッグ22のうち中折れ部に相当する所定の分割エアバッグの空気が配管23を通してアクチュエータ24に送られることにより、前記所定の分割エアバッグが縮小してシートバック3の中折れ部になる。例えば、分割エアバッグ22を、上側から第1分割エアバッグ22A、第2分割エアバッグ22B、第3分割エアバッグ22C、第4分割エアバッグ22D、第5分割エアバッグ22Eとすると、上側から2番目の第2分割エアバッグ22Bが中折れ部になる場合は、コントローラ21から信号がアクチュエータ24に送られ、第2分割エアバッグ22Bの空気が配管23を通してアクチュエータ24に送られて縮小する。これによって、シートバック3が第2分割エアバッグ22Bを中折れ部として中折れ変形させることができる。
一方、図5に示すように、本実施形態によるドアは、リヤドア31であり、下側のドア本体部32と、該ドア本体部32の上側に取り付けられたドアサッシュ33とから構成される。ドア本体部32の車室内側には、ドアトリム34が配設されており、後側の上下方向中央部に前後方向に延在するアームレスト35が配設されている。また、アームレスト35の前側の上部には、インサイドドアハンドル36が配置されている。
図6に示すように、アームレスト35の断面は、ドアトリム34から車室内側に向けて突出部37が突設されており、該突出部37の上側にアームレスト用エアバッグ38(アームレスト高さ調整手段)が配設され、該アームレスト用エアバッグ38は断面L字状の支持部材39で支持されている。なお、支持部材39の上部にはパッド40が配置されている。そして、アームレスト用エアバッグ38は配管41を介してアクチュエータ42が接続され、アクチュエータ42は配線43を介してコントローラ44が接続されている。前記コントローラ44から信号がアクチュエータ42に送られると、アクチュエータ42から配管41を通してアームレスト用エアバッグ38に空気が送られ、アームレスト用エアバッグ38が膨張することによってパッド40の上面40a(アームレスト上面)が上昇する。なお、アームレスト用エアバッグ38から配管41を通して空気が抜かれると、パッド40の上面40aが下降する。
次いで、本実施形態による中折れ変形手段とアームレスト高さ調整手段の動作手順を説明する。
図7(a)に示すように、体格が小さい小体格の乗員Dの場合は、図2で説明した坐骨検出センサー11と肩検出センサー12によって検出した乗員の肩高さHから中折れ部を算出し、該中折れ部に相当する部位の分割エアバッグ22を縮小させることによってシートバック3を側面視でく字状に中折れ変形させる。具体的には、5つの分割エアバッグ22のうち上側から4番目の第4分割エアバッグ22Dを縮小させる。また、これと同時に、乗員Dの肩高さHに基づいてアームレスト用エアバッグ38を膨張させることにより、図8にも示す適切なアームレスト35のパッド40の上面高さ(アームレスト35の上面高さ)を調整する。
図7(b)に示すように、体格が中程度の中体格の乗員Dの場合は、図2で説明した坐骨検出センサー11と肩検出センサー12によって検出した乗員Dの肩高さHから中折れ部を算出し、該中折れ部に相当する部位の分割エアバッグ22を縮小させることによってシートバック3を中折れ変形させる。具体的には、5つの分割エアバッグ22のうち上側から3番目の第3分割エアバッグ22Cを縮小させる。また、これと同時に、乗員Dの肩高さHに基づいてアームレスト用エアバッグ38を膨張させることにより、図8にも示す適切なアームレスト35のパッド40の上面高さ(アームレスト35の上面高さ)を調整する。このパッド40の上面高さは、図7(a)の場合よりもやや高くなる。
そして、図7(c)に示すように、体格が大きい大体格の乗員Dの場合は、図2で説明した坐骨検出センサー11と肩検出センサー12によって検出した乗員Dの肩高さHから中折れ部を算出し、該中折れ部に相当する部位の分割エアバッグ22を縮小させることによってシートバック3を中折れ変形させる。具体的には、5つの分割エアバッグ22のうち上側から2番目の第2分割エアバッグ22Bを縮小させる。また、これと同時に、乗員Dの肩高さHに基づいてアームレスト用エアバッグ38を膨張させることにより、図8にも示す適切なアームレスト35のパッド40の上面高さ(アームレスト35の上面高さ)を調整する。ここで、図8から明らかなように、パッド40の上面高さの上限値は、インサイドドアハンドル36よりも所定距離だけ下側の位置に規制される。従って、中体格の乗員Dと大体格の乗員Dのパッド40の上面高さは同一となる。
図9は、乗員Dが車両用シート1に着座する際の一連の行為と、車両用シート1の機能との関係を示す図である。
乗員Dが車両用シート1に着座する際の一連の行為を、図9の上段に沿って順を追って説明する。
まず、乗員Dは、車両の後席に乗り込んだ後、乗員Dは着座する。すなわち、乗員Dは、その尻部をシートクッション2の着座面2a上に載せる。このとき乗員Dは、左右の脚の配置を、後席に乗り込んだときの状態に維持したまま、尻部を着座面2aの上に載せる。(後席に乗り込んだときの脚の配置としては、例えば、左右いずれか一方の脚を後席の足元空間内に、他方の脚を車外に位置させた状態、或いは、つま先を車幅方向内側に向けたまま両足を足元空間に収めた状態などが挙げられる。)そのため、通常、乗員Dの身体は、車両用シート1の前後方向に対して斜めの方向に向いている。
次に、乗員Dは、シートクッション2の着座面2a上に載せた尻部を着座面2a上の所定の位置に移動させつつ、尻部を中心に体を回転させて方向転換を行い、身体の向きを車両用シート1の前後方向に一致させる。
その後、乗員Dは、上体を後傾させて、シートバック3にもたれ掛かる。ここで、乗員Dの背中と背もたれ面3aとが接触する。
次に、乗員Dは、シートバック3の背もたれ面3aに背中を押し付けて、背骨をシートバック3に支持させる。このとき乗員Dは、背中を背もたれ面3aに押し付けつつ、尻部を着座面2a上で移動させることもある。
最後に、乗員Dは、例えば、シートバック3の背もたれ面3aに背中を押し付けつつ床面に脚を突っ張るなどして尻部の荷重を軽減させ、ヒップポイント(以下、HPともいう)の位置を最終調整する。なお、ヒップポイントとは、乗員Dの股関節に相当する点である。
前記着座時の一連の行為において、乗員Dが後席に乗り込んだ時点から着座して方向転換を行うまでの過程では、車両用シート1のうち主にシートクッション2が、乗員Dの身体に接触して、乗員Dの身体に反力(接触力)を作用させる。具体的には、乗員Dが着座する際、シートクッション2の後方部2g(高剛性領域PHc)が乗員Dの尻部を受け止め、さらに乗員Dが方向転換を行う間も、後方部2gが尻部のシートクッション2上の移動及び回転を支持する。
その後、背もたれ接触からヒップポイント最終調整に至るまでの過程では、シートバック3が背もたれ面3aを介して乗員Dの背中に反力を作用させる一方、シートクッション2が着座面2aを介して乗員Dの大腿部、膝、下腿部など尻部より下側の身体に反力を作用させる。
前記乗員Dの着座時の一連の行為に対し、本実施形態にかかる車両用シート1は、乗員Dの身体に反力を作用させつつ、以下に述べる機能を発揮する。
<HPガイド機能>
着座時、乗員Dは、膝関節を股関節よりも前方に位置させつつ、これらの関節を屈曲させて着座する。着座した乗員Dの膝より下の部位は後席の床によって支持されるため、シートクッション2に負荷される荷重は尻部直下の領域に集中し、シートクッション2は、尻部直下の領域がその周囲の領域よりも大きく沈み込むように変形する。このときの沈み込み変形により、尻部直下の領域よりも前方側の着座面2aには、前側ほど高くなるように傾斜(後方傾斜)した傾斜面が形成されるため、方向転換を行った乗員Dは、自然に膝を立てた姿勢(以下、膝立て姿勢)になる。
膝立て姿勢となった乗員Dの重心は更に後方寄りになるため、尻部直下の領域に更に荷重が集中する傾向になる。本実施形態にかかる車両用シート1においては、シートクッション2の後方部2gに高剛性領域PHcが設けられており、この高剛性領域PHcには、相対的に高い剛性が付与されているため、乗員Dの尻部直下の領域におけるクッションパッドの沈み込み量は適度に抑制される。そのため、尻部の後方移動に対する抵抗が軽減され、乗員Dの着座面2a上の後方移動が容易になる。また、乗員Dが方向転換を行う際も、高剛性領域PHcが、クッションパッドの過度の沈み込みを抑えるため、乗員Dの方向転換に対する抵抗も軽減される。更に、本実施形態にかかる車両用シート1では、シートクッション2の前方部2fに低剛性領域PScが設けられており、この前方部2fが、乗員Dの膝や下腿部が接触したときに比較的小さな荷重で変形するため、乗員Dの着座面2a上の移動又は方向転換に対する抵抗(後方移動又は方向転換する際の前方部のひっかかりなど)は更に軽減される。
このように本実施形態にかかる車両用シート1では、シートクッション2の前方部2fを低剛性領域PScとし、後方部2gを高剛性領域PHcとしているため、後席に乗り込んでから方向転換を完了するまでの間に乗員Dが行う一連の動作(特に、乗員Dのシートクッション2上の後方移動及び方向転換)に対する抵抗を抑制して、乗員Dのヒップポイントを容易に最適位置に導くことができる。
<空間拡大機能>
乗員Dが着座面2a上で方向転換を行い、ヒップポイントを着座面2a上のより後方側へ移動させると、次に、乗員Dは、シートバック3にもたれ掛かって背骨をシートバック3に支持させ、最後に、ヒップポイントの位置を最終調整する。この過程の中では、乗員Dの大腿前部、膝裏、下腿裏部等が、比較的高い圧力でシートクッション2の前方部2fに押し付けられることがある。特に、乗員Dが小体格者であれば、大腿部の長さが比較的短いために、その圧力がより高くなる傾向にある。本実施形態にかかる車両用シート1では、シートクッション2の前方部2fに低剛性領域PScが設けられており、この低剛性領域PScが比較的小さな荷重で変形することができるので、乗員Dは、着座面2a上のより後方側に尻部を位置させることができ、車両用シート1の実質的な足元空間が拡大する。
また、ヒップポイントの位置を最終調整する段階においては、乗員Dは、シートバック3の背もたれ面3aに背中を押し付けつつ床面に脚を突っ張るなどして尻部の荷重を軽減させて、ヒップポイントの位置をずらすことがある。本実施形態にかかる車両用シート1では、シートクッション2の前方部2fに低剛性領域PScが設けられており、この低剛性領域PScが比較的小さな荷重で変形するため、乗員Dは、脚を突っ張るときも容易に脚を伸ばすことができる。
さらに、乗員Dが大体格者である場合は、シートクッション2が小体格者の場合と比較して大きく沈み込むため、尻部前方の着座面2aの傾斜角も増大する。本実施形態にかかる車両用シート1では、シートクッション2の後方部2gに高剛性領域PHcが設けられており、乗員Dの後方移動に対する抵抗が抑制されているため、乗員Dの尻部はより大きく傾斜した着座面2aに沿って速やかに後方側へ誘導され、乗員Dは速やかに膝立て姿勢に誘導される。これにより、乗員Dの膝より前方のニールームが着座後早期に確保され、実質的にニールームが拡大したのと同等の効果を得ることができる。
<HPずれ防止機能>
乗員Dがヒップポイントの位置を最終的に調整した後も、乗員D自身の動きや、走行に伴って発生する車両の振動などによって、乗員Dから着座面2aに付与される荷重(圧力)が変動することがある。本実施形態にかかる車両用シート1では、シートクッション2の後方部2gに高剛性領域PHcが設けられており、乗員Dの尻部下のクッションパッドの剛性が相対的に高くなっているため、着座面2aに付与される荷重が変動しても、クッションパッドの沈み込み量の変動が抑制される。これにより、ヒップポイントHPの位置ずれが、より確実に防止される。
また、車両用シート1に着座している間、乗員Dは膝立て姿勢にあり、その重心は後方寄りになっている。そのため、乗員Dの尻部は、より後方側へスライドしやすい傾向にある。また、本実施形態にかかる車両用シート1では、シートクッション2の後方部2gに高剛性領域PHcが設けられており、乗員Dの着座面2a上の後方移動に対する抵抗が軽減されているため、乗員Dの尻部は更に後方側へスライドしやすくなっている。一方、車両用シート1は、シートバック3を備えており、このシートバック3で、より後方側へ移動しようとする尻部を後方から受け止める。そのため、乗員Dの尻部は、後方側へスライドしようとする力と、シートバック3による前方向きの押圧力とがバランスする位置で安定的に保持される。これにより、ヒップポイントの位置ずれがより確実に防止される。
以上説明した通り、本実施形態の車両用シート1は、シートクッション2と、シートバック3と、を備え、シートクッション2の前方部2fに、高剛性領域PHcである後方部2gよりも柔軟な低剛性領域PScを設けて、シートクッション2に前後方向の剛性分布を付与している。従って、乗員Dが車両用シート1に着座する際の一連の行為において、前記3つの機能、すなわち、HPガイド機能、空間拡大機能、及びHPずれ防止機能を同時に達成することができる。
また、本実施形態の車両用シート1によれば、シートクッション2の前方部2fに、高剛性領域PHcである後方部2gよりも柔軟な低剛性領域PScを設けているため、乗員Dの重心位置となる尻部を重点として、大腿部の付け根側をしっかりと支持し、かつ、大腿前部を低剛性領域PScで柔軟に支持して良好な着座感触が得られる。特に、乗員Dの下腿裏及び膝裏に対する圧迫感が低減されるため、乗員が安楽な着座感を得ることができる。
次いで、本実施形態によるシートバックの中折れ変形とアームレストの上面高さ調整の手順を説明する。
図10に示すように、乗員Dがシート1に着座すると(S1)、坐骨検出センサー11で坐骨Deの高さ位置を検出すると共に、肩検出センサー12で肩の高さ位置を検出する(S2)。これらの坐骨Deと肩の高さ位置の差によって肩高さHを算出し(S3)、この肩高さHに基づいて、シートバック3の中折れ部の高さ位置を算出する(S4)。具体的には、前述したように、肩高さHに所定の係数αを掛けてシートバック3の中折れ部の高さ位置hを算出する。そして、肩高さHに基づいてアームレスト35の上面の高さを調整すると共に、シートバック3を中折れ変形させる(S5)。具体的には、前述したように、5つの分割エアバッグ22のうち所定の分割エアバッグを縮小させる。また、これと同時に、乗員Dの肩高さに基づいてアームレスト用エアバッグ38を膨張させることにより、適切なアームレスト35のパッド40の上面高さ(アームレスト35の上面高さ)を調整する。
以下に、本発明の実施形態による作用効果を説明する。
(1)本実施形態による車両用シート1は、シートクッション2とシートバック3とを有し、前記シートバック3は中折れ部を境に側面視く字状に中折れ変形する。
着座した乗員Dの尻部から肩部までの肩高さHに基づいて前記中折れ部の高さ位置を算出して中折れ部を境に前記シートバック3を中折れ変形させると共に、前記肩高さHに基づいてアームレスト35の上面の高さ位置を調整するように構成した。
従って、乗員Dの体格差に応じて、中折れ部の高さhおよびアームレスト35の上面の高さを調整するため、着座する際の乗員Dの安楽な姿勢による着座感を得ることができる。
(2)前記乗員Dの尻部から肩部までの肩高さHを検出する肩高さ検出手段13と、前記肩高さ検出手段13で検出した肩高さHに基づいて、前記中折れ部の高さ位置を算出する中折れ部検出手段(コントローラ21)と、該中折れ部検出手段で算出した高さ位置hの中折れ部を境にしてシートバック3を中折れ変形させる中折れ変形手段(分割エアバッグ22)と、前記肩高さHに基づいて、前記アームレスト35の上面の高さ位置を調整するアームレスト高さ調整手段と、を備えている。
これにより、中折れ部の高さhを正確に検出してシートバック3を中折れ変形させるとともに、アームレスト35の上面の高さ位置を的確に調整することができる。
(3)前記肩高さ検出手段は、前記シートクッション2に設けた坐骨検出センサー11と、前記シートバック3に設けた肩検出センサー12とからなり、前記坐骨検出センサー11に乗員Dの尻部の坐骨部分Deから荷重が入力されることによって乗員Dの尻部の高さ位置を検出し、前記肩検出センサー12に乗員Dの肩部の肩甲骨部分Dbから荷重が入力されることによって乗員Dの肩部の高さ位置を検出し、これらの尻部と肩部の高さ位置の差から肩高さHを検出するようにした。
このように、坐骨検出センサー11と肩検出センサー12によって、より正確な肩高さHを検出することができ、中折れ部の高さとアームレスト35の上面の高さを更に的確に調整することができる。
(4)前記中折れ変形手段は、前記シートバック3の内部に膨張した状態で上下方向に連続して配列された複数の分割エアバッグ22であり、前記中折れ部の高さ位置に対応する所定の分割エアバッグ22を縮小させることにより、前記シートバック3を中折れ変形させるように構成した。
このように、分割エアバッグ22を縮小させるという簡単な構成で、シートバック3を効率的に中折れ変形させることができる。
(5)前記アームレスト高さ調整手段は、前記アームレスト35の内部に設けたアームレスト用エアバッグ38であり、該アームレスト用エアバッグ38を膨張または縮小させることにより、前記アームレスト35の上面の高さ位置を調整するようにした。
このように、アームレスト用エアバッグ38を膨張または縮小させるという簡単な構成で、アームレスト35の上面の高さ位置を効率的に調整することができる。
(6)ドア(リヤドア31)の車室内側に前記アームレスト35とインサイドドアハンドル36を設け、前記アームレスト35が前記インサイドドアハンドル36よりも下側になるように配置し、前記アームレスト35の上面高さの上限値を、前記インサイドドアハンドル36よりも所定距離だけ下側の位置に規制するようにした。
アームレスト35の上には乗員Dの腕が載置される。従って、アームレスト35の上面高さおよび腕の位置が過度に高くならないため、インサイドドアハンドル36の操作に支障をきたすことを抑制することができる。
D…乗員
Db…肩甲骨
De…坐骨
H…肩高さ
h…中折れ部の高さ位置
1…車両用シート
2…シートクッション
3…シートバック
11…坐骨検出センサー(肩高さ検出手段)
12…肩検出センサー(肩高さ検出手段)
13…肩高さ検出手段
21…コントローラ(中折れ部検出手段)
22…分割エアバッグ(中折れ変形手段)
22A…第1分割エアバッグ(中折れ変形手段)
22B…第2分割エアバッグ(中折れ変形手段)
22C…第3分割エアバッグ(中折れ変形手段)
22D…第4分割エアバッグ(中折れ変形手段)
22E…第5分割エアバッグ(中折れ変形手段)
31…リヤドア(ドア)
35…アームレスト
36…インサイドドアハンドル
38…アームレスト用エアバッグ(アームレスト高さ調整手段)

Claims (6)

  1. シートクッションとシートバックとを有し、前記シートバックは中折れ部を境に中折れ変形する車両用シートであって、
    着座した乗員の尻部から肩部までの肩高さに基づいて前記中折れ部の高さ位置を算出して中折れ部を境に前記シートバックを中折れ変形させると共に、前記肩高さに基づいてアームレストの上面の高さ位置を調整するように構成したことを特徴とする車両用シート。
  2. 前記乗員の尻部から肩部までの肩高さを検出する肩高さ検出手段と、
    前記肩高さ検出手段で検出した肩高さに基づいて、前記中折れ部の高さ位置を算出する中折れ部検出手段と、
    該中折れ部検出手段で算出した高さ位置の中折れ部を境にしてシートバックを中折れ変形させる中折れ変形手段と、
    前記肩高さに基づいて、前記アームレストの上面の高さ位置を調整するアームレスト高さ調整手段と、を備えたことを特徴とする請求項1に記載の車両用シート。
  3. 前記肩高さ検出手段は、前記シートクッションに設けた坐骨検出センサーと、前記シートバックに設けた肩検出センサーとからなり、
    前記坐骨検出センサーに乗員の尻部の坐骨部分から荷重が入力されることによって乗員の尻部の高さ位置を検出し、
    前記肩検出センサーに乗員の肩部の肩甲骨部分から荷重が入力されることによって乗員の肩部の高さ位置を検出し、
    これらの尻部と肩部の高さ位置の差から肩高さを検出するようにしたことを特徴とする請求項1または2に記載の車両用シート。
  4. 前記中折れ変形手段は、前記シートバックの内部に膨張した状態で上下方向に連続して配列された複数の分割エアバッグであり、前記中折れ部の高さ位置に対応する所定の分割エアバッグを縮小させることにより、前記シートバックを中折れ変形させるように構成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用シート。
  5. 前記アームレスト高さ調整手段は、前記アームレストの内部に設けたアームレスト用エアバッグであり、該アームレスト用エアバッグを膨張または縮小させることにより、前記アームレストの上面の高さ位置を調整するようにしたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両用シート。
  6. ドアの車室内側に前記アームレストとインサイドドアハンドルを設け、前記アームレストが前記インサイドドアハンドルよりも下側になるように配置し、前記アームレストの上面高さの上限値を、前記インサイドドアハンドルよりも所定距離だけ下側の位置に規制するようにしたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両用シート。
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