JP2013163403A - 車両用シート - Google Patents

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Abstract

【課題】車両乗り込み時の着座者の臀部を適正着座位置へと案内移動させ、適正着座位置では座骨をガイドして着座者の適切な位置決めができる車両用シートを提供する。
【解決手段】車両用シート1において、着座者Dが車両に乗り込む着座動作時に臀部を、座面9の適正着座位置へと車両外側から車両内側後方へと斜めに移動案内する臀部案内移動手段を備えている。臀部案内移動手段は、座面9のうち他の部位よりも柔らかくて変形が容易で且つ着座者Dの座骨をガイドして臀部を車両外側から車両内側後方へと斜めに移動案内させる斜め易変形部10からなる。
【選択図】図3

Description

本発明は、座面の適正着座位置へ着座者を案内し得る車両用シートに関する。
特許文献1には、シートクッションの座面に着座者の臀部の突出部分を案内する凹部を形成し、その凹部とそれより前方側に形成された座面の平坦部との間に、着座者の臀部が平坦部側へずれるのを阻止する段差を形成した車両用シートが提案されている。
特許文献1に記載の車両用シートによれば、着座者の臀部の移動を座面に形成した凹部で阻止することができ、これにより着座者のシートに対するホールド性を確保することができる。
特開平11−253267号公報
しかしながら、特許文献1に記載の車両用シートでは、特に車両後席のように自由な姿勢を取ることができるようなシートでは着座者の移動規制がないため、単にシート座面に窪みがあるだけでは、ヒップポイントを適切な着座位置まで誘導することができない。
そこで本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、車両乗り込み時の着座者の臀部を適正着座位置へと案内移動させることのできる車両用シートを提供することを目的とする。
本発明の車両用シートでは、着座者が車両に乗り込む着座動作時に、臀部を座面の適正着座位置へと車両外側から車両内側後方へと斜めに移動案内する臀部案内移動手段を備えている。
本発明に係る車両用シートによれば、シートクッションの座面に臀部案内移動手段を有しているので、着座者が車両に乗り込む着座動作時において、臀部がこの臀部案内移動手段によって車両外側から車両内側後方へと自ずと移動案内される。これにより、着座者は、座面の適正着座位置に位置決めされることになり、車両への着座動作をスムーズ且つ的確に行うことができる。
図1は、第1実施形態にかかる後席用の車両用シートを示す斜視図である。 図2は、図1のA−A線断面図である。 図3は、シートクッションに形成された斜め易変形部及び臀部位置決め易変形部を破線で表したシートクッションの拡大斜視図である。 図4は、図3のB−B線断面図である。 図5は、車両用シートの機能と着座時の着座者の行為との関係を示す図である。 図6は、着座者が車両用シートに乗り込む動作を説明するための図である。 図7は、第2実施形態の車両用シートであり、斜め易変形部と臀部位置決め易変形部を連続させた例を示す図である。 図8は、第2実施形態の車両用シートであり、斜め易変形部の前後端をそれぞれ臀部位置決め易変形部に連続させた例を示す図である。 図9は、第2実施形態の車両用シートであり、臀部着座部に斜め易変形部のみを形成した例を示す図である。 図10は、第2実施形態の車両用シートであり、臀部着座部に斜め易変形部のみを形成し、その斜め易変形部を非連続な櫛歯形状とした例を示す図である。 図11は、第2実施形態の車両用シートであり、斜め易変形部の溝断面形状の変形例を示す図である。 図12は、第2実施形態の車両用シートであり、斜め易変形部の溝部、中空部、スリット部とした部位に他の座面よりも硬さの柔らかいクッション材を充填した例を示す図である。 図13は、第3実施形態の車両用シートであり、臀部案内移動手段としてシートクッション後端部に傾斜部を形成したシートクッションの拡大斜視図である。 図14は、第3実施形態の車両用シートであり、シートクッション後端部に形成した傾斜部の角度とシートバックの角度との関係を説明するための一部破断して示すシートの側面図である。 図15は、第3実施形態の車両用シートであり、後端傾斜部と後端延在部の連結部を曲線で結ぶようにした例を示すシートクッションの拡大斜視図である。
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
各実施形態は、いずれも本発明を自動車等車両の後席に適用した例である。もちろん、本発明は後席に限らず前席に適用してもよい。なお、図面の説明においては、同一の構成部材には同一の符号を付し、その説明は省略するものとする。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合があるものとする。
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態に係る後席用の車両用シート1は、図1に示すように、座面を形成するシートクッション2と、背もたれを形成するシートバック3とを備えている。シートバック3は、シートクッション2の後端部に、リクライニング装置4を介して車両前後方向Yに傾動可能に連結されている。シートバック3の上端部には、ヘッドレスト5が設けられている。図1中、矢印Yが車両前後後方、これに直交する矢印Xが車幅方向である。
シートクッション2は、図1及び図2に示すように、表皮部6とクッション部7とシートフレーム8とから構成されている。シートクッション2の座面9は、車両前後方向Yの車両前方側である前面部9aと、その後方の臀部着座部9bと、臀部着座部9bの車幅方向Xの両サイドサポート部9cとからなる。座面9は、車両前方から車両後方にその高さを低くするように車両下方向へ後傾している。
また、シートクッション2は、図2に示すように、大きくその領域を分けると、着座者の大腿部を支持するクッション前部2fとそれ以外の臀部を支持するクッション後部2gとを備えている。クッション前部2fとは、シートクッション2の前端部を含む部位であって、シートクッション2の側面視において、シートクッション2の前端から着座者の大腿長(大転子から膝関節までの長さ)の約1/6〜1/3程度の範囲である。一方、クッション後部2gとは、シートクッション2のうち、クッション後部2fの後方に隣接して位置する部位(クッション前部2f以外の部位)である。
シートクッション2のクッション前部2fは、低剛性領域に設定されており、シートクッション2のクッション後部2gは、低剛性領域よりも剛性の高い高剛性領域に設定されている。つまり、シートクッション2には、車両前後方向Yに低剛性領域と高剛性領域とからなる剛性分布が付与されている。
低剛性領域及び高剛性領域の剛性は、ウレタン等からなるクッション部7のばね定数の設定により適宜に調整される。例えば、クッション後部2gの高剛性領域は、着座者の重心位置となる臀部を重点として大腿部の付け根側をしっかりと弾性的に支持することが可能な、通常、車両用シートクッションに求められる標準的なばね定数とすることが望ましい。一方、クッション前部2fの低剛性領域は、着座者の大腿前部を、クッション部7の沈み込みによる違和感を与えない程度に柔軟に支持可能な適宜のばね定数に設定される。クッション前部2fの低剛性領域は、使用するウレタンが柔らかく密度が低いものが使用され、クッション後部2gの高剛性領域は、それに比べてウレタンが硬く密度く密度が高いものが使用される。
また、シートクッション2は、車両前後方向Yに剛性分布を有しているのみならず車幅方向Xにも剛性分布を有している。中央の臀部着座部9bの剛性を硬いとすると、車両外側Moutのサポート部9cの剛性がこれよりも少し柔らかく、車両内側Minのサポート部9cが臀部着座部9bと同程度の硬さとなっている。臀部着座部9bは、表面に凹凸が無い平らな面となっている。
クッション前部2f及びクッション後部2gの剛性等機械的性状や、それらの位置、大きさ、範囲等は、上述の通り、着座者の身体の各部位の寸法や重量等を基準に設定される。この基準となる着座者の身体の各部位の寸法や重量等としては、例えば、車両用シート1が生産、販売、使用等される国の成人男子の50パーセンタイル値を採用することができる。
そして特にこの実施形態では、着座者が車両に乗り込む着座動作時に臀部を、座面9の適正着座位置へと車両外側から車両内側へと斜めに移動案内する臀部案内移動手段を備えている。適正着座位置は、臀部が臀部着座部9bに着座して背中が背もたれ面3aに接して寄りかかったときに身体が安定する姿勢となる位置である。臀部案内移動手段は、座面9のうち他の部位よりも最も柔らかくて変形が容易で且つ着座者の座骨をガイドして臀部を車両外側Moutから車両内側後方へと斜めに移動案内させる斜め易変形部10からなる。斜め易変形部10の一例を、図3及び図4に示す。
斜め易変形部10は、クッション部7に溝部を形成することで構成されている。図3及び図4では、フロアパネル11に近い側のクッション部下面7aに開口するようにクッション部7の一部を空洞化してトンネルのように形成することで、他の座面部位よりも柔らかい斜め易変形部10を形成している。この斜め易変形部10は、座面9のうち臀部着座部9bに形成されており、車両外側Moutから車両内側Minに向け且つ車両後方に傾斜するように斜めに形成されている。
斜め易変形部10は、平面視で長方形状に形成されており、その幅Wを座面9に着座した際に臀部の最も出っ張った部位を受け入れる程度の幅としている。この斜め易変形部10は、例えばクッション部7を金型で成形する際に入れ子を金型に配置することで簡単に形成することができる。
また、この斜め易変形部10の車両後端に連続するように臀部位置決め易変形部12が形成されている。臀部位置決め易変形部12は、座面9の適正着座位置に着座した着座者の各座骨位置にそれぞれ形成されている。かかる臀部位置決め易変形部12は、車両前後方向Yに延びるように矩形状をなし、斜め易変形部10と同じくクッション部下面7aに開口するようにクッション部7の一部を空洞化して形成されている。
次に、着座者が車両用シート1に着座する際の一連の行為を、図5の上段の行為に沿って順を追って説明すると、まず、着座者Dは、図6に示すように車両の後席に乗り込む。このとき、着座者Dの体は、車両内側Minに傾く。
すなわち、着座者Dは、臀部をシートクッション2の座面9上に載せる。このとき着座者Dは、左右の脚の配置を、後席に乗り込んだときの状態に維持したまま、臀部を座面9のうち臀部着座部9bの上に載せる。後席に乗り込んだときの脚の配置としては、例えば、左右いずれか一方の脚を後席の足元空間内に、他方の脚を車外に位置させた状態、或いは、つま先を車幅方向内側に向けたまま両足を足元空間に収めた状態などが挙げられる。そのため、通常、着座者Dの身体は、車両用シート1の前後方向Yに対して乗り込み口とは反対側へ傾斜する。
また、着座者Dが傾くことで、乗り込んだ側の臀部の座骨に応力が集中する。この時、乗り込み側の臀部の座骨が臀部着座部9bに形成された斜め易変形部10に載せられる。斜め易変形部10は、座面9のうち他の部位より柔らかくて変形が容易であるから座骨を臀部着座部9bから下方へ沈み込ませる。これにより、座骨が斜め易変形部10と対応する位置で他の臀部着座部9bから下方へ沈み込む。
そして、着座者Dの座骨は、後傾したシートクッション2の座面9によって斜め易変形部10の溝部に沈み込むようにして車両外側Moutから車両内側後方へと斜めに滑るように移動する。着座者Dが車両後方に滑り落ちる力F1とその反力Rとの合力F2が、着座者Dの臀部を移動させる滑り移動力となる。この合力F2によって、両方の座骨は、最終的に臀部位置決め易変形部12へとそれぞれ案内される。
臀部位置決め易変形部12は、斜め易変形部10と同様、臀部着座部9bの他の部位よりも柔らかくて変形が容易であるので、座骨を臀部着座部9bから凹ませて臀部の着座位置を安定させる。
次に、着座者Dは、臀部を中心に身体を回転させて方向転換を行い、身体の向きを車両用シート1の車両前後方向Yに一致させる(方向転回させる)。その後、着座者Dは、上体を後傾させてシートバック3にもたれ掛かる。ここで、着座者Dの背中と背もたれ面3aとが接触する。次に、着座者Dは、シートバック3の背もたれ面3aに背中を押し付けて、背骨をシートバック3に支持させる。
最後に、着座者Dは、例えば、シートバック3の背もたれ面3aに背中を押し付けつつ床面に脚を突っ張るなどして臀部の荷重を軽減させ、ヒップポイントの位置を最終調整する。ヒップポイントとは、着座者Dの股関節に相当する点である。
上記着座時の一連の行為において、着座者Dが後席に乗り込んだ時点から着座して方向転換を行うまでの過程では、車両用シート1のうち主にシートクッション2が、着座者Dの身体に接触して、着座者Dの身体に反力(接触力)を作用させる。具体的には、着座者Dが着座する際、シートクッション2のクッション後部2gが着座者Dの臀部を受け止め、さらに着座者Dが方向転換を行う間も、クッション後部2gが臀部のシートクッション2上の移動及び回転を支持する。
その後、背もたれ接触からヒップポイント最終調整(HP最終調整)に至るまでの過程では、シートバック3が背もたれ面3aを介して着座者Dの背中に反力を作用させる一方、シートクッション2が着座面2aを介して着座者Dの大腿部、膝、下腿部など臀部より下側の身体に反力を作用させる。
上記着座者Dの着座時の一連の行為に対し、本実施形態にかかる車両用シート1は、着座者Dの身体に反力を作用させつつ、以下に述べる機能を発揮する。
<HPガイド機能>
着座時、着座者Dは、膝関節を股関節よりも車両前方に位置させつつ、これらの関節を屈曲させて着座する。着座した着座者Dの膝より下の部位は後席の床によって支持されるため、シートクッション2に負荷される荷重は臀部直下の領域に集中し、シートクッション2は、臀部直下の領域がその周囲の領域よりも大きく沈み込むように変形する。このときの沈み込み変形により、臀部直下の領域よりも前方側の臀部着座部9bは、前側ほど高くなるように傾斜(後方傾斜)した傾斜面となっているため、方向転換を行った着座者Dは、自然に膝を立てた姿勢(以下、膝立て姿勢)になる。
膝立て姿勢となった着座者Dの重心は更に後方寄りになるため、臀部直下の領域に更に荷重が集中する傾向になる。本実施形態にかかる車両用シート1においては、シートクッション2のクッション後部2gに相対的に高い剛性が付与されているため、着座者Dの臀部直下の領域におけるクッションパッドの沈み込み量は適度に抑制される。これに加えて、臀部着座部9bには斜め易変形部10が形成されているので、座骨が斜め易変形部10に窪むようにしてガイドされながら車両外側Moutから車両内側後方へと斜めに臀部が移動案内されることになる。
また、本実施形態にかかる車両用シート1では、シートクッション2のクッション前部2fがクッション後部2gよりも剛性が低いため、クッション前部2fに着座者Dの膝裏や下腿部裏が接触したときにクッション前部2fが比較的小さな荷重で変形することになる。そのため、着座者Dの臀部着座部9b上の移動又は方向転換に対する抵抗(後方移動又は方向転換する際の前方部のひっかかりなど)は更に軽減される。
このように本実施形態にかかる車両用シート1では、シートクッション2のクッション前部2fを低剛性領域とし、クッション後部2gを高剛性領域とすることで、後席に乗り込んでから方向転換を完了するまでの間に着座者Dが行う一連の動作(特に、着座者Dのシートクッション2上の後方移動及び方向転換)に対する抵抗を抑制して、着座者DのヒップポイントHPを容易に最適位置に導くことができる。
<空間拡大機能>
着座者Dが臀部着座部9b上で方向転換を行い、ヒップポイントHPを後方側へ移動させると、自ずと臀部の最も出っ張った部分が臀部位置決め易変形部12に収まる。これにより、臀部が位置決めされることになる。次に、着座者Dは、シートバック3にもたれ掛かって背骨をシートバック3に支持させ、最後に、ヒップポイントHPの位置を最終調整する。この過程の中では、着座者Dの大腿前部、膝裏、下腿裏部等が、比較的高い圧力でシートクッション2のクッション前部2fに押し付けられることがある。
特に、着座者Dが小体格者であれば、大腿部の長さが比較的短いために、その圧力がより高くなる傾向にある。本実施形態にかかる車両用シート1では、シートクッション2のクッション前部2fに低剛性領域が設けられており、この低剛性領域が比較的小さな荷重で変形することができるので、着座者Dは、臀部着座部9b上のより後方側に臀部を位置させることができ、車両用シート1の実質的な足元空間が拡大する。
また、ヒップポイントHPの位置を最終調整する段階においては、着座者Dは、シートバック3の背もたれ面3aに背中を押し付けつつ床面に脚を突っ張るなどして臀部の荷重を軽減させて、ヒップポイントHPの位置をずらすことがある。本実施形態にかかる車両用シート1では、シートクッション2のクッション前部2fに低剛性領域が設けられており、この低剛性領域が比較的小さな荷重で変形するため、着座者Dは、脚を突っ張るときも容易に脚を伸ばすことができる。
さらに、着座者Dが大体格者である場合は、シートクッション2が小体格者の場合と比較して大きく沈み込むため、臀部前方の座面9の傾斜角も増大する。本実施形態にかかる車両用シート1では、シートクッション2のクッション後部2gに高剛性領域が設けられており、着座者Dの後方移動に対する抵抗が抑制されているため、着座者Dの臀部はより大きく傾斜した座面9に沿って速やかに車両外側Moutから車両内側Minへ誘導され、着座者Dは速やかに膝立て姿勢に誘導される。これにより、着座者Dの膝より前方のニールームが着座後早期に確保され、実質的にニールームが拡大したのと同等の効果を得ることができる。
<HPずれ防止機能>
着座者DがヒップポイントHPの位置を最終的に調整した後も、着座者D自身の動きや、走行に伴って発生する車両の振動などによって、着座者Dから座面9に付与される荷重(圧力)が変動することがある。本実施形態にかかる車両用シート1では、シートクッション2のクッション後部2gに高剛性領域が設けられており、着座者Dの臀部下のクッションパッドの剛性が相対的に高くなっているため、座面9に付与される荷重が変動しても、クッションパッド2の沈み込み量の変動が抑制される。これにより、ヒップポイントHPの位置ずれが、より確実に防止される。
また、車両用シート1に着座している間、着座者Dは膝立て姿勢にあり、その重心は後方寄りになっている。そのため、着座者Dの臀部は、より後方側へスライドしやすい傾向にある。しかし、臀部は、最も出っ張った部分が臀部位置決め易変形部12に嵌り込んでいるため、その適正着座位置のずれが生じない。これにより、ヒップポイントHPの位置ずれがより確実に防止される。
さらに、車両用シート1の座面9には、着座時の沈み込み変形によって臀部直下の領域より前方側に後方傾斜面が形成されている。そのため、座面9は、この後方傾斜面とシートバック3の背もたれ面3aとの間に最大変形部を有している。最大変形部とは、着座時の荷重によって生じる変形量(沈み込み量)が最大となる点又は最大となるように設定された点(但し、斜め易変形部10及び臀部位置決め易変形部12は除く)であり、車両用シート1では、高剛性領域の前後方向略中央部に位置している。車両用シート1は、この最大変形部で着座者Dの骨盤を支持するので、骨盤は一定の姿勢で安定的に保持される。これにより、ヒップポイントHPの位置ずれがより確実に防止される。
以上説明した通り、第1実施形態の車両用シート1によれば、着座者Dが車両に乗り込む着座動作時に臀部を、座面9の適正着座位置へと車両外側Moutから車両内側後方へと斜めに移動案内する臀部案内移動手段を備えているので、車両に乗り込む着座動作時において、臀部がこの臀部案内移動手段によって車両外側Moutから車両内側後方へと滑るようにして移動案内されることになる。これにより、着座者Dは、座面9の適正着座位置に位置決めされることになり、車両への着座動作をスムーズ且つ的確に行うことができるようになる。
また、第1実施形態の車両用シート1によれば、座面9のうち他の部位よりも柔らかくて変形が容易で且つ着座者Dの座骨をガイドして臀部を車両外側Moutから車両内側後方へと斜めに移動案内させる斜め易変形部10が臀部案内移動手段であるので、この斜め易変形部10に座骨が窪むようにしてガイドされることになる。
また、第1実施形態の車両用シート1によれば、座面9の適正着座位置に着座した着座者Dの座骨位置に、座面9の他の部位よりも柔らかくて変形が容易であり且つ左右の座骨を座面9から凹ませて臀部の着座位置を安定させる臀部位置決め易変形部12を備えているので、適正着座位置に着座した着座者Dの座骨が窪んでガイドされることにより、多少の車両揺れでは臀部が位置ずれを起こさない。
また、第1実施形態の車両用シート1によれば、斜め易変形部10を構成するクッション部に溝部を形成すれば、空洞となった部位である斜め易変形部10が、座面9の他の部位よりも容易に変形し易くなる。
また、第1実施形態の車両用シート1によれば、少なくとも一方の臀部位置決め易変形部12と斜め易変形部10とが連続しているので、斜め易変形部10によって車両外側Moutから車両内側後方へと斜めに移動案内されて来た臀部を、スムーズに臀部位置決め易変形部12に導くことができる。
また、第1実施形態の車両用シート1によれば、着座者Dの大腿部を支持するクッション前部2fとそれ以外の臀部を支持するクッション後部2gとが異なる剛性分布を有しており、クッション前部2fの方がクッション後部2gよりも柔らかいので、クッション前部2fに着座者Dの膝裏や下腿部裏が接触したときにクッション前部2fが比較的小さな荷重で変形することになり、着座者Dの臀部着座部9b上の移動又は方向転換に対する抵抗を軽減することができる。
<第2実施形態>
第2実施形態では、第1実施形態で説明した斜め易変形部10の形状違いなどについて各図を参照して説明する。
図7では、斜め易変形部10の後端部を臀部位置決め易変形部12に滑らかに連続するように円弧を描くように形成した例である。斜め易変形部10と臀部位置決め易変形部12とを連続した円弧を描くように連続させると、その連結される部位で円弧に沿って座骨が案内されることになるため、スムーズに座骨が臀部位置決め易変形部12に移動案内される。
図8では、斜め易変形部10の前端と後端をそれぞれ臀部位置決め易変形部12に連続させた例である。このように、斜め易変形部10の前後端をそれぞれ連続させれば、車内側の臀部の座骨だけでなく乗り込み側の座骨も早い時期から車両外側の臀部位置決め易変形部12にガイドされることになり、更なる適正着座位置への移動がスムーズに行える。
図9では、臀部位置決め易変形部12が無く斜め易変形部10のみの例である。この斜め易変形部10が形成されていさえいれば、着座者Dが車両に乗り込む着座動作時に臀部を、座面9の適正着座位置へと車両外側Moutから車両内側後方へと斜めに移動案内させることができる。
図10では、斜め易変形部10が連続した矩形状ではなく非連続な櫛歯形状とした例である。なお、この例では、臀部位置決め易変形部12が存在していない。ここでの斜め易変形部10は、平面視で小さな矩形状としたものを適宜間隔で同一線上に配置して全体として平面視長方形としている。この図10に示すように斜め易変形部10では、第1実施形態の連続した斜め易変形部10と同様の効果を得ることができる。
図11は、斜め易変形部10の溝断面形状の変形例である。図11(a)では、斜め易変形部10の溝断面形状を、クッション部下面7aに開口するコ字状(溝部)に形成している。図11(b)では、斜め易変形部10の溝断面形状を、クッション部下面7aに開口する逆U字状(溝部)に形成している。図11(c)では、斜め易変形部10の断面形状を、クッション部7の中央付近に上下面に開口することなく矩形状(中空部)に形成している。図11(d)では、斜め易変形部10の断面形状を、櫛歯状(スリット部)に形成している。
これら図11(a)〜(d)の何れの溝断面形状(溝部、中空部、スリット部)とした斜め易変形部10では、何れも第1実施形態の斜め易変形部10の持つ作用効果を奏する。
図12は、図11で示した溝部、中空部、スリット部とした部位にクッション部7の硬さとは異なる硬さを有したクッション材13を設けた例である。なお、図11(c)の中空部の例は図示を省略してある。前記クッション材13は、座面9の他の部位よりも硬さの柔らかいクッション材として溝部、中空部、スリット部に充填されている。例えば、クッション材13の硬さは、臀部着座部9bの硬さ、サイドサポート部9cの硬さの順で柔らかい。つまり、斜め易変形部10の溝部、中空部、スリット部に充填されたクッション材13が最も柔らかい。
このように、図12で示した溝部、中空部、スリット部に座面9の他の部位よりも硬さの柔らかいクッション材13を充填した斜め易変形部10でも、第1実施形態の如き充填物の何も無い斜め易変形部10と同様の作用効果が得られる。
なお、図12(c)の例では、斜め易変形部10の溝部は、着座側に開口するコ字状の断面形状としており、その溝部にクッション材13が充填されている。
<第3実施形態>
第3実施形態では、第1及び第2実施形態とは異なる構造の臀部案内移動手段を採用した例である。
図13は、臀部案内移動手段としてシートクッション後端部に傾斜部を形成したシートクッションの拡大斜視図であり、図14は、シートクッション後端部に形成した傾斜部の角度とシートバックの角度とを説明するための図である。
臀部案内移動手段は、シートバック3の水平線Hに対する角度である傾斜角度βよりも鋭角な角度αを持つ傾斜面14aをシートクッション後端部に有し、この傾斜面14aで着座者Dの臀部を滑らせるようにして車両外側Moutから車両内側後方へと斜めに移動案内する傾斜部14からなる。
傾斜部14は、シートクッション2の車両幅方向Xに亘って連続して形成される後端傾斜部14Aと、この後端傾斜部14Aのシート幅方向両端に車両前方へ延びる後端延在部14Bとからなる。これら後端傾斜部14A及び後端延在部14Bからなる傾斜部14は、シートクッション2の成形時に一体的に形成されている。また、後端傾斜部14Aと後端延在部14Bのどちらも共にシートバック3の傾斜角度βよりも鋭角な角度αを持つ傾斜面14aとされている。
このような傾斜部14を持つ臀部案内移動手段を備えた車両用シート1では、着座者Dがシートクッション2に着座する場合、図13の二点鎖線で示す囲み印15A〜15Cに沿って矢印Mで示すように座面9の適正着座位置へ移動案内される。初めに臀部Dは、臀部着座部9bへ向かって傾斜するサイドバック9cの位置に臀部が置かれると(15Aの位置)、このサイドバック9cの傾斜で臀部がずれ落ちて臀部着座部9bへと移動する(15Bの位置)。すると、臀部が車両外側Moutの後端延在部14Bと後端傾斜部14Aに跨る形で乗るが、これらの傾斜面14aで再び臀部着座部9bへと臀部が滑り落ちる。そして、車両内側の後端延在部14Bに臀部が接することで、両サイドの後端延在部14Bに臀部がガイドされて車幅方向Xでのサポート性が向上し、着座者Dの着座姿勢が崩れ難くなる。
なお、後端延在部14Bは、車両外側Moutのみだけに形成されていてもよい。また、図15に示すように、後端傾斜部14Aと後端延在部14Bの連結部を曲線で結ぶようにしてもよい。
第3実施形態の車両用シート1によれば、着座者Dが車両に乗り込む着座動作時に臀部を、座面9の適正着座位置へと車両外側Moutから車両内側後方へと斜めに移動案内する臀部案内移動手段としてシートクッション後端部に形成した傾斜部14で構成しているので、車両に乗り込む着座動作時において、臀部がこの傾斜部14によって車両外側Moutから車両内側後方へと滑るようにして移動案内されることになる。これにより、着座者Dは、座面9の適正着座位置に位置決めされることになり、車両への着座動作をスムーズ且つ的確に行うことができるようになる。
以上、本発明の実施形態及びその変形例について説明したが、これらの実施形態等は本発明の理解を容易にするために記載された単なる例示に過ぎず、本発明は当該実施形態等に限定されるものではない。本発明の技術的範囲は、上記実施形態等で開示した具体的な技術事項に限らず、そこから容易に導きうる様々な変形、変更、代替技術なども含むものである。例えば、上記実施形態では、後席に適用された車両用シートを例示したが、車両用シートは、運転席や助手席など前席にも適用できることは勿論である。
なお、車両の前席では、着座者Dは比較的足を前方に伸ばした状態で着座するため、後席に比べ着座者Dの重心位置が前方寄りとなり、かつ、着座者Dはドライバーとしてペダル操作をすることもあるため、前席の場合には、後席の場合よりも前後方向に短い範囲を低剛性領域(クッション前部2f)とする必要がある。例えば、後席で大腿長の1/3程度の範囲を低剛性領域とした場合、前席では着座者Dの大腿長の1/6程度に低剛性領域を設定することが好ましい。
本発明は、例えば自動車などの車両用シートに用いることができる。
1…車両用シート
2…シートクッション
3…シートバック
6…表皮部
7…クッション部
8…シートフレーム
9…座面
9b…臀部着座部
9c…サイドサポート部
10…斜め易変形部
12…臀部位置決め易変形部
13…クッション材
14…傾斜部
14a…傾斜面
14A…後端傾斜部
14B…後端延在部

Claims (8)

  1. 座面を形成するシートクッションと、背もたれを形成するシートバックとを備えた車両用シートにおいて、
    前記座面が車両前方から車両後方にその高さを低くするように傾斜されており、着座者が車両に乗り込む着座動作時に臀部を、座面の適正着座位置へと車両外側から車両内側後方へと斜めに移動案内する臀部案内移動手段を備えた
    ことを特徴とする車両用シート。
  2. 請求項1に記載の車両用シートであって、
    前記臀部案内移動手段は、前記座面のうち他の部位よりも柔らかくて変形が容易で且つ着座者の座骨をガイドして臀部を車両外側から車両内側後方へと斜めに移動案内させる斜め易変形部からなる
    ことを特徴とする車両用シート。
  3. 請求項1に記載の車両用シートであって、
    前記臀部案内移動手段は、前記シートバックの水平線に対する角度である傾斜角度よりも鋭角な角度を持つ傾斜面をシートクッション後端部に有し、この傾斜面で着座者の臀部を滑らせるようにして車両外側から車両内側後方へと斜めに移動案内する傾斜部からなり、その傾斜部がシートクッション後端部のシート幅方向の部位とそのシート幅方向端のうち少なくとも車両外側の位置に車両前方へ延びる部位とに形成されている
    ことを特徴とする車両用シート。
  4. 請求項1から3のうち何れか1項に記載の車両用シートであって、
    前記座面の適正着座位置に着座した着座者の座骨位置に、座面の他の部位よりも柔らかくて変形が容易であり且つ左右の座骨を座面から凹ませて臀部の着座位置を安定させる臀部位置決め易変形部を備えた
    ことを特徴とする車両用シート。
  5. 請求項2又は請求項2を引用する請求項4に記載の車両用シートであって、
    前記斜め易変形部は、シートクッションを構成する表皮部、クッション部、シートフレームのうちクッション部に溝部、中空部、スリット部を形成して構成した
    ことを特徴とする車両用シート。
  6. 請求項5に記載の車両用シートであって、
    前記溝部、中空部、スリット部に前記座面の他の部位よりも硬さの柔らかいクッション材を充填した
    ことを特徴とする車両用シート。
  7. 請求項2を引用する請求項4、請求項2を引用する請求項4を引用した請求項5、請求項6に記載の車両用シートであって、
    少なくとも一方の前記臀部位置決め易変形部と前記斜め易変形部とが連続している
    ことを特徴とする車両用シート。
  8. 請求項1から請求項7の何れか1項に記載の車両用シートであって、
    前記シートクッションは、着座者が適正着座位置に座った場合に、着座者の大腿部を支持するクッション前部とそれ以外の臀部を支持するクッション後部とが異なる剛性分布を有しており、クッション前部の方がクッション後部よりも柔らかい
    ことを特徴とする車両用シート。
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