JPH0910067A - 車両のシート装置 - Google Patents

車両のシート装置

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JPH0910067A
JPH0910067A JP16168295A JP16168295A JPH0910067A JP H0910067 A JPH0910067 A JP H0910067A JP 16168295 A JP16168295 A JP 16168295A JP 16168295 A JP16168295 A JP 16168295A JP H0910067 A JPH0910067 A JP H0910067A
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JP
Japan
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angle
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input
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JP16168295A
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English (en)
Inventor
Shinko Egami
真弘 江上
Toshimichi Hanai
利通 花井
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 着座者の背部を脊柱形状に応じて的確に支持
し、良好な着座感が得られ、且つ疲労緩和を図ることが
できるシート装置の提供。 【構成】 シートクッション(Sc)と、シートバック
(Sb)と、シートバック(Sb)の支持面(1)の形
状を変更設定可能な支持面形状設定手段(CL1)と、
支持面(1)の形状を検出する支持面形状検出手段(C
L2)と、着座者の支持に関する情報が入力又は検出に
よって設定される支持情報設定手段(CL3)と、この
支持に関する情報に基づいて着座者の脊柱を構成する複
数の椎間関節のそれぞれに付与すべき目標負荷を求める
目標負荷判定手段(CL4)と、この目標負荷に基づい
て着座者の目標脊柱形状を求める目標形状判定手段(C
L5)と、支持面形状が目標脊柱形状となるように支持
面形状設定手段(CL5)を制御する制御手段(CL
6)とを備えたシート装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、シートバックの支持
面形状を可変制御することができる車両のシート装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来の車両のシート装置S1 として、例
えば図30に示すものが知られている(実開昭61−1
3667号公報参照)。
【0003】このシート装置S1 は、着座者の尻部を座
面101で支持するシートクッションScと、着座者の
背部を支持面103で支持するシートバックSbとを備
えている。
【0004】シートバックSbの幅方向両側には着座者
の背部を側方から支持するサイドサポート105が設け
られ、シートバックSbの上部には着座者の頭部を支持
するヘッドレスト107が設けられている。シートクッ
ションScの前部と、シートバックSbの支持面103
およびサイドサポート105と、ヘッドレスト107の
それぞれの内部には、シートクッションScおよびシー
トバックSbによる着座者の支持形状を変更するための
空気袋109が設けられている。
【0005】各空気袋109には、着座者に対する支持
圧を検出するためのセンサ111が設けられ、各センサ
111からの支持圧はコントロールユニット113に信
号入力される。コントロールユニット113には最適な
座圧分布が予め設定されており、コントロールユニット
113は、各センサ111が検出した支持圧が設定圧と
なるように、空気袋109とコンプレッサ117とを接
続するエアホースの電磁弁115を開閉制御して、空気
袋113の内部圧力を増減する。
【0006】これにより、シートクッションSc及びシ
ートバックSbの形状が、着座者に対して最適な座圧分
布を呈するように変更され、着座者は快適な座り心地を
得ることができる。
【0007】また、他の従来のシート装置S2 として、
図31に示すものが知られている(特開昭64−858
45号公報参照)。
【0008】このシート装置S2 のシートバックSb
は、シートクッションScに対してリクライニング機構
121により前後方向に傾動可能に支持された下部シー
トバック123と、下部シートバック123に対して水
平方向に回転自在に支持された上部シートバック125
とから構成されている。上部シートバック123と下部
シートバック125とは、シートバックSbの中央内部
に設けられた回転機構127により連結され、シートバ
ックSbの中央を中心として水平方向に回転自在となっ
ている。
【0009】これにより、着座者が車両を後進させる際
などに、車両の後方を確認するため上体をねじる動作に
対して、シートバックSbが係る動作を妨げることがな
く、着座者は頭部を安楽に後方に向けることができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図32
(a)(b)に示すように、人間(着座者M)の脊柱2
01は、7個の頸椎207と12個の胸椎209と5個
の腰椎211からなる24個の椎体203と、各椎体2
03間及び椎体203と頭部213又は骨盤215との
間にはさまれた25個の椎間板205とから構成されて
いる。椎間板205は、椎体203間の関節(椎間関節
J)として機能し、椎間関節Jの屈曲角度やねじれ角度
は脊柱201の形状の変化に伴って変化する。
【0011】椎間板205に発生する内部圧力(椎間関
節Jに加わる負荷)は、人間の姿勢(脊柱201の形
状)によって変化する。例えば、図33に示すように、
直立姿勢での負荷を基準(負荷値100)とした場合、
仰向けに寝た姿勢では、直立姿勢よりも負荷が小さくな
り(負荷値は25又は75)、屈んだ姿勢、椅子に着座
した姿勢、又は椅子に着座して屈んだ姿勢のように、脊
柱201が前湾する姿勢では、直立姿勢よりも負荷が大
きくなる(負荷値はそれぞれ150,220,140,
185,275)。
【0012】図34は種々の姿勢(A〜G)に対する脊
柱201の形状を示したものであり、これらの姿勢のう
ち、椎間関節Jに加わる負荷が最小となるいわゆる無負
荷状態の姿勢はBの姿勢であることが知られている。そ
して、Bの姿勢における脊柱の形状は、図35(a)に
示すように、軽く背筋を伸ばした逆S字形状であること
が知られている。このため、図35(a)の姿勢から図
36(a)の姿勢へ脊柱201を屈曲したり、図35
(a)の姿勢から脊柱201を伸展したとき、図36
(b)に示すように椎間板205が変形し、椎間関節J
の内部圧力は増加する。また、図35(a)の姿勢から
上体をねじった場合も、椎間関節Jの内部圧力は同様に
増加する。従って、図36(a)に示すいわゆる無負荷
状態から脊柱201を屈曲したり伸展した姿勢やねじっ
た姿勢を長時間維持することは、着座者に痺れ感等を与
え、疲労の発生の要因となる。
【0013】これに対し、車両を運転操作する場合、着
座者Mは、シートバックSbをリクライニングさせて上
体の体重をシートバックSbにもたせかけるとともに、
前方を注視するため頭部213を直立させる必要があ
る。このため、図35(a)に示すいわゆる無負荷状態
の姿勢で着座することはできず、運転操作のためには脊
柱201のいずれかの部分を歪ませる必要が生じる。
【0014】この脊柱201の歪みは、脊柱201の椎
間関節Jの靱帯217(図32(b)参照)によって制
限されており、脊柱201の歪み限界には個人差が存在
する。すなわち、着座者Mの上体の支持に関する好み
は、脊柱201各部の柔軟性の相違などにより個人差が
あり、全ての着座者Mに対して椎間関節Jへの負荷が最
小となる支持形状を一律に設定することは難しく、且つ
全ての着座者Mが必ずしも椎間関節Jへの負荷が最小と
なる支持形状を好むとは限らない。
【0015】また、椎間関節Jの負荷は、すぐには不快
感を発生させるものではないため、特に着座直後におい
ては、着座感の良好な好みの支持形状と椎間関節Jの負
荷を少なくする支持形状とが一致しない場合もある。
【0016】さらに、脊柱201の一部に障害などを有
する着座者の場合、その部位の椎間関節Jは負荷に対し
て弱いため,特に疲労が集中し易くなってしまう。例え
ば、腰に障害のある着座者は、障害のない者と比較し
て、同一の支持を行った場合であっても腰の疲労感を早
期から強く感じてしまう。
【0017】ところが、図30に示す従来のシート装置
S1 は、着座者Mの背部を脊柱201の形状に対応して
支持するものではなく、支持面103の支持圧を基準に
支持するものであるため、着座者Mの個人的な好みや椎
間関節Jへの負荷に対応した的確な支持形状とすること
が難しかった。
【0018】一方、着座者Mが上体を左右に回旋させる
と、図37(a)に示すように、各椎体203が所定の
角度回転し、図37(b)に示すように、各椎間関節J
がねじられるよう変形する。椎間関節Jの変形は上体の
回旋角度の増加に伴い大きくなり、前記の如く椎間関節
Jの内部圧力は増加する。そして、着座者Mが無理な姿
勢で上体を回旋させてしまうと、椎間関節Jの内部圧力
が所定圧以上となり、着座者Mは脊柱201に強い圧迫
感を感じる場合がある。
【0019】また、上体の回旋動作は靭帯217あるい
は軟骨等によって妨げられるため、回旋を行うためには
これらに打ち勝つだけの筋力を必要とし、さらに、着座
者Mの背部がシートバックSbの支持面103に密着し
ている場合は、シートバックSbを変形してそれを維持
する筋力をも必要とする。
【0020】これに対し、図31に示した従来のシート
S2 では、シートバック上部125が回転自在なため、
シートバック上部125を変形させる筋力を小さく抑え
たまま胸部を回転させることができ、頭部を比較的楽に
回転させることができるが、脊柱201をねじられた状
態で積極的に支持するものではないため、例えば助手席
の着座者Mが景色を見たままの着座姿勢を続ける場合の
ように、着座者Mが回旋姿勢を長時間持続する場合に
は、回旋を妨げる靭帯217あるいは軟骨に対抗する筋
力への負担が累積し、疲労の発生の一因となっていた。
【0021】また、シートバックSbの変形は上部シー
トバック125と下部シートバック123の境界に集中
するため、椎間関節Jのねじれ変形は、係るシートバッ
クSbの境界と、シートバックSbに接していない頸椎
207とに集中する傾向にあり、この変形の集中する部
位で痺れ感等の疲労が発生し易かった。
【0022】この発明は、このような従来の問題点に着
目してなされたもので、着座者の背部を脊柱形状に応じ
て的確に支持することができ、より良好な着座感が得ら
れ、且つ疲労緩和を図ることができる車両のシート装置
の提供を目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、図1に示すように、請求項1に記載の発明は、図1
に示すように、着座者の尻部を支持するシートクッショ
ンScと、前記着座者の背部を支持面で支持するシート
バックSbと、前記支持面の形状を変更して設定可能な
支持面形状設定手段CL1と、前記支持面の形状を検出
する支持面形状検出手段CL2と、前記着座者の支持に
関する情報が入力又は検出によって設定される支持情報
設定手段CL3と、この支持情報設定手段CL3に設定
された支持に関する情報に基づいて前記着座者の脊柱を
構成する複数の椎間関節のそれぞれに付与すべき目標負
荷を求める目標負荷判定手段CL4と、この目標負荷判
定手段CL4の求めた目標負荷に基づいて前記着座者の
目標脊柱形状を求める目標形状判定手段CL5と、前記
支持面検出手段CL2の検出した支持面形状が前記目標
形状判定手段CL5の求めた目標脊柱形状となるように
前記支持面形状設定手段CL1を制御する制御手段CL
6とを備えたことを特徴とするものである。
【0024】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の車両のシート装置であって、前記支持情報設定手段C
L3に設定される支持に関する情報は、前記着座者によ
って入力される支持に関する好み又は疲労の少なくとも
一方であることを特徴とするものである。
【0025】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
の車両のシート装置であって、前記支持情報設定手段C
L3には、前記支持に関する好みと疲労とが前記椎間関
節に対する重みとしてそれぞれ入力され、前記目標負荷
判定手段CL4は、前記好みに対応する重みと疲労に対
応する重みとに基づき、前記目標負荷として各椎間関節
の無負荷状態からの変化角度を求めることを特徴とする
ものである。
【0026】請求項4に記載の発明は、請求項3に記載
の車両のシート装置であって、前記シートバックSbを
所定の初期形状としたときの各椎間関節の無負荷状態か
らの変化角度が標準設定角度として設定される標準形状
設定手段を設け、前記目標負荷判定手段CL4は、前記
疲労に対応する重みに基づいて椎間関節の無負荷状態か
らの変化角度を疲労入力に対応する設定角度として前記
標準設定角度よりも小さくなるように算出すると共に、
前記好みに対応する重みに基づいて椎間関節の前記標準
設定角度からの角度変化量を好み入力に対応する調整角
度として算出し、該疲労入力に対応する設定角度と好み
入力に対応する調整角度との和を前記目標負荷として算
出することを特徴とするものである。
【0027】請求項5に記載の発明は、請求項4に記載
の車両のシート装置であって、前記目標負荷判定手段C
L4は、前記疲労入力に対応する設定角度と前記好み入
力に対応する調整角度との脊柱全体における総和が、前
記標準設定角度の脊柱全体における総和と等しくなるよ
うに算出することを特徴とするものである。
【0028】請求項6に記載の発明は、請求項4又は請
求項5に記載の車両のシート装置であって、前記目標負
荷判定手段CL4は、前記好み入力に対応する調整角度
を椎間関節の屈曲の可動域の大きさに応じて算出するこ
とを特徴とするものである。
【0029】請求項7に記載の発明は、請求項3〜請求
項6のいずれかに記載の車両のシート装置であって、車
両の走行状態を検出する走行状態検出手段を設け、前記
目標負荷判定手段CL4は、前記走行状態検出手段の検
出した車両の状態に応じて前記疲労に対応する重み又は
好みに対応する重みを調整することを特徴とするもので
ある。
【0030】請求項8に記載の発明は、請求項7に記載
の車両のシート装置であって、前記目標負荷判定手段C
L4は、前記走行状態検出手段の検出した車両の状態が
走行中の場合は前記好みに対応する重みを走行開始前の
値に固定し、走行開始前又は開始直後の場合は前記疲労
に対応する重みを0とすることを特徴とするものであ
る。
【0031】請求項9に記載の発明は、請求項7記載の
車両のシート装置であって、前記目標負荷判定手段CL
4は、前記走行状態検出手段の検出した車両の状態が走
行中の場合、前記重みに基づき求めた各椎間関節の変化
角度による姿勢が極端な姿勢となるときは、該重みに基
づく各椎間関節の変化角度を前記目標形状判定手段に出
力しないことを特徴とするものである。
【0032】請求項10に記載の発明は、請求項9記載
の車両のシート装置であって、前記着座者に前記重みの
入力変更を促す表示を行う表示手段を設け、前記目標負
荷判定手段CL4は、前記重みに基づき求めた各椎間関
節の変化角度による姿勢が極端な姿勢となるときは、前
記表示手段を作動して前記着座者に入力変更を促すこと
を特徴とするものである。
【0033】請求項11に記載の発明は、請求項3〜請
求項10のいずれかに記載の車両のシート装置であっ
て、前記支持情報設定手段CL3は、前記脊柱を頸椎、
胸椎、及び腰椎の3部位に大別し、該3部位に対応して
好みに関する重み及び疲労に関する重みの入力が可能な
6つの重み入力部を有し、前記目標負荷判定手段CL4
は、前記6つの重み入力部に入力された重みを各椎間関
節への重みに配分することを特徴とするものである。
【0034】請求項12に記載の発明は、請求項1に記
載の車両のシート装置であって、前記支持情報設定手段
CL3に設定される支持に関する情報は、前記着座者の
頭部の回転角度であることを特徴とするものである。
【0035】請求項13に記載の発明は、請求項12に
記載の車両のシート装置であって、前記目標負荷判定手
段CL4の算出する目標負荷は、前記支持情報設定手段
CL3に設定された頭部の回転角度を各椎間関節の回旋
の可動域の大きさに応じて比例配分した各椎間関節のね
じれ角度であることを特徴とするものである。
【0036】請求項14に記載の発明は、請求項12又
は請求項13に記載の車両のシート装置であって、前記
シートバックSbの上部に、前記着座者の頭部を支持し
該頭部と共に回転するヘッドレストを設け、前記支持情
報設定手段CL3は、前記頭部の回転角度として前記ヘ
ッドレストの回転角度を検出することを特徴とするもの
である。
【0037】請求項15に記載の発明は、請求項14に
記載の車両のシート装置であって、前記着座者からの操
作に応じて前記ヘッドレストを所定量回転させるヘッド
レスト駆動手段を設けたことを特徴とするものである。
【0038】請求項16に記載の発明は、請求項1〜請
求項15のいずれかに記載の車両のシート装置であっ
て、前記目標形状判定手段CL5は、予め記憶された標
準的な体型を有する人間の脊柱形状に基づいて前記目標
脊柱形状を求めることを特徴とするものである。
【0039】
【作用】請求項1に記載の発明では、着座者の支持に関
する情報が支持情報設定手段(CL3)に設定される
と、目標負荷判定手段(CL4)は前記支持に関する情
報に基づいて各椎間関節に付与すべき目標負荷を求め、
目標形状判定手段(CL5)は目標負荷判定手段(CL
4)の求めた目標負荷に基づいて着座者の目標脊柱形状
を求め、制御手段(CL6)は支持面形状検出手段(C
L2)の検出した支持面形状が目標形状判定手段(CL
5)の求めた目標脊柱形状となるように支持面形状設定
手段(CL1)を制御する。すなわち、支持面形状を、
支持に関する情報に基づいて各椎間関節に的確な負荷が
付与されるような目標脊柱形状とすることができ、着座
者の背部を脊柱の形状に応じて支持することができる。
【0040】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載の発明の作用に加えて、支持情報設定手段(CL3)
に設定される支持に関する情報は、着座者によって入力
される支持に関する好み又は疲労の少なくとも一方であ
るので、目標支持形状が、着座者の要求に応じた支持に
関する好み又は疲労の少なくとも一方に基づく形状とな
り、好みや疲労という個人差に応じた支持が可能とな
る。
【0041】請求項3に記載の発明では、請求項2に記
載の発明の作用に加えて、支持情報設定手段(CL3)
には支持に関する好みと疲労とが各椎間関節への重みと
してそれぞれ入力され、目標負荷判定手段(CL4)は
好みに対応する重みと疲労に対応する重みとに基づき目
標負荷として椎間関節の無負荷状態からの変化角度を求
めるので、各椎間関節が支持に関する好みの重みと疲労
の重みとに基づく変化角度を呈するような目標支持形状
が得られ、着座者の好みや疲労についての要求に応じた
より細かな支持面形状の変更が可能となる。
【0042】請求項4に記載の発明では、請求項3に記
載の発明の作用に加えて、目標負荷判定手段(CL4)
は、疲労に対応する重みに基づいて、該疲労の入力部位
に対応する椎間関節の設定角度を標準設定角度よりも小
さくなるように算出し、好みに対応する重みに基づい
て、該好みの入力部位に対応する椎間関節の調整角度を
算出し、この設定角度と調整角度の和を目標負荷として
算出するので、疲労の発生部位への負担が初期形状より
も所望量だけ減少し、且つ好みに応じて所望量だけ変化
した目標脊柱形状が得られ、着座者の好みや疲労につい
ての要求に応じたさらに細かな支持面形状の変更が可能
となる。
【0043】請求項5に記載の発明では、請求項4に記
載の発明の作用に加えて、目標負荷判定手段(CL4)
は、疲労入力に対応する設定角度と好み入力に対応する
調整角度との脊柱全体における総和が、標準設定角度の
脊柱全体における総和と等しくなるように算出するの
で、頭部の傾きが初期形状から変わらないように支持面
形状を変更することができる。
【0044】請求項6に記載の発明では、請求項4又は
請求項5に記載の発明の作用に加えて、目標負荷判定手
段は、好み入力に対応する調整角度を椎間関節の屈曲の
可動域の大きさに応じて算出するので、屈曲し易い椎間
関節の変化量は大きく、屈曲し難い椎間関節の変化量は
小さくなるように、支持面形状を変更することができ
る。
【0045】請求項7に記載の発明では、請求項3〜請
求項6のいずれかに記載の発明の作用に加えて、目標負
荷判定手段(CL4)は、走行状態検出手段の検出した
車両の状態に応じて疲労に対応する重み又は好みに対応
する重みを調整するので、車両の走行状態に応じた的確
な支持面形状とすることができる。
【0046】請求項8に記載の発明では、請求項7に記
載の発明の作用に加えて、目標負荷判定手段(CL4)
は、走行状態検出手段の検出した車両の状態が走行中の
場合は好みに対応する重みを走行開始前の値に固定し、
走行開始前又は開始直後の場合は疲労に対応する重みを
0とするので、車両走行中に極端な姿勢となるように支
持面が変更されることがなく、また、走行開始前又は開
始直後の疲労未発生時に着座者が疲労に関する重みを誤
って入力しても、係る誤った入力によって支持面が変更
されることがない。
【0047】請求項9に記載の発明では、請求項7に記
載の発明の作用に加えて、目標負荷判定手段(CL4)
は、走行状態検出手段の検出した車両の状態が走行中の
場合、重みに基づき求めた各椎間関節の変化角度による
姿勢が極端な姿勢となるときは、該重みに基づく各椎間
関節の変化角度を目標形状判定手段に出力しないので、
車両走行中であっても、極端な姿勢となるのを防止しつ
つ支持面形状を所望の形状に変更することができる。
【0048】請求項10に記載の発明では、請求項9に
記載の発明の作用に加えて、目標負荷判定手段は、着座
者が極端な姿勢となるときは表示手段を作動して着座者
に入力変更を促すので、着座者は、極端な姿勢となるの
を防止すべく支持面が変更されない場合に、その原因を
すぐに知り、早急に重みの再入力を行うことができる。
【0049】請求項11に記載の発明では、支持情報設
定手段(CL3)は、脊柱を頸椎、胸椎、及び腰椎の3
部位に大別し、該3部位に対応して好みに関する重み及
び疲労に関する重みの入力が可能な6つの重み入力部を
有し、目標負荷判定手段(CL4)は、前記6つの重み
入力部に入力された重みを各椎間関節への重みに配分す
るので、簡単な構成且つ簡単な操作によって、請求項3
〜請求項9に記載の発明の作用を得ることができる。
【0050】請求項12に記載の発明では、請求項1に
記載の発明の作用に加えて、支持情報設定手段(CL
3)に設定される支持に関する情報は、着座者の頭部の
回転角度であるので、目標支持形状が、着座者の頭部の
回転に伴う脊柱のねじれ形状に対応した形状となり、支
持面によって、着座者の上体のねじり動作が補助される
と共に、上体がねじられた状態で支持される。
【0051】請求項13に記載の発明では、請求項12
に記載の発明の作用に加えて、目標負荷判定手段(CL
4)の算出する目標負荷は、支持情報設定手段に設定さ
れた頭部の回転角度を各椎間関節の回旋の可動域の大き
さに応じて比例配分した各椎間関節のねじれ角度である
ので、頭部の回転に伴う脊柱全体のねじれ量を、各椎間
関節のねじれ易さに応じて分散することができる。
【0052】請求項14に記載の発明では、支持情報設
定手段(CL3)は、頭部の回転角度としてヘッドレス
トの回転角度を検出するので、簡単な構成によって、請
求項12又は請求項13に記載の発明の作用を得ること
ができる。
【0053】請求項15に記載の発明では、請求項14
に記載の発明の作用に加えて、着座者からの操作に応じ
てヘッドレストを所定量回転させるヘッドレスト駆動手
段を設けたので、ヘッドレストによって着座者の頭部が
所定位置まで回転させられると共に、所望の回転位置で
頭部が支持される。すなわち、ヘッドレストによって、
着座者の頭部及び胸椎のねじり動作が補助されると共
に、頭部及び胸椎がねじられた状態で支持される。
【0054】請求項16に記載の発明では、請求項1〜
請求項15のいずれかに記載の発明の作用に加えて、目
標形状判定手段(CL5)は、予め記憶された標準的な
体型を有する人間の脊柱形状に基づいて目標脊柱形状を
求めるので、脊柱形状の着座者による個人差を吸収して
支持面形状を設定することができる。
【0055】
【実施例】以下、請求項1〜請求項8、請求項11、又
は請求項16に記載の発明に係る第1実施例を図面に基
づいて説明する。
【0056】図2は第1実施例の車両のシート装置を示
す全体構成図、図3は図2のコントローラを示すブロッ
ク構成図、図4は図2の支持形状好み調節パネルの拡大
模式図、図5は図2の疲労申告パネルの拡大模式図、図
6は着座者から入力される重みと脊柱の各部位との対応
図、図7は着座者から入力される重みと各椎間関節に配
分される重みとの対応図である。
【0057】図2に示すように、シート装置Sは、車両
乗員である着座者Mの尻部を支持するシートクッション
Scと、着座者Mの背部を支持面1で支持するシートバ
ックSbとを備えている。
【0058】シートバックSbは、シートクッションS
cに対して前後方向に傾動可能に支持されている。シー
トバックSbの内部には、シートバックSbを所定形状
に保持するためのシートバックフレーム3が設けられて
いる。シートバックフレーム3の下端部3aは、リクラ
イニング機構5を介してシートクッションSc側に回動
自在に連結され、このリクライニング機構5によってシ
ートバックフレーム3が所望の傾きに設定される。
【0059】シートバックSbの支持面1は、軟質のウ
レタンパット7で形成されている。支持面1の下端部
は、着座者Mの骨盤215を支持する骨盤支持部1aを
構成し、骨盤支持部1aの上方は、着座者Mの脊柱20
1を支持する脊柱支持部1bを構成している。骨盤支持
部1aのウレタンパット7の内側には、硬質のウレタン
材9が設けられている。このため、リクライニングによ
る骨盤215の歪みは小さく抑えられ、骨盤215はシ
ートバックSbの傾斜角に対応して傾斜する。
【0060】シートバックSbの脊柱支持部1bには、
支持面1の形状を変更して設定可能な支持面形状設定手
段(CL1)としての複数の空気袋11が内蔵され、空
気袋11の表層部は前記ウレタンパッド7で覆われてい
る。空気袋11は、着座者Mの頸椎207、胸椎20
9、及び腰椎211(図32(a)参照)のそれぞれに
対し数箇所ずつ、計6箇所に設けられている。シートバ
ックフレーム3には、支持形状検出手段(CL2)とし
てのポテンショメータ13が複数取付けられている。ポ
テンショメータ13は、前記6個の空気袋11のそれぞ
れに対応して6箇所に設けられ、シートバックフレーム
3とウレタンパット7との距離を検出する。この距離は
ポテンショメータ13の設けられた各点におけるシート
バックフレーム3からの支持面1の高さであり、ポテン
ショメータ13によって支持面1の形状が検出される。
【0061】各空気袋11にはエアホース17が接続さ
れ、各エアホース17は電磁弁19を介してコンプレッ
サ21に接続されている。
【0062】シートバックSbの上方には、着座者Mの
頭部を支持するヘッドレスト15が設けられている。ヘ
ッドレスト15はアーム23を介してシートバックフレ
ーム3の上端部3bに支持されている。
【0063】図示外のトランスミッション等には、車両
の走行速度を検出する走行状態検出手段としての車速セ
ンサ23が設けられている。
【0064】車室内には、支持情報設定手段(CL3)
としての支持形状好み調節パネル25と疲労発生申告パ
ネル27とが設けられている。両パネル25,27は、
例えば図示外のインストルメントパネルのように、着座
者MがシートSに着座した状態で無理なく操作できる位
置に設けられている。
【0065】図4および図5に示すように、支持形状好
み調節パネル25と疲労発生申告パネル27には、それ
ぞれ首、背中、および腰の3部位に対応した6つの重み
入力部としてのボリューム25a,25b,25c,2
7a,27a,27cが設けられている。これら首、背
中、および腰は、脊柱201を構成する頸椎207、胸
椎209、および腰椎211に対応している。このよう
に、脊柱201を首、背中、および腰という3つの部位
に大別したのは、着座者Mが特に脊柱201に関する詳
しい知識を有していなくても、容易にシートバックSb
の調節を行うことができるようにするためである。
【0066】各ボリューム25a,25b,25c,2
7a,27a,27cは、図中左右方向にスライド移動
自在に設けられ、その移動位置に応じて、各パネル2
5,27から、好み入力による重みW(W1 ,W2 ,W
3 )または疲労発生申告による重みV(V1 ,V2 ,V
3 )が出力される(図6参照)。
【0067】支持形状好み調節パネル25のボリューム
25a,25b,25cは初期状態で中立位置にあり、
着座者Mは、必要に応じて、対応する部位のボリューム
25a,25b,25cを中立位置から前(図中左)あ
るいは後(図中右)方向に移動する。例えば、腰の部分
の支持が悪く、もう少し前方に支持して欲しい場合は、
着座者Mは腰のボリューム25cを前方向に移動する。
前記好み入力による重みWは、ボリューム25a,25
b,25cが中立位置にあるとき0(W=0)であり、
前方向への移動により負(W<0)、後方向への移動に
より正(W>0)となる。この重みWの大きさは、ボリ
ューム25a,25b,25cの中立位置からの移動量
に応じて大きくなる。
【0068】疲労発生申告パネル27のボリューム27
a,27b,27cは初期状態で小の位置(図中左端)
にあり、着座者Mは、必要に応じて、対応する部位のボ
リューム27a,27b,27cを小の位置から大(図
中右)方向に移動する。例えば、背中に痺れ等の疲労を
感じた場合、着座者は背中のボリュームを大方向に移動
する。前記疲労発生申告による重みVは、ボリューム2
7a,27b,27cが小の位置にあるとき0(V=
0)であり、大方向への移動により増加し、最大位置で
1(V=1)となる。この重みVの大きさは、ボリュー
ム27a,27b,27cの小の位置からの移動量に応
じて大きくなる。
【0069】図2に示すように、コントローラ29のC
PUには、入力部31、パネル入力判断部33、重み配
分部35、目標負荷算出部37、関節可動域データベー
ス39、標準形状データベース41、目標支持形状算出
部43、脊柱形状データベース45、支持形状制御部4
7、および出力部49が設けられている。パネル入力判
断部33、重み配分部35、及び目標負荷算出部37は
目標負荷判定手段(CL4)を構成し、目標支持形状算
出部43は目標形状判定手段(CL5)を構成し、標準
形状データベース45は標準形状設定手段を構成し、支
持形状制御部47は制御手段(CL6)を構成してい
る。
【0070】入力部31には、支持形状好み調節パネル
25、疲労発生申告パネル27、車速センサ23、およ
びポテンショメータ13が接続され、出力部49には電
磁弁19およびコンプレッサ21が接続されている。
【0071】パネル入力判断部33には、入力部31を
介して、支持形状好み調節パネル25および疲労発生申
告パネル27から出力された重みW,Vと、車速センサ
23が検出した車速とが入力される。パネル入力判断部
33は、車両の走行が開始されたか否かの判断に基づい
て着座者Mの申告による重みW,Vをフィルタ処理し、
処理した重みを重み配分部35に入力する。
【0072】具体的には、車速が0でない場合、すなわ
ち車両の走行開始後(走行中)においては、パネル入力
判断部33は、支持形状好み調節パネル25の操作に関
わらず、重みW1,2,3 を走行開始前の値に固定する。す
なわち、走行開始後に支持形状好み調節パネル25のボ
リューム25a,25b,25cが操作され新たに形状
変更が設定入力されても、この新たな重みW1,2,3 では
なく、あらかじめ記憶しておいた走行開始前の重みW1,
2,3 を重み配分部35に入力する。これは、車両走行中
に、シートバックSbの形状変更に伴って着座者Mが極
端な着座姿勢をとらされてしまうのを未然に防止するた
めである。一方、車両停止中であれば、支持形状好み調
節パネル25の操作に応じた申告による重みW1,2,3
を、逐次重み配分部35に入力する。
【0073】また、着座者MがシートSに着座した後、
車速センサ23が車速0を示したままか、あるいは車速
が0でなくなってから一定時間が経過していない場合、
すなわち走行開始前や開始直後の場合には、パネル入力
判断部33は、疲労発生申告による重みV1,2,3 の入力
に関わらず、重みVを0(V1,2,3 =0)として重み配
分部35に入力する。これは、車両走行開始後の一定時
間内では、着座姿勢の長時間維持に起因する痺れ等の疲
労は発生せず、着座者Mによる申告は誤申告と判断され
るためである。一方、走行開始後一定時間経過した後
は、疲労発生申告パネル27の操作に応じた申告による
重みV1,2,3 を、逐次重み配分部35に入力する。
【0074】重み配分部35は、フィルタ処理された重
みW1,2,3 ,V1,2,3 を各椎間関節Jに配分し、配分し
た重み(好み入力による配分重みwi、疲労入力による
配分重みvi)を目標負荷算出部37に入力する。
【0075】具体的には、図7に示すように、頸椎20
7間に挟まれた椎間関節Jの重み(w1 〜w7 ,v1 〜
v7 )はW1 ,V1 、胸椎209間に挟まれた椎間関節
Jの重み(w9 〜w19,v19〜v19)はW2 ,V2 、腰
椎211間に挟まれた椎間関節Jの重み(w21〜w25,
v21〜v25)はW3 ,V3 となるように配分する。ま
た、重みW,Vが変わる境界では、シートバックSbの
形状を緩やかに変更するため、隣接する2つの部位の重
みを平均して配分する。すなわち、頸椎207と胸椎2
09とに挟まれた椎間関節Jの重み(w8 ,v8 )は
(W1 +W2 )/2,(V1 +V2 )/2、胸椎209
と腰椎211とに挟まれた椎間関節Jの重み(w20,v
20)は(W2 +W3 )/2,(V2 +V3 )/2となる
ように配分する。ここで、CPU内では、各椎間関節J
および椎体203は上方から順に付けられた番号で表記
され、例えば図7中のwiは第i椎間関節Jの重みを示
している。
【0076】関節可動域データベース39上には、図8
に示すように、各椎間関節Jの屈曲の可動域αiが記憶
されている。
【0077】標準形状データベース41上には、各椎間
関節Jの標準設定角度βiが記憶されている。この標準
設定角度βiは、所定の初期形状とされたシートバック
Sbに標準的な体型を有する人間が着座したときの各椎
間関節Jのいわゆる無負荷状態からの変化角度である
(図9参照)。この初期形状は、シートバックSbの傾
斜角度に応じて設定されている。また、標準設定角度β
iが大きくなると、各椎間関節Jの歪みが大きくなり内
部負荷が増大するため、前記標準設定角度βiは、所定
の角度以下となるように設定されている。
【0078】目標負荷算出部37は、各椎間関節Jに配
分された重みwiと、関節可動域データベース39上に
記憶された可動域αiと、標準形状データベース41上
に記憶された標準設定角度βiとに基づいて、各椎間関
節Jの目標変化角度βsiを、次式(1)に従って算出
し、算出した目標変化角度βsiを目標支持形状算出部
43に入力する。
【0079】
【数1】 この目標変化角度βsiは、椎間関節Jの無負荷状態か
らの変化角度であり、目標変化角度βsiの大きさは椎
間関節Jの歪み量に対応している。
【0080】式(1)によれば、第1項において、疲労
の入力部位に対応する椎間関節Jの無負荷状態からの変
化角度(疲労入力に対応する設定角度)が、疲労発生申
告による配分重みviと標準設定角度βiとによって算
出され、第2項において、好みの入力部位に対応する椎
間関節Jの標準設定角度βiからの角度変化量(好み入
力に対応する調整角度)が、好み入力による配分重みw
iと可動域αiとによって算出され、目標変化角度βs
iは、疲労入力に対応する設定角度と好み入力に対応す
る調整角度の和として算出される。
【0081】この式(1)の第1項によれば、疲労入力
に対応する設定角度は、疲労発生申告による配分重みv
iの大きさに応じて、標準設定角度βiよりも小さくな
るように算出される。この設定角度は、配分重みviの
大きさに応じて小さくなるが、その正負は標準設定角度
βiに従う。
【0082】第2項によれば、好み入力に対応する調整
角度は、椎間関節Jの動き易さに応じた変化量を得るた
め、各椎間関節の可動域αiに応じて算出される。この
調整角度は、配分重みwiの大きさに応じて大きくな
り、配分重みwiが正のときは正、負のときは負とな
る。
【0083】また、第1項の疲労入力に対応する設定角
度を脊柱全体で総和すると、疲労発生申告による重みV
1,2,3 に関わらず標準設定角度βiの脊柱全体における
総和と等しくなり、第2項の好み入力に対応する調整角
度を脊柱全体で総和すると、好み入力による重みW1,2,
3 に関わらず0となる。従って、目標変化角度βsiの
総和は標準設定角度βiの総和と等しくなり(Σβsi
=Σβi)、脊柱全体の歪み量は初期形状から変化しな
い。これは、骨盤215の傾きが変わらないことを考慮
すれば、脊柱全体の傾き、すなわち頭部の傾きを初期形
状から変えないように、目標変化角度βsiが算出され
ることを示している。
【0084】脊柱形状データベース45上には、図10
(b)に示すように、着座者Mの基準脊柱形状が記憶さ
れている。この基準脊柱形状は、着座者Mの脊柱形状の
個人差をできるだけ吸収するために、標準的な体型を有
する人間がいわゆる無負荷状態(図35(a)参照)の
姿勢をとったときの脊柱形状に近似されている。具体的
には、図10(a)に示すように、標準的な体型を有す
る人間の椎体長Li(i=1,2,…,24)と、標準
体型を有する人間が無負荷状態で着座したときの椎体角
度ηi(i=1,2,…,24)とが記憶されている。
【0085】目標支持形状算出部43は、各椎間関節の
目標変化角度βsiと、脊柱形状データベース41上に
記憶された椎体長Liおよび椎体角度ηiとに基づい
て、脊柱201に対する目標支持形状として各椎体関節
Jの目標座標(xi,yi)を、次式(2)に従って算
出し、算出した目標支持形状を支持形状制御部47に入
力する。
【0086】
【数2】 式(2)に従い、各椎体関節Jの座標(xi,yi)を
算出するのは以下の理由による。
【0087】脊柱201は、24個の椎体が25個の椎
間関節Jによって屈曲自在に連結されたものであるた
め、あたかも25個のジョイントからなるリンク構造と
仮定することができる。ここで、骨盤215と腰椎21
1との間の椎間関節Jを原点とするを座標系を設定(x
25=y25=0)した場合、骨盤215を支持するシ
ートバックSbの骨盤支持部1aは固く、骨盤215は
シートバックSbの傾斜角度に対応して傾斜するため、
設定した座標系とシートバックSbの位置関係は固定さ
れる。従って、この座標を用いた各椎間関節Jの目標座
標(xi,yi)が前式(2)に従って算出され、算出
された目標座標(xi,yi)は、骨盤215と腰椎2
11と間の椎間関節Jに対応する支持面1上の点を原点
とした座標系における支持面1の形状(目標支持形状)
となる。
【0088】支持形状制御部47には、入力部31を介
してポテンショメータ13の検出した支持面1の形状が
入力される。支持面形状制御部47は、検出された支持
面1の形状が目標支持形状となるように、電磁弁19及
びコンプレッサ21を駆動制御する。
【0089】次に、この実施例の作用を説明する。
【0090】まず、着座者Mが始めてシートSに着座し
た場合の作用について説明する。
【0091】着座者Mが始めてシートSに着座したと
き、支持形状好み調節パネル25のボリューム25a,
25b,25cは中立位置(W=0)に、疲労発生申告
パネル27のボリューム27a,27b,27cは小の
位置(V=0)にある。このため、各パネル25,27
からこれに対応する重みV1,2,3 =W1,2,3 =0が出力
されパネル入力判断部33に入力される。
【0092】パネル入力判断部33では、車両の走行が
開始されたか否かの判断に基づいて、着座者Mの申告に
よる重みV,Wがフィルタ処理される。ここで、申告に
よる重みV,WはV1,2,3 =W1,2,3 =0であり、この
重みV1,2,3 =W1,2,3 =0がそのまま重み配分部35
に入力される。
【0093】重み配分部35では、フィルタ処理された
重みV1,2,3 ,W1,2,3 が各椎間関節に配分される(図
7参照)。V1,2,3 =W1,2,3 =0であるので、配分し
た重みvi,wiはすべて0となり、この各椎間関節へ
の配分重みvi=wi=0が目標負荷算出部35に入力
される。
【0094】目標負荷算出部35では、各椎間関節Jの
目標変化角度βsiが、配分重みvi,wiと可動域α
iと標準設定角度βiとに基づき前式(1)に従って算
出される。各椎間関節の重みvi=wi=0であるの
で、βsi=βiが算出され、目標変形角度βsiは標準
設定角度βiに等しくなる。
【0095】目標支持形状算出部43では、各椎体関節
Jの目標座標(xi,yi)が目標変形角度βsiと椎
体長Liおよび椎体角度ηiとに基づき前式(2)に従
って算出され、支持形状制御部47は、電磁弁19およ
びコンプレッサ21を駆動制御して、支持面1の形状を
目標座標(xi,yi)に設定する。この目標座標(x
i,yi)は、βsi=βiであるのでシートバックS
bの前記初期形状と等しくなり、支持面1は初期形状に
設定される。
【0096】次に、着座者Mが支持形状を好みによって
変更する場合の作用について説明する。
【0097】着座者Mが初期形状を好まないとき、着座
者Mは支持形状好み調節パネル25を操作し、首、背
中、腰の3つのボリューム25a,25b,25cの中
で対応する部位のボリューム25a,25b,25cを
前あるいは後方向に移動させる。例えば、腰の部分の支
持が悪く、もう少し前方に支持して欲しい場合、腰のボ
リューム25cを前方向に移動させて、重みW3 を負方
向に変更する。変更された重みWは、支持形状好み調節
パネル25からパネル入力部33に入力される。
【0098】パネル入力判断部33では、車両の走行が
開始されたか否かの判断に基づいて、好み入力による重
みWがフィルタ処理される。すなわち、好み入力による
重みWは、車両停止中の場合には支持形状好み調節パネ
ル25からの入力に従って変更され、車両走行中の場合
には走行開始前の値に固定されて、それぞれ重み配分部
35に入力される。ここでは、着座者Mのパネル操作に
従って重みWが変更される場合、すなわち車両停止中の
場合について説明する。
【0099】また、疲労発生申告による重みVは、走行
開始前または走行開始直後の場合には重みV1,2,3 =0
に固定され、走行開始後一定時間が経過した後には疲労
発生申告パネル27からの入力に従って変更されて、そ
れぞれ重み配分部35に入力される。ここでは、簡単の
ため、V1,2,3 =0の場合について説明する。
【0100】重み配分部35では、フィルタ処理された
重みW1,2,3 ,V1,2,3 が各椎間関節Jに配分される
(図7参照)。ここでは、V1,2,3 =0であり、配分し
た各重みvi(=0)とwiが目標負荷算出部43に入
力される。
【0101】目標負荷算出部43では、各椎間関節Jの
目標変化角度βsiが、前式(1)に従って算出され
る。疲労発生申告による配分重みviが0であるので、
前式(1)のうち、好み入力による配分重みwiに関す
る第2項(好み入力に対応する調整角度)のみが残る。
従って、配分重みwiが大きいほど目標変化角度βsi
は大きくなり、逆に配分重みwiが小さいほど目標変化
角度βsiは小さくなる。また、着座者Mがボリューム
25a,25b,25cを後方に移動させたとき(wi
>0)は、目標変化角度βsiは標準設定角度βiより
も大きくなり(βsi>βi)、前方に移動させたとき
(wi<0)は、目標変化角度βsiは標準設定角度β
iよりも小さくなる(βsi<βi)。
【0102】目標支持形状算出部43では、前述と同様
に、目標支持形状が前式(2)に従って算出され、支持
形状制御部47によって、支持面1の形状が目標支持形
状に沿った形状に設定される。
【0103】従って、例えば着座者Mが背中の部分の支
持が強くもう少し後方で支持して欲しいと感じて、背中
のボリューム25bを後方に移動させた場合は、胸椎2
09に対応する分配重みwi(i=20,…,25)が
正となり(wi>0)、目標変化角度βsiが標準設定
角度βiよりも大きくなって(βsi>βi)、図11
に示すように、胸椎209が初期形状(図中二点鎖線
示)よりも後退した状態で支持され、着座者Mは自分の
好みに合った快適な着座感を得ることができる。
【0104】また、各椎間関節Jの可動域αiに応じて
目標変化角度βsiを算出しているため、動き難い椎間
関節Jの変化量は小さく、動き易い椎間関節Jは変化量
は大きくなるように、支持面1の形状が変更される。従
って、支持面1の形状変更に伴う着座者Mへの違和感を
小さく抑えることができる。
【0105】次に、着座者が疲労を感じた場合の作用に
ついて説明する。
【0106】着座者Mが着座姿勢を長時間維持して脊柱
201に痺れ等を感じたとき、着座者Mは疲労発生申告
パネル27を操作し、首、背中、腰の3つのボリューム
27a,27b,27cの中で対応する部位のボリュー
ム27a,27b,27cを大方向に移動させる。例え
ば、背中に痺れ等を感じた場合、着座者Mは背中のボリ
ューム27bを大方向に移動させ、重みV2 を変更す
る。変更された重みVは、疲労発生申告パネル27から
パネル入力部33に入力される。
【0107】パネル入力判断部33では、車両の走行が
開始されたか否かの判断に基づいて、疲労発生申告によ
る重みVがフィルタ処理される。すなわち、疲労発生申
告による重みVは、走行開始前または走行開始直後の場
合にはV1,2,3 =0に固定され、走行開始後一定時間が
経過した後には疲労発生申告パネル27からの入力に従
って変更されて、それぞれ重み配分部35に入力され
る。ここでは、着座者Mのパネル操作に従って重みVが
変更される場合、すなわち車両走行開始後一定時間が経
過している場合について説明する。
【0108】また、好み入力による重みWは、車両停止
中の場合には支持形状好み調節パネル25からの入力に
従って変更され、車両走行中の場合には走行開始前の値
に固定されて、それぞれ重み配分部35に入力される。
ここでは、簡単のために、W1,2,3 =0の場合について
説明する。
【0109】重み配分部35では、フィルタ処理された
重みW1,2,3 ,V1,2,3 が各椎間関節Jに配分される
(図7参照)。ここでは、W1,2,3 =0であり、配分し
た各重みviとwi(=0)とが目標負荷算出部43に
入力される。
【0110】目標負荷算出部43では、各椎間関節Jの
目標変化角度βsiが、前式(1)に従って算出され
る。好み入力による配分重みwiが0であるので、前式
(1)のうち疲労発生申告による配分重みviに関する
第1項(疲労入力に対する設定角度)のみが残る。従っ
て、配分重みviが大きいほど目標変化角度βsiは大
きくなり、逆に配分重みviが小さいほど目標変化角度
βsiは小さくなる。また、配分重みviは常に0以上
1以下であるため(0≦vi≦1)、目標変化角度βs
iは0以上標準設定角度βi以下となる(0≦βsi≦
βi)。
【0111】目標支持形状算出部43では、前述と同様
に、目標支持形状が前式(2)に従って算出され、支持
形状制御部47によって、支持面1の形状が目標支持形
状に沿った形状に設定される。
【0112】従って、例えば着座者Mが背中に痺れ等の
疲労を感じて、背中のボリューム27bを後方に移動さ
せた場合、胸椎209に対応する分配重みvi(i=2
0,…,25)が正となり(wi>0)、目標変化角度
βsiが標準設定角度βiよりも小さくなって(βsi
<βi)、図12に示すように、胸椎209における椎
間関節Jの歪みが初期形状(図中二点鎖線示)よりも小
さい状態で支持され、着座者Mは椎間関節Jの内部負荷
に起因した痺れ感等の疲労を的確に緩和させることがで
きる。
【0113】次に、この実施例の全体の作用を、図13
に従って説明する。図13は、CPUの制御をに示すフ
ローチャートである。
【0114】着座者Mがイグニッションスイッチ(図示
外)をONすると、ポテンショメータ13,電磁弁1
9、コンプレッサ21、車速センサ23、コントローラ
29、支持形状好み調節パネル25,疲労発生申告パネ
ル27等がONされ、本制御が開始され、ステップS1
1へ進む。
【0115】ステップS11では、着座当初は支持面1
の形状が初期形状に設定されるように、重み配分部35
にW=V=0が設定される。
【0116】ステップS12では、パネル入力判断部3
3によって、車速センサ23の検出する車速に基づき車
両が走行中か否かが判断される。
【0117】車両が走行中ではなく停車中であれば、着
座者Mが容易に支持面形状を調節でき、極端な姿勢で支
持された場合でも再変更がすぐに可能である判断される
ため、ステップS13へ進み、着座者Mの操作により新
たに設定入力された支持形状好み調節パネル25からの
重みWが重み配分部35に入力される。一方、車両が走
行中であれば、着座者Mが極端な姿勢で支持されるのを
未然に防止するため、新たな重みWが重み配分部35に
入力されることなく、ステップS14へ進む。
【0118】ステップS14では、パネル入力判断部3
3によって、車速センサ23の検出する車速に基づき車
両が走行開始前又は走行開始直後か否かが判断される。
【0119】走行開始前又は走行開始直後ではなく、走
行開始後所定時間が経過していれば、着座姿勢を長時間
維持することに起因した疲労が発生している可能性があ
るため、ステップS15へ進み、着座者Mの操作により
新たに入力された疲労発生申告パネル27からの重みV
が重み配分部35に入力される。一方、走行開始前又は
走行開始直後であれば、着座姿勢を長時間維持すること
に起因した疲労が未だ発生せず、誤申告であると判断さ
れるため、新たな重みVが重み配分部35に入力される
ことなく、ステップS16へ進む。
【0120】ステップS16では、ステップS13及び
ステップS15で入力された重みV,Wが、重み配分部
35によって各椎間関節Jに配分される(図7参照)。
そして、この配分された重みwi,viと、関節可動域
データベース39上に記憶された各椎間関節Jの屈曲の
可動域αi(図8参照)と、標準形状データベース41
上に記憶された各椎間関節Jの標準設定角度βiとに基
づいて、目標負荷算出部37により、各椎間関節Jの目
標変化角度βsi(i=1,2,…,25)が前式
(1)に従って算出される。
【0121】ステップS17では、ステップS16で算
出された各椎間関節Jの目標変形角度βsiと、脊柱形
状データベース45上に記憶された椎体長Li及び角度
ηi(図10(b)参照)とに基づいて、目標支持形状
算出部43により、各椎体関節Jの座標(xi,yi)
が前式(2)に従って算出される。
【0122】ステップS18では、ポテンショメータ1
3によって検出された支持面1上の各測定点で位置が入
力部31を介して支持形状制御部47に入力される。
【0123】ステップS19では、ステップS18で入
力された支持面1上の各測定点で位置と、ステップS1
7で求めた座標(xi,yi)とが一致しているかを判
断する。一致していない場合には、ステップS20へ進
み、対応する空気袋11の電磁弁19に信号出力し、支
持面1を目標支持形状に設定する。
【0124】一方、支持面1が目標支持形状に設定され
たときは、ステップS12へ戻り、再び本制御を繰り返
す。
【0125】以上説明してきたように、この実施例によ
れば、着座者Mは、個人的な好みで支持面形状の変更や
痺れ等の疲労の緩和を望む場合、支持形状好み調整パネ
ル25や疲労発生申告パネル27を操作すれば、好みに
関する重みW又は疲労に関する重みVに応じて各椎間関
節Jに的確な負荷が付与されるように、支持面1の形状
を変更することができ、その結果、支持形状に対する好
みの個人差や、首が弱いとか腰に障害があるというよう
な着座者によって異なる疲労の集中部位に柔軟に対応し
つつ、着座者Mの背部を脊柱201の形状に応じて良好
に支持することができる。従って、着座者Mは、自分の
好みに合った快適な着座感を得ることができると共に、
椎間関節Jの内部負荷に起因した疲労を的確に緩和させ
ることができる。
【0126】着座者Mは、好みや疲労に関する要求を重
みW,Vとして入力することにより、疲労の発生部位へ
の負担を初期形状よりも所望量だけ減少させ、且つ好み
に応じて所望量だけ変化させることができるので、着座
者Mの要求に応じた細かな形状変更を行うことができ
る。従って、着座者Mの個人差にさらに細かく対応した
支持を行うことができる。
【0127】支持面1は、着座者Mからの好みや疲労の
重みW,Vの入力の大きさによらず、頭部の傾きを初期
形状から変えないように変更されるので、例えば着座者
Mが前方等を注視している場合、注視方向を変えること
なく着座姿勢のみを変更することができる。
【0128】着座者Mが好みに関する重みWを変更した
場合、屈曲し易い椎間関節Jは大きく、屈曲し難い椎間
関節Jは小さく変形するように支持面1が変更されるの
で、支持面1の形状変更に伴う着座者Mへの違和感を小
さく抑えることができる。
【0129】車両走行中は、着座者Mが好みに関する重
みWを変更した場合でも支持面1の形状が変更されない
ので、着座者Mが車両走行中に極端な姿勢となるのを確
実に防止することができる。
【0130】走行開始前又は開始直後は、着座者Mが疲
労に関する重みVを変更した場合でも支持面1の形状が
変更されないので、走行開始前や開始直後の疲労未発生
時に着座者Mが疲労に関する重みVを誤って入力して
も、係る誤った入力によって支持面1が変更されるのを
確実に防止することができる。
【0131】着座者Mは、支持形状好み調整パネル25
及び疲労発生申告パネル27の首、背中、腰のボリュー
ム25a,25b,25c,27a,27b,27cを
操作することによって、好みに関する重みW及び疲労に
関する重みVを的確に設定変更できるので、簡単な構成
で、且つ簡単な操作によって所望の支持形状を得ること
ができる。
【0132】支持面1の目標支持形状は、標準的な体型
を有する人間の脊柱形状に基づいて算出されるので、簡
単な構成で脊柱形状の個人差を吸収することができる。
【0133】次に、請求項9及び請求項10に記載の発
明に係る第2実施例について説明する。
【0134】図14は第2実施例に係る車両のシート装
置を示す全体構成図、図15は図14のコントローラを
示すブロック構成図である。
【0135】前記第1実施例では、車両の走行中におけ
る極端な姿勢での支持を防止するため、走行中は着座者
Mが好みに関する重さWの設定を変更した場合でも、こ
れに応じた支持面1の変更を行わないようにしたが、こ
の第2実施例は、車両の走行中においても、極端な姿勢
での支持を防止しつつ、好みや疲労に関する重さの設定
変更に応じて支持面1の形状変更を可能としたものであ
る。
【0136】図14に示すように、図示外の車室内のイ
ンストルメントパネル等には、着座者Mに対して、支持
形状好み調整パネル25又は疲労発生申告パネル27の
設定変更を促すための表示を行う表示手段としてのディ
スプレイ53が設けられている。
【0137】また、図15に示すように、コントローラ
51のCPUには、前記第1実施例と同様の入力部3
1、重み配分部35、目標負荷算出部37、関節可動域
データベース39、標準形状データベース41、目標支
持形状算出部43、脊柱形状データベース45、支持形
状制御部47、及び出力部49に加えて、目標負荷判定
手段を構成する姿勢判断部55が設けられている。
【0138】重み配分部35には、車両の走行状態に関
わらず、入力部31を介して支持形状好み調整パネル2
5及び痛み発生申告パネル27から重みW,Vが逐次入
力される。重み配分部35は、第1実施例と同様に、入
力された重みW,Vを各椎間関節Jに配分し(図7参
照)、配分した重みwi,viを目標負荷算出部37に
入力する。
【0139】目標負荷算出部37は、第1実施例と同様
に、式(1)に従って各関椎間関節Jの目標変形角度β
siを算出し、算出した目標変形角度βsiを姿勢判断
部55に入力する。
【0140】姿勢判断部55は、入力された目標変形角
度βsiに応じて支持面1の形状を変更した場合に、着
座者Mが極端な姿勢になるかどうかを判断する。
【0141】具体的には、目標変化角度βsiが、あら
かじめ設定された範囲内にあるかどうかを判定し、範囲
内にある場合(βi<βsi<βi(i=1,2,
…,25))には、着座者Mが極端な姿勢にならないと
判定し、この目標変形角度βsiを目標支持形状算出部
43に入力する。
【0142】一方、目標変化角度βsiがこの範囲を外
れた場合(βsi≦βi又はβsi≧βi(i=
1,2,…,25))には、着座者Mが極端な姿勢とな
る恐れがあると判定し、各重みW,Vを0にリセットし
た後、出力部49を介してディスプレイ53に出力し、
着座者Mに対して設定の変更を要求する表示を行う。着
座者Mがこの要求を無視し設定を変更しない場合や、再
度設定を行っても再び極端な姿勢が要求されてしまった
場合には、姿勢判断部55は、リセットされた各重み
(V,W=0)に基づき前式(1)によって算出した目
標変形角度βsiを目標支持形状算出部43に出力す
る。
【0143】その他の構成は第1実施例と同様であるた
め、その説明を省略する。
【0144】次に、この実施例の全体の作用を、図16
に従って説明する。図16は、コントローラ51のCP
Uの制御を示すフローチャートである。
【0145】着座者Mがイグニッションスイッチ(図示
外)をONすると、ポテンショメータ13,電磁弁1
9、コンプレッサ21、支持形状好み調節パネル25,
疲労発生申告パネル27、コントローラ51、ディスプ
レイ53等がONされ、本制御が開始され、ステップS
21へ進む。
【0146】ステップS21では、支持形状好み調節パ
ネル25及び疲労発生申告パネル27の双方が操作され
ない限り、支持面1の形状が所定の初期形状に設定され
るように、重み配分部35にW=V=0が設定される。
【0147】ステップS22では、好み入力による重み
Wが重み配分部35に入力され、ステップS23では、
疲労発生申告による重みVが重み配分部35に入力され
る。
【0148】ステップS24では、ステップS22及び
ステップS23で入力されたよる重みW,Vが、重み配
分部35によって各椎間関節Jに配分される(図7参
照)。そして、この配分された重みwi,viと、関節
可動域データベース39上に記憶された各椎間関節Jの
屈曲の可動域αi(図8参照)と、標準形状データベー
ス41上に記憶された各椎間関節Jの標準設定角度βi
とに基づいて、目標負荷算出部37により、目標変化角
度βsiが前式(1)に従って算出される。
【0149】ステップS25では、目標変化角度βsi
に基づいて支持面1の形状を変更した場合に着座者Mが
極端な姿勢になるか否か、すなわち、ステップS24で
求めた目標変化角度βsiが設定範囲内にあるかどうか
が、姿勢判断部55によって判定される。
【0150】極端な姿勢にならないと判定された場合、
すなわち、目標変化角度βsiが設定範囲内にある場合
(βi<βsi<βi)には、ステップS26へ進
む。
【0151】ステップS26では、ステップS24で算
出された各椎間関節Jの目標変形角度βsiと、脊柱形
状データベース45上に記憶された椎体長Li及び角度
ηi(図10(b)参照)とに基づいて、目標支持形状
算出部43により、各椎体関節Jの座標(xi,yi)
が前式(2)に従って算出される。
【0152】ステップS27では、ポテンショメータ1
3によって検出された支持面1の形状が入力部31を介
して支持形状制御部47に入力される。
【0153】ステップS28では、ステップS27で入
力された支持面1の形状と、ステップS24で求めた座
標(xi,yi)とが一致しているかを判断する。一致
していない場合には、ステップS29へ進み、対応する
空気袋11の電磁弁19に信号出力して支持面1を目標
支持形状に設定し、支持面1が目標支持形状に設定され
たときは、ステップS22へ戻り、再び本制御を繰り返
す。
【0154】一方、ステップS25において、極端な姿
勢になると判断された場合、すなわち、目標変化角度β
siが設定範囲内にない場合(βsi≦βi又はβs
i≧βi)には、ステップS30へ進む。
【0155】ステップS30では、ディスプレイ53の
表示後に支持形状好み調節パネル25若しくは疲労発生
申告パネル27が着座者Mによって再操作されたか、又
は支持形状好み調節パネル25若しくは疲労発生申告パ
ネル27が操作されてから所定時間が経過したか否かが
判断される。
【0156】ディスプレイ53の表示前であれば、ステ
ップS31へ進み、姿勢判断部55によって、各重み
W,Vが0にリセットされ、ディスプレイ53に設定変
更の要求が表示された後、再び好み入力による重みWと
疲労発生申告による重みVとが重み配分部35に入力さ
れ(ステップS22,ステップS23)、算出部37に
より目標変化角度βsiが算出され(ステップS2
4)、再度、極端な姿勢になっているか否かが判断され
る(ステップS25)。
【0157】そして、着座者Mが再度設定を行ったため
に極端な姿勢になっていないと判断された場合には、ス
テップS26以降へ進む。
【0158】一方、まだ極端な姿勢になっていると判断
された場合には、再度ステップS30へ進む。そして、
着座者Mがディスプレイ53の表示に従い再度設定を行
ったが再び極端な姿勢となってしまった場合や、所定時
間経過しても着座者Mがディスプレイ53の表示を無視
して設定変更しない場合には、着座者Mに継続して設定
変更を求めていても、その後の適正な入力が期待できな
いため、ディスプレイ53の表示を停止し、ステップS
30からステップS26へ進む。
【0159】ステップS26では、リセットされた各重
み(V,W=0)から算出された各椎間関節Jの目標変
形角度βsiと、椎体長Li及び角度ηiとに基づい
て、各椎体関節Jの座標(xi,yi)が算出され、ス
テップS27〜ステップS29において、支持面1が初
期形状に設定される。
【0160】本実施例によれば、第1実施例と同様の作
用効果に加えて、車両が走行中の場合には、姿勢判断部
55が重みW,Vに基づき求めた各椎間関節Jの目標変
化角度βsiによる姿勢が極端な姿勢となると判定した
ときは、この重みW,Vに基づく各椎間関節Jの変化角
度をβsiを目標形状算出部47に出力しないので、第
1実施例と同様に、車両走行中に着座者Mが極端な姿勢
となるのを確実に防止することができる。また、姿勢判
断部55が極端な姿勢とならないと判定したときは、車
両の走行中においても、入力された重みW,Vに基づき
支持面1の形状が変更されるので、着座者Mが極端な姿
勢となるのを防止しつつ、支持面形状を所望の形状に変
更することができる。
【0161】姿勢判断部55は、着座者Mが極端な姿勢
となると判定したときはディスプレイ53を作動して着
座者Mに入力変更を促すので、極端な姿勢となるのを防
止すべく支持面1が変更されない場合に、着座者Mはそ
の原因をすぐに知って重みW,Vの再入力を行うことが
できる。
【0162】次に、請求項12〜請求項14に記載の発
明に係る第3実施例について説明する。
【0163】図17は第3実施例に係る車両のシート装
置を示す全体構成図、図18は、図17のヘッドレスト
の内部構造を示す平面図、図19は着座者の頭部角度を
示す平面図、図20は図17の空気袋の配設位置を示す
シートの斜視図、図21は図17のシートバックの内部
構造を示す平面図、図22は図17のコントローラを示
すブロック構成図である。
【0164】この第3実施例は、着座者Mが安楽に回旋
姿勢を持続できるように、支持面1の形状を変更するも
のである。
【0165】図17に示すように、第1実施例と同様、
シートバックSbは、シートクッションScに対してリ
クライニング機構5を介して前後方向に傾動可動に支持
されている。
【0166】シートバックSbの幅方向略中央の上部に
は、着座者Mの頭部Hを支持するヘッドレスト15がス
ライド回転自在に設けられている。ヘッドレスト15
は、スライド装置61とアーム23を介して、シートバ
ックSb内のシートバックフレーム3に連結されてい
る。アーム23の下端部はシートバックフレーム3の上
端部3bに固定され、スライド装置61はヘッドレスト
15の内部に固定されている。
【0167】図18に示すように、スライド装置61
は、着座者Mの後頭部Hbに沿った略円弧状のスライド
溝(図示外)を備え、このスライド溝にアーム23の先
端が挿通している。また、ヘッドレスト15の前面15
aは、着座者Mの後頭部Hbに密着するように略円弧凹
状に形成されている。これにより、ヘッドレスト15
は、着座者Mの後頭部Hbと密着した状態で、頭部Hの
回転に伴ってシートバックSbに対して円弧を描くよう
にスライド溝に沿ってスライド移動する。
【0168】ヘッドレスト15内には、ヘッドレスト1
5とアーム23の位置関係から頭部角度θ(図19参
照)を検出する支持情報設定手段(CL3)としての頭
部角度検出器63が設置されている。この頭部角度検出
器63は、アーム23に対するヘッドレスト15のスラ
イド移動量から、シートバックフレームSbに対するヘ
ッドレスト15の回転角度を検出する。ここで、着座者
Hの後頭部Hbがヘッドレスト15に密着した状態で
は、頭部Hの回転角度はヘッドレスト15の回転角度に
近似できるため、頭部角度検出器63は、ヘッドレスト
15の回転角度を、正面を向いた状態からの頭部Hの変
化角度(頭部角度θ)としてコントローラ69に出力す
る。なお、特に図示しないが、頭部角度θを検出する方
法としては、赤外線センサを用いて非接触に検出する方
法や、頭部Hをカメラでとらえ画像処理により角度を推
定する方法などがあり、前記頭部角度検出器63による
方法に限定されるものではない。
【0169】シートバックSbは、着座者Mの脊柱20
1のうち胸椎209から骨盤215までの間(図32
(a)参照)を支持し、図17に示すように、シートバ
ックSb内には、支持面1の形状を変更して設定可能な
支持面形状設定手段(CL1)としての複数の空気袋6
5が内蔵されている。第1実施例と同様に、空気袋65
の表層部は、支持面1を形成するウレタンパット7で覆
われ、各空気袋65にはエアホース17が接続され、各
エアホース17は電磁弁19を介してコンプレッサ21
に接続されている。
【0170】図20に示すように、空気袋65は、着座
者Mの胸椎209及び腰椎211(図32(a)参照)
に対し数箇所ずつ対応するように、左右対称に複数対
(65L,65R)設けられている。図21に示すよう
に、左右の空気袋65L,65Rのうち一方(65L)
を減圧するとともに、これに対称な他方(65R)を増
圧することにより、支持面1が着座者Mの上体をねじる
ような形状に設定される。
【0171】シートバックSbの中央部には、支持面1
のねじれ角度を検出するためのポテンショメータ66
が、着座者Mの胸椎209及び腰椎211(図32
(a)参照)に対し数箇所ずつ対応するように、左右対
称に複数対配設されている。各ポテンショメータ66は
シートバックフレーム3に取付けられ、シートバックフ
レーム3に対するウレタンパット7の前後位置を計測
し、その計測値を出力変換器67に入力する。出力変換
器67は、入力された左右のポテンショメータ66の計
測値の差から、シートバックSbの中央部のねじれ角度
を推定し、推定したねじれ角度を検出ねじれ角度γsi
としてコントローラ69に出力する。すなわち、ポテン
ショメータ66と出力変換器67とが支持面形状検出手
段(CL2)を構成している。
【0172】図22に示すように、コントローラ69の
CPUには、入力部71、目標負荷判定手段(CL4)
としての目標角度算出部73、関節可動域データベース
75、目標形状判定手段(CL5)としてのねじれ角度
算出部77、センサ位置データベース79、制御手段
(CL6)としての支持形状制御部81、及び出力部8
3が設けられている。入力部31には、頭部角度検出器
63及び出力変換器67が接続され、出力部49には電
磁弁19及びコンプレッサ21が接続されている。
【0173】関節可動域データベース75上には、図2
3に示すように、各椎間関節Jに許容される回旋の可動
域αθiが記憶されている。なお、CPU内では、各椎
間関節J及び椎体203等を、上方から順に付された番
号で表記している。
【0174】目標角度算出部73は、頭部角度検出器6
3の検出したヘッドレスト15の回転角度(着座者Mの
頭部角度θ)と、関節可動域データベース75上に記憶
された各椎間関節Jの可動域αθiとに基づいて、各椎
間関節Jの目標回旋角度βθiを、次式(3)に従って
算出する。
【0175】
【数3】 式(3)に従い、頭部角度θを各椎間関節Jの可動域α
θiの大きさに応じて比例配分して、目標回旋角度βθ
iを求めるのは以下の理由による。
【0176】着座者Mが、正面を向いた着座状態(非回
旋時)から頭部Hを回転させ、脊柱201を全体として
頭部角度θ分だけねじるためには、脊柱に25個存在す
る各椎間関節Jの角度変化量の総和を頭部角度θとする
必要があり、各椎間関節Jのねじり変形は前述のように
椎間間関節Jへの負荷となる。一方、各椎間関節Jの回
旋の可動域αθi(i=1,2,…,25)は、図23
に示すように部位により異なる。そこで、各椎間関節J
の目標回旋角度βθi(i=1,2,…25)を、βθ
i=θ×αθi/(Σαθj)とすれば、脊柱51全体
として頭部角度θだけねじれられるよう各椎間関節Jに
ねじり変形を分散させると共に、各椎間関節Jの角度変
化量をその椎間関節Jの変形し易さに応じて分布させる
ことができるためである。
【0177】図24に示すように、目標回旋角度βθ
は、正面を向いた着座姿勢(非回旋時)を基準(0)と
した第i−1椎体23(二点鎖線示)と第i椎体23
(実線示)との間の変化角度であり、目標角度算出部7
3は、算出した目標回旋角度βθiをねじれ角度算出部
77に入力する。
【0178】センサ位置データベース79上には、ポテ
ンショメータ66の取付位置に対応する椎体203が予
め特定され記憶されている。具体的には、着座者Mの体
格の個人差をできるだけ吸収するため、標準的な体型を
有する人間がシートSに着座したときに、シートバック
Sbの第i番目のポテンショメータ66には第Ni椎体
が対応するというように、各ポテンショメータ66の取
付位置に対応する椎体203の番号(Ni)が記憶され
ている。
【0179】ねじれ角度算出部77は、目標負荷算出部
73から入力された目標回旋角度βθiと、センサ位置
データベース79上に記憶された椎体203の番号(N
i)とに基づき、目標支持形状としてポテンショメータ
66の取付位置に対応する各椎体203の目標ねじれ角
度γiを、次式(4)に従って算出し、算出した目標支
持形状を支持形状制御部81に入力する。
【0180】
【数4】 式(4)に従い、目標ねじれ角度γiを求めるのは以下
の理由による。
【0181】脊柱201は、24個の椎体203が25
個の椎間板205によって回旋自在に連結されたもので
あるため、骨盤215のねじれ角度を0として骨盤20
5を原点とする座標系を設定すれば、上方からi番目の
ポテンショメータ66に対応する椎体203のねじれ角
度は、前式(4)によって算出できるからである。
【0182】支持形状制御部81は、出力変換器67か
ら入力されたシートバックSb中央部の検出ねじれ角度
γsiが、ねじれ角度算出部77の求めた目標ねじれ角
度γiとなるように、電磁弁19及びコンプレッサ21
を駆動制御する。
【0183】次に、この実施例の作用を図25に従って
説明する。図25は、コントローラ69のCPUの制御
を示すフローチャートである。
【0184】着座者MがイグニッションスイッチをON
すると、電磁弁19、コンプレッサ21、ポテンショメ
ータ66、出力変換器67、コントローラ69等がON
され、本制御が開始される。
【0185】ステップS41では、頭部角度検出器63
によって検出された頭部角度θがCPUの入力部71に
情報入力される。
【0186】ステップS42では、入力部71によって
頭部角度θが変更されたかどうかが判定され、頭部角度
θが変更されていない間は、ステップS41へ進み、支
持面1の形状を維持したまま再度頭部角度θの入力を受
ける。一方、頭部角度θが変更された場合は、ステップ
S43へ進む。
【0187】ステップS43では、ステップS41で入
力された頭部角度θと、関節可動域データベース75か
ら情報入力された各椎間関節Jの可動域αθiとに基づ
いて、ねじれ角度算出部73により、各椎間関節Jの目
標ねじれ角度βθiが前式(3)に従って算出される。
【0188】ステップS44では、ステップS43で算
出された各椎間関節Jの目標ねじれ角度βθi(i=
1,2,…,25)と、センサ位置データベース79か
ら入力された椎体203の番号(Ni)とに基づき、ね
じれ角度算出部77により、ポテンショメータ取付位置
における目標ねじれ角度γiが前式(4)に従って算出
される。
【0189】ステップS45では、ポテンショメータ6
6の計測値に基づき出力変換器67によって推定された
シートバック1中央部の検出ねじれ角度γsiが、入力
部71を介して支持形状制御部81に入力される。
【0190】ステップS46では、ステップS45で入
力された検出ねじれ角度γsiと、ステップS44で求
めた目標ねじれ角度γiとが一致しているか否かが、支
持形状制御部81によって判断される。一致していない
場合には、ステップS47へ進み、対応する部位におけ
る左右の空気袋65L,65Rのうち一方を増圧し他方
を減圧するように電磁弁19に信号出力され、支持面1
が目標支持形状に設定される。
【0191】なお、脊柱201のうち頸椎207(図3
2(a)参照)にはシートバックSbが接触しないた
め、頸椎207のねじれ角度に対応して支持面1の形状
を細かく設定することはできないが、胸椎209を支持
する支持面1が、胸椎209上部のねじれ角度を頭部角
度θに応じた適正な角度とする形状に設定されるため、
頸椎207全体でのねじれ角度は適性に保たれる。
【0192】一方、支持面1が目標の形状に設定された
ときは、ステップS41へ進み、再び本制御を繰り返
す。
【0193】以上説明してきたように、第3実施例によ
れば、着座者Mが頭部Hを回転したときの腰椎211お
よび胸椎209のねじり動作は、支持面1の形状が変更
される際の空気袋65の膨脹力によって補助されるの
で、着座者Mは頸椎207をねじる筋力を必要とするの
みで、上体を回旋させることができる。また、着座者M
が係る回旋姿勢を長時間持続した場合であっても、支持
面1が着座者Mの上体を回旋状態で支持するので、回旋
姿勢の持続に要する筋力は小さくて済む。従って、着座
者Mは、頭部Hの回転に伴う上体の回旋動作と回旋姿勢
の維持とを安楽に行うことができ、上体回旋時の疲労の
発生を抑制することができる。
【0194】脊柱51全体として頭部角度θだけ上体が
ねじれられるするよう歪みを分散させると共に、各椎間
関節Jのねじり量をその椎間関節Jの変形し易さに応じ
て分布させているので、ねじり変形し易い椎間関節Jは
大きく回旋させ、変形し難い椎間関節Jは小さく回旋さ
せ、全体として頭部角度θ分の回転量を得ることができ
る。従って、特定の部位に脊柱201の歪みが集中して
椎間関節Jの内部負荷が増大するのを防止して疲労の発
生を抑えつつ、必要な所望の回転量を確保することがで
きる。
【0195】頭部角度θを、頭部角度検出器63により
ヘッドレスト15の回転角度に近似して検出するので、
簡単な構成で頭部角度θを検出でき、構造の簡素化を図
ることができる。
【0196】次に、この発明の第4実施例について説明
する。
【0197】図26は第4実施例に係る車両のシート装
置を示す全体構成図、図27は、図26のヘッドレスト
調整用の入力パネルを示す拡大模式図、図28は図26
のコントローラを示すブロック構成図である。
【0198】この第4実施例は、着座者Mが頭部Hを向
けたい方向をマニュアル操作により入力し、これに応じ
てシートバックSbの形状及びヘッドレスト15の回転
角度を適切に変更するものであり、前記第3実施例と同
様の構成部分には、同一の符号を付してその説明を省略
する。
【0199】図26に示すように、シートバックSbの
上部にはヘッドレスト15がアーム23およびスライド
機構61を介してスライド回転自在に支持されている。
スライド機構61には、ヘッドレスト15を駆動し、ヘ
ッドレスト15の回転角度を所定の角度に設定可能な、
例えばモータ等のヘッドレストアクチュエータ85が設
けられている。
【0200】車室内には、ヘッドレスト調整用の入力パ
ネル87が設けられている。入力パネル87は、例えば
図示外のインストルメントパネルのように、着座者Mが
シートSの着座した状態で無理なく操作できる位置に設
けられている。
【0201】図27に示すように、ヘッドレスト調整用
の入力パネル87には、左側(Left)、正面(Fr
ont)、及び右側(Right)の表示と、この表示
に合わせて回転自在なボリューム87aとが設けられて
いる。着座者Mが、頭部Hを向けたい方向にボリューム
87aを設定すると、ボリューム87aの設定位置に応
じたヘッドレスト15の目標角度が、頭部Hの回転角度
(目標頭部角度θm)として入力パネル87から出力さ
れる。
【0202】図28に示すように、コントローラ89の
CPUには、第3実施例と同様に、入力部71、目標角
度算出部73、関節可動域データベース75、ねじれ角
度算出部77、センサ位置データベース79、支持形状
制御部81、および出力部83が設けられている。入力
部31には、ヘッドレスト調整用の入力パネル87及び
出力変換器67が接続され、出力部49には電磁弁1
9、コンプレッサ21、及びヘッドレストアクチュエー
タ85が接続されている。
【0203】目標角度算出部73は、入力パネル87か
ら入力部71を介して入力された目標頭部角度θmと、
関節可動域データベース75上に記憶された各椎間関節
Jの可動域αθiとに基づいて、各椎間関節Jの目標回
旋角度βθiを、次式(5)に従って算出する。
【0204】
【数5】 式(5)は、前式(3)において、着座者Mの頭部角度
θに代えて目標頭部角度θmを用いたものであるため、
第3実施例と同様に、脊柱51全体として目標頭部角度
θmだけねじれられるよう各椎間関節Jにねじり変形を
分散させると共に、各椎間関節Jの角度変化量をその椎
間関節Jの変形し易さに応じて分布させることができ
る。
【0205】ねじれ角度算出部77は、第3実施例と同
様に、目標負荷算出部73から入力された目標回旋角度
βθiと、センサ位置データベース79上に記憶された
椎体203の番号(Ni)とに基づき、ポテンショメー
タ66の取付位置に対応する各椎体203の目標ねじれ
角度γiを、前式(4)に従って算出する。
【0206】支持形状制御部81は、出力変換器67か
ら入力されたシートバックSb中央部のねじれ角度γs
iが、ねじれ角度算出部77から入力された目標ねじれ
角度γiとなるように、電磁弁19及びコンプレッサ2
1を駆動制御する。また、これと同時に、ヘッドレスト
15の回転角度が目標頭部角度θmとなるように、ヘッ
ドレストアクチュエータ85を駆動制御する。
【0207】次に、この実施例の作用を図29に従って
説明する。図29は、コントローラ89のCPUの制御
を示すフローチャートである。
【0208】着座者MがイグニッションスイッチをON
すると、電磁弁19、コンプレッサ21、ポテンショメ
ータ66、出力変換器67、ヘッドレストアクチュエー
タ85、入力パネル87、コントローラ89等がONさ
れ、本制御が開始される。
【0209】ステップS51では、入力パネル87に入
力された目標頭部角度θmがCPUの入力部71に情報
入力される。
【0210】ステップS52では、入力部71によって
目標頭部角度θmが変更されたかどうかが判定され、目
標頭部角度θmが変更されていない間は、ステップS5
1へ進み、支持面1の形状を維持したまま再度目標頭部
角度θmの入力を受ける。一方、目標頭部角度θmが変
更された場合は、ステップS53へ進む。
【0211】ステップS53では、ステップS51で入
力された目標頭部転角度θmと、関節可動域データベー
ス75から情報入力された各椎間関節Jの可動域αθ
とに基づいて、目標角度算出部73により、各椎間関節
Jの目標回旋角度βθiが前式(5)に従って算出され
る。
【0212】ステップS54では、ステップS53で算
出された各椎間関節Jの目標回旋角度βθiと、センサ
位置データベース79から入力された椎体の番号(N
i)とに基づき、ねじれ角度算出部77により、ポテン
ショメータ取付位置における目標ねじれ角度γiが前式
(4)に従って算出された後、ステップS55及びステ
ップS56へ進む。
【0213】ステップS55では、ヘッドレスト15の
回転角度が目標頭部角度θmとなるように、支持形状制
御部81によってヘッドレストアクチュエータ85が駆
動制御される。
【0214】ステップS56では、ポテンショメータ6
6の計測値に基づき出力変換器67によって推定された
シートバックSb中央部の検出ねじれ角度γsiが、入
力部71を介して支持形状制御部81に入力される。
【0215】ステップS57では、ステップS56で入
力された検出ねじれ角度γsiと、ステップS54で求
めた目標ねじれ角度γiとが一致しているか否かが、支
持形状制御部81によって判断される。一致していない
場合には、ステップS58へ進み、対応する部位におけ
る左右の空気袋65L,65Rのうち一方を増圧し他方
を減圧するように電磁弁19に信号出力され、支持面1
が目標支持形状に設定される。一方、支持面1が目標支
持形状に設定されたときは、ステップS51へ進み、再
び本制御を繰り返す。
【0216】以上説明してきたように、第4実施例によ
れば、第3実施例の作用効果に加えて、ヘッドレスト1
5が着座者Mの操作に応じてヘッドレストアクチュエー
タ85によって回転するため、ヘッドレスト15によっ
て、頭部H及び胸椎207のねじり動作が補助されると
共に、頭部H及び胸椎207がねじられた状態で支持さ
れる。すなわち、支持面1とヘッドレスト15とによっ
て、頸椎207を含む脊柱全体の回旋動作が補助され
る。従って、着座者Mは、頭部Hの回転に伴う上体の回
旋動作と回旋姿勢の維持とをより安楽に行うことがで
き、上体回旋時の疲労の発生をさらに抑制することがで
きる。
【0217】
【発明の効果】以上のように請求項1に記載の発明によ
れば、シートバックの支持面形状を、支持に関する情報
に基づいて各椎間関節に的確な負荷が付与されるような
目標脊柱形状とすることができるので、着座者の背部を
脊柱の形状に応じて良好に支持することができる。
【0218】請求項2に記載の発明によれば、請求項1
に記載の発明の効果に加えて、シートバックの支持面形
状を着座者の要求に応じた支持に関する好みや疲労に基
づく形状とすることができ、好みや疲労という個人差に
応じた支持を行うことができるので、着座者は、自分の
好みに合った快適な着座感を得ることができると共に、
椎間関節の内部負荷に起因した疲労を的確に緩和させる
ことができる。
【0219】請求項3に記載の発明によれば、請求項2
に記載の発明の効果に加えて、支持面形状を支持に関す
る好みの重みと疲労の重みとに基づく変化角度を呈する
ような形状とすることができ、着座者の要求に応じたよ
り細かな支持面形状の変更が可能となるので、着座差の
個人差にさらに細かく対応した支持を行うことができ
る。
【0220】請求項4に記載の発明によれば、請求項3
に記載の発明の効果に加えて、支持面形状を、疲労の発
生部位への負担が初期形状よりも所望量だけ減少し、且
つ好みに応じて所望量だけ変化した形状とすることがで
き、着座者の要求に応じてさらに細かな支持面形状の変
更が可能となるので、着座差の個人差にさらに細かく対
応した支持を行うことができる。
【0221】請求項5に記載の発明によれば、請求項4
に記載の発明の効果に加えて、頭部の傾きが初期形状か
ら変わらないように支持面形状を変更することができる
ので、着座者は注視方向を変えることなく着座姿勢のみ
を変更することができる。
【0222】請求項6に記載の発明によれば、請求項4
又は請求項5に記載の発明の効果に加えて、好みに応じ
て支持面形状を変更する場合、屈曲し易い椎間関節の変
化量は大きく、屈曲し難い椎間関節の変化量は小さくな
るように、支持面形状が変更されるので、支持面の形状
変更に伴う着座者への違和感を小さく抑えることができ
る。
【0223】請求項7に記載の発明によれば、請求項3
〜請求項6のいずれかに記載の発明の効果に加えて、車
両の走行状態に応じて疲労に対応する重み又は好みに対
応する重みが調整されるので、走行状態に応じた的確な
支持を行うことができる。
【0224】請求項8に記載の発明によれば、請求項7
に記載の発明の効果に加えて、車両走行中は、着座者が
疲労に対応する重みを変更した場合でも支持面形状が変
更されないので、着座者が車両走行中に極端な姿勢とな
るのを確実に防止することができる。また、走行開始前
又は開始直後は、着座者が疲労に対応する重みを変更し
た場合でも支持面形状が変更されないので、走行開始前
や開始直後の疲労未発生時に着座者が疲労に対応する重
みを誤って入力しても、係る誤った入力によって支持面
形状が変更されるのを確実に防止することができる。
【0225】請求項9に記載の発明によれば、請求項7
に記載の発明の効果に加えて、車両走行中は、新たに入
力された重みに基づく支持面形状により着座者が極端な
姿勢となるときは支持面形状が変更されず、極端な姿勢
にならない場合のみ支持面形状が変更されるので、車両
走行中であっても、極端な姿勢となるのを防止しつつ支
持面形状を所望の形状に変更することができる。
【0226】請求項10に記載の発明によれば、請求項
9に記載の発明の効果に加えて、着座者が極端な姿勢と
なるときは、表示手段が作動して着座者に入力変更を促
すので、極端な姿勢となるのを防止すべく支持面が変更
されない場合に、着座者はその原因をすぐに知って重み
の再入力を行うことができる。
【0227】請求項11に記載の発明によれば、請求項
3〜請求項10のいずれかに記載の発明の効果に加え
て、着座者は、好み又は疲労に関する重みの入力を行う
場合、頸椎、胸椎、及び腰椎の3部位に大別された好み
又は疲労の重み入力部を操作すれば良いので、簡単な構
成で、且つ簡単な操作によって所望の支持面形状を得る
ことができる。
【0228】請求項12に記載の発明によれば、請求項
1に記載の発明の効果に加えて、着座者の頭部の回転に
伴う脊柱のねじれ形状に対応した形状となり、支持面に
よって着座者の上体のねじり動作が補助されるので、着
座者は安楽に上体を回旋させることができる。また、支
持面によって上体がねじられた状態で支持されるので、
着座者は係る姿勢を安楽に持続させることができる。
【0229】請求項13に記載の発明によれば、請求項
12に記載の発明の効果に加えて、頭部の回転に伴う脊
柱全体のねじれ量が、各椎間関節のねじれ易さに応じて
分散されるので、特定の部位に脊柱の歪みが集中して椎
間関節の内部負荷が増大するのを防止して疲労の発生を
抑えつつ、必要な所望の回転量を確保することができ
る。
【0230】請求項14に記載の発明によれば、頭部の
回転角度としてヘッドレストの回転角度を検出するの
で、簡単な構成によって、請求項12又は請求項13に
記載の発明の効果を得ることができる。
【0231】請求項15に記載の発明によれば、請求項
14に記載の発明の効果に加えて、ヘッドレストの駆動
によって着座者の頭部が所定位置まで回転させられると
共に、所望の回転位置で頭部が支持されるので、ヘッド
レストによって着座者の頭部及び胸椎のねじり動作が補
助されると共に、頭部及び胸椎がねじられた状態で支持
される。従って、支持面とヘッドレストによって脊柱全
体の回旋動作が補助され、着座者は頭部の回転に伴う上
体の回旋動作と回旋姿勢の維持とをより安楽に行うこと
ができ、上体回旋時の疲労の発生をさらに抑制すること
ができる。
【0232】請求項16に記載の発明によれば、請求項
1〜請求項15のいずれかに記載の発明の効果に加え
て、支持面形状が標準的な体型を有する人間の脊柱形状
に基づいて変更されるので、脊柱形状の個人差を吸収し
た支持面形状とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のクレーム対応図である。
【図2】第1実施例の全体構成図である。
【図3】図2のコントローラのブロック構成図である。
【図4】図2の支持形状好み調整パネルの拡大模式図で
ある。
【図5】図2の疲労発生申告パネルの拡大模式図であ
る。
【図6】着座者から入力される重みと脊柱の各部位との
対応図である。
【図7】着座者から入力される重みと各椎間関節に配分
される重みとの対応図である。
【図8】椎間関節の屈曲の可動域を示す図である。
【図9】椎間関節の標準設定角度を示す模式図である。
【図10】脊柱形状の説明図であり、(a)は脊柱形状
の構成要素を示す模式図、(b)は標準的な体型を有す
る人間の脊柱形状の構成要素の値を示す図である。
【図11】胸椎を初期状態よりも後方に下げて支持した
ときの脊柱の状態を示す模式図である。
【図12】胸椎における椎体関節の変化角度を初期状態
よりも小さくなるように支持したときの脊柱の状態を示
す模式図である。
【図13】第1実施例のフローチャートである。
【図14】第2実施例の全体構成図である。
【図15】図14のコントローラのブロック構成図であ
る。
【図16】第2実施例のフローチャートである。
【図17】第3実施例の全体構成図である。
【図18】図17のヘッドレストの内部構造を模式的に
示す平面図である。
【図19】着座者の頭部回転角を示す平面図である。
【図20】図17の空気袋の配設位置を示すシートの斜
視図である。
【図21】図17のシートバックの内部構造を模式的に
示す平面図である。
【図22】図17のコントローラのブロック構成図であ
る。
【図23】椎間関節の回旋の可動域を示す図である。
【図24】椎間関節の目標回旋角度を示す模式図であ
る。
【図25】第3実施例のフローチャートである。
【図26】第4実施例の全体構成図である。
【図27】図26のヘッドレスト調整用パネルを示す拡
大模式図である。
【図28】図26のコントローラのブロック構成図であ
る。
【図29】第4実施例のフローチャートである。
【図30】従来例を示す模式図である。
【図31】他の従来例を示す斜視図である。
【図32】人間の脊柱構造を示す模式図であり、(a)
は全体構造図、(b)は要部拡大図である。
【図33】人間の姿勢と椎間関節に加わる負荷との関係
図である。
【図34】人間の姿勢と脊柱形状との関係図である。
【図35】いわゆる無負荷状態の脊柱を示す模式図であ
り、(a)は全体図、(b)は要部拡大図である。
【図36】前屈状態の脊柱を示す模式図であり、(a)
は全体図、(b)は要部拡大図である。
【図37】上体を回旋させたときの椎体の上体を示す模
式図であり、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【符号の説明】
CL1 支持面形状設定手段 CL2 支持面形状検出手段 CL3 支持情報設定手段 CL4 目標負荷判定手段 CL5 目標形状判定手段 CL6 制御手段 Sb シートバック Sc シートクッション

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 着座者の尻部を支持するシートクッショ
    ンと、 前記着座者の背部を支持面で支持するシートバックと、 前記支持面の形状を変更して設定可能な支持面形状設定
    手段と、 前記支持面の形状を検出する支持面形状検出手段と、 前記着座者の支持に関する情報が入力又は検出によって
    設定される支持情報設定手段と、 この支持情報設定手段に設定された支持に関する情報に
    基づいて前記着座者の脊柱を構成する複数の椎間関節の
    それぞれに付与すべき目標負荷を求める目標負荷判定手
    段と、 この目標負荷判定手段の求めた目標負荷に基づいて前記
    着座者の目標脊柱形状を求める目標形状判定手段と、 前記支持面検出手段の検出した支持面形状が前記目標形
    状判定手段の求めた目標脊柱形状となるように前記支持
    面形状設定手段を制御する制御手段とを備えたことを特
    徴とする車両のシート装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の車両のシート装置であ
    って、 前記支持情報設定手段に設定される支持に関する情報
    は、前記着座者によって入力される支持に関する好み又
    は疲労の少なくとも一方であることを特徴とする車両の
    シート装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の車両のシート装置であ
    って、 前記支持情報設定手段には、前記支持に関する好みと疲
    労とが前記椎間関節に対する重みとしてそれぞれ入力さ
    れ、 前記目標負荷判定手段は、前記好みに対応する重みと疲
    労に対応する重みとに基づき、前記目標負荷として各椎
    間関節の無負荷状態からの変化角度を求めることを特徴
    とする車両のシート装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の車両のシート装置であ
    って、 前記シートバックを所定の初期形状としたときの各椎間
    関節の無負荷状態からの変化角度が標準設定角度として
    設定される標準形状設定手段を設け、 前記目標負荷判定手段は、前記疲労に対応する重みに基
    づいて椎間関節の無負荷状態からの変化角度を疲労入力
    に対応する設定角度として前記標準設定角度よりも小さ
    くなるように算出すると共に、前記好みに対応する重み
    に基づいて椎間関節の前記標準設定角度からの角度変化
    量を好み入力に対応する調整角度として算出し、該疲労
    入力に対応する設定角度と好み入力に対応する調整角度
    との和を前記目標負荷として算出することを特徴とする
    車両のシート装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の車両のシート装置であ
    って、 前記目標負荷判定手段は、前記疲労入力に対応する設定
    角度と前記好み入力に対応する調整角度との脊柱全体に
    おける総和が、前記標準設定角度の脊柱全体における総
    和と等しくなるように算出することを特徴とする車両の
    シート装置。
  6. 【請求項6】 請求項4又は請求項5に記載の車両のシ
    ート装置であって、 前記目標負荷判定手段は、前記好み入力に対応する調整
    角度を椎間関節の屈曲の可動域の大きさに応じて算出す
    ることを特徴とする車両のシート装置。
  7. 【請求項7】 請求項3〜請求項6のいずれかに記載の
    車両のシート装置であって、 車両の走行状態を検出する走行状態検出手段を設け、 前記目標負荷判定手段は、前記走行状態検出手段の検出
    した車両の状態に応じて前記疲労に対応する重み又は好
    みに対応する重みを調整することを特徴とする車両のシ
    ート装置。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の車両のシート装置であ
    って、 前記目標負荷判定手段は、前記走行状態検出手段の検出
    した車両の状態が走行中の場合は前記好みに対応する重
    みを走行開始前の値に固定し、走行開始前又は開始直後
    の場合は前記疲労に対応する重みを0とすることを特徴
    とする車両のシート装置。
  9. 【請求項9】 請求項7記載の車両のシート装置であっ
    て、 前記目標負荷判定手段は、前記走行状態検出手段の検出
    した車両の状態が走行中の場合、前記重みに基づき求め
    た各椎間関節の変化角度による姿勢が極端な姿勢となる
    ときは、該重みに基づく各椎間関節の変化角度を前記目
    標形状判定手段に出力しないことを特徴とする車両のシ
    ート装置。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の車両のシート装置であ
    って、 前記着座者に前記重みの入力変更を促す表示を行う表示
    手段を設け、 前記目標負荷判定手段は、前記重みに基づき求めた各椎
    間関節の変化角度による姿勢が極端な姿勢となるとき
    は、前記表示手段を作動して前記着座者に入力変更を促
    すことを特徴とする車両のシート装置。
  11. 【請求項11】 請求項3〜請求項10のいずれかに記
    載の車両のシート装置であって、 前記支持情報設定手段は、前記脊柱を頸椎、胸椎、及び
    腰椎の3部位に大別し、該3部位に対応して好みに関す
    る重み及び疲労に関する重みの入力が可能な6つの重み
    入力部を有し、 前記目標負荷判定手段は、前記6つの重み入力部に入力
    された重みを各椎間関節への重みに配分することを特徴
    とする車両のシート装置。
  12. 【請求項12】 請求項1に記載の車両のシート装置で
    あって、 前記支持情報設定手段に設定される支持に関する情報
    は、前記着座者の頭部の回転角度であることを特徴とす
    る車両のシート装置。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載の車両のシート装置
    であって、 前記目標負荷判定手段の算出する目標負荷は、前記支持
    情報設定手段に設定された頭部の回転角度を各椎間関節
    の回旋の可動域の大きさに応じて比例配分した各椎間関
    節のねじれ角度であることを特徴とする車両のシート装
    置。
  14. 【請求項14】 請求項12又は請求項13に記載の車
    両のシート装置であって、 前記シートバックの上部に、前記着座者の頭部を支持し
    該頭部と共に回転するヘッドレストを設け、 前記支持情報設定手段は、前記頭部の回転角度として前
    記ヘッドレストの回転角度を検出することを特徴とする
    車両のシート装置。
  15. 【請求項15】 請求項14に記載の車両のシート装置
    であって、 前記着座者からの操作に応じて前記ヘッドレストを所定
    量回転させるヘッドレスト駆動手段を設けたことを特徴
    とする車両のシート装置。
  16. 【請求項16】 請求項1〜請求項15のいずれかに記
    載の車両のシート装置であって、 前記目標形状判定手段は、予め記憶された標準的な体型
    を有する人間の脊柱形状に基づいて前記目標脊柱形状を
    求めることを特徴とする車両のシート装置。
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